以下に添付図面を参照して、本発明にかかる計数値管理システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明にかかる計数値管理システムの概要について図1を用いて説明した後に、本発明にかかる計数値管理システムについての実施例を図2〜図8を用いて説明することとする。
今回の本発明にかかる計数値管理システムでは、計数機能付き台間装置によって発行されたカードを、計数機能をもたない台間装置に挿入した際に、受付可否の判定を行い、受付不可と判定したらすぐに、カードを返却することによって、遊技者によるカードの取り忘れを防止できる点に主たる特徴がある。
図1は、本発明にかかる計数値管理システムの概要を示す図である。同図に示すように、パチンコ店には、挿入された貨幣の残額と遊技者が獲得したパチンコ玉を計数した計数値とをカード情報として管理している管理装置と、計数機能付き台間装置と、計数機能なし台間装置とが接続されている。
なお、ここでは、計数機能なし台間装置で受付可否の判定を行うよう説明するが、管理装置で受付可否、すなわち、カード返却を行うか否かの判定を行ってもよく、この場合、計数機能なし台間装置の処理負荷を軽減することができる。
ここで、計数機能付き台間装置に併設される遊技台にて遊技を行った後、遊技終了時に、貨幣の残額や有価価値残高(以下、「残額」と記載する)が3000円で、かつ、計数機能付き台間装置で計数されたパチンコ玉の残数(以下、「計数値」と記載する)が、1550個であった場合にについて説明する。
この場合、計数機能付き台間装置は、装置内部に収納されているカードのカードID001、残額3000円および計数値1550個を管理装置に送信することによって、管理装置は、カード情報に、「カードID:001、残額:3000円、計数値:1550個」と登録する(同図の(1)参照)。
その後、計数機能付き台間装置では、カードIDが001であるカードを発行し(同図の(2)参照)、遊技者は発行されたカードをもって、計数機能なし台間装置に併設される遊技台に台移動を行い、再遊技を行う。
そして、カードIDが001であるカードを挿入して再遊技を行う際に、計数機能なし台間装置ではカード挿入時に、カードIDに対応付けられたカード情報に基づいてカードの受付可否の判定を行う(同図の(3)参照)。
ここで、計数機能なし台間装置は、計数値によってパチンコ玉の払出をする機能がないため、カードID001に対応付けられたカード情報の計数値が存在する場合は、カードの受付を不可と判定して、カードID001のカードを返却する。
このように、各台計数方式を採用した遊技台によって発行されたカードによって、非各台計数方式の遊技台へ台移動をした場合であっても、遊技者にわかりやすい動作を可能とするとともに、遊技者による記録媒体の取り忘れを防止することができる計数値管理システムおよび計数値管理方法を提供することができる。以下では、本発明にかかる計数値管理システムについての実施例を詳細に説明する。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる計数値管理システムについての実施例を詳細に説明する。まず、本実施例にかかる計数値管理システムの構成について図2および図3を用いて説明する。
ここで、計数機能なし台間装置10および計数機能付き台間装置20の概要構成を説明するために、図4および図5を用いて計数機能なし台間装置10および計数機能付き台間装置20の外観について説明しておく。
まず、図4は、計数機能なし台間装置10の外観図である。なお、同図には、計数機能なし台間装置10が併設されたパチンコ機40aを破線で示している。
同図に示すように、計数機能なし台間装置10は、計数機能なし台間装置10の状態(正常、エラー)等を表示する状態表示部81と、パチンコ玉の払出のための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部17と、従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部82とを備えている。
また、計数機能なし台間装置10は、パチンコ玉の払出要求を行う払出ボタンや遊技終了時にカードの返却要求を行う返却ボタン等で構成される操作部12と、挿入した紙幣の残額の表示を行う表示部83と、紙幣の残額や計数値が価値付けられている会員カードやビジターカード等を受け付けるカードR/W部11とを備えている。
