JP4652361B2 - アミノ樹脂架橋粒子 - Google Patents

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本発明は、例えば、艶消し剤、光拡散剤、研磨剤、各種フィルム用コーティング剤、或いはポリオレフィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤、さらにはレオロジーコントロール剤や着色剤等として好適に用いることができる、アミノ樹脂架橋粒子およびその製造方法に関するものである。
従来、アミノ樹脂架橋粒子は、例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されている方法によって製造されている。これら公報に開示されている構成では、以下に示す方法によってアミノ樹脂架橋粒子を製造している。すなわち、先ず、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ樹脂前駆体とした後、該アミノ樹脂前駆体と乳化剤水溶液とを混合し乳濁液とする。次に、該乳濁液に触媒を加えることにより乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子とし、その後、アミノ樹脂粒子を懸濁液から分離し、そして得られたアミノ樹脂を含むケーキを加熱および乾燥して該ケーキから水を取り除くとともに、アミノ樹脂粒子の硬化(縮合)を完結させることにより、アミノ樹脂架橋粒子を得ている。しかし、これら公報に開示されている製造方法では、得られるアミノ樹脂架橋粒子が黄色味をおびたり、最終的に求める色と異なるアミノ樹脂架橋粒子が得られたりする等のアミノ樹脂架橋粒子が変色するという問題点がある。なお、以下の説明では、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が黄色味をおびたり、最終的に求める色と異なることを変色と称する。
これは、上記の懸濁液から分離することで得た、アミノ樹脂粒子を含むケーキに含まれる、水分および未反応のホルムアルデヒドを除去すること、並びに、アミノ樹脂粒子の縮合度を上げることを目的とする加熱工程において、上記ケーキを100℃よりも高く、例えば、130〜230℃の温度範囲内で加熱する場合、アミノ樹脂粒子が高温下にさらされてしまうので、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色するからである。従って、得られるアミノ樹脂架橋粒子の変色を防ぐためには、加熱温度を、例えば、100℃以下の低温にする必要がある。
特開昭49−57091号公報(公開日;1974年6月3日) 特開昭50−45852号公報(公開日;1975年4月24日) 特開平4−211450号公報(公開日;1992年8月3日) 特開昭56−72015号公報(公開日;1981年6月16日)
しかしながら、アミノ樹脂粒子を加熱する際に、低温(例えば、100℃以下)で加熱を行うと、加熱工程に長時間を要するばかりでなく、水分およびフリーなホルムアルデヒドの除去が不十分となる。また、低温でアミノ樹脂粒子の加熱を行うと、アミノ樹脂粒子内の縮合(架橋)が不十分となるため、得られるアミノ樹脂架橋粒子の硬度、耐熱性および耐溶剤性等が低下するという問題点がある。
このように従来技術では、アミノ樹脂架橋粒子の硬度、耐熱性および耐溶剤性を向上させるためには、アミノ樹脂粒子を100℃より高い高温(例えば、130〜230℃)で加熱する必要がある。しかし、このような高温でアミノ樹脂粒子を加熱すると、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色するという解決すべき相互する問題点がある。
また、従来、アミノ樹脂前駆体を硬化させる触媒(硬化触媒)としては、様々な酸触媒が用いられている。例えば、特許文献1、特許文献2に開示されている構成では、触媒として、ドデシルベンゼンスルホン酸(以下、DBSと称する)を用いている。しかし、DBSは、比較的反応速度が遅い。また、DBSは色がついておりそれを使用するので、加熱工程でアミノ樹脂粒子を加熱する際に、アミノ樹脂粒子が変色したり、触媒であるDBSが粒子内部に浸透して、可塑化が起こり安定的に架橋が行えないという問題点がある。
また、特許文献4に開示されている構成では、触媒として、硫酸が用いられているが、上記公報に具体的に記載されているアミノ樹脂組成物には、アミノ系化合物として、パラトルエンスルホンアミド(PTSA)が含まれているために、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとが反応する架橋点が少なく、縮合度が上がらず、得られたアミノ樹脂架橋粒子の硬度、耐熱性が十分ではなかった。つまり、硬度や耐熱性が高いアミノ樹脂架橋粒子として使用するアミノ系化合物としては、パラトルエンスルホンアミドは好ましくない。このように従来の技術では、アミノ樹脂架橋粒子として硬度や耐熱性が高く、かつ、加熱下の変色が十分に解決された粒子は、得られていなかった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、硬度が高く、耐熱性および耐溶剤性に優れ、かつ、変色のないアミノ樹脂架橋粒子およびその製造方法を提供することにある。
本願発明者らは、これらの問題点を解決すべく、アミノ樹脂架橋粒子およびその製造方法について鋭意検討した。その結果、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体と乳化剤とから形成される該アミノ樹脂前駆体の乳濁液に、触媒を添加して乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を硬化させアミノ樹脂粒子とした後に、該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液のpHを特定の範囲内に調節するように中和を行い、さらに、乳濁液からアミノ樹脂粒子を分離して、特定の温度範囲で該アミノ樹脂粒子を加熱することにより、上記の目的を達成することを見出した。なお、本発明では、アミノ樹脂前駆体の乳濁液を硬化させた状態の粒子や製造工程における反応液中に存在する状態の粒子を、アミノ樹脂粒子として記載する。また、該アミノ樹脂粒子を懸濁物から分離を行い、さらに乾燥工程等を経て得られた最終目的物である粒子を、アミノ樹脂架橋粒子として記載する。
つまり、乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子を得た後、加熱を行う前に、上記アミノ樹脂粒子を含む懸濁液のpHを特定の範囲内に調節し、硬化時に使用した酸触媒を中和することで、酸触媒を取り除くと、その後の加熱工程を高温で行っても、変色のないアミノ樹脂架橋粒子が得られることを見出して、本発明を完成させるに至った。
その結果、得られたアミノ樹脂架橋粒子は、十分に耐熱性を有する構造をもち、かつ、その後の乾燥工程等の加熱工程を経ても、変色しないという特有の物性を持つアミノ樹脂架橋粒子が得られた。また、十分に加熱処理されているので、残存するホルマリンの量が少ないという特性を有していた。また、熱分解しにくい構造となっており、その結果、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が少ないという特性も有していた。つまり、本発明では、上記アミノ樹脂粒子の加熱工程で起きる変色の原因が、硬化触媒として使用した酸触媒が残存していることが主たる原因であることを見出し、該酸触媒を中和するということにより、上記変色の問題を解決したものである。
すなわち、本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、上記の課題を解決するために、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるアミノ樹脂架橋粒子であって、固体13C−NMR分析における−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、かつ、ハンター白度が85%以上であることを特徴としている。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、上記の課題を解決するために、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られる着色されたアミノ樹脂架橋粒子において、固体13C−NMR分析における、−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下であることを特徴としている。
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が1000ppm以下であることがより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、さらに、上記アミノ系化合物が、トリアジン骨格を有するアミノ系化合物であり、固体13C−NMR分析における、上記トリアジン環が導入されたアミノ樹脂架橋粒子を構成するトリアジン環(C(IV))に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2 −NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が0.20以上であることがより好ましい。
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、平均粒子径が0.05〜30μmの範囲内であることがより好ましい。
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、およびメラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を40〜100重量%の範囲内で含んでおり、上記アミノ系化合物と上記ホルムアルデヒドとのモル比が、1:1.5〜1:3.5の範囲内であることがより好ましい。
上記の構成によれば、ハンター白度が85%以上であり、固体13C−NMR分析における−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であるため、アミノ樹脂架橋粒子を構成する−NH−CH2 O−CH2−NH−結合(C(I)結合)の割合が比較的少ない。従って、加熱の際に発生するホルムアルデヒドの量が少ないアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。また、アミノ樹脂架橋粒子を構成する−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)が多いため、硬度が高く、耐熱性および耐溶剤性に優れたアミノ樹脂架橋粒子を提供することができる。
上記−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)は、加熱処理が十分でないために硬化縮合が十分に進んでいないアミノ樹脂架橋粒子に多く存在する結合であり、上記結合が多いアミノ樹脂架橋粒子は、該アミノ樹脂架橋粒子を加熱するとホルムアルデヒドが発生し易くなる。つまり、上記−NH−CH2O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する−NH−CH2 −NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比は、本件アミノ樹脂架橋粒子が、いかに熱分解テスト時に発生するホルムアルデヒドの量が少なく、また、いかに硬度や耐熱性、耐溶剤性に優れているアミノ樹脂架橋粒子であるかを示す特性である。また、本件のアミノ樹脂架橋粒子は、上記特性に合わせて変色しにくいという特性を兼ね備えるものである。
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子が、染料および/または顔料により着色されている場合でも同様に硬化工程で酸触媒を使用するので、上記酸触媒を中和するという処理を行えば同様に、酸触媒が残存することによって起こる加熱変色を低減させることができる。よって該アミノ樹脂架橋粒子が着色されている場合には、当該加熱変色を熱変色テスト前後の色差という物性で評価する。この場合、本発明の着色されたアミノ樹脂架橋粒子は、上記の課題を解決するために、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られる着色されたアミノ樹脂架橋粒子であって、固体13C−NMR分析における−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下であることを特徴としている。
本発明の着色されたアミノ樹脂架橋粒子は、また、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られる着色されたアミノ樹脂架橋粒子であって、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が1000ppm以下であり、かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下であることを特徴としている。
本発明の着色されたアミノ樹脂架橋粒子は、また、トリアジン骨格を有するアミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるトリアジン環が導入された着色されたアミノ樹脂架橋粒子であって、固体13C−NMR分析における、上記トリアジン環が導入された着色されたアミノ樹脂架橋粒子を構成するトリアジン環(C(IV))に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2 −NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が0.20以上であり、かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下であることを特徴としている。
本発明の着色されているアミノ樹脂架橋粒子は、上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、およびメラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を40〜100重量%の範囲内で含んでおり、上記アミノ系化合物と上記ホルムアルデヒドとのモル比が、1:1.5〜1:3.5の範囲内であることがより好ましい。
上記の構成によれば、着色されたアミノ樹脂架橋粒子であっても、熱変色テスト前後における色差が15以下である着色されたアミノ樹脂架橋粒子となり、さらに併せて、固体13C−NMR分析における−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であるため、着色されたアミノ樹脂架橋粒子を構成する−NH−CH2O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)の割合が比較的少ない。従って、上記した本発明の着色されていないアミノ樹脂架橋粒子と同様に、加熱の際に発生するホルムアルデヒドの量が少ない着色されたアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。また、着色されたアミノ樹脂架橋粒子を構成する−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)が多いため、さらに併せて、硬度が高く、耐熱性および耐溶剤性に優れた着色されたアミノ樹脂架橋粒子を提供することができる。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体を含む反応液と乳濁液水溶液および/または界面活性剤水溶液とを混合して得られるアミノ樹脂前駆体の乳濁液に、触媒を添加することでアミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させてアミノ樹脂粒子を含む懸濁液を得るアミノ樹脂粒子生成工程と、次いで、該アミノ樹脂粒子生成工程により得られた該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、中和工程の後に、該アミノ樹脂粒子を、懸濁液から分離して130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱工程とを含むことを特徴としている。上記の酸触媒を中和する中和工程を含むアミノ樹脂架橋粒子の製造方法を採用することで、アミノ樹脂架橋粒子や、着色されたアミノ樹脂架橋粒子が、上述の物性を示すようになる。
また、上記中和工程は、pHが1.5〜3となったアミノ樹脂粒子の懸濁液のpHを5以上に調節する工程である。また、上記加熱工程は、酸素濃度が10容量%以下である不活性ガス雰囲気下で行う形態が好ましい。
