[第1の実施の形態]
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。本発明の遊技用システムの実施の形態を図面に基づいて説明すると、先ず、図1は、本発明の実施の形態の遊技用システムの全体像を示すシステム構成図である。遊技用システムは、スロットマシン1と、メダル貸出機100と、カード管理コンピュータ500と、メダル管理コンピュータ550と、ホールコンピュータ540と、呼出ランプ200と、景品交換POS570と、精算装置580とから主に構成されている。
スロットマシン1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設される遊技機である。メダル貸出機100は、スロットマシン1の所定側の側方位置に該スロットマシン1に対して1対1に対応設置され、主に会員登録をしていない一般の遊技者を対象として発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(登録商標)や、該遊技機に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カード、さらには該会員カードと同等の機能を有する遊技用記録媒体として会員遊技者が予め登録した、会員遊技者が所有する携帯電話などの端末(以下「会員携帯端末」という)を受付けて、遊技機における遊技に使用される遊技媒体であるメダルを貸し出すための処理や、対応するスロットマシン1における遊技にて獲得されたメダルを計数するとともに、該計数済みのメダル数の範囲内のメダルの払出し(返却)を行なう本発明の遊技用装置である。
なお、以下の説明では、ビジターカードと会員カードと会員携帯端末とを区別することなく「カード類」と記載する場合がある。また、会員カードと会員携帯端末とを区別することなく「会員カード類」と記載する場合がある。
カード管理コンピュータ500は、メダル貸出機100にて使用されるカード類並びにメダル貸出機100の管理等を行なう。メダル管理コンピュータ550は、各メダル貸出機100において計数された計数済メダル数の管理や、会員カードあるいは会員携帯端末を所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する貯蓄メダル数(以下、貯玉数ともいう)やビジターカードに記録された持ちメダル数(以下、持玉数ともいう)の管理を行なう本発明の管理装置である。ホールコンピュータ540は、遊技場内に設置された各スロットマシン1の台データ等の遊技情報を管理する。
呼出ランプ200は、遊技場の店員を呼出すための操作ボタン、ならびに、遊技機から遊技に関する情報を受信して、大当りやビッグボーナスの回数や前回の大当りやビッグボーナスからの回転数などの遊技状況および遊技履歴などを表示するための表示部を備える。景品交換POS570は、遊技場の店員がいるカウンタに設置され、店員によって操作されて、カード類に対応付けられた持ちメダル数および貯蓄メダル数に対応する遊技価値を、景品に交換するための処理を実行する。精算装置580は、カード類を受付けて、これらのカードに対応付けられたプリペイド残額を現金に精算するための処理を実行する。
そして、これら本実施の形態の遊技用システムを構成する各装置は、図1に示すように、ハブ(HUB)70並びに通信ケーブル80を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されているとともに、各装置が装置(ユニット)IDとローカルIPアドレスとが対応付けられたIPアドレステーブルや後述するユニット管理テーブル(図10参照)等を有することで、該装置(ユニット)IDから特定される各ローカルIPアドレスを送信データに付与して送受信することにより、互いにデータの送受を実行できるようになっている。
尚、本実施の形態のカード管理コンピュータ500は、上述したように、各カード類に残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理しているとともに、通信回線81を介して、これらカード類を管理する遊技場外のカード管理会社に設置された管理サーバ82と双方向のデータ通信を実行できるように接続されていて、これら管理サーバ82に対してカード管理コンピュータ500から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該管理サーバ82にて各遊技場のカード類による売り上げ等を把握できるようになっている。
また、本実施の形態のホールコンピュータ540には、図1に示すように、遊技場内を監視するための監視カメラシステム21が接続されており、該監視カメラシステム21にて撮像された遊技場内の監視画像が、各スロットマシン1の台データ等とともに記憶、管理されるようになっている。更に、本実施の形態のホールコンピュータ540には、遊技場の店員が使用するインカム9を制御する無線放送システム20が接続されており、ホールコンピュータ540は、無線放送システム20を介して店員のインカム9に対し、自動音声メッセージを送信することができる。
次に、遊技機の一例であるスロットマシンおよび遊技用装置の一例であるメダル貸出機について説明する。図2は、スロットマシン1およびメダル貸出機を示す正面図である。
図2に示すように、スロットマシン1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に複数並設されており、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。筐体1aの内部上方位置には、外周に複数種類の図柄が配列されたリール2L,2C,2Rが水平方向に並設されており、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓3から見えるように配置されている。
スロットマシン1においてゲーム(遊技)を行なう場合には、まず、円盤状の遊技媒体の一例であるメダルMをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルMが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
メダル貸出機100は、スロットマシン1の所定側(本実施の形態では、スロットマシン1に向かって右側)の側方位置に対応設置され、紙幣、またはカード類を受付けて、遊技機における遊技に使用される円盤状の遊技媒体であるメダルMを貸し出すための処理と、遊技者がスロットマシン1での遊技にて獲得したメダルMを受付けて、該受付けたメダルMを計数するための処理と、該計数した獲得メダル枚数をカード類から特定可能とするための処理等を行なう。
尚、メダル貸出機100は、メダル貸出機100にて使用されるカード類並びにメダル貸出機100の管理等を行なうカード管理コンピュータ500や、貯蓄メダル数や持ちメダル数の管理を行なうメダル管理コンピュータ550や、遊技場内に設置された各スロットマシン1の台データ等の遊技情報を管理するホールコンピュータ540等の各種のコンピュータが接続されており、これら各コンピュータとの間において双方向のデータ通信が可能とされている。
本実施の形態に使用されるカード類には、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実行するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実行する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらカード類には、個々のカード類を識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カード類(会員カードおよび会員携帯端末)には、KCで始まる会員カードIDが予め書き換え不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
尚、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、会員携帯端末は、会員カードと同等の機能を会員遊技者が所有する携帯電話などの端末に持たせたものであり、会員カードIDおよび会員IDが書き換え不能に記憶されている。会員遊技者は会員カード類を使用して一度獲得して計数したメダルMをその翌日以降においても再度遊技に使用できる貯蓄メダルを行なうことができるようになっているが、会員カード類には、該貯蓄メダルのデータである貯蓄メダル数は直接記録されておらず、これら貯蓄メダル数は、貯蓄メダルの情報を管理するメダル管理コンピュータ550において、カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
また、貯蓄メダルと同様に、当日において計数された持ちメダルについても、メダル管理コンピュータ550において、カードIDと会員IDと持ちメダルの情報が対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員IDから持ちメダルの数を特定できるようになっている。また、これら持ちメダルについては、会員カード類だけではなく、ビジターカードについても同様に、メダル管理コンピュータ550において、カードIDに対応付けて持ちメダルの情報が記憶されていて、ビジターカードには、持ちメダルの情報は記録されないようになっている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、ビジターカードにも、持ちメダルの情報を記憶して、メダル管理コンピュータ550の持ちメダルの情報とを照合できるようにしても良い。
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された図示しないカード発行・入金機にて、購入、発行されるとともに、メダル貸出機100においても発行される。
次に、本実施の形態のメダル貸出機100について、図2、図3に基づいて説明する。図2に示すように、本実施の形態のメダル貸出機100は、正面視縦長長方形状をなす前面が開口する筐体101と、該筐体101の前面下部開口の開閉可能とする開閉板102と、から構成され、内部には後述する各種装置が内蔵されている。
図2に示すように、開閉板102の前面上部には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口110が設けられ、その下方位置には、タッチパネル124付きの液晶表示器123が設けられている。タッチパネル124付きの液晶表示器123においては、メダル貸出機100に対する各種操作が受付けられ、これらの操作に伴なう情報、ならびに、プリペイド残額、持ちメダル数、および、貯蓄メダル数などの情報が表示される。タッチパネル124付きの液晶表示器123の下方位置には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでメダル貸出機100の状態等を報知可能とされた状態報知ランプ111や、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口112が設けられている。
状態報知ランプ111の下方位置には、入金の利用可能状態を報知する入金可ランプ113と、挿入中の会員カードやビジターカードを排出する返却ボタン114と、カード残高やエラーコード等を表示するカード残高表示部115と、メダルMの払い出しが行なわれるメダル貸出ボタン116と、メダルMの貸出が可能なことを表示するメダル貸出ランプ117と、貸出メダル貯留部(図示せず)の状態を報知するメダル切れランプ118と、会員カード類の暗証番号等を入力するためのテンキー120と、会員カード類を受付けた場合において、該会員カード類に記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯蓄メダル数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン121と、再プレイ遊技を実施する際に入力する暗証番号が表示される暗証番号表示部119と、対応するスロットマシン1にて遊技を行なっている遊技者の顔画像を撮影できる顔画像撮影カメラ188(遊技者撮像手段)と、メダルMの計数を手動で開始させるための計数ボタン122とが配設されている。
これら各種操作部の下方位置には、会員携帯端末に記憶された会員カードIDおよび会員IDを、会員携帯端末から取得する(読み出す)ための端末リーダライタ170が配設されている。
端末リーダライタ170の下方には、貸出メダル貯留部183にメダルMを補給する際に開閉板102の一部を開放するためのメダル補給扉130が、下辺を回動軸として開閉可能に設けられている。このメダル補給扉130は、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)をメダル補給扉鍵131に差し込まない限り開放できないようになっている。
メダル補給扉130の下方位置には、遊技者が遊技により獲得したメダルMを受け入れて計数するための受入部140が設けられているとともに、該受入部140の下部からは、受入部140にて受け入れたメダルMを下方に誘導して後述する計数装置190の導入口142に導入するための導入経路を構成する導入経路カバー141が下方に向けて延設されている。
また、この導入経路カバー141の上下方向の中央位置よりもやや下方には、払出装置182(図4参照)から払い出されたメダルMをスロットマシン1の下皿5に誘導するノズル150が、導入経路カバー141の前後方向に挿通されている。
図3は、メダル貸出機100の構造を示す一部断面図である。図3に示すように。受入部140の間口140aに投入されたメダルMは、受入部140により導入経路カバー141内に誘導され、導入経路カバー141および開閉板102からなる導入経路K内を下方に向けて落下していく。落下途中において、前後方向を向く棒状部材146a〜146cにメダルMが衝突することで、メダルMの姿勢が、表裏面が左右側板141b側を向く横向き姿勢に変更される。
そして、図3に示すように、前挿通孔143aの上方位置には、上方から落下してくるメダルMをノズル150の左側方に誘導して該ノズル150に衝突しないように迂回させる保護部材145が設けられている。この保護部材145は、右側から左側に向けて下方に傾斜する誘導傾斜面145bを有し、かつ、ノズル150を取り囲むように形成されている。このようにノズル150を前後方向に挿通するための前挿通孔143aおよび後挿通孔143bは、左右幅方向の一端側(本実施の形態では右側)に偏って形成される。尚、ノズル150を避けるように形成される幅狭経路K1は、左側でなく右側に形成されるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、ノズル150の基部151は、前挿通孔143aよりも前方に突出され、該前挿通孔143aよりも前方位置にて突出部152が回動可能に接続されていたが、導入経路K内において基部151に対し回動可能に接続されていてもよい。この場合、突出部152Aの移動を許容できるように前挿通孔143aを大きくする必要があるが、その隙間からメダルMが流出する虞があるため、保護部材145によりノズル150を取り囲むようにすればよい。
また、このように保護部材145によりノズル150の周囲を筒状に取り囲むことで、保護部材145内にメダルMが進入してくることがないので、突出部152Aを基部151に対して回動可能に設けても、メダルMの落下に悪影響が及ぶことがない。
また、開閉板102における受入部140の間口140aに対応する位置、つまり受入部140の開口140’の入り側には、計数装置190にてメダルMが計数された際に発光する発光部165が設けられている。尚、この発光部165は、開閉板102に設けられた横長長方形状の開口から前面側に露呈している。図×に示すように、計数装置190の前部には、メダルMが計数された際に発光するLEDユニット190fが設けられ、開閉板102の背面側には、計数装置190のLEDユニット190fの発光を受光する受光部168が設けられている。また、受光部168には、導入された光を発光部165に導光する装飾用光ファイバ167が接続され、この光ファイバ167が開閉板102の背面に沿って上方に延設されて発光部165に接続されている。
このように発光部165を設けることで、メダルMが計数装置190で計数されていることを遊技者に知らせることができる。また、対応するスロットマシン1にてメダルMが払い出されていることを発光により周囲の遊技者に知らせることができるので、演出効果を高めることができるとともに、周囲の遊技者の視線を集めることで、不正なメダル(贋メダル)等が受入部140に投入されることを抑止できる。
また、LEDユニット190fを計数装置190に設けて、光ファイバ167によって発光部165までLEDユニット190fの発光を発光部165まで導くことで、計数装置190と開閉板102との間の配線を不要にできるので、発光部165に直接LEDランプを設けることと比較して、構造を簡略化することができ、開閉板102の着脱作業も容易となる。
また、幅狭経路K1には、図3(A)および図3(B)で示すように、メダル検出センサ190hが設けられる。メダル検出センサ190hは、幅狭経路K1をメダルMが通過したか否かを検出する。本実施の形態においては、メダル検出センサ190hは、幅狭経路K1の矩形断面の対角線の両端に設けられるフォトセンサの発光部と受光部との対で構成される。しかし、メダル検出センサ190hはこのような構造に限定されず、幅狭経路K1をメダルMが通過したか否かを検出可能な構造であれば他の構造であってもよい。
図4は、本実施の形態のメダル貸出機100の構成を示すブロック図である。メダル貸出機100は、紙幣識別ユニット180、内部カードリーダライタ187、端末リーダライタ170、貸出操作基板189、再プレイ操作基板185、計数装置190、払出装置182、制御ユニット181などを含んで構成される。
紙幣識別ユニット180は、紙幣挿入口110に連設され、該紙幣挿入口110に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実行し、その識別結果を制御ユニット181に出力する。該紙幣識別ユニット180は、各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能である。
内部カードリーダライタ187は、カード挿入口112に対応する位置に内蔵される。内部カードリーダライタ187は、カード挿入口112から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されているカードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し並びに書き込みを行なうとともに、発行に使用するビジターカード(回収したカードを含む)を貯留するカードストック部(図示略)を有しており、該カードストック部(図示略)に貯留されたカードを発行可能とされている。
端末リーダライタ170は、会員携帯端末がかざされる(所定距離以内に近づけられる)と、会員携帯端末との間で無線通信を実行し、会員携帯端末からカードID、会員ID、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し並びに書き込みを非接触で行なう。
このように、本実施の形態によるメダル貸出機100は、ビジターカードあるいは会員カードを受付ける手段(カード挿入口112、内部カードリーダライタ187等)と、会員携帯端末を受付ける手段(端末リーダライタ170等)との双方を備える。なお、ビジターカードあるいは会員カードを受付ける手段を備えずに、会員携帯端末を受付ける手段のみを備える構成であってもよい。
計数装置190は、導入されたメダルMの枚数を計数する。計数装置190に導入されたメダルMは、回転ディスク190gに投入され、この回転ディスク190gから1枚ずつ吐出されたメダルMが整列されて、フォトセンサ190eによって検知される。フォトセンサ190eによりメダルMが検知された瞬間に当該メダルMの画像がメダル撮影カメラ190cによって撮像される。
そして、計数装置190のコントローラ190aは、メダル撮影カメラ190cにより撮影したメダル画像に基づいて、メダルMの真贋(正規メダルか不正メダルか)を瞬時に判定し、その判定結果であるメダル判定情報を制御ユニット181に送信するとともに、メダルMの流路を流路切換器190dにより切り換えて、正規メダルMは、正規メダルMとして計数されて排出口(図示せず)に向けて流し、不正メダルMは、不正メダルと計数されてメダル貯留ボックス(図示せず)に向けて流すようになっている。このように不正メダルは、計数された後に排出口から排出されずに、メダル貯留ボックス内に貯留されるようになっており、非正規メダルが循環して再使用されてしまうことが防止されている。このように、計数装置190に導入されたメダルMは、その真贋が判定され、かつ計数されるようになっている。また、排出口から排出されたメダルMは、筐体101の下面に形成された開口を介して図示しない遊技機設置島内に排出され、該遊技機設置島内に設けられた回収装置(図示略)に回収されるようになっている。
制御ユニット181は、メダル貸出機100の各機器の動作を制御する。制御ユニット181は、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)181aや、カード類のカードID、プリペイド残額や、持ちメダル数、貯蓄メダル数、来店ポイント数、対応するスロットマシン1の台データ、遊技中の会員の遊技情報等の各種のデータを記憶可能なRAM181bや、中央演算処理回路(CPU)181aが実行する制御プログラムや、当該メダル貸出機100の装置IDを含む設定情報を書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM181cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)181dや、電源が遮断されても記憶されているデータが保持される不揮発性の記憶手段であるEEPROM(登録商標)181eを含む。RAM181bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。また、制御ユニット181は、通信部184並びに前述したHUB70を介して各種コンピュータとの双方向のデータ通信が可能とされている。
また、制御ユニット181には、前述した液晶表示器123およびタッチパネル124を制御するための表示制御基板129や、紙幣識別ユニット180や、状態報知ランプ111や、内部カードリーダライタ187や、端末リーダライタ170や、顔画像撮影カメラ188や、払出装置182や、スピーカ(図示せず)を制御するための音声制御基板(図示せず)が接続されている。スピーカでは、メダル貸出機100からの報知が音声によって行なわれる。なお、メダル貸出機100自体には、音声を出力するための手段を設けずに、呼出ランプ200のスピーカから報知を行なうための制御信号を出力可能なように構成してもよい。更に、制御ユニット181には、後述するメダル情報の総メダル貯留数、自店メダル貯留数、偽メダル貯留数の値をリセットするためのリセットスイッチ186が接続されている。このリセットスイッチ186は、筐体101の内部に設けられ、筐体101の前面下部の開閉板102(図2参照)を開放した場合に操作できる。
この開閉板102(図2参照)の上端には、開閉板鍵106が設けられる。この開閉板鍵106により施錠することで、開閉板102がメダル貸出機100の前面側に取り外し不能に取り付けられる。尚、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)を開閉板鍵106に差し込まない限り、開閉板102を取り外せないようになっている。
また、制御ユニット181には、貸出操作基板189が接続されている。この貸出操作基板189には、前述したカード残高表示部115に対応するカード残高表示器115’と、メダル貸出ボタン116に対応するメダル貸出ボタンスイッチ116’と、返却ボタン114に対応する返却ボタンスイッチ114’と、入金可ランプ113と、メダル貸出ランプ117と、メダル切れランプ118と、計数ボタン122に対応する計数ボタンスイッチ122’が設けられている。
また、制御ユニット181には、再プレイ操作基板185が接続されている。この再プレイ操作基板185には、前述した暗証番号表示部119に対応する暗証番号表示器119’と、テンキー120に対応するテンキースイッチ120’と、再プレイボタン121に対応する再プレイボタンスイッチ121’と、が設けられている。
また、制御ユニット181は、当該メダル貸出機100の下部位置に設けられている計数装置190に接続され、該計数装置190による各計数信号が入力可能とされている。この計数装置190からの計数信号の入力に応じて、後述する各種テーブルの更新を行なうようになっている。この計数装置190には、前述したメダル撮影カメラ190c、流路切換器190d、LEDユニット190fが設けられている。さらに計数装置190には、メダル撮影カメラ190cで撮影したメダル画像等を一時的に記憶するメモリ190bや、これらのデバイスを制御し、かつメダルMの真贋を判定するコントローラ190aが設けられている。また、計数装置190には、開閉センサ190kおよびメダル検出センサ190hが設けられている。
図5は、制御ユニット181のRAM181bに記憶されている情報(カードテーブル、カード受付け中遊技情報、メダル情報、カウンタ情報)を示す図である。本実施の形態のRAM181bに記憶されているカードテーブルには、図5(a)に示すように、カード類から読み出したカードIDと、会員ID(会員カード類のみ)と、暗証番号(会員カード類のみ)と、カードID並びにプリペイド残額データに基づくプリペイド残額と、カードIDから特定される持ちメダル数と、カードIDと会員IDから特定される貯蓄メダル数(会員カード類のみ)と、会員IDから特定される来店ポイント数(会員カード類のみ)と、当該カード類が入金残額対応カードであるか否かを示す入金残額対応フラグと、当該カード類に対するカードロック機能が有効か無効かを示すカードロック有効フラグと、盗難カード制限機能において当該カード類が盗難された旨の登録がされたカードであるか否かを示す盗難カードフラグと、当該カード類に対する遊技履歴集計機能の履歴集計処理で集計されている本日の大当り回数と、当該カード類に対する少量貸し機能が有効か無効かを示す少量貸し有効フラグが記憶される。
入金残額対応カードとは、後述する図26の「残額取出」ボタンが操作されることで図27のSg11で実行される図28のSh15で排出される会員カードまたはビジターカードであり、入金残額対応カードの旨が対応付けられる。
カードロック機能とは、暗証番号の入力が無い限り、当該カードを返却や、カードロック機能の有効から無効への切替えなどができないようにする機能である。なお、本実施の形態においては、カードロック機能が有効とされている場合は、暗証番号の入力が無い限り、後述する持玉分割機能およびカード後挿入機能も実行できないようにされる。しかし、これに限定されず、カードロック機能が有効である場合に実行が制限される機能は、いずれの機能であってもよい。
盗難カード制限機能とは、盗難されたカードを登録しておくことで、盗難カードが使用できないように制限する機能である。盗難カードの登録は、次のように行なわれる。
たとえば、カード管理コンピュータ500でメダル貸出機100の装置IDおよび当該カードを使用していた時間などが入力されることで、メダル管理コンピュータ550の図10のユニット管理テーブルなどで受付けられていたカードIDなどが検索されて、図7の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルに、当該カードIDの盗難カードフラグがオン状態として登録される。
または、盗難された直後に、店員がリモコンでカードが盗難された旨をメダル貸出機100に入力することで、図7の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルの、直前に使用されていたカードのカードIDに対応する盗難カードフラグがオン状態として登録される。
遊技履歴集計機能とは、当該カード類のカードIDに対応付けて、遊技の履歴(たとえば、大当り回数、大当り間変動回数、リーチ回数など)を集計する機能である。少量貸し機能とは、通常の貸出単位額分よりも小額の金額分のメダルを貸出す機能であり、たとえば、通常は1000円単位でメダルを貸出すが、少量貸し機能で1000円以下の設定した金額、たとえば、100円単位での貸出しが可能となる。
また、RAM181bに記憶されているカード受付け中遊技情報には、図5(b)に示すように、カードリーダライタ187に会員カードまたはビジターカードが挿入された時点からの遊技情報、つまり、該挿入された会員カードまたビジターカードを所持する遊技者の遊技に関する遊技情報が集計される。
具体的には、遊技者が遊技を開始した開始時間(カードの受付け時刻)と、遊技者が遊技を終了した終了時間(カードの返却時刻)と、遊技者の遊技時間と、遊技者のカードを受付けてから使用した持ちメダル数を示す使用持ちメダル数と、遊技者のカードを受付けてから再プレイに使用した再プレイメダル数(会員のみ)と、遊技者のカードを受付けてから計数装置190に投入されたメダルが不正メダルとして判定された場合にその不正メダルと判定された累積数を示す累積不正メダル数と、が記憶され、対応するスロットマシン1で遊技中の遊技者が遊技を開始してからの遊技情報を把握できるようになっている。
また、RAM181bに記憶されているメダル情報には、図5(c)に示すように、払出装置182から本日に払い出されたメダルの総数である払出総メダル数と、計数装置190に本日に投入されたメダルの総数である計数総メダル数(計数遊技媒体数)と、計数装置190にて不正メダルであると判定されたメダルの総数である総不正メダル数と、計数装置190にて不正メダルであると判定されてメダル貯留ボックスに貯留されたメダルの総数である総メダル貯留数と、この総メダル貯留数のうち、自店の他の領域で用いられるメダルである自店メダルの貯留数を示す自店メダル貯留数と、他店等の外部から持ち込まれたメダルである偽メダルの貯留数を示す偽メダル貯留数と、が記憶される。
また、RAM181bに記憶されているカウンタ情報には、図5(d)に示すように、計数装置190に投入されたメダルが連続して不正メダルであると判定された場合に、1が加算更新(インクリメント)される連続不正メダルカウンタが設定されている。
<<<カード管理コンピュータ500>>>
次に、本実施の形態のカード管理コンピュータ500について、図6に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いたカード管理コンピュータ500は、図6に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行なうデータバス501に、該カード管理コンピュータ500が実行する各種処理を行なうCPU502、ワークメモリ等として使用されるRAM503、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC504、ハードディスク等からなる記憶装置505、キーボードやマウス等の入力装置506、各種の画面を表示出力する表示装置507、各種情報をプリント出力するプリンタ508、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたメダル貸出機100(制御ユニット181)やカード発行・入金機等の各装置とのデータ通信を行なう通信部509、カード会社に設置された管理サーバ82とのデータ通信を行なうデジタルサービスユニット(DSU)510が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置505には、カード管理コンピュータ500において実行される各種処理を行なうための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カード類に残存するプリペイド残額を管理するための会員カードテーブル(図7(a)参照)と、ビジターカードに残存するプリペイド残額を管理するためのビジターカードテーブル(図7(b)参照)と、が記憶されている。
会員カードテーブルには、図7(a)に示すように、各会員カード類を個々に識別可能な会員カードIDに対応付けて、当該会員カード類を所持する会員遊技者の会員IDと、プリペイド残額と、当該会員カード類が使用不可であるか否かを示す使用不可フラグと、当該会員カード類が入金残額対応カードであるか否かを示す入金残額対応フラグと、カードロック機能等に用いられる暗証番号と、当該会員カード類に対するカードロック機能が有効か無効かを示すカードロック有効フラグと、盗難カード制限機能において当該会員カード類が盗難された旨の登録がされたカード類であるか否かを示す盗難カードフラグとが記憶されている。これにより、会員カード類に記憶されている会員カードID若しくは会員IDから、プリペイド残額、当該会員カード類の使用可否、当該会員カード類が入金残額対応カードであるか否か、暗証番号、カードロック機能が有効か無効か、および、盗難された旨の登録がされたカード類であるか否かを特定できるようになっている。本実施の形態においては会員カード類の暗証番号は、会員カード類の発行時に、予め設定される。
また、ビジターカードテーブルには、図7(b)に示すように、各ビジターカードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該ビジターカードの状況(利用中であるか保管中であるか)と、当該ビジターカードが発行された最新の日時である最新発行日時と、プリペイド残額と、当該ビジターカードが使用不可であるか否かを示す使用不可フラグと、当該ビジターカードが入金残額対応カードであるか否かを示す入金残額対応フラグと、当該ビジターカードに対するカードロック機能が有効か無効かを示すカードロック有効フラグと、カードロック機能等に用いられる暗証番号と、盗難カード制限機能において当該ビジターカードが盗難された旨の登録がされたカードであるか否かを示す盗難カードフラグとが記憶されている。これにより、ビジターカードに記憶されているカードIDから、プリペイド残額、当該ビジターカードの使用可否、当該ビジターカードが入金残額対応カードであるか否か、最新発行日時、カードロック機能が有効か無効か、暗証番号、および、盗難された旨の登録がされたカードであるか否かを特定できるようになっている。
本実施の形態のカード管理コンピュータ500(CPU502)は、メダル貸出機100におけるカード類の受付けに応じて各メダル貸出機100から送信される、該メダル貸出機100の装置ID並びに該受付けたカード類から読み出した(会員)カードID並びにプリペイド残額を含むカード受付け通知の受信に応じて、該カード類の使用の可否を判定してメダル貸出機100に返信する処理を実行する。
また、本実施の形態のカード管理コンピュータ500(CPU502)は、メダル貸出機100における貸出処理の実行に伴い送信される貸出完了通知の受信に応じて、該受信した貸出完了通知に含まれる(会員)カードIDに対応して会員カードテーブル若しくはビジターカードテーブルに記憶されているプリペイド残額から、該貸出完了通知に含まれる税込使用額を減算更新する処理を行なう。
また、本実施の形態のカード管理コンピュータ500(CPU502)は、メダル貸出機100或いはカード発行・入金機における発行・入金処理の実行に伴い送信されるカード入金通知の受信に応じて、該受信したカード入金通知に含まれる(会員)カードIDに対応して会員カードテーブル若しくはビジターカードテーブルに記憶されているプリペイド残額に、該カード入金通知に含まれる入金金額を加算更新する処理を行なう。
次に、本実施の形態のメダル管理コンピュータ550について、図8に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いたメダル管理コンピュータ550は、図8に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行なうデータバス551に、該メダル管理コンピュータ550が実行する各種処理を行なう中央演算処理装置(CPU)552、ワークメモリ等として使用されるRAM553、時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)554、ハードディスク等からなる記憶装置555、キーボードやマウス等の入力装置556、各種の画面を表示出力する表示装置557、各種情報をプリント出力するプリンタ558、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたメダル貸出機100とのデータ通信を行なう通信部559が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置555には、メダル管理コンピュータ550において実行される各種処理を行なうための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カード類を所持する会員遊技者が所有する営業当日において当該会員遊技者により獲得された持ちメダル数、並びに営業当日前に当該会員遊技者により獲得された貯蓄メダル数を管理するための会員貯蓄管理テーブル(図9(a)参照)と、ビジターカードに記録されている該ビジターカードを所持する遊技者により営業当日において獲得された持ちメダル数を管理するためのビジター貯蓄管理テーブル(図9(b)参照)と、遊技場内の各メダル貸出機100におけるその時点の総不正メダル数等と各メダル貸出機100に受付け中のカード類とを管理するためのユニット管理テーブル(図10参照)と、会員カード類を所有する会員遊技者に関する会員情報が格納される会員情報テーブル(図11(a)参照)と、会員遊技者を特定可能な会員IDごとに、当該会員遊技者の遊技情報を含む遊技履歴が格納される会員別遊技履歴テーブル(図11(b)参照)と、が記憶されている。
会員貯蓄管理テーブルには、図9(a)に示すように、各会員カードIDに対応付けて、当該会員カード類を所持する会員遊技者を個々に識別可能な会員識別情報である会員IDと、当該会員遊技者がその営業当日において獲得した獲得メダル数の合計であって遊技や景品交換に未使用のメダル数である持ちメダル数と、当該会員遊技者がその営業当日前において獲得した獲得メダル数の合計であって遊技や景品交換に未使用のメダル数である貯蓄メダル数と、当該会員カード類に対する遊技履歴集計機能の履歴集計処理で集計されている本日の大当り回数とが記憶されている。これにより、会員カード類に記憶されているカードID若しくは会員IDから、当該会員遊技者が所有する持ちメダル数、貯蓄メダル数および本日の大当り回数を特定できるようになっている。
尚、会員貯蓄管理テーブルに管理されている持ちメダル数は、その営業当日のみ持ちメダル数として管理されており、営業終了後の締め処理において会員貯蓄管理テーブルに存在する持ちメダル数は、貯蓄メダル数に加算更新された後、全てリセットされる。また、会員貯蓄管理テーブルに管理されている大当り回数は、営業終了後に、図11(b)の会員別遊技履歴テーブルの累計大当り回数に加算更新された後、リセットされる。
また、ビジター貯蓄管理テーブルには、図9(b)に示すように、各ビジターカードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該ビジターカードの最新発行日時と、該ビジターカードを所持する遊技者がその営業当日において獲得した獲得メダル数の合計であって遊技や景品交換に未使用のメダル数である持ちメダル数と、当該ビジターカードに対する遊技履歴集計機能の履歴集計処理で集計されている本日の大当り回数とが記憶されている。これにより、ビジターカードに記憶されているカードIDから、当該遊技者が所有する持ちメダル数および本日の大当り回数を特定できるようになっている。
