JP4139180B2 - 新規なアミノ樹脂架橋粒子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることにより得られるアミノ樹脂架橋粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミノ樹脂架橋粒子は、その優れた物性を利用し、研磨剤、艶消し剤、光拡散剤、各種フィルム用コーティング剤、或いはポリオレフィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤、さらにはレオロジーコントロール剤や着色剤などの用途で従来から用いられてきた。
従来より、アミノ樹脂架橋粒子は、種々の方法によって製造されることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照。)。具体的には、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させて初期縮合物たるアミノ樹脂前駆体を得、該アミノ樹脂前駆体を乳化して乳濁液を得た後、該乳濁液に硬化触媒を添加することにより、乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を硬化させてアミノ樹脂架橋粒子を得る方法である。
【0003】
しかしながら、上記公報に開示されている方法により得られたアミノ樹脂架橋粒子は、十分な硬さを有するものであるが、その反面、研磨剤用粒子の用途に用いた場合には、その硬さのために研磨対象物に傷(引っかき傷:スクラッチ)が発生することがあった。なかでも特にOA技術分野においては、近年の著しい技術進歩に伴い、極めて高い精度で製造された優れた品質の製品が求められている。例えば、半導体の基盤等に用いられるシリコンウエハの製造では、ウエハ表面の研磨時に、従来特に問題視されていなかった程度の僅かな傷が生じただけでも欠陥製品として取り扱われることになる。
【0004】
そこで、このような粒子硬度の問題を解消するため、粒子の架橋密度を従来のレベルから適度に低下させることが試みられたが、やはり粒子自体が脆くなってしまうことは避けられず、研磨剤用粒子として使用した場合、使用している間に容易に粒子が損傷を受けたり破壊したりしていた。その結果、均一な研磨ができなくなる上、破壊等した粒子破片によって逆に研磨対象物により多くの傷(引っかき傷:スクラッチ)をつけてしまう、などの問題が頻繁に認められていた。
また、粒子の架橋密度を低下させると、必然的に該粒子の耐溶剤性や耐熱性が従来よりも低下してしまい、不十分となってしまうといった問題もあった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭49−57091号公報
【0006】
【特許文献2】
特開昭50−45852号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平4−211450号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、十分な硬度と適度な柔軟性とを兼ね備えるとともに、耐溶剤性および耐熱性にも優れ、例えば研磨剤用粒子として用いた場合に高精度の均一な研磨が可能な、新規なアミノ樹脂架橋粒子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、特定組成のアミノ系化合物を原料として用いることにより得られるアミノ樹脂架橋粒子であれば、従来同様に架橋密度を高めた状態にしても、十分な粒子硬度のみならず上記特定組成の原料アミノ系化合物の構造に由来する適度な柔軟性をも兼ね備えることが可能で、また、架橋密度を低下させる手段は採らないことから耐溶剤性・耐熱性の低下という問題も無いため、前述の課題を一挙に解消し得ることができ、それを確認して、本発明を完成するに至った。
【0010】
さらに、本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、従来の同粒子に比べて吸油性が高くなることが分かった。これは、従来粒子に比べ、架橋点間距離が長くなっていることにより、粒子内に空隙部分が発生または増加したためであると考えられる。この空隙の存在により、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を、例えば、光拡散剤として使用した場合に、従来粒子には見られなかった優れた光学性能を得ることができる。また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を艶消し剤として用いた場合や、着色して着色剤として使用した場合にも、この空隙により溶媒やバインダー樹脂との親和性が向上し、アミノ樹脂架橋粒子が溶媒やバインダーに容易に均一に分散しやすくなり、優れた艶消し効果や鮮やかな色合いを生み出すことができる。
【0011】
すなわち、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミンおよびシクロへキセンカルボグアナミンからなる群より選ばれる少なくとも1種と下記一般式(1):
【0012】
【化7】
Figure 0004139180
【0013】
(ただし、R1は、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表す。)
で表されるジアミノトリアジン化合物および/または下記一般式(2):
【0014】
【化8】
Figure 0004139180
【0015】
(ただし、R2は、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよい。)
で表されるジアミノトリアジン化合物とを含むアミノ系化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させてなり、平均粒子径が0.1〜20μm、粒子径の標準偏差が10μm以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミンおよびシクロへキセンカルボグアナミンからなる群より選ばれる少なくとも1種と下記一般式(1):
【0016】
【化9】
Figure 0004139180
【0017】
(ただし、R1は、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表す。)
で表されるジアミノトリアジン化合物および/または下記一般式(2):
【0018】
【化10】
Figure 0004139180
【0019】
(ただし、R2は、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよい。)
で表されるジアミノトリアジン化合物とを含むアミノ系化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を乳化して得られる乳濁液に触媒を添加することで前記アミノ樹脂前駆体を硬化させて得られることを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粒子は、ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミンおよびシクロへキセンカルボグアナミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物由来の構造単位と、下記一般式(3):
【0021】
【化11】
Figure 0004139180
【0022】
(ただし、R3は、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表す。)
で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位および/または下記一般式(4):
【0023】
【化12】
Figure 0004139180
【0024】
(ただし、R4は、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよい。)
で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位と、ホルムアルデヒド由来の構造単位とを含んでなり、平均粒子径が0.1〜20μm、粒子径の標準偏差が10μm以下であることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる新規なアミノ樹脂架橋粒子(以下、本発明のアミノ樹脂架橋粒子と称することがある。)について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施し得る。
なお、本明細書においては、本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造過程での粒子状態を、「乳濁液」と「懸濁液」という2つの液状態で表現する。通常の定義によれば、「乳濁液」とは、液体中に液体粒子がコロイド粒子あるいはそれより粗大な粒子として分散して乳状をなすものをいい、「懸濁液」とは、液体中に固体粒子がコロイド粒子または顕微鏡で見える程度の粒子として分散したものをいう。従って、本発明におけるアミノ樹脂架橋粒子の製造過程において、乳化時の状態は乳濁液と、硬化後の状態は懸濁液として表現することがある。また、硬化中においては両形態が並存する場合もあるが、本明細書においては硬化中の状態は懸濁液と表現することがある。
【0026】
