本発明は、支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する遊技媒体貸出システムおよび記録媒体の精算をおこなう記録媒体精算装置に関し、特に、記録媒体の発行、処理並びに精算に係る装置を大幅に変更することなく、消費税取得に伴って生じ得る残高の端数に効率良く対応することができる遊技媒体貸出システムおよび記録媒体精算装置に関する。
従来、パチンコ店では、店内に配設されたカード発行機によりプリペイドカードに有価価値(投入金額若しくは度数)を価値付けるとともに、このプリペイドカードをパチンコ台に併設されたカードユニットで受け付けてパチンコ玉をパチンコ台に供給するカードシステムが導入されている。また、かかるプリペイドカードに残額若しくは残度数がある場合には、このプリペイドカードをカード精算機に投入することで、残額の精算を受けることもできる(特許文献1等を参照)。
ここで、上記カード発行機では、通常は紙幣のみを受け付け可能としており、1000円、2000円、3000円、5000円、10000円(上限は10000円)を価値付けられたプリペイドカードを発行するのが一般的である。
また、上記カードユニットでは、通常は100円単位での玉貸しが可能であり、例えば遊技客がカードユニットにプリペイドカードを投入して100円の玉貸し操作をおこなうと、25個のパチンコ玉がパチンコ台に投出されることになる。なお、カードユニットに投入したプリペイドカードの残額若しくは残度数が残り少なくなった場合を考慮して、カードユニットに貨幣を追加入金すると、プリペイドカードに新たな金額若しくは度数を追加できるカードシステムが導入されることが多い。
さらに、上記カード精算機は、設置される遊技店と設置されない遊技店が混在しているのが実情であり、たとえカード精算機が設置された場合であっても、100円以上の硬貨若しくは紙幣による返金しかおこなわない。プリペイドカードに価値づけられた残金若しくは残度数は、100円単位でおこなわれるためである。
しかしながら、上記カードシステムでは、消費税の徴収に効率良く対応できないという問題がある。具体的には、プリペイドカードによる遊技媒体貸出時、該貸出遊技媒体数に対応する金額に対する消費税を徴収しようとすると、1度数(100円)の玉貸を行なう度に5%の消費税相当額(5円)を回収する必要があるため、カードシステムで1度数当たり105円の残高を減算する処理を行わなければならない。これにより、例えば、10000円のプリペイドカードを用いた各回の玉貸終了時の残額パターン(105円ずつ減少)は、10000円→9895円→9790円→9685円→…となり、プリペイドカードには、100円以下の端数残高(以下、単に「端数」と言う)が残ることとなる。
ここで、カードユニット(若しくはパチンコ台)の玉投出機構がプリペイドカードの端数に対応するパチンコ玉(例えば10個)を投出できれば問題ないが、通常は、かかる玉投出機構は25個単位の玉貸ししか行うことができず、結果的にプリペイドカードの端数分の玉貸しは行えないのが実情である。なお、全国には膨大な数のカードユニット(若しくはパチンコ台)が実運用されているため、これら全てのカードユニット(若しくはパチンコ台)の玉投出機構を1個単位の玉貸しを行えるよう機能変更することは事実上不可能である。
加えて、カード精算機で端数分を精算しようとした場合に、カード精算機に、100円未満の硬貨を払い出す硬貨払出機構を設ければ、上記端数の精算が可能になるが、かかるカード精算機に100円未満の硬貨払出機構を設けることとすると、(1)新たな硬貨払出機構の追加によりカード精算機がコストアップしてしまう、(2)カード精算機内部のスペースが限られているので、複数種類(1円、5円、10円、50円)の硬貨払出機構を搭載することが現実には難しい、(3)ただでさえ貨幣の補充や回収が煩雑であるにも係わらずその負担がさらに増加してしまう、(4)端数を精算する必要性が機会が累増するためカード精算機の台数を増やさざるを得ず遊技店の負担が増してしまう等の問題点が生ずる。
また、遊技者の立場から言えば、たとえ消費税分を上乗せしてプリペイドカードを販売することとしても、硬貨が足らない場合には多くの釣り銭を受け取らねばならないし、端数分の精算をカード精算機でおこなえたとしても、小銭(硬貨)を余り持ちたがらない遊技客が多いため、必ずしもサービス向上にはつながらない。
以上のことから、従来は、消費税分を遊技店側で負担する内税方式を採らざるを得ないのが実情であり、既存のカード発行機、カードユニットおよびカード精算機などの大幅に変更することなく、いかにして効率良く消費税を徴収するかが極めて重要な課題となっている。なお、かかる課題はパチンコ以外のスロットや他の遊技機を利用する場合にも共通する課題である。
