以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、遊技場用システムの全体構成を示している。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して貸出機2が設置されている。遊技機1及び貸出機2は、それぞれ2台ずつ中継装置4と接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。また、遊技場にはPOS7や、図示しない残高精算機も設置されており、これらPOS7や残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード8、モニタ9、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側つまり遊技機1や貸出機2等の側から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技データ、会員登録された会員毎の個人データ、遊技機1や貸出機2等の稼動状態等を管理する。
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっており、遊技場内には、遊技機1の種別毎に遊技機島が形成されている。即ち、遊技場内には、図1に例示する遊技機1としてパチンコ玉を遊技媒体とするパチンコ機が設置されたパチンココーナーと、メダルを遊技媒体とするスロットマシンが設置されたスロットコーナーとが設けられている。パチンココーナーには、1玉4円レートのパチンコ機が設置された4円玉コーナーと、1玉2円レートのパチンコ機が設置された2円玉コーナーと、1玉1円レートのパチンコ機が設置された1円玉コーナーと、1玉0.5円レートのパチンコ機が設置された0.5円玉コーナーとが設けられている。スロットコーナーには、1枚20円レートのスロットマシンが設置された20円メダルコーナーと、1枚5円レートのスロットマシンが設置された5円メダルコーナーとが設けられている。こうして、遊技機1にて使用する遊技価値の種類が複数ある本遊技場にあっては、その遊技価値の種類について遊技媒体とレートとを異にするコーナーが複数設けられている。尚、本実施形態におけるスロットマシンの詳細な説明は省略する。
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ遊技機であり、盤面10に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル11、上部受皿12、下部受皿13を有すると共に、盤面10に、液晶表示部14、普図入賞口15、第1始動口16、第2始動口17、大入賞口18を有する。遊技機1は以下に示すように動作する。
(a)第1始動口16は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口17は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口16、17への入賞(始動入賞)に応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を液晶表示部14にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たりとなる。
(b)図柄変動中に始動入賞した場合には、保留上限値となる例えば各4つまで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数たる保留数が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(c)大当たり抽選の当選確率(所謂大当たり確率)は1/360であり、大当たりがその後確変状態となる確変大当たりとなる割合である確変率は、後述の通常状態、確変状態共に66.6%である。大当たりが発生すると15ラウンド分だけ大入賞口18を開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1ラウンドを終了する。
(d)確変中は大当たり確率が1/36に向上すると共に、始動口17への入賞率が高くなる時短状態になる。尚、確変は次回大当たりまで継続するので、大当たり後に大当たりでも確変でもない状態である通常遊技状態(所謂通常状態)となる通常大当たりが発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後に通常状態となる。
(e)第2始動口17は普図入賞口15への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当たりとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口17の入賞率が高くなる。尚、上記は単なる例示であり、例示した数値等のスペックは機種に応じて異なる数値等が採用される。
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口16、17への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出し10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。
始動信号=遊技機1から出力される始動入賞により変動乃至作動する、液晶表示部14での役物に係るスタート処理、つまり図柄変動や役物作動、或いは単位遊技を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので、始動信号の入力に応じてスタート処理を特定し、「始動信号×1」をスタート回数たるスタート処理数として特定する。尚、第1始動口16又は第2始動口17への入賞を示す信号でも良い。
大当たり信号=遊技機1から出力される大当たり期間を特定可能な信号である。大当たり中にレベル出力される状態信号であるので、大当たり信号の入力中を大当たり中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口17の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号であるので、特別状態信号の入力中を特別状態中として特定する。また、大当たり信号及び特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
貸出機2は、所謂各台計数機能付のものであり、図示しないCPUや記憶部を含む制御部を備える。本実施形態の貸出機2は、相互に機種が異なる第1貸出機2A(第1遊技用装置に相当)と、第2貸出機2B(第2遊技用装置に相当し、単に遊技用装置とも称す)とに分けて表すものとする。即ち、第1、第2貸出機2A,2Bは基本的な機能を同じくする一方、その機種別に固有の機能を備える。図1では、第1貸出機2Aは1円玉コーナーに設置され、第2貸出機2Bは4円玉コーナーに設置されるものとして示しているが、説明の便宜上、第1貸出機2Aの構成要素には符号「A」を、第2貸出機2Bの構成要素には符号「B」を夫々付して一括して説明する(図1参照)。
