JP5424672B2 - β−メルカプトカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

β−メルカプトカルボン酸類の製造方法 Download PDF

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    • C07C319/04Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of thiols by addition of hydrogen sulfide or its salts to unsaturated compounds

Description

本発明は、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒドおよびα,β−不飽和ケトン(以下、総称して「α,β−不飽和カルボン酸類」という。)から選択されるいずれかを原料化合物とし、該α,β−不飽和カルボン酸類と硫化水素とを反応させることにより、前記原料化合物に対応する、β−メルカプトカルボン酸、β−メルカプトカルボン酸エステル、β−メルカプトアミド、β−メルカプトアルデヒドおよびβ−メルカプトケトン(以下、総称して「β−メルカプトカルボン酸類」という。)を効率よく製造する方法に関するものである。
従来、メルカプト化合物は、各種の医薬や農薬の合成原料として広く使用されている。なかでもβ−メルカプトカルボニル化合物は、抗酸化剤としての有用性が認められていることから、高分子化合物の安定化剤として工業的に使用されている(特開2003−252918号公報;特許文献1)。
β−メルカプトカルボニル化合物を製造する方法の一つとして、α,β−不飽和カルボン酸と硫化水素とをマイケル付加反応させる方法が知られている。
また、α,β−不飽和カルボン酸としてアクリル酸を用いたマイケル付加反応は、ジエチルアミン存在下に硫化水素を用いることで進行することが報告されている(Acta Chimica Scandinavica 1951, 5, 690-698;非特許文献1)。
しかしながら、非特許文献1に記載の反応を用いる方法では、大過剰のジエチルアミンが使用され、また、反応時間も長いため、生産性が低い。そのため、β−メルカプトカルボニル化合物を工業的にかつ効率よく製造するためには、ジエチルアミンの回収設備が必要になるという課題を残している。
また、アクリル酸と水硫化ナトリウムとを大過剰の苛性ソーダ存在下で反応させることで、β−メルカプトプロピオン酸が合成できることが報告されている(特開2001−187778号公報;特許文献2)。
ただし、この方法では、副反応を抑制するために、基質に対し5当量以上の苛性ソーダを必要とすることから、余剰分のアルカリを酸で中和する必要がある。したがって、大量に生成する無機塩を処理しなければならず、工業的な生産に適した方法ではないという問題があった。
さらに、特開2001−354643号公報(特許文献3)、特開2001−354644号公報(特許文献4)には、ゼオライト等の固体酸触媒の存在下、硫黄類および硫化水素を用いてオレフィンを硫化し、硫化オレフィン類を製造する方法が記載されている。
特許文献3及び4には中間生成物としてメルカプタンが生成することに関して記載されている。しかしながら、最終の目的物は本願発明が目的とするメルカプト化合物ではなく、有機スルフィド類、ジスルフィド類、ポリスルフィドであるため、当該文献では前記メルカプト化合物に相当するメルカプタンが極力発生しないようにしている。
また、原料のオレフィン類は溶媒で希釈してもよい旨の記載はあるが、例示された溶媒はメタン、エタン、ペンタンなどの飽和脂肪族炭化水素、すなわち非極性溶媒であり、水などの極性溶媒と相溶する極性溶媒を用いることについての記載、示唆、効果については何ら記載がない。
特開2003−252918号公報 特開2001−187778号公報 特開2001−354643号公報 特開2001−354644号公報
Acta Chimica Scandinavica 1951, 5, 690-698
本発明の課題は、医薬および農薬の合成原料または高分子化合物の添加剤として有用であるβ−メルカプトカルボン酸類を、入手容易なα,β−不飽和カルボン酸類を原料化合物として用いて、高収率で、かつ、生産性よく工業的に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、α,β−不飽和カルボン酸類と硫化水素類との反応によりβ−メルカプトカルボン酸類を製造するに際し、反応溶媒としてアミド基を有する溶媒あるいはアミド基の水素がアルキル基で置換された溶媒を用いる方法を見出した。さらに、前記方法において、特に特定の水素イオン濃度(特定のpH領域)で反応をさせる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の[1]〜[10]に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法に関する。
[1]α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒドおよびα,β−不飽和ケトンから選択されるα,β−不飽和カルボン酸類のいずれかと、硫化水素と、溶媒とを含む液を調製し、次いで、
前記液を加熱して、前記α,β−不飽和カルボン酸類のいずれかと前記硫化水素を反応させて、前記α,β−不飽和カルボン酸類に対応する、β−メルカプトカルボン酸、β−メルカプトカルボン酸エステル、β−メルカプトアミド、β−メルカプトアルデヒドおよびβ−メルカプトケトンから選択されるβ−メルカプトカルボン酸類のいずれか1種を製造するβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法であって、