この発明は、上記課題(問題点)に鑑みてなされたものであり、記録媒体の発行、処理並びに精算に係る装置を大幅に変更することなく、消費税取得に伴って生じ得る残高の端数に効率良く対応することができる遊技媒体貸出システムおよび記録媒体精算装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、支払った金額分が関連付けられた有価価値から遊技機で貸し出した遊技媒体分の有価価値を減算した記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算装置であって、複数の記録媒体を受け付けた際に、各記録媒体に関連付けられた残高を合算する残高合算手段と、前記残高合算手段により合算された合算額を精算処理する精算処理手段と、前記精算処理手段により精算可能分の貨幣を投出し、精算できない端数を前記複数の記録媒体の一つに関連付けて返却処理する端数処理手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記精算処理手段により精算できない端数を前記複数の記録媒体の一つに関連付けて返却処理する端数処理手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記精算処理手段により精算できない端数分の遊技媒体を投出する遊技媒体投出手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明は、支払われた金額分の有価価値が関連付けられた記録媒体を発行する記録媒体発行装置と、前記記録媒体を受け入れて該記録媒体に関連付けられた残高から貸し出した遊技媒体数分の有価価値を減算して残高を更新する記録媒体処理装置と、前記記録媒体を受け入れて該記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算装置とを有する遊技媒体貸出システムであって、複数の記録媒体を受け付けた際に、各記録媒体に関連付けられた残高を合算する残高合算手段と、前記残高合算手段により合算された合算額を前記複数の記録媒体の一つに関連付けて返却処理する処理手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の記録媒体を受け付けた際に、各記録媒体に関連付けられた残高を合算し、合算した合算額のうちの記録媒体精算装置により精算可能分の貨幣を投出し、記録媒体精算装置により精算できない端数を複数の記録媒体の一つに関連付けて返却処理するよう構成したので、残高が存在する複数の記録媒体が存在する場合に、これらを合算して精算するとともに、精算できない端数を記録媒体に関連付けて返却することができる。特に、消費税徴収をおこなう場合には、端数を有する記録媒体が数多く存在する可能性が高くなるため、端数を無駄にするという遊技客の不利益を解消することができる。
また、本発明によれば、精算できない端数を複数の記録媒体の一つに関連付けて返却処理するよう構成したので、精算不可能分についても記録媒体の一つに残置することができるため、遊技客による残高の把握が容易になるとともにT/C10の残高管理が容易になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、精算できない端数分の遊技媒体を投出するよう構成したので、精算不可能分についても記録媒体として遊技客に返却できるため、全ての有価価値を遊技客が有効に利用することができる。
また、本発明によれば、複数の記録媒体を受け付けた際に、各記録媒体に関連付けられた残高を合算し、合算した合算額を複数の記録媒体の一つに関連付けて返却処理するよう構成したので、残高が存在する複数の記録媒体が存在する場合に、これらを合算して一カード化し、もって遊技客の円滑な遊技に寄与することができる。特に、消費税徴収をおこなう場合には、端数を有する記録媒体が数多く存在する可能性が高くなるため、端数を無駄にするという遊技客の不利益を解消することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体貸出システムおよび記録媒体精算装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、ここでは本発明をパチンコ遊技に適用した場合を示すこととする。
