[第1の実施の形態]
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。本発明の遊技用システムの実施の形態を図面に基づいて説明すると、先ず、図1は、本発明の実施の形態の遊技用システムの全体像を示すシステム構成図である。遊技用システムは、スロットマシン1と、メダル貸出機100と、カード管理コンピュータ500と、メダル管理コンピュータ550と、ホールコンピュータ540と、呼出ランプ200と、景品交換POS570と、精算装置580とから主に構成されている。
スロットマシン1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設される遊技機である。メダル貸出機100は、スロットマシン1の所定側の側方位置に該スロットマシン1に対して1対1に対応設置され、主に会員登録をしていない一般の遊技者を対象として発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(計数記録媒体)や、該遊技機に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カード(計数記録媒体)を受付けて、遊技機における遊技に使用される遊技媒体であるメダルを貸し出すための処理や、対応するスロットマシン1における遊技にて獲得されたメダルを計数するとともに、該計数済みのメダル数の範囲内のメダルの払出し(返却)を行なう本発明の遊技用装置である。カード管理コンピュータ500は、メダル貸出機100にて使用されるビジターカードや会員カード並びにメダル貸出機100の管理等を行なう。メダル管理コンピュータ550は、各メダル貸出機100において計数された計数済メダル数の管理や、会員カードを所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する貯蓄メダル数やビジターカードに記録された持ちメダル数の管理を行なう本発明の管理装置である。ホールコンピュータ540は、遊技場内に設置された各スロットマシン1の台データ等の遊技情報を管理する。
呼出ランプ200は、遊技場の店員を呼出すための操作ボタン、ならびに、遊技機から遊技に関する情報を受信して、大当りやビッグボーナスの回数や前回の大当りやビッグボーナスからの回転数などの遊技状況および遊技履歴などを表示するための表示部を備える。景品交換POS570は、遊技場の店員がいるカウンタに設置され、店員によって操作されて、会員カードまたはビジターカードなどに対応付けられた持ちメダル数および貯蓄メダル数に対応する遊技価値を、景品に交換するための処理を実行する。精算装置580は、会員カードまたはビジターカードを受付けて、これらのカードに対応付けられたプリペイド残額を現金に精算するための処理を実行する。
そして、これら本実施の形態の遊技用システムを構成する各装置は、図1に示すように、ハブ(HUB)70並びに通信ケーブル80を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されているとともに、各装置が装置(ユニット)IDとローカルIPアドレスとが対応付けられたIPアドレステーブルや後述するユニット管理テーブル(図9参照)等を有することで、該装置(ユニット)IDから特定される各ローカルIPアドレスを送信データに付与して送受信することにより、互いにデータの送受を実行できるようになっている。
尚、本実施の形態のカード管理コンピュータ500は、上述したように、各会員カード並びに各ビジターカードに残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理しているとともに、通信回線81を介して、これら会員カードやビジターカードを管理する遊技場外のカード管理会社に設置された管理サーバ82と双方向のデータ通信を実行できるように接続されていて、これら管理サーバ82に対してカード管理コンピュータ500から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該管理サーバ82にて各遊技場の会員カード並びにビジターカードによる売り上げ等を把握できるようになっている。
また、本実施の形態のホールコンピュータ540には、図1に示すように、遊技場内を監視するための監視カメラシステム21が接続されており、該監視カメラシステム21にて撮像された遊技場内の監視画像が、各スロットマシン1の台データ等とともに記憶、管理されるようになっている。更に、本実施の形態のホールコンピュータ540には、遊技場の店員が使用するインカム9を制御する無線放送システム20が接続されており、ホールコンピュータ540は、無線放送システム20を介して店員のインカム9に対し、自動音声メッセージを送信することができる。
次に、遊技機の一例であるスロットマシンおよび遊技用装置の一例であるメダル貸出機について説明する。図2は、スロットマシン1およびメダル貸出機を示す正面図である。
図2に示すように、スロットマシン1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に複数並設されており、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。筐体1aの内部上方位置には、外周に複数種類の図柄が配列されたリール2L,2C,2Rが水平方向に並設されており、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓3から見えるように配置されている。
スロットマシン1においてゲーム(遊技)を行なう場合には、まず、円盤状の遊技媒体の一例であるメダルMをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルMが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。ここでは、リール2L,2C,2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施の形態では入賞ラインを1本としているが、複数の入賞ラインを定めても良い。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインL1〜L5のいずれかに予め定められた図柄の組合せ(役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルMが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(たとえば、50)に達した場合には、メダルMが直接メダル払出口9から前面扉1bの下部に前方に突出するように設けられた下皿5に払いだされるようになっている。また、入賞ラインL1〜L5のいずれかに、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には、図柄の組合せに応じた遊技状態(たとえば、レギュラーボーナスやビッグボーナスボーナス等)に移行するようになっている。
次に、メダル貸出機100について説明すると、メダル貸出機100は、スロットマシン1に1対1に対応するように設けられている。尚、本実施の形態では、1台のスロットマシン1に対応するメダル貸出機100が、該スロットマシン1の右側に配置されている。また、本実施の形態では、メダル貸出機100はスロットマシン1に1対1に対応するように設けられているが、たとえば、メダル貸出機100を2台のスロットマシン1,1の間に2対1に対応するように設け、1台のメダル貸出機100を左右2台のスロットマシン1,1により共用してもよい。
メダル貸出機100は、スロットマシン1の所定側(本実施の形態では、スロットマシン1に向かって右側)の側方位置に対応設置され、紙幣、または会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、遊技機における遊技に使用される円盤状の遊技媒体であるメダルMを貸し出すための処理と、遊技者がスロットマシン1での遊技にて獲得したメダルMを受付けて、該受付けたメダルMを計数するための処理と、該計数した獲得メダル枚数をビジターカードや会員カードから特定可能とするための処理等を行なう。
尚、メダル貸出機100は、メダル貸出機100にて使用されるビジターカードや会員カード並びにメダル貸出機100の管理等を行なうカード管理コンピュータ500や、貯蓄メダル数や持ちメダル数の管理を行なうメダル管理コンピュータ550や、遊技場内に設置された各スロットマシン1の台データ等の遊技情報を管理するホールコンピュータ540等の各種のコンピュータが接続されており、これら各コンピュータとの間において双方向のデータ通信が可能とされている。
本実施の形態に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実行するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実行する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まる会員カードIDが予め書き換え不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
尚、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、一度獲得して計数したメダルMをその翌日以降においても再度遊技に使用できる貯蓄メダルを行なうことができるようになっているが、これら会員カードには、該貯蓄メダルのデータである貯蓄メダル数は直接記録されておらず、これら貯蓄メダル数は、貯蓄メダルの情報を管理するメダル管理コンピュータ550において、カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
また、貯蓄メダルと同様に、当日において計数された持ちメダルについても、メダル管理コンピュータ550において、カードIDと会員IDと持ちメダルの情報が対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員IDから持ちメダルの数を特定できるようになっている。また、これら持ちメダルについては、会員カードだけではなく、ビジターカードについても同様に、メダル管理コンピュータ550において、カードIDに対応付けて持ちメダルの情報が記憶されていて、ビジターカードには、持ちメダルの情報は記録されないようになっている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、ビジターカードにも、持ちメダルの情報を記憶して、メダル管理コンピュータ550の持ちメダルの情報とを照合できるようにしても良い。
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された図示しないカード発行・入金機にて、購入、発行されるとともに、メダル貸出機100においても発行される。
本実施の形態のメダル貸出機100は、正面視縦長長方形状をなす前面が開口する筐体101と、該筐体101の前面下部開口の開閉可能とする開閉板102と、から構成され、内部には後述する各種装置が内蔵されている。
図2に示すように、開閉板102の前面上部には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口110が設けられ、その下方位置には、タッチパネル124付きの液晶表示器123が設けられている。タッチパネル124付きの液晶表示器123においては、メダル貸出機100に対する各種操作が受付けられ、これらの操作に伴なう情報、ならびに、プリペイド残額、持ちメダル数、および、貯蓄メダル数などの情報が表示される。タッチパネル124付きの液晶表示器123の下方位置には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでメダル貸出機100の状態等を報知可能とされた状態報知ランプ111や、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口112が設けられている。
状態報知ランプ111の下方位置には、入金の利用可能状態を報知する入金可ランプ113と、挿入中の会員カードやビジターカードを排出する返却ボタン114と、カード残高やエラーコード等を表示するカード残高表示部115と、メダルMの払い出しが行なわれるメダル貸出ボタン116と、メダルMの貸出が可能なことを表示するメダル貸出ランプ117と、メダル貸出機100の内部に設けられる貸出メダル貯留部(図示略)の状態を報知するメダル切れランプ118と、会員カードの暗証番号等を入力するためのテンキー120と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯蓄メダル数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン121と、再プレイ遊技を実施する際に入力する暗証番号が表示される暗証番号表示部119と、対応するスロットマシン1にて遊技を行なっている遊技者の顔画像を撮影できる顔画像撮影カメラ188(遊技者撮像手段)と、が配設されている。
これら各種操作部の下方位置には、貸出メダル貯留部183にメダルMを補給する際に開閉板102の一部を開放するためのメダル補給扉130が、下辺を回動軸として開閉可能に設けられている。このメダル補給扉130は、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)をメダル補給扉鍵131に差し込まない限り開放できないようになっている。
メダル補給扉130の下方位置には、遊技者が遊技により獲得したメダルMを受け入れて計数するための受入部140が設けられているとともに、該受入部140の下部からは、受入部140にて受け入れたメダルMを下方に誘導して後述する計数装置190の導入口142に導入するための導入経路を構成する導入経路カバー141が下方に向けて延設されている。
また、この導入経路カバー141の上下方向の中央位置よりもやや下方には、払出装置182から払い出されたメダルMをスロットマシン1の下皿5に誘導する誘導部材の一例であるノズル150が、導入経路カバー141の前後方向に挿通されている。
図3は、本実施の形態のメダル貸出機100の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御ユニット181は、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)181aや、内部カードリーダライタ187に受付け中のビジターカードや会員カードの(会員)カードID並びにプリペイド残額や、持ちメダル数、貯蓄メダル数、来店ポイント数、対応するスロットマシン1の台データ、遊技中の会員の遊技情報等の各種のデータを記憶可能なRAM181bや、中央演算処理回路(CPU)181aが実行する制御プログラムや、当該メダル貸出機100の装置IDを含む設定情報を書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM181cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)181dを含み、RAM181bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。また、制御ユニット181は、通信部184並びに前述したHUB70を介して各種コンピュータとの双方向のデータ通信が可能とされている。
また、制御ユニット181には、前述した液晶表示器123およびタッチパネル124を制御するための表示制御基板129や、紙幣識別ユニット180や、状態報知ランプ111や、内部カードリーダライタ187や、顔画像撮影カメラ188や、払出装置182や、スピーカ(図示せず)を制御するための音声制御基板(図示せず)が接続されている。スピーカでは、メダル貸出機100からの報知が音声によって行なわれる。なお、メダル貸出機100自体には、音声を出力するための手段を設けずに、呼出ランプ200のスピーカから報知を行なうための制御信号を出力可能なように構成してもよい。更に、制御ユニット181には、後述するメダル情報の総メダル貯留数、自店メダル貯留数、偽メダル貯留数の値をリセットするためのリセットスイッチ186が接続されている。このリセットスイッチ186は、筐体101の内部に設けられ、筐体101の前面下部の開閉板102(図2参照)を開放した場合に操作できる。
この開閉板102(図2参照)の上端には、開閉板鍵106が設けられ、この開閉板鍵106により施錠することで、開閉板102がメダル貸出機100の前面側に取り外し不能に取り付けられる。尚、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)を開閉板鍵106に差し込まない限り、開閉板102を取り外せないようになっている。そして、リセットスイッチ186は、店員がメダル貯留ボックス(図示略)を空にしたときに、押圧操作されるようになっている。
また、制御ユニット181には、貸出操作基板189が接続されており、この貸出操作基板189には、前述したカード残高表示部115に対応するカード残高表示器115’と、メダル貸出ボタン116に対応するメダル貸出ボタンスイッチ116’と、返却ボタン114に対応する返却ボタンスイッチ114’と、入金可ランプ113と、メダル貸出ランプ117と、メダル切れランプ118と、が設けられている。
また、制御ユニット181には、再プレイ操作基板185が接続されており、この再プレイ操作基板185には、前述した暗証番号表示部119に対応する暗証番号表示器119’と、テンキー120に対応するテンキースイッチ120’と、再プレイボタン121に対応する再プレイボタンスイッチ121’と、が設けられている。
また、制御ユニット181は、当該メダル貸出機100の下部位置に設けられている計数装置190に接続され、該計数装置190による各計数信号が入力可能とされている。この計数装置190からの計数信号の入力に応じて、後述する各種テーブルの更新を行なうようになっている。この計数装置190には、メダル撮影カメラ190cや、流路切換器190dが設けられるとともに、発光部165(図2参照)に対応するLEDユニット190fが設けられている。さらに計数装置190には、メダル撮影カメラ190cで撮影したメダル画像等を一時的に記憶するメモリ190bや、これらのデバイスを制御し、かつメダルMの真贋を判定するコントローラ190aが設けられている。
本実施の形態のRAM181bに記憶されているカードテーブルには、図4(a)に示すように、カードリーダライタ187に挿入されたビジターカードや会員カードから読み出した(会員)カードIDと、会員ID(会員カードのみ)と、暗証番号(会員カードのみ)と、(会員)カードID並びにプリペイド残額データに基づくプリペイド残額と、カードIDから特定される持ちメダル数と、(会員)カードIDと会員IDから特定される貯蓄メダル数(会員のみ)と、会員IDから特定される来店ポイント数(会員のみ)と、当該カードが入金残額対応カードであるか否かを示す入金残額対応フラグと、当該カードに対するカードロック機能が有効か無効かを示すカードロック有効フラグと、盗難カード制限機能において当該カードが盗難された旨の登録がされたカードであるか否かを示す盗難カードフラグと、当該カードに対する遊技履歴集計機能の履歴集計処理で集計されている本日の大当り回数と、当該カードに対する少量貸し機能が有効か無効かを示す少量貸し有効フラグが記憶される。
入金残額対応カードとは、後述する図21の「残額取出」ボタンが操作されることで図22のステップSg11で実行される図23のステップSh15で排出される会員カードまたはビジターカードであり、入金残額対応カードの旨が対応付けられる。
カードロック機能とは、暗証番号の入力が無い限り、当該カードを返却や、カードロック機能の有効から無効への切替えなどができないようにする機能である。なお、本実施の形態においては、カードロック機能が有効とされている場合は、暗証番号の入力が無い限り、後述する持玉分割機能およびカード後挿入機能も実行できないようにされる。しかし、これに限定されず、カードロック機能が有効である場合に実行が制限される機能は、いずれの機能であってもよい。
盗難カード制限機能とは、盗難されたカードを登録しておくことで、盗難カードが使用できないように制限する機能である。盗難カードの登録については、次のように行なわれる。
たとえば、カード管理コンピュータ500でメダル貸出機100の装置IDおよび当該カードを使用していた時間などが入力されることで、メダル管理コンピュータ550の図25のユニット管理テーブルなどで受付けられていたカードIDなどが検索されて、図6の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルに、当該カードIDの盗難カードフラグがオン状態として登録される。
または、盗難された直後に、店員がリモコンでカードが盗難された旨をメダル貸出機100に入力することで、図6の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルの、直前に使用されていたカードのカードIDに対応する盗難カードフラグがオン状態として登録される。
遊技履歴集計機能とは、当該カードのカードIDに対応付けて、遊技の履歴(たとえば、大当り回数、大当り間変動回数、リーチ回数など)を集計する機能である。少量貸し機能とは、通常の貸出単位額分よりも小額の金額分のメダルを貸出す機能であり、たとえば、通常は1000円単位でメダルを貸出すが、少量貸し機能で1000円以下の設定した金額、たとえば、100円単位での貸出しが可能となる。
また、RAM181bに記憶されているカード受付け中遊技情報には、図4(b)に示すように、カードリーダライタ187に会員カードまたはビジターカードが挿入された時点からの遊技情報、つまり、該挿入された会員カードまたビジターカードを所持する遊技者の遊技に関する遊技情報が集計される。
具体的には、遊技者が遊技を開始した開始時間(カードの受付け時刻)と、遊技者が遊技を終了した終了時間(カードの返却時刻)と、遊技者の遊技時間と、遊技者のカードを受付けてから使用した持ちメダル数を示す使用持ちメダル数と、遊技者のカードを受付けてから再プレイに使用した再プレイメダル数(会員のみ)と、遊技者のカードを受け付けてから計数装置190に投入されたメダルが不正メダルとして判定された場合にその不正メダルと判定された累積数を示す累積不正メダル数と、が記憶され、対応するスロットマシン1で遊技中の遊技者が遊技を開始してからの遊技情報を把握できるようになっている。
また、RAM181b(記憶手段)に記憶されているメダル情報には、図4(c)に示すように、払出装置182から本日に払い出されたメダルの総数である払出総メダル数と、計数装置190に本日に投入されたメダルの総数である計数総メダル数(計数遊技媒体数)と、計数装置190にて不正メダルであると判定されたメダルの総数である総不正メダル数と、計数装置190にて不正メダルであると判定されてメダル貯留ボックスに貯留されたメダルの総数である総メダル貯留数と、この総メダル貯留数のうち、自店の他の領域で用いられるメダルである自店メダルの貯留数を示す自店メダル貯留数と、他店等の外部から持ち込まれたメダルである偽メダルの貯留数を示す偽メダル貯留数と、が記憶される。
また、RAM181bには、図4(d)に示すように、計数装置190に投入されたメダルが連続して不正メダルであると判定された場合に、1が加算更新(インクリメント)される連続不正メダルカウンタが設定されている。
次に、本実施の形態のカード管理コンピュータ500について、図5に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いたカード管理コンピュータ500は、図5に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行なうデータバス501に、該カード管理コンピュータ500が実行する各種処理を行なうCPU502、ワークメモリ等として使用されるRAM503、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC504、ハードディスク等からなる記憶装置505、キーボードやマウス等の入力装置506、各種の画面を表示出力する表示装置507、各種情報をプリント出力するプリンタ508、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたメダル貸出機100(制御ユニット181)やカード発行・入金機等の各装置とのデータ通信を行なう通信部509、カード会社に設置された管理サーバ82とのデータ通信を行なうデジタルサービスユニット(DSU)510が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置505には、カード管理コンピュータ500において実行される各種処理を行なうための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カードに残存するプリペイド残額を管理するための会員カードテーブル(図6(a)参照)と、ビジターカードに残存するプリペイド残額を管理するためのビジターカードテーブル(図6(b)参照)と、が記憶されている。
会員カードテーブルには、図6(a)に示すように、各会員カードを個々に識別可能な会員カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者の会員IDと、プリペイド残額と、当該会員カードが使用不可であるか否かを示す使用不可フラグと、当該会員カードが入金残額対応カードであるか否かを示す入金残額対応フラグと、カードロック機能等に用いられる暗証番号と、当該カードに対するカードロック機能が有効か無効かを示すカードロック有効フラグと、盗難カード制限機能において当該カードが盗難された旨の登録がされたカードであるか否かを示す盗難カードフラグとが記憶されている。これにより、会員カードに記憶されている会員カードID若しくは会員IDから、プリペイド残額、当該会員カードの使用可否、当該会員カードが入金残額対応カードであるか否か、暗証番号、カードロック機能が有効か無効か、および、盗難カードである旨の登録がされたカードであるか否かを特定できるようになっている。本実施の形態においては会員カードの暗証番号は、会員カードの発行時に、予め設定される。
