図1は、本発明に係わる遊技システムおよび貸出処理装置および管理装置および遊技システムの制御方法を適用して構成した遊技システムの構成図である。
図1において、この遊技システムは、遊技施設10(以下、「パチンコ店10」と示す)内で構成され、貯玉管理ターミナルコントローラ101(以下、「貯玉管理TC101」という)、カード管理ターミナルコントローラ102(以下、「カード管理TC102」という)、島コントローラ103、貸出処理機104、遊技機105(以下、「パチンコ台105」という)、ルータ106を含んで構成され、パチンコ遊技機またはスロット遊技機などの遊技機による遊技を提供する。
以下、パチンコ遊技機によるパチンコ遊技について説明する。
パチンコ店10では、記録媒体として予め会員として登録した遊技客が使用する「会員カード」のほかプリペイドカードなどの会員として登録していない非会員の遊技客が使用する「一般カード」を用いて、パチンコ台105に対するパチンコ玉を遊技客が借り受けて遊技を行う。これらのカード(一般カードまたは会員カード)には、カードを識別できるカードIDが付与されており、カードIDの情報をキーにしてさまざまな情報を管理する。
プリペイドカードは、パチンコ店10に設置されたカード発行機(図示せず)または、遊技機に併設された貸出処理機に遊技客が現金を投入することによってその金額に相当する価値の有価価値が対応付けられて発行される。このときの有価価値は、投入された現金の金額若しくはその金額を所定のレートで貸出単位の「度数」に変換した価値を示すものであって、貸出単位に基づいて遊技媒体の貸し出される。例えば、100円に対して「1度数」を割り当てた場合、3千円の金額が投入されると、カードの有価価値として「30度数」が価値付けられる。また、1度数あたりの遊技媒体数が設定されており、例えば、1度数によって25個の遊技媒体が貸し出される(4円/玉)。
会員カードは、残度数に基づく通常のパチンコ玉の貸出に加えて、獲得した遊技媒体の一部若しくは全部を貯玉管理TC101でカードIDに対応させて貯玉として登録し、後にこの貯玉の再貸出を受けることにより、再プレイを行う再プレイ機能が利用可能である。
パチンコ店10は、複数台の貸出処理機104と複数台のパチンコ台105とから構成された「島」と呼ばれるグループが形成され、複数の「島」によって構成される。
各「島」には、「島」の各貸出処理機104から貯玉管理TC101、カード管理TC102、ルータ106に対してデータを中継する中継装置である島コントローラ103が設けられており、貸出処理機104でパチンコ玉を貸し出す際に遊技客により現金が投入された場合には搬送機構(図示せず)によって搬送することで専用の収納庫である島端の回収ボックスに保管する。
島コントローラ103で中継したデータは貯玉管理TC101、カード管理TC102によって処理される。この貯玉管理TC101、カード管理TC102では、上記するカードIDに基づいてさまざまな情報を管理する。
まず、貯玉管理TC101は、貯玉機能を用いて使用できる貯玉数をカードIDを元に貯玉残高情報DB(101−A)で管理する。貯玉は、会員カードを用いた再プレイ時にのみ使用可能であって、貸出処理機104から遊技客が再プレイを指示すると、カードIDに基づく再貸出可能な貯玉数を応答するほか、貸出処理機104に会員カードが挿入されると同時にその会員カードのカードIDに基づく再貸出可能な貯玉数を応答することもできる。
また、貯玉を再貸出する際に必要となる再プレイ手数料の割合を記憶し、再プレイ手数料は、貸し出すパチンコ玉の数量に所定の割合を掛けた個数とする。例えば、25個の再貸出に対して20%を再プレイ手数料の割合とした場合、5度数(=125個)の遊技媒体を再貸出する場合には25個分の手数料が必要となる。すなわち、貯玉からは150個の遊技媒体が引き落とされる。
さらに、貸出処理機104から指定された玉数(再プレイ玉貸単位の玉数)を貸し出すことができない場合には、管理した貯玉数に対して再プレイ手数料を算出し、再貸出可能な貯玉数を算出する。
例えば、再プレイ玉貸単位の玉数が5度数(=125個)と指定され、貯玉数が「104個」である場合にはその再プレイ玉貸単位の玉数を貸し出すことができないと判断して以下のように再貸出可能な貯玉数を算出する。
貯玉数が「104個」であって、貯玉管理TC101で指定された再プレイ手数料の割合が25個につき5個であると指定されている場合、その再プレイ手数料の割合(再プレイ手数料率)は2割(0.2)であることから以下の計算式Aにそれぞれの値を代入して再プレイ手数料を算出する。
(計算式A) 「再プレイ手数料 = 貯玉数 − (貯玉数 ÷ (1 + 再プレイ手数料率)」
この(計算式A)を用いることにより算出した再プレイ手数料を以下の(計算式B)に代入して再貸出可能な貯玉数(再貸出可能玉数)を算出する。
(計算式B) 「再貸出可能玉数 = 再プレイ手数料 ÷ 再プレイ手数料率」
まず、(計算式A)を適用することにより再プレイ手数料となる玉数が「17個」と算出され、続いて(計算式B)を適用することにより再貸出可能玉数が「85個」と算出される。なお、小数点以下は切り捨てとする。
この計算式によって再プレイ手数料の「17個」と再貸出可能玉数の「85個」を加算した「102個」が貯玉数「104個」から引き落とされ、残りの貯玉数を「2個」と更新する。
また、この「2個」の貯玉数を用いた再プレイを行う場合、すなわち、(計算式A)による再プレイ手数料が「1」に満たない場合の再プレイでは、再プレイ手数料を考慮せずに残りの貯玉数を再貸出する。これにより、全ての貯玉を1つ残らず再貸出することができる。
なお、上記する計算式は再プレイ手数料、再貸出可能玉数を算出するための一例であって、この計算式に限定されることなくそれぞれの値を算出できる。
