図1は、本実施形態に係る遊技機の斜視図である。
図2は、本実施形態に係る遊技機の前扉の背面図である。
図3は、本実施形態に係る遊技機のキャビネットの正面図である。
図4は、本実施形態に係る遊技機のリール配列を示す図である。
図5は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図6は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図7は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図8は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図9は、本実施形態に係る遊技機の図柄組合せを示す図である。
図10は、本実施形態に係る遊技機の条件装置を示す図である。
図11は、本実施形態に係る遊技機の内部抽せんの対象を示す図である。
図12は、本実施形態に係る遊技機の内部抽せんの結果を示す図である。
図13は、本実施形態に係る遊技機の内部抽せんの結果を示す図である。
図14は、本実施形態に係る遊技機の遊技機と貸出ユニット間での通信に使用する電文の内容を示す図である。
図15は、本実施形態に係る遊技機の遊技機から貸出ユニットへ出力する電文のうち、遊技機情報通知の内容を示す図である。
図16は、本実施形態に係る遊技機が出力する遊技機情報通知に含まれる情報のうち遊技機種類を示す図である。
図17は、本実施形態に係る遊技機が出力する遊技機情報通知のうち、遊技機性能情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報を示す図である。
図18は、本実施形態に係る遊技機が出力する遊技機情報通知のうち、遊技機設置情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報を示す図である。
図19は、本実施形態に係る遊技機が出力する遊技機情報通知のうち、ホールコン・不正監視情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報を示す図である。
図20は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの基本通信シーケンスを示す図である。
図21は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの起動シーケンスを示す図である。
図22は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの起動シーケンスを示す図である。
図23は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの計数通知シーケンスを示す図である。
図24は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの貸出通知シーケンスを示す図である。
図25は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの通信異常からの復旧シーケンスを示す図である。
図26は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの計数中に通信異常が発生したときのシーケンスを示す図である。
図27は、本実施形態に係る遊技機と貸出ユニットとの貸出中に通信異常が発生したときのシーケンスを示す図である。
図28は、本実施形態に係る遊技機の計数制御に関するフローチャートである。
図29は、本実施形態に係る遊技機の得点付与処理に関するフローチャートである。
図30は、本実施形態に係る遊技機の遊技機情報管理に関するフローチャートである。
図31は、本実施形態に係る遊技機の初回起動後における遊技機情報通知の送信パターンを示す図である。
図32は、本実施形態に係る遊技機の遊技機情報通知のうちホールコン・不正監視情報2回目の送信パターンを示す図である。
図33は、本実施形態に係る遊技機の遊技機情報通知のうちホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したパターンを示す図である。
図34は、本実施形態に係る遊技機の遊技機情報通知のうちホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したパターンを示す図である。
図35は、本実施形態に係る遊技機の作用効果を説明するための比較例であり、投入数信号ONとBB状態信号ONとが同一タイミングのホールコン・不正監視情報で送信されてしまう好ましくない例を示す図である。
図36は、本実施形態に係る遊技機において、投入数信号ONとBB状態信号ONとが異なるタイミングのホールコン・不正監視情報で送信されることになる好ましい例を示す図である。
図37は、本実施形態に係る遊技機の作用効果を説明するための比較例であり、払出数信号ONとBB状態信号ONとが異なるタイミングのホールコン・不正監視情報で送信されてしまう好ましくない例を示す図である。
図38は、本実施形態に係る遊技機において、払出数信号ONとBB状態信号ONとが同一タイミングのホールコン・不正監視情報で送信されることになる好ましい例を示す図である。
図39は、本実施形態に係る遊技機の計数実行フラグセット処理を示す図である。
図40は、本実施形態に係る遊技機の計数処理に係るタイムチャートを示す図である。
図41は、本実施形態に係る遊技機の計数処理に係るタイムチャートを示す図である。
図42は、本実施形態に係る遊技機の計数処理に係るタイムチャートを示す図である。
図43は、本実施形態に係る遊技機の計数処理に係るタイムチャートを示す図である。
図44は、本実施形態に係る遊技機の遊技進行メイン処理を示す図である。
図45は、本実施形態に係る遊技機の有利区間終了処理を示す図である。
図46は、本実施形態に係る遊技機の有利区間クリアカウンタ管理の<パターン1>を示す図である。
図47は、本実施形態に係る遊技機の有利区間クリアカウンタ管理の<パターン2>を示す図である。
図48は、本実施形態に係る遊技機の有利区間クリアカウンタ管理の<パターン3>を示す図である。
図49は、本実施形態に係る遊技機の貸出通知受信に関するフローチャートである。
図50は、本実施形態に係る遊技機の遊技媒体数制御手段の割込み処理に関するフローチャートである。
図51は、本実施形態に係る遊技機の遊技媒体数制御手段の割込み処理内の遊技メダル数チェック処理に関するフローチャートである。
図52は、本実施形態に係る遊技機の遊技媒体数制御手段の計数制御処理内の計数ボタンチェック処理に関するフローチャートである。
図53は、本実施形態に係る遊技機の遊技媒体数制御手段の貸出通知受信処理内の通信異常2~6チェック処理に関するフローチャートである。
図54は、本実施形態に係る遊技機の作動予告報知状態、及び打ち止め報知状態の演出の一例を示す図である。
図55は、本実施形態に係る遊技機の有利区間クリアカウンタ管理(有利区間差数カウンタ)に関するフローチャートである。
図56は、本実施形態に係る遊技機の有利区間クリアカウンタ管理(有利区間差数カウンタ)に関するフローチャートである。
<用語説明>
「メダル(メダル数)」、「遊技媒体(遊技媒体数)」、「遊技価値」、及び「点(点数、又は得点)」は同義であり、実メダルがなくても概念としてメダルと称する場合がある。遊技媒体に関する「ベット」、「BET」、及び「投入」は同義であり、何れも遊技媒体を賭ける行為である。「演出選択スイッチP8W」と「演出決定スイッチP8E」を含めて「サブスイッチ」と称する場合がある。16進数の数値を表す場合は「0x〇〇」又は「〇〇h」と記載しており、数字の前後に特に記載のない場合は10進数で表している。「リール」を「回胴」と称する場合があり、何れも同義である。「記憶手段」を「RWM」、「RAM」、又は「記憶領域」と称する場合があり、何れも同義である。「遊技媒体の付与」、又は「得点の付与」等で使用する「付与」は、「払出」と称す場合があり、何れも同義である。「設定/リセットスイッチ」を機能ごとに「設定変更スイッチ」、「リセットスイッチ」と称する場合があるがいずれの場合も同一のスイッチを指し示している。なお、「設定変更スイッチ」、「リセットスイッチ」は、それぞれ異なるスイッチとして設けていてもよい。「図柄」、「コマ」、及び「駒」は同義であり、いずれもリールに描かれた図柄領域を示す。
本実施形態に係る遊技機Pの特徴(概略)を説明する。以下図面を参照しながら、各要素について詳述する。
<遊技機Pの外観についての説明>
まず図1を参照しながら本実施形態に係る遊技機Pの基本構造を説明する。遊技機Pは、前扉P2(フロントマスク、フロントドア、フロントパネル、扉又はドアとも称す)とキャビネットP1(裏箱、筐体とも称す)がヒンジ構造によって、係止されている。ヒンジ構造は、遊技機Pを正面から見たときの左側に設けられており、左側を軸として前扉P2が開放可能に構成されている。なお、前扉P2を開放するためには、遊技機Pを正面から見たときの右側に設けられた(前扉P2の右側に設けられた)シリンダにドア開放キーを差し込み、ドア開放キーを右に回転させることによって、施錠されている状態から施錠されていない状態(解錠されている状態)にすることが可能となる。なお、ドア開放キーを前扉P2のシリンダに差し込んだ状態で左に回転させることで、ドア開放エラーを解除することが可能であってもよい。また、解除可能なエラーとしては、ドア開放エラーに限らず、例えば、エラーの種類としてリセットスイッチの操作により復帰可能な復帰可能エラー(具体的には、投入要求通信エラー、精算要求通信エラー、払出要求通信エラー、遊技媒体数制御受信異常、主制御受信異常、総得点上限異常、総得点閾値到達状態、貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1(「通信異常1」とも称す)、貸出装置通信異常2(「通信異常2」とも称す)、貸出装置通信異常3(「通信異常3」とも称す)、貸出装置通信異常4(「通信異常4」とも称す)、貸出装置通信異常5(「通信異常5」とも称す)、貸出装置通信異常6(「通信異常6」とも称す)等が挙げられる)の全て、又は一部を含んでいてもよい。
前扉P2の裏面のシリンダ近傍にはドアスイッチが設けられており、ドアスイッチのON、又はOFFを検出することにより前扉P2が開放しているか否かを判断可能に構成している。
ドアスイッチはバネ等の弾性部材により進退可能であり、前扉P2が閉鎖されている状況ではキャビネットP1に設けられているドアスイッチ受け部にドアスイッチの先端が接触することによりドアスイッチが押し込まれた状態となっており、ドアスイッチが押し込まれた状態では、ドアスイッチに備えられた光学センサが遮光されることでドアスイッチのONを検出し、ドアが閉鎖されていると判断することになる。
また、前扉P2が開放されている状況ではキャビネットP1に設けられているドアスイッチ受け部にドアスイッチの先端が接触されておらず、バネ等の弾性部材の付勢力によりドアスイッチが突出した状態となっており、ドアスイッチが突出した状態では、ドアスイッチに備えられた光学センサが遮光されないことでドアスイッチのOFFを検出し、ドアが開放されていると判断することになる。
ドアが開放されているか否かの判断処理は、主制御基板P15による割込み処理毎に行われている。主制御基板P15による割込み処理内の入力ポート読み込み処理において、ドアスイッチに対応する入力ポートをチェックしてドアスイッチがONとなっているかOFFとなっているかによってドアが開放されているか否かを判断している。
上述したドアが開放されているか否かの判断処理はこれに限らず、ドアスイッチのON、又はOFFの検出結果とドアが開放されているか否かの判断との対応関係は逆であってもよい。例えば、ドアスイッチのONを検出していることでドアが開放されていると判断し、ドアスイッチのOFFを検出していることでドアが閉鎖されていると判断する場合が挙げられる。また、ドアスイッチに関しても近接センサ等の各種センサにより、ドアの開閉を検出するものであってもよいし、ドア開放キーが右に回転されたことを検出することでドア開放を検出するような態様であってもよい。
前扉P2の前面側に、スタートスイッチP3、左ストップスイッチP4L、中ストップスイッチP4C、右ストップスイッチP4R(以後、これらを総括して「ストップスイッチP4」と称する場合もある。)、MAXベットスイッチP5M、1ベットスイッチP5O(以後、これらを総括して「ベットスイッチP5」と称する場合もある。)、精算スイッチP6、計数スイッチP7(「計数ボタン」と称する場合がある)、演出選択スイッチP8W、演出決定スイッチP8E等が設けられている。また、遊技に関する情報を報知するための表示部として、遊技媒体数表示部P9、付与数表示部(図示せず)が設けられている。また、リールを視認可能とするための表示窓P10や、遊技に関する興趣を高めるための画像表示装置(画像表示装置P11M、画像表示装置P11S)等が設けられている。
(スタートスイッチP3)
レバー形状のスイッチであり、任意の規定数の遊技媒体が賭けられる(例えば、1~3の投入点のうち、遊技者が任意に選択した数の遊技媒体が賭けられる(ベットされる))ことにより有効となり、操作されたことでリールの回転を開始させる。また、スタートスイッチP3の操作が受付可能なときにはスタートスイッチP3の操作部、又はその周辺のランプ色(LEDの点灯色、又はLEDの点灯、消灯態様)を変更させる、又は点灯させることでスタートスイッチP3の操作が受付可能であることを示唆する。例えば、スタートスイッチP3の操作が受付可能なときには赤色で点灯し、スタートスイッチP3の操作が受付不可能なときには消灯することが挙げられる。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
(ストップスイッチP4)
本実施形態の場合、左リールP18Lには左ストップスイッチP4L、中リールP18Cには中ストップスイッチP4C、右リールP18Rには右ストップスイッチP4Rがそれぞれ対応している。また、ストップスイッチP4の操作が受付可能なときにはストップスイッチP4の操作部、又はその周辺のランプ色(LEDの点灯色、又はLEDの点灯、消灯態様)を変更させる又は点灯させることでストップスイッチP4の操作が受付可能であることを示唆する。例えば、ストップスイッチP4の操作が受付可能なときには青色で点灯し、ストップスイッチP4の操作が受付不可能なときには赤色で点灯することが挙げられる。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
(ベットスイッチP5(MAXベットスイッチP5M、1ベットスイッチP5O))
遊技機P(より具体的には、遊技媒体数制御基板P16)に設けられ、遊技者が保有する遊技媒体数(総得点とも称する)を記憶する遊技媒体数記憶手段(総得点記憶領域とも称す)に記憶されている情報が0でないとき(遊技媒体数表示部P9に表示されている情報が0でないとき)にベットスイッチP5の操作を受け付けると、賭け数の設定処理が行われる。遊技媒体数記憶手段に記憶されている情報が0である場合はベットスイッチP5の操作を受付不可にする、又はベットスイッチP5の操作を受け付けてもベット処理を実行しない。また、遊技機P毎に設定された最大数を賭けることができるMAXベットスイッチP5Mと、「1」を賭けることができる1ベットスイッチP5Oで構成されており、1ベットスイッチP5Oは複数回操作することで最大賭け数の範囲内において操作回数と同数の枚数を賭けることが可能に構成されている。また、MAXベットスイッチP5Mの操作が受付可能なときにはMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ色(LEDの点灯色、又はLEDの点灯、消灯態様)を変更させる、又は点灯させることでMAXベットスイッチP5Mの操作が受付可能であることを示唆する。例えば、MAXベットスイッチP5Mの操作が受付可能なときには赤色で点灯し、MAXベットスイッチP5Mの操作が受付不可能なときには消灯することが挙げられる。1ベットスイッチP5OにはLEDを設けていないが、1ベットスイッチP5Oの操作部、又はその周辺にLEDを配置し、ランプ色を変更させる、又は点灯させることで1ベットスイッチP5Oの操作が受付可能であることを示唆する構成であってもよい。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
(精算スイッチP6)
遊技機Pに設けられたベット数記憶手段に「1」以上の値が記憶されている状況下(ベット数が「1」以上の値である状況下)において、精算スイッチP6が操作されると、ベット数記憶手段に記憶されているベット数を遊技媒体数記憶手段に加算する処理を行うように構成されている。たとえば、ベット数記憶手段に「2」が記憶され、遊技媒体数記憶手段に「100」が記憶されている状況下において精算スイッチP6が操作されると、ベット数記憶手段には「0」が記憶され、遊技媒体数記憶手段には「102」が記憶される。精算スイッチP6の操作が受け付けられたときに精算処理が実行可能な期間は、遊技媒体が投入されてからスタートスイッチP3が操作されるまでの間となっている。換言すると、スタートスイッチP3が操作されてから遊技が終了するまでは精算スイッチP6の操作が受け付けられても精算処理を実行しない。また、これに代えて、遊技媒体が投入されてからスタートスイッチP3が操作されるまでの間は精算スイッチP6の操作を受け付けるが、スタートスイッチP3が操作されてから遊技が終了するまでの間は精算スイッチP6の操作を受け付けないようにしてもよい。また、精算スイッチP6にはLEDを設けていないが、精算スイッチP6の操作部、又はその周辺にLEDを配置し、ランプ色を変更させる、又は点灯させることで精算スイッチP6の操作が受付可能であることを示唆する構成であってもよい。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
また、1ベットスイッチP5Oと精算スイッチP6は1つのスイッチ(1ベットスイッチ/精算スイッチ)として構成されていてもよい。例えば、1ベットスイッチ/精算スイッチの長押し時間に応じて機能を切り替えてもよく、押下時間が1000ms未満の場合(1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けてから1000ms経過前に1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けなくなった場合)は、1ベットスイッチP5Oの機能を実行し、押下時間が1000ms以上の場合(1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けてから1000ms経過した場合)は、精算スイッチP6の機能を実行するように構成されていてもよい。なお、1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けてから1000ms経過した場合に精算スイッチP6の機能を実行するには、1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けなくなる必要はなく、1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けてから1000ms経過時点で1ベットスイッチ/精算スイッチの操作を受け付けていたとしても精算スイッチP6の機能を実行するようになっている。
(計数スイッチP7)
計数スイッチP7が操作されることによって、遊技機Pに設けられた遊技球等貸出装置接続端子板(後述する)を介し、遊技媒体数記憶手段に記憶されている情報を遊技機Pの外部の貸出ユニット(「専用ユニット」とも称す)に送信することが可能に構成されている。たとえば、遊技媒体数記憶手段に「50」が記憶されている状況下において、計数スイッチP7が操作されることによって、計数値(「計数点」、「計数メダル数」とも称す)として「50」という情報が遊技球等貸出装置接続端子板に送信され、その後、貸出ユニットに計数値として「50」という情報が送信され得るように構成されている。なお、計数スイッチP7が操作され、計数値を送信した後の遊技媒体数記憶手段には「0」が記憶されるように構成されている。また、計数スイッチP7にはLEDを設けていないが、計数スイッチP7の操作部、又はその周辺にLEDを配置し、ランプ色を変更させる、又は点灯させることで計数スイッチP7の操作が受付可能であることを示唆する構成であってもよい。当該LEDは主制御基板P15が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよいし、副制御基板P12が点灯、又は消灯を管理する態様であってもよい。
(演出選択スイッチP8W)
演出選択スイッチP8Wは、所謂「十字キー」であり、上方向スイッチ、右方向スイッチ、下方向スイッチ、左方向スイッチから構成されている。例えば、演出選択スイッチP8Wの上方向スイッチを操作することによって、画像表示装置P11M又は画像表示装置P11Sに表示されているカーソル等を上方向に移動することが可能となる。また、遊技待機中(遊技待機状態とも称す)において、上方向スイッチを操作すると音量が大きくなったり、下方向スイッチを操作すると音量が小さくなったり、右方向スイッチを操作するとランプの光量が大きくなったり、左方向スイッチを操作するとランプの光量が小さくなったりするよう構成されていてもよい。
(演出決定スイッチP8E)
演出決定スイッチP8Eは、演出を決定するとき等における決定ボタンや、遊技者に有利な状況が発生する旨を遊技者に示唆する演出を実行させるとき等におけるチャンスボタンとしての役割を果たす。例えば、画像表示装置P11M又は画像表示装置P11Sに表示されているある項目にカーソルが示されているときに、演出決定スイッチP8Eが操作されることによって、カーソルが示す項目を決定することができる。また、遊技中において、画像表示装置P11M又は画像表示装置P11Sに、「チャンスボタンを押せ!」などの演出が出た場合、演出決定スイッチP8Eが操作されことにより、次の演出が実行され得るように構成されている。なお、演出決定スイッチP8Eには駆動源(ソレノイドやモータ等)を配置して、演出決定スイッチP8Eの操作部が上下に振動するような演出を実行可能な構成であってもよい。
(総得点クリアスイッチ)
総得点クリアスイッチ(「遊技メダル数クリアスイッチ」とも称す)は、総得点記憶手段に記憶されている総得点を初期化するためのスイッチであり、電源投入時に総得点クリアスイッチがONとなっていた場合は、総得点が初期化可能となるよう構成されている。なお、総得点が初期化される総得点クリアスイッチの操作はこれに限らず、遊技機Pの電源が投入されているときに総得点クリアスイッチを1回操作することで総得点をクリアしてもよいし、遊技機Pの電源が投入されているときに総得点クリアスイッチを2回連続で操作することで総得点をクリアしてもよい。遊技機Pの電源が投入されているときに総得点クリアスイッチを1回操作することで総得点をクリアするよう構成した場合は、遊技中の総得点クリアスイッチの誤操作を防ぐために総得点クリアスイッチをカバーで覆ったり、奥まった位置に配置したりすることで、簡単に操作できないようにしても良い。
(遊技媒体数表示部P9)
遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数(「総得点」、又は「総遊技メダル数」とも称す)の情報を表示するための表示装置であって、最大5桁までの数値情報を表示することができる。遊技媒体数表示部P9を構成する各桁の表示部は、5個のセグメント表示部が横一列に配置されており、セグメント表示部を構成する7個のセグメントの点灯、消灯の組合せによって、遊技媒体数の情報を報知することができる。なお、5個のセグメントにはデシマルポイント(DPポイントと称する場合がある)があってもよく、デシマルポイントを用いた表示態様としても問題ない。また、各セグメントはそれぞれLEDの点灯、又は消灯によって表示態様が変化するよう構成されている。
本実施形態において、遊技媒体数表示部P9に表示できる遊技媒体数の最大数は「16383」であり、「1」を表示する場合は「□□□□1」(4つの□は空白(5個のセグメント表示部のうちの4つの非点灯)を示す)と右詰めで表示する。また、遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数が「0」の場合は「□□□□0」と表示する。仮に、遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数が「0」の場合に、遊技媒体数表示部P9の表示を「□□□□□」としてしまうと、遊技媒体数表示部P9が故障していない場合であっても、遊技媒体数表示部P9が故障しているものと誤認してしまう可能性がある。このため、遊技媒体数表示部P9に「□□□□0」と何らかの表示することにより、遊技媒体数表示部P9が故障していないことを把握することができる。
なお、遊技媒体数表示部P9は、エラーが発生した場合には、遊技媒体数の情報の報知に代えて発生したエラーに対応するエラー情報を表示するようにしてもよい。この場合、遊技媒体数表示部P9には、遊技媒体数の情報とエラー情報を交互に表示するようにしても良い。例えば、遊技媒体数の情報を3秒表示→エラー情報を3秒表示→遊技媒体数の情報を3秒表示→・・・のように繰り返して表示する態様が考えらえる。また、遊技媒体数表示部P9にエラー表示する場合は、「Pxx□□」(2つの□は空白を示す。2つのxは数値、記号、又はアルファベットを示す(各種エラーに対応したエラーの識別情報である「xx」と表示することによってエラーの種別を把握可能とする))と左詰めで表示する。換言すると、遊技媒体数の情報は、上述の「 1」等のように右詰めで表示し、且つ、最小桁(最も右のセグメント表示部)は「0」~「9」の何れかの数値情報が表示される。一方、エラー情報は、上述の「Pxx□□」というように左詰めで表示し、且つ、最小桁は非表示となり数値情報が表示されない(最も右のセグメント表示部が非点灯)。このように構成することにより、遊技媒体数表示部P9の最小桁に表示がなされるか否か(最も右のセグメント表示部の少なくとも一部が点灯しているか否か)で、現在表示されている情報が、数値情報なのかエラー情報なのかを容易に判別可能となる。
また、遊技媒体数表示部P9のうち、右から2番目のセグメント表示部においても同様に点灯か非点灯かを確認することで、現在表示されている情報が、数値情報なのかエラー情報なのかを容易に判別可能となる。
また、本実施形態のように、主制御チップと遊技媒体数チップを用いて遊技機を制御する場合、主制御チップで検知するエラーを「Pxx□□」と表現し、遊技媒体数チップで検知するエラーを「Hxx□□」と表現することで、どこでエラーが生じているかを判断させやすくすることが可能となる。例えば、投入要求通信エラーは主制御チップで検知するため、「P01□□」、「PE1□□」等と表示することが考えられ、貸出装置通信異常1は遊技媒体数チップで検知するため「H01□□」、「HE1□□」等と表示することが考えられる。このように、エラーを検知したチップ(異常発生個所)にそれぞれ対応した「P」と「H」といった識別情報と、上記の「xx」に対応した「E1」、「01」といったエラーの識別情報とを同時に表示することで、異常が100種類以上あっても桁数を変えることなく、異常発生個所及び異常種別(エラーの種類)を表示することが可能となる。
また、どこのチップがエラーを検知したかに応じて識別情報を変更する例を説明したがこれに限られず、エラーの種類に応じて識別情報を変更してもよい。例えば、復帰可能エラーの場合は「Pxx□□」と表現し、復帰不可能エラーの場合は「Hxx□□」と表現することが考えられる。このような構成によれば、エラーの重要度を判断させやすくすることが可能となる。
また、遊技媒体数表示部P9にエラーを表示する場合において、計数処理が可能なエラーが発生したときであって、エラー表示中に計数スイッチP7が操作されて計数処理がされたときは、計数処理中であっても遊技媒体数表示部P9の遊技媒体数の情報とエラーの情報を交互に表示するようにしても良い。このように構成することで、計数処理中もエラー情報を確認することが可能となる。
また、遊技媒体数表示部P9にエラーを表示する場合において、貸出処理が可能なエラーが発生したときであって、エラー表示中に貸出スイッチが操作されて貸出処理がされたときは、貸出処理中であっても遊技媒体数表示部P9の遊技媒体数の情報とエラーの情報を交互に表示するようにしても良い。このように構成することで、貸出処理中もエラー情報を確認することが可能となる。
また、遊技媒体数表示部P9にエラーを表示する場合において、遊技媒体数表示部P9にエラーが表示されている状態で、電源断となり、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されたときは、総得点は初期化されるがエラーはクリアされないため、遊技媒体数表示部P9に表示されている「0」を示す情報とエラーの情報を交互に表示するようにしても良い。このように構成することで、総得点クリアスイッチが操作されて総得点が初期化されてもエラー情報を確認することが可能となる。
(状態表示ランプ1~5)
状態表示ランプ1~5は、5個のLEDから構成されており、遊技媒体数表示部P9の各セグメントと対応する位置にLEDが1つずつ配置されている(図示せず)。状態表示ランプは、遊技媒体数制御基板P16で点灯制御しており、遊技媒体数制御基板P16が管理する状態にある変化があった場合に点灯する。なお、状態表示ランプの配置位置は遊技者が視認可能であれば任意の場所に配置してよい。
状態表示ランプ1は貸出装置接続異常(VL異常フラグ=FFh)の場合に点灯し、その他の場合(VL異常フラグ=00h)に消灯するよう構成されている。
状態表示ランプ2は貸出通番異常の場合に点灯し、その他の場合に消灯するよう構成されている。
状態表示ランプ3は貸出装置通信異常1~6の場合に点灯し、その他の場合に消灯するよう構成されている。
状態表示ランプ4は総得点が15000以上の場合に点灯し、その他の場合に消灯するよう構成されている。
状態表示ランプ5は計数通知送信時において計数点が0以外(1以上の値)の場合に点灯し、計数通知送信時において計数点が0の場合に消灯するよう構成されている。なお、状態表示ランプ5を点灯するときは、計数中フラグ(後述する)がセットされているか否かで判断しており、計数中フラグがセットされている(計数中フラグ=FFh)ときは状態表示ランプ5を点灯し、計数中フラグがセットされていない(計数中フラグ=0)ときは状態表示ランプ5を消灯する。
また、計数中フラグは計数通知タイミング毎にクリア(計数中フラグ=0)され、計数実行フラグ(後述する)=1以上のとき(計数スイッチP7の短押し、又は長押しのとき)の計数通知タイミングでセットされ、以降の計数通知タイミングにてVL異常フラグ≠0、総得点が0、又は計数実行フラグ=0となると計数中フラグがセットされなくなる。即ち、計数値として「1」以上計数する場合は、少なくとも計数通知の出力間隔である300ms間は計数中フラグ=FFhとなっている。換言すると状態表示ランプ5はが点灯する場合は少なくとも300ms間は点灯することになる。なお、計数実行フラグ=1以上のときにセットされている計数中フラグは、計数通知タイミングとなったときにクリアされるが、同じ割込み処理内で再セットされるため、状態表示ランプ5は消灯せずに点灯を維持することになる。
このように構成することで、計数スイッチP7の短押しが計数通知タイミングの直前で成立したとしても、300ms間は状態表示ランプ5を点灯することができ、状態表示ランプ5の視認可能な時間を担保することが可能となる。また、計数スイッチP7の長押しがn回(複数回)の計数通知タイミングを跨いだ際はn×300msの期間は点灯状態を維持することができる。
また、計数スイッチP7が短押しされて計数値として「1」のみ計数される場合であっても、計数スイッチP7が長押しされて計数値として「50」のみ計数される場合であっても、状態表示ランプ5は300ms間点灯することになる。このため、短押し時の処理と長押し時の処理を分ける必要がなく共通の処理で状態表示ランプ5を点灯できるため、プログラムの煩雑さの解消、及びプログラム容量を圧縮することができる。
(付与数表示部)
遊技の結果として、遊技媒体(得点)を付与する場合、付与した遊技媒体数を表示するための表示装置であって、最大2桁までの数値情報を表示することができる。付与数表示部を構成する各桁の表示部は、複数のセグメントから構成されており、セグメントを点灯することによって、遊技媒体数の情報を報知することができる。なお、遊技媒体数表示部P9に発生したエラーに対応するエラー情報を表示させない場合、付与数表示部に発生したエラーに対応するエラー情報を表示するようにしてもよい。この場合、付与数表示部には、付与した遊技媒体数の情報の後にエラー情報を表示するようにしても良い。例えば、遊技の結果付与する遊技媒体数を「7」とした場合、付与数表示部に「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」と表示した後に「E1」(エラーコード)と表示する態様が考えられる。付与数表示部は図示しないが、精算スイッチP6、1ベットスイッチP5Oの正面視左隣りに配置されることが考えられる。
(表示窓P10)
前扉P2を閉鎖した状態で、上下方向に回転自在に設けられている左リールP18L、中リールP18C、右リールP18R(図3参照)の各リールに貼付されたリールテープの図柄が表示窓P10を介して視認可能となる。具体的には、表示窓P10からは、リールが停止しているときは、21個(20個、16個等)の図柄のうち、左リールP18L、中リールP18C、右リールP18Rの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓P10には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が視認可能となる。ここで、左リールP18L、中リールP18C、右リールP18Rがそれぞれ3つの図柄を停止表示する停止表示位置のうち、最も上側の停止表示位置を上段、中央の停止表示位置を中段、最も下側の停止表示位置を下段とする。
(画像表示装置)
画像表示装置は、様々な演出画像のほか、遊技中にストップスイッチP4の押し順などを指示する遊技指示画像、エラー発生時のエラー画像等を表示する。本実施形態では、画像表示装置として、画像表示装置P11M、画像表示装置P11Sの2つの画像表示装置を備えている。なお、機種によっては画像表示装置を1つしか搭載しない場合や、3つ以上搭載する場合や、1つも搭載しない場合もある。画像表示装置は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ、プロジェクタ等遊技者に画像を視認させるための表示装置であれば様々な形態の表示装置を採用できる。
その他、ストップスイッチP4の操作態様を報知する操作態様表示装置(指示モニタとも称す)を備えていても良い。なお、付与数表示部にストップスイッチP4の操作態様を報知しても良い(兼用しても良い)。付与数表示部にストップスイッチP4の操作態様を報知するときは付与数表示部のことを指示モニタと称する場合がある。また、ベット数を報知するための1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプや、再遊技(リプレイとも称す)が実行可能であることを示す再遊技表示ランプ、スタートスイッチP3の操作により遊技が実行可能であることを示す遊技実行可能ランプ、ベットスイッチP5の操作により遊技媒体を投入可能であることを示す遊技媒体投入可能ランプ等を備えていても良い。
1ベットランプはベット数として1が設定されているときに点灯可能であり、2ベットランプはベット数として2が設定されているときに点灯可能であり、3ベットランプはベット数として3が設定されているときに点灯可能である。換言すると、ベット数として1が設定されているときは1ベットランプが点灯可能であり、ベット数として2が設定されているときは1ベットランプと2ベットランプが点灯可能であり、ベット数として3が設定されているときは1ベットランプと2ベットランプと3ベットランプが点灯可能である。
上述した1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、再遊技表示ランプ、遊技実行可能ランプ、及び遊技媒体投入可能ランプは、主制御基板P15が点灯、又は消灯を制御する態様とするが、副制御基板P12が点灯、又は消灯を制御する態様であってもよい。
<遊技機Pの前扉P2の裏面に配置されている主要部についての説明>
続いて図2を参照しながら本実施形態に係る前扉P2の背面構造を説明する。
(副制御基板P12)
副制御基板P12(副制御手段、サブ制御手基板(手段)、演出制御基板(手段)とも称す)は、副制御基板P12のケースに収容されている。副制御基板P12は、副制御CPU、副制御ROM、副制御RAMが搭載されている(副制御CPU、副制御ROM、副制御RAMは、1つのチップ内に内蔵されていても良い)。副制御CPU、副制御ROM、副制御RAMは、バスによって互いにデータ通信を可能としている。副制御基板P12は、後述する主制御基板P15からの情報(コマンドとも称す)に基づいて、演出用ランプ、スピーカ、画像表示装置(画像表示装置P11M、画像表示装置P11S)に出力するデータを決定する。換言すると、副制御基板P12は主として演出に係る制御を実行している。なお、副制御基板P12から、主制御基板P15に対しては情報を送信することはできない(片方向通信)。また、演出選択スイッチP8Wや演出決定スイッチP8Eが操作されたことによって入力されたデータを取得し、演出選択スイッチP8Wや演出決定スイッチP8Eが操作されたことによって入力されたデータに基づいて演出用ランプ、スピーカ、画像表示装置(画像表示装置P11M、画像表示装置P11S)に出力するデータを決定することもある。
(遊技媒体数表示基板P13)
遊技媒体数表示基板P13は、遊技媒体数表示部P9の表示を行う基板である。具体的には、遊技媒体数表示部P9が設置された基板である。
(スピーカ)
スピーカは、前扉上部の上部右スピーカP14UR、上部左スピーカ(図示せず)、前扉下部の下部右スピーカP14DR、下部左スピーカP14DLの4つが設けられており、スピーカからは演出に合わせた効果音の他、エラーが発生した事を知らせるエラー音や警告音を出力する。
<遊技機PのキャビネットP1に配置されている主要部についての説明>
続いて図3を参照しながら本実施形態に係るキャビネットP1の内部構造を説明する。
(主制御基板P15)
主制御基板P15(主制御手段、第1主制御基板(手段)、メイン制御基板(手段)、又は遊技制御基板(手段)とも称す)は、主制御基板ケースに収容されている。主制御基板P15は主制御基板ケースで保護されており、主制御基板ケースをカシメ(封印部材とも称する)により封印することによって、主制御基板ケースの開放が困難となるように構成されている。
主制御基板P15は、第1主制御CPU、第1主制御ROM、第1主制御RAMが搭載されている(第1主制御CPU、第1主制御ROM、第1主制御RAMは、1つのチップ内に内蔵されており、主制御チップと称する)。第1主制御CPU、第1主制御ROM、第1主制御RAMは、バスによって互いにデータ通信を可能としている。主制御基板P15は、内部抽せんや、リールの駆動や停止等のリール制御、すべてのリールが停止し、停止した図柄組合せに基づく入賞判定制御、ボーナス遊技状態(単に、ボーナスとも称す)やRT状態等の各種遊技状態の遊技状態移行制御等を行う。
主制御基板P15には、RAMクリアスイッチが接続されており、RAMクリアスイッチが操作されることにより主制御基板P15が記憶している有利区間情報をクリア可能としている。有利区間中にRAMクリアスイッチが操作されると、有利区間が終了し通常区間がセットされる。RAMクリアスイッチの操作によりクリアされる情報は有利区間に関する情報であり、設定値、総得点、ベット数、RT状態、役比モニタに関する情報はクリアされない。また、有利区間がクリアされるRAMクリアスイッチの操作方法は、1回押されたことでもよいし、所定時間押下され続けたことを検知したこと(所謂長押し)でもよいし、押下されている状況で電源投入されたことでもよい。なお、RAMクリアスイッチは遊技者(ユーザ)が操作できない位置(例えば、前扉P2を開放しないと露出しない主制御基板P15や、キャビネット内部や、前扉背面部等)に配置されている。なお、RAMクリアスイッチは、リセットスイッチと兼用していてもよい。詳細は後述するが、有利区間とは、指示モニタにより有利なストップスイッチの操作態様(操作順序や操作位置を含む)を報知する場合を有する遊技区間であり、通常区間とは、指示モニタにより有利なストップスイッチの操作態様を報知しない遊技区間である。
主制御基板P15には、設定キースイッチ(設定スイッチとも称す)が接続されており、設定キースイッチに設定キー(鍵)を差して右に略45度回転させて遊技機Pの電源を投入すると設定変更モードが開始可能となっている。なお、設定キースイッチは設定キーで操作するものに限られずプッシュ式のスイッチやプル式のスイッチを採用してもよい。何れにしても電源投入時にONかOFFを検知できれば問題ない。
また、1遊技が終了した後の遊技待機中において、ベットが設定されていない(ベット数が0)状況で、設定キースイッチに設定キー(鍵)を差して右に略45度回転すると設定確認モードが開始可能となっている。なお、設定確認モードの移行条件にベットが設定されていないことを含めなくてもよく、設定確認モードに移行できる条件を設定確認モードの移行条件と称する。
主制御基板P15に搭載されている主制御チップの内蔵ROMの記憶容量は「16KB以下」となっており、「7.5KB以下」の使用領域(第1プログラムとも称す)とそれ以外の使用領域外(第2プログラムとも称す)とを有している。使用領域には、主制御基板P15が実行するプログラムが記憶されている「4.5KB以下」の制御領域(第1制御領域とも称す)と、プログラム以外の情報のみが記憶され、又は記憶されることとなる「3.0KB以下」のデータ領域(第1データ領域とも称す)とを有している。使用領域外には使用領域と同様に制御領域(第2制御領域とも称す)とデータ領域(第2データ領域とも称す)とを有している。使用領域には遊技の進行に関するプログラムが記憶されており、使用領域外には不正対策に関するプログラムや遊技機試験に用いるプログラムが記憶されている。
(遊技媒体数制御基板P16)
遊技媒体数制御基板P16(遊技媒体数制御手段、第2主制御基板(手段)、払出制御基板(手段)、遊技メダル数制御基板(手段)、遊技メダル数表示制御基板(手段)、又は遊技媒体数表示制御基板(手段)とも称す)は、遊技媒体数制御基板ケースに収容されている。遊技媒体数制御基板P16は遊技媒体数制御基板ケースで保護されており、遊技媒体数制御基板ケースをカシメ(封印部材とも称する)により封印することによって、遊技媒体数制御基板ケースの開放が困難となるように構成されている。
遊技媒体数制御基板P16は、第2主制御CPU、第2主制御ROM、第2主制御RAMが搭載されている(第2主制御CPU、第2主制御ROM、第2主制御RAMは、1つのチップ内に内蔵されており、遊技媒体数チップと称する)。第2主制御CPU、第2主制御ROM、第2主制御RAMは、バスによって互いにデータ通信を可能としている。遊技媒体数制御基板P16は、遊技媒体数表示部P9の表示制御や、後述する遊技球等貸出装置接続端子板を介して貸出ユニットに対して情報(コマンド)を送信することや、遊技球等貸出装置接続端子板を介して貸出ユニットから情報(コマンド)を受信することや、主制御基板P15に対して情報(コマンド)を送信することや、主制御基板P15から情報(コマンド)を受信することができる。
また、遊技媒体数制御基板P16には獲得した遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段を備えており、入賞の結果付与する遊技媒体数である付与数の加算や、遊技を開始するために使用する遊技媒体数である投入数の減算を行うことにより、現在ユーザが有している遊技媒体数を記憶している。
遊技媒体数記憶手段で記憶可能な上限値は「16383」までとなっており、「16384」以降は記憶できないようになっている。
遊技媒体数記憶手段で記憶している値が「15000」以上「16368」以下の場合は、遊技媒体数制御基板P16が総得点閾値到達状態を検知することとなる。また、遊技媒体数記憶手段で記憶している値が「16369」以上「16383」以下の場合は、遊技媒体数制御基板P16が総得点上限異常を検知することとなる。なお、遊技媒体数記憶手段で記憶している値が「16369」以上「16383」以下の場合の何れかの値を上限注意値と称す。換言すると、上限注意値は上限値も含まれる概念となる。また、遊技媒体数記憶手段で記憶している値として「15000」(総得点閾値到達状態となる値)を第一の閾値と称する場合があり、遊技媒体数記憶手段で記憶している値として「16369」(総得点上限異常となる値)を第二の閾値と称する場合がある。
遊技媒体数制御基板P16には、総得点クリアスイッチが接続されており、電源断時において総得点クリアスイッチが操作(押下)されている状況で電源投入されたこと(電源投入処理時に総得点クリアスイッチの操作を検知したこと)により遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点をクリア可能としている。総得点クリアスイッチの操作によりクリアされる情報は総得点のみであり、他の情報(例えば、ベット数情報等)はクリアされない。また、総得点がクリアされる総得点クリアスイッチの操作方法は、1回押下されたことでもよいし、所定時間押下され続けたことを検知したこと(所謂長押し)でもよい。なお、総得点クリアスイッチはユーザが操作できない位置(例えば、遊技媒体数制御基板P16上や、キャビネット内部や、前扉背面部等)に配置されている。
総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されたことにより総得点がクリアされた場合は、総得点クリアステータスをONとし(RWMの総得点クリアステータス記憶領域に「1」を記憶し)、その後に開始された1回の遊技が終了するまで総得点クリアステータスのONを維持し、1回の遊技が終了した後には総得点クリアステータスをOFFにする(RWMの総得点クリアステータス記憶領域に「0」を記憶する)。総得点クリアステータスの情報は貸出ユニットに送信してもよく、貸出ユニットは総得点クリアステータスがONである情報を受信した場合は、貸出ユニットで記憶している総得点情報をクリアする。また、遊技機Pで総得点クリアステータスがONの状況下で、貸出ユニットから貸出点(「貸出メダル数」とも称す)が付与された場合、総得点クリアステータスはONのまま、新たに総得点として貸出点を加算し、その後1回の遊技が終了して総得点クリアステータスがOFFになっても新たに貸出点が加算された総得点はクリアされない。
なお、遊技中(リール回転中、払出処理(得点付与処理とも称す)中等)に電源断が行われ、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されても総得点がクリアされず、総得点クリアステータスもOFFのままとなっており、遊技終了後に電源断が行われ、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されることにより総得点がクリアされ、総得点クリアステータスがONとなる。この場合、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15から送信された遊技開始情報と遊技終了情報に基づいて遊技中であるか否かを判定し、遊技中であるときの総得点クリアスイッチの操作により総得点をクリアしないようにしている。
また、遊技中に総得点クリアスイッチが操作され、総得点クリアスイッチが操作されている状態で遊技が終了し、総得点クリアスイッチが操作されており、且つ遊技が終了している状態で電源断が行われ、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入された場合は総得点がクリアされ、総得点クリアステータスがONとなる。
また、総得点クリアステータスがONとなっているときに電源断が行われて、総得点クリアスイッチが押下されていない状況で電源投入された場合は、総得点クリアステータスはONを維持するようになっている。換言すると総得点クリアステータスは電源のON、OFFでは初期化されないようになっている。
また、総得点クリアステータスがONとなっているときに電源断が行われて、総得点クリアスイッチが押下されていない状況、且つ設定キースイッチがONとなっている状況で電源投入された場合は、設定変更モードを開始するが総得点クリアステータスはONを維持するようになっている。換言すると総得点クリアステータスは電源のON、OFF、及び設定変更モード起動時の初期化処理では初期化されないようになっている。
また、総得点クリアステータスがONとなっているときに電源断が行われて、総得点クリアスイッチが押下されている状況で電源投入された場合は、総得点をクリアした後に総得点クリアステータスを再度ONにするようになっている。ただし、この場合であっても総得点は初期化されるが総得点クリアステータスのONは初期化されていないため、総得点クリアステータスはONを維持することになる。換言すると総得点クリアステータスは電源のON、OFF、及び総得点クリアスイッチのONによる初期化処理では初期化されないようになっている。
また、総得点クリアスイッチは遊技中に電源断が行われ、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源投入されたときも、総得点がクリアされ、総得点クリアステータスがONとなるようにしてもよく、この場合は、総得点クリアステータスは総得点クリアスイッチが操作された遊技の次の遊技の終了に基づいてONからOFFにする。換言すると、総得点クリアスイッチが操作された当該遊技の終了では総得点クリアステータスのONを維持し、その次の遊技が終了すると総得点クリアステータスをOFFにする。これにより総得点クリアステータスが短時間だけONとなるようなタイミング(遊技終了直前に総得点クリアスイッチが操作されたタイミング)であっても次の遊技に総得点クリアステータスをONに維持できるため、総得点をクリアするような不正を抑制できる。なお、総得点クリアスイッチが操作された遊技の終了後に総得点クリアステータスをOFFにしてもよく、この場合は総得点クリアステータスを更新するプログラムを共通化することによる容量削減の効果が見込まれる。
また、総得点クリアスイッチは押下したのみでは総得点がクリアされないが、総得点クリアスイッチの検知は行っているため、遊技媒体数制御基板P16が管理するスイッチに異常がないか否かを遊技場管理者に視認させるためのモニタランプは点灯する。一方、総得点クリアスイッチの検知を行っているときにモニタランプが点灯する仕様ではなく、総得点クリアスイッチの検知を行っているときにはモニタランプが消灯し、総得点クリアスイッチの検知を行っていないときにはモニタランプが点灯するように構成していてもよい。なお、モニタランプとは、主制御基板P15、及び/又は、遊技媒体数制御基板P16に搭載されているランプであるが、他の基板に搭載されていても良い。
また、遊技中、又は遊技終了後に電源断が行われ、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、主制御基板P15で設定キースイッチがONか否かを判断し、遊技媒体数制御基板P16で総得点クリアスイッチがONであるか否かを判断する。
設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、設定変更モードが起動し、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域を初期化した後に設定値の選択が可能となる。一方、遊技媒体数制御基板P16では、電源投入されたことに基づいて第2主制御RAMの特定範囲の記憶領域を初期化した後に、総得点クリアスイッチがONであることに基づいて第2主制御RAMの総得点を記憶している記憶領域を初期化することにより総得点がクリアされる。このように構成することで、1回の電源投入で設定変更と総得点クリアが同時に行えるので、遊技場管理者の操作が煩雑となるのを防止することができる。
ここで、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、主制御基板P15では、設定変更モードが起動し、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域を初期化することとなる。そして設定変更モードの終了条件を満たす(スタートスイッチP3を操作して設定値を確定させた後に、設定キースイッチをOFFにする)と、設定変更モードを終了する。その後は、ベットボタンが操作されると、総得点を用いたベット処理が実行可能な状況(遊技待機中)となる。つまり、設定変更モードが終了するまでには総得点を記憶している記憶領域の初期化が完了しなければ、クリアされていない総得点に基づいたベット処理がなされる可能性がある。このような不具合を解消するために、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域の初期化が開始するタイミングよりも、第2主制御RAMの総得点を記憶している記憶領域の初期化が開始するするタイミングの方が早いように構成されていることが好ましい。その他の方法としては、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域の初期化が終了するタイミングよりも、第2主制御RAMの総得点を記憶している記憶領域の初期化が終了するするタイミングの方が早いように構成されていることが好ましい。
また、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、設定変更モードには移行するが総得点はクリアされない態様も考えられる。このような構成によれば、設定変更モードに移行させる作業の途中で誤って総得点クリアスイッチを操作してしまった場合であっても総得点はクリアされないようにすることができる。総得点は重要な情報であり、簡単にクリアされないようにすることを重視する場合は、このような制御体系としてもよい。
また、設定キースイッチがONであり、且つ総得点クリアスイッチがONである状態で電源投入された場合は、設定変更モードに移行せず、総得点はクリアされる態様も考えられる。このような構成によれば、総得点をクリアさせる作業の途中で誤って設定キースイッチを操作してしまった場合であっても設定変更モードには移行させないようにすることができる。設定値は遊技場の利益コントロールにおいて重要な情報であり、不正に変更されないようにすることを重視する場合は、このような制御体系としてもよい。
また、設定変更モードに移行した場合は、液晶に「設定変更モード中」の表示、枠ランプに赤色で点灯、スピーカから設定変更モード専用のBGMと「設定変更中です」の音声がそれぞれ設定変更モードを終了するまで出力されており、総得点がクリアされた場合は、枠ランプにオレンジ色で点灯、スピーカから「総得点がクリアされました」の音声がそれぞれ短期間、又は1回出力されているよう構成されている。このため、設定変更モードへの移行と総得点のクリアが同時に行われた場合であっても、全ての状況を認識させやすくするため、短期間、又は1回出力される総得点のクリアに関する報知を優先的に行うようにしている。優先度をつけるためには、例えば、設定変更モードの音声と総得点クリアに関する音声の音声チャンネルを同一にしている場合は、総得点クリアに関する音声を後から出力することで、総得点クリアに関する音声を先に認識できるようにしたり、設定変更モードの音声と総得点クリアに関する音声の音声チャンネルを別にしている場合であっても、総得点クリアに関する音声を出力している間は設定変更モードに関する音声の音量を下げる、又はミュートにしたりすることが考えられる。このように構成することで、設定変更モードの移行と総得点のクリアが同時に行われたとしても、状況を認識させやすくすることが可能となる。
遊技媒体数制御基板P16に搭載されている遊技媒体数制御チップの内蔵ROMの記憶容量は「16KB以下」となっており、「7.5KB以下」の使用領域(第1プログラムとも称す)とそれ以外の使用領域外(第2プログラムとも称す)とを有している。使用領域には、遊技媒体数制御基板P16が実行するプログラムが記憶されている「4.5KB以下」の制御領域(第1制御領域とも称す)と、プログラム以外の情報のみが記憶され、又は記憶されることとなる「3.0KB以下」のデータ領域(第1データ領域とも称す)とを有している。使用領域外には使用領域と同様に制御領域(第2制御領域とも称す)とデータ領域(第2データ領域とも称す)とを有している。使用領域には遊技の進行に関するプログラムが記憶されており、使用領域外には不正対策に関するプログラムや役比モニタに用いるプログラムが記憶されている。
また、遊技媒体数制御基板P16は、役比モニタ(性能表示モニタとも称す)が搭載されており、各種状態の滞在比率を表示するための演算処理や表示処理を実行可能に構成されている。
役比モニタとは、累計の有利区間比率または累計の指示込役物比率(遊技機の仕様に応じて選択可能)、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率を4800ms毎に切り替えて表示する表示装置であり、7セグメントLED(DPあり)を4個用いることで4桁の数字を表示可能となっている。4個の7セグメントLEDで表示する4桁の数字のうち上位2桁を識別セグ、下位2桁を比率セグと称す。
役物比率における「役物」とは、第1種特別役物(所謂RB)、第2種特別役物(所謂CB)、及び普通役物(所謂SB)を指しており、「役物比率」とは、役物作動中の払出÷総払出×100で算出される比率である。なお、第1種特別役物連続作動装置(所謂BB)や第2種特別役物連続作動装置(所謂MB)の作動における払出も「役物作動中の払出」に含まれるが、BB中の一般遊技やMB中の一般遊技での払出は「役物作動中の払出」に含まれない。
連続役物比率における「連続役物」とは、第1種特別役物(所謂RB)を指しており、「連続役物比率」とは、第1種特別役物作動中の払出÷総払出×100で算出される比率である。なお、第1種特別役物連続作動装置(所謂BB)の作動における払出も「役物作動中の払出」に含まれるが、BB中の一般遊技での払出は「役物作動中の払出」に含まれない。
指示込役物比率における「指示込役物」とは、上述した「役物」に指示機能が作動した遊技(所謂AT)における払出を含んだものであり、「指示込役物比率」とは、(指示機能作動中の払出、又は役物作動中の払出)÷総払出×100で算出される比率である。ここで、(指示機能作動中の払出、又は役物作動中の払出)とは、指示機能作動中、且つ役物が作動した遊技の払出を指すのではなく、指示機能が作動した遊技の払出数と役物が作動した遊技の払出の合算を指す。仮に、指示機能が作動した遊技が、役物が作動した遊技であった場合には、2つの払出数を合算するのではなく、その遊技の払出数が(指示機能作動中の払出、又は役物作動中の払出)となる。なお、ATが作動した遊技で遊技者がストップスイッチの操作態様を間違えた場合、最大の払出を得られないことがあるが、この場合は実際の払出に基づいて算出される。
役比モニタに表示する情報のうち識別セグに表示する情報は、累計の有利区間比率、累計の指示込役物比率、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率のうちどの比率を表示しているかを識別するための情報であり、それぞれ、「7U.」、「7P.」、「6Y.」、「7Y.」、「6A.」、「7A.」、「5H.」と表示する。例えば、識別セグに「7U.」と表示されている場合は、累計の有利区間比率であることを示し、識別セグに「6Y.」と表示されている場合は、最新の6000ゲーム間の連続役物比率であることを示している。
役比モニタに表示する情報のうち比率セグに表示する情報は、各種比率の算出結果を視認できるための情報であり、2個の7セグメントLEDを用いて2桁の数字で表示する。例えば、算出結果が70となった場合は、比率セグに「70」と表示する。なお、算出した結果のうち小数点以下は切り捨てて表示する。また、算出結果が100となった場合は、「99」と表示する。また、累計のゲーム数が400ゲームに満たない場合は、比率セグは「00」と表示する。
識別セグは、累計ゲーム数が基準ゲーム数に満たない場合は識別セグを点滅態様で表示する。基準ゲーム数は各種比率に応じて定まっており、累計の有利区間比率の場合は175,000ゲームであり、累計の指示込役物比率の場合は175,000ゲームであり、最新の6000ゲーム間の連続役物比率の場合は6,000ゲームであり、最新の6000ゲーム間の役物比率の場合は6,000ゲームであり、累計の連続役物比率の場合は17,500ゲームであり、累計の役物比率の場合は17,500ゲームであり、累計の役物等状態比率の場合は175,000ゲームである。
比率セグは、表示数値が閾値以上の場合は比率セグを点滅態様で表示する。閾値は各種比率に応じて定まっており、累計の有利区間比率の場合は70であり、累計の指示込役物比率の場合は70であり、最新の6000ゲーム間の連続役物比率の場合は60であり、最新の6000ゲーム間の役物比率の場合は70であり、累計の連続役物比率の場合は60であり、累計の役物比率の場合は70であり、累計の役物等状態比率の場合は50である。なお、累計のゲーム数が400ゲームに満たないで場合であって算出の結果は閾値以上となるが比率セグには「00」と表示する場合は、比率セグは点灯態様で表示する。
なお、役比モニタの識別セグに表示する情報のうち、「7U.」、「7P.」は、遊技機の仕様において何れか一方のみ表示するようになっている。「7U.」は有利区間比率を示す識別表示であり、(有利区間の遊技回数÷総遊技回数×100)の値を比率セグに表示する。「7P.」は指示込役物比率を示す識別表示であり、(指示込役物払出数(役物払出数+指示機能作動時払出数)÷総払出数×100)の値を比率セグに表示する。なお、指示機能を有していない遊技機(遊技者に有利な操作態様ストップスイッチを指示モニタにて報知しない遊技機)は、役比モニタの識別セグに表示する情報として「7U.」を表示し、比率セグには「--」を表示する(以下、指示モニタに「7U.--」と表示される仕様を7Uタイプ(指示機能なし)と称す)。
また、「7U.」、「7P.」の何れの仕様を採用するかは、開発途中で変更される可能性があるため、遊技機Pとしては、何れの情報も記憶するよう構成されていることが望ましい。このように構成するためには、電源投入時に主制御基板P15の或る記憶領域又はプログラムに記憶されている役比モニタ種別情報(7Uタイプ(指示機能なし)の場合は「0」、7Uタイプ(指示機能あり)の場合は「1」、7Pタイプの場合は「2」)を遊技媒体数制御基板P16に送信し、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15から送信された役比モニタ種別情報を或る記憶領域に記憶する。そして、遊技媒体数制御基板P16は、7Uタイプ、7Pタイプの何れの仕様であっても、「有利区間の遊技回数」や「指示込役物払出数」等の何れでしか使用しない情報もそれぞれ予め定めた記憶領域に記憶しておき、役比モニタの識別セグ、及び比率セグに有利区間比率、又は指示込役物比率を表示する際に主制御基板P15から送信された役比モニタ種別情報に基づいて必要な情報を表示するように構成されている。
なお、遊技媒体数制御基板P16は、役比モニタに表示する際だけではなく、貸出ユニットに遊技機性能情報を送信する際も主制御基板P15から送信された役比モニタ種別情報に基づいて必要な情報を送信している。例えば、遊技機Pが7Uタイプ(指示機能なし)のときに遊技機性能情報を送信する際は、指示込役物比率に関する情報としてFFhを送信し、有利区間比率に関する情報としてFFhを送信する。また例えば、遊技機Pが7Uタイプ(指示機能あり)のときに遊技機性能情報を送信する際は、指示込役物比率に関する情報としてFFhを送信し、有利区間比率に関する情報として(有利区間の遊技回数÷総遊技回数×100)の結果に応じた値を送信する。また例えば、遊技機Pが7Pタイプのときに遊技機性能情報を送信する際は、指示込役物比率に関する情報として(指示込役物払出数÷総払出数×100)の結果に応じた値を送信し、有利区間比率に関する情報としてFFhを送信する。
また、遊技媒体数制御基板P16の役比モニタ種別情報記憶領域は初期値が0となっているため、電源投入時における主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信不良により、主制御基板P15から役比モニタ種別情報が送信されなかった場合は、遊技機Pの仕様が7Pタイプであっても役比モニタ種別情報が0となる。またこのときに第1種特別役物が搭載されていなかった場合は、「6Y.」、「7Y.」、「6A.」、「7A.」、「5H.」に関する比率セグも全て「--」と表示される。
このように、電源投入時における主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信不良が発生した場合であっても、役比モニタ表示により、比率セグに数字が表示されるところを「--」が表示されるため、正常でないことをすぐに認識させることが可能となる。
役比モニタが正常な動作が可能であるかを確認するために、電源が投入されて割込み処理が起動してから4800ms間は、識別セグと比率セグにはテストパターンを表示する。テストパターンとしては、役比モニタを構成する4個の7セグメントLEDのうち全てのセグメント(DP含む)を点滅態様で表示する。例えば、「8.8.8.8.」を点滅態様で表示することが挙げられる。なお、テストパターンは電源投入後のタイミングで表示する場合の他に、設定変更中、設定確認中、RWM異常エラー中の何れかのタイミングで表示してもよい。
識別セグにおいて累計ゲーム数が基準ゲーム数に満たない場合、比率セグにおいて表示数値が閾値以上の場合、識別セグ、及び比率セグにおいてテストパターンを表示する場合のそれぞれの場合においてセグメントを点滅態様で表示するが、具体的には、点灯300ms→消灯300ms→点灯300ms→消灯300ms→・・・といったように300ms毎に点灯と消灯とを切り替えて点滅態様を表示している。また、各種比率情報を切り替えたときは点灯から開始するようにしており、これにより各種比率情報の表示時間が点灯と点滅のタイミングで長くなったり短くなったりしないようにしている。
上述したように、役比モニタに表示する、累計の有利区間比率または累計の指示込役物比率、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率は、4800ms毎に表示内容を切り替えるよう構成しているが、この4800msを点灯と点滅の1セットである600msの倍数に設定していることで、役比モニタに表示している各種比率の切り替えタイミングでは点滅態様で表示する場合であっても7セグメントLEDの何れかのLEDが必ず点灯しているように構成することが可能となる。
このように構成することで、各種比率情報が切り替わるタイミングであっても点灯から開始するので、点滅周期がずれないことによる違和感のない表示を継続して表示することが可能となる。
また、上述した電源投入後のテストパターンの表示期間も4800msとしているため、テストパターンを4800ms表示し終わった時点では7セグメントLEDは消灯となり、次の割込み処理で累計の有利区間比率または累計の指示込役物比率に関する情報を点灯から表示することが可能となる。
続いて、役比モニタにおける点滅表示に関する制御方法を説明する。
役比モニタの表示態様を点滅させるために、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)を有している。点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)は2バイトの記憶領域であり、割込み処理毎に1を加算する処理を実行する。点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)は、電源投入時に初期化され(0が記憶され)、その後割込み処理を実行する毎に0~299の値を循環する。換言すると299の次の値は0となる。
例1)点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「0」のときに更新処理を行うと、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「1」となる。このとき、キャリーフラグ=1となる(「0-299」を演算した結果、桁下がりが発生するためキャリーフラグ=1となる)。
例2)点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「298」のときに更新処理を行うと、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「299」となる。このとき、キャリーフラグ=1となる(「298-299」を演算した結果、桁下がりが発生するためキャリーフラグ=1となる)。
例3)点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「299」のときに更新処理を行うと、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「0」となる。このとき、キャリーフラグ=0となる(「299-299」を演算した結果、桁下がりが発生しないためキャリーフラグ=0となる)。
上述したように、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が0~298のうちの何れかの値である場合は、キャリーフラグ=1となり、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が299である場合はキャリーフラグ=0となる。換言すると300ms毎にキャリーフラグ=0となる。
キャリーフラグ=0となったときは、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を更新するよう構成されている。点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)は、電源が投入されると初期化され(0が記憶され)、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)に0が記憶されているときは役比モニタを点灯させ、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)に1が記憶されているときは役比モニタを消灯させる。換言すると、300ms毎にキャリーフラグ=0となるため、300ms毎に点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)に0と1とを繰り返し記憶することにより、役比モニタの表示態様が300ms毎に点灯態様と消灯態様とを繰り返し表示(点滅表示)することが可能となる。
役比モニタの表示を点滅態様で表示する場合は、識別セグにおいて累計ゲーム数が基準ゲーム数に満たない場合、比率セグにおいて表示数値が閾値以上の場合、識別セグ、及び比率セグにおいてテストパターンを表示する場合の何れかの場合であるため、これらの場合以外の場合は、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を参照せずに点灯態様で表示するようにしている。ただし、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を参照するか否かに関わらず点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)は割込み処理毎に更新されているため、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)も随時更新されており、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を参照しない状態から参照する状態に切り替わったときであっても点灯と消灯とのタイミングと各種比率表示の切り替えタイミングがずれることなく表示することが可能となる。
(遊技球等貸出装置接続端子板)
遊技球等貸出装置接続端子板(接続端子板とも称す)は、遊技機Pと貸出ユニットとの間での双方向通信を行うための中継基板としての役割を有する。遊技球等貸出装置接続端子板は、遊技球等貸出装置接続端子板ケースに収容されている。遊技球等貸出装置接続端子板は遊技球等貸出装置接続端子板ケースで保護されており、遊技球等貸出装置接続端子板ケースをカシメ(封印部材とも称する)により封印することによって、遊技球等貸出装置接続端子板ケースの開放が困難となるように構成されている。
遊技球等貸出装置接続端子板は貸出ユニットと双方向通信するためのコネクタ(D-sub9ピン)を有し、遊技機Pの筐体背面側に設けられた開口部よりコネクタに接続されたハーネス(1.5m~2.0m程度の長さ)を介して双方向通信可能となっている。また、遊技球等貸出装置接続端子板はコンデンサを搭載しており、貸出ユニットとの通信を安定させている。なお、貸出ユニットには貸出しスイッチが設けられており、貸出しスイッチが操作されると貸出ユニットから貸出通知が送信され、遊技球等貸出装置接続端子板を介して遊技媒体数制御基板P16に貸出通知が入力される。なお、遊技球等貸出装置接続端子板と貸出ユニットを繋ぐためのコネクタはスプリングロックが付いており、ハーネスが容易に抜脱しないよう構成されている。
主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板とは、それぞれ基板ケースに収納されているが、これに限られず、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とをまとめて1つの基板ケースに収納したり、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板とをまとめて1つの基板ケースに収納したりしてもよい。また、基板ケースは遊技機Pに設置した場合であっても、容易に裏面が確認可能なように構成されている。
従来のメダルを用いた遊技機では、主制御基板P15と回胴装置基板とはハーネスで接続されており、このハーネスを抜くことで、主制御基板P15に搭載されている主制御チップに回胴装置基板に搭載されているコンデンサからの電力供給が途絶えることになり、主制御チップのRAMに記憶されているデータが初期化可能となるように構成されている。これにより、RAMに不正なデータが記憶された場合であってもハーネスを抜くことで確実に初期化できるようになる。また、主制御基板P15は基板ケースが封印されているため、主制御基板にコンデンサを搭載してしまうと、上述したようにコンデンサからの電力供給を断つには、主制御基板の基板ケースを破壊した後に主制御チップを主制御基板P15から抜く必要がある。このように、コンデンサからの電力供給を断つために基板ケースの破壊を伴わないようにするためには、コンデンサは主制御基板ではない基板に搭載することが望ましい。
一方、本実施形態に記載の遊技球等貸出装置接続端子板は、フォトカプラを用いて貸出ユニットと高速通信を行うため、電力が不足しやすくなっており、コンデンサを搭載することですぐに電力を供給することが望ましい。そこで、遊技球等貸出装置接続端子板にコンデンサを搭載し、この遊技球等貸出装置接続端子板と遊技媒体数制御基板P16とをハーネスで接続し、さらに遊技媒体数制御基板P16と主制御基板P15とをハーネスで接続することで、遊技球等貸出装置接続端子板に搭載されたコンデンサが、主制御基板P15に搭載されている主制御チップのバックアップ電源となるようになっている。
主制御基板P15と、遊技媒体数制御基板P16と、遊技球等貸出装置接続端子板とはそれぞれ基板ケースで封印されており、遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板や、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16はそれぞれハーネスで接続されているため、主制御チップのRAMに記憶されているデータを初期化するためには、当該ハーネスを抜くことで可能となる。また、遊技媒体数制御基板の遊技媒体数制御チップは基板ケースで封印されているため、抜き差しは困難であるが、総得点クリアスイッチの初期化操作により、総得点が初期化可能となるように構成されている。
主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とは、32ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC12Vであり、2番ピンはDC12Vであり、3番ピンはDC5Vであり、4番ピンはDC5Vであり、5番ピンは主制御データ信号であり、6番ピンは制御状態信号1であり、7番ピンは制御状態信号2であり、8番ピンは制御状態信号3であり、9番ピンは制御状態信号4であり、10番ピンは制御状態信号5であり、11番ピンは遊技媒体数制御データ信号1であり、12番ピンは遊技媒体数制御データ信号2であり、13番ピンは遊技媒体数制御データ信号3であり、14番ピンは遊技媒体数制御データ信号4であり、15番ピンは遊技媒体数制御データ信号5であり、16番ピンは遊技媒体数制御データ信号6であり、17番ピンは遊技媒体数制御データ信号7であり、18番ピンは遊技媒体数制御データ信号8であり、19番ピンは遊技媒体数制御データ信号9であり、20番ピンは遊技媒体数制御データ信号10であり、21番ピンは遊技媒体数制御データ信号11であり、22番ピンは遊技媒体数制御データ信号12であり、23番ピンは遊技媒体数制御データ信号13であり、24番ピンは遊技媒体数制御データ信号14であり、25番ピンは遊技媒体数制御データ信号15であり、26番ピンは遊技媒体数制御データ信号16であり、27番ピンは遊技媒体数制御データストローブ信号であり、28番ピンは電源断検知信号1であり、29番ピンはバックアップ電源であり、30番ピンはGND信号であり、31番ピンはGND信号であり、32番ピンはGND信号である。なお、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板とは、5ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンはVL信号であり、3番ピンは送信信号であり、4番ピンは受信信号であり、5番ピンはGND信号である。なお、遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
遊技媒体数制御基板P16と遊技媒体数表示基板P13とは、14ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはLEDデジットA信号であり、2番ピンはLEDデジットB信号であり、3番ピンはLEDデジットC信号であり、4番ピンはLEDデジットD信号であり、5番ピンはLEDデジットE信号であり、6番ピンは遊技媒体数表示セグメントA信号であり、7番ピンは遊技媒体数表示セグメントB信号であり、8番ピンは遊技媒体数表示セグメントC信号であり、9番ピンは遊技媒体数表示セグメントD信号であり、10番ピンは遊技媒体数表示セグメントE信号であり、11番ピンは遊技媒体数表示セグメントF信号であり、12番ピンは遊技媒体数表示セグメントG信号であり、13番ピンは遊技媒体数表示セグメントP信号であり、14番ピンは遊技媒体数表示セグメントP信号である。また、1番ピン~14番ピンに関する信号は遊技媒体数制御基板P16から遊技媒体数表示基板P13に送信する信号である。なお、遊技媒体数制御基板P16と遊技媒体数表示基板P13とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
遊技媒体数制御基板P16と計数スイッチP7とは、2ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンは計数スイッチP7信号であり、計数スイッチP7が操作されたときに遊技媒体数制御基板P16に計数スイッチP7の操作入力に関する信号を送信するために使用している。なお、計数スイッチP7信号が入力されると遊技媒体数制御基板P16で管理している総得点情報の一部、又は全部を貸出ユニットに送信する。2番ピンはGND信号であり、GNDとして使用している。なお、遊技媒体数制御基板P16と計数スイッチP7とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
遊技球等貸出装置接続端子板と貸出ユニットとは、9ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはLG信号であり、2番ピンはTXD-信号であり、3番ピンはRXD-信号であり、4番ピンはPSI信号であり、5番ピンはLG信号であり、6番ピンはTXD+信号であり、7番ピンはRXD+信号であり、8番ピンはVL信号であり、9番ピンはVL信号である。TXD+信号、TXD-信号は遊技機P(遊技球等貸出装置接続端子板)から貸出ユニットに情報を送信するために使用している。RXD+信号、RXD-信号は遊技機P(遊技球等貸出装置接続端子板)が貸出ユニットから情報を受信するために使用している。PSI信号は遊技機Pと貸出ユニットとの接続を確認する信号接続確認信号として使用している。VL信号は絶縁したDC5V電源として使用している。また、2番ピンと6番ピンとを繋ぐハーネスはツイスト処理が施されている。また、3番ピンと7番ピンとを繋ぐハーネスはツイスト処理が施されている。なお、遊技球等貸出装置接続端子板と貸出ユニットとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
主制御基板P15とドア中継基板とは40ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンはDC5Vであり、3番ピンはDC5Vであり、4番ピンはDC5Vであり、5番ピンはGND信号であり、6番ピンはLEDデジット1信号であり、7番ピンはLEDデジット2信号であり、8番ピンはLEDデジット3信号であり、9番ピンはLEDデジット4信号であり、10番ピンはLEDデジット5信号であり、11番ピンはLEDセグメント1A信号であり、12番ピンはLEDセグメント1B信号であり、13番ピンはLEDセグメント1C信号であり、14番ピンはLEDセグメント1D信号であり、15番ピンはLEDセグメント1E信号であり、16番ピンはLEDセグメント1F信号であり、17番ピンはLEDセグメント1G信号であり、18番ピンはLEDセグメント1P信号であり、19番ピンはGND信号であり、20番ピンGND信号であり、21番ピンはGND信号であり、22番ピンはGND信号であり、23番ピンはGND信号であり、24番ピンはGND信号であり、25番ピンはスタートスイッチセンサ信号であり、26番ピンはGND信号であり、27番ピンは精算スイッチ信号であり、28番ピンは1枚投入スイッチ信号であり、29番ピンは3枚投入センサ信号であり、30番ピンはGND信号であり、31番ピンは左ストップスイッチP4Lセンサ信号であり、32番ピンはGND信号であり、33番ピンは中ストップスイッチP4Cセンサ信号であり、34番ピンはGND信号であり、35番ピンはGND信号であり、36番ピンは右ストップスイッチP4Rセンサ信号であり、37番ピンはGND信号であり、38番ピンはGND信号であり、39番ピンはGND信号であり、40番ピンはコネクタ接続モニタ信号である。なお、主制御基板P15と回胴装置基板P17とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
主制御基板P15と回胴装置基板P17とは26ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC12Vであり、2番ピンはDC12Vであり、3番ピンはDC5Vであり、4番ピンはDC5Vであり、5番ピンはバックアップ電源であり、6番ピンは左リールP18LモータΦ0信号であり、7番ピンは左リールP18LモータΦ1信号であり、8番ピンは左リールP18LモータΦ2信号であり、9番ピンは左リールP18LモータΦ3信号であり、10番ピンは中リールP18CモータΦ0信号であり、11番ピンは中リールP18CモータΦ1信号であり、12番ピンは中リールP18CモータΦ2信号であり、13番ピンは中リールP18CモータΦ3信号であり、14番ピンは右リールP18RモータΦ0信号であり、15番ピンは右リールP18RモータΦ1信号であり、16番ピンは右リールP18RモータΦ2信号であり、17番ピンは右リールP18RモータΦ3信号であり、18番ピンは左リールP18Lセンサ信号であり、19番ピンは中リールP18Cセンサ信号であり、20番ピンは右リールP18Rセンサ信号であり、21番ピンはドアスイッチ信号であり、22番ピンはGND信号であり、23番ピンはGND信号であり、24番ピンはGND信号であり、25番ピンはGND信号であり、26番ピンはGND信号である。なお、主制御基板P15と回胴装置基板P17とはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
主制御基板P15と設定/リセットスイッチとは5ピンコネクタを介して接続されている。本実施形態においては、設定変更モード中において設定値を変更する設定変更スイッチと、エラー中においてエラーを解除するリセットスイッチとは、同一のスイッチであるが、それぞれ異なるスイッチとして備えてもよい。
主制御基板P15とサブ制御基板とは30ピンコネクタを介して接続されている。
回胴装置基板P17と電源基板とは8ピンコネクタを介して接続されている。
回胴装置基板P17と左リールP18Lモータとは4ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはモータΦ0信号であり、2番ピンはモータΦ1信号であり、3番ピンはモータΦ2信号であり、4番ピンはモータΦ3信号である。なお、回胴装置基板P17と左リールP18Lモータとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と左リールP18Lセンサとは3ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンは左リールP18Lセンサ信号であり、3番ピンはGND信号である。なお、回胴装置基板P17と左リールP18Lセンサとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と中リールP18Cモータとは4ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはモータΦ0信号であり、2番ピンはモータΦ1信号であり、3番ピンはモータΦ2信号であり、4番ピンはモータΦ3信号である。なお、回胴装置基板P17と中リールP18Cモータとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と中リールP18Cセンサとは3ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンは中リールP18Cセンサ信号であり、3番ピンはGND信号である。なお、回胴装置基板P17と中リールP18Cセンサとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と右リールP18Rモータとは4ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはモータΦ0信号であり、2番ピンはモータΦ1信号であり、3番ピンはモータΦ2信号であり、4番ピンはモータΦ3信号である。なお、回胴装置基板P17と右リールP18Rモータとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17と右リールP18Rセンサとは3ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはDC5Vであり、2番ピンは右リールP18Rセンサ信号であり、3番ピンはGND信号である。なお、回胴装置基板P17と右リールP18Rセンサとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
回胴装置基板P17とドアスイッチとは3ピンコネクタを介して接続されている。1番ピンはドアスイッチ信号であり、2番ピンはGND信号であり、3番ピンはGND信号である。なお、回胴装置基板P17とドアスイッチとはハーネスにより直接的に接続されていてもよいし、中継端子板を介して間接的に接続されていてもよい。
ドア中継基板と表示基板とは14ピンコネクタを介して接続されている。
ドア中継基板とマックスベットとは6ピンコネクタを介して接続されている。
ドア中継基板とスタートスイッチP3とは3ピンコネクタを介して接続されている。
ドア中継基板とストップスイッチP4とは9ピンコネクタを介して接続されている。
<設定変更モード>
設定変更モードとは、設定値を選択可能なモード(換言すれば、設定値を設定可能な設定値設定モード)であって、本実施形態では設定値情報として「0」~「5」の何れかの情報を選択し、設定値情報記憶手段に記憶することができる。ここで、設定値を表示するための設定値表示器(図示せず)を備え、設定変更モードでは、ホール店員が設定値表示器に表示された情報をもとに、設定値情報を決定することができる。なお、設定値表示器に表示される設定値は、「1」~「6」の何れかの情報であり、設定値に応じて遊技の有利度合い(機械割、出玉率、AT当選確率等)が変化するようにしている。
