以下、図面を参照して本発明に係る遊技用装置及び遊技用システムを実施するための形態を説明する。本発明は、以下に説明する第1の機能,第2の機能,及び第3の機能を有する。
[1.第1の機能]
「遊技用システム1の構成]
まず、図1は、本実施形態に係る遊技用システム1の全体像を示すシステム構成図である。遊技用システム1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に並設される遊技機であるカードリーダ式パチンコ機(以下パチンコ機と略称する)2と、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、遊技機における遊技に使用される遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出すための処理や、対応するパチンコ機2における遊技にて獲得されたパチンコ玉を計数するとともに、該計数済みのパチンコ玉数の範囲内のパチンコ玉の払出(返却)を行うカードユニット3と、カードユニット3にて使用されるビジターカードや会員カードのプリペイド残額の管理等を行う残額管理装置100と、各カードユニット3において計数された計数玉数を持玉数として管理する持玉数管理を行う持玉管理装置140と、会員カードを所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する所有価値としての貯玉数の管理を行う会員管理装置150と、遊技場内の景品カウンタに設けられて景品交換を行うための景品交換用POS端末170と、から主に構成されている。
ビジターカード及び会員カードには、カードユニット3に入金された貨幣相当の金額のうち、パチンコ玉の払出(プリペイド払出)に使用されていない残額がプリペイド残額として記録される。遊技者は、カードユニット3にビジターカード又は会員カードを挿入することによって、記録されているプリペイド残額を使用して、パチンコ玉の払出(プリペイド払出)を受けることができる。このように、ビジターカード及び会員カードは、プリペイド機能を備えているものである。残額管理装置100では、ビジターカード及び会員カードを識別可能なカードIDに対応付けて当該カードに対応するプリペイド残額を管理している。
そして、これら本実施の形態の遊技用システム1を構成する各装置は、図1に示すように、ハブ(HUB)7並びに通信ケーブル8を介して双方向のデータ通信が可能に接続されていて、各接続機器にはそれぞれローカルIPアドレスが付与されてローカルエリアネットワーク(LAN)が形成されており、該ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているこれら各装置には、当該装置を個々に識別可能な装置IDが付与されている。なお、カードユニット3は遊技機と1対1に対応して設けられており、カードユニット3を識別することによって対応する遊技機も識別可能となるため、以下の説明において、カードユニット3の装置IDを「台番号」と称する場合がある。
この実施の形態において、各カードユニット3と会員管理装置150とは、持玉管理装置140を介して通信を行うものとする。即ち、持玉管理装置140は、カードユニット3と会員管理装置150との間の通信を中継するものである。また、残額管理装置100及び持玉管理装置140には、通信可能に接続された各カードユニット3の装置ID(台番号)とローカルIPアドレスとが対応付けられた不図示のIPアドレステーブルが記憶されている。これにより、カードユニット3のローカルIPアドレスから当該カードユニット3の装置IDを特定可能であり、カードユニット3の装置IDから当該カードユニット3のローカルIPアドレスを特定可能である。
なお、本実施の形態の残額管理装置100は、上述したように、各会員カード並びに各ビジターカードに残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理しているとともに、通信回線11を介して、これら会員カードやビジターカードを管理する遊技場外のカード管理会社に設置された残額管理サーバ12と双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら残額管理サーバ12に対して残額管理装置100から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該残額管理サーバ12にて各遊技場の会員カード及びビジターカードによる売上げ等を把握できるようになっている。
また、本実施の形態の会員管理装置150は、上述したように、各会員カードから読み取られる情報(カードID及び会員番号)に関連付けられた貯玉数(所有価値)を管理しているとともに、通信回線11を介して、各遊技場に対応した口座に預け入れられている貯玉数を管理する遊技場外の貯玉管理機関に設置された貯玉管理サーバ15と双方向のデータ通信を実施できるように接続されていて、これら貯玉管理サーバ15に対して会員管理装置150から、各種の管理情報が送信されることにより、貯玉管理機関は、該貯玉管理サーバ15にて各遊技場に対応した口座に預け入れられている貯玉数等を把握できるようになっている。
また、カードユニット3とパチンコ機2とは、図3に示すように、払出単位として予め定められた一単位数(本実施の形態では25)のパチンコ玉の払出に伴う各種の信号を送受可能に接続されていて、具体的には、後述するPRDY信号線、BRDY信号線、BRQ信号線、及びEXS信号線が接続されている。
(パチンコ機)
はじめに、本実施の形態に用いた遊技機であるパチンコ機2について、以下に簡単に説明する。パチンコ機2は、図2に示すように、その前面に遊技領域26、上皿23、下皿24及び発射ハンドル25等を備えると共に、上皿に払出ボタン21及び返却ボタン22を備え、図3に示すように、その内部に遊技制御基板27、払出制御基板28、及び玉払出装置29等を備えており、これらの各構成要素は図3に示すように接続されている。
遊技制御基板27は、遊技領域26に設けられた各入賞口へのパチンコ玉の入賞を検出してパチンコ機2における遊技(例えば、特別図柄の可変表示や特別可変入賞装置33の開放制御等)や、遊技状態(例えば、特別図柄の停止表示結果が特定表示結果となる確率が低確率である低確率状態と、特別図柄の停止表示結果が特定表示結果となる確率が低確率状態よりも高い高確率状態等)を制御するものである。
払出制御基板28は、カードユニット3の制御ユニット328と通信可能に接続されており、パチンコ機2とカードユニット3との間における通信を司るものである。プリペイド残額、持玉数、及び貯玉数のいずれかを減算して、予め定められた一単位数(25)の倍数に相当する個数のパチンコ玉を払い出すときに、払出制御基板28と制御ユニット328との間で貸出関連信号の送受信が行われる。
また払出制御基板28は、玉払出装置29と接続され、該玉払出装置29を制御するものである。玉払出装置29は、払出制御基板28と制御ユニット328との通信に基づいて予め定められた一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉を払い出すと共に、遊技領域27に設けられた入賞口へのパチンコ玉の入賞に基づいて遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
払出ボタン21は、対応するカードユニット3のカードリーダライタ327(以下カードR/W327と略記する)にて受け付けたビジターカード又は会員カードから読み取られるカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額を減算してパチンコ玉を払い出すプリペイド払出を行うための払出操作を受け付けるボタンである。この払出ボタン21が操作されたことを払出ボタンスイッチ21aが検出すると、制御ユニット328との間に設けられている払出入力信号線を介して制御ユニット328に払出入力信号が入力され、制御ユニット328が払出ボタン21が操作された旨を認識して、プリペイド残額を使用して一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉を払い出すための払出制御基板28との通信を実行する。
返却ボタン22は、対応するカードユニット3のカードR/W327にて受け付けたビジターカード又は会員カードを返却するための返却操作を受け付けるボタンである。この返却ボタン22が操作されたことを返却ボタンスイッチ22aが検出すると、制御ユニット328との間に設けられている返却入力信号線を介して制御ユニット328に返却入力信号が入力され、制御ユニット328が返却ボタン22が操作された旨を認識して、カードR/W327にて受付中のビジターカード又は会員カードを返却する。
このパチンコ機2では、発射ハンドル25が操作されると、上皿23から発射位置に供給されたパチンコ玉が遊技領域26に打ち込まれて遊技が行われる。本例では、1分間に最高100玉のパチンコ玉が打ち込まれる。パチンコ玉が遊技領域26に設けられた各入賞口に入賞した場合には、各入賞口に応じた数の賞球が玉払出装置29により払い出される。
パチンコ玉が遊技領域26に設けられた始動入賞口31に入賞すると、入賞したパチンコ玉が始動入賞スイッチ(図示せず)により検出され、始動入賞スイッチによる検出に基づいて始動入賞口に応じた数の賞球が玉払出装置29から払い出されると共に、特別図柄可変表示装置32において特別図柄の可変表示(変動表示)が実行される。特別図柄の停止表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り図柄)となったときには、特別可変入賞装置33が開放制御される特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、大入賞口へのパチンコ玉の入賞が可能となる。大入賞口に入賞したパチンコ玉が大入賞スイッチ(図示せず)により検出されると、大入賞口に応じた数の賞球が玉払出装置29から払い出される。
また、パチンコ玉が遊技領域26に設けられたゲート34を通過すると、ゲートスイッチ(図示せず)により検出される。ゲートスイッチによる検出に基づいて普通図柄可変表示装置35において普通図柄の可変表示(変動表示)が実行され、普通図柄の停止表示結果が予め定められた当り表示結果(当り図柄)となったときには、可変入賞装置36(所謂電動チューリップ)が開放制御される。可変入賞装置36に入賞したパチンコ玉も始動入賞スイッチ(図示せず)により検出され、始動入賞スイッチによる検出に基づいて始動入賞口に応じた数の賞球が玉払出装置29から払い出されると共に、特別図柄可変表示装置32において特別図柄の可変表示(変動表示)が実行される。
また、パチンコ玉が遊技領域26に設けられた一般入賞口37に入賞すると、入賞したパチンコ玉が一般入賞スイッチ(図示せず)により検出され、一般入賞スイッチによる検出に基づいて一般入賞口に応じた数の賞球が玉払出装置29から払い出される。
ここで、特別図柄の停止表示結果が、大当り図柄のうちの確変大当り図柄となったときには、大当り遊技状態終了後に、低確率状態よりも大当り遊技状態に制御される割合が高められた(特別図柄の停止表示結果が特定表示結果となる確率が低確率状態よりも高い)高確率状態に移行すると共に、(1)普通図柄の可変表示時間及び特別図柄の可変表示時間が低ベース状態よりも短縮され、(2)普通図柄の停止表示結果が当り表示結果となる確率が低ベース状態よりも高められ、且つ、(3)可変入賞装置36の開放制御時間が低ベース状態よりも長い(及び/又は可変表示装置36の開放制御回数が低ベース状態よりも多い)高ベース状態に移行される。
また、特別図柄の停止表示結果が、大当り図柄のうちの通常大当り図柄となったときには、大当り遊技状態終了後に、低確率状態に制御されると共に、上記(1)〜(3)の制御が行われる高ベース状態に移行する。即ち、確変大当りが発生すると、大当り遊技状態終了後に高確率/高ベース状態に制御され、通常大当りが発生すると、大当り遊技状態終了後に低確率/高ベース状態に制御されるものとする。
例えば、高確率状態/高ベース状態は、次の大当り遊技状態に制御されるまで継続される。また、低確率/高ベース状態は、大当り遊技状態終了後に予め定められた回数の特別図柄可変表示が実行されるまで継続され、予め定められた回数の特別図柄可変表示が実行されるまでに次の大当り遊技状態が発生しなければ、低確率/低ベース状態に制御される。なお、高確率/高ベース状態は、大当り遊技状態終了後に予め定められた回数の特別図柄可変表示が実行されるまで継続され、予め定められた回数の特別図柄可変表示が実行されるまでに次の大当り遊技状態が発生しなければ、低確率/低ベース状態に制御されるようにしても良い。
パチンコ機2の下方には、該パチンコ機2において遊技に使用されて、該パチンコ機2から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器40が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかったパチンコ玉は遊技領域26の最下部に設けられているアウト口38に取り込まれる。アウト口38に侵入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉計数器40によって計数される。また、いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉もアウト玉流下経路を流下してアウト玉計数器40によりアウト玉として計数される。従って、アウト玉計数器40によって、遊技領域26に打ち込まれた(遊技に使用された)遊技媒体数を計数可能となっている。
10個のアウト玉が計数される毎にアウト玉計数器40から対応するカードユニット3の制御ユニット328にアウト信号が出力される。アウト信号は所定幅のパルス信号であり、制御ユニット328では、アウト信号が入力されたことに基づいてカウント値を減算する。
遊技制御基板27に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ(図示せず)は、入賞検出に応じて、払出制御基板28に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ(図示せず)に、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、玉払出装置29を駆動する。玉払出装置29には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が玉払出装置29から払出される。
払出制御基板28において、10個の賞球が払い出される毎にセーフ信号が遊技制御基板27に入力される。そして、遊技制御基板27に入力されたセーフ信号は、遊技制御基板27上をそのまま経由して(遊技制御用マイクロコンピュータは経由することなく)パチンコ機2の裏面側上部に設けられたターミナル基板(図示せず)を介して対応するカードユニット3の制御ユニット328に出力される。セーフ信号は所定幅のパルス信号であり、制御ユニット328では、セーフ信号が入力されたことに基づいてカウント値を加算する。
なお、セーフ信号は、入賞に応じて予め定められた数の賞球が付与される入賞口にパチンコ玉が入賞したことに基づいて払い出された賞球数(セーフ数)を外部装置で特定可能とするための出力信号であり、プリペイド払出、持玉払出、貯玉払出により遊技者が所有する価値(プリペイド残額、持玉数、貯玉数)を使用してパチンコ玉が払い出されるときには、セーフ信号は出力されない。
払出制御基板28の制御により入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大入賞口等)に応じた数の賞球が玉払出装置29から払い出されると、該払い出された賞球は、まず上皿23に導かれ、該上皿が満タンになると下皿24に導かれる。下皿24の前面には、下皿24の底板に固定されたレバー24aが設けられている。遊技者がレバー24aを操作する(図2の例では左側に引く)ことにより、下皿24の底板がスライドして下皿24の底面が開放され、下皿24に導かれた賞球は、下皿24から落下して計数・端数払出ユニット340に投入される。
(記録媒体)
次に、本実施の形態にて使用されるビジターカードと会員カードとについて、簡潔に説明すると、本実施の形態に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用している。これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まるカードIDが予め書き換え不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員番号が書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数したパチンコ玉を、当日再度遊技に使用できる持玉として、あるいはその翌日以降においても再度遊技に使用できる貯玉として、遊技場に預けることができるようになっているが、これら会員カードには、該持玉のデータである持玉数及び貯玉のデータである貯玉数は直接記録されておらず、これら持玉数及び貯玉数は、後述するように、持玉管理装置140及び会員管理装置150において、カードID及び会員番号に対応付けて記憶されることで、該カードIDや会員番号から特定されるようになっている。
また、ビジターカードは、カードユニット3において発行される。なお、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数・端数払出ユニット340により計数したパチンコ玉数(計数玉数)に基づく持玉数と該持玉数が計数された日付(具体的にはビジターカードがカードユニット3から返却されるときの日時)とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において使用できるようになっている。
なお、本実施の形態では、上述したように、ビジターカードのみに持玉数を書き込み記録するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら持玉数や貯玉数のデータを、ビジターカードと同じく、会員カードに記録するようにしても良い。また、会員カードと同様にビジターカードに持玉数を書き込み記録しないようにしても良い。また、プリペイド残額は、会員カード及びビジターカードに記録させることなく、残額管理装置100がカードIDに対応付けて記憶し、カードに対応するプリペイド残額を当該カードのカードIDから検索できるように管理してもよい。
また、本実施の形態では、会員カード及びビジターカードがカードユニット3から返却されるときに、後述するカード返却時処理が実行され、返却されるカードに、現在の日時(カードがカードユニット3から返却されるときの日時)と、制御ユニット328に記憶されている対応する遊技機の機種IDと、制御ユニット328に記憶されている基本単価とが記録されるようになっている。
(カードユニット)
次に、本実施の形態のカードユニット3について、図2及び図3に基づいて以下に説明すると、本実施の形態のカードユニット3の前面には、図2及び図3に示すように、フルカラーLED301aにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301等の各種表示部、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305、計数玉数(持玉数)を払い出すための計数払出操作を受付けるための計数プレイボタン319、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードR/W327(図3参照)のカードスロット(図示略)に連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロットに挿入可能とされている。
カードユニット3の前面には、前方に突出する態様にて突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者と対向する面には、図2に示すように、各種情報を表示可能な表示部312と、赤外線信号の受信ユニット(IR)315と、後述する持玉払出を実行するときに操作する計数プレイボタン319が設けられている。
受信ユニット(IR)315は、店員により操作される店員用端末400により送信される赤外線信号を受信し、該受信信号を所定のデータ列に変換して制御ユニット328に出力する。受信ユニット(IR)315から出力される信号は、表示制御基板329上をそのまま経由して対応するカードユニット3の制御ユニット328に出力される。制御ユニット328は、赤外線信号の受信に基づいて、カウント値又は閾値を変更するための変更処理を実行する。
表示部312の表面には、表示部312に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネル314が設けられている。また、計数プレイボタン319は透光性を有するプラスチック製のケースにより構成されている。
持玉払出とは、ビジターカード又は会員カードを受け付けた場合(カード貯留部のビジターカードがカードR/W327に供給された場合を含む)において、カードR/W327のビジターカード又は会員カードに記録されているカードID及び会員番号(会員カードのみ)に対応付けて持玉管理装置140で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の持玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の持玉数を減算して遊技媒体を払い出す処理である。
本実施の形態では、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3に挿入されると、持玉管理装置140から取得した持玉数(受け付けたカードIDに対応付けて管理されている各口座の持玉数)が制御ユニット328に記憶される。そして、持玉払出が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数から払い出された玉数が減算され、計数・端数払出ユニット340で計数が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数に計数された玉数が加算される。
また、カード貯留部のビジターカードがカードR/W327に供給され(このとき制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数は0となっている)、計数・端数払出ユニット340で計数が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数に計数された玉数が加算される。そして、持玉払出が実行されると、制御ユニット328で記憶されている基本単価の持玉数から払い出された玉数が減算される。
持玉管理装置140で管理されている持玉数は、ビジターカード又は会員カードがカードユニット3から返却される際に更新され、持玉払出が実行される際や遊技媒体の計数が実行される際には、カードユニット3で記憶されている持玉数は更新されるが、持玉管理装置140で管理されている持玉数は更新されないものとする。持玉払出は、制御ユニット328が記憶している持玉数(基本単価に対応した持玉数)が1以上である場合に実行可能であり、持玉払出を実行する場合には、計数プレイLED319bが点灯しているときに、計数プレイボタン319を操作する。
貯玉払出とは、会員カードを受け付けた場合において、該会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている、遊技媒体の単価に対応した各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3が記憶している基本単価に対応した口座の貯玉数のみを減算して遊技媒体を払い出す処理である。貯玉払出は、当該カードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数(25)以上である場合に実行可能である。
貯玉払出を実行する場合には、表示部312の表示領域312dに貯玉払出ボタンが有効態様(後述する無効態様よりも濃い表示態様)で表示されているときに(例えば図12(1)の状態で)、該貯玉払出ボタンを操作する。
また、突出部305内部には、表示部312を成す液晶表示器313が設けられており、液晶表示器313及び透明タッチパネル314が、図3に示すように、表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が、該表示制御基板329によって実施される。
また、表示制御基板329には、計数プレイボタン319が操作されたことを検出する計数プレイスイッチ319aと、前述した持玉払出が可能なときに点灯する計数プレイLED319bとが接続されている。ここで、制御ユニット328により持玉数が確認され、持玉払出が可能な状態であれば、計数プレイLED319bの点灯制御が行われる。計数プレイLED319bは、計数プレイボタン319により覆われており、計数プレイLED319bが点灯すると、LEDから発せられる可視光が計数プレイボタン319を透過する。これにより、遊技者は、持玉払出を実行する際に操作する操作領域が点灯していることを認識して、持玉払出が実行可能である(計数プレイボタン319の操作が有効である)ことを把握する。計数プレイボタン319が操作されたことを計数プレイスイッチ319aが検出すると制御ユニット328に計数プレイ信号が入力される。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット328に出力する紙幣識別ユニット321が設けられており、該紙幣識別ユニット321にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
紙幣挿入口302に設けられている挿入センサ(図示せず)により紙幣の挿入が検出されると、制御部(例えば、CPU、RAM、ROM等を備えるマイクロコンピュータ)が紙幣搬送モータを動作させ、挿入された紙幣が、搬送ベルト(モータは順回転方向に動作する)によって、紙幣を識別するための識別位置まで搬送される。そして、識別位置において受付可能な紙幣であることが制御部により確認された場合には、識別対象となった紙幣相当の入金額がカードR/W327に存在するカードのカードIDと共に残額管理装置100に入金情報として送信される。
残額管理装置100では、受信した入金情報に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額に、受信した入金情報に含まれる入金額を加算する。また、カードユニット3では、制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額(表示領域312aに表示されるプリペイド残額)に入金額を加算する。このような入金処理が実行されると、受け付けられた識別位置の紙幣が、搬送ベルト(モータは順回転方向に動作する)によって識別位置の奥方向に設けられた金庫に収納される。
ここでカードユニット3は、残額管理装置100にて設定された、該金庫を一斉解錠するための金庫解錠グループのいずれかに属し、該残額管理装置100から当該金庫解錠グループに属するカードユニット3に対して送信される金庫解錠信号を受信すると、該金庫を一斉解錠する。この金庫解錠グループは、金庫から紙幣を回収しやすいように、例えば遊技島間の通路を挟んで対向するカードユニット3が、同じグループに設定される。なお金庫解錠グループは、対応する遊技機の機種毎,設置される遊技島毎,又は貸与レート毎などに設定されてもよい。
一方、識別位置において受付可能な紙幣ではないことが確認された場合には、上記の入金処理が実行されることなく、識別位置の紙幣が搬送ベルト(モータは逆回転方向に動作する)によって紙幣挿入口302から排出される。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット328が設けられており、後述するように、該制御ユニット328によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3の前面下方端部位置には、パチンコ機2の下皿24の下方位置に配置されることで、該下皿24から排出されるパチンコ玉を計数するとともに、払出単位として予め定められた一単位数(本実施の形態では25)未満の端数のパチンコ玉の払出を行う箱状の計数・端数払出ユニット340から排出されるパチンコ玉をカードユニット3内に流入させるための連結樋344が装着される。該連結樋344を流下して図示しない回収流路ボックスに流入してきたパチンコ玉が、回収流路ボックスをカードユニット3の前方側から後方(島内部)側に流下していき、カードユニット3の後方下端から遊技島内の図示しない回収樋に排出される。
図3は、本実施の形態のカードユニット3の構成を示すブロック図である。カードユニット3は、上述したように、主には、紙幣識別ユニット321と、カードR/W327と、表示制御基板329と、計数・端数払出ユニット340と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット328とから構成されており、紙幣識別ユニット321、カードR/W327、計数・端数払出ユニット340及び表示制御基板329は制御ユニット328と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードR/W327は、カード挿入口309から挿入される会員カード又はビジターカードに記録されているカードID、会員番号(会員カードのみ)、持玉数(ビジターカードのみ)、プリペイド残額、並びに、日時、機種ID、及び基本単価等の記録情報の読み出しを行う。また、持玉数(ビジターカードのみ)、プリペイド残額、並びに、日時、機種ID、及び基本単価等の書き込みを行う。
カードユニット3の内方側終端部位置には、ビジターカードを最大10枚まで貯留できる不図示のカード貯留部が設けられており、新規のビジターカードを発行可能とされている。カード貯留部のビジターカードはカード貯留部及びカードR/W327に設けられた搬送機構によりデータの読み出し及び書き込みが可能な所定位置まで搬送される。
カードの挿入が挿入センサにより検出されると、挿入されたカードがカードR/W327に設けられた搬送機構により所定位置まで搬送される。該所定位置に停止されたカードを対象とした給電やデータ通信を行うことにより、受付中のカードを対象としたデータの読み出し及び書き込みが可能となっている。制御ユニット328が返却ボタン22の操作を検知すると、カードR/W327に対して所定位置にある受付中のカードの排出を指示する。このとき、カードR/W327に設けられた搬送機構により、所定位置にあるカードがカード挿入口309から排出され遊技者に返却される。
ここで、この実施の形態では、(1)カードR/W327の所定位置に会員カードが存在する状態、(2)カードR/W327の所定位置にビジターカードが存在し、且つ、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額(表示部312に表示されているプリペイド残額)及び各口座の持玉数のうち少なくとも1以上が0ではない状態では、不図示のシャッタ用ソレノイドの動作により、カード挿入口309を水平方向に横切る棒状のシャッタが出現してカードの挿入が阻止される。即ち、会員カードが受け付けられている期間、及び受付中のビジターカードについてプリペイド残額又は持玉数が残存している期間は、新たなカードの挿入が禁止される。
一方、(3)カードR/W327の所定位置にビジターカードが存在しており、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額(表示部312に表示されているプリペイド残額)及び各口座の持玉数がいずれも0となっている状態では、カード挿入口309のシャッタが解除されており、新たなカードの挿入が可能となっている。即ち、カードR/W327のビジターカードについてプリペイド残額及び持玉数がいずれも残存していない期間は、新たなカードの挿入が許可される。
(3)の状態において、新たなカードの挿入が検出されると、カードR/W327の所定位置に存在するビジターカードに記録されているプリペイド残額及び各口座の持玉数が0にクリアされると共に、該ビジターカードに記録されている[日時,機種ID,基本単価]の全ての組み合わせが消去され、カードユニット3から持玉管理装置140に対して当該ビジターカードのカードID及び制御ユニット328で記憶されている各口座の持玉数(いずれも0である)を含む擬似的なカード排出通知が送信される(実際にはビジターカードは排出されずにカード貯留部に収納されることになるため「擬似的」としている)。