まず、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体構成について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、この遊技媒体貸出システムは、遊技用記録媒体であるプリペイドカード5に対応付けて有価価値(残高)の管理を行なう管理装置10と、現金などによる所定の購入操作に基づき、管理装置10と通信して購入金額分の有価価値を残高として対応付けた後にプリペイドカード5を発行する処理を行うカード発行機20と、「島」と呼ばれるグループ毎に設置される複数の遊技機45に対応して配設され、プリペイドカード5を受け入れて対応する遊技機45の遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出す処理を行い、その際、該プリペイドカード5に対応して管理される残高から遊技機45に対して貸出された遊技媒体数分の価値を減算して残高の更新処理を行うカード処理ユニット40と、プリペイドカード5を受け入れ、該プリペイドカード5に対応付けられている残高に対応する現金を払い出す精算処理を行うカード精算機50と、島構成要素(カード処理ユニット40や遊技機45等)の制御を司る島コントローラ60とをローカル・エリア・ネットワーク(LAN)70を介して通信可能に接続して構成される。
管理装置10は、遊技システム全体を制御統括するコントローラ(ターミナル・コントローラ:以下、「T/C」と言う)であり、例えば、図2に示すように、制御部であるCPU11、ハードディスクなどの記憶装置12、動作プログラム等を記憶するメモリ13、マウスやキーボード等の入力装置14、CRT等の表示装置15、LAN70を介してカード発行機20、カード処理ユニット40、カード精算機50等の被管理装置との通信を行う通信インタフェース(I/F)部16を備えたPC(パーソナル・コンピュータ)等の情報処理端末により構成される。
T/C10のメモリ13には、プリペイドカードのカードIDごとにその残高を管理するプリペイドカード管理テーブル131と、端数の金額単位を記憶する設定記憶領域132とが記憶されている。この設定記憶領域13は、パチンコ玉の貸出単位額(100円)に消費税(5%)を加算した消費税内包貸出単位額(105円=1度数)を記憶しており、この設定記憶領域13に記憶したデータは消費税が変更されたような場合に適宜更新することができる。
プリペイドカード管理テーブル131は、図3に示すように、カードID毎に、発行日時、発行金額及び残高などの各種データが記憶されている。発行金額の欄には、当該プリペイドカード5を購入する際に遊技客が支払った購入額が登録されており、残高には残りの金額が登録される。例えば、発行金額10000円のプリペイドカードを購入した場合は、残高には10000円が登録されることになる。
T/C10は、上記プリペイド管理テーブル131に記憶された有価価値管理情報を用いて、対応するプリペイドカード5に記録された識別データ(カードID)に対応する残高を管理している。この有価価値管理情報の内容は、遊技者による遊技中、あるいは、遊技の終了時に適宜更新される。一方、プリペイドカード5は、カード発行機20にて貨幣などを受け入れて発行される紙製の磁気記録カードである。
遊技客が、プリペイドカード5を購入するために、カード発行機20に貨幣を投入して所定の発行操作を行うと、プリペイドカード5に所定事項が印字・記録されて該プリペイドカード5が発行される。この時、カード発行機20からT/C10にプリペイドカード5のカードID、発行金額などが送出され、T/C10のプリペイドカード管理テーブル131(図3参照)に有価価値(発行金額に対応する残額)等がカードIDに対応付けられて書き込まれ、該プリペイドカード5がカード処理ユニット40などで使用可能になる。
カード処理ユニット40は、各遊技機45間(台間)にそれぞれ配設されており、遊技機45が備える玉投出機構と連携してパチンコ玉の貸し出しを行う。このカード処理ユニット40の前面パネルには、紙幣投入口、硬貨投入口、カード挿入口、金額表示部などが設けられており、遊技機45には、度数表示部、貸出ボタンなどが設けられている。
遊技者は、予め、カード処理ユニット40にプリペイドカード5(場合によっては、さらに現金)を投入するとともに、必要に応じて貸出単位(1回の貸出操作により貸し出される度数)を設定しておく。そして、遊技者が貸出ボタンを操作すると、玉投出機構が作動し、遊技機45の上皿へと貸出単位分のパチンコ玉が投出される。この投出代金は、カードの識別データに対応して予め登録されている価値情報から減算される。
カード処理ユニット40にプリペイドカード5が装填された状態で、貨幣が直接投入された場合には、貨幣を受け入れて、プリペイドカード5に残高を追加することも可能である。遊技者は、このようにして貸し出された玉を用いて、遊技機45において遊技を行う。
