JP4198935B2 - 二官能性エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

二官能性エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高耐熱性、高耐湿性及び高靭性に優れた新規なエポキシ樹脂並びにこのエポキシ樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物及びそれを硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、フィルム状又はシート状のエポキシ樹脂硬化物を得る際に用いるエポキシ樹脂としては、フェノキシ樹脂に代表される高分子量エポキシ樹脂が必須成分として用いられている。フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA又はビスフェノールFを主骨格としたものが広く使用されてきているが、耐熱性、耐湿性に問題があった。例えば、特開平7−202418号公報には、ビスフェノールA型の高分子エポキシ樹脂を使用した接着剤付き銅箔についての記載があるが、該発明で製造された多層プリント配線板は、従来技術で製造された多層プリント配線板に比較し、耐熱性が劣るという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術ではなし得なかったフィルム状又はシート状のエポキシ樹脂硬化物の調製に好適に使用される耐熱性、耐湿性及び靭性に優れたエポキシ樹脂並びにこのエポキシ樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物を提供することにある。また、本発明はエポキシ樹脂組成物を硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、下記一般式(1)、
【化5】
Figure 0004198935
(但し、Xは下記一般式(a)及び下記一般式(b)で表されるユニットを必須とし、全X中の一般式(a)で表されるユニットの割合が10モル%以上であり、一般式(b)で表される割合が90モル%以下であり、nの値は2以上の数である)
【化6】
Figure 0004198935
(但し、R1、R2は水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン原子を示し、R3、R4は水素原子又はメチル基を示す)
【化7】
Figure 0004198935
(但し、R5、R6は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン原子を示し、Yは、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−、−CH2−φ−CH2−、−CH(CH3)−φ−CH(CH3)−、−C(CH32−φ−C(CH32−又は9,9−フルオレニル基を示し、φはフェニレン基を示す)で表される二官能性エポキシ樹脂である。
【0005】
また、本発明は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなる組成物において、エポキシ樹脂成分として、前記の二官能性エポキシ樹脂がエポキシ樹脂全成分中、10重量%以上含有されたエポキシ樹脂組成物及びこれを硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の二官能性エポキシ樹脂は、一般式(a)で表されるユニットを必須成分とする一般式(1)で表されるものであり、その平均分子量Mwが500から200,000の範囲であるものが一般的に使用される。
【0007】
分子量が500未満では、それを用いたエポキシ樹脂組成物を銅箔、SUS箔、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ガラス板等の基材上に塗布、乾燥した際に、基材がカールするとか、裁断時に粉落ちを起こす等の問題が起こりやすい。また、分子量が200,000を超えると、溶剤で希釈溶解しても、一般に工業的に利用されている40重量%から70重量%の濃度では、溶液粘度が高くなり基材に塗布することが困難となる。従って、本発明のエポキシ樹脂の平均分子量は好ましくは700〜100,000、より好ましくは、1,000〜60,000である。nの値は2以上の数であるが、通常、エポキシ樹脂はnの値が異なる混合物として得られるため、平均のnの値は2〜5000程度、好ましくは4〜300程度であることがよい。
【0008】
本発明のエポキシ樹脂の製法は、二価フェノール化合物とエピクロルヒドリンの直接反応による方法、又はジグリシジルエーテル化合物と二価フェノール化合物の付加重合反応による方法が一般的であるが、本発明のエポキシ樹脂はいずれの製法によるものであっても良い。
【0009】