そして、挿入検出されたカードがカードR/W327の所定位置に搬送されることに伴い、該所定位置に存在していたビジターカードは、カードR/W327及びカード貯留部に設けられた搬送機構によりカード貯留部に搬送されて収納される。持玉管理装置140では、受信した擬似的なカード排出通知に含まれるカードIDに対応付けて管理している各口座の持玉数を、受信した各口座の持玉数(擬似的なカード排出通知に含まれる各口座の持玉数)に更新する。
前述した(1)及び(2)のいずれかの状態において、返却ボタン22が操作されると、カード挿入口のシャッタが解除され、カードR/W327の所定位置に存在するカードが返却されると共に、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードが搬送される。該所定位置に搬送されたビジターカードに記録されているプリペイド残額及び各口座の持玉数は0であり、該ビジターカードのカードIDに関連付けて持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数も0である。
返却ボタン22の操作により返却されるカードが会員カードである場合には、該会員カードに、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額、機種ID、及び基本単価、並びに、[現在の日時(カードの返却日時),機種ID,基本単価]の組み合わせが記録され、返却されるカードがビジターカードである場合には、該ビジターカードに、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額、機種ID、及び基本単価、各口座の持玉数、並びに、[現在の日時(カードの返却日時),機種ID,基本単価]の組み合わせが記録される。
次に、本実施の形態の制御ユニット328について説明する。制御ユニット328は、図3に示すように、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)328aや、カードリーダライタ327に受付中のビジターカード及び会員カードのカードIDや、会員番号(会員カードのみ)、並びにプリペイド残額や、持玉数、貯玉数等の各種のデータを記憶可能なRAM328bや、中央演算処理回路(CPU)328aが実行する制御プログラムや、当該カードユニット3の装置IDを含む設定情報や、各種のデータを書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM328cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)328dを含み、RAM328bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
本実施の形態の制御ユニット328は、前述したようにパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号の送受を、パチンコ機2に設けられている払出制御基板28との間において実施可能に接続されている。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と接続されており、後述するように、該計数・端数払出ユニット340から出力されてくる計数情報の受信に応じて、表示部312に表示する計数玉数(持玉数)の値を更新することで、計数・端数払出ユニット340にて計数された計数玉数が持玉数として表示される。また、計数が行われている間、その旨を示す計数表示を行う。
また、制御ユニット328は、前述したように、パチンコ機1の上皿23に設けられた払出ボタン21が操作されたことを検知するための払出ボタンスイッチ21aに接続されており、払出ボタン21の操作に応じた信号が、該払出ボタンスイッチ21aから入力されることにより、払出ボタン21の操作の有無を把握し、払出ボタン21の操作があったときにはプリペイド払出を実施することで、一単位数(25)の整数倍のパチンコ玉の払出を対応するパチンコ機2から実施させる。
ここでカードユニット3とパチンコ機2との間で行われる信号のやりとりについて説明する。本例では、RAM328aに基本払出玉数として125(一単位数である25の5倍に相当)が記憶されているものとする。本実施の形態では、プリペイド払出のみならず、持玉払出、及び貯玉払出においても、カードユニット3(制御ユニット328)とパチンコ機2との間で通信が行われ、一単位数の整数倍のパチンコ玉が払い出されるものとしている。
まずパチンコ機2及びカードユニット3の電源投入時に、両者の間における接続確認が行われると、パチンコ機2の払出制御基板28は、PRDYをLOWとすることにより、PRDY信号線を介して、カードユニット3の制御部ユニット328に払出可能信号を送信して(S1)、スタンバイ状態となる。
次にカードユニット3の制御ユニット328は、PRDYのLOW(払出可能信号)を受信しているスタンバイ状態において払出ボタン21(又は、計数プレイボタン319、若しくは表示領域312dに有効態様で表示される貯玉払出ボタン)の操作を検出すると、BRDYをLOWとすることにより、BRDY信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に払出可能信号を送信する(S2)。
この状態において、カードユニット3の制御ユニット328は、BRQをLOWとすることにより、BRQ信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に単位払出要求信号を送信する(S3)。次にパチンコ機2の払出制御基板28は、BRDYのLOW(払出可能信号)を受信した状態においてBRQのLOW(単位払出要求信号)を受信すると、玉確認センサ(図示せず)により一単位数(25)のパチンコ玉を払い出す準備(払出準備)が整っているか否かを確認し、該払出準備が整っていることを条件として、EXSをLOWとすることにより、EXS信号線を介して、カードユニット3の制御ユニット328に単位払出準備信号を送信する(S4)。
次に該EXSのLOW(単位払出準備信号)を受信したカードユニット3の制御ユニット328は、BRQをHIGHとすることにより、BRQ信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に単位払出指令信号を送信する(S5)。次に該BRQのHIGH(単位払出指令信号)を受信したパチンコ機2の払出制御基板28は、玉払出装置29に対して払出信号を出力し、これに基づいて一単位数(25)のパチンコ玉の払出が行われると共に、該払出の完了に基づいて、EXSをHIGHとすることにより、EXS信号線を介して、カードユニット3の制御ユニット328に単位払出完了信号を送信する(S6)。
これらS3〜S6の制御を、5回繰り返すことにより、125玉をパチンコ機2から払い出し、これらの制御の終了に基づいて、BRDYをHIGHとすることにより、BRDY信号線を介して、パチンコ機2の払出制御基板28に払出終了信号を送信し(S7)、125玉の払出を終了する。このように、パチンコ玉が払い出されるときのS3〜S6の制御の繰り返し回数を「払出度数」と称する。この実施の形態では、払出度数の1度数(S3〜S6の制御1回)あたり25玉のパチンコ玉が払い出されるようになっており、1度数あたりの払出玉数を一単位数としている。
また、制御ユニット328は、通信部334並びにHUB7を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されている前述の残額管理装置100、持玉管理装置140、及び会員管理装置150等とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が該通信部334を通じて可能とされている。また、制御ユニット328は、通信部334並びにHUB7を介して、他のカードユニット3ともデータ通信可能に接続されており、各カードユニット3間で各種データの送受が可能とされている。
また、制御ユニット328に接続された表示制御基板329は、表示部312を構成する液晶表示器313、透明タッチパネル314、並びに、赤外線信号の受信ユニット(IR)315、計数プレイボタン319に対応する計数プレイスイッチ319a及び計数プレイLED319b等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネル314の操作情報や、赤外線信号が受信した命令(カウント値変更命令又は閾値変更命令)の情報や、計数プレイボタン319の操作情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット328に出力される。
本実施の形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、前記透明タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部312に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部312に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット328から独立して、各種スイッチ類や透明タッチパネル314等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット328から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部312を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
ここで表示部312には、計数が行われているときに、その旨を示す前記計数表示が行われ、持玉払出又は貯玉払出が行われているときに、その旨を示す再プレイ払出表示が行われる。なお、表示部312には、後述する入金付与制限処理が行われているときに、その旨を示す制限表示が行われるが、これについては図26を参照して後述する。
また、制御ユニット328は、持玉管理装置140から定期的(本実施の形態では約10秒毎)に送信されてくるオンライン確認要求の受信の有無により、持玉管理装置140との通信状態がオンライン状態であるかオフライン(通信不能)状態であるかを検知できるようになっているとともに、これらオンライン確認要求の受信に応じてオンライン確認応答を持玉管理装置140に返信することで、持玉管理装置140においても各カードユニット3のオンライン・オフライン状態を検知できるようになっている。なお、これらオンライン確認要求としては、他のデータ送信要求にて代用される場合がある。
この実施の形態では、カードユニット3は、持玉管理装置140を介して会員管理装置150と通信を行う。ここで、カードユニット3と持玉管理装置140との間でオンライン状態が成立している場合であっても、持玉管理装置140と会員管理装置150との間ではオフライン状態となっている場合がある。このような場合には、持玉管理装置140は、会員管理装置150とのオフライン状態を通知するためのオフライン情報をカードユニット3に送信する。オフライン情報を受信したカードユニット3では、持玉管理装置140との間ではオンライン状態であるが、会員管理装置150との間ではオフライン状態であることを把握することができるため、例えば、持玉数の更新を可能とし、貯玉数の更新(貯玉払出)を禁止するといった制御を行うことが可能となる。
また、この実施の形態では、カードユニット3がオンライン確認要求を受信しており、且つオフライン情報を受信していないとき、即ち、持玉管理装置140と通信可能であり、且つ会員管理装置150と通信可能である場合にのみ、貯玉数の更新が許可される。
また、制御ユニット328は、計数・端数払出ユニット340と計数情報や端数払出要求等の各種のデータを、少ない通信線数にてデータの送受が可能なシリアル通信により送受可能に接続されている。
ここで、本実施の形態の計数・端数払出ユニット340について説明する。本実施の形態の計数・端数払出ユニット340は、図2に示すように、パチンコ機2の下皿24の直下に配置された横長の箱状物であり、カードユニット3の最も下方位置に設けられている不図示の回収流路ボックスに連結樋344を介して連結されている。
そして、計数・端数払出ユニット340の上面には、下皿24から排出されるパチンコ玉が投入されるホッパ形状とされた不図示の投入部が形成されていて、その前面のカードユニット3本体側(向かって左側)には、払出(返却)された端数のパチンコ玉が取り出し可能に貯留される返却貯留部342が設けられている。
計数・端数払出ユニット340の内部には、計数・端数払出ユニット340の制御を行う制御マイコン等が搭載された制御基板により構成される制御部350が内蔵されている。この制御部350には、図3に示すように、流路変更シャッタ351、払出モータ353、払出センサ354、計数センサ356、及び貯留玉センサ357等が接続されていて、該制御部350にて計数・端数払出ユニット340の各機能が形成されるように制御される。また、制御部350は、カードユニット3の本体と連結樋344を介して電気的に接続されている。
計数・端数払出ユニット340の投入部に投入されたパチンコ玉は不図示の計数流路に流入して該計数流路上を連結樋344の方向に向けて流下し、該計数流路の下流部に設けられている計数センサ356にて検出されるようになっている。計数センサ356にて検出されたパチンコ玉の流下方向は流路変更シャッタ351により変更可能となっている。該流路変更シャッタ351が出没することによって、パチンコ玉の流下方向を、連結樋344側或いはパチンコ玉を貯留する不図示の貯留部側に切り替えることが可能とされている。
ここで、計数センサ356によりパチンコ玉が検出される毎に、制御部350から制御ユニット328に対して計数信号が入力され、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている計数玉数の値が加算される。そして、所定のタイミング(例えば、計数玉数が更新されることなく5秒が経過したタイミング)で、RAM328bに記憶されている当該カードユニット3に対応した口座(RAM328bに記憶している基本単価に対応した口座)の持玉数に、計数玉数の値が加算されて持玉数が加算更新されると共に、計数玉数の値は0にリセットされる。
貯留部に流入するパチンコ玉は、貯留玉センサ357により検出されていき、貯留部内がパチンコ玉により満たされることにより、貯留玉センサ357によってパチンコ玉が所定時間以上連続して検出された場合には、流路変更シャッタ351による貯留部側への流路変更が解除されることで、計数センサ356により検出された計数済みのパチンコ玉は全て、連結樋344を流下してカードユニット3内部の回収流路ボックスを介して遊技島内に回収される。
また、貯留部に貯留されたパチンコ玉は、払出モータ353によって1つずつ返却貯留部342に払出可能となる。このとき、払出センサ354により、遊技者に払出(返却)するパチンコ玉数を計数可能となっている。
貯留部にパチンコ玉が貯留されている状態において、一単位数未満の端数のパチンコ玉数、例えば、端数として20玉の払出(返却)がなされる場合、つまり、制御部350が制御ユニット328から払出(返却)する端数である20玉を含む端数払出要求を受信した場合には、該受信した端数払出要求に含まれる払出玉数(端数)である20の検出信号が払出センサ354から入力されてくるまで払出モータ353を作動させることにより、該払出玉数(端数)である20個のパチンコ玉が、返却貯留部342に返却されて貯留されるようになる。
制御部350は、端数に相当する数の検出信号が払出センサ354から入力されてきた際には、端数払出要求の応答として、端数払出完了通知を制御ユニット328に対して送信することにより、制御ユニット328は、端数払出要求で指定した端数の払出が完了したことを認識する。
この実施の形態では、各カードユニット3において設定される基本払出玉数はいずれも一単位数(25)の整数倍であるため、プリペイド残額が基本払出玉数に相当する金額(例えば4.00円×125=500円)以上のときにプリペイド払出を実行する場合、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が基本払出玉数以上のときに持玉払出を実行する場合、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が基本払出玉数以上のときに貯玉払出を実行する場合には、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、基本払出玉数に相当する全数を払出可能となっている。
また、プリペイド払出において、プリペイド残額が基本払出玉数に相当する金額(例えば4.00円×125=500円)未満であるが一単位数に相当する金額(例えば4.00円×25=100円)以上の場合には、[一単位数×n≦(プリペイド残額/基本単価)]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、プリペイド払出において、プリペイド残額が一単位数に相当する金額(例えば4.00円×25=100円)未満である場合には、[基本単価×n≦プリペイド残額]となる最大のnを端数として設定し、制御ユニット328から計数・端数払出ユニット340に対して、設定した端数を含む端数払出要求が送信され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数相当のパチンコ玉が払い出される。
また、持玉払出において、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が基本払出玉数未満であるが一単位数以上の場合には、[一単位数×n≦持玉数]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、持玉払出において、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の持玉数が一単位数未満である場合には、当該持玉数を端数として設定し、制御ユニット328から計数・端数払出ユニット340に対して、設定した端数を含む端数払出要求が送信され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数相当のパチンコ玉が払い出される。
また、貯玉払出において、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が基本払出玉数未満であるが一単位数以上の場合には、[一単位数×n≦貯玉数]となる最大のnを払出度数として設定し、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって、設定された払出度数に相当する数のパチンコ玉を払い出す。
また、本例では、当該カードユニット3が記憶する基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満である場合には、表示領域312dに表示される貯玉払出ボタンの表示態様を無効態様(前述した有効態様よりも薄い表示態様)とし、仮に無効態様の貯玉払出ボタンが操作されたとしても貯玉払出を実行しないことにより、一単位数未満の貯玉払出の実行を禁止するようにしている。
なお、基本払出玉数として一単位数の整数倍ではない払出玉数が設定されている場合には、前述した払出制御基板28と制御ユニット328と通信による払出と、計数・端数払出ユニット340による払出の両方が実行されることにより、該基本払出玉数のパチンコ玉が払い出されるようにすると良い。例えば、基本払出玉数として116が設定されている場合には、払出度数が4に設定され、前述した払出制御基板28と制御ユニット328との通信によって100玉がパチンコ機2から払い出され、計数・端数払出ユニット340の返却貯留部342に端数の16玉が払い出される。
なお、この実施の形態では、計数・端数払出ユニット340の内部に設けられた貯留部に端数払出用のパチンコ玉を貯留するようにしているが、このような形態に限らず、端数相当のパチンコ玉を払い出す場合に、遊技島の玉供給経路から計数・端数払出ユニット340に供給されたパチンコ玉を払い出すようにしても良い。例えば、カードユニット3から上皿23にパチンコ玉を供給するためのノズルを設けて、玉供給経路から供給されたパチンコ玉をノズルを通じて上皿23に供給するようにしても良い。
このような構成において、持玉払出及び貯玉払出が実行される場合には、制御ユニット328と払出制御基板28との間の通信によらず、払い出されるパチンコ玉は全てノズルから供給するようにしても良く、払い出されるパチンコ玉のうち一単位数の整数倍は制御ユニット328と払出制御基板28との間の通信に基づいて払い出し、一単位数未満の端数のみをノズルから供給するようにしても良い。
(残額管理装置)
次に、本実施の形態の残額管理装置100について、図4に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた残額管理装置100は、図4に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス101に、該残額管理装置100が実施する各種処理を行うCPU102、ワークメモリ等として使用されるRAM103、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC104、ハードディスク等からなる記憶装置105、キーボードやマウス等の入力装置106、各種の画面を表示出力する表示装置107、各種情報をプリント出力するプリンタ108、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたカードユニット3(制御ユニット328)やカード発行・入金機等の各装置とのデータ通信を行う通信部109、カード会社に設置された残額管理サーバ12とのデータ通信を行うデジタルサービスユニット(DSU)110が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置105には、残額管理装置100において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カード及びビジターカードに残存するプリペイド残額を管理するための残額管理テーブル(図5参照)と、各カードユニット3に対応して設けられている遊技機の機種、各カードユニット3の基本単価及び基本払出玉数、各カードユニット3で受付中の会員カード又はビジターカードのカードID、並びに、各カードユニット3に関する定量制/非定量制の設定、閾値、及び閾値超過時処理の内容を管理するためのCU管理テーブルA(図6参照)と、CU管理テーブルB(図6参照)とが記憶されている。なお、CU管理テーブルBについては、後述する第3の機能において説明する。
本実施の形態における定量制とは、遊技者が遊技により獲得した獲得価値に対応する指標値、例えば、セーフ数−アウト数により算出される差数(後述するカウント値)が予め遊技場側で設定した閾値に達したときに、一旦は遊技を終了させるための措置を採る遊技形態である。セーフ数とは、パチンコ機2に設けられた入賞口への入賞に応じて付与される賞球数の累計値であり、アウト数とは、パチンコ機2の遊技領域に打ち込まれた打込玉数の累計値(いずれかの入賞口に入賞した玉数と、いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口38に導かれた玉数の合計数)である。
前述した遊技を終了させるための措置として、例えば、対応するカードユニット3でプリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出等を禁止する、対応するカードユニット3の表示部312に遊技を終了させるための情報(例えば「遊技を終了して下さい。」等のメッセージ)を表示する、あるいは、いずれかの遊技機で遊技を行っている遊技者の獲得価値に対応する指標値が閾値を超えていることを店員が把握し、店員が遊技を終了するように遊技者に促す、といったものがある。
獲得価値に対応する指標値が閾値に達した場合には、景品交換用POS端末170によって、遊技者が遊技により獲得した獲得価値(具体的には持玉数となる)の全てが景品に交換されることで、再び当日における遊技を行うことが可能となる。本実施の形態における非定量制とは、遊技者が遊技により獲得した獲得価値によらず、継続して遊技を行うことができる遊技形態である。
残額管理テーブルには、図5に示すように、各ビジターカード及び各会員カードを個々に識別可能なカードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者の会員番号(会員カードのみ)と、プリペイド残額とが記憶されており、会員カードに記憶されているカードID若しくは会員番号、ビジターカードに記憶されているカードIDから、プリペイド残額を特定できるようになっている。
また、残額管理テーブルには、各会員カードのカードIDに対応付けて、当日累積使用額と、上限到達判定フラグとが記憶されている。ここで当日累積使用額は、各会員遊技者についてプリペイド払出に供された使用金額が当日について累積された累積額であり、プリペイド払出を実行したカードユニット3からカードIDと使用金額(又は使用金額を特定可能な情報)が送信されてくると加算更新され、翌日の営業開始前にゼロクリアされる。
また上限到達判定フラグは、後述する上限到達判定(図25のS1053)を適用するか否かを示すフラグであり、「1」ならば上限到達判定が適用され、「0」ならば上限到達判定が適用されない。なお、上限到達判定が適用されないことには、該上限到達判定を実行しないことの他に、該上限到達判定を実行するけれど判定結果を無視するものや、該上限到達判定に伴って行われる処理が行われないことも含まれる。この上限到達判定フラグは、各会員遊技者の希望に応じて、会員登録時又はその後に、「1」又は「0」が設定されて、残額管理テーブルに記憶される。
なお、本実施例では、ビジター遊技者には上限到達判定が適用されないので、ビジターカードのカードIDに対応する当日累積使用額は集計されず、上限到達判定フラグも記憶されない。従って、ビジターカードのカードIDに対応する当日累積使用額及び上限到達判定フラグの欄には、「−」が記憶される。
カードユニット3の紙幣識別ユニット321により紙幣が受け付けられたときには、該カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が行われ、該受け付けた紙幣に応じた識別額が、カードユニット3にて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理されているプリペイド残額に加算される、入金処理が行われる。また、カードユニット3の制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額も加算後のプリペイド残額に更新される。なお、プリペイド残額の更新ではなく、プリペイド残額に対応する残度数の更新や、プリペイド残額を特定可能な情報の更新であってもよい。
カードユニット3において払出ボタン21が操作され、受付中の会員カード又はビジターカードのプリペイド残額を使用したプリペイド払出が実行されるときには、該カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が行われ、カードユニット3にて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理されているプリペイド残額から、使用金額(払出玉数×当該カードユニット3に記憶されている基本単価に相当)が減算される。また、カードユニット3の制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額も減算後のプリペイド残額に更新される。即ち、遊技者が入金した入金額に相当する有価価値(プリペイド残額)の範囲内の少なくとも一部の有価価値を使用して遊技価値(パチンコ玉)を付与するための入金付与処理(プリペイド払出)が行われる。
CU管理テーブルAには、図6に示すように、各カードユニット3の装置ID(台番号)に対応付けて、当該カードユニットに対応して設けられる遊技機の機種を特定可能な機種IDと、当該カードユニットに対応して設けられる遊技機において使用可能な遊技媒体の単価である基本単価と、前述したプリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出で払い出されるパチンコ玉の数である基本払出玉数と、当該カードユニットにおいて受付中の会員カード又はビジターカードのカードIDである受付中カードIDと、当該カードユニットに関して定量制又は非定量制のいずれに対応した制御が実行されるかを示す定量制/非定量制の設定(定量制又は非定量制)と、定量制に設定されている場合におけるカウント値の閾値と、定量制に設定されている場合にカウント値が閾値を超えたときに実行される閾値超過時処理の内容(動作停止又は表示変更)と、が記憶されている。
なお、カードユニット3においてカードが受け付けられたときに、該受け付けられたカードのカードIDを含むカード挿入通知が残額管理装置100に送信され、残額管理装置100では、カード挿入通知に含まれるカードIDが、該カード挿入通知を送信したカードユニット3の装置IDに対応付けて受付中カードIDとして記憶される。また、カードユニット3おいてカードが返却されるときに、カード排出通知が残額管理装置100に送信され、残額管理装置100では、該カード排出通知を送信したカードユニット3の装置IDに対応付けて記憶されている受付中カードIDが消去される。
残額管理テーブル及びCU管理テーブルA,Bの情報は、表示装置107に表示することが可能である。また、CU管理テーブルAで記憶されている機種ID、基本単価及び基本払出玉数、並びに、定量制/非定量制の設定、閾値、及び閾値超過時処理の内容は、遊技場の管理者等が入力装置106によって変更することが可能となっている。例えば、機種IDは、遊技機の機種入れ替えや配置替え等のときに変更され、基本単価及び基本払出玉数は、対応する遊技機に使用する遊技媒体の単価の変更等に伴い変更される。
また、図11に示されるように、表示装置107に表示される定量制設定画面を用いて、CU管理テーブルAにおける、定量制/非定量制、閾値、及び閾値超過時処理を設定することができる。図11(a)に示されるように、定量制設定画面では、残額管理装置100と通信可能な全てのカードユニットを設定対象とする「全台指定」と、対応する入力欄に入力された装置ID(台番号)の範囲のカードユニットのみを設定対象とする「個別指定」と、対応する入力欄に入力された機種IDの遊技機に対応して設けられるカードユニットのみを設定対象とする「機種指定」と、対応する入力欄に入力された基本単価のカードユニットのみを設定対象とする「単価指定」と、のいずれかを選択可能となっている。
また、図11(a)に示されるように、設定対象とするカードユニットに対して、「定量制」及び「非定量制」のいずれに対応した制御を実行するかをプルダウンメニューにより選択可能となっており、「定量制」に対応した制御を実行することが選択された場合には、さらに閾値を入力するための入力欄と、閾値超過時処理を、「無し」、「動作停止」、及び「表示変更」のいずれとするかを選択するためのプルダウンメニューが表示されるようになっている。なお、「非定量制」に対応した制御を実行することが選択された場合には、閾値の入力欄と閾値超過時処理のプルダウンメニューは表示されない。
図11(b)の例では、設定対象とするカードユニットとして、個別指定により装置ID001から020までの範囲が選択されている。また、プルダウンメニューにより、「定量制」が選択されたことに伴い、閾値の入力欄には3000と入力され、プルダウンメニューにより、「動作停止」が選択されている。この状態で、定量制設定画面の下部に表示されている「設定」ボタンを選択すると、CU管理テーブルAにおいて、装置ID001から020までの「定量制/非定量制」の設定として「定量制」が記憶され、「閾値」として「3000」が記憶され、「閾値超過時処理」の内容として「動作停止」が記憶される。
