JP2016173568A - 静電荷像現像用ブラックトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行なったところ、ブラックトナーが転写性を害さず、かつ黒色としての色相を保持し得るためには、ブラック顔料がトナー中で適度な顔料分散径を維持することが最も有効であるとの知見を得、この知見に基づきさらに検討を重ねたことにより本発明の完成に至った。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、黒色の画像を得るための静電潜像現像用トナーでは、十分な画像濃度を確保するために、トナーにおけるカーボンブラックの含有量を増やすと、トナーの電気抵抗が小さくなり、電子写真方式の画像形成において転写不良が発生するという問題がある。
[1]ブラック顔料及び結着樹脂を含有する静電荷像現像用ブラックトナーであって、トナー断面の倍率5万倍のTEM画像におけるブラック顔料粒子の面積の平均値が、1.0×10−6μm2以上1.0×10−4μm2以下である静電荷像現像用ブラックトナー。
[2]ブラック顔料及び結着樹脂を含有する静電荷像現像用ブラックトナーであって、トナー断面の倍率5万倍のTEM画像におけるブラック顔料粒子の周囲長が、3.0×10−2μm以下である静電荷像現像用ブラックトナー。
[3]前記ブラック顔料粒子の面積の最大値が5.0×10−3μm2以下である、前記[1]又は[2]に記載の静電荷像現像用ブラックトナー。
[4]前記ブラック顔料粒子の面積の標準偏差値が1.0×10−3μm2以下である、前記[3]記載の静電荷像現像用ブラックトナー。
[5]前記TEM画像は、画像処理ソフト Win ROOF 5.7.1(MITANI Corporation)を用いて、ガンマ値を0.5に補正し、閾値60、100に設定した後、2つの閾値による2値化処理を行なったものである、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の静電荷像現像用ブラックトナー。
以下、「静電荷像現像用ブラックトナー」を単に「ブラックトナー」あるいは「トナー」と、略記する場合がある。外添剤を固着又は付着させる前のトナーを「トナー母粒子」
と称する。
また、本明細書において、質量で表される全ての百分率及び部は、重量で表される百分率及び部と同様である。
本発明のブラックトナーの第1は、ブラック顔料及び結着樹脂を含有し、トナー断面の倍率5万倍のTEM画像におけるブラック顔料粒子の面積の平均値が、1.0×10−6μm2以上1.0×10−4μm2以下であることを特徴とする。本発明のブラックトナーの第2は、ブラック顔料及び結着樹脂を含有し、トナー断面の倍率5万倍のTEM画像におけるブラック顔料粒子の周囲長が、3.0×10−2μm以下であることを特徴とする。
このような本発明のトナーの第1あるいは第2を用いて画像形成を行うことにより、画像濃度や色相に優れた画像を提供すること可能となる。
本発明のブラックトナーは、後述の<トナーの構成>で詳述するように、乳化重合凝集法や乳化凝集法に代表されるサブミクロンサイズの重合体一次粒子をトナーサイズであるミクロンサイズまで凝集させる方法を用いて得られる。
乳化重合凝集法は、水系媒体中で不飽和二重結合を有するモノマーをラジカル重合しトナーサイズ以下のサブミクロンサイズの重合体一次粒子を得た後、その重合体一次粒子を
トナーサイズであるミクロンサイズまで凝集させる方法である。乳化凝集法は、ポリエステル樹脂等を高圧条件及びまたは溶剤存在下で水中に微粒子化しトナーサイズ以下であるサブミクロンサイズの重合体一次粒子とし、その後その重合体一次粒子をトナーサイズであるミクロンサイズまで凝集させる方法である。
いずれの方法においても、ミクロンサイズまで凝集させる凝集工程では、少なくともブラック顔料粒子と重合体一次粒子とを凝集させて、粒子凝集体を作成する。その後、熟成・融着工程を経て、粒子凝集体の円形化を行い、トナー母粒子を得る。
凝集工程を行う際に、重合体一次粒子の分散液を撹拌槽に仕込んでおき、該撹拌槽系の内温を25℃から30℃に調整した上で、ブラック顔料分散液を滴下して添加することで、前記凝集速度の差を制御することが出来る。
撹拌槽系の内温が25℃よりも低いときは、ブラック顔料粒子の凝集速度が重合体一次粒子の凝集速度より速くなり、トナー母粒子中のブラック顔料分散粒径が大きくなるおそれがある。
撹拌槽系の内温が30℃よりも高いときは、重合体一次粒子の凝集速度がブラック顔料粒子の凝集速度より速くなりすぎて、ブラック顔料がトナー母粒子中に取り込まれにくくなり、色強度の低いトナーになるおそれがある。
凝集工程を行う際に、撹拌槽に備えられた撹拌翼の回転速度を一定の速度以下と低く設定することで、前記凝集速度の差を制御することが出来る。
たとえば直径12.5cmの容器に1200gの材料を投入し、直径11cmの撹拌翼で撹拌する場合、回転数を250rpm以下にすることが好ましい。
