JP5110101B2 - 正帯電性トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真法や静電記録法などに用いられ、可視像を形成するための正帯電性
トナーおよびその製造方法
従来、電子写真法や静電記録法などに用いられるトナーとして、正帯電性の非磁性1成分トナーが知られている。
たとえば、特定量の正の極性基を有する帯電制御樹脂、有機溶剤および水系媒質を配合して乳化させた乳化液から有機溶剤を除去して得られる帯電制御樹脂の懸濁液と、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子の懸濁液とを混合し、加熱することにより、トナー母粒子の表面に帯電制御樹脂が付着された正帯電性トナーを得る、正帯電性トナーの製造方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2008−186002号公報
しかるに、上記した特許文献1に記載の正帯電性トナーでは、特に、低温定着可能なトナー組成とした場合(例えば、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合)に、印刷枚数の増加に伴って、かぶりが発生する場合がある。
そこで、本発明の目的は、印刷枚数が増加した場合において、かぶりの発生を低減することができる正帯電性トナー、および、その製造方法を提供することにある。
上記した課題を解決するため、本発明の正帯電性トナーは、酸価を有するポリエステル樹脂、着色剤およびワックスを含有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に固着される帯電制御樹脂微粒子と、酸価を有するポリエステル樹脂からなり、前記トナー母粒子よりも小さな粒子径を有するポリエステル微粒子とを含有し、前記ポリエステル微粒子が表面に固着されていることを特徴としている。
また、本発明の正帯電性トナーの製造方法は、帯電制御樹脂、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第1乳化液から、前記有機溶剤を除去して、帯電制御樹脂微粒子が分散された第1懸濁液を調製する、第1調製工程と、酸価を有するポリエステル樹脂、着色剤、ワックス、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第2乳化液から前記有機溶剤を除去して、前記ポリエステル樹脂と前記着色剤と前記ワックスとを含有する母体微粒子が分散された第2懸濁液を調製し、前記第2懸濁液を加熱することにより前記母体微粒子を凝集させて、トナー母粒子が分散された第3懸濁液を調製する、第2調製工程と、酸価を有するポリエステル樹脂、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第3乳化液から、前記有機溶剤を除去して、ポリエステル微粒子が分散された第4懸濁液を調製する、第3調製工程と、前記第1懸濁液と前記第3懸濁液とを混合して第1混合物を調製し、前記第1混合物を加熱する第1トナー形成工程と、さらに、前記第1トナー形成工程において加熱された前記第1混合物と、前記第4懸濁液とを混合する第2トナー形成工程とを含むことを特徴としている。
本発明の正帯電性トナーの製造方法により製造された正帯電性トナーによれば、酸価を有するポリエステル樹脂からなるポリエステル微粒子が表面に固着されているので、印刷枚数が増加した場合において、かぶりの発生を低減することができる。
本発明の正帯電性トナーの走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
1.第1調製工程(帯電制御樹脂微粒子の合成)
本発明の正帯電性トナーの製造方法では、まず、帯電制御樹脂、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第1乳化液から有機溶剤を除去することにより、帯電制御樹脂微粒子が分散された第1懸濁液を調製する(第1調製工程)。
第1乳化液を得るには、帯電制御樹脂、有機溶剤および水系媒体を配合して、乳化させる。
(1)帯電制御樹脂
帯電制御樹脂は、カチオン性基を有する合成樹脂であり、トナーに正帯電性を安定的に付与するために配合される。合成樹脂であれば、トナー母粒子(後述)に良好に固着させることができる。
カチオン性基としては、例えば、第4級アンモニウム基、第4級アンモニウム塩含有基、アミノ基、ホスホニウム塩含有基などが挙げられる。好ましくは、第4級アンモニウム塩含有基が挙げられる。カチオン性基が第4級アンモニウム塩含有基であれば、帯電制御樹脂を安定的に乳化させることができ、得られるトナーの帯電の安定性を向上させることができる。
また、合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。好ましくは、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂が挙げられ、さらに好ましくは、アクリル−スチレン樹脂が挙げられる。合成樹脂がアクリル−スチレン樹脂であれば、トナー母粒子(のポリエステル樹脂)と相溶しにくいため、帯電制御樹脂がトナー母粒子に相溶されることを抑制することができ、トナーに安定した帯電性を付与することができる。これらは、単独使用または併用することができる。
帯電制御樹脂は、例えば、カチオン性基を有する重合性単量体(カチオン性基含有ビニルモノマー)と、そのカチオン性基を有する重合性単量体と共重合可能な重合性単量体(共重合可能ビニルモノマー)との共重合により、得ることができる。例えば、アクリル樹脂やアクリル−スチレン樹脂では、カチオン性基を有する(メタ)アクリレートと、それと共重合可能な(メタ)アクリレートまたはスチレンとのラジカル共重合により、得ることができる。
また、上記方法では、必要により、共重合可能ビニルモノマーとして、ポリ(ジ、トリ、テトラ)アクリレートやジビニルベンゼンなどの多官能性の重合性単量体を共重合させることにより、カチオン性基を有する合成樹脂を架橋させることもできる。
上記により得られるカチオン性基を有する合成樹脂では、カチオン性基含有ビニルモノマーの配合量を適宜選択することにより、帯電制御樹脂中のカチオン性基の含有量を、任意に調整することができる。この場合において、カチオン性基含有ビニルモノマーの配合量は、すべての重合性単量体の総量に対して、例えば、5〜50重量%、好ましくは、10〜40重量%である。
また、第4級アンモニウム塩含有基を含有する帯電制御樹脂は、特開昭63−60458号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報、特開平11−15192号公報などの記載に準じて製造することができる。また、第4級アンモニウム塩含有基を含有する帯電制御樹脂は、例えば、藤倉化成株式会社製 商品名「FCA−207P」(スチレン83重量%、アクリル酸ブチル15重量%およびN,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=P−トルエンスルホン酸2重量%からなる、重量平均分子量(Mw)=12,000、ガラス転移温度(Tg)=67℃の合成樹脂)や、同社製 商品名「FCA−161P」、同社製 商品名「FCA−78P」、同社製 商品名「FCA−201PS」などが挙げられる。
この帯電制御樹脂は、その粒子が小さいほどトナー母粒子(後述)の表面を均一に被覆できるため、トナー母粒子(後述)よりも非常に小さな微粒子として調製されている。例えば、トナー母粒子(後述)の体積平均粒子径が、メジアン径として、例えば、3〜12μm、好ましくは、6〜10μmである場合、帯電制御樹脂の体積平均粒子径は、メジアン径として、例えば、30〜500nm、好ましくは、50〜300nmである。
また、帯電制御樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは、3000〜10万の範囲に設定される。重量平均分子量(Mw)が3000より小さい場合、トナーの強度が弱くなり、トナー同士が凝集する場合がある。重量平均分子量(Mw)が10万を超えると、トナーが硬くなりすぎて定着性が低下する場合がある。なお、重量平均分子量(Mw)は、GPC測定により標準ポリスチレン換算値として求められる。
