JP2004201973A - 遊技機 - Google Patents
遊技機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004201973A JP2004201973A JP2002375325A JP2002375325A JP2004201973A JP 2004201973 A JP2004201973 A JP 2004201973A JP 2002375325 A JP2002375325 A JP 2002375325A JP 2002375325 A JP2002375325 A JP 2002375325A JP 2004201973 A JP2004201973 A JP 2004201973A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- game
- sphere
- winning
- lottery
- display device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Slot Machines And Peripheral Devices (AREA)
Abstract
【課題】従来のスロットマシンの液晶表示装置で行われる演出は、パチンコ機のリーチアクションを演出しようとしてはいたが、パチンコ機ほどの熱さが足りず、演出の興趣に欠ける面があった。
【解決手段】ボーナスゲーム実行時に前面パネル22の前面に設けられた抽選遊技装置40において抽選遊技が行われる。抽選遊技は、ジャックゲームが実行される毎に発射装置45より遊技球pが発射されて行われる。発射された遊技球pは、レール46を介して盤面に打ち込まれ、障害釘41に弾かれながら盤面を流下する。流下した遊技球pがチャッカー44を通過すると当たりとなり、AT遊技のセット回数と遊技数とが特別に抽選される。従って、スロットマシン遊技の面白さとパチンコ遊技の熱さとを同時に味わうことが可能になる。
【選択図】 図2
【解決手段】ボーナスゲーム実行時に前面パネル22の前面に設けられた抽選遊技装置40において抽選遊技が行われる。抽選遊技は、ジャックゲームが実行される毎に発射装置45より遊技球pが発射されて行われる。発射された遊技球pは、レール46を介して盤面に打ち込まれ、障害釘41に弾かれながら盤面を流下する。流下した遊技球pがチャッカー44を通過すると当たりとなり、AT遊技のセット回数と遊技数とが特別に抽選される。従って、スロットマシン遊技の面白さとパチンコ遊技の熱さとを同時に味わうことが可能になる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の図柄を可変表示する可変表示装置に所定の図柄が停止表示されると入賞を発生させる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような遊技機としては、例えばスロットマシンがある。従来のスロットマシンにおいては、遊技者によってメダル投入口にメダルが投入されて遊技が行われる。遊技者は、ストップボタンを操作し、回転するリールの外周に描かれた図柄を所定の図柄組み合わせで停止表示させると、その図柄組み合わせに応じた入賞が得られる。各入賞に対してはそれぞれ所定数のメダルが払い出される。
【0003】
従来のスロットマシンには、上記のリールの他に液晶表示装置を備えているものがある。この液晶表示装置にも種々の図柄が表示され、パチンコ機で行われるリーチアクションを模した表示演出が行われたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスロットマシンの液晶表示装置で行われる演出は、スロットマシンでパチンコ機のリーチアクションを演出しようとしてはいたが、パチンコ機ほどの熱さが足りず、演出の興趣に欠ける面があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、種々の図柄を機器前面に可変表示する可変表示装置と、この可変表示装置に所定の図柄が停止表示されると入賞を発生させる可変表示遊技を行う遊技処理手段とを備えた遊技機において、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技を行う球体遊技実行手段を機器前面に備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、可変表示装置に所定の図柄が停止表示されると入賞を発生させる可変表示遊技と共に、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技が行われる。
【0007】
このため、可変表示遊技の面白さと球体遊技の面白さとを同時に味わうことが可能な遊技機が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した一実施形態について説明する。
【0009】
図1は本実施形態によるスロットマシン1の外観を示す正面図である。
【0010】
スロットマシン1の前面パネル22の中央部には、3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれており、各リール2,3,4は種々のシンボルを機器前面に可変表示する可変表示装置を構成している。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5,6,7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者が遊技に賭ける遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口8が設けられている。
【0011】
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインが有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインが加わって横3本の入賞ラインが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインが加わって5本の入賞ライン全てが有効化される。
【0012】
また、表示窓5〜7の左方には、上部から、4個のチャンスLED(発光ダイオード)9〜12、3個の遊技動作表示ランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。チャンスLED9〜12および遊技動作表示ランプ13〜15は遊技状態に応じて点灯制御され、その時の遊技状態が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLEDからなり、機械内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
【0013】
また、スタートランプ17の下方には、1貯留メダル投入スイッチ26、2貯留メダル投入スイッチ27、および3貯留メダル投入スイッチ28が設けられている。これら貯留メダル投入スイッチ26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
【0014】
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームおよびジャックゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時に点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
【0015】
また、前面パネル22の下方には、左側から、貯留メダル精算スイッチ29、スタートレバー30、およびストップボタン31,32,33が設けられている。貯留メダル精算スイッチ29は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。また、スタートレバー30の操作により各リール2〜4の回転が一斉に開始する。ストップボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
【0016】
また、スロットマシン1の正面下部にはメダル受皿34が設けられている。このメダル受皿34はメダル払出口35から払い出されるメダルを貯めるものである。また、スロットマシン1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部36が設けられており、この配当表示部36の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
【0017】
また、前面パネル22の前面中央部には、パチンコ機を模した抽選遊技装置40が設けられている。この抽選遊技装置40は、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技を抽選遊技として行う球体遊技実行手段を構成している。抽選遊技は、遊技者に有利な特典遊技の増加実行可能回数を抽選するか否かを決定する遊技である。特典遊技は所定の条件が成立すると発生し、本実施形態では、この特典遊技として、遊技者に入賞発生を案内するアシストタイム(AT)遊技が行われる。
【0018】
図2(a)は、抽選遊技装置40の概略的な構成を示す正面図であり、同図(b)はその側断面図、同図(c)はその概略的な内部構造を示す図である。なお、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0019】
抽選遊技装置40は、複数の障害釘41が前面パネル22の表面に植設されて表面パネル43との間に設けられており、これらの間には、遊技球pが流下する空間が確保されている。前面パネル22および表面パネル43は、表示窓5,6,7を介してリール2,3,4が見えるようにいずれも透明な部材で形成されており、2重パネル構造を形成している。表示窓5,6,7の前部の前面パネル22には、前面パネル22の背後のリールドラム2〜4を見やすくするため、障害釘41は植設されていない。また、前面パネル22の下部表面には入賞口であるチャッカー44が設けられている。遊技球pは、発射装置45によってレール46を介して前面パネル22の表面に形成された盤面に発射される。発射された遊技球pは、障害釘41に弾かれながら盤面を流下し、チャッカー44を通過すると抽選遊技は当たりとなる。抽選遊技装置40には1ボーナスゲームで実行可能なジャックゲーム数に相当する12個の遊技球pが備えられており、盤面を流下して装置下部に回収された遊技球pは球通路47を通って再び発射装置45に供給される。
【0020】
図3および図4は、上述したスロットマシン1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
【0021】
図3に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
【0022】
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
【0023】
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ37、各種ランプ(遊技動作表示ランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(チャンスLED9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、入賞配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76はI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
【0024】
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、前述した貯留メダル投入スイッチ26〜28、および貯留メダル精算スイッチ29がある。さらに、ホトセンサからの出力パルス信号を受けて各リール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサは各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
【0025】
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ37の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサは各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ37の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
【0026】
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ストップボタン31,32,33が押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
【0027】
メイン制御基板61のマイコン63は、リール2,3,4に所定のシンボル組み合わせが停止表示されると入賞を発生させる可変表示遊技であるスロットマシン遊技を行う遊技処理手段を構成している。また、「BB」または「RB」のボーナス入賞が発生するとボーナスゲームを実行する遊技処理手段をも構成している。
【0028】
プログラムROM65は、確率抽選テーブル、シンボルテーブル、入賞シンボル組合せテーブル、およびシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。
【0029】
図5はプログラムROM65内に格納された一般遊技中に使用される確率抽選テーブルを概念的に示している。この確率抽選テーブルは、一般遊技中にサンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区分けするために使用され、乱数発生器69で発生する一定範囲の乱数を各入賞態様に区画するデータを記憶している。同図におけるa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3,d1〜d3,e1〜e3,f1〜f3,g1〜g3は予め設定された数値データであり、サンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区画する際に用いられる。このデータは、投入メダル枚数が1枚の場合には「a1〜g1」、2枚の場合には「a2〜g2」、3枚の場合には「a3〜g3」の各数値の組合せが用いられる。
