以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体貸出装置および遊技媒体貸出システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る再プレイの乗り入れ手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る再プレイの乗り入れ手法を適用した遊技媒体貸出装置および遊技媒体貸出システムについての実施例を図2〜図12を用いて説明することとする。
また、以下では、遊技媒体貸出装置が、遊技店のパチンコ機やパチスロ機といった遊技台に併設される台間装置あるいは遊技島の島端に設置される再プレイ機である場合について説明する。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る再プレイの乗り入れ手法の概要について、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る再プレイの乗り入れ手法の概要を示す図である。
なお、同図には、4円レートおよび1円レートの貯玉をそれぞれ1000玉ずつ有する会員nが、4円レートの遊技島である4円コーナー300aの台間装置10aにおいて再プレイの乗り入れを行う場合の例を示している。また、同図の(A)には、従来技術に係る再プレイの乗り入れ手法の概要を、同図の(B)には、本発明に係る再プレイの乗り入れ手法の概要を、それぞれ示している。
図1の(A)に示したように、従来技術に係る再プレイの乗り入れ手法では、会員nが4円コーナー300aの台間装置10aにおいて再プレイを開始した場合(同図の(A−1)参照)、台間装置10aは、会員nが有するすべての貯玉口座を対象として再プレイ可能な遊技媒体数を、4円レートで換算した合計値として操作・表示部54aに対して表示していた。
すなわち、台間装置10aは、遊技店側が管理装置(図示せず)などにあらかじめ設定した貯玉口座の引き落とし順序にしたがって、自動的に再プレイの乗り入れを行っていた(同図の(A−2)参照)。したがって、会員nは、再プレイ中にどのレートの貯玉口座からどれだけ引き落とされているのかを認識しにくく、たとえば、1円レートの貯玉を再プレイに使用したくない場合にも、誤って1円レートの貯玉まで再プレイに使用しかねないなど、不利益を被ってしまう可能性が高かった。
そこで、図1の(B)に示したように、本発明に係る再プレイの乗り入れ手法では、再プレイ可能な遊技媒体数の表示を、会員nの有する貯玉口座ごとに行うこととした。また、会員nの意向に沿うことができるように、会員nの指示入力にしたがって再プレイの乗り入れを行うこととした。すなわち、再プレイの乗り入れに先立って会員nの了承を得ることとした。
具体的には、会員nが4円コーナー300aの台間装置10aにおいて再プレイを開始した場合(同図の(B−1)参照)、台間装置10aは、自装置レートに該当する4円の貯玉口座についての再プレイ可能な遊技媒体数を、操作・表示部54aに対して表示する(同図の(B−2)参照)。また、台間装置10aは、他のレートの貯玉口座から乗り入れ可能な遊技媒体数を、自装置レート換算値で貯玉口座ごとに操作・表示部54aに対して表示する(同図の(B−2)参照)。
そして、会員nは、再プレイの乗り入れを希望する場合にのみ、台間装置10aの操作・表示部54aから指示入力を行う(同図の(B−2)参照)。このとき、会員nは、乗り入れの際にあらたに引き落とし口座とする貯玉口座を選択することができる。すなわち、台間装置10aは、会員nの選択した貯玉口座のみを引き落とし口座として、再プレイの乗り入れを行う(同図の(B−3)参照)。
このように、台間装置10aは、会員nの指示入力にしたがって再プレイの乗り入れを行うので、会員nは、自身の意向に沿って遊技の娯楽性を享受することが可能となる。また、遊技店側も、会員nの意向に沿うことで会員nの信頼を獲得することができ、会員固定率の向上、ひいては遊技店の稼働率の向上を図ることができる。
以下では、図1を用いて説明した再プレイの乗り入れ手法を適用した遊技媒体貸出装置および遊技媒体貸出システムについての実施例を詳細に説明する。
なお、以下に示す実施例1では、会員が再プレイの途中で乗り入れの指示入力を行う場合について、実施例2では、会員が再プレイの開始に先だって再プレイの引き落とし口座となる貯玉口座を選択する場合について、順次説明する。
また、以下に示す実施例1では、図2を用いて本発明に係る遊技媒体貸出装置が接続されるネットワーク環境を、図3を用いて本発明に係る遊技媒体貸出装置の外観を、図4を用いて本発明に係る遊技媒体貸出装置の構成を、それぞれ説明するが、これらの点については実施例2においても同様であるため、実施例2の説明においては記載を省略する。
また、実際の遊技店の運用では、再プレイの乗り入れに関して、手数料や再プレイ可能な遊技媒体数の制限などが存在する。したがって、厳密には、会員の貯玉口座の残高をすべて再プレイに使用することはできないが、以下の説明においては、貯玉口座の残高をすべて再プレイ可能な遊技媒体として貸し出すことができるものとする。
まず、本発明に係る遊技媒体貸出装置が接続されるネットワーク環境について図2を用いて説明する。図2は、本発明に係る遊技媒体貸出装置および管理装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。
