以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<遊技機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る遊技機の構成の一例を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式の遊技機1が併設されている。遊技機1は、パチンコ遊技機の遊技要素(たとえば、パチンコ玉を発射)と、スロットマシンの遊技要素(たとえば、操作で回転開始・回転停止)とを兼ね備えている。このため、以下では、遊技機1を、パチスロ遊技機、P台などとも称する。
P台1の所定側の側方位置には、該P台1に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)2が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台1と接続して、後述する入賞役の発生やAT(アシストタイム)の発生回数や、異常の報知などの遊技情報の収集などを行う呼出しランプ装置などであってもよい。
図1のP台1に示されるように、P台1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの上段部には遊技盤26により形成される遊技領域27が配置され、中上段部には表示領域51aを有し透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である液晶表示器51が配置され、液晶表示器51の下方における中下段部には各種の操作手段や報知手段などが配置され、下段部には遊技者が現在所有しているパチンコ玉数を表示するための遊技玉数表示器29や打球操作ハンドル25が配置されている。遊技玉数表示器29に表示されるパチンコ玉数は、遊技領域27へ発射可能であって弾球遊技に用いることができる玉数であるから、遊技玉数ともいう。P台1は、後述するように、遊技玉数を特定するための遊技玉数カウンタの値を所定の記憶領域において記憶・更新している。前面扉1bの上段部、中上段部、中下段部については一つの扉として形成されており、下段部については、上段部、中上段部、中下段部とは別に開閉可能な扉として形成されている。このため、たとえば、下段部のみを開状態とすることも可能である。
P台1における遊技は、前面扉1bの上段部に配置された遊技領域27にパチンコ玉を発射することにより開始される。P台1は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ118(図3参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ118が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。本実施の形態におけるP台1では、連続して打球発射した場合、1分間に100発のパチンコ玉を発射可能である。
図1に示すP台1の遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口31a〜31cが設けられている。これらの入賞口31a〜31cへパチンコ玉が入賞することにより、操作に応じてリール2L〜2Rを回転させて停止させる回胴遊技(以下、ゲームともいう)を開始可能にするために用いることができる玉数が付与される。回胴遊技を開始可能にするために用いることができる玉数は、回胴遊技に用いられるまで蓄積されるため、貯留玉数ともいう。P台1は、後述するように、貯留玉数を特定するための貯留玉数カウンタの値を所定の記憶領域において記憶・更新している。貯留玉の付与あるいは払出とは、貯留玉数を特定するためのデータが所定玉数分加算更新されて、実質的に回胴遊技を開始するために用いることができる玉数が増加することをいう。
本実施の形態においては、入賞口31a〜31cへパチンコ玉が1個入賞する毎に、貯留玉数が1加算される。入賞口31a〜31cにパチンコ玉が入賞することにより加算されるパチンコ玉を貯留玉というため、入賞口31a〜31cは、貯留口31a〜31cともいう。貯留玉の上限数は、たとえば1000円により玉貸可能となるパチンコ玉数(1玉4円玉貸の場合の250)が定められている。なお、貯留玉の上限数は、予め定められた玉数であればこれに限らず、100玉や、500玉、999玉などであってもよく、また、後述の玉単価に応じて予め定められた玉数であってもよい。
遊技盤26には、打込まれたパチンコ玉の流路を変化させるための釘が多数打たれている。これにより、打球操作ハンドル25の回動操作量が同じであっても、釘によりパチンコ玉の流路が一定とならないような遊技領域27が形成される。また、遊技盤26の釘は、打込まれたパチンコ玉のうちの大半(たとえば、約85〜90%)のパチンコ玉が、貯留口31a〜31cのいずれかに入賞するような角度および位置に打たれている。このため、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉は、その大半が貯留口31a〜31cのいずれかに入賞する。一方、遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉のうち貯留口31a〜31cのいずれにも入賞しなかったパチンコ玉は、アウト口34に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口34に回収されたパチンコ玉は、再度、P台1内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
貯留口31a〜31cには、入賞したパチンコ玉を検出する貯留口スイッチ30a〜30cが設けられている。貯留口スイッチ30a〜30cによりパチンコ玉が検出されると貯留玉が加算される。
図1の前面扉1bの上段部には、遊技領域27の左右に、遊技の進行に応じて音楽データを出力するためのスピーカ53a、53bが設けられている。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
中下段部には、操作手段の一例として、貯留玉の範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、貯留玉および設定済の賭数を精算して遊技玉に変換させる際に操作される遊技玉変換スイッチ10、リール2L〜2Rによるゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rなどが設けられている。
また、中下段部には、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、貯留玉数が表示される貯留玉数表示器11、ゲーム結果に応じて付与(払出)された遊技玉数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、貯留玉数が上限数に達していないために遊技領域27へのパチンコ玉の発射が可能であることを報知する発射要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
貯留玉数が存在する場合、MAXBETスイッチ6操作などによりその貯留玉を用いて賭数を設定することが可能となる。本実施の形態では、貯留玉を2消費することで、賭数が1設定される。規定数が3である場合には、貯留玉を6消費することで規定数の賭数を設定することができる。本実施の形態では、規定数が3に定められている例について説明する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、回胴遊技が開始可能な状態となる。このように、パチンコ玉がそのまま賭数設定に用いられるものではなく、パチンコ玉を発射し、そのパチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞するか否かといった面白みを提供することができる。本実施の形態では、賭数が規定数まで設定されているか否かにかかわらず、貯留口31a〜31cにパチンコ玉が入賞すると、貯留玉が加算される例について説明するが、賭数が規定数まで設定されていないときには貯留口31a〜31cへの入賞により賭数を1加算設定し、賭数が規定数まで設定されているときには貯留口31a〜31cへの入賞により貯留玉数を1加算するようにしてもよい。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
賭数が設定されており、かつ、前回の回胴ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rを用いた回胴ゲームが開始可能な状態となる。リール2L〜2Rを用いた回胴ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数の遊技玉が遊技者に対して付与されて、遊技玉が加算されることにより、その分に相当するパチンコ玉を再び遊技領域27へ発射することが可能となる。遊技玉の付与あるいは払出とは、遊技玉数を特定するための遊技玉数カウンタの値が所定玉数分加算更新されて、実質的に遊技領域27への発射に用いることができる玉数が増加することをいう。
P台1は、CU2を側方位置に設置することでCU2から伸びる表示器54をP台1の前面に設けた接続面54aに嵌合させる。そのため、P台1の下方位置には、表示器54が設けられることになる。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持玉やカード残額、あるいは、後述するリール2L〜2Rや液晶表示器51の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。また、表示器54は、裏面に設けた接続端子(図示せず)をP台1の接続面54aに設けた接続端子54bに接続することでP台1に嵌合させている。このように、CU2の表示器54をP台1の接続面54aに嵌合させる構成であれば、CU2とP台1とをより強く連結することができ、不正を防止することができる。さらに、表示器54との連結係止を、前面扉1bまたは打球操作ハンドル25が設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、不正をさらに防止することができる。なお、表示器54は、図1に示すようにCU2と一体に形成されP台1の接続面54aに嵌合させる構成だけに限定されず、CU2から独立して形成されP台1の前面に取付けられる構成でもよい。
また、P台1の接続面54aの上方位置に遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171によって制御される。この遊技玉数表示器29により、遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。なお、遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台1における遊技玉数表示器29の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行われるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行う場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。このように、計数ボタン28をP台1側に設けているため、計数ボタン28をCU2側に設ける場合に比較して、P台1に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU2の構成を説明する。このCU2は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU2は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。P台1では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
CU2の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
CU2の前面側には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319とが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台1による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、P台1による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU2からカードを返却したときには、CU2に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU2にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU2に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。CU2の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてP台1による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行うボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<カードユニットとパチスロ遊技機との構成>
図3および図4は、CU2とP台1との構成を示すブロック図である。図3および図4を参照して、CU2とP台1との制御回路の概略を説明する。
CU2には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU2の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行うホールサーバ801(図5参照)と通信を行うための外部通信部(図示省略)が設けられている。CU制御部323には、P台1の払出制御基板117とセキュリティを確保しながら通信を行うためのセキュリティ基板(SC基板)325が接続される。セキュリティ基板325は、CU2のセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325上にCU制御部323を設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325とは別の基板にCU制御部323を設けてもよい。CU2にはP台1側への接続部(図示省略)が設けられており、P台1にはCU2側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU2側のセキュリティ基板325とP台1側の払出制御基板117とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板117との通信を制御するための通信制御IC325aと、P台1のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からP台1に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行い、不正検知時に鍵管理サーバ800(図5参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800から基板制御情報として通知される。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU2の前面に設けられる表示器312および図1に示すようにP台1の前面に配置される表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。なお、表示器54に送信される表示用データは、まず中継基板114に入力される。表示器312および表示器54には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU2に設ける構成に限定されるものではなく、P台1に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
P台1には、図3に示される遊技玉を管理・記憶する払出制御基板117と、払出制御基板117の指令に基づいて発射モータ118を駆動制御する発射制御基板131とが設けられており、さらに、図4に示されるP台1の遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する主制御基板40と、主制御基板40から送信されてくるコマンドに基づいて液晶表示器51などの演出手段を制御する演出制御基板90と、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。このうち、払出制御基板117および発射制御基板131は、枠メーカによって筐体1aに取り付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。主制御基板40および演出制御基板90は、筐体1aとは別に遊技メーカからホールに納品される。
主制御基板40にはメイン制御部41である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。メイン制御部41は、遊技機の主制御機能部である。主制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の主制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の主制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、主制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
主制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の主制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、主制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、主制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。電源基板101には、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
演出制御基板90は、CU2の中継基板114を介して、表示器54とも接続されている。サブ制御部91は、遊技の進行と連動する表示を行うための表示制御信号を表示器54へ送信可能である。なお、中継基板114および表示器54は、P台1側に設けるようにしてもよい。この場合、P台1側の演出制御基板90は、CU2を介さずに直接P台1側の中継基板114と接続される。
払出制御基板117には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板117に対し、発射玉検出スイッチ903、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33A、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)141を常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板117の入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)141は、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)141が常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
主制御基板40から払出制御基板117に対し、主制御チップID、入賞関連情報、大当り関連情報、接続確認信号、貯留口入賞情報、発生入賞役情報、エラー情報、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台1の主制御基板40に記録されているチップIDのことであり、P台1の電源投入時に払出制御基板117に対して送信される情報である。入賞関連情報は、入賞口の種類(貯留口31a〜31c)、後述する入賞役の種類、および、入賞役発生時において付与される遊技玉数を含む情報であり、P台1の電源投入時に払出制御基板117に対して送信される。貯留口31a〜31cにパチンコ玉が入賞したときに、賞球として所定数の遊技玉数を付与する場合には、その賞球数を特定可能な情報を入賞関連情報に含めてもよい。大当り関連情報は、ボーナスやATの終了条件(たとえば、遊技玉数を所定数付与することで終了するボーナスについては終了となる所定数の遊技玉数、所定ゲーム数消化で終了するATについては終了となる所定ゲーム数)を特定可能な情報であり、P台1の電源投入時に払出制御基板117に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板40と払出制御基板117とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板40から払出制御基板117へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板117がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板117が動作制御するように構成されている。
貯留口入賞情報とは、貯留口31a〜31cのいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。発生入賞役情報とは、発生した入賞役を示す情報である。エラー情報とは、主制御基板40が遊技制御を行っている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板117へ通知するための情報である。
大当り情報とは、ボーナスやAT(以下、単に大当りともいう)が発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。
払出制御基板117から主制御基板40へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板40が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701から払出制御基板117へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板117は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33Aからファール玉検出信号が入力された払出制御基板117では、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903から払出制御基板117へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板117は、遊技中玉数を減算更新する。
CU2のセキュリティ基板325とP台1の払出制御基板117とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板117へ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、払出制御基板117からセキュリティ基板325へ、後述するように各種レスポンスが送信される。
P台1には、払出制御基板117の他、発射制御基板131、発射モータ118、遊技玉数表示器29が設けられている。なお、遊技玉数表示器29は前面扉1bに直接取り付けてもよいが、前面扉1bに対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。払出制御基板117の払出制御部171は遊技玉数表示器29に遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。
払出制御基板117から発射制御基板131へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板131は、発射装置の発射モータ118を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板131は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ118を駆動させる。
発射強度センサ19は、発射モータ118によるパチンコ玉の発射強度Tを検出する。たとえば、発射強度センサ19は、ハンドル操作量に応じて電気抵抗値が変化するように構成された可変抵抗から出力されるアナログ値をデジタル値に変換した値を発射強度Tとして検出する。以下では、例示的に、ハンドル操作量に応じて発射強度Tが0(最小値)から99(最大値)まで変化するものとして説明する。発射強度センサ19の検出結果は、発射制御基板131経由で払出制御基板117およびCU2に出力される。
P台1の前面には、CU2から伸びた表示器54および中継基板114が設けられている。表示器54は、中継基板114を介してCU2の表示制御部350からの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54は、中継基板114を介して演出制御基板90からの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板114には演出制御基板90および表示制御部350のうち一方からの表示制御信号を表示器54へ出力して表示器54に演出制御基板90または表示制御部350からの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141が搭載されている。
なお、本実施の形態では、P台1の前面に設けられるCU2から伸びた表示器54をCU2側で制御できるように構成されているが、これに代えて、P台1側に表示器54を設けCU2側から表示制御できるように構成しても、P台1側に表示器54を設けP台1側で表示制御できるようにP台1側に表示制御用基板を設ける構成でもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
RAMクリアスイッチ293は、P台1のRAMに記憶している遊技台情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<パチンコ玉の循環経路>
ここでは、図1および図3を参照して、P台1におけるパチンコ玉の循環経路を概説する。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射モータ118が駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個のパチンコ玉が打球ハンマーにより弾発されてそのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
遊技玉の発射検出は、玉上げスイッチ(上)141がオンからオフに変化したことにより検出される。この検出は、払出制御部171が設けられている払出制御基板117(図3参照)でのポート入力により検知され、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
遊技領域27に打込まれた玉のうち、アウト口34(図1参照)に進入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチ701によって検出される。ファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチ33Aによって検出される。