遊技終了後、カード処理ユニット40から抜き出したプリペイドカード5に残高がある場合、遊技客は、希望により残高をカード精算機50により精算することができる。遊技客が精算を希望するプリペイドカード5をカード精算機50に挿入すると、カード精算機50は該プリペイドカード5からカードIDを読み取り、該読み取ったカードIDをキーにT/C10に残高の問合せを行なう。
その後、カード精算機50は、T/C10がカード精算機50からの問合せのあったカードIDに対応する残高をプリペイドカード管理テーブル131から検索してカード精算機50に応答情報として送出するのに合わせて、該応答情報を受信し、その後、当該残高に相当する現金を精算金として払い出し、払い出し(精算)終了後、プリペイドカード5を遊技客に返却する。尚、精算済みのプリペイドカード5は必ずしも返却する必要は無く、カード精算機50の内部に回収するようにしても良い。また、このカード精算機50では、プリペイドカード5の残額精算は千円札と100円硬貨で行われるものとする。
次に、プリペイドカードの発行〜精算までの処理についてさらに具体的に説明する。図4は、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
図4に示すように、遊技客がカード発行機20に現金を投入して所望の金額ボタンを押下すると(図中に示す1)、カード発行機20からT/C10に対してカード登録依頼がなされ(図中に示す2)、プリペイドカード管理テーブル131に登録がなされたならば(図中に示す3)、登録完了がカード発行機20に対して通知され(図中に示す4)、これに応答してプリペイドカードが発行される(図中に示す5)。
具体的には、遊技客を10000円を投入して10000円カードの発行ボタンを押下すると、例えばプリペイドカード管理テーブル131のカードID00298の欄に発行金額10000円、残額10000円が書き込まれた後に、このカードID00298が書き込まれたプリペイドカードが発行される。
カード発行機20から発行されたプリペイドカードは、遊技機45に併設されたカード処理ユニット40に挿入され(図中に示す6)、遊技台の玉/メダル貸出ボタンが押下されると(図中に示す7)、カード処理ユニット40とT/C10の間でデータ授受がなされてプリペイドカード管理テーブル131の残高を更新しつつ(図中に示す8)パチンコ玉が遊技台の上皿に投出される。例えば、1回の貸出ボタン操作で5度数分の玉貸しをおこなう場合には、1回の貸出ボタン操作がなされた際に、カードID00298の残高が9475円となる。
ここで、遊技機45のカード返却ボタンが押下されたならば、カード処理ユニット40はプリペイドカードを返却し(図中に示す9)、他の遊技機での遊技若しくは精算が可能となる。ただし、プリペイドカードの残高が0になると、プリペイドカードをカード処理ユニット40の内部に取り込むか又は精算できない使用済みのプリペイドカードとして装置外へと排出される。
その後、このプリペイドカードがカード精算機50に挿入されると(図中に示す10)、カード精算機50はT/C10に対して残高を問い合わせ(図中に示す11)、T/C10のプリペイドカード管理テーブル131に登録した残高をカード精算機50へと通知し(図中に示す12)、カード残高、精算額、精算後のカード残高を表示パネルに表示し(図中に示す13)、精算ボタンが押下されると(図中に示す14)、表示パネルに表示した精算額を出金するとともに精算できない端数の残高をプリペイドカードに関連付けて投出する(図中に示す15)。
例えば、カードID00298のプリペイドカード(残高3564円)が挿入された場合には、カード残高3595円、精算額3500円、精算後のカード残高95円という表示をおこない、精算ボタンが押下されると、3500円を出金するとともに残金95円分を関連付けたプリペイドカードを投出する。
ここで、本実施例1の特徴は、このプリペイドカードを翌日以降にカード発行機20に投入して現金を追加入金することにより、カード残高を更新することができる点にある(図中に示す16)。例えば10000円を追加入金した場合には、残高は10095円に更新されることになる。これにより、消費税徴収に伴う端数を有効利用することができ、遊技客の不利をなくすことができる。
通常、プリペイドカードは当日利用を大前提とする場合が多く、たとえ残高が存在したとしても翌日以降にその残高を持ち越すことはできない。残高があればカード精算機50を用いて精算すれば足りるからである。しかしながら、消費税を徴収する場合には、遊技客にとって本来意図しない端数が残高として残ってしまう。かかる端数を再利用できないこととすると、消費税徴収に伴う不利益が遊技客にもたらされることになるので、ここでは端数を有するプリペイドカードを持ち越し可能としているのである。