以下、本発明のアミノ樹脂架橋粒子の一般的な製造方法を説明し、続いて本発明のアミノ樹脂架橋粒子の物性等について詳細に説明する。
本発明にかかる新規なアミノ樹脂架橋粒子は、後述する特定の組成のアミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることにより得ることができる。より具体的には、例えば、後述する特定の組成のアミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を乳化して得られる乳濁液に触媒を添加することで前記アミノ樹脂前駆体を硬化させることにより得ることができる。一般的には、後述する特定の組成のアミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによりアミノ樹脂前駆体を得る樹脂化工程と、この樹脂化工程により得られたアミノ樹脂前駆体を乳化してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を得る乳化工程と、この乳化工程により得られた乳濁液に触媒を加えて乳化させたアミノ樹脂前駆体の硬化反応を行いアミノ樹脂架橋粒子を得る硬化工程と、を含むアミノ樹脂架橋粒子の製造方法により得られることが好ましい。
【0027】
より具体的には、上記硬化反応を行い、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液を得た後、さらに、当該懸濁液からアミノ樹脂架橋粒子を分離する工程を経る、アミノ樹脂架橋粒子の製造方法から得られることが好ましい。また、上記のアミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液は、反応系から抜き出した後に必要に応じて精製を行って使用することも可能である。
樹脂化工程においては、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることにより、初期縮合反応物たるアミノ樹脂前駆体を得るようにする。アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させるにあたっては、通常、溶媒として水が用いられる。よって、反応形態としては、ホルムアルデヒドを水溶液(ホルマリン)の状態にしたものにアミノ化合物を添加して反応させる方法や、トリオキサンやパラホルムアルデヒドを水に添加して水中でホルムアルデヒドを発生し得るようにした水溶液にアミノ化合物を添加して反応させる方法等が好ましく挙げられ、なかでも、前者の方法が、ホルムアルデヒド水溶液の調整槽が必要ないこと、入手が容易であることなど、経済性の点でより好ましい。
【0028】
また、上記アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの反応形態は、上記アミノ系化合物とホルムアルデヒドとが混合状態で反応する形態であればよく、例えば、ホルムアルデヒドの水溶液にアミノ系化合物を添加する形態以外に、アミノ系化合物にホルムアルデヒドの水溶液を添加する形態であってもよい。
なお、一般的に、上記反応を行う樹脂化工程は、通常公知の撹拌装置等による撹拌下で行うことが好ましい。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子を得るにあたっては、樹脂化工程において、特定の組成を有するアミノ系化合物を原料として用いるようにする。具体的には、特定のアミノ系化合物として、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym.−トリアジン)、シクロへキサンカルボグアナミンおよびシクロへキセンカルボグアナミンからなる群より選ばれる少なくとも1種と、下記一般式(1):
【0029】
【化13】
Figure 0004139180
【0030】
(ただし、R1は、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表す。)
で表されるジアミノトリアジン化合物および/または下記一般式(2):
【0031】
【化14】
Figure 0004139180
【0032】
(ただし、R2は、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよい。)
で表されるジアミノトリアジン化合物とを、必須として含む特定の組成のアミノ系化合物を原料として用いるようにする。なお、上記炭素数1〜2の炭化水素基は2価の炭化水素基であることが好ましく、上記炭素数1〜8の炭化水素基についても2価の炭化水素基であることが好ましい。
【0033】
上記ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym.−トリアジン)、シクロへキサンカルボグアナミンおよびシクロへキセンカルボグアナミンの中では、ベンゾグアナミンが、ベンゼン環と2個の反応基とを有することから初期縮合状態での染色性に優れ、架橋後は可とう性(硬度)、耐汚染性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性に優れているため特に好ましい。これらアミノ系化合物は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
上記一般式(1)で表されるジアミノトリアジン化合物については、R1は、前述のように、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表すとするが、具体的には、R1としては、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH(−CH3)−、−C(=CH2)−を挙げることができる。
【0034】
上記一般式(1)で表されるジアミノトリアジン化合物としては、例えば、3,9−ビス〔2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル〕2,4,8、10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、3,9−ビス〔3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)メチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。なかでも入手が容易な点で、3,9−ビス〔2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル〕2,4,8、10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンが好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0035】
上記一般式(2)で表されるジアミノトリアジン化合物については、R2は、前述のように、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表し、上記芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよいとするが、具体的には、R2としては、R1として上で具体的に列挙した基のほか、−(CH2n−(但し、n=3〜8の整数)、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH=CH−、−(CH22CH(CH3)−、−CH(CH3)−CH(CH3)−、−CH(C25)CH2−、−CH(C37)−、−C(CH3)(C25)−、−CH=CH−CH=CH−、−(CH23CH(CH3)−、−(CH22CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH=CH2)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH2CH(CH3)−、−CH(C25)(CH22−、−CH2CH(C25)CH2−、−CH(C37)CH2−、−CH(C49)−、−CH2C≡CCH(CH3)−、−C(C252−、−C(CH3)(C37)−、−CH=CH−CH2CH(CH3)−、−(CH24CH(CH3)−、−(CH22CH(CH3)(CH22−、−CH2CH=CHCH2CH(CH3)−、−CH(CH3)(CH22CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH(CH3)CH(CH3)−、−(CH22C≡C(CH22−、−CH(C25)CH(CH3)CH2−、−CH(C25)CH(C25)−、−CH(C37)(CH22−、−CH2CH(C37)CH2−、−CH2CH(C≡CH)(CH22−、−CH(C49)CH2−、−C(CH3)(C49)−、−CH(C511)−、−C(C25)(C37)−、−(CH22CH(CH3)(CH23−、−CH2CH(CH3)CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)CH(CH3)CH(CH3)−、−CH(C25)CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH(C25)CH(C25)−、−CH2C(C252CH2−、−CH2CH(C37)(CH22−、−CH2CH(C37)CH(CH3)−、−CH(C25)CH(C37)−、−CH(CH3)−CH(C49)−、−CH2CH(C511)−、−CH2CH=CH(CH24−、−CH2CH=CHCH2CH=CHCH2−、−CH2C≡CCH2CH(C25)−、−(CH25CH(CH3)−、−CH2CH(C25)CH2CH(C25)−、−CH2CH(C37)C(CH32−、−CH2C(CH3)(C25)−C(CH32−、−CH(CH3)C(C37)(CH22−、−CH2C(C25)(C37)CH2−、−CH(CH3)CH(C511)−、−C(C25)(C511)−、−CH2CH(CH=CH2)CH2CH=CH−CH2−、−CH2C≡C−CH(C25)CH(CH3)−、下記式(a)〜(n):
