JP2013210457A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】かぶりの発生を低減することができるトナーの製造方法を提供すること。
【解決手段】
帯電制御樹脂微粒子が分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液と、トナー母粒子が分散されたトナー母粒子懸濁液とを、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の割合がトナー母粒子の表面に対する帯電制御樹脂微粒子の最大付着量に対して100質量%を超過するように混合し、得られた混合液を濾過してトナー母粒子に付着していない帯電制御樹脂微粒子を除去した後、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の固着を促進する固着促進剤を添加して、その混合液を、加熱後の帯電制御樹脂微粒子を含むトナー母粒子の比表面積が、帯電制御樹脂微粒子が付着される前のトナー母粒子の比表面積に対して、110%以下となるように加熱する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法や静電記録法などに用いられ、可視像を形成するためのトナーの製造方法に関する。
従来、電子写真法や静電記録法などに用いられるトナーとして、正帯電性の非磁性1成分トナーが知られている。
たとえば、トナーに正帯電性を付与する帯電制御樹脂の微粒子と、結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒子とを液相中で混合し、トナー母粒子の表面に帯電制御樹脂の微粒子を付着させることにより得られる正帯電性トナーが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2007−94041号公報
しかるに、上記した特許文献1に記載の製造方法で得られた正帯電性トナーでは、印刷速度の高速化に伴って、かぶりが発生する場合がある。
そこで、本発明の目的は、かぶりの発生を低減することができるトナーの製造方法を提供することにある。
(1)上記した課題を解決するため、本発明のトナーの製造方法は、帯電制御樹脂、有機溶剤および水系媒体のみを配合して乳化させた乳化液から、有機溶剤を除去して、帯電制御樹脂微粒子が分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液を調製する第1調製工程と、結着樹脂と着色剤とを含有するトナー母粒子が分散されたトナー母粒子懸濁液を調製する第2調製工程とを含む。
また、本発明のトナーの製造方法は、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の割合がトナー母粒子の表面に対する帯電制御樹脂微粒子の最大付着量に対して100質量%を超過するように、帯電制御樹脂微粒子懸濁液とトナー母粒子懸濁液とを混合して混合液を調製する混合工程と、混合液からトナー母粒子に付着していない帯電制御樹脂微粒子を除去する除去工程と、トナー母粒子に付着していない帯電制御樹脂微粒子が除去された混合液に、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の固着を促進する固着促進剤を添加する添加工程と、固着促進剤が添加された混合液を加熱して、帯電制御樹脂微粒子をトナー母粒子に固着させる固着工程とを含む。
固着工程において、加熱後の帯電制御樹脂微粒子を含むトナー母粒子の比表面積は、帯電制御樹脂微粒子が付着される前のトナー母粒子の比表面積に対して、110%以下となる。
(2)また、固着工程において、加熱後の帯電制御樹脂微粒子を含むトナー母粒子の比表面積が、帯電制御樹脂微粒子が付着される前のトナー母粒子の比表面積に対して、100%未満となるように、加熱してもよい。
(3)また、帯電制御樹脂微粒子は、4級アンモニウム塩含有基を有するアクリル−スチレン樹脂を含有してもよい。
(4)また、帯電制御樹脂微粒子の体積平均粒子径は、50〜300nmであってもよい。
本発明のトナーの製造方法によれば、帯電制御樹脂微粒子懸濁液とトナー母粒子懸濁液とを混合して得られる混合液からトナー母粒子に付着していない帯電制御樹脂微粒子を除去している。そして、トナー母粒子に付着していない帯電制御樹脂微粒子が除去された混合液に、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の固着を促進する固着促進剤を添加して、加熱している。
これにより、トナー母粒子の凝集を抑制しながら、トナー母粒子に付着した帯電制御樹脂微粒子を、トナー母粒子に確実に固着させることができる。
その結果、印刷速度が高速化した場合においても、トナーを確実に帯電させることができ、かぶりの発生を低減することができる。
図1は、混合液中において、帯電制御樹脂微粒子Aが付着されたトナー母粒子Aの走査型電子顕微鏡写真を示す。 図2は、得られたトナー粒子Aの走査型電子顕微鏡写真を示す。
1.第1調製工程(帯電制御樹脂微粒子の合成)
本発明のトナーの製造方法では、まず、帯電制御樹脂、有機溶剤および水系媒体のみを配合して乳化させた乳化液の一例としての帯電制御樹脂乳化液から有機溶剤を除去して、帯電制御樹脂微粒子が分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液を調製する(第1調製工程)。
(1)帯電制御樹脂
帯電制御樹脂としては、例えば、カチオン性基を有する合成樹脂などが挙げられる。帯電制御樹脂は、トナーに正帯電性を安定的に付与するために配合される。帯電制御樹脂が合成樹脂であれば、トナー母粒子(後述)に良好に固着させることができる。
カチオン性基としては、例えば、第4級アンモニウム基、第4級アンモニウム塩含有基、アミノ基、ホスホニウム塩含有基などが挙げられる。カチオン性基のうち、好ましくは、第4級アンモニウム塩含有基が挙げられる。カチオン性基が第4級アンモニウム塩含有基であれば、帯電制御樹脂を安定的に乳化させることができ、得られるトナーの帯電の安定性を向上させることができる。
また、合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。合成樹脂のうち、好ましくは、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂が挙げられ、さらに好ましくは、アクリル−スチレン樹脂が挙げられる。合成樹脂がアクリル−スチレン樹脂であれば、トナー母粒子(後述)の結着樹脂がポリエステル樹脂である場合に、結着樹脂と相溶しにくいため、帯電制御樹脂がトナー母粒子に相溶されることを抑制することができ、トナーに安定した帯電性を付与することができる。これらの合成樹脂は、単独(1種類のみ)で使用することもでき、2種以上併用することもできる。
帯電制御樹脂は、例えば、カチオン性基を有する重合性単量体(カチオン性基含有ビニルモノマー)と、そのカチオン性基を有する重合性単量体と共重合可能な重合性単量体(共重合可能ビニルモノマー)との共重合により、得ることができる。例えば、アクリル樹脂やアクリル−スチレン樹脂は、カチオン性基を有する(メタ)アクリレートと、それと共重合可能な(メタ)アクリレートまたはスチレンとをラジカル共重合させることにより、得られる。
また、帯電制御樹脂をラジカル共重合させるときには、必要により、共重合可能ビニルモノマーとして、多官能(ジ、トリ、テトラ)アクリレートやジビニルベンゼンなどの多官能性の重合性単量体を共重合させて、帯電制御樹脂を架橋させることもできる。
また、帯電制御樹脂をラジカル共重合させるときには、カチオン性基含有ビニルモノマーの配合量を適宜選択することにより、帯電制御樹脂中のカチオン性基の含有量を、任意に調整することができる。
この場合、カチオン性基含有ビニルモノマーの配合量は、すべての重合性単量体の総量に対して、例えば、5〜50質量%、好ましくは、10〜40質量%である。
また、重合性単量体すべてに対するカチオン性基含有ビニルモノマーのモル比率は、例えば、10〜40モル%、好ましくは、10〜30モル%である。
また、第4級アンモニウム塩含有基を含有する帯電制御樹脂は、特開昭63−60458号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報、特開平11−15192号公報などの記載に準じて製造することができる。また、第4級アンモニウム塩含有基を含有する帯電制御樹脂としては、例えば、藤倉化成株式会社製 商品名「FCA−207P」(スチレン83質量%、アクリル酸ブチル15質量%およびN,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホン酸2質量%の共重合物、重量平均分子量(Mw):12,000、ガラス転移点(Tg):67℃)や、同社製 商品名「FCA−161P」、同社製 商品名「FCA−78P」、同社製 商品名「FCA−201PS」(スチレン、アクリル酸ブチル、および、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナートの共重合物(N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート含有量14質量%)、重量平均分子量(Mw):15000、ガラス転移点(Tg):66℃)などが挙げられる。
