以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する3つの遊技場A,B,Cでは、各遊技者の遊技状況を管理する共通のシステム(遊技場用管理システム100)が構築されていることから、以下では、遊技場Aの構成を中心に説明するものとする。
遊技場A内には、複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応してカードユニット2及び遊技情報表示装置3が夫々付設されている。遊技機1、カードユニット2及び遊技情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
また、遊技場A内には、精算装置7や景品交換端末(以下、POS)8も設置されており、これら精算装置7やPOS8もLAN5を介して管理装置6と接続されている。精算装置7は、一般カードや会員カード(図2に符号9,10で示す)がカード挿入口7aに挿入されると、図示しないカードリーダライタでカード9,10を読取って入金残高を特定し、その入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口7bから払い戻す返却処理を行う。POS8は、付属するカード処理機8aでカード9,10を読取って遊技価値(持玉数・貯玉数)を特定し、その遊技価値に基づき景品交換処理を行う。尚、持玉とは当日中に計数した玉であり、貯玉とは前日以前に計数した玉である。
管理装置6は、遊技場A内の例えば事務所等に設置されており、モニタ6m、キーボード6k等が接続されている。管理装置6は、遊技機1、カードユニット2、遊技情報表示装置3等、上記した各種機器から出力される遊技データを入力することで、各種機器の稼動状況、遊技者が所有する遊技媒体(つまり遊技価値としての持玉数や貯玉数)、入金残高、会員登録された会員毎の遊技状況等を記憶管理する。尚、図1では図示を省略したが、同図のパチンコ機の他、所謂スロットマシンも含めて例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
図1に示す遊技機1は、所謂封入式のCR(カードリーダ)パチンコ機である。この遊技機1は、遊技者が所有する入金残高や持玉数、貯玉数を変換した遊技玉数を記憶しており、その遊技玉数を消費して玉を発射するように構成されている。つまり、遊技機1が記憶している遊技玉数が残っていることを条件として内部の玉を発射装置により盤面11に発射可能となる。遊技機1の下部には、前記発射装置を構成する操作ハンドル12が設けられるとともに、盤面11の下方には、遊技玉数を示す遊技玉表示部13と、遊技玉を持玉へ変換するための計数ボタン14とが並設されている。盤面11には、液晶表示部(特図表示部)15、始動口16、大入賞口17を有する。
遊技機1は以下のように動作する。
(1)始動口16は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口。所謂電チューでもよい)であり、始動口16への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部15にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りや小当りとなる。
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(3)遊技機設定値(以下、モード)が6段階で設けられ、このモードにより、大当り抽選の当選確率(大当り確率)を、通常遊技状態(通常状態、通常)と確率変動状態(確変状態、確変)とを対象として調整可能である。また、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められる。大当り確率をモードにより不変とする一方、確変率を調整可能とするように、通常と確変との大当り確率や確変率、及びラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であればよい。
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口17を開放する。1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数または上限開放期間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は例えば4Rが10%で8Rが50%で15Rが40%に設定されている。
(5)確変中は大当り確率が向上するとともに、始動口16が電チューのときその入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。また、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
以上は一の機種を例にして説明したが、例示した値は例えば他の機種であればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