なお、定量制設定画面において、全台指定が選択された場合には、CU管理テーブルAで管理されている全ての装置ID(台番号)を対象として、機種指定が選択された場合には、CU管理テーブルAにおいて、機種指定に対応した入力欄に入力された機種IDと合致する機種IDが記憶されている装置ID(台番号)のみを対象として、単価指定が選択された場合には、CU管理テーブルAにおいて、機種指定に対応した入力欄に入力された基本単価と合致する基本単価が記憶されている装置ID(台番号)のみを対象として、当該定量制設定画面において選択又は入力された「定量制/非定量制」の設定、「閾値」、及び「閾値超過時処理」の内容が記憶される。
「定量制」が記憶されている装置IDのカードユニット3では、図12に示すように、表示部312の表示領域312bに、「定量カウント値」として現在のカウント値(セーフ数−アウト数により算出される差数)が表示されると共に、制御ユニット328のRAM328bに記憶されている設定閾値(定量制設定画面に入力された閾値であり当該装置IDに対応付けてCU管理テーブルAに記憶されている閾値)が表示される。例えば、現在のカウント値が1200であり、設定された閾値が3000である場合には、1200/3000と表示される。
一方、「非定量制」が記憶されている装置IDのカードユニット3では、表示部312の表示領域312bに現在のカウント値及び閾値が表示されず、例えば、「この台は非定量制です。」というように、対応する遊技機での遊技において定量制が採用されていないことを報知する表示がされる。
また、「定量制」が記憶されると共に閾値超過時処理として「動作停止」が記憶されている装置IDのカードユニット3では、カウント値が閾値を超えたときに、図12(11)に示すように、入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び、貯玉払出が禁止される動作停止処理が実行され、さらに、表示領域312bにカウント値が閾値を超えた旨を表示する(例えば「××発(閾値)に到達しました。」)と共に遊技の終了を促す表示(例えば「遊技を終了して下さい。」)を行う表示変更処理が実行される。一方、「定量制」が記憶されると共に閾値超過時処理として「表示変更」が記憶されている装置IDのカードユニット3では、カウント値が閾値を超えたときに、図12(12)に示すように、動作停止処理が実行されることなく表示変更処理のみが実行されることになる。
なお、「定量制」が記憶されると共に閾値超過時処理として「無し」が記憶されている装置IDのカードユニット3では、カウント値が閾値を超えたときにも、動作停止処理及び表示変更処理のいずれも実行されない。このとき、表示部312の表示領域312bにおいては、閾値を超えた状態となっているカウント値が閾値と共に表示される(例えばカウント値/閾値の態様で表示される)が、遊技の終了を促す表示は行われない。
また、「定量制」が記憶されると共に閾値超過時処理として「無し」が記憶されている装置IDのカードユニット3では、カウント値が閾値を超えている場合に多機能ランプ301が特定発光態様で発光することにより、店員にその旨を報知するようになっている。これにより、店員が遊技者に対して遊技を終了するように促すことができる。
CU管理テーブルAで記憶されている機種ID、基本単価及び基本払出玉数、並びに、定量制/非定量制の設定、閾値、及び閾値超過時処理の内容は、遊技場の営業開始に伴って(例えば遊技場の営業開始時刻の10分前になったときに)遊技用システム1で実行される営業開始時処理において、残額管理装置100から各装置IDのカードユニット3に送信され、制御ユニット328のRAM328bに記憶され、当該カードユニット3に関する設定情報として使用される。
各カードユニット3では、パチンコ玉の払出(前述したプリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出)を実行するときに、制御ユニット328のRAM328bで記憶される基本払出玉数のパチンコ玉が払い出される。例えば、基本単価が4.00円の場合の基本払出玉数は125となっているため、制御ユニット328とパチンコ機2との間で通信が実行され、5度数相当の125玉が払い出されることになる。また、基本単価が2.00円及び1.00円の場合の基本払出玉数は200となっているため、制御ユニット328とパチンコ機2との間で通信が実行され、8度数相当の200玉が払い出されることになる。
なお、本実施の形態では、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出の各種別の払出について共通の払出玉数(基本払出玉数である125)が設定されているが、このような形態に限らず、払出の種別に応じて異なる払出玉数を設定するようにしても良い。
(持玉管理装置)
次に、本実施の形態の持玉管理装置140について、図7に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた持玉管理装置140は、図7に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス141に、該管理コンピュータ140が実施する各種処理を行う中央演算処理装置(CPU)142、ワークメモリ等として使用されるRAM143、時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)144、ハードディスク等からなる記憶装置145、キーボードやマウス等の入力装置146、各種の画面を表示出力する表示装置147、各種情報をプリント出力するプリンタ148、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたカードユニット3及び会員管理装置150、並びに景品交換用POS端末170等とのデータ通信を行う通信部149が接続された通常のコンピュータである。
また、CPU142は、前述したように、通信部149から各カードユニット3に対して定期的にオンライン確認要求を送信し、各カードユニットから装置IDを含むオンライン確認応答を受信することにより、各カードユニット3とオンライン状態であるかオフライン状態であるかを検知可能である。また、会員管理装置150に対しても、定期的にオンライン確認要求を送信し、会員管理装置150からオンライン確認応答を受信することにより、会員管理装置150とオンライン状態であるかオフライン状態であるかを検知可能である。会員管理装置150とオフライン状態である場合には、カードユニット3に対してオフライン情報を送信する。
ここで、会員管理装置150と持玉管理装置140との間でオンライン状態が成立している場合であっても、持玉管理装置140とカードユニット3との間ではオフライン状態となっている場合がある。このような場合には、持玉管理装置140は、カードユニット3とのオフライン状態を通知するためのオフライン情報を会員管理装置150に送信する。オフライン情報を受信した会員管理装置150では、持玉管理装置140との間ではオンライン状態であるが、カードユニット3との間ではオフライン状態であることを把握することができるため、例えば、カードユニット3に対してのコマンドの送信を中断するといった制御を行うことが可能となる。
記憶装置145には、持玉管理装置140において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、遊技者(会員カードを使用する会員遊技者及びビジターカードを使用するビジター遊技者)の所有価値である、当日において獲得された持玉数を管理するための持玉管理テーブル(図7参照)が記憶されている。
持玉管理テーブルには、図8に示すように、各カードID及び各会員番号(会員カードのみ)に対応付けて、当該会員カード又はビジターカードを使用した遊技者がその当日において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である持玉数が記憶されており、ビジターカードや会員カードに記憶されているカードID若しくは会員番号(会員カードのみ)から、当該遊技者が所有する持玉数を特定できるようになっている。
なお、持玉管理テーブルに管理されている持玉数は、その当日のみ持玉数として管理されており、遊技場の営業終了後に遊技用システム1で実行される営業終了時処理において、会員カードのカードID及び会員番号に対応する持玉数は、会員管理装置150(貯玉管理テーブル)にて管理される当該会員カードのカードID及び会員番号に対応する貯玉数に加算された後、全て0にクリアされる。また、営業終了時処理においてビジターカードのカードIDに対応する持玉数は、全て0にクリアされる。
また、後述する景品交換用POS端末170に会員カード又はビジターカードが挿入されて景品交換が行われたとき、具体的には、持玉管理装置140が、後述する景品交換用POS端末170から景品交換が行われた後の残りの持玉数を含む交換完了通知を受信したときに、当該会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて持玉管理テーブルで管理されている持玉数が、受信した交換完了通知に含まれる残りの持玉数(この実施の形態では定量制が採用されていることにより0となる)に更新される。
ここで、図8に示すように、持玉数は、遊技機での遊技に使用可能な遊技媒体の単価毎に管理されている。この例では、4円口座は単価4円の遊技媒体の持玉数、2円口座は単価2円の遊技媒体の持玉数、1円口座は単価1円の遊技媒体の持玉数を管理するための記憶領域であり、各口座の持玉数は、当該口座に対応した単価の遊技媒体を使用する遊技機での遊技で獲得した持玉数である。
営業終了時処理が実行されたときには、持玉管理テーブルにおける各口座の持玉数が、後述する貯玉管理テーブルにおける当該口座に対応した口座(同じ単価の口座)の貯玉数に加算されると共に、持玉管理テーブルにおける各口座の持玉数が全て0にクリアされる。カードIDがKC−00001(会員番号がK−00001)の例では、図8に示すように、4円口座、2円口座、1円口座の持玉数が、それぞれ0、200、300となっており、図10に示すように、4円口座、2円口座、1円口座の貯玉数が、それぞれ0、2000、3000となっている。この例では、営業終了時処理が実行されたときに、4円口座、2円口座、1円口座の貯玉数が、それぞれ0(0+0)、2200(2000+200)、3300(3000+300)に更新され、4円口座、2円口座、1円口座の持玉数が、いずれも0にクリアされる。
(会員管理装置)
次に、本実施の形態の会員管理装置150について、図9に基づき説明する。まず、本実施の形態に用いた会員管理装置150は、図9に示すように、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス151に、該会員管理装置150が実施する各種処理を行うCPU152、ワークメモリ等として使用されるRAM153、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC154、ハードディスク等からなる記憶装置155、キーボードやマウス等の入力装置156、各種の画面を表示出力する表示装置157、各種情報をプリント出力するプリンタ158、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続された持玉管理装置140等の各装置とのデータ通信を行う通信部159、貯玉管理期間に設置された貯玉管理サーバ15とのデータ通信を行うデジタルサービスユニット(DSU)160が接続された通常のコンピュータである。
記憶装置155には、会員管理装置150において実施される各種処理を行うための処理内容が記述された処理プログラムに加えて、会員カードを所持する会員遊技者が所有する当日前に当該会員遊技者により獲得された貯玉数を管理するための貯玉管理テーブル(図10参照)が記憶されている。
貯玉管理テーブルには、図10に示すように、会員カードの各カードIDに対応付けて、当該会員カードの発行を受けた会員遊技者を個々に識別可能な会員識別情報である会員番号と、当該会員遊技者が当日前において獲得した獲得玉数の合計であって遊技や景品交換に未使用の玉数である貯玉数とが記憶されており、会員カードに記憶されている会員カードID若しくは会員番号から、当該会員遊技者が所有する所有価値である貯玉数を特定できるようになっている。
ここで、図10に示すように、貯玉数は、遊技機での遊技に使用可能な遊技媒体の単価毎に管理されている。この例では、4円口座は単価4円の遊技媒体の貯玉数、2円口座は単価2円の遊技媒体の貯玉数、1円口座は単価1円の遊技媒体の貯玉数を管理するための記憶領域であり、各口座の貯玉数は、当該口座に対応した単価の遊技媒体を使用する遊技機での遊技で獲得した所有価値である。
また、カードユニット3において表示部312の表示領域312dに表示された貯玉払出ボタンが操作され、貯玉払出が実行されるときには、該カードユニット3と会員管理装置150との間で通信が行われ、カードユニット3にて受付中の会員カードの会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで管理されている各口座の貯玉数のうち、当該カードユニット3の装置IDに対応した基本単価に対応した口座の貯玉数から、払出玉数が減算される。
また、記憶装置155には不図示の会員情報管理テーブルも記憶されており、該会員情報記憶テーブルでは、会員カードに記録されているカードID及び会員番号に対応付けて、当該会員番号により識別される会員遊技者が会員登録時に登録した氏名及び暗証番号が記憶されている。
(景品交換用POS端末)
景品交換用POS端末170は、マイクロコンピュータが設けられ、このマイクロコンピュータには、制御中枢としてのCPU、CPUの制御動作プログラムを格納しているROM、CPUのワークエリアとしてのRAM、外部機器との信号の入出力を行なうための入出力インターフェイスが設けられている。CPUは、入出力インターフェイスを介して、持玉管理装置140との間での情報の入出力が可能となっている。また、景品交換用POS端末170には、マイクロコンピュータに接続されるカードリーダライタ、表示装置、バーコードリーダ、及び、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置が設けられている。
カードリーダライタに会員カード又はビジターカードが挿入されることにより、景品交換用POS端末170と持玉管理装置140との間で通信が行われ、カードリーダライタで読み取られた会員カード又はビジターカードのカードIDに対応付けて持玉管理装置140で記憶されている各口座の持玉数が取得されてRAMに記憶され、表示装置に表示される。
この状態で、景品に付された景品価値を示すバーコードをバーコードリーダで読み取ることにより、あるいは店員が入力装置によって景品価値を入力することにより、該景品価値に相当する交換玉数が計算されて表示装置に表示される。交換玉数は、[景品価値÷(交換対象となる口座の単価×交換係数)]により算出される。交換係数とは、1の遊技媒体が付与される際の想定単価(基本単価)に対する、1の遊技媒体が景品交換に用いられる際の想定単価(交換単価)の割合であり、予め遊技場により定められているものである。また、交換対象となる口座は、入力装置を用いた選択操作により選択される。
例えば、遊技者に付与する景品の景品価値が1000円であり、交換係数として0.6が設定されているケースでは、交換対象となる口座が4円口座である場合には、交換玉数=[1000円÷(4円×0.6)]=416となり(1玉未満切捨て)、交換対象となる口座が2円口座である場合には、交換玉数=[1000円÷(2円×0.6)]=833となり(1玉未満切捨て)、交換対象となる口座が1円口座である場合には、交換玉数=[1000円÷(1円×0.6)]=1666となる(1玉未満切捨て)。
そして、遊技場の店員は、景品交換用POS端末170において、表示装置に表示された景品交換ボタンをポインティングデバイスにより操作することで、算出された交換玉数が、選択された交換対象となる口座の持玉数(景品交換用POS端末170で記憶されている持玉数であり表示装置に表示されている持玉数)から減算される。このようにして、景品交換用POS端末170において記憶されている各口座の持玉数が全て0となるまで、景品交換を実行させて遊技者に景品を付与するものとする。
そして、遊技場の店員は、景品交換用POS端末170において記憶されている各口座の持玉数が全て0となると(遊技者の獲得価値が全て景品交換に使用されると)、表示装置に表示された景品交換完了ボタンをポインティングデバイスにより操作することで、カードリーダライタの会員カード又はビジターカードが景品交換用POS端末170から排出される。
カード返却に伴い、景品交換用POS端末170において記憶されている各口座の持玉数(ここでは全て0となる)と、受け付けていたカードのカードIDとを含む交換完了通知が持玉管理装置140に送信される。持玉管理装置140では、受信した交換完了通知に含まれるカードIDに対応付けて持玉管理テーブルで記憶されている各口座の持玉数を、該交換完了通知に含まれる各口座の持玉数に更新する。このようにして、持玉と景品とを交換可能となっている。
ここで、景品交換用POS端末170からビジターカードが返却されるときには、カードリーダライタによって、景品交換用POS端末170において記憶されている各口座の持玉数(ここでは全て0となる)が記録されると共に、ビジターカードに記録されている日時、機種ID、及び基本単価が消去される。また、景品交換用POS端末170から会員カードが返却されるときには、カードリーダライタによって、会員カードに記録されている日時、機種ID、及び基本単価が消去される。
ここで、返却されるカードに[日時,機種ID,基本単価]の組み合わせが、複数記録されている場合には、全ての組み合わせが消去されるものとする。なお、当日より前に景品交換が行われなかったことにより、日時として、当日のみならず前日以前のものが記録されている場合がある。このような場合にも、当日の記録情報と共に、前日以前の[日時,機種ID,基本単価]の組み合わせを全て消去するものとしている。
[遊技用システム1の作用]
以下、遊技用システム1の動作、特にカードユニット3(以下カードユニット3と略記する)、持玉管理装置140、及び会員管理装置150において実行される処理について説明する。以下では使用する記録媒体が会員カードである例について説明する。なお、使用する記録媒体がビジターカードである場合には、入金処理及びプリペイド払出、並びに持玉払出の制御に関して会員カードの場合と同様の処理が実行される。
まず、会員遊技者は、遊技を行う遊技機に対応したカードユニット3のカード挿入口に会員カードを挿入する。挿入された会員カードがカードR/W327により受け付けられると、カード情報(カードID,会員ID,プリペイド残額,日時,機種ID,基本単価)が読み取られる。
制御ユニット328は、受け付けた会員カードのカードIDを含むカード挿入通知を残残額管理装置100に送信し、残額管理装置100との通信により、受け付けた会員カードのカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額を取得し、持玉管理装置140との通信により、該カードIDに対応付けて持玉管理装置140で管理されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数を取得し、会員管理装置150との通信により、当該会員カードのカードID及び会員番号に対応付けて会員管理装置150で管理されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の貯玉数及び暗証番号を取得して、取得したデータをRAM328bに記憶する。
次いで、制御ユニット328は、表示部312に、0〜9の各数字に対応した数字キーを含む暗証番号入力画面(図示せず)を表示し、遊技者に暗証番号の入力を促す。遊技者が、暗証番号の各桁の数字に対応する数字キーをタッチして、4桁の暗証番号の入力が完了すると、制御ユニット328は、RAM328bに記憶している暗証番号と入力された暗証番号との照合を実行する。
会員管理装置150から取得した暗証番号と入力された暗証番号が一致しなければ(照合NGならば)、暗証番号入力画面を再度表示する。一方、会員管理装置150から取得した暗証番号と入力された暗証番号が一致すれば(照合OKならば)、暗証番号入力画面から図12(1)のメイン画面に移行する。
メイン画面には、設定情報として記憶されている当該カードユニット3に対応する基本単価及び基本払出玉数に基づいて、当該カードユニット3が実行する払出処理(プリペイド払出、持玉払出、貯玉払出)により払い出される遊技媒体の単価(「1玉4円コーナー」)と、基本払出玉数(「125玉払出」)が表示部312の最上部に表示される。
また、その下方の表示領域312aには、入金処理が可能となっている(貨幣を受付可能となっている)ことに基づいて、「入金可」の表示がされ、プリペイド払出が可能となっている(払出ボタン21が操作されるとプリペイド残額に応じてプリペイド払出が実行される)ことに基づいて、残額管理装置100から送信されてRAM328bに記憶されているプリペイド残額(本例では1000円)が表示されている。
なお、制御ユニット328は、受け付けた会員カードのカードIDに対応付けて残額管理装置100で管理されているプリペイド残額と、受け付けた会員カードから読み取ったプリペイド残額の照合を実行する。プリペイド残額が一致すれば(照合OKならば)残額管理装置100から受信した(会員カードから読み取った)プリペイド残額を表示領域312aに表示してプリペイド払出を可能とすると共に、入金処理を可能とする(これに伴い「入金可」と表示される)。
プリペイド残額が一致しなければ(照合NGならば)、プリペイド残額を表示せずプリペイド払出を禁止する(払出ボタン21が操作されてもプリペイド払出を実行しない)と共に、入金処理を禁止し、さらに多機能ランプ301を所定の発光態様とすることによりエラー報知を行う。
入金処理を禁止する手段としては、紙幣挿入口302に設けられている挿入センサ(図示せず)により紙幣の挿入が検出されたときにも、制御部が紙幣搬送モータを動作させず、紙幣を取り込まないようにすると良い。なお、一旦は紙幣を取り込んだ後に入金処理を行うことなく紙幣を返却するようにしても良く、挿入検出の確認(例えば挿入検出時の出力信号の有無)自体を行わないようにしても良い。
また、その下方の表示領域312bには、セーフ数−アウト数により算出されるカウント値と、残額管理装置100から受信した設定情報としての閾値(CU管理テーブルAで当該カードユニット3の装置IDに対応付けられた閾値)とが表示される。カウント値は、パチンコ機2から出力されるセーフ信号及びアウト信号の入力に基づいて更新されるものであるが、店員用端末400の入力操作によって変更可能となっている。また、閾値も、店員用端末400の入力操作によって変更可能となっている。
さらに、その下方の表示領域312cには、持玉管理装置140から送信されてRAM328bに記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の持玉数のうち、当該カードユニット3に対応した基本単価(本例では4円)に対応した口座の持玉数(本例では100玉)が表示されている。また、貯玉管理装置150から送信されてRAM328bに記憶されている各口座(4円口座、2円口座、1円口座)の貯玉数のうち、当該カードユニット3に対応した基本単価(本例では4円)に対応した口座の貯玉数(本例では140玉)が表示されている。
さらに、その下方の表示領域312dには、基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であり、貯玉払出が実行可能となっていることに基づいて貯玉払出ボタンが有効態様(無効態様よりも濃い表示態様)で表示されている。なお、基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であり、貯玉払出を実行できないときには、表示領域312dに貯玉払出ボタンが無効態様(有効態様よりも薄い表示態様)で表示され(例えば、図12(2)を参照)、該無効態様の貯玉払出ボタンが操作されたとしても貯玉払出は実行されない。
会員カード挿入時の処理が完了した状態において、図12(1)に示すように、持玉数として100、貯玉数として140が表示されている。また、持玉数が0ではなく、持玉払出が可能な状態であることに基づいて、計数プレイLED319bが点灯している。また、基本単価に対応した口座の貯玉数(140)が一単位数以上であることに基づいて、表示領域312dに貯玉払出ボタンが有効態様で表示されている。
この状態で表示領域312dの貯玉払出ボタンが操作されると、4円口座の貯玉数(140)が基本払出玉数(125)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される貯玉払出が実行される。
そして、図12(2)に示すように、貯玉払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している基本単価に対応した4円口座の貯玉数(140)から基本払出玉数(5度数相当の125)が減算されて15になると共に、表示部312に表示される当該口座の貯玉数も減算後の貯玉数に更新される。
ここで、本実施の形態において、貯玉払出が実行される場合には、持玉払出が実行される場合と異なり、カードユニット3から持玉管理装置140に対しては、貯玉管理装置150で管理されている貯玉数を減算するための貯玉更新要求が送信される。貯玉更新要求には、受け付けた会員カードから読み取られた会員番号と、各口座の貯玉数から減算する玉数と、が情報として含まれる。
本例では、カードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数のみを減算する貯玉払出が実行されているため、貯玉更新要求に含まれる4円引き落とし数(4円口座から減算する玉数)が125、2円引き落とし数(2円口座から減算する玉数)が0、1円引き落とし数(1円口座から減算する玉数)が0、となっている。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新要求を会員管理装置150に対して送信する。
カードユニット3から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新要求を受信した会員管理装置150では、CPU152が、該貯玉更新要求に含まれる会員番号に対応付けて貯玉管理テーブルで記憶している各口座の貯玉数から、指定された引き落とし数を減算する。本例では、会員番号に対応する4円口座の貯玉数から基本払出玉数(4円引き落とし数125)を減算し、2円引き落とし数及び1円引き落とし数が0であることにより、2円口座の貯玉数及び1円口座の貯玉数は減算しない。
次いで、会員管理装置150のCPU152は、会員管理装置150により管理されている貯玉数の更新が完了したことを示す貯玉更新応答を持玉管理装置140に対して送信する。持玉管理装置140のCPU142は、受信した貯玉更新応答をカードユニット3に対して送信する。
会員管理装置150から送信され、持玉管理装置140により中継された貯玉更新応答を受信したカードユニット3では、会員管理装置150において管理されている貯玉数が更新されたことを確認する。そして、制御ユニット328は、図12(2)に示すように、記憶している基本単価(当該カードユニット3の装置IDに対応する基本単価)に対応した口座の貯玉数が一単位数未満であることに基づいて、表示領域312dに貯玉払出ボタンを無効態様で表示する。そのため遊技者は、貯玉払出によって遊技媒体の付与を受けることができないことを認識できる。
ただし、図12(2)において、貯玉払出が実行された後の貯玉数は一単位数未満の15となったが、基本単価に対応した口座の持玉数(100)が1以上であることに基づいて、計数プレイLED319bは点灯状態のままである。そのため遊技者は、持玉払出によって遊技媒体が付与されることを認識できる。
図12(2)の状態において、計数プレイボタン319が操作されると、4円口座の持玉数(100)が基本払出玉数(125)未満であり、[一単位数(25)×n≦持玉数(100)]となる最大のnが4であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、4度数相当のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出される持玉払出が実行される。
そして、図12(3)に示すように、持玉払出の実行に伴い、RAM328bで記憶している基本単価に対応した4円口座の持玉数(100)から払出玉数(4度数相当の100)が減算されて0になると共に、表示部312に表示される当該口座の持玉数も減算後の持玉数に更新される。そして、制御ユニット328は、持玉数が0となり、持玉払出を実行できないことに基づいて、計数プレイLED319bを消灯する。
ここで、本実施の形態において、持玉払出が実行される場合には、貯玉払出や乗入れ払出が実行される場合と異なり、カードユニット3から持玉管理装置140に対しては、持玉管理装置140で管理されている持玉数を減算するための情報が送信されず、持玉払出の実行に伴うカードユニット3と持玉管理装置140との通信処理が発生しない。また、計数・端数払出ユニット340により遊技媒体の計数が行われ、RAM328bに記憶している持玉数(表示部312に表示されている持玉数)が更新されたときにも、カードユニット3から持玉管理装置140に対しては、持玉管理装置140で管理されている持玉数を加算するための情報が送信されず、計数処理の実行に伴うカードユニット3と持玉管理装置140との通信処理が発生しない。
即ち、持玉管理装置140において管理されている持玉数は、カードユニット3からビジターカード又は会員カードが返却されるとき、営業終了時処理において持玉数が貯玉数に加算されるとき、及び、前述した交換完了通知を受信したときにのみ更新されるようになっている。カードユニット3での持玉払出及び計数処理が実行されるときには、持玉管理装置140において管理されている持玉数は更新されないため、カードユニット3と持玉管理装置140との間での通信は不要となっている。
このように、持玉数が更新されたときには、カードユニット3で記憶されている持玉数は更新されるものの、持玉管理装置140で管理されている持玉数は更新されないようにすることで、持玉数の更新に伴う通信量の増加を抑制し、遊技用システムの処理負担を軽減するようにしている。後述するように、持玉管理装置140で管理されている持玉数の更新は、会員カードがカードR/W327から返却されるときに行われるようにしている。
図12(3)の状態において、払出ボタン21が操作されると、プリペイド残額(本例では1000円)が、基本単価及び基本払出玉数に応じた額(4円×125=500円)以上であることに基づいて、制御ユニット328と払出制御基板28との間で通信が行われ、基本払出玉数(5度数相当)のパチンコ玉が対応するパチンコ機2から払い出されるプリペイド払出が実行される。
そして、図12(4)に示すように、プリペイド払出の実行に伴い、RAM328bで記憶しているプリペイド残額(1000円)から基本払出玉数相当の消費額(5度数相当の125玉×4円=500円)が減算されて500円になると共に、表示部312に表示されるプリペイド残額も減算後のプリペイド残額に更新される。カードユニット3におけるプリペイド払出に伴い、受け付けた会員カードから読み取られたカードIDとプリペイド払出における消費額(500円)とを含む消費情報が残額管理装置100に送信される。残額管理装置100では、受信した消費情報が指定する消費額を、該消費情報が指定するカードIDに対応付けて管理されているプリペイド残額から減算して、減算完了通知をカードユニット3に送信する。減算完了通知を受信したカードユニット3では、残額管理装置100で管理されているプリペイド残額の更新が完了したことを確認する。
なお、本実施の形態では、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が一単位数以上であるときにのみ貯玉払出を実行可能としているが、このような形態に限らず、当該カードユニット3に記憶されている基本単価に対応した口座の貯玉数が1以上である場合に貯玉払出を実行可能としても良い。なお、貯玉払出ボタンは、表示部312に表示させるものではなく、突出部305の筐体に設ける(これに対応した操作検出スイッチも別個に設ける)ようにしても良い。
