以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体管理システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る遊技媒体管理手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る遊技媒体管理手法を適用した遊技媒体管理システムについての実施例を図2〜図11を用いて説明することとする。
また、以下では、遊技媒体を貸し出す貸出処理機が、遊技店のパチンコ機やパチスロ機といった遊技台に併設される台間装置あるいは遊技島の島端に設置される再プレイ機である場合について説明する。また、以下では、遊技台がパチンコ機であり、遊技媒体がパチンコ玉である場合について説明する。
また、以下における用語の定義として、乗り入れを伴う再プレイ時にパチンコ玉の貸し出しを受けた際、かかる貸し出し分に相当する有価価値が引き落とされる口座を「乗り入れ元口座」と記載することとする。また、これに対し、乗り入れを伴う再プレイ時に遊技島のレートに合致するレートの口座を「乗り入れ先口座」と記載することとする。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る遊技媒体管理手法の概要について、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る遊技媒体管理手法の概要を示す図である。
図1に示すように、本発明に係る遊技媒体管理手法は、複数レート運用における乗り入れを考慮した再プレイ手数料の設定値について、所定の条件における試算画面を表示することとしたうえで、遊技店側にとって適正な設定値であるか否かを明示することとした点に主たる特徴がある。かかる特徴について、以下、具体的に説明する。
同図の(1)に示すように、複数レート運用における乗り入れを考慮した再プレイに関する情報の設定は、乗り入れ元口座ごとに、乗り入れ先口座とのすべての組み合わせについて個別に行われる。
ここで、同図の(1)に示すように、再プレイに関する情報には、再プレイ時の払出単位が格納される「払出単位」項目や、払出単位あたりの再プレイ手数料の玉数が格納される「手数料」項目が含まれる。なお、かかる再プレイに関する情報は、慣例的に玉数ベースで設定される。
また、同図の(1)に示すように、各乗り入れ元口座には、貸出レートである「単価」や、特殊景品などとの交換率である「特殊景品交換率」が設定される。たとえば、同図の(1)には、口座1が4円レートで特殊景品交換率100%の口座であり、口座2が1円レートで特殊景品交換率50%の口座である場合を示している。
しかしながら、このように、乗り入れ元口座ごとに乗り入れ先口座とのすべての組み合わせについて個別に設定を行う場合、設定項目数が多いため、設定者による設定ミスを誘発しやすかった。
また、設定項目数の多さに加えて、設定項目の単位も一律ではないため、設定者にとっては各項目の関連性が把握しづらかった。このため、遊技店側の利益を損ねない適正な設定値であるか否かを判別しにくかった。
そこで、同図の(2)に示すように、本発明に係る遊技媒体管理手法では、乗り入れの組み合わせ(以下、「乗り入れパターン」と記載する)ごとの「再プレイ手数料率」と、乗り入れ元口座の「景品交換手数料率」とを算出することとした。そして、同図の(3)に示すように、算出した両比率を比較して、適正な設定値であるか否かを判別することとした。
なお、同図の(3)には、乗り入れ元口座が口座2であり、乗り入れ先口座が口座1である場合の両比率(同図の(2)に示した破線の閉曲線1に囲まれた部分参照)の比較結果が「景品交換手数料率>再プレイ手数料率」であることを示している。この場合、かかる乗り入れパターンで遊技客が乗り入れを行うと遊技店側にとっては不利となるが、この点の詳細については、図6を用いて後述する。
そして、同図の(4)に示すように、本発明に係る遊技媒体管理手法では、算出した「再プレイ手数料率」および「景品交換手数料率」を用いて所定の条件における試算画面を表示することとした。
たとえば、同図の(4)には、所定の条件が「乗り入れ元口座残高=1000玉」(図示せず)である場合に、口座2から口座1への乗り入れパターンにおいては、「再プレイ手数料率」は「16.7%」であり、「再プレイ可能数」は「208玉」であり、「交換後貸出可能数」は「125玉」であることを試算表示した「乗り入れ手数料試算画面(口座2→口座1)」を示している。
なお、「再プレイ可能数」は、乗り入れ元口座残高から再プレイ手数料を差し引いた残高を乗り入れ先口座のレートに換算した玉数のことを指す。また、「交換後貸出可能数」は、乗り入れ元口座残高をすべて特殊景品へ交換した場合の交換価値を用いて乗り入れ先口座のレートで貸し出しを受けられる玉数のことを指す。
ここで、同図の(4)に示すように、本発明に係る遊技媒体管理手法では、再プレイ手数料の設定値が遊技店側にとって不利なものであれば、かかる旨を「再プレイ手数料率」項目を強調して明示する。たとえば、同図の(4)には、再プレイ手数料率である「16.7%」が表示されている入出力項目2を点滅表示させた例を示している。なお、かかる明示に関する詳細については、図7を用いて後述する。
また、同図の(4)では、特定の乗り入れパターンの試算画面例である「乗り入れ手数料試算画面(口座2→口座1)」を示しているが、すべての乗り入れパターンについての試算結果を併せて表示することとしてもよい。かかる場合については、図7を用いて後述する。
そして、同図の(5)に示すように、本発明に係る遊技媒体管理手法では、設定者が入出力項目2に対して「再プレイ手数料率」を再入力したうえで更新操作を行った場合に、同図の(6)に示すように、対応する「手数料」項目を玉数ベースで更新することとした(破線の閉曲線3で囲まれた部分参照)。なお、同図の(6)は、同図の(1)に示した再プレイに関する情報のうち、口座2についての情報のみを抽出して示している。