貯留口に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉およびファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には発射玉検出スイッチ903が設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが発射玉検出スイッチ903によって検出される。つまり、発射玉検出スイッチ903は、弾発されたパチンコ玉のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射モータ118により弾発されたパチンコ玉の弾発数とが等しくなったときに、打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、発射玉検出スイッチ903の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた玉の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘等の間に引っ掛かって落下していないような浮遊玉が存在していないかどうかを判断できる。
<カードユニットおよびパチスロ遊技機に発生した異常の通知処理>
図5は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。図5を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板40において異常が発生した場合には、図5の矢印で示す方向に対して通知が行われる。ここで言う異常には、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板40を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態などが含まれる。図5に示される鍵管理サーバ800は、CU2内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800は、主制御基板40と互いに通信可能なサーバである。
まず、CU2のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行われる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325bを製造する段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU2が遊技場に搬入された後、ホールサーバ801に接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800からホールサーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU2の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行う制御を表示制御部350に行わせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行う。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU2のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。なお、セキュリティ基板325は、パラレルインタフェイス回路であるPIF回路326を介してパラレル信号で払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板40へ通知する。主制御基板40は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行うとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときにはその旨をPIF回路326を介して払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、その旨をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行われず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行えず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行うのである。なお、PIF回路326を介してセキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板40へ通知する。主制御基板40はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行う。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行うとともにホールサーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板40が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行う。
払出制御基板117は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板40へ通知する一方、主制御基板40に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板117も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行っても異常報知用の制御が行われないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行う。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板117とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板117とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板117とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<カードユニット側とパチスロ遊技機側との送受信態様>
次に、図6は、CU2側とP台1側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図6を参照して、CU2側とP台1側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台1側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU2側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行っているが、その遊技玉数はP台1側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残額(残額)は、CU2側において管理・記憶している。
図6では、CU2側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台1側の払出制御基板117に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台1とCU2とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台1側の払出制御基板117は、主制御基板40からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU2側に送信するとともに、払出制御基板117自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU2側へ送信する。
CU2側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU2側とP台1側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU2側からP台1側へ送信され、P台1側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU2側で識別された接続時刻の3つの情報がCU2側とP台1側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台1側からCU2側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU2側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台1が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU2側とP台1側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU2側からP台1側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台1側において記憶することとなる。
CUおよびP台の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CUおよびP台の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番」、「加算通番」および「計数通番」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、CU2側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。P台1側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はCU2がP台1に対して遊技玉の加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台1がCU2に対して遊技玉の計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はCU2のみが有する。CU2は、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はCU2のみが有する。CU2は、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番をP台1へ送信する。P台1は、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権はP台1のみが有する。P台1は、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をCU2へ送信する。CU2は、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、CU2が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、P台1およびCU2のそれぞれが、またはP台1が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
P台1側からCU2側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台1側の払出制御部171(図3参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台1側からCU2側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技玉数カウンタに加えて、遊技玉数も最新遊技台情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数」と「バック玉数」と「変換玉数」との和である。なお、賞球玉とは、入賞役の発生により付与された玉数の和である。入賞役の発生により付与される玉数は、前述したとおり、遊技玉数に加算される玉数、つまり遊技玉数として払出される玉数であるから、払出玉数ともいう。払出玉数は、図13に示されるように、入賞役の種類および遊技状態などに応じて定められている。バック玉とはファール玉のことである。変換玉数とは、遊技玉変換スイッチ10が操作されて貯留玉が遊技玉に変換された玉数のことである。本実施の形態では、貯留玉が遊技玉に変換される際には等価で変換される。たとえば、貯留玉1玉は、遊技玉1玉に変換される。以上より、加算玉とは、遊技玉に加算すべき玉数といえる。
減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)141のオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。「発射玉」は、遊技機が発射した玉であり、バック玉がある場合はバック玉を減算した玉数が発射玉数となる。「バック玉」は、発射玉が盤面上に跳出せずに戻ってきた玉である。「アウト口通過玉」は、アウト口34を通過した玉であり、アウト玉とセーフ玉の合計玉数がアウト口通過玉数を意味する。
たとえば、主制御基板40から入賞役の発生を示す発生入賞役情報が払出制御基板117へ送信されてきたときに、その発生入賞役情報および既に受信済の入賞関連情報に基づいて、発生入賞役情報から特定される入賞役が図13に示す小役であるときには、当該入賞役の発生に伴い遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台1側からCU2側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)141のオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台1側からCU2側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台1側からCU2側へ送信する。
P台1側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU2側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU2側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台1側からCU2側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技台情報に、直前に送信した遊技玉数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、払出制御基板117は、入賞役の発生(発生入賞役情報から特定)、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU2側に送信する。
CU2側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台1側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台1側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台1から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU2は、P台1より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU2は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台1側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU2は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU2は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行う。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行われ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行われるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行われる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU2側で記憶している遊技玉数をP台1側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU2側で管理している遊技玉数と、P台1側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU2側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台1側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行えるようにしている(CU2側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台1側で記憶している遊技玉数がCU2側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU2側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU2と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU2側で記憶している遊技玉数とP台1側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行うものとしてもよい。
図6に示すように、CU2は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残額を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図3参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU2に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図3参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU2に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図3参照)は、カード残額の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてカード残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行った場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU2側からP台1側へ送信される。P台1側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式パチスロ遊技機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行う操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台1側からCU2側へ送信される。CU2側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
また、図6に示した例のみならず、P台1側では、貯留玉をカウントする貯留玉数カウンタが設けられている。貯留玉数カウンタは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶更新される。貯留玉数カウンタは、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が貯留口31a〜31cのいずれかに入賞する毎に1加算され、遊技玉変換スイッチ10が操作されて設定済の賭数が貯留玉に変換されたときに、設定済の賭数分の玉数が加算される。具体的に、設定済の賭数が1であるときに変換されたときには、貯留玉数カウンタの値が2加算され、設定済の賭数が3であるときに変換されたときには、貯留玉数カウンタの値が6加算される。
これに対し、貯留玉数カウンタは、MAXBETスイッチ6への操作などにより賭数が設定されたときに設定された賭数分の玉数が減算され、設定済の賭数が存在していないときに遊技玉変換スイッチ10が操作されて貯留玉が遊技玉に変換されたときに変換された変換玉数分が減算される。具体的に、貯留玉数が6未満の場合にMAXBETスイッチ6が操作されたときには、貯留玉数以下であって賭数を設定するために必要となる玉数(2)の倍数が減算される。貯留玉数が4の場合にMAXBETスイッチ6が操作されたときには、貯留玉数カウンタの値が4減算され、貯留玉数が5の場合にMAXBETスイッチ6が操作されたときにも、貯留玉数カウンタの値が4減算される。一方、貯留玉数が規定数の賭数を設定することが可能となる6以上の場合にMAXBETスイッチ6が操作されたときには、貯留玉数カウンタの値が6減算される。
貯留玉が遊技玉に変換されるときには、遊技玉が加算されることになるため、前述した加算玉数カウンタが更新されるとともに、遊技玉数カウンタが更新される。具体的に、設定済の賭数が存在していないときで貯留玉数が50存在する場合に、遊技玉変換スイッチ10が操作されたときには、貯留玉数カウンタの値が50減算される。この場合、遊技玉数カウンタの値が50加算される。これにより、貯留玉から遊技玉への変換分をも考慮して、P台1側およびCU2側各々で管理記憶する遊技玉数の一致判定を行うことができる。
前述したように、CU2およびP台1各々において遊技玉数を管理し、両者の値が整合するか否かを判定する例について説明したが、同様に、貯留玉数について、CU2およびP台1各々において管理し、両者の値が整合するか否かを判定するように構成されている。たとえば、P台1側において、貯留玉数カウンタとは別に、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が貯留口31a〜31cのいずれかに入賞した玉数、および、遊技玉変換スイッチ10が操作されて設定済の賭数が貯留玉に変換されたときに変換玉数とをカウントする貯留玉加算カウンタと、MAXBETスイッチ6への操作などにより賭数が設定されたときに設定された賭数、および、設定済の賭数が存在していないときに遊技玉変換スイッチ10が操作されて貯留玉が遊技玉に変換されたときに変換された変換玉数とをカウントする貯留玉減算カウンタとを設ける。その上で、P台1は、貯留玉加算カウンタの値および貯留玉減算カウンタの値のいずれかが変化したときに、貯留玉加算カウンタの値と、貯留玉減算カウンタの値とをCU2側へ送信する。また、P台1は、後述する図10〜図12に示す処理などにより貯留玉数カウンタを更新し、貯留玉数カウンタの値が変化したときに、当該貯留玉数カウンタの値をCU2側へ送信する。
一方、CU2は、P台1からの貯留玉加算カウンタの値と、貯留玉減算カウンタの値とに基づいて、P台1において記憶されているであろう貯留玉数を算出して記憶・更新する。また、CU2は、P台1側から貯留玉数カウンタの値も受信している。CU2は、貯留玉加算カウンタの値および貯留玉減算カウンタの値と同じタイミングでP台側から送信されてきた貯留玉数カウンタの値と、、貯留玉加算カウンタの値および貯留玉減算カウンタの値に基づき記憶・更新された貯留玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行う。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行われ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行われるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行われる。なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU2側で記憶している貯留玉数をP台1側から送信されてきた貯留玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU2側で管理している貯留玉数と、P台1側で記憶している貯留玉数との平均値に補正してもよい。また、遊技玉数あるいは貯留玉数のエラーが発生したときに、CU2は、その旨を特定可能な信号をP台1へ出力し、当該信号を受信したP台1は、所定のエラー報知(たとえば、エラーコード表示、エラー音発生など)を行うようにしてもよい。
このように、本実施の形態では、CU2側にも貯留玉数を記憶させているが、その貯留玉数がP台1側で管理記憶している貯留玉数と整合するか否かの判定を行えるようにしている(CU2側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台1側で記憶している貯留玉数がCU2側で記憶している貯留玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU2側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU2と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU2側で記憶している貯留玉数とP台1側で記憶している貯留玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行うものとしてもよい。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU2とP台1との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行わない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
<P台における遊技の流れ>
図7は、P台1における遊技の流れを説明するための概略図である。P台1における遊技は、弾球遊技と、回胴遊技とに大別される。図7(a)〜図7(c)で示すステップ1では、弾球遊技に相当する遊技を説明し、図7(d)〜図7(m)で示すステップ2では、回胴遊技に相当する遊技を説明する。
図7(a)は、遊技玉数表示器29の表示状態の一例を示している。遊技玉数が「125」であることが示されている。遊技玉は、前述したように「賞球玉数」「バック玉数」「変換玉数」「(CU側からの)加算玉数」などに基づいて加算され、「発射玉数」「計数玉数」などに基づいて減算される。図7(a)では、たとえば、玉貸ボタン321が操作されて「125」玉が遊技玉に加算されたときの表示状態を示している。
P台1では、遊技玉が存在する状態で打球操作ハンドル25を操作することで、パチンコ玉を遊技領域27に発射することが可能である。図7(b)は、遊技玉を用いてパチンコ玉を遊技領域27に発射している様子が示されている。発射されたパチンコ玉が玉上げスイッチ(上)141により検出される毎に遊技玉数が1ずつ減算される。なお、発射されたパチンコ玉がファール玉検出スイッチ33Aにより検出されると遊技玉数が1加算される。
また、遊技領域27に発射されたパチンコ玉は、貯留口31a〜31cに入賞するか、アウト口34に回収される。貯留口31a〜31cのいずれかに入賞する毎に、貯留玉が加算される。図7(c)は、貯留玉数表示器11の表示状態の一例を示している。貯留玉数が「1」であることが示されている。貯留玉数が所定数以上となることにより回胴遊技が可能となる。本実施の形態では、賭数を「1」設定するために貯留玉数が「2」必要であり、回胴遊技を1回(1ゲーム)行うために賭数を「3」設定する必要があるため、貯留玉数が合計「6」必要となる。つまり、1ゲーム相当分の貯留玉数は「6」となる。
貯留玉数が存在する場合に、MAXBETスイッチ6が操作されると(図7(f))、賭数が設定される。貯留玉数が1ゲーム相当分に満たない場合には、当該貯留玉数により設定可能な賭数が設定される。一方、1ゲーム相当分の貯留玉数が存在する場合には、当該1ゲーム相当分の貯留玉数を用いて賭数として規定数の「3」が設定される。
規定数の賭数が設定されている状態で、スタートスイッチ7が操作されると(図7(g))、リール2L〜2Rが回転して回胴遊技が開始される。回胴遊技においては、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかが操作されると(図7(i))、対応するリールの回転が停止する。図7(j)では、ストップスイッチ8Lが操作されることにより、対応するリール2Lの回転が停止した状態を示している。ストップスイッチ8L〜8Rが操作されてリール2L〜2Rすべての回転が停止すると、1ゲームの表示結果が導出される。
