JP5421141B2 - アミノ樹脂架橋粒子およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、アミノ樹脂架橋粒子およびその製造方法に関する。
水系媒体におけるアミノ化合物とホルムアルデヒドの縮合および硬化(架橋)反応による従来のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法としては、アミノ化合物とホルムアルデヒドの縮合物(硬化前の前駆体)の親水性、疎水性により反応方法が一部異なる(例えば、特許文献1〜4参照)。
このうち、第1の反応手法(反応手法I)は、アミノ化合物とホルムアルデヒドの縮合物(硬化前の前駆体)が親水性となる反応方法である。
(1)アミノ化合物としてメラミンを単独で用いるか、またはメラミンを主成分として用いる場合に通常適用される方法であり、アミノ化合物とホルムアルデヒドの縮合反応を行って得られる縮合物は、水に溶解するので均一系の状態となる。
(2)次に、該縮合物を含有する溶液に硬化触媒(酸触媒)を添加する(好ましくは加熱下で行う)ことで、架橋、析出が起こり、アミノ樹脂粒子が得られる。硬化触媒を添加する際に、凝集抑制、粒子径抑制のために該縮合物を含有する均一溶液に界面活性剤を添加、共存させることが行われている。
かかる反応手法Iにより得られるアミノ樹脂粒子では、粒度分布のシャープな粒子が得られる。しかし、得られるアミノ樹脂粒子は、吸湿性の高い粒子であった。また、得られる単分散性の粒子の粒径は、上限が2μm程度(通常、1μm程度)であった。より大きく粒度分布の揃った粒子を得ようとすると凝集などが発生し、粒子を単分散の状態で得るのが困難であった。
次に、第2の反応手法(反応手法II:懸濁系)は、アミノ化合物とホルムアルデヒドの縮合物(硬化前の前駆体)が疎水性となる反応方法である。
(1)モノマーとして疎水性の高い架橋組成となるアミノ化合物を用いる場合に採用される方法である。この場合、アミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物が水不溶性となる。このため、縮合物を含有する溶液は、不均一系の状態となる。
(2)次に、縮合物含有溶液に界面活性剤を添加し乳濁化させた後、硬化触媒(酸触媒)を添加する(好ましくは加熱下で行う)ことで、架橋が起こり、アミノ樹脂粒子が得られる。得られたアミノ樹脂粒子は反応手法Iで得られる粒子に比べて吸湿性は低いものの、粒度分布がブロードとならざるを得なかった。また、平均粒子径1μm以下では、さらに粒度分布の制御が困難であった。
特開2004−99878号公報 特開2000−256432号公報 特公平7−17723号公報 特開昭52−5894号公報
さらに、反応手法Iであれ、反応手法IIであれ、アミノ化合物としてメラミンを少量でも用いた場合には、得られるアミノ樹脂粒子は、その表面がメラミンに由来する縮合物組成が主成分となってしまい、そのために吸湿性の高い粒子となることが判明した。
すなわち、従来技術では、粒度分布がシャープであって、かつ吸湿性が制御されたアミノ樹脂粒子を得ることは困難であることが判明したのである。
そこで本発明の目的は、吸湿性が低く、かつ粒度分布のシャープなアミノ樹脂架橋粒子およびその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の一形態は、コアの外周にシェル層が設けられてなるコアシェル構造を有し、アミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物からなる、粒子径の変動係数CV値が30%以下のアミノ樹脂架橋粒子であって、前記シェル層が、アミノ化合物(B)とホルムアルデヒドとの縮合物からなり、前記シェル層のアミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物の割合が10〜100質量%である、アミノ樹脂架橋粒子である。
また、上記目的を達成するための本発明の他の形態は、1〜100質量%のメラミン化合物(Y)を含有するアミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとの縮合物からなるアミノ樹脂粒子を水系媒体に分散させ、前記水系媒体の温度を50℃以上に保持しながらアミノ化合物(B)を添加して混合することにより、アミノ化合物(B)−ホルムアルデヒド縮合物からなるシェル層を前記アミノ樹脂粒子の表面に形成させる、アミノ樹脂架橋粒子の製造方法であって、前記アミノ化合物(B)が、10〜100質量%のグアナミン化合物(X)を含有することを特徴とする、アミノ樹脂架橋粒子の製造方法である。
本発明によれば、吸湿性が低く、かつ粒度分布のシャープなアミノ樹脂架橋粒子およびその製造方法が提供されうる。さらに、本発明によれば、耐溶剤性に優れ、粒度分布のシャープなアミノ樹脂架橋粒子およびその製造方法が提供されうる。
本発明は、アミノ樹脂架橋粒子を構成するためのシェル層の形成技術に技術的特徴を有するものである。
以下、本発明に係るアミノ樹脂架橋粒子およびその製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更、実施しうるものである。
なお、本明細書では、粒子やシェル層といった「もの」について、グアナミン化合物(X)、メラミン化合物(Y)などのアミノ化合物における含有量や好ましいアミノ化合物の例示を記載して規定(特定)している。しかしながら、本来は、粒子の状態では、アミノ化合物はホルムアルデヒドと縮合反応し、元のアミノ化合物とは異なる形態で含有されている。したがって、本明細書で粒子やシェル層といった「もの」の説明を行う際に、アミノ化合物の含有量や好ましいアミノ化合物の例示をしているが、実際はアミノ化合物に由来する構造について説明しており、数値の算定は、構造から特定し得る、アミノ化合物の量を基準としている。
たとえば、「シェル層におけるアミノ化合物総量におけるグアナミン化合物(X)の含有量が10〜100質量%」というのは、「シェル層におけるアミノ化合物由来の構造から特定されるアミノ化合物総量におけるグアナミン化合物(X)の含有量が10〜100質量%」であることを意味し、したがって、実質的には「シェル層におけるアミノ化合物に由来する構造総量におけるグアナミン化合物(X)に由来する構造の含有量が10〜100質量%」であることを意味する。以下、本明細書において、特に断りがない場合においては、同様のことを意味するものとする。
<アミノ樹脂架橋粒子の製造方法>
本発明の一形態に係るアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、1〜100質量%のメラミン化合物(Y)を含有するアミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとの縮合物からなるアミノ樹脂粒子を水系媒体に分散させ、前記水系媒体の温度を50℃以上に保持しながらアミノ化合物(B)を添加して混合することにより、アミノ化合物(B)−ホルムアルデヒド縮合物からなるシェル層を前記アミノ樹脂粒子の表面に形成させる、アミノ樹脂架橋粒子の製造方法であって、前記アミノ化合物(B)が、10〜100質量%のグアナミン化合物(X)を含有することを特徴とする、アミノ樹脂架橋粒子の製造方法である。なお、本発明では、アミノ化合物(A)、(B)におけるグアナミン化合物(X)、メラミン化合物(Y)の割合(%)は、特に断らない限り「質量%」である。
グアナミン化合物(X)として、好ましくは、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym.−トリアジン)、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、アセトグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、スピログアナミンなどのグアナミン類から選ばれる1種または2種以上であり、特に好ましくはベンゾグアナミンである。また、メラミン化合物(Y)として、好ましくは、メラミンまたは下記一般式(1)で表される化合物であり、特に好ましくはメラミンである。
Figure 0005421141
(式中、Rは、水素原子または置換基があってもよいアルキル基を表すが、それらの少なくとも1つが置換基があってもよいアルキル基である。各Rは、同一であっても異なっていてもよい。)
好ましいRは、水素原子またはヒドロキシアルキル基である。
本発明の製造方法では、吸湿性が低く、かつ粒度分布のシャープなアミノ樹脂架橋粒子の製造方法を提供することができる。即ち、かかる製造方法により、アミノ樹脂粒子表面に、添加液におけるアミノ化合物(B)組成に由来する構造を有するシェル層が形成され、非吸湿性の粒子が得られる。また、内部に位置するコアの粒度分布もシャープであり、各粒子のシェル層形成が均等に起こるため、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の粒度分布もシャープとなる。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法(コアとなるアミノ樹脂粒子を製造する場合、シェル層を形成させる工程を含む)において、ホルムアルデヒドを原料として用いる場合は、好ましくは、ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)の形態で反応に供せられる。また、トリオキサンおよびパラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒドを発生するものを原料として使用することもできる。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、上記アミノ化合物(A)−ホルムアルデヒド縮合物からなるアミノ樹脂粒子表面に、アミノ化合物(B)−ホルムアルデヒド縮合物からなるシェル層を形成させて硬化する工程(縮合・硬化工程ともいう)を有することを特徴とするものである。
従って、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を製造する上で、必須の工程は、アミノ樹脂粒子に、シェル層を形成させて硬化する工程であるが、架橋度を高めるための熱処理工程(加熱工程)を行うことが望ましい。
また、コアとなるアミノ樹脂粒子を製造する方法は、特に制限されるものではなく、任意(既存の製造方法を利用可能)であるが、後述する第1、第2の製造方法で製造することが好ましく、粒子径が揃う第2の製造方法が特に好ましく採用される。
したがって、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を製造する方法における重要な工程と位置づけは以下の通りである。
1)アミノ樹脂粒子の製造方法(工程):特に制限されるものではないが、後述する第1、第2の製造方法(工程)が好適な態様であり、特に第2の製造方法(工程)がより好適である。
但し、いずれの方法であっても、シェル層を形成させて硬化する工程に供するためには、コア粒子の段階では架橋度を高めるための熱処理工程を行うこともできるが、コア粒子としては硬化触媒を加えて硬化する段階まで行った粒子(分散液)が好ましい。
2)シェル層を形成させて硬化する工程:最も重要かつ必須の工程である。以下に詳述
する。
3)架橋度を高めるための熱処理工程:必須ではないが、好適な態様である。
上記1)の第1、2の製法工程⇒2)の工程⇒3)の工程が、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を製造するための好ましい製法であり、1)の工程で第2の製法を用いる方法が更に好ましい方法である。
4)その他の工程について
a)上記で得られたアミノ樹脂架橋粒子を粉体の形態や溶媒分散体の形態、樹脂組成物の形態に加工する方法(分離工程、粉砕分級工程、加熱溶媒置換法、粉体化法等)は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。
ただし、粉砕分級工程、粉体化法(粉体化工程)においては吸湿に配慮した雰囲気(乾燥雰囲気)で行うのが好適な態様である。
b)中和工程は、必須ではなく、硬化触媒に酸強度の高い硫酸を用いた場合などに必要に応じて行えばよい。
c)着色スペーサなど着色粒子とする場合に必要な工程である着色工程は、必要に応じて行えばよい。
以下、本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法につき、上記2)のシェル層を形成させて硬化する工程、上記3)の架橋度を高めるための熱処理工程、最後に任意の工程である上記1)のアミノ樹脂粒子の好ましい製造方法(工程)について順に説明する。
[I]上記2)のシェル層を形成させて硬化する工程(縮合・硬化工程)について
本縮合・硬化工程は、上記アミノ化合物(A)−ホルムアルデヒド縮合物からなるアミノ樹脂粒子を分散させた水系媒体を、50℃以上に保持しながら、アミノ化合物(B)を添加混合することにより、アミノ化合物(B)とホルムアルデヒドを縮合反応、硬化反応させて、アミノ樹脂粒子表面にアミノ化合物(B)−ホルムアルデヒド縮合物を成長させて、該縮合物からなるシェル層を形成せしめるものである。
本縮合・硬化工程では、上記アミノ樹脂粒子を分散させた水系媒体中に、上記アミノ化合物(B)の他に、ホルムアルデヒド(ホルマリン)、硬化触媒、界面活性剤等を適時、適量添加するのが望ましい。従って、以下の製造方法の説明では、これらを用いる実施形態につき詳しく説明する。但し、本発明の製造方法では、上記工程において、ホルムアルデヒド(ホルマリン)、硬化触媒や界面活性剤を用いなくとも、所望のシェル層を形成し得るものであれば、そうした製造方法も十分に適用可能であることはいうまでもない。さらに、本発明の製造方法により得られるアミノ樹脂架橋粒子の吸湿性をさらに抑制する好ましい態様とすべく、無機粒子やフェノール類を適宜加えてもよい。
以下、本縮合・硬化工程の構成要件ごとに詳しく説明する。
(1)アミノ樹脂粒子
本工程において用いられるアミノ樹脂粒子は、アミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとの縮合物からなり、前記アミノ化合物(A)においてはメラミン化合物(Y)の割合が1〜100質量%である。上記構成のアミノ樹脂粒子(以下、コアまたはコア粒子とも言う)を用いることで、平均粒子径を小さくできる。また、アミノ樹脂粒子の粒子径の変動係数CV値を30%以下に制限することができ、粒度分布のシャープなアミノ樹脂粒子を得ることができる点で優れている。
前記アミノ化合物(A)におけるメラミン化合物(Y)の割合が上記範囲内から外れると、例えば、粗大粒子の生成などのおそれがある。かかるアミノ化合物(A)におけるメラミン化合物(Y)の割合としては、粒度分布をシャープに抑制し得ることから、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。一方、平均粒子径をサブミクロン領域に制御し易い点で、アミノ化合物(A)におけるメラミン化合物(Y)の割合は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは100質量%である。
上記アミノ化合物(A)におけるメラミン化合物(Y)の割合が100%以外の場合における、メラミン化合物(Y)以外のアミノ化合物(A)としては、分子内にアミノ基を有する化合物であれば特に限定されないが、得られるアミノ樹脂架橋粒子の耐湿性に優れる点から、好ましくは、分子内にアミノ基を2つ以上有する化合物が好ましく、より好ましくは、トリアジン環を有する多官能アミノ化合物が好ましい。
トリアジン環を有する多官能アミノ化合物としては、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym.−トリアジン)、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、アセトグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、スピログアナミンなどのグアナミン類から選ばれる少なくとも1種の化合物(グアナミン化合物(X))の他に、下記一般式(2)、(3)で表されるジアミノトリアジン化合物などが好ましいが、特にグアナミン化合物(X)が好ましい。
一般式(2)は、
Figure 0005421141
(式中、Rは、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表す。)
で表されるジアミノトリアジン化合物である。
一般式(3)は、
Figure 0005421141
(式中、Rは、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよい、)
で表されるジアミノトリアジン化合物である。
アミノ化合物(A)として、メラミン化合物(Y)と組み合わせるアミノ化合物は1種であってもよいが、2種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法において用いられるアミノ樹脂粒子の平均粒子径dは、0.01〜5μmであることが好ましい。上記範囲内であると、例えば本発明の製造方法によって得られるアミノ樹脂架橋粒子とバインダー樹脂とを使用して光拡散部材とした場合の光拡散性能に特に優れる粒子となる。アミノ樹脂粒子の平均粒子径としては、同様の理由から、さらに好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.08μm以上、特に好ましくは0.18μm以上である。一方、CV値がより好ましい範囲となる観点からは、平均粒子径dの上限は、好ましくは3μm以下であり、さらに好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下であり、特に好ましくは0.3μm以下である。なお、本発明において、アミノ樹脂粒子の平均粒子径dは、粒子総個数が200個前後になるようにSEM写真を撮影し、その写真より無作為に選んだ100個の粒子の直径をノギスにて計測し、個数平均値を平均粒子径とする。なお、粒子は略球状であるため、撮影された写真の粒子(断面)の最大長を計測し、直径とする。
(2)水系媒体
本工程で用いられるアミノ樹脂粒子を分散させうる水系媒体としては、特に制限されるものではなく、水、アルコール類等が挙げられる。
水系媒体中のアミノ樹脂粒子の濃度(つまり、固形分濃度)は、特に制限されるものではないが、3〜25質量%の範囲内となるように調整するのが望ましい。アミノ樹脂粒子の濃度を3質量%以上とすることで、得られるアミノ樹脂架橋粒子の生産性を向上することができる点で優れている。一方、アミノ樹脂粒子の濃度を25質量%以下とすることで、得られるアミノ樹脂架橋粒子の肥大化、粒子同士の凝集を効果的に防止でき、粒度分布の狭いアミノ樹脂架橋粒子とすることができる。
なお、アミノ樹脂粒子(コア粒子)を製造する段階で水系媒体を用い、該アミノ樹脂粒子が水系媒体中に分散した形態で作製される場合には、水系媒体中のアミノ樹脂粒子の濃度(固形分濃度)を上記範囲内になるように、必要があれば、水系媒体を更に追加すればよい。上記アミノ樹脂粒子を水系媒体中に混合、分散させるには、一般的な撹拌手段を用いて混合、分散させればよく、例えば、ディスクタービン、ファンタービン、ファウドラー型、プロペラ型および多段翼などの撹拌翼を使用して撹拌する方法等が挙げられる。これらの撹拌方法は、後述する硬化(架橋)反応の際の反応液の撹拌にそのまま適用することもできる。
(3)アミノ化合物(B)
本工程において、上記アミノ樹脂粒子を分散する水系媒体(50℃以上に保持)に添加混合されるアミノ化合物(B)としては、グアナミン化合物(X)を必須とし、かつグアナミン化合物(X)のアミノ化合物(B)における割合が10〜100質量%である。かかる構成とすることで、本工程により形成、硬化されるシェル層の疎水性(疎水化度)が高く、かつ粒子の吸湿性(水分量及び飽和吸湿量)を低くすることができ、樹脂への分散性等も優れたものにすることができる。
