JP4067779B2 - アミノ樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ポリオレフィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤、レオロジーコントロール剤、着色剤等として好適に用いることができる、アミノ樹脂粒子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させてアミノ樹脂前駆体を得た後、染料を添加し、次いで該アミノ樹脂前駆体を硬化させることによって着色されたアミノ樹脂粒子を製造する方法が知られている。そして、上記着色の具体的な方法として、例えば特開昭49−57091号公報には、アミノ樹脂前駆体を含む反応液に、染料をそのままの状態(例えば粉体状や顆粒状、液状等)で添加する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単純に染料を添加する上記従来の方法では、該染料が反応槽(反応器)の側壁や攪拌棒、攪拌翼、或いは温度計等に付着して(こびりついて)、反応液に均一に混合されない。それゆえ、添加量に応じた着色がなされないばかりか、粒子毎或いは反応毎に着色ムラが生じてしまう。つまり、粒子毎や反応毎にバラツキを生じることなく、充分にかつ均一に着色されたアミノ樹脂粒子を得ることができないという問題点を有している。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、粒子毎や反応毎にバラツキを生じることなく、充分にかつ均一に着色されたアミノ樹脂粒子を簡単に得ることができる、アミノ樹脂粒子の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のアミノ樹脂粒子の製造方法は、上記の課題を解決するために、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得る反応工程;反応液に、染料を水に分散してなる分散液を添加する着色工程;反応液を乳濁させて乳濁液を得る乳濁工程;乳濁液に触媒を添加してアミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる硬化工程;を含むことを特徴としている。
【0006】
また、本発明のアミノ樹脂粒子の製造方法は、上記の課題を解決するために、分散液における染料の含有量が1〜50重量%の範囲内であることを特徴としている。
【0007】
本発明のアミノ樹脂粒子の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、メラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を40重量%以上含んでいることを特徴としている。
【0008】
本発明のアミノ樹脂粒子の製造方法は、上記の課題を解決するために、アミノ系化合物1モルに対するホルムアルデヒドの割合が、2〜3モルの範囲内であることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、染料を水に分散してなる分散液を反応液に添加するので、染料が反応槽(反応器)の側壁や攪拌棒、攪拌翼、或いは温度計等に付着することが無い。従って、染料が反応液に均一に混合されるので、添加量に応じた着色がなされると共に、粒子毎或いは反応毎に着色ムラが生じることも無い。つまり、粒子毎や反応毎にバラツキを生じることなく、充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調が揃ったアミノ樹脂粒子を簡単に得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。本発明にかかるアミノ樹脂粒子の製造方法は、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得る反応工程と、上記反応液に、染料を水に分散してなる分散液を添加する着色工程と、反応液を乳濁させて乳濁液を得る乳濁工程と、上記乳濁液に触媒を添加してアミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる硬化工程とを含んでいる。
【0011】
アミノ系化合物としては、具体的には、例えば、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル-sym.-トリアジン)、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、メラミン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらアミノ系化合物は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよいが、上記例示の化合物群より選ばれる少なくとも一種の化合物を、40重量%以上、100重量%以下の範囲内で含んでいることが特に好ましい。
【0012】
アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させる際には、水を溶媒として用いる。それゆえ、ホルムアルデヒドの添加形態としては、具体的には、例えば、水溶液(ホルマリン)の状態で添加する(仕込む)方法、トリオキサンやパラホルムアルデヒドを水に添加して反応液中でホルムアルデヒドを発生させる方法等が挙げられる。このうち、水溶液の状態でホルムアルデヒドを添加する方法がより好ましい。