第1、第2貸出機2A,2Bは、遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯19A,19B、貨幣が投入される貨幣投入口20A,20B、遊技者からの操作入力を受け付けると共に入金残高や持玉数、各種遊技データ等を表示するタッチパネル式の液晶表示部21A,21B、一般用のICカード(以下、一般カードと称す)や会員カードが挿入されるカード挿入口24A,24B、対応する遊技機1の下部受皿13の下方に位置する計数受皿25A,25Bを備える。
更に、第1、第2貸出機2A,2Bは、持玉を払い出すための払出釦22A,22B、払い出された玉が通過する払出ノズル23A,23Bを備えており、図6(a)の拡大図で示す払出釦22Bを押圧する付与操作を行うと、払出ノズル23Bを通じて係る持玉を払出す。尚、持玉とは、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である獲得価値であり、会員であれば貯玉も含む。また、払出釦22Bは、遊技者が予め定められた付与操作を行うために操作する付与操作手段に相当する。
第1、第2貸出機2A,2Bの制御部(以下、適宜第1、第2貸出機2A,2Bと略す)は、以下の処理を行う。
(a)貨幣受付処理にて貨幣を受け付けると、遊技機1と第1、第2貸出機2A,2Bとの双方に入金額を入金残高に加算して表示する。入金残高がある状態で、遊技機1における図示しない貸出釦の押下による貸出操作がなされると、貸出1単位分として例えば500円分の貸出玉を遊技機1から払い出す対価付与処理が行われ、レートに応じた対価分を入金残高から引き落とす減算処理を行う。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を、例えば1万円まで受け付け可能である。
(b)遊技機1の下部受皿13から落下した玉を計数受皿25A,25Bにより受けると、その受けた玉を計数して持玉として特定し、その持玉を対価とした払出しも可能とする。払出釦22A,22Bでの付与操作により持玉の再プレイ操作がなされると、その対価額単位分として例えば500円分の持玉を払出ノズル23A,23Bから払い出す、持玉の再プレイ処理が行われる。再プレイ処理は、獲得価値を対価として遊技者へと遊技価値を付与する処理であり、その対価分つまり払出した玉数と同数を持玉から引き落とす減算処理を行う。
(c)入金残高や持玉が残存する状態で、遊技機1における図示しない返却釦の押下による発行操作が行われると、ストックしている入金残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する。尚、持玉の一部や入金残高のみを発行対象とする分割発行も可能であり、一般カードを受け付けた場合は、その入金残高や持玉を引き継ぐものとする。
(d)遊技場の会員となった遊技者に配布される会員カードも受け付け可能であり、会員カードに対して一般カードと同様に持玉や入金残高を対応付け可能である。但し、入金残高は一般カードと同様に会員カードに残高情報が書き込まれるが、持玉は会員カードに持玉情報が書き込まれずに管理装置6にて会員IDと対応付けて管理され、会員IDが対応付けられると貯玉として特定される。即ち、遊技者を識別する識別情報としての会員IDに対応付けて管理する獲得価値の数が貯玉数となり、未対応の獲得価値の数が持玉数となる。貯玉は払い戻しや景品交換等を当日も含めて翌日以降でも可能とするが、持玉は払い戻しや景品交換等を当日限りで可能とする等、貯玉と持玉とでは有効期限等に関して性質の違いがある。
前記会員IDは、会員カードに記憶されているIDであり、一般カードに記憶されているカードIDと区別される。本実施形態の会員カードには、その発行時において会員から申告された例えば4桁の暗証番号が設定されており、この暗証番号は、管理装置6により構築された会員データテーブル上で該当会員IDと対応付けたデータとして記憶される。また、暗証番号は、その会員としての遊技者が、第2貸出機2Bにおける液晶表示部21Bの画面(図8の画面123等参照)等でのタッチ操作により、これを認証操作として入力するようになっている。このように、液晶表示部21Bは、遊技者が予め定められた暗証番号に係る認証操作を実行するための認証操作手段に相当する。
(e)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて、前記の貨幣受付処理や対価付与処理、入金残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カードの受け付けや発行処理等の各種情報を特定可能とする。もっとも、これら各種情報をパルス信号により、例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルスとする等の、特定可能な構成としても良い。尚、このような各種情報の通信については中継装置4を介さずに遊技機1と第1、第2貸出機2A,2Bとの間で直接行っても良い。
(f)一般カードや会員カードには複数種別のレートとして例えば、貸出単価が1玉4円つまり4円レートや、貸出単価が1玉1円つまり1円レート等の持玉が対応付け可能である。例えば、第1貸出機2Aでは1円レート、第2貸出機2Bでは4円レートというように、何れの貸出機2A,2Bにも予めレートが対応付けられており、通常処理では対応付けられたレート内での対価付与処理や再プレイ処理が行われる。
また、本実施形態では、貯玉の再プレイの際に、所謂乗入可能な遊技場に対応した遊技場用システムが採用されている。ここで、乗入とは、乗入先の払出しを行う貸出機2に対応付けられていない種別である乗入元の貯玉を対価として、乗入先の貸出機2に対応付けられている種別での払出し処理を行うものであり、予め設定される乗入元と乗入先とのレート比率に応じた換算比率により種別を超えた再プレイ処理を可能とするものである。例えば4円レートを乗入元とし、乗入先となる1円レートが対応付けられている第1貸出機2Aにて200玉分の払出しを行うと、乗入先との換算比率が1/4であれば50玉分の乗入元の4円の貯玉を対価として減算する(後述する図4の「1パチ」の欄参照)。
第1、第2貸出機2A,2BやPOS7等は、再プレイ、預入、景品交換、会員カード排出等に伴う持玉を貯玉とする貯玉処理等を行うと、その旨を特定可能な情報を管理装置6に出力する。
管理装置6は、図示しないCPUや記憶部を含む制御部を備えており、当該制御部(以下適宜、管理装置6と称す)は、第1、第2貸出機2A,2BやPOS7等から入力する情報に基づいて、再プレイ処理、預入処理、景品交換処理等を示す貯玉の履歴を管理する処理を行う。
