以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本実施の形態で用いる用語の概念として、「遊技機器」は、遊技機(パチンコ機等)、カードユニット、ジェットカウンタ、カード発行装置、清算装置、ホール用管理装置、景品交換装置等の遊技場に設置される全ての機器を含む概念であり、「遊技用装置」は、上記、「遊技機器」から遊技機のみを排除した概念である。
まず、図1を参照して、遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)に遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下パチンコ機またはP台と略称する)2が併設されている。このパチンコ機2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル13を操作することにより、発射装置14に含まれる発射ソレノイド41(図11〜図13参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル13の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル13を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射ソレノイド41が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル13の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口61に回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口61に回収されたパチンコ玉は再度パチンコ機2内の回収経路(循環経路)を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル13を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
パチンコ機2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、多様の表示画面を遊技者に表示する。
図2は、ガラス扉11を開けた状態におけるパチンコ機2内部の正面(前面)側、すなわちガラス扉11および表示器54の背面側に配置される、遊技玉の循環経路の一部を含む部材を示しており、図3は、パチンコ機2内部の背面側に配置される、遊技玉の循環経路の一部を含む部材を示している。図2を参照して、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。このカードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、それらカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を用いて対応するパチンコ機2における遊技媒体の一例の封入玉を弾発発射させて遊技ができるようにするための機能を有する。なお、ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。パチンコ機2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
カードユニット3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードIDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR(Infrared)感光ユニット320で受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落して遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてパチンコ機2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落されて遊技玉に変換され、パチンコ機2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落される。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引き落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引き落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残高、持玉、あるいは貯玉を引落すことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたホールサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれるたびにリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどがある。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
カードユニット3の前面側には、さらに、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と返却ボタン322とが設けられている。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残高を引落してパチンコ機2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。なお返却ボタン322は遊技機に設けられていて、返却ボタン322操作時の信号自体はカードユニットに入力されるようにしてもよい。
図2をさらに参照して、パチンコ機2の正面(前面)側における遊技領域27およびアウト口61の下方には、遊技玉の表面を研磨する研磨装置23と、余剰玉用穴部66、余剰玉用経路67、余剰玉用経路出口68、余剰玉停留部69などが配置されている。研磨装置23は遊技玉の循環経路の一部であり、余剰玉用穴部66、余剰玉用経路67、余剰玉用経路出口68および余剰玉停留部69は循環経路と接続された領域である。これらについては後に詳述する。
図3を参照して、パチンコ機2の背面側には、主制御基板16と、払出制御基板17と、電源装置21と、搬送スクリュー72と、玉揚送装置25と、発射装置14、などが配置されており、これらは前枠6に囲まれている。主制御基板16は、遊技盤26に設けてあり、パチンコ機2の遊技の進行制御を行なう。払出制御基板17および電源装置21は図3の左下に示す扉の後ろ側(パチンコ機2の前面側)に配置されており、前枠6に固定するように設けてある。払出制御基板17は遊技玉を管理・記憶する。搬送スクリュー72は後述するように研磨装置23の一部であり、循環経路の一部である。搬送スクリュー72は、循環しながら研磨される遊技玉を搬送する。玉揚送装置25は遊技玉をパチンコ機2の上方へ搬送(揚送)する装置であり、循環経路の一部である。発射装置14はパチンコ機2の上方に配置されており、遊技のために遊技玉を遊技領域27へ向けて発射する装置である。発射装置14も循環経路の一部である。このように本実施の形態におけるパチンコ玉の循環経路とは、基本的に研磨装置23と玉揚送装置25と発射装置14とを含むようにパチンコ機2内を一周してもとの位置(たとえば発射装置14の発射位置43)に戻るように構成された経路である。なお上記の各部材に加え、さらに遊技領域27を含めて循環経路と考えてもよい。
図4はアウト口61と余剰玉用穴部66などを含む領域の断面の態様を詳細に示す拡大断面斜視図であり、遊技領域27から出た遊技玉の流れを示すものである。図4においては図の前方(向かって右手前側)がパチンコ機2の前面側である。図4を参照して、前述したように遊技のため遊技領域27に打ち込まれた遊技玉(パチンコ玉)10のうち入賞しなかったもの(アウト玉という)はアウト口61を通って図中の矢印が示す方向に落下し、遊技領域27の下方の玉誘導経路等からなる充填空間63に到達する。このアウト口61から回収されたアウト玉はアウト玉検出スイッチ88により検出され、その検出信号が後述する払出制御部171へ入力される。
これに対していずれかの入賞口に入賞したもの(入賞玉またはセーフ玉という)はたとえば入賞玉経路62を通って図中の矢印が示す方向に落下し、充填空間63に到達する。遊技が開始され充填空間63にパチンコ玉10が到達し始めたことを研磨入口玉検出スイッチ701が検知すれば、循環経路を構成する研磨装置23の研磨モータ71が駆動し始め、循環経路内でパチンコ玉を移送可能な状態となる。
ただし循環経路は、上記のように研磨入口玉検出スイッチ701がパチンコ玉が投入され始めたことを検出することにより駆動を始めてパチンコ玉の循環が開示されるように設定されていてもよいが、変形例として、循環経路に備えられるセンサ(研磨入口玉検出スイッチ701および後述する第1充満検出センサ75、第2充満検出センサ40)がすべてパチンコ玉を検出しない状態であってもパチンコ機2の電源投入時から継続してパチンコ玉を循環させる動作を行なう仕様であってもよい。
ところが、充填空間63が収納可能な遊技媒体の数に対して充填空間63に入ろうとするパチンコ玉(たとえばアウト口61から投入するパチンコ玉)の個数が過剰な状態になることがある。たとえば充填空間63が40個のパチンコ玉を収納可能な場合、40個のパチンコ玉が充填空間63に入れば、充填空間63においては充填空間最上部64にまでパチンコ玉が充填し満杯となった状態である。この状態になった後にさらに充填空間63に入ろうとする(41個目以降の)パチンコ玉は、充填空間63から溢れ出すため、充填空間最上部64の直上前方の余剰玉用穴部66に入る。
図5を参照して、余剰玉用穴部66の方へ進んだ余剰の(たとえば41個目以降の)パチンコ玉は、余剰玉用穴部66から繋がり、充填空間63の前方に設けられたパチンコ玉用の流路である余剰玉用経路67を通って、余剰玉用経路の出口68から余剰玉停留部69に案内され、余剰玉停留部69に貯留される。すなわち余剰玉停留部69はパチンコ機2の前面側の所定位置に配置されている。
なお、扉被覆面65の前方部には、図1に示す表示器54や打球操作ハンドル13等が設けられた開成用扉により覆われており、余剰玉停留部69などもこの開成用扉により覆われている。この開成用扉は、遊技場の係員が所持する鍵により通常時は施錠(ロック)されており、遊技者は解錠できず遊技場の係員が解錠して開放できる。このため遊技者は余剰玉停留部69に貯留されたパチンコ玉を自力で取出すことはできず、遊技場の係員のみ取出すことができる。遊技場の係員は、余剰玉停留部69に貯留されたパチンコ玉を取出すことにより、余剰玉停留部69に貯留されたパチンコ玉をパチンコ機2の外部に排出させることができる。たとえば図1の表示器54が設置された部分を開放したときに露出する位置に余剰玉停留部69が配置されれば、図1の表示器54が設置された部分を開放するだけでパチンコ玉を容易に取出すことができる。なお、余剰玉停留部69を開成用扉の全面側(遊技者側)に設けてもよい。
図5のように満杯になった充填空間63から溢れ出して余剰玉用穴部66から余剰玉停留部69の方へ流れるパチンコ玉は、駆動力などを用いることなく、たとえば重力を利用して余剰玉用穴部66から余剰玉停留部69の方へ自然流下する構成となっている。このため余剰玉停留部69の方へパチンコ玉を案内するための駆動力として用いる部材を追加で設ける必要がなく、設備の構成の簡易化を図ることができる。
また余剰玉停留部69に案内された余剰のパチンコ玉は遊技場の係員により容易に取り出せるため、余剰玉停留部69を、余剰のパチンコ玉を収納する場所としてのみならず、サービス玉として利用するパチンコ玉を貯留する場所として共用することができる。このため、余剰玉停留部69とサービス玉貯留場所とが別の場所として設けられる場合に比べて、省スペース化を図ることができる。
さらに、たとえばメンテナンスのためにいったんパチンコ機2内のパチンコ玉を外部に取出した(抜き取った)後に電源を投入して再度パチンコ機2内にパチンコ玉を投入する(たとえばアウト口61から投入する)場合に、パチンコ機2の循環経路内全体で収納可能な玉の個数がたとえば40個と決まっており、アウト口61からパチンコ玉を循環経路に供給する際に、ちょうど40個供給されたときに充填空間63におけるパチンコ玉が満杯となるように構成されている。そして40個を超えたパチンコ玉は充填空間63からオーバフローして余剰玉停留部69の方へパチンコ玉の流入が始まる。その結果、パチンコ機2の循環経路に正常にパチンコ玉を循環させるために必要な個数(40個)のパチンコ玉の供給が終了したことを容易に確認することができる。また余剰なパチンコ玉が自然に余剰玉停留部69の方へ移動する構成となっているため、パチンコ玉をパチンコ機2内に投入する際にその個数を正確にカウントする必要がなくなり、無造作にパチンコ玉を投入することができる。このため、所定個数のパチンコ玉を容易にパチンコ機2(循環経路)内に投入することができる。
また、上記のように容易に所定個数のパチンコ玉がパチンコ機2の内部に投入できるため、たとえば本実施の形態のように発射装置14がパチンコ機2の上方にある場合においても、発射装置14を含む循環経路の全体に容易に規定数(たとえば40個)のパチンコ玉を行き渡らせるように供給することができる。
図6は研磨装置のみの構成をより詳細に示しており、図6においては図の前方(向かって右手前側)がパチンコ機2の前面側である。また図7はパチンコ機2に取付けられた研磨装置をパチンコ機の背面側から見た拡大図である。図6および図7を参照して、研磨装置23は研磨モータ71と、搬送スクリュー72と、研磨カセット73と、カセットモータ74とを主に有している。研磨モータ71は研磨装置(搬送スクリュー72)を駆動させて研磨装置23におけるパチンコ玉を搬送するためのモータであり、搬送スクリュー72などの後方に配置される。搬送スクリュー72は前述したように、循環しながら研磨されるパチンコ玉を搬送する。
