JP5419658B2 - トナーキット及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
近年、フルカラー複写機やカラーレーザープリンタ等が広く普及するに伴い、その用途も多種多様に拡がり、その画像品質への要求も厳しくなってきている。例えば、文字再現性や粒状性に優れ、トナーの飛び散りやカブリが無い高精細・高画質な画像であることが要求されている。そこで、高精細・高画質化のための手段として、トナーの小粒径化や形状制御が行われてきた。しかしながら、小粒径化によりファンデルワールス力が大きくなり、現像剤の流動性低下によりトナー帯電特性の制御が難しくなり、画像品質低下の原因となる場合があった。
さらに、電子写真方式を採用したPOD印刷市場向けプリンターにおいては、高速出力、且つ長時間にわたる多量印刷をするような苛酷な使用条件下においても安定した画像が得られることが要求されている。
このような要求に対応するには、苛酷な使用条件下においても、常に画像の忠実な現像や転写を行う必要性がますます高まっている。フルカラー画像形成においては、電気的特性の異なるカラートナーと、ブラックトナーによる重ね合わせ像を形成するため、特に転写工程における改善を要する。
転写工程においては、像担持体又は中間転写体上に形成されたトナー像に対して、転写電圧を印加することにより転写材上にトナーを転写する。しかしながら、カラートナーとブラックトナーでは最適な転写条件が異なるため、両者が混在した画像においてトナー像を十分に転写できない場合があった。さらに、ブラックトナーにおいては、印加された電流がトナーを介してリークする現象が起こり、画像上の一部が白く抜ける画像欠陥が生じる場合があった。
そこで、カラートナーとブラックトナーを良好に転写させるため各トナーの誘電正接値を規定した方法(特許文献1)が提案されているが、長期間の高速出力した場合の安定性についての議論は十分になされていない。
また、トナーの小粒径化は高画質化の手段としてだけでなく、従来よりも少ないトナー量での画像形成を可能にすることができる。少ないトナー量で画像形成できることは、定着工程における消費電力量の低減につながり、高まる省エネルギー化への対応として有効である。しかしながら、少ないトナー量であっても所望の濃度や色域面積を確保するには、着色剤の含有量が多くなり、カラートナーとブラックトナー間の電気的特性の違いがより大きくなることが示唆されていた。
そこで、導電性を有する導電性着色剤(カーボンブラック)の含有量を規定し、温度25℃および相対湿度50%におけるトナーの抵抗をコントロールする方法(特許文献2)が提案されている。しかしながら、このトナーをフルカラー画像形成に採用した場合、上述の転写工程における課題解決には至っていない。
上記のように、長期間に渡り高速出力するような苛酷な使用条件下においても、カラートナーとブラックトナーの転写性に優れ、種々の課題に対して十分に対応できるトナーキットや画像形成方法の提案は未だなされていない。
本発明は、少なくとも、ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーを有するトナーキットであり、前記ブラックトナー、前記イエロートナー、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーは、結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子と無機微粉体を有しており、前記ブラックトナーは、着色剤としてカーボンブラックを含有し、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して10質量%以上の含有比率で含有し、前記イエロートナー、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーは、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂の含有比率が、全結着樹脂に対して10質量%未満であることを特徴とするトナーキットに関する。
また、本発明は、像担持体を帯電させる帯電工程、前記帯電工程で帯電された像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記像担持体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程、前記像担持体上のトナー画像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程、を有する画像形成方法において、前記トナーとして、ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーを用い、前記ブラックトナー、前記イエロートナー、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーは、結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子と無機微粉体を有しており、前記ブラックトナーは、着色剤としてカーボンブラックを含有し、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して10質量%以上の含有比率で含有し、前記イエロートナー、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーは、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂の含有比率が、全結着樹脂に対して10質量%未満であることを特徴とする画像形成方法に関する。
を含有するトナー粒子と無機微粉体を有しており、前記ブラックトナーは、着色剤としてカーボンブラックを含有し、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して10質量%以上の含有比率で含有し、前記イエロートナー、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーは、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂の含有比率が、全結着樹脂に対して10質量%未満であることを特徴とする。
