JP4852455B2 - 静電荷像現像用トナー、画像形成装置、トナー容器およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
この方法では、仕込み時の樹脂の分子量がそのままトナーの分子量となる。つまり、トナーの熱特性を調整するために、低分子量樹脂と高分子量樹脂を混合して用いるのが一般的である。しかし、高分子量の樹脂を投入すると溶液の粘度が高くなり過ぎて造粒性が悪化するなどの問題があり、高分子量樹脂は多く使用できない。そのため、低分子量樹脂の分子量を高めに調整せざるを得ず、低温定着を達成するには不利になるという課題がある。
この重合粒子は、電子写真トナー材料として有用な形態の一つであるが、例えば、オイルレス定着システムにおいて用いられるトナーに要請される低温定着性と耐熱保管性を両立し、良好な帯電性を維持し続けるトナーとしてそのまま使用できるものではない。
しかし、真球トナーでは、外添で芯粒子表面に外殻層が付着しにくく溶融成膜化しても不均一になるため、安定した帯電性を得ることが難しい。また、シェル構造となるため、トナー中に含まれるワックス(WAX)が染み出し難くなり、オイルレス定着システムにおいて使用するには適さない。
このトナーは所定の凹凸表面を有し、且つBET比表面積の変化率が20%以下である特性を有するものであり、耐久性をアップさせることを目的とするものである。このようなトナーではオイルレス定着などの目的に好適なトナーとしての構造制御は難しく、また良好な帯電性能を制御するための構造として配慮されたものではない。
しかし、上記製造工程において加熱処理が施されているため、トナーはシェル的な構造(層構造)を有する。そのため、トナー中に含まれるワックス(WAX)の染み出しに不利となり、オイルレス定着などへの適用は難しい。
しかし、上記技術により、低温定着性と耐熱保管性を両立しつつ、良好な帯電性を維持するトナーとするのは難しい。
トナー核の表面に凸凹を有し、平均粒径100nm〜500nm、被覆率10%〜80%の凸部が一体化されている、
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーにより解決する。
(2):上記課題は、少なくとも着色材、離型材、結着樹脂および帯電制御樹脂を溶媒中に溶解または分散させ、O/W型湿式造粒方式で製造される円形度が0.970以上の静電荷現像用トナーにおいて、
前記帯電制御樹脂の有機概念図I/O値をI/Ocとしたとき、0.3<[I/Oc]<2.5の関係を満たすと共に、
前記トナーは、球状のトナー核表面に凹凸を有し、その凸部は粒状で平均粒径が100nm〜500nmであり、トナー核表面に対して被覆率10%〜80%で一体化されていることを特徴とする静電荷像現像用トナーにより解決する。
このように制御されたトナー構造を有するため、結着樹脂と帯電制御樹脂を適切に選択することにより、低温定着性と耐熱保管性の両立が達成され、耐オフセット性を向上することができる。このため、長期間使用しても現像装置等を汚染することなく十分な帯電性を維持し続け、地汚れなどの画像劣化が少ない。また、オイルレス定着システムにも適用でき、さらに、円形度が0.970以上であることから、高速、フルカラー印刷など高精細画像形成に対応することができる。
本発明の画像形成装置によれば、低温定着生と耐熱保管性を両立し、耐オフセット性にも優れた前記静電荷像現像用トナーを充填、保持しているため、長期使用においても現像装置等を汚染することなく、十分な帯電性を維持し続けて地汚れなどのない高品質の画像を形成することができる。そしてオイルレス定着システムにおいても好適に用いることができ、耐久性に優れ、キメの細かく高品質で安定した画像を長期にわたり形成することができる。
本発明のトナー容器によれば、環境変化などに対しても安定した状態でトナーが収容され、取扱い操作が簡便かつ容易となり、さらに装置汚染の防止などにもつながる。
本発明のプロセスカートリッジによれば、本発明の静電荷現像用トナーを搭載しているので、低温定着生と耐熱保管性を両立し、耐オフセット性にも優れ、長期使用においても現像装置等を汚染することがない。そして、メンテナンス性が向上し、コストダウンにつながる。また、各プロセス手段の部材と感光体が一体となり、相対的な位置精度が高い構成とされるため、画像品質の向上が図れる。
このようなトナー構造に制御するため、まず帯電制御樹脂の有機概念図I/O値、すなわち、I(無機性)/O(有機性)値を選択する必要がある。
ここで、帯電制御樹脂のI/O値をI/Ocとしたとき;0.3<[I/Oc]<2.5であることが好ましい。
さらに好ましくは、結着樹脂のI/O値をI/Orとしたとき;0.3<[I/Or]<[I/Oc]<2.5である。
帯電制御樹脂の[I/Oc]を、0.3以上2.5以下とし、さらに好ましくは結着樹脂との相溶性などを変えることにより、凸部の粒径の大きさを所定の範囲に調整することができ、凸部の剥がれ抑制や感光体の汚染防止、あるいは粒子間等における十分なスペーサー効果の維持などの要求特性を満たすことができる。
I/O値に関しては、例えば、“甲田善生,「有機概念図 ―基礎と応用―」,三共出版(1984)”に述べられており、特定される化合物に特有の値として計算により求められる。
上記I(無機性)/O(有機性)における、O(有機性)の増大は、主として有機化合物の炭素原子数に依存するものであり、炭素原子1個を20として計算する。また、I(無機性)の増大は、主として有機化合物の置換基に依存するものであり、ヒドロキシル基1個を100とし、その基の沸点への影響力を基準に定められている。
