JP2023082841A - 遊技場管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技客が所有する遊技媒体を計数した計数玉によって利便性の高いサービスを遊技客に提供できる遊技場管理システムを提供する。
【解決手段】遊技場PPに設置された遊技機1や遊技媒体貸出装置2等を管理装置3によって管理する遊技場管理システムは、遊技機1での遊技に用いる遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置2が、遊技客の計数玉を獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とに分けて記憶し、管理装置3では、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とに分けて記憶されている計数玉を遊技客の特定情報に紐付けて記憶するので、未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体の取り扱いの自由度が高まり、利便性の高いサービスを遊技客に提供できる。
【選択図】図1
【解決手段】遊技場PPに設置された遊技機1や遊技媒体貸出装置2等を管理装置3によって管理する遊技場管理システムは、遊技機1での遊技に用いる遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置2が、遊技客の計数玉を獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とに分けて記憶し、管理装置3では、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とに分けて記憶されている計数玉を遊技客の特定情報に紐付けて記憶するので、未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体の取り扱いの自由度が高まり、利便性の高いサービスを遊技客に提供できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、遊技場に設置されて所定の遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に対応付けて設置され前記遊技媒体を遊技客に貸し出す処理が可能な遊技媒体貸出装置と、前記遊技機および前記遊技媒体貸出装置を含む前記遊技場内の諸装置に対する管理が可能な管理装置と、を含む遊技場管理システムに関する。
従来、遊技場では遊技媒体を使用した遊技機による遊技を提供している。例えば、弾球遊技機では、遊技球を遊技媒体として用い、遊技球を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う。遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定個数の遊技球が賞遊技媒体として遊技者に付与される。一方、回胴式の遊技機では、遊技メダルを遊技媒体として用い、遊技媒体の投入により回胴リールを回転させ、リール図柄の停止状況に基づいて、所定枚数の遊技メダルが賞遊技媒体として遊技者に付与される。また、近年に於いては、封入式の弾球遊技機や、メダルレスの回胴式遊技機が市場に導入されており、これらの遊技機では、遊技球や遊技メダルの数を電子的に管理することで、遊技客が遊技媒体を取り扱う煩雑さが解消される。
このように、遊技に供することで遊技媒体を消費したり、遊技結果として遊技媒体を獲得したりすることで、遊技者の所持する遊技媒体は増減してゆく。手持ちの遊技媒体を消尽すると、遊技機での遊技を続けられないので、遊技終了となるが、追加の遊技媒体を借り受けて更に遊技を継続することもできる。また、遊技終了時に手持ちの遊技媒体が残っていれば、遊技客は手持ちの遊技媒体の数と等価な賞品に交換することができる。賞品交換を行う場合、遊技機から遊技媒体持ち運び用の箱(いわゆるドル箱)に移して賞品カウンターへ持って行き、手持ちの遊技媒体を計数器に投入してカウントし、カウント数の範囲内で遊技客が選定した賞品と交換するのが一般的であった。
近年では、賞品交換の利便性を高めるために、遊技機に対応付けて設置された遊技媒体貸出装置が備える計数器によって遊技媒体の総数をカウントすることで、遊技客が遊技媒体を賞品カウンターまで持ち運ぶ必要が無いサービスもある。このようなサービスを提供可能な遊技場管理システムでは、遊技客に発行するカードの番号や遊技客が所持する携帯無線端末装置のユニーク情報と紐付けた管理IDを遊技場内の管理装置にて管理する。管理IDには、遊技客が所持していた遊技媒体の計数値等が関連づけられており、遊技客が所持するカードや携帯無線端末装置を賞品カウンターで提示すれば、関連付けられた遊技媒体数に応じた賞品と交換できる。
また、遊技客が交換を希望する賞品に対応する持ち玉数を目標値として設定することにより、設定値分の持ち玉が貯まると設定値分の持ち玉を関連づけたカードを発行する「ぴったり持玉モード」を実行する遊技媒体貸出装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の遊技媒体貸出装置で「ぴったり持玉モード」を実行すれば、遊技客が希望する賞品と交換するために必要な数量の遊技媒体を効率良く貯められるので、遊技客の利便性を高められる。
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、遊技結果として獲得した獲得遊技媒体数が順調に増えていっても、「ぴったり持玉モード」の設定値に達しなければ賞品交換用のカードが発行されない。例えば、短時間の遊技で比較的多くの遊技媒体を獲得できる可能性の高い特賞状態などが終了したとき、「ぴったり持玉モード」の設定値に遊技媒体数が数玉(あるいは数枚)程度足りなかった場合、そのまま「ぴったり持玉モード」が継続される。特賞状態が終了した後に再び特賞状態が発生すれば、獲得遊技媒体数が更に増えてゆき、程なく「ぴったり持玉モード」の設定値に達して、賞品交換用のカードが発行されるかもしれないが、遊技媒体の獲得可能性が低い通常遊技が長く継続する可能性もある。通常遊技が継続すると、遊技進行に伴って獲得した遊技媒体が消費されて行くため、持ち玉はどんどん目減りして行き、残りの持ち玉数は「ぴったり持玉モード」の設定値から遠ざかってしまう。更に通常遊技を続けた結果、持ち玉を使い果たしてしまい、追加で遊技媒体を借り受けなければ遊技を継続できなくなる可能性もある。そこで、先の特賞状態終了直後に所持していた持ち玉数と「ぴったり持玉モード」の設定値との差分を、遊技客が借り受けた遊技媒体(貸出遊技媒体)を使って補填し、希望賞品との交換を可能にする選択肢を遊技客に提示する機能があれば、利便性の高いものとなる。
しかし、貸出遊技媒体を獲得遊技媒体に加算して補填して希望賞品と交換可能な持ち玉数にする機能を実現するためには、もっと柔軟な遊技媒体の貸出機能が不可欠である。近年は、遊技場で遊技媒体を貸し出す際に、千円単位で貸し出すことが主流になっている。千円単位で遊技媒体を貸し出すためには、遊技媒体貸出装置に紙幣のみ受け入れる機能を持たせ、硬貨を取り扱う機能を省けるので、遊技場で硬貨を取り扱う必要がなくなり、遊技場の省力化になる。千円単位での遊技媒体の貸し出しは、例えば遊技球で250玉/4円、遊技メダルで50枚/20円である。持ち玉を「ぴったり持玉モード」の設定値にするために補填が必要な遊技媒体数が数玉(或いは数枚)程度であっても、千円分の遊技媒体を借り受ける必要があるので、遊技客の負担が大きく、利便性が悪い。
また、遊技客が借り受けた遊技媒体が、実際の遊技に供されていない場合、未使用の遊技媒体として返金できれば、遊技客の利便性を高められる。通常、遊技開始時には、借り受けた遊技媒体を消費して遊技を進行することとなるが、遊技が進んで遊技機が特賞状態になると、遊技結果として獲得した獲得遊技媒体を消費して遊技進行を行えるので、借り受けた遊技媒体は遊技に供されず、残数を残す可能性もある。遊技場が遊技客に貸し出した遊技媒体の残数は、本来、金銭で返却することが理想である。しかし、遊技場のシステム利便性の関係で、遊技結果の獲得遊技媒体数に貸出遊技媒体数を合算した持ち玉数として一括りに管理されており、遊技に供されていない貸出遊技媒体の残数を特定することができないため、残数分の貸出遊技媒体を返金できないのである。
このように、現状の遊技場に導入されている遊技場管理システムでは、持ち玉との賞品交換や残った貸出遊技媒体の取り扱いなど、利便性の高いサービスを遊技客に提供できているとはいえないのである。
そこで、本発明は、遊技客が所持する遊技媒体を計数した計数玉によって利便性の高いサービスを遊技客に提供できる遊技場管理システムの提供を目的とする。
前記課題を解決するために、遊技場に設置されて所定の遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に対応付けて設置され前記遊技媒体を遊技客に貸し出す処理が可能な遊技媒体貸出装置と、前記遊技機および前記遊技媒体貸出装置を含む前記遊技場内の諸装置に対する管理が可能な管理装置と、を含む遊技場管理システムであって、前記遊技媒体貸出装置は、少なくとも、遊技客が所持する有価価値を消費して、前記遊技機での遊技に供し得る前記遊技媒体を貸し出す処理を行う遊技媒体貸出手段と、遊技客が所持する前記遊技媒体を計数した計数玉を、当該遊技客が所持する記録媒体に記録された特定情報と紐付けて記憶する処理を行う計数玉処理手段と、を備え、前記計数玉処理手段は、少なくとも、遊技客が前記遊技機での遊技進行により獲得した獲得遊技媒体と、前記遊技媒体貸出手段により貸し出されて未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体とを、遊技客が所持する計数玉として扱い、前記獲得遊技媒体の総数として計数した獲得遊技媒体数と、前記貸出遊技媒体の総数として計数した貸出遊技媒体数と、に分けて記憶する処理を可能とし、前記管理装置は、前記遊技媒体貸出装置の前記計数玉処理手段が記憶する前記獲得遊技媒体数と前記貸出遊技媒体数とを、遊技客の前記特定情報と紐付けて記憶する情報管理が可能な計数玉管理手段と、前記計数玉管理手段により管理されている前記計数玉の範囲内で、当該計数玉の一部または全てと交換可能なサービスを遊技客に提供するサービス提供手段と、を備えることを特徴とする。
