以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称する)2が併設されている。なお、パチンコ機2の所定側の側方位置には、該パチンコ機2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。
パチンコ機2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図2参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
図1に示すパチンコ機2は、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口145(図2参照)に回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口145に回収されたパチンコ玉は再度パチンコ機2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
パチンコ機2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。
さらに、パチンコ機2における打球操作ハンドル25の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰り返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。
このように、計数ボタン28をP台側に設けているため、計数ボタン28をCU側に設ける場合に比較して、P台に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。
計数ボタン28の右上方には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器29が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のディスプレイである。なお、遊技玉数表示器29は、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図1を参照して、本実施の形態に係るカードユニットの構成を説明する。このカードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受け付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。パチンコ機2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
カードユニット3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードIDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR(Infrared)感光ユニット320で受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてパチンコ機2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、パチンコ機2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引き落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引き落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引き落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたホールサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれるたびにリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどがある。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
カードユニット3の前面側には、さらに、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と返却ボタン322とが設けられている。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてパチンコ機2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<パチンコ玉の循環経路>
図2は、パチンコ機2の背面図であり、図3は遊技玉の循環機構を説明するための正面図、図4は遊技玉の循環機構を説明するための背面図である。図2〜図4を参照して、主に封入循環式のパチンコ玉の循環経路を説明する。
パチンコ機2の遊技盤保持枠95には、遊技盤取付け用の回動レバー100が設けられており、この回動レバー100を回動操作することにより、遊技盤26が着脱可能となる。本実施の形態に係るパチンコ機2は、このように遊技盤26と、それ以外の遊技機枠とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ機の機種毎に異なるものである一方、遊技機枠は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤のみの交換で事足りる。
遊技領域27に設けられている入賞口や可変入賞球装置などから入賞したすべての入賞玉は、入賞玉集合カバー部材144で集められて回収玉通過経路901に誘導される。一方、アウト口145に進入したアウト玉も、アウト玉流下経路702を流下する。このアウト玉流下経路702にはアウト玉検出スイッチ701が設けられており、アウト玉流下経路702を流下する玉が検出される。
一方、ファール玉はファール玉戻し経路151を流下してファール玉戻り口150からファール玉戻り経路902を通って回収玉通過経路901を流下する。ファール玉戻し経路151の途中箇所には流下するファール玉を検出するファール玉検出スイッチ33が設けられている。
アウト玉流下経路702を流下するアウト玉は、回収玉通過経路901に進入し、入賞玉とファール玉と共に流下して玉回収経路189に進入する。その回収玉通過経路の途中箇所に発射玉検出スイッチ903が設けられており、入賞玉とアウト玉とファール玉とが合流したすべての玉が検出される。
さらに発射玉検出スイッチ903の下流側における途中箇所に、補給50個検出スイッチ(遊技玉不足検出スイッチとも言う)904が設けられている。この補給50個検出スイッチ904は、パチンコ機2に内蔵されたパチンコ玉の数が所定個数(50個)に達しているか否かを検出するためのものである。一方、前述の発射玉検出スイッチ903は、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉のすべてが回収されて検出されるものであり、遊技領域27に打込まれた打込玉個数とこの発射玉検出スイッチ903により検出されたパチンコ玉の数とが等しくなったときに、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたことが検出される。
このような役割を持った発射玉検出スイッチ903は、パチンコ機2に内蔵された封入玉の個数が所定個数(50個)を超過していることの検出にも兼用されている。すなわち、パチンコ機2に封入されているパチンコ玉が所定個数(50個)の場合には、遊技が行なわれていない非稼動状態において停留している封入玉の最後の50個目のパチンコ玉の位置が、補給50個検出スイッチ904と発射玉検出スイッチ903とのちょうど間に位置するように構成されている。
これにより、所定個数(50個)を超えるパチンコ玉がパチンコ機2内に封入された場合には遊技されていない状態において停留しているパチンコ玉が発射玉検出スイッチ903の検出位置を越える状態となり、常に発射玉検出スイッチ903が玉の検出状態となり、それによって封入玉の個数が多過ぎることが検出可能となる。一方、封入玉の個数が所定個数(50個)より少な過ぎた場合には、非遊技状態において停留しているパチンコ玉が補給50個検出スイッチ904の検出位置よりも下流側になり、補給50個検出スイッチ904が玉を検出していない非検出状態となる。これにより、封入玉の個数が所定個数(50個)よりも少な過ぎることが検出可能となる。
玉回収経路189を流下したパチンコ玉は、パチンコ玉を上方へ搬送するための搬送装置190に進入する。搬送装置190は、搬送モータ40により回転する搬送用スクリュー190bが内蔵されており、この搬送用スクリュー190bが回転することによりパチンコ玉が上方へ搬送される。搬送装置190には、さらに、搬送途中のパチンコ玉と接触することによりそのパチンコ玉を研磨する左右1対の研磨部材913が設けられており、パチンコ玉は上方へ搬送されつつその表面が研磨される。この研磨部材913は、研磨モータ193aの駆動力により回転してパチンコ玉を研磨する。
搬送装置190のパチンコ玉取入口近傍に玉上げスイッチ(下)41bが設けられており、搬送装置190に進入するパチンコ玉が検出される。一方、搬送装置190により上方へ搬送されて搬送装置190から排出されたパチンコ玉が玉上げスイッチ(上)41aにより検出される。その検出されたパチンコ玉は整流器916まで流下する。整流器916は、パチンコ玉を1発ずつ玉発射位置にまで供給するためのものである。遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより発射モータ18が駆動して打球ハンマー920が間欠揺動される。整流器916により発射位置にまで供給されてきた1個のパチンコ玉がこの打球ハンマー920により弾発されてそのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
この打球ハンマー920による玉の発射位置にパチンコ玉を1つずつ供給するべく、整流器916には、整流器ソレノイド916aとその整流器ソレノイド916aの駆動力により上下揺動する玉送り部材916bとが設けられている。玉送り部材916bは、図2に示すようにコの字型の形状をしており、流下してきたパチンコ玉を1個受入れ、その状態で整流器ソレノイド916aが励磁されることによりその駆動力によって玉送り部材916bが下方に揺動する。すると、受入れていたパチンコ玉が1個打球発射位置に供給される。その供給されてきたパチンコ玉1個を打球ハンマー920が弾発することにより、そのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
この打球ハンマー920は、打球打込方向にばねで付勢されており、発射モータ18の駆動力によって回転するカムの作用によりこの打球ハンマー920が打込方向とは逆方向(バックスイング方向)に揺動される。そして、所定量の揺動が行なわれた段階でカムの作用が外れてばねの付勢力により打球ハンマー920が打込方向に揺動されてパチンコ玉が弾発発射される。前述の打球打込方向に付勢するばねは、遊技者が打球操作ハンドル25を回転させることによりその付勢力を調整することができ、これにより打球発射勢いが調整可能となる。
前述した整流器916と玉上げスイッチ(上)41aとの間に、玉抜き部915が設けられている。この玉抜き部915には、玉抜きモータ915aが設けられている。中継基板921に設けられた玉抜きスイッチ922を遊技場の係員が操作することにより、玉抜きモータ915aが所定量回転し、封入玉を経路外に抜き出すことが可能となる。
玉上げスイッチ(上)41aは、その検出信号が搬送モータ40をオンオフ制御するために利用される。打球操作ハンドル25による打球操作が行なわれず打球発射されていない状態では、整流器916が玉送り動作を行なわないために、搬送装置190により上方に搬送されてきたパチンコ玉は、整流器916の箇所で流下が阻止されて停留する。その停留するパチンコ玉が玉上げスイッチ(上)41aの検出位置まで達した段階で、玉上げスイッチ(上)41aから常時玉の検出信号が出力される状態となる。そのような玉の検出信号の継続した出力状態が所定時間(たとえば数msec)続いたときに、搬送モータ40の駆動が停止され、玉の上方への搬送がストップされる。
一方、遊技者が打球操作ハンドル25を回転操作して打球発射させることにより、整流器916が玉送り動作を実行し、その結果、整流器916の箇所で流下が阻止されて停留していた玉が玉送りされて玉上げスイッチ(上)41aから玉の検出信号が出力されない状態となる。すると、搬送モータ40の駆動が開始されて玉が搬送される。搬送モータ40の駆動による単位時間当りの玉の揚送個数の方が発射モータ18の駆動による単位時間当りの玉の発射個数より多くなるように制御されているため、搬送モータ40の駆動が開始されて少し時間が経過することにより再び玉上げスイッチ(上)41aから常時玉の検出信号が出力される状態となり、搬送モータ40の駆動が停止される。しかし、打球発射は継続しているため、再び玉上げスイッチ(上)41aから玉の検出信号が出力されない状態となる。すると、搬送モータ40の駆動が開始されて玉が搬送される。遊技者が打球操作を行なっている稼働状態では、この搬送モータ40の駆動と停止が繰返されることになる。
遊技玉数が遊技領域27に発射されたことを検出する遊技玉の発射検出は、玉上げスイッチ(上)41aがオンからオフに変化したことにより検出される。この検出は、払出制御部171が設けられている払出制御基板17(図5参照)でのポート入力により検知され、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
発射モータ18には発射モータ原点センサ(図示省略)が設けられている。この発射モータ原点センサは、発射モータ18を所定の原点位置で停止させるためのものである。打球操作ハンドル25に設けられたタッチリンク(図示省略)から遊技者が手を離した段階で発射モータ18が停止するのであり、その停止時に発射モータ原点センサが発射モータ18の原点を検出した時点で発射モータ18を停止させるように制御する。
また、パチンコ機2の電源投入時において発射モータ18が原点位置からずれており発射モータ原点センサ37の出力がOFFの場合には、発射モータ18の現在位置の状況によって、発射モータ18を正転または逆転させ、パチンコ玉を発射させることなく、発射モータ18の停止位置を原点に移動させる制御が行なわれる。なお、現在の発射モータ18の停止位置と原点の位置とを比較して発射モータ18を正転または逆転のいずれの方向に回転させるのが原点位置に近い回転方向かを判定し、近い回転方向に回転制御させることにより停止位置を原点に移動させるようにしてもよい。
同様に、玉抜きモータ915aに玉抜きモータ原点センサ(図示省略)が設けられており、玉抜きモータ915aが原点位置で停止するように制御される。
前述した入賞玉検出スイッチ、補給50個検出スイッチ904、玉上げスイッチ(上)41a、玉上げスイッチ(下)41b、ファール玉検出スイッチ33、アウト玉検出スイッチ701は、玉の通過により静電容量の変化を検出する近接スイッチで構成されている。一方、発射玉検出スイッチ903だけは投受光方式のフォトセンサで構成されている。遊技場においては、不正電波を発信させて玉検出スイッチを不正に誤検出させるという電波を利用した不正行為が行なわれる場合がある。そのような不正電波が発信された場合には近接スイッチは誤検出する虞があるが、フォトセンサは誤検出の虞がない。
その結果、不正電波を発信する不正行為が生じた場合に、近接スイッチで構成されている入賞玉検出スイッチやファール玉検出スイッチ33やアウト玉検出スイッチ701が誤検出に伴う検出信号を出力したとしても、フォトセンサで構成されている発射玉検出スイッチ903は誤検出する虞がないために、ファール玉検出スイッチ33とアウト玉検出スイッチ701と入賞玉検出スイッチとの合計の検出玉数と発射玉検出スイッチ903の検出による玉の検出個数との間に齟齬が生じる。その結果、電波による不正行為を監視することができる。なお、前述した入賞玉検出スイッチ、補給50個検出スイッチ904、玉上げスイッチ(上)41a、玉上げスイッチ(下)41b、ファール玉検出スイッチ33、アウト玉検出スイッチ701、発射玉検出スイッチ903を、すべて同じ種類のスイッチで構成してもよい。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図5は、カードユニット3とパチンコ機2との構成を示すブロック図である。図5を参照して、カードユニット3とパチンコ機2との制御回路の概略を説明する。
カードユニット3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801(図10参照)と通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられているとともに、パチンコ機2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325が設けられている。カードユニット3にはパチンコ機2側への接続部(図示省略)が設けられており、パチンコ機2にはカードユニット3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325とP台側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、パチンコ機2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からP台2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800(図10参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800から基板制御情報として通知される。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323に入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がCU制御部323に入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323に入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。P台2に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。P台2に送信された表示用データは、中継基板14を介して表示器312に入力される。表示器312には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
パチンコ機2には、パチンコ機2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に玉が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当たりを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、4である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行なうとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
演出制御基板15は、遊技機枠6側の中継基板14を介して、表示器54とも接続されている。演出制御部151は、可変表示装置278に対して可変表示等のための表示制御信号を送信するとともに、可変表示装置278の表示と連動する表示を行なうための表示制御信号を表示器54へ送信可能である。
払出制御基板17は、前枠6(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板17に対し、前述した発射玉検出スイッチ903、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、前述したように、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。従って、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。なお、玉上げスイッチ(上)41aばかりでなく、発射玉検出スイッチ903(図2参照)も電波による不正の対象となる虞がある。つまり、玉上げスイッチ(上)41aだけ不正電波により常時オン状態にした場合には、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチ903で検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報2がP台2からCU3へ送信されることになる(図17で後述する)。しかし、この発射玉検出スイッチ903にも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報2がP台2からCU3へ送信されなくなる不都合が生じる。本実施の形態では、このような発射玉検出スイッチ903に対して発信される不正電波も、電波センサ173で検出するため、前述の不都合を防止し得る。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、パチンコ機2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。このことに関しては後に詳しく説明する。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口1または始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701から払出制御基板17へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33からファール玉検出信号が入力された払出制御基板17では、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903から払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
カードユニット3のセキュリティ基板325とパチンコ機2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、後述するように、リカバリ要求、リカバリ詳細要求、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、後述するように、パチンコ機2に対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、リカバリ要求を受けてパチンコ機2のリカバリ情報をカードユニット3に通知する。リカバリ詳細要求は、パチンコ機2に対してリカバリ詳細情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、リカバリ詳細要求を受けてパチンコ機2のリカバリ詳細情報をカードユニット3に通知する。通信開始要求は、パチンコ機2に対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信開始要求を受けてカードユニット3に対して通信開始を応答する。通信終了要求は、パチンコ機2に対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信終了要求を受けてカードユニット3に対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、パチンコ機2に対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、状態情報要求を受けてパチンコ機2の状態情報をカードユニット3に通知する。カード挿入通知は、パチンコ機2に対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード挿入通知を受けてカードユニット3に対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、パチンコ機2に対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード返却通知を受けてカードユニット3に対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、パチンコ機2に対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17は、通信テスト要求を受けてカードユニット3に対してテストデータを応答する。
払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、リカバリ応答、リカバリ詳細応答、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
前枠6(遊技枠)には、払出制御基板17の他、中継基板14、発射制御基板31、発射モータ18、遊技玉数表示器29が設けられている。なお、遊技玉数表示器29は前枠6に直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠6に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。
払出制御基板17の払出制御部171は遊技玉数表示器29に遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。
前枠6(遊技枠)には、表示器54が設けられている。表示器54は、中継基板14を介してカードユニット3の表示制御部350からの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54は、中継基板14を介して演出制御基板15からの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板14には演出制御基板15および表示制御部350のうち一方からの表示制御信号を表示器54へ出力して表示器54に演出制御基板15または表示制御部350からの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141が搭載されている。
なお、本実施の形態では、P台側の表示器54がCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台側に表示器54を表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
<表示器(タッチパネル)の表示制御(切換回路を用いた場合)>
図6は、遊技玉数表示器29および表示器54の表示制御を説明するためのブロック図である。この図6では、図5に示したCU3およびP台2の各種構成のうち、遊技玉数表示器29および表示器54の表示制御に関わる主要な構成のみを図示している。
主制御基板16に搭載されている主制御部161は、遊技制御に伴い変化する各種の遊技情報を払出制御基板17の払出制御部171へ送信する。払出制御部171は、主制御部161から送信されてくる遊技情報に基づいて玉数情報等をCU制御部323へ送信するとともに、遊技玉数表示器29を表示制御する。その結果、遊技玉数表示器29には、遊技者が現在所有している遊技玉数が表示され、玉の発射あるいは計数操作に基づいて遊技玉数の表示が減算更新され、入賞の発生あるいは貸玉操作等に基づいて遊技玉数の表示が加算更新される。
CU制御部323は、払出制御部171から送信されてくる玉数情報等に基づいて自ら記憶している遊技玉数等の遊技情報を更新する。また、CU制御部323はカード残額や遊技者の持玉を記憶しており、P台2側の表示器54にそれら記憶している遊技情報に基づいた表示をするための情報を表示制御部350へ送信する。表示制御部350は、その情報に基づいた表示制御信号をP台2側の中継基板14へ送信する。
一方、中継基板14には、演出制御基板15の演出制御部151からの表示制御信号も入力される。演出制御部151は、主制御部161から受信する各種の可変表示コマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御するための表示制御信号を可変表示装置278へ送信するとともに、表示器54を表示制御するための表示制御信号を中継基板14へも送信する。
中継基板14には、通常、CU3の表示制御350側のみから表示制御信号が送信されており、演出制御部151からは表示制御信号は送信されない。その結果、通常は、表示器54にはCU3の表示制御350からの表示制御信号に基づいた持点やカード残額などの情報が表示される。ところが、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて遊技機の遊技状態の変化を検出すると、その遊技状態の変化に応じた表示制御信号を中継基板14へ送信する。
切換回路141は、演出制御部151からの表示制御信号の入力があると、表示制御部350から入力される表示制御信号ではなく、演出制御部151から入力される表示制御信号を表示器54へ送信するように回路を切換える。その結果、表示器54には通常時はCU3側の表示制御に基づいた持点等の表示がなされ、たとえば、可変表示装置278に大当り表示がなされるなどして遊技状態が変化すると、表示器54の表示が大当り表示などの可変表示装置278の表示と連動するものに切換えられる。また、その後、演出制御部151から中継基板14への表示制御信号の送信が停止すると、切換回路141は、信号の入力元をきり戻す。その結果、表示器54には、再び、CU3側の表示制御に基づいた情報が表示される。
つまり、上記の例は、切換回路141は、演出制御部151および表示制御部350のうち、演出制御部151から入力される表示制御信号を優先して表示器54へ送信する構成である。通常時は表示制御部350のみから表示制御信号が切換回路141へと入力されるので、表示器54にはCU3側の表示制御に基づいた情報が表示され、大当り発生などの切換条件が成立して演出制御部151から表示制御信号が入力されると、その表示制御信号が優先されて表示器54へ送信され、表示器54の表示が切り換えられる。
しかしながら、これに代えて、切換回路141は、演出制御部151および表示制御部350のうち、表示制御部350から入力される表示制御信号を優先して表示器54へ送信する構成を採用してもよい。
すなわち、切換回路141は、通常時は演出制御部151から常時受信する表示制御信号に基づいて表示器54に可変表示装置278の表示と連動する演出表示を行ない、遊技点や持点が残り少なくなどの所定の切換条件が成立してCU3側からその旨を表示するための表示制御信号が入力されると、信号の入力元を演出制御部151から表示制御部359に切換えることにより、表示器54が遊技演出画面から遊技点や持点が残り少ない旨等を報知する画面に変化するようにしてもよい。
本実施の形態では、遊技玉数を表示する遊技玉数表示器29の表示制御はCU3ではなく、遊技玉数の変動に直接的に関わるP台2によって行なわれるため、遊技玉数が遊技で使用されて減算され、あるいは遊技によって加算された場合に、その更新後の遊技玉数を即座に遊技玉数表示器29に反映させることができる。
仮に、遊技玉数表示器29の表示制御をCU3が行なうものとした場合には、P台2からCU3に対して送信する遊技玉数の情報に基づいてCU3から遊技玉数表示器29へと表示制御信号が送られるものとなる、しかし、その場合、CU3とP台2との通信状況等によって、実際には遊技玉数が変化しているものの、その変化が遊技玉数表示器29にすぐに反映されないものとなるという不都合が生じるおそれがある。本実施の形態によれば、このような不都合が生じることを防止できる。
一方、表示器54はCU3側で表示制御するために、遊技玉数表示器29を表示制御するP台2がさらに表示器54をも表示制御する場合と比較して、P台2の表示制御負担を軽減できる。
なお、演出制御部151から中継基板14に送信される表示制御信号で表示器54が表示動作する場合には、中継基板14は単に演出制御部151から送信されてきた信号を中継してそのまま表示器54に送信する機能を備えておけばよい。これに対して、表示器54を表示動作させるための表示制御信号の信号形態と、演出制御部151から送信される表示制御信号との信号形態とが異なる場合も考えられ、この場合には、中継基板14に切換回路141に加えて信号形態を変換する変換回路を設ければよい。
さらに、切換え条件成立時に演出制御部151から送信される表示制御信号によって表示器54に表示される演出画像と、同じく演出制御部151から送信される表示制御信号によって可変表示装置278に表示される画像とが同じものであってもよく、異なるものであってもよい。異なるものとした場合には、演出制御部151には可変表示装置278用の画像データと表示器54用の画像データとの2種類の画像データを記憶させおく必要がある。
また、遊技玉数表示器29は、主制御部161が表示制御する構成としてもよく、あるいは、主制御部161から演出制御部151へ遊技玉数に関するコマンドを送信することによって演出制御部151が表示制御する構成としてもよい。
<表示器(タッチパネル)の表示制御(切換制御部を用いた場合)>
図7は、図6の変形例を説明するためのブロック図である。図6では、中継基板14に切換回路141が搭載されており、演出制御部151および表示制御部350のいずれか一方から入力される表示制御信号を優先して表示器54へ送信する構成を開示した。
ここでは、図7を用いて、中継回路14にマイクロコンピュータから成る切換制御部142を搭載する例を説明する。なお、図7は、切換回路141を切換制御部142に代えている点を除いて、各符号が示す構成は図6と同じである。
CU3の表示制御部350は切換制御部142に対して表示器に表示する持点やカード残額などの情報を定期的に送信する。同様に、演出制御部151は切換制御部142に対して遊技状態の変化(可変表示装置での可変表示の開始、終了、リーチの発生、大当りの発生など)を示す情報を定期的に送信する。
切換制御部142は表示制御部350および演出制御部151の双方から受信する情報に基づいて表示器54の表示を切換える切換条件が成立したか否かを判定する(ステップS1421)。切換条件は、たとえば、「遊技点数が所定点以下」、「持点数が所定点以下」、「カード残額が所定点以下」、「大当り発生」、「リーチ発生」のいずれか1つとすることが考えられる。
ここでは、たとえば、切換条件が「遊技点数が所定点以下」であるものとする。また、通常は表示器54に演出制御部350からの受信情報に基づいた遊技演出の画面を表示するものとする。この場合に、S1421においてこの切換条件が成立していると判定されると、表示器54の表示が演出制御部350からの受信情報に基づいた遊技演出の画面から、表示制御部350からの受信情報に基づいた遊技点数の減少報知画面に切換えるための表示制御信号が表示器54へ送信される(ステップS1422)。
ここでは、切換条件の成否判定を切換制御部142が行なう例を説明した。しかしながら、このような切換条件の成否判定をCU3の表示制御部350が行なう構成を採用してもよい。すなわち、表示制御部350は、切換条件成立と判定すれば、切換制御部142に対して切り換えて表示すべき内容を示すコマンドを送信する。切換制御部142は、そのコマンドに基づいて表示器54の画面を切換え表示する。あるいは、演出制御部350が可変表示装置278を直接表示制御しているように、表示制御部350が表示器54を直接表示制御するようにしてもよい。すなわち、表示制御部350に表示制御用のマイクロコンピュータを設けるとともに、表示器54を表示制御するために必要なVDPや映像ROM、VRAM、LCD駆動回路などを設ける。
なお、切換条件は、図7に示す以外のものとすることも考えられる。たとえば、遊技点を追加するための貸出操作(玉貸ボタン(貸出ボタン)321の操作)が検出されたときに切換条件が成立し、それまで遊技の演出画面が表示されていた表示器54に対して、カード残額の減額表示とともに遊技点が徐々に加算更新されていく様子を表示するようにしてもよい。あるいは、このような貸出操作に代えて、またはさらに加えて、持点から遊技点への変換操作が行なわれたときに切換条件が成立するものとしてもよい。さらには、これらの切換条件に代えて、あるいは加えて、入金操作が検出されたときに切換条件が成立し、表示器54に入金の様子が表示されるようにしてもよい。
また、切換条件は、上記したもののうちの1つのみとするのではなく、いずれか2つあるいはそれ以上としてもよい。また、画面を演出制御部350および表示制御部350の一方に基づいた画面から他方に基づいた画面に切換えるのではなく、一方に基づいた画面の一部に他方に基づいた画面を割り込ませて表示するようにしてもよい。このような表示のさせ方について、次の図8および図9を用いて説明する。
<表示器(タッチパネル)の表示制御(遊技状態の変化で切換)>
図8は、表示器(タッチパネル)の表示制御例として、パターン1およびパターン2を説明するための図である。ここでは、通常時は表示器(タッチパネル)54にCU3の表示制御部350の表示制御に基づいたカード残額等の表示をし、大当り発生等の遊技状態の変化に応じて表示器54の表示を可変表示装置278の表示と連動したものに切り換える例を説明する。
パターン1およびパターン2ともに、通常時は表示器54にカード残額等を表示しておき、可変表示装置278に大当りの可変表示結果が導出表示されることに伴って、大当り表示と連動する演出画面を表示器54に表示する例である。
特に、パターン1は、大当りの発生に伴って表示器54をカード残数等の表示画面から演出画面に完全に切換える例である。図8を参照して、可変表示装置278に大当りの表示結果が導出表示されていない通常の状態(可変表示装置278が可変表示中、可変停止中など)においては「(1)パターン1」に示されるように、表示器54にはCU3の表示制御に基づいたカード残額、遊技点数、持点数を表示する。一方、可変表示装置278に大当りの表示結果(777)が導出表示されると、表示器54の表示画面を「大当り」の演出画面に完全に切り換えて可変表示装置278の表示と連動した表示にする。
パターン2は、大当りの発生に伴って表示器54にカード残数等に加えて大当り演出画像を表示する例である。パターン2によれば、カード残数等の情報を継続的に提供できながら可変表示装置278と連動した遊技演出により遊技効果を高めることができる。
また、このような実施の形態によれば、P台2の表示器54にはCU3が記憶する遊技情報を表示可能であるために、P台2において遊技者にとって利便性の高い情報を提供できる。しかも、表示器54に演出情報を表示する条件が成立したときには、表示器54に可変表示装置278の表示と連動する演出情報が表示されるため、表示器54を遊技情報ばかりでなく遊技演出の表示にも活用できる。
<表示器(タッチパネル)の表示制御(遊技点等の変化で切換)>
図9は、表示器(タッチパネル)の表示制御例として、パターン3およびパターン4を説明するための図である。ここでは、通常時は表示器(タッチパネル)54に可変表示装置278の表示と連動した表示(演出制御部151の表示制御に基づく)をし、遊技点の減少に応じて表示器54に遊技点が残り少ないことを報知する画像を表示する例を説明する。
特に、パターン3は、遊技点が所定点数以下となったときに、表示器54を遊技の演出画面から遊技点残数が少ないことを報知する画面に完全に切り換える例である。図9を参照して、遊技点数が所定点数(たとえば、30点)を超えている場合には、「(3)パターン3」に示されるように、表示器54には可変表示装置278の表示と連動する演出画面を表示する。図9の場合には、可変表示装置278にリーチが表示されているため、表示器54にはこれと連動する演出画面が表示されている。なお、可変表示装置278が可変停止しているときには、演出制御151の表示制御に基づく遊技状態(たとえば、大当り中)に関連した演出画面を表示する。一方、遊技点数が残り少なくなり、所定点数以下(たとえば、30点以下)となれば、表示器54の表示画面を遊技点残数が少ないことを報知する画面に完全に切り換える。
パターン4は、遊技点残数が少なくなったときに、表示器54に遊技の演出画面に加えて遊技点残数が少ないことを報知する画像を表示する例である。パターン4によれば、遊技演出の効果を維持しつつ、遊技者に対して遊技点残数が少ない状態であることを報知できる。
以上、説明した本実施の形態によれば、P台2の表示器54には可変表示に関する演出情報を表示可能であるために、可変表示装置278と併せて演出効果の高い遊技を提供できる。しかも、表示器54にCU3側から送られてくる遊技情報を表示する条件が成立したときには、CU3によってその遊技情報を表示器54に表示するための表示制御が実行されるため、その条件の成立の際には表示器54を遊技演出ばかりでなくCU3による遊技情報の表示にも活用でき、しかも遊技情報の表示に伴うP台2の表示制御負担も軽減できる。
なお、パターン1〜パターン4のいずれの場合にも、画面の切換タイミングは様々に設定することができる。たとえば、切り換えてから所定時間経過後に切り戻すようにしてもよい。パターン1およびパターン2の場合には、可変表示装置278に大当り態様が停止してから可変表示装置278が大当り中の画面に切り換わったタイミングで切り戻すようにすることも考えられる。パターン3およびパターン4の場合には遊技点の減少を確認した遊技者からのタッチパネル等への操作に応じて切り戻すようにすることも考えられる。
具体的には、大当りの発生(ゾロ目の停止)に対応して演出画面に切り換えた場合には、可変表示装置278で大当り発生の演出が終了して大当りのラウンド制御に移行したとき、あるいは大当りのラウンド制御が終了して大当り状態から通常の状態に復帰したとき、に切戻すことが考えられる。リーチの発生に対応して演出画面に切り換えた場合には、リーチが終了して大当りまたは外れが確定したときに切戻すことが考えられる。大当りやリーチの可変表示装置278での予告演出に対応して演出画面に切り換えた場合には、可変表示装置278での予告演出が終了したときに切戻すことが考えられる。あるいは、遊技玉数が残り少なくなったことに対応して報知画面に切り換えた場合には、玉貸操作等により遊技玉数の少ない状況が改善されたときに切戻すことが考えられる。