また、帯電制御樹脂のガラス転移温度(Tg)は、トナーの保存安定性や熱定着性から40℃〜100℃に設定される。より好ましくは、55℃〜80℃である。
(2)有機溶剤
有機溶剤としては、帯電制御樹脂を、溶解または膨潤させることができれば、特に制限されず、公知の有機溶剤が挙げられる。水系媒体での乳化時に、帯電制御樹脂が有する対
イオンの解離が促進されるべく、ある程度の水溶性を有していることが好ましく、そのような有機溶剤として、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトンなどが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
(3)水系媒体
水系媒体は、水、または、水を主成分として、若干の水溶性溶媒(例えば、アルコール類、グリコール類)または添加剤(例えば、界面活性剤、分散剤)が配合されている水系媒体が挙げられる。水系媒体は、下記の乳化方法によれば、好ましくは、水のみが用いられる。
(4)第1乳化液の調製
第1乳化液は、例えば、カチオン性基を有する帯電制御樹脂を有機溶剤に配合して、帯電制御樹脂が有機溶剤によって溶解または膨潤された帯電制御樹脂液を調製し、次いで、帯電制御樹脂液を、水系媒体中で乳化させることにより、調製することができる。
まず、帯電制御樹脂を有機溶剤に配合するには、例えば、有機溶剤100重量部に対して、帯電制御樹脂5〜100重量部、好ましくは、10〜50重量部の配合割合で、帯電制御樹脂を有機溶剤に配合する。
この配合は、特に制限されず、例えば、帯電制御樹脂を有機溶剤に配合して、帯電制御樹脂が溶解または膨潤するように、攪拌混合する。これによって、帯電制御樹脂が有機溶剤によって溶解または膨潤された帯電制御樹脂液が調製される。
次いで、帯電制御樹脂液を水系媒体中で乳化させるには、例えば、水系媒体100重量部に対して、帯電制御樹脂液50〜150重量部、好ましくは、80〜100重量部の配合割合で、帯電制御樹脂液を水系媒体に配合する。
その後、公知の分散機などを用いて、帯電制御樹脂液が配合された水系媒体を攪拌する。攪拌は、例えば、ホモジナイザーなどの高速分散機を用いて、容量1〜3Lの場合には、回転数5000〜20000rpm(先端周速4〜17m/s)、好ましくは、7000〜16000rpm(先端周速7〜14m/s)で、5〜60分、好ましくは、10〜30分攪拌する。すると、帯電制御樹脂液が液滴となって、水系媒体中に乳化され、第1乳化液が調製される。
また、第1乳化液は、まず、水系媒体と有機溶剤とを、例えば、水系媒体100重量部に対して、有機溶剤4〜140重量部、好ましくは、60〜90重量部の配合割合で、配合し、その後、水系媒体と有機溶剤との混合液に、帯電制御樹脂を、例えば、混合液100重量部に対して、帯電制御樹脂2〜50重量部、好ましくは、5〜25重量部の配合割合で、配合し、上記と同様に攪拌することにより、調製することもできる。
このような第1乳化液の調製においては、帯電制御樹脂がカチオン性基を有していることから、乳化安定化剤(例えば、界面活性剤、分散剤または中和剤など)を配合せずとも、帯電制御樹脂を良好に乳化させることができる。そのため、正帯電性トナーの帯電の安定性を阻害する乳化安定化剤などの、正帯電性トナーの表面への付着を防止することができ、得られるトナーの帯電性を安定化させることができる。
(5)第1懸濁液の調製
そして、第1懸濁液を得るには、第1乳化液から有機溶剤を除去する。
第1乳化液から有機溶剤を除去するには、送風、加熱、減圧またはこれらの併用など、公知の方法が用いられる。例えば、窒素などの不活性ガス雰囲気下、例えば、常温〜90℃、好ましくは、50〜80℃で、初期の有機溶剤量の80〜95重量%程度が除去されるまで加熱する。すると、水系媒体から有機溶剤が除去されて、帯電制御樹脂微粒子が水系媒体中に分散された第1懸濁液(スラリー)が調製される。
このとき、水系媒体中に分散される帯電制御樹脂において、その帯電制御樹脂(微粒子)表面に存在するカチオン性基の量は、例えば、5.0×10−5〜6.0×10−4mol/g、好ましくは、1.0×10−4〜3.0×10−4mol/gの範囲となるようにする。
このカチオン性基の量が、これより低いと、帯電が不十分となり、画像形成不良を生じる場合がある。また、これより高いと、過度の帯電により、感光体上へ現像されるトナー量が減少し十分な濃度が得られず、また、感光体と現像ローラとが圧力により接触した接触現像方式においては、帯電が高すぎて押圧かぶりが発生する場合がある。上記範囲にすることにより、トナーに適正な帯電能力を付与することが可能となり、帯電立ち上がり性や帯電の経時安定性を向上させることができる。また、十分な帯電性を確保して、かぶりを低減することができる。
なお、カチオン性基の量は、例えば、コロイド滴定法(流動電位法)により測定することができる。
カチオン性基の量は、原料である帯電制御樹脂の組成比率(例えば、カチオン性基含有ビニルモノマーと共重合可能ビニルモノマーとのモル比率)、および、水系媒体に分散したときの帯電制御樹脂微粒子の体積平均粒子径などを制御することにより、上記範囲内に設定することができる。
帯電制御樹脂微粒子の体積平均粒子径は、帯電制御樹脂を有機溶剤に配合したときの粘度、帯電制御樹脂液と水との配合割合、第1乳化液を調製するときの高速分散機の攪拌速度などを適宜制御することにより、上記範囲内に設定することができる。
カチオン性基の量を上記範囲に設定するに関し、重合性単量体すべてに対するカチオン性基含有ビニルモノマーのモル比率は、好ましくは、10〜40モル%、さらに好ましくは、10〜30モル%である。
また、カチオン性基の量を上記範囲に設定するに関し、帯電制御樹脂、有機溶剤および水の配合割合は、水100重量部に対して、帯電制御樹脂が、好ましくは、4〜100重量部、さらに好ましくは、10〜50重量部であり、有機溶剤が、好ましくは、40〜140重量部、さらに好ましくは、60〜90重量部である。
さらに、カチオン性基の量を上記範囲に設定するに関し、帯電制御樹脂微粒子の体積平均粒子径は、メジアン径として、好ましくは、30〜500nm、さらに好ましくは、50〜300nmである。
なお、この方法では、帯電制御樹脂がカチオン性基を有しているので、第1乳化液の調製において、有機溶剤に溶解または膨潤されている帯電制御樹脂は、水系媒体中で安定的に乳化している。そして、第1懸濁液は、この第1乳化液から有機溶剤を除去することにより得られるため、凝集物の少ない帯電制御樹脂微粒子の懸濁液として調製される。
2.第2調製工程
本発明の正帯電性トナーの製造方法では、別途、酸価を有するポリエステル樹脂、着色剤、ワックス、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第2乳化液から前記有機溶剤を除去して、ポリエステル樹脂と着色剤とワックスとを含有する母体微粒子が分散された第2懸濁液を調製し、第2懸濁液を加熱することにより母体微粒子を凝集させて、トナー母粒子が分散された第3懸濁液を調製する(第2調製工程)。
(1)酸価を有するポリエステル樹脂
酸価を有するポリエステル樹脂は、トナーの主成分であるポリエステル樹脂であり、加熱および/または加圧されることにより、記録媒体(紙、OHPシートなど)の表面上に、固着(熱融着)する。
酸価を有するポリエステル樹脂は、カルボキシル基などの酸価を有する官能基を、有している。
カルボキシル基を有するポリエステル樹脂は、市販されており、例えば、酸価0.5〜40mgKOH/g、好ましくは、1.0〜20mgKOH/gで、重量平均分子量(標準ポリスチレンを検量線とするGPC測定による)9,000〜200,000、好ましくは、20,000〜150,000で、架橋分(THF不溶分)10重量%以下、好ましくは、0.5〜10重量%で、ガラス転移点(Tg)50〜70℃、好ましくは、55〜65℃のポリエステル樹脂が用いられる。具体的には、ポリエステル樹脂としては、FC1565(三菱レイヨン製)、FC023(三菱レイヨン製)が挙げられる。
