以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ遊技機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。図1は、カードユニットおよびパチンコ遊技機を示す正面図である。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行う呼出しランプ装置などであってもよい。また、遊技機の一例として以下、遊技球(パチンコ球)を封入したパチンコ遊技機について説明するが、メダルを使用しないスロットマシンであるメダルレス遊技機についても同様に適用することができる。
P台2は、内部に遊技媒体の一例の遊技球(パチンコ球)を封入しており(以下、封入球ともいう)、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、左上側に設けた発射装置である発射機構30の発射ソレノイドを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射ソレノイドが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて封入球が遊技領域27内に発射される。
発射ソレノイドを駆動させて封入球を1発ずつ遊技領域27に打込むと、それに伴い減算機構32で、P台2において遊技可能な遊技球数から1球ずつ減算する。遊技球の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域を遊技球が通過するように発射強度Tを調整することができる。なお、遊技盤26の下側に発射装置を設ける場合、ファール玉をファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチによって検出されることで、マイナスの発射球数がカウントされるようにしてもよい(つまり、ファール玉検出スイッチの検出に応じて遊技点の加算処理を行ってもよい)。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれた封入球が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞球の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態(大当り遊技状態ともいう)となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777などの確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれた封入球はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞した封入球およびアウト口154に回収された封入球は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置の封入球が遊技領域27内に打込まれる。
また、P台2の打球操作ハンドル25の上方位置に遊技球数を表示するための遊技球数表示器が設けられている。遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、枠制御部171(図2参照)によって制御される。この遊技球数表示器29により、遊技球数や発生したエラーのエラー番号などが表示される。なお、遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2における遊技球数表示器29の左方位置には、遊技球から持ち球への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される(たとえば0.3秒押下状態が継続する度に250球の計数処理が実行される)。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば250球)だけ遊技球から持ち球への計数が行われるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技球のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行う場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合と比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けられている。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の遊技枠、(遊技枠、前枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、遊技枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記憶情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばプリペイド残額、持ち球数、あるいは貯玉数など)を“遊技球のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技球のデータによって特定される球数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技球のデータ”とは、発射可能な球の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技球のデータ”を貯玉や持ち球と同様に、単に“遊技球”と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記憶されている情報が読取られる。
CU3からP台2の前面側に伸びた部分には、表示器54が設けられている。表示器54は、挿入された遊技用記憶媒体(カード)に記憶されているプリペイド残額などを表示するものであるが、遊技球数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器54の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。例えば、図1に示す表示器54では、球貸ボタン321と、返却ボタン319と、再プレイボタンとが表示され、これらの表示項目を指でタッチすることにより操作入力が可能である。なお、表示器54には、再プレイボタンを表示してもよい。
球貸ボタン321は、挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技球への変換操作)を行うボタンである。返却ボタン319は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した持ち球数(カード挿入時の持ち球数−遊技球への変換数+計数操作によって計数された持ち球数)を記憶させて排出するためのボタンである。
再プレイボタン(図示せず)を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持ち球数が記憶されているときにはその持ち球数の一部を引落として遊技球に変換し、変換した遊技球に基づいてP台2による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持ち球数が記憶されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータなどに記憶されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技球に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持ち球との双方が記憶されている場合には、持ち球が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタンとは別に、持ち球を引落とすための専用の持ち球引落ボタンを設け、再プレイボタンは貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した球でホールに預けている球であり、貯玉引落により遊技球となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持ち球」とは、当日獲得した球であり、持ち球引落により遊技球となる。また、持ち球数は、遊技者がP台2により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技球数をカードに記憶したものであって、未だに遊技場に預入れられていない球数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した球数を「持ち球」と言い、前日以前に遊技者が獲得した球数であって遊技場に預入れられた球数を「貯玉」と言う。
「遊技球」とは、P台2で発射可能な球である。遊技球数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持ち球、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持ち球数を遊技場に設定された持ち球数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持ち球」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預入れられた球数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の球数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記憶させずホール用管理コンピュータなどの遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持ち球は、カードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持ち球は、ビジターカードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、持ち球をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持ち球を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持ち球が一旦貯玉としてホールサーバに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持ち球のみが再びそのCU3に記憶され、その持ち球の範囲で遊技球を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320が設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。
図示していないが、P台2は、額縁状の外枠4に対して、遊技枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
遊技枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に図2に示す裏機構部開放スイッチ13が設けられており、遊技枠5が開放されたことが検出される。また、遊技枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分に図2に示す前飾り開放スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこの前飾り開放スイッチ12により検出される。
前飾り開放スイッチ12および裏機構部開放スイッチ13の開放回数は、図示しない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などが搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間などの電源OFF時でもガラス扉6や遊技枠5の開放検出回数を計数してその計数値を枠制御部171(図2参照)へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、図2に示す主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず遊技枠5を開放して遊技枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行うためには、遊技枠5を開放する必要があるため裏機構部開放スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
さらに、遊技枠5の裏面に、図2に示す枠制御基板17が設けられている。枠制御基板17も、まず遊技枠5を開放してから、遊技枠5の裏面より取外す必要がある。よって、遊技枠5の裏面より枠制御基板17を不正に取外す、または枠制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図2は、CU3およびP台2に用いられる制御回路を示すブロック図である。図2を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータなどから構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
CU制御部323には、管理コンピュータやホールコンなどと通信を行うための外部出力端子340が設けられている。CU3は、外部出力端子340を介して、CU3の状態や、P台2から受信した遊技機状態情報(性能表示モニタ40で表示する情報を含む)を管理コンピュータやホールコンなどの外部に送信する。CU制御部323は、SC基板325を介してP台2の枠制御基板17と通信を行っている。SC基板325と枠制御基板17とは、例えば、専用のPIF配線322(図1参照)で接続されている。CU制御部323と枠制御基板17との通信は、貸出情報(挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作に関する情報)と貸出応答情報(貸出情報に対する応答情報)とを双方向で行い、それ以外の計数情報(遊技球から持ち球への計数処理に関する情報)、および遊技機情報を、枠制御基板17からCU制御部323への一方向の通信で行っている。そのため、CU3が計数情報および遊技機情報を受信したか否かをP台2側では認識していない。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタなどで構成されている。なお、SC基板325には、P台2とCU3との通信においてセキュリティを確保するための各種処理を実行するSCマイコン(SC)が搭載されている。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記憶情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記憶情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持ち球を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは持ち球数などのデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3からP台2の前面側に伸びた表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。表示器54には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器54の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。例えば、遊技者が表示器54に表示された球貸ボタン321や返却ボタン319を操作することにより、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。なお、球貸ボタン321や返却ボタン319は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、CU3の前面に設ける構成や、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であってもよい。遊技者が表示器54に表示された再プレイボタン(図示せず)を操作することによりその操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。なお、再プレイボタンは、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、CU3の前面に設ける構成や、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であってもよい。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行う主制御基板16と、遊技球を管理・記憶する枠制御基板17と、枠制御基板17の指令に基づいて発射ソレノイド31aを駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けられている。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163に接続されている。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に球が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行うとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。また、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、制御する契機が大当りによる時短状態、制御する契機が特別図柄の作動回数による時短状態、制御する契機が時短図柄による時短状態などの時短制御に対応した各種コマンドなども含まれる。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。演出制御部151は、時短制御に対応した各種コマンドに基づいて制御する契機が大当りによる時短状態、制御する契機が特別図柄の作動回数による時短状態、制御する契機が時短図柄による時短状態などの遊技状態に基づく演出を行う。