操作部12の払出ボタンが押下されたら、紙幣挿入部17へ挿入された紙幣の残額、または、カードR/W部11に挿入されたカードに関連付けられた残額のいずれかを用いて、パチンコ玉をパチンコ機40aの上皿87へ投出する。
そして、遊技終了時に、遊技者によってカードの返却要求を行う返却ボタンを押下されたら、計数機能なし台間装置10は、残額をカードに関連付けた後、カードR/W部11へカードを返却する。
つぎに、図5は、計数機能付き台間装置20の外観図である。なお、同図には、計数機能付き台間装置20が併設されたパチンコ機40bを破線で示しており、図4と比較して同様の機能を発揮する部分については同一の符号を用いており、異なる機能について説明することとする。計数機能付き台間装置20は、持玉の計数機能がある点で、計数機能なし台間装置10とは異なる。
具体的には、図5に示すように、計数機能付き台間装置20は、計数機能なし台間装置10に備える機能の他に、持玉計数部16で計数されたパチンコ玉を払出す際に、パチンコ玉を払出すノズルを備えた持玉払出部84と、持玉を計数する持玉計数部16と、持玉を貯留する玉貯留部85とを備えている。
たとえば、パチンコ機40bが特賞状態の際などに、計数機能付き台間装置20は、同図に示すパチンコ機40bの下皿86から持玉を玉貯留部85へ誘導し、持玉計数部16で持玉の数量を計数する。なお、計数後のパチンコ玉は、図示しないパチンコ玉回収経路へ排出される。
また、操作部12の払出ボタンが押下されたら、紙幣挿入部17へ挿入された紙幣の残額またはカードR/W部11に挿入されたカードに関連付けられた残額を用いて払出を行う場合は、パチンコ機40bから投出する。(たとえば、4円/個の貸出レートで500円なら125個。25個×5回の投出動作を行う。)
さらに、操作部12の払出ボタンが押下され、計数値を用いて払出を行う場合には、ノズルを備えた持玉払出部84経由でパチンコ玉を投出する。(たとえば、1回の操作で200個投出する。)
そして、遊技終了時に、遊技者によってカードの返却要求を行う返却ボタンを押下されたら、計数機能付き台間装置20は、紙幣の残額や持玉数をカードに関連付けた後、カードR/W部11へカードを返却する。
図2の説明に戻り、計数機能なし台間装置10および管理装置30の構成について説明する。図2は、本実施例にかかる計数機能なし台間装置10および管理装置30の構成を示すブロック図である。なお、図2では、計数機能なし台間装置10および管理装置30の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
まず、計数機能なし台間装置10は、カードR/W(読み込み/書き込み)部11と、操作部12と、通信I/F(インターフェース)13と、記憶部14と、制御部15とを備えており、制御部15は、カード情報取得部15aと、返却判定部15bと、カード処理部15hと、払出処理部15cとをさらに備えており、記憶部14は、残額情報14aを記憶する。
カードR/W部11は、カードが挿入されていた場合は、挿入されているカードに関連付けられたカードIDを読み取り、また、カードが挿入されていなかった場合は、装置内部に収納されているカードに関連付けられたカードIDを読み取る。また、カード返却を行う際には、読み取ったカードに残額情報14aを関連付ける。
操作部12は、払出要求操作を行う払出ボタンおよびカード返却要求操作を行う返却ボタンを備えており、払出ボタンが押下されて払出要求を受け付けたら、払出処理部15cへ処理を受け渡す。また、操作部12は、カード返却ボタンが押下されてカード返却要求を受け付けたら、カードを返却する処理を行う制御部15へ処理を受け渡す。
通信I/F13は、LANカード等の通信デバイスで構成され、LAN等のネットワーク経由で他装置との通信を可能にする。たとえば、遊技終了時に計数機能なし台間装置10から管理装置30へカードIDおよび残額情報14aを送信する等、計数機能なし台間装置10と管理装置30との間のデータ送受信を行う。
記憶部14は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、カード情報取得部15aが取得したカード情報の残額または遊技者によって挿入された紙幣の残額を残額情報14aとして記憶する。
