JP4057857B2 - アミノ樹脂架橋粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることよりアミノ樹脂架橋粒子を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミノ樹脂架橋粒子は、例えば、艶消し剤、光拡散剤、研磨剤、各種フィルム用コーティング剤、或いはポリオレフィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤、さらにはレオロジーコントロール剤や着色剤等の用途分野において好適に用いられることが知られている。
従来より、アミノ樹脂架橋粒子は、例えば、特開昭49−57091号公報、特開昭50−45852号公報および特開平4−211450号公報に開示されている方法によって製造されることが知られている。具体的には、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させてアミノ樹脂前駆体を得、該アミノ樹脂前駆体を乳化して乳濁液を得た後、該乳濁液に硬化触媒を添加することにより、乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂架橋粒子を得る方法である。
【0003】
通常、上述の製造方法においては、経済性や生産性等の面から、アミノ樹脂前駆体を乳化させる際には乳化濃度(アミノ樹脂前駆体の濃度)を出来るだけ高くしたうえで、撹拌翼等のせん断力が効率良く働くように、乳化温度を高く保つようにしている。これは、乳化濃度の低い状態では、撹拌動力の大きな撹拌機を高速回転で用いなければ充分なせん断力を与えることができず経済性に劣る上、一定の乳濁液から得られる粒子数が少ないため生産性にも劣るからである。
また、本発明における硬化反応においては、乳濁状態のアミノ樹脂前駆体をその表面および内部においてより均一に硬化させ均質な架橋粒子とするため、反応系の温度を適度に下げた状態から硬化反応を開始し、徐々に温度を上げながら硬化を進めるようにしている。
【0004】
しかしながら、乳化時および硬化反応時のそれぞれにおいて上述したような条件下で行う場合、乳化後に得られた乳濁液の液温を、硬化反応の開始に好適な温度にまで一旦下げる必要が生じるが、その際、乳化濃度が高い乳濁液の場合には液粘度が急激に上昇してしまうため、乳化させたアミノ樹脂前駆体(乳化物粒子)が破壊してしまったり、乳化物粒子どうしが融合して粒度分布に大きなばらつきが生じる等の問題があった。特に、なるべく小さな粒径のアミノ樹脂架橋粒子を得ようとする場合は、より乳化濃度を高くして乳化を促進させ、粒子径の小さい乳化物粒子を得る必要があるため、上述の問題は顕著であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、経済性や生産性に優れるとともに、アミノ樹脂前駆体の乳化に引き続いて硬化反応を行う際に乳化物粒子の破壊等を効果的に防止することのできる、新規なアミノ樹脂架橋粒子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、乳化温度および乳化濃度の高い状態で乳濁液を得た後、硬化反応を開始するにあたり、所望の乳化を行って得られた乳濁液に対し、硬化反応開始前に水を加えて該乳濁液を希釈しておけばよいのではないかと考えた。かかる知見に基づき、得られた乳濁液に水を加えた後に硬化反応を開始させたところ、希釈しても乳化物粒子の破壊等が発生せずに、上記課題を解決し得ることを確認し、本発明を完成するに至った。さらには、得られた乳濁液に水を加えて希釈すると同時に液温を下げることができるため、硬化反応の開始に好適な温度条件を容易に作ることができ、他の冷却装置等を極力用いないようにすることができるため、より経済性等に優れた製法となる。
【0007】
すなわち、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミンからなる群から選ばれる1種または2種以上のアミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによってアミノ樹脂前駆体を得る樹脂化工程と、得られたアミノ樹脂前駆体を乳化してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を得る乳化工程と、得られた乳濁液に水を加えて希釈する工程と、希釈された乳濁液に硬化触媒を添加して前記アミノ樹脂前駆体微粒子を硬化させる硬化工程とを経て、アミノ樹脂架橋体粒子を得ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法(以下、本発明の製造方法と称することがある。)について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施し得る。
なお、本明細書においては、本発明におけるアミノ樹脂架橋粒子の製造過程での粒子状態を、「乳濁液」と「懸濁液」という2つの液状態で表現する。通常の定義によれば、「乳濁液」とは、液体中に液体粒子がコロイド粒子あるいはそれより粗大な粒子として分散して乳状をなすものをいい、「懸濁液」とは、液体中に固体粒子がコロイド粒子または顕微鏡で見える程度の粒子として分散したものをいう。従って、本発明におけるアミノ樹脂架橋粒子の製造過程において、乳化時の状態は乳濁液と、硬化後の状態は懸濁液として表現することがある。また、硬化中においては両形態が並存する場合もあるが、本明細書においては硬化中の状態は懸濁液と表現することがある。
【0009】
本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を乳化して得られる乳濁液に触媒を添加することで前記アミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂架橋粒子を製造する方法において、前記乳濁液に水を加えて希釈した後に前記触媒を添加することを特徴とする。
以下、本発明を実施する上でのアミノ樹脂架橋粒子の一般的な製造方法を説明し、続いて本発明の製造方法の特徴である、乳濁液の希釈について詳細に説明する。
【0010】
本発明の製造方法は、一般的には、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによりアミノ樹脂前駆体を得る樹脂化工程と、この樹脂化工程により得られたアミノ樹脂前駆体を乳化してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を得る乳化工程と、この乳化工程により得られた乳濁液に触媒を加えて乳化させたアミノ樹脂前駆体の硬化反応を行いアミノ樹脂架橋粒子を得る硬化工程と、を含むアミノ樹脂架橋粒子の製造方法であることが好ましい。