【0013】
アミノ系化合物1モルに対するホルムアルデヒドの割合は、2〜3モルの範囲内であることが好ましく、2〜2.5モルの範囲内であることがより好ましい。ホルムアルデヒドの割合が上記範囲を外れると、アミノ系化合物またはホルムアルデヒドの未反応物が多くなるので好ましくない。尚、水に対するアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの添加量、即ち、仕込み時点におけるアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの濃度は、反応に支障の無い限りにおいて、より高濃度であることが望ましい。より具体的には、反応物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度を、2×10−2〜5.5×10−2Pa・s(20〜55cP)の範囲内に調節・制御することができる濃度である。また、乳濁工程で、アミノ樹脂前駆体の濃度が30〜60重量%の範囲内となるように、反応液を乳化剤の水溶液に添加することができる濃度であることがさらに好ましい。
【0014】
上記粘度の測定方法は、特に限定されるものではないが、反応の進行状態を即時的に(リアルタイムで)把握することができると共に、該反応の終点を正確に見極めることができるように、粘度測定機を用いる方法が最適である。該粘度測定機としては、具体的には、例えば、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製;機種名 MIVI 6001)が挙げられる。この粘度計は、常時振動している振動部を備えており、該振動部を反応液に浸漬することで、該反応液の粘性が増加して振動部に負荷が掛かると、その負荷を粘度に即時的に換算して表示するようになっている。
【0015】
反応液のpHは、例えば炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を用いて中性または弱塩基性に調節することが望ましい。炭酸ナトリウムの使用量等は、特に限定されるものではない。アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを水中で反応させることにより、いわゆる初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を得ることができる。反応温度は、特に限定されるものではないが、反応の進行状態を即時的に把握することができると共に、該反応の終点を正確に見極めることができるように、95〜98℃の温度範囲内であることが望ましい。そして、反応工程は反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度が2×10−2〜5.5×10−2Pa・sの範囲内となった時点で、該反応液を冷却する等の操作を行うことにより、終了すればよい。これにより、アミノ樹脂前駆体を含む反応液が得られる。従って、反応時間は、特に限定されるものではない。
【0016】
尚、反応終了時点での反応液の粘度は、アミノ系化合物およびホルムアルデヒドを仕込んだ(反応開始時の)水溶液の粘度と比較して著しく高く、従って、仕込んだ原料の濃度等には殆ど影響されない。アミノ樹脂前駆体は、アセトンやジオキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の有機溶媒に対して可溶であるが、水に対して実質的に不溶である。
【0017】
反応液の粘度が小さい程、生成する粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。しかしながら、分級等の操作を行う必要の無い、粒子径がほぼ揃った(粒度分布が狭い)アミノ樹脂粒子の製造を所望する場合には、反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度を2×10−2〜5.5×10−2Pa・sの範囲内に調節・制御する反応液の粘度が2×10−2Pa・s未満である場合、或いは5.5×10−2Pa・sを超える場合には、粒子径がほぼ揃った(粒度分布が狭い)アミノ樹脂粒子を得ることができない。即ち、反応液の粘度が2×10−2Pa・s(20cP)未満であると、乳濁工程で得られる乳濁液の安定性が乏しくなる。このため、硬化工程でアミノ樹脂前駆体を硬化させると、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまう。つまり、アミノ樹脂粒子の粒子径を制御することができなくなるので、粒子径が不揃いな(粒度分布が広い)アミノ樹脂粒子しか得ることができなくなってしまう。また、乳濁液の安定性が乏しいので、製造する毎に(バッチ毎に)、アミノ樹脂粒子の粒子径が変化してしまい、製品にバラツキを生じてしまう。一方、反応液の粘度が5.5×10−2Pa・s(55cP)を超えると、乳濁工程で用いる例えば高速攪拌機に負荷がかかってその剪断力が低下するため、反応液を充分に攪拌する(乳濁させる)ことができなくなる。このため、アミノ樹脂粒子の粒子径を制御することができなくなるので、粒子径が不揃いな(粒度分布が広い)アミノ樹脂粒子しか得ることができなくなってしまう。
