以下に添付図面を参照して、本発明に係る会員登録促進システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る会員登録促進システムの概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る会員登録促進システムについての実施例を図2〜図9を用いて説明することとする。
まず、本発明に係る会員登録促進システムの概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る会員登録促進システムの概要を示す図である。なお、図1の(A)には、従来技術に係る会員登録促進システムを、図1の(B)には、本発明に係る会員登録促進システムを、それぞれ示している。
図1の(A)に示すように、従来技術に係る会員登録促進システムでは、1円レートのパチンコ機で遊技した遊技客が獲得したパチンコ玉(以下、「持玉」と記載する)をパチンコ機に併設される各台装置で計数していた(図1の(A−1)参照)。
そして、各台装置は、非会員の遊技客によってカード返却ボタンが押下されると、貸出レート(1円)と各台装置で計数された持玉の数(以下、「計数値」と記載する)(1000個)とを関連付けたビジターカードを発行していた(図1の(A−2)参照)。
その後、非会員の遊技客が遊技台を移動し、貸出レート(1円)と計数値(1000個)とが関連付けられたビジターカードが、異なるレート(同図では、4円レート)のパチンコ機に併設される各台装置に挿入されたとする(図1の(A−3)参照)。
この場合、従来技術に係る会員登録促進システムでは、パチンコ機とは異なるレートが関連付けられたビジターカードでの遊技媒体貸出を禁止する運用の場合、遊技媒体の貸出を行うことなく、ビジターカードを返却していた(図1の(A−4)参照)。
そこで、本発明に係る会員登録促進システムでは、図1の(B)に示すように、パチンコ機とは異なるレートが関連付けられたビジターカードが挿入された場合、各台装置では、携帯会員の登録を促し、会員登録の入会操作を受け付けることとした。そして、各台装置は、パチンコ機とは異なるレートが関連付けられたビジターカードに基づく遊技媒体の貸出、すなわち、レート間移動サービスと呼ばれる会員用サービスを提供することとした。
具体的には、図1の(B)に示したように、貸出レート(1円)と計数値(1000個)とが関連付けられたビジターカードが4円レートのパチンコ機に併設される各台装置に挿入されたとする(図1の(B−1)参照)。
この場合、本発明に係る会員登録促進システムは、自動的に携帯会員の登録モードとなり(図1の(B−2)参照)、各台装置の表示部へ携帯会員の登録を促すメッセージ等を報知する。たとえば、各台装置の表示部には、「遊技客の所有する携帯端末をタッチして下さい」といったメッセージが表示され、遊技客へ携帯会員の登録を促すこととなる。
そして、各台装置は、遊技客による携帯端末のタッチを受け付け、さらに、操作部経由で、会員登録に必要な項目の入力といった携帯会員の入会操作を受け付ける(図1の(B−3)参照)。
ここで、各台装置は、携帯端末のタッチを受け付けたならば、IDmと呼ばれる携帯端末の識別子を読み取り、遊技客による携帯会員の入会操作を受け付けたならば、読み取ったIDmに関連付けて携帯会員の会員情報を登録する。
その後、本発明に係る会員登録促進システムは、携帯会員に対して会員サービスの提供を行う(図1の(B−4)参照)。ここでは、パチンコ機の貸出レートとは異なるレートが関連付けられたビジターカードの計数値をパチンコ機の貸出レートに基づいて換算し、パチンコ玉の貸出を行う「レート間移動サービス」を提供する。
なお、図1では、提供する会員サービスの一例として「レート間移動サービス」について説明したが、その他の会員サービスを提供することもできる。なお、「貯玉サービス」を、会員サービスとして提供する場合の詳細については後述することとする。
このように、本発明に係る会員登録促進システムは、非会員の遊技客が会員サービスを受けようとした際に、各台装置が自動的に携帯会員の登録モードとなり、携帯会員の入会操作を受け付けることとした。そして、各台装置は、あらたに携帯会員として登録された遊技客へただちに会員サービスを提供することとした。
したがって、本発明に係る会員登録促進システムによれば、遊技客に負荷をかけることなく会員登録処理を行うことができるとともに、会員登録を行った遊技客に対して会員サービスをただちに提供することができる。