枠制御基板17は、遊技枠5に設けられている。枠制御基板17には、枠制御部171である枠制御用マイクロコンピュータが搭載されている。枠制御部171は、遊技機の枠制御機能部である。枠制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
また、枠制御基板17に対し、計数ボタン28、性能表示モニタ40、電波センサ173、減算ソレノイド32a、減算機構入口センサ32b、減算機構出口センサ32c、揚上機構出口センサ33、アウト球検出スイッチ701、セーフ球検出スイッチ702、前飾り開放スイッチ12、および裏機構部開放スイッチ13が電気的に接続された状態で設けられている。アウト球検出スイッチ701から枠制御基板17へアウト球検出信号が入力される。セーフ球検出スイッチ702から枠制御基板17へアウト球検出信号が入力される。主制御基板16は、アウト球検出信号に基づきベース値(単に、ベースともいう)などを算出する。電波センサ173は、電波を不正に発信して主に減算機構入口センサ32bを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が枠制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して枠制御部171へ入力される。減算機構入口センサ32bは、オフからオンに変化したことにより遊技球の発射を検出し、その検知に基づいて、枠制御部171が、遊技球数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの減算機構入口センサ32bが常時オフ状態になると、いくら球を発射しても遊技球数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
枠制御基板17には、性能表示モニタ40が設けられる。性能表示モニタ40は、7セグメント式のLEDディスプレイである。性能表示モニタ40は、枠制御部171によって算出された付与された遊技価値(例えば、賞球など)に関する性能情報、ベース、役物比率、連続役物比率などの所定情報を表示する。なお、性能表示モニタ40で表示する情報を、CU3を介してホールサーバなどに出力することができるが、P台2に外部出力端子を設け、直接ホールサーバなどに出力してもよい。
ここで、ベースは、P台2の遊技領域27に打ち込まれた遊技球の数に対する、遊技領域27に設けられた大入賞口271、普通入賞口272〜274、および、始動入賞口275〜277などの入賞口への遊技球の入賞に応じて付与された遊技価値に対応する遊技球の数の割合である。また、役物比率(役比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球のうち役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである電動チューリップで構成される始動入賞口276、および、役物の1つである可変入賞球装置で構成される大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。さらに、連続役物比率(連比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、連続役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである可変入賞球装置が設けられた大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。
主制御基板16から枠制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報の情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記憶されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技球が入ったときの払出球数、なお、封入式遊技機では遊技者の遊技に用いられる遊技点としての遊技価値で管理されており、以下、入賞口に遊技球が入ったときの付与される遊技球数、メダルレスのスロットでは、BBなどボーナスの小役入賞で付与されるメダル数(メダルに相当する遊技価値))とを含む情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。
入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞した遊技球の検出信号である。この検出信号を受けた枠制御基板17は、その入賞球1個に対して付与すべき球数を、遊技球数と加算球数とに加算する制御を行う。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかに遊技球が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行っている最中にエラーが発生した場合にその旨を枠制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当りなどのように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
主制御基板16から枠制御基板17へは、遊技機設置情報通知、遊技機情報通知が送信される(図15参照)。逆に、枠制御基板17から主制御基板16へ、遊技機設置情報応答、遊技機情報応答が送信される(図15参照)。遊技機設置情報応答および遊技機情報応答は、主制御基板16から遊技機設置情報通知および遊技機情報通知を受領したことを示すためのコマンドである。
CU3のSC基板325とP台2の枠制御基板17とがPIF配線22を介して電気的に接続されており、SC基板325から枠制御基板17へ、各種コマンドが送信される(図3参照)。逆に、枠制御基板17からSC基板325へ、各種レスポンスが送信される(図3参照)。
遊技枠5には、枠制御基板17の他、発射制御基板31、発射ソレノイド31a、遊技球数表示器29が設けられている。なお、遊技球数表示器29は遊技枠5に直接取り付けてもよいが、球が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、遊技枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。枠制御基板17の枠制御部171は遊技球数表示器29に遊技者が現在所有している遊技球数を表示する。
枠制御基板17から発射制御基板31へ、発射許可信号が出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射機構30の発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力する。これにより、遊技球が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射ソレノイド励磁出力を発し、発射ソレノイド31aを駆動させる。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<遊技球の循環経路>
ここでは、図1および図2を参照して、P台2における遊技球の循環経路を概説する。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aが駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個の遊技球が打球ハンマーにより弾発されてその遊技球が遊技領域27に打込まれる。
発射ソレノイド31aが作動して遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号が減算機構32に出力される。減算機構32では、出力された減算基準信号を基準に、減算ソレノイド32aが通電して可動片を動かすことで遊技球を発射機構30へ送り出し、遊技球が減算機構入口センサ32bを通過することで遊技球数を減算する。
遊技領域27に打込まれた球のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト球は、アウト球流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト球検出スイッチ701によって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞球は、遊技機背面で集められて回収球通過経路に誘導される。同様に、アウト球およびファール球も回収球通過経路に誘導される。回収球通過経路には揚上機構出口センサ33が設けられている。このため、入賞球、アウト球、およびファール球のすべてが揚上機構出口センサ33によって検出される。つまり、揚上機構出口センサ33は、弾発された遊技球のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射ソレノイド31aにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、揚上機構出口センサ33の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた球の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘などの間に引っ掛かって落下していないような浮遊球が存在していないかどうかを判断できる。
<CU3とP台2との通信>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行わない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
図3は、CU3とP台2との間で送受信される情報の概略を説明する説明図である。以下、図3を参照して、CU3とP台2との間で送受信される情報(電文)の概略を説明する。P台2の枠制御基板17とCU3のSC基板325との間では、(a)貸出情報、(b)貸出応答情報、(c)計数情報、および(d)遊技機情報の種類に分けた電文を、共通の非同期シリアル通信ポートを介して通信されている。CU3とP台2との間で送受信される(a)〜(d)の4種類の情報(電文)は、それぞれ電文のヘッダーが異なっており、当該ヘッダーにより電文の種別を区別することが可能となっている。
なお、(a)貸出情報と(b)貸出応答情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(a)貸出情報と(c)計数情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(a)貸出情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。また、(b)貸出応答情報と(c)計数情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(b)貸出応答情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(c)計数情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。
図3(a)には、貸出情報が記載されている。貸出情報には、CU3がP台2に送信する貸出通知の電文に含まれる情報として貸出球数の情報と、通信管理をするための貸出通番の情報とがある。貸出球数の情報は、貸出に係る遊技球数の情報であり、1回の情報で送信される遊技球数の情報として例えば125球の情報が含まれる。なお、貸出情報は、貸出球数が0(ゼロ)球の場合に貸出球数の情報に0(ゼロ)の情報を含めて送信してもよい。
図3(b)には、貸出応答情報が記載されている。貸出応答情報には、P台2がCU3に送信する貸出受領結果応答の電文に含まれる情報として貸出球数受領結果の情報と、通信管理をするための貸出通番の情報とがある。貸出球数受領結果の情報は、CU3から送信された貸出球数の情報を受領した結果をCU3に知らせる情報である。
図3(c)には、計数情報が記載されている。計数情報では、P台2が計数球数と、計数累積球数と、通信管理をするための計数通番とを含む計数通知の電文としてCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための情報をCU3から受信しない。計数球数、計数累積球数および計数通番は、いずれも遊技球の計数を目的とする情報である。また、1回の情報で送信される計数球数は、例えば250球である。なお、計数情報は、計数球数が0(ゼロ)球の場合に計数球数の情報に0(ゼロ)の情報を入れて送信してもよい。
図3(d)には、遊技機情報が記載されている。遊技機情報では、P台2が遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報をCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための情報をCU3から受信しない。遊技機設置情報は、機歴管理を目的とする情報で、電源投入後に遊技機設置情報通知の電文としてCU3へ送信される。遊技機設置情報には、主/枠制御CPUのメーカコード、型式コード、チップID番号などの情報を含む。
遊技機性能情報は、性能情報の集計を目的とする情報で、遊技機性能情報通知の電文としてCU3へ送信される。遊技機性能情報は、遊技に基づいて算出された結果を出力するもので、総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出球率、分間獲得遊技球数(低ベース)、分間獲得遊技球数(高ベース)、特別電動役物による総獲得遊技球数、普通電動役物による総獲得遊技球数、役物連続差動装置による総獲得遊技球、始動口の総獲得遊技球数、普通入賞口の総獲得遊技球数、特別電動役物の総作動回数、普通電動役物の総作動回数、特別図柄表示装置の総作動回数、普通図柄表示装置の総作動回数、役物比率、連続役物比率などの情報を含む。また、枠制御基板17が、遊技機性能情報をCU3に対して通知する条件として、例えば、(1)P台2の電源投入から3分経過後に通知、(2)遊技球を規定発射球数分(例えば、60000球)の発射もしくは規定時間(例えば、10時間)の周期毎に通知、(3)遊技機設置情報通知より優先して通知、(4)ホールコン・不正監視情報を通知した次の周期(300ms後)に通知などの条件がある。なお、これらの条件は例示であって他の条件を採用してもよく、また、上記条件のうち、いずれか1つの条件のみを採用したり、複数の条件を組み合わせて採用したりしてもよい。
ホールコン・不正監視情報は、ホールコンの情報集計・CU3による不正監視を目的とする情報である。ホールコン・不正監視情報は、大当り、確率変動、時間短縮、各入賞口の入賞球数などのホールコン情報、遊技球数(現在の持ち球数)、遊技球数通番、遊技機エラー状態、不正検知状態などの不正監視情報を含む。
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。図4は、パチンコ遊技機からカードユニットへ送信される遊技機情報通知の概略を説明するための図である。図4に示す遊技機情報通知のコマンドは、P台2がCU3に対して遊技機情報を通知するためのコマンドであり、遊技機情報には、遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報の3つが含まれる。遊技機情報通知のコマンドに含まれる遊技機情報の種別は、各情報の通知条件によりいずれか1つに決定され、CU3に通知される。
