JP2009091356A - β−メルカプトカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

β−メルカプトカルボン酸類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医薬、農薬の合成原料、及び高分子化合物の添加剤等として有用であるβ−メルカプトカルボン酸類を、入手容易なα,β−不飽和カルボン酸類(例えば、クロトン酸)を原料として、高収率で生産性よく工業的に製造する方法を提供する。
【解決手段】α,β−不飽和カルボン酸類(α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒド、α,β−不飽和ケトン)と硫化水素類(硫化水素、硫化塩、水硫化塩)とからゼオライト等の固体酸触媒を使用して、対応するβ−メルカプトカルボン酸類を得る反応において、反応溶媒として水と相溶する溶媒を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒド及びα,β−不飽和ケトンから選択される原料α,β−不飽和カルボン酸類化合物のいずれかと、硫化水素、硫化塩及び水硫化塩から選択される硫化水素類との反応により、それぞれの原料化合物に対応する、β−メルカプトカルボン酸、β−メルカプトカルボン酸エステル、β−メルカプトアミド、β−メルカプトアルデヒド及びβ−メルカプトケトン(以下、これらを一括して「β−メルカプトカルボン酸類」という。)を効率よく製造する方法に関するものである。
従来、メルカプト化合物は、各種の医薬や農薬の合成原料として広く使用されており、なかでもβ−メルカプトカルボニル化合物は、抗酸化剤としての有用性が認められ、高分子化合物の安定化剤として工業的に使用されている(特開2003−252918号公報;特許文献1)。しかしながら、非特許文献1に記載の反応は、ジエチルアミンを大過剰に使用し、反応時間も長いため、生産性が低く、工業的かつ安価に製造する場合、ジエチルアミンの回収設備が必要であるという課題を残している。
α,β−不飽和カルボン酸としてアクリル酸を用いたマイケル付加反応はジエチルアミン存在下に硫化水素を用いることで進行することが報告されている(Acta Chimica Scandinavica 1951, 5, 690-698;非特許文献1)。
また、アクリル酸と水硫化ナトリウムを大過剰の苛性ソーダ存在下で反応することでβ−メルカプト化合物である、β−メルカプトプロピオン酸が合成できることが報告されている(特開2001−187778号公報;特許文献2)。ただし、この方法では、副反応を抑制するための条件として、基質に対し5当量以上の苛性ソーダを必要とするため余剰分のアルカリを酸にて中和する必要があり、大量に生成する無機塩の処理など工業的な生産に問題があった。
その他の反応として、二硫化炭素を補助試薬として用いるアクリル酸メチルエステルと水硫化ナトリウムの反応によりβ−メルカプトプロピオン酸メチルエステルを合成する方法が報告されている(英国特許第1358019号明細書;特許文献3)。特許文献3に記載の反応では、副反応を抑制する目的で二硫化炭素を用いることが提案されているが、引火性の高い二硫化炭素を使用し、反応後の精製工程が繁雑であることから工業的な意味での有用性は低い。
さらに、特開2001−354643号公報(特許文献4)、特開2001−354644号公報(特許文献5)にはゼオライト等の固体酸触媒の存在下、硫黄類及び硫化水素を用いて、オレフィンを硫化し、硫化オレフィン類を製造する方法が記載されている。これらの文献には中間生成物としてメルカプタン生成の記載はあるが、最終の目的物は本願発明が目的とするメルカプト化合物ではなく、有機スルフィド類、ジスルフィド類、ポリスルフィドである。当該文献ではメルカプタンは極力発生しないようにしている。また、原料のオレフィン類は溶媒で希釈してもよい旨の記載はあるが、例示された溶媒はメタン、エタン、ペンタンなどの飽和脂肪族炭化水素、すなわち非極性溶媒であり、極性溶媒である水と相溶する溶媒を用いることについての記載、示唆、効果については何ら記載はない。
特開2003−252918号公報 特開2001−187778号公報 英国特許第1358019号明細書 特開2001−354643号公報 特開2001−354644号公報 Acta Chimica Scandinavica 1951, 5, 690-698
本発明は、医薬及び農薬の合成原料または高分子化合物の添加剤として有用であるβ−メルカプトカルボン酸類を、入手容易なα,β−不飽和カルボン酸類を原料として、高収率で生産性よく工業的に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、α,β−不飽和カルボン酸類と硫化水素類との反応によりβ−メルカプトカルボン酸類をゼオライト等の固体酸触媒の存在下で製造するに際し、反応溶媒として水と相溶する溶媒を用いる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の[1]〜[13]のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法に関する。
[1]α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒド及びα,β−不飽和ケトンから選択されるα,β−不飽和カルボン酸類のいずれかと硫化水素、硫化塩及び水硫化塩から選択される硫化水素類の少なくとも1種とから固体酸触媒(ただし、シリカゲルを除く。)