図1は、本実施形態に係る遊技機の斜視図である。
図2は、本実施形態に係る遊技機の前扉の背面図である。
図3は、本実施形態に係る遊技機のキャビネットの正面図である。
図4は、本実施形態に係る遊技機のリール配列を示す図である。
図5は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図6は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図7は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図8は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図9は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図10は、本実施形態に係る遊技機の条件装置を示す図である。
図11は、本実施形態に係る遊技機の内部抽せんの対象を示す図である。
図12は、本実施形態に係る遊技機の内部抽せんの結果を示す図である。
図13は、本実施形態に係る遊技機の内部抽せんの結果を示す図である。
図14は、本実施形態に係る遊技機の遊技機と貸出ユニット間での通信に使用する電文の内容を示す図である。
図15は、本実施形態に係る遊技機の遊技機から貸出ユニットへ出力する電文のうち、遊技機情報通知の内容を示す図である。
図16は、本実施形態に係る遊技機が出力する遊技機情報通知に含まれる情報のうち遊技機種類を示す図である。
図17は、本実施形態に係る遊技機が出力する遊技機情報通知のうち、遊技機性能情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報を示す図である。
図18は、本実施形態に係る遊技機が出力する遊技機情報通知のうち、遊技機設置情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報を示す図である。
図19は、本実施形態に係る遊技機が出力する遊技機情報通知のうち、ホールコン・不正監視情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報を示す図である。
図20は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの基本通信シーケンスを示す図である。
図21は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの起動シーケンスを示す図である。
図22は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの起動シーケンスを示す図である。
図23は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの計数通知シーケンスを示す図である。
図24は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの貸出通知シーケンスを示す図である。
図25は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの通信異常からの復旧シーケンスを示す図である。
図26は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの計数中に通信異常が発生したときのシーケンスを示す図である。
図27は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの貸出中に通信異常が発生したときのシーケンスを示す図である。
図28は、本実施形態に係る遊技機の計数制御に関するフローチャートである。
図29は、本実施形態に係る遊技機の得点付与処理に関するフローチャートである。
図30は、本実施形態に係る遊技機の遊技機情報管理に関するフローチャートである。
図31は、本実施形態に係る遊技機の初回起動後における遊技機情報通知の送信パターンを示す図である。
図32は、本実施形態に係る遊技機の遊技機情報通知のうちホールコン・不正監視情報2回目の送信パターンを示す図である。
図33は、本実施形態に係る遊技機の遊技機情報通知のうちホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したパターンを示す図である。
図34は、本実施形態に係る遊技機の遊技機情報通知のうちホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したパターンを示す図である。
図35は、本実施形態に係る遊技機の作用効果を説明するための比較例であり、投入数信号ONとBB状態信号ONとが同一タイミングのホールコン・不正監視情報で送信されてしまう好ましくない例を示す図である。
図36は、本実施形態に係る遊技機において、投入数信号ONとBB状態信号ONとが異なるタイミングのホールコン・不正監視情報で送信されることになる好ましい例を示す図である。
図37は、本実施形態に係る遊技機の作用効果を説明するための比較例であり、払出数信号ONとBB状態信号ONとが異なるタイミングのホールコン・不正監視情報で送信されてしまう好ましくない例を示す図である。
図38は、本実施形態に係る遊技機において、払出数信号ONとBB状態信号ONとが同一タイミングのホールコン・不正監視情報で送信されることになる好ましい例を示す図である。
図39は、本実施形態に係る遊技機の計数実行フラグセット処理を示す図である。
図40は、本実施形態に係る遊技機の計数処理に係るタイムチャートを示す図である。
図41は、本実施形態に係る遊技機の計数処理に係るタイムチャートを示す図である。
図42は、本実施形態に係る遊技機の計数処理に係るタイムチャートを示す図である。
図43は、本実施形態に係る遊技機の計数処理に係るタイムチャートを示す図である。
図44は、本実施形態に係る遊技機の遊技進行メイン処理を示す図である。
図45は、本実施形態に係る遊技機の有利区間終了処理を示す図である。
図46は、本実施形態に係る遊技機の有利区間クリアカウンタ管理の<パターン1>を示す図である。
図47は、本実施形態に係る遊技機の有利区間クリアカウンタ管理の<パターン2>を示す図である。
図48は、本実施形態に係る遊技機の有利区間クリアカウンタ管理の<パターン3>を示す図である。
<用語説明>
「メダル(メダル数)」、「遊技媒体(遊技媒体数)」、「遊技価値」、及び「点(点数、又は得点)」は同義であり、実メダルがなくても概念としてメダルと称する場合がある。遊技媒体に関する「ベット」、「BET」、及び「投入」は同義であり、何れも遊技媒体を賭ける行為である。「演出選択スイッチP8W」と「演出決定スイッチP8E」を含めて「サブスイッチ」と称する場合がある。16進数の数値を表す場合は「0x〇〇」又は「〇〇h」と記載しており、数字の前後に特に記載のない場合は10進数で表している。「リール」を「回胴」と称する場合があり、何れも同義である。「記憶手段」を「RWM」、「RAM」、又は「記憶領域」と称する場合があり、何れも同義である。「遊技媒体の付与」、又は「得点の付与」等で使用する「付与」は、「払出」と称す場合があり、何れも同義である。「設定/リセットスイッチ」を機能ごとに「設定変更スイッチ」、「リセットスイッチ」と称する場合があるがいずれの場合も同一のスイッチを指し示している。なお、「設定変更スイッチ」、「リセットスイッチ」は、それぞれ異なるスイッチとして設けていてもよい。
本実施形態に係る遊技機Pの特徴(概略)を説明する。以下図面を参照しながら、各要素について詳述する。
<遊技機Pの外観についての説明>
まず図1を参照しながら本実施形態に係る遊技機Pの基本構造を説明する。遊技機Pは、前扉P2(フロントマスク、フロントドア、フロントパネル、扉又はドアとも称す)とキャビネットP1(裏箱、筐体とも称す)がヒンジ構造によって、係止されている。ヒンジ構造は、遊技機Pを正面から見たときの左側に設けられており、左側を軸として前扉P2が開放可能に構成されている。なお、前扉P2を開放するためには、遊技機Pを正面から見たときの右側に設けられた(前扉P2の右側に設けられた)シリンダにドア開放キーを差し込み、ドア開放キーを右に回転させることによって、施錠されている状態から施錠されていない状態(解錠されている状態)にすることが可能となる。なお、ドア開放キーを前扉P2のシリンダに差し込んだ状態で左に回転させることで、ドア開放エラーを解除することが可能であってもよい。また、解除可能なエラーとしては、ドア開放エラーに限らず、例えば、エラーの種類としてリセットスイッチの操作により復帰可能な復帰可能エラー(具体的には、投入異常、精算異常、払出異常、通信異常、総得点上限異常、総得点閾値到達状態、貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6、貸出装置通信異常7等が挙げられる)の全て、又は一部を含んでいてもよい。
前扉P2の裏面のシリンダ近傍にはドアスイッチが設けられており、ドアスイッチのON、又はOFFを検出することにより前扉P2が開放しているか否かを判断可能に構成している。
ドアスイッチはバネ等の弾性部材により進退可能であり、前扉P2が閉鎖されている状況ではキャビネットP1に設けられているドアスイッチ受け部にドアスイッチの先端が接触することによりドアスイッチが押し込まれた状態となっており、ドアスイッチが押し込まれた状態では、ドアスイッチに備えられた光学センサが遮光されることでドアスイッチのONを検出し、ドアが閉鎖されていると判断することになる。
また、前扉P2が開放されている状況ではキャビネットP1に設けられているドアスイッチ受け部にドアスイッチの先端が接触されておらず、バネ等の弾性部材の付勢力によりドアスイッチが突出した状態となっており、ドアスイッチが突出した状態では、ドアスイッチに備えられた光学センサが遮光されないことでドアスイッチのOFFを検出し、ドアが開放されていると判断することになる。
ドアが開放されているか否かの判断処理は、主制御基板P15による割込み処理毎に行われている。主制御基板P15による割込み処理内の入力ポート読み込み処理において、ドアスイッチに対応する入力ポートをチェックしてドアスイッチがONとなっているかOFFとなっているかによってドアが開放されているか否かを判断している。
上述したドアが開放されているか否かの判断処理はこれに限らず、ドアスイッチのON、又はOFFの検出結果とドアが開放されているか否かの判断との対応関係は逆であってもよい。例えば、ドアスイッチのONを検出していることでドアが開放されていると判断し、ドアスイッチのOFFを検出していることでドアが閉鎖されていると判断する場合が挙げられる。また、ドアスイッチに関しても近接センサ等の各種センサにより、ドアの開閉を検出するものであってもよいし、ドア開放キーが右に回転されたことを検出することでドア開放を検出するような態様であってもよい。
前扉P2の前面側に、スタートスイッチP3、左ストップスイッチP4L、中ストップスイッチP4C、右ストップスイッチP4R(以後、これらを総括して「ストップスイッチP4」と称する場合もある。)、MAXベットスイッチP5M、1ベットスイッチP5O(以後、これらを総括して「ベットスイッチP5」と称する場合もある。)、精算スイッチP6、計数スイッチP7(計数ボタンと称する場合がある)、演出選択スイッチP8W、演出決定スイッチP8E等が設けられている。また、遊技に関する情報を報知するための表示部として、遊技媒体数表示部P9、付与数表示部(図示せず)が設けられている。また、リールを視認可能とするための表示窓P10や、遊技に関する興趣を高めるための画像表示装置(画像表示装置P11M、画像表示装置P11S)等が設けられている。
(スタートスイッチP3)
レバー形状のスイッチであり、任意の規定数の遊技媒体が賭けられる(例えば、1~3の投入点のうち、遊技者が任意に選択した数の遊技媒体が賭けられる(ベットされる))ことにより有効となり、操作されたことでリールの回転を開始させる。また、スタートスイッチP3の操作が受付可能なときにはスタートスイッチP3の操作部、又はその周辺のランプ色(LEDの点灯色、又はLEDの点灯、消灯態様)を変更させる、又は点灯させることでスタートスイッチP3の操作が受付可能であることを示唆する。例えば、スタートスイッチP3の操作が受付可能なときには赤色で点灯し、スタートスイッチP3の操作が受付不可能なときには消灯することが挙げられる。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
(ストップスイッチP4)
本実施形態の場合、左リールP18Lには左ストップスイッチP4L、中リールP18Cには中ストップスイッチP4C、右リールP18Rには右ストップスイッチP4Rがそれぞれ対応している。また、ストップスイッチP4の操作が受付可能なときにはストップスイッチP4の操作部、又はその周辺のランプ色(LEDの点灯色、又はLEDの点灯、消灯態様)を変更させる又は点灯させることでストップスイッチP4の操作が受付可能であることを示唆する。例えば、ストップスイッチP4の操作が受付可能なときには青色で点灯し、ストップスイッチP4の操作が受付不可能なときには赤色で点灯することが挙げられる。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
(ベットスイッチP5(MAXベットスイッチP5M、1ベットスイッチP5O))
遊技機P(より具体的には、遊技媒体数制御基板P16)に設けられ、遊技者が保有する遊技媒体数(総得点とも称する)を記憶する遊技媒体数記憶手段(総得点記憶領域とも称す)に記憶されている情報が0でないとき(遊技媒体数表示部P9に表示されている情報が0でないとき)にベットスイッチP5の操作を受け付けると、賭け数の設定処理が行われる。遊技媒体数記憶手段に記憶されている情報が0である場合はベットスイッチP5の操作を受付不可にする、又はベットスイッチP5の操作を受け付けてもベット処理を実行しない。また、遊技機P毎に設定された最大数を賭けることができるMAXベットスイッチP5Mと、「1」を賭けることができる1ベットスイッチP5Oで構成されており、1ベットスイッチP5Oは複数回操作することで最大賭け数の範囲内において操作回数と同数の枚数を賭けることが可能に構成されている。また、MAXベットスイッチP5Mの操作が受付可能なときにはMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ色(LEDの点灯色、又はLEDの点灯、消灯態様)を変更させる、又は点灯させることでMAXベットスイッチP5Mの操作が受付可能であることを示唆する。例えば、MAXベットスイッチP5Mの操作が受付可能なときには赤色で点灯し、MAXベットスイッチP5Mの操作が受付不可能なときには消灯することが挙げられる。1ベットスイッチP5OにはLEDを設けていないが、1ベットスイッチP5Oの操作部、又はその周辺にLEDを配置し、ランプ色を変更させる、又は点灯させることで1ベットスイッチP5Oの操作が受付可能であることを示唆する構成であってもよい。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
(精算スイッチP6)
遊技機Pに設けられたベット数記憶手段に「1」以上の値が記憶されている状況下(ベット数が「1」以上の値である状況下)において、精算スイッチP6が操作されると、ベット数記憶手段に記憶されているベット数を遊技媒体数記憶手段に加算する処理を行うように構成されている。たとえば、ベット数記憶手段に「2」が記憶され、遊技媒体数記憶手段に「100」が記憶されている状況下において精算スイッチP6が操作されると、ベット数記憶手段には「0」が記憶され、遊技媒体数記憶手段には「102」が記憶される。精算スイッチP6の操作が受け付けられたときに精算処理が実行可能な期間は、遊技媒体が投入されてからスタートスイッチP3が操作されるまでの間となっている。換言すると、スタートスイッチP3が操作されてから遊技が終了するまでは精算スイッチP6の操作が受け付けられても精算処理を実行しない。また、これに代えて、遊技媒体が投入されてからスタートスイッチP3が操作されるまでの間は精算スイッチP6の操作を受け付けるが、スタートスイッチP3が操作されてから遊技が終了するまでの間は精算スイッチP6の操作を受け付けないようにしてもよい。また、精算スイッチP6にはLEDを設けていないが、精算スイッチP6の操作部、又はその周辺にLEDを配置し、ランプ色を変更させる、又は点灯させることで精算スイッチP6の操作が受付可能であることを示唆する構成であってもよい。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
また、1ベットスイッチP5Oと精算スイッチP6は1つのスイッチ(1ベットスイッチ/精算スイッチ)として構成されていてもよい。例えば、1ベットスイッチ/精算スイッチの長押し時間に応じて機能を切り替えてもよく、押下時間が1000ms未満の場合(1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けてから1000ms経過前に1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けなくなった場合)は、1ベットスイッチP5Oの機能を実行し、押下時間が1000ms以上の場合(1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けてから1000ms経過した場合)は、精算スイッチP6の機能を実行するように構成されていてもよい。なお、1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けてから1000ms経過した場合に精算スイッチP6の機能を実行するには、1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けなくなる必要はなく、1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けてから1000ms経過時点で1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けていたとしても精算スイッチP6の機能を実行するようになっている。
(計数スイッチP7)
計数スイッチP7が操作されることによって、遊技機Pに設けられた遊技球等貸出装置接続端子板(後述する)を介し、遊技媒体数記憶手段に記憶されている情報を遊技機Pの外部の貸出ユニットに送信することが可能に構成されている。たとえば、遊技媒体数記憶手段に「50」が記憶されている状況下において、計数スイッチP7が操作されることによって、計数値(「計数点」とも称す)として「50」という情報が遊技球等貸出装置接続端子板に送信され、その後、貸出ユニットに計数値として「50」という情報が送信され得るように構成されている。なお、計数スイッチP7が操作され、計数値を送信した後の遊技媒体数記憶手段には「0」が記憶されるように構成されている。また、計数スイッチP7にはLEDを設けていないが、計数スイッチP7の操作部、又はその周辺にLEDを配置し、ランプ色を変更させる、又は点灯させることで計数スイッチP7の操作が受付可能であることを示唆する構成であってもよい。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
(演出選択スイッチP8W)
演出選択スイッチP8Wは、所謂「十字キー」であり、上方向スイッチ、右方向スイッチ、下方向スイッチ、左方向スイッチから構成されている。例えば、演出選択スイッチP8Wの上方向スイッチを操作することによって、画像表示装置P11M又は画像表示装置P11Sに表示されているカーソル等を上方向に移動することが可能となる。また、遊技待機中(遊技待機状態とも称す)において、上方向スイッチを操作すると音量が大きくなったり、下方向スイッチを操作すると音量が小さくなったり、右方向スイッチを操作するとランプの光量が大きくなったり、左方向スイッチを操作するとランプの光量が小さくなったりするよう構成されていてもよい。
(演出決定スイッチP8E)
演出決定スイッチP8Eは、演出を決定するとき等における決定ボタンや、遊技者に有利な状況が発生する旨を遊技者に示唆する演出を実行させるとき等におけるチャンスボタンとしての役割を果たす。例えば、画像表示装置P11M又は画像表示装置P11Sに表示されているある項目にカーソルが示されているときに、演出決定スイッチP8Eが操作されることによって、カーソルが示す項目を決定することができる。また、遊技中において、画像表示装置P11M又は画像表示装置P11Sに、「チャンスボタンを押せ!」などの演出が出た場合、演出決定スイッチP8Eが操作されことにより、次の演出が実行され得るように構成されている。なお、演出決定スイッチP8Eには駆動源(ソレノイドやモータ等)を配置して、演出決定スイッチP8Eの操作部が上下に振動するような演出を実行可能な構成であってもよい。
(総得点クリアスイッチ)
総得点クリアスイッチは、総得点記憶手段に記憶されている総得点を初期化するためのスイッチであり、電源投入時に総得点クリアスイッチがONとなっていた場合は、総得点が初期化可能となるよう構成されている。
(遊技媒体数表示部P9)
遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数(総得点とも称す)の情報を表示するための表示装置であって、最大5桁までの数値情報を表示することができる。遊技媒体数表示部P9を構成する各桁の表示部は、5個のセグメント表示部が横一列に配置されており、セグメント表示部を構成する7個のセグメントの点灯、消灯の組合せによって、遊技媒体数の情報を報知することができる。なお、5個のセグメントにはデシマルポイント(DPポイントと称する場合がある)があってもよく、デシマルポイントを用いた表示態様としても問題ない。また、各セグメントはそれぞれLEDの点灯、又は消灯によって表示態様が変化するよう構成されている。
本実施形態において、遊技媒体数表示部P9に表示できる遊技媒体数の最大数は「16383」であり、「1」を表示する場合は「□□□□1」(4つの□は空白(5個のセグメント表示部のうちの4つの非点灯)を示す)と右詰めで表示する。また、遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数が「0」の場合は「□□□□0」と表示する。仮に、遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数が「0」の場合に、遊技媒体数表示部P9の表示を「□□□□□」としてしまうと、遊技媒体数表示部P9が故障していない場合であっても、遊技媒体数表示部P9が故障しているものと誤認してしまう可能性がある。このため、遊技媒体数表示部P9に「□□□□0」と何らかの表示することにより、遊技媒体数表示部P9が故障していないことを把握することができる。
なお、遊技媒体数表示部P9は、エラーが発生した場合には、遊技媒体数の情報の報知に代えて発生したエラーに対応するエラー情報を表示するようにしてもよい。この場合、遊技媒体数表示部P9には、遊技媒体数の情報とエラー情報を交互に表示するようにしても良い。例えば、遊技媒体数の情報を3秒表示→エラー情報を3秒表示→遊技媒体数の情報を3秒表示→・・・のように繰り返して表示する態様が考えらえる。また、遊技媒体数表示部P9にエラー表示する場合は、「Pxx□□」(2つの□は空白を示す。2つのxは数値、記号、又はアルファベットを示す(各種エラーに対応したエラーの識別情報である「xx」と表示することによってエラーの種別を把握可能とする))と左詰めで表示する。換言すると、遊技媒体数の情報は、上述の「 1」等のように右詰めで表示し、且つ、最小桁(最も右のセグメント表示部)は「0」~「9」の何れかの数値情報が表示される。一方、エラー情報は、上述の「Pxx□□」というように左詰めで表示し、且つ、最小桁は非表示となり数値情報が表示されない(最も右のセグメント表示部が非点灯)。このように構成することにより、遊技媒体数表示部P9の最小桁に表示がなされるか否か(最も右のセグメント表示部の少なくとも一部が点灯しているか否か)で、現在表示されている情報が、数値情報なのかエラー情報なのかを容易に判別可能となる。
また、遊技媒体数表示部P9のうち、右から2番目のセグメント表示部においても同様に点灯か非点灯かを確認することで、現在表示されている情報が、数値情報なのかエラー情報なのかを容易に判別可能となる。
また、本実施形態のように、主制御チップと遊技媒体数チップを用いて遊技機を制御する場合、主制御チップで検知するエラーを「Pxx□□」と表現し、遊技媒体数チップで検知するエラーを「Hxx□□」と表現することで、どこでエラーが生じているかを判断させやすくすることが可能となる。例えば、投入異常は主制御チップで検知するため、「P01□□」、「PE1□□」等と表示することが考えられ、通信異常は遊技媒体数チップで検知するため「H01□□」、「HE1□□」等と表示することが考えられる。このように、エラーを検知したチップ(異常発生個所)にそれぞれ対応した「P」と「H」といった識別情報と、上記の「xx」に対応した「E1」、「01」といったエラーの識別情報とを同時に表示することで、異常が100種類以上あっても桁数を変えることなく、異常発生個所及び異常種別(エラーの種類)を表示することが可能となる。
また、どこのチップがエラーを検知したかに応じて識別情報を変更する例を説明したがこれに限られず、エラーの種類に応じて識別情報を変更してもよい。例えば、復帰可能エラーの場合は「Pxx□□」と表現し、復帰不可能エラーの場合は「Hxx□□」と表現することが考えられる。このような構成によれば、エラーの重要度を判断させやすくすることが可能となる。
また、遊技媒体数表示部P9にエラーを表示する場合において、計数処理が可能なエラーが発生したときであって、エラー表示中に計数スイッチP7が操作されて計数処理がされたときは、計数処理中であっても遊技媒体数表示部P9の遊技媒体数の情報とエラーの情報を交互に表示するようにしても良い。このように構成することで、計数処理中もエラー情報を確認することが可能となる。
また、遊技媒体数表示部P9にエラーを表示する場合において、貸出処理が可能なエラーが発生したときであって、エラー表示中に貸出スイッチが操作されて貸出処理がされたときは、貸出処理中であっても遊技媒体数表示部P9の遊技媒体数の情報とエラーの情報を交互に表示するようにしても良い。このように構成することで、貸出処理中もエラー情報を確認することが可能となる。
また、遊技媒体数表示部P9にエラーを表示する場合において、遊技媒体数表示部P9にエラーが表示されている状態で、電源断となり、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されたときは、総得点は初期化されるがエラーはクリアされないため、遊技媒体数表示部P9に表示されている「0」を示す情報とエラーの情報を交互に表示するようにしても良い。このように構成することで、総得点クリアスイッチが操作されて総得点が初期化されてもエラー情報を確認することが可能となる。
(状態表示ランプ1~5)
状態表示ランプ1~5は、5個のLEDから構成されており、遊技媒体数表示部P9の各セグメントと対応する位置にLEDが1つずつ配置されている(図示せず)。状態表示ランプは、遊技媒体数制御基板P16で点灯制御しており、遊技媒体数制御基板P16が管理する状態にある変化があった場合に点灯する。なお、状態表示ランプの配置位置は遊技者が視認可能であれば任意の場所に配置してよい。
状態表示ランプ1は貸出装置接続異常(VL異常フラグ=FFh)の場合に点灯し、その他の場合(VL異常フラグ=00h)に消灯するよう構成されている。
状態表示ランプ2は貸出通番異常の場合に点灯し、その他の場合に消灯するよう構成されている。
状態表示ランプ3は貸出装置通信異常1~7の場合に点灯し、その他の場合に消灯するよう構成されている。
状態表示ランプ4は総得点が15000以上の場合に点灯し、その他の場合に消灯するよう構成されている。
状態表示ランプ5は計数通知送信時において計数点が0以外(1以上の値)の場合に点灯し、計数通知送信時において計数点が0の場合に消灯するよう構成されている。なお、状態表示ランプ5を点灯するときは、計数中フラグ(後述する)がセットされているか否かで判断しており、計数中フラグがセットされている(計数中フラグ=FFh)ときは状態表示ランプ5を点灯し、計数中フラグがセットされていない(計数中フラグ=0)ときは状態表示ランプ5を消灯する。
また、計数中フラグは計数通知タイミング毎にクリア(計数中フラグ=0)され、計数実行フラグ(後述する)=1以上のとき(計数スイッチP7の短押し、又は長押しのとき)の計数通知タイミングでセットされ、以降の計数通知タイミングにてVL異常フラグ≠0、総得点が0、又は計数実行フラグ=0となると計数中フラグがセットされなくなる。即ち、計数値として「1」以上計数する場合は、少なくとも計数通知の出力間隔である300ms間は計数中フラグ=FFhとなっている。換言すると状態表示ランプ5はが点灯する場合は少なくとも300ms間は点灯することになる。なお、計数実行フラグ=1以上のときにセットされている計数中フラグは、計数通知タイミングとなったときにクリアされるが、同じ割込み処理内で再セットされるため、状態表示ランプ5は消灯せずに点灯を維持することになる。
このように構成することで、計数スイッチP7の短押しが計数通知タイミングの直前で成立したとしても、300ms間は状態表示ランプ5を点灯することができ、状態表示ランプ5の視認可能な時間を担保することが可能となる。また、計数スイッチP7の長押しがn回(複数回)の計数通知タイミングを跨いだ際はn×300msの期間は点灯状態を維持することができる。
また、計数スイッチP7が短押しされて計数値として「1」のみ計数される場合であっても、計数スイッチP7が長押しされて計数値として「50」のみ計数される場合であっても、状態表示ランプ5は300ms間点灯することになる。このため、短押し時の処理と長押し時の処理を分ける必要がなく共通の処理で状態表示ランプ5を点灯できるため、プログラムの煩雑さの解消、及びプログラム容量を圧縮することができる。
(付与数表示部)
遊技の結果として、遊技媒体(得点)を付与する場合、付与した遊技媒体数を表示するための表示装置であって、最大2桁までの数値情報を表示することができる。付与数表示部を構成する各桁の表示部は、複数のセグメントから構成されており、セグメントを点灯することによって、遊技媒体数の情報を報知することができる。なお、遊技媒体数表示部P9に発生したエラーに対応するエラー情報を表示させない場合、付与数表示部に発生したエラーに対応するエラー情報を表示するようにしてもよい。この場合、付与数表示部には、付与した遊技媒体数の情報の後にエラー情報を表示するようにしても良い。例えば、遊技の結果付与する遊技媒体数を「7」とした場合、付与数表示部に「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」と表示した後に「E1」(エラーコード)と表示する態様が考えられる。付与数表示部は図示しないが、精算スイッチP6、1ベットスイッチP5Oの正面視左隣りに配置されることが考えられる。
(表示窓P10)
前扉P2を閉鎖した状態で、上下方向に回転自在に設けられている左リールP18L、中リールP18C、右リールP18R(図3参照)の各リールに貼付されたリールテープの図柄が表示窓P10を介して視認可能となる。具体的には、表示窓P10からは、リールが停止しているときは、21個(20個、16個等)の図柄のうち、左リールP18L、中リールP18C、右リールP18Rの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓P10には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が視認可能となる。ここで、左リールP18L、中リールP18C、右リールP18Rがそれぞれ3つの図柄を停止表示する停止表示位置のうち、最も上側の停止表示位置を上段、中央の停止表示位置を中段、最も下側の停止表示位置を下段とする。
(画像表示装置)
画像表示装置は、様々な演出画像のほか、遊技中にストップスイッチP4の押し順などを指示する遊技指示画像、エラー発生時のエラー画像等を表示する。本実施形態では、画像表示装置として、画像表示装置P11M、画像表示装置P11Sの2つの画像表示装置を備えている。なお、機種によっては画像表示装置を1つしか搭載しない場合や、3つ以上搭載する場合や、1つも搭載しない場合もある。画像表示装置は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ、プロジェクタ等遊技者に画像を視認させるための表示装置であれば様々な形態の表示装置を採用できる。
その他、ストップスイッチP4の操作態様を報知する操作態様表示装置(指示モニタとも称す)を備えていても良い。なお、付与数表示部にストップスイッチP4の操作態様を報知しても良い(兼用しても良い)。付与数表示部にストップスイッチP4の操作態様を報知するときは付与数表示部のことを指示モニタと称する場合がある。また、ベット数を報知するための1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプや、再遊技(リプレイとも称す)が実行可能であることを示す再遊技表示ランプ、スタートスイッチP3の操作により遊技が実行可能であることを示す遊技実行可能ランプ、ベットスイッチP5の操作により遊技媒体を投入可能であることを示す遊技媒体投入可能ランプ等を備えていても良い。
上述した1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、再遊技表示ランプ、遊技実行可能ランプ、及び遊技媒体投入可能ランプは、主制御基板P15が点灯、又は消灯を制御する態様とするが、副制御基板P12が点灯、又は消灯を制御する態様であってもよい。
<遊技機Pの前扉P2の裏面に配置されている主要部についての説明>
続いて図2を参照しながら本実施形態に係る前扉P2の背面構造を説明する。
(副制御基板P12)
副制御基板P12(副制御手段、サブ制御手基板(手段)、演出制御基板(手段)とも称す)は、副制御基板P12のケースに収容されている。副制御基板P12は、副制御CPU、副制御ROM、副制御RAMが搭載されている(副制御CPU、副制御ROM、副制御RAMは、1つのチップ内に内蔵されていても良い)。副制御CPU、副制御ROM、副制御RAMは、バスによって互いにデータ通信を可能としている。副制御基板P12は、後述する主制御基板P15からの情報(コマンドとも称す)に基づいて、演出用ランプ、スピーカ、画像表示装置(画像表示装置P11M、画像表示装置P11S)に出力するデータを決定する。換言すると、副制御基板P12は主として演出に係る制御を実行している。なお、副制御基板P12から、主制御基板P15に対しては情報を送信することはできない(片方向通信)。また、演出選択スイッチP8Wや演出決定スイッチP8Eが操作されたことによって入力されたデータを取得し、演出選択スイッチP8Wや演出決定スイッチP8Eが操作されたことによって入力されたデータに基づいて演出用ランプ、スピーカ、画像表示装置(画像表示装置P11M、画像表示装置P11S)に出力するデータを決定することもある。
(遊技媒体数表示基板P13)
遊技媒体数表示基板P13は、遊技媒体数表示部P9の表示を行う基板である。具体的には、遊技媒体数表示部P9が設置された基板である。
(スピーカ)
スピーカは、前扉上部の上部右スピーカP14UR、上部左スピーカ(図示せず)、前扉下部の下部右スピーカP14DR、下部左スピーカP14DLの4つが設けられており、スピーカからは演出に合わせた効果音の他、エラーが発生した事を知らせるエラー音や警告音を出力する。
<遊技機PのキャビネットP1に配置されている主要部についての説明>
続いて図3を参照しながら本実施形態に係るキャビネットP1の内部構造を説明する。
(主制御基板P15)
主制御基板P15(主制御手段、第1主制御基板(手段)、メイン制御基板(手段)、又は遊技制御基板(手段)とも称す)は、主制御基板ケースに収容されている。主制御基板P15は主制御基板ケースで保護されており、主制御基板ケースをカシメ(封印部材とも称する)により封印することによって、主制御基板ケースの開放が困難となるように構成されている。
主制御基板P15は、第1主制御CPU、第1主制御ROM、第1主制御RAMが搭載されている(第1主制御CPU、第1主制御ROM、第1主制御RAMは、1つのチップ内に内蔵されており、主制御チップと称する)。第1主制御CPU、第1主制御ROM、第1主制御RAMは、バスによって互いにデータ通信を可能としている。主制御基板P15は、内部抽せんや、リールの駆動や停止等のリール制御、すべてのリールが停止し、停止した図柄組合せに基づく入賞判定制御、ボーナス遊技状態(単に、ボーナスとも称す)やRT状態等の各種遊技状態の遊技状態移行制御等を行う。
主制御基板P15には、RAMクリアスイッチが接続されており、RAMクリアスイッチが操作されることにより主制御基板P15が記憶している有利区間情報をクリア可能としている。有利区間中にRAMクリアスイッチが操作されると、有利区間が終了し通常区間がセットされる。RAMクリアスイッチの操作によりクリアされる情報は有利区間に関する情報であり、設定値、総得点、ベット数、RT状態、役比モニタに関する情報はクリアされない。また、有利区間がクリアされるRAMクリアスイッチの操作方法は、1回押されたことでもよいし、所定時間押下され続けたことを検知したこと(所謂長押し)でもよいし、押下されている状況で電源投入されたことでもよい。なお、RAMクリアスイッチは遊技者(ユーザ)が操作できない位置(例えば、前扉P2を開放しないと露出しない主制御基板P15や、キャビネット内部や、前扉背面部等)に配置されている。なお、RAMクリアスイッチは、リセットスイッチと兼用していてもよい。詳細は後述するが、有利区間とは、指示モニタにより有利なストップスイッチの操作態様(操作順序や操作位置を含む)を報知する場合を有する遊技区間であり、通常区間とは、指示モニタにより有利なストップスイッチの操作態様を報知しない遊技区間である。
主制御基板P15に搭載されている主制御チップの内蔵ROMの記憶容量は「16KB以下」となっており、「7.5KB以下」の使用領域(第1プログラムとも称す)とそれ以外の使用領域外(第2プログラムとも称す)とを有している。使用領域には、主制御基板P15が実行するプログラムが記憶されている「4.5KB以下」の制御領域(第1制御領域とも称す)と、プログラム以外の情報のみが記憶され、又は記憶されることとなる「3.0KB以下」のデータ領域(第1データ領域とも称す)とを有している。使用領域外には使用領域と同様に制御領域(第2制御領域とも称す)とデータ領域(第2データ領域とも称す)とを有している。使用領域には遊技の進行に関するプログラムが記憶されており、使用領域外には不正対策に関するプログラムや遊技機試験に用いるプログラムが記憶されている。
(遊技媒体数制御基板P16)
遊技媒体数制御基板P16(第2主制御基板(手段)、払出制御基板(手段)、メダル数制御基板(手段)、メダル数表示制御基板(手段)、又は遊技媒体数表示制御基板(手段)とも称す)は、遊技媒体数制御基板ケースに収容されている。遊技媒体数制御基板P16は遊技媒体数制御基板ケースで保護されており、遊技媒体数制御基板ケースをカシメ(封印部材とも称する)により封印することによって、遊技媒体数制御基板ケースの開放が困難となるように構成されている。
遊技媒体数制御基板P16は、第2主制御CPU、第2主制御ROM、第2主制御RAMが搭載されている(第2主制御CPU、第2主制御ROM、第2主制御RAMは、1つのチップ内に内蔵されていても良い)。第2主制御CPU、第2主制御ROM、第2主制御RAMは、バスによって互いにデータ通信を可能としている。遊技媒体数制御基板P16は、遊技媒体数表示部P9の表示制御や、後述する遊技球等貸出装置接続端子板を介して貸出ユニットに対して情報(コマンド)を送信することや、遊技球等貸出装置接続端子板を介して貸出ユニットから情報(コマンド)を受信することや、主制御基板P15に対して情報(コマンド)を送信することや、主制御基板P15から情報(コマンド)を受信することができる。
また、遊技媒体数制御基板P16には獲得した遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段を備えており、入賞の結果付与する遊技媒体数である付与数の加算や、遊技を開始するために使用する遊技媒体数である投入数の減算を行うことにより、現在ユーザが有している遊技媒体数を記憶している。
遊技媒体数記憶手段で記憶可能な上限値は「16383」までとなっており、「16384」以降は記憶できないようになっている。
遊技媒体数記憶手段で記憶している値が「15000」以上「16368」以下の場合は、遊技媒体数制御基板P16が総得点閾値到達状態を検知することとなる。また、遊技媒体数記憶手段で記憶している値が「16369」以上「16383」以下の場合は、遊技媒体数制御基板P16が総得点上限異常を検知することとなる。なお、遊技媒体数記憶手段で記憶している値が「16369」以上「16383」以下の場合の何れかの値を上限注意値と称す。換言すると、上限注意値は上限値も含まれる概念となる。また、遊技媒体数記憶手段で記憶している値として「15000」(総得点閾値到達状態となる値)を第一の閾値と称する場合があり、遊技媒体数記憶手段で記憶している値として「16369」(総得点上限異常となる値)を第二の閾値と称する場合がある。
遊技媒体数制御基板P16には、総得点クリアスイッチが接続されており、電源断時において総得点クリアスイッチが操作(押下)されている状況で電源投入されたこと(電源投入処理時に総得点クリアスイッチの操作を検知したこと)により遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点をクリア可能としている。総得点クリアスイッチの操作によりクリアされる情報は総得点のみであり、他の情報(例えば、ベット数情報等)はクリアされない。また、総得点がクリアされる総得点クリアスイッチの操作方法は、1回押下されたことでもよいし、所定時間押下され続けたことを検知したこと(所謂長押し)でもよい。なお、総得点クリアスイッチはユーザが操作できない位置(例えば、遊技媒体数制御基板P16上や、キャビネット内部や、前扉背面部等)に配置されている。
総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されたことにより総得点がクリアされた場合は、総得点クリアステータスをONとし、その後に開始された1回の遊技が終了するまで総得点クリアステータスのONを維持し、1回の遊技が終了した後には総得点クリアステータスをOFFにする。総得点クリアステータスの情報は貸出ユニットに送信してもよく、貸出ユニットは総得点クリアステータスがONである情報を受信した場合は、貸出ユニットで記憶している総得点情報をクリアする。また、遊技機Pで総得点クリアステータスがONの状況下で、貸出ユニットから貸出点が付与された場合、総得点クリアステータスはONのまま、新たに総得点として貸出点を加算し、その後1回の遊技が終了して総得点クリアステータスがOFFになっても新たに貸出点が加算された総得点はクリアされない。
なお、遊技中(リール回転中、払出処理(得点付与処理とも称す)中等)に電源断が行われ、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されても総得点がクリアされず、総得点クリアステータスもOFFのままとなっており、遊技終了後に電源断が行われ、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されることにより総得点がクリアされ、総得点クリアステータスがONとなる。この場合、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15から送信された遊技開始情報と遊技終了情報に基づいて遊技中であるか否かを判定し、遊技中であるときの総得点クリアスイッチの操作により総得点をクリアしないようにしている。
また、遊技中に総得点クリアスイッチが操作され、総得点クリアスイッチが操作されている状態で遊技が終了し、総得点クリアスイッチが操作されており、且つ遊技が終了している状態で電源断が行われ、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入された場合は総得点がクリアされ、総得点クリアステータスがONとなる。
また、総得点クリアスイッチは遊技中に電源断が行われ、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されたときも、総得点がクリアされ、総得点クリアステータスがONとなるようにしてもよく、この場合は、総得点クリアステータスは総得点クリアスイッチが操作された遊技の次の遊技の終了に基づいてONからOFFにする。換言すると、総得点クリアスイッチが操作された当該遊技の終了では総得点クリアステータスのONを維持し、その次の遊技が終了すると総得点クリアステータスをOFFにする。これにより総得点クリアステータスが短時間だけONとなるようなタイミング(遊技終了直前に総得点クリアスイッチが操作されたタイミング)であっても次の遊技に総得点クリアステータスをONに維持できるため、総得点をクリアするような不正を抑制できる。なお、総得点クリアスイッチが操作された遊技の終了後に総得点クリアステータスをOFFにしてもよく、この場合は総得点クリアステータスを更新するプログラムを共通化することによる容量削減の効果が見込まれる。
また、総得点クリアスイッチは押下したのみでは総得点がクリアされないが、総得点クリアスイッチの検知は行っているため、遊技媒体数制御基板P16が管理するスイッチに異常がないか否かを遊技場管理者に視認させるためのモニタランプは点灯する。一方、総得点クリアスイッチの検知を行っているときにモニタランプが点灯する仕様ではなく、総得点クリアスイッチの検知を行っているときにはモニタランプが消灯し、総得点クリアスイッチの検知を行っていないときにはモニタランプが点灯するように構成していてもよい。なお、モニタランプとは、主制御基板P15、及び/又は、遊技媒体数制御基板P16に搭載されているランプであるが、他の基板に搭載されていても良い。
また、遊技中、又は遊技終了後に電源断が行われ、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、主制御基板P15で設定キースイッチがONか否かを判断し、遊技媒体数制御基板P16で総得点クリアスイッチがONであるか否かを判断する。
設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、設定変更モードが起動し、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域を初期化した後に設定値の選択が可能となる。一方、遊技媒体数制御基板P16では、電源投入されたことに基づいて第2主制御RAMの特定範囲の記憶領域を初期化した後に、総得点クリアスイッチがONであることに基づいて第2主制御RAMの総得点を記憶している記憶領域を初期化することにより総得点がクリアされる。このように構成することで、1回の電源投入で設定変更と総得点クリアが同時に行えるので、遊技場管理者の操作が煩雑となるのを防止することができる。
ここで、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、主制御基板P15では、設定変更モードが起動し、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域を初期化することとなる。そして設定変更モードの終了条件を満たす(スタートスイッチP3を操作して設定値を確定させた後に、設定キースイッチをOFFにする)と、設定変更モードを終了する。その後は、ベットボタンが操作されると、総得点を用いたベット処理が実行可能な状況(遊技待機中)となる。つまり、設定変更モードが終了するまでには総得点を記憶している記憶領域の初期化が完了しなければ、クリアされていない総得点に基づいたベット処理がなされる可能性がある。このような不具合を解消するために、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域の初期化が開始するタイミングよりも、第2主制御RAMの総得点を記憶している記憶領域の初期化が開始するするタイミングの方が早いように構成されていることが好ましい。その他の方法としては、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域の初期化が終了するタイミングよりも、第2主制御RAMの総得点を記憶している記憶領域の初期化が終了するするタイミングの方が早いように構成されていることが好ましい。
また、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、設定変更モードには移行するが総得点はクリアされない態様も考えられる。このような構成によれば、設定変更モードに移行させる作業の途中で誤って総得点クリアスイッチを操作してしまった場合であっても総得点はクリアされないようにすることができる。総得点は重要な情報であり、簡単にクリアされないようにすることを重視する場合は、このような制御体系としてもよい。
また、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、設定変更モードに移行せず、総得点はクリアされる態様も考えられる。このような構成によれば、総得点をクリアさせる作業の途中で誤って設定キースイッチを操作してしまった場合であっても設定変更モードには移行させないようにすることができる。設定値は遊技場の利益コントロールにおいて重要な情報であり、不正に変更されないようにすることを重視する場合は、このような制御体系としてもよい。
また、設定変更モードに移行した場合は、液晶に「設定変更モード中」の表示、枠ランプに赤色で点灯、スピーカから設定変更モード専用のBGMと「設定変更中です」の音声がそれぞれ設定変更モードを終了するまで出力されており、総得点がクリアされた場合は、枠ランプにオレンジ色で点灯、スピーカから「総得点がクリアされました」の音声がそれぞれ短期間、又は1回出力されているよう構成されている。このため、設定変更モードへの移行と総得点のクリアが同時に行われた場合であっても、全ての状況を認識させやすくするため、短期間、又は1回出力される総得点のクリアに関する報知を優先的に行うようにしている。優先度をつけるためには、例えば、設定変更モードの音声と総得点クリアに関する音声の音声チャンネルを同一にしている場合は、総得点クリアに関する音声を後から出力することで、総得点クリアに関する音声を先に認識できるようにしたり、設定変更モードの音声と総得点クリアに関する音声の音声チャンネルを別にしている場合であっても、総得点クリアに関する音声を出力している間は設定変更モードに関する音声の音量を下げる、又はミュートにしたりすることが考えられる。このように構成することで、設定変更モードの移行と総得点のクリアが同時に行われたとしても、状況を認識させやすくすることが可能となる。
遊技媒体数制御基板P16に搭載されている遊技媒体数制御チップの内蔵ROMの記憶容量は「16KB以下」となっており、「7.5KB以下」の使用領域(第1プログラムとも称す)とそれ以外の使用領域外(第2プログラムとも称す)とを有している。使用領域には、遊技媒体数制御基板P16が実行するプログラムが記憶されている「4.5KB以下」の制御領域(第1制御領域とも称す)と、プログラム以外の情報のみが記憶され、又は記憶されることとなる「3.0KB以下」のデータ領域(第1データ領域とも称す)とを有している。使用領域外には使用領域と同様に制御領域(第2制御領域とも称す)とデータ領域(第2データ領域とも称す)とを有している。使用領域には遊技の進行に関するプログラムが記憶されており、使用領域外には不正対策に関するプログラムや役比モニタに用いるプログラムが記憶されている。
また、遊技媒体数制御基板P16は、役比モニタ(性能表示モニタとも称す)が搭載されており、各種状態の滞在比率を表示するための演算処理や表示処理を実行可能に構成されている。
役比モニタとは、累計の有利区間比率または累計の指示込役物比率(遊技機の仕様に応じて選択可能)、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率を4800ms毎に切り替えて表示する表示装置であり、7セグメントLED(DPあり)を4個用いることで4桁の数字を表示可能となっている。4個の7セグメントLEDで表示する4桁の数字のうち上位2桁を識別セグ、下位2桁を比率セグと称す。
役物比率における「役物」とは、第1種特別役物(所謂RB)、第2種特別役物(所謂CB)、及び普通役物(所謂SB)を指しており、「役物比率」とは、役物作動中の払出÷総払出×100で算出される比率である。なお、第1種特別役物連続作動装置(所謂BB)や第2種特別役物連続作動装置(所謂MB)の作動における払出も「役物作動中の払出」に含まれるが、BB中の一般遊技やMB中の一般遊技での払出は「役物作動中の払出」に含まれない。
連続役物比率における「連続役物」とは、第1種特別役物(所謂RB)を指しており、「連続役物比率」とは、第1種特別役物作動中の払出÷総払出×100で算出される比率である。なお、第1種特別役物連続作動装置(所謂BB)の作動における払出も「役物作動中の払出」に含まれるが、BB中の一般遊技での払出は「役物作動中の払出」に含まれない。
指示込役物比率における「指示込役物」とは、上述した「役物」に指示機能が作動した遊技(所謂AT)における払出を含んだものであり、「指示込役物比率」とは、(指示機能作動中の払出、又は役物作動中の払出)÷総払出×100で算出される比率である。ここで、(指示機能作動中の払出、又は役物作動中の払出)とは、指示機能作動中、且つ役物が作動した遊技の払出を指すのではなく、指示機能が作動した遊技の払出数と役物が作動した遊技の払出の合算を指す。仮に、指示機能が作動した遊技が、役物が作動した遊技であった場合には、2つの払出数を合算するのではなく、その遊技の払出数が(指示機能作動中の払出、又は役物作動中の払出)となる。なお、ATが作動した遊技で遊技者がストップスイッチの操作態様を間違えた場合、最大の払出を得られないことがあるが、この場合は実際の払出に基づいて算出される。
役比モニタに表示する情報のうち識別セグに表示する情報は、累計の有利区間比率、累計の指示込役物比率、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率のうちどの比率を表示しているかを識別するための情報であり、それぞれ、「7U.」、「7P.」、「6Y.」、「7Y.」、「6A.」、「7A.」、「5H.」と表示する。例えば、識別セグに「7U.」と表示されている場合は、累計の有利区間比率であることを示し、識別セグに「6Y.」と表示されている場合は、最新の6000ゲーム間の連続役物比率であることを示している。
役比モニタに表示する情報のうち比率セグに表示する情報は、各種比率の算出結果を視認できるための情報であり、2個の7セグメントLEDを用いて2桁の数字で表示する。例えば、算出結果が70となった場合は、比率セグに「70」と表示する。なお、算出した結果のうち小数点以下は切り捨てて表示する。また、算出結果が100となった場合は、「99」と表示する。また、累計のゲーム数が400ゲームに満たない場合は、比率セグは「00」と表示する。
識別セグは、累計ゲーム数が基準ゲーム数に満たない場合は識別セグを点滅態様で表示する。基準ゲーム数は各種比率に応じて定まっており、累計の有利区間比率の場合は175,000ゲームであり、累計の指示込役物比率の場合は175,000ゲームであり、最新の6000ゲーム間の連続役物比率の場合は6,000ゲームであり、最新の6000ゲーム間の役物比率の場合は6,000ゲームであり、累計の連続役物比率の場合は17,500ゲームであり、累計の役物比率の場合は17,500ゲームであり、累計の役物等状態比率の場合は175,000ゲームである。
比率セグは、表示数値が閾値以上の場合は比率セグを点滅態様で表示する。閾値は各種比率に応じて定まっており、累計の有利区間比率の場合は70であり、累計の指示込役物比率の場合は70であり、最新の6000ゲーム間の連続役物比率の場合は60であり、最新の6000ゲーム間の役物比率の場合は70であり、累計の連続役物比率の場合は60であり、累計の役物比率の場合は70であり、累計の役物等状態比率の場合は50である。なお、累計のゲーム数が400ゲームに満たないで場合であって算出の結果は閾値以上となるが比率セグには「00」と表示する場合は、比率セグは点灯態様で表示する。
なお、役比モニタの識別セグに表示する情報のうち、「7U.」、「7P.」は、遊技機の仕様において何れか一方のみ表示するようになっている。「7U.」は有利区間比率を示す識別表示であり、(有利区間の遊技回数÷総遊技回数×100)の値を比率セグに表示する。「7P.」は指示込役物比率を示す識別表示であり、(指示込役物払出数(役物払出数+指示機能作動時払出数)÷総払出数×100)の値を比率セグに表示する。なお、指示機能を有していない遊技機(遊技者に有利な操作態様ストップスイッチを指示モニタにて報知しない遊技機)は、役比モニタの識別セグに表示する情報として「7U.」を表示し、比率セグには「--」を表示する(以下、指示モニタに「7U.--」と表示される仕様を7Uタイプ(指示機能なし)と称す)。
また、「7U.」、「7P.」の何れの仕様を採用するかは、開発途中で変更される可能性があるため、遊技機Pとしては、何れの情報も記憶するよう構成されていることが望ましい。このように構成するためには、電源投入時に主制御基板P15の或る記憶領域又はプログラムに記憶されている役比モニタ種別情報(7Uタイプ(指示機能なし)の場合は「0」、7Uタイプ(指示機能あり)の場合は「1」、7Pタイプの場合は「2」)を遊技媒体数制御基板P16に送信し、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15から送信された役比モニタ種別情報を或る記憶領域に記憶する。そして、遊技媒体数制御基板P16は、7Uタイプ、7Pタイプの何れの仕様であっても、「有利区間の遊技回数」や「指示込役物払出数」等の何れでしか使用しない情報もそれぞれ予め定めた記憶領域に記憶しておき、役比モニタの識別セグ、及び比率セグに有利区間比率、又は指示込役物比率を表示する際に主制御基板P15から送信された役比モニタ種別情報に基づいて必要な情報を表示するように構成されている。
なお、遊技媒体数制御基板P16は、役比モニタに表示する際だけではなく、貸出ユニットに遊技機性能情報を送信する際も主制御基板P15から送信された役比モニタ種別情報に基づいて必要な情報を送信している。例えば、遊技機Pが7Uタイプ(指示機能なし)のときに遊技機性能情報を送信する際は、指示込役物比率に関する情報としてFFhを送信し、有利区間比率に関する情報としてFFhを送信する。また例えば、遊技機Pが7Uタイプ(指示機能あり)のときに遊技機性能情報を送信する際は、指示込役物比率に関する情報としてFFhを送信し、有利区間比率に関する情報として(有利区間の遊技回数÷総遊技回数×100)の結果に応じた値を送信する。また例えば、遊技機Pが7Pタイプのときに遊技機性能情報を送信する際は、指示込役物比率に関する情報として(指示込役物払出数÷総払出数×100)の結果に応じた値を送信し、有利区間比率に関する情報としてFFhを送信する。
また、遊技媒体数制御基板P16の役比モニタ種別情報記憶領域は初期値が0となっているため、電源投入時における主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信不良により、主制御基板P15から役比モニタ種別情報が送信されなかった場合は、遊技機Pの仕様が7Pタイプであっても役比モニタ種別情報が0となる。またこのときに第1種特別役物が搭載されていなかった場合は、「6Y.」、「7Y.」、「6A.」、「7A.」、「5H.」に関する比率セグも全て「--」と表示される。
このように、電源投入時における主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信不良が発生した場合であっても、役比モニタ表示により、比率セグに数字が表示されるところを「--」が表示されるため、正常でないことをすぐに認識させることが可能となる。
役比モニタが正常な動作が可能であるかを確認するために、電源が投入されて割込み処理が起動してから4800ms間は、識別セグと比率セグにはテストパターンを表示する。テストパターンとしては、役比モニタを構成する4個の7セグメントLEDのうち全てのセグメント(DP含む)を点滅態様で表示する。例えば、「8.8.8.8.」を点滅態様で表示することが挙げられる。なお、テストパターンは電源投入後のタイミングで表示する場合の他に、設定変更中、設定確認中、RWM異常エラー中の何れかのタイミングで表示してもよい。
識別セグにおいて累計ゲーム数が基準ゲーム数に満たない場合、比率セグにおいて表示数値が閾値以上の場合、識別セグ、及び比率セグにおいてテストパターンを表示する場合のそれぞれの場合においてセグメントを点滅態様で表示するが、具体的には、点灯300ms→消灯300ms→点灯300ms→消灯300ms→・・・といったように300ms毎に点灯と消灯とを切り替えて点滅態様を表示している。また、各種比率情報を切り替えたときは点灯から開始するようにしており、これにより各種比率情報の表示時間が点灯と点滅のタイミングで長くなったり短くなったりしないようにしている。
上述したように、役比モニタに表示する、累計の有利区間比率または累計の指示込役物比率、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率は、4800ms毎に表示内容を切り替えるよう構成しているが、この4800msを点灯と点滅の1セットである600msの倍数に設定していることで、役比モニタに表示している各種比率の切り替えタイミングでは点滅態様で表示する場合であっても7セグメントLEDの何れかのLEDが必ず点灯しているように構成することが可能となる。
このように構成することで、各種比率情報が切り替わるタイミングであっても点灯から開始するので、点滅周期がずれないことによる違和感のない表示を継続して表示することが可能となる。
また、上述した電源投入後のテストパターンの表示期間も4800msとしているため、テストパターンを4800ms表示し終わった時点では7セグメントLEDは消灯となり、次の割込み処理で累計の有利区間比率または累計の指示込役物比率に関する情報を点灯から表示することが可能となる。
続いて、役比モニタにおける点滅表示に関する制御方法を説明する。
役比モニタの表示態様を点滅させるために、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)を有している。点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)は2バイトの記憶領域であり、割込み処理毎に1を加算する処理を実行する。点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)は、電源投入時に初期化され(0が記憶され)、その後割込み処理を実行する毎に0~299の値を循環する。換言すると299の次の値は0となる。
例1)点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「0」のときに更新処理を行うと、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「1」となる。このとき、キャリーフラグ=1となる(「0-299」を演算した結果、桁下がりが発生するためキャリーフラグ=1となる)。
例2)点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「298」のときに更新処理を行うと、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「299」となる。このとき、キャリーフラグ=1となる(「298-299」を演算した結果、桁下がりが発生するためキャリーフラグ=1となる)。
例3)点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「299」のときに更新処理を行うと、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「0」となる。このとき、キャリーフラグ=0となる(「299-299」を演算した結果、桁下がりが発生しないためキャリーフラグ=0となる)。
上述したように、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が0~298のうちの何れかの値である場合は、キャリーフラグ=1となり、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が299である場合はキャリーフラグ=0となる。換言すると300ms毎にキャリーフラグ=0となる。
