以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する3つの遊技場A,B,Cでは、各遊技者の遊技状況を管理する共通のシステム(遊技場用システム100)が構築されていることから、以下では、遊技場Aの構成を中心に説明するものとする。
遊技場A内には、複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して計数貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3が夫々付設されている。遊技機1、計数貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
また、遊技場A内には、精算装置7や景品交換端末(以下、POS)8も設置されており、これら精算装置7やPOS8もLAN5を介して管理装置6と接続されている。精算装置7は、一般カードや会員カード(図3に符号9,10で示す)がカード挿入口7aに挿入されると、図示しないカードリーダライタでカード9,10を読取って入金残高を特定し、その入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口7bから払い戻す返却処理を行う。POS8は、付属するカード処理機8aでカード9,10を読取って遊技価値(持玉数・貯玉数)を特定し、その遊技価値に基づき景品交換処理を行う。尚、持玉とは当日中に計数した玉であり、貯玉とは前日以前に計数した玉である。
管理装置6は、遊技場A内の例えば事務所等に設置されており、モニタ6m、キーボード6k等が接続されている。管理装置6は、遊技機1、計数貸出ユニット2、遊技情報表示装置3等、上記した各種機器から出力される遊技データを入力することで、各種機器の稼動状況、会員登録された会員毎の個人データ等を管理する。尚、図1では図示を省略したが、同図のパチンコ機の他、所謂スロットマシンも含めて例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
図2に示すように、遊技機1はCRパチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、始動口16、大入賞口17を有する。また、遊技機1における上部受皿13の上面には、左右に並ぶ貸出ボタン13aと返却ボタン13bを有する。
遊技者が操作ハンドル12を操作すると、玉が盤面11に発射され、その玉が始動口16に入賞すると、その入賞に応じた数の玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部15において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口17を開放する。
遊技機1からは遊技の実行に応じて以下の信号が管理装置6側へ送信される。
・打込信号:遊技機1に対して打込まれた玉数(遊技媒体の数)を示す信号。
・払出信号:遊技機1から払い出された玉数を示す信号。
・大当たり信号:大当たり状態が発生したことを示す信号。
・スタート信号:大当たりの発生契機となる電動役物が作動(図柄変動)したことを示す信号。
計数貸出ユニット2は、各遊技機1に対応して設けられ、所謂各台計数機能を備える。具体的には図2に示すように、計数貸出ユニット2は、現在の運用状態(例えば正常状態、エラー状態等)を示す状態表示部21、紙幣が投入される紙幣投入口22、周知のCMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子を含むカメラ23(図2では前面のカメラ窓23aのみ図示)、入金残高や持玉数・貯玉数等を表示するタッチパネル式の液晶表示部24、1単位分(単位付与数)の玉を払い出すための払出ボタン25、払出された玉が通過する払出ノズル26、一般カード9或いは会員カード10が挿入されるカード挿入口28、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿29等を備えている。
図3の機能ブロック図は、計数貸出ユニット2の構成を中心に示している。計数貸出ユニット2の制御部20は、CPU20a、ROM20b、RAM20c、I/O20d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部20に接続された周辺部としては、上記した状態表示部21、液晶表示部24、払出ボタン25を含むとともに、管理装置6や遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部20e、紙幣投入口22に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部22a、液晶表示部24上に設けられたタッチパネル24a、カード挿入口28に挿入されたカード9,10に記憶されている各種情報を読取ったり、書込んだりするカードRW(リーダライタ)28a、最大10枚の一般カード9をストック可能なカードストック部28b、払出ボタン25が操作されたときに、1度数分の玉を払出ノズル26から払い出す払出部25a、計数受皿29から流入する玉数を計数する計数部29a等を含む。これに対し、カメラ23は、制御部20に接続されることなく、図1に示すように4台ずつ画像処理装置30と接続されている。画像処理装置30は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
一般カード9は、当日限り有効なカードであり、ICチップ9aが内蔵されている。ICチップ9aには、カードを特定可能な一般IDが記憶されているとともに、計数貸出ユニット2に入金された入金残高や持玉数が記憶される。この一般カード9の持玉数は当日のみ有効で、入金残高は翌日以降も利用可能とされている。