電源スイッチがオフ(OFF)であって、設定キースイッチをオン(ON)状態にした後に、電源スイッチをオンにすることにより、設定変更モードが開始(設定変更を開始)される。
なお、設定変更モードを開始する条件として、電源投入時に設定キースイッチがONとなっていることに加えて電源投入時の遊技状態が遊技中ではないこと(全リール停止して遊技終了処理を行ってから次遊技に係るスタートスイッチが操作されるまでの状態であること)を条件としてもよい。何れにしても設定変更モードが開始可能な条件を設定変更モードの開始条件や所定の開始条件と称する場合がある。
設定変更モードを開始(設定変更を開始)した後は、設定変更スイッチの操作により、設定値情報を何れにするか選択することが可能となる。たとえば、設定値表示器に「2」が表示されているときに設定変更スイッチが操作されると、設定値表示器に「3」が表示される。また、設定値表示器に「6」が表示されているときに設定変更スイッチが操作されると、設定値表示器に「1」が表示される。なお設定変更モードを起動すると、第1主制御RAMの所定範囲の記憶領域を初期化する。この初期化処理により、復帰可能エラーや有利区間等の遊技状態は初期化されるが、総得点に関しては初期化されない。総得点を初期化する場合は別途総得点クリアスイッチを操作する必要がある。
設定変更モードを開始(設定変更を開始)した後、設定変更スイッチの操作によって設定値を選択し、スタートスイッチP3を操作して設定値を確定させた後に、設定キースイッチをオフにすることで、設定変更モードを終了する(設定変更を終了する)ことができる。設定変更モードを終了(設定変更を終了)した後は、投入点をベットすることが可能となり、投入点がベットされた後にスタートスイッチP3の操作が受け付けられた場合は遊技が実行可能となる。
なお、設定値表示器に「1」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「0」が記憶され、設定値表示器に「2」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「1」が記憶され、設定値表示器に「3」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「2」が記憶され、設定値表示器に「4」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「3」が記憶され、設定値表示器に「5」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「4」が記憶され、設定値表示器に「6」が表示されているときに設定変更モードを終了した場合には設定値情報として「5」が記憶される。
ここで、設定変更モードであっても、貸出ユニットと遊技機Pとの通信は行われている。換言すると、設定変更モード中であっても、後述する貸出通知を受信し遊技機Pに点数を加算することができる。また、設定変更モード中であっても、後述する計数通知を送信し遊技機Pの点数を計数することができる。
また、設定変更モードであっても、貸出ユニットと遊技機Pとの通信は行われないように構成することもできる。換言すると、設定変更モード中であっても、貸出ユニットの貸出スイッチが操作されても遊技機Pは貸出通知を受信しないため、遊技機Pに点数を加算することができない。またこの場合、設定変更モード中では、計数スイッチP7が操作されても計数通知を送信しないため遊技機Pの点数を計数することができない。
また、設定変更モード中はスタートスイッチの操作によるリール回転処理、ベットスイッチの操作によるベット数の設定処理、精算スイッチの操作による精算処理、及びストップスイッチの操作によるリール停止処理を無効にしており、遊技の進行ができないようになっている。
<設定確認モード>
設定確認モードとは、設定値を確認可能なモードであって、設定値表示器により現在の設定値を表示することができる。
電源スイッチがオンである状況下で、設定キースイッチがオン状態となった場合に設定確認モードを開始(設定確認が開始)することができる。なお、設定確認モードでは、設定変更モードとは異なり、設定値を選択及び変更することはできない。また、ベットされている点数が1点以上あり、且つ電源スイッチがオンである状況下で、設定キースイッチがオン状態となった場合は、設定確認モードを開始しないようにすることもできる。換言するとベットされていない状況(再遊技による自動ベット含む)において、設定キースイッチがオン状態となることで設定確認モードを開始する。
設定確認モードを開始(設定確認を開始)した後、設定キースイッチをオフにすることで、設定確認モードを終了する(設定確認を終了する)ことができる。
ここで、設定確認モードであっても、貸出ユニットと遊技機Pとの通信は行われている。換言すると、設定確認モード中であっても、後述する貸出通知を受信し遊技機Pに点数を加算することができる。また、設定確認モード中であっても、後述する計数通知を送信し遊技機Pの点数を計数することができる。
また、設定確認モードであっても、貸出ユニットと遊技機Pとの通信は行われないように構成することもできる。換言すると、設定確認モード中では、貸出ユニットの貸出スイッチが操作されても遊技機Pは貸出通知を受信しないため、遊技機Pに点数を加算することができない。またこの場合、設定確認モード中では、計数スイッチP7が操作されても計数通知を送信しないため遊技機Pの点数を計数することができない。
また、設定確認モード中はスタートスイッチの操作によるリール回転処理、ベットスイッチの操作によるベット数の設定処理、精算スイッチの操作による精算処理、及びストップスイッチの操作によるリール停止処理を無効にしており、遊技の進行ができないようになっている。
<貸出ユニット>
本実施形態における遊技機Pは貸出ユニットに向けて通信が可能となっている。貸出ユニットには、貸出スイッチ、再プレイ(貯メダルプレイ)スイッチ、カード返却スイッチ、カード挿入口、紙幣投入口等が設けられている。なお、貸出スイッチと再プレイスイッチは共通のスイッチであってもよい。また、カード返却スイッチやカード挿入口におけるカードとは、ユーザの所有する会員カード(店舗毎に発行される)や、会員ではないユーザが使用するビジターカードのことを示しており、単にカードと称したり、情報記録媒体と称したりする場合がある。
ユーザが紙幣投入口から紙幣を投入して貸出スイッチが操作されると遊技機Pに対して貸出通知を送信する。貸出ユニットには遊技機Pからの情報を受信するSC基板が搭載されており、遊技機Pにおける遊技媒体数制御基板P16が送信した情報はSC基板が受信するように構成されている。
カードに貯メダル情報が記憶されている場合は、再プレイスイッチが操作されることでカードに記憶されている貯メダル情報から所定数の遊技メダルを遊技機Pに対して貸出通知として送信する。
カード返却スイッチが操作されるとカード挿入口から挿入されているカードをユーザに返却する。
<ホールコンピュータ>
貸出ユニットに設けられているSC基板が遊技機Pからの情報を受信したときは、一部の情報は貸出ユニットからホールコンピュータに送信される。ここで、貸出ユニットからホールコンピュータに送信される情報としては、投入数、払出数、主制御状態、不正情報等が挙げられる。ホールコンピュータは、貸出ユニットからの情報を受信したときは遊技機外のデータ表示器等に表示するための処理を実行する。なお、ホールコンピュータは従来の物体としての遊技メダルを用いた遊技機からの情報も同時に管理する可能性があるため、投入数や払出数はその数に応じたパルス数を受信することで投入数や払出数を管理している。換言すると、遊技機Pは投入数や払出数の値をそのまま送信するが、最終的な受信媒体であるホールコンピュータはパルスで受信するため、ホールコンピュータが投入数や払出数を受信しきるまでにはタイムラグが発生する。
<本実施形態に適用可能な主制御基板P15が制御する電源投入処理に関する説明>
遊技機の電源が投入された場合、電源断検知信号がONか否かを判断し、電源断検知信号がONでない場合(OFFである場合)は、主制御チップの機能設定を行い、電源断検知信号がONである場合は、電源断検知信号がONか否かの判断をループする(以下の電源投入処理を実行しない)。
主制御チップの機能設定では、内蔵レジスタの初期設定を実行する。
続いて、RWMエリアのチェックサムの算出、及び電源断処理済みフラグのチェックを実行し、電源断復帰データを生成する。
続いて、ドアスイッチ信号、及び設定キースイッチ信号がONか否かを判断し、ドアスイッチ信号がON(前扉が開放している状態)であり、且つ設定キースイッチ信号がONであった場合は、設定変更装置処理を実行し、何れかのスイッチがOFFであった場合は、電源断復帰データが正常か否かを判断する。
続いて、電源断復帰データが正常でない場合はエラー表示を行い、初期化処理が行われるまでエラー状態をループする。電源断復帰データが正常である場合は、電源断時に保存したデータに基づきスタックポインタを復帰する。
続いて、入力ポートの読み込みを実行する。
続いて、割込み起動処理を実行する。割込み起動処理では、シリアル通信ポートのチャンネル0~3の4つのチャンネルに係る設定を実行する。このうち、チャンネル0は送信と受信の設定が可能となっており、チャンネル1は送信のみの設定が可能となっており、チャンネル2は送信のみの設定が可能となっており、チャンネル3は送信のみの設定が可能となっている。
チャンネル0に関して受信を許可するための設定をするためには、チャンネル0に対応した設定領域(内蔵レジスタの一部)のビット7を「1」にする。また、チャンネル0に対応した設定領域(内蔵レジスタの一部)のビット6を「1」にすることで、チャンネル0に関して送信を許可するための設定ができる。本実施形態においては、チャンネル0の設定は受信のみを設定するため、ビット7を「1」にセットし、ビット6は「0」のままとしている。このチャンネル0を受信のみ許可することで、主制御基板は遊技媒体数制御基板からのコマンドを受信することが可能となる。なお、本実施形態では主制御基板から遊技媒体数制御基板にコマンドを送信する場合は、パラレル通信で送信するためシリアル通信ポートは使用しないが、主制御基板から遊技媒体数制御基板にシリアル通信でコマンドを送信する場合は、シリアル通信ポートのチャンネル1~3の何れかのチャンネルを用いて送信するようにしてもよい。この場合であってもチャンネル0は受信のみ許可する設定を行うことで、送信に係るコマンドと受信に係るコマンドのタイミングを調整するといった煩雑な処理を実行することなく、相互の通信を実行できる。
割込み起動処理において、チャンネル0の受信設定は使用領域で設定し、チャンネル2の送信設定は使用領域外で設定する。チャンネル2は主制御基板から試験用IF基板に試験信号を出力するための処理を実行するために送信設定を実行する。
割込み起動処理において、チャンネル0の受信許可設定、及び送信不許可設定を実行した後に、使用領域外のシリアル通信設定プログラムを呼出し、チャンネル2の送信許可設定を実行する。このようにチャンネル0の受信設定をチャンネル2の送信設定よりも先に設定することで、遊技媒体数制御基板からのコマンドの送信に対していち早く備えることが可能となる。
割込み起動処理を実行した後は、電源断時の割込み処理に復帰させる。
<本実施形態に適用可能な主制御基板P15が制御する遊技進行メイン処理に関する説明>
遊技機Pにおける遊技に関する処理は、定期的(本実施形態では2.235ms毎)に実行するインターバル割込み処理(以下、単に「割込み処理」、又は「タイマ割込み処理」と称する場合がある)と、インターバル割込み処理の終了後から次のインターバル割込み処理の開始タイミングまで実行する遊技進行メイン処理に大別される。
本実施形態における主制御基板P15の遊技進行メイン処理の概略について、図44を用いて説明する。
<電源投入時処理>
電源がオンとなったときに、電源投入時処理を実行する。電源投入時処理では、第1主制御RAMの異常(チェックサムを算出)を判断する。第1主制御RAMが異常であり、設定キースイッチがオンでないとき(オフのとき)には、「電源断復帰が正常に行えない場合」となり、復帰不可能エラーとなる。復帰不可能エラーとなった場合には、以降の遊技進行メイン処理を実行しない。復帰不可能エラーとなった場合には、一度電源をオフした後、設定キースイッチがオンの状況で電源をオンにする(設定変更による第1主制御RAMの所定領域の初期化を行う)ことにより復帰することが可能である。
電源投入時処理において、第1主制御RAMが異常でなく、設定キースイッチがオンでないとき(オフのとき)には、遊技開始セットを行う。
電源投入時処理において、第1主制御RAMが異常でなく、設定キースイッチがオンであるときには、第1主制御RAMの特定領域の初期化を行った後、設定値を変更可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードの終了条件を満たした場合には、遊技開始セットを行う。
電源投入時処理において、第1主制御RAMが異常であり(復帰不可能エラーであり)、設定キースイッチがオンであるときには、第1主制御RAMの特定領域を少なくとも含む所定領域の初期化を行った後、設定値を変更可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードの終了条件を満たした場合には、遊技開始セットを行う。
また、設定変更モードの移行条件として、設定キースイッチがオンである場合で説明したが、設定キースイッチがオンであり、且つ、第1主制御RAMに設定変更可能状態がセットされている場合に設定変更モードに移行としても良い。なお、設定変更可能状態については後述する。
<遊技開始セット>
まず設定変更が可能な設定変更可状態を第1主制御RAMにセットする。設定変更可状態がセットされているときは電源投入時に設定キースイッチがオンとなっていた場合に設定変更モードに移行する。設定変更可状態がセットされていないとき(設定変更不可状態がセットされているとき)は電源投入時に設定キースイッチがオンとなっていても設定変更モードに移行しない。
次に、1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプ、再遊技表示ランプを消灯する。具体的には、第1主制御RAMのうち、1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプ、再遊技表示ランプの点灯・消灯を管理している記憶領域に消灯データをセットする。
次に、前回遊技の結果が再遊技であるか否かを判断する。
前回遊技が再遊技であると判断した場合には、再遊技表示ランプを点灯する。具体的には、第1主制御RAMのうち、再遊技表示ランプの点灯・消灯を管理している記憶領域に点灯データをセットする。その後、前回遊技のベット数を自動ベットする。例えば、前回遊技のベット数が「3」の場合には、自動ベットによりベット数が「3」となる。その後、遊技媒体受付けを行う。
一方、前回遊技が再遊技でないと判断した場合には、再遊技表示ランプの点灯や、自動ベットを行わずに、遊技媒体受付けを行う。
<遊技媒体受付け>
遊技媒体受付けとは、総得点を用いたベット処理やベット数の精算処理が実行可能な状況(遊技待機中)における制御処理である。
遊技媒体受付けでは、まず、設定確認モードへの移行条件を満たしているか否かを判断する。具体的には、最初にベット数が0か否かを確認する。ベット数が0の場合には、ドアが開放し、且つ、設定キースイッチがオン(設定キースイッチ信号の立ち上がりがあると判断した場合でも良い)であるときに設定確認処理を実行する(設定確認モードに移行する)。ベット数が0でない場合(例えば、ベット数が1の場合)には、ドアが開放し、且つ、設定キースイッチがオンであっても、設定確認処理を実行しない(設定確認モードに移行しない)。
設定確認モードへの移行条件を満たしていない場合(設定確認モードに移行しなかった場合)は、次に、VL異常、又は、後述する総得点上限異常であるかを判断する。
VL異常、又は、総得点上限異常である場合には、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプの点灯状況にかかわらず、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプを消灯し、以降の処理(ベット処理や精算処理等)は実行しない。ここで、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプを消灯するとは、第1主制御RAMのうち、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプの点灯・消灯を管理している記憶領域に消灯データを記憶することである。なお、このとき、第1ベットランプ、第2ベットランプ、第3ベットランプの点灯状況は維持する。例えば、第1ベットランプは点灯、第2ベットランプは点灯、第3ベットランプは消灯している状況においてVL異常が発生した場合には、第1ベットランプは点灯、第2ベットランプは点灯、第3ベットランプは消灯のままである。このようなランプ態様にすることにより、VL異常、又は、総得点上限異常が発生しても、現在のベット数を遊技者に報知することが可能となる。一方、遊技媒体投入可能ランプ、遊技実行可能ランプは消灯する。遊技実行可能ランプが消灯することにより、例えば、規定数がベットされている状況下(1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプが点灯している状況下)であっても、スタートスイッチを操作しても遊技が進行しないことを報知可能となる。また、遊技媒体投入可能ランプが消灯することにより、例えば、ベット数が0であり、且つ、総得点>規定数である状況下であっても、ベットされている状況下ベットスイッチを操作してもベットされないことを遊技者に報知することが可能となる。
なお、遊技媒体受付け中にVL異常、又は、総得点上限異常が発生している状況下であっても、設定確認モードへの移行条件を満たしているか否かを判断している。このように構成することによって、VL異常、又は、総得点上限異常が発生している状況下であっても、設定確認モードへの移行条件を満たした場合には、設定値を確認することができる遊技機を提供することができる。
VL異常、又は、総得点上限異常でない場合には、精算処理、投入処理を実行する。
精算処理では、精算スイッチP6が操作されたと判断した場合にベットされている点数の精算処理を実行する。
投入処理では、MAXベットスイッチが操作されたと判断した場合は3点を投入する処理を実行し、1ベットスイッチが操作されたと判断した場合は1点を投入する処理を実行する。
ここで、主制御基板P15が実行する投入処理(以下、ベット処理とも称す場合がある)について説明する。
主制御基板P15は、MAXベットスイッチ、又は1ベットスイッチの操作を受け付けたときに(MAXベットスイッチ、又は1ベットスイッチの立上りデータがあると判断したときに)、最大投入数(規定数とも称する)である「3」と現在の投入数(現在のベット数、ベットされているベット数、ベットされている投入数とも称する)を減算した結果が「0」である場合(ゼロフラグ=1である場合)は投入処理を終了し、最大投入数である「3」と現在の投入数を減算した結果が「0」でない場合(ゼロフラグ=1でない場合)は、投入要求数(ベット要求数とも称する)をセットする。
投入要求数のセット処理では、1ベットスイッチの操作を受け付けたときであれば投入要求数として「1」をセットし、MAXベットスイッチの操作を受け付けたときであれば投入可能数(現在の投入数が「0」のときは「3」であり、現在の投入数が「1」のときは「2」であり、現在の投入数が「2」のときは「1」である)を投入要求数としてセットする。
セットした投入要求数を投入要求コマンド(ベット要求コマンドとも称する)として遊技媒体数制御基板P16に送信する。なお、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に送信するコマンドは第1制御コマンド(1バイト)、第2制御コマンド(1バイト)で構成されており、第1制御コマンドはコマンドの種別を示し、第2制御コマンドはデータを示している。例えば、投入要求コマンドの場合は、第1制御コマンドとして、「20h」、第2制御コマンドとして「01h」~「03h」の何れかの値となる。換言すると、遊技媒体数制御基板P16は、主制御基板P15からのコマンドを受信したときに第1制御コマンドから投入要求コマンドであることを確認でき、第2制御コマンドから投入要求数を確認することができる。
主制御基板P15が投入要求コマンドを送信した後、遊技媒体数制御基板P16から投入数のコマンドが送信された場合は、主制御基板P15は投入要求数に応じて1点ずつベット数に加算する。またベット数を1点加算する毎に1~3ベットランプを順次点灯する。
また、主制御基板P15が投入要求コマンドを送信した後、遊技媒体数制御基板P16から受付不可コマンドが送信された場合は、投入処理を終了する。ここで、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に受付不可コマンドを送信する場合としては、遊技媒体数制御基板P16のRAM領域である総得点記憶領域に記憶されている値(総得点とも称す)が、投入要求数よりも少ない場合である。例えば、投入要求数「3」で、総得点記憶領域に記憶されている値が「3」未満のときに、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に受付不可コマンドを送信する。投入要求数「2」で、総得点記憶領域に記憶されている値が「2」未満のとき、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に受付不可コマンドを送信する。また、投入要求数「1」で、総得点記憶領域に記憶されている値が「1」未満のとき、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に受付不可コマンドを送信する。
ここで、主制御基板P15が実行する精算処理について説明する。
主制御基板P15は精算スイッチP6の操作を受け付けたときに(精算スイッチP6の立上りデータがあると判断したときに)、ベットされている投入数を読み込み、ベットされている投入数が「0」であるか否かを判断し、ベットされている投入数が「0」である場合は精算処理を終了し、ベットされている投入数が「0」でない場合は1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、再遊技表示ランプ、遊技実行可能ランプ、遊技媒体投入可能ランプを消灯する。なお、再遊技時は精算処理が実行できないため、再遊技中に精算スイッチP6が操作されても精算処理は実行されない。換言すると、再遊技中に精算スイッチP6が操作されても、再遊技表示ランプを含む、1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、遊技実行可能ランプ、遊技媒体投入可能ランプは消灯しない。
各種ランプを消灯した後は、精算要求コマンドをセットする。精算要求コマンドの第2制御コマンドの値は、精算処理実行時のベットされている投入数(精算要求数とも称する)を読み込むときに記憶したレジスタの値を用いる。換言すると、精算要求数は、「01h」~「03h」の何れかの値となる。
次に、セットした精算要求コマンドを遊技媒体数制御基板P16に送信する。
主制御基板P15が精算要求コマンドを送信した後、遊技媒体数制御基板P16から精算要求コマンドが送信された場合は、主制御基板P15は、副制御基板P12に対して精算処理を開始するコマンドを送信し、ベットされている投入数をクリアし、点灯している1~3ベットランプを消灯し、副制御基板P12に対して精算処理を終了するコマンドを送信する。なお、副制御基板P12は、主制御基板P15から精算処理を開始するコマンドが送信されたときは精算音をスピーカに出力させ、主制御基板P15から精算処理を終了するコマンドが送信されたときはスピーカから出力させている精算音の出力を終了する。
また、遊技媒体数記憶手段が記憶している総得点が上限注意値となる「16369」以上の値となっている場合は、遊技媒体数制御基板P16が総得点上限異常を検知し、遊技媒体数制御基板P16から主制御基板P15に対して総得点上限異常であることをコマンド通信にて通知し、主制御基板P15は遊技媒体数制御基板P16から通知された総得点上限異常であるコマンドを受信した場合は、主制御基板P15は総得点上限異常をセットする。
総得点上限異常の場合、主制御基板P15は遊技不可状態(スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、精算スイッチP6が受付不可となっている状態)とすることで、遊技媒体数記憶手段が記憶している総得点が上限値である「16383」を超えないようにすることができる。例えば、遊技媒体数記憶手段が上限注意値となる直前の値である「16368」を記憶しており、且つ最大のベット数である「3」がベットされている状況で、精算スイッチP6が操作された後でも遊技媒体数記憶手段が記憶している値は「16371」となり上限値の「16383」以下となっているため、精算スイッチP6の操作による精算処理で遊技媒体数記憶手段に遊技媒体数を加算しても上限値を超えないことで、上限値を超えた分の遊技媒体が消えてしまうことを防ぐことができる。なお、この場合は遊技媒体数記憶手段が記憶している値が「16371」となった後に総得点上限異常を検知して、以降の精算スイッチP6の操作を受付不可とし精算処理ができないようになっている。その後計数スイッチP7が操作されて遊技媒体数記憶手段が記憶している値が「16368」以下の値となった場合は総得点上限異常を自動的に解除し、遊技可能状態(スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、精算スイッチP6が受付可能となっている状態)となる。
なお、総得点上限異常の場合は遊技不可状態となっており、スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、及び精算スイッチP6が受付不可となっているが、通常の想定ではベットスイッチP5のみ受付不可としても遊技不可状態となり、スタートスイッチP3、及び精算スイッチP6は受付不可にしなくてもよいが、不正な総得点上限異常が発生する可能性を鑑みてスタートスイッチP3、及び精算スイッチP6も受付不可にしている。また、遊技中に不正な総得点上限異常が発生する可能性を鑑みて払出処理を不可にしてもよい。
<スタートレバー受付け?>
続いて、遊技可能な投入点が投入されていた場合は、スタートレバー受付けを判断する。スタートレバー受付けでは、スタートスイッチP3が操作されたか否かを確認(スタートスイッチP3の立ち上がり信号を検知したか否かを確認)する。遊技可能な投入点が投入されていない場合は、遊技媒体受付けの設定確認モードへの移行条件を満たしているか否かを判断する処理に戻り、遊技待機中をループすることとなる。
続いて、遊技可能な投入点が投入されており、スタートレバー受付けにより、スタートスイッチP3が操作されたか否かを確認した結果、スタートスイッチP3が操作されたと判断した場合(スタートレバー受付け?でYESの場合)は、設定変更不可状態をセットし、スタートスイッチP3が操作されていないと判断した場合(スタートレバー受付け?でNOの場合)は、設定確認モードへの移行条件を満たしているか否かを判断する処理に戻り、遊技待機中をループすることとなる。
<内部抽せん>
続いて、設定変更不可状態をセットした後は、内部抽せん処理を実行する。内部抽せん処理では、小役、リプレイ(再遊技とも称す)、BB、RB、はずれ等を抽せんにより決定する。
<回胴回転処理>
続いて、最小遊技時間(ある遊技の回胴回転開始から次の遊技の回胴回転開始までを4.1秒以上に担保するための時間)が経過したか否かを判断し、最小遊技時間が経過したと判断した場合は、回胴回転開始処理を実行し、最小遊技時間が経過していないと判断した場合は、最小遊技時間が経過するまで最小遊技時間の判断処理をループする。
続いて、回胴回転開始処理では、全ての回胴を回転させるための処理を実行し、ストップスイッチの操作が受け付け可能となるまでの間にずらしコマ数データの作成を開始する。
<回胴停止処理>
続いて、回胴停止処理を実行する。回胴停止処理では、ストップスイッチの操作が受け付け可能か否かを判断して、ストップスイッチの操作が受け付け可能な場合は、ストップスイッチが操作されたか否かを確認(ストップスイッチの立ち上がり信号を検知したか否かを確認)する。ストップスイッチの操作が受け付け可能ではない場合は、ずらしコマ数データの作成まで戻る。
続いて、ストップスイッチが操作されたか否かを確認した結果、ストップスイッチが操作されたと判断した場合は、停止受付位置とすらしコマ数から停止位置を決定する。ストップスイッチが操作されていないと判断した場合は、ずらしコマ数データの作成まで戻る。
続いて、停止位置を決定した場合は、全回胴(本実施形態では3つの回胴)が停止したか否かを判断し、全回胴が停止したと判断した場合は、遊技状態別処理を実行する。全回胴が停止していないと判断した場合は、ずらしコマ数データの作成まで戻る。
<遊技状態別処理>
遊技状態別処理とは、後述するメイン遊技状態に応じた処理を実行する。例えば、今回の遊技はAT(有利区間の遊技)であり、且つ、今回の遊技で有利区間の任意の終了条件(例えば、AT300ゲーム実行)を満たし、次回遊技を通常区間の遊技とする場合は、有利区間終了処理を実行する。有利区間を任意の終了条件で終了させる場合についての制御処理については、後述する。
<払出処理>
続いて、遊技状態別処理を実行した後は、払出処理を実行する。
払出処理では、再遊技作動図柄が停止したか否かを判断し再遊技作動図柄が停止したと判断した場合は遊技開始時の投入数を自動投入数データとして記憶し、再遊技作動図柄が停止していないと判断した場合は払出時間が経過したか否かを判断するために得点付与タイマの値が「0」でないか否か判断し、得点付与タイマの値が「0」でない場合は得点付与タイマの値が「0」となるまで待機し、得点付与タイマの値が「0」である場合は得点付与タイマの値に付与点1点分の払出時間を示す値である「27」(60.35msに相当する時間)を記憶した後、払出要求コマンドをセットする。
主制御基板P15が払出要求コマンドを送信した後、遊技媒体数制御基板P16から払出要求コマンドが送信された場合は、主制御基板P15は、獲得した数を示す獲得数データ(払出開始時は「0」が記憶されている)の値をインクリメントして払い出す数を示す得点付与データ(払出開始時は入賞図柄に応じた払出数が記憶されている)をデクリメントする。そして、得点付与データの値が0でない場合は、再度得点付与タイマの値が「0」でないか否かの判断処理を得点付与データの値が0となるまで繰り返す。なお、獲得数データは、付与数表示部に獲得数を表示するためのデータである。
また、遊技媒体数記憶手段が上限注意値となる直前の値である「16368」を記憶しており、且つ最大の付与数である「15」が付与される状況であっても付与された後の遊技媒体数記憶手段が記憶している値は「16383」となり上限値であるため、払出処理で遊技媒体数記憶手段に遊技媒体数を加算しても上限値を超えないことで、上限値を超えた分の遊技媒体が消えてしまうことを防ぐことができる。なお、この場合は遊技媒体数記憶手段が記憶している値が「16383」となった後に総得点上限異常を検知して、以降のベットスイッチP5の操作、及びスタートスイッチP3の操作を受付不可としてベット処理、及び遊技開始に係る処理(回胴回転開始処理等)ができないようになっている。その後計数スイッチP7が操作されて遊技媒体数記憶手段が記憶している値が「16368」以下の値となった場合は総得点上限異常を自動的に解除し、遊技可能状態(スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、精算スイッチP6が受付可能となっている状態)となる。
<有利区間クリアカウンタ管理処理>
続いて、今回の遊技が有利区間の遊技であるときに、有利区間の終了条件に係るカウンタ(例えば、有利区間での遊技回数を管理する記憶領域や、有利区間でのMYを管理する記憶領域)の更新処理を実行する。当該更新処理によって、有利区間の終了条件を満たすと判断した場合には、次回の遊技は通常区間となるように制御する。今回の遊技で有利区間を終了する場合には、有利区間の遊技で使用していた第1主制御RAMの各種記憶領域について初期化を行う。一方、今回の遊技が通常区間の遊技である場合には、有利区間の終了条件に係るカウンタの更新処理は行わない。換言すると、有利区間クリアカウンタ管理処理は、有利区間であるときに、有利区間の終了条件を満たしたか否かを判断し、有利区間の終了条件を満たした場合に、有利区間を終了するための制御を行う。
<作動状態管理処理>
続いて、再遊技、役物及び役物連続作動装置の作動状態管理処理を実行する。作動状態管理処理の実行により1遊技が終了となり、遊技進行メイン処理の遊技開始セットに戻る。
なお、スタートスイッチが操作されたと判断した場合は、設定変更不可状態セットすることにより、設定変更不可状態では設定変更をできないように構成していたが、設定変更不可状態を設けず、遊技の途中でも(スタートスイッチが操作された後でも)設定変更ができるように構成しても良い。
<本実施形態に適用可能な主制御基板P15が制御するインターバル割込み処理に関する説明>
インターバル割込み処理では、まずレジスタ退避処理を実行する。レジスタ退避処理では、割込み処理終了後に直前まで実行していた遊技進行メイン処理に戻すことができるようにレジスタ値をスタック領域に記憶する。
続いて、割込みフラグクリア処理を実行する。割込みフラグクリア処理では、割込みフラグをクリア(OFF)して割込み処理を許可する。
続いて、電源断処理を実行する。電源断処理では、電源断検知信号がONであれば、後述する電源断処理を実行し、電源断検知信号がOFFであれば、電源断処理を終了する。
続いて、割込みカウンタ更新処理を実行する。割込みカウンタ更新処理では、割込み処理毎にカウンタを更新する。
続いて、主制御コマンド取得処理を実行する。主制御コマンド取得処理では、遊技媒体数制御基板P16からのコマンドを受信して主制御コマンドバッファに保存する。
続いて、入力ポート読み込み処理を実行する。入力ポート読み込み処理では、入力ポートを読み込む。
続いて、回胴駆動管理処理を実行する。回胴駆動管理処理では、全リールに対して状態に応じた駆動処理を実行する。
続いて、遊技媒体数制御コマンド出力処理を実行する。遊技媒体数制御コマンド出力処理では、遊技媒体数制御基板P16に対して、コマンドを送信するために遊技媒体数コマンドバッファにコマンドを保存する。
続いて、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、出力ポートにデータをセットして、出力する。
続いて、タイマ計測処理を実行する。タイマ計測処理では、条件装置出力タイマ、払出カウント信号出力タイマ、オーバーフロー試験信号タイマ、回胴停止受付待ちタイマ、最小遊技時間管理タイマ、得点付与タイマ、設定変更装置作動開始時待ちタイマ、ボーナス作動開始時待ちタイマ、ボーナス作動終了時待ちタイマ等の各種タイマの更新を実行する。
続いて、エラー管理処理を実行する。エラー管理処理では、設定値エラーや内蔵乱数エラーをチェックする。なお、エラー管理処理は使用領域外のプログラムを呼び出す処理であり、エラーチェックは使用領域外のプログラムで実行する。
続いて、遊技機情報管理処理(主制御)を実行する。遊技機情報管理処理(主制御)では、遊技機不正1と遊技機不正2の情報を更新する。
続いて、サブ制御コマンド送信処理を実行する。サブ制御コマンド送信処理では、副制御基板P12に対して送信するコマンドをセットする。
主制御基板P15が副制御基板P12に対して送信するコマンドがない場合(送信コマンドバッファにコマンドが記憶されていない場合)は、主制御基板P15が無操作コマンドを副制御基板P12に対して送信する態様であってもよい。無操作コマンドには、遊技状態の情報やエラー状態の情報を含んでおり、副制御基板P12が無操作コマンドを受信すると主制御基板P15の状態がわかるようになっている。例えば、遊技媒体数制御基板P16の総得点が総得点上限異常となる値となり主制御基板P15が総得点上限異常信号を受信した場合は無操作コマンドを副制御基板P12に対して送信することで副制御基板P12は総得点上限異常に対する処理として計数スイッチの操作を促す報知を実行するような態様であってもよい。なお、無操作コマンドに含まれる情報の一例として、総得点上限異常、総得点閾値到達状態、貸出装置通信異常1~6、計数中、VL異常等がわかるようになっていることが望ましい。
続いて、LED表示処理を実行する。LED表示処理では、付与数表示部に表示する7セグLEDセグメントテーブルをセットする処理等を実行する。
続いて、サブ報知データ出力処理を実行する。サブ報知データ出力処理では、ストップスイッチやMAXベットスイッチが有効に操作可能であるか否かや、ドアが開放しているか閉鎖しているか等を副制御基板に対して送信する。
続いて、遊技媒体数制御報知処理を実行する。遊技媒体数制御報知処理では、遊技媒体数制御報知情報を更新する。
続いて、レジスタ復帰処理を実行する。レジスタ復帰処理ではレジスタ退避処理でスタックに保存した情報を復帰させる。
続いて、割込み許可処理を実行する。
<本実施形態に適用可能な主制御基板P15が制御する電源断処理に関する説明>
遊技機Pの電源がOFFになったり、停電などの外的要因により、電源断検知信号がONとなったりした場合は、電源断処理が実行される。電源断検知信号がONではない場合は、電源断処理を終了する。なお、電圧が所定値を下回った場合は所定の入力ポートに電源断検知信号が入力され、割込み処理において2回連続所定の入力ポートに電源断検知信号が入力されていた場合は電源断と判断し電源断検知信号をONにするように構成されているが、これに限られず、電圧が1回でも所定値を下回った場合に外部割込みが発生し、電源断検知信号をONにするように構成されていてもよい。
電源断検知信号がONであると判断した場合は、出力ポート(0~6)をOFFにする。
続いて、スタックポインタ保存処理を実行する。
続いて、電源断処理済みフラグ及びRWMチェックサムデータのセット処理を実行する。
続いて、RWM書き込み禁止処理を実行する。
続いて、リセット信号待ち状態となり、以降はこの状態をループする。
<本実施形態に適用可能な遊技媒体数制御基板P16が制御する電源投入処理、メインループ処理、及び電源断処理に関する説明>
遊技機の電源が投入された場合は、遊技媒体数制御チップの機能設定を行う。遊技媒体数制御チップの機能設定では、内蔵レジスタの初期設定を実行する。
続いて、RWM初期化処理を実行する。RWM初期化処理では、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行し、正常か異常かに応じてRWM初期化開始アドレスを設定してRWMの初期化を実行する。また、使用領域外のプログラムによって、使用領域外のRWM領域の初期化も実行する。換言すると、正常の場合と異常の場合でRWMの初期化範囲が異なり、正常の場合は総得点記憶領域に記憶している総得点は初期化範囲に含まれないが、異常の場合は総得点記憶領域に記憶している総得点も初期化範囲に含まれる。
電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出(電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を、RWM異常の判定と総称する場合がある)を実行し、正常と判断した場合には、計数中フラグ、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、及び遊技機情報通知タイマC、通番、計数通番、計数点、計数累積点、貸出通番、貸出点受領結果、計算用MYカウンタ、出力用MYカウンタ、主制御チップID、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コード等を記憶している各種記憶領域の初期化(例えば、各種記憶領域に0を記憶する)を行う。なお、設定キースイッチがオンか否かに関わらず、各種記憶領域の初期化を行う。また、RWMの初期化処理の後に総得点クリアスイッチがONであるか否かを判定して、ONであると判定された場合は総得点を初期化し、ONであると判定されなかった場合は総得点を初期化しない。このような構成により、総得点をクリアするか否かは総得点クリアスイッチの操作に基づいて実行できるようになり、不用意に総得点がクリアされないようにすることができる。
RWM異常の判定の結果として異常と判断した場合には、正常と判断されたときの記憶領域(計数中フラグ、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、及び遊技機情報通知タイマC、通番、計数通番、計数点、計数累積点、貸出通番、貸出点受領結果、計算用MYカウンタ、出力用MYカウンタ、主制御チップID、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コード等)の初期化に加え、総得点や役比モニタに関する情報等を記憶している記憶領域の初期化(例えば、各種記憶領域に0を記憶する)も行う。なお、設定キースイッチがオンか否かに関わらず、各種記憶領域の初期化を行う。
RWM異常の判定の結果として正常と判断した場合には総得点クリアスイッチがONであるか否かの判定は行うが、RWM異常の判定の結果として異常と判断された場合には総得点クリアスイッチがONであるか否かの判定は行わない。これは、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行した結果が異常と判断された場合に実行される初期化処理により総得点が初期化されるためである。つまり、総得点クリアスイッチが操作されていても、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行し、異常と判断された場合には、総得点クリアスイッチの操作に基づく初期化を実行しない。このように構成することにより、総得点を記憶している記憶領域の初期化を二回実行しないようにすることができ、初期化処理に係る処理時間を短縮することが可能となる。
なお、RWM異常の判定として、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出の2つを行っているが、何れか一方でも良い。また、他のチェック方法を用いてRWM異常の判定を行っても良い。
また、RWM異常の判定の結果として異常と判断した場合は、電源復帰異常時のRWM初期化処理(例えば、第2主制御RAMの全RWM領域(総得点を記憶している記憶領域も含む)の初期化)を実行した後に総得点クリアスイッチがONであるか否かの判断を行ってもよい。そして、電源復帰異常時のRWM初期化処理を実行した後に、総得点クリアスイッチがONであるか否かの判断となるよう構成してもよい。
このような構成によれば、電源状態フラグのチェックとRWMチェックサムデータの算出を実行した結果、異常と判断した場合(電源状態フラグのチェック結果が異常と判断された場合、又は、RWMチェックサムデータの算出を実行した結果が異常と判断された場合)における、電源復帰異常時のRWM初期化処理を実行した後に総得点クリアスイッチがONであるか否かの判断を実行するため、総得点クリアスイッチがONであれば、再度、総得点を記憶している記憶領域も初期化することとなり、初期化範囲が重なる場合を有するが、確実に総得点を初期化することが可能となる。
また、RWM異常の判定の結果として正常と判断した後に総得点クリアスイッチがONであると判断した場合は、総得点を初期化した後に総得点クリアタイマ1(メダル数クリアタイマ1とも称す)をRWMにおける所定の記憶領域に保存する。
また、RWM異常の判定の結果として異常と判断した場合は、総得点を含むRWM領域を初期化した後に総得点クリアタイマ2(メダル数クリアタイマ2とも称す)をRWMにおける所定の記憶領域(総得点クリアタイマ1とは異なる記憶領域)に保存する。
総得点クリアタイマ1は、60秒をカウントするためのタイマであり、総得点クリアタイマ2も、60秒をカウントするためのタイマである。総得点クリアタイマ1、及び総得点クリアタイマ2はデクリメントカウンタであり、カウンタ値が0となった場合に60秒をカウントしたことになる。なお、総得点クリアタイマ1、及び総得点クリアタイマ2はインクリメントタイマであってもよい。
総得点クリアタイマ1の値として60秒をカウントするための値が記憶された場合は、総得点クリアタイマ1の値が0となるまで主制御手段に総得点クリア1情報を送信し、総得点クリアタイマ2の値として60秒をカウントするための値が記憶された場合は、総得点クリアタイマ2の値が0となるまで主制御手段に総得点クリア2情報を送信する。
主制御手段が総得点クリア1情報を受信した場合は、主制御手段が副制御手段に総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報を無操作コマンドの一部で送信し、主制御手段が総得点クリア2情報を受信した場合は、主制御手段が副制御手段に総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報(総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報とは異なる情報)を無操作コマンドの一部で送信する。
副制御手段が総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報を受信した場合は、総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行させ、副制御手段が総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報を受信した場合は、総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行させる。総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知とは、液晶に「総得点がクリアされました」と表示したり、「総得点が正常にクリアされました」と表示したり、スピーカから専用のBGMを出力したりすることが例示できる。総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知とは、液晶に「電源復帰異常です」と表示したり、「総得点が異常によりクリアされました」と表示したり、スピーカから専用のBGMを出力したりすることが例示できる。
なお、副制御手段が総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報、又は総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報を受信した場合の報知時間は総得点クリアタイマ1の値、又は総得点クリアタイマ2の値が0となるまで(総得点クリアタイマ1、又は総得点クリアタイマ2をセットしてから60秒経過するまで)でもよいし、副制御手段が総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報、又は総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報を受信してから副制御手段が任意の報知時間(例えば、180秒等)を管理して報知してもよい。
このように遊技媒体数制御手段が総得点クリアタイマ1、又は総得点クリアタイマ2をセットすることで、副制御手段により総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知、又は総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行することができる。これにより、管理者は総得点がクリアされたこと、及びどのような契機で総得点がクリアされたかを知ることができ、総得点クリアスイッチの誤操作による総得点の初期化や、不正による総得点の初期化を認知することが可能となる。
また、電源投入時に総得点クリアスイッチが押下されていた場合は、総得点を初期化して総得点クリアタイマ1をセットした後に総得点クリアステータスに1をセットする(総得点クリアステータスをONにする)。
ここで、総得点クリアタイマ1と総得点クリアタイマ2が60秒である理由として、主制御手段から副制御手段に確実にコマンドを送信するためである。これは、遊技機Pの電源を投入したときに主制御手段が起動するまでの時間と副制御手段が起動するまでの時間との差が最大で30秒程度かかる場合(副制御手段が主制御手段の起動後から30秒後に起動する場合)があり、その場合であっても副制御手段が30秒分は総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知、又は総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行することができるようにするためである。なお、電源投入時は遊技媒体数制御手段が起動した後に主制御手段が起動するようになっているが、遊技媒体数制御手段と主制御手段の電源投入時の起動までの時間差は比較的短時間(1秒程度)であるため、主制御手段と副制御手段との電源投入時の起動までの時間差を基準に説明しているが、仮に、遊技媒体数制御手段と主制御手段の電源投入時の起動までに時間差が長時間であれば該時間差も考慮したタイマ値に設定する必要があることを付け加えておく。
なお、総得点クリアタイマ1、及び総得点クリアタイマ2をタイマ管理ではなく、総得点クリアフラグ1、及び総得点クリアフラグ2のようにフラグ管理でもよいが、フラグ管理ではフラグを立てた後(記憶領域に1を記憶した後)初期化処理(記憶領域に0を記憶する処理)が必要であり、タイマ管理の方が時間経過で自動的にタイマ値が初期値(0)になるため、プログラム容量を削減することが可能となる。
総得点クリアタイマ1と総得点クリアタイマ2とでカウントする時間は60秒に限られず、副制御手段が総得点クリアタイマ1、又は総得点クリアタイマ2の情報を受信可能な時間であれば任意の時間を設定してよい。
総得点クリアタイマ1の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ1をカウントしている状況)で電源断が発生した場合は、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として正常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ1を初期化する。また、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として異常と判断した後の初期化処理においても、総得点クリアタイマ1を初期化する。換言すると、総得点クリア1情報に基づいた報知を実行しているときに電源断が発生して、電源復帰した場合は、副制御手段が総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行しない。
<総得点クリアタイマ1カウント中の電源断後に総得点クリアスイッチ押下で電源投入された場合1>
総得点クリアタイマ1の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ1をカウントしている状況)で電源断が発生して、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰した場合は、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として正常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ1を初期化した後、総得点クリアスイッチがONとなっていることから総得点の初期化処理を実行した後に総得点クリアタイマ1を保存する。換言すると、総得点クリアタイマ1は電源断後の電源復帰時に初期化されるが総得点クリアスイッチがONとなっている場合は再度総得点クリアタイマ1がセットされるように構成されている。
このように構成することで、電源断により総得点クリアタイマ1が初期化されても電源投入時に総得点クリアスイッチをONにしておくことで再度総得点クリアタイマ1が保存されるため、副制御手段に総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行させることが可能となる。
<総得点クリアタイマ1カウント中の電源断後に総得点クリアスイッチ押下で電源投入された場合2>
総得点クリアタイマ1の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ1をカウントしている状況)で電源断が発生して、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰して、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として異常と判断した場合は、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として異常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ1を含むRWM領域を初期化した後、総得点クリアスイッチが操作されていても総得点クリアスイッチがONであるか否かは判断せず、総得点クリアタイマ2を保存する。換言すると、総得点クリアタイマ1は電源断後の電源復帰時に初期化され、総得点クリアスイッチがONとなっている場合であっても総得点クリアタイマ2がセットされるように構成されている。
このように構成することで、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰した時にRWM異常の判定として異常と判断した場合に、総得点クリアタイマ2が保存されるため、副制御手段に総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行させることが可能となる。
総得点クリアタイマ2の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ2をカウントしている状況)で電源断が発生した場合は、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として正常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ2を初期化した後、総得点クリアタイマ2を再セットする(総得点クリアタイマ2の値として60秒をカウントするための値が記憶される)。また、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として異常と判断した後の初期化処理においても、総得点クリアタイマ2が初期化され、総得点クリアタイマ2をセットする。換言すると、総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行しているときに電源断が発生して、電源復帰した場合は総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行できる。なお、総得点クリアタイマ2の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ2をカウントしている状況)で電源断が発生した場合は、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として正常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ2を初期化せずに、総得点クリアタイマ2を再セットしてもよい。
<総得点クリアタイマ2カウント中の電源断後に総得点クリアスイッチ押下で電源投入された場合1>
総得点クリアタイマ2の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ2をカウントしている状況)で電源断が発生して、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰して、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として異常と判断した場合は、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として異常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ2を含むRWM領域を初期化した後、総得点クリアスイッチが操作されていても総得点クリアスイッチがONであるか否かは判断せず、総得点クリアタイマ2を保存する。換言すると、総得点クリアタイマ2は電源断後の電源復帰時に初期化され、総得点クリアスイッチがONとなっている場合であっても総得点クリアタイマ2がセットされるように構成されている。
このように構成することで、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰した時にRWM異常の判定として異常と判断した場合に、総得点クリアタイマ2が保存されるため、副制御手段に総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行させることが可能となる。
<総得点クリアタイマ2カウント中の電源断後に総得点クリアスイッチ押下で電源投入された場合2>
総得点クリアタイマ2の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ2をカウントしている状況)で電源断が発生して、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰して、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として正常と判断した場合は、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として正常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ2を含むRWM領域を初期化した後、総得点クリアスイッチがONとなっていることから総得点の初期化処理を実行した後に総得点クリアタイマ1を保存して総得点クリアタイマ2も保存する。換言すると、総得点クリアタイマ2は電源断後の電源復帰時に初期化されるが、総得点クリアスイッチがONとなっている場合であっても総得点クリアタイマ1と総得点クリアタイマ2がセットされるように構成されている。なお、総得点クリアタイマ1と総得点クリアタイマ2がセットされている場合は、総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報と総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報が副制御基板に送信され、副制御基板は総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報と総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報を受信したときに総得点クリア2情報に基づいた報知を優先して実行する。
このように構成することで、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰した時にRWM異常の判定として正常と判断した場合に、総得点クリアタイマ1と総得点クリアタイマ2が保存されるが、副制御手段に総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行させることが可能となる。
なお、総得点クリアタイマ2の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ2をカウントしている状況)で電源断が発生して、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰して、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として正常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ2を初期化しない場合は、総得点クリアスイッチがONとなっていることから総得点の初期化処理を実行した後に総得点クリアタイマ1を保存して総得点クリアタイマ2も再度保存する態様であってもよいし、総得点クリアタイマ2の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ2をカウントしている状況)で電源断が発生して、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰して、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として正常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ2を初期化しない場合は、総得点クリアスイッチが操作されていても総得点クリアスイッチがONであるか否かは判断せず総得点クリアタイマ2を再度保存する態様であってもよいし、総得点クリアタイマ2の値が0ではない状況(総得点クリアタイマ2をカウントしている状況)で電源断が発生して、総得点クリアスイッチが操作されている状況で電源復帰して、電源復帰時にRWM異常の判定の結果として正常と判断した後の初期化処理で、総得点クリアタイマ2を初期化する場合でも、総得点クリアスイッチが操作されていても総得点クリアスイッチがONであるか否かは判断せず総得点クリアタイマ2を再度保存する態様であってもよい。いずれにしても副制御手段に総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に基づいた報知を実行させることが可能となる。
なお、主制御手段が副制御手段に対して、総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報、及び総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報を無操作コマンドの一部で送信する例で説明したが、無操作コマンドの一部で送信する例に限られず、総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報に対応するコマンド、又は総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に対応するコマンドを直接送信してもよい。換言すると、総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報に対応するコマンド、又は総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に対応するコマンドを生成してコマンドバッファに記憶し、コマンド送信タイミングとなったときに総得点クリア1情報を受信したことに基づいた所定の情報に対応するコマンド、又は総得点クリア2情報を受信したことに基づいた所定の情報に対応するコマンドを送信する態様であってもよい。
続いて、使用領域外のプログラムを呼び出して、役比モニタにテストパターンを表示するためのテストパターン表示フラグをONにする。
その後、割込み処理を起動する。本実勢形態における遊技媒体数制御基板P16の割込み周期は1msとしている。
続いて、電源断を検出したか否かを判断するための電源断検出処理を実行する。電源断検出処理では、電源断を検出した場合は、電源断処理を実行し、電源断を検出していない場合は、割込み処理待ちとなる。
なお、遊技機Pの電源がOFFになったり、停電などの外的要因により、電圧が所定値を下回った場合は所定の入力ポートに電源断検知信号が入力され、割込み処理において7回連続所定の入力ポートに電源断検知信号が入力されていた場合は電源断と判断し電源断検知信号をONにするように構成されているが、これに限られず、電圧が1回でも所定値を下回った場合に外部割込みが発生し、電源断検知信号をONにするように構成されていてもよい。
続いて、電源断検出処理で電源断を検出した場合の電源断処理では、電源投入が正常の場合、電源状態フラグを正常として保存し、電源投入が異常の場合、電源状態フラグを異常として保存する。
続いて、RWM書き込み禁止処理を実行する。
続いて、リセット信号待ち状態となり、以降はリセット信号待ち状態をループする。
<本実施形態に適用可能な遊技媒体数制御基板P16が制御するインターバル割込み処理に関する説明>
遊技媒体数制御基板P16が制御するインターバル割込み処理(タイマ割込み処理や割込み処理とも処す)について図50を基に説明する。
遊技媒体数制御基板P16が制御するインターバル割込み処理は、1ms毎に実行される。
インターバル割込み処理では、まずWDT(ウォッチドッグタイマ)クリア&リスタート処理を実行する。WDTクリア&リスタート処理では、ウォッチドッグタイマコマンドレジスタにWDTクリア&リスタートワードとして「55h」を保存する。
続いて、後述する遊技メダル数チェック(総得点チェックとも称す)のためのチェックデータをセットする。チェックデータとしてはBレジスタに16hを保存し、Cレジスタに04hを保存する。
ここで、Bレジスタに保存した16hは最大払出数(最大付与数)である15点に対応しており、Cレジスタに保存した04hは最大ベット数である3点に対応している。
また、最大払出数に対応したBレジスタに保存した16hを範囲チェックデータ1と称し、最大ベット数に対応したCレジスタに保存した04hを範囲チェックデータ2と称す。
なお、仮に最大払出数が10点の場合は範囲チェックデータ1として11hをBレジスタに保存することになるため、範囲チェックデータ1の値は最大払出数+01hの値とも言える。また、仮に最大ベット数が5点の場合は範囲チェックデータ2として06hをCレジスタに保存することになるため、範囲チェックデータ2の値は最大ベット数+1hの値とも言える。
続いて、遊技メダル数チェック処理を実行する。遊技メダル数チェック処理に関しては、図51を基に説明する。なお、遊技メダル数チェック処理は割込み処理内で2回実行する。今回のタイミングで実行する遊技メダル数チェック処理を便宜上1回目の遊技メダル数チェック処理と称し、別のタイミングで実行する遊技メダル数チェック処理を便宜上2回目の遊技メダル数チェック処理と称する。ただし、1回目の遊技メダル数チェック処理と2回目の遊技メダル数チェック処理は同一のモジュールであり、チェックデータと実行タイミングが異なるものである。
1回目の遊技メダル数チェック処理では、まず遊技メダル数(総得点)を取得する。具体的には総得点記憶手段に記憶している総得点のデータをHLレジスタに保存する。
続いて、確認データセット処理では、取得した遊技メダル数をIXレジスタに保存する。具体的には、IXレジスタの値をDEレジスタに保存してから、HLレジスタの値をIXレジスタに保存する。この時点で総得点記憶手段に記憶している総得点のデータがIXレジスタに保存される。換言すると、遊技メダル数チェック処理を実行する毎にIXレジスタに最新の総得点のデータが保存されるようになっている。なお、電源投入処理によりIXレジスタに総得点記憶領域に記憶されている総得点のデータを保存するため電源投入直後でも正確にチェックできるようになっている。
続いて、遊技メダル数≧確認データ?処理では、取得した遊技メダル数と確認データとの差分を判断する。具体的には、HLレジスタに記憶されている総得点記憶手段に記憶している総得点のデータから、DEレジスタに記憶されているIXレジスタに保存されていた総得点のデータを減算してノンキャリーである(フラグレジスタのキャリーフラグに対応するビットが0)場合(HLレジスタの値がDEレジスタの値以上の場合)は、遊技メダル数変化値算出処理を実行し、HLレジスタに記憶されている総得点記憶手段に記憶している総得点のデータから、DEレジスタに記憶されているIXレジスタに保存されていた総得点のデータを減算してノンキャリーでない(フラグレジスタのキャリーフラグに対応するビットが1)場合(HLレジスタの値がDEレジスタの値より小さい場合)は、DEレジスタの値とHLレジスタの値を入れ替えてから範囲チェックデータ2をセット(Cレジスタに保存している04hをBレジスタに保存する)して遊技メダル数変化値算出処理を実行する。
換言すると2回目の遊技メダル数チェック処理で記憶したIXレジスタに記憶されている総得点のデータと1回目の遊技メダル数チェック処理で呼び出した総得点記憶手段に記憶されている総得点のデータの差分をチェックする処理である。
続いて、遊技メダル数変化値算出処理では、HLレジスタに記憶されている総得点記憶手段に記憶している総得点のデータからDEレジスタに記憶されているIXレジスタに保存されていた総得点のデータを減算して、減算結果をHLレジスタに保存する。
続いて、遊技メダル数変化値<範囲チェックデータ?処理では、HLレジスタに保存されている減算結果からBレジスタに記憶されている範囲チェックデータ1、又は範囲チェックデータ2を減算して減算結果をHLレジスタに保存し、減算結果としてキャリーがある(フラグレジスタのキャリーフラグに対応するビットが1)場合は、1回目の遊技メダル数チェック処理を終了し、減算結果としてキャリーがない(フラグレジスタのキャリーフラグに対応するビットが0)場合は、範囲外増減タイマ記憶領域にタイマ値として200を記憶して1回目の遊技メダル数チェック処理を終了する。
換言すると、Bレジスタに範囲チェックデータ1が記憶されている場合(16hが記憶されている場合)は、2回目の遊技メダル数チェック処理で記憶したIXレジスタに記憶されている総得点のデータが1回目の遊技メダル数チェック処理で呼び出した総得点記憶手段に記憶されている総得点のデータよりも小さい、又は差がないため、2回目の遊技メダル数チェック処理から1回目の遊技メダル数チェック処理の間に遊技メダル数が増加した、又は遊技メダル数が増減していないことになる。
2回目の遊技メダル数チェック処理から1回目の遊技メダル数チェック処理の間に遊技メダル数が増加した場合として、主制御手段から遊技媒体制御手段に払出処理による遊技メダル数(付与点)の加算があった場合が考えられる。
2回目の遊技メダル数チェック処理から1回目の遊技メダル数チェック処理の間に遊技メダル数が増減していない場合として、主制御手段から遊技媒体制御手段に払出処理による得点の増加処理が実行されておらず、且つ主制御手段から遊技媒体制御手段にベット処理による得点の減少処理が実行されていない場合が考えられる。
このため、正常な環境における1回目の遊技メダル数チェック処理で保存した総得点から2回目の遊技メダル数チェック処理で保存した総得点を減算した値の最大値は最大払出数である15であり、範囲チェックデータ1として16をセットしているため、16-15の結果としてキャリーがある状況が存在しない。
このため、遊技メダル数変化値<範囲チェックデータ?処理において、キャリーが発生した場合は不正行為による総得点の増加が考えられるため、範囲外増減タイマ記憶領域にタイマ値として200を記憶している。
なお、範囲外増減タイマ記憶領域にタイマ値として200を記憶した場合は、主制御手段を介して副制御手段に異常コマンドが送信され、異常コマンドに基づいた異常報知を実行することで、不正行為を周囲に知らせることが可能となる。
また、Bレジスタに範囲チェックデータ2が記憶されている場合(04hが記憶されている場合)は、2回目の遊技メダル数チェック処理で記憶したIXレジスタに記憶されている総得点のデータが1回目の遊技メダル数チェック処理で呼び出した総得点記憶手段に記憶されている総得点のデータよりも大きいため、2回目の遊技メダル数チェック処理から1回目の遊技メダル数チェック処理の間に遊技メダル数が減少したことになる。
2回目の遊技メダル数チェック処理から1回目の遊技メダル数チェック処理の間に遊技メダル数が減少した場合として、主制御手段から遊技媒体制御手段にベット処理による遊技メダル数(投入点)の減算があった場合が考えられる。
なお、範囲チェックデータ2をセットする前にDEレジスタの値とHLレジスタの値を入れ替えているため、範囲チェックデータ1がセットされている場合であっても範囲チェックデータ2がセットされている場合であっても遊技メダル数変化値算出処理は同一の命令で実行できる。換言すると、遊技メダル数変化値算出処理にてHLレジスタに記憶されている総得点記憶手段に記憶している総得点のデータからDEレジスタに記憶されているIXレジスタに保存されていた総得点のデータを減算すると必ず正の値となる。
このため、正常な環境における1回目の遊技メダル数チェック処理で保存した総得点から2回目の遊技メダル数チェック処理で保存した総得点を減算した値の最大値は最大ベット数である3であり、範囲チェックデータ2として04hをセットしているため、4-3の結果としてキャリーがある状況が存在しない。
このため、遊技メダル数変化値<範囲チェックデータ?処理において、キャリーが発生した場合は不正行為による総得点の減少が考えられるため、範囲外増減タイマ記憶領域にタイマ値として200を記憶している。
なお、範囲外増減タイマ記憶領域にタイマ値として200を記憶した場合は、主制御手段を介して副制御手段に異常コマンドが送信され、異常コマンドに基づいた異常報知を実行することで、不正行為を周囲に知らせることが可能となる。
続いて、入力ポート読み込み処理を実行する。入力ポート読み込み処理では、入力ポート3を読み込む。
なお、遊技媒体数制御基板P16が有する入力ポートとしては、入力ポート1に遊技媒体数制御データ信号1~8、入力ポート2に遊技媒体数制御データ信号9~16、入力ポート3に遊技媒体数制御データストローブ信号、電源断検知信号、計数ボタン信号、VL信号、メダル数クリアボタン信号がそれぞれ入力され得るよう構成されている。
入力ポート1、及び2は、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とのパラレル通信で使用する入力ポートであり、主制御基板P15からコマンドが受信されることで入力ポートの読込を行う。入力ポート1は情報の種類を示すコマンドが入力され、入力ポート2は情報のデータを示すコマンドが入力される。
入力ポート3は、各種スイッチ、貸出ユニット、主制御基板P15とのシリアル通信で使用する入力ポートであり、遊技媒体数制御コマンド受信処理により入力ポートの読込を行う。
入力ポート読み込み処理では、前回の入力ポート3のレベルデータと今回の入力ポート3のレベルデータから入力ポート3の立上りデータを作成する。
次に、入力ポート3の電源断検知信号が入力されるビットデータが1となっていた場合は電源断チェックカウンタの値に1加算する。そして、電源断チェックカウンタの値をチェックし、電源断チェックカウンタの値が7であった場合は、電源断を検出したと判断し、電源断検出フラグに1を記憶する(電源断検出フラグをONにする)。
次に、貸出ユニットとの接続異常を確認するためにVL信号を確認する。まず、VL異常フラグを0にする(VL異常フラグをクリアする)。そして、入力ポート3のVL信号が入力されるビットデータが0であった場合はVL異常フラグにFFhを記憶する(VL異常フラグの値から1を減算して記憶する)。なお、入力ポート3のVL信号が入力されるビットデータが1であった場合は正常であるため、次の処理を実行する。
続いて、遊技機情報管理処理(遊技媒体数制御)を実行する。遊技機情報管理処理(遊技媒体数制御)では、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、及び/又は遊技機情報通知タイマCを更新する等の処理を実行する。遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、及び/又は遊技機情報通知タイマCを更新した結果、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、又は遊技機性能情報の通知タイミングとなった場合は、通知タイミングとなった遊技機情報を貸出ユニットに向けて送信する。具体的な処理に関しては図30に基づいて後述する。
続いて、計数制御処理を実行する。計数制御処理では、計数スイッチP7の操作状況に応じて計数処理を実行する。具体的な処理に関しては図28に基づいて後述する。
続いて、貸出通知受信処理を実行する。貸出通知受信処理では、貸出ユニットの貸出スイッチの操作状況に基づいて受信した貸出通知に応じて貸出処理を実行する。また、使用領域外のプログラムを呼び出して、通信状態に応じて貸出装置通信異常2~6のフラグをセットする。具体的な処理に関しては図49に基づいて後述する。
続いて、2回目の遊技メダル数チェックのためのチェックデータをセットする。チェックデータとしてはBレジスタに51hを保存し、Cレジスタに51hを保存する。
ここで、Bレジスタに保存した51hは最大貸出メダル数(最大貸出点)である50点に対応しており、Cレジスタに保存した51hは最大計数メダル数(最大計数点)である50点に対応している。
続いて、2回目の遊技メダル数チェック処理(同一割込み処理内における2回目のタイミングで実行する遊技メダル数チェック処理)を実行する。2回目の遊技メダル数チェック処理はセットされているチェックデータが異なるのみであり、1回目の遊技メダル数チェック処理と同じモジュールとなっており、同じ命令を実行する。
1回目の遊技メダル数チェック処理では、2回目の遊技メダル数チェック処理から1回目の遊技メダル数チェック処理までの間の総得点の増減値をチェックするものであり、2回目の遊技メダル数チェック処理では、1回目の遊技メダル数チェック処理から2回目の遊技メダル数チェック処理までの間の総得点の増減値をチェックするものである。
換言すると、1回目の遊技メダル数チェック処理では、主制御手段から受信したコマンドに基づくベット数と払出数を加味して増減値が正常であるか否かをチェックするものであり、2回目の遊技メダル数チェック処理では、貸出ユニットに送信するコマンドに基づく計数メダル数と貸出ユニットから受信した貸出メダル数を加味して増減値が正常であるか否かチェックするものである。
次に、計数スイッチP7の押下時間を管理するための処理(以下、計数実行フラグセット処理とも称す)について、図39を用いて説明する。
なお、計数実行フラグセット処理とは、遊技者が計数スイッチP7を操作(押下)している場合、又は、遊技者が計数スイッチP7を離している(押下されていない)場合において、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするか等のフラグをセットする処理である。後述する計数ボタン状態に関する処理を採用する計数実行フラグセット処理は不要となっている。
まず、「計数スイッチON?」は、計数スイッチP7が操作されているか否かを判定する。計数スイッチP7が操作されているか否かの判定方法としては、上述したとおり、計数実行フラグセット処理を実行する前に、遊技媒体数制御基板P16の割込み処理にて入力ポート3に入力された計数スイッチP7の入力データ(ON又はOFF)を遊技媒体数制御基板P16のRWM領域の或る記憶領域(入力ポート3レベルデータ記憶領域とも称す)に記憶しておき、当該記憶領域に記憶されている計数スイッチP7の入力データがONを示す値である場合にはYESと判断し、当該記憶領域に記憶されている計数スイッチP7の入力データがOFFを示す値である場合にはNOと判断することができる。
「計数実行タイマ(「計数ボタンタイマ」とも称す)=0?」は、計数スイッチP7が操作されている時間を計測しているタイマ値が「0」であるか否かを判断する。計数スイッチP7が操作されている時間を計測するための方法として、例えば、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域に計数スイッチP7が操作されている時間を計測する計数実行タイマ記憶領域(_TM_CAL_ACT)を有し、当該記憶領域に記憶されている値が「0」であればYESと判断し、当該記憶領域に記憶されている値が「0」以外の値(例えば、「200」や「500」)であればNOと判断することができる。なお、計数実行タイマ記憶領域は、「0」~「500」までの値を記憶可能とするために、2バイトのデータ(0~65535)が記憶可能な記憶領域である。
「計数実行フラグ≠0?」は、計数実行フラグが「0」であるか否かを判断している。ここで計数実行フラグとは、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするか等を管理するフラグである。例えば、計数実行フラグを管理する計数実行フラグ記憶領域(_FL_CAL_ACT)を設け、計数実行フラグ記憶領域が「0」である場合(計数実行フラグが0である場合)は、まだ、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするかが決定されていない状況を示し、計数実行フラグ記憶領域が「1」である場合(計数実行フラグが1である場合)は、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたと決定されている状況を示し、計数実行フラグ記憶領域が「2」である場合(計数実行フラグが2である場合)は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたと決定されている状況を示している。
よって、「計数実行フラグ≠0?」は、計数実行フラグ記憶領域に「0」以外の数値(具体的には計数実行フラグ記憶領域に「1」又は「2」)が記憶されている場合にはYESと判断し、計数実行フラグ記憶領域に「0」が記憶されている場合にはNOと判断する。
「計数実行フラグ=1保存」は、計数実行フラグ記憶領域に「1」を保存する処理である。換言すると、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたと決定する処理である。例えば、計数スイッチP7の操作がなく、計数実行タイマ記憶領域が「200」であり、計数実行フラグ記憶領域に「0」が記憶されている場合に、計数実行フラグ記憶領域に「1」を保存する。
「計数実行タイマ クリア」は、計数実行タイマ記憶領域を初期値(例えば「0」)にする処理である。「計数実行タイマ クリア」は、図39から明らかなとおり、計数スイッチP7の操作がなかった場合に実行され、計数実行フラグ記憶領域に「1」を記憶する場合だけでなく、計数実行フラグ記憶領域に「1」を記憶しない場合(例えば、既に計数実行フラグ記憶領域に「1」又は「2」が記憶されている場合)であっても実行される。つまり、計数スイッチP7の操作がなかった場合には、計数実行タイマ記憶領域を初期値にすることによって、その後、再度計数スイッチP7の操作があった場合には、初期値から計数実行タイマ記憶領域の値を更新することができるよう構成されている。
「計数実行タイマ≧500」は、計数スイッチP7が操作されている時間を計測しているタイマ値が「500」以上(計数スイッチP7が操作されている時間が500ms以上)か否かを判断する。例えば、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」である場合にはYESと判断し、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」未満である場合(具体的には、計数実行タイマ記憶領域の値が「0」~「499」の場合)にはNOと判断する。
「計数実行タイマ+1」は、計数スイッチP7が操作されている時間を計測しているタイマ値を「1」加算する(計数スイッチP7が操作されている時間を更新する)処理である。なお、図39からも明らかなとおり、「計数実行タイマ≧500」でYESとなった場合には、「計数実行タイマ+1」は実行されない。換言すると、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」となった以降は、計数実行タイマ記憶領域の値は「500」を維持するため、計数実行タイマ記憶領域の値を「0~500」に収めることができる。つまり、計数スイッチP7が操作されている時間が500msよりも長い時間(計数実行タイマ記憶領域の値が500よりも大きい値)にならないため、計数実行タイマ記憶領域に記憶されている値が桁あふれしないように構成されている。このように構成することにより、例えば、計数実行タイマ記憶領域に記憶可能な値の最大値である「65535」のときに「計数実行タイマ+1」が実行されることによって、計数実行タイマ記憶領域の値が「0」となり、その後も計数スイッチP7が操作され続けることによって、計数実行タイマ記憶領域の値が更新され、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」未満の時点で計数スイッチP7が離された場合に、計数実行フラグ記憶領域に「1」が記憶されてしまう(計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたと決定されてしまう)ことを防止することができる。
「計数実行タイマ 保存」は、「計数実行タイマ+1」で更新した値を計数実行タイマ記憶領域に保存する処理である。例えば、計数実行タイマ記憶領域の値が「0」である場合には、計数実行タイマ記憶領域の値が「1」となり、計数実行タイマ記憶領域の値が「499」である場合には、計数実行タイマ記憶領域の値が「500」となる。
「計数実行フラグ=2保存」は、計数実行フラグ記憶領域に「2」を保存する処理である。換言すると、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたと決定する処理である。具体的には、計数スイッチP7が操作されている時間を計測しているタイマ値が「500」以上(計数スイッチP7が操作されている時間が500ms以上)と判断された場合に、計数実行フラグ記憶領域に「2」を保存する。
以上のように、計数実行フラグセット処理によって、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするかを決定する処理や、計数スイッチP7の操作時間を計測する処理を行っている。
続いて、割込み処理に戻って、遊技媒体数制御コマンド受信処理を実行する。遊技媒体数制御コマンド受信処理では、貸出ユニットや主制御基板P15からのコマンドの受信処理を実行する。貸出ユニットから遊技機不正コマンドを受信した場合は、使用領域外のプログラムを呼び出して不正情報を累積して保存する。
また、主制御基板P15から役物等作動状態コマンドを受信した場合は、使用領域外のプログラムを呼び出して役物等作動状態を保存する。
また、主制御基板P15から比率表示コマンドを受信した場合は、使用領域外のプログラムを呼び出して役比モニタ種別番号を保存する。
また、主制御基板P15からスタートレバー受付コマンドを受信した場合は、使用領域のプログラムによって、ホールコン・不正監視情報の遊技情報で用いる投入点情報を使用領域のデータ領域である(_WK_MDL_IN)に記憶し、使用領域外のプログラムを呼び出して役比モニタに表示させるための投入点情報を使用領域外のデータ領域である(_SN_MDL_IN)に記憶する。なお、ホールコン・不正監視情報で用いる投入点情報は、再遊技作動時(前回の遊技でリプレイ当選)は「3」(前回の遊技の投入点が3点の場合。前回の遊技の投入点が2点の場合は「2」となる)が記憶され、役比モニタに表示させるための投入点情報は、再遊技作動時(前回の遊技でリプレイ当選)は「0」が記憶される。
また、主制御基板P15から全回胴停止コマンドを受信した場合は、使用領域のプログラムによって、ホールコン・不正監視情報の遊技情報で用いる付与点情報を使用領域のデータ領域である(_WK_MDL_OUT)に記憶し、使用領域外のプログラムを呼び出して役比モニタに表示させるための付与点情報を使用領域外のデータ領域である(_SN_MDL_OUT)に記憶する。なお、ホールコン・不正監視情報で用いる付与点情報は、再遊技作動時(前回の遊技でリプレイ当選)は「3」(前回の遊技の付与点が3点の場合。前回の遊技の付与点が2点の場合は「2」となる)が記憶され、役比モニタに表示させるための付与点情報は、再遊技作動時(前回の遊技でリプレイ当選)は「0」が記憶される。
なお、役比モニタに表示させるための付与点情報を使用領域外のデータ領域である(_SN_MDL_OUT)とは、累計の指示込役物比率、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率を求める際に必要な情報である。例えば、累計の付与数を記憶可能な記憶領域、累計の連続役物作動時付与数を記憶可能な記憶領域、累計の役物作動時付与数を記憶可能な記憶領域に当該遊技の付与点数情報である(_SN_MDL_OUT)に記憶された情報を加算することにより、累計の付与数を記憶可能な記憶領域、累計の連続役物作動時付与数を記憶可能な記憶領域、累計の役物作動時付与数を記憶可能な記憶領域を更新することが可能となる。
また、主制御基板P15から全回胴停止コマンドを受信したときに遊技機不正2のBit3が「1」となっている場合(電源投入時に総得点クリアスイッチが操作されて総得点がクリアされて総得点クリアステータスがONとなっている場合)は、使用領域外のプログラムを呼び出して遊技機不正2のBit3を「0」にする(クリアする)。
また、主制御基板P15から全回胴停止コマンドを受信した場合は、遊技性能情報や役比モニタ用の演算を実行する。
