本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技に用いる遊技機の変更(いわゆる台移動)を行った場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。
まず、本実施例に係る遊技の管理について説明する。図1は、本実施例に係る遊技の管理についての説明図である。本実施例に係る遊技店では、遊技機20に台間カード処理機10を対応付けて設置している。台間カード処理機10は、遊技玉の貸出に用いるプリペイド価値、持玉などを用いて遊技玉の払い出しを行う各台装置であり、遊技機20は、台間カード処理機10により払い出された遊技玉を用いる遊技を提供する装置である。
また、遊技店には、会員管理装置50が設置されている。会員管理装置50は、遊技店に会員登録した遊技客に関する各種情報を管理する装置である。会員登録した遊技客には会員カードが発行され、会員カードのカードIDを会員の識別情報として用いることができる。会員管理装置50は、会員カードのカードIDに対し、会員の氏名、連絡先、貯玉の残高、貯玉の使用時に必要な暗証番号などを対応付けて管理する。
さらに、会員管理装置50は、会員登録した遊技客について遊技の限度を設定して管理するとともに、遊技客の遊技の履歴を取得し、設定された限度に達した場合に遊技客に報知を行うことができる。
具体的には、会員管理装置50は、限度設定データ及び遊技履歴データを保持している。限度設定データは、会員カードのカードIDに対し、遊技の限度を設定限度として対応付けたデータである。設定限度は、例えば、1ヶ月間に遊技に使用する金額の上限や、1日の遊技時間の上限などである。この限度設定は、遊技客自身が指定することが好適である。
遊技履歴データは、会員カードのカードIDに対し、遊技の履歴を対応付けたデータである。遊技の履歴には、当月に遊技に使用した金額や、当日の遊技時間など、設定限度に達したか否かを判定するために使用可能な各種データを含む。
図1に示した例では、会員管理装置50は、カードID「2002」に設定限度「50000円/1ヶ月」を対応付けた限度設定データを保持している。また、会員管理装置50は、カードID「2002」に当月使用金額「48000円/1ヶ月」を対応付けた遊技履歴定データを保持している。
遊技客がカードID「2002」である会員カードを台間カード処理機10に挿入し(1)、併設された遊技機20で遊技を行うと、遊技機20での遊技は、カードID「2002」の遊技履歴として対応付けられることになる。
具体的には、遊技客が台間カード処理機10に紙幣を挿入し、2000円分のプリペイド価値を購入したならば(2)、台間カード処理機10は、プリペイド価値が購入されたことを会員管理装置50に通知する(3)。会員管理装置50は、この通知を受けると、カードID「2002」の当月使用金額に2000円を加算し、遊技履歴を更新することになる(4)。
会員管理装置50は、遊技履歴データを更新した場合に、限度設定データと比較し(5)、設定限度に達したか否かを判定する。図1に示したように、設定限度が「50000円/1ヶ月」、当月使用金額が「48000円/1ヶ月」の状態で、2000円分のプリペイド価値が購入された場合には、当月使用金額が設定限度に達する。このため、会員管理装置50は、台間カード処理機10に対して報知の指示を行う(6)。
報知の指示を受けた台間カード処理機10は、表示部にメッセージを表示することで設定された限度に達したことを遊技客に認識させ、のめり込みを防止する。具体的には図1では、「使用金額が設定限度に達しました」とのメッセージを表示している(7)。
このように、本実施例では、会員登録した遊技客について遊技の限度を設定して管理するとともに、遊技客の遊技の履歴を取得し、設定された限度に達した場合に遊技客に報知を行う。このため、限度内で遊技を行うことができるよう遊技客を支援し、もって遊技へののめり込みを防止することができる。
次に、遊技店の基本的なシステム構成について説明する。図2は、遊技店の基本的なシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、賞品管理装置60と、精算機80とが接続される。
遊技機20は、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数の払出処理を行うことができる。
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、カード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知をカード管理装置40に送信することで、プリペイド価値をカード管理装置40が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、カード管理装置40に対して持玉減算要求を送信することで、カード管理装置40が管理する持玉の残高をゼロにクリアする。