また、上記「主成分」とは、ポリエステル樹脂を形成するために用いられるアルコール成分の総量に対し50質量%以上を脂肪族ジオールが占めることを意味する。この全アルコール成分における脂肪族ジオールの比率は、70質量%以上が好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
ブラックトナー用の着色剤として用いられるカーボンブラックは、炭素分子が六員環網状に結合し、それが多層構造となり層と層の間に大きなπ電子系を形成している。そのため、電気抵抗が低く、一般には、結着樹脂中に十分に分散した状態であっても、トナーの電気抵抗を低くする原因となり易い。
ここで、ブラックトナーの結着樹脂としてπ電子を多く有するビスフェノール系ポリエステル樹脂を用いた場合、樹脂とカーボンブラックの双方が芳香環を有する。このような場合には、芳香環同士の相互作用により、お互いを積み重ねたような配置で安定化できるため、樹脂中へのカーボンブラック分散性が向上する。しかしながら、芳香環が積み重なることで、π電子系が大きく広がるため、π電子の流れがより自由となりトナーの抵抗が低くなると推測される。特にカーボンブラック含有率が高い場合には、分散性が向上するほど、カーボンブラック粒子の存在数は多くなり、粒子間の距離が縮まっていく。その結果、極近接したカーボンブラック粒子間を電子が飛び越えて電子が流れていくと推測される。
そこで、本発明で用いられるブラックトナーは、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して10質量%以上の含有比率で含有していることが重要である。これにより、カーボンブラック分散性を保ちつつ、π電子の流れをコントロールすることでトナーが低抵抗化することを抑制することできた。
本発明のブラックトナーにおいては上記ポリエステル樹脂の含有比率が、全結着樹脂に対して10質量%未満であると、π電子の流れをコントロールすることが難しくなり、帯電緩和の原因になる場合がある。
さらに、本発明で用いられるブラックトナーは、上記ポリエステル樹脂の含有比率が、全結着樹脂に対して12質量%以上50質量%以下であることが好ましく、15質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
ールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂の含有比率が、全結着樹脂に対して10質量%未満であることを特徴とする。
上記ブラックトナーと比較して、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナーなどのカラートナーで使用される有機着色剤は、カーボンブラックよりも粒径が大きく、凝集力が小さいため、結着樹脂中への分散性が容易である。さらに、着色剤自身の抵抗も高いため、カラートナーの抵抗も高くなりやすく、トナーが過剰に帯電してしまう場合がある。
トナーの結着樹脂として極性基である多くのエステル基を有するポリエステル樹脂を用いた場合、エステル基への水分吸着により帯電への影響を受け易い。特に、帯電が高くなり易いカラートナーでは、僅かに吸着又は脱離した水分変化が、急激な帯電特性の変化の原因になる場合があった。
そこで、本発明のトナーキットに用いられるイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーは、上記ポリエステル樹脂の含有比率が、全結着樹脂に対して10質量%未満であることが重要である。これにより、カラートナーの帯電特性の急激な変化を抑制することできた。さらに好ましくは、上記ポリエステル樹脂の含有比率が全結着樹脂に対して8質量%以下である。
ここで、分散径が3R以上であるカーボンブラックの割合に着目した理由は以下の通りである。
まず、カーボンブラックの構造について説明する。カーボンブラックは、一次粒子が融着した一次凝集体(アグリゲート)、さらにVanderWaals力の相互作用による二次凝集体(アグロメレート)がある。樹脂中においてカーボンブラックが、粒子として存在可能な最小単位は一次凝集体であり、分散状態により様々な大きさの二次凝集体が形成される。本発明におけるカーボンブラックの平均分散径Rは、一次凝集体、及び二次凝集体の個数平均粒径である。
大きなカーボンブラック凝集体の存在比率が高くなると、カーボンブラックに樹脂が取り囲まれた空間が生まれる。このような空間に存在する樹脂は、カーボンブラックによる導電経路の形成を阻害する事ができないため、トナーの高抵抗化ができない。特に分散径が3R以上になると、3次元的に広がったカーボンブラック凝集体同士の隙間が3R未満の場合と比較して大きくなる。その結果、トナー粒子中に電気抵抗の高い樹脂部が存在していたとしても、トナー粒子の抵抗は低くなりやすく、トナーの帯電緩和の原因になる場合がある。
分散径が3R以上であるカーボンブラックの割合が45.0個数%以下であると、転写時における転写電流のリークがさらに抑制でき、画像欠陥が生じ難くなる。
また、分散径が3R以上であるカーボンブラックの割合が低い場合、カーボンブラック粒子の存在数が多くなり、粒子間の距離が縮まっていく。その結果、極近接したカーボンブラック粒子間を電子が飛び越えて電子が流れていく場合がある。特にカーボンブラック含有率が高い場合には、分散径が3R以上であるカーボンブラックの割合は、10.0個数
%以上であることが好ましい。
上記分散径が3R以上であるカーボンブラックの割合は、例えば、本発明に係るポリエステル樹脂の割合や、原料混合工程や混練工程における強度や時間を最適化することで上記範囲を満たすことが可能である。
ここで、ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーに用いられる上記ポリエステル樹脂は、同一であっても、異なっていても良い。
上記脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
また、上記脂肪族ジオール以外のアルコール成分としては以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類。