撹拌速度が前記回転数より速い場合は、ブラック顔料粒子の凝集速度が重合体一次粒子の凝集速度より速くなり、トナー母粒子中のブラック顔料分散粒径が大きくなるおそれがある。
逆に撹拌速度が遅すぎると、重合体一次粒子の凝集速度がブラック顔料粒子の凝集速度より速くなりすぎて、ブラック顔料がトナー母粒子中に取り込まれにくくなり、色強度の低いトナーになるおそれがある。
凝集剤として、2価または3価の塩を添加する際に、塩の添加量を重合体一次粒子100質量部に対して、固形分比で0.1質量部以上1.0質量部以下にすることが好ましい。
凝集剤の添加量が0.1質量部よりも少ないときは、ブラック顔料粒子の凝集速度が重合体一次粒子の凝集速度より速くなり、トナー母粒子中のブラック顔料分散粒径が大きくなるおそれがある。
凝集剤の添加量が1.0質量部よりも多いときは、重合体一次粒子の凝集速度がブラック顔料粒子の凝集速度より速くなりすぎて、ブラック顔料がトナー母粒子中に取り込まれにくくなり、色強度の低いトナーになるおそれがある。
ブラック顔料分散液に用いるブラック顔料粒子の体積平均一次粒径を、20nm以下とすることが好ましい。好ましくは、ブラック顔料として、揮発分2.0%以下のカーボンブラックを用いる。更に好ましくは、ブラック顔料として、顔料表面のpHが6以上8以下のカーボンブラックを用いる。このような範囲を満たすカーボンブラックは、カーボンブラック表面の官能基量が少なく、ブラック顔料分散液を調製した際に、カーボンブラック同士が凝集し難いものと推定される。これにより、トナーとした際にも、トナー中におけるカーボンブラックの分散性を良好に維持することができるものと考えられる。
本発明により製造されるブラックトナーは、少なくとも結着樹脂及びブラック顔料を含む。
[結着樹脂]
ブラックトナーを構成する結着樹脂としては、トナーに用い得ることが知られているもののなかから適宜選択して用いればよい。例えば、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−アクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は単独で用いることも、いくつかを併用することもできる。
重合体一次粒子は水等の溶媒中に分散された状態で前記凝集工程に用いられる。
重合体一次粒子分散液の調製方法としては、いくつかの方法が挙げられる。
例えば、後に記載する従来の乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合には、スチレン系あるいは(メタ)アクリル系単量体を構成要素とする重合体一次粒子は、スチレン系あるいは(メタ)アクリル系単量体と、必要に応じ連鎖移動剤を、乳化剤を用いて乳化重合することによって重合体一次粒子分散液が得られる。
この際、各重合性モノマーは別々に加えても、予め複数の重合性モノマーを混合しておいて同時に添加してもよい。更に、重合性モノマー添加途中で重合性モノマー組成を変化させることも可能である。また、重合性モノマーはそのまま添加してもよいし、予め水や乳化剤等と混合、調製した乳化液として添加することもできる。
上記範囲である場合、得られる重合体一次粒子の分散安定性が向上し、凝集工程において粒子形状や粒子径の調整を行いやすくなる。
コールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、架橋剤として反応性基をペンダントグループに有する重合性モノマー、例えばグリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。中でもラジカル重合性の2官能性モノマーが好ましく、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレートが特に好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類;レドックス系開始剤等が用いられる。それらは1種又は2種以上が、通常、重合性単量体100質量部に対して0.1〜3質量部程度の量で用いられる。中でも、重合開始剤としては少なくとも一部又は全部が過酸化水素又は有機過酸化物類であるのが好ましい。
前記重合開始剤は、何れも重合性モノマー添加前、添加と同時、添加後の何れの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
本発明においてブラック顔料は特に限定されないが、代表的な顔料としてカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックについては、前述した<本発明を得るための方法について>の「(4)ブラック顔料の調整」に記載の通りである。
ブラック顔料分散液中のブラック顔料分散体の体積平均粒径は、分散液の調製途中でモニターしながら行い、最終的にブラック顔料分散液中のブラック顔料分散体の体積平均粒径(Mv)を0.01μm以上3μmと以下するのがよく、より好適には0.05μm以上0.5μm以下の範囲に制御することが好ましい。
