JP7444606B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技に関する。
遊技球が封入された封入式遊技機では、例えば、特許文献1に開示されているように、本体枠の左上部に発射装置を設けており、遊技球が発射装置の発射口から遊技盤に向けて発射され、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が、アウト口から遊技盤の後方に向けて流下する。
また、特許文献2に開示されている封入式遊技機では、遊技球を発射する発射ユニットが、遊技盤の下側に設けられた取付盤に、遊技領域の下方位置であって前面側から見て遊技盤のセンタよりやや右寄りに配置する位置に取り付けられている。そのため、特許文献2の遊技機では、ガイドレールの案内路の下端側の開口と発射ユニットの間に、発射ユニットで弾かれた遊技球のうち、遊技領域に至らずに流下したファール球を回収するファールレールおよびファール球検知センサが設けられる。ファール球検知センサがファール球を検知した場合、発射可能球数管理部は、これらファール球が検知された時点で発射可能球数を加算更新する。
特開2017-164318号公報 特開2012-196244号公報
特許文献2の遊技機のように、発射装置を本体枠の下部に設けた場合、ファールレールを戻って回収されるファール球以外に、ファール球の一部には発射装置へ戻る戻り球が存在し、当該戻り球に対して適切な減算処理が行われなければ管理している遊技点に齟齬が生じる虞があった。
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ファール球の一部である発射装置への戻り球に対して適切に減算処理を行うことができる遊技機を提供することである。
(1) 遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点に対応して遊技媒体(例えば、遊技球)を発射することにより遊技が可能となる遊技機(例えば、P台2)であって、
所定領域(例えば、遊技領域27)の下方に設けられ、前記所定領域に向けた遊技媒体の発射動作が可能な発射手段(例えば、発射機構30)と、
前記発射手段における遊技媒体の発射動作(例えば、発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力)に対応して生成された特別信号(例えば、減算基準信号)に基づいて遊技点の減算処理を実行する制御手段(例えば、枠制御基板17)と、
前記特別信号に基づいて前記発射手段への遊技媒体の搬送を実行する搬送手段(例えば、減算機構32)と、
前記発射手段で発射されて前記所定領域に到達しない遊技媒体を検知可能な特定検知手段(例えば、ファール球検出スイッチ703)と、前記搬送手段から前記発射手段にいたる前記搬送手段の出口側に設けられ、前記発射手段の発射位置にある遊技媒体を検知可能な特別検知手段と、備え、
前記特定検知手段が遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の加算処理を実行し(例えば、ファール球検出スイッチ703でファール球を検出した場合、遊技球数を1加算する)、
前記特別信号の出力後に前記特別検知手段で遊技媒体を検知しなくなってから前記搬送手段による遊技媒体の搬送が開始されるまでの期間内に前記特別検知手段(例えば、減算機構出口センサ32c)で遊技媒体を再び検知した場合、前記制御手段における遊技点の減算処理と、前記搬送手段における遊技媒体の搬送とを実行せず(例えば、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムは、減算処理を実行せず、減算機構32は可動片45を制御して遊技球の搬送を実行しない)に前記発射手段を動作させる(例えば、3回空打ち)。
このような構成によれば、特別検知手段で検知した発射手段へ戻る遊技媒体(戻り球)に対応した適切な遊技点の減算処理を実現できる。
(2) 遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点に対応して遊技媒体(例えば、遊技球)を発射することにより遊技が可能となる遊技機(例えば、P台2)の遊技枠(例えば、遊技枠5)であって、
所定領域(例えば、遊技領域27)の下方に設けられ、前記所定領域に向けた遊技媒体の発射動作が可能な発射手段(例えば、発射機構30)と、
前記発射手段における遊技媒体の発射動作(例えば、発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力)に対応して生成された特別信号(例えば、減算基準信号)に基づいて遊技点の減算処理を実行する制御手段(例えば、枠制御基板17)と、
前記特別信号に基づいて前記発射手段への遊技媒体の搬送を実行する搬送手段(例えば、減算機構32)と、
前記発射手段で発射されて前記所定領域に到達しない遊技媒体を検知可能な特定検知手段(例えば、ファール球検出スイッチ703)と、備え、
前記特定検知手段が遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の加算処理を実行し(例えば、ファール球検出スイッチ703でファール球を検出した場合、遊技球数を1加算する)、
前記特別信号の出力後、所定期間(例えば、戻り球監視期間)内に前記搬送手段に設けられた特別検知手段(例えば、減算機構出口センサ32c)で遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の減算処理と、前記搬送手段が遊技媒体の搬送とを実行せず(例えば、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムは、減算処理を実行せず、減算機構32は可動片45を制御して遊技球の搬送を実行しない)に前記発射手段を動作させる(例えば、3回空打ち)。
このような構成によれば、特別検知手段で検知した発射手段へ戻る遊技媒体(戻り球)に対応した適切な遊技点の減算処理を実現できる。
(3) 上記(1)の遊技機において、
前記特別検知手段は、前記搬送手段から前記発射手段の出口に設けられ(例えば、減算機構出口センサ32c)、
前記特別信号の受信後の前記特別検知手段の検知状態に基づいて、遊技媒体の搬送エラーの判定が可能である(例えば、発射機構に送り出された遊技球pが減算機構出口センサ32cで検知できなければ、発射機構に遊技球pが搬送されていないとして判定することができる)。
このような構成によれば、搬送手段の動作の不具合を検知することができる。
(4) 上記(1)または(3)の遊技機において、
前記発射手段の動作を制御する発射制御手段(例えば、発射制御基板31)を備え、
前記発射制御手段は、前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応して前記特別信号を生成して前記制御手段へ送信し(例えば、減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される)、
前記制御手段は、前記発射制御手段からの前記特別信号を受信したことに基づいて遊技点の減算処理を実行する(例えば、技球数を減算する)。
このような構成によれば、減算処理を適切に実行することができる。
(5) 上記(4)の遊技機において、
前記制御手段は、前記搬送手段の動作を制御し、前記発射制御手段からの前記特別信号を受信したことに基づいて前記搬送手段に遊技媒体の搬送動作を実行させる(例えば、減算機構32は、減算基準信号を基準として、減算ソレノイド32aを通電し図14に示す可動片45を動かすことにより、電磁的方法によって記録された遊技球を実球に変換して、発射機構30へ送り出している)。
このような構成によれば、発射手段の発射動作に対応して搬送手段を適切に動作させることができる。
(6) 上記(1)、(3)~(5)の遊技機において、
前記搬送手段は、遊技媒体を搬入する入口に入口検知手段(例えば、減算機構入口センサ32b)を設け、
前記制御手段は、前記特別信号を受信後に前記入口検知手段で遊技媒体の通過を検知したことに基づいて遊技点の減算処理を実行する(例えば、遊技球pが減算機構入口センサ32bを通過すると遊技球数を減算し、遊技球数表示器29に表示する)。
このような構成によれば、発射手段の発射動作と搬送手段の動作とに対応した減算処理を実行することができる。
(7) 上記(1)、(3)~(6)の遊技機において、
前記制御手段は、前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応して生成された前記特別信号に基づいて遊技点の減算処理を実行し、
前記発射手段で発射されて前記所定領域に到達しない遊技媒体のうち前記特定検知手段で検知した遊技媒体に対応して遊技点の加算処理を実行する(例えば、ファール球検出スイッチ703でファール球を検出した場合、遊技球数を1加算する)。
このような構成によれば、発射手段の発射動作に対応した適切な遊技点の減算処理を実現できるとともに、発射されて所定領域に到達しない遊技媒体(ファール球)が存在するときにおいて適切な遊技点の加算処理を実現できる。
(8) 上記(1)、(3)~(7)の遊技機において、
前記特定検知手段が遊技媒体を検知した場合でも、前記特別信号の出力後、所定期間内に前記搬送手段に設けられた特別検知手段で遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の加算処理を実行しない。
このような構成によれば、特定検知手段が遊技媒体を検知しても、所定期間内に特別検知手段で遊技媒体を検知した場合に対して適切な加算処理を実行することができる。
カードユニットおよびパチンコ遊技機を示す正面図である。 カードユニットおよびパチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。 カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報の概略を説明する説明図である。 パチンコ遊技機からカードユニットへ送信される遊技機情報通知の概略を説明するための図である。 遊技機種類の情報を説明するための図である。 遊技機性能情報を説明するための図である。 遊技機設置情報を説明するための図である。 ホールコン・不正監視情報を説明するための図である。 ホールコン・不正監視情報を説明するための図である。 カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報のタイミングを示す図である。 カードユニットとパチンコ遊技機とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。 遊技球の循環経路を示す概略斜視図である。 発射機構の構成を説明するための概略図である。 発射機構の球通路に遊技球が充満した状態を説明するための概略図である。 遊技媒体の発射および遊技球数の減算を説明するためのタイミングチャートである。 通信タイミングを説明するための通信シーケンスを示す図である。 主制御基板と枠制御基板との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。 遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスを説明するための図である。 遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。 遊技情報に含まれる種別情報を説明するための図である。 性能情報状態通知のカウント情報を説明するための図である。 遊技機情報応答のコマンドを説明するための図である。 主制御基板と枠制御基板との間でのフリーゲーム状態における制御シーケンスを示す図である。 フリーゲーム状態に移行する場合の演出の一例を説明するための図である。 性能情報項目を説明するための図である。 最大差玉数について説明するための図である。 カードユニットおよびパチンコ遊技機を含む遊技用システムの構成を説明するためのブロック図である。
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ遊技機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。図1は、カードユニットおよびパチンコ遊技機を示す正面図である。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行う呼出しランプ装置などであってもよい。また、遊技機の一例として以下、遊技球(パチンコ球)を封入したパチンコ遊技機について説明するが、メダルを使用しないスロットマシンであるメダルレス遊技機についても同様に適用することができる。
P台2は、内部に遊技媒体の一例の遊技球(パチンコ球)を封入しており(以下、封入球ともいう)、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、左上側に設けた発射装置である発射機構30の発射ソレノイドを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射ソレノイドが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて封入球が遊技領域27内に発射される。
発射ソレノイドを駆動させて封入球を1発ずつ遊技領域27に打込むと、それに伴い減算機構32で、P台2において遊技可能な遊技球数から1球ずつ減算する。遊技球の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域を遊技球が通過するように発射強度Tを調整することができる。なお、遊技盤26の下側に発射装置を設ける場合、ファール玉をファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチによって検出されることで、マイナスの発射球数がカウントされるようにしてもよい(つまり、ファール玉検出スイッチの検出に応じて遊技点の加算処理を行ってもよい)。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれた封入球が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞球の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態(大当り遊技状態ともいう)となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777などの確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれた封入球はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞した封入球およびアウト口154に回収された封入球は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置の封入球が遊技領域27内に打込まれる。
また、P台2の打球操作ハンドル25の上方位置に遊技球数を表示するための遊技球数表示器が設けられている。遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、枠制御部171(図2参照)によって制御される。この遊技球数表示器29により、遊技球数や発生したエラーのエラー番号などが表示される。なお、遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2における遊技球数表示器29の左方位置には、遊技球から持ち球への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される(たとえば0.3秒押下状態が継続する度に250球の計数処理が実行される)。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば250球)だけ遊技球から持ち球への計数が行われるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技球のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行う場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合と比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けられている。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の遊技枠、(遊技枠、前枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、遊技枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記憶情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばプリペイド残額、持ち球数、あるいは貯玉数など)を“遊技球のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技球のデータによって特定される球数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技球のデータ”とは、発射可能な球の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技球のデータ”を貯玉や持ち球と同様に、単に“遊技球”と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記憶されている情報が読取られる。
CU3からP台2の前面側に伸びた部分には、表示器54が設けられている。表示器54は、挿入された遊技用記憶媒体(カード)に記憶されているプリペイド残額などを表示するものであるが、遊技球数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器54の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。例えば、図1に示す表示器54では、球貸ボタン321と、返却ボタン319と、再プレイボタンとが表示され、これらの表示項目を指でタッチすることにより操作入力が可能である。なお、表示器54には、再プレイボタンを表示してもよい。