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉更新要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉を更新させた後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。なお、本実施例では、台間カード処理機10にカードが挿入されるとカード管理装置40の持玉残高をゼロにクリアし、カード返却時に台間カード処理機10が管理する持玉の残高でカード管理装置40の持玉の残高を更新する構成を例に説明する。他の構成として、台間カード処理機10にカードが挿入されてもカード管理装置40の持玉残高をクリアせず、台間カード処理機10がカード管理装置40に対して持玉の加算や減算を要求するよう構成してもよい。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する管理装置である。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのIDと台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータ等を台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉更新要求を受信した場合には、持玉更新要求に示された持玉の数に持玉の残高を更新する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯玉再プレイデータを出力した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDや携帯IDmに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉の残高を賞品管理装置60に通知する。
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉及び持玉の賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カードあるいは会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別情報を読み出した場合)には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持玉の残高を要求する。また、貯玉を賞品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉の残高を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
図2に示したシステムで玉貸を行う場合の玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
カード管理装置40は、玉貸要求を含む電文を受信すると、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1円=1度数の場合に100度数)減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば25)の遊技玉の払出処理を行う。
次に、図2に示したシステムで持玉の再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードIDを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文をカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持玉減算要求を受信した場合には、カードIDにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、カード管理装置40に対して持玉更新要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、各レートの持玉の残高と、持玉更新要求とを含む。
カード管理装置40は、持玉更新要求を受け付けた場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた各レートの持玉の残高を受信した値に更新する。
その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
次に、図2に示したシステムで貯玉の再プレイを行う場合の貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを挿入された場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報。以降、カードIDという)と、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、カード挿入通知の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば125玉)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯玉再プレイ要求の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けた場合には貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。なお、ここでは会員管理装置50が貯玉の残高を減算した後、台間カード処理機10が遊技玉の払出処理を行う場合を例示したが、貯玉再プレイ要求に基づいて遊技玉の払出処理を行った後に、貯玉の残高を減算してもよい。貯玉再プレイ要求前の貯玉再プレイデータに、貯玉再プレイに必要な残高が残っているか否かが示されており、貯玉再プレイ要求を受け付けた後に残高不足が判明する事態とはならないためである。