そして、この貯玉管理TC101の貯玉残高情報DB(101−A)で管理した貯玉数の管理テーブルの一例を図10に示す。
図10(a)に示す貯玉管理テーブルと図10(b)に示す会員情報管理テーブルが貯玉残高情報DB(101−A)によって管理される。
図10(a)に示す貯玉管理テーブルは、会員カードに記憶されたカードIDを主キーとして貯玉数を管理した状態を示す。貯玉管理TC101では、貸出処理機104から貯玉の再貸出要求を受けてこの再貸出要求に含まれるカードIDを元に貯玉残高情報DB(101−A)から貯玉数を取り出して再貸出可能な貯玉数を算出する。
例えば、図10(a)の貯玉管理テーブルでは、カードID「00298」に対して貯玉数「104」、カードID「00300」に対して貯玉数「1220」を管理しており、再プレイ玉貸単位の5度数(125個)分の再貸出要求を受けた場合、カードID「00300」では要求に応じた再貸出を行うことができるが、カードID「00298」では再貸出要求に応じた再貸出を行うことができないと判断して上記するような再貸出可能な貯玉数を算出する処理を行う。
また、図10(b)に示す会員情報管理テーブルは、会員カードに記録されたカードIDを主キーとして会員登録された遊技客の情報を管理するテーブルである。このテーブルは、カードID(1011)を主キーとして氏名(1012)、住所(1013)などの項目により構成される。
例えば、カードID(1011)「00299」が記録された会員カードを持つ遊技客の氏名(1012)は、「○○太郎」であって住所(1013)は、「東京都」であることを示す。
これら図10(a)、図10(b)に示すテーブルより遊技客がもつ貯玉数を一意に管理することができる。もちろん、正規化することなく上記2つのテーブルを1つのテーブル構成で管理するように構成してもよい。
次に、カード管理TC102は、単にターミナルコントローラともいい、プリペイドカードによる貸出を行ったパチンコ玉に対する残高情報をカードIDに基づきカード残高情報DB(102−B)で管理する。貸出処理機104から有価価値に対する貸出要求を受けると、その貸出要求に含まれるカードIDを元にしてカード残高情報DB(102−B)に残高を問い合わせ、貸出要求された有価価値に対して貸出可能であるか判断する。
例えば、貸出要求でカード玉貸単位が3度数と指定された場合、「3度数×25個(1度数あたりの個数)」(75個)分の残高が記憶されているか判断し、すなわち「75×4」(300円)が残高としてあるか判断する。
カード玉貸単位に対する残高がある場合にはその玉貸単位に対するパチンコ玉数を貸し出し、カード玉貸単位に対する残高がない場合には貸出を行わない。
そして、カード残高情報DB(102−B)によって管理された残高管理テーブルの一例を図11に示す。
また、図11に示す残高管理テーブルは、カードID(1101)を主キーとして発行した一般カード若しくは会員カードの発行額(1102)と残高(1103)を示すテーブルであって、有価価値によるパチンコ玉の貸出を行う際に参照されるテーブルである。
以上に示すように、貯玉管理TC101では再プレイ時に使用する貯玉数を管理し、カード管理TC102では有価価値を利用可能な残高を管理する。
そして、貸出処理機104は、パチンコ台105に併設され、遊技客により投入された現金または挿入されたカードに価値付けられた有価価値に対してパチンコ台105を利用するためのパチンコ玉を貸し出す処理を貯玉管理TC101、カード管理TC102と相互通信することにより行う。また、予め有価価値が記憶されていない一般カードを収納しておき、投入された現金に対して貸出したパチンコ玉またはメダルが少ない場合にその差分の有価価値を価値付けした一般カードを発行する。
また、挿入された一般カードまたは会員カードのカードIDを元に貯玉管理TC101、カード管理TC102にアクセスすることでパチンコ玉の貸出処理を行う。これらいずれかのカードが挿入され、カードに記憶されたカードIDが読み取られた状態で遊技客が貸出指示を行うとその貸出指示に基づいた貸出処理が行われる。
遊技客が会員カードを挿入した状態で貸出処理機104に設けられた再プレイボタンを押下することによってパチンコ玉の貸出指示を行った場合(このときの貸出を以下、「再貸出」という)、そのカードに記憶されたカードIDに基づく再貸出要求を貯玉管理TC101に対して行う。それに対して、プリペイドカード若しくは会員カードを挿入した状態でパチンコ台105に設けられた玉貸ボタンを押下することによって貸出指示を行った場合、そのカードに記憶されたカードIDに基づく貸出要求をカード管理TC102に対して行う。
これらいずれの貸出要求においても一回の要求で貸し出す玉数を示す玉貸単位が設定されており、再プレイ時の再プレイ玉貸単位、プリペイドカード利用時のカード玉貸単位がそれぞれ設定されている。例えば、カード玉貸単位として「3度数」が設定され、再プレイ玉貸単位として「5度数」が設定され、これらの玉貸単位を貸出要求に含めて行う。
なお、遊技客が会員カードを挿入することによってその会員カードに記憶されたカードIDを読み取り、有価価値に基づく貸出可能な玉数と再プレイにおける再貸出可能な貯玉数をカード管理TC102、貯玉管理TC101それぞれに問い合わせることもできる。
この場合、有価価値に基づく貸出可能な玉数をパチンコ台105に表示し、再プレイにおける再貸出可能な貯玉数を貸出処理機104に表示させて遊技客による貸出指示を受ける。
そして、この貸出処理機104では、貯玉管理TC101に対して行った再貸出要求に対するパチンコ玉をノズルを介してパチンコ玉の受け皿に再貸出し、また、カード管理TC102に対して行った貸出要求に対するパチンコ玉をパチンコ台105の玉投出機構を用いてそのパチンコ台105の受け皿に貸し出す。