図1に示すカードユニット2は、各遊技機1に対応して設けられた遊技装置である。カードユニット2は、遊技機1の遊技状態等を示す状態表示用LED21、紙幣が投入される紙幣投入口22、その投入口22への紙幣投入の可否を示す入金表示用LED21a、周知のCMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子を含むカメラ23(同図1ではカメラカバー23aを図示)、入金残高や持玉数・貯玉数等を表示するタッチパネル式の液晶表示部24、従業員が携帯するリモコン(図示略)からの信号を受けるリモコン受光部25を有する。また、カードユニット2は、払出ボタン26、貸出ボタン27a、及び返却ボタン27bを有するとともに、一般カード9或いは会員カード10が挿入されるカード挿入口28を有する。
図2の機能ブロック図は、カードユニット2の構成を中心に示している。カードユニット2の制御部20は、CPU20a、ROM20b、RAM20c、I/O20d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部20に接続された周辺部としては、上記した表示用LED21,21a(フルカラーLED)、液晶表示部24、各ボタン26,27a,27bを含むとともに、管理装置6や遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部20e、紙幣投入口22に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部22a、液晶表示部24上に設けられたタッチパネル24a、カード挿入口28に挿入されたカード9,10に記憶されている各種情報を読取ったり、書込んだりするカードRW(リーダライタ)28a、最大10枚の一般カード9をストック可能なカードストック部28b等を含む。これに対し、カメラ23は、制御部20に接続されることなく、図1に示すように4台ずつ画像処理装置30と接続されている。画像処理装置30は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
一般カード9は、当日限り有効なカードであり、ICチップ9aが内蔵されている。ICチップ9aには、カードを特定可能な一般IDが記憶されているとともに、カードユニット2に入金された入金残高や持玉数が記憶される。この一般カード9の持玉数は当日のみ有効で、入金残高は翌日以降も利用可能とされている。
会員カード10は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、ICチップ10aが内蔵されている。ICチップ10aには、会員として登録された遊技者を特定可能な会員識別情報(会員ID)が記憶されているとともに入金残高や持玉数が記憶される。会員カード10に対応する持玉数や貯玉数は管理装置6の会員口座に記憶される。この会員カード10の持玉数、貯玉数、並びに入金残高は、翌日以降も利用可能とされている。
カードユニット2は以下のように動作する。
(1)紙幣を受付する(貨幣受付処理)と、その入金金額(1000円単位)を記憶するとともに、液晶表示部24に入金金額を入金残高に加算して表示する。このとき、1度数(500円)は、単価(後述する貸出単価としてのレート)が例えば4円であれば125玉であるから、入金残高に相当する遊技玉数(貸出可能な遊技玉数)を液晶表示部24に表示してもよい。
(2)貸出ボタン27aの操作(貸出操作)に応じて入金残高の範囲内で1度数分ずつ遊技玉数データ(遊技玉数を特定可能なデータ)として遊技機1へ送信するとともに、貸出単価に応じた対価分を入金残高から減算する。つまり、貸出操作に応じて1度数分を貸出玉として遊技玉に変換する貸出処理を行い、その貸出処理によって加算される遊技玉で遊技可能となる。
(3)対応する遊技機1は所謂封入式で、盤面11に打ち出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機1外には払出されない。そこで、カードユニット2は上記した遊技玉数の管理、つまり盤面11への玉の打出し(使用)に応じた遊技玉数の減算、入賞に応じた遊技玉数の加算(入賞付与処理)を行う。
また、カードユニット2は持玉数や貯玉数を管理しており、持玉や貯玉は直接的には遊技に使用できないが、払出ボタン26の押下に応じて持玉数又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数ずつ遊技玉数に変換する変換処理(対価付与処理)を行い、その遊技玉数データを遊技機1へ送信する。この場合、変換率を別途設けてもよいが、本実施形態では1:1としている。以下の計数処理についても同様である。
(4)遊技に応じて遊技機1の遊技玉数が増加した場合、計数ボタン14の押下に応じて遊技機1から受信した遊技玉数データを、計数玉数データとして持玉数に変換する(計数処理)。この場合、1回の押下に応じて1玉が変換対象となるが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に変換可能となる。こうして遊技玉数と持玉数とが更新(記憶)され、カードユニット2では入金残高や持玉数が残存する状態で返却ボタン27bの押下により発行操作を行うと、その入金残高や持玉数をカード挿入口28に挿入されている一般カード9に記憶して発行する。会員カード10が挿入されている場合も、入金残高や持玉数を会員カード10に記憶して発行する。カード挿入口28に何れのカード9,10も挿入されていない場合は、カードストック部28bにストックしている一般カード9を図示しない記録媒体移動手段によりカードRW28aに繰出して、そのカード9に入金残高及び持玉数を記憶して発行する(発行処理)。
尚、カードストック部28bのカード9が無くなったとき、状態表示用LED21において、エラー状態を表し、従業員によりカード9が挿入口28から補充されると正常状態に復帰する。