図7(k)では、入賞ラインLN上にベル入賞を発生させる「ベル」の3つ揃いが表示結果として導出された状態が示されている。ベル入賞が発生すると、後述するように、40玉が遊技者に付与される。つまり、遊技玉数が「40」加算される。図7(m)は、「40」玉が遊技玉に加算されたときの表示状態を示している。以降も同様に、貯留玉数を用いて、図7(f)〜(j)の操作を繰り返すことで回胴遊技を行うことができる。
本実施の形態におけるP台1では、パチンコ玉を1分間に100玉発射可能である。また、釘の状態により変動し得るが、打込まれたパチンコ玉のうち平均して約87%のパチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞し得る。このため、1分間に約「87」が貯留玉に加算され得る。また、1ゲームを行うための賭数の規定数が「6」である。よって、パチンコ玉を連続して発射して弾球遊技を行うとともに、回胴遊技のための操作を早くしたとしても、回胴遊技の実行回数を1分間に87÷6=14.5回までに制限できる。さらに、釘の状態により貯留口への入賞率が変更されて、たとえば90%以上入賞するように調整されていたとしても、回胴遊技の間隔がウエイトによって、回胴遊技の実行回数が規制されている。すなわち、前回の回胴遊技が開始されてから4.1秒経過していなければ、回胴遊技のための操作を早くしたとしても、次の回胴遊技が開始されないように、ウエイトによって規制されている。このため、回胴遊技の最大実行回数を1分間に60÷4.1≒14.6回までに制限できる。これにより、単位時間当たりに実行され得る回胴遊技の回数を制限でき、射幸性が高まりすぎてしまうことを抑制することができる。
<P台における主な制御内容>
次に、本実施の形態におけるP台1のメイン制御部41が実行する各種制御内容の一例について、図8〜図12に基づいて以下に説明する。
<起動処理>
まず、起動処理について説明する。図8は、起動処理の制御内容を示すフローチャートである。メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図8に示す起動処理(メイン)を行う。また、ユーザリセット信号が入力された場合には、起動処理(メイン)のSa2のステップから処理を開始する。すなわち電源投入に伴なう起動の場合のみセキュリティチェック処理を行うセキュリティモードから開始する一方、ウォッチドッグタイマのタイムアップによる起動の場合には、セキュリティチェック処理を省略してメイン制御部41のROMに記憶されたユーザプログラムを実行するユーザモードから開始されることになる。
システムリセット信号の入力に伴なう起動処理(メイン)では、セキュリティチェック処理を実行する(Sa1)。このとき、メイン制御部41は、セキュリティモードとなり、ゲーム制御用のユーザプログラムは未だ実行されない状態となる。
Sa1におけるセキュリティチェック処理の終了後、メイン制御部41の動作状態がセキュリティモードからユーザモードへと移行し、メイン制御部41のROMに記憶されたユーザプログラムの実行が開始されることになる。なお、前述のようにユーザリセット信号の入力に伴なう起動時には、セキュリティモードを経ずにユーザモードから開始することとなる。
ユーザモードではまず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ、スイッチ類の検出状態、外部出力信号の出力状態などを初期化した後(Sa2)、IレジスタおよびIYレジスタの値を初期化する(Sa3)。IレジスタおよびIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、メイン制御部41のRAMの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、メイン制御部41のRAMへのアクセスを許可し(Sa4)、メイン制御部41のRAMの全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算する(Sa5)。次いで、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36bの状態を取得し、メイン制御部41の特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定した後(Sa6)、停電が検知された旨を示す電断フラグをクリアする(Sa7)。
次いで、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、メイン制御部41のRAMに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、使用中スタック領域、非初期化領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa22)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa23)、設定キースイッチ37がonであれば、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。
Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa24)、割込を許可して(Sa25)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
Sa8のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、さらに破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa9)。正常に電断処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、メイン制御部41のRAMのデータが正常ではないので、Sa22のステップに移行して初期化1を実行し、その後、Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がonであれば、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理に移行する。また、Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードの設定(Sa24)、割込を許可して(Sa25)、エラー処理に移行する。
Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、メイン制御部41のRAMのデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa10)、メイン制御部41のRAMの非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa11)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa12)、設定キースイッチ37がonであれば、Sa20のステップに移行して初期化1を実行し、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理に移行する。
Sa12のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa13)、Sa17のステップに進み、タイマ割込を許可し、その後、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
<タイマ割込処理>
次に、メイン制御部41が定期的(約0.56ms)にゲーム処理などに割り込んで実行するタイマ割込処理について説明する。図9は、タイマ割込処理の制御内容を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、メイン制御部41は、図9に示すタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否かを検出する電源断検出処理を実行する(Sb1)。次いで、スイッチ検出回路44を介して、貯留口スイッチ30a〜30cを含む各種の検出手段からの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(Sb2)。
次に、メイン制御部41は、貯留口スイッチ30a〜30cの検出状態に応じた処理を実行する貯留口スイッチ通過処理を実行する。また、メイン制御部41は、サブ制御部91にコマンドを送出するための処理を行う(Sb4)。さらに、メイン制御部41は、たとえばホール管理用コンピュータへ、遊技の進行に応じて更新される遊技履歴情報を出力する情報出力処理を行う(Sb5)。その後、割込許可状態に設定し(Sb6)、処理を終了する。
<貯留口スイッチ通過処理>
次に、貯留口スイッチ通過処理について説明する。図10は、貯留口スイッチ通過処理の制御内容を示すフローチャートである。貯留口スイッチ通過処理では、まず、貯留口スイッチ30a〜30cのいずれかによりパチンコ玉が検出されたか否かが判定される。貯留口スイッチ30a〜30cのいずれもパチンコ玉を検出していないときには、貯留口スイッチ通過処理を終了する。一方、貯留口スイッチ30a〜30cのいずれかによりパチンコ玉が検出されていると判定されたときには、Sb12において現在の貯留玉数が予め定められた上限数であるか否かが判定される。上限数は、たとえば、1玉4円玉貸の場合において1000円で玉貸可能となるパチンコ玉数(250)が定められている。なお、上限数は、玉貸のレートに応じて変動する数値であってもよい。たとえば、1玉1円玉貸の場合、1000円で玉貸可能となるパチンコ玉数(1000)が設定されるようにしてもよい。
貯留玉数が上限数に到達していないと判定されたときには、Sb14において、貯留玉数カウンタを1加算し、Sb15において貯留玉数が1ゲーム分増加したか否かが判定される。1ゲーム分の貯留玉数とは、規定数の賭数を設定するための玉数であって、本実施の形態においては、2玉×3=6である。
貯留玉数表示器11に表示される貯留玉数は、貯留玉数カウンタの値に基づいて更新表示される。また、メイン制御部41は、貯留玉数を特定可能な貯留玉数コマンドをサブ制御部91へ送信し、サブ制御部91は、貯留玉数コマンドに基づいて、所定の演出を実行するようにしてもよい。たとえば、貯留玉が加算される毎に、演出効果LED52を所定態様で点灯させてもよく、スピーカ53a、53bから所定音を発生させるようにしてもよい。また、貯留玉数が加算される毎に、1ゲーム分の貯留玉数までに必要な必要玉数を液晶表示器51の所定領域で報知するようにしてもよい。たとえば、貯留玉数が1のときには、必要玉数として「5」を表示し、貯留玉数が6になると必要玉数として「0」を表示し、貯留玉数が7になると必要玉数として「5」を表示するようにしてもよい。
Sb15において貯留玉数が1ゲーム分増加していないと判定されたときには、そのまま貯留口スイッチ通過処理を終了する。一方、貯留玉数が1ゲーム分増加したと判定されたときには、Sb16において1回の回動遊技を行うことが許容された旨を示す許容ゲームコマンドを送信するための処理を行い貯留口スイッチ通過処理を終了する。許容ゲームコマンドを送信する毎に、サブ制御部91は、所定の演出を実行する。サブ制御部91は、回胴遊技を行うことができる回数を特定可能な保留数を液晶表示器51に表示し、許容ゲームコマンドを受信する毎に保留数を加算し、回胴遊技が開始される毎に保留数を減算するようにしてもよい。保留数が表示されることにより、回胴遊技が開始可能であることを遊技者に報知することができる。
Sb12において貯留玉数が上限数に到達していると判定されたときには、Sb13において上限数に到達している旨を示す上限報知演出を実行し、貯留口スイッチ通過処理を終了する。上限報知演出とは、上限数に到達している旨を示す演出であって、具体的には、発射要求LED17を消灯する演出が行われる。また、サブ制御部91は、貯留玉数コマンドに基づいて上限数に到達していると判定したときには、上限数に到達している旨を報知する演出を実行するようにしてもよい。たとえば、液晶表示器51において、「上限数に到達していますよ!」といったメッセージを表示するようにしてもよい。
以上のように、遊技領域27へパチンコ玉を発射して弾球遊技を行って、発射したパチンコ玉が貯留口31a〜31cへ入賞することにより、回胴遊技を行うための価値として貯留玉が付与される。
<ゲーム処理>
次に、ゲーム処理について説明する。図11(a)は、ゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。メイン制御部41は、ゲーム処理を行って1回の回胴遊技におけるゲームを制御する。ゲーム処理では、BET処理(Sc1)、内部抽選処理(Sc2)、リール回転処理(Sc3)、入賞判定処理(Sc4)、払出処理(Sc5)、ゲーム終了時処理(Sc6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。なお、ゲーム処理が行われているときであっても、弾球遊技が実行可能であって、貯留口31a〜31cのいずれかにパチンコ玉が入賞することにより、貯留口スイッチ通過処理により貯留玉が加算される。よって、回胴遊技と弾球遊技とを並行して行うことができる。
Sc1におけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数(たとえば3)の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で回胴遊技のゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられた貯留玉数分の玉IN信号を遊技機外部へ出力する。
Sc2における内部抽選処理では、Sc1におけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて各入賞役の発生を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAMに当選フラグが設定される。なお、内部抽選に用いる乱数値は、当該内部抽選を行う契機となった貯留玉のうち、最後の貯留玉が加算されたときにラッチした乱数値であってもよく、貯留玉が加算される毎にラッチした乱数値のうちから別個の乱数抽選により決定された乱数値などであってもよい。
内部抽選において後述する各抽選対象役に当選する確率は、複数の設定値(1〜6)のうち、設定されている設定値により異なるように定められている。設定値は、設定変更状態において設定可能となる値である。なお、設定された設定値は、BET処理中において設定キースイッチを操作することにより確認可能となるように構成されている。
Sc3におけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。なお、リール2L〜2Rの回転が開始してから所定期間(たとえば、1分)経過しても未だいずれかのリールの回転が継続しているときには、当該回転しているリールを停止させるようにしてもよい。
Sc4における入賞判定処理では、Sc3において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。具体的には、入賞ラインLN上に入賞を発生させる図柄の組合せが停止されているか否かが判定される。入賞判定処理において、入賞役のうちリプレイ(図14に示す入賞役)に入賞したと判定されたときには、リプレイフラグを設定し、入賞役のうち小役(図13に示す入賞役)に入賞したと判定されたときには、当該小役に対応する小役フラグを設定する。
Sc5における払出処理では、Sc4において入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じて定められている払出玉数を遊技玉数に加算するための処理を行う。具体的には、小役フラグに基づく発生入賞役情報を払出制御基板117へ送信する処理を行う。これにより、前述した、加算玉数カウンタの値、および、遊技玉数カウンタの値が、払出玉数分加算されることになる。また、払出処理では、遊技者に対して付与された払出玉数分の玉OUT信号を遊技機外部に出力する。なお、玉OUT信号の技機外部への出力は、払出制御基板117において実際に加算玉数カウンタの値、および、遊技玉数カウンタの値が加算されたときに、払出制御基板117が実行するようにしてもよい。
Sc6におけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。これにより、回胴遊技の1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム処理が開始する。また、1回の回胴遊技を行うことができる貯留玉数が残っている場合には、開始操作をすることで、連続して次の回胴遊技を行うことができる。
<BET処理>
次にBET処理について説明する。図12は、BET処理の制御内容を示すフローチャートである。Sd1においては、前回ゲームにおいてリプレイ入賞し、今回のゲームがリプレイゲームであるか否かが判定される。リプレイゲームであるか否かは、リプレイフラグが設定されているか否かにより判定される。判定された後にリプレイフラグはクリアされる。リプレイゲームであると判定されたときには、Sd2において賭数を示すBETカウンタの値に前回回胴遊技で設定されていた賭数(3)が設定される。
Sd3においては、規定数の賭数が設定された旨を示すBETコマンドを送信するための設定を行い、Sd4においては、スタートスイッチ7が操作されたか否かが判定される。Sd4においてスタートスイッチ7が操作されたと判定されたときには、BET処理を終了する。一方、Sd1においてリプレイゲームでないと判定されたときには、Sd5においてBETカウンタの値が規定数であるか否かが判定される。つまり、1回の回動遊技を行うための賭数が設定されているか否かが判定される。
Sd5においてBETカウンタの値が規定数でないと判定されたときには、Sd7において賭数設定のための操作がされたか否かが判定される。賭数設定のための操作とは、たとえばMAXBETスイッチ6が操作されることである。Sd7において賭数設定のための操作がされたと判定されたときには、Sd8において現在の貯留玉数と賭数設定のための操作に応じて賭数を設定することが可能な値分BETカウンタの値を加算する。たとえば、貯留玉数が6以上存在する場合にMAXBETスイッチ6が操作されたときには、賭数として「3」が設定されるため、BETカウンタの値に「3」が設定される。一方、貯留玉数が「6」未満であるときにMAXBETスイッチ7が操作されたときには、当該貯留玉数÷2から算出される値がBETカウンタの値に加算される。
Sd9においては、Sd8において加算された値を示すBETコマンドを送信するための設定を行う。Sd10においてはSd8において加算されたBETカウンタの値相当の貯留玉数を減算しSd5へ移行する。
一方、Sd7において賭数設定操作がされていないと判定されたときには、Sd15において遊技玉変換スイッチ10が操作されたか否かが判定される。遊技玉変換スイッチ10が操作されていないと判定されたときにはSd5へ移行される。一方、遊技玉変換スイッチ10が操作されたと判定されたときには、遊技玉変換処理を行いSd5へ移行する。
ここで、遊技玉変換処理について説明する。遊技玉変換処理では、遊技玉変換スイッチ10への操作に応じて賭数を貯留玉へ変換する処理、および、貯留玉を遊技玉に変換するための処理を行う。具体的には、賭数が設定されているときに遊技玉変換スイッチ10が操作されたときには、当該賭数分の玉数を貯留玉数カウンタに加算し賭数をクリアする処理が行われる。これに対し、賭数が設定されていないときに遊技玉変換スイッチ10が操作されたときには、貯留玉数カウンタの値が遊技玉数に加算され、貯留玉数カウンタの値をクリアする処理が行われる。
Sd5に戻り、BETカウンタの値が規定数であると判定されたときには、Sd6においてスタートスイッチ7が操作されたか否かが判定される。Sd6においてスタートスイッチが操作されていないと判定されたときにはSd15へ移行される。一方、Sd6においてスタートスイッチ7が操作されたと判定されたときには、BET処理を終了する。BET処理が終了した後は、図11(a)のSc2における内部抽選処理が行われる。
ここで、図11(b)を参照して、回胴遊技における払出関連について説明する。本実施の形態におけるP台1は、賭数が設定されておらず貯留玉が存在する場合において精算操作を受付ける遊技玉変換スイッチ10が操作(貯留玉の精算)されたときや、入賞することにより所定数の玉数を払出す小役に入賞したときは、図11(b)に示すように、遊技玉数に加算される。具体的には、遊技玉数カウンタの値が加算される。これにより、払出先を一元化でき、遊技者にとってわかりやすいものとすることができる。
なお、払出先は、パターン1のものに限らず、図11(b)のパターン2〜4のいずれかであってもよい。パターン2は、貯留玉の精算による払出先は遊技玉であるが、小役入賞による払出先は貯留玉に設定されているパターンである。この場合は、小役入賞により払出された玉を遊技領域27へ発射することなく、そのまま回胴遊技に用いることができる。パターン3および4は、いずれも貯留玉の精算が不可能に設定されており、小役の払出先がパターン3では遊技玉に、パターン4では貯留玉に設定されているパターンである。この場合、一旦貯留玉となった玉については必ず回胴遊技に用いるような遊技性にすることができる。
<異常処理>
次に異常処理について説明する。P台1は、前述したとおり、パチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞することにより加算される貯留玉数を6消費することにより、1回の回胴遊技を行うことができる。このため、回胴遊技の実行回数(リプレイゲームは除く)は、パチンコ玉が遊技領域27に発射された個数や、パチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞した回数よりも少なくなる。しかし、不正に貯留玉数を増加させる行為や不正に回胴遊技を開始させる行為などが行われた場合には、回胴遊技の実行回数が、パチンコ玉が遊技領域27に発射された個数や、パチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞した回数よりも多くなることが想定される。
よって、P台1のメイン制御部41は、パチンコ玉が遊技領域27に発射された発射数、パチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞した貯留口入賞数、および、回胴遊技が行われた回胴遊技回数を各々計数し、回胴遊技回数が発射数および貯留口入賞数のいずれか一方よりも多いか否かを判定し、多いと判定したときに異常報知を行う異常処理を実行する。
発射数は、玉上げスイッチ(上)141がパチンコ玉を検出した回数から、ファール玉検出スイッチ33Aがパチンコ玉を検出した回数を減算することにより算出される。また、貯留口入賞数は、貯留口31a〜31cのいずれかがパチンコ玉を検出した合計回数である。回胴遊技回数は、図12のSd6(Sd4は除く)においてスタートスイッチ7が操作されたと判定した回数である。
また、異常報知は、液晶表示器51に「エラー発生!」といったメッセージを表示するとともに、演出効果LED52およびスピーカ53a、53bを異常時の態様で制御する。また、異常報知として、ホール用管理コンピュータ等に異常が発生している旨を特定可能な情報を出力し、遊技機外部において異常を報知する。なお、異常処理において異常報知を行うときには、所定操作(たとえば、設定変更操作)がされるまで、弾球遊技のための処理、および、ゲーム処理の進行を停止(不能動化)するようにしてもよい。
また、P台1における貯留口入賞数は、発射数以下となる。しかし、不正に貯留口31a〜31cから検出信号を出力させる行為などが行われた場合には、貯留口入賞数が、発射数よりも多くなることが想定される。このため、異常処理では、さらに、貯留口入賞数が発射数よりも多いか否かを判定し、多いと判定したときに異常報知を行う異常処理を実行する。
なお、前述した異常処理や、発射数、貯留口入賞数、および、回胴遊技回数の計数は、メイン制御部41が実行するものに限らず、サブ制御部91が実行するようにしてもよく、また、払出制御部171が実行するようにしてもよく、任意の2以上の制御部により実行するものであってよい。
なお、本実施の形態では、P台1において異常処理を行う例について説明したが、これに限らず、遊技玉数や貯留玉数の整合判定と同様に、CU2により異常処理を行うようにしてもよい。たとえば、P台1は、発射数、貯留口入賞数、および、回胴遊技回数を記憶・更新し、いずれかの値が変化したときに、発射数、貯留口入賞数、および、回胴遊技回数を特定するための値をCU2へ出力する。CU2では、発射数、貯留口入賞数、および、回胴遊技回数を特定するための値を受信する毎に、回胴遊技回数が発射数および貯留口入賞数のいずれか一方よりも多いか否かの判定、および、貯留口入賞数が発射数よりも多いか否かの判定を行う。この判定により、異常が発生していなければ遊技の続行を許容するが、異常が発生してると判定したときには、エラー状態に移行する制御を行う。その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行われ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行われるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行われる。また、異常が発生していると判定されたときに、CU2は、その旨を特定可能な信号をP台1へ出力し、当該信号を受信したP台1は、所定のエラー報知(たとえば、エラーコード表示、エラー音発生など)を行うようにしてもよい。なお、ここでは、CU2側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU2と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、異常が発生していないか否かの判定を行うものとしてもよい。
<回胴遊技に関する技術事項>
次に、回胴遊技に関する技術事項の一例について説明する。図13および図14は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出玉数欄には、入賞時に付与される価値(遊技玉数払出、再遊技付与)を示している。図13に示す入賞役が発生したときには、払出玉数分が遊技玉数に加算されることになる。また、図14の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。例えば、図14の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。再遊技付与とは、遊技玉数や貯留玉数を付与するものではなく、遊技玉数や貯留玉数が用いられることなく次のゲームを行うことが可能な賭数が設定されることをいう。図11(a)のSc4における入賞判定処理では、図13および図14に示される図柄の組合せが入賞ラインLN上に停止しているか否かに基づいて、対応する入賞が発生しているか否かが判定される。
図15は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図16は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図17は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。本実施形態におけるP台1は、リプレイが所定の当選確率(図17の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜3のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかのRTに制御される(図16の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図17の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図17の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。図11(a)のSc5における払出処理では、入賞ラインLN上に、図16および図17に示される図柄組合せ(入賞役の出目、移行出目など)が停止されているか否かを判定し、停止されている図柄組合せに応じた遊技状態に移行するための制御が行われる。