を使用して対応するβ−メルカプトカルボン酸類を得る反応において、反応溶媒として水と相溶する溶媒を用いることを特徴とするβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[2]前記反応溶媒として水と相溶する溶媒及び水との混合溶媒を用いる前項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[3]前記反応溶媒に含まれる水分が1〜50質量%である前項2に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[4]前記水と相溶する溶媒が、極性非プロトン性溶媒またはアルコールである前項1〜3のいずれかに記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[5]前記極性非プロトン性溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)から選択される1種以上である前項4に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[6]前記α,β−不飽和カルボン酸類が、α,β−不飽和カルボン酸またはα,β−不飽和カルボン酸エステルである前項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[7]前記α,β−不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、桂皮酸、α−メチル桂皮酸、(2’−メチル)桂皮酸、(3’−メチル)桂皮酸、(4’−メチル)桂皮酸、(2’,3’−ジメチル)桂皮酸、(2’,4’−ジメチル)桂皮酸、(3’,4’−ジメチル)桂皮酸、(2’−ヒドロキシ)桂皮酸、(3’−ヒドロキシ)桂皮酸、(4’−ヒドロキシ)桂皮酸、(2’,3’−ジヒドロキシ)桂皮酸、(2’,4’−ジヒドロキシ)桂皮酸、(3’,4’−ジヒドロキシ)桂皮酸、2−ヘキセン酸、または4−メチル−2−ペンテン酸のいずれかである前項1または6に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[8]前記α,β−不飽和カルボン酸エステルが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、2−ペンテン酸メチル、2−ペンテン酸エチル、2−ペンテン酸プロピル、または2−ペンテン酸ブチルのいずれかである前項1または6に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[9]前記α,β−不飽和ケトンが、シクロペンテノン、シクロへキセノン、またはシクロヘプテノンのいずれかである前項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[10]前記固体酸触媒が、酸性イオン交換樹脂、ジルコニウム化合物、ゼオライト、複酸化物担持シリカゲル、ハイドロタルサイト、アタパルジャイト、カオリナイト、アルミナ、ハイドロキシアパタイト、及びヘテロポリ酸担持型触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種である前項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[11]前記固体酸触媒が、ゼオライトである前項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[12]前記ゼオライトが、モレキュラーシーブス3A、モレキュラーシーブスY−54、モレキュラーシーブスLZ−15、モレキュラーシーブスAZ−300、モレキュラーシーブス4A、モレキュラーシーブス5A、またはモレキュラーシーブス13Xである前項11に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
[13]前記硫化塩または水硫化塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、炭素数12以下のアミン塩である前項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
本発明は、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒド及びα,β−不飽和ケトンから選択される原料α,β−不飽和カルボン酸類と、硫化水素、硫化金属塩及び水硫化金属塩から選択される硫化水素類との反応により、原料化合物に対応するβ−メルカプトカルボン酸類を製造する方法を提供したものである。
本発明の製造方法によれば、高収率かつ生産性よくβ−メルカプトカルボン酸類を得ることができ、精製工程の簡略化も可能であることから工業的製法として極めて有用である。
本発明はα,β−不飽和カルボン酸類と硫化水素類との反応によりβ−メルカプトカルボン酸類をゼオライト等の固体酸触媒の存在下で製造するに際し、反応溶媒として水と相溶する溶媒を使用することを特徴とする。以下、本発明について具体的に説明する。
[α,β−不飽和カルボン酸類]
本発明の方法の反応原料となるα,β−不飽和カルボン酸類は、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒド及びα,β−不飽和ケトンのいずれであってもよい。ここで、α,β−不飽和とはカルボニル炭素(C=O)に隣接するα位の炭素とその隣のβ位の炭素が二重結合を形成していることを示す。α及びβ炭素に結合する水素原子は、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基(エステル)、アシルオキシ基で置換されていてもよい。これらの置換基が、さらにカルボニル炭素を含む場合もα、βの位置は元の不飽和炭素を基準とする。これらの置換基は同じ置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。なお、これらの置換基には別の官能基が結合していてもよい。例えば、オキソ基を有するアルキル基(2−オキソ−プロピル基など)であってもよい。
また、元のα,β−不飽和カルボン酸のβ位にカルボキシル基が結合している化合物、例えばマレイン酸、フマル酸や無水マレイン酸なども本発明のα,β−不飽和カルボン酸類に含まれる。さらにα炭素とβ炭素はアルキレン基等で結合した環状構造であってもよい。この環状構造は環の途中にカルボニル炭素が存在する環状ケトンや窒素を含む構造があってもよい。