なお、I/O値の計算を行う計算ツールとしては、例えば、Web上で提供されるものが利用でき、このような入手可能な計算ツールを用いればさらに容易に求めることができる。
すなわち、凸部の平均粒径が100nmより小さいと、スペーサーとしての効果が得られず、また、トナーが真球に近くなることで、トナーがパッキングしたり、フラッシングしやすいなど粉体としてのハンドリング性に課題が残る。一方、凸部の平均粒径が500nmより大きいと、トナー同士の接触や部材との接触で簡単にはがれやすくなり、現像部材や感光体を汚染するといった不具合を生じる。
表面に粒状の凸部(平均粒径が100nm〜500nmで、トナー核表面に対する被覆率が10%〜80%)を一体化して備えた本発明のトナーのSEM写真像を図1に示す。
このようなトナー構造に制御するため、まず帯電制御樹脂の有機概念図I/O値、すなわち、I(無機性)/O(有機性)値を前記範囲に選択する必要がある
凸部の平均粒径の算出は、以下のように行う。
倍率10万倍で観測されたトナー一粒子表面のSEM写真画像上で、トナー粒子画像の長軸上(長軸を2Rとする)の中心位置から、R/2半径画像上の凸部を認定する。その凸部のN=100個以上を測定した平均の凸部長軸を平均粒径とする。ここで、凸部長軸が30nm未満の凸部は観測に用いない。
すなわち、具体例を示すと、SEM写真画像からほぼトナーの平均粒径と同じくらいの粒子画像を取り出し、図2のようにトナー粒子の長軸半径をRとするとその中心からR/2の真円の中をMac−view(株式会社マウンテック)を用いて画像解析を行い、凸部の平均粒径を求める。サンプリング個数nが少ないときは、同じ倍率の別の画像を持ってきて、同様の画像解析を行い、サンプリング個数nが約300以上になるまで繰り返す。
凸部の平均粒径をDtとすると、トナー核表面に対する凸部の被覆率は下記式により求められる。
被覆率(%)=n×(Dt)2/R2×100
このような構造を有するため、現像過程において十分な帯電性を維持し続け、長期使用においても地汚れなどの画像劣化が少ない。また、表面に凹凸を有しているため、部材との接触面積が小さく、移動性に優れたトナーが提供される。
そして、表面に凹凸が形成されたいわゆる表面がシェル構造でないため、トナー核内部からのWAXの染み出しを妨げることがない。
一般的に円形度が0.970以上であると、ブレードクリーニング等を採用している画像形成装置では、感光体上および転写ベルト等のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れが発生することがある。例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像を形成する場合、給紙不良等で未転写画像を形成したトナーが感光体上に蓄積して画像の地汚れが発生したり、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染して、本来の帯電能力を発揮できなくしたりすることがある。
しかしながら、本発明のトナーは、上記制御された構造により構成されているため、トナー核内部からのWAXの染み出しが良好に維持され、上記問題が回避される。そして、オイルレス定着システムにも適用できる。
<平均円形度>
トナー形状の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値が平均円形度である。
円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(シスメックス社製)等を用いて平均円形度として計測した値である。具体的な測定方法は、以下のようである。
予め容器中に、不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加え、次いで試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3,000〜10,000個/μlとし、前記装置によりトナーの形状および分布を測定する。
トナー粒子の体積平均粒径(粒子径)の測定方法について説明する。
トナーの平均粒径および粒度分布はコールターカウンター法による。トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を固形分にして2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dp)を求めることができる。
〔帯電制御樹脂〕
帯電制御樹脂としては、前述のように帯電制御樹脂の有機概念図I/O値をI/Ocとしたとき、0.3<[I/Oc]<2.5の関係を満たすもので、正電荷制御剤としての機能を有するものが用いられるが、好ましいものとしては、例えば、分子構造中に第4級アンモニウム塩基を含有する樹脂が挙げられ、特に、無色透明な状態で相溶し得るものが好ましい。このような帯電制御樹脂としては、例えば、特許第2552133号明細書に記載されているものが例示される。
すなわち、トナー核を形成するトナー母体100質量部に対し、0.5〜15質量部、好ましくは1〜12質量部、さらに好ましくは、2〜10質量部である。0.5質量部未満であると、トナー構造の制御(凸部の平均粒径、トナー核表面に対する被覆率、帯電制御性能等)が所定通りに行えず、本発明の効果が発揮されない。一方、15質量部を超えると、帯電制御樹脂が球状のトナー核表面全体を覆い、ほぼ膜状のシェルを形成(シェル化状態)するため、WAXの染み出しを妨げて、定着性が悪化する。