【0030】
これら数値は通常「a<b<c<d<e<f<g」の大小関係に設定され、抽出された乱数値がd未満であれば小当たり入賞(小ヒット)となり、この場合、a未満の場合には「角チェリー」当たり要求フラグが立ち、a以上b未満の場合には「中チェリー」当たり要求フラグ、b以上c未満の場合には「プラム」当たり要求フラグ、c以上d未満の場合には「スイカ」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がd以上e未満であれば「再遊技」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がe以上f未満であれば中当たり入賞(中ヒット)となって「RB」当たり要求フラグが立ち、抽出された乱数値がf以上g未満であれば大当たり入賞(大ヒット)となって「BB」当たり要求フラグが立つ。また、g以上であれば入賞なしの「はずれ」になる。つまり、入賞態様は、サンプリングされた1つの乱数値がこのどの数値範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。
【0031】
「BB」または「RB」のボーナス当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の遊技に持ち越され、「BB」または「RB」のシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナス入賞が実際に発生すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグは、フラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。
【0032】
また、上記のプログラムROM65内に格納された図示しないシンボルテーブルは、各リール2〜4の回転位置とシンボルとを対応づけるものであり、シンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルには、リセットパルスが発生する回転位置を基準として各リールの一定の回転ピッチ毎に順次付与されたコードナンバと、それぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコードとが記憶されている。
【0033】
また、上記のプログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、「BB」または「RB」当たり要求フラグセット済み状態のときに、遊技者に「BB」または「RB」ゲームの発生が近い状態になっていることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、第1リール2,第2リール3、第3リール4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。さらに、プログラムROM65内には、このスロットマシン1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
【0034】
また、メインCPU64のI/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図4に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
【0035】
サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
【0036】
マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ49a,49b,49c、および前述した抽選遊技装置40の発射装置45がある。バックランプ49a〜49cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。発射装置45による遊技球pの発射は、I/Oポート87に接続された発射装置駆動回路48からの駆動信号によって制御される。この制御により、発射装置45は、ボーナスゲームにおいてジャックゲームが1ゲーム実行される毎に1発の遊技球pを発射する。また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した抽選遊技装置40のチャッカー44がある。チャッカー44は、発射装置45より発射された遊技球pが通過すると通過検知信号を出力する。
【0037】
マイコン81は、所定の条件が成立すると遊技者に有利なAT遊技を実行する遊技処理手段を構成している。本実施形態において、マイコン81は、ボーナスゲームの実行時に前述した抽選遊技装置40を作動させて抽選遊技を行い、この抽選遊技の結果、発射された遊技球pがチャッカー44を通過して入賞すると、AT遊技の増加実行可能回数を抽選する。
【0038】
サブCPU82のI/Oポート87には音源IC91が接続されている。音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
【0039】
サブ制御基板62のプログラムROM83には、図6(a)に示すATセット回数抽選テーブル、同図(b)に示すATゲーム数抽選テーブルが格納されている。これら各テーブルはAT遊技の実行可能回数を抽選する際に参照される。
【0040】
同図(a)に示されるATセット回数抽選テーブルは、AT遊技の実行セット回数を抽選するのに用いられ、0〜32767の乱数範囲32768から抽出した乱数により、ATセット回数を0〜10回,15回,20回,25回,30回,または100回に振り分ける。同テーブルによれば、ATセット回数が0回または1回になる確率は共に0であり、2回になる確率は24663/32768である。また、ATセット回数が3回になる確率は7000/32768であり、以下同様にそれぞれのセット回数につき選択確率が振り分けられている。同テーブルを用いた場合に得られるATセット回数の期待値は2.30回である。
【0041】
また、同図(b)に示されるATゲーム数抽選テーブルは、AT遊技1セットあたりのATゲーム数を抽選するのに用いられ、0〜127の乱数範囲128から抽出した乱数により、1セットあたりのATゲーム数を10ゲーム,20ゲーム,30ゲーム,50ゲーム,または100ゲームに振り分ける。同テーブルによれば、ATゲーム数が10ゲームになる確率は63/128であり、20ゲームになる確率は30/128である。以下同様に、それぞれのATゲーム数につき選択確率が振り分けられており、同テーブルを用いた場合に得られるATゲーム数の期待値は22.1ゲームである。
【0042】
次に、本実施形態によるスロットマシン1で行われる(1)一般遊技,(2)R・Bゲームおよび(3)B・Bゲームの概要について説明する。
【0043】
(1)一般遊技
一般遊技時においては、シンボル「スイカ」、「プラム」のいずれかの3個のシンボル組み合わせが入賞ラインに並ぶと小当たり入賞となり、それぞれ12枚、8枚の配当が遊技者に払い出されて1ゲーム終了となる。また、1個のシンボル「チェリー」が第1リールの中央または上下の入賞ラインに停止すると「中チェリー」または「角チェリー」の小当たり入賞となり、それぞれ2枚または4枚の配当が遊技者に払い出されて1ゲーム終了となる。また、再遊技のシンボルの3個の組み合わせが入賞ラインに揃うと、メダル投入をしなくても再度ゲームを行うことができる。また、入賞ライン上に並んだシンボル組合せが配当表のいずれにも該当しない場合には、「はずれ」(配当無し)となる。また、特定のキャラクタ図柄からなる3個のシンボル組み合わせが入賞ラインに揃うと大当たり入賞となり、15枚のメダルが払い出された後、一般遊技とボーナスゲームとがセットで複数回行える下記のB・Bゲームに移行する。また、数字の7からなるシンボル「セブン」の3個のシンボル組み合わせが入賞ラインに揃うと中当たり入賞となり、15枚のメダルが払い出された後、1回のボーナスゲームが行える下記のR・Bゲームに移行する。
【0044】
(2)R・Bゲーム
R・Bゲームは、一般遊技中に上記のシンボル組み合わせが入賞ライン上に並ぶと発生する。R・Bゲームでは、ジャックゲームと呼ばれるメダル1枚掛けのゲームを複数回行える。このジャックゲームにおいて中央の入賞ライン上に再遊技のシンボルの3個の組合せが並ぶとジャックゲーム入賞が発生し、8枚のメダルが払い出される。ジャックゲームでは「はずれ」も発生するが、ジャックゲーム入賞は約9/10という高い確率で発生する。このR・Bゲームは、例えばジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはR・Bゲーム中に実行された通算のジャックゲーム数が例えば12回に達すると終了する。
【0045】
(3)B・Bゲーム
▲1▼B・Bゲームは、上記のR・Bゲーム(ボーナスゲーム)と一般遊技とが一組になったものが複数セットで構成されている。B・Bゲームが発生すると、まず、B・Bゲーム中の一般遊技が実行される。このB・Bゲーム中の一般遊技では「はずれ」も発生するが、シンボル「スイカ」、「プラム」、「中チェリー」、「角チェリー」による小当たり入賞が、(1)で上記したB・Bゲーム中以外の一般遊技時に比べて高い確率で発生する。
【0046】
▲2▼また、このB・Bゲーム中の一般遊技中に再遊技のシンボルの3個の組合せが並ぶと、8枚のコインが払い出される。
【0047】
▲3▼その後、複数回のジャックゲームが行えるR・Bゲームであるボーナスゲームへ移行する(ジャックIN)。このB・Bゲーム中におけるボーナスゲームも、例えばジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはボーナスゲーム中に実行された通算のジャックゲーム数が例えば12回に達すると終了する。
【0048】
▲4▼上記のボーナスゲームが終了すると、上記の▲1▼で説明したB・Bゲーム中の一般遊技が再度行われ、この一般遊技中に上記の▲2▼で説明したシンボル組合せが発生すると、その後さらに上記の▲3▼で説明したボーナスゲームが行われる。B・Bゲームは、上記▲1▼〜▲3▼に示される一般遊技およびボーナスゲームの一連のゲームのセットの繰り返しであり、このセットが所定回数、例えば3回行われるとB・Bゲームは終了となる。ただし、このB・Bゲーム中に、上記の▲1▼および▲2▼の一般遊技中における通算ゲーム回数、言い換えれば上記▲3▼のボーナスゲーム時におけるジャックゲーム数を除く通算ゲーム回数が所定回数、例えば30回に達する場合にも、B・Bゲームは終了する。
【0049】
また、本実施形態によるスロットマシン1においては、上記各遊技の他、所定の条件が成立すると、特典遊技として前述したAT遊技が行われる。本実施形態のスロットマシン1では、AT遊技が行われる所定の条件は、一般遊技中に「プラム」入賞態様が内部当選し、かつ、AT発動抽選において当選すると成立する。このAT遊技では、後述する確率抽選処理で小当たり入賞の中で配当が1番高い「スイカ」入賞態様が内部当選すると、この「スイカ」入賞を発生させるストップボタン31〜33の押し順が報知される。従って、AT遊技中は報知された押し順に従ってストップボタン31〜33を操作することにより、「スイカ」入賞が発生しやすくなる。
【0050】
次に、前述した制御回路によって制御されるスロットマシン1の動作について説明する。
【0051】
図7〜図9はメイン制御基板61のメインCPU64によって制御されるメイン遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【0052】
まず、始めに、遊技開始時の初期化処理が行われる(図7,ステップ101参照)。この初期化処理では、制御RAM66の所定領域がクリアされ、また、メイン制御基板61およびサブ制御基板62間における通信データが初期化される。続いて、メインCPU64により、前回遊技終了時に制御RAM66に記憶されていたデータを消す遊技終了時のRAMクリア処理が行われる(ステップ102)。
【0053】
次に、前回遊技の結果、再遊技(リプレイ)が生じてメダルの自動投入要求があるか否かがCPU64によって判別される(ステップ103)。この自動投入要求がある場合には、続いて、投入要求分の遊技メダルが自動投入される(ステップ104)。一方、自動投入要求がない場合には、次に、遊技者によってメダル投入口8にメダルが投入されて投入メダルセンサ8Sから検出信号が入力されるか、貯留メダル投入スイッチ26〜28の操作によって投入信号が入力されるのを待つ(ステップ105)。一般遊技中は最大3枚までのメダルを投入することが出来、BBゲームやRBゲーム中のボーナスゲームでは1枚のメダルを投入することが出来る。
【0054】
次に、スタートレバー30の操作により、スタートスイッチ30Sからのスタート信号入力があったか否かが判別される(ステップ106)。この判別が“Yes”の場合、続いて、前回の遊技から4.1秒を経過しているか否かが判別される(ステップ107)。4.1秒を経過していない場合は、ウエイト機能が働いて4.1秒が経過するまでの遊技開始待ち時間が消化される(ステップ108)。スタートレバー30の操作がこの4.1秒経過前に行われると、スピーカ96,96からリール回転不可音が出音され、ウエイト機能が働いたことが遊技者に対して報知される。
【0055】
前回遊技から4.1秒を経過すると、次に、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数がサンプリング回路70によって抽出され(ステップ109)、その後、上記の4.1秒をカウントするための1遊技監視用タイマがセットされる(ステップ110)。次に、ステップ109で抽出された乱数に基づき、確率抽選処理が行われる(図8,ステップ111参照)。この確率抽選処理は、サンプリング回路70によって特定された1つの乱数値が、確率抽選テーブル(図5参照)においてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。この際、機械に投入されたメダル枚数に応じて、図5の確率抽選テーブルの各段に示された確率抽選データa1〜g1、a2〜g2、またはa3〜g3が用いられる。
【0056】