本発明においては、乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に、ブラック顔料分散液と、必要に応じて、後述する帯電制御剤、ワックス等の分散液を添加して混合分散液を調製し、次いで、この混合分散液中の一次粒子を凝集させて芯粒子とし、芯粒子に樹脂微粒子等を固着又は付着させ、融着させて得られた粒子を洗浄、乾燥することによりトナー母粒子を得ることが好ましい。
また、樹脂微粒子としてのバインダー樹脂のTgが、重合体一次粒子としてのバインダー樹脂のTgよりも高い方が、保存安定性等の点から好ましい。
ブラックトナーには、離型性付与のためワックスを配合することが好ましい。ワックス
としては、離型性を有するものであればいかなるものも使用可能であり、特に限定はされない。具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸により得られる多価アルコールのカルボン酸エステル、又は部分エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が例示される。
そのため、乳化重合凝集法におけるワックスの配合方法としては、予め水中に体積平均径(Mv)0.01〜2.0μm、より好ましくは0.01〜0.5μmに乳化分散したワックス分散液を乳化重合時に添加するか、又は凝集工程で添加することが好ましい。トナー中に好適な分散粒径でワックスを分散させるためには、乳化重合時にワックスをシードとして添加することが好ましい。シードとして添加することにより、ワックスが内包された重合体一次粒子が得られるので、ワックスがトナー表面に多量に存在することがなく、トナーの帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。重合体一次粒子に占めるワックス含有量は、好ましくは4〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%、特に好ましくは7〜15質量%となるよう計算して用いられる。
ブラックトナーには、帯電量、帯電安定性付与のため、帯電制御剤を配合してもよい。帯電制御剤としては、従来公知の化合物が使用される。例えば、ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、ナフトール系化合物、ナフトール系化合物の金属化合物、ニグロシン系染料、第4級アンモニウム塩及びこれらの混合物が挙げられる。
帯電制御剤の配合量は樹脂100質量部に対し、0.1〜5質量部の範囲が好ましい。
性モノマー等とともに帯電制御剤を配合するか、重合体一次粒子及び着色剤等とともに凝集工程で配合するか、重合体一次粒子及び着色剤等を凝集させてほぼトナーとして適当な粒径となった後に配合する等の方法によって配合することができる。これらのうち、帯電制御剤を、乳化剤を用いて水中で乳化分散させ、体積平均径(Mv)0.01μm〜3μmの乳化分散液として使用することが好ましい。乳化凝集時における帯電制御剤分散液配合は、凝集後のでき上がりのトナー母粒子中に0.1〜5質量%となるように計算して用いられる。
前記の分散液中の重合体一次粒子、着色剤分散粒子、ワックス分散粒子、帯電制御剤分散粒子等の体積平均径(Mv)は、実施例に記載の方法でナノトラックを用いて測定し、その測定値として定義される。
乳化重合凝集法における凝集工程においては、上述した、重合体一次粒子、ブラック顔料粒子、必要に応じて帯電制御剤、ワックス等の配合成分は、同時にあるいは逐次に混合するが、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、着色剤粒子分散液、帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を各々作製しておく。
前記電解質の配合量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、通常0.05〜25質量部、好ましくは0.1〜15質量部、更に好ましくは0.1〜10質量部である。配合量が前記範囲未満の場合は、凝集反応の進行が遅くなり、凝集反応後も1μm以下の微粉が残る場合や、得られた粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しない等の場合がある。また、前記範囲の上限を超えた場合は、急速な凝集となりやすく粒径の制御が困難となり、得られた凝集粒子中に粗粉や不定形のものが含まれる等の問題を生じる場合がある。
ここで、前述のように凝集工程前の温度を制御することも、特定範囲のブラック顔料分散径、及びトナー母粒子の粒径に制御する方法の一つである。
ブラック顔料分散液は、20℃以下の低い温度では、ブラック顔料と重合体一次粒子間の凝集よりもブラック顔料同士の凝集が起こりやすい。その結果、トナー中でのブラック顔料の分散状態が悪くなる。