同図に示すように、遊技台100ごとに併設される遊技媒体貸出装置である台間装置10aおよび遊技島ごとに設置される遊技媒体貸出装置である再プレイ機10bは、店舗内LAN(Local Area Network)20などのネットワーク経由で、管理装置200、島コントローラ300、精算機400、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機700といった各装置と接続されている。
ここで、島コントローラ300は、台間装置10aおよび再プレイ機10bが設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、たとえば、管理装置200/台間装置10a間あるいは管理装置200/再プレイ機10b間などの通信データを中継する。
また、同図に示すように、遊技台100、台間装置10a、再プレイ機10bといった遊技島を構成する各装置には、遊技島ごとの所定の貸出レートが設定される。すなわち、同図に示す4円コーナー300aを構成する台間装置10a、再プレイ機10bといった各装置には1玉4円の貸出レートが、また、1円コーナー300bを構成する前述の各装置には1玉1円の貸出レートが、それぞれ設定されることとなる。
また、同図に示すように、管理装置200は、会員の貯玉を管理するデータベース(以下、「DB」と記載する)である貯玉DB201を有している。そして、貯玉DB201は、4円貯玉DB201a、1円貯玉DB201bといった、会員が遊技を行った遊技島の貸出レートごとの貯玉DBによって構成される。なお、貸出レートごとの貯玉DBを、単一の貯玉DB201のレコード項目として構成することとしてもよい。
なお、精算機400は、遊技店の会員に対して配布される会員カードや、非会員の遊技客が利用する一般カードに対応付けられたプリペイド残額に応じた貨幣を払い出す装置である。また、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機700といった各装置は、会員の入会手続きや景品交換などを受け付ける店内カウンタなどに配置される。
次に、図2に示した遊技媒体貸出装置である台間装置10aおよび再プレイ機10bについて、さらに詳細に説明する。図3は、本発明に係る遊技媒体貸出装置の外観図である。なお、同図では、本発明に係る遊技媒体貸出装置の特徴を説明するために必要な構成のみを示しており、装置の外観や構成部品の形状などを限定するものではない。
また、同図の(A)には、台間装置10aの外観図を、同図の(B)には、再プレイ機10bの外観図を、それぞれ示している。なお、同図の(A)には、台間装置10aが併設された遊技台100を破線で示している。
図3の(A)に示すように、台間装置10aは、台間装置10aの装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51aと、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52aと、遊技店の従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部53aとを備えている。
また、台間装置10aは、ディスプレイなどの表示部およびテンキー、情報ボタン、再プレイボタンといった操作部を含んだ操作・表示部54aとを備えている。
また、台間装置10aは、パチンコ玉などの遊技媒体を払い出すノズルを備えた払出部55aと、携帯電話などの携帯端末装置とのデータ送受信を行うリーダライタ部56aとを備えている。ここで、このリーダライタ部56a/携帯端末装置間の通信手段は特に限定する必要はなく、たとえば非接触ICチップを用いることとしてもよいし、赤外線通信を用いることとしてもよい。
さらに、台間装置10aは、会員カードなどのカード状記録媒体を受け付けるとともに、貯玉などが関連付けられたカード状記録媒体の返却口でもあるカード挿入部57aと、遊技客の獲得遊技媒体価値である持玉を計数する計数部58aとを備えている。
また、図3の(B)に示すように、再プレイ機10bは、会員カードなどのカード状記録媒体を受け付けるとともに、貯玉などが関連付けられたカード状記録媒体の返却口でもあるカード挿入部57bと、ディスプレイなどの表示部およびテンキー、情報ボタン、再プレイボタンといった操作部を含んだ操作・表示部54bと、携帯電話などの携帯端末装置とのデータ送受信を行うリーダライタ部56bとを備えている。
また、再プレイ機10bは、パチンコ玉などの遊技媒体を払い出す払出部55bと、払い出された遊技媒体の収納箱の受け台59bとを備えている。
ここで、図3の(A)に示した操作・表示部54aおよび同図の(B)に示した操作・表示部54bについては、構成部品を限定する必要はない。したがって、指やポインティングデバイスなどの押圧感知により入力を受け付け、かつ表示出力も兼ねるタッチパネル式の液晶ディスプレイなどを用いることとしてもよいし、簡素な表示出力を行う7セグメントLEDなどを表示部品として用いることとしてもよい。
なお、本実施例1および後述する実施例2においては、上述したタッチパネル式の液晶ディスプレイを用いて、再プレイの乗り入れに必要な表示や指示入力を行う場合について説明することとする。