会員カード10は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、ICチップ10aが内蔵されている。ICチップ10aには、会員登録を行った遊技者を特定可能な会員IDが記憶されているとともに入金残高が記憶される。会員カード10に対応する持玉数や貯玉数は管理装置6の会員口座に記憶される。この会員カード10の持玉数、貯玉数、並びに入金残高は、翌日以降も利用可能とされている。
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)カード9,10の未挿入状態で紙幣投入口22へ投入された紙幣を受け付けると(貨幣受付処理を行うと)、カードストック部28bに収納している一般カード9をカードRW28aへ繰り出して、その入金金額(1000円単位)を記憶するとともに、当該入金金額(入金残高)を液晶表示部24に表示する。このとき、1度数(500円)は、貸出単価が4円のパチンコ機では125玉であるから、入金残高に相当する度数を液晶表示部24に表示してもよい。
(2)遊技機1の貸出ボタン13aの操作(貸出操作)に応じて入金残高の範囲内で1度数に相当する玉を遊技機1内部の払出機構から貸し出す貸出処理を行う。
(3)遊技機1の下部受皿14から落下して計数受皿29で受けられた玉が計数部29aに流入することで玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を液晶表示部24に表示する。
(4)払出ボタン25の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数ずつ前記払出機構から払い出す。
(5)遊技機1の返却ボタン13bの操作に応じて入金残高及び持玉数をカード挿入口28に挿入されている一般カード9に記憶して発行する。会員カード10が挿入されている場合は、入金残高を会員カード10に記憶して発行する。カード挿入口28に何れのカード9,10も挿入されていない場合は、カードストック部28bにストックしている一般カード9を図示しない記録媒体移動手段によりカードRW28aに繰出して、そのカード9に入金残高及び持玉数を記憶して発行する。
また、入金残高及び持玉数が何れも「0」となった場合は、カードRW28aにセットされた一般カード9を記録媒体移動手段によりカードストック部28bに回収する。尚、カードストック部28bのカード9が無くなったとき、状態表示部21において、エラー状態を表し、従業員によりカード9が挿入口28から補充されると正常状態に復帰する。
(6)一般カード9がカード挿入口28に挿入された場合は、一般カード9に記憶されている入金残高及び持玉数をカードRW28aにより読出して液晶表示部24に表示する。会員カード10が挿入された場合は、会員カード10に記憶されている入金残高を読出して液晶表示部24に表示すると共に持玉数を管理装置6から受信して表示し、又、暗証番号の入力を条件として貯玉数を管理装置6から受信して表示する。
計数貸出ユニット2の制御部20(以下、適宜「計数貸出ユニット2」と略す)は、上記した機能の他、以下の信号を管理装置6側へ送信する機能を有する。
・売上信号:玉の貸出しに伴い使用された金額(使用金額)を示す信号。
・貯玉払出信号:会員カード10で貯玉を使用する場合に、払い出された貯玉数を示す信号。
・カード発行信号:上記したカード9,10の発行処理(返却処理)を行う場合に、該当するカード9,10に記憶される入金残高や持玉数を示す信号。
計数貸出ユニット2のカメラ23は、対応する遊技機1にて遊技を行う遊技者を撮像可能な撮像手段として、所定周期毎に(例えば4秒毎に)撮像し、その撮像した画像を画像処理装置30に送信する。カメラ23の撮像範囲は、遊技者が遊技機1に対して正対している状態で当該遊技者の顔と胴体の一部を含む領域となるように設定されている(後述する図10の画像101d,101e´の頭部He、He´と上体部Bo、Bo´参照)。
画像処理装置30は、4台のカメラ23から送信される各画像を1秒間隔で取込み、その取込んだ画像を分析することにより、当該画像の中に遊技者の顔画像が存在するか否かを判定し、顔画像が存在すると判定すると、その顔画像を管理装置6に送信する。この点、カメラ23から送信される画像に遊技者が含まれていても、その遊技者が例えば不自然な方向を向く等して不自然な姿勢で遊技していれば、画像処理装置30により顔画像を認識できないため、その画像を管理装置6に送信しない場合がある。
画像処理装置30から顔画像を受信した管理装置6は、同一人物判定及び要注意人物判定を行う。同一人物判定では、受信した顔画像に対して例えば特徴点の抽出等の画像処理を行い、当日の顔画像データベースに既に登録されている顔画像と照合して、同一人物か否かを判定する。照合した顔画像が未だ顔画像データベースに登録されていない顔画像(つまり新規の遊技者)であると判定すると、顔IDを付与して当日の顔画像データベースに登録するとともに、その顔IDを遊技データと対応付けて記憶する。一方、顔画像が既に顔画像データベースに登録されている顔画像(つまり既知の遊技者)であると判定すると、その顔IDに対応付けている遊技データを更新する。要注意人物判定では、その顔画像と、要注意データベースに登録されている顔画像とを照合し、同一人物の顔画像が要注意データベースに登録されているか否かを判定する。同一人物の顔画像が要注意データベースに登録されていると判定すると、要注意人物が来店した旨を例えばインカム装置(図示略)等により遊技場の従業員に報知する。
また、本実施形態の管理装置6は、遊技者が会員カード10を使用して遊技を行っている場合、その会員IDと上記した顔画像とを対応付けて管理するようになっている。
図3に示す管理装置6の制御部60(以下、適宜「管理装置6」と略す)は、マイクロコンピュータを主体に構成され、ROMやRAMといった記憶部60aや、I/O等を備えており、その記憶部60aに記憶された制御プログラムに従い動作する。また、管理装置6は、上記した遊技機1や計数貸出ユニット2から送信される各種の遊技信号に基づいて、以下の遊技データを含む各種の遊技データを管理する(図5(b)参照)。
