以下に添付図面を参照して、本発明に係る台間装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明では、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技機と併設された計数機能付き台間装置(以下、単に「台間装置」と記載する)が、カード返却や遊技媒体払い出しを行う場合について説明する。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る遊技媒体払出手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る遊技媒体払出手法の概要を示す図である。
図1に示すように、台間装置10は、各遊技台に併設されており、遊技台で遊技客が獲得した遊技媒体(持玉)を計数する。また、台間装置10は、遊技店の会員に対して配布される会員カードを受け付けて装置内に取り込み保持するとともに、一般の遊技客用の一般カードを受け付けて装置内に取り込み保持する。そして、遊技を終えた遊技客がカード返却ボタンを押下するなどしてカードの返却を指示した場合には、保持していたカードを返却する。
なお、一般カードについては、所定枚数を予め装置内に保持しており、現金による遊技を行って持玉を得た遊技客に対しては、装置内に保持していた一般カードを返却するものとする。
ここで、本発明に係る遊技媒体払出手法では、遊技媒体の計数によって持玉価値が発生した状態において(同図の(1)参照)、カード返却操作が行われると(同図の(2)参照)、持玉価値の大小といった条件に応じて「持玉価値を関連付けたカードの返却」または「持玉価値に相当する遊技媒体の払出」のいずれかを選択する点に主たる特徴がある。
具体的には、持玉価値が、予め設定された所定の閾値以下であれば、カードの返却を行わず(同図の(3a)参照)、持玉価値に相当する遊技媒体の払出を行う(同図の(3b)参照)。
このようにすることで、少量の持玉価値が価値付けられたカードについては、遊技客に対して返却されることがないので、持玉価値が少量であることを理由に、カードを破損されたり、破棄されたり、紛失されたり、といった事態を回避することができる。
なお、図1に示した処理の対象は一般カードであり、会員カードは対象としない。これは、会員カードの所有者が会員(遊技客)であり、会員カードの破損や破棄は遊技店の損失とはならないためである。また、会員(遊技客)も自己が所有する会員カードについては、粗末に扱わないと考えられるためである。また、一般カードであっても、プリペイド価値が残存している場合には、カード返却を行う。
このように、本発明に係る遊技媒体払出手法では、持玉価値が少量である場合には、原則としてカード返却に代えて遊技媒体の払い出しを行う。しかし、少量の持玉価値を一律に遊技媒体の払い出しで対処しようとすると、遊技客あるいは遊技店に不利益が生じる場合がある。
たとえば、遊技店の閉店間際などのように、すぐにでも遊技客が遊技を終了したい場面では、少量の持玉価値が遊技媒体で払い出されると、遊技客は、払い出された遊技媒体で遊技を続けざるを得ず、退店したくても退店できない状況に陥ってしまう。また、遊技店としても、少量の遊技媒体を払い出された遊技客が遊技を続けていると、閉店作業を円滑に進めることができなくなる。
このため、本発明に係る遊技媒体払出手法では、持玉価値が少量である場合には、原則としてカード返却に代えて遊技媒体の払い出しを行いつつ、所定の条件を満たした場合には、少量の持玉価値であってもカード返却を行う例外処理を行うこととした。なお、かかる例外処理の詳細については、図7等を用いて後述することとする。
図2は、本実施例に係る台間装置10が接続されるネットワーク環境を示す図である。同図に示すように、遊技台100ごとに設けられる台間装置10は、店舗内LAN(Local Area Network)20などのネットワーク経由で、管理装置200、島コントローラ300、精算機400、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機といった各機器と接続されている。なお、遊技媒体払出システムは、台間装置10と、管理装置200とから構成される。
また、島コントローラ300は、台間装置10および遊技台100が設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、管理装置200/台間装置10間、あるいは、管理装置200/遊技台100間の通信データを中継する。
