JP2002293855A - アミノ樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
アミノ樹脂粒子の製造方法Info
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Abstract
く、充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の
色調が揃ったアミノ樹脂粒子を簡単に得ることができ
る、アミノ樹脂粒子の製造方法を提供する。 【解決手段】 ベンゾグアナミン等のアミノ系化合物と
ホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ樹脂前駆体を
含む反応液を得る反応工程;反応液に、染料を水に分散
してなる分散液を添加する着色工程;乳化剤の水溶液
に、アミノ樹脂前駆体の濃度が30〜60重量%の範囲
内となるように反応液を添加した後、70〜100℃の
温度範囲内で乳濁させる乳濁工程;乳濁液に触媒を添加
してアミノ樹脂前駆体を乳濁状態で15〜100℃の温
度範囲内で硬化させる硬化工程;を行うことにより、着
色されたアミノ樹脂粒子を製造する。
Description
フィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー
等の充填剤、レオロジーコントロール剤、着色剤等とし
て好適に用いることができる、アミノ樹脂粒子の製造方
法に関するものである。
デヒドとを反応させてアミノ樹脂前駆体を得た後、染料
を添加し、次いで該アミノ樹脂前駆体を硬化させること
によって着色されたアミノ樹脂粒子を製造する方法が知
られている。そして、上記着色の具体的な方法として、
例えば特開昭49−57091号公報には、アミノ樹脂
前駆体を含む反応液に、染料をそのままの状態(例えば
粉体状や顆粒状、液状等)で添加する方法が開示されて
いる。
染料を添加する上記従来の方法では、該染料が反応槽
(反応器)の側壁や攪拌棒、攪拌翼、或いは温度計等に
付着して(こびりついて)、反応液に均一に混合されな
い。それゆえ、添加量に応じた着色がなされないばかり
か、粒子毎或いは反応毎に着色ムラが生じてしまう。つ
まり、粒子毎や反応毎にバラツキを生じることなく、充
分にかつ均一に着色されたアミノ樹脂粒子を得ることが
できないという問題点を有している。
たものであり、その目的は、粒子毎や反応毎にバラツキ
を生じることなく、充分にかつ均一に着色されたアミノ
樹脂粒子を簡単に得ることができる、アミノ樹脂粒子の
製造方法を提供することにある。
の製造方法は、上記の課題を解決するために、アミノ系
化合物とホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ樹脂
前駆体を含む反応液を得る反応工程;反応液に、染料を
水に分散してなる分散液を添加する着色工程;反応液を
乳濁させて乳濁液を得る乳濁工程;乳濁液に触媒を添加
してアミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる硬化工
程;を含むことを特徴としている。
は、上記の課題を解決するために、分散液における染料
の含有量が1〜50重量%の範囲内であることを特徴と
している。
記の課題を解決するために、上記アミノ系化合物が、ベ
ンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シ
クロヘキセンカルボグアナミン、メラミンからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の化合物を40重量%以上含
んでいることを特徴としている。
記の課題を解決するために、アミノ系化合物1モルに対
するホルムアルデヒドの割合が、2〜3モルの範囲内で
あることを特徴としている。
なる分散液を反応液に添加するので、染料が反応槽(反
応器)の側壁や攪拌棒、攪拌翼、或いは温度計等に付着
することが無い。従って、染料が反応液に均一に混合さ
れるので、添加量に応じた着色がなされると共に、粒子
毎或いは反応毎に着色ムラが生じることも無い。つま
り、粒子毎や反応毎にバラツキを生じることなく、充分
にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調が揃
ったアミノ樹脂粒子を簡単に得ることができる。
明すれば、以下の通りである。本発明にかかるアミノ樹
脂粒子の製造方法は、アミノ系化合物とホルムアルデヒ
ドとを反応させて、アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得
る反応工程と、上記反応液に、染料を水に分散してなる
分散液を添加する着色工程と、反応液を乳濁させて乳濁
液を得る乳濁工程と、上記乳濁液に触媒を添加してアミ
ノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる硬化工程とを含ん
でいる。
えば、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェ
ニル-sym.-トリアジン)、シクロヘキサンカルボグアナ
ミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、メラミン等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。これらア
ミノ系化合物は、単独で用いてもよく、また、二種類以
上を併用してもよいが、上記例示の化合物群より選ばれ
る少なくとも一種の化合物を、40重量%以上、100
重量%以下の範囲内で含んでいることが特に好ましい。
応させる際には、水を溶媒として用いる。それゆえ、ホ
ルムアルデヒドの添加形態としては、具体的には、例え
ば、水溶液(ホルマリン)の状態で添加する(仕込む)
方法、トリオキサンやパラホルムアルデヒドを水に添加
して反応液中でホルムアルデヒドを発生させる方法等が
挙げられる。このうち、水溶液の状態でホルムアルデヒ
ドを添加する方法がより好ましい。
デヒドの割合は、2〜3モルの範囲内であることが好ま
しく、2〜2.5モルの範囲内であることがより好まし
い。ホルムアルデヒドの割合が上記範囲を外れると、ア
ミノ系化合物またはホルムアルデヒドの未反応物が多く
なるので好ましくない。尚、水に対するアミノ系化合物
およびホルムアルデヒドの添加量、即ち、仕込み時点に
おけるアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの濃度
は、反応に支障の無い限りにおいて、より高濃度である
ことが望ましい。より具体的には、反応物であるアミノ
樹脂前駆体を含む反応液の95〜98℃の温度範囲内で
の粘度を、2×10-2〜5.5×10-2Pa・s(20
〜55cP)の範囲内に調節・制御することができる濃
度であることがより好ましく、乳濁工程で、アミノ樹脂
前駆体の濃度が30〜60重量%の範囲内となるよう
に、反応液を乳化剤の水溶液に添加することができる濃
度であることがさらに好ましい。
のではないが、反応の進行状態を即時的に(リアルタイ
ムで)把握することができると共に、該反応の終点を正
確に見極めることができるように、粘度測定機を用いる
方法が最適である。該粘度測定機としては、具体的に
は、例えば、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製;機
種名 MIVI 6001)が挙げられる。この粘度計は、常時振
動している振動部を備えており、該振動部を反応液に浸
漬することで、該反応液の粘性が増加して振動部に負荷
が掛かると、その負荷を粘度に即時的に換算して表示す
るようになっている。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を
用いて中性または弱塩基性に調節することが望ましい。
炭酸ナトリウムの使用量等は、特に限定されるものでは
ない。アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを水中で反
応させることにより、いわゆる初期縮合物であるアミノ
樹脂前駆体を得ることができる。反応温度は、特に限定
されるものではないが、反応の進行状態を即時的に把握
することができると共に、該反応の終点を正確に見極め
ることができるように、95〜98℃の温度範囲内であ
ることが望ましい。そして、反応工程は、例えば、反応
液の粘度が2×10-2〜5.5×10-2Pa・sの範囲
内となった時点で、該反応液を冷却する等の操作を行う
ことにより、終了すればよい。これにより、アミノ樹脂
前駆体を含む反応液が得られる。従って、反応時間は、
特に限定されるものではない。
ミノ系化合物およびホルムアルデヒドを仕込んだ(反応
開始時の)水溶液の粘度と比較して著しく高く、従っ
て、仕込んだ原料の濃度等には殆ど影響されない。アミ
ノ樹脂前駆体は、アセトンやジオキサン、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トル
エン、キシレン等の有機溶媒に対して可溶であるが、水
に対して実質的に不溶である。
粒子径が小さくなる傾向がある。しかしながら、分級等
の操作を行う必要の無い、粒子径がほぼ揃った(粒度分
布が狭い)アミノ樹脂粒子の製造を所望する場合には、
反応液の粘度を2×10-2〜5.5×10-2Pa・sの
範囲内に調節・制御することが望ましい。反応液の粘度
が2×10-2Pa・s未満である場合、或いは5.5×
10-2Pa・sを超える場合には、粒子径がほぼ揃った
(粒度分布が狭い)アミノ樹脂粒子を得ることができな
い。即ち、反応液の粘度が2×10-2Pa・s(20c
P)未満であると、乳濁工程で得られる乳濁液の安定性
が乏しくなる。このため、硬化工程でアミノ樹脂前駆体
を硬化させると、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化した
り、粒子同士が凝集したりしてしまう。つまり、アミノ
樹脂粒子の粒子径を制御することができなくなるので、
粒子径が不揃いな(粒度分布が広い)アミノ樹脂粒子し
か得ることができなくなってしまう。また、乳濁液の安
定性が乏しいので、製造する毎に(バッチ毎に)、アミ