前記置換基の中では原料入手の容易性の面からアルキル基、アリール基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基が挙げられる。これらの中ではメチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。これらの中ではシクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基が挙げられる。これらの中ではフェニル基、ベンジル基が好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、イソヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基が挙げられる。これらの中ではメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が好ましい。
アシルオキシ基としては、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
本発明の方法の反応原料となるα,β−不飽和カルボン酸類は、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒド及びα,β−不飽和ケトンである。本発明の方法は特にα,β−不飽和カルボン酸及びα,β−不飽和カルボン酸エステルを原料とする場合に有効である。
この理由は、定かでは無いが、α,β−不飽和カルボン酸及びα,β−不飽和カルボン酸エステルが本特許記載の反応条件では、カルボニル基の活性化により二重結合部分の反応性が向上することによるものと考えられる。
目的とするβ−メルカプトカルボン酸類を得るには、対応するα,β−不飽和カルボン酸類を反応基質として選定して用いればよい。
α,β−不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、2−メチルクロトン酸、3−メチルクロトン酸、2−ペンテン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、桂皮酸、α−メチル桂皮酸、β−メチル桂皮酸、(2’−メチル)桂皮酸、(3’−メチル)桂皮酸、(4’−メチル)桂皮酸、(2’、3’−ジメチル)桂皮酸、(2’,4’−ジメチル)桂皮酸、(3’,4’−ジメチル)桂皮酸、(2’−ヒドロキシ)桂皮酸、(3’−ヒドロキシ)桂皮酸、(4’−ヒドロキシ)桂皮酸、(2’,3’−ジヒドロキシ)桂皮酸、(2’,4’−ジヒドロキシ)桂皮酸、(3’,4’−ジヒドロキシ)桂皮酸、4−メチル−2−ペンテン酸、1−シクロヘキセンカルボン酸、1−シクロペンテンカルボン酸、3−(2−フリル)アクリル酸、2,5−ジヒドロチオフェン−3−カルボン酸、2−ヘキセン酸などが挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易性の面からクロトン酸、アクリル酸、メタアクリル酸、2−ペンテン酸、フマル酸、マレイン酸、桂皮酸、4−メチル−2−ペンテン酸が好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸ブチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸イソプロピル、クロトン酸ブチル、2−ペンテン酸メチル、2−ペンテン酸エチル、2−ペンテン酸プロピル、2−ペンテン酸イソプロピル、2−ペンテン酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂皮酸プロピル、桂皮酸イソプロピル、桂皮酸ブチル、4−メチル−2−ペンテン酸メチル、4−メチル−2−ペンテン酸エチル、4−メチル−2−ペンテン酸プロピル、4−メチル−2−ペンテン酸イソプロピル、4−メチル−2−ペンテン酸ブチル、2,5−ジヒドロチオフェン−3−カルボン酸メチルなどが挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易さの面からアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、2−ペンテン酸メチル、2−ペンテン酸エチル、4−メチル−2−ペンテン酸メチル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチルがより好ましい。
α,β−不飽和アミドの具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、クロトン酸アミド、N−メチルクロトン酸アミド、N−エチルクロトン酸アミド、3−メチルクロトン酸アミド、マレイン酸アミド、桂皮酸アミド、N−メチル桂皮酸アミド、N−エチル桂皮酸アミド、α−メチル桂皮酸アミド、N−メチルα−メチル桂皮酸アミド、N−エチルα−メチル桂皮酸アミド等が挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易さの面からアクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、クロトン酸アミド、3−メチルクロトン酸アミド、桂皮酸アミドがより好ましい。
α,β−不飽和アルデヒドの具体例としては、アクロレイン、クロトンアルデヒド、3−メチルクロトンアルデヒド、2−ペンテンアルデヒド、フマルアルデヒド、マレインアルデヒド、桂皮アルデヒド、α−メチル桂皮アルデヒド、(2’−メチル)桂皮アルデヒド、(3’−メチル)桂皮アルデヒド、(4’−メチル)桂皮アルデヒド、(2’−ヒドロキシ)桂皮アルデヒド、(3’−ヒドロキシ)桂皮アルデヒド、(4’−ヒドロキシ)桂皮アルデヒド等が挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易さの面からクロトンアルデヒド、3−メチルクロトンアルデヒド、2−ペンテンアルデヒド、桂皮アルデヒドがより好ましい。
α,β−不飽和ケトンの具体例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、3−ペンテン−2−オン、4−フェニル−3−ペンテン−2−オン、3−ヘキセン−2−オン、4−ヘキセン−3−オン、1,3−ジフェニル−2−プロペノン、4−メチル−3−ペンテン−2−オン、シクロペンテン−2−オン(=シクロペンテノン)、シクロへキセン−2−オン(=シクロへキセノン)、シクロヘプテン−2−オン(=シクロヘプテノン)、カルボン、2(5H)−フラノン、3−メチル−2(5H)−フラノン、4−メチル−2(5H)−フラノン、3,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン等が挙げられる。