ここで、台間装置10がカードを返却した場合、カードを返却された遊技客は、カードを精算機400へ挿入することで、プリペイド価値(プリペイド残額)に応じた貨幣を受け取る。また、遊技客は、景品交換コーナーへカードを持参し、カード処理機600にカードをかざしたり挿入したりする。そして、遊技店の従業員が景品管理機500や景品払出機700を操作することで、遊技客は、持玉価値に応じた景品を受け取ることになる。
なお、同図に示すように、管理装置200は、カード(記録媒体)に関連付けられる価値を管理する記録媒体管理DB(データベース)201を有している。そして、記録媒体管理DB201は、プリペイド価値を管理するプリペイドカードDB(データベース)201aと、遊技客が獲得した遊技媒体を換金したり景品交換したりすることなく遊技店へ預けておくことを指す貯玉を管理する貯玉DB(データベース)201bと、遊技店が獲得した持玉価値を管理する持玉DB(データベース)201cとから構成される。
たとえば、台間装置10が返却するカードに価値付けられる持玉価値やプリペイド価値は、管理装置200が管理するプリペイドカードDB201aや、持玉DB201cによっても管理されている。
次に、本実施例に係る台間装置10の構成について図3を用いて説明する。図3は、台間装置10の構成を示すブロック図である。なお、同図には、台間装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
同図に示すように、台間装置10は、通信部11と、操作部12と、カード保持部13と、払出部14と、計数部15と、制御部16と、記憶部17とを備えている。また、制御部16は、設定部16aと、カード返却指示部16bとをさらに備えており、記憶部17は、カード返却制限情報17aと、持玉情報17bとを記憶する。
通信部11は、LAN(Local Area Network)ボードなどの通信デバイスで構成され、図2に示した店舗内LAN20経由で、管理装置200からカード返却制限情報17aなどの情報を受信するとともに、管理装置200に対して持玉情報17bなどの情報を送信する処理を行う。
操作部12は、台間装置10に対する操作を受け付けるデバイスである。この操作部12は、たとえば、カード返却ボタンに相当する「返却ボタン」を有しており、カードの返却を要求する遊技客によって返却ボタンが押下された場合には、カード返却要求があった旨を示す信号を、制御部16のカード返却指示部16bに対して通知する。
カード保持部13は、台間装置10にあらかじめ装填された内蔵カード(一般カード)や、遊技店の会員に対して返却される会員カードなどのカードを保持する。ここで、内蔵カード(一般カード)は、遊技店の開店前などにカード保持部13へあらかじめ複数枚装填されており、持玉価値やプリペイド価値が関連付けられたうえで返却される。
内蔵カード(一般カード)を返却された遊技客は、遊技台を変更して再遊技する場合、返却された内蔵カードを他の台間装置10のカード保持部13へ挿入することで、内蔵カード(一般カード)に関連付けられた持玉価値やプリペイド価値を利用することができる。なお、持玉価値やプリペイド価値が使い切られた場合には、かかるカードは、カード保持部13によってそのまま収容され、あらかじめ装填されたカードと同様の取扱いとなる。
また、カード保持部13が会員カードを受け付けた場合には、遊技客は、会員カードに関連付けられた持玉価値やプリペイド価値を利用することができる。ただし、会員カードは、持玉価値やプリペイド価値が使い切られた場合であっても返却される点で内蔵カード(一般カード)とは異なる。なお、カード保持部13は、カードへのデータ書き込みおよびカードからのデータ読み出しを行うカードR/W(リーダ/ライタ)を有しているものとする。
また、カード保持部13は、たとえば、一般カードが挿入された場合には、かかる一般カードを保持し、遊技客が返却ボタンを押下してカード返却指示部16bからカード返却指示を受けた場合に限り、所定の価値を価値付けたうえで保持していた一般カードを返却する。
払出部14は、遊技客に対して遊技媒体の払い出しを行うデバイスである。また、払出部14は、カード返却指示部16bから遊技媒体の払い出し指示を受けた場合には、持玉価値に相当する遊技媒体の払い出しを行う。