確率抽選処理が終了すると、次に、リール回転処理が行われ(ステップ11 2)、続いて、スタートコマンド送信処理が行われる(ステップ113)。リール回転処理では、まず、リール2〜4の各回転位置が書き込まれる制御RAM66の所定領域が、メインCPU64によってリール回転の開始に際して初期化され、引き続いて各リール2〜4がステッピングモータ37によって回転駆動される。スタートコマンド送信処理では、スタートスイッチ30SからメインCPU64へ入力されたスタート信号に基づき、スタートコマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。このスタートコマンドは、内部当選役および遊技状態を表すパラメータを含んで構成されている。
【0057】
次に、何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか否かが判別される(ステップ114)。オン操作されていない場合には、自動停止タイマーが0になったか否かが判別される(ステップ115)。この自動停止タイマーは、ストップボタン31〜33が所定時間操作されない場合に、各リール2〜4を所定時間経過後に自動的に停止させるためのものである。
【0058】
何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか、または、自動停止タイマーが0になると、次に、有効化入賞ライン上に引き込まれるシンボルのコマ数、つまり滑りコマ数が決定される(ステップ116)。この滑りコマ数は、遊技状態,当選要求,制御コマ数,シンボル位置等から定められ、有効化入賞ラインから当選シンボルまでのコマ数が制御コマ数の範囲内にあれば滑りコマ数として決定される。次に、この滑りコマ数が制御RAM66の所定領域に格納される。その後、第1停止リールの停止要求フラグがセットされ、この停止要求フラグがセットされるのに応じ、決定された滑りコマ数分だけ第1停止リールが回転させられるリール引き込み制御が行われ、1個のリールの回転が停止させられる(ステップ117)。次に、全てのリール2〜4が停止したか否かが判別される(ステップ118)。第2停止リールおよび第3停止リールが未だ停止していない場合には、処理はステップ114に戻り、以上の処理が繰り返して行われる。
【0059】
全てのリール2〜4が停止すると、次に、メインCPU64によって入賞検索処理が行われる(図9,ステップ119参照)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せを示す入賞フラグの種類と、確率抽選処理によって決定された内部当選役の種類との一致がとられる。次に、この入賞フラグが正常か否かが判別される(ステップ120)。この判別結果が正常でない場合、例えば、プラムのシンボル組合せが有効化入賞ライン上に揃っているのに、内部当選役に対応する当たり要求フラグが中チェリーのフラグである場合には、配当枚数表示部20にイリーガルエラーが表示される(ステップ121)。入賞フラグが正常の場合には、入賞コマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。この入賞コマンドは、入賞役、遊技状態および入賞ラインを表すパラメータを含んで構成されている。
【0060】
次に、その時の状態によって遊技メダルの貯留、または払い出し処理が行われる(ステップ122)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿34へ払い出される。メダルの貯留または払い出しが行われると、WINランプ19が点灯され、入賞発生が遊技者に知らされる(ステップ123)。
【0061】
次に、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの作動中であるか否かが判別される(ステップ124)。BBゲームまたはRBゲームの作動中でない場合には、メインCPU64による遊技処理はステップ102に戻り、次の新たな遊技が開始される。また、BBゲームまたはRBゲームの作動中である場合には、次に、BBゲームまたはRBゲームの遊技数チェック処理が行われる(ステップ125)。続いて、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームの終了時か否かが判別される(ステップ126)。BB終了フラグがONされていてBBゲーム終了時であれば、BB終了コマンドがサブ制御基板62へ送信される。このBB終了コマンドは、終了動作を表すパラメータを含んで構成されている。BB終了コマンドが送信されると、続いて、BBゲーム終了時のRAMクリア処理が制御RAM66に対して行われ(ステップ127)、その後、遊技処理はステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。また、ステップ126の判別でBBゲーム終了時でなければ、遊技処理はそのままステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。
【0062】
図10は、上記のメイン遊技処理のステップ125で行われるBB、RB遊技数チェック処理の詳細を示すフローチャートである。このBB、RB遊技数チェック処理においては、まず始めに、BB中の一般遊技の実行回数が規定の30回に達しているか否かが判別される(図10,ステップ152参照)。BB中の一般遊技が未だ30回行われていない場合は、次に、今回のBB中一般遊技において再遊技入賞(ジャックIN)となったか否かが判別される(ステップ153)。ジャックINでない場合は処理はそのまま終了し、ジャックINの場合はボーナスゲーム(RBゲーム)についての遊技数がチェックされる。
【0063】
ボーナスゲームに関しては、まず、役物作動可能回数、つまりジャックゲームの残り入賞可能回数がボーナスカウント表示部18に表示される(ステップ154)。続いて、玉発射処理信号がサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される(ステップ156)。次に、ジャックゲーム入賞が規定の8回発生したか否かが判別され(ステップ157)、未だ8回発生していない場合は、続いて、ジャックゲームの遊技回数が規定の12回目であるか否かが判別される(ステップ158)。ジャックゲームが未だ12回行われていない場合は、処理はステップ154に戻り、次のジャックゲームが行われる。
【0064】
一方、ジャックゲームの遊技回数が12回目である場合、またはステップ157の処理でジャックゲーム入賞が8回発生したと判別された場合は、続いて、ジャックINが3回目であるか、つまり、ボーナスゲームが規定の3回目であるか否かが判別される(ステップ159)。ボーナスゲームが3回目ではない場合は処理はそのまま終了する。また、ステップ159の判別でボーナスゲームが3回目の場合、または、ステップ152の判別でBB中の一般遊技の実行回数が規定の30回に達している場合には、BB終了フラグがONされる(ステップ160)。
【0065】
次に、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
【0066】
図11は、サブCPU82によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。サブ制御基板62では、メイン制御基板61側から受信される各種コマンドがサブCPU82によって常に解析され、このコマンドに基づいた各種遊技処理が適宜行われている(図11,ステップ201参照)。
【0067】
図12は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドがスタートコマンドである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。前述のように、スタートコマンドは、メイン遊技処理のスタートコマンド送信処理(図8,ステップ113参照)において送信される。
【0068】
スタートコマンド受信処理では、まず、ATセット回数カウンタが1以上であるか否かが判別される(図12,ステップ301参照)。ATセット回数カウンタは、図6(a)に示したATセット回数抽選テーブルで振り分けられるATセット回数を計数する。ATセット回数が1以上でない場合は、ATフラグがOFFされ(ステップ302)、続いて、確率抽選(図8,ステップ111参照)の結果「プラム」入賞態様が内部当選しているか否かが判別される(ステップ303)。「プラム」入賞態様が内部当選していない場合は、スタートコマンド受信処理は終了する。一方、「プラム」入賞態様が内部当選している場合は、次に、現在の遊技状態が一般遊技中であるか否かが判別され(ステップ304)、一般遊技中でない場合はスタートコマンド受信処理は終了する。一般遊技中である場合は、次に、AT抽選処理が行われ(ステップ310)、続いて、AT発動処理が行われる(ステップ311)。
【0069】
図13は、上記スタートコマンド受信処理のステップ310において行われるAT抽選処理の詳細を示すフローチャートである。AT抽選処理では、まず、図6(a),(b)に示したATセット回数抽選テーブルおよびATゲーム数抽選テーブルが参照されてATセット回数およびATゲーム数が抽選される(図13,ステップ321参照)。そして、抽選されたATセット回数とその1セットあたりのATゲーム数とが制御RAM84に対で記憶される(ステップ322)。この際、既にATセット回数とATゲーム数との対が制御RAM84に記憶されている場合、新たに抽選されたATセット回数とATゲーム数との対は、別の領域に記憶される。これら各領域に記憶されたATセット回数の合計値はATセット回数カウンタにより計数される。また、現在実行中のセットに割り当てられたATゲーム数の残りATゲーム数はATゲーム数カウンタにより計数される。その後、ATフラグがONされる(ステップ323)。
【0070】
図14は、スタートコマンド受信処理(図12参照)のステップ311において行われるAT発動処理の詳細を示すフローチャートである。AT発動処理では、まず、AT発動中か否かが判別される(図14,ステップ331参照)。AT発動中である場合は、AT発動処理は終了する。AT発動中でない場合は、次に、ATセット回数カウンタが1以上であるか否かが判別される(ステップ332)。ATセット回数カウンタが1以上でない場合は、AT遊技が行われないため、AT発動処理は終了する。一方、ATセット回数カウンタが1以上の場合は、続いて、AT遊技を発動させるか否かの抽選がAT発動抽選テーブルを参照して行われる(ステップ333)。AT発動抽選テーブルによる当選確率は、スロットマシン1に投入されたメダル総数に対する遊技者に獲得されたメダル総数の割合を示す出球率の設定段階によって異なり、例えば、図15に示すように、出球率の設定段階が設定1の場合は1/20、設定2の場合は1/19、設定3の場合は1/18、設定4の場合は1/17、設定5の場合は1/16、設定6の場合は1/15に設定されている。
【0071】
次に、上記のAT発動抽選で当選したか否かが判別され(図14,ステップ334参照)、当選しなかった場合はAT発動処理は終了する。当選した場合は、ATゲーム数カウンタが、AT抽選処理(図13参照)のステップ322で記憶された最も古いATセット回数に割り当てられたATゲーム数にセットされ、AT遊技が発動される(ステップ335)。
【0072】
一方、図12,ステップ301においてATセット回数が1以上である場合は、次に、現在、AT遊技中であるか否かが判別される(ステップ305)。AT遊技中であるか否かの判別は、図6(b)に示したATゲーム数抽選テーブルで振り分けられるATゲーム数の残りゲーム数を計数するATゲーム数カウンタが、現在1以上であるか否かを判別することによって行われる。ATゲーム数カウンタが1以上でない、つまり0の場合は、所定ゲーム数のAT遊技が1セット終了したと判別され、ATセット回数減算処理が行われる(ステップ306)。図16はこのATセット回数減算処理の概要を示すフローチャートである。始めに、ATセット回数カウンタが1以上であるかが判別され(図16,ステップ341参照)、ATセット回数カウンタが1以上であることが認識されると、制御RAM84に記憶されたATセット回数カウンタの値が1減算される(ステップ342)。
【0073】
一方、図12,ステップ305において、ATゲーム数カウンタが1以上であり、現在AT遊技中であると判別された場合は、次に、後述する押順告知処理が行われ(ステップ307)、続いてATゲーム数カウンタにセットされた値が1減算される(ステップ308)。ATゲーム数カウンタにセットされた値が1減算されるか、ステップ306のATセット回数減算処理が終了すると、次に、ハズレに内部当選しているか否かが判別される(ステップ309)。ハズレに内部当選しているとは、確率抽選処理(図8,ステップ111参照)において、いずれの入賞も内部当選しなかったことを示す。ハズレに内部当選していない場合、つまり、何らかの入賞が内部当選している場合は、スタートコマンド受信処理は終了する。ハズレに内部当選している場合は、次に、前述したAT抽選処理が行われ(ステップ310)、引き続いて、前述したAT発動処理が行われる(ステップ311)。
【0074】
図17は、上記スタートコマンド受信処理のステップ307において行われる押し順告知処理の詳細を示すフローチャートである。この押し順告知処理では、まず、ATゲーム数カウンタが1以上であるか否かが判別される(図17,ステップ351参照)。ATゲーム数カウンタが1以上でない場合は、押し順告知処理は終了する。ATゲーム数カウンタが1以上である場合は、次に、内部当選している役が「スイカ」入賞態様であるか否かが判別される(ステップ352)。「スイカ」入賞態様でない場合は押し順告知処理は終了する。
【0075】
内部当選している役が「スイカ」入賞態様である場合は、停止テーブルの中から「スイカ」内部入賞態様に対応する停止テーブルが選択され、そのテーブルに基づいて、「スイカ」入賞を発生させるストップボタン31,32,33の押し順が告知される。停止テーブルは、3つのストップボタン31,32,33の6通りある押し順の中から入賞を発生させる1通りの押し順を抽選するテーブルである。抽選された押し順は、各リール2〜4に内蔵されたリールバックライト49a,49b,49cの点灯順や、スピーカ96から発せられる音声等によって告知される。遊技者は、告知に従ってストップボタン31〜33を押してゆくだけで、小当たり入賞の中で配当の一番高いスイカ入賞を容易に発生させることが出来る。
【0076】