酸価がこれより低い場合には、後に添加する水酸化ナトリウムなどの塩基と反応する量が少ないために、乳化が不安定となって安定したスラリーが得られない場合がある。一方、酸価がこれよりも高い場合には、トナーの正帯電性が低下し、画像濃度の低下などを生じる場合がある。
また、重量平均分子量がこれよりも低い場合には、トナーの機械的強度が不足してトナーの耐久性が低くなる場合がある。一方、重量平均分子量がこれよりも高い場合には、トナーの溶融粘度が過度に高くなり、乳化液滴が大きくなってしまい粗大粒子が発生しやすくなる場合がある。
架橋分は、全くなくてもよいが、トナーの強度や定着性(特に高温側のオフセット)に対しては、ある程度存在していることが好適である。ただし、多すぎると、乳化液滴が大きくなってしまい粗大粒子が発生する場合がある。
(2)着色剤
着色剤は、トナーに所望の色を付与するものであって、ポリエステル樹脂内に分散または浸透される。着色剤としては、例えば、カーボンブラックが用いられる。また、例えば、キノフタロンイエロー、ハンザイエロー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、ペノリンオレンジ、ペリノンレッド、ペリレンマルーン、ローダミン6Gレーキ、キナクリドンレッド、ローズベンガル、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、ジケトピロロピロール系顔料などの有機顔料、例えば、チタンホワイト、チタンイエロー、群青、コバルトブルー、べんがら、アルミニウム粉、ブロンズなどの無機顔料または金属粉、例えば、アゾ系染料、キノフタロン系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、トリフェニルメタン系染料、フタロシアニン系染料、インドフェノール系染料、インドアニリン系染料などの油溶性染料または分散染料、例えば、ロジン、ロジン変性フェノール、ロジン変性マレイン酸樹脂などのロジン系染料が挙げられる。さらには、高級脂肪酸や樹脂などよって加工された染料や顔料なども挙げられる。これらは、所望する色に応じて、単独使用または併用することができる。例えば、有彩単一色のトナーには、同色系の顔料と染料、例えば、ローダミン系の顔料と染料、キノフタロン系の顔料と染料、フタロシアニン系の顔料と染料を、それぞれ配合することができる。
着色剤は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、例えば、2〜20重量部、好ましくは、4〜10重量部の割合で配合される。
(3)ワックス
ワックスは、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させるために添加される。
ワックスとしては、特に制限されず、公知のワックスが用いられ、例えば、エステル系ワックス、炭化水素系ワックスなどが挙げられる。
エステル系ワックスとしては、例えば、ステアリン酸エステル、パルミチン酸エステルなどの脂肪族エステル化合物、例えば、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートなどの多官能エステル化合物などが挙げられる。
炭化水素系ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類、例えば、キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス、例えば、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリン、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス、例えば、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックスなどが挙げられる。
これらワックスは、単独使用または併用することができる。好ましくは、上記したワックスのうち、融点が、50〜100℃のワックスが挙げられる。融点が低く溶融粘度の低いワックスは、定着器の加熱温度が低い場合でも、結着樹脂よりも先に溶融してトナー表面に染み出すことで、オフセットを防止することができる。より具体的には、エステル系ワックス、パラフィン系ワックスが挙げられる。
ワックスは、ポリエステル樹脂100重量部に対して、例えば、1〜20重量部、好ましくは、3〜10重量部の割合で配合される。
(4)第2乳化液
(4−1)ポリエステル樹脂液の調製
ポリエステル樹脂液は、ポリエステル樹脂と着色剤とワックスとを、有機溶剤と混合することにより、溶液または分散液として調製する。
ポリエステル樹脂液の調製では、例えば、ポリエステル樹脂と着色剤とワックスとを、有機溶剤100重量部に対して、ポリエステル樹脂5〜40重量部、好ましくは、10〜30重量部、着色剤0.25〜3重量部、好ましくは、0.5〜2重量部、ワックス0.25〜4重量部、好ましくは、0.5〜3重量部の配合割合で、有機溶剤に配合し、混合する。
各成分を配合して混合した後、ワックスが溶解可能な温度以上かつ有機溶剤の沸点未満となる加熱温度、具体的には、ワックスや有機溶剤の種類にもよるが、例えば、30℃を超過する温度、好ましくは、32〜79℃に加熱して、ワックスを有機溶剤に溶解させる。
なお、着色剤は、予め着色剤を有機溶剤に分散させて着色剤分散液を調製し、この着色剤分散液を有機溶剤に配合することで、ポリエステル樹脂液に配合することができる。この調製においては、着色剤を分散させるために、分散剤や分散剤に代替してポリエステル樹脂を添加することができる。好ましくは、ポリエステル樹脂を添加する。
着色剤分散液の調製では、例えば、着色剤とポリエステル樹脂と有機溶剤とを、着色剤100重量部に対して、ポリエステル樹脂50〜200重量部、好ましくは、80〜150重量部、有機溶剤3500〜1000重量部、好ましくは、3600〜900重量部の配合割合で、配合して、攪拌機(例えば、ディスパー、ホモジナイザー)により予備分散させ、次いで、分散機(例えば、ビーズミル、高圧ホモジナイザー)により微分散させる。
(4−2)水系媒体
水系媒体としては、上記した第1調製工程と同様の水系媒体が挙げられる。
また、第2調製工程においては、水系媒体として、例えば、アルカリ性水溶液が配合される。アルカリ性水溶液としては、例えば、アミン類などの塩基性有機化合物を水に溶解した有機塩基水溶液や、例えば、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウムなどのアルカリ金属を水に溶解した無機塩基水溶液が挙げられる。
無機塩基水溶液は、例えば、0.1〜5N(規定)、好ましくは、0.2〜2N(規定)の、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液として、調製される。
なお、水の混入によりポリエステル樹脂液に溶解しにくいワックスが配合される場合には、ワックスの析出防止の観点から、好ましくは、有機塩基水溶液が用いられる。この場合には、有機塩基水溶液は、例えば、0.1〜5N(規定)、好ましくは、0.2〜2N(規定)の水溶液として、調製される。
第2調製工程における水系媒体の調製では、例えば、水100重量部に対して、無機塩基水溶液0.1〜40重量部、好ましくは、1〜20重量部の配合割合で、配合する。
また、第2調製工程における水系媒体の調製では、例えば、水100重量部に対して、有機塩基水溶液0.5〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の配合割合で、配合する。
(4−3)第2乳化液の調製
第2乳化液の調製では、ポリエステル樹脂液と水系媒体とを、例えば、水系媒体100重量部に対して、ポリエステル樹脂液を50〜150重量部、好ましくは、80〜120重量部の配合割合で、配合する。
なお、ポリエステル樹脂液にワックスが含まれる場合は、ワックスが溶解可能な温度以上かつ有機溶剤の沸点未満となる温度範囲、例えば、30〜80℃、好ましくは、40〜70℃で、ポリエステル樹脂液および水系媒体を加熱し、加熱温度を保持しながら、ポリエステル樹脂液および水系媒体を配合する。