遊技機情報通知のコマンドには、電文長の情報、コマンドの情報、通番の情報、遊技機種類の情報、遊技機情報種別の情報、および遊技機情報が含まれる。電文長の情報は、送信する電文の長さ(電文長〜通信フレームの誤り検出符号(CRC))を示す。コマンドの情報は、電文のコマンドコードを示す。通番の情報は、シーケンス番号を示す。通番は、一次局側(例えば、P台側)が初期値を「0」として送信時にカウントアップ(+1)して送信するシーケンス番号である。ただし、一次局側が再送時には通番をカウントアップせず、二次局側(例えば、CU側)も受信した通番をそのまま送信するものとする。なお、通信に用いられるコマンドやレスポンスには、電文長の情報、コマンドの情報、通番の情報が共通に含まれるため、以下のコマンドやレスポンスでは説明を省略する。
遊技機種類の情報は、P台2の遊技機種類を示すための情報である。図5は、遊技機種類の情報を説明するための図である。図5では、遊技機種類の情報が「10」であればCU3に接続しているP台2が「ぱちんこ遊技機」の「ぱちんこ」であることを示し、「11」であれば「ぱちんこ遊技機」の「パロット」であることを示している。また、遊技機種類の情報が「20」であればCU3に接続しているP台2が「回胴式遊技機」の「回胴」であることを示し、「30」であれば「アレンジボール」の「アレンジボール」であることを示し、「40」であれば「じゃん球遊技機」の「じゃん球遊技機」であることを示している。なお、CU3では、送信されてきた遊技機種類の情報が「10」または「11」であれば、遊技球数表示として、例えば遊技に用いる単位を「球」で表示し、遊技機種類の情報が「20」であれば、遊技メダル数表示として、例えば遊技に用いる単位を「枚」で表示する。
図4に戻り、遊技機情報種別の情報は、遊技機情報に含まれる情報の種別を示す種別コードである。遊技機情報種別の情報が「0x00」であれば、遊技機情報に含まれる情報が遊技機性能情報であることを示し、「0x01」であれば、遊技機情報に含まれる情報が遊技機設置情報であることを示し、「0x02」であれば、遊技機情報に含まれる情報がホールコン・不正監視情報であることを示している。なお、遊技機情報種別の情報が、上記以外の値であれば、通知されたCU3は異常であると判断する。
遊技機情報には、遊技機情報種別の情報に設定された種別コードに基づき遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報のいずれか1つが含まれ、CU3に通知される。遊技機性能情報は、分間獲得遊技球数(ベース)、役物比率、連続役物比率などの情報で、遊技機設置情報は、主制御CPU、枠制御CPUのメーカコード、型式コード、チップID番号などの情報で、ホールコン・不正監視情報は、大当り、確率変動、時間短縮、各入賞口の入賞球数、遊技球数などの情報である。
さらに、遊技機情報について詳しく説明する。図6は、遊技機性能情報を説明するための図である。図6では、遊技機情報種別の情報が「0x00」である場合に遊技機情報に含まれる遊技機性能情報が示されている。例えば、遊技機情報には、総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出玉率、・・・、普通図柄表示装置の作動回数、役物比率、連続役物比率が含まれる。総発射遊技球数は、発射球数を累積した情報で、総獲得遊技球数は、賞球数を累積した情報で、出玉率は、総獲得遊技球数を総発射遊技球数で除した情報である。また、普通図柄表示装置の作動回数は、普通図柄停止回数を累積した情報で、役物比率は、役物動作賞球数の累積値/賞球数の累計値×100の情報で、連続役物比率は、役物連続動作賞球数の累積値/賞球数の累計値×100の情報である。
図7は、遊技機設置情報を説明するための図である。図7では、遊技機情報種別の情報が「0x01」である場合に遊技機情報に含まれる遊技機設置情報が示されている。例えば、遊技機情報には、主制御チップID番号、主制御CPUメーカコード、主制御CPU型式コード、枠制御チップID番号、枠制御CPUメーカコード、および枠制御CPU型式コードが含まれる。
図8および図9は、ホールコン・不正監視情報を説明するための図である。図8および図9では、遊技機情報種別の情報が「0x02」である場合に遊技機情報に含まれるホールコン・不正監視情報が示されている。例えば、遊技機情報には、「遊技球数」、「発射球数」、「総賞球球数」、「主制御状態」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「遊技情報」を含んでいる。
「遊技球数」は、現在の遊技球数を示し、例えば、遊技球数が10000球の場合「0x102700」と示す。「発射球数」は、発射した球の個数(−128個〜127個)を示し、バック球がある場合はバック球数分を減算し、送信時に複数発射された球がある場合は合算した個数を示す。「総賞球球数」は、賞球球数×入賞個数の合計を示す。
「主制御状態」は、P台2の遊技状態の情報であり「主制御状態1」と「主制御状態2」とを含んでいる。「主制御状態1」は、大当り1(全ての大当り)、大当り2(特定の大当り)、大当り3(変動時間短縮の大当り)の情報、および遊技機状態信号1〜4の情報を含んでいる。遊技機状態信号1は、P台2の遊技状態がフリーゲーム状態であることを示す情報である。遊技機状態信号2は、P台2の遊技状態が大当りによる時短状態であることを示す情報である。遊技機状態信号3は、P台2の遊技状態が特別図柄の作動回数による時短状態であることを示す情報である。遊技機状態信号4は、P台2の遊技状態が時短図柄による時短状態であることを示す情報である。遊技機状態信号1〜4は、CU3の外部出力端子340からホールコン等の外部に状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子板状態出力信号端子1〜4」に対応する。「主制御状態2」は、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、全ての時短(変動時間短縮)中の情報、および変動中の情報を含んでいる。
「遊技機エラー状態」は、遊技機で発生中のエラーコードの情報を含む。具体的に「遊技機エラー状態」は、Bit0〜5までがエラーコードを表し、Bit6が「0」であれば枠制御側のエラーで、「1」であれば主制御側のエラー、さらにBit6が「0」であれば発報のみ、「1」であれば発報+ホールコン出力である。
「不正検知状態」は、「不正検知状態1」〜「不正検知状態3」を含んでいる。「不正検知状態1」は、主制御基板16で設定変更が行われていることを示す設定変更中信号の情報をBit0で、主制御基板16で設定確認が行われていることを示す設定確認中信号の情報をBit1で、主制御基板16でRAMクリアが行われていることを示すRAMクリア信号の情報をBit2でそれぞれ示し、主制御基板16での不正検知状態、特に不正検知信号1〜3を検知したことを示す情報をBit3〜Bit5に示す。Bit6〜Bit7は、未使用である。「不正検知状態2」は、枠制御基板17での不正検知状態を示し、Bit0で前飾り開放、Bit1で裏機構部開放、Bit2で不正電波検知、Bit3で遊技球数クリア検知、Bit4で入賞球数異常1検知、Bit5入賞球数異常2検知を検知したことを示す情報を含む。ここで、入賞球数異常1検知は、主制御基板16が検出した入賞個数と枠制御基板17が検出した入賞個数の差が100球以上となったことを検知し、入賞球数異常2検知は、発射球数と総戻り球数(入賞個数+非入賞個数)の差が100球以上となったことを検知する。「不正検知状態3」は、枠制御基板17での不正検知状態を示し、Bit0で小球検知、Bit1で鉄球検知を検知したことを示す情報を含む。
「遊技情報」は、主制御基板16で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板17へ通知する情報を含む。「遊技情報」は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。種別情報は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。
種別情報については、データ種別(Bit4〜7)の値ごとに設定されており、例えば、データ種別の値が1の場合、始動口入賞の情報である。また、データ種別ごとに、データ番号(Bit0〜3)が設定されており、データ番号が1なら始動口1などと始動口番号を示している。
カウント情報は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。データ種別が1=始動口入賞、2=大入賞口入賞、3=入賞口入賞、9=役物作動による始動口入賞、10=役物連続作動による大入賞口入賞、11=役物作動による入賞口入賞の場合、カウント情報は、賞球数(上位4Bit)と入賞個数(下位4Bit)で構成される。例えば、3個賞球の始動口1に2個入賞した場合、データ種別(Bit4〜7)が”1=始動口1”、データ番号(Bit0〜3)が”1=始動口1”、賞球数(Bit4〜7)が”3=3個賞球”、入賞個数(Bit0〜3)が”1=1個入賞”の遊技情報(0x1131)が2データとなる。
次に、図3〜図9で説明した電文を使ったCU3とP台2との間の通信について説明する。P台2からCU3へ送信される情報のうち、(d)遊技機情報は、図10で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、P台2からCU3への情報の送信から次の情報の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.3秒)に制御されている。図10は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報のタイミングを示す図である。P台2は、CU3での遊技機情報の受信状況に関わらず、規定期間Aごとに遊技機情報をCU3に送信することができる。そのため、P台2において、遊技機情報の再送処理が不要となり、過去の遊技機情報を記憶する必要がなくなり、処理負担を軽減できる。
このように、P台2からCU3へ300msの間隔で情報が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発の遊技球が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、球を1発発射する間に複数の情報が送受信されることになる。
遊技機情報は、計数情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、計数情報を送信しようとした場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。そこで、P台2では、遊技機情報をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、情報伝送の最適化を図るため、遊技機情報を送信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、100ms)に対応するタイミングで、(c)計数情報をCU3に送信する。計数情報は、CU3での受信状況に関わらず、規定期間BごとCU3に送信される。なお、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、計数球数に例えば250球の情報が含まれ、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、計数球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
計数情報の送信は、遊技機情報を送信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、遊技機情報との輻輳が生じないタイミングであればよく、規定期間B経過後から次の遊技機情報が送信されるタイミングまでの間でもよい。
図10では、計数情報をCU3に送信した後、受信有効時間(例えば、170ms)の間にCU3から貸出情報を受信する。CU3からP台2に対して送信される貸出情報には、貸出球数および貸出通番の情報が含まれる。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、貸出球数に例えば125球の情報が含まれ、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、貸出球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
貸出応答情報は、遊技機情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、CU3から貸出応答情報が送信されて来る場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。
そこで、CU3は、計数情報を受信してから受信有効時間の間に貸出情報をP台2に送信している。つまり、P台2では、計数情報を送信してから受信有効時間内のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信し、その応答時間内に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報をCU3に送信する。
図10では、技機情報を送信するタイミングを基準に計数情報を送信するタイミングを決定し、計数情報を送信するタイミングを基準に貸出情報を受信するタイミングを決定するCU3とP台2との通信の例を説明したが、CU3とP台2との通信が、遊技機情報を送信するタイミングを基準に、計数情報および貸出情報を送受信するタイミングを決定するなど他のタイミングでもよい。
<カードユニット側とパチンコ遊技機側との送受信態様>
次に、図11は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図11を参照して、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技球数の変動を算出して現在の最新の遊技球数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行っているが、その遊技球数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持ち球(カード持ち球数)や貯玉数、プリペイド残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図11では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の枠制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2とCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の枠制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、枠制御基板17自体が記憶している枠チップID(枠制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと枠チップIDとを記憶する。この状態で、メインチップID、枠チップIDの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら2つの情報、すなわち、メインチップIDと枠チップIDとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。一方、P台2では、電源投入後に設置情報であるメインチップID、枠チップIDの情報などの情報をCU3に送信し、その後、CU3を含む外部へ所定期間ごとに遊技機情報を送信することが可能となる。P台2では、認証処理を経ることなく遊技機情報を出力可能となるため、処理負担を軽減できる。
CU3およびP台2の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CU3およびP台2の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「遊技球数通番」、「計数通番」および「貸出通番」の3種類がある。「通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通番」は、送信側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通番」をカウントアップしない。受信側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「遊技球数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球数を通知する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球の計数を要求する際に用いられる通番である。「貸出通番」はCU3がP台2に対して遊技球の貸出を要求する際に用いられる通番である。