また、上記構成において、前記管理装置の前記サービス提供手段は、交換に要する交換遊技媒体数が予め定められた賞品を、前記計数玉管理手段が管理する前記計数玉の前記獲得遊技媒体数から当該賞品に対応する前記交換遊技媒体数を消費して交換する賞品交換サービスを提供可能とし、前記遊技媒体貸出装置は、遊技客の操作により選択された交換賞品情報を前記管理装置へ送信することで、遊技客が前記賞品交換サービスの提供を受けられるように仲介をするサービス仲介手段を備えてもよい。
また、上記構成において、前記管理装置の前記計数玉管理手段は、遊技客が選択した選択交換賞品の前記交換遊技媒体数が当該遊技客の前記計数玉における前記獲得遊技媒体数を超えていた場合、前記計数玉における前記貸出遊技媒体数の一部または全てを前記獲得遊技媒体数に変換することで、前記選択交換賞品と交換可能な前記獲得遊技媒体数を確保する獲得遊技媒体数調整処理が可能であってもよい。
また、上記構成において、前記遊技媒体貸出装置は、遊技客が所持する前記計数玉における前記貸出遊技媒体数の一部もしくは全てを寄付することを、当該遊技客の操作により受け付け、前記管理装置の前記計数玉管理手段へ報せてもよい。
また、上記構成において、前記管理装置は、遊技客から募った寄付金を管理する寄付管理手段を備え、前記管理装置の前記計数玉管理手段は、遊技客が寄付した前記貸出遊技媒体数を前記計数玉における前記貸出遊技媒体数から削除すると共に、削除した前記貸出遊技媒体数に対応する有価価値分の寄付金として前記寄付管理手段の管理に委ねてもよい。
また、上記構成において、前記遊技媒体貸出装置の前記遊技媒体貸出手段は、前記計数玉処理手段が記憶する前記計数玉を減じて遊技客に前記遊技媒体を貸し出す場合、前記貸出遊技媒体数よりも前記獲得遊技媒体数を優先して減じてもよい。
また、上記構成において、前記遊技媒体貸出装置は、前記遊技媒体貸出手段が前記貸出遊技媒体数を減じて遊技客に貸し出した前記遊技媒体の累積数が、予め定めた貸出単位数のn倍(nは任意の整数)を越える毎に貸出信号を前記管理装置へ送信してもよい。
また、上記構成において、前記管理装置は、前記遊技場内に設置された前記諸装置に対する動作を設定するための設定情報を生成し、対応する前記諸装置に対して前記設定情報を送信することで前記諸装置の動作を管理する動作管理手段を備え、前記動作管理手段は、前記計数玉処理手段が行う動作を、前記獲得遊技媒体数と前記貸出遊技媒体数とを分離して記憶する分離計数処理動作、または前記獲得遊技媒体数と前記貸出遊技媒体数とを合算して記憶する合算計数処理動作の何れか一方に切り替える前記設定情報を生成し、前記遊技媒体貸出装置に送信してもよい。
本発明によれば、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とに分けて記録する計数玉処理手段を遊技媒体貸出装置に設けると共に、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とを遊技客の特定情報に紐付けて記憶する計数玉管理手段を管理装置に設けたので、未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体の取り扱いの自由度が高まる。よって、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とからなる計数玉によって、利便性の高いサービスを遊技客に提供できる。
次に、添付図面に基づいて、本発明に係る遊技場管理システムの実施形態を詳細に説明する。図1に示すように、遊技場PPには、複数の遊技機1が設置され、各遊技機1と通信可能な遊技媒体貸出装置2が併設され、遊技媒体貸出装置2で貸し出された遊技媒体を用いて遊技機1で遊技を行うことができる。また、遊技場PP内には、遊技機1や遊技媒体貸出装置2を管理する管理装置3のほか、賞品交換POS4、精算機5等が設置されている。遊技場PP内の諸装置は、場内ネットワーク6を介して接続されており、管理装置3は、遊技媒体貸出装置2の設定情報管理や、遊技媒体貸出装置2から送信される処理結果情報の管理を行う。遊技機1での遊技結果の遊技媒体は、遊技媒体貸出装置2で電子データ化され、賞品交換POS4にて賞品と交換することができる。また、遊技媒体貸出装置2に挿入した紙幣に相当する金額に残金がある場合には、精算機5で精算することができる。
また遊技場PPに設置される遊技機1には、遊技に用いる遊技媒体の違いから、弾球遊技機1Aと回胴式遊技機1Bが設けられる。弾球遊技機1Aでは、遊技球を遊技媒体として用い、遊技球を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う。遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定個数の遊技球が賞遊技媒体として遊技者に付与される。一方、回胴式遊技機1Bでは、遊技メダルを遊技媒体として用い、遊技媒体の投入により回胴リールを回転させ、リール図柄の停止状況に基づいて、所定枚数の遊技メダルが賞遊技媒体として遊技者に付与される。そして、遊技球を遊技媒体とする弾球遊技機1Aには、遊技媒体として遊技球を貸し出す制御が可能な遊技媒体貸出装置2Aが対応し、遊技メダルを遊技媒体とする回胴式遊技機1Bには、遊技媒体として遊技メダルを貸し出す制御が可能な遊技媒体貸出装置2Bが対応する。
なお、以下の説明では、弾球遊技機1Aか回胴式遊技機1Bかを区別する必要が無い場合、単に遊技機1、遊技媒体貸出装置2という。また、遊技機1での遊技により獲得した遊技媒体を獲得遊技媒体とよび、遊技媒体貸出装置2により貸し出されて未だ遊技に供されていない遊技媒体を貸出遊技媒体とよぶ。これら獲得遊技媒体と貸出遊技媒体とを合わせて計数玉とよび、遊技媒体貸出装置2にて記憶処理する。便宜上、「計数玉」には「計数球」と「計数メダル」の意味が含まれるものとする。また、遊技場PPで用いられる遊技媒体の所有権は遊技店にあるものの、営業中の遊技場PP内においては、借り受けた遊技媒体も遊技で獲得した遊技媒体も、遊技客は自由に持ち歩いて使用できるので、以下では、実態の無い電子データ上の遊技媒体も、遊技客が所持しているものとして扱う。遊技客が所持する計数玉は、遊技場PPの同一店舗内、同一営業日付に限り、再度遊技に使用したり、賞品と交換したりできる。また、遊技客が氏名、住所、電話番号などの諸情報を登録して会員になると、計数玉を貯玉に変えるサービスを受けられる。貯玉とは、遊技場PPの同一店舗内に限り、翌日以降も再度遊技に使用したり、賞品と交換したりできるように、遊技終了時の計数玉を当該遊技場PPに預けておけるサービスである。また、条件により、貯玉を計数玉(貸出遊技媒体)に変換して使用できるサービスを提供しても良い。貯玉を計数玉に変換する際には、手数料分を貸出遊技媒体数より減算しても良い。
次に、図2を参照して、遊技媒体貸出装置2の概要を説明する。遊技媒体貸出装置2Aは、遊技媒体として遊技球を扱う装置であり、弾球遊技機1Aの左側に設置される。また、遊技媒体貸出装置2Bは、遊技媒体として遊技メダルを扱う装置であり、回胴式遊技機1Bの右側に設置される。遊技媒体貸出装置2A,2Bには、紙幣投入部21、表示操作部22、記録媒体挿排口23が共通で設けられており、遊技媒体貸出装置2Aには遊技球貸出部24及び遊技球計数部25が、遊技媒体貸出装置2Bには遊技メダル貸出部26及び遊技メダル計数部27がそれぞれ設けられている。
会員カード等である記録媒体7を所持していない遊技客は、まず初めに紙幣投入部21に紙幣を投入する。紙幣投入部21から内部へ取り込まれた紙幣は、真正な紙幣か偽造が疑われる紙幣かの真贋判定が行われる。真正な紙幣と認識すると、遊技媒体貸出装置2は、その紙幣を内部に取り込むと同時に紙幣の価値に応じた金額を預り金(電子データ)として記憶する。記憶された預り金は、表示操作部22に自動表示(あるいは遊技客による所定の表示操作による選択表示)で確認できる。なお、預り金を金額表示にするか、金額に相当する遊技媒体数で表示するかは、管理装置3による設定動作(後に詳述)によって決定される。また、投入された金額を預り金として管理するために、遊技媒体貸出装置2は、仮のカードIDを発行する。これにより、遊技媒体貸出装置2は、遊技客には手渡されていない記録媒体7の特定情報(カードID)と紐付けて預り金を管理すると共に、このカードIDと紐付けて計数玉の記憶処理(後に詳述)を行うので、実質的に遊技客が記録媒体7を所持しているのと同等のサービスを提供できる。そして、遊技終了時に残額や計数玉数がカード価値を上回っていれば、カード発行条件を満たすので、仮のカードIDを正式のカードIDとして記録した記録媒体7を発行する。なお、遊技終了時の残額や計数玉数が殆ど残っておらず、カード発行条件を満たしていない場合は、記録媒体7を発行しないで、適宜な残玉処理を行えばよい。
表示操作部22のパネル表示例を図3に示す。表示操作部22は、大きく分けて、情報表示用の表示部221とタッチ操作用の操作部222により構成されている。操作部222には、賞品選択ボタン222a、メニュー表示ボタン222b、返却ボタン222c、貸出ボタン222d、計数ボタン222e等を設け、遊技客が何れかのボタンを選択操作(操作部222におけるボタン表示領域をタッチ)することで、操作に応じた動作が遊技媒体貸出装置2によって行われる。
例えば、表示操作部22の表示部221にて預り金が確認できる状態で、操作部222の貸出ボタン222dを押下することにより、遊技媒体が貸し出される。遊技媒体が遊技球である遊技媒体貸出装置2Aの場合には、遊技球貸出部24から弾球遊技機1Aの球皿に遊技球が供給され、遊技媒体が遊技メダルである遊技媒体貸出装置2Bの場合には、遊技メダル貸出部26から回胴式遊技機1Bのメダル皿に遊技メダルが供給される。なお、管理装置3が遊技媒体貸出装置2に対して行う設定により、紙幣投入部21に投入された紙幣が真正紙幣と判定されて取り込まれた際、貸出ボタン222dを押下することなく、最低紙幣単価に該当する数の遊技媒体を貸し出し、最低紙幣単価分の預り金を減算する自動貸出モードで稼動させれば、利便性が向上する。