なお、ここでは説明の便宜上、カード発行機20で端数を持ち越したプリペイドカードに追加入金する場合を示したが、カード処理ユニット40においても同様に端数を持ち越したプリペイドカードに追加入金することができる。
次に、図1に示したカード発行機20の処理手順について具体的に説明する。図5は、図1に示したカード発行機20の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは説明の便宜上、既存のプリペイドカードの挿入についての説明を省略するが、入金受け付けと並行して既存のプリペイドカードの受け付けがなされる。ただし、既存のプリペイドカードを挿入しなくとも新規プリペイドカードを発行することができる。
同図に示すように、当初カード発行機10は入金待ちの状態にあり(ステップS101)、入金を受け付けたならば(ステップS101肯定)、入金金額を表示する(ステップS102)。ここで、入金受け付けと並行してプリペイドカードを受け付けたか否か確認し(ステップS103)、既存のプリペイドカードを受け付けていない場合には(ステップS103否定)、内部に保持した新規プリペイドカードを発行するとともに(ステップS104)、このプリペイドカードに選択金額分を価値づけて(ステップS105)、価値づけたプリペイドカードを排出し(ステップS112)、釣り銭を払い出す(ステップS113)。
すなわち、かかる場合は、新規プリペイドカードを発行する通常の発行処理であり、プリペイドカードへの金額の価値付けはT/C10で行い、T/C10ではこれを残額としてカードIDに対応付けてプリペイド管理テーブル131で管理することになる。
一方、プリペイドカードを受け付けた場合には(ステップS103肯定)、そのカード発行日が当日であるか否かを確認する(ステップS106)。原則として、プリペイドカードは当日でないと使用できないからである。なお、カード発行日時は図3に示したようにプリペイドカード管理テーブル131に登録されているので、カード発行機20はT/C10にカード発行日時を確認する。
その結果、受け付けたプリペイドカードの発行日が当日である場合には(ステップS106肯定)、カード残高をT/C10から取得して表示部に表示するとともに(ステップS110)、入金金額と残高を合算した合算金額をプリペイドカードに価値付け(ステップS111)、価値づけたプリペイドカードを排出し(ステップS112)、釣り銭を払い出す(ステップS113)。
これに対して、受け付けたプリペイドカードの発行日が当日でない場合には(ステップS106否定)、カード残高が端数であるか否かを確認する(ステップS107)。本実施例1では、カード残高が端数である場合にのみ翌日使用を可能としているからである。その結果、カード残高が端数である場合には(ステップS110肯定)、ステップS110以降の処理すなわち発行日が当日の場合と同様の処理を行い(ステップS110〜S113)、カード残高が端数でない場合には(ステップS110否定)、表示部に使用不可と表示して(ステップS108)、挿入されたプリペイドカードを排出するとともに(ステップS109)、ステップS104以降の処理すなわちプリペイドカードを受け付けていない場合と同様の処理を行う(ステップS104〜S113)。なお、ここではカード発行機20の処理について説明したが、カード処理機40で同様の追加入金を行うことも可能である。
上述してきたように、本実施例1では、カード発行機20又はカード処理機40が、残高の使用有効期限を途過するとともにカード精算機50で精算できない端数の残高が関連付けられたプリペイドカードを受け付け、追加入金を受け付けた際に、受け付けられたプリペイドカードに追加入金額分の残高を追加するよう構成したので、消費税徴収に伴って生じる端数分を有効期限を途過した場合に持ち越すことができる。特に、プリペイドカードの場合には当日しか利用できない場合が多いため、通常残高を持ち越すことはできないが、かかる構成により消費税徴収に伴って生じる端数分を通常残高と別扱いにして取り扱うことで、遊技客の不利を解消することができる。
また、端数として取り扱われる上限金額を設定記憶部132に記憶しておき、記憶した上限金額を任意に設定変更可能となるよう構成したので、カード精算機50が収納する貨幣金種に応じて持ち越せる金額を柔軟に変更することができる。
ところで、上記実施例1では、1枚のプリペイドカードを取り扱う場合について説明したが、ここでは複数枚のプリペイドカードを取り扱う場合について説明する。なお、システム構成等は上記実施例1と同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