また、ビジターカードテーブルには、図6(b)に示すように、各ビジターカードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該ビジターカードの状況(利用中であるか保管中であるか)と、当該会員カードまたはビジターカードが発行された最新の日時である最新発行日時と、プリペイド残額と、当該カードが使用不可であるか否かを示す使用不可フラグと、当該会員カードが入金残額対応カードであるか否かを示す入金残額対応フラグと、当該カードに対するカードロック機能が有効か無効かを示すカードロック有効フラグと、カードロック機能等に用いられる暗証番号と、盗難カード制限機能において当該カードが盗難された旨の登録がされたカードであるか否かを示す盗難カードフラグとが記憶されている。これにより、ビジターカードに記憶されているカードIDから、プリペイド残額、当該ビジターカードの使用可否、当該会員カードが入金残額対応カードであるか否か、最新発行日時、カードロック機能が有効か無効か、暗証番号、および、盗難カードである旨の登録がされたカードであるか否かを特定できるようになっている。
本実施の形態のカード管理コンピュータ500(CPU502)は、メダル貸出機100における会員カードまたはビジターカードの受付けに応じて各メダル貸出機100から送信される、該メダル貸出機100の装置ID並びに該受付けた会員カードまたはビジターカードから読み出した(会員)カードID並びにプリペイド残額を含むカード受付け通知の受信に応じて、該会員カードまたはビジターカードの使用の可否を判定してメダル貸出機100に返信するカード受付け処理を実行する。
また、本実施の形態のカード管理コンピュータ500(CPU502)は、メダル貸出機100における貸出処理の実行に伴い送信される貸出完了通知の受信に応じて、該受信した貸出完了通知に含まれる(会員)カードIDに対応して会員カードテーブル若しくはビジターカードテーブルに記憶されているプリペイド残額から、該貸出完了通知に含まれる税込使用額を減算更新する減算更新処理を行なう。
また、本実施の形態のカード管理コンピュータ500(CPU502)は、メダル貸出機100或いはカード発行・入金機における発行・入金処理の実行に伴い送信されるカード入金通知の受信に応じて、該受信したカード入金通知に含まれる(会員)カードIDに対応して会員カードテーブル若しくはビジターカードテーブルに記憶されているプリペイド残額に、該カード入金通知に含まれる入金金額を加算更新する入金更新処理を行なう。
次に、本実施の形態のメダル管理コンピュータ550について、図7に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いたメダル管理コンピュータ550は、図7に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行なうデータバス551に、該メダル管理コンピュータ550が実行する各種処理を行なう中央演算処理装置(CPU)552、ワークメモリ等として使用されるRAM553、時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)554、ハードディスク等からなる記憶装置555、キーボードやマウス等の入力装置556、各種の画面を表示出力する表示装置557、各種情報をプリント出力するプリンタ558、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたメダル貸出機100とのデータ通信を行なう通信部559が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置555には、メダル管理コンピュータ550において実行される各種処理を行なうための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カードを所持する会員遊技者が所有する営業当日において当該会員遊技者により獲得された持ちメダル数、並びに営業当日前に当該会員遊技者により獲得された貯蓄メダル数を管理するための会員貯蓄管理テーブル(図8(a)参照)と、ビジターカードに記録されている該ビジターカードを所持する遊技者により営業当日において獲得された持ちメダル数を管理するためのビジター貯蓄管理テーブル(図8(b)参照)と、遊技場内の各メダル貸出機100におけるその時点の総不正メダル数等と各メダル貸出機100に受付け中のカードとを管理するためのユニット管理テーブル(図9参照)と、会員カードを所有する会員遊技者に関する会員情報が格納される会員情報テーブル(図10(a)参照)と、会員遊技者を特定可能な会員IDごとに、当該会員遊技者の遊技情報を含む遊技履歴が格納される会員別遊技履歴テーブル(図10(b)参照)と、が記憶されている。
会員貯蓄管理テーブルには、図8(a)に示すように、各会員カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者を個々に識別可能な会員識別情報である会員IDと、当該会員遊技者がその営業当日において獲得した獲得メダル数の合計であって遊技や景品交換に未使用のメダル数である持ちメダル数と、当該会員遊技者がその営業当日前において獲得した獲得メダル数の合計であって遊技や景品交換に未使用のメダル数である貯蓄メダル数と、当該カードに対する遊技履歴集計機能の履歴集計処理で集計されている本日の大当り回数とが記憶されている。これにより、会員カードに記憶されているカードID若しくは会員IDから、当該会員遊技者が所有する持ちメダル数、貯蓄メダル数および本日の大当り回数を特定できるようになっている。
尚、会員貯蓄管理テーブルに管理されている持ちメダル数は、その営業当日のみ持ちメダル数として管理されており、営業終了後の締め処理において会員貯蓄管理テーブルに存在する持ちメダル数は、貯蓄メダル数に加算更新された後、全てリセットされる。また、会員貯蓄管理テーブルに管理されている大当り回数は、営業終了後に、図10(b)の会員別遊技履歴テーブルの累計大当り回数に加算更新された後、リセットされる。
また、ビジター貯蓄管理テーブルには、図8(b)に示すように、各ビジターカードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該ビジターカードの最新発行日時と、該ビジターカードを所持する遊技者がその営業当日において獲得した獲得メダル数の合計であって遊技や景品交換に未使用のメダル数である持ちメダル数と、当該カードに対する遊技履歴集計機能の履歴集計処理で集計されている本日の大当り回数とが記憶されている。これにより、ビジターカードに記憶されているカードIDから、当該遊技者が所有する持ちメダル数および本日の大当り回数を特定できるようになっている。
尚、ビジター貯蓄管理テーブルに管理されている持ちメダル数は、その営業当日のみ有効とされており、営業終了後の締め処理においてビジター貯蓄管理テーブルに存在する持ちメダル数が全てリセットされることにより、無効化される。また、ビジター貯蓄管理テーブルに管理されている大当り回数は、その営業当日のみ有効とされており、営業終了後に、リセットされる。
ユニット管理テーブルには、図9に示すように、遊技場内に設置された各メダル貸出機100に固有に付与された装置IDに対応付けて、メダル貸出機100のローカルIPアドレスが格納されるローカルIPと、当該メダル貸出機100が設置されている遊技島の島番号が格納される設置島と、当該メダル貸出機100がカードの受付け中であるか待機中であるかが格納される状況と、当該メダル貸出機100が対応するスロットマシン1の台番号が格納される対応台番号と、受付け中の会員カードまたはビジターカードのカードIDが格納される受付IDと、その時点における各メダル貸出機100にて計数された総不正メダル数と、各メダル貸出機100に貯留されるメダルの総メダル貯留数、自店メダル貯留数、偽メダル貯留数とが記憶されており、これらメダル関連情報は、メダル管理コンピュータ550にて実行される後述の計数処理において定期的に各メダル貸出機100から送信されることで、最新のメダル関連情報が管理されるようになっている。
会員情報テーブルには、図10(a)に示すように、会員カードを所持する会員遊技者の会員IDに対応付けて、本人確認のための暗証番号と、会員カードの受付けに応じて一日に1回所定の来店ポイントが加算更新される来店ポイントと、来店状況等に基づくランクと、会員の氏名(名字並びに名前)、性別、年齢、誕生日、職業、住所、電子メールアドレスからなる会員属性情報(個人情報)とが登録されている。
また、会員別遊技履歴テーブルには、図10(b)に示すように、会員IDごとに、当該会員遊技者の遊技履歴、具体的には、来店日、遊技を行なったスロットマシン1の台番号、機種名、遊技開始時間(時刻)、遊技終了時間(時刻)、遊技開始から終了までの間の遊技時間、再プレイメダル数、使用持ちメダル数、計数メダル数、累計大当り回数からなる遊技履歴が格納されている。会員別遊技履歴テーブルの来店日には、RTC554から出力されるカレンダ情報に基づく当該遊技履歴の記憶時点の年月日が格納されるとともに、遊技開始時間、遊技終了時間、遊技時間の遊技履歴は、カードの返却時にメダル貸出機100から送信される会員遊技履歴データに基づいて記憶される。
以下、本実施の形態のメダル貸出機100の動作について、図11〜図26を用いて説明する。
まず、図11に示すように、メダル貸出機100の制御ユニット181は、メダル貸出機100への電源投入により起動されることで、Sb1の起動処理を実行して、各種テーブルの初期化並びに各部の接続状況の確認や、カード管理コンピュータ500やホールコンピュータ540、メダル管理コンピュータ550への接続確認要求の送信、並びに該接続確認要求の送信に応じてカード管理コンピュータ500、ホールコンピュータ540、メダル管理コンピュータ550から返信される設定情報に基づく各設定データに初期値等の設定等を実行する。
そして、該起動処理の完了後においてSb2〜Sb9の処理を巡回実行することで、カード挿入口112への会員カード或いはビジターカードの挿入であるカード受付け(Sb2)、遊技者(会員またはビジター)による貸出ボタンの操作(Sb3)、紙幣挿入口110からの紙幣の投入による現金受付け(Sb4)、遊技者による返却ボタンの操作(Sb5)、再プレイボタン121の操作(Sb6)、計数装置190に対するメダル投入の検出(Sb7)、所定のエラー信号の検出(Sb8)、タッチパネル124の操作(Sb9)を検知する待機状態となる。
これらSb2〜Sb9の待機状態において、遊技者が、ビジターカードまたは会員カードをカード挿入口112に挿入した場合には、該ビジターカード或いは会員カードの挿入に伴う挿入検知情報がカードリーダライタ187から制御ユニット181に出力されることで、制御ユニット181は、Sb2においてカード受付け有りと判断してSb20のステップに進み、カード受付け処理を実行する。
図12は、メダル貸出機において実行されるカード受付け処理の処理内容を示すフロー図である。図12を参照して、このSb20における本実施の形態のカード受付け処理においては、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カード挿入口112に挿入された会員カードまたはビジターカードの取り込み指示をカードリーダライタ187に出力して、挿入された会員カード或いはビジターカードをカードリーダライタ187内に取り込んで、該会員カード或いはビジターカードに記憶されている記憶データ、具体的には、当該会員カード或いはビジターカードの(会員)カードIDと会員ID(会員カードのみ)とプリペイド残額データ、持ちメダル数データ(ビジターカードのみ)等を読み出す(ステップSn1)。
そして、制御ユニット181のCPU181aは、受付けた会員カードまたはビジターカードから読出した(会員)カードIDと当該メダル貸出機100の装置IDとを含む盗難カード確認要求をカード管理コンピュータ500に送信する(ステップSn21)。
カード管理コンピュータ500のCPU502は、図6で説明した会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルに基づいて、盗難カード確認要求に含まれる(会員)カードIDに対応する盗難カードフラグがオン状態であることを示す「1」であるか否かを確認する。そして、確認結果に基づいて、盗難カードであるか否かを示す情報を、盗難カード確認要求に含まれる装置IDのメダル貸出機100に送信する。
メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、受信した盗難カードであるか否かを示す情報に基づいて、受付けたカードが盗難カードであるか否かを判断する(ステップSn22)。
盗難カードである(ステップSn22でYES)と判断した場合、CPU181aは、盗難カードを受付けた旨の情報および当該メダル貸出機100の装置IDを、ホールコンピュータ540に送信する(ステップSn23)。
ホールコンピュータ540では、当該情報の受信に基づいて、無線放送システム20を制御して、店員が装着しているインカム9から、盗難カードが受付けられた旨、および、そのメダル貸出機100の装置IDを報知する音声を出力するとともに、監視カメラシステム21を制御して、当該メダル貸出機100に盗難カードを挿入した遊技者を撮影する。これにより、盗難の疑いのあるカードを使用しようとした遊技者を特定することができるとともに、当該盗難カードの使用の証拠を残すことができる。
この後、メダル貸出機100のCPU181aは、店員が所持するリモコンからのリセット信号を受信したか否かを判断することによって、リセット操作があったか否かを判断する(ステップSn24)。リセット操作がない(ステップSn24でNO)と判断した場合、CPU181aはこの処理を繰返す。
一方、店員が当該メダル貸出機100に駆け付けてリセット操作をした(ステップSn24でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードを返却するようカードリーダライタ187を制御して(ステップSn4)、当該カード受付け処理の呼出元に処理を戻す。
一方、盗難カードでない(ステップSn22でNO)と判断した場合、制御ユニット181のCPU181aは、受付けた会員カードまたはビジターカードから読み出した(会員)カードIDとプリペイド残額データと装置IDとを含む認証要求をカード管理コンピュータ500に送信する(ステップSn2)。そして、カード管理コンピュータ500からの認証結果を受信するカード認証処理を実行し、認証NGであるか否かを判断する(ステップSn3)。
カード管理コンピュータ500から返信された認証結果が「認証NG」である場合(ステップSn3でYESである場合)に、メダル貸出機100は、受付けた会員カード或いはビジターカードの排出指示をカードリーダライタ187に出力して、挿入された会員カード或いはビジターカードを返却させてカード受付け処理を終了する(ステップSn4)。一方、返信された認証結果が「認証OK」である場合(ステップSn3でNOである場合)には、受付けたカードから読み出した(会員)カードIDと会員ID(会員のみ)とプリペイド残額とをカードテーブルに格納するとともに、メダル管理コンピュータ550に対して、受付けた会員カード或いはビジターカードから読み出した(会員)カードIDと装置IDと持ちメダル数(ビジターカードのみ)とを含むカード受付け通知を送信し、カード管理コンピュータ500に対して、受付けた会員カード或いはビジターカードから読み出した(会員)カードIDと装置IDとを含むカード受付け通知を送信する(ステップSn5)。
次いで、メダル管理コンピュータ550は、受信したカード受付け通知に含まれる(会員)カードIDに対応する持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)および本日の大当り回数を、会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブルにおいて該(会員)カードIDに対応して記憶されている各データから特定するとともに、該カードIDが会員カードIDである場合には、該会員カードIDに対応して会員情報テーブルに記憶されている暗証番号と来店ポイントとを更に特定し、これら特定した持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)、来店ポイント(会員のみ)、暗証番号(会員のみ)および(会員)カードIDを含む受付け処理完了通知を、受信したカード受付け通知の送信元のメダル貸出機100に対して返信する。
また、カード管理コンピュータ500は、受信したカード受付け通知に含まれる(会員)カードIDに対応する暗証番号、カードロック有効フラグ、盗難カードフラグを、会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルにおいて該(会員)カードIDに対応して記憶されている各データから特定し、これら特定した暗証番号、カードロック有効フラグおよび盗難カードフラグを含む受付け処理完了通知を、受信したカード受付け通知の送信元のメダル貸出機100に対して返信する。
メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、メダル管理コンピュータ550およびカード管理コンピュータ500から処理完了通知を受信したか否かを判断する(ステップSn6)。この受付け処理完了通知の受信に応じて(ステップSn6でYESとなったことに応じて)、メダル貸出機100の制御ユニット181(記憶処理手段)のCPU181aは、受信した受付け処理完了通知に含まれる持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)、来店ポイント(会員のみ)、暗証番号、本日の大当り回数、カードロック有効フラグ、盗難カードフラグを、カードテーブルに格納するとともに、カードテーブルに記憶されているプリペイド残額を残額表示部115に表示し、更に、カード受付け中遊技情報(図4(b)参照)をリセットするとともに、その時点の時刻を「開始時刻」に格納する(ステップSn7)。なお、会員については、メダル管理コンピュータ550およびカード管理コンピュータ500から同じ暗証番号が受信される。
そして、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、受付けたカードが入金残額対応カードであるか否かを判断する(ステップSn11)。入金残額対応カードであるか否かは、会員カードの場合は、カード管理コンピュータ500の図6で示した会員カードテーブルに記憶されている入金残額対応フラグが「1」つまりオンの状態であるか否かを、カード管理コンピュータ500に問合せることによって判断される。ビジターカードの場合は、同方法に加えて、カード自体にも入金残額対応フラグを記録するので、これを参照して判断されるようにしてもよい。
入金残額対応カードである(ステップSn11でYES)と判断した場合、CPU181aは、入金残額対応カードの排出時である後述する図23の残額取出処理の実行時にステップSh14で記憶されるカードIDと、今回、受付けられたカードのカードIDが一致するか否かを判断する(ステップSn12))。一致する(ステップSn12でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カードである場合は、カード管理コンピュータ500の会員カードテーブルの入金残額対応フラグをオフの状態にして、ビジターカードである場合は、加えて、カード自体に記録された入金残額対応フラグもオフの状態にする(ステップSn13)。
CPU181aは、入金残額対応カードを排出したことを示す残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSn14)。残額排出フラグがオン状態であると判断した場合(ステップSn14でYES)、CPU181aは、残額排出フラグをオフ状態とし、記憶している入金残額対応カードのカードIDを削除する(ステップSn15)。その後、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
ここでは、入金残額も持ちメダル数もメダル貸出機100に記憶されていない状態で外部からカードが受付けられた状態であり、もはや、入金残額対応カードに、後から持ちメダル数や入金残額を追加で書込む必要性が無くなった状態であるので、ステップSn13およびステップSn15で、入金残額対応フラグおよび残額排出フラグをオフにする。
また、遊技者が貸出ボタンの操作を実施した場合には、該遊技者による貸出ボタン116の操作を検知するための貸出ボタンスイッチ116’からの信号が制御ユニット181に出力されることで、制御ユニット181は、Sb2〜Sb9の待機状態におけるSb3のステップにおいて貸出ボタンの操作有りと判断してSb21のステップに進み、メダルMを貸し出す貸出処理を実行する。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、遊技者が紙幣挿入口112から現金(紙幣)を投入した場合には、該現金(紙幣)の投入に伴う貨幣識別情報が紙幣識別ユニット180から制御ユニット181に出力されることで、制御ユニット181は、Sb4のステップにおいて現金の受付け有りと判断してSb22のステップに進み、発行・入金処理を実行する。
図13は、メダル貸出機において実行される発行・入金処理の処理内容を示すフロー図である。図13を参照して、この発行・入金処理においては、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、入金残額対応カードを排出したことを示す残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSk1)。
残額排出フラグがオン状態である(ステップSk1でYES)と判断した場合、CPU181aは、入金残額が対応付けられた入残残額対応カードを排出済みの旨、および、このまま入金を継続するか否かを確認する旨を、液晶表示器123に表示して報知する。報知は、スピーカ等から音声で報知してもよい。液晶表示器123での表示には、入金を継続する旨を入力するためのボタンと、入金を継続しない旨を入力するためのボタンとが表示される。
液晶表示器123のタッチパネル124で入金を継続するまたはしない旨のいずれの入力がされたかが判断され、入金を継続しない旨の入力がされた(ステップSk3でNO)と判断した場合、CPU181aは、紙幣を返却するよう紙幣識別ユニット180を制御する。その後、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
一方、残額排出フラグがオン状態でない(ステップSk1でNO)と判断した場合、および、入金を継続する旨の入力がされた(ステップSk3でYES)と判断した場合、CPU181aは、発行・入金メイン処理として以下の処理を実行する(ステップSk5)。
発行・入金メイン処理において、まず、入力された貨幣識別情報から投入された貨幣の投入金額を特定するとともに、カードリーダライタ187に受付け中の会員カード或いはビジターカードが存在するか否かを判定する。
そして、受付け中の会員カード或いはビジターカードが存在しないとの判定の場合に制御ユニット181は、カード貯留部(図示略)に収納されているビジターカードをカード挿入口112内の所定の読み取り位置に移動させて、当該ビジターカードのカードIDを読み出し、該読み出したカードIDと、投入金額と、当該メダル貸出機100の装置IDとを含む発行要求をカード管理コンピュータ500に送信する。
この発行要求の受信に応じてカード管理コンピュータ500は、受信した発行要求に含まれるカードIDが、ビジターカードテーブルに存在するか否かを判定し、存在する場合には、該カードIDに対応するビジターカードテーブルの「状況」を「利用中」に更新し、RTC181dから出力されるその時点の日時を最新発行日時に格納するとともに、受信した投入金額を「残存金額」にプリペイド残額として格納して、「発行許諾」を該発行要求の送信元のメダル貸出機100に対して返信する。尚、受信したカードIDが、ビジターカードテーブルに存在しない場合には、「発行不可」が返信される。
また、「発行許諾」の送信に伴いカード管理コンピュータ500は、メダル管理コンピュータ550に対して、格納した最新発行日時と受信した発行要求に含まれるカードIDと装置IDとを含む発行通知をメダル管理コンピュータ550に通知することで、メダル管理コンピュータ550は、受信した発行通知に含まれるカードIDに対応するビジター貯蓄管理テーブルの最新発行日時に、該受信した発行通知に含まれる最新発行日時を格納するとともに、受信した発行通知に含まれる装置IDに対応するユニット管理テーブルの「状況」を「受付け中」に更新するとともに、「受付ID」に当該受信したカードIDを格納してユニット管理テーブルを更新する。
上記した「発行許諾」の受信に応じてメダル貸出機100の制御ユニット181(排出・発行処理手段)は、カード挿入口112に移動させたビジターカードに、投入金額に相当するプリペイド残額を書き込み記憶するとともに、カードテーブルに、該ビジターカードのカードIDと投入金額に相当するプリペイド残額とを記憶、並びに残額表示器に該プリペイド残額を表示した後、該発行・入金処理を終了してSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、遊技者が返却ボタン114の操作を実施した場合には、遊技者による返却ボタン114の操作を検知するための返却ボタンスイッチ114’からの信号が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb5において返却ボタンの操作有りと判断してSb23に進み、返却処理を実行する。
図14は、メダル貸出機において実行される返却処理の処理内容を示すフロー図である。図14を参照して、この返却処理においては、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カードリーダライタ187に受付け中の会員カード或いはビジターカードが存在するか否かを判定する(ステップSm1)。存在しない場合(ステップSm1でNOの場合)には当該操作を無効とし、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻す。
一方、存在する場合(ステップSm1でYESの場合)には、カードロック機能が有効か無効かを照合するためのカードロック照合処理を実行する(ステップSm21)。
図15は、メダル貸出機において実行されるカードロック照合処理の処理内容を示すフロー図である。図15を参照して、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、図4のカードテーブルのカードロック有効フラグに基づいて、カードロック機能が有効か無効かを判断する(ステップSs1)。無効である(ステップSs1でNO)と判断した場合、CPU181aは、このカードロック照合処理を終了して、呼出元に処理を戻す。
一方、有効である(ステップSs1でYES)と判断した場合、CPU181aは、暗証番号の入力またはロックに用いた携帯端末をかざすことを遊技者に促す旨を報知するよう液晶表示器123を制御する。そして、CPU181aは、暗証番号の入力があったか、または、かざされた携帯端末を検知したか否かを判断する(ステップSs3)。いずれもない(ステップSs3でNO)と判断した場合、CPU181aは、この処理を繰返す。