球貸ボタン321は、挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技球への変換操作)を行うボタンである。返却ボタン319は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した持ち球数(カード挿入時の持ち球数-遊技球への変換数+計数操作によって計数された持ち球数)を記憶させて排出するためのボタンである。
再プレイボタン(図示せず)を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持ち球数が記憶されているときにはその持ち球数の一部を引落として遊技球に変換し、変換した遊技球に基づいてP台2による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持ち球数が記憶されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータなどに記憶されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技球に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持ち球との双方が記憶されている場合には、持ち球が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタンとは別に、持ち球を引落とすための専用の持ち球引落ボタンを設け、再プレイボタンは貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した球でホールに預けている球であり、貯玉引落により遊技球となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持ち球」とは、当日獲得した球であり、持ち球引落により遊技球となる。また、持ち球数は、遊技者がP台2により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技球数をカードに記憶したものであって、未だに遊技場に預入れられていない球数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した球数を「持ち球」と言い、前日以前に遊技者が獲得した球数であって遊技場に預入れられた球数を「貯玉」と言う。
「遊技球」とは、P台2で発射可能な球である。遊技球数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持ち球、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持ち球数を遊技場に設定された持ち球数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持ち球」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預入れられた球数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の球数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記憶させずホール用管理コンピュータなどの遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持ち球は、カードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持ち球は、ビジターカードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、持ち球をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持ち球を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持ち球が一旦貯玉としてホールサーバに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持ち球のみが再びそのCU3に記憶され、その持ち球の範囲で遊技球を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320が設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。
図示していないが、P台2は、額縁状の外枠4に対して、遊技枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
遊技枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に図2に示す裏機構部開放スイッチ13が設けられており、遊技枠5が開放されたことが検出される。また、遊技枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分に図2に示す前飾り開放スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこの前飾り開放スイッチ12により検出される。
前飾り開放スイッチ12および裏機構部開放スイッチ13の開放回数は、図示しない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などが搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間などの電源OFF時でもガラス扉6や遊技枠5の開放検出回数を計数してその計数値を枠制御部171(図2参照)へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、図2に示す主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず遊技枠5を開放して遊技枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行うためには、遊技枠5を開放する必要があるため裏機構部開放スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
さらに、遊技枠5の裏面に、図2に示す枠制御基板17が設けられている。枠制御基板17も、まず遊技枠5を開放してから、遊技枠5の裏面より取外す必要がある。よって、遊技枠5の裏面より枠制御基板17を不正に取外す、または枠制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図2は、CU3およびP台2に用いられる制御回路を示すブロック図である。図2を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータなどから構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
CU制御部323には、管理コンピュータやホールコンなどと通信を行うための外部出力端子340が設けられている。CU3は、外部出力端子340を介して、CU3の状態や、P台2から受信した遊技機状態情報(性能表示モニタ40で表示する情報を含む)を管理コンピュータやホールコンなどの外部に送信する。CU制御部323は、SC基板325を介してP台2の枠制御基板17と通信を行っている。SC基板325と枠制御基板17とは、例えば、専用のPIF配線322(図1参照)で接続されている。CU制御部323と枠制御基板17との通信は、貸出情報(挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作に関する情報)と貸出応答情報(貸出情報に対する応答情報)とを双方向で行い、それ以外の計数情報(遊技球から持ち球への計数処理に関する情報)、および遊技機情報を、枠制御基板17からCU制御部323への一方向の通信で行っている。そのため、CU3が計数情報および遊技機情報を受信したか否かをP台2側では認識していない。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタなどで構成されている。なお、SC基板325には、P台2とCU3との通信においてセキュリティを確保するための各種処理を実行するSCマイコン(SC)が搭載されている。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記憶情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記憶情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持ち球を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは持ち球数などのデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3からP台2の前面側に伸びた表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。表示器54には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器54の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。例えば、遊技者が表示器54に表示された球貸ボタン321や返却ボタン319を操作することにより、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。なお、球貸ボタン321や返却ボタン319は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、CU3の前面に設ける構成や、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であってもよい。遊技者が表示器54に表示された再プレイボタン(図示せず)を操作することによりその操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。なお、再プレイボタンは、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、CU3の前面に設ける構成や、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であってもよい。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行う主制御基板16と、遊技球を管理・記憶する枠制御基板17と、枠制御基板17の指令に基づいて発射ソレノイド31aを駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けられている。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163に接続されている。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に球が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行うとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
枠制御基板17は、遊技枠5に設けられている。枠制御基板17には、枠制御部171である枠制御用マイクロコンピュータが搭載されている。枠制御部171は、遊技機の枠制御機能部である。枠制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
また、枠制御基板17に対し、計数ボタン28、性能表示モニタ40、電波センサ173、減算ソレノイド32a、減算機構入口センサ32b、減算機構出口センサ32c、揚上機構出口センサ33、アウト球検出スイッチ701、セーフ球検出スイッチ702、前飾り開放スイッチ12、および裏機構部開放スイッチ13が電気的に接続された状態で設けられている。アウト球検出スイッチ701から枠制御基板17へアウト球検出信号が入力される。セーフ球検出スイッチ702から枠制御基板17へアウト球検出信号が入力される。主制御基板16は、アウト球検出信号に基づきベース値(単に、ベースともいう)などを算出する。電波センサ173は、電波を不正に発信して主に減算機構入口センサ32bを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が枠制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して枠制御部171へ入力される。減算機構入口センサ32bは、オフからオンに変化したことにより遊技球の発射を検出し、その検知に基づいて、枠制御部171が、遊技球数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの減算機構入口センサ32bが常時オフ状態になると、いくら球を発射しても遊技球数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
枠制御基板17には、性能表示モニタ40が設けられる。性能表示モニタ40は、7セグメント式のLEDディスプレイである。性能表示モニタ40は、枠制御部171によって算出された付与された遊技価値(例えば、賞球など)に関する性能情報、ベース、役物比率、連続役物比率などの所定情報を表示する。なお、性能表示モニタ40で表示する情報を、CU3を介してホールサーバなどに出力することができるが、P台2に外部出力端子を設け、直接ホールサーバなどに出力してもよい。
ここで、ベースは、P台2の遊技領域27に打ち込まれた遊技球の数に対する、遊技領域27に設けられた大入賞口271、普通入賞口272~274、および、始動入賞口275~277などの入賞口への遊技球の入賞に応じて付与された遊技価値に対応する遊技球の数の割合である。また、役物比率(役比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球のうち役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである電動チューリップで構成される始動入賞口276、および、役物の1つである可変入賞球装置で構成される大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。さらに、連続役物比率(連比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、連続役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである可変入賞球装置が設けられた大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。
主制御基板16から枠制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報の情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記憶されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技球が入ったときの払出球数、なお、封入式遊技機では遊技者の遊技に用いられる遊技点としての遊技価値で管理されており、以下、入賞口に遊技球が入ったときの付与される遊技球数、メダルレスのスロットでは、BBなどボーナスの小役入賞で付与されるメダル数(メダルに相当する遊技価値))とを含む情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。
入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞した遊技球の検出信号である。この検出信号を受けた枠制御基板17は、その入賞球1個に対して付与すべき球数を、遊技球数と加算球数とに加算する制御を行う。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかに遊技球が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行っている最中にエラーが発生した場合にその旨を枠制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当りなどのように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
主制御基板16から枠制御基板17へは、遊技機設置情報通知、遊技機情報通知が送信される(図19参照)。逆に、枠制御基板17から主制御基板16へ、遊技機設置情報応答、遊技機情報応答が送信される(図19参照)。遊技機設置情報応答および遊技機情報応答は、主制御基板16から遊技機設置情報通知および遊技機情報通知を受領したことを示すためのコマンドである。
CU3のSC基板325とP台2の枠制御基板17とがPIF配線22を介して電気的に接続されており、SC基板325から枠制御基板17へ、各種コマンドが送信される(図3参照)。逆に、枠制御基板17からSC基板325へ、各種レスポンスが送信される(図3参照)。
遊技枠5には、枠制御基板17の他、発射制御基板31、発射ソレノイド31a、遊技球数表示器29が設けられている。なお、遊技球数表示器29は遊技枠5に直接取り付けてもよいが、球が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、遊技枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。枠制御基板17の枠制御部171は遊技球数表示器29に遊技者が現在所有している遊技球数を表示する。