【0018】
以上のように反応工程において反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度を2×10−2〜5.5×10−2Pa・sの範囲内に調節・制御することにより、反応工程におけるアミノ系化合物とホルムアルデヒドとの反応の進行状態を即時的に(リアルタイムで)把握することができると共に、該反応の終点を正確に見極めることができる。従って、得られるアミノ樹脂粒子の粒子径を容易に制御することができる。それゆえ、粒子径がほぼ揃った(粒度分布が狭い)アミノ樹脂粒子を簡単に製造することができる。
【0019】
アミノ樹脂前駆体やアミノ樹脂は、染料との親和性に優れている。得られた反応液に着色工程にて添加される染料は、水に分散する染料、即ち、油溶性の染料であればよく、特に限定されるものではない。油溶性染料としては、具体的には、例えば、オイルオレンジB、オイルブルーBA(以上、中央合成化学株式会社製)、アゾソールブリリアントイエロー4GF、アゾソールファストブルーGLA、オイルレッドTR−71等の溶剤可溶染料;ファストイエローYL、ファストブルーFG、セリトンピンクFF3B、セリトンピンク3B等の分散染料;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら染料は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0020】
分散液における染料の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜50重量%の範囲内であることがより好ましく、10〜40重量%の範囲内であることがさらに好ましい。染料の含有量が1重量%未満であると、添加する分散液の量が多量となるので、アミノ樹脂粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の含有量が50重量%を超えると、分散液の流動性が低下するので、添加時における取り扱い性が低下して添加に手間がかかる場合がある。また、油溶性の染料は水に対する濡れ性が乏しいため、該染料を水に分散する際には、必要に応じて、分散助剤を使用することもできる。尚、染料を水に分散してなる分散液の調製方法、および、分散液を反応液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではない。
【0021】
上記分散液を添加・混合した後の反応液を乳濁させることにより、乳濁液を得ることができる。保護コロイドを構成する乳化剤としては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、水溶性ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら乳化剤は、全量が水に溶解させた水溶液の状態で使用されるか、若しくは、その一部が水溶液の状態で使用され、残りがそのままの状態(例えば粉体状や顆粒状、液状等)で使用される。上記例示の乳化剤のうち、乳濁液の安定性、触媒との相互作用等を考慮すると、ポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールは、完全ケン化物であってもよく、部分ケン化物であってもよい。また、ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではない。アミノ樹脂前駆体に対する乳化剤の使用量が多い程、生成する粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。アミノ樹脂前駆体100重量部に対する乳化剤の使用量は、1〜30重量部の範囲内が好ましく、1〜5重量部の範囲内がより好ましい。
【0022】
乳濁工程では、乳化剤の水溶液に、アミノ樹脂前駆体の濃度(つまり、固形分濃度)が30〜60重量%の範囲内となるように反応液を添加した後、70〜100℃の温度範囲内で乳濁させる。乳化剤の水溶液の濃度は、特に限定されるものではなく、アミノ樹脂前駆体の濃度を上記範囲内に調節することができる濃度であればよい。該工程における攪拌方法としては、より強力に攪拌することができる装置を用いる方法、具体的には、例えば、いわゆる高速攪拌機やホモミキサーを用いる方法が好ましい。アミノ樹脂前駆体の濃度が30重量%未満であると、アミノ樹脂粒子の生産性が低下する。一方、アミノ樹脂前駆体の濃度が60重量%を超えると、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまう。つまり、アミノ樹脂粒子の粒子径を制御することができなくなるので、粒子径が不揃いな(粒度分布が広い)アミノ樹脂粒子しか得ることができなくなってしまう。
【0023】