(カウント値更新処理)
カードユニット3に対応するパチンコ機2において遊技が行われると、前述したセーフ信号及びアウト信号が制御ユニット328に入力される。制御ユニット328では、セーフ信号又はアウト信号が入力されたことに基づいて、図13のカウント値更新処理を実行する。なお、セーフ信号及びアウト信号のいずれも入力されなかった場合には、カウント値更新処理は実行されない。また、「定量制/非定量制」の設定情報として、「非定量制」が記憶されているカードユニット3に関しては、カウント値更新処理が実行されないものとする。
カウント値変更処理において、セーフ信号が入力された場合には(S101でYES)、カウント値に10を加算して(S102)、加算更新後のカウント値が閾値を超過しているか否かを確認する(S103)。
この閾値は、残額管理装置100のCU管理テーブルAにおいて当該カードユニット3の装置IDに対応付けて記憶されており、残額管理装置100から配信されて制御ユニット328のRAM328bに記憶されている閾値、又は、後述する店員の操作により店員用端末400から入力された閾値のいずれかである。
カウント値が閾値を超過していなければ(S103でNO)、カウント値更新処理を終了する。カウント値が閾値を超過している場合には(S103でYES)、既に超過フラグがセットされているか否かを確認する(S104)。超過フラグは、後述する閾値超過時処理において設定されるものであるため、超過フラグがセットされているということは、既に閾値超過時処理が実行されたということである。
超過フラグがセットされている場合には(S104でYES)、カウント値更新処理を終了する。超過フラグがセットされていない場合には(S104でNO)、後述する図14に示す閾値超過時処理を実行する。
一方、アウト信号が入力された場合には(S101でNO)、カウント値から10を減算して(S111)、減算更新後のカウント値が0未満のマイナス値となったか否かを確認する(S112)。カウント値が0未満のマイナス値となっている場合には(S112でYES)、カウント値を0にセットして(S113)、カウント値更新処理を終了する。カウント値が0以上である場合には(S112でNO)、カウント値が閾値を超過しているか否かを確認する(S114)。
カウント値が閾値を超過している場合には(S114でYES)、カウント値更新処理を終了する。カウント値が減算された後にもなお閾値を超過しているということは、既に閾値超過時処理が実行された後の状態であるということである。カウント値が閾値を超過していなければ(S114でNO)、超過フラグがセットされているか否かを確認する(S115)。
カウント値が閾値を超過していないにもかかわらず、超過フラグがセットされているということは、今回のカウント値の減算により、減算前は閾値を超えていたカウント値が減算後に閾値以下になったということである。この場合には、入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出が禁止されている場合(動作停止処理が実行された場合)には、これらを全て解除し、入金処理、プリペイド残額に応じたプリペイド払出、持玉数に応じた持玉払出、及び、貯玉数に応じた貯玉払出を全て実行可能とする(S116)。
次いで、制御ユニット328は、表示領域312bにおけるカウント値が閾値を超えた旨の報知(「××発に到達しました。」の表示)及び遊技終了を促す報知(「遊技を終了して下さい。」)を終了する(S117)。これにより、閾値超過時処理において表示されたメッセージは消去される。そして、制御ユニット328は、超過フラグをクリアし(S118)、カウント値更新処理を終了する。
従って、この実施の形態では、カウント値(セーフ数−アウト数により算出される差数)の最低値は0となる。これにより、パチンコ遊2において遊技者に多くの遊技媒体が払い出される遊技状態(例えば大当り遊技状態や高ベース状態)に移行したことを契機としてカウント値が0から増加してゆくことになる。
前述したように、大当り遊技状態(あるいは高ベース状態)等、遊技者にとって有利な遊技状態に制御されている期間は、セーフ数(例えばセーフ信号の入力毎に10加算される)がアウト数(例えばアウト信号の入力毎に10加算される)を上回るため、カウント値が増加することが見込まれる。対して、遊技者にとって有利な遊技状態ではない期間(低確率/低ベース状態)では、アウト数がセーフ数を上回るため、該期間に移行する前のカウント値が0であれば、カウント値がほぼ0のまま維持され、有利状態に突入したことを契機にカウント値が増加に転じるようになっている。
なお、このような形態に限らず、S112及びS113の処理を実行することなく、カウント値がマイナス値となることを許可するようにしても良い。即ち、有利状態であるか否かにかかわらず、セーフ数(例えばセーフ信号の入力毎に10加算される)とアウト数(例えばアウト信号の入力毎に10加算される)に基づいて、単にセーフ数−アウト数によりカウント値を更新するようにしても良い。
このようにして更新されるカウント値及び閾値は、図12に示すように、表示部312の表示領域312bに表示される。例えば、表示領域312bに[1650/3000]と表示されていることにより、カウント値が1650であり、閾値が3000であることを遊技者や店員が把握可能となる。これにより、遊技者や店員は、カウント値が閾値に到達しているか否か、及び、カウント値が閾値に達するまでの猶予(残り玉数)を把握することができる。なお、このような形態に限らず、「閾値まで1350発です。」というように、閾値に到達するまでの残り玉数を表示するようにしても良い。
遊技場の店員は、対応する遊技機で遊技が行われていないにもかかわらず、カウント値が0ではないカードユニット3を発見すると、店員用端末400の操作(カウント値として0を入力する操作)によりカードユニット3のカウント値を0にリセットさせる。なお、対応する遊技機で遊技が行われていないにもかかわらず、カウント値が0となっていないことをカードユニット3が検出すると、多機能ランプ301を特定の態様で発光させることにより、その旨を報知し、店員に0リセット操作を促すようにしても良い。
閾値超過時処理では、RAM328bに閾値超過時処理の設定情報として、「動作停止を実行する旨」及び「表示変更を実行する旨」のいずれが記憶されているかを確認する(S121)。「動作停止を実行する旨」が記憶されている場合には(S121でYES)、入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び、貯玉払出を全て禁止する制御を実行する(S122)。
即ち、紙幣挿入口302に設けられている挿入センサ(図示せず)により紙幣の挿入が検出されたときにも、制御部が紙幣搬送モータを動作させず、紙幣を取り込まないようにすることで入金処理を禁止する。また、プリペイド残額によらず、払出ボタン21が操作されたときにもプリペイド払出を実行しないことにより、プリペイド払出を禁止する。また、持玉数(カードユニット3の基本単価に対応した口座の持玉数)によらず、計数プレイボタン319が操作されたときにも持玉払出を実行しないことにより、持玉払出を禁止する。また、貯玉数(カードユニット3の基本単価に対応した口座の貯玉数)によらず、貯玉払出ボタンが操作されたときにも貯玉払出を実行しないことにより、貯玉払出を禁止する。
このような動作停止処理に伴い、図12(11)に示すように、表示領域312aには、入金処理が禁止されている旨を報知する「入金不可」の表示、及び、プリペイド払出が禁止されている旨を報知する「プリペイド払出不可」の表示がされる。また、表示領域312dには、貯玉払出ボタンが無効態様(有効態様よりも薄い表示態様)で表示されることにより、貯玉払出が実行されないことを報知し、計数プレイLED319bを消灯することにより、持玉払出が実行されないことを報知するようにしている。
このように、カウント値が閾値を超過したときには、入金処理及びプリペイド払出、並びに、持玉払出及び貯玉払出を禁止することにより、定量制であるにもかかわらず遊技者が遊技を継続可能であると誤って判断することを防止するようにしている。
ここで、このような動作停止処理が実行された後においても、計数・端数払出ユニット340による計数処理は実行可能となっている。従って、遊技者は、レバー24aを操作して、下皿24に貯留されたパチンコ玉を計数・端数払出ユニット340に投入して計数処理を実行させることができる。計数処理に伴い、表示領域312cに表示されている持玉数(RAM328bに記憶されている持玉数)が更新される。
このように、動作停止処理が実行され、持玉払出が禁止された状態にあっても、計数処理を実行可能としておくことにより、遊技者が不利益を被ることを防止するようにしている。なお、このような形態に限らず、動作停止処理において計数処理を禁止するようにしても良い。例えば、計数流路にシャッタを設けるようにしておき、動作停止処理が行われると、計数流路にシャッタが出現して計数・端数払出ユニット340の投入部から計数流路内へのパチンコ玉の流入が妨げられ、計数センサ356によるパチンコ玉の計数が行われないようにしても良い。
さらに、動作停止処理の実行後、制御ユニット328は、カウント値が閾値に到達していることを報知すると共に、遊技者に対して遊技を終了するように促す報知(表示変更処理)を行う(S123)。例えば、図12(11)に示すように、表示領域312bに、「××発(閾値として設定されている玉数であり、本例では3000)に到達しました。」のメッセージと共に、「遊技を終了して下さい。」のメッセージを表示するようにしている。また、この例では、表示領域312bに3010/3000と表示されることにより、カウント値が3010となり、閾値である3000を超過していることを把握することができる。
一方、閾値超過時処理において、RAM328bに閾値超過時処理の設定情報として、「表示変更を実行する旨」が記憶されている場合には(S121でNO)、S122に示した動作停止処理を実行することなく、S123の表示変更処理のみを実行する。この場合には、図12(12)に示されるように、入金処理及びプリペイド払出が禁止されないことにより、表示領域312aに「入金可」と表示されると共にプリペイド残額が表示される。また、貯玉払出が禁止されないことにより、表示領域312dの貯玉払出ボタンが有効態様で表示され、持玉払出が禁止されないことにより、計数プレイLED319bが点灯状態となっている。
ただし、S123の表示変更処理は実行されることにより、図12(12)に示すように、表示領域312bに、「××発(閾値として設定されている玉数であり、本例では3000)に到達しました。」のメッセージと共に、「遊技を終了して下さい。」のメッセージを表示するようにしている。
なお、S123において表示される閾値超過のメッセージは、カウント値が閾値を超えたタイミングで有利状態に制御されていない場合には、カウント値が閾値を超えたタイミングで直ちに表示するものとして、カウント値が閾値を超えたタイミングで有利状態に制御されている場合には、閾値超過のメッセージを直ちに表示せず、有利状態が終了したときに表示するようにしても良い。
また、計数処理が実行されているときに表示部312に表示される計数メッセージ(例えば「計数処理中」)や、払出処理(プリペイド払出,持玉払出,貯玉払出)が実行されているときに表示312に表示される払出メッセージ(例えば「払い出し中」)が表示されている期間は、カウント値が閾値を超えたタイミングであっても閾値超過のメッセージを直ちに表示せず、計数処理や払出処理の完了後に閾値超過のメッセージを表示するようにしても良い。また、カウント値が閾値を超えたタイミングで、計数メッセージや払出メッセージよりも優先して(計数メッセージや払出メッセージが表示されている場合には、そのメッセージを消去して)閾値超過のメッセージを表示するようにしても良い。
次いで、制御ユニット328は、超過フラグをセットして(S124)、閾値超過時処理及びカウント値更新処理を終了する。また、S124で超過フラグがセットされたことに基づいて、制御ユニット328は、多機能ランプ301を特定態様で発光させることにより、カウント値が閾値を超えていることを報知する。
また、当該カードユニット3が、遊技機の上方に設けられている、大当り回数や確変大当り回数等を表示するための情報表示装置(例えば図示しない呼出ランプ装置)と通信可能に接続されている場合には、情報表示装置に対して、カウント値が閾値を超えている旨を報知するよう指示する。情報表示装置では、カードユニット3からの指示に基づいて、カウント値が閾値を超えている旨を報知する(例えば、呼出ランプ装置であれば、ランプを特定態様で発光させることにより報知する)と共に、遊技を終了させるように促す表示を行う。
なお、図13の処理において、セーフ信号の入力毎にセーフ数を10加算し、アウト信号の入力毎にアウト数を10加算するようにしておき、セーフ数が更新される毎、アウト数が更新される毎に、セーフ数−アウト数により算出される差数(カウント値)を更新するようにしても良い。また、セーフ数やアウト数を1個単位で更新可能としても良く、例えば、1個の賞球が払い出される毎に遊技制御基板27から1のパルス信号を出力し、1個のアウト玉が検出される毎にアウト玉計数器40から1のパルス信号を出力するようにしても良い。
また、遊技制御基板27が、パチンコ玉が入賞した入賞口に応じて自らセーフ数(払出賞球数)を加算するようにしておき、セーフ数が更新される毎に、あるいは所定期間毎に、制御ユニット328に更新後のセーフ数を通知するようにしても良い。同様に、遊技制御基板27が、遊技領域26にパチンコ玉が打ち込まれる毎(打込玉が検出される毎)に自らアウト数(打込玉数)を加算するようにしておき、アウト数が更新される毎に、あるいは所定期間毎に、制御ユニット328に更新後のアウト数を通知するようにしても良い。
(カード返却時処理)
そして、カードユニット3の動作停止、表示領域312bの表示変更、若しくは多機能ランプ301の特定発光態様、又は、情報表示装置におけるカウント値が閾値を超えている旨の報知、若しくは遊技を終了する旨の表示を確認した遊技者、あるいは、店員の指示を受けた遊技者は、対応する遊技機における遊技を終了して、返却ボタン22を操作して、図15のカード返却時処理を実行させ、カードユニット3にて受付中のカードを返却させる。
カード返却時処理において、制御ユニット328は、超過フラグがセットされているか否かを確認する(S303)。超過フラグがセットされていない場合には(S303でNO)、カードR/W327が、返却する会員カードにRAM328bで記憶されているプリペイド残額を記録すると共に(S311)、制御ユニット328に記憶されている現在の日時、機種ID(設定情報としてRAM328bに記憶されている機種ID)、及び、基本単価(設定情報としてRAM328bに記憶されている基本単価)を記録する(S312)。
ここで[現在の日時,機種ID,基本単価]の組み合わせは、上書き記録されず、カードに追加的に記録されるようになっている。従って、カードには[日時,機種ID,基本単価]の組み合わせが複数記録されている場合がある。カードに記録されている[日時,機種ID,基本単価]の組み合わせは、景品交換用POS端末170における景品交換処理が完了したことに基づいて、全て消去される。そして、カードR/W327からカードを返却して(S320)、カード返却時処理を終了する。
なお、返却するカードがビジターカードである場合には、上記の記録情報に加えて、制御ユニット328から出力される各口座の持玉数(RAM328bに記憶されている各口座の持玉数)もさらに記録する(S311)。カードの返却後、当該カードユニット3に対応した遊技機で次に遊技を行う遊技者は、カウント値が0となっていない場合、店員を呼んでカウント値を0にリセットさせてから遊技を行うことになる。
一方、超過フラグがセットされている場合には(S303でYES)、後述する店員用端末400によりカウント値として0が入力されたことに基づく変更処理(図17を参照)の完了を待機する(S304)。店員用端末400のカウント値入力欄に0が入力され、送信ボタンが操作されたときには(図16を参照)、カウント値を変更する旨と入力されたカウント値(0)を指示するカウント値変更命令が店員用端末400から出力され、受信ユニット(IR)315を介して制御ユニット328に出力される。
制御ユニット328では、カウント値変更命令を受信したことに基づいて、閾値を超えている現在のカウント値を、入力されたカウント値である0にリセットする。そして、制御ユニットは、閾値を超えていたカウント値を0にリセットしたことに基づいて(S304でYES)、入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出が禁止されている場合(動作停止処理が実行された場合)には、これらを全て解除し、入金処理、プリペイド残額に応じたプリペイド払出、持玉数に応じた持玉払出、及び、貯玉数に応じた貯玉払出を全て実行可能とする(S305)。
次いで、制御ユニット328は、表示領域312bにおけるカウント値が閾値を超えた旨の報知(「××発に到達しました。」の表示)及び遊技終了を促す報知(「遊技を終了して下さい。」)を終了する(S306)。これにより、表示領域312bに表示されるカウント値は0となり、閾値超過時処理において表示されたメッセージは消去される。そして、制御ユニット328は、超過フラグをクリアし(S307)、S311以降の処理を実行してカードを返却する。
なお、カードユニット3からのカード返却に伴い、RAM328bに記憶されているプリペイド残額、並びに各口座の持玉数及び貯玉数は0にクリアされる。そして、返却されるカードのカードID及びRAM328bに記憶している各口座の持玉数を含むカード排出通知が持玉管理装置140に送信され、持玉管理装置140は、受信したカード排出通知で指定されるカードIDに対応付けて管理されている各口座の持玉数を、該カード排出通知で指定される各口座の持玉数に更新する。なお、制御ユニット328は、カード排出通知を残額管理装置100に送信し、これを受信した残額管理装置100では、受付中カードIDを消去する。
カードの返却を受けた遊技者は、景品交換用POS端末170が設置されるカウンタに移動して、一旦、持玉数を景品と交換した後、再度当日の遊技を行うことができる。なお、この実施の形態では、遊技場が定量制を採用しているため、遊技者が遊技により獲得した獲得価値(カウント値)が閾値を超えたときには、遊技を終了することとしている。その結果、遊技者は、獲得価値の精算(景品交換)をしなければ当日の遊技を行うことができないようになっている。
ここで、本実施の形態のように、定量制を採用している遊技場であれば、景品交換完了後に、改めて入金処理を行いプリペイド払出を受けることにより遊技を行うことになる。即ち、遊技場としてみれば、プリペイド価値の消費機会を得ることができる。仮に、遊技者が、カウント値が閾値に到達しているにもかかわらず、景品交換を行うことなく獲得価値(持玉)を使用して遊技を継続するようにした場合には、遊技場にとってはプリペイド価値の消費機会を逸することになってしまう。
特に、本例では、景品交換の際に、交換係数を1.0未満(0.6)としているため、景品交換がされることなく遊技が継続されることにより、遊技場は本来得られる利益を喪失することになる。そのため、カードユニット3において、動作停止処理や表示変更処理を行うことにより、カウント値が閾値に達したことを遊技者や店員に適切に報知して、適切なタイミングで遊技を終了させるようにしている。
また、前述したカード返却時処理では、超過フラグがセットされている場合(現在のカウント値が閾値を超えている場合)には(S303でYES)、店員用端末400によるカウント値の0リセット操作が受け付けられ、カウント値が0にリセットされたことに基づいて(S304でYES)、受け付けているカードを返却するようにしている。
仮に、超過フラグがセットされている場合に、店員の確認操作(本例ではカウント値の0リセット操作)を何ら受け付けることなくカードを返却するようにすると、店員が把握できない間にカードが返却され、遊技者が返却されたカードのカードIDに対応付けられた持玉(このときの持玉数はカウント値が閾値を超えていることにより他の遊技機で遊技を行うのに十分な所定数に達している)を使用して他の遊技機において遊技を開始する可能性がある。従って、この実施の形態では、店員の確認操作を経た上でカードを返却し、その後に店員の同行のもとで適切に景品交換が行われるようにしている。
また、この実施の形態では、超過フラグがセットされていない場合に(S303でNO)、カード返却がされるときにも、カウント値が自動的に0にはリセットされないようにしている。仮に、カウント値が閾値を超えていない状態でカードが返却されるときに、カウント値を0にリセットするようにすると、遊技者がその遊技機での遊技を継続するにもかかわらず、例えば大当り遊技状態や高ベース状態等の有利状態においてカウント値が閾値に到達する前に、故意にカードを返却させてカウント値を0にリセットし、閾値までの猶予玉数を意図的に増加させる行為を行う可能性がある。
このような事態を防止すべく、超過フラグがセットされていない場合に(S303でNO)、カード返却がされるときにも、カウント値が自動的に0にはリセットされないようにしている。但し、このような構成としたことにより、次に遊技を行う遊技者が、カウント値が0ではない状態で遊技を開始しなければならないというケースが生じる。このようなケースにおいて、次に遊技を行う遊技者向けにカウント値を0にリセットするため、後述する変更処理を実行可能となっている。
また、この実施の形態では、前述したように、営業開始時処理において残額管理装置100からカードユニット3に入力された閾値(以下、初期閾値と称する場合がある)を設定情報として記憶するようにしているが、この設定情報としての閾値は、後述する変更処理において、店員用端末400に入力された閾値に変更することが可能となっている。従って、カード排出時に設定されている閾値は、初期閾値から変更されたものである場合がある。
そして、この実施の形態では、カード返却がされるときにも、閾値が自動的に初期閾値に変更されない(リセットされない)ようにしている。仮に、カードが返却されるときに、設定されている閾値を初期閾値にリセットするようにすると、カード返却時に設定されている閾値が初期閾値よりも高い場合に、遊技者がその遊技機での遊技を継続するにもかかわらず、例えば大当り遊技状態や高ベース状態等の有利状態においてカウント値が閾値に到達する前に、故意にカードを返却させて閾値を初期閾値にリセットし、閾値までの猶予玉数を意図的に増加させる行為を行う可能性がある。
また、特定の遊技機に関してのみ閾値を通常よりも大きくするイベント(例えば、新機種を対象として閾値を通常よりも1000加算しておくイベント)が行われるようなケースでは、前述した定量制設定画面により閾値を変更するまでもなく、これら特定の遊技機に対応したカードユニット3のみを対象として、店員が店員用端末400を操作して直接閾値を変更することが簡便な場合もある。このような場合、カードの排出毎に、設定されている閾値が初期閾値にリセットされてしまうと、閾値を再度増加させるための店員の作業が煩雑になってしまう。これらの事態を防止すべく、カード返却がされるときにも、閾値が自動的に初期閾値に戻らないようにしている。
(カウント値及び閾値の変更)
制御ユニット328において記憶されているカウント値及び閾値は、店員用端末400の入力操作によって変更することが可能となっている。店員用端末400は、CPU、RAM、ROM等により構成されるマイクロコンピュータを備える制御部と、入力操作を受け付けるタッチパネル式のディスプレイ400a、及び、赤外線通信機能を有する通信部と、を含む構成となっている。
本実施の形態における店員用端末400は、変更対象とする1のカードユニット3に対して、入力されたカウント値又は閾値に応じて、カウント値を変更するためのカウント値変更命令又は閾値を変更するための閾値変更命令を送信するものである。
図16(a)に示すように、ディスプレイ400aには、初期画面として、「カウント値設定」ボタン、「閾値設定」ボタン、及び「閾値リセット」ボタンが表示されている。店員が、「カウント値設定」ボタンを選択すると、ディスプレイ400aに図16(b)のカウント値入力画面が表示される。カウント値入力画面には、最上部に「設定するカウント値」と表示され、その下方に、カウント値入力欄が表示され、さらにその下方には、0〜9の各数字キーと送信ボタンが表示される。
カウント値入力画面において、店員は、数字キーを操作することより、設定したいカウント値をカウント値入力欄に入力する。図16(c)の例では、設定するカウント値として500が入力されている。そして、入力完了後に、送信ボタンを操作することにより、カウント値を変更する旨と入力されたカウント値(500)を指示するカウント値変更命令が通信部から出力される。
なお、前述したカード排出時におけるカウント値の0リセットを行うには、カウント値入力欄に0を入力して送信ボタンを操作するようにすると良い。また、図16(a)の初期画面に「カウント値リセット」ボタンを設けるようにしておき、「カウント値リセット」ボタンが操作されたときには、カウント値を変更する旨とカウント値として0を指示するカウント値変更命令が通信部から出力されるようにしても良い。
カウント値変更命令を、カードユニット3の赤外線信号の受信ユニット(IR)315が受信すると、制御ユニット328は、図17の変更処理を実行する。制御ユニット328は、受信した赤外線信号がカウント値変更命令であることに基づいて(S201でYES)、入力されたカウント値(カウント値変更命令により指示されるカウント値)が、現在のカウント値(表示領域312bに表示されるカウント値)よりも大きいか否かを確認する(S202)。
入力されたカウント値(例えば500)が現在のカウント値(例えば1650)以下である場合には(S202でNO)、入力されたカウント値(例えば500)を現在のカウント値として設定する(S204)。即ち、店員用端末400に入力されたカウント値が当該カードユニット3のカウント値として設定されることになる。S204の処理が実行されたことに伴い、制御ユニット328は、表示領域312bに、カウント値が変更された旨、並びに、変更前のカウント値及び変更後のカウント値を表示する(S205)。
図16(d)(e)の例では、入力されたカウント値(500)が現在記憶しているカウント値(例えば1650)よりも小さいことに基づいて、表示領域312bに表示されるカウント値が店員用端末400に入力されたカウント値(500)に変更されている。これに伴い、カウント値が変更された旨、並びに、変更前のカウント値及び変更後のカウント値が表示される(「カウント値を1650から500に変更しました。」)。これにより、カウント値が変更されたことを遊技者や店員に把握させることができる。
なお、このように、変更前よりも変更後のカウント値が小さくなるような変更が生じる状況、即ち、カウント値を現状値よりも減らす状況として、(1)遊技者がある遊技機で遊技を開始したときに、既にカウント値がある程度の値(例えば1000)まで増加しており、遊技者がこれに気付かず遊技を行い、その後(例えば遊技機が有利状態に制御されたとき)にカウント値から閾値までの猶予が少ないことに気付いたケースや、(2)イベント対象の遊技者(例えば当日が誕生日の遊技者やレディースデーにおける女性遊技者)が遊技を行っている遊技機が有利状態に制御されたときに、カウント値を1000優遇する(即ち1000減少させる)ようなケース、(3)遊技機やカードユニット3のトラブル(例えばアウト信号がカードユニット3に入力されない)によりカウント値が異常に増加しているケース等が想定される。
一方、S202で、入力されたカウント値が現在のカウント値より大きい場合には(S202でYES)、制御ユニット328は、受け付けているカードから読み取られた[日時,機種ID,基本単価]の組み合わせのうち、[当日の日付,制御部328に設定情報として記憶されている機種ID,制御部328に設定情報として記憶されている基本単価]と合致する組み合わせが存在するか否かを確認する(S203)。
[日付,機種ID,基本単価]が合致する組み合わせが存在する場合には(S203でYES)、即ち、カードを所有する遊技者が、同じ営業日に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機で遊技を行い、その後に景品交換が完了していない場合には、S204以降の処理を実行して、カウント値を変更する。このとき、変更後のカウント値は変更前のカウント値よりも大きくなる。なお、このようなケースでは、変更前のカウント値は、台移動後のカードユニット3においてカード挿入前から記憶されているカウント値(あるいは該カウント値が台移動後に更新された後のカウント値)である。そのため、変更前のカウント値が0である場合にのみ(台移動に基づくカウント値の変更であると特定される場合にのみ)、カウント値が増加するような変更を許可するようにしても良い。
なお、このように、変更前よりも変更後のカウント値が大きくなるような変更が生じる状況、即ち、カウント値を現状値よりも増やす状況として、上記の台移動以外にも、遊技機やカードユニット3のトラブル(例えばセーフ信号がカードユニット3に入力されない)によりカウント値が異常に少ないケース等が想定される。
一方、[日付,機種ID,基本単価]が合致する組み合わせが存在しない場合には(S203でNO)、即ち、遊技者が、同じ営業日に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機で遊技を行っていないか、あるいは、同じ営業日に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機で遊技を行ったが、その後に景品交換が完了している場合には、カウント値の変更が行われない旨が報知される(S206)。例えば、入力されたカウント値が現在のカウント値よりも大きいことによりカウント値が変更されないことを示すメッセージ(「入力されたカウント値が大きすぎるため設定できません。」)が表示領域312bに表示される。
ここで、変更前のカウント値よりも変更後のカウント値が大きくなるようなカウント値の変更は、遊技者にとっては閾値までの猶予玉数が減少するため通常であれば不利益となるものである。このような変更を何ら条件なく許可すると、遊技者が損失を被ることにもなる。そのため、この実施の形態では、入力されたカウント値が現在のカウント値より大きいことに基づいて(S202でYES)、原則として(S203でYESの場合を除いて)カウント値の変更を許可しないようにしている。
しかしながら、同じ営業日に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機で遊技を行い、その後に景品交換が完了していない場合(S203でYES)は、遊技者が、カウント値が閾値に達する前に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機に台移動して遊技を継続し、店員はこれを確認した上でカウント値を引き継がせようとしている可能性が高いため、このようなケースにおいては、変更後のカウント値が変更前よりも大きくなるようなカウント値の変更を許可するようにしている。
このように、カウント値が増加するような変更には遊技履歴に基づく条件を設けることにより、遊技者が不利益となるようなカウント値の変更を防止することができる。
なお、S203の判定において、同じ機種での遊技履歴、同じ基本単価の遊技機での遊技履歴を問わず、カードに当日の日付が記録されているか否かのみに基づいて、カウント値の増加を許可するか否かを決定するようにしても良い。
具体的には、S203に相当する処理で、カードに当日の日付が記録されていれば(YES)、即ち、カードを所有する遊技者が、同じ営業日に遊技を行い、その後に景品交換が完了していない場合には、S204以降の処理を実行して、カウント値を増加させる。一方、S203に相当する処理で、カードに当日の日付が記録されていなければ(NO)、即ち、遊技者が、同じ営業日に遊技を行っていないか、あるいは、同じ営業日に遊技を行ったが、その後に景品交換が完了している場合には、カウント値の変更が行われない(S206)。
このように、当日の遊技履歴が確認されたことに基づいてカウント値の増加を許可することにより、遊技者が不利益となるようなカウント値の変更を防止することができる。
これに対して、変更前のカウント値よりも変更後のカウント値が小さくなるようなカウント値の変更は、遊技者にとっては不利益とならない。そのため、入力されたカウント値が現在のカウント値よりも小さい場合には(S202でNO)、当日の遊技履歴によらず、カウント値の変更を可能としている。