尚、ビジター貯蓄管理テーブルに管理されている持ちメダル数は、その営業当日のみ有効とされており、営業終了後の締め処理においてビジター貯蓄管理テーブルに存在する持ちメダル数が全てリセットされることにより、無効化される。また、ビジター貯蓄管理テーブルに管理されている大当り回数は、その営業当日のみ有効とされており、営業終了後に、リセットされる。
ユニット管理テーブルには、図10に示すように、遊技場内に設置された各メダル貸出機100に固有に付与された装置IDに対応付けて、メダル貸出機100のローカルIPアドレスが格納されるローカルIPと、当該メダル貸出機100が設置されている遊技島の島番号が格納される設置島と、当該メダル貸出機100がカードの受付け中であるか待機中であるかが格納される状況と、当該メダル貸出機100が対応するスロットマシン1の台番号が格納される対応台番号と、受付け中のカード類のカードIDが格納される受付IDと、その時点における各メダル貸出機100にて計数された総不正メダル数と、各メダル貸出機100に貯留されるメダルの総メダル貯留数、自店メダル貯留数、偽メダル貯留数とが記憶されており、これらメダル関連情報は、メダル管理コンピュータ550にて実行される後述の計数処理において定期的に各メダル貸出機100から送信されることで、最新のメダル関連情報が管理されるようになっている。
会員情報テーブルには、図11(a)に示すように、会員カード類を所持する会員遊技者の会員IDに対応付けて、本人確認のための暗証番号と、会員カード類の受付けに応じて一日に1回所定の来店ポイントが加算更新される来店ポイントと、来店状況等に基づくランクと、会員の氏名(名字並びに名前)、性別、年齢、誕生日、職業、住所、電子メールアドレスからなる会員属性情報(個人情報)とが登録されている。
また、会員別遊技履歴テーブルには、図11(b)に示すように、会員IDごとに、当該会員遊技者の遊技履歴、具体的には、来店日、遊技を行なったスロットマシン1の台番号、機種名、遊技開始時間(時刻)、遊技終了時間(時刻)、遊技開始から終了までの間の遊技時間、再プレイメダル数、使用持ちメダル数、計数メダル数、累計大当り回数からなる遊技履歴が格納されている。会員別遊技履歴テーブルの来店日には、RTC554から出力されるカレンダ情報に基づく当該遊技履歴の記憶時点の年月日が格納されるとともに、遊技開始時間、遊技終了時間、遊技時間の遊技履歴は、カードの返却時にメダル貸出機100から送信される会員遊技履歴データに基づいて記憶される。
ここで、本実施の形態のメダル管理コンピュータ550にて実行可能な不正メダル関係の設定について、図12に基づいて説明すると、本実施の形態のメダル管理コンピュータ550では、遊技場内のメダル貸出機100にて実行される不正メダル検出時の報知や動作条件に関する各種設定が、図12に示す不正メダル関係設定画面(閾値設定手段)において可能とされている。
本実施の形態の不正メダル関係設定画面には、図12に示すように、画面上部に、「台単位設定」および「島単位設定」の設定項目が設けられており、該不正メダル関係設定画面において設定対象とするスロットマシン1を、台単位または島単位で指定できるようになっている。
たとえば、「台単位設定」を用いれば、設定対象とするスロットマシン1を1台ずつ台番号にて指定することができ、「島単位設定」を用いれば、設定対象とするスロットマシン1を複数台ずつ島番号で指定することができる。尚、「島単位設定」を用いれば、1枚5円の価値を有するメダルにて遊技を実施可能な遊技領域や、1枚20円の価値を有するメダルにて遊技を実施可能な遊技領域などを遊技島ごとに指定できるようになっている。尚、「島単位設定」においては、一の遊技島の一面に設置されている複数のスロットマシン1と他面に設置されている複数のスロットマシン1とを個別に設定できるように島単位が区分けされている。
また、不正メダル関係設定画面に設けられた「不正メダル検出報知条件」の項目には、各メダル貸出機100において、計数装置190に投入されたメダルが不正メダルと判定されたときに、報知を行なう条件である「総不正メダル数」、「累積不正メダル数」、「連続不正メダル検出回数」を設定するための選択入力部が設けられている。
また、「不正メダル検出報知条件」の項目において、「総不正メダル数」の選択入力部では、遊技場の営業開始の時点から計数装置190にて不正メダルとして判定されたメダルの総数、つまり前述したメダル情報の総不正メダル数(図5(c)参照)が、所定枚数(本実施の形態では10枚)になった時点で報知を行なうように設定できる。
また、「不正メダル検出報知条件」の項目において、「累積不正メダル数」の選択入力部では、遊技者が会員カードまたはビジターカードをメダル貸出機100に挿入した時点からから計数装置190にて不正メダルとして判定されたメダルの総数、つまり前述したカード受付け中遊技情報の累積不正メダル数(図5(b)参照)が、所定枚数(本実施の形態では10枚)になった時点で報知を行なうように設定できる。
また、「不正メダル検出報知条件」の項目において、「連続不正メダル検出回数」の選択入力部では、計数装置190にて連続して不正メダルとして判定された回数、つまり前述したカウンタ情報の連続不正メダルカウンタ(図5(d)参照)が、所定回数になった時点(本実施の形態では不正メダルが3回連続して検出された時点)で報知を行なうように設定できる。
このように、「総不正メダル数」、「累積不正メダル数」、「連続不正メダル検出回数」を設定しておくことで、メダル貸出機100の払出装置182から払い出されたメダルに数枚の不正メダルが紛れ込んでおり、これら不正メダルが紛れ込んでいることを気づかずに遊技者が計数した場合(故意ではない場合)などに、不正メダルとして報知されずに済むようになる。尚、不正メダルが1枚でも検出された時点で報知を行なうように設定をすることもできる。
また、不正メダル関係設定画面に設けられた「不正メダル検出時動作」の項目では、前述の「不正メダル検出報知条件」の項目において設定された条件になったときに、アラーム報知(状態報知ランプ111の点灯およびメダル管理コンピュータ550に通知)のみを行なうか、アラーム報知および計数装置190の計数停止を行なうか、を選択するためのチェックボックスが設けられている。
また、不正メダル関係設定画面に設けられた「不正メダル取り扱い」の項目では、計数装置190において不正メダル(自店メダルまたは偽メダル)が検出された際に、該不正メダルをメダル貯留ボックスに貯留するか否かの設定をすることができる。この「不正メダル取り扱い」には、「貯留部無効」と「貯留部満タン時に不正メダルを島内へ排出」と「貯留部満タン時にエラー停止」のチェックボックスが設けられている。
ここで、「貯留部無効」のチェックボックスにチェックすると、計数装置190にて不正メダルを検出したときに、メダル貯留ボックスに貯留せずに、排出口から遊技島に排出するようにできる。この「貯留部無効」の設定は、遊技島に別途にメダル真贋判定機を設けて不正メダルを回収する装置がある場合に用いられる設定となっている。
また、「貯留部満タン時に不正メダルを島内へ排出」のチェックボックスにチェックすると、メダル貯留ボックスが満タンになった場合のみ、メダル貯留ボックスに貯留せずに、排出口から遊技島に排出するようにできる。
また、「貯留部満タン時にエラー停止」のチェックボックスにチェックすると、メダル貯留ボックスが満タンになった場合に、計数装置190の計数処理を停止してエラー報知を行なうように設定できる。
また、不正メダル関係設定画面に設けられた「貯留部状態報知条件」の項目には、「満タン時報知条件」となる枚数を設定する選択入力部と、「閉店時報知条件」となる枚数を設定する選択入力部とが設けられている。
ここで、「満タン時報知条件」では、メダル貯留ボックスが満タンになったと判定する基準となるメダルの枚数である第1閾値(第1貯留量)の設定が行なえる。たとえば、本実施の形態では、「満タン時報知条件」として「100枚」と設定されており、これはメダル貯留ボックスに100枚の不正メダルが貯留されたとき、つまり前述のメダル情報の総メダル貯留数(図5(c)参照)が100枚となった時点で、満タンになったと判定する設定となっている。尚、メダル貸出機100は、「満タン時報知条件」が成立した時点で、後述するように、状態報知ランプ111を点灯させて報知を行なうとともに、メダル管理コンピュータ550に通知する。
また、本実施の形態では、遊技場の閉店時(営業終了時)にメダル貯留ボックスに所定枚数のメダルが貯留されている場合に、メダル貯留ボックスからメダルを回収する対象となっているメダル貸出機100であることを、状態報知ランプ111を点灯させて報知を行なうとともに、メダル管理コンピュータ550に通知するようになっている。「閉店時報知条件」では、メダル貯留ボックスからメダルを回収する対象となっているメダル貸出機100か否かを判定する基準となるメダルの枚数である第2閾値(第2貯留量)の設定が行なえる。たとえば、本実施の形態では、「閉店時報知条件」として「50枚」(満タン時の50%)と設定されており、これは閉店時(営業終了時)において、メダル貯留ボックスに50枚の不正メダルが貯留されたとき、つまり前述のメダル情報の総メダル貯留数(図5(c)参照)が50枚となっている場合に報知を行なう設定となっている。
本実施の形態では、「満タン時報知条件」および「閉店時報知条件」において、閾値となる枚数を適宜設定することで、大きさが異なるメダル(たとえば、φ25のメダルとφ30のメダル)について、メダル貯留ボックスの大きさに合わせて設定することができる。たとえば、同じ枚数のメダルが貯留された場合でも、メダルの大きさに応じてメダル貯留ボックスの貯留量は変わる(たとえば、φ25のメダルならば100枚で満杯になるが、φ30のメダルならば80枚程度で満杯になる)ので、メダルの大きさに応じて閾値を変えることにより適正なレベルで報知することができる。
<メダル貸出機100の動作>
以下、本実施の形態のメダル貸出機100の動作について、図15〜図31を用いて説明する。まず、図15に示すように、メダル貸出機100の制御ユニット181は、メダル貸出機100への電源投入により起動されることで、Sb1の起動処理を実行して、各種テーブルの初期化並びに各部の接続状況の確認や、カード管理コンピュータ500やホールコンピュータ540、メダル管理コンピュータ550への接続確認要求の送信、並びに該接続確認要求の送信に応じてカード管理コンピュータ500、ホールコンピュータ540、メダル管理コンピュータ550から返信される設定情報に基づく各設定データに初期値等の設定等を実行する。
そして、該起動処理の完了後においてSb2〜Sb8の処理を巡回実行することで、カード挿入口112への会員カード或いはビジターカードの挿入であるカード受付け(Sb2)、会員遊技者によって会員携帯端末が端末リーダライタ170にかざされた場合に行なわれる端末ID受信(Sba2)、遊技者(会員またはビジター)による貸出ボタンの操作(Sb3)、紙幣挿入口110からの紙幣の投入による現金受付け(Sb4)、遊技者による返却ボタンの操作(Sb5)、再プレイボタン121の操作(Sb6)、計数装置190に対するメダル投入の検出(Sb7)、所定のエラー信号の検出(Sb8)を検知する待機状態となる。
<<カード受付け処理>>
これらSb2〜Sb8の待機状態において、遊技者が、ビジターカードまたは会員カードをカード挿入口112に挿入した場合には、該ビジターカード或いは会員カードの挿入に伴う挿入検知情報がカードリーダライタ187から制御ユニット181に出力されることで、制御ユニット181は、Sb2においてカード受付け有りと判断してSb20のステップに進み、カード受付け処理を実行する。
図16は、メダル貸出機において実行されるカード受付け処理の処理内容を示すフロー図である。図16を参照して、このSb20における本実施の形態のカード受付け処理においては、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カード挿入口112に挿入された会員カードまたはビジターカードの取り込み指示をカードリーダライタ187に出力して、挿入された会員カード或いはビジターカードをカードリーダライタ187内に取り込んで、該会員カード或いはビジターカードに記憶されている記憶データ、具体的には、当該会員カード或いはビジターカードの(会員)カードIDと会員ID(会員カードのみ)とプリペイド残額データ、持ちメダル数データ(ビジターカードのみ)等を読み出す(Sn1)。
そして、制御ユニット181のCPU181aは、受付けた会員カードまたはビジターカードから読出した(会員)カードIDと当該メダル貸出機100の装置IDとを含む盗難カード確認要求をカード管理コンピュータ500に送信する(Sn21)。
カード管理コンピュータ500のCPU502は、図7で説明した会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルに基づいて、盗難カード確認要求に含まれる(会員)カードIDに対応する盗難カードフラグがオン状態であることを示す「1」であるか否かを確認する。そして、確認結果に基づいて、盗難カードであるか否かを示す情報を、盗難カード確認要求に含まれる装置IDのメダル貸出機100に送信する。
メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、受信した盗難カードであるか否かを示す情報に基づいて、受付けたカードが盗難カードであるか否かを判断する(Sn22)。
盗難カードである(Sn22でYES)と判断した場合、CPU181aは、盗難カードを受付けた旨の情報および当該メダル貸出機100の装置IDを、ホールコンピュータ540に送信する(Sn23)。
ホールコンピュータ540では、当該情報の受信に基づいて、無線放送システム20を制御して、店員が装着しているインカム9から、盗難カードが受付けられた旨、および、そのメダル貸出機100の装置IDを報知する音声を出力するとともに、監視カメラシステム21を制御して、当該メダル貸出機100に盗難カードを挿入した遊技者を撮影する。これにより、盗難の疑いのあるカードを使用しようとした遊技者を特定することができるとともに、当該盗難カードの使用の証拠を残すことができる。
この後、メダル貸出機100のCPU181aは、店員が所持するリモコンからのリセット信号を受信したか否かを判断することによって、リセット操作があったか否かを判断する(Sn24)。リセット操作がない(Sn24でNO)と判断した場合、CPU181aはこの処理を繰返す。
一方、店員が当該メダル貸出機100に駆け付けてリセット操作をした(Sn24でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードを返却するようカードリーダライタ187を制御して(Sn4)、当該カード受付け処理の呼出元に処理を戻す。
一方、盗難カードでない(Sn22でNO)と判断した場合、制御ユニット181のCPU181aは、受付けた会員カードまたはビジターカードから読み出した(会員)カードIDとプリペイド残額データと装置IDとを含む認証要求をカード管理コンピュータ500に送信する(Sn2)。そして、カード管理コンピュータ500からの認証結果を受信するカード認証処理を実行し、認証NGであるか否かを判断する(Sn3)。
カード管理コンピュータ500から返信された認証結果が「認証NG」である場合(Sn3でYESである場合)に、メダル貸出機100は、受付けた会員カード或いはビジターカードの排出指示をカードリーダライタ187に出力して、挿入された会員カード或いはビジターカードを返却させてカード受付け処理を終了する(Sn4)。一方、返信された認証結果が「認証OK」である場合(Sn3でNOである場合)には、受付けたカードから読み出した(会員)カードIDと会員ID(会員のみ)とプリペイド残額とをカードテーブルに格納するとともに、メダル管理コンピュータ550に対して、受付けた会員カード或いはビジターカードから読み出した(会員)カードIDと装置IDと持ちメダル数(ビジターカードのみ)とを含むカード受付け通知を送信し、カード管理コンピュータ500に対して、受付けた会員カード或いはビジターカードから読み出した(会員)カードIDと装置IDとを含むカード受付け通知を送信する(Sn5)。
次いで、メダル管理コンピュータ550は、受信したカード受付け通知に含まれる(会員)カードIDに対応する持ちメダル数(遊技媒体の全種類および全単価)、貯蓄メダル数(会員のみ)(遊技媒体の全種類および全単価)および本日の大当り回数を、会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブルにおいて該(会員)カードIDに対応して記憶されている各データから特定するとともに、該カードIDが会員カードIDである場合には、該会員カードIDに対応して会員情報テーブルに記憶されている暗証番号と来店ポイントとを更に特定し、これら特定した持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)、来店ポイント(会員のみ)、暗証番号(会員のみ)および(会員)カードIDを含む受付け処理完了通知を、受信したカード受付け通知の送信元のメダル貸出機100に対して返信する。
また、カード管理コンピュータ500は、受信したカード受付け通知に含まれる(会員)カードIDに対応する暗証番号、カードロック有効フラグ、盗難カードフラグを、会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルにおいて該(会員)カードIDに対応して記憶されている各データから特定し、これら特定した暗証番号、カードロック有効フラグおよび盗難カードフラグを含む受付け処理完了通知を、受信したカード受付け通知の送信元のメダル貸出機100に対して返信する。
メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、メダル管理コンピュータ550およびカード管理コンピュータ500から処理完了通知を受信したか否かを判断する(Sn6)。この受付け処理完了通知の受信に応じて(Sn6でYESとなったことに応じて)、メダル貸出機100の制御ユニット181(記憶処理手段)のCPU181aは、受信した受付け処理完了通知に含まれる持ちメダル数(遊技媒体の全種類および全単価)、貯蓄メダル数(会員のみ)(遊技媒体の全種類および全単価)、来店ポイント(会員のみ)、暗証番号、本日の大当り回数、カードロック有効フラグ、盗難カードフラグを、カードテーブルに格納するとともに、カードテーブルに記憶されているプリペイド残額を残額表示部115に表示し、更に、カード受付け中遊技情報(図5(b)参照)をリセットするとともに、その時点の時刻を「開始時刻」に格納する(Sn7)。なお、会員については、メダル管理コンピュータ550およびカード管理コンピュータ500から同じ暗証番号が受信される。
そして、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、受付けたカードが入金残額対応カードであるか否かを判断する(Sn11)。入金残額対応カードであるか否かは、会員カードの場合は、カード管理コンピュータ500の図7で示した会員カードテーブルに記憶されている入金残額対応フラグが「1」つまりオンの状態であるか否かを、カード管理コンピュータ500に問合せることによって判断される。ビジターカードの場合は、同方法に加えて、カード自体にも入金残額対応フラグを記録するので、これを参照して判断されるようにしてもよい。
入金残額対応カードである(Sn11でYES)と判断した場合、CPU181aは、入金残額対応カードの排出時である後述する図28の残額取出処理の実行時にSh14で記憶されるカードIDと、今回、受付けられたカードのカードIDが一致するか否かを判断する(Sn12))。一致する(Sn12でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カードである場合は、カード管理コンピュータ500の会員カードテーブルの入金残額対応フラグをオフの状態にして、ビジターカードである場合は、加えて、カード自体に記録された入金残額対応フラグもオフの状態にする(Sn13)。
CPU181aは、入金残額対応カードを排出したことを示す残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(Sn14)。残額排出フラグがオン状態であると判断した場合(Sn14でYES)、CPU181aは、残額排出フラグをオフ状態とし、記憶している入金残額対応カードのカードIDを削除する(Sn15)。その後、Sb2〜Sb8の待機状態に戻る。
ここでは、入金残額も持ちメダル数もメダル貸出機100に記憶されていない状態で外部からカードが受付けられた状態であり、もはや、入金残額対応カードに、後から持ちメダル数や入金残額を追加で書込む必要性が無くなった状態であるので、Sn13およびSn15で、入金残額対応フラグおよび残額排出フラグをオフにする。
また、遊技者が貸出ボタンの操作を実施した場合には、該遊技者による貸出ボタン116の操作を検知するための貸出ボタンスイッチ116’からの信号が制御ユニット181に出力されることで、制御ユニット181は、Sb2〜Sb8の待機状態におけるSb3のステップにおいて貸出ボタンの操作有りと判断してSb21のステップに進み、前述したように1000円分のメダルMを貸し出す貸出処理を実行する。
貸出処理は、液晶表示器123に持玉数および貯玉数などが表示されているときであっても、不能動化されない。具体的には、玉情報表示フラグがオン状態であってもオフ状態であっても、Sb21の処理が実行される。
<<端末受付け処理>>
また、前述した図15のSb2〜Sb8の待機状態において、会員遊技者によって会員携帯端末が端末リーダライタ170にかざされた場合には、会員携帯端末に記憶されている会員カードIDおよび会員ID(以下、単に「端末ID」ともいう)が端末リーダライタ170に非接触(無線)で送信される。端末リーダライタ170は、会員携帯端末から取得(受信)した端末IDを制御ユニット181に出力する。
制御ユニット181は、端末リーダライタ170から端末IDを受信した場合(図15のSba2にてYES)、端末受付け処理を実行する(図15のSba20)。
図17は、制御ユニット181によって行なわれる端末受付け処理(図15のSba20の処理)の詳細内容を示すフロー図である。Sna1にて、制御ユニット181は、今回受信された端末IDが前回受付けられた端末IDと一致するか否かを判定する。今回受信された端末IDが前回受付けられた端末IDと一致する場合(Sna1にてYES)、制御ユニット181は、今回受信された端末IDを受付ける(Sna2)。一方、今回受信された端末IDが前回受付けられた端末IDと一致しない場合(Sna1にてNO)、制御ユニット181は、暗証番号の入力を促すメッセージを液晶表示器123に表示する(Sna3)。なお、表示場所は、液晶表示器123以外の場所であってもよい。
Sna4にて、制御ユニット181は、暗証番号が入力されたか否かを判定する。暗証番号が入力されていない場合(Sna4にてNO)、処理はSna3に戻され、暗証番号の入力を促すメッセージの表示が継続される。暗証番号が入力された場合(Sna4にてYES)、制御ユニット181は、入力された暗証番号を認証するか否か(正当であると認めるか否か)を判定する(Sna5)。たとえば、制御ユニット181は、入力された暗証番号が今回受信された端末IDに対応付けられた暗証番号(図7のテーブル参照)と一致する場合に、入力された暗証番号を認証し(正当であると認め)、そうでない場合に、入力された暗証番号を認証しない(正当であると認めない)。
入力された暗証番号が認証された場合(Sna5にてYES)、制御ユニット181は、今回受信された端末IDを受付ける(Sna2)。一方、入力された暗証番号が認証されない場合(Sna5にて)、制御ユニット181は、今回受信された端末IDを受付けない(Sna6)。
Sna2にて端末IDを受付けたことに応じて、制御ユニット181は、再プレイ処理を実行する(Sna7)。再プレイ処理とは、カードIDおよび会員IDに対応付けられた有価価値を用いて遊技機での遊技を可能にするための処理(以下「遊技可能化処理」ともいう)の1つである。再プレイ処理の詳細手順については後述の図21で詳述する。
再プレイ処理の実行に応じて、制御ユニット181は、受付けられた端末IDに対応付けられた有価価値情報のうちから端末IDを受付けたメダル貸出機100に対応するスロットマシン1で遊技可能なものの情報をメダル管理コンピュータ550から取得(受信)してディスプレイ123に表示させる(Sna8)。なお、本処理において、有価価値情報を表示するたびにはメダル管理コンピュータ550に問合せないようにしてもよい。たとえば、メダル貸出機100がメダル管理コンピュータ550から取得して記憶している有価価値情報を、遊技の進行に応じてローカルで(メダル貸出機100内で)増減させた情報を表示するようにしてもよい。また、本処理における有価価値情報の表示は、少なくともメダルの払出しが終了するまで継続され、メダルの払出しが終了した時またはメダルの払出しが終了したことを契機として終了される。
<<発行・入金処理>>
また、前述したSb2〜Sb8の待機状態において、遊技者が紙幣挿入口112から現金(紙幣)を投入した場合には、該現金(紙幣)の投入に伴う貨幣識別情報が紙幣識別ユニット180から制御ユニット181に出力されることで、制御ユニット181は、Sb4のステップにおいて現金の受付け有りと判断してSb22のステップに進み、発行・入金処理を実行する。
図18は、メダル貸出機において実行される発行・入金処理の処理内容を示すフロー図である。図18を参照して、この発行・入金処理においては、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、入金残額対応カードを排出したことを示す残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(Sk1)。
残額排出フラグがオン状態である(Sk1でYES)と判断した場合、CPU181aは、入金残額が対応付けられた入残残額対応カードを排出済みの旨、および、このまま入金を継続するか否かを確認する旨を、液晶表示器123に表示して報知する。報知は、スピーカ等から音声で報知してもよい。液晶表示器123での表示には、入金を継続する旨を入力するためのボタンと、入金を継続しない旨を入力するためのボタンとが表示される。
液晶表示器123のタッチパネル124で入金を継続するまたはしない旨のいずれの入力がされたかが判断され、入金を継続しない旨の入力がされた(Sk3でNO)と判断した場合、CPU181aは、紙幣を返却するよう紙幣識別ユニット180を制御する。その後、Sb2〜Sb8の待機状態に戻る。
一方、残額排出フラグがオン状態でない(Sk1でNO)と判断した場合、および入金を継続する旨の入力がされた(Sk3でYES)と判断した場合、CPU181aは、発行・入金メイン処理として以下の処理を実行する(Sk5)。
発行・入金メイン処理において、まず、入力された貨幣識別情報から投入された貨幣の投入金額を特定するとともに、カードリーダライタ187に受付け中の会員カード或いはビジターカードが存在するか否かを判定する。
そして、受付け中の会員カード或いはビジターカードが存在しないとの判定の場合に制御ユニット181は、カード貯留部(図示略)に収納されているビジターカードをカード挿入口112内の所定の読み取り位置に移動させて、当該ビジターカードのカードIDを読み出し、該読み出したカードIDと、投入金額と、当該メダル貸出機100の装置IDとを含む発行要求をカード管理コンピュータ500に送信する。
この発行要求の受信に応じてカード管理コンピュータ500は、受信した発行要求に含まれるカードIDが、ビジターカードテーブルに存在するか否かを判定し、存在する場合には、該カードIDに対応するビジターカードテーブルの「状況」を「利用中」に更新し、RTC181dから出力されるその時点の日時を最新発行日時に格納するとともに、受信した投入金額を「残存金額」にプリペイド残額として格納して、「発行許諾」を該発行要求の送信元のメダル貸出機100に対して返信する。尚、受信したカードIDが、ビジターカードテーブルに存在しない場合には、「発行不可」が返信される。
また、「発行許諾」の送信に伴いカード管理コンピュータ500は、メダル管理コンピュータ550に対して、格納した最新発行日時と受信した発行要求に含まれるカードIDと装置IDとを含む発行通知をメダル管理コンピュータ550に通知することで、メダル管理コンピュータ550は、受信した発行通知に含まれるカードIDに対応するビジター貯蓄管理テーブルの最新発行日時に、該受信した発行通知に含まれる最新発行日時を格納するとともに、受信した発行通知に含まれる装置IDに対応するユニット管理テーブルの「状況」を「受付け中」に更新するとともに、「受付ID」に当該受信したカードIDを格納してユニット管理テーブルを更新する。
「発行許諾」の受信に応じてメダル貸出機100の制御ユニット181(排出・発行処理手段)は、カード挿入口112に移動させたビジターカードに、投入金額に相当するプリペイド残額を書き込み記憶するとともに、カードテーブルに、該ビジターカードのカードIDと投入金額に相当するプリペイド残額とを記憶、並びに残額表示器に該プリペイド残額を表示した後、該発行・入金処理を終了してSb2〜Sb8の待機状態に戻る。
<<返却処理>>
また、前述したSb2〜Sb8の待機状態において、遊技者が返却ボタン114の操作を実施した場合には、遊技者による返却ボタン114の操作を検知するための返却ボタンスイッチ114’からの信号が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb5において返却ボタンの操作有りと判断してSb23に進み、返却処理を実行する。
図19は、メダル貸出機において実行される返却処理の処理内容を示すフロー図である。図19を参照して、この返却処理においては、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カードリーダライタ187に受付け中の会員カード或いはビジターカードが存在するか否かを判定する(Sm1)。存在しない場合(Sm1でNOの場合)には当該操作を無効とし、Sb2〜Sb8の待機状態に戻す。
一方、存在する場合(Sm1でYESの場合)には、カードロック機能が有効か無効かを照合するためのカードロック照合処理を実行する(Sm21)。
図20は、メダル貸出機において実行されるカードロック照合処理の処理内容を示すフロー図である。図20を参照して、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、図5のカードテーブルのカードロック有効フラグに基づいて、カードロック機能が有効か無効かを判断する(Ss1)。無効である(Ss1でNO)と判断した場合、CPU181aは、このカードロック照合処理を終了して、呼出元に処理を戻す。
一方、有効である(Ss1でYES)と判断した場合、CPU181aは、暗証番号の入力またはロックに用いた携帯端末をかざすことを遊技者に促す旨を報知するよう液晶表示器123を制御する。そして、CPU181aは、暗証番号の入力があったか、または、かざされた携帯端末を検知したか否かを判断する(Ss3)。いずれもない(Ss3でNO)と判断した場合、CPU181aはこの処理を繰返す。
一方、いずれかがあった(Ss3でYES)と判断した場合、CPU181aは、入力された暗証番号またはかざされた携帯端末の端末IDが、図5のカードテーブルの暗証番号に一致するか否かを照合する(Ss4)。その後、このカードロック照合処理を終了して、呼出元に処理を戻す。
図19に戻って、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、カードロック照合処理の結果、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致したか否かを判断する。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(Sm22でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(Sm23)。その後、CPU181aは、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(Sm22でYES)と判断した場合、CPU181aは、返却ボタン114の操作を無効とするとともに、計数装置190に対して計数禁止指示を出力して、新たな計数を禁止する(Sm2)。
そして、制御ユニット181のCPU181aは、メダル管理コンピュータ550に対して、当該メダル貸出機100の装置ID、返却したカードのカードID、カードテーブルに記憶されている持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)および大当り回数を含む返却通知を送信する(Sm3)。
この返却通知の受信に応じてメダル管理コンピュータ550は、会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブルにおいて、受信した返却通知に含まれる(会員)カードIDに対応して記憶されている持ちメダル数、貯蓄メダル数(会員のみ)および大当り回数を、受信した返却通知に含まれる持ちメダル数、貯蓄メダル数および大当り回数に更新するとともに、ユニット管理テーブルにおいて受信した装置IDに対応する「状況」を「待機中」に変更し、「受付けID」に格納されているカードIDを削除して、該返却通知の送信元のメダル貸出機100に対して更新完了通知を送信する。
メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、メダル管理コンピュータ550から更新完了通知を受信したか否かを判断する(Sm4)。この更新完了通知の受信に応じて(Sm4でYESとなったことに応じて)、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、受付け中のカードがビジターカードであるか否かを判定する(Sm11)。ビジターカードである場合(Sm11でYESの場合)には、該ビジターカードに、カード受付け中遊技情報の累積不正メダル数を記録する(Sm12)。
そして、CPU181aは、残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(Sm13)。オン状態である(Sm13でYES)と判断した場合、入金残額が対応付けられた入金残額対応カードを排出済みの旨を液晶表示器123で表示することで報知する(Sm14)。報知は、スピーカから音声で出力するようにしてもよい。
そして、入金残額対応カードが排出されて存在している旨を受付け中のビジターカードに記録する(Sm15)。次に、CPU181aは、残額排出フラグをオフ状態とし、記憶している入金残額対応カードのカードIDを削除する(Sm16)。
残額排出フラグがオン状態でない(Sm13でNO)と判断した場合、および、Sm16の後、CPU181aは、排出指示をカードリーダライタ187に出力して、受付け中のビジターカードまたは会員カードをカード挿入口112から排出させる(Sm17)次に、CPU181aは、カードテーブルをリセットし、返却ボタン114の操作無効を解除して有効化するとともに計数禁止を解除する(Sm18)。そして、Sb2〜Sb8の待機状態に戻る。
尚、本実施の形態では、カード受付け中遊技情報の累積不正メダル数をビジターカードに記録することで、所定の遊技者が不正メダルをどの程度計数したかを把握し管理することができる。
<<再プレイ処理>>
また、前述した図15のSb2〜Sb8の待機状態において、遊技者が再プレイボタン121の操作を実施した場合には、該再プレイボタン121の操作を検知した再プレイ操作基板185から再プレイ操作情報が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、図15のSb6において再プレイボタン121の操作有りと判断して図15のSb24に進み、再プレイ処理を実行する。
また、上述したように、制御ユニット181は、図17のSna2にて端末IDを受付けたことに応じて、図17のSna7に進み、再プレイ処理を実行する。
図21は、メダル貸出機において実行される再プレイ処理の処理内容を示すフロー図である。図21を参照して、この再プレイ処理においては、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、玉情報表示フラグがオン状態であるか否かを判断する(Sp10)。玉情報表示フラグは、カード詳細情報画面あるいは端末詳細情報画面(後述の図33(c)参照)を表示中であるか否かを示すフラグであり、詳しくは後述する。
玉情報表示フラグがオン状態である(Sp10でYES)と判断した場合、CPU181aは、この再プレイ処理を終了し、実行する処理を呼出元の処理に戻す。つまり、カード詳細情報画面あるいは端末詳細情報画面を表示中は、再プレイの実行を不能動化する。
一方、玉情報表示フラグがオン状態でない(Sp10でNO)と判断した場合、CPU181aは、再プレイメイン処理を実行する(Sp1)。
再プレイメイン処理においては、メダル管理コンピュータ550で管理されている持ちメダル数または貯蓄メダル数を減算して、減算した分を払出すよう払出装置182を制御する。なお、持ちメダルが有る場合は、持ちメダルから、持ちメダルが無く、貯蓄メダルが有る場合は、貯蓄メダルから、払出される。いずれも無い場合は、再プレイボタン121が操作されても何も払出されない。
再プレイメイン処理の後、CPU181aは、持ちメダル数が0になったか否かを判断する(Sp2)。持ちメダル数が0になった(Sp2でYES)と判断した場合、CUP181aは、図16で示した残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(Sp3)。残額排出フラグがオン状態である(Sp3でYES)と判断した場合、CPU181aは、入金残額が対応付けられた入金残額対応カードを排出済みの旨を液晶表示器123で表示することで報知する(Sp4)。報知は、スピーカから音声で出力するようにしてもよい。
次に、CPU181aは、残額排出フラグをオフ状態とし、記憶している入金残額対応カードのカードIDを削除する(Sp5)。持ちメダル数が0になっていない(Sp2でNO)または残額排出フラグがオン状態でない(Sp3でNO)と判断した場合、および、Sp5の後、Sb2〜Sb8の待機状態に戻る。
また、前述したSb2〜Sb8の待機状態において、各デバイスから所定のエラー信号が制御ユニット181に入力されることで、制御ユニット181は、Sb8においてエラー検出有りと判断してSb26に進み、エラー報知処理を実行する。
<<タッチパネル操作処理>>
また、前述した図15のSb2〜Sb8の待機状態の後、CUP181aは、タッチパネル操作処理を実行する(図15のSb27)。タッチパネル操作処理については、後述する図27で詳述する。
<<計数処理>>
図15のSb27にてタッチパネル操作処理を実行した後、CPU181aは、計数処理を実行する。
図22は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行する計数処理を示すフローチャートである。図22を参照して、まず、制御ユニット181のCPU181aは、回転ディスク190gが停止中であるか否かを判断する(Sc21)。回転ディスクが停止中である(Sc21でYES)と判断した場合、つまり、メダルMの計数中でないと判断した場合、CPU181aは、計数ボタン122が操作されたか否かを判断する(Sc22)。
計数ボタン122が操作された(Sc22でYES)と判断した場合、CPU181aは、手動計数処理を開始するため、手動計数フラグをオン状態に変更して(Sc23)、実行する処理をSc27に進める。
一方、計数ボタン122が操作されていない(Sc22でNO)と判断した場合、CPU181aは、Sc24からSc25で自動計数処理を開始可能な条件が成立しているか否かを判断する。
具体的には、CPU181aは、蓋部材が開状態であるか否かを判断し(Sc24)、メダル検出センサ190hでメダルが検出されたか否かを判断する(Sc25)。