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯玉の残高に通知された持玉の残高を加算して更新する。その後、カード管理装置40は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。なお、図3には、遊技機20に接続された台間カード処理機10の外観構成を台間カード処理機10として示している。また、併設される遊技機20は、破線で図示している。また、図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、遊技玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12aとを有する。また、台間カード処理機10は、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13と、カードを受け付けるカードリーダ14aと、携帯端末等をかざすためのかざし部14bと、遊技玉を遊技機に投出するノズルユニット18aと、遊技機の下皿から落下させた遊技玉を計数する計数ユニット18bとを有する。
次に、図2に示した台間カード処理機10の内部構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、カードリーダ14aと、かざし部14bと、通信部15と、記憶部16と、制御部17と、ノズルユニット18aと、計数ユニット18bとを有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸し操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
カードリーダ14aは、挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、カードリーダ14aに挿入されたカードは、図示しないカード収納部に収納される。かざし部14bは、携帯端末や拡張カード等がかざされた場合に、近距離無線通信によりカードID等の各種情報を読み取るインタフェースである。
通信部15は、遊技機20及び通信回線との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。ノズルユニット18aは、玉貸又は再プレイにより遊技玉を払い出す際に、その一部又は全ての払い出しに使用される。計数ユニット18bは、遊技玉を計数するユニットである。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a、カードデータ16b及び報知指示データ16cを記憶する。
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機IDと、遊技設定とを含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技設定として記憶する。
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bには、カードID、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、カードリーダ14aにより読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカードリーダ14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中で読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カードリーダ14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でカードリーダ14aにより読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。
報知指示データ16cは、会員管理装置50から指示された報知に関するデータである。この報知指示データ16cには、報知すべき内容と報知を行うタイミングとが示されている。
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a、計数処理部17b及び報知処理部17cを有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、自装置状態データ16aの台間カード処理機IDと、カードデータ16bのカードIDとを含むカード挿入通知をカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16bを更新する。データ管理部17aは、カードデータ16bに示されたプリペイド価値、持玉及び貯玉の値を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知をカード管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び装置IDを含む玉貸要求をカード管理装置40に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、所定数の遊技玉を払い出す。
また、データ管理部17aは、遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードデータ16bに示された持玉口座の残高を所定数減算し、対応する数の遊技玉を払出処理する。
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求をカード管理装置40に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数の遊技玉を払出処理する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID、装置ID16並びに持玉数を含む持玉更新要求をカード管理装置40に送信して、自装置持玉口座の残高を0にクリアした後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