即ち、アミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)の割合が上記範囲内から外れると、例えば、粒子の吸湿性抑制効果が不十分となるおそれがある。かかるアミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)の割合としては、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上、いっそう好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
上記アミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)の割合が100質量%以外の場合における、グアナミン化合物(X)以外のアミノ化合物(B)としては、前記したアミノ化合物のうち、グアナミン化合物(X)以外のアミノ化合物、例えば、メラミン、一般式(1)で表される化合物などのメラミン化合物;前記一般式(2)、(3)で表されるジアミノトリアジン化合物などが好ましく使用できる。グアナミン化合物(X)と組み合わせるアミノ化合物は1種であってもよいが、2種以上を併用してもよい。
さらに好ましくは、アミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)以外に用いるアミノ化合物は、好ましくはメラミン化合物(Y)であり、かつアミノ化合物(B)におけるメラミン化合物(Y)の割合が0〜90質量%であることが好ましい。かかる構成とすることで、樹脂との親和性に優れ、本工程により形成、硬化されるシェル層の疎水性(疎水化度)が高く、かつ粒子の吸湿性(水分量及び飽和吸湿量)を低くすることができる。アミノ化合物(B)として用いられるメラミン化合物(Y)の中でも特に好ましくは、メラミンである。
上記アミノ化合物(B)におけるメラミン化合物(Y)の割合が90質量%を超えると、例えば、吸湿性抑制効果と疎水性向上効果が不十分となるおそれがある。かかるアミノ化合物(B)におけるメラミン化合物(Y)の割合としては、吸湿性抑制効果に優れることから、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、いっそう好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
また、上記アミノ樹脂架橋粒子におけるシェル層(グアナミン化合物(X)が10〜100質量%)を、粒子の状態でも分析できる下記1)、2)の内容(要件)で別途規定することもできる。
1)グアナミン化合物(X)における置換基(ベンゾグアナミンであればフェニル基、アセトグアナミンであればメチル基)の量がシェル層に含まれる質量%での規定。
好ましくは、シェル層に対する該置換基の含有量が、20質量%以上であることが好ましく、さらに25質量%以上であることがより好ましい。また、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましい。
グアナミン化合物(X)における置換基は、フェニル基であることが好ましい。したがって、フェニル基のシェル層における含有量が20質量%以上であることが好ましく、さらに25質量%以上であることがより好ましい。また、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましい。
グアナミン化合物(X)における置換基、フェニル基の含有量は、たとえば、FT−IR法において、トリアジン骨格に帰属される吸収強度に対する置換基、フェニル基に帰属される吸収強度比を測定すること、あるいは固体C−NMR法においてトリアジン骨格に由来するCのピーク(ケミカルシフト)と置換基、フェニル基に由来するCのピーク(ケミカルシフト)の面積比を測定することにより確認することができる。
2)アミノ樹脂架橋粒子における好ましいシェル層は、アミノ化合物由来の構造に対するグアナミン化合物(X)由来の構造の割合が、10〜100質量%であることが好ましいが、アミノ化合物由来の構造が、トリアジン環を有するアミノ化合物由来の構造からなることが好ましい。
シェル層における、グアナミン化合物(X)由来の置換基の含有量について、トリアジン環の含有量に対する割合が、モル比で表して、0.8以上であることが好ましく、さらに、0.9以上であることがより好ましい。好ましい上限は1である。特に好ましいのは、フェニル基のトリアジン環に対する含有割合が、上記範囲である。
上記のトリアジン骨格に対する置換基の含有割合は、FT−IR法、あるいは固体C−NMR法により確認することができる。
また、本発明に係るアミノ樹脂架橋粒子において用いられる、グアナミン化合物(X)以外のアミノ化合物としては、メラミン化合物(Y)を必須とすることが好ましく、グアナミン化合物(X)とメラミン化合物(Y)との総量に対するグアナミン化合物(X)の割合が5.0質量%以上であることが吸湿性が抑制された粒子となりやすく好ましい。この割合は、より好ましくは7.5質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、一層好ましくは50質量%以上であり、特に好ましくは60質量%以上である。一方、アミノ樹脂架橋粒子の耐溶剤性に優れる点から、グアナミン化合物(X)とメラミン化合物(Y)との総量に対するグアナミン化合物(X)の割合が95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは90質量%以下である。
さらに、本発明に係るアミノ樹脂架橋粒子は、アミノ化合物由来の構造がグアナミン化合物(X)由来の構造またはグアナミン化合物(X)由来の構造とメラミン化合物(Y)由来の構造のみからなることが好ましい。すなわち、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を構成するアミノ樹脂の原料であるアミノ化合物が、グアナミン化合物(X)またはグアナミン化合物(X)とメラミン化合物(Y)のみからなることが好ましい。
上記アミノ化合物(B)の使用量は、上記アミノ樹脂粒子(コア)100質量部に対して、10〜1000質量部の範囲が好ましく、より好ましくは25〜700質量部、さらに好ましくは50〜500質量部の範囲である。10質量部以上では、吸湿性を抑制する効果に優れるシェル層を形成しやすく、1000質量部以下であれば、粒度分布の特にシャープな粒子が得られ易い。
(4)ホルムアルデヒド
本工程にて必要なホルムアルデヒドの含有量は、下記(7)の(i)、(ii)のいずれの添加混合形態であれ、ホルムアルデヒド/アミノ化合物(B)のモル比で、1.5〜6、より好ましくは2〜4の範囲である。かかる範囲内とすることで、モノマー架橋反応の促進ができるほか、粒度分布の狭いアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。上記モル比が1.5未満では、粒子における架橋密度が不十分となって耐溶剤性が不十分となるほか、未反応アミノ化合物(B)やシェル層に取り込まれずに遊離したアミノ化合物(B)とホルムアルデヒドとの縮合物等が多くなるおそれがあり、アミノ樹脂架橋粒子の安定な懸濁液が得られないことがある。一方、ホルムアルデヒドの含有量が、ホルムアルデヒド/アミノ化合物(B)のモル比で6を超えると、粒度分布がブロードとなり易く、メチロール化物が多く生成し、粒子の耐湿性を低下させる。又、粒子中の残留ホルムアルデヒド量も多くなり、安全性に問題が生じるおそれがあり、上記懸濁液に不必要な泡立ちが生じたり最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の物性に悪影響を与えることがある。
なお、下記(7)の(i)の添加混合形態の場合、アミノ樹脂粒子(コア粒子)を製造する段階で水系媒体中にホルムアルデヒドを過剰に添加しておくことで、得られるアミノ樹脂粒子を分散させた水系媒体中に、予めホルムアルデヒドを含有させることができる。この場合には、水系媒体中のホルムアルデヒドの含有量を上記範囲内になるように、必要があれば、ホルムアルデヒドを更に下記(7)の(i)、(ii)のいずれかの添加混合形態にて追加すればよい。但し、アミノ樹脂粒子(コア粒子)を製造する段階で、本工程にて必要なホルムアルデヒド量が残存する程度に過剰に加えられている場合には、本工程では、ホルムアルデヒドを追加しなくてもよい。
(5)界面活性剤
本工程において用いられる界面活性剤は、シェル形成反応過程後に得られるアミノ樹脂架橋粒子の2次凝集や合一を抑制する目的で使用される。
本工程において用いることのできる界面活性剤としては、特に制限されるものではなく、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤など全ての界面活性剤が使用できる。縮合や硬化反応における粒子の分散安定性の観点から、アニオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤あるいはそれらの混合物が好ましい。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ナトリウムドデシルサルフエート、カリウムドデシルサルフエートなどの如きアルカリ金属アルキルサルフエート;アンモニウムドデシルサルフエートなどの如きアンモニウムアルキルサルフエート;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフエート;ナトリウムスルホリシノエート;スルホン化パラフインのアルカリ金属塩、スルホン化パラフインのアンモニウム塩などの如きアルキルスルホン酸塩;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアビエテートなどの如き脂肪酸塩;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフエノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフエートなどの如きアルキルアリールスルホン酸塩;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフエート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフエート塩などが使用できる。
上記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールのモノラウレートなどの脂肪酸モノグリセライド;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体;エチレンオキサイドと脂肪属アミン、アミドまたは酸との縮合生成物などが使用できる。
上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、4級アンモニウム塩などが使用できる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタインなどが使用できる。
上記界面活性剤の使用量は、上記アミノ樹脂粒子100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲が好ましい。0.01質量部未満の少量ではアミノ樹脂架橋粒子の安定な懸濁液が得られないことがあり、また、10質量部を超える多量では上記懸濁液に不必要な泡立ちが生じたり最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の物性に悪影響を与えることがある。
(6)硬化触媒
本工程において用いられる硬化触媒は、アミノ樹脂粒子表面での硬化(架橋)反応による粒子成長化(シェル層形成)を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子(詳しくは、アミノ樹脂架橋粒子の懸濁液)を得るようにするために使用するものである。
上記硬化触媒としては、酸触媒が好適である。酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸;これら鉱酸のアンモニウム塩;スルファミン酸;ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類;フタル酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸等の有機酸;のいずれも使用できる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記例示の酸触媒のうち、硬化速度向上の観点からは鉱酸が好ましく、さらに、装置への腐食性、鉱酸使用時の安全性等に優れる点からは硫酸がより好ましい。上記酸触媒として硫酸を用いる場合には、更にドデシルベンゼンスルホン酸を用いる場合に比べて、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色しないまたは耐溶剤性が高いといった点からも優れている。
一方、上記例示の酸触媒のうち、本工程において粒子に対する特異な界面活性能を発揮し、アミノ樹脂架橋粒子の安定な懸濁液を生成する効果に優れる点で、炭素数10〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸を用いることが好ましい。例えばデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。
上記硬化触媒の使用量は、上記アミノ樹脂粒子100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部、さらにより好ましくは1〜10質量部である。上記炭素数10〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸を用いる場合においても同様である。
上記硬化触媒の使用量が、0.1質量部未満では縮合硬化によるシェル層形成に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。また、20質量部を超えると、生成した懸濁液中のアミノ樹脂架橋粒子中に硬化触媒が必要以上に分配されることになり、その結果、アミノ樹脂架橋粒子が可塑化されて縮合硬化によるシェル層形成中に粒子間の凝集や融着が生じやすくなり、最終的に均一な粒子径を有するアミノ樹脂架橋粒子が得られ難くなるおそれがある。
また、上記硬化触媒の使用量としては、アミノ化合物(B)1モルに対して0.0005モル以上であることが好ましく、より好ましくは0.002モル以上が好ましい。0.2モル以下が好ましく、さらに0.1モル以下が好ましい。特に好ましくは0.005〜0.05モルである。硬化触媒の使用量がアミノ化合物(B)1モルに対して0.0005モル未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。0.2モルを超えると前述したのと同様、シェル層形成中に粒子間の凝集や融着が生じやすくなり、最終的に均一な粒子径を有するアミノ樹脂架橋粒子が得られ難くなるおそれがある。
(7)上記アミノ樹脂粒子が分散した水系媒体へのアミノ化合物(B)等の添加混合形

上記水系媒体に添加される縮合・硬化反応に用いられるアミノ化合物(B)、硬化触媒、ホルムアルデヒド、界面活性剤につき、好適な添加混合形態につき、以下に例示する。ただし、本発明では、縮合・硬化反応により所望のシェル層を形成し得るものであればよく、以下に例示する添加混合形態に何ら制限されるものではない。
具体的には、ホルムアルデヒド、界面活性剤、硬化触媒は、(i)アミノ化合物(B)を含む添加液を添加するに先立ち、予め、上記アミノ樹脂粒子が分散した水系媒体に共存させておいてもよいし、(ii)アミノ化合物(B)を添加する際に添加してもよい。添加する場合は、(ii−1)アミノ化合物(B)を含む添加液に共存させた混合状態で添加してもよいし、(ii−2)アミノ化合物(B)を含む添加液とは異なる経路で添加してもよい。
好ましい形態は、ホルムアルデヒド、硬化触媒、界面活性剤いずれも、上記(ii)の形態が好ましく、上記(ii−1)の形態が特に好ましい。これは、所定濃度のアミノ化合物(B)、ホルムアルデヒド、硬化触媒、界面活性剤を水系媒体中に素早く溶解ないし分散させることができ、縮合反応、硬化反応のコントロールが容易であるためである。
上記(i)(ii)いずれの形態にせよ、アミノ樹脂粒子が分散した水系媒体への上記アミノ化合物(B)を含む添加液の添加は、連続して行ってもよく、断続的に所定量を分割して添加してもよい。好ましくは、連続的に滴下する方が好ましい。連続的の方が系内で均一になり、分布がシャープになりやすいためである。
上記(ii−2)の場合、アミノ化合物(B)を含む添加液とは異なる経路で添加されるホルムアルデヒド、界面活性剤、硬化触媒の添加も、連続して行ってもよく、断続的に所定量を分割して添加してもよい。好ましくは、ホルムアルデヒド、界面活性剤、硬化触媒を含む添加液を連続的に滴下する方が好ましい。この際、ホルムアルデヒド、界面活性剤、硬化触媒は、それぞれ別々の添加液を作製して添加してもよいし、これらの2以上を含む添加液を作製して添加してもよい。特に好ましくは2以上含む添加液の形態である。
上記「同様に添加する」場合の硬化触媒と前記アミノ化合物(B)の添加は、上記アミノ化合物(B)の速度と同じ範囲内で添加するのが好適である。
なお、上記アミノ化合物(B)、ホルムアルデヒド、界面活性剤、硬化触媒は、いずれの添加混合形態にせよ、そのまま添加してもよいが、好ましくは上記したように予めアミノ化合物(B)やホルムアルデヒド、界面活性剤、硬化触媒を含む添加液を作製しておき、かかるアミノ化合物(B)、および/または、ホルムアルデヒド、界面活性剤及び硬化触媒の少なくとも1種、好ましくは全部を含む添加液(アミノ化合物(B)等を含む添加液という)を用いるのが望ましい。好ましくは添加後に均一に拡散され易いことから、かかるアミノ化合物(B)等を含む添加液として、該アミノ化合物(B)等を水系媒体に分散または溶解した液状添加液を用いるのが好ましい。また、該添加液において、アミノ化合物(B)は、前記界面活性剤で微分散させてなるのが好ましい。
また、アミノ化合物(B)がグアナミン化合物(X)に加えてメラミン化合物(Y)等の他のアミノ化合物の2種以上の化合物からなる場合には、いずれの添加混合形態にせよ、予めこれらを混合して添加してもよいし、別々の経路から添加してもよい。同様に、2種以上の界面活性剤を併用する場合にも、予めこれら界面活性剤を混合して添加してもよいし、別々の経路から添加してもよい。2種以上の硬化触媒を併用する場合にも、予めこれら硬化触媒を混合して添加してもよいし、別々の経路から添加してもよい。
また、上記アミノ化合物(B)等を含む添加液の総添加時間(添加工程の時間、断続の場合は添加開始から添加が全て終了するまでの時間)t(hr)としては、以下の範囲が好ましい。
Figure 0005421141
ここで、Wx:添加するアミノ化合物(B)の質量(kg)
Wy:アミノ樹脂粒子(コア粒子)の質量(kg)