計数部14は、遊技客が獲得した遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)を計数し、計数した計数値を持玉情報17bとして記憶部17に記憶させる。なお、かかる計数値がカウントアップされるたびに持玉情報17bは更新されるものとする。
ここで、図3に示した台間装置10の外観構成について図4を用いて説明しておく。図4は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技台100を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける台間装置10を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを備えることとしてもよい。
図5に示すように、台間装置10は、台間装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52と、遊技店の従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部53と、7セグ表示部およびテンキー、カードの返却ボタンといった操作部を含んだ表示/操作部54とを備えている。
また、台間装置10は、持玉等の遊技媒体を払い出すノズルを備えた持玉払出部55と、会員カードなどのカードを受け付けるとともに、持玉価値やプリペイド価値が関連付けられたカードを返却するカード挿入部56と、遊技客が獲得した遊技媒体(持玉)を計数する計数部57と、持玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部58とを備えている。
ここで、遊技台100の下皿100cから落下した遊技媒体は、玉貯留部58を経て計数部57へと導かれることになる。
なお、遊技台100には、カードの残額や、貸し出された遊技媒体の数などを表示する表示部100aと、遊技媒体の貸し出しを指示する貸出ボタンやカード返却を指示する返却ボタンといった操作ボタン100bとが設けられる。
台間装置10は、同図に示す遊技機100の下皿100cから落下した持玉(獲得玉)を玉貯留部58でいったん貯留し、貯留した持玉(獲得玉)を計数部57へ導く。そして、計数部57で持玉(獲得玉)の数量を計数する。なお、計数後の遊技媒体は、遊技島内に形成される図示しない遊技媒体回収経路へ排出される。
そして、台間装置10に持玉が記憶された状態で、遊技客が持玉払出ボタンを押下した場合には、持玉(獲得玉)を持玉払出部55経由で遊技台100へ投出する。なお、持玉払出部55は、紙幣挿入部52へ紙幣が挿入されたり、カード挿入部56へプリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されたりして、遊技台100の貸し出しボタンが押下された場合の払い出しを併せて行う場合もある。
なお、図4には、計数部57が台間装置10の下部に設けられている場合について示したが、計数部57を、台間装置10や遊技台100が設置される遊技島の膳板を貫通させた位置(膳板の下方)に設けることとしてもよい。また、計数部57を台間装置10とは独立した装置として構成することとしてもよい。
図3の説明に戻り、制御部16について説明する。制御部16は、少量の持玉価値である場合に、持玉価値が価値付けられたカード返却を行うか、持玉価値に相当する遊技媒体の払い出しを行うかを選択する処理を行う処理部である。
設定部16aは、通信部11経由で管理装置200から受け取ったカード返却制限情報17aを記憶部17に対して記憶させる処理を行う処理部である。ここで、カード返却制限情報17aを管理装置200から受けとるタイミングについては、台間装置10の設置時、遊技店の開店前といった所定のタイミングとすることができる。
ここで、管理装置200は、カード返却制限情報17aを編集する機能を有しており、編集後のカード返却制限情報17aを各台間装置10に対して一括配信するものとする。なお、本実施例では、設定部16aが管理装置200からカード返却制限情報17aを受け取る場合について示したが、表示/操作部54(図4参照)経由でカード返却制限情報17aを受け取ることとしてもよい。