図18は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドが玉発射処理信号である場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。前述のように、玉発射処理信号は、メイン遊技処理におけるBB、RB遊技数チェック処理(図9,ステップ125参照)の玉発射処理信号送信処理(図10,ステップ156参照)において送信される。
【0077】
まず始めに、玉発射処理信号が受信されたか否かが判別される(図18,ステップ401参照)。玉発射処理信号が受信された場合は、抽選遊技装置40の発射装置45が作動され(ステップ402)、1発の遊技球pが発射される(ステップ403)。発射された遊技球pは、レール46を介して前面パネル22の表面に形成された盤面へ打ち込まれ、障害釘41に弾かれながら盤面を流下する。
【0078】
図19は、上記玉発射処理信号受信処理によって発射装置45が作動状態となった際に、サブCPU82によって割り込んで行われる玉検出処理の概略を示すフローチャートである。この玉検出処理では、図18、ステップ403の上記処理で発射装置45より発射された遊技球pがチャッカー44を通過して、検知信号が出力されたか否かが判別される(図19,ステップ501参照)。チャッカー44より検知信号が出力された場合、これを入力したサブCPU82によって特別AT抽選テーブルが制御RAM84にセットされる(ステップ502)。
【0079】
特別AT抽選テーブルは、図20(a),(b)に示す特別ATセット回数抽選テーブル,特別ATゲーム数抽選テーブルであり、図6(a),(b)に示したATセット回数抽選テーブル,ATゲーム数抽選テーブルとは異なる。この特別AT抽選テーブルは、遊技球pを用いた上記の抽選遊技で遊技球pがチャッカー44を通過して当たりが発生した場合に行われる特別AT抽選においてのみ参照される。
【0080】
図20(a)に示す特別ATセット回数抽選テーブルは、0〜127の乱数範囲128から抽出した乱数により、特別ATセット回数を1回,2回,または3回に振り分ける。同テーブルによれば、特別ATセット回数が1回になる確率は90/128であり、2回になる確率は20/128、3回になる確率は18/128である。この特別ATセット回数抽選テーブルを用いた場合に得られる特別ATセット回数の期待値は1.43回である。また、同図(b)に示す特別ATゲーム数抽選テーブルは、0〜127の乱数範囲128から抽出した乱数により、1セットあたりの特別ATゲーム数を10ゲームまたは20ゲームに振り分ける。同テーブルによれば、特別ATゲーム数が10ゲームになる確率は70/128であり、20ゲームになる確率は58/128である。この特別ATゲーム数抽選テーブルを用いた場合に得られる特別ATゲーム数の期待値は14.5ゲームである。
【0081】
図19,ステップ502において上記特別ATセット回数抽選テーブルおよび特別ATゲーム数抽選テーブルがセットされると、次に、これらの各テーブルが参照されて特別ATセット回数および特別ATゲーム数が抽選される(図19,ステップ503参照)。抽選された特別ATセット回数とその1セットあたりの特別ATゲーム数とはAT遊技の増加実行可能回数として制御RAM84に対で記憶され、記憶された特別ATセット回数がATセット回数カウンタに加算される。
【0082】
このような本実施形態によるスロットマシン1によれば、リール2〜4に所定のシンボル組み合わせが停止表示されるとそのシンボル組み合わせに応じた入賞を発生させるスロットマシン遊技と共に、遊技球pを発射させて発射させた遊技球pがチャッカー44に入賞するか否かのパチンコ遊技が行われる。このため、スロットマシン遊技の面白さとパチンコ遊技の熱さとを同時に味わうことが可能なスロットマシン1が提供される。
【0083】
また、本実施形態によるスロットマシン1によれば、上述したように、ボーナスゲームにおいて、ジャックゲームが実行される毎に遊技球pが発射され、発射された遊技球pがチャッカー44を通過するか否かの抽選遊技が行われる。この抽選遊技において、遊技球pがチャッカー44を通過して当たりとなった場合に、通常のAT抽選とは別に特別AT抽選が行われ、特別AT遊技のセット回数とゲーム数とが抽選される。抽選された特別ATセット回数はそのままATセット回数としてATセット回数カウンタに加算される。従って、遊技者は当たりになることを期待して、強い関心を抱いて抽選遊技を観察するようになる。この結果、抽選遊技はボーナスゲーム中の効果的な演出となり、遊技者がボーナスゲーム実行時に退屈感を覚えることはなくなる。また、AT抽選の機会が増えることによって遊技者の遊技意欲を高めることが出来、スロットマシン1の興趣は増す。
【0084】
なお、上記実施形態の説明においては、抽選遊技装置40は、複数の障害釘41が前面パネル22の表面に植設されて表面パネル43との間に設けらた2重パネル構造の場合について説明した。しかし、本発明による、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技を行う球体遊技実行手段は、この抽選遊技装置40に限定されることはない。
【0085】
図21,図22および図23は、上記の球体遊技実行手段の他の実施形態を示す正面図である。なお、これら各図において図2と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。また、この他の実施形態によるスロットマシンの構造は、これら各図に示す相違点以外は、上述した実施形態によるスロットマシン1と同じ構造をしている。
【0086】
図21に示す抽選遊技装置は、前面パネル22の背後でリール2〜4に並んで設けられた遊技盤42と、この遊技盤42の表面に植設された複数の障害釘41と、遊技盤42の表面に設けられたチャッカー44と、前面パネル22の裏面と遊技盤42の表面との間に形成される空間にレール46を介して遊技球pを打ち込む発射装置とから構成されている。なお、ここでは、遊技盤42からなる発射装置をリール2〜4の右方に設けているが、リール2〜4の左方や、リール2〜4の上部の配当表示部36に設けるようにしてもよい。
【0087】
また、図22に示す抽選遊技装置は、リール2〜4に並んで設けられた液晶表示装置50と、この液晶表示装置50に複数の障害釘41,チャッカー44,遊技球p、およびレール46を表示する表示制御手段とから構成されている。
【0088】
このようないずれの抽選遊技装置も、上述した実施形態によるスロットマシン1の抽選遊技装置40と同様な動作をし、ボーナスゲームにおいて、ジャックゲームが実行される毎に遊技球pが発射され、発射された遊技球pがチャッカー44を通過するか否かの抽選遊技が行われる。そして、このようないずれの抽選遊技装置によっても、上述した実施形態によるスロットマシン1と同様な作用効果が奏される。
【0089】
また、図23に示す抽選遊技装置は、前面パネル22の裏面と遊技盤42の表面との間に形成される空間を、各表示窓5,6,7の各リール2,3,4の前部毎に設け、各表示窓5,6,7毎に、透明な遊技盤42と、この遊技盤42の表面に植設された複数の障害釘41と、遊技盤42の表面に設けられたチャッカー44とからなる発射装置を備えている。遊技球pは、スタートレバー30の操作によってレール46を介して打ち込まれ、各表示窓5,6,7の上部に設けられた各空間に一時貯えられる。そして、対応するストップボタン31,32,33の操作により、図に矢示するように遊技盤42に落下する構造になっている。
【0090】
このような抽選遊技装置は、各ストップボタン31,32,33の操作毎に遊技球pが各遊技盤42に落下し、落下した遊技球pがチャッカー44を通過するか否かの抽選遊技が行われる。このような抽選遊技装置によっても、上述した実施形態によるスロットマシン1と同様な作用効果が奏される。さらに、ストップボタン31,32,33が操作されるまで、遊技球pがリール2,3,4の前面を通らず、遊技球pがリール2,3,4の視認の邪魔になることはないので、遊技を速やかに行うことが出来る。
【0091】
また、上記の各実施形態で遊技盤42に植設される障害釘41および遊技球pは、金属製のものに限定されることはなく、樹脂製のものでもよい。障害釘41が樹脂製の場合には、障害釘41と遊技盤42とを一体成形することができ、障害釘41の釘調整を遊技店で行えないようにすることができる。つまり、スロットマシンの出玉率の調整は、確率抽選処理時の確率抽選値の設定のみによって行え、パチンコ機のように障害釘で調整することができないようにすることができる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、可変表示装置に所定の図柄が停止表示されると入賞を発生させる可変表示遊技と共に、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技が行われる。このため、可変表示遊技の面白さと球体遊技の面白さとを同時に味わうことが可能な遊技機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるスロットマシンの前面に設けられた抽選遊技装置の構成を概略的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメイン制御基板に構成された回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるスロットマシンのサブ制御基板に構成された回路構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に用いられる確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に用いられるATセット回数抽選テーブルおよびATゲーム数抽選テーブルを概念的に示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第1のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第2のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第3のフローチャートである。
【図10】図9に示すフローチャート中のBB、RB遊技数チェック処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態によるスロットマシンのサブCPUによる遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【図12】図11に示すフローチャート中のコマンド解析に従って行われるスタートコマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図13】図12に示すフローチャート中のAT抽選処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】図12に示すフローチャート中のAT発動処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】図14に示すAT発動処理の抽選において参照されるAT発動抽選テーブルの具体的な当選確率を示す図である。
【図16】図12に示すフローチャート中のATセット回数減算処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図12に示すフローチャート中の押し順告知処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図11に示すフローチャート中のコマンド解析に従って行われる玉発射処理信号受信処理を示すフローチャートである。
【図19】図11に示す遊技処理に割り込んで行われる玉検出処理の概略を示すフローチャートである。
【図20】図19に示す玉検出処理において用いられる特別ATセット回数抽選テーブルおよび特別ATゲーム数抽選テーブルを概念的に示す図である。
【図21】本発明の第2の実施形態によるスロットマシンの前面に設けられた抽選遊技装置の構成を概略的に示す図である。
【図22】本発明の第3の実施形態によるスロットマシンの前面に設けられた抽選遊技装置の構成を概略的に示す図である。
【図23】本発明の第4の実施形態によるスロットマシンの前面に設けられた抽選遊技装置の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…スロットマシン
2,3,4…リール
5,6,7…表示窓
22…前面パネル
40…抽選遊技装置
41…障害釘
42…遊技盤
43…表面パネル
44…チャッカー
45…発射装置
46…レール
47…球通路
49a,49b,49c…リールバックランプ
61…メイン制御基板
62…サブ制御基板
63,81…マイコン(マイクロコンピュータ)
64…メインCPU(中央演算処理装置)
82…サブCPU
65,83…プログラムROM(リード・オンリ・メモリ)
66,84…制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)
96…スピーカ
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の図柄を可変表示する可変表示装置に所定の図柄が停止表示されると入賞を発生させる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような遊技機としては、例えばスロットマシンがある。従来のスロットマシンにおいては、遊技者によってメダル投入口にメダルが投入されて遊技が行われる。遊技者は、ストップボタンを操作し、回転するリールの外周に描かれた図柄を所定の図柄組み合わせで停止表示させると、その図柄組み合わせに応じた入賞が得られる。各入賞に対してはそれぞれ所定数のメダルが払い出される。
【0003】
従来のスロットマシンには、上記のリールの他に液晶表示装置を備えているものがある。この液晶表示装置にも種々の図柄が表示され、パチンコ機で行われるリーチアクションを模した表示演出が行われたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスロットマシンの液晶表示装置で行われる演出は、スロットマシンでパチンコ機のリーチアクションを演出しようとしてはいたが、パチンコ機ほどの熱さが足りず、演出の興趣に欠ける面があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、種々の図柄を機器前面に可変表示する可変表示装置と、この可変表示装置に所定の図柄が停止表示されると入賞を発生させる可変表示遊技を行う遊技処理手段とを備えた遊技機において、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技を行う球体遊技実行手段を機器前面に備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、可変表示装置に所定の図柄が停止表示されると入賞を発生させる可変表示遊技と共に、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技が行われる。
