以下、図面を参照して、本発明に係る遊技用装置及び遊技用システムを実施するための形態について説明する。
[遊技用システムの構成]
まず、図1は、本発明の実施の形態に係る遊技用システム1の全体像を示すシステム構成図である。遊技用システム1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設される遊技機であるカードリーダ式パチンコ機(以下パチンコ機と略称する)2と、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体でありプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体でありプリペイド機能を備える会員カードを受け付けて、遊技機における遊技に使用される遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出したり払い出すための処理や、対応するパチンコ機2における遊技にて獲得されたパチンコ玉を計数すると共に、該計数済みのパチンコ玉数の範囲内のパチンコ玉の払出(返却)を行うカードユニット3と、カードユニット3にて使用されるビジターカードや会員カードのプリペイド残額の管理等を行う残額管理装置100と、各カードユニット3において計数された計数済玉数を持玉数として管理する持玉数管理を行う持玉管理装置140や、会員カードを所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する所有価値としての貯玉数の管理を行う会員管理装置150と、遊技場内の景品カウンタに設けられて景品交換を行うための景品交換用POS端末170と、から主に構成されている。ここで計数済玉数は、カードユニット3にて計数された後、未だ持玉管理装置140において管理されておらず、計数の当日のみ使用可能な玉数であり、持玉数は、前記計数された当日に、持玉管理装置140において管理されており、該管理された当日のみ使用可能な玉数であり、貯玉数は、前記計数済玉数又は前記持玉数が貯玉管理装置150において管理され、翌日以降も使用可能な玉数である。
そして、これら本実施の形態の遊技用システム1を構成する各装置は、図1に示すように、ハブ(HUB)7並びに通信ケーブル8を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されている。なお、カードユニット3は遊技機と1対1に対応して設けられており、カードユニット3を識別することによって対応する遊技機も識別可能となるため、以下の説明において、カードユニット3の装置IDを「台番号」と称する場合がある。
この実施の形態において、各カードユニット3と会員管理装置150とは、持玉管理装置140を介して通信を行うものとする。即ち、持玉管理装置140は、カードユニット3と会員管理装置150との間の通信を中継するものである。また、持玉管理装置140には、通信可能に接続された各カードユニット3の装置ID(台番号)とローカルIPアドレスとが対応付けられた不図示のIPアドレステーブルが記憶されている。これにより、カードユニット3のローカルIPアドレスから当該カードユニット3の装置IDを特定可能であり、カードユニット3の装置IDから当該カードユニット3のローカルIPアドレスを特定可能である。
なお、本実施の形態の残額管理装置100は、上述したように、各会員カード並びに各ビジターカードに残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理していると共に、通信回線11を介して、これら会員カードやビジターカードを管理する遊技場外のカード管理会社に設置された残額管理サーバ12と双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら残額管理サーバ12に対して残額管理装置100から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該残額管理サーバ12にて各遊技場の会員カード及びビジターカードによる売上等を把握できるようになっている。
また、本実施の形態の会員管理装置150は、上述したように、各会員カードから読み取られる情報(カードID及び会員番号)に関連付けられた貯玉数(所有価値)を管理していると共に、通信回線11を介して、各遊技場に対応した口座に預け入れられている貯玉数を管理する遊技場外の貯玉管理機関に設置された貯玉管理サーバ15と双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら貯玉管理サーバ15に対して会員管理装置150から、各種の管理情報が送信されることにより、貯玉管理機関は、該貯玉管理サーバ15にて各遊技場に対応した口座に預け入れられている貯玉数等を把握できるようになっている。
また、カードユニット3とパチンコ機2とは、図3に示すように、払出単位として予め定められた一単位数(本実施の形態では25)のパチンコ玉の払出に伴う各種の信号を送受可能に接続されていて、具体的には、後述するPRDY信号線、BRDY信号線、BRQ信号線、及びEXS信号線が接続されている。
(パチンコ機)
はじめに、本実施の形態に用いた遊技機であるパチンコ機2について、以下に簡単に説明する。パチンコ機2は、図2に示すように、その前面に遊技領域26、上皿23、下皿24及び発射ハンドル25等を備えると共に、上皿に払出ボタン21及び返却ボタン22を備え、図3に示すように、その内部に遊技制御基板27、払出制御基板28、及び玉払出装置29等を備えており、これらの各構成要素は図3に示すように接続されている。
遊技制御基板27は、遊技領域26に設けられた各入賞口へのパチンコ玉の入賞を検出してパチンコ機2における遊技(例えば、特別図柄の可変表示や特別可変入賞装置の開放制御等)及び遊技状態(例えば、特別図柄の停止表示結果が特定表示結果となる確率が高められる確変状態や特別図柄の可変表示時間が短縮される時短状態等)を制御するものである。
払出制御基板28は、カードユニット3の制御ユニット328と通信可能に接続されており、パチンコ機2とカードユニット3との間における通信を司るものである。プリペイド残額、持玉数、及び貯玉数のいずれかを減算して、予め定められた一単位数(25)の倍数に相当する個数のパチンコ玉を払い出すときに、払出制御基板28と制御ユニット328との間で信号の送受信が行われる。
また払出制御基板28は、玉払出装置29と接続され、該玉払出装置29を制御するものである。玉払出装置29は、払出制御基板28と制御ユニット328との通信に基づいて予め定められた一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉を払い出すと共に、遊技領域27に設けられた入賞口へのパチンコ玉の入賞に基づいて遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
払出ボタン21は、対応するカードユニット3のカードリーダライタ327(以下カードR/W327と略記する)にて受け付けたビジターカード又は会員カードから読み取られるカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額を減算してパチンコ玉を払い出すプリペイド払出を行うための払出操作を受け付けるボタンである。この払出ボタン21が操作されたことを払出ボタンスイッチ21aが検出すると、制御ユニット328との間に設けられている払出入力信号線を介して制御ユニット328に払出入力信号が入力され、制御ユニット328が払出ボタン21が操作された旨を認識して、プリペイド残額を使用して一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉を払い出すための払出制御基板28との通信を実行する。
返却ボタン22は、対応するカードユニット3のカードR/W327にて受け付けたビジターカード又は会員カードを返却するための返却操作を受け付けるボタンである。この返却ボタン22が操作されたことを返却ボタンスイッチ22aが検出すると、制御ユニット328との間に設けられている返却入力信号線を介して制御ユニット328に返却入力信号が入力され、制御ユニット328が返却ボタン22が操作された旨を認識して、カードR/W327にて受付中のビジターカード又は会員カードを返却する。
このパチンコ機2では、発射ハンドル25が操作されると、上皿23から発射位置に供給されたパチンコ玉が遊技領域26に打ち込まれて遊技が行われる。パチンコ玉が遊技領域26に設けられた各入賞口に入賞した場合には、各入賞口に応じた数の賞球が玉払出装置29により払い出される。パチンコ玉が始動入賞口に入賞すると、可変表示装置において特別図柄の可変表示(変動表示)が開始され、その停止表示結果が予め定められた特定表示結果となった場合には、特定遊技状態(大当り遊技状態)が発生して特別可変入賞装置が開放制御されることにより、大入賞口へのパチンコ玉の入賞が可能となる。
遊技制御基板27に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ(図示せず)は、入賞検出に応じて、払出制御基板28に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ(図示せず)に、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、玉払出装置29を駆動する。玉払出装置29には、賞球を払い出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が玉払出装置29から払出される。
払出制御基板28の制御により入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大入賞口等)に応じた数の賞球が玉払出装置29から払い出されると、該払い出された賞球は、まず上皿23に導かれ、該上皿が満タンになると下皿24に導かれる。下皿24の前面には、下皿24の底板に固定されたレバー24aが設けられている。遊技者がレバー24aを操作する(図2の例では左側に引く)ことにより、下皿24の底板がスライドして下皿24の底面が開放され、下皿24に導かれた賞球は、下皿24から落下して計数・端数払出ユニット340に投入される。
(記録媒体)
次に、本実施の形態にて使用される記録媒体(遊技用記録媒体)であるビジターカードと会員カードとについて、簡潔に説明する。本実施の形態に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施すると共に、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用している。これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まるカードIDが予め書換不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされていると共に、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員番号が書換不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数したパチンコ玉を、当日再度遊技に使用できる持玉として、あるいはその翌日以降においても再度遊技に使用できる貯玉として、遊技場に預けることができるようになっているが、これら会員カードには、該持玉のデータである持玉数及び貯玉のデータである貯玉数は直接記録されておらず、これら持玉数及び貯玉数は、後述するように、持玉管理装置140及び会員管理装置150において、カードID及び会員番号に対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員番号から特定されるようになっている。
また、ビジターカードは、カードユニット3において発行される。なお、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数と該持玉数が計数された日付とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において使用できるようになっている。
なお、本実施の形態では、上述したように、ビジターカードのみに持玉数を書き込み記録するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら持玉数や貯玉数のデータを、ビジターカードと同じく、会員カードに記録するようにしても良い。また、会員カードと同様に、ビジターカードに持玉数を書き込み記録しないようにしても良い。また、プリペイド残額は、会員カード及びビジターカードに記録させることなく、残額管理装置100がカードIDに対応付けて記憶し、カードに対応するプリペイド残額を当該カードのカードIDから検索できるように管理してもよい。
(カードユニット)
次に、本実施の形態のカードユニット3について、図2及び図3に基づいて、以下に説明する。本実施の形態のカードユニット3の前面には、図2及び図3に示すように、フルカラーLED301aにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301等の各種表示部、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305、計数済玉数,持玉数,及び貯玉数を払い出すための再プレイ操作を受け付けるための再プレイボタン319、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードR/W327(図3参照)のカードスロット(図示略)に連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロットに挿入可能とされている。
カードユニット3の前面には、前方に突出する態様にて突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者と対向する面には、図2に示すように、各種情報を表示可能な表示部312と、後述する持玉払出や貯玉払出を実行するときに操作する再プレイボタン319が設けられている。表示部312の表面には、表示部312に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネル314が設けられている。また、再プレイボタン319は透光性を有するプラスチック製のケースにより構成されている。
持玉払出とは、ビジターカード又は会員カードを受け付けた場合において、該ビジターカード又は会員カードに記録されているカードID及び会員番号(会員カードのみ)に対応付けて持玉管理装置140で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の持玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の持玉数を減算して遊技媒体を払い出す処理である。なお、本実施の形態では、持玉管理装置140で管理されている持玉数は、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3から返却される際に更新され、持玉払出が実行される際や遊技媒体の計数が実行される際には、カードユニット3で記憶されている持玉数は更新されるが、持玉管理装置140で管理されている持玉数は更新されないものとする。
ここで基本単価とは、複数種類の付与レート(例えば4円,2円,1円)のうち、当該カードユニット3に対応する付与レートであり、該基本単価は、当該カードユニットにおいて行われるプリペイド払出,持玉払出,及び貯玉払出に適用される。具体的には、プリペイド払出においては、基本単価×基本払出玉数のプリペイド残額が減算され、持玉払出においては、後述する乗入れ払出を除き、基本単価の口座から基本払出玉数の持玉数が減算され、貯玉払出においては、基本単価の口座から基本払出玉数の貯玉数が減算される。なお、持玉払出と貯玉払出とを総称して、「再プレイ払出」とも言う。
貯玉払出とは、会員カードを受け付けた場合において、該会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の貯玉数のみを減算して遊技媒体を払い出す処理である。
また、本実施の形態では、前記持玉払出の一形態として、ビジターカード又は会員カードを受け付けた場合において、該ビジターカード又は会員カードに記録されているカードIDに対応付けて持玉管理装置140で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の持玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座以外の他口座(基本単価とは異なる単価に対応した口座)の持玉数を減算して基本単価の遊技媒体を払い出す乗入れ払出(乗入れ付与処理)を実行可能なものである。
ここで乗入れ払出には、一の他口座のみの持玉数を減算して基本単価の遊技媒体を払い出すものと、複数の他口座の持玉数を減算して基本単価の遊技媒体を払い出すもの(いわば複数の他口座にまたがって持玉数を減算可能なもの)とがあり、前者を「またがり乗入れ無し」、後者を「またがり乗入れ有り」と称する。なお、またがり乗入れ有りの場合には、基本単価の口座及び一の他口座にまたがって持玉数を減算可能なものや、基本単価の口座及び複数の他口座にまたがって持玉数を減算可能なもの、即ち基本単価の口座にもまたがる乗入れも可能である。