研磨カセット73は研磨部材が収納されたカセットである。なお研磨部材は図6において研磨カセット73の内部すなわち後ろ側に配置されるため図示されないが、パチンコ玉の表面を研磨するものである。研磨部材はたとえばバフ本体部と、バフ本体部の表面を覆う表面メッシュ部とを有している。バフ本体部は、たとえばスポンジなどの多孔質部材から形成される帯状の部材であるが、スポンジに限られず、たとえば玉の表面を研磨することにより玉の表面から取り除いた汚れなどを内部に取り込むことが可能な任意の材質を用いることができる。表面メッシュ部は、たとえばメッシュ状のネットがバフ本体部の外表面を覆うように配置されたものである。つまり表面メッシュ部が多数の孔を有することにより、たとえば玉の表面を研磨することにより玉の表面から取り除いた汚れなどを、表面メッシュ部を透過させてバフ本体部の内部へ取り込むことができる。
なおバフ本体部は必ずしも表面メッシュ部に覆われていなくてもよく、たとえばバフ本体部のみを有する構成であってもよい。この場合においても、一例として、紙のような部材からなるバフ本体部が用いられてもよい。
カセットモータ74は、これに設けられた図示されないモータギアの回転により、これと連結された研磨部材を、たとえば研磨カセット73内を循環するように移動させるモータである。より具体的には、前述した払出制御基板17によりカセットモータ74が駆動すると、上記モータギアが回転し、研磨部材が移動する。
ここで図6および図7の搬送スクリュー72は、これにより搬送されるパチンコ玉の移動下手側(移動する方向に関する前側)の方が移動上手側(移動する方向に関する後ろ側)よりも上側に設けられるように傾いた態様で設置されている。研磨部材がほぼ水平に設置されているのに対して搬送スクリュー72が斜めに設置されるため、搬送スクリュー72に沿って流れながら研磨されるパチンコ玉により、研磨部材(表面メッシュ部)の汚れは図6の上下方向の幅のほぼ全体に及ぶことになる。このため、表面メッシュ部のより広範囲を利用した研磨を高効率に行うことができる。仮に搬送スクリュー72が研磨部材(表面メッシュ部)と同様に水平方向に沿って流れれば、パチンコ玉も水平方向に流れながら研磨されるため、研磨部材(表面メッシュ部)は図6の上下方向に関する一部のみが汚れ、一部の領域は全く汚れないまま交換されることになり、表面メッシュ部の利用効率が低下する。ただし搬送スクリュー72はパチンコ機2に対して水平に設置されてもよい。
研磨部材(表面メッシュ部)の特に研磨を行なう場所の移動や、研磨を行なう表面の切り替えなどは、常時少しずつ行なわれる構成であってもよい。ただし上記移動または切り替えなどは、たとえば一定時間経過後または一定個数の研磨後に一時に行なわれる構成であってもよい。
図8および図9は、図7と同様にパチンコ機2に取付けられた研磨装置をパチンコ機の背面側から見た拡大図であり、実際には図7のように搬送スクリュー72はその背面側がカバーで覆われるが、図8および図9においては搬送スクリュー72を見やすくするためこれを省略している。
図8および図9を参照して、一般公知の通路等により、たとえば充填空間63から移動したパチンコ玉が、搬送スクリュー72の研磨開始端部78に進入する。ここで研磨カセット73が搬送スクリュー72の前面に対向するようにセットされた状態で搬送スクリュー72の研磨開始端部78にパチンコ玉が進入すると、該パチンコ玉は研磨開始端部78と、研磨カセット73内の研磨部材とに挟まれるように設置される。そして研磨入口センサ(研磨入口玉検出スイッチとも言う)701によりパチンコ玉が検知され、後述する第1充満検出センサ75が玉の充満状態を検出していないことを条件として研磨モータ71が駆動を始める。研磨モータ71の駆動は前述した払出制御基板17により制御される。研磨モータ71が駆動すると、研磨モータ71に備えられたモータギアが回転することにより、モータギアと連結するギアに固定された搬送スクリュー72が回転駆動を始める。また特に常時移動等を行なう研磨部材を用いる場合には、前述したように研磨部材も駆動を始める場合もある。
搬送スクリュー72の回転駆動により、これに接触するパチンコ玉は、搬送スクリュー72の(研磨開始端部78に対する他方の)端部である研磨終了端部79の方へ搬送されながら、その表面が研磨部材により研磨され、表面の汚れが除去される。
再度図7を参照して、研磨装置23(ここでは研磨終了端部79)の近傍(パチンコ機2の背面側)には、第1充満検出センサ75と、玉抜き穴76と、玉抜き穴用カバー77とが配置されている。第1充満検出センサ75は、循環経路の一部(特に図7において第1充満検出センサ75が配置される、研磨装置23の移動下手側)に配置されるパチンコ玉が充満したことを検出するセンサであり、第1充満検出センサ75は、遊技の開始により玉揚送装置25にパチンコ玉が投入され始めたことを検出するセンサとしての機能も兼用している。すなわち第1充満検出センサ75は、第1充満検出センサ75の領域にパチンコ玉が入り始めたことを検出して第2充満検出センサ40が玉の充満状態を検出していないことを条件として玉揚送装置25の駆動を始める機能と、パチンコ玉が充満したことを検出して研磨モータ71の駆動を停止しそれ以上のパチンコ玉が研磨装置23の移動下手側に送られない状態とさせる機能とを兼用している。
逆にいえば、研磨モータ71が駆動を始めてから、第1充満検出センサ75がパチンコ玉が充満したことを検出するまでの間は(検出していない間は)、研磨モータ71および搬送スクリュー72の駆動によりパチンコ玉が研磨開始端部78から研磨終了端部79の方へ移動する。すなわち第1充満検出センサ75が研磨装置23においてパチンコ玉が充満したことを検出したときに研磨モータ71の駆動を停止するための停止手段が備えられている。また第1充満検出センサ75がパチンコ玉10の投入を検知すれば、循環経路を構成する玉揚送装置25の揚送モータが駆動し始め、循環経路がパチンコ玉を玉揚送装置25の方へ移送可能な状態となる。
なお、第1充満検出センサ75の上記機能の兼用は、単なる一例にすぎず、それぞれの機能に応じて別々のセンサを設けてもよい。
玉抜き穴76は、たとえばメンテナンス時など循環経路の内部に配置されるパチンコ玉をパチンコ機2の外部へ排出させたいときの排出口である。したがって通常の遊技動作中に玉抜き穴76からのパチンコ玉を排出する動作がなされてもよいが、パチンコ機2をメンテナンスモードに設定した上で玉抜き穴76からパチンコ玉を排出する動作がなされてもよい。たとえばメンテナンスモードに設定した上で玉抜き穴76からパチンコ玉を排出する場合には、通常の遊技動作中、玉抜き穴76からパチンコ玉を排出する場合よりも高速でパチンコ玉を排出する制御を行なうことにより、玉を排出する動作を迅速化させることもできる。これはメンテナンスモードに設定することにより払出制御部171が通常の遊技時とは異なる高速で研磨モータ71や揚送モータ93を駆動制御するためである。
また玉抜き穴用カバー77は、たとえば通常の使用中などにおいて玉抜き穴76からパチンコ玉が排出されないように排出口を覆うカバーである。たとえば遊技場の係員が玉抜き穴用カバー77の着脱を行うことにより、これが開放され玉抜き穴76が開放され、パチンコ玉を排出させることが可能な開放状態(図8参照)と、該玉抜き穴用カバー77が閉じられ玉抜き穴用カバー77が塞がれ、パチンコ玉が排出されない閉塞状態(図9参照)との間を自在に切り替え可能となっている。
玉抜き穴76および玉抜き穴用カバー77は、研磨装置23の研磨終了端部79の近傍に設けられている。すなわち玉抜き穴76から排出されるパチンコ玉は、研磨装置23により研磨された直後(研磨装置23を通過した直後)の表面が清浄なものとすることができる。
玉抜き穴用カバー77を開放することにより、循環経路を含むパチンコ機2の内部において、どの部材からの拘束も受けないパチンコ玉は、たとえば重力の作用により自然に落下し、玉抜き穴76からパチンコ機2の外部へ排出させることができる。上記の自然に落下するパチンコ玉はいかなる駆動力も受けずに自然に排出されるため、より容易に(単純な方法で)パチンコ玉を排出させることを可能とする。
ただしたとえば研磨装置23の搬送スクリュー72と研磨部材との間に挟まれ研磨中であるパチンコ玉など、パチンコ機2の内部において機械的な拘束を受けるパチンコ玉については、後述する操作ボタン19を押すことにより作動する自動作動手段(S32)の働きにより玉抜き穴76から排出される。
ここで、たとえば玉抜き穴用カバー77が循環経路の最下点に設けられれば、玉抜き穴用カバー77を開放したときに、どの部材からも拘束を受けないために重力の作用により自然落下することで玉抜き穴76から排出可能なパチンコ玉の個数がより増加する。このためパチンコ玉を排出させる効率をさらに高めることができる。したがって玉抜き穴76および玉抜き穴用カバー77は、パチンコ機2内のうち、より下方に設けられることがより好ましい。
再度図7〜図9を参照して、パチンコ機2の背面側の側方(図における向かって右側すなわちパチンコ機2の前方から見て左側)には、鉛直方向に玉揚送装置25が延在している。一般公知の通路等により、研磨終了端部79から移動したパチンコ玉が、玉揚送装置25の方に進入する。
図7〜図10を参照して、玉揚送装置25は揚送玉入口92と、揚送モータ93と、揚送スクリュー94と、揚送チューブ95と、揚送玉出口96とを主に有している。揚送玉入口92から玉揚送装置25内に入ったパチンコ玉は、揚送スクリュー94と揚送チューブ95との間に挟まれるように設置される。センサが感知することにより、前述した研磨モータ71、搬送スクリュー72およびカセットモータ74と同様の要領で、揚送モータ93、揚送スクリュー94が駆動し始める。すると揚送スクリュー94に接触するパチンコ玉は揚送スクリュー94に沿って上方へ移送され、揚送玉出口96から玉揚送装置25の外へ出る。
図11〜図14は発射装置のみの構成をより詳細に示しており、図11においては図の前方がパチンコ機2の前面側であり、図12および図13においては図の前方がパチンコ機2の右側側方に相当する。図14においては図の前方がパチンコ機2の背面側である。
図11〜図14を参照して、発射装置14はファール玉検出スイッチ33と、発射ソレノイド41と、打球ハンマ42と、発射位置43と、玉通路44と、発射玉入口46と、玉送りソレノイド47と、リンク48と、支点49とを主に有している。また発射装置14の近傍(背面側)には第2充満検出センサ40を有している。第2充満検出センサ40は、循環経路の一部(特に図12〜図14において第2充満検出センサ40が配置される、玉揚送装置25の移動下手側)に配置されるパチンコ玉が充満したことを検出するセンサであり、第2充満検出センサ40は、遊技の開始により発射装置14にパチンコ玉が投入し始めたことを検出するセンサとしての機能も兼用している。すなわち第2充満検出センサ40は、第2充満検出センサ40の領域にパチンコ玉が入り始めたことを検出して発射装置14(玉送りソレノイド47)の駆動を始める機能と、パチンコ玉が充満したことを検出して揚送モータ93の駆動を停止しそれ以上のパチンコ玉が玉揚送装置25の移動下手側に送られない状態とさせる機能とを兼用している。
逆にいえば、揚送モータ93が駆動を始めてから、第2充満検出センサ40が玉揚送装置25においてパチンコ玉が充満したことを検出するまでの間は(検出していない間は)、揚送モータ93の駆動によりパチンコ玉が玉揚送装置25を上方へ移動する。
なお、第2充満検出センサ40の上記機能の兼用は、単なる一例にすぎず、それぞれの機能に応じて別々のセンサを設けてもよい。
さらに、研磨モータ71と揚送モータ93の駆動制御は、それぞれにおける玉移動上手側のセンサ(研磨入口玉検出スイッチ701、第1充満検出センサ75)による玉の検出の有無にかかわらず、それぞれにおける玉移動下手側のセンサ(第1充満検出センサ75、第2充満検出センサ40)で玉の充満状態が検出されなくなったときに駆動開始させるように制御してもよい。
第2充満検出センサ40が玉揚送装置25においてパチンコ玉が充満したことを検出すれば、揚送モータ93の駆動が停止してそれ以上のパチンコ玉が玉揚送装置25の移動下手側に送られない状態となる。すなわち第2充満検出センサ40が玉揚送装置25においてパチンコ玉が充満したことを検出したときに揚送モータ93の駆動を停止するための停止手段が備えられている。また第2充満検出センサ40がパチンコ玉10の投入を検知すれば、循環経路がパチンコ玉を発射装置14の方へ移送可能な状態となる。
発射位置43は発射玉入口46に対し、パチンコ玉が発射されるために発射装置14から出る出口に相当する。玉通路44は発射玉入口46から発射位置43まで発射装置14の内部を通るパチンコ玉通路である。
玉送りソレノイド47は玉通路44のパチンコ玉を発射位置43に向けて搬送させるためのソレノイドである。またリンク48および支点49は玉通路44のパチンコ玉の搬送を制御する、たとえば研磨装置23における搬送スクリュー72と同様の機能を有する部材である。具体的には、玉送りソレノイド47が払出制御基板17により駆動を始めると、玉送りソレノイド(ソレノイドコイル)47の励磁によりリンク48が玉送りソレノイド47に吸引される。その結果、リンク48は支点49を中心として回転する。リンク48は、ソレノイド47に吸引されていない状態では図12に示すように後続のパチンコ玉の流化をストップさせているが、玉送りソレノイド47に吸引されるとリンク48が上方へ揺動しパチンコ玉の流下が許容され、パチンコ玉が1個だけ玉通路44の移動下手側に向けて搬送される。なおリンク48はパチンコ玉と接する部位が吸引されると当該部位に移動上手側のパチンコ玉が1個入り込む態様となっており、ソレノイド47の励磁および励磁解除を繰り返すことにより、1個ずつパチンコ玉を送り出すように動作する。
リンク48の少し玉流下上手側には発射玉検出スイッチ99が設けられている。リンク48の揺動により玉が1個送り出されることによりこの発射玉検出スイッチ99が一瞬玉非検出状態となり、その検出信号が払出制御部171に入力されて玉が1個発射されたと判断する。