キャリーフラグ=0となったときは、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を更新するよう構成されている。点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)は、電源が投入されると初期化され(0が記憶され)、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)に0が記憶されているときは役比モニタを点灯させ、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)に1が記憶されているときは役比モニタを消灯させる。換言すると、300ms毎にキャリーフラグ=0となるため、300ms毎に点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)に0と1とを繰り返し記憶することにより、役比モニタの表示態様が300ms毎に点灯態様と消灯態様とを繰り返し表示(点滅表示)することが可能となる。
役比モニタの表示を点滅態様で表示する場合は、識別セグにおいて累計ゲーム数が基準ゲーム数に満たない場合、比率セグにおいて表示数値が閾値以上の場合、識別セグ、及び比率セグにおいてテストパターンを表示する場合の何れかの場合であるため、これらの場合以外の場合は、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を参照せずに点灯態様で表示するようにしている。ただし、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を参照するか否かに関わらず点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)は割込み処理毎に更新されているため、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)も随時更新されており、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を参照しない状態から参照する状態に切り替わったときであっても点灯と消灯とのタイミングと各種比率表示の切り替えタイミングがずれることなく表示することが可能となる。
(遊技球等貸出装置接続端子板)
遊技球等貸出装置接続端子板(接続端子板とも称す)は、遊技機Pと貸出ユニットとの間での双方向通信を行うための中継基板としての役割を有する。遊技球等貸出装置接続端子板は、遊技球等貸出装置接続端子板ケースに収容されている。遊技球等貸出装置接続端子板は遊技球等貸出装置接続端子板ケースで保護されており、遊技球等貸出装置接続端子板ケースをカシメ(封印部材とも称する)により封印することによって、遊技球等貸出装置接続端子板ケースの開放が困難となるように構成されている。
遊技球等貸出装置接続端子板は貸出ユニットと双方向通信するためのコネクタ(D-sub9ピン)を有し、遊技機Pの筐体背面側に設けられた開口部よりコネクタに接続されたハーネス(1.5m~2.0m程度の長さ)を介して双方向通信可能となっている。また、遊技球等貸出装置接続端子板はコンデンサを搭載しており、貸出ユニットとの通信を安定させている。なお、貸出ユニットには貸出しスイッチが設けられており、貸出しスイッチが操作されると貸出ユニットから貸出通知が送信され、遊技球等貸出装置接続端子板を介して遊技媒体数制御基板P16に貸出通知が入力される。なお、遊技球等貸出装置接続端子板と貸出ユニットを繋ぐためのコネクタはスプリングロックが付いており、ハーネスが容易に抜脱しないよう構成されている。
主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板とは、それぞれ基板ケースに収納されているが、これに限られず、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とをまとめて1つの基板ケースに収納したり、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板とをまとめて1つの基板ケースに収納したりしてもよい。また、基板ケースは遊技機Pに設置した場合であっても、容易に裏面が確認可能なように構成されている。
従来のメダルを用いた遊技機では、主制御基板P15と回胴装置基板とはハーネスで接続されており、このハーネスを抜くことで、主制御基板P15に搭載されている主制御チップに回胴装置基板に搭載されているコンデンサからの電力供給が途絶えることになり、主制御チップのRAMに記憶されているデータが初期化可能となるように構成されている。これにより、RAMに不正なデータが記憶された場合であってもハーネスを抜くことで確実に初期化できるようになる。また、主制御基板P15は基板ケースが封印されているため、主制御基板にコンデンサを搭載してしまうと、上述したようにコンデンサからの電力供給を断つには、主制御基板の基板ケースを破壊した後に主制御チップを主制御基板P15から抜く必要がある。このように、コンデンサからの電力供給を断つために基板ケースの破壊を伴わないようにするためには、コンデンサは主制御基板ではない基板に搭載することが望ましい。
一方、本実施形態に記載の遊技球等貸出装置接続端子板は、フォトカプラを用いて貸出ユニットと高速通信を行うため、電力が不足しやすくなっており、コンデンサを搭載することですぐに電力を供給することが望ましい。そこで、遊技球等貸出装置接続端子板にコンデンサを搭載し、この遊技球等貸出装置接続端子板と遊技媒体数制御基板P16とをハーネスで接続し、さらに遊技媒体数制御基板P16と主制御基板P15とをハーネスで接続することで、遊技球等貸出装置接続端子板に搭載されたコンデンサが、主制御基板P15に搭載されている主制御チップのバックアップ電源となるようになっている。
主制御基板P15と、遊技媒体数制御基板P16と、遊技球等貸出装置接続端子板とはそれぞれ基板ケースで封印されており、遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板や、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16はそれぞれハーネスで接続されているため、主制御チップのRAMに記憶されているデータを初期化するためには、当該ハーネスを抜くことで可能となる。また、遊技媒体数制御基板の遊技媒体数制御チップは基板ケースで封印されているため、抜き差しは困難であるが、総得点クリアスイッチの初期化操作により、総得点が初期化可能となるように構成されている。
主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とは、32ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC12Vであり、2番ピンはDC12Vであり、3番ピンはDC5Vであり、4番ピンはDC5Vであり、5番ピンは主制御データ信号であり、6番ピンは制御状態信号1であり、7番ピンは制御状態信号2であり、8番ピンは制御状態信号3であり、9番ピンは制御状態信号4であり、10番ピンは制御状態信号5であり、11番ピンは遊技媒体数制御データ信号1であり、12番ピンは遊技媒体数制御データ信号2であり、13番ピンは遊技媒体数制御データ信号3であり、14番ピンは遊技媒体数制御データ信号4であり、15番ピンは遊技媒体数制御データ信号5であり、16番ピンは遊技媒体数制御データ信号6であり、17番ピンは遊技媒体数制御データ信号7であり、18番ピンは遊技媒体数制御データ信号8であり、19番ピンは遊技媒体数制御データ信号9であり、20番ピンは遊技媒体数制御データ信号10であり、21番ピンは遊技媒体数制御データ信号11であり、22番ピンは遊技媒体数制御データ信号12であり、23番ピンは遊技媒体数制御データ信号13であり、24番ピンは遊技媒体数制御データ信号14であり、25番ピンは遊技媒体数制御データ信号15であり、26番ピンは遊技媒体数制御データ信号16であり、27番ピンは遊技媒体数制御データストローブ信号であり、28番ピンは電源断検知信号1であり、29番ピンはバックアップ電源であり、30番ピンはGND信号であり、31番ピンはGND信号であり、32番ピンはGND信号である。なお、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板とは、5ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンはVL信号であり、3番ピンは送信信号であり、4番ピンは受信信号であり、5番ピンはGND信号である。なお、遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
遊技媒体数制御基板P16と遊技媒体数表示基板P13とは、14ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはLEDデジットA信号であり、2番ピンはLEDデジットB信号であり、3番ピンはLEDデジットC信号であり、4番ピンはLEDデジットD信号であり、5番ピンはLEDデジットE信号であり、6番ピンは遊技媒体数表示セグメントA信号であり、7番ピンは遊技媒体数表示セグメントB信号であり、8番ピンは遊技媒体数表示セグメントC信号であり、9番ピンは遊技媒体数表示セグメントD信号であり、10番ピンは遊技媒体数表示セグメントE信号であり、11番ピンは遊技媒体数表示セグメントF信号であり、12番ピンは遊技媒体数表示セグメントG信号であり、13番ピンは遊技媒体数表示セグメントP信号であり、14番ピンは遊技媒体数表示セグメントP信号である。また、1番ピン~14番ピンに関する信号は遊技媒体数制御基板P16から遊技媒体数表示基板P13に送信する信号である。なお、遊技媒体数制御基板P16と遊技媒体数表示基板P13とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
遊技媒体数制御基板P16と計数スイッチP7とは、2ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンは計数スイッチP7信号であり、計数スイッチP7が操作されたときに遊技媒体数制御基板P16に計数スイッチP7の操作入力に関する信号を送信するために使用している。なお、計数スイッチP7信号が入力されると遊技媒体数制御基板P16で管理している総得点情報の一部、又は全部を貸出ユニットに送信する。2番ピンはGND信号であり、GNDとして使用している。なお、遊技媒体数制御基板P16と計数スイッチP7とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
遊技球等貸出装置接続端子板と貸出ユニットとは、9ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはLG信号であり、2番ピンはTXD-信号であり、3番ピンはRXD-信号であり、4番ピンはPSI信号であり、5番ピンはLG信号であり、6番ピンはTXD+信号であり、7番ピンはRXD+信号であり、8番ピンはVL信号であり、9番ピンはVL信号である。TXD+信号、TXD-信号は遊技機P(遊技球等貸出装置接続端子板)から貸出ユニットに情報を送信するために使用している。RXD+信号、RXD-信号は遊技機P(遊技球等貸出装置接続端子板)が貸出ユニットから情報を受信するために使用している。PSI信号は遊技機Pと貸出ユニットとの接続を確認する信号接続確認信号として使用している。VL信号は絶縁したDC5V電源として使用している。また、2番ピンと6番ピンとを繋ぐハーネスはツイスト処理が施されている。また、3番ピンと7番ピンとを繋ぐハーネスはツイスト処理が施されている。なお、遊技球等貸出装置接続端子板と貸出ユニットとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
主制御基板P15とドア中継基板とは40ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンはDC5Vであり、3番ピンはDC5Vであり、4番ピンはDC5Vであり、5番ピンはGND信号であり、6番ピンはLEDデジット1信号であり、7番ピンはLEDデジット2信号であり、8番ピンはLEDデジット3信号であり、9番ピンはLEDデジット4信号であり、10番ピンはLEDデジット5信号であり、11番ピンはLEDセグメント1A信号であり、12番ピンはLEDセグメント1B信号であり、13番ピンはLEDセグメント1C信号であり、14番ピンはLEDセグメント1D信号であり、15番ピンはLEDセグメント1E信号であり、16番ピンはLEDセグメント1F信号であり、17番ピンはLEDセグメント1G信号であり、18番ピンはLEDセグメント1P信号であり、19番ピンはGND信号であり、20番ピンGND信号であり、21番ピンはGND信号であり、22番ピンはGND信号であり、23番ピンはGND信号であり、24番ピンはGND信号であり、25番ピンはスタートスイッチセンサ信号であり、26番ピンはGND信号であり、27番ピンは精算スイッチ信号であり、28番ピンは1枚投入スイッチ信号であり、29番ピンは3枚投入センサ信号であり、30番ピンはGND信号であり、31番ピンは左ストップスイッチP4Lセンサ信号であり、32番ピンはGND信号であり、33番ピンは中ストップスイッチP4Cセンサ信号であり、34番ピンはGND信号であり、35番ピンはGND信号であり、36番ピンは右ストップスイッチP4Rセンサ信号であり、37番ピンはGND信号であり、38番ピンはGND信号であり、39番ピンはGND信号であり、40番ピンはコネクタ接続モニタ信号である。なお、主制御基板P15と回胴装置基板P17とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
主制御基板P15と回胴装置基板P17とは26ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC12Vであり、2番ピンはDC12Vであり、3番ピンはDC5Vであり、4番ピンはDC5Vであり、5番ピンはバックアップ電源であり、6番ピンは左リールP18LモータΦ0信号であり、7番ピンは左リールP18LモータΦ1信号であり、8番ピンは左リールP18LモータΦ2信号であり、9番ピンは左リールP18LモータΦ3信号であり、10番ピンは中リールP18CモータΦ0信号であり、11番ピンは中リールP18CモータΦ1信号であり、12番ピンは中リールP18CモータΦ2信号であり、13番ピンは中リールP18CモータΦ3信号であり、14番ピンは右リールP18RモータΦ0信号であり、15番ピンは右リールP18RモータΦ1信号であり、16番ピンは右リールP18RモータΦ2信号であり、17番ピンは右リールP18RモータΦ3信号であり、18番ピンは左リールP18Lセンサ信号であり、19番ピンは中リールP18Cセンサ信号であり、20番ピンは右リールP18Rセンサ信号であり、21番ピンはドアスイッチ信号であり、22番ピンはGND信号であり、23番ピンはGND信号であり、24番ピンはGND信号であり、25番ピンはGND信号であり、26番ピンはGND信号である。なお、主制御基板P15と回胴装置基板P17とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
主制御基板P15と設定/リセットスイッチとは5ピンコネクタを介して接続されている。本実施形態においては、設定変更モード中において設定値を変更する設定変更スイッチと、エラー中においてエラーを解除するリセットスイッチとは、同一のスイッチであるが、それぞれ異なるスイッチとして備えてもよい。
主制御基板P15とサブ制御基板とは30ピンコネクタを介して接続されている。
回胴装置基板P17と電源基板とは8ピンコネクタを介して接続されている。
回胴装置基板P17と左リールP18Lモータとは4ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはモータΦ0信号であり、2番ピンはモータΦ1信号であり、3番ピンはモータΦ2信号であり、4番ピンはモータΦ3信号である。なお、回胴装置基板P17と左リールP18Lモータとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と左リールP18Lセンサとは3ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンは左リールP18Lセンサ信号であり、3番ピンはGND信号である。なお、回胴装置基板P17と左リールP18Lセンサとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と中リールP18Cモータとは4ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはモータΦ0信号であり、2番ピンはモータΦ1信号であり、3番ピンはモータΦ2信号であり、4番ピンはモータΦ3信号である。なお、回胴装置基板P17と中リールP18Cモータとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と中リールP18Cセンサとは3ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンは中リールP18Cセンサ信号であり、3番ピンはGND信号である。なお、回胴装置基板P17と中リールP18Cセンサとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と右リールP18Rモータとは4ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはモータΦ0信号であり、2番ピンはモータΦ1信号であり、3番ピンはモータΦ2信号であり、4番ピンはモータΦ3信号である。なお、回胴装置基板P17と右リールP18Rモータとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と右リールP18Rセンサとは3ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンは右リールP18Rセンサ信号であり、3番ピンはGND信号である。なお、回胴装置基板P17と右リールP18Rセンサとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17とドアスイッチとは3ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはドアスイッチ信号であり、2番ピンはGND信号であり、3番ピンはGND信号である。なお、回胴装置基板P17とドアスイッチとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
ドア中継基板と表示基板とは14ピンコネクタを介して接続されている。
ドア中継基板とマックスベットとは6ピンコネクタを介して接続されている。
ドア中継基板とスタートスイッチP3とは3ピンコネクタを介して接続されている。
ドア中継基板とストップスイッチP4とは9ピンコネクタを介して接続されている。
<設定変更モード>
設定変更モードとは、設定値を選択可能なモード(換言すれば、設定値を設定可能な設定値設定モード)であって、本実施形態では設定値情報として「0」~「5」の何れかの情報を選択し、設定値情報記憶手段に記憶することができる。ここで、設定値を表示するための設定値表示器(図示せず)を備え、設定変更モードでは、ホール店員が設定値表示器に表示された情報をもとに、設定値情報を決定することができる。なお、設定値表示器に表示される設定値は、「1」~「6」の何れかの情報である。
電源スイッチがオフ(OFF)であって、設定キースイッチをオン(ON)状態にした後に、電源スイッチをオンにすることにより、設定変更モードが開始(設定変更を開始)される。
設定変更モードを開始(設定変更を開始)した後は、設定変更スイッチの操作により、設定値情報を何れにするか選択することが可能となる。たとえば、設定値表示器に「2」が表示されているときに設定変更スイッチが操作されると、設定値表示器に「3」が表示される。また、設定値表示器に「6」が表示されているときに設定変更スイッチが操作されると、設定値表示器に「1」が表示される。なお設定変更モードを起動すると、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域を初期化する。この初期化処理により、復帰可能エラーや有利区間等の遊技状態は初期化されるが、総得点に関しては初期化されない。総得点を初期化する場合は別途総得点クリアスイッチを操作する必要がある。
設定変更モードを開始(設定変更を開始)した後、設定変更スイッチの操作によって設定値を選択し、スタートスイッチP3を操作して設定値を確定させた後に、設定キースイッチをオフにすることで、設定変更モードを終了する(設定変更を終了する)ことができる。設定変更モードを終了(設定変更を終了)した後は、投入点をベットすることが可能となり、投入点がベットされた後にスタートスイッチP3の操作が受け付けられた場合は遊技が実行可能となる。
なお、設定値表示器に「1」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「0」が記憶され、設定値表示器に「2」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「1」が記憶され、設定値表示器に「3」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「2」が記憶され、設定値表示器に「4」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「3」が記憶され、設定値表示器に「5」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「4」が記憶され、設定値表示器に「6」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「5」が記憶される。
ここで、設定変更モードであっても、貸出ユニットと遊技機Pとの通信は行われている。換言すると、設定変更モード中であっても、後述する貸出通知を受信し遊技機Pに点数を加算することができる。また、設定変更モード中であっても、後述する計数通知を送信し遊技機Pの点数を計数することができる。
また、設定変更モードであっても、貸出ユニットと遊技機Pとの通信は行われないように構成することもできる。換言すると、設定変更モード中であっても、貸出ユニットの貸出スイッチが操作されても遊技機Pは貸出通知を受信しないため、遊技機Pに点数を加算することができない。またこの場合、設定変更モード中では、計数スイッチP7が操作されても計数通知を送信しないため遊技機Pの点数を計数することができない。
<設定確認モード>
設定確認モードとは、設定値を確認可能なモードであって、設定値表示器により現在の設定値を表示することができる。
電源スイッチがオンである状況下で、設定キースイッチがオン状態となった場合に設定確認モードを開始(設定確認が開始)することができる。なお、設定確認モードでは、設定変更モードとは異なり、設定値を選択及び変更することはできない。また、ベットされている点数が1点以上あり、且つ電源スイッチがオンである状況下で、設定キースイッチがオン状態となった場合は、設定確認モードを開始しないようにすることもできる。換言するとベットされていない状況(再遊技による自動ベット含む)において、設定キースイッチがオン状態となることで設定確認モードを開始する。
設定確認モードを開始(設定確認を開始)した後、設定キースイッチをオフにすることで、設定確認モードを終了する(設定確認を終了する)ことができる。
ここで、設定確認モードであっても、貸出ユニットと遊技機Pとの通信は行われている。換言すると、設定確認モード中であっても、後述する貸出通知を受信し遊技機Pに点数を加算することができる。また、設定確認モード中であっても、後述する計数通知を送信し遊技機Pの点数を計数することができる。
また、設定確認モードであっても、貸出ユニットと遊技機Pとの通信は行われないように構成することもできる。換言すると、設定確認モード中では、貸出ユニットの貸出スイッチが操作されても遊技機Pは貸出通知を受信しないため、遊技機Pに点数を加算することができない。またこの場合、設定確認モード中では、計数スイッチP7が操作されても計数通知を送信しないため遊技機Pの点数を計数することができない。
<貸出ユニット>
本実施形態における遊技機Pは貸出ユニットに向けて通信が可能となっている。例えば、貸出ユニットには、貸出スイッチが設けられており、貸出スイッチが操作されると遊技機Pに対して貸出通知を送信する。貸出ユニットには遊技機Pからの情報を受信するSC基板が搭載されており、遊技機Pにおける遊技媒体数制御基板P16が送信した情報はSC基板が受信するように構成されている。
<ホールコンピュータ>
貸出ユニットに設けられているSC基板が遊技機Pからの情報を受信したときは、一部の情報は貸出ユニットからホールコンピュータに送信される。ここで、貸出ユニットからホールコンピュータに送信される情報としては、投入数、払出数、主制御状態、不正情報等が挙げられる。ホールコンピュータは、貸出ユニットからの情報を受信したときは遊技機外のデータ表示器等に表示するための処理を実行する。なお、ホールコンピュータは従来の物体としての遊技メダルを用いた遊技機からの情報も同時に管理する可能性があるため、投入数や払出数はその数に応じたパルス数を受信することで投入数や払出数を管理している。換言すると、遊技機Pは投入数や払出数の値をそのまま送信するが、最終的な受信媒体であるホールコンピュータはパルスで受信するため、ホールコンピュータが投入数や払出数を受信しきるまでにはタイムラグが発生する。
<本実施形態に適用可能な主制御基板P15が制御する電源投入処理に関する説明>
遊技機の電源が投入された場合、電源断検知信号がONか否かを判断し、電源断検知信号がONでない場合(OFFである場合)は、主制御チップの機能設定を行い、電源断検知信号がONである場合は、電源断検知信号がONか否かの判断をループする(以下の電源投入処理を実行しない)。
主制御チップの機能設定では、内蔵レジスタの初期設定を実行する。
続いて、RWMエリアのチェックサムの算出、及び電源断処理済みフラグのチェックを実行し、電源断復帰データを生成する。
続いて、ドアスイッチ信号、及び設定キースイッチ信号がONか否かを判断し、ドアスイッチ信号がON(前扉が開放している状態)であり、且つ設定キースイッチ信号がONであった場合は、設定変更装置処理を実行し、何れかのスイッチがOFFであった場合は、電源断復帰データが正常か否かを判断する。
続いて、電源断復帰データが正常でない場合はエラー表示を行い、初期化処理が行われるまでエラー状態をループする。電源断復帰データが正常である場合は、電源断時に保存したデータに基づきスタックポインタを復帰する。
続いて、入力ポートの読み込みを実行する。
続いて、割込み起動処理を実行する。割込み起動処理では、シリアル通信ポートのチャンネル0~3の4つのチャンネルに係る設定を実行する。このうち、チャンネル0は送信と受信の設定が可能となっており、チャンネル1は送信のみの設定が可能となっており、チャンネル2は送信のみの設定が可能となっており、チャンネル3は送信のみの設定が可能となっている。
チャンネル0に関して受信を許可するための設定をするためには、チャンネル0に対応した設定領域(内蔵レジスタの一部)のビット7を「1」にする。また、チャンネル0に対応した設定領域(内蔵レジスタの一部)のビット6を「1」にすることで、チャンネル0に関して送信を許可するための設定ができる。本実施形態においては、チャンネル0の設定は受信のみを設定するため、ビット7を「1」にセットし、ビット6は「0」のままとしている。このチャンネル0を受信のみ許可することで、主制御基板は遊技媒体数制御基板からのコマンドを受信することが可能となる。なお、本実施形態では主制御基板から遊技媒体数制御基板にコマンドを送信する場合は、パラレル通信で送信するためシリアル通信ポートは使用しないが、主制御基板から遊技媒体数制御基板にシリアル通信でコマンドを送信する場合は、シリアル通信ポートのチャンネル1~3の何れかのチャンネルを用いて送信するようにしてもよい。この場合であってもチャンネル0は受信のみ許可する設定を行うことで、送信に係るコマンドと受信に係るコマンドのタイミングを調整するといった煩雑な処理を実行することなく、相互の通信を実行できる。
割込み起動処理において、チャンネル0の受信設定は使用領域で設定し、チャンネル2の送信設定は使用領域外で設定する。チャンネル2は主制御基板から試験用IF基板に試験信号を出力するための処理を実行するために送信設定を実行する。
割込み起動処理において、チャンネル0の受信許可設定、及び送信不許可設定を実行した後に、使用領域外のシリアル通信設定プログラムを呼出し、チャンネル2の送信許可設定を実行する。このようにチャンネル0の受信設定をチャンネル2の送信設定よりも先に設定することで、遊技媒体数制御基板からのコマンドの送信に対していち早く備えることが可能となる。
割込み起動処理を実行した後は、電源断時の割込み処理に復帰させる。
<本実施形態に適用可能な主制御基板P15が制御する遊技進行メイン処理に関する説明>
遊技機Pにおける遊技に関する処理は、定期的(本実施形態では2.235ms毎)に実行するインターバル割込み処理(以下、単に「割込み処理」と称する場合がある)と、インターバル割込み処理の終了後から次のインターバル割込み処理の開始タイミングまで実行する遊技進行メイン処理に大別される。
本実施形態における主制御基板P15の遊技進行メイン処理の概略について、図44を用いて説明する。
<電源投入時処理>
電源がオンとなったときに、電源投入時処理を実行する。電源投入時処理では、第1主制御RAMの異常(チェックサムを算出)を判断する。第1主制御RAMが異常であり、設定キースイッチがオンでないとき(オフのとき)には、「電源断復帰が正常に行えない場合」となり、復帰不可能エラーとなる。復帰不可能エラーとなった場合には、以降の遊技進行メイン処理を実行しない。復帰不可能エラーとなった場合には、一度電源をオフした後、設定キースイッチがオンの状況で電源をオンにする(設定変更による第1主制御RAMの所定領域の初期化を行う)ことにより復帰することが可能である。
電源投入時処理において、第1主制御RAMが異常でなく、設定キースイッチがオンでないとき(オフのとき)には、遊技開始セットを行う。
電源投入時処理において、第1主制御RAMが異常でなく、設定キースイッチがオンであるときには、第1主制御RAMの特定領域の初期化を行った後、設定値を変更可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードの終了条件を満たした場合には、遊技開始セットを行う。
電源投入時処理において、第1主制御RAMが異常であり(復帰不可能エラーであり)、設定キースイッチがオンであるときには、第1主制御RAMの特定領域を少なくとも含む所定領域の初期化を行った後、設定値を変更可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードの終了条件を満たした場合には、遊技開始セットを行う。
また、設定変更モードの移行条件として、設定キースイッチがオンである場合で説明したが、設定キースイッチがオンであり、且つ、第1主制御RAMに設定変更可能状態がセットされている場合に設定変更モードに移行としても良い。なお、設定変更可能状態については後述する。
<遊技開始セット>
まず設定変更が可能な設定変更可状態を第1主制御RAMにセットする。設定変更可状態がセットされているときは電源投入時に設定キースイッチがオンとなっていた場合に設定変更モードに移行する。設定変更可状態がセットされていないとき(設定変更不可状態がセットされているとき)は電源投入時に設定キースイッチがオンとなっていても設定変更モードに移行しない。
次に、1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプ、再遊技表示ランプを消灯する。具体的には、第1主制御RAMのうち、1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプ、再遊技表示ランプの点灯・消灯を管理している記憶領域に消灯データをセットする。
次に、前回遊技の結果が再遊技であるか否かを判断する。
前回遊技が再遊技であると判断した場合には、再遊技表示ランプを点灯する。具体的には、第1主制御RAMのうち、再遊技表示ランプの点灯・消灯を管理している記憶領域に点灯データをセットする。その後、前回遊技のベット数を自動ベットする。例えば、前回遊技のベット数が「3」の場合には、自動ベットによりベット数が「3」となる。その後、遊技媒体受付けを行う。
一方、前回遊技が再遊技でないと判断した場合には、再遊技表示ランプの点灯や、自動ベットを行わずに、遊技媒体受付けを行う。
<遊技媒体受付け>
遊技媒体受付けとは、総得点を用いたベット処理やベット数の精算処理が実行可能な状況(遊技待機中)における制御処理である。
遊技媒体受付けでは、まず、設定確認モードへの移行条件を満たしているか否かを判断する。具体的には、最初にベット数が0か否かを確認する。ベット数が0の場合には、ドアが開放し、且つ、設定キースイッチがオン(設定キースイッチ信号の立ち上がりがあると判断した場合でも良い)であるときに設定確認処理を実行する(設定確認モードに移行する)。ベット数が0でない場合(例えば、ベット数が1の場合)には、ドアが開放し、且つ、設定キースイッチがオンであっても、設定確認処理を実行しない(設定確認モードに移行しない)。
設定確認モードへの移行条件を満たしていない場合(設定確認モードに移行しなかった場合)は、次に、VL異常、又は、後述する総得点上限異常であるかを判断する。
VL異常、又は、総得点上限異常である場合には、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプの点灯状況にかかわらず、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプを消灯し、以降の処理(ベット処理や精算処理等)は実行しない。ここで、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプを消灯するとは、第1主制御RAMのうち、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプの点灯・消灯を管理している記憶領域に消灯データを記憶することである。なお、このとき、第1ベットランプ、第2ベットランプ、第3ベットランプの点灯状況は維持する。例えば、第1ベットランプは点灯、第2ベットランプは点灯、第3ベットランプは消灯している状況においてVL異常が発生した場合には、第1ベットランプは点灯、第2ベットランプは点灯、第3ベットランプは消灯のままである。このようなランプ態様にすることにより、VL異常、又は、総得点上限異常が発生しても、現在のベット数を遊技者に報知することが可能となる。一方、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプは消灯する。遊技実行可能ランプが消灯することにより、例えば、規定数がベットされている状況下(1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプが点灯している状況下)であっても、スタートスイッチを操作しても遊技が進行しないことを報知可能となる。また、遊技媒体投入可能ランプが消灯することにより、例えば、ベット数が0であり、且つ、総得点>規定数である状況下であっても、ベットされている状況下ベットスイッチを操作してもベットされないことを遊技者に報知することが可能となる。
なお、遊技媒体受付け中にVL異常、又は、総得点上限異常が発生している状況下であっても、設定確認モードへの移行条件を満たしているか否かを判断するように構成しても良い。このように構成することによって、VL異常、又は、総得点上限異常が発生している状況下であっても、設定確認モードへの移行条件を満たした場合には、設定値を確認することができる遊技機を提供することができる。
VL異常、又は、総得点上限異常でない場合には、精算処理、投入処理を実行する。
精算処理では、精算スイッチP6が操作されたと判断した場合にベットされている点数の精算処理を実行する。
投入処理では、MAXベットスイッチが操作されたと判断した場合は3点を投入する処理を実行し、1ベットスイッチが操作されたと判断した場合は1点を投入する処理を実行する。
ここで、主制御基板P15が実行する投入処理(以下、ベット処理とも称す場合がある)について説明する。
主制御基板P15は、MAXベットスイッチ、又は1ベットスイッチの操作を受け付けたときに(MAXベットスイッチ、又は1ベットスイッチの立上りデータがあると判断したときに)、最大投入数(規定数とも称する)である「3」と現在の投入数(現在のベット数、ベットされているベット数、ベットされている投入数とも称する)を減算した結果が「0」である場合(ゼロフラグ=1である場合)は投入処理を終了し、最大投入数である「3」と現在の投入数を減算した結果が「0」でない場合(ゼロフラグ=1でない場合)は、投入要求数(ベット要求数とも称する)をセットする。
投入要求数のセット処理では、1ベットスイッチの操作を受け付けたときであれば投入要求数として「1」をセットし、MAXベットスイッチの操作を受け付けたときであれば投入可能数(現在の投入数が「0」のときは「3」であり、現在の投入数が「1」のときは「2」であり、現在の投入数が「2」のときは「1」である)を投入要求数としてセットする。
セットした投入要求数を投入要求コマンド(ベット要求コマンドとも称する)として遊技媒体数制御基板P16に送信する。なお、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に送信するコマンドは第1制御コマンド(1バイト)、第2制御コマンド(1バイト)で構成されており、第1制御コマンドはコマンドの種別を示し、第2制御コマンドはデータを示している。例えば、投入要求コマンドの場合は、第1制御コマンドとして、「20h」、第2制御コマンドとして「01h」~「03h」の何れかの値となる。換言すると、遊技媒体数制御基板P16は、主制御基板P15からのコマンドを受信したときに第1制御コマンドから投入要求コマンドであることを確認でき、第2制御コマンドから投入要求数を確認することができる。
主制御基板P15が投入要求コマンドを送信した後、遊技媒体数制御基板P16から投入数のコマンドが送信された場合は、主制御基板P15は投入要求数に応じて1点ずつベット数に加算する。またベット数を1点加算する毎に1~3ベットランプを順次点灯する。
また、主制御基板P15が投入要求コマンドを送信した後、遊技媒体数制御基板P16から受付不可コマンドが送信された場合は、投入処理を終了する。ここで、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に受付不可コマンドを送信する場合としては、遊技媒体数制御基板P16のRAM領域である総得点記憶領域に記憶されている値(総得点とも称す)が、投入要求数よりも少ない場合である。例えば、投入要求数「3」で、総得点記憶領域に記憶されている値が「3」未満のときに、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に受付不可コマンドを送信する。投入要求数「2」で、総得点記憶領域に記憶されている値が「2」未満のとき、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に受付不可コマンドを送信する。また、投入要求数「1」で、総得点記憶領域に記憶されている値が「1」未満のとき、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に受付不可コマンドを送信する。
ここで、主制御基板P15が実行する精算処理について説明する。
主制御基板P15は精算スイッチP6の操作を受け付けたときに(精算スイッチP6の立上りデータがあると判断したときに)、ベットされている投入数を読み込み、ベットされている投入数が「0」であるか否かを判断し、ベットされている投入数が「0」である場合は精算処理を終了し、ベットされている投入数が「0」でない場合は1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、再遊技表示ランプ、遊技実行可能ランプ、遊技媒体投入可能ランプを消灯する。なお、再遊技時は精算処理が実行できないため、再遊技中に精算スイッチP6が操作されても精算処理は実行されない。換言すると、再遊技中に精算スイッチP6が操作されても、再遊技表示ランプを含む、1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、遊技実行可能ランプ、遊技媒体投入可能ランプは消灯しない。
各種ランプを消灯した後は、精算要求コマンドをセットする。精算要求コマンドの第2制御コマンドの値は、精算処理実行時のベットされている投入数(精算要求数とも称する)を読み込むときに記憶したレジスタの値を用いる。換言すると、精算要求数は、「01h」~「03h」の何れかの値となる。
次に、セットした精算要求コマンドを遊技媒体数制御基板P16に送信する。
主制御基板P15が精算要求コマンドを送信した後、遊技媒体数制御基板P16から精算要求コマンドが送信された場合は、主制御基板P15は、副制御基板P12に対して精算処理を開始するコマンドを送信し、ベットされている投入数をクリアし、点灯している1~3ベットランプを消灯し、副制御基板P12に対して精算処理を終了するコマンドを送信する。なお、副制御基板P12は、主制御基板P15から精算処理を開始するコマンドが送信されたときは精算音をスピーカに出力させ、主制御基板P15から精算処理を終了するコマンドが送信されたときはスピーカから出力させている精算音の出力を終了する。
また、遊技媒体数記憶手段が記憶している総得点が上限注意値となる「16369」以上の値となっている場合は、遊技媒体数制御基板P16が総得点上限異常を検知し、遊技媒体数制御基板P16から主制御基板P15に対して総得点上限異常であることをコマンド通信にて通知し、主制御基板P15は遊技媒体数制御基板P16から通知された総得点上限異常であるコマンドを受信した場合は、主制御基板P15は総得点上限異常をセットする。
総得点上限異常の場合、主制御基板P15は遊技不可状態(スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、精算スイッチP6が受付不可となっている状態)とすることで、遊技媒体数記憶手段が記憶している総得点が上限値である「16383」を超えないようにすることができる。例えば、遊技媒体数記憶手段が上限注意値となる直前の値である「16368」を記憶しており、且つ最大のベット数である「3」がベットされている状況で、精算スイッチP6が操作された後でも遊技媒体数記憶手段が記憶している値は「16371」となり上限値の「16383」以下となっているため、精算スイッチP6の操作による精算処理で遊技媒体数記憶手段に遊技媒体数を加算しても上限値を超えないことで、上限値を超えた分の遊技媒体が消えてしまうことを防ぐことができる。なお、この場合は遊技媒体数記憶手段が記憶している値が「16371」となった後に総得点上限異常を検知して、以降の精算スイッチP6の操作を受付不可とし精算処理ができないようになっている。その後計数スイッチP7が操作されて遊技媒体数記憶手段が記憶している値が「16368」以下の値となった場合は総得点上限異常を自動的に解除し、遊技可能状態(スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、精算スイッチP6が受付可能となっている状態)となる。
なお、総得点上限異常の場合は遊技不可状態となっており、スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、及び精算スイッチP6が受付不可となっているが、通常の想定ではベットスイッチP5のみ受付不可としても遊技不可状態となり、スタートスイッチP3、及び精算スイッチP6は受付不可にしなくてもよいが、不正な総得点上限異常が発生する可能性を鑑みてスタートスイッチP3、及び精算スイッチP6も受付不可にしている。また、遊技中に不正な総得点上限異常が発生する可能性を鑑みて払出処理を不可にしてもよい。
<スタートレバー受付け?>
続いて、遊技可能な投入点が投入されていた場合は、スタートレバー受付けを判断する。スタートレバー受付けでは、スタートスイッチP3が操作されたか否かを確認(スタートスイッチP3の立ち上がり信号を検知したか否かを確認)する。遊技可能な投入点が投入されていない場合は、遊技媒体受付けの設定確認モードへの移行条件を満たしているか否かを判断する処理に戻り、遊技待機中をループすることとなる。
続いて、遊技可能な投入点が投入されており、スタートレバー受付けにより、スタートスイッチP3が操作されたか否かを確認した結果、スタートスイッチP3が操作されたと判断した場合(スタートレバー受付け?でYESの場合)は、設定変更不可状態をセットし、スタートスイッチP3が操作されていないと判断した場合(スタートレバー受付け?でNOの場合)は、設定確認モードへの移行条件を満たしているか否かを判断する処理に戻り、遊技待機中をループすることとなる。
<内部抽せん>
続いて、設定変更不可状態をセットした後は、内部抽せん処理を実行する。内部抽せん処理では、小役、リプレイ(再遊技とも称す)、BB、RB、はずれ等を抽せんにより決定する。
<回胴回転処理>
続いて、最小遊技時間(ある遊技の回胴回転開始から次の遊技の回胴回転開始までを4.1秒以上に担保するための時間)が経過したか否かを判断し、最小遊技時間が経過したと判断した場合は、回胴回転開始処理を実行し、最小遊技時間が経過していないと判断した場合は、最小遊技時間が経過するまで最小遊技時間の判断処理をループする。
続いて、回胴回転開始処理では、全ての回胴を回転させるための処理を実行し、ストップスイッチの操作が受け付け可能となるまでの間にずらしコマ数データの作成を開始する。
<回胴停止処理>
続いて、回胴停止処理を実行する。回胴停止処理では、ストップスイッチの操作が受け付け可能か否かを判断して、ストップスイッチの操作が受け付け可能な場合は、ストップスイッチが操作されたか否かを確認(ストップスイッチの立ち上がり信号を検知したか否かを確認)する。ストップスイッチの操作が受け付け可能ではない場合は、ずらしコマ数データの作成まで戻る。
続いて、ストップスイッチが操作されたか否かを確認した結果、ストップスイッチが操作されたと判断した場合は、停止受付位置とすらしコマ数から停止位置を決定する。ストップスイッチが操作されていないと判断した場合は、ずらしコマ数データの作成まで戻る。
続いて、停止位置を決定した場合は、全回胴(本実施形態では3つの回胴)が停止したか否かを判断し、全回胴が停止したと判断した場合は、遊技状態別処理を実行する。全回胴が停止していないと判断した場合は、ずらしコマ数データの作成まで戻る。
<遊技状態別処理>
遊技状態別処理とは、後述するメイン遊技状態に応じた処理を実行する。例えば、今回の遊技はAT(有利区間の遊技)であり、且つ、今回の遊技で有利区間の任意の終了条件(例えば、AT300ゲーム実行)を満たし、次回遊技を通常区間の遊技とする場合は、有利区間終了処理を実行する。有利区間を任意の終了条件で終了させる場合についての制御処理については、後述する。
<払出処理>
続いて、遊技状態別処理を実行した後は、払出処理を実行する。
払出処理では、再遊技作動図柄が停止したか否かを判断し再遊技作動図柄が停止したと判断した場合は遊技開始時の投入数を自動投入数データとして記憶し、再遊技作動図柄が停止していないと判断した場合は払出時間が経過したか否かを判断するために得点付与タイマの値が「0」でないか否か判断し、得点付与タイマの値が「0」でない場合は得点付与タイマの値が「0」となるまで待機し、得点付与タイマの値が「0」である場合は得点付与タイマの値に付与点1点分の払出時間を示す値である「27」(60.35msに相当する時間)を記憶した後、払出要求コマンドをセットする。
主制御基板P15が払出要求コマンドを送信した後、遊技媒体数制御基板P16から払出要求コマンドが送信された場合は、主制御基板P15は、獲得した数を示す獲得数データ(払出開始時は「0」が記憶されている)の値をインクリメントして払い出す数を示す得点付与データ(払出開始時は入賞図柄に応じた払出数が記憶されている)をデクリメントする。そして、得点付与データの値が0でない場合は、再度得点付与タイマの値が「0」でないか否かの判断処理を得点付与データの値が0となるまで繰り返す。なお、獲得数データは、付与数表示部に獲得数を表示するためのデータである。
また、遊技媒体数記憶手段が上限注意値となる直前の値である「16368」を記憶しており、且つ最大の付与数である「15」が付与される状況であっても付与された後の遊技媒体数記憶手段が記憶している値は「16383」となり上限値であるため、払出処理で遊技媒体数記憶手段に遊技媒体数を加算しても上限値を超えないことで、上限値を超えた分の遊技媒体が消えてしまうことを防ぐことができる。なお、この場合は遊技媒体数記憶手段が記憶している値が「16383」となった後に総得点上限異常を検知して、以降のベットスイッチP5の操作、及びスタートスイッチP3の操作を受付不可としてベット処理、及び遊技開始に係る処理(回胴回転開始処理等)ができないようになっている。その後計数スイッチP7が操作されて遊技媒体数記憶手段が記憶している値が「16368」以下の値となった場合は総得点上限異常を自動的に解除し、遊技可能状態(スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、精算スイッチP6が受付可能となっている状態)となる。
<有利区間クリアカウンタ管理処理>
続いて、今回の遊技が有利区間の遊技であるときに、有利区間の終了条件に係るカウンタ(例えば、有利区間での遊技回数を管理する記憶領域や、有利区間でのMYを管理する記憶領域)の更新処理を実行する。当該更新処理によって、有利区間の終了条件を満たすと判断した場合には、次回の遊技は通常区間となるように制御する。今回の遊技で有利区間を終了する場合には、有利区間の遊技で使用していた第1主制御RAMの各種記憶領域について初期化を行う。一方、今回の遊技が通常区間の遊技である場合には、有利区間の終了条件に係るカウンタの更新処理は行わない。換言すると、有利区間クリアカウンタ管理処理は、有利区間であるときに、有利区間の終了条件を満たしたか否かを判断し、有利区間の終了条件を満たした場合に、有利区間を終了するための制御を行う。
<作動状態管理処理>
続いて、再遊技、役物及び役物連続作動装置の作動状態管理処理を実行する。作動状態管理処理の実行により1遊技が終了となり、遊技進行メイン処理の遊技開始セットに戻る。
なお、スタートスイッチが操作されたと判断した場合は、設定変更不可状態セットすることにより、設定変更不可状態では設定変更をできないように構成していたが、設定変更不可状態を設けず、遊技の途中でも(スタートスイッチが操作された後でも)設定変更ができるように構成しても良い。
<本実施形態に適用可能な主制御基板P15が制御するインターバル割込み処理に関する説明>
インターバル割込み処理では、まずレジスタ退避処理を実行する。レジスタ退避処理では、割込み処理終了後に直前まで実行していた遊技進行メイン処理に戻すことができるようにレジスタ値をスタック領域に記憶する。
続いて、割込みフラグクリア処理を実行する。割込みフラグクリア処理では、割込みフラグをクリア(OFF)して割込み処理を許可する。
続いて、電源断処理を実行する。電源断処理では、電源断検知信号がONであれば、後述する電源断処理を実行し、電源断検知信号がOFFであれば、電源断処理を終了する。
続いて、割込みカウンタ更新処理を実行する。割込みカウンタ更新処理では、割込み処理毎にカウンタを更新する。
続いて、主制御コマンド取得処理を実行する。主制御コマンド取得処理では、遊技媒体数制御基板P16からのコマンドを受信して主制御コマンドバッファに保存する。
続いて、入力ポート読み込み処理を実行する。入力ポート読み込み処理では、入力ポートを読み込む。
続いて、回胴駆動管理処理を実行する。回胴駆動管理処理では、全リールに対して状態に応じた駆動処理を実行する。
続いて、遊技媒体数制御コマンド出力処理を実行する。遊技媒体数制御コマンド出力処理では、遊技媒体数制御基板P16に対して、コマンドを送信するために遊技媒体数コマンドバッファにコマンドを保存する。
続いて、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、出力ポートにデータをセットして、出力する。
続いて、タイマ計測処理を実行する。タイマ計測処理では、条件装置出力タイマ、払出カウント信号出力タイマ、オーバーフロー試験信号タイマ、回胴停止受付待ちタイマ、最小遊技時間管理タイマ、得点付与タイマ、設定変更装置作動開始時待ちタイマ、ボーナス作動開始時待ちタイマ、ボーナス作動終了時待ちタイマ等の各種タイマの更新を実行する。
続いて、エラー管理処理を実行する。エラー管理処理では、設定値エラーや内蔵乱数エラーをチェックする。なお、エラー管理処理は使用領域外のプログラムを呼び出す処理であり、エラーチェックは使用領域外のプログラムで実行する。
続いて、遊技機情報管理処理(主制御)を実行する。遊技機情報管理処理(主制御)では、遊技機不正1と遊技機不正2の情報を更新する。
続いて、サブ制御コマンド送信処理を実行する。サブ制御コマンド送信処理では、副制御基板P12に対して送信するコマンドをセットする。
主制御基板P15が副制御基板P12に対して送信するコマンドがない場合(送信コマンドバッファにコマンドが記憶されていない場合)は、主制御基板P15が無操作コマンドを副制御基板P12に対して送信する態様であってもよい。無操作コマンドには、遊技状態の情報やエラー状態の情報を含んでおり、副制御基板P12が無操作コマンドを受信すると主制御基板P15の状態がわかるようになっている。例えば、主制御基板P15が総得点上限異常の場合は無操作コマンドを副制御基板P12に対して送信することで副制御基板P12は総得点上限異常に対する処理として計数スイッチの操作を促す報知を実行するような態様であってもよい。なお、無操作コマンドに含まれる情報の一例として、総得点上限異常、総得点閾値到達状態、貸出装置通信異常1~7、計数中、VL異常等がわかるようになっていることが望ましい。
続いて、LED表示処理を実行する。LED表示処理では、付与数表示部に表示する7セグLEDセグメントテーブルをセットする処理等を実行する。
続いて、サブ報知データ出力処理を実行する。サブ報知データ出力処理では、ストップスイッチやMAXベットスイッチが有効に操作可能であるか否かや、ドアが開放しているか閉鎖しているか等を副制御基板に対して送信する。
続いて、遊技媒体数制御報知処理を実行する。遊技媒体数制御報知処理では、遊技媒体数制御報知情報を更新する。
続いて、レジスタ復帰処理を実行する。レジスタ復帰処理ではレジスタ退避処理でスタックに保存した情報を復帰させる。
続いて、割込み許可処理を実行する。
<本実施形態に適用可能な主制御基板P15が制御する電源断処理に関する説明>
遊技機Pの電源がOFFになったり、停電などの外的要因により、電源断検知信号がONとなったりした場合は、電源断処理が実行される。電源断検知信号がONではない場合は、電源断処理を終了する。なお、電圧が所定値を下回った場合は所定の入力ポートに電源断検知信号が入力され、割込み処理において2回連続所定の入力ポートに電源断検知信号が入力されていた場合は電源断と判断し電源断検知信号をONにするように構成されているが、これに限られず、電圧が1回でも所定値を下回った場合に外部割込みが発生し、電源断検知信号をONにするように構成されていてもよい。
電源断検知信号がONであると判断した場合は、出力ポート(0~6)をOFFにする。
続いて、スタックポインタ保存処理を実行する。
続いて、電源断処理済みフラグ及びRWMチェックサムデータのセット処理を実行する。
続いて、RWM書き込み禁止処理を実行する。
続いて、リセット信号待ち状態となり、以降はこの状態をループする。
<本実施形態に適用可能な遊技媒体数制御基板P16が制御する電源投入処理、メインループ処理、及び電源断処理に関する説明>
遊技機の電源が投入された場合は、遊技媒体数制御チップの機能設定を行う。遊技媒体数制御チップの機能設定では、内蔵レジスタの初期設定を実行する。
続いて、RWM初期化処理を実行する。RWM初期化処理では、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行し、正常か異常かに応じてRWM初期化開始アドレスを設定してRWMの初期化を実行する。また、使用領域外のプログラムによって、使用領域外のRWM領域の初期化も実行する。
電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出(電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を、RWM異常の判定と総称する場合がある)を実行し、正常と判断した場合には、計数中フラグ、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、及び遊技機情報通知タイマC、通番、計数通番、計数点、計数累積点、貸出通番、貸出点受領結果、計算用MYカウンタ、出力用MYカウンタ、主制御チップID、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コード等を記憶している各種記憶領域の初期化(例えば、各種記憶領域に0を記憶する)を行う。なお、設定キースイッチがオンか否かに関わらず、各種記憶領域の初期化を行う。また、RWMの初期化処理の後に総得点クリアスイッチがONであるか否かを判定して、ONであると判定された場合は総得点を初期化し、ONであると判定されなかった場合は総得点を初期化しない。このような構成により、総得点をクリアするか否かは総得点クリアスイッチの操作に基づいて実行できるようになり、不用意に総得点がクリアされないようにすることができる。
電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行し、異常と判断した場合には、正常と判断されたときの記憶領域(計数中フラグ、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、及び遊技機情報通知タイマC、通番、計数通番、計数点、計数累積点、貸出通番、貸出点受領結果、計算用MYカウンタ、出力用MYカウンタ、主制御チップID、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コード等)の初期化に加え、総得点や役比モニタに関する情報等を記憶している記憶領域の初期化(例えば、各種記憶領域に0を記憶する)も行う。なお、設定キースイッチがオンか否かに関わらず、各種記憶領域の初期化を行う。
電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行した結果正常と判断した場合には総得点クリアスイッチがONであるか否かの判定は行うが、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行した結果が異常と判断された場合には総得点クリアスイッチがONであるか否かの判定は行わない。これは、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行した結果が異常と判断された場合に実行される初期化処理により総得点が初期化されるためである。つまり、総得点クリアスイッチが操作されていても、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行し、異常と判断された場合には、総得点クリアスイッチの操作に基づく初期化を実行しない。このように構成することにより、総得点を記憶している記憶領域の初期化を二回実行しないようにすることができ、初期化処理に係る処理時間を短縮することが可能となる。
なお、RWM異常の判定として、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出の2つを行っているが、何れか一方でも良い。また、他のチェック方法を用いてRWM異常の判定を行っても良い。
また、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行した結果、異常と判断した場合は、電源復帰異常時のRWM初期化処理(例えば、第2主制御RAMの全RWM領域(総得点を記憶している記憶領域も含む)の初期化)を実行した後に総得点クリアスイッチがONであるか否かの判断を行ってもよい。そして、電源復帰異常時のRWM初期化処理を実行した後に、総得点クリアスイッチがONであるか否かの判断となるよう構成してもよい。
このような構成によれば、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行した結果、異常と判断した場合(電源状態フラグのチェック結果が異常と判断された場合、又は、RWMチェックサムデータの算出を実行した結果が異常と判断された場合)における、電源復帰異常時のRWM初期化処理を実行した後に総得点クリアスイッチがONであるか否かの判断を実行するため、総得点クリアスイッチがONであれば、再度、総得点を記憶している記憶領域も初期化することとなり、初期化範囲が重なる場合を有するが、確実に総得点を初期化することが可能となる。
また、使用領域外のプログラムを呼び出して、役比モニタにテストパターンを表示するためのテストパターン表示フラグをONにする。
その後、割込み処理を起動する。本実勢形態における遊技媒体数制御基板P16の割込み周期は1msとしている。
続いて、電源断を検出したか否かを判断するための電源断検出処理を実行する。電源断検出処理では、電源断を検出した場合は、電源断処理を実行し、電源断を検出していない場合は、割込み処理待ちとなる。
なお、遊技機Pの電源がOFFになったり、停電などの外的要因により、電圧が所定値を下回った場合は所定の入力ポートに電源断検知信号が入力され、割込み処理において7回連続所定の入力ポートに電源断検知信号が入力されていた場合は電源断と判断し電源断検知信号をONにするように構成されているが、これに限られず、電圧が1回でも所定値を下回った場合に外部割込みが発生し、電源断検知信号をONにするように構成されていてもよい。
続いて、電源断検出処理で電源断を検出した場合の電源断処理では、電源投入が正常の場合、電源状態フラグを正常として保存し、電源投入が異常の場合、電源状態フラグを異常として保存する。
続いて、RWM書き込み禁止処理を実行する。
続いて、リセット信号待ち状態となり、以降はこの状態をループする。
<本実施形態に適用可能な遊技媒体数制御基板P16が制御するインターバル割込み処理に関する説明>
遊技媒体数制御基板P16が制御するインターバル割込み処理(タイマ割込み処理や割込み処理とも処す)は、1ms毎に実行される。インターバル割込み処理では、まず割込みフラグクリア処理を実行する。割込みフラグクリア処理では、割込みフラグをクリア(OFF)して割込み処理を許可する。
続いて、入力ポート読み込み処理を実行する。入力ポート読み込み処理では、入力ポート3を読み込む。
なお、遊技媒体数制御基板P16が有する入力ポートとしては、入力ポート1に遊技媒体数制御データ信号1~8、入力ポート2に遊技媒体数制御データ信号9~16、入力ポート3に遊技媒体数制御データストローブ信号、電源断検知信号、計数ボタン信号、VL信号、メダル数クリアボタン信号がそれぞれ入力され得るよう構成されている。
入力ポート1、及び2は、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とのパラレル通信で使用する入力ポートであり、主制御基板P15からコマンドが受信されることで入力ポートの読込を行う。入力ポート1は情報の種類を示すコマンドが入力され、入力ポート2は情報のデータを示すコマンドが入力される。
入力ポート3は、各種スイッチ、貸出ユニット、主制御基板P15とのシリアル通信で使用する入力ポートであり、遊技媒体数制御コマンド受信処理により入力ポートの読込を行う。
入力ポート読み込み処理では、前回の入力ポート3のレベルデータと今回の入力ポート3のレベルデータから入力ポート3の立上りデータを作成する。
次に、入力ポート3の電源断検知信号が入力されるビットデータが1となっていた場合は電源断チェックカウンタの値に1加算する。そして、電源断チェックカウンタの値をチェックし、電源断チェックカウンタの値が7であった場合は、電源断を検出したと判断し、電源断検出フラグに1を記憶する(電源断検出フラグをONにする)。
次に、貸出ユニットとの接続異常を確認するためにVL信号を確認する。まず、VL異常フラグを0にする(VL異常フラグをクリアする)。そして、入力ポート3のVL信号が入力されるビットデータが0であった場合はVL異常フラグにFFhを記憶する(VL異常フラグの値から1を減算して記憶する)。なお、入力ポート3のVL信号が入力されるビットデータが1であった場合は正常であるため、次の処理を実行する。
次に、計数スイッチP7の押下時間を管理するための処理(以下、計数実行フラグセット処理とも称す)について、図39を用いて説明する。
なお、計数実行フラグセット処理とは、遊技者が計数スイッチP7を操作(押下)している場合、又は、遊技者が計数スイッチP7を離している(押下されていない)場合において、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするか等のフラグをセットする処理である。