(5)発行処理は遊技機1における遊技玉数データに応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉数が所定数(0)以下となることで発行条件が成立し発行処理が可能となる。よって、遊技機1と一定間隔(例えば200ms毎に)で通信(アウトやセーフ等の情報も含む)を行い、遊技への使用や計数処理等により遊技玉数が0になるとその旨がカードユニット2に通知され、発行条件が成立すると発行処理が許容される。この場合、遊技機1から遊技玉数データを受信することで遊技玉数を更新して発行条件が成立した旨を特定すればよいが、遊技玉数が0になった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用してもよい。
(6)一般カード9がカード挿入口28に挿入された場合は、一般カード9に記憶されている入金残高及び持玉数をカードRW28aにより読出して液晶表示部24に表示する。会員カード10が挿入された場合は、会員カード10に記憶されている入金残高や持玉数を読出して液晶表示部24に表示し、又、暗証番号の入力を条件として貯玉数を管理装置6から受信して表示する。
カードユニット2は、上記した機能の他、以下の(a)遊技データ及び(b)カードデータを中継装置4経由で管理装置6へ送信する機能を有する。
(a)遊技データ(遊技機1の稼動状況を示すデータであり、次の信号を含む)
・打込信号:遊技機1に対して打込まれた遊技玉数を示す。
・払出信号:遊技機1から払い出された遊技玉数を示す。
・大当たり信号:遊技機1で大当たりが発生していることを示す。
・スタート信号:大当たりの発生契機となる電動役物が作動(図柄変動)したことを示す。
(b)カードデータ(カード9,10に関するデータ)
・一般カードデータ:前記一般ID、カード9の挿入口28での挿入・発行日時、入金残高、持玉数、貸出単価等のデータ。
・会員カードデータ:前記会員ID、カード10の挿入口28での挿入・返却日時、入金残高、持玉数、貯玉数、貸出単価等のデータ。
カードユニット2のカメラ23は、所定周期毎に(例えば4秒毎に)撮像し、その撮像した画像を画像処理装置30に送信する。カメラ23の撮像視野は、遊技者が遊技機1に対して正対している状態で当該遊技者の顔を含む領域となるように設定されている。
画像処理装置30は、4台のカメラ23から送信される各画像を1秒間隔で取込み、その取込んだ画像を分析することにより、当該画像の中に遊技者の顔画像が存在するか否かを判定し、顔画像が存在すると判定すると、その顔画像を管理装置6に送信する。この点、カメラ23から送信される画像に遊技者が含まれていても、その遊技者が例えば不自然な方向を向く等して不自然な姿勢で遊技していれば、画像処理装置30により顔画像を認識できないため、その画像を管理装置6に送信しない場合がある。
尚、画像処理装置30から顔画像を受信した管理装置6は、同一人物判定及び要注意人物判定を行う。同一人物判定では、受信した顔画像に対して例えば特徴点の抽出等の画像処理を行い、当日の顔画像データベースに既に登録されている顔画像と照合して、同一人物か否かを判定する。照合した顔画像が未だ顔画像データベースに登録されていない顔画像(つまり新規の遊技者)であると判定すると、顔IDを付与して当日の顔画像データベースに登録するとともに、その顔IDを遊技データと対応付けて記憶する。一方、顔画像が既に顔画像データベースに登録されている顔画像(つまり既知の遊技者)であると判定すると、その顔IDに対応付けている遊技データを更新する。要注意人物判定では、その顔画像と、要注意データベースに登録されている顔画像とを照合し、同一人物の顔画像が要注意データベースに登録されているか否かを判定する。同一人物の顔画像が要注意データベースに登録されていると判定すると、要注意人物が来店した旨を例えばインカム等により遊技場の従業員に報知する。
図2に示す管理装置6の制御部60(以下、適宜「管理装置6」と略す)は、マイクロコンピュータを主体に構成され、ROMやRAMといった記憶部60aや、I/O等を備えており、その記憶部60aに記憶された制御プログラムに従い動作する。また、管理装置6は、上記したカードユニット2等の各種機器から送信される各種の遊技データを管理する(図4(c)等参照)。
そして、管理装置6は、図1に示す公衆通信回線(インターネット、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)等)32に接続可能となっており、センターに設置されている管理サーバ31と公衆通信回線32等を介して通信可能である。遊技場B、Cでも遊技場Aの同等の構成が実現されており、遊技場B、Cの管理装置6(図示略)についても、遊技場Aの管理装置6と同様、公衆通信回線32に接続可能とされている。
また、図1の携帯端末33は、例えばスマートフォンといった携帯可能な携帯端末装置である。携帯端末33は、そのユーザと通信事業者との間で所定の契約を締結することにより通信事業者から提供される各種通信サービスを受けることが可能で、公衆通信回線32を通じて管理装置6と通信可能である。携帯端末33は、CPU、ROM、RAM等を含む制御部、公衆通信回線32に接続するデータ通信部、電話する際の送話音声を入力するマイクロホン、画面上でタッチ操作を受付ける(入力を受付けるタッチパネル)機能と各種情報を表示する機能とを有する液晶表示部33a等を備えている。