また、帯電制御樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは、3000〜10万の範囲に設定される。重量平均分子量(Mw)が3000より小さい場合、トナーの強度が弱くなり、トナー同士が凝集する場合がある。重量平均分子量(Mw)が10万を超えると、トナーが硬くなりすぎて定着性が低下する場合がある。なお、重量平均分子量(Mw)は、GPC測定(後述する実施例に記載の測定条件により測定する。)により標準ポリスチレン換算値として求められる。
また、帯電制御樹脂のガラス転移点(Tg)は、トナーの保存安定性や熱定着性から40℃〜100℃に設定される。より好ましくは、55℃〜80℃である。
(2)有機溶剤
有機溶剤としては、帯電制御樹脂を溶解または膨潤させることができれば特に制限されないが、水系媒体との乳化時に帯電制御樹脂のカチオン性基の解離が促進されるように、ある程度の水溶性を有していることが好ましい。
そのような有機溶剤として、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトンなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独(1種類のみ)で使用することもでき、2種以上併用することもできる。
(3)水系媒体
水系媒体は、水、または、水を主成分として、若干の水溶性溶媒(例えば、アルコール類、グリコール類)または添加剤(例えば、界面活性剤、分散剤)が配合されている水系媒体が挙げられる。水系媒体は、下記の乳化方法によれば、好ましくは、水のみが用いられる。
(4)帯電制御樹脂乳化液の調製
帯電制御樹脂乳化液を調製するには、例えば、まず、帯電制御樹脂が有機溶剤によって溶解または膨潤された帯電制御樹脂液を調製し、次いで、その帯電制御樹脂液を水系媒体中で乳化させる。
帯電制御樹脂液を調製するには、有機溶剤100質量部に対して、帯電制御樹脂を、例えば、5〜100質量部、好ましくは、10〜50質量部の配合割合で配合する。
帯電制御樹脂を有機溶剤に配合する方法は、特に制限されず、例えば、帯電制御樹脂を有機溶剤に配合して、帯電制御樹脂が溶解または膨潤するように、攪拌混合する。
これにより、帯電制御樹脂が有機溶剤によって溶解または膨潤された帯電制御樹脂液が調製される。
次いで、帯電制御樹脂液を水系媒体中で乳化させるには、水系媒体100質量部に対して、帯電制御樹脂液を、例えば、50〜150質量部、好ましくは、80〜100質量部の配合割合で配合する。
その後、帯電制御樹脂液が配合された水系媒体を、ホモジナイザーなどの公知の分散機を用いて、例えば、容量1〜3Lの場合には、回転数5000〜20000rpm(先端周速4〜17m/s)、好ましくは、7000〜16000rpm(先端周速7〜14m/s)で、例えば、5〜60分、好ましくは、10〜30分攪拌する。
これにより、帯電制御樹脂液が液滴となって、水系媒体中に乳化され、帯電制御樹脂乳化液が調製される。
なお、帯電制御樹脂乳化液は、まず、水系媒体と有機溶剤とを配合した後、得られた水系媒体と有機溶剤との混合液に帯電制御樹脂を配合して、上記と同様に攪拌することにより、調製することもできる。
この場合、水系媒体と有機溶剤との混合液を得るには、水系媒体100質量部に対して、有機溶剤を、例えば、4〜140質量部、好ましくは、60〜90質量部の配合割合で配合する。
また、水系媒体と有機溶剤との混合液に帯電制御樹脂を配合するには、混合液100質量部に対して、帯電制御樹脂を、例えば、2〜50質量部、好ましくは、5〜25質量部の配合割合で配合する。
上記した帯電制御樹脂乳化液の調製においては、帯電制御樹脂のカチオン性基を利用して、乳化安定化剤(例えば、界面活性剤、分散剤または中和剤など)を配合しないで、帯電制御樹脂を乳化させることができる。これにより、得られるトナー中に含有される乳化安定化剤を低減することができ、トナーの帯電性を安定化させることができる。
(5)帯電制御樹脂微粒子懸濁液の調製
そして、帯電制御樹脂微粒子懸濁液を得るには、帯電制御樹脂乳化液から有機溶剤を除去する。
なお、この方法では、帯電制御樹脂がカチオン性基を有しているので、帯電制御樹脂乳化液の調製において、有機溶剤に溶解または膨潤されている帯電制御樹脂は、水系媒体中で安定的に乳化している。そして、帯電制御樹脂微粒子懸濁液は、この帯電制御樹脂乳化液から有機溶剤を除去することにより得られるため、凝集物の少ない帯電制御樹脂微粒子の懸濁液として調製される。
帯電制御樹脂乳化液から有機溶剤を除去するには、送風、加熱、減圧またはこれらの併用など、公知の方法が用いられる。具体的には、帯電制御樹脂乳化液から有機溶剤を除去するには、例えば、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、例えば、常温〜90℃、好ましくは、50〜80℃で、初期の有機溶剤量の80〜95質量%程度が除去されるまで加熱する。
これにより、水系媒体から有機溶剤が除去されて、帯電制御樹脂微粒子が水系媒体中に分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液(スラリー)が調製される。
帯電制御樹脂の体積平均粒子径は、メジアン径として、例えば、50〜300nm、好ましくは、100〜300nmである。
帯電制御樹脂微粒子の体積平均粒子径は、帯電制御樹脂を有機溶剤に配合したときの粘度、帯電制御樹脂液と水との配合割合、帯電制御樹脂乳化液を調製するときの高速分散機の攪拌速度などを適宜制御することにより、上記範囲内に設定することができる。
帯電制御樹脂微粒子の表面に存在するカチオン性基の量(カチオン当量)は、例えば、5.0×10−5〜6.0×10−4mol/g、好ましくは、1.0×10−4〜3.0×10−4mol/gである。
カチオン性基の量が上記範囲より低いと、トナーの帯電が不十分となる場合があり、画像形成不良を生じる場合がある。また、カチオン性基の量が上記範囲より高いと、トナーが過度に帯電する場合があり、感光体上へ現像されるトナー量が減少し十分な濃度が得られず、また、感光体と現像ローラとが圧力により接触した接触現像方式においては、帯電が高すぎて押圧かぶりが発生する場合がある。カチオン性基の量を上記範囲にすることにより、トナーに適正な帯電能力を付与することが可能となり、帯電立ち上がり性や帯電の経時安定性を向上させることができ、また、十分な帯電性を確保して、かぶりを低減することができる。
なお、カチオン性基の量は、例えば、コロイド滴定法(流動電位法)により測定することができる。
2.第2調製工程
本発明のトナーの製造方法では、別途、結着樹脂、着色剤、ワックス、有機溶剤および水系媒体を配合して乳化させた結着樹脂乳化液から有機溶剤を除去して、結着樹脂と着色剤とワックスとを含有する母体微粒子が分散された母体微粒子懸濁液を調製し、母体微粒子懸濁液を加熱することにより母体微粒子を凝集させて、トナー母粒子が分散されたトナー母粒子懸濁液を調製する(第2調製工程)。
(1)結着樹脂
結着樹脂は、トナーの主成分であり、例えば、カルボキシル基などの酸価を有する官能基を有するポリエステル樹脂が挙げられる。結着樹脂は、加熱および/または加圧されることにより、記録媒体(紙、OHPシートなど)の表面上に、固着(熱融着)する。
酸価を有するポリエステル樹脂としては、酸価が、例えば、0.5〜40mgKOH/g、好ましくは、1.0〜20mgKOH/gで、重量平均分子量(標準ポリスチレンを検量線とするGPC測定による)が、例えば、9,000〜200,000、好ましくは、20,000〜150,000で、ゲル分(THF不溶分)が、例えば、10質量%以下、好ましくは、0.5〜10質量%で、ガラス転移点(Tg)が、例えば、50〜70℃、好ましくは、55〜65℃のポリエステル樹脂が挙げられる。具体的には、市販のポリエステル樹脂として、例えば、FC1565(三菱レイヨン製)、FC023(三菱レイヨン製)が挙げられる。
酸価が上記範囲より低い場合には、後に添加する水酸化ナトリウムなどの塩基と反応する量が少ないために、乳化が不安定となって安定したスラリーが得られない場合がある。一方、酸価が上記範囲よりも高い場合には、トナーの正帯電性が低下し、画像濃度の低下などを生じる場合がある。
また、重量平均分子量が上記範囲よりも低い場合には、トナーの機械的強度が不足してトナーの耐久性が低くなる場合がある。一方、重量平均分子量が上記範囲よりも高い場合には、トナーの溶融粘度が過度に高くなり、乳化液滴が大きくなってしまい粗大粒子が発生しやすくなる場合がある。
また、ゲル分は、全くなくてもよいが、トナーの強度や定着性(特に高温側のオフセット)に対しては、ある程度存在していることが好適である。ただし、上記範囲より多いと、乳化液滴が大きくなってしまい粗大粒子が発生する場合がある。
(2)着色剤
