以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する3つの遊技場A,B,Cでは、各遊技者の遊技状況を管理する共通のシステム(遊技場用管理システム100)が構築されていることから、以下では、遊技場Aの構成を中心に説明するものとする。
遊技場A内には、複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して計数貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3が夫々付設されている。遊技機1、計数貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
また、遊技場A内には、精算装置7や景品交換端末(以下、POS)8も設置されており、これら精算装置7やPOS8もLAN5を介して管理装置6と接続されている。精算装置7は、一般カードや会員カード(図3に符号9,10で示す)がカード挿入口7aに挿入されると、図示しないカードリーダライタでカード9,10を読取って入金残高を特定し、その入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口7bから払い戻す返却処理を行う。POS8は、付属するカード処理機8aでカード9,10を読取って遊技価値(持玉数・貯玉数)を特定し、その遊技価値に基づき景品交換処理を行う。尚、持玉とは当日中に計数した玉であり、貯玉とは前日以前に計数した玉である。
管理装置6は、遊技場A内の例えば事務所等に設置されており、モニタ6m、キーボード6k等が接続されている。管理装置6は、遊技機1、計数貸出ユニット2、遊技情報表示装置3等、上記した各種機器から出力される遊技データを入力することで、各種機器の稼動状況、会員登録された会員毎の個人データ等を管理する。尚、図1では図示を省略したが、同図のパチンコ機の他、所謂スロットマシンも含めて例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
図2に示すように、遊技機1はCRパチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、始動口16、大入賞口17を有する。また、遊技機1における上部受皿13の上面には、左右に並ぶ貸出ボタン13aと返却ボタン13bを有する。
遊技者が操作ハンドル12を操作すると、玉が盤面11に発射され、その玉が始動口16に入賞すると、その入賞に応じた数の玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部15において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口17を開放する。
遊技機1からは遊技の実行に応じて以下の信号が管理装置6側へ送信される。
・打込信号:遊技機1に対して打込まれた玉数(遊技媒体の数)を示す信号。
・払出信号:遊技機1から払い出された玉数を示す信号。
・大当たり信号:大当たり状態が発生したことを示す信号。
・スタート信号:大当たりの発生契機となる電動役物が作動(図柄変動)したことを示す信号。
計数貸出ユニット2は、各遊技機1に対応して設けられ、所謂各台計数機能を備える。具体的には図2に示すように、計数貸出ユニット2は、現在の運用状態(例えば正常状態、エラー状態等)を示す状態表示部21、紙幣が投入される紙幣投入口22、周知のCMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子を含むカメラ23(図2では前面のカメラ窓23aのみ図示)、遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の情報を表示するタッチパネル式の液晶表示部24、1単位分(単位付与数)の玉を払い出すための払出ボタン25、払出された玉が通過する払出ノズル26、一般カード9或は会員カード10が挿入されるカード挿入口28、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿29等を備えている。
図3の機能ブロック図は、計数貸出ユニット2の構成を中心に示している。計数貸出ユニット2の制御部20は、CPU20a、ROM20b、RAM20c、I/O20d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部20に接続された周辺部としては、上記した状態表示部21、液晶表示部24、払出ボタン25を含むとともに、管理装置6や遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部20e、紙幣投入口22に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部22a、液晶表示部24上に設けられたタッチパネル24a、カード挿入口28に挿入されたカード9,10に記憶されている各種情報を読取ったり、書込んだりするカードRW(リーダライタ)28a、最大10枚の一般カード9をストック可能なカードストック部28b、払出ボタン25が操作されたときに、1度数分の玉を払出ノズル26から払い出す払出部25a、計数受皿29から流入する玉数を計数する計数部29a等を含む。これに対し、カメラ23は、制御部20に接続されることなく、図1に示すように4台ずつ画像処理装置30と接続されている。画像処理装置30は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
一般カード9は、当日限り有効なカードであり、ICチップ9aが内蔵されている。ICチップ9aには、カードを特定可能な一般IDが記憶されているとともに、計数貸出ユニット2に入金された入金残高や持玉数が記憶される。この一般カード9の持玉数は当日のみ有効で、入金残高は翌日以降も利用可能とされている。
会員カード10は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、ICチップ10aが内蔵されている。ICチップ10aには、会員登録を行った遊技者を特定可能な会員IDが記憶されているとともに入金残高が記憶される。会員カード10に対応する持玉数や貯玉数は管理装置6の会員口座に記憶される。この会員カード10の持玉数、貯玉数、並びに入金残高は、翌日以降も利用可能とされている。