管理サーバ31は、公衆通信回線32を介して、遊技場A~Cの管理装置6と通信可能に接続されている。管理サーバ31は、各遊技場A~Cにおける各種の遊技データを記憶するとともに、携帯端末33等のOS(Operating System)に対応する後述のアプリケーションソフトを記憶しており、管理サーバ31から携帯端末33へとアプリケーションソフトをダウンロードすることができる。また、管理サーバ31や遊技場A~Cの管理装置6は、アプリケーションソフトを携帯端末33で実行する前提として照合されるユーザアカウント(アカウントID、図3(b)参照)や、以下に説明する対象者や支援者のメールアドレス等も記憶しており、メールサーバとして機能する。
ところで、「従来技術」で述べたように、近年のギャンブル依存症の問題について、遊技場もその対策を講じようとしているところである。この点、上記したカードユニット2のような遊技装置において、遊技者が任意で選択した貸出単価(遊技価値の単価)を用いて遊技を行うように構成されていれば、各遊技者の好みに合ったギャンブル性を提供できるという利点がある反面、ギャンブル依存症の遊技者は最も高い貸出単価ばかりを選択し、依存症をますます助長してしまうという欠点がある。
そこで、本実施形態の遊技場用管理システム100では、管理装置6において、複数の貸出単価の中で会員から予め申告された貸出単価を会員IDと対応付けた選択単価として登録し、カードユニット2は、会員が遊技を開始するときに選択した実際の貸出単価が、当該会員の選択単価に適合するか否かを判定するとともに、その判定結果に基づいた表示を行うようになっている。係る遊技場用管理システム100の構成について、遊技場Aにて会員登録を行った遊技者を例に、図3以降の図面も参照しながら詳述する。ここで、図3(a)(b)は、管理装置6において登録された会員及びその家族に関するデータを示している。
即ち、図3(a)は、一の遊技者の会員属性データを示している。会員属性データは、会員登録を行った遊技者の「氏名」「性別」「年齢」「職業」「住所」「メールアドレス(同図で携帯メアドと略す携帯端末の電子メールアドレス)」、「依存症対策」、「単価選択」のデータを含み、その会員IDたる「会員No.」と対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶されている。こうした会員属性データは、例えば遊技場Aで予め会員登録を行うときに遊技者が記入した会員登録用紙(つまり図示しない用紙での自己申告)をもとに、管理装置6に対して入力される。
同図(a)における「依存症対策」のデータは、会員登録時に依存症対策に取り組む旨の自己申告により、或いは後述する携帯端末33からの操作入力を受けたときに、依存症対策「あり」として、管理装置6で登録される。これにより、依存症対策「あり」として登録された特定の会員は特別会員とされ、依存症対策「なし」の通常会員と区別される。
また、「単価選択」は、遊技者(会員)が遊技を開始するときにカードユニット2にて選択される、予め設定された複数の貸出単価(例えば「1円」「2円」「4円」の3種類。図5参照)の中の何れかの貸出単価であって、会員登録時の自己申告により、或いは携帯端末33からの操作入力を受けたときに、設定される特別会員向けの選択単価である。つまり、単価選択は、会員から予め申告される等して設定される選択予定の貸出単価を規定するものであり、ギャンブル性を抑えるという意識付けを行う観点から、通常は最も高い貸出単価(4円)以外の貸出単価(1円及び/又は2円)が設定されるものとする。尚、単価選択は、1円、2円、4円の貸出単価のうちの何れか1つ又は2つを選択可能であり、同図3(a)では「1円」が選択単価として選択された設定を示している。このように、管理装置6は、複数の貸出単価の中で会員から予め申告された貸出単価を会員IDと対応付けた選択単価として登録する機能を有する。
図3(b)は、サポート家族データを示している。サポート家族データは、会員として登録された遊技者の家族の「アカウントID」「メールアドレス」「パスワード」「端末ID」のデータを含み、その会員の会員IDと対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶されている。つまり、サポート家族データは、遊技者の家族が所持する携帯端末33からサポート家族データの登録申請があった場合に受付けられるデータであって、「アカウントID」や「パスワード」は、後述する認証(ログイン)に用いられ、「メールアドレス」や「端末ID」は、当該携帯端末33を特定するデータである。このように、サポート家族データは、遊技者の家族が所有乃至所持する携帯端末33の送信先情報を含む。また、「遊技者の家族」とは、会員として登録された遊技者を対象者として、依存症回復に取り組むサポーターとなりうる者(以下「サポート家族」と称する)であるから、対象者の親類や知人等も挙げられ、家族に限るものではない。
図4(a)~(d)は、遊技者の実際の遊技に関して管理装置6で管理・記憶されるデータを示している。このうち、図4(a)は、一の会員の会員所有価値データを示している。会員所有価値データは、会員として登録された遊技者が所有する遊技価値つまり「入金残高」「持玉数」「貯玉数」のデータを含み、その会員の会員IDと対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶される。