さらに、パチンコ玉を貸し出す際に投入された現金を搬送する搬送機構が貸出処理機104の背面に設置されており、その搬送機構を用いて島端の回収ボックスへその現金を搬送する。
パチンコ台105は、パチンコ店10におけるパチンコ玉を遊技媒体とした遊技機である。パチンコ台105には、貸出処理機104によるパチンコ玉の貸出指示によってパチンコ玉を貸し出す玉投出機構が搭載され、受け皿に指定された数量の遊技媒体を貸し出す。
ルータ106は、パチンコ店10の精算システム(図示せず)が外部のシステムと通信を行う際のインターフェースである。
このような構成によって、本願発明の遊技システムでは、再プレイ時に貯玉管理TC101に対して貯玉数を問い合わせ、その貯玉管理TC101では再プレイ手数料を考慮した再貸出可能な貯玉数を算出し、そのパチンコ玉数を貸出処理機104のノズルから貸し出すことができる。また、有価価値に対するパチンコ玉の貸出においてはパチンコ台105の玉投出機構を用いて貸し出すことができる。
図2は、貸出処理機とパチンコ台の装置構成を示す図である。
図2において、図2(a)は、貸出処理機104の構成を示す図であり、図2(b)は、パチンコ台105の構成を示す図である。
図2(a)に示す貸出処理機104は、状態表示ランプ201、カードスタック部状態表示LED(Light Emitting Diode:ダイオード)202、紙幣投入口203、情報表示LED204、モード表示ランプ205、テンキー206、操作指示ボタン207、ノズル208、カード挿入口209から構成される。
会員カード200をカード挿入口209へと挿入することによりその会員カード200のチップ若しくは磁気テープ部分に記録されたカードIDを読み取ることにより貸出処理機104によるパチンコ玉の貸出が行われる。
状態表示ランプ201は、貸出処理機104または併設されたパチンコ台105の状態を係員に示すランプである。例えば、紙幣投入やカード挿入時に発生したエラーを係員に伝える場合に用いられる。
カードスタック部状態表示LED202は、予め収納された一般カードの収納状態を示すLEDである。例えば、カードスタック機構(図示せず)によってスタックされた一般カードが残り数枚になった場合に係員への補充を促したり、満杯になりそうな場合に回収を促したりすることができる。
紙幣投入口203は、パチンコ玉の貸出を現金で受ける際に紙幣を投入する投入口である。紙幣投入口203から投入された紙幣は識別され、上記する搬送機構を用いて島端の回収ボックスへ搬送され、保管される。
情報表示LED204は、例えば「7セグメント×6桁」からなる表示デバイスであり、モード表示ランプ205で選択的に示される情報(主に数値情報)を遊技客に対して表示する。再プレイ時の再貸出要求によって再貸出可能な貯玉数を表示する。
また、貸出処理機104やパチンコ台105で発生したエラーを特定できるエラーコードを係員に対して表示することも可能である。
モード表示ランプ205は、「残度数」、「総貯玉数」、「再プレイ可能回数」の各モードがランプ表示される。残度数モードは、再貸出可能な玉数を有価価値が示す貸出単位の「度数」で表示するモードであり、例えば、再貸出可能な玉数が「1000玉」であって、1度数当たり「25個」の再貸出を行う場合、「1000/25」の演算を行って残度数を「400」と表示する。
また、総貯玉数モードは、貯玉管理TC101に登録された貯玉数を表示するモードである。
さらに、再プレイ可能回数モードは、貯玉管理TC101に登録された貯玉数と一回の再プレイ操作で再貸出される玉数に基づき、再プレイ操作が可能な回数を表示するモードである。
テンキー206は、「0(ゼロ)」から「9」までの10個の数字のボタン群であって、プリペイドカードを用いたカード玉貸単位、貯玉機能を用いた再プレイ時の再プレイ玉貸単位をそれぞれ設定するのに用いる。また、カード挿入口209から挿入されたカードからカードIDを読み取った状態で認証情報となる暗証番号の入力を行う。暗証番号が正常に認証できた場合にそのカードを用いた貸出を受けることができる。
操作指示ボタン207は、貸出処理機104がもつ各機能を利用する際にその機能を選択、決定、取り消しするボタン群であって、特に、再プレイを行うための再プレイボタン(ボタンの名称は「再P」)が設けられている。遊技客が会員カードを挿入して再プレイボタンを押下すると、貯玉管理TC101に対する再貸出要求が行われて貯玉の再貸出を受ける。
ノズル208は、貸出処理機104の投出機構によってパチンコ玉の再貸出を行う際の再貸出アームであって、再プレイによる貯玉の再貸出時にパチンコ台105の受け皿にパチンコ玉を再貸出する。
カード挿入口209は、会員登録された遊技客に発行する会員カードまたはカード発行機(図示せず)などで発行された一般カードを挿入する挿入口である。さらに、カード挿入口209から挿入されたカードはカードIDが読み取られ、貸出処理機104は遊技客による貸出指示が行われるまで待機する。
図2(b)に示すパチンコ台105には、受け皿210、表示部211、貸出/返却ボタン212、玉投出機構213が示されており、受け皿210は、パチンコ台105の玉投出機構213によって投出されたパチンコ玉を受けるものであって、また、貸出処理機104のノズル208から貸し出されたパチンコ玉を受ける。
表示部211は、遊技客に投入された紙幣または挿入されたカードで貸出可能な玉数などを表示する。図9に示す画面では、有価価値によるパチンコ玉の貸出単位であるカード玉貸単位(901)と、再プレイ時の玉貸単位である再プレイ玉貸単位(902)をそれぞれ設定することができる。この設定には貸出処理機104のテンキー206を用いて行う。
