本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技に用いる遊技機の変更(いわゆる台移動)を行った場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。
まず、本実施例に係る貯玉の使用について説明する。図1は、本実施例に係る貯玉の使用について説明するための説明図である。本実施例に係る遊技店では、会員遊技客が獲得した貯玉を会員管理装置が管理している。具体的には、会員用のカードIDに対し、遊技種ごとの貯玉口座を設け、貯玉の残高を会員別かつ遊技種別に管理している。
遊技種とは、形状や貸出時の単価等の違いに基づいて遊技媒体に設定された種別である。例えば、パチンコで用いられる玉と、スロットで用いられるメダルとは異なる遊技種として設定される。また、同じようにパチンコに用いられる玉であっても、1玉4円の4円レートで貸し出される玉と、1玉1円の1円レートで貸し出される玉とは、異なる遊技種として設定される。
また、同一遊技種の貯玉について、当日貯玉と過去貯玉とを区別するようにしてもよい。当日貯玉とは、貯玉のうち、その当日に獲得して登録された分をいい、過去貯玉とは、前日以前に獲得された分をいう。
複数の遊技種を用いる遊技店では、店内を遊技種ごとに区画分けしており、同一の区画内では同一の遊技種を用いて遊技するようにしている。例えば、4円レートと1円レートを用いる遊技店では、4円レートの区画と1円レートの区画とを分けている。
そして、4円レートの区画で貯玉を用いる場合には、4円レートの貯玉口座の残高を所定数減算し、対応する数の遊技玉の払出処理を行う。このように貯玉口座の残高を減算して遊技玉の払出処理を行い、再度遊技に使用可能な状態とすることを貯玉の再プレイという。
ある遊技種の区画で再プレイを行うときに、同一遊技種の貯玉口座の残高が不足であり、他の遊技種の貯玉口座に残高が残っている場合、他の遊技種の貯玉口座の残高を減算し、遊技種によるレートの違いを考慮した数の遊技玉の払出処理を行ってもよい。このように、他の遊技種を再プレイに用いることを貯玉の乗入という。
貯玉の乗入を可能とすることで、遊技客は、貯玉を有効に利用することができる。しかしながら、貯玉の乗入が遊技客に認識されることなく行われると、遊技客は貯玉口座の残高が不当に減算されたと考えてトラブルが生じる可能性がある。また、遊技客によっては、一部又は全ての貯玉口座を乗入に用いたくないと考えるケースもあり得る。
そこで、本実施例にかかるシステムでは、貯玉口座を乗入れに用いるか否かを示す乗入設定を用いる。この乗入設定は、予め遊技客が設定するものであり、貯玉口座を乗入に用いるか否かを遊技種ごとに指定することができる。
図1では、4円レート、2円レート、1円レート、0.5円レートの4つの遊技種を例示している。そして、乗入設定は、4円レートの貯玉口座を乗入に使用し、2円レートの貯玉口座は乗入に使用せず、1円レートの貯玉口座を乗入に使用し、0.5円レートの貯玉口座を乗入に使用する設定となっている。
この場合に、各貯玉口座の残高が「1000玉」であり、4円レートの区画で再プレイを行うならば、4円レートの貯玉「1000玉」はそのまま1000玉分として再プレイに用いることができる。そして、4円レートの貯玉口座が残高不足となったならば、2円レートの貯玉は再プレイに用いることができないが、1円レートの貯玉「1000玉」は250玉分として乗入を行うことができ、0.5円レートの貯玉「1000玉」は125玉分として乗入を行うことができる。
このように、貯玉の再プレイに先立って遊技客に乗入設定を行わせ、乗入に用いるよう設定された遊技種から乗入元となる貯玉口座を選択するように構成することにより、遊技客は所望の貯玉口座から簡易に乗入れを行うことができ、乗入の利便性を向上することができる。
次に、遊技店のシステム構成について説明する。図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、賞品管理装置60と、精算機80とが接続される。
遊技機20は、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数の払出処理を行うことができる。
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、カード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知をカード管理装置40に送信することで、プリペイド価値をカード管理装置40が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸し操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、カード管理装置40に対して持玉減算要求を送信することで、カード管理装置40が管理する持玉の残高をゼロにクリアする。
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉を加算させた後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する管理装置である。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのIDと台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード挿入通知を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉の数を持玉の残高に加算する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯玉再プレイデータを出力した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDや携帯Idmに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉の残高を賞品管理装置60に通知する。
さらに、会員管理装置50は、遊技店による乗入に関する基本設定と、遊技客による個人用の乗入設定とを管理する。そして、乗入設定に基づいて貯玉の乗入を行う場合には、乗入元となる貯玉口座のレートと乗入先のレートとに基づいて、玉数の換算を行う。
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉及び持玉の賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カードあるいは会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別情報を読み出した場合)には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持玉の残高を要求する。また、貯玉を賞品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉の残高を要求する。
さらに、賞品管理装置60は、遊技客が会員登録を行う場合の登録処理や、乗入設定の受付を行う機能を有する。
精算機80は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
図2に示したシステムで玉貸しを行う場合の玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
カード管理装置40は、玉貸要求を含む電文を受信すると、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1円=1度数の場合に100度数)減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば25)の遊技玉の払出処理を行う。
次に、図2に示したシステムで持玉の再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文をカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持玉減算要求を受信した場合には、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、カード管理装置40に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。
カード管理装置40は、持玉加算要求を受け付けた場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を受信した値に更新する。
その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
次に、図2に示したシステムで貯玉の再プレイを行う場合の貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを挿入された場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報。以降、カードIDという)と、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、カード挿入通知の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば125玉)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯玉再プレイ要求の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けた場合には貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。なお、ここでは会員管理装置50が貯玉の残高を減算した後、台間カード処理機10が遊技玉の払出処理を行う場合を例示したが、貯玉再プレイ要求に基づいて遊技玉の払出処理を行った後に、貯玉の残高を減算してもよい。貯玉再プレイ要求前の貯玉再プレイデータに、貯玉再プレイに必要な残高が残っているか否かが示されており、貯玉再プレイ要求を受け付けた後に残高不足が判明する事態とはならないためである。
電文により特定されたレートの貯玉の残高が不足する場合であっても、乗入可能に設定されたレートの貯玉の残高が十分に残っているならば、会員管理装置50及び台間カード処理機10は、乗入による貯玉再プレイを行う。この乗入による貯玉再プレイでは、使用される貯玉口座のレートが電文により特定されたレートと異なり、そのレートの差に応じた換算を行った上で貯玉の残高からの減算と再プレイが行われる。その他については、同一レートの貯玉口座からの再プレイと同様である。
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯玉の残高に通知された持玉の残高を加算して更新する。その後、カード管理装置40は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
次に、図2に示した会員管理装置50の内部構成について説明する。図3は、図2に示した会員管理装置50の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、会員管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続される。表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等であり、入力部52は、キーボードやマウス等である。
また、会員管理装置50は、外部ネットワーク通信部53と、店舗ネットワーク通信部54と、記憶部55と、制御部56とを有する。外部ネットワーク通信部53は、遊技店外のネットワークを介してデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内の通信回線を介して賞品管理装置60及びカード管理装置40等とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員管理データ55a、遊技種設定データ55b、賞品マスタ55c、乗入実績データ55d、乗入基本設定データ55e及び乗入個別設定データ55fを記憶する。会員管理データ55aは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに関連づけて、氏名、貯玉、携帯IDm、住所、電話番号等を関連付けたデータである。
遊技種設定データ55bは、遊技種に対して貸出レート、交換レート及び表示名を関連付けたデータである。賞品マスタ55cは、賞品マスタ55cは、遊技玉を賞品に交換する際に使用するデータである。
乗入実績データ55dは、会員による貯玉の乗入の実績を示すデータである。乗入基本設定データ55eは、遊技店による乗入に関する基本設定を示すデータである。乗入個別設定データ55fは、遊技客が自身の貯玉口座について定めた乗入設定を示すデータである。
制御部56は、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、会員管理部56a、賞品マスタ管理部56b、乗入換算処理部56c、乗入基本設定部56d及び乗入個別設定部56eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、会員管理部56a、賞品マスタ管理部56b、乗入換算処理部56c、乗入基本設定部56d及び乗入個別設定部56eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
会員管理部56aは、会員管理データ55aの管理を行う処理部である。会員管理部56aは、カード管理装置40及び賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉口座の残高を更新する。また、会員管理部56aは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55aに会員を追加する更新を行う。