この乗入れ払出において、またがり乗入れ無しとするか、またがり乗入れ有りとするかや、またがり乗入れ有りの場合に、基本単価の口座にもまたがる乗入れを可とするか不可とするかは、各カードユニット3において予め設定され記憶されている。この設定は、例えば持玉管理装置140から設定内容を受信すること、図示しないリモコンから設定内容を受信すること、図示しないスイッチの操作により設定を受け付けること、等により記憶される。なお、またがり乗入れの有無や基本単価の口座へのまたがりの可不可は、全てのカードユニット3について一律に設定するのではなく、各カードユニット3について個別に設定できるようにしてもよい。
なお、前記乗入れ払出が実行される場合において、当該基本単価に対応した口座を「乗入れ先口座」と称し、当該基本単価を「乗入れ先単価」と称し、当該他口座を「乗入れ元口座」と称し、当該他口座に対応した単価(当該基本単価とは異なる単価)を「乗入れ元単価」と称する。
また、突出部305内部には、表示部312を成す液晶表示器313が設けられており、液晶表示器313及び透明タッチパネル314が、図3に示すように、表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が、該表示制御基板329によって実施される。
また、表示制御基板329には、再プレイボタン319が操作されたことを検出する再プレイスイッチ319aと、前述した持玉払出及び貯玉払出の少なくとも一方が可能なときに点灯する再プレイLED319bとが接続されている。ここで、制御ユニット328により持玉数及び貯玉数が確認され、持玉払出又は貯玉払出が可能な状態であれば、再プレイLED319bの点灯制御が行われる。再プレイLED319bは、再プレイボタン319により覆われており、再プレイLED319bが点灯すると、LEDから発せられる可視光が再プレイボタン319を透過する。これにより、遊技者は、持玉払出及び貯玉払出を実行する際に操作する操作領域が点灯していることを認識して、持玉払出又は貯玉払出が実行可能である(再プレイボタン319の操作が有効である)ことを把握する。再プレイボタン319が操作されたことを再プレイスイッチ319aが検出すると制御ユニット328に再プレイ操作信号が入力される。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット328に出力する紙幣識別ユニット321が設けられており、該紙幣識別ユニット321にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット328が設けられており、後述するように、該制御ユニット328によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3の前面下方端部位置には、パチンコ機2の下皿24の下方位置に配置されることで、該下皿24から排出されるパチンコ玉を計数すると共に、払出単位として予め定められた一単位数(本実施の形態では25)未満の端数のパチンコ玉の払出を行う箱状の計数・端数払出ユニット340から排出されるパチンコ玉をカードユニット3内に流入させるための連結樋344が装着される。該連結樋344を流下して図示しない回収流路ボックスに流入してきたパチンコ玉が、回収流路ボックスをカードユニット3の前方側から後方(島内部)側に流下していき、カードユニット3の後方下端から遊技島内の図示しない回収樋に排出される。
図3は、本実施の形態のカードユニット3の構成を示すブロック図である。カードユニット3は、上述したように、主には、紙幣識別ユニット321と、カードR/W327と、表示制御基板329と、計数・端数払出ユニット340と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット328とから構成されており、紙幣識別ユニット321、カードR/W327、計数・端数払出ユニット340及び表示制御基板329は制御ユニット328と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードR/W327は、カード挿入口309から挿入される会員カード又はビジターカードに記録されているカードID、会員番号(会員カードのみ)、持玉数及び日付(ビジターカードのみ)、プリペイド残額等の記録情報の読み出し、並びに、持玉数及び日付(ビジターカードのみ)、プリペイド残額等の書き込みを行う。カードユニット3の内方側終端部位置には、ビジターカードを最大10枚まで貯留できる不図示のカード貯留部が設けられており、新規のビジターカードを発行可能とされている。カード貯留部のビジターカードはカード貯留部及びカードR/W327に設けられた搬送機構によりデータの読み出し及び書き込みが可能な所定位置まで搬送される。
カードの挿入が挿入センサにより検出されると、挿入されたカードがカードR/W327に設けられた搬送機構により所定位置まで搬送される。該所定位置に停止されたカードを対象とした給電やデータ通信を行うことにより、受付中のカードを対象としたデータの読み出し及び書き込みが可能となっている。制御ユニット328が返却ボタン22の操作を検知すると、カードR/W327に対して所定位置にある受付中のカードの排出を指示する。このとき、カードR/W327に設けられた搬送機構により、所定位置にあるカードがカード挿入口309から排出され遊技者に返却される。
次に、本実施の形態の制御ユニット328について説明する。制御ユニット328は、図3に示すように、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)328aと、カードリーダライタ327に受付中のビジターカード及び会員カードのカードIDや、会員番号(会員カードのみ)、並びにプリペイド残額や、持玉数、貯玉数(会員カードのみ)等の各種のデータを記憶可能なRAM328bと、中央演算処理回路(CPU)328aが実行する制御プログラムや、当該カードユニット3の装置IDを含む設定情報や、各種のデータを書換記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM328cと、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)328dを含む。RAM328bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
本実施の形態の制御ユニット328は、前述したようにパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号の送受を、パチンコ機2に設けられている払出制御基板28との間において実施可能に接続されている。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と接続されており、後述するように、該計数・端数払出ユニット340から出力されてくる計数情報の受信に応じて、表示部312に表示する当日玉数(計数済玉数と持玉数の合算値)を更新すると共に、計数が行われている旨を示す計数表示を行う。
また、制御ユニット328は、前述したように、パチンコ機1の上皿23に設けられた払出ボタン21が操作されたことを検知するための払出ボタンスイッチ21aに接続されており、払出ボタン21の操作に応じた信号が、該払出ボタンスイッチ21aから入力されることにより、払出ボタン21の操作の有無を把握し、払出ボタン21の操作があったときには払出処理を実施することで、一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉の払出を対応するパチンコ機2から実施させる。
ここでカードユニット3とパチンコ機2との間で行われる信号のやりとりについて説明する。本例では、RAM328aに基本払出玉数として125(一単位数である25の5倍に相当)が記憶されているものとする。
まずパチンコ機2及びカードユニット3の電源投入時に、両者の間における接続確認が行われると、パチンコ機2の払出制御基板28は、PRDYをLOWとすることにより、PRDY信号線を介して、カードユニット3の制御部ユニット328に払出可能信号を送信して(S1)、スタンバイ状態となる。
次にカードユニット3の制御ユニット328は、PRDYのLOW(払出可能信号)を受信しているスタンバイ状態において払出ボタン21(又は再プレイボタン319)の操作を検出すると、BRDYをLOWとすることにより、BRDY信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に払出可能信号を送信する(S2)。
この状態において、カードユニット3の制御ユニット328は、BRQをLOWとすることにより、BRQ信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に単位払出要求信号を送信する(S3)。次にパチンコ機2の払出制御基板28は、BRDYのLOW(払出可能信号)を受信した状態においてBRQのLOW(単位払出要求信号)を受信すると、玉確認センサ(図示せず)により一単位数(25)のパチンコ玉を払い出す準備(払出準備)が整っているか否かを確認し、該払出準備が整っていることを条件として、EXSをLOWとすることにより、EXS信号線を介して、カードユニット3の制御ユニット328に単位払出準備信号を送信する(S4)。
次に該EXSのLOW(単位払出準備信号)を受信したカードユニット3の制御ユニット328は、BRQをHIGHとすることにより、BRQ信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に単位払出指令信号を送信する(S5)。次に該BRQのHIGH(単位払出指令信号)を受信したパチンコ機2の払出制御基板28は、玉払出装置29に対して払出信号を出力し、これに基づいて一単位数(25)のパチンコ玉の払出が行われると共に、該払出の完了に基づいて、EXSをHIGHとすることにより、EXS信号線を介して、カードユニット3の制御ユニット328に単位払出完了信号を送信する(S6)。
これらS3〜S6の制御を、5回繰り返すことにより、125玉をパチンコ機2から払い出し、これらの制御の終了に基づいて、BRDYをHIGHとすることにより、BRDY信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に払出終了信号を送信し(S7)、125玉の払出を終了する。このように、パチンコ玉が払い出されるときのS3〜S6の制御の繰り返し回数を「払出度数」と称する。この実施の形態では、払出度数の1度数(S3〜S6の制御1回)あたり25玉のパチンコ玉が払い出されるようになっており、1度数あたりの払出玉数を一単位数としている。
また、制御ユニット328は、通信部334並びにHUB7を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されている前述の残額管理装置100、持玉管理装置140、及び会員管理装置150等とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が該通信部334を通じて可能とされている。
また、制御ユニット328に接続された表示制御基板329は、表示部312を構成する液晶表示器313、透明タッチパネル314、並びに、再プレイボタン319に対応する再プレイスイッチ319a及び再プレイLED319b等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネル314の操作情報や、再プレイボタン319の操作情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット328に出力される。
本実施の形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、前記透明タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部312に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部312に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット328から独立して、各種スイッチ類や透明タッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット328から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部312を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
ここで表示部312には、計数が行われているときに、その旨を示す前記計数表示が行われ、持玉払出又は貯玉払出が行われているときに、その旨を示す再プレイ払出表示が行われる。なお、表示部312には、後述する入金付与制限処理が行われているときに、その旨を示す制限表示が行われるが、これについては図18を参照して後述する。
また、制御ユニット328は、持玉管理装置140から定期的(本実施の形態では約10秒毎)に送信されてくるオンライン確認要求の受信の有無により、持玉管理装置140との通信状態がオンライン(通信可能)状態であるかオフライン(通信不能)状態であるかを検知できるようになっていると共に、これらオンライン確認要求の受信に応じてオンライン確認応答を持玉管理装置140に返信することで、持玉管理装置140においても各カードユニット3のオンライン・オフライン状態を検知できるようになっている。なお、これらオンライン確認要求としては、他のデータ送信要求にて代用される場合がある。
この実施の形態では、カードユニット3は、持玉管理装置140を介して会員管理装置150と通信を行う。ここで、カードユニット3と持玉管理装置140との間でオンライン状態が成立している場合であっても、持玉管理装置140と会員管理装置150との間ではオフライン状態となっている場合がある。このような場合には、持玉管理装置140は、会員管理装置150とのオフライン状態を通知するためのオフライン情報をカードユニット3に送信する。オフライン情報を受信したカードユニット3では、持玉管理装置140との間ではオンライン状態であるが、会員管理装置150との間ではオフライン状態であることを把握することができるため、例えば、持玉数の更新を可能とし、貯玉数の更新(貯玉払出)を禁止するといった制御を行うことが可能となる。
また、この実施の形態では、カードユニット3がオンライン確認要求を受信しており、且つオフライン情報を受信していないとき、即ち、持玉管理装置140と通信可能であり、且つ会員管理装置150と通信可能である場合にのみ、貯玉数の更新が許容される。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と計数情報や端数払出要求等の各種のデータを、少ない通信線数にてデータの送受が可能なシリアル通信により送受可能に接続されている。
ここで、本実施の形態の計数・端数払出ユニット340について説明する。本実施の形態の計数・端数払出ユニット340は、図2に示すように、パチンコ機2の下皿24の直下に配置された横長の箱状物であり、カードユニット3の最も下方位置に設けられている不図示の回収流路ボックスに連結樋344を介して連結されている。
そして、計数・端数払出ユニット340の上面には、下皿24から排出されるパチンコ玉が投入されるホッパ形状とされた不図示の投入部が形成されていて、その前面のカードユニット3本体側(向かって左側)には、払出(返却)された端数のパチンコ玉が取り出し可能に貯留される返却貯留部342が設けられている。
計数・端数払出ユニット340の内部には、計数・端数払出ユニット340の制御を行う制御マイコン等が搭載された制御基板により構成される制御部350が内蔵されている。この制御部350には、図3に示すように、流路変更シャッタ351、払出モータ353、払出センサ354、計数センサ356、及び貯留玉センサ357等が接続されていて、該制御部350にて計数・端数払出ユニット340の各機能が形成されるように制御される。また、制御部350は、カードユニット3の本体と連結樋344を介して電気的に接続されている。
計数・端数払出ユニット340の投入部に投入されたパチンコ玉は不図示の計数流路に流入して該計数流路上を連結樋344の方向に向けて流下し、該計数流路の下流部に設けられている計数センサ356にて検出されるようになっている。計数センサ356にて検出されたパチンコ玉の流下方向は流路変更シャッタ351により変更可能となっている。該流路変更シャッタ351が出没することによって、パチンコ玉の流下方向を、連結樋344側或いはパチンコ玉を貯留する不図示の貯留部側に切り替えることが可能とされている。
ここで、計数センサ356によりパチンコ玉が検出される毎に制御ユニット328に記憶されている計数済玉数の値が加算される。そして、所定のタイミング(例えば、計数済玉数が更新されることなく5秒が経過したタイミング)で、制御ユニット328に記憶されている持玉数に計数済玉数の値が加算されて持玉数が更新されると共に、計数済玉数の値は0にリセットされる。
貯留部に流入するパチンコ玉は、貯留玉センサ357により検出されていき、貯留部内がパチンコ玉により満たされることにより、貯留玉センサ357によってパチンコ玉が所定時間以上連続して検出された場合には、流路変更シャッタ351による貯留部側への流路変更が解除されることで、計数センサ356により検出された計数済みのパチンコ玉は全て、連結樋344を流下してカードユニット3内部の回収流路ボックスを介して遊技島内に回収される。