発射ソレノイド41はパチンコ玉を発射位置43から遊技領域27へ向けて発射するために駆動するソレノイドであり、打球ハンマ42はパチンコ玉を発射するためにパチンコ玉を打撃するハンマである。打球ハンマ42は回動軸51とコイル吸引部52とを有し、アーム状の部材であり、回動軸51を中心としてアームが運動することによりパチンコ玉に打撃力を与えてこれを遊技領域27に向けて発射させる。具体的には、発射ソレノイド41(ソレノイドコイル)が励磁されることにより、打球ハンマ42は、回動軸51を中心として、アームに形成されたコイル吸引部52がソレノイドコイル内の励磁領域に吸引されたり、ソレノイドコイルの励磁解除によりばね(図示省略)の復元力で元の位置に復帰されたりの往復運動が起こり、この往復運動を利用してパチンコ玉を発射させる。なおパチンコ玉の発射の強度は、打球操作ハンドル13の回動操作量により抵抗値が変化する可変抵抗などにより調整される。
ファール玉検出スイッチ33は玉通路44の経路の途中に設けられており、玉通路44にパチンコ玉が溜まって停滞している状態を検出するスイッチである。ファール玉検出スイッチ33が玉通路44の経路の途中におけるパチンコ玉が発射されずに停滞していることを検知すれば、パチンコ玉が玉通路44の移動下手側に向けて搬送される送り動作が停止され、専ら発射位置43から遊技領域27へパチンコ玉を発射する動作が行なわれる。具体的にはたとえば、パチンコ玉の発射動作が3回繰り返される(3個のパチンコ玉が発射位置43から発射される)間は、玉送りソレノイド47の励磁が停止されてパチンコ玉の玉通路44への流下がリンク48により阻止され、もっぱら玉通路44からの玉の排出(発射)のみが行なわれる。このようにして、玉通路44に存在するパチンコ玉が超過状態となることが抑制される。
ここで、打球ハンマ42の打球発射動作と玉送りソレノイド47の発射位置43へのパチンコ玉の搬送動作とは、各々独立して時間制御で行なっている。すなわち打球ハンマ42がパチンコ玉を発射する動作と玉送りソレノイド47が発射位置43へ向けてパチンコ玉を搬送する動作とは、両者同じ速度(0.6秒で1個)となるように制御されている。
ファール玉検出スイッチ33がたとえば発射位置43により発射されるパチンコ玉の遊技領域27における軌道(発射軌道)上(発射位置43の近傍を含む)にあれば、該ファール玉検出スイッチ33が発射されたパチンコ玉や打球ハンマ42の衝撃を受けて破損する可能性がある。しかし本実施の形態のようにファール玉検出スイッチ33は、発射位置43により発射されるパチンコ玉の発射軌道上とは異なる箇所(玉通路44)に設けられることになる。したがってパチンコ玉の打球に起因する破損の発生を抑制することができる。
本実施の形態においては、以上のような玉揚送装置25が、研磨装置23とは別個の機構として配置されている。このためたとえば玉揚送装置25と研磨装置23とが一体の機構として形成される場合と比較して、パチンコ機2の内部における玉揚送装置25と研磨装置23との配置の自由度を高めることができる。
たとえば図15(a)を参照して、本実施の形態のパチンコ機2は、以上に述べたように、遊技領域27の下方(たとえばアウト口61)から回収されたパチンコ玉は研磨装置23により研磨された後、玉揚送装置25によりパチンコ機2の上方に搬送され、パチンコ機2上方の発射装置14の玉通路44を通って再び発射位置43から再度遊技領域27へ発射されるという循環経路を有してもよい。しかし図15(b)を参照して、たとえば遊技領域27の下方(たとえばアウト口61)から回収されたパチンコ玉が最初に玉揚送装置25によりパチンコ機2の上方に搬送され、その次に研磨装置23により研磨された後、パチンコ機2上方の発射装置14の玉通路44を通って再び発射位置43から再度遊技領域27へ発射されるという循環経路を有してもよい。
このように玉揚送装置25と研磨装置23とが別個の機構であることにより、玉揚送装置25と研磨装置23と玉通路44(発射装置14)との循環経路における順序、および玉揚送装置25と研磨装置23と玉通路44とのパチンコ機2の内部における配置の自由度を高めることができる。
本実施の形態における循環経路内での玉の循環移動制御(具体的には後述のS12による通常玉循環処理)においては、循環経路におけるパチンコ玉の移動上手側ほど、パチンコ玉の移動速度が速い。具体的には、たとえば図15(a)の循環経路を有するパチンコ機2の場合は、研磨装置23において搬送スクリュー72によりパチンコ玉が搬送される速度が最も速く、玉揚送装置25において揚送スクリュー94により搬送される速度がこれに次ぎ、玉通路44において搬送される速度が最も遅い。またたとえば図15(b)の循環経路を有するパチンコ機2の場合は、玉揚送装置25において揚送スクリュー94により搬送される速度が最も速く、研磨装置23において搬送スクリュー72によりパチンコ玉が搬送される速度がこれに次ぎ、玉通路44において搬送される速度が最も遅い。
このようにすれば循環経路の移動下手側のパチンコ玉、特にリンク48で流下を規制されている発射待機玉は、後続する移動上手側のパチンコ玉に追いつかれることになる。たとえば、遊技中に同時に2個の玉がリンク48を通過して発射位置に供給されてしまう事態が生じたときには、その分発射待機玉が通常より1個少なくなるが、すぐに第2充満検出センサ40により玉の充満が検出されなくなって揚送モータ93が作動して通常の玉送り速度よりも早い速度で玉が揚送されてリンク48にまで玉が供給されるために、発射待機玉の欠乏状態が解消され、適正な数の発射待機玉を維持できる。また、通常の玉送り速度よりも早い速度で玉が揚送されることによって第1充満検出センサ75が玉の充満状態を検出しなくなれば研磨モータ71が作動して通常の玉揚送速度よりも早い速度で玉が研磨されて送り出されるために、玉揚送装置25入口部分での玉の欠乏状態が解消される。
ただし循環経路の移動下手側におけるパチンコ玉の充満が過度になることを抑制するために、第1充満検出センサ75および第2充満検出センサ40がパチンコ玉の充満状態を検出したときには、停止手段(S17、S20)によりその移動上手側において隣接する装置を停止させる。このようにすれば、パチンコ玉の過度の充満を防止することができる。
図16は、カードユニット3とパチンコ機2との構成を示すブロック図である。図16を参照して、カードユニット3とパチンコ機2との制御回路の概略を説明する。
カードユニット3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ(図示省略)と通信を行なうための外部通信部(図示略)が設けられているとともに、パチンコ機2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325が設けられている。カードユニット3にはパチンコ機2側への接続部(図示略)が設けられており、パチンコ機2にはカードユニット3側への接続部(図示略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325とP台側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、パチンコ機2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からP台2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ(図示省略)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバから基板制御情報として通知される。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323に入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がCU制御部323に入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323に入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残高あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。表示器312に対し、表示制御部350で変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312が表示する。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
パチンコ機2には、パチンコ機2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射ソレノイド41を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278とが備えられている。
前述したように主制御基板16は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。なお、遊技盤26には、さらに可変表示装置278等を制御する表示制御基板(演出制御基板)が設けられている。
払出制御基板17は、前枠6(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
その他、払出制御基板17には、玉抜き操作ボタン19(自動作動手段)が設けられている。玉抜き操作ボタン19とは、たとえば前述した玉抜き穴76(玉抜き穴用カバー77)および余剰玉停留部69などからのパチンコ玉の排出時に、研磨装置23などから機械的な拘束を受けるために玉抜き穴用カバー77を開けただけでは玉抜き穴76から自動流下により排出できないパチンコ玉を排出させるための(パチンコ機2内にある)駆動源(具体的には研磨モータ71、揚送モータ93、玉送りソレノイド47、発射ソレノイド41)を自動的に作動させるためのボタンである。
また、払出制御基板17に対し、発射玉検出スイッチ(図示略)、研磨入口玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33、揚送モータ93、研磨モータ71、玉送りソレノイド47、第1充満検出センサ75、第2充満検出センサ40、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信する不正行為を検知するためのものである。
この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示略)を介して払出制御部171へ入力される。
ところが不正電波が発生すれば、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。ここでは発射玉検出スイッチが電波による不正の対象となる虞がある。つまり、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2からCU3へ送信されることになる。しかし、この発射玉検出スイッチにも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2からCU3へ送信されなくなる不都合が生じる。本実施の形態では、このような発射玉検出スイッチに対して発信される不正電波も、電波センサ173で検出するため、前述の不都合を防止し得る。
また、玉送りソレノイド47より少し玉移動上手側に、発射玉検出スイッチ99が設けられており(図12、図13参照)、この発射玉検出スイッチ99によってパチンコ玉が1個通過検出されるごとに、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。具体的には、図19に示すように、減算玉数カウンタを「1」加算更新するとともに、遊技玉数を「1」減算更新する。
遊技玉数を「1」減算更新するその他の変形例として、ファール玉検出スイッチ33を利用する方法もある。本来、ファール玉検出スイッチ33は、後述するように、玉通路44においてファール玉が充満した場合、その充満したファール玉を検出するのである。この場合には、ファール玉検出スイッチ33は瞬間的なパルス信号ではなく継続した検出信号が出力されることになり、その継続した検出信号を受信した払出制御部171は玉通路44にファール玉が充満していると判断して、後述する図17(d)のS26によりYESの判断を行なうこととなる。一方、玉送りソレノイド47が1回励磁されることにより1個のパチンコ玉が玉通路44を流下してその通過玉がファール玉検出スイッチ33により検出されたときには瞬間的なパルス信号がファール玉検出スイッチ33から出力される。その瞬間的なパルス信号を受信した払出制御部171は、減算玉数カウンタを「1」加算更新するとともに、遊技玉数を「1」加算更新するように制御してもよい(図19参照)。
このように、ファール玉検出スイッチ33を、遊技玉数を減算するために玉通路44を通過するパチンコ玉を検出するとともに玉通路44を充満したファール玉を検出するように構成して両者を検出する兼用のスイッチとして構成してもよい。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、パチンコ機2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。このことに関しては後に詳しく説明する。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口1または始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト口61から回収されたアウト玉はアウト玉検出スイッチ88(図4参照)により検出され、アウト玉検出信号が払出制御部171に入力される。なおアウト玉検出スイッチ88は充填空間63から余剰玉停留部69へ余剰の玉を案内する余剰玉用経路67よりもパチンコ玉の移動上手側に配置される。
研磨入口玉検出スイッチ701から払出制御基板17へ検出信号が入力される。この検出信号が入力された払出制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。発射玉検出スイッチから払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