カード情報取得部15aは、カードR/W部11から受け渡されたカードIDに基づいて管理装置30に備えるカード情報32aから、カードIDに対応付けられた残額および計数値を取得して、返却判定部15bへ受け渡す処理を行う処理部である。
返却判定部15bは、カードIDに対応付けられた残額および計数値に基づいてカードの受付可否の判定処理を行う処理部である。ここでは、計数値が存在する場合は、カードの受付を不可、すなわち、カードを返却すると判定し、計数値が0個であった場合には、カードの受付を行う、すなわち、カード返却を行わないと判定する。そして、返却判定部15bは、カード処理部15hへ判定結果を通知する。
カード処理部15hでは、返却判定部15bから通知された判定結果に基づいてカードの返却指示を行ったり、カードの受付処理を行ったりする処理を行う処理部である。たとえば、判定結果が「カードを返却する」であった場合には、カードR/W部11にカード返却指示を行うとともに、表示部83にカード返却の理由等を報知するよう指示を行う。
一方、判定結果が「カードを返却しない」であった場合には、払出処理部15cが残額によって払出処理をすることができるように、残額を記憶部14の残額情報14aに記憶する。
払出処理部15cは、操作部12から払出要求を受け付けたら、残額情報14aによってパチンコ玉の払出処理を行う処理部である。さらに、記憶部14に記憶される残額情報14aから払出した玉数を減算して、残額情報14aに記憶する処理を併せて行う。
一方、管理装置30は、通信I/F31と、記憶部32と、制御部33とを備えており、制御部33は、カード情報登録部33aと、カード情報通知部33bとをさらに備えており、記憶部32は、カード情報32aを記憶する。
通信I/F31は、LANカード等の通信デバイスで構成され、LAN等のネットワーク経由で他装置との通信を可能にする。たとえば、計数機能なし台間装置10からカード情報32aの問い合わせを受け付けた際に、カード情報32aを送信する等、管理装置30と計数機能なし台間装置10との間のデータ送受信を行う。
記憶部32は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、カード情報登録部33aが通信I/F31を介して受信したカードID、残額および計数値をカード情報32aとして記憶する。
カード情報登録部33aは、計数機能付き台間装置20が送信したカードID、残額および計数値を通信I/F31を介して受信したら、カードIDに対応付けてカード情報32aに記憶する処理を行う処理部である。
カード情報通知部33bは、カード情報取得部15aからカードIDを通信I/F31を介して受信することによって、カード情報32aの問い合わせが行われたら、受信したカードIDに対応付けられた残額および計数値を、通信I/F31を介して計数機能なし台間装置10に通知する処理を行う処理部である。
つづいて、本実施例にかかる計数機能付き台間装置20および管理装置30の構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施例にかかる計数機能付き台間装置20および管理装置30の構成を示すブロック図である。
なお、図3では、図2と比較して同様の機能を発揮する部分については同一の符号を用いており、特徴点を説明するため、異なる機能についてのみ説明することとする。計数機能付き台間装置20は、計数機能がある点で計数機能なし台間装置10とは異なる。
具体的には、計数機能付き台間装置20は、図2の説明で上述した機能の他に、持玉計数部16、紙幣挿入部17、カード処理部15d、カード情報登録部15e、計数値処理部15fおよび残額処理部15gを備え、記憶部14は、カード情報14bを記憶する。
持玉計数部16は、計数要求操作を行う計数ボタンを備え、計数機能付き台間装置20に併設されるパチンコ機が特賞状態の際に、遊技者が獲得したパチンコ玉を計数し、計数値処理部15fに計数値を受け渡す。
なお、ここで、遊技者がパチンコ玉を玉貯留部85に流すことにより、自動で計数を開始するようにしてもよいし、遊技者が計数ボタンを押下することにより、計数を開始するようにしてもよい。
紙幣挿入部17は、パチンコ玉の払出のため各種紙幣を受け付け、遊技者により挿入された紙幣を読み取り、紙幣額を判別し、判別した紙幣額をカード情報14bに記憶させるため、残額処理部15gへ受け渡す。