二価フェノール化合物とエピクロルヒドリンの直接反応の場合は、二価フェノール化合物として、一般式(a)及び一般式(b)で表される二価の基の両末端にOH基が結合した下記一般式(2)及び一般式(3)で表されるビスフェノール化合物が用いられるが、一般式(2)のビスフェノール化合物の使用量が全二価フェノール化合物の10モル%以上であることが必要である。10モル%未満では、ビフェニルアラルキル骨格導入の効果が十分でなく、耐熱性、耐湿性、靭性のある硬化物が得られない。
【0010】
【化8】
Figure 0004198935
(R1〜R6及びYは、一般式(a)及び一般式(b)のR1〜R6及びYと同じである)
【0011】
一般式(a)及び一般式(2)において、R1、R2は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ハロゲン原子より選ばれる置換基を示すが、好ましくは、水素原子又はメチル基である。R1、R2がともに2級炭素又は3級炭素原子の場合、水酸基の反応性が低下する問題があり好ましくない。また、R3、R4は、水素原子又はメチル基である。ビフェニル骨格に対するアルキレン基の置換位置としては、4,4’−位、3,4’−位、3,3’−位が好ましい。2,4’−位、2,3’−位、2,2’−位のものは、耐熱性及び靭性が低下するため好ましくなく、全二価フェノール化合物中、30%以下であることが好ましく、更に好ましくは15%以下である。また、フェノール骨格に対するアルキレン基の置換位置としては4−位が好ましい。
【0012】
好ましい二価フェノール化合物を例示すると、4,4’−ビス(4−ヒドロキシベンジル)ビフェニル、4−(4−ヒドロキシベンジル) −4’−(3−ヒドロキシベンジル)ビフェニル、4,4’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシベンジル)ビフェニル、4,4’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)ビフェニル、4,4’−ビフェニレンビス[(エチリデン)−4−フェノール]、3,4’−ビフェニレンビス[(エチリデン)−4−フェノール]、3,3’−ビフェニレンビス[(エチリデン)−4−フェノール]、4,4’−ビフェニレンビス[(エチリデン)−4−(2−メチルフェノール)]、3,4’−ビフェニレンビス[(エチリデン)−4−(2−メチルフェノール)]、4,4’−ビフェニレンビス[(エチリデン)−4−(2,6−ジメチルフェノール)]、4,4’−ビフェニレンビス[(1−メチルエチリデン)−4−フェノール]、3,4’−ビフェニレンビス[(1−メチルエチリデン)−4−フェノール]、3,3’−ビフェニレンビス[(1−メチルエチリデン)−4−フェノール]、4,4’−ビフェニレンビス[(1−メチルエチリデン)−4−(2−メチルフェノール)]、3,4’−ビフェニレンビス[(1−メチルエチリデン)−4−(2−メチルフェノール)]、4,4’−ビフェニレンビス[(1−メチルエチリデン)−4−(2,6−ジメチルフェノール)]、が挙げられる。
【0013】
一般式(b)及び一般式(3)において、式中、R5、R6は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ハロゲン原子から選ばれるものであるが、好ましくは、水素原子又はメチル基である。R5、R6がともに2級炭素又は3級炭素原子の場合、水酸基の反応性が低下し好ましくない。また、Yは前記のように直接結合、−O−、9,9−フルオレニル基等であるが、耐湿性、高靭性の観点からは、1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)基、1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)基、1,4−フェニレンビスエチリデン基、1,3−フェニレンビスエチリデン基、p−キシリレン基、m−キシリレン基が好ましく、高耐熱性の観点からは、直接結合、−SO2−、−CO−、9,9−フルオレニル基が好ましい。φはフェニレン基を示し、具体的には1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基又は1,4−フェニレン基であるが、耐熱性の観点からは、1,3−フェニレン基又は1,4−フェニレン基が好ましく、なかでも1,4−フェニレン基が好ましい。
【0014】
ジグリシジルエーテル化合物と二価フェノール化合物の付加重合反応による方法の場合、一般式(2)及び/又は一般式(3)で表される二価フェノール化合物のジグリシジルエーテル化合物を、一般式(2)及び/又は一般式(3)で表される二価フェノール化合物とを反応させることにより合成される。この反応は、アミン系、イミダゾール系、トリフェニルホスフィン、ホスフォニウム塩系等の触媒存在下に行うことができる。ジグリシジルエーテル化合物は二価フェノール化合物に対して過剰に用いられ、ジグリシジルエーテル化合物と二価フェノール化合物のモル比は、10:1〜1:1、好ましくは6:1〜1:1、更に好ましくは4:1〜1.01:1である。ジグリシジルエーテル化合物と二価フェノール化合物のモル比が1に近づくほど、得られるエポキシ樹脂の分子量は大きくなる。
