JP5417201B2 - 道路用標示体 - Google Patents
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Description
すなわち本発明に係る道路用標示体は、車両の接触によって弾性的に曲がる可撓性を有するポールを備えた柱状の標識部が少なくとも2個立設され、該柱状の標識部の上部の間にビーム状の標識部が架設された柵体から構成される道路用標示体であって、
前記柵体は前記ビーム状の標識部が連なるように複数並設され、
該各柵体の間にはその上部に柔軟性を有する材料で形成されたカバー材をまたがらせて取り付けたことを特徴としている。
また、立設させた柱状の標識部の上部の間にビーム状の標識部を架設させた各柵体の上部にまたがらせて前記カバー材を取り付けるので、ビーム状の標識部とカバー材とが一体的に視認され、各柵体から構成される道路用標示体の見た目の剛性感を高める。
また、複数並設させた前記各柵体の間にカバー材を取り付けるので、施工場所や目的に対応した配置に各柵体を並設させた後にカバー材を取りつけて、より施工場所に適した形状に道路用標示体を構成させることができる。
また、前記カバー材を柔軟性を有する材料で形成するので、道路用標示体に車両などが接触しても、柱状の標識部のポールやカバー材が撓み、変形して加えられた力を逃がすので、道路用標示体が破壊されにくいものとなされる。
前記カバー材には固定ボルトの雄ねじ部を外側から貫通して挿入させ、
この固定ボルトの雄ねじ部が前記ジョイント部と前記ビーム状の標識部のビーム端部とを貫通してビーム状の標識部に内装させたナットに螺結して、前記ビーム状の標識部と前記ジョイントと前記カバー材とをそれぞれ固定させれば、前記カバー材が前記ビーム状の標識部と前記ジョイントとに強固に固定され、容易に外れないものとなされ、好ましい。
まず最初に、図1〜3によって、本発明に係る道路用標示体の全体的な構成について説明する。
本実施形態の道路用標示体は、2個の柵体10を並設させ、これらの間にカバー材3を架設させて道路用標示体を構成させている。
本実施形態の柱状の標識部1は、ポール11をベース2の上方から着脱自在に立設できるように構成させている。
尚、各柵体10を構成する2本の柱状の標識部1について、カバー材3を取り付ける柱状の標識部1を1B、道路用標示体の端に位置してカバー材3を取り付けない柱状の標識部1を1Aとしている。
また、並設させた柵体10の間にカバー材3を架け渡して取り付けて一個の道路用標示体を形成させ、各柵体10の間を人が通行することを防止している。
柱状の標識部1Aのポール11は円筒形の中空柱状体に形成されており、その上端を塞ぐようにジョイント4が融着によって固定され、ポール部11の下端を塞ぐように補強用部材12が固定されている。
尚、ジョイント4には4Aと4Bとがあり、柱状の標識部1Aにはジョイント4Aが固定され、柱状の標識部1Bにはジョイント4Bが固定されている。本実施形態の柱状の標識部1Aと1Bとは、ジョイント4Aと4Bの形状のみが異なっている。
ポール11とベース2との固定方法は上記の方法に限るものではなく、ポール11の下端とベース2のくぼみ21とにそれぞれ係合可能な係合部と係止部とを設け、これらの係合によって着脱可能に固定させてもよいし、ポール11とベース2とは別に形成させた固定部材をポール11とベース2とに架け渡して取り付けることでこれらを固定させてもよいし、他の方法を用いて固定させても良い。
また図1、2に示すように、ポール11の外側面には、光の再帰反射性を備えた反射シートが巻回されて全周に亘って貼り付けられた反射部13が設けられており、正面や側方からの視認性を高いものとすることができる。
下方結合部41は、下方に向いたジョイント4A、4Bの外周面が縮径して突出するように形成されており、円筒形のポール11の中空部分に上方から挿入可能に形成されている。下方結合部41の外周面はポール11の内周面に当接するように形成され、下方結合部41とポール11とは融着によって強固に固着されている。
