JP5425698B2 - フレキシブルフィルムとそれを有する金属箔及びそれを用いたプリント配線基板 - Google Patents
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- 0 C*C([C@@](C*)(**)C(C(C*)C(N1CNC(C)C)=O)C1=O)=C(C)CC* Chemical compound C*C([C@@](C*)(**)C(C(C*)C(N1CNC(C)C)=O)C1=O)=C(C)CC* 0.000 description 2
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Description
このような樹脂付金属箔としては、一般にエポキシ樹脂に可撓性を付与するためのポリマー成分を混合したものからなる樹脂層を金属箔上に形成したものが用いられており、例えば、銅箔の片面に樹脂層を備え、樹脂層を構成する樹脂組成がエポキシ樹脂と分子中に架橋可能な官能基を有する高分子ポリマーおよびその架橋剤と、更に、特定の構造を有する芳香族ポリマーとを特定の割合で配合したものである樹脂銅箔が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
XaYbZcSiOd (1)
(式中、Xは、同一若しくは異なって、イミド結合を含む有機骨格を表し、Yは、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも一つを表し、Zは、同一若しくは異なって、イミド結合を含まない有機基を表す。Rは、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表し、置換基があってもよい。a、b及びcは、0又は3未満の数であり、dは、0でない2未満の数であり、a+b+c+2d=4である。)で表されるシラン化合物を含むことを特徴とする樹脂付金属箔である。
以下に本発明を詳述する。
これらの中でも、ビフェノール、ナフトール骨格を含有するエポキシ樹脂、キシリレン骨格あるいはビフェニレン骨格により架橋されたノボラック型エポキシ樹脂が、架橋密度が少ないながらも骨格に起因する長期耐熱寿命と可撓性とを兼ね備える点で好ましい。より好ましくは、ビフェノール、ナフトール骨格を含有するエポキシ樹脂、キシリレン骨格あるいはビフェニレン骨格により架橋されたノボラック型エポキシ樹脂であってエポキシ当量が220g/mol以上400g/mol以下であるものである。
XaYbZcSiOd (1)
(式中、Xは、同一若しくは異なって、イミド結合を含む有機骨格を表し、Yは、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも一つを表し、Zは、同一若しくは異なって、イミド結合を含まない有機基を表す。Rは、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表し、置換基があってもよい。a、b及びcは、0又は3未満の数であり、dは、0でない2未満の数であり、a+b+c+2d=4である。)で表されるシラン化合物を含むものである。
このようなシラン化合物を含むことで、樹脂組成物の耐熱性、耐圧性、耐湿性や機械的・化学的安定性が向上し、このような樹脂組成物を用いた樹脂付金属箔を高温、高圧等の環境下においても、変形や接着力の低下が抑制された耐環境性に優れたものとすることができる。
また、シラン化合物は、構造中にシロキサン結合(シロキサン骨格)を有するものを含むことが好ましい。シラン化合物がシロキサン結合を有するものを含むと、シラン化合物がこれらの各種特性により優れたものとなるため、樹脂付金属箔をより耐環境性に優れたものとすることができる。
T型シロキサン構造体における有機基Rとしては、メチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等のアルキル基;3−フルオロプロピル基、等のフッ化アルキル基;2−メルカプトプロピル基等のメルカプト基含有アルキル基;2−アミノエチル基、2−ジメチルアミノメチル基、3−アミノプロピル基、3−ジメチルアミノプロピル基等のアミノ基含有アルキル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等のエポキシ基含有有機基;ビニル基、3−(メタ)アクリルオキシプロピル基等の不飽和基含有有機基等が挙げられる。これらの中でも、アミノ基含有アルキル基、アリール基、アラルキル基、エポキシ基含有有機基が好ましい。また、これらの構造の他、有機基Rとしては、後述する式(3)〜(7)で表される構造も好ましい。
有機基Rを有する加水分解性シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類;メチルトリアセチルオキシシラン、エチルトリアセチルオキシシラン等のトリアシルオキシシラン類;ジメチルジアセチルオキシシラン、ジエチルジアセチルオキシシラン等のジアシルオキシシラン類が挙げられ、これらのう1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン等の芳香環を備えるアルコキシシラン化合物は、多価フェノールとの親和性が高く、シラン化合物を樹脂組成物中で微分散させるのに効果的であり、好ましい。また、3−アミノプロピルトリメトキシシランや、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等、多価フェノール中のヒドロキシル基との反応性を有する官能基を持つアルコキシシラン化合物も好ましい。また、これらの他、有機基Rとして、後述する式(3)〜(7)で表される構造を有する加水分解性シラン化合物も好ましい。