着色剤は、トナーに所望の色を付与するものであって、ポリエステル樹脂内に分散または浸透される。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、例えば、キノフタロンイエロー、ハンザイエロー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、ペノリンオレンジ、ペリノンレッド、ペリレンマルーン、ローダミン6Gレーキ、キナクリドンレッド、ローズベンガル、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、ジケトピロロピロール系顔料などの有機顔料、例えば、チタンホワイト、チタンイエロー、群青、コバルトブルー、べんがら、アルミニウム粉、ブロンズなどの無機顔料または金属粉、例えば、アゾ系染料、キノフタロン系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、トリフェニルメタン系染料、フタロシアニン系染料、インドフェノール系染料、インドアニリン系染料などの油溶性染料または分散染料、例えば、ロジン、ロジン変性フェノール、ロジン変性マレイン酸樹脂などのロジン系染料、さらには、高級脂肪酸や樹脂などよって加工された染料や顔料などが挙げられる。
これらの着色剤は、所望する色に応じて、単独(1種類のみ)で使用することもでき、2種以上併用することもできる。例えば、有彩単一色のトナーには、同色系の顔料と染料、例えば、ローダミン系の顔料と染料、キノフタロン系の顔料と染料、フタロシアニン系の顔料と染料を、それぞれ配合することができる。
着色剤は、結着樹脂100質量部に対して、例えば、2〜20質量部、好ましくは、4〜10質量部の割合で配合される。
(3)ワックス
ワックスは、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させるために添加される。
ワックスとしては、特に制限されず、公知のワックスが用いられ、例えば、エステル系ワックス、炭化水素系ワックスなどが挙げられる。
エステル系ワックスとしては、例えば、ステアリン酸エステル、パルミチン酸エステルなどの脂肪族エステル化合物、例えば、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートなどの多官能エステル化合物などが挙げられる。
炭化水素系ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類、例えば、キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス、例えば、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリン、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス、例えば、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックスなどが挙げられる。
これらワックスは、単独(1種類のみ)で使用することもでき、2種以上併用することもできる。
これらのワックスのうち、好ましくは、融点が50〜100℃のワックス(具体的にはエステル系ワックス、パラフィン系ワックス)が挙げられる。融点が低く溶融粘度の低いワックスは、定着器の加熱温度が低い場合でも、結着樹脂よりも先に溶融してトナー表面に染み出すことで、オフセットを防止することができる。
ワックスは、結着樹脂100質量部に対して、例えば、1〜20質量部、好ましくは、3〜10質量部の割合で配合される。
(4)結着樹脂乳化液
(4−1)結着樹脂液の調製
結着樹脂乳化液を調製するには、まず、結着樹脂、着色剤およびワックスを有機溶剤と混合し、結着樹脂液を調製する。
結着樹脂液を調製するには、まず、有機溶剤100質量部に対して、結着樹脂を、例えば、5〜40質量部、好ましくは、10〜30質量部、着色剤を、例えば、0.25〜3質量部、好ましくは、0.5〜2質量部、ワックスを、例えば、0.25〜4質量部、好ましくは、0.5〜3質量部の配合割合で配合し、混合する。
次いで、得られた混合物(結着樹脂、着色剤、ワックスおよび有機溶剤の混合物)を、ワックスが溶解可能な温度以上かつ有機溶剤の沸点未満となる温度、具体的には、ワックスや有機溶剤の種類にもよるが、例えば、30℃を超過する温度、好ましくは、32〜79℃に加熱して、ワックスを有機溶剤に溶解させる。
なお、結着樹脂液は、予め着色剤を有機溶剤に分散させて着色剤分散液を調製し、この着色剤分散液を有機溶剤に配合することで調製することもできる。この場合には、着色剤を分散させるために、分散剤や、分散剤に代替して結着樹脂を添加することができる。好ましくは、結着樹脂を添加する。
着色剤分散液を調製するには、着色剤100質量部に対して、結着樹脂を、例えば、50〜200質量部、好ましくは、80〜150質量部、有機溶剤を、例えば、100〜3600質量部、好ましくは、400〜3500質量部の配合割合で配合して、攪拌機(例えば、ディスパー、ホモジナイザー)により予備分散させ、次いで、分散機(例えば、ビーズミル、高圧ホモジナイザー)により微分散させる。
(4−2)水系媒体
第2調製工程における水系媒体としては、例えば、上記した第1調製工程と同様の水系媒体や、アルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ性水溶液としては、例えば、アミン類などの塩基性有機化合物を水に溶解した有機塩基水溶液や、例えば、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などを水に溶解した無機塩基水溶液が挙げられる。
無機塩基水溶液は、例えば、0.1〜5N(規定)、好ましくは、0.2〜2N(規定)の、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液として、調製される。
なお、水の混入により結着樹脂液に溶解しにくいワックスが配合される場合には、ワックスの析出防止の観点から、好ましくは、有機塩基水溶液が用いられる。この場合には、有機塩基水溶液は、例えば、0.1〜5N(規定)、好ましくは、0.2〜2N(規定)の水溶液として、調製される。
第2調製工程における水系媒体を調製するには、水100質量部に対して、無機塩基水溶液を、例えば、0.1〜40質量部、好ましくは、1〜20質量部の配合割合で配合する。
また、第2調製工程における水系媒体を調製するには、水100質量部に対して、有機塩基水溶液を、例えば、0.5〜20質量部、好ましくは、1〜10質量部の配合割合で配合する。
(4−3)結着樹脂乳化液の調製
結着樹脂乳化液を調製するには、水系媒体100質量部に対して、結着樹脂液を、例えば、50〜150質量部、好ましくは、80〜120質量部の配合割合で配合する。
なお、結着樹脂液にワックスが含まれる場合は、ワックスが溶解可能な温度以上かつ有機溶剤の沸点未満となる温度範囲、例えば、30〜80℃、好ましくは、40〜70℃で、結着樹脂液と水系媒体とを配合する。
その後、結着樹脂液が配合された水系媒体を、例えば、スリーワンモーターなど、タービン翼やプロペラ翼を有する攪拌機、例えば、ローター・ステーター方式のホモジナイザーなどの高速分散機、例えば、高圧ホモジナイザーなどの分散機で攪拌する。
結着樹脂液が配合された水系媒体をホモジナイザーなどの高速分散機で攪拌する場合には、例えば、5〜20m/s、好ましくは、7〜14m/sの先端周速で、例えば、10〜120分、好ましくは、15〜60分攪拌する。
これにより、結着樹脂液が100〜1000nmの液滴となって水系媒体中に乳化され、結着樹脂乳化液が調製される。
なお、結着樹脂乳化液の調製においては、結着樹脂液を水系媒体に配合してもよく、また、水系媒体を結着樹脂液に配合することもできる。水系媒体を結着樹脂液に配合する場合には、転相乳化法を用いることもできる。通常、転相乳化法では、結着樹脂液に水系媒体を少量ずつ添加するため、乳化に多大な時間を要するが、本発明によれば、水系媒体を添加する速度を上げることができ、生産性を向上させることができる。
また、結着樹脂液に予めアルカリ性水溶液を配合して中和しておき、それに水を配合してもよく、さらには、予め中和した結着樹脂液に水を配合することもできる。
(5)母体微粒子懸濁液の調製
次いで、この方法では、結着樹脂乳化液から有機溶剤を除去して、結着樹脂、着色剤およびワックスを含有する母体微粒子が分散された母体微粒子懸濁液を得る。結着樹脂乳化液から有機溶剤を除去するには、上記した帯電制御樹脂微粒子懸濁液の調製と同様にして、除去することができる。
なお、この工程で有機溶剤を揮発しないで、後述のトナー母粒子懸濁液を調製してもよい。この場合、母体微粒子を凝集・融合させてトナー母粒子(後述)の大きさに液滴形成させた後、送風、加熱、減圧等の方法により溶剤を除去する。
得られた母体微粒子懸濁液の固形分濃度(母体微粒子懸濁液中の母体微粒子の濃度)は、例えば、5〜50質量%、好ましくは、10〜30質量%である。また、母体微粒子懸濁液中の母体微粒子の体積平均粒子径は、メジアン径として、例えば、30〜1000nm、好ましくは、50〜500nmである。
(6)トナー母粒子懸濁液の調製
次いで、この方法では、母体微粒子懸濁液を、その固形分濃度が、例えば、1〜30質量%、好ましくは、5〜20質量%となるように、水系媒体で希釈する。