まず、「計数スイッチON?」は、計数スイッチP7が操作されているか否かを判定する。計数スイッチP7が操作されているか否かの判定方法としては、上述したとおり、計数実行フラグセット処理を実行する前に、遊技媒体数制御基板P16の割込み処理にて入力ポート3に入力された計数スイッチP7の入力データ(ON又はOFF)を遊技媒体数制御基板P16のRWM領域の或る記憶領域(入力ポート3レベルデータ記憶領域とも称す)に記憶しておき、当該記憶領域に記憶されている計数スイッチP7の入力データがONを示す値である場合にはYESと判断し、当該記憶領域に記憶されている計数スイッチP7の入力データがOFFを示す値である場合にはNOと判断することができる。
「計数実行タイマ=0?」は、計数スイッチP7が操作されている時間を計測しているタイマ値が「0」であるか否かを判断する。計数スイッチP7が操作されている時間を計測するための方法として、例えば、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域に計数スイッチP7が操作されている時間を計測する計数実行タイマ記憶領域(_TM_CAL_ACT)を有し、当該記憶領域に記憶されている値が「0」であればYESと判断し、当該記憶領域に記憶されている値が「0」以外の値(例えば、「200」や「500」)であればNOと判断することができる。なお、計数実行タイマ記憶領域は、「0」~「500」までの値を記憶可能とするために、2バイトのデータ(0~65535)が記憶可能な記憶領域である。
「計数実行フラグ≠0?」は、計数実行フラグが「0」であるか否かを判断している。ここで計数実行フラグとは、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするか等を管理するフラグである。例えば、計数実行フラグを管理する計数実行フラグ記憶領域(_FL_CAL_ACT)を設け、計数実行フラグ記憶領域が「0」である場合(計数実行フラグが0である場合)は、まだ、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするかが決定されていない状況を示し、計数実行フラグ記憶領域が「1」である場合(計数実行フラグが1である場合)は、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたと決定されている状況を示し、計数実行フラグ記憶領域が「2」である場合(計数実行フラグが2である場合)は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたと決定されている状況を示している。
よって、「計数実行フラグ≠0?」は、計数実行フラグ記憶領域に「0」以外の数値(具体的には計数実行フラグ記憶領域に「1」又は「2」)が記憶されている場合にはYESと判断し、計数実行フラグ記憶領域に「0」が記憶されている場合にはNOと判断する。
「計数実行フラグ=1保存」は、計数実行フラグ記憶領域に「1」を保存する処理である。換言すると、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたと決定する処理である。例えば、計数スイッチP7の操作がなく、計数実行タイマ記憶領域が「200」であり、計数実行フラグ記憶領域に「0」が記憶されている場合に、計数実行フラグ記憶領域に「1」を保存する。
「計数実行タイマ クリア」は、計数実行タイマ記憶領域を初期値(例えば「0」)にする処理である。「計数実行タイマ クリア」は、図39から明らかなとおり、計数スイッチP7の操作がなかった場合に実行され、計数実行フラグ記憶領域に「1」を記憶する場合だけでなく、計数実行フラグ記憶領域に「1」を記憶しない場合(例えば、既に計数実行フラグ記憶領域に「1」又は「2」が記憶されている場合)であっても実行される。つまり、計数スイッチP7の操作がなかった場合には、計数実行タイマ記憶領域を初期値にすることによって、その後、再度計数スイッチP7の操作があった場合には、初期値から計数実行タイマ記憶領域の値を更新することができるよう構成されている。
「計数実行タイマ≧500」は、計数スイッチP7が操作されている時間を計測しているタイマ値が「500」以上(計数スイッチP7が操作されている時間が500ms以上)か否かを判断する。例えば、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」である場合にはYESと判断し、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」未満である場合(具体的には、計数実行タイマ記憶領域の値が「0」~「499」の場合)にはNOと判断する。
「計数実行タイマ+1」は、計数スイッチP7が操作されている時間を計測しているタイマ値を「1」加算する(計数スイッチP7が操作されている時間を更新する)処理である。なお、図39からも明らかなとおり、「計数実行タイマ≧500」でYESとなった場合には、「計数実行タイマ+1」は実行されない。換言すると、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」となった以降は、計数実行タイマ記憶領域の値は「500」を維持するため、計数実行タイマ記憶領域の値を「0~500」に収めることができる。つまり、計数スイッチP7が操作されている時間が500msよりも長い時間(計数実行タイマ記憶領域の値が500よりも大きい値)にならないため、計数実行タイマ記憶領域に記憶されている値が桁あふれしないように構成されている。このように構成することにより、例えば、計数実行タイマ記憶領域に記憶可能な値の最大値である「65535」のときに「計数実行タイマ+1」が実行されることによって、計数実行タイマ記憶領域の値が「0」となり、その後も計数スイッチP7が操作され続けることによって、計数実行タイマ記憶領域の値が更新され、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」未満の時点で計数スイッチP7が離された場合に、計数実行フラグ記憶領域に「1」が記憶されてしまう(計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたと決定されてしまう)ことを防止することができる。
「計数実行タイマ 保存」は、「計数実行タイマ+1」で更新した値を計数実行タイマ記憶領域に保存する処理である。例えば、計数実行タイマ記憶領域の値が「0」である場合には、計数実行タイマ記憶領域の値が「1」となり、計数実行タイマ記憶領域の値が「499」である場合には、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」となる。
「計数実行フラグ=2保存」は、計数実行フラグ記憶領域に「2」を保存する処理である。換言すると、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたと決定する処理である。具体的には、計数スイッチP7が操作されている時間を計測しているタイマ値が「500」以上(計数スイッチP7が操作されている時間が500ms以上)と判断された場合に、計数実行フラグ記憶領域に「2」を保存する。
以上のように、計数実行フラグセット処理によって、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするかを決定する処理や、計数スイッチP7の操作時間を計測する処理を行っている。
続いて、遊技媒体数制御コマンド受信処理を実行する。遊技媒体数制御コマンド受信処理では、貸出ユニットや主制御基板P15からのコマンドの受信処理を実行する。貸出ユニットから遊技機不正コマンドを受信した場合は、使用領域外のプログラムを呼び出して不正情報を累積して保存する。
また、主制御基板P15から役物等作動状態コマンドを受信した場合は、使用領域外のプログラムを呼び出して役物等作動状態を保存する。
また、主制御基板P15から比率表示コマンドを受信した場合は、使用領域外のプログラムを呼び出して役比モニタ種別番号を保存する。
また、主制御基板P15からスタートレバー受付コマンドを受信した場合は、使用領域のプログラムによって、ホールコン・不正監視情報の遊技情報で用いる投入点情報を使用領域のデータ領域である(_WK_MDL_IN)に記憶し、使用領域外のプログラムを呼び出して役比モニタに表示させるための投入点情報を使用領域外のデータ領域である(_SN_MDL_IN)に記憶する。なお、ホールコン・不正監視情報で用いる投入点情報は、再遊技作動時(前回の遊技でリプレイ当選)は「3」(前回の遊技の投入点が3点の場合。前回の遊技の投入点が2点の場合は「2」となる)が記憶され、役比モニタに表示させるための投入点情報は、再遊技作動時(前回の遊技でリプレイ当選)は「0」が記憶される。
また、主制御基板P15から全回胴停止コマンドを受信した場合は、使用領域のプログラムによって、ホールコン・不正監視情報の遊技情報で用いる付与点情報を使用領域のデータ領域である(_WK_MDL_OUT)に記憶し、使用領域外のプログラムを呼び出して役比モニタに表示させるための付与点情報を使用領域外のデータ領域である(_SN_MDL_OUT)に記憶する。なお、ホールコン・不正監視情報で用いる付与点情報は、再遊技作動時(前回の遊技でリプレイ当選)は「3」(前回の遊技の付与点が3点の場合。前回の遊技の付与点が2点の場合は「2」となる)が記憶され、役比モニタに表示させるための付与点情報は、再遊技作動時(前回の遊技でリプレイ当選)は「0」が記憶される。
なお、役比モニタに表示させるための付与点情報を使用領域外のデータ領域である(_SN_MDL_OUT)とは、累計の指示込役物比率、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率を求める際に必要な情報である。例えば、累計の付与数を記憶可能な記憶領域、累計の連続役物作動時付与数を記憶可能な記憶領域、累計の役物作動時付与数を記憶可能な記憶領域に当該遊技の付与点数情報である(_SN_MDL_OUT)に記憶された情報を加算することにより、累計の付与数を記憶可能な記憶領域、累計の連続役物作動時付与数を記憶可能な記憶領域、累計の役物作動時付与数を記憶可能な記憶領域を更新することが可能となる。
また、主制御基板P15から全回胴停止コマンドを受信したときに遊技機不正2のBit3が「1」となっている場合(電源投入時に総得点クリアスイッチが操作されて総得点がクリアされて総得点クリアステータスがONとなっている場合)は、使用領域外のプログラムを呼び出して遊技機不正2のBit3を「0」にする(クリアする)。
また、主制御基板P15から全回胴停止コマンドを受信した場合は、遊技性能情報や役比モニタ用の演算を実行する。
また、主制御基板P15から投入要求コマンドを受信した場合は、第2制御コマンドの値が「0」であるか否かを判断し、「0」であると判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「0」でないと判断した場合は「3」を超える(「4」以上)か否かを判断する。第2制御コマンドの値が「3」を超えると判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「3」を超えない(「3」以下)と判断した場合はVL異常フラグが「0」でないか否かを判断する。VL異常フラグが「0」であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は総得点から投入要求数を減算した結果が負の値であるか否か(キャリーフラグ=1か否か)を判断する。総得点から投入要求数を減算した結果が負の値であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、総得点から投入要求数を減算した結果が負の値でないと判断した場合は総得点から投入要求数を減算した値を総得点として記憶する。そして、ホールコン・不正監視情報を送信するための投入点記憶領域に投入要求数を記憶した後、主制御基板P15に送信するコマンドをセットする。なお、受付不可セット処理とは、主制御基板P15に送信する第2制御コマンドのデータとして異常を示す値をセットする処理(例えば、受信した投入要求数のデータの最上位ビットを「1」にセットする処理)である。また、異常コマンド受信処理とは、主制御基板P15に送信する第1制御コマンドの種別として通信異常を示す値(例えば、FFh)、及び第2制御コマンドのデータとして異常を示す値(例えば、FFh)をセットする処理である。コマンドをセットした後は随時主制御基板P15に対してコマンドを送信する。
また、主制御基板P15から精算要求コマンドを受信した場合は、第2制御コマンドの値が「0」であるか否かを判断し、「0」であると判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「0」でないと判断した場合は「3」を超える(「4」以上)か否かを判断する。第2制御コマンドの値が「3」を超えると判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「3」を超えない(「3」以下)と判断した場合はVL異常フラグが「0」でないか否かを判断する。VL異常フラグが「0」であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は現在の総得点に精算数を加算した値が総得点の上限値(16383)を超えるか否かを判断し、現在の総得点に精算数を加算した値が総得点上限値を超えると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、現在の総得点に精算数を加算した値が総得点上限値を超えないと判断した場合は現在の総得点に精算数を加算した値を総得点として記憶する。そして、ホールコン・不正監視情報を送信するための投入点記憶領域の値から精算要求数を減算した値を記憶した後、主制御基板P15に送信するコマンドをセットする。なお、受付不可セット処理とは、主制御基板P15に送信する第2制御コマンドのデータとして異常を示す値をセットする処理(例えば、受信した精算要求数のデータの最上位ビットを「1」にセットする処理)である。また、異常コマンド受信処理とは、主制御基板P15に送信する第1制御コマンドの種別として通信異常を示す値(例えば、FFh)、及び第2制御コマンドのデータとして異常を示す値(例えば、FFh)をセットする処理である。コマンドをセットした後は随時主制御基板P15に対してコマンドを送信する。
なお、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は現在の総得点に精算数を加算した値が総得点の上限値(16383)を超えるか否かを判断しているが、総得点が上限注意値になった場合は精算スイッチP6が受付不可になり、通常想定している状況では精算処理によって総得点が上限値を超えることがないため、VL異常フラグが「0」でないと判断した後に現在の総得点に精算数を加算した値が総得点上限値(16383)を超えるか否かを判断せず、ホールコン・不正監視情報を送信するための投入点記憶領域の値から精算要求数を減算した値を記憶する処理を実行してもよい。
また、主制御基板P15から払出要求コマンドを受信した場合は、第2制御コマンドの値が「1」でないか否かを判断し、「1」でないと判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「1」であると判断した場合はVL異常フラグが「0」でないか否かを判断する。VL異常フラグが「0」であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は総得点が上限値であるか否かを判断する。総得点が上限値であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、総得点が上限値でないと判断した場合は現在の総得点に「1」加算した値を総得点として記憶する。そして、ホールコン・不正監視情報を送信するための付与点記憶領域の値を更新した後、主制御基板P15に送信するコマンドをセットする。なお、受付不可セット処理とは、主制御基板P15に送信する第2制御コマンドのデータとして異常を示す値をセットする処理(例えば、受信した払出要求数のデータの最上位ビットを「1」にセットする処理)である。また、異常コマンド受信処理とは、主制御基板P15に送信する第1制御コマンドの種別として通信異常を示す値(例えば、FFh)、及び第2制御コマンドのデータとして異常を示す値(例えば、FFh)をセットする処理である。コマンドをセットした後は随時主制御基板P15に対して送信する。
なお、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は総得点が上限値であるか否かを判断しているが、総得点が上限注意値になった場合はスタートスイッチP3、及びベットスイッチが受付不可になり、通常想定している状況では払出処理によって総得点が上限値を超えることがないため、VL異常フラグが「0」でないと判断した後に総得点が上限値であるか否かを判断せず、現在の総得点に「1」加算した値を総得点として記憶する処理を実行してもよい。
続いて、貸出通知受信処理を実行する。貸出通知受信処理では、貸出ユニットからの貸出通知を受信する処理を実行する。
続いて、タイマ管理処理を実行する。タイマ管理処理では、使用領域外のプログラムを呼び出して貸出通知受信タイマ1と貸出通知受信タイマ2を更新する。貸出通知受信タイマ1と貸出通知受信タイマ2は、通信異常を判定するために用いる。
続いて、遊技機情報管理処理(遊技媒体数制御)を実行する。遊技機情報管理処理(遊技媒体数制御)では、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、及び/又は遊技機情報通知タイマCを更新する等の処理を実行する。遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、及び/又は遊技機情報通知タイマCを更新した結果、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、又は遊技機性能情報の通知タイミングとなった場合は、通知タイミングとなった遊技機情報を貸出ユニットに向けて送信する。また、使用領域外のプログラムを呼び出して貸出装置通信異常7のチェックを行う。
続いて、計数制御処理を実行する。計数制御処理では、計数スイッチP7の操作状況に応じて計数処理を実行する。
続いて、貸出制御処理を実行する。貸出制御処理では、貸出ユニットの貸出スイッチの操作状況に応じて貸出処理を実行する。また、使用領域外のプログラムを呼び出して、通信状態に応じて貸出装置通信異常1~6のフラグをセットする。
続いて、状態制御処理を実行する。状態制御処理では、VL信号がOFFである場合にセットされるVL異常フラグがONであるか否かの判断処理や、通番が連続していないときにセットされる通番異常フラグがONであるか否かの判断処理等を実行する。換言すると、遊技機Pと貸出ユニットが接続されていないときにVL異常フラグがONとなる。
続いて、LED表示処理を実行する。LED表示処理では、遊技媒体数表示部P9の表示制御を実行する。
続いて、比率制御処理を実行する。比率制御処理では、使用領域外のプログラムを呼び出して役比モニタの表示内容を算出するための各種カウンタの更新処理や、役比モニタの表示処理を実行する。
続いて、割込み許可処理を実行する。
<本実施形態に適用可能な電源断時、及び電源投入時における各基板の連携方法の説明>
本実施形態に記載の遊技では、電源断が発生すると主制御基板P15は2回の割込みで電源断か否かを判断し、遊技媒体数制御基板P16は7回の割込みで電源断か否かを判断する。換言すると、主制御基板P15は電圧が所定値を下回ってから4.47ms(2.235ms×2回)後に電源断と判断し、遊技媒体数制御基板P16は電圧が所定値を下回ってから7ms(1ms×7回)後に電源断と判断する。
このため、電源断が発生した場合、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16よりも先に電源断処理を実行することができるので、電源断が発生したときであっても遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15からのコマンドを受信することができる。
また、電源投入した場合、主制御基板P15はセキュリティモードを所定期間(例えば、2883.54ms)起動した後にユーザモードを起動し、遊技媒体数制御基板P16はセキュリティモードを起動せずにユーザモードを起動する。ユーザモードは、遊技に関するプログラムを実行するモードであり、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16は始めに電源投入処理を実行する。
このため、電源投入時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15よりも先に立ち上がることができるので、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15からのコマンドを受信することができる。
また、電源断を検出した後に外部割込みで電源断処理を実行するように構成した場合は、一瞬だけ電圧が所定値まで降下するといった状況(所謂瞬断)であっても、電源断処理が実行される。この場合は、電源断処理を実行した後に電源断処理時にセットしたWDT(ウォッチドッグタイマ)がクリアされないことにより、リセット信号が出力され、主制御基板P15はセキュリティモードを所定期間(例えば、2883.54ms)起動した後に電源投入処理が実行され、遊技媒体数制御基板P16はセキュリティモードを起動せずに電源投入処理が実行される。これにより、瞬断により電源断処理を実行した場合であっても、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15よりも先に立ち上がることができるので、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15からのコマンドを受信することができる。
<本実施形態に適用可能な有利区間を用いた遊技性の説明>
本実施形態において、遊技開始に係る規定数は3枚のみである。つまり3枚がけ以外では遊技が開始できないようになっており、ボーナス作動時においても3枚がけのみで遊技が開始されるようになっている。
本実施形態において、有効ラインは左リールP18L下段、中リールP18C中段、右リールP18R下段の1ライン構成となっている。以下、有効ラインに図柄組合せが停止することを単に図柄組合せが停止と称する。
本実施形態において、図柄の種類は10種類である。それぞれ、赤セブン、青セブン、バー、金バー、ブランク、チェリー、スイカ、ベルA、ベルB、リプレイと称す。なお、図柄の名称や図柄の種類はあくまで一例であり、変更しても何ら問題ない。
本実施形態のリール配列において、図4を用いて説明する。図4に示すように1つのリールにおける図柄数は20個であり、第1回胴(左リールP18L)、第2回胴(中リールP18C)、第3回胴(右リールP18R)を備えている。
本実施形態における図柄組合せを図5乃至9に示している。図中の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」の項目は図柄組合せに対応する条件装置の名称を示している。また、「規定数及び遊技状態」には規定数毎の図柄組合せが停止した場合に付与する特典を示している。「規定数及び遊技状態」の項目に「1種BB」と記載されている場合は図柄組合せが停止した場合に1種BBが付与されることを示し、「再遊技」と記載されている場合は図柄組合せが停止した場合に再遊技が付与されることを示し、数字が記載されている場合は図柄組合せが停止した場合に払い出す枚数を示し、「-」と記載されている場合は該当する遊技状態では当該図柄組合せが停止しないことを示している。
本実施形態において、ボーナスは1種BBを備えており、11点を超える遊技媒体の付与を終了条件にしている。また、この1種BBはRBが連続作動するタイプであり、RBは2回の入賞又は2回の遊技の何れか一方を満たすと終了し、RBの終了条件を満たすと1種BBの終了条件(11点を超える遊技媒体の付与)を満たすまで自動的にRBが作動する仕様となっている。
図5に示すように1種BBの図柄組合せは8種類となっており、各リールにおける1種BB図柄組合せに関する図柄の引き込み率(図柄組合せに関する図柄が停止する確率)は100%ではないため、1種BBの図柄組合せを表示させる場合は各リールに目押しが必要となっている。
本実施形態において、RT遷移は非RT(1種BB非内部中とも称す)から開始し、非RT中に1種BBが当せんして1種BB図柄組合せが停止しなかった場合は次遊技(当該遊技終了時でもよい)からRT1(1種BB内部中とも称す)に移行し、RT1中に1種BB図柄組合せが停止するとRT1が終了して次遊技から1種BBが作動(1種BB中とも称す)し、1種BBの作動が終了すると次遊技から非RTに移行する。また、設定変更時は非RTから開始するため、RT1や1種BB作動中に設定変更装置が作動した場合は、設定変更装置の作動が終了したときに非RTをセットする。なお、設定変更装置が作動しない電源断(通常の電源断と称することがある)ではRT状態と1種BB作動状態はクリアされないため、電断復帰時には電断前の状態から開始される。具体的には、1種BB中に電源断が発生し、その後電源復帰した場合には1種BB作動状態は1種BB中であり、RT1である状況で電源断が発生し、その後電源復帰した場合にはRT状態はRT1であるよう構成されている。
ここで、RTとはリプレイタイムの略称であり、複数のRT毎にリプレイの当選確率を異ならせることができる状態である。例えば、RT1のリプレイ当選確率とRT2のリプレイ当選確率を異ならせることが考えられる。また、リプレイの当選確率を異ならせるとは、リプレイ全体として当選確率が異なってもよいし、或るリプレイの当選確率のみ異ならせてリプレイ全体としての当選確率は異ならないようにしてもよい。RTの移行契機は、予め定められた図柄組合せが停止したこと、ボーナスが当選したこと(ボーナスの条件装置が作動したこと)、ボーナス終了後所定回数の遊技を消化したこと等設定可能であり、適宜組み合わせることができる。
本実施形態における条件装置を図10で説明する。図10における「入賞再遊技」の項目は当せん番号と対応した番号が記載されている。また、「条件装置」の項目には作動する条件装置が記載されている。また、「通称」の項目には作動する条件装置の簡易的な名称が記載されている。例えば再遊技-H条件装置に対応する通称は「右押し:強-バトル目」であり、右リールP18Rを第1停止すると強バトル目が停止することが示されており、入賞-A1条件装置に対応する通称は「押し順ベルA群123」であり、左リールP18L第一停止、中リールP18C第2停止、右リールP18R第3停止の操作態様が正解操作態様(この場合は入賞52(入賞01~02、09、29~31よりも払出枚数が多い入賞)の図柄組合せが停止される操作態様)であることが示されている。また、「構成要素」の項目には条件装置に対応する図柄組合せが示されている。例えば再遊技-A条件装置が作動(当せん)する場合は再遊技01か再遊技02が表示可能であることが示されている。なお、「入賞再遊技」の項目の「0」と記載されている箇所ははずれに対応している。
本実施形態における1種BB非内部中における内部抽せん手段により決定され得る内部抽せん結果について図11乃至図13を用いて説明する。1種BB非内部中における内部抽せん手段により決定され得る内部抽せん結果は、1種BB、再遊技-A、再遊技-B、再遊技-C(+1種BB)、再遊技-D(+1種BB)、再遊技-E(+1種BB)、再遊技-F(+1種BB)、再遊技-G(+1種BB)、再遊技-H(+1種BB)、再遊技-I(+1種BB)、再遊技-J(+1種BB)、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D(+1種BB)、入賞-E(+1種BB)、入賞-F(+1種BB)、入賞-G(+1種BB)、入賞-H(+1種BB)、入賞-I(+1種BB)、入賞-J(+1種BB)、入賞-K(+1種BB)の何れかであり、はずれは存在しない。
なお、上述した「再遊技-C(+1種BB)」という記載は、再遊技-Cと1種BBが同時当せんすることを示しており、図11、図12、及び図13において「ボーナス条件装置」と「入賞再遊技」の両方に名称が記載されていることと対応している。また、図11、図12、及び図13の「内部抽せん」の項目は遊技状態毎に内部抽せん対象か否かを示しており、「○」は内部抽せん対象であり、「×」は内部抽せん対象ではないことを示している。また、図11、図12、及び図13の「有利区間移行」の項目は遊技状態毎に有利区間移行抽せんを実行するか否かを示しており、「○」は有利区間移行抽せんを実行し、「×」は有利区間移行抽せんを実行しないことを示している。なお、本実施形態では有利区間移行抽せんを実行した場合100%当せんし有利区間移行するよう構成されている。また、図11、図12、及び図13の「R1」~「R6」の項目はそれぞれ設定1~設定6を示しており、設定値に対応した内部抽せんの当せん置数を示しており、遊技状態毎に65536の置数を割り振っている。
本実施形態において、1種BB内部中における内部抽せん手段により決定され得る内部抽せん結果は、再遊技-A、再遊技-B、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかであり、はずれは存在しない。
本実施形態において、1種BB中における内部抽せん手段により決定され得る内部抽せん結果は、入賞-K、入賞-L、はずれの何れかである。
本実施形態において、通常区間から有利区間に移行する条件として、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんしたことであり、再遊技-A、再遊技-Bの当せんでは有利区間に移行しない。即ち、通常区間において、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんした場合には、次回の遊技から有利区間となる。
本実施形態において、通常区間中に再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんすると必ず有利区間に移行するようになっている。即ち、通常区間において、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんした場合には、次回の遊技から有利区間となる。
本実施形態において、RT1(1種BB内部中)では、はずれが存在しないため(再遊技役と入賞役の何れかが必ず当せんする)、一度RT1に移行すると押し順ベルC群(入賞-C1~C6)当せん時の一部の操作態様でBB図柄組合せを停止可能となっている。押し順ベルC群当せん時の一部とは、例えば、入賞-C1当せん時における中リールP18C、または右リールP18R第一停止の一部の目押し位置である。また、有利区間において入賞-C1が当せんしたときは正解押し順(この場合は「1、2、3」)を画像表示装置に表示する)を報知することで、入賞38が停止しBB図柄組合せが停止しない。このような構成により、BB図柄組合せが停止しない操作態様を報知することでユーザはRT1を維持することができる。また、RT1中にはずれの置数を4(設計上の最低当せん確率が1/17500以上であるため)とし、その他の再遊技役や入賞役ではBB図柄組合せが停止しないように構成することで、はずれのときにのみBB図柄組合せが停止するよう構成してもよい。なお、画像表示装置に表示される「1,2,3」は、「1」が左ストップスイッチP4Lに対応していることを示し、「2」が中ストップスイッチP4Cに対応していることを示し、「3」が右ストップスイッチP4Rに対応していることを示しており、画像表示装置に表示される「1,2,3」は左ストップスイッチP4Lを第1停止、中ストップスイッチP4Cを第2停止、右ストップスイッチP4Rを第3停止することが正解の押し順であることを示している。
本実施形態において、有利区間における主制御手段が管理する遊技状態(メイン遊技状態とも称す)として、有利区間一般状態(通常状態とも称す)、チャンスゾーン(CZとも称す)、ATという状態を備えており、有利区間一般状態からCZへ、CZからATへ、ATから有利区間一般状態、またはCZへそれぞれ移行する。なお、有利区間一般状態(通常状態とも称す)、またはCZ、またはATから、通常区間に移行する場合も有する。また、通常区間における主制御手段が管理する遊技状態は通常区間一般状態しかなく、有利区間に移行するまで遊技状態の遷移はしない。なお、有利区間一般状態と通常区間一般状態において、主制御手段で管理するための遊技状態に関するフラグは同じ状態でもよいし異なる状態でもよい。
通常状態は、内部抽せん結果として入賞-A1~入賞-C6の何れかに当せんしたときに有利な入賞押し順を報知しない状態である。
CZは、通常状態において内部抽せん結果として入賞-D~入賞-Hの何れかに当せんしたときに移行する状態であり、CZ中はCZ中の内部抽せんの結果や、CZ開始時の抽せんによってATへの移行抽せんを行う。
ATは、CZ中のAT抽せんに当せんしたときに移行する状態であり、入賞-A1~入賞-C6の何れかに当せんしたときに有利な操作態様(入賞押し順)を報知する状態である。
本実施形態において、有利区間から通常区間に必ず移行する条件(有利区間の強制的な終了条件)として、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば、1500回)に到達したとき、有利区間でのMY(差数)が特定値(例えば、2400)を超えたとき、設定変更に基づいた初期化処理が行われたとき、RAMクリアスイッチが有効となったときとなっており、ATの終了条件と有利区間の終了条件は一致していない。ただし、ATの終了条件の一部(例えば、ATに突入してから300回の遊技を行ったことを終了条件とする仕様において、遊技回数が300回(この場合、ATが終了する旨の演出であるエンディングが行われる)に到達した時や、獲得枚数が所定枚数(例えば2300枚)以上となった時等)を有利区間の終了条件としてもよい。また、有利区間でCZに当せんしたときに通常区間に移行させてもよい。この場合は有利区間でCZに当せんした時の有利区間の状況に応じて有利区間を終了させるか否かを判断する。
有利区間におけるMYの算出方法について説明する。主制御基板P15には、記憶領域として有利区間MYカウンタを備えている。有利区間MYカウンタの記憶領域は、第1主制御RAMにあるアドレスが連続した2バイトの記憶領域で構成されている。具体的には、下位1バイトの値を記憶する記憶領域と上位1バイトの値を記憶する記憶領域とにより構成されている。なお、以下では、有利区間MYカウンタの記憶領域のことを、単に、有利区間MYカウンタと称して説明を行う。また、有利区間MYカウンタは、有利区間に移行したタイミングで初期値として「0」がセットされ、遊技の結果に応じて増減し、有利区間MYカウンタの値が2400を超えた場合に有利区間を終了するものとして説明を行う。
有利区間MYカウンタはインクリメントカウンタであり、有利区間MYカウンタの値が「0」のときの遊技機において、投入点として「3」点、付与点として「10」点となった場合は、有利区間MYカウンタの値は「10-3」となり「7」となる。
また、有利区間MYカウンタは有利区間中の最大増加数をカウントするため、有利区間MYカウンタの値が「0」のときの遊技において、投入点として「3」点、付与点として「0」点となった場合は、有利区間MYカウンタの値は「0-3」となるが、演算の結果が負の値となった場合は「0」に補正するため「0」となる。これは演算の結果桁下がりが発生することでキャリーフラグが「1」となり、キャリーフラグが「1」の場合は「0」をセットする命令を使用しているためである。
また、遊技の結果リプレイが当選した場合は、有利区間MYカウンタの更新処理を実行しないので、リプレイが当選した当該遊技での有利区間MYカウンタの値は増減しない。
CZは、入賞-D~入賞-H(以下、レア役とも称す)の何れかに当せんした時に抽せんにより決定するようになっており、基本的には当せんしにくい内部抽せん結果ほどCZが当せんしやすくなっている。本実施形態においては、CZに当せんしやすい順番として、入賞-G>入賞-E>入賞-H>入賞-F>入賞-Dの順番となっている。
本実施形態において、CZは当せん直後に発生するわけではなく、CZに当せんした後、有利区間から通常区間に移行し再度有利区間に移行したときにCZを開始する(すなわち、RT1における有利区間移行時は必ずCZを開始する仕様(通常区間から有利区間に移行することがCZの発生条件ともいえる)とし、今回の有利区間においてCZに当せんしたら、あえて通常区間に移行させて、次回の有利区間を開始させることでCZが発生することとなる)。これにより、CZからATに当せんした場合に有利区間の残り遊技回数が少ないために出玉が出せないといった問題点を解消することができる。特に純増枚数(1遊技あたりの獲得期待枚数。傾斜値とも称する。)が少ない仕様ほど効果的である。例えば、純増2枚の場合、有利区間の最大獲得枚数が約2400枚であるため、2400枚を獲得させるのに1200回の遊技が必要となってくる。しかし、有利区間では常にATを行うというわけではなく、上述した通常状態やCZ等様々な遊技状態を遷移するため、AT開始時には有利区間の残り遊技回数が少ない(例えば、500回等)ことが多くある。この場合500回の遊技を行っても純増枚数が2枚であるため1000枚程度の獲得で終了してしまい、ユーザの獲得期待感に応えることが難しかった。そこで、CZ当せんで一度有利区間を終了し、新たに有利区間に移行するときにCZを開始することで、仮にCZが100回の遊技回数であっても、有利区間は残り1400回遊技できるので、ユーザに2400枚を獲得させる期待感を創出することができる。
また、有利区間が開始してからの獲得枚数(払出枚数の累積数-投入数の累積数)の値に応じて同一有利区間内における2回目以降のCZの当せん確率を変動させてもよい。例えば、有利区間移行時にCZを開始してATに当せんした場合、当該ATで50枚獲得した場合と1000枚獲得した場合とでAT終了後の残りの有利区間内におけるCZの当せん確率を変動させる態様が考えられる。この場合は、50枚獲得した後のCZ当せん確率を1000枚獲得した後のCZ当せん確率よりも高くする場合と低くする場合が考えられる。
50枚獲得した後のCZ当せん確率を1000枚獲得した後のCZ当せん確率よりも高くする場合は、ATであまり獲得できなかったユーザに対して次のCZを付与しやすくなるため、期待感を維持しつつ遊技可能となっている。
50枚獲得した後のCZ当せん確率を1000枚獲得した後のCZ当せん確率よりも低くする場合は、1000枚獲得した後は残りの有利区間が少ないため(有利区間の終了条件である1500回の遊技回数か2400枚の獲得に近いため)、CZを高確率にしても出玉設計上著しく射幸心が上がらないし、ユーザに対しても新たな期待感を創出することができる。
CZに当せんした場合、CZに当せんした当該遊技、若しくは所定回数の遊技を実行したとき(遊技機Pの仕様によって任意に設定できる)に「成功」や「勝利」といった文字表示を行う祝福演出を行う。これにより、ユーザは何らかの特典が付与されたことが理解できるため、遊技の進行状況を直感的に理解させることができる。そして、次遊技以降から「CZ準備中」という旨の表示を画像表示装置やランプの点灯態様で行い、ユーザに対してCZに対する期待感を創出させることができる。CZ準備中とは、CZ当せん遊技が有利区間である場合、有利区間を終了させてから、その後の通常区間において再び有利区間に移行するまでの状態に対応している。「CZ準備中」は内部的には通常区間となっているため、AT抽せんやAT上乗せ等は一切行わないユーザにとって不利な状態となっているが、CZ準備中の出玉率をAT状態と比較して下げることでATに出玉を割り振ることができ、出玉の波を創出することができる。また、CZ準備中はCZに対する期待感を創出しているため、出玉率を下げてもユーザが損をしたと感じにくくしている。
また、CZに当せんした次遊技で有利区間を終了させているが、CZに当せんした遊技から有利区間が終了するまでに所定回数の遊技を実行させてもよい。この場合は、CZに当せんした当該遊技ではCZに当せんした告知を行わず、CZに当せんしたか否かを演出により所定回数の遊技に亘って実行することが考えられる(所謂、前兆演出や連続演出)。そして、所定回数の遊技を実行したタイミングで祝福演出を実行し、次遊技からCZ準備中となる。これは、有利区間では有利区間ランプが点灯しており、有利区間が終了すると有利区間ランプが非点灯となるため、CZ当せん遊技からCZに当せんしたことを告知するまでの間に有利区間ランプの点灯態様でCZに当せんしたか否かがわからないようにするためである。なお、CZ準備中に有利区間から通常区間に移行するようにしてもよく、この場合はすでにCZ準備中であることを報知しているため、CZ準備中の有利区間ランプの点灯態様によって結果が先にわかるようなことはない。
また、CZ準備中が必ずしも通常区間である必要はなく、有利区間に設定する場合があってもよい。この場合でも通常区間でCZ準備中を実行する割合の方が有利区間でCZ準備中を実行する割合よりも相対的に高くなっており、有利区間でCZ準備中を実行する条件として、有利区間の残り遊技回数が所定回数(例えば、1000回)以上残っていることを条件とする。このように構成することで、有利区間の残り遊技回数に余裕がある場合にCZ準備中を実行するため、CZ準備中を経てCZを実行し、その結果ATを実行することになっても十分な出玉感を創出することができる。また、CZ準備中に通常区間を用いないため、CZ準備中の直後にATを開始するといった驚きを創出することもできる(有利区間終了時にはATに関する情報を初期化するため、CZ準備中に通常区間を用いた場合は有利区間開始時にCZを実行することになるためATは開始できない)。
また、上述した有利区間にCZ準備中を実行する場合において、CZ準備中に入賞-D~入賞-Hの何れかに当せんしたときに抽せんによりATを付与するか否かを決定してもよい。この場合、AT抽せんによりATに当せんしやすいレア役の順番は、CZに当せんしやすい順番と同様にしてもよいし、入賞-E>入賞-G>入賞-F>入賞-H>入賞-Dの順番のように一部異ならせるようにしてもよい。このように構成することで、CZ準備中であってもユーザに対してレア役の当せんを期待させることができる。
さらに、レア役は当せんしたがATに当せんしなかったユーザに対して遊技意欲を減退させないために、ATとは異なる特典を付与するようにしてもよい。当該特典として、例えば、ユーザ端末で読み取り可能な二次元コードを表示したり、設定値を判別可能な設定示唆演出を表示したり考えられる。当該特典は、有利区間における遊技回数が前述した所定回数(例えば、1500回)に近いほど付与しやすいようにしてもよいし、CZ回数が特定回数(例えば、5の倍数回目)のときに付与しやすいようにしてもよい。
なお、有利区間から通常区間に必ず移行する条件(有利区間の強制的な終了条件)として、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば、1500回)に到達したとき、有利区間でのMYが特定値(例えば、2400)を超えたとき、設定変更に基づいた初期化処理が行われたとき、RAMクリアスイッチが有効となったときとして説明したが、全ての条件が、有利区間から通常区間に必ず移行する条件として定めなくても良く、一部の条件が有利区間から通常区間に必ず移行する条件として定めていても良い。例えば、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば、1500回)に到達したときを有利区間から通常区間に必ず移行する条件に含めなくて良い。
次に、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば、1500回)に到達したときが有利区間から通常区間に必ず移行する条件として含まれておらず、有利区間でのMYが2400を超えたときが有利区間から通常区間に必ず移行する条件として含まれている場合において、有利区間を任意の終了条件で終了させる(通常区間へ移行させる)ことが可能な態様について説明する。なお、有利区間でのMYが2400を超えたときが有利区間から通常区間に必ず移行する条件として説明を行うが、2400に限らず任意の値(例えば、4800等)に設定することもできることを付言しておく。
有利区間を任意の終了条件で終了させるとは、有利区間でのMYが2400を超えない値(例えば、有利区間のMYが1000)であるときに、ATの終了条件を満たしたこと(例えば、ATに突入してから300回の遊技を行ったことや、獲得枚数が所定枚数(例えば2300枚)以上となったこと等)や、有利区間でCZに当せんしたこと(有利区間でCZに当せんした時の有利区間の状況に応じて有利区間を終了させるか否かを判断しても良い)等が該当する。
有利区間を任意の終了条件で終了させる場合には、有利区間の任意の終了条件を満たした場合に、遊技状態別処理によって、第1主制御RAMにある所定の記憶領域(例えば、有利区間終了記憶領域)に有利区間を終了することを示すフラグを記憶する。そして、有利区間終了記憶領域に有利区間を終了することを示すフラグが記憶されていると判断した場合には、有利区間を終了する(第1主制御のRAMに記憶されているATに関する情報の初期化処理を実行する)ことが考えられる。
そして、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合には、有利区間の任意の終了条件を満たした場合に、第1主制御RAMにある1バイトの記憶領域(例えば、有利区間終了記憶領域)に有利区間を終了することを示すフラグを記憶する。その後、有利区間終了記憶領域に有利区間を終了することを示すフラグが記憶されていると判断した場合には、有利区間を終了する(第1主制御のRAMに記憶されているATに関する情報の初期化処理を実行する)ことが考えられる。
ただし、第1主制御RAMに1バイトの有利区間終了記憶領域を設けた場合、第1主制御RAMの記憶領域を逼迫してしまうため、他の方法として有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる方法も考えられる。以下では、有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる方法について説明を行う。
<有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる方法>
まず、有利区間MYカウンタの記憶領域について説明を行う。有利区間MYカウンタは、有利区間のMYが2400を超えたか否かを判断するための値を記憶することが必要なため、2バイトの記憶領域が必要となる。以下、例を挙げて、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域と下位バイトの記憶領域にはどのような値が記憶されるかについて説明する。なお、上位バイトの記憶領域の値と下位バイトの記憶領域の値の境目を容易にするため、位バイトの記憶領域の値と下位バイトの記憶領域の値の境目に「/」を記載し、上位バイトの記憶領域の値/下位バイトの記憶領域の値のようにする。また、数字の語尾にbを付けているものは2進数で表記していることを示す。また、8ビット(1バイト)のうち、最下位桁のビットをD0ビットとし、D0のビットの次の桁のビットをD1ビット、D1のビットの次の桁のビットをD2ビット、D2のビットの次の桁のビットをD3ビット、D3のビットの次の桁のビットをD4ビット、D4のビットの次の桁のビットをD5ビット、D5のビットの次の桁のビットをD6ビット、D6のビットの次の桁のビットをD7ビットとする。つまり、最下位ビットと称した場合はD0ビットが相当し、最上位ビットと称した場合はD7ビットが相当する。
なお、有利区間MYカウンタの下位バイトのD0ビットは1桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD1ビットは2桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD2ビットは3桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD3ビットは4桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD4ビットは5桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD5ビットは6桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD6ビットは7桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD7ビットは8桁目を示す。また、有利区間MYカウンタの上位バイトのD0ビットは9桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD1ビットは10桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD2ビットは11桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD3ビットは12桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD4ビットは13桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD5ビットは14桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD6ビットは15桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD7ビットは16桁目を示す。
(例1)有利区間MYカウンタの値が10の場合
00000000b/00001010b(上位バイト:0、下位バイト:10)
(例2)有利区間MYカウンタの値が255の場合
00000000b/11111111b(上位バイト:0、下位バイト:255)
(例3)有利区間MYカウンタの値が256の場合
00000001b/00000000b(上位バイト:1、下位バイト:0)
(例4)有利区間MYカウンタの値が1000の場合
00000011b/11101000b(上位バイト:3、下位バイト:232)
(例5)有利区間MYカウンタの値が2400の場合
00001001b/01100000b(上位バイト:9、下位バイト:96)
(例6)有利区間MYカウンタの値が2414の場合
00001001b/01101110b(上位バイト:9、下位バイト:110)
以上のとおり、有利区間MYカウンタに有利区間のMYとして0~2414までが記憶され得る遊技機においては、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D4ビット、D5ビット、D6ビット、D7ビットは使用されることはない。なお、有利区間MYカウンタに有利区間のMYとして0~2414までが記憶され得る遊技機を例示したが、有利区間のMYとして記憶され得る上限値が2414でなく、2400から2413の間の何れの値であっても同様に、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D4ビット、D5ビット、D6ビット、D7ビットは使用されることはない。
<<有利区間終了時処理>>
次に、有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる方法について、図45を用いて説明を行う。有利区間終了時処理は、前述した遊技状態別処理に含まれる1つであり、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合に実行される制御処理である。
<<<パターン1>>>
図45の有利区間終了時処理の<パターン1>では、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合に、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値の特定ビットを1にする(特定ビットに1を記憶する)。具体的には、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のD7ビット(最上位ビット)に1を記憶する。例えば、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値が1(00000001b)であるとき、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のD7ビットを1にすると、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値が129(10000001b)となる。
このように構成できるのは、上述したとおり、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D4ビットからD7ビットに値を記憶することがないためである。つまり、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のD7ビットを他の目的(ここでは、有利区間の終了条件を満たしたか否かのフラグ)として使用することができる。また、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値のD7ビットを1にすることは、有利区間MYカウンタに記憶されている値として、少なくとも32768(2の15乗)以上の値が記憶されることと同義である。このとき、有利区間MYカウンタの下位バイトの記憶領域には値を記憶する処理や或るビットに1を記憶する処理等は行わない。例えば、有利区間MYカウンタに1000(00000011b/11101000b(「/」は、上位バイトの記憶領域の値と下位バイトの記憶領域の値の境目を示す))が記憶されている場合に、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値のD7ビット(最上位ビット)を1にすると、有利区間MYカウンタには、33768(10000011b/11101000b)が記憶されることとなる。このように、有利区間MYカウンタを構成する下位バイトの記憶領域と、上位バイトの記憶領域の両方の記憶領域(2バイトの記憶領域)を対象として値を記憶する処理や或るビットを1にする処理を行うのではなく、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域(1バイトの記憶領域)を対象とし、特定ビットを1にする処理を実行することにより、プログラム容量を削減することができる。なお、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D7ビットに1を記憶する例を示したが、D7ビットに限られるものではなく、D4ビットからD7ビットの何れのビットであっても良い。
<<<パターン2>>>
図45の有利区間終了時処理の<パターン2>では、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合に、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に特定値(250(11110000b))を記憶する。例えば、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値が1(00000001b)であるとき、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250を記憶すると、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値が250(11110000b)となる。
このように構成できるのは、上述したとおり、有利区間のMYとして記憶する値は、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D0ビットからD3ビットまでしか使用しないためである。具体的には、有利区間のMYとして記憶する値の上限値として、2400から2414までの何れかの値であった場合、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域は、最大で9(00001001b)を記憶することがあり得る。換言すると、10以上の値を記憶する場合がないため、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に10以上の値を記憶することにより、有利区間MYカウンタは、少なくとも2414よりも大きい値とすることができる。このとき、有利区間MYカウンタの下位バイトの記憶領域には値を記憶する処理や或るビットに1を記憶する処理等は行わない。例えば、有利区間MYカウンタに1000(00000011b/11101000b(「/」は、上位バイトの記憶領域の値と下位バイトの記憶領域の値の境目を示す)が記憶されている場合に、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250を記憶すると、有利区間MYカウンタには、61672(11110000b/11101000b)が記憶されることとなる。このように、有利区間MYカウンタを構成する下位バイトの記憶領域と、上位バイトの記憶領域の両方の記憶領域(2バイトの記憶領域)を対象として値を記憶する処理や或るビットに1を記憶する処理ではなく、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域(1バイトの記憶領域)を対象とし、特定値を記憶する処理を実行することにより、プログラム容量を削減することができる。なお、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250を記憶する例を示したが、特定値として250に限られるものではなく、10以上の値であれば何れの値であっても良い。
<<有利区間クリアカウンタ管理処理>>
次に、有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合における有利区間クリアカウンタ管理処理について図46、図47、図48を用いて説明を行う。ここで、有利区間クリアカウンタ管理処理のパターンとして3つの態様が考えられるため、図46を有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン1>、図47を有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン2>、図48を有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン3>として説明を行う。なお、図46、図47、図48の有利区間クリアカウンタ管理処理の何れの態様も、図44に記載した主制御基板P15の遊技進行メイン処理により実行される。
<<<パターン1>>>
図46は、有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン1>である。有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン1>では、有利区間MYカウンタに記憶された値が有利区間の上限値(例えば、2400)を超えたか否かを判断することにより、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合と、有利区間の任意の終了条件を満たした場合の両方を一遍に判断することができる方法である。
まず、「有利区間の遊技?」では、今回の遊技が有利区間か否かを判断する。例えば、今回の遊技が有利区間の遊技か否かは、今回の遊技のメイン遊技状態や、今回の遊技が有利区間である場合に1となるフラグ(有利区間フラグ)などを用いて判断することができる。今回の遊技が有利区間の遊技でないと判断した場合には、有利区間クリアカウンタ管理処理を終了する。
「MYカウンタ取得」では、有利区間MYカウンタに記憶されている値をHLレジスタ(CPUが有する汎用レジスタであり、HレジスタとLレジスタを合わせて2バイトの値を記憶可能としたペアレジスタ。以下、同様)に記憶する。例えば、有利区間MYカウンタに記憶されている値が1000である場合には、HLレジスタに1000を記憶する。なお、1000は2バイトの値であるため、上位バイトの値をHレジスタに、下位バイトの値をLレジスタに記憶する。そのため、1000をHLレジスタに記憶するとは、Hレジスタに00000011bを、11101000bをLレジスタに記憶することと同義である。
「再遊技作動図柄表示時?」では、今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したか否かを判断する。今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したと判断した場合(YESの場合)には、「MYカウンタ保存」を実行する。「再遊技作動図柄表示時?」で今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示しなかったと判断しなかった場合(NOの場合)は、「付与数加算」を実行する。
「付与数加算」では、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数をHLレジスタに記憶されている値に加算し、加算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、加算前のHLレジスタに記憶されている値が1000、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数を1とした場合、加算後のHLレジスタには1001が記憶される。
「ベット数減算」では、今回の遊技でベットした遊技媒体の数(ベット数)をHLレジスタに記憶されている値から減算し、減算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、減算前のHLレジスタに記憶されている値が1001、今回の遊技のベット数を3とした場合、減算後のHLレジスタには998が記憶される。
「減算結果=0未満?」では、当該処理の前に実行した「ベット数減算」によって、HLレジスタに記憶されている値が0未満となった(桁下がりがあった)か否かを判断する。例えば、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがあった場合(キャリーフラグが1となった場合)には、YESと判断し、「MYカウンタ初期値セット」を実行する。一方、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがなかった場合(キャリーフラグが0となった場合)には、NOと判断し、「MYカウンタ保存」を実行する。
「MYカウンタ初期値セット」では、HLレジスタに記憶されている値を0にする。これにより、次の「MYカウンタ保存」で、有利区間MYカウンタの初期値として0を記憶することができる。
「MYカウンタ保存」では、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶する。なお、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶した場合であっても、HLレジスタに記憶されている値は維持される。例えば、HLレジスタに998が記憶されている場合には、998を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は998のままである。例えば、HLレジスタに0が記憶されている場合には、0を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は0のままである。
「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」では、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断する。ここで、HLレジスタに記憶されている値は、有利区間MYカウンタに記憶されている値と同じである。そのため、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することと、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することは、同義である。また、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しているが、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しても良い。ただし、有利区間MYカウンタに記憶されている値とはRAMに記憶されている値である。ここで、ある数値と比較する場合は、RAMに記憶されている値と比較するより、レジスタに記憶されている値と比較した方がプログラム容量を少なくすることができる。よって、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているか判断した方がROM(プログラム)の使用容量を少なくすることができる。
以下では、HLレジスタに記憶されている値に応じて、「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」でどのように判断するか例を挙げて説明する。