貸し出された遊技媒体を使用して遊技機1にて遊技を行った結果として獲得した遊技媒体は、遊技媒体貸出装置2内で随時演算処理することにより、リアルタイムの獲得遊技媒体数として電子データ化される。獲得遊技媒体の計数動作は、遊技媒体の検出による自動計数が基本であるが、図3の表示操作部22に例示するように、計数ボタン222eを備え、計数ボタン222eが押下される毎に計数を実行するシステムも存在する。また、近年注目されている遊技媒体封入式の遊技機1に於いては、遊技媒体貸出装置2ではなく、遊技機1側に獲得遊技媒体計数用のボタンが設けられている。
預り金もしくは計数玉が存在する場合、返却ボタン222cを押下することにより、預り金もしくは計数玉の価値情報を利用可能に記録した記録媒体7を記録媒体挿排口23より発行し、遊技客に提供する。記録媒体7として、ICチップを含む薄板状のICカード7Aやコイン形状のICコイン7Bが用いられているが、電気的に認識可能な識別子(特定情報)を含んでいれば、媒体の種類は特に限定されるものではない。例えば、遊技客が所持するスマートフォンやタブレット端末のような携帯無線端末装置を記録媒体7として用いても構わない。また、記録媒体7は、付与する遊技客に応じて2種類ある。個人情報が特定された会員の遊技客には会員カードとなる記録媒体7が付与され、会員以外の遊技客には一般カードとなる記録媒体7が付与される。なお、一般カードでは、ICを内蔵するカード自体に価値があるので、一般カードの盗難等を防止するため、預り金もしくは計数玉の価値が、カード自体の価値に達しない場合は、カードの発行を禁止する機能を遊技媒体貸出装置2が備える。
遊技客は、遊技媒体貸出装置2から排出された記録媒体7を使用して、賞品への交換を行ったり、他の遊技機1へ移動して再び遊技を行ったりできる。記録媒体7を使用して賞品交換を行う場合、賞品交換POS4を使う。他の遊技機1へ移動する場合には、目的の遊技機1に併設された遊技媒体貸出装置2の記録媒体挿排口23に記録媒体7を挿入すると、管理装置3により記録媒体7の特定情報と紐付けて管理されている預り金及び計数玉の情報が表示され、再び遊技を行うことが可能となる。
また、記録媒体7の特定情報と紐付いた預り金に残金がある場合、精算機5にて預り金を精算できる。預り金の精算は現金であるが、遊技客の選択により、電子マネー等への加算が行えるようなサービスを提供できるようにしても良い。精算金額を電子マネー等へ加算する場合、わざわざ精算機5へ行かずに、遊技媒体貸出装置2で精算できるようにすれば、遊技客の利便性が一層向上する。
次に、回胴式遊技機1Bに対応する遊技媒体貸出装置2Bについて、図4に示す機能ブロック図に基づき説明する。遊技媒体貸出装置2は、制御部201、記憶部202、紙幣識別部203、表示操作部22、カード処理部204、メダル払出部205、メダル計数部206、外部通信部207、遊技機通信部208を有する。
紙幣識別部203は、紙幣投入部21より投入された紙幣の真贋判定を行う。紙幣識別部203により、真性の紙幣と判定された場合には、当該紙幣の金種を識別判定した後に内部へ格納する。一方、真贋判定に失敗した場合(紙幣識別部203により真性の紙幣と判定されなかった場合)には、当該紙幣を遊技客へ返却する。なお、紙幣識別部203にて真性の紙幣と判定されて内部へ格納した場合、当該紙幣の金額が、制御部201の預り金管理部201aにより記憶部202の預り金記憶領域202aに記憶され、以後も預り金として管理される。なお、預り金記憶領域202aは、最新の預り金残額を記憶できれば十分であるが、預り金の増減履歴を記録しておける機能を備えるものでも構わない。
表示操作部22は、前述したように、預り金値、計数玉数、貯玉数などの諸表示を表示部221に表示すると共に、遊技媒体の貸し出し要求や返却などの操作を受け付ける入出力装置である。表示操作部22に対する表示制御は、制御部201の表示制御部201cで行い、遊技媒体貸出や返却などの操作制御は、操作制御部201dで行う。また、表示操作部22における表示部221には、LCDや有機ELパネル等を用いた薄型表示パネルを用いて実現でき、表示操作部22における操作部222には、抵抗膜方式や静電容量方式等を用いたタッチパネルを用いて実現できる。
カード処理部204は、カード制御部201eの制御により、記録媒体挿排口23に挿入されたカード(薄板カード状の記録媒体7)を内部に取り込み、カード識別子(遊技客が所持する記録媒体7に記録された特定情報)を読み込む装置である。読み込んだカード識別子は、記憶部202のカードデータ記憶領域202dに記憶し、このカード識別子と紐付けられた計数玉情報など(後に詳述)を管理装置3から受け取る。また、カード処理部204には、誤動作防止の為にロック機能が設けられ、カードを内部に取り込んだ後には、カードロック機能を作動させる。遊技客が表示操作部22の返却ボタン222cを押下すると、カード返却の諸条件(後に詳述)が達成されることでカードロックを解除し、カードを返却する。また、新規にカードを発行する制御も、主としてカード処理部204が行う。なお、遊技客が所持する携帯無線端末装置を記録媒体7として用いた場合など、カードに記録されたカード識別子を近距離無線通信にて送信可能であれば、カード処理部204に記録媒体7をかざすことでカード識別子を読み込めるので、遊技客の利便性を高めることができる。
カード処理部204によって、カード識別子が特定されると、管理装置3へカード識別子の照会を行い、管理装置3によって管理されているカード識別子に紐付いた計数玉情報や貯玉情報、預り金情報があれば、諸情報が遊技媒体貸出装置2Bへ送信される。これにより、遊技客が所持している計数玉や貯玉、預り金を遊技媒体貸出装置2Bで使うことができる。遊技メダルの貸出要求に対しては、制御部201の預り金管理部201aによって、記憶部202の預り金記憶領域202aに記憶された残額データから遊技媒体の貸出可否が判断される。預り金管理部201aが貸出可能と判断すると、メダル制御部201fにメダル払出の指示を出し、貸し出したメダル枚数に相当する金額を残額データから減算し、新たな残額を預り金記憶領域202aに記憶させる。また、カード識別子に紐付いた貯玉情報があれば貯玉データ記憶領域202cから読み出し、貸出要求分の貯玉がある場合には、例えば、計数玉管理部201bの制御によって、貯玉を計数玉に変換できるようにしてもよい。
メダル払出部205は、表示操作部22の貸出ボタン222dの押下により、遊技客が要望した数量の遊技媒体を貸し出すとき、制御部201のメダル制御部201fの制御により、例えば、回胴式遊技機1Bのメダル皿に遊技メダルを払い出す。なお、遊技媒体封入式の遊技機1が接続されている場合には、メダル払出部205による遊技メダルの払出動作を行わないので、メダル制御部201fにより貸し出した枚数分のメダルを電子データ上の貸出遊技媒体として計数玉管理部201bが管理できる。また、遊技媒体貸出装置2が遊技媒体を実際に払い出す構造の場合でも、遊技機1での遊技進行に伴う貸出遊技媒体数の増減を計数玉管理部201bが演算して、貸出遊技媒体数をリアルタイムの電子データとして管理することも可能である。
メダル計数部206は、メダル制御部201fの制御により、遊技メダル計数部27より投入された遊技メダルを計数できる。計数されたメダル数は、貸出遊技メダルと獲得遊技メダルが混ざっており、貸出遊技メダル数と獲得遊技メダル数を特定できない。しかしながら、遊技媒体封入式の遊技機1が接続されている場合には、計数玉管理部201bにより、遊技機1から送信される遊技結果から電子データ上の獲得遊技媒体数を演算により管理できると共に、貸出遊技媒体数を電子データとして管理することもできる。なお、遊技媒体貸出装置2が遊技媒体を実際に払い出す構造の場合でも、遊技機1での遊技進行に伴う獲得遊技媒体数の増減を計数玉管理部201bが演算して、獲得遊技媒体数をリアルタイムの電子データとして管理することも可能である。
そこで、計数玉管理部201bによって、貸出遊技媒体数と獲得遊技媒体数をリアルタイムの電子データとして個別に管理し、最新の貸出遊技媒体数と獲得遊技媒体数を記憶部202の計数玉データ1記憶領域202b1または計数玉データ2記憶領域202b2に記憶させておく。このように、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とを個別に管理できれば、未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体の取り扱いの自由度が高まる。なお、計数玉データ1記憶領域202b1および計数玉データ2記憶領域202b2は、最新の獲得遊技媒体数および最新の貸出遊技媒体数を記憶できれば十分であるが、獲得遊技媒体数および貸出遊技媒体数の増減履歴を記録しておける機能を備えるものでも構わない。
上述したように、計数玉管理部201bによって、貸出遊技媒体数と獲得遊技媒体数をリアルタイムの電子データとして演算し、計数玉データ1記憶領域202b1および計数玉データ2記憶領域202b2に記憶させておけば、遊技媒体封入式ではない遊技機1と接続されていても、遊技媒体貸出装置2で計数玉を適正に管理できる。よって、貸出遊技媒体数と獲得遊技媒体数をリアルタイムの電子データとして記憶しておく遊技媒体貸出装置2においては、メダル計数部206によって遊技媒体を計数する機能は不可欠ではないが、メダル計数部206を設けておけば、以下のような使い方ができる。
メダル計数部206によって計数されたメダル枚数は、本来であれば、計数玉管理部201bにより演算された電子データ上の計数玉数と一致するはずである。しかしながら、遊技客が他店で入手した遊技メダルを遊技機1に投入したり、遊技機1から遊技メダルの一部を持ち出そうとしたりすると、メダル計数部206によって計数された計数値と、計数玉管理部201bによって管理されている計数玉数が一致しなくなる。そこで、遊技客が計数ボタン222eを操作することに基づいて、メダル計数部206による遊技媒体の計数が行われたとき、メダル計数部206による計数値と、計数玉管理部201bによって管理されている計数玉数とが一致するか否かを判定する機能を、例えばメダル制御部201fに持たせておく。メダル制御部201fによって不一致と判定されれば、遊技客による不正の疑われる状況であるから、遊技店員に報知する等の動作を遊技媒体貸出装置2が行うことで、迅速な対応が可能となる。一方、メダル計数部206による計数値と、計数玉管理部201bによって管理されている計数玉数とが一致しているとメダル制御部201fによって判定された場合は、このときの計数玉数を適正な計数玉数として確定する内部処理を行えば良い。