またトナーの組成分として用いる結着樹脂としては、他の組成分(着色材、離型材、帯電制御樹脂)とともに溶媒中に溶解または分散させて、O/W型湿式造粒方式で造粒でき、前記トナー構造の制御(凸部の平均粒径、トナー核表面に対する被覆率、帯電制御性能等)が所定通りに行えるものであればいずれの樹脂でも構わないが、低温定着性と耐熱保管性とを両立させる観点から、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
以降、「着色材」を「着色剤」、「離型材」を「離型剤」と表現することがある。
Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットに乗せ、電気炉中にセットする。次に、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行う。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出する。
変性ポリエステル樹脂が、ウレタン基および/またはウレア基を有することが好ましい。変性ポリエステル樹脂を含有すると低温定着性と耐熱保管性を向上させるのに都合がよく、例えば、オイルレス定着に対応するのにも適している。
また、前記変性ポリエステル樹脂が、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂とアミン類を反応させることにより得られる樹脂であることが好ましい。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーにアミン類を反応させて得られるウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルはその高分子成分の分子量を調節しやすく、特にオイルレス低温定着特性を確保するのに好都合である。また、特にポリエステルプレポリマーの末端をウレア変性したものは未変性のポリエステル樹脂自体の定着温度域での高流動性、透明性を維持したまま、定着用加熱媒体への接着性を抑制することができる。
ポリエステルプレポリマー(A)を結着樹脂として用いる場合には、プレポリマー(A)、活性水素を有する化合物、着色材(剤)、離型材(剤)、および帯電制御樹脂を溶媒中に溶解または分散させて形成した溶解または分散物を、分散剤を含む水系媒体中で架橋剤および/または伸長剤と反応させ、O/W型湿式造粒方式によりトナーを製造する
好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B
5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
PEの重量平均分子量(Mw)は、10000〜300000、好ましくは14000〜200000である。そのMn(数平均分子量)は、1000〜10000、好ましくは1500〜6000である。また、UMPEに対しては、無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているもの、例えば、ウレタン結合で変性されているものも併用することができる。UMPEとPEは少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、UMPEのポリエステル成分とPEは類似の組成が好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーに用いる離型剤(ワックス)としては、適度な融点を有するワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラーとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布することなく耐オフセットに対し効果を示す。
なお、本発明におけるワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)による最大吸熱ピークとした。
本発明の現像剤のトナーで用いる着色剤としては、公知の染料および顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンおよびそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、先に挙げた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本発明のトナーはO/W型湿式造粒方式で製造することができる。以下に一例を示す。
〈ポリエステルの合成〉
反応容器中に、前記(PO)[例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物]、前記(PC)[例えば、テレフタル酸、アジピン酸および無水トリメリット酸]を原料として仕込み、触媒[例えば、ジブチルチンオキサイド]の存在下に重合反応を進め、[ポリエステル(1a)](数平均分子量は2200程度、重量平均分子量5600程度、Tg43℃程度、酸価13程度)を合成する。
反応容器中に、前記(PO)[例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物]、前記(PC)[例えば、テレフタル酸283部、無水トリメリツト酸22部]を原料として仕込み、触媒[例えば、ジブチルチンオキサイド]の存在下に重合反応を進め、[中間体ポリエステル(1b)](数平均分子量2100程度、重量平均分子量9500程度、Tg55℃程度、酸価0.5程度、水酸基価49程度)を合成する。
次に、反応容器中に、[中間体ポリエステル(1b)]と前記ポリイソシアネート(PIC)[例えば、イソホロンジイソシアネート89部]、溶媒[例えば、酢酸エチル]を仕込み、反応を進めて[プレポリマー(1c)](遊離イソシアネート重量%:1.53%程度)を合成する。