一方、多価カルボン酸成分としては、以下のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類;が挙げられる。特に、反応性の高さからイソフタル酸が好ましく用いられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クローラースチレン、3,4−ジクローラースチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クローラーエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピローラー、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
上記ハイブリッド樹脂とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと、(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニ
ットとが、エステル交換反応によって形成されるものでもよい。また、少なくとも縮重合系のモノマーと付加重合系のモノマーのいずれとも反応し得る両反応性モノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物)を用いて縮重合したポリエステルユニットに、ビニル系重合モノマーを付加重合させたものでもよい。
さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
ワックスは、結着樹脂100質量部あたり0.5質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。また、ワックスの示差走査熱量測定計(DSC)で測定された最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが、トナーの保存性とホットオフセット性を両立でき好ましい。
本発明のブラックトナーは着色剤としては、カーボンブラックを含有するが、さらに磁性体;イエロー系着色剤とマゼンタ系着色剤及びシアン系着色剤とを用いて調色してもよい。
上記カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャネルブラック、アセチレン
ブラック、サーマルブラック及びランプブラックが挙げられる。
本発明に用いられるカーボンブラックは、平均一次粒子径が10nm以上70nm以下であることが好ましく、12nm以上50nm以下であることがより好ましく、14nm以上30nm以下であることがさらに好ましい。
平均一次粒径が上記範囲にあるカーボンブラックは着色力により優れており、本発明のトナーに用いることにより、少ないトナー消費量であっても十分な反射濃度が得られる。本発明に用いられるカーボンブラックは、DBP吸油量が35ml/100g以上170ml/100g以下であることが好ましく、40ml/100g以上120ml/100g以下であることがより好ましい。カーボンブラックは、粒子どうしが融着・凝集した状態で存在し、DBP吸着量は融着・凝集の度合いを間接的に定量している。DBP吸油量が上記範囲にあるとカーボンブラックの分散性に優れる。
本発明においては、上記物性のカーボンブラックを用いることにより、ワックスとの濡れが良くなり、カーボンブラックの凝集をさらに抑制でき帯電の安定化が図れる。
マゼンタ系着色剤の顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、185、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。また、マゼンタ系着色剤の染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアン系着色剤の顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。また、シアン系着色剤の染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロー系着色剤の顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。また、イエロー系着色剤の染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは1.0質量部以上30.0質量部以下であり、より好ましくは3.0質量部以上20.0質量部以下である。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10.0質量部以下が好ましい。
トナー粒子と無機微粉体との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
以下、粉砕法でのトナー製造手順を具体例として説明するが、これに限定されるわけではない。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、着色剤及びワックス、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(三井鉱山社製)が挙げられる。次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝社製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)が挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる着色された樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロ
ン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面改質処理を行うこともできる。