また、図8の演出情報(大当りなど)あるいは図9の遊技情報(遊技点など)は、画面の一方向から他の方向へと流れるなどするテロップで表示してもよい。
さらに、パターン1およびパターン2では、可変表示装置の表示と連動する例を説明したが、確率変動状態か否か等の遊技状態と連動する表示であってもよく、始動記憶数(保留記憶数)などを表示するものであってもよい。つまり、表示器54は、可変表示装置278の表示と連動する演出以外の遊技演出を行うものであってもよい。たとえば、可変表示装置278でリーチや大当り等の第1の予告画面を表示した後、その第1の予告画面に関連する第2の予告画面を表示器54に表示することも考えられる。
<カードユニットおよびパチンコ機に発生した異常の通知処理>
図10は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図10を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図10の矢印で示す方向に対して通知が行なわれる。ここで言う異常には、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態が含まれる。図10に示される鍵管理サーバ800は、カードユニット3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800は、主制御基板16と互いに通信可能なサーバである。
まず、カードユニット3のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325bを製造する段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU3が遊技場に搬入された後、ホールサーバ801に接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800からホールサーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、カードユニット3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
カードユニット3のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときにはその旨を払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、その旨をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、セキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともにホールサーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板16が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16へ通知する一方、主制御基板16に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板17とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<通信で用いられるフレーム構成>
図11は、この遊技機器内の通信で用いられるフレームの構成を示す図である。図11において、送信データ(業務電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、業務電文の分割送信は行なわない。また、連続で業務電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「通番」は、業務電文のシーケンス番号を示す。「通番」は、初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通番」をカウントアップしない。「コマンド」は、業務電文のコマンドコードである。「データ部」は、業務電文のデータである。
業務電文範囲が暗号化対象範囲である。データ長、通番、コマンドの各々のデータ長は、1バイトである。なお、業務電文範囲と暗号化対象範囲とが一致する必要はなく、たとえば、データ部を暗号化対象範囲にすることもできる。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図12は、カードユニット3側とパチンコ機2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図12を参照して、カードユニット3側(CU側)とパチンコ機2側(P台側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図12では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2(パチンコ機2)とCU3(カードユニット3)とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とP台2側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からP台2側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2側において記憶することとなる。
また、CU3側とP台2側とにおいてコマンドおよびレスポンスの送信が行なわれる毎に通番が“1”ずつ加算更新され、その通番がCU3側とP台2側とにおいて記憶される。この通番とは、CU3とP台2との間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、最終通番とは、その更新される通信番号の最後に更新された番号のことである。
本実施の形態におけるCU3とP台2とにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3は、コマンドでP台2へ送信した通番をバックアップ記憶し、次にP台2からの通番を受信すると、バックアップ記憶している通番をその受信した通番に書換えて記憶する。そして、次のコマンドを送信するときに、バックアップ記憶している通番を1加算更新してP台2へ送信し、その送信済みの通番をバックアップ記憶する。CU3ではこのような処理を繰返す。
P台2でも同様に、コマンドでCU3から受信した通番をバックアップ記憶し、次にP台2からCU3へレスポンスを送信するときに、バックアップ記憶している通番を1加算更新して送信し、その送信済みの通番をバックアップ記憶する。そして、次のレスポンスを受信したときに、バックアップ記憶している通番をその受信した通番に書換えて記憶する。P台2ではこのような処理を繰返す。
たとえば、CU3側からP台2側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信し、P台2側ではその送信されてきた通番nを記憶する。そして、レスポンスをP台2側からCU3側へ返信するときにその記憶している通番nに1加算したもの(n+1)も合わせて送信する。CU3側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番を+1してn+2の通番をP台2側へ送る。
P台2側からCU3側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2側の払出制御部171(図5参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技玉数をP台2側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、P台2側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とP台2側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図12に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受け付けた(挿入された)カードのカード残額を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図5参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図5参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図5参照)は、カード残額の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてカード残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受け付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入式のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図13を参照して、カードユニット(CU)3とパチンコ機(P台)2との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図13には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU3からP台2に対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ情報を要求するものである。P台2からCU3に対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してリカバリ情報を通知するものである。
CU3からP台2に対してリカバリ詳細要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ詳細要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ詳細情報を要求するものである。P台2からCU3に対してリカバリ詳細応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ詳細応答のレスポンスは、CU3に対してリカバリ詳細情報を通知するものである。
CU3からP台2に対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2に対して通信開始を要求するものである。P台2からCU3に対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して通信開始を応答するものである。
CU3からP台2に対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2に対して通信終了を要求するものである。P台2からCU3に対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して通信終了を応答するものである。
CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2に対してCU3の状態を要求するものである。CU3はこのコマンドを使用して、P台2の状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図12に示したCU側からP台側へ向かう加算玉数が含まれている。
P台2からCU3に対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3に対してP台2の情報・状態を通知するものである。情報応答のレスポンスには、図12に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
CU3からP台2に対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2に対してカード挿入を通知するものである。P台2からCU3に対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3に対してカード挿入を応答するものである。
CU3からP台2に対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するものである。P台2からCU3に対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却を応答するものである。
CU3からP台2に対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。P台2からCU3に対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを応答するものである。
次に、図14〜図39に基づいて、図13に示したコマンド/レスポンスの状態情報要求、状態情報応答、カード挿入通知、カード挿入応答、カード返却通知、カード返却応答、リカバリ要求、リカバリ応答、リカバリ詳細要求、リカバリ詳細応答、送信開始要求、通信開始応答、通信開始応答、通信終了要求、通信終了応答、通信テスト要求、および通信テスト応答について、その内容を詳細に説明する。
まず、図14を参照して、CU3からP台2に状態情報要求のコマンドが送信される。送信される状態情報要求のコマンドは、P台2に対してCU3の状態を通知するものである。なお、CU3は、このコマンドを使用してP台2の情報・状態を定期的に収集する。
この状態情報要求の具体的データには、図14の下方に示されているように、通番、コマンド、CU状態、加算玉数、CUエラー状態のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、状態情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x06”である。
CU状態は、P台2に対して通知するCU3の状態を表わし、Bit0が“1”のときにカード挿入処理中を、Bit1が“1”のときカードユニット準備状態を、Bit2が“1”のときカード返却準備状態を、Bit3が“1”のとき遊技玉加算要求を、Bit4が“1”のとき計数玉計数応答をそれぞれ表わしている。なお、Bit5〜Bit7は未使用である。
また、CU状態のBit3が“1”のときにのみ加算玉数のデータが有効となり、この加算玉数のデータがCU3からP台2へ送信される。また、この加算玉数のデータは、遊技玉数に加算する値を示すものである。
CUエラー状態は、CU3で発生中のエラーコードを表わし、“0x00”のときにはエラー無を、“0x01”−“0xFF”のときエラー発生中であることをそれぞれ表わしている。
図15は、CU状態の各Bitについて、さらに詳しく説明した図である。図15に示すBit0は、データ名がカード挿入処理中であり、“1”のときカード挿入中を、“0”のときカード未挿入をそれぞれ示している。つまり、Bit0は、CU3にカード(一般カード/会員カード)が挿入されている状態を示している。なお、予めCUにストックされているストックカード(一般0円0玉カード)への入金により一般カード挿入中となる。
Bit1は、データ名がカードユニット準備状態であり、“1”のときカードユニット準備OK、“0”のときカードユニット準備中をそれぞれ示している。つまり、Bit1は、CU3の状態により、P台2に対してカードユニット準備状態を通知する。カードユニット準備OKを通知するタイミングは、たとえば、立上げ完了、離席中解除がある。カードユニット準備中を通知するタイミングは、たとえば、立上げ中、離席中、閉店、その他運用不可エラー発生時がある。
Bit2は、データ名がカード返却準備状態であり、“1”のときカード返却準備中、“0”のときカード返却準備中以外をそれぞれ示している。CUは、カード返却、簡易離席、および食事休憩のそれぞれの操作時に、このビットを立てることによって、P台に対して「カード返却準備中」を一定時間(10秒)通知する。P台は、計数ボタンの操作が検出されたときに、このカード返却準備中のビットがオンの状態情報要求を受信していれば、計数ボタンを1回操作したか複数回操作したかに関わらず、あるいは操作継続時間に関わらず、記憶している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCUに通知する。
Bit3は、データ名が遊技玉加算要求であり、“1”のとき遊技玉加算要求、“0”のとき遊技玉加算要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit3は、玉貸、持玉払出、および貯玉払出の操作時に遊技玉の加算(加算玉数)を要求する。
Bit4は、データ名が計数玉計数応答であり、“1”は計数受付OKまたは計数応答完了を示しており、“0”は計数受付NGを示している。CUは、P台から計数要求ONの状態情報応答を受信したとき、すなわち、計数を開始する前(計数ボタン押下時)に、計数受付のOK/NGをP台に通知する。さらに、CUは、計数の受領を完了したことをこのBit4でP台に通知する。
次に、図16および図17を参照して、P台2からCU3に状態情報応答のレスポンスが送信される。送信される状態情報応答のレスポンスは、CU3に対してP台2の情報・状態を通知するものである。
この状態情報要求の具体的データには、図16の下方に示されているように、通番、コマンド、玉数情報、遊技台状態、不正検知情報、その他の遊技情報のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、状態情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x16”である。
玉数情報とは、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点(現在)の、P台2の玉数(遊技玉数、発射玉数、アウトロ通過玉数、総賞球玉数、および計数玉数)と発射強度とを示している。遊技玉数は、現在の遊技玉数(加算・減算を演算した結果の遊技玉数)である。発射玉数は、発射個数(送信時に複数発射された玉がある場合は合算する)である。ただし、バック玉数がある場合はバック玉数分を減算する。アウト口通過玉数は、アウト口145を通過した玉の個数(送信時に複数の通過玉がある場合は合算する)である。総賞球玉数は、賞球情報1−nの賞球玉数の合計である。この賞球情報1−nとは、たとえば始動口、大入賞口、入賞口(普通入賞口)等の入賞口種別(図22、図33参照)毎の賞球玉数(図23、図33参照)のことである。計数玉数は、計数した遊技玉の個数である。ただし、カードユニット準備状態が準備OKから準備中に変化した場合は、遊技機が保持している遊技玉を計数して計数玉数として設定する。カードユニット準備状態が準備OKのときには計数ボタン28の操作が行なわれたことにより遊技玉を計数して計数玉数として設定する。しかし、遊技者が離席することがリモコン操作で入力されたとき等にカードユニット準備状態が準備OKから準備中に変化した場合は、計数ボタン28の操作を待つことなく自動的に遊技玉を計数して計数玉数として設定する(図51参照)。発射強度は、遊技玉の発射するための強度である。
図18は、各種玉数の意味および確定ポイントについて、さらに詳しく説明した図である。図18に示す遊技玉数は、CU3が後述する「賞球玉数」及び「発射玉数」を使用してCU3の保持している遊技玉数を計算する。その後、CU3は、計算したCU3の遊技玉数と、P台2の遊技玉数とが一致するかをチェックする。
総賞球玉数(加算)は、賞球情報1−nの賞球玉数の合計である。なお、CU3より送信する「加算要求玉数」は含まない。また、CU3は保持している遊技玉数に総賞球玉数のデータを加算する。カードを保持していない状態で総賞球玉数のデータを受信した場合、CU3は遊技玉数の加算は行わない。
発射玉数(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
計数玉数(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算し、カード持玉数に加算するデータである。なお、P台2からCU3に送信する減算玉数のデータに計数玉数は利用しない。また、カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
図16に戻って、遊技台状態とは、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2の状態を示し、遊技台状態1、遊技台状態2、遊技台状態3、および遊技台エラー状態の情報を含んでいる。
遊技台状態1のBit0は、“0”のときに遊技許可中であり、“1”のとき遊技禁止中である。遊技台状態1のBit1は、“0”のとき待機中であり、“1”のとき遊技中である。遊技台状態1のBit2は、“1”のとき遊技玉無である。遊技台状態1のBit3は、“1”のとき遊技完了である。遊技台状態1のBit4は、“1”のとき計数中である。遊技台状態1のBit5は、“1”のとき遊技玉加算結果である。遊技台状態1のBit6〜Bit7は予備である。
図19は、遊技台状態1の各ビットについて、さらに詳しく説明した図である。図19に示すBit0は、名称が遊技許可/遊技禁止中であり、遊技を許可しているか、禁止しているかを示しており、“0”のとき遊技許可中、“1”のとき遊技禁止中である。Bit1は、名称が待機中/遊技中であり、ファン(遊技者)がプレイ中(玉を発射している)か否かを示しており、“0”のとき待機中(ファンが球を発射してない状態)、“1”のとき遊技中(ファンが球を発射している状態)である。ただし、遊技玉が有り、発射ハンドル(打球操作ハンドル25)をタッチした状態(タッチセンサに触れた状態)で遊技中となる。
Bit2は、名称が遊技玉無であり、遊技玉の有無(遊技玉無の検知)を示している。“0”のとき遊技玉数有、“1”のとき遊技玉数無である。Bit3は、名称が遊技完了であり、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。つまり、遊技領域27内の浮遊玉が全て回収されたか否か示している。“0”のとき遊技未完了(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技完了(全ての玉の行方が確定している状態)である。なお、P台2は、玉の発射を停止してから15秒以上遊技の完了を確認出来なかった場合、タイムアウトし、遊技完了とする。ただし、発射停止スイッチ(単発打ちスイッチとも言う)による玉の発射停止は除く。
Bit4は、名称が計数要求であり、遊技玉の計数要求の有無(計数ボタン押下の有無)を示しており、“0”のとき要求無、“1”のとき計数開始時の計数受付要求有または計数玉の払出要求有である。P台は、計数操作が検出されたときに、この計数要求ONの状態情報応答をCUへ送信し、計数処理が許可されるか否かを確認する。Bit5は、名称が遊技玉加算結果であり、遊技玉加算の処理結果を示しており、“0”のとき加算OK、“1”のとき加算NGである。
図16に戻って、遊技台状態2のBit0は、“1”のとき大当り1(全ての大当り)である。大当りは、小当たり、出玉数が異なる大当り等各種のものがあり、そのうちのどの種類の大当りの発生中でもこのBit0が“1”となる。遊技台状態2のBit1は、“1”のとき大当り2(大当り+小当たり)である。すべての大当りまたは小当たりのいずれになってもこのBit1が“1”となる。遊技台状態2のBit2は、“1”のとき大当り3(出玉大の大当り)である。たとえば大当り時のラウンド数が比較的多い大当りを出玉大の大当りという。遊技台状態2のBit3は、“1”のとき大当り4(出玉小の大当り)である。たとえば大当り時のラウンド数が比較的少ない大当りを出玉小の大当りという。遊技台状態2のBit4は、“1”のとき大当り5(出玉中の大当り)である。たとえば大当り時のラウンド数が中程度の大当りを出玉中の大当りという。遊技台状態2のBit5は、“1”のとき大当り6(予備の大当り)である。遊技台状態2のBit6は、“1”のとき大当り7(予備の大当り)である。遊技台状態2のBit7は、“1”のとき大当り8(予備の大当り)である。これら予備の大当りは、P台のメーカー、あるいは遊技場の要望に応じて設けられたものである。すなわち、これらの予備の大当りの各ビットは、たとえば、P台の各々のメーカーが開発した機種に特有の当り態様など、特徴的な仕様(ラウンド数や時短回数等)に応じて、ビットの定義を後から自由に決めることができるようにするためのものである。
図20は、遊技台状態2の各ビットについて、さらに詳しく説明した図である。図20に示すBit0は、名称が大当り1(全ての大当り)であり、大当り情報を表わし、全ての大当り中“1”をセットする。Bit1は、名称が大当り2(大当り+小当り)であり、大当り情報を表わし、全ての大当り中および小当り中“1”をセットする。Bit2は、名称が大当り3(出玉大の大当り)であり、大当り情報を表わし、出玉が大きい大当り中“1”をセットする。Bit3は、名称が大当り4(出玉小の大当り)であり、大当り情報を表わし、出玉が小さい大当り中“1”をセットする。Bit4は、名称が大当り5(出玉中の大当り)であり、大当り情報を表わし、出玉が中間の大当り中“1”をセットする。
図16に戻って、遊技台状態3のBit0は、“1”のとき大当り中+時短中である。大当り中または時短中のいずれでもこのBit0が“1”となる。遊技台状態3のBit1は、“1”のとき確変中である。遊技台状態3のBit2は、“1”のとき時短中である。遊技台状態3のBit3〜Bit7は予備である。
図21は、遊技台状態3の各ビットについて、さらに詳しく説明した図である。図21に示すBit0は、名称が大当り中+時短中であり、遊技状態情報を表わし、大当り中および時短中“1”をセットする。Bit1は、名称が確変中であり、遊技状態情報を表わし、確変中“1”をセットする。Bit2は、名称が時短中であり、遊技状態情報を表わし、時短中“1”をセットする。
図16に戻って、遊技台エラー状態とは、P台2で発生中のエラーコードであり、“0x00”のときにはエラー無であり、“0x01”−“0xFF”のときエラー発生中である。
図17に示す不正検知情報とは、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2で検知した情報であり、不正検知状態1、不正検知状態2、不正検知情報1〜不正検知情報4の情報を含んでいる。
不正検知状態1は、主制御基板16の不正検知情報である。不正検知状態1のBit0は、“1”のとき電波センサ検知の状態である。不正検知状態1のBit1は、“1”のとき磁気センサ検知の状態である。不正検知状態1のBit2は、“1”のとき不正入賞検知の状態である。不正検知状態1のBit3〜Bit7は予備である。
不正検知状態2は、払出制御基板17の不正検知情報である。不正検知状態2のBit0は、“1”のときガラス板開放の状態である。不正検知状態2のBit1は、“1”のとき枠本体開放の状態である。不正検知状態2のBit2は、“1”のとき電波センサ検知の状態である。不正検知状態2のBit3は、“1”のとき近接センサ異常の状態である。不正検知状態2のBit4は、“1”のとき賞球ゴト検知の状態である。ここで、「ゴト」とは、パチンコやスロットマシンにおいて不正な方法で出玉を獲得する不正行為のことである。不正検知状態2のBit5は、“1”のとき複合ゴト検知の状態である。不正検知状態2のBit6は、“1”のとき不正加算検知の状態である。不正検知状態1のBit7は、“1”のとき扉・枠開放検知(夜間)の状態である。
不正検知情報1は、賞球センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである。不正検知情報1は、不正検知状態2のBit4が“1”のとき有効となる。不正検知情報2は、複合センサゴト検知(発射/OUT不整合玉数)の情報を示すデータである。つまり、発射玉数とアウト玉数(アウト口通過玉数)との不整合を検知したときの情報を示すデータである。不正検知情報2は、不正検知状態2のBit5が“1”のとき有効となる。不正検知情報3は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。不正検知情報3は、不正検知状態2のBit6が“1”のとき有効となる。不正検知情報4は、夜間、枠本体開放回数の情報を示すデータである。不正検知情報4は、不正検知状態2のBit7が“1”のとき有効となる。
遊技情報は、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2の情報であり、遊技情報数、種別情報1〜n、賞球情報1〜nを含んでいる。
遊技情報数は、種別情報・賞球情報の個数(n)であり、n=0〜22(可変長)である。種別情報1〜nは、遊技種別情報1〜nを示し、賞球情報1〜nは、遊技賞球情報1〜nを示している。
図22は、遊技情報のうち、種別情報について、さらに詳しく説明した図である。図22に示す種別情報は、Bit0からBit3までの名称がデータ種別であり、遊技情報のデータ種別を示しており、“0”のとき情報無、“1”のとき入賞口(普通入賞口)、「2」のとき大入賞口、「3」のとき始動入賞口、「4」のとき図柄停止回数である。Bit4からBit7までの名称はデータ番号であり、遊技情報のデータ種別毎のデータ番号を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のときデータ番号である。
図23は、遊技情報のうち、賞球情報について、さらに詳しく説明した図である。図23に示す賞球情報は、Bit0からBit3までの名称が賞球玉数であり、遊技情報のデータ種別毎に入賞時の賞球玉数を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のとき賞球玉数のデータである。Bit4からBit7までの名称は入賞個数であり、遊技情報のデータ種別毎に入賞個数(累計)を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のとき入賞個数のデータである。
図24は、遊技台エラー状態のエラー内容について、さらに詳しく説明した図である。図24に示すエラーコード“0x10”は、エラー内容が研磨機モータエラーで、球詰まり等の要因を解除して、エラーリセットをボタン押下することで復帰する。エラーコード“0x11”は、エラー内容が揚上機モータエラーで、球詰まり等の要因を解除して、エラーリセットをボタン押下することで復帰する。エラーコード“0x15”は、エラー内容が球通路1エラーで、球詰まり等の要因を解除して、エラーリセットをボタン押下することで復帰する。エラーコード“0x16”は、エラー内容が球通路2エラーで、球詰まり等の要因を解除して、エラーリセットをボタン押下することで復帰する。エラーコード“0x17”は、エラー内容が球通路3エラーで、球詰まり等の要因を解除して、エラーリセットをボタン押下することで復帰する。
エラーコード“0x13”は、エラー内容が遊技球数過少で、球の補給を行なうことで、自動で復帰する。エラーコード“0x12”は、エラー内容が遊技球数過多で、球タンクの球を抜くことで、自動で復帰する。エラーコード“0x14”は、エラー内容がカセット未装着で、カセットを装着することで、自動で復帰する。エラーコード“0x18”は、エラー内容が遊技球オーバーフローで、計数によりCU3へ移行することで、自動で復帰する。エラーコード“0x19”は、エラー内容が扉スイッチ異常で、扉スイッチ異常等の要因を解除して、エラーリセットをボタン押下することで復帰する。
次に、図25を参照して、CU3からP台2にカード挿入通知のコマンドが送信される。送信されるカード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、P台2に対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知するものである。
このカード挿入通知の具体的データには、図25の下方に示されているように、通番、コマンド、カードID、カード挿入時刻のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カード挿入通知のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x07”である。
カードIDとは、挿入されたカードのID情報である。カード挿入時刻は、カード挿入/排出口309(図1参照)にカードを挿入した時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。
次に、図26を参照して、P台2からCU3にカード挿入応答のレスポンスが送信される。送信されるカード挿入応答のレスポンスは、CU3に対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するものである。
このカード挿入応答の具体的データには、図26の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カード挿入応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x17”である。
次に、図27を参照して、CU3からP台2にカード返却通知のコマンドが送信される。送信されるカード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するものである。また、CU3は、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。
このカード返却通知の具体的データには、図27の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カード返却通知のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x08”である。
次に、図28を参照して、P台2からCU3にカード返却応答のレスポンスが送信される。送信されるカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却通知の応答を送信するものである。
このカード返却応答の具体的データには、図28の下方に示されているように、通番、コマンド、カードID、カード挿入時刻のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、カード返却応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x18”である。
カードIDとは、挿入中のカードのID情報である。カード挿入時刻は、カード挿入/排出口309(図1参照)にカードを挿入した時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。なお、CU3は、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行なわない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行なう。
次に、図29を参照して、CU3からP台2にリカバリ要求のコマンドが送信される。送信されるリカバリ要求のコマンドは、CU3からP台2に対してリカバリ情報を要求する。CU3は認証完了後、最初に同コマンドを送信する。
このリカバリ要求の具体的データには、図29の下方に示されているように、通番、コマンドが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、リカバリ要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x03”である。
次に、図30を参照して、P台2からCU3にリカバリ応答のレスポンスが送信される。送信されるリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してP台2で保持しているリカバリ情報を通知するものである。CU3は、同コマンドを受信したらリカバリ処理の要/不要を判断し、リカバリ処理要の場合にのみP台にリカバリ詳細要求コマンドを送信する。P台2からCU3に返信されるリカバリ情報としては、図30に示すように、通番、コマンド、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻を含んでいる。
通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、リカバリ応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x13”である。
前回最終送信通番は、前回接続時にCU3に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる通番のデータであり、“0”のときは保持している通番がない場合である。前回挿入中カードIDとは、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。
前回カード挿入時刻とは、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。
次に、図31を参照して、CU3からP台2にリカバリ詳細要求のコマンドが送信される。送信されるリカバリ要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ詳細情報を通知するものである。
このリカバリ要求の具体的データには、図31の下方に示されているように、通番、コマンド、前回最終送信通番、加算玉数のデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、リカバリ要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x09”である。
前回最終送信通番は、前回接続時にP台2に対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの通番のデータであり、“0”のときはデータがない場合である。前回挿入中カードIDとは、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。
加算玉数は、遊技玉の加算玉数のデータであり、“0”のときは加算玉数のデータがない場合である。
図32は、P台2のリカバリ処理について詳しく説明するための図である。図32に示すP台2のリカバリ処理は、P台2がCU3より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行なう。具体的に、加算玉数のデータが“0”で加算玉が無いとき、CU3は加算玉数のデータをP台2に送信せず、P台2はリカバリ処理を行なわない。逆に、加算玉数のデータが“1”〜“65535”で加算玉が有るとき、CU3は玉貸、持玉払出、貯玉払出による加算玉数のデータをP台2に送信し、P台2は現遊技玉に該加算玉数を加算するリカバリ処理を行なう。
次に、図33を参照して、P台2からCU3にリカバリ詳細応答のレスポンスが送信される。送信されるリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してP台2で保持しているリカバリ詳細応答を通知するものである。この「リカバリ詳細応答」とは、CU3がリカバリ処理の実行に伴ってP台2に対してリカバリ要求のコマンドを送信したときにP台2がCU3へリカバリ応答として送信するためにバックアップ記憶しているデータのことである。P台2からCU3に返信されるリカバリ詳細応答としては、図33に示すように、通番、コマンド、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報、最新遊技情報を含んでいる。
通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、リカバリ応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x19”である。
前回遊技台情報とは、CU3に前回通知した遊技台情報であり、遊技玉数、発射玉数、アウト口通過玉数、総賞球玉数および計数玉数の情報を含んでいる。「遊技玉数」は、CU3に前回通知した遊技玉数である。「発射玉数」は、CU3に前回通知した発射玉数である。「アウト口通過玉数」は、CU3に前回通知したアウト口通過玉数である。「総賞球玉数」は、CU3に前回通知した総賞球玉数である。「計数玉数」は、CU3に前回通知した計数玉数である。
前回遊技情報とは、CU3に前回通知した遊技情報であり、遊技情報数、種別情報1〜種別情報n、賞球情報1〜賞球情報nの情報を含んでいる。「遊技情報数」は、CU3に前回通知した遊技情報の個数(0〜n)である。なお、n=0〜22で可変長である。「種別情報1」は、CU3に前回通知した遊技種別情報1である。「種別情報n」は、CU3に前回通知した遊技種別情報nである。「賞球情報1」は、CU3に前回通知した遊技賞球情報1である。「賞球情報n」は、CU3に前回通知した遊技賞球情報nである。
最新遊技台情報は、最新の遊技台情報であり、遊技玉数、発射玉数、アウト口通過玉数、総賞球玉数および計数玉数の情報を含んでいる。なお、最新遊技台情報は、全ての情報がないとき“0”と設定する。「遊技玉数」は、現在のP台2で保持している遊技玉数である。「発射玉数」は、現在のP台2で保持している発射玉数である。「アウト口通過玉数」は、現在のP台2で保持しているアウト口通過玉数である。「総賞球玉数」は、現在のP台2で保持している総賞球玉数である。「計数玉数」は、現在のP台2で保持している計数玉数である。
最新遊技情報とは、現在のP台2保持している遊技情報であり、遊技情報数、種別情報1〜種別情報n、賞球情報1〜賞球情報nの情報を含んでいる。「遊技情報数」は、現在のP台2で保持している遊技情報の個数(0〜n)である。なお、n=0〜22で可変長である。「種別情報1」は、現在のP台2で保持している遊技種別情報1である。「種別情報n」は、現在のP台2で保持している遊技種別情報nである。「賞球情報1」は、現在のP台2で保持している遊技賞球情報1である。「賞球情報n」は、現在のP台2で保持している遊技賞球情報nである。