また、主制御基板P15から投入要求コマンドを受信した場合は、第2制御コマンドの値が「0」であるか否かを判断し、「0」であると判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「0」でないと判断した場合は「3」を超える(「4」以上)か否かを判断する。第2制御コマンドの値が「3」を超えると判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「3」を超えない(「3」以下)と判断した場合はVL異常フラグが「0」でないか否かを判断する。VL異常フラグが「0」であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は総得点から投入要求数を減算した結果が負の値であるか否か(キャリーフラグ=1か否か)を判断する。総得点から投入要求数を減算した結果が負の値であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、総得点から投入要求数を減算した結果が負の値でないと判断した場合は総得点から投入要求数を減算した値を総得点として記憶する。そして、ホールコン・不正監視情報を送信するための投入点記憶領域に投入要求数を記憶した後、主制御基板P15に送信するコマンドをセットする。なお、受付不可セット処理とは、主制御基板P15に送信する第2制御コマンドのデータとして異常を示す値をセットする処理(例えば、受信した投入要求数のデータの最上位ビットを「1」にセットする処理)である。また、異常コマンド受信処理とは、主制御基板P15に送信する第1制御コマンドの種別として通信異常を示す値(例えば、FFh)、及び第2制御コマンドのデータとして異常を示す値(例えば、FFh)をセットする処理である。コマンドをセットした後は随時主制御基板P15に対してコマンドを送信する。
また、主制御基板P15から精算要求コマンドを受信した場合は、第2制御コマンドの値が「0」であるか否かを判断し、「0」であると判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「0」でないと判断した場合は「3」を超える(「4」以上)か否かを判断する。第2制御コマンドの値が「3」を超えると判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「3」を超えない(「3」以下)と判断した場合はVL異常フラグが「0」でないか否かを判断する。VL異常フラグが「0」であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は現在の総得点に精算数を加算した値が総得点の上限値(16383)を超えるか否かを判断し、現在の総得点に精算数を加算した値が総得点上限値を超えると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、現在の総得点に精算数を加算した値が総得点上限値を超えないと判断した場合は現在の総得点に精算数を加算した値を総得点として記憶する。そして、ホールコン・不正監視情報を送信するための投入点記憶領域の値から精算要求数を減算した値を記憶した後、主制御基板P15に送信するコマンドをセットする。なお、受付不可セット処理とは、主制御基板P15に送信する第2制御コマンドのデータとして異常を示す値をセットする処理(例えば、受信した精算要求数のデータの最上位ビットを「1」にセットする処理)である。また、異常コマンド受信処理とは、主制御基板P15に送信する第1制御コマンドの種別として通信異常を示す値(例えば、FFh)、及び第2制御コマンドのデータとして異常を示す値(例えば、FFh)をセットする処理である。コマンドをセットした後は随時主制御基板P15に対してコマンドを送信する。
なお、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は現在の総得点に精算数を加算した値が総得点の上限値(16383)を超えるか否かを判断しているが、総得点が上限注意値になった場合は精算スイッチP6が受付不可になり、通常想定している状況では精算処理によって総得点が上限値を超えることがないため、VL異常フラグが「0」でないと判断した後に現在の総得点に精算数を加算した値が総得点上限値(16383)を超えるか否かを判断せず、ホールコン・不正監視情報を送信するための投入点記憶領域の値から精算要求数を減算した値を記憶する処理を実行してもよい。
また、主制御基板P15から払出要求コマンドを受信した場合は、第2制御コマンドの値が「1」でないか否かを判断し、「1」でないと判断した場合は異常コマンド受信処理を実行し、「1」であると判断した場合はVL異常フラグが「0」でないか否かを判断する。VL異常フラグが「0」であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は総得点が上限値であるか否かを判断する。総得点が上限値であると判断した場合は受付不可セット処理を実行し、総得点が上限値でないと判断した場合は現在の総得点に「1」加算した値を総得点として記憶する。そして、ホールコン・不正監視情報を送信するための付与点記憶領域の値を更新した後、主制御基板P15に送信するコマンドをセットする。なお、受付不可セット処理とは、主制御基板P15に送信する第2制御コマンドのデータとして異常を示す値をセットする処理(例えば、受信した払出要求数のデータの最上位ビットを「1」にセットする処理)である。また、異常コマンド受信処理とは、主制御基板P15に送信する第1制御コマンドの種別として通信異常を示す値(例えば、FFh)、及び第2制御コマンドのデータとして異常を示す値(例えば、FFh)をセットする処理である。コマンドをセットした後は随時主制御基板P15に対して送信する。
なお、VL異常フラグが「0」でないと判断した場合は総得点が上限値であるか否かを判断しているが、総得点が上限注意値になった場合はスタートスイッチP3、及びベットスイッチが受付不可になり、通常想定している状況では払出処理によって総得点が上限値を超えることがないため、VL異常フラグが「0」でないと判断した後に総得点が上限値であるか否かを判断せず、現在の総得点に「1」加算した値を総得点として記憶する処理を実行してもよい。
なお、遊技媒体数制御コマンド受信処理はタイマ割込み処理で実施せずに、受信割込み処理で実施してもよい。受信割込み処理は、主制御手段がコマンドを送信して遊技媒体数制御手段がコマンドを受信したときに実行する処理であり、タイマ割込みよりも優先して実行される。
続いて、状態制御処理を実行する。状態制御処理では、VL信号がOFFである場合にセットされるVL異常フラグがONであるか否かの判断処理や、通番が連続していないときにセットされる通番異常フラグがONであるか否かの判断処理等を実行する。換言すると、遊技機Pと貸出ユニットが接続されていないときにVL異常フラグがONとなる。遊技機Pと貸出ユニットが接続されていないときとは、遊技機Pは電源が投入されて起動しているが貸出ユニットは電源が投入されていない状況や遊技機Pと貸出ユニットとの通信に異常が生じている状況が該当する。
また、範囲外増減タイマ記憶領域に記憶されている値が0でない場合は制御状態信号をセットして、主制御手段に対して範囲外増減タイマ以上に関する報知処理を実行させる。
続いて、LED表示処理を実行する。LED表示処理では、遊技媒体数表示部P9の表示制御を実行する。
続いて、比率制御処理を実行する。比率制御処理では、使用領域外のプログラムを呼び出して役比モニタの表示内容を算出するための各種カウンタの更新処理や、役比モニタの表示処理を実行する。
続いて、タイマ管理処理を実行する。タイマ管理処理では、使用領域外のプログラムを呼び出して貸出通知受信タイマ1と貸出通知受信タイマ2を更新する。貸出通知受信タイマ1と貸出通知受信タイマ2は、通信異常を判定するために用いる。
続いて、割込み許可処理を実行する。
<本実施形態に適用可能な電源断時、及び電源投入時における各基板の連携方法の説明>
本実施形態に記載の遊技では、電源断が発生すると主制御基板P15は2回の割込みで電源断か否かを判断し、遊技媒体数制御基板P16は7回の割込みで電源断か否かを判断する。換言すると、主制御基板P15は電圧が所定値を下回ってから4.47ms(2.235ms×2回)後に電源断と判断し、遊技媒体数制御基板P16は電圧が所定値を下回ってから7ms(1ms×7回)後に電源断と判断する。
このため、電源断が発生した場合、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16よりも先に電源断処理を実行することができるので、電源断が発生したときであっても遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15からのコマンドを受信することができる。
また、電源投入した場合、主制御基板P15はセキュリティモードを所定期間(例えば、2883.54ms)起動した後にユーザモードを起動し、遊技媒体数制御基板P16はセキュリティモードを起動せずにユーザモードを起動する。又は、遊技媒体数制御基板P16はセキュリティモードを所定期間より短い期間(例えば、500ms)起動した後にユーザモードを起動する。ユーザモードは、遊技に関するプログラムを実行するモードであり、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16は始めに電源投入処理を実行する。
このため、電源投入時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15よりも先に立ち上がることができるので、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15からのコマンドを受信することができる。
また、電源断を検出した後に外部割込みで電源断処理を実行するように構成した場合は、一瞬だけ電圧が所定値まで降下するといった状況(所謂瞬断)であっても、電源断処理が実行される。この場合は、電源断処理を実行した後に電源断処理時にセットしたWDT(ウォッチドッグタイマ)がクリアされないことにより、リセット信号が出力され、主制御基板P15はセキュリティモードを所定期間(例えば、2883.54ms)起動した後に電源投入処理が実行され、遊技媒体数制御基板P16はセキュリティモードを起動せずに電源投入処理が実行される。これにより、瞬断により電源断処理を実行した場合であっても、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15よりも先に立ち上がることができるので、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15からのコマンドを受信することができる。
また、例えば総得点記憶手段に記憶されている総得点が100点であって遊技機Pが15点の払出処理を実行する直前に電源断が発生して電源断時処理が実行され、総得点クリアスイッチが押下されている状況で遊技機Pが電源投入された場合は、遊技媒体数制御基板P16が先に起動することで、遊技媒体数制御基板P16が管理している総得点を初期化し(0点にし)、その後主制御基板P15が起動することで総得点に15点が加算されるように構成している。
換言すると、遊技機Pの電源投入から遊技媒体数制御基板P16がユーザモードを起動するまでの時間と遊技機Pの電源投入から主制御基板P15がユーザモードを起動するまでの時間の差分の絶対値は、最大払出数(本実施形態においては15点)に係る払出処理の実行時間(払出処理開始から払出処理終了までの時間)よりも長くなるように構成している。
このように構成することで払出処理開始直前に電源断が発生した後の電源投入時に払出処理の途中で総得点がクリアされてしまうことを防ぐことができ、遊技媒体数の管理を正確にすることが可能となる。
また、遊技機Pの電源投入から遊技媒体数制御基板P16がユーザモードを起動するまでの時間と遊技機Pの電源投入から主制御基板P15がユーザモードを起動するまでの時間の差分の絶対値は、最終停止操作(本実施形態においては第3停止操作)の受付から最大滑り数(本実施形態においては4コマ滑り(最大滑り時間は190ms))移動した後最大払出数(本実施形態においては15点)に係る払出処理終了まで時間よりも長くなるように構成している。
このように構成することで最終停止操作受付直後に電源断が発生した後の電源投入時に払出処理の途中で総得点がクリアされてしまうことを防ぐことができ、遊技媒体数の管理を正確にすることが可能となる。
<本実施形態に適用可能な有利区間を用いた遊技性の説明>
本実施形態において、遊技開始に係る規定数は3枚のみである。つまり3枚がけ以外では遊技が開始できないようになっており、ボーナス作動時においても3枚がけのみで遊技が開始されるようになっている。
本実施形態において、有効ラインは左リールP18L下段、中リールP18C中段、右リールP18R下段の1ライン構成となっている。以下、有効ラインに図柄組合せが停止することを単に図柄組合せが停止と称する。
本実施形態において、図柄の種類は10種類である。それぞれ、赤セブン、青セブン、バー、金バー、ブランク、チェリー、スイカ、ベルA、ベルB、リプレイと称す。なお、図柄の名称や図柄の種類はあくまで一例であり、変更しても何ら問題ない。
本実施形態のリール配列において、図4を用いて説明する。図4に示すように1つのリールにおける図柄数は20個であり、第1回胴(左リールP18L)、第2回胴(中リールP18C)、第3回胴(右リールP18R)を備えている。
本実施形態における図柄組合せを図5乃至9に示している。図中の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」の項目は図柄組合せに対応する条件装置の名称を示している。また、「規定数及び遊技状態」には規定数毎の図柄組合せが停止した場合に付与する特典を示している。「規定数及び遊技状態」の項目に「1種BB」と記載されている場合は図柄組合せが停止した場合に1種BBが付与されることを示し、「再遊技」と記載されている場合は図柄組合せが停止した場合に再遊技が付与されることを示し、数字が記載されている場合は図柄組合せが停止した場合に払い出す枚数を示し、「-」と記載されている場合は該当する遊技状態では当該図柄組合せが停止しないことを示している。
本実施形態において、ボーナスは1種BBを備えており、11点を超える遊技媒体の付与を終了条件にしている。また、この1種BBはRBが連続作動するタイプであり、RBは2回の入賞又は2回の遊技の何れか一方を満たすと終了し、RBの終了条件を満たすと1種BBの終了条件(11点を超える遊技媒体の付与)を満たすまで自動的にRBが作動する仕様となっている。
図5に示すように1種BBの図柄組合せは8種類となっており、各リールにおける1種BB図柄組合せに関する図柄の引き込み率(図柄組合せに関する図柄が停止する確率)は100%ではないため、1種BBの図柄組合せを表示させる場合は各リールに目押しが必要となっている。
本実施形態において、RT遷移は非RT(1種BB非内部中とも称す)から開始し、非RT中に1種BBが当せんして1種BB図柄組合せが停止しなかった場合は次遊技(当該遊技終了時でもよい)からRT1(1種BB内部中とも称す)に移行し、RT1中に1種BB図柄組合せが停止するとRT1が終了して次遊技から1種BBが作動(1種BB中とも称す)し、1種BBの作動が終了すると次遊技から非RTに移行する。また、設定変更時は非RTから開始するため、RT1や1種BB作動中に設定変更装置が作動した場合は、設定変更装置の作動が終了したときに非RTをセットする。なお、設定変更装置が作動しない電源断(通常の電源断と称することがある)ではRT状態と1種BB作動状態はクリアされないため、電断復帰時には電断前の状態から開始される。具体的には、1種BB中に電源断が発生し、その後電源復帰した場合には1種BB作動状態は1種BB中であり、RT1である状況で電源断が発生し、その後電源復帰した場合にはRT状態はRT1であるよう構成されている。
ここで、RTとはリプレイタイムの略称であり、複数のRT毎にリプレイの当選確率を異ならせることができる状態である。例えば、RT1のリプレイ当選確率とRT2のリプレイ当選確率を異ならせることが考えられる。また、リプレイの当選確率を異ならせるとは、リプレイ全体として当選確率が異なってもよいし、或るリプレイの当選確率のみ異ならせてリプレイ全体としての当選確率は異ならないようにしてもよい。RTの移行契機は、予め定められた図柄組合せが停止したこと、ボーナスが当選したこと(ボーナスの条件装置が作動したこと)、ボーナス終了後所定回数の遊技を消化したこと等設定可能であり、適宜組み合わせることができる。
本実施形態における条件装置を図10で説明する。図10における「入賞再遊技」の項目は当せん番号と対応した番号が記載されている。また、「条件装置」の項目には作動する条件装置が記載されている。また、「通称」の項目には作動する条件装置の簡易的な名称が記載されている。例えば再遊技-H条件装置に対応する通称は「右押し:強-バトル目」であり、右リールP18Rを第1停止すると強バトル目が停止することが示されており、入賞-A1条件装置に対応する通称は「押し順ベルA群123」であり、左リールP18L第一停止、中リールP18C第2停止、右リールP18R第3停止の操作態様が正解操作態様(この場合は入賞52(入賞01~02、09、29~31よりも払出枚数が多い入賞)の図柄組合せが停止される操作態様)であることが示されている。また、「構成要素」の項目には条件装置に対応する図柄組合せが示されている。例えば再遊技-A条件装置が作動(当せん)する場合は再遊技01か再遊技02が表示可能であることが示されている。なお、「入賞再遊技」の項目の「0」と記載されている箇所ははずれに対応している。
本実施形態における1種BB非内部中における内部抽せん手段により決定され得る内部抽せん結果について図11乃至図13を用いて説明する。1種BB非内部中における内部抽せん手段により決定され得る内部抽せん結果は、1種BB、再遊技-A、再遊技-B、再遊技-C(+1種BB)、再遊技-D(+1種BB)、再遊技-E(+1種BB)、再遊技-F(+1種BB)、再遊技-G(+1種BB)、再遊技-H(+1種BB)、再遊技-I(+1種BB)、再遊技-J(+1種BB)、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D(+1種BB)、入賞-E(+1種BB)、入賞-F(+1種BB)、入賞-G(+1種BB)、入賞-H(+1種BB)、入賞-I(+1種BB)、入賞-J(+1種BB)、入賞-K(+1種BB)の何れかであり、はずれは存在しない。
なお、上述した「再遊技-C(+1種BB)」という記載は、再遊技-Cと1種BBが同時当せんすることを示しており、図11、図12、及び図13において「ボーナス条件装置」と「入賞再遊技」の両方に名称が記載されていることと対応している。また、図11、図12、及び図13の「内部抽せん」の項目は遊技状態毎に内部抽せん対象か否かを示しており、「○」は内部抽せん対象であり、「×」は内部抽せん対象ではないことを示している。また、図11、図12、及び図13の「有利区間移行」の項目は遊技状態毎に有利区間移行抽せんを実行するか否かを示しており、「○」は有利区間移行抽せんを実行し、「×」は有利区間移行抽せんを実行しないことを示している。なお、本実施形態では有利区間移行抽せんを実行した場合100%当せんし有利区間移行するよう構成されている。また、図11、図12、及び図13の「R1」~「R6」の項目はそれぞれ設定1~設定6を示しており、設定値に対応した内部抽せんの当せん置数を示しており、遊技状態毎に65536の置数を割り振っている。
本実施形態において、1種BB内部中における内部抽せん手段により決定され得る内部抽せん結果は、再遊技-A、再遊技-B、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかであり、はずれは存在しない。
本実施形態において、1種BB中における内部抽せん手段により決定され得る内部抽せん結果は、入賞-K、入賞-L、はずれの何れかである。
本実施形態において、通常区間から有利区間に移行する条件として、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんしたことであり、再遊技-A、再遊技-Bの当せんでは有利区間に移行しない。即ち、通常区間において、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんした場合には、次回の遊技から有利区間となる。
本実施形態において、通常区間中に再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんすると必ず有利区間に移行するようになっている。即ち、通常区間において、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんした場合には、次回の遊技から有利区間となる。
本実施形態において、RT1(1種BB内部中)では、はずれが存在しないため(再遊技役と入賞役の何れかが必ず当せんする)、一度RT1に移行すると押し順ベルC群(入賞-C1~C6)当せん時の一部の操作態様でBB図柄組合せを停止可能となっている。押し順ベルC群当せん時の一部とは、例えば、入賞-C1当せん時における中リールP18C、または右リールP18R第一停止の一部の目押し位置である。また、有利区間において入賞-C1が当せんしたときは正解押し順(この場合は「1、2、3」)を画像表示装置に表示する)を報知することで、入賞38が停止しBB図柄組合せが停止しない。このような構成により、BB図柄組合せが停止しない操作態様を報知することでユーザはRT1を維持することができる。また、RT1中にはずれの置数を4(設計上の最低当せん確率が1/17500以上であるため)とし、その他の再遊技役や入賞役ではBB図柄組合せが停止しないように構成することで、はずれのときにのみBB図柄組合せが停止するよう構成してもよい。なお、画像表示装置に表示される「1,2,3」は、「1」が左ストップスイッチP4Lに対応していることを示し、「2」が中ストップスイッチP4Cに対応していることを示し、「3」が右ストップスイッチP4Rに対応していることを示しており、画像表示装置に表示される「1,2,3」は左ストップスイッチP4Lを第1停止、中ストップスイッチP4Cを第2停止、右ストップスイッチP4Rを第3停止することが正解の押し順であることを示している。
本実施形態において、有利区間における主制御手段が管理する遊技状態(メイン遊技状態とも称す)として、有利区間一般状態(通常状態とも称す)、チャンスゾーン(CZとも称す)、ATという状態を備えており、有利区間一般状態からCZへ、CZからATへ、ATから有利区間一般状態、またはCZへそれぞれ移行する。なお、有利区間一般状態(通常状態とも称す)、またはCZ、またはATから、通常区間に移行する場合も有する。また、通常区間における主制御手段が管理する遊技状態は通常区間一般状態しかなく、有利区間に移行するまで遊技状態の遷移はしない。なお、有利区間一般状態と通常区間一般状態において、主制御手段で管理するための遊技状態に関するフラグは同じ状態でもよいし異なる状態でもよい。
通常状態は、内部抽せん結果として入賞-A1~入賞-C6の何れかに当せんしたときに有利な入賞押し順を報知しない状態である。
CZは、通常状態において内部抽せん結果として入賞-D~入賞-Hの何れかに当せんしたときに移行する状態であり、CZ中はCZ中の内部抽せんの結果や、CZ開始時の抽せんによってATへの移行抽せんを行う。
ATは、CZ中のAT抽せんに当せんしたときに移行する状態であり、入賞-A1~入賞-C6の何れかに当せんしたときに有利な操作態様(入賞押し順)を報知する状態である。
本実施形態において、有利区間から通常区間に必ず移行する条件(有利区間の強制的な終了条件)として、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば、3000回)に到達したとき、有利区間でのMY(差数、差枚数)が特定値(例えば、2400)を超えたとき、設定変更に基づいた初期化処理が行われたとき、RAMクリアスイッチが有効となったときとなっており、ATの終了条件と有利区間の終了条件は一致していない。ただし、ATの終了条件の一部(例えば、ATに突入してから300回の遊技を行ったことを終了条件とする仕様において、遊技回数が300回(この場合、ATが終了する旨の演出であるエンディングが行われる)に到達した時や、獲得枚数が所定枚数(例えば2300枚)以上となった時等)を有利区間の終了条件としてもよい。また、有利区間でCZに当せんしたときに通常区間に移行させてもよい。この場合は有利区間でCZに当せんした時の有利区間の状況に応じて有利区間を終了させるか否かを判断する。なお、有利区間の終了条件に有利区間の遊技回数が所定回数となったことを含めなくてもよい。特に本実施形態における実メダルのない遊技機(「メダルレス遊技機」と称する場合あり)においては、有利区間の遊技回数が所定回数となったことは有利区間の終了条件ではない(有利区間の遊技回数は無制限)ようになっている。
また、ATが終了する際は、液晶等の表示装置に「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」という表示(所謂、のめり込み防止表示)を行うことで、遊技へののめり込みを防止している。
また、本実施形態におけるメダルレス遊技機においては、差数が19,000枚を超えたとき(総差数が19,000を超えたとき)に遊技を停止する機能(以下、「打ち止め機能」と称す)を備えている。なお、総得点記憶手段は16383が記憶上限であるため、途中で計数処理により貸出ユニットに総得点が転送されないと到達できないようになっている。
ここでの差数は電源投入時から全ての遊技区間(毎遊技)における払出数(付与数)から投入数を減算した値の累積値であり、一日の遊技における獲得数を意図している。
このため、有利区間中の差数のみをカウントする有利区間MYカウンタ、又は有利区間差数カウンタとは別に全ての遊技区間における差数をカウントする差数カウンタ(「打ち止めカウンタ」とも称する)を備える。
差数カウンタは電源投入時(RWM異常、設定変更含む)により0クリアされるとともに差数カウンタの算出に係る全ての情報を初期化する。
打ち止め処理や差数カウンタに関しては後に詳述する。
有利区間におけるMYの算出方法について説明する。主制御基板P15には、記憶領域として有利区間MYカウンタを備えている。有利区間MYカウンタの記憶領域は、第1主制御RAMにあるアドレスが連続した2バイトの記憶領域で構成されている。具体的には、下位1バイトの値を記憶する記憶領域と上位1バイトの値を記憶する記憶領域とにより構成されている。なお、以下では、有利区間MYカウンタの記憶領域のことを、単に、有利区間MYカウンタと称して説明を行う。また、有利区間MYカウンタは、有利区間に移行したタイミングで初期値として「0」がセットされ、遊技の結果に応じて増減し、有利区間MYカウンタの値が2400を超えた場合に有利区間を終了するものとして説明を行う。
有利区間MYカウンタはインクリメントカウンタであり、有利区間MYカウンタの値が「0」のときの遊技機において、投入点として「3」点、付与点として「10」点となった場合は、有利区間MYカウンタの値は「10-3」となり「7」となる。
また、有利区間MYカウンタは有利区間中の最大増加数をカウントするため、有利区間MYカウンタの値が「0」のときの遊技において、投入点として「3」点、付与点として「0」点となった場合は、有利区間MYカウンタの値は「0-3」となるが、演算の結果が負の値となった場合は「0」に補正するため「0」となる。これは演算の結果桁下がりが発生することでキャリーフラグが「1」となり、キャリーフラグが「1」の場合は「0」をセットする命令を使用しているためである。
また、遊技の結果リプレイが当選した場合は、有利区間MYカウンタの更新処理を実行しないので、リプレイが当選した当該遊技での有利区間MYカウンタの値は増減しない。
CZは、入賞-D~入賞-H(以下、レア役とも称す)の何れかに当せんした時に抽せんにより決定するようになっており、基本的には当せんしにくい内部抽せん結果ほどCZが当せんしやすくなっている。本実施形態においては、CZに当せんしやすい順番として、入賞-G>入賞-E>入賞-H>入賞-F>入賞-Dの順番となっている。
本実施形態において、CZは当せん直後に発生するわけではなく、CZに当せんした後、有利区間から通常区間に移行し再度有利区間に移行したときにCZを開始する(すなわち、RT1における有利区間移行時は必ずCZを開始する仕様(通常区間から有利区間に移行することがCZの発生条件ともいえる)とし、今回の有利区間においてCZに当せんしたら、あえて通常区間に移行させて、次回の有利区間を開始させることでCZが発生することとなる)。これにより、CZからATに当せんした場合に有利区間の残り遊技回数が少ないために出玉が出せないといった問題点を解消することができる。特に純増枚数(1遊技あたりの獲得期待枚数。傾斜値とも称する。)が少ない仕様ほど効果的である。例えば、純増2枚の場合、有利区間の最大獲得枚数が約2400枚であるため、2400枚を獲得させるのに1200回の遊技が必要となってくる。しかし、有利区間では常にATを行うというわけではなく、上述した通常状態やCZ等様々な遊技状態を遷移するため、AT開始時には有利区間の残り遊技回数が少ない(例えば、500回等)ことが多くある。この場合500回の遊技を行っても純増枚数が2枚であるため1000枚程度の獲得で終了してしまい、ユーザの獲得期待感に応えることが難しかった。そこで、CZ当せんで一度有利区間を終了し、新たに有利区間に移行するときにCZを開始することで、仮にCZが100回の遊技回数であっても、有利区間は残り1400回遊技できるので、ユーザに2400枚を獲得させる期待感を創出することができる。
また、有利区間が開始してからの獲得枚数(払出枚数の累積数-投入数の累積数)の値に応じて同一有利区間内における2回目以降のCZの当せん確率を変動させてもよい。例えば、有利区間移行時にCZを開始してATに当せんした場合、当該ATで50枚獲得した場合と1000枚獲得した場合とでAT終了後の残りの有利区間内におけるCZの当せん確率を変動させる態様が考えられる。この場合は、50枚獲得した後のCZ当せん確率を1000枚獲得した後のCZ当せん確率よりも高くする場合と低くする場合が考えられる。
50枚獲得した後のCZ当せん確率を1000枚獲得した後のCZ当せん確率よりも高くする場合は、ATであまり獲得できなかったユーザに対して次のCZを付与しやすくなるため、期待感を維持しつつ遊技可能となっている。
50枚獲得した後のCZ当せん確率を1000枚獲得した後のCZ当せん確率よりも低くする場合は、1000枚獲得した後は残りの有利区間が少ないため(有利区間の終了条件である3000回の遊技回数か2400枚の獲得に近いため)、CZを高確率にしても出玉設計上著しく射幸心が上がらないし、ユーザに対しても新たな期待感を創出することができる。
CZに当せんした場合、CZに当せんした当該遊技、若しくは所定回数の遊技を実行したとき(遊技機Pの仕様によって任意に設定できる)に「成功」や「勝利」といった文字表示を行う祝福演出を行う。これにより、ユーザは何らかの特典が付与されたことが理解できるため、遊技の進行状況を直感的に理解させることができる。そして、次遊技以降から「CZ準備中」という旨の表示を画像表示装置やランプの点灯態様で行い、ユーザに対してCZに対する期待感を創出させることができる。CZ準備中とは、CZ当せん遊技が有利区間である場合、有利区間を終了させてから、その後の通常区間において再び有利区間に移行するまでの状態に対応している。「CZ準備中」は内部的には通常区間となっているため、AT抽せんやAT上乗せ等は一切行わないユーザにとって不利な状態となっているが、CZ準備中の出玉率をAT状態と比較して下げることでATに出玉を割り振ることができ、出玉の波を創出することができる。また、CZ準備中はCZに対する期待感を創出しているため、出玉率を下げてもユーザが損をしたと感じにくくしている。
また、CZに当せんした次遊技で有利区間を終了させているが、CZに当せんした遊技から有利区間が終了するまでに所定回数の遊技を実行させてもよい。この場合は、CZに当せんした当該遊技ではCZに当せんした告知を行わず、CZに当せんしたか否かを演出により所定回数の遊技に亘って実行することが考えられる(所謂、前兆演出や連続演出)。そして、所定回数の遊技を実行したタイミングで祝福演出を実行し、次遊技からCZ準備中となる。これは、有利区間では有利区間ランプが点灯しており、有利区間が終了すると有利区間ランプが非点灯となるため、CZ当せん遊技からCZに当せんしたことを告知するまでの間に有利区間ランプの点灯態様でCZに当せんしたか否かがわからないようにするためである。なお、CZ準備中に有利区間から通常区間に移行するようにしてもよく、この場合はすでにCZ準備中であることを報知しているため、CZ準備中の有利区間ランプの点灯態様によって結果が先にわかるようなことはない。
また、CZ準備中が必ずしも通常区間である必要はなく、有利区間に設定する場合があってもよい。この場合でも通常区間でCZ準備中を実行する割合の方が有利区間でCZ準備中を実行する割合よりも相対的に高くなっており、有利区間でCZ準備中を実行する条件として、有利区間の残り遊技回数が所定回数(例えば、1000回)以上残っていることを条件とする。このように構成することで、有利区間の残り遊技回数に余裕がある場合にCZ準備中を実行するため、CZ準備中を経てCZを実行し、その結果ATを実行することになっても十分な出玉感を創出することができる。また、CZ準備中に通常区間を用いないため、CZ準備中の直後にATを開始するといった驚きを創出することもできる(有利区間終了時にはATに関する情報を初期化するため、CZ準備中に通常区間を用いた場合は有利区間開始時にCZを実行することになるためATは開始できない)。
また、上述した有利区間にCZ準備中を実行する場合において、CZ準備中に入賞-D~入賞-Hの何れかに当せんしたときに抽せんによりATを付与するか否かを決定してもよい。この場合、AT抽せんによりATに当せんしやすいレア役の順番は、CZに当せんしやすい順番と同様にしてもよいし、入賞-E>入賞-G>入賞-F>入賞-H>入賞-Dの順番のように一部異ならせるようにしてもよい。このように構成することで、CZ準備中であってもユーザに対してレア役の当せんを期待させることができる。
さらに、レア役は当せんしたがATに当せんしなかったユーザに対して遊技意欲を減退させないために、ATとは異なる特典を付与するようにしてもよい。当該特典として、例えば、ユーザ端末で読み取り可能な二次元コードを表示したり、設定値を判別可能な設定示唆演出を表示したり考えられる。当該特典は、有利区間における遊技回数が前述した所定回数(例えば、3000回)に近いほど付与しやすいようにしてもよいし、CZ回数が特定回数(例えば、5の倍数回目)のときに付与しやすいようにしてもよい。
なお、有利区間から通常区間に必ず移行する条件(有利区間の強制的な終了条件)として、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば、3000回)に到達したとき、有利区間でのMYが特定値(例えば、2400)を超えたとき、設定変更に基づいた初期化処理が行われたとき、RAMクリアスイッチが有効となったときとして説明したが、全ての条件が、有利区間から通常区間に必ず移行する条件として定めなくても良く、一部の条件が有利区間から通常区間に必ず移行する条件として定めていても良い。例えば、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば、3000回)に到達したときを有利区間から通常区間に必ず移行する条件に含めなくて良い。
次に、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば、3000回)に到達したときが有利区間から通常区間に必ず移行する条件として含まれておらず、有利区間でのMYが2400を超えたときが有利区間から通常区間に必ず移行する条件として含まれている場合において、有利区間を任意の終了条件で終了させる(通常区間へ移行させる)ことが可能な態様について説明する。なお、有利区間でのMYが2400を超えたときが有利区間から通常区間に必ず移行する条件として説明を行うが、2400に限らず任意の値(例えば、4800等)に設定することもできることを付言しておく。
有利区間を任意の終了条件で終了させるとは、有利区間でのMYが2400を超えない値(例えば、有利区間のMYが1000)であるときに、ATの終了条件を満たしたこと(例えば、ATに突入してから300回の遊技を行ったことや、獲得枚数が所定枚数(例えば2300枚)以上となったこと等)や、有利区間でCZに当せんしたこと(有利区間でCZに当せんした時の有利区間の状況に応じて有利区間を終了させるか否かを判断しても良い)等が該当する。
有利区間を任意の終了条件で終了させる場合には、有利区間の任意の終了条件を満たした場合に、遊技状態別処理によって、第1主制御RAMにある所定の記憶領域(例えば、有利区間終了記憶領域)に有利区間を終了することを示すフラグを記憶する。そして、有利区間終了記憶領域に有利区間を終了することを示すフラグが記憶されていると判断した場合には、有利区間を終了する(第1主制御のRAMに記憶されているATに関する情報の初期化処理を実行する)ことが考えられる。
そして、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合には、有利区間の任意の終了条件を満たした場合に、第1主制御RAMにある1バイトの記憶領域(例えば、有利区間終了記憶領域)に有利区間を終了することを示すフラグを記憶する。その後、有利区間終了記憶領域に有利区間を終了することを示すフラグが記憶されていると判断した場合には、有利区間を終了する(第1主制御のRAMに記憶されているATに関する情報の初期化処理を実行する)ことが考えられる。
ただし、第1主制御RAMに1バイトの有利区間終了記憶領域を設けた場合、第1主制御RAMの記憶領域を逼迫してしまうため、他の方法として有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる方法も考えられる。以下では、有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる方法について説明を行う。
<有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる方法>
まず、有利区間MYカウンタの記憶領域について説明を行う。有利区間MYカウンタは、有利区間のMYが2400を超えたか否かを判断するための値を記憶することが必要なため、2バイトの記憶領域が必要となる。以下、例を挙げて、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域と下位バイトの記憶領域にはどのような値が記憶されるかについて説明する。なお、上位バイトの記憶領域の値と下位バイトの記憶領域の値の境目を容易にするため、位バイトの記憶領域の値と下位バイトの記憶領域の値の境目に「/」を記載し、上位バイトの記憶領域の値/下位バイトの記憶領域の値のようにする。また、数字の語尾にbを付けているものは2進数で表記していることを示す。また、8ビット(1バイト)のうち、最下位桁のビットをD0ビットとし、D0のビットの次の桁のビットをD1ビット、D1のビットの次の桁のビットをD2ビット、D2のビットの次の桁のビットをD3ビット、D3のビットの次の桁のビットをD4ビット、D4のビットの次の桁のビットをD5ビット、D5のビットの次の桁のビットをD6ビット、D6のビットの次の桁のビットをD7ビットとする。つまり、最下位ビットと称した場合はD0ビットが相当し、最上位ビットと称した場合はD7ビットが相当する。
なお、有利区間MYカウンタの下位バイトのD0ビットは1桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD1ビットは2桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD2ビットは3桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD3ビットは4桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD4ビットは5桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD5ビットは6桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD6ビットは7桁目を示し、有利区間MYカウンタの下位バイトのD7ビットは8桁目を示す。また、有利区間MYカウンタの上位バイトのD0ビットは9桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD1ビットは10桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD2ビットは11桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD3ビットは12桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD4ビットは13桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD5ビットは14桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD6ビットは15桁目を示し、有利区間MYカウンタの上位バイトのD7ビットは16桁目を示す。
(例1)有利区間MYカウンタの値が10の場合
00000000b/00001010b(上位バイト:0、下位バイト:10)
(例2)有利区間MYカウンタの値が255の場合
00000000b/11111111b(上位バイト:0、下位バイト:255)
(例3)有利区間MYカウンタの値が256の場合
00000001b/00000000b(上位バイト:1、下位バイト:0)
(例4)有利区間MYカウンタの値が1000の場合
00000011b/11101000b(上位バイト:3、下位バイト:232)
(例5)有利区間MYカウンタの値が2400の場合
00001001b/01100000b(上位バイト:9、下位バイト:96)
(例6)有利区間MYカウンタの値が2414の場合
00001001b/01101110b(上位バイト:9、下位バイト:110)
以上のとおり、有利区間MYカウンタに有利区間のMYとして0~2414までが記憶され得る遊技機においては、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D4ビット、D5ビット、D6ビット、D7ビットは使用されることはない。なお、有利区間MYカウンタに有利区間のMYとして0~2414までが記憶され得る遊技機を例示したが、有利区間のMYとして記憶され得る上限値が2414でなく、2400から2413の間の何れの値であっても同様に、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D4ビット、D5ビット、D6ビット、D7ビットは使用されることはない。
<<有利区間終了時処理>>
次に、有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる方法について、図45を用いて説明を行う。有利区間終了時処理は、前述した遊技状態別処理に含まれる1つであり、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合に実行される制御処理である。
<<<パターン1>>>
図45の有利区間終了時処理の<パターン1>では、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合に、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値の特定ビットを1にする(特定ビットに1を記憶する)。具体的には、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のD7ビット(最上位ビット)に1を記憶する。例えば、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値が1(00000001b)であるとき、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のD7ビットを1にすると、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値が129(10000001b)となる。
このように構成できるのは、上述したとおり、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D4ビットからD7ビットに値を記憶することがないためである。つまり、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のD7ビットを他の目的(ここでは、有利区間の終了条件を満たしたか否かのフラグ)として使用することができる。また、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値のD7ビットを1にすることは、有利区間MYカウンタに記憶されている値として、少なくとも32768(2の15乗)以上の値が記憶されることと同義である。このとき、有利区間MYカウンタの下位バイトの記憶領域には値を記憶する処理や或るビットに1を記憶する処理等は行わない。例えば、有利区間MYカウンタに1000(00000011b/11101000b(「/」は、上位バイトの記憶領域の値と下位バイトの記憶領域の値の境目を示す))が記憶されている場合に、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値のD7ビット(最上位ビット)を1にすると、有利区間MYカウンタには、33768(10000011b/11101000b)が記憶されることとなる。このように、有利区間MYカウンタを構成する下位バイトの記憶領域と、上位バイトの記憶領域の両方の記憶領域(2バイトの記憶領域)を対象として値を記憶する処理や或るビットを1にする処理を行うのではなく、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域(1バイトの記憶領域)を対象とし、特定ビットを1にする処理を実行することにより、プログラム容量を削減することができる。なお、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D7ビットに1を記憶する例を示したが、D7ビットに限られるものではなく、D4ビットからD7ビットの何れのビットであっても良い。
<<<パターン2>>>
図45の有利区間終了時処理の<パターン2>では、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合に、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に特定値(250(11110000b))を記憶する。例えば、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値が1(00000001b)であるとき、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250を記憶すると、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値が250(11110000b)となる。
このように構成できるのは、上述したとおり、有利区間のMYとして記憶する値は、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D0ビットからD3ビットまでしか使用しないためである。具体的には、有利区間のMYとして記憶する値の上限値として、2400から2414までの何れかの値であった場合、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域は、最大で9(00001001b)を記憶することがあり得る。換言すると、10以上の値を記憶する場合がないため、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に10以上の値を記憶することにより、有利区間MYカウンタは、少なくとも2414よりも大きい値とすることができる。このとき、有利区間MYカウンタの下位バイトの記憶領域には値を記憶する処理や或るビットに1を記憶する処理等は行わない。例えば、有利区間MYカウンタに1000(00000011b/11101000b(「/」は、上位バイトの記憶領域の値と下位バイトの記憶領域の値の境目を示す)が記憶されている場合に、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250を記憶すると、有利区間MYカウンタには、61672(11110000b/11101000b)が記憶されることとなる。このように、有利区間MYカウンタを構成する下位バイトの記憶領域と、上位バイトの記憶領域の両方の記憶領域(2バイトの記憶領域)を対象として値を記憶する処理や或るビットに1を記憶する処理ではなく、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域(1バイトの記憶領域)を対象とし、特定値を記憶する処理を実行することにより、プログラム容量を削減することができる。なお、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250を記憶する例を示したが、特定値として250に限られるものではなく、10以上の値であれば何れの値であっても良い。
<<有利区間クリアカウンタ管理処理>>
次に、有利区間MYカウンタを用いて、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合における有利区間クリアカウンタ管理処理について図46、図47、図48を用いて説明を行う。ここで、有利区間クリアカウンタ管理処理のパターンとして3つの態様が考えられるため、図46を有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン1>、図47を有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン2>、図48を有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン3>として説明を行う。なお、図46、図47、図48の有利区間クリアカウンタ管理処理の何れの態様も、図44に記載した主制御基板P15の遊技進行メイン処理により実行される。
<<<パターン1>>>
図46は、有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン1>である。有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン1>では、有利区間MYカウンタに記憶された値が有利区間の上限値(例えば、2400)を超えたか否かを判断することにより、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合と、有利区間の任意の終了条件を満たした場合の両方を一遍に判断することができる方法である。
まず、「有利区間の遊技?」では、今回の遊技が有利区間か否かを判断する。例えば、今回の遊技が有利区間の遊技か否かは、今回の遊技のメイン遊技状態や、今回の遊技が有利区間である場合に1となるフラグ(有利区間フラグ)などを用いて判断することができる。今回の遊技が有利区間の遊技でないと判断した場合には、有利区間クリアカウンタ管理処理を終了する。
「MYカウンタ取得」では、有利区間MYカウンタに記憶されている値をHLレジスタ(CPUが有する汎用レジスタであり、HレジスタとLレジスタを合わせて2バイトの値を記憶可能としたペアレジスタ。以下、同様)に記憶する。例えば、有利区間MYカウンタに記憶されている値が1000である場合には、HLレジスタに1000を記憶する。なお、1000は2バイトの値であるため、上位バイトの値をHレジスタに、下位バイトの値をLレジスタに記憶する。そのため、1000をHLレジスタに記憶するとは、Hレジスタに00000011bを、11101000bをLレジスタに記憶することと同義である。
「再遊技作動図柄表示時?」では、今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したか否かを判断する。今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したと判断した場合(YESの場合)には、「MYカウンタ保存」を実行する。「再遊技作動図柄表示時?」で今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示しなかったと判断しなかった場合(NOの場合)は、「付与数加算」を実行する。
「付与数加算」では、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数をHLレジスタに記憶されている値に加算し、加算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、加算前のHLレジスタに記憶されている値が1000、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数を1とした場合、加算後のHLレジスタには1001が記憶される。
「ベット数減算」では、今回の遊技でベットした遊技媒体の数(ベット数)をHLレジスタに記憶されている値から減算し、減算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、減算前のHLレジスタに記憶されている値が1001、今回の遊技のベット数を3とした場合、減算後のHLレジスタには998が記憶される。
「減算結果=0未満?」では、当該処理の前に実行した「ベット数減算」によって、HLレジスタに記憶されている値が0未満となった(桁下がりがあった)か否かを判断する。例えば、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがあった場合(キャリーフラグが1となった場合)には、YESと判断し、「MYカウンタ初期値セット」を実行する。一方、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがなかった場合(キャリーフラグが0となった場合)には、NOと判断し、「MYカウンタ保存」を実行する。
「MYカウンタ初期値セット」では、HLレジスタに記憶されている値を0にする。これにより、次の「MYカウンタ保存」で、有利区間MYカウンタの初期値として0を記憶することができる。
「MYカウンタ保存」では、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶する。なお、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶した場合であっても、HLレジスタに記憶されている値は維持される。例えば、HLレジスタに998が記憶されている場合には、998を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は998のままである。例えば、HLレジスタに0が記憶されている場合には、0を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は0のままである。
「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」では、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断する。ここで、HLレジスタに記憶されている値は、有利区間MYカウンタに記憶されている値と同じである。そのため、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することと、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することは、同義である。また、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しているが、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しても良い。ただし、有利区間MYカウンタに記憶されている値とはRAMに記憶されている値である。ここで、ある数値と比較する場合は、RAMに記憶されている値と比較するより、レジスタに記憶されている値と比較した方がプログラム容量を少なくすることができる。よって、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているか判断した方がROM(プログラム)の使用容量を少なくすることができる。
以下では、HLレジスタに記憶されている値に応じて、「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」でどのように判断するか例を挙げて説明する。
(例1)HLレジスタに0が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例2)HLレジスタに998が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例3)HLレジスタに2404が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
(例4)HLレジスタに33768が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
(例5)HLレジスタに61672が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
ここで、(例3)のように2400から2414の間の数値が記憶されている場合とは、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合である。一方、(例4)や(例5)のように2414を超えた値が記憶されている場合とは、有利区間の任意の終了条件を満たした場合(有利区間終了時処理の<パターン1>、又は、有利区間終了時処理の<パターン2>を実行した場合)である。このように、「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」によって、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合と有利区間の任意の終了条件を満たした場合とで、有利区間終了時のRAM初期化を実行すること(今回の遊技で有利区間を終了すること)ができる。
「有利区間終了時のRAM初期化」では、ATに関する情報等を初期化する。この処理によって、有利区間MYカウンタやメイン遊技状態等も初期化され、今回の遊技で有利区間を終了する。よって、次回の遊技は通常区間の遊技とすることができる。
<<<パターン2>>>
図47は、有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン2>である。有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン2>では、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶された値の所定ビットが1か否かで有利区間を終了すること(利区間の任意の終了条件を満たして有利区間を終了すること)と、有利区間MYカウンタに記憶された値が上限値を超えて有利区間を終了すること(有利区間の強制的な終了条件を満たして有利区間を終了すること)をそれぞれ判断することができる方法である。
まず、「有利区間の遊技?」では、今回の遊技が有利区間か否かを判断する。例えば、今回の遊技が有利区間の遊技か否かは、今回の遊技のメイン遊技状態や、今回の遊技が有利区間である場合に1となるフラグ(有利区間フラグ)などを用いて判断することができる。今回の遊技が有利区間の遊技でないと判断した場合には、有利区間クリアカウンタ管理処理を終了する。
「MYカウンタ取得」では、有利区間MYカウンタに記憶されている値をHLレジスタに記憶する。例えば、有利区間MYカウンタに記憶されている値が1000である場合には、HLレジスタに1000を記憶する。なお、1000は2バイトの数値であるため、上位バイトの値をHレジスタに、下位バイトの値をLレジスタに記憶する。そのため、1000をHLレジスタに記憶するとは、Hレジスタに00000011bを、11101000bをLレジスタに記憶することと同義である。
「特定ビットON?」では、Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが「1」であるか否かを判断する。つまり、当該処理では、有利区間の任意の終了条件を満たしたか否かを判断している。例えば、有利区間終了時処理の<パターン1>によって、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域のうち、D7ビットに1を記憶する処理を実行した場合には、特定ビットはD7ビットに相当する。また、有利区間終了時処理の<パターン2>によって、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250(11110000)を記憶した場合には、特定ビットはD7ビット、又は、D6ビット、又は、D5ビット、又は、D4ビットに相当する。このように、有利区間終了時処理の<パターン1>、又は、有利区間終了時処理の<パターン2>を実行した場合に、1となるビット(特定ビット)について判断する。Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが1であるときには、「有利区間終了時のRAM初期化」を実行する。一方、Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが1でないとき(0であるとき)には、「再遊技作動図柄表示時?」を実行する。なお、Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが1であるときとは、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値の特定ビットが1であるときである。そのため、本実施形態では、Hレジスタに記憶されている値の特定ビットが1であるか否かと判断しているが、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値の特定ビットが1であるか否かを判断してもよい。
「再遊技作動図柄表示時?」では、今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したか否かを判断する。今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したと判断した場合(YESの場合)には、「MYカウンタ保存」を実行する。「再遊技作動図柄表示時?」で今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示しなかったと判断しなかった場合(NOの場合)は、「付与数加算」を実行する。
「付与数加算」では、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数をHLレジスタに記憶されている値に加算し、加算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、加算前のHLレジスタに記憶されている値が1000、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数を1とした場合、加算後のHLレジスタには1001が記憶される。
「ベット数減算」では、今回の遊技でベットした遊技媒体の数(ベット数)をHLレジスタに記憶されている値から減算し、減算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、減算前のHLレジスタに記憶されている値が1001、今回の遊技のベット数が3とした場合、減算後のHLレジスタには998が記憶される。
「減算結果=0未満?」では、当該処理の前に実行した「ベット数減算」によって、HLレジスタに記憶されている値が0未満となった(桁下がりがあった)か否かを判断する。例えば、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがあった場合(キャリーフラグが1となった場合)には、YESと判断し、「MYカウンタ初期値セット」を実行する。一方、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがなかった場合(キャリーフラグが0となった場合)には、NOと判断し、「MYカウンタ保存」を実行する。
「MYカウンタ初期値セット」では、HLレジスタに記憶されている値を0にする。これにより、次の「MYカウンタ保存」で、有利区間MYカウンタの初期値として0を記憶することができる。
「MYカウンタ保存」では、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶する。ここで、HLレジスタに記憶されている値は、有利区間MYカウンタに記憶されている値と同じである。なお、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶した場合であっても、HLレジスタに記憶されている値は維持される。例えば、HLレジスタに998が記憶されている場合には、998を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は998のままである。例えば、HLレジスタに0が記憶されている場合には、0を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は0のままである。
「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」では、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断する。ここで、HLレジスタに記憶されている値は、有利区間MYカウンタに記憶されている値と同じである。そのため、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することと、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することは、同義である。また、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しているが、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しても良い。ただし、有利区間MYカウンタに記憶されている値とはRAMに記憶されている値である。ここで、ある数値と比較する場合は、RAMに記憶されている値と比較するより、レジスタに記憶されている値と比較した方がプログラム容量を少なくすることができる。よって、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているか判断した方がROM(プログラム)の使用容量を少なくすることができる。
以下では、HLレジスタに記憶されている値に応じて、「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」でどのように判断するか例を挙げて説明する。
(例1)HLレジスタに0が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例2)HLレジスタに998が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例3)HLレジスタに2404が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
ここで、(例3)のように2400から2414の間の数値が記憶されている場合とは、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合である。
「有利区間終了時のRAM初期化」では、ATに関する情報等を初期化する。この処理によって、有利区間MYカウンタやメイン遊技状態等も初期化され、今回の遊技で有利区間を終了する。よって、次回の遊技は通常区間の遊技とすることができる。
<<<パターン3>>>
図48は、有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン3>である。有利区間クリアカウンタ管理処理の<パターン3>では、有利区間MYカウンタに記憶された上位バイトの値が特定値であるか否かで有利区間を終了すること(利区間の任意の終了条件を満たして有利区間を終了すること)と、有利区間MYカウンタに記憶された値が上限値を超えて有利区間を終了すること(有利区間の強制的な終了条件を満たして有利区間を終了すること)をそれぞれ判断できる方法である。
まず、「有利区間の遊技?」では、今回の遊技が有利区間か否かを判断する。例えば、今回の遊技が有利区間の遊技か否かは、今回の遊技のメイン遊技状態や、今回の遊技が有利区間である場合に1となるフラグ(有利区間フラグ)などを用いて判断することができる。今回の遊技が有利区間の遊技でないと判断した場合には、当該処理を終了する。
「MYカウンタ取得」では、有利区間MYカウンタに記憶されている値をHLレジスタ(CPUが有する汎用レジスタ)に記憶する。例えば、有利区間MYカウンタに記憶されている値が1000である場合には、HLレジスタに1000を記憶する。なお、1000は2バイトの数値であるため、上位バイトの値をHレジスタに、下位バイトの値をLレジスタに記憶する。そのため、1000をHLレジスタに記憶するとは、Hレジスタに00000011bを、11101000bをLレジスタに記憶することと同義である。
「有利区間終了データ?」では、Hレジスタに記憶されている値が特定値であるか否かを判断する。つまり、当該処理では、有利区間の任意の終了条件を満たしたか否かを判断している。例えば、有利区間終了時処理の<パターン2>によって、有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に250(11110000b)を記憶した場合には、特定値が250(11110000b)に相当する。このように、有利区間終了時処理の<パターン2>を実行した場合に記憶した値であるか否かを判断する。Hレジスタに記憶されている値が特定値であるときには、「有利区間終了時のRAM初期化」を実行する。一方、Hレジスタに記憶されている値が特定値でないときには、「再遊技作動図柄表示時?」を実行する。なお、Hレジスタに記憶されている値が特定値であるときは、有利区間MYカウンタの上位バイトに特定値が記憶されているときである。そのため、Hレジスタに記憶されている値が特定値であるか否かと判断しているが、有利区間MYカウンタの上位バイトに記憶されている値が特定値であるか否かを判断してもよい。
「再遊技作動図柄表示時?」では、今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したか否かを判断する。今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示したと判断した場合(YESの場合)には、「MYカウンタ保存」を実行する。「再遊技作動図柄表示時?」で今回の遊技でリプレイに対応した図柄組合せが停止表示しなかったと判断しなかった場合(NOの場合)は、「付与数加算」を実行する。
「付与数加算」では、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数をHLレジスタに記憶されている値に加算し、加算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、加算前のHLレジスタに記憶されている値が1000、今回の遊技で付与された遊技媒体の付与数を1とした場合、加算後のHLレジスタには1001が記憶される。
「ベット数減算」では、今回の遊技でベットした遊技媒体の数(ベット数)をHLレジスタに記憶されている値から減算し、減算後の値をHLレジスタに記憶する。例えば、減算前のHLレジスタに記憶されている値が1001、今回の遊技のベット数が3とした場合、減算後のHLレジスタには998が記憶される。
「減算結果=0未満?」では、当該処理の前に実行した「ベット数減算」によって、HLレジスタに記憶されている値が0未満となった(桁下がりがあった)か否かを判断する。例えば、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがあった場合(キャリーフラグが1となった場合)には、YESと判断し、「MYカウンタ初期値セット」を実行する。一方、「ベット数減算」を実行した結果、桁下がりがなかった場合(キャリーフラグが0となった場合)には、NOと判断し、「MYカウンタ保存」を実行する。
「MYカウンタ初期値セット」では、HLレジスタに記憶されている値を0にする。これにより、次の「MYカウンタ保存」で、有利区間MYカウンタの初期値として0を記憶することができる。
「MYカウンタ保存」では、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶する。なお、HLレジスタに記憶されている値を有利区間MYカウンタに記憶した場合であっても、HLレジスタに記憶されている値は維持される。例えば、HLレジスタに998が記憶されている場合には、998を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は998のままである。例えば、HLレジスタに0が記憶されている場合には、0を有利区間MYカウンタに記憶する。また、HLレジスタに記憶されている値は0のままである。
「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」では、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断する。ここで、HLレジスタに記憶されている値は、有利区間MYカウンタに記憶されている値と同じである。そのため、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することと、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断することは、同義である。また、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しているが、有利区間MYカウンタに記憶されている値が2400を超えているかを判断しても良い。ただし、有利区間MYカウンタに記憶されている値とはRAMに記憶されている値である。ここで、ある数値と比較する場合は、RAMに記憶されている値と比較するより、レジスタに記憶されている値と比較した方がプログラム容量を少なくすることができる。よって、HLレジスタに記憶されている値が2400を超えているか判断した方がROM(プログラム)の使用容量を少なくすることができる。
以下では、HLレジスタに記憶されている値に応じて、「MYカウンタ>MYカウンタ上限値?」でどのように判断するか例を挙げて説明する。
(例1)HLレジスタに0が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例2)HLレジスタに998が記憶されている場合には、NOと判断し、当該処理を終了する。
(例3)HLレジスタに2404が記憶されている場合には、YESと判断し、有利区間終了時のRAM初期化を実行する。
ここで、(例3)のように2400から2414の間の数値が記憶されている場合とは、有利区間の強制的な終了条件を満たした場合である。
「有利区間終了時のRAM初期化」では、ATに関する情報等を初期化する。この処理によって、有利区間MYカウンタやメイン遊技状態等も初期化され、今回の遊技で有利区間を終了する。よって、次回の遊技は通常区間の遊技とすることができる。
以上のとおり、有利区間の任意の終了条件を満たした遊技では、有利区間終了時処理によって有利区間MYカウンタの上位バイトの記憶領域に記憶されている値を更新し(有利区間MYカウンタの下位バイトの記憶領域に記憶されている値は更新しない)、有利区間終了時処理の後に実行される有利区間クリアカウンタ管理処理によって、有利区間の任意の終了条件を満たした遊技で有利区間を終了することができる(次回の遊技を通常区間の遊技とすることができる)。
本実施形態における設定変更に関する処理を説明する。
設定変更装置が起動すると、設定変更装置の起動時のタイミングや設定値の確定時のタイミングで前述したRAM初期化処理を行う。このRAM初期化処理が行われる直前の遊技状態がRT1であればRAM初期化処理が行われるとRT1の情報が初期化され、RAM初期化処理後の遊技状態は非RTとなる。また、RAM初期化処理が行われる直前の遊技状態が1種BB中であればRAM初期化処理が行われると1種BB中の情報が初期化され、RAM初期化処理後の遊技状態は非RTとなる。なお、設定変更に伴うRAM初期化処理では総得点は初期化されない(投入点は初期化される)。
また、RAM初期化処理が行われる直前の遊技状態が有利区間であればRAM初期化処理が行われると有利区間の情報が初期化され、RAM初期化処理後の遊技状態は通常区間となる。換言すると、有利区間中の遊技状態として、通常状態、CZ、又はATとあるが、何れの状態であってもRAM初期化処理が行われると、通常区間に移行する。
RAM初期化処理が行われると非RTかつ通常区間から遊技が開始されることになるが、本実施形態においては、通常区間から有利区間に移行するときにCZを開始する仕様となっているため、設定変更後は有利な状態(CZに当せんさせるための遊技を行うことなく、有利区間に移行させることでCZを開始させることができる状態)となっている。
このように構成することで、設定変更後は有利な状態であるため、朝から来店させる動機づけができ、集客効果を上げることができる。
また、設定変更後に有利すぎる状態(数回遊技を行うだけでCZに移行する状態)をセットできてしまうと射幸心を著しく煽ってしまう虞がある(所謂モーニング)。このため、有利区間に移行するときの状況に応じてCZの内容を変更することが考えられる。
この場合として、有利区間に移行が決定した次遊技のRT状態がRT1である場合は、基本的な遊技フローであるためCZを開始し、有利区間に移行が決定した次遊技のRT状態が非RTである場合は、設定変更後であるとしてCZを開始しない。なお有利区間に移行が決定した遊技としては、上述した再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kの何れかが当せんしたことである。
また、再遊技-C、再遊技-D、再遊技-E、再遊技-F、再遊技-G、再遊技-H、再遊技-I、再遊技-J、入賞-D、入賞-E、入賞-F、入賞-G、入賞-H、入賞-I、入賞-J、入賞-Kは1種BBと重複当せんするため、当せんした次遊技のRT状態はRT1となり、CZが開始されるが、入賞-A1、入賞-A2、入賞-A3、入賞-A4、入賞-A5、入賞-A6、入賞-B1、入賞-B2、入賞-B3、入賞-B4、入賞-B5、入賞-B6、入賞-C1、入賞-C2、入賞-C3、入賞-C4、入賞-C5、入賞-C6は1種BBと重複当せんしないため、当せんした次遊技は非RTであり、CZが開始されない。
このような構成により、非RTにおいて有利区間に移行する場合を有するため、設定変更後は数回遊技を行うだけでCZに移行するといったモーニングに関する仕様を抑制でき、射幸性を抑えることができる。
なお、有利区間に移行が決定した次遊技のRT状態を参照して有利区間における主制御手段で管理する遊技状態を変更する仕様を用いて、射幸性を下げることも考えられる。この場合、非RT中(1種BB非内部中)に移行した有利区間はATを行わず、RT1中(1種BB内部中)に移行した有利区間はATを行う可能性を有するようにしてもよい。このような構成により、設定変更後に非RTで有利区間に移行した場合は、ATが行われないことにより出玉を獲得することができないので射幸性を抑えることになる。この時の有利区間の終了条件は上述したCZに当せんするまででもよいし、所定遊技回数(例えば、3000回)の遊技を行ったことでもよい。
また、有利区間移行抽せんに当せんした次遊技のRT状態を参照してCZの移行を制御しているが、これに限らず、有利区間移行抽せんに当せんした当該遊技の作動している条件装置を参照してCZの移行を制御してもよい。この場合は、通常区間における1種BB内部中に入賞-A1が当せんしたときは、1種BBと入賞-A1の条件装置が作動していることに基づいて有利区間開始時にCZを開始するよう制御する。また、通常区間における1種BB非内部中に入賞-A1が当せんしたときは入賞-A1の条件装置が作動していることに基づいて有利区間開始時にCZを開始しないよう制御する。
本実施形態では、1種BBのみ抽せん対象としていたが、これに代わり、RB、またはMBを抽せん対象としてもよいし、1種BBとRBとMBのうち2つ乃至全部を抽せん対象としてもよい。
遊技機Pと貸出ユニット間での通信に使用する電文について図14を用いて説明する。
遊技機Pと貸出ユニット間での通信に使用する電文のデータ構成は、下記の5つに分けられる。
(1)電文長
(2)コマンド
(3)通番
(4)データ部
(5)チェックサム
上記5つからなるデータ群を電文と称し、1回の送信によって送信される。(分割送信はしない。)
貸出ユニットは、スタートビットの受信開始から3.9ms以内に次のスタートビットを受信できなかった場合に1電文とみなすように構成されていることから、1電文として連続してデータ(1バイトデータ)を送信する場合は送信間隔が3.9ms未満となるように設計している。また、送信するデータの種類においては送信規定時間が決まっているものもあり、遊技機情報通知は13.9ms以内、計数通知は5.5ms以内、貸出受領結果応答は4.9ms以内となっている。例えば、遊技機情報通知は3.9ms以内にデータを送信していたとしても電文長の送信からチェックサムの送信までに13.9msを超えた場合は、貸出ユニットはそれまで受信したデータを破棄するため、データ間が3.9ms以内であり、且つ送信完了までの時間が13.9ms以内にする必要がある。
なお、データ間の3.9ms以内の規定は通常の送信方法であれば意識して設計しなくても十分に満たせる規定となっている。
下記に各データ構成について説明する
(1)電文長
電文長、コマンド、通番、データ部、チェックサムの5つからなるデータのデータ長の長さを示したものであり、1バイトデータで構成される。たとえば、電文長が1バイト、コマンドが1バイト、通番が1バイト、データ部が14バイト、チェックサムが1バイトの場合、電文は18バイト(1バイト+1バイト+1バイト+14バイト+1バイト)となり、電文長は18バイトに対応したデータ(12h)となる。
(2)コマンド
上記の電文は、後述する、遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答の何れかで使用する。このコマンドによって、どの電文であるかの種別を通知することができる。
例えば、遊技機情報通知の場合には01h、計数通知の場合には02h、貸出通知の場合には13h、貸出受領結果応答の場合には03h、をコマンドとして設定する。コマンドのデータ長は1バイトデータで構成されている。
(3)通番
後述する、遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答に含まれる番号を、通番と称す。遊技機情報通知に含まれる通番を通番、計数通知に含まれる通番を計数通番、貸出通知に含まれる通番を貸出通番、貸出受領結果応答に含まれる通番を貸出通番と称す。これらの各種の通番は、0~255の範囲内の数値であり、1バイトデータで構成される。なお、各種の通番についは、後述する。
(4)データ部
後述する、遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答に対応したデータをデータ部と称す。データ部に含まれるデータについては後述するが、1バイト~53バイトのようにデータ長が通知内容に応じて異なる。
(5)チェックサム
電文長、コマンド、通番、データ部、チェックサムの5つからなるデータを加算し、総計の下位1バイトをチェックサムとする。このチェックサムを用いて、受信側は、通信中のデータの破損等を把握することができ、例えば、チェックサムが一致しなかった電文の数を遊技機Pや貸出ユニットがカウントして、通信の不具合状況等を確認することができる。例えば、遊技機Pにおいては、チェックサムが一致しなかった電文の数を、所定の状況(設定値を確認可能な設定確認モード中や設定値を変更可能な設定変更モード中)に画像表示装置等で表示可能としても良い。
遊技機Pから貸出ユニットへ出力する電文のうち、遊技機情報通知について図15を用いて説明する。
(1)電文長
電文長、コマンド、通番、データ部(遊技機種類、遊技機情報種別、遊技機情報の3つを含む)、チェックサムの5つからなるデータのデータ長の長さを示したものであり、1バイトデータで構成される。後述する遊技機情報の種別等に応じて電文長は変わる。
(2)コマンド
コマンドとは、先述したとおり、遊技機情報通知、計数通知、貸出通知、貸出受領結果応答の何れかを通知する役割を果たす。遊技機情報通知のコマンドは、01h(固定値)が該当する。
(3)通番
通番とは、0~255の何れかの数値であって、遊技機情報通知の通し番号として役割を果たす。以下に、具体的な例を挙げて説明する。
ア)電源投入時は、通番「00h(0)」を通知するように制御する。
イ)電源投入以降は、通知する毎に通番を更新(+1)する。
ウ)通番が「FFh(255)」の次の値は「01h(1)」に更新(+1を2回)する。
上述したとおり、電源復帰後の最初の通番は0となり、その後は、遊技機情報通知を出力するにつれて1ずつ増加する。遊技機情報通知の通番が255となった次の遊技機情報通知の通番は1となる(0にはならない)。
(4)遊技機種類
遊技機種類とは、データ部を構成する情報であって、遊技機Pの種類等を識別するための情報である。この情報については、図6を基に後述するが、管理媒体、団体区分、遊技機種類を通知するデータである。
(5)遊技機情報種別
遊技機情報種別とは、データ部を構成する情報であって、今回通知する遊技機情報通知が、遊技機性能情報、遊技機設置情報、ホールコン・不正監視情報かを識別するための情報である。遊技機情報種別として、遊技機性能情報を通知する場合には00h、遊技機設置情報を通知する場合には01h、ホールコン・不正監視情報を通知する場合には02hが該当する。なお、遊技機性能情報については図17、遊技機設置情報については図18、ホールコン・不正監視情報については図19を用いて後述する。
(6)遊技機情報
遊技機情報とは、データ部を構成する情報であって、今回通知する遊技機情報通知が、遊技機性能情報、遊技機設置情報、ホールコン・不正監視情報の何れかに応じて通知される情報である。遊技機情報の詳細については、後述する。
(7)チェックサム
今回通知する遊技機情報通知の、電文長、コマンド、通番、データ部(遊技機種類、遊技機情報種別、遊技機情報の3つを含む)、チェックサムの5つからなるデータを加算し、総計の下位1バイトをチェックサムとする。
遊技機情報通知に含まれる情報のうち遊技機種類について、図16を基に説明する。
遊技機種類とは、1バイトのデータであって、Bit0~Bit3により遊技機の種別、Bit4~Bit6により製造メーカが属する団体の区分、Bit7により従来の遊技球を用いた遊技機か従来の遊技メダルを用いた遊技機かを示す遊技媒体の情報である。
なお、遊技機の種別として列挙しているのは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律が定める遊技機の種類である。
次に、図16の遊技機種類一覧表を用いて、具体的な例を挙げて遊技機種類がどのようになるかを説明する。
ア)パターン1
遊技機種別:ぱちんこ遊技機P
団体区分:団体A
管理媒体:旧遊技球
この場合は、遊技機種類として01hが設定される。
イ)パターン2
遊技機種別:回胴式遊技機
団体区分:団体A
管理媒体:旧遊技メダル
この場合は、遊技機種類として82hが設定される。
ウ)パターン3
遊技機種別:アレンジボール遊技機
団体区分:団体A
管理媒体:旧遊技メダル
この場合は、遊技機種類として83hが設定される。
エ)パターン4
遊技機種別:じやん球遊技機
団体区分:団体A
管理媒体:旧遊技メダル
この場合は、遊技機種類として84hが設定される。
オ)パターン5
遊技機種別:回胴式遊技機
団体区分:団体B
管理媒体:旧遊技メダル
この場合は、遊技機種類として92hが設定される。
遊技機情報通知のうち、遊技機性能情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報について図17を用いて説明する。
ア)総投入数
総投入数とは、電源が投入されてから累積した遊技媒体の投入数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総投入数の情報として0が出力され得る。たとえば、累計1000回の遊技において、遊技媒体が投入された累計数が2000であった場合には、総投入数は2000となり、総投入数の情報として2000が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総投入数の情報として0が出力され得る。なお、内部抽せんによりリプレイ役(再遊技役とも称す)に当選し、リプレイに対応した図柄組合せが停止表示した場合には、その遊技の次遊技に賭けた遊技媒体の投入数は総投入数には含めないようにしている。