P台2側からCU3側へは、最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報が送信される。この最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報は、P台2側の枠制御部171(図2参照)のRAMに記憶されている。具体的には、計数球数カウンタの情報が含まれる。なお、遊技球数は、不正監視情報として遊技球数カウンタのカウント値をP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技球数カウンタに加えて、遊技球数も最新の遊技機性能情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめて遊技機情報としてCU3側へ送信される。CU3では、P台2から送信されてくる最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握している。CU3では、例えば、ホールコン情報に含まれる「賞球球数×入賞個数」に基づき遊技球数を加算し、「発射球数」に基づき遊技球数を減算する。さらに、計数球数カウンタは、計数球数をカウントするカウンタである。計数球数は、「計数操作によって遊技球から持ち球に変換された球数」である。計数累積球数カウンタは、計数累積球数をカウントするカウンタである。計数累積球数は、「計数操作によって遊技球から持ち球に変換された球の累積球数」であり、RAMクリア(初期化操作)から計数された累積球数、またはその日に計数された累積球数である。なお、遊技者が交代しても累積球数は変化しないものとする。また、計数累積球数カウンタには、2バイトのデータ領域が割り当てられており、0球〜65,535球の情報を格納可能である。そのため、計数累積球数カウンタは、計数累積球数を「0xFFFF(65,535球)」までカウントすると、次の値を「0x0000(0球)」に更新する。なお、遊技球の発射中に計数操作を受付けた場合、計数処理の対象となる遊技点の更新処理を優先的に行い、遊技球の発射を停止して発射に対応する遊技点の更新処理については実行を停止する。これにより、計数処理の対象となる遊技点の減算と、発射に対応する遊技点の減算とのタイミングが重なることを回避することができ、遊技点の更新処理をより正確に実現でき、誤った更新処理の発生を防止することができる。また、計数処理の対象となる遊技点の減算と、発射に対応する遊技点の減算とを同時に行ってもよい。これにより、遊技球の発射を停止することがないので、円滑な遊技を実現することができる。ここで、「賞球球」は、入賞口へ球が入賞することにより付与される遊技球であり(メダルレスのスロットでは、BBなどボーナスの小役入賞で付与されるメダル数(メダルに相当する遊技価値))、セーフ球である。「発射球」は、遊技機が発射した球であり、バック球がある場合はバック球を減算した球数が発射球数となる。
枠制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技球数を計数球数としてカウントし、その計数球数カウンタの値(計数球数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、枠制御部171は、計数球数カウンタの値(計数球数)がカウントされる毎に計数累積球数カウンタの値が更新され、その計数累積球数カウンタの値(計数累積球数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、計数球数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、当該カウント値を前回遊技機情報記憶領域(枠制御部171のRAMなど)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、計数球数カウンタの値を0クリアする(遊技球数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技機情報(直前に送信した遊技機情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した計数球数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ計数球数のデータが送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技機情報に、直前に送信した遊技球数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、枠制御基板17は、入賞の発生、球の発射、および計数球の発生(遊技球から持ち球への変換)に応じて、遊技球数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技球数カウンタの値を遊技球数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技球数、カード持ち球数(単に、持ち球数とも言う)、貯玉数、残額、およびカード挿入時持ち球数を記憶している。なお、カード持ち球数は、カード挿入時持ち球数から貸出球数(カード持ち球数から遊技球数に変換した球数)を減算し、計数球数を加算した球数である。つまり、カード持ち球数は、現時点で遊技者が所有している持ち球数である。
P台2から送信されてきた計数球数カウンタの値に基づいてカード持ち球数を加算し、遊技球数から減算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新の遊技機情報によって遊技球数、カード持ち球数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技球数を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技球数カウンタのカウント値(遊技球数または遊技球トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技球数を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台2側から送信されてきた最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握するとともに、計数球数カウンタの値および貸出球数の値に基づいて、記憶している遊技球数を更新するとともに、P台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値と、更新後の遊技球数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行う。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器54によりエラー報知が行われ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバによるエラー報知が行われるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行われる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技球数をP台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技球数と、P台2側で記憶している遊技球数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技球数を記憶させているが、その遊技球数がP台2側で管理記憶している遊技球数と整合するか否かの判定を行えるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技球数がCU3側で記憶している遊技球数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバまたはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で記憶している遊技球数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行うものとしてもよい。
また、CU3は、計数情報を受信できなかった場合、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で管理記憶している遊技球数とが一致しなくなるので、特別処理を実行する。当該特別処理として、遊技機情報に基づく遊技球数の補填を行うため遊技機情報の履歴情報を表示させる処理を行ったり、当該履歴情報に基づき遊技球数の補填を行ったり、エラー報知を行ったりする。
さらに、図11に示すように、CU3は、カード持ち球数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのプリペイド残額を記憶する記憶領域と、およびカード挿入時持ち球を記憶する記憶領域とをさらに有する。CU制御部323(図2参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタンの押圧入力(ただし、持ち球無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図2参照)は、持ち球の使用を要求する入力(たとえば、持ち球有のときのCU3に設けられた再プレイボタンの押圧入力)に応じて持ち球を記憶する記憶領域から所定数の持ち球を減算する。さらに、CU制御部323(図2参照)は、プリペイド残額の使用を要求する入力(たとえば、球貸ボタン321の押圧入力)に応じてプリペイド残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の所有価値(たとえば持ち球数、貯玉数、あるいはプリペイド残額)から所定の大きさの価値を貸出して遊技に使用する操作を遊技者が行った場合に、その引落とし分の球数を遊技球数カウンタに加算するための貸出球数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技球数カウンタを加算更新する。
<主制御基板と枠制御基板との通信>
次に、P台2内に設けられた主制御基板16(主制御部161)と枠制御基板17(枠制御部171)との間(図2参照)での通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとの関係を説明する。図12は、通信タイミングを説明するための通信シーケンスを示す図である。図12に示すように、主制御基板16は、一定周期(108ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知している。一方、枠制御基板17は、主制御基板16との通信の一定周期(108ms)より遅い(300ms)の周期で遊技機情報をCU3に送信している。なお、枠制御基板17は、300msではなく200msの周期で遊技機情報をCU3に送信してもよい。
つまり、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を3回行う通信タイミングである。なお、枠制御基板17とCU3との通信が200msの周期の場合、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を2回行う通信タイミングとなる。そのため、枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機の情報を、より頻繁に取得できるので遊技機の変化をより正確に把握することができるとともに、適切な間隔で遊技機の情報をCU3に送信することができる。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとが合致しないようにあえて108msとずらしている。主制御基板16と枠制御基板17との通信の周期は108msに限定されず、100ms超過でかつ100msの整数倍でなければいずれの周期であってもよい。
<主制御基板と枠制御基板との間でのコマンド>
次に、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドについて説明する。図13は、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。
図13に示すように、主制御基板16から枠制御基板17に送信されるコマンドは、遊技機設置情報通知、遊技機情報通知がある。遊技機設置情報通知のコマンドは、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。遊技機情報通知のコマンドは、遊技機情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。
一方、枠制御基板17から主制御基板16に送信されるレスポンスは、遊技機設置情報応答、遊技機情報応答がある。遊技機設置情報応答のレスポンスは、遊技機設置情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。遊技機情報応答のレスポンスは、遊技機情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。
<遊技機設置情報通知・遊技機設置情報応答>
次に、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスについて詳しく説明する。図14は、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスを説明するための図である。図14(a)に示す遊技機設置情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報を通知するためのコマンドであり、遊技機設置情報として「遊技機種類」、「主制御チップID番号」、「主制御CPUメーカコード」、「主制御CPU型式コード」を含んでいる。「遊技機種類」については、図5で示した情報が含まれる。主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報通知のコマンドを送信する際の通信通番は固定値の「0」を通知する。また、遊技機設置情報通知の電文は、必ず1フレームで完結させ、分割送信しない。さらに、枠制御基板17は、遊技機設置情報通知の電文長を受信後、20ms以内にチェックサムまで受信できなかった場合、それまでの受信データをキャンセルし、再度電文長から受信する。以下のコマンドやレスポンスでも同様に行われる。
図14(b)に示す遊技機設置情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機設置情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機設置情報受領結果」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機設置情報通知と同じく通信通番を固定値の「0」として応答する。
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。図15は、遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。遊技機情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機情報(ホールコン情報、不正監視情報など)を通知するためのコマンドであり、遊技機情報として「主制御状態」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「遊技情報」を含んでいる。主制御基板16は、遊技機情報通知時に通信通番を1加算する。なお、通信通番は、255を最大とし、255の次は1にカウントを戻す。また、電文再送時には、通信通番を1加算(更新)しない。
「主制御状態」は、P台2の遊技状態の情報であり「主制御状態1」と「主制御状態2」とを含んでいる。「主制御状態1」は、大当り1(全ての大当り)、大当り2(特定の大当り)、大当り3(時短の大当り)の情報、および遊技機状態信号1〜4の情報を含んでいる。遊技機状態信号1は、P台2の遊技状態がフリーゲーム状態であることを示す情報である。遊技機状態信号2は、P台2の遊技状態が大当りによる時短状態であることを示す情報である。遊技機状態信号3は、P台2の遊技状態が特別図柄の作動回数による時短状態であることを示す情報である。遊技機状態信号4は、P台2の遊技状態が時短図柄による時短状態であることを示す情報である。遊技機状態信号1〜4は、CU3の外部出力端子340からホールコン等の外部に状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子板状態出力信号端子1〜4」に対応する。
なお、フリーゲーム状態であることを示す遊技機状態信号1は、CU3の外部出力端子340からホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力してもよい。フリーゲーム状態であることを示す遊技機状態信号1を、ホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力する場合、大当り状態を示す状態信号、時短状態(又は確変状態)であることを示す状態信号とは異なる状態信号として出力するものとする。また、大当りによる時短状態であることを示す遊技機状態信号2は、CU3の外部出力端子340からホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力してもよい。大当りによる時短状態であることを示す遊技機状態信号2を、ホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力する場合、大当り状態を示す状態信号、時短状態(又は確変状態)であることを示す状態信号とは異なる状態信号として出力し、制御の契機が異なる時短状態の種類のうち大当りによる時短状態であることを特定することができるものとする。