より具体的には、上記硬化反応を行い、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液を得た後、さらに、当該懸濁液からアミノ樹脂架橋粒子を分離する工程を経て、アミノ樹脂架橋粒子を得る製造方法である。また、上記のアミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液は、反応系から抜き出した後に必要に応じて精製を行って使用することも可能である。
【0011】
樹脂化工程においては、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることにより、初期縮合反応物たるアミノ樹脂前駆体を得るようにする。アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させるにあたっては、通常、溶媒として水が用いられる。よって、反応形態としては、ホルムアルデヒドを水溶液(ホルマリン)の状態にしたものにアミノ化合物を添加して反応させる方法や、トリオキサンやパラホルムアルデヒドを水に添加して水中でホルムアルデヒドを発生し得るようにした水溶液にアミノ化合物を添加して反応させる方法等が好ましく挙げられ、なかでも、前者の方法が、ホルムアルデヒド水溶液の調製槽が必要ないこと、入手が容易であることなど、経済性の点でより好ましい。
【0012】
また、上記アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの反応形態は、上記アミノ系化合物とホルムアルデヒドとが混合状態で反応する形態であればよく、例えば、ホルムアルデヒドの水溶液にアミノ系化合物を添加する形態以外に、アミノ系化合物にホルムアルデヒドの水溶液を添加する形態であってもよい。
なお、一般的に、上記反応を行う樹脂化工程は、通常公知の撹拌装置等による撹拌下で行うことが好ましい。
樹脂化工程において、原料として用いることのできるアミノ系化合物としては、特に限定はされないが、例えば、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym.−トリアジン)、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン等が挙げられる。これらの中でも、一般に、トリアジン環を有するアミノ系化合物がより好ましいが、さらに、ベンゾグアナミンは、ベンゼン環と2個の反応基とを有することから初期縮合状態での染色性に優れ、架橋後は可とう性(硬度)、耐汚染性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性に優れているため特に好ましい。これらアミノ系化合物は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
【0013】
また、使用するアミノ系化合物全体中、上に例示したアミノ系化合物(ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン)の合計が40重量%以上であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ましくは100重量%である。上に例示したアミノ系化合物の合計が40重量%以上であることによって、耐熱性、耐溶剤性の優れたアミノ樹脂架橋粒子が得られるといった効果が得られる。
樹脂化工程において反応させるアミノ系化合物とホルムアルデヒドとのモル比(アミノ系化合物(モル)/ホルムアルデヒド(モル))は、1/3.5〜1/1.5であることが好ましく、1/3.5〜1/1.8であることがより好ましく、1/3.2〜1/2であることがさらに好ましい。上記モル比が1/3.5未満であると、ホルムアルデヒドの未反応物が多くなるおそれがあり、1/1.5を超える場合は、アミノ系化合物の未反応物が多くなるおそれがある。
【0014】
なお、水を溶媒として用いた場合に、水に対するアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの添加量、すなわち、仕込み時点におけるアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの濃度は、反応に支障の無い限りにおいて、より高濃度であることが望ましい。より具体的には、反応物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度を、2×10-2〜5.5×10-2Pa・s(20〜55cP)の範囲内に調節・制御することができる濃度であることが好ましく、より好ましくは、後述する乳化工程において、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の濃度が30〜60重量%の範囲内となるように、反応液を乳化剤の水溶液に添加する若しくは反応液に乳化剤や乳化剤の水溶液を添加することができる濃度であればよい。
【0015】
したがって、樹脂化工程においてアミノ樹脂前駆体を含む反応液を得た場合、該反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度は、2×10-2〜5.5×10-2Pa・s(20〜55cP)であることが好ましく、より好ましくは2.5×10-2〜5.5×10-2Pa・s(25〜55cP)、さらに好ましくは3.0×10-2〜5.5×10-2Pa・s(30〜55cP)である。
上記粘度の測定方法は、反応の進行状態を即時的に(リアルタイムで)把握することができると共に、該反応の終点を正確に見極めることができるように、粘度測定機を用いる方法が最適である。該粘度測定機としては、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製、製品名:MIVI 6001)が使用できる。この粘度計は、常時振動している振動部を備えており、該振動部を反応液に浸漬することで、該反応液の粘性が増加して振動部に負荷が掛かると、その負荷を粘度に即時的に換算して表示するようになっている。
【0016】
アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを水中で反応させることにより、いわゆる初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を得ることができる。反応温度は、反応の進行状態を即時的に把握することができると共に、該反応の終点を正確に見極めることができるように、95〜98℃の温度範囲内であることが望ましい。そして、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの反応は、反応液の粘度が2×10-2〜5.5×10-2Pa・sの範囲内となった時点で、該反応液を冷却する等の操作を行うことにより終了すればよい。これにより、アミノ樹脂前駆体を含む反応液が得られる。また、反応時間は、特に限定されるものではない。
【0017】