また、この実施の形態では、図16(b)のカウント値入力画面に表示されるキーとして、マイナスキーが表示されないようになっているため、店員用端末400に入力可能なカウント値(カウント値変更命令により指示されるカウント値)は0以上となっている。これは、カウント値更新処理において、カウント値の最低値を0とするような制限が設けられているためである(S112,S113)。そのため、カウント値の変更によって、カードユニット3側で許容されるカウント値未満のカウント値(マイナス値)に変更されることがない。
即ち、遊技履歴によらずカウント値を変更可能となる条件は、変更前のカウント値の範囲内となり、この範囲内おいてカウント値が変更される限り、遊技者にとって不利益とはならず、また、遊技者にとって過度に有利になることもない。
図16(a)に示す初期画面において、店員が、「閾値設定」ボタンを選択すると、ディスプレイ400aに図16(f)の閾値入力画面が表示される。閾値入力画面には、最上部に「設定する閾値」と表示され、その下方に、閾値入力欄が表示され、さらにその下方には、0〜9の各数字キーと送信ボタンが表示される。
閾値入力画面において、店員は、数字キーを操作することより、設定したい閾値を閾値入力欄に入力する。図16(g)の例では、設定する閾値として4000が入力されている。そして、入力完了後に、送信ボタンを操作することにより、閾値を変更する旨と入力された閾値(4000)を指示する閾値変更命令が通信部から出力される。
閾値変更命令を、カードユニット3の赤外線信号の受信ユニット(IR)315が受信すると、制御ユニット328は、図17の変更処理を実行する。制御ユニット328は、受信した赤外線信号が閾値変更命令であることに基づいて(S201でNO)、入力された閾値(閾値変更命令により指示される閾値)が、現在の閾値(表示領域312bに表示される閾値)よりも小さいか否かを確認する(S212)。
入力された閾値(例えば4000)が現在の閾値(例えば3000)以上である場合には(S212でNO)、入力された閾値(例えば4000)を現在の閾値として設定する(S214)。即ち、店員用端末400に入力された閾値が当該カードユニット3の閾値として設定されることになる。ここで、設定情報として記憶されることになる閾値は変更されるが、営業開始時処理において残額管理装置100から受信した初期閾値は異なる記憶領域に保存されているものとする。S214の処理が実行されたことに伴い、制御ユニット328は、表示領域312bに、閾値が変更された旨、並びに、変更前の閾値及び変更後の閾値を表示する(S215)。
図16(h)(i)の例では、入力された閾値(4000)が現在記憶している閾値(例えば3000)よりも大きいことに基づいて、表示領域312bに表示される閾値が店員用端末400に入力された閾値(4000)に変更されている。これに伴い、閾値が変更された旨、並びに、変更前の閾値及び変更後の閾値が表示される(「閾値を3000から4000に変更しました。」)。これにより、閾値が変更されたことを遊技者や店員に把握させることができる。
一方、S212で、入力された閾値が現在の閾値より小さい場合には(S212でYES)、制御ユニット328は、受け付けているカードから読み取られた[日時,機種ID,基本単価]の組み合わせのうち、[当日の日付,制御部328に設定情報として記憶されている機種ID,制御部328に設定情報として記憶されている基本単価]と合致する組み合わせが存在するか否かを確認する(S213)。
[日付,機種ID,基本単価]が合致する組み合わせが存在する場合には(S213でYES)、即ち、カードを所有する遊技者が、同じ営業日に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機で遊技を行い、その後に景品交換が完了していない場合には、S214以降の処理を実行して、閾値を変更する。このとき、変更後の閾値は変更前の閾値よりも小さくなる。
一方、[日付,機種ID,基本単価]が合致する組み合わせが存在しない場合には(S213でNO)、即ち、遊技者が、同じ営業日に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機で遊技を行っていないか、あるいは、同じ営業日に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機で遊技を行ったが、その後に景品交換が完了している場合には、閾値の変更が行われない旨が報知される(S216)。例えば、入力された閾値が現在の閾値よりも小さいことにより閾値が変更されないことを示すメッセージ(「入力された閾値が小さすぎるため設定できません。」)が表示領域312bに表示される。
ここで、変更前の閾値よりも変更後の閾値が小さくなるような閾値の変更は、遊技者にとっては閾値までの猶予玉数が減少するため通常であれば不利益となるものである。このような変更を何ら条件なく許可すると、遊技者が損失を被ることにもなる。そのため、この実施の形態では、入力された閾値が現在の閾値より小さいことに基づいて(S212でYES)、原則として(S213でYESの場合を除いて)閾値の変更を許可しないようにしている。
しかしながら、同じ営業日に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機で遊技を行い、その後に景品交換が完了していない場合(S213でYES)は、遊技者が、カウント値が閾値に達する前に、同じ機種、同じ基本単価の遊技機に台移動して遊技を継続し、店員はこれを確認した上で閾値を低下させようとしている(カウント値を引き継がせるのはなく、台移動後の閾値を低下させることにより実質的な閾値までの猶予玉数を維持させようとしている)可能性が高いため、このようなケースにおいては、変更後の閾値が変更前よりも小さくなるような閾値の変更を許可するようにしている。
このように、閾値が減少するような変更には遊技履歴に基づく条件を設けることにより、遊技者が不利益となるような閾値の変更を防止することができる。
なお、S213の判定において、同じ機種での遊技履歴、同じ基本単価の遊技機での遊技履歴を問わず、カードに当日の日付が記録されているか否かのみに基づいて、閾値の減少を許可するか否かを決定するようにしても良い。
具体的には、S213に相当する処理で、カードに当日の日付が記録されていれば(YES)、即ち、カードを所有する遊技者が、同じ営業日に遊技を行い、その後に景品交換が完了していない場合には、S214以降の処理を実行して、閾値を減少させる。一方、S213に相当する処理で、カードに当日の日付が記録されていなければ(NO)、即ち、遊技者が、同じ営業日に遊技を行っていないか、あるいは、同じ営業日に遊技を行ったが、その後に景品交換が完了している場合には、閾値の変更が行われない(S216)。
このように、当日の遊技履歴が確認されたことに基づいて閾値の減少を許可することにより、遊技者が不利益となるような閾値の変更を防止することができる。
これに対して、変更前の閾値よりも変更後の閾値が大きくなるような閾値の変更は、遊技者にとっては不利益とならない。そのため、入力された閾値が現在の閾値よりも大きい場合には(S212でNO)、当日の遊技履歴によらず、閾値の変更を可能としている。
即ち、遊技履歴によらず閾値を変更可能となる条件は、変更前の閾値以上の範囲となり、この範囲おいて閾値が変更される限り、遊技者にとって不利益とはならない。
なお、一旦変更された閾値を、営業開始時処理において指定された初期閾値に戻す場合には、図16(a)の初期画面に表示される「閾値リセット」ボタンを操作するようにしておき、「閾値リセット」ボタンが操作されたときには、閾値リセット命令が通信部から出力され、閾値リセット命令を受信した制御ユニットが328が、RAM328bに記憶されている初期閾値を、現在の閾値として再度設定するようにすると良い。
なお、変更後の閾値を初期閾値に戻すため、ディスプレイ400aに表示される閾値入力画面において、閾値入力欄に初期閾値を入力して送信ボタンを操作するようにしても良いが、このような運用とする場合には、遊技場の店員が初期閾値を確認しなければならず、また、初期閾値が現在の閾値よりも小さくなる場合には、閾値の変更に際して上記遊技履歴に関する条件が課されることになるため、前述の閾値リセット命令により、現在の閾値や遊技履歴によらず強制的に初期閾値にリセットすることが好ましい。
ここで、カウント値変更命令又は閾値変更命令を受信する前(S201の前)に、既にカウント値が閾値を超えており、閾値超過時処理(動作停止処理又は表示変更処理)が実行されていた場合、S204及びS205でカウント値が変更された後、及び、S214及びS215で閾値が変更された後に、カウント値が閾値を超過しているか否かが確認される。
カウント値又は閾値の変更後の確認で、カウント値が閾値を超えている場合には、既に実行されていた閾値超過時処理が継続される。カウント値が閾値を超えていない場合には(変更により、カウント値が閾値以下となった場合には)、閾値超過時処理が終了する。即ち、入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び、貯玉払出の禁止が解除されてこれらの処理が可能となり(動作停止設定の場合)、カウント値が閾値を超過している旨の報知及び遊技を終了する旨の報知が終了する(動作停止設定の場合及び表示変更設定の場合)と共に、超過フラグがクリアされる。
また、カウント値変更命令又は閾値変更命令を受信する前(S201の前)に、カウント値が閾値以下であり、閾値超過時処理(動作停止処理又は表示変更処理)が実行されていなかった場合にも、S204及びS205でカウント値が変更された後、及び、S214及びS215で閾値が変更された後に、カウント値が閾値を超過しているか否かが確認される。
カウント値又は閾値の変更後の確認で、カウント値が閾値を超えていない場合には、閾値超過時処理を実行しない。カウント値が閾値を超えている場合には、設定情報に従って閾値超過時処理を実行する。即ち、入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び、貯玉払出を禁止し(動作停止設定の場合)、カウント値が閾値を超過している旨の報知及び遊技を終了する旨の報知を行う(動作停止設定の場合及び表示変更設定の場合)。
(カウント値の推移)
次に、図18〜図20を用いてカウント値の推移の具体例について説明する。まず、図18の例では、低確率/低ベース状態での遊技が行われており(このときカウント値は0であり、閾値は3000に設定されている)、該低確率/低ベース状態で実行された特別図柄の可変表示結果が大当り図柄となったことに基づいて、(1)のタイミングで1回目の大当り(所謂初当り)が発生したものとする。1回目の大当りの発生に伴い、特別可変入賞装置33が開放制御される大当り遊技状態に移行し、大入賞口にパチンコ玉が入賞可能となることで、カウント値が急激に増加している。
そして、1回目の大当り遊技状態に制御されている期間内には、カウント値が閾値に達することなく、1回目の大当り遊技状態が終了して高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)に移行したものとする。高ベース状態に移行されている期間は、カウント値が微増若しくは微減、又はほぼ変わらず維持され、該高ベース状態で実行された特別図柄の可変表示結果が大当り図柄となったことに基づいて、(2)のタイミングで2回目の大当りが発生したものとする。2回目の大当りの発生に伴い、1回目の大当りと同様に、カウント値が急激に増加している。
そして、2回目の大当り遊技状態に制御されている期間内に、(3)のタイミングでカウント値が閾値を超えたことに基づいて、設定されていた閾値超過時制御が実行される。即ち、動作停止処理及び表示変更処理、又は、表示変更処理のみ、のいずれかが実行される。これに伴い、表示領域312b及び多機能ランプ301、並びにカードユニット3と接続される情報表示装置(例えば呼出ランプ装置)において、カウント値が閾値を超えたことが報知される。
この報知によって、カウント値が閾値を超えていることに気付いた店員が、店員用端末400にカウント値として0を入力すると、カードユニット3には、カウント値変更命令が入力され、(4)のタイミングでカウント値が0にリセットされると共に、超過フラグもクリアされる。そして、遊技者が返却ボタン22を操作すると(このときカウント値は既に0にリセットされ超過フラグもクリアされている)、カードユニット3からカードが返却され、遊技者は返却されたカードにより景品交換を行う。
図19の例では、低確率/低ベース状態での遊技が行われており(このときカウント値は0であり、閾値は3000に設定されている)、該低確率/低ベース状態で実行された特別図柄の可変表示結果が大当り図柄となったことに基づいて、(11)のタイミングで1回目の大当り(所謂初当り)が発生したものとする。
そして、1回目の大当り遊技状態に制御されている期間内には、カウント値が閾値に達することなく、1回目の大当り遊技状態が終了して高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)に移行したものとする。このときのカウント値は1000を超えているが、店員が、店員用端末400にカウント値として500を入力すると、カードユニット3には、カウント値変更命令が入力され、(12)のタイミングでカウント値が500に変更される。
そして、該高ベース状態で実行された特別図柄の可変表示結果が大当り図柄となったことに基づいて、(13)のタイミングで2回目の大当りが発生したものとする。ここで、図18に示した例とは異なり、店員の入力操作に基づいてカウント値が減少したことにより、カウント値が閾値に到達するまでの猶予が増加し、2回目の大当り遊技状態に制御されている期間内には、カウント値が閾値に達することなく、高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)となっている。
そして、該高ベース状態で実行された特別図柄の可変表示結果が大当り図柄となったことに基づいて、(14)のタイミングで3回目の大当りが発生したものとする。そして、3回目の大当り遊技状態に制御されている期間内に、(15)のタイミングでカウント値が閾値を超えたことに基づいて、設定されていた閾値超過時制御が実行される。即ち、動作停止処理及び表示変更処理、又は、表示変更処理のみ、のいずれかが実行される。これに伴い、表示領域312b及び多機能ランプ301、並びにカードユニット3と接続される情報表示装置(例えば呼出ランプ装置)において、カウント値が閾値を超えたことが報知される。
この報知によって、遊技者は遊技を終了すべきことを認識して、3回目の大当り遊技状態の終了後に遊技を終了する。カウント値が閾値を超えていることに気付いた店員が、店員用端末400にカウント値として0を入力すると、カードユニット3には、カウント値変更命令が入力され、(16)のタイミングでカウント値が0にリセットされると共に、超過フラグもクリアされる。そして、遊技者が返却ボタン22を操作すると(このときカウント値は既に0にリセットされ超過フラグもクリアされている)、カードユニット3からカードが返却され、遊技者は返却されたカードにより景品交換を行う。
このように、この実施の形態では遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態や高ベース状態)に制御されている期間において、カウント値を変更することが可能となっている。例えば、誕生月の遊技者や女性遊技者に関しては、カウント値が閾値を超過するか否かによらず3回の大当りが終了するまでは遊技を継続可能とするといったように、特定の遊技者を定量制の下での優遇対象者とする場合がある。このような優遇対象者が遊技を行っているときに、カウント値が閾値を超過する前に、店員用端末400に現在のカウント値よりも少ないカウント値(0も含む)を入力して、カウント値を減少させ、3回の大当りが終了するまではカウント値が閾値を超えないように調整することができる。
なお、前述したように、カウント値が変更された後は、変更後のカウント値が閾値を超過しているか否かが確認されるようになっており、超過していない場合は、カウント値の変更前に閾値超過時処理(動作停止及び表示変更、又は、表示変更のみ)が実行されていたときに該閾値超過時処理を終了する(入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出を可能とし(動作停止の場合のみ)、カウント値が閾値を超過している旨の報知を終了する)ようにしている。そのため、2回目の大当り遊技状態に制御されている期間内に、カウント値が閾値を超過したことにより閾値超過時処理が実行された後においても、カウント値を変更する(減少させる)ことより、その閾値超過時処理を終了させ、3回目の大当りが終了するまで遊技者に遊技を行わせることも可能となる。
このように、カウント値を変更可能となっていることにより、定量制が採用される遊技場における遊技場や遊技者の不都合を防止するようにしている。またカウント値を任意の値に変更可能となっていることにより、カウント値が閾値を超えるタイミングを遊技状況や営業状況に応じた適切なタイミングとすることが可能となるため、定量制が採用される遊技場における遊技意欲の低下を防止することができる。
図20の例では、低確率/低ベース状態での遊技が行われており(このときカウント値は0であり、閾値は3000に設定されている)、該低確率/低ベース状態で実行された特別図柄の可変表示結果が大当り図柄となったことに基づいて、(21)のタイミングで1回目の大当り(所謂初当り)が発生したものとする。
そして、1回目の大当り遊技状態に制御されている期間内には、カウント値が閾値に達することなく、1回目の大当り遊技状態が終了して高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)に移行したものとする。このときの閾値は3000となっているが、店員が、店員用端末400に閾値として4000を入力すると、カードユニット3には、閾値変更命令が入力され、(22)のタイミングで閾値が3000から4000に変更される。
そして、該高ベース状態で実行された特別図柄の可変表示結果が大当り図柄となったことに基づいて、(23)のタイミングで2回目の大当りが発生したものとする。ここで、図18に示した例とは異なり、店員の入力操作に基づいて閾値が増加したことにより、カウント値が閾値に到達するまでの猶予が増加し、2回目の大当り遊技状態に制御されている期間内には、カウント値が閾値に達することなく、高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)となっている。
そして、該高ベース状態で実行された特別図柄の可変表示結果が大当り図柄となったことに基づいて、(24)のタイミングで3回目の大当りが発生したものとする。そして、3回目の大当り遊技状態に制御されている期間内に、(25)のタイミングでカウント値が閾値を超えたことに基づいて、設定されていた閾値超過時制御が実行される。即ち、動作停止処理及び表示変更処理、又は、表示変更処理のみ、のいずれかが実行される。これに伴い、表示領域312b及び多機能ランプ301、並びにカードユニット3と接続される情報表示装置(例えば呼出ランプ装置)において、カウント値が閾値を超えたことが報知される。
この報知によって、遊技者は遊技を終了すべきことを認識して、3回目の大当り遊技状態の終了後に遊技を終了する。カウント値が閾値を超えていることに気付いた店員が、店員用端末400にカウント値として0を入力すると、カードユニット3には、カウント値変更命令が入力され、(26)のタイミングでカウント値が0にリセットされると共に、超過フラグもクリアされる。そして、遊技者が返却ボタン22を操作すると(このときカウント値は既に0にリセットされ超過フラグもクリアされている)、カードユニット3からカードが返却され、遊技者は返却されたカードにより景品交換を行う。
このように、この実施の形態では遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態や高ベース状態)に制御されている期間において、閾値を変更することが可能となっている。例えば、誕生月の遊技者や女性遊技者に関しては、カウント値が閾値を超過するか否かによらず3回の大当りが終了するまでは遊技を継続可能としたり、あるいは閾値を他の遊技者(非優遇対象者)よりも高く設定する、といったように、特定の遊技者を定量制の下での優遇対象者とする場合がある。このような優遇対象者が遊技を行っているときに、カウント値が閾値を超過する前に、店員用端末400に現在の閾値よりも多い閾値を入力して、閾値を増加させ、3回の大当りが終了するまではカウント値が閾値を超えないように調整する、あるいは優遇対象者向けの閾値に変更することができる。
なお、前述したように、閾値が変更された後は、カウント値が変更後の閾値を超過しているか否かが確認されるようになっており、超過していない場合は、閾値の変更前に閾値超過時処理(動作停止及び表示変更、又は、表示変更のみ)が実行されていたときに該閾値超過時処理を終了する(入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出を可能とし(動作停止の場合のみ)、カウント値が閾値を超過している旨の報知を終了する)ようにしている。そのため、2回目の大当り遊技状態に制御されている期間内に、カウント値が閾値を超過したことにより閾値超過時処理が実行された後においても、閾値を変更する(増加させる)ことより、その閾値超過時処理を終了させ、3回目の大当りが終了するまで遊技者に遊技を行わせることが可能となる。また、カウント値が非優遇対象者向けの閾値を超過した後に、閾値を優遇対象者向けの閾値に変更する(増加させる)ことにより、非優遇対象者であれば遊技を継続できないカウント値となっている場合にも優遇対象者であれば遊技を継続可能とすることが可能である。
このように、閾値を変更可能となっていることにより、定量制が採用される遊技場における遊技場や遊技者の不都合を防止するようにしている。また閾値を任意の値に変更可能となっていることにより、カウント値が閾値を超えるタイミングを遊技状況や営業状況に応じた適切なタイミングとすることが可能となるため、定量制が採用される遊技場における遊技意欲の低下を防止することができる。
[変形例]
次に、前述した第1の機能の変形例を挙げる。
(1)上記の実施形態において、カード返却時に、会員カード及びビジターカードに、現在の日時、機種ID、及び基本単価と共に、現在のカウント値を記録するようにしても良い(図15のS312A)。このように、[日時,機種ID,基本単価,カウント値]の組み合わせがカードに記録されることにより、他の遊技機で遊技を行うときに機種や基本単価に応じてカウント値を引き継ぐことが可能となる。
このような構成とする場合には、カードユニット3において、カウント値が記録されたカードを受け付けたときに、図21のカウント値引継処理を実行すると良い。カウント値引継処理では、制御ユニット328は、受け付けているカードから読み取られた[日時,機種ID,基本単価,カウント値]の組み合わせのうち、[当日の日付,制御部328に設定情報として記憶されている機種ID,制御部328に設定情報として記憶されている基本単価]と合致する組み合わせを全て特定する(S502)。
即ち、S502では、当日記録されたカウント値のうち、当該カードユニット3と同一機種ID及び同一基本単価のカウント値を全て特定している。そして、制御ユニット328は、S502で特定した組み合わせのうち、直近の日時の(日付けが最も遅い)カウント値を、現在のカウント値として設定する(S503)。これにより、同一機種及び同一基本単価の範囲内での台移動が行われた場合に、台移動が行われる前のカウント値が、台移動後のカードユニット3に引き継がれることになる。
次いで、制御ユニット328は、引き継いだカウント値(カードから読み取られた直近のカウント値)が、設定されている閾値を超過しているか否かを確認する(S504)。引き継いだカウント値が閾値を超過していれば(S504でYES)、図14の閾値超過時処理を実行する(S505)。これにより、入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出が禁止され(動作停止の場合のみ)、カウント値が閾値を超過している旨の報知が開始される。
このような構成とすることにより、遊技者が、カウント値が閾値を超えた後にカードユニット3からカードを排出させて台移動を行い、別の遊技機(ただし機種及び基本単価は同一のもの)で遊技を行った場合にも、そのときのカウント値が別の遊技機に対応したカードユニット3に引き継がれ、閾値超過時処理が実行されることになる。また、カウント値が閾値を超える直前にカードユニット3からカードを排出させて台移動を行い、別の遊技機(ただし機種及び基本単価は同一のもの)で遊技を行った場合にも、そのときのカウント値が別の遊技機に対応したカードユニット3に引き継がれ、カウント値が増加することにより短期間内に閾値を超過することになる。これにより、閾値までの猶予玉数を増加させるための意図的な台移動を防止することができる。
また、このような構成とする場合には、台移動に伴いカウント値が適正に引き継がれるため、台移動後に遊技者が不利になるようなカウント値や閾値の変更を許可する必要は無い。そのため、図22に示すように、入力されたカウント値が現在のカウント値より大きい場合(S202でYES)には、当日の遊技履歴の確認(図17のS203の判定処理)を行うことなく、カウント値の変更を許可しないようにしても良い(S206)。また、入力された閾値が現在の閾値より小さい場合(S212でYES)には、当日の遊技履歴の確認(図17のS213の判定処理)を行うことなく、閾値の変更を許可しないようにしても良い(S216)。
また、このような構成とする場合には、返却されるカードに現在のカウント値が記録されることになるため、カードユニット3からカードが返却されるときに、制御ユニット328において記憶されている現在のカウント値(表示領域312bに表示されているカウント値)を0にリセットするようにすると良い。
また、このように現在のカウント値を返却するカードに記録する構成とする場合には、上記の実施形態において、現在の日付、機種ID、及び基本単価がカードに記録されるとき(カードユニット3からのカード返却時)に、現在のカウント値もこれらと共に記録され、カードに記録されている日付、機種ID、及び基本単価が消去されるとき(ビジターカードのカード貯留部への収納時、景品交換用POS端末170からのカード返却時)に、カードに記録されているカウント値もこれらと共に消去されるようにする。即ち、カードには[現在の日付,機種ID,基本単価,現在のカウント値]の組み合わせが記録可能であり、カードに記録されていた[日付,機種ID,基本単価,カウント値]の組み合わせが消去されるようになっている。
(2)上記の実施形態では、遊技者が遊技により獲得した獲得価値に対応する指標値(閾値との比較対象となる値)がセーフ数及びアウト数に基づいて更新されるカウント値(差数)である例について説明したが、このような形態に限らず、閾値との比較対象となる指標値は、セーフ数であっても良い。また、閾値との比較対象となる指標値は、制御ユニット328に記憶され、計数処理や持玉払出によって更新される持玉数(即ち当日の遊技において計数手段により計数された計数玉数)であっても良い。
(3)上記の実施形態では、遊技状態によらずカウント値が更新される例について説明したが、このような形態に限らず、遊技者にとって有利な有利状態に制御されている期間にのみカウント値を更新するようにしても良い。例えば、有利状態(大当り遊技状態や高ベース状態)に制御されている期間は遊技制御基板27から有利状態信号が出力される構成となっている場合には、制御ユニット328は、有利状態信号が入力されたことに基づいてカウント値の更新を開始し、有利状態信号の入力が終了したことに基づいてカウント値の更新を終了するようにしても良い。
即ち、閾値との比較対象となる指標値は、有利状態に制御されている期間における遊技の結果として遊技者に付与された遊技媒体数(セーフ数=賞球数)と当該期間における遊技者が遊技に使用した遊技媒体数(アウト数=打込玉数)との差数であっても良い。また、閾値との比較対象となる指標値は、有利状態に制御されている期間における遊技の結果として遊技者に付与された遊技媒体数(セーフ数=賞球数)であっても良い。
(4)上記の実施形態では、営業開始時処理において、CU管理テーブルAの閾値(図11の定量制設定画面に入力されCU管理テーブルAに記憶されている閾値)が各カードユニット3に送信され、設定情報(初期閾値)として記憶される例について説明したが、営業時間によらず、定量制設定画面に閾値が入力され、CU管理テーブルAの閾値が変更されたタイミングで、該変更後の閾値が各カードユニット3に送信され、設定情報(初期閾値)として記憶されるようにしても良い。
(5)上記の実施形態では、カードユニット3におけるカウント値の変更(0リセットを含む)は、店員用端末400にカウント値が入力されたことに基づいて実行される例について説明したが、残額管理装置100から設定情報としての閾値(図11の定量制設定画面に入力されCU管理テーブルAに記憶されている閾値)を受信した場合に、該閾値を設定情報(初期閾値)としてRAM328bに記憶するときには、カウント値を0にリセットするものとする。
即ち、カードユニット3が残額管理装置100から閾値を受信して、該閾値を設定情報(初期閾値)として記憶する場合には、カウント値は0にリセットするが、前述した図20に示すように、現在の閾値を店員用端末400に入力された閾値に変更する場合(当該カードユニット3のみを対象とした個別変更を実行する場合)には、カウント値を変更しないものとする。
(6)上記の実施形態では、カード返却時処理において、カウント値が閾値を超過している場合には、カウント値の0リセットが完了した後にカードを返却する例に付いて説明したが、このような形態に限らず、カウント値が閾値を超過している場合にも、カウント値の0リセットを行うことなくカードを返却するようにしても良い。このような構成とする場合には、カウント値が閾値を超過しているにもかかわらず台移動して遊技を継続しようとする行為を防止するため、前述した変形例(1)のように、返却するカードにカウント値を記録するようにすると良い。
(7)上記の実施形態では、カード返却時処理において、閾値が初期閾値(図11の定量制設定画面に入力されCU管理テーブルAに記憶されている閾値)から変更されている場合にも、閾値を初期閾値にリセットしない例について説明したが、このような形態に限らず、カードユニット3からカードが返却されるときに、閾値を初期閾値にリセットするようにしても良い。
(8)上記の実施形態では、パチンコ機2から出力されるセーフ信号及びアウト信号がカードユニット3に入力されることにより、カードユニット3がカウント値を更新する例について説明したが、このような形態に限らず、パチンコ機2から出力されるセーフ信号及びアウト信号が、中継機器を介して管理装置(例えば遊技情報を管理する遊技情報管理装置)に入力され、該管理装置において、各カードユニット3のセーフ数及びアウト数、並びに差数(セーフ数−アウト数)を管理するようにしても良い。
そして、各カードユニット3の差数が閾値を超過したか否かを管理装置で確認するようにしておき、差数が閾値を超過したカードユニット3に対しては、閾値超過時処理を実行する旨の指示を送信して、その指示を受信したカードユニット3で閾値超過時処理を実行するようにすると良い。このときカードユニット3にて実行される閾値超過時処理の内容(例えば動作停止及び表示変更、又は表示変更のみ)は、管理装置がカードユニット3に指示するようにしても良く、予めカードユニット3にて設定されており、該設定に従って実行されるようにしても良い。
また、パチンコ機2において、セーフ数(払出賞球数)及びアウト数(遊技領域26に発射された打込玉数)を自ら集計可能となっている場合には、セーフ数−アウト数に基づいて差数(カウント値)を自ら更新するようにしておくと共に、差数の更新毎に、更新後の差数をカードユニット3に通知し、カードユニット3においてパチンコ機2から受信した差数が閾値を超えているか否かを判定するようにしても良い。