また、貯留部に貯留されたパチンコ玉は、払出モータ353によって1つずつ返却貯留部342に払出可能となる。このとき、払出センサ354により、遊技者に払出(返却)するパチンコ玉数を計数可能となっている。
貯留部にパチンコ玉が貯留されている状態において、一単位数未満の端数のパチンコ玉数、例えば、端数として20玉の払出(返却)がなされる場合、つまり、制御部350が制御ユニット328から払出(返却)する端数である20玉を含む端数払出要求を受信した場合には、該受信した端数払出要求に含まれる払出玉数(端数)である20の検出信号が払出センサ354から入力されてくるまで払出モータ353を作動させることにより、該払出玉数(端数)である20個のパチンコ玉が、返却貯留部342に返却されて貯留されるようになる。
なお、端数のパチンコ玉の払出は、貯留部に貯留されているパチンコ玉を払い出すものには限られず、例えば遊技島からパチンコ玉を取り込んで払い出すものでもよく、該払い出したパチンコ玉をノズルによりパチンコ機2の上皿に導くものであってもよい。また、ノズルのみで払い出すものには限られず、ノズルからの払出とパチンコ機2からの払出とを併用するものであってもよい。
制御部350は、端数に相当する数の検出信号が払出センサ354から入力されてきた際には、端数払出要求の応答として、端数払出完了通知を制御ユニット328に対して送信することにより、制御ユニット328は、端数払出要求で指定した端数の払出が完了したことを認識する。
この実施の形態では、各カードユニット3において設定される基本払出玉数はいずれも一単位数(25)の整数倍であるため、プリペイド残額が基本払出玉数に相当する金額(例えば4.00円×125=500円)以上のときにプリペイド払出を実行する場合、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が基本払出玉数以上のときに持玉払出を実行する場合、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が基本払出玉数以上のときに貯玉払出を実行する場合には、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、基本払出玉数に相当する全数を払出可能となっている。
また、プリペイド残額が基本払出玉数に相当する金額(例えば4.00円×125=500円)未満であるが一単位数に相当する金額(例えば4.00円×25=100円)以上の場合には、[一単位数×n≦(プリペイド残額/基本単価)]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、プリペイド残額が一単位数に相当する金額(例えば4.00円×25=100円)未満である場合には、[基本単価×n≦プリペイド残額]となる最大のnを端数として設定し、制御ユニット328から計数・端数払出ユニット340に対して、設定した端数を含む端数払出要求が送信され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数相当のパチンコ玉が払い出される。
また、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が基本払出玉数未満であるが一単位数以上の場合には、[一単位数×n≦持玉数]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が一単位数未満である場合には、当該持玉数を端数として設定し、制御ユニット328から計数・端数払出ユニット340に対して、設定した端数を含む端数払出要求が送信され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数相当のパチンコ玉が払い出される。
なお、基本払出玉数として一単位数の整数倍ではない払出玉数が設定されている場合には、前述した払出制御基板28と制御ユニット328と通信による払出と、計数・端数払出ユニット340による払出の両方が実行されることにより、該基本払出玉数のパチンコ玉が払い出されるようにすると良い。例えば、基本払出玉数として116が設定されている場合には、払出度数が4に設定され、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって100玉がパチンコ機2から払い出され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数の16玉が払い出される。
なお、この実施の形態では、計数・端数払出ユニット340の内部に設けられた貯留部に端数払出用のパチンコ玉を貯留するようにしているが、このような形態に限らず、端数相当のパチンコ玉を払い出す場合に、遊技島の玉供給経路から計数・端数払出ユニット340に供給されたパチンコ玉を払い出すようにしても良い。
(残額管理装置)
次に、本実施の形態の残額管理装置100について、図4に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた残額管理装置100は、図4に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス101に、該残額管理装置100が実施する各種処理を行うCPU102、ワークメモリ等として使用されるRAM103、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC104、ハードディスク等からなる記憶装置105、キーボードやマウス等の入力装置106、各種の画面を表示出力する表示装置107、各種情報をプリント出力するプリンタ108、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたカードユニット3(制御ユニット328)やカード発行・入金機等の各装置とのデータ通信を行う通信部109、カード会社に設置された残額管理サーバ12とのデータ通信を行うデジタルサービスユニット(DSU)110が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置105には、残額管理装置100において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カード及びビジターカードに残存するプリペイド残額を管理するための残額管理テーブル(図5参照)が記憶されている。
残額管理テーブルには、図5に示すように、各ビジターカード及び各会員カードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者の会員番号(会員カードのみ)と、プリペイド残額とが記憶されており、会員カードに記憶されているカードID若しくは会員番号、ビジターカードに記憶されているカードIDから、プリペイド残額を特定できるようになっている。
また、残額管理テーブルには、各会員カードのカードIDに対応付けて、当日累積使用額と、上限到達判定フラグとが記憶されている。ここで当日累積使用額は、各会員遊技者についてプリペイド払出に供された使用金額が当日について累積された累積額であり、プリペイド払出を実行したカードユニット3からカードIDと使用金額(又は使用金額を特定可能な情報)が送信されてくると加算更新され、翌日の営業開始前にゼロクリアされる。
また上限到達判定フラグは、後述する上限到達判定(図17のS153)を適用するか否かを示すフラグであり、「1」ならば上限到達判定が適用され、「0」ならば上限到達判定が適用されない。なお、上限到達判定が適用されないことには、該上限到達判定を実行しないことの他に、該上限到達判定を実行するけれど判定結果を無視するものや、該上限到達判定に伴って行われる処理が行われないことも含まれる。この上限到達判定フラグは、各会員遊技者の希望に応じて、会員登録時又はその後に、「1」又は「0」が設定されて、残額管理テーブルに記憶される。
なお、本実施例では、ビジタ遊技者には上限到達判定が適用されないので、ビジターカードのカードIDに対応する当日累積使用額は集計されず、上限到達判定フラグも記憶されない。従って、ビジターカードのカードIDに対応する当日累積使用額及び上限到達判定フラグの欄には、「−」が記憶される。
カードユニット3の紙幣識別ユニット321により紙幣が受け付けられたときには、該カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が行われ、該受け付けた紙幣に応じた識別額が、カードユニット3にて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理されているプリペイド残額に加算される、入金処理が行われる。また、カードユニット3の制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額も加算後のプリペイド残額に更新される。なお、プリペイド残額の更新ではなく、プリペイド残額に対応する残度数の更新や、プリペイド残額を特定可能な情報の更新であってもよい。
カードユニット3において払出ボタン21が操作され、受付中の会員カード又はビジターカードのプリペイド残額を使用したプリペイド払出が実行されるときには、該カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が行われ、カードユニット3にて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理されているプリペイド残額から、使用金額(払出玉数×当該カードユニット3に記憶されている基本単価に相当)が減算される。また、カードユニット3の制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額も減算後のプリペイド残額に更新される。即ち、遊技者が入金した入金額に相当する有価価値(プリペイド残額)の範囲内の少なくとも一部の有価価値を使用して遊技価値(パチンコ玉)を付与するための入金付与処理(プリペイド払出)が行われる。
(持玉管理装置)
次に、本実施の形態の持玉管理装置140について、図6に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた持玉管理装置140は、図6に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス141に、該管理コンピュータ140が実施する各種処理を行う中央演算処理装置(CPU)142、ワークメモリ等として使用されるRAM143、時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)144、ハードディスク等からなる記憶装置145、キーボードやマウス等の入力装置146、各種の画面を表示出力する表示装置147、各種情報をプリント出力するプリンタ148、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたカードユニット3及び会員管理装置150、並びに景品交換用POS端末170等とのデータ通信を行う通信部149が接続された通常のコンピュータである。
また、CPU142は、前述したように、通信部149から各カードユニット3に対して定期的にオンライン確認要求を送信し、各カードユニットから装置IDを含むオンライン確認応答を受信することにより、各カードユニット3とオンライン状態であるかオフライン状態であるかを検知可能である。また、会員管理装置150に対しても、定期的にオンライン確認要求を送信し、会員管理装置150からオンライン確認応答を受信することにより、会員管理装置150とオンライン状態であるかオフライン状態であるかを検知可能である。会員管理装置150とオフライン状態である場合には、カードユニット3に対してオフライン情報を送信する。
ここで、会員管理装置150と持玉管理装置140との間でオンライン状態が成立している場合であっても、持玉管理装置140とカードユニット3との間ではオフライン状態となっている場合がある。このような場合には、持玉管理装置140は、CU3とのオフライン状態を通知するためのオフライン情報を会員管理装置150に送信する。オフライン情報を受信した会員管理装置150では、持玉管理装置140との間ではオンライン状態であるが、カードユニット3との間ではオフライン状態であることを把握することができるため、例えば、カードユニット3に対してのコマンドの送信を中断するといった制御を行うことが可能となる。
記憶装置145には、持玉管理装置140において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、遊技者(会員カードを使用する会員遊技者及びビジターカードを使用するビジター遊技者)の所有価値である、当日において獲得された持玉数を管理するための持玉管理テーブル(図7参照)と、各カードユニット3の基本単価及び基本払出玉数、並びに各カードユニット3で受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDを管理するためのCU管理テーブル(図8参照)と、後述する共通優先順位テーブル(図14参照),会員毎優先順位テーブル(図15参照),及び乗入れ履歴テーブル(図22参照)とが記憶されている。
持玉管理テーブルには、図7に示すように、各カードID及び各会員番号(会員カードのみ)に対応付けて、当該会員カード又はビジターカードを使用した遊技者がその当日において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である持玉数が記憶されており、ビジターカードや会員カードに記憶されているカードID若しくは会員番号(会員カードのみ)から、当該遊技者が所有する持玉数を特定できるようになっている。
なお、持玉管理テーブルに管理されている持玉数は、その当日のみ持玉数として管理されており、営業終了後の営業終了時処理において会員カードのカードID及び会員番号に対応する持玉数は、当該会員カードのカードID及び会員番号に対応する貯玉数に加算された後、全て0にクリアされる。また、営業終了後の営業終了時処理においてビジターカードのカードIDに対応する持玉数は、全て0にクリアされる。
ここで、図7に示すように、持玉数は、遊技機での遊技に使用可能な遊技媒体の単価毎に管理されている。この例では、4円口座は単価4円の遊技媒体の持玉数、2円口座は単価2円の遊技媒体の持玉数、1円口座は単価1円の遊技媒体の持玉数を管理するための記憶領域であり、各口座の持玉数は、当該口座に対応した単価の遊技媒体を使用する遊技機での遊技で獲得した持玉数である。営業終了時処理においては、持玉管理テーブルにおける各口座の持玉数が、後述する貯玉管理テーブルにおける当該口座に対応した口座(同じ単価の口座)の貯玉数に加算されると共に、持玉管理テーブルにおける各口座の持玉数が全て0にクリアされる。
CU管理テーブルには、図8に示すように、各カードユニット3の装置ID(台番号)に対応付けて、当該カードユニットに対応して設けられる遊技機において使用可能な遊技媒体の単価である基本単価と、前述したプリペイド払出、持玉払出、貯玉払出、及び乗入れ払出で払い出されるパチンコ玉の数である基本払出玉数と、当該カードユニットにおいて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDである受付中カードIDと、が記憶されている。
ここで記憶されている基本単価及び基本払出玉数は、各装置IDのカードユニット3に送信され、制御ユニット328のRAM328bに記憶される。そして、パチンコ玉の払出(前述したプリペイド払出、持玉払出、貯玉払出、及び乗入れ払出)を実行するときに、各カードユニット3で記憶される基本払出玉数のパチンコ玉が払い出される。例えば、基本単価が4.00円の場合の基本払出玉数は125となっているため、制御ユニット328とパチンコ機2との間で通信が実行され、5度数相当の125玉が払い出されることになる。また、基本単価が2.00円及び1.00円の場合の基本払出玉数は200となっているため、制御ユニット328とパチンコ機2との間で通信が実行され、8度数相当の200玉が払い出されることになる。
(会員管理装置)
次に、本実施の形態の会員管理装置150について、図9に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた会員管理装置150は、図9に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス151に、該会員管理装置150が実施する各種処理を行うCPU152、ワークメモリ等として使用されるRAM153、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC154、ハードディスク等からなる記憶装置155、キーボードやマウス等の入力装置156、各種の画面を表示出力する表示装置157、各種情報をプリント出力するプリンタ158、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続された持玉管理装置140及び景品交換用POS端末170等の各装置とのデータ通信を行う通信部159、貯玉管理期間に設置された貯玉管理サーバ15とのデータ通信を行うデジタルサービスユニット(DSU)160が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置155には、会員管理装置150において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カードを所持する会員遊技者が所有する当日前に当該会員遊技者により獲得された貯玉数を管理するための貯玉管理テーブル(図10参照)と、前述した持玉管理装置140から取得可能なCU管理テーブルとが記憶されている。