具体的には、管理装置6は、一の会員ID或いはカードIDに対して上記コーナーに対応する複数の口座を設定しており、玉やメダルを計数した場合に会員カード或いはICカードと対応付けた貯玉(預入れ)の履歴を記憶する。つまり、管理装置6は、識別情報特定手段として遊技を行う遊技者の識別情報たる会員IDを特定し、その会員IDに対応付けた4円貯玉口座、2円貯玉口座、1円貯玉口座、0.5円貯玉口座、20円貯メダル口座、5円貯メダル口座が夫々設定されている。同様に、一般用のICカードに記憶されているカードIDに対応付けて4円持玉口座、2円持玉口座、1円持玉口座、0.5円持玉口座、20円持メダル口座、5円持メダル口座が夫々設定されている。
管理装置6は、上記した貸出機2A,2Bと、それらが設置されたコーナーとの関係を記憶し、その関係に基づいてコーナーに対応する口座に貯玉する処理を実行する。また、管理装置6は、貯玉の履歴を日時と対応付けて記憶しており、前日までに預け入れた貯玉であることを前提として、コーナーで使用可能な自口座(つまり乗入先に対応する口座)以外の他口座(例えば4円玉コーナーであれば、乗入元になりうる2円貯玉口座、1円貯玉口座、0.5円貯玉口座、20円貯メダル口座、5円貯メダル口座)を使用する乗入が可能に設定されている。
さて、本実施形態の第1貸出機2Aは、第2貸出機2Bと異なり、その液晶表示部21Aで他口座の選択操作ができる機種ではない。そこで、第1貸出機2Aについては、乗入元の他口座を何れにするかを遊技者が予めPOS7で選択した上で、その選択した他口座の貯玉を対価とした払出し処理を行う構成とする一方、第2貸出機2Bについては、POS7で選択した乗入元の他口座如何によらず、管理装置6側で予め定めた優先順序で乗入元の他口座を決定し、その優先順序での他口座の貯玉を対価とした払出し処理の実行が可能に構成されている。このような貸出機2A,2Bが混在した、他口座の利用に係る乗入のシステムについて、「(1)POS7における他口座の利用設定」と「(2)管理装置6における他口座の利用設定」とに分けて順に説明する。
(1)POS7における他口座の利用設定
POS7は、対価として使用する獲得価値の種類、つまり遊技媒体やその貸出単価を異にする他口座の種類を遊技者が選択するための選択手段として構成されている。その他口座の利用設定に係る基本的な運用は、以下の通りである。
(a)会員カードが挿入された貸出機2A,2Bが設置されたコーナーの交換種別に対応した自口座の貯玉を優先で払出しするが、POS7において遊技者が使用したい他口座を選択した場合、その選択した他口座の貯玉の貸出機2A,2Bにおける払出しを可能にする。
(b)遊技者が指定した他口座の貯玉を、自口座に移管することはできない。
(c)遊技者が選択した他口座の貯玉の使用は、遊技場側で「当日限り」と「無期限」との選択設定を可能とする。例えば他口座の利用期限に関して「当日限り」の設定にすると、管理装置6は、遊技場の閉場時の処理或いは翌日開店前の処理により、上記(a)で設定した他口座の選択を無効化する。この無効化については、他口座の選択履歴を自動的に解消して、自口座の貯玉を使用するように使用口座を変更するのであるが、詳しくは(2)で後述する。
ここで、POS7、管理装置6及び貸出機2の動作手順について、第1貸出機2AはPOS7にて選択した他口座の払出し処理のみ行う構成であることから、第1貸出機2Aを中心に図2を参照しながら説明する。尚、管理装置6には、会員IDに対応して4円〜0.5円の各貯玉口座、20円〜5円の各貯メダル口座が夫々設定されているが、図2に示すように、遊技の結果、当該会員IDの4円貯玉口座に1000個、1円貯玉口座に1000個、0.5円貯玉口座に1000個(その他の種類の貯玉や貯メダルの数については何れも0個)が記憶されているものとする。
例えば1円玉コーナーにて遊技者が所持する会員カードを第1貸出機2Aに挿入すると、同図2のステップA1において(以下のA1´以降につき「ステップ」の語を省略する)、第1貸出機2Aは会員カードに記憶されている会員IDを読み出して管理装置6へ通知する。この場合、管理装置6は会員IDにより特定される、遊技者の1円貯玉口座における再プレイ可能玉数を第1貸出機2Aに通知する(A1´)。
遊技者が払出釦22Aでの付与操作を行うと、第1貸出機2Aは自口座である1円貯玉口座の貯玉再プレイを開始したことを管理装置6へ通知し(A2)、管理装置6は1円貯玉口座の貯玉引落処理を実施してそのことを第1貸出機2Aに通知する(A2´)。
この場合、第1貸出機2Aの液晶表示部21Aでは、貯玉引落処理後の1円貯玉口座の貯玉数を表示することができるが、他口座の選択操作ができない。それ故、遊技により1円貯玉が0個になって、遊技者が他口座を使用したいと考えた場合、その第1貸出機2Aから会員カードを抜いてPOS7が設置された景品交換カウンタにて担当従業員に会員カードを渡す。担当従業員は、POS7に会員カードを読み出させる。このとき、POS7は、会員カードから読み出した会員IDを管理装置6へ通知する。これに応じて、管理装置6は、当該会員IDの口座に預け入れてある玉数やメダル枚数をPOS7に通知することから、POS7における図示しないディスプレイには、「利用口座を選択して下さい」というメッセージと共に、貯玉が存在する口座(図2の例では4円貯玉口座及び0.5円貯玉口座)が表示される。遊技者が例えば4円貯玉口座を使用したい旨、担当従業員に伝えると、その選択操作がPOS7にて行われることで、そのディスプレイに「4円貯玉口座を選択しました。4円貯玉口座を選択したことを遊技者に伝えて下さい。」と表示され、担当従業員はそのことを遊技者に伝える。
この際、POS7は、4円貯玉口座の乗入れ運用の依頼、つまり管理装置6へ選択した他口座を通知する(A3)。これに応じて、管理装置6は、POS7より依頼された遊技者の他口座を4円貯玉口座に設定することにより乗入れ運用を許可すると共に、遊技者が4円貯玉口座を選択したという履歴を記憶する(A3´)。
この後、遊技者が1円玉コーナーに戻って第1貸出機2Aに会員カードを挿入すると、第1貸出機2Aは会員カードの会員IDを読み出して管理装置6へ通知する(A4)。これに応じて、管理装置6は、会員IDを特定し、その運用口座として記憶している4円貯玉口座の貯玉数を第1貸出機2Aに通知する(A4´)。これにより、第1貸出機2Aの液晶表示部21Aでは、その貯玉数を、前述した4円レートと1円レートとのレート比率(4/1)で換算した再プレイ可能玉数として表示する。また、前述した付与操作により200玉分の払出し行うと、選択した4円貯玉の再プレイが開始されたことを管理装置6へ通知し(A5)、管理装置6は、その払出しについて前記換算比率(1/4)での4円貯玉を対価とした減算(A5´での50玉分の4円貯玉引落処理)を実施する。
上記した4円貯玉口座の選択時と同様、遊技者がPOS7にて0.5円貯玉口座を選択すると、POS7は0.5円貯玉口座の乗入れ運用を管理装置6へ依頼する(A6)。これに応じて、管理装置6は、POS7より依頼された運用口座を4円貯玉口座から0.5円貯玉口座に切り替えることにより乗入れ運用を許可すると共に、その0.5円貯玉口座の選択履歴を記憶する(A6´)。