前記溶媒が、下記式(1)で示される化合物であるか、あるいは、前記式(1)で示される化合物と水との混合溶媒であることを特徴とするβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法:
Figure 0005424672
(式(1)中R1は、水素原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基、アミノ基、炭素数1〜5のアルキルアミノ基のいずれかを表す。R2、R3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基のいずれかを表す。R2とR3とがそれぞれ水素原子でない場合には、R2とR3とが互いにアルキレン基を介して環構造を形成していてもよく、また、R1とR2とがそれぞれ水素原子でない場合には、R1とR2とがアルキレン基を介して環構造を形成していてもよい。)。
[2]前記液の前記反応前に6℃で測定したpHが、6.0〜8.5の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[3]前記反応が、70〜200℃の範囲で行なわれることを特徴とする請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[4]前記混合溶媒に含まれる水分が1〜50質量%である[1]に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[5]前記式(1)で示される化合物が、N−メチルホルムアミド(MFA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−エチルホルムアミド(EFA)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)から選択される1種以上である[1]〜[4]のいずれかに記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[6]前記液のpHを、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属を含有する塩基性物質および有機塩基物質から選択されるpH調整剤で調整することを特徴とする[2]に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[7]前記α,β−不飽和カルボン酸類が、α,β−不飽和カルボン酸またはα,β−不飽和カルボン酸エステルである[1]に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[8]前記α,β−不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、桂皮酸、2−メチル桂皮酸、3−メチル桂皮酸、4−メチル桂皮酸、2、3−ジメチル桂皮酸、2,4−ジメチル桂皮酸、3,4−ジメチル桂皮酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、2,3−ジヒドロ桂皮酸、2,4−ジヒドロ桂皮酸、3,4−ジヒドロ桂皮酸、2−ヘキセン酸、4−メチル−2−ペンテン酸のいずれかである[1]または[7]に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[9]前記α,β−不飽和カルボン酸エステルが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、2−ペンテン酸メチル、2−ペンテン酸エチル、2−ペンテン酸プロピル、2−ペンテン酸ブチルのいずれかである[1]または[7]に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[10]
前記α,β−不飽和ケトンが、シクロペンテノン、シクロへキセノン、シクロヘプテノンのいずれかである[1]に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
本発明の製造方法によれば、必ずしも固体触媒などを使用することなく、高収率でかつ生産性よくβ−メルカプトカルボン酸類を製造することができる。さらにβ−メルカプトカルボン酸類を高収率で製造できることから精製工程の簡略化も可能であり、工業的製法として極めて有用である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
[反応]
本発明で用いられる反応は下記式(1)で示される溶媒を用いて、α,β−不飽和カルボン酸類と硫化水素との反応により、カルボニル炭素(C=O)に隣接するα位の炭素とその隣のβ位の炭素とが単結合で結合したβ−メルカプトカルボン酸類を生成するものである。
Figure 0005424672
(式(1)中R1は、水素原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基、アミノ基、炭素数1〜5のアルキルアミノ基のいずれかを表す。R2、R3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基のいずれかを表す。R2とR3とがそれぞれ水素原子でない場合には、R2とR3とが互いにアルキレン基を介して環構造を形成していてもよく、また、R1とR2とがそれぞれ水素原子でない場合には、R1とR2とがアルキレン基を介して環構造を形成していてもよい。)。
また、上記反応の例としてクロトン酸と硫化水素との反応を示すと以下のようになる。
Figure 0005424672
[α,β−不飽和カルボン酸類]
本発明の方法において、原料化合物として用いるα,β−不飽和カルボン酸類は、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒドおよびα,β−不飽和ケトンのいずれであってもよい。
ここで、α,β−不飽和とはカルボニル炭素(C=O)に隣接するα位の炭素とその隣のβ位の炭素とが二重結合で結合していることを示す。