また、パチンコ機2がカードユニット3から閾値を取得して、自ら集計している差数(カウント値)が閾値を超えているか否かを確認して、超えている場合には、その旨(閾値超過時処理を実行する旨)をカードユニット3に通知して、カードユニット3において閾値超過時処理が実行されるようにしても良い。さらに、パチンコ機2が自ら集計している差数(カウント値)が閾値を超えていると判定したときに、パチンコ玉の発射を停止させるための制御(例えば発射ハンドル25が操作されても発射信号を発射モータに供給しないことによりパチンコ玉を遊技領域26に発射させない制御、あるいはパチンコ機2の表示装置に差数が閾値を超えた旨の表示や遊技を終了する旨を表示する制御)を実行するようにしても良い。
即ち、遊技者の遊技に伴って更新される更新値(カウント値)は、上記の実施形態のようにカードユニット3において更新されるようにしても良く、カードユニット3と通信可能な管理装置で更新されるようにしても良く、また、遊技機自体で更新されるようにしても良い。また、更新値(カウント値)が閾値を超えたか否かの判定に関しては、上記の実施形態のようにカードユニット3において判定されるようにしても良く、カードユニット3と通信可能な管理装置で判定されるようにしても良く、また、遊技機自体で判定されるようにしても良い。
(9)上記の実施形態において、大当り遊技状態に制御されている期間等、カウント値の変動が大きい期間は、カウント値や閾値の変更処理を許可しないようにしても良い。例えば、10秒間のカウント値の変動が所定範囲(例えば変動幅が20)を超えているときには、カウント値や閾値の変更処理を許可しないようにしても良い。
また、遊技者が遊技を行っていると認識される期間、例えば、アウト数が増加している期間や、変動表示が実行されている期間、あるいは、有利状態(大当り遊技状態や高ベース状態)に制御されている期間等は、カウント値や閾値の変更処理を許可しないようにしても良い。例えば、アウト数が増加したことが確認されてから所定期間(例えば20秒)内は、カウント値や閾値の変更処理を許可しないようにしても良い。
また、特別図柄の可変表示が実行され停止表示結果が導出表示されたことに基づく図柄確定信号が遊技制御基板27から制御ユニット328に入力される構成となっている場合には、該図柄確定信号が入力されてから所定期間(例えば20秒)内はカウント値や閾値の変更処理を許可しないようにしても良い。また、有利状態に制御されているときに遊技制御基板27から制御ユニット328に有利状態信号が入力される構成となっている場合には、該有利状態信号が入力されている期間内はカウント値や閾値の変更処理を許可しないようにしても良い。
(10)上記の実施形態では、カードユニット3にて貨幣が受け付けられる毎に、また、カードユニット3でプリペイド払出が実行される毎に、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額が更新されると共に、カードユニット3と残額管理装置100との間で通信が実行され、残額管理装置100で管理されているプリペイド残額も更新される例について説明したが、このような形態に限らず、カードユニット3にて貨幣が受け付けられたとき、カードユニット3でプリペイド払出が実行されたときには、制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額が更新される一方で、カードユニット3と残額管理装置100との間では通信が実行されず、残額管理装置100で管理されているプリペイド残額が更新されないようにしても良い。
このような構成とする場合には、カードユニット3からカードが返却されるときに、該カードのカードIDと制御ユニット328で記憶されているプリペイド残額とを含む情報が残額管理装置100に送信され、残額管理装置140において、受信したカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額を、受信したプリペイド残額に更新するようにすると良い。
(11)上記の実施形態では、カードユニット3にて貯玉払出や乗入れ払出が実行される毎に、制御ユニット328で記憶されている各口座の貯玉数が更新されると共に、カードユニット3と会員管理装置150との間で通信が実行され、会員管理装置150で管理されている各口座(1以上の口座)の貯玉数も更新される例について説明したが、このような形態に限らず、カードユニット3にて貯玉払出や乗入れ払出が実行されたときには、制御ユニット328で記憶されている各口座の貯玉数が更新される一方で、カードユニット3と会員管理装置150との間では通信が実行されず、会員管理装置150で管理されている各口座の貯玉数は更新されないようにしても良い。
このような構成とする場合には、カードユニット3から会員カードが返却されるときに、該会員カードの会員番号と制御ユニット328で記憶されている各口座の貯玉数とを含む情報が会員管理装置150に送信され、会員管理装置150において、受信した会員番号に対応付けて管理している各口座の貯玉数を、受信した各口座の貯玉数に更新するようにすると良い。
(12)上記の実施形態では、カードR/W327からカードが返却されることに伴い、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードが供給される例について説明したが、このような形態に限らず、カードR/W327からカードが返却されるときには、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードを搬送しないようにしても良い。即ち、カードR/W327の所定位置にカードが存在しない状態で、貨幣受付及びプリペイド払出、並びに、計数処理及び持玉払出を実行可能としても良い。
このような構成とした場合には、上記(10)に示したように、貨幣受付及びプリペイド払出に基づいて制御ユニット328に記憶されているプリペイド残額が更新される一方で、カードユニット3と残額管理装置100との間では通信が実行されず残額管理装置100で管理されているプリペイド残額は更新されない構成とすると良い。また、上記実施形態のように、計数処理及び持玉払出に基づいて制御ユニット328に記憶されている基本単価の持玉数が更新される一方で、カードユニット3と持玉管理装置140との間では通信が実行されず持玉管理装置140で管理されている各口座の持玉数は更新されない構成とすると良い。
そして、カードR/W327の所定位置にカードが存在しない状態で(カードR/W327にカードが受け付けられていない状態で)、返却ボタン22が操作されると、カード貯留部からカードR/W327の所定位置にビジターカードを搬送し、該所定位置のビジターカードのカードIDと制御ユニット328で記憶しているプリペイド残額とを含む情報を残額管理装置100に送信すると共に、該所定位置のビジターカードのカードIDと制御ユニット328で記憶している各口座の持玉数とを含むカード排出通知を持玉管理装置140に送信し、さらに、該所定位置のビジターカードに制御ユニット328で記憶しているプリペイド残額並びに各口座の持玉数等を記録して返却すると良い。
カードユニット3から上記の情報を受信した残額管理装置100では、受信したカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額を、受信したプリペイド残額に更新する。また、カードユニット3から上記のカード排出通知を受信した持玉管理装置140では、受信したカードIDに対応付けて管理している各口座の持玉数を、受信した各口座の持玉数に更新する。
(13)上記の実施形態では、遊技場の店員が店員用端末400にカウント値や閾値を入力することで、カードユニット3に表示されているカウント値や閾値が、入力された値に変更される例を示したが、このような形態に限らず、カードユニット3の表示部312にカウント値入力画面や閾値入賞画面を表示させ、店員が透明タッチパネル314上の数字キーを操作することによって、カードユニット3に表示されているカウント値や閾値が、カードユニット3の画面に入力されたカウント値や閾値に変更されるようにしても良い。
このような形態とする場合には、店員のリモコン操作、あるいはカードユニット3の画面への暗証番号の入力によって、カードユニット3をメンテナンスモードに移行させ、メンテナンスモードにおいて表示部312にカウント値入力画面や閾値入賞画面を表示させるようにすると良い。
(14)上記の実施形態では、店員用端末400とカードユニット3との間で赤外線通信が行われる例について説明したが、このような形態に限らず、店員用端末400とカードユニット3との間で電波による無線通信が行われるようにしても良い。
また、店員用端末400とカードユニット3との間での双方向の通信に基づいて、カードユニット3で記憶されている(表示されている)カウント値や閾値を、店員用端末400に記憶させるようにしても良い。このような形態とした場合には、遊技者が台移動を行うときに、店員用端末400が台移動前の遊技機に対応したカードユニット3と通信を行い、該カードユニット3に記憶されているカウント値や閾値を取得して記憶し、次に、店員用端末400が台移動後の遊技機に対応したカードユニット3と通信を行い、当該店員用端末400に記憶されているカウント値や閾値を当該カードユニット3に送信し、当該カードユニット3が、店員用端末400から受信したカウント値や閾値を記憶して、表示部312に表示するようにしても良い。即ち、台移動の際に、店員用端末400等の記憶媒体を介してカウント値や閾値を引き継がせるようにしても良い。
また、カードユニット3がUSBコネクタ等の通信用コネクタを備えている場合には、遊技者が台移動を行うときに、台移動前の遊技機に対応したカードユニット3にUSBフラッシュドライブを接続して、該カードユニット3に記憶されているカウント値や閾値をUSBフラッシュドライブに記憶させ、次に、台移動後の遊技機に対応したカードユニット3にそのUSBフラッシュドライブを接続し、そのUSBフラッシュドライブに記憶されているカウント値や閾値を当該カードユニット3に記憶させ、表示部312に表示するようにしても良い。即ち、台移動の際に、会員カードやビジターカード以外の記憶媒体を介してカウント値や閾値を引き継がせるようにしても良い。
(15)なお、この実施の形態では、S103でカウント値が閾値を超えたタイミング(カウント値が閾値3000を超える3010となったタイミング)で、直ちに閾値超過時処理(S105)が実行されるようになっているが、このような形態に限らず、カウント値が閾値を超えたタイミングよりも後のタイミング(例えば閾値+100となったタイミング)で閾値超過時処理(S105)が実行されるようにしても良い。
また、S103でカウント値が閾値を超えたタイミング(カウント値が閾値3000を超える3010となったタイミング)で、直ちに閾値超過時処理(S105)が実行されることが原則であるが、そのタイミングで有利状態に制御されている場合(例えば制御ユニット328に有利状態信号が入力されている場合)には、閾値超過時処理(S105)を直ちには実行せず、有利状態が終了したとき(例えば制御ユニット328に有利状態信号が入力されなくなったとき)に、閾値超過時処理を実行するようにしても良い。
また、カウント値が閾値を超えたタイミング(カウント値が閾値3000を超える3010となったタイミング)では、直ちに動作停止のための制御(S122)を行わずに表示変更(S123)のみを行い、その後にカウント値が閾値を所定値(例えば200)上回ったときに、動作停止のための制御(S122)を実行するようにしても良い。また、カウント値が閾値を超えたタイミングで有利状態に制御されていない場合には、直ちに動作停止のための制御(S122)及び表示変更(S123)をいずれも実行するが、カウント値が閾値を超えたタイミングで有利状態に制御されている場合には、表示変更(S123)のみを直ちに行い、その後に有利状態が終了したときに、動作停止のための制御(S122)を実行するようにしても良い。
(16)上記の実施形態では、カードユニット3からカードが返却されるときに、カウント値が自動的には0にリセットされないようにしている(超過フラグがセットされている場合には、店員の操作に基づく0リセットが確認された後にカードが返却され、超過フラグがセットされていない場合には、カードが返却されてもカウント値が変化しないようになっている)が、このような形態に限らず、カウント値が閾値を超過しているか否かにかかわらず、カードユニット3からカードを返却可能であり、カード返却に伴いカウント値が自動的に0にリセットされるようにしても良い。
このように、カウント値が閾値を超過しているか否かにかかわらず、カードユニット3からカードを返却可能に構成する場合、計数・端数払出ユニット340により計数された持玉数が0であるときに、カード返却時にカウント値を自動的に0にリセットする(一方で持玉数が0でない場合にはカウント値は0にリセットしない)ようにしても良い。また、プリペイド残額が0であり且つ持玉数が0であるときに、カード返却時にカウント値を自動的に0にリセットする(一方でプリペイド残額及び持玉数の少なくともいずれかが0ではない場合にはカウント値は0にリセットしない)ようにしても良い。また、セーフ数及びアウト数が所定期間変化していないことに基づいて、遊技が行われていないことを特定し、カウント値を0にリセットするようにしても良い。また、カードユニット3のカウント値は、カードユニット3からカードが排出されから所定期間経過したことに基づいて、その所定期間内にセーフ数及びアウト数が変化していない場合に0にリセットされるようにしても良い。
(17)上記の実施形態では、カードユニット3のカウント値が閾値を下回ったタイミング(図13のS116及びS117や、カード排出時におけるカウント値の0リセットに基づくS306)で、入金及び払出の禁止が解除され、カウント値が閾値を超えている旨の報知が終了する例について説明したが、このような形態に限らず、カウント値が閾値を超過してから所定期間(例えば1分)経過したときに、自動的に入金及び払出の禁止が解除され、カウント値が閾値を超えている旨の報知が終了するようにしても良い。また、遊技場の店員の閾値超過時処理終了操作(例えばカードユニット3の表示部312における「リセット」ボタンの操作や、店員用端末400に表示される「閾値超過時処理終了」ボタンの操作)に基づいて、入金及び払出の禁止が解除され、カウント値が閾値を超えている旨の報知が終了するようにしても良い。
(18)上記の実施形態においては、カウント値が閾値を超えている状態では、返却ボタン22が操作されたとしても、直ちにカードユニット3からカードが返却されず、カウント値の0リセットが確認されてからカードが返却されるようになっている。このような形態に限らず、カウント値が閾値を超えている状態において、カウント値が0にリセットされずとも、店員による所定の操作(例えば店員用端末400に表示される「カード返却」ボタンの操作)に基づいて、カードユニット3からカードが返却されるようにしても良い。即ち、店員によりカウント値が閾値を超えたことが確認されている状況(店員用端末400の操作が行われた状況)では、カウント値を0にリセットしてからカードを返却させるようにしても良く、リセット値は変更させずに、店員の操作に応じてカードを返却させるようにしても良い。また、返却ボタン22の操作によらず、カウント値が閾値を超えている状態から、カウント値が0にリセットされた場合には、カードユニット3が自動的にカードを返却するようにしても良い。
(19)上記の実施形態において、カードユニット3がカウント値変更命令に基づくカウント値の変更、閾値変更命令に基づく閾値の変更を実行可能とするために、カードユニット3において、予めカウント値や閾値を変更可能な制御状態(メンテナンスモード)とすることを条件としても良い。店員は、予め定められたメンテナンス用の暗証番号をカードユニット3に入力する(店員が直接表示部312を操作して暗証番号を入力する、あるいは、店員用端末400を介して暗証番号を入力する)ことにより、カードユニット3はメンテナンスモードに移行するものとする。また、店員用端末400の操作(例えば店員用端末400に表示される「メンテナンスモード」ボタンの操作)によって、カードユニット3をメンテナンスモードに移行させるようにしても良い。
(20)上記の実施形態では、管理装置(残額管理装置100)において設定情報として設定された閾値を、遊技場の営業開始に伴って実行される営業開始時処理においてカードユニット3が初期閾値として記憶しておき、カードユニット3では、店員用端末400に入力された閾値を、初期閾値に代えてカウント値との比較対象となる閾値とする(閾値の変更を行う)例について説明した。このような実施形態において、遊技場の営業終了に伴って(例えば遊技場の営業終了時刻の10分後になったときに)遊技用システム1で実行される営業終了時処理において、カードユニット3が、カウント値との比較対象となっている閾値(店員用端末400から入力された変更後の閾値)を、設定情報としての初期閾値に戻すようにしても良い。また、営業終了時処理において、カードユニット3は、自動的に現在のカウント値を0にリセットするものとする。
なお、営業終了時処理において、管理装置(例えば残額管理装置100)からカードユニット3に対して締め処理信号が送信され、カードユニット3は締め処理信号を受信したことに基づいて初期閾値へのリセットやカウント値の0リセットを実行するようにしても良く、カードユニット3が、所定の時刻になったことに基づいて自ら初期閾値へのリセットやカウント値の0リセットを実行するようにしても良い。
また、営業終了時処理に限らず、管理装置(残額管理装置100)において、定量制設定画面における「定量制/非定量制」の設定変更が行われ、あるカードユニット3について「定量制」から「非定量制」への切り替えが行われた場合(当該カードユニット3の装置IDに対応付けて「定量制/非定量制」の設定として「非定量制」が記憶された場合)に、当該カードユニット3に対して非定量制の設定とする旨が送信され、これを受信したカードユニット3が、非定量制の設定を認識して現在のカウント値を0にリセットする(さらに、これに伴いカウント値や閾値を表示部312に表示させず、セーフ信号やアウト信号が入力されてもカウント値を更新しない)ようにしても良い。
なお、カードユニット3において変更された閾値は、店員が指定した期間(例えば店員用端末400から入力された期間)、営業開始時処理や営業終了時によらず、初期閾値に代えてカウント値との比較対象として用いられるようにしても良い。例えば、1週間のイベント期間中は、初期閾値よりも1000高いイベント用閾値が店員により設定され、その期間内では、営業開始時処理や営業終了時処理においても、閾値が初期閾値にリセットされずに、イベント用閾値がカウント値との比較対象として継続して採用されるようにしても良い。また、管理装置(残額管理装置100)において、初期閾値として設定した閾値についても、管理装置(残額管理装置100)、カードユニット3、あるいは店員用端末400の操作により、有効期間(カウント値との比較対象とする期間)を指定できるようにしても良い。
(21)上記の実施形態において、カードユニット3が他の情報表示装置(例えば遊技機の上方に設けられ、遊技情報を表示可能な呼出ランプ装置)と通信可能に接続されている場合には、情報表示装置がカードユニット3からカウント値及び閾値を取得して表示するようにしても良い。また、カードユニット3のカウント値や閾値が店員用端末400等により変更された場合には、その変更後のカウント値や閾値が情報表示装置に表示されるようにすると良い。
(22)上記の実施形態では、カードユニット3のカウント値や閾値が、店員用端末400から入力された任意の値に変更可能な例について説明したが、このような形態に限らず、店員用端末400の画面(あるいはカードユニット3の画面)に複数のカウント値又は閾値を表示するようにしておき(例えば「500」「1000」及び「2000」の3つの候補を表示しておき)、選択操作によっていずれかのカウント値又は閾値が選択されると(例えば「1000」が選択されると)、カードユニット3のカウント値又は閾値が、店員用端末400の画面(あるいはカードユニット3の画面)において選択されたカウント値又は閾値(この例では「1000」)に変更されるようにしても良い。
また、店員用端末400の画面(あるいはカードユニット3の画面)に入力された値が、カードユニット3のカウント値又は閾値に加算されるようにしても良く、店員用端末400の画面(あるいはカードユニット3の画面)に入力された値が、カードユニット3のカウント値又は閾値から減算されるようにしても良い。
(23)上記の実施形態では、営業日、機種、及び基本単価の遊技履歴(台移動を特定可能な遊技履歴)に基づいてカウント値や閾値の変更(特にカウント値の増加及び閾値の減少)を許可する例について説明したが、このような形態に限らず、他にも、遊技時間、カウント値、消費金額等の遊技履歴に基づいてカウント値や閾値の変更を許可するようにしても良い。
例えば、遊技時間を特定可能な遊技時間情報(例えばカードユニット3へのカード挿入時間やパチンコ機2への打込玉数)がカードに記録されている場合、あるいは、遊技時間情報がカードIDと対応付けて管理装置(例えば残額管理装置100)に記憶されている場合には、カードユニット3がカードから読み取った遊技時間情報、あるいは、カードユニット3が管理装置から取得した遊技時間情報に基づいて特定される当日の遊技時間が、所定時間よりも少ない場合にのみ、カウント値や閾値の変更を許可するようにしても良い。例えば、遊技開始の直後にカウント値が0ではないことに気付いて、カウント値を0にリセットするケース、遊技開始の直後に閾値が通常の閾値ではない(初期閾値から変更されたままとなっている)ことに気付いて、閾値を初期閾値にリセットするケース等がこれに相当する。
なお、特定される当日の遊技時間が、所定時間よりも多い場合にのみ、カウント値や閾値の変更を許可するようにしても良い。即ち、ある程度の遊技時間が確認された遊技者のみを対象として、カウント値や閾値の変更を許可するようにしても良い。
これと同様に、カードに記録されたカウント値、あるいは、カードユニット3が管理装置(例えば残額管理装置100)から取得したカウント値(カードIDと対応付けて管理装置において記憶されているものとする)が、所定値よりも小さい場合にのみカウント値や閾値の変更を許可するようにしても良く、所定値よりも大きい場合にのみカウント値や閾値の変更を許可するようにしても良い。また、これと同様に、カードに記録された消費金額、あるいは、カードユニット3が管理装置(例えば残額管理装置100)から取得した消費金額(カードIDと対応付けて管理装置において記憶されているものとする)が、所定額よりも小さい場合にのみカウント値や閾値の変更を許可するようにしても良く、所定額よりも大きい場合にのみカウント値や閾値の変更を許可するようにしても良い。
(24)上記の実施形態では、カードユニット3が計数・端数払出ユニット340を備えており、計数処理が可能であると共に、持玉払出及び貯玉払出が可能となっている例について説明したが、このような形態に限らず、遊技用装置が計数・端数払出ユニット340を備えておらず、計数処理、並びに、持玉払出及び貯玉払出が実行できないものであっても良い。このような構成の遊技用装置において、カウント値が閾値を超過したときには、入金処理及びプリペイド払出を禁止するようにすると良い。
(25)上記の実施形態では、遊技用装置が、パチンコ機2に対応して設けられるカードユニット3である例について説明したが、このような形態に限らず、遊技用装置はスロットマシンに対応して設けられ、貨幣(又はプリペイド残額が記録されているカード)を受け付けてメダルを払い出し可能なメダル払出装置(所謂メダルサンド)であっても良い。このようなメダル払出装置には、対応するスロットマシンにおいて設定されたメダル賭数に応じたアウト信号(例えば賭数相当分ののパルス)が入力され、対応するスロットマシンにおいて役が成立したことに基づいて付与されたメダル付与数に応じたセーフ信号(例えば付与数相当分のパルス)が入力されるものとする。これにより、メダル払出装置(あるいはメダル払出装置を含む遊技用システム)において、遊技者が遊技において獲得した獲得価値に対応するカウント値(セーフ数−アウト数により算出される差数)が更新可能となっている。そして、このようなメダル払出装置(あるいはメダル払出装置を含む遊技用システム)で更新されるカウント値が閾値を超えたときには、メダルの払い出しを禁止する、あるいは、前述したカードユニット3と同様に入金を禁止するようにすると良い。
(26)上記の実施形態では、閾値超過時処理において、動作停止処理が行われる場合(S122及びS123が実行される場合)におけるカウント値が閾値を超えたことの報知態様と、動作停止処理が行われない場合(S123のみが実行される場合)におけるカウント値が閾値を超えたことの報知態様とが共通である(いずれもS123の共通処理が実行される)例について説明した。このような形態に限らず、動作停止処理が行われる場合におけるカウント値が閾値を超えたことの報知態様と、動作停止処理が行われない場合におけるカウント値が閾値を超えたことの報知態様とを異ならせるようにしても良い。
例えば、動作停止処理が行われない場合には、動作停止処理が行われる場合よりも、カウント値が閾値を超えたことを把握し難いため、動作停止処理が行われる場合よりも遊技者や店員が認識し易い態様(例えば表示する文字がより大きい、あるいはカードユニット3に接続される情報表示装置(呼出ランプ装置)が備えるスピーカーによる音声報知を併せて行う等)で閾値超過の報知を行うようにしても良い。また、動作停止処理が行われる場合には、遊技者が混乱しないようにカウント値が閾値を超えたことを明確に把握させる必要があるとして、動作停止処理が行われない場合よりも遊技者や店員が認識し易い態様で閾値超過の報知を行うようにしても良い。
[2.第2の機能]
第2の機能は、プリペイド払出に使用された有価価値の累計(当日累積使用額)が所定の値(上限額)である場合に該プリペイド払出が制限されても遊技者が不利益を被ることを防止できるように、持玉払出処理又は貯玉払出処理の実行は制限しない機能である。
(プリペイド払出における上限の設定)
図23を参照して、プリペイド払出における上限の設定について説明する。本実施の形態では、プリペイド払出において、一の会員遊技者についてプリペイド払出に供された当日累積使用額(図5)が所定の上限額である(図25のS1053でYES)場合に、プリペイド払出の実行を制限(本例では禁止)する入金付与制限処理(同図のS1055)が行われ、その旨を示す制限表示(図26のD100)が行われて、遊技にのめり込むのを防止できるようになっている。なお、入金付与制限処理が行われると、入金も制限(本例では禁止)される。
図23は、残額管理装置140の表示装置147に表示される制限設定画面の一例を示す図である。この制限設定画面は、前記上限額と、前記入金付与制限処理が行われた後に移行するモードとを設定可能である。この設定は、原則として遊技場の営業終了後や営業開始前に可能であるが、例外的に(例えばイベント時等には)営業中にも可能である。
ここで上限額は、本例ではプルダウンメニューに表示される1〜10万円までの1万円刻みの金額のいずれかを設定可能である。なお上限額として、任意の金額を設定可能であるようにしてもよい。
モードには、前記制限表示と共に表示される確認ボタンが操作されるとプリペイド払出及び入金の制限が解除される解除モードである「モード低」と、確認ボタンが操作されてもプリペイド払出及び入金の制限が維持される維持モードである「モード高」が有る。この2つのモードに対応するラジオボタンのいずれかを選択することにより、該選択したラジオボタンに対応するモードを設定可能である。このように、2つのモードのいずれかを選択できるようにしたのは、前述したのめり込み防止の観点からは、プリペイド払出及び入金の制限を維持するのが効果大であるものの、該制限を維持すると遊技場の売上減となるので、該制限を解除できるようにしたためである。なお、該制限が解除されても、その前に前記制限表示が行われているので、のめり込み防止には一定の効果が見込まれる。
この制限設定画面において、上限額がプルダウンメニューから選択され、モードがラジオボタンにより選択されて、設定ボタンが操作されると、該選択された内容で上限額及びモードが設定されて、残額管理装置100において記憶される。そして、該設定内容が、残額管理装置100から、すべてのカードユニット3に対して送信されて、各カードユニット3の制御ユニット328で記憶され、前記設定された上限額及びモードが、図24に示すメインルーチン及び図25に示す上限到達判定処理に適用される。このように、上限額やモードを一律に設定できるので、制限の状況がバラバラになることを防止できる。
(カードユニットの処理)
図24〜図26を参照して、カードユニット3の処理について説明する。カードユニット3では、CPU328aが各デバイスを制御することにより、各種の処理が行われる。
図24は、カードユニット3が実行するメインルーチンの一例を示す図である。
カードユニット3は、カードの受付を待機し(S1001)、カードの受付が有ると(YES)、該受け付けたカードが会員カードであるか否かを判定する(S1002)。
このS1002で、受け付けたカードが会員カードでない(NO)、即ち受け付けたカードがビジターカードであると判定した場合には、ビジター情報取得処理を行う(S1003)。このS1003では、受け付けたビジターカードから読み取ったカードIDを残額管理装置100,及び持玉管理装置140に対して送信し、残額管理装置100からは、当該カードIDに対応付けて残額管理テーブル(図5)で記憶されているプリペイド残額を取得し、持玉管理装置140からは、当該カードIDに対応付けて持玉管理テーブル(図7)で記憶されている各口座の持玉数を取得して、それらを制御ユニット328で記憶する。
一方、S1002で、受け付けたカードが会員カードである(YES)と判定した場合には、会員情報取得処理を行う(S1004)。このS1004では、受け付けた会員カードから読み取ったカードID及び会員番号を残額管理装置100,持玉管理装置140,及び貯玉管理装置150に対して送信し、残額管理装置100からは、当該カードIDに対応付けて残額管理テーブル(図5)で記憶されているプリペイド残額,当日累積使用額,及び上限到達判定フラグを取得し、持玉管理装置140からは、当該カードIDに対応付けて持玉管理テーブル(図7)で記憶されている各口座の持玉数を取得し、貯玉管理装置150からは、当該カードIDに対応付けて貯玉管理テーブル(図10)で記憶されている各口座の貯玉数を取得して、それらを制御ユニット328で記憶する。
S1003又はS1004の処理後、上限到達判定処理を行う(S1004a)。図25は、カードユニット3が実行するサブルーチンである上限到達判定処理の一例を示す図である。
この上限到達判定処理では、まず受け付けたカードが会員カードであるか否かを判定する(S1051)。このS1051で、受け付けたカードが会員カードでない(NO)、即ち受け付けたカードがビジターカードであると判定した場合には、S1053の上限到達判定の対象とならないので、上限到達判定処理を終了する。一方、S1051で、受け付けたカードが会員カードである(YES)と判定した場合には、制御ユニット328で記憶している上限到達判定フラグが1であるか否かを判定する(S1052)。このS1052で、上限到達判定フラグが1でない(NO)と判定した場合には、S1053の上限到達判定の対象とならないので、上限到達判定処理を終了する。一方、S1052で、上限到達判定フラグが1である(YES)と判定した場合には、S1053に進む。
S1053では、制御ユニット328で記憶している当日累積使用額が制御ユニット328で記憶している上限額以上であるか否かを判定する。このS1053で、当日累積使用額が上限額未満である(NO)と判定した場合には、上限到達判定処理を終了する。一方、S1053で、当日累積使用額が上限額以上である(YES)と判定した場合には、制御ユニット328で記憶しているモードがモード高であるか否かを判定する(S1054)。
このS1054で、モード高である(YES)と判定した場合には、プリペイド払出及び入金を禁止する禁止フラグを会員カードに記憶し(S1055)、表示部312に、図26のD100に示す画面を表示して(S1056)、上限到達判定処理を終了する。このD100では、当日累積使用額が上限額に到達した旨及びプリペイド払出と入金を禁止する旨の「制限表示」が行われると共に、プリペイド払出と入金は不可であるが再プレイと計数は可である旨が表形式で示される。
