以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称する)2が併設されている。なお、パチンコ機2の所定側の側方位置には、該パチンコ機2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。
パチンコ機2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図2参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
図1に示すパチンコ機2は、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154に回収されたパチンコ玉は再度パチンコ機2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
パチンコ機2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。なお、表示器54は、図1に示すようにカードユニット(CU)3から独立してパチンコ機(P台)2に取付けられる構成でも、カードユニット(CU)3と一体に形成され、パチンコ機(P台)2の前面に嵌合させる構成でもよい。
さらに、パチンコ機2における打球操作ハンドル25の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。
このように、計数ボタン28をパチンコ機(P台)2側に設けているため、計数ボタン28をカードユニット(CU)3側に設ける場合に比較して、パチンコ機2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。
計数ボタン28の右上方には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器29が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のディスプレイである。なお、遊技玉数表示器29は、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
本実施の形態に係るパチンコ機2は、遊技盤26とそれ以外の遊技枠(前枠)6とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ機の機種毎に異なるものである一方、遊技機枠6は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るカードユニット3の構成を説明する。このカードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。パチンコ機2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
カードユニット3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312が設けられている。
本実施の形態のカードユニット3には、機械的な再プレイボタンは設けられず、表示器54または表示器312に、再プレイボタンが表示され(図11(A),図12(A),図13(A)参照)、表示器54または表示器312のタッチパネルで、表示されている再プレイボタンへの操作が検知される。再プレイボタンは、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するためのボタンである。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタンを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてパチンコ機2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、パチンコ機2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタンとは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタンは貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてカードユニット3からカードを返却したときには、カードユニット3に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のカードユニット3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
カードユニット3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、カメラ399とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力する。カメラ399は、遊技者の顔画像を撮影して、CU制御部323に出力する。
本実施の形態においては、上述の再プレイボタンと同様、機械的な玉貸ボタンおよびカード返却ボタンは設けられず、表示器54または表示器312に、玉貸ボタンおよびカード返却ボタンが表示され(図11(A),図12(A),図13(A)参照)、表示器54または表示器312のタッチパネルで、表示されている玉貸ボタンおよびカード返却ボタンへの操作が検知される。玉貸ボタンは、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてパチンコ機2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタンは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図2は、カードユニット3とパチンコ機2との構成を示すブロック図である。図2を参照して、カードユニット3とパチンコ機2との制御回路の概略を説明する。
カードユニット3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、カードユニット3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801(図3参照)と通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられている。CU制御部323には、パチンコ機2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325が接続される。セキュリティ基板325は、カードユニット3のセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325上にCU制御部323を設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325とは別の基板にCU制御部323を設けてもよい。カードユニット3にはパチンコ機2側への接続部(図示省略)が設けられており、パチンコ機2にはカードユニット3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
カードユニット3側のセキュリティ基板325とパチンコ機2側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、パチンコ機2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からパチンコ機2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800(図3参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800から基板制御情報として通知される。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。パチンコ機2に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。パチンコ機2に送信された表示用データは、中継基板14を介して表示器312に入力される。表示器312には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタンを操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタンは、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、パチンコ機2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタンを操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
パチンコ機2には、パチンコ機2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に玉が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、4である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行なうとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
演出制御基板15は、遊技機枠6側の中継基板14を介して、表示器54とも接続されている。演出制御部151は、可変表示装置278に対して可変表示等のための表示制御信号を送信するとともに、可変表示装置278の表示と連動する表示を行なうための表示制御信号を表示器54へ送信可能である。なお、中継基板14および表示器54は、CU3側に設けるようにしてもよい。この場合、P台2側の演出制御基板15は、CU3に設けた中継基板14と接続される。
払出制御基板17は、前枠6(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板17に対し、発射玉検出スイッチ903、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、パチンコ機2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701から払出制御基板17へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33からファール玉検出信号が入力された払出制御基板17では、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903から払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
カードユニット3のセキュリティ基板325とパチンコ機2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、後述するように各種レスポンスが送信される。
前枠6(遊技枠)には、払出制御基板17の他、中継基板14、発射制御基板31、発射モータ18、遊技玉数表示器29が設けられている。なお、遊技玉数表示器29は前枠6に直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠6に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。払出制御基板17の払出制御部171は遊技玉数表示器29に遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。
前枠6(遊技枠)には、表示器54が設けられている。表示器54は、中継基板14を介してカードユニット3の表示制御部350からの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54は、中継基板14を介して演出制御基板15からの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板14には演出制御基板15および表示制御部350のうち一方からの表示制御信号を表示器54へ出力して表示器54に演出制御基板15または表示制御部350からの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141が搭載されている。
なお、本実施の形態では、パチンコ機2側の表示器54がCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、パチンコ機2側に表示器54を表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技台情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<パチンコ玉の循環経路>
ここでは、図1および図2を参照して、パチンコ機2におけるパチンコ玉の循環経路を概説する。
遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射モータ18が駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個のパチンコ玉が打球ハンマーにより弾発されてそのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
遊技玉の発射検出は、玉上げスイッチ(上)41aがオンからオフに変化したことにより検出される。この検出は、払出制御部171が設けられている払出制御基板17(図2参照)でのポート入力により検知され、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
遊技領域27に打込まれた玉のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチ701によって検出される。ファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチ33によって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉およびファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には発射玉検出スイッチ903が設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが発射玉検出スイッチ903によって検出される。つまり、発射玉検出スイッチ903は、弾発されたパチンコ玉のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射モータ18により弾発されたパチンコ玉の弾発数とが等しくなったときに、打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、発射玉検出スイッチ903の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた玉の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘等の間に引っ掛かって落下していないような浮遊玉が存在していないかどうかを判断できる。
<表示器(タッチパネル)の表示制御>
主制御基板16に搭載されている主制御部161は、遊技制御に伴い変化する各種の遊技情報を払出制御基板17の払出制御部171へ送信する。払出制御部171は、主制御部161から送信されてくる遊技情報に基づいて玉数情報等をCU制御部323へ送信するとともに、遊技玉数表示器29を表示制御する。その結果、遊技玉数表示器29には、遊技者が現在所有している遊技玉数が表示され、玉の発射あるいは計数操作に基づいて遊技玉数の表示が減算更新され、入賞の発生あるいは貸玉操作等に基づいて遊技玉数の表示が加算更新される。
CU制御部323は、払出制御部171から送信されてくる玉数情報等に基づいて自ら記憶している遊技玉数等の遊技情報を更新する。また、CU制御部323はカード残額や遊技者の持玉を記憶しており、P台2側の表示器54にそれら記憶している遊技情報に基づいた表示をするための情報を表示制御部350へ送信する。表示制御部350は、その情報に基づいた表示制御信号をP台2側の中継基板14へ送信する。
一方、中継基板14には、演出制御基板15の演出制御部151からの表示制御信号も入力される。演出制御部151は、主制御部161から受信する各種の可変表示コマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御するための表示制御信号を可変表示装置278へ送信するとともに、表示器54を表示制御するための表示制御信号を中継基板14へも送信する。
中継基板14には、通常、CU3の表示制御部350側のみから表示制御信号が送信されており、演出制御部151からは表示制御信号は送信されない。その結果、通常は、表示器54にはCU3の表示制御部350からの表示制御信号に基づいた持点やカード残額などの情報が表示される。ところが、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて遊技機の遊技状態の変化を検出すると、その遊技状態の変化に応じた表示制御信号を中継基板14へ送信する。
切換回路141は、演出制御部151からの表示制御信号の入力があると、表示制御部350から入力される表示制御信号ではなく、演出制御部151から入力される表示制御信号を表示器54へ送信するように回路を切換える。その結果、表示器54には通常時はCU3側の表示制御に基づいた持点等の表示がなされ、たとえば、可変表示装置278に大当り表示がなされるなどして遊技状態が変化すると、表示器54の表示が大当り表示などの可変表示装置278の表示と連動するものに切換えられる。また、その後、演出制御部151から中継基板14への表示制御信号の送信が停止すると、切換回路141は、信号の入力元を切換え元に戻す。その結果、表示器54には、再び、CU3側の表示制御に基づいた情報が表示される。
つまり、上記の例は、切換回路141は、演出制御部151および表示制御部350のうち、演出制御部151から入力される表示制御信号を優先して表示器54へ送信する構成である。通常時は表示制御部350のみから表示制御信号が切換回路141へと入力されるので、表示器54にはCU3側の表示制御に基づいた情報が表示され、大当り発生などの切換条件が成立して演出制御部151から表示制御信号が入力されると、その表示制御信号が優先されて表示器54へ送信され、表示器54の表示が切換えられる。
しかしながら、これに代えて、切換回路141は、演出制御部151および表示制御部350のうち、表示制御部350から入力される表示制御信号を優先して表示器54へ送信する構成を採用してもよい。
すなわち、切換回路141は、通常時は演出制御部151から常時受信する表示制御信号に基づいて表示器54に可変表示装置278の表示と連動する演出表示を行ない、遊技点や持点が残り少なくなどの所定の切換条件が成立してCU3側からその旨を表示するための表示制御信号が入力されると、信号の入力元を演出制御部151から表示制御部359に切換えることにより、表示器54が遊技演出画面から遊技点や持点が残り少ない旨等を報知する画面に変化するようにしてもよい。
本実施の形態では、遊技玉数を表示する遊技玉数表示器29の表示制御はCU3ではなく、遊技玉数の変動に直接的に関わるP台2によって行なわれるため、遊技玉数が遊技で使用されて減算され、あるいは遊技によって加算された場合に、その更新後の遊技玉数を即座に遊技玉数表示器29に反映させることができる。
仮に、遊技玉数表示器29の表示制御をCU3が行なうものとした場合には、P台2からCU3に対して送信する遊技玉数の情報に基づいてCU3から遊技玉数表示器29へと表示制御信号が送られるものとなる、しかし、その場合、CU3とP台2との通信状況等によって、実際には遊技玉数が変化しているものの、その変化が遊技玉数表示器29にすぐに反映されないものとなるという不都合が生じるおそれがある。本実施の形態によれば、このような不都合が生じることを防止できる。
一方、表示器54はCU3側で表示制御するために、遊技玉数表示器29を表示制御するP台2がさらに表示器54をも表示制御する場合と比較して、P台2の表示制御負担を軽減できる。
ここで、表示器54の表示を切り替える具体例を挙げる。たとえば、通常時は表示器(タッチパネル)54にCU3の表示制御部350の表示制御に基づいたカード残額等の表示をし、大当り発生等の遊技状態の変化に応じて表示器54の表示を可変表示装置278の表示と連動したものに切換える例を挙げることができる。
あるいは、通常時は表示器(タッチパネル)54に可変表示装置278の表示と連動した表示(演出制御部151の表示制御に基づく)をし、遊技点の減少に応じて表示器54に遊技点が残り少ないことを報知する画像を表示する例を挙げることができる。
なお、演出制御部151から中継基板14に送信される表示制御信号で表示器54が表示動作する場合には、中継基板14は単に演出制御部151から送信されてきた信号を中継してそのまま表示器54に送信する機能を備えておけばよい。これに対して、表示器54を表示動作させるための表示制御信号の信号形態と、演出制御部151から送信される表示制御信号との信号形態とが異なる場合も考えられ、この場合には、中継基板14に切換回路141に加えて信号形態を変換する変換回路を設ければよい。
さらに、切換え条件成立時に演出制御部151から送信される表示制御信号によって表示器54に表示される演出画像と、同じく演出制御部151から送信される表示制御信号によって可変表示装置278に表示される画像とが同じものであってもよく、異なるものであってもよい。異なるものとした場合には、演出制御部151には可変表示装置278用の画像データと表示器54用の画像データとの2種類の画像データを記憶させておく必要がある。
また、遊技玉数表示器29は、主制御部161が表示制御する構成としてもよく、あるいは、主制御部161から演出制御部151へ遊技玉数に関するコマンドを送信することによって演出制御部151が表示制御する構成としてもよい。
以上、説明した本実施の形態によれば、P台2の表示器54には可変表示に関する演出情報を表示可能であるために、可変表示装置278と併せて演出効果の高い遊技を提供できる。しかも、表示器54にCU3側から送られてくる遊技情報を表示する条件が成立したときには、CU3によってその遊技情報を表示器54に表示するための表示制御が実行されるため、その条件の成立の際には表示器54を遊技演出ばかりでなくCU3による遊技情報の表示にも活用でき、しかも遊技情報の表示に伴うP台2の表示制御負担も軽減できる。
<カードユニットおよびパチンコ機に発生した異常の通知処理>
図3は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図3を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図3の矢印で示す方向に対して通知が行なわれる。ここで言う異常には、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態などが含まれる。図3に示される鍵管理サーバ800は、カードユニット3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800は、主制御基板16と互いに通信可能なサーバである。
まず、カードユニット3のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325bを製造する段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU3が遊技場に搬入された後、ホールサーバ801に接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800からホールサーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、カードユニット3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
カードユニット3のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときにはその旨を払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、その旨をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、セキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともにホールサーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板16が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16へ通知する一方、主制御基板16に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板17とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図4は、カードユニット3側とパチンコ機2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図4を参照して、カードユニット3側(CU側)とパチンコ機2側(P台側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図4では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2(パチンコ機2)とCU3(カードユニット3)とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とP台2側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からP台2側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2側において記憶することとなる。
CUおよびP台の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CUおよびP台の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番」、「加算通番」および「計数通番」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、CU3側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。P台2側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はCU3がP台2に対して遊技玉の加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技玉の計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はCU3のみが有する。CU3は、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はCU3のみが有する。CU3は、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番をP台2へ送信する。P台2は、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権はP台2のみが有する。P台2は、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をCU3へ送信する。CU3は、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、CU3が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、P台2およびCU3のそれぞれが、またはP台2が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
P台2側からCU3側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2側の払出制御部171(図2参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技玉数カウンタに加えて、遊技玉数も最新遊技台情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。ここで、「賞球玉」は、入賞口へ玉が入賞することにより払出される玉であり、セーフ玉である。「発射玉」は、遊技機が発射した玉であり、バック玉がある場合はバック玉を減算した玉数が発射玉数となる。「バック玉」は、発射玉が盤面上に跳出せずに戻ってきた玉である。「アウト口通過玉」は、アウト口154を通過した玉であり、アウト玉とセーフ玉の合計玉数がアウト口通過玉数を意味する。