上記アミノ化合物(B)等を含む添加液の総添加時間tを上記範囲内とすることで、水系媒体(反応液)中に分散されてなるアミノ樹脂粒子(コア)表面でアミノ樹脂前駆体を経てアミノ樹脂からなる層を選択的(優先的)に成長させることができ、個々の粒子間で成長厚みにバラツキが少なく、所望の厚さ(平均値)を有するシェル層を形成させることができ、尚且つ得られる粒子表面の最外層をグアナミン化合物(X)リッチの縮合組成とすることができ、さらなる吸湿性の低減を効果的に図ることができる。さらに、上記アミノ化合物(B)等を含む添加液の総添加時間tを上記範囲内とすることで、アミノ樹脂粒子(コア)の持つ粒度分布のシャープな特性を損なうことなく、粒子径の変動係数CV値が、30%以下、さらには前述したより好ましいCV値のアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。これは、前記アミノ化合物(B)を添加することで、アミノ樹脂粒子(コア)表面だけでなく、水系媒体(反応液)中でも、アミノ化合物(B)とホルムアルデヒドの縮合反応により、新たにアミノ樹脂前駆体からアミノ樹脂粒子が形成されるが、多くはその近傍にあるアミノ樹脂粒子(コア)表面で成長するアミノ樹脂層に吸着・結合して取り込まれていくものであるが、とりわけアミノ化合物(B)等を含む添加液の総添加時間tを上記範囲内にコントロールすることで、新たなアミノ樹脂粒子の生成を抑えることができる為と考えられる。なお、新たに生成してしまうアミノ樹脂粒子は、いわば従来の1段法による製法により形成される粒子と同様、表面の最外層がメラミン化合物(Y)リッチな組成となりやすく、また粒子サイズも異なる為、粒度分布のシャープさの低下や吸湿性抑制の低下の原因となるおそれがある。また、tを上記範囲内とすることで、残留未反応モノマーを抑制し得る点で有利である。一方、前記アミノ化合物(B)等を含む添加液の総添加時間tが(Wx/Wy)×0.5(hr)未満の場合には、前述した新たなアミノ樹脂粒子の生成や粒子の2次凝集をおこすおそれがある。(Wx/Wy)×5.0t(hr)を超える場合には生産効率が悪くなるおそれがある。なお、Wx/Wyの具体的な値について特に制限はなく、得られるアミノ樹脂架橋粒子のシェル層の厚み(得られるアミノ樹脂架橋粒子の説明の欄において後述する「t」)や、アミノ樹脂架橋粒子のシェル層比(同様に後述する「t/d」)が所望の値となるように適宜調節すればよい。一例として、Wx/Wyの値は、好ましくは0.1〜10であり、より好ましくは0.25〜7であり、さらに好ましくは0.5〜5である。また、本縮合・硬化工程では、上記反応液を常に適当な温度域に保持し、適当な撹拌力にて撹拌・混合しながら縮合・硬化反応を進めていくのがよい。
(8)アミノ化合物(B)とホルムアルデヒドとの縮合・硬化反応条件
本工程では、アミノ化合物(A)−ホルムアルデヒド縮合物からなるアミノ樹脂粒子を分散させた水系媒体を、50℃以上に保持しながら、アミノ化合物(B)等の上記添加物を適時、適量添加混合することにより、アミノ化合物(B)とホルムアルデヒドを縮合反応、硬化反応(縮合・硬化反応という)させて、アミノ樹脂粒子表面にアミノ化合物(B)−ホルムアルデヒド縮合物を成長させて、該縮合物からなるシェル層を形成せしめ、アミノ樹脂架橋粒子とするものである。
かかる縮合・硬化反応の際の反応液の液温としては、上記の通り50℃以上である。反応液の液温が50℃未満の場合には、上記反応が起こり難く、目的とするアミノ樹脂架橋粒子が得られ難い。反応液の液温としては、上記反応を速やかに進めやすい点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上である。反応液の液温の上限としては、好ましくは300℃以下、より好ましくは200℃以下である。なお、反応液の液温としては、常に一定の温度に保持する必要はなく、上記範囲内で変動させてもよく、例えば、50℃の低温から加圧下100℃以上の高温で撹拌下に保持するのが望ましい態様の1つといえる。
上記したように、縮合・硬化反応の際の反応系の圧力は、特に制限されるものではなく、大気圧下でも、減圧下でも、加圧下でもよい。安全性や経済性(生産コスト)の観点からは大気圧下で行うのが好ましいが、上記したように50℃の低温から加圧下100℃以上の高温で撹拌下に保持するような場合には、必要に応じて加圧下で行うのが望ましい。
また、縮合・硬化反応の際の反応液は、撹拌下に保持するのが好ましい。かかる撹拌方法としては、通常公知の撹拌装置などによる撹拌下で行うことが好ましい。
上記縮合・硬化反応の終点は、サンプリングまたは目視によって判断すればよい。
上記縮合・硬化反応の反応時間は、特に限定されるものではなく、通常1〜12時間加熱保持すればよい。縮合・硬化反応は、50℃あるいはそれ以上の温度に昇温して一定時間保持することにより完結されるが、後述する架橋度を高める為の熱処理工程を施すことが好ましい。
(9)無機粒子やフェノール類等の添加剤
アミノ樹脂架橋粒子の製造方法において好ましくはシェル層形成後の縮合・硬化反応工程においては、得られるアミノ樹脂架橋粒子の吸湿性をさらに抑制すべく、無機粒子やフェノール類を適宜加えてもよい。
無機粒子は、吸湿性抑制効果とともに、アミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することを防止する効果も発揮する。無機粒子としては金属酸化物粒子が好ましい。金属酸化物粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどが好ましく例示され、粉体の形態、シリカゾル、アルミナゾル、セリアゾルなどの水性ゾルあるいは有機溶媒ゾルなどゾルの形態等で使用される。通常、無機粒子は、アミノ樹脂粒子(コア)と共に上記水性媒体中に共存させておくこと、またはアミノ化合物(B)添加液に混ぜ込み、同時に添加、供給することによりシェル層に複合化できる。
無機粒子の比表面積は10〜400m/gであることが好ましく、より好ましくは20〜350m/g、さらにより好ましくは30〜300m/gである。無機粒子の粒子径は0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下である。水系媒体中に無機粒子を添加する方法としては、特に限定はされず、無機粒子をそのまま添加してもよいし、水に分散させた分散液の状態で添加してもよい。
無機粒子の添加量は、上記添加効果を発現し得る範囲であればよく、水系媒体中に含まれるアミノ樹脂粒子100質量部に対して、1〜30質量部、好ましくは2〜28質量部、より好ましくは3〜25質量部である。
また、無機粒子の添加時期は、縮合・硬化工程の縮合・硬化反応前ないし縮合・硬化反応過程の水系媒体、あるいは縮合・硬化工程で得られたアミノ樹脂架橋粒子を含有する分散液に、無機粒子を添加することができるが、シェル層を形成する反応において、アミノ樹脂粒子(コア)と共に水性媒体中に共存させた状態で縮合・硬化反応を行うことが好ましい。
フェノール類とは、フェノール性水酸基を有する化合物を意味する。フェノール性水酸基を有する化合物は、上記アミノ化合物(B)と一緒に添加するなどアミノ化合物(B)とホルムアルデヒドと共縮合することにより、ホルムアルデヒドとの縮合物、該フェノール類とアミノ化合物およびホルムアルデヒドの共縮合物としてシェル層に複合化できる。フェノール類の添加条件等については、本発明の作用効果を損なわない範囲で所望の吸湿性抑制効果を奏することができるものであればよく、フェノール類の使用量としては、アミノ化合物(B)1モルに対して0.1〜3モルであることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5モルである。フェノール類としては、特に制限されるものではなく、例えば、フェノール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、混合クレゾール、p−n−プロピルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、混合イソプロピルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、m−tert−ブチルフェノ−ル、p−tert−ブチルフェノール、ペンチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2,4−ジ−s−ブチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,6−ジ−s−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、3−メチル−5−イソプロピルフェノール、3−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−エチルフェノール等のフェノール性水酸基を有する化合物;カテコール、レゾルシン、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等の分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物が挙げられる。
なお、アミノ樹脂架橋粒子の製造方法においては、上記に説明したように、シェル層を形成するための手法にその特徴(従来技術との相違)を有するものであり、アミノ樹脂粒子(コア)を作製する製法、アミノ樹脂架橋粒子(コアシェル粒子)を製造した後の工程(反応液以降=アミノ樹脂架橋粒子を含有する懸濁液以降)については、以下に簡単に説明する。
[II]アミノ樹脂架橋粒子(コアシェル粒子)を製造した後の工程(反応液以降)について
上記[I]の縮合・硬化工程でアミノ樹脂架橋粒子(コアシェル粒子)を製造した後の工程(反応液以降)については、特に制限されるものではない。即ち、上記縮合・硬化工程で得られたアミノ樹脂架橋粒子を粉体の形態や溶媒分散体の形態、樹脂組成物の形態に加工する方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。
ただし、粉砕分級工程、粉体化工程においては吸湿に配慮し、乾燥雰囲気で行うのが好適な態様である。
また、中和工程は、硬化触媒に酸強度の高い硫酸を用いた場合などに必要に応じて行えばよい工程である。
更に、着色工程も、特に制限されるものではない(着色スペーサなど着色粒子とする場合に必要な工程である)。
上記[I]の縮合・硬化工程で得られたアミノ樹脂架橋粒子(コアシェル粒子)は、必要に応じて(1)熱処理工程、(2)中和工程を行った後、(3)粉体の形態や溶媒分散体の形態、樹脂組成物の形態に加工する方法(分離工程、粉砕分級工程、加熱溶媒置換法、粉体化法、未乾燥粉体利用法等)がとられる。ここで、加熱溶媒置換法とは、水系媒体(反応液、中和処理後、熱処理後など)を他の溶媒に加熱溶媒置換する方法をいい、粉体化法とは、水系媒体(反応液、中和処理後、熱処理後など)中のアミノ樹脂架橋粒子を粉体化してから溶媒に分散する方法をいう。未乾燥粉体利用法とは、水系媒体(反応液、中和処理後、熱処理後など)から分離工程を経て得られたケーキを溶媒に分散する方法をいう。
また、アミノ樹脂架橋粒子(コアシェル粒子)を製造後、必要に応じて水や溶媒による洗浄工程を行ってもよい。
以下、上記工程を含めて、コアシェル粒子を製造した後の工程(反応液以降)につき説明する。
(i)架橋度を高めるための熱処理工程
上記、縮合硬化工程により得られる反応液は、本発明のアミノ樹脂架橋粒子が分散する分散体であるが、該分散体中のアミノ樹脂架橋粒子の架橋密度を高める目的で、熱処理工程を施すことが好ましい。熱処理工程は、上記の通り分散体中のアミノ樹脂架橋粒子の架橋度をさらに進める上で好ましい工程であるが、架橋度が高くなる結果、吸湿性が抑制されるとともに、耐熱性が向上する、耐溶剤性が高くなるという効果が得られる。
そこで、当該熱処理工程では、架橋度をさらに高めるために、より高温で加熱処理することが好ましい。かかる観点から、熱処理工程は、(a)上記分離工程前のアミノ樹脂架橋粒子の反応液等の分散液の状態でオートクレーブ処理により行ってもよいし、(b)上記分離工程を経て分散液より単離したアミノ樹脂架橋粒子を、気相中で熱処理してもよい。上記(b)の熱処理は、後述する加熱工程(乾燥段階)で実施可能である。この際の熱処理時間は、30分間〜10時間程度である。
上記(a)のオートクレーブ処理では、100〜300℃で分散液の状態で加熱する熱処理工程を行うことが好ましい。上記温度範囲でオートクレーブ処理を行うことによって、アミノ樹脂架橋粒子内の縮合架橋をさらに進め、架橋密度の高いアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。上記(a)のオートクレーブ処理時間は、特に限定はされない。上記オートクレーブ処理温度が100℃より低い場合には、当該オートクレーブ処理だけでは、アミノ樹脂架橋粒子内の縮合・架橋を十分に進めることができず、アミノ樹脂架橋粒子の吸湿性抑制効果が不十分となったり、耐溶剤性および耐熱性を向上させることができないおそれがあり、300℃を越える場合は、高圧となり不経済であるほか、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色するおそれがある。上記(a)のオートクレーブ処理は、分散液の状態であれば適用可能である。具体的には、上記縮合・硬化工程後の反応液、中和工程後の分散液、着色工程後の分散液などに適用可能である。
(ii)中和工程
中和工程は、特に制限されるものではない。本発明の製造方法では、必須ではなく、例えば、硬化触媒に酸強度の高い硫酸等の強酸を用いた場合や着色工程のアルカリ剤等に強アルカリを用いた場合などに必要に応じて行えばよい工程である。これは、中和していない強酸若しくは強アルカリの場合、乾燥ケーキ中に該残分が多いと乾燥後の粉体が着色しやすくなり、光拡散用途では無色(白色)であることが求められるので好ましくないためである。よって、pHは、5.5〜8.5の間、より好ましくは6.5〜7.5の間に中和することが好ましい。該pHが5.5未満である場合には、酸触媒やアルカリ剤が残っているので後述する加熱工程や乾燥時などにおいては、アミノ樹脂架橋粒子が変色(例えば、黄色に変色)するおそれがある。上記中和により該pHを5.5〜8.5の間に調節することにより、耐溶剤性や耐熱性に優れ、かつ、変色のないアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。また、着色されたアミノ樹脂架橋粒子の場合にも黄変抑制に効果があり、耐熱性に優れた鮮やかな着色粒子を得る上で上記中和工程は好ましい実施形態である。
中和工程において用いることのできる中和剤としては、例えば、硬化触媒に用いた酸強度の高い硫酸等の強酸の中和を行う場合には、アルカリ性物質が好適である。該アルカリ性物質としては、例えば、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアが挙げられるが、なかでも取り扱いが容易である点で、水酸化ナトリウムが好ましく、水酸化ナトリウム水溶液が好適に用いられる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。アルカリの中和を行う場合には、中和剤としては、酸性物質が好適である。該酸性物質としては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸;これら鉱酸のアンモニウム塩;スルファミン酸;ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類;フタル酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸等のカルボン酸等が好ましい。なお、中和処理を行った場合は、残留する強酸、強アルカリ、これらと中和剤との反応で生成した塩を除去する為に、イオン交換水等で洗浄することが好ましい。又、中和処理を行っていない場合においても、反応工程で用いた硬化触媒や界面活性剤等を除去する為に同様に洗浄することが好ましい。
(iii)粉体の形態や溶媒分散体の形態、樹脂組成物の形態に加工する方法
粉体の形態では、縮合・硬化工程後あるいは中和工程後に得られるアミノ樹脂架橋粒子の分散液から、該アミノ樹脂架橋粒子を取り出す分離工程を行うことが好ましい。溶媒分散体の形態でも、粉体化法や未乾燥粉体利用法の場合には、分離工程を行うのが好ましい。
アミノ樹脂架橋粒子を分散液から取り出す方法(分離方法)としては、濾別する方法や遠心分離機等の分離機を用いる方法が簡便な方法として挙げられるが、特に限定されるわけではなく、通常公知の分離方法を用いることができる。更に水や有機溶媒等で洗浄してもよい。洗浄後は瀘別や遠心分離などにより水切りを行い、必要があれば、これらの操作を繰り返してもよい。
粉体の形態では、分離工程を経て取り出したアミノ樹脂架橋粒子を、130〜210℃の温度で加熱する加熱工程を行うことが好ましい。溶媒分散体の形態でも、粉体化法の場合には、当該加熱工程(上記(b)の気相中での熱処理工程を含む)を行うことが好ましい。
加熱工程を行うことによって、アミノ樹脂架橋粒子に付着している水分や有機溶媒および残存しているフリーなホルムアルデヒドを除去することができる。更に、上記(a)のオートクレーブ処理を行っていない場合には、本加熱工程にてアミノ樹脂架橋粒子内の縮合・架橋反応をさらに促進させ、架橋度をさらに高めるために、上記温度範囲内において、加熱処理(熱処理)を行うことが望ましい。上記加熱処理温度が130℃より低い場合には、アミノ樹脂架橋粒子内の縮合・架橋を十分に進めることができず、アミノ樹脂架橋粒子の吸湿抑制効果、耐溶剤性、または耐熱性を向上させることができないおそれがあり、210℃を越える場合は、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色するおそれがある。架橋度を高める効果が優れる点で150℃以上がより好ましい。
上記加熱工程における加熱の方法については、特に限定されるものではなく、従来公知の加熱方法を用いればよい。上記加熱工程は、少なくとも粉体化後のアミノ樹脂架橋粒子の水分量が3質量%以下となるまで行うことが好ましい。また、加熱時間は、特に限定はされない。
粉体の形態では、縮合・硬化工程で得られたアミノ樹脂架橋粒子を分散液(反応液)から分離して取り出し、乾燥(加熱)し、得られた乾燥物を粉砕し、最後に、得られた粉砕物を分級するようにしている。この粉砕分級工程により、サブミクロンサイズ〜ミクロンサイズの間で所望の平均粒子径を有し、尚且つ粒子径の変動係数CV値が、30%以下であるアミノ樹脂架橋粒子を粉体形態で得ることができる。溶媒分散体の形態でも、粉体化法の場合には、当該粉砕分級工程を行うことが好ましい。
上記粉砕分級工程では、分級のみを行ってもよいし、粉砕と分級をともに行う工程でもよい。また、前記粉砕と分級を行う場合、粉砕後に分級を行ってもよいし、粉砕と分級とを同時に行ってもよい。粉砕・分級工程では、粉砕機と分級機は別々の装置を用いてもよいが、粉砕と分級の両機能を兼ね備えた装置(粉砕分級機)を用いることもできる。これらの装置は、従来公知のものを用いることができる。ジェットミルを用いて粉砕する場合の乾燥エアーの圧力は、0.4mPa以上が好ましく、0.5mPa以上がより好ましい。
粉砕・分級工程では、上記粉砕時以降の少なくとも1つの処理において、気流形成のために吸湿に配慮した乾燥ガスを用いることが望ましい。具体的には、気流形成のために使用するガスの水分含有量は、6g/m以下、好ましくは4g/m以下、より好ましくは2g/m以下、特好ましくは1g/m以下が望ましい。上記水分含有量を6g/m以下とすることで、通常の空気(大気)を用いた場合のように、一旦粉砕あるいは分級された粒子の一部が吸湿により凝集を起こして粗大粒子化するのを効果的に抑制できる。これによりサブミクロンサイズ〜ミクロンサイズの間で所望の平均粒子径を有し、かつ粒子径の変動係数CV値が30%以下であるアミノ樹脂架橋粒子を容易で確実かつ効果的に得ることができるためである。なお、上記水分含有量の下限は特に限定されない。
気流形成のために吸湿に配慮した乾燥ガスを用いるのは、上記粉砕時以降の少なくとも1つの処理であればよいが、好ましくは粉砕時以降のすべての処理において用いるのがより好ましい。気流形成のために使用するガスとは、粉砕する工程や分級する工程に使用するガスのほか、各工程間での粒子移送(粒子搬送)のために使用するガスも含むものである。
上記気流形成のために使用するガスは、粉塵爆発の危険性があるため、酸素濃度が低い窒素ガス等の不活性ガスを使用することが好ましく、酸素濃度が10体積%以下、好ましくは5体積%以下、さらに好ましくは3体積%以下である。