なお、母体微粒子懸濁液を希釈するときには、必要により、水系媒体とともに界面活性剤を添加することができる。なお、母体微粒子懸濁液に界面活性剤を添加する場合には、予め界面活性剤水溶液を調製し、その界面活性剤水溶液を、母体微粒子懸濁液に添加してもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなど)、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが挙げられる。好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。
母体微粒子懸濁液に界面活性剤を添加する場合には、母体微粒子懸濁液の固形分100質量部に対して、界面活性剤を、例えば、0.5〜20質量部、好ましくは、1〜10質量部の配合割合で配合する。
次いで、この方法では、母体微粒子懸濁液に凝集剤を添加して母体微粒子を凝集させ、その後、加熱により、凝集させた母体微粒子を融合(融着)させることにより、母体微粒子の粒径を成長させて、トナー母粒子を得る。
凝集剤としては、例えば、塩化アルミニウム、硝酸カルシウムなどの無機金属塩、例えば、ポリ塩化アルミニウムなどの無機金属塩の重合体などが挙げられる。
母体微粒子を凝集させるには、例えば、0.01〜1.0N(規定)、好ましくは、0.05〜0.5N(規定)に調製された凝集剤の水溶液を、母体微粒子懸濁液100質量部に対して、例えば、0.1〜10質量部、好ましくは、0.5〜5質量部となる割合で添加し、攪拌する。
凝集剤が添加された母体微粒子懸濁液を攪拌するには、例えば、まず、ホモジナイザーなどの高速分散機で、凝集剤を母体微粒子懸濁液に分散させ、次いで、攪拌機で、凝集剤が添加された母体微粒子懸濁液を攪拌する。攪拌機としては、例えば、平板タービン翼、プロペラ翼、アンカー翼などの攪拌翼を備える攪拌機が挙げられる。また、攪拌機に代えて、超音波分散機で母体微粒子懸濁液を攪拌することもできる。
凝集剤を添加するときの母体微粒子懸濁液の液温は、例えば、10〜60℃、好ましくは、20〜30℃である。また、攪拌機による攪拌時間は、例えば、5〜60分、好ましくは、10〜30分である。
その後、必要により、母体微粒子が融合しない程度の温度(具体的には、結着樹脂のガラス転移点以下の温度)で加熱して、母体微粒子の凝集状態を均一化する。加熱温度は、例えば、35〜60℃である。
その後、凝集停止剤を添加して、母体微粒子の凝集を停止させる。
凝集停止剤としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。また、イオン性界面活性剤を使用することもできる。
凝集停止剤の添加では、例えば、0.01〜5.0N(規定)、好ましくは、0.1〜2.0N(規定)に調製された凝集停止剤の水溶液を、母体微粒子懸濁液100質量部に対して、例えば、0.5〜20質量部、好ましくは、1.0〜10質量部となる割合で添加し、攪拌を継続する。
次いで、母体微粒子懸濁液を加熱することにより、凝集した母体微粒子を融合させる。
凝集した母体微粒子を融合させるには、母体微粒子懸濁液を、攪拌しながら、母体微粒子のガラス転移点以上の温度で、母体微粒子が所望する形状に融合するまで加熱する。
このときの加熱温度は、例えば、55〜100℃、好ましくは、65〜95℃である。また、加熱時間は、結着樹脂の種類にもよるが、例えば、0.5〜10時間である。
加熱時間を短くすれば、異形(真球状でない)のトナー母粒子を得ることができ、加熱時間を長くすれば、真球状のトナー母粒子を得ることができる。
このようにして、凝集した母体微粒子が融合され、トナー母粒子が形成される。これにより、トナー母粒子が分散されたトナー母粒子懸濁液が調製される。
その後、必要により、トナー母粒子懸濁液を冷却し、酸により逆中和する。
逆中和するには、例えば、塩酸、硫酸または硝酸などの無機酸を、例えば、0.01〜5N(規定)、好ましくは、0.1〜2N(規定)の水溶液に調製して、それを、懸濁液100質量部に対して、例えば、0.05〜2質量部、好ましくは、0.1〜1質量部となる割合で添加し、その後、10〜180分、好ましくは、15〜120分、懸濁液が流動する程度で攪拌する。
トナー母粒子の体積基準の平均粒子径(Dv、後述する実施例に記載の方法で測定する。)は、例えば、3〜12μm、好ましくは、6〜10μmである。また、トナー母粒子の個数基準の平均粒子径(Dn、後述する実施例に記載の方法で測定する。)は、例えば、2〜11μm、好ましくは、4〜8μmである。また、トナー母粒子の円形度(後述する実施例に記載の方法で測定する。)は、例えば、0.90〜1.00、好ましくは、0.95〜1.00である。また、トナー母粒子のガラス転移点(Tg、後述する実施例に記載の方法で測定する。)は、例えば、20〜80℃、好ましくは、40〜70℃である。
3.トナーの調製
(1)帯電制御樹脂微粒子懸濁液とトナー母粒子懸濁液との混合液の調製
本発明のトナーの製造方法では、次いで、帯電制御樹脂微粒子懸濁液とトナー母粒子懸濁液とを混合して混合液を調製する(混合工程)。
帯電制御樹脂微粒子懸濁液とトナー母粒子懸濁液とを混合するには、特に制限されず、例えば、トナー母粒子懸濁液と帯電制御樹脂微粒子懸濁液とを配合して、適宜攪拌する。
混合液を調製するには、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の最大付着量に対して、例えば、100質量%、好ましくは、110質量%を超過する量の、帯電制御樹脂微粒子が配合されるように、トナー母粒子懸濁液と帯電制御樹脂微粒子懸濁液とを配合する。ここで、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の最大付着量とは、一定条件下において、トナー母粒子に対して付着し得る帯電制御樹脂微粒子の最大量である。
なお、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の最大付着量を測定するには、例えば、まず、25℃の湯浴中において、固形分10質量%のトナー母粒子懸濁液1600質量部(トナー母粒子として160部)に、帯電制御樹脂微粒子懸濁液を、所定の量、混合し、インペラー(6枚平板タービン翼2段:直径75mm)を用いて200rpmで15分間攪拌する。
次いで、得られた混合液を濾過し、濾液を回収する。さらに、濾物(帯電制御樹脂微粒子が付着したトナー母粒子)に蒸留水を加えて濾過(洗浄)し、その濾液も回収する。濾液には、トナー母粒子に付着されなかった帯電制御樹脂微粒子が含有されている。
そして、トナー母粒子懸濁液に混合した帯電制御樹脂微粒子懸濁液の固形分と、濾液の固形分との差を、トナー母粒子160部に対する帯電制御樹脂微粒子の最大付着量とする。
なお、得られた濾液中に帯電制御樹脂成分が含有されていない場合には、トナー母粒子に帯電制御樹脂微粒子が最大付着していない可能性がある。このため、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の最大付着量を測定する場合には、得られる濾液中に帯電制御樹脂微粒子が含有されるように、トナー母粒子懸濁液に対する帯電制御樹脂微粒子懸濁液の配合量を調整することが好ましい。
帯電制御樹脂微粒子の配合量が、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の最大付着量に対して、100質量%未満であると、帯電制御樹脂微粒子がトナー母粒子に対する付着が不均一になり、トナーの帯電性が低下する場合がある。
トナー母粒子懸濁液と帯電制御樹脂微粒子懸濁液とを混合するには、例えば、スリーワンモーターなどの攪拌機により液全体が流動する程度に攪拌する。攪拌翼としては、公知のものが使用でき、例えば、平板タービン翼、プロペラ翼、アンカー翼などを用いることができる。
なお、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の付着量は、結着樹脂の物性(例えば、酸価)、トナー母粒子の形状(例えば、粒径、円形度、比表面積)、帯電制御樹脂の物性(カチオン性基の量)、帯電制御樹脂微粒子の形状、さらには、トナー母粒子懸濁液のpHや導電率、トナー母粒子懸濁液と帯電制御樹脂微粒子懸濁液とを混合するときの内温、せん断力などによって変化する。
トナー母粒子懸濁液と帯電制御樹脂微粒子懸濁液とを混合するには、トナー母粒子懸濁液と帯電制御樹脂微粒子懸濁液とを、10℃以上、トナー母粒子および帯電制御樹脂微粒子のガラス転移点以下の範囲の温度に保ちながら、帯電制御樹脂微粒子懸濁液をトナー母粒子懸濁液に配合し、平板タービン翼(より具体的には、6枚平板タービン翼2段:直径75mm)を有する攪拌機を用いて、例えば、回転数100〜500rpm(先端周速0.4〜2.0m/s)、好ましくは、150〜400rpm(先端周速0.6〜1.6m/s)で、例えば、5〜60分、好ましくは、10〜30分、攪拌する。
これにより、混合液中において、トナー母粒子に帯電制御樹脂微粒子が静電気的に付着される。
本発明のトナーの製造方法では、次いで、得られた混合液をろ過する。なお、帯電制御樹脂微粒子が付着したトナー母粒子は、濾物として得られ、トナー母粒子に付着していない帯電制御樹脂微粒子は、濾液中に含有される。
また、必要により、得られた濾物(すなわち、帯電制御樹脂微粒子が付着したトナー母粒子)を蒸留水で洗浄する。