計数処理部17bは、計数ユニット18bに遊技玉が投入された場合に、計数ユニット18bに遊技玉の計数を行わせ、計数結果をカードデータ16bの持玉数に加算する処理を行なう。
報知処理部17cは、遊技客への報知に関する処理を行う処理部である。報知処理部17cは、会員管理装置50から報知の指示を受信した場合に、報知指示データ16cを記憶部16に格納する。そして、報知指示データ16cに示された報知タイミングで報知を実行する。報知タイミングには、「即時」「カード返却時」「大当り以外」「持玉所定数以下」などが設定可能である。報知処理部17cは、カードデータ16bや遊技機20の状態を監視し、報知タイミングに指定された状態となった時点で報知を行うことになる。
報知処理部17cによる報知は、例えば表示操作部13への表示制御によって行う。表示操作部13に表示するメッセージは、規定のメッセージとしてもよいが、会員管理装置50から指定されたメッセージを用いることが好適である。
次に、台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。図5は、台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータを説明するための説明図である。
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「3001」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉3」が設定された状態を示している。
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、プリペイド価値が「500」度数である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。また、カードデータ16bは、玉1の持玉の残高が「0」玉、玉2の持玉の残高が「0」玉、玉3の持玉の残高が「1000」玉である状態を示している。
カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」、玉1の貯玉の残高が「500」玉、玉2の貯玉の残高が「0」玉、玉3の貯玉の残高が「300」玉である状態を示している。また、図示していないが、カード管理装置40では、カードIDに対応付けて、持玉、貯玉、プリペイド残高以外にカードの有効/無効を示す「ロック」フラグのON/OFFも記憶しており、カードの盗難が発覚した場合に従業員操作によってONにされる。これらのデータもカードデータ16bに含まれて記憶されている。さらに、この「ロック」フラグは機能(「貯玉使用」、「乗入」等)別にも設定できるようになっており、例えば遊技者の要望により「乗入」の機能だけを「ロック」の対象として、誤操作を防ぐことに用いることもできる。
図5(c)に示す報知指示データ16cは、報知内容と報知タイミングとを対応付けたデータである。具体的には、図5(c)では、報知内容は「使用金額が設定限度に達しました」とのメッセージが指定され、報知タイミングは「即時」が指定されている。
次に、図2に示した会員管理装置50の内部構成について説明する。図6は、図2に示した会員管理装置50の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、会員管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続される。表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等であり、入力部52は、キーボードやマウス等である。
また、会員管理装置50は、外部ネットワーク通信部53と、店舗ネットワーク通信部54と、記憶部55と、制御部56とを有する。外部ネットワーク通信部53は、遊技店外のネットワークを介してデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内の通信回線を介して賞品管理装置60及びカード管理装置40等とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技種設定データ55a、会員管理データ55b、賞品マスタ55c、限度設定データ55d及び遊技履歴データ55eを記憶する。
遊技種設定データ55aは、遊技種に対して貸出レート及び表示名を関連付けたデータである。会員管理データ55bは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに関連づけて、氏名、貯玉、携帯IDm、住所、電話番号等を関連付けたデータである。賞品マスタ55cは、遊技玉を賞品に交換する際に使用するデータである。
限度設定データ55dは、会員カードのカードIDに対し、遊技の限度を設定限度として対応付けたデータである。設定限度は、例えば、1ヶ月間に遊技に使用する金額の上限や、1日の遊技時間の上限などである。この限度設定は、遊技客自身が指定することが好適である。
遊技履歴データ55eは、会員カードのカードIDに対し、遊技の履歴を対応付けたデータである。遊技の履歴には、当月に遊技に使用した金額や、当日の遊技時間など、設定限度に達したか否かを判定するために使用可能な各種データを含む。