・打込玉数:遊技機1に対して打込まれた玉数。
・払出玉数:遊技機1から払い出された玉数。
・大当たり回数:遊技機1で発生した大当たりの回数。
・稼動時間:遊技機1が稼動している時間。
そして、管理装置6は、図1に示す通信回線(インターネット、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)等)32に接続可能となっており、センターに設置されている管理サーバ31と通信回線32等を介して通信可能である。遊技場B、Cでも遊技場Aの同等の構成が実現されており、遊技場B、Cの管理装置6(図示略)についても、遊技場Aの管理装置6と同様、通信回線32に接続可能とされている。
また、図1の携帯端末33は、例えばスマートフォンといった携帯可能な通信端末であり、そのユーザと通信事業者との間で所定の契約を締結することにより通信事業者から提供される各種通信サービスを受けることが可能となる。携帯端末33は、CPU、ROM、RAM等を含む制御部、通信回線32に接続するデータ通信部、電話する際の送話音声を入力するマイクロホン、画面上でタッチ操作を受け付ける(入力を受け付けるタッチパネル)機能と各種情報を表示する機能とを有する液晶表示部33a等を備えている。
管理サーバ31は、通信回線32を介して、各遊技場A~Cの管理装置6と通信可能に接続されている。管理サーバ31は、各遊技場A~Cにおける各種の遊技データを記憶するとともに、携帯端末33等のOS(Operating System)に対応する後述のアプリケーションを記憶しており、管理サーバ31から携帯端末33へとアプリケーションをダウンロードすることができる。また、管理サーバ31や遊技場A~Cの管理装置6は、会員のメールアドレス(図4(a)参照)も記憶しており、メールサーバとして機能する。
ところで、「従来技術」で述べたように、近年のギャンブル依存症の問題について、過度な金額を遊技に使用してしまうことが問題視されている。この点について例えば、管理装置6により会員カード10(会員ID)に対応付けて使用金額を管理し、その使用金額が上限値に達したとき、遊技者に対して報知を行う構成が考えられる。しかしながら、係る構成にあっても、遊技を続行するか否かは遊技者が決断するものであり、大きな効果を期待することはできないのが実情である。
そこで、本実施形態の遊技場用システム100では、管理装置6において、予め特定の遊技者を特別報知の対象者として登録(記憶)しておき、その対象者が遊技を行っている場合に当該対象者の撮像結果を、その対象者を支援する支援者の携帯端末33に送信する。そして、支援者が携帯端末33で所定の特別操作を行った場合に、対象者に遊技の抑制(例えば遊技終了)を促すための特別報知(第1特別報知)を計数貸出ユニット2にて実行する。
係る遊技場用システム100の構成について、遊技場Aにて会員登録を行った遊技者を例に、図4以降の図面も参照しながら詳述する。ここで、図4、図5は、管理装置6にて管理される遊技データであって、モニタ6mへの表示出力や印刷装置(図示略)への印刷出力が可能なデータを示している。
このうち、図4(a)は、一の遊技者の会員属性データを示している。会員属性データは、会員登録を行った遊技者の「氏名」「性別」「年齢」「職業」「住所」「メールアドレス(同図で携帯メアドと略す携帯端末の電子メールアドレス)」が、その会員IDたる「会員No.」と対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶されている。こうした会員属性データは、例えば遊技場Aで予め会員登録を行うときに遊技者が記入した会員登録用紙(図示しない用紙での自己申告)をもとに、管理装置6に対して入力される。
図4(b)は、依存症対策対象者データの一部を示している。同図(b)に示すように、依存症対策対象者データは、例えば30000円等の使用金額の上限値で表された「遊技制限条件」が、会員IDと対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶されている。この遊技制限条件は、使用金額との関係で遊技の抑制を促す第2特別報知(後述の図6(b)参照)を実行するときの条件を定めるものであり、第1特別報知(図6(a)参照)を実行するときの条件を定めるものではない。
また、図4(b)の遊技制限条件を定めることなく、当該対象者データへの会員IDの登録を行うことができる。つまり、遊技制限条件の有無に係わらず、当該対象者データへの会員IDの登録は、会員登録時の自己申告を受けたときに、或いは後述する携帯端末33からの操作入力を受けたときに、管理装置6にて登録する。これにより、管理装置6は、遊技の抑制を促す第1特別報知或いは第2特別報知の対象者として特定の遊技者を登録する対象者登録手段として機能する。また、「遊技制限条件」も、会員登録時の自己申告、或いは携帯端末33での操作入力に応じて、管理装置6に対して入力される。
尚、対象者とは、対象者登録手段で登録された遊技者であり、適宜その登録を行い得ることから、当該登録の有無により、対象者が遊技者に含まれるものとして、以下の記載中の「遊技者」と「対象者」を相互に読み替えることができる。
図4(c)は、一の支援者のサポート家族データを示している。サポート家族データは、支援者の「アカウントID」「メールアドレス」「パスワード」「端末ID」を含み、対象者の会員IDと対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶されている。サポート家族データは、支援者の携帯端末33から依存症回復サポートの登録申請があった場合に受け付けられるデータであって、「端末ID」は、端末33に割り当てられるIPアドレスであり、「アカウントID」や「パスワード」は、前記アプリケーションを実行する際の認証に用いられる。