これらの中では、原料入手の容易さの面からメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、シクロペンテノン、シクロへキセノン、シクロヘプテノンがより好ましい。
[β−メルカプトカルボン酸類]
本発明により得られるβ−メルカプトカルボン酸類は前記α,β−不飽和カルボン酸類のα位に水素原子が、β位にメルカプト基が結合したものである。前述のように目的とするβ−メルカプトカルボン酸類を得るには対応するα,β−不飽和カルボン酸類を選定すればよい。好ましいβ−メルカプトカルボン酸類は前記の好ましいα,β−不飽和カルボン酸類のβ位にメルカプト基(−SH)が結合した化合物である。
[固体酸触媒]
固体酸触媒は、常温(20〜30℃)から反応温度の範囲で固体状の酸触媒であって、本発明で使用する溶媒に不溶性または難溶解性のものをいう。
固体酸触媒としては、ゼオライト、酸性イオン交換樹脂、ジルコニウム化合物、複酸化物担持シリカゲル(何も担持されていないシリカゲルは本発明の固体酸触媒から除かれる。)、ハイドロタルサイト、アタパルジャイト、カオリナイト、アルミナ、ハイドロキシアパタイト、ヘテロポリ酸担持型触媒、その他の金属酸化物などが挙げられる。これらの中ではゼオライト、酸性イオン交換樹脂が工業的入手の面で好ましい。具体的には特開2007−100073号公報、特開2007−99746号公報、特開2003−305370号公報、特開2003−212803号公報に記載されているものを使用することができる。
本発明において、固体酸触媒として用いるゼオライトは、一般式:M2/nO・Al23・xSiO2・yH2O(M=Na、K、Ca、Ba、nは価数、x=2〜10、y=2〜7)を有し、(Al,Si)O4四面体が頂点を共有してつくる三次元網目構造中の空孔にアルカリ金属、アルカリ土類金属または水分子が入った構造を有する物質である。本発明においては、天然ゼオライト、合成ゼオライトのいずれをも用いることができる。天然ゼオライトとしては、例えば、方沸石(アナルサイト)、菱沸石(チャバザイト)、毛沸石(エリオナイト)、曹達沸石(ナトロライト)、モルデン沸石(モルデナイト)、斜プチロル沸石(クリノプチロライト)、輝沸石(ヒューランダイト)、束沸石、濁沸石(ローモンタイト)、フェリナイト等を挙げることができる。合成ゼオライトとしては、例えば、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、モービル社のZSM系ゼオライト等の結晶性アルミノシリケート、及びホウ素、鉄、ガリウム、チタニウム、銅、銀等の異元素を含有するメタロアルミノシリケートやメタロシリケートなどを挙げることができる。
さらに、ゼオライトとして、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土類元素、La、Ce等の希土類元素、Fe、Co、Ni、Ru、Pd、Pt等の第VIII族元素の少なくとも1種のカチオン種で交換されたものや、Zr、Hf、Cr、Mo、W、Th等を含有させたゼオライトを使用することもできる。
特に好ましいゼオライトとしては、一般的に広く使用されているモレキュラーシーブス3A(MS3A)、モレキュラーシーブス4A(MS4A)、モレキュラーシーブス5A(MS5A)、モレキュラーシーブス13X(13X)、モレキュラーシーブスY−54、モレキュラーシーブスLZ−15、モレキュラーシーブスAZ−300などが好ましい。
合成ゼオライトは、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、シリカゲルなどの出発原料をよく混合し、80〜120℃で結晶を析出させ、pH9〜12まで水洗したのち、ろ過することにより得ることができる。
酸性イオン交換樹脂は、微細な三次元網目構造の高分子基体に酸性のイオン交換基を有する不溶性で多孔質の合成樹脂からなり、一般的に陽イオン交換樹脂と称されるものである。酸性イオン交換樹脂としては、イオン交換基としてスルホン酸基またはカルボン酸基を有し、イオン交換基が結合する高分子基体として、フェノールとホルムアルデヒドを縮重合させて得られる高分子基体や、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体基体を有するものが挙げられる。
ハイドロタルサイトは、一般式M1 8-x2 x(OH)16CO2・nH2Oで表せる複水酸化物でM1=Mg2+、Fe2+、Zn2+、Ca2+、Li2+、Ni2+、Co2+、Cu2+及びM2=Al3+、Fe3+、Mn3+などの組成が知られており水分子が入った構造を有する物質が挙げられる。
アタパルジャイトとしては、アメリカフロリデン社が生産している繊維状構造を有する含水マグネシウム珪酸塩が挙げられる。
カオリナイトは、アルミニウムの含水珪酸塩鉱物である。化学式:Al2Si25(OH)4で示される粘土鉱物である。
アルミナは、アルミニウムの酸化物であり,化学式:Al23の化合物が挙げられる。
ハイドロキシアパタイトは、化学式:Ca5(PO43(OH)で示される化合物である。
ヘテロポリ酸担持型触媒は、一般式〔MX1240n-(X=Si、Pなどのヘテロ元素、M=Mo、Wなどのポリ元素)で示される化合物をシリカ等に担持したものが挙げられる。
複酸化物は、2種以上の金属酸化物からなる高次酸化物のうち、その構造において酸素酸としての基イオンの存在が認められないような化合物である。複酸化物としては、例えば、タングステン化合物とジルコニウム化合物からなる非水溶性の二元系触媒が挙げられる。
その他の金属酸化物としては、例えば、Ge、Sn、Pb、B、Al、Ga、Mg、Zn、Cd、Cu、Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf、Y、La、Ce、Yb、Siからなる群から選ばれる金属の酸化物が挙げられる。
[硫化水素類]