そして、貸出/返却ボタン212は、パチンコ玉の貸出やカードの排出、返却を指示するボタンであり、玉投出機構213は、貸出処理機104からの指示を受けてパチンコ台にパチンコ玉を貸し出すとともに、遊技結果に応じて賞球を投出するための投出機構である。このときの玉投出機構213は上記するように「4個切り」、「5個切り」などのように度数に対する玉数単位で投出する。
以上に示すような貸出処理機104とパチンコ台105の構成により、貸出処理機104の再プレイボタンを押下することにより貯玉を用いた再プレイを行うことができ、また、パチンコ台105の玉貸ボタンを押下することにより有価価値に対するパチンコ玉を用いた遊技を行うことができる。
図3は、本願発明の遊技システムにおける貸出処理機104およびパチンコ台105の内部構成を示すブロック図である。
図3に示す貸出処理機104は、カードを受け付け、このカードのカードIDに対するパチンコ玉の貸出処理を行う装置である。再プレイ時の玉貸処理ではこの貸出処理機104に設けられたノズルからパチンコ玉をパチンコ台の受け皿210に再貸出する。
この貸出処理機104は、上位用通信部41、貨幣処理部42、内蔵カード処理部43、メモリ44、操作部45、記憶部46、制御部47、玉投出機構48、遊技台用通信部49を具備して構成される。
上位用通信部41は、貸出処理機104を通信回線と接続するインターフェース装置である。受け付けたカードに記憶されたカードIDに基づく貸出要求を貯玉管理TC101若しくはカード管理TC102へ送信するほか、貯玉管理TC101若しくはカード管理TC102より各種設定情報の受信を行う。
貨幣処理部42は、遊技客がパチンコ玉を借り受けるために硬貨を投入するため紙幣投入口203から投入した貨幣(紙幣)の金種、真偽を判別し、該判別結果に基づいて貨幣の読み取りを行う処理部である。
内蔵カード処理部43は、カードの出し入れを行わない固定式の内蔵カードを有しており、この内蔵カードには個別のカードIDが付与されている。貨幣処理部42で処理された貨幣に相当する価値(度数)をこの固定式内蔵カードに関連付けてパチンコ玉の貸出を行うこととなる。
メモリ44は、各種データを一時的に記憶する機能を有する揮発性メモリであり、パチンコ台105の識別情報に対応して、内蔵カード処理部43に格納された内蔵カードのカードIDと、各内蔵カードに関連付けられている残度数が一時的に記憶される。
操作部45は、テンキー206、操作指示ボタン207によって構成され、操作指示ボタン207の再プレイボタンを遊技客が押下することにより再プレイ処理が開始される。また、一回の再プレイで貸し出す再プレイ玉貸単位を設定するとともに、プリペイドカードによるカード玉貸単位を設定することができる。テンキー206を用いた操作では、認証情報として暗証番号を入力する操作を行うことができる。
記憶部46は、電気的に消去(書き換え)可能であり、電源を切ってもデータは消えない不揮発性メモリ等の記憶装置である。貯玉管理TC101、カード管理TC102との送受信による設定情報を記憶し、貸出処理機104の動作時に参照される。
また、プリペイドカードを用いた有価価値に対するパチンコ玉の貸出を行う際の玉数を示すカード玉貸単位の情報と、再プレイ時の玉数を示す再プレイ玉貸単位の情報を記憶する。これらの玉貸単位の情報は、テンキー206などによって構成される操作部45を用いた操作によって書き換え可能である。
制御部47は、貸出処理機104の主制御を示し、遊技台用通信部49を介して接続されるパチンコ台105とも各種制御信号およびデータの授受を行い、パチンコ台105の動作制御を行う。遊技客により挿入された一般カード若しくは会員カードを検知すると、カードIDの読出しを行い、遊技客からの動作指示(再プレイボタンを押下することによる再プレイ指示やパチンコ台に設けられた玉貸ボタンを押下することによる貸出指示)を受けて貸出要求を貯玉管理TC101、またはカード管理TC102に行う。
再プレイボタンが押下されるなどして再プレイ指示が行われた場合には、貯玉の再貸出要求を貯玉管理TC101に対して行い、また、玉貸ボタンが押下されるなどして有価価値に対する玉貸指示が行われた場合には、貸出要求をカード管理TC102に対して行う。
その応答として、貯玉管理TC101から再貸出可能な貯玉数が示されると、指示された玉数を玉投出機構48によってノズルからパチンコ台105の受け皿に再貸出する。それに対して、カード管理TC102から貸出指示が行われると、指示された玉数をパチンコ台105に指示し、パチンコ台105の玉投出機構を用いてパチンコ玉を貸し出すことができる。
このときの貸出処理機104と貯玉管理TC101における処理の流れを図5のフローチャートに示す。
また、この制御部47では、特に、会員カードが挿入されたことを検知した場合に、遊技客からの動作指示を受けることなく貯玉管理TC101に再貸出可能な貯玉数の問い合わせを行うこともできる。この場合、貯玉管理TC101から再プレイ手数料を差し引いた全ての貯玉に対して再貸出可能な貯玉数が応答され、遊技客がその貯玉数を元に再プレイボタンを押下することによる再プレイ指示を行うと、その貯玉数の範囲内で再貸出を行う。
このときの貸出処理機104と貯玉管理TC101における処理の流れを図7のフローチャートに示す。
さらに、この制御部47は、操作部45のテンキー206によって入力された暗証番号が正しい暗証番号であるか確認する確認処理を行って、暗証番号が確認できた場合に貸出処理を行う。この確認処理は、例えば、入力された暗証番号が正しいか認証TC(図示せず)に問い合わせることにより確認する。