図18および図19は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。図11(a)のSc2における内部抽選処理では、図18および図19に示される抽選対象役のうち、遊技状態に応じた抽選対象役についての発生を許容するか否かが決定される。
図20は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。例えば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
図21および図22は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せが入賞ラインLNに停止させるリール制御が行われる。例えば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、例えば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。図11(a)のSc3におけるリール回転処理では、図21および図22に示される抽選対象役(当選役ともいう)に当選しているときに、押し順に応じて、図21および図22に示されるように当該押し順に応じた図柄の組合せが入賞ラインLN上に停止するようにリール制御が行われる。
また、メイン制御部41は、各種処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、貯留玉数コマンド、許容ゲームコマンド、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
貯留玉数コマンドは、貯留玉数を特定可能なコマンドである。貯留玉数が変動したとき、つまり貯留口31a〜31cへパチンコ玉が入賞したとき、賭数設定されたとき、遊技玉変換されたときなどに送信される。許容ゲームコマンドは、弾球遊技において、1回の回胴遊技を行うために必要な貯留玉が加算されて、賭数を設定して回胴遊技を行うことが許容された旨を特定可能なコマンドである。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類、特別役の持ち越しの有無を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやATに制御されたときに送信される。
<回胴遊技におけるゲームの流れ>
ここで、図16および図17を再び参照し、回胴遊技におけるゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施形態では、メイン制御部41は、AT(アシストタイム)抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御する。メイン制御部41は、図18で示した抽選対象役のうち、「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」、「中段チェリー」(これらをAT抽選契機という)のいずれかに当選することによりAT抽選を行う。AT抽選では、ATに制御するか否か、およびATに制御する期間(ゲーム数など)を決定する。AT抽選では、AT抽選契機のうち「弱スイカ」「弱チェリー」に当選したときよりも、「強スイカ」、「強チェリー」、「中段チェリー」に当選したときの方が、ATに制御すると決定される割合が高く、ATに制御する期間として長い期間が決定される割合が高くなるように、つまり遊技者にとっての有利度合いが高くなるように抽選が行われる。なお、AT抽選で当選する平均的な割合は、1250玉を発射し、そのうちの87%である約1087玉が貯留口31a〜31cに入賞することにより実行可能となる回胴遊技181回で1回AT当選するような割合(1/181)に設定されている。このため1玉4円玉貸の場合、確率的には、5000円投資することで1回ATに制御されることになる。メイン制御部41によりATに制御されると、サブ制御部91は、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行する。
AT抽選は、たとえば、スタートスイッチ7操作の検出時にラッチされた乱数値のうち、AT抽選契機が成立したときに当該AT抽選契機を成立させたスタートスイッチ7操作の検出時の乱数値を用いて行われる。なお、AT抽選に用いる乱数値は、当該AT抽選を行う契機となった貯留玉のうち、最後の貯留玉が加算されたときにラッチした乱数値であってもよく、貯留玉が加算される毎にラッチした乱数値のうちから別個の乱数抽選により決定された乱数値などであってもよい。
RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施の形態におけるP台1では、RT0〜RT3において非AT中のときに、左第1停止させるように設計されている(左第1停止以外のときはペナルティが付与される)。このため、遊技者は、非AT中のときには、左第1停止するように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において中ベル1〜4または右ベル1〜4のうち何れかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(図22参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行する。昇格リプレイに入賞するためには、図21で示したように、リプレイGR1〜6の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。また、リプレイGR1〜6のうち、左第1停止した場合に昇格リプレイ入賞となるリプレイGR1、2には、図19で示したように、リプレイGR1〜6の何れかに当選した場合のうち1/15の確率でしか当選しない。
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図19および図21で示したように、RT0では、リプレイGR11〜13に当選する可能性があり、このときに、左第1停止すると2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT0で中ベル1〜4または右ベル1〜4のうち何れかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、図19および図21で示したように、RT0では、リプレイGR21〜23に当選する可能性があり、このときに、左第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、中ベル1〜4または右ベル1〜4のうち何れかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1〜6の何れかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11〜13の何れかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23の何れかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
このように、本実施の形態のP台1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。なお、ATは50ゲームが行われると終了する。ATのゲーム数はARTに制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTで50ゲームを行うとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように左第1停止される。一方、中ベル1〜4または右ベル1〜4のうち何れかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
このように、本実施形態では、ARTが有利状態、ART終了後のRT2が特定状態、RT3,RT1,RT0が通常状態となっている。
ここで、弾球遊技および回胴遊技を行うP台1により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態によれば、図7などで示したように、賭数設定およびスタートスイッチ7への操作に応じて回胴遊技による面白みを提供できるとともに、回胴遊技を行う前にパチンコ玉を遊技領域27へ発射して貯留口31a〜31cに入賞させる弾球遊技による面白みを付加することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態によれば、図1で示すように、貯留口31a〜31cはパチンコ玉の進入が視認可能となるように設けられているため、遊技領域27に発射したパチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞するか否かに対して遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態によれば、貯留玉を複数回の回胴遊技を実行可能な値まで記憶することができるため、貯留玉が存在するときにパチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞したとしても、さらに貯留玉を加算することができる。このため、パチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞する毎にパチンコ玉の発射を停止させるという手間を生じさせることがなく、それにより遊技の興趣が低下してしまうという不都合の発生を未然に防止できる。
(4) 前述した実施の形態によれば、1回の回胴遊技を行うためには、6個のパチンコ玉を貯留口31a〜31cに入賞させる必要があるため、回胴遊技の価値を高めることができるとともに、遊技領域27に発射したパチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞するか否かに対して遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態によれば、異常処理が実行されるため、回胴遊技回数が発射数および貯留口入賞数のいずれか一方よりも多い異常状態、および、貯留口入賞数が、発射数よりも多い異常状態を報知することができる。これにより、不正行為を防止できる。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図23を参照して、P台1とCU2との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。図23には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
<<1.リカバリ要求、2.リカバリ応答>>
まず、CU2からP台1に対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台1に対してリカバリ情報を要求するものである。このリカバリ要求に対応して、P台1からCU2に対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU2に対してリカバリ情報を通知するものである。
リカバリ要求のコマンドは、CU2が認証を完了した後にCU2からP台1に対して送信される。リカバリ要求のコマンドは、CU2からP台1に対してリカバリ情報を要求し、CU2が認証完了後、最初に同コマンドを送信する。リカバリ要求は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」および「前回最終送信計数通番」が含まれている。「通番」は、シーケンス番号(1〜255)である。「コマンド」は、リカバリ要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで示してある。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にP台1に対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの通番である。「前回最終送信通番」が“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信通番」は、P台1において状態情報応答を送信時に、CU2において状態情報応答受信時に「通番」をP台1、CU2側ともに前回最終送信通番(通番)として記憶する通番である。
「前回最終送信計数通番」は、前回接続時にP台1に対して最後に送信した状態情報要求のレスポンスの計数通番である。「前回最終送信計数通番」は、“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信計数通番」は、P台1において状態情報応答を送信時に、CU2に状態情報応答受信時に計数通番をP台1、CU2側ともに前回最終送信計数通番として記憶する通番である。
P台1のリカバリ処理(計数玉数)において、後述する計数履歴シーケンスでセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台1で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行い、一致している場合には以下の処理を行う。不一致の場合には、計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。
P台1はCU2より通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CU2が計数要求に対する計数処理を実施していなかった場合は計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてP台1で実行されるユーザプログラムに通知する。CU2が計数処理を実施済の場合はCU2に通知した計数要求玉数を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。なお、P台1が保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。また、セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」とP台1で保持している「店舗コード」とが不一致の場合、レジスタを介して店舗コード不一致をユーザプログラム側に通知する。なお、P台1は、CU2よりリカバリ要求のコマンドを受信した場合、レジスタを介してユーザプログラム側に通知する。
リカバリ応答のレスポンスは、CU2に対してP台1で保持しているリカバリ情報を応答するものである。リカバリ情報は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」、「前回最終送信加算通番」、「玉単価」、「遊技情報格納有無」、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」を含んでいる。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にCU2に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる通番のデータであり、“0”のときは保持している通番がない場合である。「前回挿入中カードID」は、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。P台1の払出制御部171は、CU2から送信される情報に基づいて挿入中であったカードIDを記憶保持している。
「前回カード挿入時刻」は、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にCU2に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる加算通番であり、“0”のときは当該加算通番がない場合である。「玉単価」は、P台1で遊技している1玉あたりの玉単価(0.01円〜99.99円)である。「遊技情報格納有無」は、遊技情報を格納していない場合“0x00”、遊技情報を格納している場合“0x01”である。
「前回遊技台情報」は、CU2に前回通知した遊技台情報であり、「遊技玉数」、「遊技玉情報」、「計数要求玉数」および「計数通番」の情報を含んでいる。「遊技玉数」は、CU2に前回通知した遊技玉数である。「遊技玉情報」は、前回通知した遊技玉情報である。遊技玉情報には、たとえばCU2に前回通知した発射玉数、アウト口通過玉数や総賞球玉数などの情報である。「計数要求玉数」は、計数要求する遊技玉数である。「計数通番」は、CU2に前回通知した計数通番である。
「前回遊技情報」は、CU2に前回通知した遊技情報であり、「遊技情報数」、「遊技情報1」〜「遊技情報n」の情報を含んでいる。「遊技情報数」は、CU2に前回通知した遊技情報の個数(0〜n)である。なお、n=0〜22で可変長である。「遊技情報1」は、CU2に前回通知した遊技情報1である。「遊技情報n」は、CU2に前回通知した遊技情報nである。遊技情報nには、たとえば、CU2に前回通知した種別情報や遊技賞球情報などが含まれる。
なお、「前回最終送信加算通番」は、CU2において状態情報要求を送信時、P台1において状態情報要求受信時に、CU2側、P台1ともに前回最終送信加算通番として記憶する通番である。
P台1のリカバリ処理(遊技情報)において、後述する計数履歴シーケンスでセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台1で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行い、「店舗コード」が不一致の場合には、リカバリデータを無しとして処理する。一致している場合には以下の処理を行う。
遊技情報のリカバリデータがある時は「遊技情報格納有無」を格納有:0x01にし、前回の「遊技玉数」、前回の「遊技玉情報」、前回の「計数要求玉数」、前回の「計数通番」、前回の「遊技情報数」および前回の「遊技情報1〜n」にP台1が保持しているリカバリデータをセットする。遊技情報のリカバリデータがない時または前回最終送信通番が0の時は「遊技情報格納有無」を格納無“0x00”にし、前回の「遊技玉情報」、前回の「計数要求玉数」、前回の「計数通番」および前回の「遊技情報数」をALL“0”をセットする。ただし、遊技玉数は前回通知した遊技玉数をセットする。なお、P台1が保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。
セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」と、P台1で保持している店舗コードと不一致と判定した場合、カード無しとして処理する。つまり、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」をALL“0”をセットする。
P台1は、状態情報要求応答時の通番を前回最終送信通番として記憶する。セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して不一致の場合は前回最終送信通番=0として通知する。セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して一致の場合は記憶している前回最終送信通番を通知する。
P台1は、状態情報応答の送信時に計数通番を前回最終送信計数通番として記憶する。SC325bから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して不一致の場合は前回最終送信計数通番=0として通知する。セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して一致の場合は記憶している前回最終送信計数通番を通知する。
また、CU2は、P台1より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、前回遊技台情報を使用してリカバリ処理を行う。なお、「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、CU2は、前回遊技台情報のみ使用してリカバリ処理を行う。ただし、計数玉数のリカバリは実施しない。
また、通信相手の不一致等(たとえばCU2またはP台1の交換等)でリカバリ処理が実施できない場合、P台1の表示情報を元にPOSで手補正することが考えられる。たとえば、P台1の表示情報は、可変表示装置278の液晶表示画面を利用して表示することが考えられる。あるいは、P台1に対して、払出制御部171が制御する表示器をさらに設けておき、その表示器に対して手補正のための情報を表示することも考えられる。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行うものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行うものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
<<3.リカバリ要求2、4.リカバリ応答2>>
CU2からP台1に対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台1に対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台1からCU2に対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU2に対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。
リカバリ要求2のコマンドは、P台1に対して加算リカバリ情報を通知するものであり、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信加算通番」および「加算玉数」のデータが含まれている。リカバリ要求2は、P台1において加算玉リカバリ処理を実施する必要有とCU2が判定したときに送信される。CU2は、P台1より受信したリカバリ応答に含まれる「前回最終送信加算通番」と自身で記憶している「前回最終送信加算通番」とを比較して一致している場合には加算玉リカバリ処理の必要無と判定し、不一致の場合には加算玉リカバリ処理の必要有と判定する。加算玉リカバリ処理の必要有と判定したときにはリカバリ要求2を送信する。
リカバリ要求2に含まれる「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にP台1に対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの加算通番のデータであり、「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数のデータである。
次に、P台1のリカバリ処理について詳しく説明する。P台1のリカバリ処理は、P台1がリカバリ要求2に基づいて、CU2より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行う処理である。
リカバリ応答2のレスポンスは、CU2に対してP台1で加算リカバリ情報の処理結果を通知するもので、「通番」、「コマンド」および「リカバリ結果」を含んでいる。「リカバリ結果」は、“0x00”の場合リカバリ結果の処理OK、“0x01”の場合リカバリ結果の処理NGである。なお、P台1が加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果として処理NGを応答する。
P台1のリカバリ処理(加算玉数)を行う場合、P台1はCU2より通知された「前回最終送信加算通番」の処理を実施していなかった場合、CU2に「リカバリ結果」として処理OKを応答し、CU2より通知された加算玉数を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。CU2から通知された加算玉数=0の場合、加算玉数=0を加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知してCU2に処理OKを応答する。ただし、後述する状態情報要求のCU状態が遊技玉加算要求中(Bit=1)の時に状態情報応答で遊技台状態1が遊技玉加算結果(Bit5=1)と応答した場合,CU2に「リカバリ結果」として処理NGを応答し、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。
CU2より通知された「前回最終送信加算通番」が、P台1のチップが保持している「前回最終送信加算通番」と同一の場合、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知し、CU2に「リカバリ結果」として処理NGを応答する。CU2より通知された「前回最終送信加算通番」=0の場合は、CU2から通知された加算玉数に関わらず加算玉数=0を加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知してCU2に処理OKを応答する。
また、リカバリ処理が完了するタイミング(たとえば、リカバリ完了フラグをセットするタイミング)で、リカバリ結果に係らず、CU2より通知された「前回最終送信加算通番」を、レジスタを介してユーザプログラムに通知する。なお、リカバリ要求2の受信がない場合は、P台1のチップが保持している「前回最終送信加算通番」を、リカバリ処理が完了するタイミングでユーザプログラムに通知する。
<<5.通信開始要求、6.通信開始応答>>
CU2からP台1に対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台1に対して通信開始を要求するものである。この通信開始要求に対応して、P台1からCU2に対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU2に対して通信開始を応答するものである。
通信開始要求のコマンドは、P台1に対して正常に通信開始したことを通知するものである。通信開始要求を受信したP台1は、それまで記憶していたリカバリ情報をクリアする。通信開始要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。なお、CU2は、通信開始要求後、計数通番を“0”(初期値)に、P台1も通信開始要求受信後、計数通番を“0”(初期値)にする。
通信開始応答のレスポンスは、CU2に対して、正常に通信開始したことを通知するものであり、CU2が、リカバリ情報をクリアする。通信開始応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。
<<7.通信終了要求、8.通信終了応答>>
CU2からP台1に対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台1に対して通信終了を要求するものである。この通信終了要求に対応して、P台1からCU2に対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU2に対して通信終了を応答するものである。通信終了要求のコマンドは、P台1に対して正常に通信終了したことを通知するものであり、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。
通信終了応答のレスポンスは、CU2に対して、正常に通信終了したことを通知するものであり、CU2およびP台1が、該通知以降、通信を停止し再起動待ちとする。通信終了応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。
<<9.状態情報要求>>