分子構造中に正電荷制御剤としての機能を有する樹脂として、第4級アンモニウム塩基を含有する樹脂を合成する。このような樹脂は、例えば、特許第2552133号明細書に記載されている共重合体(B)の合成法と同様にして得られる。
例えば、反応容器中に、溶媒(メタノール、トルエン)、スチレン、ジメチルアミノメタクリレート、アゾビスジメチルバレロニトリルを仕込み、得られた溶液重合体を冷却し、この溶液重合体に、溶媒(トルエン、エタノール)とパラトルエンスルホンメチルを加え加熱反応を進めて塩を形成した。内容物を反応容器から取りだし、粉砕して共重合体からなる[帯電制御樹脂(1A)](重量平均分子量が3,500程度)を得る。
顔料[例えば、カーボンブラック]、結着樹脂[例えば、ポリエステル樹脂(酸価10程度、Mw20000程度、Tg64℃程度)]、水をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得る。これを、所定表面温度(例えば、130℃程度)に設定した2本ロールにより所定時間混練を行ない、パルベライザーで1mmφ程度の大きさに粉砕して、[マスターバッチ(1)]を得る。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[ポリエステル1]、WAX(例えば、パラフィンワックス)、溶媒(例えば、酢酸エチル)の各所定量を仕込み、昇温加熱(例えば、撹拌下80℃程度)処理した後、室温(30℃程度)に冷却し、次いで容器に前記[マスターバッチ(1)]、溶媒(例えば、酢酸エチル)を仕込み、1時間程度混合して[原料溶解液(1)]を得る。
[原料溶解液(1)]の所定量を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行う。次いで、[ポリエステル(1a)]の溶液(例えば、65%酢酸エチル溶液)を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液(1)]を得る。[顔料・WAX分散液(1)]の固形分濃度を溶媒(例えば、酢酸エチル)により調整する(例えば、50%)。
イオン交換水、分散安定用の有機樹脂微粒子(例えば、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体の水性分散液)、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの水溶液、溶媒(例えば、酢酸エチル)を各所定量混合して撹拌し[水相(1)]を調整する。
[顔料・WAX分散液(1)]、[帯電制御樹脂(1A)]、アミン類(例えば、イソホロンジアミン)を混合し、ミキサー(例えば、TKホモミキサー(特殊機化製))で1分間混合した後、[プレポリマー(1c)]を加えて同ミキサーで混合(5,000rpm程度)した後、[水相(1)]を加え〔顔料・WAX分散液(1)とプレポリマー(1c)の合計1100部程度に対して、水相(1)1200部程度の割合で加える〕、同ミキサー(回転数8,000〜13,000rpm程度)で調整しながら混合して[乳化スラリー(1)]を得る。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー(1)]を投入し、30℃程度で脱溶剤を行い、[分散スラリー(1)]を得る。
[分散スラリー(1)]を減圧濾過した後、
(I):濾過ケーキにイオン交換水を加え、ミキサー(例えば、TKホモミキサー)で混合(回転数12,000rpmで10分間程度)した後濾過する。
(II):(I)の濾過ケーキにイオン交換水を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(例えば、回転数12,000rpmで30分間程度)した後、減圧濾過する。スラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるように同操作を繰り返す。
(III):(II)のスラリー液のpHが4となる様に塩酸(10%程度の濃度)を加え、撹拌モーターで攪拌後濾過する。
(IV):(III)の濾過ケーキにイオン交換水を加え、TKホモミキサーで混合(例えば、回転数12,000rpmで10分間程度)した後、濾過する。スラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの同操作を繰り返し[濾過ケーキ(1)]を得る。
必要により、トナー母体(1)に疎水性シリカ、疎水化酸化チタンをミキサー(例えば、ヘンシェルミキサー)で混合してもよい。
溶剤の使用量は、プレポリマー(A)100部に対して、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、変性ポリエステル(プレポリマー)のアミンによる伸長および/または架橋反応後、得られた反応物から、溶媒(溶剤)を常圧または減圧下で除去する。
さらに、二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナーにおける粒子径の変動を少なくすると共に、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性を可能とする。
Dv/Dnが1.30を超えてしまうと、トナー粒子個々の粒径のバラツキが大きく、現像の際などでトナーの挙動にバラツキが発生し、微小ドットの再現性を損なってしまうことになり、高品位な画像は得られなくなる。さらに好ましくは、Dv/Dnは1.00〜1.20の範囲であり、より良好な画像が得られる。