ジョイント4A、4Bは、車両などが接触する等して変形しても元の状態に復元するように弾性を有する材料で形成するのが好ましく、本実施形態では熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成しているが、これに限らず、軟質ポリオレフィン、エラストマー、などを好適に用いることができ、他の材料を用いてもよい。
補強筒6は、柱状の標識部1Aに取り付けられる6Aと、柱状の標識部1Bに取り付けられる6Bとがある。
後記図7に示すように本実施形態の補強筒6は、中空の円筒形状に形成されており、図3に示すようにその長さがビーム状の標識部5よりも短く形成され、図4に示すようにその外径がビーム状の標識部5の内径よりも小さく形成されてその内側に内装可能に形成され、更にジョイント4の水平結合部42の内壁部44の内側に挿入可能に形成されている。
上記のように、ジョイント4とビーム状の標識部5との結合部分において、ビーム状の標識部5に補強筒6を内装させて設けることで、ビーム状の標識部5や柱状の標識部1A、1Bに車両などが接触する等してビーム状の標識部5が折れ曲がるなどの変形を起こした場合において、ジョイント4A、4B付近ではビーム状の標識部5の変形に伴いこれに内装された補強筒6A、6Bが変形し、その後補強筒6A、6Bがもとの形状に復元しようとしてビーム状の標識部5を内側から支持するので、ビーム状の標識部5の復元力に補強筒6A、6Bの復元力が加わり、より強力にビーム状の標識部5の変形が復元される。
本実施形態において、ジョイント4Aに設けられた水平結合部42の内壁部44は、側面視からの断面形状が略正八角形の筒状に形成されており、それぞれ対向する4面をジョイント4の向きに対して真上、真下、水平横方向へ向けるように形成されている。そして、前記の面の間に形成された斜め方向に向かう4面において、ビーム挿入溝部46から内壁部44の内部へ至るように内壁部44を貫通する雄ねじ挿通孔44aが設けられている。
また、ジョイント4Aに設けられた水平結合部42の壁部43において、前記の雄ねじ挿通孔44aに対応する位置に、壁部43の外周面から内周面に至るボルト挿通孔43aが設けられている。
本実施形態では、後記図9に示されるようにジョイント4Aとビーム状の標識部5と補強筒6Aとを固定ボルト9によって固定するように設けており、前記の雄ねじ挿通孔44aは固定ボルト9の雄ねじ部91が挿通可能な大きさに形成され、前記のボルト挿通孔43aは固定ボルト9のボルト頭部92が挿通可能な大きさに形成されている。
また、ジョイント4Bに設けられた水平結合部42の壁部43において、前記の雄ねじ挿通孔44a’に対応する位置に、壁部43の外周面から内周面に至るカバー取付孔47が設けられている。
ジョイント4Bは、上記の雄ねじ挿通孔44a’及びカバー取付孔47が追加されて形成されている点のみがジョイント4Aと異なっている。
クリップナット8は、平板状のバネを、上板部81a、中板部81b、下板部81cを備えるようにコの字形状に曲げて形成されたクリップ部81と、クリップ部81の下板部81cの下面に固定されたナット82から構成されている。ナット82はその雌ねじ部84に固定ボルト9の雄ねじを螺入可能な大きさのものを用いている。また、クリップ部81の上板部81aおよび下板部81cには、ナット82の雌ねじ部分に対応する位置に、ナット82に螺入される雄ねじが挿通可能な大きさのクリップ部貫通孔83がそれぞれ形成されており、このクリップ部貫通孔83を挿通させてクリップ部81の上板部81aの上方からナット82に固定ボルト9の雄ねじを螺入可能に形成されている。