CU2からP台1に対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台1に対してCU2の状態を要求するものである。CU2はこのコマンドを使用して、P台1の状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図6に示したCU2側からP台1側へ向かう加算玉数が含まれている。
この状態情報要求の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「CU状態」、「加算玉数」、「加算通番」、「計数通番」、「玉単価」および「計数受領時刻」のデータが含まれている。
「CU状態」は、P台1に対して通知するCU2の状態を表わし、Bit0が“1”のときにカード挿入中を、“0”のときカード未挿入をそれぞれ示している。つまり、Bit0は、CU2にカード(一般カード/会員カード)が挿入されている状態を表わしている。また、CU2のカードストック部に予めストックされているストックカード(一般0円0玉カード)への入金により一般カード挿入中となる。
Bit1が“1”のときカードユニット開店中を、“0”のときカードユニット閉店中をそれぞれ示している。つまり、Bit1は、CU2の状態により、P台1に対してカードユニット開店状態を通知する。カードユニット開店中を通知するタイミングは、たとえば、開店完了時である。カードユニット閉店中を通知するタイミングは、たとえば、閉店時である。なお、P台1は同状態が開店中から閉店中に変化時、保持している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU2に通知する。
Bit2が“1”のときカード返却準備中を、“0”のときカード返却準備中以外をそれぞれ示している。CU2は、カード返却、簡易離席、および食事休憩のそれぞれの操作時に、このビットを立てることによって、P台1に対して「カード返却準備中」を一定時間(10秒)通知する。P台1は、計数ボタン28の操作が検出されたときに、このカード返却準備中のビットがオンの状態情報要求を受信していれば、計数ボタンを1回操作したか複数回操作したかに関わらず、あるいは操作継続時間に関わらず、記憶している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU2に通知する。
Bit3が“1”のとき遊技玉加算要求を、“0”のとき遊技玉加算要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit3は、玉貸、持玉払出、および貯玉払出の操作時に遊技玉の加算(加算玉数)を要求する。
Bit4が“1”のとき計数玉受領完了を、“0”は計数玉未受領をそれぞれ示している。Bit4は、計数玉受領時に受領完了したことをP台1に通知する。つまり、状態情報応答のレスポンス「計数玉数」の送達を確認するために用いている。P台1は、計数玉受領完了を受信したときに計数通番もP台1と同じ通番かをチェックし、通番が不一致の場合は遊技玉数を減算しないでCU2に通知する。
Bit5が“1”のときカード抜き取り待ち中を、“0”はカード抜き取り完了をそれぞれ示している。Bit5は、CU2からカード抜き取り待ちとなっている状態をP台1に通知する。なお、Bit6〜Bit7は未使用である。
「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数であり、CU状態のBit3が“1”のときにのみ加算玉数のデータが有効となる。「加算通番」は、加算用シーケンス番号(0〜255)であり、遊技玉加算要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時に受信した計数通番をそのまま通知する。ただし、計数通番の連続性が成立しない場合は計数受領を出さない。
「玉単価」は、P台1で遊技する遊技玉の1玉当りの玉単価(0.01円〜99.99円)である。CU2からP台1へ通知する玉単価は、たとえばP台1の払出制御基板117のRAMに記憶される。そして、P台1は、所定の条件が成立したときにRAMに記憶された玉単価を状態情報応答にてCU2に通知する。具体的には、通信不能な状態から復帰するためのリカバリ情報がCU2からP台1対して要求(リカバリ要求コマンドがCU2から送信)されたときに、P台1は、リカバリ応答のレスポンスに玉単価をセットしてCU2に送信する。すなわち、玉単価は、リカバリ応答時にCU2に通知する以外は外部に出力されない。P台1に記憶された玉単価は、リカバリ要求コマンドがCU2から送信された場合のリカバリ応答のレスポンスにセットされ、CU2に送信される。これにより、リカバリ前にP台1で遊技していた遊技玉の玉単価を正確に把握することができ、リカバリ後に遊技者に対して適正な遊技価値で遊技を再開して貰うことができる。また、P台1に記憶された玉単価をリカバリ応答時にCU2に通知する以外は外部に出力しないことで、不正に玉単価が変更されないようにセキュリティを確保している。さらに、P台1に記憶された玉単価は、P台1が遊技玉数を保持している場合、新たな玉単価に上書きすることを禁止している。なお、P台1が遊技玉数を保持している場合でも、P台1に記憶された玉単価の上書きを許可して、保持している遊技玉数を上書きした玉単価に換算して表示を更新する構成でもよい。
「計数受領時刻」は、CU2がP台1からの計数要求を受領した時刻をP台1に通知するための情報であり、CU状態のBit4(遊技玉数計数受領応答)が“1”(完了)である場合にのみ有効である。なお、「計数受領時刻」の情報は、P台1に通知されるが払出制御部171のCPU内のみで処理され、ユーザプログラムへ通知されず外部からアクセス可能なRAM等に記憶されることがない。そのため、「計数受領時刻」の情報は、払出制御部171のCPU内で削除されるため、セキュリティを確保することができる。
<<10.状態情報応答>>
状態情報要求に対応して、P台1からCU2に対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU2に対してP台1の情報・状態を通知するものである。状態情報応答のレスポンスには、図6に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
この状態情報応答の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「遊技玉数」、「発射玉数」、「アウトロ通過玉数」、「総賞球玉数」、「計数要求玉数」、「計数通番」、「発射強度」、「遊技台状態」、「不正検知情報」および「遊技情報」のデータが含まれている。
「遊技玉数」は、現在の遊技玉数(加算・減算を演算した結果の遊技玉数)である。「遊技玉数」は、CU2が後述する「総賞球玉数」「発射玉数」および「計数玉数」を使用してCU2の保持している遊技玉数を計算する。その後、CU2は、計算したCU2の遊技玉数と、P台1の遊技玉数とが一致するかをチェックする。
「発射玉数」は、発射個数(送信時に複数発射された玉がある場合は合算する)である。ただし、バック玉数がある場合はバック玉数分を減算する。つまり、「発射玉数」(減算)は、CU2が保持している遊技玉数から減算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU2は遊技玉数の減算を行わない。また、CU2は、CU2自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行わない。「アウト口通過玉数」は、アウト口34を通過した玉の個数(送信時に複数の通過玉がある場合は合算する)である。
「総賞球玉数」は、賞球情報1−nの賞球玉数の合計である。この賞球情報1−nとは、たとえば入賞役毎の払出玉数(賞球玉数)のことである。なお、「総賞球玉数」(加算)は、CU2より送信する「加算要求玉数」は含まない。また、CU2は保持している遊技玉数に総賞球玉数のデータを加算する。カードを保持していない状態で総賞球玉数のデータを受信した場合、CU2は遊技玉数の加算は行わない。
「計数要求玉数」は、計数要求した遊技玉の個数である。つまり「計数玉数」(減算)は、CU2が保持している遊技玉数から減算し、カード持玉数に加算するデータである。なお、P台1からCU2に送信する減算玉数のデータに計数玉数は利用しない。また、カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU2は遊技玉数の減算を行わない。また、CU2は、CU2自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行わない。
ただし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、遊技機が保持している遊技玉を計数して計数玉数として設定する。カードユニット開店状態が開店中のときには計数ボタン28の操作が行われたことにより遊技玉を計数して計数玉数として設定する。しかし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、計数ボタン28の操作を待つことなく自動的に遊技玉を計数して計数玉数として設定する。
「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。「発射強度」は、遊技玉の発射強度の情報である。
「遊技台状態」は、CU2からP台1に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台1の状態を示し、「遊技台状態1」、「遊技台状態2」、「遊技台状態3」、および「遊技台エラー状態」の情報を含んでいる。
「遊技台状態1」のBit0は、遊技を許可しているか、禁止しているかを示しており、“0”のときに遊技許可中であり、“1”のとき遊技禁止中である。Bit1は、ファン(遊技者)がプレイ中(玉を発射している)か否かを示しており、0”のとき待機中(ファンが球を発射してない状態)、“1”のとき遊技中(ファンが球を発射している状態)である。ただし、遊技玉が有り、発射ハンドル(打球操作ハンドル25)をタッチした状態(タッチセンサに触れた状態)で遊技中となる。
Bit2は、遊技玉の有無(遊技玉無の検知)を示している。“0”のとき遊技玉数有、“1”のとき遊技玉数無である。Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。つまり、遊技領域27内の浮遊玉が全て回収されたか否か示している。ただし、発射停止スイッチ(単発打ちスイッチとも言う)による玉の発射停止は除く。“0”のとき遊技未完了(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技完了(全ての玉の行方が確定している状態)である。なお、P台1は、玉の発射を停止してから15秒以上遊技の完了を確認できなかった場合、タイムアウトし、遊技完了とする。
Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。“0”のとき遊技玉未確定(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技玉確定(全ての玉の行方が確定している状態)を示している。ここで、P台1は玉の発射を停止してから、たとえば15秒以上遊技玉の行方が確認出来なかった場合、タイムアウトし、遊技玉確定とする。また、P台1は電源オン時またはRAMクリア時は遊技玉の行方が確定している状態(遊技玉確定)にセットする。
Bit4は、遊技玉の計数要求の有無(計数ボタン押下の有無)を示しており、“0”のとき要求無、“1”のとき計数開始時の計数玉の払出要求がある場合である。P台は、計数操作が検出されたときに、この計数要求ONの状態情報応答をCU2へ送信し、計数要求が受領されたか否かを確認する。“1”のとき計数要求である。Bit5は、遊技玉加算の処理結果を示しており、“0”のとき加算OK、“1”のとき加算NGである。なお、P台1は加算NG応答する場合は加算通番を更新しないで通知する。Bit6は、発射停止スイッチの押下状態を示しており、“0”のときイッチ解除状態、“1”のときスイッチ押下状態である。Bit7は予備である。
「遊技台状態2」のBit0は、大当り情報の大当り1(全ての大当り)を表わし、全ての大当り中“1”をセットする。Bit1は、大当り情報の大当り2(大当り+小当り)を表わし、全ての大当り中および小当り中“1”をセットする。Bit2は、大当り情報の大当り3(出玉大の大当り)を表わし、出玉が大きい大当り中“1”をセットする。Bit3は、大当り情報の大当り4(出玉小の大当り)を表わし、出玉が小さい大当り中“1”をセットする。Bit4は、大当り情報の大当り5(出玉中の大当り)を表わし、出玉が中間の大当り中“1”をセットする。Bit5〜Bit7は予備である。
「遊技台状態3」のBit0は、遊技状態情報の大当り中+時短中を表わし、大当り中および時短中“1”をセットする。Bit1は、遊技状態情報の確変中を表わし、確変中“1”をセットする。Bit2は、遊技状態情報の時短中を表わし、時短中“1”をセットする。Bit3は、遊技状態情報の変動中を表わし、変動中“1”をセットする。Bit4〜Bit7は予備である。
「遊技台エラー状態」は、P台1で発生中のエラーコードを示し、Bit0〜Bit5を用いて各エラーコードを表現している。なお、Bit0〜Bit5が全て“0”のときにはエラー無である。Bit6は、エラーが発生している場所を特定する情報であり、“0”のとき払出制御、“1”のとき主制御をそれぞれ表わしている。Bit7は、エラーの出力方法を示し、“0”のとき発報のみ、“1”のとき発報+ホールサーバ801への出力を表わしている。
「不正検知情報」は、CU2からP台1に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台1で検知した情報であり、「不正検知状態1」、「不正検知状態2」、「不正検知情報1」〜「不正検知情報4」および「加算通番」の情報を含んでいる。
「不正検知状態1」は、主制御基板40の不正検知情報である。「不正検知状態1」のBit0は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき磁気センサ検知不の正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき不正入賞検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3〜Bit7は予備である。
「不正検知状態2」は、払出制御基板117の不正検知情報である。「不正検知状態2」のBit0は、“1”のときガラス板開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき枠本体開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3は、“1”のとき近接センサ異常の不正検知情報であることを表わしている。Bit4は、“1”のとき賞球ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。ここで、「ゴト」とは、パチスロ遊技機やスロットマシンにおいて不正な方法で出玉を獲得する不正行為のことである。Bit5は、“1”のとき複合ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit6は、“1”のとき不正加算検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit7は、“1”のとき夜間枠開放・監視SW異常検知の不正検知情報であることを表わしている。
「不正検知情報1」は、賞球センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報1」は、「不正検知状態2」のBit4が“1”のとき有効となる。「不正検知情報2」は、複合センサゴト検知(発射/OUT不整合玉数)の情報を示すデータである。つまり、発射玉数とアウト玉数(アウト口通過玉数)との不整合を検知したときの情報を示すデータである。「不正検知情報2」は、「不正検知状態2」のBit5が“1”のとき有効となる。「不正検知情報3」は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報3」は、「不正検知状態2」のBit6が“1”のとき有効となる。「不正検知情報4」は、夜間枠開放情報を示すデータである。「不正検知情報4」は、「不正検知状態2」のBit7が“1”のとき有効となる。
「不正検知情報4」のBit7は、夜間監視スイッチ異常4が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常4発生を表わしている。Bit6は、夜間監視スイッチ異常3が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常3発生を表わしている。Bit5は、夜間監視スイッチ異常2が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常2発生を表わしている。Bit4は、夜間監視スイッチ異常1が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常1発生を表わしている。Bit0〜3は、本体枠開放回数を示す情報で、“0”のとき開放なし、“1”〜“15”は開放回数を表わしている。なお、開放回数は、15回までカウントし、16回以降のカウントは15回でホールドされる。
「加算通番」は、加算用シーケンス番号であり、加算要求時に受信した加算通番をそのまま通知する。ただし、加算通番の連続性が成立しない場合は加算NGを通知する。
「不正検知状態3」は、払出制御基板117の不正検知情報である。「不正検知状態3」のBit0は、“1”のとき他店舗遊技玉検知の不正検知情報であることを表わしている。「不正検知状態3」のBit5は、“1”のときP台1が過去に接続していたカードユニットが開発用CU2Dであったことを表している(開発用CU接続)。「不正検知状態3」のBit6は、“1”のときP台1が過去に接続していたカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを表している(遊技盤開発治具接続)。「不正検知状態3」のBit7は、“1”のとき接続している遊技機が遊技機シミュレータ2Aであることを表している(遊技機シミュレータ接続)。Bit1〜Bit4は予備である。なお、他店舗遊技玉検知は、たとえばP台の回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取り、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定する。不一致の場合、遊技玉に他店舗の遊技玉が混入しているとして「不正検知状態3」のBit0を“1”にして、CU2に通知する。
「遊技情報」は、CU2からP台1に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台1の情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「カウント情報1」〜「カウント報n」を含んでいる。
「遊技情報数」は、種別情報・カウント情報の個数(n)であり、n=0〜22(可変長)である。「種別情報1」〜「種別情報n」は、遊技種別情報1〜遊技種別情報nをそれぞれ示している。種別情報は、Bit4からBit7までがデータ種別の情報で、遊技情報のデータ種別を示しており、“0”のとき情報無、“1”のとき貯留口、“2”のとき入賞役、“2”のとき回胴遊技実行回数、“3”のときATである。Bit0からBit3までがデータ番号の情報で、遊技情報のデータ種別毎のデータ番号を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のときそれぞれのデータ番号を表わしている。たとえば、データ種別が“5”の大当りのとき、データ番号は“1”のとき出玉大、“2”のとき出玉小、“3”のとき出玉中、“4”〜“6”のとき予備である。また、データ種別が“6”の小当りのとき、データ番号は“1”のとき小当り、“2”〜“15”のとき予備である。
「カウント情報1」〜「カウント情報n」は、遊技カウント情報1〜遊技カウント情報nをそれぞれ示している。
ここで、カウント情報は、データ種別が貯留口、入賞役、およびATの場合、Bit4からBit7までが賞球玉数の情報で、遊技情報の種別情報毎に入賞時の賞球玉数を示しており、“1”〜“15”のとき賞球玉数のデータをそれぞれ表わしている。また、Bit0からBit3までが入賞個数の情報で、遊技台情報の種別情報毎に入賞個数(累計)を示しており、“1”〜“15”のとき入賞個数のデータをそれぞれ表わしている。カウント情報は、データ種別が回胴遊技実行回数の場合、Bit4からBit7までが“0”に固定され、Bit0からBit3までが回胴遊技実行回数を示しており、“1”〜“15”のとき回胴遊技実行回数を表わしている。
さらに、状態情報応答のレスポンスには、「発射強度信号」、「通過領域信号」、「変動中信号」、「ハンドルタッチ信号」が含まれている。
「発射強度信号」は、上述の発射強度センサ19の検出結果である発射強度Tを示している。上述したように、本実施の形態においては、発射強度Tは、ハンドル操作量に応じて0(最小値)から99(最大値)まで変化する可変値である。なお、パチンコ玉の発射間隔(はたとえば0.6sec)よりもP台1とCU2との通信間隔(たとえば200msec)が短い場合には、基本的に1玉ごとに発射強度信号が出力されることになる。また、実際に発射されたか否かを示すデータとセットで発射強度信号が出力されるようにしてもよい。
「通過領域信号」は、上述した通過領域信号を示している。なお、上述したように、本実施の形態においては、通過領域信号は通過領域信号A1〜A8のいずれかである。なお、各通過領域信号には、各通過領域信号が検出された時点の発射強度Tが紐付けされている。
「変動中信号」は、リール2L〜2Rが回転中であり図柄が変動していることを示している。
「ハンドルタッチ信号」は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることがタッチセンサによって検出されていることを示している。
<<11.カード挿入通知、12.カード挿入応答>>
CU2からP台1に対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台1に対してカード挿入を通知するものである。このカード挿入通知に対応して、P台1からCU2に対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU2に対してカード挿入通知を受信した旨の応答である。
カード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、P台1に対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知し、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。
「カードID」は、CU2に挿入されたICカードの識別ID情報であり、P台1が保持している遊技玉との紐付に使用する。「カード挿入時刻」は、CU2のカード挿入/排出口309(図1参照)にICカードが挿入された時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。カード挿入時刻は、P台1保持の遊技玉が当日玉か過去玉かの判断に使用する。
「店舗コード」は、CU2が設置されている店舗識別コードであり、P台1が保持している遊技玉との紐付に使用する。また、CU2が店舗移動されたか否かを判定するためにも使用する。CU2は、自らが設置されている店舗コードを記憶している。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325より情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU2を識別するためのSC基板IDであり、CU2が交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325より情報付加してP台1に通知する。P台1の払出制御部171は、これらのカードID(C-ID)やカード挿入時刻等のカード挿入通知コマンドで通知される情報を記憶する。なお、「店舗コード」および「SC基板ID」はユーザプログラム側に通知せず、払出制御回路内で削除される。
カード挿入応答のレスポンスは、CU2に対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するもので、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード挿入/返却通知時のP台1の動作について説明する。まず、CU2のカード挿入/排出口309に会員カードまたは一般カードが挿入されるか、一般0円0玉カードへの入金が行われるかすることで、カード挿入通知としてP台1に対してカードIDやカード挿入時刻などの情報が通知される。P台1は、カード挿入通知があると当該カードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップする。ただし、カード挿入通知コマンドを受信し、且つCU2の状態がカード挿入中状態(CU状態のBit0=1)の情報を含む状態情報要求を受信した場合(P台1でカード挿入中状態と判断する場合)、P台1はカードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップしないで応答のみ送信する。また、CU2のカード返却ボタン322が押下されると、P台1に対してカード返却通知が行われ、P台1はバックアップしてあるカードIDやカード挿入時刻などの情報をクリアする。なお、カード挿入中状態が解除される条件は、P台1がカード返却通知コマンドを受信した時である。
<<13.カード返却通知、14.カード返却応答>>
CU2からP台1に対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台1に対してカード返却を通知するものである。このカード返却通知に対応して、P台1からCU2に対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU2に対してカード返却を応答するものである。
カード返却通知のコマンドは、P台1に対してカード返却を通知するもので、CU2が、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。カード返却通知には、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。
カード返却応答のレスポンスは、CU2に対してカード返却通知の応答を送信するもので、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」のデータが含まれている。「通番」、「コマンド」、「カードID」および「カード挿入時刻」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU2は、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行わない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行う。
ここで、カード挿入通知時またはカード返却通知時のP台1の動作について説明する。カード挿入通知時に、CU2で会員カード挿入、一般カード挿入、または一般0円0玉カードへの入金の操作を行うと、P台1はカードIDおよびカード挿入時刻のバックアップを行う。カード返却通知時に、CU2で「カード返却」ボタンの押下の操作を行うと、P台1はカードIDおよびカード挿入時刻のクリアを行う。
<<15.通信テスト要求、16.通信テスト応答>>
CU2からP台1に対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台1に対してテストデータを通知するものである。この通信テスト要求に対応して、P台1からCU2に対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU2に対してテストデータを応答するものである。