いずれかの条件が成立していない(Sc24でNO、Sc25でNO)と判断した場合、CPU181aは、計数処理を終了して、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、いずれの条件も成立した(Sc24でYES、かつ、Sc25でYES)と判断した場合、CPU181aは、前述した玉情報表示フラグがオン状態でないか否かを判断する(Sc26)。玉情報表示フラグがオン状態である(Sc26でYES)と判断した場合、CPU181aは、計数処理を終了して、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
玉情報表示フラグがオン状態でない(Sc26でNO)と判断した場合、CPU181aは、回転ディスク190gを回転させる残り時間をカウントするための計数中タイマに10秒相当の値を代入し(Sc27)、回転ディスク190gの駆動を開始する(Sc28)。
これにより、Sc22で計数ボタンが操作されたと判断された場合には、手動計数処理が開始されたこととなり、計数ボタンが操作されていないと判断された場合には、自動計数処理が開始されたこととなる。
Sc28の後、つまり、手動計数処理または自動計数処理を開始させた後、および、回転ディスク190gが停止中でない(Sc21でNO)と判断した場合、つまり、メダルMを計数中であると判断した場合、CPU181aは、メダル検出センサ190hでメダルMを検出したか否かを判断する(Sc31)。
検出した(Sc31でYES)と判断した場合、CPU181aは、計数中タイマに10秒相当の値を代入する(Sc32)ことで、回転ディスクを回転させる残り時間を10秒にリセットする。
メダル検出センサ190hでメダルを検出してない(Sc31でNO)と判断した場合、および、Sc32の後、CPU181aは、計数中タイマを1減算する(Sc33)。
そして、CPU181aは、Sc34からSc37で計数を終了させる条件が成立したか否かを判断する。具体的には、CPU181aは、計数中タイマの値が0を超えていないか否かを判断し(Sc34)、玉情報表示フラグがオン状態になったか否かを判断し(Sc35)、玉情報表示フラグがオン状態でなく、かつ、手動計数フラグがオン状態であるか否かを判断し(Sc35,Sc36)、玉情報表示フラグがオン状態でなく、かつ、手動計数フラグがオン状態でなく(つまり自動計数処理中)かつ蓋部材160が開状態でなくなったか否かを判断する(Sc35〜Sc37)。
いずれかの条件が成立した(Sc34でNO、Sc34でYESかつSc35でYES、Sc34でYESかつSc35でNOかつSc36でYES、または、Sc34でYESかつSc35でNOかつSc36でNOかつSc37でNO)と判断した場合、CPU181aは、回転ディスク190gの駆動を停止させ(Sc38)、手動計数処理または自動計数処理を終了させ、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、いずれの条件も成立していない(Sc34でYESかつSc35でNOかつSc36でYES、または、Sc34でYESかつSc35でNOかつSc36でNOかつSc37でYES)と判断した場合、CPU181aは、計数装置190からメダル判定情報を取得する(Sc2)。尚、計数装置190から取得したメダル判定情報には、メダル撮影カメラ190cで撮影されたメダル画像に基づいて判定されたメダルの真贋情報(正規メダルか不正メダルかの情報)が含まれる。
そして、CPU181aは、メダル判定情報が有るか否かを判断する(Sc3)。無い(Sc3でNO)と判断した場合、CPU181aは、この処理を終了して、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、メダル判定情報が有る(Sc3でYES)と判断した場合、CPU181aは、メダル情報(図5(c)参照)の計数総メダル数に1を加算し(Sc5)、カードテーブル(図5(a)参照)の持ちメダル数に1を加算する(Sc6)。
次に、制御ユニット181のCPU181aは、計数装置190から取得したメダル判定情報に基づいて、計数されたメダルが不正メダルであるか否かを判定する(Sc6)。ここで、制御ユニット181は、メダル判定情報に含まれるメダルの真贋情報を参照する。不正メダルである(Sc6でYES)と判断した場合には、CPU181aは、後述する不正メダル処理を実行し(Sc12)、後述するメダル貯留処理を実行する(Sc13)。
一方、不正メダルでない(Sc6でNO)と判断した場合、CPU181aは、カウンタ情報(図5(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値をリセットし(Sc7)、正規メダルと判定されたメダルを排出口から遊技島に排出する(Sc8)。Sc13およびSc8の後、CPU181aは、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図23は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行する不正メダル処理を示すフローチャートである。不正メダル処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSd1〜Sd18の処理を実行する。
まず、不正メダル処理のSd1において、制御ユニット181は、顔画像撮影カメラ188を用いて不正メダルを投入した遊技者の顔画像を撮影してSd2に進む。Sd2において、制御ユニット181は、計数装置190からメダルの真贋判定に用いられたメダル画像を取得してSd3に進む。
Sd3において、制御ユニット181は、遊技者の顔画像とメダル画像を並列に組み合わせて1枚の通知用画像(図14参照)を生成し、この通知用画像をRAM181b(撮像データ記憶手段)に記憶してSd4に進む。Sd4において、制御ユニット181は、メダル情報(図5(c)参照)の総不正メダル数に1を加算してSd5に進む。
Sd5において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図5(d)参照)の連続不正メダルカウンタに1を加算してSd6に進む。Sd6において、制御ユニット181は、カード受付け中遊技情報(図5(b)参照)の累積不正メダル数に1を加算してSd7に進む。
Sd7において、制御ユニット181は、カード受付け中遊技情報(図5(b)参照)の累積不正メダル数の値が設定された閾値であるか否かを判定する。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図12参照)において、「不正メダル検出報知条件」の「累積不正メダル数」の項目にて「10枚」を設定している。つまり遊技者が会員カードまたはビジターカードを挿入してから不正メダルとして判定された累積値が10となった場合に累積不正メダル数の値が設定された閾値となる。ここで、累積不正メダル数の値が設定された閾値である場合(10枚である場合)にはSd8に進み、累積不正メダル数の値が設定された閾値でない場合(10枚未満である場合)にはSd15に進む。
Sd8において、制御ユニット181は、カードテーブル(図5(a)参照)の持ちメダル数から累積不正メダル数の値を減算してSd9に進む。本実施の形態では、スロットマシン1から払い出され計数したメダルの中に不正メダルが紛れていた場合、不正メダル検出報知条件(不適正条件)が成立しなければ不正メダルも計数されるため、意図せずに不正メダルを使用した遊技者が不利益を被ることが防止されるとともに、不正メダル検出報知条件が成立した場合、それまでに計数された不正メダルの累積枚数が無効となるため、不正メダルにより持ちメダル数が加算されてしまうことを防止できる。
Sd9において、制御ユニット181は、カード受付け中遊技情報(図5(b)参照)の累積不正メダル数の値をリセットしてSd10に進む。Sd10において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図5(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値をリセットしてSd11に進む。
Sd15において、制御ユニット181は、カウンタ情報(図5(d)参照)の連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値であるか否かを判定する。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図12参照)において、「不正メダル検出報知条件」の「連続不正メダル検出回数」の項目にて「3回」を設定している。つまり3回連続して不正メダルが検出された場合に、連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値となる。ここで、連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値である場合(3回である場合)にはSd8に進み、連続不正メダルカウンタの値が設定された閾値でない場合(3回未満である場合)にはSd16に進む。
Sd16において、制御ユニット181は、メダル情報(図5(c)参照)の総不正メダル数の値が設定された閾値であるか否かを判定する。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図12参照)において、「不正メダル検出報知条件」の「総不正メダル数」の項目にて「10枚」を設定している。つまり遊技場の営業開始の時点から計数装置190にて不正メダルとして判定されたメダルの総数の値が10となった場合に総不正メダル数の値が設定された閾値となる。ここで、総不正メダル数の値が設定された閾値である場合(10枚である場合)にはSd11に進み、総不正メダル数の値が設定された閾値でない場合(10枚未満である場合)には処理を終了する。
Sd11において、制御ユニット181は、メダル管理コンピュータ550に対して既に不正報知通知済みなのか否かを判定する。ここで、既に不正報知通知済みの場合には処理を終了し、不正報知通知が未だ通知されていない場合にはSd12に進む。
Sd12において、制御ユニット181は、メダル管理コンピュータ550に対して不正メダルが使用されていることを伝える不正報知通知を行なうとともにSd13に進む。Sd13において、制御ユニット181は、状態報知ランプ111を点灯させるとともにSd14に進む。尚、状態報知ランプ111を点灯させる際に、明らかに異常事態を知らせる態様(たとえば、早い点滅や赤色の表示)で点灯させてしまうと、不正メダルを使用している不正遊技者に対して不正報知通知を行なっていることが気づかれて逃げられてしまう可能性があるので、状態報知ランプ111を点灯させる際には、不正遊技者に対して不正報知通知を行なっていることが気づかれ難い態様(たとえば、ゆっくりした点滅や青色の表示)で点灯させるようにする。
尚、メダル貸出機100の制御ユニット181から不正報知通知を受信したメダル管理コンピュータ550は、ホールコンピュータ540に対して店員に報知を行なうように要求する報知要求を不正メダルが使用されているメダル貸出機100に対応するスロットマシン1の台番号とともに送信する。
また、メダル管理コンピュータ550から報知要求を受信したホールコンピュータ540は、不正メダルが使用されているメダル貸出機100に対応するスロットマシン1の台番号とともに、その旨を報知する自動音声メッセージを生成して、無線放送システムを介して店員が装着しているインカム9に対して自動音声メッセージを送信する。インカム9を通じて通知を受けた店員は、不正メダルを使用している遊技者を特定することができる。また、ホールコンピュータ540は、監視カメラシステム21を操作して、不正メダルが使用されているメダル貸出機100に対応するスロットマシン1のズームイン映像を自動的に撮影(または録画)する。そして、この監視カメラシステム21を介して店員が不正遊技者を特定してその行動を監視(または記録)することができる。
Sd14において、制御ユニット181は、前述した不正メダル関係設定画面(図12参照)の「不正メダル検出時動作」の項目にて、不正メダル検出時に、アラーム報知および計数装置190の計数停止(エラー停止)を行なう旨の選択がなされているか否かの判定を行なう。ここで、エラー停止を行なう旨の選択がなされている場合にはSd17に進み、エラー停止を行なう旨の選択がなされていない場合には処理を終了する。
Sd17において、制御ユニット181は、各テーブルの更新情報や後述する満タン報知フラグの情報や通知用画像などをメダル管理コンピュータ550へ送信してSd18に進む。Sd18において、制御ユニット181は、計数装置190にてメダルの計数を停止する計数停止処理を行なう。この計数停止処理は店員がメダル貸出機100のリセットスイッチ186(図4参照)を操作するまで維持される。
図24は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行するメダル貯留処理を示すフローチャートである。メダル貯留処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSe1〜Se14の処理を実行する。
まず、メダル貯留処理のSe1において、制御ユニット181は、前述した不正メダル関係設定画面(図12参照)の「不正メダル取り扱い」の項目にて、「貯留部無効」の設定になっているか否かを判定する。ここで、「貯留部無効」の設定になっていない場合にはSe2に進み、「貯留部無効」の設定になっている場合にはSe14に進む。
Se2において、制御ユニット181は、満タン報知フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、満タン報知フラグがセットされていない場合にはSe3に進み、満タン報知フラグがセットされている場合にはSe14に進む。
Se14において、制御ユニット181は、不正メダルと判定されたメダルを排出口から遊技島に排出させる、つまり、計数装置190を介して流路切換器190dにより流路を切り替えさせずに処理を終了する。
Se3において、制御ユニット181は、計数装置190を介してメダルの流路を前述した流路切換器190dにより切り換えさせて、不正メダルと判定されたメダルをメダル貯留ボックスに貯留されるようにしてSe4に進む。Se4において、制御ユニット181は、メダル情報(図5(c)参照)の総メダル貯留数に1を加算(貯留媒体計数手段)してSe5に進む。
Se5において、制御ユニット181は、不正メダルと判定されたメダルが、自店の他の領域から持ち込まれたメダル、即ち自店メダルか否かを判定する。ここで、自店メダルである場合にはSe6に進んで、メダル情報(図5(c)参照)の自店メダル貯留数に1を加算してSe7に進む。自店メダルでない場合にはSe11に進んで、メダル情報(図5(c)参照)の偽メダル貯留数に1を加算してSe7に進む。尚、本実施の形態では、自店メダルと偽メダルとをそれぞれ計数するようになっており、メダル貯留ボックスに貯留された不正メダルのうち自店メダルがどの程度あるのかを把握しやすくなることで、早期に回収して適正なメダルとして判定される領域に戻すことが可能となる。
Se7において、制御ユニット181は、メダル情報(図5(c)参照)の総メダル貯留数が第1閾値(満タン)であるか否かを判定する(第1判定手段)。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図12参照)において、「貯留部状態報知条件」の「満タン時報知条件」の項目にて「100枚」を設定している。つまりメダル貯留ボックスに貯留されたメダルの枚数である総メダル貯留数が100枚となっているときに、第1閾値(満タン)であると判定される。ここで、総メダル貯留数が第1閾値(満タン)である場合(100枚である場合)にはSe8に進み、総メダル貯留数が第1閾値(満タン)でない場合(100枚未満である場合)には処理を終了する。
Se8において、制御ユニット181は、満タン報知フラグをセットしてSe9に進む。Se9において、制御ユニット181は、状態報知ランプ111を点灯(第1報知手段)してSe10に進む。
Se10において、制御ユニット181は、前述した不正メダル関係設定画面(図12参照)の「不正メダル取り扱い」の項目にて、「貯留部満タン時にエラー停止」の設定になっているか否かを判定する。ここで、貯留部満タン時にエラー停止」の設定になっている場合にはSe12に進み、貯留部満タン時にエラー停止」の設定になっていない場合には処理を終了する。
Se12において、制御ユニット181は、各テーブルの更新情報や満タン報知フラグの情報や通知用画像などをメダル管理コンピュータ550へ送信してSe13に進む。Se13において、制御ユニット181は、計数装置190にてメダルの計数を停止する計数停止処理を行なう。この計数停止処理は店員がメダル貸出機100のリセットスイッチ186(図4参照)を操作するまで維持される。
次に、本実施の形態のメダル管理コンピュータ550にて表示される不正メダル使用者顔画像画面について、図14に基づいて説明する。前述の不正メダル処理において生成された遊技者の顔画像とメダル画像を並列に組み合わせた通知用画像がメダル貸出機100から送信され、この通知用画像を受信したメダル管理コンピュータ550は、不正メダル使用者顔画像画面にて通知用画像を表示させることができる。
本実施の形態の不正メダル使用者顔画像画面では、図14に示すように、通知用画像とともに、該通知用画像が撮影された日時と、該通知用画像を撮影したメダル貸出機100の装置IDと、該メダル貸出機100に対応するスロットマシン1の台番号と、会員カードを使用して遊技をした場合には会員IDとが表示される。このようにすることで、所定の遊技者がメダル貸出機100のメダル貯留ボックスに貯留されたメダルのうちいずれを使用したかを特定できるので、不正行為を特定しやすくなる。
<<締め関連処理>>
本実施の形態では、遊技場の閉店時(営業終了時)に、メダル管理コンピュータ550から各メダル貸出機100に対して、締め関連処理(営業終了処理)を実行する要求を行なう締め関連処理要求(所定の信号)が送信される。締め関連処理要求を受信した各メダル貸出機100の制御ユニット181は、締め関連処理(営業終了処理)を実行する。
図25は、メダル貸出機100の制御ユニット181が実行する締め関連処理を示すフローチャートである。締め関連処理では、制御ユニット181は、以下に説明するSf1〜Sf4の処理を実行する。
まず、締め関連処理のSf1において、制御ユニット181は、各種履歴を送信するようになっている。たとえば、プリペイド残額の利用履歴等の情報をカード管理コンピュータ500に送信するとともに、離席における強制解除履歴データ等のデータを、カード管理コンピュータ500並びにメダル管理コンピュータ550の双方に送信してSf2に進む。
Sf2において、制御ユニット181は、メダル情報(図5(c)参照)の総メダル貯留数が所定枚数(第2閾値)以上であるか否かを判定する(第2判定手段)。尚、本実施の形態では、前述した不正メダル関係設定画面(図12参照)において、「貯留部状態報知条件」の「閉店時報知条件」の項目にて「50枚」を設定している。つまりメダル貯留ボックスに貯留された不正メダルの枚数である総メダル貯留数が50枚以上となっているときに、第2閾値であると判定される。ここで、総メダル貯留数が第2閾値以上である場合(50枚以上である場合)にはSf3に進み、総メダル貯留数が第2閾値でない場合(50枚未満である場合)には処理を終了する。
Sf3において、制御ユニット181は、状態報知ランプ111を点灯(第2報知手段)させてSf4に進む。Sf4において、制御ユニット181は、メダル管理コンピュータ550に対してメダル貯留ボックスの不正メダルの貯留数が所定枚数(第2閾値)以上となっている旨を知らせる通知を送信して処理を終了する。
図13に示すように、メダル貸出機100(制御ユニット181)から不正メダルの貯留数が所定枚数(第2閾値)以上となっている旨を知らせる通知を受信したメダル管理コンピュータ550は、営業終了処理(不正メダル)画面を表示する。この営業終了処理(不正メダル)画面には、貯留数が所定枚数(第2閾値)以上となっているメダル貸出機100の装置IDとともに、対応するスロットマシン1の台番号が表示される。店員はこの営業終了処理(不正メダル)画面に基づいて不正メダルを回収するメダル貸出機100を特定することができる。
図26は、メダル貸出機100のディスプレイ123に表示されるメニュー画面の一例を示す表示画面図である。図26を参照して、メニュー画面には、「残額取出」ボタン、「カード後挿入」ボタン、「少量貸し」ボタン、「カードロック」ボタン、「持玉分割」ボタン、および、「情報照会」ボタンが表示される。
<<タッチパネル操作処理>>
図27は、メダル貸出機100において実行されるタッチパネル操作処理の処理内容を示すフロー図である。このタッチパネル操作処理は、図15で説明した処理のSb27で実行される処理である。
図27を参照して、まず、メダル貸出機100の制御ユニット181のCPU181aは、液晶表示器123に表示された「残額取出」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(Sg1)。
<<<残額取出処理>>>
「残額取出」ボタンが操作された(Sg1でYES)と判断した場合、CPU181aは、残額取出処理を実行する(Sg11)。
図28は、メダル貸出機100において実行される残額取出処理の処理内容を示すフロー図である。図28を参照して、まず、CPU181aは、貸出ボタン116の操作を無効化する(Sh1)。
これにより、この後に、返却ボタン114を操作する必要があるが、誤って貸出ボタン116を操作してしまって、今から取出そうとしている入金残額を使用してメダルの貸出しが行なわれてしまうことを防止することができる。また、返却ボタン114と貸出ボタン116との位置が近いことから生じる誤操作も防止することができる。
次に、CPU181aは、図5(a)のカードテーブルを参照して、プリペイド残額(入金残額)が有るか否かを判断する(Sh2)。無い(Sh2でNO)と判断した場合、入金残額を取出すことができないので、CPU181aは、入金残額が無く、入金残額取出しを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(Sh3)。その後、CPU181aは、実行する処理をSh19に進める。
一方、入金残額が有る(Sh2でYES)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダルが有るか否かを判断する(Sh4)。無い(Sh4でNO)と判断した場合、入金残額を取出しても持ちメダル対応カードを発行する必要性が無いので、CPU181aは、持ちメダルが無く、入金残額取出しを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(Sh5)。その後、CPU181aは、実行する処理をSh19に進める。
持ちメダルが有る(Sh4でYES)と判断した場合、CPU181aは、図19のSm21〜Sm23と同様の処理を実行する(Sh21〜Sh23)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(Sh22でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(Sh23)。その後、CPU181aは、実行する処理をSh19に進める。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(Sh22でYES)と判断した場合、CPU181aは、返却ボタン114を操作する旨を液晶表示器123に表示するよう制御する(Sh6)。
なお、残額取出処理においては、カードロック機能の有効であっても暗証番号の照合はせず、カードロック機能が有効である場合には、Sh6以降の処理に進めず、カードロック機能が無効であると判断した場合のみ、Sh6以降の処理に進めるようにしてもよい。つまり、予めカードロック機能を無効としてからでないと、残額取出しができないようにしてもよい。
そして、CPU181aは、返却ボタン114の操作が有ったか否かを判断する(Sh7)。操作が無い(Sh7でNO)と判断した場合、CPU181aは、所定時間(たとえば、1分)が経過したか否かを判断する(Sh8)。なお、この所定時間は、後述する図27のSg15の持玉分割処理の入力操作のタイムアウト時間よりも短く設定される。これにより、遊技が行なわれない時間を、極力、短くすることができる。経過していない場合(Sh8でNOと判断した場合)は、Sh7およびSh8の処理を繰返す。
返却ボタン114の操作が無いまま、所定時間が経過した(Sh8でYES)と判断した場合、CPU181aは、時間オーバで入金残額取出しを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(Sh9)。その後、CPU181aは、実行する処理をSh19に進める。
所定時間が経過するまでに、返却ボタン114の操作が有った(Sh7でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付け中であるか否かを判断する(Sh11)。
会員カード受付け中である(Sh11でYES)と判断した場合、CPU181aは、当該カードが入金残額対応カードである旨および入金残額を、カード管理コンピュータ500に登録するために送信する。
カード管理コンピュータ500においては、図7(a)で示したように、会員カードテーブルの当該カードのカードIDに対応する、プリペイド残額を、受信した入金残額に更新し、入金残額対応フラグをオン状態(値「1」)に変更する。
一方、会員カード受付け中でない、つまり、ビジターカード受付け中である(Sh11でNO)と判断した場合、CPU181aは、当該カードが入金残額対応カードである旨および入金残額を、カード管理コンピュータ500に登録するために送信するとともに、当該ビジターカードに、それらの情報を記録する(Sh13)。
カード管理コンピュータ500においては、図7(b)で示したように、ビジターカードテーブルの当該カードのカードIDに対応する、プリペイド残額を、受信した入金残額に更新し、入金残額対応フラグをオン状態(値「1」)に変更する。
Sh12およびSh13の後、CPU181aは、当該入金残額対応カードのカードIDを、RAM181bに記憶させる(Sh14)。次いで、CPU181aは、入金残額対応カードとしての受付け中の会員カードまたはビジターカードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(Sh15)。次に、CPU181aは、入金残額対応カードを排出したことを示す残額排出フラグをオン状態にする(Sh16)。
そして、CPU181aは、RAM181bに記憶されている入金残額を削除する(Sh17)。次に、CPU181aは、持ちメダル数がある状態であるので、カードリーダライタ187に貯留されているビジターカードを読書き位置に移動させて、発行処理を行なうために、カードIDをメダル管理コンピュータ550に送信し、発行可能であれば、持ちメダル数およびカードIDなどを、メダル管理コンピュータ550に送信するとともに、持ちメダル数をビジターカードに記録する(Sh18)。
Sh19では、CPU181aは、貸出ボタン116の操作を有効化する。その後、CPU181aは、実行する処理をこの残額取出処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
このように、図27のSg1での「残額取出」ボタンの操作および図28のSh7での返却ボタン114の操作のみで、持ちメダル数をメダル貸出機100に残したまま、プリペイド残額を排出することができる。後述する持玉分割またはプリペイド残額の分割の場合には、分割を指示する操作に加えて、分割する数量を指定する操作を行なう必要がある。その結果、持ちメダル数を残したまま、残額を排出する場合に、数量を指定するような複雑な操作を必要とせず、簡単な操作で行なうことができる。
図27に戻って、「残額取出」ボタンが操作されていない(Sg1でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「カード後挿入」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(Sg2)。
<<<カード後挿入処理>>>
「カード後挿入」ボタンが操作された(Sg2でYES)と判断した場合、CPU181aは、カード後挿入処理を実行する(Sg12)。
図29は、メダル貸出機100において実行されるカード後挿入処理の処理内容を示すフロー図である。図29を参照して、まず、CPU181aは、会員カード受付け中であるか否かを判断する(Sj1)。会員カード受付け中である(Sj1でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付け中であるので、カード後挿入ボタンの操作の受付けを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(Sj2)。その後、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、会員カード受付け中でない(Sj1でNO)と判断した場合、CPU181aは、RAM181bに記憶された計数された持ちメダルが有るか否かを判断する(Sj3)。持ちメダルが無い(Sj3でNO)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダルが無く、カード後挿入ボタンの操作の受付けを中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(Sj4)。その後、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、持ちメダルが有る(Sj3でYES)と判断した場合、図19のSm21〜Sm23と同様の処理を実行する(Sj21〜Sj23)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(Sj22でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(Sj23)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(Sj22でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードリーダライタ187の読取り位置のビジターカードを無効に変更して、カード貯留部に戻す(Sj5)。そして、CPU181aは、会員カードまたはビジターカードを挿入する旨を、液晶表示器123に表示する(Sj6)。
次に、CPU181aは、カードを受付けたか否かを判断する(Sj7)。受付けていない(Sj7でNO)と判断した場合、CPU181aは、所定時間(たとえば、1分)が経過したか否かを判断する(Sj8)。経過していない場合(Sj8でNOと判断した場合)は、Sj7およびSj8の処理を繰返す。
カードの受付けが無いまま、所定時間が経過した(Sj8でYES)と判断した場合、CPU181aは、時間オーバでカード後挿入を中止する旨を、液晶表示器123に表示して報知する(Sj9)。その後、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
所定時間が経過するまでに、カードが受付けられた(Sj7でYES)と判断した場合、CPU181aは、RAM181bに記憶された残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断する(Sj11)。
残額排出フラグがオン状態である(Sj11でYES)と判断した場合、CPU181aは、受付けたカードが入金残額対応カードであるか否かを判断する(Sj12)。入金残額対応カードであるか否かは、カード管理コンピュータ500に問合せて、図7で説明した会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルの入金残額対応フラグがオン状態であるか否かを確認することで判断される。
入金残額対応カードである(Sj12でYES)と判断した場合、CPU181aは、受付けたカードのカードIDが、RAM181bに記憶している入金残額対応カードのカードIDに一致するか否かを判断する(Sj13)。
受付カードのカードIDが記憶しているものと一致した(Sj13でYES)と判断した場合、CPU181aは、カード管理コンピュータ500に記憶された入金残額対応フラグ、および、ビジターカードの場合はカードに記録された入金残額対応フラグを、オフ状態にする(Sj14)。
なお、入金残額対応フラグをオフにした場合であっても、入金残額対応フラグがオン状態またはオフ状態になった履歴は、記憶しておくようにしてもよい。これにより、そのカードについて、所定期間(特定の日またはある期間)に、何回、「残額取出」操作されたかを把握することができる。
そして、CPU181aは、RAM181bに記憶された残額排出フラグをオフ状態にして、入金残額対応カードのカードIDを削除する(Sj15)。
Sj15の後、および、残額排出フラグがオン状態でない(Sj11でNO)と判断した場合、CPU181aは、メダル貸出機100のRAM181bの図5(a)のカードテーブルに記憶された持ちメダル数を、受付けられたカードのカードIDに対応付けて図9の会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブルに登録するために、カードIDおよび持ちメダル数などの情報をメダル管理コンピュータ550に送信し、受付けられたカードがビジターカードである場合は、持ちメダル数を当該ビジターカードに記録する(Sj16)。
また、カード貯留部に戻された前のカードの特定の機能の設定および処理を、受付けられた後のカードに引継がせる(Sj20)。
具体的には、特定の機能がカードロック機能の場合は、前のカードのカードロック有効フラグを、後のカードに引継がせるとともに、受付けられたカードが会員カードでない場合は、前のカードの暗証番号を、後のカードに引継がせる。
特定の機能が盗難カード制限機能の場合は、前のカードの盗難カードフラグを、後のカードに引継がせる。特定の機能が少量貸し機能の場合は、前のカードの少量貸し有効フラグを、後のカードに引継がせる。
特定の機能が遊技履歴集計機能である場合は、前のカードで実行されていた履歴集計処理が後のカードに引継がれる。つまり、履歴集計処理で集計されていた遊技履歴である大当り回数およびART回数などが引継がれる。また、この引継ぎにおいては、たとえば、大当り遊技状態およびART状態の途中で、後からカードが挿入された場合には、当該途中の遊技状態の回数がダブルカウントされないようにされる。
この履歴集計処理は、メダル管理コンピュータ550などの管理装置で管理されるようする。つまり、メダル管理コンピュータ550の図9の会員貯蓄管理テーブルおよびビジター貯蓄管理テーブルに大当り回数が記憶されるようにする。そして、メダル管理コンピュータ550などの管理装置は、前のカードに対して実行されていた履歴集計処理が後のカードに引継がれた場合には後のカードのカードIDに対応付けて大当り回数を記憶するようにすることで、前のカードに対する機能の実行されている処理が後のカードに対して引継がれたことを管理する。
特定の機能が持玉払出機能である場合は、前のカードで実行されていた持玉払出処理が引継がれる。たとえば、再プレイボタン121の操作に応じて、持ちメダルまたは貯蓄メダルを返却する持玉払出処理が実行されているときに、持ちメダルおよび貯蓄メダルの数が貸出単位額分に相当する数に満たない場合に、カード後挿入処理が実行されるようにして、後のカードに不足する分の持ちメダルおよび貯蓄メダルがあれば、前のカードと後のカードとで合算された貸出単位額分の持ちメダルおよび貯蓄メダルが払出される。
Sj20の後、CPU181aは、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、入金残額対応カードでない(Sj12でNO)、または、受付カードのカードIDが記憶しているものと一致しない(Sj13でNO)と判断した場合、受付けられたカードが正しい入金残額対応カードでない旨を、液晶表示器123に表示して報知する(Sj17)。そして、エラーが発生した旨を、液晶表示器123およびスピーカで報知する(Sj18)。
そして、CPU181aは、店員によってエラーのリセット操作が行なわれたか否かを判断する(Sj19)。リセット操作が行なわれた(Sj19)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこのカード後挿入処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。これにより、遊技者によって不正に持ちメダルが取得されるかも知れない状況において、店員が対応することができる。
なお、図29で示したカード後挿入処理においては、持ちメダル数が有る場合に、後に挿入されるカードに、当該持ちメダル数を対応付ける処理を行なうようにした。一方、持ちメダル数が無い場合には、プリペイド残額があっても、後に挿入されるカードに、当該プリペイド残額を対応付ける処理を行なわないようにした。しかし、これに限定されず、持ちメダル数が無い場合であっても、プリペイド残額があれば、後に挿入されるカードに、当該プリペイド残額を対応付ける処理を行なうようにしてもよい。
図27に戻って、「カード後挿入」ボタンが操作されていない(Sg2でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「少量貸し」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(Sg3)。
<<<少量貸し処理>>>
「少量貸し」ボタンが操作された(Sg3でYES)と判断した場合、CPU181aは、少量貸し処理を実行する(Sg13)。
少量貸し処理においては、通常の貸出ボタン116の操作で貸出されるメダル数よりも少ない量のメダルが貸し出される。たとえば、通常は、1000円に相当するメダルM(たとえば、50枚)が貸し出されるが、「少量貸し」ボタンが操作されて実行される少量貸し処理においては、200円に相当するメダルM(たとえば、10枚)が貸し出される。この少量貸し処理において、貸し出される量を、店員が予め設定可能なようにしてもよいし、遊技者が設定可能なようにしてもよい。
また、少量貸し処理においては、貸出し量が通常よりも少なく設定されるのみで、少量貸し処理の実行後、貸出ボタン116が操作されることで、少量のメダルの貸出しが行なわれるようにしてもよい。この場合は、次に、少量貸し処理が実行されることで、貸出し量が通常の量に戻されるようにしてもよい。これにより、大当り確定で少しメダルが足りないような場合などに、通常の量まで借りるといった無駄なことを回避して、少量だけ借りることができる。
また、前述の図15のSb21の貸出処理と同様、液晶表示器123に持玉数および貯玉数などが表示されているときであっても、少量貸し処理は不能動化されない。具体的には、玉情報表示フラグがオン状態であってもオフ状態であっても、Sg13の処理が実行される。
<<<カードロック処理>>>
「少量貸し」ボタンが操作されていない(Sg3でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「カードロック」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(Sg4)。「カードロック」ボタンが操作された(Sg4でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードロック処理を実行する(Sg14)。
図30は、メダル貸出機において実行されるカードロック処理の処理内容を示すフロー図である。図30を参照して、カードロック処理においては、受付けられているカードを返却ボタン114を操作するだけでは返却されないようにロックする。具体的には、暗証番号を設定する。これにより、返却ボタン114が操作された場合に、暗証番号の入力を求め、正しい暗証番号が入力された場合に、受付けられているカードを排出するようにする。また、カードロック処理において、非接触ICチップを内蔵した携帯端末から当該携帯端末の識別情報が受付けられた場合に、カードをロックして、返却ボタン114が操作された場合に、当該携帯端末から当該識別情報が受付けられれば、受付けられているカードを排出するようにしてもよい。これにより、受付けられているカードの盗難を防止することができる。