このように、シラン化合物が、T型シロキサン構造体、Q型シロキサン構造体の少なくとも1つを含み、T型構造体とQ型構造体とのモル比率が100/0〜30/70であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
T型構造体とQ型構造体とのモル比率は、より好ましくは、100/0〜35/65であり、更に好ましくは、100/0〜40/60である。
シラン化合物において、「イミド結合を有する有機骨格」とは、イミド結合を必須とするものであれば特に限定されないが、(1)イミド構造と炭素数1〜6のアルキレン基とを含む構造、(2)イミド構造と2級アミノ基とを含む構造、(3)イミド構造と3級アミノ基とを含む構造等が好ましい。中でも(1)イミド構造と炭素数1〜6のアルキレン基とを含む構造が熱的安定性が高いシラン化合物になる点でより好ましい。
以下においては、構造中にシロキサン結合を有し、更にイミド結合を含む有機骨格を有するシラン化合物をシラン化合物(i)と記載する。
上記シラン化合物(i)の耐熱性の観点からは、a≦1.0であることが好ましい。1.0<aである場合、Xとは異なる他の官能基がSiと結合することとなり、耐熱性が劣化するおそれがある。上述したことから、より優れた耐熱性を得るとともに、有機樹脂への溶解性を向上させ、かつ耐加水分解性に優れる観点から、Xの係数aとしては、0.2≦a≦1.0を満たすことが好ましい。より好ましくは、0.3≦a≦1.0であり、更に好ましくは、0.4≦a≦1.0であり、特に好ましくは、0.5≦a≦1.0である。また、上記平均組成式において、a+b+cが0.5以上であることが好ましく、より好ましくは、0.7以上であり、更に好ましくは、0.7以上1.0以下であり、特に好ましくは、1である。また、酸素の係数であるdは1.5以上であり1.9以下であることが好ましく、より好ましくは、1.5以上1.8であり、更に好ましくは、1.5以上1.75以下であることが特に好適である。
[Si−OH結合モル数]/[Si−O結合モル数] (α)
これによれば、上記シラン化合物(i)を含む組成物が著しく低粘度化し、また、該組成物やその硬化物が耐吸湿性に極めて優れたものとすることができる。上記計算式(α)で求められるシラノール基量として、より好ましくは、0.05以下であり、更に好ましくは、0.01以下である。特に好ましくは、上記シラン化合物(i)が、残存シラノール基を有さないものである。残存シラノール量は、被検体をテトラメチルジシラザン等のシリル化剤をもちいてシリル化した後に1H−NMR又は13C−NMRで積分値を求めて算出する、あるいは無水酢酸などのアセチル化剤をもちいてアセチル化した後に1H−NMRまたは13C−NMRで積分値を求めて算出することにより算出できる。ここで、[Si−OH結合モル数]とは、SiとOHとの結合数をモル数で表すものである。例えば、1モルのSi原子のそれぞれに2つのOH基が結合している場合には、[Si−OH結合モル数]は2モルとなる。Si−O結合モル数についても同様に数えるものとする。
上記R2〜R5としては、全てが水素原子である形態が好ましい。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上記R6〜R9及びR6´〜R9´としては、R7若しくはR8がメチル基で残りの全てが水素原子である形態、又は、R6〜R9及びR6´〜R9´全てが水素原子である形態、又は、R6〜R9及びR6´〜R9´全てがフッ素原子である形態が好ましい。より好ましくは、R7又はR8がメチル基で残りの全てが水素原子である形態である。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上記R10〜R15としては、全てが水素原子である形態、又は、全てがフッ素原子である形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上記R16〜R21としては、全てが水素原子である形態、全てがフッ素原子である形態、又は、全てが塩素原子である形態のいずれかの形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上記R22〜R25、R22´及びR25´としては、全てが水素原子である形態、全てがフッ素原子である形態、又は、全てが塩素原子である形態のいずれかの形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記x、y及びzは、上述と同様であることが好ましい。
上記R26は、上記シラン化合物(2)において説明したR1と同様であることが好ましい。
これらの化合物の構造は、1H−NMR、13C−NMRを測定して同定可能であり、特にシルセスキオキサンについてはMALDI−TOF−MSを測定して同定することもできる。
[Si−OHモル数]/[Si−O結合モル数] (α)
これにより、上記シラン化合物を含む組成物が著しく低粘度化し、また、該組成物やその硬化物が耐吸湿性に極めて優れたものとなるという上記作用効果を更に充分に発揮させることが可能となる。更に好ましくは、0.05以下であり、特に好ましくは、0.01以下である。最も好ましくは、上記シラン化合物が、残存シラノール基を有さないものである。
この場合、上記平均組成式において、a+b+cが0.3以上であることが好ましく、より好ましくは、0.5以上であり、更に好ましくは、0.7以上1.0以下であり、特に好ましくは、1である。また、酸素の係数であるdは1.5以上であり1.9以下であることが好ましく、より好ましくは、1.5以上1.8であり、更に好ましくは、1.5以上1.75以下であることが特に好適である。