一方、いずれかがあった(ステップSs3でYES)と判断した場合、CPU181aは、入力された暗証番号またはかざされた携帯端末の端末IDが、図4のカードテーブルの暗証番号に一致するか否かを照合する(ステップSs4)。その後、このカードロック照合処理を終了して、呼出元に処理を戻す。
図14に戻って、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カードロック照合処理の結果、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致したか否かを判断する。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSm22でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSm23)。その後、CPU181aは、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSm22でYES)と判断した場合、CPU181aは、返却ボタン114の操作を無効とするとともに、計数装置190に対して計数禁止指示を出力して、新たな計数を禁止する(ステップSm2)。
そして、制御ユニット181のCPU181aは、メダル管理コンピュータ550に対して、当該メダル貸出機100の装置ID、返却したカードのカードID、カードテーブルに記憶されている持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)および大当り回数を含む返却通知を送信する(ステップSm3)。
この返却通知の受信に応じてメダル管理コンピュータ550は、会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブルにおいて、受信した返却通知に含まれる(会員)カードIDに対応して記憶されている持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)および大当り回数を、受信した返却通知に含まれる持ちメダル数、貯蓄メダル数および大当り回数に更新するとともに、ユニット管理テーブルにおいて受信した装置IDに対応する「状況」を「待機中」に変更し、「受付けID」に格納されているカードIDを削除して、該返却通知の送信元のメダル貸出機100に対して更新完了通知を送信する。
メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、メダル管理コンピュータ550から更新完了通知を受信したか否かを判断する(ステップSm4)。この更新完了通知の受信に応じて(ステップSm4でYESとなったことに応じて)、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、受付け中のカードがビジターカードであるか否かを判定する(ステップSm11)。ビジターカードである場合(ステップSm11でYESの場合)には、該ビジターカードに、カード受付け中遊技情報の累積不正メダル数を記録する(ステップSm12)。
そして、CPU181aは、残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSm13)。オン状態である(ステップSm13でYES)と判断した場合、入金残額が対応付けられた入金残額対応カードを排出済みの旨を液晶表示器123で表示することで報知する(ステップSm14)。報知は、スピーカから音声で出力するようにしてもよい。
そして、入金残額対応カードが排出されて存在している旨を受付け中のビジターカードに記録する(ステップSm15)。次に、CPU181aは、残額排出フラグをオフ状態とし、記憶している入金残額対応カードのカードIDを削除する(ステップSm16)。
残額排出フラグがオン状態でない(ステップSm13でNO)と判断した場合、および、ステップSm16の後、CPU181aは、排出指示をカードリーダライタ187に出力して、受付け中のビジターカードまたは会員カードをカード挿入口112から排出させる(ステップSm17)。
カードが排出された後、CPU181aは、排出されたカードに関する集計用の情報をメダル管理コンピュータ550に送信する(ステップSm17a)。「集計用の情報」とは、メダル管理コンピュータ550が行なう後述の判定処理および集計処理(図28、29のフロー参照)に用いられる情報である。ステップSm17の処理では、集計用の情報として、「カードID」、「遊技機種および遊技台番号」、「遊技台番号別の遊技開始時刻および遊技終了時刻」、「遊技台番号別の投入金額」、「遊技台番号別の持ちメダル払出数と貸メダル払出数との比率」などの情報が送信される。なお、本実施の形態で用いる「機種」は、遊技機の種類自体であってもよいし、遊技機の機種を含むシリーズの種類であってもよい。
集計用の情報をメダル管理コンピュータ550に送信した後、CPU181aは、カードテーブルをリセットし、返却ボタン114の操作無効を解除して有効化するとともに計数禁止を解除する(ステップSm18)。そして、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
尚、本実施の形態では、カード受付け中遊技情報の累積不正メダル数をビジターカードに記録することで、所定の遊技者が不正メダルをどの程度計数したかを把握し管理することができる。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、遊技者が再プレイボタン121の操作を実施した場合には、該再プレイボタン121の操作を検知した再プレイ操作基板185から再プレイ操作情報が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb6において再プレイボタン121の操作有りと判断してSb24に進み、再プレイ処理を実行する。
図16は、メダル貸出機において実行される再プレイ処理の処理内容を示すフロー図である。図16を参照して、この再プレイ処理においては、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、再プレイメイン処理を実行する(ステップSp1)。
再プレイメイン処理においては、メダル管理コンピュータ550で管理されている持ちメダル数または貯蓄メダル数を減算して、減算した分を払出すよう払出装置182を制御する。なお、持ちメダルが有る場合は、持ちメダルから、持ちメダルが無く、貯蓄メダルが有る場合は、貯蓄メダルから、払出される。いずれも無い場合は、再プレイボタン121が操作されても何も払出されない。
再プレイメイン処理の後、CPU181aは、持ちメダル数が0になったか否かを判断する(ステップSp2)。持ちメダル数が0になった(ステップSp2でYES)と判断した場合、CPU181aは、入金残額が対応付けられた入金残額対応カードを排出済みの旨を液晶表示器123で表示することで報知する(ステップSp4)。報知は、スピーカから音声で出力するようにしてもよい。
次に、CPU181aは、残額排出フラグをオフ状態とし、記憶している入金残額対応カードのカードIDを削除する(ステップSp5)。持ちメダル数が0になっていない(ステップSp2でNO)と判断した場合、および、ステップSp5の後、ステップSb2〜Sb9の待機状態に戻る。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、計数装置190にメダルが投入された場合には、該メダルの投入を検出した計数装置190から検出信号が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb7においてメダル投入検出有りと判断してSb25に進み、後述する計数処理を実行する(図17参照)。
また、前述したSb2〜Sb9の待機状態において、各デバイスから所定のエラー信号が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb8においてエラー検出有りと判断してSb26に進み、エラー報知処理を実行する。
図17は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行する計数処理を示すフロー図である。計数処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSc1〜Sc13の処理を実行する。
まず、計数処理のSc1において、制御ユニット181は、会員カードまたはビジターカードが受付け中であるか否かを判定する。ここで、会員カードまたはビジターカードが受付け中である場合にはSc2に進み、会員カードまたはビジターカードが受付け中でない場合にはSc11に進む。尚、Sc11において、制御ユニット181は状態報知ランプ111の点灯などにより遊技者に対して会員カードまたはビジターカードの挿入を促す報知を実行して処理を終了する。
また、本実施の形態では、会員カードまたはビジターカードが受付け中である場合にのみ、Sc2以降のステップに進んでメダルの計数処理が実行されるようになっているが、会員カードまたはビジターカードが受付け中でないときにメダルが投入された場合でも計数処理が実行されるようにしてもよい。この場合、投入メダルが検出されたときに会員カードまたはビジターカードが受付け中でなければ計数処理を実行し、該計数処理が終了した後にビジターカードを発行し、該ビジターカードに対応付けて持ちメダル数を記憶するようにすればよい。
Sc2において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図4(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値をリセットするとともにSc3に進む。Sc3において、制御ユニット181は、計数装置190からメダル判定情報を取得してSc4に進む。尚、計数装置190から取得したメダル判定情報には、メダル撮影カメラ190cで撮影されたメダル画像に基づいて判定されたメダルの真贋情報(正規メダルか不正メダルかの情報)が含まれる。
Sc4において、制御ユニット181は、メダル情報(図4(c)参照)の計数総メダル数に1を加算してSc5に進む。Sc5において、制御ユニット181は、カードテーブル(図4(a)参照)の持ちメダル数に1を加算してSc6に進む。
Sc6において、制御ユニット181は、計数装置190から取得したメダル判定情報に基づいて、計数されたメダルが不正メダルであるか否かを判定する。ここで、制御ユニット181は、メダル判定情報に含まれるメダルの真贋情報を参照し、不正メダルである場合にはSc12に進み、正規メダルである場合にはSc7に進む。
Sc12において、制御ユニット181は、後述する不正メダル処理を実行してSc13に進む。Sc13において、制御ユニット181は、後述するメダル貯留処理を実行してSc9に進む。
Sc7において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図4(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値をリセットするとともにSc8に進む。Sc8において、制御ユニット181は、正規メダルと判定されたメダルを排出口192から遊技島に排出してSc9に進む。
Sc9において、制御ユニット181は、計数装置190に投入されたメダルのうち、未だ計数されていないメダルがあるか否かを判定する。ここで、未計数のメダルがない場合にはSc10に進み、未計数のメダルがある場合にはSc3に戻って未計数のメダルが無くなるまでSc3〜Sc9、Sc12、Sc13の処理を繰り返す。
Sc10において、制御ユニット181は、各テーブルの更新情報や後述する満タン報知フラグの情報や後述する通知用画像などをメダル管理コンピュータ550へ送信して処理を終了する。
図18は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行する不正メダル処理を示すフロー図である。不正メダル処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSd1〜Sd18の処理を実行する。
まず、不正メダル処理のSd1において、制御ユニット181は、顔画像撮影カメラ188を用いて不正メダルを投入した遊技者の顔画像を撮影してSd2に進む。Sd2において、制御ユニット181は、計数装置190からメダルの真贋判定に用いられたメダル画像を取得してSd3に進む。
Sd3において、制御ユニット181は、遊技者の顔画像とメダル画像を並列に組み合わせて1枚の通知用画像を生成し、この通知用画像をRAM181bに記憶してSd4に進む。Sd4において、制御ユニット181は、メダル情報(図4(c)参照)の総不正メダル数に1を加算してSd5に進む。
Sd5において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図4(d)参照)の連続不正メダルカウンタに1を加算してSd6に進む。Sd6において、制御ユニット181は、カード受付け中遊技情報(図4(b)参照)の累積不正メダル数に1を加算してSd7に進む。
Sd7において、制御ユニット181は、カード受付け中遊技情報(図4(b)参照)の累積不正メダル数の値が設定された閾値であるか否かを判定する。尚、本実施の形態では、遊技者が会員カードまたはビジターカードを挿入してから不正メダルとして判定された累積値が10となった場合に累積不正メダル数の値が設定された閾値となる。累積不正メダル数の値が設定された閾値である場合(10枚である場合)にはSd8に進み、累積不正メダル数の値が設定された閾値でない場合(10枚未満である場合)にはSd15に進む。
Sd8において、制御ユニット181は、カードテーブル(図4(a)参照)の持ちメダル数から累積不正メダル数の値を減算してSd9に進む。本実施の形態では、スロットマシン1から払い出され計数したメダルの中に不正メダルが紛れていた場合、不正メダル検出報知条件(不適正条件)が成立しなければ不正メダルも計数されるため、意図せずに不正メダルを使用した遊技者が不利益を被ることが防止されるとともに、不正メダル検出報知条件が成立した場合、それまでに計数された不正メダルの累積枚数が無効となるため、不正メダルにより持ちメダル数が加算されてしまうことを防止できる。
Sd9において、制御ユニット181は、カード受付け中遊技情報(図4(b)参照)の累積不正メダル数の値をリセットしてSd10に進む。Sd10において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図4(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値をリセットしてSd11に進む。
Sd15において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図4(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値であるか否かを判定する。尚、本実施の形態では、3回連続して不正メダルが検出された場合に、連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値となる。連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値である場合(3回である場合)にはSd8に進み、連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値でない場合(3回未満である場合)にはSd16に進む。
Sd16において、制御ユニット181は、メダル情報(図4(c)参照)の総不正メダル数の値が設定された閾値であるか否かを判定する。尚、本実施の形態では、遊技場の営業開始の時点から計数装置190にて不正メダルとして判定されたメダルの総数の値が10となった場合に総不正メダル数の値が設定された閾値となる。総不正メダル数の値が設定された閾値である場合(10枚である場合)にはSd11に進み、総不正メダル数の値が設定された閾値でない場合(10枚未満である場合)には処理を終了する。
Sd11において、制御ユニット181は、メダル管理コンピュータ550に対して既に不正報知通知済みなのか否かを判定する。ここで、既に不正報知通知済みの場合には処理を終了し、不正報知通知が未だ通知されていない場合にはSd12に進む。
Sd12において、制御ユニット181は、メダル管理コンピュータ550に対して不正メダルが使用されていることを伝える不正報知通知を行なうとともにSd13に進む。Sd13において、制御ユニット181は、状態報知ランプ111を点灯させるとともにSd14に進む。尚、状態報知ランプ111を点灯させる際に、明らかに異常事態を知らせる態様(たとえば、早い点滅や赤色の表示)で点灯させてしまうと、不正メダルを使用している不正遊技者に対して不正報知通知を行なっていることが気づかれて逃げられてしまう可能性があるので、状態報知ランプ111を点灯させる際には、不正遊技者に対して不正報知通知を行なっていることが気づかれ難い態様(たとえば、ゆっくりした点滅や青色の表示)で点灯させるようにする。
尚、メダル貸出機100の制御ユニット181から不正報知通知を受信したメダル管理コンピュータ550は、ホールコンピュータ540に対して店員に報知を行なうように要求する報知要求を不正メダルが使用されているメダル貸出機100に対応するスロットマシン1の台番号とともに送信する。
また、メダル管理コンピュータ550から報知要求を受信したホールコンピュータ540は、不正メダルが使用されているメダル貸出機100に対応するスロットマシン1の台番号とともに、その旨を報知する自動音声メッセージを生成して、無線放送システムを介して店員が装着しているインカム9に対して自動音声メッセージを送信する。インカム9を通じて通知を受けた店員は、不正メダルを使用している遊技者を特定することができる。また、ホールコンピュータ540は、監視カメラシステム21を操作して、不正メダルが使用されているメダル貸出機100に対応するスロットマシン1のズームイン映像を自動的に撮影(または録画)する。そして、この監視カメラシステム21を介して店員が不正遊技者を特定してその行動を監視(または記録)することができる。
Sd14において、制御ユニット181は、不正メダル検出時に、計数装置190の計数停止(エラー停止)を行なう旨の選択がなされているか否かの判定を行なう。エラー停止を行なう旨の選択がなされている場合にはSd17に進み、エラー停止を行なう旨の選択がなされていない場合には処理を終了する。
Sd17において、制御ユニット181は、各テーブルの更新情報や後述する満タン報知フラグの情報や通知用画像などをメダル管理コンピュータ550へ送信してSd18に進む。Sd18において、制御ユニット181は、計数装置190にてメダルの計数を停止する計数停止処理を行なう。この計数停止処理は店員がメダル貸出機100のリセットスイッチ186(図3参照)を操作するまで維持される。
図19は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行するメダル貯留処理を示すフロー図である。メダル貯留処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSe1〜Se14の処理を実行する。
まず、メダル貯留処理のSe1において、制御ユニット181は、「貯留部無効」の設定になっているか否かを判定する。ここで、「貯留部無効」の設定になっていない場合にはSe2に進み、「貯留部無効」の設定になっている場合にはSe14に進む。
Se2において、制御ユニット181は、満タン報知フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、満タン報知フラグがセットされていない場合にはSe3に進み、満タン報知フラグがセットされている場合にはSe14に進む。
Se14において、制御ユニット181は、不正メダルと判定されたメダルを排出口192から遊技島に排出させる、つまり、計数装置190を介して流路切換器190dにより流路を切り替えさせずに処理を終了する。
Se3において、制御ユニット181は、計数装置190を介してメダルの流路を前述した流路切換器190dにより切り換えさせて、不正メダルと判定されたメダルをメダル貯留ボックスに貯留されるようにしてSe4に進む。Se4において、制御ユニット181は、メダル情報(図4(c)参照)の総メダル貯留数に1を加算(貯留媒体計数手段)してSe5に進む。
Se5において、制御ユニット181は、不正メダルと判定されたメダルが、自店の他の領域から持ち込まれたメダル、即ち自店メダルか否かを判定する。ここで、自店メダルである場合にはSe6に進んで、メダル情報(図4(c)参照)の自店メダル貯留数に1を加算してSe7に進む。自店メダルでない場合にはSe11に進んで、メダル情報(図4(c)参照)の偽メダル貯留数に1を加算してSe7に進む。尚、本実施の形態では、自店メダルと偽メダルとをそれぞれ計数するようになっており、メダル貯留ボックスに貯留された不正メダルのうち自店メダルがどの程度あるのかを把握しやすくなることで、早期に回収して適正なメダルとして判定される領域に戻すことが可能となる。
Se7において、制御ユニット181は、メダル情報(図4(c)参照)の総メダル貯留数が第1閾値(満タン)であるか否かを判定する(第1判定手段)。尚、本実施の形態では、メダル貯留ボックスに貯留されたメダルの枚数である総メダル貯留数が100枚となっているときに、第1閾値(満タン)であると判定される。ここで、総メダル貯留数が第1閾値(満タン)である場合(100枚である場合)にはSe8に進み、総メダル貯留数が第1閾値(満タン)でない場合(100枚未満である場合)には処理を終了する。
Se8において、制御ユニット181は、満タン報知フラグをセットしてSe9に進む。Se9において、制御ユニット181は、状態報知ランプ111を点灯(第1報知手段)してSe10に進む。
Se10において、制御ユニット181は、「貯留部満タン時にエラー停止」の設定になっているか否かを判定する。ここで、貯留部満タン時にエラー停止」の設定になっている場合にはSe12に進み、貯留部満タン時にエラー停止」の設定になっていない場合には処理を終了する。
Se12において、制御ユニット181は、各テーブルの更新情報や満タン報知フラグの情報や通知用画像などをメダル管理コンピュータ550へ送信してSe13に進む。Se13において、制御ユニット181は、計数装置190にてメダルの計数を停止する計数停止処理を行なう。この計数停止処理は店員がメダル貸出機100のリセットスイッチ186(図3参照)を操作するまで維持される。
本実施の形態では、遊技場の閉店時(営業終了時)に、メダル管理コンピュータ550から各メダル貸出機100に対して、締め関連処理(営業終了処理)を実行する要求を行なう締め関連処理要求(所定の信号)が送信される。この締め関連処理要求を受信した各メダル貸出機100の制御ユニット181は、締め関連処理(営業終了処理)を実行する。
図20は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行する締め関連処理を示すフロー図である。締め関連処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSf1〜Sf4の処理を実行する。
まず、締め関連処理のSf1において、制御ユニット181は、各種履歴を送信するようになっている。たとえば、プリペイド残額の利用履歴等の情報をカード管理コンピュータ500に送信するとともに、離席における強制解除履歴データ等のデータを、カード管理コンピュータ500並びにメダル管理コンピュータ550の双方に送信してSf2に進む。
Sf2において、制御ユニット181は、メダル情報(図4(c)参照)の総メダル貯留数が所定枚数(第2閾値)以上であるか否かを判定する(第2判定手段)。尚、本実施の形態では、メダル貯留ボックスに貯留された不正メダルの枚数である総メダル貯留数が50枚以上となっているときに、第2閾値であると判定される。ここで、総メダル貯留数が第2閾値以上である場合(50枚以上である場合)にはSf3に進み、総メダル貯留数が第2閾値でない場合(50枚未満である場合)には処理を終了する。
Sf3において、制御ユニット181は、状態報知ランプ111を点灯(第2報知手段)させてSf4に進む。Sf4において、制御ユニット181は、メダル管理コンピュータ550に対してメダル貯留ボックスの不正メダルの貯留数が所定枚数(第2閾値)以上となっている旨を知らせる通知を送信して処理を終了する。
図21は、メダル貸出機100のディスプレイ123に表示されるメニュー画面の一例を示す表示画面図である。図21を参照して、メニュー画面には、「残額取出」ボタン、「カード後挿入」ボタン、「少量貸し」ボタン、「カードロック」ボタン、「持玉分割」ボタン、および、「情報照会」ボタンが表示される。
また、前述した図11のSb2〜Sb9の待機状態において、遊技者がタッチパネル124の操作を実施した場合(Sb9にてYES)には、制御ユニット181は、処理をSb27に進めて、タッチパネル操作処理を実行する。
図22は、メダル貸出機100において実行されるタッチパネル操作処理の処理内容を示すフロー図である。このタッチパネル操作処理は、図11のステップSb27で実行される処理である。
図22を参照して、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、液晶表示器123に表示された「残額取出」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg1)。「残額取出」ボタンが操作された(ステップSg1でYES)と判断した場合、CPU181aは、残額取出処理を実行する(ステップSg11)。
図23は、メダル貸出機100において実行される残額取出処理の処理内容を示すフロー図である。図23を参照して、まず、CPU181aは、貸出ボタン116の操作を無効化する(ステップSh1)。
これにより、この後に、返却ボタン114を操作する必要があるが、誤って貸出ボタン116を操作してしまって、今から取出そうとしている入金残額を使用してメダルの貸出しが行なわれてしまうことを防止することができる。また、返却ボタン114と貸出ボタン116との位置が近いことから生じる誤操作も防止することができる。
次に、CPU181aは、図4(a)のカードテーブルを参照して、プリペイド残額(入金残額)が有るか否かを判断する(ステップSh2)。無い(ステップSh2でNO)と判断した場合、入金残額を取出すことができないので、CPU181aは、入金残額が無く、入金残額取出しを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSh3)。その後、CPU181aは、実行する処理をステップSh19に進める。