次に、本発明に係る遊技媒体貸出装置の構成について図4を用いて説明する。図4は、本発明に係る遊技媒体貸出装置10の構成を示すブロック図である。なお、同図には、遊技媒体貸出装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
まず、遊技媒体貸出装置10の構成について説明する。同図に示すように、遊技媒体貸出装置10は、通信部11と、識別子取得部12と、払出部13と、操作・表示部14と、制御部15と、記憶部16とを備えている。また、制御部15は、管理情報抽出部15aと、乗り入れ指示処理部15bと、表示制御部15cと、払出指示部15dとをさらに備えており、記憶部16は、設定情報16aと、貯玉情報16bとを記憶する。
通信部11は、LAN(Local Area Network)ボードなどの通信デバイスで構成され、図2に示した店舗内LAN20などのネットワーク経由で、管理装置200とのデータ送受信を行う。
識別子取得部12は、遊技媒体貸出装置10と会員の所持する会員カードや携帯電話などの携帯端末装置との間でデータ送受信を行うための入出力デバイスで構成される。かかる識別子取得部12は、会員が挿入する会員カードや会員がかざした携帯電話などから会員識別子を読み取り、読み取った会員識別子を管理情報抽出部15aに対して通知する。
払出部13は、遊技客に対して遊技媒体の払い出しを行うデバイスである。払い出しの指示は払出指示部15dから受け、指示内容に相当する払出処理を行う。
操作・表示部14は、遊技媒体貸出装置10に対する操作を受け付けるボタンなどの入力デバイスと、各種情報を表示するディスプレイなどの出力デバイスとから構成される。なお、本実施例1および後述する実施例2においては、操作・表示部14がタッチパネル式の液晶ディスプレイを含んでおり、再プレイの乗り入れに必要な表示や指示入力受け付けを行うものとする。
ここで、操作・表示部14は、たとえば、会員が行う再プレイの開始(図1の(A−1)および(B−1)参照)や、再プレイの乗り入れ(図1の(B−2)参照)といった再プレイに関する指示入力操作を受け付け、受け付けた指示内容を乗り入れ指示処理部15bに対して通知する。また、表示制御部15cから通知された表示指示内容を、出力デバイスに対して出力する。
制御部15は、図1の(B)に示した、再プレイの開始や再プレイの乗り入れなどの処理を行う処理部である。
管理情報抽出部15aは、通信部11経由で管理装置200から受信した設定情報16aを、記憶部16に対して記憶させる処理を行う処理部である。ここで、設定情報16aを管理装置200から受信する時機については、遊技媒体貸出装置10の設置時や、遊技店の開店前といった所定の時機とすることができる。
また、管理情報抽出部15aは、再プレイの開始の指示入力時に識別子取得部12から通知された会員識別子と関連付けられた貯玉情報を抽出する処理を行う処理部でもある。かかる抽出要求は、管理装置200に対して行い、同装置200から抽出した貯玉情報を通知として受け取る。そして、抽出した貯玉情報を、貯玉情報16bとして記憶部16に対して記憶させる。
乗り入れ指示処理部15bは、操作・表示部14から通知された再プレイの開始や再プレイの乗り入れといった再プレイに関する指示入力内容に基づき、該当するレートの貯玉口座の残高を自装置レートへ換算する処理を行う処理部である。また、乗り入れ指示処理部15bは、かかる換算値を再プレイ可能な遊技媒体数として表示するように、表示制御部15cに対して表示指示を通知する処理部でもある。
また、乗り入れ指示処理部15bは、上述した再プレイに関する指示入力内容に基づき、指示入力に該当するレートの貯玉口座を引き落とし口座として設定する処理部でもある。
また、乗り入れ指示処理部15bは、上述した再プレイに関する指示入力内容に基づき、遊技媒体の払い出しを払出指示部15dに対して指示する処理を行う処理部でもある。なお、かかる遊技媒体の払い出し指示には、引き落とし口座として設定された貯玉口座や所定の払出単位、払出時機などを含むものとする。
さらに、乗り入れ指示処理部15bは、再プレイ中の引き落とし口座として設定された貯玉口座の残高を監視して、かかる残高のニアエンプティを検知する処理を行う処理部でもある。
ところで、かかる残高のニアエンプティの検知結果は、引き落とし口座からの引き落としが可能であるか否かの判定材料となるが、かかる判定材料は、ニアエンプティの検知結果に限定されるものではない。
したがって、たとえば、運用上の制限として、再プレイ可能な遊技媒体数に上限値などを設けた場合には、乗り入れ指示処理部15bは、かかる上限値を上述の判定材料のひとつとする。具体的には、乗り入れ指示処理部15bは、該当する貯玉口座から実際に引き落とした遊技媒体数を計数して、計数した遊技媒体数がかかる上限値を超えないか否かを検知する処理を行うことになる。
なお、以下では、上述の運用上の制限などを考慮せずに、引き落とし口座からの引き落としが不可能である場合を、引き落とし口座残高のニアエンプティが検知された場合に限定して説明することとする。
表示制御部15cは、乗り入れ指示処理部15bから受け取った表示指示の通知に基づき、操作・表示部14に対する表示制御を行う処理部である。具体的には、乗り入れ指示処理部15bが自装置レートへ換算した貯玉口座の残高などを、乗り入れ可能な遊技媒体数として操作・表示部14が表示するように制御を行う(たとえば、図1の(B−2)参照)。