さらに、特別図柄の作動回数による時短状態であることを示す遊技機状態信号3は、CU3の外部出力端子340からホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力してもよい。特別図柄の作動回数による時短状態であることを示す遊技機状態信号3を、ホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力する場合、大当り状態を示す状態信号、時短状態(又は確変状態)であることを示す状態信号とは異なる状態信号として出力し、制御の契機が異なる時短状態の種類のうち特別図柄の作動回数による時短状態であることを特定することができるものとする。また、時短図柄による時短状態であることを示す遊技機状態信号4は、CU3の外部出力端子340からホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力してもよい。時短図柄による時短状態であることを示す遊技機状態信号4を、ホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力する場合、大当り状態を示す状態信号、時短状態(又は確変状態)であることを示す状態信号とは異なる状態信号として出力し、制御の契機が異なる時短状態の種類のうち時短図柄による時短状態であることを特定することができるものとする。
遊技機状態信号1〜4は、CU3の外部出力端子340からホールコン出力BOX811を介してホールコン810に状態を出力するために使用され、ホールコン出力BOX811から出力される「外部端子板状態出力信号端子1〜4」に対応する。「主制御状態2」は、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、全ての時短(変動時間短縮)中の情報、および変動中の情報を含んでいる。ホールコン出力BOX811から出力される状態出力信号については、遊技機状態信号1〜4に対応bitが「0」から「1」に変化したことに対応して「L」から「H」の状態出力信号に変化し、遊技機状態信号1〜4に対応bitが「1」から「0」に変化したことに対応して「H」から「L」の状態出力信号に変化する。
「遊技機エラー状態」は、遊技機で発生中のエラーコードの情報を含む。「不正検知状態1」は、主制御基板16で設定変更が行われていることを示す設定変更中信号の情報をBit0で、主制御基板16で設定確認が行われていることを示す設定確認中信号の情報をBit1で、主制御基板16でRAMクリアが行われていることを示すRAMクリア信号の情報をBit2でそれぞれ示し、主制御基板16での不正検知状態、特に不正検知信号1〜3を検知したことを示す情報をBit3〜Bit5に示す。Bit6〜Bit7は、未使用である。
「遊技情報」は、主制御基板16で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板17へ通知する情報を含む。「遊技情報」は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。種別情報は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。
種別情報についてさらに詳しく説明する。図16は、遊技情報に含まれる種別情報を説明するための図である。種別情報は、データ種別(Bit4〜7)の値ごとに設定されており、例えば、データ種別の値が1の場合、始動口入賞の情報である。また、データ種別ごとに、データ番号(Bit0〜3)が設定されており、例えば、データ番号が1なら始動口1などと始動口番号を示している。
データ種別の値が2の場合、特別電動役物作動による大入賞口に入賞したことを通知し、データ番号が1なら大入賞口1などと大入賞口番号を示している。データ種別の値が9の場合、図柄確定回数を通知し、データ番号が1なら特図1などと特図番号を示している。データ種別の値が12の場合、役物回数、つまり大入賞口開放回数を通知し、データ番号が1なら役物1などと役物番号を示している。データ種別の値が14の場合、CU3からパルス出力することを指示し、データ番号でCU3の外部出力端子340の端子を示す。データ種別の値が15の場合、性能情報の演算に必要となる状態を通知し、データ番号が1に固定されている。
カウント情報は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。データ種別が1=始動口入賞1、2=始動口入賞2、3=始動口入賞3、4=その他役物作動による始動口入賞1、5=その他役物作動による始動口入賞2、6=その他役物作動による始動口入賞3の場合、カウント情報は、賞球数(上位4Bit)と入賞個数(下位4Bit)で構成される。例えば、3個賞球の始動口1に2個入賞した場合、データ種別(Bit4〜7)が”1=始動口入賞”、データ番号(Bit0〜3)が”1=始動口1”、賞球数(Bit4〜7)が”3=3個賞球”、入賞個数(Bit0〜3)が”1=1個入賞”の遊技情報(0x1131)が2データとなる。
データ種別が9=図柄確定回数の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と図柄確定回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が10=特別図柄当り、11=普通図柄当りの場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と当り回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が12=役物回数(大入賞口開放回数)の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と役物回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が13=特定領域通過の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と特定領域通過数(下位4Bit)で構成される。データ種別が14=外部端子板パルス出力の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)とパルス出力回数(下位4Bit)で構成される。
データ種別が15=性能情報状態通知の場合、カウント情報は、未使用(上位2Bit)と状態フラグ(下位6Bit)で構成される。図17は、性能情報状態通知のカウント情報を説明するための図である。状態フラグ(Bit0〜5)では、Bit0がベース状態を示し、Bit0が”0”なら低ベース中、”1”なら高ベース中であることを示し、Bit1が大当り中の状態を示し、Bit1が”0”なら通常時、”1”なら大当り中であることを示し、Bit2が高確率中の状態を示し、Bit2が”0”なら低確率、”1”なら高確率であることを示している。Bit3がフリーゲーム状態か否かを示し、Bit3が”0”ならフリーゲーム状態、”1”なら通常状態であることを示している。Bit4が時短状態の種類を示し、Bit4が”0”なら大当りによる時短状態、”1”なら特別図柄の作動回数による時短状態であることを示している。さらに、Bit5が時短状態の種類を示し、Bit5が”0”なら時短図柄による時短状態であることを示している。
<遊技機情報応答>
図18は、遊技機情報応答のコマンドを説明するための図である。図18に示す遊技機情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機情報受領結果」を含んでいる。「遊技機情報受領結果」には、上位4ビットにファール球数、下位4ビットに発射球数の情報を含んでいる。なお、「遊技機情報受領結果」に含まれるファール球数および発射球数の情報は、前回送信してからの差分値とする。枠制御基板17は、遊技機情報通知で受信した通信通番をそのまま応答する。しかし、枠制御基板17は、連続性が成立しない通信通番を受信した場合、無応答とする。
<時短状態>
図1に示した構成を備えるP台2においては、以下のようにして遊技が進行する。P台2が備える打球操作ハンドル25への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域27に向けて発射される。遊技球が特図1始動口である始動入賞口(図1に示す始動入賞口276)に進入すると、可変表示装置(図1に示す可変表示装置278)による第1特図ゲームが開始される。
特図ゲームにおいて、可変表示装置278の図柄の組合せが、特定の特別図柄(大当り図柄など)の組合せとなったときに、「大当り」となる。また、可変表示装置278の図柄の組合せが、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)の組合せとなったときに、「小当り」となる。さらに、可変表示装置278の図柄の組合せが、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄)の組合せとなったときに、「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。なお、当り種別として必ずしも小当りを設けなくてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口271が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(たとえば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口271に進入した遊技球の数が所定個数(たとえば9個)に達するまでのタイミングとのうちのいずれか早いタイミングまで継続される。この所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口271を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口271が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(10回や7回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口271に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多いほど、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種類が設定されている。たとえば、大入賞口271の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種類が設定されている。大当り種類として、多くの賞球を得ることができる大当り種類や、賞球の少ない大当り種類、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種類が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、大入賞口271が所定の開放態様で開放状態となる。たとえば、小当り遊技状態では、一部の大当り種類のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口271の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口271の閉鎖タイミングも同じなど)で大入賞口271が開放状態となる。なお、大当り種類と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種類に応じて、確変状態や時短状態に制御されることがある。確変状態(確率変動状態)では、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄(特に第1特別図柄)の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させたりするなどにより、始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態などの有利状態、時短状態、確変状態などの特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのP台2が、パチンコ遊技機の初期設定状態(たとえばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組合せて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
上述で説明した時短状態は、大当りが制御する契機である時短状態について説明した。しかし、時短状態に制御する契機が大当りである場合に限定されず、他の契機で時短状態に制御される場合があってもよい。本実施の形態では、制御する契機が大当りによる時短状態(以下、大当り時短ともいう)と、制御する契機が特別図柄の作動回数による時短状態(以下、救済時短ともいう)と、制御する契機が時短図柄による時短状態(以下、ハズレ時短ともいう)との3つの種類の時短状態の制御が可能であるとして説明する。もちろん、P台2は、これら以外の制御する契機の時短状態を設けてもよい。
まず、制御する契機が特別図柄の作動回数による時短状態(救済時短)について詳しく説明する。救済時短は、通常状態において所定表示結果(ハズレ表示結果、大当りとならない表示結果など)となった特別図柄の作動回数(ハズレとなった可変表示の継続回数)を用いた時短制御である。具体的に、救済時短は、所定表示結果(ハズレ表示結果、大当りとならない小当り表示結果など)となった特別図柄の作動回数が特別回数(たとえば1000回)に到達したことを条件として実行可能である。なお、所定結果としては、ハズレ表示結果となった特別図柄の作動回数が特別回数に到達したことを条件として時短状態(特定状態)を実行可能としてもよい。これにより、特別図柄の作動回数(ハズレとなった可変表示の継続回数)が特別回数(たとえば1000回)に到達したことで救済時短に制御されることで、時短状態による遊技者の救済がされやすくなり、遊技者の遊技意欲を高めることができる。したがって、時短状態による遊技者の救済を好適に実現することが可能となる。
救済時短の作動契機である特別図柄の作動回数(以下、作動回数nともいう)は、設定によりその回数が変動しない。また、作動回数nは、低確時の大当り確率の2.5倍から3倍までの回数である。なお、P台2が、設定を変更することができる場合、全ての設定で作動回数nが低確時の大当り確率の2.5倍から3倍までの回数となる。作動回数nは、特別図柄が低確時に常に加算し、特別図柄が高確時になると加算しない。低確時であれば、時短状態に制御されているか否かに関わらず特別図柄の作動回数nは加算する。作動回数nは、(1)設定変更によるRWMクリア時、(2)RWMクリア時、(3)条件装置の作動時または終了時のいずれかのタイミングで計測していた回数をクリアすることできる。なお、(1)のタイミング及び(2)のタイミングについては、遊技機として定めていれば作動回数nの回数をクリアするか否かは任意である。ただし、(1)のタイミング及び(2)のタイミングのどちらとも(設定変更装置が非搭載の遊技機の場合は(2)のタイミングのみ)作動回数nの回数をクリアしない構成であれば、遊技機として別途作動回数nの回数をクリアする手段を設ける必要がある。また、クリアの有無は遊技機としてあらかじめ定められている。ここで、条件装置とは、その作動が入賞、再遊技、役物又は役物連続作動装置の作動に係る図柄の組合せが表示されるために必要な条件とされている装置で、遊技機内で行われる電子計算機によるくじ(以下、内部抽選という。)に当せんした場合に作動するものをいう。
救済時短による時短回数(以下、時短回数Nという)は、設定によりその回数を変動させない。救済時短の終了条件は、大当りによる時短状態(大当り時短)の終了条件と同様、(1)条件装置が作動した場合、(2)条件装置の作動に係る抽選を規定回数行うまでの間とする。救済時短は、その他の終了条件として、例えば、第2特別図柄の変動回数、小当りの回数等を併用してもよい。具体的に、大当り時短の場合に、表示図柄が「AAA」であれば時短回数Nが50回、第2特別図柄が5回、小当り回数が1回を終了条件とし、表示図柄が「BBB」であれば時短回数Nが70回、第2特別図柄が8回、小当り回数が2回を終了条件とする。一方、救済時短の場合は、時短回数Nが500回、第2特別図柄が20回、小当り回数が4回を終了条件とする。なお、ハズレ時短の場合は、表示図柄が「AAB」であれば時短回数Nが30回、第2特別図柄が6回、小当り回数が3回を終了条件とする。