【0015】
この反応において、ジグリシジルエーテル化合物及び二価フェノール化合物は、それぞれ二種類以上の混合物として用いることができるが、一般式(2)で表される二価フェノール化合物又はそのジグリシジルエーテル化合物の全モル%は、使用する二価フェノール化合物及び二価フェノール化合物のジグリシジルエーテル化合物の合計量に対して10モル%以上であることが必要である。10モル%未満ではビフェニルアラルキル骨格導入の効果が十分でなく、耐熱性、耐湿性、靭性のある硬化膜が得られないため好ましくない。
【0016】
本発明の二官能性エポキシ樹脂は、一般式(a)で表されるユニットを、X中、10〜100モル%、好ましくは50〜100モル%を含み、一般式(b)で表されるユニットを、X中、0〜90モル%、好ましくは10〜50モル%を含むことがよい。なお、その他のユニットを含むことができ、好ましくは、X中、0〜30モル%、より好ましくは0〜20モル%である。
【0017】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂として分子量が重量平均分子量で5,000以上のものを用いると、それのみでは成型時の樹脂流れが小さく、回路埋め込み性がやや不足する場合が多い。この場合は、回路埋め込み性を持たせるために、更に他の低分子量エポキシ樹脂を加えることができる。この場合の低分子量エポキシ樹脂の分子量は、重量平均分子量で3000以下、好ましくは1500以下、更に好ましくは800以下である。
【0018】
この場合の本発明のエポキシ樹脂と低分子量エポキシ樹脂との重量配合比率は、本発明のエポキシ樹脂100に対して、低分子量エポキシ樹脂を10から90とすることが好ましく、更に好ましくは20から60である。これより少ないと成型時の樹脂の流れ性が低下し、これより多いと硬化物の耐熱性、耐湿性が低下する。
【0019】
低分子量エポキシ樹脂としては、硬化後の可撓性、耐熱性等の物性を落とさず回路埋め込み性を持たせるために、芳香族系で且つエポキシ当量が100g/eqから2,000g/eqのものが良い。エポキシ当量が2,000g/eqを超えると、十分な回路埋め込み性を得られず、且つ、架橋密度が低くなり望ましい耐熱性のある硬化膜が得られず好ましくない。また、脂肪族系のエポキシ樹脂では、回路埋め込み性は得られても耐熱性が低い。また、エポキシ当量が100g/eq未満では硬化物の架橋密度が高くなり、硬化物の収縮率が大きくなり、硬化物の変形が大きくなるとともに、吸水率が高くなる。このようなことから、低分子量エポキシ樹脂のエポキシ当量は好ましくは、130g/eq〜1,500g/eq、より好ましくは150g/eq〜1,000g/eqである。好ましい低分子量エポキシ樹脂としは、上記一般式(3)で表される2価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂が挙げられ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定されるわけではない。これらエポキシ樹脂は単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0020】
また逆に、本発明のエポキシ樹脂組成物中の本発明のエポキシ樹脂の分子量が5,000以下であると、硬化物のフィルム性、可撓性が低下する。この場合は、フィルム性を持たせるために、更に他の高分子量エポキシ樹脂を加えることができる。
【0021】
この場合の本発明のエポキシ樹脂と高分子量エポキシ樹脂との重量配合比率は、本発明のエポキシ樹脂と高分子量エポキシ樹脂の合計量100に対して、高分子量エポキシ樹脂を10から90の範囲とすることが好ましく、更に好ましくは20から60の範囲である。これより少ないと硬化物のフィルム性が低下し、これより多いと硬化物の耐熱性、耐湿性が低下する。
【0022】
高分子量エポキシ樹脂の好ましい分子量としては、重量平均分子量で5,000から100,000、より好ましくは10,000〜60,000であり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定されるわけではない。
【0023】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としてとしては、一般的に知られる公知の硬化剤が全て使用できる。