たとえば、同図の(5)に示すように、設定者が、入出力項目2の値を「16.7%」から「50%」へと再入力したうえで「更新」ボタンを押下した場合、同図の(6)に示すように、口座2から口座1への乗り入れパターンにおける「手数料」は、再プレイ手数料をxとしたときの「x/(250+x)=50%」を満たす解である「250玉」へと更新される。
このとき、「乗り入れ手数料試算画面(口座2→口座1)」についても更新表示が行われる。かかる点の詳細については、図7を用いて後述する。また、同図の(5)に示したように、設定者が再プレイ手数料率の再入力を行う際、入力ミスを防止しつつ適正な値を入力できるように入力支援を行うこととしてもよい。かかる点については、図8を用いて後述する。
このように、本発明に係る遊技媒体管理手法によれば、複数レート運用における乗り入れを考慮した再プレイ手数料の設定値について、所定の条件における試算画面を表示することとしたうえで、遊技店側にとって適正な設定値であるか否かを明示することとしたので、再プレイ手数料の設定を、設定ミスを防止しつつ適正に行うことができる。
まず、本実施例に係る貸出処理機および管理装置が接続されるネットワーク環境について図2を用いて説明する。図2は、本実施例に係る貸出処理機および管理装置200が接続されるネットワーク環境を示す図である。
同図に示すように、遊技台100ごとに併設される台間装置10aおよび遊技島ごとに設置される再プレイ機10bは、店舗内LAN(Local Area Network)20などのネットワーク経由で、管理装置200、島コントローラ300、精算機400、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機700といった各装置と接続されている。
ここで、島コントローラ300は、貸出処理機である台間装置10aおよび再プレイ機10bが設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、たとえば、管理装置200/台間装置10a間あるいは管理装置200/再プレイ機10b間などの通信データを中継する。
また、同図に示すように、遊技台100、台間装置10a、再プレイ機10bといった遊技島を構成する各装置には、遊技島ごとの所定の貸出レートが設定される。すなわち、同図に示す4円コーナー300aを構成する台間装置10a、再プレイ機10bといった各装置には1玉4円の貸出レートが、また、1円コーナー300bを構成する各装置には1玉1円の貸出レートが、それぞれ設定される。
また、同図に示すように、管理装置200は、口座ごとの単価を管理するデータベース(以下、「DB」と記載する)である単価情報DB211を有している。また、管理装置200は、乗り入れ元となる口座ごとに、乗り入れ先となるすべての口座についての再プレイ手数料などを登録した再プレイ情報DB212を有している。なお、かかる単価情報DB211および再プレイ情報DB212については、図5を用いて後述する。
また、図2に示すように、管理装置200は、会員の貯玉を管理するDBである貯玉DB213を有している。そして、貯玉DB213は、4円貯玉DB213a、1円貯玉DB213bといった、会員が遊技を行った遊技島の貸出レートごとの貯玉DBによって構成される。なお、貸出レートごとの貯玉DBを、単一の貯玉DB213のレコード項目として構成することとしてもよい。
また、精算機400は、遊技店の会員に対して配布される会員カードや、非会員の遊技客が利用する一般カードに対応付けられたプリペイド残額に応じた貨幣を払い出す装置である。また、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機700といった各装置は、会員の入会手続きや景品交換などを受け付ける店内カウンタなどに配置される。
次に、図2に示した貸出処理機である台間装置10aおよび再プレイ機10bについて、さらに詳細に説明する。図3は、貸出処理機の外観図である。なお、同図では、貸出処理機の特徴を説明するために必要な構成のみを示しており、装置の外観や構成部品の形状などを限定するものではない。
また、同図の(A)には、台間装置10aの外観図を、同図の(B)には、再プレイ機10bの外観図を、それぞれ示している。なお、同図の(A)には、台間装置10aが併設された遊技台100を破線で示している。
図3の(A)に示すように、台間装置10aは、台間装置10aの装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51aと、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52aと、遊技店の従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部53aとを備えている。また、台間装置10aは、ディスプレイなどの表示部、テンキー、情報ボタンおよび再プレイボタンといった操作部を含んだ操作・表示部54aとを備えている。
また、台間装置10aは、パチンコ玉などの遊技媒体を払い出すノズルを備えた払出部55aと、携帯電話などの携帯端末装置とのデータ送受信を行うリーダライタ部56aとを備えている。なお、払出部55aについては、ノズルを備えないタイプのものを備えることとしてもよい。また、リーダライタ部56a/携帯端末装置間の通信手段は特に限定する必要はなく、たとえば非接触ICチップを用いることとしてもよいし、赤外線通信を用いることとしてもよい。
さらに、台間装置10aは、会員カードなどのカード状記録媒体を受け付けるとともに、貯玉などが関連付けられたカード状記録媒体の返却口でもあるカード挿入部57aと、遊技客の獲得した遊技媒体である持玉を計数する計数部58aとを備えている。