上述のように気流中(乾式)で分級を行う以外の方法として、湿式で分級を行ってもよい。湿式分級は加熱処理前のアミノ樹脂架橋粒子分散液の段階、すなわち水分散体、あるいは溶剤分散体の状態で振動篩機や例えば特開2001−252587号公報に記載の方法により行うことができる。
次に、溶媒分散体の形態において、使用可能な溶媒としては、ケトン類、エステル類、エーテル類、アルコール類、グリコール誘導体類(エーテル、エステル)、炭化水素等、従来公知の有機溶媒が挙げられ、溶媒分散体の使用目的に応じて適宜選択すればよい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記加熱溶媒置換法により、アミノ樹脂架橋粒子を溶媒分散体の形態で得る場合、上記水系媒体に、これよりも高沸点の他の溶媒を加えて、水系媒体の沸点以上、他の溶媒の沸点未満の温度で加熱することで、水系媒体のみを蒸発させ、アミノ樹脂架橋粒子を他の溶媒に分散(置換)させることが好ましい。ここで、高沸点の他の溶媒としては、沸点が100℃以上であり、アミノ樹脂架橋粒子が溶解したり吸収したりすることのない溶媒が好ましい。好ましくは、例えばn−ブタノール、エチレングリコールなどの高沸点アルコールなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。分散安定性の観点から、n−ブタノールが好ましい。
溶媒分散体の形態は、粉体の形態のアミノ樹脂架橋粒子を得てから溶媒に分散する方法(粉体化法)により、アミノ樹脂架橋粒子を溶媒分散体の形態で得ることができる。ここで、使用可能な溶媒としては、上述の有機溶媒を用いることができ、溶媒分散体の使用目的に応じて適宜選択すればよい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。粉体の耐湿性保持の観点から、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類が好ましく、例えば、ヘキサン、トルエンは好ましい。上記粉体化してから溶媒に分散するには、加熱工程を経てドライな状態の粉体を分散させる必要上、強力に撹拌することができる高速撹拌機やホモミキサー、若しくは超音波分散機などを用いるのがよい。
上記溶媒分散体の形態では、上記加熱溶媒置換法に変えて、上記した水系媒体(反応液、中和処理後、熱処理後など)をろ過・洗浄(分離工程)し、ケーキを溶媒に分散する方法(未乾燥粉体利用法)により、アミノ樹脂架橋粒子を溶媒分散体の形態で得ることができる。ここで、使用可能な溶媒としては、上述した有機溶媒を用いることができるが、ケーキ中に残留する水分を溶解し得る点で親水性の溶媒が好ましく、特に、メタノール、エタノールなどの低沸点アルコールが好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。経済性の観点から、メタノールが好ましい。上記分散では、ろ過・洗浄後のウェットな状態のケーキ(粉体)を分散させればよいので、高速ディスパーなどの一般的な撹拌装置を使用できる。
(iv)着色工程
着色工程は、特に制限されるものではない。本発明の製造方法では必須ではなく、着色スペーサなど着色粒子とする場合に必要な工程である。即ち、本発明の製造方法では、粉体の形態と溶媒分散体の形態のいずれの場合にも、上記縮合・硬化工程の縮合・硬化反応前ないし縮合・硬化反応過程の水系媒体、あるいは縮合・硬化工程で得られたアミノ樹脂架橋粒子を含有する分散液に、染料を添加する着色工程を含むことができる。
アミノ樹脂粒子やアミノ樹脂架橋粒子は、染料との親和性に優れている。よって、当該着色工程にて添加される染料は、特に限定されず、水溶性染料、油溶性染料を使用することができるが、水溶性染料が好ましい。これら染料は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。染料のアミノ樹脂架橋粒子分散液への添加方法は特に限定されないが、水等の溶媒に染料を溶解あるいは分散させて添加することが好ましい。
(v)無機粒子添加工程
無機粒子添加工程も、上記着色工程と同様に、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することをより防止する等の目的で、必要に応じて行うことができる。
無機粒子としては、シェル層形成工程において説明した無機粒子と同様のものを使用できる。無機粒子がとり得る、好ましい材質、比表面積、添加量などの態様は前述したとおりである。無機粒子をアミノ樹脂架橋粒子表面に固着させる方法としては、特に限定されないが、無機粒子をアミノ樹脂架橋粒子に強固に固着させることができる点から、アミノ樹脂架橋粒子の分散液と無機粒子分散液を混合し、ヘテロ凝集により無機粒子をアミノ樹脂架橋粒子に付着させる方法、あるいはハイブリダイゼーション法などの強力に撹拌することができる装置(高せん断力を有する装置)を用いる方法が好ましい。
(vi)カップリング剤処理工程
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法では、上記[I]で得られたアミノ樹脂架橋粒子の吸湿性をさらに抑制すべく、上記[I]にてシェル層を形成したアミノ樹脂架橋粒子表面をシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを用いてカップリング剤処理を行ってもよい。
カップリング剤処理条件等については、本発明の作用効果を損なわない範囲で所望の吸湿性抑制効果を奏することできるものであればよく、カップリング剤の使用量としては、アミノ樹脂架橋粒子総量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
(vii)洗浄工程
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法では、上記[I]で得られたアミノ樹脂架橋粒子の吸湿性をさらに抑制すべく、水や有機溶媒などの洗浄液を用いた洗浄工程を行ってもよい。前記洗浄を行うことにより、粒子表面に残存する界面活性剤を効率よく除去し、吸湿性を抑えることができる。洗浄液としては、水や有機溶媒が適宜用いられうるが、なかでも、水;メタノール、エタノールなどのアルコール類;これらの混合液が好ましく用いられる。
[III]アミノ樹脂粒子(コア)を作製する製法について
アミノ樹脂粒子を作製する製法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の製造方法、例えば、特開昭52−5894号公報、特公平7−17723号公報、特開2000−256432号公報、特開2004−99878号公報等に記載の製造方法を用いることができるものである。
以下、上記構成のアミノ樹脂粒子を得る製造方法につき、簡単に説明するが、本発明の製造方法が、かかる製法に何ら制限されるものではない。
アミノ樹脂粒子を製造する第1の製造方法、第2の製造方法は、アミノ化合物とホルムアルデヒドの初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体に硬化触媒を添加して硬化反応を進めることによりアミノ樹脂粒子を製造する方法であるが、前記アミノ樹脂前駆体が、反応溶媒である水性媒体に溶解した状態で得られる場合には、第2の製造方法を適用することが好ましく、一方、前記アミノ樹脂前駆体が不溶化した状態で得られる場合には第1の製造方法を適用することが好ましい。
第1の製造方法、第2の製造方法において、樹脂前駆体を調製する樹脂化工程における原料として用いられるアミノ化合物(A)としては、上述したアミノ化合物を使用することができ、中でもトリアジン環を有する多官能アミノ化合物が好ましく、より好ましくは、グアナミン化合物(X)およびメラミン化合物(Y)である。
グアナミン化合物(X)の中でもベンゾグアナミンが、耐熱性、耐溶剤性に優れ、吸湿性の抑制された本発明のアミノ樹脂架橋粒子が得られやすいことから特に好ましい。
また、コアであるアミノ樹脂粒子は、アミノ化合物とホルムアルデヒドの縮合物におけるメラミン化合物(Y)のアミノ化合物(A)総量に対する含有量が1〜100質量%であることが好ましい。
メラミン化合物(Y)としては、メラミンおよび下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、特に好ましくはメラミンである。
Figure 0005421141
(式中、Rは、水素原子または置換基があってもよいアルキル基を表すが、それらの少なくとも1つが置換基があってもよいアルキル基である。各Rは、同一であっても異なっていてもよい。)
好ましいRは、水素原子またはヒドロキシアルキル基である。
メラミン化合物(Y)と組み合わせて用いるアミノ化合物としては、粒度分布の揃ったアミノ樹脂粒子が得られやすい点から、好ましくは、グアナミン化合物(X)であり、上述した同様の理由から、ベンゾグアナミンがより好ましい。
アミノ樹脂前駆体が反応溶媒である水性媒体に溶解した状態で得られるか、不溶化した状態で得られるかは、用いるアミノ化合物の種類、配合組成の他、アミノ樹脂前駆体の縮合度にも影響されるため、各製造方法において用いるアミノ化合物の種類、配合組成の境界線を厳密に定義することはできないが、第2の製造方法においては、アミノ樹脂前駆体が水溶性となり易いことからメラミン化合物(Y)を主成分とすることが好ましく、具体的には、アミノ化合物(A)総量に対するメラミン化合物(Y)の割合を80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがさらに好ましく、95質量%以上とすることがより好ましい。特に好ましくは100質量%である。
一方、第1の製造方法においては、アミノ樹脂前駆体が疎水性となり易い原料組成の観点から、グアナミン化合物(X)などの疎水性の高いアミノ化合物を用いることが好ましく、疎水性の高いアミノ化合物を20質量%以上用いることが好ましい。したがって、アミノ化合物(A)総量に対するメラミン化合物(Y)の割合としては、80質量%未満とすることが好ましく、50質量%未満とすることがさらに好ましく、20質量%未満とすることがより好ましい。
第1の製造方法、第2の製造方法において得られる、アミノ樹脂粒子の平均粒子径は、前述したコアの平均粒子径dの好ましい範囲に制御されることが好ましい。すなわち、0.01〜5μmに制御されることが好ましい。第1の製造方法、第2の製造方法において得られるアミノ樹脂粒子の平均粒子径の下限は、0.05μm以上に制御されることがさらに好ましく、より好ましくは0.08μm以上であり、特に好ましくは0.18μm以上である。一方、上限は、3μm以下に制限されることが好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下であり、特に好ましくは0.3μm以下である。
粒度分布のシャープなアミノ樹脂粒子が得られ易い点からは、第2の製造方法が好ましい。すなわち、本発明のアミノ樹脂架橋粒子の粒度分布を揃え、粒子径変動係数の好ましい範囲とする為には、コアとなるアミノ樹脂粒子の製法としては、第2の製造方法が好ましい。
(1)第1の製造方法
上記アミノ樹脂粒子(コア)の第1の製造方法(以下、単に「第1の製造方法」と称することがある。)は、前述のように、上記アミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を水系媒体中で乳化し硬化させてアミノ樹脂粒子を含む分散体を得ることを必須とする。必要に応じて、アミノ樹脂粒子を前記水系媒体から分離して乾燥し、得られた乾燥物を粉砕し、得られた粉砕物を分級することにより粉体状態でアミノ樹脂粒子を得ることもできる。
第1の製造方法は、上記アミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとを反応させることによりアミノ樹脂前駆体を得る樹脂化工程と、この樹脂化工程により得られたアミノ樹脂前駆体を乳化してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を得る乳化工程と、この乳化工程により得られた乳濁液に触媒を加えて乳化させたアミノ樹脂前駆体の硬化反応を行いアミノ樹脂粒子を得る硬化工程と、を含むアミノ樹脂粒子の製造方法である。
樹脂化工程においては、アミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとを反応させることにより、初期縮合反応物たるアミノ樹脂前駆体を得るようにする。アミノ系化合物(A)とホルムアルデヒドとを反応させるにあたっては、通常、溶媒として水が用いられる。よって、反応形態としては、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを水系媒体中で反応させることにより、初期縮合反応物たるアミノ樹脂前駆体を含む反応液を得るという形態となり、この反応形態を実施する具体的方法としては、ホルムアルデヒドを水溶液の状態にしたものにアミノ化合物を添加して反応させる方法や、トリオキサンやパラホルムアルデヒドを水に添加して水中でホルムアルデヒドを発生し得るようにした水溶液にアミノ化合物を添加して反応させる方法等が好ましく挙げられ、なかでも、前者の方法が、ホルムアルデヒド水溶液の調整槽が必要ないこと、入手が容易であることなど、経済性の点でより好ましい。なお、樹脂化工程は、公知の撹拌装置等による撹拌下で行うことが好ましい。
樹脂化工程において反応させるアミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとのモル比(アミノ化合物(A)(モル)/ホルムアルデヒド(モル))は、1/4.5〜1/1.5であることが好ましく、1/4.0〜1/1.8であることがより好ましく、1/3.5〜1/2であることがさらにより好ましい。上記モル比が1/4.5未満であると、遊離ホルムアルデヒドが多くなるおそれがあり、1/1.5を超えると、アミノ化合物(A)の未反応物が多くなるおそれがある。
なお、水を溶媒として用いた場合に、水に対するアミノ化合物(A)およびホルムアルデヒドの添加量、すなわち、仕込み時点におけるアミノ化合物(A)およびホルムアルデヒドの濃度は、反応に支障の無い限りにおいて、より高濃度であることが望ましい。より具体的には、反応物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液の60〜98℃の温度範囲内での粘度を、2×10−2〜5.5×10−2Pa・s(20〜55cP)の範囲内に調節・制御することができる濃度であることが好ましく、より好ましくは、後述する乳化工程において、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の濃度が30〜60質量%の範囲内となるように、反応液を乳化剤の水溶液に添加する若しくは反応液に乳化剤や乳化剤の水溶液を添加することができる濃度であればよい。
したがって、樹脂化工程においてアミノ樹脂前駆体を含む反応液を得た場合、該反応液の60〜98℃の温度範囲内での粘度は、2×10−2〜5.5×10−2Pa・s(20〜55cP)であることが好ましく、より好ましくは2.5×10−2〜5.5×10−2Pa・s(25〜55cP)、さらにより好ましくは3.0×10−2〜5.5×10−2Pa・s(30〜55cP)である。反応液の粘度が95〜98℃の温度範囲において上記範囲であることがより好ましい。
上記粘度の測定方法は、反応の進行状態をリアルタイムで把握することができると共に、該反応の終点を正確に見極めることができるように、粘度測定機を用いる方法が最適である。該粘度測定機としては、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製、製品名:MIVI 6001)が使用できる。
アミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとを水中で(水系媒体中で)反応させることにより、いわゆる初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を得ることができる。反応温度は、60〜98℃、特に好ましくは95〜98℃の温度範囲内であることが望ましい。そして、アミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとの反応は、反応液の粘度が2×10−2〜5.5×10−2Pa・sの範囲内となった時点で、該反応液を冷却する等の操作を行うことにより終了すればよい。これにより、アミノ樹脂前駆体を含む反応液が得られる。また、反応時間は、特に限定されるものではない。
樹脂化工程において得られたアミノ樹脂前駆体については、該アミノ樹脂前駆体を構成するアミノ化合物(A)由来の構造単位とホルムアルデヒド由来の構造単位とのモル比(アミノ化合物(A)由来の構造単位(モル)/ホルムアルデヒド由来の構造単位(モル))が、1/4.5〜1/1.5であることが好ましく、1/4.0〜1/1.8であることがより好ましく、1/3.5〜1/2であることがさらにより好ましい。上記モル比を上記範囲内とすることにより、粒度分布の狭い粒子を得ることができる。
アミノ樹脂前駆体は、通常、アセトンやジオキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の有機溶媒に対して可溶であるが、水に対して実質的に不溶である。
第1の製造方法にあっては、当該アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得る樹脂化工程における反応液の粘度を高くすることにより、最終的に得られるアミノ樹脂粒子の粒子径を小さくすることができる。反応液の粘度が2×10−2Pa・s未満である場合、或いは5.5×10−2Pa・sを超える場合には、最終的に粒子径がほぼ揃った(粒度分布が狭い)アミノ樹脂粒子を得ることができない。すなわち、反応液の粘度が2×10−2Pa・s(20cP)未満であると、後述する乳化工程で得られる乳濁液の安定性が乏しくなる。このため、硬化工程においてアミノ樹脂前駆体を硬化させた場合、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまうおそれがある。また、乳濁液の安定性が乏しい場合、アミノ樹脂粒子の平均粒子径、粒度分布が変動してしまうおそれがある。一方、反応液の粘度が5.5×10−2Pa・s(55cP)を超えると、後述する乳化工程で用いる高速撹拌機等の剪断力が低下するため、反応液を充分に撹拌することができなくなるおそれがある。このため、粒度分布の広いアミノ樹脂粒子となるおそれがある。よって、樹脂化工程における反応液を上記粘度範囲に調整することは、本発明のアミノ樹脂粒子を得る上で好ましい実施形態となる。
乳化工程においては、樹脂化工程により得られたアミノ樹脂前駆体を乳化してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を得るようにする。乳化するにあたっては、例えば、保護コロイドを構成し得る乳化剤を用いることが好ましく、より好ましくは保護コロイドを構成し得る水溶性重合体からなる乳化剤である。
上記乳化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、水溶性ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドンなどを用いることができる。上述の乳化剤のなかでも、乳濁液の安定性、触媒との相互作用等を考慮すると、ポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールは、完全ケン化物であってもよく、部分ケン化物であってもよい。また、ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではない。乳化剤の使用量は、上記樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがより好ましい。該使用量が上記範囲を外れると、乳濁液の安定性が乏しくなるおそれがある。