αおよびβ炭素には水素原子の代わりに、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基(エステル)、アシルオキシ基が結合していてもよい。
これらの置換基は同じ置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。なお、これらの置換基には別の官能基が結合していてもよい。例えば、オキソ基を有するアルキル基(2−オキソ−プロピル基など)であってもよい。
また、α,β−不飽和カルボン酸のβ位にカルボキシル基が結合している化合物、例えばマレイン酸、フマル酸や無水マレイン酸なども本発明のα,β−不飽和カルボン酸類に含まれる。
さらにα炭素とβ炭素とはアルキレン基等を介して環状構造を形成していてもよい。この環状構造には、カルボニル炭素が含まれていてもよく(例えば環状ケトンなど)、窒素を含んでいてもよい(例えばラクタムなど)。
前記αまたはβ位の炭素原子に結合した置換基の中では、原料入手の容易性の面からアルキル基、アリール基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基が挙げられる。これらの中ではメチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。これらの中ではシクロペンチル基、シクロヘキシル基が原料入手の容易性の面から好ましい。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基が挙げられる。これらの中ではベンジル基、フェネチル基が原料入手の容易性の面から好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、イソヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基が挙げられる。これらの中では原料入手の容易性の面からメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が好ましい。
アシルオキシ基としては、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
本発明の方法において、原料化合物として用いるα,β−不飽和カルボン酸類は、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒドおよびα,β−不飽和ケトンである。
本発明の方法は特にα,β−不飽和カルボン酸およびα,β−不飽和カルボン酸エステルを原料化合物とする場合に、より高収率で、かつ、より生産性よく工業的にβ−メルカプトカルボン酸類を製造することができる。
この理由は、定かでは無いが、本明細書に記載の製造条件で、α,β−不飽和カルボン酸またはα,β−不飽和カルボン酸エステルを用いると、カルボニル基が活性化され、これにより二重結合部分の反応性が向上することによるものと考えられる。
なお、目的とするβ−メルカプトカルボン酸類を製造するには、対応するα,β−不飽和カルボン酸類を原料化合物として選定すればよい。
例えば、β−メルカプトカルボン酸を製造する場合には、α,β−不飽和カルボン酸を原料化合物として選定すればよい。
α,β−不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、2−メチルクロトン酸、3−メチルクロトン酸、2−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、フマル酸、マレイン酸、桂皮酸、アロ桂皮酸、α−メチル桂皮酸、2−メチル桂皮酸、3−メチル桂皮酸、4−メチル桂皮酸、2、3−ジメチル桂皮酸、2,4−ジメチル桂皮酸、3,4−ジメチル桂皮酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、2,3−ジヒドロ桂皮酸、2,4−ジヒドロ桂皮酸、3,4−ジヒドロ桂皮酸、4−メチル−2−ペンテン酸、1−シクロヘキセンカルボン酸、1−シクロペンテンカルボン酸、3−(2−フリル)アクリル酸、2,5−ジヒドロチオフェン−3−カルボン酸などが挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易性の面からアクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、フマル酸、マレイン酸、桂皮酸、4−メチル−2−ペンテン酸が好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸ブチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸イソプロピル、クロトン酸ブチル、2−ペンテン酸メチル、2−ペンテン酸エチル、2−ペンテン酸プロピル、2−ペンテン酸イソプロピル、2−ペンテン酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂皮酸プロピル、桂皮酸イソプロピル、桂皮酸ブチル、アロ桂皮酸メチル、アロ桂皮酸エチル、4−メチル−2−ペンテン酸メチル、4−メチル−2−ペンテン酸エチル、4−メチル−2−ペンテン酸プロピル、4−メチル−2−ペンテン酸イソプロピル、4−メチル−2−ペンテン酸ブチル、2,5−ジヒドロチオフェン−3−カルボン酸メチルなどが挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易さの面からアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、2−ペンテン酸メチル、2−ペンテン酸エチル、4−メチル−2−ペンテン酸メチル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチルがより好ましい。