ノ樹脂粒子の粒子径が変化してしまい、製品にバラツキ
を生じてしまう。一方、反応液の粘度が5.5×10-2
Pa・s(55cP)を超えると、乳濁工程で用いる例
えば高速攪拌機に負荷がかかってその剪断力が低下する
ため、反応液を充分に攪拌する(乳濁させる)ことがで
きなくなる。このため、アミノ樹脂粒子の粒子径を制御
することができなくなるので、粒子径が不揃いな(粒度
分布が広い)アミノ樹脂粒子しか得ることができなくな
ってしまう。
反応液の粘度を2×10-2〜5.5×10-2Pa・sの
範囲内に調節・制御することにより、反応工程における
アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの反応の進行状態
を即時的に(リアルタイムで)把握することができると
共に、該反応の終点を正確に見極めることができる。従
って、得られるアミノ樹脂粒子の粒子径を容易に制御す
ることができる。それゆえ、粒子径がほぼ揃った(粒度
分布が狭い)アミノ樹脂粒子を簡単に製造することがで
きる。
の親和性に優れている。得られた反応液に着色工程にて
添加される染料は、水に分散する染料、即ち、油溶性の
染料であればよく、特に限定されるものではない。油溶
性染料としては、具体的には、例えば、オイルオレンジ
B、オイルブルーBA(以上、中央合成化学株式会社
製)、アゾソールブリリアントイエロー4GF、アゾソ
ールファストブルーGLA、オイルレッドTR−71等
の溶剤可溶染料;ファストイエローYL、ファストブル
ーFG、セリトンピンクFF3B、セリトンピンク3B
等の分散染料;等が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。これら染料は、単独で用いてもよく、また、
二種類以上を併用してもよい。
されるものではないが、1〜50重量%の範囲内である
ことがより好ましく、10〜40重量%の範囲内である
ことがさらに好ましい。染料の含有量が1重量%未満で
あると、添加する分散液の量が多量となるので、アミノ
樹脂粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の
含有量が50重量%を超えると、分散液の流動性が低下
するので、添加時における取り扱い性が低下して添加に
手間がかかる場合がある。また、油溶性の染料は水に対
する濡れ性が乏しいため、該染料を水に分散する際に
は、必要に応じて、分散助剤を使用することもできる。
尚、染料を水に分散してなる分散液の調製方法、およ
び、分散液を反応液に添加・混合する方法は、特に限定
されるものではない。
乳濁させることにより、乳濁液を得ることができる。保
護コロイドを構成する乳化剤としては、具体的には、例
えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、水溶性
ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これら乳化剤は、
全量が水に溶解させた水溶液の状態で使用されるか、若
しくは、その一部が水溶液の状態で使用され、残りがそ
のままの状態(例えば粉体状や顆粒状、液状等)で使用
される。上記例示の乳化剤のうち、乳濁液の安定性、触
媒との相互作用等を考慮すると、ポリビニルアルコール
がより好ましい。ポリビニルアルコールは、完全ケン化
物であってもよく、部分ケン化物であってもよい。ま
た、ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定される
ものではない。アミノ樹脂前駆体に対する乳化剤の使用
量が多い程、生成する粒子の粒子径が小さくなる傾向が
ある。アミノ樹脂前駆体100重量部に対する乳化剤の
使用量は、1〜30重量部の範囲内が好ましく、1〜5
重量部の範囲内がより好ましい。
樹脂前駆体の濃度(つまり、固形分濃度)が30〜60
重量%の範囲内となるように反応液を添加した後、70
〜100℃の温度範囲内で乳濁させる。乳化剤の水溶液
の濃度は、特に限定されるものではなく、アミノ樹脂前
駆体の濃度を上記範囲内に調節することができる濃度で
あればよい。該工程における攪拌方法としては、より強
力に攪拌することができる装置を用いる方法、具体的に
は、例えば、いわゆる高速攪拌機やホモミキサーを用い
る方法が好ましい。アミノ樹脂前駆体の濃度が30重量
%未満であると、アミノ樹脂粒子の生産性が低下する。
一方、アミノ樹脂前駆体の濃度が60重量%を超える
と、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化したり、粒子同士
が凝集したりしてしまう。つまり、アミノ樹脂粒子の粒
子径を制御することができなくなるので、粒子径が不揃
いな(粒度分布が広い)アミノ樹脂粒子しか得ることが
できなくなってしまう。
着色工程として、さらに染料を添加してもよい。該染料
は、水に溶解する染料、即ち、水溶性の染料であればよ
く、特に限定されるものではない。水溶性染料として
は、具体的には、例えば、ローダミンB、ローダミン6
GCP(以上、住友化学工業株式会社製)、メチルバイ
オレットFN、ビクトリアブルーFN等の塩基性染料;