記憶部14は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、持玉計数部16が計数した計数値および遊技者によって挿入された紙幣の残額をカード情報14bとして記憶する。
カード処理部15dは、カードR/W部11で読み取ったカードIDに基づいて管理装置30のカード情報32aを取得して、記憶部14のカード情報14bとして記憶する処理を行う処理部である。
カード情報登録部15eは、操作部12に備えるカード返却ボタンが押下されてカード返却要求を受け付けたら、収納されているカードまたは挿入されたカードのカードIDに関連付けてカード情報14bを管理装置30に登録する処理を行う処理部である。
また、カード情報登録部15eは、カード情報14bを管理装置30に登録するとともに、カードR/W部11で返却するカードにカード情報14bを関連付けるために、カード情報14bをカードR/W部11へ受け渡す処理を併せて行う。
計数値処理部15fは、持玉計数部16から受け渡された計数値をカード情報14bの計数値に記憶する処理を行う処理部である。また、残額処理部15gは、紙幣挿入部17で判別した紙幣額をカード情報14bの残額に記憶する処理を行う処理部である。
図示していないが、計数機能付き台間装置20には、ノズル等の計数玉返却機構があってもよい。計数玉返却機構は図示しない計数玉返却操作により返却指示があった場合に、所定数のパチンコ玉を返却する機能を有するものである。なお、この計数玉返却機構は特に設ける必要はなく、貸玉の払出と同様に遊技台から投出するようにしてもよい。
つぎに、本実施例にかかる遊技店の店内システムのシステム構成について図6を用いて説明する。図6は、本実施例にかかる店内システムのシステム構成図である。
同図に示すように、遊技店に設置された管理装置30には、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、島コントローラ50と、精算機60と、景品管理装置70と、カード端末機80とが接続されている。さらに、管理装置30は、管理装置30が備えるデータベースにカード情報32aを記憶して、ビジターカードや会員カードのカードIDに対応付けて、残額および持玉の計数値を管理している。
島コントローラ50は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群の計数機能なし台間装置10、計数機能付き台間装置20、パチンコ機40aおよびパチンコ機40bを束ねる中継装置である。
島コントローラ50には、計数機能なし台間装置10および計数機能付き台間装置20が接続されている。なお、同図には、2台の島コントローラ50のみを示しているが、管理装置30には所定数の島コントローラ50が接続されるものとする。
また、計数機能なし台間装置10は、島コントローラ50とパチンコ機40aとの間に介在し、所定数の計数機能なし台間装置10およびパチンコ機40aを含む一群を計数機能なし台間装置コーナーと呼ぶこととする。
一方、計数機能付き台間装置20は、島コントローラ50とパチンコ機40bとの間に介在し、所定数の計数機能付き台間装置20およびパチンコ機40bと、を含む一群を計数機能付き台間装置コーナーと呼ぶこととする。
パチンコ機40aおよびパチンコ機40bは、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、カード対応のパチンコ機40aおよびパチンコ機40bであるものとしている。
精算機60は、カードの残額が残っているカードが挿入されたら、残額に相当する現金の払出を行い、カードの精算を行う。景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、図示しない交換玉数管理情報を用いて獲得玉と景品との交換を管理する。この交換玉数管理情報は、景品毎にその景品との交換に要する交換玉数を対応付けて記憶している。
また、遊技者は、景品交換カウンタへカードを持参し、景品管理装置70に持玉数と関連付けられているカードを挿入したり、景品管理装置70に併設されたカード端末機80にカードをかざしたりすることで、カード情報32aに記憶されている持玉数に応じた景品を受け取ることができる。
その際、景品交換カウンタ内の従業員が、遊技者により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、景品管理装置70は、当該景品に相当する交換玉数を獲得玉から減算する交換制御を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技者に受け渡す。