α,β−不飽和アミドの具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、クロトン酸アミド、N−メチルクロトン酸アミド、N−エチルクロトン酸アミド、3−メチルクロトン酸アミド、マレイン酸アミド、桂皮酸アミド、N−メチル桂皮酸アミド、N−エチル桂皮酸アミド、α−メチル桂皮酸アミド、N−メチルα−メチル桂皮酸アミド、N−エチルα−メチル桂皮酸アミド等が挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易さの面からアクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、クロトン酸アミド、3−メチルクロトン酸アミド、桂皮酸アミドがより好ましい。
α,β−不飽和アルデヒドの具体例としては、アクロレイン、クロトンアルデヒド、3−メチルクロトンアルデヒド、2−ペンテンアルデヒド、フマルアルデヒド、マレインアルデヒド、桂皮アルデヒド、α−メチル桂皮アルデヒド、2−メチル桂皮アルデヒド、3−メチル桂皮アルデヒド、4−メチル桂皮アルデヒド、2−ヒドロキシ桂皮アルデヒド、3−ヒドロキシ桂皮アルデヒド、4−ヒドロキシ桂皮アルデヒド等が挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易さの面からクロトンアルデヒド、3−メチルクロトンアルデヒド、2−ペンテンアルデヒド、桂皮アルデヒドがより好ましい。
α,β−不飽和ケトンの具体例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、3−ペンテン−2−オン、4−フェニル−3−ペンテン−2−オン、3−ヘキセン−2−オン、4−ヘキセン−3−オン、1,3−ジフェニル−2−プロペノン、4−メチル−3−ペンテン−2−オン、シクロペンテン−2−オン(=シクロペンテノン)、シクロへキセン−2−オン(=シクロへキセノン)、シクロヘプテン−2−オン(=シクロへプテノン)、カルボン、2(5H)−フラノン、3−メチル−2(5H)−フラノン、4−メチル−2(5H)−フラノン、3,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン等が挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易さの面からメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、シクロペンテノン、シクロへキセノン、シクロへプテノンがより好ましい。
[β−メルカプトカルボン酸類]
本発明により得られるβ−メルカプトカルボン酸類は前記α,β−不飽和カルボン酸類のα位に水素原子が、β位にメルカプト基が結合したものである。
前述のように目的とするβ−メルカプトカルボン酸類を得るには対応するα,β−不飽和カルボン酸類を原料化合物として選定すればよい。
好ましいβ−メルカプトカルボン酸類としては、前記の好ましいα,β−不飽和カルボン酸類のβ位にメルカプト基(−SH)が結合し、かつ、カルボニル炭素(C=O)に隣接するα位の炭素とその隣のβ位の炭素とが単結合で結合した化合物が挙げられる。
[硫化水素]
本発明の方法で用いる硫化水素は、石油精製に由来する硫化水素ガスでもよいし、硫黄を水素化した合成硫化水素でもよい。
硫化水素は、ガス状のまま反応装置に供給してもよく、反応に使用する溶媒に溶解して供給してもよい。
前記硫化水素をガス状で供給する場合は、硫化水素ガスを加圧して反応液の上層に供給してもよく、反応液中にガス分散装置を通して供給してもよい。
溶媒に溶解して供給する場合は、硫化水素ガスを溶媒に溶解させるミキサーへ供給して反応液中に溶解させる。
また、取り扱い性を改善する目的で、反応液中で硫化水素ガスを発生させてもよい。
すなわち、硫化ナトリウムや水硫化ナトリウム、硫化アンモニウムなどの硫化塩、水硫化塩を反応液中で中和して硫化水素ガスを発生させることで、反応液中に硫化水素ガスを供給してもよい。
使用する硫化水素は、α,β−不飽和カルボン酸類の炭素−炭素二重結合1モルに対して、0.7〜7モルが好ましく、より好ましくは1.0〜5モルであり、最も好ましくは、1.1〜4でモルある。
硫化水素のモル数が0.7より小さい場合には、副生成物であるスルフィド化合物が主生成物となり好ましくない。7より大きい場合はβ−メルカプトカルボン酸類の収率の低下はないが、未反応の硫化水素類の回収設備が大規模となり実用的ではない。
反応前に硫化水素ガスを溶媒に溶解させておく場合には、反応液の温度を10℃以下に保ちながら硫化水素ガスを反応液中に供給して溶解させておくことが好ましい。
[溶媒]
本発明の反応に使用する溶媒は、式(1)に示される構造の化合物である。
Figure 0005424672
(式(1)中R1は、水素原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基、アミノ基、炭素数1〜5のアルキルアミノ基のいずれかを表す。R2、R3は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基のいずれかを表す。R2、R3がそれぞれ水素原子でない場合には、R2とR3とが互いにアルキレン基を介して環構造を形成していてもよく、また、R1とR2とがそれぞれ水素原子でない場合には、R1とR2とがアルキレン基を介して環構造を形成していてもよい。)。
上記の溶媒としては、アミド基あるいはアミド基の水素がアルキル基で置換された基(以下、これらをあわせて単にアミド基という)、尿素基およびウレタン基から選択される1種以上の基を分子内に有する溶媒が挙げられる。
上記溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよく、また水分が含まれていてもよい。
前記溶媒は硫化水素、原料化合物となるα,β−不飽和カルボン酸類に関して、各々の溶解度、反応性等を勘案して選択すればよく、その種類は限定されない。
式(1)に示される構造を有する溶媒としては、直鎖構造の溶媒のほか、環状構造を有する溶媒も使用できる。