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)カード9,10の未挿入状態で紙幣投入口22へ投入された紙幣を受け付けると(貨幣受付処理を行うと)、カードストック部28bに収納している一般カード9をカードRW28aへ繰り出して、その入金金額(1000円単位)を記憶するとともに、当該入金金額(入金残高)を液晶表示部24に表示する。このとき、1度数(500円)は、貸出単価が4円のパチンコ機では125玉であるから、入金残高に相当する度数を液晶表示部24に表示してもよい。
(2)遊技機1の貸出ボタン13aの操作(貸出操作)に応じて入金残高の範囲内で1度数に相当する玉を遊技機1内部の払出機構から貸し出す貸出処理を行う。
(3)遊技機1の下部受皿14から落下して計数受皿29で受けられた玉が計数部29aに流入することで玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を液晶表示部24に表示する。
(4)払出ボタン25の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数ずつ前記払出機構から払い出す。
(5)遊技機1の返却ボタン13bの操作に応じて入金残高及び持玉数をカード挿入口28に挿入されている一般カード9に記憶して発行する。会員カード10が挿入されている場合は、入金残高を会員カード10に記憶して発行する。カード挿入口28に何れのカード9,10も挿入されていない場合は、カードストック部28bにストックしている一般カード9を図示しない記録媒体移動手段によりカードRW28aに繰出して、そのカード9に入金残高及び持玉数を記憶して発行する。
また、入金残高及び持玉数が何れも「0」となった場合は、カードRW28aにセットされた一般カード9を記録媒体移動手段によりカードストック部28bに回収する。尚、カードストック部28bのカード9が無くなったとき、状態表示部21において、エラー状態を表し、従業員によりカード9が挿入口28から補充されると正常状態に復帰する。
(6)一般カード9がカード挿入口28に挿入された場合は、一般カード9に記憶されている入金残高及び持玉数をカードRW28aにより読出して液晶表示部24に表示する。会員カード10が挿入された場合は、会員カード10に記憶されている入金残高を読出して液晶表示部24に表示すると共に持玉数を管理装置6から受信して表示し、又、暗証番号の入力を条件として貯玉数を管理装置6から受信して表示する。
計数貸出ユニット2の制御部20(以下、適宜「計数貸出ユニット2」と略す)は、上記した機能の他、以下の信号を管理装置6側へ送信する機能を有する。
・売上信号:玉の貸出しに伴い使用された金額(使用金額)を示す信号。
・貯玉払出信号:会員カード10で貯玉を使用する場合に、払い出された貯玉数を示す信号。
・カード発行信号:上記したカード9,10の発行処理(返却処理)を行う場合に、該当するカード9,10に記憶される入金残高や持玉数を示す信号。
計数貸出ユニット2のカメラ23は、対応する遊技機1にて遊技を行う遊技者を撮像可能な撮像手段として、所定周期毎に(例えば4秒毎に)撮像し、その撮像した画像を画像処理装置30に送信する。カメラ23の撮像範囲は、遊技者が遊技機1に対して正対している状態で当該遊技者の顔と胴体の一部を含む領域となるように設定されている(後述する図10の画像Im0〜Im1の頭部He0〜He1と上体部Bo0〜Bo1参照)。
画像処理装置30は、4台のカメラ23から送信される各画像を1秒間隔で取込み、その取込んだ画像を分析することにより、当該画像の中に遊技者の顔画像が存在するか否かを判定し、顔画像が存在すると判定すると、その顔画像を管理装置6に送信する。この点、カメラ23から送信される画像に遊技者が含まれていても、その遊技者が例えば不自然な方向を向く等して不自然な姿勢で遊技していれば、画像処理装置30により顔画像を認識できないため、その画像を管理装置6に送信しない場合がある。
画像処理装置30から顔画像を受信した管理装置6は、同一人物判定及び要注意人物判定を行う。同一人物判定では、受信した顔画像に対して例えば特徴点の抽出等の画像処理を行い、当日の顔画像データベースに既に登録されている顔画像と照合して、同一人物か否かを判定する。照合した顔画像が未だ顔画像データベースに登録されていない顔画像(つまり新規の遊技者)であると判定すると、顔IDを付与して当日の顔画像データベースに登録するとともに、その顔IDを遊技データと対応付けて記憶する。一方、顔画像が既に顔画像データベースに登録されている顔画像(つまり既知の遊技者)であると判定すると、その顔IDに対応付けている遊技データを更新する。要注意人物判定では、その顔画像と、要注意データベースに登録されている顔画像とを照合し、同一人物の顔画像が要注意データベースに登録されているか否かを判定する。同一人物の顔画像が要注意データベースに登録されていると判定すると、要注意人物が来店した旨を例えばインカム装置(図示略)等により遊技場の従業員に報知する。
また、本実施形態の管理装置6は、遊技者が会員カード10を使用して遊技を行っている場合、その会員IDと上記した顔画像とを対応付けて管理するようになっている。
ここで、図3に示す管理装置6の制御部60(以下、適宜「管理装置6」と略す)は、マイクロコンピュータを主体に構成され、ROMやRAMといった記憶部60aや、I/O等を備えており、その記憶部60aに記憶された制御プログラムに従い動作する。また、管理装置6は、上記した遊技機1や計数貸出ユニット2から送信される各種の遊技信号に基づいて、以下の遊技データを含む各種の遊技データを管理する(図5(b)参照)。
・打込玉数:遊技機1に対して打込まれた玉数。
・払出玉数:遊技機1から払い出された玉数。
・大当たり回数:遊技機1で発生した大当たりの回数。
・稼動時間:遊技機1が稼動している時間。