その後、加熱温度を保持しながら、ポリエステル樹脂液が配合された水系媒体を攪拌する。攪拌は、例えば、スリーワンモーターなどの攪拌機にタービン翼やプロペラ翼を用いて攪拌する。乳化液滴をより小さくするためには、ホモジナイザーなどの高速分散機を用いる。その他、高圧ホモジナイザーなどの分散機を用いることもできる。ホモジナイザーなどのローターステーター型の攪拌機の場合、先端周速5〜20m/s、好ましくは、7〜14m/sで、10〜120分、好ましくは、15〜60分攪拌する。すると、ポリエステル樹脂液が100〜1000nmの液滴となって水系媒体中に乳化され、第2乳化液が調製される。
なお、第2乳化液の調製においては、ポリエステル樹脂液を水系媒体に配合してもよく、また、水系媒体をポリエステル樹脂液に配合することもできる。水系媒体をポリエステル樹脂液に配合する場合には、転相乳化法を用いることもできる。通常、転相乳化法では、ポリエステル樹脂液に水系媒体を少量ずつ添加するため、乳化に多大な時間を要するが、本発明によれば、水系媒体を添加する速度を上げることができ、生産性を向上させることができる。
また、ポリエステル樹脂液に予めアルカリ性水溶液を配合して中和しておき、それに水を配合してもよく、さらには、予め中和したポリエステル樹脂液に水を配合することもできる。
(5)第2懸濁液の調製
次いで、この方法では、第2乳化液から有機溶剤を除去して、ポリエステル樹脂、着色剤およびワックスを含有する母体微粒子が分散された第2懸濁液を得る。第2乳化液から有機溶剤を除去するには、上記した第1懸濁液の調製と同様にして、除去することができる。
なお、この工程で有機溶剤を揮発しないで、後述の第3懸濁液を調製してもよい。この場合、母体微粒子を凝集・融合させてトナー母粒子(後述)の大きさに液滴形成させた後、送風、加熱、減圧等の方法により溶剤を除去する。
得られた第2懸濁液において、第2懸濁液の固形分濃度(第2懸濁液中の母体微粒子の濃度)は、例えば、5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%である。また、第2懸濁液中の母体微粒子の体積平均粒子径は、メジアン径として、例えば、30〜1000nm、好ましくは、50〜500nmである。
第2懸濁液は、さらに水系媒体で希釈して、その固形分濃度が、例えば、1〜30重量%、好ましくは、5〜20重量%となるように調製する。
なお、この希釈において、必要により、凝集・融合工程における分散安定性を図るべく、水系媒体とともに界面活性剤を添加することができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなど)、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが挙げられる。好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。
第2懸濁液に界面活性剤を添加する場合には、例えば、第2懸濁液の固形分100重量部に対して、界面活性剤を0.5〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の配合割合で、配合する。また、第2懸濁液に界面活性剤を添加する場合には、予め界面活性剤水溶液を調製し、その界面活性剤水溶液を、第2懸濁液に添加してもよい。
(6)第3懸濁液の調製
次いで、この方法では、第2懸濁液に凝集剤を添加して母体微粒子を凝集させ、その後、加熱により、凝集させた母体微粒子を融合(融着)させることにより、母体微粒子の粒径を成長させて、トナー母粒子を得る。
凝集剤としては、例えば、塩化アルミニウム、硝酸カルシウムなどの無機金属塩、例えば、ポリ塩化アルミニウムなどの無機金属塩の重合体などが挙げられる。
凝集では、例えば、0.01〜1.0N(規定)、好ましくは、0.05〜0.5N(規定)に調製された凝集剤水溶液を、第2懸濁液100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部となる割合で添加し、攪拌する。
攪拌は、特に制限されないが、例えば、まず、ホモジナイザーなどの高速分散機により第2懸濁液に凝集剤を分散後、次いで、攪拌翼付攪拌機により第2懸濁液が全体的に流動する程度に混合する。攪拌翼は、公知のものが用いられ、平板タービン翼、プロペラ翼、アンカー翼などが用いられる。さらに、超音波分散機により攪拌することもできる。なお、分散時の液温は、例えば、10〜50℃、好ましくは、20〜30℃であり、攪拌時間は、例えば、5〜60分、好ましくは、10〜30分である。
その後、加熱することで凝集状態を均一化するのが好適である。加熱温度は、例えば、粒子が融合しない程度の温度まで加熱する。例えば、35〜60℃である。その後、凝集停止剤を添加して、凝集工程を終了し、次いで、加熱により、凝集させた母体微粒子を融合させる。
凝集停止剤としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属が挙げられる。また、イオン性界面活性剤を使用することもできる。
凝集停止剤の添加では、例えば、0.01〜5.0N(規定)、好ましくは、0.1〜2.0N(規定)に調製されたアルカリ金属水溶液を、懸濁液100重量部に対して、例えば、0.5〜20重量部、好ましくは、1.0〜10重量部となる割合で添加し、攪拌を継続する。
その後、融合は、上記の攪拌を継続しつつ、母体微粒子のガラス転移点(Tg)以上の温度で加熱する。例えば、55〜100℃、好ましくは、65〜95℃で加熱する。加熱時間は、所望する形状に融合するまでの時間でよく、樹脂の種類にも依存するが、例えば、0.5〜10時間である。加熱時間を短くすれば、異形のトナー母粒子を得ることができ、さらに加熱を継続することで、真球状の母粒子を得ることができる。このようにして、凝集させた樹脂微粒子が融合され、例えば、体積平均径が3〜12μm、好ましくは、6〜10μmのトナー母粒子を得る。
その後、冷却し、酸により逆中和した後、ろ過、乾燥して、トナー母粒子の粉末を得る。
逆中和では、例えば、塩酸、硫酸または硝酸などの無機酸を、例えば、0.01〜5N(規定)、好ましくは、0.1〜2N(規定)の水溶液に調製して、それを、懸濁液100重量部に対して、例えば、0.05〜2重量部、好ましくは、0.1〜1重量部となる割合で添加し、その後、10〜180分、好ましくは、15〜120分、懸濁液が流動する程度で攪拌する。
3.第3調製工程
また、この方法では、別途、酸価を有するポリエステル樹脂、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第3乳化液から、有機溶剤を除去して、ポリエステル微粒子が分散された第4懸濁液を調製する。
(1)ポリエステル樹脂、有機溶剤および水系媒体
酸価を有するポリエステル樹脂、有機溶剤および水系媒体としては、上記した第2調製工程と同様の、酸価を有するポリエステル樹脂、有機溶剤および水系媒体が挙げられる。
また、酸価を有するポリエステル樹脂としては、好ましくは、上記した第2調製工程で用いられたポリエステル樹脂と同一組成のポリエステル樹脂(例えば、上記した第2調製工程で用いられたポリエステル樹脂と同一銘柄の樹脂など)、より好ましくは、上記した第2調製工程で用いられたポリエステル樹脂(トナー母粒子に含有されるポリエステル樹脂)と実質的に同一の重量平均分子量のポリエステル樹脂が挙げられる。
第3乳化液において、上記した第2調製工程で用いられたポリエステル樹脂と同一組成のポリエステル樹脂を配合すれば、トナーの帯電性や定着性を維持することができ、トナーの径時安定性や耐久性を向上させることができる。
(2)第3乳化液に配合される他の材料
また、第3乳化液には、必要により、上記した第2調製工程と同様の着色剤、ワックスなどを配合することができる。
(3)第3乳化液の調製
第2調製工程と同様にして、ポリエステル樹脂と、必要により着色剤とワックスとを、有機溶剤と混合することにより、溶液または分散液として、ポリエステル樹脂液を調製する。
ポリエステル樹脂液の調製では、例えば、ポリエステル樹脂と、必要により着色剤とワックスとを、有機溶剤100重量部に対して、ポリエステル樹脂5〜40重量部、好ましくは、10〜30重量部、着色剤0.25〜3重量部、好ましくは、0.5〜2重量部、ワックス0.25〜4重量部、好ましくは、0.5〜3重量部の配合割合で、有機溶剤に配合し、混合する。