一方、入金残額が有る(ステップSh2でYES)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダルが有るか否かを判断する(ステップSh4)。無い(ステップSh4でNO)と判断した場合、入金残額を取出しても持ちメダル対応カードを発行する必要性が無いので、CPU181aは、持ちメダルが無く、入金残額取出しを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSh5)。その後、CPU181aは、実行する処理をステップSh19に進める。
持ちメダルが有る(ステップSh4でYES)と判断した場合、CPU181aは、図14のステップSm21〜ステップSm23と同様の処理を実行する(ステップSh21〜ステップSh23)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSh22でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSh23)。その後、CPU181aは、実行する処理をステップSh19に進める。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSh22でYES)と判断した場合、CPU181aは、返却ボタン114を操作する旨を液晶表示器123に表示するよう制御する(ステップSh6)。
なお、残額取出処理においては、カードロック機能の有効であっても暗証番号の照合はせず、カードロック機能が有効である場合には、ステップSh6以降の処理に進めず、カードロック機能が無効であると判断した場合のみ、ステップSh6以降の処理に進めるようにしてもよい。つまり、予めカードロック機能を無効としてからでないと、残額取出しができないようにしてもよい。
そして、CPU181aは、返却ボタン114の操作が有ったか否かを判断する(ステップSh7)。操作が無い(ステップSh7でNO)と判断した場合、CPU181aは、所定時間(たとえば、1分)が経過したか否かを判断する(ステップSh8)。なお、この所定時間は、後述する図22のステップSg15の持玉分割処理の入力操作のタイムアウト時間よりも短く設定される。これにより、遊技が行なわれない時間を、極力、短くすることができる。経過していない場合(ステップSh8でNOと判断した場合)は、ステップSh7およびステップSh8の処理を繰返す。
返却ボタン114の操作が無いまま、所定時間が経過した(ステップSh8でYES)と判断した場合、CPU181aは、時間オーバで入金残額取出しを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSh9)。その後、CPU181aは、実行する処理をステップSh19に進める。
所定時間が経過するまでに、返却ボタン114の操作が有った(ステップSh7でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付け中であるか否かを判断する(ステップSh11)。
会員カード受付け中である(ステップSh11でYES)と判断した場合、CPU181aは、当該カードが入金残額対応カードである旨および入金残額を、カード管理コンピュータ500に登録するために送信する。
カード管理コンピュータ500においては、図6(a)で示したように、会員カードテーブルの当該カードのカードIDに対応する、プリペイド残額を、受信した入金残額に更新し、入金残額対応フラグをオン状態(値「1」)に変更する。
一方、会員カード受付け中でない、つまり、ビジターカード受付け中である(ステップSh11でNO)と判断した場合、CPU181aは、当該カードが入金残額対応カードである旨および入金残額を、カード管理コンピュータ500に登録するために送信するとともに、当該ビジターカードに、それらの情報を記録する(ステップSh13)。
カード管理コンピュータ500においては、図6(b)で示したように、ビジターカードテーブルの当該カードのカードIDに対応する、プリペイド残額を、受信した入金残額に更新し、入金残額対応フラグをオン状態(値「1」)に変更する。
ステップSh12およびステップSh13の後、CPU181aは、当該入金残額対応カードのカードIDを、RAM181bに記憶させる(ステップSh14)。次いで、CPU181aは、入金残額対応カードとしての受付け中の会員カードまたはビジターカードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(ステップSh15)。次に、CPU181aは、入金残額対応カードを排出したことを示す残額排出フラグをオン状態にする(ステップSh16)。
そして、CPU181aは、RAM181bに記憶されている入金残額を削除する(ステップSh17)。次に、CPU181aは、持ちメダル数がある状態であるので、カードリーダライタ187に貯留されているビジターカードを読書き位置に移動させて、発行処理を行なうために、カードIDをメダル管理コンピュータ550に送信し、発行可能であれば、持ちメダル数およびカードIDなどを、メダル管理コンピュータ550に送信するとともに、持ちメダル数をビジターカードに記録する(ステップSh18)。
ステップSh19では、CPU181aは、貸出ボタン116の操作を有効化する。その後、CPU181aは、実行する処理をこの残額取出処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
このように、図22のステップSg1での「残額取出」ボタンの操作および図23のステップSh7での返却ボタン114の操作のみで、持ちメダル数をメダル貸出機100に残したまま、プリペイド残額を排出することができる。後述する持玉分割またはプリペイド残額の分割の場合には、分割を指示する操作に加えて、分割する数量を指定する操作を行なう必要がある。その結果、持ちメダル数を残したまま、残額を排出する場合に、数量を指定するような複雑な操作を必要とせず、簡単な操作で行なうことができる。
図22に戻って、「残額取出」ボタンが操作されていない(ステップSg1でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「カード後挿入」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg2)。「カード後挿入」ボタンが操作された(ステップSg2でYES)と判断した場合、CPU181aは、カード後挿入処理を実行する(ステップSg12)。
図24は、メダル貸出機100において実行されるカード後挿入処理の処理内容を示すフロー図である。図24を参照して、まず、CPU181aは、会員カード受付け中であるか否かを判断する(ステップSj1)。会員カード受付け中である(ステップSj1でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付け中であるので、カード後挿入ボタンの操作の受付けを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSj2)。その後、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、会員カード受付け中でない(ステップSj1でNO)と判断した場合、CPU181aは、RAM181bに記憶された計数された持ちメダルが有るか否かを判断する(ステップSj3)。
持ちメダルが無い(ステップSj3でNO)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダルが無く、カード後挿入ボタンの操作の受付けを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSj4)。その後、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、持ちメダルが有る(ステップSj3でYES)と判断した場合、図14のステップSm21〜ステップSm23と同様の処理を実行する(ステップSj21〜ステップSj23)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSj22でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSj23)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSj22でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードリーダライタ187の読取り位置のビジターカードを無効に変更して、カード貯留部に戻す(ステップSj5)。そして、CPU181aは、会員カードまたはビジターカードを挿入する旨を、液晶表示器123に表示する(ステップSj6)。
次に、CPU181aは、カードを受付けたか否かを判断する(ステップSj7)。受付けていない(ステップSj7でNO)と判断した場合、CPU181aは、所定時間(たとえば、1分)が経過したか否かを判断する(ステップSj8)。経過していない場合(ステップSj8でNOと判断した場合)は、ステップSj7およびステップSj8の処理を繰返す。
カードの受付けが無いまま、所定時間が経過した(ステップSj8でYES)と判断した場合、CPU181aは、時間オーバでカード後挿入を中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSj9)。その後、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
所定時間が経過するまでに、カードが受付けられた(ステップSj7でYES)と判断した場合、CPU181aは、RAM181bに記憶された残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップSj11)。
残額排出フラグがオン状態である(ステップSj11でYES)と判断した場合、CPU181aは、受付けたカードが入金残額対応カードであるか否かを判断する(ステップSj12)。入金残額対応カードであるか否かは、カード管理コンピュータ500に問合せて、図6で説明した会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルの入金残額対応フラグがオン状態であるか否かを確認することで判断される。
入金残額対応カードである(ステップSj12でYES)と判断した場合、CPU181aは、受付けたカードのカードIDが、RAM181bに記憶している入金残額対応カードのカードIDに一致するか否かを判断する(ステップSj13)。
受付カードのカードIDが記憶しているものと一致した(ステップSj13でYES)と判断した場合、CPU181aは、カード管理コンピュータ500に記憶された入金残額対応フラグ、および、ビジターカードの場合はカードに記録された入金残額対応フラグを、オフ状態にする(ステップSj14)。
なお、入金残額対応フラグをオフにした場合であっても、入金残額対応フラグがオン状態またはオフ状態になった履歴は、記憶しておくようにしてもよい。これにより、そのカードについて、所定期間(特定の日またはある期間)に、何回、「残額取出」操作されたかを把握することができる。
そして、CPU181aは、RAM181bに記憶された残額排出フラグをオフ状態にして、入金残額対応カードのカードIDを削除する(ステップSj15)。
ステップSj15の後、および、残額排出フラグがオン状態でない場合(ステップSj11でNO)、CPU181aは、メダル管理コンピュータ550に「合算処理」をさせるために、メダル貸出機100のRAM181bの図4(a)のカードテーブルに記憶された持ちメダル数を、受付けられたカードのカードIDに対応付けてメダル管理コンピュータ550に送信し、受付けられたカードがビジターカードである場合は、持ちメダル数を当該ビジターカードに記録する(ステップSj16)。
「合算処理」とは、複数枚のカードに対応付けられた持ちメダル数を合算して1枚のカードに対応付ける処理をいう。本実施の形態では、メダル管理コンピュータ550が、メダル貸出機100からの情報に基づいて、図8の貯蓄管理テーブル(会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブル)に対して合算したメダル数を記憶させる。すなわち、メダル管理コンピュータ550は、メダル貸出機100がステップSj15にて送信した情報を受信すると、その情報に基づいて、先に挿入されていたカード(ビジターカード)の持ちメダル数を後に挿入されたカード(会員カードまたはビジターカード)の持ちメダル数に合算し、後に挿入されたカードIDに対応付けて記憶する処理を図8の貯蓄管理テーブルに対して行なう。メダル管理コンピュータ550は、合算によって持ちメダル数が0になって不要となるカードの情報を図8の貯蓄管理テーブルから消去(無効化)し、合算によって持ちメダル数が増加するカードの情報を図8の貯蓄管理テーブルに残存させる。したがって、本実施の形態では、先に挿入されていたカードが合算後に無効化されるカード(以下「無効カード」ともいう)となり、後に挿入されたカードが合算後に残存するカード(以下「残存カード」という)となる。また、メダル貸出機100は、無効カードをカード貯留部に戻し、残存カードをカードリーダライタ187の読み取り位置に保持することで、複数のカードを1枚のカードにする。
ステップSj16の後、CPU181aは、合算の対象となるカード(無効カードおよび残存カード)に関する集計用の情報をメダル管理コンピュータ550に送信する(ステップSj16a)。「集計用の情報」とは、上述の図14のステップSm17aと同様、メダル管理コンピュータ550が行なう後述の判定処理および集計処理(図28、29のフロー参照)に用いられる情報である。ステップSj16aの処理では、集計用の情報として、「合算時刻」、「無効カードID」、「残存カードID」などの情報が送信される。
ステップSj16aの後、CPU181aは、先に挿入されていたカード(カード貯留部に戻されたカード)の特定の機能の設定および処理を、後に挿入されたカードに引継がせる(ステップSj20)。
具体的には、特定の機能がカードロック機能の場合は、先に挿入されていた(前のカード)のカードロック有効フラグを、後に挿入されたカード(後のカード)に引継がせるとともに、受付けられたカードが会員カードでない場合は、前のカードの暗証番号を、後のカードに引継がせる。
特定の機能が盗難カード制限機能の場合は、前のカードの盗難カードフラグを、後のカードに引継がせる。特定の機能が少量貸し機能の場合は、前のカードの少量貸し有効フラグを、後のカードに引継がせる。
特定の機能が遊技履歴集計機能である場合は、前のカードで実行されていた履歴集計処理が後のカードに引継がれる。つまり、履歴集計処理で集計されていた遊技履歴である大当り回数およびART回数などが引継がれる。また、この引継ぎにおいては、たとえば、大当り遊技状態およびART状態の途中で、後からカードが挿入された場合には、当該途中の遊技状態の回数がダブルカウントされないようにされる。
この履歴集計処理は、メダル管理コンピュータ500などの管理装置で管理されるようする。つまり、メダル管理コンピュータ500の図8の会員貯蓄管理テーブルおよびビジター貯蓄管理テーブルに大当り回数が記憶されるようにする。そして、メダル管理コンピュータ500などの管理装置は、前のカードに対して実行されていた履歴集計処理が後のカードに引継がれた場合には後のカードのカードIDに対応付けて大当り回数を記憶するようにすることで、前のカードに対する機能の実行されている処理が後のカードに対して引継がれたことを管理する。
特定の機能が持玉払出機能である場合は、前のカードで実行されていた持玉払出処理が引継がれる。たとえば、再プレイボタン121の操作に応じて、持ちメダルまたは貯蓄メダルを返却する持玉払出処理が実行されているときに、持ちメダルおよび貯蓄メダルの数が貸出単位額分に相当する数に満たない場合に、カード後挿入処理が実行されるようにして、後のカードに不足する分の持ちメダルおよび貯蓄メダルがあれば、前のカードと後のカードとで合算された貸出単位額分の持ちメダルおよび貯蓄メダルが払出される。
ステップSj20の後、CPU181aは、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、入金残額対応カードでない(ステップSj12でNO)、または、受付カードのカードIDが記憶しているものと一致しない(ステップSj13でNO)と判断した場合、受付けられたカードが正しい入金残額対応カードでない旨を、液晶表示器123に表示して報知する(ステップSj17)。そして、エラーが発生した旨を、液晶表示器123およびスピーカで報知する(ステップSj18)。
そして、CPU181aは、店員によってエラーのリセット操作が行なわれたか否かを判断する(ステップSj19)。リセット操作が行なわれた(ステップSj19)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。これにより、遊技者によって不正に持ちメダルが取得されるかも知れない状況において、店員が対応することができる。
なお、図24で示したカード後挿入処理においては、持ちメダル数が有る場合に、後に挿入されるカードに、当該持ちメダル数を対応付ける処理を行なうようにした。一方、持ちメダル数が無い場合には、プリペイド残額があっても、後に挿入されるカードに、当該プリペイド残額を対応付ける処理を行なわないようにした。しかし、これに限定されず、持ちメダル数が無い場合であっても、プリペイド残額があれば、後に挿入されるカードに、当該プリペイド残額を対応付ける処理を行なうようにしてもよい。
図22に戻って、「カード後挿入」ボタンが操作されていない(ステップSg2でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「少量貸し」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg3)。「少量貸し」ボタンが操作された(ステップSg3でYES)と判断した場合、CPU181aは、少量貸し処理を実行する(ステップSg13)。
少量貸し処理においては、通常の貸出ボタン116の操作で貸出されるメダル数よりも少ない量のメダルが貸し出される。たとえば、通常は、1000円に相当するメダルM(たとえば、50枚)が貸し出されるが、「少量貸し」ボタンが操作されて実行される少量貸し処理においては、200円に相当するメダルM(たとえば、10枚)が貸し出される。この少量貸し処理において、貸し出される量を、店員が予め設定可能なようにしてもよいし、遊技者が設定可能なようにしてもよい。
また、少量貸し処理においては、貸出し量が通常よりも少なく設定されるのみで、少量貸し処理の実行後、貸出ボタン116が操作されることで、少量のメダルの貸出しが行なわれるようにしてもよい。この場合は、次に、少量貸し処理が実行されることで、貸出し量が通常の量に戻されるようにしてもよい。これにより、大当り確定で少しメダルが足りないような場合などに、通常の量まで借りるといった無駄なことを回避して、少量だけ借りることができる。
「少量貸し」ボタンが操作されていない(ステップSg3でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「カードロック」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg4)。「カードロック」ボタンが操作された(ステップSg4でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードロック処理を実行する(ステップSg14)。
図25は、メダル貸出機において実行されるカードロック処理の処理内容を示すフロー図である。図25を参照して、カードロック処理においては、受付けられているカードを返却ボタン114を操作するだけでは返却されないようにロックする。具体的には、暗証番号を設定する。これにより、返却ボタン114が操作された場合に、暗証番号の入力を求め、正しい暗証番号が入力された場合に、受付けられているカードを排出するようにする。また、カードロック処理において、非接触ICチップを内蔵した携帯端末から当該携帯端末の識別情報が受付けられた場合に、カードをロックして、返却ボタン114が操作された場合に、当該携帯端末から当該識別情報が受付けられれば、受付けられているカードを排出するようにしてもよい。これにより、受付けられているカードの盗難を防止することができる。
まず、図14のステップSm21〜ステップSm23と同様の処理を実行する(ステップSq1〜ステップSq3)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSq2でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSq3)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSq2でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付中であるか否かを判断する(ステップSq4)。
会員カード受付け中である(ステップSq4でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードロックしてよいかを確認する旨を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSq5)。そして、カードロックしてよいかの選択が「YES」であるか否かを判断する(ステップSq6)。選択が「YES」でない(ステップSq6でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、選択が「YES」である(ステップSq6でYES)と判断した場合、CPU181aは、図4(a)のカードテーブルの当該カードのカードロック有効フラグをオンにし(ステップSq7)、有効化した旨をカード管理コンピュータ500に送信する(ステップSq8)。カード管理コンピュータ500のCPU502は、この受信に伴ない、図6の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルのカードロック有効フラグをオンにする。その後、メダル貸出機100のCPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、会員カード受付け中でない(ステップSq4でNO)と判断した場合、CPU181aは、ビジターカード受付中であるか否かを判断する(ステップSq11)。ビジターカード受付け中でない(ステップSq11でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、ビジターカード受付け中である(ステップSq11でYES)と判断した場合、CPU181aは、ロック方法を、暗証番号を用いた方法にするか、非接触式ICチップを内蔵した携帯端末を用いた方法にするかを選択する旨を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSq12)。
まず、CPU181aは、暗証番号を用いた方法が選択されたか否かを判断する(ステップSq13)。選択されていない(ステップSq13でNO)と判断した場合、CPU181aは、非接触式ICチップを内蔵した携帯端末を検知したか否かを判断する(ステップSq14)。検知していない(ステップSq14でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をステップSq13に戻す。
携帯端末を検知した(ステップSq14でYES)と判断した場合、CPU181aは、携帯端末の接触式ICチップから携帯端末の端末IDを取得する(ステップSq15)。そして、CPU181aは、図4(a)のカードテーブルの当該カードのカードロック有効フラグをオンにし、取得した端末IDを暗証番号として記憶させ(ステップSq16)、有効化した旨および取得した端末IDを、カード管理コンピュータ500に送信する(ステップSq17)。カード管理コンピュータ500のCPU502は、この受信に伴ない、図6の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルのカードロック有効フラグをオンにし、端末IDを暗証番号として記憶させる。その後、メダル貸出機100のCPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、ロック方法として暗証番号を用いた方法が選択された(ステップSq13でYES)と判断した場合、CPU181aは、暗証番号の入力画面を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSq21)。そして、CPU181aは、暗証番号が入力されたか否かを判断する(ステップSq22)。入力されていない(ステップSq22でNO)と判断した場合、CPU181aは、ステップSq22の処理を繰返す。
一方、暗証番号が入力された(ステップSq22でYES)と判断した場合、CPU181aは、図4(a)のカードテーブルの当該カードのカードロック有効フラグをオンにし、入力された暗証番号を記憶させ(ステップSq23)、有効化した旨および入力された暗証番号を、カード管理コンピュータ500に送信する(ステップSq24)。カード管理コンピュータ500のCPU502は、この受信に伴ない、図6の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルのカードロック有効フラグをオンにし、暗証番号を記憶させる。その後、メダル貸出機100のCPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
なお、カードロック機能が有効とされた場合には、ディスプレイ123に、カードロック機能が有効である旨の表示(たとえば、記号)などを表示しておくことが好ましい。これにより、遊技者は、カードロック機能が有効であることを認識することができる。
図22に戻って、「カードロック」ボタンが操作されていない(ステップSg4でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「持玉分割」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg5)。「持玉分割」ボタンが操作された(ステップSg5でYES)と判断した場合、CPU181aは、持玉分割処理を実行する(ステップSg15)。