図2は、本実施例に係る会員登録促進システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、会員登録促進システムは、各台装置10と、管理装置20とを含んでいる。なお、図2では、各台装置10および管理装置20の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
同図に示すように、各台装置10は、通信I/F(インターフェース)11と、カードR/W部(リーダ/ライタ)12と、表示操作部13と、携帯読取部14と、記憶部15と、制御部16とを備えている。また、記憶部15は、レート情報15aを記憶しており、制御部16は、終了処理部16aと、持玉情報取得部16bと、会員登録処理部16cと、会員サービス提供部16dと、会員情報取得部16eとをさらに備えている。
通信I/F11は、管理装置20またはパチンコ機30との間で通信データの送受信を行う通信デバイスで構成されている。たとえば、通信I/F11は、携帯会員の入会操作の際、遊技客によって入力された会員登録に必要な項目を管理装置20へ送信する。
カードR/W部12は、持玉の計数値および貸出レートが関連付けられた会員カードやビジターカードの発行または受け付けを行う。具体的には、カードR/W部12は、計数値および貸出レートが関連付けられた会員カードやビジターカードを受け付け、会員カードやビジターカードの識別子(以下、「カードID」と記載する)を読み込み、持玉情報取得部16bへ渡す。
なお、カードIDを受け取った持玉情報取得部16bでは、カードIDに関連付けられている計数値および貸出レートを取得し、各台装置10は、取得した計数値によってパチンコ玉の払出しを行うこととなる。
また、カードR/W部12は、非会員の遊技客によってカード返却ボタンが押下された場合に、カードIDに対応付けて貸出レートおよび計数値を関連付けたビジターカードを排出(発行)する。
一方、カードR/W部12は、カードR/W部12へ会員カードを挿入して遊技を行っているカード会員によってカード返却ボタンが押下された場合には、会員カードのカードIDに対応付けて貸出レートおよび計数値を関連付けて会員カードを返却する。
表示操作部13は、携帯会員の登録モードであることや会員登録に必要な項目の入力を促す表示を行う表示部と、カード返却操作、携帯会員の登録操作、パチンコ玉の払出指示操作、貯玉操作といった各種操作を受け付ける操作部とを備えている。また、表示操作部13は、パチンコ玉の払出指示操作を受け付けるとともに、払出が行われたパチンコ玉の数が減算された計数値の残数を表示することとなる。
携帯読取部14は、遊技客の所有する携帯端末がタッチされた場合に、携帯端末の識別子であるIDmを読み取り、読み取ったIDmを会員情報取得部16eへ渡す。その後、会員情報取得部16eでは、IDmに関連付けられる会員情報22bを取得することとなる。
なお、本実施例では、携帯端末の識別子であるIDmを用いる場合について示すが、携帯端末を一意に識別することができる情報、たとえば、メールアドレスを用いることとしてもよい。
ここで、各台装置10の概要構成を説明するために、図3を用いて各台装置10の外観について説明しておく。図3は、各台装置10の外観図である。なお、同図には、各台装置10が併設されたパチンコ機30を破線で示している。
図3に示すように、各台装置10は、各台装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部31と、パチンコ玉の払出のための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部32とを備えている。
また、各台装置10は、従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部33と、携帯会員の登録操作や貯玉操作を受け付けたり、携帯会員の登録モードであることを表示したりする表示操作部13とを備えている。
また、各台装置10は、パチンコ玉を払い出すノズルを備えた持玉払出部34と、持玉の計数値や貸出レートが関連付けられたカード(会員カードまたはビジターカード)の受け付け、会員カードの返却、ビジターカードの発行を行うカードR/W部12とを備えている。なお、カードR/W部12の内部には、複数枚のビジターカードが収納されているものとする。
さらに、各台装置10は、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部14と、持玉を計数する玉計数部35と、持玉を貯留する玉貯留部36とを備えている。また、玉貯留部36の前面には、持玉の計数結果等を表示する計数表示部37をさらに備えている。