次いで、第3乳化液の調製では、水系媒体とポリエステル樹脂液とを、例えば、水系媒体100重量部に対して、ポリエステル樹脂液を50〜150重量部、好ましくは、80〜120重量部の配合割合で、配合する。
なお、ポリエステル樹脂液にワックスが含まれる場合は、ワックスが溶解可能な温度以上かつ有機溶剤の沸点未満となる温度範囲、例えば、30〜80℃、好ましくは、40〜70℃で、ポリエステル樹脂液および水系媒体を加熱し、加熱温度を保持しながら、ポリエステル樹脂液および水系媒体を配合する。
その後、第2調製工程と同様に攪拌することにより、第3乳化液が調製される。
(4)第4懸濁液の調製
次いで、この方法では、第3乳化液から有機溶剤を除去して、ポリエステル微粒子が分散された第4懸濁液を得る。第3乳化液から有機溶剤を除去するには、上記した第1懸濁液の調製と同様にして、除去することができる。
得られた第4懸濁液中のポリエステル微粒子の体積平均粒子径は、第3懸濁液中のトナー母粒子よりも小さく、メジアン径として、例えば、200〜800nm、好ましくは、200〜500nmである。
ポリエステル微粒子の体積平均粒子径が上記範囲内であると、印刷枚数が増加した場合において、かぶりの発生を、より低減することができる。
4.第1トナー形成工程
本発明の正帯電性トナーの製造方法では、次いで、第1懸濁液と第3懸濁液とを混合して第1混合物を調製し、第1混合物を加熱する。
(4−1)第1混合物の調製
第1懸濁液と第3懸濁液とを混合するには、特に制限されず、例えば、第3懸濁液に、第1懸濁液を配合して、適宜攪拌する。
第1懸濁液は、例えば、第3懸濁液の固形分(つまり、トナー母粒子)100重量部に対して、第1懸濁液の固形分(つまり、帯電制御樹脂)が、例えば、0.1〜5重量部、好ましくは、0.5〜3重量部となる配合量で、第3懸濁液に配合される。
攪拌は、例えば、スリーワンモーターなどの攪拌機により液全体が流動する程度に混合すればよい。攪拌翼には公知のものが使用でき、平板タービン翼、プロペラ翼、アンカー翼などを用いることができる。また、ホモジナイザーなどの高速分散機を用いることもできる。さらに超音波分散機などを用いることも均一分散させる点で好適である。
上記したように、第1懸濁液には、凝集物の少ない帯電制御樹脂微粒子が懸濁しているので、第1懸濁液と第3懸濁液とが混合された第1混合物中には、トナー母粒子と帯電制御樹脂とが均一に懸濁している。
(4−2)第1混合物の加熱
第1混合物を加熱するには、特に制限されず、例えば、トナー母粒子のTg(ガラス転移点)が帯電制御樹脂のTgよりも低い場合、トナー母粒子のTgに対して+0〜5℃の範囲の温度で、10〜60分加熱する。トナー母粒子のTgが帯電制御樹脂のTgよりも高い場合、帯電制御樹脂のTgに対して+0〜5℃の範囲の温度で、10〜60分加熱する。
また、第1混合物を加熱するときには、好ましくは、加熱中にトナー母粒子を軟化させて、帯電制御樹脂微粒子をトナー母粒子の表面に埋没させる。
帯電制御樹脂微粒子をトナー母粒子の表面に埋没させれば、トナー同士の摩擦、または、現像機の部材とトナーとの摩擦によって、トナー母粒子から帯電制御樹脂微粒子が剥離することを抑制することができ、トナーに安定した帯電性を付与することができる。
なお、加熱時の第1混合物のpHは、例えば、アルカリ金属塩などのpH調整剤を添加することにより、例えば、pH6〜10.5、さらには、pH6〜8に調整することが好適である。なお、pH調整剤は、予め第3懸濁液に添加しておくこともできる。
これによって、トナー母粒子の表面に帯電制御樹脂微粒子を固着させることができる。
このとき、上記したように、第1混合物中にトナー母粒子と帯電制御樹脂微粒子とが均一に懸濁していることから、トナー母粒子の表面に帯電制御樹脂微粒子が均一に固着している。そのため、得られる正帯電性トナーの帯電性を安定化させることができる。
なお、第1混合物を冷却した後、濾過して乾燥すれば、混合時における第1混合物の固形分と、濾液の固形分(濾液中の帯電制御樹脂微粒子の重量)から、トナー母粒子の表面に固着された帯電制御樹脂の固着量を求めることができる。
帯電制御樹脂の固着量は、例えば、トナー母粒子100重量部に対して、0.2〜5重量部、好ましくは、0.2〜3重量部である。固着量がこれより少ないと、トナー母粒子表面の帯電制御樹脂量が不足するため十分な帯電性が得られない場合がある。一方、固着量がこれより多いと、チャージアップなどの原因となりトナーの帯電の均一性が阻害される場合があり、やはり、トナーの帯電の安定性が低下する場合がある。よって、上記の範囲において、トナーの帯電性の安定化をより一層向上させることができる。
5)第2トナー形成工程
さらに、第1トナー形成工程の後、第1混合物と第4懸濁液とを混合する。
第4懸濁液は、例えば、第1混合物の固形分(つまり、表面に帯電制御樹脂微粒子が固着されたトナー母粒子)100重量部に対して、第4懸濁液の固形分(つまり、ポリエステル微粒子)が、例えば、0.1〜0.5重量部、好ましくは、0.1〜0.3重量部となる配合量で、第1混合物に配合される。
ポリエステル微粒子の配合量が上記範囲内であると、印刷枚数が増加した場合において、かぶりの発生を、より低減することができる。
第1混合物と第4懸濁液とを混合するには、特に制限されず、例えば、第1混合物に、第4懸濁液を配合して、適宜攪拌する。
攪拌は、上記した第1トナー形成工程と同様に、例えば、スリーワンモーターなどの攪拌機により液全体が流動する程度に混合すればよい。
すると、表面に帯電制御樹脂微粒子が固着されたトナー母粒子に、ポリエステル微粒子が静電的に固着され、ポリエステル微粒子が表面に固着された正帯電性トナーを得ることができる。
なお、ポリエステル微粒子は、上記した割合で配合すれば、ほぼ全量が、正帯電性トナーの表面に固着される。
6)後処理工程
(外添剤の添加)
その後、必要により、外添剤を添加する。外添剤は、トナーの帯電性、流動性、保存安定性などを調整するために添加され、トナー母粒子よりも非常に小さい粒径の極微粒子からなる。
外添剤としては、例えば、無機粒子や合成樹脂粒子が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪素アルミニウム共酸化物、珪素チタン共酸化物、および、これらの疎水性化処理物などが挙げられる。例えば、シリカの疎水化処理物は、シリカの微粉体を、シリコーンオイルやシランカップリング剤(例えば、ジクロロジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザンなど)で処理することにより、得ることができる。
合成樹脂粒子としては、例えば、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがスチレン重合体でシェルがメタクリル酸エステル重合体からなるコアシェル型粒子などが挙げられる。
外添剤の添加は、特に制限されず、例えば、ヘンシェルミキサーなどの高速攪拌機などを用いて、上記により得られたトナーと外添剤とを攪拌混合する。外添剤の添加量は、特に制限されないが、上記により得られたトナー100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。
5)正帯電性トナー
上記により得られる正帯電性トナーによれば、酸価を有するポリエステル樹脂からなるポリエステル微粒子が表面に固着されているので、印刷枚数が増加した場合において、かぶりの発生を低減することができる。
特に、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用し、低温定着可能な組成とした、非磁性1成分方式の正帯電性トナーでは、他部材(例えば、供給ローラと現像ローラとの間)との摩擦によってトナーが溶融しやすく、溶融したトナーが、例えば、層厚規制ブレードなどに固着する場合がある。
そして、固着したトナーの正帯電性により、周囲のトナーの正帯電性が低下したり、負極性に帯電したりする場合がある。
そのため、印刷枚数の増加に伴ってトナーの他部材への固着量が増加すると、次第にトナーの帯電不良が発生しやすくなり、かぶりが発生しやすくなる場合がある。