(例1)HLレジスタに0が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例2)HLレジスタに998が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例3)HLレジスタに2404が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
(例4)HLレジスタに33768が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
(例5)HLレジスタに61672が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
ここで、(例3)のように2400から2414の間の数値が記憶されている場合とは、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合である。一方、(例4)や(例5)のように2414を超えた値が記憶されている場合とは、有利区間の任意の終了条件を満たした場合(有利区間終了時処理の<パターン1>、又は、有利区間終了時処理の<パターン2>を実行した場合)である。このように、「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」によって、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合と有利区間の任意の終了条件を満たした場合とで、有利区間終了時のRAM初期化を実行すること(今回の遊技で有利区間を終了すること)ができる。
「有利区間終了時のRAM初期化」では、ATに関する情報等を初期化する。この処理によって、有利区間MYカウンタやメイン遊技状態等も初期化され、今回の遊技で有利区間を終了する。よって、次回の遊技は通常区間の遊技とすることができる。
<<<パターン2>>>
図47は、有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン2>である。有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン2>では、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶された値の所定ビットが1か否かで有利区間を終了すること(利区間の任意の終了条件を満たして有利区間を終了すること)と、有利区間MYカウンタに記憶された値が上限値を超えて有利区間を終了すること(有利区間の強制的な終了条件を満たして有利区間を終了すること)をそれぞれ判断することができる方法である。
まず、「有利区間の遊技?」では、今回の遊技が有利区間か否かを判断する。例えば、今回の遊技が有利区間の遊技か否かは、今回の遊技のメイン遊技状態や、今回の遊技が有利区間である場合に1となるフラグ(有利区間フラグ)などを用いて判断することができる。今回の遊技が有利区間の遊技でないと判断した場合には、有利区間クリアカウンタ管理処理を終了する。
「MYカウンタ取得」では、有利区間MYカウンタに記憶されている値をHLレジスタに記憶する。例えば、有利区間MYカウンタに記憶されている値が1000である場合には、HLレジスタに1000を記憶する。なお、1000は2バイトの数値であるため、上位バイトの値をHレジスタに、下位バイトの値をLレジスタに記憶する。そのため、1000をHLレジスタに記憶するとは、Hレジスタに00000011bを、11101000bをLレジスタに記憶することと同義である。
「特定ビットON?」では、Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが「1」であるか否かを判断する。つまり、当該処理では、有利区間の任意の終了条件を満たしたか否かを判断している。例えば、有利区間終了時処理の<パターン1>によって、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D7ビットに1を記憶する処理を実行した場合には、特定ビットはD7ビットに相当する。また、有利区間終了時処理の<パターン2>によって、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250(11110000)を記憶した場合には、特定ビットはD7ビット、又は、D6ビット、又は、D5ビット、又は、D4ビットに相当する。このように、有利区間終了時処理の<パターン1>、又は、有利区間終了時処理の<パターン2>を実行した場合に、1となるビット(特定ビット)について判断する。Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが1であるときには、「有利区間終了時のRAM初期化」を実行する。一方、Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが1でないとき(0であるとき)には、「再遊技作動図柄表示時?」を実行する。なお、Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが1であるときとは、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値の特定ビットが1であるときである。そのため、本実施形態では、Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが1であるか否かと判断しているが、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値の特定ビットが1であるか否かを判断してもよい。
「再遊技作動図柄表示時?」では、今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したか否かを判断する。今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したと判断した場合(YESの場合)には、「MYカウンタ保存」を実行する。「再遊技作動図柄表示時?」で今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示しなかったと判断しなかった場合(NOの場合)は、「付与数加算」を実行する。
「付与数加算」では、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数をHLレジスタに記憶されている値に加算し、加算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、加算前のHLレジスタに記憶されている値が1000、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数を1とした場合、加算後のHLレジスタには1001が記憶される。
「ベット数減算」では、今回の遊技でベットした遊技媒体の数(ベット数)をHLレジスタに記憶されている値から減算し、減算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、減算前のHLレジスタに記憶されている値が1001、今回の遊技のベット数が3とした場合、減算後のHLレジスタには998が記憶される。
「減算結果=0未満?」では、当該処理の前に実行した「ベット数減算」によって、HLレジスタに記憶されている値が0未満となった(桁下がりがあった)か否かを判断する。例えば、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがあった場合(キャリーフラグが1となった場合)には、YESと判断し、「MYカウンタ初期値セット」を実行する。一方、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがなかった場合(キャリーフラグが0となった場合)には、NOと判断し、「MYカウンタ保存」を実行する。
「MYカウンタ初期値セット」では、HLレジスタに記憶されている値を0にする。これにより、次の「MYカウンタ保存」で、有利区間MYカウンタの初期値として0を記憶することができる。
「MYカウンタ保存」では、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶する。ここで、HLレジスタに記憶されている値は、有利区間MYカウンタに記憶されている値と同じである。なお、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶した場合であっても、HLレジスタに記憶されている値は維持される。例えば、HLレジスタに998が記憶されている場合には、998を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は998のままである。例えば、HLレジスタに0が記憶されている場合には、0を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は0のままである。
「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」では、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断する。ここで、HLレジスタに記憶されている値は、有利区間MYカウンタに記憶されている値と同じである。そのため、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することと、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することは、同義である。また、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しているが、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しても良い。ただし、有利区間MYカウンタに記憶されている値とはRAMに記憶されている値である。ここで、ある数値と比較する場合は、RAMに記憶されている値と比較するより、レジスタに記憶されている値と比較した方がプログラム容量を少なくすることができる。よって、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているか判断した方がROM(プログラム)の使用容量を少なくすることができる。
以下では、HLレジスタに記憶されている値に応じて、「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」でどのように判断するか例を挙げて説明する。
(例1)HLレジスタに0が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例2)HLレジスタに998が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例3)HLレジスタに2404が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
ここで、(例3)のように2400から2414の間の数値が記憶されている場合とは、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合である。
「有利区間終了時のRAM初期化」では、ATに関する情報等を初期化する。この処理によって、有利区間MYカウンタやメイン遊技状態等も初期化され、今回の遊技で有利区間を終了する。よって、次回の遊技は通常区間の遊技とすることができる。
<<<パターン3>>>
図48は、有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン3>である。有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン3>では、有利区間MYカウンタに記憶された上位バイトの値が特定値であるか否かで有利区間を終了すること(利区間の任意の終了条件を満たして有利区間を終了すること)と、有利区間MYカウンタに記憶された値が上限値を超えて有利区間を終了すること(有利区間の強制的な終了条件を満たして有利区間を終了すること)をそれぞれ判断できる方法である。
まず、「有利区間の遊技?」では、今回の遊技が有利区間か否かを判断する。例えば、今回の遊技が有利区間の遊技か否かは、今回の遊技のメイン遊技状態や、今回の遊技が有利区間である場合に1となるフラグ(有利区間フラグ)などを用いて判断することができる。今回の遊技が有利区間の遊技でないと判断した場合には、当該処理を終了する。
「MYカウンタ取得」では、有利区間MYカウンタに記憶されている値をHLレジスタ(CPUが有する汎用レジスタ)に記憶する。例えば、有利区間MYカウンタに記憶されている値が1000である場合には、HLレジスタに1000を記憶する。なお、1000は2バイトの数値であるため、上位バイトの値をHレジスタに、下位バイトの値をLレジスタに記憶する。そのため、1000をHLレジスタに記憶するとは、Hレジスタに00000011bを、11101000bをLレジスタに記憶することと同義である。
「有利区間終了データ?」では、Hレジスタに記憶されている値が特定値であるか否かを判断する。つまり、当該処理では、有利区間の任意の終了条件を満たしたか否かを判断している。例えば、有利区間終了時処理の<パターン2>によって、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250(11110000b)を記憶した場合には、特定値が250(11110000b)に相当する。このように、有利区間終了時処理の<パターン2>を実行した場合に記憶した値であるか否かを判断する。Hレジスタに記憶されている値が特定値であるときには、「有利区間終了時のRAM初期化」を実行する。一方、Hレジスタに記憶されている値が特定値でないときには、「再遊技作動図柄表示時?」を実行する。なお、Hレジスタに記憶されている値が特定値であるときは、有利区間MYカウンタの上位バイトに特定値が記憶されているときである。そのため、Hレジスタに記憶されている値が特定値であるか否かと判断しているが、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値が特定値であるか否かを判断してもよい。
「再遊技作動図柄表示時?」では、今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したか否かを判断する。今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したと判断した場合(YESの場合)には、「MYカウンタ保存」を実行する。「再遊技作動図柄表示時?」で今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示しなかったと判断しなかった場合(NOの場合)は、「付与数加算」を実行する。
「付与数加算」では、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数をHLレジスタに記憶されている値に加算し、加算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、加算前のHLレジスタに記憶されている値が1000、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数を1とした場合、加算後のHLレジスタには1001が記憶される。
「ベット数減算」では、今回の遊技でベットした遊技媒体の数(ベット数)をHLレジスタに記憶されている値から減算し、減算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、減算前のHLレジスタに記憶されている値が1001、今回の遊技のベット数が3とした場合、減算後のHLレジスタには998が記憶される。
「減算結果=0未満?」では、当該処理の前に実行した「ベット数減算」によって、HLレジスタに記憶されている値が0未満となった(桁下がりがあった)か否かを判断する。例えば、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがあった場合(キャリーフラグが1となった場合)には、YESと判断し、「MYカウンタ初期値セット」を実行する。一方、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがなかった場合(キャリーフラグが0となった場合)には、NOと判断し、「MYカウンタ保存」を実行する。
「MYカウンタ初期値セット」では、HLレジスタに記憶されている値を0にする。これにより、次の「MYカウンタ保存」で、有利区間MYカウンタの初期値として0を記憶することができる。
「MYカウンタ保存」では、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶する。なお、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶した場合であっても、HLレジスタに記憶されている値は維持される。例えば、HLレジスタに998が記憶されている場合には、998を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は998のままである。例えば、HLレジスタに0が記憶されている場合には、0を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は0のままである。
「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」では、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断する。ここで、HLレジスタに記憶されている値は、有利区間MYカウンタに記憶されている値と同じである。そのため、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することと、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することは、同義である。また、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しているが、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しても良い。ただし、有利区間MYカウンタに記憶されている値とはRAMに記憶されている値である。ここで、ある数値と比較する場合は、RAMに記憶されている値と比較するより、レジスタに記憶されている値と比較した方がプログラム容量を少なくすることができる。よって、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているか判断した方がROM(プログラム)の使用容量を少なくすることができる。
以下では、HLレジスタに記憶されている値に応じて、「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」でどのように判断するか例を挙げて説明する。
(例1)HLレジスタに0が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例2)HLレジスタに998が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例3)HLレジスタに2404が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
ここで、(例3)のように2400から2414の間の数値が記憶されている場合とは、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合である。
「有利区間終了時のRAM初期化」では、ATに関する情報等を初期化する。この処理によって、有利区間MYカウンタやメイン遊技状態等も初期化され、今回の遊技で有利区間を終了する。よって、次回の遊技は通常区間の遊技とすることができる。
以上のとおり、有利区間の任意の終了条件を満たした遊技では、有利区間終了時処理によって有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値を更新し(有利区間MYカウンタの下位バイトの記憶領域に記憶されている値は更新しない)、有利区間終了時処理の後に実行される有利区間クリアカウンタ管理処理によって、有利区間の任意の終了条件を満たした遊技で有利区間を終了することができる(次回の遊技を通常区間の遊技とすることができる)。
本実施形態における設定変更に関する処理を説明する。
設定変更装置が起動すると、設定変更装置の起動時のタイミングや設定値の確定時のタイミングで前述したRAM初期化処理を行う。このRAM初期化処理が行われる直前の遊技状態がRT1であればRAM初期化処理が行われるとRT1の情報が初期化され、RAM初期化処理後の遊技状態は非RTとなる。また、RAM初期化処理が行われる直前の遊技状態が1種BB中であればRAM初期化処理が行われると1種BB中の情報が初期化され、RAM初期化処理後の遊技状態は非RTとなる。なお、設定変更に伴うRAM初期化処理では総得点は初期化されない(投入点は初期化される)。
また、RAM初期化処理が行われる直前の遊技状態が有利区間であればRAM初期化処理が行われると有利区間の情報が初期化され、RAM初期化処理後の遊技状態は通常区間となる。換言すると、有利区間中の遊技状態として、通常状態、CZ、又はATとあるが、何れの状態であってもRAM初期化処理が行われると、通常区間に移行する。
RAM初期化処理が行われると非RTかつ通常区間から遊技が開始されることになるが、本実施形態においては、通常区間から有利区間に移行するときにCZを開始する仕様となっているため、設定変更後は有利な状態(CZに当せんさせるための遊技を行うことなく、有利区間に移行させることでCZを開始させることができる状態)となっている。
このように構成することで、設定変更後は有利な状態であるため、朝から来店させる動機づけができ、集客効果を上げることができる。
また、設定変更後に有利すぎる状態(数回遊技を行うだけでCZに移行する状態)をセットできてしまうと射幸心を著しく煽ってしまう虞がある(所謂モーニング)。このため、有利区間に移行するときの状況に応じてCZの内容を変更することが考えられる。
この場合として、有利区間に移行が決定した次遊技のRT状態がRT1である場合は、基本的な遊技フローであるためCZを開始し、有利区間に移行が決定した次遊技のRT状態が非RTである場合は、設定変更後であるとしてCZを開始しない。なお有利区間に移行が決定した遊技としては、上述した再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんしたことである。
また、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kは1種BBと重複当せんするため、当せんした次遊技のRT状態はRT1となり、CZが開始されるが、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6は1種BBと重複当せんしないため、当せんした次遊技は非RTであり、CZが開始されない。
このような構成により、非RTにおいて有利区間に移行する場合を有するため、設定変更後は数回遊技を行うだけでCZに移行するといったモーニングに関する仕様を抑制でき、射幸性を抑えることができる。
なお、有利区間に移行が決定した次遊技のRT状態を参照して有利区間における主制御手段で管理する遊技状態を変更する仕様を用いて、射幸性を下げることも考えられる。この場合、非RT中(1種BB非内部中)に移行した有利区間はATを行わず、RT1中(1種BB内部中)に移行した有利区間はATを行う可能性を有するようにしてもよい。このような構成により、設定変更後に非RTで有利区間に移行した場合は、ATが行われないことにより出玉を獲得することができないので射幸性を抑えることになる。この時の有利区間の終了条件は上述したCZに当せんするまででもよいし、所定遊技回数(例えば、1500回)の遊技を行ったことでもよい。
また、有利区間移行抽せんに当せんした次遊技のRT状態を参照してCZの移行を制御しているが、これに限らず、有利区間移行抽せんに当せんした当該遊技の作動している条件装置を参照してCZの移行を制御してもよい。この場合は、通常区間における1種BB内部中に入賞-A1が当せんしたときは、1種BBと入賞-A1の条件装置が作動していることに基づいて有利区間開始時にCZを開始するよう制御する。また、通常区間における1種BB非内部中に入賞-A1が当せんしたときは入賞-A1の条件装置が作動していることに基づいて有利区間開始時にCZを開始しないよう制御する。
本実施形態では、1種BBのみ抽せん対象としていたが、これに代わり、RB、またはMBを抽せん対象としてもよいし、1種BBとRBとMBのうち2つ乃至全部を抽せん対象としてもよい。
遊技機Pと貸出ユニット間での通信に使用する電文について図14を用いて説明する。
遊技機Pと貸出ユニット間での通信に使用する電文のデータ構成は、下記の5つに分けられる。
(1)電文長
(2)コマンド
(3)通番
(4)データ部
(5)チェックサム
上記5つからなるデータ群を電文と称し、1回の送信によって送信される。(分割送信はしない。)
下記に各データ構成について説明する
(1)電文長
電文長、コマンド、通番、データ部、チェックサムの5つからなるデータのデータ長の長さを示したものであり、1バイトデータで構成される。たとえば、電文長が1バイト、コマンドが1バイト、通番が1バイト、データ部が14バイト、チェックサムが1バイトの場合、電文は18バイト(1バイト+1バイト+1バイト+14バイト+1バイト)となり、電文長は18バイトに対応したデータ(12h)となる。
(2)コマンド
上記の電文は、後述する、遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答の何れかで使用する。このコマンドによって、どの電文であるかの種別を通知することができる。
例えば、遊技機情報通知の場合には01h、計数通知の場合には02h、貸出通知の場合には13h、貸出受領結果応答の場合には03h、をコマンドとして設定する。コマンドのデータ長は1バイトデータで構成されている。
(3)通番
後述する、遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答に含まれる番号を、通番と称す。遊技機情報通知に含まれる通番を通番、計数通知に含まれる通番を計数通番、貸出通知に含まれる通番を貸出通番、貸出受領結果応答に含まれる通番を貸出通番と称す。これらの各種の通番は、0~255の範囲内の数値であり、1バイトデータで構成される。なお、各種の通番についは、後述する。
(4)データ部
後述する、遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答に対応したデータをデータ部と称す。データ部に含まれるデータについては後述するが、1バイト~53バイトのようにデータ長が通知内容に応じて異なる。
(5)チェックサム
電文長、コマンド、通番、データ部、チェックサムの5つからなるデータを加算し、総計の下位1バイトをチェックサムとする。このチェックサムを用いて、受信側は、通信中のデータの破損等を把握することができ、例えば、チェックサムが一致しなかった電文の数を遊技機Pや貸出ユニットがカウントして、通信の不具合状況等を確認することができる。例えば、遊技機Pにおいては、チェックサムが一致しなかった電文の数を、所定の状況(設定値を確認可能な設定確認モード中や設定値を変更可能な設定変更モード中)に画像表示装置等で表示可能としても良い。
遊技機Pから貸出ユニットへ出力する電文のうち、遊技機情報通知について図15を用いて説明する。
(1)電文長
電文長、コマンド、通番、データ部(遊技機種類、遊技機情報種別、遊技機情報の3つを含む)、チェックサムの5つからなるデータのデータ長の長さを示したものであり、1バイトデータで構成される。後述する遊技機情報の種別等に応じて電文長は変わる。
(2)コマンド
コマンドとは、先述したとおり、遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答の何れかを通知する役割を果たす。遊技機情報通知のコマンドは、01h(固定値)が該当する。
(3)通番
通番とは、0~255の何れかの数値であって、遊技機情報通知の通し番号として役割を果たす。以下に、具体的な例を挙げて説明する。
ア)電源投入時は、通番「00h(0)」を通知するように制御する。
イ)電源投入以降は、通知する毎に通番を更新(+1)する。
ウ)通番が「FFh(255)」の次の値は「01h(1)」に更新(+1を2回)する。
上述したとおり、電源復帰後の最初の通番は0となり、その後は、遊技機情報通知を出力するにつれて1ずつ増加する。遊技機情報通知の通番が255となった次の遊技機情報通知の通番は1となる(0にはならない)。
(4)遊技機種類
遊技機種類とは、データ部を構成する情報であって、遊技機Pの種類等を識別するための情報である。この情報については、図6を基に後述するが、管理媒体、団体区分、遊技機種類を通知するデータである。
(5)遊技機情報種別
遊技機情報種別とは、データ部を構成する情報であって、今回通知する遊技機情報通知が、遊技機性能情報、遊技機設置情報、ホールコン・不正監視情報かを識別するための情報である。遊技機情報種別として、遊技機性能情報を通知する場合には00h、遊技機設置情報を通知する場合には01h、ホールコン・不正監視情報を通知する場合には02hが該当する。なお、遊技機性能情報については図17、遊技機設置情報については図18、ホールコン・不正監視情報については図19を用いて後述する。
(6)遊技機情報
遊技機情報とは、データ部を構成する情報であって、今回通知する遊技機情報通知が、遊技機性能情報、遊技機設置情報、ホールコン・不正監視情報の何れかに応じて通知される情報である。遊技機情報の詳細については、後述する。
(7)チェックサム
今回通知する遊技機情報通知の、電文長、コマンド、通番、データ部(遊技機種類、遊技機情報種別、遊技機情報の3つを含む)、チェックサムの5つからなるデータを加算し、総計の下位1バイトをチェックサムとする。
遊技機情報通知に含まれる情報のうち遊技機種類について、図16を基に説明する。
遊技機種類とは、1バイトのデータであって、Bit0~Bit3により遊技機の種別、Bit4~Bit6により製造メーカが属する団体の区分、Bit7により従来の遊技球を用いた遊技機か従来の遊技メダルを用いた遊技機かを示す遊技媒体の情報である。
なお、遊技機の種別として列挙しているのは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律が定める遊技機の種類である。
次に、図16の遊技機種類一覧表を用いて、具体的な例を挙げて遊技機種類がどのようになるかを説明する。
ア)パターン1
遊技機種別:ぱちんこ遊技機P
団体区分:団体A
管理媒体:旧遊技球
この場合は、遊技機種類として01hが設定される。
イ)パターン2
遊技機種別:回胴式遊技機
団体区分:団体A
管理媒体:旧遊技メダル
この場合は、遊技機種類として82hが設定される。
ウ)パターン3
遊技機種別:アレンジボール遊技機
団体区分:団体A
管理媒体:旧遊技メダル
この場合は、遊技機種類として83hが設定される。
エ)パターン4
遊技機種別:じやん球遊技機
団体区分:団体A
管理媒体:旧遊技メダル
この場合は、遊技機種類として84hが設定される。
オ)パターン5
遊技機種別:回胴式遊技機
団体区分:団体B
管理媒体:旧遊技メダル
この場合は、遊技機種類として92hが設定される。
遊技機情報通知のうち、遊技機性能情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報について図17を用いて説明する。
ア)総投入数
総投入数とは、電源が投入されてから累積した遊技媒体の投入数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総投入数の情報として0が出力され得る。たとえば、累計1000回の遊技において、遊技媒体が投入された累計数が2000であった場合には、総投入数は2000となり、総投入数の情報として2000が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総投入数の情報として0が出力され得る。なお、内部抽せんによりリプレイ役(再遊技役とも称す)に当選し、リプレイに対応した図柄組合せが停止表示した場合には、その遊技の次遊技に賭けた遊技媒体の投入数は総投入数には含めないようにしている。
イ)総付与数
総付与数とは、電源が投入されてから累積した遊技媒体の付与数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総付与数の情報として0が出力され得る。たとえば、累計1000回の遊技において、遊技媒体が付与された累計数が2000であった場合には、総付与数は2000となり、総付与数の情報として2000が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総付与数の情報として0が出力され得る。なお、内部抽せんによりリプレイ役に当選し、リプレイに対応した図柄組合せが停止表示した場合には、その遊技における遊技媒体の付与数は総付与数には含めないようにしている。
ウ)MY
MYとは、電源が投入されてからの遊技媒体の付与数と投入数から算出可能な最大差数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合にはMYの情報として0が出力され得る。具体的には、遊技の結果が得られたときの遊技媒体数が最も減少したときを基準として、当該基準からの遊技媒体数の増加数(獲得総数から投入総数を差し引いた数)である最大差数をMYと称す。たとえば、累計1000回の遊技において、100回目の遊技がもっとも遊技者が損をした遊技であって、そのときの遊技者が損をした遊技媒体数が-200であり、そこから有利な遊技が始まり800回目の遊技がもっとも遊技者が得をした遊技であって、そのとき遊技者が獲得した遊技媒体数が800であるときには、-200から800の差数である1000がMYとなり、MYとして1000が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合にはMYの情報として0が出力され得る。
このMYを出力するために、遊技媒体数制御基板は計算用MYカウンタと出力用MYカウンタとを用いている。計算用MYカウンタと出力用MYカウンタは何れも電源投入により初期化(0がセット)されるため、電源投入時から電源断時までのMYが出力される。換言すると、通常遊技場では1日の営業が終わると電源を落とすため、1日分のMYが出力されることになる。
計算用MYカウンタは遊技状態や規定数に関わらず更新可能となるよう構成されており、1遊技における付与点-投入点を演算し、演算結果を累積して記憶するようになっている。例えば、計算用MYカウンタの値が「0」のときに開始された遊技が投入点として「3」点、付与点として「10」点の場合、「10-3」を演算した結果である「7」が計算用MYカウンタに加算されて計算用MYカウンタの値は「7」が記憶される。また、次の遊技でも投入点として「3」点、付与点として「10」点の場合、「10-3」を演算した結果である「7」が加算されて計算用MYカウンタの値は「14」が記憶される。
また、例えば、計算用MYカウンタの値が「0」のときに開始された遊技が投入点として「3」点、付与点として「0」点の場合、「0-3」を演算した結果は「-3」であるが計算用MYカウンタには「0」が記憶される。これは、演算の結果桁下がりが発生した場合はキャリーフラグが「1」となり、キャリーフラグが「1」の場合は「0」をセットするという命令を使用しているためである。
計算用MYカウンタは前回の遊技がリプレイでない場合において(換言すれば、実際に3点をベットした場合において)リプレイが当せんした遊技の投入点は「3」として扱い、付与点は「0」として扱う。そして、次の遊技(再遊技作動時の遊技)で投入点を「0」とすることで、実際のMYに補正することができる。例えば、前回の遊技がリプレイでない場合であって計算用MYカウンタの値が「10」のときに開始された遊技(リプレイが当せんした遊技)が投入点として「3」点、付与点として「0」点の場合、「0-3」を演算した結果である「-3」が計算用MYカウンタに加算されて計算用MYカウンタの値は「7」が記憶される。また、リプレイが当選した遊技の次の遊技で「10」点が付与される小役が当選した場合は、投入点として「0」点、付与点として「10」点であり、「10-0」を演算した結果である「10」が計算用MYカウンタに加算されて計算用MYカウンタの値は「17」が記憶される。
出力用MYカウンタは、計算用MYカウンタに記憶された値が出力用MYカウンタに記憶されている値よりも大きい場合に計算用MYカウンタの値を出力用MYカウンタの値に更新する。例えば、計算用MYカウンタの値が「10」、出力用MYカウンタの値が「12」のときに開始された遊技が投入点として「3」点、付与点として「10」点の場合、「10-3」を演算した結果である「7」が加算されて計算用MYカウンタの値は「17」が記憶される。また、計算用MYカウンタの「17」と出力用MYカウンタの「12」を比較して、計算用MYカウンタの値の方が大きいため、出力用MYカウンタの値を「17」に更新する。
遊技媒体数制御基板は、出力用MYカウンタの値を貸出ユニットに送信するように構成されている。
計算用MYカウンタと出力用MYカウンタは電源投入時に初期化されるが、有利区間MYカウンタは電源投入時には初期化されない。このように構成することで、遊技者に不利益が発生する可能性のある有利区間MYカウンタの値を適切に保護することが可能となる。
計算用MYカウンタと出力用MYカウンタは、遊技区間(通常区間、有利区間)にかかわらず更新可能に構成されているが、有利区間MYカウンタは、有利区間において更新可能(通常区間では更新しないよう)に構成されている。
計算用MYカウンタと出力用MYカウンタは何れも上限値が「917490」に設定されている。このように構成することで、通常1日で達成する最大MYよりも十分多くなっているので、上限値に到達する可能性を著しく低くすることができる。また、不正行為により計算用MYカウンタと出力用MYカウンタを増加させてもすぐに上限値に到達しないためカウンタの値が「0」からリスタートされ難いようにしている。
エ)役物総付与数
役物総付与数とは、電源が投入されてからの役物(シングルボーナス(SB)、レギュラーボーナス(RB)、チャレンジボーナス(CB))の作動により遊技媒体が付与された累積の付与数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には役物総付与数の情報として0が出力され得る。たとえば、累計1000回の遊技において、役物の作動により得られた累計の遊技媒体数が100であった場合には、役物総付与数は100となり、役物総付与数の情報として100が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総付与数の情報として0が出力され得る。
オ)連続役物総付与数
連続役物総付与数とは、電源が投入されてからの第一種特別役物(レギュラーボーナス(RB))の作動により遊技媒体が付与された累積の付与数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には連続役物総付与数の情報として0が出力され得る。たとえば、累計1000回の遊技において、第一種特別役物の作動により得られた累計の遊技媒体数が100であった場合には、連続役物総付与数は100となり、連続役物総付与数の情報として100が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には連続役物総付与数の情報として0が出力され得る。なお、第一種特別役物連続作動装置(1種BBとも称す)による第一種特別役物の作動により付与される遊技媒体の付与数も累積される。
カ)役物比率
役物比率とは、累計の付与数を分母とし役物(RB、CB、SB)の作動により付与された累計の役物作動時付与数を分子とした比率である。たとえば、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)以上であって、累計の付与数が20000、累計の役物の作動時付与数が10000の場合には、役物比率の情報として50が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の付与数が予め定められた上限値(たとえば、65535)に達した、又は、(累計の付与数に今回遊技の付与数を加算した結果、上限値を超えてしまう)場合には、それ以降の遊技では、累計の付与数、及び、累計の役物作動時付与数が更新されないように構成されている。換言すると、役物比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)未満においては、役物比率情報としてFFhを出力するように構成されている。
キ)連続役物比率
連続役物比率とは、累計の付与数を分母とし連続役物(RB)の作動により付与された累計の連続役物作動時付与数を分子とした比率である。たとえば、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)以上であって、累計の付与数が20000、累計の連続役物の作動時付与数が10000の場合には、役物比率の情報として50が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の付与数が予め定められた上限値(たとえば、65535)に達した、又は、(累計の付与数に今回遊技の付与数を加算した結果、上限値を超えてしまう)場合には、それ以降の遊技では、累計の付与数、及び、累計の連続役物作動時付与数が更新されないように構成されている。換言すると、役物比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)未満においては、連続役物比率情報としてFFhを出力するように構成されている。
ク)有利区間比率
有利区間比率とは、累計の遊技回数を分母とし累計の有利区間遊技数を分子とした比率である。たとえば、累計の遊技回数が20000、累計の有利区間遊技数が18000の場合には、有利区間比率の情報として90が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の遊技回数が予め定められた上限値(たとえば、65535)に達した場合には、それ以降の遊技では、累計の遊技回数、及び、有利区間遊技数が更新されないように構成されている。換言すると、有利区間比率は変化しないように構成されている。
なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の遊技回数が予め定められた上限値(たとえば、65535)に達した、又は、(累計の遊技回数に今回遊技の遊技回数を加算した結果、上限値を超えてしまう)場合には、それ以降の遊技では、累計の遊技回数、及び、累計の有利区間遊技数が更新されないように構成されている。換言すると、有利区間比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)未満においては、有利区間比率としてFFhを出力するように構成されている。また、有利区間を備えていない遊技機Pにおいても、FFhを出力するように構成されている。
ケ)指示込役物比率
指示込役物比率とは、累計の付与数を分母とし役物(RB、CB、SB)の作動により付与された累計の役物作動時付与数と指示機能の作動(ストップスイッチP4の操作態様の報知)により付与された累計の指示付与数の合算を分子とした比率である。なお、ここでいう合算とは役物作動時付与数と指示付与数に基づく計算により導出された値でも良いし、役物作動時に付与され場合又は指示機能作動時に付与された場合に加算される1つの記憶領域であっても良い。たとえば、175000回以上であって、累計の付与数が200000、累計の役物作動時付与数と累計の指示付与数の合算が100000の場合には、役物比率の情報として50が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の付与数が予め定められた上限値(たとえば、1677215)に達した、又は、(累計の遊技回数に今回遊技の遊技回数を加算した結果、上限値を超えてしまう)場合には、それ以降の遊技では、累計の付与数、及び、累計の役物作動時付与数と累計の指示付与数の合算が更新されないように構成されている。換言すると、有利区間比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、175000回)未満においては、役物比率情報としてFFhを出力するように構成されている。また、役物や指示機能を備えていない遊技機Pにおいても、FFhを出力するように構成されている。
コ)役物等状態比率
役物等状態比率とは、累計の遊技回数を分母とし、役物(RB、CB、SB)が作動している遊技回数、又は、役物連続作動装置(1BB、2BB)が作動している遊技回数である累計の特定の遊技回数を分子とした比率である。たとえば、累計の遊技回数が20000、累計の特定の遊技回数が5000の場合には、役物等状態比率の情報として25が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の遊技回数が予め定められた上限値(たとえば、1677215)に達した場合には、それ以降の遊技では、累計の遊技回数、及び、特定の遊技回数が更新されないように構成されている。換言すると、役物等状態比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、175000回)未満においては、役物等状態比率としてFFhを出力するように構成されている。また、役物や役物連続作動装置を備えていない遊技機Pにおいても、FFhを出力するように構成されている。
サ)遊技回数
遊技回数とは、遊技機の電源がONとなってからの累積した遊技回数である。遊技機の電源がONとなったときにクリアされる。
シ)予備
予備とは、今後、使用する可能性があるために予め備えているものであって、上述したア)からサ)の情報のみを出力する場合には、00hが出力されるようにしている。
ス)予約1
予約1とは、遊技機P本体のみでは利用しない。たとえば、遊技機Pから貸出ユニットに送信した後、ユニット側で予約として確保していた3バイトの領域を用いて貸出ユニットからA団体やB団体などの外部(たとえば、遊技機情報センタ)に出力する際に使用される。使用例としては、貸出ユニットが算出した最大MYを上述したア)からサ)に加えて、外部(たとえば、遊技機情報センタ)に出力すること等が挙げられる。
セ)予約2
予約2とは、遊技機P本体のみでは利用しない。たとえば、遊技機Pから貸出ユニットに送信した後、ユニット側で予約として確保していた2バイトの領域を用いて貸出ユニットからA団体やB団体などの外部(たとえば、遊技機情報センタ)に出力する際に使用される。使用例としては、貸出ユニットが算出した遊技回数を上述したア)からサ)に加えて、外部(たとえば、遊技機情報センタ)に出力すること等が挙げられる。
遊技機情報通知のうち、遊技機設置情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報について図18を用いて説明する。
ア)主制御チップID番号
主制御チップID番号とは、主制御基板P15に設けられた、CPU、RWM、ROMが一体となった主制御チップを識別するためのチップ個別ナンバーを含んだ情報であり、同じ機種であってもそれぞれ異なる情報となる。例えば、チップ個別ナンバーが12345678hの4バイトであり、A社から購入した主制御チップであるときには、主制御チップID番号として000000001234567821h(下位1バイトの21hがA社から購入した型番Xの主制御チップであることを示す)を貸出ユニットに向けて出力可能とする。また、例えば、チップ個別ナンバーが23456789hの4バイトであり、B社から購入した主制御チップであるときには、主制御チップID番号として000000002345678941h(下位1バイトの41hがB社から購入した型番Yの主制御チップであることを示す)を貸出ユニットに向けて出力可能とする。
イ)主制御チップメーカコード
主制御チップの内蔵メモリに記憶した遊技機メーカを示す情報である。
ウ)主制御チップ製品コード
主制御チップの内蔵メモリに記憶した遊技機Pの機種名を示す情報である。
なお、上述した、主制御チップID番号、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コードは、遊技機Pの電源が投入されたときの電源投入処理において、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に送信されるようになっている。そして、遊技媒体数制御基板P16に設けられたRWM領域に、それぞれ、主制御チップID番号、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コードを記憶するように構成されている。
エ)遊技媒体数制御チップID番号
遊技媒体数制御チップID番号とは、遊技媒体数制御基板P16に設けられた、CPU、RWM、ROMが一体となった遊技媒体数制御チップを識別するためのチップ個別ナンバーを含んだ情報であり、同じ機種であってもそれぞれ異なる情報となる。
たとえば、チップ個別ナンバーが98765432hの4バイトであり、A社から購入した遊技媒体数制御チップであるときには、遊技媒体数制御チップID番号として000000009876543221h(下位1バイトの21hがA社から購入した型番Xの遊技媒体数制御チップであることを示す)を貸出ユニットに向けて出力可能とする。
たとえば、チップ個別ナンバーが87654321hの4バイトであり、B社から購入した遊技媒体数制御チップであるときには、遊技媒体数制御チップID番号として000000008765432141h(下位1バイトの41hがB社から購入した型番Yの主制御チップであることを示す)を貸出ユニットに向けて出力可能とする。
なお、遊技媒体数制御基板P16を搭載していない遊技機Pの場合には、遊技媒体数制御チップID番号として000000000000000000hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
オ)遊技媒体数制御チップメーカコード
遊技媒体数制御チップの内蔵メモリに記憶した遊技機メーカを示す情報である。
なお、遊技媒体数制御基板P16を搭載していない遊技機Pの場合には、遊技媒体数制御チップメーカコードとして000000hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
カ)遊技媒体数制御チップ製品コード
主制御チップの内蔵メモリに記憶した遊技機Pの機種名を示す情報である。
なお、遊技媒体数制御基板P16を搭載していない遊技機Pの場合には、遊技媒体数制御チップ製品コードとして0000000000000000hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
遊技機情報通知のうち、ホールコン・不正監視情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報について図19を用いて説明する。
ア)総得点
総得点とは、遊技媒体数制御基板P16に記憶されている現在の遊技媒体数の値であり、遊技媒体の投入処理や入賞処理により増減し得る。現在の総得点は、遊技機Pに備えられている遊技媒体数表示部P9に表示される。総得点の情報は貸出ユニットに送信する。例えば、総得点として2000点を記憶している場合には、0007D0hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。なお、遊技媒体数制御基板P16で記憶可能な総得点の上限は、16383点としている。
イ)投入点
投入点とは、投入した遊技媒体数を示す。たとえば、3点をベットした場合には03hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。また、3点をベットした状況から遊技を開始する前に(スタートスイッチP3が操作される前に)精算スイッチP6の操作により3点を遊技媒体数制御基板P16に精算する場合にはFDhを貸出ユニットに向けて出力可能とする。換言すると、-3点(FDh)~+3点(03h)の情報を貸出ユニットに向けて出力可能とする。
ウ)付与点
付与点(入賞点とも称す)とは、全てのリールが停止した後、有効ライン上に停止した(入賞した)図柄組合せの態様によって、付与された遊技媒体数を示す。たとえば、8点が付与された場合には、08hの情報を出力可能とし、15点が付与された場合には0Fhを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
遊技機Pは、上述した「総得点」、「投入点」、「付与点」を貸出ユニットに送信することで、貸出ユニット側で管理している総得点情報を用いて総得点の異常が検知可能となっている。
エ)主制御状態1
主制御状態1とは、遊技状態に関する状態を示す。具体的には、1バイトのデータのうち、ビットごとにどの遊技状態であるかを割り当てられている。たとえば、Bit0が1のときにはRB状態であることを示す情報を貸出ユニットに向けて出力可能とする。たとえば、Bit1が1のときにはBB状態であることを示す情報を貸出ユニットに向けて出力可能とする。たとえば、Bit2が1のときにはAT状態であることを示す情報を貸出ユニットに向けて出力可能とする。Bit3~Bit6は遊技機状態信号1~4に対応している。遊技機状態信号1~4は、遊技機Pの種類に応じて使用用途を変えたり、使用しなかったりすることができる。たとえば、AT遊技で獲得した得点が100点に達したごとに、遊技機状態信号1を出力することなどが挙げられる。Bit7については、未使用とし、遊技機Pの種類に関わらず、0が出力可能となるように構成されている。このように構成することによって、たとえば、AT状態であることを報知する場合には、00000100Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
オ)主制御状態2
主制御状態2とは、主制御状態1と同様に遊技状態に関する状態を示す。Bit0~Bit2は遊技機状態信号5~7に対応している。遊技機状態信号5~7は、遊技機Pの種類に応じて使用用途を変えたり、使用しなかったりすることができる。たとえば、特定のRT状態(再遊技確率変動状態)へ移行した場合に、遊技機状態信号5を出力することなどが挙げられる。Bit3~Bit7については、未使用とし、遊技機Pの種類に関わらず、0が出力可能となるように構成されている。このように構成することによって、たとえば特定のRT状態へ移行した際には、00000001Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
カ)遊技機エラー状態
遊技機エラー状態とは、遊技機Pで発生中のエラーを示すエラーコード等を含んだ情報で構成されたエラー状態を示す。
具体的には、Bit0~Bit5でエラーコードを示す。Bit6で遊技媒体数制御基板P16のエラー(この場合には、Bit6は0)か、主制御基板P15のエラー(この場合には、Bit6は1)かを示す。Bit7で貸出ユニットにてエラーの報知のみを行うもの(この場合にはBit7は0)か、貸出ユニットにてエラーの報知を行うとともに、貸出ユニットを通じてホールコンピュータ(HC)にもエラーコードを通知するもの(この場合にはBit7は1)かを示す。
例えば、エラーの種類として乱数異常と、電波異常とを検出可能な遊技機Pであるとする。このとき、エラーコードとして、乱数異常を00001B、電波異常を00010Bのように定め、このエラーコードを含んだ情報を出力することが可能となる。具体的には、乱数異常は、主制御基板P15のエラーであって、貸出ユニットにてエラーの報知のみを行う場合には、01000001Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。また、電波異常は、遊技媒体数制御基板P16のエラーであって、貸出ユニットにてエラーの報知とホールコンピュータにもエラーコードを通知する場合には、10000010Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。なお、エラーが未発生の場合や、エラーコードを有していない遊技機Pの場合には、00000000Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
キ)遊技機不正1(主制御)
遊技機不正1(主制御)とは、主制御基板P15に係る不正の検知や主制御基板P15に係る状態に関する情報を示す。なお、遊技機不正1(主制御)の信号は、ホールコンピュータ用信号として扱う。換言すると、遊技機Pから出力された遊技機不正1(主制御)の各信号は、貸出ユニットを通じて、ホールコンピュータへ出力されるようになっている。
遊技機不正1(主制御)を構成する各信号について、以下に記載する。
Bit0には設定変更中信号が割り当てられている。つまり、設定変更中(設定変更モード中)及び設定変更が行われたことを示す。設定変更中信号は、設定変更中~設定変更後の1遊技終了時(たとえば、全リールが停止し、払出し処理が終了したとき)まではBit0が1となる。設定変更中~設定変更後の1遊技終了時以外の状況では、Bit0が0となる。設定変更中信号は設定変更中ステータスがONとなっている間に出力する。設定変更中ステータスは、設定変更モードが起動して、RAM初期化処理を実行し、設定値を表示した後にONとする。そして、設定変更後の1遊技終了時に設定変更中ステータスをOFFにすることで、設定変更中信号の出力を停止する。
換言すると、遊技機Pが設定変更中ステータスをONにしたことに基づいて設定変更中信号が出力されるわけではなく、遊技機Pが設定変更中ステータスをONにした後、ホールコン・不正監視情報の送信タイミングとなったときに設定変更中ステータスがONであることに基づいて設定変更中信号が出力される(Bit0が1となる)ようになっている。また、1遊技が終了して設定変更ステータスをOFFにした場合も同様に、設定変更ステータスをOFFにした後、ホールコン・不正監視情報の送信タイミングとなったときに設定変更中ステータスがOFFであることに基づいて設定変更中信号の出力が停止される(Bit0が0となる)ようになっている。
このように構成することで、設定変更中ステータスのON又はOFFを管理することにより、ホールコン・不正監視情報に含まれる設定変更中信号の出力情報を制御することが可能となる。
続いて、Bit1には設定確認中信号が割り当てられている。つまり、設定確認中(設定確認モード中)のときは、Bit1は1となり、設定確認中以外の状況ではBit1が0となる。
設定確認中信号は、設定確認中にのみBitが1となる例を示したが、これに限られず、設定確認モードの開始から所定期間(例えば、5秒間等)はBitが1となるように構成されていてもよい。換言すると、主制御基板P15において、設定確認モードが開始された場合(例えば、遊技待機状態において設定キースイッチがオンとなった場合)に、遊技媒体数制御基板P16に設定確認モードであることを示すコマンドを送信し、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitが1になるとともに、主制御基板P15で設定確認用タイマをセットし、主制御基板P15が設定確認用タイマを計測した結果、5秒経過したと判断(設定確認用タイマのカウント値が「0」であると判断)したときに設定確認モードが5秒経過したことに関するコマンドを遊技媒体数制御基板P16に送信し、且つ主制御基板P15から設定確認モードが終了したことに関するコマンドをすでに受信していることで、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitが0になる構成が考えられる。
この場合、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認モードが5秒経過したことに関するコマンドを送信してもよいし、送信しなくてもよい。また、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認モードが終了するまで遊技機不正1のBitは1となっている。また、設定確認モードが5秒未満(例えば2秒)で終了した場合であっても、残りの3秒間(合計5秒間)は設定確認モード中を示す遊技機不正1のBitが1となっている。このように構成することで、設定確認モードが非常に短時間で終了しても設定確認モードである情報を貸出ユニットに送信する十分な時間を確保でき、不正な設定キースイッチの操作を検知することが可能となる。
また、主制御基板P15において、設定確認モードが開始された場合(例えば、遊技待機状態において設定キースイッチがオンとなった場合)に、遊技媒体数制御基板P16に設定確認モードであることを示すコマンドを送信し、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitが1になるとともに、主制御基板P15で設定確認用タイマをセットし、設定確認用タイマをセットしたことに関するコマンドと主制御基板P15が設定確認用タイマを更新する毎に設定確認用タイマを更新したことに関するコマンドを遊技媒体数制御基板P16に送信し、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板から送信された設定確認用タイマの値(カウント値)に基づいて設定確認モードが5秒経過したと判断(設定確認用タイマのタイマ(カウント値)が0であると判断)することで、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitを0にする構成が考えられる。
この場合、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認用タイマを更新したことに関するコマンドは送信されなくなる。また、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認モードが終了するまで遊技機不正1のBitは1となっている。また、設定確認モードが5秒未満(例えば2秒)で終了した場合であっても、残りの3秒間(合計5秒間)は設定確認モード中を示す遊技機不正1のBitが1となっている。このように構成することで、設定確認モードが非常に短時間で終了しても設定確認モードである情報を貸出ユニットに送信する十分な時間を確保でき、不正な設定キースイッチの操作を検知することが可能となる。
また、主制御基板P15において、設定確認モードが開始された場合(例えば、遊技待機状態において設定キースイッチがオンとなった場合)に、遊技媒体数制御基板P16に設定確認モードであることを示すコマンドを送信し、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitが1になるとともに、遊技媒体数制御基板P16で設定確認用タイマをセットし、遊技媒体数制御基板P16が設定確認用タイマの値(カウント値)に基づいて設定確認モードが5秒経過したと判断(設定確認用タイマのタイマ(カウント値)が0であると判断)することで、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitを0にする構成が考えられる。
この場合、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認用タイマの更新は終了する。また、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認モードが終了するまで遊技機不正1のBitは1となっている。また、設定確認モードが5秒未満(例えば2秒)で終了した場合であっても、残りの3秒間(合計5秒間)は設定確認モード中を示す遊技機不正1のBitが1となっている。このように構成することで、設定確認モードが非常に短時間で終了しても設定確認モードである情報を貸出ユニットに送信する十分な時間を確保でき、不正な設定キースイッチの操作を検知することが可能となる。
設定確認用タイマをセットするタイミングは、設定確認モードを開始して設定値を表示した後であってもよい。そして、「設定確認モード中である」、及び「設定確認用タイマが0でない」の何れかの条件を充足している場合は設定確認中ステータスをONにして、設定確認中信号を出力し、「設定確認モード中である」、及び「設定確認用タイマが0でない」の何れの条件も充足しなくなった場合に設定確認中ステータスをOFFにして、設定確認中信号の出力を停止する。
設定確認中信号の出力制御を詳述する。
遊技進行メイン処理の遊技待機中において設定キースイッチの立ち上がりがあるか否かを判断(設定キースイッチがOFFからONとなったか否かを判断)し、設定キースイッチの立ち上がりがあると判断した場合は、設定確認中信号出力期間として5秒間(正確には5004.165ms)のタイマをセットする(割込み処理の間隔が2.235msであるため、カウント値として「2239」をセットする)。