その後、濾物に蒸留水を加えて再度分散させる。
このように、トナー母粒子に付着していない帯電制御樹脂微粒子を除去する(除去工程)。
(2)トナー母粒子と帯電制御樹脂微粒子との融合
本発明のトナーの製造方法では、次いで、帯電制御樹脂微粒子懸濁液とトナー母粒子懸濁液との混合液に固着促進剤を添加し(添加工程)、加熱する(固着工程)。混合工程の後に固着促進剤を添加することにより、トナー母粒子の凝集を抑制しながら、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の固着を促進することができる。
固着促進剤としては、トナー母粒子の凝集を抑制しながら、トナー母粒子と帯電制御樹脂微粒子の融合を促進させることができる添加剤であれば、特に限定されないが、例えば、脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)エーテルカルボン酸塩などのカルボン酸塩、アルキル(アルケニル)ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物などのスルホン酸塩、例えば、アルキル(アルケニル)硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)フェニルエーテル硫酸塩などの硫酸エステル塩などのアニオン性固着促進剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)フェニルエーテルなどのエーテル型非イオン性固着促進剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどのエステル型非イオン性固着促進剤、例えば、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのエステルエーテル型非イオン性固着促進剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミドなどのアミド結合含有非イオン性固着促進剤などの非イオン性固着促進剤、例えば、モノアルキル(アルケニル)アミン塩、ジアルキル(アルケニル)アミン塩、トリアルキル(アルケニル)アミン塩などのアルキル(アルケニル)アミン塩、例えば、アルキル(アルケニル)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(アルケニル)ジメチルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)ジメチルベンジルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩などのカチオン性固着促進剤などが挙げられる。
これらの固着促進剤は、単独(1種類のみ)で使用することもでき、2種以上併用することもできる。
これらの固着促進剤のうち、好ましくは、帯電制御樹脂の極性に対して逆極性の固着促進剤、すなわち、帯電制御樹脂がカチオン性基を有する場合には、アニオン性活性剤、より好ましくは、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸塩、より一層好ましくは、エチレンオキサイドの平均付加モル数が、例えば、5〜40モルで、炭素数12〜20の飽和または不飽和炭化水素基を有するポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸塩が挙げられる。
また、固着促進剤の極性が帯電制御樹脂の極性に対して逆極性であると、固着促進剤の添加量を抑制することができる。同じ極性の界面活性剤を使用すると、トナー母粒子の凝集を抑制するために大量の界面活性剤の添加が必要になる。
固着促進剤を添加するには、固着促進剤を、例えば、0.1〜20%、好ましくは、0.5〜10%の水溶液として調製し、混合液に添加する。
5%の固着促進剤の水溶液の場合、混合液100質量部に対して、例えば、0.1〜10質量部、好ましくは、0.5〜6質量部となる割合で添加し、攪拌する。
なお、固着促進剤を添加するときにおける混合液の液温は、例えば、10℃以上、トナー母粒子のガラス転移点よりも20℃高い温度以下、好ましくは、20℃以上、トナー母粒子のガラス転移点よりも10℃高い温度以下である。
そして、固着工程において混合液を加熱するには、混合液を、例えば、トナー母粒子のガラス転移点以上、トナー母粒子のガラス転移点よりも20℃高い温度以下に保持しながら、帯電制御樹脂微粒子が固着された後(固着工程後)のトナー母粒子の比表面積が、帯電制御樹脂微粒子が付着される前(添加工程前)におけるトナー母粒子の比表面積に対して、例えば、110%以下、好ましくは、100%未満となるまで、攪拌する。
帯電制御樹脂微粒子が固着された後(固着工程後)のトナー母粒子の比表面積が、帯電制御樹脂微粒子が付着される前(添加工程前)におけるトナー母粒子の比表面積に対して、110%を超過していると、印刷速度の高速化に伴って、かぶりが増加する場合がある。
なお、固着工程における混合液の加熱時間は、結着樹脂の物性(例えば、ガラス転移点)、帯電持制御樹脂の物性(例えば、ガラス転移点)、帯電制御樹脂微粒子の粒子径、および、混合液の加熱温度などの条件に応じて、適宜、設定される。
これにより、トナー母粒子の表面に帯電制御樹脂微粒子を固着させることができる。
(3)外添剤
その後、必要により、外添剤を添加する。外添剤は、トナーの帯電性、流動性、保存安定性などを調整するために添加され、トナー母粒子よりも非常に小さい粒径の極微粒子からなる。
外添剤としては、例えば、無機粒子や合成樹脂粒子が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪素アルミニウム共酸化物、珪素チタン共酸化物、および、これらの疎水性化処理物などが挙げられる。例えば、シリカの疎水化処理物は、シリカの微粉体を、シリコーンオイルやシランカップリング剤(例えば、ジクロロジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザンなど)で処理することにより、得ることができる。
合成樹脂粒子としては、例えば、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがスチレン重合体でシェルがメタクリル酸エステル重合体からなるコアシェル型粒子などが挙げられる。
外添剤の添加は、特に制限されず、例えば、ヘンシェルミキサーなどの高速攪拌機などを用いて、上記により得られたトナーと外添剤とを攪拌混合する。外添剤の添加量は、特に制限されないが、上記により得られたトナー100質量部に対して、通常、0.1〜6質量部である。
4.トナー
上記したトナーの製造方法によれば、帯電制御樹脂微粒子懸濁液とトナー母粒子懸濁液とを混合して得られる混合液からトナー母粒子に付着していない帯電制御樹脂微粒子を除去している。そして、トナー母粒子に付着していない帯電制御樹脂微粒子が除去された混合液に、トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の付着を促進する固着促進剤を添加して、加熱している。
そのため、トナー母粒子の凝集を抑制しながら、帯電制御樹脂微粒子を、確実に、トナー母粒子に付着させて融合させることができる。
その結果、上記したトナーの製造方法によって得られたトナーによれば、印刷速度が高速化した場合においても、トナーを確実に帯電させることができ、かぶりの発生を低減することができる。
以下、トナーの製造方法を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に言及のない限り、質量基準である。また、各種物性は、後述する測定方法に準じて測定した。
1.第1調製工程
(1)帯電制御樹脂微粒子懸濁液Aの調製
(1−1)帯電制御樹脂A
帯電制御樹脂A(商品名「FCA−201PS」、藤倉化成製)を準備した。
帯電制御樹脂Aは、アクリル酸ブチル、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナートおよびスチレンの共重合物(N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート含有量14質量%)で、重量平均分子量(Mw)は15000、ガラス転移点(Tg)は66℃である。
(1−2)帯電制御樹脂微粒子懸濁液Aの調製
MEK82.5部と、帯電制御樹脂A17.5部とを混合攪拌し、帯電制御樹脂AをMEKに溶解させて、帯電制御樹脂液を得た。
この帯電制御樹脂液100部に、蒸留水100部を混合し、ホモジナイザー(ローター・ステーター式、シャフト18F、ローター径12.5mm:DIAX−900型ハイドルフ製)を用いて、回転数16000rpm(先端周速10.5m/s)で20分間攪拌して乳化させて帯電制御樹脂乳化液Aを得た。
得られた帯電制御樹脂乳化液Aを1Lセパラブルフラスコへ移し、窒素を気相中へ送気しながら、60℃で120分間、加熱攪拌してMEKを揮発させて除去し、帯電制御樹脂微粒子Aが分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液Aを得た。