本発明のトナーにおいて、その体積平均粒径Dvは3.0〜7.0μmであることが好ましい。
この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
次に図面に基づいて本発明の画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成装置は、感光体、帯電手段、露光手段、本発明の静電荷像現像用トナーを充填した現像手段、転写手段および定着手段を備えたことを特徴とするものである。
図3は、本発明における画像形成装置の一例であり、フルカラー画像形成装置の構成例を示す概略図である。
図3において、フルカラー画像形成装置(150)の感光体156は図中反時計回りに回転駆動されながら、その表面がコロトロンやスコロトロンなどを用いる帯電手段である帯電チャージャ153によって一様帯電せしめられた後、露光手段であるレーザ光学装置(図示せず)から発せられるレーザ光Lの走査を受けて静電潜像を担持する。この走査はフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの色情報に分解した単色の画像情報に基づいてなされるため、感光体156上にはイエロー、マゼンタ、シアンまたはブラックという単色用の静電潜像が形成される。
クリーニング手段によって残存トナーがクリーニングされ、次の複写プロセスにおける帯電不良や露光による潜像形成時の不具合を発生させず、常に高品質の画像を形成することができる。また、本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー核表面に凸部を有し、ワックス(WAX)の染み出しも好適にされているため、ブレードを設けなくても安定してトナーが除去される。
図3の定着装置165は、送り込まれた記録媒体160を加熱ローラとバックアップローラとの当接によって形成された定着ニップに挟み込みながら搬送する。記録媒体160上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱や、定着ニップ内での加圧力の影響を受けて記録媒体160上に定着せしめられる。本発明の静電荷像現像用トナーを用いれば、定着手段に潤滑剤付与装置を配設する必要がなく、オイルレス定着が可能である。
本発明のプロセスカートリッジは、感光体と、帯電手段、潜像形成手段、転写手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段と、現像手段とが一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に構成されており、さらに必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してもよい。ここで、現像手段には本発明の静電荷現像用トナーが充填されている。つまり、現像手段としては、少なくともトナーを収容した現像剤収容器(トナー容器)を保持している。
まず、実施例および比較例に用いるポリエステル、プレポリマー、帯電制御樹脂、マスターバッチを以下により合成した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物553部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物196部、テレフタル酸220部、アジピン酸45部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸46部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。得られた[ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量5600、Tg43℃、酸価13であった。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリツト酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。得られた[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
反応容器中に、下記表1に示すパラトルエンスルホンメチル以外の各組成分と溶媒(メタノール、トルエン)、アゾビスジメチルバレロニトリルを仕込み、窒素導入下に約70℃で10時間反応させた。得られた溶液重合体を冷却し、この溶液に溶媒(トルエン、エタノール)と表1に示すパラトルエンスルホンメチルを加え加熱反応を進めて塩を形成した。内容物を反応容器から取り出し、減圧下に溶媒を除去した後、粉砕して分子構造中に第4級アンモニウム塩基を含有する帯電制御樹脂A、帯電制御樹脂B、帯電制御樹脂C、帯電制御樹脂D、帯電制御樹脂Eをそれぞれ合成した。それぞれの帯電制御樹脂のI/O値を併せて示す。
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
以下のようにして本発明の静電荷像現像用トナー[現像剤1]を得た。
<顔料・WAX分散液(油相)の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]378部、パラフィンワックス(HNP9)120部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液655部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)が50%となるように酢酸エチルを加えて調整した。