賞品マスタ管理部56bは、賞品マスタ55cを管理する処理部である。賞品マスタ管理部56bは、賞品マスタ55cの更新が行われたならば、遊技店内の賞品管理装置60に賞品マスタ55cを配布する。
乗入換算処理部56cは、貯玉の乗入を行う場合に、乗入元と乗入先のレートの違いに応じてレートの換算を行う処理部である。乗入先で1回の再プレイにより払い出される玉数である払出単位数をX、乗入先のレートをY、乗入元として用いる貯玉口座のレートをZとすれば、乗入元の貯玉口座から減算する玉数は、X×Y÷Zにより求められる。
乗入基本設定部56dは、遊技店による乗入に関する基本設定を示す乗入基本設定データ55eを設定する処理部である。この設定は、遊技店の店員によって行われる。乗入個別設定部56eは、遊技客が自身の貯玉口座について定めた乗入設定を示すデータを設定する処理部である。この設定は、遊技客によって行なわれる。
次に、図3に示した記憶部55が記憶するデータの具体例について説明する。図4及び図5は、記憶部55が記憶するデータを説明するための説明図である。図4(a)に示す会員管理データ55aは、カードID「2002」に対して、氏名「B C」、各遊技種の貯玉口座、携帯IDm「IDmX1」等が対応づけられた状態を示している。なお、図示は省略したが会員管理データ55aは、ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号等をカードIDに対応付けることができる。また、携帯IDmは、携帯電話等の携帯端末を特定可能な識別データであり、携帯端末を会員カードとして使用する際に用いられる。
また、図4(a)では、貯玉口座は、「玉1」、「玉2」、「玉3」及び「玉4」の4つの遊技種について設けられ、各貯玉口座には過去貯玉と当日貯玉の2つの残高が示されている。例えば、カードID「2002」の「玉1」は、過去貯玉が「900」、当日貯玉が「100」である。また、カードID「2002」の「玉2」は、過去貯玉が「0」、当日貯玉が「1000」である。カードID「2002」の「玉3」は、過去貯玉が「500」、当日貯玉が「500」である。カードID「2002」の「玉4」は、過去貯玉が「1000」、当日貯玉が「0」である。
図4(b)に示す遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉4」に対し、レート「0.5円」及び表示名「0.5パチ」を関連付けている。
図4(c)に示す賞品マスタ55cは、賞品を一意に識別する賞品コードに対し、賞品名、群コード、賞品価値及び交換玉数を関連付けたデータである。ここで、群コードは賞品を分類して管理する為の識別情報である。群コード「01」は、一定の手続きを経て所定の価値で譲渡可能な特殊賞品を示す。群コード「02」以降は、特殊賞品以外の日用品などを含む一般賞品である。
賞品マスタ55cは、賞品コード「0001」に対し、賞品名「大賞品」、群コード「01」、賞品価値「1000」、玉1の交換玉数「250」、玉2の交換玉数「500」、玉3の交換玉数「1000」並びに玉4の交換玉数「2000」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0002」に対し、賞品名「小賞品」、群コード「01」、賞品価値「100」、玉1の交換玉数「25」、玉2の交換玉数「50」、玉3の交換玉数「100」並びに玉4の交換玉数「200」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0100」に対し、賞品名「Mセブン」、群コード「02」、賞品価値「400」、玉1の交換玉数「100」、玉2の交換玉数「200」、玉3の交換玉数「400」並びに玉4の交換玉数「800」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0101」に対し、賞品名「ラック」、群コード「02」、賞品価値「420」、玉1の交換玉数「105」、玉2の交換玉数「210」、玉3の交換玉数「420」並びに玉4の交換玉数「840」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0600」に対し、賞品名「端玉 飴」、群コード「04」、賞品価値「12」、玉1の交換玉数「3」、玉2の交換玉数「6」、玉3の交換玉数「12」並びに玉4の交換玉数「24」を関連付けている。
図5(d)に示す乗入実績データ55dは、会員用のカードIDに対し、各遊技種の乗入実績を対応付けている。乗入実績は、初期値が「未実施」であり、当該遊技種を最初に貯玉再プレイの乗入元として使用した場合に「済」に更新される。
具体的には、図5(d)では、カードID「2010」の「玉1」及び「玉2」は、乗入元として使用された実績が無いことを示す「未実施」が対応付けられている。また、カードID「2010」の「玉3」及び「玉4」は、乗入元として使用された実績があることをしめす「済」が対応付けられている。
図5(e)に示す乗入基本設定データ55eは、各遊技種に対し、乗入の可否と、基準となる乗入設定とを対応づけている。乗入可否は、当該遊技種を乗入元として使用する貯玉再プレイを許可するか否かを示すものであり、「許可」又は「禁止」のいずれかの値をとる。この乗入可否は、遊技客による乗入設定に優先する。従って、遊技客は「許可」に設定された遊技種について、乗入元として使用するか否かを選択することになる。すなわち、「禁止」に設定された遊技種については、遊技客による乗入設定に関わらず乗入元として使用することができない。
乗入基本設定データ55eにおける乗入設定は、過去貯玉と当日貯玉のそれぞれについて「する」「しない」のいずれかを対応づけたものである。「する」とは、貯玉再プレイの乗入元として使用することを示し、「しない」とは、貯玉再プレイの乗入元として使用しないことを示す。遊技客による乗入設定は、この乗入基本設定データ55eの乗入設定に優先する。すなわち、乗入基本設定データ55eの乗入設定は、遊技客による指定がない場合に適用される。
このように、乗入に関する設定の優先度は、「乗入基本設定データ55eの乗入可否」、「遊技客による乗入設定(乗入個別設定データ55f)」、「乗入基本設定データ55eの乗入設定」の順となっている。
図5(e)では、遊技種「玉1」の乗入可否は「許可」とし、過去貯玉と当日貯玉の双方を貯玉再プレイの乗入元として使用することを示している。また、遊技種「玉2」の乗入可否は「禁止」とし、過去貯玉と当日貯玉の双方を貯玉再プレイの乗入元として使用しないことを示している。そして、遊技種「玉3」の乗入可否は「許可」とし、過去貯玉と当日貯玉の双方を貯玉再プレイの乗入元として使用することを示している。また、遊技種「玉4」の乗入可否は「許可」とし、過去貯玉と当日貯玉の双方を貯玉再プレイの乗入元として使用することを示している。なお、同一の遊技種について、過去貯玉と当日貯玉の乗入設定を異ならせてもよい。
図5(f)に示す乗入個別設定データ55fは、会員用のカードIDに対し、各遊技種の乗入設定を対応付けている。図5(f)では、当該遊技種を貯玉再プレイの乗入元として使用する場合に「する」の値を対応付け、当該遊技種を貯玉再プレイの乗入元として使用しない場合に「しない」の値を対応付けている。また、遊技店の設定に任せる(乗入基本設定データ55eの乗入設定に従う)場合には「委任」の値を対応付けている。
具体的には、図5(f)では、カードID「2002」の遊技種「玉1」には「する」、遊技種「玉2」には「しない」、遊技種「玉3」には「する」、遊技種「玉4」には委任」が対応付けられている。
乗入基本設定データ55eや乗入個別設定データ55fには、他にも設定項目を追加することが可能である。例えば、乗入基本設定データ55eには、乗入順序、貯玉再プレイの上限数、最大乗入可能口座数、個別設定可能項目等が追加できる。
乗入順序は、遊技種を乗入に使用する順序を遊技店側が設定する項目である。乗入再プレイを行う場合には、この乗入順序に従って貯玉口座が選択されることになる。遊技店員は、この乗入順序を適宜変更することができる。
貯玉再プレイの上限数は、乗入元の遊技種に対しても、乗入先の遊技種に対しても設定可能である。例えば、乗入元の遊技種に対して貯玉再プレイの上限数「2000」を設定した場合には、当該遊技種から他の遊技種へ乗り入れた玉数の合計が「2000」になるまでは乗入再プレイが可能であるが、当該遊技種から他の遊技種へ乗り入れた玉数の合計が「2000」を超えるような乗入再プレイは抑止される。
また、乗入先の遊技種に対して貯玉再プレイの上限数「3000」を設定した場合には、他の遊技種を用いた当該遊技種に乗り入れた玉数の合計が「3000」になるまでは乗入再プレイが可能であるが、他の遊技種から乗り入れた玉数の合計が「3000」を超えるような乗入再プレイは抑止される。
最大乗入可能口座数は、乗入使用することのできる貯玉口座の数を制限する項目である。乗入に用いる貯玉口座の数が多くなりすぎると、その管理や設定の労力が増大し、返って利便性が低下するためである。
個別設定可能項目は、乗入個別設定データ55fにて遊技客が設定可能な範囲を定める項目である。遊技店側では、多様で詳細な設定を行えることが好適である一方、遊技客に対しては、設定可能な範囲をある程度制限することが利便性向上に有効となる。
乗入個別設定データ55fには、乗入順序、貯玉再プレイの上限数等が追加できる。乗入順序は、遊技種を乗入に使用する順序を遊技客が設定する項目である。この乗入順序は、乗入基本設定データ55eの個別設定可能項目にて遊技客による乗入順序の設定が許可されている場合に使用可能となる。そして、乗入個別設定データ55fの乗入順序は、乗入基本設定データ55eの乗入順序に優先する。
貯玉再プレイの上限数は、乗入基本設定データ55eと同様に、乗入元の遊技種に対しても、乗入先の遊技種に対しても設定可能である。この貯玉再プレイの上限数は、乗入基本設定データ55eの個別設定可能項目にて遊技客による貯玉再プレイの上限数が許可されている場合に使用可能となる。そして、乗入個別設定データ55fにおける貯玉再プレイの上限数は、乗入基本設定データ55eにおける貯玉再プレイの上限数の範囲内に制限される。
また、乗入基本設定データ55eの他に、遊技店において乗入を行うか否かを示す乗入全体設定データを設けてもよい。この乗入全体設定データが「乗入禁止」を示すものであれば、乗入基本設定データ55e及び乗入個別設定データ55fは無効化され、当該遊技店で乗入再プレイを行うことはできない。そして、この乗入全体設定データが「乗入許可」を示すものであれば、乗入基本設定データ55e及び乗入個別設定データ55fが有効化され、当該遊技店で乗入再プレイを行うことが可能となる。
次に、図2に示した賞品管理装置60の外観構成について説明する。図6は、図2に示した賞品管理装置60の外観構成を示す図である。図6に示すように、賞品管理装置60は、遊技店員用の筐体と遊技客用の筐体とを通信線により接続した構成を有する。遊技店員用の筐体には、店側表示部61、操作部62、レシート発行部63、カードリーダ67a及び店員タグリーダ67bが設けられている。遊技客用の筐体には客側表示部64及び携帯端末リーダ67cが設けられている。
遊技店員は、遊技客が提示したカードをカードリーダ67aにかざすことにより、該カードからカードIDを読み取らせ、カードIDに対応付けられた持玉及び貯玉の残高を特定する。このように特定した残高は、特殊賞品又は一般賞品との賞品交換に使用される。遊技店員は、自身の店員タグを店員タグリーダ67bにかざすことにより、権限の認証を受けることができる。
店側表示部61は、操作者である遊技店員用の表示部兼操作部であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。この店側表示部61には、賞品交換内容や操作ガイダンスなどが表示される。操作部62は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、賞品交換操作入力などを行う際に使用される。
レシート発行部63は、登録リストや集計リスト等の各種レシートを発行処理する発行部であり、感熱式プリンタ等からなる。
遊技客用の筐体に設けられた客側表示部64は、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。遊技客は、この客側表示部64の表示内容を確認することにより、カードに対応付けられる持玉や貯玉の残高を確認することができる。さらに、客側表示部64は、上位の装置(例えばカード管理装置40)からイベント情報などを設定データとして通知された場合には、該イベント情報を表示することができる。また、客側表示部64は、貯玉を使用する際の暗証番号の入力にも使用される。携帯端末リーダ67cは、会員カードとして使用可能な携帯端末がかざされた場合に、該携帯端末からカードIDに対応する情報を読み取る。このカードIDに対応する情報により、持玉数及び貯玉数が特定される。
次に、図2に示した賞品管理装置60の機能構成について説明する。図7は、図2に示した賞品管理装置60の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、この賞品管理装置60は、通信回線に接続されている。賞品管理装置60は、すでに説明した店側表示部61、操作部62、レシート発行部63、客側表示部64、カードリーダ67a、店員タグリーダ67b及び携帯端末リーダ67cと、記憶部65と、制御部66と、通信部68とを有する。通信部68は、賞品管理装置60が通信回線を経由して上位の装置と通信するためのインタフェース部である。
記憶部65は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、賞品マスタ65aを記憶する。賞品マスタ65aは、遊技玉を賞品に交換する際に使用するデータであり、会員管理装置50から受信して記憶したデータである。