キノリンイエローSS−5G、キノリンイエローGC
(以上、中央合成化学株式会社製)、アシッドマゼンタ
O、メチルバイオレットFB、ビクトリアブルーFB等
の酸性染料;等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。これら染料は、単独で用いてもよく、また、二
種類以上を併用してもよい。油溶性染料を水に分散して
なる分散液を反応液に添加する前記着色工程(第一着色
工程)と、上記第二着色工程とを行うことにより、より
一層充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の
色調がより一層揃ったアミノ樹脂粒子を得ることができ
る。
れるものではないが、0.5〜5重量%の範囲内である
ことがより好ましく、1〜4重量%の範囲内であること
がさらに好ましい。染料の濃度が0.5重量%未満であ
ると、添加する水溶液の量が多量となるので、アミノ樹
脂粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の濃
度が5重量%を超えると、乳濁液の安定性が低下するの
で、得られるアミノ樹脂粒子が肥大化したり、粒子同士
が凝集したりする場合がある。尚、染料を水に溶解して
なる水溶液の調製方法、および、水溶液を乳濁液に添加
・混合する方法は、特に限定されるものではない。
の凝集をより確実に防止するために、必要に応じて、乳
濁液に無機粒子を添加してもよい。無機粒子としては、
具体的には、例えば、シリカ微粒子、ジルコニア微粒
子、アルミニウム粉、アルミナゾル、セリエゾル等が挙
げられる。無機粒子の比表面積は50〜400m2 /g
の範囲内であることがより好ましく、粒子径は0.05
μm以下であることがより好ましい。比表面積または粒
子径が上記範囲内であれば、アミノ樹脂粒子の凝集を防
止するのに、より一層優れた効果を発揮することができ
る。
は、具体的には、例えば、そのままの状態(粒子状)で
添加する方法、粒子を水に分散させた分散液の状態で添
加する方法、等が挙げられる。乳濁液に対する無機粒子
の添加量は、アミノ樹脂前駆体100重量部に対して、
1〜15重量部の範囲内が好適であるが、特に限定され
るものではない。
駆体を乳濁状態で硬化させることにより、本発明にかか
るアミノ樹脂粒子を得ることができる。上記触媒(硬化
触媒)としては酸が好適である。該酸としては、具体的
には、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸;これら鉱
酸のアンモニウム塩;スルファミン酸;ベンゼンスルホ
ン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスル
ホン酸等のスルホン酸類;フタル酸、安息香酸、酢酸、
プロピオン酸、サリチル酸等の有機酸;等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら触媒は、単独
で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
アミノ樹脂前駆体100重量部に対する触媒の使用量
は、0.1〜5重量部の範囲内が好適である。触媒の使
用量が5重量部を超えると、乳濁状態が破壊され、粒子
同士が凝集してしまう。一方、触媒の使用量が0.1重
量部未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不
充分となったりしてしまう。
囲内が好適である。反応の終点は、サンプリングまたは
目視によって判断すればよく、従って、反応時間は、特
に限定されるものではない。硬化工程における攪拌方法
としては、より強力に攪拌することができる装置を用い
る方法、具体的には、例えば、いわゆる高速攪拌機やホ
モミキサーを用いる方法が好ましい。
により、熱硬化性樹脂であるアミノ樹脂が得られる。即
ち、本発明にかかる、着色されたアミノ樹脂粒子が得ら
れる。アミノ樹脂粒子の平均粒子径は、特に限定される
ものではないが、1〜30μmの範囲内がより好まし
く、2〜5μmの範囲内がさらに好ましい。本発明にか
かる製造方法においては、反応工程において反応液の粘
度を2×10-2〜5.5×10-2Pa・sの範囲内に調
節・制御することにより、その標準偏差を1.2μm以
下(実質的な下限値は0.2μm)、より好ましくは
1.1μm以下に制御することができる。尚、アミノ樹
脂の架橋度や平均分子量、分子量分布等は、特に限定さ
れるものではない。
としては、濾別する方法や、遠心分離機等の分離機を用
いる方法が簡便であるが、特に限定されるものではな
い。尚、反応液から取り出した後のアミノ樹脂粒子は、
必要に応じて、洗浄してもよい。
は、例えば、100〜200℃程度の温度で乾燥させれ
ばよいが、乾燥温度や乾燥方式は、特に限定されるもの
ではない。上記の乾燥工程は、例えば、該アミノ樹脂粒
子の含水率が3重量%以下となった段階で終了すればよ
い。或いは、分離工程を経て取り出したアミノ樹脂粒子
は、例えば、乾燥と同時に、該アミノ樹脂粒子の耐溶剤
性や耐水性、耐熱性をより一層向上させることを目的と