まず、図19のSm21〜Sm23と同様の処理を実行する(Sq1〜Sq3)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(Sq2でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(Sq3)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(Sq2でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付中であるか否かを判断する(Sq4)。
会員カード受付け中である(Sq4でYES)と判断した場合、CPU181aは、カードロックしてよいかを確認する旨を表示するよう液晶表示器123を制御する(Sq5)。そして、カードロックしてよいかの選択が「YES」であるか否かを判断する(Sq6)。選択が「YES」でない(Sq6でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、選択が「YES」である(Sq6でYES)と判断した場合、CPU181aは、図5(a)のカードテーブルの当該カードのカードロック有効フラグをオンにし(Sq7)、有効化した旨をカード管理コンピュータ500に送信する(Sq8)。カード管理コンピュータ500のCPU502は、この受信に伴ない、図7の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルのカードロック有効フラグをオンにする。その後、メダル貸出機100のCPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、会員カード受付け中でない(Sq4でNO)と判断した場合、CPU181aは、ビジターカード受付中であるか否かを判断する(Sq11)。ビジターカード受付け中でない(Sq11でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、ビジターカード受付け中である(Sq11でYES)と判断した場合、CPU181aは、ロック方法を、暗証番号を用いた方法にするか、非接触式ICチップを内蔵した携帯端末を用いた方法にするかを選択する旨を表示するよう液晶表示器123を制御する(Sq12)。
まず、CPU181aは、暗証番号を用いた方法が選択されたか否かを判断する(Sq13)。選択されていない(Sq13でNO)と判断した場合、CPU181aは、非接触式ICチップを内蔵した携帯端末を検知したか否かを判断する(Sq14)。検知していない(Sq14でNO)と判断した場合、CPU181aは、実行する処理をSq13に戻す。
携帯端末を検知した(Sq14でYES)と判断した場合、CPU181aは、携帯端末の非接触式ICチップから携帯端末の端末IDを取得する(Sq15)。そして、CPU181aは、図5(a)のカードテーブルの当該カードのカードロック有効フラグをオンにし、取得した端末IDを暗証番号として記憶させ(Sq16)、有効化した旨および取得した端末IDを、カード管理コンピュータ500に送信する(Sq17)。カード管理コンピュータ500のCPU502は、この受信に伴ない、図7の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルのカードロック有効フラグをオンにし、端末IDを暗証番号として記憶させる。その後、メダル貸出機100のCPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、ロック方法として暗証番号を用いた方法が選択された(Sq13でYES)と判断した場合、CPU181aは、暗証番号の入力画面を表示するよう液晶表示器123を制御する(Sq21)。そして、CPU181aは、暗証番号が入力されたか否かを判断する(Sq22)。入力されていない(Sq22でNO)と判断した場合、CPU181aは、Sq22の処理を繰返す。
一方、暗証番号が入力された(Sq22でYES)と判断した場合、CPU181aは、図5(a)のカードテーブルの当該カードのカードロック有効フラグをオンにし、入力された暗証番号を記憶させ(Sq23)、有効化した旨および入力された暗証番号を、カード管理コンピュータ500に送信する(Sq24)。カード管理コンピュータ500のCPU502は、この受信に伴ない、図7の会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルのカードロック有効フラグをオンにし、暗証番号を記憶させる。その後、メダル貸出機100のCPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
なお、カードロック機能が有効とされた場合には、ディスプレイ123に、カードロック機能が有効である旨の表示(たとえば、記号)などを表示しておくことが好ましい。これにより、遊技者は、カードロック機能が有効であることを認識することができる。
図27に戻って、「カードロック」ボタンが操作されていない(Sg4でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「持玉分割」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(Sg5)。
<<<持玉分割処理>>>
「持玉分割」ボタンが操作された(Sg5でYES)と判断した場合、CPU181aは、持玉分割処理を実行する(Sg15)。
図31は、メダル貸出機において実行される持玉分割処理の処理内容を示すフロー図である。図31を参照して、持玉分割処理においては、現在の持ちメダル数または貯蓄メダル数のうち遊技者が指定するメダル数を、別のビジターカードに対応付けることで、分割する。分割するメダル数の指定は、数値を入力可能なようにしてもよいし、選択肢から選択可能なようにしてもよい。
まず、図19のSm21〜Sm23と同様の処理を実行する(Sr1〜Sr3)。カードロック機能が有効であり、暗証番号の照合で一致しない(Sr2でNO)と判断した場合、CPU181aは、カードロック機能の照合が不一致であった旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(Sr3)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、カードロック機能が無効である、または、暗証番号の照合で一致した(Sr2でYES)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダル数が貸出単位額に相当する数の2倍以上あるか否かを判断する(Sr11)。持ちメダル数が貸出単位額に相当する数に満たない場合は、通常は持ちメダルを払出すことができないため、当該カードと分割するカードとの分を合わせて、持ちメダル数が、貸出単位額に相当する数の2倍以上あることが必要である。
持ちメダル数が貸出単位額に相当する数の2倍以上でない(Sr11でNO)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダルが不足している旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(Sr12)。
一方、2倍以上である(Sr11でYES)と判断した場合、CPU181aは、分割する持ちメダルの数を入力するための画面を表示するよう液晶表示器123を制御する(Sr13)。分割数は、選択肢から選択できるようにしてもよいし、増加または減少ボタンを操作することで貸出単位額に相当する数単位で増減させて入力できるようにしてもよいし、直接、数値入力できるようにしてもよい。そして、分割数が入力されたか否かを判断する(Sr14)。分割数が入力されていない(Sr14でNO)と判断した場合、CPU181aは、Sr14の処理を繰返す。
一方、分割数が入力された(Sr14でYES)と判断した場合、CPU181aは、会員カード受付け中であるか否かを判断する(Sr21)。会員カード受付け中である(Sr21でYES)と判断した場合、CPU181aは、持ちメダル数から分割数を減算するとともに、減算後の持ちメダル数をメダル管理コンピュータ550に送信する(Sr22)。メダル管理コンピュータ550は、図9の会員貯蓄管理テーブルの持ちメダル数を更新する。次いで、CPU181aは、会員カードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(Sr23)。
次に、CPU181aは、カードリーダライタ187のカード貯留部からビジターカードを読取り位置に取出し、取出したビジターカードの発行処理を行なう(Sr24)。具体的には、カード管理コンピュータ500のビジターカードテーブルの状況を利用中に変更して、最新発行日時を更新して、メダル管理コンピュータ550のビジター貯蓄管理テーブルの最新発行日時を更新し、両テーブルのその他の項目をリセットする。
そして、CPU181aは、分割数を持ちメダル数として当該ビジターカードに対応付ける(Sr25)。具体的には、メダル貸出機100のカードテーブルの持ちメダル数として分割数を記憶させ、メダル管理コンピュータ550のビジター貯蓄管理テーブルの持ちメダル数として分割数を記憶させる。次いで、CPU181aは、当該ビジターカードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(Sr26)。
次に、CPU181aは、先に排出された会員カードの再挿入を促す旨を報知するよう液晶表示器123を制御する(Sr27)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
一方、会員カード受付け中でない(Sr21でNO)と判断した場合、CPU181aは、受付中のビジターカードの図5(a)のカードテーブルなどに記憶されているカード情報を、一旦、他のメモリ領域に退避させる(Sr31)。
そして、CPU181aは、受付中の読書き位置のビジターカードのカード情報をリセットして、Sr24で説明したような発行処理を行なう(Sr32)。次いで、CPU181aは、Sr25と同様、分割数を持ちメダル数として当該ビジターカードに対応付け(Sr33)、当該ビジターカードを排出するようカードリーダライタ187を制御する(Sr34)。このSr32〜Sr34の処理により、受付中だったビジターカードのカード情報や機能設定などが、排出される分割後ビジターカードに引き継がれる。
次に、CPU181aは、Sr24と同様に、カードリーダライタ187のカード貯留部からビジターカードを読取り位置に取出し、取出したビジターカードの発行処理を行なう(Sr35)。そして、CPU181aは、Sr31で退避させたカード情報を当該ビジターカードに対応付ける(Sr36)。その後、CPU181aは、実行する処理をこのカードロック処理の呼出元の図27のタッチパネル操作処理に戻す。
「持玉分割」ボタンが操作されていない(Sg5でNO)と判断した場合、CPU181aは、液晶表示器123に表示された「情報照会」ボタンの操作がタッチパネル124で検出されたか否かを判断する(Sg6)。「情報照会」ボタンの操作がされていない(Sg6でNO)と判断した場合、CPU181aは、玉情報表示フラグがオン状態であるか否かを判断する(Sg7)。なお、玉情報表示フラグについては後に詳述する。
<<<情報照会処理>>>
「情報照会」ボタンが操作された(Sg6でYES)または玉情報表示フラグがオン状態である(Sg7でYES)と判断した場合、CPU181aは、情報照会処理を実行する(Sg16)。
図32は、メダル貸出機100において実行される情報照会処理の処理内容を示すフロー図である。図32を参照して、まず、制御ユニット181のPCU181aは、カード受付中であるか否かを判断する(St1)。
カード受付中である(St1でYES)と判断した場合、CPU181aは、カード受付時にメダル管理コンピュータ550から取得されメモリに記憶されているカード詳細情報をディスプレイ123に表示するよう制御する(St2)。カード詳細情報には、レート別の持玉数および貯玉数、遊技履歴などが含まれる(後述の図33(c)参照)。レートとは、1枚のメダルや1個のパチンコ玉の貸出しに必要な単価であり、たとえば、パチンコ玉1玉1円、1玉2円、1玉4円、ならびに、メダル1枚5円、1枚20円などである。
なお、ここでは、遊技媒体の全種類および全単価の持玉数および貯玉数は、図15のSb20で実行される図16のカード受付け処理のSn7でメダル管理コンピュータ550から受信してメモリに記憶されていることとする。
しかし、これに限定されず、遊技媒体の全種類および全単価の持玉数および貯玉数は、St2の処理が実行されるときに、メダル管理コンピュータ550から取得されるようにしてもよい。その場合は、図16のSn7では、当該メダル貸出機100で扱われる種類および単価の遊技媒体に関する持玉数および貯玉数のみが取得される。
St2の後、CPU181aは、玉情報表示フラグをオン状態に変更し(St3)、表示時間の計時を開始する(St4)。
St4の後、CPU181aは、カード詳細情報画面の表示を開始してから所定時間(たとえば、1分)が経過したか否かを判断する(St5)。カード詳細情報画面の表示から所定時間が経過していない(St5でNO)と判断した場合、CPU181aは、カード詳細情報画面の表示を終了させる操作が行なわれたか否か、具体的にはカード詳細情報画面で「戻る」ボタンが操作されたか否か、を判断する(St6)。
カード詳細情報画面の表示から所定時間が経過した(St5)、または、「戻る」ボタンが操作された(St6)と判断した場合、CPU181aは、玉情報表示フラグをオフ状態にし(St7)、図26で示したメインメニュー画面をディスプレイ123に表示するよう制御する(St8)。
このように、本実施の形態では、カード詳細情報画面の表示時間が所定時間を超えた場合にカード詳細情報画面の表示は終了される。しかしながら、カード詳細情報画面の表示に関しては、表示時間が所定時間を超えた場合であっても必ずしも終了させる必要はない(すなわち図32のSt5の判断処理を省略してもよい)。
一方、カード受付中でない(St1でNO)と判断した場合、CPU181aは、会員遊技者が会員携帯端末を端末リーダライタ170にかざしたことに応じて、端末IDが受付けられたか否かを判定する(Sta1)。
端末IDが受付けられた(Sta1にてYES)と判断した場合、CPU181aは、受付けられた端末IDに対応付けられた端末詳細情報をメダル管理コンピュータ550から取得し、取得した端末詳細情報をディスプレイ123に表示するよう制御する(Sta2)。本実施の形態においては、CPU181aは、端末詳細情報を表示するたびにメダル管理コンピュータ550に問合せて端末詳細情報を取得する。なお、端末詳細情報を表示するたびには、メダル管理コンピュータ550に問合せない構成であってもよい。たとえば、端末IDが受付けられた時点でメダル貸出機100が端末詳細情報をメダル管理コンピュータ550から取得して記憶しておき、その後に端末詳細情報を表示するたびに記憶しておいた端末詳細情報を表示するようにしてもよい。
このように、端末詳細情報は、「情報照会」ボタンが操作され(図27のSg6でYES)、かつ端末IDが受付けられた場合(図32のSta1にてYESの場合)に表示される。したがって、端末詳細情報は、再プレイ処理の実行とは関係のないタイミング(すなわち図17のSna8における有価価値情報の表示タイミングとは関係のないタイミング)で表示される。また、端末詳細情報の表示は、メダルの払出しとは関係のないタイミング(すなわち図17のSna8における有価価値情報の表示終了タイミングとは関係のないタイミング)で終了される。
図33は、端末詳細情報の表示手順を説明するための図である。端末詳細情報を表示させるために、遊技者は、まず、ディスプレイ123に表示されるメニュー画面上で「情報照会」ボタンにタッチする操作を行なう(図33(a)参照)。これにより、図27のSg6にてYESと判定され、図27のSg16(図32)の情報照会処理が開始される。
次に、遊技者は、自らが所有する会員携帯端末171を端末リーダライタ170にかざす操作を行なう(図33(b)参照)。これにより、会員携帯端末171から端末IDが取得され、取得された端末IDが受付けられたか否かが判定される(図32のSta1)。
そして、取得された端末IDが受付けられた場合(図32のSta1にてYES)、図33(c)に示すような端末詳細情報画面がディスプレイ123に表示される(図32のSta2)。
このように、遊技者は、メニュー画面上の「情報照会」ボタンをタッチした後に会員携帯端末を端末リーダライタ170にかざすという簡易な操作で端末詳細情報を表示させることができる。なお、会員携帯端末をかざした後に「情報照会」ボタンがタッチするという操作で端末詳細情報を表示させるようにしてもよい。
端末詳細情報画面には、図33(c)に示すように、カード詳細情報と同様、レート別の持玉数および貯玉数、遊技履歴などが含まれる。画面の冒頭には、当該メダル貸出機100で貸出されるレートである1枚20円(図では20スロと記載)のメダルの持玉および貯玉の数が、表示される。また、その下には、他のメダル貸出機100やカードユニットで貸出されるレートであるパチンコ玉1玉4円、パチンコ玉1玉1円、メダル1枚5円(図ではそれぞれ4パチ、1パチ、5スロと記載)のパチンコ玉またはメダルの持玉および貯玉の数が表示される。また、その下には、遊技履歴(図11(b)参照)の情報が表示される。また、右下部には、表示画面をメインメニュー画面(図26参照)に戻すための「戻る」ボタンが表示される。なお、図33(c)に示す端末詳細情報の内容およびレイアウトはあくまで一例であって、これに限定されるものではない。
図32に戻って、端末詳細情報の表示後、CPU181aは、玉情報表示フラグをオン状態に変更し(Sta3)、端末詳細情報表示時間の計時を開始する(Sta4)。なお、端末詳細情報表示時間の計時を開始した後に、遊技者が端末詳細情報画面上で照会を行なう操作(たとえば、端末詳細情報画面を次の画面に送る操作、端末詳細情報を選択する操作など)を行なった場合には、端末詳細情報表示時間を所定時間延長するようにしてもよい。
端末IDの受付けによって端末詳細情報表示時間の計時を開始した後、あるいは今回のサイクルでは端末IDが受付けられていない場合(Sta1にてNO)、CPU181aは、端末詳細情報表示不能処理を実行する(Sta5)。
図34は、端末詳細情報表示不能処理の詳細手順を示すフロー図である。Su1にて、CPU181aは、詳細端末情報を表示した履歴があるか否かを判断する。
詳細端末情報を表示した履歴がある場合(Su1にてYES)、CPU181aは、端末詳細情報表示時間が所定の表示可能時間(たとえば、1分)を超えたか否かを判断する(Su2)。
端末詳細情報表示時間が表示可能時間を超えていない場合(Su2にてNO)、CPU181aは、顔画像撮影カメラ188による撮像画像に基づいて、遊技が終了したか否かを判断する(Su3)。たとえば、CPU181aは、顔画像撮影カメラ188による撮像画像に遊技者が映らなくなってから所定時間(たとえば30分)が経過した場合に、遊技が終了したと判断する。なお、顔画像撮影カメラ188による撮像画像に映っていた遊技者が代わった場合に、遊技が終了したと判断するようにしてもよい。
遊技が終了していない場合(Su3にてNO)、CPU181aは、遊技者が端末詳細情報画面上の「戻る」ボタンをタッチする操作(端末詳細情報の表示を終了させる操作)をしたか否かを判断する(Su4)。
端末詳細情報表示時間が表示可能時間を超えておらず、かつ遊技が終了しておらず、かつ遊技者が「戻る」ボタンのタッチ操作をしていない場合(ステップSu2,Su3,Su4のいずれにおいてもNOと判断された場合)、CPU181aは、端末詳細情報表示不能処理を実行しない(Su5)。
一方、端末詳細情報表示時間が表示可能時間を超えた場合(Su2にてYES)、あるいは遊技が終了した場合(Su3にてYES)、あるいは遊技者が「戻る」ボタンのタッチ操作をした場合(Su4にてYES)、CPU181aは、端末IDが新たに受付けられたか否かを判断する(Su6)。
端末IDが新たに受付けられた場合(Su6にてYES)、CPU181aは、新たに受付けられた端末IDが前回受付けられた端末IDと一致するか否かを判定する(Su7)。
新たに受付けられた端末IDが前回受付けられた端末IDと一致する場合(Su7にてYES)、CPU181aは、端末詳細情報表示不能処理を実行しない(Su5)。
端末IDが新たに受付けられていない場合(Su6にてNO)、あるいは新たに受付けられた端末IDが前回受付けられた端末IDと一致しない場合(Su7にてNO)、CPU181aは、端末詳細情報表示不能処理を実行する(Su8)。端末詳細情報表示不能処理が実行されることによって、端末詳細情報が表示不能となる。表示中の端末詳細情報については、その表示が終了されるとともに、その後の再表示が抑制される。また、既に表示が終了されていた端末詳細情報についても、その後の再表示が抑制される。
端末詳細情報表示不能処理の実行後、CPU181aは、端末詳細情報表示時間を「0」にリセットする(Su9)。
Su5またはSu9の処理後、CPU181aは、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
以上説明したように、本発明の実施の形態によるメダル貸出機100は、会員携帯端末がかざされたことに応じて会員携帯端末を受付け、受付けられた会員携帯端末に対応付けられた端末詳細情報をメダル管理コンピュータ550から取得してディスプレイ123に表示する。そして、端末詳細情報の表示開始後に、端末詳細情報表示時間が表示可能時間を超えたという条件、遊技者が遊技を終了したという条件、遊技者が端末詳細情報の表示を終了させる操作を行なったという条件のいずれかが成立すると、端末詳細情報を表示不能にする。このため、端末詳細情報を適切なタイミングで他の遊技者に表示不能にすることができる。なお、メダル貸出機100は、同じ会員携帯端末が再びかざされた場合には表示不能処理を実行しない。そのため、同じ遊技者が端末詳細情報を再表示させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、表示不能処理を実行する条件として、端末詳細情報表示時間が所定の表示可能時間を超えたという条件、遊技者が遊技を終了したという条件、遊技者が端末詳細情報の表示を終了させる操作を行なったという条件を例示したが、表示不能処理を実行する条件はこれらの条件に限定されるものではない。たとえば、図33(c)に示した端末詳細情報画面に「詳細情報表示不能」ボタンを新たに設け、この「詳細情報表示不能」バタンのタッチ操作が行なわれたという条件を、表示不能処理を実行する条件とするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、図17のSna8の処理(有価価値情報表示)、図32のSta2の処理(端末詳細情報表示)、図34のSu7の処理(表示不能処理)を、メダル貸出機100が行なうが、これらの処理をメダル貸出機100に行なわせるための信号をメダル管理コンピュータ550などの管理装置がメダル貸出機100に送信するようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態においては、スロットマシン1に対応して設けられるメダル貸出機100に発明を適用する場合について説明した。第2の実施の形態においては、パチンコ遊技機701に対応して設けられるカードユニット750に発明を適用する場合について説明する。
図35は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機701およびカードユニット750を示す正面図である。図36は、パチンコ遊技機701およびカードユニット750の構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機701は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機701は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠702を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤706を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠702の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿703の下部には、打球供給皿703に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿704、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)705等が設けられている。また、ガラス扉枠702の背面には、遊技盤706が着脱可能に取付けられている。遊技盤706は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤706の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域707が形成されている。
余剰球受皿(下皿)704を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ7122が取付けられている。なお、スティックコントローラ7122には、遊技者がスティックコントローラ7122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン7125(図36参照)が設けられている。また、スティックコントローラ7122には、スティックコントローラ7122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ7126(図36参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)703を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ7122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン7120が設けられている。
打球供給皿703の上面には、球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン751と、カード残額や獲得玉数等を特定可能にしてカードの返却を受ける場合に操作する返却ボタン752と、カードの残度数を表示する残度数表示部753が設けられる。
遊技領域707の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置709が設けられている。遊技領域707における演出表示装置709の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器708aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器708bとが設けられている。
第1特別図柄表示器708aおよび第2特別図柄表示器708bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置709は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器708aおよび第2特別図柄表示器708bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置709は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器708aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置709で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器708bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置709で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器708aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器708bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置709においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置709において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置709の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置709の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置709の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)708aが設けられている。第1特別図柄表示器708aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置709の右方(第1特別図柄表示器708aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)708bが設けられている。第2特別図柄表示器708bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器708aと第2特別図柄表示器708bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器708a,708bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口713または第2始動入賞口714を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置709の下方には、第1始動入賞口713を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口713に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第1始動口スイッチ713aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)713を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口714を有する可変入賞球装置715が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)714に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第2始動口スイッチ714aによって検出される。可変入賞球装置715は、ソレノイド716によって開状態とされる。可変入賞球装置715が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口714に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置715が開状態になっている状態では、第1始動入賞口713よりも、第2始動入賞口714に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口714に入賞しない。したがって、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口714よりも、第1始動入賞口713に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口713と第2始動入賞口714とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器708bの上方には、第2始動入賞口714に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器718bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器718bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器708bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器718bのさらに上方には、第1始動入賞口713に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器718aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器718aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器708aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル705を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域707に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域707を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域707に入り、その後、遊技領域707を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口713に入り第1始動口スイッチ713aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器708aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置709において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口713への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口714に入り第2始動口スイッチ714aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器708bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置709において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口714への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置709は、第1特別図柄表示器708aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器708bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器708aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器708bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器708aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器708bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置709において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置709の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置715の下方には、特別可変入賞球装置720が設けられている。特別可変入賞球装置720は開閉板を備え、第1特別図柄表示器708aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器708bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド721によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ723で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置720が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置709の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器710が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器710は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器710は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート732を通過しゲートスイッチ732aで検出されると、普通図柄表示器710の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器710における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置715が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器710の近傍には、ゲート732を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器741が設けられている。ゲート732への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ732aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器741は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器710の変動表示が開始されるごとに、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤706の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口726がある。また、遊技領域707の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ727が設けられている。遊技領域707の外周には、前面枠に設けられた枠LED728が設けられている。
また、カード類(ビジターカード、会員カード、会員携帯端末)を受付けたことによって球貸しを可能にするカードユニット750が、パチンコ遊技機701に隣接して設置される。このカードユニット750は、遊技者による遊技に使用可能な価値としてのカード残額や、遊技の結果、遊技者が獲得した獲得価値としての獲得玉数を記録したカードから、カード残額や獲得玉数の引落としを受付けて、その引落額に応じた貸玉としてのパチンコ玉をパチンコ遊技機701の球払出装置797に払出させることを指示する制御信号をパチンコ遊技機701の払出制御基板737に出力し、そのパチンコ玉の使用により、遊技者によるパチンコ遊技機701での遊技を可能にするものである。このようにカードユニット750からパチンコ遊技機701に出力される制御信号は、カード類に記録された価値に基づいたパチンコ玉の貸出指令の一例である。しかし、このようなカードユニット750とパチンコ遊技機701などの遊技機とでやり取りされる信号に限定されず、カードユニットが遊技機に内蔵される場合は、貸出指令は、遊技機内部でやり取りされる制御信号であってもよい。