各台装置10は、同図に示すパチンコ機30の下皿38から持玉を玉貯留部36へ誘導し、玉計数部35で持玉の数量を計数する。なお、計数後のパチンコ玉は、図示しないパチンコ玉回収経路へ排出される。
そして、各台装置10は、表示操作部13に設けられる図示しない持玉払出ボタンが押下された場合には、玉計数部35で計数された計数値から払出数を減算して、ノズルを備えた持玉払出部34経由でパチンコ機30へパチンコ玉を投出する。
また、パチンコ機30の図示しない上皿部分には、各台装置10の制御部16と電気的に接続されている玉貸ボタンが設けられており、この玉貸ボタンが押下された場合は、紙幣挿入部32へ挿入された各種紙幣の残額あるいはカードR/W部12に挿入されたカードに関連付けられた計数値から払出数を減算し、パチンコ玉をパチンコ機30へ投出する。
図2の説明に戻り、各台装置10についての説明をつづける。記憶部15は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部15は、各台装置10がパチンコ玉の貸出を行う際の貸出レートをレート情報15aとして記憶する。
制御部16は、各台装置10の全体制御を行う制御部である。終了処理部16aは、表示操作部13またはパチンコ機30が備えるカード返却ボタンが押下された場合に、カードID、貸出レートおよび計数値を、会員カードやビジターカードに関連付ける処理を行う処理部である。また、終了処理部16aは、返却するカードのカードID、貸出レートおよび計数値を管理装置20へ送信する処理を併せて行う。
持玉情報取得部16bは、カードR/W部12へ挿入された会員カードやビジターカードのカードIDに基づいて管理装置20に記憶される持玉情報22aから貸出レートおよび計数値を取得する処理を行う処理部である。また、持玉情報取得部16bは、管理装置20から取得した貸出レートとレート情報15aの貸出レートとが異なる場合に、会員登録処理部16cへ携帯会員の登録モードへの切り替え指示を行う処理を併せて行う。
会員登録処理部16cは、持玉情報取得部16bから携帯会員の登録モードへの切り替え指示を受け付けた場合に、携帯端末をタッチによって携帯会員の会員登録を行うことができる旨を、表示操作部13へ表示させる処理を行う処理部である。
また、会員登録処理部16cは、携帯端末をタッチした遊技客が携帯会員ではない旨を会員情報取得部16eから通知された場合に、会員登録に必要な項目の入力を促す旨を表示操作部13へ表示させる処理を併せて行う。
さらに、会員登録処理部16cは、携帯読取部14で読み取ったIDmとともに、携帯会員の入会操作の際に表示操作部13から受け付けた会員登録に必要な項目を管理装置20へ送信する処理を併せて行う。
なお、会員登録処理部16cは、携帯端末をタッチした遊技客が携帯会員である旨を会員情報取得部16eから通知された場合には、会員サービス提供部16dに対して会員サービスの提供を指示する。
会員サービス提供部16dは、会員登録処理部16cから携帯会員の登録が完了した旨を受け付けた場合、または、カードR/W部12へ挿入されたカードが会員カードである場合に、上記した「レート間移動サービス」を提供する処理を行う処理部である。
会員情報取得部16eは、携帯読取部14で読み取ったIDmを管理装置20へ送信するとともに、送信したIDmに関連付けられた会員情報22bを管理装置20から取得する処理を行う処理部である。
また、会員情報取得部16eは、取得した会員情報22bに基づいて遊技客が携帯会員であるか否かを会員登録処理部16cへ通知する処理を併せて行う。
ここで、会員情報取得部16eは、送信したIDmで会員情報22bの取得に成功した場合に、遊技客が携帯会員であると判定し、会員情報22bの取得に失敗した場合に、遊技客が携帯会員ではないと判定する。
なお、本実施例では、各台装置10の会員情報取得部16eによって取得された会員情報22bに基づいて遊技客が携帯会員であるか否かを判定することとしたが、管理装置20側で、遊技客が携帯会員であるか否かを判定することとしてもよい。このようにすることで、各台装置10側では、携帯会員であるか否かの結果のみを受信すればよく、通信負荷や各台装置10側の処理負荷を軽減することができる。
つぎに、管理装置20の構成について説明する。管理装置20は、通信I/F21と、記憶部22と、制御部23とを備えている。また、制御部23は、持玉情報送受信部23aと、会員情報送信部23bと、会員登録部23cとをさらに備えており、記憶部22は、持玉情報22aと、会員情報22bとを記憶する。