外部通信部207は、場内ネットワーク6を介して接続された管理装置3等との通信を可能にするものである。例えば、外部通信制御部201gの制御により、遊技媒体貸出装置2Bが動作する為に必要な設定データや画像データ等のダウンロード、記録媒体挿排口23に挿入されたカードのカード識別子に紐付いた諸情報を管理装置3より受領する。カード識別子に紐付いた諸情報は、例えば、預り金記憶領域202a、計数玉データ1記憶領域202b1、計数玉データ2記憶領域202b2、貯玉データ記憶領域202cなどに記憶させておくデータである。また、外部通信部207は、記憶部202に記憶している諸情報を管理装置3へ出力する処理、遊技機上方に設けられた遊技機データ表示装置に当該遊技機1のデータを出力する処理等も行う。なお、記憶部202における預り金記憶領域202a、計数玉データ1記憶領域202b1、計数玉データ2記憶領域202b2、貯玉データ記憶領域202cが、最新のデータのみでなく、途中の更新履歴を含めて記録している場合には、履歴も含めて出力する処理を外部通信部207が行うようにしてもよい。
外部通信部207を介して外部装置へ出力する信号には、例えば、入金信号、貸出信号、貯玉払出信号、計数玉払出信号、計数信号などがある。入金信号は、紙幣投入部21に投入された紙幣が紙幣識別部203により真贋判定および金種の識別判定が適正に行われた場合に、金種に対応して出力する信号である。貸出信号は、計数玉データ1記憶領域202b1または計数玉データ2記憶領域202b2に記憶された貸出遊技媒体数を減じて、遊技メダルとして貸し出した際、貸出枚数に対応して出力する信号である。貯玉払出信号は、メダル制御部201fの制御により貯玉データ記憶領域202cに記憶された貯玉データの一部または全部を遊技媒体に変換し、遊技メダルとして貸し出した際、貸出枚数に対応して出力する信号である。計数玉払出信号は、メダル制御部201fの制御により計数玉データ1記憶領域202b1または計数玉データ2記憶領域202b2に記憶された獲得遊技媒体数または貸出遊技媒体数の一部または全部を削除して、遊技機1での遊技に供し得る遊技メダルとして貸し出した際、貸出枚数に対応して出力する信号である。計数信号は、メダル制御部201fの制御により遊技メダルを計数し、記憶部202の計数玉データ1記憶領域202b1または計数玉データ2記憶領域202b2に計数玉として記憶した際、計数枚数に対応して出力する信号である。
また、返却ボタン222cの押下により、外部通信部207は、記憶部202の預り金記憶領域202a、計数玉データ1記憶領域202b1、計数玉データ2記憶領域202b2、貯玉データ記憶領域202c、カードデータ記憶領域202dの記録データを管理装置3に送る。これらのデータを受けた管理装置3は、カード識別子に紐付いた計数玉管理テーブル(後に詳述)や預り金管理テーブル(後に詳述)の情報を更新する。管理装置3へ諸情報が適正に送信された後、記憶部202の預り金記憶領域202a、計数玉データ1記憶領域202b1、計数玉データ2記憶領域202b2、貯玉データ記憶領域202c、カードデータ記憶領域202dの記憶データは消去され、カード処理部403によってカードの返却処理が行われる。なお、カード返却を行う前に、制御部201の交換賞品提示部201iの機能で交換賞品を表示操作部22に提示し、遊技客が希望する賞品との交換を遊技媒体貸出装置2Bで行えるサービスを提供できるようにしてもよい。
遊技機通信部208は、回胴式遊技機1Bと専用ケーブルで接続されており、遊技機通信制御部201hにより、セキュリティ確認や、回胴式遊技機1Bの変化情報が通信される。また、貸出ボタン222dの押下により遊技媒体を貸し出す場合、遊技媒体封入式の遊技機1に対して遊技媒体貸出情報を通信することもある。なお、遊技機1の中には通信機能を備えていない機種があり、このような機種の遊技機1に対応するために、遊技機通信部208を設けていない遊技媒体貸出装置2もある。
上記のように構成した遊技媒体貸出装置2Bが接続されている回胴式遊技機1Bにて遊技を行う場合、遊技媒体貸出装置2Bから借り受けた遊技媒体(遊技メダル)を回胴式遊技機1Bのメダル投入口に投入することにより、遊技が開始される。
回胴式遊技機1Bのメダル投入口に投入された遊技媒体数を「投入数」と呼ぶ。標準的な回胴式遊技機1Bでは、1回の遊技に使用する遊技媒体数を1~3の間で選択可能であるが、遊技に使用する遊技媒体数が3に固定された機種も存在する。このような機種では、投入数が3にならないと遊技を行うことができない。また、回胴式遊技機1Bでの遊技結果として払い出された遊技媒体は、回胴式遊技機1Bの払出口より払い出される。回胴式遊技機1Bの払出口より払い出された遊技媒体数を「払出数」と呼ぶ。標準的な回胴式遊技機1Bでは、1回の遊技における遊技結果として払い出される賞遊技媒体の数は1~15枚である。しかしながら、遊技を行うためには、3枚の遊技メダルを投入しているため、実際に遊技結果として獲得した遊技媒体の数(獲得遊技媒体数)は、払い出されたメダル枚数から投入したメダル枚数を減じたものと考える。よって、遊技結果として獲得した獲得遊技媒体数は、下式(1)のように表される。
遊技客が遊技に供し得る遊技媒体として所持している持ち玉を演算により計数した総数(以下、計数玉数という)は、式(2)にて表され、回胴式遊技機1Bから払い出された演算上の獲得遊技媒体数と、遊技媒体貸出装置2Bが貸し出した演算上の貸出遊技媒体数との加算値となる。そして、遊技機1にて払い出された演算上の獲得遊技媒体数は、遊技機1から遊技終了ごとに送信される払出数の総計から投入数の総計を減算することで求めることができる。1ゲームに3枚の遊技メダルを要する回胴式遊技機1Bの場合には、「ゲーム回数×3」として正確な投入数を演算できる。
一方、回胴式遊技機1Bのメダル皿等に残っている遊技メダルである持ち玉の正確な枚数は、遊技メダル計数部27で計測すれば分かる。すなわち、獲得遊技媒体と貸出遊技媒体が混じってメダル皿等に残っている持ち玉の総数(以下、持ち玉数という)は、遊技メダル計数部27で計測することで確定できる。よって、遊技客が遊技終了時に所持している持ち玉を、遊技メダル計数部27にて計数すれば、獲得遊技媒体と貸出遊技媒体を区別せずに合算した数量として、持ち玉数が、下式(2)′のように確定する。
従来の遊技場管理システムでは、遊技終了時に確定した持ち玉数を管理装置3にて管理していた。一方、本実施形態の遊技場管理システムでは、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数を個別に記憶する計数玉として管理する。理論的には、式(2)の計数玉数と式(2)′の持ち玉数は同じになるが、実際には、計数玉数と持ち玉数が等しくならない場合もあり、下式(3)のように「差異数」が生じるケースもある。
差異数が生ずる原因は、前述したように、遊技客による遊技媒体の持ち込み或いは遊技媒体の持ち出しである可能性が高い。本来、遊技媒体の持ち出しや持ち込みは認められない行為であるから、遊技メダル計数部27による計数時に発生する差異数が規定値を超えた場合、計数異常と判断し、従業員の介入を行うシステムも存在する。近年注目されている遊技媒体封入式の遊技機1に於いては、遊技客が遊技媒体を触れない構造であるため、必然的に差異数は零となる。以後の説明では、「計数玉数=持ち玉数」が成立するように、差異数を零とする。データ上の計数玉管理を行うに際し、差異数が零であれば、遊技機1から遊技媒体貸出装置2へ送信された遊技結果に基づく獲得遊技媒体数の演算値と、遊技媒体貸出装置2の制御によって貸し出した演算上の貸出遊技媒体数とを、正確な持ち玉数として扱うことができる。よって、遊技媒体貸出装置2は、遊技客が所持する計数玉(演算で求めた獲得遊技媒体と貸出遊技媒体)を、遊技客が所持する記録媒体7に記録された特定情報と紐付けて記憶する処理を行うことができる。
本構成例の遊技媒体貸出装置2Bにおいては、制御部201、記憶部202、紙幣識別部203、表示操作部22、カード処理部204、メダル払出部205等が協働することで、遊技媒体貸出手段として機能する。遊技媒体貸出手段は、遊技客が投入した金銭に相当する有価価値を消費して、回胴式遊技機1Bでの遊技に供し得る遊技メダルを貸し出す処理を行う。また、遊技媒体貸出手段は、遊技客が所持する記録媒体7に記録されたカード識別子と紐付けされた預り金(有価価値)を消費して、回胴式遊技機1Bでの遊技に供し得る遊技メダルを貸し出す処理を行う。したがって、本構成例の遊技媒体貸出装置2Bでは、投入紙幣の金額の範囲内で遊技媒体を貸し出した場合の貸出遊技媒体数も、挿入された記録媒体7を用いて遊技媒体を貸し出した場合の貸出遊技媒体数も、適切に記憶して行くことができる。なお、記録媒体7を持っていない遊技客が紙幣を投入して遊技媒体を借り受ける場合も、仮想的に発行した記録媒体7のカードIDに紐付けて預り金を管理しているので、実質的に、遊技客が所持する記録媒体7に記録された特定情報と紐付けされた預り金を消費していることになる。
さらに、本構成例の遊技媒体貸出装置2Bにおいては、制御部201、記憶部202、メダル計数部206、遊技機通信部208等が協働することで、計数玉を獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とに分けて記憶する処理を行う計数玉処理手段として機能する。獲得遊技媒体数は、式(1)で定義したように、遊技客が遊技機1での遊技進行により獲得した遊技媒体の総数である。この獲得遊技媒体数は、例えば、記憶部202の計数玉データ1記憶領域202b1に書き込むことで記憶しておく。貸出遊技媒体数は、遊技媒体貸出手段により貸し出されて未だ遊技に供されていない遊技媒体の総数である。未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体は、有価価値に等価で再変換できるなど、自由度の高いデータである。この貸出遊技媒体数は、例えば、記憶部202の計数玉データ2記憶領域202b2に書き込むことで記憶しておく。