本発明においては、上述の凝集処理後の粒子凝集体に、必要に応じて樹脂微粒子(重合体一次粒子)分散液を添加して粒子凝集体に樹脂微粒子を付着又は固着させてコアシェル構造のトナー母粒子を形成することができる。本発明の製造方法は、コア層とシェル層を有するコアシェル構造のトナー母粒子を形成する場合に、コア層を形成する場合に適用することが好ましい。
前記の帯電制御剤を凝集処理後に加える場合には、粒子凝集体を含む分散液に帯電制御剤を加えた後に樹脂微粒子を加えることが好ましい。
乳化重合凝集法においては、凝集で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、分散安定剤として乳化剤やpH調整剤を添加して粒子同士の凝集力を低下させ、トナー母粒子の成長を止めた後に、凝集した粒子間の融着を起こす熟成工程を加えることが好ましい。
熟成工程では、加熱により結着樹脂の粘度を下げ円形化させるが、そのまま加熱するとトナー母粒子径の成長が停止しないため、加熱による粒子径の成長を停止させる目的で、通常、分散安定剤として、乳化剤やpH調整剤を添加したり、攪拌回転数を上げたりしてせん断力をかける事ができる。
熟成工程の温度は、好ましくは一次粒子を構成するバインダー樹脂のTg以上、より好ましくは前記Tgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくは前記Tgより80℃高い温度以下、より好ましくは前記Tgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、一次粒子を構成する重合体のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
また、前記の乳化重合凝集法により得られた粒子の表面に、例えば、スプレードライ法、in−situ法、或いは液中粒子被覆法等の方法によって、更に、重合体を主成分とする外層を、好ましくは0.01〜0.5μmの厚みで形成させることによって、カプセル化されたトナー母粒子とすることもできる。
乳化重合凝集法トナーの帯電性は、正帯電であっても負帯電であってもよく、トナーの帯電性の制御は、帯電制御剤の選択及び含有量、外添剤の選択及び配合量等によって調整することができる。
こうして得られたトナー母粒子には、流動性や現像性を制御する為に、トナー母粒子表面に公知の外添剤が配合されてトナーとなっていてもよい。外添剤としては、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、タルク、ハイドロタルサイト等の金属酸化物や水酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸金属塩、窒化チタン、窒化珪素等の窒化物、炭化チタン、炭化珪素等の炭化物、アクリル系樹脂やメラミン樹脂等の有機粒子等が挙げられ、複数組み合わせることが可能である。中でも、シリカ、チタニア、アルミナが好ましく、また、例えばシランカップリング剤やシリコーンオイル等で表面処理されたものがより好ましい。
その平均一次粒子径は1〜500nmの範囲が好ましく、より好ましくは5〜100nmの範囲がよい。また、前記粒径範囲において小粒径のものと大粒径のものとを併用することも好ましい。外添剤の配合量の総量は、トナー母粒子100質量部に対して0.05〜10質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナーを磁力により静電潜像部に搬送するためのキャリアを共存させた磁性二成分現像剤用、又は、磁性粉をトナー中に含有させた磁性一成分現像剤用、或いは、現像剤に磁性粉を用いない非磁性一成分現像剤用の何れに用いてもよい。本発明の効果を顕著に発現するためには、特に非磁性一成分現像方式用の現像剤として用いるのが好ましい。
各粒子径及び円形度、電気伝導度、熱特性等は次のように測定した。
1ミクロン未満の中位径(D50)を有す粒子の中位径(D50)は、日機装株式会社製型式MicrotracNanotrac150(以下ナノトラックと略す)および同社解析ソフトMicrotracParticle Analyzer Ver10.1.2−019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:120秒、測定回数:5回の測定条件で取り扱い説明書に記載された方法で測定し、その平均値を求めた。その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.05とした。
1ミクロン以上の体積中位粒径(Dv50)を有す粒子の体積中位粒径(Dv50)は、ベックマン・コールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm:以下、マルチサイザーと略す)を用い、同社アイソトンIIを分散媒として、分散質濃度0.03%になるように分散させて測定した。
平均円形度は、分散質を分散媒(セルシース:シスメックス社製)に5720〜7140個/μlとなるように分散させ、フロー式粒子分析装置(FPIA3000:シスメックス社製)を用いて、HPF分析量0.35μl、HPF検出量2000〜2500個の条件下でHPFモードにより測定した。