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技台情報に、直前に送信した遊技玉数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技玉数をP台2側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、P台2側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とP台2側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図4に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残額を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図2参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、再プレイボタンの入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図2参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときの再プレイボタンの入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図2参照)は、カード残額の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタンの入力)に応じてカード残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された旧来の封入式のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図5を参照して、カードユニット(CU)3とパチンコ機(P台)2との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図5には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
<<1.リカバリ要求、2.リカバリ応答>>
まず、CU3からP台2に対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ情報を要求するものである。このリカバリ要求に対応して、P台2からCU3に対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してリカバリ情報を通知するものである。
リカバリ要求のコマンドは、CU3が認証を完了をした後にCU3からP台2に対して送信される。リカバリ要求のコマンドは、CU3からP台2に対してリカバリ情報を要求し、CU3が認証完了後、最初に同コマンドを送信する。リカバリ要求は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回最終送信計数通番」、「店舗コード」および「SC基板ID」が含まれている。「通番」は、シーケンス番号(1〜255)である。「コマンド」は、状態情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで示してある。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にP台2に対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの通番である。「前回最終送信通番」が“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信通番」は、P台2において状態情報応答を送信時に、CU3において状態情報応答受信時に「通番」をP台2、CU3側ともに前回最終送信通番(通番)として記憶する通番である。
「前回最終送信計数通番」は、前回接続時にP台2に対して最後に送信した状態情報要求のレスポンスの計数通番である。「前回最終送信計数通番」は、“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信計数通番」は、P台2において状態情報応答を送信時に、CU3に状態情報応答受信時に計数通番をP台2、CU3側ともに前回最終送信計数通番として記憶する通番である。
P台2のリカバリ処理(計数玉数)において、セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。不一致の場合には、計数前の遊技球数に戻す。
P台2はCU3より通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CU3が計数要求に対する計数処理を実施していなかった場合は計数要求がなかったものとする。この場合、P台2は自らCU3に通知した計数要求に対応する遊技玉の減算処理を実行しない。一方、P台2はCU3より通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CU3が計数処理を実施済と判定したときには計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。なお、P台2が保持している店舗コードが全て“0”または“1”の場合は、店舗コードが一致していると判定する。
リカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してP台2で保持しているリカバリ情報を応答するものである。リカバリ情報は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」、「前回最終送信加算通番」、「遊技情報格納有無」、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」を含んでいる。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にCU3に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる通番のデータであり、“0”のときは保持している通番がない場合である。「前回挿入中カードID」は、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。P台2の払出制御部171は、CU3から送信される情報に基づいて挿入中であったカードIDを記憶保持している。
「前回カード挿入時刻」は、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にCU3に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる加算通番であり、“0”のときは当該加算通番がない場合である。「遊技情報格納有無」は、遊技情報を格納していない場合“0x00”、遊技情報を格納している場合“0x01”である。
「前回遊技台情報」は、CU3に前回通知した遊技台情報であり、「遊技玉数」、「発射玉数」、「アウト口通過玉数」、「総賞球玉数」、「計数玉数」および「計数通番」の情報を含んでいる。「遊技玉数」は、CU3に前回通知した遊技玉数である。「発射玉数」は、CU3に前回通知した発射玉数である。「アウト口通過玉数」は、CU3に前回通知したアウト口通過玉数である。「総賞球玉数」は、CU3に前回通知した総賞球玉数である。「計数玉数」は、CU3に前回通知した計数玉数である。「計数通番」は、CU3に前回通知した計数通番である。
「前回遊技情報」は、CU3に前回通知した遊技情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「賞球情報1」〜「賞球情報n」の情報を含んでいる。「遊技情報数」は、CU3に前回通知した遊技情報の個数(0〜n)である。なお、n=0〜22で可変長である。「種別情報1」は、CU3に前回通知した遊技種別情報1である。「種別情報n」は、CU3に前回通知した遊技種別情報nである。「賞球情報1」は、CU3に前回通知した遊技賞球情報1である。「賞球情報n」は、CU3に前回通知した遊技賞球情報nである。
なお、「前回最終送信加算通番」は、CU3において状態情報要求を送信時、P台2において状態情報要求受信時に、CU3側、P台2ともに前回最終送信加算通番として記憶する通番である。
P台2のリカバリ処理(遊技情報)において、セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、「店舗コード」が不一致の場合には、リカバリデータを無しとして処理する。一致している場合には以下の処理を行なう。
遊技情報のリカバリデータがある時は「遊技情報格納無」を格納無:0x00にし、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」にP台2が保持しているリカバリデータをセットする。遊技情報のリカバリデータがない時または前回最終送信通番が0の時は「遊技情報格納有無」を格納無“0x00”にし、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」をALL“0”をセットする。なお、P台2が保持している店舗コードが全て“0”または“1”の場合は、店舗コードが一致していると判定する。
なお、また、CU3は、P台2より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、前回遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。なお、「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、CU3は、前回遊技台情報のみ使用してリカバリ処理を行なう。ただし、計数玉数のリカバリは実施しない。
また、通信相手の不一致等(たとえばCU3またはP台2の交換等)でリカバリ処理が実施できない場合、P台2の表示情報を元にPOSで手補正することが考えられる。たとえば、P台2の表示情報は、可変表示装置278の液晶表示画面を利用して表示することが考えられる。あるいは、P台2に対して、払出制御部171が制御する表示器をさらに設けておき、その表示器に対して手補正のための情報を表示することも考えられる。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行なうものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行なうものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
<<3.リカバリ要求2、4.リカバリ応答2>>
CU3からP台2に対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台2に対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台2からCU3に対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3に対して加算リカバリ情報を処理結果を通知するものである。
リカバリ要求2のコマンドは、P台2に対して加算リカバリ情報を通知するものであり、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信加算通番」および「加算玉数」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。リカバリ要求2は、P台2において加算玉リカバリ処理を実施する必要有とCU3が判定したときに送信される。CU3は、P台2より受信したリカバリ応答に含まれる「前回最終送信加算通番」と自身で記憶している「前回最終送信加算通番」とを比較して一致している場合には加算玉リカバリ処理の必要無と判定し、不一致の場合には加算玉リカバリ処理の必要有と判定する。加算玉リカバリ処理の必要有と判定したときにはリカバリ要求2を送信する。
リカバリ要求2に含まれる「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にP台2に対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの加算通番のデータであり、「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数のデータである。
次に、P台2のリカバリ処理について詳しく説明する。P台2のリカバリ処理は、P台2がリカバリ要求2に基づいて、CU3より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行なう処理である。
リカバリ応答2のレスポンスは、CU3に対してP台2で加算リカバリ情報の処理結果を通知するもので、「通番」、「コマンド」および「リカバリ結果」を含んでいる。「リカバリ結果」は、“0x00”の場合リカバリ結果OK、“0x01”の場合リカバリ結果NGである。なお、P台2が加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果として処理NGを応答する。
<<5.通信開始要求、6.通信開始応答>>
CU3からP台2に対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2に対して通信開始を要求するものである。この通信開始要求に対応して、P台2からCU3に対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して通信開始を応答するものである。
通信開始要求のコマンドは、P台2に対して正常に通信開始したことを通知するものである。通信開始要求を受信したP台2は、それまで記憶していたリカバリ情報をクリアする。通信開始要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3は、通信開始要求後、計数通番を“0”(初期値)に、P台2も通信開始要求受信後、計数通番を“0”(初期値)にする。
通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信開始したことを通知するものであり、CU3が、リカバリ情報をクリアする。通信開始応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<7.通信終了要求、8.通信終了応答>>
CU3からP台2に対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2に対して通信終了を要求するものである。この通信終了要求に対応して、P台2からCU3に対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して通信終了を応答するものである。
通信終了要求のコマンドは、P台2に対して正常に通信終了したことを通知するものであり、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信終了したことを通知するものであり、CU3およびP台2が、該通知以降、通信を停止し再起動待ちとする。通信終了応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<9.状態情報要求>>
CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2に対してCU3の状態を要求するものである。CU3はこのコマンドを使用して、P台2の状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図4に示したCU3側からP台2側へ向かう加算玉数が含まれている。
この状態情報要求の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「CU状態」、「加算玉数」、「加算通番」および「計数通番」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「CU状態」は、P台2に対して通知するCU3の状態を表わし、Bit0が“1”のときにカード挿入中を、“0”のときカード未挿入をそれぞれ示している。つまり、Bit0は、CU3にカード(一般カード/会員カード)が挿入されている状態を表わしている。また、CU3のカードストック部に予めストックされているストックカード(一般0円0玉カード)への入金により一般カード挿入中となる。
Bit1が“1”のときカードユニット開店中を、“0”のときカードユニット閉店中をそれぞれ示している。つまり、Bit1は、CU3の状態により、P台2に対してカードユニット開店状態を通知する。カードユニット開店中を通知するタイミングは、たとえば、開店完了時である。カードユニット閉店中を通知するタイミングは、たとえば、閉店時である。なお、P台2は同状態が開店中から閉店中に変化時、保持している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3に通知する。
Bit2が“1”のときカード返却準備中を、“0”のときカード返却準備中以外をそれぞれ示している。CU3は、カード返却、簡易離席、および食事休憩のそれぞれの操作時に、このビットを立てることによって、P台2に対して「カード返却準備中」を一定時間(10秒)通知する。P台2は、計数ボタン28の操作が検出されたときに、このカード返却準備中のビットがオンの状態情報要求を受信していれば、計数ボタンを1回操作したか複数回操作したかに関わらず、あるいは操作継続時間に関わらず、記憶している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3に通知する。
Bit3が“1”のとき遊技玉加算要求を、“0”のとき遊技玉加算要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit3は、玉貸、持玉払出、および貯玉払出の操作時に遊技玉の加算(加算玉数)を要求する。
Bit4が“1”のとき計数玉受領完了を、“0”は計数玉未受領をそれぞれ示している。Bit4は、計数玉受領時に受領完了したことをP台2に通知する。つまり、状態情報応答のレスポンス「計数玉数」の送達を確認するために用いている。
Bit5が“1”のときカード抜き取り待ち中を、“0”はカード抜き取り完了をそれぞれ示している。Bit5は、CU3からカード抜き取り待ちとなっている状態をP台2に通知する。なお、Bit6〜Bit7は未使用である。
「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数であり、CU状態のBit3が“1”のときにのみ加算玉数のデータが有効となる。「加算通番」は、加算用シーケンス番号(0〜255)であり、遊技玉加算要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時に受信した計数通番をそのまま通知する。ただし、計数通番の連続性が成立しない場合は計数受領を出さない。
<<10.状態情報応答>>
状態情報要求に対応して、P台2からCU3に対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3に対してP台2の情報・状態を通知するものである。状態情報応答のレスポンスには、図4に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
この状態情報要求の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「遊技玉数」、「発射玉数」、「アウトロ通過玉数」、「総賞球玉数」、「計数要求玉数」、「計数通番」、「発射強度」、「遊技台状態」、「不正検知情報」および「遊技情報」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「遊技玉数」は、現在の遊技玉数(加算・減算を演算した結果の遊技玉数)である。「遊技玉数」は、CU3が後述する「総賞球玉数」「発射玉数」および「計数玉数」を使用してCU3の保持している遊技玉数を計算する。その後、CU3は、計算したCU3の遊技玉数と、P台2の遊技玉数とが一致するかをチェックする。
「発射玉数」は、発射個数(送信時に複数発射された玉がある場合は合算する)である。ただし、バック玉数がある場合はバック玉数分を減算する。つまり、「発射玉数」(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
「アウト口通過玉数」は、アウト口154を通過した玉の個数(送信時に複数の通過玉がある場合は合算する)である。
「総賞球玉数」は、賞球情報1−nの賞球玉数の合計である。この賞球情報1−nとは、たとえば始動口、大入賞口、入賞口(普通入賞口)等の入賞口種別毎の賞球玉数のことである。なお、「総賞球玉数」(加算)は、CU3より送信する「加算要求玉数」は含まない。また、CU3は保持している遊技玉数に総賞球玉数のデータを加算する。カードを保持していない状態で総賞球玉数のデータを受信した場合、CU3は遊技玉数の加算は行なわない。
「計数要求玉数」は、計数要求した遊技玉の個数である。つまり「計数玉数」(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算し、カード持玉数に加算するデータである。なお、P台2からCU3に送信する減算玉数のデータに計数玉数は利用しない。また、カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
ただし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、遊技機が保持している遊技玉を計数して計数玉数として設定する。カードユニット開店状態が開店中のときには計数ボタン28の操作が行なわれたことにより遊技玉を計数して計数玉数として設定する。しかし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、計数ボタン28の操作を待つことなく自動的に遊技玉を計数して計数玉数として設定する。
「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。
「発射強度」は、遊技玉の発射するための強度である。
「遊技台状態」は、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2の状態を示し、「遊技台状態1」、「遊技台状態2」、「遊技台状態3」、および「遊技台エラー状態」の情報を含んでいる。
「遊技台状態1」のBit0は、遊技を許可しているか、禁止しているかを示しており、“0”のときに遊技許可中であり、“1”のとき遊技禁止中である。Bit1は、ファン(遊技者)がプレイ中(玉を発射している)か否かを示しており、0”のとき待機中(ファンが球を発射してない状態)、“1”のとき遊技中(ファンが球を発射している状態)である。ただし、遊技玉が有り、発射ハンドル(打球操作ハンドル25)をタッチした状態(タッチセンサに触れた状態)で遊技中となる。
Bit2は、遊技玉の有無(遊技玉無の検知)を示している。“0”のとき遊技玉数有、“1”のとき遊技玉数無である。Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。つまり、遊技領域27内の浮遊玉が全て回収されたか否か示している。ただし、発射停止スイッチ(単発打ちスイッチとも言う)による玉の発射停止は除く。“0”のとき遊技未完了(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技完了(全ての玉の行方が確定している状態)である。なお、P台2は、玉の発射を停止してから15秒以上遊技の完了を確認できなかった場合、タイムアウトし、遊技完了とする。
Bit4は、遊技玉の計数要求の有無(計数ボタン押下の有無)を示しており、“0”のとき要求無、“1”のとき計数開始時の計数玉の払出要求がある場合である。P台は、計数操作が検出されたときに、この計数要求ONの状態情報応答をCU3へ送信し、計数要求が受領されたか否かを確認する。“1”のとき計数要求である。Bit5は、遊技玉加算の処理結果を示しており、“0”のとき加算OK、“1”のとき加算NGである。Bit6〜Bit7は予備である。
「遊技台状態2」のBit0は、大当り情報の大当り1(全ての大当り)を表わし、全ての大当り中“1”をセットする。Bit1は、大当り情報の大当り2(大当り+小当り)を表わし、全ての大当り中および小当り中“1”をセットする。Bit2は、大当り情報の大当り3(出玉大の大当り)を表わし、出玉が大きい大当り中“1”をセットする。Bit3は、大当り情報の大当り4(出玉小の大当り)を表わし、出玉が小さい大当り中“1”をセットする。Bit4は、大当り情報の大当り5(出玉中の大当り)を表わし、出玉が中間の大当り中“1”をセットする。Bit5〜Bit7は予備である。
「遊技台状態3」のBit0は、遊技状態情報の大当り中+時短中を表わし、大当り中および時短中“1”をセットする。Bit1は、遊技状態情報の確変中を表わし、確変中“1”をセットする。Bit2は、遊技状態情報の時短中を表わし、時短中“1”をセットする。Bit3は、遊技状態情報の変動中を表わし、変動中“1”をセットする。Bit4〜Bit7は予備である。
「遊技台エラー状態」は、P台2で発生中のエラーコードを示し、Bit0〜Bit5を用いて各エラーコードを表現している。なお、Bit0〜Bit5が全て“0”のときにはエラー無である。Bit6は、エラーが発生している場所を特定する情報であり、“0”のとき払出制御、“1”のとき主制御をそれぞれ表わしている。Bit7は、エラーの出力方法を示し、“0”のとき発報のみ、“1”のとき発報+ホールサーバ801への出力を表わしている。
「不正検知情報」は、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2で検知した情報であり、「不正検知状態1」、「不正検知状態2」、「不正検知情報1」〜「不正検知情報4」および「加算通番」の情報を含んでいる。
「不正検知状態1」は、主制御基板16の不正検知情報である。「不正検知状態1」のBit0は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき磁気センサ検知不の正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき不正入賞検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3〜Bit7は予備である。
「不正検知状態2」は、払出制御基板17の不正検知情報である。「不正検知状態2」のBit0は、“1”のときガラス板開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき枠本体開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3は、“1”のとき近接センサ異常の不正検知情報であることを表わしている。Bit4は、“1”のとき賞球ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。ここで、「ゴト」とは、パチンコやスロットマシンにおいて不正な方法で出玉を獲得する不正行為のことである。Bit5は、“1”のとき複合ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit6は、“1”のとき不正加算検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit7は、“1”のとき夜間枠開放・監視SW異常検知の不正検知情報であることを表わしている。
「不正検知情報1」は、賞球センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報1」は、「不正検知状態2」のBit4が“1”のとき有効となる。「不正検知情報2」は、複合センサゴト検知(発射/OUT不整合玉数)の情報を示すデータである。つまり、発射玉数とアウト玉数(アウト口通過玉数)との不整合を検知したときの情報を示すデータである。「不正検知情報2」は、「不正検知状態2」のBit5が“1”のとき有効となる。「不正検知情報3」は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報3」は、「不正検知状態2」のBit6が“1”のとき有効となる。「不正検知情報4」は、夜間枠開放情報を示すデータである。「不正検知情報4」は、「不正検知状態2」のBit7が“1”のとき有効となる。
「不正検知情報4」のBit7は、夜間監視スイッチ異常4が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常4発生を表わしている。Bit6は、夜間監視スイッチ異常3が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常3発生を表わしている。Bit5は、夜間監視スイッチ異常2が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常2発生を表わしている。Bit4は、夜間監視スイッチ異常1が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常1発生を表わしている。Bit0〜3は、本体枠開放回数を示す情報で、“0”のとき開放なし、“1”〜“15”は開放回数を表わしている。なお、開放回数は、15回までカウントし、16回以降のカウントは15回でホールドされる。
「加算通番」は、加算用シーケンス番号であり、加算要求時に受信した加算通番をそのまま通知する。ただし、加算通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。
「不正検知状態3」は、払出制御基板17の不正検知情報である。「不正検知状態3」のBit0は、“1”のとき他店舗遊技玉検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1〜Bit7は予備である。なお、他店舗遊技玉検知は、たとえばP台の回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取り、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定する。不一致の場合、遊技玉に他店舗の遊技玉が混入しているとして「不正検知状態3」のBit0を“1”にして、CU3に通知する。
「遊技情報」は、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2の情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「賞球情報1」〜「賞球情報n」を含んでいる。