トナー粒子の表面改質には、例えば図1に示すような表面改質装置を用いることもできる。トナー粒子1はオートフィーダー2で供給ノズル3を通じて、一定量で表面改質装置内部4に供給される。表面改質装置内部4はブロワー9で吸引されているので、供給ノズル3から導入されたトナー粒子1は機内に分散する。機内に分散にされたトナー粒子1は、熱風導入口5から導入される熱風で、瞬間的に熱が加えられて表面改質される。本発明ではヒーターにより熱風を発生させているが、トナー粒子の表面改質に十分な熱風を発生させられるものであれば装置は特に限定されない。表面改質されたトナー粒子7は、冷風導入口6から導入される冷風で瞬時に冷却される。本発明では冷風には液体窒素を用いているが、表面改質されたトナー粒子7を瞬時に冷却することができれば、手段は特に限定されない。表面改質されたトナー粒子7はブロワー9で吸引されて、サイクロン8で捕集される。
二成分系現像剤として用いる場合は、混合比率を磁性キャリア100質量部に対してトナーを2質量部以上35質量部以下とすることが好ましく、4質量部以上25質量部以下がより好ましい。上記範囲とすることで、トナーの飛散を低減することができる。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した或いは未酸化の鉄粉;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子又は酸化物粒子;フェライト等の磁性体;磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア);一般に公知のもの;等が使用できる。
上記ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーを有するトナーキットを用いてフルカラー画像を形成する当該画像形成方法は、本技術分野における公知の装置や手段により実現することが可能である。例えば、本発明の画像形成方法は、一つの像担持体に複数の現像器が設置されている画像形成装置に用いることが可能である。また、本発明の画像形成方法は、複数の現像器がそれぞれ異なる像担持体に設置され、像担持体上に形成されたトナー画像が順次転写材上へ転写されるタンデム方式の画像形成装置に用いることが可能である。なお、本発明の画像形成方法は、これらに限定されるものではない。
また、上記像担持体上に形成されたトナー画像を転写材に転写する場合に、像担持体から直接転写材へトナー画像を転写する画像形成方法であっても良い。さらに、上記像担持体上のトナー画像を中間転写体へ転写し、中間転写体からトナー画像を転写材へ転写する画像形成方法であっても良い。
.40mg/cm2以下であることがより好ましい。
上記単色あたりの最大のトナー載り量が0.45mg/cm2以下であると、さらに転
写性に優れ、トナー飛び散りが発生し難くなる。また、少ないトナー量で画像形成することにより、少ない消費エネルギーで画像を定着でき、高速出力時においても十分な定着性が得られ易い。一方、上記単色あたりの最大のトナー載り量は、粒状性(画像のガサツキ)の観点より、0.20mg/cm2以上であることが好ましい。
従来、単色あたりの最大のトナー載り量が0.45mg/cm2以下の条件で画像形成
を行う場合、所望の画像濃度や色域を確保するため、着色剤の含有量が多く必要となりカラートナーとブラックトナー間の電気的特性の違いが大きくなる場合があった。また、着色剤の含有量を多くした場合、画像階調性を確保するためトナー帯電量を高くして画像形成を行うことが必要となる。そのため、カラートナーとブラックトナーの電気的特性差がさらに大きくなり、フルカラー画像形成における転写不良による画像欠陥も、トナー帯電量が低い場合と比較して生じやすくなっていた。
本発明のトナーキットを用いる場合、カラートナーとブラックトナーの電気的特性をそれぞれコントロールし、転写不良による画像欠陥を抑制できた効果が得られることは前述した通りである。そして、単色あたりの最大のトナー載り量が0.45mg/cm2以下
の条件という、着色剤の含有量が多く、高い帯電量を有するトナーを用いて画像形成をする場合には、電気的特性のコントロールがより効果的に得られ、画像欠陥の発生を抑制する効果が顕著であることが明らかになった。
<カーボンブラックの平均一次粒子径、及び平均分散径Rの測定方法>
クライオミクロト―ム(Leica社製 ULTRACUT UCT)装置に水溶性樹脂に分散したトナー粒子を入れた。液体窒素により該装置を−80℃まで冷却し、トナー粒子が分散された水溶性樹脂を凍結した。凍結された水溶性樹脂を、ガラスナイフにより切削面形状が約0.1ミリ幅、約0.2ミリ長になるようにトリミングした。次にダイヤモンドナイフを用いて、水溶性樹脂を含むトナーの超薄切片(厚み設定:70nm)を作製し、まつげプローブを用いてTEM観察用グリッドメッシュ上に移動した。水溶性樹脂を含むトナー粒子の超薄切片を室温に戻した後、水溶性樹脂を純水に溶解させて透過型電子顕微鏡(TEM)の観察試料とした。該試料は、日立社製透過型電子顕微鏡H−7500を用い、加速電圧100kVにて観察し、トナー粒子の断面の拡大写真を撮影した。トナー粒子の断面は任意に選んだ。また、拡大写真の倍率は10000倍とした。
上記写真撮影により得られたTEM画像は、画像解析ソフトImage−ProPlus(Media Cybernetics社製)を用いて、2値の画像データに変換した。そのうち、カーボンブラック粒子についてのみ無作為に解析を行なった。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、一次粒子100個を無作為に選択し、その個数平均を平均一次粒子径とした。
また、カーボンブラックの平均分散径Rは、凝集体(一次凝集体、及び二次凝集体)250個を無作為に選択し、その個数平均をカーボンブラックの平均分散径Rとした。
DBP吸油量は、DIN 53601に準じて測定する。
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer
3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なう。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は
、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は、1視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37×0.37μmの画像処理解像度で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。