帯電制御樹脂微粒子懸濁液Aの固形分濃度は、22.9%であった。また、帯電制御樹脂微粒子懸濁液A中の帯電制御樹脂微粒子Aの体積平均粒子径(メジアン径:D50)は、110nmであった。
(2)帯電制御樹脂微粒子懸濁液Bの調製
(2−1)帯電制御樹脂B
1Lのセパラブルフラスコに、スチレンモノマー225部と、アクリルモノマー(ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級塩(アクリエステルDMC:三菱レイヨン製))15部と、アクリル酸ブチル30部と、アゾ系重合開始剤(V65:和光純薬製)5部と、MEK(メチルエチルケトン)50部と、メタノール150部とを仕込んだ。
その後、窒素ガスを流速50ml/minにて吹き込み、30分間バブリングした後、さらに、流速30ml/minで気相部分に送気しながら、セパラブルフラスコを65℃に加熱した。
その後、三日月型インペラーにより回転速度100rpmで攪拌しながら、約10時間溶液重合した。得られた帯電制御樹脂液から、加熱減圧によって溶剤分(MEKや未反応モノマーなど)を除去することにより、帯電制御樹脂Bを得た。
この帯電制御樹脂Bでは、重量平均分子量(Mw)が12000であり、ガラス転移点(Tg)が、65℃であった。
(2−2)帯電制御樹脂微粒子懸濁液Bの調製
帯電制御樹脂Aの代わりに帯電制御樹脂Bを用いた以外は、帯電制御樹脂微粒子懸濁液Aの調製と同様にして、帯電制御樹脂微粒子懸濁液Bを調製した。
帯電制御樹脂微粒子懸濁液Bの固形分濃度は、21.7%であった。また、帯電制御樹脂微粒子懸濁液B中の帯電制御樹脂微粒子Aの体積平均粒子径(メジアン径:D50)は、290nmであった。
2.第2調製工程
(1)母体微粒子懸濁液
(1−1)着色剤分散液の調製
ポリエステル樹脂(FC1565:Tg62℃、Mn(数平均分子量)3600、Mw(重量平均分子量)50000、ゲル分2wt%未満、酸価6.0KOHmg/g:三菱レイヨン製)15部と、カーボンブラック(#260:三菱化学製)15部と、MEK70部とを混合し、ホモジナイザー(サイレントクラッシャーM、シャフト18F、ハイドルフ製)にて回転数10000rpmで10分間攪拌することにより、着色剤を予備分散した。
次いで、着色剤の予備分散液100部を、ジルコニアビーズ(直径1mm)450質量部とともにビーズミル(RMB−04:アイメックス製)に投入し、攪拌速度2000rpmで60分間処理し、着色剤分散液を得た。
(1−2)結着樹脂液の調製
次いで、着色剤分散液60部にMEK678部をゆっくりと混合した後、ポリエステル樹脂(FC1565)149.4部と、エステル系ワックス(ニッサンエレクトールWEP3:日本油脂製)12.6とを混合して攪拌し、これを液温70℃に加熱攪拌して結着樹脂液を得た。
(1−3)結着樹脂乳化液の調製
得られた結着樹脂液900部と、蒸留水900部と、1規定の水酸化ナトリウム水溶液9.0部とを混合し、ホモジナイザー(シャフト22F、ローラ径:16.5mm)にて回転数15000rpm(先端周速13.0m/s)で20分間攪拌して乳化させて結着樹脂乳化液を得た。
(1−4)母体微粒子懸濁液の調製
これを2Lセパラブルフラスコへ移し、窒素を気相中へ送気しながら、75℃で140分間加熱攪拌してMEKを除去し、母体微粒子が分散された母体微粒子懸濁液を得た。なお、この実施例では、同様の母体微粒子懸濁液を30ロット作製し、それらを混合した。
母体微粒子懸濁液の固形分は、23.1質量%であった。また、母体微粒子懸濁液中の母体微粒子の体積平均粒子径(メジアン径:D50)は、299nmであった。また、母体微粒子懸濁液中の母体微粒子のガラス転移点(Tg)は、58.3℃であった。
(2)トナー母粒子懸濁液A
次いで、母体微粒子懸濁液692.6部に、ノニオン系界面活性剤(エパン785:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー:第一工業製薬製)の5%水溶液57.6部を混合し、蒸留水849.8部で希釈して、固形分濃度10%の母体微粒子懸濁液の希釈液1600部を準備した。
この希釈液に、凝集剤として0.2規定の塩化アルミニウム水溶液35部を添加し、ホモジナイザー(シャフト22F、ローラ径:16.5mm)にて、回転数8000rpmで10分間、高速混合した。
その後、希釈液を、6枚平板タービン翼(φ75mm)にて回転数300rpmで攪拌しながら45℃に加熱して母体微粒子を凝集させた。その後、凝集停止剤として0.2規定の水酸化ナトリウム水溶液46部を投入した後、90℃まで昇温し、約6.5時間攪拌し、トナー母粒子懸濁液を得た。なお、この実施例では、同様のトナー母粒子懸濁液を15ロット作製し、それらを混合した。
得られたトナー母粒子懸濁液を濾過し、濾別されたトナー母粒子Aを、蒸留水で洗浄した後、セパラブルフラスコへ投入した。そこへ蒸留水を注いで、トナー母粒子Aを再び分散させ、固形分10質量%のトナー母粒子懸濁液A1600部(トナー母粒子として160部)を得た。
トナー母粒子Aの体積基準の平均粒子径(Dv)は、8.1μmであった。また、トナー母粒子Aの個数基準の平均粒子径(Dn)は、6.8μmであった。また、トナー母粒子Aの円形度は、0.996であった。また、トナー母粒子Aのガラス転移点(Tg)は、57.6℃であった。また、トナー母粒子懸濁液Aの導電率は、5.4μS/cm(液温25℃)であった。また、トナー母粒子懸濁液AのpHは、6.9であった。また、トナー母粒子Aの比表面積(B0)は、表2に示すように、0.73m/gであった。
(3)トナー母粒子懸濁液B
母体微粒子懸濁液の希釈液に、凝集剤52.5部を添加し、混合した後、40℃で加熱、攪拌して母体微粒子を凝集させ、凝集停止剤69部を投入した後、90℃まで昇温して、約5時間攪拌した以外は、上記したトナー母粒子懸濁液Aと同様にして、トナー母粒子懸濁液Bを得た。
トナー母粒子Bの体積基準の平均粒子径(Dv)は、6.2μmであった。また、トナー母粒子Bの個数基準の平均粒子径(Dn)は、表2に示すように、5.4μmであった。また、トナー母粒子Bの円形度は、0.983であった。また、トナー母粒子Bのガラス転移点(Tg)は、57.7℃であった。また、トナー母粒子懸濁液Bの導電率は、7.8μS/cm(液温25℃)であった。また、トナー母粒子懸濁液BのpHは、6.9であった。また、トナー母粒子Bの比表面積(B0)は、表2に示すように、1.25m/gであった。
3.トナー母粒子に対する帯電制御樹脂微粒子の最大付着量の測定
(1)トナー母粒子Aに対する帯電制御樹脂微粒子Aの最大付着量の測定
25℃の湯浴中において、固形分10質量%のトナー母粒子懸濁液A1600部(トナー母粒子Aとして160部)に、帯電制御樹脂微粒子Aが分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液A(固形分22.9質量%)を10部(帯電制御樹脂微粒子Aとして2.29部)混合し、インペラー(6枚平板タービン翼2段:直径75mm)を用いて200rpmで15分間攪拌し、混合液を調製した。
その後、混合液を濾過し、濾液を回収した。さらに、濾別されたトナーに蒸留水500gを加えて濾過(洗浄)し、その濾液も回収した。
濾液の固形分(不揮発成分)は、1.25部であった。なお、濾液の固形分は、トナー母粒子Aに付着されなかった帯電制御樹脂微粒子Aとみなすことができる。
そして、トナー母粒子A160部に対する帯電制御樹脂微粒子Aの最大付着量は、トナー母粒子懸濁液Aに混合した帯電制御樹脂微粒子A(2.29部)と、濾液の固形分(1.25部)との差から、1.04部(2.29部−1.25部)であった。
また、トナー母粒子A100部あたりの帯電制御樹脂微粒子Aの最大付着量は、0.65部(1.04部×100/160)であった。
また、トナー母粒子懸濁液Aに混合した帯電制御樹脂微粒子Aの全量(2.29部)に対する付着量(1.04部)の百分率(付着効率)は、45.4%であった。
(2)トナー母粒子Bに対する帯電制御樹脂微粒子Bの最大付着量の測定
25℃の湯浴中において、固形分10質量%のトナー母粒子懸濁液B1600部(トナー母粒子Bとして160部)に、帯電制御樹脂微粒子Bが分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液B(固形分21.7質量%)を80部(帯電制御樹脂微粒子Bとして17.36部)混合し、インペラー(6枚平板タービン翼2段:直径75mm)を用いて200rpmで15分間攪拌し、混合液を調製した。
その後、混合液を濾過し、濾液を回収した。さらに、濾別されたトナーに蒸留水500gを加えて濾過(洗浄)し、その濾液も回収した。
濾液の固形分(不揮発成分)は、3.36部であった。なお、濾液の固形分は、トナー母粒子Bに付着されなかった帯電制御樹脂微粒子Bとみなすことができる。
そして、トナー母粒子B160部に対する帯電制御樹脂微粒子Bの最大付着量は、トナー母粒子懸濁液Bに混合した帯電制御樹脂微粒子B(17.36部)と、濾液の固形分(3.36部)との差から、14部(17.36部−3.36部)であった。
また、トナー母粒子B100部あたりの帯電制御樹脂微粒子Bの最大付着量は、8.75部(14部×100/160)であった。
また、トナー母粒子懸濁液Bに混合した帯電制御樹脂微粒子Bの全量(17.36部)に対する最大付着量(14部)の百分率(付着効率)は、80.6%であった。