そして、管理装置6は、図1に示す通信回線(インターネット、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)等)32に接続可能となっており、センターに設置されている管理サーバ31と通信回線32等を介して通信可能である。遊技場B、Cでも遊技場Aの同等の構成が実現されており、遊技場B、Cの管理装置6(図示略)についても、遊技場Aの管理装置6と同様、通信回線32に接続可能とされている。
また、図1の携帯端末33は、例えばスマートフォンといった携帯可能な通信端末であり、そのユーザと通信事業者との間で所定の契約を締結することにより通信事業者から提供される各種通信サービスを受けることが可能となる。携帯端末33は、CPU、ROM、RAM等を含む制御部、通信回線32に接続するデータ通信部、電話する際の送話音声を入力するマイクロホン、画面上でタッチ操作を受け付ける(入力を受け付けるタッチパネル)機能と各種情報を表示する機能とを有する液晶表示部33a等を備えている。
管理サーバ31は、通信回線32を介して、遊技場A〜Cの管理装置6と通信可能に接続されている。管理サーバ31は、各遊技場A〜Cにおける各種の遊技データを記憶するとともに、携帯端末33等のOS(Operating System)に対応する後述のアプリケーションソフトを記憶しており、管理サーバ31から携帯端末33へとアプリケーションソフトをダウンロードすることができる。また、管理サーバ31や遊技場A〜Cの管理装置6は、会員のメールアドレス(図4(a)参照)も記憶しており、メールサーバとして機能する。
ところで、「従来技術」で述べたように、近年のギャンブル依存症の問題について、遊技場もその対策を講じようとしているところである。この点について例えば、管理装置6により会員カード10(会員ID)に対応付けて使用金額を管理し、その使用金額が上限値に達したとき、遊技者に対して報知を行う構成が考えられるが、係る報知の後、会員カード10を用いずに遊技を続行すること(つまりカード10を挿入口28へ挿入せずに使用金額の管理が及ばないようにすること)も想定され、大きな効果を期待することはできないのが実情である。
そこで、本実施形態の遊技場用管理システム100では、管理装置6において、予め特定の遊技者を特別報知の対象者として登録(記憶)しておき、その対象者の実際の遊技データが予め定められた所定の報知条件を満たすことに伴い当該対象者に対して特別報知を実行した後、対応する計数貸出ユニット2にてカード10を用いずに遊技が行われると、その対象者を支援する支援者の携帯端末33に、カメラ23による遊技者の撮像結果を送信する構成としている。
この遊技場用管理システム100の構成について、遊技場Aにて会員登録を行った遊技者を例に、図4以降の図面も参照しながら詳述する。ここで、図4、図5は、管理装置6にて管理される遊技データであって、モニタ6mへの表示出力や印刷装置(図示略)への印刷出力が可能なデータを示している。
このうち、図4(a)は、一の遊技者の会員属性データを示している。会員属性データは、会員登録を行った遊技者の「氏名」「性別」「年齢」「職業」「住所」「メールアドレス(同図で携帯メアドと略す携帯端末の電子メールアドレス)」が、その会員IDたる「会員No.」と対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶されている。こうした会員属性データは、例えば遊技場Aで予め会員登録を行うときに遊技者が記入した会員登録用紙(図示しない用紙での自己申告)をもとに、管理装置6に対して入力される。
図4(b)は、依存症対策対象者データの一部を示している。同図(b)に示すように、依存症対策対象者データは、例えば30000円等の使用金額の上限値で表された「遊技制限条件(報知条件)」が、会員IDと対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶されている。この遊技制限の有無(当該対象者データへの会員IDの登録)は、会員登録時の自己申告を受けたときに、或は後述する計数貸出ユニット2や携帯端末33からの操作入力を受けたときに、管理装置6にて登録する。これにより、管理装置6は、遊技終了を促す特別報知の対象者として特定の遊技者を登録する対象者登録手段として機能する。また、「遊技制限条件」も、会員登録時の自己申告、或は計数貸出ユニット2や携帯端末33での操作入力に応じて、管理装置6に対して入力される。
尚、対象者とは、対象者登録手段で登録された遊技者であり、適宜その登録を行い得ることから、当該登録の有無により、対象者が遊技者に含まれるものとして、以下の記載中の「遊技者」と「対象者」を相互に読み替えることができる。
図4(c)は、一の支援者のサポート家族データを示している。サポート家族データは、支援者の「アカウントID」「メールアドレス」「パスワード」「端末ID」を含み、対象者の会員IDと対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶されている。サポート家族データは、支援者の携帯端末33から依存症回復サポートの登録申請があった場合に受け付けられるデータであって、「アカウントID」や「パスワード」は、後述する認証(ログイン)に用いられ、「メールアドレス」や「端末ID」は、当該支援者の携帯端末33を特定するための送信先情報に相当する。このように、サポート家族データは、支援者が所有(所持)する携帯端末33(以下「支援者端末33S」と略す)の送信先情報を含み、管理装置6の記憶部60aは、その送信先情報を記憶する送信先記憶手段に相当する。また、支援者とは、対象者の遊技の続行に関して同意を求め、或はその続行に関して当該対象者の撮像結果を送信する相手であって、依存症回復に対象者と一緒に取り組むサポーターとなりうる者であるから、対象者の親類、友人、知人等が挙げられ、家族に限るものではない。
図5(a)は、一の遊技者の会員所有価値データを示している。会員所有価値データは、会員が所有する「入金残高」「持玉数」「貯玉数」が、その遊技者の会員IDと対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶される。管理装置6は、計数貸出ユニット2に受け付けられる会員カード10を用いた遊技者の遊技に応じて、前記売上信号やカード発行信号等に基づき会員所有価値データを更新する。