設定確認中信号出力期間のタイマをセット(カウント値として「2239」をセット)した後に実行される割込み処理内のタイマ計測処理にて、設定確認中信号出力期間のタイマを減算し(カウント値を「1」減算し)、同割込み処理内の遊技機情報管理処理にて、設定確認中信号出力期間が5秒経過したか否かを判断し(カウント値が「0」となっているか否かを判断し)、5秒経過していない場合(カウント値が「0」となっていない(ゼロフラグが立っていない)と判断した場合)は設定確認中信号をセットし、5秒経過した場合(カウント値が「0」となっている(ゼロフラグが立っている)と判断した場合)は設定確認中信号をセットせずに他の処理に移行する。ここで、設定確認中信号をセットした後は、ホールコン・不正監視情報通知の送信タイミングが到来すると設定確認中信号が出力される(貸出ユニット側に送信される)ことになる。
設定確認中信号出力期間が5秒経過したか否かの判断はゼロフラグが立っているか否かで判断している。タイマ計測処理により減算した結果、設定確認中信号出力期間のタイマが0となっていた場合は、ゼロフラグが立つので5秒経過したと判断され、タイマ計測処理により減算した結果、設定確認中信号出力期間のタイマが0となっていなかった場合は、ゼロフラグが立たないので5秒経過していないと判断される。なお、設定確認モード終了後に5秒以上経過して設定確認中信号の出力が終了した後はタイマが0となっており、タイマが0の状況でタイマ計測処理により減算した結果も0となってゼロフラグが立つため、設定確認モード終了後から5秒経過した以降は、再度設定確認モードに移行しない限り設定確認中信号はセットされない。
また、遊技進行メイン処理の遊技待機中において設定キースイッチの立ち上がりがあるか否かを判断し、設定キースイッチの立ち上がりがあると判断して設定確認中信号出力期間として5秒間のタイマをセットした後は、直後の処理により設定キースイッチ信号の立ち下がり(設定キースイッチの立ち下がり)があるか否かを判断(設定キースイッチがONからOFFとなったか否かを判断)し、立ち下がりがないと判断した場合は、再度、設定確認中信号出力期間として5秒間のタイマをセットし、設定キースイッチの立ち下がりがあるか否かを判断する処理に戻る。
このように設定キースイッチの立ち上がりがあると判断した後は設定キースイッチの立ち下がりがあると判断するまで設定確認中信号出力期間として5秒間のタイマをセットし続けるため、設定確認モード中は常に設定確認中信号が送信されることになる。また、設定キースイッチの立ち下がりがあると判断して設定確認モードが終了しても設定確認中信号出力期間のタイマが0となるまで設定確認中信号が送信されるので、設定確認モードが5秒以内に終了しても、設定確認モード終了後5秒間は設定確認中信号が送信でき、確実に設定確認中信号を貸出ユニット側に送信することができる。
また、設定確認モードに切り替えた後に瞬間的に通常モードに戻して設定値を盗み見るような不正行為がなされたとしても、設定確認中信号は5秒間送信されるため、不正の痕跡を残すことが可能となる。
また、設定確認中信号出力期間のタイマをセットする処理を遊技進行メイン処理のループ処理を用いて実行しているため、割込み処理内のタイマ計測処理を実行してタイマを減算した後、遊技進行メイン処理のループ処理で設定確認中信号出力期間のタイマを再度セットする場合には、設定確認中信号出力期間のタイマをセットする処理を複数回実行できるため、確実に設定確認中信号出力期間のタイマを初期値(5秒)にセットすることが可能となる。換言すると、設定確認中信号出力期間のタイマをセットする処理を複数回実行可能とする(最低でも2回)ために、設定確認中信号出力期間のタイマセット処理を1回実行する時間は、2.235ms/2(割込み処理の間隔の半分の時間)よりも短い時間となるよう構成されている。
また、このような構成によれば、設定確認中信号の出力期間をタイマをセットする処理で制御できるため、簡易的なプログラムで正確に設定確認中信号の出力を制御することができる。なお、設定確認中信号の出力期間は例示であり、設定確認モード終了後すぐに設定確認中信号の出力が停止されなければ設定確認中信号の出力期間は任意の期間(例えば、1秒、3秒、又は10秒等)を設定してもよい。
また、遊技進行メイン処理の遊技待機中において設定キースイッチの立ち上がりがあると判断した場合は設定キースイッチの立ち上がりに基づくコマンドを少なくとも含むサブ制御コマンドをセットする。また遊技進行メイン処理にて設定キースイッチの立ち下がりがあると判断した場合は設定キースイッチの立ち下がりに基づくコマンドを少なくとも含むサブ制御コマンドをセットする。そして、割込み処理内のサブ制御コマンド送信処理では、セットされているサブ制御コマンドを副制御基板P12に送信し、副制御基板P12ではサブ制御コマンドを受信した場合はサブ制御コマンドを解析して解析した結果に応じた処理を実行する。例えば、設定キースイッチの立ち上がりに基づくコマンドを受信した場合は設定確認モードに対応した演出を実行し、設定キースイッチの立ち下がりに基づくコマンドを受信した場合は設定確認モードを終了させ通常モード、又は待機状態に対応した演出を実行する。
設定確認モードに対応した演出は設定確認中信号の出力期間とは直接的に対応していない。例えば、設定確認モード終了直後は、設定確認中信号が5秒間継続して出力されるが、設定キースイッチの立ち下がりに基づくコマンドが副制御基板P12に送信され、設定キースイッチの立ち下がりに基づくコマンドを受信した場合はすぐに設定確認モードに対応した演出を終了する。設定確認モードが終了しているにもかかわらず設定確認モードに対応する演出を実行してしまうと、遊技者に対して遊技の進行ができないと錯覚させてしまうことになるが、このように構成することで、設定確認モード終了時はすぐに演出状態を切り替えることが可能となり、遊技者に対する遊技の進行への妨げを防ぐことができる。さらに、設定確認中信号は設定確認モードが終了しても5秒間は出力されるため、貸出ユニット側に確実に設定確認中信号を送信することが可能となる。
続いて、Bit2には不正検知信号1、Bit3には不正検知信号2、Bit4には不正検知信号3が割り当てられている。たえとば、乱数異常を不正とした遊技機Pにおいて、乱数異常の検知を不正検知信号1に割り当てた場合に、乱数異常を検知した場合にはBit2が1となり、乱数異常を検知していない場合にはBit2が0となる。
続いて、Bit5にはセキュリティ信号が割り当てられている。具体的には、不正検知信号を出力しているとき、設定変更中信号を出力しているとき、設定確認中信号を出力しているときの何れかのときにBit5が1となり、それ以外の状況においてはBit5が0となる。
続いて、Bit6、Bit7は、未使用であり、Bit6は0、Bit7は0となる。
ここで、設定変更中信号、設定確認中信号、セキュリティ信号に着目して、どのような信号の出力になるかを例示して説明する。なお、ここでは、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3については言及しないが、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3も「0」又は「1」が出力されている。また、1回目の遊技とは、設定変更モードが行われた後の最初に行われた遊技を指す。
(ケース1)たとえば、設定変更を行った後、1回目の遊技が終了(遊技が終了とは、全リールが停止した後や図柄組合せに対応した得点の付与処理が終了したことを指す。以下、同じ。)したとする。この場合、設定変更モードを開始した所定のタイミングから設定変更中信号として「1」(オン)が出力され、1回目の遊技が終了した後に設定変更中信号として「0」(オフ)が出力される。この場合、設定確認モードに移行していなければ、設定確認中信号として「0」(オフ)が出力され続ける。また、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3として「0」(オフ)を出力している状況であっても、設定変更中信号として「1」を出力しているため、セキュリティ信号は「1」(オン)を出力し、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力しない場合には、セキュリティ信号として「0」を出力する。なお、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力する場合には、セキュリティ信号として「1」を出力する。
(ケース2)たとえば、設定変更を行った後、1回目の遊技が終了する前に電源スイッチをオフにし(電源断が発生し)、その後、電源スイッチをオンにし(電源復帰し)たとする。そして、その後に、1回目の遊技が実行され、1回目の遊技が終了したとする。この場合、設定変更モードを開始した所定のタイミングから設定変更中信号として「1」(オン)が出力され、電源断中は、出力処理がなされずに、電源復帰後の特定のタイミングから設定変更中信号として「1」(オン)が出力され、1回目の遊技が終了した後に設定変更中信号として「0」(オフ)が出力される。この場合、設定確認モードに移行していなければ、設定確認中信号として「0」(オフ)が出力され続ける。また、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3として「0」(オフ)を出力している状況であっても、設定変更中信号として「1」を出力しているため、セキュリティ信号は「1」(オン)を出力し、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力しない場合には、セキュリティ信号として「0」を出力する。なお、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力する場合には、セキュリティ信号として「1」を出力する。
(ケース3)たとえば、設定変更を行った後、1回目の遊技が開始する前に設定確認モードに移行し、その後、設定確認モードが終了したとする。そして、その後に、1回目の遊技が実行され、1回目の遊技が終了したとする。この場合、設定変更モードを開始した所定のタイミングから設定変更中信号として「1」(オン)が出力され、設定確認モード中であっても、設定変更中信号として「1」(オン)が出力され続け、1回目の遊技が終了した後に設定変更中信号として「0」(オフ)が出力される。この場合、設定確認モードであるときには、設定確認中信号として「1」(オン)が出力され続ける。また、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3として「0」(オフ)を出力している状況であっても、設定変更中信号として「1」を出力しているため、セキュリティ信号は「1」(オン)を出力し、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力しない場合には、セキュリティ信号として「0」を出力する。なお、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力する場合には、セキュリティ信号として「1」を出力する。
ク)遊技機不正2(主制御又は遊技媒体数制御)
遊技機不正2(主制御又は遊技媒体数制御)とは、主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16に係る不正の検知や主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16に係る状態に関する情報を示す。なお、遊技機不正2(主制御又は遊技媒体数制御)の信号は、ホールコンピュータ用信号として扱う。換言すると、遊技機Pから出力された遊技機不正1(主制御)の各信号は、貸出ユニットを通じて、ホールコンピュータへ出力されるようになっている。
遊技機不正2(主制御又は遊技媒体数制御)を構成する各信号について、以下に記載する。
Bit0には、設定ドアオープン信号が割り当てられている。設定ドアオープン信号とは、設定変更を行うための設定キースイッチをカバーする設定キースイッチカバー部材が開放しているか否かを示す信号である。設定キースイッチカバー部材が開放しているときにはBit0が1となって設定キースイッチカバー部材が開放していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなり、設定キースイッチカバー部材が閉鎖しているときにはBit0が0となって設定キースイッチカバー部材が閉鎖していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなる。なお、設定キースイッチカバー部材を設けていない遊技機Pや、設定キースイッチカバー部材の開放を検知する機能を有していない遊技機Pにおいては、Bit0が0となる。
続いて、Bit1には、ドアオープン信号(ドアスイッチ信号とも称す)が割り当てられている。ドアオープン信号とは、遊技機Pの前扉P2が開放しているか否かを示す信号である。遊技機Pの前扉P2が開放しているときにはBit0が1となって前扉P2が開放していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなり、遊技機Pの前扉P2が閉鎖しているときにはBit0が0となって前扉P2が閉鎖していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなる。
ドアオープン信号は、上述した割込み処理内の入力ポート読込処理によるドアスイッチのON、又はOFFの検出状況によって前扉P2の開閉態様に応じた出力制御を行う。
割込み処理内の入力ポート読込処理によって、前扉P2が開放していると判断した場合は、5秒間(正確には5001.93ms)のタイマをセットする(割込み処理の間隔が2.235msであるため、カウント値として「2239」をセットする)。そして、同じ割込み処理内のタイマ計測処理によって、タイマを計測する(カウント値を「1」減算する)。そして、同じ割込み処理内の遊技機情報管理処理によって、ドアオープン信号の出力時間が5秒を経過していないと判断(カウント値を減算した結果、カウント値が0となっていない(ゼロフラグが立っていない)と判断)した場合はドアオープン信号をセットし、ドアオープン信号の出力時間が5秒を経過したと判断(カウント値を減算した結果、カウント値が0となっている(ゼロフラグが立っている)と判断)した場合はドアオープン信号をセットせずに他の遊技機情報に関する信号のセット処理を実行する。
そして、次の割込み処理における入力ポート読込処理によって、前扉P2が開放していると判断した場合は、5秒間のタイマを再びセットする(割込み処理の間隔が2.235msであるため、カウント値として「2239」を再びセットする)。換言すれば、前扉P2が開放している状況では、5秒間のタイマを繰り返しセットし続けることとなる(タイマセット処理を複数回実行することとなる)。
このように、前扉P2が開放されているときは割込み処理毎に5秒間のタイマをセットし続けるため、タイマを減算(カウント値を減算)してもゼロフラグが立つことがない。換言すると、割込み処理内のタイマ計測処理が実行される度にカウント値「2239」から「1」を減算する処理が繰り返される。このような構成によれば、前扉P2が開放されている状況下ではドアオープン信号が常に出力されるようになる。
また、前扉P2が閉鎖されたときは、割込み処理内の入力ポート読込処理によってドアスイッチがONであることを検出することで前扉P2が閉鎖されたと判断し、前扉P2が閉鎖されたと判断した場合は5秒間のタイマを再セットしない。そして、同じ割込み処理内のタイマ計測処理によって、タイマを計測する(カウント値を「1」減算する)。そして、同じ割込み処理内の遊技機情報管理処理によって、ドアオープン信号の出力時間が5秒を経過しているか否かを判断する。ここで、前扉P2が閉鎖されたときは5秒間のタイマが再セットされないため、前扉P2が開放しているときにセットしたタイマ(カウント値「2239」)が割込み処理が繰り返されることで減算されタイマ(カウント値)が「0」に近づいていく。
なお、本実施形態では、タイマをセットする処理と、タイマを減算する処理とは、同じ割込み処理内で実行されるため、初期値として5001.93ms(2238回×2.235ms)となる「2238」をセットしてしまうと「0」になるまでの割込み回数は2237回となり、5秒に満たない値(正確には4999.7ms)となってしまう。そこで、予めセットする初期値を「2238+1(2239)」にしておく。換言すると初期値「2239」をセットした割込み処理内のタイマ計測処理によりカウント値が「2238」となり、割込み回数を2238回にすることが可能となる。
そして、タイマ計測処理によりカウント値が「0」となった場合は、ゼロフラグが立つためドアオープン信号の出力を停止することができる。換言すると、前扉P2の閉鎖後は5秒間に亘ってドアオープン信号が出力され、5秒経過後はドアオープン信号の出力が停止される。なお、ドア閉鎖後に5秒以上経過してドアオープン信号の出力が終了した後はタイマが0となっており、タイマが0の状況でタイマ計測処理により減算した結果も0となってゼロフラグが立つため、ドア閉鎖後から5秒経過した以降は、再度ドア開放しない限りドアオープン信号はセットされない。換言すれば、前扉P2が閉鎖後の5秒間は、Bit1が1となって前扉P2が開放していることを示す情報が遊技機不正2に含まれ、5秒経過後は、Bit1が0となって前扉P2が閉鎖していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなり、前扉P2が閉鎖している状況においては、遊技機不正2に前扉P2が開放していることを示す情報が含まれる場合と、遊技機不正2に前扉P2が閉鎖していることを示す情報が含まれる場合とがある。
このような構成によれば、ドアオープン信号の出力期間をタイマのセット処理で制御できるため、簡易的なプログラムで正確にドアオープン信号の出力を制御することができる。なお、ドアオープン信号の出力期間は例示であり、ドア閉鎖後すぐにドアオープン信号の出力が停止されなければドアオープン信号の出力期間は任意の期間(例えば、1秒、3秒、又は10秒等)を設定してもよい。
また、割込み処理内のサブ報知データ出力処理では、ドアスイッチがONとなっているかOFFとなっているかに応じてドアスイッチ信号を副制御基板P12に送信し、副制御基板P12ではドアスイッチ信号のOFF信号を受信した場合はドアが開放していると判断して、ドア開放音やドア開放メッセージ表示等のドア開放報知演出が実行されるように制御する。
ドア開放演出はドアオープン信号の出力期間とは直接的に対応していない。例えば、ドア閉鎖直後は、ドアオープン信号が5秒間継続して出力されるが、ドアスイッチ信号はON信号となって副制御基板P12に送信される。しかし、副制御基板P12側で、ドアスイッチ信号がOFFからONに変わったことを検知してから5秒間ドア開放演出を実行するように構成することで、ドアオープン信号の出力期間とドア開放演出の実行期間を相似させることができる。これによりドアオープン信号の出力期間を視認することが可能となり、管理者が信号出力期間を把握しやすくなる。
本実施形態では、ドアオープン信号の出力期間とドア開放演出の実行期間を相似させているが、これに限らずドア開放演出の実行期間をドアオープン信号の出力期間よりも長くしてもよいし短くしてもよい。
本実施形態では、割込み処理毎にタイマをセットする処理を実行しているが、これに限らず2以上の所定数の割込み毎にタイマをセットする処理を実行してもよい。ただし、タイマをセットしてから次のタイマをセットするまでにタイマの値(カウント値)が0とならないように、タイマセット処理を実行する割込み間隔はタイマ(カウント値)で示す時間よりも短くなるようにする必要がある。
続いて、Bit2は未使用であり、Bit2は0となる。
続いて、Bit3には、遊技媒体数クリア検知が割り当てられている。遊技媒体数クリアとは、遊技媒体数制御基板P16に設けられた総得点クリアスイッチが操作された場合に、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点がクリアされることを指す。たとえば、ベットされている得点が「3」、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が「1000」のとき、総得点クリアスイッチが操作されたことによって、ベットされている得点は「3」、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点は「0」となる。換言すると、総得点クリアスイッチが操作されたことによりベットされている得点はクリアされない。総得点クリアスイッチの操作を検出した場合にはBit3が「1」となり、総得点クリアスイッチの操作を検出していない場合にはBit3が「0」となる。なお、総得点クリアスイッチを備えていない遊技機Pの場合には、Bit3は「0」となる。総得点が初期化された場合は、総得点が初期化された後の遊技終了後までBit3を「1」にしておく。
続いて、Bit4からBit7は未使用であり、Bit4からBit7は0となる。
ケ)遊技機不正3(主制御又は遊技媒体数制御)
遊技機不正3とは、予備として設けられた主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16に係る不正の検知や主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16に係る状態に関する情報を示す。
本実施形態の遊技機Pにおいては、使用していないため未使用となっている。換言すると、Bit0からBit7は0となる。
なお、遊技機不正2のBit2、Bit4、Bit5、及び遊技機不正3のBit0、Bit1は未使用であるため、基本的には「0」となっているが、これらのBitのうち何れかのBitが「1」となって、貸出ユニットに送信され、貸出ユニットにおけるSC基板が受信した場合は、貸出動作を禁止(貸出スイッチが操作されても無効にする等)するよう構成されている。
これは、未使用の記憶領域に不正プログラムや不正データを仕込まれるような不正があった場合に、未使用部分を使用されると貸出動作が禁止になるため、不用意に未使用部分を使用できないようにするためである。
また、遊技球を用いて遊技させる管理遊技機(封入式遊技機とも称す)と、本実施形態におけるメダルレス遊技機とが共通の貸出ユニットを用いることも想定しており、管理遊技機における遊技機不正2のBit2は不正電波検知で使用し、遊技機不正2のBit4は入賞球数異常1検知で使用し、遊技機不正2のBit5は入賞球数異常2検知で使用し、遊技機不正3のBit0は小球検知で使用し、遊技機不正3のBit1は鉄球検知で使用するため、これら不正を検知した場合にそれぞれのBitが「1」となり、SC基板の動作により貸出動作を禁止するよう構成されている。このように構成することで、管理遊技機とメダルレス遊技機の導入に関してホールへの負担を軽減することができる。なお、一旦貸出ユニットが貸出禁止になった場合は、遊技機Pに搭載されているリセットスイッチが操作される等により、エラー解除信号を受信することにより、貸出許可状態にする。
主制御基板P15及び/又は遊技媒体数制御基板P16において、不正を検知するための不正検知手段を設けていてもよい。以下、不正検知手段により例えば電波異常を検出した場合の遊技機Pの挙動について例示する。
第1の挙動として、遊技機P(主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16)が電波異常を検出した場合には、主制御手段における遊技を停止させる(エラー状態とする)ことが挙げられる。このとき、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信(各種電文を出力すること、受信すること)は継続していても良いし、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信を中止しても良い。また、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信は継続しても良いし、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信は中止しても良い。さらにまた、主制御基板P15と演出制御基板との通信は継続しても良いし、主制御基板P15と演出制御基板との通信は中止しても良い。なお、演出制御基板による制御により、ランプや画像表示器、又は、アンプ(音)を用いたエラー報知を実行してもよい。
第2の挙動として、遊技機P(主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16)が電波異常を検出した場合には、主制御手段における遊技は可能とすることが挙げられる。このとき、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信(各種電文を出力すること、受信すること)は継続していても良いし、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信を中止しても良い。また、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信は継続しても良いし、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信は中止しても良い。さらにまた、主制御基板P15と演出制御基板との通信は継続しても良いし、主制御基板P15と演出制御基板との通信は中止しても良い。なお、主制御基板P15の制御による遊技は実行可能であるが、演出制御基板による制御により、ランプや画像表示器、又は、アンプ(音)を用いたエラー報知を実行してもよい。
なお、電波異常を例にして説明したが、上述した挙動は電波異常に限られず、たとえば乱数異常、主制御基板P15のRWMに記憶されている設定値データが正規の範囲内(0~5)でないときに異常と判定する設定値異常、電源復帰時に主制御基板P15のRWMに記憶されているデータが正常ないときに異常と判定するRWM異常など、不正を検知するための不正検知手段により検出可能な他の異常についても適用可能である。
さらにまた、不正を検知するための不正検知手段により、複数の異常を検出可能な場合において、第1の異常(たとえば、乱数異常)については、上述した第1の挙動を行い、第2の異常(たとえば、電波異常)については、上述した第2の挙動を行うなど、異常の種類に応じて、挙動が異なるように構成されていてもよい。
次に、後述するホールコン・不正監視情報のうち遊技情報であるコ)遊技情報数、サ)種別情報1、シ)カウント情報1、ス)種別情報2、セ)カウント情報2について説明する。
種別情報1、カウント情報1で構成される情報を遊技情報1、種別情報2、カウント情報2で構成される情報を遊技情報2と称する場合がある。この遊技情報1又は遊技情報2は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。
種別情報は、データ種別(上位4Bit)とデータ番号(下位4Bit)から構成されている。データ種別が「0001B」の場合は規定数(ベット数)を示す情報となっている。また、データ種別が「0010B」の場合は付与数を示す情報となっている。なお、データ種別「0」と、「3」から「15」は未使用としている。データ番号は、データ種別が規定数を示す「0001B」の場合と、付与数を示す「0010B」の場合と、で「0001B」固定となっている。つまり、データ番号「0」と、「2」から「15」は未使用としている。
また、カウント情報はデータ種別毎に設定内容が異なっており、データ種別が規定数を示す「0001B」の場合は、カウント情報として「00000001B」から「00000011B」までの値を取り得るようになっている。換言すると、Bit4~7は未使用であり、Bit0~3を使用する。また、データ種別が付与数を示す「0010B」の場合は、カウント情報として「00000001B」から「00001111B」までの値を取り得るようになっている(遊技機ごとの最大付与数までの値を取り得るようになっている)。換言すると、Bit4~7は未使用であり、Bit0~3を使用する。
また、遊技情報数が0のときは、上記種別情報及びカウント情報は送信しない。この遊技情報は、ホールコンピュータ用信号として扱う。換言すると、遊技機Pから出力された遊技情報は、貸出ユニットを通じて、ホールコンピュータへ出力されるようになっている。
コ)遊技情報数
種別情報とカウント情報で構成される遊技情報の個数を示す情報である。例えば、遊技情報数が0のときは、種別情報1、カウント情報1、種別情報2、カウント情報2は出力しない。また例えば、遊技情報数が1のときは、種別情報1、カウント情報1を出力する。また例えば、遊技情報数が2のときは、種別情報1、カウント情報1の出力と種別情報2、カウント情報2の出力を行う。
サ)種別情報1、及び、ス)種別情報2
種別情報は、上述した遊技情報を構成する情報である。遊技で使用したベット数(投入点)を示す場合には、種別情報1として種別情報が「00010001B」となる。また、遊技の結果により付与された付与数(付与点)を示す場合には、種別情報1又は種別情報2として種別情報が、「00100001B」となる。
シ)カウント情報1、及び、セ)カウント情報2
カウント情報は、上述した遊技情報を構成する情報である。カウント情報1として遊技で使用したベット数(投入点)を出力する場合には、当該遊技で使用したベット数(投入点)に対応した値が設定される。カウント情報1又はカウント情報2として遊技の結果により付与された付与数(付与点)を出力する場合には、当該遊技で付与した付与数(付与点)に対応した値が設定される。なお、当該遊技の遊技結果として、リプレイ役に当選し、リプレイに対応する図柄組合せが停止表示した場合には、当該遊技で使用したベット数(投入点)に対応した値が遊技の結果により付与された付与数(付与点)として設定される。
例えば、3枚ベットしてスタートスイッチが操作された場合には、スタートスイッチ受付コマンドを受信したことに基づいて、遊技情報数として「00000001B」が出力され、遊技情報として、遊技で使用したベット数(投入点)を示す種別情報を上位1バイト、当該遊技で使用したベット数(投入点)に対応した値であるカウント情報を下位1バイトとした、「0001000100000011B(1103h)」が出力される。
また例えば、当選役を決定する内部抽せんの結果、10点を付与可能な抽せん結果に当選し、すべてのリールが停止した場合に10点を付与する図柄組合せが停止表示した場合には、遊技終了時(全回胴停止コマンドを受信したとき)に、遊技情報数として、遊技の結果により付与された付与数(付与点)を示す種別情報を上位1バイト、当該遊技で付与した付与数(付与点)に対応した値であるカウント情報を下位1バイトとした、「00000001B」が出力され、遊技情報として「0010000100001010B(210Ah)」が出力される。
また例えば、付与点として10点を付与する場合の全回胴停止コマンドの受信直後に、投入点として3点を使用した場合のスタートスイッチ受付コマンドを受信したときは、遊技情報数として「00000010B」が出力され、遊技情報1として、遊技で使用したベット数(投入点)を示す種別情報を上位1バイト、当該遊技で使用したベット数(投入点)に対応した値であるカウント情報を下位1バイトとした、「0001000100000011B(1103h)」が出力され、遊技情報2として、遊技の結果により付与された付与数(付与点)を示す種別情報を上位1バイト、当該遊技で付与した付与数(付与点)に対応した値であるカウント情報を下位1バイトとした、「0010000100001010B(210Ah)」が出力される。
また、投入点は上述した(_WK_MDL_IN)に記憶している情報を用いており、付与点は上述した(_WK_MDL_OUT)に記憶している情報を用いている。なお、ホールコン・不正監視情報の遊技機情報の投入点を出力するための投入点の記憶領域は遊技情報の投入点を出力するための投入点の記憶領域とは異なる記憶領域に記憶している。同様にホールコン・不正監視情報の遊技機情報の付与点を出力するための付与点の記憶領域は遊技情報の付与点を出力するための付与点の記憶領域とは異なる記憶領域に記憶している。そして、遊技情報の投入点を記憶可能な記憶領域(_WK_MDL_IN)と付与点を記憶可能な記憶領域(_WK_MDL_OUT)は送信後に初期化している。
<計数通知>
上述の計数通知(図20参照)は7バイトの電文長で構成されており、遊技機Pが計数スイッチP7の操作を受け付けたことに基づいて遊技機Pから貸出ユニットに向けて送信する信号である。
計数通知を構成している情報として、電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、計数通番(1バイト)、計数点(1バイト)、計数累積点(2バイト)、チェックサム(1バイト)から構成されている。
電文長は計数通知の電文の長さを示すものであり、7バイトであるため「0x07」となっている。
コマンドは計数通知を示す「0x02」となっている。
計数通番は計数専用の通番であり、上述した通番や後述する貸出通番とは異なる専用の通番となっている。計数通番は「0x00」から「0xFF」までの範囲となっており、遊技機Pが計数通知を送信する毎に遊技機Pがインクリメントする。計数通番のうち「0x00」は電源投入時のみ送信する計数通番となっており、「0xFF」の次の値は「0x01」となる。
計数点は遊技機Pが300ms毎に送信する遊技機情報通知のうち1回の遊技機情報通知において送信する計数に関する点数となっている。計数点は「0x00」から「0x32」までの範囲となっているため、1回の遊技機情報通知では最大50点を貸出ユニットに送信するようになっている。また、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が50点以上である場合は50点を示す「0x32」のデータが送信されるが、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が50点未満である場合は遊技媒体数制御基板P16が記憶している現在の総得点に応じたデータが送信される(例えば、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が30点の場合は30点を示す「0x1E」のデータが送信される)。
上述した計数点の例は、計数スイッチP7の操作を1回のみ受け付けた(以下、短押し操作と称す場合がある)ときに50点を計数する場合の例であるが、計数スイッチP7の短押し操作を受け付けた場合は計数点として1点を計数し、計数スイッチP7の長押し操作を受け付けた場合は計数点として50点を計数してもよい。
この場合、計数スイッチP7の短押し操作を受け付けたとは、遊技媒体数制御基板P16が計数スイッチP7の操作受け付けに関するレベルデータがONを示す値となっている期間(割込み処理で計数スイッチP7の操作受付がONを示す値となっている期間)が所定期間未満(例えば、500ms未満)である場合を例示できる。つまり所定期間未満の第1の期間に計数スイッチP7の操作が受け付けられた場合に計数スイッチP7の短押し操作を受け付けたとして計数点の1点を計数する。
また、計数スイッチP7の長押し操作を受け付けたとは、遊技媒体数制御基板P16が計数スイッチP7の操作受け付けに関するレベルデータがONを示す値となっている期間(割込み処理で計数スイッチP7の操作受付がONを示す値となっている期間)が所定期間以上(例えば、500ms以上)である場合を例示できる。つまり所定期間以上の第2の期間に亘って計数スイッチP7の操作が受け付けられた場合に計数スイッチP7の長押し操作を受け付けたとして計数点の50点を計数する。なお、計数通知として計数点「50」を貸出ユニットに送信した後の計数通知を送信するタイミングにおいて計数スイッチP7が未だ長押しされている場合は計数通知として計数点「50」を貸出ユニットに送信する。つまり、一度長押し判定した後は計数スイッチP7の操作がなくなるまで(計数スイッチP7の操作受付に関するレベルデータがOFFを示す値となるまで)計数通知として計数点「50」を貸出ユニットに送信し続ける(ただし総得点が50未満の値の場合はその値を計数する)。この場合、計数スイッチP7が長押し操作されていると判断するまでの間(例えば、500ms間)は計数されないことになる。
また、遊技媒体数制御基板P16は、計数スイッチP7の操作を受け付けた後、計数スイッチP7の押下時間を計測するために計数スイッチタイマの値を割込み処理毎(1ms毎)にインクリメントする(初期値は「0」)。そして、計数スイッチタイマの値が500となった場合(50ms間計数スイッチP7が押下された場合)の次の割込み処理では、インクリメント処理を実行しないよう構成している。換言すると、実際に計数スイッチP7が押下されている時間が1000ms等の500msを超えるような時間であっても計数スイッチタイマの値は500を維持する。
これは、計数スイッチタイマの値がインクリメントされ続けて、計数スイッチタイマの値が記憶上限を超えてしまい、再度、計数スイッチタイマの値が0からカウントされ、計数スイッチタイマの値が2週目の0~499の間であるときに計数スイッチP7が離された場合に計数点が「1」となってしまうことを防ぐためである。
このため、計数スイッチタイマ値をインクリメントする際に計数スイッチタイマ値が500であるか否かを判断し、計数スイッチタイマ値が500でなければインクリメント処理を実行し、計数スイッチタイマ値が500であればインクリメント処理を実行せずに次の処理を実行するよう構成されている。
なお、計数スイッチタイマ値をカウントしているときに計数スイッチP7が離されると、計数スイッチタイマ値を0に初期化することで、再度計数スイッチP7が押下されたときに0から計数スイッチタイマ値をカウントすることが可能となる。
また、計数スイッチタイマのカウントはインクリメントする態様を説明したが、デクリメントする態様であってもよい。この場合は、計数スイッチP7の操作を受け付けたときに計数スイッチタイマ値として501をセットし、計数スイッチタイマ値が1であるときにデクリメント処理を実行しない態様とすることでインクリメントの態様と同様の効果を得ることが可能となる。
計数累積点は遊技機Pの電源投入時からの計数点を累積した値となっている。計数累積点は「0x0000」から「0xFFFF」までの範囲となっており、計数が行われるごとにその計数点を加算する。なお、計数累積点が「0xFFFF」を超える場合は「0xFFFF」の次の値を「0x0000」とする。また、遊技機Pの電源投入があった場合は計数累積点を0クリアする。
チェックサムは電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、計数通番(1バイト)、計数点(1バイト)、計数累積点(2バイト)の値を加算した値となっている。チェックサムは遊技機Pから送信された計数通知に対して貸出ユニットが受信した計数通知が正しいか否かを判断するために使用する。
<貸出通知>
貸出通知は5バイトの電文長で構成されており、貸出ユニットが貸出スイッチの操作を受け付けたことに基づいて貸出ユニットから遊技機Pに向けて送信する信号である。貸出ユニットは遊技機Pから計数通知を受信すると遊技機Pに向けて貸出通知を送信する。ただし、遊技機情報通知が未受信の場合、遊技機情報通知の遊技機情報種別が「0x02」以外で通知された場合(ホールコン・不正監視情報以外で通知された場合)、計数通知の計数点が1から50の範囲(0ではない値)で通知された場合は、貸出点を0として遊技機Pに通知する。
貸出通知を構成している情報として、電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、貸出通番(1バイト)、貸出遊技媒体数(1バイト)、チェックサム(1バイト)から構成されている。
電文長は貸出通知の電文の長さを示すものであり、5バイトであるため「0x05」となっている。
コマンドは貸出通知を示す「0x13」となっている。
貸出通番は貸出専用の通番であり、上述した通番や計数通番とは異なった貸出に関する専用の通番となっている。貸出通番は「0x00」から「0xFF」までの範囲となっており、後述する貸出受領結果応答が遊技機Pから送信される毎にインクリメントする。貸出通番のうち「0x00」は遊技機Pとの通信開始時のみ送信する貸出通番となっており、「0xFF」の次の値は「0x01」となる。
貸出点は貸出ユニットに備えられた貸出スイッチが操作されることで遊技機Pに向けて送信する貸出に関する点数となっている。貸出点は「0x00」から「0x32」までの範囲となっているため、1回の遊技機情報通知では最大50点を遊技機Pに送信するようになっている。また、貸出ユニットに挿入されている記憶媒体(会員カード、ビジターカード等)に記憶されている貸出可能点が50点以上である場合は50点を示す「0x32」のデータが遊技機Pに送信されるが、記憶媒体に記憶されている貸出可能点が50点未満である場合は記憶媒体に記憶されている現在の貸出可能点に応じたデータが送信される(例えば、記憶媒体に記憶されている貸出可能点が20点の場合は20点を示す「0x14」のデータが送信される)。
チェックサムは電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、貸出通番(1バイト)、貸出点(1バイト)の値を加算した値となっている。チェックサムは遊技機Pに送信する貸出通知に対して遊技機Pが受信した貸出通知が正しいか否かを判断するために使用する。
<貸出受領結果応答>
貸出受領結果応答は5バイトの電文長で構成されており、遊技機Pが貸出通知を受信したことに基づいて遊技機Pから貸出ユニットに向けて送信する信号である。遊技機Pは貸出ユニットから貸出通知を受信すると貸出ユニットに向けて貸出受領結果応答を送信する。ただし、貸出ユニットから通知された貸出通番が連続していない場合、主制御基板P15又は遊技媒体数制御基板P16のRAMエラー等により遊技機P側が貸出不可能な状態である場合、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点と貸出点とを加算した値が遊技媒体数制御基板P16が記憶する総得点の記憶上限値(例えば、上述した16383)を超える場合又は遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が閾値以上の値(15000以上)の場合は、貸出点受領結果として異常を示す値を応答する。貸出受領結果応答を構成している情報として、電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、貸出通番(1バイト)、貸出点受領結果(1バイト)、チェックサム(1バイト)から構成されている。
電文長は貸出通知の電文の長さを示すものであり、5バイトであるため「0x05」となっている。
コマンドは貸出受領結果応答を示す「0x03」となっている。
貸出通番は貸出ユニットから受信した貸出通知に記憶されている貸出通番をそのまま使用する。例えば貸出通知の貸出通番が0x01の場合、貸出ユニットに送信する貸出受領結果応答の貸出通番は0x01とする。ただし、貸出点受領結果が正常ではないとき(異常であるとき)は、貸出点受領結果が正常であったときの貸出ユニットから受信した貸出通番を貸出通番として応答する。換言すると、遊技機Pは貸出ユニットから送信された貸出通知(例えば、電文長、コマンド、貸出通番、貸出遊技媒体数、チェックサムの全て、又は一部)を記憶しておき、貸出点受領結果が異常のときは正常のときの貸出点受領結果を応答できるように備えている。また、記憶する貸出通知は直前のものだけでもよく、貸出点受領結果が異常のときは新たに記憶しないようにすることで、正常時の最新の貸出通知を貸出ユニットに送信することができる。なお、記憶する貸出通知は直前のものだけでなく複数個記憶してもよい。貸出通番は遊技機Pの電源が投入されたときは0クリアする。
貸出点受領結果は正常であるときは「0x00」となり、異常であるときは「0x01」となる。異常の値となる場合は、貸出ユニットから通知された貸出通番が連続していない場合、遊技媒体数制御基板P16のRAMエラー等により遊技機P側が貸出不可能な状態である場合、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点と貸出点とを加算した値が遊技媒体数制御基板P16が記憶する総得点の記憶上限値を超える場合又は遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が閾値以上の値(15000以上)の場合がある。また、その他の要因で「0x00」、「0x01」以外の値となったときも貸出ユニットは異常と判断する。
チェックサムは電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、貸出通番(1バイト)、貸出点受領結果(1バイト)の値を加算した値となっている。チェックサムは貸出ユニットに送信する貸出受領結果応答に対して貸出ユニットが受信した貸出受領結果応答が正しいか否かを判断するために使用する。
また、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニット側に向けてコマンド送信する際は、貸出制御コマンドセット処理を実行する。貸出制御コマンドセット処理では、Aレジスタにセットされたコマンドを送信用データレジスタにセットする。
また、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに側に向けて連続して複数のコマンド送信する際は、貸出制御コマンド連続セット処理を実行する。貸出制御コマンド連続セット処理では、貸出制御コマンドセット処理を実行した後アドレスを更新して、再度貸出制御コマンドセット処理を実行する。貸出制御コマンドセット処理を実行する回数はBレジスタにセットされた値に基づいている。換言すると、貸出制御コマンド連続セット処理を実行する前は、Bレジスタにコマンド数をセットして実行する。
また、貸出ユニット側に向けて送信する情報として、値が0となるコマンドを送信する際は、貸出制御コマンドゼロセット処理を実行する。貸出制御コマンドゼロセット処理では、Aレジスタに値が0となるコマンドをセットして貸出制御コマンドセット処理をあらかじめ定められた回数分実行する。
貸出制御コマンドゼロセット処理は、遊技媒体数制御チップIDを貸出ユニット側に送信する際に、9バイトに桁合わせを行うために使用する。例えば、遊技媒体数制御基板P16の遊技媒体数制御チップID番号が21876543の場合、上位4バイトを0とするために貸出制御コマンドゼロセット処理内の貸出制御コマンドセット処理を4回実行して00hを4回送信し、続いて貸出制御コマンド連続セット処理内の貸出制御コマンドセット処理を4回実行して21h、87h、65h、43hを送信し、最後に貸出制御コマンドセット処理にて識別コードの41hを送信する。
なお、主制御チップID番号は予め主制御基板P15から9バイトデータとして送信されて遊技媒体数制御基板P16に記憶されるため、貸出制御コマンドゼロセット処理を用いることはない。換言すると、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15から送信された9バイトデータの主制御チップID番号をそのまま貸出ユニットに対して送信する。
また、遊技機性能情報にある予備、予約1、予約2についても0データを送信するため、貸出制御コマンドゼロセット処理を用いて貸出ユニットに値が0となるコマンドを送信する。
遊技機Pと貸出ユニットとの基本通信シーケンスについて図20をもとに説明する。
<基本通信シーケンス>
遊技機Pは貸出ユニットに対して上述した遊技機情報通知として、遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報を送信する。
遊技機設置情報は、遊技機Pの起動が完了したときから60s(60,000ms)毎に貸出ユニットに送信する。遊技機性能情報は、遊技機Pの起動が完了したときから180s(180,000ms)毎に貸出ユニットに送信する。ホールコン・不正監視情報は、遊技機Pの起動が完了したときから300ms毎に貸出ユニットに送信する。
遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報は貸出ユニットに送信する際に同タイミングとなる場合がある。例えば、遊技機Pの起動が完了したときから60s経過後は遊技機設置情報とホールコン・不正監視情報が同タイミングとなり得る。この場合は遊技機設置情報を優先して送信し、その次に300ms経過した後にホールコン・不正監視情報を送信する。
また、例えば、遊技機Pの起動が完了したときから180s経過後は遊技機設置情報と遊技機性能情報とホールコン・不正監視情報が同タイミングとなり得る。この場合は遊技機設置情報を優先して送信し、その次に300ms経過した後に遊技機性能情報を送信し、その次に300ms経過した後にホールコン・不正監視情報を送信する。
このように、情報を送信する優先度として、遊技機設置情報が最も優先度が高く、次に遊技機性能情報となり、最後にホールコン・不正監視情報となる。このため、ホールコン・不正監視情報の送信タイミングは最大で600ms遅延することになる。
ただし、図19に示すホールコン・不正監視情報のうち、主制御状態1及び主制御状態2の何れかの情報が更新された場合(主制御状態の更新があると判断した場合)、又は遊技情報ありの場合は、ホールコン・不正監視情報の送信優先度が最も高くなる。
具体的には、主制御状態1のRBを示すBit0、BBを示すBit1、ATを示すBit2、遊技機状態信号1を示すBit3、遊技機状態信号2を示すBit4、遊技機状態信号3を示すBit5、遊技機状態信号4を示すBit6のうち何れかのBitが「0」から「1」に更新された場合(遊技状態が各Bitに対応する遊技状態に移行した場合に相当する)に主制御状態の更新があると判断する。このように、主制御状態の更新があると判断した場合には、ホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。
また、主制御状態1のRBを示すBit0、BBを示すBit1、ATを示すBit2、遊技機状態信号1を示すBit3、遊技機状態信号2を示すBit4、遊技機状態信号3を示すBit5、遊技機状態信号4を示すBit6のうち何れかのBitが「1」から「0」に更新された場合(各Bitに対応する遊技状態が終了した場合に相当する)に主制御状態の更新があると判断する。このように、主制御状態の更新があると判断した場合には、ホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。
なお、主制御状態1のBit7は未使用であるが、Bit7が「0」から「1」、又は「1」から「0」に更新された場合は、主制御状態の更新がないと判断している。このように構成することで、未使用であるBit7がノイズ等で更新されてもホールコン・不正監視情報の送信優先度は変わらないため、貸出ユニットとの正常な通信が実現できる。
ただし、この態様に限られず、未使用であるBit7が「0」から「1」、又は「1」から「0」に更新された場合は、主制御状態の更新があると判断する態様であってもよい。この場合は、Bit毎に更新を確認する必要がなく(主制御状態1のRAMの値が変化したか否かで確認する)、更新の確認処理に関するプログラム容量の削減とプログラムの高速化を実現できる。なお、RAMの値が「40h(01000000B)」、又は「7Fh(01111111B)」より大きいか否かを判断して、大きい場合は送信の優先度を変化しないように分岐するように構成してもよく、この構成によれば、RAMの値を確認しつつ未使用Bitが「0」から「1」になっても送信優先度を変えないことで、貸出ユニットとの正常な通信が実現できる。
続いて、主制御状態2の遊技機状態信号5を示すBit0、遊技機状態信号6を示すBit1、遊技機状態信号7を示すBit2のうち何れかのBitが「0」から「1」に更新された場合(遊技状態が各Bitに対応する遊技状態に移行した場合に相当する)に主制御状態の更新があると判断する。
また、主制御状態2の遊技機状態信号5を示すBit0、遊技機状態信号6を示すBit1、遊技機状態信号7を示すBit2のうち何れかのBitが「1」から「0」に更新された場合(各Bitに対応する遊技状態が終了した場合に相当する)に主制御状態の更新があると判断する。
なお、主制御状態2のBit3からBit7は未使用であるが、Bit3からBit7の何れかのBitが「0」から「1」、又は「1」から「0」に更新された場合は、主制御状態の更新がないと判断している。このように構成することで、未使用であるBit3からBit7がノイズ等で更新されてもホールコン・不正監視情報の送信優先度は変わらないため、貸出ユニットとの正常な通信が実現できる。
ただし、この態様に限られず、未使用であるBit3からBit7が「0」から「1」、又は「1」から「0」に更新された場合は、主制御状態の更新があると判断する態様であってもよい。この場合は、Bit毎に更新を確認する必要がなく(主制御状態2のRAMの値が変化したか否かで確認する)、更新の確認処理に関するプログラム容量の削減とプログラムの高速化を実現できる。なお、RAMの値が「04h(00000100B)」、又は「07h(00000111B)」より大きいか否かを判断して、大きい場合は送信の優先度を変化しないように分岐するように構成してもよく、この構成によれば、RAMの値を確認しつつ未使用Bitが「0」から「1」になっても送信優先度を変えないことで、貸出ユニットとの正常な通信が実現できる。
続いて、遊技情報ありと判断される態様として、ホールコン・不正監視情報を構成する情報のうち遊技情報を出力するために記憶する投入点記憶領域(_WK_MDL_IN)と付与点記憶領域(_WK_MDL_OUT)に記憶している情報が「0」であるか否かで判断している。
投入点記憶領域に記憶される投入点情報は、主制御基板P15から送信されたスタートスイッチ受付コマンドを受信したときに記憶される。また、付与点記憶領域に記憶される付与点情報は、主制御基板P15から送信された全回胴停止コマンドを受信したときに記憶される。このコマンド受信処理は割込み処理で実行され、割込み処理内では、コマンド受信処理を実行した後に、遊技機情報管理処理(遊技媒体数制御)を実行するという順番となっている。
そして、遊技機情報管理処理(遊技媒体数制御)では、貸出ユニットに対してホールコン・不正監視情報を送信する処理を実行しており、ホールコン・不正監視情報を送信する際に投入点記憶領域に記憶されている投入点情報と付与点記憶領域に記憶されている付与点情報がそれぞれ「0」であるか否かを判断し、投入点又は付与点が0でない場合は、すぐにホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。換言すると、投入点又は付与点を記憶した割込み処理内でホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。
なお、投入点記憶領域に記憶されている投入点情報と付与点記憶領域に記憶されている付与点情報がそれぞれ「0」であると判断し、且つ、主制御状態の更新がないと判断した場合は、遊技機設置情報通知要求フラグと遊技機性能情報通知要求フラグに基づいて出力する情報を選択する。換言すると、遊技機設置情報の優先度が第1優先、遊技機性能情報の優先度が第2優先、ホールコン・不正監視情報の優先度が第3優先となる。
また、遊技情報ありと判断される態様として、遊技情報数が「0」であるか否かを判断する態様であってもよい。遊技情報数は、投入点記憶領域に記憶している投入点情報が「0」でないとき、又は付与数記憶領域に記憶している付与数情報が「0」でないときに遊技情報数記憶領域(_WK_INF_GAM)が「1」又は「2」となり得る。そして、割込み処理の遊技機情報管理(遊技媒体数制御)でホールコン・不正監視情報を送信する前に投入点記憶領域と付与数記憶領域の情報から遊技情報数を生成し(遊技情報数記憶領域に遊技情報数を記憶し)、遊技情報数が「1」又は「2」の場合は、ホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。
このように、ホールコン・不正監視情報の優先度を状況に応じて変更することで、遊技機情報通知を送信するときに、遊技状態の移行時(遊技状態の開始又は終了)であって投入点又は付与点が0でない場合は、遊技機設置情報や遊技機性能情報の送信タイミングであってもホールコン・不正監視情報を優先的に送信できるため、遊技場で管理するホールコンピュータに対して、投入点や払出点がどの遊技状態におけるものなのかを正確に管理させることが可能となる。
また、ホールコン・不正監視情報の遊技機状態信号とホールコン・不正監視情報の遊技情報(投入点、又は付与点)とを関連付けるために、遊技状態移行時(遊技状態開始時、又は遊技状態終了時)はフリーズを実行している。
例えば、通常状態中となるN遊技目として、3枚掛けで遊技が開始され(スタートレバーの操作が受け付けられ)、BBが当選し、停止操作によりBB図柄組合せが停止されて、BB状態信号がONとなる場合、遊技開始からBB状態信号がONとなるまでの間が300msを超えるようにするため、BB図柄組合せが停止した後であってBB状態信号をONにするまでの間に所定期間Xに亘ってフリーズを実行する。
図35は、投入数信号とBB状態信号とが同時にホールコン・不正監視情報通知で送信されてしまう好ましくない例である。図36は、投入数信号とBB状態信号とが正確にホールコン・不正監視情報通知で送信される好ましい例である。
「投入数情報」は、図19にある遊技情報の種別情報1、又は2の投入数信号を送信するための情報であり、遊技媒体数制御基板P16のRAMの或る領域に記憶される情報である。投入数情報の「0」とは、投入数情報に0が記憶されていることを意味し、投入数情報の「n」とは、投入数情報に1~3の何れかが記憶されていることを意味する。投入数情報は、主制御基板P15がスタートレバー受付時に遊技媒体数制御基板P16に投入数を示すコマンドを送信することで当該遊技の規定数として投入数情報「1」~「3」の何れかを遊技媒体数制御基板P16が記憶し、投入数信号を含むホールコン・不正監視情報通知を送信した後、投入数情報に「0」を遊技媒体数制御基板P16が記憶する。
「BB状態情報」は、図19にある遊技機情報の主制御状態1のBB状態信号を送信するための情報であり、主制御基板P15のRAMの或る領域に記憶される情報である。BB状態情報の「0」とは、BB状態情報に0が記憶されていることを意味し、BB状態情報の「1」とは、BB状態情報に1が記憶されていることを意味する。BB状態情報は、全リール停止後であってBB図柄組合せが停止したときに、作動状態管理処理内の作動状態セット処理で「1」が記憶され、全リール停止後であってBB遊技状態が終了したときに、作動状態管理処理内の作動状態セット処理で「0」が記憶される。換言すると、BB状態信号を含むホールコン・不正監視情報通知はBB開始時からBB終了時まで送信される。また、BB状態情報に「1」が記憶された場合、主制御基板P15の割込み処理により遊技媒体数制御基板P16に主制御状態のコマンドが送信され、遊技媒体数制御基板P16は受信した主制御状態のコマンドを取得して、主制御状態がBB状態であればホールコン不正監視情報通知を送信するための主制御状態を記憶する遊技媒体数制御基板P16のRAMの所定領域にBB信号情報を記憶する。
「フリーズ情報」は、フリーズを実行していることを示す情報であり、主制御基板P15のRAMの或る領域に記憶される。なお、フリーズを実行していることを示す情報ではなく、フリーズの実行に係るタイマ情報でもよく、フリーズの実行に係るタイマ情報が0か否かを判断することでフリーズを実行しているか否かを判断してもよい。
図35は、ホールコン・不正監視情報通知を送信した直後にスタートレバーの操作が受け付けられて投入数情報に「n(nは数値)」を記憶し、ホールコン・不正監視情報通知を送信してから300ms以内に全てのストップスイッチの操作、及びBB図柄組合せが停止されてBB状態情報に「1」を記憶した場合を示す。この場合は、BB図柄組合せ停止後のホールコン・不正監視情報通知を送信するタイミングで、投入数信号がON、及びBB状態信号がONとなって貸出ユニット側に送信される場合がある。
図35では、投入数信号とBB状態信号が同時に送信されてしまうことになる。ここでの投入数信号はBB遊技状態となる前の通常遊技状態としての情報が正しい情報であるため、誤った情報(BB遊技状態中の投入数情報)として送信されることになる。
そこで、本実施形態では、図36で示すようにBB図柄組合せ表示時に所定期間X(図36の「X」)に亘ってフリーズを実行し、フリーズの終了後にBB状態情報に「1」を記憶するように構成する。Xの値は、(300ms)-(スタートレバー操作の受け付け(遊技開始)からBB状態情報に1を記憶するまでの最短時間Y)であればよく、Y=200msと設計すれば、X=100msを超える値と設計することになる。また、遊技に係る時間は遊技者の技量に応じて異なるため、確実に送信できるためにX=300msとしてもよい。ホールコン・不正監視情報通知の間隔は300msであるため、フリーズを300ms以上実行すれば、どのような状況においても確実に正確な投入数信号を送信することが可能となる。
また、フリーズを実行するタイミングは、BB図柄組合せ停止からBB状態情報に「1」を記憶するまでの間であればよく、例えば、作動状態管理処理内の作動状態セット処理でフリーズのタイマの値(カウント値)として「X」をRAMに記憶し、Xが0となったと判断した後にBB状態情報のRAMに「1」を記憶することが考えられる。
このように構成することで、遊技毎における投入数情報と主制御状態情報の整合性を合わせることができるため、正確な情報を貸出ユニット側に送信することができる。
また例えば、BB状態中となるN遊技目として、3枚掛けで遊技が開始され(スタートレバーの操作が受け付けられ)、小役が当選し、停止操作により小役図柄組合せが停止されて所定数の払出によりBB状態が終了して、BB状態信号がOFFとなる場合、払出開始からBB状態信号がOFFとなるまでの間が(300ms)+(払出時間)を超えるようにするため、BB状態の終了後であってBB状態信号をOFFにするまでの間に所定期間Xに亘ってフリーズを実行する。
図37は、払出数信号とBB状態信号とが同時にホールコン・不正監視情報通知で送信されなくなってしまう好ましくない例である。図38は、払出数信号とBB状態信号とが正確にホールコン・不正監視情報通知で送信される好ましい例である。
「払出数情報」は、図19にある遊技情報の種別情報1、又は2の払出数信号を送信するための情報であり、遊技媒体数制御基板P16のRAMの或る領域に記憶される情報である。払出数情報の「0」とは、払出数情報に0が記憶されていることを意味し、払出数情報の「m」とは、払出数情報に1~15の何れかが記憶されていることを意味する。払出数情報は、主制御基板P15が全リール停止時に遊技媒体数制御基板P16に払出数を示すコマンドを送信することで当該遊技の払出数として払出数情報「1」~「15」の何れかを遊技媒体数制御基板P16が記憶し、払出数信号を含むホールコン・不正監視情報通知を送信した後、払出数情報に「0」を遊技媒体数制御基板P16が記憶する。
その他の情報に関しては、図35、及び図36の説明と同一である。
図37は、ホールコン・不正監視情報通知を送信した後に全リール停止させられ払出数情報に「m(mは数値)」を記憶し、ホールコン・不正監視情報通知を送信してから300ms以内にBB遊技状態が終了してBB状態情報に「0」を記憶した場合を示す。この場合は、BB遊技状態が終了した後のホールコン・不正監視情報通知を送信するタイミングで、払出数信号がON、BB状態信号がOFFとなって貸出ユニット側に送信される場合がある。
図37では、払出数信号とBB状態信号が同時に送信されなくなってしまうことになる。ここでの払出数信号はBB遊技状態としての情報が正しい情報であるため、誤った情報(通常遊技状態中の払出数情報)として送信されることになる。
そこで、図38で示すように、本実施形態では、払出処理の終了時に所定期間X(図38の「X」)に亘ってフリーズを実行し、フリーズの終了後にBB状態情報に「0」を記憶するように構成する。Xの値は、(300ms)-(払出処理終了からBB状態情報に0を記憶するまでの最短時間Z)であればよく、Z=250msであれば、X=50msを超える値となる。また、払出処理に係る時間は遊技機毎の最大払出枚数の設定に応じて異なるため、確実に送信できるためにX=300msとしてもよい。ホールコン・不正監視情報通知の間隔は300msであるため、フリーズを300ms以上実行すれば、どのような状況においても確実に正確な払出数信号を送信することが可能となる。
また、フリーズを実行するタイミングは、払出処理終了からBB状態情報に「0」を記憶するまでの間であればよく、例えば、作動状態管理処理内の作動状態セット処理でフリーズのタイマの値(カウント値)として「X」をRAMに記憶し、Xが0となったと判断した後にBB状態情報のRAMに「0」を記憶することが考えられる。
このように構成することで、遊技毎における払出数情報と主制御状態情報の整合性を合わせることができるため、正確な情報を貸出ユニット側に送信することができる。
なお、投入数信号とBB状態信号、及び払出数信号とBB状態信号の関係を上述したが、BB状態信号は他の状態信号に置き換えることが可能である。例えば、RB状態か否かを判別するためのRB状態信号や、AT状態か否かを判別するためのAT状態信号や、その他特定のメイン遊技状態か否かを判別するための特定のメイン遊技状態信号等が挙げられる。
また、上述した実施形態では、BB状態情報に「1」又は、「0」を記憶するまでにフリーズを所定期間Xに亘って実行することを説明したが、所定期間Xに関して、ホールコンピュータに到達しきるまでを想定した期間に設定してもよい。例えば、遊技機Pが送信した投入数情報、又は払出数情報がホールコンピュータに到達するまでのSC基板を経由する等の各装置の反応時間を1000ms、ホールコンピュータが受信する1パルスの出力時間を100ms、ホールコンピュータが受信する最大パルス数を15(回胴式遊技機の最大払出数が15であるため)としたときは、1000ms+100ms×15=2500msとなり、所定期間Xの値を2500ms以上に設定することが望ましい。