図26は、メダル貸出機において実行される持玉分割処理(以下、単に「分割処理」ともいう)の処理内容を示すフロー図である。「分割処理」とは、1枚のカード(分割元カード)の持ちメダル数を分割して複数のカードに対応付ける処理をいう。本実施の形態では、分割処理として、受け付けられている会員カード(以下「分割元カード」という)の持ちメダル数のうち、一部の持ちメダル数を他の新たなビジターカード(以下「分割先カード」という)に対応付け、残りの持ちメダル数を分割元カードに残存させる。なお、分割処理の結果は、メダル管理コンピュータ550に送信され、図8の貯蓄管理テーブルに記憶される。また、メダル貸出機100は、分割先カードを排出し、分割元カードをカードリーダライタ187の読み取り位置に保持することで、1枚のカードを複数のカードにする。
図26を参照して、持玉分割処理においては、現在の持ちメダル数または貯蓄メダル数のうち遊技者が指定するメダル数を、別のビジターカードに対応付けることで、分割する。分割するメダル数の指定は、数値を入力可能なようにしてもよいし、選択肢から選択可能なようにしてもよい。
まず、図14のステップSm21〜ステップSm23と同様の処理を実行する(ステップSr1〜ステップSr3)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(ステップSr2でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSr3)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(ステップSr2でYES)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダル数が貸出単位額に相当する数の2倍以上あるか否かを判断する(ステップSr11)。持ちメダル数が貸出単位額に相当する数に満たない場合は、通常は持ちメダルを払出すことができないため、当該カードと分割するカードとの分を合わせて、持ちメダル数が、貸出単位額に相当する数の2倍以上あることが必要である。
持ちメダル数が貸出単位額に相当する数の2倍以上でない(ステップSr11でNO)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダルが不足している旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSr12)。
一方、2倍以上である(ステップSr11でYES)と判断した場合、CPU181aは、分割する持ちメダルの数を入力するための画面を表示するよう液晶表示器123を制御する(ステップSr13)。分割数は、選択肢から選択できるようにしてもよいし、増加または減少ボタンを操作することで貸出単位額に相当する数単位で増減させて入力できるようにしてもよいし、直接、数値入力できるようにしてもよい。そして、分割数が入力されたか否かを判断する(ステップSr14)。分割数が入力されていない(ステップSr14でNO)と判断した場合、CPU181aは、ステップSr14の処理を繰返す。
一方、分割数が入力された(ステップSr14でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付け中であるか否かを判断する(ステップSr21)。会員カード受付け中である(ステップSr21でYES)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダル数から分割数を減算するとともに、減算後の持ちメダル数をメダル管理コンピュータ550に送信する(ステップSr22)。メダル管理コンピュータ550は、図8の会員貯蓄管理テーブルの持ちメダル数を更新する。次いで、CPU181aは、会員カードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(ステップSr23)。
次に、CPU181aは、カードリーダライタ187のカード貯留部からビジターカードを読取り位置に取出し、取出したビジターカードの発行処理を行なう(ステップSr24)。具体的には、カード管理コンピュータ500のビジターカードテーブルの状況を利用中に変更して、最新発行日時を更新して、メダル管理コンピュータ550のビジター貯蓄管理テーブルの最新発行日時を更新し、両テーブルのその他の項目をリセットする。
そして、CPU181aは、分割数を持ちメダル数として当該ビジターカードに対応付ける(ステップSr25)。具体的には、メダル貸出機100のカードテーブルの持ちメダル数として分割数を記憶させ、メダル管理コンピュータ550のビジター貯蓄管理テーブルの持ちメダル数として分割数を記憶させる。次いで、CPU181aは、当該ビジターカードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(ステップSr26)。
次に、CPU181aは、先に排出された会員カードの再挿入を促す旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(ステップSr27)。
その後、CPU181aは、先に排出された会員カードが再挿入されたか否かを判定する(ステップSr37)。先に排出された会員カードが再挿入されない場合(ステップSr37にてNO)、CPU181aは、処理をステップSr37に戻す(先に排出された会員カードが再挿入されるまで待つ)。
先に排出された会員カードが再挿入された場合(ステップSr37にてNO)、CPU181aは、処理をステップSr38に進める。
一方、会員カード受付け中でない(ステップSr21でNO)と判断した場合、CPU181aは、受付中のビジターカードの図4(a)のカードテーブルなどに記憶されているカード情報を、一旦、他のメモリ領域に退避させる(ステップSr31)。
そして、CPU181aは、受付中の読書き位置のビジターカードのカード情報をリセットして、ステップSr24で説明したような発行処理を行なう(ステップSr32)。次いで、CPU181aは、ステップSr25と同様、分割数を持ちメダル数として当該ビジターカードに対応付け(ステップSr33)、当該ビジターカードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(ステップSr34)。
次に、CPU181aは、ステップSr24と同様に、カードリーダライタ187のカード貯留部からビジターカードを読取り位置に取出し、取出したビジターカードの発行処理を行なう(ステップSr35)。そして、CPU181aは、ステップSr31で退避させたカード情報を当該ビジターカードに対応付ける(ステップSr36)。
先に排出された会員カードが再挿入された場合(ステップSr37にてNO)、または、ステップSr36の処理後、CPU181aは、分割元カードおよび分割先カードに関する集計用の情報をメダル管理コンピュータ550に送信する(ステップSr38)。「集計用の情報」とは、上述の図14のステップSm17a、図24のステップSj16aと同様、メダル管理コンピュータ550が行なう後述の判定処理および集計処理(図28、29のフロー参照)に用いられる情報である。ステップSr38の処理では、集計用の情報として、「分割時刻」、「分割元カードID」、「分割先カードID」などの情報が送信される。
ステップSr38の後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図22のタッチパネル操作処理に戻す。
「持玉分割」ボタンが操作されていない(ステップSg5でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「情報照会」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(ステップSg6)。「情報照会」ボタンが操作された(ステップSg6でYES)と判断した場合、CPU181aは、情報照会処理を実行する(ステップSg16)。
情報照会処理においては、遊技者の操作に応じて、プリペイド残額(入金残額)、持ちメダル数、貯蓄メダル数、および、メダル管理コンピュータ550、ホールコンピュータ540、および、カード管理コンピュータ500で管理しているその他の情報などを液晶表示器123に表示する。
「情報照会」ボタンが操作されていない(ステップSg6でNO)と判断した場合、および、ステップSg11〜ステップSg16の後、CPU181aは、実行する処理をタッチパネル操作処理の呼出元の図11の処理に戻す。
景品交換POS570において、会員カードまたはビジターカードが受付けられた場合、当該カードに対応付けられた持ちメダル数および貯蓄メダル数がメダル管理コンピュータ550に問合せられ、持ちメダル数および貯蓄メダル数の全部または一部の価値を景品に交換するための処理が行なわれる。具体的には、交換する景品の価値に応じて、持ちメダル数または貯蓄メダル数が減算される。なお、このときに、当該カードに対するカードロック機能が有効であれば、暗証番号の入力が遊技者に求められる。
この景品交換POS570において、持ちメダル対応カードが受付けられた場合、持ちメダル対応カードが排出されている場合には入金残額対応カードが存在するはずであるので、入金残額対応カードの存在を報知する(ここでは、その旨の景品交換POS570の表示部への表示、および、音声の出力)。
入金残額対応カードが排出された後、持ちメダル対応カードが排出されるまでには、時間が経過している場合が多くなる。このため、持ちメダルまたは貯蓄メダルを景品に交換するときに、入金残額対応カードで特定される残額の精算を遊技者に喚起することができる。その結果、残額の精算忘れを防止することができる。
精算装置580において、会員カードまたはビジターカードが受付けられた場合、当該カードに対応付けられたプリペイド残額がカード管理コンピュータ500に問合せられ、当該プリペイド残額を貨幣に精算するための処理が行なわれる。なお、このときに、当該カードに対するカードロック機能が有効であれば、暗証番号の入力が遊技者に求められる。
この精算装置580において、入金残額対応カードが受付けられた場合、場合によっては、入金残額対応カードに対応する持ちメダル対応カードも存在してる可能性があるので、持ちメダル対応カードの有無に関わらず、持ちメダル対応カードが存在するかも知れない旨を報知する(ここでは、その旨の精算装置580の表示部への表示、および、音声の出力)。
入金残額対応カードと持ちメダル対応カードとの2つのカードが排出されている場合がある。このため、入金残額対応カードで特定される残額を精算するときに、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダル数のメダルの景品への交換を遊技者に喚起することができる。その結果、景品交換忘れを防止することができる。
次に、メダル管理コンピュータ550が行なう処理について説明する。
<記憶処理>
メダル管理コンピュータ550は、メダル貸出機100が送信した集計用の情報を受信して記憶する「記憶処理」を行なう。
図27は、メダル管理コンピュータ550において実行される記憶処理の処理内容を示すフロー図である。この処理は、当日の営業時間中に所定周期で繰り返し実行される。
ステップS100にて、メダル管理コンピュータ550は、メダル貸出機100から集計用の情報を受信したか否かを判定する。
メダル貸出機100から集計用の情報を受信した場合(ステップS100にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、受信した集計用の情報を記憶する(ステップS101)。なお、記憶場所は、たとえば記憶装置555であってもよいし、その他のメモリであってもよい。
なお、集計の情報には、上述したように、「カードID」、「遊技機種および遊技台番号」、「遊技台番号別の遊技開始時刻および遊技終了時刻」、「遊技台番号別の投入金額」、「遊技台番号別の持ちメダル払出数と貸メダル払出数との比率」(図14のステップSm17)、「合算時刻」、「無効カードID」、「残存カードID」(図24のステップSj16a)、「分割時刻」、「分割元カードID」、「分割先カードID」(図26のステップSr38)などの情報が含まれる。
<判定処理および集計処理>
メダル管理コンピュータ550は、記憶処理によって記憶した集計用の情報を用いて、以下の判定処理および集計処理を行なう。
図28は、メダル管理コンピュータ550によって実行される判定処理および集計処理の処理内容を示すフロー図である。この処理は、当日の営業が終了する毎に実行される。
まず、メダル管理コンピュータ550は、記憶した集計用情報から、未判定のカードID(判定処理が未だ行なわれていないカードID)を1つ選択する(ステップS200)。
その後、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDが合算処理されたカードIDであるか否かを判定する(ステップS201)。
選択されたカードIDが合算処理されたカードIDである場合(ステップS201にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDが合算処理による残存カードであるか否かを判定する(ステップS204)。
選択されたカードIDが合算処理されたカードIDでない場合(ステップS201にてNO)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDが分割処理されたカードIDであるか否かを判定する(ステップS202)。
選択されたカードIDが分割処理されたカードIDである場合(ステップS202にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDが分割処理による分割元カードであるか否かを判定する(ステップS206)。
選択されたカードIDが、合算処理されたカードIDでも分割処理されたカードIDでもない場合(ステップS201にてNOかつステップS202にてNO)、または合算処理による残存カードである場合(ステップS204にてYES)、または分割元カードである場合(ステップS206にてYES)、または分割先カードである場合(ステップS206にてNO)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDについて判定処理を実行する(ステップS203)。
なお、残存カードIDの判定処理には、当該残存カードIDの合算時刻前の情報、当該残存カードIDの合算時刻後の情報、当該残存カードに対応する無効カードIDの情報の少なくともいずれかを用いることができる。本実施の形態では、当該残存カードIDの合算時刻前の情報と当該残存カードIDの合算時刻後の情報とを用いて、当該残存カードIDの判定処理を行なう場合について説明する。
同様に、分割元カードIDの判定処理には、当該分割元カードIDの分割時刻前の情報、当該分割元カードIDの合算時刻後の情報、当該分割元カードに対応する分割先カードIDの情報の少なくともいずれかを用いることができる。本実施の形態では、当該分割元カードIDの合算時刻前の情報と当該分割元カードIDの合算時刻後の情報とを用いて、当該分割元カードIDの判定処理を行なう場合について説明する。
一方、選択されたカードIDが合算処理による無効カードである場合(ステップS204にてNO)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDについて判定処理を実行せずに中止する(ステップS205)。
図29は、メダル管理コンピュータ550によって実行される判定処理(図28のS203の処理)の詳細内容を示すフロー図である。
ステップS220にて、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDで遊技された機種に「初遊技機種」が存在するか否かを判定する。
「初遊技機種」とは、所定の集計期間(本実施の形態においては、当日の営業開始時刻から営業終了時刻までの期間)内で最初に所定の初遊技判定期間(たとえば1時間)以上遊技が継続された機種である。この「初遊技機種」を特定することにより、遊技者が最初に遊技する機種を把握することができる。遊技者が最初に遊技する機種は、その遊技者がより求めている機種であると考えられる。このため、遊技者がより求めている機種を把握することができる。なお、最初に遊技された機種であっても、その遊技時間が初遊技判定期間未満である場合には、当該機種は「初遊技機種」とは判定されない。なお、合算の場合の初遊技機種は、合算する複数のカードのそれぞれに対応する初遊技機種のうち最も早い時刻に遊技された初遊技機種であってもよいし、合算の結果、残存する残存カードに対応する初遊技機種であってもよい。
選択されたカードIDで遊技された機種に「初遊技機種」が存在する場合(ステップS220にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、当該機種のデータを初遊技機種データとして記憶する(ステップS221)。
ステップS222にて、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDで遊技された機種に「長時間遊技機種」が存在するか否かを判定する。
「長時間遊技機種」とは、所定の集計期間内で所定の長時間判定時間(たとえば2時間)以上遊技された機種である。この「長時間遊技機種」を特定することにより、遊技者がより求めている機種を把握することができる。
選択されたカードIDで遊技された機種に「長時間遊技機種」が存在する場合(ステップS222にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、当該機種のデータを長時間遊技機種データとして記憶する(ステップS223)。
ステップS224にて、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDで遊技された機種に「短時間遊技機種」が存在するか否かを判定する。
「短時間遊技機種」とは、所定の集計期間内で遊技時間が所定の短時間判定期間(たとえば5分)未満の機種である。この「短時間遊技機種」を特定することにより、遊技者が求めていない機種を把握することができる。
選択されたカードIDで遊技された機種に「短時間遊技機種」が存在する場合(ステップS224にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、当該機種のデータを短時間遊技機種データとして記憶する(ステップS225)。
ステップS226にて、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDで遊技された機種に「唯一遊技機種」が存在するか否かを判定する。
「唯一遊技機種」とは、当日営業時間内で唯一遊技された機種である。ただし、遊技時間が所定の唯一遊技判定期間(たとえば1時間)未満である機種は「初遊技機種」とは判定されない。この「唯一遊技機種」を特定することにより、遊技者がより求めている機種を把握することができる。
選択されたカードIDで遊技された機種に「唯一遊技機種」が存在する場合(ステップS226にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、当該機種のデータを唯一遊技機種データとして記憶する(ステップS227)。
図30は、メダル管理コンピュータ550が判定処理(図29のS203の処理、図30のフロー)を行った結果をカードID別に示したデータである。この判定結果データには、合算処理および分割処理の情報、初遊技機種データ、長時間遊技機種データ、短時間遊技機種データ、および唯一遊技機種データが、カードID別に集約されている。この判定結果データを参照することで、遊技者が求めている機種(あるいは求めていない機種)を、遊技者ごとに把握することができる。
図30に示すように、合算処理による残存カードID(「残存」の欄に「1」が入っているカードID)、分割処理による分割元カードID(「分割元」の欄に「1」が入っているカードID)および分割先カードID(「分割先」の欄に「1」が入っているカードID)については判定処理が行われるが、合算処理による無効カードID(「無効」の欄に「1」が入っているカードID)については、判定処理は行なわれない。このように、合算処理および分割処理が行なわれた場合においても、それらの処理に応じて判定処理が行なわれる。
図28に戻って、ステップS203またはステップS205の処理後、メダル管理コンピュータ550は、すべてのカードIDについて判定処理が済んだか否かを判定する(ステップS207)。
未判定のカードIDが残っている場合(ステップS207にてNO)、メダル管理コンピュータ550は、処理をステップS200に戻し、すべてのカードIDについて判定処理が済むまでステップS200〜ステップS207の処理を繰り返す。
すべてのカードIDについて判定処理が済んだ場合(ステップS207にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、全判定処理結果の集計処理を行なう(ステップS208)。
図31は、メダル管理コンピュータ550が集計処理(図29のS208の処理)を行った結果の一例を示す図である。この集計結果データには、機種(機種A,B,C,D…)別に、設置台数、遊技者数、初遊技回数および初遊技割合、長時間遊技回数および長時間遊技割合、短時間遊技回数および短時間遊技割合、唯一遊技回数および唯一遊技割合が集計されている。さらに、投入金額α、持ちメダル払出数と貸メダル払出数との比率β、平均空き時間γについても、機種別に集計されている。
ここで、「機種」は、遊技機の機種名(種類名)である。「設置台数」は、店内に設置されている当該機種の台数である。「遊技者数」は、当該機種を遊技した遊技者ののべ人数である。「初遊技回数」は当該機種が初遊技機種として遊技された回数である。「初遊技割合」は当該機種を初遊技機種として遊技した遊技者数の全遊技者数に対する割合である。「長時間遊技回数」は当該機種が長時間遊技機種として遊技された回数である。「長時間遊技割合」は当該機種を長時間遊技機種として遊技した遊技者数の全遊技者数に対する割合である。「短時間遊技回数」は当該機種が短時間遊技機種として遊技された回数である。「短時間遊技割合」は当該機種を短時間遊技機種として遊技した遊技者数の全遊技者数に対する割合である。「唯一遊技回数」は当該機種が唯一遊技機種として遊技された回数である。「唯一遊技割合」は当該機種を唯一遊技機種として遊技した遊技者数の全遊技者数に対する割合である。「投入金額α」は当該機種に遊技者が投入した合計金額である。「持ちメダル払出数と貸メダル払出数との比率β」は当該機種に払出された合計持ちメダル数と合計貸しメダル数との比率である。「平均空き時間γ」は当該機種の1台あたりの非稼働時間である。
この集計結果データを参照することで、遊技者が求めている機種(あるいは求めていない機種)を、機種ごとに把握することができる。
なお、図31に示すように、集計結果データには、参考情報として、自店が所在する地域の複数の他店の集計結果データの平均値も含まれる。なお、この参考情報は、たとえば、自店のメダル管理コンピュータ550が、複数の他店のメダル管理コンピュータ550に接続された中央管理装置(図示せず)と通信して受信したデータである。これにより、他店の集計結果データを参考にして、自店の集計結果データを把握および分析することができる。なお、自店のメダル管理コンピュータ550は、自店の集計結果データを中央管理装置に出力する。これにより、他店のメダル管理コンピュータ550においても、図31に示すような集計結果を得ることができる。
図32は、メダル管理コンピュータ550が集計処理(図29のS208の処理)を行った結果の他の例を示す図である。この集計結果データには、初遊技機種、長時間遊技機種、短時間遊技機種、唯一遊技機種が、会員カードとビジターカードとに対照可能に層別されて、円グラフにまとめられている。この集計結果データを参照することにより、遊技者に好まれている機種が会員カードとビジターカードとでどのように違うのかを容易に把握することができる。
以上のように、本実施の形態に係るメダル管理コンピュータ550は、合算処理あるいは分割処理が行なわれる場合であっても、合算処理あるいは分割処理に応じた判定方法で遊技に関する情報(初遊技機種、長時間遊技機種、短時間遊技機種、および唯一遊技機種)を判定する判定処理折を行ない、判定処理の結果を用いて集計処理を行なう。そのため、合算処理あるいは分割処理が行なわれた場合であっても、遊技に関する情報を適正に集計することができる。
[第1の実施の形態の変形例1]
上述の第1の実施の形態では、合算処理の対象となったカードである場合、残存カードについては当該残存カードの合算前の情報と合算後の情報とを用いて判定処理が行なわれ、無効カードについては判定処理が行なわれず中止されていた。また、分割処理の対象となったカードである場合、分割元カードについては当該分割元カードの分割前の情報と分割後の情報とを用いて判定処理が行なわれ、分割先カードについては分割後の情報を用いて新たに判定処理が開始されていた。しかしながら、判定処理のパターンは、必ずしもこのようなパターンに限定されるものではない。
図33は、合算処理されたカードの判定処理パターンを例示した図である。
判定処理パターン1は、上述の第1の実施の形態で説明したパターンである。すなわち、判定処理パターン1では、残存カード(図33のカード1)については合算前の情報と合算後の情報との双方を用いて判定処理を継続し、無効カード(図33のカード2)については判定処理を中止するパターンである。残存カードの判定処理に用いられる「合算前の情報」には、合算処理前の無効カードの情報は含まれない。そのため、このパターン1では、判定処理の結果に、合算処理前の無効カードの情報を反映させないようにすることができる。なお、残存カードの判定処理に用いられる「合算前の情報」に、合算処理前の無効カードの情報を含めるようにしてもよい。このようにすれば、判定処理の結果に、合算処理前の無効カードの情報を反映させることができる。
判定処理パターン2は、上述の第1の実施の形態で説明したパターンとは異なるパターンである。すなわち、判定処理パターン2では、残存カード(図33のカード1)については合算前の情報を用いずに合算後の情報を用いて判定処理を新たに開始し、無効カード(図33のカード2)については判定処理を中止するパターンである。このパターン2では、判定処理の結果に合算後の遊技情報のみを反映させることができる。
判定処理パターン3も、上述の第1の実施の形態で説明したパターンとは異なるパターンである。すなわち、判定処理パターン3では、残存カードおよび無効カード(図33のカード1およびカード2)の双方について判定処理を中止するパターンである。このパターン3では、合算処理の対象となったカードについて判定処理が行なわれない。そのため、集計処理の結果に、合算処理の対象となったカードの情報を反映させないようにすることができる。