イ)総付与数
総付与数とは、電源が投入されてから累積した遊技媒体の付与数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総付与数の情報として0が出力され得る。たとえば、累計1000回の遊技において、遊技媒体が付与された累計数が2000であった場合には、総付与数は2000となり、総付与数の情報として2000が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総付与数の情報として0が出力され得る。なお、内部抽せんによりリプレイ役に当選し、リプレイに対応した図柄組合せが停止表示した場合には、その遊技における遊技媒体の付与数は総付与数には含めないようにしている。
ウ)MY
MYとは、電源が投入されてからの遊技媒体の付与数と投入数から算出可能な最大差数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合にはMYの情報として0が出力され得る。具体的には、遊技の結果が得られたときの遊技媒体数が最も減少したときを基準として、当該基準からの遊技媒体数の増加数(獲得総数から投入総数を差し引いた数)である最大差数をMYと称す。たとえば、累計1000回の遊技において、100回目の遊技がもっとも遊技者が損をした遊技であって、そのときの遊技者が損をした遊技媒体数が-200であり、そこから有利な遊技が始まり800回目の遊技がもっとも遊技者が得をした遊技であって、そのとき遊技者が獲得した遊技媒体数が800であるときには、-200から800の差数である1000がMYとなり、MYとして1000が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合にはMYの情報として0が出力され得る。
このMYを出力するために、遊技媒体数制御基板は計算用MYカウンタと出力用MYカウンタとを用いている。計算用MYカウンタと出力用MYカウンタは何れも電源投入により初期化(0がセット)されるため、電源投入時から電源断時までのMYが出力される。換言すると、通常遊技場では1日の営業が終わると電源を落とすため、1日分のMYが出力されることになる。
計算用MYカウンタは遊技状態や規定数に関わらず更新可能となるよう構成されており、1遊技における付与点-投入点を演算し、演算結果を累積して記憶するようになっている。例えば、計算用MYカウンタの値が「0」のときに開始された遊技が投入点として「3」点、付与点として「10」点の場合、「10-3」を演算した結果である「7」が計算用MYカウンタに加算されて計算用MYカウンタの値は「7」が記憶される。また、次の遊技でも投入点として「3」点、付与点として「10」点の場合、「10-3」を演算した結果である「7」が加算されて計算用MYカウンタの値は「14」が記憶される。
また、例えば、計算用MYカウンタの値が「0」のときに開始された遊技が投入点として「3」点、付与点として「0」点の場合、「0-3」を演算した結果は「-3」であるが計算用MYカウンタには「0」が記憶される。これは、演算の結果桁下がりが発生した場合はキャリーフラグが「1」となり、キャリーフラグが「1」の場合は「0」をセットするという命令を使用しているためである。
計算用MYカウンタは前回の遊技がリプレイでない場合において(換言すれば、実際に3点をベットした場合において)リプレイが当せんした遊技の投入点は「3」として扱い、付与点は「0」として扱う。そして、次の遊技(再遊技作動時の遊技)で投入点を「0」とすることで、実際のMYに補正することができる。例えば、前回の遊技がリプレイでない場合であって計算用MYカウンタの値が「10」のときに開始された遊技(リプレイが当せんした遊技)が投入点として「3」点、付与点として「0」点の場合、「0-3」を演算した結果である「-3」が計算用MYカウンタに加算されて計算用MYカウンタの値は「7」が記憶される。また、リプレイが当選した遊技の次の遊技で「10」点が付与される小役が当選した場合は、投入点として「0」点、付与点として「10」点であり、「10-0」を演算した結果である「10」が計算用MYカウンタに加算されて計算用MYカウンタの値は「17」が記憶される。
出力用MYカウンタは、計算用MYカウンタに記憶された値が出力用MYカウンタに記憶されている値よりも大きい場合に計算用MYカウンタの値を出力用MYカウンタの値に更新する。例えば、計算用MYカウンタの値が「10」、出力用MYカウンタの値が「12」のときに開始された遊技が投入点として「3」点、付与点として「10」点の場合、「10-3」を演算した結果である「7」が加算されて計算用MYカウンタの値は「17」が記憶される。また、計算用MYカウンタの「17」と出力用MYカウンタの「12」を比較して、計算用MYカウンタの値の方が大きいため、出力用MYカウンタの値を「17」に更新する。
遊技媒体数制御基板は、出力用MYカウンタの値を貸出ユニットに送信するように構成されている。
計算用MYカウンタと出力用MYカウンタは電源投入時に初期化されるが、有利区間MYカウンタは電源投入時には初期化されない。このように構成することで、遊技者に不利益が発生する可能性のある有利区間MYカウンタの値を適切に保護することが可能となる。
計算用MYカウンタと出力用MYカウンタは、遊技区間(通常区間、有利区間)にかかわらず更新可能に構成されているが、有利区間MYカウンタは、有利区間において更新可能(通常区間では更新しないよう)に構成されている。
計算用MYカウンタと出力用MYカウンタは何れも上限値が「917490」に設定されている。このように構成することで、通常1日で達成する最大MYよりも十分多くなっているので、上限値に到達する可能性を著しく低くすることができる。また、不正行為により計算用MYカウンタと出力用MYカウンタを増加させてもすぐに上限値に到達しないためカウンタの値が「0」からリスタートされ難いようにしている。
エ)役物総付与数
役物総付与数とは、電源が投入されてからの役物(シングルボーナス(SB)、レギュラーボーナス(RB)、チャレンジボーナス(CB))の作動により遊技媒体が付与された累積の付与数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には役物総付与数の情報として0が出力され得る。たとえば、累計1000回の遊技において、役物の作動により得られた累計の遊技媒体数が100であった場合には、役物総付与数は100となり、役物総付与数の情報として100が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には総付与数の情報として0が出力され得る。
オ)連続役物総付与数
連続役物総付与数とは、電源が投入されてからの第一種特別役物(レギュラーボーナス(RB))の作動により遊技媒体が付与された累積の付与数の情報であり、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には連続役物総付与数の情報として0が出力され得る。たとえば、累計1000回の遊技において、第一種特別役物の作動により得られた累計の遊技媒体数が100であった場合には、連続役物総付与数は100となり、連続役物総付与数の情報として100が出力され得る。そして、電源断が発生し、その後、電源が投入された場合には連続役物総付与数の情報として0が出力され得る。なお、第一種特別役物連続作動装置(1種BBとも称す)による第一種特別役物の作動により付与される遊技媒体の付与数も累積される。
カ)役物比率
役物比率とは、累計の付与数を分母とし役物(RB、CB、SB)の作動により付与された累計の役物作動時付与数を分子とした比率である。たとえば、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)以上であって、累計の付与数が20000、累計の役物の作動時付与数が10000の場合には、役物比率の情報として50が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の付与数が予め定められた上限値(たとえば、65535)に達した、又は、(累計の付与数に今回遊技の付与数を加算した結果、上限値を超えてしまう)場合には、それ以降の遊技では、累計の付与数、及び、累計の役物作動時付与数が更新されないように構成されている。換言すると、役物比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)未満においては、役物比率情報としてFFhを出力するように構成されている。
キ)連続役物比率
連続役物比率とは、累計の付与数を分母とし連続役物(RB)の作動により付与された累計の連続役物作動時付与数を分子とした比率である。たとえば、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)以上であって、累計の付与数が20000、累計の連続役物の作動時付与数が10000の場合には、役物比率の情報として50が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の付与数が予め定められた上限値(たとえば、65535)に達した、又は、(累計の付与数に今回遊技の付与数を加算した結果、上限値を超えてしまう)場合には、それ以降の遊技では、累計の付与数、及び、累計の連続役物作動時付与数が更新されないように構成されている。換言すると、役物比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)未満においては、連続役物比率情報としてFFhを出力するように構成されている。
ク)有利区間比率
有利区間比率とは、累計の遊技回数を分母とし累計の有利区間遊技数を分子とした比率である。たとえば、累計の遊技回数が20000、累計の有利区間遊技数が18000の場合には、有利区間比率の情報として90が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の遊技回数が予め定められた上限値(たとえば、65535)に達した場合には、それ以降の遊技では、累計の遊技回数、及び、有利区間遊技数が更新されないように構成されている。換言すると、有利区間比率は変化しないように構成されている。
なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の遊技回数が予め定められた上限値(たとえば、65535)に達した、又は、(累計の遊技回数に今回遊技の遊技回数を加算した結果、上限値を超えてしまう)場合には、それ以降の遊技では、累計の遊技回数、及び、累計の有利区間遊技数が更新されないように構成されている。換言すると、有利区間比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、17500回)未満においては、有利区間比率としてFFhを出力するように構成されている。また、有利区間を備えていない遊技機Pにおいても、FFhを出力するように構成されている。
ケ)指示込役物比率
指示込役物比率とは、累計の付与数を分母とし役物(RB、CB、SB)の作動により付与された累計の役物作動時付与数と指示機能の作動(ストップスイッチP4の操作態様の報知)により付与された累計の指示付与数の合算を分子とした比率である。なお、ここでいう合算とは役物作動時付与数と指示付与数に基づく計算により導出された値でも良いし、役物作動時に付与され場合又は指示機能作動時に付与された場合に加算される1つの記憶領域であっても良い。たとえば、175000回以上であって、累計の付与数が200000、累計の役物作動時付与数と累計の指示付与数の合算が100000の場合には、役物比率の情報として50が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の付与数が予め定められた上限値(たとえば、1677215)に達した、又は、(累計の遊技回数に今回遊技の遊技回数を加算した結果、上限値を超えてしまう)場合には、それ以降の遊技では、累計の付与数、及び、累計の役物作動時付与数と累計の指示付与数の合算が更新されないように構成されている。換言すると、有利区間比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、175000回)未満においては、役物比率情報としてFFhを出力するように構成されている。また、役物や指示機能を備えていない遊技機Pにおいても、FFhを出力するように構成されている。
コ)役物等状態比率
役物等状態比率とは、累計の遊技回数を分母とし、役物(RB、CB、SB)が作動している遊技回数、又は、役物連続作動装置(1BB、2BB)が作動している遊技回数である累計の特定の遊技回数を分子とした比率である。たとえば、累計の遊技回数が20000、累計の特定の遊技回数が5000の場合には、役物等状態比率の情報として25が出力され得る。なお、累計とは、全遊技の累計でなくて良い。例えば、累計の遊技回数が予め定められた上限値(たとえば、1677215)に達した場合には、それ以降の遊技では、累計の遊技回数、及び、特定の遊技回数が更新されないように構成されている。換言すると、役物等状態比率は変化しないように構成されている。なお、累計の遊技回数が所定回数(たとえば、175000回)未満においては、役物等状態比率としてFFhを出力するように構成されている。また、役物や役物連続作動装置を備えていない遊技機Pにおいても、FFhを出力するように構成されている。
サ)遊技回数
遊技回数とは、遊技機の電源がONとなってからの累積した遊技回数である。遊技機の電源がONとなったときにクリアされる。
シ)予備
予備とは、今後、使用する可能性があるために予め備えているものであって、上述したア)からサ)の情報のみを出力する場合には、00hが出力されるようにしている。
ス)予約1
予約1とは、遊技機P本体のみでは利用しない。たとえば、遊技機Pから貸出ユニットに送信した後、ユニット側で予約として確保していた3バイトの領域を用いて貸出ユニットからA団体やB団体などの外部(たとえば、遊技機情報センタ)に出力する際に使用される。使用例としては、貸出ユニットが算出した最大MYを上述したア)からサ)に加えて、外部(たとえば、遊技機情報センタ)に出力すること等が挙げられる。
セ)予約2
予約2とは、遊技機P本体のみでは利用しない。たとえば、遊技機Pから貸出ユニットに送信した後、ユニット側で予約として確保していた2バイトの領域を用いて貸出ユニットからA団体やB団体などの外部(たとえば、遊技機情報センタ)に出力する際に使用される。使用例としては、貸出ユニットが算出した遊技回数を上述したア)からサ)に加えて、外部(たとえば、遊技機情報センタ)に出力すること等が挙げられる。
遊技機情報通知のうち、遊技機設置情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報について図18を用いて説明する。
ア)主制御チップID番号
主制御チップID番号とは、主制御基板P15に設けられた、CPU、RWM、ROMが一体となった主制御チップを識別するためのチップ個別ナンバーを含んだ情報であり、同じ機種であってもそれぞれ異なる情報となる。例えば、チップ個別ナンバーが12345678hの4バイトであり、A社から購入した主制御チップであるときには、主制御チップID番号として000000001234567821h(下位1バイトの21hがA社から購入した型番Xの主制御チップであることを示す)を貸出ユニットに向けて出力可能とする。また、例えば、チップ個別ナンバーが23456789hの4バイトであり、B社から購入した主制御チップであるときには、主制御チップID番号として000000002345678941h(下位1バイトの41hがB社から購入した型番Yの主制御チップであることを示す)を貸出ユニットに向けて出力可能とする。
イ)主制御チップメーカコード
主制御チップの内蔵メモリに記憶した遊技機メーカを示す情報である。
ウ)主制御チップ製品コード
主制御チップの内蔵メモリに記憶した遊技機Pの機種名を示す情報である。
なお、上述した、主制御チップID番号、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コードは、遊技機Pの電源が投入されたときの電源投入処理において、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に送信されるようになっている。そして、遊技媒体数制御基板P16に設けられたRWM領域に、それぞれ、主制御チップID番号、主制御チップメーカコード、主制御チップ製品コードを記憶するように構成されている。
エ)遊技媒体数制御チップID番号
遊技媒体数制御チップID番号とは、遊技媒体数制御基板P16に設けられた、CPU、RWM、ROMが一体となった遊技媒体数制御チップを識別するためのチップ個別ナンバーを含んだ情報であり、同じ機種であってもそれぞれ異なる情報となる。
たとえば、チップ個別ナンバーが98765432hの4バイトであり、A社から購入した遊技媒体数制御チップであるときには、遊技媒体数制御チップID番号として000000009876543221h(下位1バイトの21hがA社から購入した型番Xの遊技媒体数制御チップであることを示す)を貸出ユニットに向けて出力可能とする。
たとえば、チップ個別ナンバーが87654321hの4バイトであり、B社から購入した遊技媒体数制御チップであるときには、遊技媒体数制御チップID番号として000000008765432141h(下位1バイトの41hがB社から購入した型番Yの主制御チップであることを示す)を貸出ユニットに向けて出力可能とする。
なお、遊技媒体数制御基板P16を搭載していない遊技機Pの場合には、遊技媒体数制御チップID番号として000000000000000000hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
オ)遊技媒体数制御チップメーカコード
遊技媒体数制御チップの内蔵メモリに記憶した遊技機メーカを示す情報である。
なお、遊技媒体数制御基板P16を搭載していない遊技機Pの場合には、遊技媒体数制御チップメーカコードとして000000hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
カ)遊技媒体数制御チップ製品コード
主制御チップの内蔵メモリに記憶した遊技機Pの機種名を示す情報である。
なお、遊技媒体数制御基板P16を搭載していない遊技機Pの場合には、遊技媒体数制御チップ製品コードとして0000000000000000hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
遊技機情報通知のうち、ホールコン・不正監視情報を設定した場合の電文に含まれる遊技機情報について図19を用いて説明する。
ア)総得点
総得点とは、遊技媒体数制御基板P16に記憶されている現在の遊技媒体数の値であり、遊技媒体の投入処理や入賞処理により増減し得る。現在の総得点は、遊技機Pに備えられている遊技媒体数表示部P9に表示される。総得点の情報は貸出ユニットに送信する。例えば、総得点として2000点を記憶している場合には、0007D0hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。なお、遊技媒体数制御基板P16で記憶可能な総得点の上限は、16383点としている。
イ)投入点
投入点とは、投入した遊技媒体数を示す。たとえば、3点をベットした場合には03hを貸出ユニットに向けて出力可能とする。また、3点をベットした状況から遊技を開始する前に(スタートスイッチP3が操作される前に)精算スイッチP6の操作により3点を遊技媒体数制御基板P16に精算する場合にはFDhを貸出ユニットに向けて出力可能とする。換言すると、-3点(FDh)~+3点(03h)の情報を貸出ユニットに向けて出力可能とする。
ウ)付与点
付与点(入賞点とも称す)とは、全てのリールが停止した後、有効ライン上に停止した(入賞した)図柄組合せの態様によって、付与された遊技媒体数を示す。たとえば、8点が付与された場合には、08hの情報を出力可能とし、15点が付与された場合には0Fhを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
遊技機Pは、上述した「総得点」、「投入点」、「付与点」を貸出ユニットに送信することで、貸出ユニット側で管理している総得点情報を用いて総得点の異常が検知可能となっている。
エ)主制御状態1
主制御状態1とは、遊技状態に関する状態を示す。具体的には、1バイトのデータのうち、ビットごとにどの遊技状態であるかを割り当てられている。たとえば、Bit0が1のときにはRB状態であることを示す情報を貸出ユニットに向けて出力可能とする。たとえば、Bit1が1のときにはBB状態であることを示す情報を貸出ユニットに向けて出力可能とする。たとえば、Bit2が1のときにはAT状態であることを示す情報を貸出ユニットに向けて出力可能とする。Bit3~Bit6は遊技機状態信号1~4に対応している。遊技機状態信号1~4は、遊技機Pの種類に応じて使用用途を変えたり、使用しなかったりすることができる。たとえば、AT遊技で獲得した得点が100点に達したごとに、遊技機状態信号1を出力することなどが挙げられる。Bit7については、未使用とし、遊技機Pの種類に関わらず、0が出力可能となるように構成されている。このように構成することによって、たとえば、AT状態であることを報知する場合には、00000100Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
オ)主制御状態2
主制御状態2とは、主制御状態1と同様に遊技状態に関する状態を示す。Bit0~Bit2は遊技機状態信号5~7に対応している。遊技機状態信号5~7は、遊技機Pの種類に応じて使用用途を変えたり、使用しなかったりすることができる。たとえば、特定のRT状態(再遊技確率変動状態)へ移行した場合に、遊技機状態信号5を出力することなどが挙げられる。Bit3~Bit7については、未使用とし、遊技機Pの種類に関わらず、0が出力可能となるように構成されている。このように構成することによって、たとえば特定のRT状態へ移行した際には、00000001Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
カ)遊技機エラー状態
遊技機エラー状態とは、遊技機Pで発生中のエラーを示すエラーコード等を含んだ情報で構成されたエラー状態を示す。
具体的には、Bit0~Bit5でエラーコードを示す。Bit6で遊技媒体数制御基板P16のエラー(この場合には、Bit6は0)か、主制御基板P15のエラー(この場合には、Bit6は1)かを示す。Bit7で貸出ユニットにてエラーの報知のみを行うもの(この場合にはBit7は0)か、貸出ユニットにてエラーの報知を行うとともに、貸出ユニットを通じてホールコンピュータ(HC)にもエラーコードを通知するもの(この場合にはBit7は1)かを示す。
例えば、エラーの種類として乱数異常と、電波異常とを検出可能な遊技機Pであるとする。このとき、エラーコードとして、乱数異常を00001B、電波異常を00010Bのように定め、このエラーコードを含んだ情報を出力することが可能となる。具体的には、乱数異常は、主制御基板P15のエラーであって、貸出ユニットにてエラーの報知のみを行う場合には、01000001Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。また、電波異常は、遊技媒体数制御基板P16のエラーであって、貸出ユニットにてエラーの報知とホールコンピュータにもエラーコードを通知する場合には、10000010Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。なお、エラーが未発生の場合や、エラーコードを有していない遊技機Pの場合には、00000000Bを貸出ユニットに向けて出力可能とする。
キ)遊技機不正1(主制御)
遊技機不正1(主制御)とは、主制御基板P15に係る不正の検知や主制御基板P15に係る状態に関する情報を示す。なお、遊技機不正1(主制御)の信号は、ホールコンピュータ用信号として扱う。換言すると、遊技機Pから出力された遊技機不正1(主制御)の各信号は、貸出ユニットを通じて、ホールコンピュータへ出力されるようになっている。
遊技機不正1(主制御)を構成する各信号について、以下に記載する。
Bit0には設定変更中信号が割り当てられている。つまり、設定変更中(設定変更モード中)及び設定変更が行われたことを示す。設定変更中信号は、設定変更中~設定変更後の1遊技終了時(たとえば、全リールが停止し、払出し処理が終了したとき)まではBit0が1となる。設定変更中~設定変更後の1遊技終了時以外の状況では、Bit0が0となる。設定変更中信号は設定変更中ステータスがON(RWMの設定変更中ステータス記憶領域に「1」を記憶する)となっている間に出力する。設定変更中ステータスは、設定変更モードが起動して、RAM初期化処理を実行し、設定値を表示した後にONとする。そして、設定変更後の1遊技終了時に設定変更中ステータスをOFF(RWMの設定変更中ステータス記憶領域に「0」を記憶する)にすることで、設定変更中信号の出力を停止する。
換言すると、遊技機Pが設定変更中ステータスをONにしたことに基づいて設定変更中信号が出力されるわけではなく、遊技機Pが設定変更中ステータスをONにした後、ホールコン・不正監視情報の送信タイミングとなったときに設定変更中ステータスがONであることに基づいて設定変更中信号が出力される(Bit0が1となる)ようになっている。また、1遊技が終了して設定変更中ステータスをOFFにした場合も同様に、設定変更中ステータスをOFFにした後、ホールコン・不正監視情報の送信タイミングとなったときに設定変更中ステータスがOFFであることに基づいて設定変更中信号の出力が停止される(Bit0が0となる)ようになっている。
このように構成することで、設定変更中ステータスのON又はOFFを管理することにより、ホールコン・不正監視情報に含まれる設定変更中信号の出力情報を制御することが可能となる。
続いて、Bit1には設定確認中信号が割り当てられている。つまり、設定確認中(設定確認モード中)のときは、Bit1は1となり、設定確認中以外の状況ではBit1が0となる。
設定確認中信号は、設定確認中にのみBitが1となる例を示したが、これに限られず、設定確認モードの開始から所定期間(例えば、5秒間等)はBitが1となるように構成されていてもよい。換言すると、主制御基板P15において、設定確認モードが開始された場合(例えば、遊技待機状態において設定キースイッチがオンとなった場合)に、遊技媒体数制御基板P16に設定確認モードであることを示すコマンドを送信し、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitが1になるとともに、主制御基板P15で設定確認用タイマをセットし、主制御基板P15が設定確認用タイマを計測した結果、5秒経過したと判断(設定確認用タイマのカウント値が「0」であると判断)したときに設定確認モードが5秒経過したことに関するコマンドを遊技媒体数制御基板P16に送信し、且つ主制御基板P15から設定確認モードが終了したことに関するコマンドをすでに受信していることで、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitが0になる構成が考えられる。
この場合、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認モードが5秒経過したことに関するコマンドを送信してもよいし、送信しなくてもよい。また、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認モードが終了するまで遊技機不正1のBitは1となっている。また、設定確認モードが5秒未満(例えば2秒)で終了した場合であっても、残りの3秒間(合計5秒間)は設定確認モード中を示す遊技機不正1のBitが1となっている。このように構成することで、設定確認モードが非常に短時間で終了しても設定確認モードである情報を貸出ユニットに送信する十分な時間を確保でき、不正な設定キースイッチの操作を検知することが可能となる。
また、主制御基板P15において、設定確認モードが開始された場合(例えば、遊技待機状態において設定キースイッチがオンとなった場合)に、遊技媒体数制御基板P16に設定確認モードであることを示すコマンドを送信し、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitが1になるとともに、主制御基板P15で設定確認用タイマをセットし、設定確認用タイマをセットしたことに関するコマンドと主制御基板P15が設定確認用タイマを更新する毎に設定確認用タイマを更新したことに関するコマンドを遊技媒体数制御基板P16に送信し、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板から送信された設定確認用タイマの値(カウント値)に基づいて設定確認モードが5秒経過したと判断(設定確認用タイマのタイマ(カウント値)が0であると判断)することで、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitを0にする構成が考えられる。
この場合、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認用タイマを更新したことに関するコマンドは送信されなくなる。また、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認モードが終了するまで遊技機不正1のBitは1となっている。また、設定確認モードが5秒未満(例えば2秒)で終了した場合であっても、残りの3秒間(合計5秒間)は設定確認モード中を示す遊技機不正1のBitが1となっている。このように構成することで、設定確認モードが非常に短時間で終了しても設定確認モードである情報を貸出ユニットに送信する十分な時間を確保でき、不正な設定キースイッチの操作を検知することが可能となる。
また、主制御基板P15において、設定確認モードが開始された場合(例えば、遊技待機状態において設定キースイッチがオンとなった場合)に、遊技媒体数制御基板P16に設定確認モードであることを示すコマンドを送信し、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitが1になるとともに、遊技媒体数制御基板P16で設定確認用タイマをセットし、遊技媒体数制御基板P16が設定確認用タイマの値(カウント値)に基づいて設定確認モードが5秒経過したと判断(設定確認用タイマのタイマ(カウント値)が0であると判断)することで、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに送信する遊技機不正1のBitを0にする構成が考えられる。
この場合、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認用タイマの更新は終了する。また、設定確認モード中に5秒経過した場合は、設定確認モードが終了するまで遊技機不正1のBitは1となっている。また、設定確認モードが5秒未満(例えば2秒)で終了した場合であっても、残りの3秒間(合計5秒間)は設定確認モード中を示す遊技機不正1のBitが1となっている。このように構成することで、設定確認モードが非常に短時間で終了しても設定確認モードである情報を貸出ユニットに送信する十分な時間を確保でき、不正な設定キースイッチの操作を検知することが可能となる。
設定確認用タイマをセットするタイミングは、設定確認モードを開始して設定値を表示した後であってもよい。そして、「設定確認モード中である」、及び「設定確認用タイマが0でない」の何れかの条件を充足している場合は設定確認中ステータスをONにして、設定確認中信号を出力し、「設定確認モード中である」、及び「設定確認用タイマが0でない」の何れの条件も充足しなくなった場合に設定確認中ステータスをOFFにして、設定確認中信号の出力を停止する。
設定確認中信号の出力制御を詳述する。
遊技進行メイン処理の遊技待機中において設定キースイッチの立ち上がりがあるか否かを判断(設定キースイッチがOFFからONとなったか否かを判断)し、設定キースイッチの立ち上がりがあると判断した場合は、設定確認中信号出力期間として5秒間(正確には5004.165ms)のタイマをセットする(割込み処理の間隔が2.235msであるため、カウント値として「2239」をセットする)。
設定確認中信号出力期間のタイマをセット(カウント値として「2239」をセット)した後に実行される割込み処理内のタイマ計測処理にて、設定確認中信号出力期間のタイマを減算し(カウント値を「1」減算し)、同割込み処理内の遊技機情報管理処理にて、設定確認中信号出力期間が5秒経過したか否かを判断し(カウント値が「0」となっているか否かを判断し)、5秒経過していない場合(カウント値が「0」となっていない(ゼロフラグが立っていない)と判断した場合)は設定確認中信号をセットし、5秒経過した場合(カウント値が「0」となっている(ゼロフラグが立っている)と判断した場合)は設定確認中信号をセットせずに他の処理に移行する。ここで、設定確認中信号をセットした後は、ホールコン・不正監視情報通知の送信タイミングが到来すると設定確認中信号が出力される(貸出ユニット側に送信される)ことになる。
設定確認中信号出力期間が5秒経過したか否かの判断はゼロフラグが立っているか否かで判断している。タイマ計測処理により減算した結果、設定確認中信号出力期間のタイマが0となっていた場合は、ゼロフラグが立つので5秒経過したと判断され、タイマ計測処理により減算した結果、設定確認中信号出力期間のタイマが0となっていなかった場合は、ゼロフラグが立たないので5秒経過していないと判断される。なお、設定確認モード終了後に5秒以上経過して設定確認中信号の出力が終了した後はタイマが0となっており、タイマが0の状況でタイマ計測処理により減算した結果も0となってゼロフラグが立つため、設定確認モード終了後から5秒経過した以降は、再度設定確認モードに移行しない限り設定確認中信号はセットされない。
また、遊技進行メイン処理の遊技待機中において設定キースイッチの立ち上がりがあるか否かを判断し、設定キースイッチの立ち上がりがあると判断して設定確認中信号出力期間として5秒間のタイマをセットした後は、直後の処理により設定キースイッチ信号の立ち下がり(設定キースイッチの立ち下がり)があるか否かを判断(設定キースイッチがONからOFFとなったか否かを判断)し、立ち下がりがないと判断した場合は、再度、設定確認中信号出力期間として5秒間のタイマをセットし、設定キースイッチの立ち下がりがあるか否かを判断する処理に戻る。
このように設定キースイッチの立ち上がりがあると判断した後は設定キースイッチの立ち下がりがあると判断するまで設定確認中信号出力期間として5秒間のタイマをセットし続けるため、設定確認モード中は常に設定確認中信号が送信されることになる。また、設定キースイッチの立ち下がりがあると判断して設定確認モードが終了しても設定確認中信号出力期間のタイマが0となるまで設定確認中信号が送信されるので、設定確認モードが5秒以内に終了しても、設定確認モード終了後5秒間は設定確認中信号が送信でき、確実に設定確認中信号を貸出ユニット側に送信することができる。
また、設定確認モードに切り替えた後に瞬間的に通常モードに戻して設定値を盗み見るような不正行為がなされたとしても、設定確認中信号は5秒間送信されるため、不正の痕跡を残すことが可能となる。
また、設定確認中信号出力期間のタイマをセットする処理を遊技進行メイン処理のループ処理を用いて実行しているため、割込み処理内のタイマ計測処理を実行してタイマを減算した後、遊技進行メイン処理のループ処理で設定確認中信号出力期間のタイマを再度セットする場合には、設定確認中信号出力期間のタイマをセットする処理を複数回実行できるため、確実に設定確認中信号出力期間のタイマを初期値(5秒)にセットすることが可能となる。換言すると、設定確認中信号出力期間のタイマをセットする処理を複数回実行可能とする(最低でも2回)ために、設定確認中信号出力期間のタイマセット処理を1回実行する時間は、2.235ms/2(割込み処理の間隔の半分の時間)よりも短い時間となるよう構成されている。
また、このような構成によれば、設定確認中信号の出力期間をタイマをセットする処理で制御できるため、簡易的なプログラムで正確に設定確認中信号の出力を制御することができる。なお、設定確認中信号の出力期間は例示であり、設定確認モード終了後すぐに設定確認中信号の出力が停止されないように設定確認中信号の出力期間は任意の期間(例えば、1秒、3秒、又は10秒等)を設定してもよいし、設定確認モード終了後すぐに設定確認中信号の出力が停止されてもよい。
また、遊技進行メイン処理の遊技待機中において設定キースイッチの立ち上がりがあると判断した場合は設定キースイッチの立ち上がりに基づくコマンドを少なくとも含むサブ制御コマンドをセットする。また遊技進行メイン処理にて設定キースイッチの立ち下がりがあると判断した場合は設定キースイッチの立ち下がりに基づくコマンドを少なくとも含むサブ制御コマンドをセットする。そして、割込み処理内のサブ制御コマンド送信処理では、セットされているサブ制御コマンドを副制御基板P12に送信し、副制御基板P12ではサブ制御コマンドを受信した場合はサブ制御コマンドを解析して解析した結果に応じた処理を実行する。例えば、設定キースイッチの立ち上がりに基づくコマンドを受信した場合は設定確認モードに対応した演出を実行し、設定キースイッチの立ち下がりに基づくコマンドを受信した場合は設定確認モードを終了させ通常モード、又は待機状態に対応した演出を実行する。
設定確認モードに対応した演出は設定確認中信号の出力期間とは直接的に対応していない。例えば、設定確認モード終了直後は、設定確認中信号が5秒間継続して出力されるが、設定キースイッチの立ち下がりに基づくコマンドが副制御基板P12に送信され、設定キースイッチの立ち下がりに基づくコマンドを受信した場合はすぐに設定確認モードに対応した演出を終了する。設定確認モードが終了しているにもかかわらず設定確認モードに対応する演出を実行してしまうと、遊技者に対して遊技の進行ができないと錯覚させてしまうことになるが、このように構成することで、設定確認モード終了時はすぐに演出状態を切り替えることが可能となり、遊技者に対する遊技の進行への妨げを防ぐことができる。さらに、設定確認中信号は設定確認モードが終了しても5秒間は出力されるため、貸出ユニット側に確実に設定確認中信号を送信することが可能となる。
続いて、Bit2には不正検知信号1、Bit3には不正検知信号2、Bit4には不正検知信号3が割り当てられている。たえとば、乱数異常を不正とした遊技機Pにおいて、乱数異常の検知を不正検知信号1に割り当てた場合に、乱数異常を検知した場合にはBit2が1となり、乱数異常を検知していない場合にはBit2が0となる。
なお、遊技機が不正検知信号1、不正検知信号2、及び不正検知信号3の何れかの信号を出力している状況では遊技の進行を停止させる。また、貸出ユニットが不正検知信号1、不正検知信号2、及び不正検知信号3の何れかの信号を受信している状況では、カード挿入口からのカードの挿入と返却が不可となっている。換言すると、貸出ユニットが不正検知信号1、不正検知信号2、及び不正検知信号3の何れかの信号を受信している状況では、カード返却スイッチが操作されてもカードが返却されず、また、貸出ユニットにおいて、カード挿入口から新たにカードを挿入することができなくなる。また、貸出ユニットにおいて、貸出、又は再プレイは可能である。また、貸出ユニットにおいて、計数通知を受信することも可能である。また、紙幣投入口からの入金も可能である。
また、遊技機が不正検知信号1、不正検知信号2、及び不正検知信号3の何れかの信号を出力している状況で遊技の進行を停止させていても貸出ユニットとの通信は継続して実行している。具体的には、貸出ユニットと遊技機情報通知を300ms毎に送信しており、遊技機の計数スイッチが操作されると計数通知として計数メダル数に0以外の値(例えば50)が貸出ユニットに送信される。
続いて、Bit5にはセキュリティ信号が割り当てられている。具体的には、不正検知信号を出力しているとき(Bit2~4が1のとき)、設定変更中信号を出力しているとき(Bit0が1のとき)、設定確認中信号を出力しているとき(Bit1が1のとき)、打ち止め処理の実行(安全装置(コンプリート機能)が作動しているとき)によりコンプリート信号を出力しているとき(Bit6が1のとき)の何れかのときにBit5が1となり、それ以外の状況においてはBit5が0となる。
なお、遊技機がセキュリティ信号を出力している状況では遊技の進行を停止させる。また、貸出ユニットがセキュリティ信号を受信している状況であって、不正検知信号1、不正検知信号2、及び不正検知信号3の何れかの信号を受信している状況では、カード挿入口からのカードの挿入と返却が不可となっている。換言すると、貸出ユニットがセキュリティ信号を受信している状況であって、不正検知信号1、不正検知信号2、及び不正検知信号3の何れかの信号を受信している状況では、カード返却スイッチが操作されてもカードが返却されず、また、貸出ユニットにおいて、カード挿入口から新たにカードを挿入することができなくなる。また、貸出ユニットにおいて、貸出、又は再プレイは可能である。また、貸出ユニットにおいて、計数通知を受信することも可能である。また、紙幣投入口からの入金も可能である。
また、遊技機がセキュリティ信号を出力している状況で遊技の進行を停止させていても貸出ユニットとの通信は継続して実行している。具体的には、貸出ユニットと遊技機情報通知を300ms毎に送信しており、遊技機の計数スイッチが操作されると計数通知として計数メダル数に0以外の値(例えば50)が貸出ユニットに送信される。
また、貸出ユニットがセキュリティ信号を受信している状況であって、不正検知信号1、不正検知信号2、及び不正検知信号3の何れかの信号を受信していない状況(貸出ユニットがセキュリティ信号を受信している状況であって、設定変更中信号を受信している状況、貸出ユニットがセキュリティ信号を受信している状況であって、設定確認中信号を受信している状況、又は貸出ユニットがセキュリティ信号を受信している状況であって、コンプリート信号を受信している状況)では、カード返却スイッチが操作されるとカードが返却可能である。また、貸出ユニットにおいて、カード挿入口から新たにカードを挿入することは可能である。また、貸出ユニットにおいて、貸出、又は再プレイは可能である。また、貸出ユニットにおいて、計数通知を受信することも可能である。また、紙幣投入口からの入金も可能である。
続いて、Bit6にはコンプリート信号(打ち止め信号、安全装置作動信号、又はコンプリート機能作動信号とも称す)が割り当てられている。例えば差数カウンタの値が所定値(例えば、19000)を超えたことにより打ち止め処理が実行されているときはBit6が1になり、その他の場合はBit6が0となる。
コンプリート信号はコンプリート機能の作動が開始してから最低10秒間は出力されるよう構成されている。このため、コンプリート機能の作動が終了する所定の終了条件を満たしても最低10秒間は出力できる。換言すると、コンプリート機能が作動してから10秒以内に所定の終了条件を満たしてもコンプリート機能の作動から10秒間はコンプリート信号を貸出ユニット側に出力する。
また上述した設定確認中信号のようにコンプリート機能作動中はコンプリート信号の出力時間を管理するカウンタの更新を実質停止(コンプリート機能作動中はカウンタに常に初期値がセットされる)することにより、コンプリート機能の作動終了後から10秒間はコンプリート信号を出力することができるため、コンプリート信号出力期間はコンプリート機能作動中の時間+10秒間に亘って出力することができる。このため、より貸出ユニットにコンプリート信号を出力することができる。
なお、詳しくは後述するが、コンプリート機能の作動が終了する所定の終了条件としては設定変更処理による初期化処理が該当する。このため、コンプリート機能が作動して第1のタイミングでコンプリート信号の出力を開始し、その後第1のタイミングから10秒経過前の第2のタイミングで遊技機が電断して、設定キースイッチがON位置に回されて遊技機の電源が投入され、設定変更モードが起動して設定変更中信号とコンプリート信号が出力され、第1のタイミングから10秒経過したタイミングが設定変更中であれば、設定変更中信号の出力は維持するが、コンプリート信号の出力は終了する。なお、コンプリート信号を出力する時間(10秒)は遊技機が電断中である時間を含めてもよいし、含めなくてもよい。
また、設定変更中信号は設定変更終了後の1遊技終了時に出力を終了するため、コンプリート機能が作動して第1のタイミングでコンプリート信号の出力を開始し、その後第1のタイミングから10秒経過前の第2のタイミングで遊技機が電断して、設定キースイッチがON位置に回されて遊技機の電源が投入され、設定変更モードが起動して設定変更中信号とコンプリート信号が出力され、第1のタイミングから10秒経過したタイミングが設定変更モード終了後であって1遊技実行前であれば、設定変更中信号の出力は維持するが、コンプリート信号の出力は終了する。なお、コンプリート信号を出力する時間(10秒)は遊技機が電断中である時間を含めてもよいし、含めなくてもよい。
また、コンプリート機能が作動して第1のタイミングでコンプリート信号の出力を開始し、その後第1のタイミングから10秒経過前の第2のタイミングで遊技機が電断して、設定キースイッチがON位置に回されて遊技機の電源が投入され、設定変更モードが起動して設定変更中信号とコンプリート信号が出力され、第1のタイミングから10秒経過したタイミングが設定変更モード終了後であって1遊技実行後であれば、設定変更中信号の出力が終了しており、コンプリート信号の出力も終了する。なお、コンプリート信号を出力する時間(10秒)は遊技機が電断中である時間を含めてもよいし、含めなくてもよい。
また、コンプリート機能作動時にコンプリート信号の出力のカウントが実質停止する場合(コンプリート機能作動中に常にコンプリート信号を出力している場合)は、コンプリート機能が作動して第1のタイミングでコンプリート信号の出力を開始し、その後第1のタイミングから10秒経過後であってもコンプリート機能が作動している第2のタイミングではコンプリート信号の出力を維持し、その後遊技機が電断して、設定キースイッチがON位置に回されて遊技機の電源が投入され、設定変更モードが起動している第3のタイミングでは設定変更中信号とコンプリート信号が出力されており、その後設定変更モードが終了して初期化処理が実行された後から10秒経過前の第4のタイミングでは設定変更中信号とコンプリート信号が出力されており、第4のタイミングの後のタイミングであって設定変更モードが終了して初期化処理が実行された後から10秒経過したタイミングが設定変更モード終了後であって1遊技実行前であれば、設定変更中信号の出力は維持するが、コンプリート信号の出力は終了する。
また、コンプリート機能作動時にコンプリート信号の出力のカウントが実質停止する場合(コンプリート機能作動中に常にコンプリート信号を出力している場合)は、コンプリート機能が作動して第1のタイミングでコンプリート信号の出力を開始し、その後第1のタイミングから10秒経過後であってもコンプリート機能が作動している第2のタイミングではコンプリート信号の出力を維持し、その後遊技機が電断して、設定キースイッチがON位置に回されて遊技機の電源が投入され、設定変更モードが起動している第3のタイミングでは設定変更中信号とコンプリート信号が出力されており、その後設定変更モードが終了して初期化処理が実行された後から10秒経過前の第4のタイミングでは設定変更中信号とコンプリート信号が出力されており、第4のタイミングの後のタイミングであって設定変更モードが終了して初期化処理が実行された後から10秒経過したタイミングが設定変更モード終了後であって1遊技実行後であれば、設定変更中信号の出力が終了しており、コンプリート信号の出力も終了する。
このようにコンプリート信号出力中に他の信号を貸出ユニットに出力する場合であってもコンプリート信号の出力は維持される。他の信号としては、ドアオープン信号、設定ドアオープン信号、設定確認中信号、不正検知信号1~3等が該当する。
続いて、Bit7は、未使用であり、Bit7は0となる。
ここで、設定変更中信号、設定確認中信号、セキュリティ信号に着目して、どのような信号の出力になるかを例示して説明する。なお、ここでは、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3については言及しないが、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3も「0」又は「1」が出力されている。また、1回目の遊技とは、設定変更モードが行われた後の最初に行われた遊技を指す。
(ケース1)たとえば、設定変更を行った後、1回目の遊技が終了(遊技が終了とは、全リールが停止した後や図柄組合せに対応した得点の付与処理が終了したことを指す。以下、同じ。)したとする。この場合、設定変更モードを開始した所定のタイミングから設定変更中信号として「1」(オン)が出力され、1回目の遊技が終了した後に設定変更中信号として「0」(オフ)が出力される。この場合、設定確認モードに移行していなければ、設定確認中信号として「0」(オフ)が出力され続ける。また、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3として「0」(オフ)を出力している状況であっても、設定変更中信号として「1」を出力しているため、セキュリティ信号は「1」(オン)を出力し、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力しない場合には、セキュリティ信号として「0」を出力する。なお、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力する場合には、セキュリティ信号として「1」を出力する。
(ケース2)たとえば、設定変更を行った後、1回目の遊技が終了する前に電源スイッチをオフにし(電源断が発生し)、その後、電源スイッチをオンにし(電源復帰し)たとする。そして、その後に、1回目の遊技が実行され、1回目の遊技が終了したとする。この場合、設定変更モードを開始した所定のタイミングから設定変更中信号として「1」(オン)が出力され、電源断中は、出力処理がなされずに、電源復帰後の特定のタイミングから設定変更中信号として「1」(オン)が出力され、1回目の遊技が終了した後に設定変更中信号として「0」(オフ)が出力される。この場合、設定確認モードに移行していなければ、設定確認中信号として「0」(オフ)が出力され続ける。また、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3として「0」(オフ)を出力している状況であっても、設定変更中信号として「1」を出力しているため、セキュリティ信号は「1」(オン)を出力し、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力しない場合には、セキュリティ信号として「0」を出力する。なお、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力する場合には、セキュリティ信号として「1」を出力する。
(ケース3)たとえば、設定変更を行った後、1回目の遊技が開始する前に設定確認モードに移行し、その後、設定確認モードが終了したとする。そして、その後に、1回目の遊技が実行され、1回目の遊技が終了したとする。この場合、設定変更モードを開始した所定のタイミングから設定変更中信号として「1」(オン)が出力され、設定確認モード中であっても、設定変更中信号として「1」(オン)が出力され続け、1回目の遊技が終了した後に設定変更中信号として「0」(オフ)が出力される。この場合、設定確認モードであるときには、設定確認中信号として「1」(オン)が出力され続ける。また、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3として「0」(オフ)を出力している状況であっても、設定変更中信号として「1」を出力しているため、セキュリティ信号は「1」(オン)を出力し、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力しない場合には、セキュリティ信号として「0」を出力する。なお、設定変更中信号として「0」を出力するタイミングで、不正検知信号1、不正検知信号2、不正検知信号3のうち何れかの不正検知信号として「1」を出力する場合には、セキュリティ信号として「1」を出力する。
ク)遊技機不正2(主制御又は遊技媒体数制御)
遊技機不正2(主制御又は遊技媒体数制御)とは、主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16に係る不正の検知や主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16に係る状態に関する情報を示す。なお、遊技機不正2(主制御又は遊技媒体数制御)の信号は、ホールコンピュータ用信号として扱う。換言すると、遊技機Pから出力された遊技機不正1(主制御)の各信号は、貸出ユニットを通じて、ホールコンピュータへ出力されるようになっている。
遊技機不正2(主制御又は遊技媒体数制御)を構成する各信号について、以下に記載する。
Bit0には、設定ドアオープン信号が割り当てられている。設定ドアオープン信号とは、設定変更を行うための設定キースイッチをカバーする設定キースイッチカバー部材が開放しているか否かを示す信号である。設定キースイッチカバー部材が開放しているときにはBit0が1となって設定キースイッチカバー部材が開放していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなり、設定キースイッチカバー部材が閉鎖しているときにはBit0が0となって設定キースイッチカバー部材が閉鎖していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなる。なお、設定キースイッチカバー部材を設けていない遊技機Pや、設定キースイッチカバー部材の開放を検知する機能を有していない遊技機Pにおいては、Bit0が0となる。
続いて、Bit1には、ドアオープン信号(ドアスイッチ信号とも称す)が割り当てられている。ドアオープン信号とは、遊技機Pの前扉P2が開放しているか否かを示す信号である。遊技機Pの前扉P2が開放しているときにはBit0が1となって前扉P2が開放していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなり、遊技機Pの前扉P2が閉鎖しているときにはBit0が0となって前扉P2が閉鎖していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなる。
ドアオープン信号は、上述した割込み処理内の入力ポート読込処理によるドアスイッチのON、又はOFFの検出状況によって前扉P2の開閉態様に応じた出力制御を行う。
割込み処理内の入力ポート読込処理によって、前扉P2が開放していると判断した場合は、5秒間(正確には5001.93ms)のタイマをセットする(割込み処理の間隔が2.235msであるため、カウント値として「2239」をセットする)。そして、同じ割込み処理内のタイマ計測処理によって、タイマを計測する(カウント値を「1」減算する)。そして、同じ割込み処理内の遊技機情報管理処理によって、ドアオープン信号の出力時間が5秒を経過していないと判断(カウント値を減算した結果、カウント値が0となっていない(ゼロフラグが立っていない)と判断)した場合はドアオープン信号をセットし、ドアオープン信号の出力時間が5秒を経過したと判断(カウント値を減算した結果、カウント値が0となっている(ゼロフラグが立っている)と判断)した場合はドアオープン信号をセットせずに他の遊技機情報に関する信号のセット処理を実行する。
そして、次の割込み処理における入力ポート読込処理によって、前扉P2が開放していると判断した場合は、5秒間のタイマを再びセットする(割込み処理の間隔が2.235msであるため、カウント値として「2239」を再びセットする)。換言すれば、前扉P2が開放している状況では、5秒間のタイマを繰り返しセットし続けることとなる(タイマセット処理を複数回実行することとなる)。
このように、前扉P2が開放されているときは割込み処理毎に5秒間のタイマをセットし続けるため、タイマを減算(カウント値を減算)してもゼロフラグが立つことがない。換言すると、割込み処理内のタイマ計測処理が実行される度にカウント値「2239」から「1」を減算する処理が繰り返される。このような構成によれば、前扉P2が開放されている状況下ではドアオープン信号が常に出力されるようになる。
また、前扉P2が閉鎖されたときは、割込み処理内の入力ポート読込処理によってドアスイッチがONであることを検出することで前扉P2が閉鎖されたと判断し、前扉P2が閉鎖されたと判断した場合は5秒間のタイマを再セットしない。そして、同じ割込み処理内のタイマ計測処理によって、タイマを計測する(カウント値を「1」減算する)。そして、同じ割込み処理内の遊技機情報管理処理によって、ドアオープン信号の出力時間が5秒を経過しているか否かを判断する。ここで、前扉P2が閉鎖されたときは5秒間のタイマが再セットされないため、前扉P2が開放しているときにセットしたタイマ(カウント値「2239」)が割込み処理が繰り返されることで減算されタイマ(カウント値)が「0」に近づいていく。
なお、本実施形態では、タイマをセットする処理と、タイマを減算する処理とは、同じ割込み処理内で実行されるため、初期値として5001.93ms(2238回×2.235ms)となる「2238」をセットしてしまうと「0」になるまでの割込み回数は2237回となり、5秒に満たない値(正確には4999.7ms)となってしまう。そこで、予めセットする初期値を「2238+1(2239)」にしておく。換言すると初期値「2239」をセットした割込み処理内のタイマ計測処理によりカウント値が「2238」となり、割込み回数を2238回にすることが可能となる。
そして、タイマ計測処理によりカウント値が「0」となった場合は、ゼロフラグが立つためドアオープン信号の出力を停止することができる。換言すると、前扉P2の閉鎖後は5秒間に亘ってドアオープン信号が出力され、5秒経過後はドアオープン信号の出力が停止される。なお、ドア閉鎖後に5秒以上経過してドアオープン信号の出力が終了した後はタイマが0となっており、タイマが0の状況でタイマ計測処理により減算した結果も0となってゼロフラグが立つため、ドア閉鎖後から5秒経過した以降は、再度ドア開放しない限りドアオープン信号はセットされない。換言すれば、前扉P2が閉鎖後の5秒間は、Bit1が1となって前扉P2が開放していることを示す情報が遊技機不正2に含まれ、5秒経過後は、Bit1が0となって前扉P2が閉鎖していることを示す情報が遊技機不正2に含まれることとなり、前扉P2が閉鎖している状況においては、遊技機不正2に前扉P2が開放していることを示す情報が含まれる場合と、遊技機不正2に前扉P2が閉鎖していることを示す情報が含まれる場合とがある。
このような構成によれば、ドアオープン信号の出力期間をタイマのセット処理で制御できるため、簡易的なプログラムで正確にドアオープン信号の出力を制御することができる。なお、ドアオープン信号の出力期間は例示であり、ドア閉鎖後すぐにドアオープン信号の出力が停止されないようドアオープン信号の出力期間は任意の期間(例えば、1秒、3秒、又は10秒等)を設定してもよいし、ドア閉鎖後すぐにドアオープン信号の出力が停止されてもよい。
また、割込み処理内のサブ報知データ出力処理では、ドアスイッチがONとなっているかOFFとなっているかに応じてドアスイッチ信号を副制御基板P12に送信し、副制御基板P12ではドアスイッチ信号のOFF信号を受信した場合はドアが開放していると判断して、ドア開放音やドア開放メッセージ表示等のドア開放報知演出が実行されるように制御する。
ドア開放演出はドアオープン信号の出力期間とは直接的に対応していない。例えば、ドア閉鎖直後は、ドアオープン信号が5秒間継続して出力されるが、ドアスイッチ信号はON信号となって副制御基板P12に送信される。しかし、副制御基板P12側で、ドアスイッチ信号がOFFからONに変わったことを検知してから5秒間ドア開放演出を実行するように構成することで、ドアオープン信号の出力期間とドア開放演出の実行期間を相似させることができる。これによりドアオープン信号の出力期間を視認することが可能となり、管理者が信号出力期間を把握しやすくなる。
本実施形態では、ドアオープン信号の出力期間とドア開放演出の実行期間を相似させているが、これに限らずドア開放演出の実行期間をドアオープン信号の出力期間よりも長くしてもよいし短くしてもよい。
本実施形態では、割込み処理毎にタイマをセットする処理を実行しているが、これに限らず2以上の所定数の割込み毎にタイマをセットする処理を実行してもよい。ただし、タイマをセットしてから次のタイマをセットするまでにタイマの値(カウント値)が0とならないように、タイマセット処理を実行する割込み間隔はタイマ(カウント値)で示す時間よりも短くなるようにする必要がある。
また、遊技機が設定ドアオープン信号、又はドアオープン信号を出力している状況では遊技の進行を停止させる。また、貸出ユニットがドアオープン信号、又はドアオープン信号の何れかの信号を受信している状況では、貸出、又は再プレイ、カード挿入口からのカードの挿入と返却、及び紙幣投入口からの入金が不可となっている。換言すると、貸出ユニットがドアオープン信号、又はドアオープン信号の何れかの信号を受信している状況では、カード返却スイッチが操作されてもカードが返却できなくなり、また、貸出ユニットにおいて、カード挿入口から新たにカードを挿入することができなくなり、また、貸出ユニットにおいて、貸出スイッチ、又は再プレイスイッチが操作されても貸出又は再プレイができなくなり、また、紙幣投入口に紙幣を投入できなくなる。なお、貸出ユニットにおいて、計数通知を受信することは可能である。
また、遊技機が設定ドアオープン信号、又はドアオープン信号を出力している状況で遊技の進行を停止させていても貸出ユニットとの通信は継続して実行している。具体的には、貸出ユニットと遊技機情報通知を300ms毎に送信しており、遊技機の計数スイッチが操作されると計数通知として計数メダル数に0以外の値(例えば50)が貸出ユニットに送信される。
また、遊技機が設定ドアオープン信号、又はドアオープン信号を出力している状況では貸出ユニットの貸出スイッチが操作されても貸出通知として貸出メダル数に0が遊技機に送信される。また、遊技機と貸出ユニットとの通信は正常に行われていることから貸出ユニットは貸出通番を正常に遊技機に送信することができる。
続いて、Bit2は未使用であり、Bit2は0となる。
続いて、Bit3には、遊技媒体数クリア検知が割り当てられている。遊技媒体数クリアとは、遊技媒体数制御基板P16に設けられた総得点クリアスイッチが操作された場合に、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点がクリアされることを指す。たとえば、ベットされている得点が「3」、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が「1000」のとき、総得点クリアスイッチが操作されたことによって、ベットされている得点は「3」、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点は「0」となる。換言すると、総得点クリアスイッチが操作されたことによりベットされている得点はクリアされない。総得点クリアスイッチの操作を検出した場合にはBit3が「1」となり、総得点クリアスイッチの操作を検出していない場合にはBit3が「0」となる。なお、総得点クリアスイッチを備えていない遊技機Pの場合には、Bit3は「0」となる。総得点が初期化された場合は、総得点が初期化された後の遊技終了後までBit3を「1」にしておく。
続いて、Bit4からBit7は未使用であり、Bit4からBit7は0となる。
ケ)遊技機不正3(主制御又は遊技媒体数制御)
遊技機不正3とは、予備として設けられた主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16に係る不正の検知や主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16に係る状態に関する情報を示す。
本実施形態の遊技機Pにおいては、使用していないため未使用となっている。換言すると、Bit0からBit7は0となる。
なお、遊技機不正2のBit2、Bit4、Bit5、及び遊技機不正3のBit0、Bit1は未使用であるため、基本的には「0」となっているが、これらのBitのうち何れかのBitが「1」となって、貸出ユニットに送信され、貸出ユニットにおけるSC基板が受信した場合は、貸出動作を禁止(貸出スイッチが操作されても無効にする等)するよう構成されている。
これは、未使用の記憶領域に不正プログラムや不正データを仕込まれるような不正があった場合に、未使用部分を使用されると貸出動作が禁止になるため、不用意に未使用部分を使用できないようにするためである。
また、遊技球を用いて遊技させる管理遊技機(封入式遊技機とも称す)と、本実施形態におけるメダルレス遊技機とが共通の貸出ユニットを用いることも想定しており、管理遊技機における遊技機不正2のBit2は不正電波検知で使用し、遊技機不正2のBit4は入賞球数異常1検知で使用し、遊技機不正2のBit5は入賞球数異常2検知で使用し、遊技機不正3のBit0は小球検知で使用し、遊技機不正3のBit1は鉄球検知で使用するため、これら不正を検知した場合にそれぞれのBitが「1」となり、SC基板の動作により貸出動作を禁止するよう構成されている。このように構成することで、管理遊技機とメダルレス遊技機の導入に関してホールへの負担を軽減することができる。なお、一旦貸出ユニットが貸出禁止になった場合は、遊技機Pに搭載されているリセットスイッチが操作される等により、エラー解除信号を受信することにより、貸出許可状態にする。
主制御基板P15及び/又は遊技媒体数制御基板P16において、不正を検知するための不正検知手段を設けていてもよい。以下、不正検知手段により例えば電波異常を検出した場合の遊技機Pの挙動について例示する。
第1の挙動として、遊技機P(主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16)が電波異常を検出した場合には、主制御手段における遊技を停止させる(エラー状態とする)ことが挙げられる。このとき、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信(各種電文を出力すること、受信すること)は継続していても良いし、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信を中止しても良い。また、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信は継続しても良いし、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信は中止しても良い。さらにまた、主制御基板P15と演出制御基板との通信は継続しても良いし、主制御基板P15と演出制御基板との通信は中止しても良い。なお、演出制御基板による制御により、ランプや画像表示器、又は、アンプ(音)を用いたエラー報知を実行してもよい。
第2の挙動として、遊技機P(主制御基板P15または遊技媒体数制御基板P16)が電波異常を検出した場合には、主制御手段における遊技は可能とすることが挙げられる。このとき、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信(各種電文を出力すること、受信すること)は継続していても良いし、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信を中止しても良い。また、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信は継続しても良いし、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との通信は中止しても良い。さらにまた、主制御基板P15と演出制御基板との通信は継続しても良いし、主制御基板P15と演出制御基板との通信は中止しても良い。なお、主制御基板P15の制御による遊技は実行可能であるが、演出制御基板による制御により、ランプや画像表示器、又は、アンプ(音)を用いたエラー報知を実行してもよい。
なお、電波異常を例にして説明したが、上述した挙動は電波異常に限られず、たとえば乱数異常、主制御基板P15のRWMに記憶されている設定値データが正規の範囲内(0~5)でないときに異常と判定する設定値異常、電源復帰時に主制御基板P15のRWMに記憶されているデータが正常ないときに異常と判定するRWM異常など、不正を検知するための不正検知手段により検出可能な他の異常についても適用可能である。
さらにまた、不正を検知するための不正検知手段により、複数の異常を検出可能な場合において、第1の異常(たとえば、乱数異常)については、上述した第1の挙動を行い、第2の異常(たとえば、電波異常)については、上述した第2の挙動を行うなど、異常の種類に応じて、挙動が異なるように構成されていてもよい。
次に、後述するホールコン・不正監視情報のうち遊技情報であるコ)遊技情報数、サ)種別情報1、シ)カウント情報1、ス)種別情報2、セ)カウント情報2について説明する。
種別情報1、カウント情報1で構成される情報を遊技情報1、種別情報2、カウント情報2で構成される情報を遊技情報2と称する場合がある。この遊技情報1又は遊技情報2は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。
種別情報は、データ種別(上位4Bit)とデータ番号(下位4Bit)から構成されている。データ種別が「0001B」の場合は規定数(ベット数)を示す情報となっている。また、データ種別が「0010B」の場合は付与数を示す情報となっている。なお、データ種別「0」と、「3」から「15」は未使用としている。データ番号は、データ種別が規定数を示す「0001B」の場合と、付与数を示す「0010B」の場合と、で「0001B」固定となっている。つまり、データ番号「0」と、「2」から「15」は未使用としている。
また、カウント情報はデータ種別毎に設定内容が異なっており、データ種別が規定数を示す「0001B」の場合は、カウント情報として「00000001B」から「00000011B」までの値を取り得るようになっている。換言すると、Bit4~7は未使用であり、Bit0~3を使用する。また、データ種別が付与数を示す「0010B」の場合は、カウント情報として「00000001B」から「00001111B」までの値を取り得るようになっている(遊技機ごとの最大付与数までの値を取り得るようになっている)。換言すると、Bit4~7は未使用であり、Bit0~3を使用する。
また、遊技情報数が0のときは、上記種別情報及びカウント情報は送信しない。この遊技情報は、ホールコンピュータ用信号として扱う。換言すると、遊技機Pから出力された遊技情報は、貸出ユニットを通じて、ホールコンピュータへ出力されるようになっている。
コ)遊技情報数
種別情報とカウント情報で構成される遊技情報の個数を示す情報である。例えば、遊技情報数が0のときは、種別情報1、カウント情報1、種別情報2、カウント情報2は出力しない。また例えば、遊技情報数が1のときは、種別情報1、カウント情報1を出力する。また例えば、遊技情報数が2のときは、種別情報1、カウント情報1の出力と種別情報2、カウント情報2の出力を行う。
サ)種別情報1、及び、ス)種別情報2
種別情報は、上述した遊技情報を構成する情報である。遊技で使用したベット数(投入点)を示す場合には、種別情報1として種別情報が「00010001B」となる。また、遊技の結果により付与された付与数(付与点)を示す場合には、種別情報1又は種別情報2として種別情報が、「00100001B」となる。
シ)カウント情報1、及び、セ)カウント情報2
カウント情報は、上述した遊技情報を構成する情報である。カウント情報1として遊技で使用したベット数(投入点)を出力する場合には、当該遊技で使用したベット数(投入点)に対応した値が設定される。カウント情報1又はカウント情報2として遊技の結果により付与された付与数(付与点)を出力する場合には、当該遊技で付与した付与数(付与点)に対応した値が設定される。なお、当該遊技の遊技結果として、リプレイ役に当選し、リプレイに対応する図柄組合せが停止表示した場合には、当該遊技で使用したベット数(投入点)に対応した値が遊技の結果により付与された付与数(付与点)として設定される。
例えば、3枚ベットしてスタートスイッチが操作された場合には、スタートスイッチ受付コマンドを受信したことに基づいて、遊技情報数として「00000001B」が出力され、遊技情報として、遊技で使用したベット数(投入点)を示す種別情報を上位1バイト、当該遊技で使用したベット数(投入点)に対応した値であるカウント情報を下位1バイトとした、「0001000100000011B(1103h)」が出力される。
また例えば、当選役を決定する内部抽せんの結果、10点を付与可能な抽せん結果に当選し、すべてのリールが停止した場合に10点を付与する図柄組合せが停止表示した場合には、遊技終了時(全回胴停止コマンドを受信したとき)に、遊技情報数として、遊技の結果により付与された付与数(付与点)を示す種別情報を上位1バイト、当該遊技で付与した付与数(付与点)に対応した値であるカウント情報を下位1バイトとした、「00000001B」が出力され、遊技情報として「0010000100001010B(210Ah)」が出力される。
また例えば、付与点として10点を付与する場合の全回胴停止コマンドの受信直後に、投入点として3点を使用した場合のスタートスイッチ受付コマンドを受信したときは、遊技情報数として「00000010B」が出力され、遊技情報1として、遊技で使用したベット数(投入点)を示す種別情報を上位1バイト、当該遊技で使用したベット数(投入点)に対応した値であるカウント情報を下位1バイトとした、「0001000100000011B(1103h)」が出力され、遊技情報2として、遊技の結果により付与された付与数(付与点)を示す種別情報を上位1バイト、当該遊技で付与した付与数(付与点)に対応した値であるカウント情報を下位1バイトとした、「0010000100001010B(210Ah)」が出力される。
また、投入点は上述した(_WK_MDL_IN)に記憶している情報を用いており、付与点は上述した(_WK_MDL_OUT)に記憶している情報を用いている。なお、ホールコン・不正監視情報の遊技機情報の投入点を出力するための投入点の記憶領域は遊技情報の投入点を出力するための投入点の記憶領域とは異なる記憶領域に記憶している。同様にホールコン・不正監視情報の遊技機情報の付与点を出力するための付与点の記憶領域は遊技情報の付与点を出力するための付与点の記憶領域とは異なる記憶領域に記憶している。そして、遊技情報の投入点を記憶可能な記憶領域(_WK_MDL_IN)と付与点を記憶可能な記憶領域(_WK_MDL_OUT)は送信後に初期化している。
<計数通知>
上述の計数通知(図20参照)は7バイトの電文長で構成されており、遊技機Pが計数スイッチP7の操作を受け付けたことに基づいて遊技機Pから貸出ユニットに向けて送信する信号である。
計数通知を構成している情報として、電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、計数通番(1バイト)、計数点(1バイト)、計数累積点(2バイト)、チェックサム(1バイト)から構成されている。
電文長は計数通知の電文の長さを示すものであり、7バイトであるため「0x07」となっている。
コマンドは計数通知を示す「0x02」となっている。
計数通番は計数専用の通番であり、上述した通番や後述する貸出通番とは異なる専用の通番となっている。計数通番は「0x00」から「0xFF」までの範囲となっており、遊技機Pが計数通知を送信する毎に遊技機Pがインクリメントする。計数通番のうち「0x00」は電源投入時のみ送信する計数通番となっており、「0xFF」の次の値は「0x01」となる。
計数点は遊技機Pが300ms毎に送信する遊技機情報通知のうち1回の遊技機情報通知において送信する計数に関する点数となっている。計数点は「0x00」から「0x32」までの範囲となっているため、1回の遊技機情報通知では最大50点を貸出ユニットに送信するようになっている。また、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が50点以上である場合は50点を示す「0x32」のデータが送信されるが、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が50点未満である場合は遊技媒体数制御基板P16が記憶している現在の総得点に応じたデータが送信される(例えば、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が30点の場合は30点を示す「0x1E」のデータが送信される)。
上述した計数点の例は、計数スイッチP7の操作を1回のみ受け付けた(以下、短押し操作と称す場合がある)ときに50点を計数する場合の例であるが、計数スイッチP7の短押し操作を受け付けた場合は計数点として1点を計数し、計数スイッチP7の長押し操作を受け付けた場合は計数点として50点を計数してもよい。
この場合、計数スイッチP7の短押し操作を受け付けたとは、遊技媒体数制御基板P16が計数スイッチP7の操作受け付けに関するレベルデータがONを示す値となっている期間(割込み処理で計数スイッチP7の操作受付がONを示す値となっている期間)が所定期間未満(例えば、500ms未満)である場合を例示できる。つまり所定期間未満の第1の期間に計数スイッチP7の操作が受け付けられた場合に計数スイッチP7の短押し操作を受け付けたとして計数点の1点を計数する。
また、計数スイッチP7の長押し操作を受け付けたとは、遊技媒体数制御基板P16が計数スイッチP7の操作受け付けに関するレベルデータがONを示す値となっている期間(割込み処理で計数スイッチP7の操作受付がONを示す値となっている期間)が所定期間以上(例えば、500ms以上)である場合を例示できる。つまり所定期間以上の第2の期間に亘って計数スイッチP7の操作が受け付けられた場合に計数スイッチP7の長押し操作を受け付けたとして計数点の50点を計数する。なお、計数通知として計数点「50」を貸出ユニットに送信した後の計数通知を送信するタイミングにおいて計数スイッチP7が未だ長押しされている場合は計数通知として計数点「50」を貸出ユニットに送信する。つまり、一度長押し判定した後は計数スイッチP7の操作がなくなるまで(計数スイッチP7の操作受付に関するレベルデータがOFFを示す値となるまで)計数通知として計数点「50」を貸出ユニットに送信し続ける(ただし総得点が50未満の値の場合はその値を計数する)。この場合、計数スイッチP7が長押し操作されていると判断するまでの間(例えば、500ms間)は計数されないことになる。
また、遊技媒体数制御基板P16は、計数スイッチP7の操作を受け付けた後、計数スイッチP7の押下時間を計測するために計数スイッチタイマの値を割込み処理毎(1ms毎)にインクリメントする(初期値は「0」)。そして、計数スイッチタイマの値が500となった場合(50ms間計数スイッチP7が押下された場合)の次の割込み処理では、インクリメント処理を実行しないよう構成している。換言すると、実際に計数スイッチP7が押下されている時間が1000ms等の500msを超えるような時間であっても計数スイッチタイマの値は500を維持する。
これは、計数スイッチタイマの値がインクリメントされ続けて、計数スイッチタイマの値が記憶上限を超えてしまい、再度、計数スイッチタイマの値が0からカウントされ、計数スイッチタイマの値が2週目の0~499の間であるときに計数スイッチP7が離された場合に計数点が「1」となってしまうことを防ぐためである。
このため、計数スイッチタイマ値をインクリメントする際に計数スイッチタイマ値が500であるか否かを判断し、計数スイッチタイマ値が500でなければインクリメント処理を実行し、計数スイッチタイマ値が500であればインクリメント処理を実行せずに次の処理を実行するよう構成されている。
なお、計数スイッチタイマ値をカウントしているときに計数スイッチP7が離されると、計数スイッチタイマ値を0に初期化することで、再度計数スイッチP7が押下されたときに0から計数スイッチタイマ値をカウントすることが可能となる。
また、計数スイッチタイマのカウントはインクリメントする態様を説明したが、デクリメントする態様であってもよい。この場合は、計数スイッチP7の操作を受け付けたときに計数スイッチタイマ値として501をセットし、計数スイッチタイマ値が1であるときにデクリメント処理を実行しない態様とすることでインクリメントの態様と同様の効果を得ることが可能となる。
計数累積点は遊技機Pの電源投入時からの計数点を累積した値となっている。計数累積点は「0x0000」から「0xFFFF」までの範囲となっており、計数が行われるごとにその計数点を加算する。なお、計数累積点が「0xFFFF」を超える場合は「0xFFFF」の次の値を「0x0000」とする。また、遊技機Pの電源投入があった場合は計数累積点を0クリアする。
チェックサムは電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、計数通番(1バイト)、計数点(1バイト)、計数累積点(2バイト)の値を加算した値となっている。チェックサムは遊技機Pから送信された計数通知に対して貸出ユニットが受信した計数通知が正しいか否かを判断するために使用する。
<貸出通知>
貸出通知は5バイトの電文長で構成されており、貸出ユニットが貸出スイッチの操作を受け付けたことに基づいて貸出ユニットから遊技機Pに向けて送信する信号である。貸出ユニットは遊技機Pから計数通知を受信すると遊技機Pに向けて貸出通知を送信する。ただし、遊技機情報通知が未受信の場合、遊技機情報通知の遊技機情報種別が「0x02」以外で通知された場合(ホールコン・不正監視情報以外で通知された場合)、計数通知の計数点が1から50の範囲(0ではない値)で通知された場合は、貸出点を0として遊技機Pに通知する。
貸出通知を構成している情報として、電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、貸出通番(1バイト)、貸出遊技媒体数(1バイト)、チェックサム(1バイト)から構成されている。
電文長は貸出通知の電文の長さを示すものであり、5バイトであるため「0x05」となっている。
コマンドは貸出通知を示す「0x13」となっている。
貸出通番は貸出専用の通番であり、上述した通番や計数通番とは異なった貸出に関する専用の通番となっている。貸出通番は「0x00」から「0xFF」までの範囲となっており、後述する貸出受領結果応答が遊技機Pから送信される毎にインクリメントする。貸出通番のうち「0x00」は遊技機Pとの通信開始時のみ送信する貸出通番となっており、「0xFF」の次の値は「0x01」となる。
貸出点は貸出ユニットに備えられた貸出スイッチが操作されることで遊技機Pに向けて送信する貸出に関する点数となっている。貸出点は「0x00」から「0x32」までの範囲となっているため、1回の遊技機情報通知では最大50点を遊技機Pに送信するようになっている。また、貸出ユニットに挿入されている記憶媒体(会員カード、ビジターカード等)に記憶されている貸出可能点が50点以上である場合は50点を示す「0x32」のデータが遊技機Pに送信されるが、記憶媒体に記憶されている貸出可能点が50点未満である場合は記憶媒体に記憶されている現在の貸出可能点に応じたデータが送信される(例えば、記憶媒体に記憶されている貸出可能点が20点の場合は20点を示す「0x14」のデータが送信される)。
チェックサムは電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、貸出通番(1バイト)、貸出点(1バイト)の値を加算した値となっている。チェックサムは貸出ユニットから遊技機Pに送信される貸出通知を遊技機Pが受信したときに、受信した貸出通知が正しいか否かを判断するために使用する。
<貸出受領結果応答>
貸出受領結果応答は5バイトの電文長で構成されており、遊技機Pが貸出通知を受信したことに基づいて遊技機Pから貸出ユニットに向けて送信する信号である。遊技機Pは貸出ユニットから貸出通知を受信すると貸出ユニットに向けて貸出受領結果応答を送信する。ただし、貸出ユニットから通知された貸出通番が連続していない場合、主制御基板P15又は遊技媒体数制御基板P16のRAMエラー等により遊技機P側が貸出不可能な状態である場合、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点と貸出点とを加算した値が遊技媒体数制御基板P16が記憶する総得点の記憶上限値(例えば、上述した16383)を超える場合又は遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が閾値以上の値(15000以上)の場合は、貸出点受領結果として異常を示す値を応答する。貸出受領結果応答を構成している情報として、電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、貸出通番(1バイト)、貸出点受領結果(1バイト)、チェックサム(1バイト)から構成されている。
電文長は貸出通知の電文の長さを示すものであり、5バイトであるため「0x05」となっている。
コマンドは貸出受領結果応答を示す「0x03」となっている。
貸出通番は貸出ユニットから受信した貸出通知に記憶されている貸出通番をそのまま使用する。例えば貸出通知の貸出通番が0x01の場合、貸出ユニットに送信する貸出受領結果応答の貸出通番は0x01とする。ただし、貸出点受領結果が正常ではないとき(異常であるとき)は、貸出点受領結果が正常であったときの貸出ユニットから受信した貸出通番を貸出通番として応答する。換言すると、遊技機Pは貸出ユニットから送信された貸出通知(例えば、電文長、コマンド、貸出通番、貸出遊技媒体数、チェックサムの全て、又は一部)を記憶しておき、貸出点受領結果が異常のときは正常のときの貸出点受領結果を応答できるように備えている。また、記憶する貸出通知は直前のものだけでもよく、貸出点受領結果が異常のときは新たに記憶しないようにすることで、正常時の最新の貸出通知を貸出ユニットに送信することができる。なお、記憶する貸出通知は直前のものだけでなく複数個記憶してもよい。貸出通番は遊技機Pの電源が投入されたときは0クリアする。
貸出点受領結果は正常であるときは「0x00」となり、異常であるときは「0x01」となる。異常の値となる場合は、貸出ユニットから通知された貸出通番が連続していない場合、遊技媒体数制御基板P16のRAMエラー等により遊技機P側が貸出不可能な状態である場合、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点と貸出点とを加算した値が遊技媒体数制御基板P16が記憶する総得点の記憶上限値を超える場合又は遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が閾値以上の値(15000以上)の場合がある。また、その他の要因で「0x00」、「0x01」以外の値となったときも貸出ユニットは異常と判断する。
チェックサムは電文長(1バイト)、コマンド(1バイト)、貸出通番(1バイト)、貸出点受領結果(1バイト)の値を加算した値となっている。チェックサムは貸出ユニットに送信する貸出受領結果応答に対して貸出ユニットが受信した貸出受領結果応答が正しいか否かを判断するために使用する。
また、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニット側に向けてコマンド送信する際は、貸出制御コマンドセット処理(電文セット処理とも称す)を実行する。貸出制御コマンドセット処理では、Aレジスタにセットされた電文長、Aレジスタにセットされたコマンド、Aレジスタにセットされた貸出通番、Aレジスタにセットされた貸出点受領結果、Aレジスタにセットされたチェックサム等を送信用データレジスタにセットする。
また、遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットに側に向けて連続して複数のコマンド送信する際は、貸出制御コマンド連続セット処理(電文連続セット処理とも称す)を実行する。貸出制御コマンド連続セット処理では、貸出制御コマンドセット処理を実行した後アドレスを更新して、再度貸出制御コマンドセット処理を実行する。貸出制御コマンドセット処理を実行する回数はBレジスタにセットされた値に基づいている。換言すると、貸出制御コマンド連続セット処理を実行する前は、Bレジスタにコマンド数をセットして実行する。
また、貸出ユニット側に向けて送信する情報として、値が0となるコマンドを送信する際は、貸出制御コマンドゼロセット処理を実行する。貸出制御コマンドゼロセット処理では、Aレジスタに値が0となるコマンドをセットして貸出制御コマンドセット処理をあらかじめ定められた回数分実行する。
貸出制御コマンドゼロセット処理は、遊技媒体数制御チップIDを貸出ユニット側に送信する際に、9バイトに桁合わせを行うために使用する。例えば、遊技媒体数制御基板P16の遊技媒体数制御チップID番号が21876543の場合、上位4バイトを0とするために貸出制御コマンドゼロセット処理内の貸出制御コマンドセット処理を4回実行して00hを4回送信し、続いて貸出制御コマンド連続セット処理内の貸出制御コマンドセット処理を4回実行して21h、87h、65h、43hを送信し、最後に貸出制御コマンドセット処理にて識別コードの41hを送信する。