通信I/F21は、LANカード等の通信デバイスで構成されており、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、各台装置10や遊技店内に設置された各種機器との間のデータ送受信を行う。
記憶部22は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部22は、カードIDに関連付けて貸出レートと計数値とを持玉情報22aとして記憶する。
また、記憶部22は、IDmに関連付けて会員登録に必要な項目を会員情報22bとして記憶する。ここで、会員登録に必要な項目には、簡易属性情報や個人情報、たとえば、氏名、暗証番号、性別および生年月日等が含まれる。なお、持玉情報22aおよび会員情報22bの詳細については後述することとする。
持玉情報送受信部23aは、各台装置10の終了処理部16aから受信したカードID、貸出レートおよび計数値を持玉情報22aとして登録する処理を行う処理部である。また、持玉情報取得部16bから受信したカードIDに基づいて貸出レートおよび計数値を持玉情報22aから検索し、各台装置10の持玉情報取得部16bへ送信する処理を併せて行う。
会員情報送信部23bは、各台装置10の会員情報取得部16eから受信したIDmを用いて会員情報22bを検索することで会員登録された項目を抽出し、抽出した項目を各台装置10の会員情報取得部16eへ送信する処理を行う処理部である。
会員登録部23cは、各台装置10の会員登録処理部16cから受信したIDmおよび会員登録に必要な項目を関連付けたうえで、会員情報22bとして登録する処理を行う処理部である。
つぎに、本実施例に係る会員登録促進システムの構成について図4を用いて説明する。
図4は、本実施例に係る会員登録促進システムのシステム構成図である。同図に示すように、遊技店に設置された管理装置20には、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、島コントローラ40と、精算機50と、景品管理装置60と、携帯端末処理機70とが接続されている。
また、島コントローラ40の配下には、複数組の各台装置10およびパチンコ機30が接続されている。なお、同図には、2台の島コントローラ40のみを示しているが、管理装置20には所定数の島コントローラ40が接続されるものとする。
また、各台装置10は、島コントローラ40と各パチンコ機30との間に介在し、ひとつの島コントローラ40に対して、所定数の各台装置10が接続されるものとする。なお、遊技店内には、たとえば、所定の遊技島には4円レートのパチンコ機30が設置され、その他の遊技島には1円レートのパチンコ機30が設置される装置構成のように、異なる貸出レートのパチンコ機30が混在して設置されるものとする。
管理装置20は、持玉情報22aおよび会員情報22bを記憶部22に記憶しており、会員カードまたはビジターカードに関連付けられた持玉に関する情報や携帯会員の入会操作の際に入力された項目を含む情報等を管理している。
また、管理装置20は、図示しないウェブサーバ装置が接続されているものとし、ウェブサーバ装置経由で、遊技店の特典情報等を携帯会員の所有する携帯端末へ通知するサービスも提供している。
ここで、ウェブサーバ装置は、携帯会員が所有する携帯端末に対してウェブページを提供するコンピュータであり、会員向けのサービス情報等をウェブページへ変換する。一方、管理装置20は、各種情報が記載されているウェブページのURL(Uniform Resource Locator)を、携帯会員の所有する携帯端末へメール等で通知する。
これにより、携帯会員は自身の携帯端末で、管理装置20から通知されたURLに接続することで、特典情報等の各種情報が表示されたウェブページを閲覧することができる。なお、本実施例では、携帯会員に対してのみ、ウェブページの閲覧サービスを提供することとしたが、非携帯会員に対してもウェブページの閲覧サービスを提供することとしてもよい。
島コントローラ40は、遊技島に設けられた一群のパチンコ機30および各台装置10を束ねる中継装置である。パチンコ機30は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行う装置である。
精算機50は、紙幣挿入部32に挿入された各種紙幣の残額が会員カードまたはプリペイドカードに関連付けられている場合に、残額が関連付けられているカードが挿入されると、残額に相当する現金の払出を行う。また、精算機50は、紙幣挿入部32に挿入された各種紙幣の残額が携帯端末に関連付けられている場合に、携帯端末のタッチを受け付けると、残額に相当する現金の払出を行う。