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、上記加熱工程を、酸素濃度が10容量%以下である不活性ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、アミノ樹脂前駆体が、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させて、得られる反応液であって、該反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度が、2×10-2〜5.5×10-2Pa・sの範囲内となるまで反応させた初期縮合物であることがより好ましい。
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、さらに上記アミノ樹脂粒子生成工程は、染料および/または顔料により、アミノ樹脂前駆体を着色する着色工程を含んでいることがより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法によれば、上記硬化工程後であって、アミノ樹脂粒子生成工程後に、該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和することにより、残存する酸触媒を取り除くことができる。よって、その後の加熱工程での、アミノ樹脂粒子の変色を抑制することができる。具体的には、130〜230℃の温度範囲内でアミノ樹脂粒子を加熱することにより、水とフリーなホルムアルデヒドとの除去、および、縮合の促進を図ることができるため、変色がなく、硬度が高く、耐熱性、耐溶剤性に優れ、かつ、熱分解テストにおけるホルムアルデヒド臭の極めて少ないアミノ樹脂架橋粒子を製造することができる。
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、上記の課題を解決するために、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体と界面活性剤水溶液とを混合して得られる乳濁液に、触媒を添加することでアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子とするアミノ樹脂粒子生成工程と、該アミノ樹脂粒子を、酸素濃度が10容量%以下である不活性ガス雰囲気下、かつ、130〜230℃℃の温度範囲内で加熱する加熱処理工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、上記アミノ樹脂粒子生成工程は、染料および/または顔料により、アミノ樹脂前駆体を着色する着色工程を含むことがより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、以上のように、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるアミノ樹脂架橋粒子において、固体13C−NMR分析における、−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2 −NH−結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、かつ、ハンター白度が85%以上である構成である。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、以上のように、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られる着色されたアミノ樹脂架橋粒子において、固体13C−NMR分析における、−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2 −NH−結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下である構成である。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、さらに、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が1000ppm以下である構成がより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、さらに、上記アミノ系化合物が、トリアジン骨格を有するアミノ系化合物であり、固体13C−NMR分析における、アミノ樹脂架橋粒子を構成するトリアジン環に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2 −NH−結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が0.20以上である構成がより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、さらに、平均粒子径が0.05〜30μmの範囲内である構成がより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、さらに、上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、およびメラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を40〜100重量%の範囲内で含んでおり、上記アミノ系化合物と上記ホルムアルデヒドとのモル比が、1:1.5〜1:3.5の範囲内である構成がより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、以上のように、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体を含む反応液と乳化剤水溶液および/または界面活性剤水溶液とを混合して得られるアミノ樹脂前駆体の乳濁液に、触媒を添加することで乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子を含む懸濁液を得るアミノ樹脂粒子生成工程と、次いで、該アミノ樹脂粒子生成工程により得られた該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、次いで、該アミノ樹脂粒子生成工程により得られた該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、中和工程の後に、該アミノ樹脂粒子を、懸濁液から分離して、さらに分離して得られたアミノ樹脂粒子を、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱工程とを含む構成である。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、さらに、上記中和工程では、pHが1.5〜3のアミノ樹脂粒子を含む懸濁液のpHを5以上に調節する構成がより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、さらに、上記加熱工程は、酸素濃度が10容量%以下である不活性ガス雰囲気下で行う構成がより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、さらに、アミノ樹脂前駆体が、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させて、得られる反応液であって、該反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度が、2×10-2〜5.5×10-2Pa・s(20〜55cP)の範囲内となるまで反応させた初期縮合物である構成がより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、以上のように、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法において、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体を含む反応液と乳化剤水溶液および/または界面活性剤水溶液とを混合して得られるアミノ樹脂前駆体の乳濁液に、触媒を添加することで乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子を含む懸濁液を得るアミノ樹脂粒子生成工程と、次いで、該アミノ樹脂粒子生成工程により得られた該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、該アミノ樹脂粒子を、酸素濃度が10容量%以下である不活性ガス雰囲気下、かつ、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱処理工程とを含む構成である。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、さらに、上記アミノ樹脂粒子生成工程は、染料および/または顔料により、アミノ樹脂前駆体を着色する着色工程を含む構成がより好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、さらに、上記染料および/または顔料は、蛍光染料および/または蛍光顔料である構成がより好ましい。
それゆえ、変色がなく、硬度が高く、耐熱性、耐溶剤性に優れ、かつ、加熱時のホルムアルデヒド臭の極めて少ないアミノ樹脂架橋粒子を製造することができるという効果を奏する。
また、上記加熱工程を、酸素濃度が10容量%以下である不活性ガス雰囲気下で行うことにより、より一層変色のないアミノ樹脂架橋粒子を製造することができるという効果を併せて奏する。
本件が開示するアミノ樹脂粒子の製造工程における、硬化工程で使用した酸触媒を中和する工程を含む製造方法は、無着色、具体的には白色のアミノ樹脂架橋粒子にも適用できるし、また、着色されたアミノ樹脂架橋粒子にも適用することができる。なお、本件における白色粒子とは、染料(白色染料も含む)、顔料(白色顔料も含む)等の着色剤を含まない粒子である。よって、本発明では、後述する実施の形態1で、着色剤を含まない(無着色あるいは白色の)アミノ樹脂架橋粒子の形態を記載する。また、後述する実施の形態2で、着色されたアミノ樹脂架橋粒子の形態を記載する。なお、白色顔料や白色染料で白色に着色されたアミノ樹脂架橋粒子の場合は、実施の形態1に記載されたハンター白度でも、実施の形態2に記載された耐熱テスト(熱変色テスト)の前後における色差でも評価することができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるアミノ樹脂架橋粒子であって、固体13C−NMR分析における−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、かつ、ハンター白度が85%以上である構成である。
本発明のアミノ系化合物としては、具体的には、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、メラミンが挙げられる。上記例示のアミノ系化合物のうち、ベンゼン環と2個の反応基とを有することから、初期縮合状態では染色性に優れ、架橋後は可とう性(硬度)耐汚染性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性に優れていることから、ベンゾグアナミンが特に好ましい。これらアミノ系化合物は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよいが、上記例示の化合物群より選ばれる少なくとも一種の化合物を、40重量%以上、100重量%以下の範囲内で含んでいることが特に好ましい。また、本発明のアミノ系化合物としては、トリアジン環を有するアミノ系化合物がより好ましく、ベンゾグアナミン化合物が特に好ましい。
なお、以下の化学式を用いた説明では、アミノ系化合物がベンゾグアナミンである場合について説明する。
ここで、アミノ樹脂架橋粒子の構造について説明する。本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの縮合物である。該アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの縮合物(アミノ樹脂粒子)を、後述する加熱工程で、比較的低温(具体的には、130℃未満)で加熱した場合には、以下の化学式(1);
Figure 0004652361
中に示すように、繰り返し構造単位において、アミノ系化合物1モルとホルムアルデヒド2モルとが縮合して、−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(以下、C(I)結合と称する)の割合が多いアミノ樹脂架橋粒子となる。なお、上記化学式(1)は、ベンゾグアナミン構造の間に、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとから形成される縮合物が示すひとつの縮合状態を示す化学式であり、繰り返し構造単位を表す化学式ではない。具体的には、アミノ系化合物1モルとホルムアルデヒド2モルとが縮合してメチロール化したアミノ系化合物が生成し、さらにメチロール化したアミノ系化合物間で脱水縮合が起こり、アミノ系化合物のアミノ基の間に−NH−CH2O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)が生成する。
一方、上記アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの縮合物を、後述する乾燥工程で、比較的高温(具体的には、130〜230℃)で加熱した場合には、以下の化学式(2)に示すC(II)のような結合状態が、アミノ樹脂架橋粒子に導入される。
Figure 0004652361
つまり、乾燥工程を経ることで、−NH−CH2 −NH−結合(以下、C(II)結合と称する)の割合が多いアミノ樹脂架橋粒子となる。なお、上記化学式(2)は、ベンゾグアナミン間の結合状態を表す化学式であり、繰り返し構造単位を表す化学式ではない。具体的には、アミノ系化合物1モルとホルムアルデヒド2モルとが縮合してメチロール化したアミノ系化合物が生成し、さらにメチロール化したアミノ系化合物間で脱水縮合が起こり、アミノ系化合物のアミノ基の間に−NH−CH2O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)が生成し、さらにホルマリンが脱離して−NH−CH2 −NH−結合(C(II)結合)が生成する。
上記アミノ樹脂架橋粒子を構成するC(I)結合とC(II)結合との割合は、加熱温度が低温(100℃以下)になるほどC(I)結合の割合が多くなり、反対に、加熱温度が高温(130℃以上)になるほどC(II)結合の割合が多くなる。上記C(I)結合およびC(II)結合のうち、アミノ樹脂架橋粒子にC(I)結合が多く存在する場合には、該アミノ樹脂架橋粒子が熱分解する際に、ホルムアルデヒドが発生し易く、かつ、耐熱性および耐溶剤性が低い。一方、上記C(I)結合およびC(II)結合のうち、アミノ樹脂架橋粒子がC(II)結合のみで構成されている場合には、該アミノ樹脂架橋粒子が熱分解する際、ホルムアルデヒドは発生しない。なお、C(I)結合およびC(II)結合の上記割合と加熱温度との関係は、アミノ系化合物の種類や、反応条件、反応工程等によって異なる。
本発明では上記解釈をもとにして、得られたアミノ樹脂架橋粒子が持つ構造上の特徴と、粒子の物性である耐熱性や耐溶剤性または熱分解テスト時のホルムアルデヒドの発生量等との関係を詳細に検討した。その結果、アミノ樹脂架橋粒子を構成する上記C(I)結合とC(II)結合との割合に着目した。そして、アミノ樹脂架橋粒子を構成する上記C(I)結合とC(II)結合との割合を分析することで、当該アミノ樹脂架橋粒子の熱分解時のホルムアルデヒドの発生量と、アミノ樹脂架橋粒子の硬度、耐熱性および耐溶剤性との関係が非常に明確に定義できることを見出した。よって、本発明のアミノ樹脂架橋粒子の物性を示す指標の一つとして非常に明確な指標として提案するものである。
本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、固体13C−NMR分析におけるC(I)結合に由来する炭素原子のシグナルに対するC(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比(実施例では、C(II)/C(I)で示されているNMR面積比)が、2以上であることが好ましく、2〜20の範囲内であることがより好ましく、2〜10の範囲内がさらに好ましい。
上記面積比は、アミノ樹脂架橋粒子の結合状態、すなわち、アミノ樹脂架橋粒子を構成するアミノ系化合物とホルムアルデヒドとの結合状態を表している。固体13C−NMR分析におけるC(I)結合に由来する炭素原子のシグナルに対するC(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2よりも小さい場合には、得られるアミノ樹脂架橋粒子の硬度が低く、耐熱性および耐溶剤性が低下する。