【0036】
【化15】
Figure 0004139180
【0037】
【化16】
Figure 0004139180
【0038】
【化17】
Figure 0004139180
【0039】
【化18】
Figure 0004139180
【0040】
【化19】
Figure 0004139180
【0041】
【化20】
Figure 0004139180
【0042】
【化21】
Figure 0004139180
【0043】
【化22】
Figure 0004139180
【0044】
【化23】
Figure 0004139180
【0045】
【化24】
Figure 0004139180
【0046】
【化25】
Figure 0004139180
【0047】
【化26】
Figure 0004139180
【0048】
【化27】
Figure 0004139180
【0049】
【化28】
Figure 0004139180
【0050】
などを挙げることができる。
上記一般式(2)で表されるジアミノトリアジン化合物としては、例えば、アジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、スクシノグアナミン、マロノグアナミン、グルタログアナミンなどを挙げることができる。なかでも入手が容易な点で、アジポグアナミンおよびメチルグルタログアナミンが好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記特定のアミノ系化合物の、使用する全アミノ系化合物中の好ましい含有割合は、以下のとおりである。すなわち、使用するアミノ系化合物全体中、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミンおよびシクロヘキセンカルボグアナミンの合計と、上記一般式(1)で表されるジアミノトリアジン化合物および上記一般式(2)で表されるジアミノトリアジン化合物の合計とを合わせた量は、特に限定はされないが、例えば、60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上、最も好ましくは100重量%である。60重量%以上であることによって、耐熱性、耐溶剤性の優れたアミノ樹脂架橋粒子が得られる等の効果が発揮される。
【0051】
また、上記特定のアミノ系化合物については、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミンおよびシクロヘキセンカルボグアナミンの合計と、上記一般式(1)で表されるジアミノトリアジン化合物および上記一般式(2)で表されるジアミノトリアジン化合物の合計との配合比(モル比)「(ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミンおよびシクロヘキセンカルボグアナミンの合計)/(上記一般式(1)で表されるジアミノトリアジン化合物および上記一般式(2)で表されるジアミノトリアジン化合物の合計)」は、1/4.0〜1/0.03であることが好ましく、より好ましくは1/2.0〜1/0.05、さらに好ましくは1/0.50〜1/0.05である。上記配合比が1/4未満であると、乳化させたアミノ樹脂前駆体(粒子)の乳濁状態が不安定となるおそれがあり、1/0.03を超える場合は、得られるアミノ樹脂架橋粒子の耐衝撃性が不十分となるおそれがある。
【0052】
なお、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミンおよびシクロヘキセンカルボグアナミンについては、これらの少なくとも1種を用いればよいので、それぞれの配合比については、特に限定はされず、適宜設定することができるが、配合比(モル比)「ベンゾグアナミン(モル)/シクロヘキサンカルボグアナミン(モル)/シクロヘキセンカルボグアナミン(モル)」は、0.2〜1/0〜0.8/0〜0.8であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1/0〜0.5/0〜0.5である。
同様に、上記一般式(1)で表されるジアミノトリアジン化合物と上記一般式(2)で表されるジアミノトリアジン化合物とについては、これらの少なくとも一方を用いればよいので、両者の配合比については、特に限定はされず、適宜設定することができるが、配合比(モル比)「上記一般式(1)で表されるジアミノトリアジン化合物(モル)/上記一般式(2)で表されるジアミノトリアジン化合物(モル)」は、0.2/0.8以上であることが好ましく、より好ましくは0.5/0.5以上である。配合比が0.2/0.8未満であると、乳化させたアミノ樹脂前駆体(粒子)の乳濁状態が不安定になるおそれがある。
【0053】
また、原料としてのアミノ系化合物としては、上に述べた特定のアミノ系化合物以外のアミノ系化合物(他のアミノ系化合物)を用いることもできる。他のアミノ系化合物としては、例えば、メラミン、パラトルエンスルホンアミド等が挙げられる。他のアミノ系化合物を用いる場合、その使用量は、上記特定のアミノ系化合物を用いることによる前述した効果を極端に妨げない範囲で適宜設定することができる。
樹脂化工程において反応させる特定組成のアミノ系化合物とホルムアルデヒドとのモル比(アミノ系化合物(モル)/ホルムアルデヒド(モル))は、1/4.0〜1/1.5であることが好ましく、1/3.8〜1/1.8であることがより好ましく、1/3.6〜1/2であることがさらに好ましい。上記モル比が1/4.0未満であると、ホルムアルデヒドの未反応物が多くなるおそれがあり、1/1.5を超える場合は、アミノ系化合物の未反応物が多くなるおそれがある。
【0054】
なお、水を溶媒として用いた場合に、水に対するアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの添加量、すなわち、仕込み時点におけるアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの濃度は、反応に支障の無い限りにおいて、より高濃度であることが望ましい。より具体的には、後述する乳化工程において、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の濃度が30〜60重量%の範囲内となるように、反応液を乳化剤の水溶液に添加する若しくは反応液に乳化剤や乳化剤の水溶液を添加することができる濃度であればよい。
アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを水中で反応させることにより、いわゆる初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を得ることができる。本発明でいうアミノ樹脂前駆体とは、メタノール混和度(重縮合率の度合の指標)が400%以下の初期縮合物であることが好ましく、より好ましくは200%以下である。なお、ここでいうメタノール混和度は、樹脂化工程における反応で得られる初期縮合物2gをメタノール5gに溶解した後25℃に保ちながら水を滴下した場合に、白濁を生じさせるのに要した水の重量と初期縮合物との重量比「水(g)/初期縮合物(g)」に100を乗じた値である。上記メタノール混和度が400%を超えると、親水性が大きくなりすぎて単分散したアミノ樹脂前駆体の粒子が得られにくくなるおそれがある。また、初期縮合物たるアミノ樹脂前駆体の重縮合率の度合は、上記メタノール混和度のほか、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)、LC(液体クロマトグラフィー)およびアセトン混和度などでも管理でき、なかでも操作性や再現性等からアセトン混和度での管理が好ましい。具体的には、アセトン混和度が50〜500%の初期縮合物であることが好ましく、より好ましくは100〜300%である。なお、アセトン混和度とは、上記メタノール混和度と同様に、樹脂化工程における反応で得られる初期縮合物2gをアセトン5gに溶解した後25℃に保ちながら水を滴下した場合に、白濁を生じさせるのに要した水の重量と初期縮合物との重量比「水(g)/初期縮合物(g)」に100を乗じた値である。上記アセトン混和度が500%を超えると、親水性が大きくなりすぎて単分散したアミノ樹脂前駆体の粒子が得られにくくなるおそれがあり、50%未満の場合は、球状粒子になりにくくなるおそれがある。
【0055】
アミノ樹脂前駆体を得る反応時の反応温度は、上述したメタノール混和度やアセトン混和度により、反応の進行状態を即時的に把握し所望の反応終点(目標点)を正確に見極めることができるように、95〜98℃の温度範囲内であることが好ましく、所望の反応終点が認められた時点で、反応液を冷却する等の操作により終了すればよい。これにより、アミノ樹脂前駆体を含む反応液が得られる。また、反応時間は、特に限定されるものではない。