樹脂化工程において得られたアミノ樹脂前駆体については、該アミノ樹脂前駆体を構成するアミノ系化合物由来の構造単位とホルムアルデヒド由来の構造単位とのモル比(アミノ系化合物由来の構造単位(モル)/ホルムアルデヒド由来の構造単位(モル))が、1/3.5〜1/1.5であることが好ましく、1/3.5〜1/1.8であることがより好ましく、1/3.2〜1/2であることがさらに好ましい。上記モル比を上記範囲内とすることにより、粒度分布の狭い粒子を得ることができる。
なお、通常、反応終了時点での反応液の粘度は、アミノ系化合物およびホルムアルデヒドを仕込んだ(反応開始時の)水溶液の粘度と比較して著しく高く、従って、仕込んだ原料の濃度等には殆ど影響されない。アミノ樹脂前駆体は、通常、アセトンやジオキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の有機溶媒に対して可溶であるが、水に対して実質的に不溶である。
【0018】
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法にあっては、当該アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得る樹脂化工程における反応液の粘度を低くすることにより、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の粒子径を小さくすることができる。しかしながら、反応液の粘度が2×10-2Pa・s未満である場合、或いは5.5×10-2Pa・sを超える場合には、最終的に粒子径がほぼ揃った(粒度分布が狭い)アミノ樹脂架橋粒子を得ることができない。すなわち、反応液の粘度が2×10-2Pa・s(20cP)未満であると、後述する乳化工程で得られる乳濁液の安定性が乏しくなる。このため、硬化工程においてアミノ樹脂前駆体を硬化させた場合、得られるアミノ樹脂架橋粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまうおそれがあり、アミノ樹脂架橋粒子の粒子径を制御することができず、粒度分布の広いアミノ樹脂架橋粒子となるおそれがある。また、乳濁液の安定性が乏しい場合、製造する毎に(バッチ毎に)、アミノ樹脂架橋粒子の粒子径(平均粒子径)が変化してしまい、製品にバラツキを生じてしまうおそれがある。一方、反応液の粘度が5.5×10-2Pa・s(55cP)を超えると、後述する乳化工程で用いる高速撹拌機等にかかる負荷が大きすぎて、その剪断力が低下するため、反応液を充分に撹拌する(乳濁させる)ことができなくなるおそれがある。このため、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の粒子径を制御することができなくなり、粒度分布の広いアミノ樹脂架橋粒子となるおそれがある。よって、樹脂化工程における反応液を上記粘度範囲に調整することは、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を得る上で好ましい実施形態となる。
【0019】
乳化工程においては、樹脂化工程により得られたアミノ樹脂前駆体を乳化してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を得るようにする。乳化するにあたっては、例えば、保護コロイドを構成し得る乳化剤を用いることが好ましい。
上記乳化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、水溶性ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドンなどを用いることができる。これら乳化剤は、全量が水に溶解させた水溶液の状態で用いてもよいし、その一部を水溶液の状態で用い、残りをそのままの状態(例えば粉体状、顆粒状、液状など)で用いるようにしてもよい。上に例示した乳化剤のなかでも、乳濁液の安定性、触媒との相互作用等を考慮すると、ポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールは、完全ケン化物であってもよく、部分ケン化物であってもよい。また、ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではない。上記樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体に対する乳化剤の使用量が多い程、生成する粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。乳化剤の使用量は、上記樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがより好ましい。該使用量が上記範囲を外れると、乳濁液の安定性が乏しくなるおそれがある。
【0020】
乳化工程では、例えば、乳化剤の水溶液に、アミノ樹脂前駆体の濃度(つまり、固形分濃度)が30〜60重量%の範囲内となるように上記樹脂化工程で得られた反応液を添加した後、50〜100℃の温度範囲内で乳濁させることが好ましく、より好ましくは60〜100℃、さらに好ましくは70〜95℃である。乳化剤の水溶液の濃度は、特に限定されるものではなく、アミノ樹脂前駆体の濃度を上記範囲内に調節することができる濃度であればよい。上記アミノ樹脂前駆体の濃度が30重量%未満であると、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下するおそれがあり、60重量%を超えると、得られるアミノ樹脂架橋粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまうおそれがあり、アミノ樹脂架橋粒子の粒子径を制御することができなくなるため、粒度分布の広いアミノ樹脂架橋粒子となるおそれがある。
【0021】
乳化工程における撹拌方法としては、より強力に撹拌することができる装置(高せん断力を有する装置)を用いる方法、具体的には、例えば、いわゆる高速撹拌機やホモミキサーや、TKホモミキサー(特殊機化工業(株)製)、高速ディスパー、エバラマイルザー((株)荏原製作所製)、高圧ホモジナイザー((株)イズミフードマシナリ製)、スタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテッド製)などを用いる方法が好ましい。
乳化工程においては、樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体を、所定の粒子径となるまで乳化を促進させることが好ましく、該所定の粒子径は、最終的に所望の粒子径のアミノ樹脂架橋粒子が得られるよう適宜設定すればよい。具体的には、容器や撹拌翼の種類、撹拌速度、撹拌時間、乳化温度などを適宜考慮することにより、乳化したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径が0.1〜30μmとなるよう乳化を行うことが好ましく、より好ましくは0.5〜25μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。アミノ樹脂前駆体を上記粒子径範囲となるよう乳化させることよって、最終的に後述する所望の粒子径範囲のアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。