カード返却指示部16bは、操作部12からカード返却要求があった旨を示す信号を受け取った場合に、カード返却制限情報17aと持玉情報17bとを対比することで、持玉価値が価値付けられたカードの返却を行うか、持玉価値に相当する遊技媒体の払い出しを行うかを判定し、カード保持部13または払出部14へ各指示を行う処理部である。また、カード返却指示部16bは、カード保持部13からカード種別(一般カードまたは会員カード)を受け取り、カード種別に応じた処理を行う処理部でもある。
具体的には、カード返却指示部16bは、カード種別が一般カードであって、持玉情報17bにおける持玉価値が、カード返却制限情報17aにおける閾値(設定個数)未満である場合には、払出部14に対して持玉価値に相当する遊技媒体の払い出しを指示する。一方、持玉価値が設定個数以上である場合には、カード保持部13に対して持玉価値を関連付けたカードの返却を指示する。
なお、カード返却指示部16bは、カード種別が会員カードである場合には、持玉価値の大小に関わらず、カード保持部13に対して持玉価値を関連付けたカードの返却を指示する。また、カード返却指示部16bは、カードに対してプリペイド価値が価値付けられている場合には、カード種別あるいは設定個数に関わらず、カード保持部13に対して持玉価値を関連付けたカードの返却を指示する。
ここで、カード返却指示部16bの指示例について図5を用いて説明しておく。図5は、カード返却指示部16bの指示例を示す図である。なお、同図の(A)には、前提とするカード返却制限情報17aの内容を、同図の(B−1)〜(B−3)には、カード種別あるいは持玉数を仮定した場合における指示内容を、それぞれ示している。
図5の(A)に示したように、カード返却制限情報17aには、設定個数として125個が定義されているものとする。ここで、「125個」とは、パチンコ玉について東京における最小特殊景品の額(500円)に対応する個数である。以下では、設定個数が125個であることを前提として説明する。
図5の(B―1)に示したように、持玉数が1500個であり、カード種別が一般カードである場合には、持玉数(1500個)は、設定個数(125個)以上であるので、カード返却指示部16bは、カード保持部13に対して持玉数(1500個)が関連付けられた一般カードの返却を指示する。
一方、図5の(B−2)に示したように、持玉数が100個であり、カード種別が一般カードである場合には、持玉数(100個)は、設定個数(125個)未満であるので、カード返却指示部16bは、払出部14に対して持玉数(100個)と同数の遊技媒体の払い出しを指示する。
ところで、図5の(B−3)に示したように、持玉数が100個であり、カード種別が会員カードである場合には、持玉数(100個)は、設定個数(125個)未満ではあるが、カード返却指示部16bは、カード保持部13に対して持玉数(100個)が関連付けられた会員カードの返却を指示する。このように、カード種別が会員カードの場合には、持玉価値の大小にかかわらずカード返却を行うことになる。
図2の説明に戻り、記憶部17について説明する。記憶部17は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、カード返却制限情報17aおよび持玉情報17bを記憶する。
カード返却制限情報17aは、図5を用いて既に説明したように、カード返却を許可する最小の持玉数(設定個数)を定義した情報である。すなわち、持玉数が設定個数以上であれば、原則としてカード返却が許可され、持玉数が設定個数未満であれば、原則としてカード返却を不許可となり、カード返却の代わりに遊技媒体の払い出しが行われることになる。
持玉情報17bは、計数部15による計数結果であり、計数部15が遊技媒体を計数するたびにあらたな計数値へと更新される。また、持玉情報17bは、持玉の払い出しが行われた場合には減算され、カード保持部13によって持玉価値を反映したカードが返却された場合には0へクリアされる。
次に、台間装置10が実行する処理手順について図6を用いて説明する。図6は、台間装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、カード返却指示部16bは、操作部12からカード返却指示を受け付けたならば(ステップS101)、持玉情報17bに含まれる持玉数を確認する(ステップS102)。