枠制御基板17から発射制御基板31へ、発射許可信号が出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射機構30の発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力する。これにより、遊技球が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射ソレノイド励磁出力を発し、発射ソレノイド31aを駆動させる。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<遊技球の循環経路>
ここでは、図1および図2を参照して、P台2における遊技球の循環経路を概説する。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aが駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個の遊技球が打球ハンマーにより弾発されてその遊技球が遊技領域27に打込まれる。
発射ソレノイド31aが作動して遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号が減算機構32に出力される。減算機構32では、出力された減算基準信号を基準に、減算ソレノイド32aが通電して可動片を動かすことで遊技球を発射機構30へ送り出し、遊技球が減算機構入口センサ32bを通過することで遊技球数を減算する。
遊技領域27に打込まれた球のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト球は、アウト球流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト球検出スイッチ701によって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞球は、遊技機背面で集められて回収球通過経路に誘導される。同様に、アウト球およびファール球も回収球通過経路に誘導される。回収球通過経路には揚上機構出口センサ33が設けられている。このため、入賞球、アウト球、およびファール球のすべてが揚上機構出口センサ33によって検出される。つまり、揚上機構出口センサ33は、弾発された遊技球のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射ソレノイド31aにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、揚上機構出口センサ33の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた球の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘などの間に引っ掛かって落下していないような浮遊球が存在していないかどうかを判断できる。
<CU3とP台2との通信>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行わない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
図3は、CU3とP台2との間で送受信される情報の概略を説明する説明図である。以下、図3を参照して、CU3とP台2との間で送受信される情報(電文)の概略を説明する。P台2の枠制御基板17とCU3のSC基板325との間では、(a)貸出情報、(b)貸出応答情報、(c)計数情報、および(d)遊技機情報の種類に分けた電文を、共通の非同期シリアル通信ポートを介して通信されている。CU3とP台2との間で送受信される(a)~(d)の4種類の情報(電文)は、それぞれ電文のヘッダーが異なっており、当該ヘッダーにより電文の種別を区別することが可能となっている。
なお、(a)貸出情報と(b)貸出応答情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(a)貸出情報と(c)計数情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(a)貸出情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。また、(b)貸出応答情報と(c)計数情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(b)貸出応答情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行っても、(c)計数情報と(d)遊技機情報とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。
図3(a)には、貸出情報が記載されている。貸出情報には、CU3がP台2に送信する貸出通知の電文に含まれる情報として貸出球数の情報と、通信管理をするための貸出通番の情報とがある。貸出球数の情報は、貸出に係る遊技球数の情報であり、1回の情報で送信される遊技球数の情報として例えば125球の情報が含まれる。なお、貸出情報は、貸出球数が0(ゼロ)球の場合に貸出球数の情報に0(ゼロ)の情報を含めて送信してもよい。
図3(b)には、貸出応答情報が記載されている。貸出応答情報には、P台2がCU3に送信する貸出受領結果応答の電文に含まれる情報として貸出球数受領結果の情報と、通信管理をするための貸出通番の情報とがある。貸出球数受領結果の情報は、CU3から送信された貸出球数の情報を受領した結果をCU3に知らせる情報である。
図3(c)には、計数情報が記載されている。計数情報では、P台2が計数球数と、計数累積球数と、通信管理をするための計数通番とを含む計数通知の電文としてCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための情報をCU3から受信しない。計数球数、計数累積球数および計数通番は、いずれも遊技球の計数を目的とする情報である。また、1回の情報で送信される計数球数は、例えば250球である。なお、計数情報は、計数球数が0(ゼロ)球の場合に計数球数の情報に0(ゼロ)の情報を入れて送信してもよい。
図3(d)には、遊技機情報が記載されている。遊技機情報では、P台2が遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報をCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための情報をCU3から受信しない。遊技機設置情報は、機歴管理を目的とする情報で、電源投入後に遊技機設置情報通知の電文としてCU3へ送信される。遊技機設置情報には、主/枠制御CPUのメーカコード、型式コード、チップID番号などの情報を含む。
遊技機性能情報は、性能情報の集計を目的とする情報で、遊技機性能情報通知の電文としてCU3へ送信される。遊技機性能情報は、遊技に基づいて算出された結果を出力するもので、総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出球率、分間獲得遊技球数(低ベース)、分間獲得遊技球数(高ベース)、特別電動役物による総獲得遊技球数、普通電動役物による総獲得遊技球数、役物連続差動装置による総獲得遊技球、始動口の総獲得遊技球数、普通入賞口の総獲得遊技球数、特別電動役物の総作動回数、普通電動役物の総作動回数、特別図柄表示装置の総作動回数、普通図柄表示装置の総作動回数、役物比率、連続役物比率などの情報を含む。また、枠制御基板17が、遊技機性能情報をCU3に対して通知する条件として、例えば、(1)P台2の電源投入から3分経過後に通知、(2)遊技球を規定発射球数分(例えば、60000球)の発射もしくは規定時間(例えば、10時間)の周期毎に通知、(3)遊技機設置情報通知より優先して通知、(4)ホールコン・不正監視情報を通知した次の周期(300ms後)に通知などの条件がある。なお、これらの条件は例示であって他の条件を採用してもよく、また、上記条件のうち、いずれか1つの条件のみを採用したり、複数の条件を組み合わせて採用したりしてもよい。
ホールコン・不正監視情報は、ホールコンの情報集計・CU3による不正監視を目的とする情報である。ホールコン・不正監視情報は、大当り、確率変動、時間短縮、各入賞口の入賞球数などのホールコン情報、遊技球数(現在の持ち球数)、遊技球数通番、遊技機エラー状態、不正検知状態などの不正監視情報を含む。
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。図4は、パチンコ遊技機からカードユニットへ送信される遊技機情報通知の概略を説明するための図である。図4に示す遊技機情報通知のコマンドは、P台2がCU3に対して遊技機情報を通知するためのコマンドであり、遊技機情報には、遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報の3つが含まれる。遊技機情報通知のコマンドに含まれる遊技機情報の種別は、各情報の通知条件によりいずれか1つに決定され、CU3に通知される。
遊技機情報通知のコマンドには、電文長の情報、コマンドの情報、通番の情報、遊技機種類の情報、遊技機情報種別の情報、および遊技機情報が含まれる。電文長の情報は、送信する電文の長さ(電文長~通信フレームの誤り検出符号(CRC))を示す。コマンドの情報は、電文のコマンドコードを示す。通番の情報は、シーケンス番号を示す。通番は、一次局側(例えば、P台側)が初期値を「0」として送信時にカウントアップ(+1)して送信するシーケンス番号である。ただし、一次局側が再送時には通番をカウントアップせず、二次局側(例えば、CU側)も受信した通番をそのまま送信するものとする。なお、通信に用いられるコマンドやレスポンスには、電文長の情報、コマンドの情報、通番の情報が共通に含まれるため、以下のコマンドやレスポンスでは説明を省略する。
遊技機種類の情報は、P台2の遊技機種類を示すための情報である。図5は、遊技機種類の情報を説明するための図である。図5では、遊技機種類の情報が「10」であればCU3に接続しているP台2が「ぱちんこ遊技機」の「ぱちんこ」であることを示し、「11」であれば「ぱちんこ遊技機」の「パロット」であることを示している。また、遊技機種類の情報が「20」であればCU3に接続しているP台2が「回胴式遊技機」の「回胴」であることを示し、「30」であれば「アレンジボール」の「アレンジボール」であることを示し、「40」であれば「じゃん球遊技機」の「じゃん球遊技機」であることを示している。なお、CU3では、送信されてきた遊技機種類の情報が「10」または「11」であれば、遊技球数表示として、例えば遊技に用いる単位を「球」で表示し、遊技機種類の情報が「20」であれば、遊技メダル数表示として、例えば遊技に用いる単位を「枚」で表示する。
図4に戻り、遊技機情報種別の情報は、遊技機情報に含まれる情報の種別を示す種別コードである。遊技機情報種別の情報が「0x00」であれば、遊技機情報に含まれる情報が遊技機性能情報であることを示し、「0x01」であれば、遊技機情報に含まれる情報が遊技機設置情報であることを示し、「0x02」であれば、遊技機情報に含まれる情報がホールコン・不正監視情報であることを示している。なお、遊技機情報種別の情報が、上記以外の値であれば、通知されたCU3は異常であると判断する。
遊技機情報には、遊技機情報種別の情報に設定された種別コードに基づき遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン・不正監視情報のいずれか1つが含まれ、CU3に通知される。遊技機性能情報は、分間獲得遊技球数(ベース)、役物比率、連続役物比率などの情報で、遊技機設置情報は、主制御CPU、枠制御CPUのメーカコード、型式コード、チップID番号などの情報で、ホールコン・不正監視情報は、大当り、確率変動、時間短縮、各入賞口の入賞球数、遊技球数などの情報である。
さらに、遊技機情報について詳しく説明する。図6は、遊技機性能情報を説明するための図である。図6では、遊技機情報種別の情報が「0x00」である場合に遊技機情報に含まれる遊技機性能情報が示されている。例えば、遊技機情報には、総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出玉率、・・・、普通図柄表示装置の作動回数、役物比率、連続役物比率が含まれる。総発射遊技球数は、発射球数を累積した情報で、総獲得遊技球数は、賞球数を累積した情報で、出玉率は、総獲得遊技球数を総発射遊技球数で除した情報である。また、普通図柄表示装置の作動回数は、普通図柄停止回数を累積した情報で、役物比率は、役物動作賞球数の累積値/賞球数の累計値×100の情報で、連続役物比率は、役物連続動作賞球数の累積値/賞球数の累計値×100の情報である。
図7は、遊技機設置情報を説明するための図である。図7では、遊技機情報種別の情報が「0x01」である場合に遊技機情報に含まれる遊技機設置情報が示されている。例えば、遊技機情報には、主制御チップID番号、主制御CPUメーカコード、主制御CPU型式コード、枠制御チップID番号、枠制御CPUメーカコード、および枠制御CPU型式コードが含まれる。
図8および図9は、ホールコン・不正監視情報を説明するための図である。図8および図9では、遊技機情報種別の情報が「0x02」である場合に遊技機情報に含まれるホールコン・不正監視情報が示されている。例えば、遊技機情報には、「遊技球数」、「発射球数」、「総賞球球数」、「主制御状態」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「遊技情報」を含んでいる。
「遊技球数」は、現在の遊技球数を示し、例えば、遊技球数が10000球の場合「0x102700」と示す。「発射球数」は、発射した球の個数(-128個~127個)を示し、バック球がある場合はバック球数分を減算し、送信時に複数発射された球がある場合は合算した個数を示す。「総賞球球数」は、賞球球数×入賞個数の合計を示す。
「主制御状態」は、P台2の遊技状態の情報であり「主制御状態1」と「主制御状態2」とを含んでいる。「主制御状態1」は、大当り1(全ての大当り)、大当り2(特定の大当り)、および大当り3(変動時間短縮の大当り)の情報、遊技機状態信号1~4の情報を含んでいる。遊技機状態信号1は、P台2の遊技状態がフリーゲーム状態であることを示す情報である。遊技機状態信号2~4は、CU3の外部出力端子340からホールコン等の外部に状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子板状態出力信号端子1~2」に対応する。「主制御状態2」は、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、および時短(変動時間短縮)中の情報を含んでいる。
「遊技機エラー状態」は、遊技機で発生中のエラーコードの情報を含む。具体的に「遊技機エラー状態」は、Bit0~5までがエラーコードを表し、Bit6が「0」であれば枠制御側のエラーで、「1」であれば主制御側のエラー、さらにBit6が「0」であれば発報のみ、「1」であれば発報+ホールコン出力である。
「不正検知状態」は、「不正検知状態1」~「不正検知状態3」を含んでいる。「不正検知状態1」は、主制御基板16で設定変更が行われていることを示す設定変更中信号の情報をBit0で、主制御基板16で設定確認が行われていることを示す設定確認中信号の情報をBit1で、主制御基板16でRAMクリアが行われていることを示すRAMクリア信号の情報をBit2でそれぞれ示し、主制御基板16での不正検知状態、特に不正検知信号1~3を検知したことを示す情報をBit3~Bit5に示す。Bit6~Bit7は、未使用である。「不正検知状態2」は、枠制御基板17での不正検知状態を示し、Bit0で前飾り開放、Bit1で裏機構部開放、Bit2で不正電波検知、Bit3で遊技球数クリア検知、Bit4で入賞球数異常1検知、Bit5入賞球数異常2検知を検知したことを示す情報を含む。ここで、入賞球数異常1検知は、主制御基板16が検出した入賞個数と枠制御基板17が検出した入賞個数の差が100球以上となったことを検知し、入賞球数異常2検知は、発射球数と総戻り球数(入賞個数+非入賞個数)の差が100球以上となったことを検知する。「不正検知状態3」は、枠制御基板17での不正検知状態を示し、Bit0で小球検知、Bit1で鉄球検知を検知したことを示す情報を含む。
「遊技情報」は、主制御基板16で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板17へ通知する情報を含む。「遊技情報」は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。種別情報は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。
種別情報については、データ種別(Bit4~7)の値ごとに設定されており、例えば、データ種別の値が1の場合、始動口入賞の情報である。また、データ種別ごとに、データ番号(Bit0~3)が設定されており、データ番号が1なら始動口1などと始動口番号を示している。
カウント情報は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。データ種別が1=始動口入賞、2=大入賞口入賞、3=入賞口入賞、9=役物作動による始動口入賞、10=役物連続作動による大入賞口入賞、11=役物作動による入賞口入賞の場合、カウント情報は、賞球数(上位4Bit)と入賞個数(下位4Bit)で構成される。例えば、3個賞球の始動口1に2個入賞した場合、データ種別(Bit4~7)が”1=始動口1”、データ番号(Bit0~3)が”1=始動口1”、賞球数(Bit4~7)が”3=3個賞球”、入賞個数(Bit0~3)が”1=1個入賞”の遊技情報(0x1131)が2データとなる。