通信テスト要求のコマンドは、P台1に対してテストデータを通知するものである。なお、P台1に対して通知するテストデータは暗号化していない。通信テスト要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、P台1に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
通信テスト応答のレスポンスは、CU2に対してテストデータを通知するものである。なお、CU2に対して通知するテストデータも暗号化していない。通信テスト応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、CU2に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
<<17.計数履歴要求、18.計数履歴応答>>
CU2からP台1に対して計数履歴要求のコマンドが送信される。この計数履歴要求のコマンドは、P台1に対して計数履歴を要求するものである。この計数履歴要求に対応して、P台1からCU2に対して計数履歴応答のレスポンスが送信される。この計数履歴応答のレスポンスは、CU2に対して計数履歴を通知するものである。
計数履歴要求のコマンドは、P台1に対して計数履歴を要求するもので、CU2が、認証シーケンス後の計数履歴シーケンスでP台1に対して送信する。計数履歴要求には、「通番」、「コマンド」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。
「店舗コード」は、CU2が設置されている店舗識別コードであり、P台1が保持している遊技玉との紐付に使用する。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325より情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU2を識別するためのSC基板IDであり、CU2が交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325より情報付加してP台1に通知する。
SC基板IDの出荷メーカコードの検知処理について説明する。SC基板IDには、識別コードと出荷メーカコードとが含まれている。P台は、SC基板IDに含まれている出荷メーカコードを検知することで接続しているユニット(商用のCU2や開発用ユニットなど)を認識している。
具体的に、P台は、接続するユニットが商用のCU2以外の接続装置(具体的には、開発用ユニットや、遊技盤開発治具)であるか否かを検知する場合について説明する。これら商用に使用しない開発用ユニットや遊技盤開発治具が接続されていたときの遊技履歴が、その後に接続された商用に使用されるユニット(CU2)に引き継がれると、開発時に付与した遊技玉で商用時に遊技が可能となる不具合が生じてしまう。そこで、当該不具合を回避するために、P台1は、ユニットと接続した際に開発用ユニットや遊技盤開発治具が接続されているか否かを検知し、その結果をリカバリレジスタに記憶する。
P台1は、ユニットと接続した際に開発用ユニットや遊技盤開発治具が接続されているか否かを検知するために、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードと、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードとを比較する。まず、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードが“なし”の場合、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードがいずれであっても開発用ユニットや遊技盤開発治具と検知しない。計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードと計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードとが一致する場合も、開発用ユニットや遊技盤開発治具と検知しない。
しかし、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードと計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードとで、上位バイトは一致するが下位バイトは異なる場合、開発用ユニットと検知する。また、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが商用ユニットのコードで、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが遊技盤開発治具以外のコードの場合も、開発用ユニットと検知する。計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが商用ユニットのコードで、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが遊技盤開発治具のコードの場合、遊技盤開発治具と検知する。
なお、P台1は、開発用ユニットが接続されていたことの検知をリカバリレジスタのBit4を“1”にすることで記憶し、遊技盤開発治具が接続されていたことの検知をリカバリレジスタのBit5を“1”にすることで記憶する。
また、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードが“なし”の場合、P台1に記憶しているSC基板IDの出荷メーカコードは、リカバリ処理が行われた後に新たに接続したユニットのSC基板IDの出荷メーカコードを上書きする。計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードが“ある”の場合、P台1に記憶しているSC基板IDの出荷メーカコードは、リカバリ処理する遊技玉がなければ、リカバリ処理が行われた後に新たに接続したユニットのSC基板IDの出荷メーカコードを上書きする。しかし、P台1に記憶しているSC基板IDの出荷メーカコードは、リカバリ処理する遊技玉があれば、リカバリ処理が行われた後に新たに接続したユニットのSC基板IDの出荷メーカコードへの上書きを禁止する。なお、SC基板IDの出荷メーカコードの上書きの禁止状態は、P台1のRAMをクリア(特に遊技玉数のクリア)することで解除される。遊技玉数がある場合にSC基板IDの出荷メーカコードの上書きを禁止することで、開発用ユニットで付与した遊技玉数が、その後接続した商用ユニットで遊技可能な遊技玉数としてリカバリ処理されることを防止することができる。
計数履歴応答のレスポンスは、CU2に対して計数履歴を通知するもので、P台1が、計数履歴要求コマンドを受けてP台1で記憶している計数履歴の情報をCU2に対して送信する。計数履歴応答には、「通番」、「コマンド」、「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「計数履歴結果」は、P台1での計数履歴処理により計数履歴がP台1に記憶されているか否かを示す情報である。ここで、計数履歴は、P台1が計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの間にP台1側から計数要求玉数としてCU2側に払出した遊技玉数の履歴であり、計数要求時の「カードID」、CU2からの計数受領応答(計数応答ON)を受けたときに含まれている「計数受領時刻」および計数要求OFF状態までに払出した計数玉数の累積数「累積計数玉数」の情報も含んでいる。なお、P台1では、過去2回分の履歴(計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの期間の遊技玉数の履歴を1回分とする)を保持している。
計数履歴結果では、“0x00”の場合履歴なし、“0x01”の場合履歴あり(計数履歴1の情報あり)、“0x02”の場合履歴あり(計数履歴2の情報あり)をそれぞれ表している。
「計数履歴1」は、過去2回分の履歴のうち直近の履歴(最終の計数)であり、「カードID」、「計数受領時刻」、「累積計数玉数」および「遊技玉数」の情報を含んでいる。「カードID」は計数要求時にCU2に挿入されていたカードの識別情報である。「計数受領時刻」は、P台1から計数要求のあった遊技玉数をCU2が受領した時刻である。「累積計数玉数」は、計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの期間に計数された計数玉数の累計数である。「遊技玉数」は、計数終了時にP台1に保持されていた遊技玉数である。
「計数履歴2」は、過去2回分の履歴のうち古い履歴(最終の計数のひとつ前の計数)であり、「カードID」、「計数受領時刻」、「累積計数玉数」および「遊技玉数」の情報を含んでいる。「カードID」、「計数受領時刻」、「累積計数玉数」および「遊技玉数」の情報は、「計数履歴1」に含まれる情報と同じ種類の情報であり、詳細な説明を繰返さない。
次に、P台1で保持している計数履歴データをCU2に出力する条件について説明する。P台1は、計数履歴シーケンスにおいてCU2から受信した計数履歴要求コマンドに含まれる「店舗コード」および「SC基板ID」が保持している「店舗コード」および「SC基板ID」と一致する場合、計数履歴応答のレスポンスに「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」を含めてCU2に出力する。また、P台1は、CU2から受信した計数履歴要求コマンドに含まれる「店舗コード」が保持している「店舗コード」と一致していれば「SC基板ID」が異なっても、計数履歴応答のレスポンスに「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」を含めてCU2に出力する。これは、店舗内でP台1とCU2との組合せを変更することを考慮しており、同じ店舗内であればP台1に記憶した計数履歴データを別のCU2に引継いだとしても不利益を与えないためである。
しかし、P台1は、CU2から受信した計数履歴要求コマンドに含まれる「店舗コード」が保持している「店舗コード」と異なっていれば「SC基板ID」が一致していても、計数履歴応答のレスポンスに「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」を含んでCU2に出力することを禁止する。これは、同じCU2であっても別の店舗に移された場合、同じ「SC基板ID」を保持したP台1と接続しても計数履歴データを引継いでしまうと当該別の店舗に不利益を与えてしまう可能性があるためである。
もちろん、P台1は、CU2ではなく、遊技盤開発治具や開発用ユニットに接続された場合や、何らユニットと接続されていない場合にはP台1に記憶した計数履歴データを出力することはない。計数履歴データの出力を制限することで、P台1および当該P台1を含む遊技用システムのセキュリティを強化している。
<CUとP台との通信における主なシーケンス>
<<コマンド、レスポンスの送信>>
まず、CU2とP台1との間でのコマンドおよびレスポンスの送信について説明する。CU2(1次局)からP台1(2次局)に対してコマンドが送信され、P台1はそのコマンドに応答してレスポンスをCU2に返信する。つまり、業務電文の送信は、CU2を1次局、P台1を2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU2からP台1への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台1からCU2へのレスポンスの送信を行った後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU2とP台1との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台1は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台1からCU2へは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台1は、遊技玉数の変化量を細やかにCU2に対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台1の発射時間間隔と一致させることも考えられる。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図24に示すシーケンス処理は、CU2とP台1との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU2の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台1では発射モータ118を停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台1からCU2に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU2は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、計数履歴シーケンスが開始され、CU2からP台1に対して計数履歴要求コマンドが送信されると、P台1で記憶している計数履歴データがCU2に送信される。計数履歴シーケンス後、CU2は、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台1へ送信し、P台1に対してリカバリ情報を要求する。以降、図24に示す処理が行われる。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU2およびP台1の処理について説明する。図25に示すCU2は、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台1へ送信する。P台1では、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU2に返信する。以降、図25に示す処理が行われる。
図26は、CU2にカードが挿入されたときにCU2が実行する挿入時処理を示すフローチャート図である。本実施の形態において破線で示すステップは変形例の制御内容を示している。また、実線の矢印は制御の流れを示し、二点差線の矢印は送信される情報の流れを示している。図26において、S1〜S7の各ステップはCU2が実行する。またS8〜S10、S12〜S15はP台1が実行する。より具体的には、S8〜S10、S12、S13、S15の削除処理は、P台1に設けられている演出制御基板90が実行し、S14とS15の送信処理は、サブ制御部91が設けられた演出制御基板90が払出制御部171へ送信して払出制御部171がCU2へ送信する。
図27は、カード挿入通知のコマンド、状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態、およびカードの挿入状態の関係を説明するための概念図である。図27(a)では、カード挿入通知のコマンドをP台1が受信する前に状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中状態(Bit0=“1”)となる例を示している。図27(b)では、カード挿入通知のコマンドをP台1が受信した後に状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中状態(Bit0=“1”)となる例を示している。このように、カードIDおよび挿入時刻の上書き(更新)する条件を限定することで、カードIDなどを意図的にP台1へ送信して、P台1で記憶しているカードIDなどを改ざんするなどの不正行為を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
<<プリペイド貸出、持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理および持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。図28に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。図29では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図30では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。また、この図30では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行っているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行っている。
<<遊技玉計数(自動計数)>>
閉店時、カードが挿入されておらずP台1に遊技玉が残っている場合、店員が遊技玉の残っているP台1を回り1台1台に店舗カードを挿入して計数操作を行って残った遊技玉を回収する必要があり、閉店時の作業が煩雑であった。また、従来のように物理的な遊技玉が払出される遊技機とカードユニットとの構成であれば、残った遊技玉を回収してカードユニットをリセットする作業を行うだけで閉店時の作業を行うことができる。しかし、本実施の形態のようにP台1とCU2とが相互認証して通信を行い遊技玉(遊技点)を管理する構成では、カードユニットを単にリセットする作業だけでは残った遊技玉を回収することができず閉店時の作業を行うことができない。そこで、図31を参照して、閉店時の遊技玉の自動計数処理について説明する。図31は、遊技場が閉店した時に自動的に行う計数処理を説明するためのシーケンス図である。
<<計数履歴処理>>
次に、P台1で記憶する計数履歴データの処理について説明する。図32は、P台1で記憶する計数履歴データの処理を説明するためのシーケンス図である。図32では、当初の遊技玉数が600玉の状態となっている。まず、CU2は、通番=n(図示せず)、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台1へ送信する。P台1では、当該状態情報要求のコマンドを受信する前に送信した状態情報応答のレスポンスから、当該状態情報要求のコマンドに対するレスポンスを送信するまでの間に、遊技者が計数ボタン28を操作して計数処理が開始される。
すると、P台1では、通番=n(図示せず)、遊技玉数=600、計数通番=m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU2に返信する。ここで、P台1では、計数要求がOFF状態からON状態へ変化するので計数履歴の処理が開始される。具体的には、P台1は、計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの間にP台1側から計数要求玉数としてCU2側に払出した遊技玉数の履歴を1回分の計数履歴として記憶する。すなわち、複数回の計数要求がある場合には、1回目の計数要求として計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの履歴を1回目の計数履歴として記憶する。その後、2回目の計数要求として次に計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの履歴は、2回目の計数履歴として記憶される。なお、計数ボタン28を押下している期間にもよるが、計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの間には、複数の計数要求ON状態を含む状態情報応答のレスポンスがCU2に返信されている。記憶する計数履歴の中には、計数要求時の「カードID」、CU2からの計数応答ON状態の状態情報応答に含まれる「計数受領時刻」、計数要求OFF状態までに払出した計数玉数の累積数「累積計数玉数」および計数終了時の「遊技玉数」の情報を含んでいる。
次に、CU2は、通番=n+1(図示せず)、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台1へ送信し、要求された計数を終えたことを通知する。なお、この段階で計数玉数=100は、仮確定である。
この状態情報要求を受信したP台1は、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算して、遊技玉数を照合し500玉なら、仮確定していた100玉を確定する。そして、遊技玉数表示器29の表示を600から500に更新する。さらに、遊技者による計数ボタン28の操作が継続している場合、P台1は、通番=n+1(図示せず)、遊技玉数=500、計数通番=m+2、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU2に返信する。次に、CU2は、通番=n+2(図示せず)、計数通番=m+2および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台1へ送信し、要求された計数を終えたことを通知する。なお、この段階で計数玉数=100は、仮確定である。
この状態情報要求を受信したP台1は、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算して、遊技玉数を照合し400玉なら、仮確定していた100玉を確定する。そして、遊技玉数表示器29の表示を600から500に更新する。その後、遊技者による計数ボタン28の操作が終了している場合、P台1は、通番=n+2(図示せず)、遊技玉数=400、計数通番=m+3、計数玉数=100および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU2に返信する。P台1は、計数要求OFF状態に変更した時、計数履歴に「累積計数玉数」として100玉+100玉=200玉を計数履歴1として記憶する。また、P台1は、計数終了時の「遊技玉数」として、計数要求OFF状態に変更した時の遊技玉数を計数履歴1に記憶する。また、P台1は、CU2から計数応答ON状態の状態情報応答に含まれる「計数受領時刻」を計数履歴1に記憶する。なお、計数履歴1に新たな履歴を記憶させる場合に、既に計数履歴1が存在しているときは当該計数履歴1を計数履歴2として記憶したうえで、新たな履歴を計数履歴1に記憶させる。なお、P台1では、過去2回分の履歴を保持しているため、計数履歴1および計数履歴2として記憶しているが、過去1回分の履歴または過去3回分以上の履歴を記憶してもよい。
このように、計数履歴を記憶することで計数した遊技玉数をリカバリ処理することが可能となり、さらに過去分を複数記憶することで、リカバリ処理の精度を向上させることができる。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図33は、遊技者がカード返却操作を行った場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図33では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。
<不正遊技機接続検知>
次に、CU2で検知される不正遊技機検知の仕組みについて説明する。P台1に接続可能なカードユニットは、商用で使用されるカードユニット(前述しているCU2に相当、以下単にCU2、商用CUともいう。)に限定されるものではなく、P台1の遊技盤を開発するための遊技盤開発治具や、P台1の開発に用いる開発用カードユニット(開発用CU)などであってもよい。
しかし、商用CU以外のP台1に接続可能なカードユニットを利用して、不正にP台1で遊技を行うことが考えられる。たとえば、商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続したP台1に対して多数の遊技玉を貸出して遊技盤開発治具や開発用CUから切離した状態にし、その後P台1に商用CUを接続して不正に遊技を行うことが考えられる。
そこで、本実施の形態では、商用CUに接続したP台1が、過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知して商用CUの動作を停止する。具体的に、図を用いて過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知する仕組みを説明する。
図34は、遊技盤開発治具に接続していたP台1が、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図34に示す遊技盤開発治具3Eは、P台開発用のSC325Ebを有している以外、商用CUと同じCU制御部323および通信制御IC325aで構成されている。また、P台開発用のSC325Ebには、遊技盤開発治具であることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325Ebに記憶されている。
図34に示すように遊技盤開発治具3EにP台1を接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として遊技盤開発治具3EからP台1に送信される際に、P台開発用のSC325Ebから識別IDがP台1に送信される。P台1に送信された識別IDは、払出制御回路171a内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325EbのSC基板IDも払出制御回路171a内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
SC基板IDは、前述したとおり払出制御回路171a内のレジスタに格納されるが、払出制御回路171aで実行されるユーザプログラム171pには通知されない。そのため、P台1は、SC基板IDを払出制御回路171aから読出すことができず、SC基板IDを不正に複製されることできないためセキュリティ性が高くなっている。払出制御回路171aのレジスタに記憶されたSC基板ID(識別IDを含む)は、払出制御回路171aのRAMをクリアすることで消去することができる。
次に、遊技盤開発治具3EからCU2にユニット交換する場合の処理について説明する。遊技盤開発治具3Eに接続されていたP台1は、ユニット交換によりCU2に接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU2から送信される。この遊技機電文通知により、SC325bから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台1に送信される。なお、SC基板IDをP台1に送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU2にユニット交換してP台1の電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU2から送信されるタイミングであってもよい。つまり、遊技盤開発治具3Eで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図34では、P台開発用のSC325Ebからの識別IDと、商用のSC325bからの識別IDとを区別するため、P台開発用のSC325Ebからの識別IDを図示し、商用のSC325bからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bからの識別IDを受信したP台1は、払出制御回路171aで格納(記憶)している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3Eの識別IDか否かを判定する。なお、P台1は、払出制御回路171aで格納している識別IDが遊技盤開発治具3Eの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU2以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3Eの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”とする。