図6は、本実施例2に係る遊技媒体貸出システムにおける複数のプリペイドカードの合算処理を説明するための説明図である。なお、ここでは説明の便宜上、同一のカード精算機50を2台に分けて図示説明している。
図6に示すように、遊技客がカード精算機50に1枚目のプリペイドカードを挿入すると(図中に示す1)、カード精算機50からT/C10に対して残高問い合わせが行われ(図中に示す2)、T/C10はプリペイドカード管理テーブル131を参照して当該プリペイドカードの残高をカード精算機50に送り返し(図中に示す3)、カード精算機50の表示部上にこれまでの残高を表示する(図中に示す4)。例えば、当該プリペイドカードの残高が1064円である場合には、この残高がカード精算機50の表示部上に表示される。
遊技客が、引き続き2枚目のプリペイドカードをカード精算機50に挿入すると(図中に示す5)、同様にカード精算機50からT/C10に対して残高問い合わせが行われ(図中に示す6)、その残高がカード精算機50に送信され(図中に示す7)、1枚目のプリペイドカードの残高(これまでの残高)と2枚目のプリペイドカードの残高(追加したカードの残高)と合計の残高が表示部に表示される(図中に示す8)。例えば、1枚目のプリペイドカードの残高が1065円であり、2枚目のプリペイドカードの残高が55円である場合には、その両者の残高と合計残高1120円が表示される。
ここで、遊技客が精算ボタンを押下すると(図中に示す9)、合算金額がT/C10に送信され(図中に示す10)、一旦2枚目のプリペイドカードに合算金額が価値づけられるとともに1枚目のプリペイドカードの残高が0とされ(図中に示す11)、この2枚目のプリペイドカードの合算金額が精算処理され、精算可能な1100円の貨幣が出金されるとともに、残高20円分が価値付けられた2枚目のプリペイドカードが排出される(図中に示す12)。なお、複数のプリペイドカードのいずれに合計金額を価値づけても良く、また、価値付けられなかったプリペイドカードを装置内に収納するか外部に排出するかはいずれでも良い。
すなわち、本実施例2の特徴は、複数のプリペイドカードの残高を合算処理できる点にその特徴がある。遊技機で遊技を行う際に複数のプリペイドカードに残高が生ずる可能性がある点を考慮したものである。特に、消費税を徴収する場合には、1度数が105円(100円+消費税5%分)という金額になるため、精算できない端数を有する複数のプリペイドカードが生ずる可能が高い。この際、これら単体では精算できないが、これらをまとめると精算し得る場合があるため、精算機で合算する価値は高い。
次に、本実施例2に係るカード精算機50の処理手順について説明する。図7は、本実施例2に係るカード精算機50の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まずカード精算機50はプリペイドカードの受け付け待ちの状態にあり(ステップS201)、プリペイドカードを受け付けたならば(ステップS201肯定)、発行日が当日であるか否かを判定する(ステップS202)。原則として、発行日が当日でなければプリペイドカードを精算することができないからである。
そして、発行日が当日でなければ(ステップS202否定)、プリペイドカードの残高が端数であるか否かを確認する(ステップS203)。プリペイドカードの残高が端数の場合には、例外的に翌日以降の使用を認めて、消費税徴収に伴う遊技客の不利益を緩和するためである。
その結果、発行日が当日でなく残高が端数でない場合には(ステップS202否定、S203否定)、精算不可を表示するとともに(ステップS204)、精算不可のプリペイドカードを排出する(ステップS205)。一方、発行日が当日である場合(ステップS202肯定)若しくは発行日が当日ではないが残高が端数である場合(ステップS203否定、S203肯定)には、残高を合算し(ステップS206)、合算金額を表示部に表示する(ステップS207)。すなわち、1枚目のプリペイドカードを受け付けた場合には、表示される合算金額はプリペイドカードの残高そのものであり、2枚目のプリペイドカードを受け付けた場合には、表示される合算金額は1枚目と2枚目の合算金額となる。
そして、プリペイドカードを追加受け付けするか否かを判定し(ステップS208)、追加受け付けする場合には(ステップS208肯定)ステップS202に移行して同様の処理を行う。
これに対して、プリペイドカードを追加受付することなく精算指示を受け付けた場合には(ステップS208否定、S209肯定)、合算金額のうち精算可能分を精算して該当する貨幣を払い出し(ステップS210)、端数金額をいずれかのプリペイドカードに価値付けて(ステップS211)、価値付けたプリペイドカードを排出する(ステップS214)。