補強筒6Aは、円筒形状に形成された筒壁62から構成されており、その一方の端付近に前記筒壁62を貫通する円形の貫通孔61が形成されている。本実施形態では、貫通孔61は4箇所形成されており、具体的には各貫通孔61は補強筒6Aの端からそれぞれ等間隔に配置され、さらに各貫通孔は補強筒61の周方向においてもそれぞれ等間隔に配置されて形成されている。
クリップナット8は、クリップ部81で筒壁62を挟み、ナット82を補強筒6の中空部分に収納させて、補強筒6に4個取り付けられている。具体的には、クリップナット8のクリップ部貫通孔82及びナット82の雌ねじ部分が、補強筒6に設けた貫通穴61の位置に配置されるように取り付けられており、固定ボルト9の雄ねじ部91を補強筒6の外側から貫通孔61を挿通させて、クリップナット8のナット82へ螺結可能に形成させている。
補強筒6Bは、補強筒6Aの4箇所の貫通孔61に加えて、任意の2つの貫通孔61の中間にあたる筒壁62の位置に、貫通孔61と同じ形状の貫通孔61’が1箇所形成されている点のみが、補強筒6Aと異なっている。
補強筒6Bには、補強筒6Aの貫通孔61の位置と同様に、追加して形成された貫通孔61’の位置にもクリップナット8と同じ形状のクリップナット8’が取り付けられ、合計5個のクリップナット8、8’が取り付けられる。
本実施形態では、まず最初に図9(ロ)に示すように、ジョイント4Aの内壁部44の内側に、クリップナット8を取り付けた補強筒6Aを挿入させる。
このとき、補強筒6Aの貫通孔61が、ジョイント4の内壁部44に設けた雄ねじ挿通孔44aの位置に配置されるように、補強筒6Aを挿入させる。
前記のように補強筒6Aを挿入させることで、補強筒6Aに合計4個づつ取り付けられたクリップナット8のクリップ部81が、前記図5に示すように略正八角形の筒状に形成された内壁部44の斜め方向に向かう4面の内側にそれぞれ当接されて、安定的に内壁部44の内側に取り付けられる。
ジョイント4Aの水平結合部42を構成する壁部43、内壁部44,ビーム挿入溝部46は、固定ボルト9がクリップナット8に螺結されたときに、固定ボルト9のボルト頭部92の上端が、ジョイント4Aのボルト挿通孔43aから突出させずに、ジョイント4Aの壁部43の外周面より内側に位置するように、固定ボルト9をジョイント4Aの内部に収納可能に形成されている。上記のようにジョイント4Aを形成させることで、道路用標示体に車両などが接触した際に、固定ボルト9のボルト頭部91が車両に接触して傷つけるなどの問題の発生を防止することができる。
また上記のように、ジョイント4Aとビーム状の標識部5、補強筒6Aとの固定にクリップナット8を用いることで、固定ボルト9を螺結させる雌ねじ部を容易にジョイント4Aに設けることができると共に、柱状の標識部1Aやビーム状の標識部5等が破損などして交換するような場合には、クリップナット8を容易に取り外して分別し、再利用や再生利用などを行うことができる。
カバー材3は均一な厚みの薄板を180°の角度で折り曲げたような、逆Uの字断面の形状に形成されており、アール部分を上方に向けて半円形に曲がっている曲部31と、この曲部31の両方の端からそれぞれ下方に延びるように平板部32が2箇所延設されて形成されている。
また、カバー凹部33の円形に形成された上面と下面とはそれぞれ平面状に形成されており、カバー凹部33の中心には、その上面から下面に至る円形のカバー貫通孔34が形成されている。
カバー材3は、車両などが接触する等して変形しても元の状態に復元するように弾性を有する材料で形成するのが好ましく、本実施形態では熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成しているが、これに限らず、軟質ポリオレフィン、エラストマー、などを好適に用いることができ、他の材料を用いてもよい。
柱状の標識部1Bのジョイント部4Bと、ビーム状の標識部5及び補強筒6Bとの固定において、クリップナット8と固定ボルト9との螺結による固定は、前記の図9に示した柱状の標識部1Aと同様である。