これによれば、入金付与処理(プリペイド払出)に使用された有価価値の累計(当日累積使用額)が所定の値(上限額)である場合には、該入金付与処理の実行を制限する入金付与制限処理を行うので、該入金付与処理に使用された有価価値の累計が大きくなって遊技にのめり込むのを防止できると共に、該入金付与制限処理が行われても、貯蓄付与処理(再プレイ)の実行は制限しないので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。具体的には、例えば大当りが発生したが発射すべきパチンコ玉が無い状態で入金付与制限処理が行われていると、プリペイド払出を行うことができないので、遊技者が不利益を被るところ、本発明によれば再プレイ払出を行うことができるので、遊技者が該不利益を被ることを防止できる。また、入金付与制限処理が行われても、計数は制限しないので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
なお、S1004aで上限到達判定処理を行うことにより、カードユニット3が会員カードを受け付けたときに、当日累積使用額が上限額以上ならば、前記入金付与制限処理が行われるので、台移動をした場合であっても、プリペイド払出や入金を禁止して、のめり込みを防止できる。
前記S1054で、モード高でない(NO)、即ちモード低であると判定した場合には、会員カードが解除フラグを記憶しているか否かを判定する(S1057)。この解除フラグは、後述する図24に示すように、前記確認ボタンの操作が有った場合に(S1026でYES)、モード低ならば(S1027でNO)、プリペイド払出及び入金の禁止が解除されて、会員カードに記憶されるフラグである(S1028)。従って、モード低で、確認ボタンの操作が有った後に会員カードが返却されると、該会員カードに解除フラグが記憶される一方、確認ボタンの操作無しで会員カードが返却されると、該会員カードには解除フラグが記憶されない。このS1057で、解除フラグの記憶が無い(NO)と判定した場合には、前記S1055に進む。一方、S1057で、解除フラグの記憶が有る(YES)と判定した場合には、上限到達判定処理を終了する。
即ち、会員カードの受付時に行われるS1004aの上限到達判定処理では、上限到達判定フラグが1で当日累積使用額が上限額以上である会員カードを受け付けると、モード高ならば、常にS1055の入金付与制限処理が行われるが、モード低ならば、解除フラグの記憶が無ければ入金付与制限処理が行われる一方、解除フラグの記憶が有れば入金付与制限処理が行われない。つまり、モード低で、他のカードユニットで既に入金付与制限処理が行われて確認ボタンの操作が有った場合には、台移動した当該カードユニットで再び入金付与制限処理が行われると煩わしいので、該入金付与制限処理は行われない。なお、この場合においても、のめり込み防止の効果を高めるために、再び入金付与制限処理が行われるようにしてもよい。
S1004aの処理後、図12(1)に示す基本表示を表示部312に表示する(S1005)。
S1005の処理後は、払出ボタン21(S1021),確認ボタン(S1026),計数プレイボタン319(S1031),貯玉払出ボタン(S1036),又は返却ボタン22(S1041)の操作を待機する。
S1021で払出ボタン21の操作が有ると(YES)、カードが禁止フラグ(図25のS1055)を記憶しているか否かを判定する(S1021a)。このS1021aで、禁止フラグを記憶している(YES)と判定した場合には、S1021に戻る。一方、禁止フラグを記憶していない(NO)、即ち会員カードが禁止フラグを記憶していないか、又はビジターカードである場合には、プリペイド払出が可能であるか否かを判定する(S1021b)。
このプリペイド払出では、プリペイド残額が基本払出玉数分(基本単価が4円ならば500円、基本単価が2円ならば400円、基本単価が1円ならば200円)以上の場合には、該基本払出玉数分のプリペイド残額を使用して、基本払出玉数がパチンコ機2から払い出され、プリペイド残額が基本払出玉数分未満の場合には、100円の整数倍を使用して、払出単位である25玉×該整数倍のパチンコ玉がパチンコ機2から払い出されて、制御ユニット328で記憶しているプリペイド残額が減算処理更新されると共に、カードIDと使用金額が残額管理装置100に対して送信されて、残額管理テーブルで記憶しているプリペイド残額が減算処理更新される。なお、使用金額ではなく、使用金額を特定可能な情報(例えば使用度数など)を送信するものでもよい。
ここで、プリペイド残額が0の場合には、プリペイド払出は行われない。即ち、S1021bで、プリペイド払出が不可能である(NO)と判定した場合には、S1021に戻る。一方、S1021bで、プリペイド払出が可能である(YES)と判定した場合には、前記プリペイド払出を行い(S1022)、図25に示す前記上限到達判定処理を行って(S1023)、S1021に戻る。
このプリペイド払出の後に行われるS1023の上限到達判定処理では、上限到達判定フラグが1の会員カードを受け付けて、当日累積使用額が上限額以上となったら、モード高ならば、常にS1055の入金付与制限処理が行われるが、モード低ならば、解除フラグの記憶が無ければ入金付与制限処理が行われる一方、解除フラグの記憶が有れば入金付与制限処理が行われない。ここでの解除フラグは、次に述べるように、前記確認ボタンの操作が有った場合に(S1026でYES)、モード低ならば(S1027でNO)、プリペイド払出及び入金の禁止が解除されて、会員カードに記憶されるフラグである(S1028)。つまり、モード低で、当該カードユニットで既に入金付与制限処理が行われて確認ボタンの操作が有った場合には、再び入金付与制限処理が行われると煩わしいので、該入金付与制限処理は行われない。なお、この場合においても、のめり込み防止の効果を高めるために、当日累積使用額が所定額(例えば前記図23に示すプルダウンメニューで選択可能な金額)に到達する毎に、再び入金付与制限処理が行われるようにしてもよい。
なお、S1023で上限到達判定処理を行うことにより、プリペイド払出が行われた後に、当日累積使用額が上限額以上ならば、前記入金付与制限処理が行われるので、当該カードユニット3でのプリペイド払出や入金を禁止することで、のめり込みを防止できる。
S1026で確認ボタン(図26のD100)の操作が有ると(YES)、制御ユニット328で記憶しているモードがモード高であるか否かを判定する(S1027)。このS1027で、モード高である(YES)と判定した場合には、プリペイド払出及び入金の禁止を維持し、D110の画面を表示部312に表示して(S1030)、S1021に戻る。このD110では、前記制限表示及び確認ボタンは表示しないが、プリペイド払出と入金は不可であるが再プレイと計数は可である旨が表形式で示される。
一方、S1027で、モード高でない(NO)、即ちモード低であると判定した場合には、プリペイド払出及び入金の禁止を解除して、会員カードで記憶している禁止フラグを消去すると共に解除フラグを記憶し(S1028)、D111の画面を表示部312に表示して(S1029)、S1021に戻る。このD111では、前記制限表示及び確認ボタンは表示しないが、プリペイド払出,入金,再プレイ,及び計数がいずれも可である旨が表形式で示される。
このように、遊技者が行う所定動作(確認ボタンの操作)を検知するまで、D100の制限表示を行うので、のめり込み防止の効果を向上できる。なお、確認ボタンの操作が有ると、受付中のカードを返却するようにしてもよい。
またS1031で計数プレイボタン319の操作が有ると(YES)、持玉払出が可能であるか否か(即ち基本単価の持玉数が基本払出玉数以上であるか否か)を判定し(S1032)、可能(即ち基本単価の持玉数が基本払出玉数以上である)ならば(YES)、持玉払出処理を行って(S1033)、S1021に戻り、不可能(即ち基本単価の持玉数が基本払出玉数未満である)ならば(NO)、S1021に戻る。
またS1036で貯玉払出ボタンの操作が有ると(YES)、貯玉払出が可能であるか否か(即ち基本単価の貯玉数が基本払出玉数以上であるか否か)を判定し(S1037)、可能(即ち基本単価の貯玉数が基本払出玉数以上である)ならば(YES)、貯玉払出処理を行って(S1038)、S1021に戻り、不可能(即ち基本単価の貯玉数が基本払出玉数未満である)ならば(NO)、S1021に戻る。
またS1041で返却ボタン22の操作が有ると(YES)、受付中のカードを返却して(S1042)、処理を終了し、返却ボタン22の操作が無ければ(NO)、S1021に戻る。
図26に示すように、D100の画面が表示されている状態では、再プレイ(持玉払出又は貯玉払出)及び計数が可能である。
ここで再プレイ操作(計数プレイボタン319の操作又は貯玉払出ボタンの操作)が有り、前記S1033の持玉払出処理又は前記S1034の貯玉払出処理が行われる場合には、D100に代えて前記再プレイ払出表示を行い、その後に再度D100を表示する。これによれば、再プレイ払出表示を行うので、持玉払出処理又は貯玉払出処理が行われたことを認識させることができると共に、その後に再度制限表示を行うので、のめり込み防止の効果を向上できる。
また計数が有っても、前記計数表示は行わず、D100の表示のままとする。即ち、計数表示が行われると遊技者が得をしている気になって、のめり込みに拍車が掛かるところ、これによれば、制限表示が行われている場合に計数が行われても計数表示は行わないので、のめり込み防止の効果を向上できる。なお、D100の画面が表示されている状態では、カードの返却も可能なので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
なお、計数中にも、プリペイド払出は有効であり、このプリペイド払出の実行により当日累積使用額が上限額以上となった場合には、計数表示よりも優先して制限表示を行う。
[変形例]
次に、前述した第2の機能の変形例を挙げる。
上記の実施形態では、遊技機が、複数種類のレート(4円,2円,1円)のパチンコ玉を遊技媒体(所有価値及び遊技用価値)とするパチンコ機2である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は例えば、複数種類のレートのメダル(20円,10円,5円)を遊技媒体とするスロットマシンや、複数種類のレートの仮想コイン(500円,100円,50円)を遊技媒体とするゲーム機等であってもよく、これらの遊技機に対応する遊技用装置においても、当該遊技用装置に対応する付与レート以外の付与レートの所有価値に応じて、当該遊技用装置の付与レートに対応する遊技用価値を付与するための乗入れ付与処理(乗入れ払出)を実行可能である。ここで乗入れ払出は、遊技媒体の種類が異なっても可能としてもよく、具体的には、メダルの価値に相当するパチンコ玉が払い出されるものや、パチンコ玉の価値に相当する仮想コインが付与されるものであってもよい。また遊技機は、得点データを使用して遊技を行うパチンコ機,スロットマシン,ゲーム機等であってもよい。従って、「遊技者が入金した入金額に相当する遊技価値」には、パチンコ玉,メダル,仮想コイン,得点データ等が含まれる。
上記の実施形態では、図5に示すように、当日累積使用額及び上限到達判定フラグを、残額管理装置100の残額管理テーブルにおいてカードID及び会員番号に対応付けて記憶する例について説明したが、これに限らず、該当日累積使用額及び上限到達判定フラグの一方又は両方を、各会員カードで記憶してもよい。また、上記の実施形態では、禁止フラグ(図25のS1055)及び解除フラグ(図24のS1028)を、各会員カードで記憶する例について説明したが、これに限らず、該禁止フラグ及び解除フラグの一方又は両方を、残額管理装置100の残額管理テーブルにおいてカードID及び会員番号に対応付けて記憶してもよい。
上記の実施形態では、図5に示す上限到達判定フラグが1である会員遊技者に対してのみ、図25のS1055に示す上限到達判定が行われる例について説明したが、これに限らず、すべての会員遊技者に対して上限到達判定が行われるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、会員カードを所有する会員遊技者に対してのみ、上限到達判定が行われる例について説明したが、これに限らず、ビジターカードを所有するビジター遊技者に対しても上限到達判定が行われるようにしてもよい。この場合には、例えば、入金が行われたときに、パチンコ機2における変動表示の終了やパチンコ玉の発射終了から所定時間内に入金が行われたのであれば、同一遊技者による遊技の継続と判定して、当日累積使用額を加算更新し、またビジターカードが返却された後に入金が行われたときにも、同一遊技者による遊技の継続と判定して、当日累積使用額を加算更新すればよい。
上記の実施形態では、図5に示す当日累積使用額が上限額以上であるか否かの上限到達判定が行われる例について説明したが、これに限らず、当日の入金額を累積した当日累積入金額が上限額以上であるか否かの上限到達判定が行われるものであってもよい。
上記の実施形態では、図23に示すように、各カードユニット3についてモード(モード高又はモード低)が設定される例について説明したが、これに限らず、各会員ID毎に、会員登録時又はその後に、モードを設定し、該設定したモードを、残額管理装置100で記憶又は会員カードに記録できるようにしてもよい。これによれば、例えばのめり込み度が高い会員遊技者にはモード高を設定し、のめり込み度が低い会員遊技者にはモード低を設定する等、会員毎の実情に応じたモードの設定を行うことにより、適切な運用をすることができる。なお、各会員ID毎にモードを設定した場合において、該設定が残額管理装置100で記憶されるのであれば、カードユニット3は会員カードの受付時に該設定を残額管理装置100から取得して制御ユニット328で記憶し、また該設定が会員カードに記録されるのであれば、カードユニット3は該会員カードの受付時に該設定を読み取って制御ユニット328で記憶し、該記憶した設定を適用する。
上記の実施形態では、図24に示すように、S1003の処理後にS1004aに進む例について説明したが、これに限らず、ビジターカードの場合にはS1053の上限到達判定が行われないので、S1003からS1005に進むものであってもよい。
上記の実施形態では、図24のS1023に示すように、プリペイド払出の実行後に上限到達判定処理を行う例について説明したが、これに限らず、プリペイド払出の実行前に、当該プリペイド払出を実行した場合の当日累積使用額が上限額以上となるか否かを判定し、該当日累積使用額が上限額以上となる場合には、プリペイド払出を実行しないもの、あるいはプリペイド払出は実行するが警告表示を行うものであってもよい。
上記の実施形態では、図24のS1026〜S1028に示すように、モード低で確認ボタンの操作が有ると解除フラグが記憶されることにより、図25のS1057に示すように、再度の入金付与制限処理が行われないようにする例について説明したが、これに限らず、該解除フラグを記憶せず、入金付与制限処理がその都度行われるものであってもよい。また、遊技場又は遊技者が、解除フラグを記憶するか否かを選択可能なようにしてもよい。
上記の実施形態では、図25のS1055に示すように、入金付与制限処理が、プリペイド払出及び入金の禁止である例について説明したが、これに限らず、該入金付与制限処理は、プリペイド払出又は入金のいずれか一方のみの禁止(制限)であってもよい。
また、入金付与制限処理は、実施例で示したような、プリペイド払出の実行後の当日累積使用額が上限額に到達した場合における、それ以降のプリペイド払出の禁止以外に、例えば以下に示すような制限であってもよい。
・プリペイド払出を実行すると当日累積使用額が上限額に到達する場合において、到達分までは払い出すが、上限額を超える分は払い出さない。
・上限額に到達した以降もプリペイド払出は実行可能だが、払出に時間が掛かったり、払出のための操作が増える。
・上限額に到達した以降もプリペイド払出は実行可能だが、制限表示や、払出の確認表示が、払出毎に表示される。
・上限額に到達した以降もプリペイド払出は実行可能だが、基本払出玉数が減少する
・上限額に到達すると、エラーダウンしてすべての処理ができなくなる。
そして、カードユニット3で行われたこれらの制限は、遊技者による解除操作や、遊技場の店員による解除操作や、受付中のカードの返却などにより、解除される。
上記の実施形態では、図26に示すように、制限表示が表示部312に表示される例について説明したが、これに限らず、該制限表示は、例えばランプにより表示されるものであってもよい。
上記の実施形態では、制限表示を消去するための所定動作の検知が、図26のD100に示す確認ボタンの操作である例について説明したが,これに限らず、該所定動作の検知は、例えば返却ボタン22の操作など、他の動作の検知であってもよい。
上記の実施形態では、入金付与制限処理が行われても計数は制限されない例について説明したが、これに限らず、入金付与制限処理が行われると計数も制限されるものであってもよい。
上記の実施形態では、入金付与制限処理が行われているときに計数が行われても計数表示は行わない例について説明したが、これに限らず、入金付与制限処理が行われているときに計数が行われると計数表示を行うものであってもよい。
上記の実施形態では、入金付与制限処理が行われてもカードの返却を実行可能である例について説明したが、これに限らず、入金付与制限処理が行われるとカードの返却ができないものであってもよく、この場合には、例えば遊技場の店員を呼び出してカードの返却が受けられるようにすればよい。
上記の実施形態では、図26のD100で確認ボタンの操作が有ると、D110やD111では制限表示が消去される例について説明したが、これに限らず、確認ボタンが操作されても、D110やD111で制限表示が維持されるものであってもよい。
上記の実施形態では、図26のD100に示す制限表示が行われている場合に再プレイ操作が行われると再プレイ払出表示を行い、その後に再度制限表示を行う例について説明したが、これに限らず、制限表示が行われている場合に再プレイ操作が行われても再プレイ払出表示は行わず、制限表示が維持されるものであってもよい。
上記の実施形態では、残額管理装置100からの指令に基づいて、カードユニット3でモード(モード高やモード低)が設定される例について説明したが、これに限らず、カードユニット3において、当該カードユニット3のモードを設定したり、また当該カードユニット3が属するグループの各カードユニット3のモードを設定できるものであってもよい。
上記の実施形態では、入金付与制限処理を行う入金付与制限処理手段がカードユニット3に設けられる例について説明したが、これに限らず、該入金付与制限処理手段は、例えば残額管理装置100等の、カードユニット3以外に設けられるものであってもよく、この場合には、該残額管理装置100が、プリペイド払出が行われたカードユニット3からカードID及び使用金額を受信すると、当該カードIDに対応付けて残額管理テーブルで管理している当日累積使用額に当該使用金額を加算更新して、該加算更新後の当日累積使用額が上限額以上であるか否かを判定し、該当日累積使用額が上限額以上であれば、プリペイド払出及び入金を禁止する指令を前記カードユニット3に対して送信する処理を入金付与制限処理として行うことにより、該カードユニット3においてプリペイド払出及び入金が禁止されるようにすればよい。
[3.第3の機能]
第3の機能は、運営モードを、通常モードと、テストモードの、いずれかのモードに切替可能であると共に、該テストモードを、操作付与モード(以下、「手動モード」と称する)と、条件成立付与モード(以下、「自動モード」と称する)の、いずれかのモードに切替可能な機能である。
ここで「通常モード」は、遊技場の営業中に実行されるモードであり、前記図24で説明したように、払出ボタン21の操作が有ると(S1021でYES)プリペイド払出が行われ(S1022)、計数プレイボタン319の操作が有ると(S1031でYES)持玉払出処理が行われ(S1033)、貯玉払出ボタンに操作が有ると(S1036でYES)貯玉払出処理が行われる(S1038)。即ち、通常モードでは、遊技者の操作に基づき、該遊技者の所有価値(プリペイド残額,持玉数,又は貯玉数)を使用して、遊技価値(パチンコ玉)を付与する付与処理が行われる。
一方、「テストモード」は、テストを行う際に移行されるモードであり、「手動モード」では、付与操作(本例では払出ボタン21の操作)に応じてパチンコ玉の払出が行われ、「自動モード」では、該付与操作によらずに所定条件の成立に応じて自動的にパチンコ玉の払出が行われる。この自動モードでは、遊技者の所有価値を使用せずに、付与処理が行われる。
ここで「所定条件の成立」には、例えば以下のようなものが含まれる。
・所定時間(例えば1分間)毎:この場合には、制御ユニット328のRTC328dで計時を行い、該計時が所定時間に達すると、所定条件が成立する。
・アウト数が所定数(例えば100玉)に達する毎:この場合には、アウト信号の入力に基づき、制御ユニット328でアウト数をカウントし、該アウト数が所定数に達すると、所定条件が成立する。
・上皿23にパチンコ玉が不足していることを検知する毎:この場合には、上皿23のパチンコ玉の量を検知するセンサを設け、該センサが上皿23にパチンコ玉が不足していることを検知すると、所定条件が成立する。または、上皿23を撮影するカメラを設け、該カメラの撮像に基づいて、上皿23にパチンコ玉が不足していると判定すると、所定条件が成立する。
・差数が所定数(例えば100玉)未満になる毎:この場合には、アウト数−セーフ数の差数を算出し、該差数が所定数未満になると、所定条件が成立する。ここでセーフ数には、賞球数のみならず、供給数も含まれる。
自動モードにおいて、上記所定条件のうち、予め設定された一以上のものが成立すると、予め設定された払出数(例えば100玉)のパチンコ玉がパチンコ機2から払い出される。例えば、1分間毎に100玉が自動的に払い出されるように設定すると、上述の如く、パチンコ機2では1分間に最高100玉のパチンコ玉が打ち込まれるので、最も効率良くテスト打ちを行うことができる。なお、払い出される当該100玉は、所定条件が成立すると一度にまとめて払い出されるものでもよく、所定条件が成立してから連続的又は断続的に少しずつ払い出されるものでもよい。また、払出数は、任意に設定可能である。また、大当りが発生して、大量の賞球が払い出されたとしても、下皿24のレバー24aを操作することにより、該賞球が下皿24から計数・端数払出ユニット340に投入される(ただし後述するように、賞球の計数はされない)ので、賞球が下皿24から溢れてしまうことを防止できる。
このテストモードを許可するか否か、及び設定されたテストモードの種別は、図6に示すように、残額管理装置100のCU管理テーブルBで記憶される。このCU管理テーブルBでは、各カードユニット3の装置ID(台番号)に対応付けて、各カードユニット3に対応する遊技機の種別(パチンコ又はスロットマシン)と、各カードユニット3が属する遊技用装置グループを識別可能なグループID(A〜)と、テストモードを許可するか否かと、設定されたテストモードの種別(手動モード又は自動モード)が記憶される。このCU管理テーブルBの内容は、表示装置107に表示させることが可能である。
遊技用装置グループは、各カードユニット3と通信可能な上位装置である残額管理装置100で設定され、複数のカードユニット3が属するグループである。この遊技用装置グループは、例えば対応する遊技機の機種毎,設置される遊技島毎,貸与レート毎などに設定される。なお遊技用装置グループは、前記金庫解錠グループとは別個に設定される。
テストモードを許可するか否かと、テストモードの種別とは、以下のようにして設定される。このテストモードの設定には、図27に示す実施例と、図28に示す変形例とがあり、予め定められたいずれかの手法が用いられる。
図27は、テストモード設定の実施例を示す図である。まず、残額管理装置100において、営業時間外に、テストモード設定操作を行うと、D120に示すテストモード設定画面が表示装置107に表示される。このD120では、テストモード設定を「許可する」又は「許可しない」のいずれとするかを選択するためのラジオボタンと、設定対象を「全台」又は「グループ」のいずれとするかを選択するためのラジオボタンとが表示される。なお、D120を表示させるためには、所定の暗証番号の入力を必要としてもよい。
このD120で、「許可する」又は「許可しない」のいずれかを選択し、「全台」又は「グループ」のいずれかを選択し、「グループ」を選択した場合にはグループIDを入力して、「設定」ボタンを押下すると、図6のCU管理テーブルBにおいて、対象となるカードユニット3のテストモード許可欄に、前記選択された「許可する」又は「許可しない」が記憶される。そして、対象となるカードユニット3に対して、前記選択された「許可する」又は「許可しない」を示す設定情報Aが送信される。なお、設定情報Aは、残額管理装置100の開始処理時(残額管理装置100の起動時や、残額管理装置100とカードユニット3との通信確立時)にも、各カードユニット3に対して送信され、その場合には「許可しない」を示す設定情報Aが送信される。
ここでカードユニット3においては、「許可する」を示す設定情報Aを受信した場合にのみ、通常モードからテストモードへの切替が可能となる。これによれば、不正にテストモードに切り替えられることを防止できる。例えば営業時間中に不正にテストモードに切り替えられて不正にパチンコ玉が取得され、該不正に取得されたパチンコ玉が遊技や景品交換に用いられると遊技場に損害が発生するところ、上位装置(残額管理装置100)からの許可が無ければテストモードに切り替えられることが無いので、該損害の発生を防止できる。
次に、該カードユニット3において、店員用端末400から送信されるテストモード設定要求の赤外線信号を受信ユニット(IR)315で受信すると、前記「許可する」を示す設定情報Aを受信している場合にのみ、D121に示すテストモード設定画面が表示部312に表示される。なお、「許可しない」を示す設定情報Aを受信している場合には、テストモード設定画面は表示されない。
また、カードユニット3が、上位装置である残額管理装置100と通信不能な場合にも、テストモード設定画面は表示されない。具体的に、カードユニット3は、CPU328aにより、残額管理装置100と通信可能であるか否かを検知する。例えば、残額管理装置100に対して定期的に確認信号を送信し、該残額管理装置100から応答信号を受信したら、通信可能であると検知するが、該応答信号を受信しなかったら、通信不能であると検知する。そして通信不能であると検知している場合には、テストモード設定画面は表示せず、テストモード切替処理は実行不能とする。これによれば、上位装置と独立した状態で不正にテストモードの設定が行われることを防止できる。なお、上位装置と通信不能であっても、テストモード設定画面は表示されるが、「決定」ボタンを操作してもエラーとなって、テストモードが設定されないものであってもよい。即ち、上位装置と通信不能である場合にテストモードが設定されないものであれば、該設定されないようにするための方法は限定されない。
D121では、設定するテストモードとして「自動モード」又は「手動モード」のいずれかを選択するためのラジオボタンが表示される。このD121で、「自動モード」又は「手動モード」のいずれかを選択して、「決定」ボタンを押下すると、D122に示すテストモード設定画面が表示部312に表示される。このD122では、前記選択した「自動モード」又は「手動モード」を、当該カードユニット3が属する遊技用装置グループの他のカードユニット3に、「設定する」か「設定しない」かを選択するためのラジオボタンが表示される。
このD122で、「設定しない」を選択して、「決定」ボタンを押下すると、D121で選択された「自動モード」又は「手動モード」が、当該カードユニット3にのみ設定される。
一方、D122で、「設定する」を選択して、「決定」ボタンを押下すると、D121で選択された「自動モード」又は「手動モード」が、当該カードユニット3に設定されると共に、当該カードユニット3が属する遊技用装置グループの他のカードユニット3に、前記選択された「自動モード」又は「手動モード」を示す決定情報が送信される。そして、該決定情報を受信したカードユニット3においては、該決定情報が示す「自動モード」又は「手動モード」が設定される。これによれば、同じ遊技用装置グループに属する一のカードユニット3から他のカードユニット3に対して送信される決定情報が示す指定内容に基づいてテストモード切替処理を行うことにより、グループに応じたテストモードの設定を容易に行うことができるので、利便性を向上できる。
ここで、D122で「設定する」を選択した一のカードユニット3から、同じ遊技用装置グループに属する他のカードユニット3に対する決定情報の送信手法としては、例えば以下のようなものがある。
・各カードユニット3は、自己が属する遊技用装置グループのグループIDを予め残額管理装置100から受信して記憶しており、一のカードユニット3は、自己が記憶しているグループIDを含む決定情報を、すべてのカードユニット3に対して送信し、該決定情報を受信したカードユニット3は、該決定情報に含まれるグループIDと自己が記憶しているグループIDとが一致する場合に、該決定情報が示すモードを設定する。
・各カードユニット3は、同じ遊技用装置グループに属するカードユニット3の装置IDを予め残額管理装置100から受信して記憶しており、一のカードユニット3は、決定情報を、該記憶している装置IDのカードユニット3に対して送信し、該決定情報を受信したカードユニット3は、該決定情報が示すモードを設定する。
・一のカードユニット3は、決定情報を、残額管理装置100に対して送信し、該残額管理装置100は、図6に示すCU管理テーブルBで記憶しているグループIDに基づき、該一のカードユニット3と同一の遊技用装置グループに属する他のカードユニット3に対して、前記決定情報を転送し、該決定情報を受信したカードユニット3は、該決定情報が示すモードを設定する。
なお、遊技用装置が、パチンコ機2に対応するカードユニット3ではなく、スロットマシンに対応するメダルサンドである場合には、手動モードのみを設定可能である。メダルサンドにおいては、自動モードで自動的にメダルが払い出されても、該払い出されたメダルをスロットマシンに手で投入しないと遊技ができず、また、仮に該払い出されたメダルをスロットマシンに自動投入できるようにしても、遊技結果(入賞)に伴って払い出されたメダルを回収できないため、自動モードは相応しくないからである。これによれば、対応する遊技機がスロットマシンである場合に、誤って自動モードに設定されてしまうことを防止できる。
ここで手動モードのみを設定可能とする手法としては、例えば以下のようなものがある。
・D121で、手動モードのラジオボタンのみが表示され、自動モードのラジオボタンは表示されない。
・D121で、自動モードと手動モードのラジオボタンが表示されるが、自動モードが選択されると、エラーになる。
・そもそもD121が表示されず、強制的に手動モードが選択されて、D122に進む。
また、自動モードか手動モードかの設定内容は、残額管理装置100に対しても送信され、図6のCU管理テーブルBにおいて、対象となるカードユニット3のテストモード種別欄に、前記選択された「自動モード」又は「手動モード」が記憶される。
その後、カードユニット3においては、D123に示すテストモード実行画面が表示部312に表示される。このD123では、設定された「自動モード」又は「手動モード」を起動する旨が表示されて、後述する図29に示すように、テストモードにおける玉払出処理が行われる。
図28は、テストモード設定の変形例を示す図である。まず、残額管理装置100において、営業時間外に、テストモード設定操作を行うと、D120’に示すテストモード設定画面が表示装置107に表示される。このD120’では、テストモード設定を「許可しない」,「自動モード」,又は「手動モード」を選択するためのラジオボタンと、設定対象を「全台」又は「グループ」のいずれとするかを選択するためのラジオボタンとが表示される。
このD120’で、「許可しない」,「自動モード」,又は「手動モード」のいずれかを選択し、「全台」又は「グループ」のいずれかを選択し、「グループ」を選択した場合にはグループIDを入力して、「設定」ボタンを押下すると、図6のCU管理テーブルBにおいて、前記「許可しない」が選択された場合には、対象となるカードユニット3のテストモード許可欄に「許可しない」が記憶され、前記「自動モード」又は「手動モード」が選択された場合には、対象となるカードユニット3のテストモード許可欄に「許可する」が記憶されると共に、同テストモード種別欄に「自動モード」又は「手動モード」が記憶される。そして、対象となるカードユニット3に対して、前記選択された「許可しない」,「自動モード」,又は「手動モード」を示す設定情報Bが送信される。