貯玉管理テーブルには、図10に示すように、会員カードの各カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者を個々に識別可能な会員識別情報である会員番号と、当該会員遊技者が当日前(ただし当日に景品交換用POS端末170の使用によって持玉数が貯玉数に移行された場合には、当該貯玉数も含まれる)において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である貯玉数とが記憶されており、会員カードに記憶されている会員カードID若しくは会員番号から、当該会員遊技者が所有する所有価値である貯玉数を特定できるようになっている。
ここで、図10に示すように、貯玉数は、遊技機での遊技に使用可能な遊技媒体の単価毎に管理されている。この例では、4円口座は単価4円の遊技媒体の貯玉数、2円口座は単価2円の遊技媒体の貯玉数、1円口座は単価1円の遊技媒体の貯玉数を管理するための記憶領域であり、各口座の貯玉数は、当該口座に対応した単価の遊技媒体を使用する遊技機での遊技で獲得した所有価値である。
また、カードユニット3において再プレイボタン319が操作され、貯玉払出が実行されるときには、該カードユニット3と会員管理装置150との間で通信が行われ、カードユニット3にて受付中の会員カードの会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで管理されている各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3の装置IDに対応した基本単価に対応した口座の貯玉数から、払出玉数が減算される。
なお、記憶装置155には、不図示の会員情報管理テーブルも記憶されており、該会員情報記憶テーブルでは、会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて、当該会員番号により識別される会員遊技者が会員登録時に登録した氏名及び暗証番号が記憶されている。
(景品交換用POS端末)
景品交換用POS端末170(以下、景品POS170と略記する)は、マイクロコンピュータが設けられ、このマイクロコンピュータには、制御中枢としてのCPU、CPUの制御動作プログラムを格納しているROM、CPUのワークエリアとしてのRAM、外部機器との信号の入出力を行なうための入出力インターフェイスが設けられている。CPUは、入出力インターフェイスを介して、持玉管理装置140との間での情報の入出力、会員管理装置150との間での情報の入出力がそれぞれ可能となっている。また、景品POS170には、マイクロコンピュータに接続されるカードリーダライタ、表示装置、キーボード等の入力装置、バーコードリーダ等が設けられている。
カードリーダライタにビジターカードが挿入されることにより、景品POS170と持玉管理装置140との間で通信が行われ、カードリーダライタで読み取られたビジターカードのカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている各口座の持玉数が表示装置に表示される。この状態で、景品に付された景品価値(例えば1000円相当)を示すバーコードをバーコードリーダで読み取ることにより、あるいは入力装置によって景品価値を入力することにより、該景品価値に相当する交換玉数(例えば4円なら250玉、2円なら500玉、1円なら1000玉)が、選択された口座(例えば4円口座、2円口座、及び1円口座のいずれか)の持玉数から減算される(これに伴い該交換玉数が、読み取られたカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている当該口座の持玉数から減算される)ことで、持玉と景品とを交換可能となっている。
また、カードリーダライタに会員カードが挿入されることにより、景品POS170と持玉管理装置140及び持玉管理装置140と貯玉管理装置150との間で通信が行われ、カードリーダライタで読み取られた会員カードのカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている各口座の持玉数が、カードリーダライタで読み取られた会員カードの会員番号に対応付けて貯玉管理措置150で記憶されている各口座の貯玉数に加算され、該更新後の各口座の貯玉数が表示装置に表示される。この状態で、景品に付された景品価値を示すバーコードをバーコードリーダで読み取ることにより、あるいは入力装置によって景品価値を入力することにより、該景品価値に相当する交換玉数(例えば4円なら250玉、2円なら500玉、1円なら1000玉)が、選択された口座(例えば4円口座、2円口座、及び1円口座のいずれか)の貯玉数から減算される(これに伴い該交換玉数が、読み取られた会員IDに対応付けて会員管理装置150で記憶されている当該口座の貯玉数から減算される)ことで、貯玉と景品とを交換可能となっている。なお、更新後の貯玉数の一部のみを景品交換に使用し、残りの貯玉数は次回の遊技に使用することも可能であり、更新後の貯玉数の全てを次回の遊技に使用することも可能である。
(プリペイド払出における上限の設定)
図11を参照して、プリペイド払出における上限の設定について説明する。本実施の形態では、プリペイド払出において、一の会員遊技者についてプリペイド払出に供された当日累積使用額(図5)が所定の上限額である(図17のS153でYES)場合に、プリペイド払出の実行を制限(本例では禁止)する入金付与制限処理(同図のS155)が行われ、その旨を示す制限表示(図18のD100)が行われて、遊技にのめり込むのを防止できるようになっている。なお、入金付与制限処理が行われると、入金も制限(本例では禁止)される。
図11は、残額管理装置140の表示装置147に表示される制限設定画面の一例を示す図である。この制限設定画面は、前記上限額と、前記入金付与制限処理が行われた後に移行するモードとを設定可能である。この設定は、原則として遊技場の営業終了後や営業開始前に可能であるが、例外的に(例えばイベント時等には)営業中にも可能である。
ここで上限額は、本例ではプルダウンメニューに表示される1〜10万円までの1万円刻みの金額のいずれかを設定可能である。なお上限額として、任意の金額を設定可能であるようにしてもよい。
モードには、前記制限表示と共に表示される確認ボタンが操作されるとプリペイド払出及び入金の制限が解除される解除モードである「モード低」と、確認ボタンが操作されてもプリペイド払出及び入金の制限が維持される維持モードである「モード高」が有る。この2つのモードに対応するラジオボタンのいずれかを選択することにより、該選択したラジオボタンに対応するモードを設定可能である。このように、2つのモードのいずれかを選択できるようにしたのは、前述したのめり込み防止の観点からは、プリペイド払出及び入金の制限を維持するのが効果大であるものの、該制限を維持すると遊技場の売上減となるので、該制限を解除できるようにしたためである。なお、該制限が解除されても、その前に前記制限表示が行われているので、のめり込み防止には一定の効果が見込まれる。
この制限設定画面において、上限額がプルダウンメニューから選択され、モードがラジオボタンにより選択されて、設定ボタンが操作されると、該選択された内容で上限額及びモードが設定されて、残額管理装置100において記憶される。そして、該設定内容が、残額管理装置100から、すべてのカードユニット3に対して送信されて、各カードユニット3の制御ユニット328で記憶され、前記設定された上限額及びモードが、図16に示すメインルーチン及び図17に示す上限到達判定処理に適用される。このように、上限額やモードを一律に設定できるので、制限の状況がバラバラになることを防止できる。
(乗入れ払出における優先順位の設定)
図12〜図15を参照して、乗入れ払出における優先順位の設定について説明する。
本実施の形態では、前述の如く、持玉払出において、一のカードユニットに対応する付与レート(基本単価)以外の付与レートの所有価値(持玉数)に応じて、当該一のカードユニットの付与レートに対応するパチンコ玉を付与(払出)するための「乗入れ付与処理(乗入れ払出)」が行われるが、複数種類の付与レート(例えば4円,2円,1円)の所有価値のうち、いずれの付与レートの所有価値から優先して供するかを設定しておかないと乗入れ付与処理が実行できないため、該乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を設定可能としている。
即ち、基本単価の持玉数は基本払出玉数に満たないために当該基本単価の持玉数のみを使用した払出はできないが、該基本単価以外の付与レートの持玉数を使用すれば払出ができるときに、複数種類の付与レートの持玉数を該払出に使用可能な場合には、いずれかの付与レートの持玉数から優先して使用する必要があるので、その優先順位を予め設定しておくのである。
図12は、持玉管理装置140の表示装置147に表示される優先順位設定画面の一例を示す図である。この優先順位設定画面は、複数種類の付与レートの所有価値のうち、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を設定するための画面である。この持玉管理装置140の表示装置147に表示される優先順位設定画面では、遊技場の店員が操作可能なので、遊技場の意向に応じて、優先順位を好適に設定可能である。
なお、本例では、自台レート(基本単価)も含めて優先順位を設定可能な例について説明しているが、自台レートについては優先順位を設定不能(例えば自動的に優先順位が第1位となる)とし、該自台レート以外の付与レートについてのみ優先順位を設定可能なものであってもよい。
持玉管理装置140において、優先順位設定モードが実行されると、まずD01の画面が表示される。このD01では、「高レート優先」,「低レート優先」,又は「任意設定」のいずれかを選択するためのラジオボタンと、次画面に進むための「次へ」ボタンが表示される。ここで「高レート優先」は、複数種類の付与レートのうち、高レートの持玉数から順に、前記優先順位が自動的に設定される選択肢であり、「低レート優先」は、複数種類の付与レートのうち、低レートの持玉数から順に、前記優先順位が自動的に設定される選択肢であり、「任意設定」、前記優先順位を任意に設定可能となる選択肢である。
このD01で、「高レート優先」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、D02で、自台レート優先を「する」か「しない」かを選択するためのラジオボタンと、該選択された内容で前記優先順位を設定するための「設定」ボタンが表示される。ここで「自台レート優先」とは、乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価が、前記優先順位の第1位に自動的に設定される選択肢である。
このD02で、「する」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、後述する図14(a)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「高レート優先」かつ「自台レート優先する」の優先順位が、自動的に設定される。一方、D02で、「しない」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、同図14(b)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「高レート優先」かつ「自台レート優先しない」の優先順位が、自動的に設定される。
なお、図示しないが、前記D01で、「低レート優先」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作された場合にも、前記D02が表示される。そしてD02で、「する」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、後述する図14(c)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「低レート優先」かつ「自台レート優先する」の優先順位が、自動的に設定される。一方、D02で、「しない」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、同図14(d)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「低レート優先」かつ「自台レート優先しない」の優先順位が、自動的に設定される。
これら高レート優先や低レート優先を設定するのは、例えば高レートや低レートの一方のみが、乗入れの際の手数料が掛かる場合や、キャンペーンの対象である場合が有るので、高レートや低レートの一方を優先する意義がある。
前記D01で、「任意設定」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、D03で、「一括設定」又は「個別設定」のいずれかを選択するためのラジオボタンと、次画面に進むための「次へ」ボタンが表示される。ここで「一括設定」は、複数種類の乗入れ先単価のすべてについて、乗入れ元単価の優先順位を一括で設定可能となる選択肢であり、「個別設定」は、複数種類の乗入れ元単価の各々について、乗入れ元単価の優先順位を個別に設定可能となる選択肢である。
このD03で、「一括設定」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、D04で、乗入れ先単価のすべてについて共通に乗入れ元単価の優先順位を入力可能な入力欄と、該入力された内容で前記優先順位を設定するための「設定」ボタンが表示される。このD04で、各乗入れ元単価(ここでは4円,2円,1円)の入力欄に所望の優先順位(第1位を示す「1」,第2位を示す「2」,又は第3位を示す「3」)を入力して「設定」ボタンが操作されると、後述する図14(e)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「任意一括」の優先順位が、該入力された内容で設定される。
一方、D03で、「個別設定」のラジオボタンが選択されて「次へ」ボタンが操作されると、D05で、複数種類の乗入れ先単価の各々について個別に乗入れ元単価の優先順位を入力可能な入力欄と、該入力された内容で前記優先順位を設定するための「設定」ボタンが表示される。このD05で、第1の乗入れ先単価(4円),第2の乗入れ先単価,第3の乗入れ先単価(1円)の各々について、各乗入れ元単価(ここでは4円,2円,1円)の入力欄に所望の優先順位(第1位を示す「1」,第2位を示す「2」,又は第3位を示す「3」)を入力して「設定」ボタンが操作されると、後述する図14(f)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、「任意個別」の優先順位が、該入力された内容で設定される。
このように、優先順位設定画面において、共通に優先順位を設定できるので、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を好適に設定可能である。ここで「共通に」とは、自台レート優先とするか否かを含め、各乗入れ先レートについて、一括で又は個別に、優先順位を設定できることである。
図13は、持玉管理装置140の表示装置147に表示される制限設定画面の一例を示す図である。この制限設定画面は、複数種類の付与レートの所有価値のうち、乗入れ元とする付与レートの所有価値の制限(乗入れ禁止)を設定するための画面である。この持玉管理装置140の表示装置147に表示される制限設定画面では、遊技場の店員が操作可能なので、制限を所望する遊技場の意向に沿った乗入れが可能である。
持玉管理装置140において、制限設定モードが実行されると、まずD11の画面が表示される。このD11では、複数種類の乗入れ先単価(ここでは4円,2円,1円)の各々について、乗入れを制限する乗入れ元単価を設定可能な入力欄と、該入力された内容で制限を設定するための「設定」ボタンが表示される。ここでD12に示すように、制限を所望する箇所(本例では、乗入れ先単価4円について乗入れ元単価1円と、乗入れ先単価1円について乗入れ元単価4円の、2箇所)に、該制限を示す「×」印を入力して、「設定」ボタンを操作すると、後述する図14(a’),(b’),(c’),(d’),(e’),(f’)に示すように、共通優先順位テーブルにおいて、該入力された制限の内容が反映される。
なお本例では、付与レートが(自台レートと2つの他レートの)3レートである例について説明したので、制限が1レートについてのみ設定される例について説明した。一の乗入れ先単価に対して2レート以上の制限を設定することも可能であるが、3レート中の2レートに制限を設定すると優先順位の意味が無くなってしまうからである。ただし付与レートが4レート以上である場合には、一の乗入れ先単価に対して2レート以上の制限を設定することも可能である。