払出指示部15dは、乗り入れ指示処理部15bから受け取った引き落とし口座や所定の払出単位、払出時機などを含む払出指示に基づき、払出部13に対して払い出しを指示する処理を行う処理部である。また、実際の払い出しに応じて、貯玉情報16bに該当する貯玉口座の残高などを更新する処理部でもある。
記憶部16は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、設定情報16aと、持玉情報16bとを記憶する。
設定情報16aは、たとえば、自装置レートやニアエンプティ閾値といった、再プレイの乗り入れに関する設定情報である。かかる設定情報16aは、乗り入れ指示処理部15bによって参照される。
なお、再プレイの乗り入れについては、たとえば、会員が1円レートの遊技島で再プレイを行っている場合には、4円レートの貯玉口座からの乗り入れを許可しないなどの制限が存在する。したがって、かかる制限を、遊技媒体貸出装置10が判定可能な閾値などに数値化して、設定情報16aに格納することとしてもよい。
貯玉情報16bは、会員が有する貸出レートごとの貯玉口座などの情報であり、乗り入れ指示処理部15bによって参照される。また、貯玉情報16bは、払出指示部15dによって更新される。
次に、本実施例1に係る遊技媒体貸出装置10の操作・表示例について、図5を用いて説明する。図5は、実施例1に係る遊技媒体貸出装置10の操作・表示例を示す図である。
なお、上述したように、本実施例1においては、会員が再プレイの途中で乗り入れの指示入力を行う場合について説明しているが、再プレイ機10bが再プレイの途中で乗り入れの指示入力を受け付ける場合は存在しない。したがって、本実施例1においては、遊技媒体貸出装置10が台間装置10aであるものとする。
また、図5に示したように、以下の説明における前提条件として、遊技媒体貸出装置10の自装置レートが4円であり、会員の有する4円レートの貯玉残高および1円レートの貯玉残高がそれぞれ1000玉であるものとする。
まず、台間装置10aは、会員の所持する会員カードや携帯電話などから会員識別子を取得し、取得した会員識別子に基づいて該当する会員の貯玉情報を管理装置200の貯玉DB201から抽出する。そして、台間装置10aは、自装置レートに該当する貯玉口座を、再プレイ開始時の既定の引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aに対して表示する。
すなわち、図5に示した例では、台間装置10aは、自装置レートに該当する4円貯玉口座を既定の引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高1000玉を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aに対して表示する(同図の(A−1)参照)。
つづいて、台間装置10aは、会員の再プレイ開始指示入力を受け付けると、上述した既定の口座を正式に引き落とし口座として設定した後、再プレイを開始する。かかる再プレイ中、台間装置10aは、所定の払出単位にて適宜遊技媒体の払い出しを行う。したがって、引き落とし口座の残高は、かかる払い出しの都度減少することになる。
ここで、同図の(A−2)に示したように、引き落とし口座である4円貯玉口座の残高がニアエンプティとなった場合、台間装置10aは、4円貯玉口座残高がニアエンプティである旨を、操作・表示部54aに対して表示する。なお、同図の(A−2)においては、該当する4円貯玉口座を反転表示、かつ点滅させる例を示したが、ニアエンプティである旨を会員が明らかに認識できるものとすればよい。
また、同図の(A−2)に示したように、上述した引き落とし口座残高のニアエンプティの際、台間装置10aは、他のレートの貯玉口座の残高を自装置レートへ換算し、乗り入れ可能な遊技媒体数として操作・表示部54aに対して併せて表示する。同図の(A−2)に示した場合には、1円口座の残高(1000玉)を4円レートで換算した250玉を、1円口座の残高として「乗り入れレート」表示領域へ表示している。さらに、同図の(A−2)に示したように、台間装置10aは、乗り入れ指示入力を受け付ける内容のメッセージを、操作・表示部54aに対して併せて表示する。
ここで、会員が再プレイの乗り入れを希望する場合、同図の(A−3)に示したように、会員は操作・表示部54aから、あらたに引き落とし口座の対象とする他のレートの貯玉口座を選択して、台間装置10aに対して再プレイの乗り入れを指示する。
なお、同図の(A−3)においては、会員が他のレートの貯玉口座を選択した後、暗証入力を行う例を示したが、操作・表示部54aの液晶タッチパネル上に乗り入れボタンを設けるなど、会員が明らかに乗り入れ指示入力であると認識できるものとすればよい。
そして、同図の(A−4)に示したように、台間装置10aは、上述した再プレイの乗り入れ指示入力を受け付けると、自装置レートへ換算した乗り入れ後の口座残高合計値を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aに対して表示する。すなわち、4円口座の残高(100玉)と、会員によってあらたに選択された1円口座の残高(250玉)との口座残高合計値(350玉)を表示することになる。