イオン交換水953部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液88部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)90部、酢酸エチル113部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
[顔料・WAX分散液1]967部、前記1に示されている帯電制御樹脂Aを3.5%(トナー固形分換算)添加し、アミン類としてイソホロンジアミン6部、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[プレポリマー1]137部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000〜13,000rpmで調整しながら20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(I):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(II):(I)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。スラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(III):(II)のスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(IV):(III)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。スラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
得られた[現像剤1]における帯電制御樹脂の添加量、凸部の平均粒径および被覆率、ならびにトナーの個数平均粒径円形度を下記表2に示す。
前記表1において用いた帯電制御樹脂Aを、下記表2に示すように帯電制御樹脂Bもしくは帯電制御樹脂Cに代えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜5における本発明の[現像剤2]〜[現像剤5]を得た。
得られた[現像剤2]〜[現像剤5]における帯電制御樹脂の添加量、凸部の平均粒径および被覆率、ならびにトナーの個数平均粒径円形度を下記表2に示す。
前記表1において用いた帯電制御樹脂Aを用いなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1における[比較現像剤1]を得た。
得られた[比較現像剤1]における帯電制御樹脂の添加量、凸部の平均粒径および被覆率、ならびにトナーの個数平均粒径円形度を下記表2に示す。
前記表1において用いた帯電制御樹脂Aを、下記表2に示すように帯電制御樹脂Dまたは帯電制御樹脂Eもしくは帯電制御樹脂Bに代えた以外は、実施例1と同様にして比較例2〜5における[比較現像剤2]〜[比較現像剤4]を得た。
得られた[比較現像剤2]〜[比較現像剤4]における帯電制御樹脂の添加量、凸部の平均粒径および被覆率、ならびにトナーの個数平均粒径円形度を下記表2に示す。
<評価手法>
(定着分離評価)
外添処理した前記各トナー(現像剤)を用いて、リコー製ipsio CX2500により、A4縦通紙で先端3mmに幅36mmのべた帯画像(付着量9g/m2)を印字した未定着画像を作製した。
この未定着画像を定着装置を用いて、130℃〜190℃の範囲で10℃刻みの定着温度で定着させ、分離可能/非オフセット温度域を求めた。当該温度域は、加熱ローラからの紙の分離が良好に行われ、オフセット現象が発生せず、かつ容易に画像はがれが起きない定着温度範囲をいう。使用ペーパーおよび通紙方向は、分離性に不利な45g/m2紙のY目の縦通紙で行った。定着装置周速は120mm/secであった。
○ :分離可能/非オフセット温度域が50℃以上であったもの、
□ :分離可能/非オフセット温度域が30℃以上50℃未満であったもの、
×:分離可能/非オフセット温度域が30℃未満であったもの
外添処理した前記各トナー(現像剤)を用いて、リコー製ipsio CX2500により、B/W比6%の所定のプリントパターンをN/N環境下(23℃、45%)で連続印字した。N/N環境下の50枚および2000枚連続印字後(耐久後)に、白紙パターン印字中の現像ローラ上のトナーを吸引し、電荷量をエレクトロメータで測定し、50枚後および2000枚後の帯電量差を評価した。また、濃度評価については、2000枚後の印字サンプルを目視評価した。感光体の地汚れ評価については、現像後未クリーニング部分に無色透明テープを貼り感光体上の地汚れトナーを剥離し白紙貼り付け後の濃度を目視評価した。
○:良好、
□:実使用上問題ないレベル、
×:実使用上NG
○:帯電量差の絶対値が10μC/g以下、
□:帯電量差の絶対値が10μC/g〜15μC/gの範囲内、
×:帯電量差の絶対値が15μC/g以上
しかしながら、帯電制御樹脂を含有しない比較例1、トナー核表面の凸部平均粒径あるいはトナー核表面に対する被覆率が小さ過ぎたり、大き過ぎたりする場合、すなわち比較例2〜比較例4ではいずれも、地汚れ、耐ストレス性、転写性および定着分離性のいずれかで満足な結果が得られなかった。
すなわち、円形度が0.970以上の球状で、そのトナー核表面に平均粒径が100nm〜500nmで、トナー核表面に対する被覆率が10%〜80%である凸部が一体化されている本発明の静電荷現像用トナーを用いれば、低温定着性と耐熱保管性を両立し、耐オフセット性にも優れ、長期使用においても現像装置等を汚染することなく十分な帯電性を維持し続け、地汚れなどを発生することなく高精細な画像が形成できる。