【0007】
このため、可変表示遊技の面白さと球体遊技の面白さとを同時に味わうことが可能な遊技機が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した一実施形態について説明する。
【0009】
図1は本実施形態によるスロットマシン1の外観を示す正面図である。
【0010】
スロットマシン1の前面パネル22の中央部には、3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれており、各リール2,3,4は種々のシンボルを機器前面に可変表示する可変表示装置を構成している。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5,6,7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者が遊技に賭ける遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口8が設けられている。
【0011】
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインが有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインが加わって横3本の入賞ラインが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインが加わって5本の入賞ライン全てが有効化される。
【0012】
また、表示窓5〜7の左方には、上部から、4個のチャンスLED(発光ダイオード)9〜12、3個の遊技動作表示ランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。チャンスLED9〜12および遊技動作表示ランプ13〜15は遊技状態に応じて点灯制御され、その時の遊技状態が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLEDからなり、機械内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
【0013】
また、スタートランプ17の下方には、1貯留メダル投入スイッチ26、2貯留メダル投入スイッチ27、および3貯留メダル投入スイッチ28が設けられている。これら貯留メダル投入スイッチ26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
【0014】
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームおよびジャックゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時に点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
【0015】
また、前面パネル22の下方には、左側から、貯留メダル精算スイッチ29、スタートレバー30、およびストップボタン31,32,33が設けられている。貯留メダル精算スイッチ29は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。また、スタートレバー30の操作により各リール2〜4の回転が一斉に開始する。ストップボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
【0016】
また、スロットマシン1の正面下部にはメダル受皿34が設けられている。このメダル受皿34はメダル払出口35から払い出されるメダルを貯めるものである。また、スロットマシン1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部36が設けられており、この配当表示部36の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
【0017】
また、前面パネル22の前面中央部には、パチンコ機を模した抽選遊技装置40が設けられている。この抽選遊技装置40は、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技を抽選遊技として行う球体遊技実行手段を構成している。抽選遊技は、遊技者に有利な特典遊技の増加実行可能回数を抽選するか否かを決定する遊技である。特典遊技は所定の条件が成立すると発生し、本実施形態では、この特典遊技として、遊技者に入賞発生を案内するアシストタイム(AT)遊技が行われる。
【0018】
図2(a)は、抽選遊技装置40の概略的な構成を示す正面図であり、同図(b)はその側断面図、同図(c)はその概略的な内部構造を示す図である。なお、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0019】
抽選遊技装置40は、複数の障害釘41が前面パネル22の表面に植設されて表面パネル43との間に設けられており、これらの間には、遊技球pが流下する空間が確保されている。前面パネル22および表面パネル43は、表示窓5,6,7を介してリール2,3,4が見えるようにいずれも透明な部材で形成されており、2重パネル構造を形成している。表示窓5,6,7の前部の前面パネル22には、前面パネル22の背後のリールドラム2〜4を見やすくするため、障害釘41は植設されていない。また、前面パネル22の下部表面には入賞口であるチャッカー44が設けられている。遊技球pは、発射装置45によってレール46を介して前面パネル22の表面に形成された盤面に発射される。発射された遊技球pは、障害釘41に弾かれながら盤面を流下し、チャッカー44を通過すると抽選遊技は当たりとなる。抽選遊技装置40には1ボーナスゲームで実行可能なジャックゲーム数に相当する12個の遊技球pが備えられており、盤面を流下して装置下部に回収された遊技球pは球通路47を通って再び発射装置45に供給される。
【0020】
図3および図4は、上述したスロットマシン1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
【0021】
図3に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
【0022】
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
【0023】
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ37、各種ランプ(遊技動作表示ランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(チャンスLED9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、入賞配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76はI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
【0024】
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、前述した貯留メダル投入スイッチ26〜28、および貯留メダル精算スイッチ29がある。さらに、ホトセンサからの出力パルス信号を受けて各リール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサは各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
【0025】
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ37の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサは各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ37の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
【0026】
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ストップボタン31,32,33が押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
【0027】
メイン制御基板61のマイコン63は、リール2,3,4に所定のシンボル組み合わせが停止表示されると入賞を発生させる可変表示遊技であるスロットマシン遊技を行う遊技処理手段を構成している。また、「BB」または「RB」のボーナス入賞が発生するとボーナスゲームを実行する遊技処理手段をも構成している。
【0028】
プログラムROM65は、確率抽選テーブル、シンボルテーブル、入賞シンボル組合せテーブル、およびシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。
【0029】
図5はプログラムROM65内に格納された一般遊技中に使用される確率抽選テーブルを概念的に示している。この確率抽選テーブルは、一般遊技中にサンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区分けするために使用され、乱数発生器69で発生する一定範囲の乱数を各入賞態様に区画するデータを記憶している。同図におけるa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3,d1〜d3,e1〜e3,f1〜f3,g1〜g3は予め設定された数値データであり、サンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区画する際に用いられる。このデータは、投入メダル枚数が1枚の場合には「a1〜g1」、2枚の場合には「a2〜g2」、3枚の場合には「a3〜g3」の各数値の組合せが用いられる。
【0030】
これら数値は通常「a<b<c<d<e<f<g」の大小関係に設定され、抽出された乱数値がd未満であれば小当たり入賞(小ヒット)となり、この場合、a未満の場合には「角チェリー」当たり要求フラグが立ち、a以上b未満の場合には「中チェリー」当たり要求フラグ、b以上c未満の場合には「プラム」当たり要求フラグ、c以上d未満の場合には「スイカ」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がd以上e未満であれば「再遊技」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がe以上f未満であれば中当たり入賞(中ヒット)となって「RB」当たり要求フラグが立ち、抽出された乱数値がf以上g未満であれば大当たり入賞(大ヒット)となって「BB」当たり要求フラグが立つ。また、g以上であれば入賞なしの「はずれ」になる。つまり、入賞態様は、サンプリングされた1つの乱数値がこのどの数値範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。
【0031】
「BB」または「RB」のボーナス当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の遊技に持ち越され、「BB」または「RB」のシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナス入賞が実際に発生すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグは、フラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。
【0032】
また、上記のプログラムROM65内に格納された図示しないシンボルテーブルは、各リール2〜4の回転位置とシンボルとを対応づけるものであり、シンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルには、リセットパルスが発生する回転位置を基準として各リールの一定の回転ピッチ毎に順次付与されたコードナンバと、それぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコードとが記憶されている。
【0033】
また、上記のプログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、「BB」または「RB」当たり要求フラグセット済み状態のときに、遊技者に「BB」または「RB」ゲームの発生が近い状態になっていることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、第1リール2,第2リール3、第3リール4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。さらに、プログラムROM65内には、このスロットマシン1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
【0034】
また、メインCPU64のI/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図4に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
【0035】
サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
【0036】
マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ49a,49b,49c、および前述した抽選遊技装置40の発射装置45がある。バックランプ49a〜49cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。発射装置45による遊技球pの発射は、I/Oポート87に接続された発射装置駆動回路48からの駆動信号によって制御される。この制御により、発射装置45は、ボーナスゲームにおいてジャックゲームが1ゲーム実行される毎に1発の遊技球pを発射する。また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した抽選遊技装置40のチャッカー44がある。チャッカー44は、発射装置45より発射された遊技球pが通過すると通過検知信号を出力する。
【0037】
マイコン81は、所定の条件が成立すると遊技者に有利なAT遊技を実行する遊技処理手段を構成している。本実施形態において、マイコン81は、ボーナスゲームの実行時に前述した抽選遊技装置40を作動させて抽選遊技を行い、この抽選遊技の結果、発射された遊技球pがチャッカー44を通過して入賞すると、AT遊技の増加実行可能回数を抽選する。
【0038】
サブCPU82のI/Oポート87には音源IC91が接続されている。音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
【0039】
サブ制御基板62のプログラムROM83には、図6(a)に示すATセット回数抽選テーブル、同図(b)に示すATゲーム数抽選テーブルが格納されている。これら各テーブルはAT遊技の実行可能回数を抽選する際に参照される。
【0040】
同図(a)に示されるATセット回数抽選テーブルは、AT遊技の実行セット回数を抽選するのに用いられ、0〜32767の乱数範囲32768から抽出した乱数により、ATセット回数を0〜10回,15回,20回,25回,30回,または100回に振り分ける。同テーブルによれば、ATセット回数が0回または1回になる確率は共に0であり、2回になる確率は24663/32768である。また、ATセット回数が3回になる確率は7000/32768であり、以下同様にそれぞれのセット回数につき選択確率が振り分けられている。同テーブルを用いた場合に得られるATセット回数の期待値は2.30回である。
【0041】
また、同図(b)に示されるATゲーム数抽選テーブルは、AT遊技1セットあたりのATゲーム数を抽選するのに用いられ、0〜127の乱数範囲128から抽出した乱数により、1セットあたりのATゲーム数を10ゲーム,20ゲーム,30ゲーム,50ゲーム,または100ゲームに振り分ける。同テーブルによれば、ATゲーム数が10ゲームになる確率は63/128であり、20ゲームになる確率は30/128である。以下同様に、それぞれのATゲーム数につき選択確率が振り分けられており、同テーブルを用いた場合に得られるATゲーム数の期待値は22.1ゲームである。
【0042】
次に、本実施形態によるスロットマシン1で行われる(1)一般遊技,(2)R・Bゲームおよび(3)B・Bゲームの概要について説明する。
【0043】
(1)一般遊技
一般遊技時においては、シンボル「スイカ」、「プラム」のいずれかの3個のシンボル組み合わせが入賞ラインに並ぶと小当たり入賞となり、それぞれ12枚、8枚の配当が遊技者に払い出されて1ゲーム終了となる。また、1個のシンボル「チェリー」が第1リールの中央または上下の入賞ラインに停止すると「中チェリー」または「角チェリー」の小当たり入賞となり、それぞれ2枚または4枚の配当が遊技者に払い出されて1ゲーム終了となる。また、再遊技のシンボルの3個の組み合わせが入賞ラインに揃うと、メダル投入をしなくても再度ゲームを行うことができる。また、入賞ライン上に並んだシンボル組合せが配当表のいずれにも該当しない場合には、「はずれ」(配当無し)となる。また、特定のキャラクタ図柄からなる3個のシンボル組み合わせが入賞ラインに揃うと大当たり入賞となり、15枚のメダルが払い出された後、一般遊技とボーナスゲームとがセットで複数回行える下記のB・Bゲームに移行する。また、数字の7からなるシンボル「セブン」の3個のシンボル組み合わせが入賞ラインに揃うと中当たり入賞となり、15枚のメダルが払い出された後、1回のボーナスゲームが行える下記のR・Bゲームに移行する。
【0044】
(2)R・Bゲーム
R・Bゲームは、一般遊技中に上記のシンボル組み合わせが入賞ライン上に並ぶと発生する。R・Bゲームでは、ジャックゲームと呼ばれるメダル1枚掛けのゲームを複数回行える。このジャックゲームにおいて中央の入賞ライン上に再遊技のシンボルの3個の組合せが並ぶとジャックゲーム入賞が発生し、8枚のメダルが払い出される。ジャックゲームでは「はずれ」も発生するが、ジャックゲーム入賞は約9/10という高い確率で発生する。このR・Bゲームは、例えばジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはR・Bゲーム中に実行された通算のジャックゲーム数が例えば12回に達すると終了する。
【0045】
(3)B・Bゲーム
▲1▼B・Bゲームは、上記のR・Bゲーム(ボーナスゲーム)と一般遊技とが一組になったものが複数セットで構成されている。B・Bゲームが発生すると、まず、B・Bゲーム中の一般遊技が実行される。このB・Bゲーム中の一般遊技では「はずれ」も発生するが、シンボル「スイカ」、「プラム」、「中チェリー」、「角チェリー」による小当たり入賞が、(1)で上記したB・Bゲーム中以外の一般遊技時に比べて高い確率で発生する。
【0046】
▲2▼また、このB・Bゲーム中の一般遊技中に再遊技のシンボルの3個の組合せが並ぶと、8枚のコインが払い出される。
【0047】
▲3▼その後、複数回のジャックゲームが行えるR・Bゲームであるボーナスゲームへ移行する(ジャックIN)。このB・Bゲーム中におけるボーナスゲームも、例えばジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはボーナスゲーム中に実行された通算のジャックゲーム数が例えば12回に達すると終了する。
【0048】
▲4▼上記のボーナスゲームが終了すると、上記の▲1▼で説明したB・Bゲーム中の一般遊技が再度行われ、この一般遊技中に上記の▲2▼で説明したシンボル組合せが発生すると、その後さらに上記の▲3▼で説明したボーナスゲームが行われる。B・Bゲームは、上記▲1▼〜▲3▼に示される一般遊技およびボーナスゲームの一連のゲームのセットの繰り返しであり、このセットが所定回数、例えば3回行われるとB・Bゲームは終了となる。ただし、このB・Bゲーム中に、上記の▲1▼および▲2▼の一般遊技中における通算ゲーム回数、言い換えれば上記▲3▼のボーナスゲーム時におけるジャックゲーム数を除く通算ゲーム回数が所定回数、例えば30回に達する場合にも、B・Bゲームは終了する。
【0049】
また、本実施形態によるスロットマシン1においては、上記各遊技の他、所定の条件が成立すると、特典遊技として前述したAT遊技が行われる。本実施形態のスロットマシン1では、AT遊技が行われる所定の条件は、一般遊技中に「プラム」入賞態様が内部当選し、かつ、AT発動抽選において当選すると成立する。このAT遊技では、後述する確率抽選処理で小当たり入賞の中で配当が1番高い「スイカ」入賞態様が内部当選すると、この「スイカ」入賞を発生させるストップボタン31〜33の押し順が報知される。従って、AT遊技中は報知された押し順に従ってストップボタン31〜33を操作することにより、「スイカ」入賞が発生しやすくなる。
【0050】
次に、前述した制御回路によって制御されるスロットマシン1の動作について説明する。
【0051】
図7〜図9はメイン制御基板61のメインCPU64によって制御されるメイン遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【0052】
まず、始めに、遊技開始時の初期化処理が行われる(図7,ステップ101参照)。この初期化処理では、制御RAM66の所定領域がクリアされ、また、メイン制御基板61およびサブ制御基板62間における通信データが初期化される。続いて、メインCPU64により、前回遊技終了時に制御RAM66に記憶されていたデータを消す遊技終了時のRAMクリア処理が行われる(ステップ102)。
【0053】
次に、前回遊技の結果、再遊技(リプレイ)が生じてメダルの自動投入要求があるか否かがCPU64によって判別される(ステップ103)。この自動投入要求がある場合には、続いて、投入要求分の遊技メダルが自動投入される(ステップ104)。一方、自動投入要求がない場合には、次に、遊技者によってメダル投入口8にメダルが投入されて投入メダルセンサ8Sから検出信号が入力されるか、貯留メダル投入スイッチ26〜28の操作によって投入信号が入力されるのを待つ(ステップ105)。一般遊技中は最大3枚までのメダルを投入することが出来、BBゲームやRBゲーム中のボーナスゲームでは1枚のメダルを投入することが出来る。
【0054】
次に、スタートレバー30の操作により、スタートスイッチ30Sからのスタート信号入力があったか否かが判別される(ステップ106)。この判別が“Yes”の場合、続いて、前回の遊技から4.1秒を経過しているか否かが判別される(ステップ107)。4.1秒を経過していない場合は、ウエイト機能が働いて4.1秒が経過するまでの遊技開始待ち時間が消化される(ステップ108)。スタートレバー30の操作がこの4.1秒経過前に行われると、スピーカ96,96からリール回転不可音が出音され、ウエイト機能が働いたことが遊技者に対して報知される。
【0055】
前回遊技から4.1秒を経過すると、次に、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数がサンプリング回路70によって抽出され(ステップ109)、その後、上記の4.1秒をカウントするための1遊技監視用タイマがセットされる(ステップ110)。次に、ステップ109で抽出された乱数に基づき、確率抽選処理が行われる(図8,ステップ111参照)。この確率抽選処理は、サンプリング回路70によって特定された1つの乱数値が、確率抽選テーブル(図5参照)においてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。この際、機械に投入されたメダル枚数に応じて、図5の確率抽選テーブルの各段に示された確率抽選データa1〜g1、a2〜g2、またはa3〜g3が用いられる。
【0056】
確率抽選処理が終了すると、次に、リール回転処理が行われ(ステップ11 2)、続いて、スタートコマンド送信処理が行われる(ステップ113)。リール回転処理では、まず、リール2〜4の各回転位置が書き込まれる制御RAM66の所定領域が、メインCPU64によってリール回転の開始に際して初期化され、引き続いて各リール2〜4がステッピングモータ37によって回転駆動される。スタートコマンド送信処理では、スタートスイッチ30SからメインCPU64へ入力されたスタート信号に基づき、スタートコマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。このスタートコマンドは、内部当選役および遊技状態を表すパラメータを含んで構成されている。
【0057】
次に、何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか否かが判別される(ステップ114)。オン操作されていない場合には、自動停止タイマーが0になったか否かが判別される(ステップ115)。この自動停止タイマーは、ストップボタン31〜33が所定時間操作されない場合に、各リール2〜4を所定時間経過後に自動的に停止させるためのものである。
【0058】
何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか、または、自動停止タイマーが0になると、次に、有効化入賞ライン上に引き込まれるシンボルのコマ数、つまり滑りコマ数が決定される(ステップ116)。この滑りコマ数は、遊技状態,当選要求,制御コマ数,シンボル位置等から定められ、有効化入賞ラインから当選シンボルまでのコマ数が制御コマ数の範囲内にあれば滑りコマ数として決定される。次に、この滑りコマ数が制御RAM66の所定領域に格納される。その後、第1停止リールの停止要求フラグがセットされ、この停止要求フラグがセットされるのに応じ、決定された滑りコマ数分だけ第1停止リールが回転させられるリール引き込み制御が行われ、1個のリールの回転が停止させられる(ステップ117)。次に、全てのリール2〜4が停止したか否かが判別される(ステップ118)。第2停止リールおよび第3停止リールが未だ停止していない場合には、処理はステップ114に戻り、以上の処理が繰り返して行われる。
【0059】
全てのリール2〜4が停止すると、次に、メインCPU64によって入賞検索処理が行われる(図9,ステップ119参照)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せを示す入賞フラグの種類と、確率抽選処理によって決定された内部当選役の種類との一致がとられる。次に、この入賞フラグが正常か否かが判別される(ステップ120)。この判別結果が正常でない場合、例えば、プラムのシンボル組合せが有効化入賞ライン上に揃っているのに、内部当選役に対応する当たり要求フラグが中チェリーのフラグである場合には、配当枚数表示部20にイリーガルエラーが表示される(ステップ121)。入賞フラグが正常の場合には、入賞コマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。この入賞コマンドは、入賞役、遊技状態および入賞ラインを表すパラメータを含んで構成されている。
【0060】
次に、その時の状態によって遊技メダルの貯留、または払い出し処理が行われる(ステップ122)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿34へ払い出される。メダルの貯留または払い出しが行われると、WINランプ19が点灯され、入賞発生が遊技者に知らされる(ステップ123)。
【0061】