4.トナーの調製
(1)実施例1
25℃の湯浴中において、インペラー(6枚平板タービン翼2段:直径75mm)を用いて200rpmで攪拌しながら、固形分10質量%のトナー母粒子懸濁液A1600部(トナー母粒子Aとして160部)に、帯電制御樹脂微粒子Aが分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液A(固形分22.9質量%)を、表1に示す配合量(具体的には、5部、帯電制御樹脂微粒子Aとして1.145部、最大付着量に対して110質量%)、配合し、15分間攪拌して、混合液を調製した(混合工程)。図1に、混合液中において、帯電制御樹脂微粒子Aが付着されたトナー母粒子Aの走査型電子顕微鏡写真を示す。
その後、混合液を濾過し、濾液を回収した。さらに、濾物に蒸留水を加えて、濾過(洗浄)し、その濾液も回収した(除去工程)。濾液の固形分(第1の固形分)は、0.121部であった。
その後、濾物に蒸留水を加えて分散させ、帯電制御樹脂微粒子Aが付着されたトナー母粒子Aの懸濁液(固形分10質量%)を得た。
その後、25℃の湯浴中において、インペラー(6枚平板タービン翼2段:直径75mm)を用いて200rpmで攪拌しながら、湯浴の温度を1℃/minの昇温速度で58℃へ昇温し、懸濁液の温度が58℃に到達した後に、固着促進剤として、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸アンモニウム(アルキル(またはアルケニル)基としてオレイル基またはセチル基を有するポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステルのアンモニウム塩)の5質量%水溶液を、表1に示す配合量(19.2部、固着促進剤として0.96部)、添加した(添加工程)。
その後、引き続いて、懸濁液の温度を58℃に維持しながら、表1に示す処理時間で、加熱攪拌した(固着工程)。加熱後の懸濁液中のトナー粒子A(帯電制御樹脂Aが付着したトナー母粒子A)の個数基準の平均粒子径(Dn)は、6.8μmであった。
その後、懸濁液を濾過し、濾液を回収した。さらに、濾別されたトナー粒子Aに蒸留水を加えて、濾液の導電率が4μS/cm以下になるまで繰り返し濾過(洗浄)し、その濾液も回収した。濾液の固形分(第2の固形分)は、0.96部であった。
また、濾別されたトナー粒子Aの全量に対する、固着された帯電制御樹脂微粒子Aの割合(帯電制御樹脂微粒子の固着量)は、下記式から算出され、表2に示すように、0.64質量%であった。
式:
(混合液中の帯電制御樹脂微粒子Aの量(1.145部)−(第1の固形分(0.121部)+第2の固形分(0.96部)−固着促進剤の添加量(0.96部)))/(混合液中のトナー母粒子Aの量(160部))×100=0.64
また、トナー粒子Aの比表面積(B1)は、表2に示すように、0.79m/gであった。
その後、50℃で、水分量0.5質量%以下まで乾燥した。図2に、得られたトナー粒子Aの走査型電子顕微鏡写真を示す。
その後、トナー粒子A100部に対して、HVK2150(疎水性シリカ:クラリアント製)と、NA50H(疎水性シリカ:アエロジル製)とを、表1に示す配合量で配合し、メカノミル(岡田精工製)にて回転数2500rpmで3分間攪拌した。その後、疎水性シリカの粗大凝集物を、篩によって除去し、トナーを得た。
(2)実施例2〜7
表1に示す配合割合および処理条件で各成分を配合した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。各実施例の帯電制御樹脂微粒子の固着量、トナー粒子の比表面積(B1)を表2に示す。
(3)比較例1〜4、7〜9
表1に示す配合割合および処理条件で各成分を配合した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。各比較例の帯電制御樹脂微粒子の固着量、トナー粒子の比表面積(B1)を表2に示す。
(4)比較例5
25℃の湯浴中において、インペラー(6枚平板タービン翼2段:直径75mm)を用いて200rpmで攪拌しながら、固形分10質量%のトナー母粒子懸濁液A1600部(トナー母粒子Aとして160部)に、帯電制御樹脂微粒子Aが分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液A(固形分22.9質量%)を、表1に示す配合量(具体的には、5部、帯電制御樹脂微粒子Aとして1.145部、最大付着量に対して110質量%)、配合し、15分間攪拌して、混合液を調製した(混合工程)。
その後、湯浴の温度を1℃/minの昇温速度で58℃へ昇温し、懸濁液の温度が58℃に到達した後に、固着促進剤として、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸アンモニウム(アルキル(またはアルケニル)基としてオレイル基またはセチル基を有するポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステルのアンモニウム塩)の5質量%水溶液を、表1に示す配合量(19.2部、固着促進剤として0.96部)、添加した(添加工程)。
その後、引き続いて、懸濁液の温度を58℃に維持しながら、表1に示す処理時間で、加熱攪拌した(固着工程)。加熱後の懸濁液中のトナー粒子A(帯電制御樹脂Aが付着したトナー母粒子A)の個数基準の平均粒子径(Dn)は、9.2μmであった。
その後、懸濁液を濾過し、濾液を回収した。さらに、濾別されたトナー粒子Aに蒸留水を加えて、濾液の導電率が4μS/cm以下になるまで繰り返し濾過(洗浄)し、その濾液も回収した。濾液の固形分は、1.065部であった。
また、濾別されたトナー粒子Aの全量に対する、固着された帯電制御樹脂微粒子Aの割合(帯電制御樹脂微粒子の固着量)は、下記式から算出され、表2に示すように、0.65質量%であった。
式:
(混合液中の帯電制御樹脂微粒子Aの量(1.145部)−(濾液の固形分(1.065部)−固着促進剤の添加量(0.96部)))/(混合液中のトナー母粒子Aの量(160部))×100=0.65
また、トナー粒子Aの比表面積(B1)は、表2に示すように、0.72m/gであった。
その後、50℃で、水分量0.5質量%以下まで乾燥した。
その後、トナー粒子A100部に対して、HVK2150(疎水性シリカ:クラリアント製)と、NA50H(疎水性シリカ:アエロジル製)とを、表1に示す配合量で配合し、メカノミル(岡田精工製)にて回転数2500rpmで3分間攪拌した。その後、疎水性シリカの粗大凝集物を、篩によって除去し、トナーを得た。
(5)比較例6
25℃の湯浴中において、インペラー(6枚平板タービン翼2段:直径75mm)を用いて200rpmで攪拌しながら、固形分10質量%のトナー母粒子懸濁液A1600部(トナー母粒子Aとして160部)に、固着促進剤として、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸アンモニウムの5質量%水溶液19.2部(固着促進剤として0.96部)を添加した。
その後、帯電制御樹脂微粒子懸濁液A(固形分22.9質量%)を5部(帯電制御樹脂微粒子Aとして1.145部)混合し、15分間攪拌して、混合液を調製した。
その後、湯浴の温度を1℃/minの昇温速度で58℃へ昇温し、混合液の温度が58℃に到達した後に、
その後、引き続いて、混合液の温度を58℃に維持しながら、120分間、加熱攪拌した。加熱後の混合液中のトナー粒子A(帯電制御樹脂Aが付着したトナー母粒子A)の個数基準の平均粒子径(Dn)は、9.5μmであった。
その後、混合液を濾過し、濾液を回収した。さらに、濾別されたトナー粒子Aに蒸留水を加えて、濾液の導電率が4μS/cm以下になるまで繰り返し濾過(洗浄)し、その濾液も回収した。濾液の固形分は、1.769部であった。
また、濾別されたトナー粒子Aの全量に対する、固着された帯電制御樹脂微粒子Aの割合(帯電制御樹脂微粒子の固着量)は、下記式から算出され、表2に示すように、0.21質量%であった。
式:
(混合液中の帯電制御樹脂微粒子Aの量(1.145部)−(濾液中の固形分の量(1.769部)−固着促進剤の添加量(0.96部)))/(混合液中のトナー母粒子Aの量(160部))×100=0.21
また、トナー粒子Aの比表面積(B1)は、表2に示すように、0.70m/gであった。
その後、50℃で、水分量0.5質量%以下まで乾燥し、トナー粒子A100部に対して、HVK2150(疎水性シリカ:クラリアント製)1部と、NA50H(疎水性シリカ:アエロジル製)1部とを配合して、メカノミル(岡田精工製)にて回転数2500rpmで3分間攪拌した。その後、疎水性シリカの粗大凝集物を、篩によって除去し、トナーを得た。
(6)比較例10
表1に示す配合割合で各成分を配合した以外は、比較例5と同様にして、トナーを得た。比較例10の帯電制御樹脂微粒子の固着量、トナー粒子の比表面積(B1)を表2に示す。
(7)比較例11
表1に示す配合割合で各成分を配合した以外は、比較例6と同様にして、トナーを得た。比較例11の帯電制御樹脂微粒子の固着量、トナー粒子の比表面積(B1)を表2に示す。
5.各種物性試験