また、アカウントIDは、アプリケーションに係るID(アプリID)として、当該支援者の携帯端末33の送信先情報に相当する。このように、サポート家族データは、支援者が所有(所持)する携帯端末33(以下「支援者端末33S」と略す)の送信先情報を含み、管理装置6の記憶部60aは、その送信先情報を記憶する送信先記憶手段に相当する。
尚、支援者とは、対象者の遊技に関して当該対象者の撮像結果を送信したり、遊技の続行に関して同意を求める相手であって、依存症回復に対象者と一緒に取り組むサポーターとなりうる者であるから、対象者の親類、友人、知人等が挙げられ、家族に限るものではない。また、送信先情報を含むサポート家族データは、管理サーバ31(送信先記憶手段)にも記憶される。
図5(a)は、一の遊技者の会員所有価値データを示している。会員所有価値データは、会員が所有する「入金残高」「持玉数」「貯玉数」が、その遊技者の会員IDと対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶される。管理装置6は、計数貸出ユニット2に受け付けられる会員カード10を用いた遊技者の遊技に応じて、前記売上信号やカード発行信号等に基づき会員所有価値データを更新する。
このように、計数貸出ユニット2の制御部20及びカードRW28aは受付手段として、遊技者を識別するために当該遊技者が所持する会員カード10(記録媒体)を受け付け、管理装置6は管理手段として、その受付手段が会員カード10を受け付けたことに基づき、当該カード10を所持する遊技者の会員所有価値データ(遊技データ)を管理する。また、管理装置6は、会員所有価値データを含む各種の遊技データについて、対象者としての登録の有無にかかわりなく集計・記憶する一方、依存症対策対象者データに関する各種のデータを集計・記憶する。
図5(b)は、遊技者の遊技状況を示す遊技データであって、会員登録された全ての遊技者の遊技データが会員遊技履歴データを示している。会員遊技履歴データは、遊技者が実際に遊技を行った「遊技機No.」での「使用金額」「打込玉数」「払出玉数」「大当たり回数」「持玉数」について、その遊技機1での「遊技開始」と「遊技終了」の時間(遊技時間)に対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶される。また、会員遊技履歴データは、第2特別報知の実行の有無を示す「遊技制限」フラグのデータと、後述する遊技制限の解除(解除の同意)を示す支援者の「同意確認」フラグのデータとを含む。
図5(c)は、図5(b)の会員遊技履歴データを営業日単位で集計した会員遊技集計データを示している。管理装置6は、会員遊技集計データについて、当該営業日における「使用金額」「打込玉数」「払出玉数」「大当たり回数」の夫々の集計値を求めるとともに、「遊技制限」フラグの履歴に基づく第2特別報知の実行回数、及び「同意確認」フラグの履歴に基づく同意・不同意の回数の集計値を求める。
また、図5(d)は、遊技場Aにおける全会員遊技制限設定データを示している。全会員遊技制限設定データは、遊技場Aで会員登録された「全会員数」のうち、「遊技制限有」として使用金額の上限値を設定した人数と、その人数の全会員数に占める「遊技制限割合」と、設定された各々の上限値の平均を表す「平均上限」とを含み、営業日単位で集計される。
尚、以下で述べるように、各遊技場A~Cから管理サーバ31へ送信される情報には、上記した各種の遊技データの他、各遊技場A~Cの計数貸出ユニット2で現に受け付けられている受け付け中のカード10に関する情報や、その計数貸出ユニット2のカメラ23で撮像された画像(支援者端末33Sに送信するための画像)も含まれる。
続いて、上記構成の作用について図6~図11も参照しながら説明する。以下では、「1.支援者端末での対象者の登録と履歴確認」、「2.第1特別報知とその後の撮像結果」、「3.支援者端末での上限金額設定と第2特別報知」の順に説明する。尚、図6は、計数貸出ユニット2における液晶表示部24の画面61,62、図7~図11は、支援者端末33Sにおける液晶表示部33aの画面71~111を表すものとする。
<1.支援者端末での対象者の登録と履歴確認>
上記した遊技場用システム100が提供するサポートサービスを利用するために、管理サーバ31から支援者端末33Sへアプリケーションをダウンロードして、サポート家族データに係る情報を登録しておく。これにより、支援者端末33Sは、登録されたアカウントIDやパスワードの認証を条件としてアプリケーションを実行することで、その液晶表示部33aに図7に示す画面71を表示させる。
図7の画面71は、支援者端末33S用の依存症回復サポートに係るメニュー画面を表す。メニュー画面71には、「サポート対象者登録」ボタン71a、「サポート対象者履歴確認」ボタン71b、及び「上限金額設定」ボタン71cが設けられている。また、メニュー画面71の下部には、ログアウトするための「終了」ボタン71dが設けられている。
メニュー画面71で「サポート対象者登録」ボタン71aがタッチ操作されると、図示しないサポート対象者登録画面に遷移する。サポート対象者登録画面には、遊技場Aで会員登録した対象者の「氏名」「年齢」「パスワード」を夫々入力する欄が設けられている。各欄に入力した情報つまり対象者とする遊技者の識別情報は、その各欄への操作入力(液晶表示部33aでのタッチ操作)で支援者端末33Sから送信され、管理装置6は、管理サーバ31を介して当該端末33Sから受信した識別情報に基づき対象者を登録する(図4参照)。
こうして、支援者端末33Sでの操作により、登録した対象者について、「サポート対象者履歴確認」と「上限金額設定」を行うことができる。一方、管理装置6は、支援者端末33Sにより入力された遊技者の識別情報に基づき対象者を登録して、その対象者の会員IDに関連付けたサポート家族データとして管理するとともに(図4(c)参照)、サポート家族ありとして遊技データを管理する(図5(b)~(d)参照)。尚、識別情報の登録は、支援者一人(1台の支援者端末33S)あたり、対象者10人分まで、つまり対象者リストとして複数の登録が可能である。