本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が1000ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましく、300ppm以下であることがさらに好ましく、100ppm以下であることが特に好ましく、50ppm以下であることが最も好ましい。さらには、ホルムアルデヒドの発生量は、実質的な検出装置の検出限界以下、すなわち、検出装置で検出できない程度が最も好ましい。上記熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が1000ppmを越える場合には、アミノ樹脂架橋粒子を構成するC(I)結合の割合が多いため、得られるアミノ樹脂架橋粒子の硬度が低く、耐熱性および耐溶剤性が低下する場合がある。なお、上記「熱分解テスト」とは、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子を、160℃の温度で加熱して、ホルムアルデヒドの発生量を測定するテストのことを称する。
本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、固体13C−NMR分析におけるアミノ樹脂架橋粒子を構成するトリアジン骨格を有するアミノ系化合物のトリアジン環に由来する炭素原子のシグナルに対する、C(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が0.20以上であることであることが好ましく、0.20〜0.40の範囲内がより好ましい。上記トリアジン環に由来する炭素原子とは、化学式(2)に示すように、該トリアジン環(以下、C(IV)と称する)を構成している3つの炭素原子を示す。C(IV)に由来する炭素原子のシグナルに対するC(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比(実施例では、C(II)/C(IV)で示されているNMR面積比)が0.20よりも小さい場合には、C(II)結合が少ないので、その結果、アミノ樹脂架橋粒子を構成するC(I)結合の割合が多くなり、得られるアミノ樹脂架橋粒子の硬度が低く、耐熱性および耐溶剤性が低下する場合がある。
本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、ハンター白度が85%以上、より好ましくは90%以上であることが好ましい。「ハンター白度」とは、JIS規格のP8123(「紙及びパルプのハンター白色度試験方法」)に規定されているものであり、基準となる白色を100%とし、それに対する白さの度合いを規定したもの、すなわち、光を照射した時の試料の標準酸化マグネシウム板に対する比反射率で表されるものである。ハンター白度は、分光式色差計等を用いて測定すればよい。上記ハンター白度が85%未満の場合、アミノ樹脂架橋粒子は、黄色味をおびている(以下、変色と称する)ため好ましくない。なお、本発明では、得られるアミノ樹脂架橋粒子のハンター白度が85%未満である場合を「変色」したとする。
以上のように、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、(1)ハンター白度が85%以上であり、かつ、固体13C−NMR分析におけるC(I)結合に由来する炭素原子のシグナルに対する、C(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であること、(2)ハンター白度が85%以上であり、かつ、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が1000ppm以下であること、または、(3)ハンター白度が85%以上であり、かつ、C(IV)に由来する炭素原子のシグナルに対する、C(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が0.20以上であることが好ましい。
また、上記アミノ系化合物がベンゾグアナミンの場合、以下の化学式(3)に示すように、
Figure 0004652361
固体13C−NMR分析におけるベンゾグアナミン骨格中のベンゼン環(以下、C(III )と称する)由来の炭素原子のシグナルに対する、C(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比(実施例では、C(II)/C(III )で示されているNMR面積比)が0.08以上であることが好ましく、0.08〜0.20の範囲内がより好ましく、0.10〜0.20の範囲内がさらに好ましい。なお、上記C(II)結合は、−NH−CH−NH−結合を示す。C(III )に由来する炭素原子のシグナルに対する、C(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が0.08よりも小さい場合には、アミノ樹脂架橋粒子はC(I)結合とC(II)結合とが混在しており、その結果、C(I)結合の割合が多くなるので、得られるアミノ樹脂架橋粒子の耐熱性および耐溶剤性が低下する場合がある。
また、本発明にかかるアミノ樹脂粒子は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるアミノ樹脂架橋粒子であって、アミノ樹脂架橋粒子を構成するアミノ系化合物構造単位とホルムアルデヒド構造単位とのモル比が1:1〜1:2の範囲内であり、かつ、ハンター白度が85%以上であることがより好ましい。上記ホルムアルデヒド構造単位とは、化学式(2)に示すような、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとが縮合してメチレン基(具体的には、C(II)結合)になったもの、および、化学式(1)に示すような、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとが縮合してC(I)結合になったものを示す。アミノ系化合物構造単位に対するホルムアルデヒド構造単位のモル比が1よりも小さい場合には、縮合が不十分になる場合がある。一方、アミノ系化合物構造単位に対するホルムアルデヒド構造単位のモル比が2よりも大きい場合には、アミノ樹脂架橋粒子を構成するC(I)結合の割合が多いので、得られるアミノ樹脂架橋粒子の硬度が低く、耐熱性および耐溶剤性が低下する場合がある。
次に、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法について説明する。本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体と乳化剤水溶液とを混合して得られる乳濁液に、触媒を添加することでアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子とするアミノ樹脂粒子生成工程と、次いで、該アミノ樹脂粒子生成工程により得られた該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、中和工程の後に、該アミノ樹脂粒子を、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱工程とを含む方法である。具体的には、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体を含む反応液と乳化剤水溶液を混合して得られるアミノ樹脂前駆体の乳濁液に、触媒を加えて、さらに攪拌して乳濁を維持しながら乳濁状態となったアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子を含む懸濁液とする。その後で、該アミノ樹脂粒子を含み、pHが1.5〜3の懸濁液のpHを5以上、より好ましくは5〜9の範囲内に調節する中和工程を行う。その後、該アミノ樹脂粒子を懸濁液から分離して、さらに、分離して得られたアミノ樹脂粒子を130〜230℃の温度範囲内、より好ましくは130〜210℃の温度範囲内、さらに好ましくは130〜190℃の温度範囲内で加熱する方法である。
なお、以下の説明では、アミノ樹脂粒子生成工程が、反応工程、乳濁工程および硬化工程からなる例について説明する。
反応工程では、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させアミノ樹脂前駆体を得る。アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させる際には、水を溶媒として用いる。それゆえ、ホルムアルデヒドの添加形態としては、水溶液(ホルマリン)の状態で添加する(仕込む)方法、トリオキサンやパラホルムアルデヒドを水に添加して反応液中でホルムアルデヒドを発生させる方法が挙げられる。このうち、水溶液の状態でホルムアルデヒドを添加する方法がより好ましい。上記のようにして、反応工程では、アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得る。
アミノ系化合物とホルムアルデヒドとのモル比は、1:1.5〜1:3.5モルの範囲内であることがより好ましく、1:2〜1:3.5の範囲内であることがさらに好ましい。ホルムアルデヒドの割合が上記範囲を外れると、アミノ系化合物またはホルムアルデヒドの未反応物が多くなるので好ましくない。尚、水に対するアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの添加量、即ち、仕込み時点におけるアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの濃度は、反応に支障の無い限りにおいて、より高濃度であることが望ましい。より具体的には、反応物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度が、2×10-2〜5.5×10-2Pa・s(20〜55cP)の範囲内になるまで反応させることができる濃度であればよく、より好ましくは、乳濁工程で、アミノ樹脂前駆体の濃度が30〜60重量%の範囲内となるように、反応液を乳化剤の水溶液に添加することができる濃度であればよい。また、本発明にかかるアミノ樹脂前駆体とは、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させて得られる反応液であって、該反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度が、2×10-2〜5.5×10-2Pa・s(20〜55cP)の範囲内となるまで反応させた初期縮合物のことである。
上記粘度の測定方法は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの反応の進行状態を即時的に(リアルタイムで)把握することができると共に、該反応の終点を正確に見極めることができるように、粘度測定機を用いる方法が最適である。該粘度測定機としては、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製;機種名 MIVI 6001)が使用できる。この粘度計は、常時振動している振動部を備えており、該振動部を反応液に浸漬することで、該反応液の粘性が増加して振動部に負荷が掛かると、その負荷を粘度に即時的に換算して表示するようになっている。また、上記振動式粘度計は、プロセス粘度計と呼ぶこともある。
アミノ樹脂前駆体を製造する時の反応液のpHは、アルカリ性物質である炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を用いて中性または弱塩基性に調節することが望ましい。これらアルカリ性物質の使用量は、アミノ樹脂前駆体を含む乳濁液が所定のpHの範囲内になるように懸濁液のpHを、pHメータ等で測定して調整すればよい。アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを水中で反応させることにより、いわゆる初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を得ることができる。反応温度は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの反応を効率よく行えるように、90〜98℃の範囲内が好ましい。より好ましくは95〜98℃の範囲内である。そして、反応工程は、95〜98℃の温度範囲内で、反応液の粘度が2×10-2〜5.5×10-2Pa・sの範囲内となった時点で、該反応液を冷却する等の操作を行うことにより、終了すればよい。これにより、アミノ樹脂前駆体を含む反応液が得られる。従って、反応時間は、特に限定されるものではない。なお、上記反応工程によって得られたアミノ樹脂前駆体を構成するアミノ系化合物構造単位とホルムアルデヒド構造単位とのモル比が、1:1. 5〜1:3.5の範囲内であることがより好ましい。モル比を上記範囲内とすることにより、粒度分布の狭い粒子を得ることができる。
尚、反応終了時点での反応液の粘度は、アミノ系化合物およびホルムアルデヒドを仕込んだ(反応開始時の)水溶液の粘度と比較して著しく高く、従って、仕込んだ原料の濃度等には殆ど影響されない。アミノ樹脂前駆体は、アセトンやジオキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の有機溶媒に対して可溶であるが、水に対して実質的に不溶である。
また、上記アミノ樹脂前駆体の反応液の粘度が小さい程、次の乳濁工程において生成する粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。また、反応液の粘度が95〜98℃の温度範囲において、2×10-2Pa・s未満である場合、或いは5.5×10-2Pa・sを超える場合には、次の乳濁工程および効果工程を経ても、粒子径がほぼ揃った(粒度分布が狭い)アミノ樹脂粒子を得ることができにくくなる。即ち、上記の反応液の粘度が2×10-2Pa・s(20cP)未満であると、後述する乳濁工程で得られる乳濁液の安定性が乏しくなり、次の硬化工程でアミノ樹脂前駆体を含む乳濁液を硬化させると、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集しやすくなる。つまり、アミノ樹脂粒子の粒子径を制御することができなくなるので、粒子径が不揃いで粒度分布が広いアミノ樹脂架橋粒子ができやすくなる。また、乳濁液の安定性が乏しいので、製造するバッチ毎に、アミノ樹脂粒子の粒子径が変化して、製品にバラツキを生じやすくなる。一方、上記の反応液の粘度が95〜98℃の温度範囲において、5.5×10-2Pa・s(55cP)を超えると、乳濁工程で用いる高速攪拌機に負荷がかかってその剪断力が低下するため、反応液を充分に乳濁させることができなくなる。このため、アミノ樹脂粒子の粒子径を制御することができなくなり、粒子径が不揃いで粒度分布が広い、アミノ樹脂粒子ができやすくなる。
上記乳濁工程では、得られたアミノ樹脂前駆体を含む反応液を乳化剤水溶液と共に混合して乳濁させることにより、アミノ樹脂前駆体の乳濁液を得ることができる。上記乳化剤水溶液に使用される乳化剤としては、保護コロイドを構成するものであればよく、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、水溶性ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドンが使われる。上記乳化剤は、より具体的には水溶性重合体型乳化剤である。より好ましくは保護コロイド形成能力をもつ水溶液重合体である。これら乳化剤は、全量が水に溶解させた乳化剤水溶液の状態で使用されるか、若しくは、その一部が水溶液の状態で使用され、残りがそのままの状態(例えば粉体状や顆粒状、液状等)で使用される。上記例示の乳化剤のうち、乳濁液の安定性、触媒との相互作用等を考慮すると、ポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールは、完全ケン化物であってもよく、部分ケン化物であってもよい。また、ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではない。アミノ樹脂前駆体に対する乳化剤の使用量が多い程、生成する粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。アミノ樹脂前駆体100重量部に対する乳化剤の使用量は、1〜30重量部の範囲内が好ましく、1〜5重量部の範囲内がより好ましい。上記乳濁工程で支障がなければ、アミノ樹脂前駆体を含む反応液を乳化剤水溶液および/または界面活性剤水溶液の中に添加してもよい。また、アミノ樹脂前駆体を含む反応液に、乳化剤および/または界面活性剤水溶液を添加してもよい。その後の乳濁工程をより効率よく行うためには、アミノ樹脂前駆体を含む反応液を、乳化剤水溶液および/または界面活性剤水溶液に添加する形態である。