遊技機Pは貸出ユニットに対して、300msの周期で遊技機情報通知を送信した後、100ms後に計数通知を送信する。そして、貸出ユニットは計数通知を受信した後170ms以内に遊技機Pに対して貸出通知を送信する。そして、遊技機Pは貸出通知を受信した後10ms以内に貸出受領結果応答を送信する。その後遊技機情報通知を送信してから300ms後に次の遊技機情報通知を送信するため、貸出受領結果応答を送信してから次の遊技機情報通知を送信するまでの間は20ms以上となる。
遊技機Pと貸出ユニットとの起動シーケンスについて図21をもとに説明する。
<起動シーケンス>
遊技機Pが貸出ユニットより先に起動した場合を説明する。
遊技機P、及び貸出ユニットの電源がOFFの場合は、遊技機Pと貸出ユニットのVL信号とPSI信号はOFFとなっている。VL信号はI/F信号共用電源であり、貸出ユニットから供給される電源であるため、貸出ユニットが起動するまでOFFとなる。また、PSI信号は遊技機Pと貸出ユニットとの接続信号であるため、貸出ユニットが起動するまでOFFとなる。
続いて、遊技機Pの起動が完了し、貸出ユニットの起動がまだ完了していない状況下においては、遊技機Pの起動が完了したときに貸出ユニットに対して遊技機情報通知を送信し、その後計数通知を送信する。しかし、貸出ユニットはまだ起動していないため、送信した遊技機情報通知と計数通知は受信できない。さらに、遊技機Pが計数通知を送信しても貸出ユニットが計数通知を受信していないため、貸出ユニットから貸出通知が送信されることもなく、遊技機Pは貸出受領結果応答を送信することもない。
なお、遊技機Pの起動が完了してから最初に送信する遊技機情報通知の通番と計数通知の計数通番は「0x00」を送信する。また、通番や計数通番は遊技機Pと貸出ユニットが接続しているか否かに関わらず更新するため、次に送信するタイミング(遊技機Pの起動完了後に最初に送信した遊技機情報通知の300ms後に送信するタイミング)では通番、及び計数通番は「0x01」を送信する。
つまり、遊技機Pは貸出ユニットと接続されているか否かに関わらず、電文を送信し通番も更新する。
続いて、貸出ユニットの起動が完了するとVL信号とPSI信号がONとなり、遊技機Pは、ベットスイッチP5の操作と計数スイッチP7の操作が有効となる。また、遊技機Pから送信した情報を貸出ユニットが受信可能となる。
上述したように、遊技機Pは貸出ユニットが起動しているか否かに関わらず遊技機情報通知や計数通知を送信しているため、貸出ユニットは、貸出ユニットの起動が完了した後に遊技機Pから送信された遊技機情報通知の通番、及び計数通知の計数通番から管理する。このように構成することで、遊技機Pは貸出ユニットの状況を判断することなく情報を送信できるため、貸出ユニットの状況を判断する分のプログラム容量が削減できる。
遊技機Pと貸出ユニットとの起動シーケンスについて図22をもとに説明する。
貸出ユニットが遊技機Pより先に起動した場合を説明する。
貸出ユニットが遊技機Pより先に起動した場合は、遊技機Pが起動するまで待機する。ここで、遊技機Pが起動するまでは、遊技機PのVL信号とPSI信号はOFFとなっているが、貸出ユニットの起動が完了した場合は、貸出ユニットのVL信号とPSI信号はONとなる。この状態で貸出ユニットは遊技機Pの起動が完了するまで待機する。
続いて、遊技機Pの起動が完了すると、遊技機Pと貸出ユニットのVL信号とPSI信号がONとなり、遊技機Pは遊技機情報通知を通番「0x00」で、計数通知を計数通番「0x00」でそれぞれ送信する。ここで、貸出ユニットはすでに起動が完了しているため、通番「0x00」の遊技機情報通知と計数通番「0x00」の計数通知を受信し、管理を開始する。このように構成することで、遊技機Pは貸出ユニットの状況を判断することなく情報を送信できるため、貸出ユニットの状況を判断する分のプログラム容量が削減できる。
遊技機Pと貸出ユニットとの計数通知シーケンスについて図23をもとに説明する。
<計数通知シーケンス>
遊技機Pが貸出ユニットに対して計数通知を送信する場合を説明する。本説明において、計数スイッチP7の操作を受け付ける前の状況として、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が「200」であり、貸出ユニットが管理する貸出可能点が「20」である状況とする。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、遊技機Pに備えられている計数スイッチP7の操作を受け付けた直後の遊技機情報通知を貸出ユニットに送信するタイミングでは、遊技機情報通知として通番「n(nは数値)」、総得点「200」を送信し、計数通知として計数通番「m(mは数値)」、総得点が200であり、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が50点以上であるため、上述のように、計数点「50」を送信する。また、当該計数に係る処理が遊技機Pの起動が完了してから初めての計数に係る処理である場合は、計数通知として計数累積点「50」を送信する。なお、遊技機Pは計数通知を送信する処理を実行する前に総得点記憶領域に記憶している総得点から計数点分を減算する。
続いて、貸出ユニットは計数通知を受信したときに貸出可能点を「70」に更新し、貸出通知として貸出通番「k(kは数値)」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する(貸出ボタンが操作されていないため)。また、遊技機Pは貸出ユニットから貸出通知を受信したときは貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックする。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する(貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックした結果が正常の場合)。
続いて、次に遊技機Pが貸出ユニットに遊技機情報通知を送信するタイミングにおいて、すでに計数スイッチP7の操作を受け付けていない場合(計数スイッチP7が離されている場合)、遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「150」を送信する。また、計数通知として計数通番「m+1」、計数点「0」、計数累積点「50」を送信する。また、貸出ユニットから遊技機Pに対する貸出通知として貸出通番「k+1」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。さらに、遊技機Pから貸出ユニットに対する貸出受領結果応答として貸出通番「k+1」、貸出点受領結果「正常」を送信する。
また、計数スイッチP7の操作を受け付けてから2回目の遊技機情報通知を送信するタイミングにおいて計数スイッチP7の操作を受け付けている場合(計数スイッチP7が長押しされている場合)、遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「150」を送信する。また、計数通知として計数通番「m+1」、計数点「50」、計数累積点「100」を送信する。また、貸出ユニットから遊技機Pに対する貸出通知として貸出通番「k+1」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。さらに、遊技機Pから貸出ユニットに対する貸出受領結果応答として貸出通番「k+1」、貸出点受領結果「正常」を送信する。
このように計数スイッチP7の操作を受け付けてから計数スイッチP7の操作を受け付けなくなるまでの間(計数スイッチP7が長押しされている間)は、300ms毎に遊技機Pから貸出ユニットに対して計数通知を送信し続ける。このように構成することで複雑な操作をさせることなく(長押しするのみ)、300ms毎に一定量の計数点(50)が貸出ユニットに送信可能となるため、ユーザの計数操作の負担を軽減することができる。
なお、計数スイッチP7は遊技媒体数制御基板P16と接続されているため、遊技媒体数制御基板P16の割込み処理毎に入力ポートをチェックし、計数スイッチP7を示す入力ポートにONを示す情報が入力されていた場合は、計数スイッチP7の操作を受け付けたとし、その後、計数スイッチP7を示す入力ポートにOFFを示す情報が入力されていた場合は、計数スイッチP7の操作を受け付けていないとする。
遊技機Pと貸出ユニットとの貸出通知シーケンスについて図24をもとに説明する。
<貸出通知シーケンス>
貸出ユニットが遊技機Pに対して貸出通知を送信する場合を説明する。本説明において、貸出ボタンの操作を受け付ける前の状況として、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が「10」であり、貸出ユニットが管理する貸出可能点が「100」である状況とする。なお、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が「50」未満であるため、計数スイッチP7が操作されると「10」が計数される状況ともいえる。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、貸出ユニットに備えられている貸出ボタンの操作を受け付けたときは、遊技機Pから遊技機情報通知として通番「n(nは数値)」、総得点「10」が送信され、計数通知として計数通番「m(mは数値)」、計数点「0」が送信される。そして、計数通知に含まれる計数点が「0」である場合に貸出通知を遊技機Pに送信するタイミングでは、貸出通知として貸出通番「k」、貸出点「50」を送信する。
続いて、貸出ユニットは貸出通知を送信したときに貸出可能点を「50」に更新する。なお、貸出ユニットが貸出可能点を更新するタイミングとしては、貸出受領結果応答を受信したタイミングであってもよい。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する(貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックした結果が正常の場合)。
続いて、遊技機Pは貸出通知を受信してから貸出受領結果応答を送信するまでの間に総得点を「60」に更新する。
続いて、貸出ユニットに備えられている貸出ボタンの操作が継続して受け付けられていたときは次に遊技機Pが貸出ユニットに遊技機情報通知を送信するタイミングにおいて、遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「60」を送信する。
続いて、遊技機Pから計数通知として、計数通番「m+1」、計数点「0」、計数累積点「0」が送信され、その後、貸出ユニットから遊技機Pに対する貸出通知として貸出通番「k+1」、貸出点「50」を遊技機Pに送信して、貸出可能点を「0」に更新する。さらに、遊技機Pから貸出ユニットに対する貸出受領結果応答として貸出通番「k+1」、貸出点受領結果「正常」を送信する。
なお、貸出ユニットは貸出ボタンが継続して操作されているときに操作レベルを判断して貸出ボタンの操作を受け付ける例を示しているが、貸出ボタンの立ち上がりを判断して貸出ボタンの操作を受け付けてもよい。この場合は、貸出ボタンが継続して操作されているときであっても最初に操作されたタイミングでのみ貸出操作を受け付けることになるため、貸出ボタンが継続して操作されていても2回目以降の貸出通知を送信するタイミングでは貸出点を「0」として送信することになる。
また、貸出ボタンを受け付けたときの遊技機Pから送信される計数通知として計数点が1以上である場合は次に遊技機Pに送信する貸出通知の貸出点を「0」として送信する。この時に受け付けた貸出ボタンに関しては、無効としてもよいし、貸出ユニットが貸出ボタンの操作受付フラグを記憶しておき、計数通知の計数点が「0」となった後に送信する貸出通知において貸出点を「50」として送信してもよい。また、貸出ユニットが貸出ボタンの操作受付フラグを記憶する場合の貸出ボタンの操作受付に関するフラグが記憶されているときに再度貸出ボタンが操作されたときは2回操作されたフラグに書き換えてもよいし、2回目以降の操作を無効としてもよい。
また、貸出ユニットが貸出通知を遊技機Pに送信して、遊技機Pが貸出通知を受信したときは遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域に貸出通知の情報を全て記憶する。これにより、遊技機Pが貸出受領結果応答を送信する際に貸出点受領結果の情報を「正常」とするか「異常」とするかが判断できる。
具体的には、遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域の貸出通番の情報として「k」を記憶しており、貸出ユニットから送信された貸出通知の貸出通番が「k+1」の場合、記憶している「k」にインクリメントして「k+1」を生成してから受信した貸出通番「k+1」と比較し、生成した貸出通番と受信した貸出通番が一致しているため、受信した貸出通番「k+1」を遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域に記憶する。
また、遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域の貸出通番の情報として「k」を記憶しており、貸出ユニットから送信された貸出通知の貸出通番が「k+2」の場合、記憶している「k」にインクリメントして「k+1」を生成してから受信した貸出通番「k+2」と比較し、生成した貸出通番と受信した貸出通番が一致していないため、受信した貸出通番「k+2」を記憶しない(遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域の貸出通番は「k」となる)。
また、貸出通番の上限は255であるため、貸出通番が255である状況でインクリメントすると貸出通番は0となる。ただし、貸出通番0は貸出ユニット起動直後にのみ遊技機に送信され得る貸出通番であるため、再度インクリメントして貸出通番1とする。換言すると貸出通番が255の状況下で遊技機が貸出通番を更新する際はインクリメントを2回行うことにより、次の貸出通番を1にする。
なお、上述した例では比較する手法として、遊技機Pが記憶している貸出通番をインクリメントしてから貸出ユニットから受信した貸出通番と一致するか否かで判断していたが、これに限られず、貸出ユニットから受信した貸出通番をデクリメントしてから遊技機Pが記憶している貸出通番と一致するか否かで比較する手法や、貸出ユニットから受信した貸出通番から遊技機Pが記憶している貸出通番を減算し、結果が「1」となるか否かで判断する手法などを用いてもよい。
また、遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域は、貸出通知受信バッファ1、貸出通知受信バッファ2、貸出通知受信バッファ3、貸出通知受信バッファ4、貸出通知受信バッファ5から構成されている。
貸出通知受信バッファ1は電文長が記憶され、貸出通知受信バッファ2はコマンドが記憶され、貸出通知受信バッファ3は貸出通番が記憶され、貸出通知受信バッファ4は貸出点が記憶され、貸出通知受信バッファ5はチェックサムが記憶される。
例えば、遊技機Pが受信した貸出通知が電文長「0x05」、コマンド「0x13」、貸出通番「0x01」、貸出点「0x32」、チェックサム「0x4B」であった場合、対応する貸出通知受信バッファに記憶する。遊技機Pは貸出通知受信バッファ5に記憶したチェックサム「0x4B」から貸出通知受信バッファ4に記憶した貸出点「0x32」を減算し、「0x19」を算出し、「0x19」から貸出通知受信バッファ3に記憶した貸出通番「0x01」を減算し、「0x18」を算出し、「0x18」から貸出通知受信バッファ2に記憶したコマンド「0x13」を減算し、「0x05」を算出し、「0x05」から貸出通知受信バッファ1に記憶した電文長「0x05」を減算し、「0x00」を算出する。
続いて算出結果が「0x00」か否かを判断し、上述したように「0x00」である場合は、チェックサムは正常であると判断する。もし算出結果が「0x00」でない場合は、チェックサムは異常であると判断し、貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアし(例えば、「0x00」に書き換える等)、貸出受領結果応答として電文長「0x05」、コマンド「0x03」、貸出通番「0x00」、貸出点受領結果を「0x01(異常)」、チェックサム「0x09」として送信する。貸出中の通信異常に関しては後述する。
続いて、チェックサムが正常であると判断した場合、貸出通知受信バッファ2に記憶されているコマンド情報が「0x13」であるか否かを判断する。貸出通知受信バッファ2に記憶されているコマンド情報が「0x13」である場合は正常であると判断する。もし貸出通知受信バッファ2に記憶されているコマンド情報が「0x13」でない場合は異常であると判断し、貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアし(例えば、「0x00」に書き換える等)、貸出受領結果応答として電文長「0x05」、コマンド「0x03」、貸出通番「0x00」、貸出点受領結果を「0x01(異常)」、チェックサム「0x09」として送信する。
続いて、コマンドが正常であると判断した場合、貸出通知受信バッファ1に記憶されている電文長情報が「0x05」であるか否かを判断する。貸出通知受信バッファ1に記憶されている電文長情報が「0x05」である場合は正常であると判断する。もし貸出通知受信バッファ1に記憶されている電文長情報が「0x05」でない場合は異常であると判断し、貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアし(例えば、「0x00」に書き換える等)、貸出受領結果応答として電文長「0x05」、コマンド「0x03」、貸出通番「0x00」、貸出点受領結果を「0x01(異常)」、チェックサム「0x09」として送信する。
貸出通知受信バッファ1に記憶されている電文長情報と貸出通知受信バッファ2に記憶されているコマンド情報は固定値であるため、正常であれば変化することはない。また、チェックサムはその性質上異常値であっても正常値と一致することがあるため、チェックサム以外にも固定値である電文長情報とコマンド情報を比較することで、異常値を正常値と判定する確率を限りなく0に近づけることが可能となる。
貸出通知の情報が正常か否かを判定するために、チェックサム、コマンド、電文長の順で判定したが、判定順番はこれに限られずどのような組み合わせでもよい。また、チェックサム、コマンド、電文長の正常判定の過程で何れかのタイミングで異常と判定された場合は貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアして、以降の判定処理は行わないように構成されているがこれに限られず、チェックサム、コマンド、電文長の何れかの判定過程で異常と判定しても貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアせず、全ての判定が終了した後に何れかの判定結果が異常と判定されていたときに貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアするように構成されてもよい。
なお、チェックサムのみで誤り検出を行う場合は、チェックサムは1バイトのデータであるため、(1-(1/256))×100=99.609375000%の信頼度であるが、固定値(1バイトデータ)を1つ含めた場合の信頼度は、(1-((1/256)×(1/256)))×100=99.998474121%となり、固定値(1バイトデータ)を2つ含めた場合の信頼度は、(1-((1/256)×(1/256)×(1/256)))×100=99.999999977%となる。このため、1バイトデータの固定値であれば、チェックサム以外に2つの固定値を判定すれば、信頼度はほぼ100%となり、不正や異常を検出しやすくなる。
遊技機Pと貸出ユニットとの専用インターフェース断線時からの復旧シーケンスについて図25をもとに説明する。
<専用インターフェース断線時からの復旧シーケンス>
遊技機Pと貸出ユニットが断線により通信が不能となった後、通信が復旧した場合の各種通知情報の流れを説明する。本説明において、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点は「100」である状況とする。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、遊技機情報通知を貸出ユニットに送信するタイミングでは、遊技機情報通知として通番「n(nは数値)」、総得点「100」を送信し、計数通知として計数通番「m(mは数値)」、計数点「0」を送信する。また、当該計数に係る処理が遊技機Pの起動が完了してから初めての計数に係る処理である場合は、計数通知として計数累積点「0」を送信する。なお、遊技機Pは計数通知を送信する処理を実行する前に総得点記憶領域に記憶している総得点から計数点分を減算する。
続いて、貸出ユニットは計数通知を受信したときに貸出通知として貸出通番「k(kは数値)」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。また、遊技機Pは貸出ユニットから貸出通知を受信したときは貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックする。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する。
続いて、次に遊技機情報通知として、遊技機Pが通番「n+1」、総得点「100」を送信した直後に断線(遊技機P側のVL信号がOFF、かつ貸出ユニット側のVL信号とPSI信号がともにOFFであり、遊技機Pと貸出ユニットの電源はONとなっている状態)した場合、遊技機Pが送信する計数通知として計数通番「m+1」、計数点「0」、計数累積点「0」を送信する。なお、断線する前に計数スイッチP7の操作を受け付けていた場合であっても、遊技機P側のVL信号がOFFとなったときに計数スイッチP7の受付を無効とすることに伴って計数処理を中止するため、断線後の計数通知では計数点を「0」として送信する。また、遊技機P側のVL信号がOFFとなった場合は、ベット操作の受け付けも無効となる。
その後は、貸出ユニット側は計数通知を受信していないため貸出通知を送信することがなく、遊技機P側も貸出受領結果応答を送信することはない。そして、前回の遊技機情報通知を送信してから300ms経過後に次の遊技機情報通知を送信するが、未だ遊技機Pと貸出ユニットとの通信が復旧していない場合の遊技機Pは、遊技機情報通知として通番「n+2」、総得点「100」を送信し、計数通知として計数通番「m+2」、計数点「0」、計数累積点「0」を送信する。
つまり、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が断線している状況においては、遊技機P側が遊技機情報通知と計数通知のみを送信し続ける。このときに通番と計数通番は更新して送信することになる。
続いて、遊技機Pが次に遊技機情報通知を送信する直前に遊技機Pと貸出ユニットとの通信が復旧したときは、遊技機情報通知として通番「n+3」、総得点「100」を送信し、計数通知として計数通番「m+3」、計数点「0」、計数累積点「0」を送信する。
続いて、計数通知を受信した貸出ユニットは貸出通知として貸出通番「0」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。これにより、断線から復帰したときは貸出通番「0」を送信するため遊技機Pは断線から復帰した最初の貸出通知か否かを判断できる。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は、貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果応答「異常」を貸出ユニットに送信する。ここで、貸出通番は前回正常に受信したときの貸出通番「k」を送信し、貸出点受領結果応答は貸出ユニットから送信された貸出通番の「0」と前回正常に受信した貸出通番の「k」をインクリメントした「k+1」とが異なっているため、「異常」と判断している。また、貸出ユニットは貸出通番「k」を受信すると貸出ユニットの貸出通番記憶領域に「k」を記憶する。なお、貸出通番の異常判定に関しては、上述した他の手法を用いることは差し支えない。
続いて、前回の遊技機情報通知から300ms経過したときは、遊技機情報通知として通番「n+4」、総得点「100」を送信し、計数通知として計数通番「m+4」、計数点「0」、計数累積点「0」を送信する。
続いて、計数通知を受信した貸出ユニットは貸出通知として貸出通番「k+1」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。これにより、遊技機Pが貸出通知を受信したときに貸出点受領結果が「正常」となる。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は、貸出受領結果応答として貸出通番「k+1」、貸出点受領結果応答「正常」を貸出ユニットに送信する。このタイミングで断線からの復旧は完了し以降の通信は通常のシーケンス通りに進行する。
上述した例において、貸出ユニットが貸出通番「0」を送信する場合は、貸出ボタンの操作が受け付けられていたとしても貸出通知としての貸出点は「0」を送信する。つまり、貸出ユニットのVL信号とPSI信号がともにONとなった後から最初の貸出通知を送信するまでの間に貸出ボタンの操作が受け付けられていたとしても貸出通番が「0」の貸出点は「0」を送信するよう構成されているがこれに限られず、貸出通番「0」のときに貸出ボタンの操作が受け付けられていた場合は貸出通番「0」であっても貸出点「50」を送信してもよい。
また、上述した例において、専用インターフェースが断線した後、遊技機Pが遊技機情報通知を送信した直後に専用インターフェースが断線から復旧して貸出ユニットが遊技機情報通知を受信していない場合は、遊技機Pから送信された計数通知を受信したことに起因して貸出ユニットは貸出通知を送信するようにしてもよいし、貸出ユニットは遊技機情報通知を受信していないため遊技機Pから送信された計数通知の後に貸出通知を送信せず、次の遊技機情報通知を受信した後の計数通知を受信した後に貸出通知を送信するようにしてもよい。
遊技機Pと貸出ユニットとの計数中の通信異常について図26をもとに説明する。
<計数中の通信異常>
遊技機Pが貸出ユニットに対して計数通知を送信したときに送信した計数通知を貸出ユニットが受信しなかった場合を説明する。本説明において、計数スイッチP7の操作を受け付ける前の状況として、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が「200」であり、貸出ユニットが管理する貸出可能点が「20」である状況とする。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、遊技機Pに備えられている計数スイッチP7の操作を受け付けた直後の遊技機情報通知を貸出ユニットに送信するタイミングでは、遊技機情報通知として通番「n」、総得点「200」を送信し、計数通知として計数通番「m」、計数点「50」を送信する。また、当該計数に係る処理が遊技機Pの起動が完了してから初めての計数に係る処理である場合は、計数通知として計数累積点「50」を送信する。なお、遊技機Pは計数通知を送信する処理を実行する前に総得点記憶領域に記憶している総得点から計数点分を減算する。
続いて、貸出ユニットは計数通知を受信したときに貸出可能点を「70」に更新し、貸出通知として貸出通番「k」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する(貸出ボタンが操作されていないため)。また、遊技機Pは貸出ユニットから貸出通知を受信したときは貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックする。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する(貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックした結果が正常の場合)。
続いて、遊技機Pが遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「150」を送信し、その後遊技機Pが計数通知として計数通番「m+1」、計数点「50」、計数累積点「100」を送信したにもかかわらず貸出ユニットが計数通知を受信できなかった場合は、貸出ユニットが貸出通知を送信しない。そして、貸出ユニットは遊技機情報通知を受信してから300ms経過しても計数通知を受信していないときは、VL信号とPSI信号をOFFにする。この場合は、貸出ユニットが遊技機Pとの通信にエラーが生じたと判断し、上述した復旧シーケンスと同じ動作が行われる。なお、断線状態から復旧させる場合は、ホール店員が貸出ユニットのエラー解除スイッチを操作したり、貸出ユニットの初期化スイッチを操作したりすることが考えられる。
また、貸出ユニットが遊技機Pとの通信にエラーが生じたと判断し、貸出ユニットがVL信号とPSI信号をOFFにした後も遊技機Pは遊技機情報通知と計数通知との送信を繰り返し行う。この場合は遊技機情報通知としての通番と計数通知としての計数通番は更新してから貸出ユニットに送信する(貸出ユニットは受信できない)。なお、貸出ユニットがVL信号とPSI信号をOFFにした後も継続して計数スイッチP7が押下されている場合は、貸出ユニットがVL信号とPSI信号をOFFにしたことに基づいて遊技機PもVL信号がOFFとなったことにより計数スイッチP7の操作を無効にしているため、計数通知としての計数点は0を送信する。
遊技機Pと貸出ユニットとの貸出中の通信異常について図27をもとに説明する。
<貸出中の通信異常>
貸出ユニットが遊技機Pに対して貸出通知を送信する場合を説明する。本説明において、貸出ボタンの操作を受け付ける前の状況として、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が「10」であり、貸出ユニットが管理する貸出可能点が「100」である状況とする。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、貸出ユニットに備えられている貸出ボタンの操作を受け付けた場合、遊技機Pから遊技機情報通知として通番「n」、総得点「10」が送信され、計数通知として計数通番「m」、計数点「0」が送信される。そして、計数通知に含まれる計数点が「0」である場合に貸出通知を遊技機Pに送信するタイミングでは、貸出通知として貸出通番「k」、貸出点「50」を送信する。
続いて、貸出ユニットは貸出通知を送信したときに貸出可能点を「50」に更新する。なお、貸出ユニットが貸出可能点を更新するタイミングとしては、貸出受領結果応答を受信したタイミングであってもよい。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する(貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックした結果が正常の場合)。
続いて、遊技機Pは貸出通知を受信してから貸出受領結果応答を送信するまでの間に総得点を「60」に更新する。
続いて、遊技機Pが貸出受領結果応答を送信したが貸出ユニットが貸出受領結果応答を受信できなかった場合において、貸出ユニットは貸出通知送信から10ms以上経過して貸出受領結果応答を受信しなかったときは、貸出未完了と判断し、貸出ユニットが備える貸出情報記憶領域に貸出未完了を示す値を記憶する。
続いて、遊技機Pから遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「60」が送信され、計数通知として計数通番「m+1」、計数点「0」が送信される。そして、貸出ユニットは前回の貸出通知に対して貸出未完了であると判断している場合、貸出通知を遊技機Pに送信するタイミングにおいて、貸出通知として貸出通番「k」、貸出点「50」を送信する。この貸出通知は前回送信した貸出通知と同じ情報となっている。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信したときに正常であれば貸出通番として「k+1」の情報を受信するはずであったが、今回受信した貸出通番が「k」であったため、遊技機Pが送信する貸出受領結果応答としては貸出通番「k」、貸出点受領結果応答「異常」を貸出ユニットに送信する。
続いて、貸出ユニットが貸出受領結果応答を受信したときに送信した貸出通知の貸出通番「k」と受信した貸出受領結果応答の貸出通番「k」とが一致しているため、貸出ユニットは貸出通知が正常に遊技機Pに届いていると判断し、貸出ユニットが備える貸出情報記憶領域に貸出完了を示す値を記憶する。
<エラーの種類>
本実施形態における遊技機Pに関して判断可能なエラーや遊技機Pの状態として、投入異常、精算異常、払出異常、通信異常、総得点上限異常、総得点閾値到達状態、貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6、貸出装置通信異常7がある。
投入異常は、主制御基板P15で検知する異常であり、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16に送信した投入要求コマンド(ベットスイッチが操作されたときに遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点からベット数分を主制御基板P15が管理する投入点に付与できるか否かを確認するコマンド)と主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16から受信した返信待ちコマンド(投入要求受付コマンド、又は投入要求受付不可コマンド)が一致しない場合はE1エラーとし、付与数表示部に「E1」に対応する表示を行う。E1エラーが発生した場合は、設定/リセットスイッチの操作を受け付けたときに解除可能となっている。なお、E1エラーが解除されても投入要求コマンドは再送しない。そして、E1エラーが発生した場合は遊技の進行を停止するための処理として、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、E1エラー発生時は主制御基板P15が副制御基板P12にE1エラーコマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、E1エラーが解除されたときは主制御基板P15が副制御基板P12にエラー解除コマンドを送信し、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E1エラー報知を終了する。なお、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E1エラー報知を直ちに終了せずに所定時間報知した後に終了してもよい。
精算異常は、主制御基板P15で検知する異常であり、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16に送信した精算要求コマンドと主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16から受信した返信待ちコマンド(精算要求受付コマンド、又は精算要求受付不可コマンド)が一致しない場合はE2エラーとし、付与数表示部に「E2」に対応する表示を行う。E2エラーが発生した場合は、設定/リセットスイッチの操作を受け付けたときに解除可能となっている。なお、E2エラーが解除されても精算要求コマンドは再送しない。そして、E2エラーが発生した場合は遊技の進行を停止するための処理として、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、E2エラー発生時は主制御基板P15が副制御基板P12にE2エラーコマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、E2エラーが解除されたときは主制御基板P15が副制御基板P12にエラー解除コマンドを送信し、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E2エラー報知を終了する。なお、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E2エラー報知を直ちに終了せずに所定時間報知した後に終了してもよい。
払出異常は、主制御基板P15で検知する異常であり、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16に送信した払出要求コマンドと主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16から受信した返信待ちコマンド(払出要求受付コマンド、又は払出要求受付不可コマンド)が一致しない場合はE3エラーとし、付与数表示部に「E3」に対応する表示を行う。E3エラーが発生した場合は、設定/リセットスイッチの操作を受け付けたときに解除可能となっている。なお、E3エラーが解除されても払出要求コマンドは再送しない。そして、E3エラーが発生した場合は遊技の進行を停止するための処理として、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、E3エラー発生時は主制御基板P15が副制御基板P12にE3エラーコマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、E3エラーが解除されたときは主制御基板P15が副制御基板P12にエラー解除コマンドを送信し、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E3エラー報知を終了する。なお、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E3エラー報知を直ちに終了せずに所定時間報知した後に終了してもよい。
なお、投入異常、精算異常、又は払出異常のときに、遊技媒体数制御基板P16が投入要求受付不可コマンド、精算要求受付不可コマンド、又は払出要求受付不可コマンドをそれぞれ主制御基板P15に出力している例を上述したが、投入要求受付不可コマンド、精算要求受付不可コマンド、又は払出要求受付不可コマンドは全て同じコマンドでもよい。例えば、投入異常、精算異常、又は払出異常の何れのときであっても、遊技媒体数制御基板P16が同一の受付不可コマンドを出力する態様である。
通信異常は、主制御基板P15で検知する異常であり、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に通信異常コマンドを送信し主制御基板P15が通信異常コマンドを受信した場合は通信異常とする。通信異常は付与数表示部にエラー表示を行わない。通信異常を解除するための操作は必要なく自動的に解除可能となっている。そして、通信異常が発生した場合は遊技の進行を停止しない。
また、通信異常発生時は主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、通信異常が自動的に解除された後も通信異常の報知を直ちに終了せずに所定時間報知した後に終了する。なお、遊技媒体数制御報知コマンドは主制御基板P15が副制御基板P12に1割込み毎に送信するコマンドであり、ビット位置に応じて、計数中、総得点上限異常、通信異常などの各種異常や遊技機の状態を副制御基板P12に報知するコマンドである。
総得点上限異常は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限注意値(16369以上16383以下の何れかの値)に到達した場合は総得点上限異常とする。総得点上限異常は付与数表示部にエラー表示を行わない。総得点上限異常を解除するためには、遊技機Pに備えられている計数スイッチP7が操作されて計数処理が行われ、総得点が上限注意値である16368以下となることにより解除可能となっている。そして、総得点上限異常となった場合は遊技不可状態とするための処理として、スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、及び精算スイッチP6が受付不可となる、又はスタートスイッチP3に基づく処理を無効、ベットスイッチP5に基づく処理を無効、及び精算スイッチP6に基づく処理を無効とする処理を行う。換言すると、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限注意値となった場合には、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限注意値を下回らなければ、次の遊技を実行できないよう構成されている。このように構成することによって、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限値を超えることがないようにすることができる。なお、仮に、総得点上限異常を検出することなく、総得点の上限値に到達した場合は上限値を超えた分の得点は記憶されないため、16383を超えて記憶することはない。
また、総得点上限異常の場合は付与数表示部にエラー表示を行わないが、遊技媒体数表示部P9にエラー表示を行う態様であってもよい。例えば、総得点上限異常の場合は遊技媒体数表示部P9に「HF□□□」と表示する態様が考えられる。遊技媒体数表示部P9にエラー表示を行う場合はエラーが解除されたときにエラー表示を遊技媒体数表示部P9に表示しないようにする。このとき副制御基板P12で実行している報知に関してはエラー解除と略同時のタイミングで終了してもよいし、エラー解除後も一定時間報知してもよい。なお、総得点閾値到達状態の場合は付与数表示部、及び遊技媒体数表示部P9にエラー表示を行わないことで、総得点閾値到達状態のときに遊技機Pが故障したと遊技者が誤解し難いようになる。
次に、遊技媒体数制御基板P16が総得点の上限値を超えて記憶しないようにするための方法について、図29で示す主制御基板P15における得点付与処理(払出処理とも称す)を用いて説明する。
なお、得点付与処理は、有効ライン上に停止した図柄組合せを判定し、判定の結果に基づいて付与する点数が決定された後に実行される処理である。たとえば、有効ライン上に8点を付与可能な所定の図柄組合せが停止表示したと判定した後、後述する付与点記憶領域に8が記憶された後に実行される処理である。
「得点付与?」では、主制御基板P15が付与する点数があるか否か(得点を付与可能な図柄組合せが停止表示したか否か)を判断し、付与する点数がないと判断した場合にはNOとなる。具体的には、主制御基板P15のRWM領域に設けられた付与点を記憶可能な記憶領域である付与点記憶領域の値が「0」であるか否かを判断する。付与点記憶領域の値が「0」であると判断した場合には、「得点付与?」でNOとなり、得点付与処理を終了する。一方、付与点記憶領域の値が「0」でないと判断した場合には、「得点付与?」でYESとなる。
「得点付与時間経過?」では、後述する得点付与タイマ領域に記憶されている値が「0」であるか否かを判断する。得点付与タイマ領域に記憶されている値が「0」である場合にはYESとなり、得点付与タイマ領域に記憶されている値が「0」でない場合にはNOとなるつまり、当該判定処理は、得点付与タイマ領域に記憶されている値が「0」となるまでループする(換言すると、後述する「付与要求コマンド セット」を遅延させる)処理となる。なお、得点付与タイマ領域には、後述する「得点付与時間保存」により、初期値の値(本実施形態では、「27」)を記憶する。
「得点付与時間保存」では、主制御基板P15のRWM領域に設けられた得点付与タイマ領域に「27」を記憶する。ここで、得点付与タイマ領域に記憶されている値は、主制御基板P15側でのタイマ割込みの実行に応じて更新され得るように構成されている(たとえば、1回のタイマ割込処理が実行されたときに、1減算するように構成されている)。なお、主制御基板P15側でのタイマ割込みは、約2.235msの周期で実行され得るように構成されている。そのため、得点付与タイマ領域に「27」を記憶するとは、約60msに対応する時間を保存することと同義である。また、得点付与タイマ領域に「0」が記憶されているときに、タイマ割込み処理が実行されたとしても、得点付与タイマ領域の値は「0」を維持する。
このように、「得点付与時間経過?」→「得点付与時間保存」の処理順番にすることにより、複数点を付与する場合において、後述する「付与要求コマンド セット」処理が、所定間隔で実行されることとなる。例えば、得点付与数が「8」の場合には、1点目に対応する(最初の)「付与要求コマンド セット」は、得点付与タイマ領域に「27」を記憶する前であるため、得点付与タイマ領域には「0」が記憶されている状況で行われる。よって、得点付与タイマに基づく待機処理は実行しない。このため、主制御基板P15は遊技媒体数制御基板P16に最初の1点を総得点に加算させるための処理を迅速に実行させることができる。
一方、2点目から8点目に対応する「付与要求コマンド セット」は、「得点付与時間保存」により得点付与タイマ領域に「27」が記憶され、「得点付与時間経過?」で「0」となった後に実行可能となっている。換言すると、2点目から8点目に対応する「付与要求コマンド セット」は、約60msに1回の割合で実行可能となる。つまり、「付与要求コマンド セット」に基づいた遊技媒体数制御基板P16における総得点の更新は、約60msごとに実行可能となり、総得点を表示可能な遊技媒体数表示部P9の表示更新も、約60msごとに更新可能となる。このように構成することによって、遊技媒体数表示部P9に表示されている総得点が「1」ずつ更新されていく様子を遊技者に視認可能にしている。
なお、上述した実施形態とは異なり、「得点付与時間保存」→「得点付与時間経過?」の順序にしても良い。この場合、複数点を付与する場合における1点目についても、主制御基板P15は得点付与時間(得点付与タイマ)に対応した時間の待機処理を実行した後に遊技媒体数制御基板P16が総得点に1点を加算させることになる。また、本実施形態では、「得点付与時間保存」として、得点付与タイマ領域に「27」を記憶していたが、遊技媒体数表示部P9に表示されている総得点が「1」ずつ更新されていく様子を遊技者に視認可能となる任意の数値(たとえば、「10」~「200」の範囲内の数値)を記憶しても良い。
「付与要求コマンド セット」では、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に対して、1点を付与することを示す付与要求コマンドを送信するためのコマンドを主制御基板P15のコマンドバッファに記憶する。主制御基板P15のコマンドバッファに記憶したコマンドは、主制御基板P15側でのタイマ割込み処理によって、遊技媒体数制御基板P16に送信されるように構成されている。そのため、「付与要求コマンド セット」とは、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に対して、1点を付与することを示す付与要求コマンドを送信することと同義である。
例えば、8点を付与可能な図柄組合せが停止表示した場合には、遊技媒体数制御基板P16に対して、1点を付与することを示す付与要求コマンドを8回送信することにより、総得点の更新を行うように構成している。このように1点ずつ総得点を更新するように構成することにより、払出処理中の異常により払出処理が止まったとしても当該異常を解除した後に再び払出処理を実行することができる。
「コマンド受信」では、主制御基板P15から遊技媒体1点を付与することを示す付与要求コマンドを送信した後の、遊技媒体数制御基板P16からの応答コマンドを受信することを指す。
なお、本実施形態では、遊技媒体数制御基板P16からの応答コマンドとして、少なくとも以下の2つを有することとする。
ア)付与許可コマンド
1点を加算することを示すコマンドを指す。
具体的には、遊技媒体数制御基板P16が1点を付与することを示す付与要求コマンドを受信した後、総得点に1点を加算する場合に、加算前の総得点が上限値を超えていないと遊技媒体数制御基板P16が判断した場合には、主制御基板P15に対して総得点に1点を加算することを示す付与許可コマンドを送信する。
イ)付与拒否コマンド
1点を加算しないことを示すコマンドを指す。
具体的には、遊技媒体数制御基板P16が1点を付与することを示す付与要求コマンドを受信した後、総得点に1点を加算する場合に、加算前の総得点が上限値であると遊技媒体数制御基板P16が判断した場合には、主制御基板P15に対して総得点に1点を加算できないことを示す付与拒否コマンドを送信する。
「付与不可?」では、遊技媒体数制御基板P16から受信したコマンドが、付与拒否コマンドであったか否かを判定し、付与拒否コマンドであった場合に、YESとなる。なお、遊技媒体数制御基板P16から受信したコマンドが、付与許可コマンドであったか否かを判定し、付与許可コマンドでなかった場合に、NOとしても良い。
このように構成することにより、得点付与処理の途中で異常が発生した状況下で1点を付与することを示す付与要求コマンドを遊技媒体数制御基板P16が受信したとしても、遊技媒体数制御基板P16は総得点を更新しないようにすることができる。また、主制御基板P15は、「付与不可?」において「付与不可(YES)」と判定した場合には、遊技媒体数制御基板P16による計数処理が実行されるまで(総得点数の一部又は全てが計数されるまで)、「得点付与時間経過?」、「得点付与時間 保存」、「付与要求コマンド セット」、「コマンド受信」、「付与不可?」をループすることとなり、次の遊技を開始するためのベット処理等を行えなくしている。なお、このようなループ状況が発生した場合であっても、リセットスイッチが操作され、異常が解除された場合には、ループ状況であっても「付与不可?」の判定において「NO」となり「得点付与データ -1」の処理に進行することが可能となる。
なお、上述したループ状況はこれに限られず、例えば、主制御基板P15が「付与不可(YES)」と判定した場合は、「付与要求コマンド セット」、「コマンド受信」、「付与不可?」をループしてもよい。
「得点付与データ -1」では、付与点記憶領域の値を1減算する。例えば、付与点記憶領域の値として「8」が記憶されていた場合には、当該処理によって、付与点記憶領域の値が「7」となる。また、付与点記憶領域の値が「1」が記憶されていた場合には、当該処理によって、付与点記憶領域の値が「0」となる。
「得点付与終了?」では、付与点記憶領域の値が「0」か否かを判断する。付与点記憶領域の値が「0」でない場合には、「得点付与時間経過?」に戻って、上述と同様な処理を繰り返す。そして、付与点記憶領域の値が「0」である場合には終了する。
このような得点付与処理を実行することにより、遊技媒体数制御基板P16が総得点の上限値を超えて記憶しないように制御することができる。
また、1点ずつ得点を付与する処理が高速で行われると、遊技者が1点ずつ付与されたことを認識できなくなってしまう。このため、1点付与した後に得点付与タイマを60.35ms分(割込み処理27回分)セットし、1点付与する毎にタイマを更新(カウント値を「1」減算)し、60.35ms経過した後に再度1点付与するようにしている。このように構成することで、遊技者が1点ずつ払い出されたことを認識することができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、上述した実施形態では、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に対して、1ずつ得点を付与しているが、これに限られず、まとめて付与してもよい。
例えば、主制御基板P15が8点を得点として付与する場合、遊技媒体数制御基板P16に付与要求コマンドとして8点が総得点に加算可能か否かを要求する。遊技媒体数制御基板P16は総得点に8点を加算すると上限値を超えるか否かを判定し(「総得点+付与点>16383」がYESとなるか否かを判定する)、上限値を超える場合(YESと判定した場合)は、総得点に8点が加算不可能である旨のコマンド(付与拒否コマンドに相当)を主制御基板P15に送信し、主制御基板P15は総得点に8点が加算不可能である旨のコマンドを受信したときは、再度遊技媒体数制御基板P16に付与要求コマンドとして8点が総得点に加算可能か否かを要求し、計数処理がなされていない場合は総得点に変化がないため、再度総得点に8点が加算不可能である旨のコマンドを送信することになるため、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との得点付与処理をループすることになる。つまり、8点を加算するまでループするように構成している。このように構成することにより、付与する得点を破棄することなくなるため、遊技者に不利益を与えることを防止することができる。
なお、得点付与処理において通常の想定では総得点が上限値を超えないため、総得点が上限値を超えるか否かを判定しない態様であってもよい。
また、例えば、主制御基板P15が8点を得点として付与する場合、遊技媒体数制御基板P16に付与要求コマンドとして8点が総得点に加算可能か否かを要求する。遊技媒体数制御基板P16は総得点に8点を加算すると上限値を超えるか否かを判定し(「総得点+付与点>16383」がYESとなるか否かを判定する)、上限値を超えない場合(NOと判定した場合)は、総得点に8点が加算可能である旨のコマンド(付与許可コマンドに相当)を主制御基板P15に送信し、遊技媒体数制御基板P16は総得点に8点を加算し得点付与処理を終了する。
なお、得点付与処理において通常の想定では総得点が上限値を超えないため、総得点が上限値を超えるか否かを判定しない態様であってもよい。
また、総得点上限異常となっているときは遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に総得点上限異常である情報を送信し、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16から送信された総得点上限異常である情報を受信し、主制御基板P15が総得点上限異常をエラー状態としてセットし、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、計数スイッチP7の操作により総得点上限異常が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの総得点上限異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに総得点上限異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定期間報知した後に報知を停止してもよい。
また、得点付与処理後に総得点上限異常となった場合は、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを消灯する(点灯しない)。MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを消灯するタイミングは総得点上限異常を遊技媒体数制御基板P16が検知して、主制御基板P16、副制御基板P12がそれぞれ総得点上限異常に基づく処理を実行するタイミングである。また、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯するタイミングは計数スイッチP7が操作されて総得点が16368以下の値となったタイミングである。
得点付与処理で16371となって総得点上限異常となったときに計数スイッチP7が操作された場合を例に挙げて説明する。総得点が「16371」のときに計数スイッチが長押しされると「50」が計数されることになる。遊技媒体数制御基板P16は計数処理で総得点から計数点を減算するときに減算した結果を記憶するため、「16371-50」をレジスタ上で演算して、「16321」を総得点として記憶したときに遊技媒体数制御基板P16が総得点上限異常が解除されたことを検知して主制御基板P15に総得点上限異常が解除された情報を送信し、主制御基板P15が総得点上限異常が解除された情報を受信するとベットスイッチを受付可能とし、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。なお、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを副制御基板P12で制御する場合は、主制御基板P15が総得点上限異常が解除された情報を受信した後に副制御基板P12に総得点上限異常が解除された情報を送信し、副制御基板P12が総得点上限異常が解除された情報を受信したときにMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。また、計数スイッチP7が短押しされて、計数点として「1」ずつ計数される場合は、総得点が「16368」となったタイミングでMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。
また、精算処理後に総得点上限異常となった場合は、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを消灯する(点灯しない)。MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを消灯するタイミングは総得点上限異常を遊技媒体数制御基板P16が検知して、主制御基板P16、副制御基板P12がそれぞれ総得点上限異常に基づく処理を実行するタイミングである。また、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯するタイミングは計数スイッチP7が操作されて総得点が16368以下の値となったタイミングである。
精算処理で16371となって総得点上限異常となったときに計数スイッチP7が操作された場合を例に挙げて説明する。総得点が「16371」のときに計数スイッチが長押しされると「50」が計数されることになる。遊技媒体数制御基板P16は計数処理で総得点から計数点を減算するときに減算した結果を記憶するため、「16371-50」をレジスタ上で演算して、「16321」を総得点として記憶したときに遊技媒体数制御基板P16が総得点上限異常が解除されたことを検知して主制御基板P15に総得点上限異常が解除された情報を送信し、主制御基板P15が総得点上限異常が解除された情報を受信するとベットスイッチを受付可能とし、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。なお、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを副制御基板P12で制御する場合は、主制御基板P15が総得点上限異常が解除された情報を受信した後に副制御基板P12に総得点上限異常が解除された情報を送信し、副制御基板P12が総得点上限異常が解除された情報を受信したときにMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。また、計数スイッチP7が短押しされて、計数点として「1」ずつ計数される場合は、総得点が「16368」となったタイミングでMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。
なお、スタートスイッチP3の操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技実行可能ランプが点灯している状況で総得点上限異常となったときは、スタートスイッチP3の操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技実行可能ランプを消灯し、総得点上限異常解除時に点灯する構成としてもよい。
総得点閾値到達状態は、遊技媒体数制御基板P16で検知する状態であり、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限値(16383)より前の閾値に到達した場合は総得点閾値到達状態とする。閾値としては例えば15000が挙げられ、総得点の上限値(16383)-1回分の計数値(50)よりも少ない値(16333未満)であれば任意の値を設定できる。総得点閾値到達状態は付与数表示部に状態表示を行わない。総得点閾値到達状態を解除するためには、遊技機Pに備えられている計数スイッチP7が操作されて計数処理が行われ、総得点が閾値である15000を下回ることにより解除可能となっている。換言すると、総得点閾値到達状態は総得点が15000以上16368以下のときにセットされる異常状態である。
総得点が閾値である15000以上となった場合、遊技媒体数制御基板P16はオーバーフロー信号をONにする(オーバーフロー信号が立ち上がる)。オーバーフロー信号は総得点が15000を下回るまでONが維持され、総得点が15000を下回ると遊技媒体数制御基板P16はオーバーフロー信号をOFFにする(オーバーフロー信号が立ち下がる)。遊技媒体数制御基板P16は、オーバーフロー信号を主制御基板P15に送信しており、主制御基板P15はオーバーフロー信号がONとなっていると判断した場合、試験用IF基板にオーバーフロー試験信号を出力するための処理を行う。
オーバーフロー試験信号がONとなって試験用IF基板に出力されている場合は、試験用IF基板と接続されている計数スイッチP7が操作されている状態となるため、オーバーフロー試験信号がONで出力されているときは同時に計数スイッチ信号がONで出力されている状態(計数スイッチP7が操作されている状態)となり、計数処理が実行される。
オーバーフロー試験信号を出力するための処理として、主制御基板P15は試験用IF基板に出力するオーバーフロー試験信号をONとし、オーバーフロー試験信号タイマ値(カウント値)を所定の記憶領域に記憶する。オーバーフロー試験信号タイマ値は、オーバーフロー試験信号をONにする時間を管理するためのものでありオーバーフロー試験信号はオーバーフロー試験信号タイマ値が0であると判断するまでONを維持する。また、主制御基板P15はオーバーフロー試験信号をONにするときにオーバーフロー試験信号タイマ値を記憶する。そして、遊技媒体数制御基板P16が計数処理を実行したことによりオーバーフロー信号がOFFとなり、主制御基板P15はオーバーフロー信号がOFFとなったと判断したとき(オーバーフロー信号の立ち下がりを検出したとき)は、主制御基板P15は記憶しているオーバーフロー試験信号タイマ値の減算を開始する。つまり、オーバーフロー試験信号はオーバーフロー信号がOFFとなった後もオーバーフロー試験信号タイマ値が0となるまで、オーバーフロー試験信号のONを維持し、オーバーフロー試験信号タイマ値が0となったときにオーバーフロー試験信号がOFFとなる。なお、オーバーフロー試験信号タイマ値はオーバーフロー信号がONとなったときに主制御基板P15が記憶するため、オーバーフロー信号がONとなっているときでもオーバーフロー試験信号タイマ値が0ではないと判断していることでオーバーフロー試験信号をONにしている。換言するとオーバーフロー信号がONとなっている状態でオーバーフロー試験信号がOFFとなることはない。
また、主制御基板P15は、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0であるか否かを判断し、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0でないと判断したときはオーバーフロー試験信号をONとし、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0であると判断したときはオーバーフロー試験信号をOFFとする。主制御基板P15は、オーバーフロー試験信号がONとなったとき(オーバーフロー信号がONとなったと判断したときでもよい)にオーバーフロー試験信号タイマ値をセットし、オーバーフロー信号が出力されている間はタイマ値を減算しないため、遊技機試験中にオーバーフロー信号が出力されている間は計数スイッチ信号がOFFになることはない。
上述した例では、主制御基板P15が、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0であるか否かを判断し、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0でないと判断したときはオーバーフロー試験信号をONとしている実施形態を説明したが、これに限られず、減算後のオーバーフロー試験信号タイマ値が0であるか否かを判断し、減算後のオーバーフロー試験信号タイマ値が0でないと判断したときはオーバーフロー試験信号をONとしてもよい。