メニュー画面71で「サポート対象者履歴確認」ボタン71bがタッチ操作(検索操作)されると、その支援者端末33Sで予め登録された対象者の検索結果を表す図8の画面81或いは図9の画面91に遷移する。
即ち、支援者が支援者端末33Sで検索操作を行った際、各遊技場A~Cの管理装置6は、管理サーバ31を介して当該端末33Sから検索要求を受信すると、その端末33Sのサポート家族データに対応付けられている会員IDに基づき、計数貸出ユニット2で該当する会員カード10が使用されているか否か(受け付け中か否か)を検索することで、対象者が遊技を行っているか否かを判定する。或いは、管理サーバ31において、当該端末33Sから検索要求を受信すると、各遊技場A~Cの計数貸出ユニット2で(つまりアプリ提携ホール内で)該当する会員カード10が受け付け中か否かを検索することで対象者が遊技を行っているか否かを判定することができる。
このように、管理装置6或いは管理サーバ31は、対象者が遊技を行っているか否かを判定する遊技判定手段及び送信手段として機能し、その判定結果及び前記アプリIDに基づき、対象者が遊技を行っている場合に当該対象者をカメラ23で撮像した撮像結果をその対象者の遊技に関する情報とともに支援者端末33Sに送信する一方、対象者が遊技を行っていない場合にその旨を表す情報を支援者端末33Sに送信する。尚、この送信先の支援者端末33Sは、送信手段によって、検索要求元の端末33SのアプリIDで識別され、その端末33Sにおいて予め登録されていた対象者毎の情報が送信される。
それ故、支援者端末33Sにおいて予め登録されていた対象者A,B,…のうち、対象Aが当日に遊技を行っていない場合、図8の画面81が表示される。
図8の画面81には、「対象者A」を特定する欄81aと、他の対象者B,…に切替えるための「矢印」ボタン81bと、「過去の遊技履歴を表示する」ボタン81cとが設けられるとともに、当日において会員カード10を受け付けていない旨のメッセージを表示する欄81dが設けられている。「過去の遊技履歴を表示する」ボタン81cがタッチ操作されると、図示しない遊技履歴画面に遷移し、遊技者Aの過去の遊技履歴(例えば日付、遊技場名、機種、使用金額、遊技時間等)が日付別に表示される。また、支援者端末33Sにおいて「矢印」ボタン81bがタッチ操作されると、図9の画面91に遷移する。
図9の画面91は、対象者Bが現に遊技を行っている場合の画面を示している。同画面91には、前の画面81と同様に「対象者B」を特定する欄91aと、「矢印」ボタン91bと、「過去の遊技履歴を表示する」ボタン91cとが設けられるとともに、対象者画像91dと「画像記録」ボタン91eとが設けられている。対象者画像91dは、対象者Bのカード10を受け付けている計数貸出ユニット2のカメラ23で撮像された者Bの撮像結果を表す画像である。「画像記録」ボタン91eは、そのタッチ操作をスクリーンショット操作として、対象者Bの画像91dを含む画面91のデータを、支援者端末33Sの記憶部に記憶する。
また、同画面91には、当日の遊技履歴を表示する欄91fと、「遊技終了報知を実行」するためのボタン91gとが設けられている。当日の遊技履歴を表示する欄91fには、当日の日付、対象者Bが遊技を行っている遊技場名B、その遊技中の機種、使用金額、持玉、遊技時間等を特定可能に表示する。この表示は、該当する遊技場Bの管理装置6で集計され送信される情報を、管理サーバ31を介して受信したものを表す。それ故、例えば持玉数の情報が遊技場Bから送信されていなければ、同図9の「持玉 0個」を表示しない等、遊技履歴の表示は適宜変更しうるものである。
<2.第1特別報知とその後の撮像結果>
上記した図9の画面91における「遊技終了報知を実行」するボタン91gのタッチ操作は特別操作とされており、係る特別操作を行った場合に、支援者端末33Sから報知要求が送信される。これにより、管理装置6は、その報知要求を管理サーバ31を経由して受信すると、対象者Bのカード10を受け付けている計数貸出ユニット2に第1特別報知を実行させる。ここで、図6(a)は、特別報知実行手段としての計数貸出ユニット2において、液晶表示部24に表示される画面61を示している。
同図6(a)に示すように、計数貸出ユニット2の画面61には、「支援者から遊技終了が通知されました。遊技を終了してください。」とのメッセージが、「カード排出」ボタン61aとともに表示される。この第1特別報知にあっては「カード排出」ボタン61aがタッチ操作されるまで継続して画面61表示がなされるとともに、計数貸出ユニット2において前記貸出操作が行われても、対象者Bの会員カード10を用いた新たな貸出処理を実行しないように制限した状態となる。このように、計数貸出ユニット2は第1特別報知実行手段として機能し、対象者Bは、「カード排出」ボタン61aのタッチ操作により、当該貸出ユニット2にてカード10を排出させることとなる。
ここで、管理装置6は、計数貸出ユニット2にて第1特別報知を実行した後に会員カード10を受け付けていない状態で、対応する遊技機1にて遊技者(対象者Bであるか否かを問わない)が遊技を行ったと判定した場合に、その遊技者をカメラ23で撮像した撮像結果を、支援者端末33Sに送信する。このとき送信される撮像結果は、以下に述べるモザイク処理を施した上で、管理装置6から管理サーバ31経由で支援者端末33Sに送信される。これにより、支援者端末33Sには、図10の画面101、又は図11の画面111が表示される。
即ち先ず、図10の画面101には、上記した画面91と同様に「対象者B」を特定する欄101a、「矢印」ボタン101b、「過去の遊技履歴を表示する」ボタン101cの他、先の対象者Bの「遊技中画像」101d(つまり対象者画像91d)に加え、「報知後画像」101e´、並びに第1特別報知後のメッセージの欄101fが含まれる。このメッセージの欄101fでは、「(第1)特別報知の後、会員カードを受け付けておりません。特別報知の後、遊技を行った遊技者の画像を表示します。」と表示して、第1特別報知後の対象者Bの遊技状況を支援者に通知する。