「遊技情報数」は、種別情報・賞球情報の個数(n)であり、n=0〜22(可変長)である。種別情報は、Bit4からBit7までがデータ種別の情報で、遊技情報のデータ種別を示しており、“0”のとき情報無、“1”のとき始動口、“2”のとき大入賞口、“3”のとき入賞口、“4”のとき図柄停止回数である。Bit0からBit3までがデータ番号の情報で、遊技情報のデータ種別毎のデータ番号を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のときそれぞれのデータ番号を表わしている。
「種別情報1」〜「種別情報n」は、遊技種別情報1〜遊技種別情報nをそれぞれ示し、「賞球情報1」〜「賞球情報n」は、遊技賞球情報1〜遊技賞球情報nをそれぞれ示している。
ここで、賞球情報は、Bit0からBit3までが賞球玉数の情報で、遊技情報のデータ種別毎に入賞時の賞球玉数を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のとき賞球玉数のデータをそれぞれ表わしている。Bit4からBit7までが入賞個数の情報で、遊技情報のデータ種別毎に入賞個数(累計)を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のとき入賞個数のデータをそれぞれ表わしている。
<<11.カード挿入通知、12.カード挿入応答>>
CU3からP台2に対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2に対してカード挿入を通知するものである。このカード挿入通知に対応して、P台2からCU3に対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3に対してカード挿入通知を受信した旨の応答である。
カード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、P台2に対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知し、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「カードID」は、CU3に挿入されたICカードの識別ID情報であり、P台2が保持している遊技玉との紐付に使用する。「カード挿入時刻」は、CU3のカード挿入/排出口309(図1参照)にICカードが挿入された時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。カード挿入時刻は、P台2保持の遊技玉が当日玉か過去玉かの判断に使用する。
「店舗コード」は、CU3が設置されている店舗識別コードであり、P台2が保持している遊技玉との紐付に使用する。また、CU3が店舗移動されたか否かを判定するためにも使用する。CU3は、自らが設置されている店舗コードを記憶している。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325より情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU3を識別するためのSC基板IDであり、CU3が交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325より情報付加してP台2に通知する。P台2の払出制御部171は、これらのカードID(C-ID)やカード挿入時刻等のカード挿入通知コマンドで通知される情報を記憶する。
カード挿入応答のレスポンスは、CU3に対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するもので、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<13.カード返却通知、14.カード返却応答>>
CU3からP台2に対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するものである。このカード返却通知に対応して、P台2からCU3に対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却を応答するものである。
カード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するもので、CU3が、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。カード返却通知には、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却通知の応答を送信するもので、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」のデータが含まれている。「通番」、「コマンド」、「カードID」および「カード挿入時刻」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3は、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行なわない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行なう。
ここで、カード挿入通知時またはカード返却通知時のP台2の動作について説明する。カード挿入通知時に、CU3で会員カード挿入、一般カード挿入、または一般0円0玉カードへの入金の操作を行なうと、P台2はカードIDおよびカード挿入時刻のバックアップを行なう。カード返却通知時に、CU3で「カード返却」ボタンの押下の操作を行なうと、P台2はカードIDおよびカード挿入時刻のクリアを行なう。
<<15.通信テスト要求、16.通信テスト応答>>
CU3からP台2に対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。この通信テスト要求に対応して、P台2からCU3に対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを応答するものである。
通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。なお、P台2に対して通知するテストデータは暗号化していない。通信テスト要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、P台2に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
通信テスト応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを通知するものである。なお、CU3に対して通知するテストデータも暗号化していない。通信テスト応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、CU3に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
<CUとP台との通信における主なシーケンス>
<<コマンド、レスポンスの送信>>
まず、CU3とP台2との間でのコマンドおよびレスポンスの送信について説明する。CU3(1次局)からP台2(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。つまり、業務電文の送信は、CU3を1次局、P台2を2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3からP台2への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2からCU3へのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3とP台2との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2からCU3へは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2は、遊技玉数の変化量を細やかにCU3に対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2の発射時間間隔と一致させることも考えられる。
<<CU側の通信回線断検知>>
次に、CU3側で通信断が検知された場合の処理について説明する。CU3がP台2に対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合、再度同じコマンドをP台2に送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをP台2に送信するという2回目の再送を行なう。同じコマンドを最大14回までP台2に再送する。14回目の再送を行なってもP台2からレスポンスを受信できなかった場合、CU3は3秒後に通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3のコネクタとP台2のコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはP台2の電源断などの原因が考えられる。CU3は、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
<<P台側の通信回線断検知>>
P台2側で通信断を検知した場合の処理について説明する。CU3からP台2へコマンドが送信され、P台2ではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。その後CU3からのコマンドがP台2に送信されてこない状態が3秒間継続した場合、P台2は通信断と判断し、発射モータ18の駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、CU3のコネクタとP台2のコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3の電源断などが考えられる。
なお、P台2側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、リカバリ要求/リカバリ応答、リカバリ要求2/リカバリ応答2、通信開始要求/通信開始応答、通知終了要求/通信終了応答、および通信テスト要求/通信テスト応答のコマンド、レスポンスを含まない。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図6に示すシーケンス処理は、CU3とP台2との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2では発射モータ18を停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2へ送信し、P台2に対してリカバリ情報を要求する。P台2は、CU3より通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2は、前回最終送信計数通番を参照して、CU3が計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3が計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2は、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3の加算リカバリ処理を実施する。CU3は、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2に対して、リカバリ要求2をP台2へ送信し、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2が加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2は、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2から通知された時に通番をバックアップする。P台2は、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3に通知する。P台2はレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2に送信する。P台2は、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3に返信する。さらに、CU3は、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2に送信する。P台2は、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、CU3は、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3は、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、それを受けて、遊技台情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2は、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3およびP台2の処理について説明する。図7に示すCU3は、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3では、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。
CU3は、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801に問合せて認証している最中であることを表示器312に表示するとともにP台2側の表示器54に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3は、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2側の表示器54は、CU3の表示制御部350により表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3は、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323のRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325を通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2では、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171のRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323のRAM等に記憶する。
CU3は、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信することで、カード挿入中である状態をP台2に対して通知する。P台2は、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信することで、遊技許可中である状態をCU3に対して通知する。
カード挿入中、CU3は、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図8に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3は、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3は、表示器54または表示器312に表示された玉貸ボタン(貸出ボタン)が操作された場合(ステップS301)、後述するのめり込み判断処理を実行し(ステップS302)、のめり込み判断処理の結果、のめり込みフラグがオン状態とされたか否かを判断する(ステップS303)。のめり込みフラグは、遊技者が遊技にのめり込んでいる状態と判断できるか否かを示すフラグである。のめり込み判断処理については、後述する。
CU3は、のめり込みフラグがオン状態であると判断した場合(ステップS303でYESと判断した場合)、つまり、遊技者が遊技にのめり込んでいる状態と判断できる場合は、玉貸しをせずに、貸出ボタンの押下に対する処理を終了する。
一方、のめり込みフラグがオン状態でないと判断した場合(ステップS3030でNOと判断した場合)、つまり、遊技者が遊技にのめり込んでいないと判断できる場合は、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3側単独で確定する。その後、CU3は加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させる。
次に、CU3は、P台2に対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3は、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3は、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2は、CU3に対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<のめり込み判断処理>>
前述の図8のステップS301で貸出ボタンが押下された場合、および、後述の図16のステップS305でカード返却ボタンが押下されたと判断された場合、カードユニット3によって、のめり込み判断処理が実行される。
図9は、カードユニット3によって実行されるのめり込み判断処理の流れを示すフローチャートである。図9を参照して、まず、カードユニット3のCU制御部323は、のめり込みフラグがすでにオン状態であるか否かを判断する(ステップS311)。のめり込みフラグは、図8で前述したが、遊技者が遊技にのめり込んでいる状態と判断できるか否かを示すフラグである。
のめり込みフラグがオン状態でないと判断した場合(ステップS311でNOと判断した場合)、つまり、遊技者が遊技にのめり込んでいる状態でないと判断できる場合、CU制御部323は、のめり込み監視中フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS312)。のめり込み監視中フラグは、遊技者ののめり込みの監視中であるか否かを示すフラグである。
のめり込み監視中フラグがオン状態でないと判断した場合(ステップS312でNOと判断した場合)、つまり、遊技者ののめり込みの監視中でないと判断した場合、CU制御部323は、のめり込み監視中フラグをオン状態にする(ステップS313)。
そして、CU制御部323は、カメラ399を制御して、遊技者の顔画像を撮影して、RAMに記憶させる(ステップS314)。また、カードが受付けられている場合は、CU制御部323は、そのカードIDを監視中IDとしてRAMに記憶させる(ステップS315)。
ホールサーバ801は、遊技者の顔画像に対応付けて、その遊技者が当日に遊技に使用した金額の累計である累計消費金額と、のめり込み防止のモードと、のめり込み防止の判断基準の設定額とを対応付けて記憶している。
図10は、のめり込み防止に関する設定可能なパラメータを示す図である。図10を参照して、のめり込み防止のモード設定としては、のめり込み防止の判断基準を満たすと遊技を禁止するモード「禁止」と、再び遊技を可能とするための手間が比較的多いモード「高」と、再び遊技を可能とするための手間が比較的少ないモード「低」とが含まれる。デフォルトでは、モード設定は、モード「高」に設定される。
のめり込みの判断基準の設定額は、10,000円から100,000円まで10,000円刻みで設定可能となっている。デフォルトでは、設定額は、30,000円とされる。
これらのモード設定および設定額の配信の設定は、一括してすべてのカードユニット3に送信する「一括」、または、個別にカードユニット3に送信する「個別」のいずれかである。デフォルトでは、「一括」に設定される。「一括」に設定された場合は、ホールサーバ801で設定された1組のモード設定および設定額が、ホールサーバ801で管理されているすべてのカードユニット3に送信される。「個別」に設定された場合は、ホールサーバ801で各カードユニット3に対して個別に、モード設定および設定額が送信される。
図9に戻って、カードユニット3では、CU制御部323は、ステップS314で撮影された顔画像に対応付けて、ホールサーバ801に記憶されている累計消費金額、モード設定および設定額を、ホールサーバ801から取得して、RAMに記憶させる(ステップS316)。なお、撮影された顔画像に対応付けてこれらのデータが記憶されていない場合は、CU制御部323は、撮影した顔画像に加えて、モード設定としてはデフォルトのモード「高」を記憶させ、累計消費金額としては「0円」を記憶させる。
のめり込み監視中フラグがオン状態であると判断した場合(ステップS312でYESと判断した場合)、つまり、遊技者ののめり込みの監視中であると判断した場合、および、ステップS316の後、つまり、のめり込みの監視中とされた後、CU制御部323は、表示器54または表示器312に表示された玉貸ボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS321)。
玉貸ボタンが操作されたと判断した場合(ステップS321でYESと判断した場合)、CU制御部323は、RAMの累計消費金額に単位玉貸額(ここでは、図8で示すように500円)を加算する(ステップS322)。こののめり込み判断処理が、図8の玉貸の処理のサブルーチンとして実行されている場合は、ステップS321の判断は、必ず、YESとなる。一方、こののめり込み判断処理が、図16のカード返却の処理のサブルーチンとして実行されている場合は、ステップS321の判断は、NOとなり、累計消費金額には何も加算されない。
玉貸ボタンが操作されていないと判断した場合(ステップS321でNOと判断した場合)、および、ステップS322の後、CU制御部323は、累計消費金額が、RAMに記憶している設定額を超えたか否かを判断する(ステップS323)。
累計消費金額が設定額を超えたと判断した場合(ステップS323でYESと判断した場合)、CU制御部323は、のめり込みフラグをオン状態にし、表示器54または表示器312に表示されている玉貸ボタンに覆い被さるように、モードに応じた注意喚起表示を表示させ、玉貸しボタンを不能動化させる(ステップS324)。
累計消費金額が設定額を超えていないと判断した場合(ステップS323でNOと判断した場合)、および、ステップS324の後、CU制御部323は、実行する処理を呼出元の処理に戻す。
図11は、モード「低」時ののめり込み防止のための画面の遷移を示す図である。図12は、モード「高」時ののめり込み防止のための画面の遷移を示す図である。図13は、モード「禁止」時ののめり込み防止のための画面の遷移を示す図である。
図11から図13を参照して、注意喚起表示を表示させていない通常時には、図11(A)、図12(A)および図13(A)で示すように、受付けられてるプリペイド残額を示す「残額5000円」といった表示と、受付けられたカードに対応付けて管理されている持玉の数を示す「持玉10,000玉」といった表示と、および、受付けられたカードに対応付けて管理されている貯玉の数を示す「貯玉20,000玉」といった表示とに加えて、カード返却ボタン、玉貸しボタンおよび再プレイボタンが表示される。
モード「低」時およびモード「高」時に、設定額を超過した場合には、図11(B)および図12(B)で示すそれぞれ同様の画面が表示される。具体的には、玉貸ボタンの一部に覆い被さるように、「のめり込まないように!」といった遊技者にのめり込みに対する注意喚起をするための表示と当該注意喚起表示を消去するための「確認」ボタンとを含む画像が、注意喚起表示として表示される。
モード「禁止」時に、設定額を超過した場合には、図13(B)で示す画面が表示される。具体的には、玉貸ボタンの一部に覆い被さるように、「のめり込まないように!(店員をお呼びください)」といった遊技者にのめり込みに対する注意喚起をするための表示を含む画像が、注意喚起表示として表示される。
このように、モード「低」時およびモード「高」時とは異なり、モード「禁止」時には「確認」ボタンが表示されないため、遊技者は、注意喚起表示を消去することができない。
のめり込みフラグがオン状態であると判断した場合(ステップS311でYESと判断した場合)、つまり、遊技者が遊技にのめり込んでいる状態であると判断できる場合、CU制御部323は、カメラ399を制御して、遊技者の顔画像を撮影する。
そして、CU制御部323は、撮影した遊技者の顔画像が、RAMに記憶している遊技者の顔画像から変化したか否かを判断する(ステップS332)。顔画像が変化していないと判断した場合(ステップS332でNOと判断した場合)、受付けられているカードのカードIDが変化したか否かを判断する(ステップS333)。
顔画像またはカードIDの少なくともいずれか一方が変化したと判断した場合(ステップS332でYESと判断した場合、または、ステップS333でYESと判断した場合)、CU制御部323は、のめり込み監視中フラグをオフ状態とし、RAMに記憶している顔画像、累計消費金額、モード設定、および、設定額を消去する(ステップS334)。
顔画像およびカードIDの両方が変化していないと判断した場合(ステップS332およびステップS333でNOと判断した場合)、および、ステップS334の後、CU制御部323は、RAMに記憶されているモードがモード「低」であるか否かを判断する(ステップS335)。
モード「低」であると判断した場合(ステップS335でYESと判断した場合)、CU制御部323は、図11(B)で示した確認ボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS336)。確認ボタンが操作されていないと判断した場合(ステップS336でNOと判断した場合)、CU制御部323は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、モード「低」でないと判断した場合(ステップS335でNOと判断した場合)、CU制御部323は、RAMに記憶されているモードがモード「禁止」であるか否かを判断する(ステップS337)。
モード「禁止」であると判断した場合(ステップS337でYESと判断した場合)、CU制御部323は、店員によるカードユニット3のリセット操作があったか否かを判断する(ステップS338)。リセット操作がないと判断した場合(ステップS338でNOと判断した場合)、CU制御部323は、ステップS338の処理を繰返す。つまり、店員のリセット操作がない限り、先の処理には進められない。
モード「低」時で図11(B)の画面表示時に確認ボタンが操作されたと判断した場合(ステップS336でYESと判断した場合)、および、モード「禁止」時で図13(B)の画面表示時にリセット操作があったと判断した場合(ステップS338でYESと判断した場合)、CU制御部323は、のめり込みフラグをオフ状態にし、それぞれ、図11(C)および図13(C)で示すように注意喚起表示を消し、玉貸ボタンを能動化させる。その後、CU制御部323は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
モード「禁止」でないと判断した場合(ステップS337でNOと判断した場合)、CU制御部323は、RAMに記憶されているモードがモード「高」であるか否かを判断する(ステップS341)。モード「高」でないと判断した場合(ステップS341でNOと判断した場合)、CU制御部323は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
モード「高」であると判断した場合(ステップS341でYESと判断した場合)、CU制御部323は、図12(B)で示した確認ボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS342)。確認ボタンが操作されたと判断した場合(ステップS342でYESと判断した場合)、CU制御部323は、図12(C)で示すように、玉貸ボタンの全部に覆い被さる「カード返却で操作可」といった表示を含む画像が表示されることで、玉貸ボタンは不能動化のまま、図12(B)で示した注意喚起表示は消去される(ステップS343)。その後、CU制御部323は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、図12(B)で示した確認ボタンが操作されていないと判断した場合(ステップS342でNOと判断した場合)、CU制御部323は、玉貸ボタン不能動化中であるか否か、つまり、図12(B)または図12(C)の画面が表示中であるか否かを判断する(ステップS344)。玉貸ボタン不能動化中でないと判断した場合(ステップS344でNOと判断した場合)、CU制御部323は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、玉貸ボタン不能動化中であると判断した場合(ステップS344でYESと判断した場合)、つまり、図12(B)または図12(C)の画面が表示中であると判断した場合、CU制御部323は、表示器54または表示器312に表示されているカード返却ボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS345)。
カード返却ボタンが操作されていないと判断した場合(ステップS345でNOと判断した場合)、CU制御部323は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、カード返却ボタンが操作されたと判断した場合(ステップS345でYESと判断した場合)、CU制御部323は、のめり込みフラグをオフ状態とし、図12(D)で示すように玉貸ボタンに覆い被さる表示を消去することで、玉貸ボタンを能動化する(ステップS346)。その後、CU制御部323は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