なお、図3の(A)では、玉貸機能(払出部55a)と各台計数機能(計数部58a)とを兼ね備える台間装置10aについて示しているが、玉貸機能を有する第1の台間装置(CRユニット)と、各台計数機能を有する第2の台間装置(計数サンド)とを併設するシステム(ダブルサンド方式)を採用してもよい。
また、図3の(B)に示すように、再プレイ機10bは、会員カードなどのカード状記録媒体を受け付けるとともに、貯玉などが関連付けられたカード状記録媒体の返却口でもあるカード挿入部57bと、ディスプレイなどの表示部、テンキー、情報ボタンおよび再プレイボタンといった操作部を含んだ操作・表示部54bと、携帯電話などの携帯端末装置とのデータ送受信を行うリーダライタ部56bとを備えている。また、再プレイ機10bは、パチンコ玉などの遊技媒体を払い出す払出部55bと、払い出された遊技媒体の収納箱の受け台59bとを備えている。
ここで、図3の(A)に示した操作・表示部54aおよび同図の(B)に示した操作・表示部54bについては、構成部品を限定する必要はない。したがって、指やポインティングデバイスなどの押圧感知により入力を受け付け、かつ表示出力も兼ねるタッチパネル式の液晶ディスプレイなどを用いることとしてもよい。また、簡素な表示出力を行う7セグメントLEDなどを表示部品として用いることとしてもよい。
次に、本実施例に係る管理装置200の構成について図4を用いて説明する。図4は、管理装置200の構成を示すブロック図である。なお、同図には、管理装置200の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
まず、管理装置200の構成について説明する。同図に示すように、管理装置200は、入力・表示部201と、制御部202と、記憶部203とを備えている。また、制御部202は、再プレイ情報登録部202aと、再プレイ手数料率算出部202bと、景品交換手数料率算出部202cと、損益比較部202dと、試算画面生成部202eと、再プレイ情報更新部202fとをさらに備えている。また、記憶部203は、口座別再プレイ情報203aと、単価情報203bと、実績情報203cとを記憶する。
入力・表示部201は、管理装置200に対する操作を受け付けるキーボードやマウスなどの入力デバイスと、各種情報を表示するディスプレイなどの出力デバイスとから構成される。
ここで、入力・表示部201は、たとえば、設定者が行う口座別再プレイ情報203aの登録や更新といった指示入力操作を受け付け、受け付けた指示内容を再プレイ情報登録部202aあるいは再プレイ情報更新部202fに対して出力する。また、入力・表示部201は、試算画面生成部202eが生成した試算画面を出力デバイスに対して出力する。
制御部202は、口座別再プレイ情報203aの登録、再プレイ手数料率および景品交換手数料率の算出、損益の比較、試算画面の生成および表示、試算画面からの口座別再プレイ情報203aの更新といった処理を行う処理部である。
再プレイ情報登録部202aは、入力・表示部201から入力した口座別再プレイ情報203aの登録についての指示内容を受け付け、口座別再プレイ情報203aへ口座ごとの再プレイに関する情報を登録する処理を行う処理部である。
ここで、再プレイ情報登録部202aが行う再プレイ情報登録処理の詳細について、図5を用いて説明する。図5は、再プレイ情報登録部202aにおける再プレイ情報登録処理を説明するための図である。なお、同図の(A)には、単価情報203bの設定例を、同図の(B)には、再プレイ情報登録画面の例を、同図の(C)には、口座別再プレイ情報203aの設定例を、それぞれ示している。
同図の(A)に示すように、単価情報203bには、あらかじめ口座ごとの単価に関する情報を設定することができる。なお、同図の(A)に示すように、単価情報203bは、「単価」項目と、「特殊景品交換率」項目とを含んだ情報である。
ここで、「単価」項目は、口座ごとの貸出レートが格納される項目である。また、「特殊景品交換率」項目は、口座ごとの特殊景品交換率が格納される項目である。たとえば、同図の(A)に示した例では、口座1は、4円レートの口座であり、特殊景品交換率が100%(等価交換)であることを示している。また、口座2は、1円レートの口座であり、特殊景品交換率が50%であることを示している。
なお、本実施例では、口座1および口座2の単価に関する設定が、同図の(A)に示した設定と同一であるものとして説明を行う。また、同図の(A)には、「単価」項目と、「特殊景品交換率」項目とを含む例を示しているが、「単価」項目を「売単価」項目と「買単価」項目とに分けることとしたうえで、貸出レートを「売単価」項目へ、交換レートを「買単価」項目へ、それぞれ格納することとしてもよい。
そして、再プレイ情報登録部202aは、かかる単価情報203bへ設定された口座を乗り入れ元口座とした場合の再プレイ情報を、乗り入れ先口座別に登録する。ここで、かかる登録には、同図の(B)に示したような、「再プレイ情報登録画面」を用いることができる。なお、同図の(B)に示した、数値を矩形で囲んだ項目は、かかる項目が入力項目であることを示している。
具体的には、「再プレイ情報登録画面」では、再プレイ情報として、乗り入れ先口座のそれぞれにおける「払出単位」や「手数料」を個別に登録することができる。なお、各項目は、玉数ベースによる入力であるものとする。
たとえば、同図の(B)には、乗り入れ元口座が4円レートの口座1である場合で、乗り入れ先口座が同口座1である(4円レートで再プレイを行う)場合には、払出単位を「250玉」とし、手数料を「0玉」とする入力を行った例を示している。また、乗り入れ元口座が口座1である場合で、乗り入れ先口座が1円レートの口座2である(1円レートで再プレイを行う)場合には、払出単位を「250玉」とし、手数料を「25玉」とする入力を行った例を示している。
