以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ遊技機の構成>
まず、図1から図3を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。図1は、カードユニットおよびパチンコ遊技機を示す正面図である。図2は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。図3は、パチンコ遊技機の前枠に裏面カバーが有る状態の裏面図である。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行なう呼出しランプ装置などであってもよい。
P台2は、内部に遊技媒体の一例の遊技玉(パチンコ玉)を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図4参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
遊技玉の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域を遊技玉が通過するように発射強度Tを調整することができる。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれた遊技玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した遊技玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれた遊技玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞した遊技玉およびアウト口154に回収された遊技玉は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置の遊技玉が遊技領域27内に打込まれる。
P台2は、CU3を側方位置に設置することでCU3から伸びる表示器54をP台2の前面に嵌合させる。そのため、P台2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。なお、表示器54は、図1に示すようにCU3と一体に形成されP台2に嵌合させる構成だけに限定されず、CU3から独立して形成されP台2の前面に取付けられる構成でもよい。
また、P台2の表示器54が嵌合される部分の上方位置に遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、払出制御部171によって制御される。この遊技玉数表示器29により、遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。なお、遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2における遊技玉数表示器29の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合に比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、主に、遊技盤26と前枠(遊技枠)5と前飾り7と外枠4とに分けることができる。ガラス扉6は、前飾り7に取付けられる。前飾り7は、ガラス扉6が取付けられた状態で前枠5に取付けられる。特に、遊技盤26および前飾り7は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、前枠5、外枠4およびガラス扉6は、機種に関わらず共通とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26および前飾り7のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
CU3の前面側には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319とが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
次に、P台2は、額縁状の外枠4に対して、前枠5がその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
図3を参照して、遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず前枠5を開放して前枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。
さらに、前枠5の裏面に、払出制御基板17および演出制御基板接続基板152を含む裏面カバーが設けられている。払出制御基板17も、まず前枠5を開放してから、前枠5の裏面より取外し可能な状態となる。また、前枠5の裏面の右上部に発射装置181が設けられている。
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図4は、CU3とP台2との構成を示すブロック図である。図4を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
(カードユニット)
CU3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバと通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられている。CU制御部323には、P台2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325が接続される。セキュリティ基板325は、CU3のセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325上にCU制御部323を設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325とは別の基板にCU制御部323を設けてもよい。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。なお、CU3とP台2との接続は、コネクタを介して電気的に配線で接続される実施例について説明するが、CU3とP台2との間で必要な情報(例えば、識別情報や加算玉数の情報など)が通信可能であれば、有線、無線などの接続方式は問わない。
CU3側のセキュリティ基板325とP台2側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、P台2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からP台2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバに通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバから基板制御情報として通知される。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3の前面に設けられる表示器312および図1に示すようにP台2の前面に配置されている表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。なお、表示器54に送信される表示用データは、まず中継基板14に入力される。表示器312および表示器54には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
(パチンコ遊技機)
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15と、払出制御基板17からの信号に基づいて報知を制御する報知制御基板21とが備えられている。
(遊技盤)
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、電波センサ163、アウト玉検出スイッチ164、扉開閉スイッチ165、および発射強度センサ166と接続してある。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に玉が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行なうとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。
入賞センサ162は、始動入賞口275,276,277などの入賞口に設けられた検出スイッチであり、遊技玉が当該検出スイッチを通過する毎に検出信号を主制御部161に出力する。主制御部161は、入賞口毎に検出信号を集計して各入賞口のカウント数(入賞個数)の情報として集計する。
電波センサ163は、電波を不正に発信して主に入賞センサ162を常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ163の検出信号が主制御部161へ入力される。
アウト玉検出スイッチ164は、アウト口154(図1参照)に進入したアウト玉を検出するための検出スイッチであり、アウト玉が当該検出スイッチを通過する毎に検出信号を主制御部161に出力する。主制御部161は、アウト玉検出スイッチ164の検出信号を集計することでアウト玉数の情報として集計する。なお、主制御部161は、アウト玉検出スイッチ164の検出信号の有無により、発射装置181から遊技玉が発射されたか否かについて把握することができる。つまり、主制御部161は、アウト玉検出スイッチ164の検出信号の有無により、払出制御基板17での事象の発生の有無を検知することができる。
扉開閉スイッチ165は、前枠5に対してガラス扉6が開閉しているか否かを検出するための検出スイッチであり、開放を検出する毎に検出信号を主制御部161に出力する。主制御部161は、扉開閉スイッチ165の検出信号に基づき、遊技領域を覆う扉(たとえば、ガラス扉6)の開閉を検知することができる。なお、扉開閉スイッチ165は、外枠4に対して前枠5が開閉しているか否かを検出することができるようにしてもよい。
発射強度センサ166は、発射モータ18による遊技玉の発射強度Tを検出し、検出結果を主制御部161に出力する。たとえば、発射強度センサ166は、ハンドル操作量に応じて電気抵抗値が変化するように構成された可変抵抗から出力されるアナログ値をデジタル値に変換した値を発射強度Tとして検出する。ハンドル操作量に応じて発射強度Tは、たとえば、0(最小値)から99(最大値)まで変化するものとする。主制御部161は、発射強度センサ166の検出結果に基づき、遊技玉を発射する発射装置181の操作部の状態を検知することができる。なお、主制御部161は、発射強度センサ166の検出結果を払出制御基板17およびCU3に出力してもよい。
主制御部161は、大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278の表示制御のための表示信号およびスピーカ270の出力制御のための音声信号を切替基板22に出力する。
切替基板22は、演出制御部151からの表示信号および音声信号と、後述する報知制御基板21に搭載された報知制御部211からの表示信号および音声信号とを切替えて、いずれかの表示信号および音声信号を、それぞれ、可変表示装置278およびスピーカ270に出力する。表示信号は、切替基板22にはデジタル信号で入力され、デジタル信号のまま可変表示装置278に出力される。
音声信号は、切替基板22にはデジタル信号で入力され、演出制御部151と報知制御部211との入力の切替回路を通過した後に、アナログ信号に変換され、指定された音量に増幅されてスピーカ270に出力される。これにより、切替回路は、増幅されたアナログ信号を切替えるのではなく、デジタル信号を切替えるので、アナログ信号をリレーで切替えたりする場合と異なり、切替回路の破損を防止することができる。
なお、切替基板22は、図4で示すように遊技盤26に設けられるようにしてもよいし、前枠5に設けられるようにしてもよいし、遊技盤26および前枠5のいずれとも独立して設けられるようにしてもよいし、他の基板に設けられるようにしてもよい。また、この実施の形態においては、切替基板22は表示信号と音声信号との入力を切替えるようにしたが、これに限定されず、表示信号と、音声信号と、演出用や異常報知用のランプ信号との入力のいずれか少なくとも1つを切替えるようにしてもよい。
演出制御基板15は、CU3の中継基板14を介して、表示器54とも接続されている。演出制御部151は、可変表示装置278に対して可変表示等のための表示制御信号を送信するとともに、可変表示装置278の表示と連動する表示を行なうための表示制御信号を表示器54へ送信可能である。なお、中継基板14および表示器54は、P台2側に設けるようにしてもよい。この場合、P台2側の演出制御基板15は、CU3を介さずに直接P台2側の中継基板14と接続される。