樹脂化工程において得られたアミノ樹脂前駆体については、該アミノ樹脂前駆体を構成する特定組成のアミノ系化合物由来の構造単位とホルムアルデヒド由来の構造単位とのモル比(アミノ系化合物由来の構造単位(モル)/ホルムアルデヒド由来の構造単位(モル))が、1/4.0〜1/1.5であることが好ましく、1/3.8〜1/1.8であることがより好ましく、1/3.6〜1/2であることがさらに好ましい。上記モル比を上記範囲内とすることにより、粒度分布の狭い粒子を得ることができる。
【0056】
アミノ樹脂前駆体は、通常、アセトンやジオキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の有機溶媒に対して可溶であるが、水に対して実質的に不溶である。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法にあっては、樹脂化工程により得られるアミノ樹脂前駆体のメタノール混和度やアセトン混和度の値を上述の好ましい範囲内で大きくすることにより、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の粒子径を小さくすることができる。
【0057】
乳化工程においては、樹脂化工程により得られたアミノ樹脂前駆体を乳化してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を得るようにする。乳化するにあたっては、例えば、保護コロイドを構成し得る乳化剤を用いることが好ましい。
上記乳化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、水溶性ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドンなどを用いることができる。これら乳化剤は、全量が水に溶解させた水溶液の状態で用いてもよいし、その一部を水溶液の状態で用い、残りをそのままの状態(例えば粉体状、顆粒状、液状など)で用いるようにしてもよい。上に例示した乳化剤のなかでも、乳濁液の安定性、触媒との相互作用等を考慮すると、ポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールは、完全ケン化物であってもよく、部分ケン化物であってもよい。また、ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではない。上記樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体に対する乳化剤の使用量が多い程、生成する粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。乳化剤の使用量は、上記樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがより好ましい。該使用量が上記範囲を外れると、乳濁液の安定性が乏しくなるおそれがある。
【0058】
乳化工程では、例えば、乳化剤の水溶液に、アミノ樹脂前駆体の濃度(つまり、固形分濃度)が30〜60重量%の範囲内となるように上記樹脂化工程で得られた反応液を添加した後、50〜100℃の温度範囲内で乳濁させることが好ましく、より好ましくは60〜100℃、さらに好ましくは70〜95℃である。乳化剤の水溶液の濃度は、特に限定されるものではなく、アミノ樹脂前駆体の濃度を上記範囲内に調節することができる濃度であればよい。上記アミノ樹脂前駆体の濃度が30重量%未満であると、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下するおそれがあり、60重量%を超えると、得られるアミノ樹脂架橋粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまうおそれがあり、アミノ樹脂架橋粒子の粒子径を制御することができなくなるため、粒度分布の広いアミノ樹脂架橋粒子となるおそれがある。
【0059】
乳化工程における撹拌方法としては、より強力に撹拌することができる装置(高せん断力を有する装置)を用いる方法、具体的には、例えば、いわゆる高速撹拌機やホモミキサーや、TKホモミキサー(特殊機化工業(株)製)、高速ディスパー、エバラマイルザー((株)荏原製作所製)、高圧ホモジナイザー((株)イズミフードマシナリ製)、スタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテッド製)などを用いる方法が好ましい。
乳化工程においては、樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体を、所定の粒子径となるまで乳化を促進させることが好ましく、該所定の粒子径は、最終的に所望の粒子径のアミノ樹脂架橋粒子が得られるよう適宜設定すればよい。具体的には、容器や撹拌翼の種類、撹拌速度、撹拌時間、乳化温度などを適宜考慮することにより、乳化した(乳濁状態の)アミノ樹脂前駆体の平均粒子径が0.1〜30μmとなるよう乳化を行うことが好ましく、より好ましくは0.5〜25μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。アミノ樹脂前駆体を上記粒子径範囲となるよう乳化させることよって、最終的に後述する所望の粒子径範囲のアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。
【0060】
上記の乳化したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(乳化によって得られた乳濁液中に分散したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径)は、後述の実施例で記載するコールターマルチサイザーII型を用いて測定した値である。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子を得るにあたっては、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することをより確実に防止するために、必要に応じて、上記乳化工程後に得られた乳濁液に無機化合物からなる粒子(以下、無機粒子と称する。)を添加しておくことができる。すなわち、上記乳化工程後に得られた乳濁液に無機粒子を添加した後で後述する触媒(硬化触媒)を添加して硬化工程を行うようにすることができる。このように無機粒子を添加しておくことによって、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子は、表面に該無機粒子が固着した粒子となる。
【0061】
無機粒子としては、具体的には、例えば、シリカ微粒子、導電性カーボン粉、ジルコニア微粒子、アルミナ、アルミナゾル、セリエゾル、マイカ等を好ましく挙げることができる。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、入手が容易である等の点で、シリカ微粒子、導電性カーボン粉がより好ましい。
無機粒子の比表面積は10〜400m2/gであることが好ましく、より好ましくは20〜350m2/g、さらに好ましくは30〜300m2/gである。無機粒子の粒子径は、特に限定はされないが、乳化したアミノ樹脂前駆体の粒子径の0.001〜0.1倍であることが好ましい。具体的には、無機粒子の粒子径は、0.001〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.005〜1μm、さらに好ましくは0.01〜0.5μmである。比表面積や粒子径が上記範囲内であれば、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することを防止するのに、より一層優れた効果を発揮することができる。なお、無機粒子の粒子形状は、特に限定されるわけではなく、球状の他に、板状や鱗片状、棒状、繊維状等の各種形状であってもよい。
【0062】
乳濁液に無機粒子を添加する方法としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、無機粒子をそのままの状態(粒子状)で添加する方法や、無機粒子を水に分散させた分散液の状態で添加する方法などが挙げられる。乳濁液に対する無機粒子の添加量は、乳濁液に含まれるアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜28重量部、さらに好ましくは3〜25重量部である。1重量部未満であると、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することを十分防止することができないおそれがあり、30重量部を超える場合は、無機粒子のみの凝集物が発生するおそれがある。また、無機粒子を添加した際の撹拌方法としては、前述の強力に撹拌することができる装置(高せん断力を有する装置)を用いる方法が無機粒子をアミノ樹脂架橋粒子に強固に固着させるという点で好ましい。
【0063】
硬化工程においては、上記乳化工程により得られた乳濁液に触媒(詳しくは硬化触媒)を加え、乳化させたアミノ樹脂前駆体の硬化反応を行う(アミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる)ことによりアミノ樹脂架橋粒子(詳しくは、アミノ樹脂架橋粒子の懸濁液)を得るようにする。