図10の画面101の「報知後画像」101e´は、計数貸出ユニット2で第1特別報知を実行した後に、対応する遊技機1にて別の遊技者が遊技を開始したときにカメラ23で撮像された撮像結果を示している。つまり、第1特別報知がなされることで対象者Bが計数貸出ユニット2からカード10を排出して退席した後、同遊技機1にて別の遊技者が遊技を行った場合には、図10の画面101で示すように、先の対象者Bの「遊技中画像」101dとは異なる遊技者の「報知後画像」101e´が表示される。
これに対し、図11の画面111は、「報知後画像」101eが対象者Bの画像である点で、図10の画面101と相違する。それ故、計数貸出ユニット2において、第1特別報知の実行後、対象者Bが自身のカード10を用いずに同遊技機1にて遊技を続行した場合には、図11の画面111で示すように、対象者Bの「遊技中画像」101dと同じ人物の「報知後画像」101eが表示される。
このように「報知後画像」101e´、101eは、支援者にとってかかわりのない別の遊技者の撮像結果を含みうるため、管理装置6により、その画像101e´、101e中の遊技者の頭部He´、Heの少なくとも一部にモザイクをかけたうえで送信する。具体的には,管理装置6は、同遊技機1にて前記カード10を用いずに遊技を開始した遊技者或いは対象者Bの画像(通常の顔認証として最初に検知された顔画像)において、前記画像処理により抽出された目、鼻、及び口の位置を特定し、それら目、鼻、口を包含する矩形枠Rec´,Recを設定して、その矩形枠Rec´,Rec内にモザイクをかけるモザイク処理を施す。尚、図10、図11では説明の便宜上、モザイクをかけた領域Rec´,Recについて外枠のみを表しており、モザイク処理とは、係る領域Rec´,Recを他の領域に比して解像度を落とす等して見え難くする画像処理である。それ故、報知後画像101e´、101eの画像処理は、管理サーバ31等、管理装置6以外の装置で行うことが可能である。
これに対し、図10、図11の上段の「遊技中画像」101dは、第1特別報知を実行する際に撮像された当日の画像であり、モザイク処理を施していない。この遊技中画像101dの撮像範囲は、報知後画像101e´、101eと同様、頭部He´、He全体と上体部Bo´、Boを含む、顔を主体として撮像された範囲である。
このように、支援者端末33Sにおいて、第1特別報知を実行する際の遊技中画像101dと併せて、別の遊技者の報知後画像101eを受信した場合(図10参照)、両画像101d,101e´において、髪型や服装が異なるため、対象者Bとは別人であることを判断できる。また、モザイク処理により人物の画像101e´が抽象化される(人物が誰であるか特定し難くなる)ことから、プライバシー保護を図ることができる。
一方、支援者端末33Sにおいて、遊技中画像101dと併せて、その対象者Bの報知後画像101e(図11参照)を受信した場合、両画像101d,101eにおいて、髪型や服装が一致するため、モザイク処理がなされていても、対象者であることの判断・推測が可能となる。つまり、支援者は、会員カード10を用いて遊技を行っている対象者のモザイク無しの画像101dと、第1特別報知後に当該カード10を用いずに遊技を行っている者のモザイクのかかった画像101e´又は101eの比較を行うことで、対象者Bが遊技を続行しているのか、又は他人が遊技を新たに開始したのかを判断することができる。
<3.支援者端末での上限金額設定と第2特別報知>
図7に示すように、前記メニュー画面71で「上限金額設定」ボタン71cがタッチ操作されると、図示しない上限金額設定画面に遷移する。上限金額設定画面では、複数の対象者について前記識別情報の登録が行われている場合には、前記対象者リストから選択された対象者の使用金額の上限値を入力する。使用金額の上限値は、同画面の入力欄をタッチ操作したときに表示されるテンキー(図示略)で、対象者毎に入力する。この入力欄に入力された使用金額の上限値は対象者の識別情報と共に支援者端末33Sから送信され、管理装置6は、管理サーバ31を介して当該端末33Sから受信した識別情報に基づき使用金額の上限値を記憶する(図4(b)参照)。尚、詳しい図示と説明は省略するが、計数貸出ユニット2の液晶表示部24においても、対象者が、上限金額設定画面を表示させて、使用金額の上限値を入力できるようになっている。
管理装置6は、予め対象者により使用金額の上限値が設定されていても、支援者端末33Sの上限金額設定画面で入力された使用金額の上限値を優先して設定する。以下では、支援者端末33Sからの操作入力により、使用金額の上限値が30000円に設定された対象者について(図4(b)参照)、計数貸出ユニット2で第2特別報知が行われる場合の一例を説明する。また、以下では、管理装置6において、サポート家族データが予め登録されているものとする。
図5(b)に例示するように対象者は「遊技機No.123」にて「10:15」から「12:23」までの遊技中に、紙幣投入口22へ3000円分の紙幣を順次投入し、その分の玉数を貸出処理により消費した後、1240の持玉数を獲得した状態で台移動したものとする。そして、対象者は、台移動した「遊技機No.125」にて「12:28」から遊技を開始し、先ずは遊技機No.123で獲得した1240の持玉数を全て消費した後、紙幣投入口22へ27000円分の紙幣を順次投入して、その分の玉数を貸出処理により消費したものとする。
この場合、同図(b)に例示する15時47分に、管理装置6により当該対象者の合計使用金額が上限値たる30000円に達したと判定したとき、同図(b)の遊技制限フラグ「1」を対応付けた会員遊技履歴データとして記憶するとともに、係る判定を条件として当該対象者の遊技を制限する。これにより、計数貸出ユニット2では、当該対象者の会員カード10を用いた新たな貸出処理を実行しないように制限した状態となる。