溶媒は、常温で液状の溶媒が好ましいが、常温で液体状のアミド基、尿素基およびウレタン基から選択される1種以上の基を分子内に有する溶媒と混合して使用する場合あるいは水に溶解して使用する場合には、室温で結晶化している化合物を溶媒として使用してもよい。
2とR3とが互いにアルキレン基を介して環構造を形成している溶媒としては、N−アセチルモルフォリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジン、N−アセチルピペラジンが挙げられる。
また、R1とR2とがアルキレン基を介して環構造を形成している溶媒としてはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドンが挙げられる。
本発明の反応に用いることのできる好ましい溶媒としては、以下のものが挙げられる。
具体的例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1−エチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、1−ブチル−2−ピロリジノン、1−エチル−2−ピペリドン、1,3−ジメチルピペリドン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、γ−ブチロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、N−エチルプロパンアミドが挙げられる。
これらの溶媒の中でも、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が、より高収率で、かつ、より生産性よく工業的にβ−メルカプトカルボン酸類を生産できる点で特に好ましい。
前述のように、本発明の方法では、これらの溶媒に水が含まれていてもよい。
上記溶媒に水が含まれている場合、上記溶媒中の水の量は1〜50質量%であることが好ましい。更に好ましくは1〜30質量%、最も好ましくは10〜20質量%である。
溶媒は、α,β−不飽和カルボン酸類100質量部に対して、溶媒を200〜3500質量部の割合で使用することが好ましく、より好ましくは、300〜2000質量部、最も好ましくは400〜1500質量部である。
溶媒の使用量が200質量部未満であると副反応が進行しやすく、その場合にはβ−メルカプト不飽和カルボン酸類の収率が低下するおそれがある。
溶媒の使用量が3500質量部を超えると副反応は抑制され、β−メルカプト不飽和カルボン酸類の収率は向上するが、反応液の濃度が希釈されるため、生産性は低下する。そのため、溶媒の使用量は、反応収率と生産性との兼ね合いで決定することが好ましい。
[水素イオン濃度]
本発明で用いられる反応においては、反応液中の水素イオン濃度(反応液のpH)が重要である。
反応前のpHは、反応液中の硫化水素のガス化を防ぐ目的で全ての原料化合物を含む反応液を6℃としたときに測定する。
反応後のpHは、反応容器を開け、過剰の硫化水素ガスが気化して飽和状態になるまで25℃で反応溶液を十分放置したあとに測定する。
反応前、反応後のpHは、それぞれpH6.0〜8.5であることが好ましく、更に好ましくは、それぞれpH6.5〜8.0である。
反応前、反応後のpH値がpH6.0〜8.5の範囲にある場合、特にpHを調整する必要はないが、範囲外の時はpH調整剤を用いてpH値が前記範囲内となるように調整することがより好ましい。
反応液中のpHは、全ての原料を入れたあとのpHが6.0未満であるときは、pH調整剤としてアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を含有する塩基性物質あるいは有機塩基を使用して調整するのが好ましい。
pH8.5より大きいときは、鉱酸あるいは低級カルボン酸などに代表される有機酸でpHを調整することが好ましい。
pH6.0未満の時には、反応の進行が遅く、pH8.5より大きい時には、副反応の進行が早くなり、いずれの場合も目的物の収量が低下する。
理由は定かでは無いが、反応液のpHが6.0未満の場合には、硫化水素の酸解離定数(pKa)よりも前記pHに対応する反応液のpKaが低いために活性種である水硫化物アニオン(HS-)の生成が少なくなり収率が低下すると推定される。
反応液のpHが8.5を超える場合には、硫化水素由来の水硫化物アニオンと生成物であるβ−メルカプトカルボン酸類に由来する水硫化物アニオンの両者のpKaよりも前記pHに対応する反応液のpKaが高くなり、いずれのアニオンも原料化合物であるα、β−不飽和カルボン酸類と反応してしまい、硫化水素と反応するα、β−不飽和カルボン酸類の量が低下するために収率が低下すると思案している。
[pH調整剤]
pH調整剤としては、塩基性物質を使用する場合には、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属を含有する塩基性物質(以下、「金属含有塩基性物質」ともいう)、又は有機塩基物質などが挙げられ、酸性物質を使用する場合には、鉱酸、低級カルボン酸などが挙げられる。
上記金属含有塩基性物質が含有するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムであることが好ましい。上記金属含有塩基性物質が含有するアルカリ土類金属としては、マグネシウムとカルシウムとが好ましい。これらの金属は、1種のみで使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
上記アルカリ金属あるいは上記アルカリ土類金属は、水酸化物、酸化物、有機金属、アルコキシド化合物、硝酸塩、硫酸塩、シアン化物、硫化物、水硫化物として入手可能であり、いずれも使用することができる。
これらの中でも、水酸化物、酸化物、有機金属、アルコキシド化合物、硫化物、水硫化物のいずれかを使用することが好ましい。