また、乗り入れ元口座が口座2である場合で、乗り入れ先口座が口座1である場合には、払出単位を「250玉」とし、手数料を「50玉」とする入力を行った例を示している。さらに、乗り入れ元口座が口座2である場合で、乗り入れ先口座も同口座2である場合には、払出単位を「250玉」とし、手数料を「0玉」とする入力を行った例を示している。
なお、同図の(B)に示した例では、「払出単位」や「手数料」を入力項目とする場合を示しているが、「単価」や「特殊景品交換率」を入力項目とすることとしてもよい。また、再プレイ情報の入力項目として、乗り入れの可否を登録する「乗入可否」項目や、1日あたりに再プレイ可能な上限玉数を登録する「上限玉数」項目などを含むこととしてもよい。かかる点の詳細については、図10を用いて後述する。
そして、再プレイ情報登録部202aは、設定者が「再プレイ情報登録画面」の「登録」ボタンを押下したタイミングで、各入力項目に入力された入力値を、口座別再プレイ情報203aへ登録する。
同図の(C)に示すように、口座別再プレイ情報203aは、乗り入れ元口座ごとの再プレイに関する情報であり、「再プレイ情報登録画面」(同図の(B)参照)の入力項目である「払出単位」項目および「手数料」項目を含んだ情報である。
そして、かかる「払出単位」項目および「手数料」項目は、乗り入れ先口座別に設けられる。なお、同図の(C)には、同図の(B)に示した「再プレイ情報登録画面」の各入力値が、再プレイ情報登録部202aの対応する各項目へそれぞれ登録された例を示している。
図4の説明に戻り、再プレイ手数料率算出部202bについて説明する。再プレイ手数料率算出部202bは、口座別再プレイ情報203aに含まれる「払出単位」項目および「手数料」項目の格納値に基づき、乗り入れ元口座ごとの再プレイ手数料率を、乗り入れ先口座別に算出する処理を行う処理部である。
また、再プレイ手数料率算出部202bは、「払出単位」項目および「手数料」項目の格納値と、算出した再プレイ手数料率とを、損益比較部202dに対して出力する処理を併せて行う。
景品交換手数料率算出部202cは、単価情報203bに含まれる「単価」項目および「特殊景品交換率」項目の格納値に基づき、乗り入れ元口座ごとの景品交換手数料率を算出する処理を行う処理部である。
また、景品交換手数料率算出部202cは、「単価」項目および「特殊景品交換率」項目の格納値と、算出した景品交換手数料率とを、損益比較部202dに対して出力する処理を併せて行う。
ここで、再プレイ手数料率と景品交換手数料率との関連について、図6を用いて説明しておく。図6は、再プレイ手数料率と景品交換手数料率との関連を説明するための図である。なお、同図の(A)には、再プレイ手数料率の算出式を、同図の(B)には、景品交換手数料率の算出式を、同図の(C)には、再プレイ手数料率が景品交換手数料率より大きい場合を、同図の(D)には、再プレイ手数料率が景品交換手数料率より小さい場合を、それぞれ示している。
同図の(A)に示すように、再プレイ手数料率は、手数料を引落数で除することによって算出することができる(再プレイ手数料率=手数料/引落数)。ここで、引落数は、払出単位+手数料とあらわすことができるので、再プレイ手数料率=手数料/(払出単位+手数料)となる。なお、ここにいう「手数料」および「払出単位」は、上述した口座別再プレイ情報203aに含まれる「手数料」項目および「払出単位」項目の格納値である。
また、同図の(B)に示すように、景品交換手数料率は、「1」から特殊景品交換率を差し引くことによって算出することができる(景品交換手数料率=1−特殊景品交換率)。なお、ここにいう「1」は、特殊景品などへ交換する貯玉などの価値全体を指す。
そして、このようにして算出した再プレイ手数料率および景品交換手数料率の大小関係によって、口座別再プレイ情報203aに登録されている手数料が、乗り入れが行われた場合に遊技店側にとって有利な設定であるか否かを判定することができる。
具体的には、同図の(C)に示すように、再プレイ手数料率が景品交換手数料率より大きい場合に乗り入れが行われた場合、遊技店側にとっては有利な再プレイ手数料設定がなされていることになる。
たとえば、4円レートの口座1の景品交換手数料率が0%であり、かかる口座1から1円レートの口座2へ乗り入れる場合の再プレイ手数料率が10%である場合(すなわち、同図の(C)に示す「再プレイ手数料率>景品交換手数料率」の場合)について説明する。
この場合に、口座1の貯玉1000玉を口座2(1円コーナー)へ乗り入れた場合、遊技店側が得られる手数料(再プレイ手数料)は400円(1000玉×4円×10%)となる。これに対し、口座1の貯玉1000玉を換金したうえで1円レートによる遊技媒体の貸し出しを受けた場合、遊技店側が得られる手数料(景品交換手数料)は、0円(1000玉×4円×0%)となる。つまり、乗り入れが行われた場合、得られる手数料は多くなるため、遊技店側にとっては有利な結果となる。
また、同図の(D)に示すように、再プレイ手数料率が景品交換手数料率より小さい場合に乗り入れが行われた場合、遊技店側にとっては不利な再プレイ手数料設定がなされていることになる。
たとえば、1円レートの口座2の景品交換手数料率が50%であり、かかる口座2から4円レートの口座1へ乗り入れる場合の再プレイ手数料率が20%である場合(すなわち、同図の(D)に示す「再プレイ手数料率<景品交換手数料率」の場合)について説明する。