このように、計数玉処理手段によって、計数玉数を獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とに分けて記憶処理することにより、遊技客の利便性を高めるサービスを提供することができる。図5は、遊技媒体貸出装置2における計数玉記憶処理の一例を示すフローチャートである。本制御フローでは、投入した紙幣もしくは記録媒体7のカード識別子に紐付いた預り金が有り、預り金を消費して遊技媒体の貸出を行う貸出ボタン222dが表示操作部22に表示されていることを前提とする。また、図5に基づいて計数玉記憶処理の説明を行うに際し、図6に示す遊技進行に伴う計数玉数の増減状態を参照する。
図5の計数玉記憶処理では、まず、表示操作部22に対する遊技客の操作があったか否かを判定する(ステップS01)。操作があった場合には、操作された内容(操作種別)を判定して操作種別に応じた動作を行う(ステップS02)。操作種別が貸出であった場合には、遊技客が貸出ボタン222dを操作したと判断できるので、貸出金額分の貸出遊技媒体数を加算し(ステップS03)、再びステップS01の判定処理に戻る。貸出ボタン222dの押下が千円分の貸出に対応していれば、遊技客の預り金から千円が減額され、貸出遊技媒体として50枚の遊技メダルが貸し出される。これは、図6に示す第0遊技進行PN00(遊技実行前の初期状態)に相当し、遊技媒体獲得数は0枚、貸出遊技媒体数は50枚であるから、計数玉数は50枚である。
上記ステップS01で遊技客による表示操作部22の操作がなければ、遊技機1からの情報により変化状態の有無を判断し、変化がなければ遊技機1の遊技が行われていないということであるから、再びステップS01の判定処理に戻る。一方、ステップS04で遊技機1からの情報による変化があった場合には、その変化が+変化か-変化かを判断し、-変化であった場合には、遊技を行うための遊技媒体使用と判定できるので、遊技使用分の遊技媒体数を遊技客の計数玉から差し引く必要がある。このとき、計数玉に獲得遊技媒体が残っている場合には、貸出遊技媒体よりも獲得遊技媒体を優先的に遊技に使用するため、先ず獲得遊技媒体数から遊技使用分の遊技媒体数を減算可能であるか判定する(ステップS05)。
図6に示す第0遊技進行PN00では、獲得遊技媒体数は0枚であるから、ステップS05では減算不可と判定され、獲得遊技媒体数を全て減算してゼロにし(ステップS06)、貸出遊技媒体数から不足分を減算する(ステップS07)。図6に示す第1遊技進行PN01では、遊技に使用したメダル3枚分を全て貸出遊技媒体から減算したので、貸出遊技媒体数と計数玉数が共に47枚に減る。このように、遊技媒体貸出装置2の遊技媒体貸出手段は、遊技客が所持する獲得遊技媒体数を使用できない場合(例えば、ゼロである場合)に限り、遊技客が所持する貸出遊技媒体数を減じて遊技に供する遊技媒体を貸し出す自動貸出動作を行うのである。この第1遊技進行PN01の遊技結果はハズレであったので、遊技媒体は獲得されない。続く第2遊技進行PN02の遊技結果もハズレであり、獲得遊技媒体数は増えず、貸出遊技媒体数と計数玉数が共に44枚に減る。
続く第3遊技進行PN03の遊技結果は小当たり当選であり、ステップS04にて遊技機1からの情報が+変化と判断されるので、+変化分を獲得遊技媒体数に加算する(ステップS08)。これにより、獲得遊技媒体数は5枚に増え、貸出遊技媒体数は44枚のままで、計数玉数は49枚に増える。続く第4遊技進行PN04の遊技結果はハズレであり、ステップS04にて遊技機1からの情報が-変化と判断されるので、ステップS05で-変化分を減算可能か判断し、獲得遊技媒体数が5枚であることから、ステップS09にて獲得遊技媒体数から遊技使用分の3枚を減算する。これにより、獲得遊技媒体数は2枚に減り、貸出遊技媒体数は44枚のままで、計数玉数は46枚に減る。続く第5遊技進行PN05の遊技結果もハズレであり、ステップS04にて遊技機1からの情報が-変化と判断されるので、ステップS05で-変化分を減算可能か判断し、獲得遊技媒体数が2枚であることから、ステップS06にて獲得遊技媒体数の2枚を優先的に減算し、さらにステップS07にて不足分の1枚を貸出遊技媒体数から減算する。これにより、獲得遊技媒体数は0枚に減り、貸出遊技媒体数は43枚に減り、計数玉数は43枚に減る。
続く第6遊技進行PN06~第19遊技進行PN19の遊技結果は全てハズレであるため、ゲームを行うごとにメダル3枚分が貸出遊技媒体の残数から減算され、獲得遊技媒体数が0枚、貸出遊技媒体数および計数玉数が共に1枚となる。計数玉数が1枚では次のゲームを行うことはできないので、ゲームを続けるためには、預り金を使って貸出遊技媒体を追加する必要がある。なお、ステップS02で操作種別が計数ボタン222eの操作であった場合には、獲得遊技媒体数を確定する(ステップS10)。その後、ステップS02で操作種別が返却ボタン222cの操作であった場合には、計数玉情報を管理装置3へ送信し(ステップS11)、記録媒体7の返却を行う(ステップS12)。
例えば、第3遊技進行PN03の遊技結果により、獲得遊技媒体数が5枚に増え、貸出遊技媒体数が44枚、計数玉数は49枚の状態で遊技を終了する場合を考える。従来構成の遊技媒体貸出装置2では、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数の区別無く、持ち玉数49枚の持ち玉情報が管理装置3へ送信されるので、次に、この記録媒体7を使って遊技を行う場合には、未だ遊技に供されていなかった貸出遊技媒体の44枚も獲得遊技媒体の5枚と合算され、持ち玉数49枚として遊技に使用されることとなる。
これに対して、本構成例の遊技媒体貸出装置2では、獲得遊技媒体の5枚と、貸出遊技媒体の44枚とが区別された計数玉情報として管理装置3へ送信でき、また、後述するように管理装置3においても獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数を分けて計数玉管理を行える。したがって、本実施形態の遊技場管理システムにおいては、未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体の残数を貸出単価と等価値に扱うことができるので、貸出遊技媒体については、貸出遊技媒体数に貸出単価を乗算した金額880円の預り金と同等に扱うことができ、利便性の高い計数玉管理が可能である。
このように、図6に示す第19遊技進行PN19で遊技を継続できる計数玉が残っていないとき、計数ボタン222eを押下後、返却ボタン222cを押下してカード返却を行えば、貸出遊技媒体数に貸出単価を乗算した20円が、預り金として残っている状態と同等の扱いができる。したがって、現行の遊技場管理システムでは、計数玉が1枚となった状態で記録媒体7を返却することしかできないが、本実施形態の遊技場管理システムでは、20円を返金する精算処理を行うような、遊技客にとって利便性の高い新たなサービスを提供することができる。
新たなサービスの第1例として、計数玉における貸出遊技媒体分を翌日以降も使用可能とするサービスが考えられる。現行システムにおいて、計数玉は当日中に賞品に交換する必要があるが、預り金の場合には翌日以降も使用できるので、計数玉における貸出遊技媒体分を預り金と同等の扱いにすれば、翌日以降も使用できる。また、第三者発行型の預り金を管理するシステムであれば、計数玉における貸出遊技媒体分を多店舗で使用できるようにサービスを拡充できる。
新たなサービスの第2例として、計数玉における貸出遊技媒体分を遊技媒体の種別に制限されることなく変換可能にするサービスが考えられる。現行システムにおいては、弾球遊技機1Aで用いる遊技球を計数玉として管理している場合、その計数玉を回胴式遊技機1Bで用いる遊技メダルに変換して貸し出すことは、法律上認められない。逆に、回胴式遊技機1Bで用いる遊技メダルを計数玉として管理している場合、その計数玉を弾球遊技機1Aで用いる遊技球に変換して貸し出すことも、法律上認められない。しかし、本実施形態の遊技場管理システムでは、計数玉における貸出遊技媒体分を預り金と同等の扱いとする計数玉管理が可能であるから、貸出遊技媒体分を遊技球としても遊技メダルとしても貸し出すことができる。
このように、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数を分けて計数玉管理を行える遊技場管理システムで提供できる新たなサービスは、遊技客の利便性を向上させる。また、遊技客の再来店につながり易いことから、遊技場PPも集客率が向上するメリットが生まれる。このようなサービス提供の主体は、後述する管理装置3であるが、遊技媒体貸出装置2での操作によってそれらのサービスを享受できるようにするため、サービスの提供を仲介するサービス仲介手段(後に詳述)を遊技媒体貸出装置2に設けておけば、一層利便性を高められる。
なお、本実施形態の遊技場管理システムにおいて、遊技媒体貸出装置2が獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数を分けて計数玉管理を行う場合、遊技客が貸出ボタン222dを押下して貸出を受けたタイミングで貸出信号を出力してしまうと、出力した貸出信号による遊技媒体数と実際に貸し出した遊技媒体数とに大きな差異が生じる可能性がある。
現行システムでは、一般に、100円で1パルスの貸出信号を出力しているので、遊技媒体貸出装置2Bでは、5枚(予め定めた貸出単位数)の遊技メダルを貸し出す毎に1パルスの出力を行う。よって、現行システムでは、遊技客が貸出ボタン222dを押下して1000円の貸出を選択すると、50枚の遊技メダルを貸し出したものとして、10パルスの貸出信号をまとめて出力してしまう。しかしながら、本実施形態の遊技場管理システムでは、1000円分の貸出要求に対し、50枚分を未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体数として管理するため、貸出遊技媒体数に50枚がセットされたタイミング(例えば、図6の第0遊技進行PN00)で10パルスの貸出信号(1000円分)を一気に出力することは望ましくない。