次に、図3~図9で説明した電文を使ったCU3とP台2との間の通信について説明する。P台2からCU3へ送信される情報のうち、(d)遊技機情報は、図10で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、P台2からCU3への情報の送信から次の情報の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ms=0.3秒)に制御されている。図10は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される情報のタイミングを示す図である。P台2は、CU3での遊技機情報の受信状況に関わらず、規定期間Aごとに遊技機情報をCU3に送信することができる。そのため、P台2において、遊技機情報の再送処理が不要となり、過去の遊技機情報を記憶する必要がなくなり、処理負担を軽減できる。
このように、P台2からCU3へ300msの間隔で情報が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発の遊技球が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、球を1発発射する間に複数の情報が送受信されることになる。
遊技機情報は、計数情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、計数情報を送信しようとした場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。そこで、P台2では、遊技機情報をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、情報伝送の最適化を図るため、遊技機情報を送信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、100ms)に対応するタイミングで、(c)計数情報をCU3に送信する。計数情報は、CU3での受信状況に関わらず、規定期間BごとCU3に送信される。なお、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、計数球数に例えば250球の情報が含まれ、遊技者による計数ボタン28の操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、計数球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
計数情報の送信は、遊技機情報を送信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、遊技機情報との輻輳が生じないタイミングであればよく、規定期間B経過後から次の遊技機情報が送信されるタイミングまでの間でもよい。
図10では、計数情報をCU3に送信した後、受信有効時間(例えば、170ms)の間にCU3から貸出情報を受信する。CU3からP台2に対して送信される貸出情報には、貸出球数および貸出通番の情報が含まれる。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作が遊技機情報を送信する前に行われている場合、貸出球数に例えば125球の情報が含まれ、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタンの操作が遊技機情報を送信する前に行われていない場合、貸出球数に0(ゼロ)球の情報が含まれる。
貸出応答情報は、遊技機情報と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報を送信するタイミングに、CU3から貸出応答情報が送信されて来る場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で情報同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。
そこで、CU3は、計数情報を受信してから受信有効時間の間に貸出情報をP台2に送信している。つまり、P台2では、計数情報を送信してから受信有効時間内のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の情報を受信し、その応答時間内に貸出球数受領結果および貸出通番の貸出応答情報をCU3に送信する。
図10では、技機情報を送信するタイミングを基準に計数情報を送信するタイミングを決定し、計数情報を送信するタイミングを基準に貸出情報を受信するタイミングを決定するCU3とP台2との通信の例を説明したが、CU3とP台2との通信が、遊技機情報を送信するタイミングを基準に、計数情報および貸出情報を送受信するタイミングを決定するなど他のタイミングでもよい。
<カードユニット側とパチンコ遊技機側との送受信態様>
次に、図11は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図11を参照して、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技球数の変動を算出して現在の最新の遊技球数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行っているが、その遊技球数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持ち球(カード持ち球数)や貯玉数、プリペイド残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図11では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の枠制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2とCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の枠制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、枠制御基板17自体が記憶している枠チップID(枠制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと枠チップIDとを記憶する。この状態で、メインチップID、枠チップIDの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら2つの情報、すなわち、メインチップIDと枠チップIDとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。一方、P台2では、電源投入後に設置情報であるメインチップID、枠チップIDの情報などの情報をCU3に送信し、その後、CU3を含む外部へ所定期間ごとに遊技機情報を送信することが可能となる。P台2では、認証処理を経ることなく遊技機情報を出力可能となるため、処理負担を軽減できる。
CU3およびP台2の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CU3およびP台2の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「遊技球数通番」、「計数通番」および「貸出通番」の3種類がある。「通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通番」は、送信側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通番」をカウントアップしない。受信側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「遊技球数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球数を通知する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球の計数を要求する際に用いられる通番である。「貸出通番」はCU3がP台2に対して遊技球の貸出を要求する際に用いられる通番である。
P台2側からCU3側へは、最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報が送信される。この最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報は、P台2側の枠制御部171(図2参照)のRAMに記憶されている。具体的には、計数球数カウンタの情報が含まれる。なお、遊技球数は、不正監視情報として遊技球数カウンタのカウント値をP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技球数カウンタに加えて、遊技球数も最新の遊技機性能情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめて遊技機情報としてCU3側へ送信される。CU3では、P台2から送信されてくる最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握している。CU3では、例えば、ホールコン情報に含まれる「賞球球数×入賞個数」に基づき遊技球数を加算し、「発射球数」に基づき遊技球数を減算する。さらに、計数球数カウンタは、計数球数をカウントするカウンタである。計数球数は、「計数操作によって遊技球から持ち球に変換された球数」である。計数累積球数カウンタは、計数累積球数をカウントするカウンタである。計数累積球数は、「計数操作によって遊技球から持ち球に変換された球の累積球数」であり、RAMクリア(初期化操作)から計数された累積球数、またはその日に計数された累積球数である。なお、遊技者が交代しても累積球数は変化しないものとする。また、計数累積球数カウンタには、2バイトのデータ領域が割り当てられており、0球~65,535球の情報を格納可能である。そのため、計数累積球数カウンタは、計数累積球数を「0xFFFF(65,535球)」までカウントすると、次の値を「0x0000(0球)」に更新する。なお、遊技球の発射中に計数操作を受付けた場合、計数処理の対象となる遊技点の更新処理を優先的に行い、遊技球の発射を停止して発射に対応する遊技点の更新処理については実行を停止する。これにより、計数処理の対象となる遊技点の減算と、発射に対応する遊技点の減算とのタイミングが重なることを回避することができ、遊技点の更新処理をより正確に実現でき、誤った更新処理の発生を防止することができる。また、計数処理の対象となる遊技点の減算と、発射に対応する遊技点の減算とを同時に行ってもよい。これにより、遊技球の発射を停止することがないので、円滑な遊技を実現することができる。ここで、「賞球球」は、入賞口へ球が入賞することにより付与される遊技球であり(メダルレスのスロットでは、BBなどボーナスの小役入賞で付与されるメダル数(メダルに相当する遊技価値))、セーフ球である。「発射球」は、遊技機が発射した球であり、バック球がある場合はバック球を減算した球数が発射球数となる。
枠制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技球数を計数球数としてカウントし、その計数球数カウンタの値(計数球数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、枠制御部171は、計数球数カウンタの値(計数球数)がカウントされる毎に計数累積球数カウンタの値が更新され、その計数累積球数カウンタの値(計数累積球数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、計数球数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、当該カウント値を前回遊技機情報記憶領域(枠制御部171のRAMなど)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、計数球数カウンタの値を0クリアする(遊技球数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技機情報(直前に送信した遊技機情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した計数球数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ計数球数のデータが送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技機情報に、直前に送信した遊技球数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、枠制御基板17は、入賞の発生、球の発射、および計数球の発生(遊技球から持ち球への変換)に応じて、遊技球数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技球数カウンタの値を遊技球数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技球数、カード持ち球数(単に、持ち球数とも言う)、貯玉数、残額、およびカード挿入時持ち球数を記憶している。なお、カード持ち球数は、カード挿入時持ち球数から貸出球数(カード持ち球数から遊技球数に変換した球数)を減算し、計数球数を加算した球数である。つまり、カード持ち球数は、現時点で遊技者が所有している持ち球数である。
P台2から送信されてきた計数球数カウンタの値に基づいてカード持ち球数を加算し、遊技球数から減算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新の遊技機情報によって遊技球数、カード持ち球数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技球数を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技球数カウンタのカウント値(遊技球数または遊技球トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技球数を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台2側から送信されてきた最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握するとともに、計数球数カウンタの値および貸出球数の値に基づいて、記憶している遊技球数を更新するとともに、P台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値と、更新後の遊技球数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行う。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器54によりエラー報知が行われ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバによるエラー報知が行われるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行われる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技球数をP台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技球数と、P台2側で記憶している遊技球数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技球数を記憶させているが、その遊技球数がP台2側で管理記憶している遊技球数と整合するか否かの判定を行えるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技球数がCU3側で記憶している遊技球数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバまたはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で記憶している遊技球数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行うものとしてもよい。
また、CU3は、計数情報を受信できなかった場合、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で管理記憶している遊技球数とが一致しなくなるので、特別処理を実行する。当該特別処理として、遊技機情報に基づく遊技球数の補填を行うため遊技機情報の履歴情報を表示させる処理を行ったり、当該履歴情報に基づき遊技球数の補填を行ったり、エラー報知を行ったりする。
さらに、図11に示すように、CU3は、カード持ち球数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのプリペイド残額を記憶する記憶領域と、およびカード挿入時持ち球を記憶する記憶領域とをさらに有する。CU制御部323(図2参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタンの押圧入力(ただし、持ち球無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図2参照)は、持ち球の使用を要求する入力(たとえば、持ち球有のときのCU3に設けられた再プレイボタンの押圧入力)に応じて持ち球を記憶する記憶領域から所定数の持ち球を減算する。さらに、CU制御部323(図2参照)は、プリペイド残額の使用を要求する入力(たとえば、球貸ボタン321の押圧入力)に応じてプリペイド残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の所有価値(たとえば持ち球数、貯玉数、あるいはプリペイド残額)から所定の大きさの価値を貸出して遊技に使用する操作を遊技者が行った場合に、その引落とし分の球数を遊技球数カウンタに加算するための貸出球数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技球数カウンタを加算更新する。
<遊技球の循環経路>