(前枠(遊技枠))
払出制御基板17および報知制御基板21は、前枠5に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
払出制御部171は、報知情報に関する情報を信号(たとえば、コマンド)として報知制御基板21に搭載された報知制御部211へ送信する。報知制御部211は、払出制御部171から送信されてくる信号に基づいて報知内容を決定する。報知制御部211は、決定した報知内容に従って可変表示装置278の表示制御のための表示信号およびスピーカ270の出力制御のための音声信号、ならびに、これらの表示信号で示される表示および音声信号で示される音声を出力するよう切り替える指示をするための割込信号を切替基板22に出力する。
切替基板22は、割込信号を受信すると、演出制御部151からの表示信号および音声信号の入力から、報知制御部211からの表示信号および音声信号の入力に切替えて、報知制御部211からの表示信号および音声信号を、それぞれ、可変表示装置278およびスピーカ270に出力する。切替基板22は、報知制御部211からの表示信号および音声信号が受信されなくなると、報知制御部211からの表示信号および音声信号の入力から、演出制御部151からの表示信号および音声信号の入力に切替える。
また、払出制御基板17に対し、発射玉検出スイッチ903、ファール玉検出スイッチ33A、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞玉、アウト玉およびファール玉は回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には発射玉検出スイッチ903が設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが発射玉検出スイッチ903によって検出される。つまり、発射玉検出スイッチ903は、弾発されたパチンコ玉のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射モータ18により弾発されたパチンコ玉の弾発数とが等しくなったときに、打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたと判定できる。ファール玉検出スイッチ33Aは、ファール玉戻り経路の途中に設けられ、ファール玉を検出するスイッチである。電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
前枠5には、払出制御基板17および報知制御基板21の他、発射制御基板31、発射モータ18、遊技玉数表示器29、および、タッチパネル付の液晶表示装置30が設けられている。なお、遊技玉数表示器29は前枠5に直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。払出制御基板17の払出制御部171は遊技玉数表示器29に遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。報知制御基板21の報知制御部211は、払出制御部171からのコマンドに応じて所定情報を液晶表示装置30に表示させる。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射装置の発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、遊技玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。
P台2の前面には、CU3から伸びた表示器54および中継基板14が設けられている。表示器54は、中継基板14を介してCU3の表示制御部350からの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54は、中継基板14を介して演出制御基板15からの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板14には演出制御基板15および表示制御部350のうち一方からの表示制御信号を表示器54へ出力して表示器54に演出制御基板15または表示制御部350からの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141が搭載されている。
なお、本実施の形態では、P台2の前面に設けられるCU3から伸びた表示器54をCU3側で制御できるように構成されているが、これに代えて、P台2側に表示器54を設けCU3側から表示制御できるように構成しても、P台2側に表示器54を設けP台2側で表示制御できるようにP台2側に表示制御用基板を設ける構成でもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
<主制御基板と払出制御基板との通信>
主制御基板16と払出制御基板17との通信は、電源投入時などに行われる認証シーケンスにおいて双方向通信が行われる以外、主制御基板16から払出制御基板17に対する一方向通信が行われる。具体的に、電源を投入すると主制御部161と払出制御部171との間で電源投入通知および電源投入受信の通信が行なわれ、さらに認証新シーケンスが開始される。認証シーケンスは、主制御部161および払出制御部171のチップIDが認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことが認証ステータスレジスタに書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161と払出制御部171との暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161から払出制御部171への通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信と、暗号鍵および復号鍵を用いない平文通信とが可能となる。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄停止回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報などが送信される。
主制御部161のチップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して認証シーケンスにより送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2の認証シーケンス後に払出制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の認証シーケンス後に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞した遊技玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞した遊技玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかに遊技玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄停止回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として停止した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
図5は、主制御部161と払出制御部171との情報のやり取りを説明するための図である。図5を参照して、主制御部161によって実行される主制御CPUユーザプログラム1611によって、これらの情報のうち大当り情報は、遊技状態情報として、レジスタ0からレジスタ7までの遊技状態レジスタ1614および暗号通信制御部1615を介して、払出制御部171に送信される。払出制御部171によって実行される払出制御CPUユーザプログラム1711によって、遊技状態情報は、暗号通信制御部1715およびレジスタ0からレジスタ7までの遊技状態レジスタ1714を介して受信される。
大当り情報以外の情報は、遊技情報として、送信データFIFO1613および暗号通信制御部1615を介して、払出制御部171に送信される。払出制御部171によって実行される払出制御CPUユーザプログラム1711によって、遊技情報は、暗号通信制御部1715および送信データFIFO1713を介して受信される。
主制御部161および払出制御部171の間でやり取りされる主制御チップIDおよび払出制御チップIDの相互認証などの認証のための情報は、主制御部161および払出制御部171によって実行されるシステムプログラムによってステータスレジスタ1612,1712に書込まれることによって暗号通信制御部1615,1715を介してやり取りされる。認証結果を示す認証信号は、払出制御部171のシステムプログラムによって、ステータスレジスタ1712の書込まれている情報に基づいてCU3に送信される。
このため、認証のための情報は、主制御CPUユーザプログラム1611や払出制御CPUユーザプログラム1711からは完全に独立制御で送受信されるため、主制御CPUユーザプログラム1611や払出制御CPUユーザプログラム1711からは読出すことはできない。
つまり、認証のための情報は、唯一、主制御部161および払出制御部171の間で双方向でやり取りされる情報であるが、主制御CPUユーザプログラム1611や払出制御CPUユーザプログラム1711からは完全に隔離され、主制御CPUユーザプログラム1611や払出制御CPUユーザプログラム1711とのインターフェイスは一切存在しない。
これにより、払出制御部171から主制御部161に信号が送り込まれることによる主制御部161の遠隔操作などの不正を防止することができる。
図6は、各基板の接続について説明するための概略図である。認証シーケンス以外においては、図6に示すように、主制御基板16から払出制御基板17への一方向通信で情報が送信される。主制御基板16からの演出や異常などの報知のための情報は、演出制御基板15および切替基板22を介して可変表示装置278やスピーカ270などの報知のための電気部品23に送信されるようにした。払出制御基板17からの報知のための情報は、報知制御基板21および切替基板22を介して電気部品23に送信されるようにした。
このような構成において、払出制御基板17の払出制御部171が、遊技単価と貸玉数とに基づいて算出した玉貸積算額が所定額を超えた場合や払出制御基板17で発生したエラーの場合などに、報知制御基板21にコマンドを送信するようにできる。報知制御基板21の報知制御部211が、受信したコマンドに応じて、割込信号、および、依存防止やエラーの報知内容を示す表示信号および音声信号を、切替基板22に送信するようできる。切替基板22は、割込信号を受信すると、演出制御基板15の演出制御部151からの入力から、報知制御部211からの入力に切替えて、報知制御部211からの表示信号および音声信号を、それぞれ、可変表示装置278およびスピーカ270などの電気部品23に出力するようにできる。電気部品23は、表示信号および音声信号で示される依存防止やエラーなどの報知内容を出力することができる。
<主制御基板の一時停止>
図6に示すように、情報が主制御基板16から払出制御基板17への一方向であるため、たとえば、主制御基板16が大当りで大入賞口271を開放する制御を行っている場合に、球詰まりが発生して発射装置181が遊技玉を発射できなくても払出制御基板17は、主制御基板16に対して一時停止の信号を送信することができない。そのため、遊技玉を発射できない状態であっても、主制御基板16は遊技を進行して大入賞口271を閉じてしまうこととなり、遊技者が得られるはずの賞球を得られずに不利益を受けることがあった。なお、上記の球詰まりは、たとえば遊技領域27または遊技機(枠内部の球通路)での球詰りである。
そこで、本実施の形態に係る遊技機では、主制御基板16が大当りで大入賞口271を開放する制御を行っている場合に、発射装置181が遊技玉を発射することができる状態であるにも関わらず、球詰まりにより遊技玉を発射することができない状態であることを検知して遊技の進行を停止する。具体的に、主制御基板16は、払出制御基板17で遊技玉を発射し得る状態(所定事象が発生し得る状態)であるにも関わらず、入賞センサ162で遊技玉が検出できず、アウト玉検出スイッチ164でも遊技玉が検出できない場合は、払出制御基板17で遊技玉を発射し得ない状態(所定事象が発生していない状態)であると検知する。つまり、主制御基板16は、入賞センサ162で遊技玉が検出できず、アウト玉検出スイッチ164でも遊技玉が検出できない場合、遊技の進行を停止する。なお、主制御基板16が検知可能な払出制御基板17の所定事象としては、上記の球詰まり以外に、発射装置181、揚送装置、または研摩装置などの不具合を起因として遊技玉を発射できないような事象も検知可能である。