一方、プリペイドカードの返却指示を受け付けた場合には(ステップS212肯定)、合算金額をいずれかのプリペイドカードに価値付け(ステップS213)、価値付けたプリペイドカードを排出する(ステップS214)。なお、ここでは返却指示を受け付けた場合に残高を合算することとしたが、残高の合算を行うことなくそのまま返却しても構わない。
上述したように、本実施例2では、カード精算機50に複数のプリペイドカードが挿入された場合に、これらの残高を合算して精算するよう構成したので、複数のプリペイドカードを一挙に精算できるという効果が得られる。特に、消費税徴収をおこなう場合には、端数を有する記録媒体が数多く存在する可能性が高くなるため、端数を無駄にするという遊技客の不利益を解消することができる。この際、精算できない端数を複数のプリペイドカードの一つに関連付けて返却処理するよう構成したので、精算不可能分についてもプリペイドカードの一つに残置することができるため、遊技客による残高の把握が容易になるとともにT/C10の残高管理が容易になるという効果を奏する。
なお、上記一連の説明では、端数分をプリペイドカードに価値付けて返却することとしたが、精算できない端数分のパチンコ玉を投出するよう構成することもできる。かかる場合には、精算不可能分についてもパチンコ玉として遊技客に返却できるため、全ての有価価値を遊技客が有効に利用することができる。また、遊技客が獲得したパチンコ玉を貯玉できる貯玉システムを採用する場合には、かかる精算不可能分を貯玉するよう構成することもできる。
ところで、上記実施例2では、複数のプリペイドカードを合算して精算する場合について説明したが、精算を伴わずに合算のみを行ってプリペイドカードに合算金額を価値付けることもできるため、ここでは精算を伴わずに合算のみを行う場合について説明する。なお、システム構成等は上記実施例1と同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
図8は、本実施例3に係る遊技媒体貸出システムにおける複数のプリペイドカードの合算処理を説明するための説明図である。なお、ここでは説明の便宜上、同一のカード精算機50を2台に分けて図示説明している。
図8に示すように、遊技客がカード精算機50に1枚目のプリペイドカードを挿入すると(図中に示す1)、カード精算機50からT/C10に対して残高問い合わせが行われ(図中に示す2)、T/C10はプリペイドカード管理テーブル131を参照して当該プリペイドカードの残高をカード精算機50に送り返し(図中に示す3)、カード精算機50の表示部上にこれまでの残高を表示する(図中に示す4)。例えば、当該プリペイドカードの残高が65円である場合には、この残高がカード精算機50の表示部上に表示される。
遊技客が、引き続き2枚目のプリペイドカードをカード精算機50に挿入すると(図中に示す5)、同様にカード精算機50からT/C10に対して残高問い合わせが行われ(図中に示す6)、その残高がカード精算機50に送信され(図中に示す7)、1枚目のプリペイドカードの残高(これまでの残高)と2枚目のプリペイドカードの残高(追加したカードの残高)と合計の残高が表示部に表示される(図中に示す8)。例えば、1枚目のプリペイドカードの残高が65円であり、2枚目のプリペイドカードの残高が55円である場合には、その両者の残高と合計残高120円が表示される。
ここで、遊技客が合算ボタンを押下すると(図中に示す9)、合算金額がT/C10に送信され(図中に示す10)、2枚目のプリペイドカードに合算金額が価値づけられるとともに1枚目のプリペイドカードの残高が0とされ(図中に示す11)、この2枚目のプリペイドカードが排出される(図中に示す12)。なお、複数のプリペイドカードのいずれに合計金額を価値づけても良く、また、価値付けられなかったプリペイドカードを装置内に収納するか外部に排出するかはいずれでも良い。
すなわち、本実施例3の特徴は、上記実施例2と同様に複数のプリペイドカードの残高を1枚のプリペイドカードに合算処理できる点にその特徴がある。遊技機で遊技を行う際に複数のプリペイドカードに残高が生ずる可能性がある点を考慮したものである。特に、消費税を徴収する場合には、1度数が105円(100円+消費税5%分)という金額になるため、精算できない端数を有する複数のプリペイドカードが生ずる可能が高い。この際、これら単体では精算できないが、これらをまとめると精算し得る場合があるため、精算機で合算する価値は高い。