次に、図12に基づいて、P台2における遊技球の循環経路を概説する。図12は、遊技球の循環経路を示す概略斜視図である。なお、図12に示す遊技球の循環経路は遊技枠5の壁部に設けられている。
本実施の形態では、発射機構および減算機構が遊技領域27の左上部に設けられ、遊技領域27の左上部から遊技球を発射する形態ではなく、発射機構30および減算機構32が遊技領域27の左下方位置に設けられ、遊技領域27の左下方位置から上方に向けて遊技球が発射されるようになっている。なお、発射機構30および減算機構32については、遊技球を打ち出す方向が異なるが基本構成や発射制御は同様である。
遊技領域27の左上部に発射機構30および減算機構32を配置した場合、遊技盤26の左上部に発射機構30および減算機構32の配置スペースを確保しなければならなかった。また、遊技領域27に打ち出され流下したアウト球やセーフ球(入賞球)を遊技領域27の下方にて回収した後、遊技領域27の左上部まで揚送して発射機構30に供給するために遊技盤26の左側背面に長い揚送装置等を配置する必要があった。そのため、遊技盤26を製造する遊技機メーカ側では、共通枠である遊技枠5に設けられた発射機構30、減算機構32および揚送装置の配置位置を考慮して遊技盤26を製造する必要があり、遊技領域27を大型化できないなど設計自由度を高めるのに限界があった。
そこで、本実施形態では、発射機構30および減算機構32と、遊技領域27から回収した遊技球を発射機構30に戻すための循環経路とを遊技領域27の下方に設け、遊技球を上方の遊技領域27に向けて打ち出す構成とすることで、遊技機メーカが製造する遊技盤26の配置位置の下方(配置位置外)に、発射機構30や減算機構32や揚送装置など遊技枠5側の装置等を設けることで、遊技領域27の大型化など設計自由度を高めることができるようにした。以下、循環経路について説明する。
遊技枠5の前面左下部位置には発射機構30が設けられているとともに、この発射機構30の前面側は、発射カバー(図示せず)により覆われている。なお、発射カバーおよびその周辺の前面側は、開閉可能に設けられたカバー体により覆われており、発射機構30内に他の遊技球やゴミ等が混入することが防止されている。発射台43からは、発射球誘導経路1301を構成する発射球誘導レール1301Aが左斜め上方に向けて延設されており、遊技盤26に設けられた盤側発射球誘導経路(図示せず)に遊技球が誘導されるようになっている。打球ハンマーは、発射台43に供給された遊技球を杵42により下側から弾くことができるように設けられている。
また、発射台43から発射された遊技球には、発射球誘導経路1301および盤側発射球誘導経路を経て遊技領域27に打ち出される遊技球がある一方、遊技領域27に到達せずに落下して戻ってくる遊技球が存在する。この戻ってくる遊技球には、ファール球誘導経路1303を通って矢印F1のように戻ってくるファール球と、発射球誘導経路1301を通って矢印F2のように戻ってくる戻り球とが存在する。
まず、ファール球の処理について説明する。発射カバーは、ファール球を誘導するファール球誘導経路1303の前壁、左側壁、底壁を構成している。ファール球誘導経路1303により誘導されたファール球は、遊技枠5の背面側に誘導され、その途中に設けられたファール球検出スイッチ703によって検出される。発射球誘導経路1301およびファール球誘導経路1303の上端は、盤側発射球誘導経路の下部に接続されている。
遊技枠5の背面左下部位置には減算機構32が設けられているとともに、ファール球誘導経路1303が右下方に向けて延設されている。また、遊技枠5の背面側には、循環経路を構成する各種誘導経路が設けられている。
なお、遊技領域27の左上部に発射機構30を設けた場合、発射機構30が遊技領域27に近接しているため、ファール球誘導経路やファール球検出スイッチが不要であったが、本実施形態では、発射機構30が遊技領域27の下方に設けられることで、発射球誘導経路1301や盤側発射球誘導経路が、遊技領域27の左上部に発射機構30を設けた場合に比べ長寸となり、ファール球誘導経路1303やファール球検出スイッチ703および後述するファール球の検出に係る処理が必要とされる。また、ファール球検出スイッチ703のファール球誘導経路1303における配置位置は図12に示す位置に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
まず、遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aが駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個の遊技球が打球ハンマーにより弾発される。遊技球の発射動作は、発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力で検知しても、打球ハンマーの杵42の動作を検知する信号で検知してもよい。弾発された遊技球は、発射球誘導経路1301により左斜め上方に誘導され、さらに盤側発射球誘導経路により遊技領域27の左上部まで誘導された後、遊技領域27に進入する。
発射ソレノイド31aが作動して遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号が減算機構32に出力される。減算機構32では、出力された減算基準信号を基準に、減算ソレノイド32aが通電して可動片45(図14参照)を動かすことで遊技球を発射機構30へ送り出し、遊技球が減算機構入口センサ32bを通過することで遊技球数を減算する。
遊技領域27に打込まれた遊技球のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト球は、遊技盤26の背面側に誘導された後、遊技枠5の下部背面に設けられたアウト球流下経路1311の上部に形成されたアウト球受入部1311Aに落下する。そして、アウト球流下経路1311により右側に向けて流下し、その途中に設けられたアウト球検出スイッチ701によって検出される。
また、入賞口や可変入賞球装置に入賞した全てのセーフ球(入賞球)は、遊技盤26の背面側に誘導された後、遊技盤26の背面に設けられた入賞球誘導経路(図示せず)により誘導され、遊技枠5の下部背面に設けられたセーフ球流下経路1312の上部に形成されたセーフ球受入部1312Aに落下する。そして、セーフ球流下経路1312により右側に向けて流下し、その途中に設けられたセーフ球検出スイッチ702によって検出される。
アウト球流下経路1311およびセーフ球流下経路1312各々を流下する遊技球は、遊技枠5の下部背面右側において下方に誘導された後、左側に向けて誘導された直後に合流し、回収球流下経路1313により左側に向けて誘導される。回収球流下経路1313により誘導された遊技球は、発射機構30のやや右側方位置に設けられた球抜き部1314において後左方向に誘導され、揚送装置1330の下部に進入する。また、回収球流下経路1313には、循環経路に進入した鉄球を検出可能な鉄球検出機構1315が設けられている。
鉄球検出機構1315は、回収球流下経路1313の途中に設けられた球詰り解除部材1316と、球詰り解除部材1316よりも遊技球8~10個分上流側に設けられた球詰り検出スイッチ1317と、から主に構成される。球詰り解除部材1316は、回収球流下経路1313の下方において回収球流下経路1313に対し略直交する方向に延設されている。
球詰り解除部材1316は、遊技枠5に形成された開口(図示せず)に挿通されており、第1位置において前端に形成された操作部1316Aが遊技枠5の前面側に突出するとともに、後端に設けられた磁石1316Bが回収球流下経路1313の底壁下面側に近接して配置される。
不適正な鉄球が流下してきた場合には、磁石の磁力により鉄球が吸着されることで流下が規制されるため、鉄球の後に流下してくる後続の遊技球が滞留して球詰りが発生する。そして、球詰り検出スイッチ1317が滞留している後続の遊技球を所定時間(例えば、5秒など)以上継続して検出した場合、枠制御部171はCU3へ不正監視情報を送信するようになっている。
図12に示すように、回収球流下経路1313における球抜き部1314と鉄球検出機構1315との間には、ファール球誘導経路1303を流下してきた遊技球が合流する合流部1325が設けられており、ファール球誘導経路1303を流下してきた遊技球を球抜き部1314から排出可能、かつ、揚送装置1330に直ちに誘導可能とされている。
<発射機構>
次に、発射機構30について、より詳細に説明する。図13は、発射機構の構成を説明するための概略図である。図13(a)は、発射機構30の正面図、図13(b)は、発射機構30の右側面図、図13(c)は、発射機構30の裏面図である。図14は、発射機構30の球通路に遊技球が充満した状態を説明するための概略図である。図15は、遊技媒体の発射および遊技球数の減算を説明するためのタイミングチャートである。
図13を参照して、発射機構30は、発射ソレノイド31aと、杵42と、発射台43と、弁44とを主に有している。また発射機構30の近傍(背面側)には減算機構32を有している。減算機構32は、減算ソレノイド32aと、減算機構入口センサ32bと、減算機構出口センサ32cとを主に有している。
発射機構30は、主制御基板16による発射許可信号と、遊技者の直接操作に伴う打球操作ハンドル25の各状態により、発射ソレノイド31aへの通電が可能となった場合、遊技球pを遊技盤26に発射する。また、発射ソレノイド31aが作動すると、図15に示すように連動する減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される。減算基準信号は、減算機構32にある減算ソレノイド32aを通電する基準となる。
枠制御基板17は、CU3の接続状態と、主制御基板16から発射許可信号とが入力されると、発射制御基板31に対して発射許可信号を出力する。なお、発射許可信号が出力されていない場合、打球操作ハンドル25の各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。なお、主制御基板16は、枠制御基板17から特定のエラー信号を受信した場合に、発射許可信号の出力を停止する。
ここで、打球操作ハンドル25の動作原理や各状態について説明する。打球操作ハンドル25には、図示していないが発射停止ボタン、発射停止スイッチ、ハンドルレバー、タッチセンサ、ハンドルボリューム、リングなどにより構成される。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aの作動および停止、発射強度を変化させることができる。また、発射停止ボタンを操作すると遊技球を一発ずつ発射することができる。
遊技者が打球操作ハンドル25のリングに触れていると、リングに接続されているタッチセンサは、検知信号を発射制御基板31に出力する。発射制御基板31がこの信号を検知すると、発射許可信号が出力されていることを条件に発射ソレノイド31aへの通電が可能になる。なお、遊技者が打球操作ハンドル25のリングに直接触れていない場合、遊技者が打球操作ハンドル25の各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。なお、遊技者が発射停止ボタンを押すことをやめ、発射停止スイッチが開放状態となった場合は、発射ソレノイド31aへの通電が可能になる。
遊技者が打球操作ハンドル25のハンドルレバーを回すとハンドルボリュームの検出電圧が変化し、回した角度に応じて、発射ソレノイド31aへの通電電流の強弱を変化させることができる。
発射ソレノイド31aを駆動させると、図13に示す杵42が遊技球pの方向に動作し、発射台43に停止している遊技球pを発射する。発射された遊技球pは、弁44を通過して遊技盤26上に発射される。弁44は遊技球pが通過後に定位置に戻る。そのため、弁44は、発射された遊技球pが発射台43に戻ることを防止している。
発射ソレノイド31aが作動すると、図15に示すように連動する減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される。枠制御基板17では、枠制御部171のCPU(払出制御用マイクロコンピュータ)がユーザープログラム領域(使用領域)内にある遊技球数管理プログラムによる減算機構制御処理において減算基準信号が処理される。遊技球数管理プログラムにより減算機構32の減算ソレノイド32aを制御する。減算機構32は、減算基準信号を基準として、減算ソレノイド32aを通電し図14に示す可動片45を動かすことにより、電磁的方法によって記録された遊技球を実球に変換して、発射機構30へ送り出している。遊技球pが減算機構入口センサ32bを通過すると遊技球数を減算し、遊技球数表示器29に表示する。
次に、減算機構32の動作の詳細について説明する。まず、減算機構入口センサ32bに遊技球pが有り、減算機構出口センサ32cに遊技球pが無く、かつ遊技球数が有る場合、減算機構32は、減算基準信号が出力されてから80ms後に減算ソレノイド32aを通電する。減算ソレノイド32aが通電されると、可動片45が図14(a)に示す位置に移動する。可動片45が当該位置に移動すると、可動片45の切欠き部に遊技球pが移動する。可動片45の切欠き部に遊技球pが挟まった状態で、減算ソレノイド32aの通電が解除されると、可動片45が図14(c)に示す位置に移動する。可動片45が当該位置に移動すると、可動片45の切欠き部に挟まっていた遊技球pが発射機構30の発射台43に送り出される。
減算ソレノイド32aが通電され、遊技球pが可動片の切欠き部に移動した場合、図15のように減算機構入口センサ32bは1球の遊技球の通過を検知することになる。減算機構入口センサ32bの検知信号は、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで減算処理され、遊技球数を1球減算し、遊技球数表示器29に減算した遊技球数を表示する。
減算ソレノイド32aへの通電が停止すると、発射機構に送り出された遊技球pが図15のように減算機構出口センサ32cで検知される。減算機構出口センサ32cの検知信号は、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理される。また、発射機構に送り出された遊技球pが減算機構出口センサ32cで検知できなければ、発射機構に遊技球pが搬送されていないとして判定することができるので、枠制御基板17は、減算機構出口センサ32cの検知信号に基づき、遊技球pの搬送エラーの判定が可能である。
枠制御基板17の遊技球数管理プログラムは、ファール球検出スイッチ703でファール球を検出した場合、遊技球数を1加算し、加算した値を遊技球数表示器29に表示する。なお、枠制御基板17は、ファール球検出スイッチ703を遊技球が通過した場合、発射球数が、アウト球検出スイッチ701の検出数、セーフ球検出スイッチ702の検出数、ファール球検出スイッチ703の検出数の合計数以上であるか否か、つまり、アウト球検出スイッチ701の検出数、セーフ球検出スイッチ702の検出数、ファール球検出スイッチ703の検出数の合計数が発射球数よりも多い異常な状況であるか否かを判断している。
一方、図12に示すように、発射球誘導経路1301を通って矢印F2のように戻ってくる戻り球は、ファール球検出スイッチ703で検出できないため前述のような処理ができない。戻り球は、発射球誘導経路1301を通って発射機構30に戻ってくるため減算機構出口センサ32cで検知できる。そこで、発射ソレノイド31aがオン状態となってから戻り球監視期間(所定期間)を設け、この戻り球監視期間内に減算機構出口センサ32cで遊技球を検知した場合、検知した遊技球を戻り球としてカウントする。なお、戻り球監視期間は、例えば、減算基準信号が出力されてから減算ソレノイド32aがオン状態となるまでの約80msとする。
図15に示すように、戻り球監視期間内に減算機構出口センサ32cで遊技球を検知した場合、枠制御基板17は、減算ソレノイド32aはオン状態としない。戻り球が、減算機構出口センサ32cより逆流した場合、減算機構32に並んでいる遊技球が押し戻されず15に示すように減算機構入口センサ32bがオフ状態に変化しているが、減算ソレノイド32aがオン状態ではないので、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムは、減算処理を実行せず、減算機構32は可動片45を制御して遊技球の搬送を実行しない。枠制御基板17は、戻り球監視期間内に減算機構出口センサ32cで遊技球を検知した場合、遊技球数を1球減算する減算処理を停止する減算停止手段として機能する。さらに、枠制御基板17は、減算機構出口センサ32cに戻ってきた戻り球を排出するため、発射ソレノイド31aを3回オン状態にして、3回空打ちする。3回空打ち後、戻り球監視期間内に減算機構出口センサ32cで遊技球を検知していない場合、枠制御基板17は、減算ソレノイド32aをオン状態にして遊技球を発射機構30の発射台43に送り出し、遊技球数管理プログラムで減算処理して、1球減算した遊技球数を遊技球数表示器29に表示する。
3回空打ち後、戻り球監視期間内に減算機構出口センサ32cで遊技球を検知した場合、枠制御基板17は、減算ソレノイド32aをオン状態とせずに、再度、発射ソレノイド31aを3回オン状態にして、球詰まり解消動作として3回空打ちする。その後、戻り球監視期間内に減算機構出口センサ32cで遊技球を検知した場合、枠制御基板17は、遊技機異常と判断して遊技機エラーを例えば、CU3、管理コンピュータ802またはホールコン出力BOX811へ通知する。なお、3回空打ち後、戻り球監視期間内に減算機構出口センサ32cで遊技球を検知した場合、枠制御基板17は、再度3回空打ちせずに遊技機エラーと判断しても、複数回3回空打ちを繰り返して遊技機エラーと判断してもよい。
なお、戻り球監視期間内に減算機構出口センサ32cで遊技球を検知した場合、減算ソレノイド32aがオン状態ではないので、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムは、減算処理を実行しないだけではなく、ファール球検出スイッチ703でファール球を検出した場合のように遊技球数を1加算する加算処理を行わない。