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、図示しない交換玉数管理情報を用いて獲得玉と景品との交換を管理する。なお、交換玉数管理情報は、景品毎にその景品との交換に要する交換玉数およびレートを対応付けた情報である。
ここで、携帯会員は、景品交換カウンタへ携帯端末を持参し、景品管理装置60または景品管理装置60に併設された携帯端末処理機70に携帯端末をタッチすることで、IDmに関連付けられたレートおよび計数値に応じた景品を受け取ることができる。
なお、非携帯会員が、ビジターカードや会員カードを持参し、景品管理装置60にビジターカードや会員カードを挿入したりした場合には、計数値に応じた景品を受け取ることができるものとする。
その際、景品交換カウンタ内の従業員が、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下する。交換ボタンの押下を受け付けた景品管理装置60は、指定された景品に相当する交換玉数を計数値から減算する交換制御を実行する。その後、従業員が手作業によって遊技客に指定された景品を渡すこととなる。
つぎに、持玉情報22aおよび会員情報22bの詳細について、図5〜6を用いて説明する。図5は、持玉情報22aの一例を示す図である。
図5に示すように、持玉情報22aは、「カードID」項目と、「レート」項目と、「計数値」項目とを含んでいる。「カードID」項目は、会員カードまたはビジターカードの識別子であり、カードを一意に識別することができる情報である。
「レート」項目は、パチンコ機30または各台装置10がパチンコ玉の払出を行う際の貸出レートである。また、「計数値」項目は、各台装置10によって遊技客が獲得したパチンコ玉が計数された計数値である。
このように、管理装置20は、カードIDに関連付けて貸出レートおよび計数値を持玉情報22aとして管理している。また、各台装置10は、遊技客によってカードIDが関連付けられている会員カードまたはビジターカードがカードR/W部12に挿入されたならば、カードIDに基づいて持玉情報22aから「レート」および「計数値」を取得する。
そして、パチンコ機30の貸出レートとカードに関連付けられたレートとが同じ場合に、各台装置10は、カードに関連付けられた計数値から払出数を減算し、パチンコ玉をパチンコ機30へ投出する。
なお、持玉情報22aでは、カードIDに関連付けて「レート」項目と「計数値」項目とを含むこととしたが、「レート」項目は必ずしも持玉情報22aに含まれていなくてもよい。たとえば、持玉情報22aでは、カードIDに関連付けて計数機を識別する「計数機番号」項目と「計数値」項目とを含むこととしてもよい。
そして、別途、管理装置20は、「計数機番号」と「レート」とを関連付けて、レート情報として管理することとしてもよい。この場合、各台装置10は、カードIDに基づいて計数機番号を取得し、取得した計数機番号に基づいてレートを取得することとなる。
また、カード会員または携帯会員に対しては、パチンコ機30の貸出レートとカードに関連付けられたレートとが異なる場合であっても、各台装置10は「レート間移動サービス」を提供することによって、パチンコ玉の貸出を行うことができる。
具体的には、ある遊技店では、4円レートのパチンコ機30は、1個4円でパチンコ玉を貸出し、各台装置10は、4円レートのパチンコ玉1個分を1円レートの持玉数の4個分と換算するものとする。
そして、「カードID:101、レート:1円、計数値:1000個」の情報(図5の1行目参照)が関連付けられているカードが、4円レートのパチンコ機30に併設される各台装置10に挿入されたとする。この場合、1回のパチンコ玉の払出指示によって100個のパチンコ玉を貸出すとしたならば、1円レートの個数に換算すると、400個(100個×4円)となる。
したがって、4円レートのパチンコ機30に併設された各台装置10は、1回の払出指示を受け付けることによってカードに関連付けられた計数値(1000個)から換算数(400個)を減算し、100個のパチンコ玉をパチンコ機30へ投出することとなる。
なお、本実施例では、4円レートのパチンコ玉1個を1円レートの持玉数の4個と換算することとしたが、たとえば、4円レートのパチンコ玉1個を1円レートの持玉数の5個と換算するように、他の換算値でレート間移動サービスを行うこととしてもよい。これにより、遊技店がレート間移動に伴う手数料に相当するパチンコ玉を、持玉数から徴収することもできる。