この場合に、口座2の貯玉1000玉を口座1(4円コーナー)へ乗り入れた場合、遊技店側が得られる手数料(再プレイ手数料)は200円(1000玉×1円×20%)となる。これに対し、口座2の貯玉1000玉を換金したうえで4円レートによる遊技媒体の貸し出しを受けた場合、遊技店側が得られる手数料(景品交換手数料)は、500円(1000玉×1円×50%)となる。つまり、乗り入れが行われた場合、得られる手数料は少なくなるため、遊技店側にとっては不利な結果となる。
図4の説明に戻り、損益比較部202dについて説明する。損益比較部202dは、再プレイ手数料率算出部202bから入力した再プレイ手数料率と、景品交換手数料率算出部202cから入力した景品交換手数料率とを比較して、口座別再プレイ情報203aに登録されている再プレイ手数料(「手数料」)が、乗り入れが行われた場合に遊技店側にとって有利であるか否かを判定する処理を行う処理部である。
なお、かかる判定は、乗り入れ元口座と乗り入れ先口座とのすべての組み合わせについて行われるものとする。また、損益比較部202dは、判定結果に基づき、遊技店側が有利である場合にはかかる旨を明示するように試算画面生成部202eに対して指示する処理を併せて行う。同様に、遊技店側が不利である場合にはかかる旨を明示するように試算画面生成部202eに対して指示する処理を併せて行う。
また、損益比較部202dは、再プレイ手数料率算出部202bおよび景品交換手数料率算出部202cから入力したすべての入力値を、試算画面生成部202eに対して出力する処理を併せて行う。
試算画面生成部202eは、損益比較部202dから入力したすべての入力値に基づき、乗り入れ元口座に所定数の貯玉がある場合の再プレイ可能数および交換後貸出可能数を試算したうえで、試算結果を表示する試算画面を生成する処理を行う処理部である。また、試算画面生成部202eは、生成した試算画面を入力・表示部201に対して出力する処理を併せて行う。
また、試算画面生成部202eは、入力・表示部201に対して出力された試算画面から再プレイ手数料率の更新指示を受け付ける場合に、実績情報203cを参照したうえで入力支援画面を生成するなどして、設定者を入力支援する処理を併せて行う。
再プレイ情報更新部202fは、入力・表示部201に対して出力された試算画面から再プレイ手数料率の更新指示を受け付けた場合に、受け付けた更新指示に基づいて口座別再プレイ情報203aの更新を行う処理部である。また、再プレイ情報更新部202fは、受け付けた更新指示に基づき、試算画面の更新指示を試算画面生成部202eに対して出力する処理を併せて行う。
ここで、試算画面の詳細な表示例について、図7を用いて説明する。図7は、試算画面の表示例を示す図である。なお、同図には、図5に示した単価情報203bおよび口座別再プレイ情報203aに基づき、各乗り入れ元口座に1000玉の貯玉がある場合の「再プレイ可能数」および「交換後貸出可能数」を、乗り入れ先口座別に試算した試算結果を表示した例を示している。
図7の(1)に示すように、「乗り入れ手数料試算画面(口座1←→口座2)」には、乗り入れ元口座を口座1、口座2とした場合のそれぞれについて、再プレイ手数料率、再プレイ可能数および交換後貸出可能数を、乗り入れ先口座別に表示している。
なお、同図の(1)には、数値を矩形で囲んだ項目を、入力可能な入出力項目として示している。すなわち、同画面を用いて更新することができるのは、「再プレイ手数料率」項目である。
また、同図の(1)には、乗り入れ元口座が口座2であり、乗り入れ先口座が口座1である場合の「再プレイ手数料率」である「16.7%」と、同じく乗り入れ元口座が口座2であり、乗り入れ先口座が口座2である場合の「再プレイ手数料率」である「0%」とが、それぞれ点滅表示している場合を示している。
これは、かかる乗り入れパターンで乗り入れを行った場合の再プレイ手数料率が、遊技店側にとって不利な設定である点を強調して明示するものである。そして、設定者は、かかる点滅表示を視認することで再プレイ手数料率の見直しを図ることができるため、設定ミスを防止することができる。
なお、同図の(1)では、点滅表示する場合を示しているが、文字色によって遊技店側にとって有利であるか否かを表示し分けることとしてもよい。かかる点について、同図の(1)´を用いて説明する。なお、同図の(1)´は、同図の(1)に示した破線の閉曲線4に囲まれた表示区画を簡略化して示したものである。
たとえば、同図の(1)´に示すように、乗り入れを行った場合に遊技店側にとって不利な再プレイ手数料率が設定されていれば、再プレイ手数料率である「A%」を赤色表示することができる。一方、遊技店側にとって有利な再プレイ手数料率が設定されていれば、「A%」を青色表示することができる。なお、このように文字色を切り換えるのではなく、表示領域の背景色を切り換えるようにしてもよい。
ここで、同図の(1)´に示すように、乗り入れを行った場合に遊技店側にとって有利であるか否かは、再プレイ可能数である「a」と、交換後貸出可能数である「b」との大小関係によって見分けることができる。なぜなら、再プレイ可能数と交換後貸出可能数との比較と、再プレイ手数料率と景品交換手数料率との比較(図6参照)は同義であるからである。ただし、不等号の向きは逆向きとなる。
したがって、図7の(1)´に示すように、「a>b」の関係にある場合には、「A%」を赤色表示とすることができる。また、「a<b」の関係にある場合には、「A%」を青色表示とすることができる。なお、図示しないが、「a=b」の関係にある場合には、「A%」を緑色表示などにすることとしてもよい。
次に、設定者が、破線の閉曲線4で囲まれた表示区画(同図の(1)参照)の「再プレイ手数料率」項目を「16.7%」から「50%」へ変更したうえで、「乗り入れ手数料試算画面(口座1←→口座2)」が備える「更新」ボタンを押下した後の表示例について、同図の(2)を用いて説明する。