得られた乳濁液には、必要に応じて、第二着色工程として、さらに染料を添加してもよい。該染料は、水に溶解する染料、即ち、水溶性の染料であればよく、特に限定されるものではない。水溶性染料としては、具体的には、例えば、ローダミンB、ローダミン6GCP(以上、住友化学工業株式会社製)、メチルバイオレットFN、ビクトリアブルーFN等の塩基性染料;キノリンイエローSS−5G、キノリンイエローGC(以上、中央合成化学株式会社製)、アシッドマゼンタO、メチルバイオレットFB、ビクトリアブルーFB等の酸性染料;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら染料は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。油溶性染料を水に分散してなる分散液を反応液に添加する前記着色工程(第一着色工程)と、上記第二着色工程とを行うことにより、より一層充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調がより一層揃ったアミノ樹脂粒子を得ることができる。
【0024】
水溶液における染料の濃度は、特に限定されるものではないが、0.5〜5重量%の範囲内であることがより好ましく、1〜4重量%の範囲内であることがさらに好ましい。染料の濃度が0.5重量%未満であると、添加する水溶液の量が多量となるので、アミノ樹脂粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の濃度が5重量%を超えると、乳濁液の安定性が低下するので、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりする場合がある。尚、染料を水に溶解してなる水溶液の調製方法、および、水溶液を乳濁液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではない。
【0025】
また、本発明においては、アミノ樹脂粒子の凝集をより確実に防止するために、乳濁液に無機粒子を添加する。無機粒子としては、具体的には、例えば、シリカ微粒子、ジルコニア微粒子、アルミニウム粉、アルミナゾル、セリエゾル等が挙げられる。無機粒子の比表面積は50〜400m/gの範囲内である。無機粒子の粒子径は0.05μm以下であることがより好ましい。粒子径が上記範囲内であれば、アミノ樹脂粒子の凝集を防止するのに、より一層優れた効果を発揮することができる。
【0026】
乳濁液に対する無機粒子の添加方法としては、具体的には、例えば、そのままの状態(粒子状)で添加する方法、粒子を水に分散させた分散液の状態で添加する方法、等が挙げられる。乳濁液に対する無機粒子の添加量は、アミノ樹脂前駆体100重量部に対して、1〜15重量部の範囲内が好適であるが、特に限定されるものではない。
【0027】
上記乳濁液に触媒を添加し、アミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させることにより、本発明にかかるアミノ樹脂粒子を得ることができる。上記触媒(硬化触媒)としては酸が好適である。該酸としては、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸;これら鉱酸のアンモニウム塩;スルファミン酸;ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類;フタル酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸等の有機酸;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら触媒は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。アミノ樹脂前駆体100重量部に対する触媒の使用量は、0.1〜5重量部の範囲内が好適である。触媒の使用量が5重量部を超えると、乳濁状態が破壊され、粒子同士が凝集してしまう。一方、触媒の使用量が0.1重量部未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不充分となったりしてしまう。
【0028】
反応温度は、15(常温)〜100℃の範囲内が好適である。反応の終点は、サンプリングまたは目視によって判断すればよく、従って、反応時間は、特に限定されるものではない。硬化工程における攪拌方法としては、より強力に攪拌することができる装置を用いる方法、具体的には、例えば、いわゆる高速攪拌機やホモミキサーを用いる方法が好ましい。
【0029】
アミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させることにより、熱硬化性樹脂であるアミノ樹脂が得られる。即ち、本発明にかかる、着色されたアミノ樹脂粒子が得られる。アミノ樹脂粒子の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、1〜30μmの範囲内がより好ましく、2〜5μmの範囲内がさらに好ましい。本発明にかかる製造方法においては、反応工程において反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度を2×10−2〜5.5×10−2Pa・sの範囲内に調節・制御することにより、その標準偏差を1.2μm以下(実質的な下限値は0.2μm)、より好ましくは1.1μm以下に制御することができる。尚、アミノ樹脂の架橋度や平均分子量、分子量分布等は、特に限定されるものではない。
【0030】
アミノ樹脂粒子を反応液から取り出す方法としては、濾別する方法や、遠心分離機等の分離機を用いる方法が簡便であるが、特に限定されるものではない。尚、反応液から取り出した後のアミノ樹脂粒子は、必要に応じて、洗浄してもよい。
【0031】