そして、台間装置10aは、上述した乗り入れ指示入力で選択された他のレートの貯玉口座をあらたな引き落とし口座として設定し、再プレイを継続する。なお、台間装置10aは、乗り入れ指示入力を受け付ける前の引き落とし口座(同図では、4円口座)に残高があれば、あらたな引き落とし口座に先んじてかかる口座から遊技媒体を払い出すものとする。
次に、遊技媒体貸出装置10が実行する処理手順について、図6を用いて説明する。図6は、実施例1に係る遊技媒体貸出装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図6に示したように、まず、遊技媒体貸出装置10である台間装置10aは、会員の所持する会員カードや携帯電話などから会員識別子を取得し、取得した会員識別子に基づいて該当する会員の貯玉情報を管理装置200の貯玉DB201から抽出する(図示せず)。
そして、台間装置10aは、自装置レートに該当する貯玉口座を、再プレイ開始時の既定の引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aに対して表示する(ステップS101)。
つづいて、台間装置10aは、会員の再プレイ開始指示入力を受け付けると、上述した既定の口座を正式に引き落とし口座として設定した後、再プレイを開始する(ステップS102)。かかる再プレイ中、台間装置10aは、所定の払出単位にて適宜遊技媒体の払い出しを行う(ステップS103)。したがって、引き落とし口座の残高は、かかる払い出しの都度減少することになる。
そこで、台間装置10aは、引き落とし口座の残高がニアエンプティであるか否かの判定を行う(ステップS104)。なお、ここにいうニアエンプティであるか否かの判定においては、記憶部16の設定情報16aに格納されたニアエンプティ閾値を用いることとするが、特に手段を限定するものではなく、ハードウェアの設定に基づくものとしてもよい。
ここで、ステップS104の判定条件を満たした場合(ステップS104,Yes)、すなわち、引き落とし口座の残高がニアエンプティとなることで再プレイの乗り入れの指示入力を受け付ける条件を満たした場合には、ステップS105へ進む。
そして、台間装置10aは、かかる引き落とし口座の残高がニアエンプティである旨を、操作・表示部54aに対して表示するとともに、他のレートの貯玉口座の残高を自装置レートへ換算し、乗り入れ可能な遊技媒体数として操作・表示部54aに対して併せて表示する(ステップS105)。さらに、台間装置10aは、乗り入れ指示入力を受け付ける内容のメッセージを、操作・表示部54aに対して併せて表示する(図示せず)。
なお、ステップS104の判定条件を満たさなかった場合(ステップS104,No)、ステップS103以降の処理を繰り返す。
つづいて、台間装置10aは、会員が再プレイの乗り入れ指示入力を行ったか否かを判定する(ステップS106)。ここで、すでに図5の(A−3)に示したように、会員による再プレイの乗り入れの指示入力が行われた場合(ステップS106,Yes)、台間装置10aは、会員が選択した他のレートの貯玉口座の残高を自装置レートへ換算し、引き落とし口座の残高へ合算して、再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aに対して表示する(ステップS107)。なお、ステップS106の判定条件を満たさなかった場合(ステップS106,No)、台間装置10aは、ステップS105以降の処理を繰り返す。
つづいて、台間装置10aは、引き落とし口座の残高がエンプティであるか否かを判定する(ステップS108)。そして、引き落とし口座の残高がエンプティであると判定された場合(ステップS108,Yes)、台間装置10aは、ステップS106の乗り入れ指示入力において選択された他のレートの貯玉口座をあらたな引き落とし口座として設定したうえで、再プレイを継続し(ステップS110)、処理を終了する。
これに対し、ステップS108の判定条件を満たさなかった場合(ステップS108,No)、すなわち、乗り入れ前の引き落とし口座に残高があった場合、台間装置10aは、かかる引き落とし口座から引き続き遊技媒体の払い出しを行う(ステップS109)。そして、乗り入れ前の引き落とし口座の残高がエンプティと判定されるまで、ステップS108以降の処理を繰り返す。
上述してきたように、本実施例1では、乗り入れ指示処理部が、再プレイ中の引き落とし口座からの引き落としが不可と検知したならば、かかる引き落とし口座とは貸出レートの異なるすべての貯玉口座残高を自装置レートへ換算し、再プレイの乗り入れの指示入力を受け付けたならば、指示入力に該当する貯玉口座を引き落とし口座として再プレイの乗り入れを行い、表示制御部が、乗り入れ指示処理部の換算した値を再プレイ可能な遊技媒体数として貯玉口座ごとに表示し、会員の乗り入れ指示入力を受け付けるメッセージを表示するように遊技媒体貸出装置を構成した。したがって、会員がレートを異にする複数の口座に貯蓄遊技媒体価値を有している場合の再プレイの乗り入れを、会員および遊技店が不利益を被る機会を軽減しつつ行うことができる。
さて、これまでは、会員が再プレイの途中で乗り入れの指示入力を行う場合を実施例1として説明してきたが、以下に示す実施例2では、会員が再プレイの開始に先だって再プレイの引き落とし口座となる貯玉口座を選択する場合について説明することとする。