これらの判定処理パターン1〜3のうち、いずれかのパターンを行なうのかを、店員が選択できるようにしてもよい。
なお、前述した実施の形態においては、ビジターカードと会員カードとについて合算処理が行なわれる場合には、残存カードが会員カードであることとした。これは、会員カードは、遊技者の所有物であり、回収される無効カードとすると、会員カードが失われてしまい、不都合が生じるからである。
図34は、分割処理されたカードの判定処理パターンを例示した図である。
判定処理パターン1は、上述の第1の実施の形態で説明したパターンである。すなわち、判定処理パターン1では、分割元カード(図34のカード1)については分割前の情報と分割後の情報との双方を用いて判定処理を継続し、分割先カード(図34のカード2)については分割後の情報を用いて新たに判定処理を開始するパターンである。
判定処理パターン2は、上述の第1の実施の形態で説明したパターンとは異なるパターンである。すなわち、判定処理パターン2では、分割元カード(図34のカード1)については分割前の情報を用いずに分割後の情報を用いて判定処理を新たに開始し、分割先カード(図34のカード2)については分割後の情報を用いて新たに判定処理を開始するパターンである。このパターン2では、判定処理の結果に分割後の遊技情報のみを反映させることができる。
判定処理パターン3も、上述の第1の実施の形態で説明したパターンとは異なるパターンである。すなわち、判定処理パターン3では、分割元カードおよび分割先カード(図34のカード1およびカード2)の双方について判定処理を中止するパターンである。このパターン3では、分割処理の対象となったカードについて判定処理が行なわれない。そのため、集計処理の結果に、分割処理の対象となったカードの情報を反映させないようにすることができる。
これらの判定処理パターン1〜3のうち、いずれかのパターンを行なうのかを、店員が選択できるようにしてもよい。
なお、前述した実施の形態においては、会員カードについて分割処理を行なわれる場合には、分割元の会員カードの遊技に関する情報(初遊技機種、長時間遊技機種、短時間遊技機種、および唯一遊技機種)が、分割元の会員カードに引継がれるようにした。これは、分割先のビジターカードは、通常、会員カードの所有者以外の遊技者に渡されるので、他人に渡されるビジターカードに遊技に関する情報が引継がれても意味がないからである。
[第1の実施の形態の変形例2]
上述の第1の実施の形態ではカードIDごとに判定処理を行なったが、機種ごとに判定処理を行なうようにしてもよい。
図35は、メダル管理コンピュータ550によって実行される判定処理および集計処理の処理内容の変形例を示すフロー図である。なお、図35のフロー図は、カードIDごとに判定処理を行なう図28のフロー図を、機種ごとに判定処理を行なうように変形したものである。
まず、メダル管理コンピュータ550は、記憶された集計用の情報から、未判定の機種を1つ選択する(ステップS300)。
その後、メダル管理コンピュータ550は、選択された機種を遊技したカードIDをすべて特定する(ステップS301)。
その後、メダル管理コンピュータ550は、特定されたカードIDから、未判定のカードIDを選択する(ステップS302)。
その後、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDが合算処理されたカードIDであるか否かを判定する(ステップS303)。
選択されたカードIDが合算処理されたカードIDである場合(ステップS303にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDが合算処理による残存カードであるか否かを判定する(ステップS306)。
選択されたカードIDが合算処理されたカードIDでない場合(ステップS303にてNO)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDが分割処理されたカードIDであるか否かを判定する(ステップS304)。
選択されたカードIDが分割処理されたカードIDである場合(ステップS304にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDが分割処理による分割元カードであるか否かを判定する(ステップS308)。
選択されたカードIDが合算処理されたカードIDでも分割処理されたカードIDでもない場合(ステップS303にてNOかつステップS304にてNO)、または選択されたカードIDが合算処理による残存カードである場合(ステップS306にてYES)、または選択されたカードIDが分割処理による分割元カードである場合(ステップS308にてYES)、または選択されたカードIDが分割処理による分割先カードである場合(ステップS308にてNO)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDについて判定処理を実行する(ステップS305)。
一方、選択されたカードIDが合算処理による無効カードである場合(ステップS306にてNO)、メダル管理コンピュータ550は、選択されたカードIDについて判定処理を実行せずに中止する(ステップS307)。
図36は、メダル管理コンピュータ550によって実行される判定処理(図35のステップS305の処理)の詳細内容の変形例を示すフロー図である。なお、図36のフロー図は、カードIDごとに判定処理を行なう図29のフロー図を、機種ごとに判定処理を行なうように変形したものである。図36で用いる「初遊技機種」、「長時間遊技機種」、「短時間遊技機種」、「唯一遊技機種」の定義およびそれらの判定手法については、既に図29で説明したものと同じであるため、ここでの説明は繰り返さない。
ステップS320にて、メダル管理コンピュータ550は、図35のステップS300で選択された機種が「初遊技機種」であるか否かを判定する。
図35のステップS300で選択された機種が「初遊技機種」である場合(ステップS320にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、当該機種のデータを初遊技機種データとして記憶する(ステップS321)。
ステップS322にて、メダル管理コンピュータ550は、図35のステップS300で選択された機種が「長時間遊技機種」であるか否かを判定する。
図35のステップS300で選択された機種が「長時間遊技機種」である場合(ステップS322にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、当該機種のデータを長時間遊技機種データとして記憶する(ステップS323)。
ステップS324にて、メダル管理コンピュータ550は、図35のステップS300で選択された機種が「短時間遊技機種」であるか否かを判定する。
図35のステップS300で選択された機種が「短時間遊技機種」である場合(ステップS324にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、当該機種のデータを短時間遊技機種データとして記憶する(ステップS325)。
ステップS326にて、メダル管理コンピュータ550は、図35のステップS300で選択された機種が「唯一遊技機種」であるか否かを判定する。
図35のステップS300で選択された機種が「唯一遊技機種」が存在する場合(ステップS326にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、当該機種のデータを唯一遊技機種データとして記憶する(ステップS327)。
図35に戻って、ステップS305またはステップS307の処理後、メダル管理コンピュータ550は、ステップS301で特定されたカードIDのすべてについて判定処理が済んだか否かを判定する(ステップS309)。未判定のカードIDが残っている場合(ステップS309にてNO)、メダル管理コンピュータ550は、処理をステップS302に戻し、ステップS301で特定されたカードIDのすべてについて判定処理が済むまでステップS302〜ステップS309の処理を繰り返す。
ステップS301で特定されたカードIDのすべてについて判定処理が済んだ場合(ステップS309にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、すべての機種について判定処理が済んだか否かを判定する(ステップS310)。未判定の機種が残っている場合(ステップS310にてNO)、メダル管理コンピュータ550は、処理をステップS300に戻し、すべての機種について判定処理が済むまでステップS300〜ステップS310の処理を繰り返す。
すべての機種について判定処理が済んだ場合(ステップS310にてYES)、メダル管理コンピュータ550は、全判定処理結果の集計処理を行なう(ステップS311)。なお、ステップS311の集計結果処理内容そのものは、上述の図28のステップS208と同じである。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態においては、スロットマシン1、メダル貸出機100等を含んで構成される遊技用システムに発明を適用する場合について説明した。第2の実施の形態においては、パチンコ遊技機701、カードユニット750等を含んで構成される遊技用システムに発明を適用する場合について説明する。
図37は、第2の実施の形態における遊技用システムに含まれる、パチンコ遊技機701およびカードユニット750を示す正面図である。図38は、パチンコ遊技機701およびカードユニット750の構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機701は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機701は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠702を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤706を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠702の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿703の下部には、打球供給皿703に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿704、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)705等が設けられている。また、ガラス扉枠702の背面には、遊技盤706が着脱可能に取付けられている。遊技盤706は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤706の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域707が形成されている。
余剰球受皿(下皿)704を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ7122が取付けられている。なお、スティックコントローラ7122には、遊技者がスティックコントローラ7122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン7125(図38参照)が設けられている。また、スティックコントローラ7122には、スティックコントローラ7122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ7126(図38参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)703を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ7122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン7120が設けられている。
打球供給皿703の上面には、球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン751と、カード残額や獲得玉数等を特定可能にしてカードの返却を受ける場合に操作する返却ボタン752と、カードの残度数を表示する残度数表示部753が設けられる。
遊技領域707の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置709が設けられている。遊技領域707における演出表示装置709の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器708aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器708bとが設けられている。
第1特別図柄表示器708aおよび第2特別図柄表示器708bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置709は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器708aおよび第2特別図柄表示器708bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置709は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器708aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置709で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器708bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置709で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器708aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器708bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置709においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置709において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置709の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置709の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置709の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)708aが設けられている。第1特別図柄表示器708aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置709の右方(第1特別図柄表示器708aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)708bが設けられている。第2特別図柄表示器708bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器708aと第2特別図柄表示器708bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器708a,708bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口713または第2始動入賞口714を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置709の下方には、第1始動入賞口713を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口713に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第1始動口スイッチ713aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)713を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口714を有する可変入賞球装置715が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)714に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第2始動口スイッチ714aによって検出される。可変入賞球装置715は、ソレノイド716によって開状態とされる。可変入賞球装置715が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口714に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置715が開状態になっている状態では、第1始動入賞口713よりも、第2始動入賞口714に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口714に入賞しない。したがって、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口714よりも、第1始動入賞口713に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口713と第2始動入賞口714とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器708bの上方には、第2始動入賞口714に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器718bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器718bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器708bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器718bのさらに上方には、第1始動入賞口713に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器718aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器718aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器708aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル705を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域707に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域707を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域707に入り、その後、遊技領域707を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口713に入り第1始動口スイッチ713aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器708aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置709において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口713への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口714に入り第2始動口スイッチ714aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器708bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置709において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口714への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置709は、第1特別図柄表示器708aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器708bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器708aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器708bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器708aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器708bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置709において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置709の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図37に示すように、可変入賞球装置715の下方には、特別可変入賞球装置720が設けられている。特別可変入賞球装置720は開閉板を備え、第1特別図柄表示器708aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器708bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド721によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ723で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置720が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置709の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器710が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器710は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器710は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート732を通過しゲートスイッチ732aで検出されると、普通図柄表示器710の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器710における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置715が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器710の近傍には、ゲート732を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器741が設けられている。ゲート732への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ732aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器741は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器710の変動表示が開始されるごとに、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤706の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口726がある。また、遊技領域707の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ727が設けられている。遊技領域707の外周には、前面枠に設けられた枠LED728が設けられている。
また、カード(会員カード、ビジターカード)が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット750が、パチンコ遊技機701に隣接して設置される。このカードユニット750は、遊技者による遊技に使用可能な価値としてのカード残額や、遊技の結果、遊技者が獲得した獲得価値としての獲得玉数を記録したカードから、カード残額や獲得玉数の引落としを受付けて、その引落額に応じた貸玉としてのパチンコ玉をパチンコ遊技機701の球払出装置797に払出させることを指示する制御信号をパチンコ遊技機701の払出制御基板737に出力し、そのパチンコ玉の使用により、遊技者によるパチンコ遊技機701での遊技を可能にするものである。このようにカードユニット750からパチンコ遊技機701に出力される制御信号は、カードに記録された価値に基づいたパチンコ玉の貸出指令の一例である。しかし、このようなカードユニット750とパチンコ遊技機701などの遊技機とでやり取りされる信号に限定されず、カードユニットが遊技機に内蔵される場合は、貸出指令は、遊技機内部でやり取りされる制御信号であってもよい。
カードユニット750には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機701に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。
パチンコ遊技機701において、遊技者が遊技を行なう場合には、遊技に使用可能な遊技用のカードを用いる。カードとしては、遊技場において会員として登録された遊技者に対して個別に発行された会員カードと、すべての遊技者が利用できるビジターカードとの2種類のカードがある。
会員カードは、ICカードよりなる記録媒体である。会員カードには、カードIDが記録されている。遊技者の投入代金の対価としてのカード残額、獲得玉数情報、貯玉数情報、および、会員個人を特定する会員情報等の各種情報(カード情報)が、カードIDに対応付けて後述する獲得玉管理サーバに記録されている。獲得玉管理サーバは、会員カードに基づいて対応する各種カード情報を割出すことができる。カード残額、貯玉数情報、来店ポイント数情報、および、会員情報等のカード情報は、獲得玉管理サーバにより、カードIDを用いて管理される。