玉投出機構48は、再プレイ時に貯玉管理TC101から応答された再貸出可能な貯玉数を貸出処理機104のノズルからパチンコ玉を貸し出す機構であって、1個単位に投出できる投出機構(1個切り)を搭載する。すなわち、制御部47からの貸出指示された玉数を1個単位で再貸出することができる。
この玉投出機構48には、パチンコ玉を保管しておく貸玉供給桶(48−A)を装備し、ノズルから貸し出すパチンコ玉をその貸玉供給桶(48−A)から取り出して貸し出す。
遊技台用通信部49は、貸出処理機104とパチンコ台105とを接続するインターフェース装置であり、この接続によって貸出処理機104は、パチンコ台105を動作制御するための制御信号を授受する。
次に、パチンコ台105は、貸出処理機104により動作制御されるものであり、貸出処理機104が接続されていないと動作できない仕組みとなっている。
パチンコ台105は、貸出処理機104と通信を行う通信部51と、パチンコ台105を制御する制御部52と、玉貸ボタンおよびカード返却ボタン等が配設される操作部53と、貨幣若しくはカードの残度数などを表示する表示部54と、貸出処理機104と連携して動作する玉投出機構55とを具備して構成される。
玉投出機構55は、所定の玉貸単位でのみパチンコ玉を貸し出すことができ、例えば、「4個切り」や「5個切り」を行う。
以上のような構成によって、再プレイ時の再貸出を貸出処理機104のノズルから行うことができ、また、有価価値による貸出時にはパチンコ台の玉投出機構によって貸し出すことができる。
図4は、本願発明における貯玉管理TCの詳細な構成を示すブロック図である。
図4の貯玉管理TCは、通信インターフェース401、制御部402、キャッシュ403、カード情報解析部404、再プレイ玉貸単位解析部405、メモリ406、設定記憶部407、手数料算出部408、貸出玉数算出部409、DB制御部410、U/I411を具備して構成され、貸出処理機104から再プレイにおける再貸出要求が行われる。
通信インターフェース401は、島コントローラ103を介して貸出処理機104とのデータ通信を行うインターフェースである。
制御部402は、貯玉管理TC101における主制御を示し、通信インターフェース401を介して受信したパチンコ玉の再貸出要求に応答する再貸出処理を行う。この制御部402では、再貸出要求を受けると、カード情報解析部404と再プレイ玉貸単位解析部405に対して再貸出要求の解析要求を行い、再プレイ玉貸単位解析部405で解析した再プレイ時の玉貸単位の玉数で再貸出処理を行う。
若しくは、再プレイ玉貸単位解析部405には解析要求を行わず、カード情報解析部404にのみ解析要求を行って全ての貯玉に対する再貸出可能な貯玉数の再貸出処理を行う。
このときのカード情報解析部404は、制御部402で受信した再貸出要求に含まれるカードを識別するカードIDの読出しを行う解析処理を行い、また、再プレイ玉貸単位解析部405は、再貸出要求に含まれる貸出処理機104で設定された再プレイ時の玉貸単位の玉数を解析する処理を行う。
なお、カード情報解析部404で解析したカードIDと再プレイ玉貸単位解析部405で解析した再プレイ玉貸単位の情報は、さまざまな情報を一時的に記憶するキャッシュ403に退避する。
続いて、制御部402は、DB制御部410に対してカード情報解析部404で解析したカードIDに対する貯玉数の取得要求を行う。このDB制御部410では、カード情報解析部404によって解析された再貸出要求のカードIDを元に再プレイ玉貸単位解析部405で解析した再プレイ玉貸単位の玉数、若しくは全ての貯玉数に対して、手数料算出部408で算出した手数料となる玉数を加算した合計引落し玉数が引落し可能であるか貯玉残高情報DB(101−A)に問い合わせる。
このときの手数料算出部408は、再貸出を行う貯玉数に対する手数料の玉数を算出する。この算出に当たり、手数料となる再プレイ手数料の割合はメモリ406の設定記憶部407で記憶されており、この設定記憶部407では、例えば、25個の再貸出に対して5個の玉数を再プレイ手数料とすると記憶する。設定記憶部407で記憶された再プレイ手数料の割合を示す情報を取得し、再プレイ手数料は、以下に示す(計算式A)を適用することにより求める。
(計算式A) 「再プレイ手数料 = 貯玉数 − (貯玉数 ÷ (1 + 再プレイ手数料率)」
すなわち、貯玉残高情報DB(101−A)で管理した貯玉数がわかれば、再プレイ手数料となる玉数を算出できる。
このメモリ406では、貯玉管理TC101における機能を実現する制御プログラムや各種設定情報を記憶し、制御部402により処理が行われる場合にはこのメモリ406から所定の制御プログラムや設定情報を取り出して処理を実行する。
そして、制御部402では、上記するDB制御部410での貯玉残高情報DB(101−A)への問い合わせによって、合計引落し玉数を引き落とすことができる場合、すなわち、貯玉数が合計引落し玉数以上である場合には、再プレイ玉貸単位解析部405で解析した再プレイ玉貸単位の玉数の再貸出を通信インターフェース401を介して要求元の貸出処理機104に送信する。
それに対して、合計引落し玉数が貯玉残高情報DB(101−A)から引き落とすことができない場合、すなわち、貯玉数よりも合計引落し玉数が多い場合には、貸出玉数算出部409に対して再貸出可能な貯玉数の算出を指示する。
この貸出玉数算出部409では、引き落とすことができなかった貯玉数をDB制御部410を介して取得し、以下に示す(計算式B)を適用することにより再プレイ手数料の玉数を考慮した再貸出可能な貯玉数(再貸出可能玉数)を算出する。
(計算式B) 「再貸出可能玉数 = 再プレイ手数料 ÷ 再プレイ手数料率」
上記する(計算式A)を用いることにより算出した再プレイ手数料を以上の(計算式B)に代入して再貸出可能な貯玉数(貸出可能玉数)を算出して要求元の貸出処理機104に送信する。