遊技者が1円玉コーナーに戻って第1貸出機2Aに会員カードを挿入すると、第1貸出機2Aは会員カードから読み出した会員IDを管理装置6へ通知する(A7)。これに応じて、管理装置6は、会員IDを特定し、その運用口座として記憶している0.5円貯玉口座の再プレイ可能玉数を第1貸出機2Aに通知する(A7´)。これにより、第1貸出機2Aの液晶表示部21Aでは、再プレイ可能玉数について、0.5円レートと1円レートとのレート比率に応じた1/2の値を表示する。そして、遊技者の付与操作により200玉分の払出しを行うと、選択した0.5円貯玉の再プレイが開始されたことを管理装置6へ通知し(A8)、管理装置6は、その払出しについて2/1の換算比率で0.5円貯玉を対価とした減算(A8´での400玉分の0.5円貯玉引落処理)を実施する。
こうして、第1貸出機2Aにおける付与操作の繰り返しにより、再プレイ可能玉数が0個になったものとする。この場合、管理装置6での運用口座の選択履歴を解消(他口座利用を解除)すべく、第1貸出機2Aにおいて、前記発行操作による会員カードの発行とカード挿入口24Aへの再挿入が必要となる。このため、液晶表示部21Aには、その会員カードの抜き差しを促すメッセージが表示される。
上記A3´、A6´において、管理装置6の記憶部は、POS7により対価として使用することが選択された獲得価値の種類を記憶する記憶手段として機能する。また、上記運用により、第1貸出機2Aにあっては、POS7とは別の装置としながらも、管理装置6による会員IDの特定結果に基づいて遊技者が所有する獲得価値の数を特定すると共に、POS7によって選択された種類の獲得価値(上記例では4円貯玉や0.5円貯玉)を対価として、当該獲得価値の種類とは異なる種類の遊技価値(上記例では1円レートでのパチンコ玉)を遊技者に付与することが可能となる。
また、第2貸出機2Bについても、第1貸出機2Aと同様に、POS7において何れの他口座の貯玉で再プレイを行うか遊技者が選択できる。それ故、第1貸出機2A及び第2貸出機2Bの夫々は、管理装置6の前記記憶部が記憶している獲得価値の種類を対価として当該獲得価値とは異なる種類の遊技価値を遊技者に付与するものといえる。
(2)管理装置6における他口座の利用設定
図3は、管理装置6で行われる他口座の利用に係る設定について、モニタ9に表示出力表示される他口座設定画面を示し、図4は、その他口座設定画面の「A」の領域に表示される設定内容等を示す。尚、他口座設定画面は、管理装置6において、遊技場の管理者により所定操作が行われることで表示され、以下の選択操作や入力操作は、キーボード8やマウスカーソルを利用して行われる(他のタッチパネル式ディスプレイでのタッチ操作で行うようにしても良い)。
図3の他口座設定画面の上側の欄には、「メニュー」釦31a、「タイトル」釦31b、「乗入全解除」釦31cを含む複数の各種釦が設けられている。管理装置6は、「メニュー」釦31aの選択操作がなされると、他口座設定画面から図示しないメニュー画面へと遷移し、「タイトル」釦31bの選択操作がなされると、他口座設定画面から図示しない待機画面へと遷移する。そして、「乗入全解除」釦31cの選択操作がなされると、無条件で全ての他口座の選択履歴を解消して、他口座利用中の状態を解除する。
即ち、図3中央の第2貸出機乗入方法の欄32aにおいて、「POS」の選択操作がなされている場合、上記(1)で述べた第1貸出機2Aと同様、第2貸出機2Bについても、POS7で乗入元となる他口座を選択することができる(図5参照)。一方、第2貸出機乗入方法の欄32aで「第2貸出機」が選択され且つ乗入元口座選択方法の欄32bで「個別」が選択されている場合、第2貸出機2Bの液晶表示部21Bで、乗入元とする他口座を選択することができる。
そして、図3の他口座利用期限の欄32cにおいて、「当日限り」の選択操作がなされている場合、管理装置6は、上記した他口座の選択履歴を解消する処理を例えば翌日開店前に自動的に実行する(図5参照)。一方、他口座利用期限の欄32cにて「無期限」の選択操作がなされている場合、期間を限定することなく、選択した他口座の利用を可能とする。もっとも、管理装置6は、前記払出し処理により他口座の貯玉が0個になったと判断した時点で、他口座利用期限にかかわらず、且つPOS7と第2貸出機2Bとの何れかで他口座を選択したかにかかわらず、自動的に個々の口座の選択履歴を解消する処理を実行する。更には、管理装置6は、上記「乗入全解除」釦31cの選択操作がなされると、無条件で全ての他口座の選択履歴を解消することから、「乗入全解除」は、例えば遊技場にコーナーを新設する場合等に行われる。
管理装置6において、POS7や第2貸出機2Bで選択した1つの口座に限定して許可する場合、図3の他口座利用の欄32dにて「有」を選択した上で、第2貸出機乗入方法の欄32aで「POS」を選択し、或いは乗入元口座選択方法の欄32bで「個別」を選択する。これに対し、第2貸出機乗入方法の欄32aで「第2貸出機」を選択して、乗入元口座選択方法の欄32bで「一括(グループ)」の選択操作をした場合、管理装置6は、第2貸出機2Bでの複数の他口座の指定を可能にすると共に、それらの口座を利用する際の優先順序を遊技場側で予め定めることができる。
ここで、「グループ」とは、図4に例示する「4パチ」〜「0.5パチ」と、「20スロ」〜「5スロ」とで区分されるように、遊技価値の種類を、パチンコ玉に対応する「グループ1」とメダルに対応する「グループ2」とにまとめる単位を表わす。これらのグループとして設定の対象となるのは、第2貸出機2Bのように遊技者が他口座を任意に選択できる機種である。第1貸出機2Aは、前記優先順序での口座の指定に対応する機種ではなく、当該口座の指定の設定対象外となるからである。それ故、図4の「グループ1」の「1パチ」は、第2貸出機2Bと機種を同じくする、貸出単価が1円の貸出機2に対応する。このように、本実施形態では、「グループ1」の「4パチ」〜「0.5パチ」に対応する、第2貸出機2B或いはこれと同じ機種の貸出機2が、4円玉コーナー〜0.5円玉コーナーに夫々のレートに対応付けて設置されているものとする。つまり、1円玉コーナーには、第1貸出機2Aと第2貸出機2Bとが混在している。
そして、管理装置6は、対価として使用する獲得価値の種類の優先順序を遊技場の管理者が設定するための設定手段として構成されており、図4のグループ1,2単位で当該優先順序を「引落順」として指定することができる。具体的には同図に示すように、グループ1において、「No.1」の「4パチ」は、その自口座以外の「他口座利用」の項目を全て「する」に設定し、夫々の他口座について各レート対応する換算比率、払出単位、及び引落単位を設定している。従って、4円玉コーナーの第2貸出機2Bにおいて、前記付与操作により125玉分の払出しを行うと、同図の各換算比率に対応した引落単位で貯玉引落処理が行われる。同様に、「No.2」〜「No.4」の2パチ〜0.5パチも、各「他口座利用」の項目を「する」に設定し、夫々の他口座について各レート対応する換算比率、払出単位、及び引落単位を設定している。