シラン化合物の平均粒子径は、粒度分布測定装置(装置名:LB−500、堀場製作所社製)を用いて測定することができる。
X´aYbZcSiOd (9)
(式中、X´は、同一若しくは異なって、アミド結合を含む有機骨格を表し、Zは、同一若しくは異なって、アミド結合を含まない有機基を表し、Yは、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも一つを表す。Rは、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表し、置換基があってもよい。aは、0でない3以下の数であり、bは、0又は3未満の数であり、cは、0又は3未満の数であり、dは、0でない2未満の数であり、a+b+c+2d=4である。)におけるX´が、下記式(10):
反応時間としては、反応温度、反応組成によって変わるが、2〜48時間程度が好適である。
すなわち、このような製造方法(製造方法(II)ともいう。)は、イミド化工程(I)に加えて、上記式(11)で表される中間体(中間体(11)ともいう)から中間体(10)を得る工程(工程(II−1)ともいう)を含むこととなる。なお、上記R28、x、y及びzは、上記シラン化合物(2)において説明したR1、x、y及びzとそれぞれ同様であることが好ましい。また、R29及びR30は、上記R29及びR30と同様であることが好ましい。pは0又は1が好適である。
上記工程(II−1)を含むと、中間体(10)の前駆体として親水性の高い中間体(11)を経るため、アルコキシシリル基の加水分解・重縮合反応の反応効率が高くなり、ポリシロキサン骨格の重合度を上げやすいという利点がある。
上記工程(II−1)においては、中間体(11)を水又は水を有する有機溶媒と混合させて中間体(11)を加水分解・縮合することになる。
このような加水分解・縮合反応により、加水分解・縮合物であるポリシロキサン骨格を形成することができることになる。加水分解・縮合物とは、加水分解反応により得られたものを更に縮合反応することによって得られる化合物をいう。
以下に、中間体(11)の加水分解反応及び縮合反応を示す。
SiR29 p(OH)3−p→SiR29 p(OH)eOu→SiR29 pO2/u(縮合物)
(式中、R29、R30´及びpは、上述したとおりである。e及びuは任意の数値である。)
このように中間体(11)を加水分解・縮合することにより、ポリシロキサン骨格の重合度が高い中間体(10)を得ることができることとなる。
上記水の使用形態としては、中間体(11)に滴下する形態でもよいし、一括投入する形態でもよい。
上記工程(III−1)における水分濃度としては、酸無水物の有水化により目的化合物の収率が低下するため、溶剤及び反応装置はよく乾燥しておき、反応中は乾燥窒素ガスを流通させる方が好ましい。溶剤の乾燥はモレキュラーシーブ、無水硫酸マグネシウム、無水塩化カルシウムなど公知公用の脱水剤を用いてもよいし、反応前に蒸留をかけるなどしてもよい。
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類;テトラアセチルオキシシラン、テトラプロピオニルオキシシラン等のテトラアシルオキシシラン類;メチルトリアセチルオキシシラン、エチルトリアセチルオキシシラン等のトリアシルオキシシラン類;ジメチルジアセチルオキシシラン、ジエチルジアセチルオキシシラン等のジアシルオキシシラン類等。
これらの中でも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。このようにシリコンアルコキシドを含有してなることが好ましい。また、トリアルコキシシラン類であることがより好ましい。
エポキシ樹脂以外のポリマー成分としては、(変性)ポリエチレン系樹脂、(変性)ポリプロピレン系樹脂、ABS系樹脂、AES系樹脂、AAS樹脂、メタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂(熱可塑性ポリアミド系エラストマーを含む)、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(熱可塑性ポリウレタン系エラストマーを含む)、ポリアセタール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(熱可塑性ポリエステル系エラストマーを含む)、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂等の熱可塑性樹脂;メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ビニルエーテル樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリアニリン樹脂などの熱硬化性樹脂が好適であり、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などは有機樹脂の金属箔への塗布性を保ちつつ硬化樹脂層の耐熱性を向上させることからより好適である。これらの樹脂は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