(1) このように、カードユニット3によって、受付けた金額に応じてパチンコ2でのパチンコ遊技を可能にするための図8で示すような玉貸の処理を実行させるための玉貸ボタンを示す画像が、表示器54または表示器312に表示され、表示画面上での遊技者の操作の検知に基づいて、表示された玉貸ボタンの操作が受付けられたか否かが判断され、遊技の量を示す指標が所定基準に達したか否かが判断され、指標が所定基準に達したと判断されたことに応じて、玉貸ボタンを示す画像の一部に覆い被さる注意喚起表示が、表示され、注意喚起表示が表示されているときには、玉貸ボタンの操作の受付に応じた玉貸の処理が不能動化される。
このため、遊技の量がある基準に達すると、パチンコ遊技を可能にすることができなくなる。また玉貸ボタンを示す画像の一部に覆い被さる注意喚起表示がされるので、玉貸の処理ができず、パチンコ遊技を可能にすることができなくなったことを遊技者に分かり易く知らせることができる。その結果、遊技へののめり込みを効果的に防止することができる。
(2) 上述した実施の形態においては、カードユニット3によって、パチンコ玉の払出しに用いられた金額が所定の設定額に達したか否かが判断されることで、指標が所定基準に達したか否かが判断されるようにした。
このため、パチンコ玉の払出しに用いられた金額が設定額に達すると、遊技を可能にすることができなくなる。その結果、遊技へののめり込みを効果的に防止することができる。なお、所定の設定額に達するまでの紙幣の投入回数に応じて、喚起表示の態様を異ならせるようにしてもよい。
(3) しかし、設定値に達したか否かが判断される金額は、当日のパチンコ玉の払出しに用いられた金額に限定されず、3日間など所定期間のパチンコ玉の払出しに用いられた金額であってもよい。
(4) また、これに限定されず、遊技が行なわれている時間(たとえば、当日の遊技時間であってもよいし、3日間など所定期間の遊技時間であってもよい)が所定時間に達したか否かが判断されることで、指標が所定基準に達したか否かが判断されるようにしてもよい。これによっても同様の効果を得ることができる。
(5) また、遊技が行なわれた回数(たとえば、当日の台移動回数であってもよいし、1週間など所定期間の他店を含めた来店回数であってもよい)が所定回数に達したか否かが判断されることで、指標が所定基準に達したか否かが判断されるようにしてもよい。これによっても同様の効果を得ることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、所定基準は、遊技場内の管理装置であるホールサーバ801から設定可能であることとした。このため、管理装置が設置されている場所からまとめて所定基準を変更することができる。その結果、遊技へののめり込みを効果的に防止することができる。この場合に、遊技者ごと、カードユニット3ごと、遊技機島ごと、機種ごと、遊技媒体貸出単価(たとえば、パチンコ玉1玉1円または4円、メダル1枚5円または20円)ごと、大当り確率ごとに、所定基準が設定可能であることとしてもよい。
(7) しかし、これに限定されず、所定基準は、各カードユニット3などの各遊技用装置で設定可能であることとしてもよい。これにより、各遊技用装置ごとに所定基準を細やかに変更することができる。その結果、遊技へののめり込みを効果的に防止することができる。
(8) また、所定基準は、遊技場外の管理装置から設定可能であることとしてもよい。具体的には、遊技場外の管理装置で、所定基準が設定されて、設定された所定基準が、当該管理装置で管理される遊技場の遊技用装置に送信され、各遊技用装置で受信された所定基準が記憶されるようにする。これにより、遊技場外からまとめて所定基準を変更することができる。その結果、遊技へののめり込みを効果的に防止することができる。
(9) 前述した実施の形態においては、カードユニット3によって、管理装置としてのホールサーバ801で遊技者を特定可能な情報(たとえば、カメラ399で撮影された顔画像、カードID)に対応付けて累積されて計数されている指標が、所定基準に達したか否かが判断されるようにした。
具体的には、上述したように、ホールサーバ801では、顔画像に対応付けられて累計消費金額などが記憶されている。のめり込みフラグおよびのめり込み監視中フラグがオフである場合、つまり、遊技者がのめり込み状態でないと判断され、未だ、のめり込みを監視していない場合は、まず、図9のステップS316で、ホールサーバ801から、遊技者の顔画像に対応する累計消費金額が取得され、のめり込みの監視が開始される。
そして、ステップS321,ステップS322で示されるように、玉貸ボタンが操作されるごとに、この累計消費金額に単位玉貸額が加算され、ステップS323,ステップS324で示されるように、累計消費金額が設定額を超えると、注意喚起表示が表示され、玉貸ボタンが不能動化される。
これにより、ある遊技者がカードユニット3のうちのいずれを用いたとしても、遊技の量がある基準に達すると、遊技を可能にすることができなくなる。その結果、遊技者ごとに遊技へののめり込みを効果的に防止することができる。
(10) 前述した実施の形態においては、個人データ(たとえば、年収、ブラックリスト、遊技の量を示す指標の傾向)に関わらず、同じ所定基準に、指標が達したか否かを判断するようにした。
しかし、これに限定されず、管理装置で遊技者を特定可能な情報(たとえば、カメラ399で撮影された顔画像、カードID)に対応付けて管理されている当該遊技者の個人データに応じた所定基準に、指標が達したか否かを判断するようにしてもよい。
具体的には、複数の遊技場が共同で遊技の量の多い遊技者の顔画像を管理装置で管理し、その遊技者の遊技の量に応じた所定基準に、指標が達したか否かを判断するようにするようにしてもよい。
これにより、遊技者の個人データに応じた基準に達すると、遊技を可能にすることができなくなる。また、遊技者が会員カードなどを使わない場合であっても遊技者を特定することができる。その結果、それぞれの遊技者に合わせてのめり込みを効果的に防止することができる。
(11) 前述した実施の形態においては、1つの遊技場の管理装置で管理されているカードユニット3によって、管理装置で遊技者を特定可能な情報に対応付けて累積されて計数されている指標が、所定基準に達したか否かが判断されるようにした。
しかし、これに限定されず、管理装置で遊技用装置が管理されている複数の遊技場のうちのいずれの遊技場の遊技用装置によっても、管理装置で遊技者を特定可能な情報に対応付けて累積されて計数されている指標が、所定基準に達したか否かが判断されるようにしてもよい。
具体的には、複数の遊技場の遊技者の累計消費金額を管理する管理装置によって遊技者の顔画像に対応付けて複数の遊技場での累計消費金額を記憶し、遊技用装置によって、管理装置から取得された複数の遊技場での累計消費金額が、所定基準に達したか否かが判断されるようにしてもよい。
これにより、管理装置で遊技用装置が管理されているいずれの遊技場の遊技用装置を遊技者が用いたとしても、遊技の量がある基準に達すると、遊技を可能にすることができなくなる。その結果、遊技者が複数の遊技場のいずれを利用したとしても、遊技者ごとに遊技へののめり込みを効果的に防止することができる。
(12) 前述した実施の形態においては、カードユニット3によって、玉貸の処理の不能動化を解除する操作(たとえば、確認ボタンの操作、カードの返却ボタンの操作、店員のリセット操作)が受付けられたことを条件として、玉貸の処理の不能動化が解除される。
これにより、玉貸の処理の不能動化を解除するためには、不能動化を解除する操作が必要となるので、遊技を可能にするために手間が増える。その結果、より効果的にのめり込みを防止することができる。
(13) なお、前述した実施の形態においては、図11(B)、図12(B)および図13(B)で示したように、玉貸ボタンの一部に覆い被さるように注意喚起表示が表示されることとした。しかし、これに限定されず、玉貸ボタンの全部に覆い被さるように、注意喚起表示を表示させてもよい。
また、所定の指標が所定基準に達したときに、最初は、玉貸ボタンに覆い被さっていない状態で、注意喚起表示が表示されるようにし、次第に、注意喚起表示を大きくする、または、移動するなどして、所定時間、経過した時点で、玉貸ボタンの一部または全部に覆い被さるようにしてもよい。このように、次第に隠すようにすることで、覆い被さったことを遊技者に認識させることができる。
(14) また、前述した実施の形態においては、玉貸ボタンが不能動化された。このように、玉貸ボタンの操作の受付を制限するようにした。しかし、これに限定されず、玉貸ボタンの操作は受付けるが玉貸の処理を制限、たとえば、玉貸の処理を実行しないするようにしてもよいし、操作をするための手間が掛かるようにするもの(たとえば、操作をするための手順が増えるもの、操作をするための場所が遠くなるもの)であってもよい。
また、遊技可能化処理の制限として、玉貸の処理を実行しないようにしてもよいし、入金を受付けないようにしてもよいし、遊技機の動作を停止させるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、図11(B)、図12(B)および図13(B)で示したように、玉貸ボタンに覆い被さるように注意喚起表示が表示されることとした。しかし、これに限定されず、玉貸ボタンに加えて、カード返却ボタンおよび再プレイボタンの少なくとも一方に覆い被さるように注意喚起表示が表示されるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態においては、注意喚起表示が表示されているときには、玉貸ボタンの操作の受付を制限するようにした。しかし、これに限定されず、注意喚起表示が表示されているときには、注意喚起表示が覆い被されている範囲に関わらず、玉貸しボタンに加えてカード返却ボタンおよび再プレイボタンの少なくとも一方の操作の受付を制限するようにしてもよい。また、注意喚起表示が表示されているときには、注意喚起表示が覆い被されている範囲に関わらず、玉貸しボタンに加えてカード返却ボタンおよび再プレイボタンの少なくとも一方の操作は受付けるが、それらのボタンに応じた処理を制限する(たとえば、実行しない)ようにしてもよい。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図14では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタンを押下すると、CU3は、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタンを押下する操作がなされた段階でCU3側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3は、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をP台2に通知する。具体的に、CU3は、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。遊技玉の加算要求を行なうため、通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。さらに、CU3は、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2は、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに“m+1”のままとする。
その後、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+2、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図15では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3からP台2へ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図15では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3は、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3から送信された通番nに対して、P台2から通番n+1が返信されている。CU3から送信された計数通番mに対して、P台2からは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタン28を押下する。この図15では、計数ボタン28を1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3からP台2へ送信されている。
P台2は、計数ボタン28の操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3へ送信する。ただし、この段階でP台2は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台2は、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323は、表示制御部350に対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350は、その指令を受けてP台2側の表示器54を表示制御する。その結果、表示器54には、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3は、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3は、P台2に対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2は、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を800から700に更新する。この段階で、P台2は計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台2は2度目の計数要求をCU3へ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3へ送信する。ただし、この段階でもP台2は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3は、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3は、P台2に対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2は、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台2は計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3へ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3へ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3は、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3は、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台2へ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図16は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図16では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技台に移動する場合に、表示器54または表示器312に表示された「カード返却」ボタンを押下する(ステップうS305)。「カード返却」ボタンが操作された場合、図9で前述したのめり込み判断処理を実行する(ステップS306)。
この場合、のめり込みフラグがオン状態であり、モード「高」であれば、カード返却ボタンの操作がされたか否かの判断(ステップS345)でYESと判断され、のめり込みフラグがオフ状態にされ、玉貸ボタンが能動化される。
その後、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、P台2の遊技玉数が800玉で、CU3はP台2の遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3は、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、CU3は、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、P台2に通知する。さらに、CU3は、P台2の遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、表示器54等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数ボタン28を押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。P台2は、計数ボタン28を押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
P台2は、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3に通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、この段階でP台2は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、P台2は、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3は、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3は、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3は、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
P台2は、CU3からの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を表示器54等に表示する。さらに、P台2は、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3に通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3に送信される。
CU3は、遊技者がカード返却ボタン322を押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数ボタン28を押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3は、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+3、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3に返信後、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3は、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、P台2から受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801などに報告する。CU3は、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309に挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309にカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3に設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3は当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801へ送信し、ホールサーバ801が当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3から返却されたカードは、カード挿入/排出口309から抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309から突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3は、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309の近傍に取り付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3は、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2に通知する。そのため、CU3は、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。これを受けて、P台2は、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」との文言と使用した累計消費金額で買える物とを可変表示装置278に表示する。
このように、カードユニット3によって、返却操作に基づいて受付けた金額のうち玉貸の処理に用いられていない残額を特定可能なカードを返却するための処理が実行され、カードを返却するための処理がされるときに、指標を示す情報が報知される。具体的には、使用した金額で買える物を表示する。しかしこれに限定されず、使用した金額自体を表示してもよい。
これにより、遊技者が使用した金額を間接的に示す遊技の量を示す指標が遊技者に示される。その結果、より効果的に遊技へののめり込みを防止することができる。
また、P台2は、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカで「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、P台2は、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3へ送信する。
カード挿入/排出口309の近傍に取り付けたセンサがON状態であれば、CU3は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309からカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309の近傍に取り付けたセンサがOFF状態となるので、CU3は、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
これを受けて、P台2は、可変表示装置278に表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、P台2は、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3へ送信する。
なお、図16で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<ホール用管理コンピュータを含むシステム>
次に、複数の遊技機を設置した遊技場には、各遊技機の出玉などを管理するためにホールコン900が、ホールサーバ801とは別に設けられている。図17は、P台2およびCU3と接続されるホールサーバ801およびホールコン900の構成を説明するためのブロック図である。
遊技機メーカによってP台2のデータ出力フォーマットが異なっている。そのため、CU3は、その種々のフォーマットの出力データを、所定のフォーマットに演算(変換)して台端末装置901経由でホールコン900に出力する。その演算(変換)のための設定データがCU制御部323に入力されて記憶されるように構成されている。
また、ホールコンメーカによってホールコン900のデータ受信フォーマットが異なっている。そこで、図17に示すホールコン900は、台端末装置901を介してCU3に接続してある。台端末装置901は、CU3からの出力データのフォーマットを、各種ホールコン900にマッチするフォーマットに変換してホールコン900に送信する。なお、ホールコン900によるP台2の台番号管理は、台端末装置901に関連付けてホールコン900に設定している。具体的には、ホールコン900にはCPUとROMとRAMとEEPROMとが内蔵されており、COUは、定員等の操作に応じて、台番号管理データとしてP台2の台番号と台端末装置901の番号とを対応付けてEEPROMに記憶させる。P台2とCU3との間ではシリアル通信が行なわれ、CU3と台端末装置901との間ではCU3の複数の出力ピンから出力されるパラレル通信が行なわれ、台端末装置901とホールコン900との間ではシリアル通信が行なわれる。
ただし、各種ホールコン900にマッチするフォーマットに変換する機能をCU3またはホールコン900内に持たせることで、台端末装置901を介在させなくてもよい。
次に、ホールコン900がホールサーバ801に直接接続される構成について説明する。図18は、P台2およびCU3と接続されるホールサーバ801およびホールコン900の別の構成を説明するためのブロック図である。
CU3が、ホールコンで管理する情報を、ホールサーバ801を経由してホールコン900に送信できるように、ホールコン900がホールサーバ801に直接接続されている。なお、ホールサーバ801には、複数のCU3が接続されており、ホールサーバ801が複数のCU3からの出力信号を取りまとめてホールコン900に送信する。この場合、前述の各種ホールコン900にマッチするフォーマットに変換してホールコン900に送信する台端末装置901機能はホールサーバ801が担う。なお、所定のフォーマットに変換してホールコン900に送信する台端末装置901機能を全てCU3が担ってもよく、またホールサーバ801とCU3とでどの情報を変換するか等の役割分担を行なうように制御してもよい。さらには、ホールサーバ801が複数のCU3からの出力信号を取りまとめてホールコン900に送信する際に、送信する情報の内容をまとめた情報として送信してもよい。たとえば、ホールサーバ801が、複数のCU3から受信した信号を定期的に(たとえば10秒毎に)ホールコン900に送信する場合に、その10秒間に受信したすべてのCU3の情報を一括してホールコン900に送信する。
ホールサーバ801は、持玉や貯玉を管理する関係上必ずCU3と接続されている必要があり、図18に示すように、複数のCU3からの情報をホールサーバ801がまとめてホールコン900へ送信する場合には、複数のCU3からホールサーバ801までの配線は既存のものを有効利用でき、ホールサーバ801とホールコン900とを結ぶ配線だけ新設すれば事足り、配線数の低減を図ることができる。また、各遊技機からの遊技情報をたとえば島端末装置がまとめてホールコン900へ出力する場合には遊技機設置島毎にまとめる必要があるため、遊技機の設置レイアウトに制約があるという不都合が生じるが、図18の場合には、遊技機設置島毎にまとめる必要がなく、遊技機の設置レイアウトに制約がなくなる。さらに、遊技機設置島のレイアウトの制約もなくなる。
図17、図18において、CU3を取付けて設置するための取付枠(ホルダ)に記憶されたIDであるホルダIDに対応付けてホールコン900で台番号を管理してもよい。この取付枠(ホルダ)は、CU3を新たなものに交換しても取付枠(ホルダ)自体が交換されることはなく、引き続き従前のものが使用される。このホルダIDに対応付けてホールコン900で台番号を管理する場合には、新たな台番号のP台2に交換されたときに、CU3がそのP台2の台番号と取付枠(ホルダ)のホルダIDとを読取ってホールコン900へ送信する(図18の場合にはホールサーバ801経由でホールコン900へ送信する)。それを受けたホールコン900のCPUは、P台2の台番号とホルダIDとを対応付けてEEPROMに設定記憶させる。なお、P台2の台番号とホルダIDとを係員が手動でホールコン900に入力するようしてもよい。また、ホールサーバ801は、CPU,ROM,RAM、入出力インターフェイスを有しており、CU3から送信されてきた情報を入出力インターフェイスで受信する。また、図18の場合にはCPUの制御によりその受信情報を入出力インターフェイスから出力してホールコン900へ送信する。
また、他の管理方法として次のようにちてもよい。図17で説明したように、P台2のメインチップIDや払出制御チップID等のIDデータがCU3、ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800へ送信される。また、盤交換されて新たな主制御基板16に代わったときもP台2のメインチップID等のIDデータがCU3、ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800へ送信される。ゆえに、鍵管理サーバ800へ送信される途中でホールサーバ801がメインチップIDを取得してホールコン900へ送信することが可能である。
そこで、図18に示すシステムでは、送信されてきたメインチップIDをホールサーバ801がホールコン900に送信し、ホールコン900においてそのメインチップIDデータにより遊技機台番号を管理する。台交換(盤交換)した場合に、たとえば、その台交換(盤交換)された後のメインチップID等のIDデータと台交換(盤交換)前のメインチップID等のIDデータとをCU3がホールコン900に送信し、ホールコン900のCPUが、EEPROMに遊技機台番号に対応付けて記憶されているIDデータを台交換(盤交換)された後のIDデータに更新する。また、図17のシステムでも同様に、CU3が、P台2のメインチップID等のIDデータをホールコン900のにも送信して、ホールコン900がIDデータを利用した台番号管理を行なうようにしてもよい。具体的には、図17、図18において、ホールコン900のCPUが、P台2から送られてきたメインチップIDやセキュリティ基板のIDデータを受信し、そのIDデータに対応付けてP台2の台番号をホールコン900のEEPROMに設定記憶して台番号管理を行なう。