すなわち、ジョイント4Bの内壁部44の内側に、クリップナット8を取り付けた補強筒6Bを挿入させ、ビーム状の標識部5のビーム端部51Bを、ジョイント4Bのビーム挿入溝部46に挿入させ、ジョイント4Bの壁部43の外側から固定ボルト9を差し込み、その雄ねじ部91をビーム貫通孔52、雄ねじ挿通孔44a、貫通孔61に挿通させて、クリップナット8のナット82に螺結させて、ジョイント4Bの水平結合部42にビーム状の標識部5と補強筒6Bとを固定させる。
カバー材3の取り付けにおいて、まず最初に各平板部32の間にジョイント4Bを挟み、カバー凹部33をジョイント4Bのカバー取付孔47に収納させる。
次にカバー3の外側から固定ボルト9をカバー貫通孔34に差し込み、その雄ねじ部91をビーム状の標識部5のビーム端部51Bにあらかじめ形成させたビーム貫通孔52’、雄ねじ挿通孔44a’、貫通孔61’に挿通させて、クリップナット8’のナット82に螺結させて、ジョイント4Bの水平結合部42にビーム状の標識部5と補強筒6Bとを固定させる。
カバー材3を固定させる固定ボルト9が、ビーム状の標識部5のビーム端部51と補強筒6Bとに挿通されてジョイント4Bに固定されるため、カバー材3が柱状の標識部1Bに強固に固定される。
カバー材3はその上部に半円形の曲部31が形成され、ジョイント4Bの水平結合部42を曲部31と各平板部32の内側に収納させて固定されるので、一見すると各柵体10のそれぞれのビーム状の標識部5とカバー材3とがあたかも一体となっているように視認され、歩行者に横断しようとする気持ちを失わせる。また、可撓性を有する道路用標示柱などについては、接触した車両に傷が生じにくいため、意図的に車両を接触させる運転手が存在するが、本実施形態の道路用標示体は、各柵体10のそれぞれのビーム状の標識部5とカバー材3とがあたかも一体となっているように視認されることで、見た目の剛性感が高められ、走行する車両の運転手に接触する意思を失わせる効果が期待できる。
11 ポール
12 補強用部材
13 反射部
2 ベース
3 カバー材
31 曲部
32 平板部
33 カバー凹部
34 カバー貫通孔
4 ジョイント
41 下方結合部
42 水平結合部
43 壁部
43a ボルト挿通孔
44 内壁部
44a 雄ねじ挿通孔
45 曲部
46 ビーム挿入溝部
47 カバー取付孔
5 ビーム状の標示部
51 ビーム端部
52 ビーム貫通孔
53 反射部
6 補強筒
61 貫通孔
62 筒壁
8 クリップナット
81 クリップ部
82 ナット
83 クリップ部貫通孔
84 雌ねじ部
9 固定ボルト
91 雄ねじ部
92 ボルト頭部
Claims (3)
- 車両の接触によって弾性的に曲がる可撓性を有するポールを備えた柱状の標識部が少なくとも2個立設され、該柱状の標識部の上部の間にビーム状の標識部が架設された柵体から構成される道路用標示体であって、
前記柵体は前記ビーム状の標識部が連なるように複数並設され、
該各柵体の間にはその上部に柔軟性を有する材料で形成されたカバー材をまたがらせて取り付けたことを特徴とする道路用標示体。 - 前記柱状の標識部の上端には前記ビーム状の標識部と結合するジョイント部が固定され、前記カバー材は隣り合う各ジョイント部間に架設されていることを特徴とする請求項1に記載の道路用標示体。
- 前記ビーム状の標識部はビーム端部が前記ジョイント部に挿入されて結合されており、
前記カバー材には固定ボルトの雄ねじ部が外側から貫通して挿入され、
該固定ボルトの雄ねじ部は前記ジョイント部と前記ビーム状の標識部のビーム端部とを貫通してビーム状の標識部に内装されたナットに螺結されて、前記ビーム状の標識部と前記ジョイントと前記カバー材とをそれぞれ固定させていることを特徴とする請求項2に記載の道路用標示体。
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