つづいて、カード返却指示部16bは、ステップS102で確認した持玉数と、カード返却制限情報17aの設定個数とを比較し、持玉数が設定個数以上であるか否かを判定する(ステップS103)。そして、持玉数が設定個数以上である場合には(ステップS103,Yes)、カード保持部13に対して持玉数情報更新(カード書込み)を指示する(ステップS104)。
そして、カード返却指示部16bからカード返却指示を受けたカード保持部13は、カード返却を行い(ステップS105)、処理を終了する。一方、ステップS103の判定条件を満たさなかった場合、すなわち、持玉数が設定個数未満である場合には(ステップS103,No)、プリペイド残額があるか否かを判定する(ステップS106)。
そして、プリペイド残額がある場合には(ステップS106,Yes)、カード保持部13に対して持玉数情報更新(カード書込み)を指示し(ステップS104)、カード返却指示部16bからカード返却指示を受けたカード保持部13は、カード返却を行い(ステップS105)、処理を終了する。
一方、ステップS106の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS106,No)、カード返却指示部16bは、払出部14に対して持玉数に相当する遊技媒体の払い出しを指示し、かかる払い出し指示を受けた払出部14は、持玉数払出を行い(ステップS107)、処理を終了する。
ところで、これまでは、カード返却制限情報17aにカード返却を許可する最小の持玉数(設定個数)を定義する場合について説明してきたが、さらに、カード返却を例外的に許可する時間帯(例外時間帯)を定義することもできる。そこで、以下では、カード返却制限情報17aに設定個数および例外時間帯を定義する場合について説明する。
図7は、例外時間帯を付加した場合におけるカード返却指示部の指示例を示す図である。なお、同図の(A)には、前提とするカード返却制限情報17aの内容を、同図の(B−1)〜(B−3)には、現在時刻あるいは持玉数を仮定した場合における指示内容を、それぞれ示している。
図7の(A)に示したように、カード返却制限情報17aには、設定個数として125個が定義されているものとする。また、カード返却制限情報17aには、例外時間帯として「22時30分以降」が定義されているものとする。ここで、図7の(A)に例示した「22時30分以降」は、23時が閉店時間である場合の定義例である。
なお、「10時(開店時間)から22時30分」などのように、少量の持玉価値に相当する遊技媒体の払出を許可する時間帯を定義することとしてもよい。以下では、設定個数が125個であり、例外時間帯が22時30分以降であることを前提として説明する。
図7の(B―1)に示したように、持玉数が1500個であり、現在時刻が20時00分である場合には、持玉数(1500個)は、設定個数(125個)以上であるので、現在時刻に関わらず、カード返却指示部16bは、カード保持部13に対して持玉数(1500個)が関連付けられた一般カードの返却を指示する。
また、図7の(B−2)に示したように、持玉数が100個であり、現在時刻が20時00分である場合には、持玉数(100個)は、設定個数(125個)未満であり、現在時刻(20時00分)についても例外時間帯(22時30分以降)には該当しないので、カード返却指示部16bは、払出部14に対して持玉数(100個)と同数の遊技媒体の払い出しを指示する。
一方、図7の(B−3)に示したように、持玉数が100個であり、現在時刻が22時45分である場合には、持玉数(100個)は、設定個数(125個)未満であるため、本来ならば、持玉数(100個)と同数の遊技媒体の払い出しを指示することになる(図5の(B−2)参照)。しかし、現在時刻(22時45分)は、例外時間帯(22時30分以降)に該当するので、カード返却指示部16bは、カード保持部13に対して持玉数(100個)が関連付けられた一般カードの返却を指示する。
このように、閉店間際の時間帯のように、少量の持玉価値について遊技媒体の払い出しを行うと遊技客にとっても遊技店にとっても不都合な時間帯については、少量の持玉価値であっても例外的にカード返却を許可する。
次に、例外時間帯を付加した場合に台間装置10が実行する処理手順について図8を用いて説明する。図8は、例外時間帯を付加した場合に台間装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、カード返却指示部16bは、操作部12からカード返却指示を受け付けたならば(ステップS201)、持玉情報17bに含まれる持玉数を確認する(ステップS202)。