分離工程を経て取り出したアミノ樹脂粒子は、例えば、100〜200℃程度の温度で乾燥させればよいが、乾燥温度や乾燥方式は、特に限定されるものではない。上記の乾燥工程は、例えば、該アミノ樹脂粒子の含水率が3重量%以下となった段階で終了すればよい。或いは、分離工程を経て取り出したアミノ樹脂粒子は、例えば、乾燥と同時に、該アミノ樹脂粒子の耐溶剤性や耐水性、耐熱性をより一層向上させることを目的として、加熱処理を施してもよい。処理温度や処理方式は、特に限定されるものではない。そして、上記乾燥または加熱処理後、必要に応じて、粉砕(解砕)・分級等の工程を行うことにより、平均粒子径が10μm以下の粒子、即ち、微粒子を得ることができる。尚、本発明にかかる製造方法によって得られるアミノ樹脂粒子は、粒子同士が凝集することが殆ど無いので、粉砕工程を行う場合においても、僅かな力(荷重)を加えるだけで充分に粉砕することができる。
【0032】
本発明にかかる製造方法により、粒子毎や反応毎にバラツキを生じることなく、充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調が揃ったアミノ樹脂粒子を簡単に得ることができる。上記アミノ樹脂粒子は、耐溶剤性、耐水性および耐熱性に優れており、硬度が高い。従って、該アミノ樹脂粒子は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤、レオロジーコントロール剤、着色剤等として好適に用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0034】
〔実施例1〕
還流冷却器、攪拌機、温度計、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製;機種名 MIVI 6001)等を備えた容量10Lの反応釜に、アミノ系化合物としてのベンゾグアナミン3200g(17.1モル)と、濃度37重量%のホルマリン2810g(ホルムアルデヒド34.7モル)と、炭酸ナトリウム10重量%水溶液10g(炭酸ナトリウム0.01モル)とを仕込み、攪拌しながら昇温させて、95℃で反応させた。
【0035】
そして、反応液の粘度が4.0×10-2Pa・s(40cP)となった時点で該反応液を冷却することによって、反応工程を終了した。一方、分散助剤(花王株式会社製;商品名 エマルゲン920)0.5gを純水70gに溶解してなる水溶液に、油溶性染料(有本化学株式会社製;品名 Fluorescent Red 632)50gを加えて充分に分散させて分散液を調製した。次いで、上記反応液に調製した分散液を添加して攪拌した。これにより、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を含み、着色された反応液を得た。
【0036】
次に、還流冷却器、ホモミキサー(攪拌機、特殊機化工業株式会社製)、温度計等を備えた容量10Lの反応釜に、乳化剤としてのポリビニルアルコール(株式会社クラレ製;商品名 PVA205)100gを水5150gに溶解してなる水溶液を仕込み、攪拌しながら75℃に昇温させた。そして、該反応釜に上記の反応液を添加した後、77℃に維持しながら、内容物を回転速度7000rpmで激しく攪拌することにより、アミノ樹脂前駆体を乳濁させて該アミノ樹脂前駆体の濃度が38.3重量%のピンク色の乳濁液を得た。該乳濁液をマルチサイザーで測定したところ、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(d50)は3.5μmであり、標準偏差は0.62μmであった。得られた乳濁液は、30℃に冷却した。
【0037】
次いで、水溶性染料としてのacid Red 52 7gを純水650gに溶解させて水溶液を調製した。そして、上記乳濁液に調製した水溶液を添加して5分間攪拌した。その後、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸40gを純水1200gに溶解してなる水溶液を上記乳濁液に添加し(内容物の温度は30℃)、攪拌しながら90℃になるまで10℃/hrで昇温させた。そして、90℃に達した後、この温度で1時間保持してアミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させた。従って、反応時間は合計7時間である。
【0038】
硬化工程を終了した後、濾別することによって反応液から本発明にかかる、着色されたアミノ樹脂粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂粒子を150℃で3時間、加熱処理した後、乳鉢に入れ乳棒で軽く力を加えることによって解砕した。これにより、赤色粉末状のアミノ樹脂粒子を得た。該アミノ樹脂粒子をマルチサイザーで測定したところ、平均粒子径(d50)は3.7μmであり、標準偏差は0.99μmであった。主な反応条件と結果とをまとめて表1に示す。
【0039】
〔実施例2〕