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体(転写体)
106 転写手段
107 クリーニング手段
L レーザ光
150 フルカラー画像形成装置
153 帯電手段(帯電チャージャ)
154 除電ランプ
156 感光体
157 転写手段(中間転写バイアスローラ)
158 中間転写ベルト
159 中間転写ユニット
159a 張架ローラ
159b 二次転写バックアップローラ
159c ベルト駆動ローラ
160 記録媒体
161 レジストローラ対
162 転写ベルト
163 紙転写バイアスローラ
164 搬送ベルト
165 定着装置
250 現像手段(リボルバ現像ユニット)
Claims (19)
- 少なくとも着色材、離型材、結着樹脂および帯電制御樹脂を溶媒中に溶解または分散させ、O/W型湿式造粒方式で製造される円形度が0.970以上の静電荷現像用トナーにおいて、
トナー核の表面に凸凹を有し、平均粒径100nm〜500nm、被覆率10%〜80%の凸部が一体化されている,
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 少なくとも着色材、離型材、結着樹脂および帯電制御樹脂を溶媒中に溶解または分散させ、O/W型湿式造粒方式で製造される円形度が0.970以上の静電荷現像用トナーにおいて、
前記帯電制御樹脂の有機概念図I/O値をI/Ocとしたとき、0.3<[I/Oc]<2.5の関係を満たすと共に、
前記トナーは、球状のトナー核表面に凹凸を有し、その凸部は粒状で平均粒径が100nm〜500nmであり、トナー核表面に対して被覆率10%〜80%で一体化されている、
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記凸部の前記帯電制御樹脂の比率が、前記トナー核の前記帯電制御樹脂の比率より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記結着樹脂として、ガラス転移温度が40℃以上80℃以下のポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記結着樹脂として、さらに変性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記変性ポリエステル樹脂が、ウレア基および/またはウレタン基を有することを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記変性ポリエステル樹脂が、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂とアミン類を反応させることにより得られる樹脂であることを特徴とする請求項5または6に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーが、非磁性一成分正帯電現像用トナーであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段および定着手段を備えた画像形成装置であって、前記現像手段に請求項1〜8のいずれかに記載のトナーを充填したことを特徴とする画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、多色画像形成可能に構成されたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記転写手段として無端型の中間転写手段を備えたことを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
- 前記装置が、感光体および/または中間転写手段に残存するトナーを除去するクリーニング手段を有することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング手段としてブレードを設けないことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング手段としてブレードを設けることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段が、加熱装置を具備したローラーであることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記定着手段が、加熱装置を具備したベルトであることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記定着手段が、定着部材にオイル塗布を必要としないオイルレス定着手段であることを特徴とする請求項9〜16のいずれかに記載の画像形成装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを充填したことを特徴とするトナー容器。
- 感光体と、帯電手段、潜像形成手段、転写手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段と、請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷現像用トナーを充填した現像手段とが一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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