マレイミド化合物としては、ビスマレイミド、例えば、N,N´−エチレンビスマレイミド、N,N´−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N´−m−フェニレンビスマレイミド、N,N´−p−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N´−p,p´−ジフェニルジメチルシリルビスマレイミド、N,N´−4,4´−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N´−メチレンビス(3−クロロ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N´−4,4´−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N´−4,4´−ジシクロヘキシルメタンビスマレイミド、N,N´−ジメチレンシクロヘキサンビスマレイミド、N,N´−m−キシレンビスマレイミド、N,N´−4,4´−ジフェニルシクロヘキサンビスマレイミド、N−フェニルマレイミドとホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアルデヒドなどのアルデヒド化合物との共縮合物が好適である。
溶剤の含有量としては、樹脂組成物100質量%中、25〜60質量%であることが好ましい。すなわち、樹脂組成物100質量%中、不揮発分濃度が75〜40質量%であることが好ましい。溶剤の割合が25質量%より少ないと、樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて塗布できない可能性がある。また、60質量%より多いと、乾燥後の塗膜厚さが極端に薄くなり好ましくない。より好ましくは、30〜55質量%である。
硬化剤の含有量としては、樹脂組成物100質量%中、1〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは、2〜25質量%である。
硬化促進剤の含有量としては、樹脂組成物100質量%中、0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.2〜8質量%である。
これらの成分の含有量としては、樹脂組成物100質量%中、0.05〜2質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜1.5質量%である。
樹脂組成物の粘度は、B型粘度計((株)東京計器製)により測定することができる。
樹脂組成物を金属箔上に塗布する方法は、特に制限されず、公知公用の塗工機やバーコーター、アプリケーター、などの手塗り器具等を用いることができる。
また、乾燥時間は、1〜20分であることが好ましい。より好ましくは、3〜15分である。
また、フィルム基材上に樹脂層を形成する場合の樹脂層の好ましい厚みは、金属箔上に樹脂層を形成する場合と同様であり、樹脂フィルムの好ましい厚みも、上記金属箔の厚みと同様である。
本発明の接着フィルムもまた、以下のような特性を満たすことが好ましい。このような特性を満たすものであると、高温や多湿等の苛酷な環境下においても優れた接着力を発揮する接着フィルムとなる。
このような特性を満たす樹脂付金属箔、接着フィルムは、上述した樹脂組成物を構成する各成分についての好ましい形態を適宜組み合わせて得られた樹脂組成物からなる樹脂層を備えたものとすることによって得ることができる。より具体的には、エポキシ樹脂と、シラン化合物として構造中にシロキサン結合を有し、イミド結合を含む有機骨格を有するものを上述した好ましい配合割合で含み、更に必要に応じて、上述したポリマー成分やマレイミド化合物等のその他の成分として好ましいものを適宜配合した樹脂組成物からなる樹脂層を備えたものとすることにより得ることができる。
本発明の樹脂付金属箔を硬化させて形成される樹脂硬化膜は、ガラス転移温度が110℃以上であることが好ましい。より好ましくは、130℃である。
ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置により測定することができる。
また、本発明の樹脂付金属箔を硬化させて形成される樹脂硬化膜は、JIS R3251に準じて測定した厚さ方向の線膨張係数がTg以下の温度領域で100ppmより小さい値であり、Tgより高い温度領域で200ppmより小さい値であることが好ましい。より好ましくはTg以下の温度領域で80ppmより小さい値である。
厚さ方向の線膨張係数は、レーザー熱膨張計(品番:LIX−1、アルバック理工社製)を用いて測定することができる。
更に、本発明の樹脂付金属箔を硬化させて形成される樹脂硬化膜は、JIS C6481に準じて測定したピール強度が2.0N/mm以上であることが好ましい。より好ましくは、2.2N/mm以上であり、更に好ましくは、2.5N/mm以上である。
1H−NMR、13C−NMR:400MHZ、バリアンインスツルメンツ社製
MALDI−TOF−MS:KRATOS AXIMA−CFR(島津製作所社製)
ポリ〔(cis−4−シクロヘキセン−1,2−イミド)プロピルシルセスキオキサン〕の合成
攪拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた500mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム103.7gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン177.6gを投入し、攪拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に80℃に反応液温度を維持しながらcis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物150.7gを30分かけて4分割投入した。投入終了後3時間でcis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
反応生成物をサンプリングして1H−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定し、化学式(13)の化合物を含有することを確認した。