上記触媒(硬化触媒)としては酸触媒が好適である。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸;これら鉱酸のアンモニウム塩;スルファミン酸;ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類;フタル酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸等の有機酸;が使用できる。上記例示の酸触媒のうち、硬化速度の点で鉱酸が好ましく、さらに、装置への腐食性、鉱酸使用時の安全性等の点で、硫酸がより好ましい。また、上記触媒として硫酸を用いる場合、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸を用いる場合に比べて、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色しない又は耐溶剤性が高いといった点で好ましい。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。上記触媒の使用量としては、上記乳化工程により得られる乳濁液中のアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜4.5重量部、さらに好ましくは0.5〜4.0重量部である。触媒の使用量が5重量部を超えると、乳濁状態が破壊され、粒子同士が凝集してしまうおそれがあり、0.1重量部未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。また、同様に、上記触媒の使用量としては、原料化合物として用いたアミノ系化合物1モルに対して0.002モル以上であることが好ましく、より好ましくは0.005モル以上、さらに好ましくは0.01〜0.1モルである。触媒の使用量がアミノ系化合物1モルに対して0.002モル未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。
【0064】
硬化工程における硬化反応は、好ましくは15(常温)〜80℃、より好ましくは20〜70℃、さらに好ましくは30〜60℃で、少なくとも1時間保持した後、常圧または加圧下で好ましくは60〜150℃、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜100℃の範囲の温度で行うことが好ましい。硬化反応の反応温度が、60℃未満であると、硬化が十分に進行せず、得られたアミノ樹脂架橋粒子の耐溶剤性や耐熱性が低下するおそれがあり、150℃を超える場合は、強固な加圧反応器が必要となり、経済的でない。
硬化反応の終点は、サンプリングまたは目視によって判断すればよい。また、硬化反応の反応時間は、特に限定されない。
【0065】
硬化工程における撹拌方法としては、通常公知の撹拌装置などによる撹拌下で行うことが好ましい。
硬化工程においては、乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を硬化させて得られるアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径を、0.1〜30μmとすることが好ましく、より好ましくは0.5〜25μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子を得るにあたっては、乳濁液に、染料を水に溶解してなる水溶液を添加する着色工程を含むことができる。
アミノ樹脂前駆体やアミノ樹脂架橋粒子は、染料との親和性に優れている。得られた乳濁液に着色工程にて添加される染料は、水に溶解する染料、即ち、水溶性の染料であれば好ましく使用できる。水溶性染料としては、具体的には、ローダミンB、ローダミン6GCP(以上、住友化学工業株式会社製)、メチルバイオレットFN、ビクトリアブルーFN等の塩基性染料;キノリンイエローSS−5G、キノリンイエローGC(以上、中央合成化学株式会社製)、アシッドマゼンタO、メチルバイオレットFB、ビクトリアブルーFB等の酸性染料;等が挙げられる。これら染料は、単独で用いてもよく、また.2種類以上を併用してもよい。
【0066】
水溶液における染料の濃度は、特に限定されるものではないが、0.1〜5重量%の範囲内であることがより好ましく、1〜3重量%の範囲内であることがさらに好ましい。染料の濃度が0.1重量%未満であると、添加する水溶液の量が多量となるので、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の濃度が5重量%を超えると、乳濁液の安定性が低下するので、得られるアミノ樹脂架橋粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりする場合がある。尚、染料を水に溶解してなる水溶液の調製方法、および、水溶液を乳濁液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではない。
【0067】
また、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を得るにあたっては、前記樹脂化工程で得られた反応液に、染料を水に分散してなる分散液を添加する前段着色工程を含むことができる。
前記染料は、水に分散する染料、即ち、油溶性の染料であれば好ましく使用できる。油溶性染料としては、具体的には、オイルオレンジB、オイルブルーBA(以上、中央合成化学株式会社製)、アゾソールブリリアントイエロー4GF、アゾソールファストブルーGLA、オイルレッドTR−71等の溶剤可溶染料;ファストイエローYL、ファストブルーFG、セリトンピンクFF3B、セリトンピンク3B等の分散染料;等が挙げられる。これら染料は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
【0068】
なお、油溶性染料を水に分散してなる分散液を樹脂化工程で得られた反応液に添加する前段着色工程と、前記乳濁液に染料を水に溶解してなる水溶液を添加する着色工程とは、その一方のみを行ってもよいし、あるいは両工程を併用してもよいが、併用を行う方が、より一層充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調がより一層揃ったアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる点で好ましい。
油溶性染料を水に分散してなる分散液における染料の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜50重量%の範囲内であることがより好ましく、20〜40重量%の範岡内であることがさらに好ましい。染料の含有量が1重量%未満であると、添加する分散液の量が多量となるので、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の含有量が50重量%を超えると、分散液の流動性が低下するので、添加時における取り扱い性が低下して添加に手間がかかる場合がある。また、油溶性の染料は水に対する濡れ性が乏しいため、該染料を水に分散する際には、必要に応じて、分散助剤を使用することもできる。尚、染料を水に分散してなる分散液の調製方法、および、分散液を反応液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではない。
【0069】
油溶性染料を水に分散してなる分散液を添加した後の上記反応液(溶液)は、例えば炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリ剤を用いて、そのpHを6〜12の範囲内、より好ましくは7〜9の範囲内に調節することが好ましい。これにより、硬化工程におけるアミノ樹脂前駆体の縮合・硬化を充分に制御することができる。アルカリ剤の使用量等は、特に限定されるものではない。また、アルカリ剤は、水溶液の状態で反応液に添加・混合する方法が好適であるが、該方法は、特に限定されるものではない。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子を得るにあたっては、上記硬化工程により得られたアミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液の中和を行う中和工程を含むことができる。中和工程は、上記硬化工程において、硬化触媒として硫酸等の酸触媒を用いた場合に行うことが好ましい。中和工程を行うことにより、上記酸触媒を取り除くこと(具体的には酸触媒を中和すること)ができ、例えば、後述する加熱工程などにおいてアミノ樹脂架橋粒子を加熱した場合に、アミノ樹脂架橋粒子の変色(例えば、黄色に変色)を抑制することができる。また、着色されたアミノ樹脂架橋粒子の場合にも黄変抑制に効果があり、耐熱性に優れた鮮やかな着色粒子を得る上で上記中和工程は好ましい実施形態である。
【0070】
中和工程でいう「中和」とは、アミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液のpHを5以上とすることが好ましく、より好ましくはpHを5〜9にすることである。該懸濁液のpHが5未満である場合には、酸触媒が残っているので後述する加熱工程などにおいて、アミノ樹脂架橋粒子が変色する。上記中和により該懸濁液のpHを上記範囲内に調節することにより、硬度が高く、耐溶剤性や耐熱性に優れ、かつ、変色のないアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。