制御部66は、賞品管理装置60を全体制御する制御部であり、賞品管理部66a、賞品交換処理部66b、会員登録受付部66c、乗入設定受付部66dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、賞品管理部66a、賞品交換処理部66b、会員登録受付部66c、乗入設定受付部66dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
賞品管理部66aは、記憶部65に記憶した賞品マスタ65aを用いて賞品管理装置60の取扱対象となる特殊賞品、一般賞品の交換玉数等を管理する管理部である。賞品管理部66aは、会員管理装置50から賞品マスタを取得し、記憶部65に賞品マスタ65aとして格納する。
賞品交換処理部66bは、カードリーダ67a又は携帯端末リーダ67cにより読み取ったカードIDをカード管理装置40に送信し、カードIDに関連付けられた持玉及び貯玉の残高を取得する。賞品交換処理部66bは、持玉及び貯玉の残高の範囲内で、賞品マスタ65aに基づいて特殊賞品及び一般賞品の賞品交換処理を行う。
具体的には、賞品交換処理部66bは、特殊賞品の交換処理を指定された場合には、持玉及び貯玉の残高の範囲内で交換可能な特殊賞品の種類及び数の組み合わせを求め、交換に必要な玉数を持玉及び貯玉の残高より減算する。また、賞品交換処理部66bは、特殊賞品以外の一般賞品の交換処理を行う場合には、操作部62の操作により指定された賞品を交換賞品として、交換に必要な玉数を持玉及び貯玉の残高より減算する。
会員登録受付部66cは、新規の会員登録を受け付ける処理部である。具体的には、客側表示部64から、会員登録に必要な情報の入力を受け付け、新規の会員カードのカードIDに関連付けて、会員管理装置50に送信する処理を行う。
乗入設定受付部66dは、乗入設定の登録と変更を行う処理部である。具体的には、会員カードのカードIDを会員管理装置50に送信し、当該カードIDの乗入設定を取得して、客側表示部64に表示する。そして、遊技客の操作により、乗入設定が更新されたならば、更新された乗入設定を会員管理装置50に送信する。
次に、賞品管理装置60による乗入設定の登録処理について説明する。図8は、賞品管理装置60による乗入設定の登録処理の手順を説明するためのフローチャートである。賞品管理装置60は、店側表示部61又は客側表示部64に対する操作により、会員乗入設定が選択されると(ステップS101)、対象となる会員の検索を行う(ステップS102)。
会員の検索では、賞品管理装置60は、カードリーダ67a又は携帯端末リーダ67cにより読み取った会員カードのカードIDを会員管理装置50に送信し、対応する乗入設定を受信する。
ステップS102の後、賞品管理装置60は、客側表示部64に乗入設定を行うための操作画面である乗入設定画面を表示し(ステップS103)、遊技客による乗入設定の入力を受け付ける(ステップS104)。
賞品管理装置60は、ステップS104で受け付けた乗入設定を店側表示部61にも表示し、店員による確認と修正の入力を受け付ける(ステップS105)。ステップS105で店員による確認を行なった後、賞品管理装置60は、受け付けた設定を会員管理装置50に送信して(ステップS106)、乗入設定の登録処理を終了する。
次に、賞品管理装置60が客側表示部64に表示する乗入設定画面の具体例について説明する。図9は、乗入設定画面の具体例を示す図である。図9(a)に示すように、賞品管理装置60は、客側表示部64の左側に「再プレイ時に乗入可能とする口座を選択して下さい。遊技中口座の貯玉が無くなった場合、乗入可能に設定した口座を利用できます。」とのメッセージを表示する。また、賞品管理装置60は、客側表示部64の右側に、各口座について乗入をするか否かを入力する乗入ボタンと、玉以外の口座(例えばメダル用の口座)についての設定を行う画面に遷移するための遷移ボタンと、乗入設定を完了する完了ボタンとを表示制御する。
各口座についての設定では、乗入ボタンに対する操作を受け付ける度に「する」「しない」「委任」が切り替わる。「委任」は、乗入基本設定データ55eの乗入設定に従うことを示す。このとき、その時点での乗入基本設定データ55eの乗入設定(「する」又は「しない」)を合わせて表示するとともに、その表示態様を遊技客自身による選択とは異ならせることが好ましい。委任に設定した状態では、乗入基本設定データ55eの変更により乗入に使用するか否かが切り替わってしまうためである。
図9(a)では、遊技種「玉1」の表示名「4パチ」に対して「する」が設定され、遊技種「玉2」の表示名「2パチ」に対して「しない」が設定され、遊技種「玉3」の表示名「1パチ」に対して「する」が設定され、遊技種「玉4」の表示名「0.5パチ」に対して「委任」が設定された状態を示している。なお、遊技種「玉2」には、乗入基本設定データ55eの乗入可否により「禁止」が設定されているため、遊技客は遊技種「玉2」の乗入設定を「する」に変更することができない。そこで、遊技種「玉2」に関する表示はグレイアウトし、入力を抑止している。
いずれかの乗入ボタンが操作されると、賞品管理装置60は、図9(b)に示すように、客側表示部64の左側に乗入に用いる遊技種と、乗入に用いる順序とを表示する。また、客側表示部64の右側には、前の画面に遷移する前画面ボタンと、次の画面に遷移する次画面ボタンとを追加する。
図9(b)では、「4パチ」で貯玉再プレイを行う場合、すなわち乗入先が遊技種「玉1」である場合には、まず「4パチ」の貯玉口座を使用し、「4パチ」の残高が不足すれば、「1パチ」、「0.5パチ」の順で乗入を行うことを示している。「2パチ」が乗入に使用されないのは、客側表示部64の右側での設定に従ったためである。また、使用の順序は、遊技店側での設定に従っている。
同様に、「2パチ」で貯玉再プレイを行う場合、すなわち乗入先が遊技種「玉2」である場合には、まず「2パチ」の貯玉口座を使用し、「2パチ」の残高が不足すれば、「4パチ」、「1パチ」、「0.5パチ」の順で乗入を行うことを示している。使用の順序は、遊技店側での設定に従っている。
図9(b)に示した状態で、いずれかの乗入ボタンがさらに操作されると、その操作内容に応じて客側表示部64の左側が更新される。また、次画面ボタンが操作されると、客側表示部64の左側に「1パチ」で貯玉再プレイを行う場合と「0.5パチ」で貯玉再プレイを行う場合に乗入に用いる遊技種及びその順序が表示される。
図9に示した乗入設定画面では、乗入ボタンの操作に応じて乗入に用いる遊技種及びその順序の表示が随時切り替わる場合を例示したが、乗入ボタンの操作後、所定の確定操作を受け付けてから遊技種及びその順序を表示してもよい。図10は、確定操作を要求する乗入設定画面についての説明図である。
図10(a)に示した乗入設定画面は、図9(a)の完了ボタンが確定ボタンに置き換わった構成である。図10(a)に示した乗入設定画面では、乗入ボタンが操作されても客側表示部64の左側の表示は更新されない。
そして、図10(a)に示した乗入設定画面で確定ボタンが操作されると、図10(b)に示すように、賞品管理装置60は、客側表示部64の左側に乗入に用いる遊技種と乗入に用いる順序とを表示する。また、客側表示部64の右側には、再選択ボタン、完了ボタン、前画面ボタン及び次画面ボタンを表示する。再選択ボタンは、図10(b)に示した画面が、図10(a)に示した画面に戻るための操作ボタンである。
図9及び図10では、遊技客により乗入設定が行なわれた場合に、乗入に用いる遊技種と乗入に用いる順序とを画面表示する場合を示したが、乗入に用いる遊技種と乗入に用いる順序とを印字したレシートを発行する構成としてもよい。
図11は、乗入に用いる遊技種と乗入に用いる順序とを印字したレシートを発行する場合についての説明図である。図11に示した乗入設定画面は、図9(a)と同様である。この乗入設定画面で完了ボタンが操作されると、賞品管理装置60のレシート発行部63は、乗入に用いる遊技種と乗入に用いる順序とを印字したレシートを発行する。
図9〜図11では、各遊技種について、乗入元として使用するか否かを設定する場合について説明した。この場合には、乗入に使用する順序(乗入順序)は遊技店側が設定した順序となり、また乗入先によって乗入元や乗入順序を異ならせることはできなかった。これらについても遊技客による設定を可能とすれば、多様な乗入れを任意に選択することができる。
図12は、乗入先ごとに乗入元と乗入順序を設定する乗入設定画面を示す図である。図12(a)に示すように、客側表示部64の左側に「再プレイ時に乗入可能とする口座を選択して下さい。遊技中口座の貯玉がなくなった場合、乗入可能に設定した口座を利用できます。」とのメッセージを表示する。また、客側表示部64の右側に、乗入先を選択するタブ状の乗入先ボタンと、当該乗入先での再プレイに用いる乗入元を選択する乗入元ボタンと、当該乗入先での乗入順序を変更する乗入順序ボタンと、玉以外の口座についての設定を行う画面に遷移する遷移ボタンと、完了ボタンとを表示制御する。
図12(a)では、乗入先として「4パチ」を選択した状態を示している。そして、4パチでの再プレイにおいて、「4パチ」に対して「する」が設定され、「2パチ」に対して「しない」が設定され、「1パチ」に対して「する」が設定され、「0.5パチ」に対して「委任」が設定された状態を示している。
図12(a)における表示順序が、再プレイにおける乗入順序である。図12(a)では、「4パチ」、「2パチ」、「0.5パチ」、「1パチ」の順に表示され、「2パチ」以外が乗入に使用されるので、乗入順序は「4パチ」、「0.5パチ」、「1パチ」となる。この順序は、乗入順序ボタンにより変更可能である。また、乗入先ボタンを操作することで、他の乗入先についても乗入元と乗入順序を設定可能である。
なお、遊技種「玉2」には、乗入基本設定データ55eの乗入可否により「禁止」が設定されているため、遊技客は遊技種「玉2」の乗入設定を「する」に変更することができない。そこで、遊技種「玉2」に関する表示はグレイアウトし、入力を抑止している。また、遊技種「玉2」に対応する乗入順序ボタンもグレイアウトしている。
さらに、乗入先と同一遊技種である遊技種「玉1」、すなわち「4パチ」については、必ず最初に使用するので「する(固定)」となり、かつ対応する乗入順序ボタンもグレイアウトしている。
いずれかの乗入ボタンが操作されると、賞品管理装置60は、図12(b)に示すように、客側表示部64の左側に乗入先、乗入元及び乗入順序を表示する。また、客側表示部64の右側には、前の画面に遷移する前画面ボタンと、次の画面に遷移する次画面ボタンとを追加する。
図12(b)では、「4パチ」で貯玉再プレイを行う場合、すなわち乗入先が遊技種「玉1」である場合には、まず「4パチ」の貯玉口座を使用し、「4パチ」の残高が不足すれば、「0.5パチ」、「1パチ」の順で乗入を行うことを示している。「2パチ」が乗入に使用されないのは、客側表示部64の右側での設定に従ったためである。また、乗入順序も客側表示部64の右側での設定に従っている。
同様に、「2パチ」で貯玉再プレイを行う場合、すなわち乗入先が遊技種「玉2」である場合には、まず「2パチ」の貯玉口座を使用し、「2パチ」の残高が不足すれば、「4パチ」、「1パチ」、「0.5パチ」の順で乗入を行うことを示している。乗入順序は、客側表示部64の右側での設定に従っている。
図12(b)に示した状態で、いずれかの乗入先ボタンや乗入順序ボタンがさらに操作されると、その操作内容に応じて客側表示部64の左側が更新される。また、次画面ボタンが操作されると、客側表示部64の左側に「1パチ」で貯玉再プレイを行う場合と「0.5パチ」で貯玉再プレイを行う場合に乗入に用いる遊技種及びその順序が表示される。
図12では、乗入先ごとに乗入元及び乗入順序を設定する場合について説明したが、乗入元ごとに乗入先及び乗入順序を設定するようにしてもよい。図13は、乗入元ごとに乗入先及び乗入順序を設定する場合の説明図である。図13(a)では、乗入元として使用する使用口座に対し、再プレイする遊技種(乗入先)をそれぞれ対応付けている。そして、各乗入先について乗入する、乗入しない、遊技店の設定に委任する、のいずれかを設定するように構成している。なお、使用口座と再プレイ口座の遊技種が一致する場合には「する(固定)」とし、「しない」が選択できないようにしている。また、上スクロールボタンと、下スクロールボタンとを表示し、このボタンによって任意の使用口座を表示させて設定を受け付けることができるようにしている。さらに、乗入順序の確認と設定を行う画面に遷移するためのボタンとして「使用順序確認・変更画面」ボタンを設けている。
図13(a)に示した画面で、「使用順序確認・変更画面」ボタンが操作された場合には図13(b)の画面を表示する。図13(b)では、図13(a)での設定に基づき、各コーナーでの乗入順序が表示される。ここでも、上スクロールボタンと、下スクロールボタンとを表示し、このボタンによって任意のコーナーを表示させて設定を受け付けることができるようにしている。また、図13(a)に示した画面に戻るためのボタンとして「乗入設定画面」ボタンを設けている。
図9〜図13に示した乗入設定画面において、乗入元となる遊技種の表示順序は、予め定めた順序(例えばレートの降順)であってもよいし、当該遊技客の貯玉残高が多い順(すなわち、残高順)に遊技種を表示してもよい。また、レートの降順、レートの昇順、残高順などの表示を切替可能としてもよい。
また、乗入設定画面は、乗入基本設定データ55eに応じて異ならせる。例えば、乗入基本設定データ55eで乗入可否が「禁止」に設定されている遊技種については、乗入設定画面に表示しないよう制御することが好適である。
次に、乗入基本設定データ55eの更新について説明する。図14は、乗入基本設定データ55eの更新と乗入個別設定データ55fとの関係について説明するための説明図である。
図14(a)は、乗入基本設定データ55eの更新の内容を示している。更新前は、全ての乗入可否は「許可」、玉1の乗入設定は「する」、玉2の乗入設定は「する」、玉3の乗入設定は「しない」、玉4の乗入設定は「する」であった。変更後は、全ての乗入可否は「許可」、全ての乗入設定は「しない」となっている。
図14(b)は、乗入個別設定データ55fの一例を示している。具体的には、カードID「2002」の遊技種「玉1」には「する」、遊技種「玉2」には「しない」、遊技種「玉3」には「する」、遊技種「玉4」には「委任」が対応付けられている。