以下に、図を用いて主制御基板16の一時停止の制御について詳しく説明する。図7は、主制御基板16の一時停止の制御を説明するためのシーケンスを示す図である。まず、主制御基板16は、遊技状態を大当り状態となるように遊技を進行する(ステップS701)。遊技状態が大当り状態となり、遊技者が打球操作ハンドル25を操作して遊技玉を発射することで、発射装置181が遊技玉を発射する。しかし、発射装置181に遊技玉を供給する通路で球詰まりが発生した場合、発射装置181は遊技玉を発射することができない。払出制御基板17は、球詰まりが発生したことを検知した場合、球詰まりエラーとなる(ステップS711)。そして、払出制御基板17は、当該球詰まりエラーに基づいて発射装置181による遊技玉の発射を停止する(ステップS712)。
本実施の形態に係る遊技機は、図6に示すように、主制御基板16から払出制御基板17への一方向通信で情報が送信されるので、当該球詰まりエラーの情報が払出制御基板17から主制御基板16に通知されない。そのため、主制御基板16は、払出制御基板17で発生した球詰まりエラーの情報を直接把握することができない。そこで、主制御基板16は、払出制御基板17で遊技玉を発射し得る状態(所定事象が発生し得る状態)において、入賞センサ162およびアウト玉検出スイッチ164において遊技玉を検出できないか否かを判定する(ステップS702)。
入賞センサ162およびアウト玉検出スイッチ164の少なくとも一方において遊技玉を検出できる場合(ステップS702でNO)、主制御基板16は、ステップS702の処理を継続する。一方、入賞センサ162およびアウト玉検出スイッチ164において遊技玉を検出できない場合(ステップS702でYES)、主制御基板16は、払出制御基板17で遊技玉を発射し得ない状態(所定事象が発生していない状態)であることを検知する。なお、主制御基板16は、発射強度センサ166で発射装置181の操作部の状態を検知し、かつ入賞センサ162およびアウト玉検出スイッチ164において遊技玉を検出できないことに基づいて、遊技の進行を停止するようにしてもよい。このように構成すれば、遊技の進行を停止する判定精度を高めることができる。
そして、主制御基板16は、遊技の進行を停止し、払出制御基板17に対して一時停止信号を送信する(ステップS703)。なお、主制御基板16は、払出制御基板17に対して一時停止信号を送信することで、遊技の進行を一時停止する一時停止期間を開始する。
払出制御基板17は、主制御基板16から一時停止信号を受信する(ステップS713)。主制御基板16から一時停止信号を受信した払出制御基板17は、球詰まりエラーの情報および遊技の進行を一時停止した情報をCU3に通知する(ステップS714)。CU3は、払出制御基板17からの通知を受信する(ステップS721)。CU3は、払出制御基板17から通知を受信すると、通知内容に基づきエラー報知を行う(ステップS722)。たとえば、CU3は、遊技機で球詰まりエラーが発生したことを表示器54に表示するとともにホールサーバに通知することでエラー報知を行う。
CU3でのエラー報知を受け、遊技店の店員がエラー要因除去(たとえば、球詰まりを発生させた遊技玉を取り除く)を行い、当該エラー要因が除去されて正常に遊技できることを店員が確認するために試打を行う(ステップS715)。なお、当該試打は、主制御基板16から一時停止信号の通知を受けた後に、遊技玉を発射する発射操作であるため、この発射を検知したことに基づいて遊技点の減算を行わない。これにより、店員の点検に伴う発射を考慮した制御を実現することができ、遊技者が所有している遊技点を減算させることによる不利益の発生を回避することができる。
主制御基板16は、一時停止期間中、入賞センサ162またはアウト玉検出スイッチ164において遊技玉が検出されるか否かを判定している(ステップS704)。そのため、払出制御基板17側で試打による遊技玉の発射が行われると、主制御基板16は、入賞センサ162またはアウト玉検出スイッチ164において遊技玉を検出することができ(ステップS704でYES)、遊技の進行を再開し、一時停止の解除信号を払出制御基板17に送信する(ステップS705)。なお、主制御基板16は、払出制御基板17に対して解除信号を送信することで、遊技の進行を一時停止する一時停止期間が終了する。また、主制御基板16は、入賞センサ162またはアウト玉検出スイッチ164において遊技玉を検出できない場合(ステップS704でNO)、ステップS704の処理を継続する。
払出制御基板17は、主制御基板16から解除信号を受信する(ステップS716)。主制御基板16から解除信号を受信した払出制御基板17は、遊技を再開する(ステップS717)。なお、主制御基板16は、扉開閉スイッチ165によりガラス扉6の開放中であることを検出し、かつ入賞センサ162またはアウト玉検出スイッチ164において遊技玉が検出されたことに基づいて、停止していた遊技の進行を再開するようにしてもよい。このように構成すれば、店員の点検に伴う扉の開閉を検知したことを条件とすることができるため、適切に遊技の進行を再開することができる。
<主制御基板と払出制御基板との接続態様>
図6では、主制御基板16から払出制御基板17へ一方向に通信ができるように接続し、払出制御基板17からの報知のための情報を、報知制御基板21および切替基板22を介して電気部品23に送信できるように接続した構成について説明した。しかし、主制御基板と払出制御基板との接続態様は、これに限定されるものではない。
図8は、各基板の接続について説明するための第2の図である。図8を参照して、前述の実施の形態と同様、主制御基板16から払出制御基板17へは一方向で情報が送信されるようにする。主制御基板16からの演出や異常などの報知のための情報は、前述の実施の形態と異なり、演出制御基板15を介して電気部品23に送信されるようにする。払出制御基板17からの報知のための情報は、前述の実施の形態と異なり、演出制御基板15を介して電気部品23に送信されるようにする。
このような構成において、払出制御基板17の払出制御部171が、遊技単価と貸玉数とに基づいて算出した玉貸積算額が所定額を超えた場合や払出制御基板17で発生したエラーの場合などに、演出制御基板15にコマンドを送信する。演出制御基板15の演出制御部151は、受信した払出制御部171からのコマンドに応じて、主制御基板16からのコマンドに応じて出力中の表示信号および音声信号に替えて、払出制御部171からのコマンドで示される依存防止やエラーの報知内容を示す表示信号および音声信号を、それぞれ、可変表示装置278およびスピーカ270などの電気部品23に出力する。電気部品23は、表示信号および音声信号で示される依存防止やエラーなどの報知内容を出力する。
また、次のようにしてもよい。図9は、各基板の接続について説明するための第3の図である。図9を参照して、前述の実施の形態と同様、主制御基板16から払出制御基板17へは一方向で情報が送信されるようにする。主制御基板16からの演出や異常などの報知のための情報は、前述の実施の形態と異なり、演出制御基板15を介して電気部品23に送信されるようにする。払出制御基板17からの報知のための情報は、前述の実施の形態と異なり、報知制御基板21を介して、電気部品23とは異なる液晶表示装置30や専用のスピーカ等の電気部品23Aに送信されるようにする。
このような構成において、払出制御基板17の払出制御部171が、遊技単価と貸玉数とに基づいて算出した玉貸積算額が所定額を超えた場合や払出制御基板17で発生したエラーの場合などに、報知制御基板21にコマンドを送信する。報知制御基板21の報知制御部211は、受信した払出制御部171からのコマンドに応じて、コマンドで示される依存防止やエラーの報知内容を示す表示信号および音声信号を、それぞれ、液晶表示装置30および専用のスピーカ等の電気部品23Aに出力する。電気部品23Aは、表示信号および音声信号で示される依存防止やエラーなどの報知内容を出力する。
また、次のようにしてもよい。図10は、各基板の接続について説明するための第4の図である。図10を参照して、前述の実施の形態と同様、主制御基板16から払出制御基板17へは一方向で情報が送信されるようにする。主制御基板16からの演出や異常などの報知のための情報は、前述の実施の形態と異なり、演出制御基板15を介して電気部品23に送信されるようにする。払出制御基板17からの報知のための情報は、前述の実施の形態と異なり、直接、ブザー231に送信されるようにする。
このような構成において、払出制御基板17の払出制御部171が、遊技単価と貸玉数とに基づいて算出した玉貸積算額が所定額を超えた場合や払出制御基板17で発生したエラーの場合などに、依存防止やエラーの報知内容を示すブザー信号を、ブザー231に出力する。ブザー231は、ブザー信号で示される依存防止やエラーなどの報知内容を示すブザー音を出力する。
以上のようにすれば、払出制御基板17から主制御基板16を介さずに直接、報知を行なうことができるため、より多種類の報知を行なうことができる。また、CU3でも並行して連動して報知を行なうことができるので、遊技者により強く報知を行なうことができる。
また、次のようにしてもよい。図11は、各基板の接続について説明するための第5の図である。図11を参照して、前述の実施の形態と異なり、主制御基板16と払出制御基板17との間は双方向で情報が送信されるようにする。主制御基板16からの演出や異常などの報知のための情報は、前述の実施の形態と異なり、演出制御基板15を介して電気部品23に送信されるようにする。払出制御基板17からの報知のための情報は、前述の実施の形態と異なり、主制御基板16および演出制御基板15を介して電気部品23に送信されるようにする。
このような構成において、払出制御基板17の払出制御部171が、遊技単価と貸玉数とに基づいて算出した玉貸積算額が所定額を超えた場合や払出制御基板17で発生したエラーの場合などに、主制御基板16にコマンドを送信する。主制御基板16の主制御部161は、受信した払出制御部171からのコマンドに応じて、出力中の表示および音声に替えて、払出制御部171からのコマンドで示される依存防止やエラーの報知内容を示す表示および音声を出力させるためのコマンドを演出制御基板15に送信する。演出制御基板15の演出制御部151は、主制御部161からのコマンドで示される依存防止やエラーなどの報知内容を示す表示信号および音声信号を、それぞれ、可変表示装置278およびスピーカ270などの電気部品23に出力する。電気部品23は、表示信号および音声信号で示される依存防止の報知内容を出力する。
<主制御基板と払出制御基板との接続配線>
次に、主制御基板16と払出制御基板17とを接続する配線について詳しく説明する。図12は、主制御基板16と払出制御基板17とを接続する配線の構成を説明するための概略図である。図12に示すように、主制御基板16は、メインドロアコネクタ基板33を介して払出制御基板17に接続される。主制御基板16とメインドロアコネクタ基板33とを接続する配線は24本で構成され、払出制御基板17とメインドロアコネクタ基板33とを接続する配線も24本で構成されている。図12に示すNo.11〜No.14の配線を使用して、主制御基板16と払出制御基板17とは認証シーケンスや遊技状態通知を暗号通信で行っている。なお、認証シーケンスは、主制御基板16と払出制御基板17との間で双方向通信を行い、遊技状態通知は、主制御基板16から払出制御基板17への一方向通信で行っている。
なお、図12に示す配線では、平文で払出制御基板17による制御状態を主制御基板16へ通知するためにNo.19の配線にUART(Universal Asynchronous Receiver-Transmitter)経路を設けてある。当該配線は、必ずしも主制御基板16と払出制御基板17とを接続する配線に設ける必要はないが、No.11〜No.14の配線を用いる暗号通信経路(第1経路)とは別の平文通信経路(第2経路)として設けることができる。
前枠5側の機能が少ない遊技機であれば、前枠5側のセンサ信号を主制御基板16でも併せて検出することで把握することも可能であるが、前枠5側の機能が多い遊技機では、各センサの組み合わせで判定したエラー情報もあるため、No.19の配線にUART経路を設け払出制御基板17から主制御基板16へ情報を通知している。UART経路に送信されるUART信号は平文の信号であり、エラー情報などが含まれる。これにより、前枠5側の様々なエラーを主制御基板16側に報知することが可能となる。UART信号によりエラー種別を設定しておくことで、今後前枠5の変更等があっても対応が容易となる。なお、図12に示す配線のようにUART経路を設けずに、暗号通信内のレジスタに払出制御基板17側の情報(たとえば、エラー情報)を書き込んでもよい。つまり、前枠5側で情報の選別を行い主制御基板16との暗号通信内の特定レジスタを用いて当該情報を通知してもよい。
(遊技状態通知(暗号通信))