また、この場合、管理装置6は、当該対象者のサポート家族データが登録されていると判定すると、計数貸出ユニット2において、貸出操作が行われたときに(使用金額が上限値に達した状態で貸出操作が行われたときに)、図6(b)の画面62を表示させる。この画面62は、第2特別報知の実行に係る画面であり、上限値の使用金額「30000円」と、「遊技を終了しますか?追加入金の同意を求めますか?」とのメーセッジと併せて、「遊技終了」ボタン62a及び「追加入金」ボタン62bを表示する。ここで、対象者は、「遊技終了」ボタン62aをタッチ操作により選択する場合、会員カード10を挿入口28から排出させて遊技を終了する一方、「追加入金」ボタン62bをタッチ操作により選択する場合、当該対象者の支援者が所有する支援者端末33Sへ、遊技の続行に対して同意するか否かを確認するための確認通知が自動的に送信される。
これにより、支援者端末33Sの液晶表示部33aには、図示しない同意確認画面が表示される。この画面には、「遊技場Aで遊技中の○○□□さん(対象者の氏名)から追加入金の同意確認が届いています。○○□□さんの上限使用金額は30000円です。追加入金に同意しますか?」とのメッセージと、現時点の遊技データ(前記スタート回数や大当たり回数等)と、「同意」及び「同意しない」を選択するためのボタンとが表示される。このため、支援者は、画面に表示された遊技データを見て、同意するか否かを決定することができる。
この後、管理サーバ31は、支援者端末33Sから確認通知に対する回答を受信し、又、待機時間が経過しても支援者端末33Sから回答を受信しないとき(前記選択するためのボタンがタッチ操作されないとき)には「同意しない」旨の回答があったものとして処理を行う。それ故、管理装置6は、管理サーバ31を経由して受信した回答が遊技続行に対する同意を示す場合に、図5(b)の「同意確認」フラグを「1」に設定し、計数貸出ユニット2による制限を解除させて遊技の続行を許可する。この場合、計数貸出ユニット2において、図6(b)の画面62から図示しない追加入金同意受信画面に遷移し、支援者の同意があった旨のメッセージを表示させ、貸出処理を可能とする。この場合、対象者の追加入金額は、支援者の同意1回あたり10000円とするが、支援者端末33S側で追加入金額を指定可能としてもよい。
この後、図5(b)に例示する16時27分に、管理装置6により当該対象者の追加の使用金額が10000円に達した(再度遊技制限が発生した)と判定したとき、同図(b)の「遊技制限」フラグを「1」に設定するとともに、計数貸出ユニット2での当該対象者の会員カード10を用いた貸出処理を制限する。
このとき、図示は省略するが、計数貸出ユニット2には、図6(b)の画面62と同様、追加入金の使用に関して「遊技を終了しますか?追加入金の同意を求めますか?」とのメーセッジと、「遊技終了」ボタン及び「追加入金」ボタンを表示させる。ここで、対象者が「追加入金」ボタンをタッチ操作により選択しても、支援者端末33Sから「同意しない」回答があったとき(或いは回答を受信しないとき)、管理装置6は、図5(b)の「同意確認」フラグを「0」に設定し、計数貸出ユニット2における貸出処理の制限を維持する。尚、この場合、計数貸出ユニット2において、「ご家族から追加入金の同意を得ることができませんでした。遊技を終了して下さい」とのメッセージを表示して、対象者に遊技の抑制を促す。
以上のように、対象者の使用金額が上限値に達すれば、計数貸出ユニット2にて対象者に遊技の抑制を促す第2特別報知を実行し(図6(b)参照)、支援者端末33Sでの同意・不同意により、対象者の遊技の続行の許否つまり制限解除の許否を決することが可能となる。
以上説明したように、対象者が遊技を行っているか否かを、支援者が自身の端末33Sで監視できるので、対象者の遊技頻度が高いか否かを支援者が判断し易くなる。また、図9に例示したように対象者が遊技を行っている対象者画像91dを支援者端末に送信するため、支援者が対象者に指導を行う際の資料として使用し易くなる。これらの結果、家族や知人が遊技依存症の改善支援を行い易くなる効果を得ることができる。さらに支援者が端末33Sで遊技結果を閲覧できるとともに、遊技の抑制を促すことができる。これにより、使用金額が多くなっている場合に遊技の抑制を促すことができる。
遊技者によっては、計数貸出ユニット2において第1特別報知を実行しても、その後に会員カード10を受け付けていない状態で遊技を続行しようとすることが考えられる。これに対して本構成であれば、支援者の端末33Sに対して第1特別報知を実行した後に遊技を行っている遊技者の報知後画像101e´、101eを送信するため、対象者が遊技を続行しているか否かを支援者が判断できる。これにより、対象者が遊技を続行していた場合には支援者から注意を行う等の対処が可能になる。この結果、遊技者が遊技にのめり込み過ぎることを抑制できる。
第1特別報知を行った後に別の遊技者が遊技を行っていることがあり、第1特別報知の実行後の撮像結果をそのまま送信することは好ましくない。この点、第1特別報知を行った後の報知後画像として、遊技者の顔が特定しにくい画像101e´、101eを送信するので、報知後の遊技者が対象者ではない場合に個人が特定されることを抑制できる。また、画像101e´、101eから個人を完全には特定できなくとも、支援者であれば骨格の違い等から対象者が遊技を続行しているか否かを判断できる。つまり、本構成であれば支援者に判断材料を適切に付与することができる。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせたりしてもよい。
支援者端末33Sで特別操作を行った場合に、計数貸出ユニット2にて対象者に遊技の抑制を促す第1特別報知を特別報知として実行したが、特別報知は、第1特別報知に限るものではない。例えば、図6(a)に例示した第1特別報知のメッセージに代えて、特別報知を音声出力にて行う構成や、状態表示部21等のエラーランプを点灯することで特別報知を行う構成にすることも可能である。また、特別報知の実行条件としての、支援者の特別操作は、図9の画面91でのボタン91g操作に限るものではなく、使用金額が上限金額に達した際(第2特別報知の際)の支援者端末33Sでの同意・不同意を決定する操作を特別操作としてもよい。つまり、特別報知の実行条件も任意に変更してもよい。