本実施例2では、会員が再プレイの開始に先だって再プレイの引き落とし口座となる貯玉口座を択一選択する場合について、図7および図8を用いて説明する。図7は、実施例2に係る遊技媒体貸出装置10の操作・表示例を示す図であり、図8は、実施例2に係る遊技媒体貸出装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
なお、上述したように、本実施例2では、会員が再プレイの開始に先だって再プレイの引き落とし口座となる貯玉口座を択一選択する場合について説明するが、かかる場合の遊技媒体貸出装置10は、台間装置10aである場合と再プレイ機10bである場合とがありうる。したがって、本実施例2においては、遊技媒体貸出装置10が、台間装置10aあるいは再プレイ機10bであるものとする。
まず、本実施例2に係る遊技媒体貸出装置10の操作・表示例について、図7を用いて説明する。なお、同図に示したように、以下の説明における前提条件として、遊技媒体貸出装置10の自装置レートが4円であり、会員の有する4円レートの貯玉残高および1円レートの貯玉残高がそれぞれ1000玉であるものとする。
まず、遊技媒体貸出装置10は、会員の所持する会員カードや携帯電話などから会員識別子を取得し、取得した会員識別子に基づいて該当する会員の貯玉情報を管理装置200の貯玉DB201から抽出する。
そして、遊技媒体貸出装置10は、自装置レートに該当する貯玉口座を、再プレイ開始時の既定の引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する。
したがって、図7に示した例では、遊技媒体貸出装置10は、自装置レートに該当する4円貯玉口座を既定の引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高1000玉を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する(同図の(A−1)参照)。
なお、同図の(A−1)においては、該当する4円貯玉口座を反転表示する例を示したが、既定の引き落とし口座である旨を会員が明らかに認識できるものとすればよい。
また、同図の(A−1)に示したように、上述した既定の引き落とし口座から再プレイ可能な遊技媒体数を表示する際、遊技媒体貸出装置10は、他のレートの貯玉口座の残高を自装置レートへ換算し、乗り入れ可能な遊技媒体数として操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して併せて表示する。
さらに、同図の(A−1)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、再プレイの開始指示入力あるいは乗り入れ指示入力を受け付ける内容のメッセージを、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して併せて表示する。
ここで、会員が再プレイの乗り入れを希望する場合、同図の(A−2)に示したように、会員は操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bから、あらたな引き落とし口座とする他のレートの貯玉口座を選択して、遊技媒体貸出装置10に対して再プレイの乗り入れを指示する。
なお、同図の(A−2)においては、会員が他のレートの貯玉口座を選択した後、暗証入力を行う例を示したが、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bの液晶タッチパネル上に乗り入れボタンを設けるなど、会員が明らかに乗り入れ指示入力であると認識できるものとすればよい。
そして、同図の(A−3)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、上述した再プレイの乗り入れ指示入力を受け付けると、会員が選択した他のレートの貯玉口座で乗り入れを行う場合の注意事項などを、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する。
さらに、同図の(A−3)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、会員の確認入力を受け付ける内容のメッセージを、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して併せて表示する。
そして、遊技媒体貸出装置10は、上述した会員の確認入力を受け付けると、会員が選択した他のレートの貯玉口座を再プレイ開始時の引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高を自装置レートへ換算した値を、再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する。
したがって、同図の(A−4)に示した例では、遊技媒体貸出装置10は、会員が選択した1円貯玉口座を引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高1000玉を自装置レートへ換算した値250玉を、再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する。
なお、同図の(A−4)においては、該当する1円貯玉口座を反転表示する例を示したが、かかる口座が引き落とし口座である旨を会員が明らかに認識できるものとすればよい。