なお、図33中の注1)に示すように、リカバリ情報は、バックアップデータが無い、不定の場合にはALL“0”をセットする。注2)に示すように、CU3は、P台2より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、前回遊技台情報と最新遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。なお、「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、CU3は、最新遊技台情報のみ使用してリカバリ処理を行なう。
また、通信相手の不一致等(たとえばCU3またはP台2の交換等)でリカバリ処理が実施できない場合、P台2の表示情報を元にPOSで手補正することが考えられる。たとえば、P台2の表示情報は、可変表示装置278の液晶表示画面を利用して表示することが考えられる。あるいは、P台2に対して、払出制御部171が制御する表示器をさらに設けておき、その表示器に対して手補正のための情報を表示することも考えられる。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行なうものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行なうものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
次に、図34を参照して、CU3からP台2に通信開始要求のコマンドが送信される。送信される通信開始要求のコマンドは、P台2に対して通信開始を通知するものである。また、P台2は、リカバリ情報をクリアする。
この通信開始要求の具体的データには、図34の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信開始要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x04”である。
次に、図35を参照して、P台2からCU3に通信開始応答のレスポンスが送信される。送信される通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信開始したことを通知するものである。
この通信開始応答の具体的データには、図35の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信開始応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x14”である。
次に、図36を参照して、CU3からP台2に通信終了要求のコマンドが送信される。送信される通信終了要求のコマンドは、P台2に対して通信終了を通知するものである。
この通信終了要求の具体的データには、図36の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信終了要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x05”である。
次に、図37を参照して、P台2からCU3に通信終了応答のレスポンスが送信される。送信される通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信終了したことを通知するものである。また、CU3およびP台2は、該通知以降、通信を停止し再起動待ちとする。
この通信終了応答の具体的データには、図37の下方に示されているように、通番、コマンドのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信終了応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x15”である。
次に、図38を参照して、CU3からP台2に通信テスト要求のコマンドが送信される。送信される通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。なお、P台2に対して通知するテストデータは暗号化していない。
この通信テスト要求の具体的データには、図38の下方に示されているように、通番、コマンド、およびテストデータのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。CU3は、初期値を“1”として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信テスト要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x0F”である。テストデータとは、P台2に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
次に、図39を参照して、P台2からCU3に通信テスト応答のレスポンスが送信される。送信される通信テスト応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを通知するものである。なお、CU3に対して通知するテストデータも暗号化していない。
この通信テスト応答の具体的データには、図39の下方に示されているように、通番、コマンド、およびテストデータのデータが含まれている。通番は、コマンドのシーケンス番号で、1から255(サイクリック)までの値である。P台2は、送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、通番をカウントアップしない。コマンドは、通信テスト応答のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで“0x1F”である。テストデータとは、CU3に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
<CUとP台との通信における主なシーケンス>
次に、図40〜図73に基づいて、CU制御部323におけるCPUで実行される処理と、払出制御基板17に搭載されたCPUで実行される処理とを説明する。
まず、図40を参照して、CU3とP台2との間でのコマンドおよびレスポンスの送受信の態様を説明する。CU3(1次局)からP台2(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。CU3は、そのレスポンスを受信した後次のコマンドをP台2に送信し、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3へ返信する。図40に示すように、CU3からP台2への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2からCU3へのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3とP台2との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2からCU3へは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2は、遊技玉数の変化量を細やかにCU3に対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2の発射時間間隔と一致させることも考えられる。
また、業務電文の送信は、CU3を1次局、P台2を2次局としたコマンド/レスポンス方式とする。コマンド/レスポンスは、一定周期(200ms)で送受信する。
次に、図41を参照して、CU3側で通信断が検知された場合の処理を説明する。CU3がP台2に対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合には、再度同じコマンドをP台2に送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをP台2に送信するという2回目の再送を行なう。同じコマンドを最大14回までP台2に再送する。14回目の再送を行なってもP台2からレスポンスを受信できなかった場合、CU3は3秒後に通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3のコネクタとP台2のコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはP台2の電源断などの原因が考えられる。CU3は、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
次に図42を参照して、P台2側で通信断を検知した場合の処理を説明する。CU3からP台2へコマンドが送信され、P台2ではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。その後CU3からのコマンドがP台2に送信されてこない状態が3秒間継続した場合には、P台2は、通信断と判断し、発射モータ18の駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、図42で説明したものと同様に、CU3のコネクタとP台2のコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3の電源断などが考えられる。
なお、P台2側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、通信終了要求/通信終了応答のコマンド、レスポンスを含まない。
次に図43を参照して、電源投入時の接続シーケンスの処理を説明する。この図43の接続シーケンスの処理は、CU3とP台2との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げた場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2では発射モータ18を停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の送信を要求する。
それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。正確には、図30に示した各種データであり、以降のフローチャートでP台2からCU3に対して送信する「リカバリ情報」と言えば、正確には図30に示した各種データのことである。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。正確には、図31に示した各種データであり、以降のフローチャートでCU3からP台2に対して送信する「リカバリデータ」と言えば、正確には図31に示した各種データのことである。なお、電源投入時で未だにカードがCU3に挿入されていない段階では、CU3側とP台2側共にカードID=0、カード挿入時刻=0となっている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報、および最新遊技情報が含まれている。正確には、図33に示した各種データであり、以降のフローチャートでP台2からCU3に対して送信する「リカバリデータ」と言えば、正確には図33に示した各種データのことである。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2は、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信時に通番をバックアップする。P台2は、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、レスポンスの再送時の際にはカウントアップしない。CU3は、前回受信した通番と同じ通番のレスポンスを受信した場合には、通信不良が発生してP台2がレスポンスを再送したと判断する。P台2はレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」としてリカバリ要求のコマンドをP台2に送信する。P台2は、通番をカウントアップして「n+1」としてリカバリ応答のレスポンスをCU3に返信する。さらに、CU3は、通番を「n+2」としてリカバリ詳細要求のコマンドをP台2に送信する。P台2は、通番をカウントアップして「n+3」としてリカバリ詳細応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番をカウントアップして「n+4」として、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通番をカウントアップして「n+5」として、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3は、通番=n+6の状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、遊技玉数、加算玉数、減算玉数、図柄停止回数、入賞個数、および遊技台状態のデータをバックアップする。また、P台2は、加算玉数、減算玉数、図柄停止回数、および入賞個数の各カウンタの値を0クリアする。そして、P台2は、通番=n+7の状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
そのレスポンスを受けたCU3は、その状態情報応答に基づき、遊技玉数、加算玉数、減算玉数、図柄停止回数、各入賞個数、および遊技台状態のデータをバックアップする。なお、加算玉数の内訳は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」とである。減算玉数の内訳は、「発射玉数」である。
その後、CU3は、通番=n+8の状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+9の状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。P台2は、状態情報応答のレスポンスを送信する毎に前述のデータをバックアップし、前述のカウンタをクリアする。また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受信する毎に前述のデータをバックアップする。
図44を参照して、カードが挿入されたときのCU3とP台2との処理を説明する。まず、CU3は、カード挿入前、通番=n、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3では、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。
CU3は、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801に問合せて認証している最中であることを表示器312に表示するとともにP台2側の表示器54に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3は、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+2、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n+3、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2側の表示器54は、CU3の表示制御部350により表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3は、挿入されたカードが認証されると、通番=n+4、カードID、カード挿入時刻を含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻のデータを払出制御部171のRAM等にバックアップするとともに、通番=n+5を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323のRAM等に記憶する。
CU3は、それを受けて、通番=n+6、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信することで、カード挿入中である状態をP台2に対して通知する。P台2は、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+7、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
カード挿入中、CU3は、通番=n+8、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+9、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図45を参照して、挿入されているカードへ入金するときの処理を説明する。挿入されているカードは、予めCUにストックされている一般0円0玉カード(残額0円、持玉0玉の一般カード)である。なお、本実施の形態では、予めCUにストックされる記録媒体の一例としてカードを示すが、カードに代えてICコインを用いてもよい。
まず、CU3は、入金操作前、通番=n、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信している。P台2では、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信している。
遊技者は、紙幣挿入口302に紙幣を挿入して入金操作を行なう。CU3は、入金操作されると、予めストックされているカードに対してカードリーダライタで入金した金額を書込むとともに、金額を書込んだカードに記録されている情報をカードリーダライタが読取る等の処理が実行される。
CU3は、入金操作されると、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻を含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻のデータをバックアップするとともに、通番=n+3を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、それを受けて、通番=n+4、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信することで、カード挿入中である状態をP台2に対して通知する。P台2は、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+5、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。これにより、遊技が許可された状態となる。この後、カードの残額を用いて遊技玉を確保することによって、弾発遊技が可能とされる。
カード挿入中、CU3は、通番=n+6、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+7、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図46を参照して、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理を説明する。つまり、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額を消費するときの処理を説明する。この図46の処理では、現在の遊技玉数が「50」玉となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3は、500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3は、玉貸ボタン(貸出ボタン)321が押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3側単独で確定する。その後、CU3は加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させる。
次に、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、通番=n+3、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番=n+4、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、加算玉数=175を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図47を参照して、加算要求発生時にP台2側で遊技玉数が減少するときの処理を説明する。つまり、CU3からの遊技玉加算要求があったときに、P台3側で玉を発射するなどして遊技玉数が減少した場合の処理を説明する。
既に説明したとおり、玉貸操作や再プレイ操作が検出されると、CUからP台に対して遊技玉の加算要求が送信され、P台側ではその要求に応じて遊技玉数を加算更新するとともに、遊技玉の加算結果がOKであること、および加算更新後の遊技玉数をCUへ返信する。
ただし、図47に示されるように、玉貸操作等が検出されて遊技玉の加算要求が発生するまでの間に、P台側で玉が発射(例では3発)されたときには、遊技玉の加算要求分と玉の発射による遊技玉数の減少分とで更新した後の遊技玉数がCUへ返信される。すなわち、図47では、加算玉数=125を要求する状態情報要求に対して、加算要求数=125と発射消費数=3とで更新した後の遊技玉数=172が状態情報応答してP台からCUへ返信されている。このため、加算要求による遊技玉数の増加を通知するための状態情報応答と、玉の発射による遊技玉数の減少を通知するための状態情報応答とを別個にCUへ返信する場合と比較して、CU−P台間の通信効率を高めることができる。
以下、図47に従い、そのシーケンスを詳細に説明する。まず、図47の処理では、初めの遊技玉数が「50」玉となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が1回、玉貸ボタン(貸出ボタン)321を押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうと、CU3は、その段階で500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
あるいは、遊技者が1回、再プレイボタン(あるいは持玉引き落とし専用の持玉払出ボタンを設けた場合には持玉払出ボタン)を押下する操作をしたときにも、その段階でCU3は、貯玉あるいは持玉の消費を確定させ、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
このように、残額や貯玉あるいは持玉消費は、操作が行なわれた段階でCU3側単独で確定する。その後、CU3は加算表示中となる。すなわち、CU3は、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させる。
さらに、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、通番=n+1の状態情報応答のレスポンスをCU3に返信してから、通番=n+2の状態情報要求のコマンドを受信するまでの間に、玉を3発発射している。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)−3(発射玉数)=172に遊技玉数を更新し、通番=n+3、加算玉数=172、減算玉数=3、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番=n+4を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、番=n+4および遊技玉数=172(175−3)のデータをバックアップする。
次に、図48を参照して、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理を説明する。この図48では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。この図43における再プレイの処理は、図42で示した残額の消費のときの処理と類似している。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が再プレイボタン319を押下すると、CU3は、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させ、遊技玉数を更新し、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。このように、持玉または貯玉の消費は、再プレイボタン319を押下する操作がなされた段階でCU3側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。また、持玉払出ボタンをCU3に設け、持玉払出ボタンを押下することで、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)へ変換しても良い。
その後、CU3は遊技玉の加算表示中にするとともに、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、通番=n+3、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
なお、CU3は、持玉または貯玉から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させることによって、遊技玉の加算表示中であることを示す。
その後、CU3は、通番=n+4、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、加算玉数=175を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図49を参照して、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理を説明する。この図49では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3からP台2へ送信されるカード返却準備状態のビット(図15参照)は、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図49では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
まず、CU3は、通番=n、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=800、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、計数ボタン28を押下する。この図49では、計数ボタン28を1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+2、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3からP台2へ送信されている。
P台2は、計数ボタン28の操作が検出されると、その検出に基づいた計数分の遊技玉の減算処理を開始する前に、計数ボタン28の操作に伴う計数要求をCUへ通知する。すなわち、計数要求をONにした通番=n+3の状態情報応答をCUへ送信する。図示のとおり、この段階では、遊技玉数は800のままであり、通番=n+3の状態情報応答に含まれる遊技玉数も変化していない。
CUは、計数要求=ONの状態情報応答を受信すると、計数の可否を判定し、計数できる状態であれば、計数応答をONにした状態情報要求(ここでは通番=n+4)をP台へ送信する。
すると、P台は、計数が許可されたと判断し、計数ボタンの操作に対応する数(ここでは100点)だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を800から700に更新するとともに、状態情報応答でその結果をCUへ通知する。すなわち、図示するように、遊技玉数=700、計数玉数=100、計数要求=ONを含む状態情報応答(通番=n+5)をCU3に返信する。CU3は、この状態情報応答を受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=800(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=700のデータをバックアップする。
このように、本実施の形態では、計数操作が検出された場合に即座に計数処理が実行されるのではなく、P台からCUへ計数要求が送信され、CUからP台へそれに対する応答が返信されてから計数処理が実行される。このため、計数操作が検出された場合に即座に計数処理を実行する制御と比較して、CU側での処理が可能であるか否かを確認した上での計数処理が可能となり、P台側で計数処理を終えた一方でCU側では計数処理が実行できず、双方で整合しない状態となることを防止できる。
その後、CU3は、状態情報応答を受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。すなわち、CU制御部323は、表示制御部350に対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350は、その指令を受けてP台2側の表示器54を表示制御する。その結果、表示器54には、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰り返したり、種々の演出表示が考えられる。
この図49では、遊技玉数=100の計数を終えた段階でも遊技者による計数ボタン28の押下が継続している。すると、上記と同様のシーケンスにて計数要求と計数応答とのやりとりがP台とCUとの間でなされ、遊技玉数からさらに100点分を計数する処理が実行される。その遊技玉数が600となる一方、持玉数が100となる。
この段階で遊技者が計数ボタン28から指を離すと、計数ボタン28の押圧が検出されなくなる。すると、P台2は、計数要求をONからOFFにして、遊技玉数=600、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答(通番=n+9)をCU3に送信し、計数の完了をCU3へ通知する。
なお、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているが、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なうようにしてもよい。
さらに、本実施の形態では、計数玉をCUへ通知する際には、「計数玉数」と「計数玉を差し引いた後の遊技玉数」とを情報状態応答で送信しているが、これに変えて、「計数玉数」と「計数玉を差し引く前の遊技玉数」とを情報状態応答でCUへ送信し、CUは、その情報に基づいて「計数玉を差し引く前の遊技玉数」から「計数玉数」を減算することによって計数後の遊技玉数を特定するようにしてもよい。
このように、計数操作が検出されてから実際に計数して遊技玉の減算が確定するタイミングを後ろへずらすと、計数操作が検出されてから遊技玉の減算が確定するまでの減算確定待ち期間が長くなる。このため、計数操作が検出されてから計数処理のシーケンスが正常終了するまでの間でCUとP台との間での通信断が発生し、リカバリ処理(図29等参照)に移行したときでも、通信断の発生タイミングが上記減算確定待ち期間にあれば、計数操作を考慮することなく遊技玉や持玉をリカバリできる。その結果、減算確定待ち期間を長めにすることによって、計数操作が検出されてから計数処理のシーケンスが正常終了するまでの間でCUとP台との間での通信断が発生したときのリカバリ処理が複雑化することを極力防止できる。
次に、図50を参照して、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理の変形例(図49の変形例)を説明する。図50に示される変形例は、押圧継続時間に関わらず、計数ボタン28の1回の押圧操作で所定数の遊技玉が計数される例である。この図50では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
また、この図50では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3からP台2へ送信されるカード返却準備状態のビット(図15参照)は、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
まず、CU3は、通番=n、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=800、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、計数ボタン28を1回押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。この図49では、計数ボタン28を1回押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+2、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信している。
P台2は、計数ボタン28の操作が検出されると、その検出に基づいた計数分(たとえば、100)の遊技玉の減算処理を開始する前に、計数ボタン28の操作に伴う計数要求をCUへ通知する。すなわち、計数要求をONにした通番=n+3の状態情報応答をCUへ送信する。図示のとおり、この段階では、遊技玉数は800のままであり、通番=n+3の状態情報応答に含まれる遊技玉数も変化していない。
CUは、計数要求=ONの状態情報応答を受信すると、計数の可否を判定し、計数できる状態であれば、計数応答をONにした状態情報要求(ここでは通番=n+4)をP台へ送信する。
すると、P台は、計数が許可されたと判断し、計数ボタンの操作に対応する数(ここでは100点)だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を800から700に更新するとともに、状態情報応答でその結果をCUへ通知する。すなわち、図示するように、遊技玉数=700、計数玉数=100、計数要求=ONを含む状態情報応答(通番=n+5)をCU3に返信する。CU3は、この状態情報応答を受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=800(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=700のデータをバックアップする。
その後、CU3は、状態情報応答を受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。すなわち、CU制御部323は、表示制御部350に対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350は、その指令を受けてP台2側の表示器54を表示制御する。その結果、表示器54には、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
さらに、遊技者が、計数ボタン28を1回押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。すると、上記と同様のシーケンスにて計数要求と計数応答とのやりとりがP台とCUとの間でなされ、遊技玉数からさらに100点分を計数する処理が実行される。なお、図面では、2回目の計数ボタンの押下に伴ってCU−P台間でやりとりされるシーケンスの一部および通番の記載を省略している。
なお、ここでは、計数ボタン28を1回押下することで、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる場合について説明したが、計数ボタン28を1回押下することで計数される計数玉は100玉に限定されるものではない。たとえば、計数ボタン28を1回押下することで、遊技玉数のうち200玉、または300玉などが計数され計数玉としてカウントされる構成でもよい。
次に、図51を参照して、遊技玉の自動計数処理を説明する。この図51では、遊技者が離席した際に遊技玉を自動的に計数して、持玉としてカードに書込む処理について説明する。挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、CU準備状態=ON、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=500、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、所用のため遊技を中断し離席するため係員を呼び、当該係員がリモコンなどを操作して、それをCU3のIR感光ユニット320で受信して「離席」を設定する。なお、P台2にIR感光ユニットを設けてリモコンからの離席操作信号をP台2のIR感光ユニットが受信して離席処理を行なうようにしてもよい。また、リモコン操作の代わりにまたはそれに加えて、離席操作ボタンをCU3およびP台2の少なくとも一方に設け、その離席操作ボタンの操作により離席処理を行なうように制御してもよい。
「離席」を設定した直後に、CU3は、通番=n+2、CU準備状態=OFF、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
CU準備状態=OFFを受けたP台2は、遊技玉の計数処理を開始する前に、計数要求をCUへ通知する。すなわち、計数要求をONにした通番=n+3の状態情報応答をCUへ送信する。図示のとおり、この段階では、遊技玉数は500のままであり、変化していない。
CUは、計数要求=ONの状態情報応答を受信すると計数の可否を判定し、計数できる状態であれば、計数応答をONにした状態情報要求(ここでは通番=n+4)をP台へ送信する。
すると、P台は、計数が許可されたと判断し、すべての遊技玉数を計数玉数として遊技玉数=0とし、遊技玉数表示器29の表示を0に更新するとともに、状態情報応答でその結果をCUへ通知する。すなわち、図示するように、遊技玉数=0、計数玉数=500、計数要求=ONを含む状態情報応答(通番=n+5)をCU3に返信する。なお、表示器54での表示は、遊技玉数=500玉のままである。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(500玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=500に更新し、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)−500(計数玉数)=0のデータをバックアップする。
その後、CU3は、通番=n+6、CU準備状態=OFF、計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数応答=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。このとき、表示器54での表示は、遊技玉数=0玉となる。なお、このような離席中の場合には、表示器54では、遊技玉数=0玉を表示するのではなく、離席前の遊技玉数(この例の場合には遊技玉数=500玉)を表示しておくものとしてもよい。これにより、離席中であることを他の遊技者や遊技場の係員が理解し易くなる。あるいは、この場合には、離席中に特有の表示態様(点滅、あるいは色を変えるなど)で遊技玉数を表示するようにしてもよい。これにより、より一層、離席中であることを他の遊技者や遊技場の係員が理解し易くなる。
それを受けて、P台2は、通番=n+7、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、遊技者に挿入しているカードを返却するために、通番=n+8を含むカード返却通知のコマンドをP台2に送信する。それを受けて、P台2は、カード挿入時に記憶したカードIDと挿入時刻をCU3に通知するために、通番=n+9、カードID、挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、カード返却応答のレスポンスに含まれるカードID、挿入時刻と、CU3に挿入されているカード自体のカードID、その挿入時刻とが一致するか否かの所定のチェック処理を行なって適正である場合にカードを返却する。このカードの返却の際にCU3は、返却するカードの離席中フラグをONにする制御を行なってカードに記憶されている離席中フラグをONの状態にした上でカードを排出する。これにより、遊技者がそのカードを用いて景品交換するべくPOSにカードを挿入しても、カードに記憶されている離席中フラグがONのため、POSがそのカードによる景品交換を禁止し、景品交換が行なわれない。
カードIDおよびその挿入時刻の少なくともいずれか一方が一致しない不適正時には、CU3がトラブルモードになりカードを返却を行なわず内部にカードを保留した状態にする。なお、不適正時には、P台2から送信されてきた計数玉数=500の持玉数への加算更新を行なわないように制御してもよい。その場合には、P台2は、計数玉数=500と共にカードIDと挿入時刻とをCU3へ送信し、Cu3をそれを受け取った時点で前述のチェック処理を行ない、不適正時には計数玉数=500の持玉数への加算更新を行なわないように制御する。
なお、このようなカードIDおよびその挿入時刻の少なくともいずれか一方が一致しない不適正状態は、必ずしも不正行為が原因で発生するとは限らない。このため、このようなトラブルが発生したときには、店員が介在して遊技玉のデータを適正な値に補正する。
カードを返却した後、CU3は、通番=n+10、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+11、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