そして、U/I411は、表示ディスプレイやキーボード、ポインティングデバイスによって構成される操作部である。
このような構成により、貯玉管理TC101は、再プレイ玉貸単位の玉数を再貸出することができるとともにその再プレイ玉貸単位の玉数に貯玉数が満たない場合であっても再貸出処理を停止することなく貯玉の再貸出を行うことができる。
図5は、本願発明の遊技システムにおける貸出処理機と貯玉管理TCとの処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すフローチャートでは、再プレイの度に再貸出を受けたい貯玉数が貯玉管理TCで管理されているか問い合わせることにより再貸出を行うフローであるが、図7に示すフローチャートでは、再貸出可能な貯玉数を貯玉管理TCから一度に取得し、その貯玉数の範囲内で再貸出を行うフローである。
図5において、遊技客により貸出処理機のカード挿入口からカードIDが記憶された会員カードが挿入されると処理が開始され、挿入された会員カードからカードIDを含むカード情報を読み出す(501)。このとき、読み出したカードIDに対して有効なカードIDであるか判断するように構成してもよい。
カード情報を読み出した状態で貸出処理機の再プレイボタンが押下されるまで待機し(502)、遊技客によりその再プレイボタンが押下されると(502でYES)、読み出したカードIDで管理された貯玉のうち、再プレイ玉貸単位の玉数の再貸出を貯玉管理TCに対して要求する(503)。
貸出処理機から貯玉の再貸出要求を受け付けた貯玉管理TCでは、その再貸出要求に含まれるカードIDを元に玉貸単位の玉数が再貸出可能であるか判断する判断処理を行う(504)。この判断処理の詳細な流れを図6で示す。
この判断処理によって再プレイ玉貸単位の玉数が再貸出可能であるか判断し(505)、その再プレイ玉貸単位の玉数を再貸出することができないと判断された場合(505でNO)には、続いて、カードIDに対して管理された貯玉数が「0(ゼロ)」であるか判断する(506)。貯玉数が「0(ゼロ)」と判断された場合(506でYES)、すなわち、全く貯玉されていない場合には、貯玉されていない旨を貸出処理機若しくはパチンコ台に通知して表示させ(507)、貯玉を利用した再プレイの処理を終了する。
それに対して、貯玉数が「0(ゼロ)」でない場合(506でNO)には、管理された貯玉数に対して再貸出可能な貯玉数を算出する(508)。
例えば、貯玉数が「104個」であって貯玉管理TCで指定された再プレイ手数料が25個につき5個であると指定されている場合、その再プレイ手数料の割合(再プレイ手数料率)は2割(0.2)であることから上記する(計算式A)にそれぞれの値を代入して再プレイ手数料を算出する。
(計算式A)を用いることにより算出した再プレイ手数料を上記する(計算式B)に代入して再貸出可能な貯玉数(貸出可能玉数)を算出する。
まず、(計算式A)を適用することにより再プレイ手数料となる玉数が「17個」と算出され、続いて(計算式B)を適用することにより再貸出可能な貯玉数が「85個」と算出される。なお、小数点以下は切り捨てとする。
このようにして算出した再プレイ手数料の玉数と再貸出可能な貯玉数の合計である合計貯玉数を管理された貯玉数から差し引くことによって更新する(509)。上記例の場合「85+17」で合計貯玉数が「102個」となり、これを貯玉数の「104個」から差し引いて残りの貯玉数を「2個」と更新する。
そして、このように再貸出可能な貯玉数と、管理された貯玉数を更新する合計玉数とが算出されると、遊技客に対して引き落とした貯玉数、上記例では「102個」を通知して(510)、算出した再貸出可能な貯玉数の再貸出指示を貸出処理機に対して行う(511)。
このような再プレイ玉貸単位の貯玉数が再貸出できない場合でなく、再プレイ玉貸単位での貯玉数を再貸出できる場合(505でYES)には、その再プレイ玉貸単位の貯玉数とその貯玉数に対する再プレイ手数料の玉数とを差し引いて貯玉数を更新する(512)。再プレイ玉貸単位が「5度数」であってその玉数が「5度数×25個(=1度数)」である場合には、再プレイ手数料の貯玉数である「25個」を加算した「150個」を貯玉数から差し引く。
そして、再プレイ玉貸単位の玉数の再貸出を貸出処理機に対して指示する(513)。
以上のように算出した再貸出可能な貯玉数を貸出処理機のノズルからパチンコ台の受け皿に対して再貸出する(514)。
最後に、遊技客がパチンコ台に設けられたカード返却ボタンを押下することによってカードが返却されて処理を終了する。
以上に示すような処理により、再プレイ玉貸単位で指定された玉数が貯玉数にない場合であっても再プレイ手数料を考慮した再貸出を行うことができるようになる。
図6は、図5に示す判断処理の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図6において、貸出処理機から再プレイ玉貸単位での再貸出要求を受け付けると処理が開始され、まず、その再貸出要求に含まれるカードIDに基づいて貯玉残高情報DBから貯玉数を取り出す(601)。この処理により再プレイを行う遊技客の貯玉数が明らかになる。
次に、再貸出要求に含まれる再プレイ玉貸単位の貯玉数とその貯玉数に対する手数料の玉数を加算した合計引落し玉数を算出し(602)、算出した合計引落し玉数とカードIDに基づいて貯玉残高情報DBから取り出した貯玉数とを比較する(603)。
比較した結果、取り出した貯玉数が合計引落し玉数以上であるか判断し(604)、貯玉数が合計引落し玉数以上である場合、すなわち、再プレイ玉貸単位の玉数を再貸出することができる場合(604でYES)には、判断処理結果を「再貸出可能」と設定する(605)。