第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動する遊技機の場合、時短状態の制御が開始されるタイミングは、あらかじめ1つに定めていれば特別図柄のn回目の変動開始時、または特別図柄の変動終了時のいずれのタイミングでもよい。作動回数nは、通常時に主に作動する第1特別図柄の作動回数のみ加算するのではなく、第1特別図柄の作動回数と第2特別図柄の作動回数との合を加算する。救済時短の作動回数nは、確率変動が無くても作動確率があれば搭載することはできるが、作動確率自体がない遊技機には搭載することができない。また、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(いわゆる1種2種混合タイプ)の遊技機に対して救済時短の作動回数nを設けてもよい。
救済時短の時短回数Nは、設定付きの遊技機の場合、作動確率が最も低い設定の値において(3.8/作動確率)以下の値の条件を満たしている。救済時短の作動回数nに到達したときの特別図柄は、内部抽選の結果が、はずれであればはずれ図柄を表示し、小当りであれば小当り図柄を表示する。救済時短では、作動回数nに到達する特別図柄の変動パターンや停止図柄表示時間を、専用の変動パターン変動パターンや停止図柄表示時間とせず、大当り終了後の変動パターンの選択方法によって、専用の変動パターンや停止図柄表示時間とすることが可能である。救済時短の作動回数nの到達による時短作動と小当り図柄の当せんが同時に成立した場合、時短と小当り動作のどちらも作動させる。
次に、制御する契機が時短図柄による時短状態(ハズレ時短)について詳しく説明する。ハズレ時短は、特別図柄として時短図柄が導出表示された場合に、大入賞口271を作動させることなく時短状態(高ベース状態)に移行する。つまり、時短状態としては、当り(大当り、小当りなど)を経由しないハズレであるが時短制御を実行する。なお、上記した時短図柄としては、これらの時短図柄をハズレ図柄の一部としてもよいし、小当り図柄の一部としてもよい。
また、時短図柄の導出表示に関する抽選処理を行う場合には、これらの抽選処理に、時短図柄抽選用の専用の乱数を用いて抽選を実行してもよいし、ハズレ図柄の抽選乱数や大当り図柄の抽選乱数や小当り図柄の抽選乱数、大当り抽選判定用乱数、転落抽選の抽選乱数などの他の抽選を行う乱数を用いて抽選を行うようにしてもよい。また、これら時短図柄については、複数種類の図柄であってよいとともに、その他の図柄である小当り図柄やハズレ図柄で表示される図柄の組み合わせと併用してもよい。なお、この場合、併用する小当り図柄によって時短状態の移行の有無を決定してもよい。但し、時短図柄に当選した場合に、更に抽選によって時短状態への移行の有無を抽選することや、時短回数を抽選することは行わない。
また、時短図柄の抽選を行う場合であって、設定値を変更可能である場合には、設定値に応じて時短図柄の抽選確率は変化しない、つまり、全ての設定値において時短図柄の抽選確率は同一とするが、これら時短図柄の抽選確率を第1特図と第2特図とで異なる確率としてもよい。
ハズレ時短の時短図柄の決定方法は、特別図柄表示装置ごとに、(1)「大当り(小当り)判定乱数」による抽選時に時短回数N別で時短図柄をあらかじめ定めておくか、(2)「大当り(小当り)判定乱数」による抽選で時短図柄当せん後に、別の抽選により時短回数Nを決定する。ハズレ時短では、時短図柄を大当り図柄又は小当り図柄と兼用しない。
ハズレ時短の作動契機は、(1)時短図柄の組合せが表示された後に作動する、または(2)特別図柄が低確率時のみ有効とする。ハズレ時短の終了条件は、大当りによる時短状態(大当り時短)の終了条件と同様、(1)条件装置が作動した場合、(2)条件装置の作動に係る抽選を規定回数行うまでの間とする。時短図柄ごとに、時短が作動した際の普通電動役物に係る入賞口の開放等の時間、開放等までの時間、開放等の回数を決めてもよい。例えば、ハズレ時短の表示図柄(時短図柄)が「AAB」の場合に開放までの時間を0.5秒とし、表示図柄が「ABB」の場合に開放までの時間を1.0秒とし、表示図柄が「BAA」の場合に開放までの時間を1.5秒とする。いわゆる1種2種混合タイプの遊技機に対してハズレ時短の作動回数nを設けてもよい。
次に、異なる種類の時短状態が重ねて制御される組み合わせについて説明する。新たに大当り時短を作動させる場合であり、現在作動中の状態が「通常状態」、「大当り時短中」、「救済時短中」、「ハズレ時短中」、「高確率中」のいずれの状態であっても大当りを経て新たに大当り時短を動作させる。
新たに救済時短を作動させる場合であり、現在作動中の状態が「通常状態」の場合新たに救済時短を動作させることは可能であるが、現在作動中の状態が「高確率中」の場合新たに救済時短を動作させることは不可である。また、現在作動中の状態が「大当り時短中」の場合、新たに救済時短を重ねて作動することは可能である。ただし、重ねて作動することが可能な遊技機が、条件等によって重ねて作動することが不可な遊技機に変更するような一貫性のない構成にはできない。さらに、大当り時短の時短回数は、救済時短が作動することが無い回数とする。
さらに、現在作動中の状態が「救済時短中」の場合、作動回数が初期状態又は条件装置の作動終了からあらかじめ定められた回数を終了しているため、新たに救済時短を動作させることは不可である。また、現在作動中の状態が「ハズレ時短中」の場合、新たに救済時短を重ねて作動することは可能である。ただし、重ねて作動することが可能な遊技機が、条件等によって重ねて作動することが不可な遊技機に変更するような一貫性のない構成にはできない。「ハズレ時短中」に新たに救済時短を重ねる場合、時短の状態を維持する必要があるため、救済時短とハズレ時短の性能(例えば、普通電動役物に係る入賞口の開放等の時間、開放等までの時間、開放等の回数及び普通電動役物が作動することとなる図柄の組合せが表示される確率)は同一とする。
新たにハズレ時短を作動させる場合であり、現在作動中の状態が「通常状態」の場合新たにハズレ時短を動作させることは可能であるが、現在作動中の状態が「高確率中」の場合新たにハズレ時短を動作させることは不可である。また、現在作動中の状態が「大当り時短中」、「救済時短中」、「ハズレ時短中」のいずれの場合でも、新たにハズレ時短を重ねて作動することは可能である。ただし、重ねて作動することが可能な遊技機が、条件等によって重ねて作動することが不可な遊技機に変更するような一貫性のない構成にはできない。
次に、制御の契機が異なる種類の時短状態を重ねた場合の時短回数について説明する。図19は、大当り時短中に新たにハズレ時短を重ねて作動する場合に時短について説明するための図である。図19(a)では、大当り時短中に新たにハズレ時短を重ねて作動させるが時短回数としてはハズレ時短の時短回数を無視するタイプ(重ねないタイプ)の設定方法である。大当り時短中に時短図柄が停止して新たなハズレ時短の条件が成立しても、新たなハズレ時短による時短は作動しない。例えば、大当り時短による200回の時短が行われている間に、時短回数20回のハズレ時短の作動条件が成立しても、時短回数自体は増えず200回の時短で終了する。
一方、図19(b)では、大当り時短中に新たにハズレ時短を重ねて作動させ時短回数として継続するタイプ(重ねるタイプ)の設定方法である。大当り時短中に時短図柄が停止して新たなハズレ時短の条件が成立したら、残りの時短回数が多い時短の時短回数を採用する。例えば、大当り時短の残りの時短回数がハズレ時短の20回より多いときに時短回数20回のハズレ時短の作動条件が成立した場合、大当り時短による200回の時短が採用され、大当り時短の残りの時短回数がハズレ時短の20回より少ないときに時短回数20回のハズレ時短の作動条件が成立した場合、ハズレ時短による10回の時短が採用される。図19(b)では、大当り時短の残りの時短回数が10回のときに新たなハズレ時短の条件が成立しているので、190回目以降の時短はハズレ時短の20回が採用され合計210回の時短となる。
次に、制御の契機が異なる種類の時短状態を重ねた場合の時短の性能維持について説明する。図19(c)では、大当り時短中に新たにハズレ時短を重ねて作動させるが時短の性能としてはハズレ時短の性能を無視するタイプ(重ねないタイプ)の設定方法である。大当り時短中に時短図柄が停止して新たなハズレ時短の条件が成立しても、新たなハズレ時短による時短は作動しない。つまり、先に成立している大当り時短の性能を継続させて、ハズレ時短の性能を無視する。例えば、大当り時短による開放状態Aの性能の時短が行われている間に、開放状態Cの性能のハズレ時短の作動条件が成立しても、時短の性能自体は変えずに維持して時短で終了する。
一方、図19(d)では、大当り時短中に新たにハズレ時短を重ねて作動させ時短回数新たな時短条件が成立したら、残りの時短回数が多い時短が作動するが、時短の性能は、先に成立した時短の性能を継続するタイプ(重ねるタイプ)の設定方法である。大当り時短中に時短図柄が停止して新たなハズレ時短の条件が成立したら、残りの時短回数が多い時短の時短回数を採用するが、時短の性能は、先に成立した大当り時短の性能を維持する。例えば、大当り時短の残りの時短回数がハズレ時短の20回より多いときに時短回数20回のハズレ時短の作動条件が成立した場合、大当り時短による200回の時短が採用され、時短の性能も大当り時短による開放状態Aの性能を維持する。大当り時短の残りの時短回数がハズレ時短の20回より少ないときに時短回数20回のハズレ時短の作動条件が成立した場合、ハズレ時短による10回の時短が採用されるが、時短の性能自体は大当り時短による開放状態Aの性能を維持する。図19(d)では、大当り時短の残りの時短回数が10回のときに新たなハズレ時短の条件が成立しているので、190回目以降の時短はハズレ時短の20回が採用されるが、その時短の性能は開放状態Cではなく開放状態Aの性能が維持される。
現在作動中の状態が「救済時短中」の場合、新たにハズレ時短を重ねて作動することは可能であると説明したが、特別図柄の作動回数を契機とした救済時短が時短回数N回に到達した時短の終了時のプログラム処理順によって新たにハズレ時短を作動できるか否かを決定してもよい。つまり、時短図柄の当せんと作動回数n到達が同時に成立した場合、時短図柄の当せんによるハズレ時短と特別図柄の作動回数による救済時短とプログラムの処理順によっていずれの時短状態を優先するか決める。図20は、救済時短中に新たにハズレ時短を重ねて作動する場合に時短について説明するための図である。図20(a)では、具体的に、特別図柄の作動回数を契機とした救済時短の終了がN回目の変動開始時で、ハズレ時短の時短図柄確定前に救済時短が終了する場合である。そのため、ハズレ時短は、作動の条件が成立したとき非時短中であるため作動が有効となる。なお、遊技状態が救済時短に制御されていることは、外部端子の第20端子(図27参照)の出力がON状態となることで特定可能である。その後、遊技状態がハズレ時短に制御されると、外部端子の第21端子(図27参照)の出力がON状態となることで遊技状態がハズレ時短に制御されたことを特定可能できる。
一方、図20(b)では、特別図柄の作動回数を契機とした救済時短の終了がN回目の変動終了時で、ハズレ時短の時短図柄確定後に救済時短が終了する場合である。そのため、ハズレ時短は、作動の条件が成立したときまだ救済時短中であるため作動が無効となる。なお、N回目の変動終了時まで遊技状態が救済時短に制御されていることは、外部端子の第20端子(図27参照)の出力がON状態となることで特定可能である。一方、遊技状態がハズレ時短に制御されないため、外部端子の第21端子(図27参照)の出力がOFF状態のままである。
図20(c)では、特別図柄の作動回数を契機とした救済時短の終了がN回目の変動終了時で、ハズレ時短の時短図柄確定前に救済時短が終了する場合である。そのため、ハズレ時短は、作動の条件が成立した時点で救済時短が終了されているため作動が有効となる。なお、N回目の変動終了時まで遊技状態が救済時短に制御されていることは、外部端子の第20端子(図27参照)の出力がON状態となることで特定可能である。一方、N回目の変動終了時にハズレ時短の作動の条件が成立しているので、遊技状態がハズレ時短に制御され外部端子の第21端子(図27参照)の出力がON状態となる。
次に、図21は、ハズレ時短の作動の条件が成立する前に他の種類の時短が作動する場合について説明するための図である。図21(a)では、第1特別図柄と第2特別図柄が同時変動する仕様において、ハズレ変動の回数(作動回数)が第2特別図柄においてn回目に達したため救済時短に制御された場合である。この場合に、第1特別図柄において時短図柄確定してハズレ時短の作動の条件が成立したとしてもハズレ時短の作動が無効となる。なお、特別図柄の作動回数を契機とした救済時短の作動は、変動開始の場合とする。また、n回目のハズレ変動が開始された時に救済時短に制御され、遊技状態が当該救済時短に制御されていることは、外部端子の第20端子(図27参照)の出力がON状態となることで特定可能である。一方、遊技状態がハズレ時短に制御されないため、外部端子の第21端子(図27参照)の出力がOFF状態のままである。
さらに、図21(b)では、第1特別図柄と第2特別図柄が同時変動する仕様において、第1特別図柄において時短図柄が確定する前に、第2特別図柄において大当り図柄が確定したことを契機として大当り時短が作動する場合である。この場合、第2特別図柄において大当り時短が既に作動中のため、ハズレ時短は作動の条件が成立したとしても動作が無効となる。なお、大当り図柄が確定した時に大当り時短に制御され、遊技状態が当該大当り時短に制御されていることは、外部端子の第19端子(図27参照)の出力がON状態となることで特定可能である。一方、遊技状態がハズレ時短に制御されないため、外部端子の第21端子(図27参照)の出力がOFF状態のままである。
<フリーゲーム>
次に、主制御基板16は、所定条件が成立した場合、P台の遊技状態をフリーゲーム状態に移行させる。フリーゲーム状態の遊技とは、遊技点数を減算することなく遊技が可能な遊技状態である。そのため、遊技状態がフリーゲーム状態中、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムは、減算処理を停止するが、カウントしたファール球数および発射球数は、図18で示した「遊技機情報受領結果」に含めて主制御基板16に通知される。ファール球数および発射球数のカウント自体は継続して行うため、フリーゲーム状態中の遊技で発射された発射球数も含め、後述する性能情報の各項目が算出される。枠制御基板17は、遊技状態がフリーゲーム状態中でも入賞などの遊技点の加算処理を他の遊技状態と同様に行うが、ファール球に対する加算処理は行わない。
P台2の遊技状態がフリーゲーム状態に移行する所定条件には、例えば、P台2において、可変表示装置278に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示され、その後、遊技状態が大当り遊技状態となることである。しかし、フリーゲーム状態に移行する所定条件は、これに限定されず、P台2の遊技状態が、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、時短(変動時間短縮)中(高ベース中)、およびその組み合わせた特別な遊技状態(特別状態)の場合に所定条件が成立したとしてフリーゲーム状態に移行してもよい。また、時短中、および高確率中のいずれでもない遊技状態(低確低ベース状態)において、一定回数(例えば、500)変動させることでフリーゲーム状態に移行してもよい。
さらに、P台2において、遊技球が普通入賞口272に入賞した場合にフリーゲーム状態に移行するか否かの抽選を行い、当選した場合に所定条件が成立したとしてもよい。また、P台2において、可変表示装置278に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示され、その後、遊技球が役連作動ゲートを通過したときに所定条件が成立したとしてもよい。
P台2がスロットマシンの場合において、フリーゲーム状態に移行する所定条件として、例えば、ボーナス(BB,RB,CBなど)に当選したときに、所定条件が成立したとしてフリーゲーム状態に移行してもよい。また、例えば、ART(アシストリプレイタイム)、AT(アシストタイム)の内部成立をフリーゲーム状態に移行する所定条件としてもよい。さらに、CZ(チャンスゾーン)のような遊技者にとって有利な区間に制御された状態となると、所定条件が成立したとしてフリーゲーム状態に移行してもよい。また、例えば、消化ゲーム数が1000ゲーム(天井)に到達したときにフリーゲーム状態に移行するか否かの抽選を行い、当選した場合に所定条件が成立したとしてもよい。さらに、例えば、特定の小役当選した場合に所定条件が成立したとしてもよい。
次に、フリーゲーム状態の制御について詳しく説明する。図22は、主制御基板16と枠制御基板17との間でのフリーゲーム状態における制御シーケンスを示す図である。図23は、フリーゲーム状態に移行する場合の演出の一例を説明するための図である。以下の説明では、可変表示装置278に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示され、その後、遊技状態が大当り遊技状態となることで、フリーゲーム状態に移行する所定条件が成立したとして説明する。