乗入基本設定データ55eにおいて「する」又は「しない」に設定された遊技種については、乗入個別設定データ55fの変更は適用されず、乗入個別設定データ55fにおいて「委任」に設定された遊技種については、乗入基本設定データ55eの変更が適用される。
そのため、図14(c)に示すように、カードIDが「2002」である遊技客は、更新前は「4パチ」、「1パチ」、「0.5パチ」の口座が乗入に使用され、「2パチ」の口座は乗入に使用されない。しかし、更新後には、「0.5パチ」の口座は乗入に使用されなくなり、「4パチ」、「2パチ」、「1パチ」の口座には変化がない。なお、更新後に乗入設定を表示する際には、更新により変化した箇所について他の箇所と表示態様を異ならせたり、変化があったことを記載するようにしてもよい。
このように、乗入基本設定データ55eを更新するにあたり、乗入個別設定データ55fの設定を優先することで、遊技客が自ら設定した内容に影響を与えることなく、遊技店全体の設定を簡易に変更することができる。
図15は、乗入基本設定データ55eの更新と乗入実績データ55dとの関係について説明するための説明図である。図15(a)は、乗入基本設定データ55eの更新の内容を示す。更新の内容は、図14(a)と同様である。
図15(b)は、乗入実績データ55dの一例を示している。具体的には、カードID「2010」の遊技種「玉1」、遊技種「玉2」及び遊技種「玉3」は「未実施」、遊技種「玉4」には「済」が対応付けられている。
乗入実績データ55dにおいて「未実施」である遊技種は、乗入個別設定データ55fの変更を適用し、乗入実績データ55dにおいて「済」である遊技種は、乗入個別設定データ55fの変更時に乗入元として使用する設定に変更することが好適である。遊技客が乗入元として使用した実績は、当該遊技種を乗入元として使用する意思確認として用いることができ、また、過去に乗入を行うことができた遊技種について乗入ができないよう設定変更をおこなうことは適切でないからである。
そのため、図15(c)に示すように、カードIDが「2010」である遊技客は、更新前は「4パチ」、「2パチ」、「0.5パチ」の口座が乗入に使用され、「1パチ」の口座は乗入に使用されない。しかし、更新後には、「4パチ」及び「2パチ」の口座は乗入に使用されなくなり、「1パチ」は乗入設定が「しない」のまま維持され、「0.5パチ」は乗入設定が「する」に変更されている。
このように、乗入基本設定データ55eを更新するにあたり、乗入実績データ55dを考慮して遊技客の乗入設定を個別に設定することにより、遊技客の利便性を損なうことなく、遊技店全体の設定を簡易に変更することができる。
次に、賞品管理装置60による会員登録の処理について説明する。図16は、賞品管理装置60による会員登録の処理手順を説明するためのフローチャートである。賞品管理装置60は、会員登録時には、まず、カード又は携帯端末を会員識別用の媒体として受け付ける(ステップS201)。賞品管理装置60は、受け付けたカード又は携帯端末のIDを会員管理装置50に送信し、会員情報が登録済であるか否かを問い合わせる(ステップS202)。会員情報が登録済であれば(ステップS202;Yes)、会員登録処理を終了する。
会員情報が登録済でなければ(ステップS202;No)、客側表示部64から、会員登録に必要な情報を受け付け(ステップS203)、遊技客による暗証番号の設定を行う(ステップS204)。その後、賞品管理装置60は、会員管理装置50に問い合わせを行ない、乗入基本設定データ55eの乗入可否に「許可」となっている遊技種が存在するか否かを判定する(ステップS205)。
乗入可否に「許可」が無ければ(ステップS205;No)、遊技店内で乗入を行うことはできないので、遊技客が乗入設定を行う必要はない。そのため、ステップS201の後、ステップS201〜S204で受け付けた各種設定を会員管理装置50に送信して(ステップS209)、会員登録の処理を終了する。
乗入可否に「許可」があるならば(ステップS205;Yes)、賞品管理装置60は、客側表示部64に乗入設定を行うための操作画面である乗入設定画面を表示し(ステップS206)、遊技客による乗入設定の入力を受け付ける(ステップS207)。
賞品管理装置60は、ステップS207で受け付けた乗入設定を店側表示部61にも表示し、店員による確認と修正の入力を受け付ける(ステップS208)。ステップS208で店員による確認を行なった後、賞品管理装置60は、ステップS201〜S204並びにS207で受け付けた設定を会員管理装置50に送信して(ステップS209)、会員登録の処理を終了する。
会員登録は、全ての情報を新規に入力するとは限らず、既存の会員の情報を引き継いで会員登録を行う場合もある。このような場合には、乗入設定についても情報の引き継ぎを行うことで、遊技客の操作を軽減することができる。図17は、乗入設定の引き継ぎについて示す図である。具体的には、カードID「2003」の情報をカードID「2031」に移行させる場合を示している。図17に示すように、カードID「2003」の乗入設定(玉1は乗入する、玉2は乗入する、玉3は委任、玉4は乗入しない)をそのままカードID「2031」の乗入れ設定としている。
図17では、会員情報の移行にあたり、移行元(カードID「2003」)の情報を全て「正」として移行先(カードID「2031」)に適用する場合を示している。このように移行元を全て正として扱うだけではなく、移行先の情報を正としたり、移行操作時に、再度選択させるということを行ってもよい。
また、移行元と移行先のいずれかで「する」と設定されている場合は「する」と設定するよう構成してもよい。また、移行先が未設定の状態であれば、移行元を全て正とすることができる。
これまでの説明では、過去貯玉と当日貯玉の乗入設定が一致する場合を例示したが、過去貯玉と当日貯玉の乗入設定は異なっていてもよい。図18は、過去貯玉と当日貯玉の乗入設定が異なる場合についての説明図である。
図18では、遊技種「玉1」の乗入設定は、過去貯玉と当日貯玉の双方が「する」に設定されている。また、遊技種「玉2」の乗入設定は、過去貯玉と当日貯玉の双方が「する」に設定されている。そして、遊技種「玉3」の乗入設定は、過去貯玉が「する」に設定され、当日貯玉が「しない」に設定されている。また、遊技種「玉4」の乗入設定は、過去貯玉と当日貯玉の双方が「しない」に設定されている。
また、図18では、貯玉口座の残高は、遊技種「玉1」の過去貯玉が900、遊技種「玉1」の当日貯玉が100、遊技種「玉2」の過去貯玉が0、遊技種「玉2」の当日貯玉が1000、遊技種「玉3」の過去貯玉が500、遊技種「玉3」の当日貯玉が500、遊技種「玉4」の過去貯玉が1000、遊技種「玉1」の当日貯玉が0である場合を示している。
この乗入設定と貯玉残高で、遊技種「玉4」の再プレイを行うならば、遊技種「玉1」の過去貯玉と当日貯玉の合計1000玉が使用可能である。また、遊技種「玉2」の過去貯玉と当日貯玉の合計1000玉を遊技種「玉1」のレートに換算し、500玉分として使用可能である。さらに、遊技種「玉3」の過去貯玉500玉を遊技種「玉1」のレートに換算し、125玉分として使用可能である。そして、遊技種「玉4」からは使用できないこととなる。
乗入元と乗入先とでレートが異なる場合には、換算により乗入元で減算される数と、乗入先で払い出される玉数が異なる。そこで、乗入により生じる換算について遊技客に表示することとしてもよい。
図19は、乗入により生じる換算の情報を表示する画面の具体例である。図19に示した表示画面では、遊技種名と、乗入設定と、貯玉数と、乗入する場合の再プレイ可能な玉数とを対応付けて表示している。
具体的には、遊技種「玉1(4パチ)」の乗入設定は「する」、貯玉数は「200」である。この貯玉を2パチでの再プレイに使用すると400玉分、1パチでの再プレイに使用すると800玉分、0.5パチでの再プレイに使用すると1600玉分となる。
また、遊技種「玉2(2パチ)」の乗入設定は「する」、貯玉数は「500」である。この貯玉を4パチでの再プレイに使用すると250玉分、1パチでの再プレイに使用すると1000玉分、0.5パチでの再プレイに使用すると2000玉分となる。
また、遊技種「玉3(1パチ)」の乗入設定は「する」、貯玉数は「800」である。この貯玉を4パチでの再プレイに使用すると200玉分、2パチでの再プレイに使用すると400玉分、0.5パチでの再プレイに使用すると1600玉分となる。
また、遊技種「玉4(0.5パチ)」の乗入設定は「しない」、貯玉数は「1000」である。この貯玉を4パチでの再プレイに使用すると125玉分、2パチでの再プレイに使用すると250玉分、1パチでの再プレイに使用すると500玉分となる。
さらに、図19に示した表示画面では、各遊技種における再プレイの単位数を払出単位数として表示している。具体的には、4パチの払出単位数が「125玉」、2パチの払出単位数が「200玉」、1パチの払出単位数が「200玉」、0.5パチの払出単位数が「200玉」である。
図19に示した表示画面において、乗入元となる遊技種の表示順序は、予め定めた順序(例えばレートの降順)であってもよいし、当該遊技客の貯玉残高が多い順(すなわち、残高順)に遊技種を表示してもよい。また、レートの降順、レートの昇順、残高順などの表示を切替可能としてもよい。
また、図19に示した表示画面は、乗入設定に応じて異ならせることとしてもよい。例えば、乗入設定が「しない」である遊技種については、表示を行わない、若しくはグレイアウトするよう制御してもよい。
これまでの説明では、会員登録や乗入設定を賞品管理装置60から行う構成について説明したが、会員登録や乗入設定を別の装置によって行うこととしてもよい。図20は、会員登録や乗入設定を行う会員用端末の機能構成を示すブロック図である。会員用端末110は、遊技店内に設置され、通信回線に接続されている。会員用端末110は、表示操作部111、操作部112、レシート発行部113、カードリーダ114a、店員タグリーダ114b、携帯端末リーダ114c、通信部115及び制御部116を有する。
表示操作部111は、遊技客用の表示部兼操作部であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。操作部112は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、会員登録時の情報入力などに使用される。
レシート発行部113は、登録した情報等を印字したレシートを発行処理する発行部であり、感熱式プリンタ等からなる。カードリーダ114aは、会員用のカードからのカードIDの取得に使用する。店員タグリーダ114bは、店員がエラー対応等を行う際に店員用タグからの店員IDを取得し、その権限を認証する場合に使用する。携帯端末リーダ114cは、会員用のカードの代わりとして遊技客が用いる携帯端末からの携帯IDmの読取りに使用する。通信部115は、会員用端末110が通信回線を介して上位の装置と通信するためのインタフェース部である。
制御部116は、会員用端末110を全体制御する制御部であり、会員情報閲覧処理部116a、会員登録受付部116b、乗入設定受付部116cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、会員情報閲覧処理部116a、会員登録受付部116b、乗入設定受付部116cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
会員情報閲覧処理部116aは、登録済の会員に関する情報を会員管理装置50から取得し、表示操作部111に表示制御する処理部である。具体的には、カードリーダ67aにより読み取ったカードID(又は携帯端末リーダ114cにより読み取った携帯IDm)を会員管理装置50に送信し、対応する会員の情報を取得して表示制御する。
会員登録受付部116bは、新規の会員登録を受け付ける処理部である。具体的には、表示操作部111から、会員登録に必要な情報の入力を受け付け、新規の会員カードのカードIDに関連付けて、会員管理装置50に送信する処理を行う。
乗入設定受付部116cは、乗入設定の登録と変更を行う処理部である。具体的には、会員カードのカードIDを会員管理装置50に送信し、当該カードIDの乗入設定を取得して、表示操作部111に表示する。そして、遊技客の操作により、乗入設定が更新されたならば、更新された乗入設定を会員管理装置50に送信する。
上述してきたように、本実施例では、貯玉の再プレイに先立って遊技客に乗入設定を行わせ、乗入に用いるよう設定された遊技種から乗入元となる貯玉口座を選択するように構成したので、遊技客は所望の貯玉口座から簡易に乗入れを行うことができ、乗入の利便性を向上することができる。
また、乗入先ごとに乗入元や乗入順序を設定することにより、遊技客の希望に合わせた柔軟な運用が可能となる。また、遊技店側で乗入に関する基本設定を行うことで、遊技店全体の設定を一括して変更可能である。その際、基本設定と、遊技客自身による設定との優先関係を定めているため、遊技客が自ら設定した内容に影響を与えることなく、遊技店全体の設定を簡易に変更することができる。
また、基本設定を行うにあたり、遊技客による乗入実績を考慮して遊技客の乗入設定を個別に設定することにより、遊技客の利便性を損なうことなく、遊技店全体の設定を簡易に変更することができる。
実施例2では、乗入に関する設定の管理に係る変形例について説明する。具体的には、貯玉の乗入に関する設定変更の履歴を残す、貯玉の乗入に関する設定を集計する、乗入などにおける払出単位数の整合性を確認する、等の機能を追加した構成について説明する。
図21は、実施例2にかかる会員管理装置250の内部構成を示すブロック図である。図21に示した会員管理装置250は、記憶部55が基本設定履歴データ255a、個別設定履歴データ255b及び個別設定集計データ255cをさらに記憶し、制御部56が乗入設定履歴管理部256a、乗入個別設定集計部256b及び整合性判定部256cをさらに備える点が図3に示した会員管理装置50と異なる。その他の構成及び動作は、図3に示した会員管理装置50と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