次に、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの作動中であるか否かが判別される(ステップ124)。BBゲームまたはRBゲームの作動中でない場合には、メインCPU64による遊技処理はステップ102に戻り、次の新たな遊技が開始される。また、BBゲームまたはRBゲームの作動中である場合には、次に、BBゲームまたはRBゲームの遊技数チェック処理が行われる(ステップ125)。続いて、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームの終了時か否かが判別される(ステップ126)。BB終了フラグがONされていてBBゲーム終了時であれば、BB終了コマンドがサブ制御基板62へ送信される。このBB終了コマンドは、終了動作を表すパラメータを含んで構成されている。BB終了コマンドが送信されると、続いて、BBゲーム終了時のRAMクリア処理が制御RAM66に対して行われ(ステップ127)、その後、遊技処理はステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。また、ステップ126の判別でBBゲーム終了時でなければ、遊技処理はそのままステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。
【0062】
図10は、上記のメイン遊技処理のステップ125で行われるBB、RB遊技数チェック処理の詳細を示すフローチャートである。このBB、RB遊技数チェック処理においては、まず始めに、BB中の一般遊技の実行回数が規定の30回に達しているか否かが判別される(図10,ステップ152参照)。BB中の一般遊技が未だ30回行われていない場合は、次に、今回のBB中一般遊技において再遊技入賞(ジャックIN)となったか否かが判別される(ステップ153)。ジャックINでない場合は処理はそのまま終了し、ジャックINの場合はボーナスゲーム(RBゲーム)についての遊技数がチェックされる。
【0063】
ボーナスゲームに関しては、まず、役物作動可能回数、つまりジャックゲームの残り入賞可能回数がボーナスカウント表示部18に表示される(ステップ154)。続いて、玉発射処理信号がサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される(ステップ156)。次に、ジャックゲーム入賞が規定の8回発生したか否かが判別され(ステップ157)、未だ8回発生していない場合は、続いて、ジャックゲームの遊技回数が規定の12回目であるか否かが判別される(ステップ158)。ジャックゲームが未だ12回行われていない場合は、処理はステップ154に戻り、次のジャックゲームが行われる。
【0064】
一方、ジャックゲームの遊技回数が12回目である場合、またはステップ157の処理でジャックゲーム入賞が8回発生したと判別された場合は、続いて、ジャックINが3回目であるか、つまり、ボーナスゲームが規定の3回目であるか否かが判別される(ステップ159)。ボーナスゲームが3回目ではない場合は処理はそのまま終了する。また、ステップ159の判別でボーナスゲームが3回目の場合、または、ステップ152の判別でBB中の一般遊技の実行回数が規定の30回に達している場合には、BB終了フラグがONされる(ステップ160)。
【0065】
次に、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
【0066】
図11は、サブCPU82によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。サブ制御基板62では、メイン制御基板61側から受信される各種コマンドがサブCPU82によって常に解析され、このコマンドに基づいた各種遊技処理が適宜行われている(図11,ステップ201参照)。
【0067】
図12は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドがスタートコマンドである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。前述のように、スタートコマンドは、メイン遊技処理のスタートコマンド送信処理(図8,ステップ113参照)において送信される。
【0068】
スタートコマンド受信処理では、まず、ATセット回数カウンタが1以上であるか否かが判別される(図12,ステップ301参照)。ATセット回数カウンタは、図6(a)に示したATセット回数抽選テーブルで振り分けられるATセット回数を計数する。ATセット回数が1以上でない場合は、ATフラグがOFFされ(ステップ302)、続いて、確率抽選(図8,ステップ111参照)の結果「プラム」入賞態様が内部当選しているか否かが判別される(ステップ303)。「プラム」入賞態様が内部当選していない場合は、スタートコマンド受信処理は終了する。一方、「プラム」入賞態様が内部当選している場合は、次に、現在の遊技状態が一般遊技中であるか否かが判別され(ステップ304)、一般遊技中でない場合はスタートコマンド受信処理は終了する。一般遊技中である場合は、次に、AT抽選処理が行われ(ステップ310)、続いて、AT発動処理が行われる(ステップ311)。
【0069】
図13は、上記スタートコマンド受信処理のステップ310において行われるAT抽選処理の詳細を示すフローチャートである。AT抽選処理では、まず、図6(a),(b)に示したATセット回数抽選テーブルおよびATゲーム数抽選テーブルが参照されてATセット回数およびATゲーム数が抽選される(図13,ステップ321参照)。そして、抽選されたATセット回数とその1セットあたりのATゲーム数とが制御RAM84に対で記憶される(ステップ322)。この際、既にATセット回数とATゲーム数との対が制御RAM84に記憶されている場合、新たに抽選されたATセット回数とATゲーム数との対は、別の領域に記憶される。これら各領域に記憶されたATセット回数の合計値はATセット回数カウンタにより計数される。また、現在実行中のセットに割り当てられたATゲーム数の残りATゲーム数はATゲーム数カウンタにより計数される。その後、ATフラグがONされる(ステップ323)。
【0070】
図14は、スタートコマンド受信処理(図12参照)のステップ311において行われるAT発動処理の詳細を示すフローチャートである。AT発動処理では、まず、AT発動中か否かが判別される(図14,ステップ331参照)。AT発動中である場合は、AT発動処理は終了する。AT発動中でない場合は、次に、ATセット回数カウンタが1以上であるか否かが判別される(ステップ332)。ATセット回数カウンタが1以上でない場合は、AT遊技が行われないため、AT発動処理は終了する。一方、ATセット回数カウンタが1以上の場合は、続いて、AT遊技を発動させるか否かの抽選がAT発動抽選テーブルを参照して行われる(ステップ333)。AT発動抽選テーブルによる当選確率は、スロットマシン1に投入されたメダル総数に対する遊技者に獲得されたメダル総数の割合を示す出球率の設定段階によって異なり、例えば、図15に示すように、出球率の設定段階が設定1の場合は1/20、設定2の場合は1/19、設定3の場合は1/18、設定4の場合は1/17、設定5の場合は1/16、設定6の場合は1/15に設定されている。
【0071】
次に、上記のAT発動抽選で当選したか否かが判別され(図14,ステップ334参照)、当選しなかった場合はAT発動処理は終了する。当選した場合は、ATゲーム数カウンタが、AT抽選処理(図13参照)のステップ322で記憶された最も古いATセット回数に割り当てられたATゲーム数にセットされ、AT遊技が発動される(ステップ335)。
【0072】
一方、図12,ステップ301においてATセット回数が1以上である場合は、次に、現在、AT遊技中であるか否かが判別される(ステップ305)。AT遊技中であるか否かの判別は、図6(b)に示したATゲーム数抽選テーブルで振り分けられるATゲーム数の残りゲーム数を計数するATゲーム数カウンタが、現在1以上であるか否かを判別することによって行われる。ATゲーム数カウンタが1以上でない、つまり0の場合は、所定ゲーム数のAT遊技が1セット終了したと判別され、ATセット回数減算処理が行われる(ステップ306)。図16はこのATセット回数減算処理の概要を示すフローチャートである。始めに、ATセット回数カウンタが1以上であるかが判別され(図16,ステップ341参照)、ATセット回数カウンタが1以上であることが認識されると、制御RAM84に記憶されたATセット回数カウンタの値が1減算される(ステップ342)。
【0073】
一方、図12,ステップ305において、ATゲーム数カウンタが1以上であり、現在AT遊技中であると判別された場合は、次に、後述する押順告知処理が行われ(ステップ307)、続いてATゲーム数カウンタにセットされた値が1減算される(ステップ308)。ATゲーム数カウンタにセットされた値が1減算されるか、ステップ306のATセット回数減算処理が終了すると、次に、ハズレに内部当選しているか否かが判別される(ステップ309)。ハズレに内部当選しているとは、確率抽選処理(図8,ステップ111参照)において、いずれの入賞も内部当選しなかったことを示す。ハズレに内部当選していない場合、つまり、何らかの入賞が内部当選している場合は、スタートコマンド受信処理は終了する。ハズレに内部当選している場合は、次に、前述したAT抽選処理が行われ(ステップ310)、引き続いて、前述したAT発動処理が行われる(ステップ311)。
【0074】
図17は、上記スタートコマンド受信処理のステップ307において行われる押し順告知処理の詳細を示すフローチャートである。この押し順告知処理では、まず、ATゲーム数カウンタが1以上であるか否かが判別される(図17,ステップ351参照)。ATゲーム数カウンタが1以上でない場合は、押し順告知処理は終了する。ATゲーム数カウンタが1以上である場合は、次に、内部当選している役が「スイカ」入賞態様であるか否かが判別される(ステップ352)。「スイカ」入賞態様でない場合は押し順告知処理は終了する。
【0075】
内部当選している役が「スイカ」入賞態様である場合は、停止テーブルの中から「スイカ」内部入賞態様に対応する停止テーブルが選択され、そのテーブルに基づいて、「スイカ」入賞を発生させるストップボタン31,32,33の押し順が告知される。停止テーブルは、3つのストップボタン31,32,33の6通りある押し順の中から入賞を発生させる1通りの押し順を抽選するテーブルである。抽選された押し順は、各リール2〜4に内蔵されたリールバックライト49a,49b,49cの点灯順や、スピーカ96から発せられる音声等によって告知される。遊技者は、告知に従ってストップボタン31〜33を押してゆくだけで、小当たり入賞の中で配当の一番高いスイカ入賞を容易に発生させることが出来る。
【0076】
図18は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドが玉発射処理信号である場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。前述のように、玉発射処理信号は、メイン遊技処理におけるBB、RB遊技数チェック処理(図9,ステップ125参照)の玉発射処理信号送信処理(図10,ステップ156参照)において送信される。
【0077】
まず始めに、玉発射処理信号が受信されたか否かが判別される(図18,ステップ401参照)。玉発射処理信号が受信された場合は、抽選遊技装置40の発射装置45が作動され(ステップ402)、1発の遊技球pが発射される(ステップ403)。発射された遊技球pは、レール46を介して前面パネル22の表面に形成された盤面へ打ち込まれ、障害釘41に弾かれながら盤面を流下する。
【0078】
図19は、上記玉発射処理信号受信処理によって発射装置45が作動状態となった際に、サブCPU82によって割り込んで行われる玉検出処理の概略を示すフローチャートである。この玉検出処理では、図18、ステップ403の上記処理で発射装置45より発射された遊技球pがチャッカー44を通過して、検知信号が出力されたか否かが判別される(図19,ステップ501参照)。チャッカー44より検知信号が出力された場合、これを入力したサブCPU82によって特別AT抽選テーブルが制御RAM84にセットされる(ステップ502)。
【0079】
特別AT抽選テーブルは、図20(a),(b)に示す特別ATセット回数抽選テーブル,特別ATゲーム数抽選テーブルであり、図6(a),(b)に示したATセット回数抽選テーブル,ATゲーム数抽選テーブルとは異なる。この特別AT抽選テーブルは、遊技球pを用いた上記の抽選遊技で遊技球pがチャッカー44を通過して当たりが発生した場合に行われる特別AT抽選においてのみ参照される。
【0080】
図20(a)に示す特別ATセット回数抽選テーブルは、0〜127の乱数範囲128から抽出した乱数により、特別ATセット回数を1回,2回,または3回に振り分ける。同テーブルによれば、特別ATセット回数が1回になる確率は90/128であり、2回になる確率は20/128、3回になる確率は18/128である。この特別ATセット回数抽選テーブルを用いた場合に得られる特別ATセット回数の期待値は1.43回である。また、同図(b)に示す特別ATゲーム数抽選テーブルは、0〜127の乱数範囲128から抽出した乱数により、1セットあたりの特別ATゲーム数を10ゲームまたは20ゲームに振り分ける。同テーブルによれば、特別ATゲーム数が10ゲームになる確率は70/128であり、20ゲームになる確率は58/128である。この特別ATゲーム数抽選テーブルを用いた場合に得られる特別ATゲーム数の期待値は14.5ゲームである。
【0081】
図19,ステップ502において上記特別ATセット回数抽選テーブルおよび特別ATゲーム数抽選テーブルがセットされると、次に、これらの各テーブルが参照されて特別ATセット回数および特別ATゲーム数が抽選される(図19,ステップ503参照)。抽選された特別ATセット回数とその1セットあたりの特別ATゲーム数とはAT遊技の増加実行可能回数として制御RAM84に対で記憶され、記憶された特別ATセット回数がATセット回数カウンタに加算される。
【0082】
このような本実施形態によるスロットマシン1によれば、リール2〜4に所定のシンボル組み合わせが停止表示されるとそのシンボル組み合わせに応じた入賞を発生させるスロットマシン遊技と共に、遊技球pを発射させて発射させた遊技球pがチャッカー44に入賞するか否かのパチンコ遊技が行われる。このため、スロットマシン遊技の面白さとパチンコ遊技の熱さとを同時に味わうことが可能なスロットマシン1が提供される。
【0083】