それに対して、貯玉数が合計引落し玉数に満たない場合、すなわち、再プレイ玉貸単位の玉数を再貸出することができないと判断した場合(604でNO)には、判断処理結果を「再貸出不可能」と設定する(606)。
なお、貯玉数が合計引落し玉数以上である場合(604でYES)であって、特に、貯玉数と合計引落し玉数が等しい場合には次回の貯玉を用いた再プレイを行うことができないため、この判断処理とともに貸出処理機に対してその旨を通知するように構成してもよい。これにより、再プレイにおける貯玉残高情報DBへのアクセスが回避され、処理速度の向上とともに回線負荷を軽減することができる。
以上に示すような判断処理によって、貸出処理機によって指定された再プレイ玉貸単位の玉数を再貸出可能であるか判断することができる。
この図5、図6のフローチャートのほかにも図7に示すようなフローチャートによって再プレイ時の再貸出を行うことができる。
図7は、本願発明の遊技システムにおける貸出処理機と貯玉管理TCとの処理の流れを示す他の例のフローチャートである。
図5に示すフローチャートでは、貸出処理機からの貸出要求に対して貯玉管理TCで再プレイ手数料の玉数を考慮した再貸出可能な貯玉数を算出し、要求元の貸出処理機に応答することで再プレイ時の再貸出を行う処理を示しているが、図7に示すフローチャートでは、貸出処理機で会員カードから読み出したカードIDに対する再貸出可能な貯玉数を貯玉管理TCに要求することで取得し、その貯玉数の範囲内で再貸出を行う。
すなわち、図5のフローチャートでは、再プレイの度に貸出処理機から貯玉管理TCに再貸出要求を行っているが、図7のフローチャートでは、一回の要求で再貸出可能な貯玉数を取得し、その貯玉数の範囲内で再貸出を行うような処理を行っている。
図7において、まず、貸出処理機で遊技客により挿入されたカードに関連付けられたカードIDなどのカード情報を読み取る(701)と、続けて、読み取ったカードIDに対する再貸出可能な貯玉数の取得要求を貯玉管理TCに行う(702)。
次に、再貸出可能な貯玉数の取得要求を受けた貯玉管理TCでは、その取得要求に含まれるカードIDに対する貯玉数を貯玉残高情報DBへ問い合わせ(703)、再プレイの実行可否を問うために取得した貯玉数が「0(ゼロ)」であるか判断する(704)。貯玉数が「0(ゼロ)」である場合(705でYES)には再貸出を行うことができないため、その旨を貸出処理機に対して通知するとともに貯玉管理TCでの再貸出処理を終了する。再貸出を行うことができない旨の通知を受けた貸出処理機は、貯玉数がないことを表示した(705)後に挿入されたカードが返却されて処理を終了する(718)。
それに対して、カードIDに対する貯玉数が「0(ゼロ)」でない場合(704でNO)には、管理された貯玉数に対して再プレイ手数料を考慮した再貸出可能な貯玉数を算出し、貸出処理機からの取得要求に応答する(707)。
このときの再貸出可能な貯玉数の算出方法として、上記するような(計算式A)、(計算式B)を適用する方法がある。
例えば、貯玉残高情報DBで管理された貯玉数が「1000個」であって再プレイ手数料率を2割(0.2)とした場合において、(計算式A)を適用することにより、再プレイ手数料が「166個」と算出される。(小数点以下切り捨て)
また、算出した再プレイ手数料を元に(計算式B)を適用することにより再貸出可能な貯玉数(再貸出可能玉数)は、「834個」と算出することができる。(小数点以下切り上げ)
すなわち、貯玉残高情報DBで管理した貯玉数のうち、再プレイ手数料を考慮した再貸出可能な玉数は「834個」であると算出することができ、この「834個」を再貸出可能な玉数として応答する。
そして、再貸出可能な貯玉数が貯玉管理TCより通知された貸出処理機では、通知された貯玉数を情報表示LED204に表示して遊技客に示す(707)。これにより、遊技客は表示された利用可能な貯玉数を確認後、再プレイボタンを押下することで貯玉を用いた再プレイを指示する(708)。
再プレイが指示されると、遊技客がテンキーを用いて指定した再貸出する貯玉数が情報表示LED204に表示された再貸出可能な貯玉数以下であるか判断する(709)。
なお、遊技客によって再貸出を行う貯玉数の指定を行うのではなく、予め設定された貸出単位の貯玉数を自動的に再貸出するような構成であってもよい。この構成の場合、遊技客によって再プレイボタンが押下されると(708でYES)、予め設定された貸出単位の貯玉数の再貸出を行う。再貸出可能な貯玉数が貸出単位の貯玉数に満たない場合には残りの再貸出可能な貯玉数全てを再貸出する。
そして、遊技客によって指定された玉数が再貸出可能であるか判断し(710)、指定された貯玉数が再貸出可能な貯玉数よりも大きい場合(710でNO)には、その指定された貯玉数を再貸出することができないため遊技客による再入力を促す。この場合、上記判断処理(709)から再度、繰り返し行う。例えば、再貸出可能な貯玉数として「834個」と示されているにもかかわらず、遊技客が「850個」と入力した場合などにはその貯玉数を再貸出できないため、再貸出可能な貯玉数内での再入力を遊技客に促す。
それに対して、遊技客によって指定された貯玉数が再貸出可能な貯玉数以下である場合、すなわち上記例で「834個」以下の貯玉数が指定された場合(710でYES)に、その指定された貯玉数をノズルから貸し出す(711)。もちろん、一回の再貸出処理で貸し出す玉数に上限値を設けておき、上限値を超えて再貸出の貯玉数が指定された場合にもその上限値として設定された玉数を再貸出するように構成してもよい。