カードユニット750には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機701に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。
パチンコ遊技機701において、遊技者は、カード類(ビジターカード、会員カード、会員携帯端末)を用いて遊技を行なうことが可能である。
会員カードは、ICカードよりなる記録媒体である。会員カードには、カードIDが記録されている。遊技者の投入代金の対価としてのカード残額、獲得玉数情報、貯玉数情報、および、会員個人を特定する会員情報等の各種情報(カード情報)が、カードIDに対応付けて後述する獲得玉管理サーバに記録されている。獲得玉管理サーバは、会員カードに基づいて対応する各種カード情報を割出すことができる。カード残額、貯玉数情報、来店ポイント数情報、および、会員情報等のカード情報は、獲得玉管理サーバにより、カードIDを用いて管理される。
ここで、貯玉とは、遊技者が獲得した獲得玉等の獲得価値を遊技場側に預入れる行為およびその預入れられた価値をいう。貯玉数情報とは、その会員カードを所有している遊技者の貯玉の数を示す情報である。獲得玉とは、遊技者が遊技により獲得した点数または玉等を示す価値をいう。獲得玉数情報とは、その会員カードを所有している遊技者の獲得玉の数を示す情報である。また、再プレイとは、遊技者が貯玉または遊技場に預入れていない獲得玉を用いて玉貸しを受けて遊技を行なうことをいう。
遊技者が遊技を行なう場合は、まず、貨幣(1000円)を貨幣挿入口に挿入する。すると、その挿入された貨幣が判別されて適正貨幣の場合に、球貸しボタン751が操作されると、挿入貨幣の金額の範囲内で遊技玉が貸出されて遊技が可能となる。なお、貨幣としては1000円札以外の貨幣も使用可能である。カードの返却を受ける場合は、挿入された会員カードのカードIDで特定される獲得玉数に、遊技者が獲得した獲得玉数を加算更新することができる。会員カードが挿入されていない場合には、カードユニット750からビジターカードが発行される。遊技者が獲得した獲得玉数がそのビジターカードに記録されて遊技者に排出される。このように、会員カードおよびビジターカードには、入金額から遊技に使用した額を差し引いた残額が特定可能に記憶される。
遊技者がビジターカードを用いて遊技を行なう場合には、カードユニット750に設けられているカード口にビジターカードを挿入する。すると、その挿入されたビジターカードに記録されているカード残額や獲得玉数等のカード情報がカードユニット750に設けられたカードリーダライタにより読取られる。そして、読取られたカード情報に基づいて、カード残額がパチンコ遊技機701に設けられている残度数表示部753に表示され、獲得玉数が、カードユニット750に設けられている計数表示部7555に表示される。計数表示部7555は、カード残額や獲得玉数を所定の桁数で表示するように構成されている。この表示されたカード残額や獲得玉数を用いて遊技が可能となる。
遊技者が会員カードを用いて遊技を行なう場合には、カードユニット750に設けられているカード口に会員カードを挿入する。すると、その挿入された会員カードに記録されているカードIDがカードリーダライタにより読取られる。そして、読取られたカードIDに基づいて獲得玉管理サーバが特定した玉数データ(獲得玉数データ、貯玉数データ)が計数表示部7555に表示される。この表示されたカード残額や獲得玉数や貯玉数を用いて遊技が可能となる。
遊技者が会員携帯端末を用いて遊技を行なう場合には、カードユニット750に設けられている端末リーダライタ7170に会員携帯端末をかざす。すると、かざされた会員携帯端末に記録されているカードIDが端末リーダライタ7170により非接触で読取られる。そして、読取られたカードIDに基づいて獲得玉管理サーバが特定した玉数データ(獲得玉数データ、貯玉数データ)が計数表示部7555に表示される。この表示されたカード残額や獲得玉数や貯玉数を用いて遊技が可能となる。
カードユニット750には、貯玉や獲得玉を用いて玉貸しを受ける場合、すなわち、再プレイをする場合に操作する再プレイボタン7554が設けられている。
球貸ボタン751が操作されれば、残度数表示部753に表示さているカード残額から、予め定められた貸出単位額分の額が引落されて減額され、それと引換えに、貸出単位額分の玉がパチンコ遊技機701から貸玉として払出される。また、カード残額が、残度数表示部753に表示される。このような操作は、玉貸し操作と呼ばれる。
カード口にカードが挿入されている状態において、再プレイボタン7554が操作されれば、計数表示部7555に表示されている獲得玉数または貯玉数から、予め定められた返却単位数分の玉数が引落とされて減算され、それと引換えに、返却単位数分の玉がパチンコ遊技機701の球払出装置797から返却される。このような操作は、再プレイ操作と呼ばれる。このように払出される玉を返却玉と呼ぶ。
カード口に会員カードが挿入されている状態において、返却ボタン752が操作されれば、その時点での獲得玉数、カード残額、および、貯玉数等の情報が獲得玉数管理サーバに記憶され、その記憶情報を特定するカードIDが記録された会員カードがカード口から排出されて遊技者に返却される。
カードユニット750から貸玉として払出される玉は、パチンコ遊技機701の内部に設けられている球払出装置797から、パチンコ遊技機701に設けられている打球供給皿703上に払出される。
遊技においては、遊技者がパチンコ遊技機701に設けられている打球操作ハンドル705を操作して、打球供給皿703に貯留された玉を弾発発射し、遊技領域707に打込む。そして、遊技領域707に打込まれた玉が上述したような各種の入賞領域に入賞すれば、入賞領域別に予め定められた個数の景品玉が打球供給皿703に払出される。打球供給皿703が満タンになった場合には、その下方に設けられている余剰球受皿704に玉が送られて貯留される。
このパチンコ遊技機701においては、各台計数機705と呼ばれるパチンコ玉の計数装置が各パチンコ遊技機701に対応して設けられている。各台計数機705は、パチンコ遊技機701の下方に設けられた計数用玉貯留部794とを含む。
計数用玉貯留部794は、余剰球受皿704の下方に設けられており、余剰球受皿704から排出された玉を受けて貯留することが可能な形状に構成されている。貯留玉が満杯になったこと等の理由により、余剰球受皿704に設けられた排出レバーが操作されると、余剰球受皿704に貯留されていた玉が、余剰球受皿704の底面の開口部から下方へ排出され、計数用玉貯留部794に受けられる。
計数用玉貯留部794においては、遊技者による操作が可能な計数シャッタ794aが設けられている。計数シャッタ794aは、計数用玉貯留部794の底部に設けられた開口部を開閉するための部材であり、一体形成されたレバー部794bの操作に応じて開閉される。計数シャッタ794aは、通常状態において閉成されて計数用玉貯留部794を玉の貯留が可能な状態にし、遊技者によってレバー部794bが操作された場合に開放される。計数シャッタ794aが開かれると、計数用玉貯留部794に貯留されていた玉が、計数用玉貯留部794の底部に連結されている玉排出用通路7520に排出される。玉排出用通路7520の入側には、計数用玉貯留部794から排出された玉(以下、「獲得玉」という)を計数するために検出する通過検出用センサよりなる獲得玉検出スイッチ7501が設けられている。
獲得玉検出スイッチ7501により玉が検出され、計数されれば、カードユニット750に設けられた計数表示部7555にその計数値が表示される。この計数値(「獲得玉数」ともいう)は、遊技終了時に獲得玉数情報としてビジターカードに記録され、景品交換等の各種目的のために使用することが可能である。また、会員カードにおいては、その会員カードのカードIDに対応付けて獲得玉管理サーバに記憶され、景品交換等の各種目的のために使用することが可能である。また、獲得玉数情報で示される獲得玉数を貯玉数に変換し、貯玉数情報として記録しておくことが可能である。
返却を行なう場合には、遊技者により返却ボタン752が操作される。返却ボタン752が操作された場合は、前述した獲得玉検出スイッチ7501による計数値の全てが景品交換のために精算され、その精算された計数値(言い換えると獲得玉数)等の情報が、カードリーダライタによりビジターカードに書込まれ、そのビジターカードが、カード口から排出されて遊技者に返却される。一方、遊技者が会員カードをカード口に挿入して返却操作した場合には、その会員カードのカードIDに対応付けて計数値(言い換えると獲得玉数)等の情報が獲得玉管理サーバに記憶される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態(低確率状態))に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りによる15ラウンドの大当り遊技状態、ならびに、突然確変大当りによる2ラウンドの大当り遊技状態の、複数種類の大当り遊技状態が設けられている。また、ラウンド数が同じであるが各ラウンドの開放時間が異なる大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りによる開放時間が29秒の大当り遊技状態と、突然確変大当りによる開放時間が0.5秒の大当り遊技状態との、複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、突然確変大当りと同様の開放回数(2回)および開放時間(0.5秒)の小当り遊技状態となる。
具体的に、通常大当りおよび確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置720の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、突然確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置720の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、突然確変大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるとともに、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。
また、本実施の形態では、確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常変動時間状態)よりも短縮される時短状態に制御される。また、本実施の形態では、通常大当りに基づく特別遊技状態としては、時短状態に制御される。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、確変大当りおよび通常大当りに基づく特別遊技状態としては、可変入賞球装置715が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置715に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置715への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。一方、突然確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に制御されるが、電チューサポート制御状態に制御されない。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置715の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置715の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置715が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口714への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器708a,708bや演出表示装置709における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口714への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口714への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置715、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置715への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、確変大当りに基づく特別遊技状態として、確変状態に制御されることに付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、突然確変大当りのように大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合がある。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態を示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。
突然確変大当りは、開放時間が極めて短い2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれ、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれずに非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確率/低ベース状態)に制御される大当りである。
確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。また、通常大当りにおいては、時短状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
また、突然確変大当りの場合は、確変状態よりなる特別遊技状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における遊技状態としての大当り確率およびベース状態が維持される。また、この実施の形態において、小当りは、小当り遊技状態において、突然確変大当りと同一の開放回数および同一の開放時間で特別可変入賞球装置720を開放する当りである例を示すが、これに限らず、小当りとしては、特別可変入賞球装置720の開放態様が、突然確変大当りのときの開放態様と完全に一致するものでないが、突然確変大当りのときの開放態様と区別しにくいように見えるものであってもよい。つまり、小当りとしては、特別可変入賞球装置720の開放態様が、突然確変大当りと略同一の開放回数および略同一の開放時間で特別可変入賞球装置720を開放する当りであればよい。
突然確変大当りと、小当りとは、特別可変入賞球装置720の開放回数および開放時間が同じであるので、大当り遊技状態および小当り遊技状態中に、突然確変大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。これにより、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。また、突然確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に低ベースとなるので、小当り遊技状態の終了後にベースが変更されない小当りと比べると、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、小当り遊技状態の終了後とで、遊技者が動作状況を区別しにくい。このような制御状態は、確変状態が潜伏しているような状態であるので、潜伏状態と呼ばれ、このような潜伏状態にする制御が潜伏制御と呼ばれる。なお、高確低ベース状態において発生した突然確変大当り時には、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御され、電チューサポート制御に制御されるものを設けてもよい。このように、高確高ベース状態に移行する場合には、後述する潜伏演出を行なわないようにすることが望ましい。
この実施形態によるパチンコ遊技機701においては、演出制御用CPU7101において、大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後に、確変状態となっているか否かを報知しない共通の演出をする潜伏演出が行なわれる。たとえば、演出制御用CPU7101では、大当り終了時において、小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを受信したときは、大当り遊技状態(小当りの場合は小当り遊技状態)の終了後において共通の背景画像を表示する等、共通の演出を行なう。このような潜伏演出が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、潜伏演出は、遊技制御用マイクロコンピュータ7100から潜伏演出の実行を指示するコマンドを送信し、当該コマンドに応じて、演出制御用CPU7101が潜伏演出を実行するようにしてもよい。
図36は、主基板(遊技制御基板)731における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図36は、払出制御基板737および演出制御基板780等も示されている。主基板731には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機701を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)7560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM754、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM755、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU756およびI/Oポート部757を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、ROM754およびRAM755が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ7560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路7503が内蔵されている。
また、RAM755は、その一部または全部が電源基板7910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM755の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560においてCPU756がROM754に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ7560(またはCPU756)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU756がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板731以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路7503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路7503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、乱数回路7503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ732a、第1始動口スイッチ713a、第2始動口スイッチ714a、カウントスイッチ723からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ7560に与える入力ドライバ回路758も主基板731に搭載されている。また、可変入賞球装置715を開閉するソレノイド716、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置720を開閉するソレノイド721を遊技制御用マイクロコンピュータ7560からの指令にしたがって駆動する出力回路759も主基板731に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器708a、第2特別図柄表示器708b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器710、第1特別図柄保留記憶表示器718a、第2特別図柄保留記憶表示器718bおよび普通図柄保留記憶表示器741の表示制御を行なう。
演出制御基板780は、演出制御用マイクロコンピュータ7100、ROM7102、RAM7103、VDP7109、および、I/Oポート部7105等を搭載している。ROM7102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM7103は、ワークメモリとして使用される。ROM7102およびRAM7103は、演出制御用マイクロコンピュータ7100に内蔵されてもよい。VDP7109は、演出制御用マイクロコンピュータ7100と共動して演出表示装置709の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ7100は、主基板731から演出制御基板780の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板777を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ7560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置709の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板735を介して、枠側に設けられている枠LED728の表示制御を行なうとともに、音声出力基板770を介してスピーカ727からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU7101は、スティックコントローラ7122のトリガボタン7125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ7121から入力する。また、演出制御用CPU7101は、プッシュボタン7120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ7124から入力する。また、演出制御用CPU7101は、スティックコントローラ7122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット7123から入力する。また、演出制御用CPU7101は、バイブレータ用モータ7126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ7122を振動動作させる。
払出制御基板737には、インタフェース基板766を介して、カードユニット750が接続される。カードユニット750は、払出制御基板737に対して貸玉、獲得玉および貯玉などの遊技球の払出しを指示する信号を出力する。カードユニット750には、各台計数機705が接続される。各台計数機705は、獲得玉検出スイッチ7501による獲得玉数を特定可能な信号を、カードユニット750に出力する。
このような遊技機において、ディスプレイ7123に図33(c)で説明したような詳細情報画面が表示されている場合には、再プレイボタン7554の操作が行なわれても再プレイのための処理が行なわれないようにされ、レバー部794bの操作が不能とされることで獲得玉検出スイッチ7501で計数が行なわれないようにされる一方、球貸しボタン751の操作に応じた玉貸処理は実行されないようにはされない。
[第3の実施の形態]
以下、発明の第3の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明は、図37に示すように、遊技機(パチンコ遊技機701)に対応して設けられ、遊技に使用可能な遊技用価値の大きさ(カード残額)を特定可能な情報(カードID)が記録された遊技用記録媒体(会員カードまたはビジターカード)の挿入を受付けて、該遊技用価値の大きさを前記対応する遊技機での遊技に使用させるための処理(玉貸処理)を行なう使用処理手段(カードリーダライタ,カードユニット750の制御部)と、前記挿入された遊技用記録媒体を返却するための操作を受付ける返却操作手段(返却ボタン752)の操作を受付けたことに基づいて、該遊技用記録媒体を返却する返却処理を行なう返却処理手段(カードリーダライタ,カードユニット750の制御部)と、を備える遊技用装置(カードユニット750)に係り、特に前記挿入された遊技用記録媒体の返却を確認するための確認操作を受付ける確認操作手段(タッチパネル式のディスプレイ7123)と、前記確認操作を受付けたことを条件として前記返却処理を行なう第1返却処理か、または、前記確認操作を受付けたことを条件とせずに前記返却処理を行なう第2返却処理の、いずれを実行するかを設定する返却設定手段(カード管理コンピュータ500で設定された「確認操作が必要か否か」を記憶するカードユニット750の制御部)と、をさらに備え、前記返却処理手段は、前記返却操作手段の操作を受付けたこと(図40において、S202の返却要求信号を受信したこと)に基づいて、前記返却設定手段により設定されている前記第1返却処理または前記第2返却処理を実行する(S204で「確認操作必要」の設定が有るか否かを判定し、設定無しならばS209で直ちにカードを返却し、設定有りならばS208で確認ボタン操作有りと判定するとS209でカードを返却する)ことを特徴とする遊技用装置である。
以下においては、遊技機がパチンコ遊技機701であり、遊技媒体がパチンコ玉であり、遊技媒体の貸与が玉貸である例について説明する。また、以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップを「S」と略記する場合がある。
会員カードまたはビジターカードは遊技用記録媒体の一例であって、遊技(パチンコ玉の貸与)に使用可能なカード残額を特定可能な情報が記録されたものであり、ここでは該情報として、該会員カードまたはビジターカードを個々に識別可能なカードIDと、当該カード残額とが記録される。この会員カードまたはビジターカードは、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、カードIDおよびカード残額等が記録される記録領域が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路(ICチップ)を搭載したICカードである。
パチンコ遊技機701の払出制御基板737およびカードユニット750は、インタフェース基板766を介して接続されている。カードユニット750と払出制御基板737との間には、PSI信号線,PRDY信号線,BRDY信号線,BRQ信号線,および、EXS信号線が設けられている。
PSI信号線は、カードユニット750とパチンコ遊技機701との接続確認を行なうための信号線である。このPSI信号線を介して接続確認信号が送信されることにより、パチンコ遊技機701において発射ハンドルの操作が可能となる。
PRDY信号線は、パチンコ遊技機701から対応するカードユニット750に対して、該パチンコ遊技機701とカードユニット750との間における通信が可能な状態(スタンバイ状態)である旨を示す払出可能信号を送信する信号線である。具体的には、図37のS1に示すように、該PRDY信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、払出可能信号がパチンコ遊技機701からカードユニット750に対して送信される。
BRDY信号線は、カードユニット750が前記払出可能信号を受信しているスタンバイ状態において玉貸操作があったときに、カードユニット750から対応するパチンコ遊技機701に対して、玉貸可能信号を送信する信号線である。具体的には、図37のS2に示すように、該BRDY信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、玉貸可能信号がカードユニット750からパチンコ遊技機701に対して送信される。
またBRDY信号線は、1回の玉貸操作に伴う所定度数分(本例では5度数分)の玉貸処理が終了したときに、カードユニット750からパチンコ遊技機701に対して、玉貸終了信号を送信する信号線である。具体的には、図37のS7に示すように、該BRDY信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸終了信号がカードユニット750からパチンコ遊技機701に対して送信される。
BRQ信号線は貸与指令信号線(=玉貸指令信号線)の一例であって、カードユニット750から対応するパチンコ遊技機701に対して、遊技媒体の貸与を要求する貸与要求信号(=玉貸要求信号)を送信する信号線である。具体的には、図37のS3に示すように、該BRQ信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、玉貸要求信号がカードユニット750からパチンコ遊技機701に対して送信される。
またBRQ信号線は、カードユニット750から対応するパチンコ遊技機701に対して、パチンコ玉の貸与を指令する貸与指令信号(=玉貸指令信号)を送信する信号線である。具体的には、図37のS5に示すように、該BRQ信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸指令信号がカードユニット750からパチンコ遊技機701に対して送信される。
EXS信号線は要求了解信号線の一例であって、パチンコ遊技機701からカードユニット750に対して、玉貸の要求を了解した旨(即ち玉貸要求信号を受信した旨)を示す要求了解信号を送信する信号線である。具体的には、パチンコ遊技機701が玉貸要求信号を受信してから、該パチンコ遊技機701がパチンコ玉を貸与する準備が整っている(即ち玉切れがなくエラーがない)旨を確認した後に、図37のS4に示すように、該EXS信号線に印加されている電圧レベルがHIGHからLOWに切り替えられることにより、要求了解信号がパチンコ遊技機701からカードユニット750に対して送信される。
またEXS信号線は、1度数分の玉貸処理が完了したときに、パチンコ遊技機701からカードユニット750に対して、該玉貸処理が完了した旨を示す玉貸完了信号を送信する信号線である。具体的には、玉貸処理が完了したとき、即ちパチンコ玉の払出が完了したときに、図37のS6に示すように、該EXS信号線に印加されている電圧レベルがLOWからHIGHに切り替えられることにより、玉貸完了信号がパチンコ遊技機701からカードユニット750に対して送信される。
つまり、カードユニット750は、遊技機(たとえば、パチンコ遊技機701)による遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)の貸与が可能であることを示す貸与準備信号(たとえば、PRDY信号のLOWレベル)を前記遊技機から受信する第1受信手段と、貸与操作(たとえば、パチンコ遊技機701の玉貸ボタン751の操作)を受付けたことを示す貸与要求信号(たとえば、BRDY信号のLOWレベル)を前記遊技機に送信する第1送信手段と、前記貸与要求信号の送信後、遊技媒体の貸与を指令する貸与指令信号(たとえば、BRQ信号のLOWレベル)を前記遊技機に送信する第2送信手段と、前記貸与要求信号および前記貸与指令信号に応じて前記遊技機から送信され遊技媒体の貸与ができることを示す貸与可能信号(たとえば、EXS信号のLOWレベル)を受信する第2受信手段と、貸与可能信号の受信の確認を示す貸与確認信号(たとえば、BRQ信号のHIGHレベル)を前記遊技機に送信する第3送信手段と、前記貸与確認信号に応じて前記遊技機で遊技媒体の貸与(たとえば、実際のパチンコ玉の払出、遊技玉数の加算)が実行され、完了した場合に送信され遊技媒体の貸与の完了を示す貸与完了信号(たとえば、EXS信号のHIGHレベル)を受信する第3受信手段と、貸与要求の終了を示す貸与要求終了信号(たとえば、BRDY信号のHIGHレベル)を前記遊技機に送信する第4送信手段とを備える。
タッチパネル式のディスプレイ7123は、遊技者からの操作を受付けると共に、各種の情報を表示するためのものである。具体的には、図39のD0に示すように、会員カードまたはビジターカードの返却に関する注意喚起表示を行なう表示手段として機能し、また図40のD1に示すように、返却ボタン752が操作された旨を報知する返却操作報知手段として機能し、さらに図40のD2に示すように、挿入された会員カードまたはビジターカードの返却を確認するための確認操作を受付ける確認操作手段として機能するものである。
カード管理コンピュータ500において設定モードが起動されると、図38に示す設定画面がディスプレイ35に表示される。この設定画面では、前記確認操作が必要であるか不要であるかを設定するためのラジオボタンと、前記注意喚起表示をするかしないかを設定するためのラジオボタンとが表示される。そしてカード管理コンピュータ500の入力装置を操作して、確認操作が必要であるか不要であるかおよび注意喚起表示をするかしないかをラジオボタンで選択して「設定」ボタンを操作すると、該設定内容が各カードユニット750に対して送信されてカードユニット750の制御部のEEPROMで記憶される。
ここで、カードユニット750の制御部のEEPROMは、確認操作を受付けたことを条件として前記返却処理を行なう第1返却処理か、または、前記確認操作を受付けたことを条件とせずに前記返却処理を行なう第2返却処理の、いずれを実行するかを設定する返却設定手段として機能するものであり、カード管理コンピュータ500から受信した設定内容に従って、確認操作が必要(即ち第1返却処理を行なう)と設定されたか、または、確認操作が不要(即ち第2返却処理を行なう)と設定されたかを記憶する。またカードユニット750の制御部のEEPROMは、注意喚起表示を行なうか否かを設定する表示設定手段として機能するものであり、カード管理コンピュータ500から受信した設定内容に従って、注意喚起表示をするか、または、注意喚起表示をしないかを記憶する。
次に、カードユニット750の作用(即ちカードユニット750の制御部が行なう処理)を説明する。
カードユニット750の制御部が行なう玉貸処理について説明する。カードユニット750が会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額が1度数分以上である状態で玉貸操作を受付けると、カードユニット750の制御部は、まずBRQ信号線を介して、パチンコ遊技機701の払出制御基板737に玉貸要求信号(図37のS3)を送信し、EXS信号線を介してパチンコ遊技機701の払出制御基板737から送信されてくる要求了解信号(S4)の受信を待機する。この要求了解信号の受信が有ると判定した場合には、BRQ信号線を介して、パチンコ遊技機701の払出制御基板737に玉貸指令信号(S5)を送信し、EXS信号線を介してパチンコ遊技機701の払出制御基板737から送信されてくる玉貸完了信号(S6)の受信を待機する。この玉貸完了信号の受信が有ると判定された場合には、カードリーダライタにより、会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額から1度数分の金額を減算更新し、残度数表示部753における残度数の表示を1度数減算表示して、処理を終了する。このカードユニット750の制御部は、挿入を受付けた会員カードまたはビジターカードの記録情報から特定されるカード残額を対応するパチンコ遊技機701での遊技に使用させるための処理(玉貸処理)を行なう使用処理手段をして機能するものである。
次に、図39を参照して、カードユニット750の制御部が行なう注意喚起表示処理について説明する。カードユニット750が会員カードまたはビジターカードを受付けている(即ち挿入されている)と、カードユニット750の制御部は、前記表示設定手段として機能するEEPROMの記憶内容に基づいて、「注意喚起表示をする」と設定されているか否かを判定する(S301)。ここで「注意喚起表示をしない」と設定されている(NO)と判定した場合には、処理を終了する。一方、「注意喚起表示をする」と設定されている(YES)と判定した場合には、表示タイミング(たとえば2分間ごと)を待機し(S302)、該表示タイミングであれば(YES)、注意喚起表示(たとえばD0に示す『カードの取り忘れや盗難にご注意下さい』)をディスプレイ7123に表示して(S303)、処理を終了する。つまり「注意喚起表示をする」と設定されていれば、表示タイミングごとに、注意喚起表示が表示されることになる。これによれば、第1返却処理または第2返却処理のいずれを行なうかにかかわらず、注意喚起表示を行なうことができる。なお表示タイミングは、任意に設定可能である。
次に、図40を参照して、カードユニット750の制御部が行なう返却処理について説明する。カードユニット750が会員カードまたはビジターカードを受付けている(即ち挿入されている)状態で、パチンコ遊技機701で返却操作(返却ボタン752の操作)が有ると(S201でYES)、該パチンコ遊技機701からカードユニット750に対して前記返却要求信号が送信され(S202)、カードユニット750が該返却要求信号を受信すると、返却処理を開始して、返却操作有り報知(たとえばD1に示す『返却ボタンが操作されました』)をディスプレイ7123に表示する。このように、返却要求を受信したことに基づいて、返却処理を実行することにより、パチンコ遊技機701は返却ボタン752の操作により返却要求信号を発信するという通常の処理を行なうだけなので、該パチンコ遊技機701を変更する必要が無い。また返却ボタン752が操作された旨が報知されるので、他人が返却ボタン752を操作した旨を遊技者が発見することができる。
次にカードユニット750の制御部は、前記返却設定手段として機能するEEPROMの記憶内容に基づいて、「確認操作が必要」と設定されているか否かを判定する(S204)。ここで「確認操作が不要」と設定されている(NO)と判定した場合、即ち確認操作を受付けたことを条件とせずに返却処理を行なう第2返却処理を実行すると設定されている場合には、前記受付けている(即ち挿入されている)会員カードまたはビジターカードを返却し、返却表示(たとえばD3に示す『カードをお取り下さい』)をディスプレイ7123に表示して(S209)、処理を終了する。
一方、「確認操作が必要」と設定されている(YES)と判定した場合、即ち確認操作を受付けたことを条件として前記返却処理を行なう第1返却処理を実行すると設定されている場合には、計時を開始して(S205)、確認操作要求表示(たとえばD2に示す『確認ボタンを押して下さい』および確認ボタン)をディスプレイ7123に表示して(S207)、タイムアップ(たとえば10秒間経過)するまで確認ボタンの操作を待機する(S207,S208)。