ここで、貯玉とは、遊技者が獲得した獲得玉等の獲得価値を遊技場側に預入れる行為およびその預入れられた価値をいう。貯玉数情報とは、その会員カードを所有している遊技者の貯玉の数を示す情報である。獲得玉とは、遊技者が遊技により獲得した点数または玉等を示す価値をいう。獲得玉数情報とは、その会員カードを所有している遊技者の獲得玉の数を示す情報である。また、再プレイとは、遊技者が貯玉または遊技場に預入れていない獲得玉を用いて玉貸しを受けて遊技を行なうことをいう。
遊技者が遊技を行なう場合は、まず、貨幣(1000円)を貨幣挿入口に挿入する。すると、その挿入された貨幣が判別されて適正貨幣の場合に、球貸しボタン751が操作されると、挿入貨幣の金額の範囲内で遊技玉が貸出されて遊技が可能となる。なお、貨幣としては1000円札以外の貨幣も使用可能である。カードの返却を受ける場合は、挿入された会員カードのカードIDで特定される獲得玉数に、遊技者が獲得した獲得玉数を加算更新することができる。会員カードが挿入されていない場合には、カードユニット750からビジターカードが発行される。遊技者が獲得した獲得玉数がそのビジターカードに記録されて遊技者に排出される。このように、会員カードおよびビジターカードには、入金額から遊技に使用した額を差し引いた残額が特定可能に記憶される。
遊技者がビジターカードを用いて遊技を行なう場合には、カードユニット750に設けられているカード口にビジターカードを挿入する。すると、その挿入されたビジターカードに記録されているカード残額や獲得玉数等のカード情報がカードユニット750に設けられたカードリーダライタにより読取られる。そして、読取られたカード情報に基づいて、カード残額がパチンコ遊技機701に設けられている残度数表示部753に表示され、獲得玉数が、カードユニット750に設けられている計数表示部7555に表示される。計数表示部7555は、カード残額や獲得玉数を所定の桁数で表示するように構成されている。この表示されたカード残額や獲得玉数を用いて遊技が可能となる。
遊技者が会員カードを用いて遊技を行なう場合には、カードユニット750に設けられているカード口に会員カードを挿入する。すると、その挿入された会員カードに記録されているカードIDがカードリーダライタにより読取られる。そして、読取られたカードIDに基づいて獲得玉管理サーバが特定した玉数データ(獲得玉数データ、貯玉数データ)が計数表示部7555に表示される。この表示されたカード残額や獲得玉数や貯玉数を用いて遊技が可能となる。
カードユニット750には、貯玉や獲得玉を用いて玉貸しを受ける場合、すなわち、再プレイをする場合に操作する再プレイボタン7554が設けられている。
球貸ボタン751が操作されれば、残度数表示部753に表示さているカード残額から、予め定められた貸出単位額分の額が引落されて減額され、それと引換えに、貸出単位額分の玉がパチンコ遊技機701から貸玉として払出される。また、カード残額が、残度数表示部753に表示される。このような操作は、玉貸し操作と呼ばれる。
カード口にカードが挿入されている状態において、再プレイボタン7554が操作されれば、計数表示部7555に表示されている獲得玉数または貯玉数から、予め定められた返却単位数分の玉数が引落とされて減算され、それと引換えに、返却単位数分の玉がパチンコ遊技機701の球払出装置797から返却される。このような操作は、再プレイ操作と呼ばれる。このように払出される玉を返却玉と呼ぶ。
カード口に会員カードが挿入されている状態において、返却ボタン752が操作されれば、その時点での獲得玉数、カード残額、および、貯玉数等の情報が獲得玉数管理サーバに記憶され、その記憶情報を特定するカードIDが記録された会員カードがカード口から排出されて遊技者に返却される。
カードユニット750から貸玉として払出される玉は、パチンコ遊技機701の内部に設けられている球払出装置797から、パチンコ遊技機701に設けられている打球供給皿703上に払出される。
遊技においては、遊技者がパチンコ遊技機701に設けられている打球操作ハンドル705を操作して、打球供給皿703に貯留された玉を弾発発射し、遊技領域707に打込む。そして、遊技領域707に打込まれた玉が上述したような各種の入賞領域に入賞すれば、入賞領域別に予め定められた個数の景品玉が打球供給皿703に払出される。打球供給皿703が満タンになった場合には、その下方に設けられている余剰球受皿704に玉が送られて貯留される。
このパチンコ遊技機701においては、各台計数機705と呼ばれるパチンコ玉の計数装置が各パチンコ遊技機701に対応して設けられている。各台計数機705は、パチンコ遊技機701の下方に設けられた計数用玉貯留部794とを含む。
計数用玉貯留部794は、余剰球受皿704の下方に設けられており、余剰球受皿704から排出された玉を受けて貯留することが可能な形状に構成されている。貯留玉が満杯になったこと等の理由により、余剰球受皿704に設けられた排出レバーが操作されると、余剰球受皿704に貯留されていた玉が、余剰球受皿704の底面の開口部から下方へ排出され、計数用玉貯留部794に受けられる。
計数用玉貯留部794においては、遊技者による操作が可能な計数シャッタ794aが設けられている。計数シャッタ794aは、計数用玉貯留部794の底部に設けられた開口部を開閉するための部材であり、一体形成されたレバー部794bの操作に応じて開閉される。計数シャッタ794aは、通常状態において閉成されて計数用玉貯留部794を玉の貯留が可能な状態にし、遊技者によってレバー部794bが操作された場合に開放される。計数シャッタ794aが開かれると、計数用玉貯留部794に貯留されていた玉が、計数用玉貯留部794の底部に連結されている玉排出用通路7520に排出される。玉排出用通路7520の入側には、計数用玉貯留部794から排出された玉(以下、「獲得玉」という)を計数するために検出する通過検出用センサよりなる獲得玉検出スイッチ7501が設けられている。
獲得玉検出スイッチ7501により玉が検出され、計数されれば、カードユニット750に設けられた計数表示部7555にその計数値が表示される。この計数値(「獲得玉数」ともいう)は、遊技終了時に獲得玉数情報としてビジターカードに記録され、景品交換等の各種目的のために使用することが可能である。また、会員カードにおいては、その会員カードのカードIDに対応付けて獲得玉管理サーバに記憶され、景品交換等の各種目的のために使用することが可能である。また、獲得玉数情報で示される獲得玉数を貯玉数に変換し、貯玉数情報として記録しておくことが可能である。
返却を行なう場合には、遊技者により返却ボタン752が操作される。返却ボタン752が操作された場合は、前述した獲得玉検出スイッチ7501による計数値の全てが景品交換のために精算され、その精算された計数値(言い換えると獲得玉数)等の情報が、カードリーダライタによりビジターカードに書込まれ、そのビジターカードが、カード口から排出されて遊技者に返却される。一方、遊技者が会員カードをカード口に挿入して返却操作した場合には、その会員カードのカードIDに対応付けて計数値(言い換えると獲得玉数)等の情報が獲得玉管理サーバに記憶される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態(低確率状態))に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りによる15ラウンドの大当り遊技状態、ならびに、突然確変大当りによる2ラウンドの大当り遊技状態の、複数種類の大当り遊技状態が設けられている。また、ラウンド数が同じであるが各ラウンドの開放時間が異なる大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りによる開放時間が29秒の大当り遊技状態と、突然確変大当りによる開放時間が0.5秒の大当り遊技状態との、複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、突然確変大当りと同様の開放回数(2回)および開放時間(0.5秒)の小当り遊技状態となる。
具体的に、通常大当りおよび確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置720の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、突然確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置720の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、突然確変大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるとともに、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。
また、本実施の形態では、確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常変動時間状態)よりも短縮される時短状態に制御される。また、本実施の形態では、通常大当りに基づく特別遊技状態としては、時短状態に制御される。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、確変大当りおよび通常大当りに基づく特別遊技状態としては、可変入賞球装置715が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置715に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置715への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。一方、突然確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に制御されるが、電チューサポート制御状態に制御されない。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置715の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置715の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置715が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口714への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器708a,708bや演出表示装置709における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口714への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口714への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置715、すなわち、電動
チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置715への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、確変大当りに基づく特別遊技状態として、確変状態に制御されることに付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、突然確変大当りのように大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合がある。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態を示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電
チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。
突然確変大当りは、開放時間が極めて短い2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれ、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれずに非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確率/低ベース状態)に制御される大当りである。
確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。また、通常大当りにおいては、時短状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
また、突然確変大当りの場合は、確変状態よりなる特別遊技状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における遊技状態としての大当り確率およびベース状態が維持される。また、この実施の形態において、小当りは、小当り遊技状態において、突然確変大当りと同一の開放回数および同一の開放時間で特別可変入賞球装置720を開放する当りである例を示すが、これに限らず、小当りとしては、特別可変入賞球装置720の開放態様が、突然確変大当りのときの開放態様と完全に一致するものでないが、突然確変大当りのときの開放態様と区別しにくいように見えるものであってもよい。つまり、小当りとしては、特別可変入賞球装置720の開放態様が、突然確変大当りと略同一の開放回数および略同一の開放時間で特別可変入賞球装置720を開放する当りであればよい。
突然確変大当りと、小当りとは、特別可変入賞球装置720の開放回数および開放時間が同じであるので、大当り遊技状態および小当り遊技状態中に、突然確変大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。これにより、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。また、突然確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に低ベースとなるので、小当り遊技状態の終了後にベースが変更されない小当りと比べると、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、小当り遊技状態の終了後とで、遊技者が動作状況を区別しにくい。このような制御状態は、確変状態が潜伏しているような状態であるので、潜伏状態と呼ばれ、このような潜伏状態にする制御が潜伏制御と呼ばれる。なお、高確低ベース状態において発生した突然確変大当り時には、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御され、電チューサポート制御に制御されるものを設けてもよい。このように、高確高ベース状態に移行する場合には、後述する潜伏演出を行なわないようにすることが望ましい。
この実施形態によるパチンコ遊技機701においては、演出制御用CPU7101において、大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後に、確変状態となっているか否かを報知しない共通の演出をする潜伏演出が行なわれる。たとえば、演出制御用CPU7101では、大当り終了時において、小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを受信したときは、大当り遊技状態(小当りの場合は小当り遊技状態)の終了後において共通の背景画像を表示する等、共通の演出を行なう。このような潜伏演出が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、潜伏演出は、遊技制御用マイクロコンピュータ7100から潜伏演出の実行を指示するコマンドを送信し、当該コマンドに応じて、演出制御用CPU7101が潜伏演出を実行するようにしてもよい。
図38は、主基板(遊技制御基板)731における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図38は、払出制御基板737および演出制御基板780等も示されている。主基板731には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機701を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)7560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM754、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM755、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU756およびI/Oポート部757を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、ROM754およびRAM755が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ7560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路7503が内蔵されている。
また、RAM755は、その一部または全部が電源基板7910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM755の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560においてCPU756がROM754に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ7560(またはCPU756)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU756がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板731以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路7503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路7503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、乱数回路7503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ732a、第1始動口スイッチ713a、第2始動口スイッチ714a、カウントスイッチ723からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ7560に与える入力ドライバ回路758も主基板731に搭載されている。また、可変入賞球装置715を開閉するソレノイド716、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置720を開閉するソレノイド721を遊技制御用マイクロコンピュータ7560からの指令にしたがって駆動する出力回路759も主基板731に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器708a、第2特別図柄表示器708b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器710、第1特別図柄保留記憶表示器718a、第2特別図柄保留記憶表示器718bおよび普通図柄保留記憶表示器741の表示制御を行なう。
演出制御基板780は、演出制御用マイクロコンピュータ7100、ROM7102、RAM7103、VDP7109、および、I/Oポート部7105等を搭載している。ROM7102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM7103は、ワークメモリとして使用される。ROM7102およびRAM7103は、演出制御用マイクロコンピュータ7100に内蔵されてもよい。VDP7109は、演出制御用マイクロコンピュータ7100と共動して演出表示装置709の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ7100は、主基板731から演出制御基板780の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板777を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ7560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置709の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板735を介して、枠側に設けられている枠LED728の表示制御を行なうとともに、音声出力基板770を介してスピーカ727からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU7101は、スティックコントローラ7122のトリガボタン7125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ7121から入力する。また、演出制御用CPU7101は、プッシュボタン7120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ7124から入力する。また、演出制御用CPU7101は、スティックコントローラ7122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット7123から入力する。また、演出制御用CPU7101は、バイブレータ用モータ7126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ7122を振動動作させる。
払出制御基板737には、インターフェース基板766を介して、カードユニット750が接続される。カードユニット750は、払出制御基板737に対して貸玉、獲得玉および貯玉などの遊技球の払出しを指示する信号を出力する。カードユニット750には、各台計数機705が接続される。各台計数機705は、獲得玉検出スイッチ7501による獲得玉数を特定可能な信号を、カードユニット750に出力する。
カードユニット750とパチンコ遊技機1の払出制御基板737との間で送受信される信号方式の一例を示すタイミングは次のとおりである。パチンコ遊技機701の電源が投入されると、払出制御基板737の払出制御用CPUは、カードユニット750に貸与準備信号を出力する(PRDY信号をハイレベルのオン状態にする)。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、接続信号を出力する(VL信号をハイレベルのオン状態にする)。払出制御用CPUは、接続信号の入力状態により接続状態/未接続状態を判定する。
カードユニット750においてカードが受け付けられ、パチンコ遊技機701の球貸しボタン751が操作され球貸しボタン751から操作されたことを示す球貸しスイッチ信号がカードユニット750に入力されると、カードユニット制御部におけるカードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板737に貸与要求信号を出力する(BRDY信号をハイレベルにする)。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板737に貸与指令信号を出力する(BRQ信号をハイレベルにする)。貸与指令信号は、単位料金(たとえば100円)当たりの遊技球の払出を要求する信号である。なお、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、内蔵ROMまたはカードユニット制御部に搭載されているROMに格納されているプログラムに従って制御を実行する。
そして、払出制御基板737の払出制御用CPUは、カードユニット750に貸与可能信号を出力し(EXS信号をハイレベルにし)、カードユニット750からの貸与確認信号を入力すると(BRQ信号がローレベルになったことを検出すると)、球払出装置797の払出モータを駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。払出の開始時に、パチンコ遊技機701において、振分ソレノイドが駆動状態とされる。すなわち、球振分部材を球貸し側に向ける。
そして、払出が完了すると、払出制御基板737の払出制御用CPUは、貸与完了信号を出力する(EXS信号をローレベルにする)。その後、カードユニット750からの球貸し要求終了信号が出力されると(BRDY信号がローレベルになると)、賞球払出制御を実行可能な状態になる。なお、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、球貸しボタン751等の近傍に設けられている金額設定スイッチの設定に応じた回数だけ貸与指令信号を出力したら、球貸し要求終了信号を出力する(BRDY信号をローレベルにする)。
以上のようなパチンコ遊技機701、カードユニット750等を含んで構成される遊技用システムにも、発明を適用することができる。
[第3の実施の形態]
第2の実施の形態においては、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機であるパチンコ遊技機701に発明を適用する場合について説明した。第3の実施の形態においては、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機に発明を適用することもできる。
具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球または貸し球を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、会員カードやビジターカード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。
すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
封入式遊技機においては、パチンコ遊技機701およびカードユニット750が不正に改造されていないかを認証するための仕組みが定められている。