そして、カードユニット3においては、「自動モード」又は「手動モード」を示す設定情報Bを受信した場合にのみ、通常モードからテストモードへの切替が可能となる。これによれば、不正にテストモードに切り替えられることを防止できる。例えば営業時間中に不正にテストモードに切り替えられて、不正にパチンコ玉が取得されると、遊技場に損害が発生するところ、上位装置(残額管理装置100)からの許可が無ければテストモードに切り替えられることが無いので、該損害の発生を防止できる。
なお、遊技用装置が、パチンコ機2に対応するカードユニット3ではなく、スロットマシンに対応するメダルサンドである場合には、D121で説明したのと同様に、手動モードのみを設定可能である。即ち、図6に示すCU管理テーブルBで記憶している遊技機種別に基づき、スロットマシンに対応するメダルサンドが対象に含まれる場合には、自動モードが選択されると、エラーになる。
設定情報Bを受信したカードユニット3においては、該設定情報Bが「自動モード」又は「手動モード」を示す場合には、当該「自動モード」又は「手動モード」が設定される。これによれば、上位装置(残額管理装置100)から同じ遊技用装置グループに属するすべての遊技用装置(カードユニット3,メダルサンド)に対して送信される設定情報Bが示す指定内容に基づいてテストモード切替処理を行うことにより、グループに応じたテストモードの設定を行うことができるので、利便性を向上できる。
その後、カードユニット3においては、店員用端末400から送信されるテストモード実行要求の赤外線信号を受信ユニット(IR)315で受信すると、前記「自動モード」又は「手動モード」が設定されている場合に、D123に示すテストモード実行画面が表示部312に表示される。このD123では、設定された「自動モード」又は「手動モード」を起動する旨が表示されて、後述する図29に示すように、テストモードにおける玉払出処理が行われる。なお、前記図27で説明したのと同様に、設定情報Bの受信に基づくモード設定が行われると、前記テストモード実行要求の受信無しに、設定された「自動モード」又は「手動モード」が起動するものであってもよい。
図29は、テストモードにおける玉払出処理を示すフローチャートである。まずカードユニット3は、設定されているのが自動モードであるか手動モードであるかを判定する(S2000)。
このS2000で自動モードである(YES)と判定した場合には、払出ボタン21の操作(S2001),前記所定条件の成立(S2003),又はD123に表示される終了ボタンの操作(S2005)を待機する。
ここで払出ボタン21の操作が有ると(S2001でYES)、『手動では払い出しできません』と表示部312に表示し(S2002)、パチンコ玉の払出は行わずに、S2001に戻る。即ち、自動モードでは、払出ボタン21の操作があっても、該操作に応じたパチンコ玉の払出は実行しない。これによれば、誤って払出ボタン21の操作を行ったことによるパチンコ玉の払出を防止できる。
また所定条件が成立すると(S2003でYES)、パチンコ玉の払出を行って(S2004)、S2001に戻る。このS2004では、予め設定された払出数(例えば100玉)のパチンコ玉がパチンコ機2から払い出されるので、このパチンコ玉を用いて、テスト打ちを行うことができる。そして終了ボタンの操作が有ると(S2005でYES)、処理を終了して、当該カードユニット3がテストモードから通常モードに戻る。
前記S2000で手動モードである(NO)と判定した場合には、払出ボタン21の操作(S2011),又はD123に表示される終了ボタンの操作(S2015)を待機する。
ここで払出ボタン21の操作が有ると(S2001でYES)、パチンコ玉の払出を行って(S2012)、S2011に戻る。このS2012では、予め設定された基本払出玉数(例えば、基本単価が4円であれば125玉、基本単価が1円又は2円であれば200玉)のパチンコ玉がパチンコ機2から払い出されるので、このパチンコ玉を用いて、テスト打ちを行うことができる。そして終了ボタンの操作が有ると(S2015でYES)、処理を終了して、当該カードユニット3がテストモードから通常モードに戻る。
ここで、図29の玉払出処理の終了後には、テストモードから通常モードに戻るが、該テストモードで「自動モード」又は「手動モード」のいずれが実行されるかの設定は維持しておき、店員用端末400からテストモード実行要求を受信すると、該設定されている「自動モード」又は「手動モード」が再び実行される。
そして上記では、玉払出処理が終了したカードユニット3のみが、テストモードから通常モードに戻る例について説明したが、これに限らず、当該カードユニット3と同一の遊技用装置グループに属する他のカードユニット3も、テストモードから通常モードに戻るものであっってもよい。この場合には、当該カードユニット3から前記他のカードユニット3に対してモードを戻す指示を送信してもよく、また当該カードユニット3から残額管理装置100に対して玉払出処理の終了信号を送信し、該終了信号を受信した残額管理装置100から前記他のカードユニット3に対してモードを戻す指示を送信してもよい。
以上に説明したように、この第3の機能によれば、テストモードを、付与操作(払出ボタン21の操作)に応じて付与処理(払出)を行う操作付与モード(手動モード)と、該付与操作によらずに所定条件の成立に応じて付与処理を行う条件成立付与モード(自動モード)の、いずれかのモードに切替可能なので、対応する遊技機の種類や動作確認の目的に応じてモードを切り替えることにより、好適にテストを行うことができる。
なお、テストモードでは、多機能ランプ301が、通常とは異なる態様で発光することより、該テストモードである旨が報知される。
また、テストモードでは、カードユニット3において、ビジターカード及び会員カードの挿入や入金は不可とされる。そして、テストモードでカードを排出する際には、該テストモードで排出された旨を示すテストフラグを記録して排出し、該テストフラグが記録されたカードは通常モードでは使用できないようにする。
また、計数は、自動モードでは不可であるが、手動モードでは可能である。具体的には、自動モードでは、計数・端数払出ユニット340がパチンコ玉を受け入れても、計数(カウント)は行わない。これによれば、不正に計数されてしまうことを防止できる。一方、手動モードでは計数が可能なので、普段打っているのと同じ環境でテスト打ちを行うことができる。
また、遊技データを集計するホールコンピュータ(図示外)に対する情報の出力や、持玉管理装置140に対する稼働情報の出力や、持玉の払出は、自動モードでは不可であるが、手動モードでは可である。
そしてテストモードで「自動モード」とするか「手動モードとするか」の設定は、例えばカードユニット3のリセット,残額管理装置100からの禁止信号の受信,店員用端末400からの解除信号の受信,残額管理装置100の開始処理時などに解除される。
[変形例]
次に、前述した第3の機能の変形例を挙げる。
上記の実施形態では、上位装置が、残額管理装置100である例について説明したが、これに限らず、該上位装置は、遊技データを集計するホールコンピュータ(図示外),持玉管理装置140,会員管理装置150,貯玉管理サーバ15などであってもよい。
上記の実施形態では、遊技価値を付与する付与処理が、パチンコ玉やメダルの払出で有る例について説明したが、これに限らず、該付与処理は、遊技機が得点を使用して遊技をするものである場合には、該特典を付与する処理であっても良い。
上記の実施形態では、付与操作が、払出ボタン21の操作(即ち遊技機への操作)である例について説明したが、これに限らず、該付与操作は、計数プレイボタン319の操作や貯玉払出ボタンの操作のように、遊技用装置への操作であってもよい。なお、遊技機への操作は、払出ボタン21の操作以外に、店員用端末400から遊技機に向けて払出要求信号を送信する等であってもよく、また、遊技用装置への操作も、計数プレイボタン319の操作や貯玉払出ボタンの操作以外に、店員用端末400から遊技用装置に向けて払出要求信号を送信する等であってもよい。
上記の実施形態では、パチンコ玉が、パチンコ機2から払い出される例について説明したが、これに限らず、該パチンコ玉は、カードユニット3から払い出され、ノズルを介してパチンコ機2の上皿23に供給されるものであってもよい。
上記の実施形態では、テストモードの設定が、営業時間外(即ち締め処理後から開店処理前まで)に行われる例について説明したが、これに限らず、該テストモードの設定は、営業時間中(即ち開店処理後から締め処理前まで)に実行可能としてもよい。
上記の実施形態では、テストモードとして、自動モード又は手動モードの一方のみが設定される例について説明したが、これに限らず、自動モード及び手動モードの両方を設定可能とし、テストモードの途中において自動モードと手動モードとを切替できるものであってもよい。
[4.その他の発明]
本願には、以下に示す第1発明及び第2発明が含まれる。
(前記第1の機能に係る第1発明)
従来より、文献1(特開2009−101040号公報)に示されるように、遊技機から払い出される遊技媒体数と、遊技機に投入される遊技媒体数との差数を監視し、差数が予め設定された打止数に達したときには、外部に打止信号を出力する打止数管理装置が開示されている。打止信号を受信した台コンピュータでは、補給装置に打止信号を出力することで、補給装置がパチンコ機への遊技球の補給を停止するようになっている。
文献1に示されるように、遊技者が遊技により獲得した獲得価値に対応する指標値(例えば前述した差数)が閾値(例えば前述した打止数)を超える場合に遊技を終了させる形態は定量制と称される。定量制が採用される遊技場において、指標値や閾値を変更できないものとしてしまうと、遊技場や遊技者にとっては不都合である。
そこで第1発明は、遊技場や遊技者の不都合を防止する遊技用装置及び遊技用システムを提供する。
まず第1発明の手段1は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられる遊技用装置(カードユニット3)であって、
所定の入力を受け付ける入力受付手段(店員用端末400から送信されるカウント値変更命令及び閾値変更命令を受信するIR315)と、
遊技者が遊技により獲得した獲得価値に対応する指標値を特定する指標値特定手段(S102,S111,S113の処理により更新されるカウント値を特定する制御ユニット328)と、
前記指標値特定手段により特定された指標値が閾値(例えば3000)を超える場合に特定処理(入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出を禁止する動作停止制御、又は、カウント値が閾値に達したことを報知する表示変更制御)を実行する特定処理手段(S122,S123の処理を実行する制御ユニット328)と、
前記入力受付手段が所定の入力(カウント値変更命令)を受け付けたときに、指標値を変更可能な変更手段(現在のカウント値を入力されたカウント値に変更するS204の処理を実行する制御ユニット328)と、を備える
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、指標値が変更可能となることにより、定量制が採用される遊技場における不都合を防止することができる。
また第1発明の手段2は、
手段1の遊技用装置であって、
前記変更手段は、変更前の指標値の範囲内で指標値の変更が可能である(S202で入力されたカウント値が現在のカウント値以下の場合には(NO)、遊技履歴(カード情報)によらずS204の処理が実行される)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、指標値の変更により、遊技者が不利益を被ったり、あるいは過度に遊技者に有利になることを防止することができる。
また第1発明の手段3は、
手段1又は2の遊技用装置であって、
遊技者の遊技履歴(遊技を行ったときの日時、機種、及び基本単価)を取得する遊技履歴取得手段(S203の判定処理を実行する制御ユニット328)をさらに備え、
前記遊技履歴取得手段により取得された遊技履歴が所定条件を満たす場合に、前記変更手段による指標値の増加が可能となる(S202で入力されたカウント値が現在のカウント値より大きい場合には(YES)、カード情報として当日の日時が記録されている場合にのみS204の処理が実行可能となる)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、指標値をより大きな値に変更できないことによる不都合を防止することができる。
また第1発明の手段4は、
手段3の遊技用装置であって、
対応する遊技機と同機種の遊技機に関する当日の遊技履歴が所定条件を満たす場合に、前記変更手段による指標値の増加が可能となる(S202で入力されたカウント値が現在のカウント値より大きい場合には(YES)、カード情報として当日の日時が記録され、さらに、対応する遊技機と同一機種の機種IDが記録され、且つ、当該カードユニットと同一の基本単価が記録されている場合にのみS204の処理が実行可能となる)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、指標値をより大きな値に変更できないことによる不都合を防止することができる。
また第1発明の手段5は、
手段1〜4から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記指標値が変更されたことを特定可能に報知する変更報知手段(S205の表示処理を実行する制御ユニット328)をさらに備える
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、指標値が変更されたことを遊技者や店員に把握させることができる。
また第1発明の手段6は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられる遊技用装置(カードユニット3)であって、
所定の入力を受け付ける入力受付手段(店員用端末400から送信されるカウント値変更命令及び閾値変更命令を受信するIR315)と、
遊技者が遊技により獲得した獲得価値に対応する指標値を特定する指標値特定手段(S102,S111,S113の処理により更新されるカウント値を特定する制御ユニット328)と、
前記指標値特定手段により特定された指標値が閾値(例えば3000)を超える場合に特定処理(入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出を禁止する動作停止制御、又は、カウント値が閾値に達したことを報知する表示変更制御)を実行する特定処理手段(S122,S123の処理を実行する制御ユニット328)と、
前記入力受付手段が所定の入力(閾値変更命令)を受け付けたときに、閾値を変更可能な変更手段(現在の閾値を入力された閾値に変更するS214の処理を実行する制御ユニット328)と、を備える
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、閾値が変更可能となることにより、定量制が採用される遊技場における不都合を防止することができる。
また第1発明の手段7は、
手段6の遊技用装置であって、
前記変更手段は、変更前の閾値よりも大きい閾値への変更が可能である(S212で入力された閾値が現在の閾値以上の場合には(NO)、遊技履歴(カード情報)によらずS214の処理が実行される)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、閾値をより大きな値に変更できないことによる不都合を防止することができる。
また第1発明の手段8は、
手段6又は7の遊技用装置であって、
遊技者の遊技履歴(遊技を行ったときの日時、機種、及び基本単価)を取得する遊技履歴取得手段(S213の判定処理を実行する制御ユニット328)をさらに備え、
前記遊技履歴取得手段により取得された遊技履歴が所定条件を満たす場合に、前記変更手段による閾値の減少が可能となる(S212で入力された閾値が現在の閾値より小さい場合には(YES)、カード情報として当日の日時が記録されている場合にのみS214の処理が実行可能となる)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、閾値をより小さな値に変更できないことによる不都合を防止することができる。
また第1発明の手段9は、
手段8の遊技用装置であって、
対応する遊技機と同機種の遊技機に関する当日の遊技履歴が所定条件を満たす場合に、前記変更手段による閾値の減少が可能となる(S212で入力された閾値が現在の閾値より小さい場合には(YES)、カード情報として当日の日時が記録され、さらに、対応する遊技機と同一機種の機種IDが記録され、且つ、当該カードユニットと同一の基本単価が記録されている場合にのみS214の処理が実行可能となる)ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、閾値の減少に条件を設けることにより、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
また第1発明の手段10は、
手段6〜9から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記閾値が変更されたことを特定可能に報知する変更報知手段(S215の表示処理を実行する制御ユニット328)をさらに備える
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、閾値が変更されたことを遊技者や店員に把握させることができる。
また第1発明の手段11は、
手段1〜10から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記指標値を表示する指標値表示手段(表示部312の表示領域312b)をさらに備える
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、指標値を遊技者や店員に把握させることができる。
また第1発明の手段12は、
手段1〜11から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
前記閾値を表示する閾値表示手段(表示部312の表示領域312b)をさらに備える
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、閾値を遊技者や店員に把握させることができる。
また第1発明の手段13は、
手段1〜12から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
遊技媒体数を計数する計数手段(計数・端数払出ユニット340)と、
計数付与操作を受け付ける操作受付手段(計数プレイボタン319)と、
前記計数付与操作(計数プレイボタン319の操作)を受け付けたときに、計数された遊技媒体数に応じた計数価値(持玉数)の少なくとも一部を使用して遊技価値を付与する計数付与処理(持玉払出)を実行する計数付与処理手段(制御ユニット328)と、をさらに備え、
前記特定処理手段は、前記特定処理として、前記計数付与処理を制限するための処理を実行可能であり(動作停止の設定がされている場合にはS122で持玉払出を禁止し)、
前記計数手段は、前記特定処理が実行される場合にも遊技媒体数を計数可能である(図12(11)で動作停止の設定がされている場合であっても計数処理に伴い表示領域312cにおける持玉数の表示は更新される)
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、特定処理が実行される場合における遊技者の不利益を防止することができる。
また第1発明の手段14は、
手段1〜13から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
遊技者の入金を受け付ける入金受付手段(紙幣識別ユニット321)と、
入金された入金額に相当する有価価値の少なくとも一部を使用して遊技価値を付与する入金付与処理(プリペイド払出)を実行する入金付与処理手段(制御ユニット328)と、をさらに備え、
前記特定処理手段は、前記特定処理として、前記入金の受け付けを制限するための処理を実行可能である(動作停止の設定がされている場合にはS122で入金処理を禁止する)
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、貨幣が受け付けられたことにより遊技者が遊技を継続してしまうことを防止することができる。
また第1発明の手段15は、
手段1〜14から選択されるいずれかの遊技用装置であって、
遊技者の入金を受け付ける入金受付手段(紙幣識別ユニット321)と、
入金付与操作を受け付ける操作受付手段(払出ボタン21)と、
前記入金付与操作(払出ボタン21の操作)を受け付けたときに、入金された入金額に相当する有価価値の少なくとも一部を使用して遊技価値を付与する入金付与処理(プリペイド払出)を実行する入金付与処理手段(制御ユニット328)と、をさらに備え、
前記特定処理手段は、前記特定処理として、前記入金付与処理を制限するための処理を実行可能である(動作停止の設定がされている場合にはS122でプリペイド払出を禁止する)
ことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、消費付与処理が実行されたことにより遊技者が遊技を継続してしまうことを防止することができる。
また第1発明の手段16は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられる遊技用装置(カードユニット3)を含む遊技用システム(1)であって、
所定の入力を受け付ける入力受付手段(店員用端末400から送信されるカウント値変更命令及び閾値変更命令を受信するIR315)と、
遊技者が遊技により獲得した獲得価値に対応する指標値を特定する指標値特定手段(S102,S111,S113の処理により更新されるカウント値を特定する制御ユニット328)と、
前記指標値特定手段により特定された指標値が閾値(例えば3000)を超える場合に特定処理(入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出を禁止する動作停止制御、又は、カウント値が閾値に達したことを報知する表示変更制御)を実行する特定処理手段(S122,S123の処理を実行する制御ユニット328)と、
前記入力受付手段が所定の入力(カウント値変更命令)を受け付けたときに、指標値を変更可能な変更手段(現在のカウント値を入力されたカウント値に変更するS204の処理を実行する制御ユニット328)と、を備える
ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、指標値が変更可能となることにより、定量制が採用される遊技場における不都合を防止することができる。
また第1発明の手段17は、
遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられる遊技用装置(カードユニット3)を含む遊技用システム(1)であって、
所定の入力を受け付ける入力受付手段(店員用端末400から送信されるカウント値変更命令及び閾値変更命令を受信するIR315)と、
遊技者が遊技により獲得した獲得価値に対応する指標値を特定する指標値特定手段(S102,S111,S113の処理により更新されるカウント値を特定する制御ユニット328)と、
前記指標値特定手段により特定された指標値が閾値(例えば3000)を超える場合に特定処理(入金処理、プリペイド払出、持玉払出、及び貯玉払出を禁止する動作停止制御、又は、カウント値が閾値に達したことを報知する表示変更制御)を実行する特定処理手段(S122,S123の処理を実行する制御ユニット328)と、
前記入力受付手段が所定の入力(閾値変更命令)を受け付けたときに、閾値を変更可能な変更手段(現在の閾値を入力された閾値に変更するS214の処理を実行する制御ユニット328)と、を備える
ことを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、閾値が変更可能となることにより、定量制が採用される遊技場における不都合を防止することができる。
(前記第2の機能に係る第2発明)
従来より、文献2(特開平10−305158号公報)に示すように、遊技者が遊技に使用する予想累計金額が上限金額を超える場合には、玉貸出手段に遊技球を貸し出させないことにより、いわゆる「のめり込み」を防止する、遊技用装置が知られている。
しかしながら、入金付与処理(例えばプリペイド払出)に使用された有価価値(例えばプリペイド残額)の累計が所定の値である場合に該貸与が制限されると、遊技者が不利益を被る可能性がある。
そこで第2発明は、入金付与処理に使用された有価価値の累計が所定の値である場合に該入金付与処理が制限されても遊技者が不利益を被ることを防止できるような、遊技用装置及び当該遊技用装置を含む遊技用システムを提供する。
まず第2発明の手段1は、
遊技機(パチンコ機2,スロットマシン,ゲーム機)に対応して設けられ、
遊技者が入金した入金額に相当する有価価値の範囲内(プリペイド残額)の少なくとも一部の有価価値を使用して遊技価値(パチンコ玉,メダル,得点データ)を付与するための入金付与処理(プリペイド払出)を行う入金付与処理手段(S122の処理を行うCPU328a)と、
遊技者の所有する貯蓄価値(計数済玉数,持玉数,貯玉数)の範囲内の少なくとも一部の貯蓄価値を使用して遊技価値を付与するための貯蓄付与処理(持玉払出処理,貯玉払出処理)を行う貯蓄付与処理手段(S133の処理やS134の処理を行うCPU328a)と、
を備える遊技用装置(カードユニット3)であって、
一の遊技者について前記入金付与処理に使用された有価価値の累計が所定の値である(S153でYES)場合に、前記入金付与処理の実行を制限する入金付与制限処理を行う入金付与制限処理手段(S155の処理を行うCPU328a)をさらに備え、
前記貯蓄付与処理手段は、前記入金付与制限処理が行われても、前記貯蓄付与処理を実行可能であることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、入金付与処理に使用された有価価値の累計が所定の値である場合には、該入金付与処理の実行を制限する入金付与制限処理を行うので、該入金付与処理に使用された有価価値の累計が大きくなって遊技にのめり込むのを防止できると共に、該入金付与制限処理が行われても、貯蓄付与処理の実行は制限しないので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
また第2発明の手段2は、
手段1に記載した遊技用装置であって、
遊技者が獲得した遊技媒体を計数可能な計数手段(計数・端数払出ユニット340)をさらに備え、
該計数手段は、前記入金付与制限処理が行われても、計数は制限しないことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、入金付与制限処理が行われても、計数は制限しないので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
また第2発明の手段3は、
手段2に記載した遊技用装置であって、
前記計数が行われる場合に計数表示を行い、前記入金付与制限処理が行われる場合に制限表示(D100)を行う第一表示手段(表示部312)をさらに備え、
該第一表示手段は、前記制限表示が行われている場合に計数が行われても、前記計数表示は行わないことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、制限表示が行われている場合に計数が行われても計数表示は行わないので、のめり込み防止の効果を向上できる。
また第2発明の手段4は、
手段1〜3のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
前記有価価値を特定可能な記録媒体(会員カード,ビジターカード)を受け付ける記録媒体受付手段(カードR/W327)と、
所定の返却操作(返却ボタン22の操作)に応じて、前記記録媒体受付手段で受け付けた前記記録媒体を返却する記録媒体返却処理を行う記録媒体返却処理手段(S142の処理を行うCPU328a)と、をさらに備え、
該記録媒体返却処理手段は、前記入金付与制限処理が行われても、前記記録媒体返却処理を実行可能であることを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、入金付与制限処理が行われても記録媒体返却処理を実行可能なので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
また第2発明の手段5は、
手段1〜4のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
前記入金付与制限処理が行われる場合に制限表示(D100)を行う第二表示手段(表示部312)をさらに備え、
該第二表示手段は、遊技者が行う所定動作(確認ボタンの操作)を検知するまで、前記制限表示を行うことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、所定動作を検知するまで制限表示を行うので、のめり込み防止の効果を向上できる。
また第2発明の手段6は、
手段1〜5のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
前記貯蓄付与処理が行われる場合に貯蓄付与表示(再プレイ払出表示)を行い、前記入金付与制限処理が行われる場合に制限表示(D100)を行う第三表示手段(表示部312)をさらに備え、
該第三表示手段は、前記制限表示が行われている場合に前記貯蓄付与処理が行われると、前記貯蓄付与表示を行い、その後に再度前記制限表示を行うことを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、貯蓄付与表示を行うので、貯蓄付与処理が行われたことを認識させることができると共に、その後に再度制限表示を行うので、のめり込み防止の効果を向上できる。
また第2発明の手段7は、
手段1〜6のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
前記入金付与制限処理が行われた場合に、所定の解除操作(確認ボタンの操作)に応じて、前記入金付与処理を実行可能とする、解除モード(モード低)を設定可能であり、
当該遊技用装置と通信可能な管理装置(残額管理装置100)からの指令に基づいて、前記解除モードを設定することを特徴とする遊技用装置である。
これによれば、解除モードを一律に設定できるので、制限の状況がバラバラになることを防止できる。
さらに第2発明の手段8は、
遊技機(パチンコ機2,スロットマシン,ゲーム機)に対応して設けられ、遊技者が入金した入金額に相当する有価価値の範囲内(プリペイド残額)の少なくとも一部の有価価値を使用して遊技価値(パチンコ玉,メダル,得点データ)を付与するための入金付与処理(プリペイド払出)を行う入金付与処理手段(S122の処理を行うCPU328a)と、遊技者の所有する貯蓄価値(計数済玉数,持玉数,貯玉数)の範囲内の少なくとも一部の貯蓄価値を使用して遊技価値を付与するための貯蓄付与処理(持玉払出処理,貯玉払出処理)を行う貯蓄付与処理手段(S133の処理やS134の処理を行うCPU328a)と、を備える遊技用装置(カードユニット3)と、
該遊技用装置と通信可能な管理装置(残額管理装置100)と、
を含む遊技用システム(1)であって、
一の遊技者について前記入金付与処理に使用された有価価値の累計が所定の値である(S153でYES)場合に、前記入金付与処理の実行を制限する入金付与制限処理を行う入金付与制限処理手段(S155の処理を行うCPU328a)をさらに含み、
前記貯蓄付与処理手段は、前記入金付与制限処理が行われても、前記貯蓄付与処理を実行可能であることを特徴とする遊技用システムである。
これによれば、入金付与処理に使用された有価価値の累計が所定の値である場合には、遊技用装置において、該入金付与処理の実行を制限する入金付与制限処理を行うので、該入金付与処理に使用された有価価値の累計が大きくなって遊技にのめり込むのを防止できると共に、該入金付与制限処理が行われても、貯蓄付与処理の実行は制限しないので、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
なお、手段2〜7は、手段8に係る遊技用システムにおける遊技用装置にも適用可能である。