更に、支援者が特別操作を行った場合、管理装置6は特別報知実行手段として、その遊技の抑制を促す対象者を特定するための情報(台番等)をモニタ6mに表示し、或いはインカム装置(図示略)を介して遊技場の従業員に当該情報を報知する(特別報知を実行する)ことで、従業員から対象者に遊技の抑制を促すようにしてもよい。このように、特別報知は、計数貸出ユニット2と管理装置6との双方または何れか一方で実行するようにしてもよい。
特別報知は、上記したように遊技「終了」を促すことを以って遊技の「抑制」を促すものであるが、係る遊技の抑制には、「使用金額を減らす」、「遊技時間を短縮する」、「休憩する」等も含まれることは勿論である。
特別報知を実行した後、同遊技機1にて遊技する遊技者が会員カード10を使用していないことを条件に、支援者端末33Sに報知後画像101e´、101eを送信する構成にしたが、係る構成に限定されるものではなく、遊技者がカード10を使用している場合にも、支援者端末33Sに報知後画像101e´、101eを送信する構成にしてもよい。本構成であれば、対象者が他人の会員カード10を使用して遊技を行っているか否かを支援者が判断できる画像101e´、101eを送信することが可能となる。つまり、会員カード10を使用しているか否かに関わらず支援者端末33Sに画像101e´、101eを送信することも可能である。
支援者に対象者の遊技中画像101d(或いは対象者画像91d)と、報知後画像101e´、101eとを送信する構成にしたが、報知後画像101e´、101eのみを送信する構成にしてもよい。また、支援者端末33Sとして、支援者のスマートフォンを例示したが、他のモバイル端末や家庭用のパソコン等を採用することも可能である。
送信先情報としてアプリIDを例示したが、送信先情報として支援者端末33Sの前記IPアドレスや、メールアドレスを採用することも可能である。メールアドレスを採用する場合、電子メールにより上記した画像101d,101e´、101eを添付したメッセージを送信する構成にするとよい。
対象者が遊技を行っているか否かの検索方法として、対象者が会員カード10を使用しているか否かを検索する方法を例示したが、係る検索方法に限定されるものではない。例えば、検索対象とされる対象者については、管理装置6において、予め顔画像を登録することで(或いは上記した同一人物判定処理で対応付けて管理している顔画像と会員IDに基づき)、その顔画像の対象者が遊技を行っているか否かを検索する構成にしてもよい。更には、検索対象とされた対象者の性別や年齢に関して、顔認証の結果(上記した画像の分析)から得られる顔画像データベース上の性別や年齢を照合して、該当する検索結果を支援者端末33Sに表示する構成にしても良い。
また、対象者が遊技を行っているか否かの検索タイミングを、支援者端末33Sでの履歴確認ボタン71bの操作タイミングに合わせたが、前記対象者リストのうちの一の対象者についてのみ検索を実行可能な構成にしてもよい。本構成であれば、検索の必要ない対象者まで検索を行い、余分な処理負荷がかかることを抑制できる。
カメラ23を計数貸出ユニット2と一体的に設けたが、カメラは、遊技場の天井や所謂遊技機島に設置する等、遊技者の顔や特徴的な様子を撮像可能な位置であればどこの位置に設置してもよく、計数貸出ユニット2と一体である必要も無い。
カメラ23の撮像範囲は、任意に変更してもよく、遊技者の顔が含まれておらず胴体部のみを含む画像としてもよいし、遊技者の顔よりも胴体部の撮像範囲が広い画像としてもよい。具体的には、図10の報知後画像101e´、101eの撮像範囲を、モザイク領域Rec´,Recよりも下側となるようにずらすことで、頭部He´,Heの撮像範囲を、胴体部Bo´,Boの撮像範囲に比して狭くする、或いは、胴体部Bo´,Boのみの撮像範囲とする構成とする。本構成においては、支援者が、体格や服装等から対象者であるか否かを判断することになる。
また、報知後画像101e´、101eは、目の部分のみにモザイクをかける等、モザイクをかける領域Rec´,Recを変更してもよいし、モザイクを一切かけない構成にしてもよい。
記録媒体として会員カード10を例示したが、記録媒体は対象者を識別できるものであればよく、例えばICコインや、遊技者が所持する携帯電話等の携帯端末33を記録媒体として採用することも可能である。記録媒体として携帯端末33を採用する場合、その端末33の通信機能によって計数貸出ユニット2等との間で通信を行い、管理装置6側で携帯端末33を認証し、携帯端末33の所持者を対象者として特定する構成にしてもよい。
管理装置6側で管理する遊技データの種類は本実施形態に限定されるものではなく、遊技機1や計数貸出ユニット2等から受信する各種の遊技信号に基づいて、様々な種類の遊技データを求めることが可能である。
例示した各機能を備える装置を適宜変更してもよく、例えば対象者の登録に係る情報や支援者の送信先情報等を、計数貸出ユニット2側で記憶する構成にしてもよい。つまり、計数貸出ユニット2を、対象者登録手段や送信先記憶手段等として構成し、或いはそれら各種手段乃至各種機能を夫々別個の装置2,6に持たせる構成にすることも可能である。
遊技機1は、遊技媒体を払い出さず、電子データとして加算記憶する封入式遊技機であってもよいし、メダルを使用することなく得点を消費して遊技が進行する完全クレジット式スロットマシンであってもよい。つまり、例示した遊技機に限定されるものではない。
上記した各数値は例示であり、どのような数値を採用してもよいことは勿論である。また、上記した記載中における「記憶」「記録」及び「登録」について、例えば管理装置6の記憶部60a等への「記憶」を「登録」と称する等、それらの意味を同じくするものとして把握することができる。