CU2は、接続したP台1から遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知する。具体的に、SC325bが、不正検知状態3のBit6の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知する。SC325bは、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知すると、CU制御部323との通信を停止する。これにより、CU2は、過去に接続した遊技盤開発治具3Eでの情報をCU制御部323に取込むことなく不正な遊技を行うことを防止することができる。また、CU2は、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図34では、ユーザプログラム171pに不正検知状態3のBit6=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台1からCU2に対して不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台1からCU2に対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3Eの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)としてユーザプログラム171pに書込むのではなく、図34で示したように遊技盤開発治具3Eの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pが格納している識別IDに基づいて遊技盤開発治具3Eの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台1からCU2に対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)ではなく、図34で示したように遊技盤開発治具3Eの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台1は、払出制御回路171aで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3Eの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pを介してSC325bに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eか否かの判定は、P台1ではなくSC325bで行い、遊技盤開発治具接続を検知する構成であってもよい。
また、遊技盤開発治具3Eから別の遊技盤開発治具3Eにユニット交換する場合も、図34で説明したように接続したP台1から不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の遊技盤開発治具3Eは、P台開発用のSC325Ebに遊技機開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit6=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより遊技盤開発治具3Eから別の遊技盤開発治具3Eにユニット交換したと判定した場合、遊技盤開発治具接続のエラーを検知しない。これにより、遊技盤開発治具3EとP台1との接続を繰返す開発の工程において、遊技盤開発治具接続のエラーを検知する処理が行われないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
図35は、開発用CUに接続していたP台1が、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図35に示す開発用CU2Dは、開発用のSC325Dbを有している以外、商用CUと同じCU制御部323および通信制御IC325aで構成されている。また、開発用のSC325Dbには、開発用CUであることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325Dbに記憶されている。
図35に示すように開発用CU2DにP台1を接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として開発用CU2DからP台1に送信される際に、開発用のSC325Dbから識別IDがP台1に送信される。P台1に送信された識別IDは、払出制御回路171a内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325DbのSC基板IDも払出制御回路171a内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
次に、開発用CU2DからCU2にユニット交換する場合の処理について説明する。開発用CU2Dに接続されていたP台1は、ユニット交換によりCU2に接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU2から送信される。この遊技機電文通知により、SC325bから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台1に送信される。なお、SC基板IDをP台1に送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU2にユニット交換してP台1の電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU2から送信されるタイミングであってもよい。つまり、開発用CU2Dで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図35では、開発用のSC325Dbからの識別IDと、商用のSC325bからの識別IDとを区別するため、開発用のSC325Dbからの識別IDを図示し、商用のSC325bからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bからの識別IDを受信したP台1は、払出制御回路171aで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU2Dの識別IDか否かを判定する。なお、P台1は、払出制御回路171aで格納している識別IDが開発用CU2Dの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU2以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aは、格納している識別IDが開発用CU2Dの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが開発用CU2Dであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”とする。
CU2は、接続したP台1から遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが開発用CU2Dであったことを検知する。具体的に、SC325bが、不正検知状態3のBit5の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが開発用CU2Dであったことを検知する。SC325bは、過去に接続したカードユニットが開発用CU2Dであったことを検知すると、CU制御部323との通信を停止する。これにより、CU2は、過去に接続した開発用CU2Dでの情報をCU制御部323に取込むことなく不正な遊技を行うことを防止することができる。また、CU2は、過去に接続したカードユニットが開発用CU2Dであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図35では、ユーザプログラム171pに不正検知状態3のBit5=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台1からCU2に対して不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台1からCU2に対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aは、格納している識別IDが開発用CU2Dの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)としてユーザプログラム171pに書込むのではなく、図35で示したように開発用CU2Dの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pが格納している識別IDに基づいて開発用CU2Dの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台1からCU2に対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)ではなく、図35で示したように開発用CU2Dの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台1は、払出制御回路171aで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU2Dの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pを介してSC325bに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが開発用CU2Dか否かの判定は、P台1ではなくSC325bで行い、開発用CU接続を検知する構成であってもよい。
また、開発用CU2Dから別の開発用CU2Dにユニット交換する場合も、図35で説明したように接続したP台1から不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の開発用CU2Dは、開発用のSC325Dbに遊技用装置開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit5=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが開発用CU2Dであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより開発用CU2Dから別の開発用CU2Dにユニット交換したと判定した場合、開発用CU接続のエラーを検知しない。これにより、開発用CU2DとP台1との接続を繰返す開発の工程において、開発用CU接続のエラーを検知する処理が行われないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
このように、本実施の形態では、CU2に接続したP台1が、過去にCU2以外の遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに接続されていたのか否かを検知して、CU制御部323との通信を停止してCU2の動作を停止させるので、過去にCU2以外の遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに接続させることで不正に遊技を行うこと防止することができる。たとえば、P台1を商用のCU2に接続する前に遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに接続して多数の遊技玉を貸出しておき、商用のCU2に接続後に貸出された遊技玉を用いて遊技を行う不正を防止することができる。
次に、商用のCU2にP台1以外の遊技機シミュレータを接続した場合について説明する。図36は、商用のCU2に遊技機シミュレータを接続した場合の検知の仕組みを説明するための図である。ここで、遊技機シミュレータは、たとえば商用のCU2が正常に稼働するかを検査するために接続するための装置であり、検査に必要な信号や情報を仮想的に商用のCU2に出力することができる。そのため、商用のCU2は、意図的に遊技機シミュレータを接続して不正な遊技情報を送信されることを防止するため、遊技機シミュレータに接続しているのかP台1に接続しているのかを検知すること必要となる。
まず、図36に示す遊技機シミュレータ2Aは、P台1と同様に払出制御部171Aを有している。払出制御部171Aは、払出制御回路171Aaおよび払出制御回路171Aaで実行されるユーザプログラム171Apを含んでいる。ユーザプログラム171Apには、遊技機シミュレータ2Aであることを示す識別IDが埋め込まれている。
図36に示すように商用のCU2に遊技機シミュレータ2Aを接続すると、CU2と遊技機シミュレータ2Aとの間で遊技機電文通知のコマンドと遊技機電文応答のレスポンスとの通信が行われる。たとえば、CU2は、遊技機シミュレータ2Aに対してCU2の状態を通知する状態情報要求のコマンドを送信する。遊技機シミュレータ2Aは、CU2から状態情報要求のコマンドを受信すると、CU2に対して遊技情報や遊技台状態などを通知する状態情報応答のレスポンスを送信する。
CU2に送信する状態情報応答のレスポンスに遊技機シミュレータ2Aと接続していることをCU2に通知するための情報を含めている。具体的に、遊技機シミュレータ2Aは、ユーザプログラム171Apに埋め込まれている識別IDに基づき、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”とする。
CU2は、接続した遊技機シミュレータ2Aから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7の情報に基づき、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。具体的に、SC325bが、不正検知状態3のBit7の情報を読出し、当該情報が“1”であれば接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。SC325bは、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、CU制御部323との通信を停止する。これにより、CU2は、接続している遊技機シミュレータ2Aの情報をCU制御部323に取込むことなく不正な遊技を行うことを防止することができる。また、CU2は、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、遊技機シミュレータ2AからCU2に対して不正検知状態3のBit7=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDが遊技機シミュレータ2AからCU2に対して送信されたように図示されている。
もちろん、遊技機シミュレータ2AからCU2に対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”)ではなく、図36で示したように遊技機シミュレータ2Aの識別ID自体の情報を送信してもよい。
このように、本実施の形態では、CU2に接続する遊技機が、商用のP台1なのか、遊技機シミュレータ2Aなのかを検知して、CU制御部323との通信を停止してCU2の動作を停止させるので、意図的に遊技機シミュレータ2AをCU2に接続させることで不正に遊技を行うこと防止することができる。たとえば、遊技機シミュレータ2AでCU2に対して多数の遊技玉を持玉に計数しておき、P台1に接続後に計数した待玉を遊技玉として貸出して遊技を行う不正を防止することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
<所定領域について>
前述した実施の形態においては、所定領域の一例として貯留口31a〜31cを示したが、これに限らず、1の貯留口しか設けられていないものであってもよい。また、パチンコ玉の入賞頻度が変化しない例について説明したが、所定の条件が成立したとき(たとえば、AT中など、遊技者にとって有利な状態中)に、入賞しにくいまたは入賞しない不利状態(可動片が閉じた状態)から、進入しやすい有利状態(可動片が開いた状態)に変化する可変始動装置(いわゆる電動チューリップ)で構成されており、可変始動装置にパチンコ玉が入賞することにより貯留玉を加算するものであってもよい。所定条件は、たとえば、AT中であることにより成立するものなどであってもよい。また、遊技領域27に、入賞頻度が変化しない貯留口と、可変始動装置とが設けられているものであってもよい。
また、所定領域は、パチンコ玉を遊技領域27外へ排出する入賞口で構成された例について説明したが、これに限らず、パチンコ玉を通過させるゲートで構成されるものであってもよい。また、所定領域は、遊技媒体が進入することにより、貯留玉を加算するとともに、それとは別に所定数の遊技玉などの所定の価値を付与するものであってもよい。また、遊技領域に複数種類の所定領域が設けられている場合において、一の所定領域に遊技媒体が進入したときと、他の所定領域に遊技媒体が進入したときとで、遊技者にとっての有利度合いが異なるようにしてもよい。たとえば、第1の所定領域に遊技媒体が進入したときには、貯留玉のみを所定数加算し、第2の所定領域に遊技媒体が進入したときには、貯留玉を所定数よりも多い数加算するとともに特定数の遊技玉を加算し、第3の所定領域に遊技媒体が進入したときには、貯留玉を所定数よりも多い数加算するとともに特定数よりも多い遊技玉を加算するようにしてもよい。
<許容データについて>
前述した実施の形態においては、許容データの一例として、発射されたパチンコ玉が貯留口31a〜31cに進入する毎に加算される貯留玉を示し、貯留玉が「6」存在するときに回胴遊技を1回実行可能となる例について説明したが、これに限らず、貯留玉が1となることで回胴遊技を1回実行可能となるようにしてもよい。この場合、遊技領域27に発射されたパチンコ玉のうち1/6の割合で貯留口に入賞するように釘を調整することで射幸性が高まりすぎることを抑止できる。
また、貯留口に入賞することで必ず貯留玉が加算される例について説明したが、これに限らず、入賞したことにより乱数抽選などを行い、所定割合で貯留玉が加算されるものであってもよい。
また、前述した実施の形態では、いずれの貯留口に入賞した場合でも、貯留玉が加算される値は同じであったが、これに限らず、入賞した貯留口の種類に応じて、貯留玉が加算される値が異なるようにしてもよい。たとえば、貯留口31aに入賞したときに貯留玉を1加算するのに対し、貯留口31b、31cに入賞したときに貯留玉を2加算するようにしてもよい。また、貯留口に入賞したときに複数の値から一の値を決定し、決定した値を貯留玉に加算するようにしてもよい。
<開始操作および導出操作について>
前述した実施の形態では、開始操作として、MAXBETスイッチ6およびスタートスイッチ7への操作、つまり複数の操作である例について説明した。しかし、開始操作は一の操作であってもよく、たとえば、スタートスイッチ7を操作することにより、図12のSd7〜Sd10を実行し、賭数が規定数に到達しているときには、そのままBET処理を終了させて内部抽選処理に移行させるようにしてもよい。
また、導出操作として、ストップスイッチ8L〜8Rへの操作、つまり複数の操作である例について説明した。しかし、導出操作は一の操作であってもよく、たとえば、ストップスイッチ8Lを操作することにより、リール2L〜2Rの回転を停止させるようにしてもよい。
また、開始操作と導出操作とが異なる操作手段への操作である例について説明したが、これに限らず、共通の操作手段への操作であってもよい。たとえば、図11のSc1中において、スタートスイッチ7が操作されることによりリール2L〜2Rの回転を開始し、Sc3中において、再びスタートスイッチ7が操作されることによりリール2L〜2Rの回転を停止させるようにしてもよい。
<可変表示部について>
前述した実施の形態では、可変表示部の一例として、透視窓3から視認されるリール2L〜2R、つまり複数の可変表示部を備える例について説明した。また、表示結果は、リール2L〜2Rが停止したときの図柄の組合せである例について説明したが、これに限らず、たとえば、リール2Cおよび2Rが回転中であるか否かおよびリール2Cおよび2Rの停止図柄にかかわらず、リール2Lが停止したときの図柄を表示結果というものであってもよい。図13に示す中段チェリーは、リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上に停止することにより入賞するためである。
<表示結果に応じて付与される価値について>
前述した実施の形態では、表示結果に応じて付与される価値として、遊技玉(つまりパチンコ玉)が遊技者に付与される例について説明した。しかし、価値は、これに限らず、所定数の貯留玉であってもよく、また、貯留玉とは異なり回胴遊技を所定回数実行可能にするデータであってもよく、遊技者にとって有利な状態(ボーナス、ATなど)へ制御することの許可であってもよく、遊技者にとって有利な状態へ制御されやすくする状態(確率変動状態、チャンスゾーンなど)へ制御することの許可であってもよく、設定値を示唆する示唆演出や極めて出現率が低いプレミアム演出を実行するものであってもよく、携帯端末の壁紙や音楽の付与を行うための2次元コードを表示するものなど、遊技者にとって有利なものであればよい。
また、価値が1種類(遊技玉)しか設けられていない例について説明したが、これに限らず、表示結果によって異なる種類の価値であってもよい。たとえば、ベル入賞時は、所定数の遊技玉、スイカ入賞時は回胴遊技を所定回数実行可能にすること、チェリー入賞時は遊技者にとって有利な状態(ボーナス、ATなど)へ制御することの許可するものであってもよい。
また、払出を伴う入賞役としては、入賞発生したときに払出玉数を貯留玉数に加算する入賞役と、遊技玉数に加算する入賞役とが設けられているものであってもよい。たとえば、払出玉数が比較的多い入賞役(たとえば、図13の中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8)が発生したときには、払出玉数を貯留玉数に加算する一方、払出玉数が比較的少ない入賞役(たとえば、図13の右下がりスイカ、上段スイカ、中段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、2玉役)が発生したときには、払出玉数を遊技玉数に加算するようにしてもよい。これにより、払出された玉数を再度回胴遊技に用いることができる機会を多くすることができ、遊技者の利便性を向上させることができる。
<リール2L〜2Rの停止について>
前述した実施の形態では、リール2L〜2Rの回転をストップスイッチ8L〜8Rへの操作か、所定時間経過により停止する例について説明したが、これに限らず、操作によらずにリール回転開始から特定時間(たとえば4.1秒)経過することにより自動停止するようにしてもよい。
<回胴遊技について>
前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な状態として、リプレイの当選確率が向上したRTや、当選状況に応じたナビ演出を実行し得るATを例示した。しかし、遊技者にとって有利な状態は、これに限らず、小役の当選確率が向上するボーナス(いわゆる、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、チャレンジボーナス、小役の集中)などであってもよい。
また、メイン制御部41は、ゲーム処理実行中において、遅延条件が成立したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズを発生させる処理を行う。たとえば、計数ボタン28が操作されて遊技玉計数中は、フリーズを発生させるようにしてもよい。これにより、遊技玉計数中の処理負担を軽減できる。また、遅延条件は、たとえば、所定の入賞役に当選あるいは入賞することや、消化ゲーム数が所定ゲーム数に到達することなどにより成立するものであってもよい。また、遅延させる対象は、たとえば、賭数設定が可能となるタイミングや、ゲーム進行のためのリール回転を開始させるタイミング、ゲーム進行のためのストップスイッチを有効化するタイミングなどであってもよい。
なお、前述したような有利な状態への制御を許容(当選)させるか否かやフリーズを発生させるか否かなどについては、抽出した乱数値を用いて抽選される。この抽選に用いる乱数値は、当該抽選を行う契機となったゲームを開始するためのスタートスイッチ7が操作されたときに抽出されるが、これに限らず、当該ゲームの賭数が設定されたときや、当該賭数の設定に用いられた貯留玉が記憶されたとき(貯留口へ入賞したとき)、当該貯留口へ入賞したパチンコ玉が発射されたときなど、予め定められたタイミングで抽出されるものであればよい。
液晶表示器51においては、表示結果を導出するリール2L〜2Rの回転に対応させて演出用図柄を可変表示して、内部抽選の結果および操作手順に応じて停止されたリール2L〜2Rの表示状態に対応させて演出用図柄を停止(小役入賞時には小役入賞に相当する演出用図柄、リプレイ入賞時にはリプレイ入賞に相当する演出用図柄などを停止)させるような画像を表示するようにしてもよい。この場合、リール2L〜2Rと、液晶表示器51とを併せて備えるものに限らず、いずれか一方のみを備えるものであってもよい。
貯留玉数という概念を備えていないものであってもよい。つまり、パチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞することにより、貯留玉を加算するのではなく、賭数を設定するようにしてもよい。規定数の賭数が設定された場合に、パチンコ玉の発射を停止(つまり弾球遊技を不能化)させるようにしてもよく、規定数の賭数が設定された後にさらに貯留口31a〜31cに入賞したときには貯留玉として記憶するようにしてもよい。
<弾球遊技について>
前述した実施の形態におけるP台1の弾球遊技においては、遊技領域27へ発射されたパチンコ玉の大半が貯留口31a〜31cのいずれかに入賞する例について説明した。これにより、ほぼ貯留口に入賞するために安心感を抱かせつつも、パチンコ玉の流下経路に注目させることができ、弾球遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技領域27へ発射されたパチンコ玉の大半が貯留口31a〜31cのいずれかに入賞するものに限らず、発射されたパチンコ玉が必ず貯留口31a〜31cのいずれかに入賞し必ず回動遊技を行うための価値が付与されるようにしてもよい。この場合には、回胴遊技までに弾球遊技を挟むことで遊技のマンネリ化を防止できる。また、遊技領域27へ発射されたパチンコ玉の大半がアウト口34に収容され、大半が貯留口31a〜31cのいずれにも入賞しないようにしてもよい。この場合には、パチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞することに対する期待感を高めることができるとともに、回胴遊技の価値および遊技の興趣を向上させることができる。
また、P台1における遊技領域27は、打込まれたパチンコ玉の流下経路が視認可能な例について説明したが、打込まれたパチンコ玉が貯留口31a〜31cのいずれかに入賞する状況を視認可能であればこれに限らず、たとえば貯留口31a〜31c各々の付近しか遊技者が視認できないように構成されているものであってもよい。また、遊技領域27は、たとえば、透視窓3の付近に設けてもよく、また、液晶表示器51の表示画面と重畳する位置に設けてもよい。
また、前述した実施の形態における弾球遊技では、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が貯留口31a〜31cのいずれかに入賞するか否かに注目させる遊技である例について説明したが、これに限らず、所定の入賞口に入賞したことにより表示状態を変化可能な表示装置において表示状態を変化させ、その結果に応じて貯留玉数を加算するあるいは加算する貯留玉数を異ならせるようにしてもよい。たとえば、当りの表示状態となれば貯留玉数を加算するようにしてもよく、また、第1当りの表示状態のときよりも、第2当りの表示状態となったときの方が、加算される貯留玉数が多くなるようにしてもよい。このように構成した場合には、さらに、所定の条件が成立したとき(たとえば、AT中など、遊技者にとって有利な状態中)に、表示装置の表示状態が当りの表示状態となる確率が向上した確率変動状態や、加算される貯留玉数が多くなる加算有利状態、表示装置における表示状態が変化する期間が短くなる時短状態など、遊技者にとって有利な状態に制御するようにしてもよい。なお、前述した可変始動装置が遊技領域に設け、さらに、確率変動状態、加算有利状態、時短状態などの有利な状態に制御可能にした場合には、有利な状態中においては有利な状態中でないときよりも可変始動装置が開状態となる頻度が高まるようにしてもよい。