そして図13に示す例では、乗入れ元としての制限と乗入れ先としての制限の両方を設定可能な制限設定画面が表示される例について説明したが、この他に、例えば乗入れ元としての制限のみを設定可能な制限設定画面と、乗入れ先としての制限のみを設定可能な制限設定画面とが、さらに表示されるものであってもよい。
以上の説明では、図12に示す優先順位設定を行ってから、図13に示す制限設定を行う例について説明したが、逆に制限設定を行ってから、該制限が設定されていないレートについて優先順位設定を行うものであってもよい。
図14は、持玉管理装置140の記憶装置145で記憶される共通優先順位テーブルの一例を示す図である。
なお本例では、優先順位の制限として、乗入れ先単価4円について乗入れ元単価1円と、乗入れ先単価1円について乗入れ元単価4円の、2箇所が設定されている例について説明するが、各共通優先順位の各々について独自に制限が設定されるものも当然に含まれる。そして、制限が設定されると、第3位が無くなり、第1位と第2位のみとなる。
(a)は、自動的に設定される、「高レート優先」かつ「自台レート優先する」の優先順位である。具体的には、乗入れ先単価4円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価4円が第1位であり、高レート優先なので、残り2レートのうち、レートが高い乗入れ元単価2円が第2位であり、レートが低い乗入れ元単価1円が第3位である。また、乗入れ先単価2円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価2円が第1位であり、高レート優先なので、残り2レートのうち、レートが高い乗入れ元単価4円が第2位であり、レートが低い乗入れ元単価1円が第3位である。また、乗入れ先単価1円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価1円が第1位であり、高レート優先なので、残り2レートのうち、レートが高い乗入れ元単価4円が第2位であり、レートが低い乗入れ元単価2円が第3位である。
(a’)は、(a)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価2円がそのまま第1位,乗入れ元単価4円がそのまま第2位,乗入れ元単価1円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価1円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円が繰り上がって第2位となる。
(b)は、自動的に設定される、「高レート優先」かつ「自台レート優先しない」の優先順位である。具体的には、いずれの乗入れ先単価についても、自台レートを優先せず、高レート優先なので、最もレートが高い乗入れ元単価4円が第1位であり、次にレートが高い乗入れ元単価2円が第2位であり、最もレートが低い乗入れ元単価1円が第3位である。
(b’)は、(b)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位,乗入れ元単価1円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価2円が繰り上がって第1位,乗入れ元単価1円が繰り上がって第2位となる。
(c)は、自動的に設定される、「低レート優先」かつ「自台レート優先する」の優先順位である。具体的には、乗入れ先単価4円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価4円が第1位であり、低レート優先なので、残り2レートのうち、レートが低い乗入れ元単価1円が第2位であり、レートが高い乗入れ元単価2円が第3位である。また、乗入れ先単価2円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価2円が第1位であり、低レート優先なので、残り2レートのうち、レートが低い乗入れ元単価1円が第2位であり、レートが高い乗入れ元単価4円が第3位である。また、乗入れ先単価1円については、自台レート優先なので、該乗入れ先単価と同じ乗入れ元単価1円が第1位であり、低レート優先なので、残り2レートのうち、レートが低い乗入れ元単価2円が第2位であり、レートが高い乗入れ元単価4円が第3位である。
(c’)は、(c)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円が繰り上がって第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価2円がそのまま第1位,乗入れ元単価1円がそのまま第2位,乗入れ元単価4円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価1円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位となる。
(d)は、自動的に設定される、「低レート優先」かつ「自台レート優先しない」の優先順位である。具体的には、いずれの乗入れ先単価についても、自台レートを優先せず、低レート優先なので、最もレートが低い乗入れ元単価1円が第1位であり、次にレートが低い乗入れ元単価2円が第2位であり、最もレートが高い乗入れ元単価4円が第3位である。
(d’)は、(d)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価2円が繰り上がって第1位,乗入れ元単価4円が繰り上がって第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価1円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位,乗入れ元単価4円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価1円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円がそのまま第2位となる。
(e)は、任意に設定される、「任意一括」の優先順位である。本例では、いずれの乗入れ先単価についても、一括に、乗入れ元単価4円が第1位,乗入れ元単価1円が第2位,乗入れ元単価2円が第3位と設定されている。なお、(e)は任意に設定されるので、設定内容は本例に限定されない。
(e’)は、(e)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価2円が繰り上がって第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価1円がそのまま第2位,乗入れ元単価2円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価1円が繰り上がって第1位,乗入れ元単価2円が繰り上がって第2位となる。
(f)は、任意に設定される、「任意個別」の優先順位である。本例では、乗入れ先単価4円について、乗入れ元単価2円が第1位,乗入れ元単価1円が第2位,乗入れ元単価4円が第3位と設定され、乗入れ先単価2円について、乗入れ元単価4円が第1位,乗入れ元単価2円が第2位,乗入れ元単価1円が第3位と設定され、乗入れ先単価1円について、乗入れ元単価2円が第1位,乗入れ元単価1円が第2位,乗入れ元単価4円が第3位と設定されている。なお、(f)は任意に設定されるので、設定内容は本例に限定されない。
(f’)は、(f)に制限を反映させたものである。具体的には、乗入れ先単価4円については、乗入れ元単価1円が制限されるので、乗入れ元単価2円がそのまま第1位,乗入れ元単価4円が繰り上がって第2位となる。また、乗入れ先単価2円については、制限が無いので、乗入れ元単価4円がそのまま第1位,乗入れ元単価1円がそのまま第2位,乗入れ元単価2円がそのまま第3位となる。また、乗入れ先単価1円については、乗入れ元単価4円が制限されるので、乗入れ元単価2円がそのまま第1位,乗入れ元単価1円がそのまま第2位となる。
ここで、各乗入れ先単価について図14(a)〜(f)又は(a')〜(f’)のいずれかで設定された優先順位は、図8に示すCU管理テーブルで記憶されている基本単価の各カードユニット3に対して送信される。具体的には、基本単価4円のカードユニット3に対しては、乗入れ先単価4円について設定された優先順位が送信され、基本単価2円のカードユニット3に対しては、乗入れ先単価2円について設定された優先順位が送信され、基本単価2円のカードユニット3に対しては、乗入れ先単価2円について設定された優先順位が送信される。そして、該送信された優先順位は、各カードユニット3の制御ユニット328で、共通優先順位として記憶される。
以上の説明では、遊技場の店員が操作可能な持玉管理装置140において、各カードユニット3に対応する基本単価が異なる場合であっても共通に優先順位が設定される例について説明したが、図示しないが、遊技者が操作可能なカードユニット3において、会員毎に優先順位を設定することも可能である。
具体的には、いずれかのカードユニット3において、会員カードの受付中に、優先順位設定モードが実行されると、前記図12と同じ画面が表示部312に表示され、遊技者が透明タッチパネル314を操作することより、同様にして優先順位の設定を行うと、図15に示すように、持玉管理装置140の記憶装置145が記憶している会員毎優先順位テーブルにおいて、前記会員カードの会員番号に対応付けて、該設定された優先順位が記憶される。また、当該会員番号に対応付けて優先順位が記憶されている状態で、いずれかのカードユニット3において、当該会員カードの受付中に、制限設定モードが実行されると、前記図13に同じ画面が表示部312に表示され、遊技者が透明タッチパネル314を操作することより、同様にして制限の設定を行うと、会員毎優先順位テーブルにおいて、当該会員番号に対応付けて記憶されている優先順位に、該設定された制限が反映される。なお、優先順位や制限は、カードユニット3における設定時に、持玉管理装置140にデータが送信されて記憶されるものでもよく、またカードユニット3における会員カードの返却時に、持玉管理装置140にデータが送信されて記憶されるものでもよい。
図15は、持玉管理装置140の記憶装置145で記憶される会員毎優先順位テーブルの一例を示す図である。この会員毎優先順位テーブルでは、会員番号に対応付けて、会員毎に設定されている優先順位が記憶される。持玉管理装置140は、会員カードを受け付けたカードユニット3から、当該会員カードの会員番号を受信すると、該会員番号に対応付けて記憶している会員毎優先順位がある場合には、当該会員毎優先順位をカードユニット3に対して返信する。そして、該送信された会員毎優先順位は、会員カードの受付中に限り、各カードユニット3の制御ユニット328で記憶され、該制御ユニット328が記憶している前記共通優先順位よりも、持玉乗入れにおいて優先して適用される。従って、台移動をした場合にも、当該会員カードで記憶されている会員毎優先順位は、該移動先のカードユニット3でも適用される。
なお会員毎優先順位テーブルは、持玉管理装置140で記憶されるものには限られず、各会員毎に設定された優先順位が当該会員の会員カードに記憶されるものであってもよい。この場合には、カードユニット3が会員カードを受け付けると、会員毎優先順位が記憶されている場合には、該会員毎優先順位を読み取って、制御ユニット328で記憶し、該制御ユニット328が記憶している前記共通優先順位よりも、持玉乗入れにおいて優先して適用する。従って、台移動をした場合にも、当該会員カードで記憶されている会員毎優先順位は、該移動先のカードユニット3でも適用される。
なお、このように会員カードで会員毎優先順位を記憶する場合にも、持玉管理装置140でも会員毎優先順位を記憶しておけば、会員カードを紛失しても、該持玉管理装置140で記憶されている会員毎優先順位を新規の会員カードに記憶させることにより、該会員毎優先順位を引き継ぐことができるので、好ましい。また、会員カードが他店舗でも使える(例えば全国共通の)場合には、持玉管理装置140が記憶している会員毎優先順位や会員カードで記憶している会員毎優先順位が、該他店舗でも適用されるものであってもよい。
なお、これら図14及び図15の内容は、遊技場の店員が操作可能な持玉管理装置140において、優先順位表示モードが実行されると、表示装置147に表示される。例えば、図14や図15の内容をそのまま表示させたり、乗入れ先のレートを指定することにより当該乗入れ先について設定されている乗入れ元の共通優先順位を表示させたり、乗入れ元のレートを指定することにより当該乗入れ元について設定されている乗入れ先の共通優先順位を表示させたり、会員番号を指定することにより当該会員番号について設定されている会員毎優先順位表示させたりすることができる。この優先順位を表示する表示装置147は、優先順位設定手段による設定内容を出力する出力手段として機能するものであり、これによれば、遊技場の店員が優先順位の設定内容を知ることができるので、遊技場の利便性を向上できる。
(カードユニットの処理)
図16〜図21を参照して、カードユニット3の処理について説明する。カードユニット3では、CPU328aが各デバイスを制御することにより、各種の処理が行われる。なお、以下においては、まず図16〜図19を参照して、前記またがり乗入れ無しの場合について説明し、次に図20を参照して、前記またがり乗入れ有りの場合について説明する。
図16は、カードユニット3が実行するメインルーチンの一例を示す図である。
カードユニット3は、カードの受付を待機し(S101)、カードの受付が有ると(YES)、該受け付けたカードが会員カードであるか否かを判定する(S102)。
このS102で、受け付けたカードが会員カードでない(NO)、即ち受け付けたカードがビジターカードであると判定した場合には、ビジター情報取得処理を行う(S103)。このS103では、受け付けたビジターカードから読み取ったカードIDを残額管理装置100,及び持玉管理装置140に対して送信し、残額管理装置100からは、当該カードIDに対応付けて残額管理テーブル(図5)で記憶されているプリペイド残額を取得し、持玉管理装置140からは、当該カードIDに対応付けて持玉管理テーブル(図7)で記憶されている各口座の持玉数を取得して、それらを制御ユニット328で記憶する。
一方、S102で、受け付けたカードが会員カードである(YES)と判定した場合には、会員情報取得処理を行う(S104)。このS104では、受け付けた会員カードから読み取ったカードID及び会員番号を残額管理装置100,持玉管理装置140,及び貯玉管理装置150に対して送信し、残額管理装置100からは、当該カードIDに対応付けて残額管理テーブル(図5)で記憶されているプリペイド残額,当日累積使用額,及び上限到達判定フラグを取得し、持玉管理装置140からは、当該カードIDに対応付けて持玉管理テーブル(図7)で記憶されている各口座の持玉数と、当該会員番号に対応付けて会員毎優先順位テーブル(図15)で記憶されている会員毎優先順位があれば該会員毎優先順位を取得し、貯玉管理装置150からは、当該カードIDに対応付けて貯玉管理テーブル(図10)で記憶されている各口座の貯玉数を取得して、それらを制御ユニット328で記憶する。
S103又はS104の処理後、上限到達判定処理を行う(S104a)。図17は、カードユニット3が実行するサブルーチンである上限到達判定処理の一例を示す図である。
この上限到達判定処理では、まず受け付けたカードが会員カードであるか否かを判定する(S151)。このS151で、受け付けたカードが会員カードでない(NO)、即ち受け付けたカードがビジターカードであると判定した場合には、S153の上限到達判定の対象とならないので、上限到達判定処理を終了する。一方、S151で、受け付けたカードが会員カードである(YES)と判定した場合には、制御ユニット328で記憶している上限到達判定フラグが1であるか否かを判定する(S152)。このS152で、上限到達判定フラグが1でない(NO)と判定した場合には、S153の上限到達判定の対象とならないので、上限到達判定処理を終了する。一方、S152で、上限到達判定フラグが1である(YES)と判定した場合には、S153に進む。
S153では、制御ユニット328で記憶している当日累積使用額が制御ユニット328で記憶している上限額以上であるか否かを判定する。このS153で、当日累積使用額が上限額未満である(NO)と判定した場合には、上限到達判定処理を終了する。一方、S153で、当日累積使用額が上限額以上である(YES)と判定した場合には、制御ユニット328で記憶しているモードがモード高であるか否かを判定する(S154)。
このS154で、モード高である(YES)と判定した場合には、プリペイド払出及び入金を禁止する禁止フラグを会員カードに記憶し(S155)、表示部312の上限到達表示領域(図21(a)を参照)に、図18のD100に示す画面を表示して(S156)、上限到達判定処理を終了する。このD100では、当日累積使用額が上限額に到達した旨及びプリペイド払出と入金を禁止する旨の「制限表示」が行われると共に、プリペイド払出と入金は不可であるが再プレイと計数は可である旨が表形式で示される。