なお、主制御チップID番号は予め主制御基板P15から9バイトデータとして送信されて遊技媒体数制御基板P16に記憶されるため、貸出制御コマンドゼロセット処理を用いることはない。換言すると、遊技媒体数制御基板P16は主制御基板P15から送信された9バイトデータの主制御チップID番号をそのまま貸出ユニットに対して送信する。
また、遊技機性能情報にある予備、予約1、予約2についても0データを送信するため、貸出制御コマンドゼロセット処理を用いて貸出ユニットに値が0となるコマンドを送信する。
遊技機Pと貸出ユニットとの基本通信シーケンスについて図20をもとに説明する。
<基本通信シーケンス>
遊技機Pは貸出ユニットに対して上述した遊技機情報通知として、遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報を送信する。
遊技機設置情報は、遊技機Pの起動が完了したときから60s(60,000ms)毎に貸出ユニットに送信する。遊技機性能情報は、遊技機Pの起動が完了したときから180s(180,000ms)毎に貸出ユニットに送信する。ホールコン・不正監視情報は、遊技機Pの起動が完了したときから300ms毎に貸出ユニットに送信する。
遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報は貸出ユニットに送信する際に同タイミングとなる場合がある。例えば、遊技機Pの起動が完了したときから60s経過後は遊技機設置情報とホールコン・不正監視情報が同タイミングとなり得る。この場合は遊技機設置情報を優先して送信し、その次に300ms経過した後にホールコン・不正監視情報を送信する。
また、例えば、遊技機Pの起動が完了したときから180s経過後は遊技機設置情報と遊技機性能情報とホールコン・不正監視情報が同タイミングとなり得る。この場合は遊技機設置情報を優先して送信し、その次に300ms経過した後に遊技機性能情報を送信し、その次に300ms経過した後にホールコン・不正監視情報を送信する。
このように、情報を送信する優先度として、遊技機設置情報が最も優先度が高く、次に遊技機性能情報となり、最後にホールコン・不正監視情報となる。このため、ホールコン・不正監視情報の送信タイミングは最大で600ms遅延することになる。
ただし、図19に示すホールコン・不正監視情報のうち、主制御状態1及び主制御状態2の何れかの情報が更新された場合(主制御状態の更新があると判断した場合(図30の「主制御状態変化?」でYESと判断された場合))、又は遊技情報あり(図30の「投入情報≠0又は払出情報≠0?」でYESと判断された場合)の場合は、ホールコン・不正監視情報の送信優先度が最も高くなる。
具体的には、主制御状態1のRBを示すBit0、BBを示すBit1、ATを示すBit2、遊技機状態信号1を示すBit3、遊技機状態信号2を示すBit4、遊技機状態信号3を示すBit5、遊技機状態信号4を示すBit6のうち何れかのBitが「0」から「1」に更新された場合(遊技状態が各Bitに対応する遊技状態に移行した場合に相当する)に主制御状態の更新があると判断する。このように、主制御状態の更新があると判断した場合には、ホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。
また、主制御状態1のRBを示すBit0、BBを示すBit1、ATを示すBit2、遊技機状態信号1を示すBit3、遊技機状態信号2を示すBit4、遊技機状態信号3を示すBit5、遊技機状態信号4を示すBit6のうち何れかのBitが「1」から「0」に更新された場合(各Bitに対応する遊技状態が終了した場合に相当する)に主制御状態の更新があると判断する。このように、主制御状態の更新があると判断した場合には、ホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。
なお、主制御状態1のBit7は未使用であるが、Bit7が「0」から「1」、又は「1」から「0」に更新された場合は、主制御状態の更新がないと判断している。このように構成することで、未使用であるBit7がノイズ等で更新されてもホールコン・不正監視情報の送信優先度は変わらないため、貸出ユニットとの正常な通信が実現できる。
ただし、この態様に限られず、未使用であるBit7が「0」から「1」、又は「1」から「0」に更新された場合は、主制御状態の更新があると判断する態様であってもよい。この場合は、Bit毎に更新を確認する必要がなく(主制御状態1のRAMの値が変化したか否かで確認する)、更新の確認処理に関するプログラム容量の削減とプログラムの高速化を実現できる。なお、RAMの値が「40h(01000000B)」、又は「7Fh(01111111B)」より大きいか否かを判断して、大きい場合は送信の優先度を変化しないように分岐するように構成してもよく、この構成によれば、RAMの値を確認しつつ未使用Bitが「0」から「1」になっても送信優先度を変えないことで、貸出ユニットとの正常な通信が実現できる。
続いて、主制御状態2の遊技機状態信号5を示すBit0、遊技機状態信号6を示すBit1、遊技機状態信号7を示すBit2のうち何れかのBitが「0」から「1」に更新された場合(遊技状態が各Bitに対応する遊技状態に移行した場合に相当する)に主制御状態の更新があると判断する。
また、主制御状態2の遊技機状態信号5を示すBit0、遊技機状態信号6を示すBit1、遊技機状態信号7を示すBit2のうち何れかのBitが「1」から「0」に更新された場合(各Bitに対応する遊技状態が終了した場合に相当する)に主制御状態の更新があると判断する。
なお、主制御状態2のBit3からBit7は未使用であるが、Bit3からBit7の何れかのBitが「0」から「1」、又は「1」から「0」に更新された場合は、主制御状態の更新がないと判断している。このように構成することで、未使用であるBit3からBit7がノイズ等で更新されてもホールコン・不正監視情報の送信優先度は変わらないため、貸出ユニットとの正常な通信が実現できる。
ただし、この態様に限られず、未使用であるBit3からBit7が「0」から「1」、又は「1」から「0」に更新された場合は、主制御状態の更新があると判断する態様であってもよい。この場合は、Bit毎に更新を確認する必要がなく(主制御状態2のRAMの値が変化したか否かで確認する)、更新の確認処理に関するプログラム容量の削減とプログラムの高速化を実現できる。なお、RAMの値が「04h(00000100B)」、又は「07h(00000111B)」より大きいか否かを判断して、大きい場合は送信の優先度を変化しないように分岐するように構成してもよく、この構成によれば、RAMの値を確認しつつ未使用Bitが「0」から「1」になっても送信優先度を変えないことで、貸出ユニットとの正常な通信が実現できる。
続いて、遊技情報ありと判断される態様として、ホールコン・不正監視情報を構成する情報のうち遊技情報を出力するために記憶する投入点記憶領域(_WK_MDL_IN)と付与点記憶領域(_WK_MDL_OUT)に記憶している情報が「0」であるか否かで判断している。
投入点記憶領域に記憶される投入点情報は、主制御基板P15から送信されたスタートスイッチ受付コマンドを受信したときに記憶される。また、付与点記憶領域に記憶される付与点情報は、主制御基板P15から送信された全回胴停止コマンドを受信したときに記憶される。このコマンド受信処理は割込み処理で実行され、割込み処理内では、コマンド受信処理を実行した後に、遊技機情報管理処理(遊技媒体数制御)を実行するという順番となっている。
そして、遊技機情報管理処理(遊技媒体数制御)では、貸出ユニットに対してホールコン・不正監視情報を送信する処理を実行しており、ホールコン・不正監視情報を送信する際に投入点記憶領域に記憶されている投入点情報と付与点記憶領域に記憶されている付与点情報がそれぞれ「0」であるか否かを判断し、投入点又は付与点が0でない場合は、すぐにホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。換言すると、投入点又は付与点を記憶した割込み処理内でホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。
なお、投入点記憶領域に記憶されている投入点情報と付与点記憶領域に記憶されている付与点情報がそれぞれ「0」であると判断し、且つ、主制御状態の更新がないと判断した場合は、遊技機設置情報通知要求フラグと遊技機性能情報通知要求フラグに基づいて出力する情報を選択する。換言すると、遊技機設置情報の優先度が第1優先、遊技機性能情報の優先度が第2優先、ホールコン・不正監視情報の優先度が第3優先となる。
また、遊技情報ありと判断される態様として、遊技情報数が「0」であるか否かを判断する態様であってもよい。遊技情報数は、投入点記憶領域に記憶している投入点情報が「0」でないとき、又は付与数記憶領域に記憶している付与数情報が「0」でないときに遊技情報数記憶領域(_WK_INF_GAM)が「1」又は「2」となり得る。そして、割込み処理の遊技機情報管理(遊技媒体数制御)でホールコン・不正監視情報を送信する前に投入点記憶領域と付与数記憶領域の情報から遊技情報数を生成し(遊技情報数記憶領域に遊技情報数を記憶し)、遊技情報数が「1」又は「2」の場合は、ホールコン・不正監視情報の優先度を第1優先として貸出ユニットに送信することが可能となる。
このように、ホールコン・不正監視情報の優先度を状況に応じて変更することで、遊技機情報通知を送信するときに、遊技状態の移行時(遊技状態の開始又は終了)であって投入点又は付与点が0でない場合は、遊技機設置情報や遊技機性能情報の送信タイミングであってもホールコン・不正監視情報を優先的に送信できるため、遊技場で管理するホールコンピュータに対して、投入点や払出点がどの遊技状態におけるものなのかを正確に管理させることが可能となる。
また、ホールコン・不正監視情報の遊技機状態信号とホールコン・不正監視情報の遊技情報(投入点、又は付与点)とを関連付けるために、遊技状態移行時(遊技状態開始時、又は遊技状態終了時)はフリーズを実行している。
例えば、通常状態中となるN遊技目として、3枚掛けで遊技が開始され(スタートレバーの操作が受け付けられ)、BBが当選し、停止操作によりBB図柄組合せが停止されて、BB状態信号がONとなる場合、遊技開始からBB状態信号がONとなるまでの間が300msを超えるようにするため、BB図柄組合せが停止した後であってBB状態信号をONにするまでの間に所定期間Xに亘ってフリーズを実行する。
図35は、投入数信号とBB状態信号とが同時にホールコン・不正監視情報通知で送信されてしまう好ましくない例である。図36は、投入数信号とBB状態信号とが正確にホールコン・不正監視情報通知で送信される好ましい例である。
「投入数情報」は、図19にある遊技情報の種別情報1、又は2の投入数信号を送信するための情報であり、遊技媒体数制御基板P16のRAMの或る領域に記憶される情報である。投入数情報の「0」とは、投入数情報に0が記憶されていることを意味し、投入数情報の「n」とは、投入数情報に1~3の何れかが記憶されていることを意味する。投入数情報は、主制御基板P15がスタートレバー受付時に遊技媒体数制御基板P16に投入数を示すコマンドを送信することで当該遊技の規定数として投入数情報「1」~「3」の何れかを遊技媒体数制御基板P16が記憶し、投入数信号を含むホールコン・不正監視情報通知を送信した後、投入数情報に「0」を遊技媒体数制御基板P16が記憶する。
「BB状態情報」は、図19にある遊技機情報の主制御状態1のBB状態信号を送信するための情報であり、主制御基板P15のRAMの或る領域に記憶される情報である。BB状態情報の「0」とは、BB状態情報に0が記憶されていることを意味し、BB状態情報の「1」とは、BB状態情報に1が記憶されていることを意味する。BB状態情報は、全リール停止後であってBB図柄組合せが停止したときに、作動状態管理処理内の作動状態セット処理で「1」が記憶され、全リール停止後であってBB遊技状態が終了したときに、作動状態管理処理内の作動状態セット処理で「0」が記憶される。換言すると、BB状態信号を含むホールコン・不正監視情報通知はBB開始時からBB終了時まで送信される。また、BB状態情報に「1」が記憶された場合、主制御基板P15の割込み処理により遊技媒体数制御基板P16に主制御状態のコマンドが送信され、遊技媒体数制御基板P16は受信した主制御状態のコマンドを取得して、主制御状態がBB状態であればホールコン不正監視情報通知を送信するための主制御状態を記憶する遊技媒体数制御基板P16のRAMの所定領域にBB信号情報を記憶する。
「フリーズ情報」は、フリーズを実行していることを示す情報であり、主制御基板P15のRAMの或る領域に記憶される。なお、フリーズを実行していることを示す情報ではなく、フリーズの実行に係るタイマ情報でもよく、フリーズの実行に係るタイマ情報が0か否かを判断することでフリーズを実行しているか否かを判断してもよい。
図35は、ホールコン・不正監視情報通知を送信した直後にスタートレバーの操作が受け付けられて投入数情報に「n(nは数値)」を記憶し、ホールコン・不正監視情報通知を送信してから300ms以内に全てのストップスイッチの操作、及びBB図柄組合せが停止されてBB状態情報に「1」を記憶した場合を示す。この場合は、BB図柄組合せ停止後のホールコン・不正監視情報通知を送信するタイミングで、投入数信号がON、及びBB状態信号がONとなって貸出ユニット側に送信される場合がある。
図35では、投入数信号とBB状態信号が同時に送信されてしまうことになる。ここでの投入数信号はBB遊技状態となる前の通常遊技状態としての情報が正しい情報であるため、誤った情報(BB遊技状態中の投入数情報)として送信されることになる。
そこで、本実施形態では、図36で示すようにBB図柄組合せ表示時に所定期間X(図36の「X」)に亘ってフリーズを実行し、フリーズの終了後にBB状態情報に「1」を記憶するように構成する。Xの値は、(300ms)-(スタートレバー操作の受け付け(遊技開始)からBB状態情報に1を記憶するまでの最短時間Y)であればよく、Y=200msと設計すれば、X=100msを超える値と設計することになる。また、遊技に係る時間は遊技者の技量に応じて異なるため、確実に送信できるためにX=300msとしてもよい。ホールコン・不正監視情報通知の間隔は300msであるため、フリーズを300ms以上実行すれば、どのような状況においても確実に正確な投入数信号を送信することが可能となる。
また、フリーズを実行するタイミングは、BB図柄組合せ停止からBB状態情報に「1」を記憶するまでの間であればよく、例えば、作動状態管理処理内の作動状態セット処理でフリーズのタイマの値(カウント値)として「X」をRAMに記憶し、Xが0となったと判断した後にBB状態情報のRAMに「1」を記憶することが考えられる。
このように構成することで、遊技毎における投入数情報と主制御状態情報の整合性を合わせることができるため、正確な情報を貸出ユニット側に送信することができる。
また例えば、BB状態中となるN遊技目として、3枚掛けで遊技が開始され(スタートレバーの操作が受け付けられ)、小役が当選し、停止操作により小役図柄組合せが停止されて所定数の払出によりBB状態が終了して、BB状態信号がOFFとなる場合、払出開始からBB状態信号がOFFとなるまでの間が(300ms)+(払出時間)を超えるようにするため、BB状態の終了後であってBB状態信号をOFFにするまでの間に所定期間Xに亘ってフリーズを実行する。
図37は、払出数信号とBB状態信号とが同時にホールコン・不正監視情報通知で送信されなくなってしまう好ましくない例である。図38は、払出数信号とBB状態信号とが正確にホールコン・不正監視情報通知で送信される好ましい例である。
「払出数情報」は、図19にある遊技情報の種別情報1、又は2の払出数信号を送信するための情報であり、遊技媒体数制御基板P16のRAMの或る領域に記憶される情報である。払出数情報の「0」とは、払出数情報に0が記憶されていることを意味し、払出数情報の「m」とは、払出数情報に1~15の何れかが記憶されていることを意味する。払出数情報は、主制御基板P15が全リール停止時に遊技媒体数制御基板P16に払出数を示すコマンドを送信することで当該遊技の払出数として払出数情報「1」~「15」の何れかを遊技媒体数制御基板P16が記憶し、払出数信号を含むホールコン・不正監視情報通知を送信した後、払出数情報に「0」を遊技媒体数制御基板P16が記憶する。
その他の情報に関しては、図35、及び図36の説明と同一である。
図37は、ホールコン・不正監視情報通知を送信した後に全リール停止させられ払出数情報に「m(mは数値)」を記憶し、ホールコン・不正監視情報通知を送信してから300ms以内にBB遊技状態が終了してBB状態情報に「0」を記憶した場合を示す。この場合は、BB遊技状態が終了した後のホールコン・不正監視情報通知を送信するタイミングで、払出数信号がON、BB状態信号がOFFとなって貸出ユニット側に送信される場合がある。
図37では、払出数信号とBB状態信号が同時に送信されなくなってしまうことになる。ここでの払出数信号はBB遊技状態としての情報が正しい情報であるため、誤った情報(通常遊技状態中の払出数情報)として送信されることになる。
そこで、図38で示すように、本実施形態では、払出処理の終了時に所定期間X(図38の「X」)に亘ってフリーズを実行し、フリーズの終了後にBB状態情報に「0」を記憶するように構成する。Xの値は、(300ms)-(払出処理終了からBB状態情報に0を記憶するまでの最短時間Z)であればよく、Z=250msであれば、X=50msを超える値となる。また、払出処理に係る時間は遊技機毎の最大払出枚数の設定に応じて異なるため、確実に送信できるためにX=300msとしてもよい。ホールコン・不正監視情報通知の間隔は300msであるため、フリーズを300ms以上実行すれば、どのような状況においても確実に正確な払出数信号を送信することが可能となる。
また、フリーズを実行するタイミングは、払出処理終了からBB状態情報に「0」を記憶するまでの間であればよく、例えば、作動状態管理処理内の作動状態セット処理でフリーズのタイマの値(カウント値)として「X」をRAMに記憶し、Xが0となったと判断した後にBB状態情報のRAMに「0」を記憶することが考えられる。
このように構成することで、遊技毎における払出数情報と主制御状態情報の整合性を合わせることができるため、正確な情報を貸出ユニット側に送信することができる。
なお、投入数信号とBB状態信号、及び払出数信号とBB状態信号の関係を上述したが、BB状態信号は他の状態信号に置き換えることが可能である。例えば、RB状態か否かを判別するためのRB状態信号や、AT状態か否かを判別するためのAT状態信号や、その他特定のメイン遊技状態か否かを判別するための特定のメイン遊技状態信号等が挙げられる。
また、上述した実施形態では、BB状態情報に「1」又は、「0」を記憶するまでにフリーズを所定期間Xに亘って実行することを説明したが、所定期間Xに関して、ホールコンピュータに到達しきるまでを想定した期間に設定してもよい。例えば、遊技機Pが送信した投入数情報、又は払出数情報がホールコンピュータに到達するまでのSC基板を経由する等の各装置の反応時間を1000ms、ホールコンピュータが受信する1パルスの出力時間を100ms、ホールコンピュータが受信する最大パルス数を15(回胴式遊技機の最大払出数が15であるため)としたときは、1000ms+100ms×15=2500msとなり、所定期間Xの値を2500ms以上に設定することが望ましい。
遊技機Pは貸出ユニットに対して、300msの周期で遊技機情報通知を送信した後、100ms後に計数通知を送信する。そして、貸出ユニットは計数通知を受信した後170ms以内に遊技機Pに対して貸出通知を送信する。そして、遊技機Pは貸出通知を受信した後10ms以内に貸出受領結果応答を送信する。その後遊技機情報通知を送信してから300ms後に次の遊技機情報通知を送信するため、貸出受領結果応答を送信してから次の遊技機情報通知を送信するまでの間は20ms以上となる。
遊技機Pと貸出ユニットとの起動シーケンスについて図21をもとに説明する。
<起動シーケンス>
遊技機Pが貸出ユニットより先に起動した場合を説明する。
遊技機P、及び貸出ユニットの電源がOFFの場合は、遊技機Pと貸出ユニットのVL信号とPSI信号はOFFとなっている。VL信号はI/F信号共用電源であり、貸出ユニットから供給される電源であるため、貸出ユニットが起動するまでOFFとなる。また、PSI信号は遊技機Pと貸出ユニットとの接続信号であるため、貸出ユニットが起動するまでOFFとなる。
続いて、遊技機Pの起動が完了し、貸出ユニットの起動がまだ完了していない状況下においては、遊技機Pの起動が完了したときに貸出ユニットに対して遊技機情報通知を送信し、その後計数通知を送信する。しかし、貸出ユニットはまだ起動していないため、送信した遊技機情報通知と計数通知は受信できない。さらに、遊技機Pが計数通知を送信しても貸出ユニットが計数通知を受信していないため、貸出ユニットから貸出通知が送信されることもなく、遊技機Pは貸出受領結果応答を送信することもない。
なお、遊技機Pの起動が完了してから最初に送信する遊技機情報通知の通番と計数通知の計数通番は「0x00」を送信する。また、通番や計数通番は遊技機Pと貸出ユニットが接続しているか否かに関わらず更新するため、次に送信するタイミング(遊技機Pの起動完了後に最初に送信した遊技機情報通知の300ms後に送信するタイミング)では通番、及び計数通番は「0x01」を送信する。
つまり、遊技機Pは貸出ユニットと接続されているか否かに関わらず、電文を送信し通番も更新する。
続いて、貸出ユニットの起動が完了するとVL信号とPSI信号がONとなり、遊技機Pは、ベットスイッチP5の操作と計数スイッチP7の操作が有効となる。また、遊技機Pから送信した情報を貸出ユニットが受信可能となる。
上述したように、遊技機Pは貸出ユニットが起動しているか否かに関わらず遊技機情報通知や計数通知を送信しているため、貸出ユニットは、貸出ユニットの起動が完了した後に遊技機Pから送信された遊技機情報通知の通番、及び計数通知の計数通番から管理する。このように構成することで、遊技機Pは貸出ユニットの状況を判断することなく情報を送信できるため、貸出ユニットの状況を判断する分のプログラム容量が削減できる。
遊技機Pと貸出ユニットとの起動シーケンスについて図22をもとに説明する。
貸出ユニットが遊技機Pより先に起動した場合を説明する。
貸出ユニットが遊技機Pより先に起動した場合は、遊技機Pが起動するまで待機する。ここで、遊技機Pが起動するまでは、遊技機PのVL信号とPSI信号はOFFとなっているが、貸出ユニットの起動が完了した場合は、貸出ユニットのVL信号とPSI信号はONとなる。この状態で貸出ユニットは遊技機Pの起動が完了するまで待機する。
続いて、遊技機Pの起動が完了すると、遊技機Pと貸出ユニットのVL信号とPSI信号がONとなり、遊技機Pは遊技機情報通知を通番「0x00」で、計数通知を計数通番「0x00」でそれぞれ送信する。ここで、貸出ユニットはすでに起動が完了しているため、通番「0x00」の遊技機情報通知と計数通番「0x00」の計数通知を受信し、管理を開始する。このように構成することで、遊技機Pは貸出ユニットの状況を判断することなく情報を送信できるため、貸出ユニットの状況を判断する分のプログラム容量が削減できる。
遊技機Pと貸出ユニットとの計数通知シーケンスについて図23をもとに説明する。
<計数通知シーケンス>
遊技機Pが貸出ユニットに対して計数通知を送信する場合を説明する。本説明において、計数スイッチP7の操作を受け付ける前の状況として、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が「200」であり、貸出ユニットが管理する貸出可能点が「20」である状況とする。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、遊技機Pに備えられている計数スイッチP7の操作を受け付けた直後の遊技機情報通知を貸出ユニットに送信するタイミングでは、遊技機情報通知として通番「n(nは数値)」、総得点「200」を送信し、計数通知として計数通番「m(mは数値)」、総得点が200であり、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が50点以上であるため、上述のように、計数点「50」を送信する。また、当該計数に係る処理が遊技機Pの起動が完了してから初めての計数に係る処理である場合は、計数通知として計数累積点「50」を送信する。なお、遊技機Pは計数通知を送信する処理を実行する前に総得点記憶領域に記憶している総得点から計数点分を減算する。
続いて、貸出ユニットは計数通知を受信したときに貸出可能点を「70」に更新し、貸出通知として貸出通番「k(kは数値)」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する(貸出ボタンが操作されていないため)。また、遊技機Pは貸出ユニットから貸出通知を受信したときは貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックする。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する(貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックした結果が正常の場合)。
続いて、次に遊技機Pが貸出ユニットに遊技機情報通知を送信するタイミングにおいて、すでに計数スイッチP7の操作を受け付けていない場合(計数スイッチP7が離されている場合)、遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「150」を送信する。また、計数通知として計数通番「m+1」、計数点「0」、計数累積点「50」を送信する。また、貸出ユニットから遊技機Pに対する貸出通知として貸出通番「k+1」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。さらに、遊技機Pから貸出ユニットに対する貸出受領結果応答として貸出通番「k+1」、貸出点受領結果「正常」を送信する。
また、計数スイッチP7の操作を受け付けてから2回目の遊技機情報通知を送信するタイミングにおいて計数スイッチP7の操作を受け付けている場合(計数スイッチP7が長押しされている場合)、遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「150」を送信する。また、計数通知として計数通番「m+1」、計数点「50」、計数累積点「100」を送信する。また、貸出ユニットから遊技機Pに対する貸出通知として貸出通番「k+1」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。さらに、遊技機Pから貸出ユニットに対する貸出受領結果応答として貸出通番「k+1」、貸出点受領結果「正常」を送信する。
このように計数スイッチP7の操作を受け付けてから計数スイッチP7の操作を受け付けなくなるまでの間(計数スイッチP7が長押しされている間)は、300ms毎に遊技機Pから貸出ユニットに対して計数通知を送信し続ける。このように構成することで複雑な操作をさせることなく(長押しするのみ)、300ms毎に一定量の計数点(50)が貸出ユニットに送信可能となるため、ユーザの計数操作の負担を軽減することができる。
なお、計数スイッチP7は遊技媒体数制御基板P16と接続されているため、遊技媒体数制御基板P16の割込み処理毎に入力ポートをチェックし、計数スイッチP7を示す入力ポートにONを示す情報が入力されていた場合は、計数スイッチP7の操作を受け付けたとし、その後、計数スイッチP7を示す入力ポートにOFFを示す情報が入力されていた場合は、計数スイッチP7の操作を受け付けていないとする。
遊技機Pと貸出ユニットとの貸出通知シーケンスについて図24をもとに説明する。
<貸出通知シーケンス>
貸出ユニットが遊技機Pに対して貸出通知を送信する場合を説明する。本説明において、貸出ボタンの操作を受け付ける前の状況として、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が「10」であり、貸出ユニットが管理する貸出可能点が「100」である状況とする。なお、遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点が「50」未満であるため、計数スイッチP7が操作されると「10」が計数される状況ともいえる。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、貸出ユニットに備えられている貸出ボタンの操作を受け付けたときは、遊技機Pから遊技機情報通知として通番「n(nは数値)」、総得点「10」が送信され、計数通知として計数通番「m(mは数値)」、計数点「0」が送信される。そして、計数通知に含まれる計数点が「0」である場合に貸出通知を遊技機Pに送信するタイミングでは、貸出通知として貸出通番「k」、貸出点「50」を送信する。
続いて、貸出ユニットは貸出通知を送信したときに貸出可能点を「50」に更新する。なお、貸出ユニットが貸出可能点を更新するタイミングとしては、貸出受領結果応答を受信したタイミングであってもよい。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する(貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックした結果が正常の場合)。
続いて、遊技機Pは貸出通知を受信してから貸出受領結果応答を送信するまでの間に総得点を「60」に更新する。
続いて、貸出ユニットに備えられている貸出ボタンの操作が継続して受け付けられていたときは次に遊技機Pが貸出ユニットに遊技機情報通知を送信するタイミングにおいて、遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「60」を送信する。
続いて、遊技機Pから計数通知として、計数通番「m+1」、計数点「0」、計数累積点「0」が送信され、その後、貸出ユニットから遊技機Pに対する貸出通知として貸出通番「k+1」、貸出点「50」を遊技機Pに送信して、貸出可能点を「0」に更新する。さらに、遊技機Pから貸出ユニットに対する貸出受領結果応答として貸出通番「k+1」、貸出点受領結果「正常」を送信する。
なお、貸出ユニットは貸出ボタンが継続して操作されているときに操作レベルを判断して貸出ボタンの操作を受け付ける例を示しているが、貸出ボタンの立ち上がりを判断して貸出ボタンの操作を受け付けてもよい。この場合は、貸出ボタンが継続して操作されているときであっても最初に操作されたタイミングでのみ貸出操作を受け付けることになるため、貸出ボタンが継続して操作されていても2回目以降の貸出通知を送信するタイミングでは貸出点を「0」として送信することになる。
また、貸出ボタンを受け付けたときの遊技機Pから送信される計数通知として計数点が1以上である場合は次に遊技機Pに送信する貸出通知の貸出点を「0」として送信する。この時に受け付けた貸出ボタンに関しては、無効としてもよいし、貸出ユニットが貸出ボタンの操作受付フラグを記憶しておき、計数通知の計数点が「0」となった後に送信する貸出通知において貸出点を「50」として送信してもよい。また、貸出ユニットが貸出ボタンの操作受付フラグを記憶する場合の貸出ボタンの操作受付に関するフラグが記憶されているときに再度貸出ボタンが操作されたときは2回操作されたフラグに書き換えてもよいし、2回目以降の操作を無効としてもよい。
また、貸出ユニットが貸出通知を遊技機Pに送信して、遊技機Pが貸出通知を受信したときは遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域に貸出通知の情報を全て記憶する。これにより、遊技機Pが貸出受領結果応答を送信する際に貸出点受領結果の情報を「正常」とするか「異常」とするかが判断できる。
具体的には、遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域の貸出通番の情報として「k」を記憶しており、貸出ユニットから送信された貸出通知の貸出通番が「k+1」の場合、記憶している「k」にインクリメントして「k+1」を生成してから受信した貸出通番「k+1」と比較し、生成した貸出通番と受信した貸出通番が一致しているため、受信した貸出通番「k+1」を遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域に記憶する。
また、遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域の貸出通番の情報として「k」を記憶しており、貸出ユニットから送信された貸出通知の貸出通番が「k+2」の場合、記憶している「k」にインクリメントして「k+1」を生成してから受信した貸出通番「k+2」と比較し、生成した貸出通番と受信した貸出通番が一致していないため、受信した貸出通番「k+2」を記憶しない(遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域の貸出通番は「k」となる)。
また、貸出通番の上限は255であるため、貸出通番が255である状況でインクリメントすると貸出通番は0となる。ただし、貸出通番0は貸出ユニット起動直後にのみ遊技機に送信され得る貸出通番であるため、再度インクリメントして貸出通番1とする。換言すると貸出通番が255の状況下で遊技機が貸出通番を更新する際はインクリメントを2回行うことにより、次の貸出通番を1にする。
なお、上述した例では比較する手法として、遊技機Pが記憶している貸出通番をインクリメントしてから貸出ユニットから受信した貸出通番と一致するか否かで判断していたが、これに限られず、貸出ユニットから受信した貸出通番をデクリメントしてから遊技機Pが記憶している貸出通番と一致するか否かで比較する手法や、貸出ユニットから受信した貸出通番から遊技機Pが記憶している貸出通番を減算し、結果が「1」となるか否かで判断する手法などを用いてもよい。
また、遊技機Pが備える貸出通知情報記憶領域は、貸出通知受信バッファ1、貸出通知受信バッファ2、貸出通知受信バッファ3、貸出通知受信バッファ4、貸出通知受信バッファ5から構成されている。
貸出通知受信バッファ1は電文長が記憶され、貸出通知受信バッファ2はコマンドが記憶され、貸出通知受信バッファ3は貸出通番が記憶され、貸出通知受信バッファ4は貸出点が記憶され、貸出通知受信バッファ5はチェックサムが記憶される。
例えば、遊技機Pが受信した貸出通知が電文長「0x05」、コマンド「0x13」、貸出通番「0x01」、貸出点「0x32」、チェックサム「0x4B」であった場合、対応する貸出通知受信バッファに記憶する。遊技機Pは貸出通知受信バッファ5に記憶したチェックサム「0x4B」から貸出通知受信バッファ4に記憶した貸出点「0x32」を減算し、「0x19」を算出し、「0x19」から貸出通知受信バッファ3に記憶した貸出通番「0x01」を減算し、「0x18」を算出し、「0x18」から貸出通知受信バッファ2に記憶したコマンド「0x13」を減算し、「0x05」を算出し、「0x05」から貸出通知受信バッファ1に記憶した電文長「0x05」を減算し、「0x00」を算出する。
続いて算出結果が「0x00」か否かを判断し、上述したように「0x00」である場合は、チェックサムは正常であると判断する。もし算出結果が「0x00」でない場合は、チェックサムは異常であると判断し、貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアし(例えば、「0x00」に書き換える等)、貸出受領結果応答として電文長「0x05」、コマンド「0x03」、貸出通番「0x00」、貸出点受領結果を「0x01(異常)」、チェックサム「0x09」として送信する。貸出中の通信異常に関しては後述する。
続いて、チェックサムが正常であると判断した場合、貸出通知受信バッファ2に記憶されているコマンド情報が「0x13」であるか否かを判断する。貸出通知受信バッファ2に記憶されているコマンド情報が「0x13」である場合は正常であると判断する。もし貸出通知受信バッファ2に記憶されているコマンド情報が「0x13」でない場合は異常であると判断し、貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアし(例えば、「0x00」に書き換える等)、貸出受領結果応答として電文長「0x05」、コマンド「0x03」、貸出通番「0x00」、貸出点受領結果を「0x01(異常)」、チェックサム「0x09」として送信する。
続いて、コマンドが正常であると判断した場合、貸出通知受信バッファ1に記憶されている電文長情報が「0x05」であるか否かを判断する。貸出通知受信バッファ1に記憶されている電文長情報が「0x05」である場合は正常であると判断する。もし貸出通知受信バッファ1に記憶されている電文長情報が「0x05」でない場合は異常であると判断し、貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアし(例えば、「0x00」に書き換える等)、貸出受領結果応答として電文長「0x05」、コマンド「0x03」、貸出通番「0x00」、貸出点受領結果を「0x01(異常)」、チェックサム「0x09」として送信する。
貸出通知受信バッファ1に記憶されている電文長情報と貸出通知受信バッファ2に記憶されているコマンド情報は固定値であるため、正常であれば変化することはない。また、チェックサムはその性質上異常値であっても正常値と一致することがあるため、チェックサム以外にも固定値である電文長情報とコマンド情報を比較することで、異常値を正常値と判定する確率を限りなく0に近づけることが可能となる。
貸出通知の情報が正常か否かを判定するために、チェックサム、コマンド、電文長の順で判定したが、判定順番はこれに限られずどのような組み合わせでもよい。また、チェックサム、コマンド、電文長の正常判定の過程で何れかのタイミングで異常と判定された場合は貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアして、以降の判定処理は行わないように構成されているがこれに限られず、チェックサム、コマンド、電文長の何れかの判定過程で異常と判定しても貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアせず、全ての判定が終了した後に何れかの判定結果が異常と判定されていたときに貸出通知受信バッファ1乃至5の全ての記憶領域をクリアするように構成されてもよい。
なお、チェックサムのみで誤り検出を行う場合は、チェックサムは1バイトのデータであるため、(1-(1/256))×100=99.609375000%の信頼度であるが、固定値(1バイトデータ)を1つ含めた場合の信頼度は、(1-((1/256)×(1/256)))×100=99.998474121%となり、固定値(1バイトデータ)を2つ含めた場合の信頼度は、(1-((1/256)×(1/256)×(1/256)))×100=99.999999977%となる。このため、1バイトデータの固定値であれば、チェックサム以外に2つの固定値を判定すれば、信頼度はほぼ100%となり、不正や異常を検出しやすくなる。
遊技機Pと貸出ユニットとの専用インターフェース断線時からの復旧シーケンスについて図25をもとに説明する。
<専用インターフェース断線時からの復旧シーケンス>
遊技機Pと貸出ユニットが断線により通信が不能となった後、通信が復旧した場合の各種通知情報の流れを説明する。本説明において、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点は「100」である状況とする。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、遊技機情報通知を貸出ユニットに送信するタイミングでは、遊技機情報通知として通番「n(nは数値)」、総得点「100」を送信し、計数通知として計数通番「m(mは数値)」、計数点「0」を送信する。また、当該計数に係る処理が遊技機Pの起動が完了してから初めての計数に係る処理である場合は、計数通知として計数累積点「0」を送信する。なお、遊技機Pは計数通知を送信する処理を実行する前に総得点記憶領域に記憶している総得点から計数点分を減算する。
続いて、貸出ユニットは計数通知を受信したときに貸出通知として貸出通番「k(kは数値)」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。また、遊技機Pは貸出ユニットから貸出通知を受信したときは貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックする。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する。
続いて、次に遊技機情報通知として、遊技機Pが通番「n+1」、総得点「100」を送信した直後に断線(遊技機P側のVL信号がOFF、かつ貸出ユニット側のVL信号とPSI信号がともにOFFであり、遊技機Pと貸出ユニットの電源はONとなっている状態)した場合、遊技機Pが送信する計数通知として計数通番「m+1」、計数点「0」、計数累積点「0」を送信する。なお、断線する前に計数スイッチP7の操作を受け付けていた場合であっても、遊技機P側のVL信号がOFFとなったときに計数スイッチP7の受付を無効とすることに伴って計数処理を中止するため、断線後の計数通知では計数点を「0」として送信する。また、遊技機P側のVL信号がOFFとなった場合は、ベット操作の受け付けも無効となる。
その後は、貸出ユニット側は計数通知を受信していないため貸出通知を送信することがなく、遊技機P側も貸出受領結果応答を送信することはない。そして、前回の遊技機情報通知を送信してから300ms経過後に次の遊技機情報通知を送信するが、未だ遊技機Pと貸出ユニットとの通信が復旧していない場合の遊技機Pは、遊技機情報通知として通番「n+2」、総得点「100」を送信し、計数通知として計数通番「m+2」、計数点「0」、計数累積点「0」を送信する。
つまり、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が断線している状況においては、遊技機P側が遊技機情報通知と計数通知のみを送信し続ける。このときに通番と計数通番は更新して送信することになる。
続いて、遊技機Pが次に遊技機情報通知を送信する直前に遊技機Pと貸出ユニットとの通信が復旧したときは、遊技機情報通知として通番「n+3」、総得点「100」を送信し、計数通知として計数通番「m+3」、計数点「0」、計数累積点「0」を送信する。
続いて、計数通知を受信した貸出ユニットは貸出通知として貸出通番「0」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。これにより、断線から復帰したときは貸出通番「0」を送信するため遊技機Pは断線から復帰した最初の貸出通知か否かを判断できる。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は、貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果応答「異常」を貸出ユニットに送信する。ここで、貸出通番は前回正常に受信したときの貸出通番「k」を送信し、貸出点受領結果応答は貸出ユニットから送信された貸出通番の「0」と前回正常に受信した貸出通番の「k」をインクリメントした「k+1」とが異なっているため、「異常」と判断している。また、貸出ユニットは貸出通番「k」を受信すると貸出ユニットの貸出通番記憶領域に「k」を記憶する。なお、貸出通番の異常判定に関しては、上述した他の手法を用いることは差し支えない。
続いて、前回の遊技機情報通知から300ms経過したときは、遊技機情報通知として通番「n+4」、総得点「100」を送信し、計数通知として計数通番「m+4」、計数点「0」、計数累積点「0」を送信する。
続いて、計数通知を受信した貸出ユニットは貸出通知として貸出通番「k+1」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する。これにより、遊技機Pが貸出通知を受信したときに貸出点受領結果が「正常」となる。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は、貸出受領結果応答として貸出通番「k+1」、貸出点受領結果応答「正常」を貸出ユニットに送信する。このタイミングで断線からの復旧は完了し以降の通信は通常のシーケンス通りに進行する。
上述した例において、貸出ユニットが貸出通番「0」を送信する場合は、貸出ボタンの操作が受け付けられていたとしても貸出通知としての貸出点は「0」を送信する。つまり、貸出ユニットのVL信号とPSI信号がともにONとなった後から最初の貸出通知を送信するまでの間に貸出ボタンの操作が受け付けられていたとしても貸出通番が「0」の貸出点は「0」を送信するよう構成されているがこれに限られず、貸出通番「0」のときに貸出ボタンの操作が受け付けられていた場合は貸出通番「0」であっても貸出点「50」を送信してもよい。
また、上述した例において、専用インターフェースが断線した後、遊技機Pが遊技機情報通知を送信した直後に専用インターフェースが断線から復旧して貸出ユニットが遊技機情報通知を受信していない場合は、遊技機Pから送信された計数通知を受信したことに起因して貸出ユニットは貸出通知を送信するようにしてもよいし、貸出ユニットは遊技機情報通知を受信していないため遊技機Pから送信された計数通知の後に貸出通知を送信せず、次の遊技機情報通知を受信した後の計数通知を受信した後に貸出通知を送信するようにしてもよい。
遊技機Pと貸出ユニットとの計数中の通信異常について図26をもとに説明する。
<計数中の通信異常>
遊技機Pが貸出ユニットに対して計数通知を送信したときに送信した計数通知を貸出ユニットが受信しなかった場合を説明する。本説明において、計数スイッチP7の操作を受け付ける前の状況として、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が「200」であり、貸出ユニットが管理する貸出可能点が「20」である状況とする。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、遊技機Pに備えられている計数スイッチP7の操作を受け付けた直後の遊技機情報通知を貸出ユニットに送信するタイミングでは、遊技機情報通知として通番「n」、総得点「200」を送信し、計数通知として計数通番「m」、計数点「50」を送信する。また、当該計数に係る処理が遊技機Pの起動が完了してから初めての計数に係る処理である場合は、計数通知として計数累積点「50」を送信する。なお、遊技機Pは計数通知を送信する処理を実行する前に総得点記憶領域に記憶している総得点から計数点分を減算する。
続いて、貸出ユニットは計数通知を受信したときに貸出可能点を「70」に更新し、貸出通知として貸出通番「k」、貸出点「0」を遊技機Pに送信する(貸出ボタンが操作されていないため)。また、遊技機Pは貸出ユニットから貸出通知を受信したときは貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックする。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する(貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックした結果が正常の場合)。
続いて、遊技機Pが遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「150」を送信し、その後遊技機Pが計数通知として計数通番「m+1」、計数点「50」、計数累積点「100」を送信したにもかかわらず貸出ユニットが計数通知を受信できなかった場合は、貸出ユニットが貸出通知を送信しない。そして、貸出ユニットは遊技機情報通知を受信してから300ms経過しても計数通知を受信していないときは、VL信号とPSI信号をOFFにする。この場合は、貸出ユニットが遊技機Pとの通信にエラーが生じたと判断し、上述した復旧シーケンスと同じ動作が行われる。なお、断線状態から復旧させる場合は、ホール店員が貸出ユニットのエラー解除スイッチを操作したり、貸出ユニットの初期化スイッチを操作したりすることが考えられる。
また、貸出ユニットが遊技機Pとの通信にエラーが生じたと判断し、貸出ユニットがVL信号とPSI信号をOFFにした後も遊技機Pは遊技機情報通知と計数通知との送信を繰り返し行う。この場合は遊技機情報通知としての通番と計数通知としての計数通番は更新してから貸出ユニットに送信する(貸出ユニットは受信できない)。なお、貸出ユニットがVL信号とPSI信号をOFFにした後も継続して計数スイッチP7が押下されている場合は、貸出ユニットがVL信号とPSI信号をOFFにしたことに基づいて遊技機PもVL信号がOFFとなったことにより計数スイッチP7の操作を無効にしているため、計数通知としての計数点は0を送信する。
遊技機Pと貸出ユニットとの貸出中の通信異常について図27をもとに説明する。
<貸出中の通信異常>
貸出ユニットが遊技機Pに対して貸出通知を送信する場合を説明する。本説明において、貸出ボタンの操作を受け付ける前の状況として、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が「10」であり、貸出ユニットが管理する貸出可能点が「100」である状況とする。
遊技機Pと貸出ユニットの起動が完了しており、遊技機Pと貸出ユニットとの通信が可能な状況下において、貸出ユニットに備えられている貸出ボタンの操作を受け付けた場合、遊技機Pから遊技機情報通知として通番「n」、総得点「10」が送信され、計数通知として計数通番「m」、計数点「0」が送信される。そして、計数通知に含まれる計数点が「0」である場合に貸出通知を遊技機Pに送信するタイミングでは、貸出通知として貸出通番「k」、貸出点「50」を送信する。
続いて、貸出ユニットは貸出通知を送信したときに貸出可能点を「50」に更新する。なお、貸出ユニットが貸出可能点を更新するタイミングとしては、貸出受領結果応答を受信したタイミングであってもよい。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信した後は貸出受領結果応答として貸出通番「k」、貸出点受領結果「正常」を貸出ユニットに送信する(貸出通知が示す情報と前回の貸出通知が示す情報との整合性をチェックした結果が正常の場合)。
続いて、遊技機Pは貸出通知を受信してから貸出受領結果応答を送信するまでの間に総得点を「60」に更新する。
続いて、遊技機Pが貸出受領結果応答を送信したが貸出ユニットが貸出受領結果応答を受信できなかった場合において、貸出ユニットは貸出通知送信から10ms以上経過して貸出受領結果応答を受信しなかったときは、貸出未完了と判断し、貸出ユニットが備える貸出情報記憶領域に貸出未完了を示す値を記憶する。
続いて、遊技機Pから遊技機情報通知として通番「n+1」、総得点「60」が送信され、計数通知として計数通番「m+1」、計数点「0」が送信される。そして、貸出ユニットは前回の貸出通知に対して貸出未完了であると判断している場合、貸出通知を遊技機Pに送信するタイミングにおいて、貸出通知として貸出通番「k」、貸出点「50」を送信する。この貸出通知は前回送信した貸出通知と同じ情報となっている。
続いて、遊技機Pが貸出通知を受信したときに正常であれば貸出通番として「k+1」の情報を受信するはずであったが、今回受信した貸出通番が「k」であったため、遊技機Pが送信する貸出受領結果応答としては貸出通番「k」、貸出点受領結果応答「異常」を貸出ユニットに送信する。
続いて、貸出ユニットが貸出受領結果応答を受信したときに送信した貸出通知の貸出通番「k」と受信した貸出受領結果応答の貸出通番「k」とが一致しているため、貸出ユニットは貸出通知が正常に遊技機Pに届いていると判断し、貸出ユニットが備える貸出情報記憶領域に貸出完了を示す値を記憶する。
<エラーの種類>
本実施形態における遊技機Pに関して判断可能なエラーや遊技機Pの状態として、投入要求通信エラー、精算要求通信エラー、払出要求通信エラー、遊技媒体数制御受信異常、主制御受信異常、総得点上限異常、総得点閾値到達状態、貸出装置接続異常(VL異常)、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6がある。
投入要求通信エラーは、主制御基板P15で検知する異常であり、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16に送信した投入要求コマンド(ベットスイッチが操作されたときに遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点からベット数分を主制御基板P15が管理する投入点に付与できるか否かを確認するコマンド)と主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16から受信した応答コマンド(投入要求受付コマンド、又は投入要求受付不可コマンド)が一致しない場合、又は遊技媒体数制御基板P16から応答コマンドを受信しなかった場合はE1エラーとし、付与数表示部に「E1」に対応する表示を行う。E1エラーが発生した場合は、設定/リセットスイッチの操作を受け付けたときに解除可能となっている。なお、E1エラーが発生したときの投入要求はキャンセルされることからE1エラーが解除されても投入要求コマンドは再送しない。そして、E1エラーが発生した場合は遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。
また、E1エラー発生時は主制御基板P15が副制御基板P12にE1エラーコマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、E1エラーが解除されたときは主制御基板P15が副制御基板P12にエラー解除コマンドを送信し、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E1エラー報知を終了する。なお、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E1エラー報知を直ちに終了せずに所定時間報知した後に終了してもよい。
精算要求通信エラーは、主制御基板P15で検知する異常であり、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16に送信した精算要求コマンドと主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16から受信した応答コマンド(精算要求受付コマンド、又は精算要求受付不可コマンド)が一致しない場合、又は遊技媒体数制御基板P16から応答コマンドを受信しなかった場合はE2エラーとし、付与数表示部に「E2」に対応する表示を行う。E2エラーが発生した場合は、設定/リセットスイッチの操作を受け付けたときに解除可能となっている。なお、E2エラーが発生したときの精算要求はキャンセルされることからE2エラーが解除されても精算要求コマンドは再送しない。そして、E2エラーが発生した場合は遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。
また、E2エラー発生時は主制御基板P15が副制御基板P12にE2エラーコマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、E2エラーが解除されたときは主制御基板P15が副制御基板P12にエラー解除コマンドを送信し、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E2エラー報知を終了する。なお、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E2エラー報知を直ちに終了せずに所定時間報知した後に終了してもよい。
払出要求通信エラーは、主制御基板P15で検知する異常であり、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16に送信した払出要求コマンドと主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16から受信した応答コマンド(払出要求受付コマンド、又は払出要求受付不可コマンド)が一致しない場合、又は遊技媒体数制御基板P16から応答コマンドを受信しなかった場合はE3エラーとし、付与数表示部に「E3」に対応する表示を行う。E3エラーが発生した場合は、設定/リセットスイッチの操作を受け付けたときに解除可能となっている。なお、E3エラーが発生したときの払出要求はキャンセルされずに継続されることからE3エラーが解除されると払出要求コマンドを再送する。そして、E3エラーが発生した場合は遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。
また、E3エラー発生時は主制御基板P15が副制御基板P12にE3エラーコマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、E3エラーが解除されたときは主制御基板P15が副制御基板P12にエラー解除コマンドを送信し、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E3エラー報知を終了する。なお、副制御基板P12はエラー解除コマンドを受信したときは、E3エラー報知を直ちに終了せずに所定時間報知した後に終了してもよい。
なお、投入要求通信エラー、精算要求通信エラー、又は払出要求通信エラーのときに、遊技媒体数制御基板P16が投入要求受付不可コマンド、精算要求受付不可コマンド、又は払出要求受付不可コマンドをそれぞれ主制御基板P15に出力している例を上述したが、投入要求受付不可コマンド、精算要求受付不可コマンド、又は払出要求受付不可コマンドは全て同じコマンドでもよい。例えば、投入要求通信エラー、精算要求通信エラー、又は払出要求通信エラーの何れのときであっても、遊技媒体数制御基板P16が同一の受付不可コマンドを出力する態様である。
遊技媒体数制御受信異常は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に対して送信された、投入要求、精算要求、又は払出要求を受信したときに受信したコマンドが正しいコマンドでなかった場合は遊技媒体数制御受信異常とする。遊技媒体数制御受信異常は付与数表示部にエラー表示を行わない。遊技媒体数制御受信異常を解除するための操作は必要なく自動的に解除可能となっている。そして、遊技媒体数制御受信異常が発生した場合は遊技の進行を停止しない。
また、遊技媒体数制御受信異常発生時は、遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に遊技媒体数制御受信異常である情報を送信し、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16から送信された遊技媒体数制御受信異常である情報を受信し、主制御基板P15が遊技媒体数制御受信異常をエラー状態としてセットし、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、遊技媒体数制御受信異常が自動的に解除された後も遊技媒体数制御受信異常の報知を直ちに終了せずに所定時間報知した後に終了する。
なお、遊技媒体数制御報知コマンドは主制御基板P15が副制御基板P12に1割込み毎に送信するコマンドであり、ビット位置に応じて、計数中、総得点上限異常、遊技媒体数制御受信異常、主制御受信異常などの各種異常や遊技機の状態を副制御基板P12に報知するコマンドである。また、無操作コマンドで各種異常や遊技機の状態を副制御基板P12に報知してもよい。
主制御受信異常は、主制御基板P15で検知する異常であり、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16に対して、投入要求、精算要求、又は払出要求を送信したとき以外に主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16からコマンドを受信した場合は主制御受信異常とする。主制御受信異常は付与数表示部にエラー表示を行わない。主制御受信異常を解除するための操作は必要なく自動的に解除可能となっている。そして、主制御受信異常が発生した場合は遊技の進行を停止しない。
また、主制御受信異常発生時は主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、主制御受信異常が自動的に解除された後も主制御受信異常の報知を直ちに終了せずに所定時間報知した後に終了する。
総得点上限異常は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限注意値(16369以上16383以下の何れかの値)に到達した場合は総得点上限異常とする。総得点上限異常は付与数表示部にエラー表示を行わない。総得点上限異常を解除するためには、遊技機Pに備えられている計数スイッチP7が操作されて計数処理が行われ、総得点が上限注意値である16368以下となることにより解除可能となっている。そして、総得点上限異常となった場合は遊技不可状態とするための処理として、スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、及び精算スイッチP6が受付不可となる、又はスタートスイッチP3に基づく処理を無効、ベットスイッチP5に基づく処理を無効、及び精算スイッチP6に基づく処理を無効とする処理を行う。換言すると、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限注意値となった場合には、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限注意値を下回らなければ、次の遊技を実行できないよう構成されている。このように構成することによって、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限値を超えることがないようにすることができる。なお、仮に、総得点上限異常を検出することなく、総得点の上限値に到達した場合は上限値を超えた分の得点は記憶されないため、16383を超えて記憶することはない。
また、総得点上限異常の場合は付与数表示部にエラー表示を行わないが、遊技媒体数表示部P9にエラー表示を行う態様であってもよい。例えば、総得点上限異常の場合は遊技媒体数表示部P9に「HF□□□」と表示する態様が考えられる。遊技媒体数表示部P9にエラー表示を行う場合はエラーが解除されたときにエラー表示を遊技媒体数表示部P9に表示しないようにする。このとき副制御基板P12で実行している報知に関してはエラー解除と略同時のタイミングで終了してもよいし、エラー解除後も一定時間報知してもよい。なお、総得点閾値到達状態の場合は付与数表示部、及び遊技媒体数表示部P9にエラー表示を行わないことで、総得点閾値到達状態のときに遊技機Pが故障したと遊技者が誤解し難いようになる。
次に、遊技媒体数制御基板P16が総得点の上限値を超えて記憶しないようにするための方法について、図29で示す主制御基板P15における得点付与処理(払出処理とも称す)を用いて説明する。
なお、得点付与処理は、有効ライン上に停止した図柄組合せを判定し、判定の結果に基づいて付与する点数が決定された後に実行される処理である。たとえば、有効ライン上に8点を付与可能な所定の図柄組合せが停止表示したと判定した後、後述する付与点記憶領域に8が記憶された後に実行される処理である。
「得点付与?」では、主制御基板P15が付与する点数があるか否か(得点を付与可能な図柄組合せが停止表示したか否か)を判断し、付与する点数がないと判断した場合にはNOとなる。具体的には、主制御基板P15のRWM領域に設けられた付与点を記憶可能な記憶領域である付与点記憶領域の値が「0」であるか否かを判断する。付与点記憶領域の値が「0」であると判断した場合には、「得点付与?」でNOとなり、得点付与処理を終了する。一方、付与点記憶領域の値が「0」でないと判断した場合には、「得点付与?」でYESとなる。
「得点付与時間経過?」では、後述する得点付与タイマ領域に記憶されている値が「0」であるか否かを判断する。得点付与タイマ領域に記憶されている値が「0」である場合にはYESとなり、得点付与タイマ領域に記憶されている値が「0」でない場合にはNOとなるつまり、当該判定処理は、得点付与タイマ領域に記憶されている値が「0」となるまでループする(換言すると、後述する「付与要求コマンド セット」を遅延させる)処理となる。なお、得点付与タイマ領域には、後述する「得点付与時間保存」により、初期値の値(本実施形態では、「27」)を記憶する。
「得点付与時間保存」では、主制御基板P15のRWM領域に設けられた得点付与タイマ領域に「27」を記憶する。ここで、得点付与タイマ領域に記憶されている値は、主制御基板P15側でのタイマ割込みの実行に応じて更新され得るように構成されている(たとえば、1回のタイマ割込処理が実行されたときに、1減算するように構成されている)。なお、主制御基板P15側でのタイマ割込みは、約2.235msの周期で実行され得るように構成されている。そのため、得点付与タイマ領域に「27」を記憶するとは、約60msに対応する時間を保存することと同義である。また、得点付与タイマ領域に「0」が記憶されているときに、タイマ割込み処理が実行されたとしても、得点付与タイマ領域の値は「0」を維持する。
このように、「得点付与時間経過?」→「得点付与時間保存」の処理順番にすることにより、複数点を付与する場合において、後述する「付与要求コマンド セット」処理が、所定間隔で実行されることとなる。例えば、得点付与数が「8」の場合には、1点目に対応する(最初の)「付与要求コマンド セット」は、得点付与タイマ領域に「27」を記憶する前であるため、得点付与タイマ領域には「0」が記憶されている状況で行われる。よって、得点付与タイマに基づく待機処理は実行しない。このため、主制御基板P15は遊技媒体数制御基板P16に最初の1点を総得点に加算させるための処理を迅速に実行させることができる。
一方、2点目から8点目に対応する「付与要求コマンド セット」は、「得点付与時間保存」により得点付与タイマ領域に「27」が記憶され、「得点付与時間経過?」で「0」となった後に実行可能となっている。換言すると、2点目から8点目に対応する「付与要求コマンド セット」は、約60msに1回の割合で実行可能となる。つまり、「付与要求コマンド セット」に基づいた遊技媒体数制御基板P16における総得点の更新は、約60msごとに実行可能となり、総得点を表示可能な遊技媒体数表示部P9の表示更新も、約60msごとに更新可能となる。このように構成することによって、遊技媒体数表示部P9に表示されている総得点が「1」ずつ更新されていく様子を遊技者に視認可能にしている。
なお、上述した実施形態とは異なり、「得点付与時間保存」→「得点付与時間経過?」の順序にしても良い。この場合、複数点を付与する場合における1点目についても、主制御基板P15は得点付与時間(得点付与タイマ)に対応した時間の待機処理を実行した後に遊技媒体数制御基板P16が総得点に1点を加算させることになる。また、本実施形態では、「得点付与時間保存」として、得点付与タイマ領域に「27」を記憶していたが、遊技媒体数表示部P9に表示されている総得点が「1」ずつ更新されていく様子を遊技者に視認可能となる任意の数値(たとえば、「10」~「200」の範囲内の数値)を記憶しても良い。
「付与要求コマンド セット」では、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に対して、1点を付与することを示す付与要求コマンドを送信するためのコマンドを主制御基板P15のコマンドバッファに記憶する。主制御基板P15のコマンドバッファに記憶したコマンドは、主制御基板P15側でのタイマ割込み処理によって、遊技媒体数制御基板P16に送信されるように構成されている。そのため、「付与要求コマンド セット」とは、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に対して、1点を付与することを示す付与要求コマンドを送信することと同義である。
例えば、8点を付与可能な図柄組合せが停止表示した場合には、遊技媒体数制御基板P16に対して、1点を付与することを示す付与要求コマンドを8回送信することにより、総得点の更新を行うように構成している。このように1点ずつ総得点を更新するように構成することにより、払出処理中の異常により払出処理が止まったとしても当該異常を解除した後に再び払出処理を実行することができる。
「コマンド受信」では、主制御基板P15から遊技媒体1点を付与することを示す付与要求コマンドを送信した後の、遊技媒体数制御基板P16からの応答コマンドを受信することを指す。
なお、本実施形態では、遊技媒体数制御基板P16からの応答コマンドとして、少なくとも以下の2つを有することとする。
ア)付与許可コマンド
1点を加算することを示すコマンドを指す。
具体的には、遊技媒体数制御基板P16が1点を付与することを示す付与要求コマンドを受信した後、総得点に1点を加算する場合に、加算前の総得点が上限値を超えていないと遊技媒体数制御基板P16が判断した場合には、主制御基板P15に対して総得点に1点を加算することを示す付与許可コマンドを送信する。
イ)付与拒否コマンド
1点を加算しないことを示すコマンドを指す。
具体的には、遊技媒体数制御基板P16が1点を付与することを示す付与要求コマンドを受信した後、総得点に1点を加算する場合に、加算前の総得点が上限値であると遊技媒体数制御基板P16が判断した場合には、主制御基板P15に対して総得点に1点を加算できないことを示す付与拒否コマンドを送信する。
「付与不可?」では、遊技媒体数制御基板P16から受信したコマンドが、付与拒否コマンドであったか否かを判定し、付与拒否コマンドであった場合に、YESとなる。なお、遊技媒体数制御基板P16から受信したコマンドが、付与許可コマンドであったか否かを判定し、付与許可コマンドでなかった場合に、NOとしても良い。
このように構成することにより、得点付与処理の途中で異常が発生した状況下で1点を付与することを示す付与要求コマンドを遊技媒体数制御基板P16が受信したとしても、遊技媒体数制御基板P16は総得点を更新しないようにすることができる。また、主制御基板P15は、「付与不可?」において「付与不可(YES)」と判定した場合には、遊技媒体数制御基板P16による計数処理が実行されるまで(総得点数の一部又は全てが計数されるまで)、「得点付与時間経過?」、「得点付与時間 保存」、「付与要求コマンド セット」、「コマンド受信」、「付与不可?」をループすることとなり、次の遊技を開始するためのベット処理等を行えなくしている。なお、このようなループ状況が発生した場合であっても、リセットスイッチが操作され、異常が解除された場合には、ループ状況であっても「付与不可?」の判定において「NO」となり「得点付与データ -1」の処理に進行することが可能となる。
なお、上述したループ状況はこれに限られず、例えば、主制御基板P15が「付与不可(YES)」と判定した場合は、「付与要求コマンド セット」、「コマンド受信」、「付与不可?」をループしてもよい。
「得点付与データ -1」では、付与点記憶領域の値を1減算する。例えば、付与点記憶領域の値として「8」が記憶されていた場合には、当該処理によって、付与点記憶領域の値が「7」となる。また、付与点記憶領域の値が「1」が記憶されていた場合には、当該処理によって、付与点記憶領域の値が「0」となる。
「得点付与終了?」では、付与点記憶領域の値が「0」か否かを判断する。付与点記憶領域の値が「0」でない場合には、「得点付与時間経過?」に戻って、上述と同様な処理を繰り返す。そして、付与点記憶領域の値が「0」である場合には終了する。
このような得点付与処理を実行することにより、遊技媒体数制御基板P16が総得点の上限値を超えて記憶しないように制御することができる。
また、1点ずつ得点を付与する処理が高速で行われると、遊技者が1点ずつ付与されたことを認識できなくなってしまう。このため、1点付与した後に得点付与タイマを60.35ms分(割込み処理27回分)セットし、1点付与する毎にタイマを更新(カウント値を「1」減算)し、60.35ms経過した後に再度1点付与するようにしている。このように構成することで、遊技者が1点ずつ払い出されたことを認識することができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、上述した実施形態では、主制御基板P15から遊技媒体数制御基板P16に対して、1ずつ得点を付与しているが、これに限られず、まとめて付与してもよい。
例えば、主制御基板P15が8点を得点として付与する場合、遊技媒体数制御基板P16に付与要求コマンドとして8点が総得点に加算可能か否かを要求する。遊技媒体数制御基板P16は総得点に8点を加算すると上限値を超えるか否かを判定し(「総得点+付与点>16383」がYESとなるか否かを判定する)、上限値を超える場合(YESと判定した場合)は、総得点に8点が加算不可能である旨のコマンド(付与拒否コマンドに相当)を主制御基板P15に送信し、主制御基板P15は総得点に8点が加算不可能である旨のコマンドを受信したときは、再度遊技媒体数制御基板P16に付与要求コマンドとして8点が総得点に加算可能か否かを要求し、計数処理がなされていない場合は総得点に変化がないため、再度総得点に8点が加算不可能である旨のコマンドを送信することになるため、主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16との得点付与処理をループすることになる。つまり、8点を加算するまでループするように構成している。このように構成することにより、付与する得点を破棄することなくなるため、遊技者に不利益を与えることを防止することができる。
なお、得点付与処理において通常の想定では総得点が上限値を超えないため、総得点が上限値を超えるか否かを判定しない態様であってもよい。
また、例えば、主制御基板P15が8点を得点として付与する場合、遊技媒体数制御基板P16に付与要求コマンドとして8点が総得点に加算可能か否かを要求する。遊技媒体数制御基板P16は総得点に8点を加算すると上限値を超えるか否かを判定し(「総得点+付与点>16383」がYESとなるか否かを判定する)、上限値を超えない場合(NOと判定した場合)は、総得点に8点が加算可能である旨のコマンド(付与許可コマンドに相当)を主制御基板P15に送信し、遊技媒体数制御基板P16は総得点に8点を加算し得点付与処理を終了する。
なお、得点付与処理において通常の想定では総得点が上限値を超えないため、総得点が上限値を超えるか否かを判定しない態様であってもよい。
また、総得点上限異常となっているときは遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に総得点上限異常である情報を送信し、主制御基板P15が遊技媒体数制御基板P16から送信された総得点上限異常である情報を受信し、主制御基板P15が総得点上限異常をエラー状態としてセットし、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、計数スイッチP7の操作により総得点上限異常が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの総得点上限異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに総得点上限異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定期間報知した後に報知を停止してもよい。
また、得点付与処理後に総得点上限異常となった場合は、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを消灯する(点灯しない)。MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを消灯するタイミングは総得点上限異常を遊技媒体数制御基板P16が検知して、主制御基板P16、副制御基板P12がそれぞれ総得点上限異常に基づく処理を実行するタイミングである。また、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯するタイミングは計数スイッチP7が操作されて総得点が16368以下の値となったタイミングである。
得点付与処理で16371となって総得点上限異常となったときに計数スイッチP7が操作された場合を例に挙げて説明する。総得点が「16371」のときに計数スイッチが長押しされると「50」が計数されることになる。遊技媒体数制御基板P16は計数処理で総得点から計数点を減算するときに減算した結果を記憶するため、「16371-50」をレジスタ上で演算して、「16321」を総得点として記憶したときに遊技媒体数制御基板P16が総得点上限異常が解除されたことを検知して主制御基板P15に総得点上限異常が解除された情報を送信し、主制御基板P15が総得点上限異常が解除された情報を受信するとベットスイッチを受付可能とし、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。なお、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを副制御基板P12で制御する場合は、主制御基板P15が総得点上限異常が解除された情報を受信した後に副制御基板P12に総得点上限異常が解除された情報を送信し、副制御基板P12が総得点上限異常が解除された情報を受信したときにMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。また、計数スイッチP7が短押しされて、計数点として「1」ずつ計数される場合は、総得点が「16368」となったタイミングでMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。
また、精算処理後に総得点上限異常となった場合は、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを消灯する(点灯しない)。MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを消灯するタイミングは総得点上限異常を遊技媒体数制御基板P16が検知して、主制御基板P16、副制御基板P12がそれぞれ総得点上限異常に基づく処理を実行するタイミングである。また、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯するタイミングは計数スイッチP7が操作されて総得点が16368以下の値となったタイミングである。
精算処理で16371となって総得点上限異常となったときに計数スイッチP7が操作された場合を例に挙げて説明する。総得点が「16371」のときに計数スイッチが長押しされると「50」が計数されることになる。遊技媒体数制御基板P16は計数処理で総得点から計数点を減算するときに減算した結果を記憶するため、「16371-50」をレジスタ上で演算して、「16321」を総得点として記憶したときに遊技媒体数制御基板P16が総得点上限異常が解除されたことを検知して主制御基板P15に総得点上限異常が解除された情報を送信し、主制御基板P15が総得点上限異常が解除された情報を受信するとベットスイッチを受付可能とし、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。なお、MAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを副制御基板P12で制御する場合は、主制御基板P15が総得点上限異常が解除された情報を受信した後に副制御基板P12に総得点上限異常が解除された情報を送信し、副制御基板P12が総得点上限異常が解除された情報を受信したときにMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。また、計数スイッチP7が短押しされて、計数点として「1」ずつ計数される場合は、総得点が「16368」となったタイミングでMAXベットスイッチP5Mの操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技媒体投入可能ランプを点灯する。
なお、スタートスイッチP3の操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技実行可能ランプが点灯している状況で総得点上限異常となったときは、スタートスイッチP3の操作部、又はその周辺のランプ、及び遊技実行可能ランプを消灯し、総得点上限異常解除時に点灯する構成としてもよい。
総得点閾値到達状態は、遊技媒体数制御基板P16で検知する状態であり、遊技媒体数制御基板P16が管理する総得点が上限値(16383)より前の閾値に到達した場合は総得点閾値到達状態とする。閾値としては例えば15000が挙げられ、総得点の上限値(16383)-1回分の計数値(50)よりも少ない値(16333未満)であれば任意の値を設定できる。総得点閾値到達状態は付与数表示部に状態表示を行わない。総得点閾値到達状態を解除するためには、遊技機Pに備えられている計数スイッチP7が操作されて計数処理が行われ、総得点が閾値である15000を下回ることにより解除可能となっている。換言すると、総得点閾値到達状態は総得点が15000以上16368以下のときにセットされる異常状態である。
総得点が閾値である15000以上となった場合、遊技媒体数制御基板P16はオーバーフロー信号をONにする(オーバーフロー信号が立ち上がる)。オーバーフロー信号は総得点が15000を下回るまでONが維持され、総得点が15000を下回ると遊技媒体数制御基板P16はオーバーフロー信号をOFFにする(オーバーフロー信号が立ち下がる)。遊技媒体数制御基板P16は、オーバーフロー信号を主制御基板P15に送信しており、主制御基板P15はオーバーフロー信号がONとなっていると判断した場合、試験用IF基板にオーバーフロー試験信号を出力するための処理を行う。
オーバーフロー試験信号がONとなって試験用IF基板に出力されている場合は、試験用IF基板と接続されている計数スイッチP7が操作されている状態となるため、オーバーフロー試験信号がONで出力されているときは同時に計数スイッチ信号がONで出力されている状態(計数スイッチP7が操作されている状態)となり、計数処理が実行される。
オーバーフロー試験信号を出力するための処理として、主制御基板P15は試験用IF基板に出力するオーバーフロー試験信号をONとし、オーバーフロー試験信号タイマ値(カウント値)を所定の記憶領域に記憶する。オーバーフロー試験信号タイマ値は、オーバーフロー試験信号をONにする時間を管理するためのものでありオーバーフロー試験信号はオーバーフロー試験信号タイマ値が0であると判断するまでONを維持する。また、主制御基板P15はオーバーフロー試験信号をONにするときにオーバーフロー試験信号タイマ値を記憶する。そして、遊技媒体数制御基板P16が計数処理を実行したことによりオーバーフロー信号がOFFとなり、主制御基板P15はオーバーフロー信号がOFFとなったと判断したとき(オーバーフロー信号の立ち下がりを検出したとき)は、主制御基板P15は記憶しているオーバーフロー試験信号タイマ値の減算を開始する。つまり、オーバーフロー試験信号はオーバーフロー信号がOFFとなった後もオーバーフロー試験信号タイマ値が0となるまで、オーバーフロー試験信号のONを維持し、オーバーフロー試験信号タイマ値が0となったときにオーバーフロー試験信号がOFFとなる。なお、オーバーフロー試験信号タイマ値はオーバーフロー信号がONとなったときに主制御基板P15が記憶するため、オーバーフロー信号がONとなっているときでもオーバーフロー試験信号タイマ値が0ではないと判断していることでオーバーフロー試験信号をONにしている。換言するとオーバーフロー信号がONとなっている状態でオーバーフロー試験信号がOFFとなることはない。
また、主制御基板P15は、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0であるか否かを判断し、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0でないと判断したときはオーバーフロー試験信号をONとし、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0であると判断したときはオーバーフロー試験信号をOFFとする。主制御基板P15は、オーバーフロー試験信号がONとなったとき(オーバーフロー信号がONとなったと判断したときでもよい)にオーバーフロー試験信号タイマ値をセットし、オーバーフロー信号が出力されている間はタイマ値を減算しないため、遊技機試験中にオーバーフロー信号が出力されている間は計数スイッチ信号がOFFになることはない。
上述した例では、主制御基板P15が、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0であるか否かを判断し、減算前のオーバーフロー試験信号タイマ値が0でないと判断したときはオーバーフロー試験信号をONとしている実施形態を説明したが、これに限られず、減算後のオーバーフロー試験信号タイマ値が0であるか否かを判断し、減算後のオーバーフロー試験信号タイマ値が0でないと判断したときはオーバーフロー試験信号をONとしてもよい。
主制御基板P15は、オーバーフロー試験信号をONにしたときに記憶するオーバーフロー試験信号タイマ値として、例えば1209(2702.115ms)が挙げられる。これは、主制御基板P15の割込み処理間隔が2.235msであるため、割込み処理を1209回実行すると2702.115ms経過するためである。また、2702.115msは遊技媒体数制御基板P16が貸出ユニットに向けて送信する遊技機情報通知の送信間隔が300msであるため遊技機情報通知を9回送信するための時間である。つまり、遊技媒体数制御基板P16がオーバーフロー信号をONにして主制御基板P15がオーバーフロー試験信号をONとしたときに計数スイッチ信号がONとなり計数点として50が計数され、その後遊技媒体数制御基板P16による計数処理が実行されたことにより総得点が閾値である15000を下回り遊技媒体数制御基板P16がオーバーフロー信号をOFFにした後も主制御基板P15の割込み処理1209回に亘ってオーバーフロー試験信号がONを維持するため、計数スイッチP7が2702.115ms間ONを維持されている状態とすることできるので、遊技機情報通知を9回分の計数点として450点が計数されることになる。よって、試験用IF基板と主制御基板P15が接続されている場合(遊技機試験が実施されている場合)、遊技媒体数制御基板P16が一度オーバーフロー信号をONにしたときに、計数スイッチ信号もONとなることで、オーバーフロー信号がONとなったとき実行される計数処理1回分(計数点50点)に加えて、オーバーフロー信号がOFFとなった後も計数処理を9回実行できるため、計数点として500点が計数されることになる。これにより、遊技機試験中に総得点が15000点以上となった後に計数点500点を総得点から減算できるため、オーバーフロー信号がOFFとなった後にすぐにオーバーフロー信号がONとなることを防止することができ、試験中の遊技機がAT等の有利な状態であっても総得点が15000点以上となったことによる計数処理を実施する頻度が少なくなるので、遊技機Pの誤作動や遊技機試験中のエラー音の出力頻度を少なくすることができる。
なお、オーバーフロー試験信号タイマ値は上述した値に限られず、遊技機情報通知を1回送信するための時間以上(300ms以上)であればよい。つまり、毎割込みオーバーフロー試験信号タイマ値を更新(減算)する場合は、オーバーフロー試験信号タイマ値として135以上の任意の値を記憶すればよい。
また、上述した例では主制御基板P15は毎割込みオーバーフロー試験信号タイマ値を更新する実施形態を説明したが、これに限られず、2割込みに1回や3割込みに1回の頻度でオーバーフロー試験信号タイマ値を更新してもよい。この実施形態の場合では、オーバーフロー試験信号タイマ値を少なくすることができる。例えば、主制御基板P15が5割込みに1回オーバーフロー試験信号タイマ値を更新する場合、オーバーフロー試験信号タイマ値として242を記憶する例が挙げられる。この場合はオーバーフロー試験信号タイマ値を1バイト以内に抑えつつ、オーバーフロー試験信号をONにする時間を2704.35msとすることができる。
また、遊技機Pは計数処理中であっても遊技の進行(ベット処理、スタートスイッチP3の操作に基づく内部抽せん処理、ストップスイッチP4の操作による停止制御処理等)が可能であるため、遊技機試験中に総得点閾値到達状態となって計数処理を実行しても遊技機試験を中断することがない。このため、遊技機試験をスムーズに実行させることができる。
また、総得点閾値到達状態発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に総得点閾値到達状態である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによって状態報知を行う。そして、計数操作により総得点閾値到達状態が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの総得点閾値到達状態に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12の状態報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに総得点閾値到達状態に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