次に、本実施例3に係るカード精算機50の処理手順について説明する。図9は、本実施例3に係るカード精算機50の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まずカード精算機50はプリペイドカードの受け付け待ちの状態にあり(ステップS301)、プリペイドカードを受け付けたならば(ステップS301肯定)、発行日が当日であるか否かを判定する(ステップS302)。原則として、発行日が当日でなければプリペイドカードを精算することができないからである。
そして、発行日が当日でなければ(ステップS302否定)、プリペイドカードの残高が端数であるか否かを確認する(ステップS303)。プリペイドカードの残高が端数の場合には、例外的に翌日以降の使用を認めて、消費税徴収に伴う遊技客の不利益を緩和するためである。
その結果、発行日が当日でなく残高が端数でない場合には(ステップS302否定、S303否定)、精算不可を表示するとともに(ステップS304)、精算不可のプリペイドカードを排出する(ステップS305)。一方、発行日が当日である場合(ステップS302肯定)若しくは発行日が当日ではないが残高が端数である場合(ステップS303否定、S303肯定)には、残高を合算し(ステップS306)、合算金額を表示部に表示する(ステップS307)。すなわち、1枚目のプリペイドカードを受け付けた場合には、表示される合算金額はプリペイドカードの残高そのものであり、2枚目のプリペイドカードを受け付けた場合には、表示される合算金額は1枚目と2枚目の合算金額となる。
そして、プリペイドカードを追加受け付けするか否かを判定し(ステップS308)、追加受け付けする場合には(ステップS308肯定)ステップS302に移行して同様の処理を行う。
これに対して、プリペイドカードを追加受付することなく精算指示を受け付けた場合には(ステップS308否定、S309肯定)、合算金額のうち精算可能分を精算して該当する貨幣を払い出し(ステップS310)、端数金額をいずれかのプリペイドカードに価値付けて(ステップS311)、価値付けたプリペイドカードを排出する(ステップS315)。
一方、プリペイドカードの合算指示を受け付けた場合には(ステップS312肯定)、合算金額をいずれかのプリペイドカードに価値付け(ステップS313)、価値付けたプリペイドカードを排出する(ステップS315)。必ずしも精算を伴った合算を行うとは限らず、精算を前提としない合算も価値があるからである。なお、返却指示を受け付けた場合には(ステップS314肯定)、そのまま残高の合算を行うことなくプリペイドカードを返却する(ステップS315)。
上述したように、本実施例3では、カード精算機50に複数のプリペイドカードが挿入された場合に、これらの残高を合算して一枚のプリペイドカードとして返却するよう構成したので、複数のプリペイドカードの残高をまとめることができるという効果を奏する。特に、消費税徴収をおこなう場合には、端数を有する記録媒体が数多く存在する可能性が高くなるため、端数を無駄にするという遊技客の不利益を解消することができる。
なお、上記一連の説明では、カード精算機50で複数のプリペイドカードの合算を行って一枚のプリペイドカードにまとめる場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード処理機40やカード発行機20でこれらの合算を行うこともできる。
本発明にかかる遊技媒体貸出システムおよび記録媒体精算装置は、プリペイドカードシステム等を導入するパチンコ店などの遊技店が遊技客から消費税を徴収する場合に有用である。
本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示した管理装置(T/C)の構成を示すブロック図である。
図1に示したプリペイドカード管理テーブルの一例を示す図である。
本実施例1に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
図1に示したカード発行機の処理手順を示すフローチャートである。
本実施例2に係る遊技媒体貸出システムにおける複数のプリペイドカードの合算処理を説明するための説明図である。
本実施例2に係るカード精算機の処理手順を示すフローチャートである。
本実施例3に係る遊技媒体貸出システムにおける複数のプリペイドカードの合算処理を説明するための説明図である。
本実施例3に係るカード精算機の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
5 プリペイドカード
10 管理装置(ターミナル・コントローラ:T/C)
11 制御部(CPU)
12 記憶装置
13 メモリ
131 プリペイドカード管理テーブル
132 設定記憶領域
14 入力装置
15 表示装置
16 通信インタフェース(I/F)部
20 カード発行機
40 カード処理ユニット
45 遊技機
50 カード精算機
60 島コントローラ
70 LAN