制御部56は、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、遊技種設定管理部56a、会員管理部56b、賞品マスタ管理部56c、限度設定管理部56d、遊技履歴管理部56e及び報知判定部56fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、遊技種設定管理部56a、会員管理部56b、賞品マスタ管理部56c、限度設定管理部56d、遊技履歴管理部56e及び報知判定部56fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
遊技種設定管理部56aは、遊技店において使用される遊技種と、レートと、表示名とを対応付けて遊技種設定データ55aとして管理する処理部である。会員管理部56bは、会員管理データ55bの管理を行う処理部である。会員管理部56bは、カード管理装置40及び賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉口座の残高を更新する。また、会員管理部56bは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55bに会員を追加する更新を行う。
賞品マスタ管理部56cは、賞品マスタ55cを管理する処理部である。賞品マスタ管理部56cは、賞品マスタ55cの更新が行われたならば、遊技店内の賞品管理装置60に賞品マスタ55cを配布する。
限度設定管理部56dは、会員登録した遊技客について遊技の限度を設定して管理する処理部である。遊技客による限度の設定は、例えば賞品管理装置60等により受け付ける。限度設定管理部56dは、賞品管理装置60が受け付けた限度の設定を会員カードのカードIDに対応付けて限度設定データ55dを生成し、記憶部55に格納する。また、限度設定管理部56dは、限度の設定を行っていない会員カードのカードIDがいずれかの機器で読み取られた場合には、限度の設定を促す報知を行わせる。
遊技履歴管理部56eは、会員登録した遊技客について遊技の履歴を取得し、遊技履歴データ55eとして管理する処理部である。遊技の履歴には、当月に遊技に使用した金額や、当日の遊技時間など、設定限度に達したか否かを判定するために使用可能な各種データを含む。具体的には、遊技履歴管理部56eは、プリペイド価値購入、玉貸、持玉再プレイ、貯玉再プレイ、遊技玉の射出、遊技玉の賞出、遊技玉の計数等が行われた場合に、遊技履歴データ55eを更新する。
報知判定部56fは、遊技履歴データ55eに示された遊技の履歴が限度設定データ55dに示された限度に達したか否かを判定する処理部である。報知判定部56fは、遊技の履歴が限度に達した場合には、報知を指示する。この報知は、遊技客により指定された方法により行うことが好適である。
次に、図6に示した記憶部55が記憶するデータの具体例について説明する。図7及び図8は、会員管理装置50の記憶部55が記憶するデータを説明するための説明図である。図7(a)に示す遊技種設定データ55aは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55aは、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55aは、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。
図7(b)に示す会員管理データ55bは、カードID「2002」に対して、氏名「B C」、各遊技種の貯玉口座、携帯IDm「IDmX1」等が対応づけられた状態を示している。なお、図示は省略したが会員管理データ55bは、来店ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号等をカードIDに対応付けることができる。また、携帯IDmは、携帯電話等の携帯端末を特定可能な識別データであり、携帯端末を会員カードとして使用する際に用いられる。
また、図7(b)では、貯玉口座は、「玉1」、「玉2」及び「玉3」の3つの遊技種について設けられ、各貯玉口座の残高が示されている。例えば、カードID「2002」の遊技種「玉1」は、貯玉が「500」である。また、カードID「2002」の遊技種「玉2」は、貯玉が「0」である。同様に、カードID「2002」の遊技種「玉3」は、貯玉が「300」である。
図7(c)に示す賞品マスタ55cは、賞品を一意に識別する賞品コードに対し、賞品名、群コード、賞品価値及び交換玉数を関連付けたデータである。ここで、群コードは賞品を分類して管理する為の識別情報である。群コード「01」は、一定の手続きを経て所定の価値で譲渡可能な特殊賞品を示す。群コード「02」以降は、特殊賞品以外の日用品などを含む一般賞品である。
賞品マスタ55cは、賞品コード「0001」に対し、賞品名「大賞品」、群コード「01」、賞品価値「1000」、玉1の交換玉数「250」、玉2の交換玉数「500」並びに玉3の交換玉数「1000」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0002」に対し、賞品名「小賞品」、群コード「01」、賞品価値「100」、玉1の交換玉数「25」、玉2の交換玉数「50」並びに玉3の交換玉数「100」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0100」に対し、賞品名「Mセブン」、群コード「02」、賞品価値「400」、玉1の交換玉数「100」、玉2の交換玉数「200」並びに玉3の交換玉数「400」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0101」に対し、賞品名「ラック」、群コード「02」、賞品価値「420」、玉1の交換玉数「105」、玉2の交換玉数「210」並びに玉3の交換玉数「420」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0600」に対し、賞品名「端玉 飴」、群コード「04」、賞品価値「12」、玉1の交換玉数「3」、玉2の交換玉数「6」並びに玉3の交換玉数「12」を関連付けている。