次に、各粒子像の投影面積Sと周囲長Lを求める。上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度は、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が真円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなるほど円形度は小さい値になる。
各粒子の円形度を算出後、円形度0.200以上1.000以下の範囲を800分割したチャンネルに振り分け、各チャンネルの中心値を代表値として平均値を計算し平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.02g加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.690μm以下に限定し、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.690μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
ピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。試料としては、樹脂、または、トナーを用いる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、
806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、ワックスを約10mg精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30以上200℃以下の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のワックスの最大吸熱ピークとする。
また、結着樹脂またはトナーのガラス転移温度(Tg)は、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度測定と同様に、結着樹脂またはトナーを約10mg精秤し測定する。すると、温度40℃以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化前と比熱変化後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂またはトナーのガラス転移温度Tgとする。
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行う。
磁性フェライトキャリア粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行う。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとする。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)として求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :約23℃/50%RH
<樹脂の製造例>
(ポリエステル樹脂A−1)
1,2−プロピレングリコール50.0質量部、テレフタル酸45.0質量部、アジピン酸6.0質量部、チタンテトラブトキシド0.3質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応せしめた。さらにトリメリット酸6.5質量部とチタンテトラブトキシド0.2質量部を加え、190℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応せしめ、ポリエステル樹脂A−1を得た。ポリエステル樹脂A−1のガラス転移温度(Tg)は62.8℃、ピーク分子量(Mp)17,700、数平均分子量(Mn)6,200、重量平均分子量(Mw)88,000であった。
1,4−ブタンジオール50.0質量部、テレフタル酸30.0質量部、アジピン酸20.0質量部、チタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、180℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応せしめて樹脂A−2を得た。ポリエステル樹脂A−1のガラス転移温度(Tg)は51.9℃、ピーク分子量(Mp)4,300、数平均分子量(Mn)3,800、重量平均分子量(Mw)6,100であった。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン72.0質量部、テレフタル酸27.3質量部、無水トリメリット酸0.7質量部及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応せしめてポリエステル樹脂3を得た。ポリエステル樹脂3のガラス転移温度(Tg)は54.0℃、ピーク分子量(Mp)2,200、数平均分子量(Mn)1,750、重量平均分子量(Mw)3,100であった。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン70.0質量部、テレフタル酸22.0質量部、イソフタル酸3.0質量部、無水トリメリット酸3.0質量部及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、220℃の温度で撹拌しつつ、5時間反応せしめてポリエステル樹脂4を得た。ポリエステル樹脂4のガラス転移温度(Tg)は63.7℃、ピーク分子量(Mp)9,500、数平均分子量(Mn)4,700、重量平均分子量(Mw)120,000であった。
尚、各ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)、ピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
<トナーの製造例>
(ブラックトナーK−1の製造例)
ポリエステル樹脂A−1 30.0質量部
ポリエステル樹脂3 70.0質量部
フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃)
6.0質量部
カーボンブラックNIPex60 10.0質量部
(エボニックデグサジャパン製:平均一次粒子径21nm、DBP吸油量114ml/100g)
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山社製)でよく混合した後、温度100℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝社製)で溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物K−1を得た。
次に、得られた粗砕物K−1を、ターボ工業社製のターボ・ミル(T−250:RSSローター/SNBライナー)を用いて、5.1μmの微粉砕物K−1を作製した。
次に、得られた微粉砕物K−1をハンマー形状と数を改良したホソカワミクロン社製の粒子設計装置(製品名:ファカルティ)を用いて、分級と同時に球形化を行い、トナー粒子K−1を得た。このトナー粒子K−1の重量平均粒径(D4)は5.7μm、平均円形度は0.953、カーボンブラック(CB)平均分散粒径Rは43nm、分散径が3R以上のカーボンブラックの割合は26.0個数%であった。
得られたトナー粒子K−1 100質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15質量%で表面処理したBET比表面積60m2/gの酸化チタン微粒子0.8質量部、及びヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理したBET比表面積130m2/gの疎水性シリカ微粒子0.8質量部、ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理したBET比表面積25m2/gの疎水性シリカ微粒子1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山社製)で混合して、ブラックトナーK−1を得た。
ブラックトナーK−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−1の製造例と同様に行なった。
ブラックトナーK−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した。
さらに得られた微粉砕物K−7を、コアンダ効果を利用した風力分級機(エルボジェットラボEJ−L3、日鉄鉱業社製)で分級して微粉及び粗粉を同時に分級除去、トナー粒子K−7を得た。それ以外は、ブラックトナーK−1の製造例と同様に行なった。
ブラックトナーK−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した。ブラック系着色剤として、カーボンブラックMA100(三菱化学製:一次粒子径24nm、DBP吸油量110ml/100g)を用いた。次に得られた微粉砕物K−8 100質量部に対してAEROSIL R972(日本アエロジル社製)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山社製)で混合した。次に得られた混合物を図1に示す表面改質装置により表面改質を行った。表面改質時の条件は、原料供給速度は5.0kg/hr、熱風の吐出温度は200℃で表面改質を行った。次に、コアンダ効果を利用した風力分級機(エルボジェットラボEJ−L3、日鉄鉱業社製)で分級して微
粉及び粗粉を同時に分級除去、トナー粒子K−8を得た。このトナー粒子K−8の重量平均粒径(D4)は6.5μm、平均円形度は0.975、カーボンブラック平均分散粒径Rは55nm、分散径が3R以上のカーボンブラックの割合は44.0個数%であった。
得られたトナー粒子K−8 100質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15質量%で表面処理したBET比表面積60m2/gの酸化チタン微粒子0.8質量部、及びヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理したBET比表面積130m2/gの疎水性シリカ微粒子0.8質量部、ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理したBET比表面積25m2/gの疎水性シリカ微粒子1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山社製)で混合して、ブラックトナーK−8を得た。
ブラックトナーK−8の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した。さらにブラックトナーK−8では表面改質時における熱風の吐出温度を250℃に変更して表面改質を行なった。それ以外は、ブラックトナーK−8の製造例と同様に行なった。
ブラックトナーK−1の製造例において、下記のとおりに材料組成を変更した。
ポリエステル樹脂A−1 5.0質量部
ポリエステル樹脂3 95.0質量部
フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃)
6.0質量部
C.I.ピグメントイエロー180 10.0質量部
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
それ以外は、ブラックトナーK−1の製造例と同様に行なった。
イエロートナーY−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、イエロートナーY−1の製造例と同様に行なった。
イエロートナーY−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−7の製造例と同様に行なった。
イエロートナーY−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−8の製造例と同様に行なった。
イエロートナーY−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−9の製造例と同様に行なった。