乳化工程では、例えば、乳化剤の水溶液に、アミノ樹脂前駆体の濃度(つまり、固形分濃度)が30〜60質量%の範囲内となるように上記樹脂化工程で得られた反応液を添加した後、50〜100℃の温度範囲内で乳濁させることが好ましく、より好ましくは60〜100℃、さらにより好ましくは70〜95℃である。乳化剤の水溶液の濃度は、特に限定されるものではなく、アミノ樹脂前駆体の濃度を上記範囲内に調節することができる濃度であればよい。上記アミノ樹脂前駆体の濃度が30質量%未満であると、アミノ樹脂粒子の生産性が低下するおそれがあり、60質量%を超えると、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまうおそれがある。
乳化工程における撹拌方法としては、より強力に撹拌することができる装置(高せん断力を有する装置)を用いる方法、例えば、高速撹拌機やホモミキサーや、TKホモミキサー(特殊機化工業(株)製)、高速ディスパー、エバラマイルザー((株)荏原製作所製)、高圧ホモジナイザー((株)イズミフードマシナリ製)、スタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテッド製)などを用いる方法が好ましい。
乳化工程においては、樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体を、所定の粒子径となるまで乳化を促進させることが好ましく、該所定の粒子径は、最終的に所望の粒子径のアミノ樹脂粒子が得られるよう適宜設定すればよい。好適な粒子径のアミノ樹脂粒子を得るためには、乳化物の平均粒子径は0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは0.8〜20μm、特に好ましくは1〜15μmである。乳化物の平均粒子径は、具体的には、容器や撹拌翼の種類、撹拌速度、撹拌時間、乳化温度などを適宜選択することにより制御できる。
第1の製造方法においては、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することをより確実に防止するために、必要に応じて、上記乳化工程後に得られた乳濁液に無機粒子を添加しておくことができる。無機粒子に関しては、上記[II]で説明したのと同様である。
硬化工程においては、上記乳化工程により得られた乳濁液に触媒(詳しくは硬化触媒)を加え、乳化させたアミノ樹脂前駆体の硬化反応を行う(アミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる)ことによりアミノ樹脂粒子の懸濁液を得るようにする。
上記触媒(硬化触媒)に関しては、[I]縮合・硬化工程の「(6)硬化触媒」の項で説明したのと同様である。但し、上記触媒の使用量としては、上記乳化工程により得られる乳濁液中のアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜4.5重量部、さらにより好ましくは0.5〜4.0重量部である。触媒の使用量が5重量部を超えると、乳濁状態が破壊され、粒子同士が凝集してしまうおそれがあり、0.1重量部未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。また、同様に、上記触媒の使用量としては、原料化合物として用いたアミノ化合物(A)1モルに対して0.002モル以上であることが好ましく、より好ましくは0.005モル以上、さらに好ましくは0.01〜0.1モルである。触媒の使用量がアミノ化合物(A)1モルに対して0.002モル未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。
硬化工程における硬化反応は、好ましくは15(常温)〜100℃、より好ましくは40〜95℃、さらにより好ましくは60〜90℃で、少なくとも1時間保持した後、常圧または加圧下で好ましくは60〜250℃、より好ましくは80〜220℃、さらに好ましくは100〜200℃の範囲の温度で行うことが好ましい。硬化反応の反応温度が、60℃未満であると、硬化が十分に進行せず、得られたアミノ樹脂粒子の耐溶剤性や耐熱性が低下するおそれがあり、250℃を超える場合は、熱分解が始まり粒子が黄変着色しやすくなる。
また、硬化反応の反応時間は、好ましくは0.1〜12時間であるが、特に限定されない。
硬化工程における撹拌方法としては、通常公知の撹拌装置などによる撹拌下で行うことが好ましい。
第1の製造方法においては、さらに、前記硬化は前記乳化により得られる乳濁液に触媒を添加することで行うようにし、かつ、前記触媒の添加は前記乳化の開始から5時間以内に行うようにすることが好ましい。このように、乳化開始(アミノ樹脂前駆体と乳化剤との混合開始)から硬化開始(触媒添加時)までの時間(以下、乳化時間と言うことがある。)を5時間以内に制御することによって、アミノ樹脂粒子を得ることができる。
前記乳化時間は、好ましくは4時間以内、より好ましくは3時間以内、さらに好ましくは2時間以内、さらにより好ましくは1時間以内である。前記時間が5時間を超えると、特定の粒子径以上の粗大粒子(または粒子)の発生量が増加するために好ましくない。
但し、第1の製造方法においても、アミノ樹脂前駆体の乳濁液やアミノ樹脂粒子の懸濁液に、染料を水に溶解してなる水溶液を添加する着色工程を含むことができる。また、前記樹脂化工程で得られた反応液に、必要に応じて、前段着色工程として、さらに染料を添加してもよい。更に、上記硬化工程により得られたアミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液の中和を行う中和工程を含むことができる。これら着色工程、前段着色工程、中和工程に関しては、上記[II]で説明したのと同様である。
尚、第1の製造方法においては、上記したように硬化工程後あるいは中和工程後に得られるアミノ樹脂粒子の懸濁液まで行えばよいが、中間製品として流通させたり、保存・貯蔵する必要がある場合には、更に該アミノ樹脂粒子を取り出す分離工程を含むことができる。また、分離工程を経て取り出したアミノ樹脂粒子を、乾燥(加熱)する工程を含むことができる。更に硬化反応工程を経て得られたアミノ樹脂粒子は、これを前記乳化時における水系媒体から分離して乾燥(加熱)し、得られた加熱乾燥物を粉砕し、最後に、得られた粉砕物を分級してもよい。これらの分離工程、乾燥(加熱)工程、粉砕・分級工程に関しては、上記[II]で説明したのと同様である。
(2)第2の製造方法
本発明のアミノ樹脂架橋粒子のコアとして好適に用い得るアミノ樹脂粒子の第2の製造方法(以下、単に「第2の製造方法」と称することがある。)は、前述のように、上記アミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られた水混和度の高いアミノ樹脂前駆体を水系媒体中で界面活性剤と混合し、この混合液に硬化触媒を添加することで前記アミノ樹脂前駆体を前記水系媒体中で硬化、析出、粒子化を行う。必要に応じて、更に前記アミノ樹脂粒子を前記水系媒体から分離して乾燥し、得られた乾燥物を粉砕し、得られた粉砕物を分級するまで行っても良い。但し、上記コア粒子の作製段階である第2の製造方法においても、コア粒子として硬化触媒を加えて硬化する段階まで行った粒子が好ましく、コア粒子の段階では架橋度を高めるための熱処理工程(オートクレーブ処理ないし加熱工程)を行わないことが好ましい。
サブミクロンサイズ〜ミクロンサイズの間で所望の平均粒子径を有し、更に好ましくは粒子径の変動係数CV値が30%以下である本発明のアミノ樹脂粒子は、第1および第2の製造方法のうち、第2の製造方法により好ましく得ることができる。第2の製造方法の好ましい状態では、水溶液状態においてアミノ樹脂前駆体の硬化を開始させることにより極めて粒子径の小さいアミノ樹脂粒子の調製が容易となり、平均粒子径が0.1〜5μmであり、粒度分布のシャープな粒子(変動係数CV値が30%以下)であるアミノ樹脂粒子を得やすくするからである。
第2の製造方法において好適なアミノ樹脂前駆体の水混和度は100%以上である。水混和度とは、水親和性の程度であり、15℃でアミノ樹脂前駆体に水を滴下して白濁を生じるまでの水滴下量の初期縮合物に対する質量%(以下、これを水混和度という。)によって測定される。第2の製造方法においてアミノ樹脂前駆体の好適な水混和度は100%以上である。水混和度が100%未満のアミノ樹脂前駆体では界面活性剤を含んだ水性液中で、分散不良を起こして粒子径の比較的大きい不均一な懸濁液しか形成せず、最終的に得られるアミノ樹脂粒子は肥大化し、且つ粒度分布のシャープなものが得られにくい。
混合工程においては、樹脂化工程により得られたアミノ樹脂前駆体を水系媒体中で撹拌等により界面活性剤と混合し、混合液を得るようにする。上記界面活性剤に関しては、[I]縮合・硬化工程の「(5)界面活性剤」の項で説明したのと同様である。
混合工程における撹拌方法としては、一般的な撹拌方法で行えばよく、例えば、ディスクタービン、ファンタービン、ファウドラー型、プロペラ型および多段翼などの撹拌翼を使用して撹拌する方法等が好ましい。
第2の製造方法においては、最終的に得られるアミノ樹脂粒子が強固に凝集することをより防止するためには、必要に応じて、混合工程後に得られた混合液に無機粒子を添加しておくことができる。無機粒子およびその添加方法等については、前述した第1の製造方法での説明が同様に適用できる。
硬化・粒子化工程においては、上記混合工程により得られた混合液に触媒(詳しくは硬化触媒)を加え、アミノ樹脂前駆体の硬化反応およびその粒子化を行うことによりアミノ樹脂粒子(詳しくは、アミノ樹脂粒子の懸濁液)を得るようにする。上記触媒(硬化触媒)に関しては、[I]縮合・硬化工程の「(6)硬化触媒」の項で説明したのと同様である。
硬化・粒子化工程における硬化反応および粒子化は、アミノ樹脂前駆体の混合液に上記触媒を加えて、15〜100℃で撹拌下に保持すればよい。上記触媒の添加方法には特に制限はなく、適宜選択できる。
また、硬化反応の反応時間は、好ましくは0.1〜12時間であるが、特に限定されない。硬化反応は、一般には、90℃あるいはそれ以上の温度に昇温して一定時間保持することにより完結されるが、必ずしも高温での硬化は必要でなく、低温短時間であっても、得られる懸濁液中のアミノ樹脂粒子がメタノールやアセトンで膨潤しなくなる程度まで硬化されていれば充分である。硬化・粒子化工程における撹拌方法としては、通常公知の撹拌装置などによる撹拌下で行うことが好ましい。
上記コア粒子の作製段階である第2の製造方法においても、コア粒子として硬化触媒を加えて硬化する段階(上記硬化・粒子化工程)まで行った粒子が好ましく、コア粒子の段階では架橋度を高めるための熱処理工程(オートクレーブ処理ないし加熱工程)は、必要に応じて行えばよい。
但し、第2の製造方法においても、アミノ樹脂前駆体と界面活性剤との混合液や、アミノ樹脂粒子の懸濁液に、染料を水に溶解してなる水溶液を添加する着色工程を含むことができる。また、前記樹脂化工程で得られた反応液に、必要に応じて、前段着色工程として、さらに染料を添加してもよい。更に、上記硬化工程により得られたアミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液の中和を行う中和工程を含むことができる。これら着色工程、前段着色工程、中和工程に関しては、上記[II]で説明したのと同様である。
なお、第2の製造方法においても、上記したように硬化・粒子化工程後あるいは中和工程後に得られるアミノ樹脂粒子の懸濁液まで行えばよいが、中間製品として流通させたり、保存・貯蔵する必要がある場合には、更に該アミノ樹脂粒子を取り出す分離工程を含むことができる。また、分離工程を経て取り出したアミノ樹脂架橋粒子を、乾燥(加熱)する工程を含むことができる。更に硬化反応工程を経て得られたアミノ樹脂粒子は、これを前記乳化時における水系媒体から分離して乾燥(加熱)し、得られた加熱乾燥物を粉砕し、最後に、得られた粉砕物を分級してもよい。これらの分離工程、乾燥(加熱)工程、粉砕・分級工程に関しては、上記[II]で説明したのと同様である。なお、第2の製造方法において、アミノ樹脂粒子を懸濁液から分離して取り出すことは、硬化・粒子化によって得られたアミノ樹脂粒子を、混合工程時あるいは硬化・粒子化工程時の水系媒体から分離して取り出すことである。
上記、第1、第2の製造方法で得られた反応液は、アミノ樹脂粒子が分散する分散液であるが、さらに、アミノ樹脂架橋粒子の製造方法で説明した熱処理工程を施し架橋密度を高めてから、アミノ樹脂架橋粒子の製造工程である、シェル層を形成させる反応に供することもできる。アミノ樹脂粒子のシェル層の形成反応活性が高いこと、コアであるアミノ樹脂粒子の分散性に優れていることから、シェル層形成が均一且つ選択的に進み易く、低吸湿性などの諸物性に優れるアミノ樹脂架橋粒子が得られやすいことから、反応液をコアであるアミノ樹脂粒子分散液としてシェル層形成反応に供することが好ましい。
<アミノ樹脂架橋粒子>
本発明の他の形態によれば、コアの外周にシェル層が設けられてなるコアシェル構造を有し、アミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物からなる、粒子径の変動係数CV値が30%以下のアミノ樹脂架橋粒子であって、前記シェル層が、アミノ化合物(B)とホルムアルデヒドとの縮合物からなり、前記シェル層のアミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)の割合が10〜100質量%である、アミノ樹脂架橋粒子が提供される。なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきである。例えば、本発明の一形態である「アミノ樹脂架橋粒子の製造方法」の技術的範囲は、製造されたアミノ樹脂架橋粒子の構造や物性によって限定されるべきではない。また、本発明の他の形態である「アミノ樹脂架橋粒子」の技術的範囲は、上述した製造方法によって得られたもののみに限定されることはなく、その他の製造方法によって得られたものもまた、含みうる。
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子において、好ましくは、前記コアが、アミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとの縮合物からなり、アミノ化合物(A)におけるメラミン化合物(Y)の割合が1〜100質量%である。
まず、グアナミン化合物(X)およびメラミン化合物(Y)の具体的な形態について説明する。
グアナミン化合物(X)として、好ましくは、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym.−トリアジン)、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、アセトグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、スピログアナミンなどのグアナミン類から選ばれる1種または2種以上であり、特に好ましくはベンゾグアナミンである。
また、メラミン化合物(Y)として、好ましくは、メラミンまたは下記一般式(1)で表される化合物であり、特に好ましくはメラミンである。
Figure 0005421141
(式中、Rは、水素原子または置換基があってもよいアルキル基を表すが、それらの少なくとも1つが置換基を有していてもよいアルキル基である。各Rは、同一であっても異なっていてもよい。)
好ましいRは、水素原子またはヒドロキシアルキル基である。
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子では、上記構成とすることで、吸湿性の低い粒子とすることができ、かつ、粒子径の変動係数CV値を30%以下に制限できる。シェル層のアミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)の割合が10%以上であることは、アミノ化合物由来の構造(トリアジン構造など)におけるグアナミン化合物(X)由来の構造の含有比率が、アミノ化合物換算で10%以上であることを意味する。以下同様である。
アミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)の割合が上記範囲内から外れると、例えば、粒子の吸湿性抑制効果が不十分となるおそれがある。かかるアミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)の割合としては、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上、いっそう好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
上記アミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)の割合が100質量%以外の場合における、グアナミン化合物(X)以外のアミノ化合物(B)としては、前記したアミノ化合物のうち、グアナミン化合物(X)以外のアミノ化合物、例えば、メラミン、一般式(1)で表される化合物などのメラミン化合物;前記一般式(2)、(3)で表されるジアミノトリアジン化合物などが好ましく使用できる。グアナミン化合物(X)と組み合わせるアミノ化合物は1種であってもよいが、2種以上を併用してもよい。
さらに好ましくは、アミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)以外に用いるアミノ化合物は、好ましくはメラミン化合物(Y)であり、かつアミノ化合物(B)におけるメラミン化合物(Y)の割合が0〜90質量%であることが好ましい。かかる構成とすることで、樹脂との親和性に優れ、本工程により形成、硬化されるシェル層の疎水性(疎水化度)が高く、かつ粒子の吸湿性(水分量及び飽和吸湿量)を低くすることができる。アミノ化合物(B)として用いられるメラミン化合物(Y)の中でも特に好ましくは、メラミンである。
上記アミノ化合物(B)におけるメラミン化合物(Y)の割合が90質量%を超えると、例えば、吸湿性抑制効果と疎水性向上効果が不十分となるおそれがある。かかるアミノ化合物(B)におけるメラミン化合物(Y)の割合としては、吸湿性抑制効果に優れることから、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、いっそう好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
上述したように、本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子では、上記構成とすることで、吸湿性の低い粒子とすることができ、かつ、粒子径の変動係数CV値を30%以下に制限できる。
その結果、LCDなどの表示素子分野をはじめ各種工業製品に使用されている構成部品・部材にも十分適用し得るものといえる。具体的には、LCDなどの表示素子用の光拡散板、光拡散フィルム用の光拡散剤(透過光の拡散)、防眩フィルム用の光拡散剤等の光学樹脂用の光拡散剤をはじめ、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、PP(ポリプロピレン)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルムなど各種高分子フィルム用のアンチブロッキング剤、滑剤;LED照明用カバー等に用いられる光拡散剤;LCD用スペーサ剤などの隙間距離保持剤;導電性粒子(金属メッキ)用基材粒子(異方導電フィルムなどに好適である);つや消し剤などが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。特に本発明のアミノ樹脂架橋粒子は吸湿性が低いため、粒子間で凝集することなく樹脂マトリックス中に単分散させることができ、上記用途に利用する際にフィルム基材等の表面にムラなく配置させることができる。加えて、粒子の吸湿分に起因するバインダー樹脂やフィルム基材との親和性の低下やバインダー樹脂やフィルム基材との界面でのボイドの発生を格段に抑制・防止でき、非常に優れた密着力を発現することもできる。その結果、高品質で耐久性に優れるフィルム等の樹脂成形品が得られる。さらに本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、粒度分布のシャープなコアシェル構造の粒子とすることができ、コアとシェルで光屈折率などを変えられ、平均粒子径もサブミクロン〜ミクロンサイズで任意に調節できることから、上記用途にフィルム基材等の表面に非常に粒子径の揃った光拡散剤等としてムラなく配置させることができ、優れた光拡散特性を達成できる。