また、同図の(A−4)に示したように、上述したあらたな引き落とし口座から再プレイ可能な遊技媒体数を表示する際、遊技媒体貸出装置10は、かかる引き落とし口座のレートとは異なるレートの貯玉口座の残高を自装置レーへ換算し、乗り入れ可能な遊技媒体数として貯玉口座ごとに、操作・表示部54aに対して併せて表示する。さらに、同図の(A−4)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、再プレイの開始指示入力あるいは乗り入れ指示入力を受け付ける内容のメッセージを、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して併せて表示する。
なお、図7では、会員によってあらたに選択された貯玉口座(同図では1円貯玉口座)を、既定の引き落とし口座(同図では4円貯玉口座)と入れ替える場合について示したが、図5に示した場合と同様に両口座を合算することとしてもよい。なお、この場合の詳細については後述することとする。
次に、遊技媒体貸出装置10が実行する処理手順について、図8を用いて説明する。図8に示したように、まず、遊技媒体貸出装置10は、会員の所持する会員カードや携帯電話などから会員識別子を取得し、取得した会員識別子に基づいて該当する会員の貯玉情報を管理装置200の貯玉DB201から抽出する(図示せず)。
そして、遊技媒体貸出装置10は、自装置レートに該当する貯玉口座を、再プレイ開始時の既定の引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aに対して表示する(ステップS201)。
また、遊技媒体貸出装置10は、上述した既定の引き落とし口座から再プレイ可能な遊技媒体数を表示する際、他のレートの貯玉口座の残高を自装置レートへ換算し、乗り入れ可能な遊技媒体数として操作・表示部54aに対して併せて表示する(ステップS201)。
さらに、遊技媒体貸出装置10は、再プレイの開始指示入力あるいは乗り入れ指示入力を受け付ける内容のメッセージを、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して併せて表示する(図示せず)。
つづいて、遊技媒体貸出装置10は、会員が再プレイの乗り入れ指示入力を行ったか否かを判定する(ステップS202)。ここで、すでに図7の(A−2)および(A−3)に示したように、会員による再プレイの乗り入れの指示入力が行われた場合(ステップS202,Yes)、遊技媒体貸出装置10は、会員が選択した他のレートの貯玉口座の残高を自装置レートへ換算し、再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aに対して表示する(ステップS203)。
そして、遊技媒体貸出装置10は、会員の再プレイ開始指示入力を受け付けると(図示せず)、ステップS202の乗り入れ指示入力において選択された他のレートの貯玉口座をあらたな引き落とし口座として設定して、再プレイを開始する(ステップS204)。
また、ステップS202の判定条件を満たさなかった場合(ステップS202,No)、すなわち、遊技媒体貸出装置10が既定の引き落とし口座での再プレイ開始指示入力を受け付けた場合、遊技媒体貸出装置10は、自装置レートに該当する貯玉口座の残高を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aに対して表示する(ステップS205)。そして、遊技媒体貸出装置10は、上述した既定の口座を正式に引き落とし口座として設定して、再プレイを開始する(ステップS206)。
そして、再プレイ中、遊技媒体貸出装置10は、ステップS204あるいはステップS206において設定した引き落とし口座から、所定の払出単位にて適宜遊技媒体の払い出しを行うこととしたうえで(ステップS207)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例2では、乗り入れ指示処理部が、レートの異なるすべての貯玉口座残高を自装置レートへ換算し、再プレイの開始の指示入力を受け付けたならば、指示入力に該当する貯玉口座を引き落とし口座として再プレイを開始し、再プレイの乗り入れの指示入力を受け付けたならば、指示入力に該当する貯玉口座を引き落とし口座として再プレイの乗り入れを行い、表示制御部が、乗り入れ指示処理部の換算した値を再プレイ可能な遊技媒体数として貯玉口座ごとに表示し、再プレイの乗り入れ指示入力を受け付けるメッセージを表示するように遊技媒体貸出装置を構成した。したがって、会員がレートを異にする複数の口座に貯蓄遊技媒体価値を有している場合の再プレイの乗り入れを、会員および遊技店が不利益を被る機会を軽減しつつ行うことができる。
なお、実施例2では、会員が再プレイの開始に先だって再プレイの引き落とし口座となる貯玉口座を択一選択する場合について示したが、既定の引き落とし口座に他のレートの貯玉口座をすべて合算乗り入れすることとしてもよい。この場合の遊技媒体貸出装置10の操作・表示例について、図9を用いて説明する。図9は、実施例2に係る遊技媒体貸出装置10の操作・表示の変形例を示す図である。
なお、同図に示したように、以下の説明における前提条件として、遊技媒体貸出装置10の自装置レートが4円であり、会員の有する4円レートの貯玉残高および1円レートの貯玉残高がそれぞれ1000玉であるものとする。