このように、計数貸出ユニット2の制御部20及びカードRW28aは受付手段として、遊技者(対象者)を識別するために当該遊技者が所持する会員カード10(記録媒体)を受け付け、管理装置6は管理手段として、その受付手段が会員カード10を受け付けたことに基づき、当該カード10を所持する遊技者の会員所有価値データ(遊技データ)を管理する。また、管理装置6は、会員所有価値データを含む各種の遊技データについて、対象者としての登録の有無にかかわりなく集計・記憶する一方、依存症対策対象者データの「遊技制限条件」等に関する各種のデータを集計・記憶する。
図5(b)は、遊技者の遊技状況を示す遊技データであって、会員登録された全ての遊技者の遊技データが会員遊技履歴データを示している。会員遊技履歴データは、遊技者が実際に遊技を行った「遊技機No.」での「使用金額」「打込玉数」「払出玉数」「大当たり回数」「持玉数」について、その遊技機1での「遊技開始」と「遊技終了」の時間(遊技時間)に対応付けて管理装置6の記憶部60aに記憶される。また、会員遊技履歴データは、特別報知の実行の有無を示す「遊技制限」フラグのデータと、後述する遊技制限の解除(解除の同意)を示す支援者の「同意確認」フラグのデータとを含む。
図5(c)は、図5(b)の会員遊技履歴データを営業日単位で集計した会員遊技集計データを示している。管理装置6は、会員遊技集計データについて、当該営業日における「使用金額」「打込玉数」「払出玉数」「大当たり回数」の夫々の集計値を求めるとともに、「遊技制限」フラグの履歴に基づく特別報知の実行回数、及び「同意確認」フラグの履歴に基づく同意・不同意の回数の集計値を求める。
また、図5(d)は、遊技場Aにおける全会員遊技制限設定データを示している。全会員遊技制限設定データは、遊技場Aで会員登録された「全会員数」のうち、「遊技制限有」として使用金額の上限値を設定した人数と、その人数の全会員数に占める「遊技制限割合」と、設定された各々の上限値の平均を表す「平均上限」とを含み、営業日単位で集計される。
続いて、上記構成の作用について図6〜図10も参照しながら説明する。以下では、サポート家族データの登録の有無により、「1.サポート家族なしの場合の処理」と「2.サポート家族ありの場合の処理」に分け、併せて「3.支援者端末での表示に関する処理」について説明する。
<1.サポート家族なしの場合の処理>
遊技者は予め遊技場Aで会員登録を済ませており、自身が所持する会員カード10を、計数貸出ユニット2のカード挿入口28へ挿入して、対応する遊技機1で遊技を行うものとする。
この場合、計数貸出ユニット2は、液晶表示部24に図6に示す画面61を表示させる。この画面61には、種別(貸出単価)・単位付与数を表す欄61a、挿入中のカード9,10の種別(会員・一般)を表す欄61b、案内表示領域61c、入金残高及び持玉数を表す欄61dが設けられている。
また、この場合、遊技者は画面61のタッチ操作により、図示しないメニュー画面を表示させ、そのメニュー画面で「遊技制限」をタッチ操作により選択すると、計数貸出ユニット2は、図7に示す画面71に遷移する。尚、図7の画面71〜74は、液晶表示部24における案内表示領域61c部分の画面遷移を示すものとする。
同図7の画面71には、「遊技制限」ボタン71aと「終了」ボタン71bが設けられている。これらボタン71a,71bは、遊技制限の有無を設定するためのものであり、計数貸出ユニット2は、「遊技制限」ボタン71aがタッチ操作されると、次の画面72に遷移し、「終了」ボタン71bがタッチ操作されるとメニュー画面に復帰する。
図7の画面72では、使用金額の上限値を表示する欄72aと、「完了」ボタン72b及び「戻る」ボタン72cとが設けられている。この場合、計数貸出ユニット2は、液晶表示部24における画面72の表示領域61c以外の表示領域にテンキー(図示略)を表示させ、使用金額の上限値を、そのテンキーのタッチ操作に応じて受け付ける。このとき、計数貸出ユニット2では、報知条件として使用金額の上限値を、所定値(例えば10000円)以上の範囲内で、任意に設定することが可能である。計数貸出ユニット2は、使用金額の上限値を受け付けた後「完了」ボタン72bがタッチ操作されると次の画面73に遷移し、「戻る」ボタン72cがタッチ操作されると前の画面71に復帰する。
図7に示す次の画面73では、受け付けた使用金額の上限値を表示する欄73aと、「確認」ボタン73bとが設けられている。計数貸出ユニット2は、遊技者により「確認」ボタン73bがタッチ操作されると、設定された使用金額を含む情報を管理装置6に送信して、メニュー画面に復帰する。
これにより、管理装置6は、依存症対策対象者データ(遊技制限の有無及び使用金額の上限値)について、会員IDとともに計数貸出ユニット2から受信することにより、当該会員IDに対応付けて記憶し、或は上書き更新することから、会員登録時の自己申告がなくても新たな対象者として当該遊技者を登録することができる。この後、管理装置6により、対象者の実際の使用金額が報知条件を満たした(上限値に達した)と判定したときに、遊技機1での遊技の続行を、対応する計数貸出ユニット2にて制限する。
具体的には、計数貸出ユニット2おいて使用金額の上限値を30000円に設定した対象者が、遊技の進行に伴い紙幣投入口22へ30000円分の紙幣を順次投入して、その分の玉数を前記貸出処理により消費した(貸出金額が3万円に達した)ものとする。
このとき、管理装置6は、遊技機側からの遊技信号に基づき、管理手段として管理する対象者の合計使用金額が上限値たる30000円に達した(遊技データが報知条件を満たした)と判定すると、当該対象者の遊技を制限すべく、計数貸出ユニット2において、当該対象者の会員カード10を用いた新たな貸出処理を実行しないように制限させた状態となる。また、管理装置6は、当該対象者のサポート家族データを登録していないとき、計数貸出ユニット2において、図7の画面74で示すように上限値の使用金額「30000円」と併せて、その上限値に達した旨並びに遊技の終了を促す旨(対象者に遊技制限がかかった状態を識別させる旨)の警告メッセージを表示させることにより、当該対象者に対して特別報知を実行する。この特別報知の開始タイミングは、使用金額が上限値に達した状態で、貸出ボタン13aでの貸出操作が行われたときに合わせるものとする。