有機塩基物質としては、一般的にアミン類が使用可能であり、アンモニア、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、モルフォリンが使用可能であり、好ましくは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンである。
鉱酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などが挙げられ、低級カルボン酸としては、ギ酸、酢酸などが挙げられる。
アミド系溶媒、すなわち前述したようなアミド基を有する溶媒あるいはアミド基の水素がアルキル基で置換された溶媒とα、β−不飽和カルボン酸とを混合したときに指定のpHとなっている場合には、そのまま反応させてもよく、その場合、pH調整剤がなくとも反応は進行する。
その一方で、触媒量のpH調整剤がある場合には、反応が加速されることから、少量のpH調整剤を添加することが好ましい。
pH調整剤の添加量としては、原料のα、β−不飽和カルボン酸類1モルに対して、通常0.01当量〜0.3当量程度であり、前記範囲であると反応が速やかに進行する。
この理由は定かではないが、pH調整剤の金属類あるいは有機塩基類が水硫化物アニオンの生成を促進するように作用するために、溶媒のみを添加したときと比較して反応性が向上しているものと思案している。
[反応濃度]
α,β−不飽和カルボン酸類の反応溶液中の濃度は、3〜35質量%が好ましく、より好ましくは5〜30質量%であり、7〜20質量%が最も好ましい。
3質量%未満での反応濃度では、反応の進行が非常に遅く、35質量%より高い反応濃度では副反応により収率の低下を招く。
[反応温度]
反応温度は70〜200℃が好ましい。更に好ましくは、90〜150℃であり、最も好ましいのは、95〜120℃である。
70℃未満の温度では、反応の進行が遅く、また、200℃を超えると、副反応により収率が低下する場合がある。
加熱により揮発性のガスが発生するため、有機溶剤や硫化水素ガスの系外放出を防ぐ目的で閉鎖系の反応器を用いることが好ましい。
反応温度については、理由は定かではないが、70℃未満の場合には、反応の活性化エネルギーを超えることが困難であり、その結果、反応の進行が効率よく進行しないものと思案している。
200℃を超えた場合には、硫化水素のα,β−不飽和カルボン酸類への付加反応と反応により生成するβ−メルカプトカルボン酸類のα,β−不飽和カルボン酸類への付加反応とのいずれもが活性化エネルギーを超えるために、両反応が同時に進行し、その結果、両反応の競争反応となり反応収率が低くなると思案している。
[反応時間]
反応時間は、0.1〜12時間とすることができる。一般的には2〜8時間で反応は終了する。
例えば、クロトン酸類を原料化合物とする反応の場合、通常、4時間程度で原料の転化率が95%以上となる。
反応の終点は、原料化合物の転化率およびβ−メルカプトカルボン酸類の反応液中の濃度を、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)などで分析することにより判断してもよい。
[反応圧力]
反応圧力は、0.1〜3MPaが好ましい。更に好ましくは、0.2〜2MPaであり、最も好ましいのは、0.4〜1.5MPaである。
0.1MPa未満の圧力では、反応の進行が遅く、3MPaを超えると反応装置の設備管理や安全性の面から好ましくない。
[精製]
反応終了後の系からβ−メルカプトカルボン酸類を精製(単離)する方法には特に制限はないが、反応液から生じる廃液の抑制、工程短縮の観点から反応液を直接蒸留する精製法あるいは再結晶による精製法が好ましい。
例えば、溶媒に不溶な固形成分をろ過により除去した後、反応混合物全体を蒸留する方法(直接蒸留法)を採用することができる。その他の方法としては、例えば、反応混合物に酢酸エチルやトルエンなどの有機溶剤を加えてβ−メルカプトカルボン酸類を抽出し、次いで有機相と水相とに分離して、有機相分を蒸留する方法(抽出蒸留法)等を採用することができる。
本発明では、β−メルカプトカルボン酸類の物性によらず、いずれの方法も採用することができるが、水溶性の高いβ−メルカプトカルボン酸類の場合には、直接蒸留法が好ましく、有機溶剤に抽出可能であるβ−メルカプトカルボン酸類の場合には、抽出蒸留法が好ましい。
β−メルカプトカルボン酸を含む反応液を直接蒸留法により処理する場合には、pH調整剤として使用したアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物や酸化物あるいは有機塩基とβ−メルカプトカルボン酸とが反応してβ−メルカプトカルボン酸の塩を形成することがある。
β−メルカプトカルボン酸の塩が形成されると蒸留回収量が低下する。これを回避する為、硫酸や硝酸、塩酸などを、用いたpH調整剤の量と同量から小過剰量添加して、反応液を酸性としてから蒸留することが好ましい。
また、α、β−不飽和カルボン酸あるいは、α、β−不飽和カルボン酸アミドから合成したβ−メルカプトカルボン酸、β−メルカプトカルボン酸アミドの中には、結晶性の高い化合物もある。
生成したβ−メルカプトカルボン酸、β−メルカプトカルボン酸アミドの結晶性が高い場合には、生成したβ−メルカプトカルボン酸類と親和性の高い溶剤で抽出し、次いで結晶化することにより目的とするβ−メルカプトカルボン酸類を精製(単離)することができる。
蒸留精製の場合、蒸留に用いる蒸留装置は特に制限されず、回分式蒸留装置、連続式蒸留装置、塔型式蒸留装置などの公知の蒸留装置を使用することができる。
工業的に大量に蒸留する場合には、品質の安定化や生産性向上などの観点より、加熱器、精留塔および凝縮器からなる連続精留装置を使用することが好ましい。
再結晶法は、通常、目的とするβ−メルカプトカルボン酸類が常温で固体である化合物に適用可能である。
再結晶法としては、β−メルカプトカルボン酸類の溶解度が低い貧溶媒による貧溶媒晶析、酸若しくは塩基の添加による中和晶析、または反応液の冷却による冷却晶析など、いずれの形態でもよい。