次に、図12に示す配線を用いて主制御基板16と払出制御基板17との間で行われる遊技状態通知の暗号通信についてさらに詳しく説明する。主制御基板16は、払出制御基板17との間で所定周期(本実施の形態においては200ms周期)で、遊技状態通知を送信する。この遊技状態通知には、払出制御基板17およびCU3に対して主制御基板16の情報・状態を通知するものである。遊技状態通知には、最新遊技機情報や賞球数などが含まれている。
図を参照しながら、遊技状態通知について説明する。図13は、遊技状態通知の内容を説明するための説明図である。遊技状態通知の具体的データには、「通番」、「コマンドコード」、「遊技台状態1」、「遊技台状態2」、「不正検知情報」、および「遊技情報」のデータが含まれている。「通番」は、シーケンス番号(01H〜FFH)である。「コマンドコード」は、遊技状態通知コマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで示してある。
「遊技台状態1」は、主制御部161から払出制御部171に対して遊技状態通知コマンドが送信された時点の、主制御部161の状態を示している。同様に、「遊技台状態2」は、主制御部161から払出制御部171に対して遊技状態通知コマンドが送信された時点の「遊技台状態1」に含まれない主制御部161の状態を示している。
たとえば、「遊技台状態1」には、大当りまたは小当り、大当りの種類などの遊技状態の情報が含まれ、「遊技台状態2」には、確変中か否か、時短中か否かなどの遊技状態の情報が含まれている。なお、「遊技台状態1」および「遊技台状態2」は、1つの遊技状態通知コマンドに対して1つの遊技状態の情報が提供される。そのため、前回送信した遊技状態通知コマンドから今回送信する遊技状態通知コマンドまでの間に遊技状態が変化した場合、今回送信する遊技状態通知コマンドにおいて新たに変化した遊技状態の情報が払出制御部171に通知される。
「不正検知情報」は、主制御部161から払出制御部171に対して遊技状態通知コマンドが送信された時点の、主制御部161で検知した情報である。たとえば、「不正検知情報」は、電波センサ163(図4参照)で不正電波を検知した場合の情報や、ベース異常情報、役物比率異常情報などが含まれる。
「遊技情報」は、主制御部161から払出制御部171に対して遊技状態通知コマンドが送信された時点の主制御部161の情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「カウント情報1」〜「カウント報n」を含んでいる。
「遊技情報」についてさらに詳しく説明する。図14および図15は、遊技状態通知のうち遊技情報の内容をより詳細に説明するための説明図である。
まず、遊技情報数は、当該遊技状態通知に含まれる種別情報とカウント数情報との組の個数nを示す。個数nは可変であり、0個から22個である。
種別情報1から種別情報nのデータ構成は同様であるので、ここでは、種別情報1について説明する。種別情報1は、1バイト(8ビット)で構成される。種別情報1の4〜7ビットは、種別情報1とカウント数情報1との組の遊技情報のデータ種別(入賞口種別)を示す。
データ種別が1h(0001b)であれば、種別情報とカウント数情報との組の遊技情報が始動入賞口に関する情報であることを示す。同様に、データ種別が2h(0010b),Ah(1010b)であれば、種別情報とカウント数情報との組の遊技情報が大入賞口に関する情報であることを示す。また、データ種別が3h(0011b),Bh(1011b)であれば、種別情報とカウント数情報との組の遊技情報が普通入賞口に関する情報であることを示す。
データ種別が4h(0100b),5h(0101b),6h(0110b),7h(0111b),8h(1000b),9h(1001b),0h(1011b),Fh(1111b)であれば、種別情報とカウント数情報との組の遊技情報が、それぞれ、図柄停止回数,大当り,小当り,普通図柄停止回数,大入賞口開放回数,普通電動役物回数,発射球数,情報に関する情報であることを示す。
種別情報1の0〜3ビットは、4〜7ビットで示されるデータ種別におけるデータ番号(入賞口番号)を示す。
データ種別が1h,Ah、つまり始動入賞口を示す場合、データ番号が1h(0001b)〜3h(0011b)であれば、その始動入賞口の役物の作動が無い(あるいは役物が無い)ことを示し、データ番号が9h(1001b)〜Bh(1011b)であれば、その始動入賞口の役物の作動が有ることを示す。なお、データ番号1h,9hは、1つ目の始動入賞口に対応し、データ番号2h,Ahは、2つ目の始動入賞口に対応し、データ番号3h,Bhは、3つ目の始動入賞口に対応する。ここでの1つ目から3つ目の始動入賞口が、遊技盤26の遊技領域27に設けられる始動入賞口のどれに対応するかは、予め定められる。
ここで、役物とは、入賞口の入口を開きまたは拡大するものであり、具体的には、入賞口への遊技玉の進入が可能な状態と進入が困難または不能な状態とに変化する動作が可能なものである。役物の作動とは、入賞口の入口を開きまたは拡大することであり、具体的には、入賞口への遊技玉の進入が可能な状態に変化することである。
データ種別が2h、つまり大入賞口を示す場合、データ番号が1h(0001b)〜2h(0010b)であれば、その大入賞口の役物の作動が有る(連続作動ではない)ことを示し、データ番号が9h(1001b)〜Ah(1010b)であれば、その大入賞口の役物の連続作動が有ることを示す。なお、大当り遊技状態となると大入賞口の役物が連続して作動する。また、データ番号1h,9hは、1つ目の大入賞口に対応し、データ番号2h,Ahは、2つ目の大入賞口に対応する。ここでの1つ目から2つ目の大入賞口が、遊技盤26の遊技領域27に設けられる大入賞口のどれに対応するかは、予め定められる。
データ種別が3h,Bh、つまり普通入賞口を示す場合、データ番号が1h(0001b)〜3h(0011b)であれば、その普通入賞口の役物の作動が無い(あるいは役物が無い)ことを示し、データ番号が9h(1001b)〜Fh(1111b)であれば、その普通入賞口の役物の作動が有ることを示す。なお、データ番号1h〜Fhは、1番目からF番目の普通入賞口に対応する。ここでの1番目からF番目の普通入賞口が、遊技盤26の遊技領域27に設けられる普通入賞口のどれに対応するかは、予め定められる。
データ種別が5h、つまり大当りを示す場合、データ番号が1h(0001b)であれば、出玉数が大きい大当りであることを示し、データ番号が2h(0010b)であれば、出玉数が小さい大当りであることを示し、データ番号が3h(0011b)であれば、出玉数が中程度の大当りであることを示す。
データ種別が6h、つまり小当りを示す場合、データ番号が1h(0001b)であれば、小当りであることを示す。
データ種別がFh、つまり情報を示す場合、データ番号が0h(0000b)であれば、状態通知であることを示す。
カウント数情報1からカウント数情報nのデータ構成は同様であるので、ここでは、カウント数情報1について説明する。カウント数情報1は、1バイト(8ビット)で構成される。
データ種別が1h〜3h,Ah,Bhの場合、カウント数情報1の4〜7ビットは、遊技台情報および種別情報ごとのデータ種別で示される入賞口への入賞時の賞球玉数を示し、カウント数情報1の0〜3ビットは、遊技台情報および種別情報ごとのデータ種別で示される入賞口への入賞個数の累計を示す。なお、入賞個数の累計は、前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までの間で遊技状態が変化していない場合、前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までを累計する。しかし、前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までの間で遊技状態が変化している場合、入賞個数の累計は、前回の遊技状態通知から遊技状態が変化するまでを累計する。そして、遊技状態が変化してから今回の遊技状態通知までの累計は、別の種別情報のカウント数情報とする。賞球玉数および入賞個数は、1h(0001b)〜Fh(1111b)(それぞれ10進数で1〜15個に対応)で示される。
なお、具体的に、1つ目の始動入賞口の賞球玉数が3個であり、始動入賞口の役物が作動している状態であり、入賞個数が2個である場合、遊技情報は、1932hとなる。1つ目の大入賞口の賞球玉数が15個であり、大入賞口の役物が連続作動している状態であり、入賞個数が1個である場合、遊技情報は、29F1hとなる。また、2つ目の普通入賞口の賞球玉数が8個であり、普通入賞口の役物が無く、入賞個数が1個である場合、遊技情報は、3281hとなる。2つ目の普通入賞口の賞球玉数が8個であり、普通入賞口の役物が作動している状態であり、入賞個数が1個である場合、遊技情報は、B281hとなる。
データ種別が4h,7hの場合、カウント数情報1の4〜7ビットは、予備であり、0h(0000b)固定とされ、カウント数情報1の0〜3ビットは、前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までの図柄または普通図柄の停止回数を示す。停止回数は、1h(0001b)〜Fh(1111b)(それぞれ10進数で1〜15個に対応)で示される。
データ種別が5h,6hの場合、カウント数情報1の4〜7ビットは、予備であり、0h(0000b)固定とされ、カウント数情報1の0〜3ビットは、前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までの当り回数を示す。当り回数は、1h(0001b)〜Fh(1111b)(それぞれ10進数で1〜15個に対応)で示される。
データ種別がFhの場合、カウント数情報1の3〜7ビットは、予備であり、0h(0000b)固定とされ、カウント数情報1の0〜2ビットは、前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までの間で変化した遊技状態を示す。ベースを示す”Bit0”が”0”であれば低ベース、”1”であれば高ベースであることを示す。大当り中を示す”Bit1”が”0”であれば通常時、”1”であれば大当り中であることを示す。小当り中を示す”Bit2”が”0”であれば通常時、”1”であれば小当り中であることを示す。
遊技状態通知のコマンドにデータ種別にFhを設けて、前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までの間で変化した遊技状態の情報を表すことができるようになったことで、前回の遊技状態通知から遊技状態が変化するまでの入賞個数の累計と、遊技状態が変化してから今回の遊技状態通知までの入賞個数の累計とを区別して払出制御部171に通知することが可能となった。なお、遊技状態通知のコマンドにデータ種別にFhを設けて、主制御部161から払出制御部171に前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までの間で変化した遊技状態の情報を通知できるようにしたが、当該遊技状態の情報は、遊技用装置であるCU3や、上位サーバであるホールサーバ801、ホールコンピュータなどに通知できるようにしてもよい。
データ種別が8h,9hの場合、カウント数情報1の4〜7ビットは、予備であり、0h(0000b)固定とされ、カウント数情報1の0〜3ビットは、前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までの開放回数または役物回数を示す。開放回数または役物回数は、1h(0001b)〜Fh(1111b)(それぞれ10進数で1〜15個に対応)で示される。
データ種別が0hの場合、カウント数情報1の4〜7ビットは、予備であり、0h(0000b)固定とされ、カウント数情報1の0〜3ビットは、前回の遊技状態通知から今回の遊技状態通知までの発射球数を示す。発射球数は、1h(0001b)〜Fh(1111b)(それぞれ10進数で1〜15個に対応)で示される。なお、主制御基板16は、入賞センサ162およびアウト玉検出スイッチ164で検出した遊技玉数を集計することで発射球数をカウントしている。
次に、図15に示す種別情報2は、1バイト(8ビット)で構成される。種別情報2の0〜7ビットは、種別情報2とカウント数情報2との組の遊技情報のデータ種別を示し、主制御基板16で集計した遊技情報のデータが含まれている。
データ種別が1h(0001b)であれば、種別情報2とカウント数情報2との組の遊技情報が総発射遊技球数に関する情報であることを示す。同様に、データ種別が2h(0010b)であれば、種別情報2とカウント数情報2との組の遊技情報が総獲得遊技球数に関する情報であることを示す。また、データ種別が3h(0011b)であれば、種別情報2とカウント数情報2との組の遊技情報が出玉率に関する情報であることを示す。さらに、データ種別が4h(0100b)であれば、種別情報2とカウント数情報2との組の遊技情報が高ベースおよび低ベースに関する情報であることを示す。