この会員所有価値データのうち、持玉数と貯玉数は夫々、同図4(a)に示す「4円」「2円」「1円」の貸出単価毎の口座に区別して記憶される。係る会員所有価値データは、該当する会員カード10を用いた遊技に応じて、前記発行処理時等に送信される会員カードデータに基づき管理装置6により更新される。
これに対し、図4(b)は、前記一般カードデータに基づき管理装置6により更新(記憶)される一般所有価値データを示している。一般所有価値データは、「入金残高」「持玉数」のデータを含み、一般カード9の一般IDたる「カードNo.」と対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶される。一般所有価値データの持玉数も、「4円」「2円」「1円」の貸出単価毎の口座に区別して記憶される。
尚、詳しくは後述するように、「単価選択」をしていない遊技者は、遊技に際して上記した1円、2円、又は4円の何れかの貸出単価をカードユニット2にて任意で選択することができる一方、「単価選択」をした特別会員は、その選択単価を意識付ける画面61,62上で(図6参照)、貸出単価を選択する。この場合、選択した貸出単価の口座に、持玉(或いは貯玉)として遊技価値を所有している遊技者は、その選択した貸出単価の口座の持玉数の範囲内で再プレイが可能となる。
図4(c)は、一の営業日における一の会員の遊技結果を示す遊技データを、会員IDと対応付けた会員遊技履歴データとして表している。会員遊技履歴データは、遊技機1の「遊技機No.」、その遊技機1で会員が遊技を開始するときに選択した実際の「貸出単価」の他、当該遊技機1での「使用金額」「打込玉数」「払出玉数」「大当たり回数」「持玉数」のデータを含む。これらのデータは、当該遊技機1での「遊技開始」と「遊技終了」の時刻(遊技時間)に対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶される。
この「遊技開始」と「遊技終了」の時刻は、会員カードデータのカード挿入・返却時刻に相当する。つまり、同図4(c)の例では、カード10の挿抜により区分された遊技時間帯[1]~[3]のうち、[2]の遊技時間帯だけ貸出単価4円、他の遊技時間帯[1][3]に貸出単価1円で貸出処理を行っていることが分かる。また、[2]の遊技時間帯では、他の遊技時間帯[1][3]に比して、使用金額も多くなっていることが分かる。
図4(d)は、図4(c)の会員遊技履歴データを営業日単位で集計した会員遊技集計データを示している。管理装置6は、会員遊技集計データについて、当該営業日における「使用金額」「打込玉数」「払出玉数」「大当たり回数」の夫々の集計値を求める。
尚、上記した図3、図4の各データは、管理装置6においてモニタ6mへの表示出力並びに図示しない印刷装置への印刷出力が可能である。
続いて、上記構成の作用について「1.カードユニットにおける表示処理」、「2.管理装置における表示処理」、「3.携帯端末における表示処理」の順に、図5~図9も参照しながら説明する。
<1.カードユニットにおける表示処理>
カードユニット2は、カード挿入口28にカード9,10が挿入されたとき、そのカード9,10のカードデータを読取って管理装置6に送信する。管理装置6は、カードユニット2から受信したカードデータが会員IDを含むとき、登録されている会員属性データの会員IDを検索して、その会員の依存症対策の有無のデータ並びに選択単価を特定可能なデータ(両データを「依存症対策に係るデータ」と称す)をカードユニット2に返信する。これにより、カードユニット2は、管理装置6から受信した依存症対策に係るデータに基づいて、対応する遊技機1で遊技を行う遊技者が通常会員として登録されていることを特定した場合、液晶表示部24に図5の画面51を表示させる。
この会員カード10挿入時の画面51には、遊技種別(パチンコ/スロット)と挿入中のカード9,10の種別(一般/会員)とを表す欄51a、メッセージ表示領域51b、入金残高及び持玉数を表す欄51cが設けられている。また、同画面51のメッセージ表示領域51bには、貸出単価「1円」「2円」「4円」を選択するための選択ボタン52a,52b,52cが表示されるとともに、「貸出単価を選択してください」とのメッセージが表示される。
これに対し、カードユニット2は、管理装置6から受信した依存症対策に係るデータに基づいて、対応する遊技機1で遊技を行う遊技者が特別会員として登録されていること並びに選択単価を特定した場合、液晶表示部24に図6の画面61を表示させる。
この会員カード10挿入時の画面61(メッセージ表示領域51bに対応する部分のみを図示)では、貸出単価「1円」「2円」「4円」の選択ボタン52a,52b,52cのうち、特定した選択単価(例えば1円)以外の貸出単価の選択ボタン52b,52cをグレーアウト表示する(抑制表示Mを付する)とともに、「貸出単価を選択して下さい! 1円のみ選択することが自己申告済みです」とのメッセージを表示する。
この場合、カードユニット2は、特別会員が遊技を開始するときに選択ボタン52a~52cの何れか1つをタッチ操作することにより選択した実際の貸出単価が、当該特別会員の選択単価に適合するか否かを判定するとともに、その判定結果に基づいた表示を行う。具体的には例えば、カードユニット2は、当該特別会員の選択単価として1円を特定しているときに、実際の貸出単価として4円(又は2円)の選択ボタン52b(又は52c)がタッチ操作されると、特別会員の選択単価に適合しないと判定して、その判定結果に基づき、図6の画面61から右の画面62に遷移する。