その指定された貯玉数の再貸出が完了すると、再貸出した貯玉数を再貸出可能な貯玉数から差し引いて残りの再貸出可能な貯玉数を更新する(712)。続いて、残りの再貸出可能な貯玉数が「0(ゼロ)」であるか判断し(713)、再貸出可能な貯玉数が「0(ゼロ)」でなく、少なくとも1つ以上、再貸出することができる場合(713でNO)には、再度、遊技客により再プレイボタンが押下されるか取消ボタンが押下されるまで待機する(714、715)。
再プレイボタンが押下されると(714でYES)、更新した再貸出可能な貯玉数に対して指定された玉数が再貸出可能であるか判断する処理(709)から繰り返し行い、再度、再貸出を行う。また、再プレイボタンが押下されるのではなく取消ボタンが押下された場合(715でYES)には、再貸出を行った貯玉数を再プレイ終了要求とともに貯玉管理TCへ送信する。
また、上記処理により再貸出可能な貯玉数が「0(ゼロ)」となった場合(713でYES)には、再貸出を行った貯玉数を再プレイ終了要求とともに貯玉管理TCへ送信し、カードが返却されて貸出処理機における処理を終了する(718)。
再プレイ終了要求を受けた貯玉管理TCでは、貸出処理機で再貸出を行った貯玉数に対する手数料を算出する(716)。例えば、再貸出を行った貯玉数が「750個」である場合、(計算式A)により再プレイ手数料を「125個」と算出する。
そして、算出した再プレイ手数料の玉数と再貸出を行った貯玉数を管理した貯玉数から差し引くことによって更新する(717)。この場合、再貸出を行った貯玉数「750個」と再プレイ手数料「125個」の合計玉数である「875個」を管理した貯玉数「1000個」から差し引くことによって残貯玉数を「125個」と更新する。
正常に更新が完了すると、貸出処理機に対して更新完了の通知を行い、更新完了通知を受信した貸出処理機がカードを返却して処理を終了する(718)。
このフローチャートによる処理によって、貯玉管理TCでは、再プレイ手数料を考慮した再貸出可能な貯玉数を指定することができ、貸出処理機では、指定された再貸出可能な貯玉数の範囲内で再貸出することができる。
図8は、本願発明における貸出処理機とカード管理TCとの処理の流れを示すフローチャートである。
図8では、会員カードに記憶されたカードIDに対する有価価値を用いてパチンコ玉の貸出を受ける場合の処理の流れを示している。
まず、遊技客により貸出処理機のカード挿入口からカードIDが付与された会員カードが挿入されると処理が開始され、挿入された会員カードからカードIDを含むカード情報を読み出す(801)。
カード情報を読み出した状態でパチンコ台の玉貸ボタンが押下されるまで待機し(802)、貸出処理機でパチンコ台の玉貸ボタンが遊技客によって押下されたことを検知すると(802でYES)、読み出したカード情報の残高情報に対してカード玉貸単位で貸出が可能であるかカード管理TCに問い合わせる(803)。
カード玉貸単位での貸出要求を受けたカード管理TCでは、カードIDに対する残高情報をカード残高情報DBから取得し(804)、カード玉貸単位の玉数を貸し出すのに必要な金額が取得した残高情報の金額よりも低い額であるか比較する(805)。
残高情報よりもカード玉貸単位の玉数を貸出するのに必要な金額が低い額であるか判断し(806)、低い額である場合(806でYES)、すなわち、カード玉貸単位の玉数を貸し出すことができる場合には、カード玉貸単位の玉数に対する金額をカード残高情報DBの残高情報から差し引いて残高情報を更新する(807)。更新が完了すると、カード玉貸単位の玉数の貸出を貸出処理機に対して指示する(808)。
それに対して、カード玉貸単位の玉数に対する金額が残高情報以上である場合(806でNO)には、そのカード玉貸単位の玉数を貸し出すことができないため、残高情報の金額に対して貸出可能な玉数を算出する(809)。例えば、1個当たり4円とした場合、残高が81円では「81/4」で20個を貸出すると算出する(小数点は切り捨て)。
そして、算出した貸出可能な玉数に対する金額を残高情報の金額から差し引いて残高情報を更新する(810)。上記例の場合、貸し出した玉数「20個」に対する金額が80円であることから残高は1円と更新する。続いて、貸出可能な玉数の貸出を貸出処理機に対して指示する(811)。
カード管理TCから貸出可能な玉数の貸出指示が行われると、指示された玉数の貸出をパチンコ台に対して行い(812)、パチンコ台では貸出処理機からの玉貸指示に基づく玉数を玉投出機構を用いて受け皿に貸し出す(813)。
最後に、遊技客がパチンコ台に設けられたカード返却ボタンを押下することによってカードが返却されて処理を終了する。
以上に示すような処理によって、カードIDに対する有価価値の玉数をパチンコ台の玉投出機構を用いて貸し出すことができる。
以上の処理によって、本発明の遊技システムでは、図5、図6、図7に示すようなフローチャートによって再プレイ時に貸出処理機から再貸出が行われ、また、図8に示すように有価価値による貸出は遊技機の玉投出機構を用いて行われる。
再プレイ時の再貸出を貸出処理機104のノズルから行うことができ、また、有価価値による貸出時にはパチンコ台の玉投出機構によって貸し出すことが可能になり、遊技者から預けられた貯玉の再貸出を通常の貸出と区別して貸し出すことができる。
従って、本発明を適用することにより、遊技客による利便性が向上するばかりでなく、遊技媒体の貸出元が明確になるため勘違いによるトラブルが回避できるという効果を期待できる。
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、上記実施例では、遊技媒体としてパチンコ玉を用い、パチンコ遊技機によるパチンコ遊技における遊技媒体の貸出処理を示しているが、パチンコ玉の遊技媒体を用いたパチンコ遊技機によるパチンコ遊技とともに、メダルの遊技媒体を用いたスロット遊技機によるスロット遊技における遊技媒体を再貸出するように構成してもよい。