遊技者が所用を済ませ戻ってきて、返却されたカードを再度挿入することで「離席中」の状態を解除するとともに、挿入されたカードの離席中フラグをOFFにする制御が行なわれる。その後、CU3は、通番=n+12、CU準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+13、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。そして、遊技者が遊技を再開する場合には、離席時に計数されて変換された持玉から遊技玉を引き落とすための持玉引き落とし操作、あるいは、玉貸し操作や再プレイ操作を行なうことにより、図46または図48のシーケンスが実行されてP台2側の遊技玉が加算され、遊技が可能となる。なお、「離席中」の状態で所定時間(たとえば30分)経過しても遊技者が戻ってこず返却されたカードの再度挿入が行なわれなかった場合には、自動的に「離席中」の状態を解除するように制御してもよい。また、離席した遊技者が戻ってきてカードを挿入すると、遊技者による持玉引き落とし操作がなくても自動的に持玉が引き落とされて離席前の遊技玉数が確保されるように制御してもよい。
離席時の計数処理は、計数ボタン28が操作されたときに行なわれる計数処理(図49、図50参照)と比べて異なる処理となっている。具体的には、計数ボタン28が操作されたときに行なわれる計数処理の場合には、遊技玉数を徐々に計数玉数に変換してその変換されるプロセスを表示するが(図49、図50参照)、離席時の計数処理は、上記したように全遊技玉を一瞬で計数玉数に変換してその変換された全計数玉数を表示する。しかし、計数ボタン28が操作されたときに行なわれる計数処理と離席時の計数処理とを同じにてもよい。
次に、図52を参照して、会員カード・一般残額有カード・一般持玉有カードの返却処理を説明する。この図52では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「200」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=200、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、計数ボタン28を押下し続けて、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を押下し続けることで、100玉が計数され計数玉としてカウントされることが繰り返される。
ただし、表示器54にて行なう計数表示では瞬時に遊技玉数と計数玉数とをそのような数に変更するのではなく、あくまでも、遊技玉が徐々に計数されて減少し、これと連動して持玉が徐々に増加するような演出が行なわれる。このため、計数表示が終了するまでは、表示器54での表示上の遊技単数および持点数と、CU側およびP台側のメモリ上の遊技玉数および持点数とは一致しない。
しかしながら、このような制御に代えて、表示上の持点の計数状況(変換状況)と実際のデータの変換処理とが同期するようにしてもよい。この場合、データの計数処理(変換処理)は即座に完了させることが可能であるため、これと同期する計数表示(変換表示)もまた直ぐに終わってしまうことになる。これでは、データの計数が行なわれたことを遊技者に十分に通知することができないおそれがある。そこで、計数表示をしつつ、その途中から「計数が終了しました」という表示に切り換えてもよい。また、その場合、「計数が終了しました」という表示が開始された段階からカードの返却操作を有効化してもよい。
図52では、計数ボタン28を押下する操作がなされた直後に、通番=n+2、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3からP台2へ送信されている。
P台2は、計数ボタン28の操作を受けて、計数分の遊技玉の減算処理を開始する前に、計数ボタン28の操作に伴う計数要求をCUへ通知する。すなわち、計数要求をONにした通番=n+3の状態情報応答をCUへ送信する。図示のとおり、この段階では、遊技玉数は200のままであり、通番=n+3の状態情報応答に含まれる遊技玉数も変化していない。
CUは、計数要求=ONの状態情報応答を受信すると計数の可否を判定し、計数できる状態であれば、計数応答をONにした状態情報要求(ここでは通番=n+4)をP台へ送信する。
すると、P台は、計数が許可されたと判断し、所定数(ここでは100点)だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を100に更新するとともに、状態情報応答でその結果をCUへ通知する。すなわち、図示するように、遊技玉数=100、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+5、遊技玉数=100、計数玉数=100、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=200(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=100のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに100個の遊技玉を計数する表示を行なう。
その後、CU3は、通番=n+6、計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数応答=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。
計数ボタン28を長押下中のP台2は、遊技玉数=0、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+7、遊技玉数=0、計数玉数=100、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(100玉)に加算して持玉数=200に更新し、遊技玉数=100(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=0のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに100個の遊技玉を計数する表示を行なう。
計数表示が進行すると、やがて、表示器54での表示上の遊技玉数も0になる。遊技者は、遊技玉数が0玉になったことを確認して、計数ボタン28を離す。計数ボタン28を離すことで、遊技玉を持玉に変換する操作が終了する。
その後、遊技者は、返却ボタン322を押下する操作を行なう。CU3は、遊技者が返却ボタン322を押下する操作を行なうことで、通番=n+8を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+9、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。
それを受けて、CU3は、返信されてきたカードIDおよびカード挿入時刻と、カード挿入時にバックアップ記憶しておいたカードIDおよびカード挿入時刻とを比較し、両者が一致しているか否か判定する。一致することを条件に、カード挿入/排出口309に挿入してあったカードを遊技者に返却する。その際、CU3は当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801へ送信し、ホールサーバ801が当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶する。一致しない場合には、エラー判定し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、たとえば、返却操作に応じたカードの返却を禁止する制御を行なってカードをCU3内部に保持したり、あるいは、持玉のカードへの書込み処理を禁止したりする。さらには、異常報知ランプ等によるエラーの報知や、ホールサーバ801への異常発生の通知等を行なう。なお、カードの返却時に、ホールサーバ801が当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶する代わりに、持玉数のデータをカードに書込み記録して排出するように制御してもよい。
その後、CU3は、通番=n+10、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、カード挿入状態=OFFを含む状態情報応答を受信したとき、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。それを受けて、P台2は、通番=n+11、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図53を参照して、会員カード・一般残額有カード・一般持玉有カードを返却するときに計数操作を促す処理を説明する。ここでは、遊技者が遊技終了のためや簡易離席(トイレなどの一時離席)、食事休憩などのためにカードの返却操作をしたときに、まだ、未計数の遊技玉が残っている場合の処理について説明する。
本実施の形態では、遊技終了時には返却ボタン322を押すことで最終的な遊技結果が確定してカードに遊技結果が記録(あるいはカードIDと対応付けてサーバで記憶)され、カードが排出される。一方、トイレなどの簡易離席の場合には、遊技者はP台の表示器54のタッチパネルを操作することでカードにその時点での遊技結果が記録(あるいはカードIDと対応付けてサーバで記憶)され、カードが排出される。さらに、食事休憩のような少し長めの遊技休止をしたいときには店員が携帯するリモコン操作によってCUにコマンドを入力することによって、カードにその時点での遊技結果が記録(あるいはカードIDと対応付けてサーバで記憶)され、カードが排出される。
簡易離席および食事休憩の場合には再度、そのカードが挿入されるまで遊技が禁止され、席を立った遊技者が戻ってきたときに再度遊技を行うことができるようになっている。
なお、簡易離席および食事休憩の場合には、排出されたカードに遊技を一時中断している旨を示す一時中断フラグデータが記録され、あるいは、排出されたカードのIDに対応してサーバ側で一時中断フラグデータが記憶される。そして、そのカードを景品交換機等に挿入して景品交換処理等をしようとしたときには、一時中断フラグデータ有と判別されて景品交換処理等ができないようになっている。
この図53ではCU3は電源の投入段階を経て既に立ち上がっている状態である。それゆえ、CU3からP台2へ送信されるCU準備状態のビット(図15参照)は、いずれもON(=1)となっている。このため、以下ではCU準備状態のビットの説明を省略する。また、この図53では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
まず、CU3は、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=800、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
このように遊技玉が残っている状態で、遊技者が返却ボタン322を押下する操作が検出される。しかし、CU3は、保持している遊技玉数が0玉でないと判定し、カード返却処理の実行を待機する。すなわち、CU3は、現在の持点をカードに記録あるいはカードで特定可能に記録(カードIDとともにサーバへ送信)する処理の実行を待機する。そのうえで、CU3は、カード返却準備状態=ONの状態情報要求(通番=n+2)をP台2へ送信する。これによって、CU3はP台2に対して、未計数の遊技玉が存在する状態で返却ボタン322が操作されたこと(カード返却準備状態であること)を通知する。この通知は、たとえば、計数操作が検出されるまで、最大10秒間継続される。すなわち、それ以降、CU3はP台2に送信する状態情報要求のカード返却準備状態のビットをONにし続ける。なお、10秒という待機時間は例示であり、それよりも短くあるいは長くてもよい。また、この待機時間はCU3における設定項目として任意の時間を管理者が設定できるようにしてもよい。
さらに、CU3は、カード返却準備状態ONの通知をP台にし始めた時点から表示器312および表示器54に計数操作を促す表示を行う。これにより、たとえば、「未計数の遊技玉が残っています。計数操作をしてください」という表示が表示器312あるいは表示器54に行なわれる。このような表示は、たとえば、計数操作が検出されるまで、最大10秒間継続される。このように、計数操作を促す表示が行なわれることによって、カードが返却されない理由を遊技者に察知させることができる。
その後、この図53の場合には、カード返却準備状態ONが通知されてから10秒以内に計数ボタン28の操作が検出されている。P台2は、計数操作が検出されたときに、状態情報要求のカード返却準備状態のビットを確認することによって、計数操作が検出される前にカード返却操作が検出されていたか否かを判定する。カード返却準備状態がONとなっている状態での計数操作と判定したときには、計数ボタンが長押しされているか、計数ボタンが1回押されてすぐに操作が検出されなくなったかに関わらず、すべての遊技玉を計数対象として設定する。この例では、遊技者は計数ボタンを押圧して間もなく計数ボタンから指を離している例である。すなわち、P台2は、カード返却準備状態のONを受信したときに、計数ボタンの1回の操作によって計数対象とする遊技玉数を最大100玉(図49参照)から全遊技玉に変更する。
P台2は、図49の例と同様に、すぐに計数玉を設定してP台に送信するのではなく、まず、計数ボタン28の操作に伴う計数要求をCUへ通知する。すなわち、計数要求をONにした通番=n+3の状態情報応答をCUへ送信する。図示のとおり、この段階では、遊技玉数は800のままであり、通番=n+5の状態情報応答に含まれる遊技玉数も変化していない。
CUは、計数要求=ONの状態情報応答を受信すると計数の可否を判定し、計数できる状態であれば、計数応答をONにした状態情報要求(ここでは通番=n+4)をP台へ送信する。
すると、P台は、計数が許可されたと判断し、全遊技玉を減算し、遊技玉数表示器29の表示を0に更新するとともに、状態情報応答でその結果をCUへ通知する。すなわち、図示するように、遊技玉数=0、計数玉数=800の状態をCU3に通知するために、通番=n+5、遊技玉数=0、計数玉数=800、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(800玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=800に更新し、遊技玉数=800(更新前遊技玉数)−800(計数玉数)=0のデータをバックアップする。
さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、800個の遊技玉を計数する表示を開始させる。
その後、CU3は、通番=n+6、CU準備状態=ON、計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数応答=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。
P台2は、遊技玉数が0となり、計数の完了をCU3に通知するために、通番=n+7、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、通番=n+8を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。
つまり、待機中のカード返却処理がこの段階から開始される。それを受けて、P台2は、通番=n+9、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信するとともに、自ら記憶しているそれらのデータをクリアする。
それを受けて、CU3は、返信されてきたカードIDおよびカード挿入時刻と、カード挿入時にバックアップ記憶しておいたカードIDおよびカード挿入時刻とを比較し、両者が一致しているか否か判定する。一致することを条件に、カード挿入/排出口309に挿入してあったカードを遊技者に返却する。一致しない場合には、エラー判定し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、たとえば、返却操作に応じたカードの返却を禁止する制御を行なってカードをCU3内部に保持したり、あるいは、持玉のカードへの書込み処理を禁止したりする。さらには、異常報知ランプ等によるエラーの報知や、ホールサーバ801への異常発生の通知等を行なう。
その後、CU3は、通番=n+10、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2に対してカード返却準備状態がONからOFFになったことを通知する。
このように、本実施の形態によれば、遊技玉が残っている状態でカード返却操作が検出されると、その後の1回の計数操作ですべての遊技玉が計数対象となる。このため、遊技玉が多量にある状態でカードを返却したい遊技者は、先にカード返却操作をし、続いて、計数操作を1回することで、全遊技玉の計数およびそれに続いたカード返却処理をシステムに行なわせることができ、操作性が向上する。
あるいは、遊技玉が残っていることに気付かずに返却操作をした場合でも、計数操作が促され、それに応じて計数操作をすることによって、遊技者は遊技玉を取り忘れることなく席を立つことができる。
なお、本実施の形態では、CUから計数応答=ONの状態情報応答を受信したP台は、自身が記憶している遊技玉数を計数玉数だけ減算し、さらに遊技玉数表示器29の表示を更新の上で計数玉数をCUへ送信しているが、これに代えて、CUから計数応答=ONの状態情報応答を受信したP台は、計数予定の玉数をCUへ通知し、それに対するCUからの応答があった段階でようやく自身が記憶している遊技玉数を計数玉数だけ減算し、さらに遊技玉数表示器29の表示を更新するようにしてもよい。
また、図53の例では、CUからカード返却準備状態=ONを受信しているP台は、計数ボタン28を1回押下する操作が検出されれば、その操作継続時間に関わらず全遊技玉を計数対象としているが、CUからカード返却準備状態=ONを受信している場合であっても、計数ボタン28の操作が継続している時間に応じた数の遊技玉を計数対象とするものであってもよい。
また、遊技領域に打ち込んだものの入賞(入賞口進入)または非入賞(アウト口進入)が確定していない“浮遊玉”が計数操作の前後で存在する場合も考えられ、P台は、図53の例において計数操作の検出の前後で浮遊玉が存在する場合には、浮遊玉の入賞/非入賞が確定し、入賞の場合にはその入賞による遊技玉の加算を終えた後に計数操作に基づいた処理を実行するように制御してもよい。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、遊技により得られた遊技玉を遊技者の操作によって持玉に変換する表示を経て、ようやく、カードの返却操作が可能となる。このため、遊技により得られた玉を各台計数器にて計数してから計数結果をカードによって特定可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技玉というデータを用いた新たな遊技システムを提供できる。しかも、全遊技玉の変換表示が終了しないと、カードの返却操作が有効にならないため、遊技玉が残っている状態で誤って遊技機を後にして立ち去ってしまう可能性のないシステムであると遊技者に思わせることができ、遊技者に安心感を与えられる。
また、遊技玉が計数されていく様子は、遊技機側の表示器54、さらには、遊技機側の遊技玉数表示器29で表示されるために、遊技機に正対して座っている遊技者が計数の様子を見易くなる。さらに、上記のとおり、遊技機側の表示器54を表示制御する表示制御部350は、CU側に設けているため、遊技機側の表示制御負担を軽減できる。
次に、図54を参照して、残額0円、持玉0玉になった一般カードを自動回収する処理を説明する。この図54では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される残額が「0」円、持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技台情報をCU3に通知するため、通番=n+1、遊技玉無=OFF、遊技完了=OFF、遊技玉数=20、加算玉数=0、減算玉数=30を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=20、加算玉数累計=+0、減算玉数累計=+30のデータをバックアップする。
その後、P台2は、遊技者が遊技を行なうことで遊技玉が減少して0玉となったことを検知(遊技玉数=0)する。
CU3は、通番=n+2、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+3、遊技玉無=ON、遊技完了=OFF、遊技玉数=0、加算玉数=0、減算玉数=20を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=0、加算玉数累計=+0、減算玉数累計=+20のデータをバックアップする。
その後、P台2は、遊技玉数が0玉となり、遊技領域27内の浮遊玉(遊技中球数)がなくなるのを待って遊技完了したことを検知する。なお、浮遊玉(遊技中球数)がなくなることにより「遊技完了ON」の状態情報応答がP台2から送信されてきたときに、CU3が表示器54にたとえば「遊技を終了しますか?」のメッセージ表示を行ない、「YES」の表示を遊技者がタッチ操作することにより一般カードを回収するようにしてもよい。
CU3は、通番=n+4、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+5、遊技玉無=ON、遊技完了=ON、遊技玉数=0、加算玉数=0、減算玉数=0を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番=n+6を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+7、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。
それを受けて、CU3は、返信されてきたカードIDおよびカード挿入時刻と、カード挿入時にバックアップ記憶しておいたカードIDおよびカード挿入時刻とを比較し、両者が一致しているか否か判定する。一致することを条件に、曾遊されている一般カードを回収する。一致しない場合には、エラー判定し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、たとえば、返却操作に応じたカードの返却を禁止する制御を行なってカードをCU3内部に保持したり、あるいは、持玉のカードへの書込み処理を禁止したりする。さらには、異常報知ランプ等によるエラーの報知や、ホールサーバ801への異常発生の通知等を行なう。
その後、CU3は、通番=n+8、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、カード挿入状態=OFFを含む状態情報応答を受信したとき、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。それを受けて、P台2は、通番=n+9、遊技玉無=ON、遊技完了=ON、遊技玉数=0、加算玉数=0、減算玉数=0を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図55を参照して、遊技中の大当りの処理を説明する。この図55では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数「500」玉を、全て遊技玉に変換して、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっているものとする。
まず、CU3は、通番=n、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技台情報をCU3に通知するため、通番=n+1、大当中=OFF、遊技玉数=490、加算玉数=3、減算玉数=13を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=490、加算玉数累計=+3、減算玉数累計=+13のデータをバックアップする。
その後、CU3は、通番=n+2、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+3、大当中=OFF、遊技玉数=480、加算玉数=0、減算玉数=10を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、図示していないが、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=480、加算玉数累計=+0、減算玉数累計=+10のデータをバックアップする。
その後、P台2で大当りが発生する。CU3は、大当り発生後、通番=n+4、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+5、大当中=ON、遊技玉数=580、加算玉数=120、減算玉数=20を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、P台2からの通知を受けて、遊技玉数=580、加算玉数累計=+120、減算玉数累計=+20、大当り回数=+1のデータをバックアップする。なお、現在の加算玉数累計=123、現在の減算玉数累計=43となる。
その後、遊技者が、計数ボタン28を1回押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を1回押下することで、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。現在の遊技玉数が「580」玉の場合、計数ボタン28を1回押下することで、遊技玉数が「480」玉、計数玉が「100」玉となる。
図55では、計数ボタン28を1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+6、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3からP台2へ送信されている。
P台2は、計数ボタン28の操作を受けて、計数分の遊技玉の減算処理を開始する前に、計数ボタン28の操作に伴う計数要求をCUへ通知する。すなわち、P台2は、遊技玉数=580、計数玉数=0の状態をCU3に通知するために、通番=n+7、遊技玉数=580、計数玉数=0、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。この段階では、遊技玉数は580のままであり、通番=n+6の状態情報応答に含まれる遊技玉数も変化していない。
CUは、計数要求=ONの状態情報応答を受信すると計数の可否を判定し、計数できる状態であれば、計数応答をONにした状態情報要求(ここでは通番=n+8)をP台へ送信する。
すると、P台は、計数が許可されたと判断し、計数ボタンの操作に対応する数(ここでは100点)だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を480に更新するとともに、状態情報応答でその結果をCUへ通知する。すなわち、図示するように、遊技玉数=480、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+9、遊技玉数=480、計数玉数=100、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=580(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=480のデータをバックアップする。
さらに、CU3は、計数操作により持玉が100玉となり、さらに今回の遊技で獲得した玉数(=加算玉数累計「123」玉−減算玉数累計「40」玉、または現在の遊技玉数「580」玉+現在の持玉数「0」玉−遊技開始時の持玉数「500」玉)=+80玉がプラスになったので、表示器312にドル箱表示を開始する。このように、ドル箱表示は、遊技者が今回の遊技で獲得した玉をドル箱に移して、ドル箱を積上げる従来の行為にあわせるため、計数操作を行ない持玉が0玉以上として、かつ、今回の遊技で獲得した玉数がプラスになった時点で実行される。具体的に、ドル箱表示は、1つのドル箱に1000玉入り、下にあるドル箱から順に玉が満たされ、ドル箱が積上がるイメージを表現している。また、ドル箱表示は、遊技者が持玉から遊技玉へ変換した場合、遊技玉へ変換した玉数だけドル箱から玉数を減らして表示する。
なお、ドル箱表示は、持玉が0玉以上となり、かつ、今回の遊技で獲得した玉数がプラスになった場合に表示する条件に限定されるものではなく、たとえば、今回の遊技で獲得した玉数が1000玉を越えた場合に表示するなど条件を変更してもよい。また、ドル箱表示は、持玉数に関係なく、今回の遊技で獲得した玉数がプラスになった場合に表示してもよい。さらに、持玉や今回の遊技で獲得した玉数などを表示する手段は、ドル箱表示に限定されるものではなく、玉数を表示器312にデジタル表示してもよい。また、表示器312の代わりにまたはそれに加えて、表示器54により表示させてもよく、さらには別途専用の表示器を設けて表示させてもよい。
次に、図56を参照して、遊技中(特に玉発射中)の計数操作による遊技玉からの減算処理を説明する。ここでは、CU3に挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「400」玉の状態となっている。
なお、図56では、計数ボタンの操作が合計3回検出された場合を例示しており、紙面の関係上、計数ボタンの操作があってから計数が開始されるまでの間でP台2とCU3とが行なう計数要求=ON、計数応答=ONのコマンドとレスポンスのやりとり、および通番の表記を省略している。
まず、玉の発射中の1回目の計数ボタンの操作が検出された段階では、遊技玉数が400発存在し、単位数分(たとえば、100点)の遊技点の計数を実行しても遊技玉に余裕があるため、その操作に基づいた計数は可能と判断される。このため、図示を省略しているがP台2からCU3に対して計数要求=ONの状態情報応答が送信されると、CU3からP台2に対して計数応答=ONの状態情報要求が送信される。これを受けてP台2は、遊技玉数=400から100を減算し、図示のとおり、遊技玉数=300、計数玉数=100、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=400(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=300のデータをバックアップする。
さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。
さらに、遊技者が、計数ボタン28を1回押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を1回押下すると、通常であれば、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。そのため、現在の遊技玉数が「300」玉の場合であれば、計数ボタン28を1回押下することで、遊技玉数が「200」玉、計数玉が「100」玉となるはずである。
しかし、P台2は、玉の発射が継続している状態(遊技が続行されている状態)であり、次々と遊技玉数が減算されている。そのため、計数ボタン28を短押下または長押下したタイミングと玉を発射するタイミングとによっては、遊技玉数が発射玉と計数玉とに重複してカウントされてしまうという不具合が生じる可能性もある。そこで、このような不具合が生じる可能性を回避するため、玉の発射が継続している状態のとき、たとえば遊技玉数が250玉以下になると、それ以降の計数動作が行なわれないように制御する。なお、P台2は、たとえば、タッチセンサの入力状況や、発射玉検出スイッチ903の状況などから、玉の発射が継続している状態を判断する。
よって、遊技中で玉を発射している状態のとき、現在の遊技玉数が「300」玉の場合、計数ボタン28を1回押下しても100玉を計数することができず50玉だけ計数され、遊技玉数が「250」玉、計数玉が「50」玉となる。同様に、現在の遊技玉数が「300」玉の場合、計数ボタン28を1回長押下しても100玉を計数することができず50玉だけ計数され、遊技玉数が「250」玉、計数玉が「50」玉となる。なお、計数ボタン28の長押の場合には、遊技を終了する意思があるとして、全部計数させるとしてもよい。
P台2は、2度目の計数ボタンの操作に基づいた遊技玉数等の変化をCU3に通知するために、遊技玉数=250、計数玉数=50、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ここで、「遊技玉数=250、計数玉数=50」であるのは、先に説明したとおり、玉の発射が継続中であるために遊技玉数が250以下になるような計数動作を実行しないためである。
CU3は、この状態情報応答を受けて、計数玉数(50玉)を持玉数(100玉)に加算して持玉数=150に更新し、遊技玉数=300(更新前遊技玉数)−50(計数玉数)=250のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答を受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに50個の遊技玉を計数する表示を行なう。また、CU3は、計数動作の一部が無効とされたことを、状態情報応答の計数玉数が通常は100であるところ、「計数玉数=50」となっていることおよび「遊技玉数=250」となっていることで特定する。そこで、CU3は、計数操作を途中で無効にしたこと(計数動作の一部を無効にしたこと)を表示器54に表示する。
なお、計数操作を途中で無効にしたことの表示は、図に示すように「計数玉数=50」のレスポンスを受けた瞬間に表示してもよく、あるいは、すべての計数表示が終了した後に表示してもよい。または、「計数玉数=50」のレスポンスを受けた瞬間からすべての計数表示が終了するまで、継続的に表示するようにしてもよい。また、計数操作を途中で無効にしたことをP台2がCUへ通知するための特定データ(ビットのON/OFF)を、状態情報応答に含ませてもよい。
このように、遊技玉を用いた遊技の実行中に計数操作をして遊技玉がそれ以上は変換処理されない所定点数に至ると、計数操作を途中で無効したことが遊技機側の表示器54に表示されるため、それ以上は遊技玉が計数されないことを遊技者に理解させることができる。
この図56では、その後、さらに、玉を発射中の遊技者が、計数ボタン28を1回押下し、遊技玉を持玉に変換する操作が検出された例が示されている。しかし、遊技中で玉を発射している状態で、遊技玉数が250玉であるため、前述した理由と同様の理由により、計数ボタン28を短押下しても計数操作を無効にする。
このため、P台2からCU3へは、計数要求=ONであるものの、遊技玉数が250のまま変化せず、計数玉数=0の状態情報応答が送信される。CU3はこれを受けて、計数操作が検出されたものの(計数要求=ON)、計数できない状態と判断する。すなわち、CU3は、「計数操作が検出されたが、無効とされたこと」を特定する。CU3は、このデータに基づいて、計数操作を無効にしたことを表示器54に表示する。なお、無効にすべき計数操作が検出されたときに「計数玉数=0、計数要求=ON」のデータは1度のみ、送信され、以降の状態情報応答のレスポンスでは、「計数要求=OFF」とされる。また、計数操作を無効にしたことをP台2がCUへ通知するための特定データ(ビットのON/OFF)を、状態情報応答に含ませてもよい。
また、計数操作が無効にされたことを契機として、それまで演出制御部151の表示制御により表示器54で行なっていた遊技演出の表示を、CU3側の表示制御部350の表示制御による遊技情報の表示に切り換えるようにしてもよい。
ここで、遊技中で玉を発射している状態のとき、計数操作を無効にする遊技玉数の条件は、250玉以下に限定されるものではなく、遊技玉数を計数するスピードと、玉を発射するスピードとを考慮して適切に決めればよい。
以上のとおり、遊技玉を用いた遊技が行なわれているときは、所定点数以上の遊技点が残っていないと計数操作が有効にならないため、計数操作によってわずかしか残っていない遊技玉が計数されるタイミングと遊技の続行によってその残りわずかの遊技玉が消費されるタイミングとが重なってしまい、遊技に必要な遊技玉が持玉として計数されてしまったにも関わらず遊技が続行されてしまうような状況が発生することを防止できる。また、大当たり等が発生したときに全く遊技玉がなくなって玉を打ち込めなくなってしまう遊技者の不利益を防止することもできる。
次に、図57〜図69を参照して、異常系シーケンスを説明する。まず、図57を参照して、CU3からP台2へコマンドを送信する前に、電源断、通信回路断線があったときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合、つまり、CU3が交換されずかつP台2も交換されていない場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図57では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、通番=n+1、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+3(加算玉数)−23(減算玉数)=480のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。そのため、P台2では、CU3の動作が停止してから通信回線断を検知するまでの期間、遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。なお、P台2は、動作が停止しているCU3との通信回線断を検知すると、遊技を停止する。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。このリカバリ情報としては、図30に示した前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、図31に示した前回最終送信通番=n+1、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報(加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。P台2からCU3に対して送信する「リカバリデータ」と言えば、正確には図33に示した各種データのことである。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリ情報のカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、バックアップしている最終送信通番=n+1と、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1とが一致する場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=450,加算玉数=+6,減算玉数=+36とする。
このリカバリ処理によって補正された遊技玉数を表示器54に表示させるコマンドがCU制御部323から表示制御部350へ送信され、表示制御部350により補正後の遊技玉数を表示器54に表示させる制御が行なわれる。後述するリカバリ処理によって補正された遊技玉数も、同様に表示器54に表示させる制御が行なわれる。なお、リカバリ処理によって補正された遊技玉数を表示させる際に、「復旧しました」等のメッセージも併せて表示させてもよい。また、電源断時の遊技玉数とリカバリ処理によって補正された遊技玉数との差数も併せて表示させるように制御してもよい。さらに、電源断時の遊技玉数とリカバリ処理によって補正された遊技玉数とを同時に表示(並列表示)させるように制御してもよい。この並列表示の場合には、いずれが電源断時の遊技玉数でいずれがリカバリ処理によって補正された遊技玉数かを遊技者が分かるように区別して表示制御する。また、電源断時の遊技玉数を表示させてそれが徐々に(経時的に)リカバリ処理によって補正された遊技玉数に変化する表示制御を行なってもよい。この変化表示制御は、デジタル表示で変化するもの、棒グラフ等のアナログ表示で変化するもの等、いずれでもよい。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。「リカバリデータのクリア」とは、未送信データを通信開始・応答のタイミングで消去するものであり、未送信データ(リカバリデータ)を送信した後はそのデータを記憶しておく必要がなくなるために、通信開始・応答のタイミングで消去するのである。
次に、図58を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線があって、CU3からP台2へコマンドが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図58では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、P台2で電源断が発生し、P台2の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3に状態情報応答レスポンスを返信してから電源断が発生するまで、遊技が継続されている。そのため、P台2では、電源断が発生するまでの遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。
その後、CU3は、通番=n+2を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。しかし、CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、図41に示したように最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないため、通信回線断を検知し、通番=n+2、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+3(加算玉数)−23(減算玉数)=480のデータをバックアップする。