この画面62では、係る判定結果が選択単価の不適合を示す場合の画面として、会員に対してその旨を示すメッセージとして「“4円”は自己申告した貸出単価と異なりますがよろしいですか?」と表示するとともに、「YES」ボタン62aと「NO」ボタン62bとを表示する。この場合、カードユニット2では、同画面62のYESボタン62aがタッチ操作されると、4円の貸出単価での前記貸出処理を許容する一方、NOボタン62bがタッチ操作されると、前の画面61に戻るため、再度貸出単価の選択をやり直すことができる。
このように、カードユニット2では、特別会員に対して、液晶表示部24にて選択単価に応じた表示Mやその判定結果に基づく画面62表示が行われることにより、予め申告した選択単価を貸出単価として選択する意識付けを行うことができる。また、特別会員以外の遊技者は、液晶表示部24の画面51で選択ボタン52a~52cのタッチ操作により、任意の貸出単価を選択することができる。こうして、選択された1円、2円、4円の何れかの貸出単価で前記貸出処理が行われ、或いは選択された貸出単価の口座の持玉数(又は貯玉数)の範囲内で再プレイが可能となる。
また、カードユニット2では、管理装置6から受信した依存症対策に係るデータと選択単価に係る判定結果に基づいて、対応する遊技機1で遊技を行う遊技者が、「非依存症遊技者」と「単価選択不適合者」と「単価選択適合者」と「単価選択未設定者」との何れであるか(後述の図7参照)を特定可能である。つまり、カードユニット2は、図6の画面62でYESボタン62aをタッチ操作して、選択単価以外の貸出単価を選択した特別会員を「単価選択不適合者」として特定し、選択単価を表すボタン52a(抑制表示Mのないボタン)のタッチ操作により、選択単価と同じ貸出単価を選択した特別会員を「単価選択適合者」として特定する。また、カードユニット2は、通常会員或いは非会員を「非依存症遊技者」として特定し、単価選択をしていない特別会員を「単価選択未設定者」として特定する。
これにより、カードユニット2は、特定された非依存症遊技者、単価選択不適合者、単価選択適合者、若しくは単価選択未設定者、又は遊技機1の「非稼動」について、フルカラー表示可能な状態表示用LED21により、夫々異なる点灯色で区別して表示する。なお、状態表示用LED21の点灯色は、次に述べる管理装置6のモニタ6mにおける、非依存症遊技者等の表示色に夫々対応するものとする。
<2.管理装置における表示処理>
管理装置6は、カードユニット2から受信したカードデータや当該カードユニット2にて選択された実際の貸出単価等のデータに基づいて、図7(a)の画面71や(b)の画面72を、モニタ6mで表示する。
ここで、図7(a)は、依存症遊技者の遊技状況表示画面71を示している。同図に例示するように、画面71には、遊技島の遊技機1の配置に対応付けて、遊技機1毎に割り当てられた台番「1」~「140」が表示される。この場合、各遊技機1の台番(或いは台番の背景色)は例えば、現時点において、遊技機1が「非稼動」のときは白色、「非依存症遊技者」が遊技中のときは青色、「単価選択不適合者」が遊技中のときは赤色、「単価選択適合者」が遊技中のときは緑色、「単価選択未設定者」が遊技中のときは橙色、というように夫々異なる表示色で表されるものとする。
また、画面71の下部には、管理装置6により集計された「非稼動」の台数と「非依存症遊技者」~「単価選択未設定者」の夫々の台数(人数)とが表示されるとともに、「140」台番までの遊技者数に占める「非依存症遊技者」~「単価選択未設定者」の夫々の割合が百分率で表される。
他方、各カードユニット2においては、状態表示用LED21の点灯色により、対応する遊技機1で遊技中の遊技者が「非依存症遊技者」~「単価選択未設定者」の何れであるかを視認することができる。それ故、遊技場側としては、従業員が状態表示用LED21の点灯色を視認することにより、或いは図示しないインカム装置を介して従業員へ報知することにより、従業員が、単価選択不適合者に対して自己申告した単価を選択するように助言する対応を取り得る。また、従業員が、単価選択未設定者に対して、選択単価を自己申告するように助言する対応を取り得る。
図7(b)は、図7(a)の画面71と並べてモニタ6mに表示され或いは画面71に代わる別画面として表示される、貸出単価の選択状況表示画面72を示している。同図7(b)に例示するように、画面72における各遊技機1の台番は例えば、現時点において、遊技機1が「非稼動」のときは白色、対応するカードユニット2にて選択された実際の貸出単価が「1円」のときは青色、「2円」のときは緑色、「4円」のときは赤色、というように夫々異なる表示色で表されるものとする。
また、画面72の下部には、管理装置6により集計された「非稼動」の台数と貸出単価(1円~4円)別の台数とが表示されるとともに、「140」台番までの稼動中の台数に占める貸出単価別の台数の割合が百分率で表される。これにより、同画面72では、現時点における貸出単価の分布状況を台番毎に把握することができる。よって、同画面72と他方の画面71と照らし合わせることで、選択単価に係る4つのカテゴリー(非依存症遊技者~単価選択未設定者)に分類される遊技者と、その遊技者の実際の貸出単価を容易に把握することができる。
<3.携帯端末における表示処理>