次に、図15に示すカウント数情報2について説明する。カウント数情報2は、4バイト(32ビット)で構成され、種別情報2に対応して主制御基板16で集計した遊技情報のデータである。
データ種別が1h,2hの場合、カウント数情報2の0〜31ビットは、種別情報ごとのデータ種別で示される総発射遊技球数または総獲得遊技球数の累計球数を示す。データ種別が3hの場合、カウント数情報2の8〜31ビットは、予備であり、0h(0000b)固定とされ、カウント数情報2の0〜7ビットは、出玉率を示す。データ種別が4hの場合、カウント数情報2の16〜31ビットは、予備であり、0h(0000b)固定とされ、カウント数情報2の0〜15ビットは、高ベースおよび低ベースを示す。
(状態通知(平文))
次に、図12に示す配線を用いて主制御基板16と払出制御基板17との間で行われる状態通知の平文通信についてさらに詳しく説明する。払出制御基板17は、UART経路を介して払出制御基板17側の情報を主制御基板16に対して平文で送信することができる。図16は、状態通知の内容を説明するための説明図である。状態通知の具体的データには、「STX」、「電文長」、「コマンド」、「エラー情報」、「状態情報」、「ETX」、および「エラーチェックコード」のデータが含まれている。「STX」は、伝送制御コードである。「電文長」は、コマンドからエラーチェックコードまでの電文の長さである。
「エラー情報」は、払出制御部171で発生したエラー情報が含まれ、前飾り・裏機構部開放、不正電波検知などがある。「状態情報」は、払出制御部171側による制御状態を表す情報が含まれ、遊技球数表示オーバーフロー、遊技者不在通知および依存防止報知がある。払出制御基板17から主制御基板16に通知される情報は、払出制御部171で発生したエラー情報(遊技球数表示オーバーフローを含む)や遊技者不在通知(待機状態)の情報に限定されている、なお、払出制御基板17から主制御基板16に通知される情報に、球詰まり等により遊技不能状態となった場合に遊技中の状態のまま遊技の進行を一時停止させる情報を含ませてもよい。
払出制御基板17から主制御基板16へ認証情報以外に上記の情報を通知することができる構成であるが、主制御基板16の認証情報は、ハードウェア的に他の情報から分離されているので、主制御基板16で実行するプログラムから読み出すことができず、払出制御基板17から干渉することができない。また、主制御基板16と払出制御基板17との認証シーケンスは、情報が暗号化されているので不正な情報を主制御基板16および払出制御基板17が受け取ることはない。
(性能項目)
次に、P台2で集計している性能項目について説明する。図17は、集計している性能項目の一覧表である。なお、表中の「作動口」とは、役物が作動する始動口のことであり、たとえば2種タイプのおとしなどである。図17に示すように、総発射遊技球数、総獲得遊技球数などの性能項目は、主制御基板16で集計され、図14および図15に示す遊技情報通知で払出制御基板17に送信される。また、普通電動役物による獲得遊技球数や役物比率などの性能項目は、主制御基板16で収集された情報に基づき、払出制御基板17で集計している。なお、主制御基板16で収集された情報は、図14および図15に示す遊技情報通知で払出制御基板17に送信される。
ここで、役物比率(役比ともいう)とは、10時間に発射させた遊技玉により獲得する遊技玉のうち役物の作動によるものの割合をいう。遊技機の認定および型式の認定等に関する規則において、役物比率は70%以下でなければならないことが定められている。本実施の形態においては、役物比率は、10時間に発射させたパチンコ玉(1分間に100玉発射可能であるので、60,000玉)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応するパチンコ玉の個数のうち、役物の1つである電動チューリップで構成される始動入賞口276、および、役物の1つである可変入賞球装置で構成される大入賞口271へのパチンコ玉の入賞によって付与される遊技価値に対応するパチンコ玉の個数の割合をいう。
連続役物比率(連比ともいう)とは、10時間に発射させた遊技玉により獲得する遊技玉の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるものの割合をいう。遊技機の認定および型式の認定等に関する規則において、連続役物比率は60%以下でなければならないことが定められている。本実施の形態においては、連続役物比率は、10時間に発射させたパチンコ玉(1分間に100玉発射可能であるので、60,000玉)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応するパチンコ玉の個数のうち、役物の1つである可変入賞球装置が設けられた大入賞口271へのパチンコ玉の入賞によって付与される遊技価値に対応するパチンコ玉の個数の割合をいう。
性能項目の集計は、図17に示す計算上必要な情報と計算方法に基づいて行われる。たとえば、総発射遊技球数は、発射球数を累積することで集計することができる。また、役物比率は、賞球数、役物動作賞球数を用いてそれぞれの累積値を求め、役物動作賞球数の累積値を賞球数の累積値で割った値を100倍することで集計することができる。
性能項目の出力は、図17に示すようにCU3へ出力したり、払出制御基板17の表示器(たとえば、遊技玉数表示器29)で表示したり、CU3の表示器312で表示したりすることが可能である。たとえば、総発射遊技球数、総獲得遊技球数などの性能項目は、CU3へ出力し、払出制御基板17の表示器で表示し、CU3の表示器312でも表示する。普通電動役物による獲得遊技球数や役物比率などの性能項目は、CU3へ出力せず、払出制御基板17の表示器に表示せず、CU3の表示器312にも表示しない。なお、払出制御基板17やCU3の表示器での表示方法は、(1)発射開始時より情報を累積する、(2)総発射遊技球数が60,000発未満までは点滅表示、(3)総発射遊技球数が60,000発以上になると点灯表示に切替え、以降は情報を累積して表示する。払出制御基板17やCU3の表示器での表示切替方法は、(1)遊技球クリアスイッチ押下で表示項目選択(たとえば、表示番号で選択)、(2)球抜きスイッチで表示項目を確定して表示する。
<遊技盤面判定>
図17に示した性能項目を用いて遊技盤面の判定を行う処理について説明する。
(設計値取得処理)
まず、払出制御部171が設計値を取得する処理について説明する。図18は、設計値取得処理を説明するためのフローチャートである。図18を参照して、まず、払出制御基板17の払出制御部171は、P台2の起動時であるか否かを判断する(ステップS101)。起動時であるか否かは、払出制御部171が起動時処理を実行中であるか否かで判断することができる。起動時でない(ステップS101でNO)と判断した場合、払出制御部171は、この設計値取得処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
P台2の起動時である(ステップS101でYES)と判断した場合、払出制御部171は、機種名、メインチップID、役物無しの第n入賞口(ここでは、大入賞口271以外の入賞口に番号nを付する。たとえば、普通入賞口272〜274をそれぞれ番号1〜3、つまり第1入賞口〜第3入賞口とし、始動入賞口275〜277をそれぞれ番号4〜6、つまり第4入賞口〜第6入賞口とする。このため、役物無しの入賞口は、第1入賞口〜第4入賞口,第6入賞口である。)の1個の入賞に対する賞球数An(たとえば、第1入賞口〜第3入賞口は、3個、第4入賞口,第6入賞口は、5個)と、役物有りの始動入賞口276(ここでは、第5入賞口)の1個の入賞に対する賞球数As(たとえば、5個)と、大入賞口271の1個の入賞に対する賞球数Ab(たとえば、3個)とを、主制御基板16から取得し、払出制御部171のRAMに記憶させる(ステップS102)。
次に、払出制御部171は、主制御基板16から取得した機種名およびメインチップIDに対応する、低ベース時ベース下限値Bllと、低ベース時ベース上限値Bluと、高ベース時ベース下限値Bhlと、高ベース時ベース上限値Bhuとを、遊技機管理サーバから取得し、払出制御部171のRAMに記憶させる(ステップS103)。たとえば、Bll=30,Blu=39,Bhl=80,Bhu=95である。その後、払出制御部171は、この設計値取得処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
(通過数加算処理)
次に、主制御基板16側で処理される通過数加算処理および集計処理について説明する。当該処理により、主制御基板16側で総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出玉率、高ベースおよび低ベースに関する情報を集計することができる。
図19は、主制御基板16において通過数加算処理を説明するためのフローチャートである。図19を参照して、主制御基板16は、大当り遊技状態であるか否かを判断する(ステップS121)。大当り遊技状態でない(ステップS121でNO)と判断した場合、主制御基板16は、高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS122)。
高ベース状態でない(ステップS122でNO)と判断した場合、つまり、大当り遊技状態でなく、かつ、低ベース状態である場合、アウト玉検出スイッチ164から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS123)。受信した(ステップS123でYES)と判断した場合、低ベース時のアウト口の通過数plを1加算する(ステップS124)。
また、第n入賞口(本実施の形態では第1入賞口から第6入賞口)には、それぞれ、入賞した遊技玉を検出する検出スイッチが設けられる。アウト玉検出スイッチ164から検出信号を受信していない(ステップS123でNO)と判断した場合、および、ステップS124の後、主制御基板16は、第n入賞口の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS125)。
受信した(ステップS125でYES)と判断した場合、低ベース時の第n入賞口の通過数qlnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS126)。ただし、主制御基板16は、高ベースに遊技状態が変化した場合、その後の第n入賞口のカウント数(入賞個数)を高ベース時のアウト口の通過数phnに加算する。
一方、高ベース状態である(ステップS122でYES)と判断した場合、つまり、大当り遊技状態でなく、かつ、高ベース状態である場合、アウト玉検出スイッチ164から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS127)。受信した(ステップS127でYES)と判断した場合、高ベース時のアウト口の通過数phを1加算する(ステップS128)。
アウト玉検出スイッチ164から検出信号を受信していない(ステップS127でNO)と判断した場合、および、ステップS128の後、主制御基板16は、第n入賞口の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS129)。受信した(ステップS129でYES)と判断した場合、高ベース時の第n入賞口の通過数qhnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS130)。ただし、主制御基板16は、低ベースに遊技状態が変化した場合、その後の第n入賞口のカウント数(入賞個数)を低ベース時のアウト口の通過数plnに加算する。
大当り遊技状態である(ステップS121でYES)と判断した場合、第n入賞口の検出情報を含むコマンドを受信していない(ステップS125,ステップS129でNO)と判断した場合、ステップS126の後、および、ステップS130の後、主制御基板16は、役物を有さない第n入賞口(本実施の形態では、第1入賞口〜第4入賞口,第6入賞口)の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS131)。受信した(ステップS131でYES)と判断した場合、主制御基板16は、第n入賞口の通過数qnにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS132)。
第n入賞口の検出信号を受信していない(ステップS131でNO)と判断した場合、および、ステップS132の後、主制御基板16は、役物を有する始動入賞口276の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS133)。受信した(ステップS133でYES)と判断した場合、主制御基板16は、役物を有する始動入賞口276の通過数qsにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS134)。