乗入設定履歴管理部256aは、乗入基本設定部56dや乗入個別設定部56eにより乗入に関する設定の変更が行なわれた場合に、その変更の履歴を管理する処理部である。具体的には、乗入設定履歴管理部256aは、乗入基本設定部56dにより乗入基本設定データ55eが更新された場合に、更新内容を基本設定履歴データ255aに追加する。また、乗入設定履歴管理部256aは、乗入個別設定部56eにより乗入個別設定データ55fが更新された場合に、更新内容を個別設定履歴データ255bに追加する。
乗入個別設定集計部256bは、乗入個別設定データ55fに基づいて、遊技客が設定した乗入パターン(乗入元の遊技種と乗入先の遊技種の組合せ)を集計する処理部である。この集計により、どの遊技種からどの遊技種への乗入が遊技客に望まれているかを分析することができる。乗入個別設定集計部256bは、集計の結果を個別設定集計データ255cとして記憶部55に格納する。この他、乗入個別設定集計部256bは、実際に行われた乗入を集計し、それぞれの乗入パターンがどれだけ利用されたかを出力することもできる。
整合性判定部256cは、払出単位数に関係する設定の変更が行なわれた場合に、その整合性を判定する処理部である。貯玉再プレイの払出単位数の設定には、カード管理装置40にて設定される払出単位数(以下、「第1の払出単位数」とも称する)と会員管理装置250にて設定される払出単位数(以下、「第2の払出単位数」とも称する)とがある。カード管理装置40にて保持される第1の払出単位数は、遊技機に対応した台間カード処理機の単位または、複数の台間カード処理機をグループ化したグループ単位、あるいは払出遊技媒体の貸出単価ごとに設定されており、台間カード処理機で貯玉再プレイ操作が行われた場合に、貯玉から当該単位数を引き落として払出す処理等に用いられる。第1の払出単位数は、所定のタイミング、例えば営業開始時等にカード管理装置40から各台間カード処理機に配信されるようになっている。また、会員管理装置250にて保持される第2の払出単位数は、遊技機に対応した台間カード処理機の単位または、複数の台間カード処理機をグループ化したグループ単位、あるいは払出遊技媒体の貸出単価ごとに設定されており、別途設定される再プレイ上限数と、貯玉残高と当該台2の払出単位数とに基づいて、再プレイ可能玉数を特定する処理等に用いられる。具体的には、貯玉残高のうち、再プレイ上限数以下の範囲内で、第2の払出単位数の倍数となる玉数が再プレイ可能玉数として特定される。特定された再プレイ可能玉数は、貯玉再プレイ時に台間カード処理機に通知され、表示される。ここで、第1の払出単位数と第2の払出単位数が異なる場合には、再プレイ可能玉数として表示される玉数と実際に再プレイ可能な玉数とが異なるという事態が生じる可能性がある。これらの事情のため、貯玉再プレイの払出単位数の設定は、カード管理装置40が保持する第1の払出単位数と会員管理装置250が保持する第2の払出単位数とが同一の値となるように設定されることが一般的であるが、カード管理装置40と会員管理装置250の一方で払出単位数を変更した場合に、他方の払出単位数と不一致となるケースがある。そこで、整合性判定部256cは、払出単位数の変更時に、カード管理装置40と会員管理装置250とで貯玉再プレイの払出単位数が一致しているかを判定する。また、ここでは、払出単位数の変更時に一致を判定しているが、これに限らず、営業開始時や営業終了時などの営業状態の変更時に一致を判定する構成、あるいは台間カード処理機から再プレイ要求があった場合に会員管理装置において再プレイ要求に含まれる玉数と自装置が保持する払出単位数との一致を判定する構成であってもよく、また、これらのうちの複数の契機で判定をする構成であってもよい。
また、貯玉の減算は整数で行なうことが求められるため、払出単位数は整数で設定されるのであるが、乗入による換算で減算すべき値が小数となるケースがある。例えば、4円レートの払出単位数と2円レートの払出単位数をそれぞれ125玉とした場合に、乗入元が4円、乗入先が2円であると、2円レートの125玉は、4円レートの62.5玉となる。このように、乗入を許可する場合には、乗入元として選択されうる遊技種のレートを考慮して乗入先の払出単位数を設定する必要がある。そこで、整合性判定部256cは、乗入の設定変更時に、乗入元での減算値が小数とならないかを判定する。
乗入元での減算値が小数となる場合には、整合性判定部256cは、操作者に対して警告を出力する。また、通常の貯玉再プレイと、乗入を利用する貯玉乗入再プレイとで異なる払出単位数を設定することとしてもよい。
図22は、基本設定履歴データ255a、個別設定履歴データ255b及び個別設定集計データ255cについての説明図である。図22(a)に示すように、基本設定履歴データ255aは、変更日時と、実行端末と、操作者と、変更対象遊技種名と、乗入基本設定における変更前の設定と、変更後の設定とを対応付けたデータである。
具体的には、図22(a)では、日時「2014/03/22 20:30」に操作者ID「c0008」の店員が装置ID「u0001」である装置を操作し、遊技種「玉1」の乗入可否を「禁止」から「許可」に変更した状態を示している。同様に、日時「2014/03/22 20:31」に操作者ID「c0008」の店員が装置ID「u0001」である装置を操作し、遊技種「玉1」の過去貯玉の乗入設定を「しない」から「する」に変更した状態を示している。
また、図22(b)に示すように、個別設定履歴データ255bは、変更日時と、実行端末と、操作者と、変更対象遊技種名と、乗入個別設定における変更前の設定と、変更後の設定とを対応付けたデータである。
具体的には、図22(b)では、日時「2015/05/25 10:10」に会員ID「2002」の会員が装置ID「3001」である装置を操作し、遊技種「玉2」の乗入設定を「委任」から「する」に変更した状態を示している。同様に、日時「2015/05/25 16:10」に会員ID「2005」の会員が装置ID「3022」である装置を操作し、遊技種「玉1」の乗入設定を「する」から「しない」に変更した状態を示している。
また、図22(c)に示すように、個別設定集計データ255cは、乗入元の遊技種と乗入先の遊技種の組合せについて、当該組合せでの貯玉再プレイを許可する設定を行っている会員の人数と、会員全体に対する比率を示している。
具体的には、玉1から玉2への乗入れは700人の会員(70%)が「する」に設定しており、玉1から玉3への乗入れは1000人の会員(100%)が「する」に設定しており、玉1から玉3への乗入れは330人の会員(33%)が「する」に設定している。
なお、乗入元と乗入先が同一の組合せは、通常の貯玉再プレイであるため、すべて100%となる。また、玉2を乗入元とする貯玉乗入再プレイは、乗入基本設定により禁止されている。
この他、玉3から玉1への乗入は100%、玉3から玉2への乗入は24%、玉3から玉4への乗入は24%の会員が「する」に設定している。そして、玉4から玉1への乗入は50%、玉4から玉2への乗入は50%、玉4から玉3への乗入は70%の会員が「する」に設定している。
次に、変更履歴の表示出力について説明する。図23は、変更履歴の表示出力についての説明図である。基本設定の変更履歴を表示部51に表示制御する場合には、基本設定履歴データ255aを用いるとともに、基本設定履歴データ255aの項目から特定可能な各種情報を合せて表示することが好適である。図23(a)では、操作者ID「c0008」から特定可能な情報として、当該店員の氏名「H I」や店員の種別「管理者」を表示している。
同様に、個別設定の変更履歴を表示部51に表示制御する場合には、個別設定履歴データ255bを用いるとともに、個別設定履歴データ255bの項目から特定可能な各種情報を合せて表示することが好適である。図23(b)では、会員IDから特定可能な情報として、当該会員の氏名や会員種別を表示している。
また、個別設定の変更履歴は、会員の遊技の履歴と同一画面で表示することとしてもよい。遊技の履歴も個別設定も会員について個別に集計したデータであるためである。図23(b)の遊技履歴は、日付、会員ID、氏名、遊技種、収支を対応付けている。収支は、賞出の玉数から、玉貸、再プレイ、打込の玉数を減算した値である。
つぎに、整合性の判定について説明する。図24は、払出単位数に関係する設定の整合性の判定についての説明図である。図24(a)は、カード管理装置40が保持する第1の払出単位数と会員管理装置250が保持する第2の払出単位数との整合性について示している。カード管理装置40が保持する第1の払出単位数では、玉1(4円)の貯玉再プレイの払出単位数が125玉に設定されており、玉2(2円)、玉3(1円)、玉4(0.5円)についても同様に125玉に設定されている。
一方、会員管理装置250が保持する第2の払出単位数では、玉1(4円)の貯玉再プレイの払出単位数が100玉に設定されており、玉2(2円)、玉3(1円)、玉4(0.5円)の貯玉再プレイの払出単位数が125玉に設定されている。
1の遊技種の貯玉再プレイの払出単位数は、カード管理装置40でも会員管理装置250でも同一の値となるように(第1と第2の払出単位数が一致するように)設定することが求められるが、カード管理装置40と会員管理装置250の一方で、貯玉再プレイの払出単位数を変更した場合に、他方の払出単位数と不一致となるケースがある。図24(a)では、玉1(4円)の払出単位数が、カード管理装置40と会員管理装置250とで不一致となっている。
整合性判定部256cは、貯玉再プレイの払出単位数の変更時に、カード管理装置40と会員管理装置250とで払出単位数が一致しているかを判定し、不一致である場合には操作者に対して警告を出力する。
図24(b)は、乗入時の払出単位数の整合性について示している。図24(b)では、玉1(4円)の貯玉再プレイの払出単位数が125玉に設定されており、玉2(2円)、玉3(1円)、玉4(0.5円)についても同様に125玉に設定されている。
持玉や貯玉の減算は、整数で行なうことが求められるため、払出単位数は整数で設定されるが、払出単位数の設定が整数であっても乗入による換算で減算すべき値が小数となるケースがある。図24(b)において、玉1(4円)から玉2(2円)への乗入を行うと、玉2(2円)の125玉を払い出すための玉1(4円)の減算値は62.5玉となってしまう。
このように、乗入を許可する場合には、乗入元として選択されうる遊技種のレートを考慮して乗入先の払出単位数を設定する必要がある。そこで、整合性判定部256cは、乗入の設定変更時に、乗入元での減算値が小数とならないかを判定し、乗入元での減算値が小数となる場合には操作者に対して警告を出力する。
図25は、整合性判定部256cの処理手順を示すフローチャートである。整合性判定部256cは、まず、いずれかの遊技種の払出単位数が変更されたか否かを判定する(ステップS301)。
払出単位数の変更が行われていなければ(ステップS301;No)、整合性判定部256cは、乗入の設定が変更されたか否かを判定する(ステップS306)。乗入の設定も変更されていなければ(ステップS306;No)、整合性判定部256cはそのまま処理を終了する。
払出単位数が変更されたならば(ステップS301;Yes)、整合性判定部256cは、払出単位数が変更された遊技種について、カード管理装置40と会員管理装置250とで貯玉再プレイの払出単位数とが一致するか否かを判定する(ステップS302)。
カード管理装置40と会員管理装置250とで払出単位数が不一致となるならば(ステップS302;No)、整合性判定部256cは、払出単位数が不一致となる旨を警告する表示を表示部51に出力する(ステップS303)。
ステップS303の後、カード管理装置40と会員管理装置250とで払出単位数が一致する場合(ステップS302;Yes)、若しくは乗入の設定が変更された場合(ステップS306;Yes)、整合性判定部256cは、乗入時に減算値が小数となる遊技種があるか否かを判定する(ステップS304)。
乗入時に減算値が小数となる遊技種があるならば(ステップS304;Yes)、整合性判定部256cは、不適切な減算が発生する可能性がある旨を警告する表示を表示部51に出力する(ステップS305)。ステップS305の後、若しくは乗入時に減算値が小数となる遊技種がない場合(ステップS304;No)、整合性判定部256cは、処理を終了する。
なお、乗入れ時に減算値が小数となる場合には、整合性判定部256cが払出単位数を変更するように構成してもよい。図26は、整合性判定部256cによる払出単数の変更についての説明図である。
図26(b)では、玉1(4円)の貯玉再プレイの払出単位数が125玉に設定されており、玉2(2円)、玉3(1円)、玉4(0.5円)についても同様に125玉に設定されている。この設定で玉1(4円)から玉2(2円)への乗入を許可すると、玉2(2円)の125玉を払い出すための玉1(4円)の減算値は62.5玉となる。
そこで、整合性判定部256cは、乗入元となる遊技種の払出単位数を変更する。図26(c1)に示すように、玉1(4円)の貯玉再プレイの払出単位数を100玉に変更すれば、玉2(2円)を乗入先とした場合の減算値は50玉となり、整数での減算が可能である。
図26(c1)に示すように玉1(4円)の貯玉再プレイの払出単位数を100玉に変更した場合には、玉1(4円)の遊技種で乗入れをしない通常の貯玉再プレイを行った場合にも、100玉ずつ払い出されることになる。
他の設定方法として、図26(c2)に示すように、通常の貯玉再プレイと、貯玉乗入再プレイとで払出単位数を異ならせてもよい。図26(c2)に示した設定では、玉1(4円)の通常の貯玉再プレイの払出単位数を125玉のままとし、玉1を乗入元として使用する場合の払出単位数を100玉としている。
このように設定すれば、玉1(4円)から玉2(2円)への貯玉乗入再プレイでは100玉が払い出されて玉1(4)の減算値は50となる。また、玉1(4円)から玉2(1円)への貯玉乗入再プレイでは100玉が払い出されて玉1(4円)の減算値は25となる。