このように、遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点に対応して遊技球を発射することにより遊技が可能となるP台2では、遊技領域27の下方に設けられ、遊技領域27に向けた遊技球の発射動作が可能な発射機構30と、発射機構30における遊技球の発射動作に対応して生成された減算基準信号に基づいて遊技点の減算処理を実行する枠制御基板17と、減算基準信号に基づいて発射機構30への遊技球の搬送を実行する減算機構32と、発射機構30で発射されて遊技領域27に到達しない遊技球を検知可能なファール球検出スイッチ703と、備える。ファール球検出スイッチ703が遊技球を検知したことに基づいて、枠制御基板17が遊技点の加算処理を実行する。減算基準信号の出力後、戻り球監視期間内に減算機構32に設けられた減算機構出口センサ32cで遊技球を検知したことに基づいて、枠制御基板17が遊技点の減算処理と、減算機構32が遊技球の搬送とを実行せずに発射機構30を動作させる。このような構成によれば、減算機構出口センサ32cで検知した発射機構30へ戻る戻り球に対応した適切な遊技点の減算処理を実現できる。
<主制御基板と枠制御基板との通信>
次に、P台2内に設けられた主制御基板16(主制御部161)と枠制御基板17(枠制御部171)との間(図2参照)での通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとの関係を説明する。図16は、通信タイミングを説明するための通信シーケンスを示す図である。図16に示すように、主制御基板16は、一定周期(108ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知している。一方、枠制御基板17は、主制御基板16との通信の一定周期(108ms)より遅い(300ms)の周期で遊技機情報をCU3に送信している。なお、枠制御基板17は、300msではなく200msの周期で遊技機情報をCU3に送信してもよい。
つまり、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を3回行う通信タイミングである。なお、枠制御基板17とCU3との通信が200msの周期の場合、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を2回行う通信タイミングとなる。そのため、枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機の情報を、より頻繁に取得できるので遊技機の変化をより正確に把握することができるとともに、適切な間隔で遊技機の情報をCU3に送信することができる。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとが合致しないようにあえて108msとずらしている。主制御基板16と枠制御基板17との通信の周期は108msに限定されず、100ms超過でかつ100msの整数倍でなければいずれの周期であってもよい。
<主制御基板と枠制御基板との間でのコマンド>
次に、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドについて説明する。図17は、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。
図17に示すように、主制御基板16から枠制御基板17に送信されるコマンドは、遊技機設置情報通知、遊技機情報通知がある。遊技機設置情報通知のコマンドは、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。遊技機情報通知のコマンドは、遊技機情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。
一方、枠制御基板17から主制御基板16に送信されるレスポンスは、遊技機設置情報応答、遊技機情報応答がある。遊技機設置情報応答のレスポンスは、遊技機設置情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。遊技機情報応答のレスポンスは、遊技機情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。
<遊技機設置情報通知・遊技機設置情報応答>
次に、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスについて詳しく説明する。図18は、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスを説明するための図である。図18(a)に示す遊技機設置情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報を通知するためのコマンドであり、遊技機設置情報として「遊技機種類」、「主制御チップID番号」、「主制御CPUメーカコード」、「主制御CPU型式コード」を含んでいる。「遊技機種類」については、図5で示した情報が含まれる。主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報通知のコマンドを送信する際の通信通番は固定値の「0」を通知する。また、遊技機設置情報通知の電文は、必ず1フレームで完結させ、分割送信しない。さらに、枠制御基板17は、遊技機設置情報通知の電文長を受信後、20ms以内にチェックサムまで受信できなかった場合、それまでの受信データをキャンセルし、再度電文長から受信する。以下のコマンドやレスポンスでも同様に行われる。
図18(b)に示す遊技機設置情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機設置情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機設置情報受領結果」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機設置情報通知と同じく通信通番を固定値の「0」として応答する。
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。図19は、遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。遊技機情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機情報(ホールコン情報、不正監視情報など)を通知するためのコマンドであり、遊技機情報として「主制御状態」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「遊技情報」を含んでいる。主制御基板16は、遊技機情報通知時に通信通番を1加算する。なお、通信通番は、255を最大とし、255の次は1にカウントを戻す。また、電文再送時には、通信通番を1加算(更新)しない。
「主制御状態」は、P台2の遊技状態の情報であり「主制御状態1」と「主制御状態2」とを含んでいる。「主制御状態1」は、大当り1(全ての大当り)、大当り2(特定の大当り)、および大当り3(時短の大当り)の情報、遊技機状態信号1~5の情報を含んでいる。遊技機状態信号1は、P台2の遊技状態がフリーゲーム状態であることを示す情報である。なお、フリーゲーム状態であることを示す遊技機状態信号1は、CU3の外部出力端子340からホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力してもよい。フリーゲーム状態であることを示す遊技機状態信号1を、ホールコン出力BOX811を介してホールコン810に出力する場合、大当り状態を示す状態信号、時短状態(又は確変状態)であることを示す状態信号とは異なる状態信号として出力するものとする。遊技機状態信号2~4は、CU3の外部出力端子340からホールコン出力BOX811を介してホールコン810に状態を出力するために使用され、ホールコン出力BOX811から出力される「外部端子板状態出力信号端子1~2」に対応する。「主制御状態2」は、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、および時短(変動時間短縮)中の情報を含んでいる。ホールコン出力BOX811から出力される状態出力信号については、遊技機状態信号1~5に対応bitが「0」から「1」に変化したことに対応して「L」から「H」の状態出力信号に変化し、遊技機状態信号1~5に対応bitが「1」から「0」に変化したことに対応して「H」から「L」の状態出力信号に変化する。
「遊技機エラー状態」は、遊技機で発生中のエラーコードの情報を含む。「不正検知状態1」は、主制御基板16で設定変更が行われていることを示す設定変更中信号の情報をBit0で、主制御基板16で設定確認が行われていることを示す設定確認中信号の情報をBit1で、主制御基板16でRAMクリアが行われていることを示すRAMクリア信号の情報をBit2でそれぞれ示し、主制御基板16での不正検知状態、特に不正検知信号1~3を検知したことを示す情報をBit3~Bit5に示す。Bit6~Bit7は、未使用である。
「遊技情報」は、主制御基板16で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板17へ通知する情報を含む。「遊技情報」は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。種別情報は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。
種別情報についてさらに詳しく説明する。図20は、遊技情報に含まれる種別情報を説明するための図である。種別情報は、データ種別(Bit4~7)の値ごとに設定されており、例えば、データ種別の値が1の場合、始動口入賞の情報である。また、データ種別ごとに、データ番号(Bit0~3)が設定されており、例えば、データ番号が1なら始動口1などと始動口番号を示している。
データ種別の値が2の場合、特別電動役物作動による大入賞口に入賞したことを通知し、データ番号が1なら大入賞口1などと大入賞口番号を示している。データ種別の値が9の場合、図柄確定回数を通知し、データ番号が1なら特図1などと特図番号を示している。データ種別の値が12の場合、役物回数、つまり大入賞口開放回数を通知し、データ番号が1なら役物1などと役物番号を示している。データ種別の値が14の場合、CU3からパルス出力することを指示し、データ番号でCU3の外部出力端子340の端子を示す。データ種別の値が15の場合、性能情報の演算に必要となる状態を通知し、データ番号が1に固定されている。
カウント情報は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。データ種別が1=始動口入賞1、2=始動口入賞2、3=始動口入賞3、4=その他役物作動による始動口入賞1、5=その他役物作動による始動口入賞2、6=その他役物作動による始動口入賞3の場合、カウント情報は、賞球数(上位4Bit)と入賞個数(下位4Bit)で構成される。例えば、3個賞球の始動口1に2個入賞した場合、データ種別(Bit4~7)が”1=始動口入賞”、データ番号(Bit0~3)が”1=始動口1”、賞球数(Bit4~7)が”3=3個賞球”、入賞個数(Bit0~3)が”1=1個入賞”の遊技情報(0x1131)が2データとなる。
データ種別が9=図柄確定回数の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と図柄確定回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が10=特別図柄当り、11=普通図柄当りの場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と当り回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が12=役物回数(大入賞口開放回数)の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と役物回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が13=特定領域通過の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と特定領域通過数(下位4Bit)で構成される。データ種別が14=外部端子板パルス出力の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)とパルス出力回数(下位4Bit)で構成される。
データ種別が15=性能情報状態通知の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と状態フラグ(下位4Bit)で構成される。図21は、性能情報状態通知のカウント情報を説明するための図である。状態フラグ(Bit0~3)では、Bit0がベース状態を示し、Bit0が”0”なら低ベース中、”1”なら高ベース中であることを示し、Bit1が大当り中の状態を示し、Bit1が”0”なら通常時、”1”なら大当り中であることを示し、Bit2が高確率中の状態を示し、Bit1が”0”なら低確率、”1”なら高確率であることを示している。Bit3がフリーゲーム状態か否かを示し、Bit1が”0”ならフリーゲーム状態、”1”なら通常状態であることを示している。
<遊技機情報応答>
図22は、遊技機情報応答のコマンドを説明するための図である。図22に示す遊技機情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機情報受領結果」を含んでいる。「遊技機情報受領結果」には、上位4ビットにファール球数、下位4ビットに発射球数の情報を含んでいる。なお、「遊技機情報受領結果」に含まれるファール球数および発射球数の情報は、前回送信してからの差分値とする。枠制御基板17は、遊技機情報通知で受信した通信通番をそのまま応答する。しかし、枠制御基板17は、連続性が成立しない通信通番を受信した場合、無応答とする。
<フリーゲーム>
次に、主制御基板16は、所定条件が成立した場合、P台の遊技状態をフリーゲーム状態に移行させる。フリーゲーム状態の遊技とは、遊技点数を減算することなく遊技が可能な遊技状態である。そのため、遊技状態がフリーゲーム状態中、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムは、減算処理を停止するが、カウントしたファール球数および発射球数は、図22で示した「遊技機情報受領結果」に含めて主制御基板16に通知される。ファール球数および発射球数のカウント自体は継続して行うため、フリーゲーム状態中の遊技で発射された発射球数も含め、後述する性能情報の各項目が算出される。枠制御基板17は、遊技状態がフリーゲーム状態中でも入賞などの遊技点の加算処理を他の遊技状態と同様に行うが、ファール球に対する加算処理は行わない。
P台2の遊技状態がフリーゲーム状態に移行する所定条件には、例えば、P台2において、可変表示装置278に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示され、その後、遊技状態が大当り遊技状態となることである。しかし、フリーゲーム状態に移行する所定条件は、これに限定されず、P台2の遊技状態が、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、時短(変動時間短縮)中(高ベース中)、およびその組み合わせた特別な遊技状態(特別状態)の場合に所定条件が成立したとしてフリーゲーム状態に移行してもよい。また、時短中、および高確率中のいずれでもない遊技状態(低確低ベース状態)において、一定回数(例えば、500)変動させることでフリーゲーム状態に移行してもよい。
さらに、P台2において、遊技球が普通入賞口272に入賞した場合にフリーゲーム状態に移行するか否かの抽選を行い、当選した場合に所定条件が成立したとしてもよい。また、P台2において、可変表示装置278に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示され、その後、遊技球が役連作動ゲートを通過したときに所定条件が成立したとしてもよい。
P台2がスロットマシンの場合において、フリーゲーム状態に移行する所定条件として、例えば、ボーナス(BB,RB,CBなど)に当選したときに、所定条件が成立したとしてフリーゲーム状態に移行してもよい。また、例えば、ART(アシストリプレイタイム)、AT(アシストタイム)の内部成立をフリーゲーム状態に移行する所定条件としてもよい。さらに、CZ(チャンスゾーン)のような遊技者にとって有利な区間に制御された状態となると、所定条件が成立したとしてフリーゲーム状態に移行してもよい。また、例えば、消化ゲーム数が1000ゲーム(天井)に到達したときにフリーゲーム状態に移行するか否かの抽選を行い、当選した場合に所定条件が成立したとしてもよい。さらに、例えば、特定の小役当選した場合に所定条件が成立したとしてもよい。
次に、フリーゲーム状態の制御について詳しく説明する。図23は、主制御基板16と枠制御基板17との間でのフリーゲーム状態における制御シーケンスを示す図である。図24は、フリーゲーム状態に移行する場合の演出の一例を説明するための図である。以下の説明では、可変表示装置278に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示され、その後、遊技状態が大当り遊技状態となることで、フリーゲーム状態に移行する所定条件が成立したとして説明する。
まず、図23に示すように、主制御基板16は、電源投入後、遊技機情報通知(図19参照)を枠制御基板17へ送信する。なお、遊技機情報通知には、通信通番=nの情報などを含む。主制御基板16は、遊技機情報通知を枠制御基板17に送信してから108ms後に、次の遊技機情報通知の電文を枠制御基板17へ送信する。枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機情報通知を受信してから次の遊技機情報通知を受信するまでの間に、遊技機情報応答を主制御基板16へ送信する。なお、遊技機情報応答には、通信通番=n、ファール球数、発射球数の情報などを含む。