より好ましい形態では、乳濁工程では、アミノ樹脂前駆体の濃度(つまり、固形分濃度)が30〜60重量%の範囲内となるように乳化剤の水溶液にアミノ樹脂前駆体の反応液を添加した後、70〜100℃の温度範囲内で乳濁させる。添加する乳化剤の水溶液の濃度は、アミノ樹脂前駆体の濃度を上記範囲内に調節することができる濃度であればよい。また、乳化剤の水溶液をアミノ樹脂前駆体の反応液に加えてもよい。該工程における攪拌方法としては、十分にアミノ樹脂前駆体を細かい粒子の乳濁液にするために、より強力に攪拌することができる装置を用いる方法、具体的には、例えば、いわゆる高速攪拌機やホモミキサーを用いる方法が好ましい。アミノ樹脂前駆体の濃度が30重量%未満であると、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下する。一方、アミノ樹脂前駆体の濃度が60重量%を超えると、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまう。つまり、アミノ樹脂粒子の粒子径を制御することができなくなるので、粒子径が不揃いな(粒度分布が広い)アミノ樹脂粒子しか得ることができなくなってしまう。上記高速攪拌機やホモミキサーとは、具体的には、ホモミキサー、TKホモミキサー(機種名;特殊機化工業株式会社製・羽根の形状はタービン型)、高速ディスパー、ホモディスパー、TKラボディスパー(機種名;特殊機化工業株式会社製・羽根の形状はタービン型)、エバラマイルザー(機種名;株式会社荏原製作所製・羽根の形状はスット型タービン)、高圧ホモジナイザー(機種名;株式会社イズミフードマジナリ製)、スタティックミキサー等が挙げられる。
また、本発明においては、アミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することをより確実に防止するために、必要に応じて、乳濁液に無機粒子を添加してもよい。無機粒子としては、具体的には、例えば、シリカ微粒子、ジルコニア微粒子、アルミナ、アルミナゾル、セリエゾル等が挙げられる。無機粒子の比表面積は50〜400m2 /gの範囲内であることがより好ましく、粒子径は0.05μm以下であることがより好ましい。比表面積または粒子径が上記範囲内であれば、アミノ樹脂架橋粒子の凝集を防止するのに、より一層優れた効果を発揮することができる。
乳濁液に対する無機粒子の添加方法としては、具体的には、例えば、そのままの状態(粒子状)で添加する方法、粒子を水に分散させた分散液の状態で添加する方法、等が挙げられる。乳濁液に対する無機粒子の添加量は、アミノ樹脂前駆体100重量部に対して、1〜15重量部の範囲内が好適であるが、特に限定されるものではない。
上記硬化工程は、得られたアミノ樹脂前駆体の乳濁液に触媒を添加し、アミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させることにより、アミノ樹脂粒子(アミノ樹脂粒子を含む懸濁液)を得ることができる。上記触媒(硬化触媒)としては酸が好適である。該酸としては、塩酸、硫酸(濃硫酸)、リン酸等の鉱酸;これら鉱酸のアンモニウム塩;スルファミン酸;ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸類;フタル酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸等の有機酸;が使用できる。上記例示の触媒(酸)のうち、硬化速度の点で鉱酸が好ましく、さらに、装置への腐食性、鉱酸使用時の安全性等の点で、硫酸がより好ましい。また、上記触媒として硫酸を用いる構成は、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸を用いる構成に比べて、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色しない、耐溶剤性を高くすることができる点で好ましい。これら触媒は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記触媒の使用量としては、アミノ樹脂前駆体100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲内、あるいは、アミノ系化合物1モルに対して好ましくは0.002モル以上、より好ましくは0.005モル以上、さらに好ましくは0.01〜0.1モルの範囲内が好適である。触媒の使用量が5重量部を超えると、乳濁状態が破壊され、粒子同士が凝集してしまう。一方、触媒の使用量が0.1重量部未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不充分となったりしてしまう。
上記乳濁液を硬化させる反応温度は、15〜100℃の範囲内が好適である。反応の終点は、サンプリングまたは目視によってアミノ樹脂粒子の形成の有無を判断すればよい。また、より好ましくは、室温程度まで、乳濁液の温度を下げてから少しずつ昇温してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を硬化させ、アミノ樹脂粒子を含む懸濁液にしていく。具体的な反応時間は、3〜15時間である。
このようにして得られたアミノ樹脂粒子の平均粒子径は、0.05〜30μmの範囲内がより好ましく、0.1〜15μmの範囲内がさらに好ましい。本発明にかかる製造方法においては、その標準偏差を6μm以下、より好ましくは4μm以下、最も好ましくは2μm以下に制御することができる。
本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法では、アミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させてアミノ樹脂粒子とした後に、該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液の中和を行っている(中和工程)。該中和工程を行うことにより、上記懸濁液中に残存した酸触媒を取り除くことができる。具体的には酸触媒を中和することによって、後述する加熱工程後に得られるアミノ樹脂架橋粒子の変色を抑制することができる。本発明にかかる、「中和」とは、酸触媒を添加してアミノ樹脂前駆体を硬化させた後のpHが1.5〜3となったアミノ樹脂粒子の懸濁液のpHを5以上、より好ましくは、pHを5〜9の範囲内に調節することである。上記懸濁液のpHは、pHメータ等で測定して上記の範囲となるように中和する。該懸濁液のpHが5未満である場合には、酸触媒が残っているので後述する加熱工程において、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色するため好ましくない。つまり、該懸濁液のpHを5以上、より好ましくは、pHを5〜9の範囲内に調節することにより、硬度が高く、耐溶剤性および耐熱性に優れ、かつ、変色のないアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。懸濁液の中和を行う中和剤としてはアルカリ性物質が好適である。該アルカリ性物質としては、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアが挙げられる。上記例示のアルカリ性物質のうち、取り扱いのし易さの点で、水酸化ナトリウムが好ましく、水酸化ナトリウム水溶液が好適に用いられる。
上記中和工程のあとに、アミノ樹脂粒子を懸濁液から分離し、分離したアミノ樹脂粒子をさらに、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱工程を行う。
アミノ樹脂架橋粒子を懸濁液(反応液)から取り出す方法(分離工程)、つまり、分離する方法としては、濾別する方法や、遠心分離機等の分離機を用いる方法が簡便である。尚、懸濁液から取り出した後のアミノ樹脂架橋粒子は、必要に応じて、水等で洗浄してもよい。
分離工程を経て取り出したアミノ樹脂架橋粒子は、130〜230℃の温度範囲内の温度で加熱(加熱工程)される。該加熱工程を行うことによって、アミノ樹脂粒子に付着している水分および残存している不活性なホルムアルデヒドを除去することができ、かつ、アミノ樹脂粒子内の縮合(架橋)をさらに促進させることができる。中和工程を行った場合でも、上記加熱温度が130℃より低い場合には、アミノ樹脂粒子内の縮合(架橋)が不十分になり、得られるアミノ樹脂架橋粒子の硬度、耐溶剤性および耐熱性が低くなるため好ましくない。一方、中和工程を行った場合でも、上記加熱温度が230℃を越える場合には、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色する場合があり、好ましくない。つまり、中和工程を行い、かつ、アミノ樹脂粒子の加熱温度を上記範囲内とすることにより、硬度が高く、耐溶剤性および耐熱性に優れ、かつ、変色のないアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。
また、より変色の少ないアミノ樹脂架橋粒子を得る方法としては、上記中和工程に加えて、さらに、上記加熱工程を特定の条件で行うことがより好ましい。具体的には、加熱工程は、酸素濃度が10容量%以下の不活性ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。上記酸素濃度としては、10容量%以下がより好ましく、5容量%以下がさらに好ましく、3容量%以下が特に好ましい。酸素濃度が10容量%よりも多い不活性ガス雰囲気下で加熱工程を行うと、得られるアミノ樹脂架橋粒子の着色度合いが激しくなり、求める物性のアミノ樹脂架橋粒子が得られなくなる場合がある。従って、酸素濃度が10容量%以下の不活性ガス雰囲気下で上記加熱工程を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子の変色をより一層抑制することができる。なお、上記酸素濃度が10容量%以下の不活性ガス雰囲気下とは、全体の雰囲気(気体)の内、酸素の割合が10容量%以下であり、かつ、不活性ガスが90容量%以上である雰囲気を示す。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が挙げられる。上記例示の不活性ガスのうち、経済性の面で窒素ガスがより好ましい。なお、以下の説明では、不活性ガス雰囲気下、かつ、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱工程を加熱処理工程と称する場合がある。
また、例えば、加熱温度を数段階に変えて加熱を行う場合のような、上記加熱工程を複数回に分けて行う場合、加熱工程の全部を、酸素濃度が10容量%以下で行うことが最も好ましいが、数段階の工程における、少なくとも1つの工程を酸素濃度10容量%以下の雰囲気下で行っても良い。
加熱方式については、特に限定されるものではない。上記の加熱工程は、例えば、アミノ樹脂架橋粒子の含水率が3重量%以下となった段階で終了すればよい。
このようにして得られたアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は、0.05〜30μmの範囲内がより好ましく、0.1〜15μmの範囲内がさらに好ましい。そして本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法においては、該アミノ樹脂架橋粒子の標準偏差を6μm以下、より好ましくは4μm以下、最も好ましくは2μm以下に制御することができる。
また、上記加熱工程後、必要に応じて、粉砕(解砕)・分級等の工程を行うことにより、平均粒子径が10μm以下の粒子、すなわち、微粒子を得ることができる。具体的には、平均粒子径0.01〜10μm、より好ましくは0.1〜10μmの粒子を得る。尚、本発明にかかる製造方法によって得られるアミノ樹脂架橋粒子は、粒子同士が凝集することが殆ど無いので、粉砕工程を行う場合においても、僅かな力(荷重)を加えるだけで充分に粉砕することができる。なお、得られたアミノ樹脂架橋粒子は、従来の製造方法によって製造されたアミノ樹脂架橋粒子と比べて、残存する酸触媒を中和しているので、熱に対する変色が少ない。このように耐変色性が良好、かつ、平均粒子径がより小さいアミノ樹脂架橋粒子は好ましい実施形態である。
また、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法では、中和工程を行うことで、従来と比べて、酸触媒を除去する等の洗浄工程を省くことができるという効果も有する。従って、アミノ樹脂架橋粒子を製造する製造工程を簡素化することができ、かつ、従来の洗浄工程と比べて、排水を少なくすることができるのでより経済的である。また、洗浄では十分に酸触媒を除去することができなかったため、加熱工程(加熱処理工程)におけるアミノ樹脂架橋粒子の着色問題が生じていたが、本発明のアミノ樹脂粒子の製造方法にあっては、中和工程を行うことにより、着色原因となっていた酸触媒を除去することができ、この着色問題を解決することができたのである。
また、本発明の無着色のアミノ樹脂架橋粒子が示す色特性において、さらに、200℃×30分間の熱変色テスト前後におけるハンター白度の変化量で表す評価形態は、無着色のアミノ樹脂架橋粒子が、より好ましく耐熱性を有しているかどうかを見る上でより好ましい評価形態となる。よって、本実施の形態にかかる、無着色のアミノ樹脂架橋粒子においては、200℃×30分間の熱変色テスト前後におけるハンター白度の変化した量が、15%以内であることがより好ましく、さらに好ましくは10%以内であり、特に好ましくは5%以内である。従来の、酸触媒が取り除かれていないような製造工程(例えば、酸触媒を中和していない工程)で製造されたアミノ樹脂架橋粒子は、酸が残存しているので、熱変色テストをすると、白色が黄変する、つまり、200℃×30分間の熱変色テスト前後におけるハンター白度が低下し、該ハンター白度の変化した量が15%を超えることとなるので熱変色性が悪くなる。なお、酸触媒を取り除くための工程としては、本発明で記載するような硬化工程で使用した酸触媒を中和してから、加熱工程を行うことがより好ましい。なお、本発明の無着色のアミノ樹脂架橋粒子が示す色特性においては、本実施の形態で説明したハンター白度の評価に合わせ、さらに上記した200℃×30分間の熱変色テスト前後におけるハンター白度の変化量で表す形態はより好ましい評価形態である。また、本実施の形態の粒子では、実質的に無着色または白色のアミノ樹脂架橋粒子であればよく、蛍光増白剤や酸化防止剤等が配合された粒子も含まれる。
本発明にかかる製造方法によって得られるアミノ樹脂架橋粒子は、耐溶剤性および耐熱性に優れており、硬度が高く、かつ、変色がない。従って、該アミノ樹脂架橋粒子は、例えば、艶消し剤、光拡散剤、研磨剤、各種フィルム用コーティング剤;ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤;レオロジーコントロール剤、着色剤;等として好適に用いることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。本実施の形態にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られる着色したアミノ樹脂架橋粒子であって、固体13C−NMR分析における−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下である構成である。
なお、説明の便宜上、上記実施の形態1の構成と同一の構成については、その説明を省略する。
本実施の形態2にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、染料および/または顔料により着色されている。特に、アミノ樹脂は、染料との親和性に優れている。従って、染料により着色されていることがより好ましい。なお、本実施の形態2においては、実施の形態1におけるハンター白度の代わりに、熱変色テスト前後における色差を該アミノ樹脂架橋粒子が有する物性として規定する。
上記染料としては、例えば、水溶性モノアゾ染料、水溶性ポリアゾ染料、金属含有アゾ染料、分散性アゾ染料、アンスラキノン酸性染料、アントラキノン建染染料、インジゴ染料、硫化染料、フタロシアニン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、チアゾール染料、キサンテン染料、アクリジン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、シアニン染料等の水溶性または油溶性染料が挙げられる。