これによれば、入金付与処理(プリペイド払出)に使用された有価価値の累計(当日累積使用額)が所定の値(上限額)である場合には、該入金付与処理の実行を制限する入金付与制限処理を行うので、該入金付与処理に使用された有価価値の累計が大きくなって遊技にのめり込むのを防止できると共に、該入金付与制限処理が行われても、貯蓄付与処理(再プレイ)の実行は制限しないので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。具体的には、例えば大当りが発生したが発射すべきパチンコ玉が無い状態で入金付与制限処理が行われていると、プリペイド払出を行うことができないので、遊技者が不利益を被るところ、本発明によれば再プレイ払出を行うことができるので、遊技者が該不利益を被ることを防止できる。また、入金付与制限処理が行われても、計数は制限しないので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
なお、S104aで上限到達判定処理を行うことにより、カードユニット3が会員カードを受け付けたときに、当日累積使用額が上限額以上ならば、前記入金付与制限処理が行われるので、台移動をした場合であっても、プリペイド払出や入金を禁止して、のめり込みを防止できる。
前記S154で、モード高でない(NO)、即ちモード低であると判定した場合には、会員カードが解除フラグを記憶しているか否かを判定する(S157)。この解除フラグは、後述する図16に示すように、前記確認ボタンの操作が有った場合に(S126でYES)、モード低ならば(S127でNO)、プリペイド払出及び入金の禁止が解除されて、会員カードに記憶されるフラグである(S128)。従って、モード低で、確認ボタンの操作が有った後に会員カードが返却されると、該会員カードに解除フラグが記憶される一方、確認ボタンの操作無しで会員カードが返却されると、該会員カードには解除フラグが記憶されない。このS157で、解除フラグの記憶が無い(NO)と判定した場合には、前記S155に進む。一方、S157で、解除フラグの記憶が有る(YES)と判定した場合には、上限到達判定処理を終了する。
即ち、会員カードの受付時に行われるS104aの上限到達判定処理では、上限到達判定フラグが1で当日累積使用額が上限額以上である会員カードを受け付けると、モード高ならば、常にS155の入金付与制限処理が行われるが、モード低ならば、解除フラグの記憶が無ければ入金付与制限処理が行われる一方、解除フラグの記憶が有れば入金付与制限処理が行われない。つまり、モード低で、他のカードユニットで既に入金付与制限処理が行われて確認ボタンの操作が有った場合には、台移動した当該カードユニットで再び入金付与制限処理が行われると煩わしいので、該入金付与制限処理は行われない。なお、この場合においても、のめり込み防止の効果を高めるために、再び入金付与制限処理が行われるようにしてもよい。
S104aの処理後、表示部312に基本表示を表示する(S105)。この基本表示では、図21(a)に示すように、当該カードユニット3の基本単価及び基本払出玉数と、S103又はS104で取得したプリペイド残額と、S103又はS104で取得した持玉数と計数・端数払出ユニット340で計数された計数済玉数とに基づく当日玉数と、該当日玉数に基づいて算出される払出可能数と、会員カードを受け付けた場合にS104で取得した貯玉数と、該該貯玉数に基づいて算出される再プレイ可能数とが表示されると共に、「優先順位表示」ボタンが表示される。また下方に、図18に示す上限到達表示を行う領域が設けられている。
ここで「当日玉数」は、S103又はS104で取得した各レート(4円,2円,1円)の持玉数と、計数・端数払出ユニット340で計数された計数済玉数との、単純合計である。また「払出可能数」は、計数済玉数と各レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算し、該換算した数のうちの基本払出玉数の倍数の最大値を、各レートについて合計した値である。また「貯玉数」は、S104で取得した各レートの貯玉数のうちの基本単価の貯玉数である。また「再プレイ可能数」は、該基本単価の貯玉数のうちの基本払出玉数の倍数の最大値である。
具体的に、CU001のカードユニット3(基本単価4円,基本払出玉数125玉)が、KC−00001の会員カード(4円持玉数0玉,2円持玉数400玉,1円持玉数800玉、4円貯玉数634玉,2円貯玉数2000玉,1円貯玉数3000玉)を受け付けた場合における、基本表示について説明する。なお、計数済玉数は0とする。
まず「当日玉数」の表示は、0(計数済玉数)+0(4円持玉数)+400(2円持玉数)+800(1円持玉数)=1200である。また「払出可能数」の表示は、125(2円持玉数400玉を4円持玉数に換算した200玉のうちの基本払出玉数125玉の倍数の最大値)+125(1円持玉数800玉を4円持玉数に換算した200玉のうちの基本払出玉数125玉の倍数の最大値)=250である。また「貯玉数」は、634(4円貯玉数)である。また「再プレイ可能数」は、625(4円貯玉数634玉のうちの基本払出玉数125玉の倍数の最大値)である。
S105の処理後は、優先順位表示ボタン(S111),払出ボタン21(S121),確認ボタン(S126),再プレイボタン319(S131),又は返却ボタン22(S141)の操作を待機する。
このS111で優先順位表示ボタンの操作が有ると(YES)、表示部312に優先順位表示を表示して(S112)、S111に戻る。この優先順位表示では、図21(b)に示すように、制御ユニット328が記憶している優先順位が表示される。この優先順位は、前述の如く、会員カードの受付中で、当該会員カードの会員番号に対応付けて前記会員毎優先順位が設定されている場合には、当該会員毎優先順位であり、それ以外の場合には、当該カードユニット3について設定されている共通優先順位である。この優先順位を表示する表示部312は、優先順位設定手段による設定内容を出力する出力手段として機能するものであり、これによれば、遊技者が優先順位の設定内容を知ることができるので、遊技者の利便性を向上できる。
またS121で払出ボタン21の操作が有ると(YES)、カードが禁止フラグ(図17のS155)を記憶しているか否かを判定する(S121a)。このS121aで、禁止フラグを記憶している(YES)と判定した場合には、S111に戻る。一方、禁止フラグを記憶していない(NO)、即ち会員カードが禁止フラグを記憶していないか、又はビジターカードである場合には、プリペイド払出が可能であるか否かを判定する(S121b)。
このプリペイド払出では、プリペイド残額が基本払出玉数分(基本単価が4円ならば500円、基本単価が2円ならば400円、基本単価が1円ならば200円)以上の場合には、該基本払出玉数分のプリペイド残額を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、プリペイド残額が基本払出玉数分未満の場合には、100円の整数倍を使用して、払出単位である25玉×該整数倍のパチンコ玉がパチンコ機2から払い出されて、制御ユニット328で記憶しているプリペイド残額が減算処理更新され、かつ、前記基本表示(図21(a))のプリペイド残額が減算更新されると共に、カードIDと使用金額が残額管理装置100に対して送信されて、残額管理テーブルで記憶しているプリペイド残額が減算処理更新される。なお、使用金額ではなく、使用金額を特定可能な情報(例えば使用度数など)を送信するものでもよい。
ここで、プリペイド残額が0の場合には、プリペイド払出は行われない。即ち、S121bで、プリペイド払出が不可能である(NO)と判定した場合には、S111に戻る。一方、S121bで、プリペイド払出が可能である(YES)と判定した場合には、前記プリペイド払出を行い(S122)、図17に示す前記上限到達判定処理を行って(S123)、S111に戻る。
このプリペイド払出の後に行われるS123の上限到達判定処理では、上限到達判定フラグが1の会員カードを受け付けて、当日累積使用額が上限額以上となったら、モード高ならば、常にS155の入金付与制限処理が行われるが、モード低ならば、解除フラグの記憶が無ければ入金付与制限処理が行われる一方、解除フラグの記憶が有れば入金付与制限処理が行われない。ここでの解除フラグは、次に述べるように、前記確認ボタンの操作が有った場合に(S126でYES)、モード低ならば(S127でNO)、プリペイド払出及び入金の禁止が解除されて、会員カードに記憶されるフラグである(S128)。つまり、モード低で、当該カードユニットで既に入金付与制限処理が行われて確認ボタンの操作が有った場合には、再び入金付与制限処理が行われると煩わしいので、該入金付与制限処理は行われない。なお、この場合においても、のめり込み防止の効果を高めるために、当日累積使用額が所定額(例えば前記図11に示すプルダウンメニューで選択可能な金額)に到達する毎に、再び入金付与制限処理が行われるようにしてもよい。
なお、S123で上限到達判定処理を行うことにより、プリペイド払出が行われた後に、当日累積使用額が上限額以上ならば、前記入金付与制限処理が行われるので、当該カードユニット3でのプリペイド払出や入金を禁止することで、のめり込みを防止できる。
S126で確認ボタン(図18のD100)の操作が有ると(YES)、制御ユニット328で記憶しているモードがモード高であるか否かを判定する(S127)。このS127で、モード高である(YES)と判定した場合には、プリペイド払出及び入金の禁止を維持し、D110の画面を表示部312に表示して(S130)、S111に戻る。このD110では、前記制限表示及び確認ボタンは表示しないが、プリペイド払出と入金は不可であるが再プレイと計数は可である旨が表形式で示される。
一方、S127で、モード高でない(NO)、即ちモード低であると判定した場合には、プリペイド払出及び入金の禁止を解除して、会員カードで記憶している禁止フラグを消去すると共に解除フラグを記憶し(S128)、D111の画面を表示部312に表示して(S129)、S111に戻る。このD111では、前記制限表示及び確認ボタンは表示しないが、プリペイド払出,入金,再プレイ,及び計数がいずれも可である旨が表形式で示される。
このように、遊技者が行う所定動作(確認ボタンの操作)を検知するまで、D100の制限表示を行うので、のめり込み防止の効果を向上できる。なお、確認ボタンの操作が有ると、受付中のカードを返却するようにしてもよい。
またS131で再プレイボタン319の操作が有ると(YES)、持玉有りか否かを判定し(S132)、持玉有りならば(YES)、持玉払出処理を行って(S133)、S111に戻り、持玉無しならば(NO)、貯玉払出処理を行って(S134)、S111に戻る。この持玉払出処理については、図19を参照して後述する。また貯玉払出処理では、基本単価の貯玉数が基本払出玉数以上の場合には、該基本単価の貯玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している基本単価の貯玉数から該基本払出玉数を減算すると共に、貯玉管理テーブルで記憶している基本単価の貯玉数から該基本払出玉数を減算するための通信を貯玉管理装置150との間で行い、前記基本表示(図21(a))の貯玉数及び再プレイ可能数が減算更新される。なお基本単価の貯玉数が基本払出玉数未満の場合には、貯玉払出処理は行われない。
またS141で返却ボタン22の操作が有ると(YES)、受付中のカードを返却して(S142)、処理を終了し、返却ボタン22の操作が無ければ(NO)、S111に戻る。
図18に示すように、D100の画面が表示されている状態では、再プレイ及び計数が可能である。
ここで再プレイ操作が有り、前記S133の持玉払出処理又は前記S134の貯玉払出処理が行われる場合には、D100に代えて前記再プレイ払出表示を行い、その後に再度D100を表示する。これによれば、再プレイ払出表示を行うので、持玉払出処理又は貯玉払出処理が行われたことを認識させることができると共に、その後に再度制限表示を行うので、のめり込み防止の効果を向上できる。
また計数が有っても、前記計数表示は行わず、D100の表示のままとする。即ち、計数表示が行われると遊技者が得をしている気になって、のめり込みに拍車が掛かるところ、これによれば、制限表示が行われている場合に計数が行われても計数表示は行わないので、のめり込み防止の効果を向上できる。なお、D100の画面が表示されている状態では、カードの返却も可能なので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
なお、計数中にも、プリペイド払出は有効であり、このプリペイド払出の実行により当日累積使用額が上限額以上となった場合には、計数表示よりも優先して制限表示を行う。
図19は、カードユニット3が実行するサブルーチンである持玉払出処理(またがり乗入れ無し)の一例を示す図である。
この持玉払出処理では、まず制御ユニット328で記憶している計数済玉数(即ち当該カードユニット3で計数され、未だ持玉管理装置140で管理されていない玉数)が基本払出玉数以上であるか否かを判定する(S201)。このS201で計数済玉数が基本払出玉数以上である(YES)と判定した場合には、該基本払出玉数分の計数済玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している計数済玉数から該基本払出玉数を減算する(S202)。そして前記基本表示(図21(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。このように、持玉払出処理においては、持玉管理装置140や貯玉管理装置150と通信を行う必要が無い、計数済玉数を使用した払出が最優先されるので、通信負荷を軽減できる。一方、S201で計数済玉数が基本払出玉数未満である(NO)と判定した場合には、S211に進む。
S211では、制御ユニット328が記憶している優先順位の第1位レートが基本単価であるか否かを判定する。このS211で第1位レートが基本単価である(YES)と判定した場合には、計数済玉数+該第1位レートの持玉数が基本払出玉数以上であるかを判定する(S212)。このS212でYESと判定した場合には、該計数済玉数+第1位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している計数済玉数及び第1位レートの持玉数から該基本払出玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第1位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S213)。そして前記基本表示(図21(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。なお基本払出玉数の減算は、計数済玉数から優先して行われ、該計数済玉数から減算しきれない分が、第1位レートの持玉数から減算される。一方、S212でNOと判定した場合、即ち計数済玉数+第1位レートの持玉数での払出ができない場合には、S221に進む。
前記S211で第1位レートが基本単価ではない(NO)と判定した場合には,第1位レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算して(S214)、該換算した玉数が基本払出玉数以上であるか否かを判定する(S215)。このS215でYESと判定した場合には、基本単価ではない第1位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が行われ、制御ユニット328で記憶している第1位レートの持玉数から該基本払出玉数分の換算玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第1位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S216)。そして前記基本表示(図21(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。一方、S215でNOと判定した場合、即ち第1位レートの持玉数での乗入れ払出ができない場合には、S221に進む。
S221では、制御ユニット328が記憶している優先順位の第2位レートが基本単価であるか否かを判定する。このS221で第2位レートが基本単価である(YES)と判定した場合には、計数済玉数+該第2位レートの持玉数が基本払出玉数以上であるかを判定する(S222)。このS222でYESと判定した場合には、該計数済玉数+第2位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している計数済玉数及び第2位レートの持玉数から該基本払出玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第2位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S223)。そして前記基本表示(図21(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。なお基本払出玉数の減算は、計数済玉数から優先して行われ、該計数済玉数から減算しきれない分が、第2位レートの持玉数から減算される。一方、S222でNOと判定した場合、即ち計数済玉数+第2位レートの持玉数での払出ができない場合には、S230に進む。