このように、遊技店には、会員をはじめ遊技者に対してサービスを提供するシステムとして、会員カードを取り扱う店内機器(例えば、計数機能なし台間装置10、計数機能付き台間装置20および景品管理装置70等)とこれらの店内機器を管理する図示しない会員管理装置とを含んで構成される会員管理システム、そして、カードを取り扱う店内機器(例えば、計数機能なし台間装置10、計数機能付き台間装置20および精算機60等)を含んで構成されるカードシステム、さらには、遊技台の台データを取り扱う店内機器(例えば、計数機能なし台間装置10、計数機能付き台間装置20、パチンコ機40aおよびパチンコ機40b等)を含んで構成されるシステムが併存している。
つぎに、管理装置30に備えるカード情報32aの一例について図7を用いて説明する。図7は、カード情報32aの一例を示す図である。同図に示すように、カード情報32aは、「カードID」項目と、カードIDに対応する「残額」項目および「計数値」項目を含んでいる。
たとえば、遊技者が、計数機能付き台間装置20に併設されるパチンコ機40bで遊技を行い、遊技終了時には、紙幣の残額が3000円で、かつ、計数機能付き台間装置20で計数されたパチンコ玉の計数値が1550個であった場合について説明する(同図表の1行目参照)。
この場合、計数機能付き台間装置20が、カードID001、残額3000円および計数値1550個を管理装置30に送信することによって、カード情報32aには、「カードID:001、残額:3000円、計数値:1550個」と記憶される。
このように、カード情報32aには、カードIDに対応付けて残額および計数値を管理する。一方、計数機能付き台間装置20では、カードIDが001であるカードを発行し、遊技者は、発行されたカードによって、計数機能なし台間装置10に併設されるパチンコ機40aに台移動を行い、再遊技することができる。
計数機能なし台間装置10は、遊技者によってカードIDが001であるカードが挿入されると、まず、カードID001を読込み、管理装置30に対して、カードIDに対応付けられている計数値の問合わせを行う。
そして、問合せを受けた管理装置30は、カード情報32aに記憶されている情報に基づいてカードID001に対応する残額3000円および計数値1550個を計数機能なし台間装置10に通知する。
計数機能なし台間装置10では、通知されたカード情報32aの計数値が存在することから、カードIDが001であるカードの受付を不可と判定してカードを返却し、返却理由等を遊技者に対して報知する。
ここで、カードIDが001であるカードが会員カードであった場合について、説明する。会員カードを所有する遊技者は、会員カードに計数値が関連付けられている場合に、計数値を「貯玉」と呼ばれる種別に変更して、翌日以降は「貯玉」によって遊技をすることができる。
このようなことから、会員カードは取り忘れが少ない。したがって、計数機能なし台間装置10では、計数値を有した場合であっても、会員カードの即返却は行わず、残額による払出処理を行えるよう、残額を残額情報14aに記憶することとする。
しかし、ここでは、会員カードに関連付けられている計数値を、自動的に「貯玉」に移行することは行わないこととする。なぜなら、計数値を「貯玉」種別に変更する場合、手数料がかかってしまうので、遊技者にとって、不利益が生じてしまうからである。
つぎに、同図表の2行目に示すように、カード情報32aに、「カードID:002、残額:4000円、計数値:0個」と記憶されている場合、すなわち、残額のみを有する場合について説明する。
計数機能なし台間装置10は、遊技者によってカードIDが002であるカードが挿入されると、カードID002に対応するカード情報32aの計数値が0個であるということから、カードの返却を行わない。
そして、計数機能なし台間装置10は、カードID002に対応する残額ありということから、残額による払出処理を行えるように、残額を残額情報14aに記憶し、遊技者は遊技を開始することとなる。
また、同図表の3行目に示すように、カード情報32aに、「カードID:003、残額:0円、計数値:0個」と記憶されている場合、すなわち、残額も計数値もない場合について説明する。