しかし、このような場合であっても、上記により得られる正帯電性トナーによれば、上記したように、かぶりの発生を低減することができる。
なお、上記した実施形態では、第3調製工程において、酸価を有するポリエステル樹脂、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第3乳化液から、有機溶剤を除去して、ポリエステル微粒子が分散された第4懸濁液を、別途調製したが、第4懸濁液を別途調製することなく、上記した第2懸濁液を、第4懸濁液として流用(つまり、第2懸濁液中の母体微粒子をポリエステル微粒子として流用)してもよい。
第2懸濁液を第4懸濁液として流用すれば、製造工程を簡略化することができる。
以下、正帯電性トナーの製造方法を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に言及のない限り、重量基準である。また、各種物性は、後述する測定方法に準じて測定した。
1.第1調製工程
(1)第1懸濁液Aの調製
(1−1)帯電制御樹脂Aの調製
帯電制御樹脂A(商品名「FCA−201PS」、藤倉化成製)を準備した。
帯電制御樹脂Aは、アクリル酸ブチル、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナートおよびスチレンの共重合物(N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート含有量14重量%)で、重量平均分子量(Mw)は15000、ガラス転移温度(Tg)は66℃である。
(1−2)第1乳化液Aの調製
MEK82.5部と、帯電制御樹脂A17.5部とを混合攪拌し、帯電制御樹脂AをMEKに溶解させて、帯電制御樹脂液を得た。
この帯電制御樹脂液100部に、蒸留水100部を混合し、ホモジナイザー(ローターステーター式、シャフト18F、ローター径12.5mm:DIAX−900型ハイドルフ製)にて、回転数16000rpm(先端周速10.5m/s)で20分間攪拌して乳化させて第1乳化液Aを得た。
(1−3)第1懸濁液Aの調製
これを1Lセパラブルフラスコへ移し、窒素を気相中へ送気しながら、60℃で120分間加熱攪拌してMEKを揮発させて除去し、帯電制御樹脂微粒子Aが分散された第1懸濁液Aを得た。
得られた第1懸濁液Aにおいて、固形分濃度は20.7%であった。
(2)第1懸濁液Bの調製
第1乳化液の調製において、ホモジナイザーの回転数を10000rpmに調節した以外は、第1懸濁液Aの調製と同様にして、第1懸濁液Bを調製した。
得られた第1懸濁液Bにおいて、固形分濃度は21.2%であった。
(3)第1懸濁液Cの調製
第1乳化液の調製において、ホモジナイザーの回転数を7000rpmに調節した以外は、第1懸濁液Aの調製と同様にして、第1懸濁液Cを調製した。
得られた第1懸濁液Cにおいて、固形分濃度は20.5%であった。
(4)第1懸濁液Dの調製
(4−1)帯電制御樹脂Bの調製
1Lのセパラブルフラスコに、スチレンモノマー225部と、アクリルモノマー(ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級塩(アクリエステルDMC:三菱レイヨン製))15部と、アクリル酸ブチル30部と、アゾ系重合開始剤(V65:和光純薬製)5部と、MEK(メチルエチルケトン)50部と、メタノール150部とを仕込んだ。
その後、窒素ガスを流速50ml/minにて吹き込み、30分間バブリングした後、さらに、流速30ml/minで気相部分に送気しながら、セパラブルフラスコを65℃に加熱した。
その後、三日月型インペラーにより回転速度100rpmで攪拌しながら、約10時間溶液重合した。得られた帯電制御樹脂液から、加熱減圧によって溶剤分(MEKや未反応モノマーなど)を除去することにより、帯電制御樹脂Bを得た。
この帯電制御樹脂Bでは、重量平均分子量(Mw)が12000であり、ガラス転移点(Tg)が、65℃であった。
(4−2)第1懸濁液Dの調製
帯電制御樹脂Aの代わりに下記の帯電制御樹脂Bを用いた以外は、第1懸濁液Aの調製と同様にして、第1懸濁液Dを調製した。
得られた第1懸濁液Dにおいて、固形分濃度は21.0%であった。
2.第2調製工程
(1)第2懸濁液
(1−1)着色剤分散液の調製
ポリエステル樹脂(FC1565:Tg64℃、Mn(数平均分子量)4500、Mw(重量平均分子量)70000、ゲル分0.8wt%、酸価6.0KOHmg/g:三菱レイヨン製)15部と、カーボンブラック(#260:三菱化学製)15部と、MEK70部とを混合し、ホモジナイザーにて回転数10000rpmで10分間攪拌することにより、着色剤分散液を得た。
(1−2)ポリエステル樹脂液の調製
着色剤分散液100部を、ジルコニアビーズ(直径1mm)450重量部とともにビーズミル(RMB−04:アイメックス製)に投入し、攪拌速度2000rpmで60分間、処理した。
次いで、着色剤分散液60部にMEK678部をゆっくりと混合した後、ポリエステル樹脂(FC1565)149.4部と、エステル系ワックス(ニッサンエレクトールWEP3:日本油脂製)12.6とを混合して攪拌し、これを液温70℃に加熱攪拌してポリエステル樹脂液を得た。
(1−3)第2乳化液の調製
このポリエステル樹脂液900部と、蒸留水900部と、1規定の水酸化ナトリウム水溶液9.0部とを混合し、ホモジナイザーにて回転数15000rpmで20分間攪拌して乳化させて第2乳化液を得た。
(1−4)第2懸濁液の調製
これを2Lセパラブルフラスコへ移し、窒素を気相中へ送気しながら、75℃で140分間加熱攪拌してMEKを除去し、母体微粒子が分散された第2懸濁液を得た。
第2懸濁液中の母体微粒子の体積平均粒子径は、メジアン径として292nmであった。
第2懸濁液中の母体微粒子のガラス転移点(Tg)は、58.8℃であった。
(2)第3懸濁液
(2−1)第3懸濁液の調製
次いで、第2懸濁液に、ノニオン系界面活性剤(エパン785:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー:第一工業製薬製)の5%水溶液57.6部を混合し、蒸留水で希釈して、固形分濃度10%の第2懸濁液の希釈液1600部を準備した。
この希釈液に、凝集剤として0.2規定の塩化アルミニウム水溶液35部を添加し、ホモジナイザーにて回転数8000rpmで高速混合した。
その後、希釈液を2Lセパラブルフラスコへ移し、6枚平板タービン翼(φ75mm)にて回転数300rpmで攪拌しながら44℃に加熱して微粒子を凝集させた。その後、凝集停止剤として0.2規定の水酸化ナトリウム水溶液46部を投入した後、90℃まで昇温し、約6時間攪拌した。
冷却後、希釈液に1規定の塩酸を4部添加して、1時間攪拌した後、吸引濾過して再度蒸留水に懸濁させることにより、トナー母粒子が分散された、固形分10%の第3懸濁液を得た。
第3懸濁液中のトナー母粒子の平均粒子径(体積基準)は、8μmであった。
3.第3調製工程
(1)第4懸濁液A
(1−1)第3乳化液Aの調製
第2調製工程と同様にして、ポリエステル樹脂液を得た。
このポリエステル樹脂液900部と、蒸留水900部と、1規定の水酸化ナトリウム水溶液9.0部とを混合し、ホモジナイザーにて回転数17000rpmで20分間攪拌して乳化させて、第3乳化液Aを得た。
(1−2)第4懸濁液Aの調製
第3乳化液Aを2Lセパラブルフラスコへ移し、窒素を気相中へ送気しながら、75℃で140分間加熱攪拌してMEKを除去し、ポリエステル微粒子Aが分散された第4懸濁液Aを得た。第4懸濁液Aの固形分は、25.6重量%であった。
(2)第4懸濁液B
第3乳化液の調製においてホモジナイザーの回転数を7000rpmとした以外は、第4懸濁液Aと同様にして、ポリエステル微粒子Bが分散された第4懸濁液Bを得た。第4懸濁液Bの固形分は、25.3重量%であった。
(3)第4懸濁液C
(3−1)ポリエステル樹脂液の調製
第2調製工程と同様にして、着色剤分散液を得た。
この着色剤分散液60部にMEK378部をゆっくりと混合した以外は、第2調製工程と同様にして、ポリエステル樹脂液を得た。
(3−2)第3乳化液Cの調製