そこで、本実施形態の遊技場管理システムにおける遊技媒体貸出装置2の計数玉処理手段は、遊技媒体貸出手段が貸出遊技媒体数を減じて遊技客に貸し出した遊技媒体の累積数が、予め定めた貸出単位数のn倍(nは任意の整数)を越える毎に貸出信号を管理装置3へ送信するものとした。例えば、図6の第0遊技進行PN00でセットされた貸出遊技媒体数(50枚)が実際の遊技に使用されて、貸出遊技媒体数の減数を行った時点で貸出信号を出力すれば、未だ遊技に供されていない残りの貸出遊技媒体まで貸し出されたことにならない。なお、貸出信号の出力を行う貸出信号出力条件は、貸出遊技媒体を遊技に使用した数の合計が貸出単位数(5枚)の自然数倍(例えば、5枚、10枚、15枚、…)に達することでも良いが、本実施形態の遊技場管理システムにおいては、最低貸出単価(100円)を消費する毎に貸出信号出力条件が満たされて、貸出信号を出力するものとした。このため、最低貸出単価に対応する貸出単位数(5枚)の整数倍(例えば、0枚、5枚、10枚、15枚、…)を越える毎に貸出信号が管理装置3へ出力されることとなる。
図6に示す第1遊技進行PN01にて、遊技メダルとして3枚分が減算されたタイミング(残り47枚)で1パルスの貸出信号(1回目)を出力する。続く第2遊技進行PN02にて、遊技メダルとして3枚が減算されたタイミング(残り44枚)で1パルスの貸出信号(2回目)が出力される。続く第3遊技進行PN03および第4遊技進行PN04では貸出遊技媒体の減算はされないので貸出信号の出力は行われない。続く第5遊技進行PN05にて、遊技メダルとして1枚が減算されて残り43枚になるが、2回分の貸出信号に対応するメダル数で賄えるので、貸出信号の出力は行われない。続く第6遊技進行PN06にて、遊技メダルとして3枚が減算されて残り40枚になるが、2回分の貸出信号に対応するメダル数で賄えるので、貸出信号の出力は行われない。続く第7遊技進行PN07にて、遊技メダルとして3枚が減算されたタイミング(残り37枚)で1パルスの貸出信号(3回目)が出力される。
続く第8遊技進行PN08にて、遊技メダルとして3枚が減算されたタイミング(残り34枚)で1パルスの貸出信号(4回目)が出力される。続く第9遊技進行PN09にて、遊技メダルとして3枚が減算されて残り31枚になるが、4回分の貸出信号に対応するメダル数で賄えるので、貸出信号の出力は行われない。続く第10遊技進行PN10にて、遊技メダルとして3枚が減算されたタイミング(残り28枚)で1パルスの貸出信号(5回目)が出力される。続く第11遊技進行PN11にて、遊技メダルとして3枚が減算されて残り25枚になるが、5回分の貸出信号に対応するメダル数で賄えるので、貸出信号の出力は行われない。続く第12遊技進行PN12にて、遊技メダルとして3枚が減算されたタイミング(残り22枚)で1パルスの貸出信号(6回目)が出力される。続く第13遊技進行PN13にて、遊技メダルとして3枚が減算されたタイミング(残り19枚)で1パルスの貸出信号(7回目)が出力される。
続く第14遊技進行PN14にて、遊技メダルとして3枚が減算されて残り16枚になるが、7回分の貸出信号に対応するメダル数で賄えるので、貸出信号の出力は行われない。続く第15遊技進行PN15にて、遊技メダルとして3枚が減算されたタイミング(残り13枚)で1パルスの貸出信号(8回目)が出力される。続く第16遊技進行PN16にて、遊技メダルとして3枚が減算されて残り10枚になるが、8回分の貸出信号に対応するメダル数で賄えるので、貸出信号の出力は行われない。続く第17遊技進行PN17にて、遊技メダルとして3枚が減算されたタイミング(残り7枚)で1パルスの貸出信号(9回目)が出力される。続く第18遊技進行PN18にて、遊技メダルとして3枚が減算されたタイミング(残り4枚)で1パルスの貸出信号(10回目)が出力される。続く第19遊技進行PN19にて、遊技メダルとして3枚が減算されて残り1枚になるが、10回分の貸出信号に対応するメダル数で賄えるので、貸出信号の出力は行われない。
このように、本実施形態に係る遊技場管理システムでは、遊技に使用することによって貸出遊技媒体数が減算されて貸出信号送信条件を満たす都度、貸出信号を出力するので、未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体分を預り金と同等の扱いとする計数玉管理に都合が良い。なお、貸出信号の出力処理は、必ずしも計数玉処理手段が行う必要はなく、遊技媒体貸出手段が自ら貸出信号の出力処理を行っても良いし、計数玉処理手段による貸出遊技媒体数の更新状態を監視して貸出信号を出力する貸出信号出力手段を別途設けても良い。
次に、上述した遊技媒体貸出装置2から貸出信号等が送信される管理装置3の機能について詳述する。管理装置3には、計数玉管理手段31、預り金管理手段32、動作管理手段33、サービス提供手段34、寄付管理手段35等を設ける。なお、管理装置3は、単一のハードウエアに各種機能を搭載するように構成してもよいし、それぞれ異なるハードウエアで構成しても良い。
計数玉管理手段31は、遊技媒体貸出装置2の計数玉処理手段により計数玉データ1記憶領域202b1,計数玉データ2記憶領域202b2に記憶されていた獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とを、遊技客の特定情報(カード識別子)と紐付けて記憶する情報管理を行う。図8に示すように、計数玉管理手段31では、計数玉管理のためのデータベースとして、例えば、第1識別子管理テーブル31a1、第2識別子管理テーブル31a2、第3識別子管理テーブル31a3、計数玉管理テーブル31b等を用いる。第1~第3識別子管理テーブル31a1~31a3は、遊技客に提供する記録媒体7の種別毎に識別子を管理する識別子管理テーブルである。
なお、遊技客に提供する記録媒体7が1種類(例えば、ICカード7Aのみ)に限定されているのであれば、識別子管理テーブルは1つでよいが、バ―コードや携帯通信端末装置など、多種類の記録媒体7を用いる場合には、媒体毎に管理テーブルを分けて管理することが望ましい。例えば、第1媒体としてICカード7Aを設定した場合、第1媒体IDにはICカード7AのカードIDを用いることができ、第2媒体としてICコイン7Bを設定した場合、第2媒体IDにはICコイン7BのコインIDを用いることができ、第3媒体として携帯電話を設定した場合、第3媒体IDには携帯電話番号などを用いることができる。
第1~第3識別子管理テーブル31a1~31a3の第1~第3媒体IDは、遊技客が所持する記録媒体7の識別子であり、計数玉管理用の管理番号と対応付けられている。この管理番号は、計数玉管理テーブル31bの各レコードと対応付けられている。従って、遊技媒体貸出装置2より遊技客が所持する記録媒体7の識別子が送信されれば、この識別子に対応する計数玉情報の記憶内容を計数玉管理テーブル31bから特定できるので、計数玉情報を読み出して遊技媒体貸出装置2へ送信したり、新たな計数玉情報に書き替えたりする管理動作を行える。
計数玉管理テーブル31bは、第1~第3識別子管理テーブル31a1~31a3の第1~第3媒体IDと紐づけされている管理番号(例えば、データベースのレコード番号)毎に、1件分(遊技客一人分)の計数玉情報を管理できる。計数玉管理テーブル31bの管理項目としては、管理番号、遊技媒体貸出単価、獲得遊技媒体数、貸出遊技媒体数がある。遊技媒体貸出単価は、遊技球の貸出単価(P単価)と遊技メダルの貸出単価(S単価)に分けて記憶する。また、獲得遊技媒体数は、弾球遊技機1Aでの獲得玉数(P)と回胴式遊技機1Bでの獲得メダル数(S)とに分けて記憶する。同様に、貸出遊技媒体数も、弾球遊技機1Aでの貸出玉数(P)と回胴式遊技機1Bでの貸出メダル数(S)とに分けて記憶する。なお、同一タイプの遊技機1に対して複数種類の遊技媒体貸出単価が設定されている場合には、遊技媒体貸出単価別に複数の情報を管理できるような管理項目を設定すれば良い。また、計数玉管理テーブル31bの管理項目は、これらに限らず、遊技客が遊技を行った遊技機1の遊技機番号、遊技の開始や終了などの操作時刻、遊技客の会員番号など、必要に応じて管理項目を増減させても構わない。更に、遊技媒体貸出装置2の計数玉データ1記憶領域202b1,計数玉データ2記憶領域202b2に計数玉の増減履歴が記録されている場合には、管理番号毎の利用履歴として管理してもよい。
預り金管理手段32は、図9に示すように、預り金の移動を管理する預り金管理テーブル32aを備える。預り金管理テーブル32aの各レコードは、計数玉管理手段31の第1~第3識別子管理テーブル31a1~31a3の管理番号と紐づけられ、第1金額および第2金額の管理項目で構成されている。本構成例の預り金管理手段32では、残高有の状態にて追加入金が行われた際の詳細管理を行うために、第1金額と第2金額に分けて管理しているが、追加入金を禁止もしくは詳細管理を行わない場合には、第1金額のみ管理すれば良く、第2金額を管理項目から省いてもよい。更に、遊技媒体貸出装置2の預り金データ記憶領域202aに預り金の増減履歴が記録されている場合には、管理番号毎の利用履歴として管理してもよい。
動作管理手段33は、遊技場PP内に設置された諸装置(遊技機1、遊技媒体貸出装置2、管理装置3、賞品交換POS4、精算機5など)に対する動作を設定するための設定情報を生成し、対応する装置に対して設定情報を送信することで、当該装置の動作を管理する。動作管理手段33には、図10に示すように、全体設定部33a、P/S別設定部33b、島別設定部33c、機種別設定部33d、コーナー別設定部33e、遊技媒体貸出装置個別設定部33f等を備える。全体設定部33aは、店舗全体での統一設定情報を生成する。P/S別設定部33bは、パチンコ/パチスロ別の設定情報を生成する。島別設定部33cは、遊技機1を設置する遊技島単位での設定情報を生成する。機種別設定部33dは、遊技機種類別の設定情報を生成する。コーナー別設定部33eは、遊技場PPが管理し易い単位であるコーナー別の設定情報を生成する。遊技媒体貸出装置個別設定部33fは、遊技媒体貸出装置2に対する個別の設定情報を生成する。