例えば、ジシアンジアミド及びその誘導体、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類及びその誘導体、ビスフェノールA、ビスフェノールF、臭素化ビスフェノールA、ナフタレンジオール、ジヒドロキシビフェニル等の2価のフェノール化合物、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、ナフトール、ナフタレンジオール等フェノール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類やケトン類との縮合反応により得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、ナフトール、ナフタレンジオール等フェノール類とキシリレングリコール類との縮合反応等により得られるアラルキル型フェノール樹脂等のフェノール系化合物類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等酸無水物系化合物類、ジアミノジフェニルメタン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ダイマー酸等の酸類とポリアミン類との縮合反応等により得られるポリアミドアミン等のアミン系化合物類、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のヒドラジド類等通常使用されるエポキシ樹脂用硬化剤等が、挙げられるが、特にこれらに限定されるわけではない。これらの硬化剤は単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0024】
本発明に於けるエポキシ樹脂組成物には、基材に塗布する際に適度の粘性を保つために溶剤を用いても良い。粘度調整用の溶剤としては、80℃〜200℃で溶剤を乾燥する時にエポキシ樹脂組成物中に残存しないものであり、具体的には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド等が挙げられるが、特にこれらに限定されるわけではない。これらの溶剤は単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、耐熱性及び難燃性の付与、低線膨張率化等のために、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、アルミナ、マイカ等を、また、接着力改善の為にエポキシシランカップリング剤や、ゴム成分等をエポキシ樹脂組成物の硬化物物性を落とさない程度に加えても良い。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を用いても良い。例えば、アミン系、イミダゾール系、トリフェニルホスフィン、ホスフォニウム塩系等公知の種々の硬化促進剤が使用できるが、特にこれらに限定されるわけではない。硬化促進剤を使用する場合は、エポキシ樹脂に対し0.01重量%〜10重量%の範囲が好ましい。10重量%を超えると、貯蔵安定性が悪化する懸念があり好ましくない。
【0027】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、先に示した溶剤で15Pa・s以下望ましくは10Pa・s以下の粘度に調整し、一定の硬化時間を持つように適量の硬化剤を加え、更に場合により硬化促進剤を加えてワニス化し、基材に塗布し100℃〜160℃で溶剤を揮発させプリプレグとし、得られたプリプレグを加熱硬化させることにより硬化物とすることができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
【0029】
実施例1
撹拌装置、温度計、窒素ガス導入装置を備えた500mlのガラス製セパラブルフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−128;東都化成製、エポキシ当量186g/eq)256.7部、4,4’−ビス(4−ヒドロキシベンジル)ビフェニル(融点188から209℃、純度92%)86.5部を計り取り、攪拌しながら180℃に昇温し均一に溶解した後、触媒として臭化n−ブチルトリフェニルホスホニウム0.103部を加え、180℃で5時間反応し、エポキシ樹脂335gを得た(エポキシ樹脂A)。GPC測定により求めた重量平均分子量は1970であった。ここでGPC測定は、装置:HLC−82A(東ソー(株)製)及びカラム:TSK−GEL 2000 × 3本及びTSK−GEL4000 × 1本(何れも東ソー(株)製)を用い、溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1.0ml/分、温度:38℃、検出器:RIの条件で行った。また、エポキシ当量398g/eq、軟化点66℃、150℃での溶融粘度は0.22Pa・sであった。
【0030】
実施例2
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに、一般式(1)のXが一般式(b)においてR5、R6がHであり、Yが−C(CH32−φ−C(CH32−(但し、φは1,4−フェニレン基)であるエポキシ樹脂(YSLV−90CR;新日鐵化学製、エポキシ当量251g/eq)261部を用いて、実施例1と同様に反応を行い、エポキシ樹脂350gを得た(エポキシ樹脂B)。重量平均分子量2960、エポキシ当量692g/eq、軟化点97℃、150℃での溶融粘度は2.9Pa・sであった。
【0031】
実施例3