上記顔料としては、例えば、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ジスアゾオレンジ、ナフトールレッド、ピグメントオレンジ等のアゾ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、インダンスレンブルー、フラバンスロン、ジブロムアンザンスロン、アンスラピリミジン、キナクリドン、イソインドリノン、チオインジゴ、ペリレン、ジオキサジン等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、粘度、カーボンブラック等が挙げられる。これら染料および/または顔料は、アミノ樹脂架橋粒子の目的とする色に応じて、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、本実施の形態の着色されたアミノ樹脂架橋粒子には、着色を目的とする添加剤であれば、上記の染料や顔料以外でも配合することができる。
また、本実施の形態2にかかる着色したアミノ樹脂架橋粒子は、蛍光染料によって着色されていることがより好ましい。上記蛍光染料とは、吸収した光エネルギーの1部を入射波よりも長波長の蛍光として再輻射することで、通常の染料よりも光の反射率が高く、極めて光輝性の色を呈する染料を示している。
上記蛍光染料としては、例えば、Fluorescent Red 632、Fluorescent Yellow 600(有本化学 株式会社製)、ローダミンB、ローダミン6GCP(住友化学工業 株式会社製)、キノリンイエローSS−5G、キノリンイエローGC(中央合成化学 株式会社製)、アゾソールブリリアントイエロー4GF、アゾソールファストブルーGLA、セリトンピンク3B、ファストイエローYL、ビクトリアブルーFN、ブリリアントスルホフラビンFF、チオフラビン、ベーシックイエローHG、フルオレセイン、エオシン等が挙げられる。
これら蛍光染料は、アミノ樹脂架橋粒子の目的とする色に応じて、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、上記染料および/または顔料と、上記蛍光染料とを混合して用いてもよい。
本実施の形態2において、蛍光染料で着色した、蛍光を有するアミノ樹脂架橋粒子であって、上述の耐熱変色物性を保有するアミノ樹脂架橋粒子は好ましい形態である。なお、以下の説明では、染料に、蛍光染料も含まれるものとする。
本実施の形態2にかかる着色したアミノ樹脂架橋粒子は、熱変色テスト前後における着色したアミノ樹脂架橋粒子の色差が15以下、好ましくは10以下であることが好適である。さらに好ましくは、上記色差を満足することに加えて、熱変色テスト前後のb値の差(Δb* )が10以下である。最も好ましくは、上記熱変色テスト前後の色差およびb値の差(Δb*)が共に10以下である。
上記熱変色テスト前後とは、得られた着色したアミノ樹脂架橋粒子を200℃の恒温槽中に30分間放置し、その前後のL値(明度指数)、a値、b値(a、b値はクロマティクネス指数)を分光光度計を用いて測定し、色差を算出するものである。より具体的には、測定する着色したアミノ樹脂架橋粒子は、上記の製造方法により製造され、そして通常の精製工程まで経て得られた製品としての着色したアミノ樹脂架橋粒子を使用する。恒温槽中での温度を均一にするために、所定量の着色したアミノ樹脂架橋粒子をステンレスバットに薄く広げて温度をかける。
上記色差とは、L*** 表色系におけるΔE* abのことであり、以下の式により表される。
ΔE* ab=〔(ΔL*2 +(Δa*2 +(Δb*21/2
(ΔL* 、Δa* 、Δb* :熱変色テスト前後の各値の差)
上記色差が15よりも大きい場合には、着色したアミノ樹脂架橋粒子は変色しているため好ましくない。なお、本実施の形態2では、得られる着色したアミノ樹脂架橋粒子の熱変色テスト前後における色差が15を超える場合を「変色」したとする。
以上のように、本実施の形態2にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、着色された粒子であって、(i)熱変色テスト前後における色差が15以下であり、かつ、固体13C−NMR分析におけるC(I)結合に由来する炭素原子のシグナルに対する、C(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であること、(ii)熱変色テスト前後における色差が15以下であり、かつ、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が1000ppm以下であること、または、(iii)熱変色テスト前後における色差が15以下であり、かつ、C(IV)に由来する炭素原子のシグナルに対する、C(II)結合に由来する炭素原子のシグナルの面積比が0.20以上であることが好ましい。
次に、本実施の形態2にかかる着色したアミノ樹脂架橋粒子の製造方法について説明する。本実施の形態2にかかる着色したアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体と乳化剤水溶液を混合して得られる乳濁液に、触媒を添加することでアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子とするアミノ樹脂粒子生成工程と、次いで、該アミノ樹脂粒子生成工程により得られた該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、中和工程の後に、該アミノ樹脂粒子を、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱工程とを含み、かつ、上記アミノ樹脂粒子生成工程は、染料および/または顔料により、アミノ樹脂前駆体を着色する着色工程を含む構成である。
具体的には、例えば、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体と染料と乳化剤との乳濁液に、触媒を加えることでアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子(アミノ樹脂粒子を含む懸濁液)とした後に、アルカリを加えることで残存する酸触媒を中和し、該アミノ樹脂粒子を含むpHが1.5〜3の懸濁液のpHを5以上、より好ましくはpHを5〜9の範囲内に調節して、濾別し、アミノ樹脂粒子を130〜230℃の温度範囲内で加熱する構成である。上記加熱温度は、好ましくは130℃〜210℃の範囲内である。さらに好ましくは130℃〜190℃の範囲内である。また、懸濁液のpHは、pHメータ等で求める。
以下に、染料の添加時期について、説明する。染料の添加時期は、特に限定されるものではなく、アミノ樹脂粒子生成工程、すなわち、反応工程、乳濁工程、硬化工程の何れの工程で添加してもよいが、より均一に着色することができることから、反応工程で添加することがより好ましい。染料は、例えば、水に分散させた分散液の状態、若しくは、水に溶解させた水溶液の状態で添加することが好ましい。
上記染料の添加方法において、得られた反応液(溶液)に着色を行う着色工程にて添加される染料として、油溶性染料が使用される。油溶性染料としては、具体的には、例えば、オイルオレンジB、オイルブルーBA(以上、中央合成化学株式会社製)、アゾソールブリリアントイエロー4GF、アゾソールファストブルーGLA、オイルレッドTR−71等の溶剤可溶染料;ファストイエローYL、ファストブルーFG、セリトンピンクFF3B、セリトンピンク3B等の分散染料;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら染料は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
上記分散液における染料の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜50重量%の範囲内であることがより好ましく、20〜40重量%の範囲内であることがさらに好ましい。染料の含有量が1重量%未満であると、添加する分散液の量が多量となるので、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の含有量が50重量%を超えると、分散液の流動性が低下するので、添加時における取り扱い性が低下して添加に手間がかかる場合がある。また、油溶性の染料を用いる場合、該油溶性の染料は水に対する濡れ性が乏しいため、染料を水に分散する際には、必要に応じて、分散助剤を使用することもできる。尚、染料を水に分散してなる分散液の調製方法、および、分散液を反応液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではない。
上記染料分散液を添加した後の上記反応液(溶液)は、例えば炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリ剤を用いて、そのpHを6〜12の範囲内、より好ましくは7〜9の範囲内に調節する。これにより、硬化工程におけるアミノ樹脂前駆体の縮合・硬化を充分に制御することができる。アルカリ剤の使用量等は、特に限定されるものではない。また、アルカリ剤は、水溶液の状態で反応液に添加・混合する方法が好適であるが、該方法は、特に限定されるものではない。
染料の分散液を、アミノ樹脂前駆体を含む反応液に添加・混合し、pHを調節した後の該反応液を乳化剤存在下で乳濁させることにより、アミノ樹脂前駆体の乳濁液を得ることができる。乳化剤としては、保護コロイドを構成するものであればよく、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、水溶性ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら乳化剤は、全量が水に溶解させた水溶液の状態で使用されるか、若しくは、その一部が水溶液の状態で使用され、残りがそのままの状態(例えば粉体状や顆粒状、液状等)で使用される。上記例示の乳化剤のうち、乳濁液の安定性、触媒との相互作用等を考慮すると、ポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールは、完全ケン化物であってもよく、部分ケン化物であってもよい。また、ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではない。アミノ樹脂前駆体に対する乳化剤の使用量が多い程、生成する粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。アミノ樹脂前駆体100重量部に対する乳化剤の使用量は、1〜30重量部の範囲内が好ましく、1〜5重量部の範囲内がより好ましい。
また、上記乳濁工程を経て得られた乳濁液には、必要に応じて、第二着色工程として、さらに染料を添加してもよい。該染料としては、水に溶解する染料、即ち、水溶性の染料が使用される。水溶性染料としては、具体的には、例えば、ローダミンB、ローダミン6GCP(以上、住友化学工業株式会社製)、メチルバイオレットFN、ビクトリアブルーFN等の塩基性染料;キノリンイエローSS−5G、キノリンイエローGC(以上、中央合成化学株式会社製)、アシッドマゼンタO、メチルバイオレットFB、ビクトリアブルーFB等の酸性染料;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら染料は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。油溶性染料を水に分散してなる分散液を反応液に添加する前記着色工程(第一着色工程)と、上記第二着色工程とを行うことにより、より一層充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調がより一層揃ったアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。
第二着色工程において染料を水溶液として添加する場合、水溶液における染料の濃度は、特に限定されるものではないが、0.1〜5重量%の範囲内であることがより好ましく、1〜3重量%の範囲内であることがさらに好ましい。染料の濃度が0.1重量%未満であると、添加する水溶液の量が多量となるので、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の濃度が5重量%を超えると、染料を添加した後の乳濁液の安定性が低下するので、得られるアミノ樹脂架橋粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりする場合がある。尚、染料を水に溶解してなる水溶液の調製方法、および、水溶液を乳濁液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではない。
なお、上記の説明では、染料について説明しているが、顔料、蛍光顔料についても上記と同様であり詳細な説明は省略する。
また、本実施の形態2にかかるアミノ樹脂架橋粒子において、白色の染料および/または白色の顔料によって着色されたアミノ樹脂架橋粒子も本実施の形態2に含まれる。この場合、上記アミノ樹脂架橋粒子は、上述した耐熱変色物性を備えている(固体13C−NMR分析におけるシグナルの面積比が上記範囲内)とともに、(1)ハンター白度が85%以上であるか、(2)熱変色テスト前後における色差が15以下であるかの少なくとも一方を満足している。
このようにして得られた、着色されたアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は、0.05〜30μmの範囲内がより好ましく、0.1〜15μmの範囲内がさらに好ましい。そして本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法においては、該アミノ樹脂架橋粒子の標準偏差を6μm以下、より好ましくは4μm以下、最も好ましくは2μm以下に制御することができる。
本発明の着色されたアミノ樹脂架橋粒子は、以上のように、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるアミノ樹脂架橋粒子であって、固体13C−NMR分析における−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下である構成である。
本発明の着色されたアミノ樹脂架橋粒子は、以上のように、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるアミノ樹脂架橋粒子であって、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が1000ppm以下であり、かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下である構成である。
本発明の着色されたアミノ樹脂架橋粒子は、以上のように、トリアジン骨格を有するアミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるアミノ樹脂架橋粒子である場合には、固体13C−NMR分析におけるアミノ樹脂架橋粒子を構成するトリアジン骨格を有するアミノ系化合物のトリアジン環に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH2 −NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が0.20以上であり、かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下である構成である。
本発明の着色されたアミノ樹脂架橋粒子は、熱変色テスト前後における色差が15以下であり、固体13C−NMR分析における−NH−CH2 O−CH2 −NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2.0以上であるため、アミノ樹脂架橋粒子を構成する−NH−CH2 O−CH2−NH−結合(C(I)結合)の割合が少ない。従って、良好な耐熱性と併せて、加熱の際に発生するホルムアルデヒドの量が少ない着色されたアミノ樹脂架橋粒子を得ることができるという効果を奏する。また、着色されたアミノ樹脂架橋粒子を構成する−NH−CH2−NH−結合(C(II)結合)が多いため、硬度が高く、耐熱性および耐溶剤性に優れた着色されたアミノ樹脂架橋粒子を提供することができるという効果も併せて奏する。
本実施の形態2の着色されたアミノ樹脂架橋粒子は、上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、およびメラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を40〜100重量%の範囲内で含んでおり、上記アミノ系化合物と上記ホルムアルデヒドとのモル比が、1:1.5〜1:3.5の範囲内であることがより好ましい。