13C−NMR:9.1、22.2、25.5、26.8、40.6、42.3、43.1、44.7、131.7、168.8、172.7
MALDI−TOF−MS:338(M+Li)
反応生成物は不揮発分74.3%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2041、重量平均分子量2838であった。1H−NMR、13C−NMRを測定し、化学式(14)の化合物を含有することを確認した。
1H−NMR:0.25−0.55(bs、2H)、1.3−1.5(bs、2H)、2.0−2.5(dd、4H)、2.9−3.1(bs、2H)、3.2―3.35(bs、2H)、5.65−5.8(bs、2H)
13C−NMR:10.0、21.0、23.8、39.0、41.1、127.8、180.5
ポリ{γ−(5−ノルボルネン−2,3−イミド)プロピルシルセスキオキサン} の合成
攪拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた300mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム35.1gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン30.8gを投入し、攪拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に100℃のまま反応液温度を維持しながら5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物28.2gを30分かけて4分割投入した。投入終了後9時間で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
反応生成物をサンプリングして1H−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定し、化学式(15)の化合物を含有することを確認した。
13C−NMR:8.1、21.2、40.6、44.9、45.8、50.3、50.6、52.3、134.5、177.8、178.1
MALDI−TOF−MS:350(M+Li)
反応生成物は不揮発分58.2%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2340、重量平均分子量2570であった。1H−NMR、13C−NMRを測定し、化学式(16)の化合物を含有することを確認した。
13C−NMR:9.7、21.5、40.4、44.9、45.7、50.1、134.2、178.0
γ−(5−ノルボルネン−2,3−イミド)プロピルトリメトキシシランとテトラメトキシシランの加水分解共縮合体の合成
攪拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた300mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したN,N´−ジメチルホルムアミド98gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン58.0gとテトラメトキシシラン49.2gを投入し、攪拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に100℃のまま反応液温度を維持しながら5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物53.6gを30分かけて4分割投入した。投入終了後9時間で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。続いて脱イオン水40.8gを一括投入し冷却管で副生メタノールの還流が掛かるように昇温し、95℃で10時間保持したのち、冷却管をパーシャルコンデンサーに付け替えて再び昇温を開始し、副生メタノールおよび縮合水を回収しながら3時間かけて反応液温度を120℃に到達させた。120℃到達時にピリジン1.4gを投入してそのまま昇温を開始し、縮合水を回収しながら3時間かけて160℃に到達、同温度で2時間保持して室温まで冷却した。
反応生成物は不揮発分60.3%で濃褐色高粘度液体であり、1H−NMR、13C−NMRを測定したところ、以下のピークが確認されたことから生成物はγ−(5−ノルボルネン−2,3−イミド)プロピル基を含有することを確認した。
1H−NMR:0.25−0.45(bs、2H)、1.2−1.45(bs、2H)、1.47(dd、2H)、3.0−3.2(bs、4H)、3.4―3.6(bs、2H)、5.8−6.0(bs、2H)
13C−NMR:9.7、21.5、40.4、44.9、45.7、50.1、134.2、178.0
さらに粒度分布測定装置(装置名:LB−500、堀場製作所社製)を用いて粒度分布を測定したところ、平均粒径が8nmのナノ粒子となっていることを確認した。
合成例1〜3で得られた化合物を用いて表1〜3に記載のワニスを調製したのち、アプリケーターを用いて厚さ12μmのロープロファイル電解銅箔(福田金属箔粉工業社製、品番「CF−T9D−SV」、Rz:1.1μm)上に塗布した後に、160℃に調温した循環熱風オーブン中で3分間放置して乾燥することにより、樹脂付銅箔を得た。樹脂層の乾燥後の厚さは60μmとなるように塗布厚を調整した。塗布後、樹脂付銅箔から樹脂層のみを剥離して取り出し、窒素雰囲気下200℃×1時間放置による樹脂層の重量変化を測定することにより樹脂層中に揮発分含有率を確認したところ、いずれも1%以下であることが確認できた。