このような図4における各項目は、管理装置6側で任意に設定することができ、例えば「引落順」は、4パチが「4」、2パチが「3」、1パチが「2」、0.5パチが「1」、20スロが「2」、5スロが「1」というように、グループ毎に貸出単価が小さい他口座から早い優先順序を設定している。これにより、4円玉〜0.5円玉の各コーナーにおける第2貸出機2Bは、管理装置6による会員IDの特定結果に基づいて遊技者が所有する獲得価値の数を特定すると共に、POS7により選択されていた獲得価値の種類に関わらず、管理装置6により設定された「1」〜「4」の優先順序に基づいて決定された種類の獲得価値(他口座の貯玉)を対価として、当該獲得価値の種類とは異なる種類の遊技価値(自口座のレートによるパチンコ玉)を遊技者に付与することが可能となる。尚、本実施形態では、他口座だけでなく自口座も、設定された「1」〜「4」の優先順序での引き落としの対象となる(図5参照)。
また、第2貸出機2Bの前記記憶部(記憶手段に相当する)には、管理装置6から通知される前記特定結果に基づく遊技者の各口座の貯玉数(獲得価値の数)が、会員IDに対応付けて遊技媒体やレート別に記憶される。従って以下に説明するように、第2貸出機2Bは、前記付与操作が行われた場合に、自身の記憶部が記憶する予め定められた種類の獲得価値(例えば第1獲得価値としての自口座の貯玉)を対価とした、予め定められた種類の遊技価値(例えば特別遊技価値としての4円レートでのパチンコ玉)の遊技者への付与と、当該記憶部が記憶する第1獲得価値とは異なる種類の獲得価値(例えば第2獲得価値としての他口座の貯玉)を対価とした、4円レートでのパチンコ玉の遊技者への付与とが可能となる。このように、第2貸出機2Bは、第1遊技価値付与手段及び第2遊技価値付与手段に相当する。
こうした、第2貸出機2B及び管理装置6の動作手順について、図6〜図8に示す第2貸出機2Bの液晶表示部21Bに表示される画面遷移のフテップに沿って説明する。
・「乗入元口座選択設定:個別」について
図6(b)は、上記した乗入元口座選択方法の欄32bで「個別」の選択設定がなされ、4円玉コーナーの第2貸出機2Bで、遊技者が任意に他口座を個別選択するときの画面100〜108の遷移を例示している。
第2貸出機2Bは、カード挿入口24Bに会員カードが挿入されると、その入金残高や会員IDを含むカード情報を読み出して、初期画面100を表示する。同画面100の上部の欄100aには、4パチに対応する「4円貸」や払出単位である「125玉」が表示される。また、第2貸出機2Bは、読み出した会員IDを管理装置6へ通知し、管理装置6は、会員IDにより特定される遊技者の各口座の貯玉数と前記優先順序を第2貸出機2Bに通知する。
この場合、初期画面100に示されるように、当該会員カードは自口座の玉数が「持玉 0玉」、「入金残高 0円」であるものとし、遊技者が前日までに預け入れた2円貯玉口座と1円貯玉口座とのうち、1円貯玉口座における例えば2500個の貯玉から払出しを行うものとする。また、第2貸出機2Bの前記記憶部には、管理装置6から通知された各口座の貯玉数が、会員IDに対応付けて遊技媒体やレート別に記憶される。
第2貸出機2Bは、初期画面100のタッチ操作がなされると、第1メニュー画面101に遷移する。第1メニュー画面101には、「持ち玉共有」、「安心ロック」、「入金残高取出」、「ちょっと貸し」の各釦が表示されており、「次」釦101aをタッチ操作することにより次の第2メニュー画面102へ遷移する。尚、第1メニュー画面101の「入金残高取出」釦101b、第2メニュー画面102の「会員カード挿入」釦102b等は、入金残高が0円、会員カード挿入中等の理由により、グレーアウト表示された非活性状態となっている。
第2メニュー画面102では、「詳細情報」、「他口座利用」、「ケータイ貯玉」、「会員カード挿入」の各釦が表示されており、「他口座利用」釦102aをタッチ操作することにより、口座選択画面103へ遷移する。この場合、第2貸出機2Bは、2円貯玉口座と1円貯玉口座の各貯玉数を特定していることから、口座選択画面103に、それらを他口座として表す「2パチ」と「1パチ」の各釦を表示する。
ここで、遊技者が所望する「1パチ」釦103aをタッチ操作すると、第2貸出機2Bは、そのタッチ操作に応じて、遊技者の乗入元となる他口座を1円貯玉口座に決定すると共に、その決定した1円貯玉口座を特定する情報を、管理装置6へ通知する。管理装置6は、通知された1円貯玉口座の選択履歴を記憶する。この選択履歴の記憶は、(1)で述べたPOS7における、別の他口座の選択が先になされていたとしても、管理装置6において当該先の選択履歴に上書きして更新することにより行われる。
また、第2貸出機2Bは、「1パチ」釦103aのタッチ操作に伴い、口座選択画面103から暗証番号入力画面104へ遷移する。暗証番号入力画面104では、テンキー104aが表示される。遊技者が認証操作として、テンキー104aのタッチ操作により前記4桁の暗証番号を入力すると、第2貸出機2Bは、入力された暗証番号を、管理装置6へ通知する。管理装置6は、通知された暗証番号について会員データテーブル上のデータと照合することにより、当該暗証番号が適正であるか否かを判断し、適正であった場合に、第2貸出機2Bに適正信号を送信する。こうして、認証手段としての第2貸出機2Bは、乗入元となる他口座を決定した場合でも、管理装置6からの適正信号の受信を待って(つまり認証操作を遊技者が実行した場合に、識別情報に対応付けられた遊技者が遊技を行っていることを特定した上で)、暗証番号入力画面104から確認画面105へ遷移する。換言すれば、正常な認証操作が行われた場合に、適正な遊技者(識別情報に対応した遊技者)が遊技を行っていることを特定し、暗証番号入力画面104から確認画面105に遷移すると言うことも可能である。
確認画面105では、「よろしければ払出釦を押して下さい」の表示と併せて、その直ぐ下の欄105aに、乗入先となる自口座の種別を表す「4」と、乗入元として決定した他口座の種別を表す「1パチ」とを表示する。また、第2貸出機2Bは、乗入元として決定した1円貯玉口座における「2500玉」の貯玉数と、これを再プレイ可能玉数として前記レート比率(1/4)で換算した「625玉」とを確認画面105に表示する。
そして、図6(a)の払出釦22Bに対する付与操作がなされると、第2貸出機2Bは、払出ノズル23Bを通じて125玉分を払出す。この125玉分の払出しに伴い、「払出し中」を表す再プレイ画面106へ遷移し、その払出しを終えると「払出し完了」を表す払出し完了画面107へ遷移する。この場合、各画面106,107では、払出した125玉分を625玉から減算し、その減算した値である500玉を再プレイ可能玉数として更新(表示)する。また、第2貸出機2Bは、1円貯玉の再プレイが開始されたことを管理装置6へ通知し、管理装置6は、その払出しについて前記換算比率(4/1)での1円貯玉を対価とした減算(500玉分の1円貯玉引落処理)を実施する。