つづいて、カード返却指示部16bは、ステップS202で確認した持玉数と、カード返却制限情報17aの設定個数とを比較し、持玉数が設定個数以上であるか否かを判定する(ステップS203)。そして、持玉数が設定個数以上である場合には(ステップS203,Yes)、カード保持部13に対して持玉数情報更新(カード書込み)を指示する(ステップS204)。そして、カード返却指示部16bからカード返却指示を受けたカード保持部13は、カード返却を行い(ステップS205)、処理を終了する。
一方、ステップS203の判定条件を満たさなかった場合、すなわち、持玉数が設定個数未満である場合には(ステップS203,No)、カード返却指示部16bは、現在時刻の確認を行う(ステップS206)。ここで、現在時刻は、台間装置10の図示しない計時部から取得することとしてもよいし、管理装置200の図示しない計時部から取得することとしてもよい。
つづいて、カード返却指示部16bは、ステップS206で確認した現在時刻と、カード返却制限情報17aの例外時間帯とを比較し、現在時刻が例外時間帯に該当するか否かを判定する(ステップS207)。
そして、例外時間帯に該当する場合には(ステップS207,Yes)、カード保持部13に対して持玉数情報更新(カード書込み)を指示する(ステップS204)。つづいて、カード返却指示部16bからカード返却指示を受けたカード保持部13は、カード返却を行い(ステップS205)、処理を終了する。
一方、ステップS207の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS207,No)、払出部14に対して持玉数に相当する遊技媒体の払い出しを指示し、かかる払い出し指示を受けた払出部14は、持玉数払出を行い(ステップS208)、処理を終了する。
ところで、図7および図8では、所定の条件を満たした場合に(たとえば、閉店間際)、少量の持玉価値をカードに関連付けて返却する旨を説明した。しかし、このように、少量の持玉価値が関連付けられたカードを返却すると、特定の時間帯のみとはいえ、遊技店側には、カードの破損・破棄・持ち帰りによる不利益が発生する可能性がある。
そこで、以下では、少量の持玉価値が関連付けられて返却されたカードの破損・破棄・持ち帰りを防止する方策について説明することとする。図9は、遊技媒体払出システムの変形例を示す図である。なお、同図の(A)には、少量の持玉価値が関連付けられたカードに対して優遇措置を与える場合について、同図の(B)には、遊技店の出入り口等に、カード回収装置を設ける場合について、それぞれ示している。
図9の(A)に示したように、少量の持玉価値が関連付けられたカードを返却された遊技客は、カードを所持して退店することになる。ここで、カードに価値付けられた持玉価値は、翌日以降には、貯玉価値へと変換されることが一般的である(同図の(A−1)参照)。たとえば、図2に示した持玉DB201cから貯玉DB201bへのデータ移行が、閉店後の閉店処理時や、翌日の開店処理時といった所定のタイミングで行われることで、持玉価値は貯玉価値へと変換される。
しかし、貯玉価値を用いて翌日以降に再遊技する場合には、貯玉手数料を差し引かれることが通常であり、少量の持玉価値がさらに少量となってしまうことから、遊技客は、カードを粗末に扱ってしまう。そこで、本実施例に係る遊技媒体払出システムでは、閉店間際のように例外的に少量の持玉価値を関連付けたカードを返却した場合には、貯玉手数料の優遇措置を与えることとした(同図の(A−2)参照)。
具体的には、閉店間際のように例外的に少量の持玉価値を関連付けたカードを返却した場合には、カードあるいは持玉DB201cに所定のフラグを付与する。そして、かかるフラグが付与されたカードで翌日以降に再遊技が行われた場合には、カードIDに対応する貯玉手数料を0とするなどの優遇措置を与える。なお、貯玉手数料の優遇装置に限らず、ポイントの付与や、所定のサービスの付与などによって、遊技客の再来店意欲を高めることとしてもよい。
また、図9の(B)に示したように、遊技店の出入り口等にカード回収装置750を設け、かかるカード回収装置750でカードの回収を行うこととしてもよい。具体的には、カード回収装置750は、カードを受け付けるとカードIDをリードし(同図の(B−1)参照)、読み取ったカードIDを管理装置200へ通知する(同図の(B−2)参照)。なお、カード回収装置750は、図2に示した店舗内LAN20経由で管理装置200に接続されているものとする。