以上のような条件を満たすことで、β−メルカプトカルボン酸類を高い生産効率で製造することができる。
以下、実施例、参考例、比較例及び実験例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例中、とくに明示しない限り、「%」は質量基準である。
また、反応開始時間及び反応開始圧力は、所定の反応温度になった時を反応開始時間とし、そのときの圧力を反応開始圧力として記載している。
また、反応時間は、所定温度になった時点からの時間を示す。
また、H2S当量数対クロトン酸とは、クロトン酸1当量に対するH2Sの当量数を示す。
また、塩基当量数対クロトン酸とは、クロトン酸1当量に対する塩基(pH調整剤)の当量数を示す。
なお、「pH」は、以下のpHメーターを用いて測定した。
pH計: 東京硝子器械株式会社製、デジタルpHコントローラー 型式FD-02
pH電極: 東京硝子器械株式会社製、pHコントローラー用電極 型式:CE-108C
実施例中の各成分は高速液体クロマトグラフィー分析(以下、「HPLC分析」という。)で測定した。その分析条件は以下の通りである。
カラム:昭和電工株式会社製 Shodex NN−814(長さ20cm、内径0.5cm)、
カラム温度:40℃、
溶離液:0.1%H3PO4、8mM−KH2PO4
流量:1.5mL/ min、
検出:RI、UV(検出波長210nm)。
「溶媒検討」
参考例1
材質がハステロイC(登録商標)である500mlオートクレーブにN,N−ジメチルホルムアミド(357g,純正化学株式会社製)を入れ、クロトン酸(34.0g,0.40mol,東京化成工業株式会社製)およびpH調製の為の塩基として10%水酸化ナトリウム水溶液(固体の水酸化ナトリウムを精製水;イオン交換水を蒸留したもの、で溶解した液。)を4.7g添加して室温で攪拌して均一な液とした。
溶液の温度を2℃から7℃の範囲に保ち、硫化水素(26.9g,0.79mol,H2S当量数対クロトン酸2.0,住友精化株式会社製)を吸収させた。
なお、硫化水素吸収後の液にpH電極を入れ、6℃のpHを測定したところpHは7.3であった。
その後、オートクレーブを密閉状態とし、温度を100℃に上げて5時間反応した。
反応終了後、反応器を25℃まで冷却し、次いでオートクレーブ内の溶液をサンプリングし、HPLCを用いて分析することで3−メルカプトブタン酸(40g,0.33mol,収率84%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は99%であった。
なお、反応圧力は開始時0.5MPaであり、終了時0.4MPaであり、反応装置を開き、溶存分の硫化水素が残った状態の反応液のpHを測定したところ、25℃でのpHは6.7であった。
参考例2、実施例3〜5
クロトン酸の量、溶媒量及び硫化水素の量(H2S当量数対クロトン酸)は変えずに、溶媒の種類及び反応温度を変えて検討を行った。
すなわち、溶媒の種類、硫化水素の量(H2S当量数対クロトン酸)及び反応温度を表1に記載の通りとしたこと以外は参考例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
比較例1〜4
クロトン酸の量、溶媒量は変えずに、溶媒の種類、硫化水素の量(H2S当量数対クロトン酸)及び反応温度を変えて検討を行った。
すなわち、溶媒の種類、硫化水素の量(H2S当量数対クロトン酸)及び反応温度を表1に記載の通りとしたこと以外は参考例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005424672
「塩基(pH調整剤)検討」
実施例6
材質がハステロイC(登録商標)である500mlオートクレーブにN−メチルピロリドン(303g,純正化学株式会社製)、精製水(54g)を入れ、クロトン酸(34.0g,0.40mol)およびpH調製の為の塩基として10%水酸化ナトリウム水溶液(固体の水酸化ナトリウムを精製水で溶解した液。)を4.7g添加して室温で攪拌して均一な液とした。溶媒中の水は16.1%となった。
溶液の温度を2℃から7℃の範囲に保ち、硫化水素(26.9g,0.79mol,H2S当量,対クロトン酸2.0,住友精化株式会社製)を吸収させた。
なお、硫化水素吸収後の液にpH電極を入れ、6℃でのpHを測定したところpHは7.3であった。
その後、オートクレーブを密閉状態とし、温度を100℃に上げて5時間反応した。
反応終了後、反応器を25℃まで冷却し、次いでオートクレーブ内の溶液をサンプリングし、HPLCを用いて分析することで3−メルカプトブタン酸(39g,0.33mol,収率82%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は97%であった。
なお、反応圧力は開始時0.5MPaであり、終了時0.4MPaであり、反応装置を開き、溶存分の硫化水素が残った状態の反応液のpHを測定したところ25℃でのpHは、6.7であった。
実施例7〜10、1214、参考例11、15
クロトン酸の量、溶媒量は変えずに、塩基(pH調整剤)の種類および塩基当量対クロトン酸を変えて検討を行った。
すなわち、塩基(pH調整剤)の種類および塩基の量(塩基当量対クロトン酸)を表2に記載の通りとしたこと以外は実施例6と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005424672
「pH検討」
実施例16〜18、実験例1、参考例29、30
クロトン酸の量、溶媒量は変えず塩基の量を変えて検討を行った。
すなわち、塩基の量(塩基当量対クロトン酸)を表3に記載の通りとしたこと以外は実施例6と同様にして反応を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005424672
「クロトン酸(α,β−不飽和カルボン酸類)濃度の検討」
実施例19〜21