以下、本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子の好ましい形態をより詳細に説明する。
(1)アミノ樹脂架橋粒子の粒子径の変動係数CV値
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子において、粒子径の変動係数CV値は、30%以下である。アミノ樹脂架橋粒子の粒子径の変動係数CV値としては、光拡散特性に優れる点から、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好適には7%以下である。なお、本発明において、アミノ樹脂架橋粒子の粒子径の変動係数CV値は、下記(2)の平均粒子径の測定方法に従って求めた平均粒子径D並びに同様の方法で測定される粒子径の標準偏差を用いて、下記式により求められる。
Figure 0005421141
(2)アミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径D
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子(コアシェル粒子)の好ましい平均粒子径Dは、0.05〜100μmの範囲である。上記平均粒子径Dが0.05〜100μmの範囲内から外れると、例えばアミノ樹脂架橋粒子とバインダー樹脂を使用して光拡散部材とした場合の光拡散性能が低下するおそれがある。アミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径としては、輝度の高い光拡散部材となる観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.15μm以上、さらに好ましくは0.2μm以上である。一方、光拡散特性に優れるという観点からは、本発明のアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下、なかでも4μm以下が好ましい。なお、本発明においては、アミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径Dは、粒子総個数が200個前後になるようにSEM写真を撮影し、その写真より無作為に選んだ100個の粒子の直径をノギスにて計測し、個数平均値を平均粒子径とする。なお、粒子は略球状であるため、撮影された写真の粒子(断面)の最大長を計測し、直径とする。
(3)アミノ樹脂架橋粒子のシェル層の厚み(平均値)t
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子における、粒子のシェル層の厚み(平均値)tは、0.01μm以上であることが好ましい。上記厚み(平均値)tが0.01μm以上であると、吸湿性の抑制された粒子となり易く、又、例えばアミノ樹脂架橋粒子とバインダー樹脂を使用して光拡散部材とした場合の光拡散性能に優れたものとなる。本発明のアミノ樹脂架橋粒子のシェル層の厚み(平均値)tとしては、吸湿性が特に低くなる観点から、好ましくは0.02μm以上、より好ましくは0.03μm以上、特に好ましくは0.04μm以上である。一方、吸湿性抑制の観点からは厚みは大きいほど好ましいが、分散性に優れる観点からは本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子のシェル層の厚み(平均値)tは、好ましくは5μm以下である。なお、アミノ樹脂架橋粒子のシェル層の厚み(平均値)tは、シェル形成後の成長粒子の平均粒子径D(μm)、コアの平均粒子径d(μm)より、式:t=(D−d)/2により算出した。ここで、D、dは、上記した方法により求められた値を用いることができる。
(4)アミノ樹脂架橋粒子のシェル層比(t/d)
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子のコア粒子のシェル層比(t/d)は、0.1〜1.5の範囲である。ここで、アミノ樹脂架橋粒子のシェル層比とは、シェル層の厚み(平均値)t(μm)/シェル層内部のコアの直径(平均粒子径)d(μm)をいう。上記シェル層比が0.1〜1.5の範囲内であると、吸湿性が低くかつ分散性に優れ、また、例えば本発明のアミノ樹脂架橋粒子とバインダー樹脂を使用して光拡散部材とした場合の光拡散性能に優れる。本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子のシェル層比としては、吸湿性が低い観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、特に好ましくは0.3以上である。
(5)アミノ樹脂架橋粒子の全体組成
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子は、アミノ化合物とホルムアルデヒドの縮合物からなり、シェル層が、アミノ化合物(B)とホルムアルデヒドの縮合物からなり、アミノ化合物(B)が、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym.−トリアジン)、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、アセトグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、スピログアナミンなどのグアナミン化合物(X)から選ばれる1種または2種以上を必須とし、該グアナミン化合物(X)の割合がアミノ化合物(B)総量に対し10〜100質量%であることを必須とする。
さらに本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子において、コアはアミノ化合物(A)とホルムアルデヒドの縮合物からなることが好ましいが、アミノ化合物(A)におけるメラミン化合物(Y)の割合が1〜100質量%であれば、アミノ化合物(A)に関して特に制限はない。
(6)アミノ樹脂架橋粒子の形態および好ましい態様
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子の形態としては、以下の使用用途に応じて、粉体形態または溶媒分散体の形態をとり得る。
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子では、吸湿性をさらに抑制する好ましい態様として、下記a)〜c)をとり得るものである。
a)無機粒子、より好適にはシリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物粒子をシェル層に複合化してなるものである。
該a)の好ましい態様は、金属酸化物微粒子の1次粒子径が0.1μm以下である。さらに好ましくは0.05μm以下、より好ましくは0.03μm以下である。下限は0.005μm以上が好ましい。
b)フェノール性水酸基を有する化合物、分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(多価フェノール類)とホルムアルデヒドとの縮合物、該化合物とアミノ化合物およびホルムアルデヒドの共縮合物をシェル層に複合化してなるものである。
ここで、上記a)の態様は、例えば、シェル層を形成する反応において、アミノ樹脂粒子(コア)と共に水性媒体中に共存させておくことにより得られる。
上記b)の態様は、例えば、シェル層を形成する反応において、フェノール類をアミノ化合物(B)と一緒に添加するなどアミノ化合物(B)とホルムアルデヒドと共縮合することにより得られる。
c)シェル層を形成した本発明のアミノ樹脂架橋粒子表面をシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などのカップリング剤処理を行ってなるものである。
(7)アミノ樹脂架橋粒子の特徴
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子の特徴としては、上記したように、シェル層、すなわち表面がグアナミン化合物(X)を主たるアミノ化合物(B)とホルミアルデヒドとの縮合物であることにより、非吸湿性、疎水性が高く、高屈折率となり得る。コアシェル構造(2層構造)であることにより、光拡散特性、耐溶剤性に優れる。アミノ樹脂の架橋粒子であることにより、耐熱性に優れる。CV値を30%以下であることにより、粒度分布がシャープな粒子(群)である。
本発明の構成のアミノ樹脂架橋粒子とした結果、上記特性のほか以下に示す特性を奏する。
(a)粒子の水分含有量
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子の水分含有量は、好ましくは0.1〜3質量%である。さらに好ましくは2.5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。上記水分含有量を持つことから、バインダー樹脂への分散性及び密着力に優れる。
アミノ樹脂架橋粒子の水分含有量は、実施例の評価方法に記載の通り、解砕後の粉体(アミノ樹脂架橋粒子)1gをカールフィッシャー法にて定量し、得られた水分量の百分率を水分含有量(質量%)とする。即ち、本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、粉体形態のほか、溶媒分散体の形態でも得られるが、かかる水分含有量を求める場合には、粒子を溶媒からろ過や遠心分離など従来公知の方法により単離し溶媒を蒸発させてなるものを試料とする。
(b)粒子の飽和吸湿量
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子の飽和吸湿量(%)は、好ましくは10%未満であり、さらに好ましくは7%以下である。さらに好ましくは6%以下、特に好ましくは5%以下である。また下限値は1%以上であることが好ましい。上記飽和吸湿量を持つことから、バインダー樹脂への分散性に優れる。
アミノ樹脂架橋粒子の飽和吸湿量は、実施例の評価方法に記載の通り、解砕後の粉体(アミノ樹脂架橋粒子)を温度30℃、湿度90%RHの雰囲気下で1日放置した後、上記(a)のアミノ樹脂架橋粒子の水分含有量と同様にして水分測定を行い、得られた水分量の百分率を飽和吸湿量(%)とする。
(c)アミノ樹脂架橋粒子の疎水化度
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子の疎水化度は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは22.5%以上、特に好ましくは25%以上である。上記疎水化度を持つことから、バインダー樹脂への分散性に優れる。
アミノ樹脂架橋粒子の疎水化度は、200ccガラスビーカーに水50ccを入れ、その上に疎水化された粉体(解砕後の粉体形態のアミノ樹脂架橋粒子)0.2gを浮かせ、スターラーにて緩やかに撹拌し、その水中にメチルアルコールを仕込んだビュレットを液中に入れて徐々にメチルアルコールを混合し、完全に浮いている粉体が沈んだ時の水とメチルアルコール合計量に対するメチルアルコールの投入量の百分率を疎水化度(%)とする。
(8)アミノ樹脂架橋粒子の使用用途
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子は、上記特徴を具備することにより各種用途に好適に使用し得る。
(a)光拡散剤
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子は、吸湿性が抑制されていること、アミノ樹脂組成であることに加え、シェル層の屈折率が高いこと、コアシェル構造であること、粒度分布がシャープであることより、光拡散特性に優れる、表面が特定のアミノ樹脂からなるためにバインダー樹脂への分散性、親和性に優れるという特徴から、LCDなどの表示素子用の光拡散板、光拡散フィルム用の光拡散剤、防眩フィルム用の光拡散剤等の光学樹脂用の光拡散剤、あるいはLED照明用カバー等に用いられる光拡散剤に好適に用いることができる。該用途においては、当該アミノ樹脂架橋粒子は、平均粒子径Dが0.1〜50μmが好ましく、さらに好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは1μm以上である。また10μm以下が好ましく、特に5μm以下が好ましい。
(b)アンチブロッキング剤、滑剤
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子は、吸湿性が抑制されていること、アミノ樹脂組成であることに加え、粒度分布がシャープであり、耐熱性に優れるという特徴から、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、PP(ポリプロピレン)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルムなど各種高分子フィルムのアンチブロッキング剤、滑剤に好適に用いることができる。該用途において、当該アミノ樹脂架橋粒子は、平均粒子径がサブミクロン、特に0.1〜0.9μmで、かつ粒子径の変動係数(CV値)が10%以下であることが好ましい。
(c)LCD用スペーサー、隙間距離保持剤
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子は、吸湿性が抑制されていること、アミノ樹脂組成であることに加え、粒度分布がシャープであり、表面が疎水性であるため、液晶分子の異常配向による光抜けを抑制でき、LCD用スペーサーに好適に用いることができる。該用途において、当該アミノ樹脂架橋粒子は、平均粒子径Dが0.5〜10μmで、かつ粒子径の変動係数(CV値)が10%以下であることが好ましい。また、本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子は前記LCD用スペーサー用に限定されず、各種電子部品間の接合、接着における隙間距離保持剤にも好適に使用される。
(d)導電性粒子用基材粒子
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子は、吸湿性が抑制されていること、アミノ樹脂組成であることに加え、粒度分布がシャープであってかつ、粒子表面が特定のアミノ樹脂からなるため、金属メッキ層との密着性が優れるという特徴から、導電性粒子用基材粒子、特に異方導電フィルム用の導電性粒子用途に好適に用いることができる。該用途において、当該アミノ樹脂架橋粒子は、平均粒子径Dが0.5〜10μmで、かつ粒子径の変動係数(CV値)が10%以下であることが好ましい。
(e)つや消し剤
本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子は、吸湿性が抑制されていること、アミノ樹脂組成であることに加え、シェル層の屈折率が高く、コアシェル構造であることから光の散乱特性に優れる、粒度分布がシャープであり光の散乱特性を制御し易いという特徴から、つや消し剤に好適に用いることができる。該用途において、当該アミノ樹脂架橋粒子は、平均粒子径が0.5〜10μm、特に1〜5μmであることが好ましい。
但し、本形態に係るアミノ樹脂架橋粒子の利用用途は、アミノ樹脂架橋粒子の持つ特徴(特性)を有効に発揮し得るものであれば、上記に例示した用途に何ら制限されるものではなく、幅広い技術分野において利用可能である。
<アミノ樹脂架橋粒子を用いた樹脂組成物>
(1)塗料用樹脂組成物
本発明に係る塗料用樹脂組成物は、バインダー樹脂、溶媒、本発明により提供されるアミノ樹脂架橋粒子を含有してなることを特徴とするものである。本発明のアミノ樹脂架橋粒子の「(8)アミノ樹脂架橋粒子の使用用途」の項で説明した上記(a)〜(e)のうち、(a)、(b)、(e)については、上記した塗料用樹脂組成物の形態で使用するのが好ましい。
ここで、上記バインダー樹脂としては、その使用用途に応じて、従来公知の塗料用樹脂組成物用バインダー樹脂より適宜選択して、適量を用いればよい。具体的には、上記バインダー樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、スチレン系樹脂などのビニル系樹脂;エポキシ系樹脂;フェノール系樹脂;アミノ系樹脂;フッ素樹脂;シリコーン系樹脂などが好適に採用し得る。
上記溶媒としては、ケトン類、エステル類、炭化水素類、エーテル類、アルコール類、グリコール誘導体等の従来公知の有機溶媒、鉱物油、水など従来公知の溶媒を用いることができ、塗料用樹脂組成物の使用用途に応じて、適宜選択して、適量を用いればよい。
この際、本発明の製造方法により得られるアミノ樹脂架橋粒子は、その使用用途に応じて、サブミクロンサイズ〜ミクロンサイズの間で所望の平均粒子径を適宜選択して、適量を用いればよい。
塗料用樹脂組成物の好ましい組成
アミノ樹脂架橋粒子の含有量は、塗料用樹脂組成物全量100質量%に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
粒子とバインダー樹脂の合計量は、塗料用樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%である。
溶媒の含有量は、塗料用樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%である。
(2)成形体用樹脂組成物
本発明に係る成形体用樹脂組成物は、バインダー樹脂、本発明により提供されるアミノ樹脂架橋粒子を含有してなることを特徴とするものである。アミノ樹脂架橋粒子の「(8)アミノ樹脂架橋粒子の使用用途」の項で説明した上記(a)〜(e)のうち、(a)、(b)、(e)については、上記した成形体用樹脂組成物の形態で使用するのが好ましい。
ここで、上記バインダー樹脂としては、その使用用途に応じて、従来公知の成形体用樹脂組成物用バインダー樹脂より適宜選択して、適量を用いればよい。具体的には、上記バインダー樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂;ポリシクロオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリウレタン樹脂;(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂などのビニル系重合体樹脂;シリコーン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;エポキシ系樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂などが好適に採用し得る。
この際、本発明により提供されるアミノ樹脂架橋粒子は、その使用用途に応じて、サブミクロンサイズ〜ミクロンサイズの間で所望の平均粒子径を適宜選択して、適量を用いればよい。
成形体用樹脂組成物の好ましい組成
アミノ樹脂架橋粒子の含有量は、組成物総量100質量%に対して、好ましくは0.005〜50質量%である。より好ましくは0.01〜30質量%である。
バインダー樹脂の含有量は、組成物全量100質量%に対して、好ましくは50〜99.995質量%、より好ましくは70〜99.99質量%である。