発射制御基板131あるいは払出制御基板117は、打球操作ハンドル25が操作されてパチンコ玉が遊技領域27へ発射されているときであっても、停止条件が成立したときには所定期間経過するまでパチンコ玉の発射を強制的に停止するようにしてもよい。たとえば、計数ボタン28が操作されて遊技玉計数中は、パチンコ玉の発射を強制的に停止するようにしてもよい。これにより、遊技玉計数中の処理負担を軽減できる。
また、貯留玉数が上限数に到達してから貯留玉数が上限数未満の所定玉数(たとえば、249、あるいは200など)以下となるまでの間や、回胴遊技における遅延条件が成立してからフリーズが終了するまでの間において、パチンコ玉の発射を強制的に停止するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、パチンコ玉が封入された封入循環式の遊技機である例について説明したが、パチンコ玉を発射して遊技を行うものであればこれに限らず、パチンコ玉を貯留する貯留皿を備え、貯留皿に貯留されたパチンコ玉を取り込んで弾発発射し、遊技玉数が加算されるときには加算分のパチンコ玉を貯留皿に払出すような遊技機であってもよい。
前述した実施の形態では、遊技玉数が存在するときには、打球操作ハンドル25を操作することでパチンコ玉を発射する例について説明したが、これに限らず、前述した実施の形態では少なくとも6個入賞しなければ1回の回胴遊技を実行することができないため、現在の遊技玉数がすべて入賞したとしても1回の回胴遊技を実行することができないとき、あるいは打球操作ハンドル25を操作中に、すべて入賞したとしても1回の回胴遊技を実行することができない遊技玉数に到達したときには、その残りの遊技玉数を発射しないようにしてもよい。これにより、無駄に遊技玉を発射してしまうことを防止できる。
<打球操作ハンドルについて>
前述した実施の形態におけるP台1においては、パチンコ玉を遊技領域27へ発射するために打球操作ハンドル25を操作する例について説明したが、遊技者による操作により、パチンコ玉が発射されるものであればこれに限らず、たとえばボタンの押圧操作によりパチンコ玉が発射されるものであってもよい。ボタンを押圧操作するとパチンコ玉を連続的に発射する発射モードに制御され、もう一度ボタンを押圧操作すると発射しない停止モードに制御されるようにしてもよい。この場合、発射強度を調整する操作手段を別途設けるようにしてもよい。
<貯留玉から遊技玉への変換について>
前述した実施の形態においては、貯留玉数が存在するときに遊技玉変換スイッチ10が操作されると、貯留玉数が遊技玉数に加算される例について説明した。しかし、P台1においては、遊技領域27へ発射したパチンコ玉がすべて貯留口31a〜31cへ入賞するものではなく、アウト口34へ回収されるパチンコ玉が存在する。このため、貯留玉を遊技玉へ変換するに際しては、アウト口34に回収されたパチンコ玉を補完するように玉数を割り増して遊技玉数に加算するようにしてもよい。たとえば、貯留玉数の1割分を増した玉数を遊技玉数へ加算するようにしてもよい。
前述した実施の形態における図12のSd15およびSd16における遊技玉変換処理は、ゲーム処理中に行われる例について説明したが、これに限らず、図9で示したタイマ割込処理において実行するようにしてもよい。つまり、タイマ割込処理において、遊技玉変換スイッチが操作されたか否かを判定し、操作されたと判定されたときには遊技玉変換処理を実行するようにしてもよい。
<異常処理について>
前述した実施の形態では、異常処理をP台1が実行する例について説明したが、これに限らず、異常処理をCU2や、ホール用管理コンピュータ、遊技場外部の鍵管理センタにおけるサーバなどが実行するようにしてもよい。CU2が異常処理を実行する場合には、たとえば、P台1がCU2に対して、貯留口入賞数、発射数、および、回胴遊技回数を特定可能にするための情報を出力し、当該情報に基づいてCU2は異常処理を行うようにしてもよい。
<弾球遊技と回胴遊技との関係について>
前述した実施の形態では、弾球遊技と回胴遊技とを同時に並行して実行することができる例について説明した。また、弾球遊技においてパチンコ玉が貯留口31a〜31cに入賞したときには、回胴遊技中であるか否かにかかわらず、所定の演出(演出効果LED52を所定態様で点灯、スピーカ53a、53bから所定音を発生など)を実行する例について説明した。しかし、回胴遊技中であるか否かで、所定の演出の態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、回胴遊技中であるときには、所定の演出を実行しないようにしてもよく、また、所定の演出が目立ちにくい態様(スピーカ53a、53bから短い効果音(たとえば「ダ」)を発生させるのみ)で実行するようにしてもよい。また、回胴遊技において所定の遊技演出実行中であるか否かで所定の演出の態様を異ならせるようにしてもよい。さらに、回胴遊技において有利な状態に制御されているか否かで、所定の演出の態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、回胴遊技においてAT中であるときには、所定の演出を実行しないようにしてもよく、また、所定の演出が目立ちにくい態様(スピーカ53a、53bから短い効果音(たとえば「ダ」)を発生させるのみ)で実行するようにしてもよい。これにより、回胴遊技に遊技者を注目させることができる。
また、貯留玉が規定数の賭数分存在するとき(あるいは所定数以上存在するとき)には、弾球遊技を実行できないようにしてもよい。また、回胴遊技において小役の入賞が発生したときに払出玉数を貯留玉に加算する場合には、AT中など有利な状態においては回胴遊技を行っても貯留玉が減少する可能性が低く、パチンコ玉を発射して貯留口へ入賞させる必要性も低い。この点に着目し、回胴遊技においてATなど有利な状態に制御されているときには、弾球遊技を実行できないようにしてもよい。これにより、必要性が低いときにまで間違って遊技玉を消費してしまうことを防止できる。
また、弾球遊技実行中においては、回胴遊技を実行できないようにしてもよい。たとえば、パチンコ玉を発射しているときには、リール回転を開始させることができないようにし、パチンコ玉の発射をしていないときにのみリール回転を開始させることができるようにしてもよい。この場合、リール回転中に弾球遊技を実行することはできるようにし、その間においては開始されているゲームが終了するまで回胴遊技を継続して実行することができるようにし、次の回胴遊技については開始できないようにしてもよい。なお、弾球遊技実行中であっても、回胴遊技のうち賭数の設定については実行可能にしてもよい。これにより、遊技者の視線を弾球遊技に注目させることができる。
また、回胴遊技実行中においては、弾球遊技を実行できないようにしてもよい。たとえば、リール回転中においては、パチンコ玉を発射させることができないようにし、リール回転中でないときにのみパチンコ玉を発射させることができるようにしてもよい。この場合、パチンコ玉を発射しているときであってもリール回転を開始させて回胴遊技を実行することはできるようにし、リール回転が開始されたときに、パチンコ玉の発射を強制的に停止させるようにしてもうよい。回胴遊技のうち賭数が設定されている状態においては、弾球遊技を実行可能にしてもよい。なお、未だ規定数に満たず貯留玉を加算させる必要がある状況においてのみ、賭数が設定されている状態であっても弾球遊技を実行可能となるようにしてもよい。これにより、遊技者の視線を回胴遊技に注目させることができる。
また、弾球遊技に貯留口などへの入賞を契機に識別情報を変動表示させる変動遊技を含める場合には、弾球遊技として変動遊技実行中においてのみ回胴遊技を実行できないようにし、弾球遊技として変動遊技が行われていないときにはパチンコ玉を発射中であっても回胴遊技を実行できるようにしてもよい。また、回胴遊技としてリール回転中においては、貯留口へパチンコ玉が入賞したとしても弾球遊技の変動遊技を開始させないようにしてもよい。つまり、回胴遊技のリール回転と、弾球遊技の変動遊技とが同時に並行して実行されないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、貯留玉数が上限数に到達したときには、上限報知演出を実行する例について説明したが、上限報知演出を実行することに替えてあるいは加えて、パチンコ玉の発射を強制的に停止させるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、回胴遊技を行なうために賭数設定操作およびスタートスイッチ操作を行なう例について説明したが、たとえば、賭数設定操作およびスタートスイッチ操作を行って回胴遊技が開始されて停止操作により1ゲームが終了したときに、貯留玉が規定数の賭数分以上存在するときには、自動的に賭数設定してリール回転を開始させて次の回胴遊技を開始させるようにし、貯留玉が規定数の賭数分に満たないときには、弾球遊技を行って貯留口へ入賞させて貯留玉を加算させた後、再度賭数設定操作およびスタートスイッチ操作を行って回胴遊技を開始できるように構成してもよい。つまり、1回の回胴遊技が終了したときに1ゲームの貯留玉が存在する場合には、自動的に連続して回胴遊技を開始できるようにしてもよい。これにより、1回目の回胴遊技の開始については操作を必要とすることで遊技への介入度合いを担保しつつ、2回目以降の利便性を向上させることができる。
<その他>
(1) ATなどの有利な状態中は、遊技玉数が満タンと判断するための判断基準値を上げてもよい。つまり、ATなどの有利な状態中とそうでないときとで、満タン判断の判断基準値を異ならせてもよい。これによって、ATなどの有利な状態中に遊技玉数が急激に多くなり、すぐに満タン判断がなされて発射停止してしまうことを防止できる。また、ATなどの有利な状態が発生したときの遊技玉数を記憶しておき、ATなどの有利な状態中は、満タンの判断基準値を超えた場合であっても、ATなどの有利な状態が発生してから増加した遊技玉数が許容値(たとえば、1000玉)以内であれば、満タン判定しないものとしてもよい。
(2) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるようにしてもよい。また、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。また、弾球遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断してもよく、遊技中球数(遊技領域27内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、判断してもよい。さらに、リール2L〜2Rが回転中であるか否か、ATなどの有利な状態中であるか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。玉の発射中やリール回転中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるようにしてもよい。
(3) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。また、回胴遊技のリール回転中においては、計数操作を無効にしてもよい。また、回胴遊技において賭数が設定されている状態においては、計数操作を無効にしてもよい。また、回胴遊技において小役の入賞が発生して図11のSc5における払出処理が行われて遊技玉数が加算されている状態においては、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、計数操作を有効にするためのメッセージ(たとえば打球操作ハンドルが握られている場合には「ハンドルを放してください」というメッセージ)を遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(4) 図24〜図33で示したシーケンス制御は、CU2、P台1、P台1等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU2、P台1、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。また、要求通番の制御は、CU2の内部のCU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間、セキュリティチップ(SC)325bと通信制御IC325aとの間に適用してもよい。
(5) 前述の実施の形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残額、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技玉を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技玉を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技玉を加算するように制御してもよい。
ホール用管理コンピュータは、ホールに設置されているCU2が記憶している消費税を一括設定可能である。また、ホール用管理コンピュータは、CU2が記憶している消費税が正しい消費税であるか否かを監視し、正しくないときには異常である旨を報知する。これにより、たとえば、代替品のCUに入れ替えたときに消費税の設定が正しくないまま営業されてしまうことを防止できる。また、ホール用管理コンピュータは、ホールに設置されているCU2が記憶している玉単価についても一括設定可能である。また、ホール用管理コンピュータは、CU2が記憶している玉単価が正しい玉単価であるか否かを監視し、正しくないときには異常である旨を報知する。これにより、たとえば、玉単価が正しくないまま営業されてしまうことを防止できる。
(6) 本実施の形態では、計数履歴シーケンスにおいてP台1は、カードを受付けたときにCU2のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」と、P台1で保持している「店舗コード」との一致判定を行い、一致している場合には計数履歴のリカバリ処理を行い、不一致の場合には計数履歴のリカバリ処理を行わない構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、計数履歴シーケンスにおいてP台1は、カードを受付けたときにCU2のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台1で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行うように構成してもよい。さらに、計数履歴シーケンスで「店舗コード」の一致判定を行わずに、P台1は、リカバリ要求を受信した時にカードを受付けたときにCU2のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」のうち少なくとも一方と、P台1で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」のうち少なくとも一方との一致判定を行い、一致している場合にはリカバリ処理を行い、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成としてもよい。
(7) 本実施の形態では、鍵管理サーバ800がヘルスチェック要求のコマンドを送信してもCU制御部323に到達しない状態が、たとえば10日間継続した場合、ヘルスチェック要求時限オーバーと判断され、CU2またはP台1の時限運用機能が無効にされる構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、CU2またはP台1の時限運用機能が無効にされるまでの日数を表示器54に表示させたり、複数の制限レベルを有する時限運用機能を段階的に無効するようにしたりしてもよい。
(8) 本実施の形態では、P台1に対する不正に基づくアラーム設定とP台回線断に基づくアラーム設定との関係において、アラーム設定の設定および解除の制御について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、P台1に対する不正に基づくアラーム設定とP台1に対する別の不正に基づくアラーム設定との関係において、アラーム設定の設定および解除の制御に適用しても、P台1に対する複数の不正に基づくアラーム設定とP台回線断に基づくアラーム設定との三つ以上の関係において、アラーム設定の設定および解除の制御に適用してもよい。
(9) 本実施の形態では、セキュリティ関連情報を払出制御回路171a内のレジスタに格納する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、通信制御回路171b内のレジスタ(たとえば、データ受信レジスタ723b)に格納する構成でもよい。これにより、セキュリティ関連情報は、通信制御回路171b内で暗号化されたまま格納されることになり、よりセキュリティ性が向上する。
(10) 本実施の形態では、図34および図35で示したように、遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに過去接続していたP台1であることをP台自体で判断し、判断結果を示すフラグを商用のCU2に送信してSC325bで検知する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに過去接続していたP台1であることをP台自体で判断し、P台自体で検知して報知する構成でも、遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに過去接続していたP台1であることを識別IDに基づいてCU2のSC325bで判断して検知する構成でもよい。
(11) 以下の構成を備えるものであってもよい。
(A) 本発明は、遊技者により遊技が行われる遊技機(封入循環式パチンコ機(P台1)、メダル不要のスロットマシン(P台1))と、前記遊技機と通信可能に接続され遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU2)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技用装置の識別情報(SC基板IDに含まれる識別ID)を受信する識別情報受信手段(図34、図35:払出制御回路171a)と、
現在接続している前記遊技用装置と前記遊技機に過去接続していた過去の接続装置(商用のCU2以外の接続装置(遊技盤開発治具3E、開発用CU2D))との関係を特定可能とするための特定用情報を記憶する記憶手段(図34、図35:払出制御回路171a内のレジスタに格納される)と、
前記遊技用装置に対して、前記特定用情報を送信する特定用情報送信手段(図34、図35:払出制御回路171a内のレジスタに格納されている識別IDに関する情報(たとえば不正検知状態3のフラグ)をCU2に送信するユーザプログラム171p)とを備え、
前記遊技用装置は、
前記遊技用装置の識別情報を前記遊技機へ送信する識別情報送信手段(図34、図35:識別IDをP台1に送信するSC325b)と、
前記特定用情報を受信する特定用情報受信手段(図34、図35:ユーザプログラム171pから送信された識別IDに関する情報(たとえば不正検知状態3のフラグ)を受信するSC325b)と、
前記特定用情報受信手段で受信した前記特定用情報に基づき、前記遊技用装置と前記過去の接続装置との関係の適否を検知する接続検知手段(SC325bは、識別IDに関する情報(たとえば不正検知状態3のフラグ)に基づきP台1が過去に遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに接続していたことを検知する。)とを備える。
上記構成によれば、接続検知手段により過去の接続装置との関係の適否を検知できるので、過去の接続装置による不正を防止することができセキュリティ性が向上する。
(B) 上記(A)において、
前記特定用情報は、前記過去の接続装置の識別情報(SC基板IDに含まれる識別ID)であって、
前記遊技機は、前記識別情報送信手段で受信した識別情報と前記遊技用装置の識別情報とに基づいて前記遊技用装置と前記過去の接続装置との関係の適否を判定し(図34、図35:P台1は、払出制御回路171aで格納している識別IDが商用のCU2以外の識別IDか否かを判定する。)、
前記遊技用装置の前記接続検知手段は、前記識別情報送信手段で送信した識別情報に所定コードが含まれている場合、前記遊技用装置と前記過去の接続装置との関係の適否を判定しない(SCに開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してある場合、P台1から送信されてきた不正検知状態3のフラグの情報を無視して、過去に接続したカードユニットが開発用CU2Dであったことを検知しない)。
上記構成によれば、所定コードが含まれている遊技用装置については接続検知手段の処理が不要になるため、開発やメンテナンスの作業が容易になる。
(C) 上記(A)または(B)において、
前記遊技機は、
前記識別情報受信手段で受信した識別情報と前記記憶手段で記憶している前記特定用情報とを対比して、前記過去の接続装置の種別を判定する種別判定手段(図34、図35:P台1は、払出制御回路171aで格納している識別IDが遊技盤開発治具3Eの識別IDまたは開発用CU2Dの識別IDか否かを判定する。)と、
前記種別判定手段で判定した前記過去の接続装置の種別を前記特定用情報に含めて前記遊技用装置に通知する種別通知手段とを含む(P台1は、不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”や不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”の情報を状態情報応答のレスポンスに含めてCUに送信する)。
上記構成によれば、種別判定手段により過去の接続装置の種別も通知できるので、過去の接続した特定の装置による不正を防止することができセキュリティ性が向上する。
(D) 上記(C)において、
前記種別通知手段で前記遊技用装置に通知する前記特定用情報は、前記遊技機に含まれる前記記憶手段の初期化により削除される(払出制御回路171aのレジスタに記憶されたSC基板ID(識別IDを含む)は、払出制御回路171aのRAMをクリアすることで消去することができる。)
上記構成によれば、特定用情報を記憶手段の初期化により削除できるのでセキュリティ性が向上する。
(E) 上記(A)〜(D)において、
前記遊技機は、第1制御手段(主制御基板40)と、前記第1制御手段と通信可能な第2制御手段(払出制御基板117)とを含み、
前記遊技用装置は、
上位装置に対して前記遊技用装置と接続可能な前記遊技機のチップ情報か否かを問い合わせるチップ情報問合せ手段(CU制御部323からSC325bに対して遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドが送信される。)と、
前記チップ情報問合せ手段により前記上位装置で照合した前記第1制御手段および前記第2制御手段のそれぞれの照合結果を個別に表した情報として出力する照合結果出力手段(遊技機チップ情報通知結果は、主制御チップおよび払出制御チップの照合結果を個別に表した情報としてCU制御部323に対して通知される。)とを含む。
上記構成によれば、上位装置で照合した第1制御手段および第2制御手段のそれぞれの照合結果を個別に表した情報として出力するので、いずれの制御手段が照合されなかったのかを容易に判断することができる。
(F) 本発明の別の構成では、遊技者により遊技が行われる遊技機(封入循環式パチンコ機(P台1)、メダル不要のスロットマシン(P台1))と、前記遊技機と通信可能に接続され遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU2)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
前記遊技用装置の識別情報(SC基板IDに含まれる識別ID)を前記遊技機へ送信する識別情報送信手段と、
現在接続している前記遊技用装置と前記遊技機に過去接続していた過去の接続装置との関係を特定可能とするための特定用情報を受信する特定用情報受信手段(図34、図35:識別IDをP台1に送信するSC325b)と、
前記特定用情報受信手段で受信した前記特定用情報に基づき、前記遊技用装置と前記過去の接続装置との関係の適否を検知する接続検知手段(SC325bは、識別IDに関する情報(たとえば不正検知状態3のフラグ)に基づきP台1が過去に遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに接続していたことを検知する。)とを含み、
前記遊技用装置は、前記遊技機に代えて試験用遊技機と接続する場合、前記試験用遊技機に予め記憶してある識別情報を前記特定用情報として前記特定用情報受信手段が受信する(不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”の情報を状態情報応答のレスポンスを受信する)。
上記構成によれば、遊技機に代えて試験用遊技機と接続する場合であっても試験用遊技機と接続していることを検知することができるので、試験用遊技機による不正を防止することができセキュリティ性が向上する。
(G) 本発明の別の構成では、遊技者により遊技が行われる遊技機(封入循環式パチンコ機(P台1)、メダル不要のスロットマシン(P台1))と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU2)であって、
前記遊技用装置は、
前記遊技用装置の識別情報(SC基板IDに含まれる識別ID)を前記遊技機へ送信する識別情報送信手段(図34、図35:識別IDをP台1に送信するSC325b)と、
現在接続している前記遊技用装置と前記遊技機に過去接続していた過去の接続装置との関係を特定可能とするための特定用情報を受信する特定用情報受信手段(図34、図35:ユーザプログラム171pから送信された識別IDに関する情報(たとえば不正検知状態3のフラグ)を受信するSC325b)と、
前記特定用情報受信手段で受信した前記特定用情報に基づき、前記遊技用装置と前記過去の接続装置との関係の適否を検知する接続検知手段(SC325bは、識別IDに関する情報(たとえば不正検知状態3のフラグ)に基づきP台1が過去に遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに接続していたことを検知する。)とを含む。
このような構成によれば、接続検知手段により過去の接続装置との関係の適否を検知できるので、過去の接続装置による不正を防止することができセキュリティ性が向上する。
(H) 本発明の別の構成では、遊技者により遊技が行われる遊技機(封入循環式パチンコ機(P台1)、メダル不要のスロットマシン(P台1))と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU2)を制御する遊技制御装置(SC325b)であって、
前記遊技制御装置は、
前記遊技用装置の識別情報(SC基板IDに含まれる識別ID)を前記遊技機へ送信する識別情報送信手段(図34、図35:識別IDをP台1に送信するSC325b)と、
現在接続している前記遊技用装置と前記遊技機に過去接続していた過去の接続装置との関係を特定可能とするための特定用情報を受信する特定用情報受信手段(図34、図35:ユーザプログラム171pから送信された識別IDに関する情報(たとえば不正検知状態3のフラグ)を受信するSC325b)と、
前記特定用情報受信手段で受信した前記特定用情報に基づき、前記遊技用装置と前記過去の接続装置との関係の適否を検知する接続検知手段(SC325bは、識別IDに関する情報(たとえば不正検知状態3のフラグ)に基づきP台1が過去に遊技盤開発治具3Eや開発用CU2Dに接続していたことを検知する。)とを含む。
上記構成によれば、接続検知手段により過去の接続装置との関係の適否を検知できるので、過去の接続装置による不正を防止することができセキュリティ性が向上する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。