一方、パチンコ機30の貸出レートとビジターカードに関連付けられたレートとが異なる場合に、各台装置10は、携帯端末をタッチして携帯会員の会員登録を行う旨を促し、入会操作を行った遊技客に対して、上述した「レート間移動サービス」を提供することとなる。なお、入会操作の詳細については後述することとする。
つづいて、会員情報22bの詳細について、図6を用いて説明する。図6は、会員情報の一例を示す図である。
図6に示すように、会員情報22bは、携帯会員の入会操作の際に入力された項目であり、「IDm」項目と、「氏名」項目と、「性別」項目と、「生年月日」項目と、「暗証番号」項目とを含んでいる。
「IDm」項目は、携帯端末の識別子であり、携帯端末を一意に識別することができる情報である。「氏名」項目は、携帯会員の氏名であり、「性別」項目は、携帯会員の性別であり、「生年月日」項目は、携帯会員の生年月日である。
「暗証番号」項目は、携帯会員が所有する携帯端末を利用して所定のサービスを受ける際、サービスを利用できる権限をもっている確認とともに、機密保護のために本人であることの確認に用いる番号である。なお、本実施例では、「暗証番号」項目には番号が記憶されていることとしたが、文字や数字の組み合わせからなる符号としてもよい。
つぎに、携帯会員の入会操作について、図7を用いて説明する。図7は、携帯会員の入会操作画面の表示例を示す図である。
図7の(A)に示すように、パチンコ機30の貸出レートと挿入されたビジターカードに関連付けられたレートとが異なる場合に、各台装置10は、自動的に携帯会員の登録モードとなる。そして、各台装置10は、携帯端末のタッチを促すメッセージを表示操作部13へ表示させる。
そして、携帯読取部14は、携帯端末のタッチを受け付けたならば、IDmを読み取り、会員情報取得部16eは、読み取ったIDmに基づいて携帯端末の所有者が携帯会員であるか否かを判定する。
つづいて、会員登録処理部16cは、携帯端末の所有者が携帯会員でなかった場合に、会員登録の際に必要な項目、すなわち、上述した会員情報22bに含まれる項目の入力を促すメッセージを表示操作部13へ表示させる。
たとえば、図7の(B)は、会員登録に必要な項目である「性別」項目の入力を促す画面の一例であり、図7の(C)は、会員登録に必要な項目である「暗証番号」項目の入力を促す画面の一例である。遊技客は、図7の(B)および(C)に示すような画面表示にしたがって、表示操作部13に備えるテンキー等から各項目の入力を行うこととなる。
なお、本実施例では、各台装置10に備える表示操作部13に携帯会員の会員登録を促すメッセージを表示して、表示操作部13から会員登録に必要な項目の入力を受け付けることとした。しかし、ウェブサーバ装置が携帯会員の入会操作を受け付けることができるウェブページを提供することとしてもよい。
この場合、管理装置20が、携帯会員の登録画面が記載されているウェブページのURLをメール等で携帯会員の所有する携帯端末へ通知し、遊技客は通知されたURLに接続することで、携帯会員が所有する携帯端末から入会操作を行うことができる。携帯会員は、自身の使い慣れた携帯端末から入会操作を行うことによって、携帯会員に負荷をかけることなく会員登録処理を行うことができる。なお、各台装置10が携帯端末へウェブページのURLを通知することとしてもよい。
つぎに、本実施例に係る会員登録促進システムが実行する処理について図8を用いて説明する。
図8は、各台装置10が実行する会員サービス提供処理手順の概要を示すフローチャートである。なお、同図では、各台装置10を操作する遊技客が非会員である場合、すなわち、各台装置10へ会員カードが挿入されていない場合について示している。同図に示すように、カードR/W部12は、レートと計数値とが関連付けられたビジターカードが挿入されたならば、ビジターカードの識別子を読み取る(ステップS101)。
そして、持玉情報取得部16bは、カードR/W部12によって読み取ったビジターカードの識別子に関連付けられている持玉情報22aを取得し(ステップS102)、計数値の残数があるか否かを判定する(ステップS103)。
持玉情報取得部16bは、計数値の残数があったと判定した場合に(ステップS103,Yes)、ステップS102で取得した持玉情報22aに含まれるレートとレート情報15aの貸出レートが異なるか否かを判定する(ステップS104)。一方、持玉情報取得部16bは、計数値の残数がないと判定した場合には(ステップS103,No)、処理を終了する。
そして、持玉情報取得部16bは、ステップS104で比較する2つのレートが異なると判定した場合に(ステップS104,Yes)、携帯会員の登録モードへの切り替え指示を会員登録処理部16cへ渡す(ステップS105)。一方、持玉情報取得部16bは、ステップS104で比較する2つのレートが同じであると判定した場合に(ステップS104,No)、処理を終了する。