本実施の形態2の着色されたアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、以上のように、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体と乳化剤との乳濁液に、触媒を添加することでアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子とした後、該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、中和工程の後に、該アミノ樹脂粒子を、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱工程とを含み、上記上記アミノ樹脂粒子生成工程は、染料および/または顔料により、アミノ樹脂前駆体を着色する着色工程を含む方法である。
それゆえ、硬化工程後に懸濁液を中和することにより、中和工程後の加熱工程での、着色したアミノ樹脂架橋粒子の変色を抑制することができるという効果を奏する。また、130℃以上でアミノ樹脂架橋粒子を加熱させることにより、水と残存するホルムアルデヒドとの除去、および、縮合の促進を図ることができるため、硬度が高く、耐熱性、耐溶剤性に優れ、かつ、加熱時のホルムアルデヒド臭の極めて少ない着色されたアミノ樹脂架橋粒子を製造することができるという効果も併せて奏する。
本発明の製造方法において、不活性ガス雰囲気下での加熱工程は、硬化後のアミノ樹脂架橋粒子を当該反応液から分離した後で、少なくとも高温下(130℃以上)で加熱する加熱工程がある形態であれば好ましく適応させることができる。具体的には、本発明の製造方法は、酸触媒を用いて硬化させる工程、および、硬化後の懸濁液からアミノ樹脂粒子を分離した後、比較的高温下(130℃以上)で加熱する工程を含むアミノ樹脂架橋粒子の製造方法において、酸触媒を中和する工程、および/または不活性ガス雰囲気下での上記加熱工程を含むことを特徴としている。
このような本発明の1つの形態として、実施の形態1,2と少し異なる形態を以下の実施の形態3として述べる。
〔実施の形態3〕
本実施の形態にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、メラミンおよび/またはベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの水親和性の初期縮合物(アミノ樹脂前駆体)を、界面活性剤を含む水性溶液中で、炭素数10〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸の存在下で縮合硬化させて、硬化樹脂の懸濁液を生成させた後、該懸濁液から硬化樹脂を分離して、不活性ガス雰囲気下で乾燥することにより、得るものである。この製造方法によって得られたアミノ樹脂架橋粒子は、均一な粒子径を有している。
なお、説明の便宜上、上記実施の形態1および2の構成と同一の構成については、その説明を省略する。
すなわち、本実施の形態にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体と界面活性剤水溶液とを混合して、触媒を添加することでアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子とするアミノ樹脂粒子生成工程と、該アミノ樹脂粒子を、酸素濃度が10容量%以下である不活性ガス雰囲気下、かつ、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱工程とを含む構成である。上記酸素濃度としては、10容量%以下がより好ましく、5容量%以下がさらに好ましく、3容量%以下が特に好ましい。酸素濃度が10容量%よりも多い不活性ガス雰囲気下で加熱工程を行うと、得られるアミノ樹脂架橋粒子の着色度合いが激しくなり、求める物性のアミノ樹脂架橋粒子が得られなくなる場合がある。従って、酸素濃度が10容量%以下の不活性ガス雰囲気下で上記加熱工程を行うことにより、アミノ樹脂架橋粒子の変色をより一層抑制することができる。
本実施の形態で用いられるメラミンおよび/またはベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの水親和性の初期縮合物は、メラミンおよび/またはベンゾグアナミン、または、それらの混合物とホルムアルデヒドとを常法に従って反応させて得られる水溶性または水分散性の樹脂状物である。水親和性の程度は、一般に、15℃の初期縮合物に水を滴下して白濁を生じるまでの水の滴下量の、初期縮合物に対する重量%(以下、これを水混和度と称する)によって決定される。本実施の形態に好適な水混和度は、100%以上である。水混和度が100%未満の初期縮合物では、界面活性剤を含んだ水溶液中で分散させても、比較的、粒子径が大きい不均一な乳濁液が形成されることとなり、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が均一な粒子径になり難い。
また、ホルムアルデヒドとしては、ホルマリン、トリオキサン、パラホルムアルデヒド等のホルムアルデヒドを発生するものであればよい。
上記界面活性剤としては、具体的には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。上記例示の界面活性剤のうち、アニオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤、または、それらの混合物がより好ましい。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキルサルフェート;アンモニウムアルキルサルフェート等のアンモニウムアルキルサルフェート;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシノエート;スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホン酸塩;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェネート等のアルキルアリールスルホン酸塩;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩等が挙げられる。
上記非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体;エチレンオキサイドと脂肪属アミン、アミドまたは酸との縮合生成物等が挙げられる。
上記界面活性剤の使用量としては、初期縮合物100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲内がより好ましい。界面活性剤の使用量が、0.01重量部未満の場合には、硬化樹脂の安定な懸濁液が得られないことがある。一方、界面活性剤の使用量が10重量部よりも多い場合には、乳濁液または懸濁液に不必要な泡立ちを起こしたり、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の物性に悪影響を及ぼしたりする場合がある。
本実施の形態で用いられる炭素数10〜18の範囲内のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸は、上記初期縮合物の水性溶液中で、特異な界面活性能を発揮して、硬化樹脂の安定な懸濁液を生成するために必要な成分である。上記アルキルベンゼンスルホン酸としては、例えば、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。これらアルキルベンゼンスルホン酸は、1種類のみを用いても良く、また、2種類以上以上を併用してもよい。
上記アルキルベンゼンスルホン酸の使用量としては、初期縮合物100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内がより好ましく、0.5〜10重量部の範囲内であることがさらに好ましい。上記アルキルベンゼンスルホン酸の使用量が、0.1重量部未満の場合には、縮合硬化に長時間を要するとともに、硬化樹脂の安定な懸濁液が得難いので、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が凝集して、粗大化する恐れがある。一方、上記アルキルベンゼンスルホン酸の使用量が、20重量部よりも多い場合には、生成した懸濁液中の硬化樹脂に、必要量以上にアルキルベンゼンスルホン酸が分配されることとなり、硬化樹脂が可塑化されることになる。これにより、縮合硬化中に粒子間の凝集、融着が生じやすくなり、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が、均一な粒子径とならない場合がある。
本実施の形態中に、水親和性の初期縮合物を水性溶液中で縮合硬化させるには、初期縮合物の水溶液または初期縮合物が水中に分散した乳白色の乳濁液に上記界面活性剤とアルキルベンゼンスルホン酸とを加えて、0℃から加圧下100℃以上の温度で攪拌下に保持すればよい。
界面活性剤およびアルキルベンゼンスルホン酸の添加方法としては、例えば、(1)水性溶液中に、予め界面活性剤やアルキルベンゼンスルホン酸を混合しておき、そこに初期縮合物を水性溶液中に添加する方法、(2)水性溶液中に初期縮合物を混合しておいてから界面活性剤やアルキルベンゼンスルホン酸を添加する方法等が挙げられる。
また、初期縮合物の水性溶液中の濃度は、得られる乳濁液の取り扱い性や、操作の経済性を考慮すれば、5〜20重量%の範囲内がより好ましい。
縮合硬化は、一般には90℃あるいはそれ以上の温度に昇温して一定時間保持することにより完結されるが、必ずしも高温での硬化は必要でなく、低温で短時間、縮合させた場合でも、懸濁液中の硬化樹脂がメタノールやアセトンで膨潤しなくなる程度まで硬化されていれば十分である。
このようにして、得られた硬化樹脂の懸濁液は、均一な粒子径を有しており、かつ、粒子同士の凝集もなく、非常に安定して存在することとなる。硬化樹脂の懸濁液から、該硬化樹脂を分離するには公知の方法により行えばよい。上記硬化樹脂を懸濁液から分離する方法としては、具体的には、自然沈降あるいは遠心分離法とデカンテーションとによる分離、ろ過による分離等の各種分離法が挙げられる。
本実施の形態にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、上記懸濁液から硬化樹脂を分離したのち、該硬化樹脂を、不活性ガス雰囲気下で加熱するようになっている。つまり、不活性ガス雰囲気下で加熱工程、換言すると加熱処理工程を行うようになっている。
本実施の形態において、不活性ガス雰囲気下での加熱工程(加熱処理工程)とは、微粒子(硬化樹脂)を反応液(懸濁液)から分離して乾燥するときに不活性ガス雰囲気下で加熱する工程である。硬化樹脂を、不活性ガス雰囲気下で加熱する(加熱処理工程を行う)ことにより、硬化樹脂を乾燥するとともに、残存する硬化触媒でさらに架橋(硬化)を促進させることができる。なお、上記不活性ガス雰囲気下については、実施の形態2で説明しており詳細な説明は省略する。不活性ガス雰囲気下で上記硬化樹脂を乾燥する方法としては、具体的には、減圧乾燥、熱風乾燥等が挙げられる。
上記硬化樹脂を不活性ガス雰囲気下で乾燥させることにより。最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の変色を抑制することができる。具体的には、無着色のアミノ樹脂架橋粒子の場合には、ハンター白度が、85%以上のアミノ樹脂架橋粒子が得られる。また、着色したアミノ樹脂架橋粒子の場合には、熱変色テスト前後における色差が15以下であるアミノ樹脂架橋粒子が得られる。
また、上記分離に先立って、硫酸アルミニウム等の凝集剤を添加して、分離を促進させることができる。
乾燥して得られる硬化樹脂は、ボールミル等を用いて解砕することにより、球状で均一な(粒度分布が狭い)アミノ樹脂架橋粒子とすることができる。
なお、上記の説明では、乳濁液は、乳濁液および/または懸濁液を示すものである。
上記のように硬化樹脂(アミノ樹脂粒子)を得る方法としては、例えば、(1)水溶解性を示すメラミン等を原料として使用する場合には、アミノ樹脂前駆体(初期縮合物)の製造後に、ドデシルベンゼンスルホン酸等を配合して縮合硬化させることによりアミノ樹脂粒子として析出させる、(2)水溶解性のないベンゾグアナミン等を原料として用いる場合には、アミノ樹脂前駆体(初期縮合物)の製造後に、水分散体の状態、かつ、触媒存在下で、縮合硬化を行いアミノ樹脂粒子とする等の方法がある。
以上をまとめると、上述した、酸触媒を中和する工程を持つ製造方法は、少なくとも酸触媒を使用し、懸濁状態で当該アミノ樹脂粒子を得るアミノ樹脂架橋粒子の製造方法であれば適応することのできる技術である。
また、同様に、当該粒子を懸濁液からアミノ樹脂粒子を分離した後、比較的高温下(130℃以上、具体的には、130〜230℃の温度範囲内)で加熱する工程において、不活性ガス雰囲気下で加熱する工程をもつ製造方法は、硬化後のアミノ樹脂粒子を懸濁液から、少なくとも分離して加熱する工程があるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法であれば、適応することのできる技術である。よって、本発明の製造方法は、酸触媒を用いて硬化させる工程、および、硬化後の懸濁液からアミノ樹脂粒子を分離した後、比較的高温下(130℃以上、具体的には、130〜230℃の温度範囲内)で加熱する工程を含むアミノ樹脂架橋粒子の製造方法において、酸触媒を中和する工程、および/または、不活性ガス雰囲気下での上記加熱工程を含むことを特徴としている。よって、上記の構成は、本明細書で記載した実施の形態1や実施の形態2、実施の形態3のいずれにも適応可能な技術である。また、これ以外の実施形態であっても本件の改良範囲に属するアミノ樹脂架橋粒子の製造方法であれば適応可能な技術であり、当然、本件の実施形態の範囲となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、得られたアミノ樹脂架橋粒子は、固体13C−NMR(BRUKER AVANCE400、BRUKER社製)を用いて、以下に示す観測条件で分析を行った。
観測条件は、使用プローブ;4mmMAS400、観測核;13C核、観測核共鳴周波数;100.63MHz、H核共鳴周波数;400.13MHz、観測核90度パルス;4.0μ秒、パルスプログラム;DD/MAS(ダイポールデカップリング法)、観測核パルス幅;1.5μ秒、繰り返し時間;40秒、積算回数;4096回、観測温度;300K、基準物質化学シフト値;グリシン(176.03ppm,44.02ppm)である。
そして、得られたアミノ樹脂架橋粒子について、以下に示す物性の測定を行った。
ハンター白度は、分光式色差計(SZ−Σ80、日本電色工業株式会社製)を用いて、JIS規格P8123に基づいて測定した。
また、着色したアミノ樹脂架橋粒子の色差値は、以下の方法により測定した。
まず、試料2.00gをポリ袋に取り、エチレングリコール3mlを加えて均一に分散させた後、それを、ガラスセル(測色色差計Σ80型用セル30mm直径)に移した。そして、上記試料が均一に分散しているガラスセルを色差計(SAKATA INX製;マクベスCOLOR-EYE 3000)に装着し色差を測定した。標準白板は、マクベスCOLOR-EYE 3000 セラミック校正タイルを使用した。なお、上記エチレングリコールは、試薬特級のグレードのものを使用した。
耐溶剤性の測定としては、ガラス容器に、アセトン10mlと実施例および比較例によって製造されたアミノ樹脂架橋粒子0.5gとを加えて分散液とし、25℃、300rpmで1分間攪拌した後、この分散液を濾紙(東洋ろ紙株式会社製、No.2)を用いて濾別した。次に、濾紙上に残ったアミノ樹脂架橋粒子の表面の状態を顕微鏡(400倍)にて観察した。そして、アミノ樹脂架橋粒子が凝集して粗大化している場合を「×」、アミノ樹脂架橋粒子が凝集しておらず粗大化していない場合を「○」として評価した。アミノ樹脂架橋粒子の耐溶剤性が低い(悪い)場合には、溶剤によってアミノ樹脂架橋粒子の表面がおかされて、粘着性を有することとなり、これにより、アミノ樹脂架橋粒子が凝集して粗大化する。
耐光性の測定としては、150mlのガラス容器に、実施例および比較例によって製造されたアミノ樹脂架橋粒子、3φのガラスビーズ60g、塩ビゾル (塩化ビニルゾル)8gおよびトルエン30gを加えて試料とし、ペイントシェーカー(PAINT SHAKER,TOYOSEIKI 製)を用いて30分間振とうした。上記塩ビゾルとは、塩ビペースト樹脂(鐘淵化学株式会社製)49.5重量%、ジオクチルフタレート49.5重量%、塩ビ安定剤(TMF-380G;東京ファインケミカル株式会社製)1重量%の混合物である。上記振とう操作後、上記試料を展用紙の上に適量取り、バーコーターNo.12を用いて、均一に塗布した。次に、試料を塗布した展用紙の一部をアルミ箔で覆い、上記展用紙に、紫外線照射装置(EYE SUPER UV TESTER ,型式SUV-F1,岩崎電気株式会社製)を用いて、紫外線強度を100mW/cm2 として5時間、紫外線を照射した。そして、展用紙の、アルミ箔で覆うことにより紫外線が照射されなかった部分と紫外線が照射された部分との色の差を目視にて観察した。その結果、退色が観察された場合を「×」とし、退色が観察されなかった場合を「○」として評価した。