して、加熱処理を施してもよい。処理温度や処理方式
は、特に限定されるものではない。そして、上記乾燥ま
たは加熱処理後、必要に応じて、粉砕(解砕)・分級等
の工程を行うことにより、平均粒子径が10μm以下の
粒子、即ち、微粒子を得ることができる。尚、本発明に
かかる製造方法によって得られるアミノ樹脂粒子は、粒
子同士が凝集することが殆ど無いので、粉砕工程を行う
場合においても、僅かな力(荷重)を加えるだけで充分
に粉砕することができる。
反応毎にバラツキを生じることなく、充分にかつ均一に
着色された、即ち、個々の粒子の色調が揃ったアミノ樹
脂粒子を簡単に得ることができる。上記アミノ樹脂粒子
は、耐溶剤性、耐水性および耐熱性に優れており、硬度
が高い。従って、該アミノ樹脂粒子は、例えば、ポリエ
チレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化
ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤、レオ
ロジーコントロール剤、着色剤等として好適に用いるこ
とができる。
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
計、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製;機種名MIVI
6001)等を備えた容量10Lの反応釜に、アミノ系化
合物としてのベンゾグアナミン3200g(17.1モ
ル)と、濃度37重量%のホルマリン2810g(ホル
ムアルデヒド34.7モル)と、炭酸ナトリウム10重
量%水溶液10g(炭酸ナトリウム0.01モル)とを
仕込み、攪拌しながら昇温させて、95℃で反応させ
た。
a・s(40cP)となった時点で該反応液を冷却する
ことによって、反応工程を終了した。一方、分散助剤
(花王株式会社製;商品名 エマルゲン920)0.5
gを純水70gに溶解してなる水溶液に、油溶性染料
(有本化学株式会社製;品名 Fluorescent Red 632)5
0gを加えて充分に分散させて分散液を調製した。次い
で、上記反応液に調製した分散液を添加して攪拌した。
これにより、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの
初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を含み、着色された
反応液を得た。
機、特殊機化工業株式会社製)、温度計等を備えた容量
10Lの反応釜に、乳化剤としてのポリビニルアルコー
ル(株式会社クラレ製;商品名 PVA205)100gを水
5150gに溶解してなる水溶液を仕込み、攪拌しなが
ら75℃に昇温させた。そして、該反応釜に上記の反応
液を添加した後、77℃に維持しながら、内容物を回転
速度7000rpmで激しく攪拌することにより、アミ
ノ樹脂前駆体を乳濁させて該アミノ樹脂前駆体の濃度が
38.3重量%のピンク色の乳濁液を得た。該乳濁液を
マルチサイザーで測定したところ、乳濁液中のアミノ樹
脂前駆体の平均粒子径(d50)は3.5μmであり、
標準偏差は0.62μmであった。得られた乳濁液は、
30℃に冷却した。
7gを純水650gに溶解させて水溶液を調製した。そ
して、上記乳濁液に調製した水溶液を添加して5分間攪
拌した。その後、触媒としてのドデシルベンゼンスルホ
ン酸40gを純水1200gに溶解してなる水溶液を上
記乳濁液に添加し(内容物の温度は30℃)、攪拌しな
がら90℃になるまで10℃/hrで昇温させた。そし
て、90℃に達した後、この温度で1時間保持してアミ
ノ樹脂前駆体を縮合・硬化させた。従って、反応時間は
合計7時間である。
って反応液から本発明にかかる、着色されたアミノ樹脂
粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂粒子を150
℃で3時間、加熱処理した後、乳鉢に入れ乳棒で軽く力
を加えることによって解砕した。これにより、赤色粉末
状のアミノ樹脂粒子を得た。該アミノ樹脂粒子をマルチ
サイザーで測定したところ、平均粒子径(d50)は
3.7μmであり、標準偏差は0.99μmであった。
主な反応条件と結果とをまとめて表1に示す。
商品名 エマルゲン920)0.5gを純水100gに
溶解してなる水溶液に、油溶性染料(有本化学株式会社
製;品名 Fluorescent Yellow 600 )50gを加えて充
分に分散させて分散液を調製した。次いで、着色工程に
おいて反応液に上記分散液を添加した以外は、実施例1
と同様の反応工程、着色工程および乳濁工程を行うこと
により、アミノ樹脂前駆体の濃度が38.3重量%の黄
色の乳濁液を得た。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平
均粒子径は4.0μmであり、標準偏差は0.71μm
であった。この乳濁液を用いて、水溶性染料を添加しな
い以外は、実施例1と同様の硬化工程等を行うことによ
り、黄色粉末状のアミノ樹脂粒子を得た。該アミノ樹脂
粒子の平均粒子径は4.1μmであり、標準偏差は0.