まず、図22に示すように、主制御基板16は、電源投入後、遊技機情報通知(図15参照)を枠制御基板17へ送信する。なお、遊技機情報通知には、通信通番=nの情報などを含む。主制御基板16は、遊技機情報通知を枠制御基板17に送信してから108ms後に、次の遊技機情報通知の電文を枠制御基板17へ送信する。枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機情報通知を受信してから次の遊技機情報通知を受信するまでの間に、遊技機情報応答を主制御基板16へ送信する。なお、遊技機情報応答には、通信通番=n、ファール球数、発射球数の情報などを含む。
P台2での遊技において、フリーゲーム状態に移行する場合を図24に基づいて説明する。なお、図23では、図1に示す遊技盤26とは異なる位置に遊技球が進入可能な構造物が設けられている遊技盤に基づいて説明する。まず、可変表示装置(図1に示す可変表示装置278)の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれ、可変表示装置の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。図23の遊技盤では、いわゆる「へそ」と呼ばれる特図1始動口である始動入賞口(図1に示す始動入賞口276)が、遊技領域のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として設けられているものとする。また、図23の遊技盤では、遊技領域のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、通過ゲート(普図ゲート)、可変入賞球装置である普通電動役物(特図2始動口)、アタッカー(図1に示す大入賞口271)などが、それぞれ設けられているものとする。
左遊技領域では、構造物のうち始動入賞口に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、始動入賞口に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、構造物のうち通過ゲート(普図ゲート)、可変入賞球装置である普通電動役物(特図2始動口)に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、通過ゲート(普図ゲート)、および普通電動役物(特図2始動口)に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
P台2では、時短状態であるときに、通常状態に比べて特別図柄の変動表示時間を短縮させる特図変動短縮制御、通常状態に比べて普通図柄の停止図柄が当り図柄とすることに決定される確率を向上させる普図確変制御(普図(普通識別情報)高確率状態)、通常状態に比べて普通図柄の変動表示時間を短縮させる普図変動短縮制御、通常状態に比べて遊技者にとって有利な開放態様(開放時間延長、開放回数増大など)とする普電開放延長制御のうち、少なくともいずれか一つの制御を行なうものであってもよく、選択的に複数の制御を組合せて行なうものであってもよく、全ての制御を行なうものであってもよい。つまり、P台2では、時短状態であるときに、普通電動役物(特図2始動口)の始動条件が成立しやすい状態である。
図23(a)では、可変表示装置278の変動表示が停止しているが、始動入賞口276に遊技球が1つ入賞した状態(保留数が1個)であるので、図23(b)のように可変表示装置278の変動表示が開始する。可変表示装置278の変動表示が開始し、左右の変動表示の数字が揃ったリーチ状態の演出が図23(c)に示されている。図23(c)のリーチ中を経て、図23(d)に示すように可変表示装置278の変動表示に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示され大当りとなると、図23(e)に示すように大当りの演出が表示される。
図23(e)では、大当り後、右打ちになることを示唆している。さらに、図23(f)では、遊技状態が移行することを示唆するため「CAHNCE」と可変表示装置278に表示される。その後、図23(g)では、遊技状態がフリーゲーム状態に移行したことを示す「フリーゲーム突入」と可変表示装置278に表示される。
図22に戻って、フリーゲーム状態に移行(フリーゲーム突入)すると、主制御基板16は、遊技機情報通知に、通信通番=n+1,遊技機状態信号1(Bit3)=ON,性能情報状態通知のカウント情報(Bit3)=ONの情報を含めて枠制御基板17へ送信する。
枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を受信すると、以降、遊技球を発射しても遊技点を減算処理しない。枠制御基板17は、性能情報状態通知のカウント情報(Bit3)=ONの情報を受信することで、フリーゲーム状態中のファール球数および発射球数をカウントすることができる。枠制御基板17は、遊技機情報応答に、通信通番=n+1,ファール球数,発射球数の情報を含めて主制御基板16へ送信する。
次に、主制御基板16は、フリーゲーム状態を終了する場合、通信通番=n+x,遊技機状態信号1(Bit3)=OFF,性能情報状態通知のカウント情報(Bit3)=OFFの情報を含めて枠制御基板17へ送信する。フリーゲーム状態を終了する条件として、例えば大当り状態が終了、高確率状態が終了、高ベース状態が終了、変動回数が一定回数(例えば、100回)を超えた場合、一定時間経過した場合、抽選により落選した場合などがある。
枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機状態信号1(Bit3)=OFFの情報を受信すると、以降、遊技球を発射すると遊技点を減算処理する。枠制御基板17は、性能情報状態通知のカウント情報(Bit3)=OFFの情報を受信することで、他の遊技状態中のファール球数および発射球数をカウントすることができる。枠制御基板17は、遊技機情報応答に、通信通番=n+x,ファール球数,発射球数の情報を含めて主制御基板16へ送信する。
このように、遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点を用いて遊技が可能となるP台2では、主制御基板16が、所定条件の成立に基づいて、フリーゲーム状態(特定状態)に制御されていることを特定可能な遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報(特定情報)を枠制御基板17へ送信可能である。枠制御基板17は、遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を受信したことに基づいて、遊技により遊技点を減少させることなく入賞などの所定事象の発生に対応して遊技点を加算する。これにより、P台2では、フリーゲーム状態により新たな遊技性を実現できるとともに、フリーゲーム状態の制御に関して適切な遊技点の管理を実現できる。
また、主制御基板16は、フリーゲーム状態として遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り)に制御されていることに対応して、遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を枠制御基板17へ送信してもよい。これにより、有利状態に関する興趣を向上できる。
さらに、主制御基板16は、フリーゲーム状態として遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であるともに、特別条件の成立にもとづいて特別状態(例えば、高確率状態,高ベース状態)に制御されていることに対応して、遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を枠制御基板17へ送信してもよい。これにより、特別状態に関する興趣を向上できる。
また、主制御基板16は、終了条件の成立(フリーゲーム状態を終了)に対応して枠制御基板17への遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報の送信を停止(つまり、遊技機状態信号1(Bit3)=OFFの情報を送信する)してもよい。これにより、フリーゲーム状態の終了を枠制御基板17へ通知することができる。
さらに、枠制御基板17は、遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を外部(例えば、CU3(SC基板325)、CU3を介して管理コンピュータなど)へ出力してもよい(図8参照)。これにより、外部で、フリーゲーム状態の制御状況を監視できる。
また、枠制御基板17は、主制御基板16がフリーゲーム状態に制御されているときと、主制御基板16がフリーゲーム状態に制御されていないときとで遊技価値の付与に関する遊技性能を特定可能な性能情報の演算処理を共通に実行してもよい。フリーゲーム状態中のファール球数および発射球数をカウントしているため、フリーゲーム状態に制御されているときの性能情報の演算を、フリーゲーム状態に制御されていないときと同じでも異ならせてもよい。これにより、フリーゲーム状態に制御されているときにも性能情報の演算処理を適切に行うことができる。
さらに、主制御基板16から送信されるコマンドにもとづいて、演出制御を行う演出制御基板15を備えてもよい。演出制御基板15は、フリーゲーム状態に制御されていることに基づいてフリーゲーム状態に関する演出(例えば、図23(g))を実行する。これにより、フリーゲーム状態に関する興趣を向上できる。
前述したように、フリーゲーム状態に制御されている場合であっても、枠制御基板17でファール球数および発射球数をカウントし、主制御基板16に通知している。そのため、枠制御基板17は、フリーゲーム状態中のファール球数および発射球数を含めて性能情報蓄積処理、および性能情報計算処理を実行することができる。まず、性能情報蓄積処理、および性能情報計算処理で蓄積または計算する性能情報項目について説明する。総発射遊技球数は、枠制御基板17で検知した発射数の累計数である。総獲得遊技球数は、遊技により獲得された全ての遊技球数の数であり、「始動口入賞」、「特別電動役物作動による大入賞口入賞」、「入賞口入賞」、「ゲート通過または普図作動口入賞」、「普通電動役物作動による始動口入賞」、「役物連続作動装置作動による大入賞口入賞」、「普通電動役物作動による入賞」、「その他役物作動による入賞」により獲得した遊技球数を累計した数である。
出玉率は、総獲得遊技球数/総発射遊技球数×100で求められる値である。分間獲得遊技球数(ベース)は、低ベース中の総獲得遊技球数/低ベース中の通常時総発射遊技球数×100で求められる値である。役物比率は、役物動作による総賞球数累計値/総獲得遊技球数×100で求められる値である。なお、役物動作による総賞球数累計値は、「役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動による取得遊技球数」、「普通電動役物の作動による獲得遊技球数」、および「その他役物による獲得遊技球数」を累計した数である。連続役物比率は、連続役物動作による総賞球数累計値/総獲得遊技球数×100で求められる値である。連続役物動作による総賞球数累計値は、「役物連続作動装置の作動による獲得遊技球数」を累計した数である。以上の出玉率、分間獲得遊技球数(ベース)、役物比率および連続役物比率は、性能情報計算処理で計算される性能情報項目である。
総発射遊技球数および総獲得遊技球数は、性能情報蓄積処理で蓄積される性能情報項目であるが、他に「役物連続作動装置の作動回数」、「最大差玉数(MY)」などがある。
なお、メダルレスのスロットマシンにおいて性能情報蓄積処理、および性能情報計算処理を同様に適用することは可能である。その場合、性能情報項目は、総発射遊技球数は総使用メダル枚数、総獲得遊技球数は、総獲得メダル枚数と読み替えてメダル数(メダルに相当する遊技価値)を累計する。例えば、総獲得遊技球数では、BB、RB、CB、またはATでの小役入賞で付与されるメダル枚数、および通常状態での小役入賞で付与されるメダル枚数などを累計した値である。また、分間獲得遊技球数(ベース)は、BB、RB、CB、またはAT以外の通常状態中の総獲得メダル枚数/当該通常状態中の通常時総使用メダル枚数×100で求められる値である。さらに、役物比率は、BB、RB、CB中の総獲得メダル枚数累計値/総獲得メダル枚数×100で求められる値である。
<カードユニットおよびパチンコ遊技機を含む遊技用システムの構成>
P台2は、CU3に1対1で接続されている。遊技場(ホール)内には、このP台2とCU3とのセットが複数存在し、それぞれのセットが管理コンピュータやホールコンに接続され遊技用システムを構成している。以下、CU3およびP台2を含む遊技用システムについて説明する。図24は、カードユニットおよびパチンコ遊技機を含む遊技用システムの構成を説明するためのブロック図である。図24に示す遊技用システムでは、説明を簡単にするために1セットのP台2およびCU3が管理コンピュータ802、ホールコン810に接続している例が図示されている。
P台2とCU3とは、PIF配線322を介して接続されている。このPIF配線322は、P台2の枠制御部171に接続されたPIF−E回路171aと、CU3のSC基板325に接続されたPIF−E回路325aとを接続している。CU3では、P台2から送信されてくる情報をSC基板325で必要に応じて秘匿化し、CU制御部323を介して外部(管理コンピュータ802やホールコン810)に出力する。SC基板325は、遊技用システムのセキュリティ監視基板である。なお、SC基板325とCU制御部323とを一つにまとめた構成でもよい。
管理コンピュータ802は、CU3の外部出力端子340に接続するコンピュータであり、カード会社データセンタ801は、管理コンピュータ802と接続するカード会社のセンタで、遊技機情報センタ800は、P台2から出力される各種情報を収集するセンタである。
ホールコン810は、P台2から出力される遊技情報を収集するコンピュータであり、ホールコン出力BOX811は、CU3の外部出力端子340から出力される情報をホールコン810やデータランプなどで受信可能な信号に変換して出力する装置である。なお、図24では、ホールコン出力BOX811がCU3の外部に設けられた構成が示されているが、CU3の内部にホールコン出力BOX811を設けてもよい。
<ホールコン出力BOXとカードユニットとの通信>
ホールコン出力BOX811は、遊技情報の信号変換部で、外部(例えば、ホールコン810など)に遊技情報を出力する装置である。また、複数のホールコン出力BOX811を、図示していない中継器を介してホールコン810に接続してもよい。ホールコン出力BOX811とCU3とはシリアル通信で接続されており、CU3と接続する場合に何らかのセキュリティを確保する必要がある。具体的に、ホールコン出力BOX811が不正に改造され不正確な情報がホールコン810に出力されると、不正確な情報が遊技者に提供されることになり不適切な状態となる。また、カードユニットの仕様により遊技機情報の出力可否が異なると、遊技機情報の出力自体が無駄になる可能性がある。そのため、ホールコン出力BOX811から外部への出力を統一しつつ、ホールコン出力BOX811は、CU3と接続する場合に認証処理を行っている。なお、CU3は、ホールコン出力BOX811に相当する回路部を内蔵していてもよい。ホールコン出力BOX811に相当する回路部を内蔵したCU3は、ホールコン810とシリアル通信で接続され、ホールコン出力BOX811に相当する回路部で認証処理を行い、その結果に応じて、遊技機情報の出力の不可となる。
図25は、カードユニットとホールコン出力BOXとの間の接続シーケンスを示す図である。図25では、ホールコン出力BOX811が、CU3よりも先に電源ON状態となった場合の接続シーケンスを示しているが、ホールコン出力BOX811が、CU3よりも後に電源ON状態となってもよい。まず、図25の接続シーケンスでは、CU3の電源がON状態となりCU制御部323と通信可能となるまで、ホールコン出力BOX811が、CU制御部323との接続待ち状態となる。
CU3の電源がON状態となりCU制御部323と通信可能となると、CU制御部323は、ホールコン出力BOX811に対して接続先確認を行い、認証データ発行依頼を行う。ホールコン出力BOX811は、CU制御部323からの接続先確認に対して接続先確認応答を行い、認証データをCU制御部323に対して発行する。発行された認証データは、CU制御部323において記憶される。
一方、SC基板325は、CU制御部323に対してホールコン出力BOX認証通知のコマンドを送信する。CU制御部323は、ホールコン出力BOX認証通知に対して、記憶している認証データをホールコン出力BOX認証応答のコマンドに含めてSC基板325に送信する。SC基板325は、ホールコン出力BOX認証応答に基づき、ホールコン出力BOX811の認証を行う。ホールコン出力BOX811の認証後、ホールコン出力BOX811とCU3との通信が開始される。通信が開始されると、SC基板325は、P台2から送信された遊技機情報を含む遊技機情報通知をCU制御部323が送信し、CU制御部323は、SC基板325から送信された遊技機情報をホールコン情報通知のコマンドに含めてホールコン出力BOX811に送信する。なお、ホールコン出力BOX811の認証ができない場合(NG)、CU3はホールコン出力BOX811との通信を行わず、情報を出力しない。