カードユニット3のセキュリティ基板325とパチンコ機2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、後述するように、リカバリ要求、リカバリ詳細要求、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、後述するように、パチンコ機2に対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、リカバリ要求を受けてパチンコ機2のリカバリ情報をカードユニット3に通知する。リカバリ詳細要求は、パチンコ機2に対してリカバリ詳細情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、リカバリ詳細要求を受けてパチンコ機2のリカバリ詳細情報をカードユニット3に通知する。通信開始要求は、パチンコ機2に対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信開始要求を受けてカードユニット3に対して通信開始を応答する。通信終了要求は、パチンコ機2に対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信終了要求を受けてカードユニット3に対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、パチンコ機2に対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、状態情報要求を受けてパチンコ機2の状態情報をカードユニット3に通知する。カード挿入通知は、パチンコ機2に対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード挿入通知を受けてカードユニット3に対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、パチンコ機2に対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード返却通知を受けてカードユニット3に対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、パチンコ機2に対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17は、通信テスト要求を受けてカードユニット3に対してテストデータを応答する。
払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、リカバリ応答、リカバリ詳細応答、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
前枠6(遊技枠)には、発射制御基板31、発射ソレノイド41が設けられている。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射ソレノイド41励磁出力を発し、発射ソレノイド41を駆動させる。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射ソレノイド41を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。
前枠6(遊技枠)には、表示器54が設けられている。表示器54は、カードユニット3の表示制御部350からの表示データを受信し、表示画面を表示させる。なお、このように、本実施の形態では、P台側の表示器54がCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台側に表示器54を表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。なお、図16では図示を省略しているが、アウト玉検出スイッチ88の検出信号と発射玉検出スイッチ99の検出信号とが払出制御部171へ入力される。
次に以上に述べた構成(循環経路)を有するパチンコ機2の駆動時における一連の玉移動制御処理の流れについて、図17および図18を用いて詳細に説明する。図17(a)を参照して、パチンコ玉がパチンコ機2(循環経路)の内部を移動(循環)する処理は、玉補給処理(S1)、通常時玉循環処理(S2)、玉送り処理(S3)および玉抜き処理(S4)が周期的に行なわれることによりなされる。ここで上記S1からS4まで1通り行なう所要時間はたとえば2msecである。
図17(b)は、図17(a)のS1で示される玉補給処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図17(b)を参照して、S10で循環経路における貯留玉の有無が判別される。ここでの貯留玉とは、たとえば図4に示す充填空間63などに貯留する、前述した循環経路を循環する(前述したようにたとえば40個収納可能な)パチンコ玉を意味する。貯留玉が循環経路に1個も入っていなければ(図10のYES)、まだ動作が始まっていないと判断し、玉補給および玉循環処理を行なうことなくすぐに該サブルーチンプログラムが終了する。具体的には、貯留玉が循環経路に入っていない(S10のYES)ことは、たとえば第1充満検出センサ75および第2充満検出センサ40のいずれにもパチンコ玉が入っていないことを検出することにより判断することができる。
アウト口61から循環経路内にパチンコ玉を投入してそのパチンコ玉が研磨入口玉検出スイッチ701に検出されれば、S10によりNOの判断がなされて、S11に制御が進む。すなわち貯留玉が循環経路に全く入っていない(S10におけるYESの)状態から、補給されたパチンコ玉が研磨入口玉検出スイッチ701で検出されることにより、循環経路におけるパチンコ玉の投入が始まったことが認識され、制御がS12に進み、通常の玉循環処理が行なわれる。このS11でYESの判定がなされるのは、遊技場の係員が玉補給をするべくパチンコ玉をアウト口61から投入したときである。これに対して研磨入口玉検出スイッチ701がパチンコ玉を検出しない場合(図11のNO)には、通常時玉循環処理を行なうことなくすぐに該サブルーチンプログラムが終了する。
このS12の通常時玉循環処理により、たとえばアウト口61から投入された玉が循環経路内を循環搬送されてリンク48の手前まで供給された状態となる。
以上の図17(b)の説明は、研磨入口玉検出スイッチ701がパチンコ玉を検出することにより循環経路におけるパチンコ玉の循環が開始する仕様のパチンコ機2に適用されるプログラムであり、たとえば前述したような、第1充満検出センサ75、第2充満検出センサ40のいずれもがパチンコ玉を検出しない状態であってもパチンコ機2の電源が投入されさえすれば研磨モータ71と揚送モータ93とが駆動開始する場合には、S10とS11とのステップは不要となる。
なお、玉補給を行なう場合に、前述のアウト口61から玉を投入する代わりに、たとえば遊技領域27設けられた入賞口から玉を投入するようにしてもよい。
この玉補給を行なう作業において、前述したように循環経路内にちょうど40個玉補給されたときに充填空間63におけるパチンコ玉が満杯となるように構成されている。そして40個を超えたパチンコ玉は充填空間63からオーバフローして余剰玉停留部69の方へパチンコ玉の流入が始まる。その結果、パチンコ機2の循環経路に正常にパチンコ玉を循環させるために必要な個数(40個)のパチンコ玉の補給が終了したことを容易に確認することができる。つまり、玉補給することによりすぐに遊技が可能な状況に循環経路内に玉が充満されるとともに、そのまま玉を補給(アウト口等から玉を投入)し続けることにより余剰玉が発生するまで補給し続ければ適正な玉量(40個)が循環経路内に充満されるため、補給作業楽でかつ分かりやすいという利点がある。
しかも、入賞口からパチンコ玉を投入して玉補給する場合と比べて、アウト口が入賞口よりも大きいため、パチンコ玉を投入しやすく楽に玉補給を行ない得る利点がある。
図17(c)は、図17(a)のS2で示される通常時玉循環処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図17(c)を参照して、S15で第1充満検出センサ75がONか否かを判別する。図7に示される第1充満検出センサ75は前述したように、研磨装置23から玉揚送装置25に向けて送られるパチンコ玉が、研磨装置23と玉揚送装置25とを橋渡しする領域の近傍において充満したときにONになる(S15のYES)。ここでの充満とは、図17(b)(図17(a)のS1)に示す玉補給処理により循環装置におけるパチンコ玉の補充が進んだときに発生する。具体的には、パチンコ玉の通過の検出時に第1充満検出センサ75から出力される瞬間的なパルス信号ではなく、パチンコ玉が第1充満検出センサ75の検出箇所に留まり所定時間(たとえば1秒間)継続して玉検出信号が出力される状態となったときにS15によりYESと判定される。後述するS18によるYESの判定とS26によるYESの判定も同様である。S15によりYESと判定された結果、S17に制御が進んで研磨モータ71が停止する。このことにより研磨装置23の移動下手側へのパチンコ玉の搬送が停止され、より下手側のパチンコ玉が専ら移動するために、研磨装置23の移動下手側におけるパチンコ玉の充満が解消する方向に制御が進む。しかし第1充満検出センサ75が未だパチンコ玉の充満を検出しない場合には(S15のNO)、S16に制御が進んで研磨モータ71が駆動する(駆動を続ける)。
次に、S18で第2充満検出センサ40がONか否かを判別する。第2充満検出センサ40は前述したように、玉揚送装置25から発射装置14に向けて送られるパチンコ玉が、玉揚送装置25と発射装置14とを橋渡しする領域の近傍において充満したときにONになる(S18のYES)。ここでの充満とは、図17(b)(図17(a)のS1)に示す玉補給処理により循環装置におけるパチンコ玉の補充が進んだときに発生する。その結果、S20に制御が進んで揚送モータ93が停止する。このことにより玉揚送装置25の移動下手側へのパチンコ玉の搬送が停止され、より下手側のパチンコ玉が専ら移動するために、玉揚送装置25の移動下手側におけるパチンコ玉の充満が解消する方向に制御が進む。しかし第2充満検出センサ40が未だパチンコ玉の充満を検出しない場合には(S18のNO)、S19に制御が進んで揚送モータ93が駆動する(駆動を続ける)。
以上の図17(c)のサブルーチンプログラムにより、循環経路においてパチンコ玉が充満されればその移動上手側からの搬送を(停止手段により)一旦停止して移動下手側のパチンコ玉をより下手側に移送させることに専念し、移動下手側のパチンコ玉の充満が解消されれば再度移動上手側からパチンコ玉を送り出すというサイクルが繰り返される。
なお、前述の玉補給処理においてS12の通常玉循環処理が行なわれた後玉送りソレノイド47を1回励磁して1個の玉だけ発射位置に供給しておいてもよい。そうすれば、遊技者が打球操作ハンドル13を操作した瞬間から玉が遊技領域27に発射される。
また、前述したように循環経路における移動上手側の方が移動下手側よりもパチンコ玉の移動速度が速いため、たとえ移動下手側においてパチンコ玉の個数が一時的に足りなくなった場合においても、移動上手側から常時遊技領域27に向けて発射可能な状態が確保できるため、移動下手側においてパチンコ玉が不足する状態を解消することができる。
以上の通常時玉循環処理は、図17(a)のS2における遊技者が打球操作している通常遊技時での玉循環処理と、図17(b)のS12における玉補給時に玉を循環経路内に行き渡らせるための処理とに、兼用される。
図17(d)は、図17(a)のS3で示される玉送り処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図17(d)を参照して、玉送り処理においてはまずS25で発射操作の検出の有無が判別される。これは具体的には、発射位置43から遊技領域27へのパチンコ玉の発射操作の有無を判別する工程である。
前述したように図1に示される打球操作ハンドル13の周囲に設けられる、タッチセンサと称する金属プレート状のセンサが遊技者の手に触れると、パチンコ機2が発射操作を検出し(S25のYES)、S26に制御が進んで、ファール玉検出スイッチ33(図12参照)が玉を検出しているか否か判定される。通常では玉通路44(図12参照)にファール玉が停滞することはなくS26でNOの判定がなされてS27により玉送りソレノイド47が駆動制御されて玉が玉通路44を経由して玉発射位置に供給される。その供給されてきたパチンコ玉がS28による発射ソレノイド41の駆動(励磁)により遊技領域27に発射される。
一方、S25においてタッチセンサが遊技者の手に触れずにパチンコ機2が発射操作を検出しなければ(S25のNO)、発射ソレノイド41が駆動することなくサブルーチンプログラムを終了する。この場合は玉通路44におけるパチンコ玉の移送は行なわれない。
玉発射力が極端に弱かった場合等何らかの理由で玉が発射されずに玉発射位置に残る場合がある、この残ったファール玉が所定個数溜まった場合には、ファール玉が玉通路44内で停滞し、ファール玉検出スイッチ33により停滞しているファール玉が検出されてS26によりYESの判定がなされる。すると、玉送りソレノイド47の駆動が停止され、所定個数(たとえば3個)のパチンコ玉が発射位置43から発射される間は、専ら発射位置43から遊技領域27へパチンコ玉を発射する動作が行なわれる(S29)。ただし3個以外の個数のパチンコ玉が発射位置43から発射される時間であってもよい。こうして玉通路44におけるパチンコ玉の充満が解消する方向に制御が進む。上記の専ら発射位置43から遊技領域27へパチンコ玉を発射する動作が行なわれた後、再び発射ソレノイド41が駆動可能な状態となるよう制御される(S28)。
ただしS27、S28において玉送りソレノイド47および発射ソレノイド41は図17(a)のプログラムの周期である2msecごとに駆動可能な状態とするための制御がなされるが、実際の駆動、たとえば打球ハンマ42の駆動による発射位置43から遊技領域27へのパチンコ玉の発射、はたとえば約600msecごとに行なわれるが、これより長い時間周期であってもよいし、これより短い時間周期であってもよい。すなわち通常通りに発射ソレノイド41が駆動している場合には、1分間に100回の割合でパチンコ玉が発射装置14から遊技領域27に発射される。以上のようにS27とS28との共同作業により、発射装置14は発射位置43に向けてパチンコ玉を搬送し、かつ発射位置43からパチンコ玉を発射する。S29により玉送りソレノイド47の励磁が停止されている間でのS28による発射ソレノイド41の駆動もたとえば約600msecごとに行なわれるが、これより長い時間周期であってもよいし、これより短い時間周期であってもよい。