電気伝導度の測定は、導電率計(アズワン株式会社製のCyberScanCON100)を用いて行なった。
重合体一次粒子分散液、シェル粒子分散液の乾燥品のTHF可溶成分を、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:東ソー社製GPC装置 HLC−8020、カラム:ポリマーラボラトリー社製PL−gelMixed−B 10μ、溶媒:THF、試料濃度:0.1質量%、検量線:標準ポリスチレン
セイコ−電子工業株式会社製の示差熱分析装置(DSC200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した。Tgは、DSC曲線のベースラインの延長線と吸熱カーブで最大傾斜を示す接線との交点から求めた。
Mountech社のAutomatic Surface Area Analyzerで、キャリアガスにヘリウムを用いて、サンプル0.5gを200℃で20min脱気したのち測定した。
<ブラック着色剤分散液Bk1の調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、三菱カーボンブラック#960(三菱化学社製、N2吸着比表面積260m2/g DBP(ジブチルフタレート)吸収量69cm3/100g 揮発分1.5%)、20部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(以下、20%DBS水溶液と略す)1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)4部、導電率が2μS/cmのイオン交換水75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。プレミックス後の分散液中カーボンブラックの体積累積50%径Dv50は約90μmであった。上記プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、ワンパス分散を行った。なお、ステータの内径は120mmφ、セパレータの径が60mmφ、分散用のメディアとして直径が50μmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm3)を用いた。ステータの有効内容積は約2リットルであり、メデイアの充填容積は1.4リットルとしたので、メディア充填率は70%である。ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が約11m/sec)として、供給口より前記プレミックススラリーを無脈動定量ポンプにより供給速度約40リットル/hrで供給し、所定粒度に達した時点で排出口より製品を取得した。なお、運転時にはジャケットから約10℃の冷却水を循環させながら行い、ブラック着色剤分散液Bk1を得た。
エステルワックス ニッサンエレクトールWE−10(日油社製、カタログ値融点69℃、0.1%重量減少時間19分)29.8部、デカグリセリンデカベヘネート(酸価3.2mgKOH/g、水酸基価27mgKOH/g)0.24部、20%DBS水溶液2.75部、脱塩水67.25部を90℃に加熱して20分間攪拌した。次いで、100℃加熱下で、高圧乳化機を用いて30MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し中位径(D50)が245nm以下になるまで分散してワックス分散液A1を作製した。最終粒径(D50)は、232nmであった。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス分散液A1 36.3部、脱塩水260部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、攪拌を続けたまま下記のモノマー類・乳化剤溶液の混合物を300分かけて添加した。このモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を添加開始した時間を重合開始とし、下記の開始剤水溶液1を重合開始30分後から270分かけて添加した。その後開始剤水溶液2を120分かけて添加した。その後、攪拌下で内温90℃のまま60分保持した。
スチレン 69.1部
アクリル酸ブチル 30.9部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.5部
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.5部
[開始剤水溶液1]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 15.5部
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液B1を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は203nmだった。重量平均分子量(Mw)は40300だった。Tgは37℃だった。