主制御基板P15は、オーバーフロー試験信号をONにしたときに記憶するオーバーフロー試験信号タイマ値として、例えば1209(2702.115ms)が挙げられる。これは、主制御基板P15の割込み処理間隔が2.235msであるため、割込み処理を1209回実行すると2702.115ms経過するためである。また、2702.115msは遊技媒体数制御基板P16が貸出ユニットに向けて送信する遊技機情報通知の送信間隔が300msであるため遊技機情報通知を9回送信するための時間である。つまり、遊技媒体数制御基板P16がオーバーフロー信号をONにして主制御基板P15がオーバーフロー試験信号をONとしたときに計数スイッチ信号がONとなり計数点として50が計数され、その後遊技媒体数制御基板P16による計数処理が実行されたことにより総得点が閾値である15000を下回り遊技媒体数制御基板P16がオーバーフロー信号をOFFにした後も主制御基板P15の割込み処理1209回に亘ってオーバーフロー試験信号がONを維持するため、計数スイッチP7が2702.115ms間ONを維持されている状態とすることできるので、遊技機情報通知を9回分の計数点として450点が計数されることになる。よって、試験用IF基板と主制御基板P15が接続されている場合(遊技機試験が実施されている場合)、遊技媒体数制御基板P16が一度オーバーフロー信号をONにしたときに、計数スイッチ信号もONとなることで、オーバーフロー信号がONとなったとき実行される計数処理1回分(計数点50点)に加えて、オーバーフロー信号がOFFとなった後も計数処理を9回実行できるため、計数点として500点が計数されることになる。これにより、遊技機試験中に総得点が15000点以上となった後に計数点500点を総得点から減算できるため、オーバーフロー信号がOFFとなった後にすぐにオーバーフロー信号がONとなることを防止することができ、試験中の遊技機がAT等の有利な状態であっても総得点が15000点以上となったことによる計数処理を実施する頻度が少なくなるので、遊技機Pの誤作動や遊技機試験中のエラー音の出力頻度を少なくすることができる。
なお、オーバーフロー試験信号タイマ値は上述した値に限られず、遊技機情報通知を1回送信するための時間以上(300ms以上)であればよい。つまり、毎割込みオーバーフロー試験信号タイマ値を更新(減算)する場合は、オーバーフロー試験信号タイマ値として135以上の任意の値を記憶すればよい。
また、上述した例では主制御基板P15は毎割込みオーバーフロー試験信号タイマ値を更新する実施形態を説明したが、これに限られず、2割込みに1回や3割込みに1回の頻度でオーバーフロー試験信号タイマ値を更新してもよい。この実施形態の場合では、オーバーフロー試験信号タイマ値を少なくすることができる。例えば、主制御基板P15が5割込みに1回オーバーフロー試験信号タイマ値を更新する場合、オーバーフロー試験信号タイマ値として242を記憶する例が挙げられる。この場合はオーバーフロー試験信号タイマ値を1バイト以内に抑えつつ、オーバーフロー試験信号をONにする時間を2704.35msとすることができる。
また、遊技機Pは計数処理中であっても遊技の進行(ベット処理、スタートスイッチP3の操作に基づく内部抽せん処理、ストップスイッチP4の操作による停止制御処理等)が可能であるため、遊技機試験中に総得点閾値到達状態となって計数処理を実行しても遊技機試験を中断することがない。このため、遊技機試験をスムーズに実行させることができる。
また、総得点閾値到達状態発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に総得点閾値到達状態である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによって状態報知を行う。そして、計数操作により総得点閾値到達状態が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの総得点閾値到達状態に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12の状態報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに総得点閾値到達状態に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
上述した実施形態においては、主制御基板P15が副制御基板P12に送信する遊技媒体数制御報知コマンドの総得点上限異常と総得点閾値到達状態とのビット位置は異なっているが、同一のビット位置で管理してもよい。この場合は、総得点上限異常であっても総得点閾値到達状態であっても副制御基板P12は受信した遊技媒体数制御報知コマンドに基づいて演出を変えることはできない(同一態様の演出が実行される)。ただし、総得点上限異常であっても総得点閾値到達状態であっても計数スイッチP7の操作を促す演出を行うことに関しては、副制御基板P12で総得点上限異常と総得点閾値到達状態を区別しなくても実行可能となっている。また、主制御基板P15が送信する情報数が減るためプログラム容量の削減が可能となる。
上述した総得点上限異常と総得点閾値到達状態における副制御基板P12による報知態様は同一態様(具体的には、遊技媒体数制御報知コマンドにおける総得点上限異常と総得点閾値到達状態のビット位置が同じ場合や、異なるビット位置であっても副制御基板P12の判断によって同一態様の報知を行う等)でもよいし、異なる態様(具体的には、遊技媒体数制御報知コマンドにおける総得点上限異常と総得点閾値到達状態のビット位置が異なるビット位置であって副制御基板P12の判断によって異なる態様の報知を行うことや、総得点上限異常の場合は遊技媒体数制御報知コマンド1を送信し、総得点閾値到達状態の場合は遊技媒体数制御報知コマンド2を送信する等)でもよい。報知態様が同一態様の場合は、例えば「計数スイッチを操作してください」と画像表示装置に表示することが考えられ、報知態様が異なる態様の場合は、例えば総得点上限異常のときは「上限値に到達しました。計数スイッチを操作してください」と画像表示装置に表示し、総得点閾値到達状態のときは「あと○○点で上限値に到達します。計数スイッチを操作してください」と画像表示装置に表示することが考えられる。総得点閾値到達状態で総得点上限までの点数を表示するときは、主制御基板P15、又は遊技媒体数制御基板P16により総得点上限値-現在の総得点を演算して副制御基板P12に送信するか、副制御基板P12が受信した現在の総得点情報を用いて総得点上限値-現在の総得点を演算することが考えられる。
また、総得点上限異常と総得点閾値到達状態における副制御基板P12による報知態様が同一態様の場合は、総得点が閾値到達(15000)から上限値到達(16383)まで同じ報知態様となっており、総得点が閾値到達から上限値到達に亘ってあらかじめ報知することになるため、上限値到達で急に報知態様が変わったり、報知がなされたりすることはない。これにより、遊技者に前もって報知して上限値到達後も報知態様が変わらないので、入賞の結果上限値を超える得点の付与があったとしても、超えた分がなくなったと思わせないようにすることができる(緊急性がないように見せることができる)。
なお、総得点閾値到達状態では遊技の進行が可能となっているが、総得点上限異常では遊技の進行が不可能となっている(スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、精算スイッチP6が受付不可となっている状態)。
また、総得点が閾値到達(15000)から上限値到達(16383)までの間は、貸出ユニットに送信する貸出受領結果応答として、異常で送信する。
貸出装置接続異常は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとのVL信号がOFFとなった場合は貸出装置接続異常とする。貸出装置接続異常は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置接続異常を解除するためには、貸出ユニットとの通信が正常となりVL信号がONとなったことにより解除可能となっている。そして、貸出装置接続異常となった場合は遊技の進行を停止しない。ただし、貸出ユニットとの通信ができない状態であるため、遊技機Pとして計数操作の受け付けに基づく計数処理を無効としてもよいし、計数操作の受け付け自体を無効としてもよいし、計数を無効としなくてもよい。
また、貸出装置接続異常発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置接続異常である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、VL信号がONとなったことにより貸出装置接続異常が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出通番異常は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出ユニットから受信した貸出通番が前回受信した貸出通番に+1した値でない場合は貸出通番異常とする。貸出通番異常は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出通番異常を解除するためには、貸出ユニットから正常な貸出通知を受信したことにより解除可能となっている。そして、貸出通番異常となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出通番異常が所定回数以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、貸出通番異常発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出通番異常である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出ユニットから正常な貸出通知が送信されたことにより貸出通番異常が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常1は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出ユニットから受信した貸出通番として「0」を受信する前に「0」以外の貸出通番を受信した場合は貸出装置通信異常1とする。貸出装置通信異常1は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常1を解除するためには、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したことにより解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常1となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常1が所定回数以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、貸出装置通信異常1発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常1である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出ユニットから貸出通番「0」が送信されたことにより貸出装置通信異常1が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常2は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信したときが前回の貸出通知受信から100ms未満であった場合は貸出装置通信異常2とする。貸出装置通信異常2は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常2を解除するためには、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知受信したときが前回の貸出通知受信から100ms以上500ms未満で受信したことにより解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常2となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常2が所定回数以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、貸出装置通信異常2発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常2である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知を受信したときが前回の貸出通知受信から100ms以上500ms未満で受信したことにより貸出装置通信異常2が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常3は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信したときが前回の貸出通知受信から500msを超えた場合は貸出装置通信異常3とする。貸出装置通信異常3は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常3を解除するためには、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知受信したときが前回の貸出通知受信から100ms以上500ms未満で受信したことにより解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常3となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常3が所定回数以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、貸出装置通信異常3発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常3である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知を受信したときが前回の貸出通知受信から100ms以上500ms未満で受信したことにより貸出装置通信異常3が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常4は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信したときが遊技機情報通知送信から100ms未満の場合は貸出装置通信異常4とする。貸出装置通信異常4は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常4を解除するためには、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知受信したときが遊技機情報通知送信から100ms以上300ms未満で受信したことにより解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常4となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常4が所定回数以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、貸出装置通信異常4発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常4である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知を受信したときが遊技機情報通知送信から100ms以上300ms未満で受信したことにより貸出装置通信異常4が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常5は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信したときが遊技機情報通知送信から300msを超えた場合は貸出装置通信異常5とする。貸出装置通信異常5は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常5を解除するためには、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知受信したときが遊技機情報通知送信から100ms以上300ms未満で受信したことにより解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常5となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常5が所定回数以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、貸出装置通信異常5発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常5である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知を受信したときが遊技機情報通知送信から100ms以上300ms未満で受信したことにより貸出装置通信異常5が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常6は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信したときの貸出点が50を超えた場合は貸出装置通信異常6とする。貸出装置通信異常6は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常6を解除するためには、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知受信したときの貸出点が50以下の値を受信したことにより解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常6となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常6が所定回数以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、貸出装置通信異常6発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常6である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または貸出通知受信したときの貸出点が50以下の値を受信したことにより貸出装置通信異常6が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常7は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、遊技機情報通知送信から時価の遊技機情報通知送信までに受信した貸出通知の数が「1」でない場合は貸出装置通信異常7とする。貸出装置通信異常7は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常7を解除するためには、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または遊技機情報通知を送信したことにより解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常7となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常7が所定回数以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、貸出装置通信異常7発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常7である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出ユニットから貸出通番「0」を受信したこと、または遊技機情報通知を送信したことにより貸出装置通信異常7が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
本実施形態においては、上述した貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6、貸出装置通信異常7に関しては、副制御基板P12に異常が発生した旨の情報は送信するが、異常の種類を特定できる情報は送信しないように構成している。また、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6、貸出装置通信異常7に関しては、状態表示ランプの点灯態様は1種類となっており、状態表示ランプの点灯態様により貸出装置通信異常の種類までは判別できないように構成している。
このように構成することで、不正により貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6、貸出装置通信異常7がどのような条件で発生するのかを確認し難くすることが可能となる。
また、貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6、貸出装置通信異常7に関して、副制御基板P12に異常の種類を特定できる情報を送信する態様であってもよい。このような構成によれば、副制御基板P12でエラー履歴を管理することが可能となる。
また、遊技機Pが検知する異常に関しては、上述した異常以外にも、電波異常(たとえば、遊技機Pが受信している電波について異常と判断したときの異常)、乱数異常(たとえば、遊技機Pが内部抽せんやAT抽せんで使用する乱数について異常と判断したときの異常)、または設定値異常(たとえば、内部抽せんやAT抽せんで使用する設定値について異常と判断したときの異常)等他の異常を備えても問題ない。
また、主制御基板P15で検知可能なエラーの中で、リセットスイッチの操作によっても復帰できない(設定変更等の初期化処理で復帰可能)復帰不可能エラーがある。復帰不可能エラーは、「電源断復帰が正常に行えない場合」、「全回胴停止時の図柄組合せ表示が異常の場合」、「設定値が範囲外の場合」、「乱数更新用のRCK端子に入力されたクロックの周波数異常を検知した場合」、「内蔵乱数の更新状態異常を検知した場合」にぞれぞれ発生する。
また、遊技媒体数制御基板P16で異常の発生を検知した場合、主制御基板P15を介して副制御基板P12にコマンドを送信する例を説明したが、これに限られず、遊技媒体数制御基板P16と副制御基板P12を直接通信ケーブル(ハーネス等)で接続し、主制御基板P15を介さずに遊技媒体数制御基板P16から副制御基板P12にコマンドを送信してもよい。
また、エラーであることの報知を付与数表示部にて行っている態様を記載したが、エラーであることの報知を遊技媒体数表示部P9にて行っても良い。
また、副制御基板P12は、主制御基板P15や遊技媒体数制御基板P16でエラーが発生したことによって、主制御基板P15から送信されたエラーコマンドを受信した場合は、受信した時刻とエラー内容と遊技状態とを関連して所定の記憶領域に記憶するように構成されていてもよい。
時刻を記憶する場合には、副制御基板P12にRTC(リアルタイムクロック)が搭載されているため、RTCからの情報に基づいて時刻を所定の記憶領域に記憶する。所定の記憶領域はバックアップ電源によりバックアップされ、電源断時や電源投入時に初期化されないように構成されている。また、設定変更によっても初期化されないよう構成されている。
遊技状態を記憶する場合には、主制御基板P15からメイン遊技状態(CZやAT等)に関するコマンドに基づく内容や、スタート開始コマンドや遊技終了コマンドに基づいて遊技中であるという内容を所定の記憶領域に記憶する。所定の記憶領域はバックアップ電源によりバックアップされ、電源断時や電源投入時に初期化されないように構成されている。また、設定変更によっても初期化されないよう構成されている。
このように記憶した「受信した時刻」、「エラー内容」、「遊技状態」は、遊技場管理者の操作により、閲覧可能なように構成されている。例えば、設定変更中や設定確認中にリセットボタン(リセットスイッチ)を1回押下することで、管理者メニュー画面が表示され、管理者メニュー画面内の複数の項目のうち「エラー履歴」の項目を選択することで閲覧する態様が考えられる。なお、エラー履歴の項目は複数のエラー内容を累積して表示することが可能となっている。また、エラー履歴が多数ある場合は、管理者が所望のエラー履歴を確認しやすいように、日付の範囲やエラーの種類等を管理者が選択することで、閲覧範囲を絞って確認することが可能なように構成されている。さらにまた、エラー履歴が多数ある場合は、現時点を基準として最新のエラー履歴を1つ、又は、現時点を基準として最新のエラー履歴の中から複数のエラー履歴を表示するように構成されていても良い。
なお、管理者メニュー画面を表示できる方法としては、設定変更中や設定確認中にリセットボタンを1回押下することに限らず、例えば、遊技待機中に遊技機Pの内部の所定のスイッチを操作すること等が考えられる。換言すると、遊技者は管理者メニュー画面の表示ができないように(困難なように)構成され、管理者は管理者メニュー画面の表示ができるように構成されていれば良い。
このように構成することで、例えば、「○年○月○日○時○分○秒において、投入異常が遊技待機中に発生」といった情報を副制御基板P12で記憶させることが可能となり、管理者がエラー履歴項目を選択することにより、所望のエラー履歴を確認することが可能となる。なお、表示態様として「ミリ秒」まで表示してもよい。
また、副制御基板P12は、上述したエラー内容を記憶する際に遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点に関する情報を関連付けて記憶するようにしてもよい。例えば、エラー内容として貸出通知に関するエラーである、貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6、貸出装置通信異常7が発生したときに、総得点に関するコマンドを主制御基板P15に送信し、さらに主制御基板P15から副制御基板P12に送信することで、貸出通知に関するエラーと総得点情報を関連付けて記憶することが考えられる。
このように構成することで、貸出通知の際の総得点の増減が記憶されることになるので、不正による貸出通知が発生したときであっても、副制御基板P12に履歴を記憶することが可能となる。なお、総得点を関連付けて記憶するエラーとしては、上記エラーのみに限らず、全てのエラーで総得点に関する情報を関連付けてもよい。
また、副制御基板P12は、エラー発生時のみならず、計数処理が行われたときも履歴情報を記憶するように構成されていてもよく、この場合も計数情報と総得点情報とを関連付けて記憶することが考えられる。例えば、計数スイッチP7が押下されて計数処理が実行されると、計数点と総得点を関連付けて記憶する。また、計数スイッチP7が長押しされ、300ms毎に連続して計数する際も300ms毎の計数情報を全て記憶する。
このように構成することで、計数処理の全ての履歴を記憶できるため、異常な数値が計数された場合に、不正か否かを判断する材料を示すことが可能となる。
また、副制御基板P12は、エラー発生時のみならず、貸出通知を受信したときも履歴情報を記憶するように構成されていてもよく、この場合も貸出情報と総得点情報とを関連付けて記憶することが考えられる。例えば、貸出通知を受信すると、貸出点と総得点を関連付けて記憶しても良い。換言すると、仮に、300ms毎に連続して貸出通知を受信した際も300ms毎の貸出通知情報を全て記憶しても良い。
また、副制御基板P12は、エラー発生時のみならず、定期的に履歴情報を記憶するように構成されていてもよく、この場合も貸出情報と総得点情報とを関連付けて記憶することが考えられる。例えば、遊技媒体数制御基板P16が定期的(例えば、60秒毎、180秒毎等)に総得点情報を主制御基板P15に送信し、主制御基板P15は受信した総得点情報を、副制御基板P12に送信し、副制御基板P12は受信した総得点情報と時刻情報を関連させて記憶する。
このように構成することで、特にエラー発生時等の履歴情報を記憶する契機となるイベントがない場合でも、副制御基板P12が、定期的に総得点情報や時刻情報等を関連付けて記憶できるので、計数スイッチP7や貸出スイッチを用いない不正に対して履歴情報を記憶することが可能となり、この履歴情報によって不正の有無を判断することができる。
また、副制御基板P12は、エラーコマンドを受信しない場合であっても独自でエラー判断を行ってもよい。例えば、貸出通知に関するコマンドや計数通知に関するコマンドを300ms以内に2回受信した場合にエラーと判断する場合が考えらえる。これは、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信において、貸出通知や計数通知を300ms毎に1回受信、又は1回送信するように構成されているためであり、300ms以内に2回受信、又は2回送信した場合は正常ではない通信であるといえるためである。
この場合は、副制御基板P12は主制御基板P15から貸出通知に関するコマンドや計数通知に関するコマンドを受信したときに副制御基板P12が300msに相当するタイマをセットし、次に貸出通知に関するコマンドや計数通知に関するコマンドを受信したタイミングが300ms以内であると判断した場合はエラーを示唆する報知(例えば、「総得点を確認してください」等を液晶に表示や、ランプを異常に対応する点灯パターンで点灯させることや、「異常を検知しました」と音声出力させること等)を行う。この異常判定方法としては、コマンド受信ごとに300msに相当するタイマをセット(副制御基板P12の割込み処理の間隔が1msの場合300msに相当するタイマとしては、カウント値「299」をセット)し、定期的(例えば、1割込み毎)にタイマを減算していきコマンド受信時にタイマが0であるか否かを判断して、0であると判断したときは正常と判断し、0でないと判断したときは異常と判断する態様が考えられる。ただしこの態様に限られずタイマの初期値を0としてタイマを加算する方法等であってもよい。
このように構成することで、例えば、「○年○月○日○時○分○秒において、計数通知異常が遊技待機中に発生し、その時の計数点は50、総得点は2000」といった情報を副制御基板P12で記憶させることが可能となり、遊技媒体数制御基板P16が不正によりエラーコマンドを送信できなくても副制御基板P12がエラーを判定できるため、不正の防止を図ることができる遊技機を提供することが可能となる。
また、副制御基板P12は、300ms毎に連続して複数回(例えば、10回)の貸出通知を受信した場合も、異常と判定することが考えられる。異常と判定した場合には、異常を示唆する報知(例えば、「総得点を確認してください」等を液晶に表示や、ランプを異常に対応する点灯パターンで点灯させることや、「異常を検知しました」と音声出力させること等)を行う。このように構成することによって、主制御基板P15や遊技媒体数制御基板P16が異常と判定しない場合であっても、不正な方法で貸出通知を遊技機Pに送信している可能性がある場合には、副制御基板P12で異常を判定することができるため、不正を防止してより安全な遊技機を提供することが可能となる。
次に、計数処理について図28をもとに詳細に説明する。
図28の計数制御開始処理(上述した計数制御処理と同義)は、主として遊技機から貸出ユニットに計数通知を出力する処理である。具体的には、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割込み処理により実行される処理の1つである。なお、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割込み処理の周期は、1msとなっている。
「計数通知タイミング?」は、計数通知を貸出ユニットに出力するタイミングであるかどうかを判定する。具体的には、後述する、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_A)の値に基づいて判定する。遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に記憶されている値が「200」の場合(換言すると、遊技機情報通知を出力してから100ms経過したとき)に、計数通知を貸出ユニットに出力するタイミング(YES)と判定し、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に記憶されている値が「200」でない場合にNOと判定する。
「計数メダル数 クリア」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数の対象となる計数点を記憶可能な計数点記憶領域(_CT_CAL_VAL)をクリア(0に)する。なお、計数累積点を記憶可能な計数累積点記憶領域(_CT_CAL_ALL)に記憶されているデータは当該タイミングではクリアしない。
「計数中フラグ クリア」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数中であるか否かを示す計数中フラグ(_FL_CAL_EXE)をクリア(0に)する。
「VL異常フラグ≠0?」は、遊技機と貸出ユニットとの接続が異常ではないか否かを判定する。具体的には、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域であるVL異常フラグ(_FL_VL_ABN)が正常を示す値(例えば「0」)である場合にはNOと判定し、VL異常フラグが異常を示す値(例えば「FFh」)である場合にはYESと判定する。なお、VL異常フラグは、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割込み処理の実行によって更新されるフラグであり、貸出ユニットからのVL信号の入力データがある場合(遊技機と貸出ユニットが電気的に接続されている場合)に、VL異常フラグに正常を示す値を記憶し、貸出ユニットからのVL信号の入力データがない場合(遊技機と貸出ユニットが電気的に接続されていない場合)に、VL異常フラグに異常を示す値を記憶する。
「総得点=0?」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である総得点を記憶可能な総得点記憶領域(_NB_MEDAL)に基づいて総得点(総点数)が0か否かを判定する。この判定により総得点が0の場合には、YESと判定する。また、この判定により総得点が0でない場合にはNOと判定する。なお、VL異常フラグに異常を示す値が記憶されていると判定した場合は、総得点を判定せずに計数通知を出力する。
「計数実行フラグ=1?」は、計数実行フラグが「1」であるか否かを判定する。上述したとおり、計数実行フラグとは、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするか等を管理するフラグである。例えば、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域に計数実行フラグを管理する計数実行フラグ記憶領域(_FL_CAL_ACT)を設け、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が「0」である場合(計数実行フラグが0である場合)は、まだ、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするかが決定されていない状況を示している。計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が「1」である場合(計数実行フラグが1である場合)は、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたと決定されている状況を示している。計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が「2」である場合(計数実行フラグが2である場合)は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたと決定されている状況を示している。そのため、「計数実行フラグ=1?」でYESとなる場合は、計数実行フラグ記憶領域が「1」である場合(計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたことを記憶している場合)である。具体的には、計数実行フラグが「1」であるか否かを判定するため、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値をAレジスタに記憶し、Aレジスタの値と「1」を比較した結果、同じ値であった場合に、YESと判定する。なお、計数実行フラグの詳細な生成方法は、後述する「計数実行フラグセット」にて説明する。
「計数実行フラグ=0?」は、計数実行フラグが「0」であるか否かを判定する。具体的には、計数実行フラグ記憶領域が「0」である場合(計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするかが決定されていない場合)は、YESと判定する。
「計数点=50 セット」は、計数点として50をセット(具体的にはAレジスタに50を記憶)する。
「総得点≧計数点?」は、総得点と50(Aレジスタに記憶した値)を比較する演算処理(減算する演算処理)を実行する。
「総得点 取得」は、総得点をAレジスタに記憶する。つまり、Aレジスタの値を「50」から「総得点」に更新する処理である。この処理は、「総得点≧計数点?」によりNOと判定した場合、換言すると、50の方が総得点よりも大きいと判定した場合(総得点が50未満の場合)に実行される。
「計数点 保存」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数の対象となる計数点を記憶可能な計数点記憶領域(_CT_CAL_VAL)に、計数点を記憶する処理である。具体的には、Aレジスタの値を計数点記憶領域に記憶する処理である。例えば、「計数実行フラグ=1?」でYESとなった場合には、Aレジスタの値が「1」であるため、計数点記憶領域に「1」を記憶する。また、「総得点≧計数点?」でYESとなった場合には、Aレジスタの値が「50」であるため、計数点記憶領域に「50」を記憶する。さらにまた、「総得点≧計数点?」でNOとなった場合には、Aレジスタの値が「総得点」であるため、計数点記憶領域に「総得点」を記憶する。このように、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたときは、計数実行フラグ記憶領域の値を用いて計数点を導出することができるため、処理を簡素化する(計数点として「1」をセットしなくて済む)ことができる。なお、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたときは、計数実行フラグ記憶領域の値を用いずに、計数点として「1」をセットする処理を実行しても良い。
以上のとおり、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたときは計数点が「1」、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたときであって、総得点が50以上のときは計数点が「50」、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたときであって、総得点が50未満のときは計数点が「総得点」となる。つまり、最大でも、1回で(1回の計数通知で)計数できる計数点は50となる。
なお、計数処理において、まず計数スイッチP7が操作されたか否か(計数実行フラグが0以外か)を判定し、計数スイッチP7が操作されている場合(計数実行フラグが0以外の場合)には総得点が0であるか否かを判定し、計数スイッチP7が操作されていない場合には総得点が0であるか否かを判定しないように構成しても良い。
このような構成した場合には、計数スイッチP7が操作されている状況よりも総得点が0である状況の方が発生する可能性が高い(発生している時間が長い)ため、始めに計数スイッチP7が操作されているか否かを判定することにより、始めに総得点が0であるか否かを判定するよりも処理時間が短くなる。
「総得点 更新」は、総得点から計数点を減算した値を総得点記憶領域に記憶する。換言すると、総得点は、計数通知を出力する前に、計数点に応じて更新される。
「計数累積点 更新」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数累積点を記憶可能な計数累積点記憶領域(_CT_CAL_ALL)に計数点を加算して計数累積点を記憶可能な計数累積点記憶領域(_CT_CAL_ALL)を更新する。
「計数中フラグ セット」は、その後、計数点として「1」以上の計数を行うことが決まっているため、計数中フラグ(_FL_CAL_EXE)をセット(「FF」を記憶)する。換言すると、計数点が「0」の場合には、計数中フラグをセットしない。
「計数通知 出力」は、計数通知を貸出ユニットに出力する。具体的には、電文長として0x07を出力し、コマンドとして0x02を出力し、計数通番として、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数通番を保存する計数通番記憶領域(_NB_CAL_NUM)に記憶されている計数通番を出力し、計数点として、計数点を記憶可能な計数点記憶領域(_CT_CAL_VAL)に記憶されている計数点を出力し、計数累積点として、計数累積点を記憶可能な計数累積点記憶領域(_CT_CAL_ALL)に記憶されている計数累積点を出力し、出力した各種データのチェックサム値(1バイト)を出力する。
「計数通番 更新」は、計数通番を更新する処理(+1する処理)を実行する。なお、計数通番が255であるときに+1をした結果は0となるため、0となった場合には(0と判定した場合には)、再度、計数通番を更新する処理(+1する処理)を実行する。換言すると、計数通番が255であるときは、計数通番を更新する処理を2回実行することにより、計数通番を1に更新する。また、計数通番が255未満の値(たとえば、10)であるときには、計数通番を更新する処理(+1する処理)を実行した結果が0とならないため、計数通番を更新する処理は1回だけ実行することにより、計数通番を更新する(たとえば、11)ことができる。
「計数実行フラグ クリア」は、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値をクリア(例えば0)する処理である。このように構成することにより、計数制御開始処理が実行されるごとに(300msの周期ごとに)、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が初期値(例えば0)にすることができる。換言すると、VL異常フラグが0でないときや、総得点が0であるときなど、計数通知の計数点として「0」が出力される場合であっても、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が初期値(例えば0)にすることができる。なお、計数制御開始処理では、計数スイッチP7が操作されている時間を計測するタイマ領域(後述する計数実行タイマ記憶領域(_TM_CAL_ACT))の値はクリアされない。
なお、各記憶領域は、遊技媒体数制御基板P16のRWMに備えられていることで説明しているが、遊技媒体数制御基板P16を備えていない遊技機P等の場合には、主制御基板P15のRWMに備えているような構成でも良い。
また、計数中フラグ(_FL_CAL_EXE)に基づいた情報を主制御基板P15に送信している。これにより、主制御基板P15は、計数中であることを把握することができる。また、たとえば、主制御基板P15から演出制御基板に対して計数中であることを示す情報を送信することにより、演出制御基板により、計数中に対応した演出を行うことができる。
ここで、計数スイッチP7の押下、及び離反タイミングによる計数点の態様を図40乃至図43を用いて説明する。なお、図40乃至図43に記載のT1、T2、T3、T4、及びT5は何れも計数通知タイミングを示しており、300ms毎に計数通知を貸出ユニットに送信している。また、図40乃至図43は長押しの場合の計数値を「50」としているが、総得点が50点未満の場合は総得点の値が計数値となる(例えば、総得点が30点の場合は計数値が「30」となる)。
図40は、遊技者によって計数スイッチP7が長押しされている状況から計数スイッチP7が離反されたタイミングが計数通知タイミングよりも前のタイミングである場合に実行される計数処理を説明する図である。
図40では、S1のタイミングで計数スイッチP7が押下され、長押し判定を行う500ms以上経過した(700ms経過した)S2のタイミングで計数スイッチP7が離反されている。また、計数実行フラグはS1から500ms経過したF1のタイミングで計数実行フラグ=2となり、S2のタイミングの後の計数通知タイミングとなるF2(T4)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。
図40では、500ms以上長押しされた計数スイッチP7が離反されたS2のタイミングにおいてはT4のタイミングにいまだ到達していないが、計数実行フラグ=2を維持することで、T4のタイミングで長押しによる計数処理(計数値「50」による計数処理)を実行できるため、T3からS2までの押下時間を無駄にすることなく、遊技者の操作を反映させることが可能となる。
図41は、遊技者によって計数スイッチP7が長押しされている状況から計数スイッチP7が離反され、次の計数通知タイミングとなる前に再度計数スイッチP7が押下、及び離反されたときに実行する計数処理を説明する図である。
図41では、S1のタイミングで計数スイッチP7が押下され、長押し判定を行う500ms以上経過した(700ms経過した)S2のタイミングで計数スイッチP7が離反されており、次の計数通知タイミングのT4となる前に再度S3のタイミングで計数スイッチP7が押下され、T4となる前のS4のタイミングで計数スイッチP7が離反されている。計数実行フラグはS1から500ms経過したF1のタイミングで計数実行フラグ=2となり、S2のタイミングの後の計数通知タイミングとなるF2(T4)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。
図41では、500ms以上長押しされた計数スイッチP7が離反されたS2のタイミングの後から、次の計数通知タイミングとなるT4のタイミングとなるまでの間に、計数スイッチP7が短押しされている(計数スイッチP7がS3のタイミングで押下され、50ms後のS4のタイミングで離反されている)が、計数実行フラグはS3、及びS4のタイミングであっても計数実行フラグ=1とならず、計数実行フラグ=2を維持しており、T4のタイミングで計数値として「50」を計数している。このように長押しの後に短押しがあったとしても長押しによる計数処理が実行できるため、長押し後に誤操作やノイズがあっても長押しによる計数値を計数通知タイミングで貸出ユニットに送信することが可能となる。
なお、図41のT3のタイミングにおいては、計数スイッチP7の長押しにより計数実行フラグ=2となっているため、計数値として「50」が計数される。そして、計数スイッチP7の押下が継続しているため、T3のタイミングで計数値として「50」を貸出ユニット側に出力した後一旦計数実行フラグ=0となり、次の割込み処理において、計数実行タイマが「500」であるため、再度計数実行フラグ=2となっている。
図42は、遊技者によって計数スイッチP7が長押しされている状況から計数スイッチP7が離反され、次の計数通知タイミングとなる前に再度計数スイッチP7が押下、及び離反されたときに実行する計数処理を説明する図である。
図42では、S1のタイミングで計数スイッチP7が押下され、長押し判定を行う500ms以上経過した(700ms経過した)S2のタイミングで計数スイッチP7が離反されており、次の計数通知タイミングのT4となる前に再度S3のタイミングで計数スイッチP7が押下され、T4を跨いでT5となる前のS4のタイミングで計数スイッチP7が離反されている。計数実行フラグはS1から500ms経過したF1のタイミングで計数実行フラグ=2となり、S2のタイミングの後の計数通知タイミングとなるF2(T4)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。また、S3のタイミングから500msが経過せずに計数スイッチP7が離反されたS4のタイミングで計数実行フラグ=1となり、S4のタイミングの後の計数通知タイミングとなるF4(T5)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。
図42では、500ms以上長押しされた計数スイッチP7が離反されたS2のタイミングの後から、次の計数通知タイミングとなるT4のタイミングとなるまでの間に、計数スイッチP7が短押しされている(計数スイッチP7がS3のタイミングで押下され、200ms後のS4のタイミングで離反されている)が、計数実行フラグはS3のタイミングであっても計数実行フラグ=2を維持しており、T4のタイミングで計数値として「50」を計数している。また、T4のタイミングからT5のタイミングとなるまでの間であって、S3から500msが経過していないS4のタイミングで計数スイッチP7が離反されたときはS3のタイミングで押下された計数スイッチP7の短押しの要件を満たしているためS4(F3)のタイミングで計数実行フラグ=1となり、計数通知タイミングのT5で計数値として「1」を計数している。このように長押しの後に短押しがあったとしても長押しによる計数処理が実行でき、さらに短押ししている時間が計数通知タイミングを跨いだ場合は短押しによる計数処理が実行できるため、遊技者が長押し後に短押しを行った場合であっても長押しと短押しの計数処理が実行することが可能となり、遊技者の操作意思に沿った制御を実行できる。
なお、図42のT3のタイミングにおいては、計数スイッチP7の長押しにより計数実行フラグ=2となっているため、計数値として「50」が計数される。そして、計数スイッチP7の押下が継続しているため、T3のタイミングで計数値として「50」を貸出ユニット側に出力した後一旦計数実行フラグ=0となり、次の割込み処理において、計数実行タイマが「500」であるため、再度計数実行フラグ=2となっている。
図43は、遊技者によって計数スイッチP7が短押しのタイミングで離反され、次の計数通知タイミングとなる前に再度計数スイッチP7が押下されたときに実行する計数処理を説明する図である。
図43では、S1のタイミングで計数スイッチP7が押下され、50ms経過したS2のタイミングで計数スイッチP7が離反されており、次の計数通知タイミングのT4となる前に再度S3のタイミングで計数スイッチP7が押下され、T3、及びT4を跨いでT5となる前のS4のタイミングで計数スイッチP7が離反されている。計数実行フラグはS1から50ms経過したF1のタイミング(S1のタイミングで計数スイッチP7が押下されてから50ms後に離反されたS2のタイミング)で計数実行フラグ=1となり、S2のタイミングの後の計数通知タイミングとなるT3のタイミングより前のS3のタイミングにおいて計数実行フラグ=1を維持しており、T3(F2)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。また、T3から300ms経過したT4のタイミングにおいては、計数スイッチP7が再度押下されたS3のタイミングから500ms経過しておらず、且つ計数スイッチP7の押下が維持されているため、計数実行フラグ=0となっている。また、計数スイッチP7が再度押下されたS3のタイミングから500ms経過したF3のタイミングで計数実行フラグ=2となり、T4からT5が経過するまでの間に計数スイッチP7が離反されているため、F4(T5)のタイミングにおいて計数実行フラグ=0となっている。
図43では、S1に押下された計数スイッチP7が短押しのタイミングであるS2で離反され、次の計数通知タイミングとなるT3となるまでの間であるS3のタイミングで再度計数スイッチP7が押下された場合、T3のタイミングでは短押しの計数値「1」の計数処理が実行されるが、計数実行タイマのカウントはT3となる前のS3のタイミングから実行しているため、S4のタイミングで計数スイッチP7が離反されてもT5のタイミングで計数値として「50」の計数処理が実行できる。このように短押しの後に長押しがあったとしても短押しと長押しによる計数処理が実行でき、さらに長押しと判断するための計数実行タイマのカウントは長押しとなる計数スイッチP7の押下タイミングからカウントするため、遊技者が短押し後に長押しを行った場合であっても長押しと短押しの計数処理が実行することが可能となり、さらに長押しを判定するための計数実行タイマのカウントの起点を短押しの計数処理が実行されたタイミングF2より前の計数スイッチP7が押下されたタイミングS3にすることができるため、遊技者の操作意思に沿った制御を実行できる。
続いて、計数中の演出について説明する。
上述したとおり、計数スイッチP7が操作され、計数しているとき(計数するとき)には、計数中フラグ(_FL_CAL_EXE)に基づいた情報を主制御基板P15に送信することにより、演出制御基板による計数中に対応した演出を可能としている。計数中に対応した演出としては、音、及び/又は、画像を用いた演出が挙げられる。
また、計数中に対応した演出として、計数スイッチP7の1回の操作(長押し操作等を含む)によって計数される計数点(1回の計数点と称す)に応じて出力される演出の長さを異ならせることができる。このように構成した場合には、計数スイッチP7の操作に基づく計数点の量に応じて演出の長さが異なるため、総得点を貯めて計数するという行為に喜びを与えることが可能となる。
なお、上述したとおり、1回の計数通知(1回の周期)で計数可能な最大の点数は「50」であり、計数通知を出力する周期は約0.3秒である。
以下に、計数スイッチP7の1回の操作(長押し操作等を含む)によって計数される1回の計数点の違いによる演出の長さについて例示する。
例1)1回の計数点が「25」の場合
計数点が「0」より大きく「50」未満であるため、一律、0.3秒×1である約0.3秒の演出が実行される。なお、係数(ここでは、×1)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。以下も同様である。
例2)1回の計数点が「50」の場合
計数点が「50」であるため、0.3秒×1である約0.3秒の演出が実行される。
例3)1回の計数点が「130」の場合
計数点が「100」より大きく「150」未満であるため、0.3秒×3である約0.9秒の演出が実行される。なお、係数(ここでは、×3)とは、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例4)1回の計数点が「1480」の場合
計数点が「1450」より大きく「1500」以下であるため、0.3秒×30である約9秒の演出が実行される。なお、係数(ここでは、×30)とは、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
また、計数中に対応した演出として、1回の計数スイッチP7の操作で計数可能な点数(総得点)に応じて出力される演出の種類を異ならせることができる。このように構成した場合には、計数スイッチP7の操作に基づく計数点の量に応じて演出の種類、及び/又は長さが異なるため、総得点を貯めて計数するという行為に喜びを与えることが可能となる。なお、このように構成する場合には、たとえば、総得点を記憶可能な総得点記憶領域(_NB_MEDAL)の情報を主制御手段に送信して、1回の計数スイッチP7の操作で計数可能な点数(総得点)を主制御基板P15、及び/又は、演出制御基板が把握できるようにすることが考えられる。
たとえば、総得点が「500」未満のときに計数スイッチP7が操作されて計数されるときには、計数中に対応した演出として演出Aが実行可能となるように構成され、総得点が「500」以上「1000」未満のときに計数スイッチP7が操作されて計数されるときには、計数中に対応した演出として演出Bが実行可能となるように構成され、総得点が「1000」以上のときに計数スイッチP7が操作されて計数されるときには、計数中に対応した演出として演出Cが実行可能となるように構成されるようにしてもよい。
以下に、計数スイッチP7の1回の操作(長押し操作等を含む)によって計数される1回の計数点の違い、及び、総得点の違いによる演出について例示する。
例1)総得点が「25」で、1回の計数点が「25」の場合
総得点が「500」未満で、計数点が「0」より大きく「50」未満であるため、一律、0.3秒×1である約0.3秒の演出Aが実行される。なお、係数(ここでは、×1)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例2)総得点が「300」で、1回の計数点が「50」の場合
総得点が「500」未満で、計数点が「50」であるため、0.3秒×1である約0.3秒の演出Aが実行される。なお、係数(ここでは、×1)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例3)総得点が「300」で、1回の計数点が「150」の場合
総得点が「500」未満で、計数点が「100」より大きく「150」以下であるため、0.3秒×3である約0.9秒の演出Aが実行される。なお、係数(ここでは、×3)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例4)総得点が「700」で、1回の計数点が「150」の場合
総得点が「500」以上「1000」未満で、計数点が「100」より大きく「150」以下であるため、0.3秒×3である約0.9秒の演出Bが実行される。なお、係数(ここでは、×3)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例5)総得点が「700」で、1回の計数点が「700」の場合
総得点が「500」以上「1000」未満で、計数点が「650」より大きく「700」以下であるため、0.3秒×14である約4.2秒の演出Bが実行される。なお、係数(ここでは、×14)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例6)総得点が「2000」で、1回の計数点が「700」の場合
総得点が「1000」以上で、計数点が「650」より大きく「700」以下であるため、0.3秒×14である約4.2秒の演出Cが実行される。なお、係数(ここでは、×14)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例7)総得点が「2000」で、1回の計数点が「2000」の場合
総得点が「1000」以上で、計数点が「1950」より大きく「2000」以下であるため、0.3秒×40である約12.0秒の演出Cが実行される。なお、係数(ここでは、×40)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
このように、計数点が同じであっても、例5)と例6)のように総得点が異なるため、出力される演出を異なるように制御することができる。また、総得点が同じであっても、1回の計数点の違う場合には、例6)、例7)のように同じ演出であっても出力される演出の長さを異なるように制御することができる。
ここで、総得点を計数している最中に(途中で)、遊技者が計数スイッチP7の操作を行わなくなった場合には、例6)のように総得点の全てを計数せずに、1回の計数が終了することがある。換言すると、途中まで計数中の演出を楽しんだ後に、遊技者が一旦計数スイッチP7の操作をやめ、その後、再度、計数スイッチP7を操作することにより、計数中の演出をもう一度楽しむことができる。
なお、本実施形態では、計数スイッチP7として1つのスイッチを設け、計数通知による最大の計数点として「50」としたが、一括で総得点を計数するための別の計数スイッチP7を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、計数スイッチP7が操作されていた場合に計数する仕様であったが、たとえば、所定期間(たとえば、10秒)の計数スイッチP7が操作されていたことを条件に、記憶している全ての総得点を計数してもよい。
さらにまた、本実施形態では、計数スイッチP7が操作されていた場合に計数する仕様であったが、たとえば、所定期間(たとえば、10秒)の計数スイッチP7が操作され、その後も計数スイッチP7が操作されていた場合には、所定単位(たとえば「50」)ずつ計数されるように構成されていても良い。なお、所定単位として50としたが、これは一例である。たとえば、残りの総得点が38点の場合に計数スイッチP7が操作されていた場合には、「38」が計数されるようになる。
ここで、本実施形態においては、設定変更モード中や、設定確認モード中においても計数スイッチP7の操作に基づく計数が可能となっている。しかしながら、点数をベット可能な状況下で計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行するようにし、設定変更モード中、及び/又は、設定確認モード中に計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行しないようにしてもよい。このような構成にするのは、設定変更モード中、及び/又は、設定確認モード中に計数スイッチP7が操作されるような場合には、ホール店員が計数している可能性が高いため(遊技者ではない可能性が高いため)である。
換言すると、設定変更モード中、及び/又は、設定確認モード中に計数スイッチP7が操作された場合であっても、設定変更モード中及び/又は、設定確認モード中の専用の画面を画像表示装置で表示し続けることや、音声を出力し続けることを行うことによって、ホール店員に必要な情報を提供することができる。なお、設定変更モード及び/又は、設定確認モード中の専用の画面を表示しつつ計数中であることを示す報知(例えば、「計数中です」を画面に表示すること)を行ってもよい。この報知は、先述した計数中の演出とは異なるように構成されている。
また、本実施形態においては、エラー中(予め定められた一部の(所定の)エラーでも良いし、全てのエラーでも構わない)においても計数スイッチP7の操作に基づく計数が可能となっている。しかしながら、点数をベット可能な状況下で計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行するようにし、エラー中に計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行しないようにしてもよい。このような構成にするのは、エラー中に計数スイッチP7が操作されるような場合には、不正行為が行われている可能性が高いためである。
換言すると、エラー中に計数スイッチP7が操作された場合であっても、エラー中の専用の画面を画像表示装置で表示し続けることや、音声を出力し続けることを行うことによって、ホール店員に必要な情報を提供することができる。なお、エラー中の専用の画面を表示しつつ計数中であることを示す報知(例えば、「計数中です」を画面に表示すること)を行ってもよい。この報知は、先述した計数中の演出とは異なるように構成されている。なお、このときに精算スイッチP6によるベット数の精算はできないように構成されていてもよい。
なお、エラーの種類としてリセットスイッチの操作により復帰可能な復帰可能エラー(上述した「投入異常」「精算異常」「払出異常」等)と、リセットスイッチの操作によっても復帰できない(設定変更等の初期化処理で復帰可能)復帰不可能エラーとを備えており、復帰可能エラー中においては計数スイッチP7の操作により、計数処理が可能となるように構成され、復帰不可能エラー中においては計数スイッチP7の操作により、計数処理が不可能となるように構成されてもよい。このような構成によれば、通常の動作で発生し得る復帰可能エラーでは計数処理を可能とし、復帰可能エラーよりも不正の疑いの強い復帰不可能エラーでは計数処理をできないようになるため、より公平な遊技が実現できる。
また、本実施形態においては、遊技中(例えばリールが回転している状況下)においても計数スイッチP7の操作に基づく計数が可能となっている。しかしながら、点数をベット可能な状況下で計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行するようにし、遊技中に計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行しないようにしてもよい。このような構成にするのは、遊技中に計数スイッチP7が操作されるような場合には、不正行為が行われている可能性が高いためである。
換言すると、エラー中に計数スイッチP7が操作された場合であっても、エラー中の専用の画面を画像表示装置で表示し続けることや、音声を出力し続けることを行うことによって、ホール店員に必要な情報を提供することができる。なお、エラー中の専用の画面を表示しつつ計数中であることを示す報知(例えば、「計数中です」を画面に表示すること)を行ってもよい。この報知は、先述した計数中の演出とは異なるように構成されている。