このため、対象者は、同画面74における警告メッセージとともに表示された「確認」ボタン74aをタッチ操作し、会員カード10を挿入口28から排出させて遊技を終了することとなる。尚、管理装置6及び計数貸出ユニット2は、当日中の遊技制限を、該当する会員について維持するため(閉店中リセットして制限を解除するため)、一旦遊技制限がかかると他の計数貸出ユニット2でも、当該カード10を用いた新たな貸出処理を行わないようになっている。
<2.サポート家族ありの場合の処理>
遊技者は例えば、会員登録時の自己申告により、或は支援者端末33Sからの操作入力により、使用金額の上限値を30000円に設定した対象者であり(図4(b)参照)、管理装置6には、サポート家族データが予め登録されているものとする。
また、図5(b)に例示するように対象者は「遊技機No.123」にて「10:15」から「12:23」までの遊技中に、紙幣投入口22へ3000円分の紙幣を順次投入し、その分の玉数を貸出処理により消費した後、1240の持玉数を獲得した状態で台移動したものとする。そして、対象者は、台移動した「遊技機No.125」にて「12:28」から遊技を開始し、先ずは遊技機No.123で獲得した1240の持玉数を全て消費した後、紙幣投入口22へ27000円分の紙幣を順次投入して、その分の玉数を貸出処理により消費したものとする。
この場合、同図(b)に例示する15時47分に、管理装置6により当該対象者の合計使用金額が上限値たる30000円に達したと判定したとき、同図(b)の遊技制限フラグ「1」を対応付けた会員遊技履歴データとして記憶するとともに、係る判定を条件として当該対象者の遊技を制限する。これにより、計数貸出ユニット2では、当該対象者の会員カード10を用いた新たな貸出処理を実行しないように制限した状態となる。
また、この場合、管理装置6は、当該対象者のサポート家族データが登録されていると判定すると、計数貸出ユニット2において、貸出操作が行われたときに(前記開始タイミングで)、図8で左側の画面81を表示させる。この画面81は、特別報知の実行に係る画面であり、上限値の使用金額「30000円」と、「遊技を終了しますか?追加入金の同意を求めますか?」とのメーセッジと併せて、「遊技終了」ボタン81a及び「追加入金」ボタン81bを表示する。ここで、対象者は、「遊技終了」ボタン81aをタッチ操作により選択する場合、会員カード10を挿入口28から排出させて遊技を終了する一方、「追加入金」ボタン81bをタッチ操作により選択する場合、当該対象者の支援者が所有する支援者端末33Sへ、遊技の続行に対して同意するか否かを確認するための確認通知が自動的に送信される。
即ち、対象者が追加入金を望む場合、同ボタン81bをタッチ操作すると、計数貸出ユニット2は、図8の画面81から次の画面82に遷移し、支援者への同意確認をとるための時間を「残り待機時間(例えば3分間)」として表示する。また、この場合、管理装置6は、管理サーバ31を介して確認通知を支援者端末33Sへ送信する際に当該対象者の遊技データを一緒に送信する。
これにより、支援者端末33Sの液晶表示部33aには、図11に例示する同意確認PUSH通知画面111が表示される。この画面111には、「遊技場Aで遊技中の○○□□さん(対象者の氏名)から追加入金の同意確認が届いています。○○□□さんの上限使用金額は30000円です。追加入金に同意しますか?」とのメッセージと、現時点の遊技データとして「大当たり間スタート」及び「大当たり回数」と、「同意する」ボタン111a及び「同意しない」ボタン111bとが表示される。このため、支援者は、追加入金による遊技で大当たりが見込めるのか否かを、画面111の遊技データから判断した上で、同意するか否かを決定することができる。このように、支援者端末33Sは、確認通知の内容とともに、対象者の使用金額や大当たり間スタートといった現時点での遊技データを表示可能に構成されている。
この後、管理サーバ31は、支援者端末33Sから確認通知に対する回答を受信し、又、待機時間が経過しても支援者端末33Sから回答を受信しないとき(何れのボタン111a,111bもタッチ操作されないとき)には「同意しない」旨の回答があったものとして処理を行う。
それ故、管理装置6は、管理サーバ31を経由して受信した回答が遊技続行に対する同意を示す場合に、図5(b)の「同意確認」フラグを「1」に設定し、計数貸出ユニット2による制限を解除させて遊技の続行を許可する。この場合、計数貸出ユニット2において、図8の画面82から図9の追加入金同意受信画面91に遷移し、支援者の同意により「あと10000円まで追加入金が可能」である旨のメッセージと、その「確認」ボタン91aとを表示させ、「確認」ボタン91aのタッチ操作により貸出処理を可能とする。このように、追加入金額は、支援者の同意1回あたり10000円とするが、支援者端末33S側で追加入金額を指定可能とする等、適宜変更してもよい。
この後、図5(b)に例示する16時27分に、管理装置6により当該対象者の追加の使用金額が10000円に達した(再度遊技制限が発生した)と判定したとき、同図(b)の「遊技制限」フラグを「1」に設定するとともに、計数貸出ユニット2での当該対象者の会員カード10を用いた貸出処理を制限する。
このとき、計数貸出ユニット2には、図8の画面81と同様、追加入金の使用に関して「遊技を終了しますか?追加入金の同意を求めますか?」とのメーセッジと、「遊技終了」ボタン81a及び「追加入金」ボタン81bを表示させる。ここで、対象者が「追加入金」ボタン81bをタッチ操作により選択しても、支援者の携帯端末33から「同意しない」回答があったとき(或は回答を受信しないとき)、管理装置6は、図5(b)の「同意確認」フラグを「0」に設定し、計数貸出ユニット2における制限を維持すべく同ユニット2に図9の追加入金不同意受信画面92を表示させる。
図9の画面92は、特別報知の実行に係る画面であり、「ご家族から追加入金の同意を得ることができませんでした。遊技を終了して下さい」とのメッセージと、その「確認」ボタン92aとが表示されるため、対象者は「確認」ボタン92aをタッチ操作し、会員カード10を挿入口28から排出させて遊技を終了することとなる。