S26の発射ソレノイド41の駆動(励磁)するタイミングは、実際にはS28の玉送りソレノイド47の駆動(励磁)するタイミングに対して所定の時間差が設けられてもよい。具体的には、玉送りソレノイド47がパチンコ玉を送る駆動を行なった後該パチンコ玉が発射位置43に到達するのに要する時間だけ遅らせて発射ソレノイド41を駆動(励磁)する。
以上の図17(d)のサブルーチンプログラムにより、玉通路44においてパチンコ玉が充満されればその移動上手側からの搬送を一旦停止して移動下手側のパチンコ玉を発射することに専念し、移動下手側のパチンコ玉の充満が解消されれば再度移動上手側からパチンコ玉を送り出すというサイクルが繰り返される。
なお、前述したように、S26による判定は、所定時間(たとえば1秒間)継続してファール玉検出スイッチ33から玉検出信号が出力される状態となったときにYESと判定されるが、その代わりに、玉送りソレノイド47の励磁によって送られてくる玉がファール玉検出スイッチ33の玉検出位置を通過する瞬間のタイミングを避けたタイミングで玉を検出するように制御してもよい。
具体的な制御方法としては、たとえば、玉送りソレノイド47の励磁に伴って送りだされたパチンコ玉が玉通路44を流下してファール玉検出スイッチ33の玉検出位置にまで到達する時間(到達時間)をP台2の製造段階で払出制御部171に記憶させておき、玉送りソレノイド47の励磁を契機にタイマの計時を開始し、タイマの計時値が上記到達時間の近辺の値(例えば到達時間±0.1秒)になっていない時にファール玉検出スイッチ33による玉の検出動作を行なうように制御する。そして、タイマの計時値が上記到達時間の近辺の値(例えば到達時間±0.1秒)になっていない時にファール玉検出スイッチ33による玉の検出動作を行なって玉ありの検出信号が払出制御部171に入力されると、ファール玉が存在すると払出制御部171が判定する。
図18は、図17(a)のS4で示される玉抜き処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。玉抜き処理は、たとえば前述した図16の玉抜き操作ボタン19を押すことにより、前述した図7の玉抜き穴76からパチンコ機2の内部のパチンコ玉を外部に排出する処理である。
図18を参照して、玉抜き操作ボタン(図16の玉抜き操作ボタン19)の操作がなければ(S30のNO)、そのままサブルーチンプログラムが終了するが、玉抜き操作ボタンが操作されれば(S30のYES)、球抜き処理に要する時間(たとえば25秒)がパチンコ機2の内部においてセットされる(S31)。そして循環経路における研磨モータ71、揚送モータ93、玉送りソレノイド47、発射ソレノイド41を駆動し(S32)、これらの各装置の機械的拘束を受けているパチンコ玉が玉抜き穴76に向けて搬送される。S32の操作は、S31においてセットされたタイマがタイムアウトになれば終了する(S33、S34)が、タイムアウトになるまで繰り返される。
ただしS31のように玉抜き操作を行なう時間を予め設定することに代えて、たとえばパチンコ機2内のパチンコ玉がすべて排出されるまで(たとえば第1充満検出センサ75がたとえば3秒間玉を検出しない状態になるまで)S32の操作を繰り返してもよい。このようにすれば、確実にすべてのパチンコ玉を排出させることができる。
また、たとえば充填空間最上部64から溢れてパチンコ機2の前面側の余剰玉停留部69に入ったパチンコ玉も、玉抜き処理に伴って排出させるようにしてもよい。具体的には、余剰玉停留部69の玉を循環経路内に導く玉抜き用通路を設け、通常時はその玉抜き用通路がシャッターで閉塞されており、図18の玉抜き処理の実行時にそのシャッターを開放して余剰玉停留部69の玉を環経路内に導いて玉抜き排出する。
パチンコ機2内のパチンコ玉がすべて排出されたか否かの判定方法としては、第1充満検出センサ75から所定時間(たとえば3秒間)玉検出しないことに代えて、他の検出センサ(検出スイッチ)の検出信号より判定してもよい。その場合には、研磨装置23による玉の研磨移動がすべて完全に終わるまでの期間を考慮して玉抜き処理を完了させる必要がある。
図18の玉抜き処理でのS32による駆動制御は、遊技者が遊技している通常遊技時と同じ駆動制御(同じ速度での駆動制御)である。しかし、玉抜き処理時ではこれを高速化してもよい。前述したように、通常の遊技動作中では0.6秒に1発玉発射する関係上、循環経路内でのパチンコ玉の循環移動速度をその発射速度以上に高速化することができない。しかし、メンテナンスモード時など遊技が行われていないときには0.6秒に1発の発射速度に拘束されないため、循環経路内でのパチンコ玉の循環移動速度を通常遊技時よりも高速に制御して高速で玉抜き処理を行なうようにしてもよい。具体的には、図18の玉抜き処理中では、S32による研磨モータ71、揚送モータ93、玉送りソレノイド47および発射ソレノイド41の駆動速度を、通常の遊技動作中に比べて高速で回転させる。これにより、玉抜き処理の効率化を図ることができる。
なお、図18の玉抜き処理は、遊技者による遊技が行なわれていないことを条件として実行するように制御してもよい。ここで遊技が行なわれていない状態を払出制御部171が判断する方法としては、具体的には、たとえば発射ソレノイド41が長時間(たとば1分間)動作していない(励磁していない)状態や、遊技玉数が0である状態を基に、払出制御部171が判断する。
次に、図19は、カードユニット3側とパチンコ機2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図19を参照して、カードユニット3側(CU側)とパチンコ機2側(P台側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残高(残高)は、CU3側において管理・記憶している。
図19では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2(パチンコ機2)とCU3(カードユニット3)とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とP台2側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からP台2側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2側において記憶することとなる。
また、CU3側とP台2側とにおいてコマンドおよびレスポンスの送信が行なわれる毎に通番が“1”ずつ加算更新され、その通番がCU3側とP台2側とにおいて記憶される。この通番とは、CU3とP台2との間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、最終通番とは、その更新される通信番号の最後に更新された番号のことである。
本実施の形態におけるCU3とP台2とにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3は、コマンドでP台2へ送信した通番をバックアップ記憶し、次にP台2からの通番を受信すると、バックアップ記憶している通番をその受信した通番に書換えて記憶する。そして、次のコマンドを送信するときに、バックアップ記憶している通番を1加算更新してP台2へ送信し、その送信済みの通番をバックアップ記憶する。CU3ではこのような処理を繰返す。
P台2でも同様に、コマンドでCU3から受信した通番をバックアップ記憶し、次にP台2からCU3へレスポンスを送信するときに、バックアップ記憶している通番を1加算更新して送信し、その送信済みの通番をバックアップ記憶する。そして、次のレスポンスを受信したときに、バックアップ記憶している通番をその受信した通番に書換えて記憶する。P台2ではこのような処理を繰返す。
たとえば、CU3側からP台2側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信し、P台2側ではその送信されてきた通番nを記憶する。そして、レスポンスをP台2側からCU3側へ返信するときにその記憶している通番nに1加算したもの(n+1)も合わせて送信する。CU3側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番を+1してn+2の通番をP台2側へ送る。
P台2側からCU3側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2側の払出制御部171(図16参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残高、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技玉数をP台2側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、P台2側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバまたはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とP台2側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図19に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残高を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図16参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図16参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図16参照)は、カード残高の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてカード残高を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落して遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落してドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入式のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
次に図20を参照して、カードユニット(CU)3とパチンコ機(P台)2との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図20には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU3からP台2に対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ情報を要求するものである。P台2からCU3に対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してリカバリ情報を通知するものである。
CU3からP台2に対してリカバリ詳細要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ詳細要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ詳細情報を要求するものである。P台2からCU3に対してリカバリ詳細応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ詳細応答のレスポンスは、CU3に対してリカバリ詳細情報を通知するものである。これらリカバリ詳細要求とリカバリ詳細応答とは、リカバリ処理を実行するときにしか送受信されない。具体的には、前述のリカバリ応答を受信したCU3がそのリカバリ応答の情報に基づいてリカバリ処理を実行すると判断した場合にのみCU3がP台2にリカバリ詳細要求のコマンドを送信する。このことは後に詳述する。リカバリ処理は、CU3やP台2に電断が発生して通信回線断が検知されたときに実行する必要が生じる。本実施の形態では、遊技場の営業開始時に電源を立ち上げたときにもリカバリ処理を実行しているが、営業開始時に電源を立ち上げ時には実行せずCU3やP台2に電断が発生して通信回線断が検知されたときに実行するように制御してもよい。
CU3からP台2に対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2に対して通信開始を要求するものである。P台2からCU3に対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して通信開始を応答するものである。
CU3からP台2に対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2に対して通信終了を要求するものである。P台2からCU3に対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して通信終了を応答するものである。
CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2に対してCU3の状態を要求するものである。CU3はこのコマンドを使用して、P台2の状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図19に示したCU側からP台側へ向かう加算玉数が含まれている。
P台2からCU3に対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3に対してP台2の情報・状態を通知するものである。情報応答のレスポンスには、図19に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
CU3からP台2に対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2に対してカード挿入を通知するものである。P台2からCU3に対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3に対してカード挿入を応答するものである。