ここでタイムアップするまでに確認ボタンの操作が無い(S207でNO)と判定した場合には、処理を終了する。一方、タイムアップするまでに確認ボタンの操作が有る(S208でYES)と判定した場合には、前記S209に進んで、処理を終了する。ここでS205の処理を行なうカードユニット750の制御部は、該返却要求信号の受信に基づいて計時を開始する計時手段として機能するものであり、S207〜S209の処理を行なうカードユニット750の制御部は、前記返却設定手段により第1返却処理を実行すると設定されている場合(S204でYES)に、計時手段による計時時間が所定時間以内に確認操作を受付けたことを条件として返却処理を行なう返却処理手段として機能するものである。これによれば、所定時間以内に確認操作がなければ会員カードまたはビジターカードが返却されないので、他人による会員カードまたはビジターカードの盗難を困難にすることができる。なお所定時間は、任意に設定可能であるが、遊技者が返却ボタン752を操作してから確認ボタンを操作するまでに要する時間よりも長く、会員カードまたはビジターカードの盗難を狙う他人が返却ボタン752を操作してから確認ボタンを操作するまでに要する時間よりも短いのが好ましい。
また確認ボタンは、返却ボタン752から所定間隔離れた箇所に設けられていることが好ましい。ここで所定間隔とは、たとえば遊技者が返却ボタン752と確認ボタンの両方を視界に捉えられる範囲内である。これによれば、返却ボタン752を操作した他人が遊技者に気付かれることなく確認ボタンを操作することが困難なので、より有効に会員カードまたはビジターカードの盗難を防止することができる。なお返却ボタン752はパチンコ遊技機701の右側に設けられていることが多いため、確認ボタンは、パチンコ遊技機701の左側に配置されるカードユニット750のみならず、当該パチンコ遊技機701自体の左側や、当該パチンコ遊技機701の上側に設置されている呼出ランプ200に設けられていても良い。
以上に説明したように、挿入された会員カードまたはビジターカードの返却を確認するための確認操作を受付ける確認操作手段(タッチパネル式のディスプレイ7123に表示される確認ボタン)と、確認操作を受付けたことを条件として返却処理を行なう第1返却処理または確認操作を受付けたことを条件とせずに返却処理を行なう第2返却処理のいずれを実行するかを設定する返却設定手段とを備え、返却ボタン752の操作を受付けたことに基づいて、第1返却処理または第2返却処理を実行するように構成したので、遊技中における遊技用記録媒体の盗難を防止するために、店員の密な監視により盗難を防止する運用を行なう遊技場は第2返却処理の実行を設定すれば良く、店員の監視負担を減らすが遊技者に手間を取らせることで盗難を防止する運用を希望する遊技場は第1返却処理の実行を設定すればよいので、両遊技場に対応可能なカードユニット750を提供することができる。
なお遊技用装置に、遊技者が獲得した獲得遊技媒体数(持玉数)を計数する各台計数装置を備え、該遊技用装置にカード残額と持玉数とが記憶されて表示されている場合に、カード残額の記憶および表示は消去して該カード残額のみを特定可能な残額カード(本発明の会員カードまたはビジターカードに相当)を排出し、持玉数の記憶および表示は残すような遊技用装置を構成することが考えられる。これによれば、対応するパチンコ遊技機701で大当り等が発生した場合に、とりあえず残額カードを排出させることができるので、カード残額の盗難を防止できる。なお持玉数については盗難のおそれがあるが、遊技者に返却するカードが2枚になってしまうと取り回しが面倒になるので、持玉数については遊技用装置で記憶しておき、大当り終了後には該持玉数を特定可能な持玉カードを排出させることができる。しかしながら、このような遊技用装置だと、持玉数の記憶および表示が消去されずに残額カードを排出させることが可能なので、他人により残額カードが盗難されても遊技者が気付きにくいところ、本発明を適用して第1返却処理を行なう(確認操作が必要)と設定すれば、残額カードの盗難が困難となるので、特に有効である。
次に、上記の実施の形態の変形例について説明する。
上記の実施形態では、会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額と、該会員カードまたはビジターカードのカードIDと対応付けてカード管理コンピュータ500で管理されているカード残額との照合が行なわれ、照合OKであるときに、会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額を使用した玉貸が行なわれる例について説明した。
しかし、これに限らず、たとえば会員カードまたはビジターカードにはカード残額を記録せずに、該会員カードまたはビジターカードのカードIDと対応付けてカード管理コンピュータ500で管理されているカード残額を使用した玉貸が行なわれるようにしても良く、逆にカード管理コンピュータ500ではカード残額を管理せずに、会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額を使用した玉貸が行なわれるようにしても良い。
上記の実施形態では、返却操作手段(返却ボタン752)と返却確認手段(タッチパネル式のディスプレイ7123に表示される確認ボタン)とが別個である例について説明したが、これに限らず、両者は同一のボタンであっても良い。
上記の実施形態では、返却確認手段が、タッチパネル式のディスプレイ7123に表示される確認ボタンである例について説明したが、これに限らず、該返却確認手段は、カードユニット750の所定箇所に設けられる独立したボタンであっても良い。
また返却確認手段を、該タッチパネル式のディスプレイ7123に表示されるテンキー(またはカードユニット750に別途設けられるテンキー)とし、遊技者が希望する暗証番号を該テンキーで入力して記憶しておき、確認操作が要求された際にテンキーで暗証番号の入力を受付け、該入力された暗証番号と前記記憶している暗証番号とが一致すると判定されたことにより、確認操作を受付けるものであっても良い。これによれば、遊技者の手間は増えるが、遊技者が記憶させた暗証番号が入力されなければ確認操作が受付けられないので、遊技用記録媒体の盗難を確実に防止できる。
また返却確認手段を、カードユニット750に設けられるICチップR/Wとし、遊技者が所持している携帯端末に内蔵されているICチップの識別情報を該ICチップR/Wで予め読み取らせて記憶しておき、確認操作が要求された際に携帯端末のICチップからICチップR/Wで識別情報を読み取り、該読み取った識別情報と前記記憶している識別情報とが一致すると判定されたことにより、確認操作を受付けるものであっても良い。これによれば、遊技者の携帯端末でなければ確認操作が受付けられないので、遊技用記録媒体の盗難を確実に防止できる。
上記の実施形態では、図38に示すように、カード管理コンピュータ500において、確認操作が必要であるか不要であるか、および、注意喚起表示をするかしないかが設定され、該設定内容が各カードユニット750に送信されてカードユニット750の制御部のEEPROMで記憶(設定)される例について説明した。しかし、これに限らず、確認操作が必要であるか不要であるか、および、注意喚起表示をするかしないかの設定を、各カードユニット750において設定するものであっても良い。たとえば各カードユニット750にディップスイッチを設けて設定したり、各カードユニット750に対してリモコンで設定したり、タッチパネル式のディスプレイ7123で設定しても良い。これによれば、カード管理コンピュータ500と各カードユニット750とがオフラインであっても、これらの設定を行なうことができる。なおタッチパネル式のディスプレイ7123での設定は、遊技場の店員のみならず、遊技者が設定できるものであっても良い。
また、遊技場内に備えられる全部のカードユニット750について同じ設定をするのではなく、各カードユニット750ごとに異なる設定をするものであっても良い。たとえば、ある遊技島のカードユニット750については確認操作が必要である(即ち第1返却処理を行なう)と設定して、店員の監視を減らす一方、ある遊技島のカードユニット750については確認操作が不要である(即ち第2返却処理を行なう)と設定して、店員の監視を密にするようにすることもできる。この場合においては、上記の如く、各カードユニット750において設定するものには限らず、カード管理コンピュータ500において各カードユニット750ごとに設定可能とすることもできる。
上記の実施形態において、第1返却処理(確認操作が必要)が設定されているか、第2返却処理(確認操作が不要)が設定されているかを示す設定内容画面を、ディスプレイ7123に表示するようにしても良い。この設定内容画面は、確認ボタンに近い位置に表示したり、または残度数(および各台計数機付きのカードユニット750にあっては持玉数)が表示される画面と共に表示する。遊技用記録媒体を盗難する不正者は、画面を見て盗難をするか否かを決めることが多いが、この設定内容画面が表示されることにより、盗難を断念することが期待できる。
上記の実施形態において、ディスプレイ7123で残度数や持玉数を表示すると共に、カードユニット750にカメラを設け、該カメラが遊技をしている遊技者以外にカードユニット750に近付く人間を感知したら、残度数や持玉数の表示を消すようにしても良い。これによれば、不正者が直ちに残度数や持玉数を把握できないようになるため、盗難の防止に繋がる。ここで残度数や持玉数の表示を消す代わりに、注意喚起表示をするとさらに好ましい。
上記の実施形態では、図40のS208に示すように、確認操作(確認ボタンの操作)を1回受付けると会員カードまたはビジターカードの返却が行なわれる例について説明したが、これに限らず、確認操作を複数回受付けると会員カードまたはビジターカードの返却が行なわれるようにしても良い。
上記の実施形態では、図40に示すように、返却操作(返却ボタン752の操作)を受付けてから確認操作(確認ボタンの操作)を受付けると、会員カードまたはビジターカードが返却される例について説明したが、これに限らず、確認操作を受付けてから返却操作を受付けると、会員カードまたはビジターカードが返却されるようにしても良く、これによれば、確認操作を受付けていなければ、球貸しボタン751を押そうと思って、誤って返却ボタン752を押しても、会員カードまたはビジターカードが返却されない。即ち、返却操作と確認操作の順序は、特に限定されない。
上記の実施形態において、カードユニット750に会員カードまたはビジターカードが挿入されたままでパチンコ遊技機701の稼働が所定時間無い場合(たとえば遊技者が会員カードまたはビジターカードを返却せずに休憩に入って離席した場合)には、会員カードまたはビジターカードの盗難やカード残額の使用を防止するために、返却ボタン752や球貸しボタン751の操作が制限されるセーフモードに入るようにしても良い。具体的には、パチンコ遊技機701の稼働が停止してからセーフモードの計時を開始し、該計時時間が所定時間(たとえば10分間)に達すると、セーフモードに入る。この所定時間は任意に設定可能である。なおセーフモードの計時中に返却ボタン752が操作されると、該計時は一旦停止し、図40のS207でタイムアップする前に確認ボタンが操作されると会員カードまたはビジターカードは返却されるが、確認ボタンが操作されずにタイムアップすると、前記一旦停止した計時が再開される。そして、セーフモードから復帰するには、遊技場の店員によるリモコン操作や、暗証番号の入力等を受付ける。
[第4の実施の形態]
以下、本発明の第4の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明は、図45に示すように、遊技機(パチンコ遊技機701)に対応して設けられ、遊技者が所有する価値(紙幣,会員カードまたはビジターカード)を受付けたこと(S101,S102でYES)に基づいて、該受付けた受付価値(受付額,カード残額)を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする使用可能処理(残度数記憶処理)を行なう使用可能処理手段(S117,S108の処理を行なうカードユニット750の制御部)と、該使用可能処理により使用可能とされた使用可能価値(残度数)を前記対応する遊技機での遊技に使用させる使用処理(玉貸処理)を行なう使用処理手段(S135の処理を行なうカードユニット750の制御部)と、前記使用可能価値から該使用処理に供された使用価値を減じた使用後残価値を特定可能な記録媒体を返却するための返却処理を行なう返却処理手段(S126の処理を行なうカードユニット750の制御部)と、を有する遊技用装置(カードユニット750)である。
そして、第4の実施の形態の第1実施形態に係る遊技用装置では、前記使用可能処理手段は、前記使用可能処理として、前記受付価値が所定価値未満であること(S116でNO)を条件として、該受付価値の全部を前記使用可能価値とする全部使用可能処理(S117)を行なうと共に、前記受付価値が所定価値以上であること(S116でYES)を条件として、該受付価値のうちの一部を前記使用可能価値とする一部使用可能処理(S118)を行ない、前記返却処理手段は、返却操作を受付けたこと(S125でYES)に基づいて、前記返却処理を行なう一方、前記一部使用可能処理が行なわれたことに基づいて、返却操作を受付けることなく、前記受付価値のうちの前記使用可能価値とされなかった受付時残価値を特定可能な前記記録媒体を返却するための価値受付時返却処理(S119)を行なうことにより、遊技への価値の使い過ぎを防止することを特徴とする。
また、第4の実施の形態の第2実施形態に係る遊技用装置では、前記使用価値の累計である累計価値を各遊技者について特定可能とするための累計価値特定処理を行なう累計価値特定処理手段(S136の処理を行なうカードユニット750の制御部)をさらに有し、前記返却処理手段は、返却操作を受付けたこと(S125でYES)に基づいて、前記返却処理を行なう一方、前記価値を受付けたこと(S101でYES)に基づいて、前記累計価値が所定価値以上であること(S116’でYES)を条件として、返却操作を受付けることなく、前記受付価値のうちの一部または全部を特定可能な前記記録媒体を返却するための価値受付時返却処理(S119)を行なうことにより、遊技への価値の使い過ぎを防止することを特徴とする。
カードユニット750の制御部のEEPROMは、図41に示す所定額テーブルを記憶している。この所定額テーブルでは、遊技者の年代(本例では20代,30代,40代,50代,および60台以上)ごとに、第4の実施の形態の第1実施形態において一部使用可能処理および価値受付時返却処理を行なうか否かを判定するために受付額と比較する第1所定額と、第4の実施の形態の第2実施形態において価値受付時返却処理を行なうか否かを判定するために累計額と比較する第2所定額と、両実施形態において後述する価値受付禁止処理を行なうか否かを判定するために累計額と比較する特定額とが設定されて記憶されている。
ここで、第1所定額,第2所定額,および特定額は、各遊技者について(本例では遊技者の年代ごとに)異なる値が設定されており、具体的には、たとえば低所得者や使い過ぎし易い年代(本例では20代と60代以上)の遊技者については、その他の年代の遊技者よりも、低額に設定されている。これによれば、たとえば低所得者や使い過ぎし易い遊技者について、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
前記所定価値は、予め設定された高額金種の貨幣に相当する額であり、具体的には、20代と60代以上の遊技者については5000円であり、その他の年代の遊技者については10000円である。これによれば、高額金種の貨幣を受付けた際に、一部使用可能処理および価値受付時返却処理が行なわれるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また、カードユニット750の制御部のEEPROMは、図42に示す表示基準額対応商品テーブルも記憶している。この表示基準額対応商品テーブルでは、後述する商品報知処理を行なうか否かを判定するために累計額と比較する表示基準額(本例では10000円,20000円,30000円…)ごとに、各種ジャンルの商品が設定されて記憶されている。
カードリーダライタは記録媒体受付手段の一例であって、カード挿入口25aから挿入された会員カードまたはビジターカードを受付けて、該受付けた会員カードまたはビジターカードに記録されているカードIDおよびカード残額を読み取るものである。このカードリーダライタは、前記ICカードである会員カードまたはビジターカードのICチップに対応したICチップR/Wを備えている。そしてカードリーダライタは、図45に示すように、入金が行なわれたときに、受付中の会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額に受付額を加算更新し(S117)、玉貸が行なわれたときに、該カード残額から玉貸使用額を減算更新する(S135)。またカードリーダライタから会員カードまたはビジターカードが返却されると(S126)、カード貯留部に収納されているビジターカードであるストックカードがカードリーダライタに搬送されて留保カードとなる(S127)。
顔画像撮影カメラは、カードユニット750に対応するパチンコ遊技機701で遊技をする遊技者を撮像するためのものである。この顔画像撮影カメラにより撮像した遊技者の顔画像から、カードユニット750の制御部の画像認識処理により顔データが抽出される。
次に、カード管理コンピュータ500は、遊技場内の所定箇所(たとえば管理事務所等)に設けられるコンピュータである。このカード管理コンピュータ500は、図43に示すカードDBを記憶している。このカードDBでは、各会員カードまたはビジターカードのカードIDごとに、カード残額と入金時返却フラグとを記憶している。この入金時返却フラグが「1」であれば、前記価値受付時返却処理で返却された会員カードまたはビジターカードである旨を示す。なお、カード残額は、当日の営業終了後もクリアされないが、入金時返却フラグは、当日の営業終了後にクリアされて「0」になる。
次に、ホールコンピュータ540も、遊技場内の所定箇所(たとえば管理事務所等)に設けられるコンピュータである。このホールコンピュータ540は、図44に示す遊技者DBを記憶している。この遊技者DBでは、前記顔画像撮影カメラにより撮像された遊技者の顔画像から抽出された顔データごと(即ち遊技者ごと)に、当該顔データに基づいて判別される遊技者の年代と、当該遊技者が遊技に使用した使用額を累計した累計額とを記憶している。なお、遊技者DBの記憶内容は、当日の営業終了後にクリアされる。
次に、精算装置580は、遊技場内の所定箇所(たとえば景品交換カウンタの近傍等)に設けられ、会員カードまたはビジターカードを受付けると、該会員カードまたはビジターカードのカードIDをカード管理コンピュータ500に対して送信し、該カードIDに対応付けてカードDBで記憶されているカード残額をカード管理コンピュータ500から受信すると、該受信したカード残額と前記会員カードまたはビジターカードに記録されているカード残額とが一致するか否かを判定し、一致しなければエラー処理を行ない、一致すれば該カード残額分の貨幣を払い出す精算処理を行なうものである。
なお、該精算処理において、前記受付けた会員カードまたはビジターカードのカードIDに対応付けてカードDBで記憶されている入金時返却フラグもカード管理コンピュータ500から受信して、該受信した入金時返却フラグが「1」、即ち前記受付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理で返却された1枚目のカードならば、通常の返却処理で返却された2枚目のカードの受付を促す報知を行なうようにしても良い。これによれば、該2枚目のカードの精算を忘れることがないため、遊技者の利便性を向上できる。
次に、図45を参照して、本発明に係る遊技用装置であるカードユニット750の作用(即ちカードユニット750の制御部が行なう処理)を説明する。ここではまず、第4の実施の形態の第1実施形態について説明し、次に、第4の実施の形態の第2実施形態について第4の実施の形態の第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
まず、カードユニット750は、紙幣の受付(S101),または会員カードまたはビジターカードの受付(S102)を待機する。このS101で紙幣の受付が有ると(YES)、該受付けた紙幣を識別して(S111)、識別NGならば紙幣を返却する一方、識別OKならば遊技者識別処理を行なう(S112)。この遊技者識別処理では、顔画像撮影カメラにより遊技者を撮像して、該撮像した遊技者の顔画像から画像認識処理により顔データを抽出し、該抽出した顔データをホールコンピュータ540に対して送信する。
該顔データを受信したホールコンピュータ540は、該顔データが遊技者DBで登録されているか否かを判定し、登録されていれば、該顔データに対応する年代と累計額をカードユニット750に対して返信し、登録されていなければ、該顔データに基づいて遊技者の年代を特定すると共に、該顔データに対応付けて該特定した年代を記憶して、該顔データに対応する年代と累計額(ここでは零)をカードユニット750に対して返信する。
次に、カードユニット750は、S112の遊技者識別処理でホールコンピュータ540から受信した年代に対応付けて所定額テーブルで記憶している所定額(ここでは第1所定額)と特定額とを特定して(S113)、ホールコンピュータ540から受信した累計額が該特定した特定額以上であるか否かを判定する(S114)。このS114で累計額が特定額未満である(NO)と判定した場合には、前記受付けた紙幣を返却して(S115)、処理を終了する。
このS115の処理を行なうカードユニット750の制御部は、累計価値が特定価値以上であることを条件として、価値の受付を禁止するための価値受付禁止処理(ここではS115で紙幣を返却する処理)を行なう価値受付禁止処理手段として機能するものである。これによれば、累計価値が特定価値以上ならば、価値の受付が禁止されるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
一方、S114で累計額が特定額以上である(YES)と判定した場合には、前記受付額が前記特定した所定額以上であるか否かを判定する(S116)。このS116で受付額が所定額未満である(NO)と判定した場合には、受付額を残度数に記憶すると共に、受付額を留保カードに記録して、S122に進む。一方、S116で受付額が所定額以上である(YES)と判定した場合には、受付額の半額を残度数に記憶し(S118)、受付額の半額を留保カードに記録して返却して(S119)、S120に進む。
このS117およびS118の処理を行なうカードユニット750の制御部は、遊技者が所有する価値(紙幣)を受付けたことに基づいて、該受付けた受付価値(受付額)を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする使用可能処理(残度数記憶処理)を行なう使用可能処理手段として機能するものであり、該使用可能処理として、受付価値が所定価値未満であることを条件として、該受付価値の全部を使用可能価値とする全部使用可能処理(S117)を行なうと共に、受付価値が所定価値以上であることを条件として、該受付価値のうちの一部(ここでは半額)を使用可能価値とする一部使用可能処理(S118)を行なうものである。
また、S119の処理を行なうカードユニット750の制御部は、前記一部使用可能処理が行なわれたことに基づいて、返却操作を受付けることなく、前記受付価値のうちの前記使用可能価値とされなかった受付時残価値(ここでは受付額の半額)を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理(S119)を行なう返却処理手段として機能するものである。
これによれば、受付価値が所定価値以上ならば、該受付価値のうちの一部を使用可能価値とする一部使用可能処理が行なわれると共に、受付価値のうちの使用可能価値とされなかった受付時残価値を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、受付時残価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要である(即ちひと手間増える)ため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また返却された記録媒体の価値を精算装置580で精算する機会があるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次に、カードユニット750は、S119で返却した会員カードまたはビジターカードのカードIDと該会員カードまたはビジターカードに記録したカード残額(ここでは受付額の半額)とを含む入金時返却通知をカード管理コンピュータ500に対して送信し(S120)、カード貯留部で収納している会員カードまたはビジターカードの1枚をカードリーダライタに搬送して留保し、該留保カードに使用可能価値(ここでは受付額の半額)を記録して(S121)、S122に進む。
ここでS120の入金時返却通知を受信したカード管理コンピュータ500は、カードDBにおいて、該受信した入金時返却通知に含まれるカードIDに対応付けて、該受信した入金時返却通知に含まれるカード残額を記憶すると共に、入金時返却フラグ「1」を記憶する。このS120の処理を行なうカードユニット750の制御部は、価値受付時返却処理(S119)で返却した記録媒体であることを特定可能な価値受付時返却特定処理を行なう返却処理手段として機能するものである。
前記S102で会員カードまたはビジターカードの受付が有ると(YES)、カードリーダライタで留保されている会員カードまたはビジターカード(留保カード)をカード貯留部に収納して(S103)、前記受付けた会員カードまたはビジターカードのカードIDとカード残額を読み取り(S104)、照合処理を行なう(S105)。
この照合処理では、前記読み取ったカードIDをカード管理コンピュータ500に対して送信して、該カードIDに対応付けてカードDBで記憶されているカード残額と入金時返却フラグをカード管理コンピュータ500から受信すると、該受信したカード残額と前記読み取ったカード残額とが一致するか否かを判定し、一致しなければエラー処理を行ない、一致すればS105に進む。
次に、カードユニット750は、S105の照合処理で受信した入金時返却フラグが「1」であるか否か、即ち前記受付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理で返却されたものであるか否かを判定する(S106)。このS106で入金時返却フラグが「0」である(NO)、即ち前記受付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理で返却されたものでないと判定した場合には、前記読み取ったカード残額を残度数に記憶して(S108)、S122に進む。
このS108の処理を行なうカードユニット750の制御部は、遊技者が所有する価値(会員カードまたはビジターカード)を受付けたことに基づいて、該受付けた受付価値(カード残額)を前記対応する遊技機での遊技に使用可能とする使用可能処理(残度数記憶処理)を行なう使用可能処理手段として機能するものである。
一方、S106で入金時返却フラグが1である(YES)、即ち前記受付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理で返却されたものであると判定した場合には、注意喚起報知(たとえばD0に示す『使いすぎていないですか?』)をディスプレイ7123に表示して(S107)、前記S108に進む。
このS107の処理を行なうカードユニット750の制御部およびディスプレイ7123は、価値受付時返却処理(S119)で返却されて価値受付時返却特定処理(S120)が行なわれた記録媒体を受付けたことに基づいて、注意を喚起する報知を行なう注意喚起報知手段として機能するものである。これによれば、価値受付時返却処理で返却した記録媒体を受付けると注意を喚起する報知が行なわれるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次にカードユニット750は、球貸しボタン751の操作(S122),紙幣の受付(S123),会員カードまたはビジターカードの受付(S124),または返却ボタン752の操作(S125)を待機する。このS122で球貸しボタン751の操作が有ると(YES)、所定の確認条件が成立したか否かを判定する(S131)。ここで確認条件は、たとえば「前記累計値が一定値以上であること」であり、具体的には、S112の遊技者識別処理でホールコンピュータ540から受信した累計額が表示基準額対応商品テーブルで記憶している表示基準額のいずれかに到達していることである。
このS131で確認条件が成立している(YES)と判定した場合には、D2に示すように、累計額と、前記到達している表示基準額に対応付けて表示基準額対応商品テーブルで記憶している商品と、確認ボタンとをディスプレイ7123に表示して(S132)、S133に進む。
ここでS132の処理を行なうカードユニット750の制御部およびディスプレイ7123は、確認条件(ここでは累計価値が一定価値以上であること)が満たされたことを条件として、累計価値を表示する累計価値表示手段として機能するものである。これによれば、累計価値を遊技者に把握させることにより、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
またS132の処理を行なうカードユニット750の制御部およびディスプレイ7123は、累計価値に相当する商品を報知する商品報知手段として機能するものである。これによれば、遊技に使用した価値で買えた商品が報知されるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次にカードユニット750は、前記D2の表示と、『確認ボタンを押して下さい』と確認ボタンとを表示するD2’の表示とを所定間隔(たとえば3秒ごと)で切り換えつつ、該確認ボタンの操作を待機し(S133)、確認ボタンの操作が有ると(YES)、D2およびD2’の表示を消去して、玉貸処理を行なう(S135)。また前記S131で確認条件が成立していない(NO)と判定した場合にも、玉貸処理を行なう(S135)。この玉貸処理については、第3の実施の形態で説明した。
このS135の処理を行なうカードユニット750の制御部は、前記使用可能処理(S117,S118,S108)により使用可能とされた使用可能価値(残度数)を前記対応する遊技機での遊技に使用させる使用処理を行なう使用処理手段として機能するものであり、ここでは使用操作(球貸しボタン751の操作)を受付けたこと(S122でYES)に基づいて、前記使用処理を行なうと共に、累計価値が一定価値以上であること(S131でYES)を条件として、使用操作を受付け、かつ、該使用操作とは異なる特定操作(確認ボタンの操作)をさらに受付けたこと(S133でYES)に基づいて、前記使用処理を行なうものである。これによれば、累計価値が一定価値以上ならば、使用処理を行なうための操作が増えるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
次に、カードユニット750は、玉貸処理に使用された玉貸使用額と留保カードのカードIDとを含む玉貸使用額通知をカード管理コンピュータ500に対して送信すると共に、玉貸使用額と顔データとを含む玉貸使用額通知をホールコンピュータ540に対して送信し(S136)、玉貸処理後の残度数が零であるか否かを判定し(S137)、零でなければ(NO)S122に戻り、零であれば(YES)処理を終了する。
この玉貸使用額通知を受信したカード管理コンピュータ500は、該通知に含まれるカードIDに対応付けてカードDBで記憶しているカード残額から該通知に含まれる玉貸使用額を減算する。また玉貸使用額通知を受信したホールコンピュータ540は、該通知に含まれる顔データに対応付けて遊技者DBで記憶している累計額に該通知に含まれる玉貸使用額を加算する。
このS136の処理を行なうカードユニット750の制御部は、使用価値の累計である累計価値を各遊技者について特定可能とするための累計価値特定処理を行なう累計価値特定処理手段として機能するものである。これによれば、累計価値に基づく各種処理を行なうことができる。
前記S123で紙幣の受付が有ると(YES)、前記S111に進む。また前記S124で会員カードまたはビジターカードの受付が有ると(YES)、前記S103に進む。また前記S125で返却ボタン752の操作が有ると(YES)、カードリーダライタで留保している会員カードまたはビジターカードを返却し(S126)、カード貯留部で収納している会員カードまたはビジターカードの1枚をカードリーダライタに搬送し留保して、処理を終了する。
次に、第4の実施の形態の第2実施形態について、第4の実施の形態の第1実施形態と異なる点を説明する。
上記の第4の実施の形態の第1実施形態では、図45のS113において、第1所定額を特定したが、第4の実施の形態の第2実施形態では、S113において、第2所定額を特定する。具体的には、S112の遊技者識別処理でホールコンピュータ540から受信した年代に対応付けて所定額テーブルで記憶している所定額(ここでは第2所定額)と特定額を特定する。
また、上記の第4の実施の形態の第1実施形態では、図45のS116において、受付額が第1所定額以上であるか否かを判定したが、第4の実施の形態の第2実施形態では、該S116に代わるS116’において、累計額が第2所定値以上であるか否かを判定し、累計額が第2所定値未満ならば(NO)、前記S117に進み、累計額が第2所定値以上ならば(YES)、前記S118に進み、前記S119で価値受付時返却処理を行なう。本例では、該価値受付時返却処理で、受付額の半額を留保カードに記録して返却しているが、受付額の全額を留保カードに記録して返却しても良い。
即ち、第4の実施の形態の第2実施形態においてS119の処理を行なうカードユニット750の制御部は、価値を受付けたこと(S101でYES)に基づいて、累計価値が所定価値以上であること(S116’でYES)を条件として、返却操作を受付けることなく、受付価値のうちの一部または全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理を行なう返却処理手段として機能するものである。
これによれば、価値を受付けた際に、使用価値の累計である累計価値が所定価値以上ならば、受付価値のうちの一部または全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要である(即ちひと手間増える)ため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また返却された記録媒体の価値を精算装置580で精算する機会があるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
最後に、本発明の第4の実施の形態の変形例について説明する。
上記の第2から第4の実施の形態では、貨幣が紙幣である例について説明したが、これに限らず、該貨幣は、硬貨であっても良く、紙幣と硬貨の両方であっても良い。また有体物である貨幣の入金を受付ける例には限られず、無体物である貨幣(たとえば電子マネー等の貨幣金額に相当する金額データ,デビットカードの記録情報から特定される預金口座の残高,またはクレジットカードの記録情報から特定される与信金額等)の入金を接触または非接触で受付けるようにしても良い。さらに、遊技用装置(カードユニット750)は、貨幣を受付不能(即ち入金不能)なものであっても良い。
上記第1から第4の実施の形態において、貨幣受付手段(紙幣識別機24)により受付けられた貨幣(紙幣)が遊技用装置(カードユニット750)外部に排出されて、紙幣搬送機構により搬送されるようにしてもよいし、該受付けられた貨幣が、遊技用装置内部に貯留されるようにしてもよい。
上記の第1から第4の実施の形態では、会員カードまたはビジターカードが、非接触式のICチップにより情報を記録するICカードである例について説明したが、これに限らず、該会員カードまたはビジターカードは、接触式のICチップ,磁気ストライプ,二次元コード(たとえばバーコード),三次元コード,または光干渉(たとえばホログラム)等により情報を記録するものでも良い。またこれらの形状はカード型には限られず、コイン型であっても良い。さらに遊技用記録媒体は、会員カードまたはビジターカードではなく、ICチップを搭載した携帯電話等であっても良い。
上記の実施形態では、記録媒体が会員カードまたはビジターカードである例について説明したが、これに限らず、該記録媒体は、獲得した遊技媒体数(持玉数,貯玉数)を特定可能な情報が記録された持玉カードや会員カードであっても良い。即ち記録媒体は、遊技者が所有する価値を特定可能な情報が記録されたものであれば良い。
ここで記録媒体が持玉カードである場合には、該持玉カードのカードIDに対応付けて持玉数が持玉管理装置で管理されており、カードユニット750において持玉カードを受付けると、該持玉カードのカードIDを持玉管理装置に対して送信して、該カードIDに対応付けて管理されている持玉数を受信し、第4の実施の形態の第1実施形態においては、該受信した持玉数に相当する持玉数相当額が第1所定額以上ならば(S116でYES)、持玉数の半分を使用可能持玉数として記憶して(S118)、持玉数の半分を特定可能な前記持玉カードを返却する(S119)。
これによれば、受付価値(持玉数)が所定価値以上ならば、該受付価値のうちの一部(本例では持玉数の半分)を使用可能価値とする一部使用可能処理が行なわれると共に、受付価値のうちの使用可能価値とされなかった受付時残価値(本例では持玉数の半分)を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、受付時残価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また、第4の実施の形態の第2実施形態においては、累計額が第2所定値以上ならば(S116’でYES)、該S118およびS119の処理を行なう。これによれば、価値(持玉カード)を受付けた際に、使用価値の累計である累計価値が所定価値以上ならば、受付価値(持玉数)のうちの一部または全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また、記録媒体が会員カードである場合には、該会員カードに記録されている会員IDに対応付けて貯玉数が貯玉管理装置で管理されており、カードユニット750において会員カードを受付けると、該会員カードの会員IDを貯玉管理装置に対して送信して、該会員IDに対応付けて管理されている貯玉数を受信し、第4の実施の形態の第1実施形態においては、該受信した貯玉数に相当する貯玉数相当額が第1所定額以上ならば(S116でYES)、貯玉数の半分を使用可能貯玉数として記憶して(S118)、貯玉数の半分を特定可能な前記会員カードを返却する(S119)。
これによれば、受付価値(貯玉数)が所定価値以上ならば、該受付価値のうちの一部(本例では貯玉数の半分)を使用可能価値とする一部使用可能処理が行なわれると共に、受付価値のうちの使用可能価値とされなかった受付時残価値(本例では貯玉数の半分)を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、受付時残価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また、第2実施形態においては、累計額が第2所定値以上ならば(S116’でYES)、該S118およびS119の処理を行なう。これによれば、価値(会員カード)を受付けた際に、使用価値の累計である累計価値が所定価値以上ならば、受付価値(貯玉数)のうちの一部または全部を特定可能な記録媒体を返却するための価値受付時返却処理が行なわれることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要であるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
上記の第2から第4の実施の形態では、図35に示すように、残度数表示部753,球貸しボタン751,および返却ボタン752が、パチンコ遊技機701に設けられている例について説明した。しかし、これに限らず、これらの一部または全部がカードユニット750に設けられるようにしても良い。