このように、遊技データが報知条件を満たした場合、特別報知手段たる計数貸出ユニット2において、その特別報知に係る画面81,92表示処理を行い、支援者から同意が得られないとき等(図8のボタン81a操作で遊技を終了するときも含む)には、会員カード10を用いた新たな貸出処理を行わないことで「のめり込み」を防止する一応の機能を果たすのであるが、対象者が当該カード10を用いずに遊技を続行するケースも想定される。つまり、計数貸出ユニット2において特別報知を実行した後に、当該計数貸出ユニット2に対応する遊技機1の受付手段(前記制御部20及びカードRW28a)が対象者の会員カード10を受け付けていない状態では(当該カード10を排出した状態では)、新たな貸出処理が可能となる。
そこで、管理装置6は、支援者から同意が得られないとき等に、その特別報知を行った計数貸出ユニット2にて会員カード10を受け付けていない状態で、対応する遊技機1で遊技者(対象者を含む)が遊技を行ったと判定した場合、その遊技者の撮像結果を、管理サーバ31を介して支援者端末33Sに送信する。この場合、管理装置6は、遊技者の撮像結果(以下「報知後画像」と称す現在遊技を行っている遊技者の画像)に加えて、特別報知の実行まで遊技を行っていた遊技者たる対象者の顔を支援者が特定可能な画像(当日の対象者画像)を支援者端末33Sに送信する。
尚、管理装置6及び管理サーバ31は、支援者端末33Sに対する送信手段として、報知後画像等を電子メールで送信するようになっている。また、この場合の画像の送信は、管理装置6によって、対象者の現在の「同意確認」フラグ及び「遊技制限」フラグを照合する等して、支援者から遊技続行の同意が得られていないと判定したこと、又は図8のボタン81a操作で対象者が遊技を終了したと判定したことを条件に行うこととなる。
<3.支援者端末での表示に関する処理>
ここで、図10は、支援者端末33Sの液晶表示部33aに表示される画像Im0〜Im1例であって、上記した報知後画像Im1´,Im1や対象者画像Im0を示している。これらの画像Im0〜Im1は、特別報知を行った計数貸出ユニット2の備えるカメラ23で撮像されたものである。
即ち先ず、同図10の中段及び下段の画像は、報知後画像Im1´及びIm1である。このうち、中段の報知後画像Im1´は、計数貸出ユニット2での特別報知の実行後に、対応する遊技機1にて、別の遊技者が自身のカード10を用いずに遊技を開始したときの画像である。このため、中段の報知後画像Im1´は、同遊技機1にて、対象者が自身のカード10を用いずに遊技を続行したときの下段の画像Im1と異なる。
このように、報知後画像Im1´,Im1は、支援者にとってかかわりのない別の遊技者の撮像結果Im1´を含みうるため、管理装置6により、画像Im1´,Im1中の遊技者の頭部He1´,He1の少なくとも一部にモザイクをかけたうえで送信する。具体的には,管理装置6は、同遊技機1にてカード10を用いずに遊技を開始した遊技者或は対象者の画像(通常の顔認証として最初に検知された顔画像)において、前記画像処理により抽出された目、鼻、及び口を包含する矩形枠Rec1´,Rec1を設定し、その矩形枠Rec1´,Rec1内にモザイクをかけるモザイク処理を施す。尚、図10では説明の便宜上、モザイクをかけた領域Rec1´,Rec1について外枠のみを表しており、モザイク処理とは、係る領域Rec1´,Rec1を他の領域に比して解像度を落とす等して見え難くする画像処理である。それ故、報知後画像Im1´,Im1の画像処理は、管理サーバ31等、管理装置6以外の装置で行うことが可能である。
これに対し、同図10の上段の対象者画像Im0は、特別報知を実行したときに撮像された当日の画像であり、モザイク処理を施していない。この対象者画像Im0の撮像範囲は、報知後画像Im1´,Im1と同様、頭部He0〜He1全体と上体部Bo0〜Bo1を含む、顔を主体として撮像された範囲である。
そして、上記した電子メールにより、当日の対象者画像Im0と、報知後画像Im1´又はIm1(別の遊技者又は対象者の画像)とを添付した、メッセージが送信される。これにより、支援者端末33Sにおいて、「○○□□さん(対象者の氏名)が遊技を続行している可能性があります。○○□□さんの画像(Im0)と併せて、遊技制限後に遊技を行っている遊技者の画像(Im1´又はIm1)を送信しますので、確認してください」とのメッセージが表示される。
この支援者端末33Sにおいて、当日の対象者画像Im0と併せて、別の遊技者の報知後画像Im1´を受信した場合、両画像Im0,Im1´において、髪型や服装が異なるため、対象者とは別人であることを判断できる。また、モザイク処理により人物の画像Im1´が抽象化される(人物が誰であるか特定し難くなる)ことから、プライバシー保護を図ることができる。
一方、支援者端末33Sにおいて、当日の対象者画像Im0と併せて、その対象者の報知後画像Im1を受信した場合、両画像Im0,Im1において、髪型や服装が一致するため、モザイク処理がなされていても、対象者であることの判断・推測が可能となる。つまり、支援者は、会員カード10を用いて遊技を行っている対象者のモザイク無しの画像Im0と、特別報知後に会員カード10を用いずに遊技を行っている者のモザイクのかかった画像Im1´又はIm1の比較を行うことで、対象者が遊技を続行しているのか、又は他人が遊技を新たに開始したのかを判断することができる。
上記した遊技場用管理システム100が提供する画像Im0〜Im1送信を含むサポートサービスを利用するために、管理サーバ31から支援者端末33Sへアプリケーションソフトをダウンロードして、サポート家族データに係る情報を登録しておく。これにより、携帯端末33は、登録されたアカウントIDやパスワードの認証を条件としてアプリケーションソフトを実行することで、その液晶表示部33aに図12に示す画面121を表示させる。
図12の画面121は、支援者端末33S用の依存症回復サポートに係るメニュー画面を表す。メニュー画面121には、「サポート対象者登録」ボタン121a、「サポート対象者履歴確認」ボタン121b、及び「上限金額設定」ボタン121cが設けられている。また、メニュー画面121の下部には、ログアウトするための「終了」ボタン121dが設けられている。