前記S221で第2位レートが基本単価ではない(NO)と判定した場合には,第2位レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算して(S224)、該換算した玉数が基本払出玉数以上であるか否かを判定する(S225)。このS225でYESと判定した場合には、基本単価ではない第2位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が行われ、制御ユニット328で記憶している第2位レートの持玉数から該基本払出玉数分の換算玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第2位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S226)。そして前記基本表示(図21(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。一方、S225でNOと判定した場合、即ち第2位レートの持玉数での乗入れ払出ができない場合には、S230に進む。
S230では、制御ユニット328が記憶している優先順位の第3位レートに制限が有るか否か、即ち第3位レートが有るか否かを判定する。このS230でYESと判定した場合には、表示部312に「払出できません」と表示して(S237)、処理を終了する。一方、S230でNOと判定した場合には、S231に進む。
S231では、制御ユニット328が記憶している優先順位の第3位レートが基本単価であるか否かを判定する。このS231で第3位レートが基本単価である(YES)と判定した場合には、計数済玉数+該第3位レートの持玉数が基本払出玉数以上であるかを判定する(S232)。このS232でYESと判定した場合には、該計数済玉数+第3位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、制御ユニット328で記憶している計数済玉数及び第3位レートの持玉数から該基本払出玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第3位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S233)。そして前記基本表示(図21(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。なお基本払出玉数の減算は、計数済玉数から優先して行われ、該計数済玉数から減算しきれない分が、第3位レートの持玉数から減算される。一方、S232でNOと判定した場合、即ち計数済玉数+第3位レートの持玉数での払出ができない場合には、前記S237に進む。
前記S231で第3位レートが基本単価ではない(NO)と判定した場合には,第3位レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算して(S234)、該換算した玉数が基本払出玉数以上であるか否かを判定する(S235)。このS235でYESと判定した場合には、基本単価ではない第3位レートの持玉数を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出される乗入れ払出が行われ、制御ユニット328で記憶している第3位レートの持玉数から該基本払出玉数分の換算玉数を減算すると共に、持玉管理テーブルで記憶している該第3位レートの持玉数を減算するための通信を持玉管理装置140との間で行う(S236)。そして前記基本表示(図21(a))の持玉数及び払出可能数を減算更新して(S240)、持玉払出処理を終了する。一方、S235でNOと判定した場合、即ち第3位レートの持玉数での乗入れ払出ができない場合には、前記S237に進む。
ここでS216,S226,及びS236の乗入れ払出(乗入れ付与処理)では、パチンコ玉の払出中において、図21(c)に示す乗入れ払出中表示が表示部312に表示される。この乗入れ払出中表示では、どのレートの持玉を何個使用して乗入れ払出が行われているかが表示されるので、どのような乗入れ払出が行われているかを遊技者が容易に把握できる。
なお本例では、前述の如く、自台レートを含めて乗入れ払出が行われる例について説明したが、これに限らず、まず自台レートについて払出を行い、該自台レートの計数済玉数及び持玉数が基本払出玉数未満になったら、他レートの持玉数で乗入れ払出を行うものであってもよい。
以上、図16及び図19を参照して、またがり乗入れ無しの場合の持玉払出処理について説明したが、以下、またがり乗入れ有りの場合の持玉払出処理について、またがり乗入れ無しの場合との相違点1,2,3について説明する。
相違点1は、基本表示における「払出可能数」の算出方法である。またがり乗入れ無しの場合には、計数済玉数と各レートの持玉数を基本単価の持玉数に換算し、該換算した数のうちの基本払出玉数の倍数の最大値を、各レートについて合計した値が払出可能数であったが、またがり乗入れ有りの場合には、計数済玉数と各レートの持玉数(ただし制限されているレートの持玉数は除く)を基本単価の持玉数に換算し、該換算した数を合計し、該合計した数のうちの基本払出玉数の倍数の最大値が払出可能数である。
具体的に、またがり乗入れ無しの前記図21(a)での払出可能数は250であったが、同様の例におけるまたがり乗入れ有りの払出可能数は、図21(a’)にしめすように、375(2円持玉数400玉を4円持玉数に換算した200+1円持玉数800玉を4円持玉数に換算した200=400のうちの基本払出玉数125玉の倍数の最大値)である。このように、またがり乗入れ有りの場合には、またがり乗入れ無しで払出可能数に算入されなかった各レートの持玉数の端数を寄せ集めることで、該払出可能数が増える場合があるので、乗入れ払出において使用されない持玉数を減少させることができる。
相違点2は、持玉払出処理である。またがり乗入れ有りの場合には、前記図19のS201でNOの場合において、制御ユニット328で記憶している優先順位が高いレートの持玉数から順に、基本払出玉数相当分の当該レートの持玉数を減算していくことになる。以下、図20(a)〜(d)を参照して、具体的に4つの例を説明する。なお、カードユニット3は、基本単価が4円で基本払出玉数が125玉のものであるとする。
図20(a)では、初期状態において、優先順位第1位の計数済玉数が0玉で4円持玉数が0玉,第2位の2円持玉数が400玉,第3位の1円持玉数が800玉である。
持玉払出の1回目は、第1位の計数済玉数及び4円持玉数が0なので、第2位の2円持玉数400玉から、基本払出玉数125玉相当分の2円持玉数250玉を減算して、該2円持玉数は150玉となる。この持玉払出の1回目は、1つのレート(2円)の持玉数からの乗入れ払出である。
持玉払出の2回目は、第2位の2円持玉数150玉から、基本払出玉数125玉相当分の2円持玉数250玉を減算しきれないので、該2円持玉数を減算して0にすると共に、第3位の1円持玉数800玉から、該減算しきれなかった2円持玉数100玉相当分の1円持玉数200玉を減算して、該1円持玉数は600玉となる。この持玉払出の2回目は、自台レートを含まない2つのレート(2円と1円)の持玉数にまたがった乗入れ払出(またがり乗入れ)である。
持玉払出の3回目は、第3位の1円持玉数600玉から、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉を減算して、該1円持玉数は100玉となる。この持玉払出の3回目は、1つのレート(1円)の持玉数からの乗入れ払出である。なお第3位の1円持玉数100玉では、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉に満たないので、持玉払出は終了する。
図20(b)では、初期状態において、優先順位第1位の計数済玉数が150玉で4円持玉数が50玉,第2位の2円持玉数が350玉,第3位の1円持玉数が500玉である。
持玉払出の1回目は、第1位の計数済玉数150玉から、基本払出玉数125玉を減算して、該計数済玉数は25玉となる。この持玉払出の1回目は、乗入れを伴わない払出である。
持玉払出の2回目は、第1位の計数済玉数25玉及び4円持玉数50玉から基本払出玉数125玉を減算しきれないので、該計数済玉数25玉及び4円持玉数50玉を減算して0にすると共に、第2位の2円持玉数350玉から、該減算しきれなかった4円持玉数50玉相当分の2円持玉数100玉を減算して、該2円持玉数は250玉となる。この持玉払出の2回目は、自台レートを含む2つのレート(4円と2円)の持玉数にまたがった乗入れ払出(またがり乗入れ)である。
持玉払出の3回目は、第2位の2円持玉数250玉から、基本払出玉数125玉相当分の2円持玉数250玉を減算して、該2円持玉数は0となる。この持玉払出の3回目は、1つのレート(2円)の持玉数からの乗入れ払出である。
持玉払出の4回目は、第3位の1円持玉数500玉から、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉を減算して、該1円持玉数は0となる。この持玉払出の4回目は、1つのレート(1円)の持玉数からの乗入れ払出である。なお第3位の1円持玉数が0玉なので、持玉払出は終了する。
図20(c)では、初期状態において、優先順位第1位の計数済玉数が50玉で4円持玉数が50玉,2円持玉数が100玉だが制限,第2位の1円持玉数が300玉である。
持玉払出の1回目は、第1位の計数済玉数50玉及び4円持玉数50玉から基本払出玉数125玉を減算しきれないので、該計数済玉数50玉及び4円持玉数50玉を減算して0にすると共に、第2位の1円持玉数300玉から、該減算しきれなかった4円持玉数25玉相当分の1円持玉数100玉を減算して、該1円持玉数は200玉となる。この持玉払出の1回目は、自台レートを含む(ただし制限レートは含まない)2つのレート(4円と1円)の計数済玉数及び持玉数にまたがった乗入れ払出(またがり乗入れ)である。なお第3位の1円持玉数200玉では、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉に満たないので、持玉払出は終了する。
図20(d)では、初期状態において、優先順位第1位の計数済玉数が40玉で4円持玉数が40玉,第2位の2円持玉数が40玉,第3位の1円持玉数が300玉である。
持玉払出の1回目は、第1位の計数済玉数40玉及び4円持玉数40玉から基本払出玉数125玉を減算しきれないので、該計数済玉数40玉及び4円持玉数40玉を減算して0にし、第2位の2円持玉数40玉からも、前記減算しきれなかった基本払出玉数45玉相当分の90玉を減算しきれないので、該2円持玉数40玉を減算して0にすると共に、第3位の1円持玉数300玉から、該減算しきれなかった基本払出玉数25玉相当分の100玉を減算して、該1円持玉数は100玉となる。この持玉払出の1回目は、自台レートを含む3つのレート(4円と2円と1円)の計数済玉数及び持玉数にまたがった乗入れ払出(またがり乗入れ)である。なお第3位の1円持玉数200玉では、基本払出玉数125玉相当分の1円持玉数500玉に満たないので、持玉払出は終了する。
この図20に示す例では、複数の他レートにまたがって乗入れ可能な例について説明したが、一の他レートのみにまたがって乗入れ可能としてもよい。そして、複数の他レートにまたがって乗入れ可能とするか、一の他レートのみにまたがって乗入れ可能とするかを、予め設定できるようにしてもよい。
相違点3は、乗入れ払出中表示である。1つのレートの持玉数からの乗入れ払出の場合には、図21(c)に示すように、どのレートの持玉を何個使用して乗入れ払出が行われているかが表示されるが、2つのレートの持玉数にまたがった乗入れ払出の場合には、図示しないが、一のレートの持玉を何個,及び他のレートの持玉を何個使用して乗入れ払出が行われているかが表示され、また3つのレートの持玉数にまたがった乗入れ払出の場合にも、一のレートの持玉を何個,他のレートの持玉を何個,さらに他のレートの持玉を何個使用して乗入れ払出が行われているかが表示される。
このまたがり乗入れ有りの場合には、前記「高レート優先」で優先順位を設定しておくことにより、特に乗入れの利便性を向上できる。低レートの持玉数を優先して使用すると、基本払出玉数相当分を満たすための穴埋めができなくなるからである。
(持玉管理装置の処理)
図22は、持玉管理装置140の記憶装置145で記憶される乗入れ履歴テーブルの一例を示す図である。この乗入れ履歴テーブルでは、乗入れの履歴として、会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて、乗入れが行われた乗入れ時刻と、乗入れしたカードユニットの装置IDと、乗入れ元の持玉数の種別(4円,2円,又は1円)及び乗入れに使用された玉数と記憶する、この乗入れ履歴テーブルは、図19のS216,S226,S236でカードユニット3から送信されてくる情報(カードID,乗入れ時刻,装置ID,乗入れ元持玉数の種別及び玉数)に基づいて更新される。なお、図示しないが、乗入れの履歴として、またがりの有無や、自台レートを含むまたがりであるか否かを記憶するようにしてもよい。
そして、該乗入れ履歴テーブルに基づいて、カード毎の乗入れ履歴,時間帯毎の乗入れ履歴,乗入れ先のカードユニット3毎の乗入れ履歴,乗入れ先のカードユニット3の基本単価毎の乗入れ履歴などを集計して出力できるので、該乗入れが行われたか否かを確認でき、該乗入れの履歴を遊技場での営業等に活かすことができる。
(変形例)
上記の実施形態では、遊技機が、複数種類のレート(4円,2円,1円)のパチンコ玉を遊技媒体(所有価値及び遊技用価値)とするパチンコ機2である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は例えば、複数種類のレートのメダル(20円,10円,5円)を遊技媒体とするスロットマシンや、複数種類のレートの仮想コイン(500円,100円,50円)を遊技媒体とするゲーム機等であってもよく、これらの遊技機に対応する遊技用装置においても、当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの所有価値に応じて、当該遊技用装置の付与レートに対応する遊技用価値を付与するための乗入れ付与処理(乗入れ払出)を実行可能である。ここで乗入れ払出は、遊技媒体の種類が異なっても可能としてもよく、具体的には、メダルの価値に相当するパチンコ玉が払い出されるものや、パチンコ玉の価値に相当する仮想コインが付与されるものであってもよい。また遊技機は、得点データを使用して遊技を行うパチンコ機,スロットマシン,ゲーム機等であってもよい。従って、「遊技者が入金した入金額に相当する遊技価値」には、パチンコ玉,メダル,仮想コイン,得点データ等が含まれる。
上記の実施形態では、持玉払出のみに乗入れ払出が適用される例について説明したが、これに限らず、貯玉払出のみに乗入れ払出が適用されるものであってもよく、また持玉払出に乗入れ払出が適用されると共に貯玉払出にも乗入れ払出が適用されるものであってもよい。さらに持玉数と貯玉数の合算値に乗入れ払出が適用されるものであってもよく、この場合には、図21に示す基本表示でも、持玉数と貯玉数の合算値を表示したり、払出可能数と再プレイ可能数の合算値を表示してもよい。なお、貯玉払出に乗入れ払出が適用される場合には、持玉払出の場合と同様に、貯玉管理装置150において、優先順位設定や制限設定を受け付け、貯玉に関する共通優先順位テーブルや会員毎優先順位テーブルを記憶すればよい。なお持玉に関する優先順位と貯玉に関する優先順位は、共通でもよく、別個でもよい。
上記の実施形態では、図12のD01に示すように、優先順位設定において、高レート優先や低レート優先が可能な例について説明したが、これに限らず、例えば持玉数が多い方(又は少ない方)を優先する旨や、持玉数×レートの式で算出される持玉額が多い方(又は少ない方)を優先する旨を設定可能としてもよい。この場合には、持玉数や持玉額が減少する毎に、優先順位が変動することになる。
上記の実施形態では、遊技者が優先順位を設定可能な遊技者操作手段がカードユニット3である例について説明したが、これに限らず、該遊技者操作手段は、例えば遊技場内に設けられ遊技者が情報を取得可能なキオスク端末や、遊技者が所持する情報端末等であってもよい。
上記の実施形態では、カードユニット3において、会員毎優先順位を設定可能な例について説明したが、これに限らず、該カードユニット3においても、持玉管理装置140と同様に、共通優先順位を設定可能としてもよい。
上記の実施形態では、図15に示すように、会員毎に優先順位を設定可能な例について説明したが、これに限らず、会員カード及び/又はビジターカードのカードID毎に優先順位を設定可能なものであってもよい。
上記の実施形態において、図14や図15の内容を、持玉管理装置140と通信可能であり、遊技場外の管理機関に設けられる上位管理装置において、遊技場毎に記憶するものであってもよい。
上記の実施形態では、図16のS131に示すように、持玉払出と貯玉払出が、1つの再プレイボタン319の操作で行われる例について説明したが、これに限らず、持玉払出と貯玉払出とは別個のボタンであってもよく、またもっと細分化して、計数玉払出,持玉乗入れが別個のボタンであってもよい。そしてこれらのボタンは、実際のボタンではなく、画面に表示されるボタンであってもよい。
例えば、当日玉払出ボタンと、乗入れ払出ボタンとを設けるようにしてもよい。この場合には、当日玉払出ボタンが操作されると、計数済玉数及び自台レート持玉数を使用した払出が行われる。また乗入れ払出ボタンが操作されると、予め設定された内容に応じて、またがり乗入れ無し(図19を参照)、自台レートを含まないまたがり乗入れ有り(図21(a)を参照)、又は自台レートを含むまたがり乗入れ有り(図21(b)(c)(d)を参照)の、いずれかの乗入れ払出が実行される。なお、「またがり乗入れ有り」には、一の他レートのみにまたがり可能な場合と、複数の他レートにまたがり可能な場合とが含まれる。