上記した遊技場用管理システム100が提供する依存症対策のサービスを利用するために、管理サーバ31から携帯端末33へアプリケーションソフトを、サポート家族の携帯端末33にダウンロードして、サポート家族データに係る情報を登録しておく。これにより、携帯端末33は、登録されたアカウントIDやパスワードの認証を条件としてアプリケーションソフトを実行することで、その液晶表示部33aに図8に示す画面81を表示させる。
図8の画面81は、携帯端末33に表示される依存症回復サポートに係るメニュー画面を表す。メニュー画面81には、「サポート対象者登録」ボタン81a、「サポート対象者履歴確認」ボタン81b、及び「選択単価登録」ボタン81cが設けられている。また、メニュー画面81の下部には、ログアウトするための「終了」ボタン81dが設けられている。
メニュー画面81で「サポート対象者登録」ボタン81aがタッチ操作されると、同図8で下側のサポート対象者登録画面82に遷移する。サポート対象者登録画面82には、遊技場Aで会員登録した会員の「氏名」「年齢」「パスワード」を夫々入力する欄82aと、「登録」ボタン82b及び「戻る」ボタン82cとが設けられている。各欄82aに入力した情報は、サポート家族によりサポートされる遊技者(対象者)の識別情報であり、「登録」ボタン82bのタッチ操作で携帯端末33から送信される。管理装置6は、管理サーバ31を介して携帯端末33から受信した識別情報に基づき、その対象者の会員IDに関連付けたサポート家族データとして管理する(図3(b)参照)。
こうして、携帯端末33を用いて登録した遊技者を対象者として「サポート対象者履歴確認」及び「貸出単価選択制限」を行うことができる。尚、サポート対象者登録画面82において「戻る」ボタン82cがタッチ操作されると、メニュー画面81に復帰する。また、サポート家族による対象者の登録は、サポート家族一人(1台の携帯端末33)あたり、対象者10人分まで可能である。
メニュー画面81で「サポート対象者履歴確認」ボタン81bがタッチ操作されると、同図8で右下側のサポート対象者履歴確認画面83に遷移する。サポート対象者履歴確認画面83では、複数の対象者について上記識別情報の登録が行われている場合には、その対象者リスト(図示略)から選択された対象者の過去1年分の遊技履歴を表す。この遊技履歴は、対象者の遊技データの履歴としての「日付」「時間」「使用金額」「収支」といった項目を含む欄83aで表示される。
この他、サポート対象者履歴確認画面83において、「次頁」ボタン83bがタッチ操作されると、4月1日以降の遊技履歴の欄83aが表示され、「戻る」ボタン83cがタッチ操作されると、2月4日以前の遊技履歴の欄83aが表示される(或はメニュー画面81に復帰する)。
メニュー画面81で「選択単価登録」ボタン81cがタッチ操作されると、同図8で右側の選択単価の登録画面84に遷移する。選択単価の登録画面84では、複数の対象者の登録が行われている場合には、前記対象者リストから選択された対象者の選択単価を設定する。選択単価は、同画面84上に表示される貸出単価「1円」「2円」「4円」の選択ボタン84a,84b,84cのタッチ操作により、対象者毎に設定する。
この画面84では、上記した図3(a)の「単価選択」と同様、1円~4円の貸出単価のうちの何れか1つ又は2つを選択可能である。例えば1円の選択ボタン84a或いは2円の選択ボタン84bのタッチ操作により選択された選択単価のデータは、選択単価を設定するための設定情報として対象者の識別情報とともに、「登録」ボタン84dのタッチ操作で携帯端末33から送信される。管理装置6は、管理サーバ31を介して携帯端末33から受信した設定情報と対象者の識別情報に基づいて、その対象者を特別会員として登録するとともに(図3(a)参照)、当該特別会員の選択単価を設定し、登録(記憶)する。
尚、サポート家族が設定する設定情報は、携帯端末33の画面84で再度、選択ボタン84a~84cの操作を行うことにより取消し或いは更新することができる。また、管理装置6において、既に対象者が自己申告により特別会員として登録され、且つ選択単価も設定されている場合には、サポート家族が設定した選択単価を優先適用する。
こうして、サポート家族は、自身の携帯端末33にて対象者の登録、遊技履歴の確認、選択単価の設定を行うことができる。他方、管理装置6は、対象者が遊技場Aに来店してカードユニット2にて会員カード10を挿入口28に挿入したとき、当該カードユニット2から送信される当該カード10の会員IDが対応付けられているサポート家族データを検索して、そのサポート家族の携帯端末33に対して公衆通信回線32経由で対象者の来店通知を行う。
この通知は、携帯端末33に対してリアルタイムで自動的になされる所謂PUSH通知であり、管理装置6により管理サーバ31を介して携帯端末33へと行われる。こうして、携帯端末33においてプッシュにより通知された情報を受信すると、携帯端末33に例えば図9の画面91を表示させる。同図9に示すように、来店通知の画面91では、対象者の「氏名」、カード10を挿入した「日付」と「時間」、及び遊技を開始した遊技機1の「機種名」と「台番」が表示されるとともに、カードユニット2で対象者が選択した実際の「貸出単価」も表示されることから、対象者の遊技状況を把握することができる。画面91下側の「確認」ボタン91aがタッチ操作されると、この画面91を表示する前の画面に復帰する(或いはメニュー画面81に遷移する)。
尚、本実施形態の遊技場用管理システム100について、遊技場Aで会員登録した遊技者を中心に説明したが、他の遊技場B,Cで会員登録した遊技者も遊技場Aと同様、携帯端末33等を利用したサポート家族による設定情報の設定や来店通知ができることは勿論である。