メニュー画面121で「サポート対象者登録」ボタン121aがタッチ操作されると、図示しないサポート対象者登録画面に遷移する。サポート対象者登録画面には、遊技場Aで会員登録した対象者の「氏名」「年齢」「パスワード」を夫々入力する欄が設けられている。各欄に入力した情報つまり対象者とする遊技者の識別情報は、その各欄への操作入力(液晶表示部33aでのタッチ操作)で支援者端末33Sから送信され、管理装置6は、管理サーバ31を介して当該端末33Sから受信した識別情報に基づき対象者を登録する(図4参照)。
このように、支援者端末33Sの前記タッチパネルは、当該端末33により登録した対象者の「サポート対象者履歴確認」及び「上限金額設定」を行うことができる。一方、管理装置6は、支援者端末33Sにより入力された遊技者の識別情報に基づき対象者を登録して、その対象者の会員IDに関連付けたサポート家族データとして管理するとともに(図4(c)参照)、サポート家族ありとして遊技データを管理する(図5(b)〜(d)参照)。尚、識別情報の登録は、支援者一人(1台の支援者端末33S)あたり、対象者10人分まで可能である。
メニュー画面121で「サポート対象者履歴確認」ボタン121bがタッチ操作されると、図示しないサポート対象者履歴確認画面に遷移する。サポート対象者履歴確認画面では、複数の対象者について上記識別情報の登録が行われている場合には、その対象者リスト(図示略)から選択された対象者の過去1年分の遊技履歴を表す。この遊技履歴は、対象者の遊技データの履歴としての「日付」「時間」「使用金額」「収支」といった項目と、前記確認通知に対する回答の履歴を表す項目を含む欄で表示される。このように、支援者端末33Sは、対象者の遊技データの履歴とともに、確認通知に対する回答の履歴を合わせて表示する画面表示が可能である。
メニュー画面121で「上限金額設定」ボタン121cがタッチ操作されると、図示しない上限金額設定画面に遷移する。上限金額設定画面では、複数の対象者について上記識別情報の登録が行われている場合には、前記対象者リストから選択された対象者の使用金額の上限値を入力する。使用金額の上限値は、同画面の入力欄をタッチ操作したときに表示されるテンキー(図示略)で、対象者毎に入力する。この入力欄に入力された使用金額の上限値は対象者の識別情報と共に支援者端末33Sから送信され、管理装置6は、管理サーバ31を介して当該端末33Sから受信した識別情報に基づき使用金額の上限値を記憶する(図4(b)参照)。尚、管理装置6は、予め対象者により使用金額の上限値が設定されていても、支援者端末33Sの上限金額設定画面で入力された使用金額の上限値を優先して設定する。
こうして、支援者は、自身の端末33Sにて対象者の登録、遊技履歴の確認、使用金額の上限値の設定を行うことができ、対象者の使用金額が上限値に達すれば、支援者端末33Sでの同意・不同意により(図11参照)、対象者の遊技の続行の許否つまり制限解除の許否を決することが可能となる。また、支援者端末33Sにおいて、上記した画像Im0〜Im1を受信すれば、対象者の遊技の続行の有無を確認し、適宜対処することも可能となり、遊技にのめり込むことを抑制する上で、有用なものとすることができる。尚、本実施形態の遊技場用管理システム100について、遊技場Aで会員登録した遊技者を中心に説明したが、他の遊技場B,Cで会員登録した遊技者も遊技場Aと同様、支援者端末33S等を利用した家族の支援・対処を受けることができることは勿論である。
以上に説明したように、対象者によっては計数貸出ユニット2で特別報知を実行しても、その後に会員カード10を受け付けていない状態で遊技を続行しようとすることが考えられる。これに対して、本実施形態の遊技場用管理システム100であれば、支援者に対して特別報知を実行した後に遊技を行っている遊技者の撮像結果の画像Im1´又はIm1を支援者端末33Sに送信するため、対象者が遊技を続行しているか否かを支援者が判断できる。これにより、対象者が遊技を続行していた場合には、支援者端末33S等を通じて、支援者から注意を行う等の対処が可能になる。この結果、遊技者が遊技にのめり込み過ぎることを抑制できる。
計数貸出ユニット2で特別報知を行った後に、別の遊技者が遊技を行っていることがあり、特別報知の実行後の撮像結果の画像を、そのまま送信することは好ましくない。この点、特別報知を行った後の報知後画像として、遊技者の顔が特定しにくい画像Im1´又はIm1を送信するので、特別報知後の遊技者が対象者ではない場合に個人が特定されることを抑制できる。また、画像Im1´又はIm1から個人を完全には特定できなくとも、支援者であれば骨格の違い等から対象者が遊技を続行しているか否かを判断できる。つまり、支援者に判断材料を適切に付与することができる。
報知後画像Im1´又はIm1が個人を特定しにくくなっていたとしても、対象者画像Im0を顔が映った状態で送信するので、支援者が画像Im0〜Im1を比較することで特別報知の対象となった遊技者が遊技を続行しているか否かの判断精度を高くすることができる。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせたりしてもよい。
管理サーバ31について、アプリケーションサーバやメールサーバ等として機能する1台のサーバで構成したが、別々のサーバで構成し、或はその一部または全部の機能を遊技場A〜Cの管理装置6に持たせる構成にしてもよい。
図5(c)の会員遊技集計データや同図(d)の全会員遊技制限設定データを営業日単位で集計したが、各データの集計期間はこれに限定されない。例えば各データの集計期間を、1週間単位、一か月単位、1年単位とする等、適宜の期間を対象とする集計が可能である。
遊技制限の有無の設定は、遊技者自らの意思或は支援者の意思で行いうる構成としたが、遊技者や支援者の意思とは無関係に、遊技場A〜C側(管理装置6)が特定の遊技者に対して遊技制限有りを設定できる構成としてもよい。
この場合、遊技者の遊技状況が予め定められた状況となったときに自動で遊技制限有りを設定するのが望ましい。具体的には例えば、会員登録時の自己申告や図7の画面71での「遊技制限」の設定をしなくとも、1日の使用金額の合計が3日連続で3万円に達したときに、図7の画面74で警告メッセージを表示する(つまり対象者の登録を自動的に行うようにする)構成にしてもよい。