P台2での遊技において、フリーゲーム状態に移行する場合を図24に基づいて説明する。なお、図24では、図1に示す遊技盤26とは異なる位置に遊技球が進入可能な構造物が設けられている遊技盤に基づいて説明する。まず、可変表示装置(図1に示す可変表示装置278)の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれ、可変表示装置の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。図24の遊技盤では、いわゆる「へそ」と呼ばれる特図1始動口である始動入賞口(図1に示す始動入賞口276)が、遊技領域のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として設けられているものとする。また、図24の遊技盤では、遊技領域のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、通過ゲート(普図ゲート)、可変入賞球装置である普通電動役物(特図2始動口)、アタッカー(図1に示す大入賞口271)などが、それぞれ設けられているものとする。
左遊技領域では、構造物のうち始動入賞口に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、始動入賞口に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、構造物のうち通過ゲート(普図ゲート)、可変入賞球装置である普通電動役物(特図2始動口)に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、通過ゲート(普図ゲート)、および普通電動役物(特図2始動口)に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
P台2では、時短状態であるときに、通常状態に比べて特別図柄の変動表示時間を短縮させる特図変動短縮制御、通常状態に比べて普通図柄の停止図柄が当り図柄とすることに決定される確率を向上させる普図確変制御(普図(普通識別情報)高確率状態)、通常状態に比べて普通図柄の変動表示時間を短縮させる普図変動短縮制御、通常状態に比べて遊技者にとって有利な開放態様(開放時間延長、開放回数増大など)とする普電開放延長制御のうち、少なくともいずれか一つの制御を行なうものであってもよく、選択的に複数の制御を組合せて行なうものであってもよく、全ての制御を行なうものであってもよい。つまり、P台2では、時短状態であるときに、普通電動役物(特図2始動口)の始動条件が成立しやすい状態である。
図24(a)では、可変表示装置278の変動表示が停止しているが、始動入賞口276に遊技球が1つ入賞した状態(保留数が1個)であるので、図24(b)のように可変表示装置278の変動表示が開始する。可変表示装置278の変動表示が開始し、左右の変動表示の数字が揃ったリーチ状態の演出が図24(c)に示されている。図24(c)のリーチ中を経て、図24(d)に示すように可変表示装置278の変動表示に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示され大当りとなると、図24(e)に示すように大当りの演出が表示される。
図24(e)では、大当り後、右打ちになることを示唆している。さらに、図24(f)では、遊技状態が移行することを示唆するため「CAHNCE」と可変表示装置278に表示される。その後、図24(g)では、遊技状態がフリーゲーム状態に移行したことを示す「フリーゲーム突入」と可変表示装置278に表示される。
図23に戻って、フリーゲーム状態に移行(フリーゲーム突入)すると、主制御基板16は、遊技機情報通知に、通信通番=n+1,遊技機状態信号1(Bit3)=ON,性能情報状態通知のカウント情報(Bit3)=ONの情報を含めて枠制御基板17へ送信する。
枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を受信すると、以降、遊技球を発射しても遊技点を減算処理しない。枠制御基板17は、性能情報状態通知のカウント情報(Bit3)=ONの情報を受信することで、フリーゲーム状態中のファール球数および発射球数をカウントすることができる。枠制御基板17は、遊技機情報応答に、通信通番=n+1,ファール球数,発射球数の情報を含めて主制御基板16へ送信する。
次に、主制御基板16は、フリーゲーム状態を終了する場合、通信通番=n+x,遊技機状態信号1(Bit3)=OFF,性能情報状態通知のカウント情報(Bit3)=OFFの情報を含めて枠制御基板17へ送信する。フリーゲーム状態を終了する条件として、例えば大当り状態が終了、高確率状態が終了、高ベース状態が終了、変動回数が一定回数(例えば、100回)を超えた場合、一定時間経過した場合、抽選により落選した場合などがある。
枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機状態信号1(Bit3)=OFFの情報を受信すると、以降、遊技球を発射すると遊技点を減算処理する。枠制御基板17は、性能情報状態通知のカウント情報(Bit3)=OFFの情報を受信することで、他の遊技状態中のファール球数および発射球数をカウントすることができる。枠制御基板17は、遊技機情報応答に、通信通番=n+x,ファール球数,発射球数の情報を含めて主制御基板16へ送信する。
このように、遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点を用いて遊技が可能となるP台2では、主制御基板16が、所定条件の成立に基づいて、フリーゲーム状態(特定状態)に制御されていることを特定可能な遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報(特定情報)を枠制御基板17へ送信可能である。枠制御基板17は、遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を受信したことに基づいて、遊技により遊技点を減少させることなく入賞などの所定事象の発生に対応して遊技点を加算する。これにより、P台2では、フリーゲーム状態により新たな遊技性を実現できるとともに、フリーゲーム状態の制御に関して適切な遊技点の管理を実現できる。
また、主制御基板16は、フリーゲーム状態として遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り)に制御されていることに対応して、遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を枠制御基板17へ送信してもよい。これにより、有利状態に関する興趣を向上できる。
さらに、主制御基板16は、フリーゲーム状態として遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であるともに、特別条件の成立にもとづいて特別状態(例えば、高確率状態,高ベース状態)に制御されていることに対応して、遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を枠制御基板17へ送信してもよい。これにより、特別状態に関する興趣を向上できる。
また、主制御基板16は、終了条件の成立(フリーゲーム状態を終了)に対応して枠制御基板17への遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報の送信を停止(つまり、遊技機状態信号1(Bit3)=OFFの情報を送信する)してもよい。これにより、フリーゲーム状態の終了を枠制御基板17へ通知することができる。
さらに、枠制御基板17は、遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報を外部(例えば、CU3(SC基板325)、CU3を介して管理コンピュータなど)へ出力してもよい(図8参照)。これにより、外部で、フリーゲーム状態の制御状況を監視できる。
また、枠制御基板17は、主制御基板16がフリーゲーム状態に制御されているときと、主制御基板16がフリーゲーム状態に制御されていないときとで遊技価値の付与に関する遊技性能を特定可能な性能情報の演算処理を共通に実行してもよい。フリーゲーム状態中のファール球数および発射球数をカウントしているため、フリーゲーム状態に制御されているときの性能情報の演算を、フリーゲーム状態に制御されていないときと同じでも異ならせてもよい。これにより、フリーゲーム状態に制御されているときにも性能情報の演算処理を適切に行うことができる。
さらに、主制御基板16から送信されるコマンドにもとづいて、演出制御を行う演出制御基板15を備えてもよい。演出制御基板15は、フリーゲーム状態に制御されていることに基づいてフリーゲーム状態に関する演出(例えば、図24(g))を実行する。これにより、フリーゲーム状態に関する興趣を向上できる。
前述したように、フリーゲーム状態に制御されている場合であっても、枠制御基板17でファール球数および発射球数をカウントし、主制御基板16に通知している。そのため、枠制御基板17は、フリーゲーム状態中のファール球数および発射球数を含めて性能情報蓄積処理、および性能情報計算処理を実行することができる。まず、性能情報蓄積処理、および性能情報計算処理で蓄積または計算する性能情報項目について説明する。図25は、性能情報項目を説明するための図である。総発射遊技球数は、枠制御基板17で検知した発射数の累計数である。総獲得遊技球数は、遊技により獲得された全ての遊技球数の数であり、「始動口入賞」、「特別電動役物作動による大入賞口入賞」、「入賞口入賞」、「ゲート通過または普図作動口入賞」、「普通電動役物作動による始動口入賞」、「役物連続作動装置作動による大入賞口入賞」、「普通電動役物作動による入賞」、「その他役物作動による入賞」により獲得した遊技球数を累計した数である。
出玉率は、総獲得遊技球数/総発射遊技球数×100で求められる値である。分間獲得遊技球数(ベース)は、低ベース中の総獲得遊技球数/低ベース中の通常時総発射遊技球数×100で求められる値である。役物比率は、役物動作による総賞球数累計値/総獲得遊技球数×100で求められる値である。なお、役物動作による総賞球数累計値は、「役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動による取得遊技球数」、「普通電動役物の作動による獲得遊技球数」、および「その他役物による獲得遊技球数」を累計した数である。連続役物比率は、連続役物動作による総賞球数累計値/総獲得遊技球数×100で求められる値である。連続役物動作による総賞球数累計値は、「役物連続作動装置の作動による獲得遊技球数」を累計した数である。以上の出玉率、分間獲得遊技球数(ベース)、役物比率および連続役物比率は、性能情報計算処理で計算される性能情報項目である。
総発射遊技球数および総獲得遊技球数は、性能情報蓄積処理で蓄積される性能情報項目であるが、他に「役物連続作動装置の作動回数」、「最大差玉数(MY)」などがある。
なお、メダルレスのスロットマシンにおいて性能情報蓄積処理、および性能情報計算処理を同様に適用することは可能である。その場合、図25に示す性能情報項目は、総発射遊技球数は総使用メダル枚数、総獲得遊技球数は、総獲得メダル枚数と読み替えてメダル数(メダルに相当する遊技価値)を累計する。例えば、総獲得遊技球数では、BB、RB、CB、またはATでの小役入賞で付与されるメダル枚数、および通常状態での小役入賞で付与されるメダル枚数などを累計した値である。また、分間獲得遊技球数(ベース)は、BB、RB、CB、またはAT以外の通常状態中の総獲得メダル枚数/当該通常状態中の通常時総使用メダル枚数×100で求められる値である。さらに、役物比率は、BB、RB、CB中の総獲得メダル枚数累計値/総獲得メダル枚数×100で求められる値である。
次に、性能情報計算処理で計算処理のタイミングについて説明する。枠制御基板17は、例えば、CU3は、遊技機起動完了後から180s後に遊技機性能情報を送信し、その後180sごとの周期で遊技機性能情報を送信する。この場合、枠制御基板17は、180sの期間の送信前の100ms前にメインループ処理に含まれる性能情報計算処理を行うが、1回のメインループ処理で複数のパラメータのすべてを計算したのでは、1回のメインループ処理で処理時間が長くなるとともに、演算処理の負担が大きくなる。例えば、枠制御基板17は、遊技機性能情報を送信する100ms前に性能情報計算処理を実行する場合、1回のメインループ処理で出玉率、分間獲得遊技球数(ベース)、役物比率、連続役物比率をすべて計算すると、当該メインループ処理での他の処理に影響を与える虞があった。
そこで、本実施の形態では、所定期間(例えば、100ms)内に性能情報計算処理を複数回実行可能であり、所定期間における所定回の性能情報計算処理において演算するパラメータ(出玉率、分間獲得遊技球数(ベース)、役物比率、連続役物比率)を1つにする。そして、枠制御基板17は、所定期間内の所定回の後の特定回の性能情報計算処理で別のパラメータを演算することで、演算処理の集中を回避している。
次に、最大差玉数(MY)について詳しく説明する。図26は、最大差玉数について説明するための図である。図26に示す縦軸は遊技球数の増減を示し、賞球により増加し、発射により減少する。電源投入時、差玉数カウンタ=0、最大差玉数=0とする。そして、遊技が開始されると、遊技球を発射するに従い遊技球数が減少し1回目の大当りが発生するまで減少を続ける。なお、差玉数カウンタ=0の場合、遊技球を発射しても差玉数カウンタをカウントしない。
1回目の大当りが発生したことで賞球を獲得することで遊技球数は増加に転じる。差玉数カウンタは、賞球時の処理として、差玉数カウンタ+賞球数で更新し、差玉数カウンタが最大差玉数より大きい場合、最大差玉数を更新する。図26において、1回目の大当りが発生した場合、差玉数カウンタ=0、最大差玉数=0であるので、賞球数が増加するに連れて差玉数カウンタが増加し、最大差玉数が更新され続けることになる。
1回目の大当りが終了し、賞球を1000球獲得した場合、差玉数カウンタ=1000、最大差玉数=1000となる。その後、遊技を続け遊技球を発射した場合、差玉数カウンタは0ではないので、差玉数カウンタ-発射球数で差玉数カウンタを更新する。つまり、差玉数カウンタが1以上の場合、遊技球を発射するたびに差玉数カウンタから発射球数を減算する。
図26では、2回目の大当りが発生するまで、差玉数カウンタは減少を続ける。差玉数カウンタが減少している間、最大差玉数は更新されることはない。その後、差玉数カウンタは、賞球を獲得することで増加し、遊技球数を発射することで減少を続ける。次に、差玉数カウンタが、最大差玉数の1000を超えた場合、最大差玉数を更新する。2回目の大当りが終了し、差玉数カウンタが1200となった場合、最大差玉数=1200に更新する。
最大差玉数は、性能情報蓄積処理で演算される性能情報項目に含まれているので、CU3に対して180sごとに通知される。図26に示す差玉数カウンタのカウント、最大差玉数の更新、およびCU3への最大差玉数の通知する処理は、P台2の電源をOFFするまで繰り返される。
<カードユニットおよびパチンコ遊技機を含む遊技用システムの構成>
P台2は、CU3に1対1で接続されている。遊技場(ホール)内には、このP台2とCU3とのセットが複数存在し、それぞれのセットが管理コンピュータやホールコンに接続され遊技用システムを構成している。以下、CU3およびP台2を含む遊技用システムについて説明する。図27は、カードユニットおよびパチンコ遊技機を含む遊技用システムの構成を説明するためのブロック図である。図27に示す遊技用システムでは、説明を簡単にするために1セットのP台2およびCU3が管理コンピュータ802、ホールコン810に接続している例が図示されている。
P台2とCU3とは、PIF配線322を介して接続されている。このPIF配線322は、P台2の枠制御部171に接続されたPIF-E回路171aと、CU3のSC基板325に接続されたPIF-E回路325aとを接続している。CU3では、P台2から送信されてくる情報をSC基板325で必要に応じて秘匿化し、CU制御部323を介して外部(管理コンピュータ802やホールコン810)に出力する。SC基板325は、遊技用システムのセキュリティ監視基板である。なお、SC基板325とCU制御部323とを一つにまとめた構成でもよい。
管理コンピュータ802は、CU3の外部出力端子340に接続するコンピュータであり、カード会社データセンタ801は、管理コンピュータ802と接続するカード会社のセンタで、遊技機情報センタ800は、P台2から出力される各種情報を収集するセンタである。
ホールコン810は、P台2から出力される遊技情報を収集するコンピュータであり、ホールコン出力BOX811は、CU3の外部出力端子340から出力される情報をホールコン810やデータランプなどで受信可能な信号に変換して出力する装置である。なお、図27では、ホールコン出力BOX811がCU3の外部に設けられた構成が示されているが、CU3の内部にホールコン出力BOX811を設けてもよい。
<ホールコン出力BOXとカードユニットとの通信>
ホールコン出力BOX811は、遊技情報の信号変換部で、外部(例えば、ホールコン810など)に遊技情報を出力する装置である。また、複数のホールコン出力BOX811を、図示していない中継器を介してホールコン810に接続してもよい。ホールコン出力BOX811とCU3とはシリアル通信で接続されており、CU3と接続する場合に何らかのセキュリティを確保する必要がある。具体的に、ホールコン出力BOX811が不正に改造され不正確な情報がホールコン810に出力されると、不正確な情報が遊技者に提供されることになり不適切な状態となる。また、カードユニットの仕様により遊技機情報の出力可否が異なると、遊技機情報の出力自体が無駄になる可能性がある。そのため、ホールコン出力BOX811から外部への出力を統一しつつ、ホールコン出力BOX811は、CU3と接続する場合に認証処理を行っている。なお、CU3は、ホールコン出力BOX811に相当する回路部を内蔵していてもよい。ホールコン出力BOX811に相当する回路部を内蔵したCU3は、ホールコン810とシリアル通信で接続され、ホールコン出力BOX811に相当する回路部で認証処理を行い、その結果に応じて、遊技機情報の出力の不可となる。