溶媒量は変えずにクロトン酸の量を表4の通りとして検討を行った。なお、塩基の量(塩基当量対クロトン酸)および硫化水素の量(H2S当量数対クロトン酸)は変更せずに実施した。
すなわち、クロトン酸の量を表4の通りとしたこと以外は、実施例6と同様にして反応を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005424672
「温度の検討」
実施例22
材質がハステロイC(登録商標)である500mlオートクレーブにN−メチルピロリドン(242g)、精製水(44g)を入れ、クロトン酸(59g,0.69mol)および10%水酸化水溶液(固体の水酸化ナトリウムを精製水で溶解した液。)を8.5g添加して室温で攪拌して均一な液とした。
溶液の温度を2℃から7℃の範囲に保ち、硫化水素(48g,1.4mol,H2S当量対クロトン酸,住友精化株式会社製)を吸収させた。
なお、硫化水素吸収後の液にpH電極を入れ、6℃でのpHを測定したところpHは7.3であった。
その後、オートクレーブを密閉状態とし、温度を70℃に上げて4時間反応した。
反応終了後、反応器を25℃まで冷却し、次いでオートクレーブ内の溶液をサンプリングしHPLCを用いて分析することで3−メルカプトブタン酸(48.6g,0.40mol,収率59%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は65%であった。
なお、反応圧力は開始時1.2MPaであり、終了時0.8MPaであり、反応装置を開き、溶存分の硫化水素が残った状態の反応液のpHを測定したところ25℃でのpHは、6.8であった。
実施例23〜24
クロトン酸の量、溶媒量は変えず反応温度のみを変更して検討を行った。
すなわち、反応温度を表5に記載の通りとしたこと以外は実施例22と同様にして反応を行った。結果を表5に示す。
Figure 0005424672
「H2S当量対クロトン酸(クロトン酸1当量に対する硫化水素当量数)の検討」
実施例25
材質がハステロイC(登録商標)である500mlオートクレーブにN−メチルピロリドン(357g)、精製水(55.1g)を入れ、クロトン酸(5.7g,0.066mol)および10%水酸化水溶液(固体の水酸化ナトリウムを精製水で溶解した液。)を0.3g添加して室温で攪拌して均一な液にした。
溶液の温度を2℃から7℃の範囲に保ち、硫化水素(4.5g,0.13mol,H2S当量対クロトン酸2.0,住友精化株式会社製)を吸収させた。
なお、硫化水素吸収後の液にpH電極を入れ、6℃でのpHを測定したところpHは7.2であった。
その後、オートクレーブを密閉状態とし、温度を130℃に上げて4時間反応した。
反応終了後、反応器を25℃まで冷却し、次いでオートクレーブ内の溶液をサンプリングしHPLC分析により3−メルカプトブタン酸(6.0g,0.050mol,収率75%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は80%であった。
なお、反応圧力は開始時0.13MPaであり、終了時0.06MPaであり、反応装置を開き、溶存分の硫化水素が残った反応液のpHを測定したところ25℃でのpHは、7.1であった。
実施例26〜27
クロトン酸の量、溶媒量は変えず硫化水素の量(H2S当量数対クロトン酸)のみを変更して検討を行った。
すなわち、硫化水素の量(H2S当量数対クロトン酸)を表6に記載の通りとしたこと以外は実施例25と同様にして反応を行った。結果を表6に示す。
Figure 0005424672
本発明の方法によれば、β−メルカプトカルボン酸類を、高純度で製造することができる。本発明の方法により得られるβ−メルカプトカルボン酸類は、高分子化合物の添加剤や他の反応性化合物の製造原料等として有用である。

Claims (4)

  1. アクリル酸、メタアクリル酸およびクロトン酸から選択されるα,β−不飽和カルボン酸類のいずれかと、硫化水素と、溶媒とを含む液を調製し、次いで、
    前記液を加熱して、前記α,β−不飽和カルボン酸類のいずれかと前記硫化水素を反応させて、前記α,β−不飽和カルボン酸類に対応するβ−メルカプトカルボン酸類を製造するβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法であって、
    前記溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、1−ブチル−2−ピロリジノン、1−エチル−2−ピペリドン、1,3−ジメチルピペリドン、2−ピロリジノン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドより選択される一種以上の化合物であるか、あるいは、該一種以上の化合物と水との混合溶媒であり、
    前記液の、前記α,β−不飽和カルボン酸類のいずれかと前記硫化水素とを反応させる前に6℃で測定したpHが、6.0〜8.5の範囲にあることを特徴とするβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法
  2. 前記反応が、70〜200℃の範囲で行なわれることを特徴とする請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  3. 前記混合溶媒に含まれる水分が1〜50質量%である請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  4. 前記液のpHを、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属を含有する塩基性物質および有機塩基物質から選択されるpH調整剤で調整することを特徴とする請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
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