本発明の方法で用いる「硫化水素類」は、硫化水素、硫化塩及び水硫化塩である。硫化水素は、石油精製に由来する硫化水素ガスを使用してもよいし、硫黄を水素化した合成硫化水素を使用してもよい。硫化水素は、ガス状のまま反応装置に供給してもよく、反応に使用する反応溶剤に溶解して供給してもよい。ガス状で供給する場合は、硫化水素ガスを加圧して反応液の上層に供給したり、反応液中にガス分散装置を通して供給してもよい。反応溶剤に溶解して供給する場合は、硫化水素ガスを反応溶剤に溶解させるミキサーへ供給して反応液中に溶解させる。
硫化塩、水硫化塩である金属塩を形成する金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属が挙げられ、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。硫化塩、水硫化塩の非金属塩としては、アミン塩、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩が挙げられ、具体的には、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジグリコールアミンの塩が挙げられる。
これらの中では工業的入手の容易さ及びコストの面からナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、炭素数12以下のアミン塩が好ましい
硫化塩の具体例としては、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化マグネシウム、硫化カルシウム、硫化アンモニウム、硫化メチルアミン等の塩が挙げられる。水硫化塩の具体例としては、水硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化アンモニウム、水硫化メチルアミン等の塩が挙げられる。
これらの中では工業的入手の容易さの面から水硫化ナトリウム塩、水硫化カリウム塩、水硫化アンモニウム塩が特に好ましい
使用する硫化水素類は、α,β−不飽和カルボン酸類1モルに対して、0.7〜7当量が好ましく、より好ましくは1.0〜5当量であり、最も好ましくは、1.1〜4当量である。
硫化水素類の当量数が0.7より小さい場合には、副生成物であるスルフィド化合物が多量に生成するため好ましくない。7より大きい場合はβ−メルカプトカルボン酸類の収率の低下はないが、未反応の硫化水素類の回収設備が大規模となり、実用的ではない。
反応前に硫化水素ガスを溶媒に溶解させておく場合には、反応液の温度を10℃以下に保ちながら硫化水素ガスを反応液中に供給して溶解させておくことが好ましい。
また、硫化塩に塩酸、硫酸等の鉱酸を作用させて発生した硫化水素ガスを用いてもよい。
[反応]
本発明の反応はα,β−不飽和カルボン酸類と硫化水素類との反応によりβ−メルカプトカルボン酸類を生成するものである。クロトン酸と硫化水素との反応を例示すると以下のようになる。
Figure 2009091356
当該反応は、水と相溶する溶媒存在下に行う。反応に使用する固体酸触媒の使用量は特に制限されず、反応のスケールに応じて使用量を適宜定めることができる。固体酸触媒は、反応液中濃度0.05〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%であり、最も好ましいのは3〜10質量%である。ここで、「反応液中濃度」とはα,β−不飽和カルボン酸類、硫化水素類、溶媒、固体酸触媒の合計量に対する固体酸触媒の質量%のことである。なお、本発明においては、固体酸触媒は溶媒に分散あるいは固定床に固定した形で用いられる。ただし、固体床自体の質量は前記の合計量及び触媒の質量には算入しない。
固体酸触媒量が、0.05質量%未満の場合には、反応の進行が遅く、実質的に工業的な生産に不向きである。30質量%を超える場合には、取り扱い性の面で工業的に不都合となる。
固体酸触媒をα,β−不飽和カルボン酸類と接触させる方式は特に制限されない。例えば、反応器内の原料α,β−不飽和カルボン酸類を含む混合液に固体酸触媒を添加して撹拌を行なう回分式や、固体酸触媒を充填した固定床反応器内に原料α,β−不飽和カルボン酸類を含む混合液を流通させる連続式を採用することができる。
回分式で反応を行う場合には、使用する固体酸触媒を粉末で使用してもよいし、バインダーなどで固形化したペレット状触媒、ビーズ状触媒のいずれを使用してもよい。反応性の面から、粉末状の固体酸触媒を使用することがさらに好ましい。
固定床反応器を使用し、連続式で反応させる場合、固定床反応器の大きさや形状などは特に制限されない。反応のスケールに応じて公知の反応器を選定して使用することができる。また固定床反応器は、生産効率をより高めるために、複数個を直列または並列に連結させて使用してもよい。
固定床反応器は、内部に所定量の固体酸触媒を充填して設置される。固体酸触媒が充填された固定床反応器を所定温度に加熱し、反応器の入口から原料のα,β−不飽和カルボン酸類、硫化水素類を含む液あるいはガスをそれぞれ所定流量で供給し、固定床反応器内でβ−メルカプトカルボン酸類に変換し、出口からβ−メルカプトカルボン酸類を含む反応混合物を取り出すことができる。
反応器の入口から原料のα,β−不飽和カルボン酸類を含む液を反応器内に供給し、流通させるときの液空間速度は、反応器内の滞留時間として、0.5〜10時間であり、好ましくは、1〜8時間である。
[溶媒]
本発明の反応に使用する溶媒は水と相溶する溶媒である。また、水との混合溶媒としても使用することができる。前記溶媒は原料となるα,β−不飽和カルボン酸類、硫化水素類の溶解度、反応性等を勘案して選択すればよく、その種類は限定されない。本発明において、水と相溶する溶媒とは、反応温度において水が溶媒に対し5質量%以上溶解する溶媒のことである。
本発明の反応に用いることのできる好ましい溶媒としては、水と相溶するアルコールまたは極性非プロトン性溶媒が挙げられる。