図8(d)に示す限度設定データ55dは、会員カードのカードIDに、報知の利用、設定限度、報知タイミング及び報知方法を対応付けたデータである。ここで、報知の利用とは、限度を設定して報知するサービスを利用するか否かを遊技客が指定したものである。設定限度とは、遊技に対して設定する限度の具体的な内容を示す。報知方法は、遊技が限度に達した場合の報知の方法を示す。報知タイミングは、遊技が限度に達した場合の報知のタイミングを示す。
図8(d)に示した例では、カードID「2002」に対し、報知の利用「する」、設定限度「50000円/1ヶ月」、報知方法「台間カード処理機 表示」及び報知タイミング「即時」が対応付けられている。
図8(e)に示す遊技履歴データ55eは、会員カードのカードIDに、遊技の履歴を対応付けたデータである。遊技の履歴には、設定限度に達したか否かを判定するために使用可能な各種データを含む。具体的には、当月に遊技に使用した金額の合計である当月使用金額、当日に遊技に使用した金額の合計である当日使用金額、当月の遊技時間の合計である当月遊技時間、当日の遊技時間の合計である当日遊技時間などである。
図8(e)に示した例では、カードID「2002」に対し、当月使用金額「48000円」が対応付けられている。また、この他にも、当月遊技時間などがカードIDに対応付けられて管理される。
次に、限度の設定について詳細に説明する。図9は、限度の設定の詳細についての説明図である。図9に示すように、設定可能な項目は、「報知の利用」、「設定限度」、「報知方法」及び「報知タイミング」である。
「報知の利用」は、限度の設定と報知を遊技客が希望するか否かを指定する項目であり、「する」、「しない」、「保留」のいずれかの値を取る。「保留」とは、遊技の限度を設定していない状態と同様の状態を維持することを示す。従って、「保留」が設定された会員カードをいずれかの装置で使用すると、限度の設定を促す報知を受けることになる。「しない」が指定された場合には、以降、限度の設定を促す報知を行わないこととしてもよいし、所定の期間を空けてから限度の設定を促すこととしてもよい。
「設定限度」には、判定に使用する項目である判定項目、判定期間、前回分の繰越、再プレイ分の扱いの指定を含めている。判定項目としては、使用金額、遊技時間、来店回数、遊技玉収支、ペイメントカード使用額などを用いることができる。なお、これらの判定項目は複数選択が可能である。
使用金額を設定すれば、判定期間内の使用金額が設定値を超過した場合に、指定された方法で報知が行われる。遊技時間を設定すれば、判定期間内の遊技時間が設定値を超過した場合に、指定された方法で報知が行われる。来店回数を設定すれば、判定期間内の来店回数が設定値を超過した場合に、指定された方法で報知が行われる。
遊技玉収支を設定すれば、判定期間内の遊技玉の収支が設定値を超過した場合に、指定された方法で報知が行われる。ここで、遊技玉の収支とは、遊技により獲得した玉数から遊技に使用した玉数を減算したものである。すなわち、遊技玉の収支が正の値であれば、使用した遊技玉よりも獲得した遊技玉の方が多いことになる。判定項目として遊技玉収支を用いる場合には、設定値を負の値とすることが好適である。
ペイメントカードの使用額を設定すれば、判定期間内のペイメントカードの使用額が設定値を超過した場合に、指定された方法で報知が行われる。ここで、ペイメントカードとは、デビットカードやクレジットカードなど、決済に使用可能なカードをいう。
「設定限度」の判定期間は、判定の期間を指定する項目であり、日、週、月、年などを選択することができる。また、任意の期間の入力を受け付けることも可能である。
「設定限度」の前回分の繰越は、前回の判定期間で限度を超過した場合に、超過分を次の判定期間に繰り越すか否かを指定するものであり、「する」又は「しない」を設定する。例えば、前回分の繰越を「する」に設定し、限度を「50000円/1ヶ月」に設定し、先月の使用金額が「51000円」であったならば、超過分の「1000円」は当月の使用分として繰り越される。従って、当月に使用可能な金額は「49000円」となる。
「設定限度」の再プレイ分は、持玉再プレイや貯玉再プレイによる遊技玉の払い出し分を使用金額に含めるか否かを指定するものであり、「含む」又は「含まない」を設定する。「含む」を設定した場合には、持玉再プレイや貯玉再プレイによる払い出し分はレートによる換算を行った上で使用金額に含められる。例えば、1玉4円で500玉を再プレイしたならば、使用金額に2000円が加算される。
「報知方法」は、遊技が限度に達した場合の報知の方法を示す。「報知方法」としては、台間カード処理機による表示、メール通知、店員報知、利用停止などを選択できる。なお、これらの報知方法は複数選択が可能である。
台間カード処理機による表示が選択されていれば、限度を超過した場合に、台間カード処理機10の表示操作部13にメッセージを表示することで遊技客への報知を行う。メール通知が選択されていれば、限度を超過した場合に、会員カードに対応付けられた1又は複数のメールアドレス宛にメッセージを送信することで報知を行う。このメールアドレスは、遊技客本人のメールアドレスであってもよいし、家族などのメールアドレスであってもよい。
店員報知が選択されていれば、限度を超過した場合に、遊技店の店員に対して報知を行う。店員報知では、遊技が限度に達したことに加え、どの遊技客であるかを店員が識別可能な情報、例えば使用中の遊技機を報知する。報知を受けた店員は、この情報をもとに遊技客に声かけを行い、のめり込みを防止する。