塗料用樹脂組成物、成形体用樹脂組成物においては、必要に応じて、樹脂バインダーの硬化剤、架橋剤、硬化触媒、硬化促進剤などの従来公知の硬化成分を適宜選択して使用すればよい。
[評価方法]
(1)平均粒子径(コア、成長粒子)
粒子総個数が200個前後になるように走査型電子顕微鏡像(SEM写真)を撮影し、その写真より無作為に選んだ100個の粒子の直径をノギスにて計測し、5回繰り返した個数平均値を平均粒子径とした。なお、粒子は略球状であるため、撮影された写真の粒子(断面)の最大長を計測し、直径とした。
(2)シェル層の厚み
下記実施例では、シェル層の厚みt(μm)を以下にして求めた。
シェル形成後の成長粒子の平均粒子径D(μm)、コアの平均粒子径d(μm)より、下記式で求めた。
シェル層の厚みt(μm)=(D−d)/2
D、dは、走査型電子顕微鏡像から、任意の粒子を無作為に選んで100個の直径を測定し、数平均値を求めて、平均粒子径とした。
(3)CV値(%)
上記(1)の粒子径の測定方法の標準偏差値より下記式によって求めた値を変動係数CV値(%)とした。
変動係数CV値(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
(4)水分量(%)
解砕後の粉体1gをカールフィッシャー法にて定量した。得られた水分量の百分率を水分量(%)とした。
(5)飽和吸湿量(%)
解砕後の粉体を温度30℃、湿度90%RHの雰囲気下で1日放置した後、上記(4)と同様の水分測定を行った。得られた水分量の百分率を飽和吸湿量(%)とした。
(6)疎水化度(%)
200ccガラスビーカーに水50ccを入れ、その上に疎水化された粉体(解砕後の粉体)0.2gを浮かせ、スターラーにて緩やかに撹拌した。その水中にメチルアルコールを仕込んだビュレットを液中に入れて徐々にメチルアルコールを混合し、完全に浮いている粉体が沈んだ時のメチルアルコールの投入量より下記式を用いて疎水化度(%)を求めた。
Figure 0005421141
(7)フィルム評価
ポリエステルポリオール100部、多官能イソシアネート20部(住化バイエルウレタン社製:スミジュールN320)、粒子12部を均一混合した後にその塗工液をロールコート法により厚み100μmのポリエステルフィルムの表面に乾燥膜厚10μmとなるように塗布した。これを室温にて1時間放置乾燥した後、80℃で24時間乾燥させ光拡散フィルムを得た。このフィルムを恒温恒湿機中、40℃で90RH%環境下に1週間放置した後に下記の評価を行った。
●輝度
得られたフィルムを導光板方式のバックライト装置の上面に置き、TOPCON製輝度
計BM−7を用いて輝度を測定した。
●ヘーズ
日本電色工業NDH−1001DPを用いてヘーズを測定した。
●ヘーズ減衰率
下記式を用いてヘーズ減衰率(%)を求めた。なお、このヘーズ減衰率の値は、小さいほど好ましい。
Figure 0005421141
[実施例1:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):BG、メラミン化合物(Y):Meの例]
(コア(アミノ樹脂粒子)作製)
撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えた4つ口の500ccセパラブルフラスコにメラミン(以下、Meともいう。)100部、37質量%ホルマリン193.0部、25質量%アンモニア水3.5部を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温し、70℃で30分間保持した。かかる操作によりアミノ樹脂前駆体含有液(1)296.5部を得た。
別に、撹拌機、還流冷却管及び温度計を兼ね備えた10Lセパラブルフラスコに固形分濃度65質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(花王株式会社製:ネオペレックスG65:以下、65質量%DBSNaともいう。)6.2部と純水1400部を撹拌しながら90℃に昇温した均一な界面活性剤水溶液を調整しておいた。
上記の90℃の撹拌状態下にある界面活性剤水溶液にアミノ樹脂前駆体含有液(1)296.5部を投入して、90℃で5分間保持し、次いで10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸(以下、DBSともいう。)水溶液50部を加えた(固形分濃度:10.0質量%)。この状態で90℃にて5時間保持して、アミノ樹脂粒子(1)10.0質量%を含有する液(以下、単にメラミン樹脂シード液(1)ともいう)1752.7部(固形分として175部)を得た。得られた粒子(アミノ樹脂粒子(1))をSEMにて観測したところ、平均粒子径0.20μm(CV値:12%)であった。
(シェル層形成)
ベンゾグアナミン(以下、BGともいう)100部、37質量%ホルマリン130部、65質量%DBSNa6.2部、DBS5.0部、純水350部を均一に分散混合し、BG分散液を得た。上記の90℃に保持されたメラミン樹脂シード液(1)1752.7部中に上記のBG分散液をローラーポンプにて2時間かけて滴下した(固形分濃度:14質量%)。滴下後は更に90℃にて5時間保持し、その後30℃まで冷却して、上記コア表面がBGとホルムアルデヒドとの縮合物により被覆されたアミノ樹脂架橋粒子(1)14.0質量%を含有する分散液(1)(以下、単にBG被覆スラリーともいう)2343.9部を得た。得られた粒子(アミノ樹脂架橋粒子(1))をSEMにて観測したところ、平均粒子径0.24μm(CV値:8.2%)であった。
(ろ過、乾燥、粉砕工程)
上記BG被覆スラリーを遠心分離機(遠心力:1万G)にて固液分離し、その上澄みを廃棄し、沈降ケーキのみをパットに取り出した。そのろ過ケーキを180℃の循環型熱風乾燥機に投入し、5時間保持し取り出した後、乾燥粉体を解砕圧0.7mPa・sのジェットミル分級にて解砕分級を行い、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P1)を得た。
得られた粉体(P1)の水分量は、1.1質量%であり、飽和吸湿量(30℃、90%RHで1日放置)は5.6%であった。疎水化度は15%であった。アミノ樹脂粒子(1)、アミノ樹脂架橋粒子(1)の諸物性を表1Aに、またアミノ樹脂架橋粒子粉体(P1)の評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P1)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(1)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例2:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):被覆upの例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、BG200部、37質量%ホルマリン260部、65質量%DBSNa12.4部、DBS10部、純水700部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子(2)を16.3質量%含む分散液(2)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(2)及びアミノ樹脂架橋粒子(2)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(2)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P2)を得た。得られた粉体(P2)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P2)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(2)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例3:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):被覆upの例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、BG400部、37質量%ホルマリン520部、65質量%DBSNa24.8部、DBS20部、純水1400部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子(3)を19質量%含む分散液(3)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(3)及びアミノ樹脂架橋粒子(3)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(3)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P3)を得た。得られた粉体(P3)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P3)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(3)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例4:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=80質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):被覆up、グアナミン化合物(X):メラミン化合物(Y)=8:2混合被覆の例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、BG160部、Me40部、37質量%ホルマリン285部、65質量%DBSNa12.4部、DBS10部、純水700部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子(4)を16.5質量%含む分散液(4)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(4)及びアミノ樹脂架橋粒子(4)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(4)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P4)を得た。得られた粉体(P4)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P4)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(4)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例5:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)、小粒子径の例]
(コア(アミノ樹脂粒子)の作製)
実施例1と同等の装置を用いて、Me20部、37質量%ホルマリン38.6部、25質量%アンモニア水0.7部を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温し、70℃で30分間保持した。かかる操作によりアミノ樹脂前駆体含有液(5)59.3部を得た。
別に、実施例1と同等の装置を兼ね備えた2Lセパラブルフラスコに65質量%DBSNa1.2部と純水1400部を撹拌しながら90℃に昇温した均一な界面活性剤水溶液を溶解しておいた。
上記の撹拌状態下にある界面活性剤水溶液にアミノ樹脂前駆体含有液(5)59.3部を投入して、90℃で5分間保持し、次いで10質量%DBS水溶液10部を加えた(固形分濃度:2.5質量%)。この状態で90℃にて5時間保持して、アミノ樹脂粒子(5)を2.4質量%含有する分散液(以下、単にメラミン樹脂シード液(5)ともいう)1470.5部を得た。得られたコア(アミノ樹脂粒子(5))をSEMにて観測したところ、平均粒子径0.10μm(CV値:12%)であった。
(シェル層形成)
BG40部、37質量%ホルマリン52部、65質量%DBSNa2.5部、DBS2.0部、純水140部を均一に分散混合し、BG分散液を調製した。該分散液をメラミン樹脂シード液(5)1470.5部中に3時間かけて滴下した。これ以降の工程は実施例1と同等の操作にて合成を行い、アミノ樹脂架橋粒子(5)を5.4質量%分散含有する分散液(5)1707部を得た。得られた粒子(アミノ樹脂架橋粒子(5)をSEMにて観測したところ、平均粒子径0.14μm(CV値:9.3%)であった。
分散液(5)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P5)を得た。得られた粉体(P5)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P5)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(5)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例6:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=66.7質量% オートクレーブ硬化の例]
実施例2と同様にしてコア作製、シェル層形成行い、アミノ樹脂架橋粒子(6)分散液(6)を得た。該分散液(6)を5Lのオートクレーブに仕込み、撹拌しながら170℃(0.75mPa)で5時間保持し、その後40℃まで冷却することにより、アミノ樹脂架橋粒子(6H)を分散含有する分散液(6H)を得た。コア(アミノ樹脂粒子(6))及びアミノ樹脂架橋粒子(6H)の諸物性を表1Aに示す。なお、熱処理前のアミノ樹脂架橋粒子(6)の平均粒子径は0.29μm、CV値は6.3%であった。
分散液(6H)を遠心分離機(遠心力:1万G)にて固液分離し、その上澄みを廃棄し、沈降ケーキ1500gをビーカーに取り出し、MeOHで約3Lに希釈、均一に分散した後、撹拌し50℃まで昇温し2時間保持し、更に遠心分離機にて固液分離した。この操作を3回繰り返した後、実施例1と同等の操作の乾燥、粉砕分級を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P6)を得た。得られた粉体(P6)の評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P6)の平均粒子径、CV値は、オートクレーブ処理後の分散液(6H)中のアミノ樹脂架橋粒子(6H)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
また、本実施例においては、シェル層形成後の分散液(6)中の粒子(アミノ樹脂架橋粒子(6))についても、表1Aに示す諸物性につき確認した結果、オートクレーブ処理後の分散液(6H)中の粒子(アミノ樹脂架橋粒子(6H))の値と同様であった。
[実施例7:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=50質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):メラミン化合物(Y)=50:50混合被覆の例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、シクロヘキンサンカルボグアナミン(以下、CHGともいう)100部、Me100部、37質量%ホルマリン323部、65質量%DBSNa12.4部、DBS10部、純水700部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことによリ、アミノ樹脂架橋粒子(7)を16.8質量%含む分散液(7)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(7)及びアミノ樹脂架橋粒子(7)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(7)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P7)を得た。得られた粉体(P7)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P7)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(7)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例8:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=12質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):メラミン化合物(Y)=12:88混合被覆の例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、CHG24部、Me188部、37質量%ホルマリン371部、65質量%DBSNa12.4部、DBS10部、純水700部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことによリ、アミノ樹脂架橋粒子(8)を17.1質量%含む分散液(8)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(8)及びアミノ樹脂架橋粒子(8)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(8)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P8)を得た。得られた粉体(P8)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P8)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(8)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例9:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):被覆成分アセトグアナミン、被覆upの例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、アセトグアナミン(以下、AGともいう)200部、37質量%ホルマリン260部、65質量%DBSNa12.4部、DBS10部、純水700部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことによリ、アミノ樹脂架橋粒子(9)を16.3質量%含む分散液(9)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(9)及びアミノ樹脂架橋粒子(9)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(9)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P9)を得た。