具体的例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、プロパノール、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1−エチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、1−ブチル−2−ピロリジノン、1−エチル−2−ピペリドン、1,3−ジメチルピペリドン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、N−エチルプロパンアミド、アセトニトリル(ATN)、エチレングリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
さらに、これらの溶媒と水との混合溶媒がβ−メルカプトカルボン酸類の収率を挙げる上で特に好ましい。これは反応基質がα,β−不飽和カルボン酸であったり、硫化剤が硫化塩、水硫化塩である場合、有機溶媒のみには溶けにくく、収率の低下を招く恐れがあるためである。水を適当量添加することにより、前記物質の溶解度が上昇し、反応が進行しやすくなるためである。
特に好ましいアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)が挙げられる。
特に好ましい極性非プロトン性溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。
また、水と相溶する溶媒として、極性非プロトン性溶媒を用いるとさらに好ましい。
水との混合溶媒の場合、混合溶媒中の水の量は1〜50質量%であることが好ましい。さらに好ましくは5〜30質量%、最も好ましくは10〜20質量%である。
溶媒は、α,β−不飽和カルボン酸類100質量部に対して、溶媒を200〜3500質量部の比率で使用することが好ましく、より好ましくは、300〜2000質量部、最も好ましくは400〜1500質量部である。
溶媒の使用量が200質量部未満であると副反応が進行しやすく、その場合にはβ−メルカプトカルボン酸類の収率が低下するおそれがある。溶媒の使用量が3500質量部を超えると副反応は抑制され、β−メルカプトカルボン酸類の収率は向上するが、反応液の濃度が希釈されるため、生産性は低下する。そのため、溶媒の使用量は、反応収率と生産性との兼ね合いで決定することが好ましい。
[反応濃度]
α,β−不飽和カルボン酸類の反応溶液中の濃度は、3〜35質量%が好ましく、より好ましくは5〜30質量%であり、7〜20質量%が最も好ましい。
3質量%未満での反応濃度では、反応の進行が非常に遅く、35質量%より高い反応濃度では副反応により収率の低下を招く。
[反応温度]
反応温度は50〜200℃が好ましい。さらに好ましくは、70〜150℃であり、最も好ましいのは、80〜120℃である。
50℃未満の温度では、反応の進行が遅く、200℃を超えると、副反応により収率が低下する場合がある。加熱により揮発性のガスが発生するため、有機溶剤や硫化水素ガスの系外放出を防ぐ目的で閉鎖系の反応器を用いることが好ましい。
[反応時間]
反応時間は、0.1〜12時間とすることができる。一般的には2〜8時間で反応は終了する。クロトン酸類を原料とする反応の場合、通常、4時間程度で原料の転化率が95%以上となる。反応の終点は、原料の転化率及びβ−メルカプトカルボン酸類の反応液中の濃度を分析することにより判断してもよい。
[反応圧力]
反応圧力は、0.1〜3MPaが好ましい。さらに好ましくは、0.2〜2MPaであり、最も好ましいのは、0.4〜1.5MPaである。0.1MPa未満の圧力では、反応の進行が遅く、3MPaを超えると反応装置の設備管理や安全性の面から好ましくない。
[精製]
反応終了後の系からβ−メルカプトカルボン酸類を単離する方法としては、溶媒に不要な固体触媒をろ過により除去した後、反応混合物全体を蒸留する方法や、固体触媒をろ別した後、残余の反応混合物を有機相と水相とに分離して、有機相分を蒸留する方法等が挙げられる。本発明ではいずれの方法も採用することができる。本発明で2種類以上の溶媒を使用し、それぞれが相溶性の無い場合には、生成したβ−メルカプトカルボン酸類と親和性の高い溶剤で抽出し、抽出した液を蒸留精製あるいは結晶化により目的とするβ−メルカプトカルボン酸類を得ることができる。
単一の溶媒、あるいは2種類以上の溶媒を使用しても均一な場合には、上記の様に抽出法を採用してもよいし、反応混合物をそのまま蒸留精製あるいは結晶化してもよい。
反応液から生じる廃液の抑制、工程短縮の観点から反応液を直接蒸留する精製法あるいは再結晶化する方法が好ましい。
蒸留精製の場合、蒸留に用いる蒸留装置は特に制限されず、回分式蒸留装置、連続式蒸留装置、塔型式蒸留装置などの公知の蒸留装置を使用することができる。工業的に大量に蒸留する場合には、加熱器、精留塔及び凝縮器からなる連続精留装置を使用することが好ましい。
再結晶法は、目的とするβ−メルカプトカルボン酸類が常温で固体である化合物に適用可能であり、β−メルカプトカルボン酸類の溶解度が低い、貧溶媒による貧溶媒晶析や酸や塩基の添加による中和晶析、反応液の冷却による冷却晶析などいずれの形態でもよい。
以上のように操作することにより、β−メルカプトカルボン酸類を高い生産効率で製造することができる。得られるβ−メルカプトカルボン酸類は、高純度であり高分子化合物の添加剤や他の反応性化合物の製造原料等として有用である。
以下、実施例、比較例及び参考例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例中、特に明示しない限り、「%」は質量基準である。また、反応開始時間及び圧力は、所定の反応温度になった時を開始時間とし、そのときの圧力を反応開始圧力として記載している。また、反応時間は、所定温度になった時点からの経過時間を示す。
以下の実施例では各成分を高速液体クロマトグラフィー分析(以下、HPLC分析という。)で測定した。その分析条件は以下の通りである。
カラム:昭和電工株式会社製 Shodex NN−814(長さ20cm、内径0.5cm)、
カラム温度:40℃、
溶離液:0.1%H3PO4、8mM−KH2PO4
流量:1.5mL/ min、
検出:RI、UV(検出波長210nm)。
実施例1:
材質がハステロイC(登録商標)である500mlオートクレーブにN−メチルピロリドン(NMP)(313g,純正化学株式会社製)を添加し、クロトン酸(25.5g,0.3mol,東京化成株式会社製)と固体酸触媒としてモレキュラーシーブス4A(MS4A)(24g,パウダー,純正化学株式会社製)を添加し温度を2℃から7℃に保ち硫化水素(16.1g,0.5mol,対クロトン酸1.6当量,住友精化株式会社製)を吸収させる。その後、温度を100℃に上げ5時間維持する。反応器を25℃まで冷却後、内溶液をサンプリングし、HPLC分析により3−メルカプトブタン酸(25.6g,0.2mol,収率72%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は100%であった。なお、反応圧力は開始時0.6MPaであり、終了時0.4MPaであった。
実施例2〜11:
溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、エタノール、またはイソプロピルアルコール(IPA)を用い、固体酸触媒(モレキュラーシーブス4A)の形状及び硫化水素の量を表1に記載の通りに変えたこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009091356
実施例12:
モレキュラーシーブスY−54(24g,パウダー,ユニオン昭和株式会社製)、溶媒にNMP(266g,純正化学株式会社製)と蒸留水(47g)の混合溶媒を使用し反応温度115℃で行った以外は、実施例1と同様にして、3−メルカプトブタン酸(27.0g,0.2mol,収率76%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は100%であった。なお、反応圧力は開始時0.5MPaであり、終了時0.4MPaであった。
実施例13:
モレキュラーシーブスY−54の代わりにモレキュラーシーブスLZ−15(24g,パウダー,ユニオン昭和株式会社製)を使用した以外は、実施例7と同様にして反応を行い、3−メルカプトブタン酸(27.4g,0.2mol,収率77%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は100%であった。なお、反応圧力は開始時0.5MPaであり、終了時0.4MPaであった。
実施例14:
モレキュラーシーブスY−54の代わりにモレキュラーシーブスAZ−300(24g,ビーズ,ユニオン昭和株式会社製)を使用した以外は、実施例7と同様にして反応を行い、3−メルカプトブタン酸(25.2g,0.2mol,収率71%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は98%であった。なお、反応圧力は開始時0.6MPaであり、終了時0.5MPaであった。
実施例15:
モレキュラーシーブスY−54の代わりにモレキュラーシーブス4A(MS4A)(24g,パウダー,純正化学株式会社製)を使用したこと以外は、実施例7と同様にして反応を行い、3−メルカプトブタン酸(27.0g,0.2mol,収率76%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は100%であった。なお、反応圧力は開始時0.5MPaであり、終了時0.4MPaであった。
反応終了後、モレキュラーシーブス4Aをろ過し、ろ液を減圧蒸留することにより目的とする3−メルカプトブタン酸(26.5g,0.22mol,純度99%,沸点80℃/1Torr,蒸留回収率98%,全収率74.5%)を得た。
実施例16〜27:
α,β−不飽和カルボン酸類の種類を表2に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして反応を行った。結果を表2に示した。
Figure 2009091356
比較例1:
500mlオートクレーブにメタノール(313g,9.8mol,純正化学株式会社製)とメタンスルホン酸(10g,0.1mol,東京化成株式会社製)を添加し、クロトン酸メチル(28.9g,0.3mol,東京化成株式会社製)を添加し,温度を2℃から7℃に保ち硫化水素(18.1g,0.5mol,住友精化株式会社製)吸収させる。その後、温度を130℃に上げ4.5時間維持した。反応器の冷却後、3−メルカプトブタン酸メチルの収率は0%であった。クロトン酸メチルの転化率は0%であった。また、反応圧力は開始時0.6MPaであり、終了時0.6MPaであった。
比較例2:
500mlオートクレーブにNMP(313g,9.8mol,純正化学株式会社製)を添加し、クロトン酸(25.5g,0.3mol,東京化成株式会社製)と固体酸触媒としてシリカゲル(24g,和光純薬工業株式会社製)を添加し、温度を2℃から7℃に保ち硫化水素(18.1g,0.5mol,対クロトン酸1.8当量,住友精化株式会社製)を吸収させる。その後、温度を100℃に上げ5時間維持する。反応器を25℃まで冷却後、内溶液をサンプリングしHPLC分析により3−メルカプトブタン酸(0.8g,0.01mol,収率3%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は4%であった。なお、反応圧力は開始時0.6MPaであり、終了時0.6MPaであった。
比較例3:
500mlオートクレーブにトルエン(313g,3.4mol,純正化学株式会社製)を添加し、クロトン酸(25.5g,0.3mol,東京化成株式会社製)と固体酸触媒としてモレキュラーシーブス4A(MS4A)(24g,パウダー,純正化学株式会社製)を添加し、温度を2℃から7℃に保ち硫化水素(18.1g,0.5mol,対クロトン酸1.8当量,住友精化株式会社製)を吸収させる。その後、温度を100℃に上げ5時間維持する。反応器を25℃まで冷却後、内溶液をサンプリングしHPLC分析により3−メルカプトブタン酸(0.4g,0.005mol,収率2%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は3%であった。なお、反応圧力は開始時0.5MPaであり、終了時0.5MPaであった。
比較例4:
500mlオートクレーブにヘキサン(313g,3.6mol,純正化学株式会社製)を添加し、クロトン酸(25.5g,0.3mol,東京化成株式会社製)と固体酸触媒としてモレキュラーシーブス4A(24g,パウダー,純正化学株式会社製)を添加し,温度を2℃から7℃に保ち硫化水素(18.1g,0.5mol,対クロトン酸1.8当量,住友精化株式会社製)を吸収させる。その後、温度を100℃に上げ5時間維持する。反応器を25℃まで冷却後、内溶液をサンプリングしHPLC分析により3−メルカプトブタン酸(0.8g,0.007mol,収率2%)の生成を確認した。クロトン酸の転化率は3%であった。なお、反応圧力は開始時0.8MPaであり、終了時0.8MPaであった。
参考例:
特許文献2(特開2001−187778号公報)の記載に従い従来法を追試した。
30質量%水硫化ナトリウム水溶液(187g,1.0mol,純正化学株式社製の固体を蒸留水で溶解して調整)と水酸化ナトリウム(100g,2.50mol,純正化学株式会社製)を加えて均一となるように溶解した。この水溶液を80〜100℃に保持しつつ、これに19質量%のアクリル酸ナトリウム水溶液(247g,0.5mol,純正化学株式会社製)を30分で滴下した。滴下後、混合物を80〜100℃で6時間反応させた。反応後、5℃に保つように窒素雰囲気下で反応液を30%硫酸中(1400g,純正化学株式社製の98%硫酸を蒸留水に溶解して調整した)に1時間かけて滴下した。滴下後、亜鉛粉末3gを投入し、40℃にて反応混合物を処理した。副生した硫酸ナトリウムをろ過により分離後、メチル−tert−ブチルエーテルにて抽出した。この有機層を濃縮して得られた残渣を減圧蒸留することによりβ−メルカプトプロピオン酸を全収率70%で得た。
本参考例では、反応後に大量の硫酸を用いた中和や亜鉛粉末による処理など多くの工程が必要であることが判った。

Claims (13)

  1. α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和アルデヒド及びα,β−不飽和ケトンから選択されるα,β−不飽和カルボン酸類のいずれかと硫化水素、硫化塩及び水硫化塩から選択される硫化水素類の少なくとも1種とから固体酸触媒(ただし、シリカゲルを除く。)を使用して対応するβ−メルカプトカルボン酸類を得る反応において、反応溶媒として水と相溶する溶媒を用いることを特徴とするβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  2. 前記反応溶媒として、水と相溶する溶媒及び水との混合溶媒を用いる請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  3. 前記反応溶媒に含まれる水分が1〜50質量%である請求項2に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  4. 前記水と相溶する溶媒が、極性非プロトン性溶媒またはアルコールである請求項1〜3のいずれかに記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  5. 前記極性非プロトン性溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)から選択される1種以上である請求項4に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  6. 前記α,β−不飽和カルボン酸類が、α,β−不飽和カルボン酸またはα,β−不飽和カルボン酸エステルである請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  7. 前記α,β−不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、桂皮酸、α−メチル桂皮酸、(2’−メチル)桂皮酸、(3’−メチル)桂皮酸、(4’−メチル)桂皮酸、(2’,3’−ジメチル)桂皮酸、(2’,4’−ジメチル)桂皮酸、(3’,4’−ジメチル)桂皮酸、(2’−ヒドロキシ)桂皮酸、(3’−ヒドロキシ)桂皮酸、(4’−ヒドロキシ)桂皮酸、(2’,3’−ジヒドロキシ)桂皮酸、(2’,4’−ジヒドロキシ)桂皮酸、(3’,4’−ジヒドロキシ)桂皮酸、2−ヘキセン酸、または4−メチル−2−ペンテン酸のいずれかである請求項1または6に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  8. 前記α,β−不飽和カルボン酸エステルが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、2−ペンテン酸メチル、2−ペンテン酸エチル、2−ペンテン酸プロピル、または2−ペンテン酸ブチルのいずれかである請求項1または6に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  9. 前記α,β−不飽和ケトンが、シクロペンテノン、シクロへキセノン、またはシクロヘプテノンのいずれかである請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  10. 前記固体酸触媒が、酸性イオン交換樹脂、ジルコニウム化合物、ゼオライト、複酸化物担持シリカゲル、ハイドロタルサイト、アタパルジャイト、カオリナイト、アルミナ、ハイドロキシアパタイト、及びヘテロポリ酸担持型触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  11. 前記固体酸触媒が、ゼオライトである請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  12. 前記ゼオライトが、モレキュラーシーブス3A、モレキュラーシーブスY−54、モレキュラーシーブスLZ−15、モレキュラーシーブスAZ−300、モレキュラーシーブス4A、モレキュラーシーブス5A、またはモレキュラーシーブス13Xである請求項11に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
  13. 前記硫化塩または水硫化塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、炭素数12以下のアミン塩である請求項1に記載のβ−メルカプトカルボン酸類の製造方法。
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