さらに、図17および図18に示すシステムでは、ホールコン900が、遊技機台番号に対応付けて当該遊技機の機種も記憶した遊技機台番号の管理データを格納し、その管理データに基づいて同じ機種の遊技機に対応するカードユニットを割出し、所定のフォーマットに演算(変換)するための設定データを一括CU3へダウンロードして一括設定するように制御してもよい。「所定のフォーマット」の具体例としては、たとえば、図5に示した遊技状態2や遊技状態3の各Bitの出力ピンの割当てや信号の出力長さ、さらには、Bit1とBit2とを1つの出力ピンにまとめてBit1+Bit2→1ピン出力のように変換するようなフォーマットでもよい。また、図5に示した遊技状態2のBit5〜7の予備の大当りの各ビットに関し、P台の各々のメーカーが開発した機種に特有の当り態様など、特徴的な仕様(ラウンド数や時短回数等)に応じて定義付けられた出力ピンの割当てや信号の出力長さなどを設定するフォーマットでもよい。さらには、どの信号を出力するかの選択も「所定のフォーマット」に含まれる。たとえば、図5に示した遊技状態2や遊技状態3の各Bitのうち、Bit0〜4を出力してBit5〜7は出力しない
などである。
また、図18に示すシステムは、CU3とホールコン900との間に台端末装置901が介在しないため、CU3からの出力データのフォーマットをホールサーバ801がホールコン900にマッチするフォーマットに変換してホールコン900に送信する。なお、ホールコンメーカによる規格が統一されれば、ホールサーバ801でのフォーマット変換は不要になる。
ホールコン900によるP台2の台番号管理は、CU3のホルダに記憶されたホルダIDに対応付けてホールコン900に設定したり、またP台2から送られてくるメインチップIDやセキュリティ基板のID等により台番号管理してもよい。その台番号管理データに基づいて、同じ機種のP台2に対応したCU3群に、ホールサーバ801経由で一括設定データをダウンロードして一括設定してもよい。
前述したように、P台2の遊技盤26を交換(盤交換)した場合、新たな遊技盤26に設けられた主制御基板16のメインチップIDがCU3、ホールサーバ801、鍵管理サーバ800に送信される。そのため、メインチップIDに基づいて新台の台番号を管理することで、メインチップIDに基づいて新台の台番号の設定変更がなされているか否かをホールコン900が確認し、設定のし忘れの場合に報知して設定のし忘れを防止することができる。
次に、CU3からホールコン900にデータを送信する処理について説明する。図19は、CU制御部323による加算玉数の送信処理を説明するためのフローチャートである。なお、当該フローチャートによる処理は、図17および図18のいずれのシステムについても適用することができる。
CU3からホールコン900に送信するデータのうち、CU制御部323による加算玉数について説明する。まず、CU制御部323は、P台2から図3に示すように加算玉数の情報を受信する(ステップS351)。
CU制御部323は、受信した加算玉数を所定のフォーマットに変換(たとえば、加算玉数10個を1パルスの信号に変換)し、送信する(ステップS352)。
なお、上記S351で受信する情報は、加算玉数に加えてまたはそれに代えて、発射玉数(図5参照)であってもよい。さらには、S351で受信する情報の他の例としては、以下のものでもよい。
a 可変表示装置278の可変停止時の図柄確定回数。
b 各種入賞口への玉の入賞回数。
c 前述の図5に示した遊技台情報2や3の各Bit情報。
また、受信した加算玉数を所定のフォーマットに変換して出力する方法としては、前述の10個を1パルスの信号に変換するのもに限定されるものではない。たとえば、どの種類の信号をどの出力ピンに割当てるかや信号の出力長さ、さらには、複数種類の信号を1つの出力ピンにまとめて出力のように変換するような出力方式でもよい。また、図5に示した遊技状態2のBit5〜7の予備の大当りの各ビットに関し、P台の各々のメーカーが開発した機種に特有の当り態様など、特徴的な仕様(ラウンド数や時短回数等)に応じて定義付けられた出力ピンの割当てや信号の出力長さなどを設定する出力方式でもよい。さらには、「所定のフォーマット」としては、どの信号を出力するかの選択も含まれる。たとえば、図5に示した遊技状態2や遊技状態3の各Bitのうち、Bit0〜4を出力してBit5〜7は出力しないなどである。
さらに、前述のaの図柄確定回数の場合に、所定回数(たとえば10回)図柄が確定すれば1パルス出力するように制御し、また、bの玉の入賞回数の情報の場合に、所定個数(たとえば10個)の玉が入賞すれば1パルス出力するように制御してもよい。
以上のように、S352により所定のフォーマットに変換する情報は種々の情報が考えられる。それら情報が所定の数(たとえば10)に達するまでCU3ではP台2からの定期的に送られてくる情報を累積加算し、その加算値が所定の数(たとえば10)に達っしたときに1パルスを出力するとともにそれまで累積加算値をクリアし、また次の情報の累積加算を開始する。この「累積加算値のクリア」は、累積加算値から所定の数(たとえば10)を減算してもよい。なお、この「1パルス」の信号は、シリアル信号であるため送信情報(たとえば加算玉数)が所定の数(たとえば10)であることを示す特定のBitを「1」にしたデータで出力する。
次に、CU制御部323による遊技情報の処理について説明する。図20は、CU制御部323による遊技情報の処理を説明するためのフローチャートである。なお、当該フローチャートによる処理は、図17および図18のいずれのシステムについても適用することができる。
まず、CU制御部323は、CU3から出力する遊技情報の出力方式即ち遊技情報を所定のフォーマットに演算(変換)して出力するための設定データについて入力があるか否かを判断する(ステップS361)。CU制御部323は、リモコンなどの設定手段から出力方式について入力があったと判断した場合(ステップS361:YES)、入力した出力方式に基づいて、CU3から出力する遊技情報についてのビット位置、出力期間、出力有無、情報の変換などの出力方式を設定する(ステップS362)。一方、CU制御部323は、出力方式について入力がないと判断した場合(ステップS361:NO)、ステップS362の処理をスキップして、前回設定した出力方式を利用する。
上記ステップS362で設定される出力方式は、遊技機メーカによって異なるデータ出力フォーマットの遊技機情報を、ホールコンメーカによって異なるデータ受信ファーマットに変換して、ホールコン900に出力するためのものである。たとえば、図5に示した遊技状態2や遊技状態3の各Bitの出力ピンの割当てや信号の出力長さ、さらには、Bit1とBit2とを1つの出力ピンにまとめてBit1+Bit2→1ピン出力のように変換するような出力方式でもよい。また、図5に示した遊技状態2のBit5〜7の予備の大当りの各ビットに関し、P台の各々のメーカーが開発した機種に特有の当り態様など、特徴的な仕様(ラウンド数や時短回数等)に応じて定義付けられた出力ピンの割当てや信号の出力長さなどを設定する出力方式でもよい。さらには、「データ受信ファーマットの変換」としては、どの信号を出力するかの選択も含まれる。たとえば、図5に示した遊技状態2や遊技状態3の各Bitのうち、Bit0〜4を出力してBit5〜7は出力しないなどである。また、上記「ビット位置」とは、遊技状態2や遊技状態3の各Bitをどの出力ピンから出力するかの出力ピン位置の割当てのことである。
なお、前述したリモコンなどによる出力方式の入力の代わりに、ホールコン900から出力方式のデータをダウンロードしてCU制御部323に記憶させるようにしてもよい。さらには、CU3に接続されているP台2のメーカのサーバから出力方式のデータをダウンロードしてCU制御部323に記憶させるようにしてもよい。その場合のダウンロードの経路としては、メーカのサーバからの出力方式のデータを鍵管理サーバ800およびホールサーバ801を経由してCU制御部323にダウンロードすることが考えられる。P台2のメーカのサーバから出力方式のデータをダウンロードする場合には、当該P台2を
設計製造した者がホールコン900へ出力しようと意図する遊技情報を意図どおりにCU3に設定できるため、遊技場側で設定する必要がなくなるという利点がある。
CU制御部323は、P台2から遊技情報(たとえば、図5に示す遊技台状態2,3)を受信したか否かを判断する(ステップS363)。CU制御部323は、P台2から遊技情報を受信しないと判断した場合(ステップS363:NO)、処理を終了する。一方、CU制御部323は、P台2から遊技情報を受信したと判断した場合(ステップS363:YES)、受信した遊技情報を設定した出力方式に変換する(ステップS364)。ここで、CU制御部323は、設定した出力方式により、ホールコン900にマッチしたフォーマットに遊技情報を変換するので、遊技機メーカによって異なるデータ出力フォーマットの遊技機情報を、ホールコンメーカによって異なるデータ受信ファーマットに変換して、ホールコン900に出力することができる。
具体的には、図5に示した遊技状態2や遊技状態3の各Bitの出力ピンの割当てや信号の出力長さ等をS362で設定して、その設定にしたがってS364で変換する。また、S362での設定内容としては、どのBitのデータを表示器54で表示させるかを指定するように設定してもよく、その場合には、S362で指定されたBitのデータを後述するS366で判定して指定されたBitのデータを表示器54で表示させるように制御する。さらなるS362での設定内容としては、たとえば、図5に示した遊技状態2や遊技状態3において、Bit1とBit2とを1つの出力ピンにまとめてBit1+Bit2→1ピン出力のように変換してもよい。
遊技情報を変換後、CU制御部323は、変換した遊技情報をホールコン900に送信するために出力する(ステップS365)。CU制御部323は、P台2から受信した遊技情報のうち、表示器312で表示させる情報が含まれているか否かを判断する(ステップS366)。この判断は、具体的には、上記S362での設定とは別に、図5に示した遊技状態2や遊技状態3の各BitのうちどのBitの情報を表示させるかを予めリモコンやホールコン900等によりCU3に入力設定し、その設定されたBitの情報であるか否かにより判断する。また、他の方法として、前述したように、S362での設定と同時にどのBitの情報を表示させるかを入力設定した場合には、その設定にしたがって表示させる情報を判断する。
CU制御部323は、図1に示す表示器312で表示させる情報が含まれていると判断した場合(ステップS366:YES)、遊技情報を表示器312で表示する制御を行なう(ステップS367)。一方、CU制御部323は、表示器312で表示させる情報が含まれていないと判断した場合(ステップS366:NO)、処理を終了する。表示器312で表示させる情報とは、たとえば、遊技台情報2中の大当り3や大当り5、遊技台情報3中の確変中や時短中などが考えられる。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図21は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を“P台”と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、“S台”とも略称する。
遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図21を参照して、スロットマシン2Sは、本体枠2aSに対して前面扉2bSがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図21では図示を省略しているが、スロットマシン2Sの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
スロットマシン2Sでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、スロットマシン2Sにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、スロットマシン2Sには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
スロットマシン2Sの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2L、2C、2Rの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSの各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510が設けられている。この表示器510は、P台の表示器54に相当する表示器であり、表示器54と同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510は、図2の表示器54と同様にCUの表示制御部350に接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510は、各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図21に示されるスタートスイッチ7Sよりも下方の位置の、旧来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、前面扉2bSには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5S、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6S、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7S、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rがそれぞれ設けられている。
スロットマシン2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残額、持点、あるいは遊技場に預け入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落とすことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5S、またはMAXBETスイッチ6Sを操作すればよい。本実施の形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510の遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7Sの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7Sを操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510の遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図1に示すとおり、スロットマシン2Sには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28Sが設けられている。なお、玉貸ボタン、カード返却ボタン、および再プレイボタンは、CUのディスプレイに表示される。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510に行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510に表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号がCU3へ直接入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2やS台(スロットマシン)2Sを経由して状態情報応答としてCU3へ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、スロットマシン2Sを制御する主制御部(S台の主制御部161に相当)によって決定される。この決定は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって決定される。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
すなわち、S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図22は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図22は、P台の構成として説明した図4の用語をS台用に置き換えたものであり、その態様は、図4を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
<旧来のパチンコ機の第1の例>
上述した技術は、旧来のパチンコ機の第1の例のような遊技機に適用することができる。以下、旧来のパチンコ機2Aについて説明する。なお、上述した技術を適用する場合、後述のパチンコ機2Aの玉貸ボタン3015、カード返却ボタン3016は、ディスプレイ3026に表示されることとし、ディスプレイ3026のタッチパネルで、表示されている玉貸ボタンおよびカード返却ボタンへの操作が検知されることとする。
以下においては、遊技機がパチンコ機2Aであり、遊技媒体がパチンコ玉であり、遊技媒体の貸与が玉貸である例について説明する。また、以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップを「S」と略記する。
まず図23〜図26を参照して、本発明に係る遊技用装置であるカードユニット3A及びパチンコ機2Aを備える遊技用システム1000について説明する。この遊技用システム1000は、遊技場内に設けられており、前記カードユニット3Aと通信可能なシステムコントローラ830を備えている。また遊技用システム1000においては、図23に示すように、紙幣3002,プリペイドカード3003が使用される。
紙幣3002は貨幣の一例であって、プリペイドカード3003の記録情報から特定されるカード残額の加算に用いられ、ここでは図24(b)に示すように、1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類の紙幣が使用可能である。この紙幣3002は、カードユニット3Aにおいてプリペイドカード3003が受け付けられているときにのみ受付可能(即ち入金可能)とされ、カードユニット3Aにおいてプリペイドカード3003が受け付けられていないときには受付不能(即ち入金不能)である。
プリペイドカード3003は遊技用記録媒体の一例であって、遊技(パチンコ玉の貸与)に使用可能なカード残額を特定可能な情報が記録されたものであり、ここでは該情報として、該プリペイドカード3003を個々に識別可能なカードIDと、当該カード残額とが記録される。このプリペイドカード3003は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、カードID及びカード残額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路(ICチップ)を搭載したICカードである。このプリペイドカード3003は、図示しないカード販売機において、紙幣3002が受け付けられてカード発行処理が行われると、システムコントローラ830の残額管理DBにおいて、発行されるプリペイドカード3003のカードIDに対応付けて、該受け付けられた紙幣3002の金額がカード残額として記憶された後、該カードIDのプリペイドカード3003に該カード残額が記録されて発行される。
次にパチンコ機2Aについて説明する。このパチンコ機2Aは遊技機の一例であって、遊技場内に設けられた遊技島において機種等に従って所定の位置に配置されており、図23及び図24(a)に示すように、カードユニット3Aに対応して設けられ、遊技媒体であるパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技を行うものであり、ここでは対応するカードユニット3Aとの間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて玉貸処理が行われる、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機2Aは、遊技場内に配置された遊技島(図示外)において該パチンコ機2Aの機種等に従って設置されている。
このパチンコ機2Aは、図24(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、残度数表示器3014,玉貸ボタン3015,及びカード返却ボタン3016を備え、図23に示すように、その内部に遊技制御基板2011,払出制御基板2012,及び玉払出装置2013等を備えており、これらの各構成要素は図23に示すように接続されている。
遊技制御基板2011は、パチンコ機2Aにおける遊技状態を制御するものである。払出制御基板2012は払出制御部の一例であって、カードユニット3Aの玉貸通信部3022と接続されており、パチンコ機2Aとカードユニット3Aとの間における通信を司るものである。これにより、玉貸が行われる場合に、パチンコ機2Aとカードユニット3Aとの間で玉貸に関する信号のやり取りが行われる。また払出制御基板2012は、玉払出装置2013と接続され、該玉払出装置2013を制御するものである。この払出制御基板2012のその他の機能については後述する。玉払出装置2013は、玉貸が行われて遊技者に貸し出されるパチンコ玉や、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
残度数表示器3014は、対応するカードユニット3AのカードR/W3025にて受け付けている(即ち挿入されている)プリペイドカード3003に記録されているカード残額から特定される残度数を表示するための表示器であり、ここでは3桁の7セグメント表示器によって構成されている。この残度数表示器3014では、図23に示すように、玉貸通信部3022との間に図示しないLED駆動回路を介して設けられている度数表示信号線を介して、該玉貸通信部3022から残度数を示す度数表示信号が入力されることによって、該残度数が表示される。この度数表示信号に含まれる残度数は、後述する残度数特定手段として機能するユニット制御部3021により、「カード残額÷単位額(100円)」の式で演算された商の整数部分である。そして残度数表示器3014で残度数が表示される場合には、百の位のセグメント表示器〜一の位のセグメント表示器で、前記度数表示信号に含まれる残度数が表示される。
玉貸ボタン3015は、対応するカードユニット3AのカードR/W3025にて受け付けている(即ち挿入されている)プリペイドカード3003の記録情報から特定されるカード残額を使用した玉貸を行うための玉貸操作を受け付けるボタンである。図24に示すように、玉貸ボタン3015が操作されたことにより、玉貸通信部3022との間に設けられている玉貸要求信号線を介して、該玉貸通信部3022に玉貸要求信号が入力され、該玉貸通信部3022が該玉貸要求信号の入力を検出することによって、ユニット制御部3021が玉貸ボタン3015が操作された旨を認識する。
カード返却ボタン3016は、対応するカードユニット3AのカードR/W3025にて受け付けている(即ち挿入されている)プリペイドカード3003を返却するための返却操作を受け付けるものである。図24に示すように、カード返却ボタン3016が操作されたことにより、玉貸通信部3022との間に設けられている返却要求信号線を介して、該玉貸通信部3022に返却要求信号が入力され、該玉貸通信部3022が該返却要求信号の入力を検出することによって、ユニット制御部3021がカード返却ボタン3016が操作された旨を認識し、カードR/W3025に対してプリペイドカード3003の排出指令を出力する。この排出指令が入力されたカードR/W3025では、カード挿入口3025aから挿入されたプリペイドカード3003を内部に取り込む搬送機構が逆方向に回転されることにより、内部に取り込まれているプリペイドカード3003がカード挿入口3025aから排出されて返却される。
上記の残度数表示器3014,玉貸ボタン3015,及びカード返却ボタン3016は、図24(a)に示すように、パチンコ機2Aの前面(ここでは上皿)に設けられているが、図23に示すように、カードユニット3Aと接続されているので、遊技用装置である該カードユニット3Aに属するものでもある。
次にカードユニット3Aについて説明する。このカードユニット3Aは遊技用装置の一例であって、図23及び図24(a)に示すように、パチンコ機2Aに対応して(ここではパチンコ機2Aの左側に隣接して)設けられている。このカードユニット3Aは、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図24(a)に示すように、その前面に紙幣挿入口3024a,タッチパネル式のディスプレイ3026,及びカード挿入口3025a等を備え、図23及び図24(b)に示すように、その内部に紙幣識別機3024,ユニット制御部3021,玉貸通信部3022,システムコントローラ用通信部3023,及びカードR/W3025等を備えており、これらの各構成要素は図23に示すように接続されている。なお、各カードユニット3Aは、ユニットIDによって個々に識別可能とされている。
ユニット制御部3021は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROM(あるいはEEPROM)に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、カードユニット3Aに備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ここでEEPROMには、前記ユニットIDが記憶されている。このユニット制御部3021の機能については後述する。
玉貸通信部3022は、パチンコ機2Aの払出制御基板2012と接続されており、カードユニット3Aとパチンコ機2Aとの間における通信を司るものである。この玉貸通信部3022と払出制御基板2012との間には、図23及び図25に示すPSI信号線,PRDY信号線,BRDY信号線,BRQ信号線,及びEXS信号線が設けられている。
PSI信号線は、カードユニット3Aとパチンコ機2Aとの接続確認を行うための信号線である。このPSI信号線を介して接続確認信号が送信されることにより、パチンコ機2Aにおいて発射ハンドルの操作が可能となる。
PRDY信号線は、パチンコ機2Aから対応するカードユニット3Aに対して、該パチンコ機2Aとカードユニット3Aとの間における通信が可能な状態(スタンバイ状態)である旨を示す払出可能信号を送信する信号線である。具体的には、図25のS1に示すように、該PRDY信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、払出可能信号がパチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して送信される。
BRDY信号線は、カードユニット3Aが前記払出可能信号を受信しているスタンバイ状態において玉貸操作があったときに、カードユニット3Aから対応するパチンコ機2Aに対して、玉貸可能信号を送信する信号線である。具体的には、図25のS2に示すように、該BRDY信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、玉貸可能信号がカードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して送信される。
またBRDY信号線は、1回の玉貸操作に伴う所定度数分(本例では5度数分)の玉貸処理が終了したときに、カードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して、玉貸終了信号を送信する信号線である。具体的には、図25のS7に示すように、該BRDY信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸終了信号がカードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して送信される。
BRQ信号線は貸与指令信号線(=玉貸指令信号線)の一例であって、カードユニット3Aから対応するパチンコ機2Aに対して、遊技媒体の貸与を要求する貸与要求信号(=玉貸要求信号)を送信する信号線である。具体的には、図25のS3に示すように、該BRQ信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、玉貸要求信号がカードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して送信される。
またBRQ信号線は、カードユニット3Aから対応するパチンコ機2Aに対して、パチンコ玉の貸与を指令する貸与指令信号(=玉貸指令信号)を送信する信号線である。具体的には、図25のS5に示すように、該BRQ信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸指令信号がカードユニット3Aからパチンコ機2Aに対して送信される。