ブラックトナーK−1の製造例において、下記のとおりに材料組成を変更した。
ポリエステル樹脂A−1 5.0質量部
ポリエステル樹脂3 95.0質量部
フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃)
6.0質量部
C.I.ピグメントマゼンタ238 12.0質量部
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
それ以外は、ブラックトナーK−1の製造例と同様に行なった。
マゼンタトナーM−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、マゼンタトナーM−1の製造例と同様に行なった。
マゼンタトナーM−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−7の製造例と同様に行なった。
マゼンタトナーM−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−8の製造例と同様に行なった。
マゼンタトナーM−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−9の製造例と同様に行なった。
ブラックトナーK−1の製造例において、下記のとおりに材料組成を変更した。
ポリエステル樹脂A−1 5.0質量部
ポリエステル樹脂3 95.0質量部
フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃)
6.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
それ以外は、ブラックトナーK−1の製造例と同様に行なった。
シアントナーC−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、シアントナーC−1の製造例と同様に行なった。
シアントナーC−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−7の製造例と同様に行なった。
シアントナーC−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−8の製造例と同様に行なった。
シアントナーC−1の製造例において、表2に示すとおりに材料組成を変更した以外は、ブラックトナーK−9の製造例と同様に行なった。
(磁性コア粒子の製造例)
CuOを15.5質量%、ZnOを14.5質量%、Fe2O3 を70.0質量%をジ
ルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。粉砕・混合した後、大気中900℃で3時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスのボール(φ10mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、湿式ボールミルで5時間粉砕した。フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対しポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で球状粒子に造粒した。その後、大気中1300℃で4時間焼成した。凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子を得た。
(樹脂液の調製例)
ストレートシリコーン(SR2410、東レ・ダウコーニング株式会社製)を固形分換算で100.0質量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン25.0質量部、トルエン300.0質量部を、ボールミル(ソーダガラスボール φ10mm)を用いて2時間混合し、樹脂液を得た。
(磁性フェライトキャリア粒子の製造例)
磁性コア粒子 100.0質量部と、樹脂液を樹脂成分として1.0質量部とを、80℃に加熱した流動床を用いて攪拌し、塗布および溶剤除去操作を行った。さらにその後、得られた試料をジュリアミキサー(徳寿工作所社製)に移し、窒素雰囲気下、温度200℃で2時間熱処理した。得られた処理品を開口70μmのメッシュで分級して、体積基準の50%粒径(D50)が35μmの磁性フェライトキャリア粒子を得た。
表3に示す組合せでトナーキットとして評価を行なった。
各トナーと、上記磁性フェライトキャリア粒子を、トナー濃度が8質量%になるように混合して二成分系現像剤を得た。さらに、トナー濃度が90質量%になるように混合して補給用現像剤を得た。
尚、改造した点は現像剤担持体には周波数10.0kHz、Vpp1.7kVの交流電圧と直流電圧VDCを印加した。そして、単色でのFFh画像(ベタ画像)のドラム上でのトナー載り量が0.41mg/cm2になるように、直流電圧VDCを調整した。
尚、転写工程における転写電流値は以下のように調整した。第一の転写工程の転写電流値:28μA(常温常湿環境、高温高湿環境)。第二の転写工程の転写電流値:35μA(常温常湿環境)、40μA(高温高湿環境)。
印刷環境:常温常湿環境:温度23℃/湿度60%RH(以下「N/N」)
:高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H」)
また、FFh画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00hを256階調の1階調目(白地部)、FFhを256階調の256階調目(ベタ部)とする。上記条件で、画像比率5%、FFh画像のオリジナル原稿(A4)を用いて、200,000枚耐久試験を行い、以下の評価を行った。
紙:CS−814レーザープリンター用紙(81.4g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
上記条件における耐久初期の各色の紙上でのトナー載り量を表4に示す。
[評価方法及び基準]
(1)カブリ
上記N/N及びH/Hにおける、耐久前後でのカブリを評価した。