報知条件として、使用金額の上限値を設定するようにしたが、報知条件の内容はこれに限定されるものではなく、依存症とみなすための条件或は遊技終了を促す対象者とみなすための条件であれば、どのような条件を設定してもよい。例えば、稼動時間の合計(遊技時間の長さ)や収支金額について所定範囲を画する閾値を報知条件として設定することが可能である。また、1種類の報知条件に限らず、2種類以上の報知条件を設定し、そのうちの1種類又は全種類の報知条件を満たしたときに、遊技の続行を制限する構成にしてもよい。
遊技を制限する手段として、会員カード10を用いた新たな貸出処理を禁止する手段を例示したが、これに限定されるものではなく、遊技の続行を不可能又は困難な状態にする手段であれば、どのような手段を採用してもよい。例えば、当該遊技者が実際に遊技を終了するまで遊技終了を促す報知を継続することも遊技の続行を困難な状態にするので、遊技制限手段として把握することができる。また、遊技機1自体の動作を制限する等、遊技機1本体の中に遊技制限手段の一部又は全部を設けるようにしてもよい。
特別報知として、計数貸出ユニット2の表示部24に警告メッセージ等を表示するようにしたが、これに限定されない。例えば、遊技制限に係る警告メッセージに代えて、管理装置6により報知条件を満たしたことを検知したとき、その旨を前記インカム装置を介して従業員に報知する処理を行い、従業員から対象者に対して声掛けをするという運用も可能である。つまり、特別報知手段は、表示部24を利用した表示手段に限らず、音声での報知手段や、状態表示部21等を利用したエラーランプの点灯等、各種の報知手段を利用してもよい。
また、特別報知を実行した場合、支援者の同意が得られないと、原則として遊技を続行できない構成にしたが、支援者の同意を得なくとも、遊技の続行を可能とする構成にしてもよい。具体的には例えば、特別報知は、図8や図11の同意にかかる画面81,82,111表示に代えて図7の画面74表示により実行するものとしてもよい。この場合でも、図7の画面74で特別報知を実行した後に、撮像結果Im1´又はIm1を送信することで支援者が対象者に指摘を行うことができる。
また、特別報知を実行した後、同遊技機1にて遊技する遊技者が会員カード10を使用していないことを条件に、支援者端末33Sに画像Im0〜Im1を送信する構成にしたが、係る構成に限定されるものではなく、遊技者が会員カード10を使用している場合にも、支援者端末33Sに画像Im0〜Im1を送信する構成にしてもよい。本構成であれば、対象者が他人の会員カード10を使用して遊技を行っているか否かを支援者が判断できる画像Im0〜Im1を送信することが可能となる。つまり、会員カード10を使用しているか否かに関わらず支援者端末33Sに画像Im0〜Im1を送信することも可能である。
支援者端末33Sに対象者画像Im0及び報知後画像Im1´又はIm1を送信する構成にしたが、報知後画像Im1´又はIm1のみを送信する構成にしてもよい。また、支援者端末33Sとして支援者の携帯端末33を例示したが、他のモバイル端末や家庭に設置されたパソコン等を支援者端末として適用することも可能である。
カメラ23を計数貸出ユニット2と一体的に設けたが、カメラは、遊技場の天井や所謂遊技機島に設置する等、遊技者の顔や特徴的な様子を撮像可能な位置であればどこの位置に設置してもよく、計数貸出ユニット2と一体である必要も無い。
カメラ23の撮像範囲は、任意に変更してもよく、遊技者の顔が含まれておらず胴体部のみを含む画像としてもよいし、遊技者の顔よりも胴体部の撮像範囲が広い画像としてもよい。具体的には、図10の報知後画像Im1´,Im1の撮像範囲を、モザイク領域Rec1´,Rec1よりも下側となるようにずらすことで、頭部He1´,He1の撮像範囲を、胴体部Bo1´,Bo1の撮像範囲に比して狭くする構成とする。本構成においては、支援者が、体格や服装等から対象者であるか否かを判断することになる。
また、報知後画像Im1´,Im1は、目の部分のみにモザイクをかける等、モザイクをかける領域Rec1´,Rec1を変更してもよいし、モザイクを一切かけない構成にしてもよい。
記録媒体として会員カード10を例示したが、記録媒体は対象者を識別できるものであればよく、例えばICコインや、遊技者が所持する携帯電話等の携帯端末33を記録媒体として採用することも可能である。記録媒体として携帯端末33を採用する場合、その端末33の通信機能によって計数貸出ユニット2等との間で通信を行い、管理装置6側で携帯端末33を認証し、携帯端末33の所持者を対象者として特定する構成にしてもよい。
管理装置6側で管理する遊技データの種類は本実施形態に限定されるものではなく、遊技機1や計数貸出ユニット2等から受信する各種の遊技信号に基づいて、様々な種類の遊技データを求めることが可能である。
例示した各機能を備える装置を適宜変更してもよく、例えば対象者の登録に係る情報や支援者の送信先情報等を、計数貸出ユニット2側で記憶する構成にしてもよい。つまり、計数貸出ユニット2を、対象者登録手段や送信先記憶手段等として構成し、或はそれら各種手段乃至各種機能を夫々別個の装置2,6に持たせる構成にすることも可能である。
また、中継装置4を2台の遊技機1に対して1台ずつ設けるようにしたが、中継装置4と遊技機1との対応関係はこれに限定されない。中継装置4と遊技機1との台数の比は、3対1や4対1であってもよい。画像処理装置30についても同様に、4台のカメラ23に対して1台ずつの対応関係に限定されるものではなく、カメラ23の設置位置等に応じて適宜変更してもよい。
遊技機1は、遊技媒体を払い出さず、電子データとして加算記憶する封入式遊技機であってもよいし、メダルを使用することなく得点を消費して遊技が進行する完全クレジット式スロットマシンであってもよい。つまり、例示した遊技機に限定されるものではない。
上記した各数値は例示であり、例えば前記上限値の所定値(閾値)を貸出単価に応じた適宜の値に設定する等、どのような数値を採用してもよいことは勿論である。また、上記した記載中における「記憶」「記録」及び「登録」について、例えば管理装置6の記憶部60a等への「記憶」を「登録」と称する等、それらの意味を同じくするものとして把握することができる。