役物を有する始動入賞口276の検出信号を受信していない(ステップS133でNO)と判断した場合、および、ステップS134の後、主制御基板16は、大入賞口271の検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS135)。受信した(ステップS135でYES)と判断した場合、主制御基板16は、大入賞口271の通過数qbにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS136)。
大入賞口271の検出信号を受信していない(ステップS135でNO)と判断した場合、および、ステップS136の後、主制御基板16は、アウト玉検出スイッチ164から検出信号を受信したか否かを判断する(ステップS137)。受信した(ステップS137でYES)と判断した場合、主制御基板16は、発射玉数rを1加算する(ステップS138)。
さらに、アウト玉検出スイッチ164から検出信号を受信していない(ステップS137でNO)と判断した場合、および、ステップS138の後、主制御基板16は、全入賞口の検出信号を含むコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS139)。受信した(ステップS139でYES)と判断した場合、主制御基板16は、発射玉数rにカウント数(入賞個数)を加算する(ステップS140)。
主制御基板16は、全入賞口の検出信号を受信していない(ステップS139でNO)と判断した場合、主制御基板16は、この通過数加算処理を終了する。
(集計処理)
図20は、主制御基板16おいて集計処理を説明するためのフローチャートである。図20を参照して、主制御基板16は、高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS301)。
高ベース状態でない(ステップS301でNO)と判断した場合、主制御基板16は、低ベース時のアウト玉数rl=pl+Σqlnを計算する(ステップS302)。そして、主制御基板16は、算出した低ベース時のアウト玉数rl=100であるか否かを判断する(ステップS303)。
低ベース時のアウト玉数rl=100である(ステップS303でYES)と判断した場合、低ベース時のセーフ玉数sl=Σ(An×pln)を計算する(ステップS304)。また、低ベース時ベースbl=100×sl/rlを計算して、RAMに記憶させる(ステップS305)。
高ベース状態(ステップS301でYES)と判断した場合、低ベース時のアウト玉数rl=100でない(ステップS303でNO)と判断した場合、および、ステップS305の後、主制御基板16は、高ベース時のアウト玉数rh=ph+Σqhnを計算する(ステップS306)。そして、主制御基板16は、算出した高ベース時のアウト玉数rh=100であるか否かを判断する(ステップS307)。
高ベース時のアウト玉数rh=100である(ステップS307でYES)と判断した場合、高ベース時のセーフ玉数sh=Σ(An×phn)を計算する(ステップS308)。また、高ベース時ベースbh=100×sh/rhを計算して、RAMに記憶させる(ステップS309)。
その後、主制御基板16は、全入賞口の賞球数q=(Ab×qb)+Σ(An×pln)+Σ(An×phn)+Σ(An×pn)+(As×ps)を計算する(ステップS310)。さらに、主制御基板16は、出玉率dp=q/rを計算して、RAMに記憶させる(ステップS311)。
(遊技盤面判定関連処理)
次に、設計値取得処理で取得した設計値と、主制御基板16側で集計した情報に基づいて払出制御基板17側で行う遊技盤面判定関連処理について説明する。図21は、遊技盤面判定関連処理を説明するためのフローチャートである。図21を参照して、払出制御部171は、判定値算出対象外期間であるか否かを判断する(ステップS111)。判定値算出対象外期間とは、ベース、役物比率および連続役物比率などの判定値の算出の対象から除外する期間のことであり、たとえば、ガラス扉6や前枠5が開放中である期間、パチンコ玉の非発射期間(たとえば、最後にパチンコ玉を発射してから15秒経過後の期間)、および、遊技場の閉店中の期間などの、店員等による不正が可能な期間である。判定値算出対象外期間である(ステップS111でYES)と判断した場合、払出制御部171は、この遊技盤面判定関連処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
判定値算出対象外期間でない(ステップS111でNO)と判断した場合、払出制御部171は、図19および図20で集計した通過数を取得する処理を実行する(ステップS120)。
払出制御部171は、ステップS120で取得した情報に基づき、低ベース時ベース下限値Bll<低ベース時ベースbl<低ベース時ベース上限値Bluであるか否かを判断する(ステップS145)。Bll<Bl<Bluである(ステップS145でYES)と判断した場合、払出制御部171は、低ベース時ベース異常情報をCU3を介して遊技機管理サーバに出力する(ステップS146)。
Bll<Bl<Bluでない(ステップS145でNO)と判断した場合、および、ステップS146の後、払出制御部171は、pl,qlnを0にリセットする(ステップS147)。
次に、払出制御部171は、ステップS120で取得した情報に基づき、高ベース時ベース下限値Bhl<高ベース時ベースbh<高ベース時ベース上限値Bhuであるか否かを判断する(ステップS155)。Bhl<Bh<Bhuである(ステップS155でYES)と判断した場合、払出制御部171は、高ベース時ベース異常情報をCU3を介して遊技機管理サーバに出力する(ステップS156)。
Bhl<Bh<Bhuでない(ステップS155でNO)と判断した場合、および、ステップS156の後、払出制御部171は、ph,qhnを0にリセットする(ステップS157)。
次に、払出制御部171は、役物無しの入賞口(ここでは、第1入賞口〜第4入賞口,第6入賞口)の賞球数sn=Σ(An×qn)を計算し(ステップS162)、役物有りの入賞口(ここでは、第5入賞口)の賞球数ss=As×qsを計算し(ステップS163)、大入賞口271の賞球数sb=Ab×qbを計算する(ステップS164)。
次に、払出制御部171は、役物比率u=100×(ss+sb)/(sn+ss+sb)を計算して、RAMに記憶させ(ステップS165)、連続役物比率v=100×sb/(sn+ss+sb)を計算して、RAMに記憶させる(ステップS166)。
次に、発射玉数r=60000であるか否かを判断する(ステップS167)。本実施の形態のP台2は、1分で100玉のパチンコ玉を遊技領域27に発射することが可能である。このため、60000玉は、10時間で発射可能な玉数である。発射玉数r=60000である(ステップS161でYES)と判断した場合、払出制御部171は、遊技玉数表示器29の7セグメント式のLEDディスプレイに、ステップS164で計算した大入賞口271の賞球数などの情報を点灯して表示する(ステップS168)。
発射玉数r=60000でない(ステップS167でNO)と判断した場合、払出制御部171は、遊技玉数表示器29の7セグメント式のLEDディスプレイに、ステップS164で計算した大入賞口271の賞球数などの情報を点滅して表示する(ステップS169)。
そして、払出制御部171は、役物比率u>70%であるか否かを判断する(ステップS171)。u>70%である(ステップS171でYES)と判断した場合、払出制御部171は、役物比率異常情報をCU3を介して遊技機管理サーバに出力する(ステップS172)。
役物比率u>70%でない(ステップS171でNO)と判断した場合、および、ステップS172の後、払出制御部171は、連続役物比率v>60%であるか否かを判断する(ステップS173)。v>60%である(ステップS173でYES)と判断した場合、払出制御部171は、連続役物比率異常情報をCU3を介して遊技機管理サーバに出力する(ステップS174)。
連続役物比率v>60%でない(ステップS173でNO)と判断した場合、および、ステップS174の後、払出制御部171は、この遊技盤面判定関連処理を終了し、実行する処理を呼出元に戻す。
<遊技盤面判定関連処理の変形例>
図22は、遊技盤面判定関連処理の変形例を説明するためのフローチャートである。図22を参照して、この変形例は、図21で説明した遊技盤面判定関連処理のステップS145〜ステップS147の部分のステップS146とステップS147との間に、図22で示すように、ステップS183〜ステップS186を追加したものである。
Bll<Bl<Bluでない(ステップS145でNO)と判断した場合、および、ステップS146の後、払出制御部171は、低ベース時の入賞口ごとのセーフ玉数sln=An×qlnを計算する(ステップS183)。また、低ベース時の入賞口ごとのベースbln=100×sln/rlを計算して、RAMに記憶させる(ステップS184)。
次に、払出制御部171は、低ベース時の入賞口ごとのベース下限値Blln<低ベース時のベースごとのベースbln<低ベース時の入賞口ごとのベース上限値Blunであるか否かを判断する(ステップS185)。Blln,Blunは、図18のステップS103と同様、遊技機管理サーバから予め取得され、記憶されている。Blln<Bln<Blunである(ステップS185でYES)と判断した場合、払出制御部171は、入賞口ベース異常情報をCU3を介して遊技機管理サーバに出力する(ステップS186)。
Blln<Bln<Blunでない(ステップS185でNO)と判断した場合、および、ステップS186の後、払出制御部171は、pl,qlnを0にリセットする(ステップS147)。
なお、前述した実施の形態においては、図19および図20の処理は、主制御部161によって実行されるようにした。しかし、これに限定されず、払出制御部171によって実行されるようにしてもよい。また、前述した実施の形態においては、図18、図21および図22の処理は、払出制御部171によって実行されるようにした。しかし、これに限定されず、主制御部161によって実行されるようにしてもよい。
また、前述した実施の形態においては、図21のステップS146およびステップS156において、ベースが異常である場合、その旨の情報を外部に出力するようにした。しかし、これに限定されず、ベースが異常である旨を遊技機で単に表示するようにしてもよい。この場合、ベースが異常である旨を、払出制御基板17上に設けた表示器、または、払出制御基板17に接続された表示器に表示させるようにしてもよい。
また、前述した実施の形態において、図18から図22の処理は、主制御部161から払出制御部171への一方向通信において実行される。しかし、これに限定されず、主制御部161と払出制御部171とが双方向通信を行なうようにしても、図18から図22の処理をそのまま実行することができる。
<遊技用システム>
前述の実施形態においては、ベースの適否に関する情報を遊技機の外部に出力可能な遊技機(たとえばP台2)、遊技用装置(たとえば、CU3)、および、これらを備えた遊技用システムについて示した。しかし、遊技用システムは、これに限定されず、役物比率および連続役物比率を算出し、外部に出力可能または表示可能な遊技機(たとえばP台2)、遊技枠(たとえば前枠5)、遊技用装置(たとえば、CU3)、管理装置(たとえば、図23に示す遊技機管理サーバ802、鍵管理サーバ800、または、持玉管理サーバ803)、および、これらを備えた遊技用システム(たとえば、遊技システム)であってもよい。
図23は、管理装置を備える遊技システムの概略を説明するための図である。図23を参照して、遊技システムは、遊技機管理サーバ802と、鍵管理サーバ800と、持玉管理サーバ803と、カードユニット(CU)3,3Aと、パチンコ遊技機(P台)2と、スロットマシン2Aとを含む。
鍵管理サーバ800は、CU3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。遊技機管理サーバ802は、たとえば、複数の遊技機メーカが加盟する団体によって運営される遊技機を管理する組織に設けられ、遊技場に設置された遊技機が設計値と異なる異常な状態となっていないかを確認することによって遊技機を管理するサーバである。持玉管理サーバ803は、遊技場ごとに設置され、その遊技場で発行される会員カードやビジターカードのカードIDに対応付けて持玉数や貯玉数を記憶する。なお、持玉管理サーバ803と前述の実施形態で示したホールサーバ801とが、別々のコンピュータで構成されることとしたが、1つのコンピュータで構成されていてもよい。