その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。このリカバリ情報としては、図30に示した前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、図31に示した前回最終送信通番=n+2、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報(加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリ情報のカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+2の方が大きい値(新しい)場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=450,加算玉数=+6,減算玉数=+36とする。ただし、CU3とP台2との通番の差が2以上(CU3またはP台2の通番が「0」の場合を除く)ある場合、CU3およびP台2は、不正が行なわれたとしてリカバリ処理を行なわず、エラーとする。なお、このようなエラーが発生するとCU3およびP台2の少なくとも一方においてその旨を報知する。その際、CU3の表示器312およびP台2の表示器54の少なくとも一方においてその報知の内容を表示させてもよい。また、ホールサーバ801にその旨を通知し、ホールサーバ801においてエラーが発生したことを報知させてもよい。また、店員の介在によりPOS等を用いて、手作業で遊技玉数の補正を行なってもよい。具体的には、P台2からのリカバリデータに含まれている遊技玉数を表示器54に表示させ、それを見た店員が遊技者のカードをPOSに挿入し、該カードのカードIDに対応付けてホールサーバ801に記憶されている持玉を更新する。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
次に、図59を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、P台2からCU3へのレスポンスが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図59では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。
さらに、P台2では、CU3の動作が停止してから通信回線断を検知するまでの期間、遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。なお、P台2は、動作が停止しているCU3との通信回線断を検知すると、遊技を停止する。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。このリカバリ情報としては、図30に示した前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、図31に示した前回最終送信通番=n、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報(加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリ情報のカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=nの方が小さい値(古い)の場合、前回遊技台情報も、最新遊技台情報もP台2から受取らずに、電源断が発生し、動作が停止したと判断してリカバリ処理を行なう。ただし、CU3とP台2との通番の差が2以上(CU3またはP台2の通番が「0」の場合を除く)ある場合、CU3およびP台2は、不正が行なわれたとしてリカバリ処理を行なわず、エラーとする。
CU3は、P台2のリカバリデータの前回遊技台情報および最新遊技台情報を使用してリカバリ処理を行ない、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+(3+6)(加算玉数)−(23+36)(減算玉数)=450,加算玉数=+(3+6),減算玉数=+(23+36)とする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
次に、図60を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、CU3からP台2への加算要求のコマンドが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図60では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
しかし、P台2は、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2は、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。
CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、図41に示したように最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないため、通信回線断を検知する。
その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。このリカバリ情報としては、図30に示した前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、図31に示した前回最終送信通番=n+2、および加算玉数=125が含まれている。
それを受けたP台2では、電源断前の通信相手と、電源断復旧後の通信相手とが一致しているか否かを判断する。P台2は、通信相手が一致し、CU3のリカバリデータの最終送信通番=n+2に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+1の方が小さい値(古い)の場合、リカバリ処理を実行して遊技玉数を加算玉数で補正し、遊技玉数=50+125に更新する。
さらに、P台2では、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=175)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリ情報のカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+2の方が大きい値(新しい)の場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=175とする。ただし、CU3とP台2との通番の差が2以上(CU3またはP台2の通番が「0」の場合を除く)ある場合、CU3およびP台2は、不正が行なわれたとしてリカバリ処理を行なわず、エラーとする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
次に、図61を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、P台2からCU3への加算応答のレスポンスが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合(復旧後通信相手一致)について説明する。
この図61では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。なお、P台2では、CU3へ状態情報応答のレスポンスを返信するとともに、通番=n+3、遊技玉数=175のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。このリカバリ情報としては、図30に示した前回最終送信通番=n+3、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、図31に示した前回最終送信通番=n+2、および加算玉数=125が含まれている。
それを受けたP台2では、電源断前の通信相手と、電源断復旧後の通信相手とが一致しているか否かを判断する。P台2は、通信相手が一致し、CU3のリカバリデータの最終送信通番=n+2に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+3の方が大きい値(新しい)の場合、遊技玉数を加算玉数で補正しない。
さらに、P台2では、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=175)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリ情報のカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+3に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+2の方が小さい値(古い)の場合、P台2のリカバリデータの前回遊技台情報および最新遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=175とする。ただし、CU3とP台2との通番の差が2以上(CU3またはP台2の通番が「0」の場合を除く)ある場合、CU3およびP台2は、不正が行なわれたとしてリカバリ処理を行なわず、エラーとする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
次に、図62を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、CU3からP台2へコマンドを送信する前に、電源断、通信回路断線があったときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致しない場合、具体的にはCU3が故障等して新たなCU3に交換した場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。新たなCU3に交換された場合には、交換前のCU3に挿入されていたカードを遊技者に排出し、その遊技者が同じP台2で継続して遊技を行ないたい場合にはそのカードを交換後のCU3に挿入する。
この図62では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、通番=n+1、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+3(加算玉数)−23(減算玉数)=480のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。そのため、P台2では、CU3の動作が停止してから通信回線断を検知するまでの期間、遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。なお、P台2は、動作が停止しているCU3との通信回線断を検知すると、遊技を停止する。
CU3で電源断が発生後、たとえばCU3の故障のため、CU3を交換し1次局(1)から1次局(2)へ変更する。その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。このリカバリ情報としては、図30に示した前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、図31に示した前回最終送信通番=0、および加算玉数=125が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報(加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的には、CU3は、バックアップしているCUの最終送信通番=0によりCU3が交換されたものと判断し、交換後のCU3に挿入されているカードのカードIDとリカバリ応答で受信したP台2のリカバリデータのカードIDとをCU3が比較する。この「最終送信通番=0」は、CU3とP台2とが接続されていない非通信であったことを示す。つまり、CU3が遊技機との非通信を示す情報が、この「最終送信通番=0」である。
また、CU3は、交換したため、交換前のCU3に挿入されたカードの挿入時刻を記憶していない。一方、ホールサーバ801は、CU3から送信されてくるカード挿入時のカードIDとカード挿入時刻とP台2のチップ情報とを対応付けて記憶している。ゆえに、CU3は、認証シーケンスでP台2から受信したチップ情報(メインチップIDと払出チップID)をホールサーバ801へ送信してそれに対応付けて記憶されているカード挿入時刻をホールサーバ801から返信してもらう。CU3は、その返信されたカード挿入時刻をP台2のリカバリデータのカード挿入時刻と比較し、一致しているか否か判定する。交換前のCU3に挿入されていたカードを遊技者に排出し、その遊技者が同じP台2で継続して遊技を行なうべくそのカードを交換後のCU3に挿入した場合には、一致している旨の判定がなされる。交換前のCU3に挿入されていたカードとは別のカードが交換後のCU3に挿入された場合には、不一致の判定がなされる。
なお、カード挿入時刻をホールサーバ801から返信してもらう代わりに、ホールサーバ801において一致判定を行なうようにしてもよい。具体的には、交換後のCU3に挿入されたカードのカードIDがリカバリデータのカードIDと一致する場合に、そのカードIDとリカバリデータのカード挿入時刻とをホールサーバ801へ送信し、ホールサーバ801にて、記憶しているカード挿入時刻と送信されてきたリカバリデータのカード挿入時刻とを比較して一致するか否か判定し、その判定結果をCU3へ返信するように制御してもよい。
また、カード挿入時刻等の記憶場所は、ホールサーバ801に限定されるものではなく、たとえばCU3を設置するカードユニットホルダー等でもよく、さらには故障したCU3からカードを排出するときにそのカードに記憶させておいてもよい。
これらの変形例は、後述の図64、図66においても、同様に適用可能である。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=0の方が小さい値(古い)で、バックアップしている最終送信通番が「0」の場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=450,加算玉数=+6,減算玉数=+36とする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
次に、図63を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線があって、CU3からP台2へコマンドが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致しない場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。
この図63では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、P台2で電源断が発生し、P台2の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3に状態情報応答レスポンスを返信してから電源断が発生するまで、遊技が継続されている。そのため、P台2では、電源断が発生するまでの遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。
その後、CU3は、通番=n+2を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。しかし、CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、図41に示したように最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないため、通信回線断を検知し、通番=n+2、遊技玉数=500(更新前遊技玉数)+3(加算玉数)−23(減算玉数)=480のデータをバックアップする。
P台2で電源断が発生後、たとえばP台2が故障のため、P台2を交換し2次局(1)から2次局(2)へ変更する。その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。しかし、P台2を交換したため、リカバリ情報を保持していない。そのため、リカバリ情報としては、前回最終送信通番=0、前回挿入中カードID=0、前回カード挿入時刻=0が含まれている。
このリカバリ応答を受信したCU3は、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、バックアップしているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3側は、遊技中であった遊技者のカードのカードIDおよびカード挿入時刻がバックアップされており、P台2から送信されてきた前回カードIDおよび前回カード挿入時刻と一致しない。しかも、送信されてきた通番=0でありCU3がバックアップしている通番=n+2と一致しない。その結果、CU3は、P台2を交換したと判断して、リカバリ処理を行なわない。つまり、CU3は、リカバリ詳細要求をP台2へ送信しない。そのため、CU3のリカバリ処理は、店員の介在によりPOSを用いて、手作業で行なうことになる。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
次に、図64を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、P台2からCU3へのレスポンスが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致していない場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。
この図64では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。
さらに、P台2では、CU3の動作が停止してから通信回線断を検知するまでの期間、遊技により遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となる。なお、P台2は、動作が停止しているCU3との通信回線断を検知すると、遊技を停止する。
CU3で電源断が発生後、たとえばCU3の故障のため、CU3を交換し1次局(1)から1次局(2)へ変更する。その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。このリカバリ情報としては、図30に示した前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、図31に示した前回最終送信通番=0、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報(加算玉数=3,減算玉数=23)、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=450,加算玉数=6,減算玉数=36)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的には、CU3は、バックアップしているCUの最終送信通番=0によりCU3が交換されたものと判断し、交換後のCU3に挿入されているカードのカードIDとリカバリ応答で受信したP台2のリカバリ情報のカードIDとをCU3が比較する。また、CU3は、交換したため、交換前のCU3に挿入されたカードの挿入時刻を記憶していない。一方、ホールサーバ801は、CU3から送信されてくるカード挿入時のカードIDとカード挿入時刻とP台2のチップ情報とを対応付けて記憶している。ゆえに、CU3は、認証シーケンスでP台2から受信したチップ情報(メインチップIDと払出チップID)をホールサーバ801へ送信してそれに対応付けて記憶されているカード挿入時刻をホールサーバ801から返信してもらう。CU3は、その返信されたカード挿入時刻をP台2のリカバリデータのカード挿入時刻と比較し、一致しているか否か判定する。交換前のCU3に挿入されていたカードを遊技者に排出し、その遊技者が同じP台2で継続して遊技を行なうべくそのカードを交換後のCU3に挿入した場合には、一致している旨の判定がなされる。交換前のCU3に挿入されていたカードとは別のカードが交換後のCU3に挿入された場合には、不一致の判定がなされる。
CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=0の方が小さい値(古い)で、バックアップしている最終送信通番が「0」の場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=450,加算玉数=+6,減算玉数=+36とする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
次に、図65を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、CU3からP台2への加算要求のコマンドが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致しない場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。
この図65では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
しかし、P台2は、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2は、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。
CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、図41に示したように最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないため、通信回線断を検知する。
P台2で電源断が発生後、たとえばP台2が故障のため、P台2を交換し2次局(1)から2次局(2)へ変更する。その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。しかし、P台2を交換したため、リカバリ情報を保持していない。そのため、リカバリ情報としては、前回最終送信通番=0、前回挿入中カードID=0、前回カード挿入時刻=0が含まれている。
このリカバリ応答を受信したCU3は、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、バックアップしているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3側は、遊技中であった遊技者のカードのカードIDおよびカード挿入時刻がバックアップされており、P台2から送信されてきた前回カードIDおよび前回カード挿入時刻と一致しない。しかも、送信されてきた通番=0でありCU3がバックアップしている通番=n+2と一致しない。その結果、CU3は、P台2を交換したと判断して、リカバリ処理を行なわない。つまり、CU3は、リカバリ詳細要求をP台2へ送信しない。そのため、CU3のリカバリ処理は、店員の介在によりPOSを用いて、手作業で行なうことになる。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
次に、図66を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、電源断、通信回路断線により、P台2からCU3への加算応答のレスポンスが未到達のときの処理について説明する。なお、当該処理後、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致しない場合(復旧後通信相手不一致)について説明する。
この図66では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができず、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できなかった場合に、通信回線断を検知できる。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。なお、P台2では、CU3へ状態情報応答のレスポンスを返信するとともに、通番=n+3、遊技玉数=175のデータをバックアップする。
CU3で電源断が発生後、たとえばCU3の故障のため、CU3を交換し1次局(1)から1次局(2)へ変更する。その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。このリカバリ情報としては、図30に示した前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、図31に示した前回最終送信通番=0、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、電源断前の通信相手と、電源断復旧後の通信相手とが一致しているか否かを判断する。この判断は、リカバリ要求で送信されてきた「最終送信通番」が0になっていることに基づいて行われる。P台2は、CU3は通信相手が不一致と判断し、遊技玉数を加算玉数で補正しない。
さらに、P台2では、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=175)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的には、CU3は、バックアップしているCUの最終送信通番=0によりCU3が交換されたものと判断し、交換後のCU3に挿入されているカードのカードIDとリカバリ応答で受信したP台2のリカバリ情報のカードIDとをCU3が比較する。また、CU3は、交換したため、交換前のCU3に挿入されたカードの挿入時刻を記憶していない。一方、ホールサーバ801は、CU3から送信されてくるカード挿入時のカードIDとカード挿入時刻とP台2のチップ情報とを対応付けて記憶している。ゆえに、CU3は、認証シーケンスでP台2から受信したチップ情報(メインチップIDと払出チップID)をホールサーバ801へ送信してそれに対応付けて記憶されているカード挿入時刻をホールサーバ801から返信してもらう。CU3は、その返信されたカード挿入時刻をP台2のリカバリデータのカード挿入時刻と比較し、一致しているか否か判定する。交換前のCU3に挿入されていたカードを遊技者に排出し、その遊技者が同じP台2で継続して遊技を行なうべくそのカードを交換後のCU3に挿入した場合には、一致している旨の判定がなされる。交換前のCU3に挿入されていたカードとは別のカードが交換後のCU3に挿入された場合には、不一致の判定がなされる。
CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+3に比べて、バックアップしている最終送信通番=0の方が小さい値(古い)で、バックアップしている最終送信通番が「0」の場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=175とする。
その後、CU3は、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
次に、図67を参照して、異常系シーケンスを説明する。ここでは、特に、電源断、通信回路断線により、CU3からP台2への加算要求のコマンドが未到達のときの処理について説明する。
図67は、CUから送信された遊技玉の加算要求がP台側に到達する前にP台で電源断が発生し、その後、電源断が復旧した場合の異常系シーケンスを示している。この異常系シーケンスでは、通信が復旧したときに、復旧前後で通信相手が一致している場合(復旧後通信相手一致)について説明する。このため、この異常系シーケンスでは、CUおよびP台ともに交換はない。
図67に示されるように、再プレイボタンの押下が検出されると、CU側では貯玉の消費が確定し、その消費分だけ遊技玉数が加算(+125)されるとともに、加算玉数=125の遊技玉加算要求を含む状態情報要求がP台へ送信される。ところが、その状態情報要求がP台に到達する前にP台側で一旦電源断が発生する。このため、遊技玉加算要求を含む状態情報要求はP台へは到達しない。
その後、電源断が復旧すると、既に説明したとおりの認証シーケンスを経て、リカバリ要求とリカバリ応答とが交換され、CU側からリカバリ詳細要求が送信される。このリカバリ詳細要求には、未達となった遊技玉加算要求の加算玉数=125が含まれている。P台は、通信相手が一致し、リカバリ要求に含まれる最終送信通番がn+2(CU通番)であり、P台側で記憶しているP台通番がn+1であることから、リカバリ詳細要求に含まれる加算玉数=125を補正データとして用いて遊技玉数を50+125に補正する。その結果、CU側で記憶している遊技玉数と、P台側で記憶している遊技玉数とが一致する。
その後、P台からCUに向けてリカバリ詳細応答が返信される。すると、CU側でカードIDおよび挿入時刻一致、かつ、CUとP台との通番が整合すると判断されてリカバリされる。
このように、CUからP台へ遊技玉数の変化を示す情報が送信され、その情報が到達する前に電源断が発生したときでも、電源断復旧時のリカバリ処理によって、P台側で遊技玉数が補正されるため、電源断の回復後においてもCUとP台との間での遊技玉データの整合性を保持できる。
以下、図67に従い、そのシーケンスを詳細に説明する。この図67では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
しかし、P台2は、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2は、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。
CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、図41に示したように最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないため、通信回線断を検知する。
その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。このリカバリ情報としては、図30に示した前回最終送信通番=n+1、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、図31に示した前回最終送信通番=n+2、および加算玉数=125が含まれている。
それを受けたP台2では、電源断前の通信相手と、電源断復旧後の通信相手とが一致しているか否かを判断する。P台2は、通信相手が一致し、CU3のリカバリデータの最終送信通番=n+2に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+1の方が小さい値(古い)の場合、リカバリ処理を実行して遊技玉数を加算玉数で補正し、遊技玉数=50+125に更新する。
さらに、P台2では、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報(遊技玉数=175)、最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理である。
具体的に、CU3は、リカバリ応答で受信したP台2のリカバリ情報のカードIDおよびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの最終送信通番=n+1に比べて、バックアップしている最終送信通番=n+2の方が大きい値(新しい)の場合、P台2のリカバリデータの最新遊技台情報のみを使用してリカバリ処理を行なう。CU3は、リカバリ処理を行ない、遊技玉数=175とする。ただし、CU3とP台2との通番の差が2以上(CU3またはP台2の通番が「0」の場合を除く)ある場合、CU3およびP台2は、不正が行なわれたとしてリカバリ処理を行なわず、エラーとする。
なお、通信不能状態において遊技用装置側で遊技点が変化し、復旧処理により遊技用装置側での遊技点の変化が遊技機へ送信されて遊技機側で遊技点が更新(補正)される場合の具体例は、図67に示されている。この図67によれば、「前記遊技用装置は、前記遊技用装置との通信ができない通信不能状態から復旧させて前記遊技用装置との間での遊技点の整合性を回復させる復旧処理を行なう復旧処理手段を含み、前記遊技用装置は、前記通信不能状態が発生したときから前記遊技用装置による復旧処理が実行されるまでの間において、前記特定手段により特定された遊技点の変化量を累積して記憶する通信不能時累積記憶手段とを含み、前記遊技用装置は、前記復旧処理が行なわれるときに、前記通信不能時累積記憶手段に記憶されている遊技点の累積変化量を特定可能な累積更新情報を前記遊技用装置へ送信すること」が開示されている。
以上図57〜図67を用いて説明したように、リカバリ処理時の補正態様としては、CU3が、P台2から受信した最終送信通番と、記憶しているP台2最終送信通番とを比較し、P台2から受信した最終送信通番が記憶しているP台2最終送信通番より大きい通番であれば、最新遊技台情報と前回遊技台情報との両者を用いて遊技玉数を補正する第1補正態様がある。また、他方の補正態様とは、CU3が、P台2から受信した最終送信通番と、記憶しているP台最終送信通番とを比較し、P台2から受信した最終送信通番が記憶しているP台最終送信通番と等しいまたは小さい通番であれば、最新遊技台情報のみで遊技玉数を補正する第2補正態様がある。さらに、リカバリ処理時の補正態様としては、一切補正をしない態様も含んでいる(図63、図65参照)。つまり、「補正態様を決定する」とは、最新遊技台情報のみまたは最新遊技台情報と前回遊技台情報との両者を用いて補正するか否かを決定するばかりでなく、補正をしないことの決定をも包含する概念である。
また、第1補正態様は、具体的には、CU3が記憶している遊技玉数に対し、最新遊技台情報の加算玉数と前回遊技台情報の加算玉数とを加算するとともに、最新遊技台情報の減算玉数と前回遊技台情報の減算玉数とを減算して算出された遊技玉数に補正する。第2補正態様は、具体的には、CU3が記憶している遊技玉数に対し、最新遊技台情報の加算玉数を加算するとともに最新遊技台情報の減算玉数を減算して算出された遊技玉数に補正する。
次に、図68を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、玉貸・持玉払出・貯玉払出時の遊技玉加算結果異常のときの処理について説明する。
この図68では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が持玉払出ボタンを押下する。そのため、CU3は、持玉・貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、持玉・貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。
その後、P台2で遊技玉を加算する処理に異常が発生する。そのため、P台2は、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを受信したCU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ再送する。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるため、通番を更新せず通番=n+2のまま、状態情報要求のコマンドを再送する。
しかし、P台2は、遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、P台2は、CU3の再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
さらに、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを再度受信したCU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ2回目の再送を行なう。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるため、通番を更新せず通番=n+2のまま、状態情報要求のコマンドを再送する。
P台2は、まだ遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、P台2は、CU3の再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、状態情報要求のコマンドを2回再送しても、P台2から遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスの応答を受信する場合、P台2で遊技玉を加算する処理に異常が発生しているとして、P台2との通信を停止する。具体的に、CU3は、通信終了要求のコマンドをP台2に送信する。通信終了要求のコマンドを受信したP台2は、通信終了応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図69を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、玉貸・持玉払出・貯玉払出時の遊技玉加算結果再送のときの処理について説明する。
この図69では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が持玉払出ボタンを押下する。そのため、CU3は、持玉・貯玉の消費を確定し、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、持玉・貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。P台2は、当該コマンドを受信することで遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175にデータを更新する。
その後、P台2は、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。しかし、P台2からCU3への通信不良により、当該レスポンスがCU3に到達していない。
CU3は、通番=n+2の状態情報要求のコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかったので、再度同じコマンドをP台2に送信する。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるため、通番を更新せず通番=n+2のまま、状態情報要求のコマンドを再送する。P台2は、CU3から送信されてきたコマンドの通番=n+2が同じであるため再送されたコマンドであると判断して、遊技玉数のデータを更新しない。
P台2は、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に再返信する。当該レスポンスをCU3に再送したときには、P台2からCU3への通信不良が解消され、再送したレスポンスはCU3に到達している。
遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスを受信したCU3は、通番=n+4、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、CU3の送信した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+5、遊技玉数=175を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に図70を参照して、異常系シーケンスを説明する。特に、P台2からの状態情報応答がCU3に未到達の場合の処理を説明する。
図70は、未到達の状態情報応答を再送する場合のシーケンスを示す。特に、図70は、未達となる状態情報応答を送信してから当該情報を再送するまでの間に、遊技によって遊技台情報(遊技玉数等)が変化した場合を示している。
図70を参照して、通番=n+1の状態情報応答には、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の情報が含まれている。この状態情報応答がCUに届かず、CU側から状態情報要求の再送を指示するコマンドが送信される。ところが、その間に玉の発射や入賞の発生などによって加算玉数および減算玉数が変化し、それに伴い遊技玉数も変化する。すると、P台は、先に送信した状態情報応答をそのまま再送するのではなく、先に送信してから現時点までの遊技台情報の変化を加味した新たな状態情報応答を再送する。その結果、図70では、再送時の状態情報応答には、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=26の情報が含まれている。CUは、再送された状態情報応答に基づいて遊技玉数を更新する。
このように、P台は、情報応答の再送時に遊技台情報が変化しているときには、先の状態情報応答をそのまま再送した上で、遊技台情報の変化分に対応する状態情報応答をさらに送信するのではなく、遊技台情報の変化分をも併せた1つの情報応答を再送する。このため、通信効率を高めつつ、遊技台情報の変化を確実にCUに伝達できる。
以下、図70に従い、そのシーケンスを詳細に説明する。この図70では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。しかし、P台2からCU3への通信不良により、当該レスポンスがCU3に到達していない。
CU3は、通番=nの状態情報要求のコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかったので、再度同じコマンドをP台2に送信する。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるため、通番を更新せず通番=nのまま、状態情報要求のコマンドを再送する。
P台2は、前回送信されてきたコマンドに対するレスポンスを返信してから、再送されてきたコマンドに対するレスポンスを返信するまでの間に行なった遊技により、遊技台情報が、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となった。そのため、P台2は、再送されてきたコマンドに対するレスポンスの再送時に、前回送信して以降の遊技玉の変化量を併せて送信する。具体的に、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=26を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番=n+1、遊技玉数=450(480+6−36)のデータをバックアップする。