上記の実施形態では、図19のS216,S226,及びS236において乗入れ払出が行われると、持玉管理装置140の持玉管理テーブルの記憶内容が即座に更新される例について説明したが、これに限らず、該乗入れ払出が行われても持玉管理装置140とは通信せずにカードユニット3でのみ持玉数を減算更新し、所定のタイミング(例えばカード返却時)で、カードユニット3での減算更新を持玉管理装置140に反映させるものであってもよい。
上記の実施形態では、図5に示すように、当日累積使用額及び上限到達判定フラグを、残額管理装置100の残額管理テーブルにおいてカードID及び会員番号に対応付けて記憶する例について説明したが、これに限らず、該当日累積使用額及び上限到達判定フラグの一方又は両方を、各会員カードで記憶してもよい。また、上記の実施形態では、禁止フラグ(図17のS155)及び解除フラグ(図16のS128)を、各会員カードで記憶する例について説明したが、これに限らず、該禁止フラグ及び解除フラグの一方又は両方を、残額管理装置100の残額管理テーブルにおいてカードID及び会員番号に対応付けて記憶してもよい。
上記の実施形態では、図5に示す上限到達判定フラグが1である会員遊技者に対してのみ、図17のS155に示す上限到達判定が行われる例について説明したが、これに限らず、すべての会員遊技者に対して上限到達判定が行われるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、会員カードを所有する会員遊技者に対してのみ、上限到達判定が行われる例について説明したが、これに限らず、ビジターカードを所有するビジタ遊技者に対しても上限到達判定が行われるようにしてもよい。この場合には、例えば、入金が行われたときに、パチンコ機2における変動表示の終了やパチンコ玉の発射終了から所定時間内に入金が行われたのであれば、同一遊技者による遊技の継続と判定して、当日累積使用額を加算更新し、またビジターカードが返却された後に入金が行われたときにも、同一遊技者による遊技の継続と判定して、当日累積使用額を加算更新すればよい。
上記の実施形態では、図5に示す当日累積使用額が上限額以上であるか否かの上限到達判定が行われる例について説明したが、これに限らず、当日の入金額を累積した当日累積入金額が上限額以上であるか否かの上限到達判定が行われるものであってもよい。
上記の実施形態では、図11に示すように、各カードユニット3についてモード(モード高又はモード低)が設定される例について説明したが、これに限らず、各会員ID毎に、会員登録時又はその後に、モードを設定し、該設定したモードを、残額管理装置100で記憶又は会員カードに記録できるようにしてもよい。これによれば、例えばのめり込み度が高い会員遊技者にはモード高を設定し、のめり込み度が低い会員遊技者にはモード低を設定する等、会員毎の実情に応じたモードの設定を行うことにより、適切な運用をすることができる。なお、各会員ID毎にモードを設定した場合において、該設定が残額管理装置100で記憶されるのであれば、カードユニット3は会員カードの受付時に該設定を残額管理装置100から取得して制御ユニット328で記憶し、また該設定が会員カードに記録されるのであれば、カードユニット3は該会員カードの受付時に該設定を読み取って制御ユニット328で記憶し、該記憶した設定を適用する。
上記の実施形態では、図16に示すように、S103の処理後にS104aに進む例について説明したが、これに限らず、ビジターカードの場合にはS153の上限到達判定が行われないので、S103からS105に進むものであってもよい。
上記の実施形態では、図16のS123に示すように、プリペイド払出の実行後に上限到達判定処理を行う例について説明したが、これに限らず、プリペイド払出の実行前に、当該プリペイド払出を実行した場合の当日累積使用額が上限額以上となるか否かを判定し、該当日累積使用額が上限額以上となる場合には、プリペイド払出を実行しないもの、あるいはプリペイド払出は実行するが警告表示を行うものであってもよい。
上記の実施形態では、図16のS126〜S128に示すように、モード低で確認ボタンの操作が有ると解除フラグが記憶されることにより、図17のS157に示すように、再度の入金付与制限処理が行われないようにする例について説明したが、これに限らず、該解除フラグを記憶せず、入金付与制限処理がその都度行われるものであってもよい。また、遊技場又は遊技者が、解除フラグを記憶するか否かを選択可能なようにしてもよい。
上記の実施形態では、図17のS155に示すように、入金付与制限処理が、プリペイド払出及び入金の禁止である例について説明したが、これに限らず、該入金付与制限処理は、プリペイド払出又は入金のいずれか一方のみの禁止(制限)であってもよい。
また、入金付与制限処理は、実施例で示したような、プリペイド払出の実行後の当日累積使用額が上限額に到達した場合における、それ以降のプリペイド払出の禁止以外に、例えば以下に示すような制限であってもよい。
・プリペイド払出を実行すると当日累積使用額が上限額に到達する場合において、到達分までは払い出すが、上限額を超える分は払い出さない
・上限額に到達した以降もプリペイド払出は実行可能だが、払出に時間が掛かったり、払出のための操作が増える
・上限額に到達した以降もプリペイド払出は実行可能だが、制限表示や、払出の確認表示が、払出毎に表示される
・上限額に到達した以降もプリペイド払出は実行可能だが、基本払出玉数が減少する
・上限額に到達すると、エラーダウンしてすべての処理ができなくなる
そして、カードユニット3で行われたこれらの制限は、遊技者による解除操作や、遊技場の店員による解除操作や、受付中のカードの返却などにより、解除される。
上記の実施形態では、図18に示すように、制限表示が表示部312に表示される例について説明したが、これに限らず、該制限表示は、例えばランプにより表示されるものであってもよい。
上記の実施形態では、制限表示を消去するための所定動作の検知が、図18のD100に示す確認ボタンの操作である例について説明したが,これに限らず、該所定動作の検知は、例えば返却ボタン22の操作など、他の動作の検知であってもよい。
上記の実施形態では、入金付与制限処理が行われても計数は制限されない例について説明したが、これに限らず、入金付与制限処理が行われると計数も制限されるものであってもよい。
上記の実施形態では、入金付与制限処理が行われているときに計数が行われても計数表示は行わない例について説明したが、これに限らず、入金付与制限処理が行われているときに計数が行われると計数表示を行うものであってもよい。
上記の実施形態では、入金付与制限処理が行われてもカードの返却を実行可能である例について説明したが、これに限らず、入金付与制限処理が行われるとカードの返却ができないものであってもよく、この場合には、例えば遊技場の店員を呼び出してカードの返却が受けられるようにすればよい。
上記の実施形態では、図18のD100で確認ボタンの操作が有ると、D110やD111では制限表示が消去される例について説明したが、これに限らず、確認ボタンが操作されても、D110やD111で制限表示が維持されるものであってもよい。
上記の実施形態では、図18のD100に示す制限表示が行われている場合に再プレイ操作が行われると再プレイ払出表示を行い、その後に再度制限表示を行う例について説明したが、これに限らず、制限表示が行われている場合に再プレイ操作が行われても再プレイ払出表示は行わず、制限表示が維持されるものであってもよい。
上記の実施形態では、残額管理装置100からの指令に基づいて、カードユニット3でモード(モード高やモード低)が設定される例について説明したが、これに限らず、カードユニット3において、当該カードユニット3のモードを設定したり、また当該カードユニット3が属するグループの各カードユニット3のモードを設定できるものであってもよい。
上記の実施形態では、入金付与制限処理を行う入金付与制限処理手段がカードユニット3に設けられる例について説明したが、これに限らず、該入金付与制限処理手段は、例えば残額管理装置100等の、カードユニット3以外に設けられるものであってもよく、この場合には、該残額管理装置100が、プリペイド払出が行われたカードユニット3からカードID及び使用金額を受信すると、当該カードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理している当日累積使用額に当該使用金額を加算更新して、該加算更新後の当日累積使用額が上限額以上であるか否かを判定し、該当日累積使用額が上限額以上であれば、プリペイド払出及び入金を禁止する指令を前記カードユニット3に対して送信する処理を入金付与制限処理として行うことにより、該カードユニット3においてプリペイド払出及び入金が禁止されるようにすればよい。
(その他の発明)
本願には、以下に示す第1発明が含まれる。
(第1発明)
従来より、文献1(特開2015−039587号公報)に示す遊技用装置のように、当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの所有価値(例えば持玉数や持メダル数)に応じて、遊技機での遊技に使用可能な当該遊技用装置の付与レートに対応する遊技用価値(例えばパチンコ玉やメダル)を付与するための乗入れ付与処理を行うものにおいて、乗入れ先の付与レートの所有価値毎に、乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を予め設定したものが知られている。
このような遊技用装置においては、遊技場の意向や遊技者の意向に応じて、当該優先順位を好適に設定可能とすることが求められる。
そこで第1発明は、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を好適に設定可能な、遊技用装置及び当該遊技用装置を含む遊技用システムを提供する。
まず第1発明の手段1は、
遊技機(パチンコ機2,スロットマシン)に対応して設けられる遊技用装置(カードユニット3)を含む遊技用システム(1)であって、
前記遊技用装置は、
遊技者が所有する複数種類の付与レート毎の所有価値(持玉数,貯玉数,持メダル数,貯メダル数,持点数,貯蓄点数)を特定する所有価値特定手段(S103,S104の処理を行うCPU328a)と、
当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの前記所有価値に応じて、遊技機での遊技に使用可能な当該遊技用装置の付与レートに対応する遊技用価値(パチンコ玉,メダル,得点)を付与するための乗入れ付与処理(乗入れ払出)を実行する乗入れ付与処理手段(S216,S226,S236の処理を行うCPU328a)と、を備え、
前記遊技用システムは、複数種類の付与レートの所有価値のうち、前記乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を設定可能な優先順位設定手段(持玉管理装置140の共通優先順位テーブル)をさらに含み、
前記優先順位設定手段は、前記乗入れ付与処理を実行する前記遊技用装置に対応する付与レートが異なる場合であっても共通に、前記優先順位を設定可能であることを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を好適に設定可能である。
また第1発明の手段2は、
手段1に記載した遊技用システムであって、
前記優先順位設定手段は、前記遊技用装置が設置されている遊技場の店員が操作可能な店員操作手段(持玉管理装置140の入力装置146)の操作に応じて前記優先順位を設定可能であることを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、遊技場の意向に応じて、優先順位を好適に設定可能である。
また第1発明の手段3は、
手段1に記載した遊技用システムであって、
前記優先順位設定手段は、遊技者が操作可能な遊技者操作手段(カードユニット3の透明タッチパネル314)の操作に応じて前記優先順位を設定可能であり、
前記遊技用システムは、該優先順位設定手段により設定された優先順位を、前記遊技者を個々に識別可能な遊技者識別情報に対応付けて管理する優先順位管理手段(持玉管理装置140の会員毎優先順位テーブル)をさらに含むことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、遊技者の意向に応じて、優先順位を好適に設定可能である。
また第1発明の手段4は、
手段1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記優先順位設定手段は、複数種類の付与レートの所有価値のうち、該付与レートが高い方から順に、前記優先順位を設定可能である(優先順位設定画面で「高レート優先」を選択すると、付与レートが高い方から順に優先順位が設定される)ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、乗入れの利便性を向上できる。
また第1発明の手段5は、
手段1〜4のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
複数種類の付与レートの所有価値のうち、前記乗入れ元とする付与レートの所有価値の制限を設定可能な制限設定手段(持玉管理装置140の共通優先順位テーブル,会員毎優先順位テー-ブル)をさらに含み、
前記乗入れ付与処理手段は、前記制限設定手段により制限すると設定されている付与レートの所有価値を除いて、前記優先順位設定手段により設定された優先順位の付与レートの所有価値を前記乗入れ元とする、前記乗入れ付与処理を実行する(S230でYESならば乗入れ付与処理を実行しない)ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、制限を所望する遊技場や遊技者の意向に沿った乗入れが可能である。
また第1発明の手段6は、
手段1〜5のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記優先順位設定手段による設定内容を出力する出力手段(持玉管理装置140の表示装置147,カードユニット3の表示部312)をさらに含むことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、遊技場や遊技者の利便性を向上できる。
また第1発明の手段7は、
手段1〜6のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、前記所有価値特定手段により特定された所有価値に、当該遊技用装置に対応する付与レートの所有価値がある場合には、前記乗入れ付与処理を実行せずに、該特定された所有価値に応じて前記遊技用価値を付与するための付与処理(S213,S223,S233の処理)を実行し、
前記優先順位設定手段は、当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの所有価値について、前記優先順位を設定可能である(「自台レート優先する」を選択すると、優先順位テーブルで、乗入れ先と異なる付与レートの乗入れ元にのみ、優先順位が設定される)ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、優先順位を好適に設定可能である。
また第1発明の手段8は、
遊技機(パチンコ機2,スロットマシン)に対応して設けられる遊技用装置(カードユニット3)であって、
遊技者が所有する複数種類の付与レート毎の所有価値(持玉数,貯玉数,持メダル数,貯メダル数,持点数,貯蓄点数)を特定する所有価値特定手段(S103,S104の処理を行うCPU328a)と、
当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの前記所有価値に応じて、遊技機での遊技に使用可能な当該遊技用装置の付与レートに対応する遊技用価値(パチンコ玉,メダル,得点)を付与するための乗入れ付与処理(乗入れ払出)を実行する乗入れ付与処理手段(S213,S233,S233の処理を行うCPU328a)と、
複数種類の付与レートの所有価値のうち、前記乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を設定するための操作を受け付ける操作手段(カードユニット3の透明タッチパネル314)と、を備え、
前記操作手段は、前記乗入れ付与処理を実行する前記遊技用装置に対応する付与レートが異なる場合であっても共通に、前記優先順位を設定するための操作を受付可能であることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、乗入れ付与処理において乗入れ元とする付与レートの所有価値の優先順位を好適に設定可能となる。
また第1発明の手段9は、
手段1〜7のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記乗入れ付与処理が実行された履歴を特定可能に集計する乗入れ履歴集計手段(持玉管理装置140の乗入れ履歴テーブル)と、
該乗入れ履歴集計手段による集計結果に基づいて特定される乗入れの履歴を出力する乗入れ履歴出力手段(持玉管理装置140の表示装置147やプリンタ148)をさらに含むことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、乗入れの履歴が集計されて出力されるので、該乗入れが行われたか否かを確認でき、該乗入れの履歴を遊技場での営業等に活かすことができる。