(1)ガラス転移点の測定
示差走査熱分析装置(DSC6220:SIIナノテクノロジー製)を使用して測定した。
試料(測定対象を乾燥して得られた粉末)約5mgを、専用のアルミニウム製パンに投入し、−10℃から170℃まで10℃/minで昇温し(1st run)、次いで、10℃/minで−10℃まで冷却した後、再び170℃まで10℃/minで昇温した(2nd run)。2nd runにおける中点ガラス転移点を、ガラス転移点(Tg)とした。
なお、リファレンスの測定は、アルミニウム板9.7mgを、同じアルミニウム製パンに投入して、同様に測定した。
(2)分子量の測定方法
測定対象の樹脂を、テトラヒドロフラン(THF:高速液体クロマトグラフィー用)に溶解(6時間振盪後、18時間静置)させた。
次いで、樹脂のTHF溶液を、メンブレンフィルター(DISMIC:孔径0.2μm、ポリテトラフルオロエチレン製:ADVANTEC製)で濾過して、濾液を得た。
濾液を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて、下記条件で測定し、標準ポリスチレン換算により、分子量を測定した。
検出器:830−RI(Jasco)
カラム:GPC KF805L 2本、GPC KF802 1本(Shodex)
試料濃度:0.5mg/ml
注入量:100μl
カラム温度:40℃
流速:1.0ml/min
標準試料:ポリスチレン11種(Shodex Standard(SM105:S−1.20、S−3、S−7.21、S−19.6))
(3)ゲル分の測定方法
規格瓶(No.2)に、測定対象の樹脂0.01g(質量A)とTHF10mlとを投入し、マグネチックスターラーで6時間攪拌して溶解させ、樹脂溶液を調製した。
予め質量を測定したメンブレンフィルター(孔径0.5μm、ポリテトラフルオロエチレン製:ADVANTEC製:質量B)を用いて、樹脂溶液を濾過した後、使用したメンブレンフィルターの質量(質量C)を測定した。
(C−B)/A×100より、ゲル分(質量%)を算出した。
(4)固形分の測定方法
アルミ容器に測定対象を2〜20g採取して乾燥前の質量を測定し、50℃の乾燥機中で乾燥させ、不揮発分の質量を測定した。乾燥前の質量に対する不揮発分の質量の百分率を、固形分(質量%)として算出した。
(5)帯電制御樹脂微粒子および母体微粒子の平均粒子径の測定
ナノトラック粒度分布測定装置(UPA150:日機装製)を使用して、帯電制御樹脂微粒子懸濁液中の帯電制御樹脂微粒子、および、母体微粒子懸濁液中の母体微粒子の体積平均粒子径を測定した。
希釈溶媒に純水を使用し、溶媒の屈折率は1.33に設定した。また、帯電制御樹脂微粒子の屈折率は、1.51に設定し、母体微粒子の屈折率は、1.91に設定した。
懸濁液(帯電制御樹脂微粒子懸濁液または母体微粒子懸濁液)を、ナノトラック粒度分布測定装置(UPA150:日機装製)の測定部に、測定条件の適正濃度範囲に入るように、スポイドで数滴投入し、測定時間60秒で測定した。同じサンプルを3回測定した平均値をメジアン径(50%径)を体積平均粒子径の代表値とした。
(6)トナー母粒子およびトナー粒子の平均粒子径の測定
粒度分布測定装置(コールターマルチサイザーIII:ベックマン・コールター製)を使用した。アパーチャ径が100μmのものを使用して測定した。結果を表3に示す。
トナー母粒子(トナー母粒子懸濁液を乾燥させて得られた粉末)0.2gを、分散剤(ペレックスOT−P:花王製)を用いて50mlの蒸留水に分散(必要により超音波分散)させ、試料(スラリー)を調製した。
次いで、試料を、粒度分布測定装置の測定器に、スポイト(2ml)で数滴(3〜5滴)投入して、約50000個の粒子の体積基準の平均粒子径(Dv)、および、個数基準の平均粒子径(Dn)を計測した。
(7)トナー母粒子の円形度の測定
フロー式粒子像分析装置(FPIA‐3000:シスメックス製)を使用して測定した。
詳しくは、まず、トナー母粒子0.02gを50mlの蒸留水と分散剤(ペレックスOT−P:花王製)を0.1%の水溶液にしたものを数滴混合して、必要に応じて超音波分散などして、測定試料を調製した。なお、製造途中のトナー母粒子については懸濁液から2mlスポイトで0.2ml程度採取して約50mlの蒸留水で希釈し、測定試料を調製した。
これらの測定試料を、測定器に5ml程度充填し、高倍率モードで約3,600個の円形度を計測した。有効データの平均値を円形度の代表値として採用した。
(8)導電率の測定方法
導電率計(COND METER ES−51:堀場製作所製)を使用して、液温が25±1℃の温度範囲で測定した。
(9)pHの測定方法
pHメーター(B−212:堀場製作所製)を使用して、25℃±1℃の温度範囲で測定した。
(10)比表面積の測定方法
測定装置は全自動BET比表面積測定装置Macsorb model‐1201(マウンテック社製)を使用した。
専用セルにサンプルを約1.0g充填し、装置本体にセットした。次に、専用セルを、窒素雰囲気下において、40℃で60分間、脱気処理した後、室温まで冷却した。
その後、液体窒素を充填したデュワー瓶に専用セルを浸して冷却しながら、専用セル内に窒素30%・ヘリウム70%の混合ガスを流して、サンプルへの混合ガスの吸着を行った。その後、デュワー瓶から専用セルを取り出して吸着した混合ガスの脱離を実施し、サンプルへの混合ガスの吸着量を測定した。
測定された混合ガスの吸着量から、サンプルの総表面積が計測された。この総表面積をサンプル質量で割った値をサンプルの比表面積として採用した。
6.トナーの性能試験
(1)印刷画質試験
HL−5340(印刷速度30枚/分、ブラザー工業製)を用いて、各実施例および各比較例のトナーの印刷画質を評価した。
まず、気温25℃、相対湿度55%の環境下で、A4画像10枚分の白ベタ画像を画出した。このとき、白ベタ画像の画出しにおいて、帯電不良のトナー(負帯電したものや、帯電が低いものなど)は、感光ドラムの表面に付着する。
その後、感光ドラムの表面に付着したトナーを粘着テープに転写し、その粘着テープを、Xerox4200紙に貼着した。
そして、正帯電性トナーを転写していない粘着テープを参照として、それらの白色度の差から評価した。
白色度の差は、白色度計(TC−6MC:東京電色製)を使用して、トナーを転写していない粘着テープの白色度Y0と、トナーを転写した粘着テープの白色度Y1との差(ΔY=Y0−Y1)を算出した。
このΔYが5.0未満であれば、用紙上のかぶりはほとんど目視で確認されず、良好な印刷画質である。結果を表2に示す。
(2)耐久印刷試験
HL−5340(ブラザー工業製)を用いて、各実施例および各比較例のトナーの印刷耐久性を評価した。
まず、気温25℃、相対湿度55%の環境下で、印刷面積率1%の印刷パターンを、17秒間隔で印刷した。1000枚ごとに印刷品質評価用パターンを印刷し、そのうち、白ベタ部分のかぶりを目視で確認した。かぶりが発生しなかった累計枚数を評価指標とした。結果を表2に示す。

Claims (4)

  1. 帯電制御樹脂、有機溶剤および水系媒体のみを配合して乳化させた乳化液から、前記有機溶剤を除去して、帯電制御樹脂微粒子が分散された帯電制御樹脂微粒子懸濁液を調製する第1調製工程と、
    結着樹脂と着色剤とを含有するトナー母粒子が分散されたトナー母粒子懸濁液を調製する第2調製工程と、
    前記トナー母粒子に対する前記帯電制御樹脂微粒子の割合が前記トナー母粒子の表面に対する前記帯電制御樹脂微粒子の最大付着量に対して100質量%を超過するように、前記帯電制御樹脂微粒子懸濁液と前記トナー母粒子懸濁液とを混合して混合液を調製する混合工程と、
    前記混合液から前記トナー母粒子に付着していない前記帯電制御樹脂微粒子を除去する除去工程と、
    前記トナー母粒子に付着していない前記帯電制御樹脂微粒子が除去された前記混合液に、前記トナー母粒子に対する前記帯電制御樹脂微粒子の固着を促進する固着促進剤を添加する添加工程と、
    前記固着促進剤が添加された前記混合液を加熱して、前記帯電制御樹脂微粒子を前記トナー母粒子に固着させる固着工程と
    を含み、
    前記固着工程において、加熱後の前記帯電制御樹脂微粒子を含む前記トナー母粒子の比表面積が、前記帯電制御樹脂微粒子が付着される前の前記トナー母粒子の比表面積に対して、110%以下となることを特徴とする、トナーの製造方法。
  2. 前記固着工程において、加熱後の前記帯電制御樹脂微粒子を含む前記トナー母粒子の比表面積が、前記帯電制御樹脂微粒子が付着される前の前記トナー母粒子の比表面積に対して、100%未満となるように、加熱することを特徴とする、請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記帯電制御樹脂微粒子は、4級アンモニウム塩含有基を有するアクリル−スチレン樹脂を含有していることを特徴とする、請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記帯電制御樹脂微粒子の体積平均粒子径は、50〜300nmであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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