以上、説明した異常系シーケンスでは、リカバリの処理によってCU側のデータが補正される。
特に、図57のケースのように、リカバリ時にP台から送信されてきた最終送信通番(P台通番)とCU側で記憶している通番(CU通番)とがともに同じ値であるような場合には、リカバリ詳細応答に含まれる前回遊技台情報と今回遊技台情報とのうち、前回遊技台情報(最新遊技台情報)のみ使用してCU側でリカバリが行なわれてCU側で記憶している遊技玉数等が適正な値に補正される。
また、図58のケースのように、リカバリ時にP台から送信されてきた最終送信通番(P台通番)よりもCU側で記憶している通番(CU通番)の方が大きい場合にも、リカバリ詳細応答に含まれる前回遊技台情報と今回遊技台情報とのうち、前回遊技台情報(最新遊技台情報)のみ使用してCU側でリカバリが行なわれてCU側で記憶している遊技玉数等が適正な値に補正される。
これに対して、図59のケースのように、リカバリ時にP台から送信されてきた最終送信通番(P台通番)の方がCU側で記憶している通番(CU通番)よりも大きい場合には、リカバリ詳細応答に含まれる前回遊技台情報と今回遊技台情報(最新遊技台情報)との双方を使用してCU側でリカバリが行なわれてCU側で記憶している遊技玉数等が適正な値に補正される。
このように、リカバリ時には、CU通番とP台通番との関係をCUが判別し、CU側のデータが適正値に補正される。その結果、CUとP台との間での通信を再開させたときに、前回の通信終了時にP台側では送信したはずのデータがCU側では受信されていないまま、通信が進行していくという不都合を解消できる。
なお、説明した異常系シーケンスでは、P台はリカバリ詳細要求を受けてリカバリ詳細応答をCUへ返信し、そのリカバリ詳細応答によってリカバリデータを送信するものとした(図33参照)。しかしながら、これに代えて、リカバリ詳細応答の電文を用いずに、上記のようなリカバリ処理を行なうシステム構成としてもよい。たとえば、P台は、CUからリカバリ詳細要求を受けたときに、リカバリ詳細応答という特殊な電文でリカバリデータを送信するのではなく、リカバリに必要なデータを通常の状態情報応答として返信するようにしてもよい。
次に図71を参照して、さらなる異常系シーケンスを説明する。特に、CU3から状態情報応答のコマンドをP台2に再送する処理を説明する。
図71は、未到達の状態情報要求を再送する場合のシーケンスを示す。特に、図71は、未達となる状態情報要求を送信してから当該情報を再送するまでの間に、遊技によって遊技台情報(遊技玉数等)が変化した場合を示している。
図71を参照して、CUから送信された通番=n+2の状態情報要求が何らかの原因でP台に届かず、一定時間経過後にCUから同じ状態情報要求が再送される。ところが、P台側では、先にCUへ状態情報応答(通番=n+1)を送信して以降、CUからの状態情報要求を待つ間に遊技によって遊技台情報が逐次、変化している。P台は、仮に、CUから送信された通番=n+2の最初の状態情報要求が届いていたときには、その時点での遊技台情報を含む状態情報応答を返信するが、この例では、通番=n+2の最初の状態情報要求がP台に届いていない。このため、P台は、状態情報要求を待つ間で変化する遊技台情報を累積的に記憶する。そして、再送された通番=n+2の状態情報要求が到達したときに、その時点で累積記憶していた遊技台情報を含む状態情報応答をCUへ返信する。
このように、P台が遊技台情報を送信してから所定期間が経過しても次の遊技台情報の送信を指示する情報をCUから受信できない状態が継続する間、P台は、刻々と変化する遊技台情報を累積的に記憶する。その後、P台は、遊技台情報の送信を指示する情報を受信できた段階で、その累積記憶された遊技台情報を送信する。このため、CUとP台との通信が一時的に途絶えた状態が発生した場合であっても遊技台情報をCU側において確実に収集可能となる。
以下、図71に従い、そのシーケンスを詳細に説明する。この図71では、当初の遊技玉数が「500」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番=n+2を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。その際、CU3は、通番=n+2、遊技玉数=480(500+3−23)のデータをバックアップする。しかし、CU3からP台2への通信不良により、当該コマンドがP台2に到達していない。
CU3は、通番=n+2の状態情報要求のコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかったので、再度同じコマンドをP台2に送信する。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるため、通番を更新せず通番=n+2のまま、状態情報要求のコマンドを再送する。
P台2は、前回送信されてきたコマンドに対するレスポンスを返信してから、再送されてきたコマンドに対するレスポンスを返信するまでの間に行なった遊技により、遊技台情報が、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となった。そのため、P台2は、再送されてきたコマンドに対するレスポンスの送信時に、状態情報要求のコマンドを待つ間で変化する遊技玉数を累積記憶して送信する。具体的に、P台2は、通番=n+3、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番=n+4を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。その際、CU3は、通番=n+4、遊技玉数=450(480+6−36)のデータをバックアップする。
以上説明した異常時のリカバリ処理をまとめると、次のようになる。CU3とP台2との通番の差が2以上あるときにはすべて不正としてリカバリを行なわない。ただし、CU3の通番=0の場合にはCU3が交換された場合であり、P台2の最新遊技台情報のみでリカバリしてP台2の最新遊技台情報をCU3が取込む。また、P台2の通番=0のときはリカバリしない。
「P台2側からの通番≦CU3の記憶通番」の場合には、最新遊技台情報のみでリカバリする。
「P台2側からの通番>CU3の記憶通番」の場合には、最新遊技台情報と前回遊技台情報とでリカバリする。
以上、図57〜図71を用いて、CU3とP台2との間の異常系シーケンスについて説明した。その説明の際に「再プレイボタンの押下」後、異常系シーケンスの動作について説明したが、「持玉払出ボタンの押下」後においても同様の動作となる。
次に、図72を参照して、持玉共有処理を説明する。持玉共有とは、遊技者が持玉を他人に分割譲渡することである。この図72では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「1000」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
その後、遊技者が、たとえば表示器54に表示されている複数のメニューの中から持玉共有をタッチして選択指定した場合、CU3には、持玉共有の処理が発生する。なお、持玉共有に使用する持玉数は100玉である。
しかし、前述したように持玉数が「0」玉であるため、CU3の表示制御部350は、表示器54に対して「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を制御する。表示器54は、当該制御により、「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を行なう。
遊技者は、表示器54の「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を見て、計数ボタン28を押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。
P台2は、計数ボタン28の操作が検出されると、その検出に基づいた計数分の遊技玉の減算処理を開始する前に、計数ボタン28の操作に伴う計数要求をCUへ通知する。すなわち、計数要求をONにした通番=n+1の状態情報応答をCUへ送信する。図示のとおり、この段階では、遊技玉数は1000のままであり、通番=n+1の状態情報応答に含まれる遊技玉数も変化していない。
CUは、計数要求=ONの状態情報応答を受信すると、計数の可否を判定し、計数できる状態であれば、計数応答をONにした状態情報要求(ここでは通番=n+2)をP台へ送信する。
すると、P台は、計数が許可されたと判断し、計数ボタンの操作に対応する数(ここでは100点)だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数=900、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+3、遊技玉数=900、計数玉数=100、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=1000(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=900のデータをバックアップする。さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、100個の遊技玉を計数する表示を開始させる。
つまり、計数ボタン28を1回押下することで、遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。当初の遊技玉数が「1000」玉の場合、計数ボタン28を1回押下することで、遊技玉数が「900」玉、計数玉が「100」玉となる。
このように、残っている持玉が希望の持点共有数に満たないときには、所定の報知が行なわれるために、希望の持点共有のサービスを受けるために遊技玉を計数する操作を遊技者に促すことができる。
その後、CU3は、通番=n+4、計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数応答=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。この段階で計数ボタン28から遊技者の指が離れる。P台2は、計数ボタン28を押下する操作がなされていないので、通番=n+5、遊技玉数=900、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
前述の計数操作により、持玉数が「100」玉となったので、CU3は、持玉共有に使用する持玉数を確保することができ、持玉を清算後、持玉共有処理が終了する。この持玉の清算は、具体的には、共有(分割譲渡)する持玉を現在の持玉数(1000玉)から減算する処理であり、CU制御部323により実行される。
この持玉共有処理が実行されることにより、共有(分割譲渡)する持玉数(100玉)が記録されたビジターカードがCU3から排出され、遊技者がそのビジターカードを譲渡する相手に手渡すことにより、持玉が共有(分割譲渡)される。
次に、図73を参照して、ワゴンサービスの処理を説明する。ワゴンサービスとは、持玉を消費してドリンク等の商品を遊技者に提供するとサービスである。ワゴンサービスを希望する遊技者は、表示器54をタッチ操作し、ワゴンオーダーをする。すると、遊技者が注文したオーダ内容がCU3のIR感光ユニット320から赤外線信号として遊技場の店員が所持しているリモコンに入力される。なお、このリモコンによるオーダの入力に代えてまたはそれ加えて、遊技者によるワゴンサービスのオーダ操作をLAN(Local Area Network)等を使用して収集し、その収集されたオーダ内容に従ってワゴンサービスを行なうようにしてもよい。
遊技場の店員はリモコンに入力されたオーダ内容に従ってワゴンサービスを行なう。図73では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「30」玉であり、当初の遊技玉数が「60」玉の状態となっている。
まず、CU3は、通番=n、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
その後、遊技者が、前述したようにタッチ操作をしてワゴンオーダーをすることにより、CU3には、ワゴンオーダーの処理が発生する。なお、ワゴンオーダーに使用する持玉数は70玉である。
しかし、前述したように持玉数が「30」玉であるため、CU3の表示制御部350は、表示器54に対して「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を制御する。表示器54は、当該制御により、「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を行なう。なお、表示器54には、図73に示す「表示中」の期間、たとえば図77に示す表示が行われる。
このように、残っている持玉が希望のワゴンサービス商品額に満たないときには、所定の報知が行なわれるために、希望のワゴンサービスを受けるために遊技玉を計数する操作を遊技者に促すことができる。
遊技者は、表示器54の「持玉不足のため計数ボタンを押してください」の表示を見て、計数ボタン28を1回押下し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を1回押下すると、遊技玉が100玉以上あれば、100玉が計数され計数玉としてカウントされる。たとえば、遊技玉数が「160」玉である場合には、上記計数操作により、計数玉数が「100」玉と計数され、遊技玉数が「60」玉となる。しかし、この例では、当初の遊技玉数が「60」玉であるため、計数ボタン28を1回押下しても60玉しか計数されず、遊技玉数が「0」玉、計数玉が「60」玉となる。なお、この例では、計数ボタン28の操作の際に玉の発射が継続されていない状態を想定しているため、遊技玉数が250未満でも計数操作が無効にされることはない。
P台2は、計数ボタン28の操作が検出されると、その検出に基づいた計数分の遊技玉の減算処理を開始する前に、計数ボタン28の操作に伴う計数要求をCUへ通知する。すなわち、計数要求をONにした通番=n+1の状態情報応答をCUへ送信する。図示のとおり、この段階では、遊技玉数は60のままであり、通番=n+1の状態情報応答に含まれる遊技玉数も変化していない。
CUは、計数要求=ONの状態情報応答を受信すると、計数の可否を判定し、計数できる状態であれば、計数応答をONにした状態情報要求(ここでは通番=n+2)をP台へ送信する。
すると、P台は、計数が許可されたと判断し、残っている全遊技玉数(60点)を減算し、遊技玉数=0、計数玉数=60の状態をCU3に通知するために、通番=n+3、遊技玉数=0、計数玉数=60、計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(60玉)を持玉数(30玉)に加算して持玉数=90に更新し、遊技玉数=60(更新前遊技玉数)−60(計数玉数)=0のデータをバックアップする。さらに、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、60個の遊技玉を計数する表示を開始させる。
その後、CU3は、通番=n+4、計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数応答=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。この段階で計数ボタン28から遊技者の指が離れる。P台2は、計数ボタン28を押下する操作がなされていないので、通番=n+5、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
前述の計数操作により、持玉数が「90」玉となったので、CU3は、ワゴンオーダーに使用する持玉数の「70」玉を確保することができ、持玉を精算(ワゴンオーダにて70玉の持玉の減算)後、ワゴンオーダーの処理が終了する。この持玉の清算は、具体的には、ワゴンサービスに用いる持玉(70玉)を現在の持玉数(90玉)から減算する処理であり、CU制御部323により実行される。このワゴンサービスが行われたときの決済は、たとえば、前述の持玉共有と同様に、ワゴンサービスに用いる持玉(70玉)をビジターカードに書込んで排出し、そのビジターカードを渡して支払い決済を行なう。他の方法としては、ワゴンサービスを行なう係員の持つ端末とCU3とが通信してワゴンサービスに用いる持玉(70玉)をその係員の持つ端末へ移動させる方法でもよい。さらには、ワゴンサービスを行なう係員が、オーダ品を届けた時点でCU3に対して何らかの操作を行ない、その操作に基づいてワゴンサービスに用いる持玉(70玉)を減算するようにしてもよい。
なお、CUまたはP台は、ワゴンサービス等の持玉を使用して遊技者が受けることのできるサービスを報知するサービス報知制御を行なうようにしてもよい。この場合、遊技者の持玉がサービスに必要な点数に満たないときには、遊技点が残っており、また、その遊技玉を加算することによってサービスに必要な点数に達する場合であっても、遊技者が受けることのできるサービスを報知しないものとしてもよい。
たとえば、前記サービス報知制御としては、表示器54による表示画面を用いて行なうことが考えられる。より具体的には、画面所定箇所に「ワゴンサービス」の表示項目(アイコン)を表示しておき、これに遊技者がタッチすると、「注文する種類を選択してください」とのメッセージ表示とともに、ワゴンメニューとして、「定番メニュー」、「ドリンク類」、「フード類」、「スイーツ類」などの複数種類のメニューを表示する。さらに、画面には、現在の持玉数と遊技玉数とを表示する。
さらに、遊技者が「定番メニュー」、「ドリンク類」、「フード類」、「スイーツ類」の中からいずれかのメニューを選択操作したときには、それぞれに対応する商品の画面を表示する。たとえば、「ドリンク類」を遊技者が選択した場合には、「注文する商品を選んでください」のメッセージ表示とともに、ドリンク類の中に含まれる複数の商品を表示する。各商品には、注文する際に必要となる持玉数も併せて表示する。
ただし、持玉の範囲内で購入可能な商品は実線で表示し、持玉の範囲内で購入できるサービスであることを報知する。一方、現在の持玉に遊技玉を計数ボタンによって持玉に変換し、その変換された持玉を加えることにより購入できる商品は点線で表示することによって、遊技者が受けることのできるサービスとしては報知しない(実線では表示しない)。また、遊技玉を持玉に変換しても購入できない商品は、商品名の上に「×」の表示を行なう。
その結果、実線表示の商品に遊技者がタッチすれば、持玉が減算されて商品提供のサービスを受けることが可能となる。また、破線表示の商品に遊技者がタッチすれば、遊技玉の計数を促す報知がなされる。また、×表示の商品に遊技者がタッチすれば、持玉および遊技玉が不足している旨の報知がなされる。
このような表示の仕方は、これに限らず、持玉のみで購入可能なメニューと、持玉および遊技玉を加えた玉数で購入可能なメニューと、持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューを区別できる表示であればよい。たとえば、持玉のみで購入可能なメニューに対してはランプ等で明るく表示させ、持玉および遊技玉を加えた玉数で購入可能なメニューに対してはランプ等を点滅させて表示させ、持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューに対しては、ランプ等を点灯させずに、選択できないようにすることもできる。また、持玉および遊技玉を加えた玉数でも購入できないメニューは、表示させないように制御してもよい。さらに、持玉のみでは購入できないが該持玉に対して遊技玉を加えた玉数の場合には購入できるメニューは破線で枠組みして表示しているが、このようなメニューに対しても×印を付して表示してもよく、あるいは、このようなメニューを表示させないように制御してもよい。
<遊技用システムの構成の組合わせ>
前述した遊技用システムの構成は、図5に示すように計数ボタン28をP台2に設けてあり、持玉の管理をP台2で行なわずCU3で行なう一方、遊技玉の管理を主にP台2で行ない、表示器54,312をP台2およびCU3に設け、表示制御部350をCU3のみに設けて、表示器54,312の表示制御をCU3側で行なっている。しかし、本発明に係る遊技用システムは、前述の構成に限定されるものではない。たとえば、別の遊技用システムの構成として、計数ボタン28をP台2に設け、遊技玉・持玉の管理をP台2で行なわずCU3で行ない、表示器をP台2およびCU3に設け、表示制御部350をP台2のみに設けて、表示器の表示制御をP台2側で行なってもよい。遊技用システムの構成の組合わせは、その他多く存在する。図74は、このような遊技用システムの構成の組合わせ例を示した図である。
図5に示す遊技用システムの構成は、図74に示す組合わせのNo.8であり、前述した別の遊技用システムの構成は、図74に示す組合わせのNo.2である。なお、図74では、遊技用システムの構成の組合わせが63通り記載してある。ただし、No.23からNo.41まで、No.44からNo.62までの組合わせは、No.2からNo.20までの組合わせの計数ボタンの欄をCU、・P台に置換えることができるため、記載を省略してある。
なお、玉の管理(持玉の管理、遊技玉の管理)をCU、P台のいずれで行なうかということの意義は、一つには、玉のデータをいずれで記憶するかという点にある。たとえば、持玉はCUのみで記憶し、遊技玉はP台のみで記憶するような遊技システムの場合には、持玉の管理はCU、遊技玉の管理はP台ということになる。
あるいはまた、玉の管理(持玉の管理、遊技玉の管理)をCU、P台のいずれで行なうかということの意義は、玉のデータをCUとP台との双方で記憶しつつも、双方のデータに相違が生じた場合に、いずれのデータに基づいてデータを修正するかという点にある。たとえば、図12に示す遊技用システムの場合には、遊技玉をCUとP台との双方で記憶しているが、双方のデータに相違が生じた場合、P台側のデータに基づいて遊技玉を修正する。この場合、遊技玉の管理はP台ということになる。
なお、図74では、考えられるすべての組合せを列挙したが、これに限定されるものではなく、本実施の形態に開示された技術的思想に応じて不必要な組合せを削除してもよい。たとえば、CU3が遊技玉を表示制御することが必須の技術的思想の場合には、「表示制御」の欄が「CU」のみに限定される。
また、前述の本実施の形態では、持玉と遊技玉とを区別して別々のものとした内容にしているが、これらを区別することなく1つの共通の価値データにしてもよい。たとえば、カード自体によって共通の価値データが特定され、その共通の価値データを引落してCU3からP台2へ送信し、それを受けたP台2が共通の価値データとして記憶し、遊技の進行に応じてその共通の価値データを更新し、最終的に更新された共通の価値データを遊技終了時にCU3がカードに記録して排出するように制御してもよい。そして、この「共通の価値データ」と「持玉」と「遊技玉」とを総称して、「点数」と言う。
<遊技用システムの処理の実施例>
次に、図75は、遊技玉が所定数以上のときの遊技用システムの処理を説明するためのフローチャートである。図75を参照して、遊技玉が所定数以上のときの払出制御部171の処理、および遊技玉が所定数以上のときのCU制御部323の処理について説明する。
遊技玉が所定数以上のときの処理において、まず、払出制御部171は、P台2の現在の遊技玉数を確認する(ステップS481)。具体的には、払出制御部171は、P台側の払出制御基板17に搭載されているRAMに記憶してある現在の遊技玉数を読出す。
次に、払出制御部171は、遊技中で大当りが発生しているか否かを判断する(ステップS482)。遊技中で大当りが発生している場合、遊技玉数は所定数以上になりやすく、そのたびに計数操作を促されたり、遊技玉の発射が停止されたのでは遊技者が不都合を感じることが考えられる。そのため、払出制御部171は、遊技中で大当りが発生していると判断した場合(ステップS482:YES)、以降の処理を行なわずに終了となる(リターン)。
払出制御部171は、遊技中で大当りが発生していないと判断した場合(ステップS482:NO)、確認した遊技玉が満タン状態の基準値である3000玉より多いか否かを判断する(ステップS483)。払出制御部171は、確認した遊技玉が3000玉より多いと判断した場合(ステップS483:YES)、遊技玉超過情報をCU制御部323に送信する(ステップS484)。払出制御部171は、確認した遊技玉が3000玉以下と判断した場合(ステップS483:NO)、以降の処理を行なわずに終了となる(リターン)。
CU制御部323は、払出制御部171から遊技玉超過情報を受信する(ステップS488)と、表示器54に、「遊技玉が一杯になりました。計数操作を行なってください。」と計数操作を促す表示を行なう(ステップS489)。
なお、このように遊技玉が一杯になったことを契機として、それまで演出制御部151の表示制御により表示器54で行なっていた遊技演出の表示を遊技玉数等の遊技情報の表示に切り換えるようにしてもよい。その場合、表示器54の表示制御はCU3側の表示制御部350が行なうものであっても、あるいは、演出制御部151が行なうものであってもよい。演出制御部151が行なう場合には、払出制御部171と演出制御部151とを通信可能に接続し、表示に必要な遊技情報(満タン情報)が払出制御部171から演出制御部151へ送信されるようにすればよい。あるいは、表示に必要な遊技情報(満タン情報)は、主制御部161から演出制御部151へ送信されるようにしてもよい。
また、遊技玉が一杯になった場合には表示器54に変えて、あるいは表示器54に加えて遊技玉数表示器29においてその旨を特定可能に表示してもよい。たとえば、遊技玉数表示器29で玉数を点滅表示させることが考えられる。あるいは、遊技玉数表示器29を画像表示器で構成した場合には、「遊技玉が一杯になりました。計数操作を行なってください。」と表示してもよい。
このように、遊技玉数が所定数以上であれは所定の報知制御が行なわれるのであり、これによって玉が皿に満タンのときに報知する従来の遊技用システムと同様のシステムを擬似的に再現でき、従来の遊技システムに慣れている遊技者に親しみのあるシステムを提供できる。
また、本システムのように、実際の遊技玉ではなくデータの遊技玉を利用する場合には、多量の玉で溢れて困るという不都合が生じることがないので、遊技玉数に上限値を設けないようにしてもよい。しかしながら、上限値を設けない場合には、極めて多数の遊技玉を遊技者が獲得している段階でP台にトラブルが生じて遊技玉のデータが消失してしまった際の遊技者と遊技店との間での問題が大きくなる。そこで、本実施の形態のように、満タンという形で遊技玉数に上限値を設けておき、遊技玉数が上限値に達すれば、計数を促して持点に変換することにより、P台にトラブルが生じて遊技玉のデータが消失してしまうような事態が生じた場合の遊技店の補償額があまりに大きくなり過ぎないようにすることができる。つまり、計数操作に応じて遊技玉数を持点数に変換してCU3に記憶させることにより、そのCU3経由でホールサーバに変換後の持点数を記憶させておくことが可能であり、P台にトラブルが生じたとしてもホールサーバに記憶された持点数により遊技者への補償を担保しやすくなる。
払出制御部171は、計数操作を促す表示を行なってから10秒以内に、遊技者が計数ボタン28を押下したか否かを判断する(ステップS485)。払出制御部171は、計数操作を促す表示を行なってから10秒以内に、遊技者が計数ボタン28を押下したと判断した場合(ステップS485:YES)、以降の処理を行なわずに終了となる(リターン)。なお、「遊技玉が一杯になりました。計数操作を行なってください。」と計数操作を促す表示等の報知を終了させる時点は、たとえば、計数ボタン28を押下げたとき、満タン状態が解消されたとき、所定の一定期間経過したとき、あるいはこれらの組み合わせしたものを用いてもよい。なお、計数ボタン28を押下げたとき、満タン状態が解消されたときはP台2側によって判断され、所定の一定期間経過したときはCU3側によって判断される。しかしながらこれに限定されることなく、CU3側あるいはP台2側のどちらかで全て判断してもかまわない。
払出制御部171は、計数操作を促す表示を行なってから10秒以内に、遊技者が計数ボタン28を押下していないと判断した場合(ステップS485:NO)、遊技玉の発射を停止する。つまり、払出制御部171は、計数操作を促してから10秒経過しても遊技者が計数操作しないため、発射制御基板31を介して発射モータ18を止めて遊技玉の発射を停止する。このように、遊技玉数が所定点数以上で計数操作が行なわなければ、遊技が不能動化されるため、遊技者に対して計数操作を促すことができる。
払出制御部171は、計数操作を促してから10秒経過しても計数操作しないので遊技玉の発射を停止したことを、遊技玉超過時の発射停止情報としてCU制御部323に送信する(ステップS487)。その後、払出制御部171は、処理が終了となる(リターン)。
CU制御部323は、払出制御部171から遊技玉超過時の発射停止情報を受信する(ステップS490)と、表示器54に、「遊技玉が一杯になりました。玉の発射を停止します。」と、遊技玉の超過により発射を停止したことを表示する(ステップS491)。その後、払出制御部171は、処理が終了となる(リターン)。
以上のように、遊技用システムは、遊技玉が所定数以上になったとき遊技者に計数操作を促すので、遊技媒体が満タンのときに報知する従来のシステムと同様のシステムを擬似的に再現でき、従来の遊技用システムに慣れている遊技者に親しみのあるシステムを提供できる。
次に、図76は、計数ボタンの操作処理について説明するためのフローチャートである。図76を参照して、ステップS691において、遊技者(ユーザ)が図1の計数ボタン28を押下げられることによって、計数ボタン28の操作処理が開始される。
ステップS692において、持玉から遊技玉への貸出処理(再プレイボタン319の操作処理)の実行中か否かが判断される。これにより、ステップS692により持玉から遊技玉へ変換する再プレイボタン319による貸出処理とこの貸出処理とは互いに反対の処理である計数処理とを競合させることが防止される。
ステップS692において持玉から遊技玉への貸出処理の実行中であると判断されれば、ステップS698に処理が進む。次にステップS697において、再プレイボタン319による操作と計数操作が競合しているため、計数ボタンを押下げた操作は無効にされ、処理は終了する(リターン)。計数ボタン28を押下げた操作が無効にされたときに、「持玉・貯玉からの玉貸し処理中のため計数ボタンの操作を無効にします」のメッセージ表示を表示器54,312等により行なうようにしてもよい。
一方、ステップS692において持玉から遊技玉への貸出処理の実行中ではないと判断されれば、ステップS693に処理が進む。次にステップS693において、この処理がなされている時点において遊技中であるか否かが判断される。
ステップS693において遊技中であると判断されれば、ステップS694に処理が進み、遊技中の最低必要遊技玉数の250玉以上の玉数が確保されているかどうかがさらに判断される。ここで最低必要遊技玉数を250玉として説明しているが、これに限定されることはなく、最低必要遊技玉数は任意で設定することができる。
ステップS694において、現在の遊技玉数が250玉以上あると判断されれば、ステップS695に処理が進む。一方、現在の遊技玉数が250玉未満と判断されれば、ステップS698に処理が進む。このステップS694の処理は、遊技中の玉数管理上、最低必要な玉数は確保しておくことがシステム上望ましいために設けられた処理である。
なお、ステップS694とS695との間に「会員カードが使用されて遊技が行なわれているか」を判定するステップを追加し、会員カードが使用されて遊技が行なわれていると判定された場合には、遊技中の遊技玉数が250玉以下であっても、遊技玉が存在する限りは計数を認め、ステップS695に移行するようにしてもよい。というのも、ビジターカードの場合には、遊技玉数がごく少数になると、遊技者がビジターカードを捨て去ってしまうおそれがあり、このような事態を防止する必要があるが、会員カードの場合にはカードIDで個人情報が特定されるため、そのような事態が発生するおそれがないからである。
ステップS695は、長押下の場合の計数制御を示しているが、前述の図49の制御とは異なる他の例を示している。ステップS695において、現在の遊技玉数から1秒間に計数処理する遊技玉数(処理玉数)を求める。たとえば、現在の遊技玉数が10000玉以上である場合は処理玉数として2500玉とし、現在の遊技玉数が5000玉以上〜10000玉未満である場合は処理玉数として2000玉とし、現在の遊技玉数が1000玉以上〜5000玉未満である場合は処理玉数として1000玉とし、現在の遊技玉数が200玉以上〜1000玉未満である場合は処理玉数として200玉とし、現在の遊技玉数が200玉未満である場合は処理玉数として現在の遊技玉数として設定され、ステップS696に処理が進む。
ステップS696において、上記設定した処理玉数に応じて、遊技玉から持玉への計数処理が実行される。たとえば、現在の遊技玉数が15000玉である場合は、2500玉を計数した後1秒経過するまで待ち、1秒経過した時点でまた2500玉を計数する動作を繰り返し、2500玉の計数動作を6回繰り返すことにより5秒間かけて全玉の計数が終了する。次に、ステップS697に処理が進む。
ステップS696での複数回にわたる計数動作を表示器54に随時表示する制御がステップS697で実行される、処理が終了する(リターン)。上記した現在の遊技玉数が15000玉である場合は、2500玉を計数した後1秒経過するまで待ち、1秒経過した時点でまた2500玉を計数する動作が6回繰り返すことにより5秒間かけて全玉の計数が終了する状態が表示器54に表示される。
ステップS692およびステップS694の処理の次には、ステップS698において、計数ボタンを押下げた操作を無効にし、処理が終了する(リターン)。ステップS698においては、計数処理とは逆の処理である玉貸処理や、遊技中の玉数管理上不適切である最低必要遊技玉数以下の遊技玉数での計数処理要求を無効にする目的で設けられている。
上記の構成によれば、遊技者が獲得している遊技玉数に応じて1回の計数操作で計数される計数玉数が異なるようになるため、遊技玉が比較的多い場合であってもすべての遊技玉を計数するために必要な計数操作回数が極端に多くなってしまうことがなく、これにより計数ボタンの操作性を向上させることができる。
図77は、計数操作の表示の変形例を示す図である。上記の実施の形態では、計数ボタン28を押下げる回数により、あるいは、図50に示す変形例の場合には計数ボタン28の押下継続時間により、遊技玉が計数される玉数が決定されていた。この変形例では、計数ボタン28の代わりに、表示器54の液晶画面に図77に示されるような全部計数ボタン28aと一部計数ボタン28bとを表示する。
図77を参照して、画面左半分には、全部計数ボタン28aと、一部計数ボタン28bとが表示されている。全部計数ボタン28aは、1回押下することで遊技玉数の全てを持玉に変換する全部計数処理するためのボタンであり、長押し操作は不要である。一方、一部計数ボタン28bは、遊技玉数の一部を持玉に変換する一部計数処理するためのボタンである。たとえば、持玉共有やワゴンサービスの利用のときに一部計数ボタン28bが利用される。
一方、画面右半分には、テンキー28cが表示され、テンキー28cは0〜9の数字キーと、クリアキー(C)と、イコールキー(=)とを含む。ここでは、数字キー、クリアキー、イコールキーの3種類で構成されているが、これに限らず、様々な機能を持たせるためのキーを配置できる。
遊技者は、このテンキー28cを利用して、計数処理したい遊技玉数を入力し、イコールキーを入力する。これにより、計数処理したい遊技玉数が確定する。その後一部計数ボタン28bを押すことにより、所望の遊技玉数を持玉に変換することができる。ここでは、テンキー28cを利用して先に計数処理したい遊技玉を入力し確定後、一部計数ボタン28bを押す操作で説明したが、これに限らず、一部計数ボタン28bを押した後に、計数処理したい遊技玉数を入力後、イコールキーを入力することで、計数処理が開始される。
計数処理したい遊技玉数の入力を誤った場合には、クリアキーを入力後、所望の変換したい遊技玉数を再度入力することができる。
入力された遊技玉数は、テンキー28cの上部にある表示部分に表示される。この表示部分を遊技者が確認することにより、要求通りの遊技玉数が入力されているかを確認できる。
このような変形例を採用した場合には、遊技玉の全部計数操作と一部計数操作とが可能であるため、各台計数器にて玉の一部を計数することが可能とされる従来の遊技用システムに近い形で、遊技玉のデータを用いた新たなシステムを提供できる。
なお、表示器54はCU3側が制御しているため(図5参照)、表示器54のタッチパネルのタッチ操作の信号がP台2を経由することなくCU3側に入力される。よって、図77に示したような変形例を採用した場合には、CU3に入力されたタッチパネルのタッチ操作信号をそのCU3からP台側の払出制御部171へ送信してやる必要がある。このようなタッチ操作信号は、たとえば、状態情報要求に含めることが考えられる。また、図77に示したような表示は、CU側の表示器312に行なうようにしてもよい。この場合も同様に、CU3に入力されたタッチパネルのタッチ操作信号をそのCU3からP台側の払出制御部171へ送信してやる必要がある。なお、表示器54や表示器312の他に、別途専用のタッチパネル付きの計数専用表示器を設け、P台2側でその計数専用表示器を制御するようにして、その計数専用表示器で図77に示したような表示を行ない、そのタッチ操作信号が直接P台2に入力されるようにしてもよい。また、遊技者の選択により、CU側の表示器312およびP台側の表示器54のいずれにも図77に示したような画面を表示できるようにしてもよい。さらには、図1に示した計数ボタン28を残しつつ、上記のように画面に計数操作ボタンを表示可能としてもよく、あるいは、この変形例を採用した場合には、図1に示した計数ボタン28は削除してもよい。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図78は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を“P台”と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、“S台”とも略称する。
遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図78を参照して、スロットマシン2Sは、本体枠2aSに対して前面扉2bSがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図78では図示を省略しているが、スロットマシン2Sの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
スロットマシン2Sでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、スロットマシン2Sにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、スロットマシン2Sには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
スロットマシン2Sの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSに設けられた透視窓10から見えるように配置されている。リール2L、2C、2Rの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSの各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510が設けられている。この表示器510は、P台の表示器54に相当する表示器であり、表示器54と同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510は、図5の表示器54と同様にCUの表示制御部350に接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510は、各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図78に示されるスタートスイッチ7Sよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、前面扉2bSには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5S、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6S、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7S、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rがそれぞれ設けられている。