ホルムアルデヒドの発生量(以下、HCHO発生量と称する)の測定は、得られたアミノ樹脂架橋粒子1mgを160℃で加熱したときに発生するホルムアルデヒドの発生量をガスクロマトグラフィーを用いて測定した。また、160℃で加熱したアミノ樹脂架橋粒子の臭気についても確認した。上記ガスクロマトグラフィー(熱分解装置;JHP-2 ,日本分析工業株式会社製、ガス分析装置;GC-14A(検出器:TCD ),島津株式会社製)の測定条件としては、測定カラム(APS-201 Flusin T 20% 60/80mesh 3.2φ*3.1 m)を用いて、熱分解開始温度160℃、熱分解時間5秒で測定した。
熱変色テストは、乾燥させて得られたアミノ樹脂架橋粒子(無着色または着色物)100gを50cm×50cmのステンレスバットにうすく広げたのち、200℃の恒温槽中で30分間放置して行った。なお、恒温槽中の循環気流は空気を使用した。この熱変色テスト前後における、ハンター白度の変化量および色差を測定して熱変色性の評価に使用した。
また、平均粒子径は、コールター社製、コールターマルチサイザーII型を用いて測定した。なお、平均粒子径を測定する装置は、同等の性能および基準による粒子径測定機であれば使用することができる。
以下の実施例1〜実施例6は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体と乳化剤水溶液とを混合して得られるアミノ樹脂前駆耐の乳濁液に、触媒を添加することでアミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させてアミノ樹脂粒子を含む懸濁液とするアミノ樹脂粒子生成工程と、次いで、該アミノ樹脂粒子生成工程により得られた該アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、中和工程の後に、該アミノ樹脂粒子を、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱工程とを含む構成に対する、実施例である。
また、以下の実施例1〜3および比較例1,2は、実施の形態1に対応する実施例または比較例である。
また、実施例4〜6および比較例3、4は、実施の形態2に対応する実施例、または、比較例である。
また、実施例7〜9および比較例5は、実施の形態3に対応する実施例、比較例である。
なお、以下の、実施例、比較例において、特にことわりのない限り、加熱工程(加熱処理工程)は、空気雰囲気下で行うものとする。
〔実施例1〕
攪拌機、還流冷却機、温度計、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製;機種名 MIVI 6001)等を備えた容量10Lの反応釜に、アミノ系化合物としてのベンゾグアナミン3000g(16モル)と、濃度37重量%のホルマリン2600g(ホルムアルデヒド32モル)と、炭酸ナトリウム10重量%水溶液10g(炭酸ナトリウム0.01モル)とを仕込み、攪拌しながら昇温させて、95℃で反応させた。
そして、反応液の粘度が4.5×10-2Pa・s(45cP)となった時点(反応開始から5時間後)で該反応液を冷却することによって、反応工程を終了した。これにより、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液を得た(反応工程)。
次に、還流冷却器、ホモミキサー(攪拌機、特殊機化工業株式会社製)、温度計等を備えた容量15Lの反応釜に、乳化剤としてのポリビニルアルコール(株式会社クラレ製;商品名 PVA205)120gを水2050gに溶解してなる水溶液を仕込み、攪拌しながら75℃に昇温させた。そして、該反応釜に上記の反応液を添加した後、液温を77℃に昇温させて、77℃に維持しながら、内容物を回転速度7000rpmで激しく攪拌することにより、アミノ樹脂前駆体を乳濁させて該アミノ樹脂前駆体の濃度が52.5重量%の乳濁液を得た(乳濁工程)。該乳濁液をマルチサイザーで測定したところ、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(d50)は2.4μmであり、標準偏差は0.7μmであった。得られた乳濁液を30℃に冷却した。続いて反応釜に、無機化合物であるシリカの水分散体としての、固形分濃度が10重量%のアエロジール200(日本アエロジル株式会社製)3000gを添加した後、ホモミキサーで内容物を回転速度4000rpmで5分間攪拌した。
次いで、触媒としての濃硫酸40g(0.4モル)を純水1200gに溶解してなる水溶液を上記乳濁液に添加し(内容物の温度は30℃)、攪拌しながら90℃になるまで10℃/hrで昇温させた。そして、90℃に達した後、この温度で1時間保持してアミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させた(硬化工程)。従って、反応時間は合計7時間である。
硬化工程を終了した後、アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を30℃に冷却した後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、該懸濁液のpHを7.5に調節した(中和工程)。そして中和工程の後、濾別することによって懸濁液からアミノ樹脂粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂粒子を150℃で3時間、加熱処理(加熱工程)した後、乳鉢に入れ乳棒で軽く力を加えることによって解砕した。これにより、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。該アミノ樹脂架橋粒子をマルチサイザーで測定したところ、平均粒子径(d50)は2.7μmであり、標準偏差は0.8μmであった。該得られた白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子について、固体13C−NMR分析を行い、ハンター白度、耐溶剤性、耐光性、熱分解テストによるHCHOの発生量等の測定、および臭気の確認を行った。主な反応条件と結果とをまとめて表1に示す。また、得られたアミノ樹脂架橋粒子の固体13C−NMR分析による測定結果を図1に示す。なお、固体13C−NMR分析においては、得られたスペクトルに基づいて、60〜90ppmにC(I)に由来する炭素原子のシグナル、30〜70ppmにC(II)に由来する炭素原子のシグナル、110〜150ppmにC(III)に由来する炭素原子のシグナル、155〜190ppmにC(IV)に由来する炭素原子のシグナルをそれぞれ検出した。
〔実施例2〕
実施例1と同様の反応工程を行い、反応後の粘度が5.5×10−2Pa・s(55cP)となった時点(反応開始から5.5時間後)で反応を終了しアミノ樹脂前駆体を得た。その後、実施例1と同様に乳濁工程を行うことにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が52.5重量%の乳濁液を得た。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径は2.6μmであり、標準偏差は1.01μmであった。そして、得られた乳濁液を30℃に冷却した。続いて反応釜に、無機化合物であるアルミナの水分散体としての、固形分濃度が10重量%の酸化アルミニウムC(日本アエロジル株式会社製)3000gを添加した後、ホモミキサーで内容物を回転速度4000rpmで5分間攪拌した。この乳濁液を用いて実施例1と同様の硬化工程および中和工程等を行うことにより、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。該アミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は2.8μmであり、標準偏差は1.1μmであった。そして、実施例1と同様の測定および確認を行った。主な反応条件と結果とをまとめて表1に示す。
〔実施例3〕
加熱工程を窒素雰囲気下(酸素濃度3容量%)で行った、すなわち加熱処理工程を行った以外は、実施例1と同様にして、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。得られたアミノ樹脂架橋粒子のハンター白度は、93%であった。
〔比較例1〕
実施例1と同様の反応工程および乳濁工程を行い、反応液の粘度が6.0×10-2Pa・s(60cP)となった時点まで反応させることにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が52.5重量%の乳濁液を得た。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径は5.6μmであり、標準偏差は1.25μmであった。この乳濁液を30℃に冷却した後、実施例1と同様にシリカの水分散体を添加した。次に、触媒として、DBS(ドデシルベンゼンスルホン酸)160gを用いた以外は、実施例1と同様の硬化工程を行った。そして、中和工程を行わないで、濾別することによって懸濁液からアミノ樹脂粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂粒子を100℃で5時間、加熱処理した後、乳鉢に入れ乳棒で軽く力を加えることによって解砕した。これにより、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。すなわち、本比較例では、中和工程および比較的高温下(130〜230℃)での加熱処理工程を行っていない。該アミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は5.6μmであり、標準偏差は1.27μmであった。そして、実施例1と同様の測定および確認を行った。主な反応条件と結果とをまとめて表1に示す。また、得られたアミノ樹脂架橋粒子の固体13C−NMR分析による測定結果を図2に示す。
〔比較例2〕
実施例1と同様の反応工程および乳濁工程を行うことにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が52.5重量%の乳濁液を得た。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径は2.4μmであり、標準偏差は0.7μmであった。この乳濁液を30℃に冷却した後、実施例1と同様にシリカの水分散体を添加して、続いて、実施例1と同様の硬化工程を行った。そして、中和工程を行わないで、濾別することによって懸濁液からアミノ樹脂粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂粒子を、実施例1と同様の加熱工程等を行うことにより、少し黄味がかった白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。すなわち、本比較例では、中和工程を行っていないので、加熱工程を経ることにより白色度が80%と少し低くなった。該アミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は2.7μmであり、標準偏差は0.8μmであった。そして、実施例1と同様の測定および確認を行った。主な反応条件と結果とをまとめて表1に示す。
Figure 0004652361
なお、表中BGはベンゾグアナミンを表す。また、PVAはポリビニルアルコールを表し、その単位は、ベンゾグアナミン100g当たりの添加量(g)を表す。
表1に記載の結果から明らかなように、アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、中和工程の後にアミノ樹脂架橋粒子を130〜230℃の温度範囲内で加熱させる加熱工程とを行うことにより、ハンター白度が85%以下であり、かつ、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドが1000ppm以下であるアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。一方、中和工程を行わないでアミノ樹脂架橋粒子を製造した場合には、ハンター白度が85%未満、つまり、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色する。また、アミノ樹脂架橋粒子の加熱を130℃未満で行った場合には、熱分解テストにおいてホルムアルデヒドが発生し、かつ、耐溶剤性が低いことが判る。
なお、実施例1および実施例2で得られたアミノ樹脂架橋粒子を、150℃で加熱しながら、時間の経過と共に変色の度合いの観察を行った。その結果、数時間が経過してもアミノ樹脂架橋粒子の変色は殆どなかった。
(着色したアミノ樹脂架橋粒子)
以下の実施例4〜6および比較例3,4は、実施の形態2に対応する実施例または比較例である。
〔実施例4〕
攪拌機、還流冷却機、温度計、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製;機種名 MIVI 6001)等を備えた容量10Lの反応釜に、アミノ系化合物としてのベンゾグアナミン3000g(16モル)と、濃度37重量%のホルマリン2600g(ホルムアルデヒド32モル)と、炭酸ナトリウム10重量%水溶液10g(炭酸ナトリウム0.01モル)とを仕込み、攪拌しながら昇温させて、95℃で反応させた。
そして、反応液の粘度が4.0×10-2Pa・s(40cP)となった時点で該反応液を冷却することによって、反応工程を終了した。一方、分散助剤(花王株式会社製;商品名 エマルゲン920)0.5gを純水70gに溶解してなる水溶液に、油溶性染料(有本化学株式会社製;品名 Fluorescent Red 632)50gを加えて充分に分散させて分散液を調製した。次いで、上記反応液に調製した分散液を添加して攪拌した。これにより、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を含み、着色された反応液を得た。
次に、還流冷却器、ホモミキサー(攪拌機、特殊機化工業株式会社製)、温度計等を備えた容量20Lの反応釜に、乳化剤としてのポリビニルアルコール(株式会社クラレ製;商品名 PVA205)100gを水5150gに溶解してなる水溶液を仕込み、攪拌しながら75℃に昇温させた。そして、該反応釜に上記の反応液を添加した後、77℃に維持しながら、内容物を回転速度7000rpmで激しく攪拌することにより、アミノ樹脂前駆体を乳濁させて該アミノ樹脂前駆体の濃度が38.3重量%のピンク色の乳濁液を得た。該乳濁液をマルチサイザー(Coulter MultisizerII コールター社製)で測定したところ、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(d50)は3.5μmであり、標準偏差は0.62μmであった。続いて反応釜に、無機化合物であるシリカの水分散体としての、固形分濃度が10重量%のアエロジール200(日本アエロジル株式会社製)3000gを添加した後、77℃に維持しながら、ホモミキサーを使用して内容物を回転速度4000rpmで5分間攪拌した。得られた乳濁液は、30℃に冷却した。
次いで、触媒としての濃硫酸42gを純水1200gに溶解してなる水溶液を上記乳濁液に添加し(内容物の温度は30℃)、攪拌しながら90℃になるまで10℃/hrで昇温させた。そして、90℃に達した後、この温度で1時間保持してアミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させた。従って、反応時間は合計7時間である。
硬化工程を終了した後、アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を30℃に冷却した後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、該懸濁液のpHを7.1に調節した。そして、中和工程の後、濾別することによって反応液から本発明にかかる、着色されたアミノ樹脂粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂粒子を150℃で5時間、加熱処理した(加熱工程)後、乳鉢に入れ乳棒で軽く力を加えることによって解砕した。これにより、ピンク色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。
該アミノ樹脂粒子をマルチサイザーで測定したところ、平均粒子径(d50)は3.7μmであり、標準偏差は0.99μmであった。得られたアミノ樹脂架橋粒子について、固体13C−NMR分析を行い、熱変色性、耐溶剤性、耐光性、熱分解テストによるHCHOの発生量等の測定、および、臭気の確認を行った。主な反応条件と結果とをまとめて表2に示す。また、得られたアミノ樹脂架橋粒子の固体13C−NMR分析による測定結果を図3に示す。