ここで、計数機能なし台間装置10では、遊技終了時に、紙幣の残額があれば、カードが挿入されていた場合は、挿入されているカードに、カードが挿入されていなかった場合には、装置内部に収納されているカードに残額を関連付ける。
そのため、従業員が計数機能なし台間装置10内部に収納しておくカードを補充する際に、カードIDが003であるような残額も計数値もないカードを挿入することが考えられる。したがって、計数機能なし台間装置10は、カードIDが003であるような残額も計数値もないカードが挿入されたら、このカードを装置内部に収納することとする。
このように、計数機能なし台間装置10では、遊技者がカードを挿入した際に、カード情報32aに基づいて受付可否の判定を行い、受付を不可と判定したらすぐに、カードを返却することによって、遊技者によるカードの取り忘れを防止することができる。
つぎに、計数機能なし台間装置10が実行する処理手順について図8を用いて説明する。図8は、本実施例にかかる計数機能なし台間装置が行う処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、計数機能なし台間装置10では、遊技者によってカードが挿入されたら(ステップS101)、カードR/W部11によってカードのカードIDを読込む(ステップS102)。
そして、カード情報取得部15aでは、ステップS102で読込んだカードIDに基づいて管理装置30の記憶部32に記憶されるカード情報32aのカードIDに対応付けられた残額および計数値を取得する(ステップS103)。
その後、返却判定部15bは、挿入されたカードが会員カードか否かを判定し(ステップS104)、会員カードであると判定した場合(ステップS104:Yes)、カードの受入指示を行い(ステップS105)、遊技者は遊技を開始することとなる。
一方、返却判定部15bでは、挿入されたカードが会員カードではないと判定した場合(ステップS104:No)、取得した計数値が存在するか否かを判定する(ステップS106)。
そして、返却判定部15bは、取得した計数値が存在すると判定した場合(ステップS106:Yes)、カードの返却を行い(ステップS107)、計数値がないと判定した場合には(ステップS106:No)、ステップS108へ処理を移行する。
つづいて、返却判定部15bでは、取得した残額があるか否かを判定し(ステップS108)、あると判定した場合(ステップS108:Yes)、カードの受入指示を行い(ステップS105)、遊技者は遊技を開始することとなる。
また、返却判定部15bは、残額がないと判定した場合(ステップS108:No)、カードの収納指示を行い(ステップS109)、計数機能なし台間装置10は挿入されたカードを装置内部に収納することとする。
ところで、これまで本発明の実施例について説明してきたが、本発明は上記した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。本実施例においては、計数値が関連付けられたカードを挿入した場合には、すぐに返却するようにした。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。そこで、以下では、カードの返却判定処理の変形例について図9を用いて説明する。図9は、本発明にかかる計数値管理システムの変形例を示す図である。
同図に示すように、パチンコ店には、カード情報32aを管理している管理装置30と、計数機能付き台間装置20と、計数機能なし台間装置10とが接続されており、計数機能付き台間装置20で、残額3000円および計数値1550個が関連付けられたカードIDが001であるカードを発行したとする。
その後、遊技者は発行されたカードをもって、計数機能なし台間装置10に併設されるパチンコ機40aに台移動を行い、再遊技を行うために、カードIDが001であるカードを挿入する。
そこで、管理装置30では、カードIDに関連付けられたカード情報32aのうち残額3000円を、計数機能なし台間装置10に収納されているカード(ここでは、カードID:002)に移行し、新たに、カードID:002に関連付けてカード情報32aに記憶する(同図の(1)参照)。
そして、計数機能なし台間装置10では、残額が収納されているカードに移行され、残額0円となったカードIDが001であるカードを返却し(同図の(2)参照)、残額によってパチンコ玉の払出処理を行う(同図の(3)参照)。