スロットマシン2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残額、持点、あるいは遊技場に預け入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引き落とすことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5S、またはMAXBETスイッチ6Sを操作すればよい。本実施の形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510の遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7Sの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7Sを操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓10に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510の遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図1に示すとおり、スロットマシン2Sには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28Sが設けられている。なお、玉貸ボタン、返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図5参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510に行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510に表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号が直接CU3へ入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2やS台(スロットマシン)2Sを経由して状態情報応答としてCU3へ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、スロットマシン2Sを制御する主制御部(S台の主制御部161に相当)によって決定される。この決定は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって決定される。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
すなわち、S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図79は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図79は、P台の構成として説明した図12の用語をS台用に置き換えたものであり、その態様は、図12を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の遊技枠に対応する。ただし、S台には、図5に示した遊技枠の各種検出スイッチ41a、701、33、発射制御基板31、および発射モータ18は、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施の形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施の形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施の形態では、上記のとおりドル箱表示する機能が設けられているため、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510には、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残額、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引き落とされて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510には遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5Sの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6Sの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510にはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、“カード持玉数”とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(2) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(3) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(4) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CUに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(5) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(6) 本実施の形態では、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示する。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(7) 計数操作を開始してから計数表示が完了するまでの計数時間は、遊技点が第1基準値よりも少ないときと、遊技点が第1基準値を超えるときとで、遊技点に対する計数時間の増加割合が小さくなるようにしてもよい。これによって、実球を計数するかのような計数表示という演出をできながらも、遊技点が多くなることで計数完了までにあまりに時間がかかってしまうことを防止できる。また、遊技点がある基準値を超えた場合には、計数時間がすべて同一になるようにしてもよい。あるいは、基準値を設けることなく、遊技点の多少に関わらす一律に同じ計数時間を採用してもよい。
(8) 大当り中は、遊技玉数が満タンと判断するための判断基準値を上げてもよい。つまり、大当り中とそうでないときとで、満タン判断の判断基準値を異ならせてもよい。これによって、大当り中に遊技玉数が急激に多くなり、すぐに満タン判断がなされて発射停止してしまうことを防止できる。
(9) 大当りが発生したときの遊技玉数を記憶しておき、大当り中は、満タンの判断基準値を超えた場合であっても、大当りが発生してから増加した遊技玉数が許容値(たとえば、1000玉)以内であれば、満タン判定しないものとしてもよい。
(10) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作が無い場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(11) 本実施の形態では、計数操作ボタンを所定時間未満操作(短時間操作)すると、たとえば、第1の玉数が計数される一方、所定時間以上操作(長時間操作)すると、その操作時間に応じて前記第1の玉数よりも多い第の玉数が計数される。たとえば、短時間操作では100玉が計数される一方、長時間操作では100玉を超える所定数、たとえば、200玉や400玉が計数されるようにすることが考えられる。また、計数操作ボタンの長押し時間によって、計数対象の遊技点数が異なるように制御してもよい。たとえば、1秒の長押しで100玉が計数され始め、さらにそのまま5秒間の長押しが継続すると、残りのすべての玉が計数されるようにすることが考えられる。あるいは、1回の操作で所定個数が計数され、5回目の操作では残りのすべての玉が計数されるように制御してもよい。
(12) 「所定の記録媒体処理操作を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理が可能となるように処理する記録媒体処理手段」の「所定の処理」は、たとえば、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理(カードで特定可能に記録された持玉を引き落として遊技玉に変換する処理や持玉共有処理、あるいはワゴンサービス処理等)を意味する。あるいはまた、「所定の処理」とは、景品交換用の景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理であってもよい。
また、上述した「持点として所定の処理が可能となるように処理するための記録媒体処理操作」とは、たとえば、カードの返却操作である。また、「所定の処理」とは、カードの返却操作を検出したときに、CUに挿入されているカードに持点を特定可能に記録し、当該カードを返却する処理である。ここで、「特定可能に記録」とは、カードに直接、持点を記録することの他、カードには持点を記録せずにカードのIDと持点とをCUに接続されたサーバに送信し、サーバ内でIDと持点とを対応付けて記憶するような方式を含む。
(13) 本実施の形態では、(A)「所定点数」以上の遊技点が記憶されていないことには、計数操作をしても、遊技点の計数が行なわれず、また、その旨の報知が行なわれる。また、本実施の形態の形態では、(B)記憶している遊技点が「所定点数」に至るまで遊技点の計数が実行されると、それ以上の計数ができなくなるとともに、その旨の報知が行われる。これら(A)(B)2つの場合の所定点数、すなわち、基準値は、同じものを採用してもよいし、異ならせてもよい。
(14) 本実施の形態では、玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされる。しかしながら、さらに、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、遊技中の計数操作を無効とするために、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断したが、これに代えて、あるいは、これに加えて、遊技中球数(遊技領域27内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、遊技中であるか否かを判定するようにしてもよい。さらに、加えて、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2L、2C、2Rが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでの期間である。
(15) 図75では、大当りが発生していないことを条件(S482でNO)として、S483に移行するが、S482のステップを削除して、S481からS483に移行するものとしてもよい。すなわち、大当り中であるか否かに関わらず、遊技玉数が所定数より多いときには、計数操作を促す表示が行なわれるようにしてもよい。
また、S486およびS487のステップを削除してもよい。すなわち、図75では、計数操作を促す表示が行なわれてから所定時間が経過しても計数操作が検出されない場合、遊技玉の発射を強制的に停止させているが、発射の強制停止までは行なわないようにしてもよい。
(16) 図12を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(17) 図53の計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数して下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28を表示させて点滅するような表示であってもよい。また、カード返却準備状態ONを受けたP台2は、遊技玉数表示器29の遊技玉を点滅表示させるなどしてもよく、あるいは、遊技玉数表示器29を画像表示装置で構成した場合には、上記実施の形態として説明したメッセージを技玉数表示器29に表示して計数操作を促すようにしてもよい。
(18) 本実施の形態では、遊技玉が所定玉数以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」として、「表示器にて計数操作を促す表示を行なう制御」が実行される。ここで、「計数操作を促す」とは、たとえば、「遊技玉数が上限に達したため、計数操作して下さい」と表示するものや、単に「計数操作が必要です。」と表示するものであってもよい。また、「所定の報知制御」としては、スピーカから計数操作を促す報知音を出力する制御であってもよい。さらに、「報知」としては、「計数操作を促す報知」ではなく、単に、「遊技玉数が上限に達したこと」を通知するのみ(計数操作を促す報知まではしない)であってもよい。
また、遊技点が所定の第1基準値以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」をし、さらに、その後、遊技点が第1基準値よりも多い第2基準値に達した時点で遊技不能状態に制御し、遊技点が前記第1基準値から前記第2基準値に達するまでは遊技を許容(発射禁止しない)するように制御してもよい。なお、遊技機がスロットマシンである場合には、スタートレバーを操作してリールが回転開始しない、あるいは、賭数設定が無効化される、などの制御によって遊技不能状態を実現できる。
(19) 本実施の形態では、遊技点を用いた遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、遊技点が所定点数(たとえば、250点)以上残っていないと、計数操作が有効化されない。ここで、所定点数は、250点に限られるものではなく、1点以上であれば、どのような点数であってもよい。ただし、たとえば、1点など、あまりに少なすぎる点数を設定した場合には発射のタイミングと計数のタイミングとがほぼ同時に生じたときに、不具合が生じるため、2〜3点以上とするのが望ましい。あるいは、点数が所定点数以下(たとえば、10点以下)で発射が継続しているときに計数操作が検出された場合には、5点を発射用として残し、残りの点数を計数対象とするように制御してもよい。
また、遊技点が所定点数以上、残っていないために計数操作が無効化されていることに気づいた遊技者が玉の発射動作を停止させたことが検出された際には、先に無効化された計数操作を有効化して計数動作が自動的に開始されるようにしてもよい。つまり、この場合には、計数操作が無効化されたことに気づいた遊技者は、発射操作を停止さえすればよく、再度、計数操作をやり直す必要がない。
(20) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(21) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(22) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(23) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(24) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(25) 図12あるいは図79において、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(26) 表示器54で行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312で行なうようにしてもよい。
(27) CU3において、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(28) 前述の実施の形態では、電波センサ163、173が電波を検出したときにハイレベル信号が主制御基板16、払出制御基板17に入力されるものを示したが、電波センサ163、173の信号を反転する反転増幅器(インバータ)を電波センサ163、173に設けてその反転増幅器を経由して信号が主制御基板16、払出制御基板17に入力されるように構成してもよい。このようにすることにより、電波センサ163、173が非検出時にはハイレベル信号が主制御基板16、払出制御基板17に入力される一方、電波の検出時にはローレベル信号が入力されて主制御基板16、払出制御基板17で異常発生の判定を行ない、電波センサ163、173が不正に引抜かれた場合には、主制御基板16、払出制御基板17にローレベル信号が入力されて電波検出時と同様に主制御基板16、払出制御基板17が異常発生の判定を行なうことが可能になる。
(29) 遊技盤電波センサ断線検知または遊技枠電波センサ断線検知が払出制御基板17に入力がなされたときに、払出制御基板17を不能動化してもよい。不能動化の具体例としては、加算玉数のCU3への送信を停止する、加算玉カウンタの計数動作を停止する、などがある。
(30) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(31) 計数操作が実行されたとき、持点のカウントアップが開始してから所定時間が経過すると、持点が加速度的にカウントアップするようにしてもよい。あるいは、計数表示を加速させるための速度アップボタンをCU側あるいは遊技機側のタッチパネルの表示器に表示し、その操作が検出されることによって、加速計数表示をしてもよい。このように持点の加速計数表示を行なうことにより、多数の遊技点を計数する際の遊技者の待ち時間を短くすることができる。
(32) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。係数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放してください」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(33) 玉貸ボタン、返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(34) 本実施の形態に係る遊技用システムは、持点を使用した所定の持点使用処理を実行するための持点使用操作手段を含む。ここで、所定の持点使用処理とは、ワゴンサービスを実行するための処理や、あるいは、持点(持玉)を分割して共有する処理(持点を他人に分割譲渡する処理)を含む概念である。また、持点使用操作手段は、たとえば、タッチパネルである。あるいは、持点使用操作手段は、CU又は遊技機に対して持点使用処理の実行を指令するために遊技店の係員に与えられるリモコンであってもよい。
(35) 図40〜図73で示したシーケンス制御は、特にセキュリティに関する処理については、CU3、P台2、S台2S等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
(36) 前述の実施の形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(37) 前述の実施の形態では、図62、図64、図66等で説明したように、カードIDと挿入時刻とが一致することを条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶しているが、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)が経過するまでに通信が開始されたことを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御してもよい。具体的には、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)を計時するタイマをCU制御部323に設け、遊技機とCU3との通信の開始時(復旧時)に該タイマが未だ計時中(タイムアップしていない状態)であるか否か判定し、計時中との判定結果であることを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御する。
また、挿入時刻の代わりに、CU3とP台2との間で用いられた最終通番等の一致を条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するようにしてもよい。
(38) 前述の実施の形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(39) 前述の実施の形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残額、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(40) 本実施の形態では、遊技場から離れた鍵管理センタに鍵管理サーバを設置した。しかしながら、鍵管理サーバは遊技場内に設置してもよい。これにより、遊技場外に鍵管理サーバを設置する場合と比較すると、CUと鍵管理サーバとの通信を高速化し易く、また、通信障害の発生率を低減できる。
(41) 制限通信モードにおける制限としては、時間制限以外のものを採用してもよい。たとえば、遊技に使用できる遊技価値の量(使用可能カード残額、使用可能貯玉など)を制限してもよい。
(42) CU制御部323は、ホールサーバ801を介して鍵管理サーバ800から基板セキュリティ情報(基板認証鍵や更新情報を含む)を受信する。しかしながら、これに代えて、鍵管理サーバ800とCU制御部323との間にホールサーバ801を介することなく、鍵管理サーバ800からCU制御部323へ基板セキュリティ情報が送信される構成とてもよい。たとえば、鍵管理サーバ800とCUとを直接、回線接続することや、鍵管理サーバ800と各CUとの間にホールサーバ801と異なる中継用の通信装置を設けることが考えられる。
(43) 前述の実施の形態では、離席操作に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込み排出することで、離席処理を行ない、その後、離席した遊技者が戻ってきて、そのカードを再度元のカードユニットに挿入し、持玉を遊技玉に変換する操作により、125玉ずつ遊技玉に変換されて遊技が可能になるものを示した。しかし、それに代えて、離席操作時に自動計数された計数玉を遊技玉や持玉とは別の預かり玉(C−IDと挿入時刻も記憶)としてCUが記憶し、持玉加算せず、持玉を記録させることなくカードを排出することで離席処理を行ない。その排出カードが再挿入されると、預かり玉がすべて一括で自動的にP台の遊技玉に変換されて遊技可能となるように制御してもよい。あるいは、この場合の預かり玉は、離席操作に基づいてP台からCUへと送信され、CU側またはホールサーバ側で記憶しておき、カードが再度挿入されたときにCUまたはホールサーバから自動的にP台側へ預かり玉の情報が送信されて遊技玉としてP台側に記憶されるものとしてもよい。また、この場合に預かり玉の情報を送信する際には、遊技玉の加算指令としてCUからP台に送信してやればよい。
さらに、上記実施の形態では、離席操作に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込んで排出したとき、そのカードに離席中フラグを記録しておくことによって、そのカードでは景品交換できないようにした。このように景品交換を禁止する手法としては、カードの離席中フラグを利用する以外の次のような手法を採用をすることも考えられる。
まず、離席操作が行なわれたときに、CUからホールサーバにその情報(カードIDを含む)を送信し、ホールサーバ側で離席中の遊技者のカードを離席カードとして記憶する。景品交換時にはPOSなどからホールサーバに問合せをし、景品交換に用いられているカードが離席カードであるか否かをホールサーバが判定する。あるいは、全離席カード情報を予めホールサーバからPOS側に送信しておいてもよい。その上で、景品交換に用いられているカードが離席カードであれば、当該カードを用いた景品交換を禁止する。
(44) 上記実施の形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(返却ボタン322の操作))を有効化する有効化手段」を含む。
(45) 本実施の形態では、遊技情報の一例として、持玉、遊技玉、カードの残額、貯玉、その他、図16に記載した玉数情報や遊技台情報を挙げて説明した。しかしながら、遊技情報は、遊技機での遊技に関連したその他の情報をも含む。たとえば、遊技者が選択あるいはカスタマイズした遊技者の好みのキャラクタを可変表示装置278や表示器54などの可変表示手段(可変表示装置)に表示可能にした場合には、そのキャラクタを特定可能な情報も遊技情報に含まれる。このような遊技者の嗜好に合うキャラクタを含む画面デザインの情報は、たとえば、遊技者のカードIDと対応付けて遊技の終了時にサーバに送信して記憶させ、新たに遊技を開始する際にはサーバからCUあるいはP台へダウンロードするようにしてもよい。
(46) 遊技玉数表示器29では、玉の発射または計数動作に連動して玉数が1つずつ減っていく表示がなされる。また、遊技玉数表示器29では、玉貸操作等に応じて玉数が1つずつあるいは所定単位数ずつ増加する表示がなされる。遊技玉数表示器29を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、単に遊技玉数をデジタル表示するのではなく、遊技玉数の変化が弾球によるものであるのか、計数によるものであるのか、入賞の発生によるものであるのか、貯玉の引き落としによるものであるのか、貸出操作によるものであるか、など、その種類に応じた画像を遊技玉数の表示更新と併せて表示するようにしてもよい。
また、計数操作が行われた場合、遊技玉数表示器29では、計数動作に連動した計数表示が行われるが、遊技玉数表示器29を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、表示器54と同様に、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示を行なうようにしてもよい。この場合、先の表示器54の表示の変形例として説明したように、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示(たとえば、棒グラフの表示)や、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰り返したりすることが考えられる。
(47) 図53に示したように、上記の実施の形態では、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されることによって、計数処理完了後に有効化されてカード返却処理に移行する。
一方、待機期間が経過しても計数操作が検出されない場合の処理としては、たとえば、先のカード返却操作を無効とすることが考えられる。この場合、CU3あるいはP台2側の表示器には待機期間が経過しても計数操作が検出されないため、カード返却操作が無効化された旨を表示してもよい。
あるいは、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されるか否かに関わらず、無効化してもよい。この場合には、カード返却操作が検出された後の計数操作に応じて全遊技玉を計数し終えた後、再度、カード返却操作を実行することによってカード返却処理を実行するものとしてもよい。あるいは、全遊技玉の計数を終えたとき、または、その前後で、カード返却操作を促す表示をCU3あるいはP台2側の表示器で行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉が1点でも残っていると、図53に示した処理が実行される。しかしながら、カード返却操作が検出されたときに残っている遊技玉の数が2以上の予め定めた数であるときに、図53に示した処理が実行されるようにしてもよい。
また、カード返却操作が検出された後の計数操作では遊技玉の計数表示速度を通常時よりも早くしてもよい。たとえば、通常の計数操作では遊技玉が1つずつ計数される表示をする一方、カード返却操作が検出された後の計数操作では、遊技玉が複数ずつまとめて計数される表示、あるいは、全遊技玉が一括して計数される表示をするようにすることが考えられる。
さらに、カード返却操作が検出された後の計数操作では全遊技玉が計数対象とされるのではなく、通常の計数操作のときよりも多い数の所定数の遊技玉が計数対象とされるものとしてもよい。たとえば、図49を用いて説明したように、通常時には1回の計数操作で最大100点の遊技玉が計数対象とされるが、カード返却操作が検出された後の計数操作では、それよりも多い200点の遊技玉が計数対象とされるようにしてもよい。この場合でも、事前にカード返却操作があった場合にはカード返却操作がなかった場合に比べると、全遊技玉を計数するための計数操作回数が減り、早期に全遊技玉を計数完了させることができる。
また、遊技玉が残っている状態でカード返却操作が検出された場合には、計数操作の検出がなくても、全遊技玉の計数を開始させ、その後にカード返却処理に移行するようにしてもよい。この場合、全遊技玉の計数を開始させるときに、全遊技玉の計数を開始させる旨をP台2あるいはCU3で表示してもよい。あるいは、全遊技玉の計数を開始させてもよいか否かを確認するメッセージを表示し、所定操作(たとえば、P台2あるいはCU3のタッチパネルでの操作、再度のカード返却操作など)が検出されたことを条件として、全遊技玉の計数を開始させるようにしてもよい。
また、遊技中(玉の発射中)の場合に検出されたカード返却操作を無効にしてもよいが、カード返却操作を無効にするのではなく、P台側の方で遊技中の計数操作に基づいた計数の処理を無効にしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉数が0であるか否かをCU3が判定している。しかしながら、このような判定をP台2が行なうようにしてもよい。この場合、たとえば、カード返却操作が検出されたときに、カード返却操作有を示すデータをCU3からP台2へ送信し、これを受けたP台2が自ら記憶している遊技玉数が0であるか否かを判定する。0であれば、遊技玉数が0であることまたはカード返却を許可するデータをCU3へ送信する一方、0でなければ、遊技玉数が0でないことまたはカード返却の待機あるいはカード返却の禁止を示すデータをCU3へ送信する。
また、上記実施の形態では、計数ボタンの操作が検出されたときに、その操作の検出前にカード返却操作が検出されているか否かをP台2が判定する。しかしながら、このような判定手段をCU3が備えるようにしてもよい。この場合、たとえば、P台2は、計数ボタンの操作が検出されたときに、その旨を示すデータをCU3へ送信する。これを受けたCU3は、そのデータを受信する前の所定期間内にカード返却操作があったか否かを判定するようにすることが考えられる。
また、上記の実施の形態では、計数操作をP台2が検出する一方、カード返却操作をCU3が検出するが、計数操作をCU3が検出する一方、カード返却操作をP台2が検出する構成としてもよく、両操作共にP台2あるいはCU3が検出する構成としてもよい。また、計数ボタンおよびカード返却ボタンの取り付け位置は、双方共にCU3としてもP台2としてもよく、一方がCU3またはP台2としてもよい。
(48) CUとP台との情報伝送に用いる通番と別に、CUからP台への処理要求(たとえば、遊技玉の加算要求)が生じた場合およびそれに対するP台からCUへの要求承諾があった場合にのみ更新する第2の通番(加算通番)を設けてもよい。
同様に、CUとP台との情報伝送に用いる通番と別に、P台からCUへの処理要求(たとえば、遊技玉の計数要求)が生じた場合およびそれに対するP台からCUへの要求承諾があった場合にのみ更新する第3の通番(計数通番)を設けてもよい。
(49) 計数ボタン28の長押しによって、計数値を示す応答が複数回P台からCUへ送信され、それぞれの応答に含まれる計数値分の遊技玉が計数されるが、すべての応答が示す計数値はたとえば、100で同じとしてもよく、あるいは、徐々に計数値が多くなるようにしてもよい。たとえば、計数ボタン28を長押ししているときに出力される1つ目の応答では10個、2つ目の応答では20個、3つ目では50個…と徐々に計数値が多くなるようにすることが考えられる。これにより、計数ボタン28を短い時間だけ押したときには、少量の遊技玉を計数し、長押しするほど、大量の遊技玉を短時間で計数できるようになる。その結果、計数ボタン28を短い時間だけ押して計数量の微調整ができる一方、多くの数を計数したいたときでも長押し時間を極力短くすることができる。
あるいは全遊技玉を計数する場合には、遊技玉の数がいくつであるかに関わらず、概ね所定時間(たとえば、5秒)の長押し操作で全遊技玉を計数し終えることができるように、計数ボタン28を長押ししているときに出力される1つ目の応答、2つ目の応答、…での計数値を調整してもよい。
(50) 持玉または遊技玉の数の変化の有無をCUまたはP台でチェックし、所定期間、持玉または遊技玉の数が変化しない場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、残り僅かな玉が放置されたままで遊技放棄された台を店員が把握しやすくする。
(51) あるいは、カードがCUに挿入されていないにも関わらず、遊技者の遊技玉が変化した場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、遊技を終えてカードを排出した後に、遊技盤に引っ掛かっていた玉が入賞して遊技玉が払い出されたまま放置されているような台を店員が把握しやすくする。
<実施の形態に含まれる各種の構成>
(1−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機と、遊技者所有の遊技用価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を用いて前記遊技機(P台、S台)による遊技を可能にする遊技用装置(CU)とを含む遊技用システムであって、
前記遊技点を所定の持点に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記所定の持点への変換処理を行なう変換処理手段(CU制御部323、払出制御部171)と、
所定の記録媒体処理操作(カード返却操作(返却ボタン322の操作))を検出したときに、前記変換処理が終了したことを条件(図53参照)に、前記遊技点を前記持点として所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)が可能となるように処理する記録媒体処理(カードのIDで持玉を特定可能にする処理、たとえば、カードに持玉を記録、あるいは持玉をコンピュータにてID管理)を行なう記録媒体処理手段(CU制御部323)とを含み、
前記遊技機は、
前記遊技点の変化量を特定する特定手段(加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ)と、
変化量を特定可能な更新情報(加算玉数および減算玉数を含む応答)を前記遊技用装置へ送信する情報送信手段(払出制御部171)と、
前記更新情報として前記情報送信手段による送信予定の変化量を記憶するとともに当該情報送信手段が変化量を送信したときに当該送信済みの変化量を記憶する変化量記憶手段(図12の最新遊技台情報、前回遊技台情報を記憶するエリア)と、
前記遊技用装置から送信されてきた所定の情報(通番)に基づいて前記遊技用装置へ前記更新情報が到達したことを判定する到達判定手段(払出制御部171)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図12の遊技玉数を記憶するエリア)と、
前記遊技点記憶手段が記憶している遊技点を前記更新情報に基づいて更新する遊技点更新手段(図12の「遊技玉数を加算」、「遊技玉数を減算」参照)と、
前記更新情報を受信したことに基づいて、前記更新情報の到達を確認可能な情報(通番)を前記遊技機へ送信する確認情報送信手段(CU制御部323)とを含み、
前記情報送信手段は、前記到達判定手段により前記更新情報が到達したと判定されなかったときに、前記変化量記憶手段に記憶された前記送信予定の変化量および前記送信済みの変化量の合算値を特定可能な更新情報を前記遊技用装置へ送信する(図70参照)。
上記の構成によれば、遊技により得られたすべての遊技点を遊技者の操作によって持点に変換する処理を経て、記録媒体処理操作が可能となる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により処理可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
さらに、到達判定手段により更新情報が到達したと判定されなかったときに、変化量記憶手段に記憶された送信予定の変化量および送信済みの変化量の合算値を特定可能な更新情報が遊技用装置へ送信されるため、遊技点の変化量を確実かつ効率的に遊技用装置へ送信可能となる。
(1−2) 本発明は、遊技者所有の遊技用価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を用いて、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台、S台)での遊技を可能にする遊技用装置(CU)であって、
前記遊技点を所定の持点に変換するための操作(計数ボタン28,28Sの操作)が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記所定の持点への変換処理を行なう変換処理手段(CU制御部323)と、
所定の記録媒体処理操作(カード返却操作(返却ボタン322の操作))を検出したときに、前記変換処理が終了したことを条件に、前記遊技点を前記持点として所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)が可能となるように処理する記録媒体処理(カードのIDで持玉を特定可能にする処理、たとえば、カードに持玉を記録、あるいは持玉をコンピュータにてID管理)を行なう記録媒体処理手段(CU制御部323)と、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図12の「遊技玉数」)と、
前記遊技機から送信される、前記遊技点の変化量を特定可能な更新情報(加算玉数および減算玉数を含む応答)を受信する情報受信手段(CU制御部323)と、
前記遊技点記憶手段が記憶している遊技点を前記更新情報に基づいて更新する遊技点更新手段(図12の「遊技玉数を加算」、「遊技玉数を減算」参照)と、
前記更新情報を受信したことに基づいて、前記更新情報の到達を確認可能な情報(通番)を前記遊技機へ送信する確認情報送信手段(CU制御部323)とを含み、
前記情報受信手段は、前記遊技機から所定のタイミングで送信された前記更新情報が未到達の場合に当該未到達の更新情報と前記所定のタイミング以降の前記遊技点の変化量との合算値を特定可能な更新情報を受信し(図70参照)、
前記遊技点更新手段は、前記合算値を特定可能な更新情報に基づいて前記遊技点記憶手段が記憶している遊技点を更新する(図70参照)。
上記の構成によれば、遊技により得られたすべての遊技点を遊技者の操作によって持点に変換する処理を経て、記録媒体処理操作が可能となる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により処理可能にする従来の遊技操作に慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たな遊技用装置を提供できる。
さらに、遊技機から所定のタイミングで送信された更新情報が未到達の場合に当該未到達の更新情報と前記所定のタイミング以降の遊技点の変化量との合算値を特定可能な更新情報を受信できるため、遊技点の変化量を確実かつ効率的に特定可能となる。
(1−3) (1−1)に記載の遊技用システムにおいて、
前記遊技点の前記所定の持点への変換表示を行なう表示手段(表示器54,312,510)を含み、
前記遊技用装置は、前記表示手段を制御し、前記更新情報に基づいて前記遊技点の表示を更新するとともに前記変換操作手段の操作(計数ボタン28、28Sの操作)が検出されたことに基づいて前記遊技点の前記所定の持点への変換処理を行なう表示制御手段(表示制御部350)を含む。
上記の構成によれば、表示手段における遊技点の表示および遊技点から持点への変換表示は遊技用装置側で制御されるため、遊技機側の制御負担を軽減できる。
(1−4) (1−1)(1−3)に記載の遊技用システムにおいて、
前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点が所定点数以上(3000玉以上)であるときに、所定の報知制御(表示器にて計数操作を促す表示をするための制御)を行なう遊技点報知制御手段(図75のS489)を含む。
上記の構成によれば、遊技点が所定点数以上であれは所定の報知制御が行なわれるため、遊技媒体が満タンのときに報知する従来のシステムと同様のシステムを擬似的に再現でき、従来の遊技用システムに慣れている遊技者に親しみのあるシステムを提供できる。
(1−5) (1−1)(1−3)(1−4)に記載の遊技用システムにおいて、
前記遊技点を用いた前記遊技機による遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、所定点数以上(たとえば、250点以上)の遊技点が残っていることを条件にして、前記変換操作手段の操作を有効化する変換操作有効化手段(図56)を含む。
上記の構成によれば、遊技点を用いた遊技が行なわれているときは、所定点数以上の遊技点が残っていないと変換操作手段による変換操作が有効にならないため、変換操作によってわずかしか残っていない遊技点が変換表示されるタイミングと遊技の続行によってその残りわずかの遊技点が消費されるタイミングとが重なってしまい、遊技に必要な遊技点が持点に変換表示されてしまったにも関わらず遊技が続行されてしまうような状況が発生することを防止できる。
(1−6) (1−1)(1−3)〜(1−5)に記載の遊技用システムにおいて、
前記持点を記憶する持点記憶手段(図12のCU側の「カード持玉(計数玉)」)と、
前記持点を使用した所定の持点使用処理(持点を遊技点に変換、持点を用いた持点共有、持点を用いたワゴンサービス)を実行するための持点使用操作手段(タッチパネル;図5等)と、
前記持点使用操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記持点記憶手段に記憶されている前記持点から前記持点使用処理に必要な点数を減点する減点手段(図72、図73)と、
前記持点記憶手段に記憶されている持点が前記持点使用処理に必要な点数に満たないときに、所定の報知制御(図72、図73;「持玉不足のため計数ボタンを押してください」と表示器に表示する制御)を行なう持点報知制御手段(表示制御部350)とを含む。
上記の構成によれば、変換後の持点と引き換えにした持点使用処理を実行できるとともに、残っている持点が持点使用処理に必要な点数に満たないときには、所定の報知制御が行なわれるために、希望の持点使用処理を実行するために遊技点を持点に変換する操作を遊技者に促すことができる。
(1−7) (1)(1−3)〜(1−6)に記載の遊技用システムにおいて、