カブリ評価用画像として、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各単色FFh画像と、レッド、グリーン、ブルーの2次色画像を一面に配し、さらに中心部に5cm×5cmの大きさの白地部(00h画像)の画像パターンを形成した画像を用いた。尚、レッドはイエローFFh画像+マゼンタFFh画像、グリーンはイエローFFh画像+シアンFFh画像、ブルーはマゼンタFFh画像+シアンFFh画像である。
各環境にて上記カブリ評価用画像を10枚出力し、10枚目の白地部の平均反射率Dr(%)をリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、画像を出力していない紙上の反射率Ds(%)を測定し、カブリ(%)は下記式から算出した。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
各フィルター(アンバー、グリーン、ブルー)の平均値をカブリの値とした。
(評価基準)
A:0.5%未満 (非常に良好)
B:0.5%以上1.0%未満 (良好)
C:1.0%以上2.0%未満 (本発明において許容レベル)
D:2.0%以上 (本発明において許容できないレベル)
上記N/N及びH/Hにおける、耐久後での転写効率を評価した。
評価用画像として、5cm×5cmの大きさの2次色であるレッド、グリーン、ブルーとブラック単色のFFh画像パターンを形成した画像を用いた。この画像をドラム上に現像させた後、紙上に転写させた後、定着工程前より未定着画像を得た。ドラム上のトナー量と、紙上のトナー量との重量変化から転写効率を求めた(ドラム上トナー量が全量紙上に転写された場合を転写効率100%とする。)レッド、グリーン、ブルーの平均値を転写効率(色)とし、ブラック単色の値を転写効率(黒)とした。
(評価基準)
A:転写効率が95%以上 (非常に良好)
B:転写効率が90%以上95%未満 (良好)
C:転写効率が80%以上90%未満 (本発明において許容レベル)
D:転写効率が70%以上80%未満 (本発明において許容できないレベル)
上記N/N及びH/Hにおける耐久前後において、画質評価(飛び散り、色ずれ、画像欠損(転写不良により白く抜ける現象)の総合評価)を目視及びルーペで行った。評価画像には、高精細カラーディジタル標準画像(JIS X 9201:2001)を用いた。
(評価基準)
A:飛び散りや色ズレや画像欠損(白ぬけ部)もなく、画像は鮮明であり、ベタ画像も均一。(非常に良好)
B:ルーペ評価にて若干飛び散りや色ズレや画像欠損が認識されるが、目視確認では全く問題ない(良好)
C:目視にて僅かに飛び散りや色ズレや画像欠損が認識されるが、実使用上問題ない(本発明において許容レベル)
D:飛び散りや色ズレや画像欠損が多く認識され、実使用上問題ある(本発明において許容できないレベル)
これらの評価結果を表5に示す。
Claims (4)
- 少なくとも、ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーを有するトナーキットであり、
前記ブラックトナー、前記イエロートナー、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーは、結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子と無機微粉体を有しており、
前記ブラックトナーは、着色剤としてカーボンブラックを含有し、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して10質量%以上の含有比率で含有し、
前記イエロートナー、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーは、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂の含有比率が、全結着樹脂に対して10質量%未満であることを特徴とするトナーキット。 - 前記ブラックトナーは、透過型電子顕微鏡により撮影された前記ブラックトナーの粒子断面の透過電子像において、前記カーボンブラックの平均分散径をRとしたときに、分散径が3R以上であるカーボンブラックの割合が、45.0個数%以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナーキット。
- 像担持体を帯電させる帯電工程、前記帯電工程で帯電された像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記像担持体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程、前記像担持体上のトナー画像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程、を有する画像形成方法において、
前記トナーとして、ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーを用い、前記ブラックトナー、前記イエロートナー、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーは、結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子と無機微粉体を有しており、
前記ブラックトナーは、着色剤としてカーボンブラックを含有し、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して10質量%以上の含有比率で含有し、
前記イエロートナー、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーは、脂肪族ジオールを主成分としたアルコール成分と多価カルボン酸を縮重合することにより得られるポリエステル樹脂の含有比率が、全結着樹脂に対して10質量%未満であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記転写材上に転写形成されるトナー画像における単色あたりの最大のトナー載り量が0.45mg/cm2以下であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
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