このポリエステル樹脂液300部と、70℃に加熱した蒸留水600部と、1規定の水酸化ナトリウム水溶液9部とを混合し、ホモジナイザー(ただし、シャフト22F)にて回転数10000rpmで20分間攪拌して乳化させて、第3乳化液Cを得た。
(3−3)第3懸濁液Cの調製
第3乳化液Cを2Lセパラブルフラスコへ移し、窒素を気相中へ送気しながら、75℃で100分間加熱攪拌してMEKを除去し、ポリエステル微粒子Cが分散された第4懸濁液Cを得た。第4懸濁液Cの固形分は、26.8重量%であった。
(4)第4懸濁液D
(4−1)第3乳化液Dの調製
ポリエステル樹脂(FC1565)40部とMEK106部とを混合し、ここに蒸留水200部と、1規定の水酸化ナトリウム水溶液2.0部とを混合し、ホモジナイザーにて回転数15000rpmで20分間攪拌して乳化させて、第3乳化液Dを得た。
(4−2)第4懸濁液Dの調製
第3乳化液Dを2Lセパラブルフラスコへ移し、窒素を気相中へ送気しながら、75℃で100分間加熱攪拌してMEKを除去し、ポリエステル微粒子Dが分散された第4懸濁液Dを得た。第4懸濁液Dの固形分は、22.2重量%であった。
(5)第4懸濁液E
ポリエステル樹脂(FC1565)を、ポリエステル樹脂(FC023:Tg63℃、Mn(数平均分子量)3600、Mw(重量平均分子量)129000、ゲル分1.5wt%、酸価9.0KOHmg/g:三菱レイヨン製)に代えた以外は、第4懸濁液Dと同様にして、ポリエステル微粒子Eが分散された第4懸濁液Eを得た。第4懸濁液Eの固形分は、21.9重量%であった。
(6)第4懸濁液F
上記した第2懸濁液を一部抜き取り、第4懸濁液Fとして流用した。
4.トナーの調製
(1)実施例1
(1−1)第1トナー形成工程
トナー母粒子が分散された第3懸濁液を濾過し、濾別されたトナー母粒子を、蒸留水で洗浄した後、セパラブルフラスコへ投入した。そこへ蒸留水を注いで、トナー母粒子を再び分散させ、固形分10重量%の第3懸濁液1600部(トナー母粒子として160部)を得た。この第3懸濁液の導電率は、4.32μS/cm(液温26℃)であった。なお、導電率は、後述する測定方法で測定した。
次いで、この第3懸濁液を、インペラーにて200rpm(6枚平板タービン翼2段:直径75mm)で攪拌しながら57℃の湯浴中で20分間加熱攪拌した。
次いで、加熱された第3懸濁液に、帯電制御樹脂微粒子Aが分散された第1懸濁液A(固形分20.7重量%)を、7.73部(帯電制御樹脂微粒子Aとして1.6部)混合して第1混合液を調製し、浴温を維持しながら15分間攪拌した。
その後、加熱された第1混合液の濾過、および、濾別されたトナー母粒子および帯電制御樹脂微粒子Aの洗浄を、濾液の導電率が4μS/cm以下になるまで繰り返した。
濾液を乾燥させたところ、約0.52部の固形分(帯電制御樹脂微粒子Aを含む)が得られた。
このとき、濾別されたトナー母粒子および帯電制御樹脂微粒子Aの全量に対する、固着された帯電制御樹脂微粒子Aの割合(帯電制御樹脂微粒子の固着量)は、下記式から、0.67重量%であった。帯電制御樹脂微粒子の固着量を表3に示す。
式:
(第1混合物中の帯電制御樹脂微粒子Aの量(1.6部)−濾液中の固形分の量(0.52部))/(第1混合物中のトナー母粒子の量(160部)+第1混合物中の帯電制御樹脂微粒子Aの量(1.6部)−濾液中の固形分の量(0.52部))×100=0.67
(1−2)第2トナー形成工程
第1トナー形成工程で濾別されたトナー母粒子および帯電制御樹脂微粒子Aを、セパラブルフラスコへ投入した。そこへ蒸留水を注いで、トナー母粒子および帯電制御樹脂微粒子Aを再び分散させ、固形分10重量%の第1混合液1600部を得た。この第1混合液の導電率は、3.8μS/cm(液温26.5℃)であった。なお、導電率は、後述する測定方法で測定した。
この第1混合液に、ポリエステル微粒子が分散された第4懸濁液を1.25部投入して、ホモジナイザーにて10000rpmで5分間攪拌して混合し、正帯電トナーの分散液を得た。
その後、その分散液を濾過し、濾別された正帯電性トナーを、蒸留水で洗浄した後、50℃で、水分量0.5重量%以下まで乾燥した。図1に、得られた正帯電性トナーの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
その後、正帯電性トナー100部に対して、HVK2150(疎水性シリカ:クラリアント製)1部と、NA50H(疎水性シリカ:アエロジル製)1部とを配合し、メカノミル(岡田精工製)にて回転数2500rpmで3分間攪拌した。その後、疎水性シリカの粗大凝集物を、篩によって除去した。
(1−3)導電率の測定方法
(2)実施例2〜12
各第1懸濁液および各第4懸濁液を、表3に示す組み合わせで配合した以外は、実施例1と同様にして、正帯電性トナーを得た。
(3)比較例1
第4懸濁液を配合させない以外は、実施例1と同様にして、正帯電性トナーを得た。
5.各種物性試験
(1)ガラス転移点の測定
示差走査熱分析装置(DSC6220:SIIナノテクノロジー製)を使用して測定した。結果を表1〜3に示す。
試料(測定対象を乾燥して得られた粉末)約5mgを、専用のアルミニウム製パンに投入し、−10℃から170℃まで10℃/minで昇温し(1st run)、次いで、10℃/minで−10℃まで冷却した後、再び170℃まで10℃/minで昇温した(2nd run)。2nd runにおける中点ガラス転移温度を、ガラス転移点(Tg)とした。
なお、リファレンスの測定は、アルミニウム板9.7mgを、同じアルミニウム製パンに投入して、同様に測定した。
(2)分子量の測定方法
測定対象の樹脂を、テトラヒドロフラン(THF:高速液体クロマトグラフィー用)に溶解(6時間振盪後、18時間静置)させた。
次いで、樹脂のTHF溶液を、メンブレンフィルター(DISMIC:孔径0.2μm、ポリテトラフルオロエチレン製:ADVANTEC製)で濾過して、濾液を得た。
濾液を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて、下記条件で測定し、標準ポリスチレン換算により、分子量を測定した。
検出器:830−RI(Jasco)
カラム:GPC KF805L 2本、GPC KF802 1本(Shodex)
試料濃度:0.5mg/ml
注入量:100μl
カラム温度:40℃
流速:1.0ml/min
標準試料:ポリスチレン11種(Shodex Standard(SM105:S−1.20、S−3、S−7.21、S−19.6))
(3)ゲル分の測定方法
規格瓶(No.2)に、測定対象の樹脂0.01g(重量A)とTHF10mlとを投入し、マグネチックスターラーで6時間攪拌して溶解させ、樹脂溶液を調製した。
予め重量を測定したメンブレンフィルター(孔径0.5μm、ポリテトラフルオロエチレン製:ADVANTEC製:重量B)を用いて、樹脂溶液を濾過した後、使用したメンブレンフィルターの重量(重量C)を測定した。
(C−B)/A×100より、ゲル分(重量%)を算出した。
(4)固形分の測定方法
アルミ容器に測定対象を2〜20g採取して乾燥前の重量を測定し、50℃の乾燥機中で乾燥させ、不揮発分の重量を測定した。乾燥前の重量に対する不揮発分の重量の百分率を、固形分(重量%)として算出した。
(5)カチオン性基量の測定方法
下記に詳述するコロイド滴定(流動電位滴定法)により、各第1懸濁液のカチオン性基量を測定した。結果を表1に示す。
(5−1)測定条件
流動電位測定装置として、Automatic Potentiometric Titrator AT−510(京都電子工業製)およびParticle Charge Detector PCD−500(京都電子工業製)を準備した。
また、コロイド滴定の滴定用試薬として、ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム:和光純薬製)の水溶液を調製した。濃度は0.004mol/Lとした。
(5−2)試料の調製
固形分が0.1%となるように蒸留水で希釈し、その希釈液100gをビーカーに準備した。
(5−3)試料の測定
滴定用試薬を、上記の流動電位測定装置にセットし、準備した各第1懸濁液の0.1%希釈液に微量ずつ滴下し、流動電位を測定し、流動電位の変極点を滴定点とした。滴定点までに滴下した滴定用試薬の量から、各第1懸濁液中のカチオン性基量を算出した。