CU3からP台2に対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するものである。P台2からCU3に対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却を応答するものである。
CU3からP台2に対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。P台2からCU3に対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを応答するものである。
次に図21を参照して、電源投入時の接続シーケンスの処理を説明する。この図21の接続シーケンスの処理は、CU3とP台2との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げた場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2では発射ソレノイド41を停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の送信を要求する。
それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
このリカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致する場合に、リカバリ詳細要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。なお、電源投入時で未だにカードがCU3に挿入されていない段階では、CU3側とP台2側共にカードID=0、カード挿入時刻=0となっている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ詳細応答)。
このリカバリデータとしては、前回遊技台情報、前回遊技情報、最新遊技台情報、および最新遊技情報が含まれている。
このリカバリ詳細応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2は、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信時に通番をバックアップする。P台2は、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、レスポンスの再送時の際にはカウントアップしない。CU3は、前回受信した通番と同じ通番のレスポンスを受信した場合には、通信不良が発生してP台2がレスポンスを再送したと判断する。P台2はレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」としてリカバリ要求のコマンドをP台2に送信する。P台2は、通番をカウントアップして「n+1」としてリカバリ応答のレスポンスをCU3に返信する。さらに、CU3は、通番を「n+2」としてリカバリ詳細要求のコマンドをP台2に送信する。P台2は、通番をカウントアップして「n+3」としてリカバリ詳細応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番をカウントアップして「n+4」として、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、通番をカウントアップして「n+5」として、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3は、通番=n+6の状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、遊技玉数、加算玉数、減算玉数、図柄停止回数、入賞個数、および遊技台状態のデータをバックアップする。また、P台2は、加算玉数、減算玉数、図柄停止回数、および入賞個数の各カウンタの値を0クリアする。そして、P台2は、通番=n+7の状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
そのレスポンスを受けたCU3は、その状態情報応答に基づき、遊技玉数、加算玉数、減算玉数、図柄停止回数、各入賞個数、および遊技台状態のデータをバックアップする。なお、加算玉数の内訳は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」とである。減算玉数の内訳は、「発射玉数」である。
その後、CU3は、通番=n+8の状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+9の状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。P台2は、状態情報応答のレスポンスを送信する毎に前述のデータをバックアップし、前述のカウンタをクリアする。また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受信する毎に前述のデータをバックアップする。
図22を参照して、カードが挿入されたときのCU3とP台2との処理を説明する。まず、CU3は、カード挿入前、通番=n、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3では、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。
CU3は、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残高等をたとえばホールサーバに問合せて認証している最中であることを表示器312に表示するとともにP台2側の表示器54に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3は、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+2、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n+3、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2側の表示器54は、CU3の表示制御部350により表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3は、挿入されたカードが認証されると、通番=n+4、カードID、カード挿入時刻を含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻のデータを払出制御部171のRAM等にバックアップするとともに、通番=n+5を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323のRAM等に記憶する。
CU3は、それを受けて、通番=n+6、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信することで、カード挿入中である状態をP台2に対して通知する。P台2は、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+7、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
カード挿入中、CU3は、通番=n+8、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+9、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図23を参照して、挿入されたカードのプリペイド残高から遊技玉を貸出すときの処理を説明する。つまり、挿入されたカードに記録されているプリペイド残高を消費するときの処理を説明する。この図23の処理では、現在の遊技玉数が「50」玉となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3は、500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3は、玉貸ボタン(貸出ボタン)321が押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。このように、残高消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3側単独で確定する。その後、CU3は加算表示中となる。この加算表示中では、残高から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させる。
次に、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、通番=n+3、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番=n+4、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、加算玉数=175を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図24を参照して、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理を説明する。この図24では、当初の遊技玉数が「50」玉の状態となっている。この図24における再プレイの処理は、まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が再プレイボタン319を押下すると、CU3は、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させ、遊技玉数を更新し、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175のデータをバックアップする。このように、持玉または貯玉の消費は、再プレイボタン319を押下する操作がなされた段階でCU3側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。また、持玉払出ボタンをCU3に設け、持玉払出ボタンを押下することで、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)へ変換しても良い。
その後、CU3は遊技玉の加算表示中にするとともに、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、通番=n+3、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
なお、CU3は、持玉または貯玉から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させることによって、遊技玉の加算表示中であることを示す。
その後、CU3は、通番=n+4、遊技玉加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、加算玉数=175を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図25を参照して、会員カード・一般残高有カード・一般持玉有カードの返却処理を説明する。この図25では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「200」玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=200、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、計数ボタン28を長押下(ボタンを1秒以上押続ける操作)し、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。計数ボタン28を長押下することで、1回のコマンド/レスポンスの期間(200ms)に遊技玉数のうち100玉が計数され計数玉としてカウントされる。当初の遊技玉数が「200」玉の場合、1回のコマンド/レスポンスの期間に、遊技玉数が「100」玉、計数玉が「100」玉となる。
ただし、表示器54にて行なう計数表示では瞬時に遊技玉数と計数玉数とをそのような数に変更するのではなく、あくまでも、遊技玉が徐々に計数されて減少し、これと連動して持玉が徐々に増加するような演出が行なわれる。このため、計数表示が終了するまでは、表示器54での表示上の遊技単数および持点数と、CU側およびP台側のメモリ上の遊技玉数および持点数とは一致しない。
しかしながら、このような制御に代えて、表示上の持点の計数状況(変換状況)と実際のデータの変換処理とが同期するようにしてもよい。この場合、データの計数処理(変換処理)は即座に完了させることが可能であるため、これと同期する計数表示(変換表示)もまた直ぐに終わってしまうことになる。これでは、データの計数が行なわれたことを遊技者に十分に通知することができないおそれがある。そこで、計数表示をしつつ、その途中から「計数が終了しました」という表示に切り換えてもよい。また、その場合、「計数が終了しました」という表示が開始された段階からカードの返却操作を有効化してもよい。
計数ボタン28を長押下する操作がなされた直後に、CU3は、通番=n+2、計数玉受領=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
それを受けて、P台2は、遊技玉数=100、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+3、遊技玉数=100、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(0玉)に加算して持玉数=100に更新し、遊技玉数=200(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=100のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに100個の遊技玉を計数する表示を行なう。 その後、CU3は、通番=n+4、計数玉受領=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、計数玉受領=ONとなるのは、前回の状態情報応答のレスポンスに応答して、計数玉の受領をP台2に通知するためである。