EXS信号線は要求了解信号線の一例であって、パチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して、玉貸の要求を了解した旨(即ち玉貸要求信号を受信した旨)を示す要求了解信号を送信する信号線である。具体的には、パチンコ機2Aが玉貸要求信号を受信してから、該パチンコ機2Aがパチンコ玉を貸与する準備が整っている(即ち玉切れがなく、エラーがない)旨を確認した後に、図25のS4に示すように、該EXS信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、要求了解信号がパチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して送信される。
またEXS信号線は、1度数分の玉貸処理が完了したときに、パチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して、該玉貸処理が完了した旨を示す玉貸完了信号を送信する信号線である。具体的には、玉貸処理が完了したとき、即ちパチンコ玉の払出が完了したときに、図25のS6に示すように、該EXS信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸完了信号がパチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して送信される。
システムコントローラ用通信部3023は、システムコントローラ830と通信可能に接続されており、カードユニット3Aとシステムコントローラ830との間における通信を司るものである。このシステムコントローラ用通信部3023は、カードR/W3025によりプリペイドカード3003が受け付けられたときに、ユニット制御部3021の制御により、該受け付けたプリペイドカード3003からカードR/W3025により読み取ったカードID及びカード残額を含む照合要求をシステムコントローラ830に対して送信し、該照合要求に応じてシステムコントローラ830から送信されてくる照合結果情報(照合OK又は照合NG)を受信する。またシステムコントローラ用通信部3023は、ユニット制御部3021の制御により、前記玉貸情報や前記入金情報をシステムコントローラ830に対して送信する。
紙幣識別機3024は貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは図24(b)に示すように、カードR/W3025によりプリペイドカード3003を受け付けている(即ち挿入されている)入金可能状態で、紙幣挿入口3024aから挿入された紙幣3002を受け付けて、該受け付けた紙幣3002が前記4種類の紙幣のうちのいずれの紙幣であるかを識別する(いずれの紙幣でもなければ正規の紙幣ではないと識別する)識別機である。この識別により、受け付けた紙幣が正規の紙幣3002であれば、該紙幣3002の金額を入金額としてユニット制御部3021に出力する。この識別が完了した正規の紙幣3002は、紙幣通路24bを通じてカードユニット3Aの背面から外部に排出され、遊技島に設けられた紙幣搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。なお、カードR/W3025によりプリペイドカード3003を受け付けていない入金不可状態で紙幣3002が挿入された場合や、受け付けた正規の紙幣ではないと識別した場合には、該紙幣3002を紙幣挿入口3024aから返却する。
カードR/W3025は記録媒体受付手段の一例であって、カード挿入口3025aから挿入されたプリペイドカード3003を受け付けて、該受け付けたプリペイドカード3003に記録されているカードID及びカード残額を読み取るものである。またカードR/W3025は、入金が行われたときに、受付中のプリペイドカード3003に記録されているカード残額に入金額を加算更新し、玉貸が行われたときに、該カード残額から玉貸使用額を減算更新する。このカードR/W3025は、前記ICカードであるプリペイドカード3003のICチップに対応したICチップR/Wを備えている。
タッチパネル式のディスプレイ3026は、遊技者からの操作を受け付けると共に、各種の情報を表示するためのものである。具体的には、図27のD0に示すように、プリペイドカード3003の返却に関する注意喚起表示を行う表示手段として機能し、また図28のD1に示すように、カード返却ボタン3016が操作された旨を報知する返却操作報知手段として機能し、さらに図28のD2に示すように、挿入されたプリペイドカード3003の返却を確認するための確認操作を受け付ける確認操作手段として機能するものである。
次にシステムコントローラ830は、図23に示すように、遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられ、該図23に示すように接続されている通信部831,制御部832,記憶装置833,入力装置834,及びディスプレイ835等を備えているコンピュータである。
通信部831は、カードユニット3Aのシステムコントローラ用通信部3023と通信可能に接続され、システムコントローラ830とカードユニット3Aとの間における通信を司るものである。制御部832は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROM(あるいはEEPROM)及び記憶装置833に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、システムコントローラ830に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
記憶装置833は、例えばハードディスク等であり、図23に示す残額管理DBを記憶している。この残額管理DBでは、各プリペイドカード3003のカードIDに対応付けて、各プリペイドカード3003に記録されているカード残額が記憶されて管理されている。この残額管理DBの管理内容は、玉貸処理が行われたカードユニット3Aから、ユニットID,カードID,及び玉貸に使用された玉貸使用額を含む玉貸情報が送信されてくる毎に、該カードIDに対応付けて記憶されているカード残額から、該玉貸使用額が減算更新される。また残額管理DBの管理内容は、入金処理が行われたカードユニット3Aから、カードID,及び入金額を含む入金情報が送信されてくる毎に、該カードIDに対応付けて記憶されているカード残額に対して、該入金額が加算更新される。
またシステムコントローラ830は、プリペイドカード3003を受け付けたカードユニット3Aから、該プリペイドカード3003のカードID及びカード残額を含む照合要求を受信したことに基づいて、該受信した照合要求に含まれるカードIDに対応付けて残額管理DBで記憶されているカード残額と、該受信した照合要求に含まれるカード残額とが一致するか否かを判定する照合処理を行う。この照合処理の結果、一致すると判定された場合には、照合OKの照合結果情報をカードユニット3Aに対して返信し、一致しないと判定された場合には、照合NGの照合結果情報をカードユニット3Aに対して返信する。
入力装置834は、各種の情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力デバイスであり、ディスプレイ835は、各種の情報を表示するための表示デバイスである。このシステムコントローラ830において設定モードが起動されると、図26に示す設定画面がディスプレイ835に表示される。この設定画面では、前記確認操作が必要であるか不要であるかを設定するためのラジオボタンと、前記注意喚起表示をするかしないかを設定するためのラジオボタンとが表示される。そして入力装置834を操作して、確認操作が必要であるか不要であるか及び注意喚起表示をするかしないかをラジオボタンで選択して「設定」ボタンを操作すると、該設定内容が各カードユニット3Aに対して送信されてユニット制御部3021のEEPROMで記憶される。
ここでユニット制御部3021のEEPROMは、確認操作を受け付けたことを条件として前記返却処理を行う第1返却処理か、又は、前記確認操作を受け付けたことを条件とせずに前記返却処理を行う第2返却処理の、いずれを実行するかを設定する返却設定手段として機能するものであり、システムコントローラ830から受信した設定内容に従って、確認操作が必要(即ち第1返却処理を行う)と設定されたか、又は、確認操作が不要(即ち第2返却処理を行う)と設定されたかを記憶する。またユニット制御部3021のEEPROMは、注意喚起表示を行うか否かを設定する表示設定手段として機能するものであり、システムコントローラ830から受信した設定内容に従って、注意喚起表示をするか、又は、注意喚起表示をしないかを記憶する。
次にカードユニット3Aの作用(即ちユニット制御部3021が行う処理)を説明する。
まず図示しないが、ユニット制御部3021が行う入金処理について説明する。カードユニット3Aがプリペイドカード3003を受け付けている(即ち挿入されている)状態で貨幣を受け付けると、ユニット制御部3021は、受け付けた貨幣(紙幣3002)の識別結果が正常であるか否かを判定する。ここで識別結果が正常でないと判定した場合には、前記受け付けた貨幣を返却する。一方、識別結果が正常であると判定した場合には、システムコントローラ830に対して、カードID及び識別した貨幣の金額を入金額として含む入金情報を送信する。この入金情報を受信したシステムコントローラ830は、該入金情報に含まれるカードIDに対応付けて前記残額管理DBで記憶しているカード残額に対して、該入金情報に含まれる入金額を加算更新し、入金が完了した旨を示す入金完了情報をカードユニット3Aに対して送信する。カードユニット3Aは、該入金完了情報の受信を待機し、該入金完了情報の受信が有ると判定した場合には、カードR/W3025により、プリペイドカード3003に記録されているカード残額に対して入金額を加算更新して、処理を終了する。
また図示しないが、ユニット制御部3021が行う玉貸処理について説明する。カードユニット3Aがプリペイドカード3003に記録されているカード残額が1度数分以上である状態で玉貸操作を受け付けると、ユニット制御部3021は、まずBRQ信号線を介して、パチンコ機2Aの払出制御基板2012に玉貸要求信号(図25のS3)を送信し、EXS信号線を介してパチンコ機2Aの払出制御基板2012から送信されてくる要求了解信号(S4)の受信を待機する。この要求了解信号の受信が有ると判定した場合には、BRQ信号線を介して、パチンコ機2Aの払出制御基板2012に玉貸指令信号(S5)を送信し、EXS信号線を介してパチンコ機2Aの払出制御基板2012から送信されてくる玉貸完了信号(S6)の受信を待機する。この玉貸完了信号の受信が有ると判定された場合には、カードR/W3025により、プリペイドカード3003に記録されているカード残額から1度数分の金額を減算更新し、残度数表示器3014における残度数の表示を1度数減算表示して、処理を終了する。このユニット制御部3021は、挿入を受け付けたプリペイドカード3003の記録情報から特定されるカード残額を対応するパチンコ機2Aでの遊技に使用させるための処理(玉貸処理)を行う使用処理手段をして機能するものである。
次に図27を参照して、ユニット制御部3021が行う注意喚起表示処理について説明する。カードユニット3Aがプリペイドカード3003を受け付けている(即ち挿入されている)と、ユニット制御部3021は、前記表示設定手段として機能するEEPROMの記憶内容に基づいて、「注意喚起表示をする」と設定されているか否かを判定する(S101)。ここで「注意喚起表示をしない」と設定されている(NO)と判定した場合には、処理を終了する。一方、「注意喚起表示をする」と設定されている(YES)と判定した場合には、表示タイミング(例えば2分間毎)を待機し(S102)、該表示タイミングであれば(YES)、注意喚起表示(例えばD0に示す『プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意下さい』)をディスプレイ3026に表示して(S103)、処理を終了する。つまり「注意喚起表示をする」と設定されていれば、表示タイミング毎に、注意喚起表示が表示されることになる。これによれば、第1返却処理又は第2返却処理のいずれを行うかにかかわらず、注意喚起表示を行うことができる。なお表示タイミングは、任意に設定可能である。
次に図28を参照して、ユニット制御部3021が行う返却処理について説明する。カードユニット3Aがプリペイドカード3003を受け付けている(即ち挿入されている)状態で、パチンコ機2Aで返却操作(カード返却ボタン3016の操作)が有ると(D201でYES)、該パチンコ機2Aからカードユニット3Aに対して前記返却要求信号が送信され(S202)、カードユニット3Aが該返却要求信号を受信すると、返却処理を開始して、返却操作有り報知(例えばD1に示す『返却ボタンが操作されました』)をディスプレイ3026に表示する。このように、返却要求を受信したことに基づいて、返却処理を実行することにより、パチンコ機2Aはカード返却ボタン3016の操作により返却要求信号を発信するという通常の処理を行うだけなので、該パチンコ機2Aを変更する必要が無い。またカード返却ボタン3016が操作された旨が報知されるので、他人がカード返却ボタン3016を操作した旨を遊技者が発見することができる。
次にユニット制御部3021は、前記返却設定手段として機能するEEPROMの記憶内容に基づいて、「確認操作が必要」と設定されているか否かを判定する(S204)。ここで「確認操作が不要」と設定されている(NO)と判定した場合、即ち確認操作を受け付けたことを条件とせずに返却処理を行う第2返却処理を実行すると設定されている場合には、前記受け付けている(即ち挿入されている)プリペイドカード3003を返却し、返却表示(例えばD3に示す『カードをお取り下さい』)をディスプレイ3026に表示して(S209)、処理を終了する。
一方、「確認操作が必要」と設定されている(YES)と判定した場合、即ち確認操作を受け付けたことを条件として前記返却処理を行う第1返却処理を実行すると設定されている場合には、計時を開始して(S205)、確認操作要求表示(例えばD2に示す『確認ボタンを押して下さい』及び確認ボタン)をディスプレイ3026に表示して(S207)、タイムアップ(例えば10秒間経過)するまで確認ボタンの操作を待機する(S207,S208)。
ここでタイムアップするまでに確認ボタンの操作が無い(S207でNO)と判定した場合には、処理を終了する。一方、タイムアップするまでに確認ボタンの操作が有る(S208でYES)と判定した場合には、前記S209に進んで、処理を終了する。ここでS205の処理を行うユニット制御部3021は、該返却要求信号の受信に基づいて計時を開始する計時手段として機能するものであり、S207〜S209の処理を行うユニット制御部3021は、前記返却設定手段により第1返却処理を実行すると設定されている場合(S204でYES)に、計時手段による計時時間が所定時間以内に確認操作を受け付けたことを条件として返却処理を行う返却処理手段として機能するものである。これによれば、所定時間以内に確認操作がなければプリペイドカード3003が返却されないので、他人によるプリペイドカード3003の盗難を困難にすることができる。なお所定時間は、任意に設定可能であるが、遊技者がカード返却ボタン3016を操作してから確認ボタンを操作するまでに要する時間よりも長く、プリペイドカード3003の盗難を狙う他人がカード返却ボタン3016を操作してから確認ボタンを操作するまでに要する時間よりも短いのが好ましい。
また確認ボタンは、カード返却ボタン3016から所定間隔離れた箇所に設けられていることが好ましい。ここで所定間隔とは、例えば遊技者がカード返却ボタン3016と確認ボタンの両方を視界に捉えられる範囲内である。これによれば、カード返却ボタン3016を操作した他人が遊技者に気付かれることなく確認ボタンを操作することが困難なので、より有効にプリペイドカード3003の盗難を防止することができる。なおカード返却ボタン3016はパチンコ機2Aの右側に設けられていることが多いため、確認ボタンは、パチンコ機2Aの左側に配置されるカードユニット3Aのみならず、当該パチンコ機2A自体の左側や、当該パチンコ機2Aの上側に設置されている呼出ランプ装置に設けられていても良い。
以上に説明したように、挿入されたプリペイドカード3003の返却を確認するための確認操作を受け付ける確認操作手段(タッチパネル式のディスプレイ3026に表示される確認ボタン)と、確認操作を受け付けたことを条件として返却処理を行う第1返却処理又は確認操作を受け付けたことを条件とせずに返却処理を行う第2返却処理のいずれを実行するかを設定する返却設定手段とを備え、カード返却ボタン3016の操作を受け付けたことに基づいて、第1返却処理又は第2返却処理を実行するように構成したので、遊技中における遊技用記録媒体の盗難を防止するために、店員の密な監視により盗難を防止する運用を行う遊技場は第2返却処理の実行を設定すれば良く、店員の監視負担を減らすが遊技者に手間を取らせることで盗難を防止する運用を希望する遊技場は第1返却処理の実行を設定すればよいので、両遊技場に対応可能なカードユニット3Aを提供することができる。
なお遊技用装置に、遊技者が獲得した獲得遊技媒体数(持玉数)を計数する各台計数装置を備え、該遊技用装置にカード残額と持玉数とが記憶されて表示されている場合に、カード残額の記憶及び表示は消去して該カード残額のみを特定可能な残額カード(本発明のプリペイドカード3003に相当)を排出し、持玉数の記憶及び表示は残すような遊技用装置を構成することが考えられる。これによれば、対応するパチンコ機2Aで大当り等が発生した場合に、とりあえず残額カードを排出させることができるので、カード残額の盗難を防止できる。なお持玉数については盗難のおそれがあるが、遊技者に返却するカードが2枚になってしまうと取り回しが面倒になるので、持玉数については遊技用装置で記憶しておき、大当り終了後には該持玉数を特定可能な持玉カードを排出させることができる。しかしながら、このような遊技用装置だと、持玉数の記憶及び表示が消去されずに残額カードを排出させることが可能なので、他人により残額カードが盗難されても遊技者が気付きにくいところ、本発明を適用して第1返却処理を行う(確認操作が必要)と設定すれば、残額カードの盗難が困難となるので、特に有効である。
[旧来のパチンコ機の第1の例の変形例]
次に、本発明の変形例について説明する。
上記の実施形態では、図23に示すように、遊技機がパチンコ機2Aである例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、例えば遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシン,遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機,パチンコ玉やメダルを用いることなく得点データを使用して遊技可能なパチンコ機やスロットマシン,遊技領域やパチンコ玉が画像にて表示される画像式のパチンコ機,リールが画像にて表示される画像式のスロットマシン等であっても良い。
上記の実施形態では、遊技媒体の貸与が、パチンコ玉を貸与する玉貸である例について説明したが、これに限らず、該遊技媒体の貸与は、前記メダルを貸与するメダル貸出や、前記画像式のパチンコ機やスロットマシンにおいてカード残額を遊技媒体としての得点に変換して遊技に使用させる処理等でも良い。
上記の実施形態では、図23及び図24(b)に示すように、貨幣が紙幣3002である例について説明したが、これに限らず、該貨幣は、硬貨であっても良く、紙幣3002と硬貨の両方であっても良い。また有体物である貨幣の入金を受け付ける例には限られず、無体物である貨幣(例えば電子マネー等の貨幣金額に相当する金額データ,デビットカードの記録情報から特定される預金口座の残高,又はクレジットカードの記録情報から特定される与信金額等)の入金を接触又は非接触で受け付けるようにしても良い。さらに遊技用装置(カードユニット3A)は、貨幣を受付不能(即ち入金不能)なものであっても良い。
上記の実施形態では、図24(b)に示すように、貨幣受付手段(紙幣識別機3024)により受け付けられた貨幣(紙幣3002)が遊技用装置(カードユニット3A)外部に排出されて、紙幣搬送機構により搬送される例について説明したが、これに限らず、該受け付けられた貨幣は、遊技用装置内部に貯留されるようにしても良い。
上記の実施形態では、プリペイドカード3003が、非接触式のICチップにより情報を記録するICカードである例について説明したが、これに限らず、該プリペイドカード3003は、接触式のICチップ,磁気ストライプ,二次元コード(例えばバーコード),三次元コード,又は光干渉(例えばホログラム)等により情報を記録するものでも良い。またこれらの形状はカード型には限られず、コイン型であっても良い。さらに遊技用記録媒体は、プリペイドカード3003ではなく、ICチップを搭載した携帯電話等であっても良い。
上記の実施形態では、遊技用記録媒体がプリペイドカード3003である例について説明したが、これに限らず、該遊技用記録媒体は、獲得した遊技媒体数(持玉数,貯玉数)を特定可能な情報が記録された持玉カードや会員カードであっても良い。即ち遊技用記録媒体は、遊技に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録されたものであれば良い。
上記の実施形態では、遊技用記録媒体としてプリペイドカード3003のみを受け付ける例について説明したが、これに限らず、該プリペイドカード3003と前記持玉カードや会員カードを受け付けるものであっても良い。この場合において、カード返却ボタン3016が操作されたことに基づき、確認ボタンの操作を受け付けることに代えて、該カードを順次排出するようにしても良い。例えば1回目のカード返却ボタン3016の操作でプリペイドカード3003を排出し、2回目のカード返却ボタン3016の操作で持玉カードや会員カードを排出するようにしても良い。これによれば、遊技者以外の他人にカード返却ボタン3016が操作されても、カード全部を盗難されなくて済む。
上記の実施形態において、遊技用システム1000に、プリペイドカード3003に記録されているカード残額に相当する貨幣を払い出して精算を行うことができる精算装置を設けるようにしても良い。
上記の実施形態では、図23及び図24(a)に示すように、残度数表示器3014,玉貸ボタン3015,及びカード返却ボタン3016が、パチンコ機2Aに設けられている例について説明したが、これに限らず、これらの一部又は全部がカードユニット3Aに設けられるようにしても良い。
上記の実施形態では、プリペイドカード3003に記録されているカード残額と、該プリペイドカード3003のカードIDと対応付けてシステムコントローラ830で管理されているカード残額との照合が行われ、照合OKであるときに、プリペイドカード3003に記録されているカード残額を使用した玉貸が行われる例について説明したが、これに限らず、例えばプリペイドカード3003にはカード残額を記録せずに、該プリペイドカード3003のカードIDと対応付けてシステムコントローラ830で管理されているカード残額を使用した玉貸が行われるようにしても良く、逆にシステムコントローラ830ではカード残額を管理せずに、プリペイドカード3003に記録されているカード残額を使用した玉貸が行われるようにしても良い。
上記の実施形態では、返却操作手段(カード返却ボタン3016)と返却確認手段(タッチパネル式のディスプレイ3026に表示される確認ボタン)とが別個である例について説明したが、これに限らず、両者は同一のボタンであっても良い。
上記の実施形態では、返却確認手段が、タッチパネル式のディスプレイ3026に表示される確認ボタンである例について説明したが、これに限らず、該返却確認手段は、カードユニット3Aの所定箇所に設けられる独立したボタンであっても良い。
また返却確認手段を、該タッチパネル式のディスプレイ3026に表示されるテンキー(又はカードユニット3Aに別途設けられるテンキー)とし、遊技者が希望する暗証番号を該テンキーで入力して記憶しておき、確認操作が要求された際にテンキーで暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号と前記記憶している暗証番号とが一致すると判定しされたことにより、確認操作を受け付けるものであっても良い。これによれば、遊技者の手間は増えるが、遊技者が記憶させた暗証番号が入力されなければ確認操作が受け付けられないので、遊技用記録媒体の盗難を確実に防止できる。
また返却確認手段を、カードユニット3Aに設けられるICチップR/Wとし、遊技者が所持している携帯端末に内蔵されているICチップの識別情報を該ICチップR/Wで予め読み取らせて記憶しておき、確認操作が要求された際に携帯端末のICチップからICチップR/Wで識別情報を読み取り、該読み取った識別情報と前記記憶している識別情報とが一致すると判定されたことにより、確認操作を受け付けるものであっても良い。これによれば、遊技者の携帯端末でなければ確認操作が受け付けられないので、遊技用記録媒体の盗難を確実に防止できる。
上記の実施形態では、図26に示すように、システムコントローラ830において、確認操作が必要であるか不要であるか、及び、注意喚起表示をするかしないかが設定され、該設定内容が各カードユニット3Aに送信されてユニット制御部3021のEEPROMで記憶(設定)される例について説明したが、これに限らず、確認操作が必要であるか不要であるか、及び、注意喚起表示をするかしないかの設定を、各カードユニット3Aにおいて設定するものであっても良い。例えば各カードユニット3Aにディップスイッチを設けて設定したり、各カードユニット3Aに対してリモコンで設定したり、タッチパネル式のディスプレイ3026で設定しても良い。これによれば、システムコントローラ830と各カードユニット3Aとがオフラインであっても、これらの設定を行うことができる。なおタッチパネル式のディスプレイ3026での設定は、遊技場の店員のみならず、遊技者が設定できるものであっても良い。
また遊技場内に備えられる全部のカードユニット3Aについて同じ設定をするのではなく、各カードユニット3A毎に異なる設定をするものであっても良い。例えばある遊技島のカードユニット3Aについては確認操作が必要である(即ち第1返却処理を行う)と設定して店員の監視を減らす一方、ある遊技島のカードユニット3Aについては確認操作が不要である(即ち第2返却処理を行う)と設定して店員の監視を密にするようにすることもできる。この場合においては、上記の如く各カードユニット3Aにおいて設定するものには限らず、システムコントローラ830において各カードユニット3A毎に設定可能とすることもできる。
上記の実施形態において、第1返却処理(確認操作が必要)が設定されているか、第2返却処理(確認操作が不要)が設定されているかを示す設定内容画面を、ディスプレイ3026に表示するようにしても良い。この設定内容画面は、確認ボタンに近い位置に表示したり、又は残度数(及び各台計数機付きのカードユニット3Aにあっては持玉数)が表示される画面と共に表示する。遊技用記録媒体を盗難する不正者は、画面を見て盗難をするか否かを決めることが多いが、この設定内容画面が表示されることにより、盗難を断念することが期待できる。
上記の実施形態において、ディスプレイ3026で残度数や持玉数を表示すると共に、カードユニット3Aにカメラを設け、該カメラが遊技をしている遊技者以外にカードユニット3Aに近付く人間を感知したら、残度数や持玉数の表示を消すようにしても良い。これによれば、不正者が直ちに残度数や持玉数を把握できないようになるため、盗難の防止に繋がる。ここで残度数や持玉数の表示を消す代わりに、注意喚起表示をするとさらに好ましい。
上記の実施形態では、図28のS208に示すように、確認操作(確認ボタンの操作)を1回受け付けるとプリペイドカード3003の返却が行われる例について説明したが、これに限らず、確認操作を複数回受け付けるとプリペイドカード3003の返却が行われるようにしても良い。
上記の実施形態では、図28に示すように、返却操作(カード返却ボタン3016の操作)を受け付けてから確認操作(確認ボタンの操作)を受け付けるとプリペイドカード3003が返却される例について説明したが、これに限らず、確認操作を受け付けてから返却操作を受け付けるとプリペイドカード3003が返却されるようにしても良く、これによれば、確認操作を受け付けていなければ、玉貸ボタン3015を押そうと思って誤ってカード返却ボタン3016を押してもプリペイドカード3003が返却されない。即ち返却操作と確認操作の順序は、特に限定されない。
上記の実施形態において、カードユニット3Aにプリペイドカード3003が挿入されたままでパチンコ機2Aの稼働が所定時間無い場合(例えば遊技者がプリペイドカード3003を返却せずに休憩に入って離席した場合)には、プリペイドカード3003の盗難やカード残額の使用を防止するために、カード返却ボタン3016や玉貸ボタン3015の操作が制限されるセーフモードに入るようにしても良い。具体的には、パチンコ機2Aの稼働が停止してからセーフモードの計時を開始し、該計時時間が所定時間(例えば10分間)に達すると、セーフモードに入る。この所定時間は任意に設定可能である。なおセーフモードの計時中にカード返却ボタン3016が操作されると、該計時は一旦停止し、図28のS207でタイムアップする前に確認ボタンが操作されるとプリペイドカード3003は返却されるが、確認ボタンが操作されずにタイムアップすると、前記一旦停止した計時が再開される。そしてセーフモードから復帰するには、遊技場の店員によるリモコン操作や、暗証番号の入力等を受け付ける。
<旧来のパチンコ機の第2の例>
上述した旧来のパチンコ機の第1の例のパチンコ機2Aは、以下のように構成してもよい。
まず図29〜図34を参照して、本発明に係る遊技用装置であるカードユニット3Aを備える遊技用システム1000について説明する。この遊技用システム1000は、図29に示すように、遊技場内に設けられており、図23で示した構成に加えて、カードユニット3Aと通信可能なホールコンピュータ900と、システムコントローラ830と通信可能な精算装置850とを備えている。