【0022】
上記の乳化したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(乳化によって得られた乳濁液中に分散したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径)は、後述の実施例で記載するコールターマルチサイザーII型を用いて測定した値である。本発明では、後述のように、上記乳化工程を経て得られた乳濁液に水を加えて希釈する工程がさらに含まれる。また、本発明においては、乳化工程を経て得られた希釈前の乳濁液の状態を示す形態として、乳化したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(乳化によって得られた乳濁液中に分散したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径)がある。本発明における、乳化工程を経て得られた乳濁液に水を加えて希釈する工程においては、上記アミノ樹脂前駆体の平均粒子径が0.1〜30μmとなった時点で水を加えて希釈することが好ましい形態であり、より好ましくは0.5〜25μm、さらに好ましくは0.5〜20μmとなった時点で水を加えて希釈する。
【0023】
本発明の製造方法においては、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することをより確実に防止するために、必要に応じて、上記乳化工程後に得られた乳濁液に無機粒子を添加しておくことができる。無機粒子としては、具体的には、例えば、シリカ微粒子、ジルコニア微粒子、アルミニウム粉、アルミナゾル、セリエゾル等が好ましく挙げられ、なかでも、入手が容易であるといった点で、シリカ微粒子がより好ましい。無機粒子の比表面積は10〜400m2/gであることが好ましく、より好ましくは20〜350m2/g、さらに好ましくは30〜300m2/gである。無機粒子の粒子径は0.2μm以下であることがより好ましく、より好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下である。比表面積や粒子径が上記範囲内であれば、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することを防止するのに、より一層優れた効果を発揮することができる。
【0024】
乳濁液に無機粒子を添加する方法としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、無機粒子をそのままの状態(粒子状)で添加する方法や、無機粒子を水に分散させた分散液の状態で添加する方法などが挙げられる。乳濁液に対する無機粒子の添加量は、乳濁液に含まれるアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜28重量部、さらに好ましくは3〜25重量部である。1重量部未満であると、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することを十分防止することができないおそれがあり、30重量部を超える場合は、無機粒子のみの凝集物が発生するおそれがある。また、無機粒子を添加した際の攪拌方法としては、前述の強力に攪拌することができる装置(高せん断力を有する装置)を用いる方法が無機粒子をアミノ樹脂架橋粒子に強固に固着させるという点で好ましい。
【0025】
硬化工程においては、上記乳化工程により得られた乳濁液に、水を加えて希釈した後に、触媒(詳しくは硬化触媒)を加え、乳化させたアミノ樹脂前駆体の硬化反応を行う(アミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる)ことによりアミノ樹脂架橋粒子(詳しくは、アミノ樹脂架橋粒子の懸濁液)を得るようにする。
上記触媒(硬化触媒)としては酸触媒が好適である。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸;これら鉱酸のアンモニウム塩;スルファミン酸;ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類;フタル酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸等の有機酸;が使用できる。上記例示の酸触媒のうち、硬化速度の点で鉱酸が好ましく、さらに、装置への腐食性、鉱酸使用時の安全性等の点で、硫酸がより好ましい。また、上記触媒として硫酸を用いる場合、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸を用いる場合に比べて、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色しない又は耐溶剤性が高いといった点で好ましい。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。上記触媒の使用量としては、上記乳化工程により得られる乳濁液中のアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜4.5重量部、さらに好ましくは0.5〜4.0重量部である。触媒の使用量が5重量部を超えると、乳濁状態が破壊され、粒子同士が凝集してしまうおそれがあり、0.1重量部未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。また、同様に、上記触媒の使用量としては、原料化合物として用いたアミノ系化合物1モルに対して0.002モル以上であることが好ましく、より好ましくは0.005モル以上、さらに好ましくは0.01〜0.1モルである。触媒の使用量がアミノ系化合物1モルに対して0.002モル未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。
【0026】
硬化工程における硬化反応は、好ましくは15(常温)〜80℃、より好ましくは20〜70℃、さらに好ましくは30〜60℃で、少なくとも1時間保持した後、常圧または加圧下で好ましくは60〜150℃、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜100℃の範囲の温度で行うことが好ましい。硬化反応の反応温度が、60℃未満であると、硬化が十分に進行せず、得られたアミノ樹脂架橋粒子の耐溶剤性や耐熱性が低下するおそれがあり、150℃を超える場合は、強固な加圧反応器が必要となり、経済的でない。
硬化反応の終点は、サンプリングまたは目視によって判断すればよい。また、硬化反応の反応時間は、特に限定されない。