ここで、カード回収装置750には、カードの残額は寄付として公共福祉に用いる等の掲示を行うことで、少額のカードが不要な遊技客からカードを回収することが可能となる。そして、回収されたカードに関連付けられた持玉価値については、管理装置200で集計し、実際に寄付として取り扱うこととすればよい。このようにすることで、カードの破棄・破損・持ち帰りによるカードコストの損失を低減することができる。
上述してきたように、本実施例では、記憶部が、自装置に対応する遊技台で遊技客が獲得した遊技媒体の計数値を持玉価値として記憶し、カード保持部が、持玉価値を関連付ける記録媒体を保持し、記録媒体の返却指示を受け付けた場合に、持玉価値が予め指定された所定の閾値未満であれば、カード返却指示部が、記録媒体の返却指示に代えて持玉価値に相当する遊技媒体の払い出しを指示するように台間装置を構成した。
したがって、少量の持玉価値をカードに対して価値付ける代わりに遊技媒体の払い出しを行うことで、カードの破損・破棄・持ち帰りによる遊技店の不利益を軽減することができる。また、閉店間際などの例外時間帯においては、例外的に、少額カードの返却を許可することとしたので、遊技客あるいは遊技店の利便性を向上させることができる。
なお、上述した実施例では、計数部を備えた台間装置に対して本発明を適用した場合について説明したが、計数部を台間装置とは独立した計数装置として構成して台間装置および計数装置が相互に通信する場合に、本発明を適用することとしてもよい。
また、上述した実施例では、玉貸機能と各台計数機能とを兼ね備えた1台の台間装置に対して本発明を適用した場合について説明したが、玉貸機能を有する第1の台間装置(CRユニット)と、各台計数機能を有する第2の台間装置(計数サンド)とを併設するシステム(ダブルサンド方式)に対して本発明を適用することとしてもよい。
以下では、かかるダブルサンド方式に対して本発明を適用した場合について図10を用いて説明する。図10は、ダブルサンド方式を示す図である。同図に示すように、ダブルサンド方式の台間装置は、計数サンド800とCRユニット900とから構成される。
計数サンド800は、各台計数機能を有する台間装置であり、遊技客が獲得した持玉(獲得玉)を計数するとともに、計数値をメモリなどの記憶部へ記憶する。図10に示したように、計数サンド800は、計数サンド800およびCRユニット900の状態を表示するWサンド状態表示ランプ801と、カード返却ボタン802と、玉投出部803と、一般カードや会員カードといった持玉関連付け用カードに対する読み書きを行う持玉カードR/W804と、計数部805とを備えている。
なお、計数部805は、計数値を表示する計数玉表示部805aと玉返却ボタン805bとをさらに備えている。計数サンド800は、玉返却ボタン805bが押下された場合には、持玉を玉投出部803のノズルから投出する。ここで、持玉がノズルから投出されると記憶部上の計数値は減算される。
また、計数サンド800は、カード返却ボタン802が押下された場合には、計数値が所定の閾値以上であれば、一般カードを返却するとともに、計数値が所定の閾値未満であれば、持玉(獲得玉)をノズルから投出する。ただし、上記した実施例で既に説明した時間帯やカード種別(会員カード)によっては、持玉(獲得玉)投出に代えてカード返却を行う。
CRユニット900は、現金やプリペイドカードを受け付けて玉貸しを行う台間装置である。図10に示したように、CRユニット900は、CRユニット900の状態を表示するCR状態表示ランプ901と、紙幣挿入部902と、受け付けた紙幣の残額を表示する残額表示部903と、各種操作を受け付ける操作部904と、プリペイドカードに対する読み書きを行うプリペイドカードR/W905とを備えている。そして、操作部904は、再プレイボタン904aをさらに備えている。なお、貸玉は、遊技台100自体から排出される。
CRユニット900は、プリペイド価値が残存した状態で遊技客による遊技が終了した場合、たとえば、図示しないカード返却ボタンが押下された場合には、プリペイドカードR/W905からカードを返却する。また、CRユニット900は、会員カードを受け付けることも可能であり、会員カードによる貯玉再プレイを遊技客へ提供する。ここで、再プレイ玉についても、遊技台100自体から排出される。