なお、会員登録処理部16cは、持玉情報取得部16bから携帯会員の登録モードへの切り替え指示を受け付けたならば、携帯端末のタッチを促すメッセージを表示操作部13へ表示させることとなる。
その後、携帯読取部14は、携帯読取部14に携帯端末のタッチを受け付けたか否かを判定し(ステップS106)、携帯端末のタッチを受け付けたと判定した場合に(ステップS106,Yes)、携帯端末のIDmを読み取る(ステップS107)。一方、携帯読取部14は、携帯読取部14に携帯端末のタッチを受け付けなかった場合には(ステップS106,No)、携帯会員の会員登録が行われなかったと判定し、カードR/W部12は、挿入されたビジターカードを返却し(ステップS112)、処理を終了する。
そして、会員情報取得部16eは、ステップS107で読み取ったIDmに関連付けられている会員情報22bを取得し(ステップS108)、携帯端末の所有者が携帯会員か否かを判定する(ステップS109)。
会員登録処理部16cは、携帯端末の所有者が携帯会員ではないと判定した場合には(ステップS109,Yes)、会員登録に必要な項目の入力を促すメッセージを表示操作部13へ表示させることによって、携帯端末の所有者による入会操作を受け付ける(ステップS110)。一方、会員登録処理部16cは、携帯端末の所有者が携帯会員であると判定した場合には(ステップS109,No)、ステップS111へ処理を移行する。
その後、会員サービス提供部16dは、携帯会員である遊技客に対して、「レート間移動サービス」を提供し(ステップS111)、各台装置10が実行する一連の会員サービス提供処理を終了する。
このように、パチンコ機30の貸出レートとビジターカードに関連付けられたレートとが異なる場合に、すなわち、会員のみに許可された操作が行われた操作を各台装置10が受け付けた場合に、各台装置10は、携帯端末のタッチで会員登録が可能である旨を非会員の遊技客へ通知する。つづいて、各台装置10は、携帯会員の登録モードへ自動的に遷移し、携帯会員の登録操作を受け付け、携帯会員に登録した遊技客に対して、「レート間移動サービス」をはじめとする各種会員サービスを提供する。
このようにすることで、本実施例に係る会員登録促進システムは、遊技客に負荷をかけることなく会員登録処理を行うことができるとともに、会員登録を行った遊技客に対して、会員サービスをただちに提供することができる。
なお、本実施例では、会員サービスの一例として「レート間移動サービス」を提供することとして説明したが、「貯玉サービス」を提供することとしてもよい。ここで、「貯玉サービス」とは、遊技客が獲得したパチンコ玉を遊技店に預けることができるサービスのことである。そして、遊技客は、貯玉されたパチンコ玉によって、当日または翌日以降に遊技店で再遊技をすることができる。
具体的には、遊技客が獲得したパチンコ玉を貯玉するために「貯玉ボタン」が押下された場合、各台装置10は、携帯端末のタッチを受け付けることによって、携帯端末の所有者が携帯会員であるか否かを判定する。
そして、各台装置10は、携帯会員ではないと判定した場合に、会員登録に必要な項目の入力を促すメッセージを表示操作部13へ表示させ、入会操作を受け付けたならば、遊技客の携帯端末に貯玉を行うパチンコ玉の数(以下、「貯玉数」と記載する)を関連付ける。
これにより、携帯会員の会員登録を行った遊技客は、翌日以降に遊技店で遊技を行う際に、再び各台装置10に携帯端末をタッチすることによって、携帯端末に関連付けられた貯玉数による再遊技を行うことができる。
ところで、本実施例においては、携帯会員に登録した遊技客は、各台装置10によって「レート間移動サービス」をはじめとする各種会員サービスを受けることができる会員登録促進システムについて説明した。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。そこで、以下では、各台装置10によって会員登録を行った遊技客に対して、「仮会員」として会員登録を行う場合の変形例について、図9を用いて説明する。
図9は、携帯会員用サービス画面の表示例を示す図である。各台装置10は、ビジターカードを挿入され、携帯端末のタッチを受け付けたことによって入力操作を促すメッセージを表示するまでは、上述した実施例と同じ処理手順とする。
会員登録処理部16cは、携帯会員の会員登録の際、入会操作によって入力された項目を会員情報22bに登録するとともに、入会操作を行った遊技客に対しては「仮会員」として登録する。