【0027】
硬化工程における撹拌方法としては、通常公知の攪拌装置などによる攪拌下で行うことが好ましい。
硬化工程においては、乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を硬化させて得られるアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径を、0.1〜30μmとすることが好ましく、より好ましくは0.5〜25μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。
本発明の製造方法においては、乳濁液に、染料を水に溶解してなる水溶液を添加する着色工程を含むことができる。
アミノ樹脂前駆体やアミノ樹脂架橋粒子は、染料との親和性に優れている。得られた乳濁液に着色工程にて添加される染料は、水に溶解する染料、即ち、水溶性の染料であれば好ましく使用できる。水溶性染料としては、具体的には、ローダミンB、ローダミン6GCP(以上、住友化学工業株式会社製)、メチルバイオレットFN、ビクトリアブルーFN等の塩基性染料;キノリンイエローSS−5G、キノリンイエローGC(以上、中央合成化学株式会社製)、アシッドマゼンタO、メチルバイオレットFB、ビクトリアブルーFB等の酸性染料;等が挙げられる。これら染料は、単独で用いてもよく、また.2種類以上を併用してもよい。
【0028】
水溶液における染料の濃度は、特に限定されるものではないが、0.1〜5重量%の範囲内であることがより好ましく、1〜3重量%の範囲内であることがさらに好ましい。染料の濃度が0.1重量%未満であると、添加する水溶液の量が多量となるので、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の濃度が5重量%を超えると、乳濁液の安定性が低下するので、得られるアミノ樹脂架橋粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりする場合がある。尚、染料を水に溶解してなる水溶液の調製方法、および、水溶液を乳濁液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではない。
【0029】
また、本発明の製造方法においては、前記樹脂化工程で得られた反応液に、染料を水に分散してなる分散液を添加する前段着色工程を含むことができる。
前記染料は、水に分散する染料、即ち、油溶性の染料であれば好ましく使用できる。油溶性染料としては、具体的には、オイルオレンジB、オイルブルーBA(以上、中央合成化学株式会社製)、アゾソールブリリアントイエロー4GF、アゾソールファストブルーGLA、オイルレッドTR−71等の溶剤可溶染料;ファストイエローYL、ファストブルーFG、セリトンピンクFF3B、セリトンピンク3B等の分散染料;等が挙げられる。これら染料は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
【0030】
なお、油溶性染料を水に分散してなる分散液を樹脂化工程で得られた反応液に添加する前段着色工程と、前記乳濁液に染料を水に溶解してなる水溶液を添加する着色工程とは、その一方のみを行ってもよいし、あるいは両工程を併用してもよいが、併用を行う方が、より一層充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調がより一層揃ったアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる点で好ましい。
油溶性染料を水に分散してなる分散液における染料の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜50重量%の範囲内であることがより好ましく、20〜40重量%の範岡内であることがさらに好ましい。染料の含有量が1重量%未満であると、添加する分散液の量が多量となるので、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の含有量が50重量%を超えると、分散液の流動性が低下するので、添加時における取り扱い性が低下して添加に手間がかかる場合がある。また、油溶性の染料は水に対する濡れ性が乏しいため、該染料を水に分散する際には、必要に応じて、分散助剤を使用することもできる。尚、染料を水に分散してなる分散液の調製方法、および、分散液を反応液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではない。
【0031】
油溶性染料を水に分散してなる分散液を添加した後の上記反応液(溶液)は、例えば炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリ剤を用いて、そのpHを6〜12の範囲内、より好ましくは7〜9の範囲内に調節することが好ましい。これにより、硬化工程におけるアミノ樹脂前駆体の縮合・硬化を充分に制御することができる。アルカリ剤の使用量等は、特に限定されるものではない。また、アルカリ剤は、水溶液の状態で反応液に添加・混合する方法が好適であるが、該方法は、特に限定されるものではない。
本発明の製造方法においては、上記硬化工程により得られたアミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液の中和を行う中和工程を含むことができる。中和工程は、上記硬化工程において、硬化触媒として硫酸等の酸触媒を用いた場合に行うことが好ましい。中和工程を行うことにより、上記酸触媒を取り除くこと(具体的には酸触媒を中和すること)ができ、例えば、後述する加熱工程などにおいてアミノ樹脂架橋粒子を加熱した場合に、アミノ樹脂架橋粒子の変色(例えば、黄色に変色)を抑制することができる。また、着色されたアミノ樹脂架橋粒子の場合にも黄変抑制に効果があり、耐熱性に優れた鮮やかな着色粒子を得る上で上記中和工程は好ましい実施形態である。
【0032】
中和工程でいう「中和」とは、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液のpHを5以上とすることが好ましく、より好ましくはpHを5〜9にすることである。該懸濁液のpHが5未満である場合には、酸触媒が残っているので後述する加熱工程などにおいて、アミノ樹脂架橋粒子が変色する。上記中和により該懸濁液のpHを上記範囲内に調節することにより、硬度が高く、耐溶剤性や耐熱性に優れ、かつ、変色のないアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。
中和工程において用いることのできる中和剤としては、例えば、アルカリ性物質が好適である。該アルカリ性物質としては、例えば、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアが挙げられるが、なかでも取り扱いが容易である点で、水酸化ナトリウムが好ましく、水酸化ナトリウム水溶液が好適に用いられる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0033】