その後、第2貸出機2Bは、払出し完了画面107から初期画面108へ遷移し、初期画面108では、更新後の再プレイ可能玉数「500」が表示される。尚、他口座に切り替わった後の初期画面108では、その下部の欄108bの表示が、当初の初期画面100の「貯玉払出」から「他口座払出」に更新される。また、前記付与操作以降における各画面106〜108の上部の欄106a〜108aには、1円貯玉口座の利用中であることを表わす「1パチ利用中」が表示され、以降、遊技者は1円貯玉口座を利用した付与操作を続けて行うことができる。
・「乗入元口座選択設定:一括」について
以上に対し、図7、図8は、図3における乗入元口座選択方法の欄32bで「一括(グループ)」の選択設定がなされ、上記した優先順序での他口座の自動選択が行われる場合における、4円玉コーナーの第2貸出機2Bでの画面111〜118遷移を例示している。以下では、遊技者の会員カードについて自口座の当日貯玉がなく、前日までに預け入れた1円貯玉口座、2円貯玉口座、4円玉口座から払出しを行うものとする。また、以下では、既に述べた画面100〜108に関連する重複部分の説明を省略し、「個別」の選択設定と異なるところを中心に説明する。
図7のメニュー画面111は、図6の第2メニュー画面102と同じであり、「他口座利用」釦111aをタッチ操作することにより、次の画面112へ遷移する。この画面112は、カード挿入口24Bに会員カードが挿入されていないとき、その会員カードの挿入を促し、或いは会員カードの挿入に代えて携帯電話を第2貸出機2Bにかざす操作を促す画面である。
ここで、携帯電話をかざす操作について説明しておく。遊技者は、自身が所持する携帯電話(スマートフォン等でも良い)に係る情報を予め管理装置6等により登録(記憶)しておく。そして、遊技者は、第2貸出機2Bにおいて前記の画面112が表示されたとき、会員カードをカード挿入口24Bに挿入することなく、その携帯電話を第2貸出機2Bにかざすと、第2貸出機2Bが備える通信手段によって、当該携帯電話との間で無線通信を行い、携帯電話から係る情報を取得する。係る情報(携帯ID)は、第2貸出機2Bを通じて管理装置6へ送信されて、管理装置6で遊技者の識別情報として照合されるものであり、会員カードの会員IDに代替しうるものである。
第2貸出機2Bは、カード挿入口24Bに会員カードが挿入されると、そのカード情報を読み出すと共に、挿入を促す画面112から口座選択画面113へ遷移する。口座選択画面113では、「一括」釦113aが表示される。また、第2貸出機2Bは、読み出した会員IDを管理装置6に通知し、管理装置6は、会員IDにより特定される遊技者の各口座の貯玉数と前記優先順序を第2貸出機2Bに通知する。
ここで、第2貸出機2Bは、「一括」釦113aがタッチ操作されると、通知された1円貯玉口座、2円貯玉口座、及び4円玉口座の優先順序に基づいて、それらの口座のうち優先順序の早い1円貯玉口座(図4の引落順「2」参照)を乗入元の口座として決定すると共に、その決定した1円貯玉口座を管理装置6へ通知する。これにより、管理装置6は、その1円貯玉口座の選択履歴を記憶する。この選択履歴の記憶は、POS7における別の他口座の選択が先になされていたとしても、管理装置6において当該先の選択履歴(前記運用口座)に上書きして、優先順序の高い貯玉口座へ切り替えるように更新するものである。このように、第2貸出機2Bの液晶表示部21B(タッチパネル)は、対応する遊技機1で遊技者が遊技を開始してから、一の種類の獲得価値(上記例では1円貯玉)を対価として、他の種類の遊技価値(上記例では4円レートでのパチンコ玉)を遊技者に付与するまでに、管理装置6が記憶している獲得価値の種類を、管理装置6により設定された優先順序の高い獲得価値に切り替える切替手段に相当する。
また、第2貸出機2Bは、「一括」釦113aのタッチ操作に伴い、口座選択画面113から暗証番号入力画面114へ遷移する。暗証番号入力画面114において、遊技者がテンキー114aのタッチ操作により4桁の暗証番号を入力すると、第2貸出機2Bは、入力された暗証番号を管理装置6へ通知する。管理装置6は、通知された暗証番号について会員データテーブル上のデータと照合し、当該暗証番号が適正であると判断した場合、第2貸出機2Bに適正信号を送信する。こうして、第2貸出機2Bは、乗入元となる1円貯玉口座を決定した場合でも、管理装置6からの適正信号の受信を待って、暗証番号入力画面114から確認画面115へ遷移する。
確認画面115では、「よろしければ払出釦を押して下さい」の表示と併せて、直ぐ下の欄115aに、乗入先となる自口座の種別を表す「4」と、乗入元として決定した他口座の種別を表す「1パチ」とを表示する。また、第2貸出機2Bは、乗入元として決定した1円貯玉口座における例えば「2500玉」の貯玉数と、これを再プレイ可能玉数として前記レート比率で換算した「625玉」とを確認画面115に表示する。
そして、前記付与操作がなされると、第2貸出機2Bは125玉分を払出す。また、その払出しに伴い、「払出し中」を表す再プレイ画面116へ遷移し、その払出しを終えると「払出し完了」を表す払出し完了画面117へ遷移する。この場合、各画面116,117では、払出した125玉分を625玉から減算し、その減算した値である500玉を再プレイ可能玉数として表示を更新する。また、第2貸出機2Bは、1円貯玉の再プレイが開始されたことを管理装置6へ通知し、管理装置6は、その払出しについて前記換算比率での1円貯玉を対価とした減算(500玉分の1円貯玉引落処理)を実施する。その後、第2貸出機2Bは、払出し完了画面117から初期画面118へ遷移し、初期画面118では、更新後の再プレイ可能玉数「500」が表示される。
図8の初期画面119、再プレイ画面120、及び払出し完了画面121は、遊技機1での遊技の進行に伴い、前記付与操作の繰り返しにより、125玉分ずつ払出した結果、1円貯玉口座を利用した再プレイ可能玉数が0個になる過程の画面遷移を表す。これにより、次の初期画面122では、再プレイ可能玉数が表示されていない。
このように、第2貸出機2Bは、1円貯玉口座の貯玉を使い切った時点で、前記優先順序に基づき1円玉貯玉口座の次の優先順序となる2円貯玉口座を乗入元の口座として決定すると共に、その決定した2円貯玉口座を管理装置6へ通知する。これにより、管理装置6は、乗入元の口座を1円玉貯玉口座から2円貯玉口座へ切り替えるように自動的に設定し、その2円貯玉口座の選択履歴を記憶する。また、1円貯玉口座を利用した付与操作以降、各画面116〜121の上部の欄116a〜121aに表示されていた「1パチ利用中」は、2円貯玉口座へ切り替えた初期画面122の欄122aで「2パチ利用中」に更新される。