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに、2,2’−[メチレンビス[(2,6-ジメチル−4,1−フェニレン)オキシメチレン]]ビスオキシラン(YSLV−80XY;新日鐵化学製、エポキシ当量191g/eq)229.2部を用いて、実施例1と同様に反応を行い、エポキシ樹脂333部を得た(エポキシ樹脂C)。重量平均分子量3010、エポキシ当量615g/eq、軟化点90℃、150℃での溶融粘度は1.72Pa・sであった。
【0032】
実施例4
1Lの4つ口ガラス製セパラブルフラスコに,4,4'−ビス(4−ヒドロキシベンジル)ビフェニル150部をエピクロルヒドリン147.6部に溶 解し、減圧下(約120mmHg)、60℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液64.5部を4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、更に1時間反応を継続した。その後、エピクロルヒドリンを減圧留去 し、メチルイソブチルケトン454部に溶解した後、濾過により生成塩を除いた。その後、10%水酸化ナトリウム水溶液4.3部を加え、80℃で2時間反応 させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒であるメチルイソブチルケトンを減圧留去し、淡黄色エポキシ樹脂170部を得た(エポキシ樹脂D)。重量平均 分子量640、エポキシ当量275g/eq、加水分解性塩素は350ppm、150℃での溶融粘度は0.03Pa・sであった。
なお、実施例4及び実施例4で得られたエポキシ樹脂Dを使用する実施例6、10及び13は参考例と理解される。
【0033】
実施例5
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた1Lの4つ口ガラス製セパラブルフラスコに,ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD-128;東都化成製、エポキシ当量186g/eq)100.4部、4,4’−ビス(4−ヒドロキシベンジル)ビフェニル(融点178〜209℃、純度89%)99.5部、シクロヘキサノンを90部、触媒として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.08部を仕込み、反応温度を120℃〜140℃に保ち7時間撹拌した後、シクロヘキサノン34.2部、及びメチルエチルケトンを120部を加えて、エポキシ当量7150g/eq、樹脂固形分45%、溶液粘度6.8Pa・s/25℃、重量平均分子量34600のフェノキシ樹脂のシクロヘキサノン・メチルエチルケトン混合ワニスを430部得た(樹脂ワニスA)。
【0034】
実施例6
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコに,実施例4で得たエポキシ樹脂121部、4,4’−ビス(4−ヒドロキシベンジル)ビフェニル(融点198から210℃、純度98%)79部、シクロヘキサノンを90部、触媒として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.08部を仕込み、反応温度を145℃〜160℃に保ち8時間撹拌した後、メチルエチルケトンを120部を加えて、エポキシ当量12400g/eq、樹脂固形分45%、溶液粘度12.8Pa・s/25℃、重量平均分子量52,500のフェノキシ樹脂のシクロヘキサノン・メチルエチルケトン混合ワニスを430部得た(樹脂ワニスB)。
【0035】
実施例7〜10、比較例1〜2
エポキシ樹脂成分として実施例1〜4で得られたエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001;ジャパンエポキシレジン製、エポキシ当量470g/eq;エポキシ樹脂E)、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量 200g/eq、軟化点 70℃;エポキシ樹脂F)を用い、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(PSF−4300;群栄化学製、水酸基当量104g/eq、軟化点85℃)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを第1表に示す配合で混練しエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて150℃にて成形し、175℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。結果を第2表に示す。