なお、玉1(4円)から玉4(0.5円)への貯玉乗入再プレイでは100玉の払い出しに対して玉1(4)の減算値は12.5となってしまう。そのため、玉1(4円)から玉4(0.5円)への乗入を許可する場合には、例えば玉1(4円)の貯玉乗入再プレイの払出単位数を120玉に設定すればよい。
図26(c2)では、玉2〜玉4を乗入元とする貯玉乗入再プレイの払出単位数を未設定としたが、玉2〜玉4を乗入元とする貯玉乗入再プレイを許可する場合には、乗入先の遊技種に応じて貯玉乗入再プレイの払出単位数を設定することになる。
次に、貯玉乗入再プレイを含む処理の履歴管理について説明する。図27は、貯玉乗入再プレイを含む処理の履歴の説明図である。図27(a)は、貯玉に関する処理の履歴であり、会員管理データ55aの遊技履歴の一部として格納されている。
図27(a)では、貯玉に関する処理について、時刻、会員ID、端末、遊技種、処理の前後の残高、処理の区分を管理している。処理の区分は、預入、賞品交換、再プレイ、その他のいずれかである。
図27(a)では、図27(a)は、会員ID「2002」である会員が玉1から玉3への貯玉乗入再プレイを行った場合の処理の履歴を示している。また、この貯玉乗入再プレイは時刻「13:10」に装置ID「3001」である台間カード処理機で実行されている。乗入元の遊技種「玉1」では、25玉が処理区分「その他」として引き落とされ、残高は1000玉から975玉となっている。そして、乗入先の遊技種「玉3」では、遊技種「玉1」の25玉分が遊技種「玉3」のレートに換算されて処理区分「預入」の100玉となり、同時にこの100玉が処理区分「再プレイ」で払い出されている。そのため、遊技種「玉3」では処理の前後で残高は「0」のまま変わらない。
図27(b)は、貯玉の使用状況の集計結果の表示例である。図27(b)に示した例では、貯玉の預入と払出を遊技種毎に集計している。また、預入については、賞品管理装置60を用いて行われた貯玉数であるカウンタ貯玉、台間カード処理機で行われた貯玉数である計数貯玉、乗入先として貯玉乗入再プレイに使用された玉数を区別して集計している。同様に、払出については、カウンタで賞品交換に使用された貯玉数、台間カード処理機で貯玉再プレイに使用された貯玉数、乗入元として貯玉乗入再プレイに使用された玉数を区別して集計している。
具体的には、カウンタ貯玉の合計は、玉1が「12000」、玉2が「7300」、玉3が「5600」、玉4が「2100」である。また、計数貯玉の合計は、玉1が「200000」、玉2が「170000」、玉3が「40000」、玉4が「10000」である。乗入先として貯玉乗入再プレイに使用された玉数の合計は、玉1が「5000」、玉2が「0」、玉3が「24000」、玉4が「4000」である。
また、賞品交換に使用された貯玉数の合計は、玉1が「100000」、玉2が「90000」、玉3が「1300」、玉4が「0」である。また、貯玉再プレイに使用された貯玉数の合計は、玉1が「300000」、玉2が「92000」、玉3が「30000」、玉4が「20000」である。乗入元として貯玉乗入再プレイに使用された玉数の合計は、玉1が「6000」、玉2が「1000」、玉3が「20000」、玉4が「0」である。
次に、遊技客による乗入設定の変形例について説明する。遊技客が乗入個別設定を行う場合に、各遊技種の貯玉の残高を表示して、乗入元として用いる遊技種の選択を受け付けるようにしてもよい。各遊技種の貯玉の残高を表示することで、遊技客は残高の大きい遊技種の貯玉を乗入元として選択することができる。
図28は、遊技客が乗入個別設定を行う場合の画面例である。具体的には、まず、賞品管理装置60の客側表示部64に図28(a)に示す操作画面を表示する。図28(a)に示す操作画面では、遊技客に会員カードの挿入を求めるメッセージと、メイン画面に戻るためのボタンとが表示されている。
遊技客が会員カードを挿入したならば、図28(b)に示す画面により、暗証番号の入力を求め、会員の認証を行う。暗証番号による会員の認証に成功したならば、図28(c)に示す乗入元の口座の選択画面を表示する。
この乗入元の口座の選択画面では、口座の遊技種と貯玉数の残高とを表示している。また、遊技種の表示は、遊技店の管理用の名称(玉1〜玉4)ではなく、遊技客用の名称(4パチ〜0.5パチ)を用いる。
図28(c)の例では、4パチの貯玉数の残高が「200」、2パチの貯玉数の残高が「500」、1パチの貯玉数の残高が「800」、0.5パチの貯玉数の残高が「1000」である。この選択画面で、4パチが選択されたならば、図28(d)に示す確認画面を表示する。
図28(d)の確認画面では、選択した口座(4パチ)と貯玉数(200)を表示するとともに、選択した口座を貯玉乗入再プレイに使用した場合に払い出せる玉数を表示している。具体的には乗入先が2パチであれば、4パチの200玉で400玉を払い出すことができ、乗入先が1パチであれば800玉を払い出すことができ、乗入先が0.5パチであれば1600玉を払い出すことができることを表示している。そして、この確認画面で確定ボタンを操作すると、乗入個別設定が確定される。
次に、台間カード処理機について説明する。実施例2における台間カード処理機10は、実施例1の台間カード処理機10と同様の外観と構成を有する。図29は、台間カード処理機10の外観構成を示す図である。なお、図29には、遊技機20に接続された台間カード処理機10の外観構成を台間カード処理機10として示している。また、併設される遊技機20は、破線で図示している。また、図29では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
図29に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、遊技玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12aとを有する。また、台間カード処理機10は、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13と、カードを受け付けるカード挿入口14aと、携帯端末等をかざすためのかざし部14bと、遊技玉を遊技機に投出するノズルユニット18aと、遊技機の下皿から落下させた遊技玉を計数する計数ユニット18bとを有する。
次に、図29に示した台間カード処理機10の内部構成について説明する。図30は、図29に示した台間カード処理機10の内部構成を示すブロック図である。図30に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、記憶部16と、制御部17と、ノズルユニット18aと、計数ユニット18bとを有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸し操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。かざし部14bは、携帯端末等がかざされた場合に、近距離無線通信によりカードID等の各種情報を読み取るインタフェースである。
通信部15は、遊技機20及び通信回線との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。ノズルユニット18aは、玉貸又は再プレイにより遊技玉を払い出す際に、その一部又は全ての払い出しに使用される。計数ユニット18bは、遊技玉を計数するユニットである。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a、カードデータ16b及び乗入再プレイ設定データ16cを記憶する。
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機IDと、遊技設定とを含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技設定として記憶する。
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bには、カードID、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。
乗入再プレイ設定データ16cは、貯玉の乗入を許可するか否かなど乗入再プレイに関する設定を示すものである。乗入再プレイ設定データ16cは、会員管理装置250から取得して格納する。
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a、計数処理部17b及び乗入再プレイ処理部17cを有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、自装置状態データ16aの台間カード処理機IDと、カードデータ16bのカードIDとを含むカード挿入通知をカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16bを更新する。データ管理部17aは、カードデータ16bに示されたプリペイド価値、持玉及び貯玉の値を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知をカード管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び装置IDを含む玉貸要求をカード管理装置40に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、所定数の遊技玉を払い出す。
また、データ管理部17aは、遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードデータ16bに示された持玉口座の残高を所定数減算し、対応する数の遊技玉を払出処理する。
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求をカード管理装置40に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数の遊技玉を払出処理する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID、装置ID16並びに持玉数を含む持玉加算要求をカード管理装置40に送信して、自装置持玉口座の残高を0にクリアした後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
計数処理部17bは、計数ユニット18bに遊技玉が投入された場合に、計数ユニット18bに遊技玉の計数を行わせ、計数結果をカードデータ16bの持玉数に加算する処理を行なう。
乗入再プレイ処理部17cは、乗入再プレイの実行を制御する処理部である。乗入再プレイ処理部17cは、乗入に関する設定である乗入再プレイ設定データ16cを会員管理装置250から受信した場合に、記憶部16に格納する処理を行う。
また、乗入再プレイ処理部17cは、乗入再プレイ設定データ16cに基づいて、乗入再プレイを制御する。具体的には、乗入元としての使用可能に設定された遊技種があるならば、その貯玉口座の残高を遊技設定に示されたレートに合せて換算し、換算結果が貯玉再プレイ単位数以上であれば、貯玉乗入再プレイを受け付け可能とする。そして、貯玉乗入再プレイを指示する操作を受け付けたならば、貯玉再プレイ要求をカード管理装置40に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数の遊技玉を払出処理する。
次に、台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。図31は、台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータを説明するための説明図である。
図31(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「3001」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉3」が設定された状態を示している。
図31(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、プリペイド価値が「2000」度数である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。また、カードデータ16bは、玉1の持玉の残高が「0」玉、玉2の持玉の残高が「0」玉、玉3の持玉の残高が「1000」玉、玉4の持玉の残高が「500」玉である状態を示している。
また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」であり、玉1の貯玉が「250」玉、玉2の貯玉が「0」玉、玉3の貯玉が「0」玉、玉4の貯玉が「0」玉である状態を示している。また、図示していないが、カード管理装置40では、カードIDに対応付けて、持玉、貯玉、プリペイド残高以外にカードの有効/無効を示す「ロック」フラグのON/OFFも記憶しており、カードの盗難が発覚した場合に従業員操作によってONにされる。これらのデータもカードデータ16bに含まれて記憶されている。さらに、この「ロック」フラグは機能(「貯玉使用」、「乗入」等)別にも設定できるようになっており、例えば遊技客の要望により「乗入」の機能だけを「ロック」の対象として、誤操作を防ぐことに用いることもできる。
図31(c)に示す乗入再プレイ設定データ16cは、各遊技種について、当該遊技種を貯玉乗入再プレイの乗入元として使用するか否かの設定を保持する。具体的には、玉1、玉3及び玉4は乗入元として使用し、玉2は乗入元として使用しない設定となっている。
次に、貯玉乗入再プレイの操作画面について説明する。図32は、貯玉乗入再プレイの操作画面についての説明図である。図32(a)は、遊技中の表示操作部13の表示例である。図32(a)に示すように、遊技中の表示操作部13には、遊技種、プリペイド価値の残高、玉貸ボタン、持玉の残高、持玉の再プレイボタン、貯玉の残高、貯玉の再プレイボタン等が表示される。