P台2およびCU3,3Aは、前述の実施形態で説明したものと同様である。スロットマシン2Aは、たとえば、メダルが封入された封入循環式スロットマシンであるが、これに限定されず、従来のメダルが封入されていないスロットマシンであってもよい。P台2は、パチンコ玉が封入された封入循環式パチンコ遊技機であるが、これに限定されず、従来のパチンコ玉が封入されていないパチンコ遊技機であってもよい。
遊技機管理サーバ802および鍵管理サーバ800などの遊技場の外部のサーバは、インターネットや公衆無線LAN(Local Area Network)などのパブリックネットワーク700を介して、持玉管理サーバ803およびホールサーバ801などの遊技場の内部のサーバと通信可能である。
持玉管理サーバ803およびホールサーバ801などの遊技場の内部のサーバは、LANやVPN(Virtual Private Network)などのプライベートネットワーク900を介して、CU3、P台2およびスロットマシン2Aと通信可能である。
図24は、管理装置を備える遊技システムにおける遊技盤面判定処理を説明するためのフローチャートである。図24を参照して、払出制御基板17の払出制御部171は、主制御基板16から遊技情報を受信したか否かを判断する(ステップS221)。払出制御基板17は、主制御基板16から図14および図15で示したように遊技情報の受信によって通信が行われている。具体的に、遊技情報は、主制御基板16の主制御部161によって、前の制御周期以後の、遊技玉が入賞した入賞口の種別と、入賞口の番号と、その入賞口に対する賞球玉数と、その入賞口への入賞個数とを記憶しておき、記憶しておいたこれらのデータに基づいて生成される。この遊技情報は、払出制御部171によって、この処理で用いられることに加えて、状態情報応答コマンドに含められて、P台2からCU3に送信される。
さらに、遊技情報には、入賞口の種別、入賞口の番号、賞球玉数、入賞個数などのデータとは別に遊技状態(大当り中やベースなど)の情報も含めて記憶されている。そのため、払出制御部171は、当該遊技情報に基づいて、どの遊技機状態において遊技玉が入賞して賞球が払出されたのかを区別することが可能となる。
受信していない(ステップS221でNO)と判断した場合、払出制御部171は、実行する処理をステップS232に進める。一方、受信した(ステップS221でYES)と判断した場合、判定値算出対象外期間であるか否かを判断する(ステップS222)。
判定値算出対象外期間とは、図21のステップS111で説明したように、ベース、役物比率および連続役物比率などの判定値の算出の対象から除外する期間のことであり、たとえば、ガラス扉6や前枠5が開放中である期間、パチンコ玉の非発射期間(たとえば、最後にパチンコ玉を発射してから15秒経過後の期間)、および、遊技場の閉店中の期間などの、遊技場の係員等による不正が可能な期間である。
判定値算出対象外期間である(ステップS222でYES)と判断した場合、払出制御部171は、実行する処理をステップS232に進める。一方、判定値算出対象外期間でない(ステップS222でNO)と判断した場合、払出制御部171は、受信した遊技情報が、大入賞口の役物連続作動を示す遊技情報であるか否かを判断する(ステップS223)。
大入賞口の役物連続作動を示す遊技情報である(ステップS223でYES)と判断した場合、払出制御部171は、遊技情報の下位バイト(カウント数情報)が示す、賞球玉数と入賞個数とを乗算し、払出制御部171のRAMの加算エリアの大入賞口賞球数sb,総賞球数saに加算する(ステップS224)。その後、払出制御部171は、実行する処理をステップS232に進める。
大入賞口の役物連続作動を示す遊技情報でない(ステップS223でNO)と判断した場合、払出制御部171は、受信した遊技情報が、入賞口の役物作動有りを示す遊技情報であるか否かを判断する(ステップS225)。
入賞口の役物作動有りを示す遊技情報である(ステップS225でYES)と判断した場合、払出制御部171は、遊技情報の下位バイト(カウント数情報)が示す、賞球玉数と入賞個数とを乗算し、払出制御部171のRAMの加算エリアの役物作動入賞口賞球数ss,総賞球数saに加算する(ステップS226)。その後、払出制御部171は、実行する処理をステップS232に進める。
入賞口の役物作動有りを示す遊技情報でない(ステップS225でNO)と判断した場合、払出制御部171は、受信した遊技情報が、入賞口の役物作動無しを示す遊技情報であるか否かを判断する(ステップS227)。
入賞口の役物作動無しを示す遊技情報である(ステップS227でYES)と判断した場合、払出制御部171は、遊技情報の下位バイト(カウント数情報)が示す、賞球玉数と入賞個数とを乗算し、払出制御部171のRAMの加算エリアの総賞球数saに加算する(ステップS228)。その後、払出制御部171は、実行する処理をステップS232に進める。
払出制御部171は、払出制御部171のRAMの保持エリアの最も古い役物作動入賞口賞球数ss,大入賞口賞球数sb,総賞球数saを消去し(ステップS232)、加算エリアの役物作動入賞口賞球数ss,大入賞口賞球数sb,総賞球数saを保持エリアに移動し(ステップS233)、発射玉数rを0にリセットする(ステップS234)。
次に、役物比率u=100×Σ(ss+sb)/Σsaを計算し、CU3を介して持玉管理サーバ803に送信する(ステップS235)。また、連続役物比率v=100×Σsb/Σsaを計算し、CU3を介して持玉管理サーバ803に送信する(ステップS236)。
持玉管理サーバ803は、役物比率u,連続役物比率vを受信すると、受信した役物比率u,連続役物比率vを、送信元の遊技機を識別するためのメインチップIDと対応付けて記憶する。記憶された役物比率u,連続役物比率vは、持玉管理サーバ803で表示させることが可能である。
なお、ここでは、役物比率uおよび連続役物比率vが、持玉管理サーバ803に送信され、表示可能となるようにした。しかし、これに限定されず、持玉管理サーバ803に替えて、ホールサーバ801など他の遊技場の内部のサーバや、鍵管理サーバ800や遊技機管理サーバ802などの遊技場の外部のサーバなどの他の管理装置であってもよいし、CU3などの遊技用装置であってもよい。
そして、払出制御部171は、役物比率u>70%であるか否かを判断する(ステップS241)。u>70%である(ステップS241でYES)と判断した場合、払出制御部171は、役物比率異常情報をCU3を介して遊技機管理サーバ802に出力する(ステップS242)。
役物比率u>70%でない(ステップS241でNO)と判断した場合、および、ステップS242の後、払出制御部171は、連続役物比率v>60%であるか否かを判断する(ステップS243)。v>60%である(ステップS243でYES)と判断した場合、払出制御部171は、連続役物比率異常情報をCU3を介して遊技機管理サーバ802に出力する(ステップS244)。遊技機管理サーバ802においては、これらの異常情報を受信した場合、異常情報が、遊技機を特定可能な情報(たとえば、メインチップID)とともに記憶されるとともに、異常情報に基づいて、異常情報の種類および遊技機を特定可能な情報を報知する報知処理が実行される。
なお、ここでは、役物比率異常情報および連続役物比率異常情報が、遊技機管理サーバ802に送信され、遊技機管理サーバ802において異常が報知されるようにした。しかし、これに限定されず、遊技機管理サーバ802に替えて、ホールサーバ801や持玉管理サーバ803など遊技場の内部のサーバや、鍵管理サーバ800などの遊技場の外部の他のサーバなどの他の管理装置であってもよいし、CU3などの遊技用装置であってもよい。
連続役物比率v>60%でない(ステップS243でNO)と判断した場合、および、ステップS244の後、払出制御部171は、役物比率/連続役物比率を表示させる操作が有ったか否かを判断する(ステップS251)。当該操作は、たとえば、払出制御基板17に設けられた役物比率/連続役物比率を表示させるための操作スイッチが操作されることで行なわれる。
表示操作が無い(ステップS251でNO)と判断した場合、払出制御部171は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。一方、表示操作が有った(ステップS251でYES)と判断した場合、払出制御部171は、役物比率u=100×Σ(ss+sb)/Σsaを計算し、払出制御基板17に設けた基板上表示器(図示せず)に、3秒間、表示させる(ステップS252)。このときに、保持エリアに60,000発のデータが記憶されていない場合は、点滅させて表示する。
次に、払出制御部171は、連続役物比率v=100×Σsb/Σsaを計算し、払出制御基板17に設けた基板上表示器に、3秒間、表示させる(ステップS253)。このときに、保持エリアに60,000発のデータが記憶されていない場合は、点滅させて表示する。その後、払出制御部171は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
なお、図24のステップS252,ステップS253で示したように、P台2などの遊技機において役物比率uおよび連続役物比率vが算出され、表示されるようにした。
しかし、これに限定されず、以下のようにしてもよい。遊技情報(または遊技情報を含む状態情報応答などの情報)がCU3に送信され、CU3において、役物比率uおよび連続役物比率vが算出され、表示されるようにしてもよい。また、CUにおいて、算出された役物比率uおよび連続役物比率vが異常か判定し、異常と判定した場合に異常の発生を報知するようにしてもよい。また、算出された役物比率uおよび連続役物比率vが管理装置に送信され、管理装置において役物比率uおよび連続役物比率vが表示されるようにしてもよい。
また、遊技情報がCU3を介してまたは介さず、ホールサーバ801や持玉管理サーバ803などの遊技場の内部のサーバまたは鍵管理サーバ800や遊技機管理サーバ802などの遊技場の外部のサーバなどの管理装置に送信され、管理装置において、役物比率uおよび連続役物比率vが算出され、表示されるようにしてもよい。また、管理装置において、算出された役物比率uおよび連続役物比率vが異常か判定し、異常と判定した場合に異常の発生を報知するようにしてもよい。また、算出された役物比率uおよび連続役物比率vが他の管理装置に送信され、他の管理装置において役物比率uおよび連続役物比率vが表示されるようにしてもよい。
<年齢確認表示>
遊技機において遊技できる年齢は法律により定められており、遊技を始める前に年齢確認表示が表示され、遊技者が年齢確認を行わなければ遊技機禁止される構成について説明する。以下に、一般カードまたは会員カードを用いて遊技を行う場合の年齢確認について説明する。なお、カードを用いず現金で遊技を行う場合も同様の年齢確認を行う。図25は、カードが挿入されたときのCU3およびP台2の処理に関するシーケンスである。まず、CU3とP台2との間での通信について説明する。CU3(1次局)からP台2(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。つまり、CU3とP台2との間での通信は、CU3を1次局、P台2を2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3からP台2への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2からCU3へのレスポンスの送信を行った後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
図25に示すCU3は、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3では、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。なお、カードリーダライタが読取ったカードに記録されている情報(カードID等)をCU3で記憶してもよい。
CU3は、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801に問合せて認証している最中であることを表示器312に表示するとともにP台2側の表示器54に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3は、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて年齢確認表示を行う。具体的に、図26は、表示装置に表示する年齢確認表示の一例を示す図である。図26に示す年齢確認表示は、たとえば、P台2に設けられたタッチパネル付の液晶表示装置30に表示される。P台2では、年齢確認表示を表示している間も遊技禁止の状態であるため、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2側の表示器54は、CU3の表示制御部350により表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされているが、表示器54に年齢確認表示を表示してもよい。