中和工程において用いることのできる中和剤としては、例えば、アルカリ性物質が好適である。該アルカリ性物質としては、例えば、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアが挙げられるが、なかでも取り扱いが容易である点で、水酸化ナトリウムが好ましく、水酸化ナトリウム水溶液が好適に用いられる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0071】
本発明のアミノ樹脂架橋粒子を得るにあたっては、硬化工程後あるいは中和工程後に得られるアミノ樹脂架橋粒子の懸濁液から、該アミノ樹脂架橋粒子を取り出す分離工程を含むことができる。
アミノ樹脂架橋粒子を懸濁液から取り出す方法(分離方法)としては、濾別する方法や遠心分離機等の分離機を用いる方法が簡便な方法として挙げられるが、特に限定されるわけではなく、通常公知の分離方法を用いることができる。なお、懸濁液から取り出した後のアミノ樹脂架橋粒子は、必要に応じて、水等で洗浄してもよい。
【0072】
本発明のアミノ樹脂架橋粒子を得るにあたっては、分離工程を経て取り出したアミノ樹脂架橋粒子を、130〜190℃の温度で加熱する加熱工程を行うことが好ましい。加熱工程を行うことによって、アミノ樹脂架橋粒子に付着している水分および残存しているホルムアルデヒドを除去することができ、かつ、アミノ樹脂架橋粒子内の縮合(架橋)をさらに促進させることができる。上記加熱温度が130℃より低い場合には、アミノ樹脂架橋粒子内の縮合(架橋)を十分に促進させることができず、アミノ樹脂架橋粒子の硬度、耐溶剤性および耐熱性を向上させることができないおそれがあり、190℃を越える場合は、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色するおそれがある。上述した中和工程を行った場合であっても、加熱温度が上記温度範囲外である場合の影響は同様である。中和工程を行った上で、アミノ樹脂架橋粒子の加熱温度を上記範囲内とすることにより、硬度が高く、耐溶剤性および耐熱性に優れ、かつ、変色のないアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。
【0073】
加熱工程における加熱の方法については、特に限定されるものではなく、通常公知の加熱方法を用いればよい。
加熱工程は、例えば、アミノ樹脂架橋粒子の含水率が3重量%以下となった段階で終了すればよい。また、加熱時間は、特に限定はされない。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子を得るにあたっては、上記加熱工程後、必要に応じて、粉砕(解砕)・分級等の工程を行うことにより、例えば、平均粒子径が10μm以下の粒子を得ることができる。
以上述べた製造方法によれば、研磨剤や光拡散剤などに有用なアミノ樹脂架橋粒子を安定的に安価に製造することができる。
【0074】
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径は、特に限定はされないが、具体的には、0.1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜15μmである。上記平均粒子径が、0.1μm未満であると、研磨剤として使用した場合に、粒子が研磨パッドの目の中に入り込み、研磨できなくなるおそれがあり、また、塗料用艶消し剤として使用した場合に、つや消し効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、20μmを超える場合は、研磨剤として使用した場合の研磨精度が悪くなるおそれがある。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径の標準偏差については、10μm以下であることが好ましく、より好ましくは4μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。上記標準偏差が10μmを超える場合は、粒度分布が広くなり、着色されたアミノ樹脂架橋粒子の場合であると、着色剤として使用した場合に鮮やかさに欠けるおそれがある。
【0075】
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の平均粒子径やその標準偏差が、上記範囲内となるよう、例えば、上記乳化工程や硬化工程、さらには加熱工程などにおいて適宜処理条件や反応条件を設定すればよい。
なお、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を構成するアミノ樹脂の架橋度や平均分子量、分子量分布等は、特に限定されるものではない。
本発明のアミノ樹脂架橋粒子を構成するアミノ樹脂については、上述した特定組成のアミノ系化合物由来の構造単位と、ホルムアルデヒド由来の構造単位とを含有するが、上述した特定組成のアミノ系化合物由来の構造単位と、ホルムアルデヒド由来の構造単位とのモル比は、該アミノ系化合物由来の構造単位1モルに対するホルムアルデヒド由来の構造単位のモル数が、1.05〜3モルであることが好ましく、より好ましくは1.1〜2.5モルである。上記モル数が1.05モル未満であると、得られたアミノ樹脂架橋粒子の架橋度が低くなり、耐熱性、耐溶剤性が低くなるおそれがあり、3モルを超える場合は、得られたアミノ樹脂架橋粒子の硬化が十分でなく、耐熱性、耐溶剤性が低くなるおそれがある。
【0076】
さらに、詳しくは、本発明のアミノ樹脂架橋粒子を構成するアミノ樹脂については、下記▲1▼〜▲3▼の構造単位、すなわち、▲1▼ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミンおよびシクロへキセンカルボグアナミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物由来の構造単位、▲2▼下記一般式(3):
【0077】
【化29】
Figure 0004139180
【0078】
(ただし、R3は、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表す。)
で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位および/または下記一般式(4):
【0079】
【化30】
Figure 0004139180
【0080】
(ただし、R4は、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよい。)
で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位、▲3▼ホルムアルデヒド由来の構造単位を含有するが、アミノ系化合物由来の構造単位である上記▲1▼の構造単位と上記▲2▼の構造単位とのモル比「上記▲1▼の構造単位(モル)/上記▲2▼の構造単位(モル)」は、1/4.0〜1/0.03であることが好ましく、より好ましくは1/2.0〜1/0.05、さらに好ましくは1/0.50〜1/0.05である。上記モル比が1/4.0未満であると、アミノ樹脂架橋粒子の粒度分布が広くなるおそれがあり、1/0.03を超える場合は、適度に柔軟性を有するようにすることができず、全体として耐衝撃性に劣るアミノ樹脂架橋粒子となるおそれがある。なお、上記炭素数1〜2の炭化水素基は2価の炭化水素基であることが好ましく、上記炭素数1〜8の炭化水素基についても2価の炭化水素基であることが好ましい。
【0081】
なお、上記▲1▼の構造単位に関し、ベンゾグアナミン由来の構造単位、シクロヘキサンカルボグアナミン由来の構造単位およびシクロヘキセンカルボグアナミン由来の構造単位については、これらの少なくとも1種を有していればよいので、それぞれのモル比については、特に限定はされず、適宜設定することができるが、該モル比「ベンゾグアナミン由来の構造単位(モル)/シクロヘキサンカルボグアナミン由来の構造単位(モル)/シクロヘキセンカルボグアナミン由来の構造単位(モル)」は、0.1〜1/0〜0.9/0〜0.9であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1/0〜0.8/0〜0.8である。
【0082】
同様に、上記▲2▼の構造単位に関し、上記一般式(3)で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位(詳しくは、上記一般式(1)で表されるジアミノトリアジン化合物に由来する構造単位)と、上記一般式(4)で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位(詳しくは、上記一般式(2)で表されるジアミノトリアジン化合物に由来する構造単位)とについては、これらの少なくとも一方を有していればよいので、両者のモル比については、特に限定はされず、適宜設定することができるが、該モル比「上記一般式(3)で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位(モル)/上記一般式(4)で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位(モル)」は、0.2/0.8以上であることが好ましく、より好ましくは0.5/0.5以上である。上記モル比が0.2/0.8未満であると、得られたアミノ樹脂架橋粒子の柔軟性が不十分となるおそれがある。
【0083】