上述した実施形態においては、主制御基板P15が副制御基板P12に送信する遊技媒体数制御報知コマンドの総得点上限異常と総得点閾値到達状態とのビット位置は異なっているが、同一のビット位置で管理してもよい。この場合は、総得点上限異常であっても総得点閾値到達状態であっても副制御基板P12は受信した遊技媒体数制御報知コマンドに基づいて演出を変えることはできない(同一態様の演出が実行される)。ただし、総得点上限異常であっても総得点閾値到達状態であっても計数スイッチP7の操作を促す演出を行うことに関しては、副制御基板P12で総得点上限異常と総得点閾値到達状態を区別しなくても実行可能となっている。また、主制御基板P15が送信する情報数が減るためプログラム容量の削減が可能となる。
上述した総得点上限異常と総得点閾値到達状態における副制御基板P12による報知態様は同一態様(具体的には、遊技媒体数制御報知コマンドにおける総得点上限異常と総得点閾値到達状態のビット位置が同じ場合や、異なるビット位置であっても副制御基板P12の判断によって同一態様の報知を行う等)でもよいし、異なる態様(具体的には、遊技媒体数制御報知コマンドにおける総得点上限異常と総得点閾値到達状態のビット位置が異なるビット位置であって副制御基板P12の判断によって異なる態様の報知を行うことや、総得点上限異常の場合は遊技媒体数制御報知コマンド1を送信し、総得点閾値到達状態の場合は遊技媒体数制御報知コマンド2を送信する等)でもよい。
報知態様が同一態様の場合は、例えば「計数スイッチを操作してください」と画像表示装置に表示することが考えられ、報知態様が異なる態様の場合は、例えば総得点上限異常のときは「上限値に到達しました。計数スイッチを操作してください」と画像表示装置に表示し、総得点閾値到達状態のときは「あと○○点で上限値に到達します。計数スイッチを操作してください」と画像表示装置に表示することが考えられる。総得点閾値到達状態で総得点上限までの点数を表示するときは、主制御基板P15、又は遊技媒体数制御基板P16により総得点上限値-現在の総得点を演算して副制御基板P12に送信するか、副制御基板P12が受信した現在の総得点情報を用いて総得点上限値-現在の総得点を演算することが考えられる。
なお、このような計数スイッチの操作を促すような画像表示装置の表示態様を計数スイッチ促進表示と称する場合がある。計数スイッチ促進表示は、総得点上限異常であるときの表示、総得点閾値到達状態であるときの表示、総得点上限異常及び総得点閾値到達状態であるときの表示を含む概念である。また、計数スイッチ促進表示は総得点上限異常、又は総得点閾値到達状態が解除されると計数スイッチ促進表示の表示を終了する。
また、総得点上限異常と総得点閾値到達状態における副制御基板P12による報知態様が同一態様の場合は、総得点が閾値到達(15000)から上限値到達(16383)まで同じ報知態様となっており、総得点が閾値到達から上限値到達に亘ってあらかじめ報知することになるため、上限値到達で急に報知態様が変わったり、報知がなされたりすることはない。これにより、遊技者に前もって報知して上限値到達後も報知態様が変わらないので、入賞の結果上限値を超える得点の付与があったとしても、超えた分がなくなったと思わせないようにすることができる(緊急性がないように見せることができる)。
なお、総得点閾値到達状態では遊技の進行が可能となっているが、総得点上限異常では遊技の進行が不可能となっている(スタートスイッチP3、ベットスイッチP5、精算スイッチP6が受付不可となっている状態)。
また、総得点が閾値到達(15000)から上限値到達(16383)までの間は、貸出ユニットに送信する貸出受領結果応答として、異常で送信する。
貸出装置接続異常(VL異常)は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとのVL信号がOFFとなった場合は貸出装置接続異常とする。貸出装置接続異常は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置接続異常を解除するためには、貸出ユニットとの通信が正常となりVL信号がONとなったことにより解除可能となっている。そして、貸出装置接続異常となった場合は遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。ただし、貸出ユニットとの通信ができない状態であるため、遊技機Pとして計数ができないようにする(計数スイッチの操作受付に基づく計数処理を無効(計数通知の計数メダル数を0にする)とする、または計数スイッチの操作受付自体を無効とする)。なお、計数を有効としてもよいが、貸出ユニットに送信できないため同じ計数処理を繰り返すことが望ましい。
また、貸出装置接続異常発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置接続異常である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、VL信号がONとなったことにより貸出装置接続異常が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの貸出装置通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに貸出装置通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出通番異常は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出ユニットから受信した貸出通番が前回受信した貸出通番に+1した値でない場合は貸出通番異常とする。貸出通番異常は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出通番異常を解除するためには、貸出ユニットから正常な貸出通知を受信したことにより解除可能となっている。そして、貸出通番異常となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出通番異常が所定回数(1回を含む)以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、ベット無効、スタートスイッチP3の操作を無効、ストップスイッチP4の操作を無効、精算無効、の一部または全部を行う。
また、貸出通番異常発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出通番異常である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出ユニットから正常な貸出通知が送信されたことにより貸出通番異常が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの貸出装置通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに貸出装置通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常1は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、遊技機情報通知送信時において、前回の遊技機情報通知送信から貸出通知を受信した回数が1回ではない場合(貸出通知受信カウンタの値が「1」ではない場合)は貸出装置通信異常1とする。貸出装置通信異常1は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常1を解除するためには、遊技機情報通知送信時において、前回の遊技機情報通知送信から貸出通知を受信した回数が1回になったことにより自動的に解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常1となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常1が所定回数(1回を含む)以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。
また、貸出装置通信異常1発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常1である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出装置通信異常1が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの貸出装置通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに貸出装置通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常2は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信時において、遊技機情報通知送信から貸出通知を受信した回数が1回ではない場合は貸出装置通信異常2とする。貸出装置通信異常2は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常2を解除するためには、貸出通知受信時において、遊技機情報通知送信から貸出通知を受信した回数が1回になったことにより自動的に解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常2となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常2が所定回数(1回を含む)以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。
また、貸出装置通信異常2発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常2である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出装置通信異常2が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの貸出装置通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに貸出装置通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常3は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信時において、遊技機情報通知送信から100ms未満、又は270msを超えた場合(遊技機情報通知タイマA<100ms、又は遊技機情報通知タイマA>270msの場合)は貸出装置通信異常3とする。貸出装置通信異常3は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常3を解除するためには、貸出通知受信時において、遊技機情報通知送信から100ms以上、又は270ms以下となったことにより自動的に解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常3となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常3が所定回数(1回を含む)以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。
また、貸出装置通信異常3発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常3である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出装置通信異常3が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの貸出装置通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに貸出装置通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常4は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信時において、貸出メダル数が50を超える場合は貸出装置通信異常4とする。貸出装置通信異常4は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常4を解除するためには、貸出通知受信時において、貸出メダル数が50以下となることにより自動的に解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常4となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常4が所定回数(1回を含む)以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。
また、貸出装置通信異常4発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常4である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出装置通信異常4が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの貸出装置通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに貸出装置通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常5は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信時において、貸出メダル数が0ではなく、且つホールコン・不正監視情報送信後以外に貸出通知を受信した場合は貸出装置通信異常5とする。貸出装置通信異常5は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常5を解除するためには、貸出通知受信時において、貸出メダル数が0ではなく、且つホールコン・不正監視情報送信後に貸出通知を受信したことにより自動的に解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常5となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常5が所定回数(1回を含む)以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。
また、貸出装置通信異常5発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常5である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出装置通信異常5が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの貸出装置通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに貸出装置通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
貸出装置通信異常6は、遊技媒体数制御基板P16で検知する異常であり、貸出通知受信時において、貸出メダル数が0ではなく、且つ計数メダル数が0ではない場合は貸出装置通信異常6とする。貸出装置通信異常6は付与数表示部にエラー表示を行わない。貸出装置通信異常6を解除するためには、貸出通知受信時において、貸出メダル数が0ではなく、且つ計数メダル数が0であること、又は貸出通知受信時において、貸出メダル数が0であり、且つ計数メダル数が0ではないこと、又は貸出通知受信時において、貸出メダル数が0であり、且つ計数メダル数が0であることにより解除可能となっている。そして、貸出装置通信異常6となった場合は遊技の進行を停止しないが、貸出装置通信異常6が所定回数(1回を含む)以上検知した場合は遊技の進行を停止するようにしてもよい。遊技の進行を停止する場合は、遊技の進行を停止するための処理として、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、及び精算スイッチの操作による精算処理を無効にする。なお、遊技の進行が停止すればよくストップスイッチの操作によるリール停止処理は無効にしなくてもよい。これは、遊技の開始を無効にすればリールが回転しないため、実質的にストップスイッチの操作も無効になるためである。
また、貸出装置通信異常6発生時は遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15に貸出装置通信異常6である情報を送信し、主制御基板P15が副制御基板P12に遊技媒体数制御報知コマンドを送信することで画像表示装置やランプによってエラー報知を行う。そして、貸出装置通信異常6が解除された場合は、主制御基板P15が遊技媒体数制御報知コマンドの貸出装置通信異常に対応するビットを正常となる値(例えば、「0」)に変更して副制御基板P12に送信することで、副制御基板P12は報知を終了させる。なお、副制御基板P12が遊技媒体数制御報知コマンドを受信したときに貸出装置通信異常に対応するビットが正常となる値に変更されていた場合、直ちに報知を停止せずに所定時間報知した後に報知を停止してもよい。
本実施形態においては、上述した貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6に関しては、副制御基板P12に異常が発生した旨の情報は送信するが、異常の種類を特定できる情報は送信しないように構成している。また、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6に関しては、状態表示ランプの点灯態様は1種類となっており、状態表示ランプの点灯態様により貸出装置通信異常の種類までは判別できないように構成している。
このように構成することで、不正によって発生した貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6がどのような条件で発生するのかを確認し難くすることが可能となる。
また、貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6に関して、副制御基板P12に異常の種類を特定できる情報を送信する態様であってもよい。このような構成によれば、副制御基板P12でエラー履歴を管理することが可能となる。
また、遊技機Pが検知する異常に関しては、上述した異常以外にも、電波異常(たとえば、遊技機Pが受信している電波について異常と判断したときの異常)、乱数異常(たとえば、遊技機Pが内部抽せんやAT抽せんで使用する乱数について異常と判断したときの異常)、または設定値異常(たとえば、内部抽せんやAT抽せんで使用する設定値について異常と判断したときの異常)等他の異常を備えても問題ない。
また、主制御基板P15で検知可能なエラーの中で、リセットスイッチの操作によっても復帰できない(設定変更等の初期化処理で復帰可能)復帰不可能エラーがある。復帰不可能エラーは、「電源断復帰が正常に行えない場合」、「全回胴停止時の図柄組合せ表示が異常の場合」、「設定値が範囲外の場合」、「乱数更新用のRCK端子に入力されたクロックの周波数異常を検知した場合」、「内蔵乱数の更新状態異常を検知した場合」にそれぞれ発生する。
また、遊技媒体数制御基板P16で異常の発生を検知した場合、主制御基板P15を介して副制御基板P12にコマンドを送信する例を説明したが、これに限られず、遊技媒体数制御基板P16と副制御基板P12を直接通信ケーブル(ハーネス等)で接続し、主制御基板P15を介さずに遊技媒体数制御基板P16から副制御基板P12にコマンドを送信してもよい。
また、エラーであることの報知を付与数表示部にて行っている態様を記載したが、エラーであることの報知を遊技媒体数表示部P9にて行っても良い。
また、副制御基板P12は、主制御基板P15や遊技媒体数制御基板P16でエラーが発生したことによって、主制御基板P15から送信されたエラーコマンドを受信した場合は、受信した時刻とエラー内容と遊技状態とを関連して所定の記憶領域に記憶するように構成されていてもよい。
時刻を記憶する場合には、副制御基板P12にRTC(リアルタイムクロック)が搭載されているため、RTCからの情報に基づいて時刻を所定の記憶領域に記憶する。所定の記憶領域はバックアップ電源によりバックアップされ、電源断時や電源投入時に初期化されないように構成されている。また、設定変更によっても初期化されないよう構成されている。
遊技状態を記憶する場合には、主制御基板P15からメイン遊技状態(CZやAT等)に関するコマンドに基づく内容や、スタート開始コマンドや遊技終了コマンドに基づいて遊技中であるという内容を所定の記憶領域に記憶する。所定の記憶領域はバックアップ電源によりバックアップされ、電源断時や電源投入時に初期化されないように構成されている。また、設定変更によっても初期化されないよう構成されている。
このように記憶した「受信した時刻」、「エラー内容」、「遊技状態」は、遊技場管理者の操作により、閲覧可能なように構成されている。例えば、設定変更中や設定確認中にリセットボタン(リセットスイッチ)を1回押下することで、管理者メニュー画面が表示され、管理者メニュー画面内の複数の項目のうち「エラー履歴」の項目を選択することで閲覧する態様が考えられる。なお、エラー履歴の項目は複数のエラー内容を累積して表示することが可能となっている。また、エラー履歴が多数ある場合は、管理者が所望のエラー履歴を確認しやすいように、日付の範囲やエラーの種類等を管理者が選択することで、閲覧範囲を絞って確認することが可能なように構成されている。さらにまた、エラー履歴が多数ある場合は、現時点を基準として最新のエラー履歴を1つ、又は、現時点を基準として最新のエラー履歴の中から複数のエラー履歴を表示するように構成されていても良い。
なお、管理者メニュー画面を表示できる方法としては、設定変更中や設定確認中にリセットボタンを1回押下することに限らず、例えば、遊技待機中に遊技機Pの内部の所定のスイッチを操作すること等が考えられる。換言すると、遊技者は管理者メニュー画面の表示ができないように(困難なように)構成され、管理者は管理者メニュー画面の表示ができるように構成されていれば良い。
このように構成することで、例えば、「○年○月○日○時○分○秒において、投入要求通信エラーが遊技待機中に発生」といった情報を副制御基板P12で記憶させることが可能となり、管理者がエラー履歴項目を選択することにより、所望のエラー履歴を確認することが可能となる。なお、表示態様として「ミリ秒」まで表示してもよい。
また、副制御基板P12は、上述したエラー内容を記憶する際に遊技媒体数制御基板P16が記憶している総得点に関する情報を関連付けて記憶するようにしてもよい。例えば、エラー内容として貸出通知に関するエラーである、貸出装置接続異常、貸出通番異常、貸出装置通信異常1、貸出装置通信異常2、貸出装置通信異常3、貸出装置通信異常4、貸出装置通信異常5、貸出装置通信異常6が発生したときに、総得点に関するコマンドを主制御基板P15に送信し、さらに主制御基板P15から副制御基板P12に送信することで、貸出通知に関するエラーと総得点情報を関連付けて記憶することが考えられる。
このように構成することで、貸出通知の際の総得点の増減が記憶されることになるので、不正による貸出通知が発生したときであっても、副制御基板P12に履歴を記憶することが可能となる。なお、総得点を関連付けて記憶するエラーとしては、上記エラーのみに限らず、全てのエラーで総得点に関する情報を関連付けてもよい。
また、副制御基板P12は、エラー発生時のみならず、計数処理が行われたときも履歴情報を記憶するように構成されていてもよく、この場合も計数情報と総得点情報とを関連付けて記憶することが考えられる。例えば、計数スイッチP7が押下されて計数処理が実行されると、計数点と総得点を関連付けて記憶する。また、計数スイッチP7が長押しされ、300ms毎に連続して計数する際も300ms毎の計数情報を全て記憶する。
このように構成することで、計数処理の全ての履歴を記憶できるため、異常な数値が計数された場合に、不正か否かを判断する材料を示すことが可能となる。
また、副制御基板P12は、エラー発生時のみならず、貸出通知を受信したときも履歴情報を記憶するように構成されていてもよく、この場合も貸出情報と総得点情報とを関連付けて記憶することが考えられる。例えば、貸出通知を受信すると、貸出点と総得点を関連付けて記憶しても良い。換言すると、仮に、300ms毎に連続して貸出通知を受信した際も300ms毎の貸出通知情報を全て記憶しても良い。
また、副制御基板P12は、エラー発生時のみならず、定期的に履歴情報を記憶するように構成されていてもよく、この場合も貸出情報と総得点情報とを関連付けて記憶することが考えられる。例えば、遊技媒体数制御基板P16が定期的(例えば、60秒毎、180秒毎等)に総得点情報を主制御基板P15に送信し、主制御基板P15は受信した総得点情報を、副制御基板P12に送信し、副制御基板P12は受信した総得点情報と時刻情報を関連させて記憶する。
このように構成することで、特にエラー発生時等の履歴情報を記憶する契機となるイベントがない場合でも、副制御基板P12が、定期的に総得点情報や時刻情報等を関連付けて記憶できるので、計数スイッチP7や貸出スイッチを用いない不正に対して履歴情報を記憶することが可能となり、この履歴情報によって不正の有無を判断することができる。
また、副制御基板P12は、エラーコマンドを受信しない場合であっても独自でエラー判断を行ってもよい。例えば、貸出通知に関するコマンドや計数通知に関するコマンドを300ms以内に2回受信した場合にエラーと判断する場合が考えらえる。これは、遊技媒体数制御基板P16と貸出ユニットとの通信において、貸出通知や計数通知を300ms毎に1回受信、又は1回送信するように構成されているためであり、300ms以内に2回受信、又は2回送信した場合は正常ではない通信であるといえるためである。
この場合は、副制御基板P12は主制御基板P15から貸出通知に関するコマンドや計数通知に関するコマンドを受信したときに副制御基板P12が300msに相当するタイマをセットし、次に貸出通知に関するコマンドや計数通知に関するコマンドを受信したタイミングが300ms以内であると判断した場合はエラーを示唆する報知(例えば、「総得点を確認してください」等を液晶に表示や、ランプを異常に対応する点灯パターンで点灯させることや、「異常を検知しました」と音声出力させること等)を行う。この異常判定方法としては、コマンド受信ごとに300msに相当するタイマをセット(副制御基板P12の割込み処理の間隔が1msの場合300msに相当するタイマとしては、カウント値「299」をセット)し、定期的(例えば、1割込み毎)にタイマを減算していきコマンド受信時にタイマが0であるか否かを判断して、0であると判断したときは正常と判断し、0でないと判断したときは異常と判断する態様が考えられる。ただしこの態様に限られずタイマの初期値を0としてタイマを加算する方法等であってもよい。
このように構成することで、例えば、「○年○月○日○時○分○秒において、計数通知異常が遊技待機中に発生し、その時の計数点は50、総得点は2000」といった情報を副制御基板P12で記憶させることが可能となり、遊技媒体数制御基板P16が不正によりエラーコマンドを送信できなくても副制御基板P12がエラーを判定できるため、不正の防止を図ることができる遊技機を提供することが可能となる。
また、副制御基板P12は、300ms毎に連続して複数回(例えば、10回)の貸出通知を受信した場合も、異常と判定することが考えられる。異常と判定した場合には、異常を示唆する報知(例えば、「総得点を確認してください」等を液晶に表示や、ランプを異常に対応する点灯パターンで点灯させることや、「異常を検知しました」と音声出力させること等)を行う。このように構成することによって、主制御基板P15や遊技媒体数制御基板P16が異常と判定しない場合であっても、不正な方法で貸出通知を遊技機Pに送信している可能性がある場合には、副制御基板P12で異常を判定することができるため、不正を防止してより安全な遊技機を提供することが可能となる。
上述した復帰不可能エラー、投入要求通信エラー、精算要求通信エラー、及び払出要求通信エラーは主制御手段で検出できるエラーであり、ベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、精算スイッチの操作による精算処理を無効にすることで遊技の進行を停止している。また、設定確認モードに移行可能な状況で復帰不可能エラー、投入要求通信エラー、精算要求通信エラー、又は払出要求通信エラーの何れかが発生し、復帰不可能エラー、投入要求通信エラー、精算要求通信エラー、又は払出要求通信エラーが解除されていない状況で設定キースイッチをON位置に回しても設定確認モードに移行しないようにもしている。
これにより、不正により異常を発生させた場合も考慮して、エラー中に有利な情報となる設定値の情報を表示する設定確認モードに移行させないことで、有利な情報の不正取得を防ぐことができる。
また、貸出装置接続異常(VL異常)、及び総得点上限異常は遊技媒体数制御手段で検出可能なエラーであるが、貸出装置接続異常(VL異常)、又は総得点上限異常発生時には遊技の進行を停止するためにベットスイッチの操作によるベット処理、スタートスイッチの操作によるリール回転処理、ストップスイッチの操作によるリール停止処理、精算スイッチの操作による精算処理を無効にしている。
貸出装置接続異常(VL異常)、及び総得点上限異常は不正によっても起こり得るが、機器の故障や設備不良、又は通常の電源投入作業でも発生する可能性があるため、遊技の進行は停止するが設定キースイッチをON位置に回すと設定確認モードに移行できるようにしている。換言すると、設定確認モードに移行可能な状況で貸出装置接続異常(VL異常)、又は総得点上限異常の何れかが発生し、貸出装置接続異常(VL異常)、又は総得点上限異常が解除されていない状況で設定キースイッチをON位置に回すと設定確認モードに移行できるようにしている。
これにより、通常の作業で貸出装置接続異常(VL異常)、又は総得点上限異常が発生した場合でも速やかに設定確認モードに移行させ、設定値を確認させることが可能となる。
上述したエラーの他に貸出ユニット側のエラーにより計数ができなくなる場合がある。例えば、遊技機と貸出ユニットが通信を開始した後に貸出ユニット側が所定期間に亘って遊技機から送信された電文を正常に受信できなかった場合に貸出ユニットは貸出、又は再プレイ、及び計数受信が不可となる。この場合、遊技機の計数スイッチが操作されても貸出ユニットは計数不可となっており、カードに計数情報が記憶されなくなる。
遊技機が貸出ユニットから受信する情報としては、貸出通知があるため、VL異常となっていない場合は貸出通知が受信できないことで貸出ユニットとの通信異常を判断できる。このため、遊技機は貸出通知を受信できない状態を検知した場合(貸出装置通信異常1セット時)は、所定回数(1回を含む)以上貸出通知を受信できなかったことを判断したことにより計数スイッチの機能を無効にすることができ、計数通知が貸出ユニットに送信されないようにすることができる。これにより、貸出ユニットが計数通知を受信できないときに遊技機から計数メダル数が0ではない計数通知を送信することを防ぐことができる。
<計数処理>
次に、計数処理について図28をもとに詳細に説明する。
図28の計数制御開始処理(上述した計数制御処理と同義)は、主として遊技機から貸出ユニットに計数通知を出力する処理である。具体的には、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割込み処理により実行される処理の1つである。なお、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割込み処理の周期は、1msとなっている。
「計数ボタンチェック」は、計数ボタン状態をセットする処理である。計数ボタンチェック処理については、図52を基に説明する。
なお、計数ボタンチェック処理は、計数処理にて複数回の長押し判定があった状況で計数ボタンが離された後に計数通知タイミングが来ても計数点として50を計数しないための処理であり、前述した計数実行フラグの処理に置き換えて実行する処理である。換言すると、計数ボタンチェック処理に伴う計数ボタン状態の保存等の処理は計数実行フラグを用いた計数処理を用いる場合は不要となっている。また、計数処理にて複数回の長押し判定があった状況で計数ボタンが離された後に計数通知タイミングが来ても計数点として50を計数しないための処理を実行したい場合は、計数ボタンチェック処理に伴う計数ボタン状態の保存等の処理を実行し、計数実行フラグに関する処理は実行しない。
「計数ボタン状態 取得」は、計数ボタン状態記憶領域に記憶されている計数ボタン状態に対応する値を取得する(Aレジスタに記憶する)。計数ボタン状態記憶領域に記憶されている計数ボタン状態に対応する値として、「0」の場合は計数ボタン状態=0と表し計数ボタンが押下されていないことを示し、「1」の場合は計数ボタン状態=1と表し計数ボタンが短押しされていることを示し、「2」の場合は計数ボタン状態=2と表し計数ボタンが長押し(初回)されていることを示し、「3」の場合は計数ボタン状態=3と表し計数ボタンが長押し(2回目以降)されていることを示す。
「計数ボタン状態=1?」は、計数ボタン状態=1であるか否かを判断し、計数ボタン状態=1の場合は「計数ボタンタイマ クリア」処理を実行する。
「計数ボタン状態=2?」は、計数ボタン状態=2であるか否かを判断し、計数ボタン状態=2の場合は「計数ボタンタイマ クリア」処理を実行する。
「計数ボタン信号オン?」は、計数ボタンが押下されているか否かを判断し、計数ボタンが押下されていなかった場合は「計数ボタン状態=0 セット」処理を実行する。
「計数ボタン状態≠0?」は、計数ボタン状態≠0であるか否かを判断し、計数ボタン状態=0ではない場合(通常であれば、計数ボタン状態=3の場合)は「計数ボタンタイマ クリア」処理を実行する。
「計数実行タイマ +1」は、計数実行タイマ記憶領域に記憶されている値に1加算する処理を実行する。なお、「計数実行タイマ +1」では、計数実行タイマ記憶領域に記憶されている値が500を超えている場合は、計数実行タイマ記憶領域に記憶されている値を500に補正し、計数実行タイマ記憶領域に記憶されている値が500未満の場合に計数実行タイマ記憶領域に記憶されている値に1加算する処理を実行する。
「計数ボタンタイマ<500?」は、「計数実行タイマ +1」で加算された計数実行タイマ記憶領域に記憶されている値が500未満か否かを判断し、500未満であれば計数ボタンチェック処理を終了する。計数ボタンタイマが500未満の場合とは、計数ボタンが押下されてから500ms経過していない状況であり、計数ボタンの長押しと判定される前の状況である。
「計数ボタン状態=2 セット」は、「計数実行タイマ +1」で加算された計数実行タイマ記憶領域に記憶されている値が500以上である場合にAレジスタに「2」を記憶する処理を実行する。
「計数ボタン状態 保存」は、計数ボタン状態記憶領域にAレジスタの値を記憶する処理を実行する。Aレジスタには計数ボタン状態に応じた値が記憶されており、計数ボタンチェック処理においては、計数ボタン状態=0、計数ボタン状態=1、計数ボタン状態=2がセットされ得る。
「計数ボタンタイマ クリア」は、計数実行タイマ記憶領域の値を初期化する(0にする)処理を実行する。
「計数ボタン状態=0 セット」は、「計数ボタン信号オン?」にて計数ボタンが押下されていなかった場合に実行する処理であり、Aレジスタに「0」を記憶する処理を実行する。
「計数ボタンタイマ=0?」は、計数実行タイマ記憶領域の値が0であるか否かを判断する処理であり、計数実行タイマ記憶領域の値が0である場合は、「計数ボタン状態 保存」処理にて計数ボタン状態=0となり、計数実行タイマ記憶領域の値が0でない場合は、「計数ボタン状態=1 セット」を実行する。
「計数ボタン状態=1 セット」は、Aレジスタに「1」を記憶する処理を実行する。この処理は、計数ボタン状態=0で計数ボタンが押下されて計数実行タイマをカウントしており、計数実行タイマのカウント値が500に到達する前に計数ボタンが離されたときにおいて実行可能な処理となっている。換言すると計数ボタンが短押しのときに実行可能な処理となっている。
「計数ボタンタイマ クリア」を実行すると「計数ボタンチェック」を終了して計数制御開始処理に戻って「計数通知タイミング?」を実行する。
「計数通知タイミング?」は、計数通知を貸出ユニットに出力するタイミングであるかどうかを判定する。具体的には、後述する、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_A)の値に基づいて判定する。遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に記憶されている値が「200」の場合(換言すると、遊技機情報通知を出力してから100ms経過したとき)に、計数通知を貸出ユニットに出力するタイミング(YES)と判定し、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に記憶されている値が「200」でない場合にNOと判定する。
「計数メダル数 クリア」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数の対象となる計数点を記憶可能な計数点記憶領域(_CT_CAL_VAL)をクリア(0に)する。なお、計数累積点を記憶可能な計数累積点記憶領域(_CT_CAL_ALL)に記憶されているデータは当該タイミングではクリアしない。
「計数中フラグ クリア」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数中であるか否かを示す計数中フラグ(_FL_CAL_EXE)をクリア(0に)する。
「VL異常フラグ≠0?」は、遊技機と貸出ユニットとの接続が異常ではないか否かを判定する。具体的には、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域であるVL異常フラグ(_FL_VL_ABN)が正常を示す値(例えば「0」)である場合にはNOと判定し、VL異常フラグが異常を示す値(例えば「FFh」)である場合にはYESと判定する。なお、VL異常フラグは、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割込み処理の実行によって更新されるフラグであり、貸出ユニットからのVL信号の入力データがある場合(遊技機と貸出ユニットが電気的に接続されている場合)に、VL異常フラグに正常を示す値を記憶し、貸出ユニットからのVL信号の入力データがない場合(遊技機と貸出ユニットが電気的に接続されていない場合)に、VL異常フラグに異常を示す値を記憶する。
「総得点=0?」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である総得点を記憶可能な総得点記憶領域(_NB_MEDAL)に基づいて総得点(総点数)が0か否かを判定する。この判定により総得点が0の場合には、YESと判定する。また、この判定により総得点が0でない場合にはNOと判定する。なお、VL異常フラグに異常を示す値が記憶されていると判定した場合は、総得点を判定せずに計数通知を出力する。
「計数実行フラグ=1?」は、計数実行フラグが「1」であるか否かを判定する。上述したとおり、計数実行フラグとは、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするか等を管理するフラグである。例えば、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域に計数実行フラグを管理する計数実行フラグ記憶領域(_FL_CAL_ACT)を設け、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が「0」である場合(計数実行フラグが0である場合)は、まだ、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするかが決定されていない状況を示している。計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が「1」である場合(計数実行フラグが1である場合)は、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたと決定されている状況を示している。計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が「2」である場合(計数実行フラグが2である場合)は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたと決定されている状況を示している。そのため、「計数実行フラグ=1?」でYESとなる場合は、計数実行フラグ記憶領域が「1」である場合(計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたことを記憶している場合)である。具体的には、計数実行フラグが「1」であるか否かを判定するため、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値をAレジスタに記憶し、Aレジスタの値と「1」を比較した結果、同じ値であった場合に、YESと判定する。なお、計数実行フラグの詳細な生成方法は、後述する「計数実行フラグセット」にて説明する。
「計数実行フラグ=0?」は、計数実行フラグが「0」であるか否かを判定する。具体的には、計数実行フラグ記憶領域が「0」である場合(計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたとするか、又は、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたとするかが決定されていない場合)は、YESと判定する。
なお、上述したように計数ボタンチェック処理を採用した場合は、「計数実行フラグ=1?」は、「計数ボタン状態=1?」に置き換えられ、「計数実行フラグ=0?」は、「計数ボタン状態=0?」に置き換えられる。計数実行フラグと同様に「計数ボタン状態=1」ではなく、「計数ボタン状態=0」ではない場合に「計数点=50 セット」を実行する。
「計数点=50 セット」は、計数点として50をセット(具体的にはAレジスタに50を記憶)する。
「総得点≧計数点?」は、総得点と50(Aレジスタに記憶した値)を比較する演算処理(減算する演算処理)を実行する。
「総得点 取得」は、総得点をAレジスタに記憶する。つまり、Aレジスタの値を「50」から「総得点」に更新する処理である。この処理は、「総得点≧計数点?」によりNOと判定した場合、換言すると、50の方が総得点よりも大きいと判定した場合(総得点が50未満の場合)に実行される。
「計数点 保存」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数の対象となる計数点を記憶可能な計数点記憶領域(_CT_CAL_VAL)に、計数点を記憶する処理である。具体的には、Aレジスタの値を計数点記憶領域に記憶する処理である。例えば、「計数実行フラグ=1?」でYESとなった場合には、Aレジスタの値が「1」であるため、計数点記憶領域に「1」を記憶する。また、「総得点≧計数点?」でYESとなった場合には、Aレジスタの値が「50」であるため、計数点記憶領域に「50」を記憶する。さらにまた、「総得点≧計数点?」でNOとなった場合には、Aレジスタの値が「総得点」であるため、計数点記憶領域に「総得点」を記憶する。このように、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたときは、計数実行フラグ記憶領域の値を用いて計数点を導出することができるため、処理を簡素化する(計数点として「1」をセットしなくて済む)ことができる。なお、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたときは、計数実行フラグ記憶領域の値を用いずに、計数点として「1」をセットする処理を実行しても良い。
以上のとおり、計数スイッチP7の操作として短押し操作を受け付けたときは計数点が「1」、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたときであって、総得点が50以上のときは計数点が「50」、計数スイッチP7の操作として長押し操作を受け付けたときであって、総得点が50未満のときは計数点が「総得点」となる。つまり、最大でも、1回で(1回の計数通知で)計数できる計数点は50となる。
なお、計数処理において、まず計数スイッチP7が操作されたか否か(計数実行フラグが0以外か)を判定し、計数スイッチP7が操作されている場合(計数実行フラグが0以外の場合)には総得点が0であるか否かを判定し、計数スイッチP7が操作されていない場合には総得点が0であるか否かを判定しないように構成しても良い。
このような構成した場合には、計数スイッチP7が操作されている状況よりも総得点が0である状況の方が発生する可能性が高い(発生している時間が長い)ため、始めに計数スイッチP7が操作されているか否かを判定することにより、始めに総得点が0であるか否かを判定するよりも処理時間が短くなる。
「総得点 更新」は、総得点から計数点を減算した値を総得点記憶領域に記憶する。換言すると、総得点は、計数通知を出力する前に、計数点に応じて更新される。
「計数累積点 更新」は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数累積点を記憶可能な計数累積点記憶領域(_CT_CAL_ALL)に計数点を加算して計数累積点を記憶可能な計数累積点記憶領域(_CT_CAL_ALL)を更新する。
「計数中フラグ セット」は、その後、計数点として「1」以上の計数を行うことが決まっているため、計数中フラグ(_FL_CAL_EXE)をセット(「FF」を記憶)する。換言すると、計数点が「0」の場合には、計数中フラグをセットしない。
「計数通知 出力」は、計数通知を貸出ユニットに出力する。具体的には、電文長として0x07を出力し、コマンドとして0x02を出力し、計数通番として、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域である計数通番を保存する計数通番記憶領域(_NB_CAL_NUM)に記憶されている計数通番を出力し、計数点として、計数点を記憶可能な計数点記憶領域(_CT_CAL_VAL)に記憶されている計数点を出力し、計数累積点として、計数累積点を記憶可能な計数累積点記憶領域(_CT_CAL_ALL)に記憶されている計数累積点を出力し、出力した各種データのチェックサム値(1バイト)を出力する。
「計数通番 更新」は、計数通番を更新する処理(+1する処理)を実行する。なお、計数通番が255であるときに+1をした結果は0となるため、0となった場合には(0と判定した場合には)、再度、計数通番を更新する処理(+1する処理)を実行する。換言すると、計数通番が255であるときは、計数通番を更新する処理を2回実行することにより、計数通番を1に更新する。また、計数通番が255未満の値(たとえば、10)であるときには、計数通番を更新する処理(+1する処理)を実行した結果が0とならないため、計数通番を更新する処理は1回だけ実行することにより、計数通番を更新する(たとえば、11)ことができる。
「計数実行フラグ クリア」は、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値をクリア(例えば0)する処理である。このように構成することにより、計数制御開始処理が実行されるごとに(300msの周期ごとに)、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が初期値(例えば0)にすることができる。換言すると、VL異常フラグが0でないときや、総得点が0であるときなど、計数通知の計数点として「0」が出力される場合であっても、計数実行フラグ記憶領域に記憶されている値が初期値(例えば0)にすることができる。なお、計数制御開始処理では、計数スイッチP7が操作されている時間を計測するタイマ領域(後述する計数実行タイマ記憶領域(_TM_CAL_ACT))の値はクリアされない。
なお、上述したように計数ボタンチェック処理を採用した場合は、「計数実行フラグ クリア」は実行せずに「計数ボタン状態<2?」を実行する。これとは逆に計数実行フラグ処理を採用した場合は、「計数ボタン状態<2?」を実行しない。
「計数ボタン状態<2?」は、計数ボタン状態記憶領域に記憶されている計数ボタン状態が2未満か否かを判断する処理である。
計数ボタン状態が2未満である(計数ボタン状態=0、又は計数ボタン状態=1)と判断した場合は計数ボタン状態記憶領域に記憶されている値をクリアし(計数ボタン状態=0にする)、計数ボタン状態が2未満でない(計数ボタン状態=2、又は計数ボタン状態=3)と判断した場合は計数ボタン状態記憶領域に3を保存する(計数ボタン状態=3にする)。
上述したように、計数ボタン状態に関する処理を実行した場合は、長押しに関する計数処理を1回以上行った後(計数点として50を1回以上計数してから次の計数通知タイミングとなる前)に計数ボタンが離された場合は、計数ボタンチェック処理にて計数ボタン状態=0となるため、計数制御開始処理にて計数点=50とならず計数点=0となって計数通知を送信するようになっている。換言すると、長押しに関する計数処理を1回以上行った後に計数ボタンを離した後に計数されないので、遊技者の操作に基づいた処理を実行でき、遊技仕様の不満を解消することができる。
また、計数ボタンを500ms以上長押しして、まだ計数通知として計数点=50が送信されていない状況では計数ボタン状態=2となるため、計数制御開始処理にて計数点=50となって計数通知を送信するようになっている。換言すると、計数ボタンを500ms以上長押ししている遊技者は計数点として50を計数したい遊技者であるため、計数ボタンを500ms以上長押しした後計数通知を送信するまでに計数ボタンが離されたときでも計数点=50を計数通知として送信できるため、遊技者の操作に基づいた処理を実行でき、遊技仕様の不満を解消することができる。
なお、各記憶領域は、遊技媒体数制御基板P16のRWMに備えられていることで説明しているが、遊技媒体数制御基板P16を備えていない遊技機P等の場合には、主制御基板P15のRWMに備えているような構成でも良い。
また、計数中フラグ(_FL_CAL_EXE)に基づいた情報を主制御基板P15に送信している。これにより、主制御基板P15は、計数中であることを把握することができる。また、たとえば、主制御基板P15から演出制御基板に対して計数中であることを示す情報を送信することにより、演出制御基板により、計数中に対応した演出を行うことができる。
ここで、計数スイッチP7の押下、及び離反タイミングによる計数点の態様を図40乃至図43を用いて説明する。なお、図40乃至図43に記載のT1、T2、T3、T4、及びT5は何れも計数通知タイミングを示しており、300ms毎に計数通知を貸出ユニットに送信している。また、図40乃至図43は長押しの場合の計数値を「50」としているが、総得点が50点未満の場合は総得点の値が計数値となる(例えば、総得点が30点の場合は計数値が「30」となる)。
図40は、遊技者によって計数スイッチP7が長押しされている状況から計数スイッチP7が離反されたタイミングが計数通知タイミングよりも前のタイミングである場合に実行される計数処理を説明する図である。
図40では、S1のタイミングで計数スイッチP7が押下され、長押し判定を行う500ms以上経過した(700ms経過した)S2のタイミングで計数スイッチP7が離反されている。また、計数実行フラグはS1から500ms経過したF1のタイミングで計数実行フラグ=2となり、S2のタイミングの後の計数通知タイミングとなるF2(T4)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。
図40では、500ms以上長押しされた計数スイッチP7が離反されたS2のタイミングにおいてはT4のタイミングにいまだ到達していないが、計数実行フラグ=2を維持することで、T4のタイミングで長押しによる計数処理(計数値「50」による計数処理)を実行できるため、T3からS2までの押下時間を無駄にすることなく、遊技者の操作を反映させることが可能となる。
図41は、遊技者によって計数スイッチP7が長押しされている状況から計数スイッチP7が離反され、次の計数通知タイミングとなる前に再度計数スイッチP7が押下、及び離反されたときに実行する計数処理を説明する図である。
図41では、S1のタイミングで計数スイッチP7が押下され、長押し判定を行う500ms以上経過した(700ms経過した)S2のタイミングで計数スイッチP7が離反されており、次の計数通知タイミングのT4となる前に再度S3のタイミングで計数スイッチP7が押下され、T4となる前のS4のタイミングで計数スイッチP7が離反されている。計数実行フラグはS1から500ms経過したF1のタイミングで計数実行フラグ=2となり、S2のタイミングの後の計数通知タイミングとなるF2(T4)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。
図41では、500ms以上長押しされた計数スイッチP7が離反されたS2のタイミングの後から、次の計数通知タイミングとなるT4のタイミングとなるまでの間に、計数スイッチP7が短押しされている(計数スイッチP7がS3のタイミングで押下され、50ms後のS4のタイミングで離反されている)が、計数実行フラグはS3、及びS4のタイミングであっても計数実行フラグ=1とならず、計数実行フラグ=2を維持しており、T4のタイミングで計数値として「50」を計数している。このように長押しの後に短押しがあったとしても長押しによる計数処理が実行できるため、長押し後に誤操作やノイズがあっても長押しによる計数値を計数通知タイミングで貸出ユニットに送信することが可能となる。
なお、図41のT3のタイミングにおいては、計数スイッチP7の長押しにより計数実行フラグ=2となっているため、計数値として「50」が計数される。そして、計数スイッチP7の押下が継続しているため、T3のタイミングで計数値として「50」を貸出ユニット側に出力した後一旦計数実行フラグ=0となり、次の割込み処理において、計数実行タイマが「500」であるため、再度計数実行フラグ=2となっている。
図42は、遊技者によって計数スイッチP7が長押しされている状況から計数スイッチP7が離反され、次の計数通知タイミングとなる前に再度計数スイッチP7が押下、及び離反されたときに実行する計数処理を説明する図である。
図42では、S1のタイミングで計数スイッチP7が押下され、長押し判定を行う500ms以上経過した(700ms経過した)S2のタイミングで計数スイッチP7が離反されており、次の計数通知タイミングのT4となる前に再度S3のタイミングで計数スイッチP7が押下され、T4を跨いでT5となる前のS4のタイミングで計数スイッチP7が離反されている。計数実行フラグはS1から500ms経過したF1のタイミングで計数実行フラグ=2となり、S2のタイミングの後の計数通知タイミングとなるF2(T4)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。また、S3のタイミングから500msが経過せずに計数スイッチP7が離反されたS4のタイミングで計数実行フラグ=1となり、S4のタイミングの後の計数通知タイミングとなるF4(T5)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。
図42では、500ms以上長押しされた計数スイッチP7が離反されたS2のタイミングの後から、次の計数通知タイミングとなるT4のタイミングとなるまでの間に、計数スイッチP7が短押しされている(計数スイッチP7がS3のタイミングで押下され、200ms後のS4のタイミングで離反されている)が、計数実行フラグはS3のタイミングであっても計数実行フラグ=2を維持しており、T4のタイミングで計数値として「50」を計数している。また、T4のタイミングからT5のタイミングとなるまでの間であって、S3から500msが経過していないS4のタイミングで計数スイッチP7が離反されたときはS3のタイミングで押下された計数スイッチP7の短押しの要件を満たしているためS4(F3)のタイミングで計数実行フラグ=1となり、計数通知タイミングのT5で計数値として「1」を計数している。このように長押しの後に短押しがあったとしても長押しによる計数処理が実行でき、さらに短押ししている時間が計数通知タイミングを跨いだ場合は短押しによる計数処理が実行できるため、遊技者が長押し後に短押しを行った場合であっても長押しと短押しの計数処理が実行することが可能となり、遊技者の操作意思に沿った制御を実行できる。
なお、図42のT3のタイミングにおいては、計数スイッチP7の長押しにより計数実行フラグ=2となっているため、計数値として「50」が計数される。そして、計数スイッチP7の押下が継続しているため、T3のタイミングで計数値として「50」を貸出ユニット側に出力した後一旦計数実行フラグ=0となり、次の割込み処理において、計数実行タイマが「500」であるため、再度計数実行フラグ=2となっている。
図43は、遊技者によって計数スイッチP7が短押しのタイミングで離反され、次の計数通知タイミングとなる前に再度計数スイッチP7が押下されたときに実行する計数処理を説明する図である。
図43では、S1のタイミングで計数スイッチP7が押下され、50ms経過したS2のタイミングで計数スイッチP7が離反されており、次の計数通知タイミングのT4となる前に再度S3のタイミングで計数スイッチP7が押下され、T3、及びT4を跨いでT5となる前のS4のタイミングで計数スイッチP7が離反されている。計数実行フラグはS1から50ms経過したF1のタイミング(S1のタイミングで計数スイッチP7が押下されてから50ms後に離反されたS2のタイミング)で計数実行フラグ=1となり、S2のタイミングの後の計数通知タイミングとなるT3のタイミングより前のS3のタイミングにおいて計数実行フラグ=1を維持しており、T3(F2)のタイミングで計数実行フラグ=0となっている。また、T3から300ms経過したT4のタイミングにおいては、計数スイッチP7が再度押下されたS3のタイミングから500ms経過しておらず、且つ計数スイッチP7の押下が維持されているため、計数実行フラグ=0となっている。また、計数スイッチP7が再度押下されたS3のタイミングから500ms経過したF3のタイミングで計数実行フラグ=2となり、T4からT5が経過するまでの間に計数スイッチP7が離反されているため、F4(T5)のタイミングにおいて計数実行フラグ=0となっている。
図43では、S1に押下された計数スイッチP7が短押しのタイミングであるS2で離反され、次の計数通知タイミングとなるT3となるまでの間であるS3のタイミングで再度計数スイッチP7が押下された場合、T3のタイミングでは短押しの計数値「1」の計数処理が実行されるが、計数実行タイマのカウントはT3となる前のS3のタイミングから実行しているため、S4のタイミングで計数スイッチP7が離反されてもT5のタイミングで計数値として「50」の計数処理が実行できる。このように短押しの後に長押しがあったとしても短押しと長押しによる計数処理が実行でき、さらに長押しと判断するための計数実行タイマのカウントは長押しとなる計数スイッチP7の押下タイミングからカウントするため、遊技者が短押し後に長押しを行った場合であっても長押しと短押しの計数処理が実行することが可能となり、さらに長押しを判定するための計数実行タイマのカウントの起点を短押しの計数処理が実行されたタイミングF2より前の計数スイッチP7が押下されたタイミングS3にすることができるため、遊技者の操作意思に沿った制御を実行できる。
続いて、計数中の演出について説明する。
上述したとおり、計数スイッチP7が操作され、計数しているとき(計数するとき)には、計数中フラグ(_FL_CAL_EXE)に基づいた情報を主制御基板P15に送信することにより、演出制御基板による計数中に対応した演出を可能としている。計数中に対応した演出としては、音、及び/又は、画像を用いた演出が挙げられる。
また、計数中に対応した演出として、計数スイッチP7の1回の操作(長押し操作等を含む)によって計数される計数点(1回の計数点と称す)に応じて出力される演出の長さを異ならせることができる。このように構成した場合には、計数スイッチP7の操作に基づく計数点の量に応じて演出の長さが異なるため、総得点を貯めて計数するという行為に喜びを与えることが可能となる。
なお、上述したとおり、1回の計数通知(1回の周期)で計数可能な最大の点数は「50」であり、計数通知を出力する周期は約0.3秒である。
以下に、計数スイッチP7の1回の操作(長押し操作等を含む)によって計数される1回の計数点の違いによる演出の長さについて例示する。
例1)1回の計数点が「25」の場合
計数点が「0」より大きく「50」未満であるため、一律、0.3秒×1である約0.3秒の演出が実行される。なお、係数(ここでは、×1)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。以下も同様である。
例2)1回の計数点が「50」の場合
計数点が「50」であるため、0.3秒×1である約0.3秒の演出が実行される。
例3)1回の計数点が「130」の場合
計数点が「100」より大きく「150」未満であるため、0.3秒×3である約0.9秒の演出が実行される。なお、係数(ここでは、×3)とは、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例4)1回の計数点が「1480」の場合
計数点が「1450」より大きく「1500」以下であるため、0.3秒×30である約9秒の演出が実行される。なお、係数(ここでは、×30)とは、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
また、計数中に対応した演出として、1回の計数スイッチP7の操作で計数可能な点数(総得点)に応じて出力される演出の種類を異ならせることができる。このように構成した場合には、計数スイッチP7の操作に基づく計数点の量に応じて演出の種類、及び/又は長さが異なるため、総得点を貯めて計数するという行為に喜びを与えることが可能となる。なお、このように構成する場合には、たとえば、総得点を記憶可能な総得点記憶領域(_NB_MEDAL)の情報を主制御手段に送信して、1回の計数スイッチP7の操作で計数可能な点数(総得点)を主制御基板P15、及び/又は、演出制御基板が把握できるようにすることが考えられる。
たとえば、総得点が「500」未満のときに計数スイッチP7が操作されて計数されるときには、計数中に対応した演出として演出Aが実行可能となるように構成され、総得点が「500」以上「1000」未満のときに計数スイッチP7が操作されて計数されるときには、計数中に対応した演出として演出Bが実行可能となるように構成され、総得点が「1000」以上のときに計数スイッチP7が操作されて計数されるときには、計数中に対応した演出として演出Cが実行可能となるように構成されるようにしてもよい。
以下に、計数スイッチP7の1回の操作(長押し操作等を含む)によって計数される1回の計数点の違い、及び、総得点の違いによる演出について例示する。
例1)総得点が「25」で、1回の計数点が「25」の場合
総得点が「500」未満で、計数点が「0」より大きく「50」未満であるため、一律、0.3秒×1である約0.3秒の演出Aが実行される。なお、係数(ここでは、×1)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例2)総得点が「300」で、1回の計数点が「50」の場合
総得点が「500」未満で、計数点が「50」であるため、0.3秒×1である約0.3秒の演出Aが実行される。なお、係数(ここでは、×1)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例3)総得点が「300」で、1回の計数点が「150」の場合
総得点が「500」未満で、計数点が「100」より大きく「150」以下であるため、0.3秒×3である約0.9秒の演出Aが実行される。なお、係数(ここでは、×3)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例4)総得点が「700」で、1回の計数点が「150」の場合
総得点が「500」以上「1000」未満で、計数点が「100」より大きく「150」以下であるため、0.3秒×3である約0.9秒の演出Bが実行される。なお、係数(ここでは、×3)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例5)総得点が「700」で、1回の計数点が「700」の場合
総得点が「500」以上「1000」未満で、計数点が「650」より大きく「700」以下であるため、0.3秒×14である約4.2秒の演出Bが実行される。なお、係数(ここでは、×14)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例6)総得点が「2000」で、1回の計数点が「700」の場合
総得点が「1000」以上で、計数点が「650」より大きく「700」以下であるため、0.3秒×14である約4.2秒の演出Cが実行される。なお、係数(ここでは、×14)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
例7)総得点が「2000」で、1回の計数点が「2000」の場合
総得点が「1000」以上で、計数点が「1950」より大きく「2000」以下であるため、0.3秒×40である約12.0秒の演出Cが実行される。なお、係数(ここでは、×40)は、計数点を全て計数するための計数通知の回数を示す。
このように、計数点が同じであっても、例5)と例6)のように総得点が異なるため、出力される演出を異なるように制御することができる。また、総得点が同じであっても、1回の計数点の違う場合には、例6)、例7)のように同じ演出であっても出力される演出の長さを異なるように制御することができる。
ここで、総得点を計数している最中に(途中で)、遊技者が計数スイッチP7の操作を行わなくなった場合には、例6)のように総得点の全てを計数せずに、1回の計数が終了することがある。換言すると、途中まで計数中の演出を楽しんだ後に、遊技者が一旦計数スイッチP7の操作をやめ、その後、再度、計数スイッチP7を操作することにより、計数中の演出をもう一度楽しむことができる。
なお、本実施形態では、計数スイッチP7として1つのスイッチを設け、計数通知による最大の計数点として「50」としたが、一括で総得点を計数するための別の計数スイッチP7を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、計数スイッチP7が操作されていた場合に計数する仕様であったが、たとえば、所定期間(たとえば、10秒)の計数スイッチP7が操作されていたことを条件に、記憶している全ての総得点を計数してもよい。
さらにまた、本実施形態では、計数スイッチP7が操作されていた場合に計数する仕様であったが、たとえば、所定期間(たとえば、10秒)の計数スイッチP7が操作され、その後も計数スイッチP7が操作されていた場合には、所定単位(たとえば「50」)ずつ計数されるように構成されていても良い。なお、所定単位として50としたが、これは一例である。たとえば、残りの総得点が38点の場合に計数スイッチP7が操作されていた場合には、「38」が計数されるようになる。
ここで、本実施形態においては、設定変更モード中や、設定確認モード中においても計数スイッチP7の操作に基づく計数が可能となっている。しかしながら、点数をベット可能な状況下で計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行するようにし、設定変更モード中、及び/又は、設定確認モード中に計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行しないようにしてもよい。このような構成にするのは、設定変更モード中、及び/又は、設定確認モード中に計数スイッチP7が操作されるような場合には、ホール店員が計数している可能性が高いため(遊技者ではない可能性が高いため)である。
換言すると、設定変更モード中、及び/又は、設定確認モード中に計数スイッチP7が操作された場合であっても、設定変更モード中及び/又は、設定確認モード中の専用の画面を画像表示装置で表示し続けることや、音声を出力し続けることを行うことによって、ホール店員に必要な情報を提供することができる。なお、設定変更モード及び/又は、設定確認モード中の専用の画面を表示しつつ計数中であることを示す報知(例えば、「計数中です」を画面に表示すること)を行ってもよい。この報知は、先述した計数中の演出とは異なるように構成されている。
また、本実施形態においては、エラー中(予め定められた一部の(所定の)エラーでも良いし、全てのエラーでも構わない)においても計数スイッチP7の操作に基づく計数が可能となっている。しかしながら、点数をベット可能な状況下で計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行するようにし、エラー中に計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行しないようにしてもよい。このような構成にするのは、エラー中に計数スイッチP7が操作されるような場合には、不正行為が行われている可能性が高いためである。
換言すると、エラー中に計数スイッチP7が操作された場合であっても、エラー中の専用の画面を画像表示装置で表示し続けることや、音声を出力し続けることを行うことによって、ホール店員に必要な情報を提供することができる。なお、エラー中の専用の画面を表示しつつ計数中であることを示す報知(例えば、「計数中です」を画面に表示すること)を行ってもよい。この報知は、先述した計数中の演出とは異なるように構成されている。なお、このときに精算スイッチP6によるベット数の精算はできないように構成されていてもよい。
なお、エラーの種類としてリセットスイッチの操作により復帰可能な復帰可能エラー(上述した「投入要求通信エラー」「精算要求通信エラー」「払出要求通信エラー」等)と、リセットスイッチの操作によっても復帰できない(設定変更等の初期化処理で復帰可能)復帰不可能エラーとを備えており、復帰可能エラー中においては計数スイッチP7の操作により、計数処理が可能となるように構成され、復帰不可能エラー中においては計数スイッチP7の操作により、計数処理が不可能となるように構成されてもよい。このような構成によれば、通常の動作で発生し得る復帰可能エラーでは計数処理を可能とし、復帰可能エラーよりも不正の疑いの強い復帰不可能エラーでは計数処理をできないようになるため、より公平な遊技が実現できる。
また、本実施形態においては、遊技中(例えばリールが回転している状況下)においても計数スイッチP7の操作に基づく計数が可能となっている。しかしながら、点数をベット可能な状況下で計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行するようにし、遊技中に計数スイッチP7が操作された場合には、計数スイッチP7の操作に基づいた演出を実行しないようにしてもよい。このような構成にするのは、遊技中に計数スイッチP7が操作されるような場合には、不正行為が行われている可能性が高いためである。
換言すると、エラー中に計数スイッチP7が操作された場合であっても、エラー中の専用の画面を画像表示装置で表示し続けることや、音声を出力し続けることを行うことによって、ホール店員に必要な情報を提供することができる。なお、エラー中の専用の画面を表示しつつ計数中であることを示す報知(例えば、「計数中です」を画面に表示すること)を行ってもよい。この報知は、先述した計数中の演出とは異なるように構成されている。
遊技待機中(遊技が実行されていない状況下)において、スイッチ(例えば、サブスイッチ)の操作により、遊技者が遊技中の演出音の音量を複数段階の音量から選択可能に構成していてもよい。例えば、音量1~音量5までの5段階の中から選択可能に構成され、音量1が最も小さい音で演出音が出力され、音量5が最も大きい音で演出音が出力されるように構成されている。このように構成した場合、特定の演出音(例えば、セリフ演出の音声、通常遊技中のBGM、AT中のBGM、BB中のBGM、テンパイ音など)は、選択された演出音に応じた音量で演出音が出力されるが、計数中に出力される演出音は、音量1~音量5の何れが選択されている場合であっても同じ音量で出力されることが好ましい。具体的には、音量1に選択した後、不正な方法で計数をしている遊技者であっても、小さい音量で計数中に出力される演出音が出力されないようにすることによって、不正な方法で計数しようとしている遊技者を牽制することができる。また、通常の遊技者においても、計数を行っている最中は至福のときであるため、音量1に設定されているときであっても、他の音量に設定されているときと同じ音量で出力されることによって、計数を行っている遊技者とは異なる遊技者からも注目を浴びることとなり、遊技者の計数に対する興趣を高めることができる。
本実施形態においては、遊技機Pは貸出ユニットに対して、遊技機情報通知を300ms毎に送信しているが、これに限られず300msから310msの範囲内であれば、どのタイミングで送信してもよい。ただし、送信する毎にランダムな値をとるわけではなく、あらかじめ定められた値で送信する。
本実施形態においては、遊技機Pは貸出ユニットに対して、遊技機情報通知を送信した後から100ms後に計数通知を送信しているがこれに限られず90msから100msの範囲内であれば、どのタイミングで送信してもよい。ただし、送信する毎にランダムな値をとるわけではなく、あらかじめ定められた値で送信する。
次に、遊技機情報管理について図30を用いて説明する。
遊技機情報管理とは、遊技機Pから遊技機情報通知を貸出ユニットに送信するための制御であり、図30は、遊技媒体数制御基板P16によって制御されるタイマ割込み処理内の1つのサブルーチンである。換言すると、タイマ割込み処理が実行されるごとに(1msの周期で)、遊技機情報管理が実行される。
まず始めに、図30における各種用語について説明する。
遊技機情報通知タイマAとは、300msを計測するためのタイマである。遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_A)として、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち2バイトを使用する。なお、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域は、電源が投入されたとき(ONとなったとき)の初期化処理によって、初期値(「0」)が記憶される。
遊技機情報通知タイマBとは、60sを計測するためのタイマである。遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_B)として、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち1バイトを使用する。なお、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域は、電源が投入されたとき(ONとなったとき)の初期化処理によって、初期値(「0」)が記憶される。
遊技機情報通知タイマCとは、180sを計測するためのタイマである。遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_C)として、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち1バイトを使用する。なお、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域は、電源が投入されたとき(ONとなったとき)の初期化処理によって、初期値(「0」)が記憶される。
遊技機性能情報通知要求フラグとは、遊技機情報通知のうち遊技機性能情報を送信する周期が到来したときに「0」から「1」となるフラグである。遊技機性能情報通知要求フラグを記憶するための記憶領域は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち1バイトの記憶領域である遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目を使用する。
遊技機設置情報通知要求フラグとは、遊技機情報通知のうち遊技機設置情報を送信する周期が到来したときに「0」から「1」となるフラグである。遊技機設置情報通知要求フラグを記憶するための記憶領域は、遊技媒体数制御基板P16のRWM領域のうち1バイトの記憶領域である遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目を使用する。
なお、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)は、電源が投入されたときの初期化処理によって、初期値(「0」)が記憶される(各ビットは「0」になる)。
次に、図30を用いて各ステップにおける制御処理について説明する。
「遊技機情報通知タイマA -1」とは、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域から1を減算する演算処理である。なお、当該演算処理によって桁下がりとなった場合(遊技機情報通知タイマAが「0」の状態で減算する演算処理が実行された場合(「0」未満となった場合とも称す))には、遊技機情報通知タイマAに「300」を記憶することによって遊技機情報通知タイマAにカウント値を記憶可能としている。
なお、上述した通り、本実施形態における遊技媒体数制御基板P16のタイマ割り込みの周期は1msであるため、遊技機情報通知タイマAにカウント値として「300」を記憶することで、300msのカウントが可能となっているが、これに限られず、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割り込みの周期を2msとした場合は、遊技機情報通知タイマAにカウント値として「150」を記憶すればよいし、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割り込みの周期を2.235msとした場合は、遊技機情報通知タイマAにカウント値として「135」~「138」の何れかの値を記憶すればよい。このように、割り切れない場合は遊技機情報通知の送信タイミングが300ms~310msの間となる任意の値を設定することができる。
ここで、「遊技機情報通知タイマA -1」によって、CPUが備えるフラグレジスタ(Fレジスタとも称する)のゼロフラグ、キャリーフラグが「1」となる場合を有する。ゼロフラグとは、演算処理の結果が「0」となった場合に「1」となるフラグである。一方、キャリーフラグとは、演算処理の結果が「0」未満となった場合に「1」なるフラグである。
以下に、具体的な数値を例に挙げて、ゼロフラグ、キャリーフラグについて説明する。
例1)遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に「10」が記憶されているときに実行される遊技機情報管理では、1を減算することによって「9」になる。このとき、ゼロフラグ、キャリーフラグは変化しない(「0」となる)。
例2)遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に「1」が記憶されているときに実行される遊技機情報管理では、1を減算することによって「0」になる。このとき、ゼロフラグは「1」となる。一方、キャリーフラグは変化しない(「0」となる)。
例3)遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に「0」が記憶されているときには1を減算することによって「300」になる。このとき、ゼロフラグは変化しない(「0」となる)。一方、キャリーフラグは「1」となる。
なお、上述した「遊技機情報通知タイマA -1」の演算命令として、DCPWLD命令が挙げられる。DCPWLD命令は1減算した結果としてキャリーフラグが「1」となった場合に、所定の値を記憶する命令である。上述した実施形態における所定の値は「300」としている。
続いて、「更新前のタイマ値=0?」とは、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「0」であったか否かを判断する。例えば、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行した後におけるキャリーフラグが「1」であるときには「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「0」であったと判断することができる(「更新前のタイマ値=0?」の判断の結果YESとなる)。一方、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行した後におけるキャリーフラグが「0」であるときには「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「0」でなかったと判断することができる(「更新前のタイマ値=0?」の判断の結果NOとなる)。
「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「0」であった場合(「更新前のタイマ値=0?」の判断の結果YESとなった場合)には、「ホールコン・不正監視情報 送信」を実行する。なお、当該ステップでYESとなる場合とは、電源がOFFとなっている状況において電源がONとなった後の最初の割込み処理において遊技機情報管理を実行した場合である。上述した通り、電源がONとなったときの初期化処理により、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域が初期化され、「0」が記憶されるためである。また、更新前が「0」である場合は、キャリーフラグが「1」となっているため、上述した減算命令であるDCPWLD命令を用いることで、同時に遊技機情報通知タイマAにカウント値として「300」を記憶することができる。
さらに、遊技機情報通知タイマBや遊技機情報通知タイマCを更新する処理を実行することなく、電源が復帰した後に即座に「ホールコン・不正監視情報 送信」を実行することができるため、処理時間の短縮やプログラム容量の削減効果がある。電源がONとなったきに遊技機情報通知タイマBや遊技機情報通知タイマCを更新しない理由は後述する。
続いて、「更新前のタイマ値=0?」の判断の結果NOとなった場合は、「更新前のタイマ値=1?」の判断を実行する。
「更新前のタイマ値=1?」とは、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」であったか否かを判断する。
例えば、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行した後におけるゼロフラグが「1」であるときには「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」であったと判断することができる(「更新前のタイマ値=1?」の判断の結果YESとなる)。「更新前のタイマ値=1?」の判断の結果YESとなった場合は、「遊技機情報通知タイマAカウント値保存」を実行する。
一方、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行した後におけるゼロフラグが「0」であるときには「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」でなかったと判断することができる(「更新前のタイマ値=1?」の判断の結果NOとなる)。
「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」でなかった場合(「更新前のタイマ値=1?」の判断の結果NOとなった場合)には、遊技機情報管理を終了する。なお、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」である状況とは、遊技機情報通知タイマAの計測により300回の割込み処理が実行された(300ms経過した)状況が該当する。
また、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」でなかった状況とは、遊技機情報通知タイマAの値が「2」~「300」である状況であり、遊技機情報通知タイマAの計測中である状況が該当する。なお、「遊技機情報通知タイマA -1」を実行する前の遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」でなかった状況には「0」も含まれるが、「0」の場合は、直前の処理で判断しているため、本判断処理には進行しないようになっている。
続いて、「遊技機情報通知タイマAカウント値保存」とは、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域に「300」を記憶する処理である。この処理によって、遊技機情報通知タイマAに記憶されている「0」を「300」に更新することができる。なお、上述した通り本実施形態では、「遊技機情報通知タイマA -1」をDCPWLD命令を用いて実行しているため、キャリーフラグが「1」となった場合は遊技機情報通知タイマAに「300」が記憶されるが、電源投入直後以外は遊技機情報通知タイマAが「0」となる前(「1」となったとき)に「遊技機情報通知タイマAカウント値保存」により、「300」が記憶されるようになっているため、電源投入直後以外は遊技機情報通知タイマAが「0」となることはない(異常を除く)ので、本処理にてカウント値を記憶するようにしている。
続いて、「応答許可フラグ クリア」とは、応答許可フラグ記憶領域の値を0クリアする処理である。応答許可フラグに関しては後述する。
続いて、「通信異常1フラグ クリア」とは、通信異常1フラグ記憶領域の値を0クリアする処理である。通信異常1とは貸出装置通信異常1を意味する。
続いて、「貸出通知受信カウンタ≠1なら通信異常1フラグセット」とは、貸出通知受信カウンタ記憶領域の値が1でないときに通信異常1フラグ記憶領域の値を1にする処理(通信異常1に関する処理とも称す)である。貸出通知受信カウンタに関しては後述する。
続いて、「貸出通知受信カウンタ クリア」とは、貸出通知受信カウンタ記憶領域の値を0クリアする処理である。換言すると、遊技機情報通知タイマAを-1した後に貸出通知受信カウンタの値が初期化され、初期値として0が記憶される。
続いて、「遊技機情報通知タイマB +1」とは、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値に1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理である。当該演算処理は、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「199」未満の値が記憶されているときは遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値に1を加算し、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「199」未満の値が記憶されていないとき(即ち、正常動作状況下において「199」の値が記憶されているとき)は遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値として「0」を記憶する演算処理である。具体例について以下に記載する。
例1)遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「0」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値は「1」となる。
例2)遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「100」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値は「101」となる。
例3)遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「199」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値は「200」とならずに「0」となる。