前記変換操作手段に対する操作に応じて、前記遊技点記憶手段に記憶されている全遊技点を前記持点に変換処理するための全部変換操作(図77の「全部計数」)と、前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点のうちの一部を前記持点に変換処理するための一部変換操作(図77の「一部計数」)とを実行可能に構成されている。
上記の構成によれば、遊技点の全部変換操作と一部変換操作とが可能であるため、遊技により得られた遊技媒体の一部計数が可能とされる従来の遊技用システムにより一層、近い形で遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
(1−8) (1−6)(1−7)に記載の遊技用システムにおいて、
前記持点を使用して遊技者が受けることのできるサービスを報知する制御を行なうサービス報知制御手段(表示制御部350;ワゴンサービスを受けることのできる商品の表示)と、
前記持点使用操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記持点記憶手段に記憶されている前記持点から前記サービスに必要な点数を減点する減点手段(CU制御部323)とを含み、
前記サービス報知制御手段は、前記持点記憶手段に記憶されている持点が所定のサービスに必要な点数に満たないときに、前記遊技点記憶手段に遊技点が記憶されている場合であっても、遊技者が受けることのできるサービスとして前記所定のサービスを報知しないように制御する(現在の持玉に遊技玉を計数ボタンによって持玉に変換し、その変換された持玉を加えることにより購入できる商品は点線で表示することによって、遊技者が受けることのできるサービスとしては報知しない)。
このような構成によれば、持点を使用して遊技者が受けることのできるサービスが報知され、遊技者がその受けることのできるサービスを認識することができる。また、持点が所定のサービスに必要な点数に満たないときに、遊技点記憶手段に遊技点が記憶されている場合であっても、遊技者が受けることのできるサービスとして所定のサービスを報知する制御が行なわれないために、持点の範囲内で受けることのできるサービスであるとの誤解を遊技者に与える不都合を防止できる。
(2−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機と、遊技者所有の遊技用価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を用いて前記遊技機(P台、S台)による遊技を可能にする遊技用装置(CU)とを含む遊技用システムであって、
前記遊技点を所定の持点に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記所定の持点への変換処理を行なう変換処理手段(CU制御部323、払出制御部171)と、
所定の記録媒体処理操作(カード返却操作(返却ボタン322の操作))を検出したときに、前記変換処理が終了したことを条件(図53参照)に、前記遊技点を前記持点として所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)が可能となるように処理する記録媒体処理(カードのIDで持玉を特定可能にする処理、たとえば、カードに持玉を記録、あるいは持玉をコンピュータにてID管理)を行なう記録媒体処理手段(CU制御部323)とを含み、
前記遊技機は、
前記遊技点の変化量を特定する特定手段(加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ)と、
変化量を特定可能な更新情報(加算玉数および減算玉数を含む応答)を前記遊技用装置へ送信する情報送信手段(払出制御部171)と、
前記遊技点を記憶する遊技機側遊技点記憶手段(図12の遊技玉数カウンタ)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記遊技点を記憶する遊技用装置側遊技点記憶手段(図12の遊技玉数を記憶するエリア)と、
前記遊技用装置側遊技点記憶手段が記憶している遊技点を前記更新情報に基づいて更新する遊技点更新手段(図12の「遊技玉数を加算」、「遊技玉数を減算」参照)と、
前記遊技用価値を引落として前記遊技用装置側遊技点記憶手段に記憶されている遊技点に引落とし相当分の加算を行なう遊技点加算手段(図47;貸出ボタンの押下で遊技用価値を引き落としてプリペイド消費を確定させて加算玉数を加算)と、
該加算される遊技点を特定可能な遊技点加算情報(図47;遊技玉加算要求ON、加算玉数=125)を前記遊技機へ送信する加算情報送信手段(図47)とを含み、
前記情報送信手段は、前記加算更新の間に前記特定手段により特定された遊技点の変化量を特定可能な加算更新処理間更新情報を、前記遊技機側遊技点記憶手段に記憶されている遊技点を特定可能な情報とともに前記遊技用装置へ送信する(図47;状態情報応答(遊技玉数=172、減算玉数=3))加算応答送信手段(図47)を含み、
前記遊技点更新手段は、前記送信されてきた加算更新処理間更新情報に基づいて前記遊技用装置側遊技点記憶手段が記憶している遊技点を更新する(図47;遊技玉数を175−3として、172に更新)。
上記の構成によれば、遊技により得られたすべての遊技点を遊技者の操作によって持点に変換する処理を経て、記録媒体処理操作が可能となる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により処理可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
さらに、遊技用装置から遊技機へ送信されてきた遊技点加算情報に基づいて遊技点を加算更新する間に遊技機側で遊技点が変化したときには、その変化量を特定可能な加算更新処理間情報が、その加算更新処理間情報を含めて更新された遊技点を特定可能な情報とともに遊技用装置へ送信されるため、遊技点加算情報による遊技点の更新を通知するための情報と、遊技機側での遊技等による遊技点の変化を通知するための情報とをタイミングを異ならせて別個に遊技用装置へ送信する場合と比較して、通信効率を高めることができる。
(3−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機と、遊技者所有の遊技用価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を用いて前記遊技機(P台、S台)による遊技を可能にする遊技用装置(CU)とを含む遊技用システムであって、
前記遊技点を所定の持点に変換するための変換操作手段(計数ボタン28,28S)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技点の前記所定の持点への変換処理を行なう変換処理手段(CU制御部323、払出制御部171)と、
所定の記録媒体処理操作(カード返却操作(返却ボタン322の操作))を検出したときに、前記変換処理が終了したことを条件(図53参照)に、前記遊技点を前記持点として所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)が可能となるように処理する記録媒体処理(カードのIDで持玉を特定可能にする処理、たとえば、カードに持玉を記録、あるいは持玉をコンピュータにてID管理)を行なう記録媒体処理手段(CU制御部323)とを含み、
前記遊技機は、
前記遊技点の変化量を特定する特定手段(加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ)と、
変化量を特定可能な更新情報(加算玉数および減算玉数を含む応答)を前記遊技用装置へ送信する情報送信手段(払出制御部171)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図12の遊技玉数を記憶するエリア)と、
前記遊技点記憶手段が記憶している遊技点を前記更新情報に基づいて更新する遊技点更新手段(図12の「遊技玉数を加算」、「遊技玉数を減算」参照)と、
前記遊技機と通信ができない通信不能状態から復旧させて前記遊技機との間での遊技点の整合性を回復させる復旧処理を行なう復旧処理手段(図57〜図67;通信回線断または電源断後のリカバリの処理)とを含み、
前記遊技機は、前記通信不能状態が発生したときから前記復旧処理手段による復旧処理が実行されるまでの間において、前記特定手段により特定された遊技点の変化量を累積して記憶する通信不能時累積記憶手段(図58;通番=n+1の状態情報応答を送信後、次の状態情報要求が到達する前に電源断が発生し、その間での遊技台情報の変化を累積記憶)を含み、
前記情報送信手段は、前記復旧処理手段による復旧処理が行なわれるときに、前記通信不能時累積記憶手段に記憶されている遊技点の累積変化量を特定可能な累積更新情報を前記遊技用装置へ送信し(図58;リカバリ詳細応答にて、リカバリデータ(前回遊技台情報、今回遊技台情報)を通知)、
前記遊技点更新手段は、前記復旧処理が行なわれることにより、前記累積更新情報に基づいて前記遊技点記憶手段が記憶している遊技点を更新する(図58;CUは、リカバリ詳細応答を受けて、最新遊技台情報にてリカバリ)。
上記の構成によれば、遊技により得られたすべての遊技点を遊技者の操作によって持点に変換する処理を経て、記録媒体処理操作が可能となる。このため、遊技により得られた遊技媒体を計数して計数結果を記録媒体により処理可能にする従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
さらに、通信不能状態から復旧したときに、通信不能時累積記憶手段に記憶されている遊技点の累積変化量を特定可能な累積更新情報が遊技用装置へ送信され、遊技用装置側では当該累積更新情報に基づいて遊技点記憶手段が記憶している遊技点が更新されるため、通信不能状態になってから復旧するまでの間における遊技機側での遊技点の変化量をも反映させた正確な遊技点で遊技を再度提供し直すことが可能となる。
なお、通信不能状態において遊技用装置側で遊技点が変化し、復旧処理により遊技用装置側での遊技点の変化が遊技機へ送信されて遊技機側で遊技点が更新(補正)される場合の具体例は、図67に示されている。この図67によれば、「前記遊技用装置は、前記遊技用装置との通信ができない通信不能状態から復旧させて前記遊技用装置との間での遊技点の整合性を回復させる復旧処理を行なう復旧処理手段を含み、前記遊技用装置は、前記通信不能状態が発生したときから前記遊技用装置による復旧処理が実行されるまでの間において、前記特定手段により特定された遊技点の変化量を累積して記憶する通信不能時累積記憶手段とを含み、前記遊技用装置は、前記復旧処理が行なわれるときに、前記通信不能時累積記憶手段に記憶されている遊技点の累積変化量を特定可能な累積更新情報を前記遊技用装置へ送信すること」が開示されている。
(A−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2)と、該遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(カード残高、貯玉など)を用いて該遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図12の遊技玉数カウンタ)と、
第1表示部(遊技玉数表示器29)と、
前記遊技点記憶手段の記憶に基づいて前記第1表示部に前記遊技点を表示する第1表示制御手段(主制御部161)と、
前記遊技用装置が記憶している遊技情報(持点、残高、遊技玉数など)を表示するための第2表示部(表示器54)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記遊技用価値を含む遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段(図12のCU3側の各記憶エリア)と、
前記遊技情報記憶手段の記憶に基づいた情報を前記第2表示部に表示するための表示制御を実行する表示制御手段(表示制御部350)とを含む。
このような構成によれば、遊技点を表示する第1表示部の表示制御は遊技点を記憶し遊技点の変動に関わる遊技機によって行なわれるため、遊技点が遊技で使用されて減算され、あるいは遊技によって加算された場合に、その更新後の遊技点を即座に第1表示部に反映させることができる。これに対して、第2表示部は遊技用装置側で表示制御するために、第1表示部を表示制御する遊技機がさらに第2表示部をも表示制御する場合と比較して、遊技機の表示制御負担を軽減できる。
(A−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与し、遊技者所有の遊技用価値(カード残高、貯玉など)を用いた遊技を可能にするための遊技用装置(CU3)と通信可能に接続される遊技機(P台2)であって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図12の遊技玉数カウンタ)と、
第1表示部(遊技玉数表示器29)と、
前記遊技点記憶手段の記憶に基づいて前記第1表示部に前記遊技点を表示する表示制御手段(主制御部161)と、
前記遊技用装置による、前記遊技用装置で記憶している遊技情報の表示制御(CU3から表示制御信号を送信し切換回路141で選択的に表示器54へ切換送信(図6)等)が可能な第2表示部(表示器54)とを含む。
このような構成によれば、遊技点を表示する第1表示部の表示制御は遊技点を記憶し遊技点の変動に関わる遊技機によって行なわれるため、遊技点が遊技で使用されて減算され、あるいは遊技によって加算された場合に、その更新後の遊技点を即座に第1表示部に反映させることができる。これに対して、第2表示部は遊技用装置側で表示制御されるものであるために、第1表示部を表示制御する遊技機がさらに第2表示部をも表示制御する場合と比較して、遊技機の表示制御負担を軽減できる。
(A−3) (A−1)に記載の遊技用システムにおいて、
前記遊技情報記憶手段が記憶する前記遊技情報には所定の持点が含まれており、
前記遊技機は、
前記遊技点を前記持点に変換するための変換操作手段(計数ボタン28)と、
前記変換操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技用装置へ前記遊技点の変換要求を送信する変換要求送信手段(図49等に示した計数要求=ON、計数玉数=0の状態情報応答)と、
前記変換要求に対する前記遊技用装置からの応答(図49等に示した計数応答=ONの状態情報要求)の受信を条件にして、前記遊技点記憶手段が記憶している遊技点を減算する減算手段(図49等参照)とを含み、
前記第1表示制御手段は、前記減算手段の減算に基づいて、前記第1表示部の前記遊技点の表示を更新し(遊技玉数表示器29の表示を計数分だけ減算更新する)、
前記遊技用装置は、前記減算手段により減算される遊技点に相当する持点を前記遊技情報記憶手段が記憶する前記持点に加算する持点加算手段(図49等参照)を含み、
前記表示制御手段は、前記持点を前記第2表示部へ表示するための表示制御を実行する(表示器54において、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示を行なわせる)。
このような構成によれば、遊技点を持点に変換するための変換操作手段の操作があった場合に、即座に変換処理が実行されるのではなく、遊技機から遊技用装置へ変換要求が送信され、遊技用装置から遊技機へそれに対する応答が返信されてから変換処理が実行される。このため、即座に変換処理を遊技機側で実行する制御と比較して、遊技用装置側での処理が可能であるか否かを確認した上での変換処理が可能となり、遊技機側で変換処理を終えた一方で遊技用装置側では変換処理が実行できず、双方で整合しない状態となることを防止できる。
(A−4) (A−3)に記載の遊技用システムにおいて、
前記表示制御手段は、前記変換操作手段の操作に基づいて、前記遊技点の前記持点への変換表示を前記第2表示部へ表示させるための表示制御を実行し、
前記遊技用装置は、
所定の記録媒体処理操作を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理(持点をカードで特定可能に記録する処理)が可能となるように処理する記録媒体処理手段と、
前記遊技点記憶手段に記憶されている全遊技点に対する変換表示が終了したときに、前記記録媒体処理操作を有効化する有効化手段(図53参照)とを含む。
このような構成によれば、遊技点が残っている状態で記録媒体処理操作が有効化されないために、遊技者が遊技点を残したままで記録媒体処理操作を実行して遊技場を立ち去ってしまうことを防止できる。
(A−5) (A−4)に記載の遊技用システムにおいて、前記有効化手段は、前記遊技点を用いた前記遊技機による遊技が行なわれているときは、前記遊技点記憶手段に所定点数以上の遊技点が記憶されていることを条件にして、前記変換操作手段の操作を有効化する(図56参照)。
このような構成によれば、遊技点を用いた遊技が行なわれているときは、所定点数以上の遊技点が残っていないと変換操作手段による変換操作が有効にならないため、変換操作によってわずかしか残っていない遊技点が変換表示されるタイミングと遊技の続行によってその残りわずかの遊技点が消費されるタイミングとが重なってしまい、遊技に必要な遊技点が持点に変換表示されてしまったにも関わらず遊技が続行されてしまうような状況が発生することを防止できる。
(A−6) (A−3)〜(A−4)に記載の遊技用システムにおいて、全遊技点に対する変換表示が前記第2表示部によって行なわれていないときに前記記録媒体処理操作が検出されると、前記第2表示部は前記変換操作手段の操作を促す表示を行なう(図53参照)。
このような構成によれば、全遊技点に対する変換表示が第2表示部によって行なわれていないときに記録媒体処理操作が検出されると、第2表示部において変換操作手段の操作を促す表示がなされるため、変換操作を経た後の再度の記録媒体処理操作を遊技者に促すことができる。
(A−7) (A−3)〜(A−6)に記載の遊技用システムにおいて、前記表示制御実行手段は、前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点が所定点数以上であるときに、所定の報知を前記第2表示部へ表示させるための表示制御を実行する(図75のS489)。
このような構成によれば、遊技点が所定点数以上であれは所定の報知制御が行なわれるため、遊技媒体が満タンのときに報知する従来のシステムと同様のシステムを擬似的に再現でき、従来の遊技用システムに慣れている遊技者に親しみのあるシステムを提供できる。
(A−8) (A−3)〜(A−7)に記載の遊技用システムにおいて、前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点が前記所定点数以上であるときに、前記遊技機を遊技不能状態に制御する不能動化手段(図75のS483、S484、S488、S490、S491)をさらに含む。
このような構成によれば、このように、遊技点記憶手段に記憶されている遊技点が所定点数以上であるときに、遊技不能状態に制御されるため、遊技者に対して変換操作を促すことができる。
(A−9) (A−3)〜(A−8)に記載の遊技用システムにおいて、前記表示制御手段は、前記遊技点を用いた前記遊技機による遊技が行なわれているときに、前記遊技点記憶手段に前記所定点数以上の遊技点が記憶されていない状態で前記変換操作手段の操作が検出されると、第1の報知を前記第2表示部へ表示させるための表示制御を実行する(図56参照(計数操作を無効にしたことを表示器54に表示))。
このような構成によれば、遊技中の変換操作手段の操作により変換処理が実行されない理由を遊技者が理解可能となる。
(A−10) (A−3)〜(A−9)に記載の遊技用システムにおいて、前記持点を使用した所定の持点使用処理(持点を遊技点に変換、持点を用いた持点共有、持点を用いたワゴンサービス)を実行するための持点使用操作手段(タッチパネル;図5等)と、
前記持点使用操作手段の操作が検出されたことに基づいて、前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記持点から前記持点使用処理に必要な点数を減点する減点手段(図72、図73)とをさらに含み、
前記表示制御実行手段は、前記遊技情報記憶手段に記憶されている持点が前記持点使用処理に必要な点数に満たないときに、所定の報知を前記第2表示部へ表示させるための表示制御(図72、図73;「持玉不足のため計数ボタンを押してください」と表示器に表示する制御)を実行する。
このような構成によれば、持点使用処理を実行できるとともに、残っている持点が持点使用処理に必要な点数に満たないときには、所定の報知が行なわれるために、希望の持点使用処理を実行するために遊技点を持点に変換する操作を遊技者に促すことができる。
(A−11) (A−3)〜(A−10)に記載の遊技用システムにおいて、前記変換操作手段に対する操作に応じて、前記遊技点記憶手段に記憶されている全遊技点を前記持点に変換表示するための全部変換操作(図77の「全部計数」)と、前記遊技点記憶手段に記憶されている遊技点のうちの一部を前記持点に変換表示するための一部変換操作(図77の「一部計数」)とを実行可能に構成されている。
このような構成によれば、遊技点の全部変換操作と一部変換操作とが可能であるため、遊技により得られた遊技媒体の一部計数が可能とされる従来の遊技用システムにより一層、近い形で遊技点を用いた新たなシステムを提供できる。
(B−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2)と、該遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(カード残高、貯玉など)を用いて該遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部(可変表示装置278の可変表示部)と、
前記可変表示部の結果が特定表示結果(ゾロ目)となったときに遊技者に有利な状態(大当り状態)に制御可能な遊技制御手段(主制御部161)と、
前記可変表示部の表示に関する演出情報(図9のパターン3、4のリーチの画面など)を表示するための演出用表示部(表示器54)とを含み、
前記遊技用装置は、前記演出用表示部に前記演出情報と異なる遊技情報を表示する条件が成立(遊技点残数が30点以下)したときに、前記遊技情報を前記演出用表示部に表示するための表示制御を実行する表示制御手段(表示制御部350;図6において表示制御部350から表示制御信号が切換回路141へ入力、図7においてS1421でYES)を含む。
このような構成によれば、遊技機には可変表示部の表示に関する演出情報を表示するための演出用表示部が含まれるために、演出効果の高い遊技を提供できる。しかも、演出用表示部に遊技情報を表示する条件が成立したときには、遊技用装置によって遊技情報を演出用表示部に表示するための表示制御が実行されるため、前記条件の成立の際には演出用表示部を遊技演出ばかりでなく遊技用装置による遊技情報の表示にも活用でき、しかも遊技情報の表示に伴う遊技機の表示制御負担も軽減できる。
(B−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与し、遊技者所有の遊技用価値(カード残高、貯玉など)を用いた遊技を可能にするための遊技用装置(CU3)と通信可能に接続される遊技機(P台2)であって、
複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部(可変表示装置278の可変表示部)と、
前記可変表示部の結果が特定表示結果(ゾロ目)となったときに遊技者に有利な状態(大当り状態)に制御可能な遊技制御手段(主制御部161)と、
前記可変表示部の表示に関する演出情報(図9のパターン3、4のリーチの画面など)を表示するための演出用表示部(表示器54)とを含み、
前記演出用表示部は、前記演出情報と異なる遊技情報を表示する条件の成立(遊技点残数が30点以下)により、前記遊技用装置による前記遊技情報を前記演出用表示部に表示するための表示制御が実行されたときに、前記演出用表示部に前記遊技情報を表示可能である(図9参照)。
このような構成によれば、遊技機は可変表示部の表示に関する演出情報を表示するための演出用表示部を備えるために、演出効果の高い遊技を提供できる。しかも、演出用表示部に遊技情報を表示する条件が成立したときには、遊技情報が演出用表示部に表示されることになるため、前記条件の成立の際には演出用表示部を遊技演出ばかりでなく遊技用装置による遊技情報の表示にも活用でき、しかも遊技情報の表示に伴う遊技機の表示制御負担も軽減できる。
(B−3) (B−1)に記載の遊技用システムにおいて、
前記演出用表示部に前記演出情報と異なる遊技情報を表示する条件の成否を判定する条件成否判定手段(図7のS1421)を含む。
このような構成によれば、遊技情報を表示する条件の成否が判定され、条件成立と判定された場合に遊技情報が演出用表示部に表示される。なお、条件成立判定手段は、遊技機側に設けてもよく、あるいは遊技用装置側に設けてもよい。
(B−4) (B−3)に記載の遊技用システムにおいて、
前記条件成否判定手段は、前記遊技点が所定数以下となったときに条件成立と判定し(図7参照)、
前記表示制御手段は、前記条件成否判定手段が条件成立と判定したときに、前記所定数以下となった前記遊技点を前記演出用表示部に表示するための表示制御を実行する(図9のパターン3、パターン4参照)。
このような構成によれば、遊技点が所定数以下となれば演出表示部に遊技点が表示されるため、遊技者が遊技点の残り少ない状態に気づかずにそのまま遊技を継続してしまうことを防止できる。
(B−5) (B−3)または(B−4)に記載の遊技用システムにおいて、
所定の持点を前記遊技点に変換する変換手段をさらに含み、
前記条件成否判定手段は、前記持点が所定数以下となったときに条件成立と判定し(図7参照)、
前記表示制御実行手段は、前記条件成否判定手段が条件成立と判定したときに、前記所定数以下となった前記持点を前記演出用表示部に表示するための表示制御を実行する(「持点の残りわずか」との表示を行なう)。
このような構成によれば、持点が所定数以下となれば演出表示部に持点が表示されるため、遊技者が持点の残り少ない状態に気づかずにそのまま遊技を継続してしまうことを防止できる。
(B−6) (B−3)〜(B−5)に記載の遊技用システムにおいて、前記遊技用価値を特定可能な情報が記録された記録媒体(遊技用のカード)を受付けたときに前記遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段(図12のCU側の記憶領域「残高」)と、
前記遊技用価値を前記遊技点に変換するための遊技用価値変換手段(貸出ボタン321)とを含み、
前記条件成否判定手段は、前記遊技用価値の大きさが所定の大きさ以下となったときに条件成立と判定し(図7参照)、
前記表示制御実行手段は、前記条件成否判定手段が条件成立と判定したときに、前記所定の大きさ以下となった前記遊技用価値を前記演出用表示部に表示するための表示制御を実行する(「残高の残りわずか」との表示を行なう)。
このような構成によれば遊技用価値が所定の大きさ以下となれば演出表示部に遊技用価値が表示されるため、遊技者が遊技用価値の残り少ない状態に気づかずにそのまま遊技を継続してしまうことを防止できる。
(B−7) (B−3)〜(B−6)に記載の遊技用システムにおいて、前記演出用表示部は、前記遊技情報を前記演出用表示部に表示するための表示制御の実行に伴い、前記演出情報に加えて前記遊技情報を表示する(図9のパターン4参照)。
このような構成によれば、表示されていた演出情報が完全に消えることなく、遊技情報が表示されるため、演出情報による演出効果を維持することができる。
(B−8) (B−3)〜(B−6)に記載の遊技用システムにおいて、前記演出用表示部は、前記遊技情報を前記演出用表示部に表示するための表示制御の実行に伴い、前記演出情報に変えて前記遊技情報を表示する(図9のパターン3参照)。
このような構成によれば、表示されていた演出情報に変えて遊技情報が表示されるため、切換表示された遊技情報に遊技者を注目させることができる。
(B−9) (B−1)(B−3)〜(B−8)に記載の遊技用システムにおいて、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図12の遊技玉数カウンタ)と、
遊技点表示部(遊技玉数表示器29)と、
前記遊技点記憶手段の記憶に基づいて前記遊技点表示部に前記遊技点を表示する遊技点表示制御手段(主制御部161)とを含む。
このような構成によれば、遊技機は遊技点表示部を含んでおり、その表示制御は遊技点を記憶し遊技点の変動に関わる遊技機によって行なわれるため、遊技点が遊技で使用されて減算され、あるいは遊技によって加算された場合に、その更新後の遊技点を即座に遊技点表示部に反映させることができる。
(C−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2)と、該遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(カード残高、貯玉など)を用いて該遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部(可変表示装置278の可変表示部)と、
前記可変表示部の結果が特定表示結果(ゾロ目)となったときに遊技者に有利な状態(大当り状態)に制御可能な遊技制御手段(主制御部161)と、
前記遊技用装置が記憶している遊技情報(カード残額、遊技点数、持点数等)を表示するための遊技情報表示部(表示器54)とを含み、
前記遊技用装置は、前記遊技情報を前記遊技情報表示部に表示するための表示制御を実行する表示制御手段(表示制御部350)を含み、
前記遊技機は、前記遊技情報表示部に前記遊技情報と異なる前記可変表示部の表示に関する演出情報(図8のパターン1、2の大当りの画面など)を表示する条件が成立したときに(大当り発生、リーチ発生)、前記演出情報を前記遊技情報表示部に表示するための表示制御を実行する演出情報表示制御手段(演出制御部151、図8参照)を含む。
このような構成によれば、遊技機には遊技用装置が記憶する遊技情報を表示するための遊技情報表示部が含まれるために、遊技機において遊技者にとって利便性の高い情報を提供できる。しかも、遊技情報表示部に演出情報を表示する条件が成立したときには、遊技情報表示部に演出情報が表示されるため、前記条件の成立の際には遊技情報表示部を遊技情報ばかりでなく遊技演出の表示にも活用でき、遊技情報の表示を可能としながらも、遊技演出を効果的なタイミングで行なうことが可能となる。
(C−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与し、遊技者所有の遊技用価値(カード残高、貯玉など)を用いた遊技を可能にするための遊技用装置(CU3)と通信可能に接続される遊技機(P台2)であって、
複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部(可変表示装置278の可変表示部)と、
前記可変表示部の結果が特定表示結果(ゾロ目)となったときに遊技者に有利な状態(大当り状態)に制御可能な遊技制御手段(主制御部161)と、
前記遊技用装置が記憶している遊技情報(カード残額、遊技点数、持点数等)を表示するための遊技情報表示部(表示器54)と、
前記遊技情報と異なる前記可変表示部の表示に関する演出情報を表示する条件が成立したときに(大当り発生、リーチ発生)、前記演出情報を前記遊技情報表示部に表示するための表示制御を実行する演出情報表示制御手段(演出制御部151、図8参照)とを含む。
このような構成によれば、遊技機には遊技用装置が記憶する遊技情報を表示するための遊技情報表示部が含まれるために、遊技機において遊技者にとって利便性の高い情報を提供できる。しかも、遊技情報表示部に演出情報を表示する条件が成立したときには、遊技情報表示部に演出情報が表示されるため、前記条件の成立の際には遊技情報表示部を遊技情報ばかりでなく遊技演出の表示にも活用でき、遊技情報の表示を可能としながらも、遊技演出を効果的なタイミングで行なうことが可能となる。
(C−3) (C−1)に記載の遊技用システムにおいて、
前記遊技情報表示部に前記遊技情報と異なる前記可変表示部の表示に関する演出情報を表示する条件の成否を判定する条件成否判定手段(図7のS1421)を含む。
このような構成によれば、演出情報を表示する条件の成否が判定され、条件成立と判定された場合に演出情報が遊技情報表示部に表示される。なお、条件成立判定手段は、遊技機側に設けてもよく、あるいは遊技用装置側に設けてもよい。
(C−4) (C−3)に記載の遊技用システムにおいて、前記条件成否判定手段は、前記遊技機が前記遊技者にとって有利な状態となったときに条件成立と判定し(大当り発生と判定)、
前記表示制御実行手段は、前記条件成否判定手段が条件成立と判定したときに、前記有利な状態に関する演出情報を前記遊技情報表示部に表示するための表示制御を実行する(図8参照)。
(C−5) (C−1)(C−3)(C−4)に記載の遊技用システムにおいて、前記遊技情報表示部は、前記演出情報を前記遊技情報表示部に表示するための表示制御の実行に伴い、前記遊技情報に加えて前記演出情報を表示する(図8のパターン1参照)。
このような構成によれば、表示されていた遊技情報が完全に消えることなく、演出情報が表示されるため、遊技情報を引き続き提供できる。
(C−6) (C−1)(C−3)(C−4)に記載の遊技用システムにおいて、前記遊技情報表示部は、前記演出情報を前記遊技情報表示部に表示するための表示制御の実行に伴い、前記遊技情報に変えて前記演出情報を表示する(図8のパターン2参照)。
このような構成によれば、表示されていた遊技情報に変えて演出情報が表示されるため、切換表示された演出情報に遊技者を注目させることができる。
(C−7) (C−1)(C−3)〜(C−6)に記載の遊技用システムにおいて、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図12の遊技玉数カウンタ)と、
遊技点表示部(遊技玉数表示器29)と、
前記遊技点記憶手段の記憶に基づいて前記遊技点表示部に前記遊技点を表示する遊技点表示制御手段(主制御部161)とを含む。
このような構成によれば、遊技機は遊技点表示部を含んでおり、その表示制御は遊技点を記憶し遊技点の変動に関わる遊技機によって行なわれるため、遊技点が遊技で使用されて減算され、あるいは遊技によって加算された場合に、その更新後の遊技点を即座に遊技点表示部に反映させることができる。
(D−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2)と、該遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(カード残高、貯玉など)を用いて該遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図12の遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に変換するための変換操作手段(計数ボタン28)と、
前記遊技点の変化量を特定する特定手段(図12の加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、計数玉数カウンタ)と、
前記遊技用装置と前記遊技機との間での通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号(通番)とともに前記変化量を特定可能な更新情報(図12の加算玉数、減算玉数、計数玉数)を前記遊技用装置へ送信する更新情報送信手段(払出制御部171)と、
前記更新情報の送信から次回の更新情報の送信までの間において前記特定手段により特定された変化量を今回変化量(図12の最新遊技台情報)として記憶するとともに、送信後の前記今回変化量を前回変化量(図12の前回遊技台情報)として記憶する変化量記憶手段(図12の最新遊技台情報および前回遊技台情報の記憶領域)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記遊技点を記憶する記憶手段(図12のCU側の遊技玉数の記憶領域)と、
前記持点を記憶する持点記憶手段(図12のCU側のカード持玉数の記憶領域)とを含み、
前記更新情報を受信するとともに、前記通信番号を含む所定の情報(状態情報要求)を前記遊技機に送信し、
前記記憶手段が記憶している遊技点を前記更新情報に応じて更新する遊技点更新手段(CU制御部323;図12参照)と、
前記持点記憶手段が記憶している持点を前記変換操作手段の操作に基づいて更新する持点更新手段(CU制御部323;図12参照)とを含み、
前記遊技機から送信されてきた前記通信番号を加算更新して該更新後の通信番号を含む情報を前記遊技機に送信するとともに、最後に送信または受信した通信番号を記憶し(図57等参照)、
前記遊技機は、前記遊技用装置から送信されてきた通信番号を加算更新して該更新後の通信番号を送信するとともに、最後に送信した通信番号を記憶し、前記遊技用装置との間での通信開始時において、前記記憶している最後に送信した通信番号を送信し、さらに、前記今回変化量および前記前回変化量の両方を特定可能な更新情報(リカバリ詳細応答)を送信し(図57等参照)、
前記遊技用装置は、前記遊技機との間での通信開始時において、前記記憶している最後に送信または受信した通信番号に比べて、前記遊技機から送信されてきた通信番号が大きい値であるときには、前記受信された更新情報により特定される前記今回変化量と前記前回変化量とを用いて前記記憶手段が記憶している遊技点の補正を行なう(図59(P台通番の方が大))一方、前記遊技機から送信されてきた通信番号が小さい値であるときまたは同じ値であるときには、前記受信された更新情報により特定される前記今回変化量を用いて前記記憶手段が記憶している遊技点の補正を行なう(図57(CU通番とP台通番とが同じ)、図58(CU通番の方が大))。
このような構成によれば、遊技用装置と遊技機との間での通信を再開させたときに、前回の通信終了時に送信側では送信したはずのデータが受信側では受信されていないまま、通信が進行していくという不都合を解消できる。
さらに、遊技により得られた遊技点を持点に変換する遊技者の操作が可能であり、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた遊技を提供できる。
(D−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2)と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値(カード残高、貯玉など)を用いて該遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3)であって、
前記遊技点を記憶する記憶手段(図12のCU側の遊技玉数の記憶領域)と、
所定の変換操作の検出(計数ボタン28の操作の検出)に基づいて前記遊技点から変換された持点を記憶する持点記憶手段(図12のCU側のカード持玉数の記憶領域)と、
前記持点記憶手段が記憶している持点を前記変換操作に基づいて更新する持点更新手段(CU制御部323;図12参照)とを含み、
前記遊技用装置と前記遊技機との間での通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号(通番)を含む所定の情報(状態情報要求)を前記遊技機に送信するとともに、遊技点の変化量を特定可能な更新情報(図12の加算玉数、減算玉数、計数玉数)を前記遊技機より受信し、
前記記憶手段が記憶している遊技点を前記更新情報に基づいて更新する遊技点更新手段(CU制御部323;図12参照)を含み、
前記遊技機から送信されてきた通信番号を加算更新して該加算更新された通信番号を含む情報を前記遊技機に送信するとともに、最後に送信または受信した通信番号を記憶し(図57等参照)、さらに、前記遊技機との間での通信開始時において、前記遊技機が最後に送信した通信番号を受信するとともに、前回の更新情報の送信以降における前記遊技機での持点の変化量である今回変化量および該今回変化量以前に更新情報として送信された変化量である前回変化量の両方を特定可能な更新情報(リカバリ詳細応答)を受信し(図57等参照)、
前記遊技用装置は、前記遊技機との間での通信開始時において、前記記憶している最後に送信または受信した通信番号に比べて、前記遊技機から送信されてきた通信番号が大きい値であるときには、前記受信された更新情報により特定される前記今回変化量と前記前回変化量とを用いて前記記憶手段が記憶している遊技点の補正を行なう(図59(P台通番の方が大))一方、前記遊技機から送信されてきた通信番号が小さい値であるときまたは同じ値であるときには、前記受信された更新情報により特定される前記今回変化量を用いて前記記憶手段が記憶している遊技点の補正を行なう(図57(CU通番とP台通番とが同じ)、図58(CU通番の方が大))。
このような構成によれば、遊技用装置と遊技機との間での通信を再開させたときに、前回の通信終了時に送信側では送信したはずのデータが受信側では受信されていないまま、通信が進行していくという不都合を解消できる。
さらに、遊技により得られた遊技点を持点に変換する遊技者の操作が可能であり、遊技により得られた遊技媒体を計数する従来の遊技用システムに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技点を用いた遊技を提供できる。
(D−3) (D−1)に記載の遊技用システムにおいて、
前記変化量記憶手段は、通信不能状態が発生した後通信が開始されるまでの間において、前記特定手段により特定された持点の変化量を前記今回変化量として累積記憶し(図70(遊技により変化した遊技台情報を記憶))、
前記遊技機は、前記通信不能状態が発生した後通信が開始されたことにより、前記変化量記憶手段に累積記憶されている今回変化量を特定可能な累積更新情報を前記遊技用装置へ送信し(図70(再送時に、前回、状態情報応答を送信して以降の遊技玉の変化量を併せて送信))、
前記遊技用装置は、前記累積更新情報に基づいて前記記憶手段が記憶している遊技点を更新する(図70参照)。
このような構成によれば、通信不能状態が発生した後通信が開始されるまでの間において変動した持点の変化量を反映させた持点の更新が可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。