本発明のアミノ樹脂架橋粒子は、上述したような性能や物性を有するものであり、従来と同様に、例えば、研磨剤、艶消し剤、光拡散剤、各種フィルム用コーティング剤;ポリオレフィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤;レオロジーコントロール剤や着色剤などの用途分野に用いることができる。なかでも、本発明のアミノ樹脂架橋粒子が有する十分な硬度と適度な柔軟性に着目すると、該アミノ樹脂架橋粒子は研磨剤の用途分野に好ましく用いることができる。また、前述したような優れた吸油性、粒子内の空隙部分の存在により、溶媒やバインダーとの親和性が高いことに着目すると、艶消し剤や着色剤としての用途分野に用いることも好ましい。
【0084】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と記すことがある。また、「リットル」を単に「L」と記すことがある。
[実施例1]
撹拌機、還流冷却機および温度計等を備えた容量10Lの反応釜に、アミノ系化合物としてのベンゾグアナミン2100g(11.2モル)と3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(以下「CTUG」と称する。)900g(2.1モル)、濃度37重量%のホルマリン2500g(ホルムアルデヒド30.8モル)と、炭酸ナトリウム10重量%水溶液10g(炭酸ナトリウム0.01モル)とを仕込み、撹拌しながら昇温させて、95℃で反応させた。
【0085】
そして、反応液のアセトン混和度が280%となった時点(反応開始から5時間後)で、この反応液を冷却することによって、樹脂化工程を終了した。これにより、ベンゾグアナミンおよびCTUGとホルムアルデヒドとの初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液を得た。
次に、還流冷却器、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製の撹拌機)、温度計等を備えた容量20Lの反応釜に、乳化剤としてのポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、製品名:PVA205)120gを水2000gに溶解してなる水溶液を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温させた。そして、この反応釜に、樹脂化工程で得られた反応液を添加した後、液温を77℃に昇温させて、77℃に維持しながら、内容物を回転速度9000rpmで激しく撹拌し、アミノ樹脂前駆体を乳濁させることにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が53重量%の乳濁液を得、乳濁工程を終了した。得られた乳濁液における乳濁状態のアミノ樹脂前駆体をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は10.1μmであり、粒子径の標準偏差は6μm以下であった。
【0086】
次いで、この乳濁液に常温の水5000gを投入した後、撹拌しながら得られた乳濁液を30℃に冷却した。
続いて、冷却した乳濁液に、無機化合物の水分散体として、アエロジール200(日本アエロジル(株)製)の10重量%水分散体1480gを添加し、回転速度を7000rpmで激しく撹拌した。
次いで、触媒として、硫酸40g(0.4モル)を純水1200gに溶解してなる水溶液を上記乳濁液に添加し(内容物の温度は30℃)、撹拌しながら90℃になるまで10℃/hrで昇温させた。90℃に達した後、この温度で1時間保持して乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させ、アミノ樹脂架橋粒子とし、硬化工程を終了した。従って、反応時間は合計7時間である。
【0087】
硬化工程で得られたアミノ樹脂架橋粒子の懸濁液を30℃に冷却した後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてこの懸濁液のpHを7.5に調節し、中和工程を終了した。
中和工程の後、濾別により懸濁液からアミノ樹脂架橋粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂架橋粒子を、150℃で3時間加熱処理した後、乳鉢に入れ、乳棒で軽く力を加えることにより、均一に解砕させることができ、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。得られた白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は10.5μmであり、粒子径の標準偏差は6μmであった。得られた白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子の粒子硬度は8MPaであった。
【0088】
なお、粒子硬度は、微小圧縮試験機により測定するものとし、このような装置として島津微小圧縮試験機MCTM/MCTEシリーズ(島津製作所社製)がある。具体的には、圧縮速度0.27g/secで変位させる場合の強度を算出する。測定原理は、得られたアミノ樹脂架橋粒子1個を上記装置の上部加圧圧子(標準は50μm径の平面圧子)と下部加圧板との間に配置し、粒子に電磁力による一定増加割合(上記圧縮速度)での押圧力を与え、アミノ樹脂架橋粒子の変位量(具体的には10%変位)とそのときの荷重(押圧力)とを測定することで下記式に従って算出する。また、粒子硬度は、粒子径が10±1μmの粒子5個を測定したときの平均粒子硬度として求めた。
【0089】
St=2.8P/πd2
(式中、St:粒子硬度(MPa)、P:粒子の10%変位時の荷重(N)、d:粒子径(m))
次に、得られたアミノ樹脂架橋粒子とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとを水に添加してスラリーを得た。なお、アミノ樹脂架橋粒子は10重量%となるように、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは1重量%となるように添加した。上記スラリーを高速ディスパーを用いて撹拌し、アミノ樹脂架橋粒子の水分散体を得た。この水分散体を用い、シリコンウエハ上にCVD法によりSiO2膜を約2μm厚となるように製膜した基盤に対して、下記研磨条件および評価方法による、該SiO2膜表面の研磨試験を行ったところ、製品品質低下に影響を及ぼす傷(引っかき傷:スクラッチ)が全く認められない高精度の均一な研磨をすることができた。
【0090】
<研磨条件>
研磨装置 :枚葉式片面研磨機
研磨圧力 :150g/cm2
回転数 :80rpm
研磨パッド:硬質ポリウレタンパッド
研磨速度 :0.2μm/min
<研磨後の評価>
研磨した表面を水洗後、顕微鏡(倍率:100倍)で傷の有無を確認した。傷が多い場合はそれも合わせて評価した。
【0091】
さらに、得られたアミノ樹脂架橋粒子の吸油性を評価するため、アミノ樹脂架橋粒子100gあたりの吸油量(ml)を測定した。測定方法は、JIS K5101に準拠した。その結果、アミノ樹脂架橋粒子100gあたりの吸油量は98mlであった。
[実施例2]
ベンゾグアナミンを2700g(14.4モル)、CTUGを300g(0.7モル)、濃度37重量%のホルマリンを2700g(33.3モル)とし、乳化時のホモミキサー(特殊機化工業(株)製の撹拌機)の回転数を6000rpmとした以外は実施例1と同様の樹脂化工程および乳化工程を行うことにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が53重量%の乳濁液を得た。得られた乳濁液における乳濁状態のアミノ樹脂前駆体をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は9.8μmであった。この乳濁液を用い、アエロジール200の10重量%水分散体の代わりに酸化アルミニウムC(日本アエロジル(株)製)の10重量%水分散体2900gを添加した以外は、実施例1と同様の硬化工程および中和工程等を行うことにより、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。得られた白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は10.1μmであり、粒子径の標準偏差は6μmであった。また、得られた白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子の粒子硬度を実施例1と同様の方法により測定したところ20MPaであった。なお、該粒子硬度は、粒子径が10±1μmの粒子5個について測定したときの平均粒子硬度として求めた。
【0092】
次に、実施例1と同様の手順で、得られたアミノ樹脂架橋粒子の水分散体を調製し、同様の条件下での研磨を行ったところ、製品品質低下に影響を及ぼす傷(引っかき傷:スクラッチ)が全く認められない高精度の均一な研磨をすることができた。
さらに、実施例1と同様の手順で、得られたアミノ樹脂架橋粒子100gあたりの吸油量を測定したところ89mlであった。
[比較例1]