ニッサンエレクトールWE−10の代わりにニッサンエレクトールWEP−5(日油社製、カタログ値融点82℃、0.1%重量減少時間55分)を用いる以外はワックス分散液A1と同様にして、ワックス分散液A2を作製した。最終粒径(D50)は、238nmであった。
ワックス分散液A1をワックス分散液A2に、モノマー類を以下のように変更した以外は重合体一次粒子分散液B1と同様の方法で、重合体一次粒子分散液B2を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は205nmだった。重量平均分子量(Mw)は304000だった。Tgは38℃だった。
スチレン 65.5部
アクリル酸ブチル 34.5部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
攪拌装置、加熱冷却装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた直径12.5cmの丸底ガラス混合器に重合体一次粒子分散液B1 85部(固形分)、重量としては1200gを投入した。直径11cmの撹拌棒で、250rpmで撹拌しながら内温を25℃に調整した後、硫酸鉄7水和物の5%水溶液を0.5部(固形分)添加、ブラック着色剤分散液Bk1 6.0部を5分かけて添加して均一に混合した後、0.5%硫酸アルミニウム水溶液0.3部(固形分)を15分かけて添加した。更に131分かけて内温44℃まで昇温した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径(Dv50)を測定したところ、5.95μmであった。その後、重合体一次粒子分散液B2を15部(固形分)、12分かけて添加した後、30分撹拌を継続した。その後、20%DBS水溶液4.0部を添加してから、38分かけて81℃まで昇温し、50分保持し、その後30℃まで冷却した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径(Dv50)を測定したところ、7.28μmであった。
攪拌装置、加熱冷却装置を備えた反応器にコア粒子分散液C1を70部(固形分)、脱塩水30部を仕込み、室温で攪拌しながらPAS−J−81(ニットーボーメディカル社製、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体25%水溶液、カタログ値重量平均分子量(Mw)870,000)0.107部(固形分)を添加し、室温で15分撹拌した。その後、1N−NaOH水溶液7.5g/1L分散液体積の添加量で添加した後、15分撹拌を継続した。スチレン・アクリル酸2−エチルヘキシル・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体水分散液(2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸2.7質量%含有、重合平均分子量(Mw):14,200、Tg:70℃、ナノトラックを用いて測定した中位径(D50):24nm、固形分濃度:20質量%) 5部(固形分)を滴下し、室温で15分撹拌した。その後、1N−HNO3水溶液10g/1L分散液体積の添加量で滴下し、15分撹拌を継続した後、分散液を内温45℃まで昇温し、60分保持した後、30℃まで冷却した。洗浄前にマルチサイザーIIIを用いて測定した体積中位粒径(Dv50)は7.44μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.972であった。
この工程を濾液の電気伝導度が2μS/cmになるまで繰り返した後、得られたケーキ
を40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥する事により、トナー母粒子F1を得た。
協立理工社製サンプルミルKR−3内に、トナー母粒子F1を100部投入し、続いて体積平均一次粒径0.1μmでPDMS(ポリジメチルシロキサン)処理されたシリカ微粒子0.8部、体積平均一次粒径0.12μmでPDMS処理されたシリカ微粒子0.8部を添加し計1.5分間撹拌、混合した。その後、体積平均一次粒径0.014μmでアルキルシラン処理されたチタニア微粒子0.3部、体積平均一次粒径0.015μmでPDMS処理されたシリカ微粒子0.4部、体積平均一次粒径0.01μmでPDMS/アミノシラン処理されたシリカ微粒子0.2部を添加し計1.5分間撹拌、混合した。その後、体積一次粒径0.2μmの樹脂ビーズ0.2部を1.5分間撹拌、混合し、篩別する事により現像用トナーG1を得た。
<ブラック着色剤分散液Bk2の調製>
分散剤として、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)の代わりに非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲンA90)を使用し、20%DBS水溶液を使用しないこと以外は、ブラック着色剤分散液Bk1と同様の方法でブラック着色剤分散液Bk2を得た。