このように、一方の口座における貯玉の不足に伴い自動的に実行される他方の口座への切替処理を、状態切替処理と称する。即ち、第2貸出機2Bは切替手段として、1円貯玉を対価として4円レートでのパチンコ玉を付与した場合に、自身が当該4円レートでのパチンコ玉を付与するために対価にする1円貯玉の数が不足した状態になると、自身が第1遊技価値付与手段として4円レートでのパチンコ玉を付与する状態から第2遊技価値付与手段として4円レートでのパチンコ玉を付与する状態に切り替える状態切替処理を実行する。
また、第2貸出機2Bは、1円貯玉口座の貯玉を使い切った状態で、前記付与操作がなされると、初期画面122から暗証番号入力画面123へ遷移する。暗証番号入力画面123において、遊技者がテンキー123aのタッチ操作により4桁の暗証番号を入力すると、第2貸出機2Bは、入力された暗証番号を管理装置6へ通知する。管理装置6は、通知された暗証番号について会員データテーブル上のデータと照合し、当該暗証番号が適正であると判断した場合、第2貸出機2Bに適正信号を送信する。これにより、第2貸出機2Bは、適正信号を受信すると、前記確認画面115と同様の確認画面(図示略)へ遷移する。即ち、第2貸出機2Bは、乗入元となる2円貯玉口座を決定した場合でも、管理装置6からの適正信号の受信を待って、確認画面へ遷移する。そして、第2貸出機2Bは、決定した2円貯玉口座における例えば「1250玉」の貯玉数と、これを再プレイ可能玉数として前記レート比率(1/2)で換算した「625玉」とを、当該確認画面に表示する。これにより、遊技者は、2円貯玉口座を利用して、前記付与操作による再プレイを行うことができる。
こうして、第2貸出機2Bは、前記の状態切替処理を実行した場合に、遊技者が暗証番号を入力する等して認証操作を実行するまで、4円レートでのパチンコ玉の付与の実行を抑制するようになっており、特別遊技価値の付与の実行を抑制する抑制手段として機能する。
次の初期画面124、再プレイ画面125、及び払出し完了画面126は、2円貯玉口座に係る付与操作の繰り返しにより、125玉分ずつ払出した結果、2円貯玉口座を利用した再プレイ可能玉数が0個になる過程の画面遷移を表す。これにより、次の初期画面127では、再プレイ可能玉数が表示されていない。
このように、第2貸出機2Bは、1円貯玉口座だけでなく2円貯玉口座の貯玉を使い切った時点で、前記優先順序に基づき2円貯玉口座の次の優先順序となる自口座の4円玉口座を使用口座として決定し、その決定した4円貯玉口座を管理装置6へ通知する。これにより、管理装置6では、2円貯玉口座の選択履歴を無効化(解除)して、他口座の乗入を終了する。
また、第2貸出機2Bは、1円貯玉口座及び2円貯玉口座の各貯玉を使い切った状態で、前記付与操作がなされると、初期画面127から暗証番号入力画面128へ遷移する。暗証番号入力画面128において、遊技者がテンキー128aのタッチ操作により4桁の暗証番号を入力すると、第2貸出機2Bは、入力された暗証番号を管理装置6へ通知する。管理装置6は、通知された暗証番号について会員データテーブル上のデータと照合し、当該暗証番号が適正であると判断した場合、第2貸出機2Bに適正信号を送信する。これにより、第2貸出機2Bは、適正信号を受信すると、前記確認画面115と同様の確認画面(図示略)へ遷移する。
この確認画面では、決定された4円貯玉口座の貯玉数が表示され、遊技者は、4円貯玉口座を利用して前記付与操作を行うことができる。尚、自口座に切り替わった後の初期画面127では、その下部の欄127bの表示が、切り替わる前の初期画面118、119、122の「他口座払出」から「貯玉払出」に更新される。
上記したように、乗入の終了は、全ての他口座の貯玉を使い切った際に、自動的な他口座選択の解除により行われる。また、乗入の終了は、第2貸出機2Bにおいて、図示しないメニュー画面で「他口座利用終了」釦のタッチ操作がなされることにより、これを管理装置6へ通知し、管理装置6は、通知された当該会員IDの他口座利用を解除させることによっても行われる。
また、管理装置6は、前記他口座設定画面に表示される第2貸出機乗入方法の欄32aで「第2貸出機」に設定され、且つ乗入元口座選択方法の欄32bで「一括(グループ)」に設定された場合でも、POS7における他口座の利用設定(つまりPOS7を通じた他口座の選択記憶と、その解除)が可能に構成されている。
尚、第2貸出機2Bは、自口座の当日貯玉としての持玉がある場合、前記初期画面には、その持玉数が表示され(例えば画面127の「持玉」の欄127a参照)、その持玉を、他口座の貯玉よりも優先して払出す。即ち例えば、第2貸出機2Bにおいて、他口座を利用している途中で、計数受皿25Bにより受けた玉を計数して持玉として特定したとき、その特定した持玉を全て払出したことを条件に、他口座を継続して利用することができる。このように、第2貸出機2Bは持玉に係る計数を行い、或いは前記発行操作により会員カードを発行する場合でも、他口座利用を解除しない構成となっている。
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
遊技場用システムにおいて、第2貸出機2Bは遊技者が選択した貯玉の種類に関わらず、遊技場側が設定した優先順序に基づいて対価とする貯玉の種類を決定するので、第1貸出機2Aと第2貸出機2Bとが混在している状態において、誤った種類の貯玉を対価としたパチンコ玉の付与が実行されることを抑制できる。
また、獲得価値を使用した他の種類の遊技価値の付与が実行される前に、管理装置6の記憶部が記憶している獲得価値の種類を優先順序に基づいた獲得価値の種類に切り替えるため、係る抑制効果を高くすることが可能になる。
ところで、相互にレートが異なる複数の口座のうち、優先順序が相対的に早い方の口座の貯玉を第1獲得価値、これに劣後する口座の貯玉を第2獲得価値として把握した場合、上記の「乗入元口座選択設定:一括」について説明した第2貸出機2Bの動作は、次のように把握することができる。
即ち、第2貸出機2Bは第1遊技価値付与手段として、前記付与操作が行われた場合に、自身の記憶部が記憶する予め優先順序として定められた種類の第1獲得価値(上記の一例では1円貯玉)を対価として、予め定められた種類の遊技価値である特別遊技価値(上記の一例では4円レートでのパチンコ玉)を遊技者に付与する。尚、当該一例と異なり、第2貸出機2Bにおける、4円貯玉を対価とした4円レートでのパチンコ玉の付与、つまり自口座の貯玉を対価としてレート比率(1)で再プレイを行う場合も、「第1獲得価値を対価として、予め定められた種類の遊技価値である特別遊技価値を遊技者に付与する」ことに含まれる。
同じく、第2貸出機2Bは第2遊技価値付与手段として、前記付与操作が行われた場合に、自身の記憶部が記憶する第1獲得価値とは異なる種類の獲得価値である第2獲得価値(上記一例では2円貯玉)を対価として、4円レートでのパチンコ玉を遊技者に付与する。
そして、第2貸出機2Bは、第1遊技価値付与手段として1円貯玉を対価とする4円レートでのパチンコ玉を付与した場合に、これを付与するために対価にする1円貯玉の数が不足した状態になると、第1遊技価値付与手段として4円レートでのパチンコ玉を付与する状態から第2遊技価値付与手段として4円レートでのパチンコ玉を付与する状態に切り替え、前述した状態切替処理を実行する(図8における画面121,122遷移等、参照)。