計数ボタン28を長押下中のP台2は、遊技玉数=0、計数玉数=100の状態をCU3に通知するために、通番=n+5、遊技玉数=0、計数玉数=100、計数中=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、計数玉数(100玉)を持玉数(100玉)に加算して持玉数=200に更新し、遊技玉数=100(更新前遊技玉数)−100(計数玉数)=0のデータをバックアップする。
また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受けて、先の100個の遊技玉を計数する表示に連続して、さらに100個の遊技玉を計数する表示を行なう。
計数表示が進行すると、やがて、表示器54での表示上の遊技玉数も0になる。遊技者は、遊技玉数が0玉になったことを確認して、計数ボタン28を離す。計数ボタン28を離すことで、遊技玉を持玉に変換する操作が終了する。
その後、遊技者は、返却ボタン322を押下する操作を行なう。CU3は、遊技者が返却ボタン322を押下する操作を行なうことで、通番=n+6を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+7、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。
それを受けて、CU3は、返信されてきたカードIDおよびカード挿入時刻と、カード挿入時にバックアップ記憶しておいたカードIDおよびカード挿入時刻とを比較し、両者が一致しているか否か判定する。一致することを条件に、カード挿入/排出口309に挿入してあったカードを遊技者に返却する。その際、CU3は当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバへ送信し、ホールサーバが当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶する。一致しない場合には、エラー判定し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、たとえば、返却操作に応じたカードの返却を禁止する制御を行なってカードをCU3内部に保持したり、あるいは、持玉のカードへの書込み処理を禁止したりする。さらには、異常報知ランプ等によるエラーの報知や、ホールサーバへの異常発生の通知等を行なう。なお、カードの返却時に、ホールサーバが当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶する代わりに、持玉数のデータをカードに書込み記録して排出するように制御してもよい。
その後、CU3は、通番=n+8、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、カード挿入状態=OFFを含む状態情報応答を受信したとき、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。それを受けて、P台2は、通番=n+9、遊技玉数=0、計数玉数=0、計数中=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
なお、この図25に示したシーケンスでは、計数ボタン28が押下された直後のP台2からCU3への状態情報応答で計数玉数を送信する制御を示したが、その代わりに、計数ボタン28が押下された直後の状態情報応答では、計数玉数を送信することなく計数操作が行なわれたことを示すデータ(例えば計数中=ON)を送信し、CU3から計数を受け付け可能であることを示すデータ(例えば計数応答=ON)を含む状態情報要求が返信されてきたことを条件として、計数玉数を含む状態情報応答をCU3へ送信するように制御してもよい。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(2) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(3) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CUに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(4) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(5) カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示するのが望ましい。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(6) 計数操作を開始してから計数表示が完了するまでの計数時間は、遊技点が第1基準値よりも少ないときと、遊技点が第1基準値を超えるときとで、遊技点に対する計数時間の増加割合が小さくなるようにしてもよい。これによって、実球を計数するかのような計数表示という演出をできながらも、遊技点が多くなることで計数完了までにあまりに時間がかかってしまうことを防止できる。また、遊技点がある基準値を超えた場合には、計数時間がすべて同一になるようにしてもよい。あるいは、基準値を設けることなく、遊技点の多少に関わらす一律に同じ計数時間を採用してもよい。
(7) 玉補給を行なうにおいて、図17(b)のS10、S11に示した処理の代わりに、玉抜き操作ボタン19を操作することによりS12の通常時玉循環処理が実行開始されるように制御してもよい。この玉補給の場合には、玉抜き穴用カバー77を装着して玉抜き穴76を閉塞した状態で玉抜き操作ボタン19を操作する必要がある。
(8) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作が無い場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(9) 計数操作ボタンを所定時間未満操作(短時間操作)すると、たとえば、第1の玉数が計数される一方、所定時間以上操作(長時間操作)すると、その操作時間に応じて前記第1の玉数よりも多い第の玉数が計数されるように制御するのが望ましい。たとえば、短時間操作では100玉が計数される一方、長時間操作では100玉を超える所定数、たとえば、200玉や400玉が計数されるようにすることが考えられる。また、計数操作ボタンの長押し時間によって、計数対象の遊技点数が異なるように制御してもよい。たとえば、1秒の長押しで100玉が計数され始め、さらにそのまま5秒間の長押しが継続すると、残りのすべての玉が計数されるようにすることが考えられる。あるいは、1回の操作で所定個数が計数され、5回目の操作では残りのすべての玉が計数されるように制御してもよい。
(10) (A)「所定点数」以上の遊技点が記憶されていないことには、計数操作をしても、遊技点の計数が行なわれず、また、その旨の報知が行なわれる。また、(B)記憶している遊技点が「所定点数」に至るまで遊技点の計数が実行されると、それ以上の計数ができなくなるとともに、その旨の報知が行われるように制御するのが望ましい。これら(A)(B)2つの場合の所定点数、すなわち、基準値は、同じものを採用してもよいし、異ならせてもよい。
(11) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるように制御するのが望ましい。しかしながら、さらに、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中の計数操作を無効とするために、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断するのが望ましい。これに代えて、あるいは、これに加えて、遊技中球数(遊技領域27内で浮遊している浮遊玉)が0になっている(遊技中でない)か否か(遊技中)で、遊技中であるか否かを判定するようにしてもよい。さらに、加えて、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2L、2C、2Rが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでの期間である。
(12) 大当り中であるか否かに関わらず、遊技玉数が所定数より多いときには、計数操作を促す表示が行なわれるようにしてもよい。
また、計数操作を促す表示が行なわれてから所定時間が経過しても計数操作が検出されない場合、遊技玉の発射を強制的に停止させてもよく、また発射の強制停止までは行なわないようにしてもよい。
(13) 図19を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(14) 計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数してから返却操作をして下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28を表示させて点滅するような表示であってもよい。
(15) 遊技玉が所定玉数以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」として、「表示器にて計数操作を促す表示を行なう制御」が実行されるように制御するのが望ましい。ここで、「計数操作を促す」とは、たとえば、「遊技玉数が上限に達したため、計数操作して下さい」と表示するものや、単に「計数操作が必要です。」と表示するものであってもよい。また、「所定の報知制御」としては、スピーカから計数操作を促す報知音を出力する制御であってもよい。さらに、「報知」としては、「計数操作を促す報知」ではなく、単に、「遊技玉数が上限に達したこと」を通知するのみ(計数操作を促す報知まではしない)であってもよい。
また、遊技点が所定の第1基準値以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」をし、さらに、その後、遊技点が第1基準値よりも多い第2基準値に達した時点で遊技不能状態に制御し、遊技点が前記第1基準値から前記第2基準値に達するまでは遊技を許容(発射禁止しない)するように制御してもよい。なお、遊技機がスロットマシンである場合には、スタートレバーを操作してリールが回転開始しない、あるいは、賭数設定が無効化される、などの制御によって遊技不能状態を実現できる。
(16) 遊技点を用いた遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、遊技点が所定点数(たとえば、250点)以上残っていないと、計数操作が有効化されないように制御するのが望ましい。ここで、所定点数は、250点に限られるものではなく、1点以上であれば、どのような点数であってもよい。ただし、たとえば、1点など、あまりに少なすぎる点数を設定した場合には発射のタイミングと計数のタイミングとがほぼ同時に生じたときに、不具合が生じるため、2〜3点以上とするのが望ましい。あるいは、点数が所定点数以下(たとえば、10点以下)で発射が継続しているときに計数操作が検出された場合には、5点を発射用として残し、残りの点数を計数対象とするように制御してもよい。
また、遊技点が所定点数以上、残っていないために計数操作が無効化されていることに気づいた遊技者が玉の発射動作を停止させたことが検出された際には、先に無効化された計数操作を有効化して計数動作が自動的に開始されるようにしてもよい。つまり、この場合には、計数操作が無効化されたことに気づいた遊技者は、発射操作を停止さえすればよく、再度、計数操作をやり直す必要がない。
(17) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(18) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(19) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(20) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(21) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(22) 図19において、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(23) 表示器54で行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312で行なうようにしてもよい。
(24) CU3において、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(25) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(26) 計数操作が実行されたとき、持点のカウントアップが開始してから所定時間が経過すると、持点が加速度的にカウントアップするようにしてもよい。あるいは、計数表示を加速させるための速度アップボタンをCU側あるいは遊技機側のタッチパネルの表示器に表示し、その操作が検出されることによって、加速計数表示をしてもよい。このように持点の加速計数表示を行なうことにより、多数の遊技点を計数する際の遊技者の待ち時間を短くすることができる。
(27) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放してください」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(28) 玉貸ボタン、返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(29) 図21〜図25で示したシーケンス制御は、特にセキュリティに関する処理については、CU3、P台2等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