〔実施例5〕
分散助剤(花王株式会社製;商品名 エマルゲン920)0.5gを純水100gに溶解してなる水溶液に、油溶性染料(有本化学株式会社製;品名 Fluorescent Yellow 600 )50gを加えて充分に分散させて分散液を調製した。次いで、着色工程において反応液に上記分散液を添加した以外は、実施例4と同様の反応工程、着色工程および乳濁工程を行うことにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が38.3重量%の黄色の乳濁液を得た。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径は4.0μmであり、標準偏差は1.19μmであった。この乳濁液を30℃に冷却した。続いて反応釜に、無機化合物であるシリカの水分散体としての、固形分濃度が10重量%のアエロジール200(日本アエロジル株式会社製)3000gを添加した後、ホモミキサーで内容物を回転速度4000rpmで5分間攪拌した。続いて、この乳濁液を用いて、実施例4と同様の硬化工程および中和工程等を行ない、さらにろ別することにより、反応液からアミノ樹脂粒子を分離した。その後、実施例4と同様に150℃、5時間の条件で加熱工程(加熱処理)を行うことにより、黄色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。
該アミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は4.1μmであり、標準偏差は1.30μmであった。そして、実施例4と同様の測定および確認を行った。主な反応条件と結果とをまとめて表2に示す。
〔実施例6〕
加熱工程(加熱処理)を窒素雰囲気下(酸素濃度7容量%)で行った以外は、実施例5と同様にして黄色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。得られたアミノ樹脂架橋粒子の耐熱テストにおける色差値(ΔE* ab)は6.0であった。また、Δb値は、4.5であった。主な反応条件と結果とをまとめて表2に示す。
〔比較例3〕
実施例4と同様の反応工程および乳濁工程を行うことにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が38.3重量%のピンク色の乳濁液を得た。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径は3.6μmであり、標準偏差は1.02μmであった。そして、実施例4と同様にシリカの水分散体を添加した後、この乳濁液を30℃に冷却した。続いて、実施例4と同様の硬化工程を行った。そして、中和工程を行わないで、濾別することによって懸濁液からアミノ樹脂粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂粒子を150℃で5時間、加熱処理した後、乳鉢に入れ乳棒で軽く力を加えることによって解砕した。これにより、比較用のピンク色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。すなわち、本比較例では、中和工程を行っていない。
該比較用のアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は3.8μmであり、標準偏差は1.30μmであった。そして、実施例4と同様の測定および確認を行った。主な反応条件と結果とをまとめて表2に示す。
〔比較例4〕
実施例5と同様の反応工程および乳濁工程を行うことにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が38.3重量%の黄色の乳濁液を得た。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径は3.9μmであり、標準偏差は1.15μmであった。そして、この乳濁液を30℃に冷却した後、実施例5と同様にシリカの水分散体を添加した。
この乳濁液を用いて、触媒としてDBS(ドデシルベンゼンスルホン酸)170gを用いた以外は実施例4と同様の硬化工程を行った。そして、中和工程を行わないで、濾別することによって懸濁液からアミノ樹脂粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂粒子を100℃で5時間、加熱処理した後、乳鉢に入れ乳棒で軽く力を加えることによって解砕した。これにより、比較用の黄色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。すなわち、本比較例では、中和工程および比較的高温下(130〜230℃)での加熱処理工程を行っていない。
該比較用のアミノ樹脂架橋粒子をマルチサイザーで測定したところ、平均粒子径(d50)は4.0μmであり、標準偏差は1.35μmであった。そして、実施例4と同様の測定および確認を行った。主な反応条件と結果とをまとめて表2に示す。
Figure 0004652361
なお、表中BGはベンゾグアナミンを表す。また、PVAはポリビニルアルコールを表し、その単位は、ベンゾグアナミン100g当たりの添加量(g)を表す。
表2に記載の結果から明らかなように、アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を中和する中和工程と、中和工程の後にアミノ樹脂架橋粒子を130〜230℃の温度範囲内で加熱させる加熱工程とを行うことにより、熱変色テスト前後における色差が15以下であり、かつ、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドが1000ppm以下であるアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。一方、中和工程を行わないでアミノ樹脂架橋粒子を製造した場合には、熱変色テスト前後における色差が15よりも大きい、つまり、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色する。また、アミノ樹脂架橋粒子の加熱を130℃未満で行った場合には、熱分解テストにおいてホルムアルデヒドが発生し、かつ、耐溶剤性が低いことが判る。
以下の実施例7〜実施例9は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られるアミノ樹脂前駆体と界面活性剤水溶液とを混合して得られる乳濁液に、触媒を添加することでアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂粒子とするアミノ樹脂粒子生成工程と、該アミノ樹脂粒子を、酸素濃度が10容量%以下である不活性ガス雰囲気下、かつ、130〜230℃の温度範囲内で加熱する加熱処理工程とを含む構成についての、実施例であり、本発明に関する実施例ではない。つまり、実施例7〜実施例9および比較例5は、上記実施の形態3に対応する実施例である。
〔実施例7〕
攪拌機、還流冷却器、温度計を備えた四つ口フラスコに、メラミン150部、濃度37重量%のホルマリン290重量部および濃度28重量%のアンモニア水溶液1.5部を仕込み、混合物とした後、系のpHを8.0に調整した。この混合物を攪拌しながら70℃に昇温して、この温度で30分間反応させることにより、水混和度∞%の初期縮合物を得た。
別に、アニオン系界面活性剤のネオペレックスNo.6Fパウダー(花王株式会社製、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート)12重量部を水2240重量部に溶解させて、この界面活性剤水溶液を温度90℃に昇温して攪拌した。そして、攪拌状態下にある界面活性剤水溶液に、上記初期縮合物を投入して、次いで、10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液75重量部を加えて、徐々に昇温して90℃で2時間保持することで縮合硬化させて、硬化樹脂の懸濁液を得た。この懸濁液を光学顕微鏡(倍率800倍)で観察すると、粒子径が約0.5μmの球状の微粒子からなり、それぞれの微粒子は、激しくブラウン運動していることが分かった。
この懸濁液を30℃まで冷却して、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、該懸濁液のpHを7.0に調整した。これに、1重量%硫酸アルミニウム水溶液200重量部を添加した後、吸引ろ過して、固液分離した。分離して得た硬化樹脂を窒素雰囲気下(酸素濃度0.5容量%)、160℃の熱風乾燥機で2時間加熱して乾燥する(加熱処理工程)ことにより、183重量部の硬化樹脂球状微粒子の凝集物を得た。この凝集物をボールミルで解砕することにより、白色の硬化樹脂球状微粒子(アミノ樹脂架橋粒子)を得た。この硬化樹脂球状微粒子を走査型電子顕微鏡で調べたところ、平均粒子径が0.5μmの均一な球状微粒子であることが確認できた。また、この硬化樹脂球状微粒子のハンター白度は94%であった。結果を表3に示す。
〔実施例8〕
攪拌機、還流冷却器、温度計を備えた四つ口フラスコに、メラミン75部、ベンゾグアナミン75重量部、濃度37重量%のホルマリン290重量部および濃度10重量%の炭酸ナトリウム水溶液1.16部を仕込み、混合物とした後、系のpHを8.0に調整した。この混合物を攪拌しながら85℃に昇温して、この温度で1.5時間反応させることにより、水混和度200%の初期縮合物を得た。
別に、ノニオン系界面活性剤のエマルゲン430(花王株式会社製、ポリオキシエチレンオレイルエーテル)7.5重量部を水2455重量部に溶解させて、この界面活性剤水溶液を温度50℃に昇温して攪拌した。そして、攪拌状態下にある界面活性剤水溶液に、上記初期縮合物を投入することにより、初期縮合物の乳濁液を得た。この乳濁液に、5重量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液90重量部を加えて、50〜60℃の温度で3時間保持し、縮合硬化させることにより、硬化樹脂の懸濁液を得た。この懸濁液を冷水3000重量部に投入して急冷した。この冷却された懸濁液を光学顕微鏡(倍率600倍)で観察すると、粒子径が約8μmの非常に均一な球状の微粒子からなっていることが分かった。
次に、この懸濁液から硬化樹脂を沈降分離して得られたペーストを、エマルゲン430(7.5重量部)およびドデシルベンゼンスルホン酸4.5重量部を水2000重量部に溶解させることにより水溶液を得た。そして、この水溶液を、超音波分散機を用いて硬化樹脂を分散させた。分散させた硬化樹脂を攪拌しながら徐々に90℃まで昇温して、この温度で1時間保持することにより、完全硬化させた。これにより、十分に硬化した樹脂の懸濁液を得た。この懸濁液から硬化樹脂を遠心分離し、これを窒素雰囲気下(酸素濃度2容量%)、150℃の熱風乾燥機で4時間加熱して乾燥する(加熱処理工程)ことにより、120重量部の硬化樹脂球状微粒子の凝集物を得た。この凝集物をボールミルで解砕することにより、白色のアミノ樹脂架橋粒子(硬化樹脂球状微粒子)を得た。このアミノ樹脂架橋粒子を粒度分布測定機(コールターカウンターモデルTA−II、C−1000、Coulter Electronics.Inc製)で測定すると、平均粒子径8.0μm、標準偏差0.5μmであり、非常に狭い粒度分布であることが分かった。また、このアミノ樹脂架橋粒子を走査型電子顕微鏡で調べたところ、平均粒子径が8μmの均一な球状微粒子であることが確認できた。また、このアミノ樹脂架橋粒子のハンター白度は90%であった。結果を表3に示す。
〔実施例9〕
実施例7において、中和工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして白色のアミノ樹脂架橋粒子を得た。すなわち、本実例では、窒素雰囲気下で加熱工程を行った。このアミノ樹脂架橋粒子のハンター白度は89%であった。結果を表3に示す。
〔実施例10〕
硬化工程の後、5重量%水酸化ナトリウムによる中和工程を行わなかったこと、および、加熱工程を窒素雰囲気下(酸素濃度3容量%)で行った以外は、実施例1と同様にして、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。得られたアミノ樹脂架橋粒子のハンター白度は89%であった。結果を表3に示す。
〔比較例5〕
窒素雰囲気下での加熱工程(加熱処理工程)を行わなかった、すなわち、空気雰囲気下で加熱工程を行ったこと、および、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いた中和工程を行わなかったこと以外は、実施例7と同様にして白色のアミノ樹脂架橋粒子を得た。すなわち、本比較例では、中和工程および不活性ガス雰囲気下での加熱工程(加熱処理工程)を行っていない。このアミノ樹脂架橋粒子のハンター白度は82%であった。結果を表3に示す。
Figure 0004652361
表3の結果から明らかなように、加熱工程を不活性ガス雰囲気下で行うことにより、得られるアミノ樹脂架橋粒子の変色を抑制することができることがわかる。また、中和工程と不活性ガス雰囲気下での加熱工程(加熱処理工程)との両方を行うことにより、得られるアミノ樹脂架橋粒子の変色をより一層抑制することができることがわかる。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、例えば、艶消し剤、光拡散剤、研磨剤、各種フィルム用コーティング剤、或いはポリオレフィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤、さらにはレオロジーコントロール剤や着色剤等の分野に好適に用いることができる。
実施例1のアミノ樹脂架橋粒子の固体13C−NMR分析におけるスペクトルである。 比較例1のアミノ樹脂架橋粒子の固体13C−NMR分析におけるスペクトルである。 実施例4のアミノ樹脂架橋粒子の固体13C−NMR分析におけるスペクトルである。

Claims (7)

  1. アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られるアミノ樹脂架橋粒子において、
    固体13C−NMR分析における、−NH−CHO−CH−NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、
    かつ、ハンター白度が91%以上であり、
    かつ、熱変色テスト前後におけるハンター白度の変化量が15%以内であることを特徴とするアミノ樹脂架橋粒子。
  2. アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを縮合させることによって得られる着色されたアミノ樹脂架橋粒子において、
    固体13C−NMR分析における、−NH−CHO−CH−NH−結合(C(I)結合)に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が2以上であり、
    かつ、熱変色テスト前後における色差が15以下であることを特徴とするアミノ樹脂架橋粒子。
  3. さらに、熱分解テストにおけるホルムアルデヒドの発生量が1000ppm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のアミノ樹脂架橋粒子。
  4. さらに、上記アミノ系化合物が、トリアジン骨格を有するアミノ系化合物であり、
    固体13C−NMR分析における、アミノ樹脂架橋粒子を構成するトリアジン環(C(IV))に由来する炭素原子のシグナルに対する、−NH−CH−NH−結合(C(II)結合)に由来する炭素原子のシグナルの面積比が0.20以上であることを特徴とする請求項1,2または3記載のアミノ樹脂架橋粒子。
  5. 平均粒子径が0.05〜30μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のアミノ樹脂架橋粒子。
  6. 上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、およびメラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を40〜100重量%の範囲内で含んでおり、
    上記アミノ系化合物と上記ホルムアルデヒドとのモル比が、1:1.5〜1:3.5の範囲内であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のアミノ樹脂架橋粒子。
  7. 上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミンであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のアミノ樹脂架橋粒子。
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