かかる場合、同図の(2)に示すように、「乗り入れ手数料試算画面(口座1←→口座2)」では、再プレイ手数料率の変更によって更新される表示項目を強調して明示することができる。たとえば、同図の(2)には、乗り入れ元口座が口座2であり、乗り入れ先口座が口座1である場合の「再プレイ可能数」を、「208玉」から「125玉」へと更新したうえで太枠の矩形で囲むことで強調した例を示している。
また、かかる再プレイ可能数は、「125玉」となることで交換後貸出可能数と等しくなるため、「再プレイ手数料率」項目の点滅表示を取り消すことができる。なお、再プレイ手数料率に変更を加えていない、乗り入れ元口座が口座2であり、乗り入れ先口座が口座2である場合の「再プレイ手数料率」項目の点滅表示は継続される。
なお、図7を用いた説明では、各乗り入れ元口座に所定数の貯玉がある場合の「再プレイ可能数」および「交換後貸出可能数」を、乗り入れ先口座別に試算した「乗り入れ手数料試算画面(口座1←→口座2)」について説明したが、図1の(4)に示した「乗り入れ手数料試算画面(口座2→口座1)」のように、乗り入れパターンごと(図7の破線の閉曲線4に囲まれた部分参照)に試算画面を生成することとしてもよい。
ところで、図7を用いた説明では、各項目の表示について強調して明示する工夫を施すことで、設定者の設定ミスを防止する場合について説明したが、再プレイ手数料率を入力する際の入力支援を行うことで設定ミスを防止することとしてもよい。
そこで、再プレイ手数料率を入力する際の入力支援を行う場合について、図8を用いて説明する。図8は、再プレイ手数料率を入力する際の入力支援例を示す図である。なお、同図の(A)には、スライダーバー81を用いた入力支援例を、同図の(B)には、過去の設定と売上の実績に基づく場合について、同図の(C)には、イベント情報に基づく場合について、それぞれ示している。また、同図の(A)〜(C)に示す例では、「決定」ボタン82の押下によって入力が確定するものとする。
また、同図の(A)〜(C)に示す各入力支援画面は、設定者が、図7に示した「乗り入れ手数料試算画面(口座1←→口座2)」の各入力項目を選択した場合に、ポップアップ表示などによって表示されるものとする。
たとえば、同図の(A)に示すように、設定者にスライダーバー81を図中の矢印方向へ操作させることで、再プレイ手数料率を設定させることとしてもよい。また、かかる場合には、同図の(A)に示すように、再プレイ手数料率の比較対象である現在の景品交換手数料率を指標線として表示したうえで(同図の(A)の「50%」ライン参照)、遊技店側が有利であるか否かのガイダンス(同図の(A)の<店側有利>および<客側有利>参照)などを表示することとしてもよい。
また、同図の(B)に示すように、前々回、前回などの過去の再プレイ手数料率の設定実績(同図の(B)の「30%」および「40%」参照)と、かかる設定における売上実績を売上グラフなどで表示して、入力項目83に入力する数値の指標を与えることとしてもよい。なお、過去の設定実績や売上実績などは、記憶部203の実績情報203cに対してあらかじめ格納されているものとする(図4参照)。
また、図8の(C)に示すように、遊技店で開催されるイベント情報などに基づいて再プレイ手数料率の設定推奨値を、「イベント実施日につき、30%以下推奨」のようにガイダンス表示することとしてもよい。たとえば、イベントによっては遊技店側が不利な設定をあえて行う場合もありうるため、かかる場合には、ガイダンス表示にしたがって入力項目83を入力させることとすればよい。
ところで、図7から図8を用いた説明では、表示された試算画面を用いて再プレイ手数料率の更新が可能である場合について説明したが、試算画面生成部202eが、設定者の確認を支援する確認画面を生成することとしてもよい。
そこで、試算画面生成部202eが生成する確認画面の例について、図9を用いて説明する。図9は、乗り入れ元口座の引落数を確認する引落数確認画面の例を示す図である。なお、同図には、図5に示した単価情報203bおよび口座別再プレイ情報203aに基づき、乗り入れ元口座ごとの「払出1回ごとの引落数(=払出数+手数料)」および「手数料」を、乗り入れ先口座別に算出した算出結果を表示した例を示している。
図9に示すように、「引落数確認画面」には、乗り入れ元口座ごとの、再プレイ手数料率、払出1回ごとの引落数(=払出数+手数料)および手数料を、乗り入れ先口座別に表示することができる。たとえば、同図に示した例では、乗り入れ元口座を口座1とし、乗り入れ先口座を口座1とした場合には、払出1回ごとに「250玉」が手数料無料で口座1から引き落とされることが確認できる。
また、乗り入れ元口座を口座1とし、乗り入れ先口座を口座2とした場合には、払出1回ごとに「69玉」が口座1から引き落とされ、その内の手数料分が「6玉」であることが確認できる。なお、かかる「6玉」(≒(9.1%×250玉/4)/(1−9.1%))のように本来は端数が出る玉数については、同図に示したように、切り上げ表示することとすればよい。
また、同図に示すように、乗り入れ元口座を口座2とし、乗り入れ先口座を口座1とした場合には、払出1回ごとに「1200玉」が口座2から引き落とされ、その内の手数料分が「200玉」(≒(16.7%×250玉×4)/(1−16.7%))であることが確認できる。同様に、乗り入れ元口座を口座2とし、乗り入れ先口座を口座2とした場合には、払出1回ごとに「250玉」が手数料無料で口座2から引き落とされることが確認できる。
そして、設定者は、乗り入れを行う遊技客から引落数についての問い合わせがあった場合などに、かかる「引落数確認画面」によって引落数を確認し、ホールスタッフを通じて問い合わせへの回答を行うことができる。すなわち、複数レート運用によって複雑化した乗り入れに関する情報への問い合わせなどに迅速に対応することが可能となる。