分散助剤(花王株式会社製;商品名 エマルゲン920)0.5gを純水100gに溶解してなる水溶液に、油溶性染料(有本化学株式会社製;品名 Fluorescent Yellow 600 )50gを加えて充分に分散させて分散液を調製した。次いで、着色工程において反応液に上記分散液を添加した以外は、実施例1と同様の反応工程、着色工程および乳濁工程を行うことにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が38.3重量%の黄色の乳濁液を得た。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径は4.0μmであり、標準偏差は0.71μmであった。この乳濁液を用いて、水溶性染料を添加しない以外は、実施例1と同様の硬化工程等を行うことにより、黄色粉末状のアミノ樹脂粒子を得た。該アミノ樹脂粒子の平均粒子径は4.1μmであり、標準偏差は0.88μmであった。主な反応条件と結果とをまとめて表1に示す。
【0040】
〔比較例1〕
着色工程において反応液に油溶性染料(有本化学株式会社製;品名 Fluorescent Red 632)50gを直接(そのままの状態で)添加した以外は、実施例1と同様の反応工程および乳濁工程を行うことにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が38.3重量%のピンク色の乳濁液を得た。従って、上記染料は分散液の状態で添加されておらず、このため、一部の染料が反応釜の側壁や攪拌棒、攪拌翼、或いは温度計等に付着した。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径は3.5μmであり、標準偏差は1.22μmであった。
【0041】
この乳濁液を用いて、水溶性染料を添加しない以外は、実施例1と同様の硬化工程等を行うことにより、ピンク色粉末状のアミノ樹脂粒子を得た。該比較用のアミノ樹脂粒子の平均粒子径は3.8μmであり、標準偏差は1.30μmであった。しかしながら、着色工程において染料の一部が反応液に混合されなかったため、添加量に応じた着色がなされず、得られたアミノ樹脂粒子は、色が薄くしかも着色ムラがあった。主な反応条件と結果とをまとめて表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004067779
【0043】
【発明の効果】
本発明のアミノ樹脂粒子の製造方法は、以上のように、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得る反応工程;反応液に、染料を水に分散してなる分散液を添加する着色工程;反応液を乳濁させて乳濁液を得る乳濁工程;乳濁液に触媒を添加してアミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる硬化工程;を含む構成である。
【0044】
また、本発明のアミノ樹脂粒子の製造方法は、以上のように、分散液における染料の含有量が1〜50重量%の範囲内である構成である。
【0045】
本発明のアミノ樹脂粒子の製造方法は、以上のように、上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、メラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を40重量%以上含んでいる構成である。
【0046】
本発明のアミノ樹脂粒子の製造方法は、以上のように、アミノ系化合物1モルに対するホルムアルデヒドの割合が、2〜3モルの範囲内である構成である。
【0047】
上記の構成によれば、染料を水に分散してなる分散液を反応液に添加するので、染料が反応液に均一に混合され、添加量に応じた着色がなされると共に、粒子毎或いは反応毎に着色ムラが生じることも無い。つまり、粒子毎や反応毎にバラツキを生じることなく、充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調が揃ったアミノ樹脂粒子を簡単に得ることができるという効果を奏する。

Claims (4)

  1. アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ樹脂前駆体を含み、かつ、95〜98℃の温度範囲内での粘度が2×10 −2 〜5.5×10 −2 Pa・sの範囲内である反応液を得る反応工程;
    反応液に、染料を水に分散してなる分散液を添加する着色工程;
    反応液を乳濁させて乳濁液を得る乳濁工程;
    乳濁液に触媒を添加してアミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる硬化工程;
    を含み、
    上記乳濁液に無機粒子を添加し、該無機粒子の比表面積が、50〜400m/gの範囲内であることを特徴とするアミノ樹脂粒子の製造方法。
  2. 分散液における染料の含有量が1〜50重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のアミノ樹脂粒子の製造方法。
  3. 上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、メラミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を40重量%以上含んでいることを特徴とする請求項1または2記載のアミノ樹脂粒子の製造方法。
  4. アミノ系化合物1モルに対するホルムアルデヒドの割合が、2〜3モルの範囲内であることを特徴とする請求項1、2または3記載のアミノ樹脂粒子の製造方法。
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