例えば、ある遊技媒体貸出装置2が、自装置に対応付けて設置されている遊技機1の遊技機番号を指定して管理装置3に設定情報取得要求を行うと、管理装置3は、動作管理手段33の各種設定情報より、要求された遊技機番号に該当する設定情報を生成し、要求元の遊技媒体貸出装置2に返送する。これを受けた遊技媒体貸出装置2は、自装置に対応付けて設置されている遊技機1へ、管理装置3より送られた設定情報を送信することにより、設定情報に基づく遊技機1の動作が確定する。
また、動作管理手段33は、遊技媒体貸出装置2の計数玉処理動作の設定変更を行うこともできる。動作管理手段33の遊技媒体貸出装置個別設定部33fにより、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とを分離して記憶する分離計数処理動作を行う設定情報を生成し、設定対象である遊技媒体貸出装置2へ送信すると、この遊技媒体貸出装置2は、分離計数処理動作を行う設定となる。一方、動作管理手段33の遊技媒体貸出装置個別設定部33fにより、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とを合算して記憶する合算計数処理動作を行う設定情報を生成し、設定対象である遊技媒体貸出装置2へ送信すると、この遊技媒体貸出装置2は、合算計数処理動作(従来の持ち玉管理と同じ動作)を行う設定となる。このように、管理装置3の動作管理手段33によって、任意の遊技媒体貸出装置2に対して、分離計数処理動作か合算計数処理動作の何れか一方に切り替える設定を行えば、遊技店の係員等が遊技媒体貸出装置2の設定を個別に変更する手間がかからず、効率の良い設定変更が可能となる。
なお、図10に示す構成例の動作管理手段33は、種々の設定機能を有するものとしたが、管理装置3による動作設定を個別あるいは一定単位で行う必要が無ければ、P/S別設定部33b、島別設定部33c、機種別設定部33d、コーナー別設定部33e、遊技媒体貸出装置個別設定部33fを省略してもよい。
サービス提供手段34は、遊技客に対して何らかのサービスを提供する制御を行う。提供できるサービスの種類は特に限定されないが、例えば、図11に示すような賞品管理テーブル34aを備え、遊技客が所持する計数玉の範囲内で賞品と交換するサービスを提供できる。賞品管理テーブル34aにおける各レコードは、例えば、賞品番号、賞品名称、遊技球の貸単価P、遊技球での交換数P、遊技メダルの貸単価S、遊技メダルでの交換数S、賞品の流通価格などの管理項目で構成される。なお、サービス提供手段34の賞品管理テーブル34aは、賞品交換POS4にて管理される賞品交換表と同一内容でも良いし、異なる賞品をサービス提供対象として含んでいても良い。ただし、遊技場PPでの賞品交換は、流通価格と等価交換が前提とされているため、各賞品の交換数は流通価格を貸出単価で除した値となる。
寄付管理手段35は、遊技客から募った寄付金を管理する。遊技客が寄付を行う方法や集まった寄付金を寄付対象へ送金する方法などは、特に限定されるものではないが、少なくとも、遊技客が電子データとして所持している計数玉の一部または全部を寄付金として預かる機能を備えている。
上述した管理装置3は、遊技媒体貸出装置2が特定情報に紐付けて記憶していた計数玉情報および預り金情報を受け取り、特定情報に基づいて一括管理する。例えば、遊技客が遊技終了時に遊技媒体貸出装置2の返却ボタン222cを押下すると、計数玉情報や預り金情報がカードIDと共に管理装置3に送られて管理されることとなり、遊技客にはカードIDが記録されたカード(記録媒体7)を提供する。よって、遊技客が、発行されたカードを他の遊技機1に対応する遊技媒体貸出装置2へ挿入すれば、カードIDを読み出した遊技媒体貸出装置2から管理装置3に問い合わせることにより、前の遊技終了時の計数玉情報および預り金情報が現在の遊技媒体貸出装置2に反映され、継続利用が可能となる。また、計数玉情報および預り金情報を管理装置3で一括管理しておけば、遊技媒体貸出装置2で故障が発生した場合でも、管理装置3から計数玉情報および預り金情報を取得することで、迅速な装置復旧が可能となる。しかも、管理装置3においても、計数玉情報は、獲得遊技媒体数と貸出遊技媒体数とに分けて管理されたままであるから、未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体の取り扱いの自由度が高いままである。
なお、遊技場PPが大型店である場合など、遊技場管理システムの規模が大きくなると、単一サーバで構築した管理装置3の負担が大きくなる可能性が高いので、負担軽減や装置故障時のリスク分散を考慮して、少なくとも、計数玉管理手段31と預り金管理手段32を別のハードウエアで構成することが望ましい。また、動作管理手段33、サービス提供手段34、寄付管理手段35は、管理装置3とは別の装置に搭載して運用することも可能ある。
さらに、本実施形態に係る遊技場管理システムは、上述した管理装置3のサービス提供手段34と遊技客が利用している遊技媒体貸出装置2とが連携することで、遊技客が賞品交換サービスの提供を遊技媒体貸出装置2から受けられるようにすることができる。このために、サービス提供手段34は、交換に要する交換遊技媒体数(交換数Pあるいは交換数S)が予め定められた賞品を、計数玉管理手段31が管理する計数玉数から交換遊技媒体数を消費して交換する賞品交換サービスを提供可能とした。また、遊技媒体貸出装置2は、遊技客の操作により選択された交換賞品情報を管理装置3へ送信することで、遊技客が賞品交換サービスの提供を受けられるように仲介をするサービス仲介手段を備えるものとした。以下、図12を参照して、賞品交換サービスを遊技客が利用する流れを説明する。
図12の遊技進行は、前述した図6の第19遊技進行PN19に続くもので、第20遊技進行PN20にて、遊技客は貸出ボタン222dの押下による追加の遊技媒体を借り受けた。これにより、貸出遊技媒体数が51枚となり、次の遊技を行うことが可能となった。続く第21遊技進行PN21では、遊技結果がハズレとなり、遊技に使った3枚が減算されて残り48枚になる。続く第22遊技進行PN22では、遊技結果が大当りで、獲得遊技媒体数が12枚、貸出遊技媒体数が48枚、計数玉数が60枚となる。この第22遊技進行PN22の遊技結果は、大当り当選の始まりであり、第23遊技進行PN23~第40遊技進行PN40まで大当りの当選が継続するので、獲得遊技媒体数が14枚ずつ増えて行く。よって、第40遊技進行PN40においては、獲得遊技媒体数が275枚、貸出遊技媒体数が48枚、計数玉数が295枚となる。
第40遊技進行PN40にて、遊技客が計数ボタン222eを押下後、返却ボタン222cを押下してカード返却を行なった場合、管理装置3は、この遊技客の所持するカードの特定情報に紐付いた計数玉情報と預り金情報を管理することとなる。そして、計数玉管理手段31は、この計数玉情報を、獲得遊技媒体数247枚、貸出遊技媒体数48枚、計数玉数295枚として管理するが、未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体数48枚分は預り金960円としての扱いになる。
なお、現行のシステムで賞品交換を行う場合、この遊技客が所持するカードの特定情報に紐付いた計数玉情報は計数玉数295枚であるから、賞品交換POS4にカードを投入すると、計数玉数295枚の範囲内で賞品交換を行える。一方、本実施形態の遊技場管理システムでは、この遊技客が所持するカードに紐付いた計数玉情報では、獲得遊技媒体数247枚が賞品交換可能な計数玉であり、計数玉数295枚の範囲内で賞品交換を行えないという不具合が生じてしまう。そこで、本構成例の計数玉管理手段31は、獲得遊技媒体数調整処理が可能とした。獲得遊技媒体数調整処理とは、遊技客が選択した選択交換賞品の交換遊技媒体数が計数玉情報の獲得遊技媒体数を超えていた場合、貸出遊技媒体数の一部または全てを獲得遊技媒体数に変換することで、選択交換賞品と交換可能な獲得遊技媒体数を確保する処理である。なお、計数玉管理手段31による獲得遊技媒体数調整処理は、賞品交換POS4にカードを投入して賞品交換サービスを受ける場合に限らず、遊技媒体貸出装置2にカードを投入した状態で行えるようにすれば、一層利便性が高まる。
例えば、第40遊技進行PN40の後に、遊技客が計数ボタン222eを押下して計数玉数を確定し、管理装置3での計数玉情報が更新された後、表示操作部22の賞品選択ボタン222aを押下することで、賞品交換サービスの要求が管理装置3へ送信される。これにより、サービス提供手段34から送信された交換用賞品の情報が表示操作部22の表示部221に表示され、遊技客が希望する賞品を選択できる。なお、遊技客の操作により選択された交換賞品情報を管理装置3へ送信することで、遊技客が賞品交換サービスの提供を受けられるように仲介をするサービス仲介手段としての機能は、遊技媒体貸出装置2の制御部201、記憶部202、表示操作部22、カード処理部204、外部通信部207等が協働することで実現できる。
遊技客が遊技媒体貸出装置2のサービス仲介手段を利用して、「金賞品 大」と「金賞品 小」の2つを選択した場合、金賞品大1個250枚と金賞品小1個25枚の合計275枚(5500円相当)が交換対象となる。しかし、管理装置3の計数玉管理手段31が管理している計数玉情報では、獲得遊技媒体数は247枚であり、交換遊技媒体数である275枚には28枚不足している。そこで、計数玉管理手段31は、貸出遊技媒体の28枚を獲得遊技媒体に変換して獲得遊技媒体数を275枚とし、貸出遊技媒体数を20枚に減算する(図12の最下行における賞品選択の欄を参照)。このように、管理装置3の計数玉管理手段31が獲得遊技媒体数調整処理を自動で実行すれば、遊技客に提示されている計数玉数と実際に管理している獲得遊技媒体数とが異なっていても、賞品選択を行うときに遊技客に煩わしい思いをさせることなく、賞品交換サービスの提供を受けられるようにできる。無論、獲得遊技媒体数調整処理を計数玉管理手段31が自動手実行せず、貸出遊技媒体を獲得遊技媒体として扱うように変換することを遊技客に選択させるようにしても良い。
上記のように、本構成例の管理装置3は、遊技客が所持する情報記録媒体7のカードID(特定情報)と紐付いた計数玉情報から、遊技客に賞品交換サービスを提供できるが、その他のサービスとして、寄付を受け付けることもできる。