このように、「遊技機情報通知タイマB +1」では、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値に「199」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、「0」を記憶する加算処理を実行することによって遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値として「0」~「199」を循環させることができる。また、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値に「199」が記憶されているときに「1」を加算する状況とは、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域が「0」となった契機が200回到来した状況に相当する。換言すると、割込み処理が300回実行されるごとに遊技機情報通知タイマBが1ずつ加算されるため、300回×200回(=60000回)の割込み処理が実行された(300ms×200回(=60000ms(60s))経過した)状況である。本来であれば、60000回の割込み処理が実行されたかを計測するためには3バイトの記憶領域を設けなければならないが、遊技機情報通知タイマAを用いることにより、遊技機情報通知タイマBの記憶領域を1バイトとすることができ、RWMの記憶容量を削減することができる。
なお、上述した特殊加算命令である「遊技機情報通知タイマB +1」の演算命令として、ICPLD命令が挙げられる。
なお、本実施形態では「遊技機情報通知タイマB +1」のように加算命令としているが、減算命令でもよい。減算命令の場合は、電源投入時に遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域にカウント値として「200」を記憶して、その後「0」となったときとしてもよいし、電源投入時に遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域にカウント値として「199」を記憶して、その後キャリーフラグが「1」となったときとしてもよい。
また、本実施形態では、「遊技機情報通知タイマB +1」のように加算命令としているため、減算命令にした場合と比べて初期値をセットする処理が省略できる(電源投入時の初期化処理により初期値は「0」となる)分、処理速度の向上やプログラム容量の削減効果がある。
続いて、「遊技機情報通知タイマB 時間経過?」とは、「遊技機情報通知タイマB +1」によって、遊技機情報通知タイマBでのカウント数が200になった場合にYESと判定する。例えば、遊技機情報通知タイマBの記憶領域の値が「遊技機情報通知タイマB +1」によって、「0」になった場合(初期値である「0」から200回加算命令が実行された場合)にYESと判定することができる。一方、遊技機情報通知タイマBの記憶領域の値が「遊技機情報通知タイマB +1」によって「0」にならなかった場合(初期値である「0」から200回加算命令が実行されていない場合)には、NOと判定することができる。
「遊技機情報通知タイマB 時間経過?」の判断結果がNOとなった場合は、「遊技機設置情報通知要求?」を実行する。
「遊技機情報通知タイマB 時間経過?」の判断結果がYESとなった場合は、「遊技機情報通知タイマC +1」を実行する。
続いて、「遊技機情報通知タイマC +1」とは、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値に1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理である。当該演算処理は、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「2」未満の値が記憶されているときは遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に1を加算し、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域に「2」未満の値が記憶されていないとき(即ち、正常動作状況下において「3」の値が記憶されているとき)は遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「0」を記憶する演算処理である。具体例について以下に記載する。
例1)遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「0」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値は「1」となる。
例2)遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「1」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値は「2」となる。
例3)遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域に「2」が記憶されているときには、1を加算する特殊加算命令を用いた演算処理を行うと、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域の値は「3」とならずに「0」となる。
このように、「遊技機情報通知タイマC +1」では、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値に「2」が記憶されているときには、「0」を記憶する加算処理を実行することによって遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値として「0」~「2」を循環させることができる。また、遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域の値に「2」が記憶されているときに「1」を加算する状況とは、遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域が「0」となった契機が3回到来した状況に相当する。換言すると、割込み処理が300回実行されるごとに遊技機情報通知タイマBが1ずつ加算され、遊技機情報通知タイマBに1を加算する処理が3回到来しているため、300回×200回×3回(=180000回)の割込み処理が実行された(300ms×200回×3回(=180000ms(180s))経過した)状況である。本来であれば、180000回の割込み処理が実行されたかを計測するためには3バイトの記憶領域を設けなければならないが、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマBを用いることにより、遊技機情報通知タイマCの記憶領域を1バイトとすることができ、RWMの記憶容量を削減することができる。
なお、上述した特殊加算命令である「遊技機情報通知タイマC +1」の演算命令として、「遊技機情報通知タイマB +1」の演算命令と同様のICPLD命令が挙げられる。
なお、本実施形態では「遊技機情報通知タイマC +1」のように加算命令としているが、減算命令でもよい。減算命令の場合は、電源投入時に遊技機情報通知タイマCを計測するための記憶領域にカウント値として「3」を記憶して、その後「0」となったときとしてもよいし、電源投入時に遊技機情報通知タイマBを計測するための記憶領域にカウント値として「2」を記憶して、その後キャリーフラグが「1」となったときとしてもよい。
また、本実施形態では、「遊技機情報通知タイマC +1」のように加算命令としているため、減算命令にした場合と比べて初期値をセットする処理が省略できる(電源投入時の初期化処理により初期値は「0」となる)分、処理速度の向上やプログラム容量の削減効果がある。
続いて、「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」とは、「遊技機情報通知タイマC +1」によって、遊技機情報通知タイマCでのカウント数が3になった場合にYESと判定する。例えば、遊技機情報通知タイマCの記憶領域の値が「遊技機情報通知タイマC +1」によって、「0」になった場合(初期値である「0」から3回加算命令が実行された場合)にYESと判定することができる。一方、遊技機情報通知タイマCの記憶領域の値が「遊技機情報通知タイマC +1」によって「0」にならなかった場合(初期値である「0」から3回加算命令が実行されていない場合)には、NOと判定することができる。
「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」の判断結果がNOとなった場合は、「遊技機設置情報通知要求フラグセット」を実行する。
「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」の判断結果がYESとなった場合は、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」を実行する。
続いて、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」とは、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目に「1」を記憶する制御である。なお、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」を実行するのは、図30のフローチャートに記載されているとおり、「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」でYESとなったときである。換言すると、180sの周期が到来したときに「遊技機性能情報通知要求フラグセット」が実行される。
続いて、「遊技機設置情報通知要求フラグセット」とは、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目に「1」を記憶する制御である。なお、「遊技機設置情報通知要求フラグセット」を実行するのは、図30のフローチャートに記載されているとおり、「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」でNOとなったとき、及び、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」を実行するとき(「遊技機情報通知タイマC 時間経過?」でYESとなったとき)である。換言すると、60sの周期が到来したときに「遊技機設置情報通知要求フラグセット」が実行される。このため、60sの周期の3倍である180sの周期の際には、「遊技機性能情報通知要求フラグセット」、「遊技機設置情報通知要求フラグセット」の両方の制御が実行されることとなる。
このように遊技機設置情報を貸出ユニットに送信するタイミングと遊技機性能情報を貸出ユニットに送信するタイミングとをフラグで管理するため、ホールコン・不正監視情報と、遊技機設置情報と、遊技機性能情報とを貸出ユニットに送信する処理を簡略化できる(各種情報に対応したタイマを連動させることで個別に管理することなく貸出ユニットに送信することが可能となる)。さらに、電源がONとなったきに遊技機情報通知タイマBや遊技機情報通知タイマCを更新しないことにより、ホールコン・不正監視情報と、遊技機設置情報と、遊技機性能情報とを送信するためのタイマの計測開始タイミングがずれることがないため、正確に送信することが可能となる。換言すると、電源ON時に遊技機情報通知タイマAのみ更新することで、複雑な処理をすることなく連動している遊技機情報通知タイマBや遊技機情報通知タイマCを貸出ユニットに送信するタイミングがずれないようにすることが可能となる。
続いて、「主制御状態変化?」とは、現在の主制御状態とホールコン不正監視情報を送信した後の主制御状態とを比較して、主制御状態に変化があったか否かを判断する処理である。前述したホールコン・不正監視情報の優先度を決定するための処理となっている。
続いて、「投入情報≠0又は払出情報≠0?」とは、投入点、又は払出点を記憶している記憶領域に投入点、又は払出点が記憶されているかを判断する処理である。
続いて、「遊技機設置情報通知要求?」とは、遊技機設置情報通知要求フラグがセットされているか否かを判断する制御である。例えば、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目が「1」であればYESと判定し、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目が「0」であればNOと判定する。
「遊技機設置情報通知要求?」の判断結果がNOとなった場合は、「遊技機性能情報通知要求?」を実行する。
「遊技機設置情報通知要求?」の判断結果がYESとなった場合は、「遊技機設置情報 送信」を実行する。
続いて、「遊技機性能情報通知要求?」とは、遊技機性能情報通知要求フラグがセットされているか否かを判断する制御である。例えば、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目が「1」であればYESと判定し、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目が「0」であればNOと判定する。
「遊技機性能情報通知要求?」の判断結果がNOとなった場合は、「ホールコン・不正監視情報 送信」を実行する。
「遊技機性能情報通知要求?」の判断結果がYESとなった場合は、「遊技機性能情報 送信」を実行する。
なお、図30のフローチャートに記載されているとおり、「遊技機設置情報通知要求?」を判断した後に、「遊技機性能情報通知要求?」を判断する処理順序となっている。このような処理順序にすることにより、遊技機設置情報通知要求フラグと遊技機性能情報通知要求フラグの両方がセットされている状況(例えば、180s周期が到来した状況)においては、先に、「遊技機設置情報通知要求?」を判断することにより、遊技機性能情報の送信制御よりも先に遊技機設置情報の送信制御を実行することができように構成している。また、遊技機性能情報通知要求を判断するよりも先に遊技機設置情報通知要求を判断するだけで、複雑な処理を用いることなく優先度に応じた通信が可能となる。
続いて、「ホールコン・不正監視情報 送信」とは、上述した「ホールコン・不正監視情報」を貸出ユニットに送信する制御処理が該当する。なお、このときに貸出ユニットに送信する内容は送信するタイミングで取得したRWMの記憶領域に記憶されている情報である。例えば、「ホールコン・不正監視情報」に含まれる総得点は、送信時点における総得点記憶領域(_NB_MEDAL)に記憶されている情報を送信する。換言すると、本来のホールコン・不正監視情報の送信タイミングである300ms毎の送信タイミングにおいて遊技機設置情報の送信タイミングと合致した場合、遊技機設置情報の方が優先度が高いため、当該300msのタイミングではホールコン・不正監視情報を送信せず、次の300ms後にホールコン・不正監視情報を送信する。この「次の300ms後に送信するホールコン・不正監視情報」については、遊技機設置情報の送信タイミングと合致した時点のホールコン・不正監視情報を送信するのではなく、「次の300ms後にホールコン・不正監視情報を送信するタイミング」で取得したホールコン・不正監視情報を送信することで、送信タイミングがずれても最新の情報を送信することが可能となる。
また、「ホールコン・不正監視情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、通番を更新(+1)する。当該通番も、計数通番等と同様に、電源復帰直後の送信時には通番として「0」を送信し、それ以降は、「1」~「255」の何れかを送信できるよう(「1」~「255」を循環するよう)に更新している。この通番は、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報、の3つの情報のうち何れかを送信したときに更新される通番である。換言すると、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報で同じ通番を用いているため、電源が投入されている状況下においては、300msの周期で通番が更新されるように構成されている。
「ホールコン・不正監視情報 送信」が終了した場合には、遊技機情報管理を終了する。
続いて、「遊技機設置情報 送信」とは、上述した「遊技機設置情報」を貸出ユニットに送信する制御処理が該当する。なお、このときに送信する内容は送信するタイミングで取得したRWMの記憶領域に記憶されている情報である。
また、「遊技機設置情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、遊技機設置情報通知要求フラグをクリアする。具体的には、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD1ビット目を「0」にする。また、「遊技機設置情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、通番を更新(+1)する。
「遊技機設置情報 送信」が終了した場合には、遊技機情報管理を終了する。
続いて、「遊技機性能情報 送信」とは、上述した「遊技機性能情報」を貸出ユニットに送信する制御処理が該当する。なお、このときに送信する内容は送信するタイミングで取得したRWMの記憶領域に記憶されている情報である。換言すると、本来の遊技機性能情報の送信タイミングである180s毎の送信タイミングにおいて遊技機設置情報の送信タイミングと合致した場合、遊技機設置情報の方が優先度が高いため、当該180sのタイミングでは遊技機性能情報を送信せず、次の300ms後に遊技機性能情報を送信する。この「次の300ms後に送信する遊技機性能情報」については、遊技機設置情報の送信タイミングと合致した時点の遊技機性能情報を送信するのではなく、「次の300ms後に遊技機性能情報を送信するタイミング」で取得した遊技機性能情報を送信することで、送信タイミングがずれても最新の情報を送信することが可能となる。
また、「遊技機性能情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、遊技機性能情報通知要求フラグをクリアする。具体的には、遊技機情報通知要求フラグ(_FL_INF_CTL)のD0ビット目を「0」にする。また、「遊技機性能情報」を貸出ユニットに送信するための処理が終了した後には、通番を更新(+1)する。
「遊技機性能情報 送信」が終了した場合には、遊技機情報管理を終了する。
上述したように遊技機情報通知は300ms毎に貸出ユニットに送信可能なよう構成されている。また、役比モニタの点滅切り替えタイミングも300ms毎に切り替えている。ただし、遊技機情報通知を送信するための300msを計測するタイマ更新処理はキャリーフラグとゼロフラグを用いて貸出ユニットに送信しているのに対して、役比モニタの点灯と消灯とを切り替えるための300msを計測するタイマ更新処理はキャリーフラグのみを用いて切り替えている。
これは、遊技機情報通知の方が不正されたときの被害が大きいため、送信する情報の正確性を高めるために2種類のフラグを用いて管理しているためである。
続いて、遊技機Pの電源がONとなった後の遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報の何れかの情報)の送信タイミングに関して図31を基に説明する。
図31は、遊技機Pの電源がONとなった後の遊技媒体数制御基板P16から貸出ユニットへの遊技機情報通知の送信タイミングを示しており、図中の「タイマA」とは「遊技機情報通知タイマA」を示しており、「タイマB」とは「遊技機情報通知タイマB」を示しており、「タイマC」とは「遊技機情報通知タイマC」を示しており、「起動後」とは「遊技媒体数制御基板P16における最初の割込み処理」を示しており、「1ms後」とは「それぞれ次の割込み処理」を示している。また、「タイマA=0」とは、遊技機情報通知タイマAの値(タイマ値)が0であることを示している。また、タイマ値は割込み処理起動時におけるタイマ値を示しており、更新処理は行われていない値である。換言すると、前回の割込み処理で更新された値である。
上述したように初回起動時は、遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、遊技機情報通知タイマCが初期化されるため、それぞれのタイマ値としては「0」となっている。そして、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「0」(減算前のタイマ値が0)であるため、1回目の遊技機情報通知としてホールコン・不正監視情報を送信している。なお、遊技機設置情報と遊技機性能情報もタイマ値が「0」であるが、ここではゼロフラグが「0」であるため、遊技機設置情報と遊技機性能情報は送信しない。
続いて、2回目のホールコン・不正監視情報の送信タイミングに関して図32を基に説明する。なお、図32で登場する文言は図31と同一であるため、説明を省略する。
2回目のホールコン・不正監視情報送信タイミングは、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」となっているときである。遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」(減算前のタイマ値が1)であるときの減算処理により「0」となった結果、ゼロフラグが「1」となり、ホールコン・不正監視情報が送信されるとともに、遊技機情報通知タイマAのタイマ値に「300」が記憶される。また、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となることで、遊技機情報通知タイマBのタイマ値が「1」となる。
続いて、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したときの遊技機情報通知の送信タイミングに関して図33を基に説明する。なお、図33で登場する文言は図31、及び図32と同一であるため、説明を省略する。
ホールコン・不正監視情報送信タイミングは、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されたときであるが、同時に遊技機情報通知タイマBのタイマ値が「199」から「0」となった場合は、遊技機設置情報通知要求フラグが「1」となる。このため、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが同時に発生した場合の割込み処理では、遊技機設置情報通知要求フラグが「1」となっていることに基づいて、遊技機設置情報を送信し、ホールコン・不正監視情報は送信されない。そして、次の割込み処理では、遊技機設置情報通知要求フラグが「0」となっているが、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「300」になっていることで、ゼロフラグが「0」となっており、ホールコン・不正監視情報は送信されない。
換言すると、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したときは、遊技機設置情報の送信の優先度が高いためホールコン・不正監視情報は送信されず、次に遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されるまで(次に300ms経過するまで)ホールコン・不正監視情報は送信されないことになる。また、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となることで、遊技機情報通知タイマBのタイマ値が「199」から「0」となり、遊技機情報通知タイマCのタイマ値が「0」から「1」となる。
また、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したことにより、ホールコン・不正監視情報の送信が300ms後となった場合であっても、遊技機情報通知タイマAのタイマ値の更新は継続しているため、ホールコン・不正監視情報を1回分送信しなかったとしても、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報の送信タイミングがずれることはない。
また、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報の送信タイミングが一致したことにより、ホールコン・不正監視情報の送信が300ms後となった場合、次の300ms後に送信するホールコン・不正監視情報は送信するタイミングで取得するため、300ms前の情報を送信することはない。これにより、ホールコン・不正監視情報の送信タイミングがずれても古い情報を送信することはない。
続いて、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したときの遊技機情報通知の送信タイミングに関して図34を基に説明する。なお、図34で登場する文言は図31乃至図33と同一であるため、説明を省略する。
ホールコン・不正監視情報送信タイミングは、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されたときであるが、同時に遊技機情報通知タイマBのタイマ値が「199」から「0」となり、さらに遊技機情報通知タイマCのタイマ値が「2」から「0」となった場合は、遊技機設置情報通知要求フラグが「1」となり、遊技機性能情報通知要求フラグが「1」となる。このため、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが同時に発生した場合の割込み処理では、遊技機設置情報通知要求フラグが「1」となっていることに基づいて、遊技機設置情報を送信し、ホールコン・不正監視情報と遊技機性能情報は送信されない。そして、次の割込み処理では、遊技機設置情報通知要求フラグが「0」となっており、遊技機性能情報通知要求フラグが「1」となっているが、遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「300」になっていることで、ゼロフラグが「0」となっており、ホールコン・不正監視情報は送信されず、この場合は、遊技機情報管理は終了するため、遊技機性能情報も送信されない。ただし、遊技機性能情報通知要求フラグは「1」のまま記憶しておく。
換言すると、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したときは、遊技機設置情報の送信の優先度が高いためホールコン・不正監視情報と遊技機性能情報は送信されず、次に遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されると、遊技機性能情報通知要求フラグが「1」であることに基づいて、ホールコン・不正監視情報よりも遊技機性能情報を優先して送信する。遊技機性能情報を送信した後は遊技機性能情報通知要求フラグが「0」となるため、次に遊技機情報通知タイマAのタイマ値が「1」から「0」となって「300」が記憶されると(次に300ms経過すると)ホールコン・不正監視情報が送信されることになる。
また、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したことにより、遊技機性能情報の送信が300ms後となり、ホールコン・不正監視情報の送信が600ms後となった場合であっても、遊技機情報通知タイマAのタイマ値の更新は継続しているため、ホールコン・不正監視情報を2回分送信しなかったとしても、ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、遊技機性能情報の送信タイミングがずれることはない。
また、ホールコン・不正監視情報と遊技機設置情報と遊技機性能情報の送信タイミングが一致したことにより、当該タイミングでは遊技機設置情報を送信し、その後、遊技機性能情報の送信が300ms後となり、ホールコン・不正監視情報の送信が600ms後となった場合、遊技機設置情報を送信した300ms後に送信する遊技機性能情報は送信するタイミングで取得するため、300ms前(遊技機設置情報を送信したときのタイミング)の情報を送信することはない。また、遊技機性能情報を送信した300ms後に送信するホールコン・不正監視情報は送信するタイミングで取得するため、600ms前(遊技機設置情報を送信したときのタイミング)の情報を送信することはない。これにより、ホールコン・不正監視情報と遊技機性能情報の送信タイミングがずれても古い情報を送信することはない。
また、上述した実施形態では、180s毎に送信する遊技機性能情報は、60s毎に送信する遊技機設置情報と必ず同タイミングで要求フラグが1となる。換言すると、遊技機性能情報通知要求フラグが1となるタイミングでは、必ず遊技機設置情報通知要求フラグが1となる。このため、遊技機性能情報は遊技機性能情報通知要求フラグが1となるタイミングでは送信できず、次の300ms後に送信されるようになっている。しかし、この場合であっても、遊技機性能情報通知要求フラグが1となるタイミングは、遊技機性能情報通知要求フラグが1となってから180s後であるため、定期的に遊技機性能情報を送信することが可能となっている。
また、遊技媒体数制御基板P16で管理する遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、遊技機情報通知タイマCを記憶する記憶領域は電源断により初期化する(電源投入処理により初期化する)構成となっているが、主制御基板P15で管理するウエイト時間(4.1秒、最小遊技時間とも称す)を計測するタイマは電源断時に保存し電源投入時に初期化しないことで、電源投入後は続きから計測を開始する構成となっている。このような構成とすることで、貸出ユニットに遊技機情報通知を送信するための各種の遊技機情報通知タイマを電源投入後に再セットでき、定期的な通信が可能となる。
また、遊技媒体数制御基板P16で管理する遊技機情報通知タイマA、遊技機情報通知タイマB、遊技機情報通知タイマCを記憶する記憶領域は電源断により初期化する(電源投入処理により初期化する)構成となっているが、主制御基板P15で管理するフリーズ時間(リール演出時間とも称す)を計測するタイマは電源断時でも保存され電源投入時に初期化しないことで、電源投入後はフリーズ時間を続きから計測する構成となっている。このような構成とすることで、貸出ユニットに遊技機情報通知を送信するための各種の遊技機情報通知タイマを電源投入後に再セットでき、定期的な通信が可能となる。
<本実施形態において適用可能な動作確認モードに関する説明>
本実施形態における遊技機は、貸出ユニットと通信しないと遊技動作が禁止されているため、遊技機単体で動作確認をしたい場合に、貸出ユニットの代わりにダミーユニットを装着する必要がある。ダミーユニットは貸出ユニットと同様に遊技機と通信を行えるため、ダミーユニットが不正に流通してしまうと、遊技機と貸出ユニットとの通信を解析されてしまう可能性があるため、ダミーユニットの管理は非常に厳重にする必要がある。このため、中古業者が中古遊技機の動作確認するためには、遊技機メーカからダミーユニットを借りなければならなくなり、動作確認に時間を要することになる。
そこで、遊技機の動作確認を遊技機単体で実行させるために、遊技機には、貸出ユニットやダミーユニットと接続しなくても動作可能な動作確認モードを搭載している。この動作確認モードは遊技機が正常に動作するか否かを確認するためのモードであるため、遊技媒体の投入や払出は行わないように構成されている。
動作確認モードは、遊技者が容易に実行できないように構成するのが望ましい。このため、電源投入処理時に所定のスイッチに対する入力ポートの読み込みを実行し、電源投入処理時に所定のスイッチの操作を検知したと判断したときに動作確認モードを起動する。所定のスイッチとして、1ベットスイッチ、MAXベットスイッチ、スタートスイッチ、左ストップスイッチ、中ストップスイッチ、右ストップスイッチ、精算スイッチP6、リセットスイッチ、計数スイッチP7、設定キースイッチのうち何れか1つ又は、2以上の組合せとすることが考えられる。2以上の組合せとしては、例えば、電源断中に設定キースイッチをONにして計数スイッチP7を押下しながら電源投入を行うことが考えられる。若しくは、前扉を開放しないと操作できない専用スイッチを設けて、専用スイッチを操作しながら電源投入することで動作確認モードが起動するように構成されていてもよい。
動作確認モードは遊技機単体でも遊技できるようにするモードであるが、貸出ユニットと接続されていたとしても動作確認モードを起動することが可能となっている。このため、動作確認モード中は貸出ユニットと遊技機Pが接続されている場合と接続されていない場合とが想定されるため、動作確認モード中は貸出ユニットとの通信は通常動作と同様に実行する。例えば、貸出通知の受信や貸出受領結果応答の送信等を実行する。
動作確認モードが起動すると、遊技媒体数表示部P9の5つのセグメント表示部の表示が「-----」と表示される。さらに、動作確認モードでは毎遊技、自動的に3点が投入されている状態となり、スタートスイッチの操作が有効になる。また、動作確認モードであることを認識しやすくさせるために画像の一部に「動作確認モード中」という表示を行っても良い。「動作確認モード中」という表示は、演出抽せんやデモ画面への移行により演出が切り替わっても常に同じ大きさで表示されるようになっている。
動作確認モードでスタートスイッチが操作された場合は、通常遊技動作と同じ抽せん処理等の遊技進行プログラム(例えば、内部抽せん処理、リール制御処理、演出抽せん処理、コマンド送信処理等の主制御基板P15、遊技媒体数制御基板P16、副制御基板P12で実行されるプログラム)を使用して遊技機を動作させることで遊技機が正常か否かを確認可能なようにしている。ただし、払出処理に関しては実行せずに付与数表示部に付与数の表示のみ行い、遊技媒体数表示部P9の表示は更新されない。なお、付与数表示部が搭載されていない遊技機の場合は、液晶で付与数を表示するため、動作確認モード中の液晶表示に付与数を表示する。また、最小遊技時間は動作確認モード中であっても計測しているため、最小遊技時間を経過する前にスタートスイッチが操作された場合は最小遊技時間が経過するまでリールの回転を待機させる。
また、動作確認モードでは、遊技機と貸出ユニットとで行われている通信処理は実行しないように構成しても良い。このように構成することにより、遊技機と貸出ユニットとで行われている通信処理に基づく、異常判定処理が実行されないようになる。
また、動作確認モードでは、遊技者の有利度に係る設定値として予め定められた設定値(例えば、例えば出玉率が最低となる「1」や出玉率が最高となる「6」)で遊技機が動作されるように構成されていても良いし、任意の設定値を設定してから遊技機が動作されるように構成されていても良い。さらにまた、動作確認モード中において、設定キースイッチの操作により設定値表示器で設定値を表示可能に構成されていても良いし、設定キースイッチの操作によらず設定値表示器で設定値を表示可能に構成されていても良いし、設定キースイッチの操作があった場合にも設定値表示器には設定値を表示しないように構成されていても良い。
また、動作確認モードでは、液晶等の表示装置による演出、枠ランプの点灯態様、スピーカから出力される音声等は通常通りに実行される。このため動作確認モードで長時間遊技されると出現率の低い演出(所謂プレミア演出)を動作確認モードで容易に確認できてしまい、確認されたプレミア演出を動画や画像によってweb上にアップロードされることにより遊技の興趣が低下する虞があるため、動作確認モードで所定回数の遊技を実行したときは、自動的に動作確認モードを終了するように構成されている(換言すれば、動作確認モードが実行可能な遊技回数の上限回数としての所定回数が設定されており、所定回数に到達した後は動作確認モードでの遊技が行えないように構成されている)。この所定回数としては、例えば1回、10回、20回等とすることが考えられる。動作確認モード中に所定回数の遊技を実行したときは、動作確認モードを終了するとともに、その後の通常遊技を禁止してもよい。通常遊技の禁止の状態から通常遊技を実行可能な状態にするためには、再度の電源投入や設定変更モードへの移行の操作(設定キースイッチONの状況下で電源スイッチON)等が挙げられる。なお、通常遊技の禁止の状態から動作確認モードの開始条件を満たした場合は、再度動作確認モードを開始する。
また、任意に動作確認モードを終了させる場合は、動作確認モード中に電源断を行うこと(電源断処理中に動作確認モード終了処理を実行すること)や、動作確認モード中に電源断をして電源投入を行うこと(電源投入処理中に動作確認モード終了処理を実行すること)等のように、通常の動作で終了することが望ましい。これは、動作確認モードを必要とする場面が、中古移動等の限られた場面であるため、遊技場での設定変更中作業等により誤って動作確認モードを起動させてしまっても、電源断等の通常動作ですぐに終了させることで、営業中に動作確認モードとなる可能性を低くするためである。なお、任意に動作確認モードを終了させる方法としては、動作確認モード中に電源断を行うことに限られず、設定変更モードへの移行の操作(設定キースイッチONの状況下で電源スイッチON)で実行される設定変更処理に伴う初期化処理で動作確認モードを終了させてもよい。
また、動作確認モード中であって、リール回転中の状態で電源断があった場合は、電源投入時にリールを再回転させずに、動作確認モードを終了させる場合や、電源投入時にリールを再回転させて、当該遊技が終了した後に動作確認モードを終了させる場合が考えられる。なお、リール回転中の説明を記載したが、スタートスイッチの操作から当該遊技終了時までの間に電源断が発生した場合も同様な動作となる。
また、動作モードを終了するときは、動作モードで使用したRWMを初期化する処理を行う。これにより、動作モード中の遊技を通常遊技に引き継がないようにすることができる。ただし、貸出ユニットへの信号出力に必要なRWMは初期化しない。なお、動作モードを終了し、通常遊技を開始する際に、設定変更モードへの移行の操作(設定キースイッチONの状況下で電源スイッチON)を要し、設定変更モードの起動により動作モードで使用したRWMを初期化する処理を行うような仕様である場合は、動作モードを終了するときに、動作モードで使用したRWMを初期化する処理を行わなくても良い。
また、動作確認モード中に液晶等の表示装置による演出、枠ランプの点灯態様、スピーカから出力される音声等は通常通りに実行される例を上述したが、これに限られず、液晶等の表示装置による演出は実行せず(黒い背景に「動作確認モード中」という表示が継続して表示される)、枠ランプの点灯態様を非点灯、又は専用の点灯態様とし、スピーカから音声は出力されない、又は専用のBGMや音声が出力されるという態様であってもよい。動作確認は主制御基板P15や遊技媒体数制御基板P16の動作が正常か否かを判別できればよいため、副制御基板に係る動作確認は行わなくてよい場合はこのように構成することで、営業中に誤って動作確認モードで遊技させたり、プレミア演出が動作確認モード中に出現したりといった事態を防ぐことが可能となる。
また、動作確認モード中に行われた遊技結果は、動作確認モードを終了した後の通常の遊技モードに影響を与えないように構成している。例えば、動作確認モード中に行われた遊技でAT抽せんに当選し、ATの権利を得た状況で動作確認モードを終了した場合であっても、動作確認モードを終了した後の通常の遊技モードでは、ATの権利が無い状態で遊技を開始するように構成されている。
また、動作確認モード中においては、役比モニタにはテストパターンが表示されるように構成されている。このように構成することにより、役比モニタの表示によっても動作確認モード中か否かを判別することが可能となる。なお、動作確認モード中において電源投入から5秒間はテストパターンを表示して、5秒経過後は通常動作と同様に役比モニタに各種比率を表示してもよいし、動作確認モード中において電源投入時にテストパターンは表示せずに役比モニタに各種比率を表示してもよい。
また、動作確認モード中に行われた遊技結果は、役比モニタに表示する各種項目の比率に影響を与えないように構成している。例えば、動作確認モード中に行われた遊技に基づいて、役比モニタに表示する各種項目の比率を算出するための各記憶領域(累計の遊技回数や累計の付与数等)を更新しないように構成している。このように構成することにより、実際の市場における挙動を示した各種比率が役比モニタに表示可能となる。
<異常の判断順番>
主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とのコマンド通信における異常判断に関して説明する。
遊技媒体数制御基板P16が主制御基板P15から送信され得るコマンドとして、投入要求コマンド、精算要求コマンド、及び払出要求コマンド等がある。
上述したように、遊技媒体数制御基板P16が投入要求コマンドを受信したときに受信した投入点が1~3以外の値の場合は、メダル数制御受信異常コマンドを主制御基板P15に送信した後にVL異常(VL信号OFF)か否かを確認するように構成している。これは、本実施形態に記載の遊技機において最も重要な情報である総得点に関する処理を優先的に実行するためである。仮に、VL異常を判断した後にコマンド異常を判断するという順番であれば、VL異常であった場合に主制御基板P15と遊技媒体数制御基板P16とのコマンド通信に異常があったとしても、判断できなくなってしまう。これは、VL異常と判断したときにベット操作を無効にするためのベット処理を実行しなくなるためである。
遊技媒体数制御基板P16が精算要求コマンド、又は払出要求コマンドを受信したときに第2制御コマンドのデータをチェックしてからVL異常をチェックするよう構成している理由についても投入要求コマンドと同様である。
このような事態を防ぐために、VL異常か否かを判断する前に主制御基板P15からのコマンド受信に異常がないか否かを確認している。
また、上述した例に限らず主制御基板P15から送信される全てのコマンドを受信したときにVL異常か否かの判断の前にコマンド内容が正常か否かを判断している。
<基本通信シーケンスのタイマ計測>
図20に記載されているとおり、遊技機情報通知は300msごとに遊技機から貸出ユニットに出力される。また、計数通知は、遊技情報通知を出力してから100ms後に遊技機から貸出ユニットに出力される。また、貸出通知は、計数通知を出力してから170ms以内に貸出ユニットからから遊技機に出力される。また、貸出受領結果応答は、貸出通知を受信してから10ms以内に遊技機から貸出ユニットに出力される。このように、規定のタイミングで情報の出力や情報の受信を行う必要がある。このため、複数のタイマを備えて、情報の送信や受信のタイミングを計測することもできるが、RWMの容量を削減するため、1つのタイマを用いて、情報の送信や受信のタイミングを計測する方法を採用することができる。以下に、遊技機情報通知タイマA(300msを計測するためのタイマ)を計測するための記憶領域(_TM_INF_CTL_A)を用いた例について説明を行う。
<遊技機情報通知タイマA>
上述したとおり、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値は、遊技媒体数制御基板P16のタイマ割込み処理ごとに1ずつ減算される。例えば、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「300」のときには「299」、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「1」のときには「300」(0となった場合には、「300」が記憶される)のように構成されている。換言すると、電源投入直後を除くと、原則、300~1を循環するように構成されている(電源投入直後は0)。また、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「300」であるときに、遊技機情報通知を出力するための処理を実行する。
<計数通知>
遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」であるときに、計数通知を出力するための処理を実行する。換言すると、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」であるときとは、遊技機情報通知が通知されてから100ms経過したタイミングである。
<貸出通知>
貸出通知を受信したとき、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」より大きい場合、又は、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「30」より小さい場合、の何れかの場合に異常と判定する。換言すると、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」より大きい場合とは、遊技機情報通知が通知されてから100ms経過する前のタイミングである。つまり、計数通知を出力するための処理を実行する前のタイミングを意味している。また、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「30」より小さい場合とは、遊技機情報通知が通知されてから270ms経過した後のタイミングである。つまり、計数通知を出力するための処理を実行した後、170ms経過した後のタイミングを意味している。なお、遊技機情報通知タイマAを記憶するための記憶領域の値に基づいて異常と判定した場合は、受信した貸出通知に基づいてチェックサムが正常か否かを判定する処理や、受信した貸出通知に基づいて貸出通番が正常か否かを判定する処理や、受信した貸出通知に基づいて貸出点数を総得点に加算する処理や、受信した貸出通知に対応した基貸出受領結果応答を出力するための処理を実行しない。
<貸出受領結果応答>
貸出通知を受信したとき、遊技機情報通知タイマAを計測するための記憶領域の値が「200」以下、且つ、「30」以上の場合(貸出通知を受信したとき、遊技機情報通知タイマAを記憶するための記憶領域の値に基づいて異常と判定しなかった場合)に、貸出通知を受信した当該割込み処理にて貸出受領応答を出力するための処理を行う。なお、上述したとおり、遊技機情報通知タイマAを記憶するための記憶領域の値に基づいて異常と判定した場合は、受信した貸出通知に基づいてチェックサムが正常か否かを判定する処理や、受信した貸出通知に基づいて貸出通番が正常か否かを判定する処理や、受信した貸出通知に基づいて貸出点数を総得点に加算する処理や、受信した貸出通知に対応した貸出受領結果応答を出力するための処理を実行しない。換言すると、貸出受領結果応答として異常を示す応答も行わない。つまり、基本通信シーケンスに基づいたタイミング以外で遊技機が貸出通知を受信した場合には、受信した貸出通知が不正の貸出通知である可能性があるため、貸出受領結果応答も遊技機から貸出ユニットに出力しないように構成している。
<各LEDの点灯制御>
状態表示ランプ1~5、遊技媒体数表示部P9の各セグメント表示部、役比モニタの各セグメント表示部についてはダイナミック点灯制御を行っている。
本実施形態における遊技機では、LED表示カウンタが5種類の値(01h、02h、04h、08h、10h)をとるため5割込みごとに点灯するよう構成されている。LED表示カウンタの値が01hの場合はLEDデジットAが対応しており、LED表示カウンタの値が02hの場合はLEDデジットBが対応しており、LED表示カウンタの値が04hの場合はLEDデジットCが対応しており、LED表示カウンタの値が08hの場合はLEDデジットDが対応しており、LED表示カウンタの値が10hの場合はLEDデジットEが対応している。
LEDデジットAで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の1桁目のLED、状態表示ランプ1のLED、役比モニタの4桁目のLEDであり、LEDデジットBで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の2桁目のLED、状態表示ランプ2のLED、役比モニタの3桁目のLEDであり、LEDデジットCで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の3桁目のLED、状態表示ランプ3のLED、役比モニタの2桁目のLEDであり、LEDデジットDで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の4桁目のLED、状態表示ランプ4のLED、役比モニタの1桁目のLEDであり、LEDデジットEで制御するLEDは、遊技媒体数表示部P9の5桁目のLED、状態表示ランプ5のLEDである。
<貸出中の演出>
貸出ユニットに備えられている貸出ボタンが操作されて貸出点として所定数(例えば47点等0ではない任意の点数)が含まれた情報の貸出通知を遊技機Pが受信したときに正常な受信や加算後の総得点が15000点を超えない場合であれば、貸出点を総得点に加算することで総得点を更新し、その後貸出受領結果応答を遊技機Pが貸出ユニットに送信するようになっている。
このように貸出処理を実行して総得点に貸出点を加算する時に、遊技機Pは演出音(貸出音と称する場合がある)を所定時間出力するように構成されている。貸出音としては、「ピコン」等の効果音や「貸し出しました」等の音声等を例示できる。
具体的に、図49の貸出処理に関するフローチャートに基づいて説明する。
<受信データ取得>
貸出ユニットの貸出ボタンが操作されて送信された貸出通知のデータを取得する。取得した受信データは貸出通知受信バッファ(貸出通知受信バッファ1乃至5の5つの記憶領域)に保存する。貸出通知は5バイトの電文長であるため、受信データ取得処理と貸出通知受信バッファ保存処理を5回実行することで全ての貸出通知のデータを取得するよう構成されている。
<貸出通知正常受信?>
受信した貸出通知の電文長を示すデータが「0x05」であり、且つコマンドを示すデータが「0x13」であるか否かを判断する。この判断処理で電文長を示すデータが「0x05」でないか、又はコマンドを示すデータが「0x13」でないときは貸出通知を正常に受信できなかったと判断し、貸出通知受信バッファ(貸出通知受信バッファ1乃至5の5つの記憶領域)をクリアする。
<通信異常2~6チェック>
通信異常2、3、4、5、又は6のチェックを実行し、通信異常フラグを保存する処理である。通信異常フラグは1バイトであり、D0ビットが1であれば通信異常1を示し、D1ビットが1であれば通信異常2を示し、D2ビットが1であれば通信異常3を示し、D3ビットが1であれば通信異常4を示し、D4ビットが1であれば通信異常5を示し、D5ビットが1であれば通信異常6を示す。具体的に図53のフローチャートに基づいて説明する。
<<通信異常フラグ初期値 セット>>
通信異常フラグの初期値としてAレジスタに0を記憶する処理を実行する。
<<貸出通知受信カウンタ +1(最大値2)>>
貸出通知受信カウンタの値を+1する処理を実行する。ここで特殊加算命令(一命令)により+1した結果2を超えた場合は2に補正される。このため、不正により貸出通知受信カウンタの値が255を超えて再度0とされたときに貸出通知受信カウンタの値を+1する処理を実行したときに貸出通知受信カウンタの値が1となることを防ぐことができる。
<<貸出通知受信カウンタ≠1?>><<通信異常2フラグ セット>>
貸出通知受信カウンタの値が1ではないか否かを判断し、貸出通知受信カウンタの値が1ではない場合は通信異常2フラグをセットする(通信異常フラグのD1ビットを1にする)(通信異常2に関する処理とも称す)。
ここで、貸出通知受信カウンタは、遊技機情報通知送信時(ホールコン・不正監視情報、遊技機設置情報、又は遊技機性能情報送信時)に初期化されて0になり、貸出ユニットからの貸出通知受信時に+1される。換言すると、遊技機情報通知は300ms毎に送信され、貸出通知は300ms毎に受信されるため、正常であれば、遊技機情報通知送信から貸出通知受信までは貸出通知受信カウンタが0となっており、貸出通知受信処理内の貸出通知受信カウンタ+1処理にて+1されるため、貸出通知受信カウンタ≠1判断処理を実行する時は貸出通知受信カウンタ=1となっている。このため、貸出通知受信カウンタが1以外の場合は、不正により遊技機情報通知送信から貸出通知受信までに、貸出通知が複数回受信されている、又はRAMの値が書き換えられている可能性があるため、通信異常2フラグをセットすることになる。
また、貸出通知受信カウンタを複数のタイミング(遊技機情報通知送信時と貸出通知受信時)で判断することにより、1つのカウンタで複数の異常(通信異常1と通信異常2)を検出ことができ、プログラム容量の削減と処理の軽量化を実現できる。
<<受信範囲異常?>><<通信異常3フラグ セット>>
遊技機情報通知タイマAの値が100ms未満、又は遊技機情報通知タイマAの値が270msを超えるか否かを判断し、遊技機情報通知タイマAの値が100ms未満、又は遊技機情報通知タイマAの値が270msを超えるか場合は、通信異常3フラグをセットする(通信異常フラグのD2ビットを1にする)(通信異常3に関する処理とも称す)。
貸出ユニットから貸出通知を受信する時間は、遊技機情報通知送信から100ms以降であって、270ms以下に設定しているため、この受信範囲内を超える場合は不正により貸出通知を受信した可能性があるため、通信異常3フラグをセットすることになる。
<<貸出メダル数>50?>><<通信異常4フラグ セット>>
受信した貸出通知に含まれている貸出メダル数が50を超えるか否かを判断し、貸出メダル数が50を超える場合は通信異常4フラグをセットする(通信異常フラグのD3ビットを1にする)(通信異常4に関する処理とも称す)。
<<貸出メダル数=0?>>
受信した貸出通知に含まれている貸出メダル数が0であるか否かを判断し、貸出メダル数が0である場合は、通信異常フラグ更新処理を実行する。これは、通信異常フラグ5と通信異常フラグ6とは貸出メダル数が0でないときにセットされる可能性がある異常であるため、貸出メダル数が0である場合は、通信異常フラグ5と通信異常フラグ6の判断処理を実行しないようにし、プログラムの実行速度を速めることが可能となる。
<<応答許可フラグ=0?>><<通信異常5フラグ セット>>
応答許可フラグが0であるか否かを判断し、応答許可フラグが0である場合は通信異常5フラグをセットする(通信異常フラグのD4ビットを1にする)(通信異常5に関する処理とも称す)。応答許可フラグが0の場合は、貸出通知の受信を許可していない状況(ホールコン・不正監視情報の送信後ではない状況)であるため、貸出メダル数が0ではない状況で応答許可フラグが0の場合は、貸出通知の受信を許可していない状況であるにもかかわらず貸出通知を受信したことになり、不正により送信された貸出通知を受信した可能性を判断することができる。
また、通信異常2~6チェック処理の前に貸出通知正常受信判断処理を実行しており、受信した貸出通知の電文長を示すデータが「0x05」であり、且つコマンドを示すデータが「0x13」であるか否かを判断して正常な受信として判断した後も応答許可フラグを判断することで、より不正に強い遊技機を実現できる。
<<計数メダル数≠0??>><<通信異常6フラグ セット>>
計数メダル数が0でないか否かを判断し、計数メダル数が0でない場合は通信異常6フラグをセットする(通信異常フラグのD5ビットを1にする)(通信異常6に関する処理とも称す)。貸出処理と計数処理が同時に行われることはないため、貸出メダル数が0でないときに計数メダル数が0でないときは不正により送信された貸出通知を受信した、又は不正により計数通知が送信された可能性を判断することができる。
<<通信異常フラグ 更新>>
通信異常2~6の各判断処理でセットされた各通信異常に基づいて、通信異常フラグを更新する。
<正常受信範囲?>
受信した貸出通知の受信タイミングが正常の範囲か否かを判断する。具体的に、遊技機情報通知の送信タイミングから100ms後である計数通知送信タイミングから170ms以内が貸出通知の正常な受信範囲であるため、貸出通知を受信したときの遊技機情報通知タイマAの値から30(200-170)を減算し、遊技機情報通知タイマAの値から30を減算した値が171(170+1)と比較して小さい場合は正常であると判断し、大きい場合は異常であると判断する。異常であると判断した場合は貸出通知受信バッファ(貸出通知受信バッファ1乃至5の5つの記憶領域)をクリアする。
<チェックサム異常?>
チェックサムが記憶されている貸出通知受信バッファ5を除いた貸出通知受信バッファ1乃至4に記憶されている各種データを合計した値と貸出通知受信バッファ5に記憶されているチェックサムの値に基づいて、チェックサムが異常か否かを判断する。具体的には、貸出通知受信バッファ1乃至4に記憶されている電文長データ、コマンドデータ、貸出通番データ、貸出点データの値を加算した値と、貸出通知受信バッファ5に記憶されているチェックサムの値を比較して、同じ値であれば正常と判断し、異なる値であれば異常と判断する。チェックサム異常と判断された場合は、貸出点受領結果に異常を示す値(「0x01」)を保存して、貸出受領結果応答をセットする。換言するとチェックサムが異常である場合は、貸出通知を破棄する(例えば、総得点に貸出点を加算しない)ように構成されている。
<貸出通番取得、貸出通番+1、貸出通番=0?>
遊技媒体数制御基板P16が記憶している貸出通番を取得し、貸出通番を更新(1インクリメント)する。更新(1インクリメント)した貸出通番が0であると判断した場合は、再度貸出通番を更新(1インクリメント)し、更新(1インクリメント)した貸出通番が0でないと判断した場合は、貸出通番が正常か否かを判断する。なお、貸出通番=0は遊技機との通信を開始するときのみ使用するため、貸出通番を更新(1インクリメント)した結果0となった場合は再度更新(1インクリメント)して1にする必要がある。
<貸出通番正常?、通番異常フラグクリア>
貸出通知受信バッファに記憶されている貸出通番が正常か否かを判断する。具体的には、遊技媒体数制御基板P16が記憶していた貸出通番の更新後の貸出通番と、貸出通知受信バッファ3に記憶されている貸出通番が同じであるかを判断する。貸出通番が正常(技媒体数制御基板P16が記憶していた貸出通番の更新後の貸出通番と、貸出通知受信バッファ3に記憶されている貸出通番が同じ)であると判断した場合は、通番異常フラグをクリアし、貸出通番が正常でない(技媒体数制御基板P16が記憶していた貸出通番の更新後の貸出通番と、貸出通知受信バッファ3に記憶されている貸出通番が同じでない)と判断した場合は、通番異常フラグをセットし貸出点受領結果に異常を示す値(「0x01」)を保存して、貸出受領結果応答をセットする。換言すると貸出通番が異常である場合(貸出ユニットから送信された貸出通番が連続していない場合)は、貸出通知を破棄する(例えば、総得点に貸出点を加算しない)ように構成されている。
<貸出点=0?>
貸出通知受信バッファに記憶されている貸出点が0であるか否かを判断する。例えば、貸出通知受信バッファ4に記憶されている貸出点が0の場合は、貸出ユニットの貸出ボタンが操作されていない状況で送信された貸出通知であるため、以降は総得点に貸出点を加算する処理を実行せずに、遊技媒体数制御基板P16に、更新後の貸出通番を保存して、貸出点受領結果に正常を示す値(「0x00」)を保存して、貸出受領結果応答をセットする。
<応答許可フラグ=0?>
応答許可フラグが0であるか否かを判断する。応答許可フラグが0の場合は、貸出通知の受信を許可していない状況(ホールコン・不正監視情報の送信後ではない状況)であるため貸出点受領結果に異常を示す値(「0x01」)を保存して、貸出受領結果応答をセットする。換言すると応答許可フラグが0である場合は、貸出通知を破棄する(例えば、総得点に貸出点を加算しない)ように構成されている。なお、応答許可フラグはホールコン・不正監視情報を送信した後に応答許可フラグに1を保存して、遊技機情報管理処理の遊技機情報通知タイマAカウント値保存処理の後(遊技機情報通知タイマB+1処理の前)に応答許可フラグをクリアするようになっている。
応答許可フラグはホールコン・不正監視情報を送信した後に応答許可フラグに1を保存するが、遊技機設置情報や遊技機性能情報を送信した後は応答許可フラグに1を保存しない(応答許可フラグは0のまま)。これは、遊技機設置情報や遊技機性能情報には総得点に関する情報を送信しないため遊技機設置情報や遊技機性能情報を送信した後に応答許可フラグに1を保存すると(貸出を許可すると)、貸出ユニット側の判断として、貸出点が加算されたことで総得点が増えているのか、その他の要因(不正等)により総得点が増えているのか、判断できなくなる。このため、総得点情報を送信するホールコン・不正監視情報を送信した後に応答許可フラグに1を記憶するように構成することで、貸出ユニットが総得点の増減の要因を把握することができるため不正に対して強くすることができる。
また、貸出通番が正常であっても応答許可フラグ=0である場合は異常とみなす。このように不正行為が行われているが貸出通番を正しい通番で送信する不正が行われたとしても正しいタイミング(応答許可フラグ=1となっているタイミング)で貸出通知を受信しないと異常と判定できるため、不正に対して強い遊技機を提供することが可能となる。
<計数点≠0?>
計数通知の計数点が0であるか否かを判断する。計数と貸出が同時に行われた場合は、計数を優先するようにしているため、計数点を「1」以上で通知する場合は、貸出点受領結果に異常を示す値(「0x01」)を保存して、貸出受領結果応答をセットする。換言すると計数通知の計数点が0である場合は、貸出通知を破棄する(例えば、総得点に貸出点を加算しない)ように構成されている。
<貸出点≧51?>
貸出通知の貸出点が規定値の50を超えているか(51以上か)否かを判断する。貸出点が規定値の50を超えている場合は、貸出点受領結果に異常を示す値(「0x01」)を保存して、貸出受領結果応答をセットする。換言すると貸出通知の貸出点が50を超える値である場合は、貸出通知を破棄する(例えば、総得点に貸出点を加算しない)ように構成されている。
<総得点取得、総得点≧15000?>
遊技媒体数制御基板P16に記憶されている総得点を取得して、総得点が15000を超えているか否かを判断する。総得点が15000以上の場合は、総得点閾値到達状態となり総得点上限異常となる値に近くなるため、貸出点を総得点に加算せず、貸出点受領結果に異常を示す値(「0x01」)を保存して、貸出受領結果応答をセットする。換言すると総得点が15000以上の値である場合は、貸出通知を破棄する(例えば、総得点に貸出点を加算しない)ように構成されている。
<総得点加算、総得点保存>
総得点が15000未満の場合は、貸出点を総得点に加算して、加算後の総得点を総得点記憶領域に保存する。
<貸出に関する制御状態信号セット>
総得点に貸出点を加算して、総得点を更新した後は、貸出に関する制御状態信号をセットする。貸出に関する制御状態信号は200msの間出力するように構成されている。
貸出に関する制御状態信号は、貸出ユニットの貸出ボタンが操作されたときに遊技機Pから貸出音を出力するために備えられており、遊技媒体数制御基板P16が貸出に関する制御状態信号をセットしたときは、主制御基板P15に貸出に関する制御状態信号が出力され、主制御基板P15が貸出に関する制御状態信号を受信したときは、副制御基板P12に対して貸出音に関する演出コマンドを出力するように構成されている。なお、遊技媒体数制御基板P16が200ms間に亘って貸出に関する制御状態信号を出力する理由として、主制御基板P15が副制御基板P12に対して貸出音に関する演出コマンドを無操作コマンドの一部で送信しているためである。無操作コマンドは主制御基板P15が副制御基板P12に対して送信するコマンドがない場合に送信されるコマンドであるため、主制御基板P15が副制御基板P12に対して送信するコマンドがある場合は無操作コマンドが送信されない。そこで、本実施形態における遊技機は主制御基板P15が副制御基板P12に対して送信するコマンドが最も多くなる場合の送信時間を100msに設計しているため、遊技媒体数制御基板P16が貸出に関する制御状態信号を少なくとも100ms以上送信すると主制御手段P15は副制御基板P12に対して無操作コマンドを送信することができるようになる。また、基板間の通信誤差等生じるため、主制御基板P15が副制御基板P12に対して確実に無操作コマンドを送信できるように遊技媒体数制御基板P16は100msの倍の200ms間に亘って貸出に関する制御状態信号を出力するように構成している。なお、副制御基板P12が主制御基板P15から貸出音に関する演出コマンドを受信したときは、予め定められている貸出音を出力するため、遊技媒体数制御基板P16が貸出に関する制御状態信号の出力を終了していても貸出音は予め定められた時間出力することが可能となっている。
また、上述したように貸出音は総得点に貸出点を加算した後に出力されるため、貸出点が0であるときには出力されないようになっている。換言すると、300ms毎に受信する貸出通知の貸出点が0でない場合に限り貸出音が出力されるので、貸出ボタンが操作されていない状況で貸出音が出力される事態を防ぐことができる。
また、副制御基板P12が出力させる貸出音は遊技中の演出音と異なるチャンネルを設定し、遊技中であっても出力されるように構成している。このように構成することで、遊技中の状態(遊技待機中、リール回転中、払出処理中、所定のエラー中(総得点閾値到達状態、総得点上限異常、VL異常は除く)等)に関わらず貸出音が出力されるため、貸出音が出力されないことによる貸出ボタンの2度押しを防ぐことができる。なお、貸出音が遊技中の演出音で聞こえないと貸出ボタンを2度押しされる可能性があるため、貸出音の音量は遊技者の設定で変更できないように構成されており、且つ通常の演出音よりも音量が大きくなるように構成されている。また、貸出音の出力期間が短いと貸出音が聞こえない可能性があるため、貸出音は1秒以上出力されることが望ましい。また、貸出音が長時間に亘って出力されると、遊技中の演出音が遊技者に聞こえない事態が長く続いてしまうこともあるため、最小遊技時間(4.1秒)より短いことが望ましい。
また、副制御基板P12が出力させる貸出音は遊技中の演出音と同一のチャンネルを設定することで、貸出音よりも遊技中の音を優先して出力する態様であってもよい。このように構成することで、遊技中の音を貸出音により阻害することがなくなるため、遊技の興趣を高めることができる。なお、遊技中の音を優先する仕様としては、貸出音と遊技中の演出音とを異なるチャンネルに設定している場合は、遊技中に貸出ボタンが操作された場合には貸出音の音量を0にして出力するような構成であってもよい。
また、貸出音の音量は遊技者の音量の設定に応じて変更できるような態様であってもよい。この場合、遊技者が設定した音量設定に応じて貸出音の音量も変更されるが、貸出音が他の演出音よりも相対的に音量が大きくなるように構成することで、貸出音の聞き逃しを防ぎやすくすることができる。例えば、貸出ボタンは1遊技の終了間際に操作されやすいため、第3リール(最後に停止するリール)の停止音や遊技媒体の付与音の音量よりも大きくなるように設定している。
また、副制御基板P12が主制御基板P15から貸出音に関する演出コマンドを受信したときは、貸出音だけでなく、枠ランプや液晶等で報知してもよい。この場合、枠ランプであれば専用の点灯パターンで点灯したり、液晶であればUI表示と重ならない位置に貸出したことに関する報知演出(「貸し出しました」という文字表示や、貸出を示すアイコン表示等)を表示したりする。枠ランプや液晶で貸出報知を行う場合に貸出音を出力してもよいし、貸出音、枠ランプ、液晶の何れかのみで貸出したことを報知してもよい。
<通番保存、貸出点受領結果=正常保存>
更新した貸出通番を遊技媒体数制御基板P16に保存し、貸出点受領結果として正常を示す値を遊技媒体数制御基板P16に保存する。この処理は正常に貸出通知を受信したときの処理であり、上述した通り貸出点が0であって正常に受信したときも実行する。
<貸出受領結果応答セット、貸出制御コマンドセット>
貸出受領結果応答に各種データをセットして、貸出制御コマンドセット処理(電文セット処理)を実行することにより、貸出ユニットに対して、電文長、貸出受領応答、貸出通番、貸出数受領結果、チェックサムを送信するする。
上述したとおり、貸出処理を実行して総得点に貸出点を加算する場合には、遊技機Pは貸出音を出力し、貸出処理を実行して総得点に貸出点を加算しない場合には、遊技機Pは貸出音を出力しない。ただし、貸出処理を実行して総得点に貸出点を加算しない場合であっても特定の状況であれば、遊技機Pは貸出ができなかった旨(総得点に貸出点が加算できなかった旨)を報知するように構成されていても良い。例えば、貸出ユニットの貸出ボタンが操作され、貸出点として50の情報を含む貸出通知を遊技機が受信したときに、総得点が15000以上であるため総得点に貸出点を加算しなかった場合には、遊技機Pが「貸し出しできません」等の音声を出力しても良い。このように貸出ができなかった旨(総得点に貸出点が加算できなかった旨)の報知を行うことにより、遊技者が貸出ユニットの貸出ボタンを操作したときに総得点が増えなかった場合があっても、遊技者に対して適切な報知を行うことができる。なお、貸出ができなかった旨(総得点に貸出点が加算できなかった旨)の報知の態様としては、音声だけでなく、効果音やランプ、また画像による表示等であっても良い。また、チェックサム異常の場合や、貸出通番の異常である場合や、計数点が0以外である場合にも貸出ができなかった旨(総得点に貸出点が加算できなかった旨)の報知を行っても良い。一方、チェックサム異常の場合や、貸出通番の異常である場合や、計数点が0以外である場合には、貸出ができなかった旨(総得点に貸出点が加算できなかった旨)の報知を行わなくても良い。
本実施形態においては、遊技媒体数制御基板P16と遊技球等貸出装置接続端子板を介して遊技機と貸出ユニットとが通信しているがこれに限られず、主制御基板P15と遊技球等貸出装置接続端子板を介して遊技機と貸出ユニットとが通信してもよい。この場合、遊技媒体数制御基板P16を搭載しないことにより生産コストが下がる。また、遊技媒体数制御基板P16が制御する処理は全て主制御基板P15で行うこととなる。なお、主制御基板P15の機能と遊技媒体数制御基板P16の機能とを同一の基板で実現する場合は、主制御チップと遊技媒体数制御チップを同一の基板上に備え、主制御チップと遊技媒体数制御チップ間で上述した実施形態と同様な送受信処理を行うことで、実現することが可能となっている。また、主制御チップのみで構成され、上述した遊技媒体数制御チップの処理を主制御チップの主制御領域とは別の領域に記憶することで、1チップ1ボードであっても実現可能となっている。
<VL異常と総得点クリアステータスがONとなっているときの電断復帰処理>
遊技機Pと貸出ユニットが接続されていないとき(遊技機Pが電源投入されて貸出ユニットが電源投入されていないときや、遊技機Pと貸出ユニットに通信異常が発生しているとき等)は遊技機PがVL異常をセットする。
ここで、遊技機Pのみが起動する場合(貸出ユニットが起動しない場合)であって、総得点クリアスイッチが押下されている場合は、遊技機Pが起動したときの電源投入時処理にて総得点を初期化して総得点クリアタイマ1をセットして総得点クリアステータスをONにした後に、割込み処理が起動して割込み処理内の入力ポートチェックでVL異常を検知した場合にVL異常フラグをON(VL異常フラグ記憶領域にFFhを記憶)にする。
このように、総得点クリアステータスがONであり、且つVL異常フラグがONである状況にて電源断が発生した場合は、再度遊技機Pが電源投入されたときに総得点クリアステータスとVL異常フラグは初期化されないようにするため総得点クリアステータスがONであり、且つVL異常フラグがONである状況に復帰できる。
このような構成によれば、総得点クリアステータス、及びVL異常フラグが電源断と電源復帰で初期化されないため、不正行為により総得点クリアステータス、又はVL異常フラグがONとなり、不正行為により電源断と電源復帰を行っても総得点クリアステータス、及びVL異常フラグは初期化されないため、不正行為を防止することが可能となる。
また、このような構成によれば、総得点クリアステータス、及びVL異常フラグが電源断と電源復帰で初期化されないため、総得点クリアステータスがONであり、且つVL異常フラグがONである状況にて電源断が発生して再度遊技機Pが電源投入されたときに貸出ユニットの電源が投入されていた場合は、VL異常フラグがOFFになり、遊技機Pは貸出ユニットに対して、総得点クリアステータスがONである情報を送信可能となる。
また、総得点クリアステータスがONであり、且つVL異常フラグがONである状況にて電源断が発生して再度遊技機Pが電源投入されたときに設定キースイッチがONとなっていた場合は、設定変更モードの起動に伴う初期化処理は実行するが、総得点クリアステータスとVL異常フラグは初期化されないようにするため総得点クリアステータスがONであり、且つVL異常フラグがONである状況に復帰できる。なお、この場合は設定変更中ステータスもONとなるため、総得点クリアステータスがONであり、VL異常フラグがONであり、且つ設定変更中ステータスがONである状況となる。
このような構成によれば、総得点クリアステータス、及びVL異常フラグが電源断と電源復帰、又は設定変更モードの起動で初期化されないため、不正行為により総得点クリアステータス、又はVL異常フラグがONとなり、不正行為により電源断と電源復帰、又は設定変更モードの起動を行っても総得点クリアステータス、及びVL異常フラグは初期化されないため、不正行為を防止することが可能となる。
また、このような構成によれば、総得点クリアステータス、及びVL異常フラグが電源断と電源復帰、又は設定変更モードの起動で初期化されないため、総得点クリアステータスがONであり、且つVL異常フラグがONである状況にて電源断が発生して再度遊技機Pが電源投入されたときに設定キースイッチがONとなっており、貸出ユニットの電源が投入されていた場合は、VL異常フラグがOFFになり、遊技機Pは貸出ユニットに対して、総得点クリアステータスがONである情報と設定変更中ステータスがONである情報とを送信可能となる。
<電源投入時からの差数を記憶する差数カウンタについて>
本実施形態の遊技機においては、電源投入時を起点として払出メダル数(払出数、払出遊技媒体数、付与数、付与メダル数、付与遊技媒体数、獲得数、獲得メダル数、獲得遊技媒体数、払出点、付与点、獲得点、又はOUT数と称する場合がある。)から投入メダル数(投入数、ベット数、ベット枚数、掛け枚数、掛け数、賭数、投入点、ベット点、又はIN数と称する場合がある。)を減算した値(差数)を遊技毎に算出し、この差数の累積値(総差数)を記憶可能な差数カウンタを所定のRWM領域に備えている。差数カウンタの値が所定値(例えば、19000)を超えた場合は遊技の進行を停止する処理(以下、「打ち止め処理」とも称す)を実行する。なお、差数カウンタの値が所定値を超えたか否かを判断する処理を差数カウンタ判断処理と称する。また、打ち止め処理を実行する前の差数カウンタの更新、及び判断に関する処理を含めて打ち止め監視処理と称する。
なお、差数カウンタの値が所定値を超えて打ち止め処理が実行されることを「安全装置が作動」、又は「コンプリート機能が作動」と称する場合がある。
打ち止め監視処理は、有利区間でも実行されるし通常区間でも実行される。また遊技を開始する規定数が如何なる規定数であっても実行される。また、RT状態が如何なるRT状態であっても実行される。換言すると、全ての遊技において実行されるようになっている。なお、リプレイ役が当選してリプレイ役に対応する図柄組合せが停止した遊技では、差数カウンタの値に変化が生じないため、打ち止め監視処理を実行してもよいし、実行しなくてもよい。
例えば、電源投入時を起点とした総払出メダル数が50001、電源投入時を起点とした総投入メダル数が31000となった或る遊技では、差数カウンタの値が19000を超えるため、当該或る遊技で打ち止め処理を実行可能とする。
打ち止め処理とは、メダル投入によるベット数又はクレジット数の加算を実行しないこと、メダル投入されてもベット数又はクレジット数の加算が実行されないようにブロッカをOFFにすること、MAXベットスイッチ又は1ベットスイッチの操作が受け付けられてもベット処理を実行しないこと、MAXベットスイッチ又は1ベットスイッチの操作が受け付けられないようにすること、スタートスイッチの操作が受け付けられてもリール回転開始処理を実行しないこと、スタートスイッチの操作が受け付けられないようにすること、ストップスイッチの操作が受け付けられてもリール停止処理を実行しないこと、又はストップスイッチの操作が受け付けられないようにすること、のうち一部の処理であってもよいし、全部の処理であってもよい。換言すると、打ち止め処理が実行されると遊技を開始できないようになっている。
遊技の進行を停止した場合であっても精算スイッチP6の操作受付や、計数スイッチP7の操作受付は有効となっており当該各スイッチの操作受付による処理は実行可能となるよう構成されている。
また、打ち止め処理は、遊技の進行を停止する処理以外にも自動精算処理を含めて打ち止め処理と称してもよい。自動精算処理とは、精算スイッチP6の操作に基づく精算処理を打ち止め処理の後に自動で実行されることである。また、また、打ち止め処理は、自動計数処理を含めて打ち止め処理と称してもよい。自動計数処理とは、計数スイッチP7の操作に基づく計数処理を打ち止め処理の後に自動で実行されることである。また、打ち止め処理は、自動精算処理、及び自動計数処理を含めて打ち止め処理と称してもよい。
打ち止め処理により遊技の進行を停止した場合は、電源投入によっても解除できず、設定変更を伴う電源投入によりRWMの初期化処理が実行されることで遊技の進行の停止(打ち止め状態)を解除可能となっている。換言すると遊技場の営業時間中に打ち止め状態となった遊技機は、その日の営業時間中は当該遊技機の稼働はできないようになっている。
また、設定変更を伴う電源投入以外にもRWMの初期化処理が実行される条件として、RAMクリアスイッチの操作を伴う電源投入によりRWMの初期化処理が実行されることで遊技の進行の停止(打ち止め状態)を解除可能としてもよい。また、設定変更を伴う電源投入以外にもRWMの初期化処理が実行される条件として、総得点クリアスイッチの操作を伴う電源投入により総得点の初期化処理が実行されることで遊技の進行の停止(打ち止め状態)を解除可能としてもよいし、総得点クリアスイッチの操作を伴う電源投入により総得点の初期化処理が実行されても遊技の進行の停止(打ち止め状態)を解除できないようにしてもよい。
このように、差数カウンタの値が所定値を超えた場合に、過度な射幸心を遊技者に与えてしまう可能性があるため、差数カウンタの値が所定値を超えた場合に遊技の進行を停止することで遊技へののめり込みの防止を実現することが可能となる。
なお、差数カウンタは、差枚数カウンタ、差数記憶手段、差枚数記憶手段、差数記憶領域、差枚数記憶領域、遊技媒体数記憶手段、遊技媒体数記憶領域、遊技メダル数記憶手段、遊技メダル数記憶領域、電源投入時MYカウンタ、電源投入時MY記憶手段、電源投入時MY記憶領域、打ち止め用差数カウンタ、打ち止め用差枚数カウンタ、打ち止め用MYカウンタ、打ち止め用MY記憶手段、打ち止め用MY記憶領域と称する場合もある。
差数カウンタに記憶されている値は、電源投入時に初期化されるよう構成されている。本実施形態では、差数カウンタの初期値が0であり初期値から加算していくため、電源投入時の初期化とは差数カウンタの値を0にすることであるが、差数カウンタの初期値を19000として減算していくカウンタとした場合は電源投入時の初期化とは差数カウンタの値を19000にすることとなる。なお、電源投入時とは、通常の電源投入時の他に、設定変更を伴う電源投入時、RWM異常を伴う電源投入時を含むものである。また、差数カウンタに記憶されている値は有利区間の終了条件(例えば、有利区間中のMYが2400を超えたことや、有利区間中の差数が2400を超えたことや、有利区間中の遊技回数が所定回数に達したこと等)を満たしたときに実行するRWMの初期化処理では初期化されないようになっている。
なお、差数カウンタは電源投入のみで初期化されると不正により初期化されやすくなっているため、電源の供給が行われていない状況にて設定変更スイッチ、リセットスイッチ、RAMクリアスイッチ、総得点クリアスイッチ等の遊技者が操作できない所定のスイッチを押下しながら電源投入することで差数カウンタをクリアするように構成されていてもよい。
また、差数カウンタの値が所定値を超えて遊技の進行を停止している状況で電源断が発生し、設定キースイッチがOFF位置にある状態で電源投入されて正常に起動した場合(通常の電源投入がされた場合)は、差数カウンタの値は初期化されるが、遊技の進行は停止したままとなっている。これは、差数カウンタの値が所定値を超えた場合に打ち止め処理を実行しており、当該打ち止め処理ではジャンプ命令等で同じ処理を延々と繰り返すように構成されているため、打ち止め処理中に電源断が発生して電源投入されても打ち止め処理を開始するためである。なお、打ち止め処理を実行する際は割込み処理、割込み処理は通常通り実行されるが、割込み処理から通常のメインループ処理に戻ることはなく打ち止め処理をループすることになる。
なお、打ち止め処理を実行している際に割込み処理は通常通り実行されることにより、打ち止め処理中に電源を遮断する事象(例えば、電源スイッチをオフにすること)が発生した場合であっても、上述した電源断処理は正常に実行可能に構成されている。
このように構成することで打ち止め処理により遊技の進行が停止した後に不正により電源断と電源投入がされて遊技の進行が可能となることを防ぐことができる。
差数カウンタは毎遊技の払出メダル数から投入メダル数を減算した値を記憶しており、以下に差数カウンタの値を更新する際の具体例を説明する。なお、差数カウンタの値を更新する処理は全てのリールが停止した後から次遊技の遊技メダルが投入可能(次遊技のベットが可能)となるまでの間の所定タイミングで実行する。差数カウンタの値を更新する処理は1遊技が終了したタイミングで実行するため、所定タイミングを1遊技終了後と称する場合がある。また、差数カウンタは2バイトデータとして説明する。なお、2バイトデータを示す「/」は各バイトの区切りを示し、二進数の値の後の()内の数字は二進数の値を十進数の値で示している。
<差数カウンタ=00000000/01100100b(100)、払出メダル数=00001010b(10)、投入メダル数=00000011b(3)の場合>
差数カウンタの値が00000000/01100100b(100)のときであれば、レジスタ上で、00001010b(10(払出メダル数))-00000011b(3(投入メダル数))=00000111b(7)を演算して、差数カウンタの値を取得して、演算結果と差数カウンタの値を加算した結果を差数カウンタに記憶(更新)する。この場合、差数カウンタに記憶される値は00000000/01101011b(107)となる。
<差数カウンタ=00000000/01100100b(100)、払出メダル数=00000000b(0)、投入メダル数=00000011b(3)の場合>
差数カウンタの値が00000000/01100100b(100)のときであれば、レジスタ上で、00000000b(0(払出メダル数))-00000011b(3(投入メダル数))=-00000011b(-3)を演算して、差数カウンタの値を取得して、演算結果と差数カウンタの値を加算した結果を差数カウンタに記憶(更新)する。この場合、差数カウンタに記憶される値は00000000/01100001b(97)となる。
<差数カウンタ=00000000/00000000b(0)、払出メダル数=00001010b(10)、投入メダル数=00000011b(3)の場合>
差数カウンタの値が00000000/00000000b(0)のときであれば、レジスタ上で、00001010b(10(払出メダル数))-00000011b(3(投入メダル数))=00000111b(7)を演算して、差数カウンタの値を取得して、演算結果と差数カウンタの値を加算した結果を差数カウンタに記憶(更新)する。この場合、差数カウンタに記憶される値は00000000/00000111b(7)となる。
<差数カウンタ=00000000/00000000b(0)、払出メダル数=00000000b(0)、投入メダル数=00000011b(3)の場合>
差数カウンタの値が00000000/00000000b(0)のときであれば、レジスタ上で、00000000b(0(払出メダル数))-00000011b(3(投入メダル数))=-00000011b(-3)を演算して、差数カウンタの値を取得して、演算結果と差数カウンタの値を加算した結果を差数カウンタに記憶(更新)する。この場合、差数カウンタに記憶される値は10000000/00000011b(32771)となる。
<差数カウンタ=00000000b(0)、払出メダル数=00000000b(0)、投入メダル数=00000011b(3)の場合>で説明した演算結果が-00000011b(-3)であるが差数カウンタに記憶される値が10000000/00000011b(32771)となっている理由としては、最上位ビットが0の場合は正の値を示し、最上位ビットが1の場合は負の値を示すよう構成しているためである。2バイトカウンタであれば最上位ビットを用いなくても差数カウンタの値が01111111/11111111(32767)までであれば正常に記憶することができる。換言すると、差数カウンタの値が11111111/11111111bである場合は、-32767であることを示すことができるため、上記例の-3を示す場合は、10000000/00000011bとなっている。
なお、上記の演算の各例において記載を省略している部分があり、より詳細には、現在の差数カウンタの値を取得して、取得した差数カウンタの値の最上位ビットが0であるか否かを判断し、取得した差数カウンタの値の最上位ビットが0である場合は払出メダル数から投入メダル数を減算し、減算した値を取得した差数カウンタの値に加算し、加算した値を差数カウンタの値として更新する。また取得した差数カウンタの値の最上位ビットが1である場合は払出メダル数から投入メダル数を減算し、減算した値に取得した差数カウンタの値から固定値として10000000/00000000b(32768)を減算した値を減算し、減算した値を差数カウンタの値として更新する。
また、差数カウンタの値として更新するための値を演算した結果が負の値となった場合は、差数カウンタの値として更新するための値を演算した結果の絶対値の最上位ビットを1にした値を差数カウンタの値として更新するようにする。
また、上記の演算の各例においては、レジスタ上で払出メダル数から投入メダル数を減算した結果を取得した差数カウンタの値に加算していたが、演算の順番として、最初に、取得した差数カウンタの値から払出メダル数を加算し、次にその加算した結果から投入メダル数を減算してもよいし、最初に取得した差数カウンタの値から投入メダル数を減算し、次にその減算した結果から払出メダル数を加算してもよい。
また、払出メダル数が0でないときとは、小役が当選して小役に対応する図柄組合せが停止したことを意味している。なお、再遊技役が当選して再遊技役に対応する図柄組合せが停止した場合の払出メダル数を3としてもよいし、0としてもよい。再遊技役が当選して再遊技役に対応する図柄組合せが停止した場合の払出メダル数を3とする場合は投入メダル数を3とし、再遊技役が当選して再遊技役に対応する図柄組合せが停止した場合の払出メダル数を0とする場合は投入メダル数を0とする。
また、再遊技役が当選したときは、差数カウンタの更新処理を実行してもよいし、差数カウンタの更新処理を実行しなくてもよい。また、再遊技役が当選したときは、差数カウンタ判断処理を実行してもよいし、差数カウンタ判断処理を実行しなくてもよい。
また、差数カウンタは2バイトである必要はなく、3バイト、又は4バイトであってもよい。差数カウンタが3バイトの場合は固定値として10000000/00000000/00000000b(8388608)となり、差数カウンタが4バイトの場合は固定値として10000000/00000000/00000000/00000000b(2147483648)となる。なお、差数カウンタは電源投入時に初期化されるため、仮に遊技場の営業時間において約一日中にあたる10000回の遊技において払出メダル数が0であった場合でも、-30000(10000(一日における遊技可能な回数)×3(投入メダル数))までしか記憶されないため、差数カウンタは2バイトあれば十分な記憶容量となっている。
<差数カウンタ更新に関する別態様>
遊技機の電源投入からの総払出メダル数を記憶する払出メダル数記憶領域と、遊技機の電源投入からの総投入メダル数を記憶する投入メダル数記憶領域と、遊技機の電源投入からの差数を記憶する差数カウンタと、を備え、払出メダル数記憶領域と、投入メダル数記憶領域と、差数カウンタと、は電源投入時に初期化されるよう構成されており、1遊技終了後に実行する差数カウンタ更新処理にて差数カウンタを更新する際は、払出メダル数記憶領域に記憶されている値から投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した結果が正の値となる場合は払出メダル数記憶領域に記憶されている値から投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した結果を差数カウンタに記憶し、払出メダル数記憶領域に記憶されている値から投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した結果が負の値となる場合は差数カウンタに0を記憶するよう構成されている遊技機であってもよい。
このような構成であれば、払出メダル数記憶領域と、投入メダル数記憶領域と、差数カウンタと、は2バイトの記憶領域であることが望ましいが、払出メダル数記憶領域を2バイト以上の記憶領域としてもよいし、投入メダル数記憶領域を2バイト以上の記憶領域としてもよいし、差数カウンタを2バイト以上の記憶領域としてもよい。
払出メダル数記憶領域と、投入メダル数記憶領域と、差数カウンタと、は、電源投入時に初期化されるが初期化処理としては各記憶領域に0を記憶する処理を実行している。電源投入時として設定変更やRWM異常を含むことは上述した態様と同様である。