これにより、計数機能なし台間装置10に残額および計数値が関連付けられたカードを挿入された場合であっても、遊技者は、残額によって払出処理をすることができ、遊技を行うことができる。
また、計数機能なし台間装置10では、カードを挿入された際に、計数値のみが関連付けられたカードを、すぐに返却することにより、遊技者による、計数値が関連付けられたカードの取り忘れを防止することができる。
上述してきたように、本実施例では、計数機能なし台間装置10で、カードを挿入された際に、計数値の有無によってカードの受付可否の判定を行い、受付不可と判定したらすぐに、カードを返却するようにしたので、各台計数方式を採用した遊技台によって発行されたカードによって、非各台計数方式の遊技台へ台移動をした場合であっても、遊技者にわかりやすい動作を可能とするとともに、遊技者による記録媒体の取り忘れを防止することができる。
なお、本発明請求項記載の台間装置は計数機能なし台間装置10、計数機能付台間装置は計数機能付き台間装置20、管理装置は管理装置30、記録媒体情報記憶手段はカード情報32a、媒体識別子読取手段はカードR/W部11、返却判定手段は返却判定部15bに相当するものである。
なお、上述した実施例では、計数機能なし台間装置10でカードの受付可否の判定処理を行ったが、管理装置30で行うこととしてもよい。この場合、計数機能なし台間装置10の処理負荷を軽減することができる。
また、上述した実施例では、管理装置30に記憶されるカード情報32aの計数値に基づいてカードの受付可否の判定処理を行ったが、カードに計数値があるか否かの識別(たとえば、計数値ありフラグ)を関連付けておいてもよい。
そして、計数機能なし台間装置10が計数値ありフラグを読み取り、読み取った計数値ありフラグが「あり」であったら、カードを返却すると判定し、計数値ありフラグが「なし」であったら、カードを受付けると判定するようにしてもよい。
この場合、計数機能なし台間装置10が管理装置30に問合せをしないで、返却判定処理を行うことができるので、計数機能なし台間装置10と管理装置30との間のLAN等のネットワーク回線にかかる通信負担を大幅に軽減することができる。
また、上述した実施例では、計数機能付き台間装置20で発行したカードのカードIDに残額および計数値を関連付けるようにした。しかし、近年では、唯一の識別子をもつFeliCa(登録商標)と呼ばれる、IC(Integrated Circuit)チップを内蔵した携帯電話端末(以下、「おサイフケータイ(登録商標)」と記載する)が知られている。
遊技者の所有するおサイフケータイ(登録商標)機能をもつ携帯電話端末をかざすことによって、おサイフケータイ(登録商標)の識別子(以下、「IDm」と記載する)を読み取り、IDmに関連付けてカード情報32aを管理するようにしておいてもよい。
具体的には、管理装置30では、IDmに関連付けて残額および計数値をカード情報32aに記憶するようにしておく。計数機能なし台間装置10および計数機能付き台間装置20で、IDmに関連付けられた残額や計数値によって遊技をする場合には、遊技者の所有するおサイフケータイ(登録商標)をかざして、読み取ったIDmに基づいてカード情報32aを取得する。
また、遊技終了時には、計数機能なし台間装置10および計数機能付き台間装置20は、遊技者の所有するおサイフケータイ(登録商標)をかざすことによって、読み取ったIDmに関連付けて終了時点の残額や計数値を管理装置30のカード情報32aに記憶するといった、終了処理を行う。
ここで、計数機能なし台間装置10では、遊技者が遊技をする際におサイフケータイ(登録商標)をかざすことによって、読み取ったIDmに関連付けられた計数値が存在する場合には、終了処理を行う必要ありと判定する。
そして、計数機能なし台間装置10は、遊技者の所有するおサイフケータイ(登録商標)によって終了処理を行ってもらうため、「携帯電話端末をかざして下さい。」等の案内を遊技者に対して報知する。
このようにして、各台計数方式を採用した遊技台によってカード情報32aが関連付けられた携帯電話端末をもって、非各台計数方式の遊技台へ台移動をした場合であっても、遊技者による携帯電話端末への関連付け忘れを防止することができる。
また、上述した実施例では、パチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも同様に適用することができる。