本発明の製造方法においては、硬化工程後あるいは中和工程後に得られるアミノ樹脂架橋粒子の懸濁液から、該アミノ樹脂架橋粒子を取り出す分離工程を含むことができる。
アミノ樹脂架橋粒子を懸濁液から取り出す方法(分離方法)としては、濾別する方法や遠心分離機等の分離機を用いる方法が簡便な方法として挙げられるが、特に限定されるわけではなく、通常公知の分離方法を用いることができる。なお、懸濁液から取り出した後のアミノ樹脂架橋粒子は、必要に応じて、水等で洗浄してもよい。
【0034】
本発明の製造方法においては、分離工程を経て取り出したアミノ樹脂架橋粒子を、130〜190℃の温度で加熱する加熱工程を行うことが好ましい。加熱工程を行うことによって、アミノ樹脂架橋粒子に付着している水分および残存しているホルムアルデヒドを除去することができ、かつ、アミノ樹脂架橋粒子内の縮合(架橋)をさらに促進させることができる。上記加熱温度が130℃より低い場合には、アミノ樹脂架橋粒子内の縮合(架橋)を十分に促進させることができず、アミノ樹脂架橋粒子の硬度、耐溶剤性および耐熱性を向上させることができないおそれがあり、190℃を越える場合は、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色するおそれがある。上述した中和工程を行った場合であっても、加熱温度が上記温度範囲外である場合の影響は同様である。中和工程を行った上で、アミノ樹脂架橋粒子の加熱温度を上記範囲内とすることにより、硬度が高く、耐溶剤性および耐熱性に優れ、かつ、変色のないアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。
【0035】
加熱工程における加熱の方法については、特に限定されるものではなく、通常公知の加熱方法を用いればよい。
加熱工程は、例えば、アミノ樹脂架橋粒子の含水率が3重量%以下となった段階で終了すればよい。また、加熱時間は、特に限定はされない。
本発明の製造方法においては、上記加熱工程後、必要に応じて、粉砕(解砕)・分級等の工程を行うことにより、例えば、平均粒子径が10μm以下の粒子を得ることができる。
本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子の製造方法は、前述したように、アミノ樹脂前駆体を乳化して得られた乳濁液に水を加えて該乳濁液を希釈した後に触媒(硬化触媒)を添加することを特徴とする。具体的には、例えば、上記乳化工程で得られたアミノ樹脂前駆体の乳濁液に、水を加えて該乳濁液を希釈した後、上記硬化工程を行うようにすればよい。
【0036】
アミノ樹脂前駆体の乳濁液に加える水の量は、特に限定はされないが、具体的には、水を加えた後の乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の濃度が45重量%以下とすることができる量であることが好ましく、より好ましくは10〜40重量%の範囲とすることができる量であり、さらに好ましくは10〜35重量%の範囲とすることができる量である。乳濁液に加える水の量をこのように規定することで、前述した本発明の課題を容易に達成することができる。
本発明では、上述のように、乳濁液の希釈を目的として水を加えるが、希釈と同時に乳濁液の液温を容易に下げることもできる。よって、例えば、得られた乳濁液の温度を下げてから硬化反応を開始させたい場合において、該硬化反応を行う前に容易に温度に下げておくことができるとともに、従来公知の各種冷却装置等を用いて乳濁液の液温を低下させるといった操作を不要とする、若しくは著しく低減することができ、経済性や生産性をより向上させることができる。
【0037】
硬化反応を所定の温度(液温)まで下げてから開始させたい場合は、加える水の量は、上記所定温度となるよう適宜設定すればよい。
乳濁液に加える水の温度は、特に限定されるわけではなく、例えば、硬化反応を所定の温度から開始させることができるよう適宜調整しておくようにしてもよいが、具体的には、5〜80℃であることが好ましく、より好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは10〜50℃である。上記温度範囲内の水を用いることによって、乳濁液を容易に所望の温度まで下げることができる。
本発明における乳濁液に水を加えるタイミングは、詳しくは、水を加える際の乳濁液は、アミノ樹脂前駆体を乳化させる系において前記アミノ樹脂前駆体の少なくとも一部が乳化した状態の乳濁液であればよく、また、アミノ樹脂前駆体を完全に乳化させた乳濁液等であってもよい。また、上記乳化工程において述べた所望の粒子径範囲となるようにアミノ樹脂前駆体の乳化を行った乳濁液に対して水を加えることがより好ましい。また、乳濁液に水を加える時の乳濁液の温度については、上記乳化工程において述べた所望の粒子径範囲となるようにアミノ樹脂前駆体の乳化を行った際の温度から30℃低下するまでの温度範囲で水を加える形態が好ましく、より好ましくは20℃低下するまでの温度範囲で水を加える形態であり、さらに好ましくは10℃低下するまでの温度範囲で水を加える形態である。つまり、乳化を行った温度からあまり温度が下がらない温度範囲までにおいて水を加えて希釈する形態が好ましい。乳濁後、乳化濃度が高いまま温度を下げると、凝集等により、所望の平均粒子径の範囲の粒子が得られなくなる場合がある。
【0038】
乳濁液に水を加える方法は、特に限定はされないが、例えば、一括投入や、連続的または間欠的な逐次投入により加えることができる。また、前述の無機粒子の水溶液などのような添加剤と共に水を添加してもよい。
本発明における、アミノ樹脂前駆体を乳化して得られた乳濁液に水を加えて該乳濁液を希釈した後に触媒を添加する方法は、乳化濃度、具体的には水を加える前の乳濁液の濃度が高い場合に好ましく適用できる。より具体的には、当該乳化濃度が45重量%以上の場合に好適に使用され、より好ましくは45〜60重量%、さらに好ましくは50〜60重量%の場合である。また、本発明における、アミノ樹脂前駆体を乳化して得られた乳濁液に水を加えて該乳濁液を希釈した後に触媒を添加する方法は、平均粒子径が0.1〜10μmの範囲にあるアミノ樹脂架橋粒子を得る場合に好適に使用され、より好ましくは0.1〜8μmの範囲にあるアミノ樹脂架橋粒子を得る場合、さらに好ましくは0.1〜5μmの範囲にあるアミノ樹脂架橋粒子を得る場合である。
【0039】
本発明にかかる製造方法によれば、比較的粒子径の小さい、光拡散剤や研磨剤などに有用なアミノ樹脂架橋粒子を安定的に安価に製造することができる。