得られた粉体(P9)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P9)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(9)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例10:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):被覆成分スピロ環含有グアナミン、被覆upの例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、スピロ環含有グアナミン(富士化成工業製:デラミンCTU−100、以下、CTUGともいう)200部、37質量%ホルマリン260部、65質量%DBSNa12.4部、DBS10部、純水700部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことによリ、アミノ樹脂架橋粒子(10)を16.3質量%を含む分散液(10)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(10)及びアミノ樹脂架橋粒子(10)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(10)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P10)を得た。得られた粉体(P10)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P10)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(10)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例11:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):被覆成分シクロヘキセンカルボグアナミン、被覆upの例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、CHG200部、37質量%ホルマリン260部、65質量%DBSNa12.4部、DBS10部、純水700部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことによリ、アミノ樹脂架橋粒子(11)を16.3質量%含む分散液(11)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(11)及びアミノ樹脂架橋粒子(11)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(11)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P11)を得た。得られた粉体(P11)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P11)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(11)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例12:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):被覆upの例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、BG900部、37質量%ホルマリン1170部、65質量%DBSNa55.8部、DBS45部、純水3150部を均一に分散混合してなる分散液を5時間掛けて滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子(12)を21.8質量%含む分散液(12)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(12)及びアミノ樹脂架橋粒子(12)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(12)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P12)を得た。得られた粉体(P12)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P12)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(12)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例13:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)、グアナミン化合物(X):大粒子径の例]
(コア(アミノ樹脂粒子)の作製)
実施例1と同等の装置、同操作においてアミノ樹脂前駆体含有液(13)296.5部を得た。
別に、実施例1と同様の装置を兼ね備えたセパラブルフラスコに65質量%DBSNa3.0部と純水1400部を攪拌しながら、60℃に昇流した均一な界面活性剤水溶液を溶解しておいた。
上記の攪拌状態下にある界面活性剤水溶液にアミノ樹脂前駆体含有液(13)296.5部を投入して60℃で5分保持し、次いで10質量%DBS水溶液30部を加えた(固形分10.0%)。
DBSを投入した後、90℃に昇温して、この状態で90℃にて5時間保持して、アミノ樹脂粒子(13)を10.0質量%含有する分散液(以下、単にメラミン樹脂シード液(13)ともいう)1729.5部を得た。得られたコア(アミノ樹脂粒子(13))をSEMにて観察したところ、平均粒子径0.65μmであった。
(シェル層形成)
シェル層形成においては実施例1と同等の操作で合成を行い、アミノ樹脂架橋粒子(13)を14.0質量%含む分散液(13)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(13)及びアミノ樹脂架橋粒子(13)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(13)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P13)を得た。得られた粉体(P13)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P13)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(13)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例14:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=80質量%(シェル)並びに同組成比20質量%(コア)、グアナミン化合物(X):メラミン化合物(Y)=8:2混合被覆、大粒子径の例]
(コア(アミノ樹脂粒子)の作製)
実施例1と同等の装置を用いて、Me80部、BG20部、37質量%ホルマリン180.4部、25質量%アンモニア水3.5部を仕込み、攪拌しながら70℃に昇温し、70℃で30分保持した。かかる操作によりアミノ樹脂前駆体含有液(14)283.9部を得た。
別に、実施例1と同様の装置を兼ね備えたセパラブルフラスコに65質量%DBSNa6.2部と純水1800部を攪拌しながら、90℃に昇温した均一な界面活性剤水溶液を溶解しておいた。
上記の攪拌状態下にある界面活性剤水溶液にアミノ樹脂前駆体含有液(14)283.9部を投入して90℃で5分保持し、次いで10質量%DBS水溶液50部を加えた(固形分8.0%)。
この状態で90℃にて5時間保持して、アミノ樹脂粒子(14)を8.0質量%含有する分散液(以下、単にメラミン樹脂シード液(14)ともいう)2140.1部を得た。得られたコア(アミノ樹脂粒子(14))をSEMにて観察したところ、平均粒子径0.42μmであった。
(シェル層形成)
BG80部、Me20部、37質量%ホルマリン143部、65質量%DBSNa6.2部、DBS5部、純水350部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にシェル形成を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子(14)を11.9質量%含む分散液(14)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(14)及びアミノ樹脂架橋粒子(14)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(14)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P14)を得た。得られた(P14)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P14)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(14)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[実施例15:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(シェル)及び60質量%(コア)、被覆率Down、大粒子径の例]
(コア(アミノ樹脂粒子)の作製)
実施例1と同等の装置を用いて、Me40部、BG60部、37質量%ホルマリン155.2部、25質量%アンモニア水3.5部を仕込み、攪拌しながら70℃に昇温し、70℃で45分保持した。かかる操作によりアミノ樹脂前駆体含有液(15)258.7部を得た。
別に、実施例1と同様の装置を兼ね備えたセパラブルフラスコに65質量%DBSNa10.0部と純水1340部を攪拌しながら、70℃に昇温した均一な界面活性剤水溶液を溶解しておいた。
上記の攪拌状態下にある界面活性剤水溶液にアミノ樹脂前駆体含有液(15)283.9部を投入して70℃で5分保持し、次いで10質量%DBS水溶液30部を加えた(固形分10.0%)。
この状態で90℃にて5時間保持して、アミノ樹脂粒子(15)を10.0質量%含有する分散液(以下、単にメラミン樹脂シード液(15)ともいう)1638.7部を得た。得られたコア(アミノ樹脂粒子(15))をSEMにて観察したところ、平均粒子径3.02μmであった。
(シェル層形成)
BG50部、37%ホルマリン65部、65質量%DBSNa3.1部、DBS2.5部、純水175部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にシェル形成を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子(15)を12.1質量%含む分散液(15)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(15)及びアミノ樹脂架橋粒子(15)の諸物性を表1Aに示す。さらに分散液(15)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(P15)を得た。得られた粉体(P15)における評価結果を表2Aに示す。なお、アミノ樹脂架橋粒子粉体(P15)の平均粒子径、CV値は、反応後のアミノ樹脂架橋粒子(15)の測定値(表1Aに示す成長粒径、CV値)と同様であった。
[比較例1:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=0質量% 被覆なしの例]
実施例1と同等の操作にてアミノ樹脂粒子(c1)を含有する液(メラミン樹脂シード)を作製した後、BGによるショル層形成を行わない以外は実施例1と同様にして、ろ過、乾燥、粉砕分級を行い、アミノ樹脂粒子粉体(Pc1)を得た。アミノ樹脂粒子(c1)の物性を表1Bに、粉体(Pc1)の評価結果を表2Bに示す。
[比較例2:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=0質量% メラミン化合物(Y)被覆の例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、Me200部、37質量%ホルマリン386部、65質量%DBSNa12.4部、DBS10部、純水700部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子(c2)を17.2質量%含む分散液(c2)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(1)及びアミノ樹脂架橋粒子(c2)の諸物性を表1Bに示す。さらに分散液(c2)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(Pc2)を得た。得られた粉体(Pc2)における評価結果を表2Bに示す。
[比較例3:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=2質量%(シェル)、グアナミン含有量小の例]
シェル層形成において、実施例1のBG分散液の代わりに、CHG12部、Me188部、37%ホルマリン378部、65質量%DBSNa12.4部、DBS10部、純水700部を均一に分散混合してなる分散液を滴下した以外は実施例1と同様にコア作製、シェル形成を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子(c3)を17.2質量%含む分散液(c3)を得た。得られたアミノ樹脂粒子(c3)及びアミノ樹脂架橋粒子(c3)の諸物性を表1Bに示す。さらに分散液(c3)より実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子粉体(Pc3)を得た。得られた粉体(Pc3)における評価結果を表2Bに示す。
[比較例4:グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%(コア)、グアナミン化合物(X)初期樹脂縮合、被覆なしの例]
実施例1と同等の装置を用いて、BG100部、37質量%ホルマリン130.0部、25質量%アンモニア水3.4部を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温し、75℃で30分間保持した。かかる操作により得られたものをアミノ樹脂前駆体含有液(c4)とした。
別に、実施例1と同等の装置を兼ね備えた2Lセパラブルフラスコに65質量%DBSNa6.2部と純水1400部を撹拌しながら90℃に昇温した均一な界面活性剤水溶液を溶解しておいた。
上記の撹拌状態下にある界面活性剤水溶液にアミノ樹脂前駆体含有液(c4)を投入して、90℃で5分間保持し、次いで10質量%DBS水溶液50部を加えた(固形分濃度:9.0質量%)後、90℃にて5時間保持してアミノ樹脂粒子(c4)を含有する分散液(c4)を得た。
これ以降のBGによるショル層形成を行わない以外は実施例1と同様にして、ろ過、乾燥、粉砕分級を行い、アミノ樹脂粒子粉体(Pc4)を得た。アミノ樹脂粒子(c4)の物性を表1Bに、粉体(Pc4)の評価結果を表2Bに示す。
Figure 0005421141
注)表中の「X/(X+Y)トータル %」、及び実施例番号横に記載の「グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))の値(%)」は、シェル層形成後の粒子(成長粒子)のコアとシェル層を合せた粒子全体のグアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))の値(質量%)である。
表中の「X/(X+Y)コア %」は、成長粒子のコアのみのグアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))の値(質量%)である。
表中の「X/(X+Y)シェル %」は、成長粒子のシェル層のみのグアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))の値(質量%)である。
コア粒径とは、コア作製により得られた粒子(アミノ樹脂粒子)の平均粒子径(μm)をいう。
成長粒径とは、シェル層形成後の粒子(アミノ樹脂架橋粒子)の平均粒子径(μm)をいう。
シェル層とは、成長粒子のシェル層の厚み(平均値)(μm)をいう。
シェル層比(%)とは、シェル層の厚み(平均値)t(μm)/コアの平均粒子径d(μm)×100(%)をいう。
但し、実施例6のようにオートクレーブ処理した場合は、オートクレーブ処理後の粒子についての評価結果に基づき各値を示す。
Figure 0005421141
Figure 0005421141
Figure 0005421141
[考察]
シェル層において、用いたアミノ化合物に対するグアナミン化合物(X)の割合を10〜100%とした実施例1〜15において得られたアミノ樹脂架橋粒子粉体は、該割合を0〜2%とした比較例2〜3に比べて、飽和吸湿量が低くなることが立証された。
また、実施例1〜3および実施例12を参照すると、コアとシェル層とを合わせた粒子全体のグアナミン化合物(X)の比率(表1Aに記載の「「X/(X+Y)トータル %」)を上げるにつれて(50→90%)、成長粒径がこれに比例して大きくなり(0.24→0.43μm、表1A)、一方、飽和吸湿量は低下した(5.6→2.8%、表2A)。また、該粒子を用いたフィルムのヘーズ減衰率も低下した(29→14%、表2A)。
さらに、コアとシェル層とを合わせた粒子全体のグアナミン化合物(X)の比率が4%(シェル層のグアナミン化合物の比率が6%)である比較例3では、実施例4、7、および8と比較して、飽和吸湿量が増加していることがわかる。
また、グアナミン化合物(X)/(グアナミン化合物(X)+メラミン化合物(Y))=100質量%の粒子を一段法で得る従来技術の製法に対応する比較例4では、粒度分布の大きな粒子しか得られなかったことがわかる(表1BのCV値=32%)。

Claims (6)

  1. コアの外周にシェル層が設けられてなるコアシェル構造を有し、アミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物からなる、粒子径の変動係数CV値が30%以下のアミノ樹脂架橋粒子であって、
    前記シェル層が、アミノ化合物(B)とホルムアルデヒドとの縮合物からなり、前記シェル層のアミノ化合物(B)におけるグアナミン化合物(X)の割合が10〜100質量%であり、
    前記コアが、アミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとの縮合物からなり、アミノ化合物(A)におけるメラミン化合物(Y)の割合が1〜100質量%である、アミノ樹脂架橋粒子。
  2. 前記シェル層の前記アミノ化合物(B)におけるメラミン化合物(Y)の割合が0〜90質量%である、請求項に記載のアミノ樹脂架橋粒子。
  3. 前記シェル層の厚みが0.01μm以上である、請求項1または2に記載のアミノ樹脂架橋粒子。
  4. 前記シェル層の厚み(μm)/前記コアの直径(μm)(いずれも平均値)が0.1〜1.5の範囲である、請求項1〜のいずれか1項に記載のアミノ樹脂架橋粒子。
  5. 1〜100質量%のメラミン化合物(Y)を含有するアミノ化合物(A)とホルムアルデヒドとの縮合物からなるアミノ樹脂粒子を水系媒体に分散させ、前記水系媒体の温度を50℃以上に保持しながらアミノ化合物(B)を添加して混合することにより、アミノ化合物(B)−ホルムアルデヒド縮合物からなるシェル層を前記アミノ樹脂粒子の表面に形成させる、アミノ樹脂架橋粒子の製造方法であって、
    前記アミノ化合物(B)が、10〜100質量%のグアナミン化合物(X)を含有することを特徴とする、アミノ樹脂架橋粒子の製造方法。
  6. 前記アミノ化合物(B)の総添加時間t(単位:時間)が、下記式(1)の関係を満足する、請求項に記載の製造方法。
    Figure 0005421141
    式中、Wx:アミノ化合物(B)の添加質量(kg)
    Wy:アミノ樹脂粒子の質量(kg)
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