利用停止が選択されていれば、限度を超過した場合に、会員カードの利用を停止する。かかる利用停止は判定期間を過ぎた場合に解除する。例えば、当月の使用金額を超過した場合には、当月中は会員カードを利用できなくなるが、翌月には利用可能となる。
「報知タイミング」は、報知タイミングは、遊技が限度に達した場合の報知のタイミングを示す。この通知タイミングには、「即時」「大当り以外」「カード返却時」「持玉所定数以下」などを設定可能である。
次に、図2に示した賞品管理装置60の外観構成について説明する。図10は、図2に示した賞品管理装置60の外観構成を示す図である。図10に示すように、賞品管理装置60は、遊技店員用の筐体と遊技客用の筐体とを通信線により接続した構成を有する。遊技店員用の筐体には、店側表示部61、操作部62、レシート発行部63、カードリーダ67a及び店員タグリーダ67bが設けられている。遊技客用の筐体には客側表示部64及び携帯端末リーダ67cが設けられている。
遊技店員は、遊技客が提示したカードをカードリーダ67aにかざすことにより、該カードからカードIDを読み取らせ、カードIDに対応付けられた持玉及び貯玉の残高を特定する。このように特定した残高は、特殊賞品や一般賞品との交換に使用される。遊技店員は、自身の店員タグを店員タグリーダ67bにかざすことにより、権限の認証を受けることができる。
店側表示部61は、操作者である遊技店員用の表示部兼操作部であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。この店側表示部61には、賞品交換内容や操作ガイダンスなどが表示される。操作部62は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、賞品交換操作入力などを行う際に使用される。
レシート発行部63は、登録リストや集計リスト等の各種レシートを発行処理する発行部であり、感熱式プリンタ等からなる。
遊技客用の筐体に設けられた客側表示部64は、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。遊技客は、この客側表示部64の表示内容を確認することにより、カードに対応付けられる持玉や貯玉の残高を確認することができる。さらに、客側表示部64は、上位の装置(例えばカード管理装置40)からイベント情報などを設定データとして通知された場合には、該イベント情報を表示することができる。また、客側表示部64は、貯玉を使用する際の暗証番号の入力にも使用される。携帯端末リーダ67cは、会員カードとして使用可能な携帯端末がかざされた場合に、該携帯端末からカードIDに対応する情報を読み取る。このカードIDに対応する情報により、持玉数及び貯玉数が特定される。
次に、賞品管理装置60の機能構成について説明する。図11は、賞品管理装置60の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、この賞品管理装置60は、通信回線に接続されている。賞品管理装置60は、すでに説明した店側表示部61、操作部62、レシート発行部63、客側表示部64、カードリーダ67a、店員タグリーダ67b及び携帯端末リーダ67cと、記憶部65と、制御部66と、通信部68aと賞品払出装置接続部68bとを有する。通信部68aは、賞品管理装置60が通信回線を経由して上位の装置と通信するためのインタフェース部である。賞品払出装置接続部68bは、賞品払出装置に特殊賞品の払出指示を送信するためのインタフェース部である。
記憶部65は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、賞品マスタ65aを記憶する。賞品マスタ65aは、遊技玉を賞品に交換する際に使用するデータであり、会員管理装置50から受信して記憶したデータである。
制御部66は、賞品管理装置60を全体制御する制御部であり、賞品管理部66a、賞品交換処理部66b、払出指示部66c及び限度設定登録部66dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、賞品管理部66a、賞品交換処理部66b、払出指示部66c及び限度設定登録部66dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
賞品管理部66aは、記憶部65に記憶した賞品マスタ65aを用いて賞品管理装置60の取扱対象となる賞品の交換玉数等を管理する管理部である。賞品管理部66aは、会員管理装置50から賞品マスタを取得し、記憶部65に賞品マスタ65aとして格納する。
賞品交換処理部66bは、カードリーダ67a又は携帯端末リーダ67cにより読み取ったカードIDをカード管理装置40に送信し、カードIDに関連付けられた持玉及び貯玉の残高を取得する。賞品交換処理部66bは、持玉及び貯玉の残高の範囲内で、賞品マスタ65aに基づいて特殊賞品及び一般賞品の賞品交換処理を行なう。
具体的には、賞品交換処理部66bは、特殊賞品の交換処理を指定された場合には、持玉及び貯玉の残高の範囲内で交換可能な特殊賞品の種類及び数の組み合わせを求め、交換に必要な玉数を持玉及び貯玉の残高より減算する。また、賞品交換処理部66bは、特殊賞品以外の一般賞品の交換処理を行う場合には、操作部62の操作により指定された賞品を交換賞品として、交換に必要な玉数を持玉及び貯玉の残高より減算する。
賞品交換処理部66bは、一般賞品との交換、特殊賞品との交換などについて、その明細を表示出力するとともに、明細を印字したレシートを発行する。明細の表示出力は、店側表示部61及び客側表示部64を用いて行なうことができる。また、明細の印字は、レシート発行部63により行なうことができる。