ブラック着色剤分散液Bk1のかわりにブラック着色剤分散液Bk2を使用する以外は、コア粒子分散液C1と同様の方法でコア粒子分散液C2を得た。
コア粒子分散液C1のかわりにコア粒子分散液C2を使用する以外は、トナー母粒子F1と同様の方法でトナー母粒子F2を得た。
洗浄前にマルチサイザーIIIを用いて測定した体積中位粒径(Dv50)は8.76μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.967であった。
トナー母粒子F1のかわりにトナー母粒子F2を使用する以外は、現像用トナーG1と同様の方法で現像用トナーG2を得た。
<ブラック着色剤分散液Bk3の調製>
カーボンブラックとして、#960の代わりにリーガル330R(キャボット社製、N2吸着比表面積88m2/g DBP吸収量70cm3/100g)を使用した以外はブラック着色剤分散液Bk1と同様の方法でブラック着色剤分散液Bk3を得た。
攪拌装置、加熱冷却装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた直径12.5cmの丸底ガラス混合器に重合体一次粒子分散液B1 85部(固形分)、重量としては1200gを投入した。直径11cmの撹拌棒で、370rpmで撹拌しながら内温を10℃に調整した後、硫酸鉄7水和物の5%水溶液を0.5部(固形分)添加、ブラック着色剤分散液Bk3 6.0部を5分かけて添加して均一に混合した後、0.5%硫酸アルミニウム水溶液0.05部(固形分)を15分かけて添加した。更に182分かけて内温43.4℃まで昇温した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径(Dv50)を測定したところ、5.49μmであった。その後、重合体一次粒子分散液B2を15部(固形分)、
12分かけて添加した後、30分撹拌を継続した。その後、20%DBS水溶液4.0部を添加してから、49分かけて81℃まで昇温し、50分保持し、その後30℃まで冷却した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径(Dv50)を測定したところ、6.99μmであった。
コア粒子分散液C1のかわりにコア粒子分散液C3を使用する以外は、トナー母粒子F1と同様の方法でトナー母粒子F3を得た。
洗浄前にマルチサイザーIIIを用いて測定した体積中位粒径(Dv50)は7.02μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.975であった。
トナー母粒子F1のかわりにトナー母粒子F3を使用する以外は、現像用トナーG1と同様の方法で現像用トナーG3を得た。
<ブラック着色剤分散液Bk4の調製>
カーボンブラックとして、#960の代わりに#44(三菱化学社製、N2吸着比表面積110m2/g DBP吸収量78cm3/100g 揮発分0.8%)を使用した以外は、ブラック着色剤分散液Bk1と同様の方法でブラック着色剤分散液Bk4を得た。
ブラック着色剤分散液Bk3のかわりにブラック着色剤分散液Bk4を使用する以外は、コア粒子分散液C3と同様の方法でコア粒子分散液C4を得た。
コア粒子分散液C1のかわりにコア粒子分散液C4を使用する以外は、トナー母粒子F1と同様の方法でトナー母粒子F4を得た。
洗浄前にマルチサイザーIIIを用いて測定した体積中位粒径(Dv50)は7.15μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.974であった。
トナー母粒子F1のかわりにトナー母粒子F4を使用する以外は、現像用トナーG1と同様の方法で現像用トナーG4を得た。
<ブラック着色剤分散液Bk5の調製>
カーボンブラックとして、#960の代わりにMA077(三菱化学社製、N2吸着比表面積130m2/g DBP吸収量68cm3/100g 揮発分2.8%)を使用した以外は、ブラック着色剤分散液Bk1と同様の方法でブラック着色剤分散液Bk5を得た。
ブラック着色剤分散液Bk1のかわりにブラック着色剤分散液Bk5を使用する以外は、コア粒子分散液C3と同様の方法でコア粒子分散液C5を得た。
コア粒子分散液C1のかわりにコア粒子分散液C5を使用する以外は、トナー母粒子F1と同様の方法でトナー母粒子F5を得た。
洗浄前にマルチサイザーIIIを用いて測定した体積中位粒径(Dv50)は7.45
μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.971であった。
トナー母粒子F1のかわりにトナー母粒子F5を使用する以外は、現像用トナーG1と同様の方法で現像用トナーG5を得た。
(株)日立製作所製のHITACHI H−7500形透過電子顕微鏡を用いて観察した。