払出メダル数記憶領域は、毎遊技の払出メダル数を累積して記憶する記憶領域であり、遊技状態や規定数に関わらず更新される(払出メダル数記憶領域更新処理と称する場合がある)。例えば、払出メダル数記憶領域に100が記憶されているときにN回目の遊技が実行されて払出メダルとして10枚払い出された場合はN回目の遊技終了後に払出メダル数記憶領域に110が記憶され、N+1回目の遊技が実行されて払出メダルとして0枚払い出された場合(払い出しがなかった場合)はN+1回目の遊技終了後に払出メダル数記憶領域に110が記憶される。
投入メダル数記憶領域は、毎遊技の投入メダル数を累積して記憶する記憶領域であり、遊技状態や規定数に関わらず更新される(投入メダル数記憶領域更新処理と称する場合がある)。例えば、投入メダル数記憶領域に50が記憶されているときにN回目の遊技が実行されて投入メダルとして3枚投入された場合はN回目の遊技終了後に投入メダル数記憶領域に53が記憶され、N+1回目の遊技が実行されて投入メダルとして2枚投入された場合はN+1回目の遊技終了後に払出メダル数記憶領域に55が記憶される。
差数カウンタは、遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が記憶される。ここで、遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が正の値の場合は遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値を差数カウンタの値として更新するが、遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が負の値の場合は0を差数カウンタの値として更新する。このため、差数カウンタの値は必ずしも遊技毎の払出メダル数から投入メダル数を減算した値となっているわけではないが、差数カウンタが19000を超えたか否かを判断するためのカウンタであるため、問題ないものとなっている。
また、遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が負の値の場合は差数カウンタに0を記憶する態様を説明したがこれに限らず、遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が負の値の場合は、差数カウンタを更新しない態様であってもよいし、差数カウンタに0を超え且つ19000未満である固定値を記憶する態様であってもよいし、差数カウンタに19000以上の固定値を記憶する態様であってもよいし、遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値をそのまま記憶する態様であってもよい。
遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が負の値の場合に、差数カウンタを更新しない態様、又は差数カウンタに0を超え且つ19000未満である固定値を記憶する態様である場合は、差数カウンタの値が19000を超えるか否かの判断処理を毎遊技実行しても差数カウンタの値が19000を超えることはないため遊技の進行を停止することはないし、遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が正の値となった場合に正確な値が差数カウンタに記憶されるため、問題ないものとなっている。また、遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が負の値の場合は差数カウンタの値が19000を超えるか否かの判断処理を実行しない態様であってもよい。
遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が負の値の場合に、差数カウンタに19000以上の固定値を記憶する態様、又は遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値をそのまま記憶する態様である場合は、差数カウンタの値が19000を超えるか否かの判断処理を毎遊技実行すると19000を超えたと判断される可能性があるため、遊技毎に更新された払出メダル数記憶領域に記憶されている値から遊技毎に更新された投入メダル数記憶領域に記憶されている値を減算した値が負の値の場合は差数カウンタの値が19000を超えるか否かの判断処理を実行しないことで問題ないものとなる。
差数カウンタ更新処理は上述した態様と同様であり、全てのリールが停止した後から次遊技の遊技メダルが投入可能(次遊技のベットが可能)となるまでの間の所定タイミングで実行する。なお差数カウンタ更新処理に払出メダル数記憶領域更新処理と投入メダル数記憶領域更新処理を含めてもよい。
<役物連続作動装置若しくは第1種特別役物が作動しているときの差数カウンタ判断処理>
差数カウンタ判断処理として差数カウンタの値が19000を超えたか否かの判断処理を実行する前に役物連続作動装置が作動しているか否か、第1種特別役物が作動しているか否か、役物連続作動装置又は第1種特別役物が作動しているか否か、を判断し、何れの場合も作動していると判断した場合に差数カウンタ判断処理を実行しない態様であってもよい。
これは、役物連続作動装置若しくは第1種特別役物が作動しているとき(所謂ボーナス中)に遊技が停止してしまうと遊技者の遊技意欲が大幅にそがれてしまう可能性が高いため、ボーナス中は差数カウンタの値が19000を超えたとしても遊技の進行を可能とし、ボーナスが終了した後に遊技の進行を停止することで遊技者の遊技意欲を減衰させずに遊技者に達成感を与えることが可能となる。また、ボーナス中に出玉を増やそうとする遊技者の遊技意欲を高めることができる。
なお、このような態様であっても、差数カウンタの更新処理は、役物連続作動装置が作動している場合や第1種特別役物が作動している場合であっても行っている。そのため、プログラムの処理順序として、「差数カウンタの更新処理」→「役物連続作動装置が作動しているか否か、第1種特別役物が作動しているか否か、役物連続作動装置又は第1種特別役物が作動しているか否か、を判断する処理」→「差数カウンタ判断処理」のように構成されていることが好ましい。
また、ボーナス中に差数カウンタの値が19000を超えた場合であって、ボーナス終了時に差数カウンタの値が19000を下回っていた場合でもボーナスが終了した後に遊技の進行を停止する態様であってもよい。
この態様の場合は、ボーナス中であっても差数カウンタの値が19000を超えたか否かを判断し、差数カウンタの値が19000を超えたと判断された場合は、打ち止めフラグ(打ち止めフラグ記憶領域)に所定値(例えば、「1」、「255」等の任意の値)を記憶し、ボーナス終了時に打ち止めフラグの値が所定値であるか否かを判断し、所定値である場合は、遊技の進行を停止する。なお、ボーナス終了時に打ち止めフラグの値が所定値であるか否かを判断して所定値ではないと判断した場合は遊技の進行を停止しない。また、ボーナス中でない場合に差数カウンタの値が19000を超えたと判断された場合も打ち止めフラグに所定値を記憶する構成であれば、ボーナス中であってもボーナス中でなくても毎遊技の終了後に打ち止めフラグが所定値であるか否かを判断して打ち止めフラグの値に応じて遊技の進行を停止するよう構成する態様が考えられ、ボーナス中でない場合に差数カウンタの値が19000を超えたと判断された場合に打ち止めフラグに所定値を記憶しない構成であれば、ボーナス中でない毎遊技の終了後に打ち止めフラグが所定値であるか否かを判断することなく差数カウンタの値が19000を超えたか否かに応じて遊技の進行を停止するよう構成する態様が考えられる。
なお、打ち止めフラグは、電源投入のRWMの初期化によっては初期化されず、設定変更を伴う電源投入のRWMの初期化によってクリアされるように構成されている。なお、打ち止めフラグの初期化条件として、リセットスイッチ、RAMクリアスイッチ、又は総得点クリアスイッチの操作に伴う電源投入によるRWMの初期化処理を含めてもよい。
上述した実施形態では、ボーナス中に差数カウンタの値が19000を超えても遊技の進行を停止しない例を説明したが、これに限らずAT中に差数カウンタの値が19000を超えても遊技の進行を停止しない態様であってもよい。ただし、前述したようにATは終了条件を延長(ゲーム数上乗せ等によるAT実行可能数の変更)することが可能となっているため、終了条件が延長されないATに限り遊技の進行を停止しないようにする。
なお、遊技開始に係る規定数が複数ある場合に一方の規定数では指示機能に係る処理が実行できない場合があり、一方の規定数では指示機能に係る処理が実行できない場合は終了条件が変更されるとは言えないため、差数カウンタの値が19000を超えても遊技の進行を停止しないようにする。具体的には、遊技開始に係る規定数として3枚掛けと2枚掛けが可能であるときに、3枚掛けではATの終了条件を更新可能(ATが終了する遊技回数や差数の更新が可能)とするが2枚掛けではATの終了条件を更新できない(ATが終了する遊技回数や差数の更新ができない)場合であって、AT中に差数カウンタが19000に到達したときはATの終了条件を満たすまで遊技の進行を停止しないようにする。
これにより、ATをボーナスのように見せる遊技性であってもATがボーナスと同じような動作となるため、遊技者の遊技の興趣が低下しないようにすることができる。また、ボーナス中に出玉を増やそうとする遊技者の遊技意欲を高めることができる。
なお、ボーナス中やAT中に差数カウンタの値が19000を超えても遊技の進行を停止しない場合は、差数カウンタの値が19000を超えた後のボーナス中、若しくはAT中の遊技においてAT抽選やCZ抽選等の遊技者に有利な抽選を実行しないようにする。
これにより、遊技の進行が停止することが確定している中で過度に射幸心を煽らないようにすることができる。
なお、ボーナス中に差数カウンタの値が19000を超えたか否かを判断し、差数カウンタの値が19000を超えたと判断された場合は、打ち止めフラグ(打ち止めフラグ記憶領域)に所定値(例えば、「1」、「255」等の任意の値)を記憶し、ボーナス終了時に打ち止めフラグの値が所定値であるか否かを判断し、所定値である場合は、遊技の進行を停止する態様を記載したが、打ち止めフラグを設けなくても良い。
具体的には、ボーナス中に差数カウンタの値が19000を超えた場合には、その後のボーナス中の遊技においては差数カウンタの値を更新しないように構成し、ボーナス終了後の差数カウンタ判断処理によって打ち止め処理が実行されるように構成しても良い。例えば、ボーナス中に差数カウンタの値が19000を超えた場合(例えば19001)となった遊技の次回以降の遊技においては差数カウンタの更新を行わず、ボーナス終了時の差数カウンタの値は、19000を超えているように構成していても良い。
<差数カウンタの初期化について>
上述した実施形態では、電源投入時に差数カウンタの値を初期化する際に、加算式であれば0を、減算式であれば19000をそれぞれ初期値とすることを説明したが、これに限らず、任意の値を初期値としてもよい。
例えば、差数カウンタが2バイトカウンタであった場合、0から65535までカウント可能となっている。そして、電源投入時からの差数が19000枚を超えた場合に遊技の進行を停止する場合は、差数カウンタは19000までカウントできれば足りるため、65535-19000である46535を初期値とする。またこの場合、差数カウンタの値が65535を超える場合に遊技の進行を停止することになるため、キャリーフラグに1が記憶されているか0が記憶されているかに応じて容易に電源投入時からの差数が19000枚を超えたか否かを判断することができる。なお、キャリーフラグは0を下回った場合も1が記憶されるが、上述したように理論上の一日の最大投入メダル数は30000枚前後であるため、46535-30000である16535枚分の余裕は十分なものとなっている。なお実際は、小役や再遊技役が当選するため一日で30000枚減ることは略ないため、0を下回る可能性は限りなく低い確率となっている。
このように構成することで、差数カウンタの更新に係る処理が簡略化でき、またプログラム容量も圧縮することが可能となる。
また例えば、上述した通りボーナス中に差数が19000枚を超えた場合はボーナス終了時に遊技の進行を停止してもよいため、このような仕様の場合、差数カウンタが19000までしかカウントできないとボーナス中の増加分がカウントできないため、差数カウンタが2バイトカウンタであった場合の初期値を46535よりも小さい値としてもよい。46535よりも小さい値としては例えば40000であることが考えられる。この場合は差数が19000枚を超えてから最大6535枚まで獲得できる余裕があるため、ボーナス中に差数が19000枚を超えたとしてもボーナスが終了するまで差数のカウントを継続することができる。また、AT中に差数が19000枚を超えたとしてもATは有利区間との関係上最大2414枚までしか獲得することができないため、AT中に差数が19000枚を超えたとしてもATが終了するまで差数のカウントを継続することができる。差数カウンタの初期値を40000とした場合の差数が19000を超えたか否かを判断する際は差数カウンタの値が59000を超えたか否かで判断可能となっている。また、差数カウンタの値が59000を超えた場合に遊技状態がボーナス中か否かを判断して、ボーナス中であればボーナス終了時まで遊技の進行を継続させるようにする。
このように差数カウンタの初期値は46535よりも小さい値とする例を挙げたが、設定する初期値の値は2バイトでカウントできる最大値(65535)の半分よりも大きい値(32767以上)とする方が望ましい。これは、遊技機の設定値が最も小さい出玉率を示す値(例えば設定値1)の場合は出玉率が100%を下回って設計することが多いことにより差数が増加せず減少する可能性の方が高くなるためである。このため差数カウンタの初期値はカウントできる最大値の半分よりも大きい値とすることで、差数カウンタの値が0となる可能性を低くすることができ、市場において正常な動作を実現することが可能となりやすくすることができる。
なお、差数カウンタが19000を超えた際に正常に差数をカウントしない場合であってもよく、この場合は差数カウンタの初期値を46535にしてもボーナス中に差数が19000枚を超えたとしても遊技を停止しないようにすることができる。このような仕様の場合は差数カウンタが65535を超えた場合(65535を超えたと判断する場合、又はキャリーフラグに1が記憶されたと判断した場合)に打ち止めフラグに所定値を記憶し、毎遊技打ち止めフラグが所定値であるか否かに応じて遊技の進行を停止するか否かを判断するようにする。このようにすればボーナス中に差数が19000枚を超えた場合は差数カウンタは65535を超えて0からカウントしてしまうが、遊技の進行を停止するか否かは打ち止めフラグに応じて判断しているため、差数カウンタの値は正常ではないが、全体として正常な動作を実現するとこが可能となる。
差数カウンタは投入メダル数分を減算し、払出メダル数分を加算するように説明したが、反対に投入メダル数分を加算し、払出メダル数分を減算するようにしてもよい。この場合の差数カウンタの初期値は19000としたり、19000以上32766以下の値としたりしてもよい。
差数カウンタは2バイトカウンタで説明したが、3バイトや4バイトのカウンタでもよく、差数カウンタが3バイトカウンタの場合は16758215を初期値とすることで差数が19000枚を超えるとキャリーフラグに1が記憶されるようにすることができる。なお、3バイト以上にすることで、遊技機の電源をOFFにしない遊技場があって、常に出玉率が100%を下回っている設定値であって、連日1万回遊技が実行されたとしても、数年は差数カウンタが0を下回ることはないため、より市場での不具合が出る可能性を下げることができる。
<差数カウンタの値に基づいた外部への信号出力に関して>
打ち止め監視処理にて差数カウンタの値を更新した結果、打ち止め処理が実行される所定値(本実施形態では19000)よりも手前の特定値(本実施形態では18900)に到達したときは、試験用IF基板に向けて試験中断要求信号を出力するための処理を実行する。
これにより遊技機試験中に遊技機が打ち止め状態となって遊技の進行が停止するよりも前に試験を中断することができ、試験が中断されたときに試験者が遊技機を電源断、及び電源再投入をすることで差数カウンタの値を初期化させ、再度差数カウンタの値が19000を超えるまで遊技機試験を継続させることができる。換言すると差数カウンタの値が18900の時点で電源断、及び電源再投入をすることで差数カウンタの値が実質37900を超えるまで遊技の進行の停止を防ぐことができ、安定的な試験を実現させることができる。
なお、打ち止め処理が実行される所定値(本実施形態では19000)よりも手前の特定値は18900としたがこれに限らず打ち止め処理が実行される所定値の半分の値である9500から最大払出数であっても打ち止め処理が実行されない値である18985までの間であれば任意の値を特定値としてよい。
また、本実施形態では、試験を中断させるために試験中断要求信号を出力するための処理を実行したが、試験者に伝われば任意の信号を出力してもよい。これにより、打ち止め処理が実行される所定値よりも手前の特定値に到達したときに、試験用IF基板に向けて出力する信号を所定信号(所定の試験信号)と称する場合があり、試験用IF基板に向けて出力するための処理を所定信号(所定の試験信号)を出力するための処理と称する場合がある。
<差数カウンタの値に基づいたサブ制御手段の処理について>
メイン制御手段は差数カウンタの値に基づいた情報をサブ制御手段に送信可能となるよう構成されている。これにより遊技の進行が停止する前に遊技者に対して報知を実行することができる。
例えば、後100枚の差数で19000枚を超える場合に、液晶表示器に「残り100枚」という残り差数表示、エンディング演出又は音声を実行することが考えられる。そして差数が更新されて残り差数が少なくなる度に「残り90枚」や「残り85枚」等残り差数表示も更新する。そして差数が19000枚を超えた場合は「コンプリート」、「Congratulations」等の祝福表示、又は音声の実行により遊技者に達成感を与えることができる。このようなサブ制御手段で打ち止めまでの残り差数表示、エンディング演出又は音声を実行している状態や、打ち止めまでの残り差数表示は表示しないが打ち止めに関するエンディング演出又は音声実行している状態を(打ち止めに関する)作動予告報知状態と称す。なお、作動予告報知状態はサブ制御手段に関する状態である。
このようにすることで、差数が19000枚を超えて遊技が停止することを遊技目標にさせることができるので遊技の興趣が向上する。
また例えば、後100枚の差数で19000枚を超える場合に、液晶表示器に「残り100枚」という残り差数表示を実行した場合に、残り差数が増加して残り差数が100枚を超えてしまった場合には、残り差数表示を消去する(非表示にする)ことが考えられる。このときに再度残り差数が100枚となったときに液晶表示器に「残り100枚」という残り差数表示を実行する。
このようにすることで、差数が下回り続けて残り差数表示が消えなくなることにより遊技者の遊技意欲を低下させることを防ぐことができる。
また例えば、ボーナス中に差数が19000枚を超えて遊技の進行をボーナス終了時まで停止しない場合にボーナス中に差数が19000枚を超えて祝福表示を表示させた後は差数が19000枚を下回っても祝福表示を消去しない。また、祝福表示はボーナス終了時まで継続して表示する。
このようにすることで、祝福表示が消去してしまうことにより遊技者の達成感を阻害しないようにすることができ遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
なお、エンディング演出又は音声として、ストーリー性のある連続演出であってもよいし、静止画であってもよい。この場合であっても残り差数がエンディング演出又は音声の実行契機となる閾値を下回った場合にエンディング演出又は音声を終了させることでエンディング演出又は音声を必要以上に実行しないことができる。
なお、差数が19000枚に到達したときに急に祝福演出を表示して遊技が停止したときに打ち止め処理の存在を知らない遊技者の遊技意欲が低下してしまう可能性があるため、電源投入時や遊技の途中で打ち止め処理に関する報知(例えば、「19000枚を目指せ!」、「19000枚で終了します」等の表示、又は音声)を行ってもよいし、デモ画面やメニュー画面で打ち止め処理に関する報知(例えば、「19000枚を目指せ!」、「19000枚で終了します」等の表示、又は音声)を行ってもよい。
<作動予告報知状態における演出態様>
作動予告報知状態における表示装置への表示態様としては、図54のような態様が考えられる。図54では、作動予告報知状態でもなく、打ち止め状態でもない状態である通常状態(主制御手段で管理している遊技状態としてCZ、AT、非AT等様々な遊技状態を含む)における演出画像として、ライオンと女の子のキャラクタ表示と、ハートのエフェクト表示と、「今日は楽しかったね」という台詞表示と、「TOTAL:18000枚」という総獲得数表示と、が行われている。また、作動予告報知状態(主制御手段で管理している遊技状態としてCZ、AT、非AT等様々な遊技状態を含む)における演出画像として通常状態で表示している演出画像に加えて「まもなくコンプリート機能が作動します 作動まで残り100枚」という残り差数表示が行われている。また、打ち止め報知状態(遊技の進行が停止している状態)における演出画像として通常状態、及び作動予告報知状態で表示していた演出画像は表示されず、代わりに黒塗りの背景と、「コンプリート機能が作動しました」という打ち止め表示(打ち止め処理に関する報知、打ち止め報知)と、が行われている。なお、通常状態における総獲得数表示は、常に表示する必要はなく総獲得数が所定の閾値(例えば、図54で示す18000や、試験用IF基板に向けて試験中断要求信号を送信する値である18900等)以上となったときに表示するようにしている。
作動予告報知状態では、残り差数表示により、総獲得数表示の全部と女の子のキャラクタ表示の一部とエフェクト表示の全部が視認できなくなっている。ただし、残り差数表示の表示領域は全画面の表示領域の50%よりも小さいため実行している演出画像は遊技者が概ね把握できるようになっている。なお、図54では、残り差数表示の透過度(透明度)を0%にしているため、残り差数表示よりも後ろのレイヤの表示は視認できないが、残り差数表示の透過度を10%から90%の間の任意の値にしてもよい。これにより、残り差数表示と演出画像を双方とも把握できるようになる。
また、作動予告報知状態における残り差数表示は表示装置の表示領域の上側に表示しているがこれに限らず、残り差数表示を表示装置の表示領域の下側や中央に表示してもよい。ただし、下側や中央に表示する場合は図示しない各種情報表示(遊技メダル数表示、付与数表示、又はベット数表示)の表示領域や演出画像の大部分と重なる可能性があるため、残り差数表示の透過度を20%から90%の間の任意の値に設定することで、遊技者に各種情報表示や演出画像を視認させることができる。
また、作動予告報知状態においてATの任意の終了条件(例えば、AT実行遊技回数、AT中の差数、又はATナビ回数等)を満たしたときは、残り差数表示よりも優先してのめり込み防止表示を表示している。これにより、残り差数表示よりものめり込み防止表示を遊技者に視認させることができるため、遊技へのめり込みを効果的に防止することができる。
また、上述した実施形態とは逆に、作動予告報知状態においてATの任意の終了条件(例えば、AT実行遊技回数、AT中の差数、又はATナビ回数等)を満たしたときは、残り差数表示の方がのめり込み防止表示よりも優先して表示してもよい。これにより、打ち止め状態となるまでの残り差数を遊技者に素早く視認させることができる。
また、作動予告報知状態においてATの任意の終了条件(例えば、AT実行遊技回数、AT中の差数、又はATナビ回数等)を満たしたときは、残り差数表示とのめり込み防止表示を異なる表示領域に表示してもよい。これにより、遊技者に対して両方の情報を視認させることができる。なお、この場合に残り差数表示とのめり込み防止表示の表示領域が本来重なる表示領域に表示されるように構成されていた場合は、のめり込み防止表示の表示領域を変化させてもよいし、残り差数表示の表示領域を変化させてもよい。また、残り差数表示とのめり込み防止表示の表示領域が同時に表示されても重ならない表示領域となるように予め定められていてもよい。
また、総得点閾値到達状態と総得点上限異常では、計数を促す報知(計数スイッチ促進表示)を行うため、作動予告報知状態において総得点閾値到達状態、又は総得点上限異常となったときは、残り差数表示と計数スイッチ促進表示を両方とも表示するようにしている。これにより、残り差数表示と、計数スイッチを操作させることの両方を遊技者に認識させることができる。
また、作動予告報知状態において総得点閾値到達状態、又は総得点上限異常となったときは、計数スイッチ促進表示を残り差数表示よりも優先して表示してもよい。この場合、計数スイッチ促進表示を表示しているときに計数スイッチが操作され総得点が閾値(本実施形態では、15000)を下回ったときに残り差数表示を表示する。これにより、速やかに計数スイッチを操作させることにより総得点閾値到達状態を解除させることができ、その後残り差数表示を遊技者に認識させることができる。
また、作動予告報知状態において総得点閾値到達状態、又は総得点上限異常となったときは、残り差数表示を計数スイッチ促進表示よりも優先して表示してもよい。これにより、遊技者が残り差数を優先的に認識したい場合に満足感を与えることができる。
<打ち止め報知状態における演出態様>
打ち止め報知状態では、ライオンと女の子のキャラクタ表示と、エフェクト表示と、台詞表示と、総獲得数表示と、の全部が視認できなくなっている。また、残り差数表示の代わりに打ち止め表示が行われている。図54では、打ち止め表示は表示装置の表示領域の中央に表示されているが演出画像は表示されていない(打ち止め表示の透過度は0%になっている)ため、表示領域の上側や下側を含むいずれの箇所に表示してもよい。
また、打ち止め報知状態における打ち止め表示は、全画面の表示領域の50%以上であってもよい。ただし、他の情報を表示する場合(サブスイッチの操作でメニュー画面が表示可能な旨の表示や注意喚起表示)は、打ち止め報知状態における打ち止め表示は、全画面の表示領域の50%から90%の間の任意の値にすることが望ましい。
図54の打ち止め報知状態では祝福表示が表示されていないが、黒塗りの背景画像の代わりにキャラクタを用いた祝福表示を表示してもよい。ただし、祝福表示を表示する際も遊技中の演出画像が表示されないようになっている。
また、AT中において打ち止め報知状態となり(ATの任意の終了条件(例えば、AT実行遊技回数、AT中の差数、又はATナビ回数等)は満たしていないが打ち止め条件を満たしたとき)、打ち止め表示を表示する際は、のめり込み防止表示を表示してもよい。これにより、本来ATの終了画面で表示されるのめり込み防止表示が表示されないことを防ぐことができる。このときののめり込み防止表示は、AT終了画面で表示されるときと同じ表示態様、及び表示時間であってもよいし、AT終了画面で表示されるときと異なる表示態様、及び表示時間であってもよい。また、のめり込み防止表示の表示領域は打ち止め表示の表示領域と重ならない位置に表示するようにしているが、のめり込み防止表示が所定時間で非表示(視認できなくなく)になるように構成されている場合はのめり込み防止表示の表示領域と打ち止め表示の表示領域とは重なっていてもよい。
また、上述した実施形態とは逆に、AT中において打ち止め報知状態となり(ATの任意の終了条件(例えば、AT実行遊技回数、AT中の差数、又はATナビ回数等)は満たしていないが打ち止め条件を満たしたとき)、打ち止め表示を表示する際は、のめり込み防止表示を表示しなくてもよい。これにより、打ち止め表示の視認性を下げることがないため、打ち止め状態であることを素早く遊技者に認識させることができる。
また、AT中において打ち止め報知状態となり(ATの任意の終了条件(例えば、AT実行遊技回数、AT中の差数、又はATナビ回数等)は満たしていないが打ち止め条件を満たしたとき)、打ち止め表示を表示する際にのめり込み防止表示を表示しない場合であっても、ATの任意の終了条件を満たしており且つ打ち止め条件を満たしたとき(ATの任意の終了条件と打ち止め条件を同時に満たしたとき)は打ち止め表示を表示する際にのめり込み防止表示を表示するようにしてもよい。これにより、打ち止め状態となってもATが終了したことを遊技者が認識でき、満足感を与えることができる。
また、AT中において打ち止め報知状態となり(ATの任意の終了条件(例えば、AT実行遊技回数、AT中の差数、又はATナビ回数等)は満たしていないが打ち止め条件を満たしたとき)、打ち止め表示を表示する際にのめり込み防止表示を表示しない場合であり、ATの任意の終了条件を満たしており且つ打ち止め条件を満たしたとき(ATの任意の終了条件と打ち止め条件を同時に満たしたとき)でも打ち止め表示を表示する際にのめり込み防止表示を表示しないようにしてもよい。これにより、打ち止め表示の視認性を下げることがないため、打ち止め状態であることを素早く遊技者に認識させることができる。
また、総得点閾値到達状態と総得点上限異常では、計数を促す報知(計数スイッチ促進表示)を行うため、総得点閾値到達状態、又は総得点上限異常において打ち止め条件を満たしたときは、計数スイッチ促進表示と打ち止め表示を両方とも表示するようにしている。これにより、打ち止め状態であることと、計数スイッチを操作させることの両方を遊技者に認識させることができる。
また、総得点閾値到達状態、又は総得点上限異常において打ち止め条件を満たしたときは、計数スイッチ促進表示を打ち止め表示よりも優先して表示してもよい。この場合、計数スイッチ促進表示を表示しているときに計数スイッチが操作され総得点が閾値(本実施形態では、15000)を下回ったときに打ち止め表示を表示する。これにより、速やかに計数スイッチを操作させることにより総得点閾値到達状態を解除させることができ、その後打ち止め状態であることを認識させることができる。
また、総得点閾値到達状態、又は総得点上限異常において打ち止め条件を満たしたときは、計数スイッチ促進表示を打ち止め表示よりも優先して表示する場合、計数スイッチ促進表示を表示しているときに計数スイッチが操作され総得点が閾値(本実施形態では、15000)を下回った後であっても計数スイッチ促進表示を継続して表示していても良い。例えば、計数スイッチが操作され総得点が0となるまで計数スイッチ促進表示を継続して表示していても良い。そして、総得点が0となった後に、打ち止め表示を表示する。これにより、遊技者に計数スイッチを操作させること(総得点を全て計数すること)を報知することができ、その後打ち止め状態であることを認識させることができる。なお、計数スイッチが操作されて総得点が閾値を下回り、総得点が0となるまでの間に計数スイッチが離されて計数処理が止まった場合に、計数スイッチ促進表示の表示を終了して打ち止め表示を表示してもよいし、計数スイッチ促進表示を継続して表示してもよい。
また、総得点閾値到達状態、又は総得点上限異常において打ち止め条件を満たしたときは、打ち止め表示を計数スイッチ促進表示よりも優先して表示してもよい。打ち止め表示では注意喚起表示として計数スイッチ促進表示を表示する(後述する)ため、総得点閾値到達状態、又は総得点上限異常に関する計数スイッチ促進表示を表示しなくても打ち止め表示に関する計数スイッチ促進表示を表示するため、同じ情報が重複して表示されることで遊技者を混乱させてしまうことを防ぐことができる。
<打ち止め処理中のメイン制御手段、又はサブ制御手段の処理について>
メイン制御手段で打ち止め処理が実行されると、サブ制御手段は遊技の進行が停止した旨の報知(打ち止め報知)を遊技者に対して実行する。
打ち止め報知としては、上述した祝福表示の他に図54で示す「コンプリート機能が作動しました」、「打ち止め状態となりました」、「遊技が終了しました」等の打ち止め表示、又は音声を実行するものであってもよい。当該打ち止め表示は祝福表示と同時に表示してもよいし、祝福表示を行った後に祝福表示を終了させて打ち止め表示、又は音声を実行してもよい。また、打ち止め表示とともに「精算スイッチを押して下さい」、「計数スイッチを押して下さい」等の注意喚起表示(各種スイッチ促進表示)、又は音声もあわせて実行してもよい。
打ち止め報知として、祝福表示を実行する前に打ち止め処理を実行して打ち止め処理中に祝福表示をもよいし、打ち止め処理を実行するまでの間に所定期間のフリーズを実行して、所定期間中に祝福表示を実行して所定期間後の打ち止め処理を実行する際に打ち止め表示を実行してもよい。
また、祝福表示の後に打ち止め表示を行う際は、祝福表示を実行している間は注意喚起表示を実行せず、打ち止め表示を実行するときに注意喚起表示を実行するようにする。
このようにすることで、遊技者に対して精算スイッチや計数スイッチの操作忘れを防止させることができ、祝福表示を実行することによる達成感を阻害することもないため、遊技の興趣が向上する。
また、打ち止め報知中は打ち止め文字音声である「打ち止め状態となりました」等の音声と注意喚起音声である「精算スイッチを押して下さい」や「計数スイッチを押して下さい」等の音声以外のBGM等の音は出力されず、無音となっている。また、打ち止め報知中は打ち止め文字音声である「打ち止め状態となりました」等の音声と注意喚起音声である「精算スイッチを押して下さい」や「計数スイッチを押して下さい」等の音声以外のBGM等の音はエラー報知時の音量よりも小さい音量で出力されていてもよい。
このように構成することで、遊技者に対して打ち止め状態の印象が悪くなり難くなり、目指すべき事象として認識させやすくなることで、遊技の興趣を向上させることができる。
また、打ち止め報知中はサブ制御手段が管理しているサブスイッチの機能は有効としている。このため、打ち止め処理中(打ち止め報知中)であってもサブスイッチの操作によりメニュー画面を開いたり、音量変更画面が開いたりできるようにしている。なお、音量変更画面から変更できる音量には打ち止め報知に関する音量は含まれていないため、打ち止め報知中の音量を変化させることはできない。
また、打ち止め処理中にメニュー画面を開いて、遊技履歴を含めた二次元コードを表示させることで、遊技履歴を携帯端末で読み取らせてサーバ上に保存するサービス(所謂「遊技機連動サービス」)を遊技者に提供することができる。なお、表示装置には打ち止め表示を行っているため、打ち止め報知中以外であればメニュー画面から二次元コードを表示する際は表示装置の画面中央の所定領域に表示するが、打ち止め報知中は所定領域と打ち止め表示が重なってしまうため、打ち止め報知中の二次元コードの表示領域は当該所定領域とは異なる打ち止め表示と重ならない領域に表示する。
また、打ち止め表示と二次元コードとを表示する際の別態様として、打ち止め表示と二次元コードとの表示領域が重なっていたとしても、打ち止め表示と二次元コードとを交互に表示することで、打ち止め報知を実行しつつ二次元コードの読み取りを可能とさせるように構成してもよい。
また、打ち止め報知は打ち止め処理中の時間経過により打ち止め報知を終了しない。換言すると、打ち止め報知は打ち止め状態が解除されるまで(設定変更処理やRWM異常処理が実行されるまで)報知を継続する。
打ち止め処理中は前述した復帰可能エラーのうち何れかの所定のエラーとなり得る事象が発生しても、所定のエラーを検知しない態様であってもよいし、所定のエラーを検知するが所定のエラー処理を実行しない態様であってもよい。いずれにしても所定のエラーに関する報知は実行しないように構成されている。
これは、上述した通り、打ち止め処理中は、打ち止め処理をループしているため、割込み処理で所定のエラーを検知したとしてもメインループ処理内の所定のエラー処理を実行することがないためである。なお、打ち止め処理中に割込み処理を禁止する態様であった場合は所定のエラーを検知しないことになる。
このため、打ち止め処理を実行することによって遊技の進行ができないのにエラーを解除するという手間の発生を防ぐことが可能となり、遊技場店員の作業負担を軽減することができる。
なお、割込み処理内で所定のエラー処理を実行するような構成であれば、打ち止め処理中であっても所定のエラー処理が実行されてしまうため、所定のエラー処理を実行する前に打ち止め処理中か否かを判断して打ち止め処理中であれば所定のエラー処理を実行しないようにすることで打ち止め処理中に所定のエラー処理を実行しないことができる。また、打ち止め処理中に割込み処理を禁止にすることで実現してもよい。
また、打ち止め処理中にも所定のエラー処理を実行することで不正をいち早く検知できることを鑑みれば、打ち止め処理中に所定のエラー処理を実行可能となるよう構成する態様であってもよい。
この態様の場合は、打ち止め処理中でも割込み処理を許可しておき、割込み処理で所定のエラーを検知したときは割込み処理内の所定のエラー処理を実行して所定のエラーの報知処理を実行するか、打ち止め処理内で所定のエラーを検知した場合に所定のエラー処理を実行するようにしておくことで割込み処理で所定のエラーを検知した後の打ち止め処理のループ処理中にある所定のエラー処理にて所定のエラーの報知処理を実行する。
このようにすることで、打ち止め処理中も不正に関する処理が実行可能となり不正行為を抑止することができる。
なお、打ち止め処理を実行している間も貸出ユニットとの通信は実行しており、ホールコン・不正監視情報の遊技機不正1のセキュリティ信号、及びコンプリート信号を出力することで貸出ユニット側に打ち止め処理が実行されていることを通知する。セキュリティ信号は、設定変更、設定確認、不正検知、又は打ち止め処理により出力される信号である。
具体的にセキュリティ信号とは、遊技機情報通知のうちホールコン・不正監視情報に含まれている遊技機不正1(主制御)のBit5であり、打ち止め処理が実行されるとコンプリート信号である遊技機不正1(主制御)のBit6が1となり、遊技機不正1(主制御)のBit6が1となったことでセキュリティ信号である遊技機不正1(主制御)のBit5が1となる。
このようにすることで、打ち止め処理が実行されたことを遊技場側に通知することができるため、遊技場側で適切な対応を行うことができる。
<打ち止め監視処理、又は打ち止め処理に関するその他の構成>
打ち止め監視処理、及び打ち止め処理は使用領域外において実行するように構成されていてもよい。また、打ち止め監視処理は使用領域外で実行し、打ち止め処理は使用領域内で実行するように構成されていてもよいし、打ち止め監視処理、及び打ち止め処理は使用領域内において実行するように構成されていてもよい。
また、主制御基板の使用領域外にて打ち止め監視処理、及び打ち止め処理を実行させてもよいし、遊技メダル数制御基板の使用領域外にて打ち止め監視処理、及び打ち止め処理を実行させてもよい。
打ち止め処理中は外部信号を出力するための処理を実行し続けるよう構成されている。
このように構成することで、外部に打ち止め処理中であることを報知できるので、遊技場管理者は遊技機の状況をいち早く把握することができる。
打ち止め報知は液晶表示やスピーカから出力される音声のみならず、枠ランプ、下パネルランプ、獲得枚数表示器、又はクレジット表示器等の各LEDの点灯態様で報知してもよい。
このように構成することで、液晶のない遊技機においても打ち止め状態であることを報知することができる。
<有利区間を遊技媒体の差数で終了する処理>
上述した実施形態においては、有利区間のMYが2400を超えた場合に有利区間を終了する遊技機を主に説明した。
ここで、有利区間のMYを詳述すると、有利区間を開始してから最も出玉が低い地点を基準(0)とし、当該基準からの差数が「2400」を超えた場合に、有利区間を終了するというものであった。
これにより、1回の有利区間において、最大で「2414」の差数の利益しか遊技者に与えることができなかった。このため、遊技者が有利区間の遊技で多くの遊技媒体を費やした場合には、その有利区間では費やした遊技媒体を取り返すことができず、遊技者にとって魅力が乏しいものとなっていた。
例えば、有利区間の遊技媒体の差数(遊技者が費やした遊技媒体数)が-3000である遊技から所定の遊技状態(例えばAT状態)となった場合でも、有利区間のMYが2400を超えた場合には終了するため、最大でも1回の有利区間で獲得可能な遊技媒体数が約2400までしかなかった(有利区間の遊技媒体の差数が約-600となって終了していた)。
そこで、有利区間のMYが2400を超えた場合に有利区間を終了するのではなく、有利区間の開始時を起点(0)とし、1回の有利区間で得られる遊技媒体の差数(有利区間で付与された総遊技媒体数から有利区間でベットされた総遊技媒体数の差)が、所定数(例えば、2400)を超えた場合に終了するように構成する。
具体的には、有利区間における遊技媒体の総IN数(総投入数、総ベット数とも称する)、有利区間における遊技媒体の総OUT数(総払出数、総付与数とも称する)を考慮する。つまり、有利区間における遊技媒体のOUT数から有利区間における遊技媒体のIN数の差(以下、有利区間の遊技媒体の差数と称する)が、2400を超えた場合に有利区間を終了するように構成する。このように構成することにより、射幸性を一定の範囲内に抑えつつ、従来よりも遊技性を向上した遊技機を提供することができる。
例えば、有利区間の遊技媒体の差数が-3000である或る遊技から所定の遊技状態(例えばAT状態)となった場合、有利区間の開始時を起点として有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えた場合に有利区間を終了することができる。そのため、有利区間の遊技媒体の差数が-3000である遊技から、最大で、遊技媒体を約5400得ることができるようになる(1回の有利区間の遊技媒体の差数が+2400となって有利区間が終了する)。
なお、1回の有利区間で得られる遊技媒体の差数(有利区間で付与された総遊技媒体数から有利区間でベットされた総遊技媒体数の差)が、所定数(例えば、2400)を超えた場合に終了するように構成した場合、この所定数未満の値で有利区間を終了することは差し支えない。換言すると、有利区間の開始時を起点(0)としたとき、1回の有利区間で得られる最大の遊技媒体の差数が所定数(正確には所定数+α(αは、1遊技における最大の遊技媒体の差数))となる。
また、1回の有利区間で得られる遊技媒体の差数が所定数を超えた場合に有利区間を終了するように構成した場合であっても、1回の有利区間で得られる遊技媒体の差数が所定数を超える前に、任意の終了条件を満たした場合に有利区間を終了することもできる。
以下では、有利区間を遊技媒体の差数で終了するための具体的な処理について図を用いて説明を行う。
≪有利区間を遊技媒体の差数で終了する処理(加算バージョン)≫
図55は、有利区間を遊技媒体の差数で終了する処理の一例を示す図である。当該処理は、図46、図47、又は図48の有利区間クリアカウンタ管理処理の変形例に相当する。
図55では、有利区間差数カウンタを有する。有利区間差数カウンタとは、主制御基板が有するRWM領域の1つであり、有利区間の遊技媒体の差数に対応した値を記憶可能な記憶領域である。
有利区間差数カウンタに記憶されている値は、電源のオン、オフではクリアされない。また、有利区間差数カウンタに記憶されている値は、有利区間終了に伴うRWMクリアによってクリアされる。また、有利区間差数カウンタに記憶されている値は、設定変更に伴うRWMクリアによってクリアされる。また、打ち止めカウンタ(差数カウンタ)によって打ち止め状態となった場合にはクリアされない。
なお、有利区間差数カウンタは、2バイトで構成されている例で説明を行うが、有利区間差数カウンタは、3バイトで構成されていても、4バイトで構成されていても良い。
まず、「有利区間クリアカウンタ-1」では、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算する。有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、0を下回った場合(桁下がりがあった場合)には、キャリーフラグが1となる。また、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、0を下回らなかった場合(桁下がりがなかった場合)には、キャリーフラグが0となる。また、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、0となった場合には、ゼロフラグが1となる。
なお、有利区間クリアカウンタとは、先述したとおり、主制御基板が有するRWM領域の1つであり、有利区間の遊技回数に対応した値を記憶可能な記憶領域である。
「有利区間クリアカウンタ減算前=0?」では、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、0を下回らなかった場合にNOとなる。具体的には、キャリーフラグが1でなかった場合にNOとなる。つまり、「有利区間クリアカウンタ減算前=0?」でNOと判断する場合は、今回の遊技における有利区間クリアカウンタに1以上の値が記憶されている場合である。換言すると、今回の遊技は有利区間であることを意味する。
一方、「有利区間クリアカウンタ減算前=0?」でYESと判断する場合は、今回の遊技は通常区間であることを意味する。
「次回の遊技は有利区間?」では、主制御基板が記憶しているRWM領域の情報に応じて判断する。例えば、今回の遊技(通常区間の遊技)で有利区間への移行を決定し、有利区間へ移行することを示す情報を記憶しているRWM領域の情報に応じて判断するようにしても良い。また、例えば、今回の遊技(通常区間の遊技)で有利区間への移行を決定し、移行先の遊技状態も決定しているような仕様であれば、移行先の遊技状態を記憶しているRWM領域の情報に応じて判断するようにしても良い。何れにせよ、次回の遊技が有利区間であるか否かが判断可能な情報に応じて次回遊技は有利区間か否かを判断することができる。そして、次回遊技が有利区間である場合にはYESとなり、次回遊技が有利区間でない場合にはNOとなる。
「有利区間クリアカウンタ初期値保存」では、有利区間クリアカウンタの値を記憶可能なRWM領域に初期値を記憶する。例えば、初期値が1500である場合には、有利区間クリアカウンタの値を記憶可能なRWM領域に1500を記憶する。また、例えば、初期値が3000である場合には、有利区間クリアカウンタの値を記憶可能なRWM領域に3000を記憶する。なお、この初期値が1回の有利区間で遊技可能な最大の遊技数に相当する。そのため、初期値は、1500や3000に限らず、予め定められた値であれば良い。例えば、1日では遊技が終わらない遊技数(例えば、65535)を設定するようにしても良い。このように構成することで、有利区間の最大遊技回数を1500とする遊技機、有利区間の最大遊技回数を3000とする遊技機、及び有利区間の最大遊技回数が実質的に定められていない(65535は一日で遊技できる回数ではないため、実質無制限となる)遊技機において、プログラムを共通化することができる。
「有利区間差数カウンタ初期値セット」では、有利区間差数カウンタに記憶する初期値をレジスタにセットする。具体的には、初期値を63135(65535-2400)にし、HLレジスタに記憶する。
ここで、初期値の63135とは、2バイト(有利区間差数カウンタの記憶領域の大きさに対応している)の記憶領域で記憶可能な最大の値「65535」から有利区間を終了する有利区間の遊技媒体の差数に対応した値「2400」を減算した値である。なお、この例においては、有利区間を終了する条件として、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えることとしているが、有利区間を終了する条件として、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えることに限られるものではない。例えば、有利区間を終了する条件として、有利区間の遊技媒体の差数が4800を超えることなど、予め定めた値に設定することができる。仮に、有利区間を終了する条件として、有利区間の遊技媒体の差数が4800を超えることとした場合には、初期値を60735(65535-4800)とする。
また、本例では、有利区間差数カウンタを2バイトとしているが、3バイトとすることもできる。有利区間差数カウンタを3バイトとし、有利区間を終了する条件として有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えたときとした場合には、初期値として16774815(16777215-2400)とする。
なお、初期値として「有利区間差数カウンタの記憶領域の大きさに対応した値」-「有利区間の終了条件として定めた有利区間の遊技媒体の差数に対応した値」とすることの効果については、後述する。
「有利区間クリアカウンタ減算前=1?」では、「有利区間クリアカウンタ-1」を行う前の有利区間クリアカウンタが1であったか否かを判断する。例えば、「有利区間クリアカウンタ-1」で、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、有利区間クリアカウンタの値が0の場合(具体的には、ゼロフラグが1の場合)には、YESとなる。一方、「有利区間クリアカウンタ-1」で、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、有利区間クリアカウンタの値が0でない場合(具体的には、ゼロフラグが0の場合)には、NOとなる。
なお、「有利区間クリアカウンタ減算前=1?」の後であって、「再遊技作動時?」の前には、有利区間差数カウンタに記憶されている値を所定のレジスタ(例:HLレジスタ)に記憶する処理を行っている。
「再遊技作動時?」では、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示した場合(次回遊技がリプレイによる遊技である場合)に、YESと判断する。一方、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示しなかった場合(次回遊技がリプレイによる遊技でない場合)に、NOと判断する。
「IN数<OUT数?」では、OUT数がIN数よりも大きいか否かを判断する。
例えば、今回遊技の結果、
ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、NOと判断する。
イ)IN数=3、OUT数=1の場合には、NOと判断する。
ウ)IN数=3、OUT数=3の場合には、NOと判断する。
エ)IN数=3、OUT数=10の場合には、YESと判断する。
具体的には、IN数-OUT数を行い、当該演算結果を所定のレジスタ(例えば、Aレジスタ)に記憶する。また、IN数-OUT数を行った結果、桁下がりがあった場合(キャリーフラグが1となった場合)には、YESと判断し、桁下がりがなかった場合(キャリーフラグが0となった場合)には、NOと判断する。つまり、今回遊技の遊技媒体の差数がOUT数よりもIN数の方が多い場合には、キャリーフラグが0でありYESと判断する。また、今回遊技の遊技媒体の差数がOUT数よりもIN数の方が少ない場合には、キャリーフラグが1でありNOと判断する。
具体例を挙げると、今回遊技の結果、
ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、Aレジスタ=3、キャリーフラグ=0となる。
イ)IN数=3、OUT数=1の場合には、Aレジスタ=2、キャリーフラグ=0となる。
ウ)IN数=3、OUT数=3の場合には、Aレジスタ=0、キャリーフラグ=0となる。
エ)IN数=3、OUT数=10の場合には、Aレジスタ=249、キャリーフラグ=1となる。
ここで、IN数は、前回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示し、今回遊技のベット数が自動ベットされ(例えば、自動ベットにより「3」が設定され)、且つ、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示しなかった場合には、自動ベットにより設定されたベット数であっても、今回遊技のIN数として扱う。
一方、IN数、及びOUT数は、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示した場合(次回遊技がリプレイによる遊技である場合)には、「IN数<OUT数?」の判断をしない。換言すると、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示した場合(次回遊技がリプレイによる遊技である場合)には、今回遊技のベット数をIN数として扱わない。同様に、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示した場合(次回遊技がリプレイによる遊技である場合)には、今回遊技の付与数(又は自動ベット数)をOUT数として扱わない。
なお、「IN数<OUT数?」では、IN数-OUT数を行ったが、OUT数-IN数によって判断しても良い。換言すると、IN数とOUT数を用いて、今回遊技の遊技媒体の差数を算出できれば良い。
「有利区間差数カウンタ減算」では、所定のレジスタ(例えば、HLレジスタ)に記憶されている有利区間差数カウンタの値から「IN数<OUT数?」での演算結果(IN数-OUT数)の値を減算する。なお、「有利区間差数カウンタ減算」によって、桁下がりが発生した場合には、キャリーフラグが1となる。
例えば、有利区間差数カウンタに記憶されている値(HLレジスタの値)が2である状況下において、
ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、HLレジスタ=65535、キャリーフラグ=1となる。なお、2-3=-1となるが、レジスタでは負の値を記憶できない。そのため、桁下がりが発生し、65535となる。
イ)IN数=3、OUT数=1の場合には、HLレジスタ=0、キャリーフラグ=0となる。
ウ)IN数=3、OUT数=3の場合には、HLレジスタ=2、キャリーフラグ=0となる。
「有利区間差数カウンタ<0」では、「有利区間差数カウンタ減算」によって、桁下がりが発生したか否かを判断する。桁下がりが発生した場合にはYESと判断し、桁下がりが発生しなかった場合にはNOと判断する。上記の例において、有利区間差数カウンタに記憶されている値が2である状況下において、ア)IN数=3、OUT数=0の場合にYESと判断する。また、上記の例において、有利区間差数カウンタに記憶されている値が2である状況下において、イ)IN数=3、OUT数=1の場合にはNOと判断する。同様に、上記の例において、有利区間差数カウンタに記憶されている値が2である状況下において、ウ)IN数=3、OUT数=3の場合にはNOと判断する。
なお、「有利区間差数カウンタ<0」でYESとなった場合には、キャリーフラグが1となっているため、キャリーフラグを0にするための所定の演算を行う。例えば、所定の演算として、Aレジスタの値とAレジスタの値の排他的論理和を行う。この排他的論理和の結果、キャリーフラグが0となる。なお、所定の演算として、Aレジスタの値とAレジスタの値の排他的論理和を例に挙げたが、キャリーフラグを0にするための演算であれば、どのような演算であっても良い。
「有利区間差数カウンタ下限値セット」では、「有利区間差数カウンタ減算」によって桁下がりが発生した場合において、演算結果を記憶しているレジスタ(本実施形態ではHLレジスタ)に予め定めた下限値(0)を記憶する。上記の例では、有利区間差数カウンタに記憶されている値が2である状況下において、ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、「有利区間差数カウンタ減算」によってHLレジスタ=65535となっている。このような場合に、「有利区間差数カウンタ下限値セット」により、HLレジスタに0を記憶する。
つまり、HLレジスタに記憶されている値に桁下がりが発生し、異常値が記憶されている場合には、HLレジスタに下限値である0を記憶することにより、有利区間の遊技媒体の差数を出来るだけ正確に算出することが可能となる。なお、「有利区間差数カウンタ下限値セット」を実行した場合であっても有利区間は継続し、遊技者に有利区間の遊技を提供することが可能である。換言すれば、「有利区間差数カウンタ下限値セット」を実行した以降の遊技においても、有利区間が継続している間は、図55における処理は実行される。
なお、図55では「有利区間差数カウンタ下限値セット」の処理を備えていたが、「有利区間差数カウンタ下限値セット」の処理を備えていなくても良い。具体的には、「有利区間差数カウンタ<0」によってYESと判断した場合には、前回遊技の有利区間差数カウンタに記憶されている値となるようにしても良い。例えば、有利区間差数カウンタに記憶されている値が2、当該遊技のIN数、OUT数が、ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、有利区間差数カウンタに記憶されている値が2となっている(前回遊技の有利区間差数カウンタの値と同じ値となる)ように構成されていても良い。このような構成によれば、「有利区間差数カウンタ」に異常値(桁下がりした値)が記憶されることなくすことができる。また、「有利区間差数カウンタ下限値セット」に相当する処理が無くなるため、プログラム容量を削減することができる。
つまり、「有利区間差数カウンタ減算」によって桁下がりが発生した場合には、桁下がりしたときの値を用いて有利区間差数カウンタを更新しないようにすることで、有利区間差数カウンタの値として異常値が入らないようにしている。換言すると、有利区間の遊技媒体の差数がマイナスの値となった場合であっても、出来るだけ正確に、有利区間の遊技媒体の差数を用いて有利区間を終了することができる。
「有利区間差数カウンタ加算」では、「IN数<OUT数?」での演算結果(IN数-OUT数)の値(Aレジスタに記憶されている値)の補数を算出してAレジスタに記憶する。そして、算出した補数(Aレジスタに記憶されている値)をHLレジスタに加算する。
なお、「有利区間差数カウンタ加算」における補数とは、1バイト(255)を超えて桁上がりする数のうち、最も小さい数を指す。例えば、0-Aレジスタの値で導出することや、補数を導出するための一の命令(NEG命令)によって導出することができる。
例えば、有利区間差数カウンタに記憶されている値(HLレジスタの値)が2である状況下において、
エ)IN数=3、OUT数=10の場合は、Aレジスタ=249となるが、「有利区間差数カウンタ加算」で、まず始めに249の補数である7を導出する。そして、次に2+7を演算することにより、HLレジスタには9が記憶される。なお、2+7は、65535を上回らないため(桁上がりがないため)、キャリーフラグは0となる。
また、例えば、有利区間差数カウンタに記憶されている値(HLレジスタの値)が65530である状況下において、
エ)IN数=3、OUT数=10の場合は、Aレジスタ=249となるが、「有利区間差数カウンタ加算」で、まず始めに249の補数である7を導出する。そして、次に65530+7を演算することにより、HLレジスタには2が記憶される。なお、65530+7は、65537となるが、65535を上回るため(桁上がりがあるため)、HLレジスタには2が記憶される。また桁上がりがあるため、キャリーフラグは1となる。
「有利区間差数カウンタ保存」では、HLレジスタに記憶されている値を有利区間差数カウンタに記憶する。換言すると、有利区間差数カウンタを更新する処理である。
例えば、「有利区間差数カウンタ初期値セット」により、HLレジスタに63135が記憶されている場合には、「有利区間差数カウンタ保存」により、有利区間差数カウンタに63135を記憶する。
例えば、「再遊技作動時」でYESとなった場合には、前回遊技の有利区間差数カウンタの値がHLレジスタに記憶されているため、「有利区間差数カウンタ保存」により、前回遊技の有利区間差数カウンタと同じ値を有利区間差数カウンタに記憶する。
例えば、「有利区間差数カウンタ<0?」でNOとなった場合には、前回遊技の有利区間差数カウンタの値から今回遊技の遊技媒体の差数(IN数-OUT数)が減算された値がHLレジスタに記憶されているため、「有利区間差数カウンタ保存」により、前回遊技の有利区間差数カウンタの値から今回遊技の遊技媒体の差数が減算された値を有利区間差数カウンタに記憶する。
例えば、「有利区間差数カウンタ<0?」でYESとなった場合には、HLレジスタには下限値(0)が記憶されているため、「有利区間差数カウンタ保存」により、下限値(0)を有利区間差数カウンタに記憶する。
例えば、「有利区間差数カウンタ加算」後には、前回遊技の有利区間差数カウンタの値から今回遊技の媒体の差数(OUT数-IN数)が加算された値がHLレジスタに記憶されているため、「有利区間差数カウンタ保存」により、前回遊技の有利区間差数カウンタの値から今回遊技の遊技媒体の差数が加算された値を有利区間差数カウンタに記憶する。
「有利区間差数>2400?」では、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えているか否かを判断する。具体的には、キャリーフラグが1であるか否かを判断する。キャリーフラグが1の場合にはYESと判断し、キャリーフラグが1でない場合(キャリーフラグが0である場合)にはNOと判断する。なお、キャリーフラグが1である場合とは、「有利区間差数カウンタ加算」により桁上がりがあった場合である。一方、「有利区間差数カウンタ減算」により桁下がりがあった場合には、一旦キャリーフラグは1となるが、その後、キャリーフラグを0とするための所定の演算を行うため、「有利区間差数>2400?」ではNOと判断することができる。
つまり、「有利区間差数>2400?」では、キャリーフラグが1であるか否かによって、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えたか否かを判断することができる。そのため、有利区間の遊技媒体の差数を定数(2400)と直接比較する場合と比較して、プログラム容量を少なくすることができる。
このように、「有利区間差数>2400?」では、キャリーフラグが1であるか否かによって、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えたか否かを判断するため、「有利区間差数カウンタ初期値セット」によって、初期値として63135を記憶している。
先述したとおり、この63135は、2バイト(有利区間差数カウンタの記憶領域の大きさに対応している)の記憶領域で記憶可能な最大の値「65535」から有利区間を終了する有利区間の遊技媒体の差数に対応した値「2400」を減算した値である。つまり、有利区間を終了する有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えた場合には、65535を超えるため、キャリーフラグが1となる。
また、初期値として63135を記憶することによって、有利区間の開始時を起点(0)として、遊技媒体の差数として-63135に相当する値を記憶することができる。例えば、初期値を63135としたとき、有利区間差数カウンタの値が13135である状況とは、有利区間の開始時を起点(0)として、差数が-50000であることを意味する。
以上のとおり、初期値として「有利区間差数カウンタの記憶領域の大きさに対応した値」-「有利区間の終了条件として定めた有利区間の遊技媒体の差数に対応した値」である63135を記憶することによって、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えたか否かを判断するプログラム容量を少なくすることができる。また、初期値として63135を記憶することによって、有利区間の遊技媒体の差数として-63135に相当する値まで記憶することができる。なお、初期値として63135を記憶することについて例示しているが、初期値が63135以外の値であっても、同様の効果を有する値であれば、初期値として63135以外の値を採用することができる。
「RWM初期化」では、指示機能に係る性能へ影響を与えるパラメータをすべて0に更新して、有利区間クリアカウンタ管理処理を終了する。なお、指示機能に係る性能へ影響を与えるパラメータとは、ATゲーム数やATに関する遊技状態、有利区間クリアカウンタ、有利区間差数カウンタ等が挙げられる。そして、有利区間種別を0に更新することで、次回遊技は、有利区間ではない通常区間の遊技となる。有利区間の遊技において、「RWM初期化」を実行しなかった遊技の次回の遊技は、有利区間の遊技となる(有利区間は終了しない)。
つまり、HLレジスタに桁下がりによって異常値が記憶されている場合には、HLレジスタに下限値である0を記憶することにより、有利区間の差数を出来るだけ正確に算出することが可能となる。なお、「有利区間差数カウンタ下限値セット」を実行した場合であっても有利区間は継続し、遊技者に有利区間の遊技を提供することが可能である。換言すれば、「有利区間差数カウンタ下限値セット」を実行した以降の遊技においても、有利区間が継続している間は、図55における処理は実行される。
なお、「IN数<OUT数?」では、IN数からOUT数を減算したが、OUT数からIN数を減算するように構成しても良い。OUT数からIN数を減算するように構成した場合には、「IN数<OUT数?」でNOと判断したとき(Aレジスタに桁下がりが発生したとき)は、「有利区間差数カウンタ減算」では、補数を所定の演算によって算出してAレジスタ(今回遊技の遊技媒体の差数)に記憶してから、HLレジスタに記憶されている値(有利区間差数カウンタに記憶されている値)からAレジスタに記憶されている値(今回遊技の遊技媒体の差数)を減算すれば良い。換言すると、「IN数<OUT数?」でNOとなった場合、有利区間差数カウンタに記憶されている値から今回遊技の遊技媒体の差数の絶対値を減算するように構成されていればよい。
同様に、「IN数<OUT数?」でOUT数からIN数を減算するように構成した場合には、「IN数<OUT数?」でYESと判断したとき(Aレジスタに桁下がりが発生しなかったとき)は、「有利区間差数カウンタ加算」では、補数を算出することなく、HLレジスタに記憶されている値(有利区間差数カウンタに記憶されている値)からAレジスタに記憶されている値(今回遊技の遊技媒体の差数)を加算すれば良い。換言すると、「IN数<OUT数?」でNOとなった場合、有利区間差数カウンタに記憶されている値から今回遊技の遊技媒体の差数の絶対値を加算するように構成されていればよい。
≪有利区間を遊技媒体の差数で終了する処理(減算バージョン)≫
図56は、有利区間を遊技媒体の差数で終了する処理の一例を示す図である。当該処理は、図46、図47、又は図48の有利区間クリアカウンタ管理処理の変形例に相当する。
図56では、有利区間差数カウンタを有する。有利区間差数カウンタとは、主制御基板が有するRWM領域の1つであり、有利区間の遊技媒体の差数に対応した値を記憶可能な記憶領域である。
有利区間差数カウンタに記憶されている値は、電源のオン、オフではクリアされない。また、有利区間差数カウンタに記憶されている値は、有利区間終了に伴うRWMクリアによってクリアされる。また、有利区間差数カウンタに記憶されている値は、設定変更に伴うRWMクリアによってクリアされる。また、打ち止めカウンタによって打ち止め状態となった場合にはクリアされない。
なお、有利区間差数カウンタは、2バイトで構成されている例で説明を行うが、有利区間差数カウンタは、3バイトで構成されていても、4バイトで構成されていても良い。
まず、「有利区間クリアカウンタ-1」では、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算する。有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、0を下回った場合(桁下がりがあった場合)には、キャリーフラグが1となる。また、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、0を下回らなかった場合(桁下がりがなかった場合)には、キャリーフラグが0となる。また、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、0となった場合には、ゼロフラグが1となる。
なお、有利区間クリアカウンタとは、先述したとおり、主制御基板が有するRWM領域の1つであり、有利区間の遊技回数に対応した値を記憶可能な記憶領域である。
「有利区間クリアカウンタ減算前=0?」では、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、0を下回らなかった場合にNOとなる。具体的には、キャリーフラグが1でなかった場合にNOとなる。つまり、「有利区間クリアカウンタ減算前=0?」でNOと判断する場合は、今回の遊技における有利区間クリアカウンタに1以上の値が記憶されている場合である。換言すると、今回の遊技は有利区間であることを意味する。
一方、「有利区間クリアカウンタ減算前=0?」でYESと判断する場合は、今回の遊技は通常区間であることを意味する。
「次回の遊技は有利区間?」では、主制御基板が記憶しているRWM領域の情報に応じて判断する。例えば、今回の遊技(通常区間の遊技)で有利区間への移行を決定し、有利区間へ移行することを示す情報を記憶しているRWM領域の情報に応じて判断するようにしても良い。また、例えば、今回の遊技(通常区間の遊技)で有利区間への移行を決定し、移行先の遊技状態も決定しているような仕様であれば、移行先の遊技状態を記憶しているRWM領域の情報に応じて判断するようにしても良い。何れにせよ、次回の遊技が有利区間であるか否かが判断可能な情報に応じて次回遊技は有利区間か否かを判断することができる。そして、次回遊技が有利区間である場合にはYESとなり、次回遊技が有利区間でない場合にはNOとなる。
「有利区間クリアカウンタ初期値保存」では、有利区間クリアカウンタの値を記憶可能なRWM領域に初期値を記憶する。例えば、初期値が1500である場合には、有利区間クリアカウンタの値を記憶可能なRWM領域に1500を記憶する。また、例えば、初期値が3000である場合には、有利区間クリアカウンタの値を記憶可能なRWM領域に3000を記憶する。なお、この初期値が1回の有利区間で遊技可能な最大の遊技数に相当する。そのため、初期値は、1500や3000に限らず、予め定められた値であれば良い。例えば、1日では遊技が終わらない遊技数(例えば、65535)を設定するようにしても良い。このように構成することで、有利区間の最大遊技回数を1500とする遊技機、有利区間の最大遊技回数を3000とする遊技機、及び有利区間の最大遊技回数が実質的に定められていない(65535は一日で遊技できる回数ではないため、実質無制限となる)遊技機において、プログラムを共通化することができる。
「有利区間差数カウンタ初期値セット」では、有利区間差数カウンタに記憶する初期値をレジスタにセットする。具体的には、初期値を2400にし、HLレジスタに記憶する。
ここで、初期値の2400とは、有利区間を終了する有利区間の遊技媒体の差数に対応した値「2400」である。なお、この例においては、有利区間を終了する条件として、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えることとしているが、有利区間を終了する条件として、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えることに限られるものではない。例えば、有利区間を終了する条件として、有利区間の遊技媒体の差数が4800を超えることなど、予め定めた値に設定することができる。仮に、有利区間を終了する条件として、有利区間の遊技媒体の差数が4800を超えることとした場合には、初期値を4800とする。
また、本例では、有利区間差数カウンタを2バイトとしているが、3バイトとすることもできる。有利区間差数カウンタを3バイトとし、有利区間を終了する条件として有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えたときとした場合には、初期値として2400とする。
なお、初期値として「有利区間の終了条件として定めた有利区間の遊技媒体の差数に対応した値」とすることの効果については、後述する。
「有利区間クリアカウンタ減算前=1?」では、「有利区間クリアカウンタ-1」を行う前の有利区間クリアカウンタが1であったか否かを判断する。例えば、「有利区間クリアカウンタ-1」で、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、有利区間クリアカウンタの値が0の場合(具体的には、ゼロフラグが1の場合)には、YESとなる。一方、「有利区間クリアカウンタ-1」で、有利区間クリアカウンタに記憶されている値から1減算した結果、有利区間クリアカウンタの値が0でない場合(具体的には、ゼロフラグが0の場合)には、NOとなる。
なお、「有利区間クリアカウンタ減算前=1?」の後であって、「再遊技作動時?」の前には、有利区間差数カウンタに記憶されている値を所定のレジスタ(例:HLレジスタ)に記憶する処理を行っている。
「再遊技作動時?」では、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示した場合(次回遊技がリプレイによる遊技である場合)に、YESと判断する。一方、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示しなかった場合(次回遊技がリプレイによる遊技でない場合)に、NOと判断する。
「IN数<OUT数?」では、OUT数がIN数よりも大きいか否かを判断する。
例えば、今回遊技の結果、
ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、NOと判断する。
イ)IN数=3、OUT数=1の場合には、NOと判断する。
ウ)IN数=3、OUT数=3の場合には、NOと判断する。
エ)IN数=3、OUT数=10の場合には、YESと判断する。
具体的には、IN数-OUT数を行い、当該演算結果を所定のレジスタ(例えば、Aレジスタ)に記憶する。また、IN数-OUT数を行った結果、桁下がりがあった場合(キャリーフラグが1となった場合)には、YESと判断し、桁下がりがなかった場合(キャリーフラグが0となった場合)には、NOと判断する。つまり、今回遊技の遊技媒体の差数がOUT数よりもIN数の方が多い場合には、キャリーフラグが0でありYESと判断する。また、今回遊技の遊技媒体の差数がOUT数よりもIN数の方が少ない場合には、キャリーフラグが1でありNOと判断する。
具体例を挙げると、今回遊技の結果、
ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、Aレジスタ=3、キャリーフラグ=0となる。
イ)IN数=3、OUT数=1の場合には、Aレジスタ=2、キャリーフラグ=0となる。
ウ)IN数=3、OUT数=3の場合には、Aレジスタ=0、キャリーフラグ=0となる。
エ)IN数=3、OUT数=10の場合には、Aレジスタ=249、キャリーフラグ=1となる。
ここで、IN数は、前回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示し、今回遊技のベット数が自動ベットされ(例えば、自動ベットにより「3」が設定され)、且つ、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示しなかった場合には、自動ベットにより設定されたベット数であっても、今回遊技のIN数として扱う。
一方、IN数、及びOUT数は、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示した場合(次回遊技がリプレイによる遊技である場合)には、「IN数<OUT数?」の判断をしない。換言すると、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示した場合(次回遊技がリプレイによる遊技である場合)には、今回遊技のベット数をIN数として扱わない。同様に、今回遊技の結果、リプレイに対応した図柄組合せが(有効ライン上に)停止表示した場合(次回遊技がリプレイによる遊技である場合)には、今回遊技の付与数(又は自動ベット数)をOUT数として扱わない。
なお、「IN数<OUT数?」では、IN数-OUT数を行ったが、OUT数-IN数によって判断しても良い。換言すると、IN数とOUT数を用いて、今回遊技の遊技媒体の差数を算出できれば良い。
「有利区間差数カウンタ加算」では、所定のレジスタ(例えば、HLレジスタ)に記憶されている有利区間差数カウンタの値から「IN数<OUT数?」での演算結果(IN数-OUT数)の値を加算する。なお、「有利区間差数カウンタ加算」によって、桁上がりが発生した場合には、キャリーフラグが1となる。
例えば、有利区間差数カウンタに記憶されている値(HLレジスタの値)が65534である状況下において、
ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、HLレジスタ=1、キャリーフラグ=1となる。なお、65534+3=65537となるが、2バイトのペアレジスタ(HLレジスタ)では65535を超える値を記憶できない。そのため、桁上がりが発生し、1となる。
イ)IN数=3、OUT数=1の場合には、HLレジスタ=0、キャリーフラグ=1となる。なお、65534+2=65536となるが、2バイトのペアレジスタ(HLレジスタ)では65535を超える値を記憶できない。そのため、桁上がりが発生し、0となる。
ウ)IN数=3、OUT数=3の場合には、HLレジスタ=65534、キャリーフラグ=0となる。
「有利区間差数カウンタ>上限値」では、「有利区間差数カウンタ加算」によって、桁上がりが発生したか否かを判断する。桁上がりが発生した場合にはYESと判断し、桁上がりが発生しなかった場合にはNOと判断する。上記の例において、有利区間差数カウンタに記憶されている値が65534である状況下において、ア)IN数=3、OUT数=0の場合にYESと判断する。また、上記の例において、有利区間差数カウンタに記憶されている値が65534である状況下において、イ)IN数=3、OUT数=1の場合にはYESと判断する。同様に、上記の例において、有利区間差数カウンタに記憶されている値が65534である状況下において、ウ)IN数=3、OUT数=3の場合にはNOと判断する。
なお、「有利区間差数カウンタ>上限値?」でYESとなった場合には、キャリーフラグが1となっているため、キャリーフラグを0にするための所定の演算を行う。例えば、所定の演算として、Aレジスタの値とAレジスタの値の排他的論理和を行う。この排他的論理和の結果、キャリーフラグが0となる。なお、所定の演算として、Aレジスタの値とAレジスタの値の排他的論理和を例に挙げたが、キャリーフラグを0にするための演算であれば、どのような演算であっても良い。
「有利区間差数カウンタ上限値セット」では、「有利区間差数カウンタ加算」によって桁上がりが発生した場合において、演算結果を記憶しているレジスタ(本実施形態ではHLレジスタ)に予め定めた上限値(65535)を記憶する。上記の例では、有利区間差数カウンタに記憶されている値が65534である状況下において、ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、「有利区間差数カウンタ減算」によってHLレジスタ=1となっている。このような場合に、「有利区間差数カウンタ上限値セット」により、HLレジスタに65535を記憶する。
つまり、HLレジスタに記憶されている値に桁上がりが発生し、異常値が記憶されている場合には、HLレジスタに上限値である65535を記憶することにより、有利区間の遊技媒体の差数を出来るだけ正確に算出することが可能となる。なお、「有利区間差数カウンタ上限値セット」を実行した場合であっても有利区間は継続し、遊技者に有利区間の遊技を提供することが可能である。換言すれば、「有利区間差数カウンタ上限値セット」を実行した以降の遊技においても、有利区間が継続している間は、図56における処理は実行される。
なお、図56では「有利区間差数カウンタ上限値セット」の処理を備えていたが、「有利区間差数カウンタ上限値セット」の処理を備えていなくても良い。具体的には、「有利区間差数カウンタ>上限値」によってYESと判断した場合には、前回遊技の有利区間差数カウンタに記憶されている値となるようにしても良い。例えば、有利区間差数カウンタに記憶されている値が65534、当該遊技のIN数、OUT数が、ア)IN数=3、OUT数=0の場合には、有利区間差数カウンタに記憶されている値が65534となっている(前回遊技の有利区間差数カウンタの値と同じ値となる)ように構成されていても良い。このような構成によれば、「有利区間差数カウンタ」に異常値(桁下がりした値)が記憶されることなくすことができる。また、「有利区間差数カウンタ上限値セット」に相当する処理が無くなるため、プログラム容量を削減することができる。
つまり、「有利区間差数カウンタ加算」によって桁上がりが発生した場合には、桁上がりしたときの値を用いて有利区間差数カウンタを更新しないようにすることで、有利区間差数カウンタの値として異常値が入らないようにしている。換言すると、有利区間の遊技媒体の差数がマイナスの値となった場合であっても、出来るだけ正確に、有利区間の遊技媒体の差数を用いて有利区間を終了することができる。
「有利区間差数カウンタ減算」では、「IN数<OUT数?」での演算結果(IN数-OUT数)の値(Aレジスタに記憶されている値)の補数を算出してAレジスタに記憶する。そして、算出した補数(Aレジスタに記憶されている値)をHLレジスタから減算する。
なお、「有利区間差数カウンタ減算」における補数とは、1バイト(255)を超えて桁上がりする数のうち、最も小さい数を指す。例えば、0-Aレジスタの値で導出することや、補数を導出するための一の命令(NEG命令)によって導出することができる。
例えば、有利区間差数カウンタに記憶されている値(HLレジスタの値)が2である状況下において、
エ)IN数=3、OUT数=10の場合は、Aレジスタ=249となるが、「有利区間差数カウンタ減算」で、まず始めに249の補数である7を導出する。そして、次に2-7を演算することにより、HLレジスタには65531が記憶される。なお、2-7は0を下回るため(桁上下がりがあるため)、キャリーフラグは1となる。
また、例えば、有利区間差数カウンタに記憶されている値(HLレジスタの値)が10である状況下において、
エ)IN数=3、OUT数=10の場合は、Aレジスタ=249となるが、「有利区間差数カウンタ加算」で、まず始めに249の補数である7を導出する。そして、次に10-7を演算することにより、HLレジスタには3が記憶される。なお、10-7は0を下回らないため(桁下がりがないため)、キャリーフラグは0となる。
「有利区間差数カウンタ保存」では、HLレジスタに記憶されている値を有利区間差数カウンタに記憶する。換言すると、有利区間差数カウンタを更新する処理である。
例えば、「有利区間差数カウンタ初期値セット」により、HLレジスタに2400が記憶されている場合には、「有利区間差数カウンタ保存」により、有利区間差数カウンタに2400を記憶する。
例えば、「再遊技作動時」でYESとなった場合には、前回遊技の有利区間差数カウンタの値がHLレジスタに記憶されているため、「有利区間差数カウンタ保存」により、前回遊技の有利区間差数カウンタと同じ値を有利区間差数カウンタに記憶する。
例えば、「有利区間差数カウンタ>上限値?」でNOとなった場合には、前回遊技の有利区間差数カウンタの値から今回遊技の遊技媒体の差数(IN数-OUT数)が加算された値がHLレジスタに記憶されているため、「有利区間差数カウンタ保存」により、前回遊技の有利区間差数カウンタの値から今回遊技の遊技媒体の差数が加算された値を有利区間差数カウンタに記憶する。
例えば、「有利区間差数カウンタ>上限値?」でYESとなった場合には、HLレジスタには上限値(65535)が記憶されているため、「有利区間差数カウンタ保存」により、上限値(65535)を有利区間差数カウンタに記憶する。
例えば、「有利区間差数カウンタ減算」後には、前回遊技の有利区間差数カウンタの値から今回遊技の遊技媒体の差数(OUT数-IN数)が減算された値がHLレジスタに記憶されているため、「有利区間差数カウンタ保存」により、前回遊技の有利区間差数カウンタの値から今回遊技の遊技媒体の差数が減算された値を有利区間差数カウンタに記憶する。
「有利区間差数>2400?」では、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えているか否かを判断する。具体的には、キャリーフラグが1であるか否かを判断する。キャリーフラグが1の場合にはYESと判断し、キャリーフラグが1でない場合(キャリーフラグが0である場合)にはNOと判断する。なお、キャリーフラグが1である場合とは、「有利区間差数カウンタ減算」により桁下がりがあった場合である。一方、「有利区間差数カウンタ加算」により桁上がりがあった場合には、一旦キャリーフラグは1となるが、その後、キャリーフラグを0とするための所定の演算を行うため、「有利区間差数>2400?」ではNOと判断することができる。
つまり、「有利区間差数>2400?」では、キャリーフラグが1であるか否かによって、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えたか否かを判断することができる。そのため、有利区間の遊技媒体の差数を定数(2400)と直接比較する場合と比較して、プログラム容量を少なくすることができる。
このように、「有利区間差数>2400?」では、キャリーフラグが1であるか否かによって、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えたか否かを判断するため、「有利区間差数カウンタ初期値セット」によって、初期値として2400を記憶している。
先述したとおり、この2400は、有利区間を終了する有利区間の遊技媒体の差数に対応した値「2400」である。つまり、有利区間を終了する有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えた場合には、0を下回るため、キャリーフラグが1となる。
また、初期値として2400を記憶することによって、有利区間の開始時を起点(0)として、遊技媒体の差数として-63135に相当する値を記憶することができる。例えば、初期値を2400としたとき、有利区間差数カウンタの値が30000である状況とは、有利区間の開始時を起点(0)として、差数が-27600であることを意味する。
以上のとおり、初期値として「有利区間の終了条件として定めた有利区間の遊技媒体の差数に対応した値」である2400を記憶することによって、有利区間の遊技媒体の差数が2400を超えたか否かを判断するプログラム容量を少なくすることができる。また、初期値として2400を記憶することによって、有利区間の遊技媒体の差数として-63135に相当する値まで記憶することができる。なお、初期値として2400を記憶することについて例示しているが、初期値が2400以外の値であっても、同様の効果を有する値であれば、初期値として2400以外の値を採用することができる。
「RWM初期化」では、指示機能に係る性能へ影響を与えるパラメータをすべて0に更新して、有利区間クリアカウンタ管理処理を終了する。なお、指示機能に係る性能へ影響を与えるパラメータとは、ATゲーム数やATに関する遊技状態、有利区間クリアカウンタ、有利区間差数カウンタ等が挙げられる。そして、有利区間種別を0に更新することで、次回遊技は、有利区間ではない通常区間の遊技となる。有利区間の遊技において、「RWM初期化」を実行しなかった遊技の次回の遊技は、有利区間の遊技となる(有利区間は終了しない)。
なお、「IN数<OUT数?」では、IN数からOUT数を減算したが、OUT数からIN数を減算するように構成しても良い。OUT数からIN数を減算するように構成した場合には、「IN数<OUT数?」でNOと判断したとき(Aレジスタに桁下がりが発生したとき)は、「有利区間差数カウンタ加算」では、補数を所定の演算によって算出してAレジスタ(今回遊技の遊技媒体の差数)に記憶してから、HLレジスタに記憶されている値(有利区間差数カウンタに記憶されている値)からAレジスタに記憶されている値(今回遊技の遊技媒体の差数)を加算すれば良い。換言すると、「IN数<OUT数?」でYESとなった場合、有利区間差数カウンタに記憶されている値から今回遊技の遊技媒体の差数の絶対値を加算するように構成されていればよい。
同様に、「IN数<OUT数?」でOUT数からIN数を減算するように構成した場合には、「IN数<OUT数?」でYESと判断したとき(Aレジスタに桁下がりが発生しなかったとき)は、「有利区間差数カウンタ減算」では、補数を算出することなく、HLレジスタに記憶されている値(有利区間差数カウンタに記憶されている値)からAレジスタに記憶されている値(今回遊技の遊技媒体の差数)を減算すれば良い。換言すると、「IN数<OUT数?」でNOとなった場合、有利区間差数カウンタに記憶されている値から今回遊技の遊技媒体の差数の絶対値を減算するように構成されていればよい。
以上のとおり、有利区間を遊技媒体の差数で終了するための具体的な処理として図55、図56を用いて説明を行ったが、これらに限定されるものではない。換言すれば、有利区間を遊技媒体の差数で終了することができれば良い。
また、図55、図56では、有利区間の終了条件の1つとして有利区間の遊技数が所定数となることも採用していたが、有利区間の遊技数が所定数となることを有利区間の終了条件としなくても良い。その場合には、図55、図56における、有利区間クリアカウンタを備えていなくても良い。
有利区間クリアカウンタを備えていない場合、図55、図56における「有利区間クリアカウンタ-1」に相当する処理、「有利区間クリアカウンタ減算前=0?」に相当する処理、「有利区間クリアカウンタ初期値保存」に相当する処理は備えていなくても良い。
以上、遊技機として、スロットマシン(回胴式遊技機)の構成を例示したが、上述した構成は、ぱちんこ遊技機やカジノマシン等の様々な遊技用の機種に適用できる。