上記により得られた樹脂付銅箔の樹脂面を張り合わせて真空プレス機を用いて30Torr以下の減圧下で200℃、2時間、1.5MPaの条件で処理して樹脂硬化膜を得た。
樹脂硬化膜のガラス転移温度測定は、動的粘弾性測定により行った。
樹脂硬化膜の熱的特性については、10mm×10mmに切り出した硬化片を60℃に調温された25%塩化鉄(II)水溶液中に浸漬して銅箔をエッチングし、60℃の乾燥機中に1時間放置して樹脂硬化膜のみとしたのち、厚さ方向の線膨張特性を調べた。測定装置としてはレーザー熱膨張計(アルバック理工社製、品番「LIX−1」)を用い、測定条件はJIS R3251に準じた。表1中、α1は、Tg以下の温度領域での線膨張係数であり、α2は、Tgより高い温度領域での線膨張係数である。
銅箔の接着性については長さ100mm×幅10mmに調整し、銅箔の一端をはがして引っ張り試験機に固定してピール強度を測定することにより評価した。測定条件はJIS C6481に準じた。
吸湿特性についてはプレッシャークッカーを用いて121℃×2時間×0.2MPaの飽和水蒸気雰囲気中に放置した後、処理前後での重量変化を調べて吸湿率を算出することにより評価した。
ポリマー成分1:ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂、商品名「jer YX8100BH30」、Tg150℃、重量平均分子量38,000、NV30% (*NVは、不揮発分濃度を意味する。以下においても同様である。)
ポリマー成分2:東都化成社製フェノキシ樹脂、商品名「フェノトートFX−293」、Tg163℃、重量平均分子量44,000、NV100%
ポリマー成分3:東洋紡績社製ポリアミドイミド樹脂、商品名「バイロマックスHR−15ET」、Tg260℃、重量平均分子量69,000、NV25%
ポリマー成分4:東都化成社製フェノキシ樹脂、商品名「フェノトートYP−50S」、Tg90℃、重量平均分子量41,000、NV100%
エポキシ樹脂1:日本化薬社製、商品名「NC−3000H」
エポキシ樹脂2:DIC社製、商品名「EXA−9900」
エポキシ樹脂3:ジャパンエポキシレジン社製、商品名「jer YX4000H」、
エポキシ硬化剤1:日本化薬社製フェノール系硬化剤、商品名「GPH−103」
エポキシ硬化剤2:4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、和歌山精化社製、商品名「セイカキュア−S」
ビスマレイミド:大和化成工業社製、商品名「BMI−2300」
硬化促進剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール
ナノ成分1:合成例1記載の生成物
ナノ成分2:合成例2記載の生成物
ナノ成分3:合成例3記載の生成物
実施例と比較例を比べると、本発明の化合物を含有する樹脂組成物を用いることで硬化物の線膨張係数が低下し特にTg以上の温度領域での低下が顕著であった。ナノ成分が含有されることで膨張収縮により発生する内部応力が緩和されるためであると推察され、これによる効果として銅箔に対する接着強度の向上も確認できた。
なお、上記実施例、比較例においては、ポリマー成分、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、ナノ成分、ビスマレイミド、及び、硬化促進剤の各構成成分について、それぞれ1〜4種類を用いて組成物を製造した例が示されているが、これらの組成物中における基本的な作用機構は、すべて同様であることから、上記実施例、比較例の結果から、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。
Claims (5)
- 金属箔の少なくとも一方の面に、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂層を備えた構造を有する樹脂付金属箔であって、
該樹脂組成物は、下記平均組成式(1):
XaYbZcSiOd (1)
(式中、Xは、同一若しくは異なって、イミド結合を含む有機骨格を表し、Yは、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも一つを表し、Zは、同一若しくは異なって、イミド結合を含まない有機基を表す。Rは、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表し、置換基があってもよい。aは、0でない3以下の数であり、b及びcは、0又は3未満の数であり、dは、0でない2未満の数であり、a+b+c+2d=4である。)で表されるシラン化合物と、フェノキシ樹脂及び/又はポリアミドイミド系樹脂とを含むことを特徴とする樹脂付金属箔。 - 前記シラン化合物は、T型シロキサン構造体、Q型シロキサン構造体の少なくとも1つを含み、T型構造体とQ型構造体とのモル比率が100/0〜30/70であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂付金属箔。
- 前記シラン化合物は、シルセスキオキサンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂付金属箔。
- 前記金属箔は、銅箔であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂付金属箔。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂付金属箔を用いてなることを特徴とするプリント配線基板。
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