上記の実施形態では、図41の所定額テーブルにおいて、第1所定額,第2所定額,および特定額を、遊技者の年代ごとに設定している例について説明した。しかし、これに限らず、該第1所定額,第2所定額,および特定額は、遊技者の年代によらずに一律であっても良く、逆に遊技者個々に異なる値を設定していても良い。これによれば、たとえば低所得者や使い過ぎし易い遊技者について、遊技への価値の使い過ぎをさらに効果的に防止できる。
上記の実施形態では、図44の遊技者DBにおいて、遊技者の顔データに対応付けて、年代や累計額を記憶している例について説明した。しかし、これに限らず、遊技者の顔データに代えて、会員カードまたはビジターカードのカードIDや、あるいは会員カードの会員IDなど遊技者を個々に識別可能な情報に対応付けて記憶するものであっても良い。
上記の実施形態では、図45のS106で入金時返却フラグが「1」である、即ち受付けた会員カードまたはビジターカードが価値受付時返却処理(S119)で返却されたものであると判定されると、S107で注意喚起報知が行なわれる例について説明した。しかし、これに限らず、入金時返却フラグが「0」である、即ち受付けた会員カードまたはビジターカードが通常の返却処理(S126)で返却されたものであると判定された場合にも、注意喚起報知を行なうものであっても良い。
上記の実施形態では、図45のS116で受付額が第1所定額以上であると判定された場合と、S116’で累計額が第2所定額以上であると判定された場合に、S119で価値受付時返却処理が行なわれる例について説明したが、これに限らず、S116やS116’の判定を行なわずに、常に価値受付時返却処理が行なわれるものであっても良い。これによれば、該価値受付時返却処理が常に行なわれることにより、該返却された価値を遊技に使用するためには記録媒体の受付が必要である(即ちひと手間増える)ため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。また返却された記録媒体の価値を精算装置580で精算する機会があるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
上記の実施形態では、図45のS118に示すように、一部使用可能処理において、受付額の半額を残度数に記憶する例について説明した。しかし、受付額の半額には限らず、受付額の一部を残度数に記憶するものであれば良い。即ち使用可能処理手段は、受付価値が所定価値以上であることを条件として、該受付価値のうちの一部を使用可能価値とする一部使用可能処理を行なうものであれば良い。
上記の実施形態では、図45のS131に示す確認条件が、「累計価値が一定価値以上であること」である例について説明した。しかし、これに限らず、該確認条件は、「遊技をしている時間が一定時間以上であること」、または、「遊技中に所定時間が経過したこと」であっても良い。
ここで、確認条件が「遊技をしている時間が一定時間以上であること」である場合には、たとえばホールコンピュータ540の遊技者DBにおいて、顔データに対応付けて、遊技をしている時間を記憶しておき、該遊技をしている時間が一定時間(たとえば2時間)以上である場合に、確認条件が満たされたとして、S132の処理を行なう。
また、確認条件が「遊技中に所定時間が経過したこと」である場合には、たとえばホールコンピュータ540の遊技者DBにおいて、顔データに対応付けて、遊技を開始した時刻を記憶しておき、該記憶している時刻から所定時間(たとえば1時間)が経過するごとに、確認条件が満たされたとして、S132の処理を行なう。
これによれば、累計価値を遊技者に把握させることにより、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
また遊技をしている時間が一定時間以上であること、または、遊技中に所定時間が経過したことを条件として、使用操作(球貸しボタン751の操作)を受付け、かつ、該使用操作とは異なる特定操作(確認ボタンの操作)をさらに受付けたこと(S133でYES)に基づいて、使用処理(S135の玉貸処理)を行なう。これによれば、遊技をしている時間が一定時間以上、または、遊技中に所定時間が経過したならば、使用処理を行なうための操作が増えるので、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。
上記の実施形態では、図45のS131に示す確認条件が成立したことを条件として、玉貸処理を行なうためにS133で特定操作(確認ボタンの操作)を受付ける例について説明した。しかし、これに限らず、確認条件が成立したか否かにかかわらず、玉貸処理を行なうために常に特定操作を受付けるものであっても良い。これによれば、玉貸処理を行なうためにはひと手間増えるため、遊技への価値の使い過ぎを防止できる。その際に累計額をディスプレイ7123に表示することで、使い過ぎを意識させるようにするのも効果的である。
上記の実施形態では、特定操作が、図45のD2またはD2’に示す確認ボタンの操作である例について説明した。しかし、該確認ボタンは、タッチパネル式のディスプレイ7123に表示されるものには限らず、カードユニット750の所定箇所に設けられる独立したボタンであっても良い。また特定操作は、返却ボタン752の再操作であっても良い。即ち、特定操作は、使用操作とは異なる特定操作であれば良い。
以上に説明したように、本発明は、遊技への価値の使い過ぎを防止することを目的としているが、該使い過ぎの防止は、以下の手法でも達成できる。
累計額が一定額に達したら、エラーダウンする。これによれば、エラー対処までの間、一定時間を置くことで、遊技者に冷静になってもらうことができるので、使い過ぎを防止できる。
高額金種の紙幣(5000円,10000円)の受付後、設定額(たとえば5000円)以下の使用希望額を表示し、選択した額まで使用可能とし、選択した額まで使用した後は、球貸しボタン751を無効とする。これによれば、入金時に使用希望額を遊技者自身に決めてもらうことで、使い過ぎを防止できる。
遊技者個々に、金種別の入金回数を管理し、一の金種について設定枚数まで入金済みの遊技者が当該金種の紙幣を挿入すると、該紙幣を返却する。これによれば、入金回数を制限することで、使い過ぎを防止できる。
紙幣を挿入するごとに、確認操作(たとえばディスプレイ7123に表示される入金ボタンの操作)を受付ける。これによれば、入金にひと手間加えることで、使い過ぎを防止できる。その際に累計額をディスプレイ7123に表示することで、使い過ぎを意識させるようにするのも効果的である。
会員カードまたはビジターカードの挿入から返却までの遊技時間をディスプレイ7123に表示する。これによれば、遊技時間を表示して遊技者に意識させることで、のめり込みを抑止できる。
[第5の実施の形態]
第2から第4の実施の形態においては、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機であるパチンコ遊技機701に発明を適用する場合について説明した。第5の実施の形態においては、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機に発明を適用することもできる。
具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球または貸し球を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、会員カードやビジターカード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。
すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
図46は、第5の実施の形態における封入式遊技機の認証の概略を示すブロック図である。図46を参照して、このような封入式遊技機においては、パチンコ遊技機701およびカードユニット750が不正に改造されていないかを認証するための仕組みが定められている。
この仕組みにおいては、パチンコ遊技機701の主基板731の認証・通信制御回路7311は、払出制御基板737の認証・通信制御回路7371、および、インタフェース基板766、ならびに、カードユニット750の制御ユニット7510の認証・通信制御回路7501、ならびに、ホールサーバ590を介して、鍵管理サーバ600と通信可能に接続されている。また、主基板731と鍵管理サーバ600との途中の機器についても、鍵管理サーバ600と通信可能に接続されている。
これらの機器では、鍵管理サーバ600との間で認証用の情報をやり取りすることによって、これらの機器が不正に改造されていないかを認証することができる。これにより、パチンコ遊技機701およびカードユニット750のセキュリティの向上に寄与することができる。
また、パチンコ遊技機701は、入賞の発生により所定の遊技点を付与するとともに遊技点を用いた遊技が可能である。カードユニット750によって、玉貸しボタン751の操作が受付けられたことに基づいて、受付けられた貨幣のうちの少なくとも一部を用いて加算する遊技点を特定可能な情報がパチンコ遊技機701に送信される。カードユニット750によって、各台計数機705での計数操作を受付けたことに基づいて、パチンコ遊技機701が記憶している遊技点を特定可能な情報がパチンコ遊技機701から受信される。このため、入賞の発生により所定の遊技点を付与するとともに遊技点を用いた遊技が可能なパチンコ遊技機701などの遊技機に対応することができる。
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図47に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、カードユニット(以下「CU」ともいう)750は、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをパチンコ遊技機(以下「P台」ともいう)701へ送信する。それを受けて、P台701は、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU750に返信する。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU750は、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU750は、球貸しボタン(貸出ボタン)751が押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU750側単独で確定する。その後、CU750は加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることをディスプレイに表示させる。
次に、CU750は、P台701に対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU750は、遊技玉加算要求=ONおよび加算玉数=125を含む状態情報要求のコマンドをP台701へ送信する。それを受けて、P台701は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に、遊技玉数を更新する。そして、P台701は、CU750に対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU750に返信する。
その後、CU750は、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台701へ送信する。P台701は、遊技玉数=175を含む状態情報応答のレスポンスをCU750に返信する。
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図48では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU750からP台701へ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図48では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU750は、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台701へ送信する。それを受けて、P台701は、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU750に返信する。
CU750から送信された通番nに対して、P台701から通番n+1が返信されている。CU750から送信された計数通番mに対して、P台701からは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタンを押下する。この図48では、計数ボタンを1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU750からP台701へ送信されている。
P台701は、計数ボタンの操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU750へ送信する。ただし、この段階でP台701は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台701は、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU750は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323は、表示制御部350に対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350は、その指令を受けてP台701側の表示器54を表示制御する。その結果、表示器54には、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU750は、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU750は、P台701に対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台701は、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を800から700に更新する。この段階で、P台701は計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台701は2度目の計数要求をCU750へ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU750へ送信する。ただし、この段階でもP台701は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU750は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU750は、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU750は、P台701に対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台701は、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台701は計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU750へ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU750へ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU750は、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU750は、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台701へ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
P台からCUへ送信される情報状態応答には、上述の情報に加えて、パチンコ玉の発射強度を示す「発射強度信号」、およびパチンコ玉が始動入賞口を通過したことに伴って可変表示装置に表示される図柄が変動していることを示す「変動中信号」が含まれる。
次に、複数の遊技機を設置した遊技場には、各遊技機の出玉などを管理するためにホールコン900が、ホールサーバ801とは別に設けられている。図49は、P台701およびCU750と接続されるホールサーバ801およびホールコン900の構成を説明するためのブロック図である。
遊技機メーカによってP台701のデータ出力フォーマットが異なっている。そのため、CU750は、その種々のフォーマットの出力データを、所定のフォーマットに演算(変換)して台端末装置901経由でホールコン900に出力する。その演算(変換)のための設定データがCU制御部323に入力されて記憶されるように構成されている。
また、ホールコンメーカによってホールコン900のデータ受信フォーマットが異なっている。そこで、図49に示すホールコン900は、台端末装置901を介してCU750に接続してある。台端末装置901は、CU750からの出力データのフォーマットを、各種ホールコン900にマッチするフォーマットに変換してホールコン900に送信する。なお、ホールコン900によるP台701の台番号管理は、台端末装置901に関連付けてホールコン900に設定している。具体的には、ホールコン900にはCPUとROMとRAMとEEPROMとが内蔵されており、CPUは、定員等の操作に応じて、台番号管理データとしてP台701の台番号と台端末装置901の番号とを対応付けてEEPROMに記憶させる。P台701とCU750との間ではシリアル通信が行なわれ、CU750と台端末装置901との間ではCU750の複数の出力ピンから出力されるパラレル通信が行なわれ、台端末装置901とホールコン900との間ではシリアル通信が行なわれる。ただし、各種ホールコン900にマッチするフォーマットに変換する機能をCU750またはホールコン900内に持たせることで、台端末装置901を介在させなくてもよい。
次に、ホールコン900がホールサーバ801に直接接続される構成について説明する。図50は、P台701およびCU750と接続されるホールサーバ801およびホールコン900の別の構成を説明するためのブロック図である。
CU750が、ホールコンで管理する情報を、ホールサーバ801を経由してホールコン900に送信できるように、ホールコン900がホールサーバ801に直接接続されている。なお、ホールサーバ801には、複数のCU750が接続されており、ホールサーバ801が複数のCU750からの出力信号を取りまとめてホールコン900に送信する。この場合、前述の各種ホールコン900にマッチするフォーマットに変換してホールコン900に送信する台端末装置901機能はホールサーバ801が担う。なお、所定のフォーマットに変換してホールコン900に送信する台端末装置901機能を全てCU750が担ってもよく、またホールサーバ801とCU750とでどの情報を変換するか等の役割分担を行なうように制御してもよい。さらには、ホールサーバ801が複数のCU750からの出力信号を取りまとめてホールコン900に送信する際に、送信する情報の内容をまとめた情報として送信してもよい。たとえば、ホールサーバ801が、複数のCU750から受信した信号を定期的に(たとえば10秒毎に)ホールコン900に送信する場合に、その10秒間に受信したすべてのCU750の情報を一括してホールコン900に送信する。
ホールサーバ801は、持玉や貯玉を管理する関係上必ずCU750と接続されている必要があり、図50に示すように、複数のCU750からの情報をホールサーバ801がまとめてホールコン900へ送信する場合には、複数のCU750からホールサーバ801までの配線は既存のものを有効利用でき、ホールサーバ801とホールコン900とを結ぶ配線だけ新設すれば事足り、配線数の低減を図ることができる。また、各遊技機からの遊技情報をたとえば島端末装置がまとめてホールコン900へ出力する場合には遊技機設置島毎にまとめる必要があるため、遊技機の設置レイアウトに制約があるという不都合が生じるが、図50の場合には、遊技機設置島毎にまとめる必要がなく、遊技機の設置レイアウトに制約がなくなる。さらに、遊技機設置島のレイアウトの制約もなくなる。
図49、図50において、CU750を取付けて設置するための取付枠(ホルダ)に記憶されたIDであるホルダIDに対応付けてホールコン900で台番号を管理してもよい。この取付枠(ホルダ)は、CU750を新たなものに交換しても取付枠(ホルダ)自体が交換されることはなく、引き続き従前のものが使用される。このホルダIDに対応付けてホールコン900で台番号を管理する場合には、新たな台番号のP台701に交換されたときに、CU750がそのP台701の台番号と取付枠(ホルダ)のホルダIDとを読取ってホールコン900へ送信する(図50の場合にはホールサーバ801経由でホールコン900へ送信する)。それを受けたホールコン900のCPUは、P台701の台番号とホルダIDとを対応付けてEEPROMに設定記憶させる。なお、P台701の台番号とホルダIDとを係員が手動でホールコン900に入力するようしてもよい。また、ホールサーバ801は、CPU,ROM,RAM、入出力インタフェースを有しており、CU750から送信されてきた情報を入出力インタフェースで受信する。また、図50の場合にはCPUの制御によりその受信情報を入出力インタフェースから出力してホールコン900へ送信する。
また、他の管理方法として次のようにしてもよい。図49で説明したように、P台701のメインチップIDや払出制御チップID等のIDデータがCU750、ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800へ送信される。また、盤交換されて新たな主制御基板に代わったときもP台701のメインチップID等のIDデータがCU750、ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800へ送信される。ゆえに、鍵管理サーバ800へ送信される途中でホールサーバ801がメインチップIDを取得してホールコン900へ送信することが可能である。
そこで、図50に示すシステムでは、送信されてきたメインチップIDをホールサーバ801がホールコン900に送信し、ホールコン900においてそのメインチップIDデータにより遊技機台番号を管理する。台交換(盤交換)した場合に、たとえば、その台交換(盤交換)された後のメインチップID等のIDデータと台交換(盤交換)前のメインチップID等のIDデータとをCU750がホールコン900に送信し、ホールコン900のCPUが、EEPROMに遊技機台番号に対応付けて記憶されているIDデータを台交換(盤交換)された後のIDデータに更新する。また、図49のシステムでも同様に、CU750が、P台701のメインチップID等のIDデータをホールコン900のにも送信して、ホールコン900がIDデータを利用した台番号管理を行なうようにしてもよい。具体的には、図49、図50において、ホールコン900のCPUが、P台701から送られてきたメインチップIDやセキュリティ基板のIDデータを受信し、そのIDデータに対応付けてP台701の台番号をホールコン900のEEPROMに設定記憶して台番号管理を行なう。
さらに、図49および図50に示すシステムでは、ホールコン900が、遊技機台番号に対応付けて当該遊技機の機種も記憶した遊技機台番号の管理データを格納し、その管理データに基づいて同じ機種の遊技機に対応するカードユニットを割出し、所定のフォーマットに演算(変換)するための設定データを一括CU750へダウンロードして一括設定するように制御してもよい。
また、図50に示すシステムは、CU750とホールコン900との間に台端末装置901が介在しないため、CU750からの出力データのフォーマットをホールサーバ801がホールコン900にマッチするフォーマットに変換してホールコン900に送信する。なお、ホールコンメーカによる規格が統一されれば、ホールサーバ801でのフォーマット変換は不要になる。
ホールコン900によるP台701の台番号管理は、CU750のホルダに記憶されたホルダIDに対応付けてホールコン900に設定したり、またP台701から送られてくるメインチップIDやセキュリティ基板のID等により台番号管理してもよい。その台番号管理データに基づいて、同じ機種のP台701に対応したCU750群に、ホールサーバ801経由で一括設定データをダウンロードして一括設定してもよい。
前述したように、P台701の遊技盤を交換(盤交換)した場合、新たな遊技盤26に設けられた主制御基板のメインチップIDがCU750、ホールサーバ801、鍵管理サーバ800に送信される。そのため、メインチップIDに基づいて新台の台番号を管理することで、メインチップIDに基づいて新台の台番号の設定変更がなされているか否かをホールコン900が確認し、設定のし忘れの場合に報知して設定のし忘れを防止することができる。
次に、CU750からホールコン900にデータを送信する処理について説明する。図51は、CU制御部323による加算玉数の送信処理を説明するためのフローチャートである。なお、当該フローチャートによる処理は、図49および図50のいずれのシステムについても適用することができる。
CU750からホールコン900に送信するデータのうち、CU制御部323による加算玉数について説明する。まず、CU制御部323は、P台701から加算玉数の情報を受信する(S351)。
CU制御部323は、受信した加算玉数を所定のフォーマットに変換(たとえば、加算玉数10個を1パルスの信号に変換)し、送信する(S352)。
なお、上記S351で受信する情報は、加算玉数に加えてまたはそれに代えて、発射玉数であってもよい。さらには、S351で受信する情報の他の例としては、a:可変表示装置の可変停止時の図柄確定回数、b:各種入賞口への玉の入賞回数でもよい。
また、受信した加算玉数を所定のフォーマットに変換して出力する方法としては、前述の10個を1パルスの信号に変換するのもに限定されるものではない。たとえば、どの種類の信号をどの出力ピンに割当てるかや信号の出力長さ、さらには、複数種類の信号を1つの出力ピンにまとめて出力のように変換するような出力方式でもよい。
さらに、前述のaの図柄確定回数の場合に、所定回数(たとえば10回)図柄が確定すれば1パルス出力するように制御し、また、bの玉の入賞回数の情報の場合に、所定個数(たとえば10個)の玉が入賞すれば1パルス出力するように制御してもよい。
以上のように、S352により所定のフォーマットに変換する情報は種々の情報が考えられる。それら情報が所定の数(たとえば10)に達するまでCU750ではP台701からの定期的に送られてくる情報を累積加算し、その加算値が所定の数(たとえば10)に達っしたときに1パルスを出力するとともにそれまで累積加算値をクリアし、また次の情報の累積加算を開始する。この「累積加算値のクリア」は、累積加算値から所定の数(たとえば10)を減算してもよい。なお、この「1パルス」の信号は、シリアル信号であるため送信情報(たとえば加算玉数)が所定の数(たとえば10)であることを示す特定のBitを「1」にしたデータで出力する。
次に、CU制御部323による遊技情報の処理について説明する。図52は、CU制御部323による遊技情報の処理を説明するためのフローチャートである。なお、当該フローチャートによる処理は、図49および図50のいずれのシステムについても適用することができる。
まず、CU制御部323は、CU750から出力する遊技情報の出力方式即ち遊技情報を所定のフォーマットに演算(変換)して出力するための設定データについて入力があるか否かを判断する(S361)。CU制御部323は、リモコンなどの設定手段から出力方式について入力があったと判断した場合(S361:YES)、入力した出力方式に基づいて、CU750から出力する遊技情報についてのビット位置、出力期間、出力有無、情報の変換などの出力方式を設定する(S362)。一方、CU制御部323は、出力方式について入力がないと判断した場合(S361:NO)、S362の処理をスキップして、前回設定した出力方式を利用する。
上記S362で設定される出力方式は、遊技機メーカによって異なるデータ出力フォーマットの遊技機情報を、ホールコンメーカによって異なるデータ受信ファーマットに変換して、ホールコン900に出力するためのものである。
なお、前述したリモコンなどによる出力方式の入力の代わりに、ホールコン900から出力方式のデータをダウンロードしてCU制御部323に記憶させるようにしてもよい。さらには、CU750に接続されているP台701のメーカのサーバから出力方式のデータをダウンロードしてCU制御部323に記憶させるようにしてもよい。その場合のダウンロードの経路としては、メーカのサーバからの出力方式のデータを鍵管理サーバ800およびホールサーバ801を経由してCU制御部323にダウンロードすることが考えられる。P台701のメーカのサーバから出力方式のデータをダウンロードする場合には、当該P台701を設計製造した者がホールコン900へ出力しようと意図する遊技情報を意図どおりにCU750に設定できるため、遊技場側で設定する必要がなくなるという利点がある。
CU制御部323は、P台701から遊技情報(たとえば、図×に示す遊技台状態2,3)を受信したか否かを判断する(S363)。CU制御部323は、P台701から遊技情報を受信しないと判断した場合(S363:NO)、処理を終了する。一方、CU制御部323は、P台701から遊技情報を受信したと判断した場合(S363:YES)、受信した遊技情報を設定した出力方式に変換する(S364)。ここで、CU制御部323は、設定した出力方式により、ホールコン900にマッチしたフォーマットに遊技情報を変換するので、遊技機メーカによって異なるデータ出力フォーマットの遊技機情報を、ホールコンメーカによって異なるデータ受信ファーマットに変換して、ホールコン900に出力することができる。
遊技情報を変換後、CU制御部323は、変換した遊技情報をホールコン900に送信するために出力する(S365)。CU制御部323は、P台701から受信した遊技情報のうち、表示器312で表示させる情報が含まれているか否かを判断する(S366)。
CU制御部323は、表示器で表示させる情報が含まれていると判断した場合(S366:YES)、遊技情報を表示器で表示する制御を行なう(S367)。一方、CU制御部323は、表示器で表示させる情報が含まれていないと判断した場合(S366:NO)、処理を終了する。
なお、カードユニット750は、パチンコ遊技機701およびホールコンピュータ540と通信可能に接続されるようにして、パチンコ遊技機701により生成された情報をホールコンピュータ540向けに変換して送信するための外部出力端子(図示せず)を備えるようにしてもよい。このため、パチンコ遊技機701により生成された情報が従来のホールコンピュータ540向けの情報でないとしても、パチンコ遊技機701により生成された情報を従来のホールコンピュータ540向けに変換して送信するので、従来のホールコンピュータ540を用いることができる。
また、カードユニット750は、パチンコ遊技機701により生成された情報をホールコンピュータ540向けに変換して送信するための外部出力端子に替えて、ホールコンピュータ540向けに変換する変換装置に、パチンコ遊技機701により生成された情報を中継する外部出力端子を備えるようにしてもよい。
このような封入式遊技機において、カードユニット750の表示器に図33で説明したような詳細情報画面が表示されている場合には、再プレイのための操作が行なわれても、再プレイのための処理が行なわれないようにされ、計数玉数を持玉数に加算するための操作が行なわれても、計数玉数を持玉数に加算するための処理が行なわれないようにされる一方、玉貸のための操作に応じた玉貸処理は実行されないようにはされない。
なお、詳細情報画面の表示中に、再プレイのための操作が行なえないようにしてもよいし、計数玉数を持玉数に加算するための操作が行なえないようにしてもよい。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態は、第1実施形態における図27のSg15で図31に従って実行される持玉分割処理の変形例であって、分割(即ちSr25又はSr33の処理)が実行されるための条件が異なる。この変形例には、図53〜図56に示す変形例1と、図57〜図58に示す変形例2とが含まれる。以下、各変形例について説明する。
<変形例1>
図31に示す持玉分割処理では、Sr11で、持ちメダル数が貸出単位額相当数(例えば1000円に相当する50枚)の2倍以上であることを条件に、分割(即ちSr25又はSr33の処理)が実行されるが、この変形例1では、図55のSr42に示すように、持ちメダル数がカード種別毎に設定される最低残存数を超えていることを条件に、分割が実行される。
図53は、持玉分割処理の変形例1において、メダル管理コンピュータ550で実行される最低残存数設定処理の一例を表すフローチャートである。メダル管理コンピュータ550では、最低残存数設定モードが実行されると、CPU552は、図53に示す最低残存数設定処理を実行する。
まずCPU552は、図54に示す最低残存数設定画面D54を表示装置557に表示する(Sv01)。このD54は、持玉分割処理を実行する際に受付記録媒体であるビジターカード又は会員カードに残存させる最低残存数を設定する画面であり、具体的には、ビジターカードの最低残存数を設定するための入力欄D54aと、会員カードの最低残存数を設定するための入力欄D54bとが表示されると共に、該設定においてはビジターカードの最低残存数>会員カードの最低残存数となることが求められるため、その旨の注意書きD54cが表示される。D54a及びD54bには、入力装置556の操作により数値が入力される。
ここでビジターカードについて最低残存数を設定するのは、該ビジターカードに対応付けられている持ちメダル数を分割する際に、残される有価価値が少なすぎて当該ビジターカードが捨てられてしまうのを防止するためである。従って、ビジターカードの最低残存数は、該ビジターカードの単価よりも多く設定されれば良く、持玉分割処理後に遊技をさせるために、少なくとも再プレイ処理で払い出される枚数(例えば50枚)以上に設定されるのが好ましい。なお会員カードについても、持玉分割処理後に遊技をさせるために、会員カードの最低残存数も、少なくとも再プレイ処理で払い出される枚数(例えば50枚)以上に設定されるのが好ましい。
また、該設定においてビジターカードの最低残存数>会員カードの最低残存数となることが求められるのは、会員登録をした遊技者に対して発行される会員カードについては、最低残存数を少なく設定しても捨てられる可能性がほとんどない一方、会員カードを所持していない遊技者に対して発行されるビジターカードについては、最低残存数を多く設定しないと捨てられる可能性があるからである。従って、会員カードよりもビジターカードの最低残存数を多くしているのである。
図53に戻り、CPU552は、D54における設定入力(即ちD54a及びD54bへの入力と、「設定」ボタンの押下)を待機し(Sv02)、該設定入力が有ると(YES)、D54aに入力されたビジターカードの最低残存数>D54bに入力された会員カードの最低残存数であるか否かを判定し(Sv03)、ビジターカードの最低残存数>会員カードの最低残存数でなければ(NO)、D54と同様の再設定画面を表示装置557に表示して(Sv04)、Sv02に戻り、ビジターカードの最低残存数>会員カードの最低残存数であれば(YES)、設定完了画面を表示装置557に表示して(Sv05)、最低残存数設定処理を終了する。
この最低残存数設定処理で設定された、ビジターカードの最低残存数及び会員カードの最低残存数は、メダル管理コンピュータ550から各メダル貸出機100に対して送信され、該メダル貸出機100において、制御ユニット181のEEPROM181eで記憶される。このEEPROM181eは、最低有価価値(最低残存数)を設定する最低有価価値設定手段として機能するものである。
図55は、持玉分割処理の変形例1において、メダル貸出機100で実行される処理の一例を表すフローチャートである。メダル貸出機100のCPU181aは、図27のSg5で「持玉分割」ボタンの操作が有る(YES)と判定した場合には、図55に示す持玉分割処理を実行する(Sg15)。
まずCPU181aは、図31のSr1〜Sr3と同様の処理(即ち図19のSm21〜Sm23と同様の処理)を実行し、受付中のカード種別(即ちビジターカードを受付中であるか、会員カードを受付中であるか)を特定して(Sr41)、持ちメダル数が該特定したカード種別の最低残存数(即ちメダル管理コンピュータ550においてD54の最低残存数設定画面で設定されて、EEPROM181eで記憶している最低残存数)を超えているかを判定する(Sr42)。このSr42で、持ちメダル数が該特定したカード種別の最低残存数を超えていない(NO)と判定した場合には、持ちメダルが不足している旨を液晶表示器123で表示することにより報知して(Sr43)、持玉分割処理を終了する。一方、Sr42で、持ちメダル数が該特定したカード種別の最低残存数を超えている(YES)と判定した場合には、分割可能数を特定する(Sr44)。ここで分割可能数は、持ちメダル数からSr41で特定されたカード種別の最低残存数を減じることにより特定される。
次にCPU181aは、図56に示す分割数選択画面D56−1を液晶表示器123に表示する(Sr45)。このD56−1は、分割可能数の範囲内で、分割数として、予め設定された複数の所定値から選択を受け付ける画面であり、具体的には、分割可能数D56aと、該分割可能数は持ちメダル数から分割元に残す最低残存数を引いてある旨の注意書きD56bとが表示されると共に、分割数を選択するための複数の所定値(本例では50枚,及び100枚)の各々に対応する分割数ボタン56cと、後述する分割数入力画面D56−2を表示するための自由入力ボタン56dとが表示される。
ここで分割可能数D56aが表示されることにより、持ちメダル数から最低残存数を除いた分割可能数が報知されるので、トラブルを回避できる。即ち、分割可能数の範囲内でしか分割数を設定できないのに、分割可能数ではなく持ちメダル数を表示した場合には、該持ちメダル数の範囲内で最低残存数を超えて分割数を設定しようとするとエラーになるため、トラブルが生じるが、本例の如く分割可能数を表示すれば、該トラブルを回避できる。また注意書きD56bが表示されることにより、分割可能数が、最低残存数を除いた値である旨が報知されるので、トラブルを回避できる。
なお分割数ボタン56cは、分割可能数の範囲内で選択可能な値のボタンが表示される。本例では分割可能数が124枚であるため、「50枚」と「100枚」のボタンが表示されるが、仮に分割可能数が200枚以上であれば、「200枚」のボタンも表示される。即ち分割数ボタン56cは、分割可能数の範囲内で、任意の値のボタンが任意の数だけ表示されれば良い。
図55に戻り、Sr45で分割数選択画面D56−1を表示した後、CPU181aは、分割数ボタン56cの操作による分割数の選択(Sr46),又は自由入力ボタン56dの操作による自由入力の選択(Sr47)を待機する。このSr46で分割数の選択が有ると(YES)、図31のSr21に進んで、持ちメダル数の分割を行う。
前記Sr47で自由入力の選択が有ると(YES)、CPU181aは、図56に示す分割数入力画面D56−2を液晶表示器123に表示する(Sr48)。このD56−2は、分割可能数の範囲内で、分割数の入力を受け付ける画面であり、具体的には、分割可能数D56aと、該分割可能数は持ちメダル数から分割元に残す最低残存数を引いてある旨の注意書きD56bとが表示されると共に、分割数の入力欄56eと、分割数の入力中における計数を禁止する旨の注意書き56fとが表示される。