<ホールコン出力BOXからホールコンへ出力される情報>
次に、ホールコン出力BOX811からホールコン810へ出力される情報について詳しく説明する。図26は、ホールコン出力BOX811からホールコン810へ出力される情報を説明するためのブロック図である。図26では、遊技盤26(主制御基板16)から遊技枠5(枠制御基板17)に対してシリアル通信で遊技機情報(ホールコン・不正監視情報)が出力される。
遊技機情報には、情報をパルス信号として出力するパルス出力と、情報を状態信号として出力する状態出力とが含まれる。パルス出力には、図柄確定回数、始動口、外部端子板パルス出力信号1〜4が含まれる。たとえば、「図柄確定回数」では、図柄が停止した1回に対して1パルスの信号として出力する。状態信号には、大当り1、大当り2、外部端子板状態出力信号1〜4のフリーゲーム中、時短制御の種類の信号が含まれる。たとえば、「大当り1」では、全ての大当りのときに状態信号(ON信号)を出力する。
パルス出力および状態出力は、遊技枠5(枠制御基板17)からCU5を経てホールコン出力BOX811に出力される。ホールコン出力BOX811には、パルス出力を行うための15ポート(端子)と、状態出力を行うための13ポート(端子)とを有している。これらのポート(端子)からパルス出力および状態出力の情報が出力されることで、ホールコン出力BOX811からホールコン810へ遊技機情報が出力される。
まず、標準ポート(端子)から出力される信号について説明する。図27は、標準ポートのホールコン出力信号を説明するためのブロック図である。標準ポートには、第1端子から第24端子までが設けられている。第1端子は「発射数」に関する情報を、第2端子は「賞球」に関する情報を、第3端子は「図柄変動回数1」に関する情報を、および第4端子は「図柄変動回数2」に関する情報をそれぞれパルス信号として出力する。また、第5端子は「始動口1」に関する情報を、第6端子は「始動口2」に関する情報を、第7端子は「通過ゲート1」に関する情報を、および第8端子は「通過ゲート2」に関する情報をそれぞれパルス信号として出力する。たとえば、「発射数」では、発射球データの所定数(たとえば、10球)に対して1パルスの信号を第1端子から出力される。第9端子は「役物回数」に関する情報を、第10端子は「役物入賞個数」に関する情報を、および第11端子は「特定領域通過」に関する情報をそれぞれパルス信号として出力する。たとえば、「役物回数」では、役物連続作動装置の未作動時の大入賞口の開放1回に対して1パルスの信号を第9端子から出力される。
次に、第12端子は「大当り1」に関する情報を、第13端子は「大当り2」に関する情報を、第14端子は「大当り3」に関する情報を、および第15端子は「大当り+時短」に関する情報をそれぞれ状態信号として出力する。第16端子は「高確率中」に関する情報を、第17端子は「時短中」に関する情報をそれぞれ状態信号として出力する。さらに、第18端子は「フリーゲーム中」に関する情報を、第19端子〜第21端子は制御の契機が異なる時短の種類を特定するための情報をそれぞれ状態信号として出力する。主制御状態1のBit3が「1」のとき主制御からの状態フラグがON状態となり、「フリーゲーム中」を示す「ON」出力を第18端子から出力する。主制御状態1のBit4が「1」のとき主制御からの状態フラグがON状態となり、「大当り時短中」を示す「ON」出力を第19端子から出力する。主制御状態1のBit5が「1」のとき主制御からの状態フラグがON状態となり、「救済時短中」を示す「ON」出力を第20端子から出力する。主制御状態1のBit5が「1」のとき主制御からの状態フラグがON状態となり、「ハズレ時短中」を示す「ON」出力を第21端子から出力する。
図28は、標準ポートホールコン出力信号の一部、および拡張ポートのホールコン出力信号を説明するためのブロック図である。第22端子は「扉開放」に関する情報を、第23端子は「不正」に関する情報を、および第24端子は「遊技機エラー」に関する情報をそれぞれ状態信号として出力する。たとえば、「高確率中」では、高確率中の時に状態信号(ON信号)を第16端子から出力される。
次に、拡張ポート(端子)から出力される信号について説明する。拡張ポートは、拡張用に予め準備された外部出力端子であって、第25端子から第28端子までが設けられている。拡張ポートは、新規の遊技機の仕様によって追加された場合に当該端子を使用して必要な遊技機情報を外部に出力することができる。
第25端子は「外部端子板パルス出力信号端子1」に関する情報〜第28端子は「外部端子板パルス出力信号端子4」に関する情報をそれぞれパルス信号として出力する。たとえば、「外部端子板パルス出力信号端子1」では、遊技機の仕様によって新たに設定された情報に基づくパルス出力回数1回に対して1パルスの信号を第21端子から出力される。
ホールコン出力BOX811では、外部への出力を図27および図28で示したように統一することで、カードユニットの仕様により遊技機情報の出力可否が異なり、遊技機情報の出力自体が無駄になることを防止している。
また、ホールコン出力BOX811からの信号出力を使用することで、ホールコン側において、特別図柄の作動回数が特別回数に到達するまでの回転数や、大当り時短、救済時短、ハズレ時短のいずれの時短状態に突入したのかが分析することが可能となった。さらに、遊技機の仕様によっては、大当り時短、救済時短、ハズレ時短のそれぞれの変動パターンの選択割合が異なる場合に、SA(高ベース中の100発あたりの回転数)、BA(高ベース中の100あたり戻り球数=付与した持点)などのパラメータを算出でき、実際の遊技機の性能を把握できる。また、救済時短を搭載している遊技機において、呼び出しランプ等で、特別回数までの残りの特別図柄の作動回数を表示することで、稼働促進できるという効果もある。
図示していないが、検査対象のP台2の枠制御基板17に対して、検査用信号出力部を設けてもよい。検査用信号出力部には、検査を行うための試験装置と通信するI/F基板と接続するための検査用出力コネクタを備えている。検査用出力コネクタは、枠制御部171からデータバスを介して出力される信号(例えば、賞球信号や枠エラー信号など)、遊技機情報を含む信号、減算機構入口センサ信号、および減算基準信号に基づく信号をI/F基板を介して、試験装置に出力している。具体的に、検査用出力コネクタは、減算機構入口センサからの減算機構入口センサ信号と、遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号とを遊技球の発射動作を特定可能な信号とをI/F基板に出力し、I/F基板にて後述する発射球信号を生成し、遊技機情報を含む信号とともに試験装置に出力する。もちろん、発射球信号は、I/F基板で生成するのではなく枠制御部171で生成してもよい。
試験装置に対して出力する信号として、例えば、減算ソレノイドが1動作したことを1パルスとして出力する減算ソレノイド駆動信号、減算機構入口センサで遊技球1個検出したことを1パルスとして出力する減算機構入口センサ信号、および減算機構が1動作したことを1パルスとして出力する減算基準信号が含まれる。また、当該信号には、主制御基板16からのコマンドに基づく遊技点を1点加算したことに対応して1パルスとして出力する賞球信号、枠エラー信号、および減算ソレノイド駆動信号と減算基準信号との両方が出力されたことに対応して1パルスとして出力する発射球信号が含まれる。さらに、当該信号には、制御の契機が異なる時短状態(例えば、大当り時短,救済時短,ハズレ時短など)を特定可能な情報などの遊技機情報を含む信号が含まれる。
<実施形態の構成>
遊技球が封入された封入式遊技機では、例えば、特許文献1(特開2013−141468号公報)に開示されているように、カードユニットにおいて、遊技機から受信した遊技情報に対して所定の変換処理を行って、遊技機に関する情報をホールコンなどの管理装置に出力する。具体的に、特許文献1では、遊技玉が入賞することにより遊技機から出力される加算玉数の信号をカードユニットが受信して、加算玉数が10個に達する毎に1パルスの信号に変換することによりホールコン向けの出力フォーマットに変換処理してホールコンに送信している。
しかし、特許文献1の遊技機では、遊技機の状態を管理装置などの外部に出力する場合に機能が限定されており、遊技機の状態を十分に管理装置などに出力することができず改善する余地があった。
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機の状態を外部へ出力することについて最適化を図ることができる遊技機を提供することである。
(1) 情報を外部へ出力することが可能な出力手段を有する遊技用装置(例えば、CU3)と接続される遊技機(例えば、P台2、スロットマシン)であって、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り状態)と、非特定状態よりも可変表示の始動条件が成立しやすい特定状態(例えば、時短状態)とに制御可能な遊技制御手段(例えば、主制御基板16)と、
前記遊技用装置に遊技機情報(例えば、ホールコン情報を含む遊技機情報など)を送信する送信手段(例えば、枠制御基板17)と、を備え、
前記特定状態として、制御の契機が異なる複数種類(例えば、大当り時短,救済時短,ハズレ時短など)の前記特定状態があり、
前記遊技機情報は、前記遊技用装置に対して前記出力手段からの信号の出力を指示するための出力指示情報(例えば、遊技機情報における主制御状態1の相当するビット)を含み、
前記出力指示情報は、前記特定状態の種類を特定可能な情報を含む。
このような構成によれば、制御の契機が異なる複数種類の特定状態に制御可能な遊技機において、特定状態の種類を外部で特定可能となり、外部へ出力することについて最適化を図ることができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記特定状態として、
前記有利状態を制御の契機とする第1特定状態(例えば、大当り時短)と、
可変表示の実行回数が特定回数になったことを制御の契機とする第2特定状態(例えば、救済時短)と、がある。
このような構成によれば、制御の契機が異なる複数種類の特定状態のうち、第1特定状態と第2特定状態とが外部で特定可能となり、外部へ出力することについて最適化を図ることができる。
(3) 上記(2)の遊技機において、
前記特定状態として、
可変表示の表示結果として特殊表示結果が表示されたことを制御の契機とする第3特定状態(例えば、ハズレ時短)がある。
このような構成によれば、制御の契機が異なる複数種類の特定状態のうち、第3特定状態を外部で特定可能となり、外部へ出力することについて最適化を図ることができる。
(4) 上記(1)〜(3)の遊技機において、
前記出力指示情報は、
前記特定状態の種類がいずれの種類であっても共通に出力される共通情報(例えば、遊技機情報における主制御状態2の相当するビット(Bit2))と、
前記特定状態の種類を特定可能に出力される特定情報(例えば、遊技機情報における主制御状態1の相当するビット)と、を含む。
このような構成によれば、特定状態に制御されていることと、複数種類の特定状態のうちどの特定状態に制御されていることとを分けて特定可能となり、外部へ出力することについて最適化を図ることができる。
(5) 上記(1)〜(4)の遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記特定状態の種類によって前記特定状態に制御可能な可変表示の実行回数(例えば、大当り時短による時短回数を200回、ハズレ時短による時短回数を20回)を異ならせる。
このような構成によれば、制御の契機が異なる複数種類の特定状態に応じて、可変表示の実行回数の最適化を図ることができる。
(6) 上記(1)〜(5)の遊技機において、
前記遊技機から前記遊技機情報とは異なる特定信号(例えば、試験装置に対して出力する信号)を出力するための処理を行う特定信号処理手段(例えば、検査用信号出力部など)をさらに備え、
前記特定信号により前記特定状態の種類を特定可能である。
このような構成によれば、遊技機から遊技機情報とは異なる特定信号によっても特定情報を外部で特定可能となり、外部へ出力することについて最適化を図ることができる。
(7) 上記(1)〜(6)の遊技機において、
前記送信手段は、前記遊技用装置に前記遊技機情報を所定期間(例えば、P台2からCU3への情報の送信から次の情報の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.3秒)に制御されている)ごとに送信し、
前記遊技制御手段は、前記送信手段が前記遊技機情報を送信するタイミングと異なるタイミングで前記特定状態に制御する(例えば、主制御基板16は、一定周期(108ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知している)。
このような構成によれば、遊技機情報を送信するタイミングと異なるタイミングで特定状態に制御するので、制御の最適化を図ることができる。
(8) 上記(1)〜(7)の遊技機において、
前記遊技機は、遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点に対応して遊技媒体を発射することにより遊技が可能であり、
前記遊技制御手段は、前記特定状態に制御可能であるとともに、遊技により遊技価値を減少させることなく所定事象の発生に対応して遊技価値を加算する特殊状態(例えば、フリーゲーム状態)に制御可能であり、
前記出力指示情報は、前記特殊状態に制御されていることを特定可能な情報(例えば、遊技機情報における主制御状態1の相当するビット)を含む。
このような構成によれば、特殊状態に制御可能な遊技機において、特殊状態を外部で特定可能となり、外部へ出力することについて最適化を図ることができる。
<変形例>
(1) P台2は、パチンコ玉が封入された封入循環式パチンコ遊技機であるとして上述の実施の形態を説明したが、メダルが封入された封入循環式のスロットマシンや、メダルレスのスロットマシンであるとして上述の実施の形態に対して同様に適用してもよい。なお、P台2は、ユニットであるCU3との通信を枠制御基板17で行うと説明したが、スロットマシンでは、枠制御基板に代えて通信基板を設け、当該通信基板を介してユニットと通信を行う。
(2) 前述した実施の形態においては、枠制御部171によって算出された付与された遊技価値(例えば、賞球など)に関する性能情報、ベース、役物比率、連続役物比率などの所定情報は、遊技機または遊技用装置で特定され、送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報が、遊技場の内部のサーバ(ホールコン810など)または外部のサーバ(遊技機情報センタ800など)などの管理装置で特定されるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、ホールコン出力BOX811からの信号出力を使用することで、ホールコン側において救済時短の到達率を分析したり、救済時短による出球率への影響度合いを分析したりすることが可能となる。さらに、ホールコン側に、救済時短突入時の遊技者を特定する情報(例えば、カードIDや顔認証情報など)を分析させることで、遊技者の客層などを分析することが可能となる。
(4) 前述した実施の形態においては、制御の契機が異なる複数種類の時短状態(例えば、大当り時短,救済時短,ハズレ時短など)を特定可能に、ホールコン出力BOX811からの信号の出力を指示する出力指示情報をP台2からCU3に送信可能であると説明した。しかし、メダルレスのスロットマシンにおいても、制御の契機が異なる複数種類の特定状態を特定可能に、ホールコン出力BOX811からの信号の出力を指示する出力指示情報をメダルレスのスロットマシンからカードユニットに送信してもよい。なお、メダルレスのスロットマシンでは、例えば、変動回数に基づくRT,ART,AT制御なのか、抽選に基づくRT,ART,AT制御なのかを、制御の契機が異なる複数種類の特定状態とする。
(5) 前述した実施の形態においては、図26で示したようにCU3からホールコン出力BOX811を介してホールコン810または呼び出しランプ等の店内の周辺機器に対して、図27および図28に示した情報を出力する構成を開示したが、これに限られない。例えば、CU3からホールコン810または呼び出しランプ等の店内の周辺機器に対して、図27および図28に示した情報を(非暗号化の)シリアル信号出力により直接出力してもよい。特に、CU3は、ホールコン810または呼び出しランプ等の店内の周辺機器に出力するシリアル信号を、暗号通信により上位サーバへ遊技情報等を出力するシリアル信号とは異なる信号出力経路(端子)から出力してもよい。当該信号出力経路(端子)は、ホールコン出力BOX811に対する信号出力経路(端子)とも異なる経路(端子)である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。