払出指示部66cは、賞品交換処理部66bにより特定された特殊賞品の組み合わせについて、賞品払出装置に払出指示を送信することで、特殊賞品の払い出しを行なわせる処理部である。
限度設定登録部66dは、遊技客による限度の設定を受け付けて、会員カードのカードIDとともに会員管理装置50に送信することで、限度設定の登録を行う処理部である。限度設定登録部66dは、会員カードのカードIDが読み取られ、かつ限度が未設定又は保留である場合に客側表示部64に限度の設定の入力画面を表示し、限度の設定を促す。
図12は、限度の設定の入力画面についての説明図である。図12(a)に示した入力画面では、「のめり込み防止プログラム(使用金額)ご指定の使用金額に達したことをお知らせします。制限する金額を入力して下さい。」とのメッセージを表示し、1ヶ月あたりの使用金額や1日あたりの使用金額を任意に入力可能となっている。
また、図12(b)に示した入力画面では、「のめり込み防止プログラム(使用金額)ご指定の使用金額に達したことをお知らせします。ご希望のボタンを選択して下さい。」とのメッセージを表示し、「1ヶ月10万円」「1ヶ月7万円」「1ヶ月5万円」「1ヶ月3万円」「1日5万円」「1日3万円」「1日1万円」「1日5千円」にそれぞれ対応するボタンを表示している。この入力画面では、規定の設定を選択することで、簡易に限度を設定することができる。
次に、遊技管理システムの処理動作について説明する。図13は、遊技管理システムの処理動作を示すフローチャートである。まず、賞品管理装置60が遊技客の入力を受け付けて、限度設定の登録を行う(ステップS101)。台間カード処理機10等の遊技店内の装置は、会員カードにより遊技客を識別し(ステップS102)、遊技に関する処理が行われた場合に会員管理装置50に通知する。
会員管理装置50は、遊技店内の装置からの通知を受けて遊技履歴を管理し(ステップS103)、設定された限度と適宜比較する(ステップS104)。比較の結果、限度を超過しているならば(ステップS105;Yes)、会員管理装置50は、報知を決定し(ステップS106)、指定された報知方法で報知を行わせ、処理を終了する。一方、比較の結果、限度を超過していなければ(ステップS105;No)、そのまま処理を終了する。
処理の終了後は、ステップS102からの処理が繰り返され、遊技履歴を監視し、限度を超過すれば報知を行うことになる。また、あらたに限度を設定する場合には、ステップS101から再度処理を行う。
上述してきたように、本実施例に係るシステムでは、遊技に対して限度を設定して管理するとともに、遊技客を識別して遊技の履歴を管理し、遊技の履歴と限度との比較結果に基づいて報知を行う。このため、限度内で遊技を行うことができるよう遊技客を支援し、もって遊技へののめり込みを防止することができる。
また、遊技客自身が限度を指定することにより、遊技客に適応した限度管理が可能となる。さらに、限度の判定項目や判定期間についても柔軟に設定可能である。また、報知の方法や報知のタイミングについても設定が可能である。特に、報知のタイミングについては、遊技機の状態(大当りなど)を考慮したタイミングを指定することにより、遊技の妨げにならず、効果的なタイミングで報知が可能である。
なお、本発明は実施例に限定されるものではなく、適宜変形して実施することができる。例えば、使用金額の月平均を遊技客毎に算定して記憶しておき、当月の使用金額が月平均から逸脱した場合に報知を行うようにしてもよい。月平均からの逸脱の判定は、例えば「月平均+5万円となった場合」「月平均の1.5倍となった場合」「月平均+2σ(σは標準偏差)となった場合」など、適宜設定可能である。
また、例えば「6ヶ月間持続的に月の使用金額が増加した」「6ヶ月間で月の使用金額が20%以上増加した」などを限度として報知を行うこともできる。
また、本実施例では、遊技客が希望する場合にのみ限度の設定、判定、報知を行う場合を例示したが、遊技客の希望に関わらず、遊技店側で限度の設定、判定、報知を行うこともできる。この場合には、報知の内容には「限度」であることを明示せず、例えば「適度に楽しみましょう」などをメッセージとして用いることが望ましい。
また、本実施例では、遊技の履歴が限度に達したか否かの判定を会員管理装置50が行う構成を例示して説明を行ったが、この判定を台間カード処理機10が行う構成としてもよい。
また、限度を複数設定することもできる。例えば、日ごとの限度、週ごとの限度、月ごとの限度をそれぞれ設定し、いずれかの限度に至った場合に報知を行うこととしてもよい。このとき、判定項目は同一であってもよいし、異ならせてもよい。
また、報知を段階的に行うこととしてもよい。例えば、使用金額が第1の値に到達した場合には、台間カード処理機10での表示による報知を行い、使用金額が第2の値に到達した場合には、メール通知を行い、資料金額が第3の値に到達した場合には、利用停止を行うことができる。
また、上述の実施例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。
また、本発明は、遊技機に封入された遊技玉を用いる封入式の遊技機に適用してもよい。封入式の遊技機では、遊技玉を遊技盤面に投出可能な数を遊技可能数として管理しており、玉貸や再プレイ等の際には、遊技玉の現物を払出処理するのではなく、遊技可能数を加算することとなる。また、玉を遊技媒体として使用する場合に限らず、スロットマシン用のメダルを用いる場合にも適用可能である。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。