(6)帯電制御樹脂微粒子、母体微粒子およびポリエステル微粒子の平均粒子径の測定
マイクロトラック粒度分布測定装置(UPA150:日機装製)を使用して、各第2懸濁液中の母体微粒子の体積平均粒子径を測定した。結果を表1および2に示す。
希釈溶媒に純水を使用し、溶媒の屈折率は1.33に設定した。また、各帯電制御樹脂微粒子およびポリエステル微粒子D、Eの屈折率は、1.51に設定し、母体微粒子およびポリエステル微粒子A〜Cの屈折率は、1.91に設定した。
同じサンプルを3回測定した平均値をメジアン径(50%径)を体積平均粒子径の代表値とした。
(7)トナー母粒子の平均粒子径の測定
粒度分布測定装置(コールターマルチサイザーIII:ベックマン・コールター製)を使用した。アパーチャ径が100μmのものを使用して測定した。結果を表3に示す。
トナー母粒子(第3懸濁液を乾燥させて得られた粉末)0.2gを、分散剤(ペレックスOT−P:花王製)を用いて50mlの蒸留水に分散(必要により超音波分散)させ、試料(スラリー)を調製した。
次いで、試料を、粒度分布測定装置の測定器に、スポイト(2ml)で数滴(3〜5滴)投入して、約50000個の粒子の粒子径を計測した。体積基準の平均粒子径を、粒子径の代表値とした。
(8)導電率の測定方法
導電率計(COND METER ES−51:堀場製作所製)を使用して、25〜30℃の温度範囲で測定した。
6.正帯電性トナーの性能試験
(1)印刷画質試験
HL−5240(ブラザー工業製)を用いて、各実施例および比較例の正帯電性トナーの印刷画質を評価した。
まず、気温25℃、相対湿度55%の環境下で、A4画像10枚分の白ベタ画像を画出した。このとき、白ベタ画像の画出しにおいて、感光ドラムの表面は、正帯電しており、帯電不良の正帯電性トナー(負帯電したものや、帯電が低いものなど)は、正帯電した感光ドラムの表面に付着する。
その後、感光ドラムの表面に付着した正帯電性トナーを粘着テープに転写し、その粘着テープを、Xerox4200紙に貼着した。
そして、正帯電性トナーを転写していない粘着テープを参照として、それらの白色度の差から評価した。
白色度の差は、白色度計(TC−6MC:東京電色製)を使用して、トナーを転写していない粘着テープの白色度Y0と、トナーを転写した粘着テープの白色度Y1との差(ΔY=Y0−Y1)を算出した。
このΔYが5.0未満であれば、用紙上のかぶりはほとんど目視で確認されず、良好な印刷画質である。結果を表3に示す。
(2)耐久印刷試験
HL−5240(ブラザー工業製)を用いて、各実施例および比較例の正帯電性トナーの印刷耐久性を評価した。
まず、気温25℃、相対湿度55%の環境下で、印刷面積率1%の印刷パターンを、17秒間隔で印刷した。1000枚ごとに印刷品質評価用パターンを印刷し、そのうち、白ベタ部分のかぶりを目視で確認した。かぶりが発生しなかった累計枚数を評価指標とした。結果を表3に示す。
(3)定着性試験
HL−5240(ブラザー工業製)の定着器をオフラインで使用(プリンタ本体から取り外して使用)し、各実施例および各比較例の正帯電性トナーの定着性を評価した。
定着評価用のベタパッチパターンの未定着印刷物を6枚採取し、ベタパッチパターンの反射濃度OD1を測定した。反射濃度は、1.29〜1.31に調製した(なお、反射濃度が上記範囲を外れている場合には、現像バイアスを変更して印刷濃度を調製した。)。
これを定着器(速度24枚/min相当)のローラ温度を適宜変更しながら定着させた。定着後のベタパッチパターンを、300gの荷重をかけながら、布で5往復こすった後、再び、ベタパッチパターンの反射濃度OD2を測定した。
反射濃度低下率(OD1−OD2/OD1)を算出し、反射濃度低下率の6枚の平均値が10%未満である温度を、定着温度の閲値として採用した。
また、オフセット評価用印刷パターンの未定着印刷物を印刷し、その未定着印刷物を上記の定着器を使用して定着させた。このとき、オフセットの有無を目視で判断し、オフセットしていない温度を、定着温度の上限として採用した。結果を表3に示す。
※1:固着量A:帯電制御樹脂微粒子の固着量
※2:固着量B:ポリエステル微粒子の固着量

Claims (11)

  1. 酸価を有するポリエステル樹脂、着色剤およびワックスを含有するトナー母粒子と、
    前記トナー母粒子の表面に固着される帯電制御樹脂微粒子と、
    酸価を有するポリエステル樹脂からなり、前記トナー母粒子よりも小さな粒子径を有するポリエステル微粒子とを含有し、
    前記ポリエステル微粒子が表面に固着されていることを特徴とする、正帯電性トナー。
  2. 前記ポリエステル微粒子は、前記トナー母粒子に含有される前記ポリエステル樹脂と同一組成のポリエステル樹脂からなること特徴とする、請求項1に記載の正帯電性トナー。
  3. 前記ポリエステル微粒子は、前記着色剤を含有していること特徴とする、請求項1または2に記載の正帯電性トナー。
  4. 前記ポリエステル微粒子は、前記ワックスを含有していることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の正帯電性トナー。
  5. 前記トナー母粒子は、酸価を有するポリエステル樹脂、着色剤およびワックスを含有する母体微粒子を凝集させることにより得られ、
    前記ポリエステル微粒子として、前記母体微粒子が用いられていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の正帯電性トナー。
  6. 前記ポリエステル微粒子の体積平均粒子径は、200〜800nmであることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の正帯電性トナー。
  7. 前記ポリエステル微粒子は、0.1〜0.5重量%の割合で含有されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の正帯電性トナー。
  8. 前記帯電制御樹脂微粒子は、4級アンモニウム塩含有基を有するアクリル−スチレン樹脂を含有していることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の正帯電性トナー。
  9. 前記帯電制御樹脂微粒子は、前記トナー母粒子の表面に埋没されることにより固着されており、前記ポリエステル微粒子は、帯電制御樹脂微粒子の表面に静電気的に固着されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の正帯電性トナー。
  10. 帯電制御樹脂、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第1乳化液から、前記有機溶剤を除去して、帯電制御樹脂微粒子が分散された第1懸濁液を調製する、第1調製工程と、
    酸価を有するポリエステル樹脂、着色剤、ワックス、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第2乳化液から前記有機溶剤を除去して、前記ポリエステル樹脂と前記着色剤と前記ワックスとを含有する母体微粒子が分散された第2懸濁液を調製し、前記第2懸濁液を加熱することにより前記母体微粒子を凝集させて、トナー母粒子が分散された第3懸濁液を調製する、第2調製工程と、
    酸価を有するポリエステル樹脂、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた第3乳化液から、前記有機溶剤を除去して、ポリエステル微粒子が分散された第4懸濁液を調製する、第3調製工程と、
    前記第1懸濁液と前記第3懸濁液とを混合して第1混合物を調製し、前記第1混合物を加熱する第1トナー形成工程と、
    さらに、前記第1トナー形成工程において加熱された前記第1混合物と、前記第4懸濁液とを混合する第2トナー形成工程とを含むことを特徴とする、正帯電性トナーの製造方法。
  11. 前記第3調製工程において、前記第2懸濁液を前記第4懸濁液として用いることを特徴とする、請求項10に記載の正帯電性トナーの製造方法。
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