図55に戻り、Sr48で分割数入力画面D56−2を表示した後、CPU181aは、分割数の入力(Sr49)を待機し、該分割の入力が有ると(YES)、該入力された分割数が分割可能数以下であるか否かを判定する(Sr52)。このSr52で、入力された分割数が分割可能数以下でない(NO)と判定した場合には、持ちメダルが不足している旨を液晶表示器123で表示することにより報知して(Sr43)、持玉分割処理を終了する。一方、Sr52で、入力された分割数が分割可能数以下である(YES)と判定した場合には、図31のSr21に進んで、持ちメダル数の分割を行う。
ここで、分割数の入力の待機中(Sr49)において、前記注意書き56fに背いて計数が有ると(Sr50でYES)、計数が有ったために持玉分割処理を終了する旨を液晶表示器123に表示して(Sr51)、持玉分割処理を一旦終了する。計数が行われて持ちメダル数(即ち受付中のカードに対応付けられたメダル数と計数されたメダル数との合算値)が増えると、分割数として入力可能な範囲が変わるからである。
一方、分割数の選択の待機中(Sr46)において計数が有っても、持玉分割処理は終了せずに続行する。計数が行われて持ちメダル数(即ち受付中のカードに対応付けられたメダル数と計数されたメダル数との合算値)が増えても、該増える前の持ちメダル数の範囲内で決定された分割数は選択可能であることに変わりないからである。
以上に説明した変形例1によれば、ビジターカードに対応付けられている持ちメダル数を分割する際に、会員カードに対応付けられた持ちメダル数を分割する場合よりも多い最低残存数が当該ビジターカードに残されるので、該残される持ちメダル数が少なすぎて当該ビジターカードが捨てられてしまうのを防止できる。
<変形例2>
図31に示す持玉分割処理では、Sr11で、持ちメダル数が貸出単位額相当数(例えば1000円に相当する20枚)の2倍以上であることを条件に、分割(即ちSr25又はSr33の処理)が実行されるが、この変形例2では、図57のSr42’に示すように、持ちメダル数が合算値(即ち分割元ビジターカードについて設定された最低残存数と分割先ビジターカードについて設定された最低残存数との合算値)を超えていることを条件に、分割が実行される。
メダル管理コンピュータ550では、最低残存数設定モードが実行されると、CPU552は、図示しない最低残存数設定処理を実行して、図57に示す最低残存数設定画面D57を表示装置557に表示する。このD57は、持玉分割処理を実行する際に受付中のビジターカード(即ち分割元ビジターカード)に残存させる最低残存数と、新たに発行するビジターカード(即ち分割先ビジターカード)に残存させる最低残存数とを設定する画面であり、具体的には、分割元ビジターカードの最低残存数を設定するための入力欄D57aと、分割先ビジターカードの最低残存数を設定するための入力欄D57bとが表示されると共に、分割元ビジターカードと分割先ビジターカードとで異なる値を入力できる旨の注意書きD57cが表示される。D57a及びD57bには、入力装置556の操作により数値が入力される。
このように、分割元ビジターカードと分割先ビジターカードとで異なる値を入力できることにより、例えば、分割先ビジターカードは必ず排出されるものなので、最低残存数をある程度多めに設定したり、また、分割元ビジターカードは分割処理後も遊技をすることが前提なので、最低残存数をある程度多めに設定したりと、様々な運用に対応できる。
D57a及びD57bへの入力と、「設定」ボタンの押下が有ると、最低残存数設定処理を終了する。この最低残存数設定処理で設定された、分割元ビジターカードの最低残存数及び分割先ビジターカードの最低残存数は、メダル管理コンピュータ550から各メダル貸出機100に対して送信され、該メダル貸出機100において、制御ユニット181のEEPROM181eで記憶される。このEEPROM181eは、最低有価価値(最低残存数)を設定する最低有価価値設定手段として機能するものである。
図58は、持玉分割処理の変形例2において、メダル貸出機100で実行される処理の一例を表すフローチャートである。メダル貸出機100のCPU181aは、図27のSg5で「持玉分割」ボタンの操作が有る(YES)と判定した場合には、図58に示す持玉分割処理を実行する(Sg15)。
まずCPU181aは、図31のSr1〜Sr3と同様の処理(即ち図19のSm21〜Sm23と同様の処理)を実行して、ビジターカードを受付中であるか否かを判定し(Sr41’)、ビジターカードを受付中でない(NO)、即ち会員カードを受付中であれば、前記図55のSr44に進み、ビジターカードを受付中であれば(YES)、持ちメダル数が前記合算値(即ち分割元ビジターカードについて設定された最低残存数と分割先ビジターカードについて設定された最低残存数との合算値)を超えているか否かを判定する(Sr42’)。このSr42’で、持ちメダル数が合算値を超えていない(NO)と判定した場合には、持ちメダルが不足している旨を液晶表示器123で表示することにより報知して(Sr43)、持玉分割処理を終了する。一方、Sr42’で、持ちメダル数が合算値を超えている(YES)と判定した場合には、前記図55のSr44に進む。
以上に説明した変形例2によれば、分割元ビジターカードに対応付けられている持ちメダル数を分割する際に、該持ちメダル数が、分割元ビジターカードに残存させる最低残存数と分割先ビジターカードに分割する最低残存数との合算値を超える場合に持玉分割処理が実行されることにより、最低残存数が当該分割元ビジターカードに残されるので、該残される持ちメダル数が少なすぎて当該分割元ビジターカードが捨てられてしまうのを防止できる。
<その他の変形例>
以上に述べた第7の実施の形態の変形例について説明する。なお、第1及び第7の実施の形態における持玉分割処理の変形例についても説明する。
上記の第1及び第7の実施の形態における持玉分割処理では、持ちメダル数を分割する例について説明したが、これに限らず、貯蓄メダル数,持玉数,貯玉数,プリペイド残額,又は遊技得点等の有価価値を分割するものであっても良い。
上記の第7の実施の形態では、図54及び図57に示すように、最低残存数をメダル管理コンピュータ550で設定して送信し、メダル貸出機100のEEPROM181eで記憶させる例について説明したが、これに限らず、例えばリモコンで設定して送信し、メダル貸出機100のEEPROM181eで記憶させるものであっても良く、またメダル貸出機100で直接設定してEEPROM181eで記憶させるものであっても良い。
上記の第7の実施の形態では、図54及び図57に示すように、最低残存数そのものを設定している例について説明したが、これに限らず、該最低残存数を設定するための導入値を設定するものでも良い。具体的には、導入値として50枚が設定されると、該導入値に対応して最低残存数が51枚と設定されるものでも良い。即ち最低有価価値設定手段は、分割処理を実行する際に受付記録媒体に残存させる最低有価価値を特定可能な設定値(分割元ビジターカード又は会員カードの最低残存数そのもの又は該最低残存数の導入値)と、新たなビジターカードに分割する最低有価価値を設定可能な設定値(分割先ビジターカードの最低残存数そのもの又は該最低残存数の導入値)とを設定するものであれば良い。
上記の変形例1では、図55のSr42に示すように、持ちメダル数がカード種別毎の最低残存数を「超えている」場合、具体的に本例では、持ちメダル数が、ビジターカードについて設定された最低残存数100枚を超えている(=持ちメダル数が101枚以上である)場合や、会員カードについて設定された最低残存数50枚を超えている(=持ちメダル数が51枚以上である)場合に、Sr44以下に進んで、該持ちメダル数が分割される例について説明した。即ち、この場合は、特許請求の範囲における最低有価価値>設定された最低残存数となる。しかしながら、これに限らず、持ちメダル数がカード種別毎の最低残存数「以上である」場合、具体的に本例では、持ちメダル数が、ビジターカードについて設定された最低残存数100枚以上である場合や、会員カードについて設定された最低残存数50枚以上である場合に、Sr44以下に進んで、該持ちメダル数が分割されるものであっても良い。即ち、この場合は、特許請求の範囲における最低有価価値=設定された最低残存数となる。
同様に、上記の変形例2では、図58のSr42’に示すように、持ちメダル数が合算値を「超えている」場合、具体的に本例では、持ちメダル数が、分割元ビジターカードについて設定された最低残存数100枚+分割先ビジターカードについて設定された最低残存数50枚を超えている(=持ちメダル数が151枚以上である)場合に、Sr44以下に進んで、該持ちメダル数が分割される例について説明した。即ち、この場合は、特許請求の範囲における最低有価価値>設定された最低残存数となる。しかしながら、これに限らず、持ちメダル数が合算値「以上である」場合、具体的に本例では、持ちメダル数が、分割元ビジターカードについて設定された最低残存数100枚+分割先ビジターカードについて設定された最低残存数50枚以上である(=持ちメダル数が150枚以上である)場合に、Sr44以下に進んで、該持ちメダル数が分割されるものであっても良い。即ち、この場合は、特許請求の範囲における最低有価価値=設定された最低残存数となる。
上記の第7の実施の形態では、図55及び図58のSr50に示すように、分割数入力画面D56−2の表示中に計数が有ると、持玉分割処理が終了される例について説明したが、該計数が有っても、持玉分割処理が続行されるようにしても良い。また分割数選択画面D56−1の表示中に計数が有っても、持玉分割処理が続行される例について説明したが、該計数が有ったら、持玉分割処理が終了されるようにしても良い。
上記の第1及び第7の実施の形態における持玉分割処理では、ビジターカードの持ちメダル数を分割する際に、図31に示すように、受付中のビジターカードのカード情報を退避し(Sr31)、該受付中のビジターカードに分割数を対応付けて分割先ビジターカードとして発行した後に(Sr33,Sr34)、貯留部から取り出したビジターカードに前記退避したカード情報を対応付けて分割元ビジターカードとする(Sr35,Sr36)例について説明したが、これに限らず、受付中のビジターカードの持ちメダル数から分割数を減算して当該ビジターカードを分割元ビジターカードとして一旦排出した後に、貯留部から取り出したビジターカードに分割数を対応付けて分割先ビジターカードとして発行し、前記排出した分割元ビジターカードの再挿入を促すもの(即ち会員カードの持ちメダル数を分割する場合のように、持ちメダル数から分割数を減算した会員カードを排出した後に(Sr22,Sr23)、貯留部から取り出したビジターカードに分割数を対応付けて発行し(Sr24,Sr25,Sr26)、前記排出した会員カードの再挿入を促すもの(Sr27))であっても良い。これによれば、分割元が会員カードの場合とビジターカードの場合とで、共通の処理を行うことができる。
なお、以上に述べた第7の実施の形態(変形例1,変形例2,及びその他の変形例)は、前述した第1〜第6の実施の形態のいずれにも適用可能である。
[第8の実施の形態]
第8の実施の形態は、メダル貸出機100において会員遊技者がメダルの貯蓄をすることができるものである。
図59は、メダル貸出機100の液晶表示器123に表示されるメニュー画面の別例を示す表示画面図である。第1の実施の形態では、図26に示すメニュー画面が表示されるが、第8の実施の形態では、会員カードを受付中の場合には、図59(a)に示すように、「カード貯蓄」ボタンが加えられたメニュー画面123aが表示され、会員携帯端末を受付中の場合には、図59(b)に示すように、「携帯貯蓄」ボタンが加えられたメニュー画面123bが表示される。
図60は、メダル貸出機100で実行されるメダル貯蓄処理の一例を表すフローチャートである。
メダル貸出機100のCPU181aは、前記メニュー画面123aで「カード貯蓄」ボタンの操作が有ると、図60(a)に示す会員カードのメダル貯蓄処理を実行する。まずCPU181aは、図31のSr1〜Sr3と同様の処理を実行して(Sw01〜Sw03)、持ちメダル数の範囲内で貯蓄数の入力を受け付ける貯蓄数入力画面(図示外)を液晶表示器123に表示して(Sw04)、貯蓄数の入力を待機し(Sw05)、貯蓄数の入力が有ると(YES)、会員ID,及び該入力された貯蓄数を含む貯蓄要求をメダル管理コンピュータ550に対して送信して(Sw06)、該メダル管理コンピュータ550から送信されてくする貯蓄完了通知の受信を待機する(Sw07)。前記貯蓄要求を受信したメダル管理コンピュータ550は、該貯蓄要求に含まれる会員IDに対応付けて図9(a)に示す会員貯蓄管理テーブルで管理している貯蓄メダル数に該貯蓄要求に含まれる貯蓄数を加算して、貯蓄完了通知を返信する。メダル貸出機100のCPU181aは、該貯蓄完了通知の受信が有ると(Sw07でYES)、図5(a)に示すカードテーブルで記憶している持ちメダル数から貯蓄数を減算すると共に貯蓄メダル数に貯蓄数を加算することによりカードテーブルを更新し(Sw08)、貯蓄が完了した旨を液晶表示器123に表示して(Sw09)、メダル貯蓄処理を終了する。
また、メダル貸出機100のCPU181aは、前記メニュー画面123bで「携帯貯蓄」ボタンの操作が有ると、図60(b)に示す会員携帯端末のメダル貯蓄処理を実行する。まずCPU181aは、会員携帯端末のかざしを要求する旨を液晶表示器123に表示して(Sw11)、端末リーダライタ170にかざされた会員携帯端末からの会員IDの取得を待機し(Sw12)、該会員IDの取得が有ると(YES)、該取得した会員IDが図5(a)に示すカードテーブルで記憶している会員IDと一致するか否かを判定し(Sw13)、一致しなければ(NO)、端末が違うので貯蓄できない旨を液晶表示器123に表示して(Sw14)、メダル貯蓄処理を終了し、一致すれば(YES)、前記Sw04に進む。これによれば、メダル貸出機100において会員携帯端末を使用して遊技をしている会員遊技者は、当該会員携帯端末を端末リーダライタ170にかざすことにより、メダルを貯蓄することができる。
[変形例]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) たとえば、前記実施の形態では、遊技媒体の一例としてメダルが適用されていたが、球状のパチンコ球(遊技球)を適用してもよい。
(2) また、前記実施の形態では、メダル貸出機100が設置される遊技場としてスロットマシン1やパチンコ機等が設置されるパチンコ店を例示しているが、本発明が適用される遊技場はゲームセンタなどであってもよい。
(3) また、前記実施の形態では、計数された正規メダルは排出口から遊技島に排出、回収されるようになっていたが、正規メダルを不正メダルと同様に筐体101内に貯留し、適宜回収するようにしてもよい。
(4) また、前記実施の形態では、計数装置190によりメダルが計数されたときに、制御ユニット181は、カードテーブル(図5(a)参照)の持ちメダル数に1を加算し(図22の計数処理のSc5参照)、不正メダル検出報知条件が成立したときに、制御ユニット181は、カードテーブル(図5(a)参照)の持ちメダル数から累積不正メダル数の値を減算するようになっているが(図23の不正メダル処理のSd8参照)、その他の態様であってもよい。たとえば、計数装置190によりメダルが計数されたときに、制御ユニット181は、持ちメダル数に1を加算することを保留して保留カウント値に記録しておき、不正メダル検出報知条件が成立しなかったときに、保留カウント値を持ちメダル数に加算するようにしてもよい。
(5) また、前記実施の形態では、計数装置190により計数されるメダルの真贋を判定するようにしているが、払出装置182によりメダルが払い出される際に、該メダルの真贋を判定するようにし、不正メダルを払出装置182内の貯留部に貯留して、不正メダルの払い出しを防止するようにしてもよい。そして、払出装置182内の貯留部が満タンになったとき、および閉店時(営業終了時)に所定量のメダルが貯留されているときに、払出装置182内の貯留部の不正メダルを回収するように促す報知を行なうようにしてもよい。すなわち、本発明の遊技用装置は、メダルなどの遊技媒体を計数する計数装置および遊技媒体を払い出す(貸し出す)払出装置(貸出装置)のうちいずれか一方または双方を備える遊技用装置を含む。
(6) また、前記実施の形態では、遊技場の営業終了時において、メダル管理コンピュータ550から各メダル貸出機100に対して、締め関連処理(営業終了処理)を実行する要求を行なう締め関連処理要求を受信したときに、メダル貯留ボックスのメダルの枚数が所定枚数(第2貯留量)に達しているときにはその旨が報知されるようになっているが、所定枚数(第2貯留量)に達しているときに報知するタイミングは、遊技場の営業終了時のみならず、営業時間中に報知を行なってもよいし、対応するスロットマシン1が待機状態(遊技が行なわれていない状態)であるときに報知を行なうようにしてもよい。
(7) また、前記実施の形態では、締め関連処理(営業終了処理)を実行する要求を行なう締め関連処理要求の受信に基づいて、メダル貯留ボックスのメダルの枚数が第2貯留量に達しているときにはその旨が報知されるようになっているが、締め関連処理要求以外の他の要求を受信したことに基づいて報知を行なうことを可能としてもよい。
さらに、前記実施の形態では、締め関連処理においてメダル貯留ボックスのメダルの枚数が第2閾値(第2貯留量)に達しているか否かを判定し、第2閾値に達しているときに報知するようになっていたが、第2閾値に達しているか否かを判定するタイミングは種々に変更可能であり、第2閾値に達しているか否かを常時判定するようにし、達したと判定した場合にその旨を記憶(たとえば所定のフラグを設定するなど)しておき、遊技場の営業終了に際して達したと判定した旨が記憶されているか否か(所定のフラグが設定されているか否か)を判定し、記憶されていれば報知を行なうようにしてもよい。
(8) また、前記実施の形態では、メダル貯留ボックスのメダルの枚数が回収が必要となる所定枚数である第1閾値(第1貯留量)に達したときにその旨が報知されるようになっているが、達したときに報知を行なわなくても、たとえば、営業終了後に報知するようにしてもよく、たとえば、締め関連処理において第1閾値に達した旨が報知されるようにしてもよい。
(9) また、前記実施の形態では、不正メダル関係設定画面において設定を行なう際に、第1閾値(第1貯留量)としての「満タン時報知条件」に「100枚」と設定され、第2閾値(第2貯留量)としての「閉店時報知条件」に「50枚」と設定されており、第1閾値と第2閾値とが異なる枚数として設定されているが、第1閾値と第2閾値とが同じ
枚数になるように設定してもよい。
(10) また、前記実施の形態では、メダル貸出機100は、メダル貯留ボックスのメダル貯留量が第1閾値(第1貯留量)または第2閾値(第2貯留量)になった旨を光により報知する状態報知ランプ111を備えていたが、音を出力可能なスピーカや所定の画像にて報知する表示装置を備えていてもよい。さらに、メダル貸出機100は、メダル貯留ボックスのメダル貯留量が第1閾値または第2閾値になった旨を外部機器(メダル管理コンピュータ550など)に出力可能な機能を有していれば、必ずしもこのような報知手段を備えていなくても、電気的に接続された外部機器などに備えられていてもよい。
(11) また、前記実施の形態では、各メダル貸出機100において、個々に正規メダルの登録を実施する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの正規メダルの画像を、メダル管理コンピュータ550から各メダル貸出機100に配信して、一斉に登録できるようにしても良いし、正規メダルの画像が記憶されたフラッシュメモリ等の記憶媒体を個々のメダル貸出機100に装着して登録を実施するようにしても良い。
(12) 前述した実施の形態においては、持ちメダル数(持玉数)をメダル貸出機100(カードユニット750)に残したまま、プリペイド残額のみが入金残額対応カードに対応付けられて外部に排出されるようにした。その結果、計数されたメダル(遊技球)がある場合に、受付けられた貨幣のうちメダルの貸与に用いられていないプリペイド残額を用いたメダル貸しが誤って行なわれてしまうことを防止することができる。
一般に、プリペイド残額を用いてメダル等の遊技媒体を貸与する場合の遊技媒体の単価の方が、持ちメダルを景品に交換するときの遊技媒体の単価よりも高い。このため、単価の低い持ちメダルを用いて遊技をした方が、単価の高い貸与されたメダルを用いて遊技をするよりも、少ない価値でより多くの遊技をすることができるため、遊技者にとって有利である。したがって、持ちメダルがあるのに、プリペイド残額を用いたメダル貸しが誤って行なわれてしまうことを防止できることは、遊技者にとっては有効である。
(13) カードユニット750は、カードの返却操作があったときに、その旨を示す信号をパチンコ遊技機701へ送信するようにしてもよい。パチンコ遊技機701は、その信号を受けて、カードが排出されている旨を報知するようにしてもよい。このようにすれば、誤って返却ボタンに触れてしまった場合であっても、カードが排出されている旨が報知されるので、カードの取得忘れが無く、カードの盗難を防止することができる。カードの返却操作が有った旨を示す信号をパチンコ遊技機701ではなく、呼出ランプ200に送信して、呼出ランプ200で、カードが排出されている旨を報知するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、会員カードが完全ID管理方式、ビジターカードが完全ID方式に加えてカードにも情報を記録する方式であることとした。完全ID管理方式とは、カードには、カードIDなどの識別情報のみを記録し、残額、持玉、および、貯玉などの管理は、当該識別情報に対応付けて管理コンピュータで行なう方式である。
しかし、これに限定されず、会員カード、ビジターカードが、いずれも完全ID管理、いずれもカードに記憶、いずれも併用、いずれか一方が完全ID管理、他方がカードに記憶、いずれか一方が併用、他方が完全ID管理、いずれか一方が併用、他方がカードに記憶など、残額、持玉、貯玉の管理方式として、様々な方式を採用することが可能である。
(15) 図28の残額取出処理のSh15で入金残額対応カードを排出する際に遊技者の顔を撮像して記憶しておくようにしてもよい。そして、図18の発行・入金処理のSk1、図19の返却処理のSm13、図21の再プレイ処理のSp3、図29のカード後挿入処理のSj11などで、残額排出フラグがオン状態であるか否かを判断することに加えて、残額排出時の遊技者の顔と現在の遊技者の顔とが一致するか否かを判断して、オン状態であり、かつ、顔が一致した場合に、以後の処理に進むようにしてもよい。これにより、顔が一致せず、入金残額対応カードを所持していない遊技者であるような場合は、以後の処理に進む必要がないので、無駄な処理を実行しないようにすることができる。
特に、図29のカード後挿入処理の場合は、入金残額対応カードを遊技者がカード挿入口から出た状態のまま放置しているような場合に、他者が、図26の「カード後挿入」ボタンを操作して、そのカードを挿入したとしても、顔が一致しないため、当該カードにメダル貸出機100の内部の持ちメダル数を対応付ける処理が行なわれないので、当該持ちメダルを盗み取ることができない。
(16) 前述した実施の形態においては、図28の残額取出処理において、Sh15で入金残額対応カードを排出した後、Sh18で持ちメダル対応カードを発行するようにした。このときに、図7で示した会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルにおいて、入金残額対応カードのカードIDと、持ちメダル対応カードのカードIDとを、対応付けるようにしてもよい。または、対応する入金残額対応カードまたは持ちメダル対応カードが存在するか否かを示すフラグを記憶するようにしてもよい。
つまり、入金残額対応カード、および、対応する持ちメダル対応カードを、対応付けて管理するようにしてもよい。この管理は、カード管理コンピュータ500などの管理装置で行なわれるようにしてもよいし、メダル貸出機100などの遊技用装置で行なわれるようにしてもよい。
そして、精算装置580で、入金残額対応カードが受付けられた場合に、プリペイド残額の問合せ時に、当該カードIDに対応して当該フラグが記憶されているか否かを、カード管理コンピュータ500に問合せて、持ちメダル対応カードが存在する旨の応答があった場合のみ、持ちメダル対応カードの存在を報知するようにしてもよい。
これにより、入金残額対応カードで特定される残額を精算するときに、必要な場合のみ、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダル数のメダルの景品への交換を遊技者に喚起することができる。その結果、無駄な報知を行なうことなく、景品交換忘れを防止することができる。
また、別のメダル貸出機100またはカードユニット750などの遊技用装置で、入金残額対応カードまたは持ちメダル対応カードが受付けられた場合に、対応する持ちメダル対応カードまたは入金残額対応カードが存在するか否かを、カード管理コンピュータ500に問合せて、存在する旨の応答があればその旨を遊技者に報知するようにしてもよい。
これにより、遊技者が他の遊技機に移った場合であっても、対応する持ちメダル対応カードまたは入金残額対応カードが存在を報知することができる。その結果、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダルがあるのに、入金残額対応カードで特定されるプリペイド残額が使用されて遊技媒体の貸与が行なわれてしまうことを防止することができる。また、持ちメダル対応カードで特定される持ちメダルが無くなった場合に、入金残額対応カードで特定されるプリペイド残額が有る旨を遊技者に報知することができるので、無駄な入金を防止することができる。
(17) 前述した実施の形態においては、会員カードまたはビジターカードに対する機能の設定および実行されている処理は、当該遊技場のみで引継がれるようにした。しかし、これに限定されず、他の遊技場でも引継がれるように構成してもよい。
(18) 前述した図29のSj20で説明した特定の機能として、メダル貸出機100などの遊技用装置は、メダル貸出機100のディスプレイ123および呼出ランプ200での大当り回数および大当り間変動回数などの遊技情報の表示方法(たとえば、表示内容、レイアウトなど)をカスタマイズする表示画面カスタム機能を備えるようにしてもよい。遊技者によって重視する指標などが異なるが、当該機能を備えることによって、遊技者の希望に合わせた遊技情報の表示とすることができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。また、この機能での表示方法などの設定も、図29のSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、さらに他の機能を備えるようにしてもよい。たとえば、ディスプレイ123または呼出ランプ200に表示させるアバターおよび背景などの表示のデザインをカスタマイズする表示デザインカスタム機能を備えるようにしてもよい。これにより、遊技者の趣向にあった表示デザインとすることができるので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。この機能でのデザイン内容の設定も、図29のSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、1玉当りの単価の低い(たとえば、1玉1円)低貸玉遊技機(たとえば、1メダル5円のスロットマシン、1玉1円のパチンコ遊技機)での遊技を優先するか、1玉当りの単価が通常である通常貸玉遊技機(たとえば、1メダル20円のスロットマシン、1玉4円のパチンコ遊技機)での遊技を優先するかを選択設定しておき、設定と異なる遊技機のメダル貸出機またはカードユニットに、当該機能の設定がされたカードが挿入された場合に、設定と異なる旨を報知する機能を備えるようにしてもよい。これにより、遊技をしたい玉単価の遊技機の選択を遊技者が誤らないようにすることができる。この機能での選択の設定も、図29のSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、持玉での遊技を優先するか、貯玉での遊技を優先するかを選択設定しておき、設定された持玉または貯玉を優先して使用する機能を備えるようにしてもよい。これにより、優先したい持玉または貯玉を用いて遊技をすることができる。この機能での選択の設定も、図29のSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、遊技を開始してからの遊技に使用した金額が、所定の金額(遊技者が設定した金額であってもよいし、予め定められた金額、たとえば、30000円などであってもよい)以上(または超)となったときに、その旨を報知または遊技を制限するめり込み制限機能を備えるようにしてもよい。これにより、遊技者の遊技へののめり込みを制限することができる。この機能での所定の金額の設定も、図29のSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、前述した図29のSj20で説明した特定の処理として、こののめり込み制限機能において、遊技を開始してからの遊技に使用した金額を積算する処理を実行するようにしてもよい。この機能での使用金額の積算処理も、図29のSj20の処理で、後から挿入されたカードに引継がれるようにしてもよい。
また、特定の機能として、遊技において他の遊技者との玉またはメダルなどの遊技媒体の共有が禁止されているような場合に、顔認証により異なる遊技者であると判断した場合に、その旨を店員に報知または遊技を制限する共有禁止機能を備えるようにしてもよい。これにより、共有の禁止を確実にすることができることに伴ない、遊技店側に不利な状況を抑制できる。さらに、遊技店側がスロットマシンの遊技の抽選確率の設定を高くすることなどができるようになるので、遊技者にとって有利な状態とすることもできる。
また、特定の機能としての各台計数機能において、メダルまたはパチンコ玉などの遊技媒体の計数する処理が実行されているときに、会員カードが受付けられていない状態であれば、会員カードの挿入を促し、後から挿入された会員カードに、当該遊技媒体の計数処理が引継がれるようにしてもよい。これにより、会員カードでの貯玉および貯メダルのための処理を行ない易くすることができる。
また、特定の機能としてドリンク注文機能において、ドリンクを提供する係員が先に受付けられているカードの持玉数からドリンクの対価を精算する処理が実行されている途中で、持玉が足りないために、持玉が記録されたカードが後から挿入された場合は、精算する処理が引継がれるようにして、後から挿入されたカードから、足りない分の対価を後挿入されたカードの持玉から精算するようにしてもよい。
(19) 図29のSj20の処理で、機能の設定および機能の実行されている処理を、後から挿入されたカードに引継ぐか否かを確認する処理を実行するようにしてもよい。
(20) メダル管理コンピュータ550またはカード管理コンピュータ500で、記録媒体に対する機能の設定および実行されている処理が管理されるようにした。しかし、これに限定されず、ホールコンピュータ540などの他の管理装置で管理されるようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態においては、少量貸し有効フラグは、メダル貸出機100などの遊技用装置の図5で示したようなカードテーブルのみに記憶されるようにして、カード管理コンピュータ500などの管理装置の図7で示したような会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルには記憶されないようにした。つまり、少量貸し機能は、管理装置では管理しないようにした。しかし、これに限定されず、少量貸し機能についても、他の機能と同様、管理装置で管理するようにしてもよい。
(22) 図7(b)のビジターカードテーブルに記憶されている機能の設定(たとえばカードロック有効フラグ、暗証番号など)は、当該ビジターカードの利用状況が利用中でなく保管中になった場合、および遊技店の締め処理時に、クリアされる。図7(a)の会員カードテーブルに記憶されている機能の設定(たとえばカードロック有効フラグ)は、遊技店の締め処理時にクリアされるようにしてもよいし、されないようにしてもよい。
また、特定の機能の設定(たとえば、盗難カード制限機能の盗難カードフラグ)は、遊技店の締め処理時であっても、クリアされないようにすることが好ましい。後日、盗難カードが使用された場合であっても、当該カードの使用を制限するためである。
(23) 前述した実施の形態においては、図29で示したように、後から挿入されたカードに、前のカードの持ちメダル数を合算するようにした。しかし、これに限定されず、後から挿入されたカードに、前のカードのプリペイド残額を合算するようにしてもよいし、持ちメダル数およびプリペイド残額を合算するようにしてもよい。
(24) 前述したメダル管理コンピュータ550、ホールコンピュータ540、および、カード管理コンピュータ500などの管理装置は、いずれか少なくとも2つが兼用されるようにしてもよい。
(25) 前述した実施の形態においては、図7で示したように、カード管理コンピュータ500で、カードロック機能の設定であるカードロック有効フラグおよび暗証番号、ならびに、盗難カード制限機能の設定である盗難カードフラグが管理されるようにした。また、図9および図11で示したように、メダル管理コンピュータ550で、遊技履歴集計機能の実行されている処理である履歴集計処理が管理されるようにした。また、図5で示したように、メダル貸出機100で、少量貸し機能の設定である少量貸しフラグが記憶されるようにした。
しかし、これに限定されず、各機能の設定および各機能の実行されている処理は、いずれの管理装置で管理されるようにしてもよいし、メダル貸出機100またはカードユニット750などの遊技用装置でのみ記憶されるようにしてもよい。
(26) 遊技用装置には、メダル貸出機100およびカードユニット750の他、各台計数機能のみを有し、持玉数または持ちメダル数を特定可能な情報(たとえば、持玉数または持ちメダル数自体、または、管理装置で対応付けて記憶された持玉数または持ちメダル数を特定可能なカードID)がカードに記録されるような装置も含まれる。
(27) 遊技履歴集計機能で集計されている遊技履歴を、メダル貸出機100またはカードユニット750などの遊技用装置から有線または無線で、遊技者の携帯端末に送信できるように構成してもよい。
(28) 前述した実施の形態においては、図29のSj20で説明したように、後挿入されたカードが会員カードである場合は、カードロック機能の暗号番号の設定を、引継がないようにした。つまり、後挿入された記録媒体が会員用の記録媒体である場合、先に挿入されていた記録媒体に対する機能の設定を、後挿入された記録媒体に引継がないようにした。
しかし、これに限定されず、後挿入された記録媒体が会員用であっても非会員用であっても、先に挿入されていた記録媒体に対する機能の設定を、後挿入された記録媒体に引継がないようにしてもよい。
また、先に挿入されていた記録媒体に対する機能の設定自体をそのままでは引継がずに、内容や形式が変更された設定を、後挿入された記録媒体に対して引継ぐようにしてもよい。たとえば、図29のSj20において、先に挿入されていたビジターカードの暗証番号の設定をそのままでは引継がずに、後に挿入された会員カードに対して予め設定された暗号番号の設定を、後挿入された会員カードに対して引継ぐようにしていると考えることもできる。
(29) 前述した実施の形態においては、記録媒体処理装置が、記録媒体としてカードを用いるメダル貸出機100およびカードユニット750であることとして実施の形態を説明した。しかし、記録媒体処理装置が用いる記録媒体は、カードに限定されず、他の記録媒体であってもよい。たとえば、コイン状の記録媒体であってもよいし、メモリカード状の記録媒体であってもよいし、遊技者が所持する携帯端末を記録媒体として用いるものであってもよい。
(30) 前述した実施の形態においては、メダル貸出機100のような遊技用装置によって、持玉数および貯玉数はメダル管理コンピュータ550のような管理装置から取得されるようにした。しかし、これに限定されず、遊技用装置によって、会員カードおよびビジターカードのような記録媒体から取得されるようにしてもよい。
(31) 前述したメダル貸出機100およびカードユニット750などの遊技用装置、ならびに、メダル管理コンピュータ550、ホールコンピュータ540およびカード管理コンピュータ500などの管理装置のそれぞれで実行される機能は、遊技用装置および管理装置のいずれで実行されるようにしてもよい。
(32) 前述した実施の形態においては、図22の計数処理のSc31およびSc32で説明したように、メダル検出センサ190hでメダルが検出されるたびに、計数する残り時間を10秒にリセットするようにした。しかし、これに限定されず、計数対象のメダルが無くなったと判断できるまで計数するようにすれば、他の方法であってもよい。たとえば、図×のフォトセンサ190eでメダルが検出されるたびに、計数する残り時間を所定時間(たとえば、10秒)にリセットするようにしてもよい。
(33) 前述した実施の形態においては、図22の計数処理で回転ディスク190gが回転されている場合であっても、図15のSb21の貸出処理およびSb24の再プレイ処理でのメダルの払出しにおいて払出装置182の動作を特に不能動化させていない。しかし、これに限定されず、回転ディスク190gおよび払出装置182のいずれか一方が動作中は他方の動作を不能動化させるようにしてもよい。それぞれの動作にはモータを駆動させる必要があるが一方しか動作させないようにすることによって、必要な電力量を抑制することができる。なお、パチンコ玉を計数する場合は、モータ等を用いる必要はないので、計数と払出しとを同時に行なうようにしても、電力量の問題が生じることはない。
(34) 前述した実施の形態においては、メダル貸出機100などの遊技用装置において、会員カードやビジターカードなどのカード、および、携帯端末といった2つの記録媒体を受付けることが可能であることとした。そして、一方の記録媒体に対応する持玉および貯玉などの遊技媒体数が表示されているときには、他方の記録媒体に基づく遊技媒体の払出しも不能動化するように制御した。
しかし、これに限定されず、両方の記録媒体に対応する持玉および貯玉などの遊技媒体が異なるものである場合は、一方の記録媒体に対応する遊技媒体数が表示されているときには、他方の記録媒体に基づく遊技媒体の払出しを不能動化しないようにしてもよい。これにより、一方の記録媒体での再プレイができない場合であっても、他方の記録媒体での再プレイができる。その結果、遊技の流れで緊急的に遊技媒体が必要になったときなどに、有価価値に基づいて遊技媒体の貸与を受ける必要を無くすることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
(35) 前述した第1の実施の形態から第5の実施の形態の技術は、矛盾しない限り、相互に自由に組合せることができる。
(36) 前述した実施の形態においては、メダル貸出機100に内蔵で計数装置190が備えられるようにした。しかし、これに限定されず、メダル貸出機100などの遊技用装置の外付けとして各台計数機が備えられるようにしてもよい。
(37) 前述した実施の形態においては、メダル貸出機100などの遊技用装置から、有価価値(プリペイド残額もしくは貨幣)または持玉数もしくは貯玉数に基づいて遊技媒体(メダル)が払出されるもの、および、遊技用装置からの制御信号に従ってパチンコ遊技機701から、有価価値(プリペイド残額もしくは貨幣)または持玉数もしくは貯玉数に基づいて遊技媒体(パチンコ玉)が払出されるものを示した。しかし、これに限定されず、有価価値または持玉数もしくは貯玉数に基づく遊技媒体が、異なる装置(たとえば、異なる遊技用装置)から払出されるものであってもよい。
(38) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。