CU3は、カードの問合せ中、および年齢確認表示中、通番=n+2、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、図26に示す年齢確認表示に対して遊技者がタッチパネルを操作して年齢確認を行い、たとえば18歳以上である「はい」を選択すると、CU3との通信を継続して状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。一方、遊技者がタッチパネルを操作して18歳未満である「いいえ」を選択した場合、液晶表示装置30に遊技禁止表示が表示されCU3との通信が切断される。P台2との通信が切断されたCU3は、挿入されているカードの問い合わせを中止してカードを返却する。なお、遊技者がタッチパネルを操作して18歳未満である「いいえ」を選択した場合、または年齢確認自体を行わない場合には、遊技玉への変換処理(球貸しを行わない)等により、CU3内で処理を完結してホールサーバ801に問合せなどを中止してもよい。さらに、遊技者がタッチパネルを操作して18歳未満である「いいえ」を選択した場合、または年齢確認自体を行わない場合には、管理装置(ホールサーバ801、ホールコン、または持ち玉管理サーバなど)に対して外部信号出力し、店員に対して当該遊技者(厳密にはそもそも遊技していないので単なる入店者)の退店を促すようにしてもよい。
遊技者の年齢が18歳以上であると年齢確認が行われた後、CU3は、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323のRAMに記憶させるとともに、通番=n+3、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325を通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2では、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171のRAM等にバックアップするとともに、通番=n+3を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323のRAM等に記憶する。
CU3は、それを受けて、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信することで、カード挿入中である状態をP台2に対して通知する。P台2は、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信することで、遊技許可中である状態をCU3に対して通知する。
カード挿入中、CU3は、通番=n+5、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<依存防止報知>
P台2において、遊技者に対して遊技への依存を防止するための依存防止報知(のめり込み防止表示、喚起表示)を実行することも可能である。たとえば、払出制御部171は、RAMに記憶されている玉貸積算額が所定額以上となったか否かを判断する。所定額は、遊技者が遊技に依存している(のめり込んでいる)と判断するための遊技に使用した金額の基準額である。
玉貸積算額が所定額以上となったと判断した場合、払出制御部171は、RAMに記憶されている依存防止報知コードに応じたコマンドを報知制御部211に送信する。さらに、払出制御部171は、依存防止報知を実行する条件が成立したことをCU3に送信する。これにより、CU3は、依存防止報知が実行されることを把握することができる。CU3は、依存防止報知を実行する条件が成立したことを受信した場合、依存防止報知を表示器54において実行するようにしてもよいし、入金を制限するようにしてもよいし、玉貸ボタン321が操作されても玉貸のための処理が実行されないように制限するようにしてもよいし、遊技店の内部の管理装置や遊技店の外部の管理サーバにその旨を通知するようにしてもよい。管理装置や管理サーバは、依存防止報知を実行する条件が成立したことを遊技店の店員に伝達するようにしてもよいし、さらに、そのP台2を特定するための情報、または、遊技者を特定するための情報を遊技店の店員に伝達するようにしてもよい。遊技店の店員は、これらの情報から遊技者を特定し、依存防止報知を実行する条件が成立していることを遊技者に伝えたり、遊技者に対して遊技の終了を促したりしてもよい。
報知制御部211は、依存防止報知コードに応じたコマンドを払出制御部171から受信した場合、報知制御部211は、受信したコマンドで示される依存防止報知の内容をROMから読出し、割込信号、および、依存防止報知の内容を示すデジタル信号(表示信号,音声信号)を切替基板22に送信する。
切替基板22は、割込信号を受信すると、演出制御部151からの表示信号および音声信号の入力から、報知制御部211からの依存防止報知の内容を示す表示信号および音声信号の入力に切替えて、報知制御部211からの依存防止報知の内容を示す表示信号および音声信号を、それぞれ、可変表示装置278およびスピーカ270に出力する。
スピーカ270は、依存防止報知の内容を示す音声信号に応じて、依存防止報知用の効果音を出力する。なお、効果音とともにまたは替えて、依存防止報知の内容の音声を出力するようにしてもよい。
可変表示装置278は、依存防止報知の内容を示す表示信号に応じて、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」といった旨の文字や、「のめり込みに注意しましょう。」といった旨の文字を表示する。
<本実施形態のまとめ>
(1) 遊技媒体(たとえば、遊技玉)を用いて遊技を行う遊技機(たとえば、パチンコ遊技機(以下、P台ともいう)2、スロットマシン(以下、S台ともいう))であって、
遊技の進行を制御する第1制御手段(たとえば、主制御部161)と、
遊技価値に関する情報(たとえば、遊技玉数を示す情報、発射玉数を示す情報)を管理する第2制御手段(たとえば、払出制御部171)とを備え、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段によって制御される所定事象(たとえば、遊技玉の発射)が発生し得る状態において、当該所定事象が発生していないことを検知(たとえば、入賞センサ162による遊技玉の検出なし、アウト玉検出スイッチ164による遊技玉の検出なし)したことに基づいて、遊技の進行を停止する(たとえば、図7のステップS703)。
このような遊技機によれば、払出制御基板からの状態通知がなくても、主制御基板において払出制御基板による制御状態を把握して遊技の進行を制御することができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記第1制御手段は、遊技者にとって有利となる有利状態(たとえば、大当り)に遊技の進行を制御する際に、前記第2制御手段において前記所定事象が発生していないことを検知可能である(たとえば、図7のステップS702)。
このような構成によれば、有利状態において遊技の進行が停止されるので、遊技者が有利状態にて遊技価値を得られない状態を回避することができる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段において前記所定事象が発生していないことを検知して遊技の進行を停止したことに基づいて、遊技の停止情報を前記第2制御手段に通知する(たとえば、図7のステップS703)。
このような構成によれば、遊技の進行を停止したことを第2制御手段に対して適切に通知できる。
(4) 上記(3)の遊技機において、
前記第2制御手段は、所定の異常を検知し、かつ前記第1制御手段から前記停止情報の通知を受けたことに基づいて、前記停止情報を外部に通知する(たとえば、図7のステップS714)。
このような構成によれば、遊技の進行を停止したことを外部に対して適切に通知することができ、遊技店の店員による遊技機の点検を促すことができる。
(5) 上記(3)または(4)の遊技機において、
前記第2制御手段は、
遊技媒体を発射する発射操作を検知した(たとえば、発射玉検出スイッチ903)ことに基づいて遊技媒体の発射制御を行うとともに遊技価値の減算を行い、
前記第1制御手段から前記停止情報の通知を受けた後に、遊技媒体を発射する発射操作を検知したことに基づいて遊技価値の減算を行わないように制御する(たとえば、図7のステップS715)。
このような構成によれば、店員の点検に伴う発射を考慮した制御を実現することができ、遊技者が所有している遊技玉数を減算させることによる不利益の発生を回避することができる。
(6) 上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記第1制御手段は、遊技の進行を停止した後に、前記所定事象が発生したことを検知(たとえば、入賞センサ162による遊技玉の検出あり、アウト玉検出スイッチ164による遊技玉の検出あり)したことに基づいて、遊技の進行を再開する(たとえば、図7のステップS704でYES)。
このような構成によれば、円滑に遊技の進行を再開することができる。
(7) 上記(6)の遊技機において、
前記第1制御手段は、遊技領域を覆う扉の開閉を検知する(たとえば、扉開閉スイッチ165)ことが可能であり、前記扉の開放中に前記所定事象として遊技媒体が所定の開口部の通過を検知(たとえば、入賞センサ162による遊技玉の検出あり、アウト玉検出スイッチ164による遊技玉の検出あり)したことに基づいて、停止していた遊技の進行を再開する。
このような構成によれば、店員の点検に伴う扉の開閉を検知したことを条件とするため、適切に遊技の進行を再開することができる。
(8) 上記(1)から(7)のいずれかの遊技機において、
前記第1制御手段は、遊技媒体を発射する発射装置の操作部の状態を検知(たとえば、発射強度センサ166)することが可能であり、遊技媒体を発射する前記操作部の状態を検知し、かつ前記第2制御手段において前記所定事象が発生していないことを検知(たとえば、入賞センサ162による遊技玉の検出なし、アウト玉検出スイッチ164による遊技玉の検出なし)したことに基づいて、遊技の進行を停止する。
このような構成によれば、遊技の進行を停止する判定精度を高めることができる。
(9) 遊技媒体(たとえば、遊技玉数)を用いて遊技を行う遊技機(たとえば、パチンコ遊技機(以下、P台ともいう)2、スロットマシン(以下、S台ともいう))であって、
遊技の進行を制御する第1制御手段(たとえば、主制御部161)と、
遊技価値に関する情報(たとえば、遊技玉数を示す情報、発射玉数を示す情報)を管理する第2制御手段(たとえば、払出制御部171)とを備え、
前記第1制御手段と前記第2制御手段とを接続する経路には、
所定の処理(たとえば、暗号化)を経た情報(たとえば、認証情報)を伝達する第1経路(たとえば、暗号通信路)と、
前記所定の処理を経ない情報(たとえば、エラー情報、状態情報)を伝達する第2経路(たとえば、平文通信路)とを含み、
前記第2制御手段は、特定事象(たとえば、払出制御部171の各種異常)が発生した場合に前記第2経路を介して前記特定事象に関する情報を前記第1制御手段に送信する。
このような構成によれば、双方向通信を行わなければ第2制御手段にて検知した所定事象に関する情報を第1制御手段に通知できない構成であっても、特定事象の発生に関する情報を第1制御手段に適切に通知できる。
(10) 上記(9)の遊技機において、前記特定事象は、前記第2制御手段で異常を検知した事象(たとえば、エラー情報)、遊技の依存に関する設定条件が成立した事象(たとえば、依存防止報知)、および遊技者が不在であると判断する条件が成立した事象(たとえば、遊技者不在通知)のうち少なくとも1つの事象を含む。
このような構成によれば、各種特定事象の発生を第1制御手段側で把握することが可能となる。
(11) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記第2制御手段は、前記第2経路を介して前記第2制御手段の状態を通知する情報(たとえば、図16に示す状態通知(平文))を前記第1制御手段に送信する。
このような構成によれば、第2制御手段の状態を第1制御手段に適切に通知することができる。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(2) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(3) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CUに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(4) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。