図4の説明に戻り、記憶部203について説明する。記憶部203は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、口座別再プレイ情報203aと、単価情報203bと、実績情報203cとを記憶する。
口座別再プレイ情報203aは、乗り入れ元口座ごとに、再プレイに関する情報を乗り入れ先口座別に登録した情報である。なお、かかる口座別再プレイ情報203aの詳細については上述したため(図5参照)、ここでの記載を省略する。
単価情報203bは、口座ごとのレートに関する情報であり、貸出レートや特殊景品交換率などを含む。なお、かかる単価情報203bの詳細についても上述したため(図5参照)、ここでの記載を省略する。
実績情報203cは、試算画面における入力支援に関連する情報であり、試算画面生成部202eによって参照される。なお、かかる実績情報203cの詳細についても上述したため(図8参照)、ここでの記載を省略する。
なお、図4では図示していないが、管理装置200は、貸出処理機である台間装置10aあるいは再プレイ機10bとの通信を店舗内LAN20経由で行う通信デバイスを備えている(図2参照)。
そして、管理装置200は、かかる通信デバイスを通じて各貸出処理機から再プレイの乗り入れ要求を受け付けた場合には、口座別再プレイ情報203aに基づいて該当する乗り入れパターンの再プレイ情報を各貸出処理機に対して通知する。あるいは、各貸出処理機の稼動開始時に、口座別再プレイ情報203aを各貸出処理機へ配信することとしてもよい。
ところで、これまでは、口座別再プレイ情報203aに「払出単位」や「手数料」が含まれる場合について主に説明したが、口座別再プレイ情報203aには、他の再プレイに関する情報を含むことができる。そこで、他の再プレイに関する情報を含む口座別再プレイ情報203aの変形例について、図10を用いて説明する。
図10は、口座別再プレイ情報203aの変形例を示す図である。なお、同図を用いた説明では、図5の(C)に示した口座別再プレイ情報203aとの差異点について主に説明することとし、「払出単位」項目や「手数料」項目については説明を省略するか、必要最小限にとどめるものとする。
図10に示すように、変形例に係る口座別再プレイ情報203aは、「乗入可否」項目と、「上限玉数」項目と、「手数料無料」項目とを含んだ情報である。
ここで、「乗入可否」項目は、乗り入れパターンごとに、乗り入れが可能であるか否かのフラグ値が格納される項目である。なお、同図では、乗り入れが可能である場合のフラグ値を「○」印で、乗り入れが不可である場合のフラグ値を「×」印で、それぞれ示している。
たとえば、同図に示した例では、乗り入れ元口座を口座2とし、乗り入れ先口座を口座1とした場合の乗り入れが行えないことを示している。また、それ以外の乗り入れパターンについては、乗り入れが行えることを示している。また、乗り入れが行えない場合には、他の項目の格納値を省略することができる(同図の「−」印参照)。なお、図示しないが、「乗入可否」項目に対して乗り入れの優先順位を設定してもよい。かかる場合、たとえば、乗り入れ先口座として口座1を第1優先、口座2を第2優先と設定するのであれば、口座1の「乗入可否」項目へ「1」を、口座2の「乗入可否」項目へ「2」を、それぞれ格納することとすればよい。また、乗り入れを不可とする場合には、たとえば、「0」を格納してもよい。
「上限玉数」項目は、1日あたりに再プレイ可能な玉数が格納される項目である。また、「手数料無料」項目は、再プレイ手数料がかからない玉数が格納される項目である。なお、同図では、上限玉数あるいは手数料がかからない玉数が無制限である場合の玉数を「all」で示している。
たとえば、同図に示した例では、乗り入れ元口座を口座1とし、乗り入れ先口座を口座1とした場合の乗り入れは、上限玉数および手数料無料分の玉数が無制限であることを示している。
また、乗り入れ元口座を口座1とし、乗り入れ先口座を口座2とした場合の乗り入れは、上限玉数が「2500玉」であり、手数料無料分の玉数が「250玉」であることを示している。したがって、かかる乗り入れパターンでは、手数料無料分の「250玉」が払い出された後は、「250玉」の払出単位ごとに「50玉」の手数料がかかることになる。
また、乗り入れ元口座を口座2とし、乗り入れ先口座を口座2とした場合の乗り入れは、上限玉数が無制限であるが、手数料無料分の玉数が「500玉」であることを示している。また、かかる乗り入れパターンでは、手数料無料分の「500玉」が払い出された後は、「250玉」の払出単位ごとに「125玉」の手数料がかかることがわかる。
そして、管理装置200は、各貸出処理機から再プレイの乗り入れ要求を受け付けた場合には、変形例に係る口座別再プレイ情報203aに含まれる「乗入可否」項目、「上限玉数」項目および「手数料無料」項目の各格納値を各貸出処理機に対して通知することとすればよい。
そして、各貸出処理機は、かかる通知に応じて遊技客へ報知を行うこととすればよい。たとえば、貸出処理機が、台間装置10aであれば操作・表示部54a(図3参照)に対して、再プレイ機10bであれば、操作・表示部54b(図3参照)に対して、それぞれ上限玉数や手数料無料分の玉数などを表示することができる。
これにより、複数レート運用によって複雑化した再プレイの乗り入れに関する情報を、乗り入れパターンごとに遊技客へ的確に報知することが可能となり、遊技客の利便性を高め、遊技店の稼働率の向上を図ることができる。
次に、管理装置200が実行する処理手順について、図11を用いて説明する。図11は、本実施例に係る管理装置200が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図11に示したように、再プレイ情報登録部202aは、設定者による入力指示操作に基づき、口座別再プレイ情報203aの登録を行う(ステップS101)。そして、再プレイ手数料率算出部202bが、登録された口座別再プレイ情報203aに基づいて口座ごとの再プレイ手数料率を算出する(ステップS102)。