図32(a)に示した例では、遊技種が玉3を示す「1パチ」、プリペイド価値の残高が「2000」、持玉の残高が「0」である。そして、貯玉については、乗入元として使用可能な4パチの貯玉の残高が500玉であること、4パチ貯玉の残高を用いた貯玉乗入再プレイにより、2000玉を払出可能であることが示されている。
図32(b)は、貯玉乗入再プレイを実行中に表示する画面の変形例である。台間カード処理機によっては、表示操作部13に替えて、若しくは表示操作部13に加えて、表示操作部13よりも大きい大型の表示部が設けられている。図32(b)では、かかる大型の表示部を利用した表示例であり、貯玉再プレイにより100玉を払出中であること、4パチ貯玉から乗り入れていること、再プレイ可能な残りの玉数が1900玉であることが示されている。
上述してきたように、本実施例では、貯玉の乗入に関する設定変更の履歴を個別設定履歴データ255b及び個別設定集計データ255cとして管理している。このため、遊技客から「乗入ができなくなった」等の問い合わせがあれば、いつ、誰がどのように変更したかを明確に回答することが可能となる。そのため、遊技客からの信頼性の向上に寄与する。
また、遊技客により設定された乗入パターンを集計して管理することにより、どの遊技種からどの遊技種への乗入が遊技客に望まれているかを分析することができる。また、乗入パターンの集計結果を遊技店側で把握することで、乗入に関する遊技客からの問い合わせの頻度を予測することができる。
実施例1及び実施例2では、貯玉の乗入について説明したが、持玉についても乗入可能とすることができる。本実施例3では、持玉の乗入再プレイについて説明する。持玉の乗入についても、貯玉の乗入と同様に基本設定と個別設定を行うが、これらの設定はカード管理装置240により行うことが好適である。
図33は、実施例3にかかるカード管理装置240の内部構成を示すブロック図である。図33に示すように、カード管理装置240は、表示部241及び入力部242と接続され、店舗ネットワーク通信部244、記憶部245及び制御部246を有する。
表示部241は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部242は、キーボードやマウス等である。店舗ネットワーク通信部244は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、会員管理装置250、賞品管理装置60及び精算機80とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部245は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技種設定データ245a、カード管理データ245b、装置管理データ245c、乗入基本設定データ245d及び乗入個別設定データ245eを記憶する。
遊技種設定データ245aは、遊技種に対して貸出レート及び表示名を関連付けたデータである。カード管理データ245bは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉の残高等を関連付けたデータである。装置管理データ245cは、遊技店に配置された装置に関するデータである。この装置管理データ245cは、台間カード処理機ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所、遊技機ID、遊技機20の機種データを含んでいる。乗入基本設定データ245dは、遊技店による持玉の乗入に関する基本設定を示すデータである。乗入個別設定データ245eは、遊技客が自身の持玉口座について定めた乗入設定を示すデータである。
制御部246は、カード管理装置240の全体制御を行う制御部であり、遊技種設定管理部246a、カード管理部246b、装置管理部246c、乗入基本設定部246d及び乗入個別設定部246eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、遊技種設定管理部246a、カード管理部246b、装置管理部246c、乗入基本設定部246d及び乗入個別設定部246eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
遊技種設定管理部246aは、遊技店において使用される遊技種と、レートと、表示名とを対応付けて遊技種設定データ245aとして管理する処理部である。カード管理部246bは、カード管理データ245bの管理を行う処理部である。
カード管理部246bは、台間カード処理機10、賞品管理装置60及び精算機80と通信して、カードIDに対応付けられたプリペイド価値及び持玉の残高を更新する。また、カード管理部246bは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値及び持玉の残高を通知する。
装置管理部246cは、装置管理データ245cの管理を行う処理部である。装置管理部246cは、台間カード処理機10から取得した台間カード処理機ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ245cを生成及び更新する。
乗入基本設定部246dは、遊技店による持玉の乗入に関する基本設定を示す乗入基本設定データ245dを設定する処理部である。この設定は、遊技店の店員によって行われる。乗入個別設定部246eは、遊技客が自身の持玉口座について定めた乗入設定を示すデータを設定する処理部である。この設定は、遊技客によって行なわれる。
次に、カード管理装置240の記憶部245が記憶するデータの具体例について説明する。図34及び図35は、カード管理装置240の記憶部245が記憶するデータを説明するための説明図である。
図34(a)に示す遊技種設定データ245aは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ245aは、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ245aは、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ245aは、遊技種名「玉4」に対し、レート「0.5円」及び表示名「0.5パチ」を関連付けている。
図34(b)に示すカード管理データ245bでは、カードID「1001」にプリペイド価値「2500」と、玉1の持玉口座の残高「1500」と、玉2の持玉口座の残高「2300」と、玉3の持玉口座の残高「0」と、玉4の持玉口座の残高「700」とが関連付けられている。すなわち、カードID「1001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理がカード管理装置40により行われている。
また、図34(b)に示すカード管理データ245bでは、カードID「2002」にプリペイド価値「2000」、各レートの持玉の残高「0」、使用先ID「3001」が関連付けられている。すなわち、カードID「2002」のカードは、装置ID「3001」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉の残高はゼロである。
図34(c)に示す装置管理データ245cは、ID「3001」の台間カード処理機10のネットワーク上のアドレスが「AB.CD.EF.GH」であり、設置場所が「島1−1」であり、接続された遊技機20のIDが「A0012X4233」であり、接続された遊技機20の機種が「EV01」であることを示している。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
図35(d)に示す乗入基本設定データ245dは、各遊技種に対し、持玉の乗入の可否と、基準となる乗入設定とを対応づけている。乗入可否は、当該遊技種を持玉の乗入元として使用する持玉再プレイを許可するか否かを示すものであり、「許可」又は「禁止」のいずれかの値をとる。この乗入可否は、遊技客による乗入設定に優先する。従って、遊技客は「許可」に設定された遊技種について、乗入元として使用するか否かを選択することになる。すなわち、「禁止」に設定された遊技種については、遊技客による乗入設定に関わらず乗入元として使用することができない。
乗入基本設定データ245dにおける乗入設定は、持玉口座のそれぞれについて「する」「しない」のいずれかを対応づけたものである。「する」とは、持玉再プレイの乗入元として使用することを示し、「しない」とは、持玉再プレイの乗入元として使用しないことを示す。遊技客による乗入設定は、この乗入基本設定データ245dの乗入設定に優先する。すなわち、乗入基本設定データ245dの乗入設定は、遊技客による指定がない場合に適用される。
このように、乗入に関する設定の優先度は、「乗入基本設定データ245dの乗入可否」、「遊技客による乗入設定(乗入個別設定データ245e)」、「乗入基本設定データ245dの乗入設定」の順となっている。
図35(d)では、遊技種「玉1」の乗入可否は「許可」とし、持玉再プレイの乗入元として使用することを示している。また、遊技種「玉2」の乗入可否は「禁止」とし、持玉再プレイの乗入元として使用しないことを示している。そして、遊技種「玉3」の乗入可否は「許可」とし、持玉再プレイの乗入元として使用することを示している。また、遊技種「玉4」の乗入可否は「許可」とし、持玉再プレイの乗入元として使用することを示している。
図35(e)に示す乗入個別設定データ245eは、カードIDに対し、各遊技種の持玉の乗入設定を対応付けている。なお、一般カードについても会員カードについても乗入設定を対応付けることができる。図35(e)では、当該遊技種を持玉再プレイの乗入元として使用する場合に「する」の値を対応付け、当該遊技種を持玉再プレイの乗入元として使用しない場合に「しない」の値を対応付けている。また、遊技店の設定に任せる(乗入基本設定データ245dの乗入設定に従う)場合には「委任」の値を対応付けている。
具体的には、図35(e)では、カードID「1002」の遊技種「玉1」には「する」、遊技種「玉2」には「しない」、遊技種「玉3」には「する」、遊技種「玉4」には委任」が対応付けられている。
乗入基本設定データ245dや乗入個別設定データ245eには、他にも設定項目を追加することが可能である。例えば、乗入基本設定データ245dには、乗入順序、持玉再プレイの上限数、最大乗入可能口座数、個別設定可能項目等が追加できる。
乗入順序は、遊技種を乗入に使用する順序を遊技店側が設定する項目である。乗入再プレイを行う場合には、この乗入順序に従って持玉口座が選択されることになる。遊技店員は、この乗入順序を適宜変更することができる。
持玉再プレイの上限数は、乗入元の遊技種に対しても、乗入先の遊技種に対しても設定可能である。例えば、乗入元の遊技種に対して持玉再プレイの上限数「2000」を設定した場合には、当該遊技種から他の遊技種へ乗り入れた玉数の合計が「2000」になるまでは乗入再プレイが可能であるが、当該遊技種から他の遊技種へ乗り入れた玉数の合計が「2000」を超えるような乗入再プレイは抑止される。
また、乗入先の遊技種に対して持玉再プレイの上限数「3000」を設定した場合には、他の遊技種を用いた当該遊技種に乗り入れた玉数の合計が「3000」になるまでは乗入再プレイが可能であるが、他の遊技種から乗り入れた玉数の合計が「3000」を超えるような乗入再プレイは抑止される。
最大乗入可能口座数は、乗入使用することのできる持玉口座の数を制限する項目である。乗入に用いる持玉口座の数が多くなりすぎると、その管理や設定の労力が増大し、返って利便性が低下するためである。
個別設定可能項目は、乗入個別設定データ245eにて遊技客が設定可能な範囲を定める項目である。遊技店側では、多様で詳細な設定を行えることが好適である一方、遊技客に対しては、設定可能な範囲をある程度制限することが利便性向上に有効となる。
乗入個別設定データ245eには、乗入順序、持玉再プレイの上限数等が追加できる。乗入順序は、遊技種を乗入に使用する順序を遊技客が設定する項目である。この乗入順序は、乗入基本設定データ245dの個別設定可能項目にて遊技客による乗入順序の設定が許可されている場合に使用可能となる。そして、乗入個別設定データ245eの乗入順序は、乗入基本設定データ245dの乗入順序に優先する。
持玉再プレイの上限数は、乗入基本設定データ245dと同様に、乗入元の遊技種に対しても、乗入先の遊技種に対しても設定可能である。この持玉再プレイの上限数は、乗入基本設定データ245dの個別設定可能項目にて遊技客による持玉再プレイの上限数が許可されている場合に使用可能となる。そして、乗入個別設定データ245eにおける持玉再プレイの上限数は、乗入基本設定データ245dにおける持玉再プレイの上限数の範囲内に制限される。
また、乗入基本設定データ245dの他に、遊技店において乗入を行うか否かを示す乗入全体設定データを設けてもよい。この乗入全体設定データが「乗入禁止」を示すものであれば、乗入基本設定データ245d及び乗入個別設定データ245eは無効化され、当該遊技店で持玉の乗入再プレイを行うことはできない。そして、この乗入全体設定データが「乗入許可」を示すものであれば、乗入基本設定データ245d及び乗入個別設定データ245eが有効化され、当該遊技店で持玉の乗入再プレイを行うことが可能となる。
次に、実施例3における台間カード処理機210について説明する。図36は、実施例3における台間カード処理機210の内部構成を示すブロック図である。図36に示す台間カード処理機210は、乗入再プレイ設定データ216cが図30に示した乗入再プレイ設定データ16cと異なり、記憶部16は、使用順序設定データ216dをさらに記憶する。また、制御部17の乗入再プレイ処理部217cの動作が図30に示した乗入再プレイ処理部17cと異なり、制御部17は使用順序設定部217dをさらに有する。その他の構成及び動作は、図30に示した台間カード処理機10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