遊技待機中(遊技が実行されていない状況下)において、スイッチ(例えば、サブスイッチ)の操作により、遊技者が遊技中の演出音の音量を複数段階の音量から選択可能に構成していてもよい。例えば、音量1~音量5までの5段階の中から選択可能に構成され、音量1が最も小さい音で演出音が出力され、音量5が最も大きい音で演出音が出力されるように構成されている。このように構成した場合、特定の演出音(例えば、セリフ演出の音声、通常遊技中のBGM、AT中のBGM、BB中のBGM、テンパイ音など)は、選択された演出音に応じた音量で演出音が出力されるが、計数中に出力される演出音は、音量1~音量5の何れが選択されている場合であっても同じ音量で出力されることが好ましい。具体的には、音量1に選択した後、不正な方法で計数をしている遊技者であっても、小さい音量で計数中に出力される演出音が出力されないようにすることによって、不正な方法で計数しようとしている遊技者を牽制することができる。また、通常の遊技者においても、計数を行っている最中は至福のときであるため、音量1に設定されているときであっても、他の音量に設定されているときと同じ音量で出力されることによって、計数を行っている遊技者とは異なる遊技者からも注目を浴びることとなり、遊技者の計数に対する興趣を高めることができる。
本実施形態においては、遊技機Pは貸出ユニットに対して、遊技機情報通知を300ms毎に送信しているが、これに限られず300msから310msの範囲内であれば、どのタイミングで送信してもよい。ただし、送信する毎にランダムな値をとるわけではなく、あらかじめ定められた値で送信する。
本実施形態においては、遊技機Pは貸出ユニットに対して、遊技機情報通知を送信した後から100ms後に計数通知を送信しているがこれに限られず90msから100msの範囲内であれば、どのタイミングで送信してもよい。ただし、送信する毎にランダムな値をとるわけではなく、あらかじめ定められた値で送信する。
次に、遊技機情報管理について図30を用いて説明する。
遊技機情報管理とは、遊技機Pから遊技機情報通知を貸出ユニットに送信するための制御であり、図30は、遊技媒体数制御基板P16によって制御されるタイマ割込み処理内の1つのサブルーチンである。換言すると、タイマ割込み処理が実行されるごとに(1msの周期で)、遊技機情報管理が実行される。
まず始めに、図30における各種用語について説明する。
遊技機情報通知タイマAとは、300msを計測するためのタイマである。遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_A)として、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち2バイトを使用する。なお、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域は、電源が投入されたとき(ONとなったとき)の初期化処理によって、初期値(「0」)が記憶される。
遊技機情報通知タイマBとは、60sを計測するためのタイマである。遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_B)として、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち1バイトを使用する。なお、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域は、電源が投入されたとき(ONとなったとき)の初期化処理によって、初期値(「0」)が記憶される。
遊技機情報通知タイマCとは、180sを計測するためのタイマである。遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_C)として、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち1バイトを使用する。なお、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域は、電源が投入されたとき(ONとなったとき)の初期化処理によって、初期値(「0」)が記憶される。
遊技機性能情報通知要求フラグとは、遊技機情報通知のうち遊技機性能情報を送信する周期が到来したときに「0」から「1」となるフラグである。遊技機性能情報通知要求フラグを記憶するための記憶領域は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち1バイトの記憶領域である遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目を使用する。
遊技機設置情報通知要求フラグとは、遊技機情報通知のうち遊技機設置情報を送信する周期が到来したときに「0」から「1」となるフラグである。遊技機設置情報通知要求フラグを記憶するための記憶領域は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち1バイトの記憶領域である遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目を使用する。
なお、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)は、電源が投入されたときの初期化処理によって、初期値(「0」)が記憶される(各ビットは「0」になる)。
次に、図30を用いて各ステップにおける制御処理について説明する。
「遊技機情報通知タイマA -1」とは、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域から1を減算する演算処理である。なお、当該演算処理によって桁下がりとなった場合(遊技機情報通知タイマAが「0」の状態で減算する演算処理が実行された場合(「0」未満となった場合とも称す))には、遊技機情報通知タイマAに「300」を記憶することによって遊技機情報通知タイマAにカウント値を記憶可能としている。
なお、上述した通り、本実施形態における遊技媒体数制御基板P16のタイマ割り込みの周期は1msであるため、遊技機情報通知タイマAにカウント値として「300」を記憶することで、300msのカウントが可能となっているが、これに限られず、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割り込みの周期を2msとした場合は、遊技機情報通知タイマAにカウント値として「150」を記憶すればよいし、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割り込みの周期を2.235msとした場合は、遊技機情報通知タイマAにカウント値として「135」~「138」の何れかの値を記憶すればよい。このように、割り切れない場合は遊技機情報通知の送信タイミングが300ms~310msの間となる任意の値を設定することができる。
ここで、「遊技機情報通知タイマA -1」によって、CPUが備えるフラグレジスタ(Fレジスタとも称する)のゼロフラグ、キャリーフラグが「1」となる場合を有する。ゼロフラグとは、演算処理の結果が「0」となった場合に「1」となるフラグである。一方、キャリーフラグとは、演算処理の結果が「0」未満となった場合に「1」なるフラグである。
以下に、具体的な数値を例に挙げて、ゼロフラグ、キャリーフラグについて説明する。
例1)遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に「10」が記憶されているときに実行される遊技機情報管理では、1を減算することによって「9」になる。このとき、ゼロフラグ、キャリーフラグは変化しない(「0」となる)。
例2)遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に「1」が記憶されているときに実行される遊技機情報管理では、1を減算することによって「0」になる。このとき、ゼロフラグは「1」となる。一方、キャリーフラグは変化しない(「0」となる)。
例3)遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に「0」が記憶されているときには1を減算することによって「300」になる。このとき、ゼロフラグは変化しない(「0」となる)。一方、キャリーフラグは「1」となる。
なお、上述した「遊技機情報通知タイマA -1」の演算命令として、DCPWLD命令が挙げられる。DCPWLD命令は1減算した結果としてキャリーフラグが「1」となった場合に、所定の値を記憶する命令である。上述した実施形態における所定の値は「300」としている。
続いて、「更新前のタイマ値=0?」とは、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「0」であったか否かを判断する。例えば、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行した後におけるキャリーフラグが「1」であるときには「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「0」であったと判断することができる(「更新前のタイマ値=0?」の判断の結果YESとなる)。一方、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行した後におけるキャリーフラグが「0」であるときには「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「0」でなかったと判断することができる(「更新前のタイマ値=0?」の判断の結果NOとなる)。
「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「0」であった場合(「更新前のタイマ値=0?」の判断の結果YESとなった場合)には、「ホールコン・不正監視情報 送信」を実行する。なお、当該ステップでYESとなる場合とは、電源がOFFとなっている状況において電源がONとなった後の最初の割込み処理において遊技機情報管理を実行した場合である。上述した通り、電源がONとなったときの初期化処理により、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域が初期化され、「0」が記憶されるためである。また、更新前が「0」である場合は、キャリーフラグが「1」となっているため、上述した減算命令であるDCPWLD命令を用いることで、同時に遊技機情報通知タイマAにカウント値として「300」を記憶することができる。
さらに、遊技機情報通知タイマBや遊技機情報通知タイマCを更新する処理を実行することなく、電源が復帰した後に即座に「ホールコン・不正監視情報 送信」を実行することができるため、処理時間の短縮やプログラム容量の削減効果がある。電源がONとなったきに遊技機情報通知タイマBや遊技機情報通知タイマCを更新しない理由は後述する。
続いて、「更新前のタイマ値=0?」の判断の結果NOとなった場合は、「更新前のタイマ値=1?」の判断を実行する。
「更新前のタイマ値=1?」とは、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」であったか否かを判断する。
例えば、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行した後におけるゼロフラグが「1」であるときには「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」であったと判断することができる(「更新前のタイマ値=1?」の判断の結果YESとなる)。「更新前のタイマ値=1?」の判断の結果YESとなった場合は、「遊技機情報通知タイマAカウント値保存」を実行する。
一方、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行した後におけるゼロフラグが「0」であるときには「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」でなかったと判断することができる(「更新前のタイマ値=1?」の判断の結果NOとなる)。
「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」でなかった場合(「更新前のタイマ値=1?」の判断の結果NOとなった場合)には、遊技機情報管理を終了する。なお、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」である状況とは、遊技機情報通知タイマAの計測により300回の割込み処理が実行された(300ms経過した)状況が該当する。
また、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」でなかった状況とは、遊技機情報通知タイマAの値が「2」~「300」である状況であり、遊技機情報通知タイマAの計測中である状況が該当する。なお、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」でなかった状況には「0」も含まれるが、「0」の場合は、直前の処理で判断しているため、本判断処理には進行しないようになっている。
続いて、「遊技機情報通知タイマAカウント値保存」とは、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に「300」を記憶する処理である。この処理によって、遊技機情報通知タイマAに記憶されている「0」を「300」に更新することができる。なお、上述した通り本実施形態では、「遊技機情報通知タイマA -1」をDCPWLD命令を用いて実行しているため、キャリーフラグが「1」となった場合は遊技機情報通知タイマAに「300」が記憶されるが、電源投入直後以外は遊技機情報通知タイマAが「0」となる前(「1」となったとき)に「遊技機情報通知タイマAカウント値保存」により、「300」が記憶されるようになっているため、電源投入直後以外は遊技機情報通知タイマAが「0」となることはない(異常を除く)ので、本処理にてカウント値を記憶するようにしている。
続いて、「遊技機情報通知タイマB +1」とは、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値に1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理である。当該演算処理は、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「199」未満の値が記憶されているときは遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値に1を加算し、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「199」未満の値が記憶されていないとき(即ち、正常動作状況下において「199」の値が記憶されているとき)は遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値として「0」を記憶する演算処理である。具体例について以下に記載する。
例1)遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「0」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値は「1」となる。
例2)遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「100」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値は「101」となる。
例3)遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「199」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値は「200」とならずに「0」となる。
このように、「遊技機情報通知タイマB +1」では、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値に「199」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、「0」を記憶する加算処理を実行することによって遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値として「0」~「199」を循環させることができる。また、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値に「199」が記憶されているときに「1」を加算する状況とは、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域が「0」となった契機が200回到来した状況に相当する。換言すると、割込み処理が300回実行されるごとに遊技機情報通知タイマBが1ずつ加算されるため、300回×200回(=60000回)の割込み処理が実行された(300ms×200回(=60000ms(60s))経過した)状況である。本来であれば、60000回の割込み処理が実行されたかを計測するためには3バイトの記憶領域を設けなければならないが、遊技機情報通知タイマAを用いることにより、遊技機情報通知タイマBの記憶領域を1バイトとすることができ、RWMの記憶容量を削減することができる。
なお、上述した特殊加算命令である「遊技機情報通知タイマB +1」の演算命令として、ICPLD命令が挙げられる。
なお、本実施形態では「遊技機情報通知タイマB +1」のように加算命令としているが、減算命令でもよい。減算命令の場合は、電源投入時に遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域にカウント値として「200」を記憶して、その後「0」となったときとしてもよいし、電源投入時に遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域にカウント値として「199」を記憶して、その後キャリーフラグが「1」となったときとしてもよい。
また、本実施形態では、「遊技機情報通知タイマB +1」のように加算命令としているため、減算命令にした場合と比べて初期値をセットする処理が省略できる(電源投入時の初期化処理により初期値は「0」となる)分、処理速度の向上やプログラム容量の削減効果がある。
続いて、「遊技機情報通知タイマB 時間経過?」とは、「遊技機情報通知タイマB +1」によって、遊技機情報通知タイマBでのカウント数が200になった場合にYESと判定する。例えば、遊技機情報通知タイマBの記憶領域の値が「遊技機情報通知タイマB +1」によって、「0」になった場合(初期値である「0」から200回加算命令が実行された場合)にYESと判定することができる。一方、遊技機情報通知タイマBの記憶領域の値が「遊技機情報通知タイマB +1」によって「0」にならなかった場合(初期値である「0」から200回加算命令が実行されていない場合)には、NOと判定することができる。
「遊技機情報通知タイマB 時間経過?」の判断結果がNOとなった場合は、「遊技機設置情報通知要求?」を実行する。
「遊技機情報通知タイマB 時間経過?」の判断結果がYESとなった場合は、「遊技機情報通知タイマC +1」を実行する。
続いて、「遊技機情報通知タイマC +1」とは、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値に1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理である。当該演算処理は、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「2」未満の値が記憶されているときは遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に1を加算し、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「2」未満の値が記憶されていないとき(即ち、正常動作状況下において「3」の値が記憶されているとき)は遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「0」を記憶する演算処理である。具体例について以下に記載する。
例1)遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「0」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値は「1」となる。
例2)遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「1」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値は「2」となる。
例3)遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「2」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値は「3」とならずに「0」となる。
このように、「遊技機情報通知タイマC +1」では、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値に「2」が記憶されているときには、「0」を記憶する加算処理を実行することによって遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値として「0」~「2」を循環させることができる。また、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値に「2」が記憶されているときに「1」を加算する状況とは、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域が「0」となった契機が3回到来した状況に相当する。換言すると、割込み処理が300回実行されるごとに遊技機情報通知タイマBが1ずつ加算され、遊技機情報通知タイマBに1を加算する処理が3回到来しているため、300回×200回×3回(=180000回)の割込み処理が実行された(300ms×200回×3回(=180000ms(180s))経過した)状況である。本来であれば、180000回の割込み処理が実行されたかを計測するためには3バイトの記憶領域を設けなければならないが、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマBを用いることにより、遊技機情報通知タイマCの記憶領域を1バイトとすることができ、RWMの記憶容量を削減することができる。
なお、上述した特殊加算命令である「遊技機情報通知タイマC +1」の演算命令として、「遊技機情報通知タイマB +1」の演算命令と同様のICPLD命令が挙げられる。
なお、本実施形態では「遊技機情報通知タイマC +1」のように加算命令としているが、減算命令でもよい。減算命令の場合は、電源投入時に遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域にカウント値として「3」を記憶して、その後「0」となったときとしてもよいし、電源投入時に遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域にカウント値として「2」を記憶して、その後キャリーフラグが「1」となったときとしてもよい。
また、本実施形態では、「遊技機情報通知タイマC +1」のように加算命令としているため、減算命令にした場合と比べて初期値をセットする処理が省略できる(電源投入時の初期化処理により初期値は「0」となる)分、処理速度の向上やプログラム容量の削減効果がある。
続いて、「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」とは、「遊技機情報通知タイマC +1」によって、遊技機情報通知タイマCでのカウント数が3になった場合にYESと判定する。例えば、遊技機情報通知タイマCの記憶領域の値が「遊技機情報通知タイマC +1」によって、「0」になった場合(初期値である「0」から3回加算命令が実行された場合)にYESと判定することができる。一方、遊技機情報通知タイマCの記憶領域の値が「遊技機情報通知タイマC +1」によって「0」にならなかった場合(初期値である「0」から3回加算命令が実行されていない場合)には、NOと判定することができる。
「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」の判断結果がNOとなった場合は、「遊技機設置情報通知要求フラグセット」を実行する。
「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」の判断結果がYESとなった場合は、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」を実行する。
続いて、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」とは、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目に「1」を記憶する制御である。なお、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」を実行するのは、図30のフローチャートに記載されているとおり、「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」でYESとなったときである。換言すると、180sの周期が到来したときに「遊技機性能情報通知要求フラグセット」が実行される。
続いて、「遊技機設置情報通知要求フラグセット」とは、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目に「1」を記憶する制御である。なお、「遊技機設置情報通知要求フラグセット」を実行するのは、図30のフローチャートに記載されているとおり、「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」でNOとなったとき、及び、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」を実行するとき(「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」でYESとなったとき)である。換言すると、60sの周期が到来したときに「遊技機設置情報通知要求フラグセット」が実行される。このため、60sの周期の3倍である180sの周期の際には、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」、「遊技機設置情報通知要求フラグセット」の両方の制御が実行されることとなる。
このように遊技機設置情報を貸出ユニットに送信するタイミングと遊技機性能情報を貸出ユニットに送信するタイミングとをフラグで管理するため、ホールコン・不正監視情報と、遊技機設置情報と、遊技機性能情報とを貸出ユニットに送信する処理を簡略化できる(各種情報に対応したタイマを連動させることで個別に管理することなく貸出ユニットに送信することが可能となる)。さらに、電源がONとなったきに遊技機情報通知タイマBや遊技機情報通知タイマCを更新しないことにより、ホールコン・不正監視情報と、遊技機設置情報と、遊技機性能情報とを送信するためのタイマの計測開始タイミングがずれることがないため、正確に送信することが可能となる。換言すると、電源ON時に遊技機情報通知タイマAのみ更新することで、複雑な処理をすることなく連動している遊技機情報通知タイマBや遊技機情報通知タイマCを貸出ユニットに送信するタイミングがずれないようにすることが可能となる。
続いて、「遊技機設置情報通知要求?」とは、遊技機設置情報通知要求フラグがセットされているか否かを判断する制御である。例えば、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目が「1」であればYESと判定し、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目が「0」であればNOと判定する。
「遊技機設置情報通知要求?」の判断結果がNOとなった場合は、「遊技機性能情報通知要求?」を実行する。
「遊技機設置情報通知要求?」の判断結果がYESとなった場合は、「遊技機設置情報 送信」を実行する。
続いて、「遊技機性能情報通知要求?」とは、遊技機性能情報通知要求フラグがセットされているか否かを判断する制御である。例えば、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目が「1」であればYESと判定し、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目が「0」であればNOと判定する。
「遊技機性能情報通知要求?」の判断結果がNOとなった場合は、「ホールコン・不正監視情報 送信」を実行する。
「遊技機性能情報通知要求?」の判断結果がYESとなった場合は、「遊技機性能情報 送信」を実行する。
なお、図30のフローチャートに記載されているとおり、「遊技機設置情報通知要求?」を判断した後に、「遊技機性能情報通知要求?」を判断する処理順序となっている。このような処理順序にすることにより、遊技機設置情報通知要求フラグと遊技機性能情報通知要求フラグの両方がセットされている状況(例えば、180s周期が到来した状況)においては、先に、「遊技機設置情報通知要求?」を判断することにより、遊技機性能情報の送信制御よりも先に遊技機設置情報の送信制御を実行することができように構成している。また、遊技機性能情報通知要求を判断するよりも先に遊技機設置情報通知要求を判断するだけで、複雑な処理を用いることなく優先度に応じた通信が可能となる。
続いて、「ホールコン・不正監視情報 送信」とは、上述した「ホールコン・不正監視情報」を貸出ユニットに送信する制御処理が該当する。なお、このときに貸出ユニットに送信する内容は送信するタイミングで取得したRWMの記憶領域に記憶されている情報である。例えば、「ホールコン・不正監視情報」に含まれる総得点は、送信時点における総得点記憶領域(_NB_MEDAL)に記憶されている情報を送信する。換言すると、本来のホールコン・不正監視情報の送信タイミングである300ms毎の送信タイミングにおいて遊技機設置情報の送信タイミングと合致した場合、遊技機設置情報の方が優先度が高いため、当該300msのタイミングではホールコン・不正監視情報を送信せず、次の300ms後にホールコン・不正監視情報を送信する。この「次の300ms後に送信するホールコン・不正監視情報」については、遊技機設置情報の送信タイミングと合致した時点のホールコン・不正監視情報を送信するのではなく、「次の300ms後にホールコン・不正監視情報を送信するタイミング」で取得したホールコン・不正監視情報を送信することで、送信タイミングがずれても最新の情報を送信することが可能となる。
また、「ホールコン・不正監視情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、通番を更新(+1)する。当該通番も、計数通番等と同様に、電源復帰直後の送信時には通番として「0」を送信し、それ以降は、「1」~「255」の何れかを送信できるよう(「1」~「255」を循環するよう)に更新している。この通番は、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報、の3つの情報のうち何れかを送信したときに更新される通番である。換言すると、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報で同じ通番を用いているため、電源が投入されている状況下においては、300msの周期で通番が更新されるように構成されている。
「ホールコン・不正監視情報 送信」が終了した場合には、遊技機情報管理を終了する。
続いて、「遊技機設置情報 送信」とは、上述した「遊技機設置情報」を貸出ユニットに送信する制御処理が該当する。なお、このときに送信する内容は送信するタイミングで取得したRWMの記憶領域に記憶されている情報である。
また、「遊技機設置情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、遊技機設置情報通知要求フラグをクリアする。具体的には、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目を「0」にする。また、「遊技機設置情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、通番を更新(+1)する。
「遊技機設置情報 送信」が終了した場合には、遊技機情報管理を終了する。
続いて、「遊技機性能情報 送信」とは、上述した「遊技機性能情報」を貸出ユニットに送信する制御処理が該当する。なお、このときに送信する内容は送信するタイミングで取得したRWMの記憶領域に記憶されている情報である。換言すると、本来の遊技機性能情報の送信タイミングである180s毎の送信タイミングにおいて遊技機設置情報の送信タイミングと合致した場合、遊技機設置情報の方が優先度が高いため、当該180sのタイミングでは遊技機性能情報を送信せず、次の300ms後に遊技機性能情報を送信する。この「次の300ms後に送信する遊技機性能情報」については、遊技機設置情報の送信タイミングと合致した時点の遊技機性能情報を送信するのではなく、「次の300ms後に遊技機性能情報を送信するタイミング」で取得した遊技機性能情報を送信することで、送信タイミングがずれても最新の情報を送信することが可能となる。
また、「遊技機性能情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、遊技機性能情報通知要求フラグをクリアする。具体的には、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目を「0」にする。また、「遊技機性能情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、通番を更新(+1)する。
「遊技機性能情報 送信」が終了した場合には、遊技機情報管理を終了する。
上述したように遊技機情報通知は300ms毎に貸出ユニットに送信可能なよう構成されている。また、役比モニタの点滅切り替えタイミングも300ms毎に切り替えている。ただし、遊技機情報通知を送信するための300msを計測するタイマ更新処理はキャリーフラグとゼロフラグを用いて貸出ユニットに送信しているのに対して、役比モニタの点灯と消灯とを切り替えるための300msを計測するタイマ更新処理はキャリーフラグのみを用いて切り替えている。
これは、遊技機情報通知の方が不正されたときの被害が大きいため、送信する情報の正確性を高めるために2種類のフラグを用いて管理しているためである。
続いて、遊技機Pの電源がONとなった後の遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報の何れかの情報)の送信タイミングに関して図31を基に説明する。
図31は、遊技機Pの電源がONとなった後の遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットへの遊技機情報通知の送信タイミングを示しており、図中の「タイマA」とは「遊技機情報通知タイマA」を示しており、「タイマB」とは「遊技機情報通知タイマB」を示しており、「タイマC」とは「遊技機情報通知タイマC」を示しており、「起動後」とは「遊技媒体数制御基板P16における最初の割込み処理」を示しており、「1ms後」とは「それぞれ次の割込み処理」を示している。また、「タイマA=0」とは、遊技機情報通知タイマAの値(タイマ値)が0であることを示している。また、タイマ値は割込み処理起動時におけるタイマ値を示しており、更新処理は行われていない値である。換言すると、前回の割込み処理で更新された値である。
上述したように初回起動時は、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、遊技機情報通知タイマCが初期化されるため、それぞれのタイマ値としては「0」となっている。そして、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「0」(減算前のタイマ値が0)であるため、1回目の遊技機情報通知としてホールコン・不正監視情報を送信している。なお、遊技機設置情報と遊技機性能情報もタイマ値が「0」であるが、ここではゼロフラグが「0」であるため、遊技機設置情報と遊技機性能情報は送信しない。
続いて、2回目のホールコン・不正監視情報の送信タイミングに関して図32を基に説明する。なお、図32で登場する文言は図31と同一であるため、説明を省略する。
2回目のホールコン・不正監視情報送信タイミングは、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」となっているときである。遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」(減算前のタイマ値が1)であるときの減算処理により「0」となった結果、ゼロフラグが「1」となり、ホールコン・不正監視情報が送信されるとともに、遊技機情報通知タイマAのタイマ値に「300」が記憶される。また、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となることで、遊技機情報通知タイマBのタイマ値が「1」となる。
続いて、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したときの遊技機情報通知の送信タイミングに関して図33を基に説明する。なお、図33で登場する文言は図31、及び図32と同一であるため、説明を省略する。
ホールコン・不正監視情報送信タイミングは、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されたときであるが、同時に遊技機情報通知タイマBのタイマ値が「199」から「0」となった場合は、遊技機設置情報通知要求フラグが「1」となる。このため、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが同時に発生した場合の割込み処理では、遊技機設置情報通知要求フラグが「1」となっていることに基づいて、遊技機設置情報を送信し、ホールコン・不正監視情報は送信されない。そして、次の割込み処理では、遊技機設置情報通知要求フラグが「0」となっているが、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「300」になっていることで、ゼロフラグが「0」となっており、ホールコン・不正監視情報は送信されない。
換言すると、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したときは、遊技機設置情報の送信の優先度が高いためホールコン・不正監視情報は送信されず、次に遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されるまで(次に300ms経過するまで)ホールコン・不正監視情報は送信されないことになる。また、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となることで、遊技機情報通知タイマBのタイマ値が「199」から「0」となり、遊技機情報通知タイマCのタイマ値が「0」から「1」となる。
また、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したことにより、ホールコン・不正監視情報の送信が300ms後となった場合であっても、遊技機情報通知タイマAのタイマ値の更新は継続しているため、ホールコン・不正監視情報を1回分送信しなかったとしても、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報の送信タイミングがずれることはない。
また、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したことにより、ホールコン・不正監視情報の送信が300ms後となった場合、次の300ms後に送信するホールコン・不正監視情報は送信するタイミングで取得するため、300ms前の情報を送信することはない。これにより、ホールコン・不正監視情報の送信タイミングがずれても古い情報を送信することはない。
続いて、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したときの遊技機情報通知の送信タイミングに関して図34を基に説明する。なお、図34で登場する文言は図31乃至図33と同一であるため、説明を省略する。
ホールコン・不正監視情報送信タイミングは、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されたときであるが、同時に遊技機情報通知タイマBのタイマ値が「199」から「0」となり、さらに遊技機情報通知タイマCのタイマ値が「2」から「0」となった場合は、遊技機設置情報通知要求フラグが「1」となり、遊技機性能情報通知要求フラグが「1」となる。このため、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが同時に発生した場合の割込み処理では、遊技機設置情報通知要求フラグが「1」となっていることに基づいて、遊技機設置情報を送信し、ホールコン・不正監視情報と遊技機性能情報は送信されない。そして、次の割込み処理では、遊技機設置情報通知要求フラグが「0」となっており、遊技機性能情報通知要求フラグが「1」となっているが、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「300」になっていることで、ゼロフラグが「0」となっており、ホールコン・不正監視情報は送信されず、この場合は、遊技機情報管理は終了するため、遊技機性能情報も送信されない。ただし、遊技機性能情報通知要求フラグは「1」のまま記憶しておく。
換言すると、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したときは、遊技機設置情報の送信の優先度が高いためホールコン・不正監視情報と遊技機性能情報は送信されず、次に遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されると、遊技機性能情報通知要求フラグが「1」であることに基づいて、ホールコン・不正監視情報よりも遊技機性能情報を優先して送信する。遊技機性能情報を送信した後は遊技機性能情報通知要求フラグが「0」となるため、次に遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されると(次に300ms経過すると)ホールコン・不正監視情報が送信されることになる。
また、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したことにより、遊技機性能情報の送信が300ms後となり、ホールコン・不正監視情報の送信が600ms後となった場合であっても、遊技機情報通知タイマAのタイマ値の更新は継続しているため、ホールコン・不正監視情報を2回分送信しなかったとしても、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報の送信タイミングがずれることはない。
また、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したことにより、当該タイミングでは遊技機設置情報を送信し、その後、遊技機性能情報の送信が300ms後となり、ホールコン・不正監視情報の送信が600ms後となった場合、遊技機設置情報を送信した300ms後に送信する遊技機性能情報は送信するタイミングで取得するため、300ms前(遊技機設置情報を送信したときのタイミング)の情報を送信することはない。また、遊技機性能情報を送信した300ms後に送信するホールコン・不正監視情報は送信するタイミングで取得するため、600ms前(遊技機設置情報を送信したときのタイミング)の情報を送信することはない。これにより、ホールコン・不正監視情報と遊技機性能情報の送信タイミングがずれても古い情報を送信することはない。
また、上述した実施形態では、180s毎に送信する遊技機性能情報は、60s毎に送信する遊技機設置情報と必ず同タイミングで要求フラグが1となる。換言すると、遊技機性能情報通知要求フラグが1となるタイミングでは、必ず遊技機設置情報通知要求フラグが1となる。このため、遊技機性能情報は遊技機性能情報通知要求フラグが1となるタイミングでは送信できず、次の300ms後に送信されるようになっている。しかし、この場合であっても、遊技機性能情報通知要求フラグが1となるタイミングは、遊技機性能情報通知要求フラグが1となってから180s後であるため、定期的に遊技機性能情報を送信することが可能となっている。
また、遊技媒体数制御基板P16で管理する遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、遊技機情報通知タイマCを記憶する記憶領域は電源断により初期化する(電源投入処理により初期化する)構成となっているが、主制御基板P15で管理するウエイト時間(4.1秒、最小遊技時間とも称す)を計測するタイマは電源断時に保存し電源投入時に初期化しないことで、電源投入後は続きから計測を開始する構成となっている。このような構成とすることで、貸出ユニットに遊技機情報通知を送信するための各種の遊技機情報通知タイマを電源投入後に再セットでき、定期的な通信が可能となる。
また、遊技媒体数制御基板P16で管理する遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、遊技機情報通知タイマCを記憶する記憶領域は電源断により初期化する(電源投入処理により初期化する)構成となっているが、主制御基板P15で管理するフリーズ時間(リール演出時間とも称す)を計測するタイマは電源断時でも保存され電源投入時に初期化しないことで、電源投入後はフリーズ時間を続きから計測する構成となっている。このような構成とすることで、貸出ユニットに遊技機情報通知を送信するための各種の遊技機情報通知タイマを電源投入後に再セットでき、定期的な通信が可能となる。
<本実施形態において適用可能な動作確認モードに関する説明>
本実施形態における遊技機は、貸出ユニットと通信しないと遊技動作が禁止されているため、遊技機単体で動作確認をしたい場合に、貸出ユニットの代わりにダミーユニットを装着する必要がある。ダミーユニットは貸出ユニットと同様に遊技機と通信を行えるため、ダミーユニットが不正に流通してしまうと、遊技機と貸出ユニットとの通信を解析されてしまう可能性があるため、ダミーユニットの管理は非常に厳重にする必要がある。このため、中古業者が中古遊技機の動作確認するためには、遊技機メーカからダミーユニットを借りなければならなくなり、動作確認に時間を要することになる。
そこで、遊技機の動作確認を遊技機単体で実行させるために、遊技機には、貸出ユニットやダミーユニットと接続しなくても動作可能な動作確認モードを搭載している。この動作確認モードは遊技機が正常に動作するか否かを確認するためのモードであるため、遊技媒体の投入や払出は行わないように構成されている。
動作確認モードは、遊技者が容易に実行できないように構成するのが望ましい。このため、電源投入処理時に所定のスイッチに対する入力ポートの読み込みを実行し、電源投入処理時に所定のスイッチの操作を検知したと判断したときに動作確認モードを起動する。所定のスイッチとして、1ベットスイッチ、MAXベットスイッチ、スタートスイッチ、左ストップスイッチ、中ストップスイッチ、右ストップスイッチ、精算スイッチP6、リセットスイッチ、計数スイッチP7、設定キースイッチのうち何れか1つ又は、2以上の組合せとすることが考えられる。2以上の組合せとしては、例えば、電源断中に設定キースイッチをONにして計数スイッチP7を押下しながら電源投入を行うことが考えられる。若しくは、前扉を開放しないと操作できない専用スイッチを設けて、専用スイッチを操作しながら電源投入することで動作確認モードが起動するように構成されていてもよい。
動作確認モードは遊技機単体でも遊技できるようにするモードであるが、貸出ユニットと接続されていたとしても動作確認モードを起動することが可能となっている。このため、動作確認モード中は貸出ユニットと遊技機Pが接続されている場合と接続されていない場合とが想定されるため、動作確認モード中は貸出ユニットとの通信は通常動作と同様に実行する。例えば、貸出通知の受信や貸出受領結果応答の送信等を実行する。
動作確認モードが起動すると、遊技媒体数表示部P9の5つのセグメント表示部の表示が「-----」と表示される。さらに、動作確認モードでは毎遊技、自動的に3点が投入されている状態となり、スタートスイッチの操作が有効になる。また、動作確認モードであることを認識しやすくさせるために画像の一部に「動作確認モード中」という表示を行っても良い。「動作確認モード中」という表示は、演出抽せんやデモ画面への移行により演出が切り替わっても常に同じ大きさで表示されるようになっている。
動作確認モードでスタートスイッチが操作された場合は、通常遊技動作と同じ抽せん処理等の遊技進行プログラム(例えば、内部抽せん処理、リール制御処理、演出抽せん処理、コマンド送信処理等の主制御基板P15、遊技媒体数制御基板P16、副制御基板P12で実行されるプログラム)を使用して遊技機を動作させることで遊技機が正常か否かを確認可能なようにしている。ただし、払出処理に関しては実行せずに付与数表示部に付与数の表示のみ行い、遊技媒体数表示部P9の表示は更新されない。なお、付与数表示部が搭載されていない遊技機の場合は、液晶で付与数を表示するため、動作確認モード中の液晶表示に付与数を表示する。また、最小遊技時間は動作確認モード中であっても計測しているため、最小遊技時間を経過する前にスタートスイッチが操作された場合は最小遊技時間が経過するまでリールの回転を待機させる。
また、動作確認モードでは、遊技機と貸出ユニットとで行われている通信処理は実行しないように構成しても良い。このように構成することにより、遊技機と貸出ユニットとで行われている通信処理に基づく、異常判定処理が実行されないようになる。
また、動作確認モードでは、遊技者の有利度に係る設定値として予め定められた設定値(例えば、例えば出玉率が最低となる「1」や出玉率が最高となる「6」)で遊技機が動作されるように構成されていても良いし、任意の設定値を設定してから遊技機が動作されるように構成されていても良い。さらにまた、動作確認モード中において、設定キースイッチの操作により設定値表示器で設定値を表示可能に構成されていても良いし、設定キースイッチの操作によらず設定値表示器で設定値を表示可能に構成されていても良いし、設定キースイッチの操作があった場合にも設定値表示器には設定値を表示しないように構成されていても良い。
また、動作確認モードでは、液晶等の表示装置による演出、枠ランプの点灯態様、スピーカから出力される音声等は通常通りに実行される。このため動作確認モードで長時間遊技されると出現率の低い演出(所謂プレミア演出)を動作確認モードで容易に確認できてしまい、確認されたプレミア演出を動画や画像によってweb上にアップロードされることにより遊技の興趣が低下する虞があるため、動作確認モードで所定回数の遊技を実行したときは、自動的に動作確認モードを終了するように構成されている(換言すれば、動作確認モードが実行可能な遊技回数の上限回数としての所定回数が設定されており、所定回数に到達した後は動作確認モードでの遊技が行えないように構成されている)。この所定回数としては、例えば1回、10回、20回等とすることが考えられる。動作確認モード中に所定回数の遊技を実行したときは、動作確認モードを終了するとともに、その後の通常遊技を禁止してもよい。通常遊技の禁止の状態から通常遊技を実行可能な状態にするためには、再度の電源投入や設定変更モードへの移行の操作(設定キースイッチONの状況下で電源スイッチON)等が挙げられる。なお、通常遊技の禁止の状態から動作確認モードの開始条件を満たした場合は、再度動作確認モードを開始する。
また、任意に動作確認モードを終了させる場合は、動作確認モード中に電源断を行うこと(電源断処理中に動作確認モード終了処理を実行すること)や、動作確認モード中に電源断をして電源投入を行うこと(電源投入処理中に動作確認モード終了処理を実行すること)等のように、通常の動作で終了することが望ましい。これは、動作確認モードを必要とする場面が、中古移動等の限られた場面であるため、遊技場での設定変更中作業等により誤って動作確認モードを起動させてしまっても、電源断等の通常動作ですぐに終了させることで、営業中に動作確認モードとなる可能性を低くするためである。なお、任意に動作確認モードを終了させる方法としては、動作確認モード中に電源断を行うことに限られず、設定変更モードへの移行の操作(設定キースイッチONの状況下で電源スイッチON)で実行される設定変更処理に伴う初期化処理で動作確認モードを終了させてもよい。
また、動作確認モード中であって、リール回転中の状態で電源断があった場合は、電源投入時にリールを再回転させずに、動作確認モードを終了させる場合や、電源投入時にリールを再回転させて、当該遊技が終了した後に動作確認モードを終了させる場合が考えられる。なお、リール回転中の説明を記載したが、スタートスイッチの操作から当該遊技終了時までの間に電源断が発生した場合も同様な動作となる。
また、動作モードを終了するときは、動作モードで使用したRWMを初期化する処理を行う。これにより、動作モード中の遊技を通常遊技に引き継がないようにすることができる。ただし、貸出ユニットへの信号出力に必要なRWMは初期化しない。なお、動作モードを終了し、通常遊技を開始する際に、設定変更モードへの移行の操作(設定キースイッチONの状況下で電源スイッチON)を要し、設定変更モードの起動により動作モードで使用したRWMを初期化する処理を行うような仕様である場合は、動作モードを終了するときに、動作モードで使用したRWMを初期化する処理を行わなくても良い。
また、動作確認モード中に液晶等の表示装置による演出、枠ランプの点灯態様、スピーカから出力される音声等は通常通りに実行される例を上述したが、これに限られず、液晶等の表示装置による演出は実行せず(黒い背景に「動作確認モード中」という表示が継続して表示される)、枠ランプの点灯態様を非点灯、又は専用の点灯態様とし、スピーカから音声は出力されない、又は専用のBGMや音声が出力されるという態様であってもよい。動作確認は主制御基板P15や遊技媒体数制御基板P16の動作が正常か否かを判別できればよいため、副制御基板に係る動作確認は行わなくてよい場合はこのように構成することで、営業中に誤って動作確認モードで遊技させたり、プレミア演出が動作確認モード中に出現したりといった事態を防ぐことが可能となる。
また、動作確認モード中に行われた遊技結果は、動作確認モードを終了した後の通常の遊技モードに影響を与えないように構成している。例えば、動作確認モード中に行われた遊技でAT抽せんに当選し、ATの権利を得た状況で動作確認モードを終了した場合であっても、動作確認モードを終了した後の通常の遊技モードでは、ATの権利が無い状態で遊技を開始するように構成されている。
また、動作確認モード中においては、役比モニタにはテストパターンが表示されるように構成されている。このように構成することにより、役比モニタの表示によっても動作確認モード中か否かを判別することが可能となる。なお、動作確認モード中において電源投入から5秒間はテストパターンを表示して、5秒経過後は通常動作と同様に役比モニタに各種比率を表示してもよいし、動作確認モード中において電源投入時にテストパターンは表示せずに役比モニタに各種比率を表示してもよい。
また、動作確認モード中に行われた遊技結果は、役比モニタに表示する各種項目の比率に影響を与えないように構成している。例えば、動作確認モード中に行われた遊技に基づいて、役比モニタに表示する各種項目の比率を算出するための各記憶領域(累計の遊技回数や累計の付与数等)を更新しないように構成している。このように構成することにより、実際の市場における挙動を示した各種比率が役比モニタに表示可能となる。
<異常の判断順番>
主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とのコマンド通信における異常判断に関して説明する。
遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15から送信され得るコマンドとして、投入要求コマンド、精算要求コマンド、及び払出要求コマンド等がある。
上述したように、遊技媒体数制御基板P16が投入要求コマンドを受信したときに受信した投入点が1~3以外の値の場合は、通信異常コマンドを主制御基板P15に送信した後にVL異常(VL信号OFF)か否かを確認するように構成している。これは、本実施形態に記載の遊技機において最も重要な情報である総得点に関する処理を優先的に実行するためである。仮に、VL異常を判断した後にコマンド異常を判断するという順番であれば、VL異常であった場合に主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とのコマンド通信に異常があったとしても、判断できなくなってしまう。これは、VL異常と判断したときにベット操作を無効にするためのベット処理を実行しなくなるためである。
遊技媒体数制御基板P16が精算要求コマンド、又は払出要求コマンドを受信したときに第2制御コマンドのデータをチェックしてからVL異常をチェックするよう構成している理由についても投入要求コマンドと同様である。
このような事態を防ぐために、VL異常か否かを判断する前に主制御基板P15からのコマンド受信に異常がないか否かを確認している。
また、上述した例に限らず主制御基板P15から送信される全てのコマンドを受信したときにVL異常か否かの判断の前にコマンド内容が正常か否かを判断している。
<基本通信シーケンスのタイマ計測>
図20に記載されているとおり、遊技機情報通知は300msごとに遊技機から貸出ユニットに出力される。また、計数通知は、遊技情報通知を出力してから100ms後に遊技機から貸出ユニットに出力される。また、貸出通知は、計数通知を出力してから170ms以内に貸出ユニットからから遊技機に出力される。また、貸出受領結果応答は、貸出通知を受信してから10ms以内に遊技機から貸出ユニットに出力される。このように、規定のタイミングで情報の出力や情報の受信を行う必要がある。このため、複数のタイマを備えて、情報の送信や受信のタイミングを計測することもできるが、RWMの容量を削減するため、1つのタイマを用いて、情報の送信や受信のタイミングを計測する方法を採用することができる。以下に、遊技機情報通知タイマA(300msを計測するためのタイマ)を計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_A)を用いた例について説明を行う。
<遊技機情報通知タイマA>
上述したとおり、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値は、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割込み処理ごとに1ずつ減算される。例えば、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「300」のときには「299」、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」のときには「300」(0となった場合には、「300」が記憶される)のように構成されている。換言すると、電源投入直後を除くと、原則、300~1を循環するように構成されている(電源投入直後は0)。また、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「300」であるときに、遊技機情報通知を出力するための処理を実行する。
<計数通知>
遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」であるときに、計数通知を出力するための処理を実行する。換言すると、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」であるときとは、遊技機情報通知が通知されてから100ms経過したタイミングである。
<貸出通知>
貸出通知を受信したとき、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」より大きい場合、又は、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「30」より小さい場合、の何れかの場合に異常と判定する。換言すると、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」より大きい場合とは、遊技機情報通知が通知されてから100ms経過する前のタイミングである。つまり、計数通知を出力するための処理を実行する前のタイミングを意味している。また、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「30」より小さい場合とは、遊技機情報通知が通知されてから270ms経過した後のタイミングである。つまり、計数通知を出力するための処理を実行した後、170ms経過した後のタイミングを意味している。なお、遊技機情報通知タイマAを記憶するための記憶領域の値に基づいて異常と判定した場合は、受信した貸出通知に基づいてチェックサムが正常か否かを判定する処理や、受信した貸出通知に基づいて貸出通番が正常か否かを判定する処理や、受信した貸出通知に基づいて貸出点数を総得点に加算する処理や、受信した貸出通知に対応した基貸出受領結果応答を出力するための処理を実行しない。
<貸出受領結果応答>
貸出通知を受信したとき、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」以下、且つ、「30」以上の場合(貸出通知を受信したとき、遊技機情報通知タイマAを記憶するための記憶領域の値に基づいて異常と判定しなかった場合)に、貸出通知を受信した当該割込み処理にて貸出受領応答を出力するための処理を行う。なお、上述したとおり、遊技機情報通知タイマAを記憶するための記憶領域の値に基づいて異常と判定した場合は、受信した貸出通知に基づいてチェックサムが正常か否かを判定する処理や、受信した貸出通知に基づいて貸出通番が正常か否かを判定する処理や、受信した貸出通知に基づいて貸出点数を総得点に加算する処理や、受信した貸出通知に対応した貸出受領結果応答を出力するための処理を実行しない。換言すると、貸出受領結果応答として異常を示す応答も行わない。つまり、基本通信シーケンスに基づいたタイミング以外で遊技機が貸出通知を受信した場合には、受信した貸出通知が不正の貸出通知である可能性があるため、貸出受領結果応答も遊技機から貸出ユニットに出力しないように構成している。
<各LEDの点灯制御>
状態表示ランプ1~5、遊技媒体数表示部P9の各セグメント表示部、役比モニタの各セグメント表示部についてはダイナミック点灯制御を行っている。
本実施形態における遊技機では、LED表示カウンタが5種類の値(01h、02h、04h、08h、10h)をとるため5割込みごとに点灯するよう構成されている。LED表示カウンタの値が01hの場合はLEDデジットAが対応しており、LED表示カウンタの値が02hの場合はLEDデジットBが対応しており、LED表示カウンタの値が04hの場合はLEDデジットCが対応しており、LED表示カウンタの値が08hの場合はLEDデジットDが対応しており、LED表示カウンタの値が10hの場合はLEDデジットEが対応している。
LEDデジットAで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の1桁目のLED、状態表示ランプ1のLED、役比モニタの4桁目のLEDであり、LEDデジットBで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の2桁目のLED、状態表示ランプ2のLED、役比モニタの3桁目のLEDであり、LEDデジットCで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の3桁目のLED、状態表示ランプ3のLED、役比モニタの2桁目のLEDであり、LEDデジットDで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の4桁目のLED、状態表示ランプ4のLED、役比モニタの1桁目のLEDであり、LEDデジットEで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の5桁目のLED、状態表示ランプ5のLEDである。
本実施形態においては、遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板を介して遊技機と貸出ユニットとが通信しているがこれに限られず、主制御基板P15と遊技球等貸出装置接続端子板を介して遊技機と貸出ユニットとが通信してもよい。この場合、遊技媒体数制御基板P16を搭載しないことにより生産コストが下がる。また、遊技媒体数制御基板P16が制御する処理は全て主制御基板P15で行うこととなる。なお、主制御基板P15の機能と遊技媒体数制御基板P16の機能とを同一の基板で実現する場合は、主制御チップと遊技媒体数制御チップを同一の基板上に備え、主制御チップと遊技媒体数制御チップ間で上述した実施形態と同様な送受信処理を行うことで、実現することが可能となっている。
以上、遊技機として、スロットマシン(回胴式遊技機)の構成を例示したが、上述した構成は、ぱちんこ遊技機やカジノマシン等の様々な遊技用の機種に適用できる。