88μmであった。主な反応条件と結果とをまとめて表
1に示す。
溶性染料(有本化学株式会社製;品名 Fluorescent Red
632)50gを直接(そのままの状態で)添加した以外
は、実施例1と同様の反応工程および乳濁工程を行うこ
とにより、アミノ樹脂前駆体の濃度が38.3重量%の
ピンク色の乳濁液を得た。従って、上記染料は分散液の
状態で添加されておらず、このため、一部の染料が反応
釜の側壁や攪拌棒、攪拌翼、或いは温度計等に付着し
た。該乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径は3.
5μmであり、標準偏差は1.22μmであった。
ない以外は、実施例1と同様の硬化工程等を行うことに
より、ピンク色粉末状のアミノ樹脂粒子を得た。該比較
用のアミノ樹脂粒子の平均粒子径は3.8μmであり、
標準偏差は1.30μmであった。しかしながら、着色
工程において染料の一部が反応液に混合されなかったた
め、添加量に応じた着色がなされず、得られたアミノ樹
脂粒子は、色が薄くしかも着色ムラがあった。主な反応
条件と結果とをまとめて表1に示す。
以上のように、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを
反応させて、アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得る反応
工程;反応液に、染料を水に分散してなる分散液を添加
する着色工程;反応液を乳濁させて乳濁液を得る乳濁工
程;乳濁液に触媒を添加してアミノ樹脂前駆体を乳濁状
態で硬化させる硬化工程;を含む構成である。
は、以上のように、分散液における染料の含有量が1〜
50重量%の範囲内である構成である。
上のように、上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミ
ン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセン
カルボグアナミン、メラミンからなる群より選ばれる少
なくとも一種の化合物を40重量%以上含んでいる構成
である。
上のように、アミノ系化合物1モルに対するホルムアル
デヒドの割合が、2〜3モルの範囲内である構成であ
る。
なる分散液を反応液に添加するので、染料が反応液に均
一に混合され、添加量に応じた着色がなされると共に、
粒子毎或いは反応毎に着色ムラが生じることも無い。つ
まり、粒子毎や反応毎にバラツキを生じることなく、充
分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調が
揃ったアミノ樹脂粒子を簡単に得ることができるという
効果を奏する。
Claims (4)
- 【請求項1】アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反
応させて、アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得る反応工
程;反応液に、染料を水に分散してなる分散液を添加す
る着色工程;反応液を乳濁させて乳濁液を得る乳濁工
程;乳濁液に触媒を添加してアミノ樹脂前駆体を乳濁状
態で硬化させる硬化工程;を含むことを特徴とするアミ
ノ樹脂粒子の製造方法。 - 【請求項2】分散液における染料の含有量が1〜50重
量%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のア
ミノ樹脂粒子の製造方法。 - 【請求項3】上記アミノ系化合物が、ベンゾグアナミ
ン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセン
カルボグアナミン、メラミンからなる群より選ばれる少
なくとも一種の化合物を40重量%以上含んでいること
を特徴とする請求項1または2記載のアミノ樹脂粒子の
製造方法。 - 【請求項4】アミノ系化合物1モルに対するホルムアル
デヒドの割合が、2〜3モルの範囲内であることを特徴
とする請求項1、2または3記載のアミノ樹脂粒子の製
造方法。
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