<実施形態の構成>
(1) 遊技球が封入された封入式遊技機では、例えば、特許文献1(特開2017-164318号公報)に開示されているように、本体枠の左上部に発射装置を設けており、遊技球が発射装置の発射口から遊技盤に向けて発射され、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が、アウト口から遊技盤の後方に向けて流下する。
また、特許文献2(特開2012-196244号公報)に開示されている封入式遊技機では、遊技球を発射する発射ユニットが、遊技盤の下側に設けられた取付盤に、遊技領域の下方位置であって前面側から見て遊技盤のセンタよりやや右寄りに配置する位置に取り付けられている。そのため、特許文献2の遊技機では、ガイドレールの案内路の下端側の開口と発射ユニットの間に、発射ユニットで弾かれた遊技球のうち、遊技領域に至らずに流下したファール球を回収するファールレールおよびファール球検知センサが設けられる。ファール球検知センサがファール球を検知した場合、発射可能球数管理部は、これらファール球が検知された時点で発射可能球数を加算更新する。
特許文献2の遊技機のように、発射装置を本体枠の下部に設けた場合、ファールレールを戻って回収されるファール球以外に、ファール球の一部には発射装置へ戻る戻り球が存在し、当該戻り球に対して適切な減算処理が行われなければ管理している遊技点に齟齬が生じる虞があった。
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ファール球の一部である発射装置への戻り球に対して適切に減算処理を行うことができる遊技機および遊技枠を提供することである。
(1-1) 遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点に対応して遊技媒体(例えば、遊技球)を発射することにより遊技が可能となる遊技機(例えば、P台2)であって、
所定領域(例えば、遊技領域27)の下方に設けられ、前記所定領域に向けた遊技媒体の発射動作が可能な発射手段(例えば、発射機構30)と、
前記発射手段における遊技媒体の発射動作(例えば、発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力)に対応して生成された特別信号(例えば、減算基準信号)に基づいて遊技点の減算処理を実行する制御手段(例えば、枠制御基板17)と、
前記特別信号に基づいて前記発射手段への遊技媒体の搬送を実行する搬送手段(例えば、減算機構32)と、
前記発射手段で発射されて前記所定領域に到達しない遊技媒体を検知可能な特定検知手段(例えば、ファール球検出スイッチ703)と、備え、
前記特定検知手段が遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の加算処理を実行し(例えば、ファール球検出スイッチ703でファール球を検出した場合、遊技球数を1加算する)、
前記特別信号の出力後、所定期間(例えば、戻り球監視期間)内に前記搬送手段に設けられた特別検知手段(例えば、減算機構出口センサ32c)で遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の減算処理と、前記搬送手段が遊技媒体の搬送とを実行せず(例えば、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムは、減算処理を実行せず、減算機構32は可動片45を制御して遊技球の搬送を実行しない)に前記発射手段を動作させる(例えば、3回空打ち)。
このような構成によれば、特別検知手段で検知した発射手段へ戻る遊技媒体(戻り球)に対応した適切な遊技点の減算処理を実現できる。
(1-2) 遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点に対応して遊技媒体(例えば、遊技球)を発射することにより遊技が可能となる遊技機(例えば、P台2)の遊技枠(例えば、遊技枠5)であって、
所定領域(例えば、遊技領域27)の下方に設けられ、前記所定領域に向けた遊技媒体の発射動作が可能な発射手段(例えば、発射機構30)と、
前記発射手段における遊技媒体の発射動作(例えば、発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力)に対応して生成された特別信号(例えば、減算基準信号)に基づいて遊技点の減算処理を実行する制御手段(例えば、枠制御基板17)と、
前記特別信号に基づいて前記発射手段への遊技媒体の搬送を実行する搬送手段(例えば、減算機構32)と、
前記発射手段で発射されて前記所定領域に到達しない遊技媒体を検知可能な特定検知手段(例えば、ファール球検出スイッチ703)と、備え、
前記特定検知手段が遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の加算処理を実行し(例えば、ファール球検出スイッチ703でファール球を検出した場合、遊技球数を1加算する)、
前記特別信号の出力後、所定期間(例えば、戻り球監視期間)内に前記搬送手段に設けられた特別検知手段(例えば、減算機構出口センサ32c)で遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の減算処理と、前記搬送手段が遊技媒体の搬送とを実行せず(例えば、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムは、減算処理を実行せず、減算機構32は可動片45を制御して遊技球の搬送を実行しない)に前記発射手段を動作させる(例えば、3回空打ち)。
このような構成によれば、特別検知手段で検知した発射手段へ戻る遊技媒体(戻り球)に対応した適切な遊技点の減算処理を実現できる。
(1-3) 上記(1-1)の遊技機において、
前記特別検知手段は、前記搬送手段から前記発射手段の出口に設けられ(例えば、減算機構出口センサ32c)、
前記特別信号の受信後の前記特別検知手段の検知状態に基づいて、遊技媒体の搬送エラーの判定が可能である(例えば、発射機構に送り出された遊技球pが減算機構出口センサ32cで検知できなければ、発射機構に遊技球pが搬送されていないとして判定することができる)。
このような構成によれば、搬送手段の動作の不具合を検知することができる。
(1-4) 上記(1-1)または(1-3)の遊技機において、
前記発射手段の動作を制御する発射制御手段(例えば、発射制御基板31)を備え、
前記発射制御手段は、前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応して前記特別信号を生成して前記制御手段へ送信し(例えば、減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される)、
前記制御手段は、前記発射制御手段からの前記特別信号を受信したことに基づいて遊技点の減算処理を実行する(例えば、技球数を減算する)。
このような構成によれば、減算処理を適切に実行することができる。
(1-5) 上記(1-4)の遊技機において、
前記制御手段は、前記搬送手段の動作を制御し、前記発射制御手段からの前記特別信号を受信したことに基づいて前記搬送手段に遊技媒体の搬送動作を実行させる(例えば、減算機構32は、減算基準信号を基準として、減算ソレノイド32aを通電し図14に示す可動片45を動かすことにより、電磁的方法によって記録された遊技球を実球に変換して、発射機構30へ送り出している)。
このような構成によれば、発射手段の発射動作に対応して搬送手段を適切に動作させることができる。
(1-6) 上記(1-1)、(1-3)~(1-5)の遊技機において、
前記搬送手段は、遊技媒体を搬入する入口に入口検知手段(例えば、減算機構入口センサ32b)を設け、
前記制御手段は、前記特別信号を受信後に前記入口検知手段で遊技媒体の通過を検知したことに基づいて遊技点の減算処理を実行する(例えば、遊技球pが減算機構入口センサ32bを通過すると遊技球数を減算し、遊技球数表示器29に表示する)。
このような構成によれば、発射手段の発射動作と搬送手段の動作とに対応した減算処理を実行することができる。
(1-7) 上記(1-1)、(1-3)~(1-6)の遊技機において、
前記制御手段は、前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応して生成された前記特別信号に基づいて遊技点の減算処理を実行し、
前記発射手段で発射されて前記所定領域に到達しない遊技媒体のうち前記特定検知手段で検知した遊技媒体に対応して遊技点の加算処理を実行する(例えば、ファール球検出スイッチ703でファール球を検出した場合、遊技球数を1加算する)。
このような構成によれば、発射手段の発射動作に対応した適切な遊技点の減算処理を実現できるとともに、発射されて所定領域に到達しない遊技媒体(ファール球)が存在するときにおいて適切な遊技点の加算処理を実現できる。
(1-8) 上記(1-1)、(1-3)~(1-7)の遊技機において、
前記特定検知手段が遊技媒体を検知した場合でも、前記特別信号の出力後、所定期間内に前記搬送手段に設けられた特別検知手段で遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の加算処理を実行しない。
このような構成によれば、特定検知手段が遊技媒体を検知しても、所定期間内に特別検知手段で遊技媒体を検知した場合に対して適切な加算処理を実行することができる。
(2) 遊技球が封入された封入式遊技機では、例えば、特許文献A(特開2012-170533号公報)に開示されているように、払出制御用マイクロコンピュータが、表示器用演出制御基板に搭載されている表示器用演出制御用マイクロコンピュータに対して表示器用演出制御コマンドを送信し、表示器用演出制御用マイクロコンピュータが、受信した表示器用演出制御コマンドにもとづいて表示器における各種表示制御を行う。特許文献Aの遊技機では、表示器用演出制御コマンドにもとづいて表示器で遊技の演出が実行される。
また、特許文献B(特開2015-89399号公報)に開示されている封入式遊技機では、遊技者の誕生日であるという条件、特定日(レディースデイ)であるという条件、遊技場に来店したという条件、遊技場に所定頻度以上、および、来店したという条件などの贈与条件を満たした場合に、無料持玉を付与して無償遊技が可能であることが開示されている。
しかし、特許文献Bの遊技機のように、贈与条件を満たした場合に、無料持玉を付与して無償遊技させるだけでは、遊技性が乏しく、興趣が不十分であった。
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、興趣を十分に向上させることができる遊技性を有する遊技機を提供することである。
(2-1) 遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点を用いて遊技が可能となる遊技機(例えば、P台2、スロットマシン)であって、
遊技の進行を制御する第1制御手段(例えば、主制御基板16)と、
前記第1制御手段と通信可能であり、遊技価値に関する情報(例えば、遊技球数情報、発射球数情報、ファール球数情報、アウト球数情報)を管理し遊技結果に応じて遊技価値を更新する第2制御手段(例えば、枠制御基板17)と、を備え、
前記第1制御手段は、所定条件の成立(例えば、大当りなどフリーゲーム状態に移行させる条件の成立)に基づいて、特定状態(例えば、フリーゲーム状態)に制御されていることを特定可能な特定情報(例えば、遊技機状態信号1(Bit3)=ONの情報)を前記第2制御手段へ送信可能であり、
前記第2制御手段は、前記特定情報を受信したことに基づいて、遊技により遊技価値を減少させることなく所定事象の発生(例えば、入賞)に対応して遊技価値を加算する。
このような構成によれば、特定状態により新たな遊技性を実現できるとともに、特定状態の制御に関して適切な遊技点の管理を実現できる。
(2-2) 上記(2-1)の遊技機において、
前記第1制御手段は、前記特定状態として遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り)に制御されていることに対応して、前記特定情報を前記第2制御手段へ送信する。
このような構成によれば、有利状態に関する興趣を向上できる。
(2-3) 上記(2-1)の遊技機において、
前記第1制御手段は、前記特定状態として遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であるともに、特別条件の成立にもとづいて特別状態(例えば、高確率状態,高ベース状態)に制御されていることに対応して、前記特定情報を前記第2制御手段へ送信する。
このような構成によれば、特別状態に関する興趣を向上できる。
(2-4) 上記(2-1)~(2-3)の遊技機において、
前記第1制御手段は、終了条件の成立(例えば、大当り終了、高ベース状態終了などフリーゲーム状態を終了させる条件の成立)に対応して前記第2制御手段への前記特定情報の送信を停止する。
このような構成によれば、特定状態の終了を第2制御手段へ通知することができる。
(2-5) 上記(2-1)~(2-4)の遊技機において、
前記第2制御手段は、前記特定情報を外部(例えば、CU3のSC基板325など)へ出力する。
このような構成によれば、外部で、特定状態の制御状況を監視できる。
(2-6) 上記(2-1)~(2-5)の遊技機において、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段が特定状態に制御されているときと、前記第1制御手段が特定状態に制御されていないときとで遊技価値の付与に関する遊技性能を特定可能な性能情報の演算処理(例えば、図25に示す性能情報)を共通に実行する。
このような構成によれば、特定状態に制御されているときにも性能情報の演算処理を適切に行うことができる。
(2-7) 上記(2-1)~(2-6)の遊技機において、
前記第1制御手段から送信されるコマンドにもとづいて、演出制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御基板15)を備え、
前記演出制御手段は、前記特定状態に制御されていることに基づいて前記特定状態に関する演出(例えば、図24に示すフリーゲーム突入の演出)を実行する。
このような構成によれば、特定状態に関する興趣を向上できる。
<変形例>
(1) P台2は、パチンコ玉が封入された封入循環式パチンコ遊技機であるとして上述の実施の形態を説明したが、メダルが封入された封入循環式のスロットマシンや、メダルレスのスロットマシンであるとして上述の実施の形態に対して同様に適用してもよい。なお、P台2は、ユニットであるCU3との通信を枠制御基板17で行うと説明したが、スロットマシンでは、枠制御基板に代えて通信基板を設け、当該通信基板を介してユニットと通信を行う。
(2) 前述した実施の形態においては、枠制御部171によって算出された付与された遊技価値(例えば、賞球など)に関する性能情報、ベース、役物比率、連続役物比率などの所定情報は、遊技機または遊技用装置で特定され、送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報が、遊技場の内部のサーバ(ホールコン810など)または外部のサーバ(遊技機情報センタ800など)などの管理装置で特定されるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、減算機構32が、減算基準信号が出力されてから80ms後に減算ソレノイド32aを通電し、可動片45が移動することで遊技球pを発射機構30の発射台43に送り出し、それに伴い減算機構入口センサ32bで1球の遊技球の通過を検知することで減算処理され、遊技球数を1球減算し、遊技球数表示器29に減算した遊技球数を表示すると説明した。しかし、これに限定されず、減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力されたことに基づいて、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで減算処理され、遊技球数を1球減算してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 パチンコ遊技機、3 カードユニット、16 主制御基板、17 枠制御基板、26 遊技盤、29 遊技球数表示器、171 枠制御部、309 カード挿入/排出口、319 返却ボタン、320 IR受光ユニット、321 球貸ボタン、323 CU制御部。

Claims (1)

  1. 遊技価値としての遊技点に関する情報を管理し、遊技点に対応して遊技媒体を発射することにより遊技が可能となる遊技機であって、
    所定領域の下方に設けられ、前記所定領域に向けた遊技媒体の発射動作が可能な発射手段と、
    前記発射手段における遊技媒体の発射動作に対応して生成された特別信号に基づいて遊技点の減算処理を実行する制御手段と、
    前記特別信号に基づいて前記発射手段への遊技媒体の搬送を実行する搬送手段と、
    前記発射手段で発射されて前記所定領域に到達しない遊技媒体を検知可能な特定検知手段と、
    前記搬送手段から前記発射手段にいたる前記搬送手段の出口側に設けられ、前記発射手段の発射位置にある遊技媒体を検知可能な特別検知手段と、備え、
    前記特定検知手段が遊技媒体を検知したことに基づいて、前記制御手段が遊技点の加算処理を実行し、
    前記特別信号の出力後に前記特別検知手段で遊技媒体を検知しなくなってから前記搬送手段による遊技媒体の搬送が開始されるまでの期間内に前記特別検知手段で遊技媒体を再び検知した場合、前記制御手段における遊技点の減算処理と、前記搬送手段における遊技媒体の搬送とを実行せずに前記発射手段を動作させる、遊技機。
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