ここで、会員登録促進システムは、仮会員に対して「レート間移動サービス」をはじめとする会員サービスを提供する。たとえば、図9の(A)の左に示すように、会員登録促進システムは、特典情報等の各種情報が表示されたウェブページのURLを仮会員の携帯端末へメール等で通知する。
そして、仮会員の所有する携帯端末でOKボタンが押下されたことによって通知したURLに接続され、会員登録促進システムは、図9の(A)の右に示すように、会員用のメニュー画面を表示する。
その後、仮会員は、メニューから閲覧したい項目を選択することで、図9の(B)に示すように、仮会員によって選択された会員用のウェブページを閲覧することができる。ここで、会員登録促進システムは、図9の(C)に示すように、正規の会員にしか閲覧することを許可されていない項目が選択された場合に、正規の会員登録を促す表示を行う。
そして、仮会員によって正規の会員登録が行われたならば、会員登録促進システムは、正規の会員にしか閲覧することを許可されていない項目のウェブページを表示することとなる。
このように、変形例に係る会員登録促進システムは、各台装置10で行われた携帯会員の入会操作を受け付けることによって、遊技客を「仮会員」として登録する。そして、変形例に係る会員登録促進システムは、「仮会員」が「正規の会員」のみに提供するよう制限されているサービスを受けようとした際に、「正規の会員」の登録を促す。
その後、変形例に係る会員登録促進システムは、「仮会員」によって正規の会員登録が行われることによって、「正規の会員」として登録し、「正規の会員」に登録した遊技客に対して制限なく会員サービスを提供することとなる。
以上のように、本実施例および本変形例に係る会員登録促進システムは、非会員の遊技客が携帯会員またはカード会員を対象に提供している会員サービスを受けようとした際に、各台装置に携帯端末をタッチさせることによって、携帯会員の登録を促す報知を行い、携帯会員の入会操作を行った遊技客に対して、会員サービスを提供することとした。
このようにすることで、本実施例に係る会員登録促進システムは、遊技客に負荷をかけることなく会員登録処理を行うことができるとともに、会員登録を行った遊技客に対して会員サービスを、ただちに提供することができる。
なお、上述した実施例では、管理装置20に持玉情報22aと会員情報22bとを記憶するように構成したが、別々の管理装置で記憶することとしてもよい。たとえば、管理装置20で持玉情報22aを記憶し、図示しない会員管理装置が会員情報22bを管理するよう構成することとしてもよい。
また、上述した実施例では、各台装置10は、携帯読取部14で携帯端末のタッチを受け付けることによってIDmを読み取り、読み取ったIDmに関連付けて携帯会員の会員情報22bを登録することとした。
しかし、遊技客によって表示操作部13から携帯端末を一意に識別することができる情報、たとえば、携帯端末の電話番号またはメールアドレスを受け付けて、会員登録の入会操作を行うようにしてもよい。
これにより、FeliCa(登録商標)が内蔵されていない携帯端末を所有している遊技客であっても会員の登録を行うことができる。
また、上述した実施例では、各台装置10は、携帯読取部14で携帯端末のタッチを受け付けることによってIDmを読み取り、読み取ったIDmおよび表示操作部13が受け付けた会員登録に必要な項目を管理装置20へ送信することとした。
しかし、従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)によって会員登録の入会操作が行われることによって、リモコンからリモコン受光部33経由で、入会操作の際に入力された項目を管理装置20へ送信することとしてもよい。
これにより、会員登録する際に、従業員が携帯するリモコンを使用することによって、各台装置10に入会操作を行う機能を新たに付加する必要がないため、設備機器にかかる費用を削減することができる。
また、上述した実施例では、各台装置10は、携帯読取部14で携帯端末のタッチを受け付けることによって携帯会員の会員登録処理を行う場合について説明したが、従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)等によってカード会員登録の入会操作を行うこととしてもよい。
また、上述した実施例では、パチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合、または、パチスロ遊技のみを対象とした場合にも同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。