(30) 前述の実施の形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(31) 前述の実施の形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(32) 前述の実施の形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残高、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(33) 前述の実施の形態では、各種認証鍵を用いて認証を行なっていたが、この各種認証鍵の代わりに、例えば認証用のID等を用いて認証を行なうようにしてもよい。
(34) 前述の表示器54、510をタッチパネル付きの表示器で構成してもよい。また、前述のS351、S362で受信する情報は、前述の実施の形態で説明したものに限定されるものではなく、また、どのような情報を遊技機からCU3へ出力するかを遊技機の表示器54、510のタッチパネルでタッチ操作して入力設定できるようにしてもよい。
(35) 上記実施の形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(返却ボタン322の操作))を有効化する有効化手段」を含む。
ここで、前記有効化手段は、たとえば、「P台側で遊技点0を確認してCUへカード排出操作許可ONを送信する手段」、あるいは、「CUからカード返却通知を受信したときに遊技玉数=0か否かを判定し、0の場合にはCUに対してカード返却応答を返信することによってカード返却を有効とする手段」、さらには、「計数操作等が行なわれることによって遊技玉数=0とし、そのことによって結果的にカード返却を有効とする条件を成立させる手段」を含む概念である。
<実施の形態に含まれる各種の構成>
(1−1) 内部に封入された遊技媒体(パチンコ玉)を用いて遊技を行なう封入式遊技機(パチンコ機2)であって、
遊技に使用された遊技媒体を回収して再び遊技に使用可能な位置(発射位置43)にまで循環させるための循環経路(研磨装置23、玉揚送装置25、発射装置14を含む循環経路)と、
前記循環経路の途中箇所に設けられた、前記循環経路を循環する遊技媒体を研磨する研磨装置(研磨装置23)と、
前記循環経路内の遊技媒体を揚送する揚送装置(玉揚送装置25)と、
前記循環経路において遊技媒体を遊技領域(遊技領域27)に発射するための発射装置(発射装置14)とを備え、
前記発射装置は、
遊技媒体を発射する発射位置に遊技媒体を送る遊技媒体送り装置(玉送りソレノイド47と玉通路44)と、
該遊技媒体送り装置により前記発射位置に送られてきた遊技媒体を前記遊技領域に発射する発射部(打球ハンマ42)とを含み、
前記研磨装置と前記揚送装置とは別個の機構であり(図7)、
前記循環経路に配置されている前記研磨装置と前記揚送装置と前記遊技媒体送り装置とにおける各遊技媒体の移動速度は、前記循環経路における遊技媒体の移動上手側(循環経路における遊技媒体の進行方向における後ろ側)ほど速いことを特徴とする。
このような構成によれば、循環経路における移動上手側の遊技媒体が、循環経路における移動下手側の遊技媒体に追いつくため、移動下手側において遊技媒体が容易に充満する状態となる。したがって、発射位置から遊技領域へ遊技媒体を発射させて遊技を開始したいときに発射位置に遊技媒体が存在せず、遊技媒体が発射位置に到達するまで遊技開始を待機すべき状況の発生を抑制し、いつでも発射可能な状態を維持することができる。しかも、研磨装置と揚送装置とが別個の機構で構成されているため、研磨装置と揚送装置とを別個に配置することが可能であり、各装置の配置の自由度が高い封入式遊技機を提供することができる。
(1−2) 上記(1−1)の封入式遊技機において、前記研磨装置、前記揚送装置、前記遊技媒体送り装置のそれぞれに配置される遊技媒体が充満したことを検出する検出手段(第1充満検出センサ75、第2充満検出センサ40)と、
該検出手段により充満したと検出された装置の前記移動上手側(循環経路における遊技媒体の進行方向において第2充満検出センサ40よりも後ろ側の領域)において隣接する装置を停止させる停止手段(S17、S20)とをさらに備えることを特徴とする。
このような構成によれば、循環経路の移動下手側が遊技媒体により充満された場合に循環経路の移動上手側の遊技媒体を停止させることにより、移動上手側から移動下手側へ遊技媒体が過剰に供給されることを抑制することができる。
(1−3) 上記(1−1)または(1−2)の封入式遊技機において、前記循環経路には、前記移動上手側から前記研磨装置、前記揚送装置、前記遊技媒体送り装置の順に配列されることを特徴とする(図3)。
このような構成によれば、遊技媒体を揚送装置により揚送する前の遊技媒体を研磨するため比較的低位置に研磨装置を配置することができる。
(1−4) 上記(1−1)または(1−2)の封入式遊技機において、前記循環経路には、前記移動上手側から前記揚送装置、前記研磨装置、前記遊技媒体送り装置の順に配列されることを特徴とする。
このような構成によれば、揚送装置により上方に揚送された後の遊技媒体を研磨するため、研磨装置を比較的高位置に配置することができる。
(2−1) 遊技媒体(パチンコ玉)を遊技領域に発射して遊技を行なう遊技機(パチンコ機2)であって、
遊技媒体を発射する発射位置(発射位置43)に遊技媒体を送る遊技媒体送り装置(玉通路44)と、
該遊技媒体送り装置により前記発射位置に送られてきた遊技媒体を遊技領域に発射する発射部(打球ハンマ42)とを備え、
前記遊技媒体送り装置は、
前記発射位置へ遊技媒体を案内する経路(玉通路44)と、
該経路に遊技媒体が溜まっていることを検出する検出装置(ファール玉検出スイッチ33)とを含み、
該検出装置は、前記発射部により発射される遊技媒体の発射軌道(発射位置43から発射されたパチンコ玉が遊技領域27において描く軌道)上とは異なる箇所(玉通路44)に設けられ、
前記検出装置により検出があったときに遊技媒体の送り動作が停止される(S29)ことを特徴とする。
このような構成によれば、発射位置から遊技領域に向けて発射された遊技媒体の発射軌道上とは異なる箇所に検出装置が配置されるため、発射された遊技媒体が検出装置に激突して検出装置を破損する可能性を低減することができる。
(2−2) 上記(2−1)の遊技機は、前記遊技媒体送り装置において、前記検出装置による検出があったときに遊技媒体の送り動作が停止された状態で、前記発射部において遊技媒体を発射する処理を行なう(S29とS28)ことを特徴とする。
このような構成によれば、遊技媒体が停滞していることを検出装置が検出することにより、遊技媒体の送り動作が停止された状態で該停滞している遊技媒体を発射させることができる。このため、遊技媒体が停滞している状態を解消することができる。
(3−1) 内部に封入された遊技媒体(パチンコ玉)を用いて遊技を行なう封入式遊技機(パチンコ機2)であって、
遊技に使用された遊技媒体を回収して再び遊技に使用可能な位置(発射位置43)にまで循環させるための循環経路(遊技領域27、研磨装置23、玉揚送装置25、発射装置14を含む循環経路)と、
前記循環経路の途中箇所に設けられた、遊技媒体を収納する第1の収納部(充填空間63)と、
前記循環経路に封入された遊技媒体が前記第1の収納部が収納可能な遊技媒体の数に対して超過状態にある場合に、余剰の遊技媒体を収納する第2の収納部(余剰玉停留部69)とを備え、
前記第2の収納部は前記封入式遊技機の前面側の所定位置に配置され、
前記余剰の遊技媒体を前記第2の収納部へ案内する案内経路(余剰玉用経路67)をさらに備え、
前記第2の収納部に案内されてきた遊技媒体を外部へ取出し可能に構成されている(開成用扉を解錠して開放することにより取り出し可能)ことを特徴とする。
このような構成によれば、余剰の遊技媒体が案内経路を経由して第2の収納部に案内され、第2の収納部に貯留される。この第2の収納部を取出せば、余剰の遊技媒体を貯留する箇所とサービス玉として利用する遊技媒体を貯留する箇所とを第2の収納部が共用することが可能となるため、該封入式遊技機内における省スペース化を実現することができる。また第2の収納部は封入式遊技機の前面側の所定位置に配置されるため、遊技場の係員が外部へ余剰の遊技媒体を取出す作業が簡易になる。
(3−2) 上記(3−1)の封入式遊技機において、前記第2の収納部へ案内される遊技媒体は、遊技者が取出すことができないことを特徴とする。
このような構成によれば、該封入式遊技機内の遊技媒体が盗まれる可能性を低減することができる。
(3−3) 上記(3−1)または(3−2)の封入式遊技機において、前記案内経路は、前記第1の収納部が遊技媒体で満杯となった状態で該第1の収納部にさらに供給された余剰の遊技媒体を自然流下させることを特徴とする。
このような構成によれば、駆動力を用いず重力により余剰の遊技媒体が第2の収納部の方へ自然に流れるため、駆動用の機構を追加で設ける必要がなく、設備の構成をより簡易にすることができる。
(4−1) 内部に封入された遊技媒体(パチンコ玉)を用いて遊技を行なう封入式遊技機(パチンコ機2)であって、
発射位置(発射位置43)にある遊技媒体を遊技領域に発射する発射装置(発射装置14)と、
前記遊技領域に発射された遊技媒体を回収して再び前記発射位置にまで循環させるための循環経路(遊技領域27、研磨装置23、玉揚送装置25、発射装置14を含む循環経路)と、
駆動源(研磨モータ71、揚送モータ93、玉送りソレノイド47、発射ソレノイド41)の駆動力を利用して、該循環経路内の遊技媒体を循環移動させる循環移動手段(研磨装置23、玉揚送装置25、玉通路44)と、
前記循環経路内の遊技媒体を排出するための排出口(玉抜き穴76)と、
該排出口を塞いだ閉塞状態とするカバー部材(玉抜き穴用カバー77)と、
遊技媒体を抜き取るための操作検出に基づいて前記駆動源と前記発射装置とを自動的に作動させる自動作動手段(S32)とを備え、
前記カバー部材により閉塞状態とされていない状態(図8参照)で前記自動作動手段により前記駆動源と前記発射装置とが作動することにより、前記排出口から遊技媒体が抜き取られることを特徴とする。
このような構成によれば、循環経路内の一部の遊技媒体は、排出口を塞いだカバー部材を閉塞状態とされていない状態とするだけでは排されない循環経路内の遊技媒体についても、自動作動手段を用いることにより簡単にすべて排出口から該封入式遊技機の外部に排出させることができる。したがって、容易に遊技媒体を遊技機から排出させることができる。
(4−2) 上記(4−1)の封入式遊技機において、前記カバー部材は、前記循環経路の最下点に設けられることを特徴とする。
このような構成によれば、循環経路内の遊技媒体を重力により自然に落下させ、排出口から該封入式遊技機の外部に排出することができる。したがって、より容易に遊技媒体を遊技機から排出させることができる。
(4−3) 上記(4−1)または(4−2)の封入式遊技機において、前記循環移動手段は、遊技媒体を移動させながら研磨する研磨装置(研磨装置23)を含み、
前記排出口は、前記循環経路内のうち、前記研磨装置を通過した直後の遊技媒体を排出する(図8、図9)ことを特徴とする。
このような構成によれば、研磨された直後の、汚れなどが表面にほとんど付着していない遊技媒体を排出することができる。
(5−1) 内部に封入された遊技媒体(パチンコ玉)を用いて遊技を行なう封入式遊技機(パチンコ機2)であって、
発射位置(発射位置43)にある遊技媒体を遊技領域に発射する発射装置(発射装置14)と、
前記遊技領域に発射された遊技媒体を回収して再び前記発射位置にまで循環させるための循環経路(遊技領域27、研磨装置23、玉揚送装置25、発射装置14を含む循環経路)と、
駆動源の駆動力を利用して、該循環経路内の遊技媒体を循環移動させる循環移動手段(研磨装置23、玉揚送装置25、玉通路44)と、
前記循環経路内に遊技媒体を投入するための投入口(たとえばアウト口61)と、
前記循環経路内に遊技媒体が存在しない状態で前記投入口に遊技媒体が投入されたときに、前記駆動源を自動的に作動させる自動作動手段(S12)とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、投入口から投入された遊技媒体は、自動作動手段により自動的に、より短時間で循環経路のほぼ全体に行き渡らせることができる。
(5−2) 前記遊技領域に発射されていずれの入賞領域にも入賞しない遊技媒体を回収して前記循環経路に戻すためのアウト口が前記遊技領域に設けられ、
前記投入口は前記アウト口であることを特徴とする。
アウト口から循環経路内に遊技媒体が投入される経路とすることにより、循環経路内への遊技媒体の投入をより容易にすることができる。
(5−3) 上記(5−1)または(5−2)の封入式遊技機において、遊技媒体は、前記発射装置の前記発射位置にまで供給される(S12の通常玉循環処理が行なわれた後玉送りソレノイド47を1回励磁して1個の玉だけ発射位置に供給しておいてもよい)。
このような構成によれば、発射位置から遊技領域へ遊技媒体を発射させて遊技を開始したいときに発射位置に遊技媒体が存在せず、遊技媒体が発射位置に到達するまで遊技開始を待機すべき状況の発生を抑制し、いつでも発射可能な状態を維持することができる。
(5−4) 上記(5−1)〜(5−3)のいずれかの封入式遊技機において、前記循環経路に封入された遊技媒体が前記循環経路が収納可能な遊技媒体の数に対して超過状態にある場合に、余剰の遊技媒体を前記循環経路から外へ排出可能な案内経路(余剰玉用経路67)をさらに有する。
このような構成によれば、余剰の遊技媒体が循環経路から外へ排出されるため、循環経路へ遊技媒体を投入する際にその個数をカウントせず無造作に投入することができる。
(5−5) 上記(5−1)〜(5−3)のいずれかの封入式遊技機において、前記循環経路は、前記循環経路が遊技媒体で満杯となった状態で該循環経路にさらに供給された余剰の遊技媒体を自然流下させる。
このような構成によれば、駆動力を用いず重力により余剰の遊技媒体が循環経路の外部の方へ自然に流れるため、駆動用の機構を追加で設ける必要がなく、設備の構成をより簡易にすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。