また、第2貸出機2Bは、前記付与操作により口座の貯玉数が不足した状態になることに伴い自動的に実行する状態切替処理に際して、その処理の都度、暗証番号入力画面123,128を表示させる(図8参照)。このため、第2貸出機2Bは、状態切替処理を実行する場合又は実行した場合に、遊技者が暗証番号を入力する等して認証操作を実行するまで、第2遊技価値付与手段としての4円レートでのパチンコ玉の付与の実行を抑制するものといえる。
それ故、本実施形態の第2貸出機2Bによれば、対価にする貯玉の口座が切り替わった場合又は切り替わる場合に、認証操作を遊技者に行わせることで、対価にする貯玉の口座が切り替わったことを遊技者が特定し易くなる効果が期待できる。つまり本構成によれば、他人による不正な貯玉を対価としたパチンコ玉の付与を抑制するための認証操作によって、対価にする貯玉の口座の切り替えが行われたことを遊技者に特定させることができるという優れた効果を発揮することができる。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
例示した遊技機1以外の遊技機に本願発明を適用しても良い。例えば、パチンコ機として、玉が封入されており、遊技者が玉にさわることができず、クレジットや得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、クレジットや得点を消費してリールが回転する等ゲームが進行する完全クレジット式のスロットマシンに対応するよう本願発明を適用しても良い。この場合、クレジットや得点を遊技価値或いは獲得価値とし、その遊技価値の自動決定に対応した第2遊技用装置と、対応していない第1遊技用装置とが混在した遊技場にも適用することが可能となる。
上記コーナーに加えて又は代えて別のコーナーを設けることが可能である。例えば、0.5円玉コーナーを省いて、1枚10円レートのスロットマシンを設置する10円メダルコーナーを設けるようにしても良い。つまり、遊技価値の種類は任意に変更することが可能である。
遊技者が所有乃至所持している貯玉の特定方法や、遊技者の識別情報の特定方法を変更しても良い。識別情報は、上記した会員カードや携帯電話を利用して、これらを選択的に第2貸出機2Bで受け付けて管理装置6側で照合して特定する構成としたが、これら会員カードや携帯電話に代えて、ICコインや磁気媒体を利用し、或いは遊技者の指紋や顔面像といった生体認証を、第2貸出機2Bで受け付けて管理装置6側で照合することで、遊技者の識別情報として特定しても良い。
貸出機2が備える機能の少なくとも一部を管理装置6が備える構成としても良いし、管理装置6が備える機能の少なくとも一部を貸出機2が備える構成としても良い。例えば、優先順序に基づく乗入元の口座を決定する処理は、第2貸出機2B側で実行する構成としたが、管理装置6側で実行する構成としても良い。この場合、管理装置6は、決定した乗入元の口座を第2貸出機2Bに通知する構成とすることができる。また、例えば優先順序の設定を管理装置6で行う構成としたが、第2貸出機2Bにて優先順序を設定する構成としても良い。
乗入元の口座を自動的に切り替えた後に暗証番号を遊技者に入力させる構成としたが、乗入元の口座を切り替える前に暗証番号を入力させる構成としても良い。具体的には、第2貸出機2Bにおいて、乗入元の再プレイ可能玉数が0個になると暗証番号入力画面を表示し、付与操作がなされる前に暗証番号を入力させ、管理装置6からの適正信号の受信を待って、乗入元の口座を決定して切り替える処理を実行する構成にすると良い。
認証操作として暗証番号を入力させる構成としたが、認証操作を任意に変更しても良い。例えば、第2貸出機2Bにおいて遊技者の指紋を検出するための操作、或いは遊技者が所持する携帯電話をかざさせる操作を、遊技者が予め定められた認証操作を実行するための操作としても良く、認証操作手段を、液晶表示部21Bに限定するものではない。このような各種の認証操作手段を採用した場合でも、認証操作により取得された情報を管理装置6に照合させる等して、第2貸出機2B、管理装置6或いは遊技場用システムにおいて、識別情報に対応付けられた遊技者が遊技を行っていることを特定する構成であれば良い。
POS7で選択された乗入元の他口座の選択履歴に関わらず、優先順序に基づき乗入元の他口座を切り替えるタイミング乃至条件を変更しても良い。即ち例えば、第2貸出機2Bにおいてカード挿入口24Bに会員カードが挿入され、読み出した会員IDを管理装置6へ通知し、その管理装置6から当該会員IDに対応付けられた他口座の各貯玉数と優先順序が送信された時点で、それらの情報に基づき乗入元の他口座を決定しても良い。また、第2貸出機2Bにおいて遊技者の暗証番号の入力を受け付けた時点で、乗入元の他口座を決定しても良い。このように、カード挿入口24Bへの会員カードの挿入から乗入により払出しを行うまでの間の何れのタイミングで乗入元の口座を決定して切り替える処理を実行するように構成しても良い。
例えば第1貸出機2Aでは会員カードを用いる一方、第2貸出機2Bでは、会員カードに代えてICコインを用いるものとする等、第1貸出機2Aと第2貸出機2Bとで、受け付ける遊技者の識別情報を保持するための媒体を異ならせる構成としても良い。
第2貸出機2Bと機種を同じくする貸出機2は、4円玉コーナーだけでなく、2円玉〜0.5円玉コーナーにも夫々のレートに対応付けて設置されるものとした。これにより、1円玉コーナーには、第1貸出機2Aだけでなく、第2貸出機2Bと同じ機種の貸出機2が混在する構成としたが、1円玉コーナーに第1貸出機2Aの機種のみ設置する等、遊技場において、第1貸出機2Aと第2貸出機2Bが混在していれば良い。
乗入元として許容する遊技価値の種類や、乗入先として許容する遊技価値の種類は、管理装置6における前記他口座設定画面を利用する等して個別に遊技場側で設定可能としても良い。また、前日までに預け入れた貯玉を用いた乗入について説明したが、当日貯玉を用いた乗入を管理装置6側で許容する設定にすることも可能である。
例えば4円玉コーナーにおいて、4円貯玉口座の貯玉が無くなった場合、自動的に優先順序に基づく他口座への切り替えを実行する構成としても良い。つまり、自動的な他口座への切り替えは、個々の他口座の貯玉が無くなった場合に限るものではなく、自口座の貯玉が無くなった場合に優先順序の早い他口座への切り替えを実行する構成にしても良い。また、上記実施形態では、他口座だけでなく自口座も、設定された「1」〜「4」の優先順序での引き落としの対象としたが、他口座だけを係る優先順位での引き落としの対象としても良い。
更に、上記した数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良いし、変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせても良い。