トナーをショ糖溶液に混合し、2mm径の試料台にのせて、液体窒素で凍結した後、クライオウルトラミクロトームを用いてダイヤモンドナイフで0.4μm超薄切片を作製した。その切片をメッシュにのせて、倍率50000で、TEM観察を行なった。結果を図1〜5に示す。図1は現像用トナーG1のTEM写真、図2は現像用トナーG2のTEM写真、図3は現像用トナーG3のTEM写真、図4は現像用トナーG4のTEM写真、図5は現像用トナーG5のTEM写真である。
トナー断面の倍率5万倍のTEM写真を以下の手順で画像処理し、ブラック顔料粒子の面積データを得た。
画像処理ソフト Win ROOF 5.7.1 (MITANI Corporation)を用いて画像処理の強調を行い、ガンマ値を0.5に補正した。閾値60、100に設定して、2つの閾値による2値化処理を行なった。
自動計測により、TEM写真中のブラック顔料粒子の面積、周囲長を測定した。測定値のうち、1ピクセルのデータはノイズとみなして消去した。
残りのデータからブラック顔料粒子の面積の平均値、標準偏差値、最大値、および平均周囲長を求めた。
1サンプルにつき3枚のTEM写真について同様の画像処理を行ない、平均値を求めた。結果を表1に示す。
現像用トナー10gを内径3cm、高さ6cmの円筒形の容器に入れ、20gの荷重をのせ、温度50℃、湿度55%の環境下に48時間放置した後、トナーを容器から取り出し、上から荷重をかけることで凝集の程度を確認した。判定は以下の通りである。結果を表1に示した。
〇:100g未満の荷重で崩れる。
△:200g未満の荷重で崩れる。
×:凝集しており、200g以上の荷重をかけないと崩れない。
未定着のトナー像を担持した記録紙((株)沖データ社製エクセレントホワイト)を用意し、熱ロール定着方式の定着機を用い、以下のように試験した。
定着機は、ローラー直径27mm、ニップ幅9mm、定着速度229mm/secであり、上ローラーにヒーターを有し、ローラー表面がPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で構成されており、シリコーンオイルは塗布されていない。
ローラーの表面温度を175℃から5℃刻みで昇温しながら、付着量約1.0mg/cm2の未定着のトナー像を担持した記録紙を定着ニップ部に搬送し、各定着温度での画像を得た。以下のように耐オフセット性を判定した。結果を表1に示した。
○:205℃でオフセットしない
△:200℃でオフセットしない
×:195℃でオフセットする
ローラーの表面温度を170℃に調整し、付着量約0.4mg/cm2の未定着のトナー像を担持した記録紙を定着ニップ部に搬送し、定着画像を得た。
X−rite938(X−rite社)を用いて、定着画像の固定位置で印字濃度を測定した。3点測定し、平均値を求めた。判定は以下のとおりである。結果を表1に示した。
〇:L値が15.0以下
×:L値が15.0よりも大きい
各トナー粒子を所定の容器に3g充填し、分光光度計SZ Optical Sensor((株)日本電色)を用いて測定した。判定は以下のとおりである。結果を表1に示した。
〇:L値が12.0以下
×:L値が12.0よりも大きい
キャリアとして関東電化工業(株)製FMU65を使用し、現像用トナーとキャリアとの質量比1:24の混合物10gをガラス製サンプル瓶に入れ、タイテック社製NR−1にて30min間振盪した後、そのうち0.1gを用いて東芝ケミカル(株)製ブローオフ帯電量測定装置を用い、吸引ブローオフ法にて帯電量を測定した。
ブロー条件:0.05kgf/cm2×3秒
吸引圧力 :350〜400mmH2O
スクリーン:400メッシュ
帯電量を以下のように判定した。結果を表1に示した。
〇:帯電値が15.0μC/g以下。
×:帯電値が15.0μC/gよりも大きい。
Claims (5)
- ブラック顔料及び結着樹脂を含有する静電荷像現像用ブラックトナーであって、
トナー断面の倍率5万倍のTEM画像におけるブラック顔料粒子の面積の平均値が、1.0×10−6μm2以上1.0×10−4μm2以下である静電荷像現像用ブラックトナー。 - ブラック顔料及び結着樹脂を含有する静電荷像現像用ブラックトナーであって、
トナー断面の倍率5万倍のTEM画像におけるブラック顔料粒子の周囲長が、3.0×10−2μm以下である静電荷像現像用ブラックトナー。 - 前記ブラック顔料粒子の面積の最大値が5.0×10−3μm2以下である、請求項1または2に記載の静電荷像現像用ブラックトナー。
- 前記ブラック顔料粒子の面積の標準偏差値が1.0×10−3μm2以下である、請求項3記載の静電荷像現像用ブラックトナー。
- 前記TEM画像は、画像処理ソフト Win ROOF 5.7.1 (MITANI
Corporation)を用いて、ガンマ値を0.5に補正し、閾値60、100に設定した後、2つの閾値による2値化処理を行なったものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用ブラックトナー。
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