また、本実施形態によるスロットマシン1によれば、上述したように、ボーナスゲームにおいて、ジャックゲームが実行される毎に遊技球pが発射され、発射された遊技球pがチャッカー44を通過するか否かの抽選遊技が行われる。この抽選遊技において、遊技球pがチャッカー44を通過して当たりとなった場合に、通常のAT抽選とは別に特別AT抽選が行われ、特別AT遊技のセット回数とゲーム数とが抽選される。抽選された特別ATセット回数はそのままATセット回数としてATセット回数カウンタに加算される。従って、遊技者は当たりになることを期待して、強い関心を抱いて抽選遊技を観察するようになる。この結果、抽選遊技はボーナスゲーム中の効果的な演出となり、遊技者がボーナスゲーム実行時に退屈感を覚えることはなくなる。また、AT抽選の機会が増えることによって遊技者の遊技意欲を高めることが出来、スロットマシン1の興趣は増す。
【0084】
なお、上記実施形態の説明においては、抽選遊技装置40は、複数の障害釘41が前面パネル22の表面に植設されて表面パネル43との間に設けらた2重パネル構造の場合について説明した。しかし、本発明による、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技を行う球体遊技実行手段は、この抽選遊技装置40に限定されることはない。
【0085】
図21,図22および図23は、上記の球体遊技実行手段の他の実施形態を示す正面図である。なお、これら各図において図2と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。また、この他の実施形態によるスロットマシンの構造は、これら各図に示す相違点以外は、上述した実施形態によるスロットマシン1と同じ構造をしている。
【0086】
図21に示す抽選遊技装置は、前面パネル22の背後でリール2〜4に並んで設けられた遊技盤42と、この遊技盤42の表面に植設された複数の障害釘41と、遊技盤42の表面に設けられたチャッカー44と、前面パネル22の裏面と遊技盤42の表面との間に形成される空間にレール46を介して遊技球pを打ち込む発射装置とから構成されている。なお、ここでは、遊技盤42からなる発射装置をリール2〜4の右方に設けているが、リール2〜4の左方や、リール2〜4の上部の配当表示部36に設けるようにしてもよい。
【0087】
また、図22に示す抽選遊技装置は、リール2〜4に並んで設けられた液晶表示装置50と、この液晶表示装置50に複数の障害釘41,チャッカー44,遊技球p、およびレール46を表示する表示制御手段とから構成されている。
【0088】
このようないずれの抽選遊技装置も、上述した実施形態によるスロットマシン1の抽選遊技装置40と同様な動作をし、ボーナスゲームにおいて、ジャックゲームが実行される毎に遊技球pが発射され、発射された遊技球pがチャッカー44を通過するか否かの抽選遊技が行われる。そして、このようないずれの抽選遊技装置によっても、上述した実施形態によるスロットマシン1と同様な作用効果が奏される。
【0089】
また、図23に示す抽選遊技装置は、前面パネル22の裏面と遊技盤42の表面との間に形成される空間を、各表示窓5,6,7の各リール2,3,4の前部毎に設け、各表示窓5,6,7毎に、透明な遊技盤42と、この遊技盤42の表面に植設された複数の障害釘41と、遊技盤42の表面に設けられたチャッカー44とからなる発射装置を備えている。遊技球pは、スタートレバー30の操作によってレール46を介して打ち込まれ、各表示窓5,6,7の上部に設けられた各空間に一時貯えられる。そして、対応するストップボタン31,32,33の操作により、図に矢示するように遊技盤42に落下する構造になっている。
【0090】
このような抽選遊技装置は、各ストップボタン31,32,33の操作毎に遊技球pが各遊技盤42に落下し、落下した遊技球pがチャッカー44を通過するか否かの抽選遊技が行われる。このような抽選遊技装置によっても、上述した実施形態によるスロットマシン1と同様な作用効果が奏される。さらに、ストップボタン31,32,33が操作されるまで、遊技球pがリール2,3,4の前面を通らず、遊技球pがリール2,3,4の視認の邪魔になることはないので、遊技を速やかに行うことが出来る。
【0091】
また、上記の各実施形態で遊技盤42に植設される障害釘41および遊技球pは、金属製のものに限定されることはなく、樹脂製のものでもよい。障害釘41が樹脂製の場合には、障害釘41と遊技盤42とを一体成形することができ、障害釘41の釘調整を遊技店で行えないようにすることができる。つまり、スロットマシンの出玉率の調整は、確率抽選処理時の確率抽選値の設定のみによって行え、パチンコ機のように障害釘で調整することができないようにすることができる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、可変表示装置に所定の図柄が停止表示されると入賞を発生させる可変表示遊技と共に、球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技が行われる。このため、可変表示遊技の面白さと球体遊技の面白さとを同時に味わうことが可能な遊技機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるスロットマシンの前面に設けられた抽選遊技装置の構成を概略的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメイン制御基板に構成された回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるスロットマシンのサブ制御基板に構成された回路構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に用いられる確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に用いられるATセット回数抽選テーブルおよびATゲーム数抽選テーブルを概念的に示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第1のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第2のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第3のフローチャートである。
【図10】図9に示すフローチャート中のBB、RB遊技数チェック処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態によるスロットマシンのサブCPUによる遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【図12】図11に示すフローチャート中のコマンド解析に従って行われるスタートコマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図13】図12に示すフローチャート中のAT抽選処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】図12に示すフローチャート中のAT発動処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】図14に示すAT発動処理の抽選において参照されるAT発動抽選テーブルの具体的な当選確率を示す図である。
【図16】図12に示すフローチャート中のATセット回数減算処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図12に示すフローチャート中の押し順告知処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図11に示すフローチャート中のコマンド解析に従って行われる玉発射処理信号受信処理を示すフローチャートである。
【図19】図11に示す遊技処理に割り込んで行われる玉検出処理の概略を示すフローチャートである。
【図20】図19に示す玉検出処理において用いられる特別ATセット回数抽選テーブルおよび特別ATゲーム数抽選テーブルを概念的に示す図である。
【図21】本発明の第2の実施形態によるスロットマシンの前面に設けられた抽選遊技装置の構成を概略的に示す図である。
【図22】本発明の第3の実施形態によるスロットマシンの前面に設けられた抽選遊技装置の構成を概略的に示す図である。
【図23】本発明の第4の実施形態によるスロットマシンの前面に設けられた抽選遊技装置の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…スロットマシン
2,3,4…リール
5,6,7…表示窓
22…前面パネル
40…抽選遊技装置
41…障害釘
42…遊技盤
43…表面パネル
44…チャッカー
45…発射装置
46…レール
47…球通路
49a,49b,49c…リールバックランプ
61…メイン制御基板
62…サブ制御基板
63,81…マイコン(マイクロコンピュータ)
64…メインCPU(中央演算処理装置)
82…サブCPU
65,83…プログラムROM(リード・オンリ・メモリ)
66,84…制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)
96…スピーカ
Claims (5)
- 種々の図柄を機器前面に可変表示する可変表示装置と、この可変表示装置に所定の図柄が停止表示されると入賞を発生させる可変表示遊技を行う遊技処理手段とを備えた遊技機において、
球体を発射させて発射させた球体が入賞口に入賞するか否かの球体遊技を行う球体遊技実行手段を機器前面に備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記可変表示装置は機器前面に設けられた前面パネルの背後に設けられ、前記球体遊技実行手段は、前記前面パネルの前記可変表示装置の前面を除く領域の表面に植設された複数の障害釘と、前記領域の表面に設けられた前記入賞口と、前記前面パネルの表面との間に形成される空間に前記障害釘および前記入賞口を閉じ込める表面パネルと、前記空間に前記球体を打ち込む発射装置とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記可変表示装置は機器前面に設けられた前面パネルの背後に設けられ、前記球体遊技実行手段は、前記前面パネルの背後で前記可変表示装置に並んで設けられた遊技盤と、この遊技盤の表面に植設された複数の障害釘と、前記遊技盤の表面に設けられた前記入賞口と、前記前面パネルの裏面と前記遊技盤の表面との間に形成される空間に前記球体を打ち込む発射装置とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記可変表示装置は機器前面に設けられた前面パネルの背後に設けられ、前記球体遊技実行手段は、前記可変表示装置に並んで設けられた液晶表示装置と、この液晶表示装置に複数の障害釘,前記入賞口,および前記球体を表示する表示制御手段とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002375325A JP2004201973A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002375325A JP2004201973A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004201973A true JP2004201973A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32813102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002375325A Withdrawn JP2004201973A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004201973A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016106997A (ja) * | 2014-12-10 | 2016-06-20 | 株式会社三共 | 遊技機 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002375325A patent/JP2004201973A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016106997A (ja) * | 2014-12-10 | 2016-06-20 | 株式会社三共 | 遊技機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2002000808A (ja) | 遊技機 | |
JP2002011143A (ja) | 遊技機 | |
JP2003245403A (ja) | 遊技機 | |
JPH11299965A (ja) | 遊技機 | |
JP2000245895A (ja) | 遊技機 | |
JP2004089459A (ja) | 遊技機 | |
JP4515011B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2002000812A (ja) | 遊技機 | |
JP2004008270A (ja) | 遊技機 | |
JP2004097280A (ja) | 遊技機 | |
JP2003154086A (ja) | 遊技機 | |
JP2004024557A (ja) | 遊技機 | |
JP2002272904A (ja) | 遊技機 | |
JP2003339945A (ja) | 遊技機 | |
JP2002272919A (ja) | 遊技機 | |
JP2003220181A (ja) | 遊技機 | |
JPH11309242A (ja) | 遊技機 | |
JP2002011151A (ja) | 遊技機 | |
JP4316199B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2004201972A (ja) | 遊技機 | |
JP2005102956A (ja) | 遊技機 | |
JP2004141489A (ja) | 遊技機 | |
JP2004201973A (ja) | 遊技機 | |
JP2000176099A (ja) | 遊技機 | |
JP2004000643A (ja) | 遊技機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051031 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20081126 |