前述したユニット制御部3021のEEPROMは、図30に示す所定額テーブルを記憶している。この所定額テーブルでは、遊技者の年代(本例では20代,30代,40代,50代,及び60台以上)毎に、前記第1実施形態において一部使用可能処理及び価値受付時返却処理を行うか否かを判定するために受付額と比較する第1所定額と、前記第2実施形態において価値受付時返却処理を行うか否かを判定するために累計額と比較する第2所定額と、両実施形態において後述する価値受付禁止処理を行うか否かを判定するために累計額と比較する特定額とが設定されて記憶されている。
ここで第1所定額,第2所定額,及び特定額は、各遊技者について(本例では遊技者の年代毎に)異なる値が設定されており、具体的には、例えば低所得者や使い過ぎし易い年代(本例では20代と60代以上)の遊技者については、その他の年代の遊技者よりも、低額に設定されている。これによれば、例えば低所得者や使い過ぎし易い遊技者について、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
前記所定価値は、予め設定された高額金種の貨幣に相当する額であり、具体的には、20代と60代以上の遊技者については5000円であり、その他の年代の遊技者については10000円である。これによれば、高額金種の貨幣を受け付けた際に、一部使用可能処理及び価値受付時返却処理が行われるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
またユニット制御部3021のEEPROMは、図31に示す表示基準額対応商品テーブルも記憶している。この表示基準額対応商品テーブルでは、後述する商品報知処理を行うか否かを判定するために累計額と比較する表示基準額(本例では10000円,20000円,30000円…)毎に、各種ジャンルの商品が設定されて記憶されている。
カードR/W3025は、図34に示すように、入金が行われたときに、受付中のプリペイドカード3003に記録されているカード残額に受付額を加算更新し(S117)、玉貸が行われたときに、該カード残額から玉貸使用額を減算更新する(S135)。またカードR/W3025からプリペイドカード3003が返却されると(S126)、カードストッカ(図示せず)に収納されているプリペイドカード3003であるストックカードがカードR/W3025に搬送されて留保カードとなる(S127)。
タッチパネル式のディスプレイ3026は、遊技者からの操作を受け付けると共に、各種の情報を表示するためのものである。この表示内容については、図34を参照して後述する。
カメラ3027は、カードユニット3Aに対応するパチンコ機2Aで遊技をする遊技者を撮像するためのものである。このカメラ3027により撮像した遊技者の顔画像から、ユニット制御部3021の画像認識処理により顔データが抽出される。
次にシステムコントローラ830は、図29に示すように、遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられるコンピュータである。このシステムコントローラ830は、図32に示すカードDBを記憶している。このカードDBでは、各プリペイドカード3003のカードID毎に、カード残額と入金時返却フラグとを記憶している。この入金時返却フラグが1であれば、前記価値受付時返却処理で返却されたプリペイドカード3003である旨を示す。なおカード残額は、当日の営業終了後もクリアされないが、入金時返却フラグは、当日の営業終了後にクリアされて0になる。
次にホールコンピュータ900も、図29に示すように、遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられるコンピュータである。このホールコンピュータ900は、図33に示す遊技者DBを記憶している。この遊技者DBでは、前記カメラ3027により撮像された遊技者の顔画像から抽出された顔データ毎(即ち遊技者毎)に、当該顔データに基づいて判別される遊技者の年代と、当該遊技者が遊技に使用した使用額を累計した累計額とを記憶している。なお遊技者DBの記憶内容は、当日の営業終了後にクリアされる。
次に精算装置850は、図29に示すように、遊技場内の所定箇所(例えば景品交換カウンタの近傍等)に設けられ、プリペイドカード3003を受け付けると、該プリペイドカード3003のカードIDをシステムコントローラ830に対して送信し、該カードIDに対応付けてカードDBで記憶されているカード残額をシステムコントローラ830から受信すると、該受信したカード残額と前記プリペイドカード3003に記録されているカード残額とが一致するか否かを判定し、一致しなければエラー処理を行い、一致すれば該カード残額分の貨幣を払い出す精算処理を行うものである。
なお該精算処理において、前記受け付けたプリペイドカード3003のカードIDに対応付けてカードDBで記憶されている入金時返却フラグもシステムコントローラ830から受信して、該受信した入金時返却フラグが1、即ち前記受け付けたプリペイドカード3003が価値受付時返却処理で返却された1枚目のカードならば、通常の返却処理で返却された2枚目のカードの受付を促す報知を行うようにしても良い。これによれば、該2枚目のカードの精算を忘れることがないため、遊技者の利便性を向上できる。
次に図34を参照して、本発明に係る遊技用装置であるカードユニット3Aの作用(即ちユニット制御部3021が行う処理)を説明する。ここではまず第1実施形態について説明し、次に第2実施形態について第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
まずカードユニット3Aは、紙幣3002の受付(S101),又はプリペイドカード3003の受付(S102)を待機する。このS101で紙幣3002の受付が有ると(YES)、該受け付けた紙幣3002を識別して(S111)、識別NGならば紙幣3002を返却する一方、識別OKならば遊技者識別処理を行う(S112)。この遊技者識別処理では、カメラ3027により遊技者を撮像して、該撮像した遊技者の顔画像から画像認識処理により顔データを抽出し、該抽出した顔データをホールコンピュータ900に対して送信する。該顔データを受信したホールコンピュータ900は、該顔データが遊技者DBで登録されているか否かを判定し、登録されていれば、該顔データに対応する年代と累計額をカードユニット3Aに対して返信し、登録されていなければ、該顔データに基づいて遊技者の年代を特定すると共に、該顔データに対応付けて該特定した年代を記憶して、該顔データに対応する年代と累計額(ここでは零)をカードユニット3Aに対して返信する。
次にカードユニット3Aは、S112の遊技者識別処理でホールコンピュータ900から受信した年代に対応付けて所定額テーブルで記憶している所定額(ここでは第1所定額)と特定額を特定して(S113)、ホールコンピュータ900から受信した累計額が該特定した特定額以上であるか否かを判定する(S114)。このS114で累計額が特定額未満である(NO)と判定した場合には、前記受け付けた紙幣3002を返却して(S115)、処理を終了する。このS115の処理を行うユニット制御部3021は、累計価値が特定価値以上であることを条件として、価値の受付を禁止するための価値受付禁止処理(ここではS115で紙幣3002を返却する処理)を行う価値受付禁止処理手段として機能するものである。これによれば、累計価値が特定価値以上ならば、価値の受付が禁止されるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
一方、S114で累計額が特定額以上である(YES)と判定した場合には、前記受付額が前記特定した所定額以上であるか否かを判定する(S116)。このS116で受付額が所定額未満である(NO)と判定した場合には、受付額を残度数に記憶すると共に、受付額を留保カードに記録して、S122に進む。一方、S116で受付額が所定額以上である(YES)と判定した場合には、受付額の半額を残度数に記憶し(S118)、受付額の半額を留保カードに記録して返却して(S119)、S120に進む。
このS117及びS118の処理を行うユニット制御部3021は、遊技者が所有する価値(紙幣3002)を受け付けたことに基づいて、該受け付けた受付価値(受付額)を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする使用可能処理(残度数記憶処理)を行う使用可能処理手段として機能するものであり、該使用可能処理として、受付価値が所定価値未満であることを条件として、該受付価値の全部を使用可能価値とする全部使用可能処理(S117)を行うと共に、受付価値が所定価値以上であることを条件として、該受付価値のうちの一部(ここでは半額)を使用可能価値とする一部使用可能処理(S118)を行うものである。またS119の処理を行うユニット制御部3021は、前記一部使用可能処理が行われたことに基づいて、返却操作を受け付けることなく、前記受付価値のうちの前記使用可能価値とされなかった受付時残価値(ここでは受付額の半額)を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理(S119)を行う返却処理手段として機能するものである。これによれば、受付価値が所定価値以上ならば、該受付価値のうちの一部を使用可能価値とする一部使用可能処理が行われると共に、受付価値のうちの使用可能価値とされなかった受付時残価値を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行われることにより、受付時残価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要である(即ちひと手間増える)ため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また返却された記録媒体の価値を精算装置850で精算する機会があるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次にカードユニット3Aは、S119で返却したプリペイドカード3003のカードIDと該プリペイドカード3003に記録したカード残額(ここでは受付額の半額)とを含む入金時返却通知をシステムコントローラ830に対して送信し(S120)、カードストッカ(図示せず)で収納しているプリペイドカード3003の1枚をカードR/W3025に搬送して留保し、該留保カードに使用可能価値(ここでは受付額の半額)を記録して(S121)、S122に進む。
ここでS120の入金時返却通知を受信したシステムコントローラ830は、カードDBにおいて、該受信した入金時返却通知に含まれるカードIDに対応付けて、該受信した入金時返却通知に含まれるカード残額を記憶すると共に、入金時返却フラグ1を記憶する。このS120の処理を行うユニット制御部3021は、価値受付時返却処理(S119)で返却した記録媒体であることを特定可能な価値受付時返却特定処理を行う返却処理手段として機能するものである。
前記S102でプリペイドカード3003の受付が有ると(YES)、カードR/W3025で留保されているプリペイドカード3003(留保カード)をカードストッカ(図示せず)に収納して(S103)、前記受け付けたプリペイドカード3003のカードIDとカード残額を読み取り(S104)、照合処理を行う(S105)。
この照合処理では、前記読み取ったカードIDをシステムコントローラ830に対して送信して、該カードIDに対応付けてカードDBで記憶されているカード残額と入金時返却フラグをシステムコントローラ830から受信すると、該受信したカード残額と前記読み取ったカード残額とが一致するか否かを判定し、一致しなければエラー処理を行い、一致すればS105に進む。
次にカードユニット3Aは、S105の照合処理で受信した入金時返却フラグが1であるか否か、即ち前記受け付けたプリペイドカード3003が価値受付時返却処理で返却されたものであるか否かを判定する(S106)。このS106で入金時返却フラグが0である(NO)、即ち前記受け付けたプリペイドカード3003が価値受付時返却処理で返却されたものでないと判定した場合には、前記読み取ったカード残額を残度数に記憶して(S108)、S122に進む。このS108の処理を行うユニット制御部3021は、遊技者が所有する価値(プリペイドカード3003)を受け付けたことに基づいて、該受け付けた受付価値(カード残額)を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする使用可能処理(残度数記憶処理)を行う使用可能処理手段として機能するものである。
一方、S106で入金時返却フラグが1である(YES)、即ち前記受け付けたプリペイドカード3003が価値受付時返却処理で返却されたものであると判定した場合には、注意喚起報知(例えばD0に示す『使いすぎていないですか?』)をディスプレイ3026に表示して(S107)、前記S108に進む。このS107の処理を行うユニット制御部3021及びディスプレイ3026は、価値受付時返却処理(S119)で返却されて価値受付時返却特定処理(S120)が行われた記録媒体を受け付けたことに基づいて、注意を喚起する報知を行う注意喚起報知手段として機能するものである。これによれば、価値受付時返却処理で返却した記録媒体を受け付けると注意を喚起する報知が行われるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次にカードユニット3Aは、玉貸ボタン3015の操作(S122),紙幣3002の受付(S123),プリペイドカード3003の受付(S124),又はカード返却ボタン3016の操作(S125)を待機する。このS122で玉貸ボタン3015の操作が有ると(YES)、所定の確認条件が成立したか否かを判定する(S131)。ここで確認条件は、例えば「前記累計値が一定値以上であること」であり、具体的には、S112の遊技者識別処理でホールコンピュータ900から受信した累計額が表示基準額対応商品テーブルで記憶している表示基準額のいずれかに到達していることである。
このS131で確認条件が成立している(YES)と判定した場合には、D2に示すように、累計額と、前記到達している表示基準額に対応付けて表示基準額対応商品テーブルで記憶している商品と、確認ボタンとをディスプレイ3026に表示して(S132)、S133に進む。
ここでS132の処理を行うユニット制御部3021及びディスプレイ3026は、確認条件(ここでは累計価値が一定価値以上であること)が満たされたことを条件として、累計価値を表示する累計価値表示手段として機能するものである。これによれば、累計価値を遊技者に把握させることにより、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
またS132の処理を行うユニット制御部3021及びディスプレイ3026は、累計価値に相当する商品を報知する商品報知手段として機能するものである。これによれば、遊技に使用した価値で買えた商品が報知されるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次にカードユニット3Aは、前記D2の表示と、『確認ボタンを押して下さい』と確認ボタンとを表示するD2’の表示とを所定間隔(例えば3秒毎)で切り換えつつ、該確認ボタンの操作を待機し(S133)、確認ボタンの操作が有ると(YES)、D2及びD2’の表示を消去して、玉貸処理を行う(S135)。また前記S131で確認条件が成立していない(NO)と判定した場合にも、玉貸処理を行う(S135)。
このS135の処理を行うユニット制御部3021は、前記使用可能処理(S117,S118,S108)により使用可能とされた使用可能価値(残度数)を前記対応する遊技機での遊技に使用させる使用処理を行う使用処理手段として機能するものであり、ここでは使用操作(玉貸ボタン3015の操作)を受け付けたこと(S122でYES)に基づいて、前記使用処理を行うと共に、累計価値が一定価値以上であること(S131でYES)を条件として、使用操作を受け付け、かつ、該使用操作とは異なる特定操作(確認ボタンの操作)をさらに受け付けたこと(S133でYES)に基づいて、前記使用処理を行うものである。これによれば、累計価値が一定価値以上ならば、使用処理を行うための操作が増えるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
この玉貸処理では、以下の処理が行われる、残度数が1度数分以上である状態で玉貸操作を受け付けると、ユニット制御部3021は、まずBRQ信号線を介して、パチンコ機2Aの払出制御基板2012に玉貸要求信号を送信し、EXS信号線を介してパチンコ機2Aの払出制御基板2012から送信されてくる要求了解信号の受信を待機する。この要求了解信号の受信が有ると判定した場合には、BRQ信号線を介して、パチンコ機2Aの払出制御基板2012に玉貸指令信号を送信し、EXS信号線を介してパチンコ機2Aの払出制御基板2012から送信されてくる玉貸完了信号の受信を待機する。この玉貸完了信号の受信が有ると判定された場合には、記憶している残度数を1度数減算すると共に残度数表示器3014における残度数の表示を1度数減算表示し、かつ、カードR/W3025により、プリペイドカード3003に記録されているカード残額から1度数分の金額を減算更新する。この1度数分の玉貸を所定度数分(例えば5度数分)行って、玉貸処理を終了する。
次にカードユニット3Aは、玉貸処理に使用された玉貸使用額と留保カードのカードIDとを含む玉貸使用額通知をシステムコントローラ830に対して送信すると共に、玉貸使用額と顔データとを含む玉貸使用額通知をホールコンピュータ900に対して送信し(S136)、玉貸処理後の残度数が零であるか否かを判定し(S137)、零でなければ(NO)S122に戻り、零であれば(YES)処理を終了する。この玉貸使用額通知を受信したシステムコントローラ830は、該通知に含まれるカードIDに対応付けてカードDBで記憶しているカード残額から該通知に含まれる玉貸使用額を減算する。また玉貸使用額通知を受信したホールコンピュータ900は、該通知に含まれる顔データに対応付けて遊技者DBで記憶している累計額に該通知に含まれる玉貸使用額を加算する。このS136の処理を行うユニット制御部3021は、使用価値の累計である累計価値を各遊技者について特定可能とするための累計価値特定処理を行う累計価値特定処理手段として機能するものである。これによれば、累計価値に基づく各種処理を行うことができる。
前記S123で紙幣3002の受付が有ると(YES)、前記S111に進む。また前記S124でプリペイドカード3003の受付が有ると(YES)、前記S103に進む。また前記S125でカード返却ボタン3016の操作が有ると(YES)、カードR/W3025で留保しているプリペイドカード3003を返却し(S126)、カードストッカ(図示せず)で収納しているプリペイドカード3003の1枚をカードR/W3025に搬送し留保して、処理を終了する。
次に第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を説明する。上記の第1実施形態では、図34のS113において、第1所定額を特定したが、第2実施形態では、S113において、第2所定額を特定する。具体的には、S112の遊技者識別処理でホールコンピュータ900から受信した年代に対応付けて所定額テーブルで記憶している所定額(ここでは第2所定額)と特定額を特定する。
また上記の第1実施形態では、図34のS116において、受付額が第1所定額以上であるか否かを判定したが、第2実施形態では、該S116に代わるS116’において、累計額が第2所定値以上であるか否かを判定し、累計額が第2所定値未満ならば(NO)、前記S117に進み、累計額が第2所定値以上ならば(YES)、前記S118に進み、前記S119で価値受付時返却処理を行う。本例では、該価値受付時返却処理で、受付額の半額を留保カードに記録して返却しているが、受付額の全額を留保カードに記録して返却しても良い。即ち第2実施形態においてS119の処理を行うユニット制御部3021は、価値を受け付けたこと(S101でYES)に基づいて、累計価値が所定価値以上であること(S116’でYES)を条件として、返却操作を受け付けることなく、受付価値のうちの一部又は全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理を行う返却処理手段として機能するものである。これによれば、価値を受け付けた際に、使用価値の累計である累計価値が所定価値以上ならば、受付価値のうちの一部又は全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行われることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要である(即ちひと手間増える)ため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また返却された記録媒体の価値を精算装置850で精算する機会があるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
[旧来のパチンコ機の第2の例の変形例]
次に、本発明の変形例について説明する。
上記の実施形態では、プリペイドカード3003にカード残額が記録されている例について説明したが、これに限らず、プリペイドカード3003にはカード残額を記録せず、システムコントローラ830のみでカード残額を管理するもの(完全ID管理)であっても良い。
上記の実施形態では、記録媒体がプリペイドカード3003である例について説明したが、これに限らず、該記録媒体は、獲得した遊技媒体数(持玉数,貯玉数)を特定可能な情報が記録された持玉カードや会員カードであっても良い。即ち記録媒体は、遊技者が所有する価値を特定可能な情報が記録されたものであれば良い。
ここで記録媒体が持玉カードである場合には、該持玉カードのカードIDに対応付けて持玉数が持玉管理装置で管理されており、カードユニット3Aにおいて持玉カードを受け付けると、該持玉カードのカードIDを持玉管理装置に対して送信して、該カードIDに対応付けて管理されている持玉数を受信し、第1実施形態においては、該受信した持玉数に相当する持玉数相当額が第1所定額以上ならば(S116でYES)、持玉数の半分を使用可能持玉数として記憶して(S118)、持玉数の半分を特定可能な前記持玉カードを返却する(S119)。これによれば、受付価値(持玉数)が所定価値以上ならば、該受付価値のうちの一部(本例では持玉数の半分)を使用可能価値とする一部使用可能処理が行われると共に、受付価値のうちの使用可能価値とされなかった受付時残価値(本例では持玉数の半分)を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行われることにより、受付時残価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また第2実施形態においては、累計額が第2所定値以上ならば(S116’でYES)、該S118及びS119の処理を行う。これによれば、価値(持玉カード)を受け付けた際に、使用価値の累計である累計価値が所定価値以上ならば、受付価値(持玉数)のうちの一部又は全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行われることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また記録媒体が会員カードである場合には、該会員カードに記録されている会員IDに対応付けて貯玉数が貯玉管理装置で管理されており、カードユニット3Aにおいて会員カードを受け付けると、該会員カードの会員IDを貯玉管理装置に対して送信して、該会員IDに対応付けて管理されている貯玉数を受信し、第1実施形態においては、該受信した貯玉数に相当する貯玉数相当額が第1所定額以上ならば(S116でYES)、貯玉数の半分を使用可能貯玉数として記憶して(S118)、貯玉数の半分を特定可能な前記会員カードを返却する(S119)。これによれば、受付価値(貯玉数)が所定価値以上ならば、該受付価値のうちの一部(本例では貯玉数の半分)を使用可能価値とする一部使用可能処理が行われると共に、受付価値のうちの使用可能価値とされなかった受付時残価値(本例では貯玉数の半分)を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行われることにより、受付時残価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また第2実施形態においては、累計額が第2所定値以上ならば(S116’でYES)、該S118及びS119の処理を行う。これによれば、価値(会員カード)を受け付けた際に、使用価値の累計である累計価値が所定価値以上ならば、受付価値(貯玉数)のうちの一部又は全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行われることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
上記の実施形態では、図30の所定額テーブルにおいて、第1所定額,第2所定額,及び特定額を、遊技者の年代毎に設定している例について説明したが、これに限らず、該第1所定額,第2所定額,及び特定額は、遊技者の年代によらずに一律であっても良く、逆に遊技者個々に異なる値を設定していても良い。これによれば、例えば低所得者や使い過ぎし易い遊技者について、遊技への価値の使い過ぎをさらに効果的に防止できる。
上記の実施形態では、図33の遊技者DBにおいて、遊技者の顔データに対応付けて、年代や累計額を記憶している例について説明したが、これに限らず、遊技者の顔データに代えて、プリペイドカード3003のカードIDや、あるいは会員カードの会員IDなど、遊技者を個々に識別可能な情報に対応付けて記憶するものであっても良い。
上記の実施形態では、図34のS106で入金時返却フラグが1である、即ち受け付けたプリペイドカード3003が価値受付時返却処理(S119)で返却されたものであると判定されると、S107で注意喚起報知が行われる例について説明したが、これに限らず、入金時返却フラグが0である、即ち受け付けたプリペイドカード3003が通常の返却処理(S126)で返却されたものであると判定された場合にも、注意喚起報知を行うものであっても良い。
上記の実施形態では、図34のS116で受付額が第1所定額以上であると判定された場合と、S116’で累計額が第2所定額以上であると判定された場合に、S119で価値受付時返却処理が行われる例について説明したが、これに限らず、S116やS116’の判定を行わずに、常に価値受付時返却処理が行われるものであっても良い。これによれば、該価値受付時返却処理が常に行われることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要である(即ちひと手間増える)ため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また返却された記録媒体の価値を精算装置850で精算する機会があるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
上記の実施形態では、図34のS118に示すように、一部使用可能処理において、受付額の半額を残度数に記憶する例について説明したが、受付額の半額には限らず、受付額の一部を残度数に記憶するものであれば良い。即ち使用可能処理手段は、受付価値が所定価値以上であることを条件として、該受付価値のうちの一部を使用可能価値とする一部使用可能処理を行うものであれば良い。
上記の実施形態では、図34のS131に示す確認条件が、「累計価値が一定価値以上であること」である例について説明したが、これに限らず、該確認条件は、「遊技をしている時間が一定時間以上であること」、又は、「遊技中に所定時間が経過したこと」であっても良い。ここで確認条件が「遊技をしている時間が一定時間以上であること」である場合には、例えばホールコンピュータ900の遊技者DBにおいて、顔データに対応付けて、遊技をしている時間を記憶しておき、該遊技をしている時間が一定時間(例えば2時間)以上である場合に、確認条件が満たされたとして、S132の処理を行う。また確認条件が「遊技中に所定時間が経過したこと」である場合には、例えばホールコンピュータ900の遊技者DBにおいて、顔データに対応付けて、遊技を開始した時刻を記憶しておき、該記憶している時刻から所定時間(例えば1時間)が経過する毎に、確認条件が満たされたとして、S132の処理を行う。これによれば、累計価値を遊技者に把握させることにより、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また遊技をしている時間が一定時間以上であること、又は、遊技中に所定時間が経過したことを条件として、使用操作(玉貸ボタン3015の操作)を受け付け、かつ、該使用操作とは異なる特定操作(確認ボタンの操作)をさらに受け付けたこと(S133でYES)に基づいて、使用処理(S135の玉貸処理)を行う。これによれば、遊技をしている時間が一定時間以上、又は、遊技中に所定時間が経過したならば、使用処理を行うための操作が増えるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
上記の実施形態では、図34のS131に示す確認条件が成立したことを条件として、玉貸処理を行うためにS133で特定操作(確認ボタンの操作)を受け付ける例について説明したが、これに限らず、確認条件が成立したか否かにかかわらず、玉貸処理を行うために常に特定操作を受け付けるものであっても良い。これによれば、玉貸処理を行うためにはひと手間増えるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。その際に累計額をディスプレイ3026に表示することで、使い過ぎを意識させるようにするのも効果的である。
上記の実施形態では、特定操作が、図34のD2又はD2’に示す確認ボタンの操作である例について説明したが、該確認ボタンは、タッチパネル式のディスプレイ3026に表示されるものには限らず、カードユニット3Aの所定箇所に設けられる独立したボタンであっても良い。また特定操作は、カード返却ボタン3016の再操作であっても良い。即ち特定操作は、使用操作とは異なる特定操作であれば良い。