また、景品交換手数料率算出部202cが、単価情報203bに基づいて口座ごとの景品交換手数料率を算出する(ステップS103)。そして、損益比較部202dは、再プレイ手数料率が景品交換手数料率を上回っているか否かを判定し(ステップS104)、上回っている場合には(ステップS104,Yes)、乗り入れが行われた場合に遊技店側が有利な再プレイ手数料率の設定である旨を強調して明示するように指示する(ステップS105)。
また、ステップS104の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS104,No)、損益比較部202dは、再プレイ手数料率が景品交換手数料率を下回っているか否かを判定し(ステップS106)、下回っている場合には(ステップS106,Yes)、遊技店側が不利な再プレイ手数料率の設定である旨を強調して明示するように指示する(ステップS107)。また、ステップS106の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS106,No)、損益比較部202dは、強調して明示する指示を行わない(ステップS108)。
つづいて、試算画面生成部202eが、試算画面の生成および表示を行う(ステップS109)。そして、再プレイ情報更新部202fが、表示された試算画面から再プレイ手数料率の更新指示操作があったか否かを判定する(ステップS110)。
ここで、更新指示操作があったと判定された場合には(ステップS110,Yes)、再プレイ情報更新部202fは、更新指示内容に基づいて口座別再プレイ情報203aの更新を行ったうえで(ステップS111)、処理を終了する。なお、ステップS110の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS110,No)、そのまま処理を終了する。
ところで、これまでは、再プレイ手数料などの再プレイに関する情報を玉数ベースで管理する場合について説明してきたが、率ベースで管理することとしもよい。具体的には、口座別再プレイ情報203aへ玉数ベースでなく再プレイ手数料率を格納することとし、損益比較部202dは、かかる口座別再プレイ情報203aの再プレイ手数料率と景品交換手数料率算出部202cから入力した景品交換手数料率とを比較することとすればよい。したがって、かかる場合には、再プレイ手数料率算出部202bを省略して管理装置200を構成することができる。
上述してきたように、本実施例では、記憶部が、乗り入れ元口座ごとの再プレイに関する情報を乗り入れ先口座別に記憶し、再プレイ手数料率算出部が、再プレイ手数料率を算出し、景品交換手数料率算出部が景品交換手数料率を算出し、損益比較部が、算出された両比率を比較し、試算画面生成部が、かかる比較結果に基づいて再プレイ手数料率の適正を明示した再プレイに関する試算画面を生成するように遊技媒体管理装置を構成した。したがって、複数レート運用における乗り入れを考慮した再プレイ手数料の設定を、設定ミスを防止しつつ適正に行うことができる。
なお、上述した実施例では、4円レートと1円レートとの複数レート運用を行う場合について説明したが、4円レートと2円レート、2円レートと1円レートのように、任意のレート間運用についても本発明を適用することとしてもよい。また、4円レート、2円レートおよび1円レートのように、3レート以上のレート間運用にも本発明を適用してもよい。
ところで、上述した実施例では、遊技客が乗り入れ先において遊技媒体を払い出し、実際に乗り入れ先において再プレイを行う場合について説明した。しかし、遊技客が、乗り入れ先において払い出した遊技媒体を、再プレイを行わずにそのまま特殊景品へ交換する場合についても、本発明を適用することができる。
そこで、かかる場合について、ふたたび図7を用いて説明する。たとえば、4円レートの口座1の特殊景品交換率が100%(等価交換)、1円レートの特殊景品交換率が50%であり、再プレイ手数料率については、図7の(1)に示すように、口座2から口座1へ乗り入れる場合には16.7%、口座2から口座2へ乗り入れる場合には0%であるものとする。
かかる場合、口座2の貯玉1000玉を1円レートでそのまま特殊景品へ交換すると、遊技客の手にする交換価値は「500玉」分の500円(1000玉×50%×1円)である(同図の(1)の口座2から口座2への乗り入れパターンにおける「交換後貸出可能数」参照)。
これに対し、口座2の貯玉1000玉を4円コーナーの再プレイ機などで一旦払い出し、再プレイを行うことなく特殊景品へ交換すると、遊技客の手にする交換価値は「208玉」分の832円(208玉×100%×4円)となる(同図の(1)の口座2から口座1への乗り入れパターンにおける「再プレイ可能数」参照)。
すなわち、再プレイを行わないという同じ選択をしながら、乗り入れ元口座と異なる口座からの払い出しを介するか否かによって、遊技客の手にする交換価値に不公平さが生じてしまうことになる。
そこで、かかる場合には、同図の(1)に示した、口座2から口座1への乗り入れパターンにおける再プレイ可能数「208玉」と、口座2から口座2への乗り入れパターンにおける交換後貸出可能数「500玉」とを併せて強調表示することによって、かかる不公平さが生じうる設定である旨を明示すればよい。
そして、かかる旨を視認した設定者が、不公平さが生じないように、適正な再プレイ手数料率の設定を行うこととすればよい。なお、同図の(2)に示すように、口座2から口座1への乗り入れパターンにおける再プレイ手数料率を「50%」と更新すれば、同パターンにおける再プレイ可能数「125玉」の交換価値は500円(125玉×100%×4円)となるため、上記した例における不公平さは解消されることとなる。