本発明の製造方法により得られたアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は、特に限定はされないが、具体的には、0.05〜30μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜15μmである。平均粒子径が、0.05μm未満であると、塗料用艶消し剤として使用した場合の艶消し効果が十分でなくなるおそれがあり、30μmを超える場合は、研磨剤として使用した場合の研磨精度が悪くなるおそれがある。
【0040】
本発明の製造方法により得られたアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径の標準偏差については、6μm以下であることが好ましく、より好ましくは4μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。平均粒子径の標準偏差が6μmを超える場合は、粒度分布が広くなり、着色されたアミノ樹脂架橋粒子の場合であると、着色剤として使用した場合に鮮やかさに欠けるおそれがある。
得られるアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径やその標準偏差が、上記範囲内となるよう、例えば、上記乳化工程や硬化工程、さらには加熱工程などにおいて適宜処理条件や反応条件を設定すればよい。
【0041】
なお、最終的に得られたアミノ樹脂架橋粒子を構成するアミノ樹脂の架橋度や平均分子量、分子量分布等は、特に限定されるものではない。
本発明の製造方法により得られたアミノ樹脂架橋粒子を構成するアミノ樹脂については、アミノ系化合物由来の構造単位とホルムアルデヒド由来の構造単位とのモル比は、アミノ系化合物由来の構造単位1モルに対するホルムアルデヒド由来の構造単位のモル数が、1.05〜3モルであることが好ましく、より好ましくは1.1〜2.5モルである。上記アミノ系化合物由来の構造単位1モルに対するホルムアルデヒド由来の構造単位のモル数が1.05モル未満であると、得られたアミノ樹脂架橋粒子の架橋度が低くなり、耐熱性、耐溶剤性が低くなるおそれがあり、3モルを超える場合は、得られたアミノ樹脂架橋粒子の硬化が十分でなく、耐熱性、耐溶剤性が低くなるおそれがある。
【0042】
本発明の製造方法により得られたアミノ樹脂架橋粒子は、上述したような性能や物性を有するものであるため、例えば、従来と同様に、艶消し剤、光拡散剤、研磨剤、各種フィルム用コーティング剤;ポリオレフィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤;レオロジーコントロール剤や着色剤などの用途分野に用いることができる。
また、本発明においては、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液は、反応系から抜き出した後に必要に応じて精製を行って使用することも可能である。よって、本発明の製造方法を経ることで製造されるアミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液も実施形態の1つとなる。また、本発明の製造方法を経ることで製造された、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液から形成される研磨剤等は実施形態の1つとなる。
【0043】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と記すことがある。また、「リットル」を単に「L」と記すことがある。
[実施例1]
撹拌機、還流冷却機、温度計、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製、製品名:MIVI 6001)等を備えた容量10Lの反応釜に、アミノ系化合物としてのベンゾグアナミン3000g(16モル)と、濃度37重量%のホルマリン2600g(ホルムアルデヒド32モル)と、炭酸ナトリウム10重量%水溶液10g(炭酸ナトリウム0.01モル)とを仕込み、撹拌しながら昇温させて、95℃で反応させた。
【0044】
そして、反応液の粘度が4.5×10-2Pa・s(45cP)となった時点(反応開始から5時間後)で該反応液を冷却することによって、樹脂化工程を終了した。これにより、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液を得た。
次に、還流冷却器、ホモミキサー(撹拌機、特殊機化工業株式会社製)、温度計等を備えた容量25Lの反応釜に、乳化剤としてのポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、製品名:PVA205)150gを水2200gに溶解してなる水溶液を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温させた。そして、該反応釜に上記の反応液を添加した後、液温を77℃に昇温させて、77℃に維持しながら、内容物を回転速度7000rpmで激しく撹拌することにより、アミノ樹脂前駆体を乳濁させて該アミノ樹脂前駆体の濃度が56.6重量%の乳濁液を得、乳化工程を終了した。該乳濁液をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(d50)は2.0μmであった。さらに、得られた乳濁液に常温(25℃)の水10000gを一括で加えた後、撹拌しながらこの乳濁液を30℃に冷却した。
【0045】
続いて、反応釜に、無機化合物であるシリカの水分散体としての、固形分濃度が10重量%のアエロジール200(日本アエロジル株式会社製)3256gを添加した後、ホモミキサーで内容物を回転速度4000rpmで5分間攪拌した。
次いで、触媒としての硫酸40g(0.4モル)を純水1200gに溶解してなる水溶液を上記乳濁液に添加し(内容物の温度は30℃)、撹拌しながら90℃になるまで10℃/hrで昇温させた。そして、90℃に達した後、この温度で1時間保持してアミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させた。従って、反応時間は合計7時間である。
【0046】
硬化工程を終了した後、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液を30℃に冷却した後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、該懸濁液のpHを7.5に調節した。そして中和工程を行い、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液を得た。当該アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液をこの反応液から抜き出し、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液として使用可能であることも確認した。その後、濾別することによって反応液からアミノ樹脂架橋粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂架橋粒子を150℃で3時間、加熱処理した後、乳鉢に入れ乳棒で軽く力を加えることによって解砕した。これにより、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。該アミノ樹脂架橋粒子をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は2.2μmであった。