以上に説明したように、本発明は、遊技への価値の使い過ぎを防止することを目的としているが、該使い過ぎの防止は、以下の手法でも達成できる。
累計額が一定額に達したら、エラーダウンする。これによれば、エラー対処までの間、一定時間を置くことで、遊技者に冷静になってもらうことができるので、使い過ぎを防止できる。
高額金種の紙幣(5000円,10000円)の受付後、設定額(例えば5000円)以下の使用希望額を表示し、選択した額まで使用可能とし、選択した額まで使用した後は、玉貸ボタン3015を無効とする。これによれば、入金時に使用希望額を遊技者自身に決めてもらうことで、使い過ぎを防止できる。
遊技者個々に、金種別の入金回数を管理し、一の金種について設定枚数まで入金済みの遊技者が当該金種の紙幣3002を挿入すると、該紙幣3002を返却する。これによれば、入金回数を制限することで、使い過ぎを防止できる。
紙幣3002を挿入する毎に、確認操作(例えばディスプレイ3026に表示される入金ボタンの操作)を受け付ける。これによれば、入金にひと手間加えることで、使い過ぎを防止できる。その際に累計額をディスプレイ3026に表示することで、使い過ぎを意識させるようにするのも効果的である。
プリペイドカード3003の挿入から返却までの遊技時間をディスプレイ3026に表示する。これによれば、遊技時間を表示して遊技者に意識させることで、のめり込みを抑止できる。
上述した旧来のパチンコ機の第1の例および第2の例で示した技術は、特に適用できない理由がない限り、図1で示したパチンコ機2および図21で示したスロットマシン2Sにも適用することができる。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 本実施の形態では、加算通番と計数通番とはそれぞれ別のデータとして電文フォーマットに規定されているが、これらを要求通番として共通化してもよい。特に、遊技玉の加算と遊技玉の計数とは逆の処理であるため、両処理が同時に発生することは考えにくく、その観点からも両通番を共通化して電文データ量を削減することは可能である。
また、本実施の形態では、要求通番は、予め定めた上限値に達するまで、新たな要求が発生した場合には、先に更新済みの値を元にして通番更新が行なわれる。しかながら、このような制御に代えて、1つの要求に対応する処理がすべて終了した場合には、要求通番を予め定めた初期値に初期化するようにしてもよい。たとえば、図15の例の場合には、計数完了を示す最後の状態情報応答に含める計数通番をm+6ではなく、予め定めた初期値にすることが考えられる。
また、加算通番や計数通番といった要求通番、さらには通常の通番は、1ずつカウントアップされるのではなく、P台2およびCU3の双方が記憶している所定の規則に従って更新(加算更新、減算更新、その他の演算式による更新)するものであってもよい。この場合、通番は、1,2,3といった“連続する番号”ではなく、A、B、Cなどといった概念で更新されるデータとなる。
(2) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の遊技枠に対応する。ただし、S台には、図2に示した遊技枠の各種検出スイッチ41a、701、33、発射制御基板31、および発射モータ18は、不要である。
旧来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施の形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、旧来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施の形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施の形態では、上記のとおりドル箱表示する機能が設けられているため、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510あるいは表示器29Sには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残額、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引き落とされて、遊技点に変換される。
遊技点は、旧来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510あるいは表示器29Sには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5Sの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6Sの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、旧来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510あるいは表示器29Sにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、“カード持玉数”とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(3) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(4) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(5) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CUに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(6) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(7) 本実施の形態では、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示する。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(8) 大当り中は、遊技玉数が満タンと判断するための判断基準値を上げてもよい。つまり、大当り中とそうでないときとで、満タン判断の判断基準値を異ならせてもよい。これによって、大当り中に遊技玉数が急激に多くなり、すぐに満タン判断がなされて発射停止してしまうことを防止できる。
(9) 大当りが発生したときの遊技玉数を記憶しておき、大当り中は、満タンの判断基準値を超えた場合であっても、大当りが発生してから増加した遊技玉数が許容値(たとえば、1000玉)以内であれば、満タン判定しないものとしてもよい。
(10) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作が無い場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(11) 「所定の記録媒体処理操作を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理が可能となるように処理する記録媒体処理手段」の「所定の処理」は、たとえば、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理(カードで特定可能に記録された持玉を引き落として遊技玉に変換する処理や持玉共有処理、あるいはワゴンサービス処理等)を意味する。あるいはまた、「所定の処理」とは、景品交換用の景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理であってもよい。
また、上述した「持点として所定の処理が可能となるように処理するための記録媒体処理操作」とは、たとえば、カードの返却操作である。また、「所定の処理」とは、カードの返却操作を検出したときに、CUに挿入されているカードに持点を特定可能に記録し、当該カードを返却する処理である。ここで、「特定可能に記録」とは、カードに直接、持点を記録することの他、カードには持点を記録せずにカードのIDと持点とをCUに接続されたサーバに送信し、サーバ内でIDと持点とを対応付けて記憶するような方式を含む。
(12) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるようにしてもよい。また、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断してもよく、遊技中球数(遊技領域27内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、判断してもよい。さらに、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2L、2C、2Rが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでの期間である。
(13) 図15を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(14) 図16の計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数して下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28を表示させて点滅するような表示であってもよい。また、カード返却準備状態ONを受けたP台2は、遊技玉数表示器29の遊技玉を点滅表示させるなどしてもよく、あるいは、遊技玉数表示器29を画像表示装置で構成した場合には、上記実施の形態として説明したメッセージを遊技玉数表示器29に表示して計数操作を促すようにしてもよい。
(15) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(16) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(17) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(18) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(19) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(20) 本実施の形態では、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(21) 表示器54で行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312で行なうようにしてもよい。
(22) CU3において、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(23) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(24) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放してください」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(25) 玉貸ボタン、カード返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(26) 本実施の形態に係る遊技用システムは、持点を使用した所定の持点使用処理を実行するための持点使用操作手段を含む。ここで、所定の持点使用処理とは、ワゴンサービスを実行するための処理や、あるいは、持点(持玉)を分割して共有する処理(持点を他人に分割譲渡する処理)を含む概念である。また、持点使用操作手段は、たとえば、タッチパネルである。あるいは、持点使用操作手段は、CU又は遊技機に対して持点使用処理の実行を指令するために遊技店の係員に与えられるリモコンであってもよい。
(27) 図6〜図16で示したシーケンス制御は、CU3、P台2、S台2S等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
たとえば、遊技玉の加算要求に関する処理を、CU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間に適用した場合には、遊技玉の加算要求電文をCU制御部323が送信し、これに対する承諾または拒否電文をSC325bがP台2側の応答に基づいて通信制御IC325a経由で返信する。
遊技玉の加算要求に関する処理を、セキュリティチップ(SC)325bと通信制御IC325aとの間に適用した場合には、遊技玉の加算要求電文をCU制御部323経由でセキュリティチップ(SC)325bが送信し、これに対する承諾または拒否電文を通信制御IC325aがP台2側の応答に基づいて返信する。
計数要求に関する処理を、CU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間に適用した場合には、計数要求電文をSC325bがP台2側の要求に基づいて通信制御IC325a経由でCU制御部323に送信し、これに対する承諾または拒否電文をCU制御部323が返信する。
計数要求に関する処理を、セキュリティチップ(SC)325bと通信制御IC325aとの間に適用した場合には、計数要求電文を通信制御IC325aがP台2側の要求に基づいて送信し、これに対する承諾または拒否電文をセキュリティチップ(SC)325bがCU制御部323の指示に基づいて返信する。
(28) 前述の実施の形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(29) 前述の実施の形態では、カードIDと挿入時刻とが一致することを条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶しているが、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)が経過するまでに通信が開始されたことを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御してもよい。具体的には、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)を計時するタイマをCU制御部323に設け、遊技機とCU3との通信の開始時(復旧時)に該タイマが未だ計時中(タイムアップしていない状態)であるか否か判定し、計時中との判定結果であることを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御する。
また、挿入時刻の代わりに、CU3とP台2との間で用いられた最終通番等の一致を条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するようにしてもよい。
(30) 前述の実施の形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(31) 前述の実施の形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残額、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(32) 本実施の形態では、遊技場から離れた鍵管理センタに鍵管理サーバを設置した。しかしながら、鍵管理サーバは遊技場内に設置してもよい。これにより、遊技場外に鍵管理サーバを設置する場合と比較すると、CUと鍵管理サーバとの通信を高速化し易く、また、通信障害の発生率を低減できる。
(33) CU制御部323は、ホールサーバ801を介して鍵管理サーバ800から基板セキュリティ情報(基板認証鍵や更新情報を含む)を受信する。しかしながら、これに代えて、鍵管理サーバ800とCU制御部323との間にホールサーバ801を介することなく、鍵管理サーバ800からCU制御部323へ基板セキュリティ情報が送信される構成とてもよい。たとえば、鍵管理サーバ800とCUとを直接、回線接続することや、鍵管理サーバ800と各CUとの間にホールサーバ801と異なる中継用の通信装置を設けることが考えられる。
(34) 前述の実施の形態では、遊技の中断操作(簡易離席操作または食事休憩操作)に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込み排出することで、中断処理を行ない、その後、遊技を中断した遊技者が戻ってきて、そのカードを再度元のカードユニット3に挿入し、持玉を遊技玉に変換する操作により、125玉ずつ遊技玉に変換されて遊技が可能になるものを示した。しかし、それに代えて、中断操作時に自動計数された計数玉を遊技玉や持玉とは別の預かり玉(C−IDと挿入時刻も記憶)としてCU3が記憶し、持玉加算せず、持玉を記録させることなくカードを排出することで中断処理を行ない。その排出カードが再挿入されると、預かり玉がすべて一括で自動的にP台の遊技玉に変換されて遊技可能となるように制御してもよい。あるいは、この場合の預かり玉は、中断操作に基づいてP台からCUへと送信され、CU側またはホールサーバ側で記憶しておき、カードが再度挿入されたときにCUまたはホールサーバから自動的にP台側へ預かり玉の情報が送信されて遊技玉としてP台側に記憶されるものとしてもよい。また、この場合に預かり玉の情報を送信する際には、遊技玉の加算指令としてCUからP台に送信してやればよい。
さらに、上記実施の形態では、中断操作に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込んで排出したとき、そのカードに中断中フラグを記録しておくことによって、そのカードでは景品交換できないようにした。このように景品交換を禁止する手法としては、カードの中断中フラグを利用する以外の次のような手法を採用をすることも考えられる。
まず、中断操作が行なわれたときに、CUからホールサーバにその情報(カードIDを含む)を送信し、ホールサーバ側で中断中の遊技者のカードを中断カードとして記憶する。景品交換時にはPOSなどからホールサーバに問合せをし、景品交換に用いられているカードが中断カードであるか否かをホールサーバが判定する。あるいは、全中断カード情報を予めホールサーバからPOS側に送信しておいてもよい。その上で、景品交換に用いられているカードが中断カードであれば、当該カードを用いた景品交換を禁止する。
(35) 上記実施の形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(カード返却ボタン322の操作))を有効化する有効化手段」を含む。
(36) 本実施の形態では、遊技情報の一例として、持玉、遊技玉、カードの残額、貯玉、その他、玉数情報や遊技台情報を挙げて説明した。しかしながら、遊技情報は、遊技機での遊技に関連したその他の情報をも含む。たとえば、遊技者が選択あるいはカスタマイズした遊技者の好みのキャラクタを可変表示装置278や表示器54などの可変表示手段(可変表示装置)に表示可能にした場合には、そのキャラクタを特定可能な情報も遊技情報に含まれる。このような遊技者の嗜好に合うキャラクタを含む画面デザインの情報は、たとえば、遊技者のカードIDと対応付けて遊技の終了時にサーバに送信して記憶させ、新たに遊技を開始する際にはサーバからCUあるいはP台へダウンロードするようにしてもよい。
(37) 遊技玉数表示器29では、玉の発射または計数動作に連動して玉数が1つずつ減っていく表示がなされる。また、遊技玉数表示器29では、玉貸操作等に応じて玉数が1つずつあるいは所定単位数ずつ増加する表示がなされる。遊技玉数表示器29を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、単に遊技玉数をデジタル表示するのではなく、遊技玉数の変化が弾球によるものであるのか、計数によるものであるのか、入賞の発生によるものであるのか、貯玉の引き落としによるものであるのか、貸出操作によるものであるか、など、その種類に応じた画像を遊技玉数の表示更新と併せて表示するようにしてもよい。
また、計数操作が行われた場合、遊技玉数表示器29では、計数動作に連動した計数表示が行われるが、遊技玉数表示器29を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、表示器54と同様に、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示を行なうようにしてもよい。この場合、先の表示器54の表示の変形例として説明したように、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示(たとえば、棒グラフの表示)や、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰り返したりすることが考えられる。
(38) 図16に示したように、上記の実施の形態では、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されることによって、計数処理完了後に有効化されてカード返却処理に移行する。
一方、待機期間が経過しても計数操作が検出されない場合の処理としては、たとえば、先のカード返却操作を無効とすることが考えられる。この場合、CU3あるいはP台2側の表示器には待機期間が経過しても計数操作が検出されないため、カード返却操作が無効化された旨を表示してもよい。
あるいは、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されるか否かに関わらず、無効化してもよい。この場合には、カード返却操作が検出された後の計数操作に応じて全遊技玉を計数し終えた後、再度、カード返却操作を実行することによってカード返却処理を実行するものとしてもよい。あるいは、全遊技玉の計数を終えたとき、または、その前後で、カード返却操作を促す表示をCU3あるいはP台2側の表示器で行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉が1点でも残っていると、図16に示した処理が実行される。しかしながら、カード返却操作が検出されたときに残っている遊技玉の数が2以上の予め定めた数であるときに、図16に示した処理が実行されるようにしてもよい。
また、カード返却操作が検出された後の計数操作では遊技玉の計数表示速度を通常時よりも早くしてもよい。たとえば、通常の計数操作では遊技玉が1つずつ計数される表示をする一方、カード返却操作が検出された後の計数操作では、遊技玉が複数ずつまとめて計数される表示、あるいは、全遊技玉が一括して計数される表示をするようにすることが考えられる。
さらに、カード返却操作が検出された後の計数操作では全遊技玉が計数対象とされるのではなく、通常の計数操作のときよりも多い数の所定数の遊技玉が計数対象とされるものとしてもよい。たとえば、通常時には1回の計数操作で最大100点の遊技玉が計数対象とされるが、カード返却操作が検出された後の計数操作では、それよりも多い200点の遊技玉が計数対象とされるようにしてもよい。この場合でも、事前にカード返却操作があった場合にはカード返却操作がなかった場合に比べると、全遊技玉を計数するための計数操作回数が減り、早期に全遊技玉を計数完了させることができる。
また、遊技玉が残っている状態でカード返却操作が検出された場合には、計数操作の検出がなくても、全遊技玉の計数を開始させ、その後にカード返却処理に移行するようにしてもよい。この場合、全遊技玉の計数を開始させるときに、全遊技玉の計数を開始させる旨をP台2あるいはCU3で表示してもよい。あるいは、全遊技玉の計数を開始させてもよいか否かを確認するメッセージを表示し、所定操作(たとえば、P台2あるいはCU3のタッチパネルでの操作、再度のカード返却操作など)が検出されたことを条件として、全遊技玉の計数を開始させるようにしてもよい。
また、遊技中(玉の発射中)の場合に検出されたカード返却操作を無効にしてもよいが、カード返却操作を無効にするのではなく、P台側の方で遊技中の計数操作に基づいた計数の処理を無効にしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉数が0であるか否かをCU3が判定している。しかしながら、このような判定をP台2が行なうようにしてもよい。この場合、たとえば、カード返却操作が検出されたときに、カード返却操作有を示すデータをCU3からP台2へ送信し、それを受けたP台2が自ら記憶している遊技玉数が0であるか否かを判定する。0であれば、遊技玉数が0であることまたはカード返却を許可するデータをCU3へ送信する一方、0でなければ、遊技玉数が0でないことまたはカード返却の待機あるいはカード返却の禁止を示すデータをCU3へ送信する。
また、上記実施の形態では、計数ボタンの操作が検出されたときに、その操作の検出前にカード返却操作が検出されているか否かをP台2が判定する。しかしながら、このような判定手段をCU3が備えるようにしてもよい。この場合、たとえば、P台2は、計数ボタンの操作が検出されたときに、その旨を示すデータをCU3へ送信する。それを受けたCU3は、そのデータを受信する前の所定期間内にカード返却操作があったか否かを判定するようにすることが考えられる。
また、上記の実施の形態では、計数操作をP台2が検出する一方、カード返却操作をCU3が検出するが、計数操作をCU3が検出する一方、カード返却操作をP台2が検出する構成としてもよく、両操作共にP台2あるいはCU3が検出する構成としてもよい。また、計数ボタンおよびカードカード返却ボタンの取り付け位置は、双方共にCU3としてもP台2としてもよく、一方がCU3またはP台2としてもよい。
(39) 持玉または遊技玉の数の変化の有無をCUまたはP台でチェックし、所定期間、持玉または遊技玉の数が変化しない場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、残り僅かな玉が放置されたままで遊技放棄された台を店員が把握しやすくする。
(40) あるいは、カードがCUに挿入されていないにも関わらず、遊技者の遊技玉が変化した場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、遊技を終えてカードを排出した後に、遊技盤に引っ掛かっていた玉が入賞して遊技玉が払い出されたまま放置されているような台を店員が把握しやすくする。
(41) 本実施の形態において、CU3はP台2からの前回遊技台情報と最新遊技台情報とを自ら記憶しているデータと比較判定して、P台2側のデータに不正水増しのないことを確認してデータを補正する。仮に、CU3側でエラー判定されると、このような状況は、単にCU3の交換が要因(交換後のCU3には比較対象の正規のデータが記憶されていない)であって、不正行為に基づくものではない可能性もあるため、ホールの店員が確認の上で、リモコン等の携帯型端末装置でエラーを解除する。ただし、このように、CU3が新たなものに交換されていたときには、当該CU3は上記のエラー判定を一切しないようにしてもよい。また、あるいは、CU3には、交換されたものであるか否かに関わらず、上記のエラー判定機能を設けないようにしてもよい。
(42) 本実施の形態において、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体であるカードを、遊技開始時にカード挿入/排出口309に挿入し、遊技終了後にカード挿入/排出口309から抜き取る構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、カードを、遊技開始時にカード読み取り部に載置し、遊技終了後にカード読み取り部から外す構成であってもよい。つまり、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段に対して、遊技開始時に記録媒体受付手段に取り付け、遊技終了後に記録媒体受付手段から取り外す構成であればよい。
(43) 本実施の形態において、CU3は、P台2に対してカード抜き取り待ち中の情報を通知し、当該情報の通知を受けたP台2が「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278に表示するなど、カードの抜き取りの報知を行なう構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、CU3は、P台2に対してカード抜き取り待ち中の情報を通知しつつ、表示器54および/または表示器312に「カード抜き取って下さい」と表示するように制御してCU側でカードの抜き取りの報知を行なう構成であってもよい。
(44) 本実施の形態において、P台2は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでカードの抜き取りの報知を継続する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、P台2は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、一定期間カードの抜き取りの報知を行なっても、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでの間、カードの抜き取りの報知を間欠的に行なってもよい。
(45) 本実施の形態において、P台2は、カードを受付けたとき、および通信復旧したときに、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合にはリカバリ処理を行ない、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、P台2は、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」と、P台2で保持している「店舗コード」との一致判定を行なう、またはCU3のセキュリティ基板325から通知された「SC基板ID」と、P台2で保持している「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合にはリカバリ処理を行ない、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。