乗入再プレイ設定データ216cは、貯玉の乗入を許可するか否か、持玉の乗入を許可するか否かなど乗入再プレイに関する設定を示すものである。乗入再プレイ設定データ216cのうち、持玉に関する設定はカード管理装置240から取得し、貯玉に関する設定は会員管理装置250から取得する。使用順序設定データ216dは、持玉や貯玉の口座について、どの口座を優先して再プレイに使用するかを設定したデータである。
乗入再プレイ処理部217cは、持玉と貯玉の乗入再プレイの実行を制御する処理部である。乗入再プレイ処理部217cは、貯玉の乗入に関する設定を会員管理装置250から受信した場合に、乗入再プレイ設定データ216cに反映する処理を行う。さらに、乗入再プレイ処理部217cは、持玉の乗入に関する設定をカード管理装置240から受信した場合に、乗入再プレイ設定データ216cに反映する処理を行う。
また、乗入再プレイ処理部217cは、実施例2と同様に貯玉の乗入再プレイを制御し、さらに、持玉の乗入再プレイを制御する。持玉の乗入再プレイでは、乗入再プレイ処理部217cは、乗入再プレイ設定データ216cを参照し、乗入元として使用可能な持玉の口座を選択する。そして所定数の遊技玉を払い出し、乗入元の口座の残高を減算する。このとき、乗入元と乗入先(自装置状態データ16eの遊技設定)のレートの違いに応じて換算を行って乗入元の口座からの減算値を決定する。
使用順序設定部217dは、持玉や貯玉の口座について、どの口座を優先して再プレイに使用するかの指定を遊技客から受け付け、使用順序設定データ216dとして記憶部16に格納する。設定された使用順序設定データ216dは、カードIDと関連付けてカード管理装置240や会員管理装置250で管理することとしてもよい。使用順序設定部217dは、カードIDに関連付けられた使用順序設定データ216dが存在するならば、該使用順序設定データ216dを取得して記憶部16に格納することができる。
次に、乗入再プレイ設定データ216c及び使用順序設定データ216dの具体例について説明する。図37は、乗入再プレイ設定データ216c及び使用順序設定データ216dの具体例の説明図である。
図37(c)に示す乗入再プレイ設定データ216cは、各遊技種について、当該遊技種を貯玉乗入再プレイの乗入元として使用するか否かの設定と、当該遊技種を持玉乗入再プレイの乗入元として使用するか否かの設定とを保持する。具体的には、玉1、玉3及び玉4は貯玉乗入再プレイと持玉乗入再プレイの乗入元として使用し、玉2は貯玉乗入再プレイと持玉乗入再プレイの乗入元として使用しない設定となっている。なお、ある遊技種について、貯玉乗入再プレイと持玉乗入再プレイとで設定が異なってもよい。
図37(d)に示す使用順序設定データ216dは、持玉や貯玉の口座について、どの口座を優先して再プレイに使用するかを規定している。具体的には、玉3の口座を用いた持玉再プレイ、玉4の口座を用いた持玉乗入再プレイ、玉3の口座を用いた貯玉再プレイ、玉4の口座を用いた貯玉乗入再プレイの順序で使用する設定となっている。
次に、遊技客による持玉の乗入設定の受け付けについて説明する。持玉の乗入設定は、例えば、賞品管理装置で受け付けることができる。賞品管理装置にて持玉の乗入設定を受け付ける場合には、貯玉の乗入設定と同様となる
この他、台間カード処理機や島端に設けた計数機等、持玉を取り扱う任意の装置で、持玉の乗入設定を受け付け可能とすることができる。一例として、島端に設けた計数機で持玉の乗入設定を受け付ける場合について説明する。
図38は、島端に設けられる計数機280の外観構成を示す図である。図38に示した計数機280は、遊技玉を貯留するホッパユニット287の横に表示操作部281を設けた横型の計数機である。また、表示操作部281の下部に携帯端末装置を挿入させる携帯端末挿入部286eを設けている。この携帯端末挿入部286eに遊技客が所持する携帯端末装置を挿入すると、携帯端末リーダ286cが携帯端末装置に内蔵されたICチップと非接触通信可能となる。また、ここでは、携帯端末挿入部により携帯端末を保持することで携帯端末装置と通信するホールド型を例に説明しているが、外部に露出した載置面を設け、この内部に携帯端末リーダ286cを設けることで、載置面に携帯端末を載置することで携帯端末装置と非接触通信可能となるような載置型の構成としてもよい。
また、ホッパユニット287の下部には、計数後に返却した余り玉を取り出す玉取出口287aが設けられている。
表示操作部281は、タッチパネル式のカラー液晶ディスプレイ等からなる。例えば、この表示操作部281には、遊技玉を計数した遊技玉数を表示するとともに、レシート発行操作又は貯玉操作あるいは一般カード発行操作を受け付けるためのメニュー画面を表示する。レシート発行部285は、感熱式プリンタ等の印刷部である。例えば、メニュー画面において遊技客が表示操作部281の表示画面上の「レシート発行」のタブを押下操作すると、レシート発行部285は、獲得玉数及びレート等をバーコード印刷したレシートを発行する。また、メニュー画面において遊技客が表示操作部281の表示画面上の「一般カード発行」のタブを押下操作すると、後述のように計数した玉数を一般カードに関連付けて発行する。また、「一般カード発行」では、カードリーダ286aにて受け付けたカードに計数した玉数を関連付けることもでき、また、複数枚の計数値が関連付けられたカードの残高を一枚の一般カードに纏めて発行することもできる。さらに、「貯玉」が選択されると、会員カードあるいは携帯端末の読取りを条件に、会員の保持する玉数に計数値を加算するための処理を行う。また、一部を「レシート発行」し、一部を「貯玉」する選択をメニュー画面から行うこともできる。例えば、特定の景品に交換可能な玉数をレシート発行し、端数を貯玉する場合などである。
ホッパユニット287は、開閉可能なシャッタと、底部に開口部を有する受け皿と、この受け皿の開口部から流れ落ちる遊技玉を装置外部のバックヤードに搬送する搬送通路と、該搬送経路上に設けられた後述する計数センサ284とを有する。このホッパユニット287の受け皿に投入された遊技玉は、開口部を経由して搬送通路上を搬送される過程で計数センサ284によって検知される。計数機280は、計数センサ284の検知結果を計数し、計数結果を表示操作部281に表示する。
次に、図38に示した計数機280の内部構成について説明する。図39は、図38に示した計数機280の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、計数機280は、すでに説明した表示操作部281、レシート発行部285及び携帯端末リーダ286cに加えて、計時部282、シャッタ機構283、計数センサ284、カードリーダ286a、店員タグリーダ286b、通信部286d、記憶部288及び制御部289を有する。
計時部282は、時刻を計時するタイマであり、具体的には、制御部289からの時刻問合せに応答してその問合せ時点における日時を送信する。シャッタ機構283は、ホッパユニットに開閉可能に設けられたシャッタの開閉制御を行う機構部であり、該シャッタの開閉駆動を行うシャッタ駆動モータと、シャッタの開閉状態を検知する開閉検知部とを有する。具体的には、このシャッタ機構283は、シャッタを開放させる場合には、シャッタが開状態であることが開閉検知部により検知されるまで、シャッタ駆動モータにシャッタを開駆動させる。また、計数終了後にシャッタを閉鎖する場合には、シャッタが閉状態であることが開閉検知部により検知されるまで、シャッタ駆動モータにシャッタを閉駆動させる。
計数センサ284は、ホッパユニット287の搬送通路の近傍に設けられたセンサであり、搬送経路に赤外線等の発光及びその反射光の受光を行うことで遊技玉の通過を検知して制御部289に通知する。通信部286dは、当該計数機280と他の装置(カード管理装置240、会員管理装置250等の他の装置)との間で各種通信を行うためのインタフェースである。
カードリーダ286aは、会員カード及び一般カードからカードIDなどのデータを読み取る装置である。店員タグリーダ286bは、遊技店の店員が携行する店員タグから店員IDなどのデータを読み取る装置である。
記憶部288は、制御部289による各種処理に必要な情報及びプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、計数ログ288aを記憶する。計数ログ288aは、計数機280による計数処理の履歴である。計数処理の結果は、レシートへの印字や会員管理装置250への送信によって出力されるが、かかる出力に加えて計数ログ288aを残すことで計数機280の動作状態を管理できる。
制御部289は、計数機280を全体制御する制御部であり、計数処理部289a、一般カード発行部289b及び乗入設定受付部289cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、計数処理部289a、一般カード発行部289b及び乗入設定受付部289cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
計数処理部289aは、遊技客によって獲得された遊技玉の計数制御を行う処理部である。具体的には、ホッパユニット287に遊技玉が投入されると、計数センサ284から獲得玉の通過を通知する信号が出力されるので、一定時間(例えば、3秒)についてかかる信号が検出されなくなるまでカウントアップを継続することで遊技玉の計数を行う。計数センサ284から信号が検出されなくなってから一定時間が経過したならば、計数処理部289aは、計数結果の出力をレシートの発行によって行う場合には、レシート発行部285にレシートを印字させる。
また、計数結果を貯玉する場合には、カードリーダ286aによって読み取った一般カードや会員カードのカードIDに計数結果を関連付けて会員管理装置250に送信する。そして、計数結果を新規の一般カードに関連付けて発行する場合には、一般カード発行部289bに計数結果を通知してカードの発行を依頼する。また、表示操作部281にて携帯端末に関連付けて貯玉を行うことが選択された場合には、携帯端末リーダ286cの読取り待ちとなり、所定時間内に、会員登録された遊技客の携帯端末が読みとられた場合には、携帯端末から読取った情報から特定される会員の貯玉に加算処理を行うよう会員管理装250に依頼する。
一般カード発行部289bは、計数処理部289aからの依頼に応じ、一般カードの発行を行う処理部である。具体的には、一般カード発行部289bは、図示しないカード収納部から新規のカードをカードリーダ286aに搬送し、カードIDを読み取る。カード収納部には、複数枚の新規の一般カードが収納されており、一般カード発行部289bによる発行処理に備えている。そして、読み取ったカードIDに計数処理部289aによる計数結果を関連付けてカード管理装置240に送信し、カードを排出する。
乗入設定受付部289cは、持玉の乗入設定の登録と変更を行う処理部である。具体的には、カードリーダ286aが読み取ったカードIDをカード管理装置240に送信し、当該カードIDの乗入設定を取得して、表示操作部281に表示する。そして、遊技客の操作により、乗入設定が指定又は更新されたならば、新たな乗入設定をカード管理装置240に送信する。
図40は、カード発行時の乗入設定の処理手順を示すフローチャートである。発行済のカードIDを読み取っていない状態で計数処理部289aが遊技玉を計数処理すると(ステップS401)、計数処理部289aは、新規の一般カードを発行するか否かの指定を遊技客から受け付ける(ステップS402)。
一般カードを発行しない場合には(ステップS402;No)、計数処理部289aは、計数結果を示すレシートをレシート発行部285に発行させて(ステップS406)、処理を終了する。
一般カードを発行する場合には(ステップS402;Yes)、乗入設定受付部289cは、遊技客から持玉の乗入の設定を受け付けたか否かを判定する。持玉の乗入の設定を受け付けたならば(ステップS403;Yes)、設定された内容に基づいて持玉の乗入を許可した一般カードを一般カード発行部289bが発行し(ステップS404)、処理を終了する。一方、持玉の乗入の設定を受け付けていなければ(ステップS403;No)、一般カード発行部289bは持玉の乗入を禁止した一般カードを発行し(ステップS405)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、持玉の乗入再プレイを行うことができる。この持玉の乗入再プレイについても、貯玉の乗入再プレイと同様に、遊技店による設定と遊技客による設定とを用い、乗入の利便性を向上することができる。
なお、実施例2に示した設定変更の履歴管理や設定状況の集計を持玉の乗入再プレイについても同様に行うよう構成してもよい。
また、乗入の個別設定については、乗入元を1口座のみとする、乗入元としての使用の許可を当日のみ有効とする、など、適宜制限を設けることとしてもよい。
なお、上述の実施例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。
また、本発明は、遊技機に封入された遊技玉を用いる封入式の遊技機に適用してもよい。封入式の遊技機では、遊技玉を遊技盤面に投出可能な数を遊技可能数として管理しており、玉貸や再プレイ時等の際には、遊技玉の現物を払出処理するのではなく、遊技可能数を加算することとなる。また、玉を遊技媒体として使用する場合に限らず、スロットマシン用のメダルを用いる場合にも適用可能である。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、乗入設定を遊技店内からではなく、インターネット等を経由して店舗外から行うことができるように構成してもよい。また、過去貯玉と当日貯玉の乗入設定を、乗入基本設定データ55eにて管理してもよい。
また、本実施例では、会員管理装置50が乗入実績データ55dを保持する場合を例示したが、乗入実績データ55dを持たない構成であってもよい。乗入実績データ55dを持たない構成で乗入の実績を用いる場合には、遊技のログなどから判定すればよい。