【0047】
[実施例2]
撹拌機、還流冷却機、温度計、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製、製品名:MIVI 6001)等を備えた容量10Lの反応釜に、アミノ系化合物としてのベンゾグアナミン3200g(17.1モル)と、濃度37重量%のホルマリン2810g(ホルムアルデヒド34.7モル)と、炭酸ナトリウム10重量%水溶液10g(炭酸ナトリウム0.01モル)とを仕込み、撹拌しながら昇温させて、95℃で反応させた。
そして、反応液の粘度が4.0×10-2Pa・s(40cP)となった時点で該反応液を冷却することによって、樹脂化工程を終了した。一方、分散助剤(花王株式会社製、製品名:エマルゲン920)0.5gを純水70gに溶解してなる水溶液に、油溶性染料(有本化学株式会社製、製品名:Fluorescent Red 632)50gを加えて充分に分散させて分散液を調製した。次いで、上記反応液に調製した分散液を添加して撹拌した。これにより、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を含み、着色された反応液を得た。
【0048】
次に、還流冷却器、ホモミキサー(撹拌機、特殊機化工業株式会社製)、温度計等を備えた容量10Lの反応釜に、乳化剤としてのポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、製品名:PVA205)120gを水300gに溶解してなる水溶液を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温させた。そして、該反応釜に上記の反応液を添加した後、液温を77℃に昇温させて、77℃に維持しながら、内容物を回転速度7000rpmで激しく撹拌することにより、アミノ樹脂前駆体を乳濁させて該アミノ樹脂前駆体の濃度が47.6重量%のピンク色の乳濁液を得、乳化工程を終了した。該乳濁液をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(d50)は2.9μmであった。さらに、得られた乳濁液に常温(25℃)の水5000gを一括で加えた後、撹拌しながらこの乳濁液を30℃に冷却した。
【0049】
続いて、反応釜に、無機化合物であるアルミナの水分散体としての、固形分濃度が10重量%の酸化アルミニウムC(日本アエロジル株式会社製)3256gを添加した後、ホモミキサーで内容物を回転速度4000rpmで5分間攪拌した。
次いで、水溶性染料としての「acid Red 52」7gを純水650gに溶解させて水溶液を調製した。そして、上記乳濁液に調製した水溶液を添加して5分間撹拌した。その後、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸40gを純水1200gに溶解してなる水溶液を上記乳濁液に添加し(内容物の温度は30℃)、撹拌しながら90℃になるまで10℃/hrで昇温させた。そして、90℃に達した後、この温度で1時間保持してアミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させた。従って、反応時間は合計7時間である。
【0050】
硬化工程を終了した後、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液を30℃に冷却した後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、該懸濁液のpHを7.5に調節した。そして中和工程の後、実施例1と同様にしてアミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液(ただし、着色されている)を反応液から抜き出し、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液として使用可能であることも確認した。その後、濾別することによって反応液からアミノ樹脂架橋粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂架橋粒子を150℃で3時間、加熱処理した後、乳鉢に入れ乳棒で軽く力を加えることによって解砕した。これにより、赤色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。該アミノ樹脂架橋粒子をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は3.1μmであった。
【0051】
[比較例1]
実施例1と同様の樹脂化工程および乳化工程を行うことにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が56.6重量%の乳濁液を得た。(該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(d50)をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、2.1μmであった。)さらに、得られた乳濁液に水を加えることなく、撹拌しながら該乳濁液の冷却を開始したところ、液粘度が上昇し始め、撹拌不能となった。これは、乳化物粒子が破壊されたためであると考えられる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、経済性や生産性に優れるとともに、アミノ樹脂前駆体の乳化に引き続いて硬化反応を行う際に乳化物粒子の破壊等を効果的に防止することのできる、新規なアミノ樹脂架橋粒子の製造方法を提供することができる。
Claims (1)
- ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミンからなる群から選ばれる1種または2種以上のアミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによってアミノ樹脂前駆体を得る樹脂化工程と、得られたアミノ樹脂前駆体を乳化してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を得る乳化工程と、得られた乳濁液に水を加えて希釈する工程と、希釈された乳濁液に硬化触媒を添加して前記アミノ樹脂前駆体微粒子を硬化させる硬化工程とを経て、アミノ樹脂架橋体粒子を得ることを特徴とするアミノ樹脂架橋粒子の製造方法。
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