なお、ガラス転移点及び線膨張係数の測定は、熱機械測定装置を用いて7℃/分の昇温速度で測定した。また、吸水率は、不飽和型プレッシャークッカー装置を用いて、133℃、3気圧の条件で96時間吸湿させて測定した。更に、破壊靭性はA.F.Yee, R.A.Pearson, Journal of Materials Science, 21, 2462(1986)に記載の方法に従って測定した。吸水率は、本エポキシ樹脂組成物を用いて、直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後133℃、3atm、96時間吸湿させたときのものである。接着性の評価は、エポキシ樹脂組成物を用いて、銅箔上に175℃にて圧縮成形後、175℃にて12時間ポストキュアを行い、ピール強度を測定した。
【0036】
実施例11〜13、比較例3
エポキシ樹脂又は樹脂ワニスとして、実施例4〜6で得られたエポキシ樹脂又は樹脂ワニス、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート128;ジャパンエポキシレジン製、エポキシ当量186g/eqエポキシ樹脂G)、及びビスフェノールA型フェノキシ樹脂(YP−50;東都化成製)をシクロヘキサノン90部、メチルエチルケトンを120部に溶解させた樹脂ワニス(樹脂ワニスC)を用い、硬化剤として、ジシアンジアミド、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールを用いて表3に示す配合で混合し、樹脂組成物ワニスを調整した。本樹脂ワニスを厚さ35μmの銅箔に樹脂層の厚みが60μmとなるようにローラーコーターにて塗布し、130℃で10分間乾燥を行い樹脂付き銅箔を得た。この樹脂付き銅箔2枚を用いて、ガラスエポキシ銅張積層板の両面からラミネートし、180℃で2時間硬化させて得られたプリント配線板を得た。これを用いて性能評価を行った。結果を表4に示す。
【0037】
ここで、半田耐熱性試験は、100℃で2時間煮沸後の試験片を260℃の半田浴に10秒間、2回浸漬し外観を観察した。膨れ、剥がれのないものを○とした。ガラス転移温度は、樹脂付き銅箔をラミネートせずにそのまま加熱硬化させた後、銅箔を剥がしたフィルムを用いてTMA測定を行った結果である。接着強度は、最外層の銅箔の180度ピール強度値である。
【0038】
【表1】
Figure 0004198935
【0039】
【表2】
Figure 0004198935
【0040】
【表3】
Figure 0004198935
【0041】
【表4】
Figure 0004198935
【0042】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、多層プリント配線板、光学ガラス代替材料、コーティング材料等の用途に好適に使用することができ、高耐熱性、高耐湿性、及び高靭性に優れた特徴が発揮される。多層プリント配線板、光学ガラス代替材料、コーティング材料等のフィルム状又はシート状のエポキシ樹脂硬化物として利用される分野に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)、
    Figure 0004198935
    (但し、Xは下記一般式(a)及び下記一般式(b)で表されるユニットを必須とし、全X中の一般式(a)で表されるユニットの割合が10モル%以上であり、一般式(b)で表される割合が90モル%以下であり、nの値は2以上の数である)
    Figure 0004198935
    (但し、R1、R2は水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン原子を示し、R3、R4は水素原子又はメチル基を示す)
    Figure 0004198935
    (但し、R5、R6は、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン原子を示し、Yは、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−、−CH2−φ−CH2−、−CH(CH3)−φ−CH(CH3)−、−C(CH32−φ−C(CH32−又は9,9−フルオレニル基を示す。φはフェニレン基を示す)で表される二官能性エポキシ樹脂。
  2. エポキシ樹脂及び硬化剤よりなる組成物において、エポキシ樹脂成分として、請求項1に記載の二官能性エポキシ樹脂がエポキシ樹脂全成分中、10重量%以上含有されたことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物。
  4. 下記一般式(2)及び/又は一般式(3)で表される二価フェノール化合物のジグリシジルエーテル化合物と、一般式(2)及び/又は一般式(3)で表される二価フェノール化合物とを、ジグリシジルエーテル化合物と二価フェノール化合物のモル比を10:1〜1:1で反応させて得られる請求項 1 に記載の二官能性エポキシ樹脂。
    Figure 0004198935
    (R 1 〜R 6 及びYは、一般式( a )及び一般式( b )のR 1 〜R 6 及びYと同じである)
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