この仕組みにおいては、パチンコ遊技機701の主基板731の認証・通信制御回路は、払出制御基板737の認証・通信制御回路、および、インターフェース基板766、ならびに、カードユニット750の制御ユニットの認証・通信制御回路、ならびに、ホールサーバ590を介して、鍵管理サーバと通信可能に接続されている。また、主基板731と鍵管理サーバとの途中の機器についても、鍵管理サーバと通信可能に接続されている。
これらの機器では、鍵管理サーバとの間で認証用の情報をやり取りすることによって、これらの機器が不正に改造されていないかを認証することができる。これにより、パチンコ遊技機701およびカードユニット750のセキュリティの向上に寄与することができる。
また、パチンコ遊技機701は、入賞の発生により所定の遊技点を付与するとともに遊技点を用いた遊技が可能である。カードユニット750によって、玉貸しボタン751の操作が受付けられたことに基づいて、受付けられた貨幣のうちの少なくとも一部を用いて加算する遊技点を特定可能な情報がパチンコ遊技機701に送信される。カードユニット750によって、各台計数機705での計数操作を受付けたことに基づいて、パチンコ遊技機701が記憶している遊技点を特定可能な情報がパチンコ遊技機701から受信される。このため、入賞の発生により所定の遊技点を付与するとともに遊技点を用いた遊技が可能なパチンコ遊技機701などの遊技機に対応することができる。
また、カードユニット750は、パチンコ遊技機701およびホールコンピュータ540と通信可能に接続される。カードユニット750は、パチンコ遊技機701により生成された情報をホールコンピュータ540向けに変換して送信するための外部出力端子(図示せず)を備える。このため、パチンコ遊技機701により生成された情報が従来のホールコンピュータ540向けの情報でないとしても、パチンコ遊技機701により生成された情報を従来のホールコンピュータ540向けに変換して送信するので、従来のホールコンピュータ540を用いることができる。
なお、カードユニット750は、パチンコ遊技機701により生成された情報をホールコンピュータ540向けに変換して送信するための外部出力端子に替えて、ホールコンピュータ540向けに変換する変換装置に、パチンコ遊技機701により生成された情報を中継する外部出力端子を備えるようにしてもよい。
[第1〜3の実施の形態の変形例]
次に、前述の実施の形態(第1〜3の実施の形態)の変形例を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、判定処理に用いられる情報をメダル貸出機100が出力し、メダル貸出機100が出力した情報を用いてメダル管理コンピュータ550が判定処理を行なう場合について説明した。しかしながら、判定処理は遊技システム全体として実行されるものであればよく、判定処理の全部または一部を行なう主体は必ずしも前述の実施の形態で説明した装置に限定されるものではない。たとえば、判定処理の全体をすべてメダル貸出機100(あるいはカードユニット750)が行なうようにしてもよいし、ホールコンピュータ540が行なうようにしてもよい。
また、たとえば、判定処理の全体のうち、一部の処理をメダル貸出機100(あるいはカードユニット750)が行ない、残りの処理をホールコンピュータ540が行なうようにしてもよい。
合算処理、分割処理、および集計処理についても同様である。すなわち、これらの処理は遊技システム全体として実行されるものであればよく、これらの処理の全部または一部を行なう主体は必ずしも前述の実施の形態で説明した装置に限定されるものではない。
(2) 前述した実施の形態においては、図24で示したように、後から挿入されたカードに、前のカードの持ちメダル数を合算するようにした。しかし、これに限定されず、後から挿入されたカードに、前のカードのプリペイド残額を合算するようにしてもよいし、持ちメダル数およびプリペイド残額を合算するようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、遊技用装置(たとえば、メダル貸出機100、カードユニット750)は、所定の遊技媒体(たとえば、メダルM、パチンコ玉)を用いて遊技を行なうことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1、パチンコ遊技機701)に対応して設けられ、有価価値(たとえば、貨幣、プリペイド残額)に基づいて遊技媒体を貸与するための貸出処理(たとえば、貸出操作基板189、払出装置182、パチンコ遊技機701の球払出装置797を制御する処理)を実行する貸出制御手段(たとえば、制御ユニット181、図11のステップSb21)と、前記遊技機から払出された遊技媒体を計数するための計数処理(たとえば、内蔵の計数装置190、外付けの各台計数機を制御する処理)を実行する計数制御手段(たとえば、制御ユニット181、図11のステップSb28で実行される図17の計数処理)と、受付中の記録媒体に対応付けられた遊技媒体数(たとえば、管理コンピュータまたはカードから取得された持玉数、貯玉数)および前記計数処理によって計数された遊技媒体数(たとえば、計数された持玉数)の少なくとも一方に基づいて遊技媒体を払出すための払出処理(たとえば、再プレイ操作基板185、払出装置182、パチンコ遊技機701の球払出装置797を制御する処理)を実行する払出制御手段(たとえば、制御ユニット181、図11のステップSb24で実行される図16の再プレイ処理)とを備え、管理装置と通信可能な遊技用装置であることとした。
このような遊技用装置において、受付中の前記記録媒体に対応付けられた遊技媒体数(たとえば、遊技媒体の種類ごとおよび単価ごとの少なくともいずれか一方の、持玉数および貯玉数の少なくともいずれか一方を表示する持玉・貯玉情報画面)を、前記管理装置からの情報に基づいて表示する表示手段(たとえば、表示制御基板129、液晶表示器123、ディスプレイ7123、図22のステップSg16で実行される情報照会処理)を備え、前記表示手段に遊技媒体数が表示されているときに、前記計数制御手段および前記払出制御手段は、それぞれ、前記計数処理および前記払出処理を不能動化するよう制御する(たとえば、持玉・貯玉情報画面が表示されていることを示す玉情報表示フラグをオンにする。そして、計数処理において玉情報表示フラグがオンであると判断された場合、計数のための処理が実行されないようにする。玉情報表示フラグがオンであると判断された場合、図16のステップSp1の再プレイメイン処理が実行されないようにする。)一方、前記貸出制御手段は、前記貸出処理を不能動化しないよう制御する(たとえば、玉情報表示フラグがオンであってもオフであっても、図11のステップSb21の貸出処理が実行可能とされるようにする。)ようにしてもよい。
これによれば、受付中の記録媒体に対応付けられた遊技媒体数が表示されているときに、計数処理および払出処理を不能動化するよう制御される一方、貸出処理を不能動化しないよう制御される。
このため、遊技媒体数が表示されている場合は、遊技媒体数が変動しないようにすることができるとともに、遊技媒体が必要な場合は貸与を受けることができる。その結果、遊技媒体の数を表示する場合であっても、遊技者に不信感を与えたり不便を掛けたりすることを回避することが可能な遊技用装置を提供することができる。
(4) また、前記実施の形態では、メダル貸出機100が設置される遊技場としてスロットマシン1やパチンコ機等が設置されるパチンコ店を例示しているが、本発明が適用される遊技場はゲームセンタなどであってもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、持ちメダル数(持玉数)をメダル貸出機100(カードユニット750)に残したまま、プリペイド残額のみが入金残額対応カードに対応付けられて外部に排出されるようにした。その結果、計数されたメダル(遊技球)がある場合に、受付けられた貨幣のうちメダルの貸与に用いられていないプリペイド残額を用いたメダル貸しが誤って行なわれてしまうことを防止することができる。
一般に、プリペイド残額を用いてメダル等の遊技媒体を貸与する場合の遊技媒体の単価の方が、持ちメダルを景品に交換するときの遊技媒体の単価よりも高い。このため、単価の低い持ちメダルを用いて遊技をした方が、単価の高い貸与されたメダルを用いて遊技をするよりも、少ない価値でより多くの遊技をすることができるため、遊技者にとって有利である。したがって、持ちメダルがあるのに、プリペイド残額を用いたメダル貸しが誤って行なわれてしまうことを防止できることは、遊技者にとっては有効である。
(6) カードユニット750は、カードの返却操作があったときに、その旨を示す信号をパチンコ遊技機701へ送信するようにしてもよい。パチンコ遊技機701は、その信号を受けて、カードが排出されている旨を報知するようにしてもよい。このようにすれば、誤って返却ボタンに触れてしまった場合であっても、カードが排出されている旨が報知されるので、カードの取得忘れが無く、カードの盗難を防止することができる。カードの返却操作が有った旨を示す信号をパチンコ遊技機701ではなく、呼出ランプ200に送信して、呼出ランプ200で、カードが排出されている旨を報知するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、会員カードが完全ID管理方式、ビジターカードが完全ID方式に加えてカードにも情報を記録する方式であることとした。完全ID管理方式とは、カードには、カードIDなどの識別情報のみを記録し、残額、持玉、および、貯玉などの管理は、当該識別情報に対応付けて管理コンピュータで行なう方式である。
しかし、これに限定されず、会員カード、ビジターカードが、いずれも完全ID管理、いずれもカードに記憶、いずれも併用、いずれか一方が完全ID管理、他方がカードに記憶、いずれか一方が併用、他方が完全ID管理、いずれか一方が併用、他方がカードに記憶など、残額、持玉、貯玉の管理方式として、様々な方式を採用することが可能である。
(8) 図23の残額取出処理のステップSh15で入金残額対応カードを排出する際に遊技者の顔を撮像して記憶しておくようにしてもよい。そして、図13の発行・入金処理のステップSk1、図14の返却処理のステップSm13、図16の再プレイ処理のステップSp3、図24のカード後挿入処理のステップSj11などで、残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断することに加えて、残額排出時の遊技者の顔と現在の遊技者の顔とが一致するか否かを判断して、オン状態であり、かつ、顔が一致した場合に、以後の処理に進むようにしてもよい。これにより、顔が一致せず、入金残額対応カードを所持していない遊技者であるような場合は、以後の処理に進む必要がないので、無駄な処理を実行しないようにすることができる。
特に、図24のカード後挿入処理の場合は、入金残額対応カードを遊技者がカード挿入口から出た状態のまま放置しているような場合に、他者が、図21の「カード後挿入」ボタンを操作して、そのカードを挿入したとしても、顔が一致しないため、当該カードにメダル貸出機100の内部の持ちメダル数を対応付ける処理が行なわれないので、当該持ちメダルを盗み取ることができない。
(9) 前述した実施の形態においては、図23の残額取出処理において、ステップSh15で入金残額対応カードを排出した後、ステップSh18で持ちメダル対応カードを発行するようにした。このときに、図6で示した会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルにおいて、入金残額対応カードのカードIDと、持ちメダル対応カードのカードIDとを、対応付けるようにしてもよい。または、対応する入金残額対応カードまたは持ちメダル対応カードが存在するか否かを示すフラグを記憶するようにしてもよい。
つまり、入金残額対応カード、および、対応する持ちメダル対応カードを、対応付けて管理するようにしてもよい。この管理は、カード管理コンピュータ500などの管理装置で行なわれるようにしてもよいし、メダル貸出機100などの遊技用装置で行なわれるようにしてもよい。
そして、精算装置580で、入金残額対応カードが受付けられた場合に、プリペイド残額の問合せ時に、当該カードIDに対応して当該フラグが記憶されているか否かを、カード管理コンピュータ500に問合せて、持ちメダル対応カードが存在する旨の応答があった場合のみ、持ちメダル対応カードの存在を報知するようにしてもよい。
これにより、入金残額対応カードで特定される残額を精算するときに、必要な場合のみ、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダル数のメダルの景品への交換を遊技者に喚起することができる。その結果、無駄な報知を行なうことなく、景品交換忘れを防止することができる。
また、別のメダル貸出機100またはカードユニット750などの遊技用装置で、入金残額対応カードまたは持ちメダル対応カードが受付けられた場合に、対応する持ちメダル対応カードまたは入金残額対応カードが存在するか否かを、カード管理コンピュータ500に問合せて、存在する旨の応答があれば、その旨を遊技者に報知するようにしてもよい。
これにより、遊技者が他の遊技機に移った場合であっても、対応する持ちメダル対応カードまたは入金残額対応カードが存在を報知することができる。その結果、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダルがあるのに、入金残額対応カードで特定されるプリペイド残額が使用されて遊技媒体の貸与が行なわれてしまうことを防止することができる。また、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダルが無くなった場合に、入金残額対応カードで特定されるプリペイド残額が有る旨を遊技者に報知することができるので、無駄な入金を防止することができる。
(10) 前述した実施の形態においては、会員カードまたはビジターカードに対する機能の設定および実行されている処理は、当該遊技場のみで引継がれるようにした。しかし、これに限定されず、他の遊技場でも引継がれるように構成してもよい。
(11) 前述した図24のステップSj20で説明した特定の機能として、メダル貸出機100などの遊技用装置は、メダル貸出機100のディスプレイ123および呼出ランプ200での大当り回数および大当り間変動回数などの遊技情報の表示方法(たとえば、表示内容、レイアウトなど)をカスタマイズする表示画面カスタム機能を備えるようにしてもよい。遊技者によって重視する指標などが異なるが、当該機能を備えることによって、遊技者の希望に合わせた遊技情報の表示とすることができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。また、この機能での表示方法などの設定も、図24のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、さらに他の機能を備えるようにしてもよい。たとえば、特定の機能として、ディスプレイ123または呼出ランプ200に表示させるアバターおよび背景などの表示のデザインをカスタマイズする表示デザインカスタム機能を備えるようにしてもよい。これにより、遊技者の趣向にあった表示デザインとすることができるので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。この機能でのデザイン内容の設定も、図24のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、1玉当りの単価の低い(たとえば、1玉1円)低貸玉遊技機(たとえば、1メダル5円のスロットマシン、1玉1円のパチンコ遊技機)での遊技を優先するか、1玉当りの単価が通常である通常貸玉遊技機(たとえば、1メダル20円のスロットマシン、1玉4円のパチンコ遊技機)での遊技を優先するかを選択設定しておき、設定と異なる遊技機のメダル貸出機またはカードユニットに、当該機能の設定がされたカードが挿入された場合に、設定と異なる旨を報知する機能を備えるようにしてもよい。これにより、遊技をしたい玉単価の遊技機の選択を遊技者が誤らないようにすることができる。この機能での選択の設定も、図24のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、持玉での遊技を優先するか、貯玉での遊技を優先するかを選択設定しておき、設定された持玉または貯玉を優先して使用する機能を備えるようにしてもよい。これにより、優先したい持玉または貯玉を用いて遊技をすることができる。この機能での選択の設定も、図24のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、遊技を開始してからの遊技に使用した金額が、所定の金額(遊技者が設定した金額であってもよいし、予め定められた金額、たとえば、30000円などであってもよい)以上(または超)となったときに、その旨を報知または遊技を制限するめり込み制限機能を備えるようにしてもよい。これにより、遊技者の遊技へののめり込みを制限することができる。この機能での所定の金額の設定も、図24のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、前述した図24のステップSj20で説明した特定の処理として、こののめり込み制限機能において、遊技を開始してからの遊技に使用した金額を積算する処理を実行するようにしてもよい。この機能での使用金額の積算処理も、図24のステップSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、遊技において他の遊技者との玉またはメダルなどの遊技媒体の共有が禁止されているような場合に、顔認証により異なる遊技者であると判断した場合に、その旨を店員に報知または遊技を制限する共有禁止機能を備えるようにしてもよい。これにより、共有の禁止を確実にすることができることに伴ない、遊技店側に不利な状況を抑制できる。さらに、これに伴ない遊技店側がスロットマシンの遊技の抽選確率の設定を高くすることなどができるようになるので、遊技者にとって有利な状態とすることもできる。
また、特定の機能としての各台計数機能において、メダルまたはパチンコ玉などの遊技媒体の計数する処理が実行されているときに、会員カードが受付けられていない状態であれば、会員カードの挿入を促し、後から挿入された会員カードに、当該遊技媒体の計数処理が引継がれるようにしてもよい。これにより、会員カードでの貯玉および貯メダルのための処理を行ない易くすることができる。
また、特定の機能としてドリンク注文機能において、ドリンクを提供する係員が先に受付けられているカードの持玉数からドリンクの対価を精算する処理が実行されている途中で、持玉が足りないために、持玉が記録されたカードが後から挿入された場合は、精算する処理が引継がれるようにして、後から挿入されたカードから、足りない分の対価を後挿入されたカードの持玉から精算するようにしてもよい。
(12) 図24のステップSj20の処理で、機能の設定および機能の実行されている処理を、後から挿入されたカードに引継ぐか否かを確認する処理を実行するようにしてもよい。
(13) メダル管理コンピュータ550またはカード管理コンピュータ500で、記録媒体に対する機能の設定および実行されている処理が管理されるようにした。しかし、これに限定されず、ホールコンピュータ540などの他の管理装置で管理されるようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、少量貸し有効フラグは、メダル貸出機100などの遊技用装置の図4で示したようなカードテーブルのみに記憶されるようにして、カード管理コンピュータ500などの管理装置の図6で示したような会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルには記憶されないようにした。つまり、少量貸し機能は、管理装置では管理しないようにした。しかし、これに限定されず、少量貸し機能についても、他の機能と同様、管理装置で管理するようにしてもよい。
(15) 図6(b)のビジターカードテーブルに記憶されている機能の設定(たとえば、カードロック有効フラグ、暗証番号など)は、当該ビジターカードの利用状況が利用中でなく保管中になった場合、および、遊技店の締め処理時に、クリアされる。図6(a)の会員カードテーブルに記憶されている機能の設定(たとえば、カードロック有効フラグ)は、遊技店の締め処理時にクリアされるようにしてもよいし、されないようにしてもよい。
また、特定の機能の設定(たとえば、盗難カード制限機能の盗難カードフラグ)は、遊技店の締め処理時であっても、クリアされないようにすることが好ましい。後日、盗難カードが使用された場合であっても、当該カードの使用を制限するためである。
(16) 前述した実施の形態においては、図24で示したように、後から挿入されたカードに、前のカードの持ちメダル数を合算するようにした。しかし、これに限定されず、後から挿入されたカードに、前のカードのプリペイド残額を合算するようにしてもよいし、持ちメダル数およびプリペイド残額を合算するようにしてもよい。
(17) 前述したメダル管理コンピュータ550、ホールコンピュータ540、および、カード管理コンピュータ500などの管理装置は、いずれか少なくとも2つが兼用されるようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態においては、図6で示したように、カード管理コンピュータ500で、カードロック機能の設定であるカードロック有効フラグおよび暗証番号、ならびに、盗難カード制限機能の設定である盗難カードフラグが管理されるようにした。また、図8および図10で示したように、メダル管理コンピュータ550で、遊技履歴集計機能の実行されている処理である履歴集計処理が管理されるようにした。また、図4で示したように、メダル貸出機100で、少量貸し機能の設定である少量貸しフラグが記憶されるようにした。
しかし、これに限定されず、各機能の設定および各機能の実行されている処理は、いずれの管理装置で管理されるようにしてもよいし、メダル貸出機100またはカードユニット750などの遊技用装置でのみ記憶されるようにしてもよい。
(19) 遊技用装置には、メダル貸出機100およびカードユニット750の他、各台計数機能のみを有し、持玉数または持ちメダル数を特定可能な情報(たとえば、持玉数または持ちメダル数自体、または、管理装置で対応付けて記憶された持玉数または持ちメダル数を特定可能なカードID)がカードに記録されるような装置も含まれる。
(20) 遊技履歴集計機能で集計されている遊技履歴を、メダル貸出機100またはカードユニット750などの遊技用装置から有線または無線で、遊技者の携帯端末に送信できるように構成してもよい。
(21) 前述した実施の形態においては、図24のステップSj20で説明したように、後挿入されたカードが会員カードである場合は、カードロック機能の暗号番号の設定を、引継がないようにした。つまり、後挿入された記録媒体が会員用の記録媒体である場合、先に挿入されていた記録媒体に対する機能の設定を、後挿入された記録媒体に引継がないようにした。
しかし、これに限定されず、後挿入された記録媒体が会員用であっても非会員用であっても、先に挿入されていた記録媒体に対する機能の設定を、後挿入された記録媒体に引継がないようにしてもよい。
また、先に挿入されていた記録媒体に対する機能の設定自体をそのままでは引継がずに、内容や形式が変更された設定を、後挿入された記録媒体に対して引継ぐようにしてもよい。たとえば、図24のステップSj20において、先に挿入されていたビジターカードの暗証番号の設定をそのままでは引継がずに、後に挿入された会員カードに対して予め設定された暗号番号の設定を、後挿入された会員カードに対して引継ぐようにしていると考えることもできる。
(22) 前述した実施の形態においては、記録媒体処理装置が、記録媒体としてカードを用いるメダル貸出機100およびカードユニット750であることとして実施の形態を説明した。しかし、記録媒体処理装置が用いる記録媒体は、カードに限定されず、他の記録媒体であってもよい。たとえば、コイン状の記録媒体であってもよいし、メモリカード状の記録媒体であってもよいし、遊技者が所持する携帯端末を記録媒体として用いるものであってもよい。
(23) 前述した実施の形態においては、遊技開始時に入金を受付けて玉貸処理をするときに、会員カードやビジターカードが挿入されていない場合は、実際に新たにビジターカードをカード貯留部から取出して発行し、読取り位置に保持するようにした。
しかし、これに限定されず、実際のカードではなく、仮想的なカードを発行したことにして、カード返却操作がされたときに、初めて、仮想的なカードのカードIDを実際のカードのカードIDとして発行するものであってもよい。
このような場合は、図28および図35の判定処理・集計処理において、仮想的なカードのカードIDを用いて処理を行なうようにする。
(24) 前述した初遊技判定期間、長時間判定期間、短時間判定期間は、設定可能なように構成してもよい。また、機種や遊技媒体の種類や単価に応じて異なるようにしてもよい。
(25) 前述した実施の形態においては、図28および図35で示したように、合算処理および分割処理のいずれにおいても、判定処理および集計処理を実行するようにした。しかし、これに限定されず、合算処理および分割処理の少なくともいずれか一方について判定処理および集計処理を行なうものであってもよい。
(26) 前述した実施の形態においては、図24で示したように、ビジターカード受付け中で会員カードまたはビジターカードを受付けた場合に合算処理を実行し、このような合算処理が行なわれたときに、図28および図35で判定処理および集計処理を行なうようにした。
しかし、これに限定されず、会員カードに対して合算処理が行なわれた場合のみ、判定処理および集計処理を行なうようにしてもよい。
(27) 前述した実施の形態においては、図33で示したように、無効カードについては、遊技に関する情報(初遊技機種、長時間遊技機種、短時間遊技機種、および唯一遊技機種)の判定処理および集計処理を実行しないようにした。しかし、これに限定されず、無効カードについては、無効とされた以後の機種に関する情報の収集は終了するが、無効とされた以前の遊技に関する情報の判定処理および集計処理を実行するようにしてもよい。
(28) 前述した実施の形態においては、図33および図34で示したように、図33の残存カード、および、図34のパターン3の分割元カードについては、遊技に関する情報(初遊技機種、長時間遊技機種、短時間遊技機種、および唯一遊技機種)の判定処理および集計処理を中止するようにした。しかし、これに限定されず、これらのカードについては、中止とされた以後の機種に関する情報の収集は終了するが、中止とされた以前の遊技に関する情報の判定処理および集計処理を実行するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。