例えば、遊技客が賞品交換POS4にて賞品交換を行った際の残玉や精算機5による清算を行った際の残玉を放棄すると、残玉数に相当する金額を管理装置3の寄付管理手段35によって管理することで、遊技客から募った寄付として処理するのである。このような寄付受付機能を遊技場管理システムに設ける場合、遊技終了時に遊技媒体貸出装置2にて寄付の受け付けを行えれば、遊技客の手間を省き、寄付行為を身近なものにできる。以下、図13を参照して、遊技客が寄付サービスを利用する流れを説明する。
図13の遊技進行は、前述した図12の第40遊技進行PN40に続くもので、第41遊技進行PN41にて、遊技客は獲得遊技媒体を3枚使って遊技を行ったが、遊技結果はハズレであり、獲得遊技媒体数が244枚、貸出遊技媒体数が48枚、計数玉数が292枚となる。続く第42遊技進行PN42でも、遊技結果がハズレとなり、遊技に使った3枚が減算されて残りの獲得遊技媒体数は241枚になる。続く第43遊技進行PN43~第46遊技進行PN46の遊技結果も全てハズレとなり、獲得遊技媒体数が229枚、貸出遊技媒体数が48枚、計数玉数が277枚となる。
第46遊技進行PN46の後に、遊技客が計数ボタン222eを押下して計数玉数を確定し、賞品交換サービスを利用する。遊技客が「金賞品 大」と「金賞品 小」の2つを選択した場合、金賞品大1個250枚と金賞品小1個25枚の合計275枚(5500円相当)が交換対象となる。このとき、管理装置3の計数玉管理手段31による獲得遊技媒体数調整処理が行われ、獲得遊技媒体数が275枚となり、貸出遊技媒体数が2枚に減算される(図13の最下行における賞品選択の欄を参照)。このように、遊技客が賞品交換サービスを利用すると、獲得遊技媒体数275枚が消費されて、残った計数玉は、貸出遊技媒体2枚となる。遊技機1での遊技には3枚の遊技媒体が必要であるから、残った計数玉だけで遊技を行うことはできない。
回胴式遊技機1Bが3枚投入専用機の場合、残玉2枚では遊技が行えないので、遊技を継続するためには、遊技客が追加の玉貸しを受ける必要がある。このまま遊技を終了する場合、従来のシステムでは、賞品交換後に残った計数玉2枚を遊技媒体貸出装置2で処理することはできないので、会員カードを返却してもらい、賞品カウンター等にて従業員に対応してもらわなければ、残玉を処理できなかった。また、遊技店の会員ではない一般の遊技客の場合、残玉数がカードの価値に満たないためにカードが発行されない。カードが発行されない場合、遊技客は遊技媒体をそのまま放置したり、持ち帰ったりしているのが現状である。放置された遊技媒体を他の遊技客が使用したり、遊技店から持ち出したりすることは法律違反である。このため、遊技店の従業員等が、放置された遊技媒体を定期的に回収しており、遊技店の負担となっている。
一方、本実施形態の遊技場管理システムでは、遊技媒体貸出装置2が獲得遊技媒体と貸出遊技媒体とに分けて計数玉を記憶処理する分離計数処理動作を行っていれば、この貸出遊技媒体2枚は預り金40円に相当する取り扱いができる。計数玉の取り扱いが法律上規制されている遊技媒体貸出装置2であっても、貸出遊技媒体として記憶された計数玉を預り金として処理するなら、法律上の問題は生じないので、遊技媒体貸出装置2から残玉を寄付する処理が可能となる。
例えば、交換賞品の選択が完了した後、表示操作部22に残りの計数玉数と寄付ボタンを表示し、遊技客の発意に基づいて寄付ボタンが操作された場合には、遊技媒体貸出装置2から管理装置3の計数玉管理手段31へ計数玉を寄付することを報せる。そして、管理装置3の計数玉管理手段31は、遊技客が寄付した貸出遊技媒体数(残り2枚)を削除すると共に、削除した貸出遊技媒体数に対応する有価価値(40円)分の寄付金として寄付管理手段35の管理に委ねる。このように、遊技媒体貸出装置2において、貸出遊技媒体の残数が処理に困る場合に遊技客に寄付による処理を勧め、寄付として処理すれば、従来システムのように賞品カウンターでの対応が必要なくなる。そして、賞品カウンターでの対応が効率化されれば、遊技客にとっても、遊技店にとっても好ましいことである。
なお、遊技客に寄付を促すタイミングは、貸出遊技媒体の残数が処理に困る場合に限らず、任意のタイミングで寄付ボタンを表示して寄付を促しても良いし、寄付ボタンを常時表示しておいて、いつでも寄付を受け付けられるようにしても構わない。また、貸出遊技媒体の残数全てを寄付の対象とせず、残っている貸出遊技媒体の一部を寄付できるように、残数に応じた寄付金を表示操作部22に表示して、任意の寄付額を遊技客が選択できるようにしても構わない。
以上、本発明に係る遊技場管理システムを実施形態に基づき説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全ての遊技場管理システムを権利範囲として包摂するものである。
1 遊技機
2 遊技媒体貸出装置
22 表示操作部
201 制御部
202 記憶部
203 紙幣識別部
204 カード処理部
207 外部通信部
208 遊技機通信部
3 管理装置
31 計数玉管理手段
32 預り金管理手段
33 動作管理手段
34 サービス提供手段
35 寄付管理手段
4 賞品交換POS
5 精算機
6 場内ネットワーク
PP 遊技場
2 遊技媒体貸出装置
22 表示操作部
201 制御部
202 記憶部
203 紙幣識別部
204 カード処理部
207 外部通信部
208 遊技機通信部
3 管理装置
31 計数玉管理手段
32 預り金管理手段
33 動作管理手段
34 サービス提供手段
35 寄付管理手段
4 賞品交換POS
5 精算機
6 場内ネットワーク
PP 遊技場
Claims (8)
- 遊技場に設置されて所定の遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に対応付けて設置され前記遊技媒体を遊技客に貸し出す処理が可能な遊技媒体貸出装置と、前記遊技機および前記遊技媒体貸出装置を含む前記遊技場内の諸装置に対する管理が可能な管理装置と、を含む遊技場管理システムであって、
前記遊技媒体貸出装置は、
少なくとも、遊技客が所持する有価価値を消費して、前記遊技機での遊技に供し得る前記遊技媒体を貸し出す処理を行う遊技媒体貸出手段と、
遊技客が所持する前記遊技媒体を計数した計数玉を、当該遊技客が所持する記録媒体に記録された特定情報と紐付けて記憶する処理を行う計数玉処理手段と、
を備え、
前記計数玉処理手段は、少なくとも、遊技客が前記遊技機での遊技進行により獲得した獲得遊技媒体と、前記遊技媒体貸出手段により貸し出されて未だ遊技に供されていない貸出遊技媒体とを、遊技客が所持する計数玉として扱い、前記獲得遊技媒体の総数として計数した獲得遊技媒体数と、前記貸出遊技媒体の総数として計数した貸出遊技媒体数と、に分けて前記計数玉を記憶する処理を可能とし、
前記管理装置は、
前記遊技媒体貸出装置の前記計数玉処理手段が記憶する前記獲得遊技媒体数と前記貸出遊技媒体数とを、遊技客の前記特定情報と紐付けて記憶する情報管理が可能な計数玉管理手段と、
前記計数玉管理手段により管理されている前記計数玉の範囲内で、当該計数玉の一部または全てと交換可能なサービスを遊技客に提供するサービス提供手段と、
を備えることを特徴とする遊技場管理システム。 - 前記管理装置の前記サービス提供手段は、交換に要する交換遊技媒体数が予め定められた賞品を、前記計数玉管理手段が管理する前記計数玉の前記獲得遊技媒体数から当該賞品に対応する前記交換遊技媒体数を消費して交換する賞品交換サービスを提供可能とし、
前記遊技媒体貸出装置は、遊技客の操作により選択された交換賞品情報を前記管理装置へ送信することで、遊技客が前記賞品交換サービスの提供を受けられるように仲介をするサービス仲介手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技場管理システム。 - 前記管理装置の前記計数玉管理手段は、遊技客が選択した選択交換賞品の前記交換遊技媒体数が当該遊技客の前記計数玉における前記獲得遊技媒体数を超えていた場合、前記計数玉における前記貸出遊技媒体数の一部または全てを前記獲得遊技媒体数に変換することで、前記選択交換賞品と交換可能な前記獲得遊技媒体数を確保する獲得遊技媒体数調整処理が可能であることを特徴とする請求項2に記載の遊技場管理システム。
- 前記遊技媒体貸出装置は、遊技客が所持する前記計数玉における前記貸出遊技媒体数の一部もしくは全てを寄付することを、当該遊技客の操作により受け付け、前記管理装置の前記計数玉管理手段へ報せることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の遊技場管理システム。
- 前記管理装置は、遊技客から募った寄付金を管理する寄付管理手段を備え、
前記管理装置の前記計数玉管理手段は、遊技客が寄付した前記貸出遊技媒体数を前記計数玉における前記貸出遊技媒体数から削除すると共に、削除した前記貸出遊技媒体数に対応する有価価値分の寄付金として前記寄付管理手段の管理に委ねることを特徴とする請求項4に記載の遊技場管理システム。 - 前記遊技媒体貸出装置の前記遊技媒体貸出手段は、前記計数玉処理手段が記憶する前記計数玉を減じて遊技客に前記遊技媒体を貸し出す場合、前記貸出遊技媒体数よりも前記獲得遊技媒体数を優先して減じることを特徴とする請求項1~請求項5の何れか1項に記載の遊技場管理システム。
- 前記遊技媒体貸出装置は、前記遊技媒体貸出手段が前記貸出遊技媒体数を減じて遊技客に貸し出した前記遊技媒体の累積数が、予め定めた貸出単位数のn倍(nは任意の整数)を越える毎に貸出信号を前記管理装置へ送信することを特徴とする請求項6に記載の遊技場管理システム。
- 前記管理装置は、前記遊技場内に設置された前記諸装置に対する動作を設定するための設定情報を生成し、対応する前記諸装置に対して前記設定情報を送信することで前記諸装置の動作を管理する動作管理手段を備え、
前記動作管理手段は、前記計数玉処理手段が行う動作を、前記獲得遊技媒体数と前記貸出遊技媒体数とを分離して記憶する分離計数処理動作、または前記獲得遊技媒体数と前記貸出遊技媒体数とを合算して記憶する合算計数処理動作の何れか一方に切り替える前記設定情報を生成し、前記遊技媒体貸出装置に送信することを特徴とする請求項1~請求項7の何れか1項に記載の遊技場管理システム。
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