以上説明したように本実施形態の遊技場用管理システム100では、カードユニット2にて複数の貸出単価の中から好みの単価を任意に選択できる状況において、遊技者自らが選択する貸出単価(必然的に低単価とする選択単価)を予め申告することにより、ギャンブル性を抑えるという意識付けを行うこととなって依存症からの回復を促進することができる。そして、実際の遊技で選択した貸出単価が予め申告した選択単価に適合しない場合にはカードユニット2の画面62で注意が促されるため、貸出単価の選択を誤ってしまう恐れを低減することができる。
また、依存症対策に取り組む遊技者のサポート家族が携帯端末33を用いて、対象者の選択単価を設定できるようにすることで、本人だけでなくその家族も一緒に取り組むことが可能となり、より一層高い効果が期待できる。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせたりしてもよい。
カードユニット2において選択単価に係る判定を行うものとしたが、係る判定を、管理装置6において行うようにしてもよい。つまり、管理装置6は、特別会員が遊技を開始するときに選択した実際の貸出単価をカードユニット2から受信して、当該特別会員の選択単価に適合するか否かを判定し、カードユニット2は、管理装置6による判定結果を受信して、その判定結果に基づいた表示(図6の画面61,62遷移)を行う構成とすることができる。
貸出単価毎の口座に区別して持玉数・貯玉数を記憶し(図4(a)(b)参照)、カードユニット2にて選択した貸出単価と合致する口座の持玉数・貯玉数の範囲内で再プレイを可能としたが、選択した貸出単価と異なる貸出単価の持玉数・貯玉数を遊技に利用できるようにしてもよい。具体的には、1円の貸出単価を選択した場合に、(利用元単価(例えば4円))/(利用先単価(例えば1円))を乗算した玉数に換算することにより、4円の持玉数1000個を口座に所有している状態で、その持玉を1円の貸出単価で使用するときに4000個に換算して再プレイを可能とすることができる。
貸出単価として1円、2円、4円の3種類の金額を例示したが、これに限定されるものではなく、任意の金額を2種類以上設定することができる。
遊技場用管理システム100において、遊技者本人の申告に基づく選択単価の設定と、サポート家族からの要請に基づく選択単価の設定との双方を可能としたが、少なくとも遊技者本人の申告に基づく選択単価の設定が可能なシステムが構築されていればよい。
管理装置6は、特定の会員において前記選択単価に係る判定結果が選択単価の不適合を示した頻度が所定の基準に達したと判定したときに、カードユニット2において、当該特別会員に対して選択単価以外の貸出単価の選択を禁止させるようにしてもよい。
具体的には例えば、管理装置6は、カードユニット2における画面62でYESボタン62a(図6参照)が操作されることにより単価選択不適合者として特定した日数を特別会員毎に集計し、その集計値が予め定めた日数(所定の基準)に達したと判定した場合、カード10挿入時の画面61で選択単価(例えば1円)以外の貸出単価の選択ボタン52b,52cに禁止マークを付する(グレーアウト表示Mとは異なるマークを表示する)とともに、その選択ボタン52b,52cの入力操作を受付けない状態とする。この場合、管理装置6の制御部60並びにカードユニット2の制御部20及び液晶表示部24は、単価選択不適合を犯した特別会員に対して、登録した選択単価以外の貸出単価を強制的に選択禁止状態とする選択禁止手段に相当する。
図4(d)の会員遊技集計データを営業日単位で集計したが、各データの集計期間はこれに限定されない。例えば各データの集計期間を、1週間単位、1ヶ月単位、1年単位とする等、適宜の期間を対象とする集計が可能である。
管理装置6側で算出するデータの種類は、本実施形態に限定されるものではなく、遊技機1やカードユニット2から受信するデータに基づいて、様々な種類のデータを求めることが可能である。
会員カード10使用中のデータを会員のデータとして記憶するようにしたが、会員カード10を使用していない期間であっても、例えば前記顔画像により特定の会員であることが判別できる期間については、会員カード10使用中のときと同様に、会員IDと対応付けたデータとして記憶するようにしてもよい。
或いは、会員カードを挿入口28に挿入しない限り遊技を行うことができない完全カード式遊技機を採用してもよい。この場合には、全ての遊技者を会員カード10により完全に識別することが可能となり、その全ての遊技データを依存症対策のデータとして扱うことができる。
カメラ23をカードユニット2と一体的に設けたが、カメラ23の位置は遊技者の顔が撮像可能な位置であればどこの位置でもよく、カードユニット2と一体である必要も無い。
中継装置4を2台の遊技機1に対して1台ずつ設けるようにしたが、中継装置4と遊技機1との対応関係はこれに限定されない。中継装置4と遊技機1との台数の比は、3対1や4対1であってもよい。画像処理装置30についても同様に、4台のカメラ23に対して1台ずつの対応関係に限定されるものではない。
遊技機1としてパチンコ機を例示したが、スロットマシンや、じゃん球遊技機であってもよい。
上記した各数値は例示であり、どのような数値を採用してもよいことは勿論である。また、上記した記載中における「記憶」及び「登録」について、例えば管理装置6の記憶部60a等への「記憶」を「登録」と称する等、それらの意味を同じくするものとして把握することができる。