ベンゾグアナミンを3000g(16.0モル)、濃度37重量%のホルマリンを2800g(34.5モル)とし、CTUGを使用しなかった以外は実施例1と同様の樹脂化工程、乳化工程、硬化工程、中和工程等を行うことにより白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。得られた白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径は9.0μmであり、粒子径の標準偏差は6μmであった。また、得られた白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子の粒子硬度を実施例1と同様の方法により測定したところ40MPaであった。なお、該粒子硬度は、粒子径が10±1μmの粒子5個について測定したときの平均粒子硬度として求めた。
【0093】
次に、実施例1と同様の手順で、得られたアミノ樹脂架橋粒子の水分散体を調製し、同様の条件下での研磨を行ったところ、製品品質低下に影響を及ぼす傷(引っかき傷:スクラッチ)が多く認められ、高精度の研磨をすることができなかった。
さらに、実施例1と同様の手順で、得られたアミノ樹脂架橋粒子100gあたりの吸油量を測定したところ84mlであった。
[比較例2]
撹拌機、還流冷却機および温度計等を備えた容量10Lの反応釜に、アミノ系化合物としてのベンゾグアナミン1950g(10.4モル)とパラトルエンスルホンアミド1050g(6.1モル)、濃度37重量%のホルマリン2600g(ホルムアルデヒド32.1モル)と、炭酸ナトリウム10重量%水溶液10g(炭酸ナトリウム0.01モル)とを仕込み、撹拌しながら昇温させて、95℃で反応させた。
【0094】
そして、反応液のアセトン混和度が280%となった時点で、この反応液を冷却することによって、樹脂化工程を終了した。これにより、ベンゾグアナミンおよびパラトルエンスルホンアミドとホルムアルデヒドとの初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液を得た。
次に、還流冷却器、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製の撹拌機)、温度計等を備えた容量20Lの反応釜に、乳化剤としてのポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、製品名:PVA205)120gを水2000gに溶解してなる水溶液を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温させた。そして、この反応釜に、樹脂化工程で得られた反応液を添加した後、液温を77℃に昇温させて、77℃に維持しながら、内容物を回転速度7000rpmで激しく撹拌し、アミノ樹脂前駆体を乳濁させることにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が53重量%の乳濁液を得、乳濁工程を終了した。得られた乳濁液における乳濁状態のアミノ樹脂前駆体をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は9.5μmであり、粒子径の標準偏差は6μm以下であった。
【0095】
次いで、この乳濁液に常温の水5000gを投入した後、撹拌しながら得られた乳濁液を30℃に冷却した。
続いて、冷却した乳濁液に、無機化合物の水分散体として、アエロジール200(日本アエロジル(株)製)の10重量%水分散体1480gを添加し、回転速度を4000rpmで激しく撹拌した。
次いで、触媒として、硫酸40g(0.4モル)を純水1200gに溶解してなる水溶液を上記乳濁液に添加し(内容物の温度は30℃)、撹拌しながら90℃になるまで10℃/hrで昇温させた。90℃に達した後、この温度で1時間保持して乳濁状態のアミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させ、アミノ樹脂架橋粒子とし、硬化工程を終了した。従って、反応時間は合計7時間である。
【0096】
硬化工程で得られたアミノ樹脂架橋粒子の懸濁液を30℃に冷却した後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてこの懸濁液のpHを7.5に調節し、中和工程を終了した。
中和工程の後、濾別により懸濁液からアミノ樹脂架橋粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂架橋粒子を、150℃で3時間加熱処理した後、乳鉢に入れ、乳棒で軽く力を加えることにより、均一に解砕させることができ、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子を得た。得られた白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子をコールターマルチサイザーII型(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は9.8μmであり、粒子径の標準偏差は6μmであった。また、得られた白色粉末状のアミノ樹脂架橋粒子の粒子硬度を実施例1と同様の方法により測定しようとして圧力をかけたところ、粒子はすべて破壊してしまい測定不能であった。なお、粒子径が10±1μmの粒子5個について測定を試みた。
【0097】
次に、実施例1と同様の手順で、得られたアミノ樹脂架橋粒子の水分散体を調製し、同様の条件下での研磨を行ったところ、製品品質低下に影響を及ぼす傷(引っかき傷:スクラッチ)が多く認められ、高精度の研磨をすることができなかった。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、十分な硬度と適度な柔軟性とを兼ね備えるとともに、耐溶剤性および耐熱性にも優れる、新規なアミノ樹脂架橋粒子を提供することができる。特に、研磨剤用粒子の用途分野に用いた場合に、高精度の均一な研磨を容易且つ確実に行うことができる。

Claims (4)

  1. 研磨剤用粒子であり、
    ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミンおよびシクロへキセンカルボグアナミンからなる群より選ばれる少なくとも1種と下記一般式(1):
    Figure 0004139180
    (ただし、Rは、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表す。)
    で表されるジアミノトリアジン化合物および/または下記一般式(2):
    Figure 0004139180
    (ただし、Rは、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよい。)
    で表されるジアミノトリアジン化合物とを含むアミノ系化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させてなり、平均粒子径が0.1〜20μm、粒子径の標準偏差が10μm以下である、アミノ樹脂架橋粒子。
  2. 研磨剤用粒子であり、
    ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミンおよびシクロへキセンカルボグアナミンからなる群より選ばれる少なくとも1種と下記一般式(1):
    Figure 0004139180
    (ただし、Rは、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表す。)
    で表されるジアミノトリアジン化合物および/または下記一般式(2):
    Figure 0004139180
    (ただし、Rは、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよい。)
    で表されるジアミノトリアジン化合物とを含むアミノ系化合物と、ホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を乳化して得られる乳濁液に触媒を添加することで前記アミノ樹脂前駆体を硬化させて得られる、アミノ樹脂架橋粒子。
  3. 前記乳濁液に無機化合物からなる粒子を添加した後で前記触媒を添加する、請求項2に記載のアミノ樹脂架橋粒子。
  4. 研磨剤用粒子であり、
    ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミンおよびシクロへキセンカルボグアナミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物由来の構造単位と、下記一般式(3):
    Figure 0004139180
    (ただし、Rは、直鎖構造または側鎖を有する構造である炭素数1〜2の炭化水素基を表す。)
    で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位および/または下記一般式(4):
    Figure 0004139180
    (ただし、Rは、直鎖構造、側鎖を有する構造、芳香環を有する構造および脂環を有する構造の何れかである炭素数1〜8の炭化水素基を表す。なお、芳香環を有する構造および脂環を有する構造は、側鎖を有する構造および/または置換基を有する構造であってもよい。)
    で表されるジアミノトリアジン化合物由来の構造単位と、ホルムアルデヒド由来の構造単位とを含んでなり、平均粒子径が0.1〜20μm、粒子径の標準偏差が10μm以下である、アミノ樹脂架橋粒子。
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