まず、遊技媒体貸出装置10は、会員の所持する会員カードや携帯電話などから会員識別子を取得し、取得した会員識別子に基づいて該当する会員の貯玉情報を管理装置200の貯玉DB201から抽出する。
そして、遊技媒体貸出装置10は、自装置レートに該当する貯玉口座を、再プレイ開始時の既定の引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する。
したがって、図9に示した例では、遊技媒体貸出装置10は、自装置レートに該当する4円貯玉口座を既定の引き落とし口座として選択し、かかる口座の残高1000玉を再プレイ可能な遊技媒体数として、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する(同図の(A−1)参照)。なお、同図の(A−1)においては、該当する4円貯玉口座を反転表示する例を示したが、既定の引き落とし口座である旨を会員が明らかに認識できるものとすればよい。
また、同図の(A−1)に示したように、上述した既定の引き落とし口座から再プレイ可能な遊技媒体数を表示する際、遊技媒体貸出装置10は、他のレートの貯玉口座の残高を自装置レートへ換算し、合算乗り入れ可能な遊技媒体数として操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して併せて表示する。
さらに、同図の(A−1)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、再プレイの開始指示入力あるいは合算乗り入れ指示入力を受け付ける内容のメッセージを、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して併せて表示する。
ここで、会員が再プレイの合算乗り入れを希望する場合、同図の(A−1)に示したように、会員は操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bから、遊技媒体貸出装置10に対して再プレイの合算乗り入れを指示する。なお、同図の(A−1)においては、会員が合算乗入ボタンを押下する例を示したが、会員が明らかに合算乗り入れ指示入力であると認識できるものとすればよい。
そして、遊技媒体貸出装置10は、上述した再プレイの合算乗り入れ指示入力を受け付けると、以下に示す2つの表示パターンで、再プレイ可能な遊技媒体数を操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する。
まず、同図の(A−2a)に示した1つめの表示パターンでは、遊技媒体貸出装置10は、すべての貯玉口座の残高を自装置レート換算で合算した値を、再プレイ可能な遊技媒体数として表示する。
また、同図の(A−2b)に示した2つめの表示パターンでは、遊技媒体貸出装置10は、貯玉口座ごとの残高を自装置レートへ換算した値を、貯玉口座ごとに再プレイ可能な遊技媒体数として表示する。したがって、同図に示した例において、仮に2円口座の残高があった場合、かかる2円口座分の遊技媒体数も併せて表示されることとなる。
なお、同図の(A−2b)においては、貯玉口座ごとの残高を自装置レートへ換算した値を表示する例を示したが、かかる貯玉口座ごとの残高を元のレートのまま表示することとしてもよい。
また、図9に示した合算乗り入れの場合には、貯玉口座の引き落とし順序が必要となるが、かかる引き落とし順序をあらかじめ管理装置200などに設定しておくこととすればよい。また、たとえば、遊技店側がイベントなどを実施する際に、会員の有する各貯玉口座の残高や来店ポイントなどに応じて、遊技媒体貸出装置10が会員に有利となるように引き落とし順序を適宜最適化することとしてもよい。
ところで、上述した実施例1および実施例2では、タッチパネル式の液晶ディスプレイを用いて再プレイの乗り入れに必要な表示や指示入力を行う場合について説明したが、簡素な表示出力を行う7セグメントLEDを表示部品として備える操作・表示パネル(以下、単に「7セグ操作・表示部」と記載する)を用いることとしてもよい。
そこで、以下では、7セグ操作・表示部の操作・表示例について、図10および図11を用いて説明する。図10は、7セグメントLEDを備えた操作・表示部の概略図であり、図11は、7セグメントLEDを備えた操作・表示部での操作・表示例を示す図である。
まず、7セグ操作・表示部の概略について、図10を用いて説明する。なお、同図では、7セグ操作・表示部の概略のみを示しており、同操作・表示部の形状や構成部品などを限定するものではない。また、同図の(A−a)には、7セグメントLEDの拡大概略図を、同図の(A−b)には、7セグ操作・表示部全体の概略図を、同図の(B)には、7セグ操作・表示部の基本操作および基本表示の例を示している。
同図の(A−b)に示したように、7セグ操作・表示部60は、7セグ表示部61と、7セグ表示部61の表示内容を示す各種情報ランプと、7セグ表示部61の表示内容を切り替える情報ボタン66と、再プレイの開始および乗り入れを指示する再プレイボタン67と、テンキーなどのその他操作ボタンとを備えている。また、各種情報ランプは、残額ランプ62、貯数ランプ63、再プレイ数ランプ64、ポイントランプ65から構成される。
また、同図の(A−a)に示したように、7セグ表示部61は、表示可能桁Dの範囲で簡素な表示出力を行う。したがって、7セグ表示情報61aの桁数が表示可能桁Dを超える場合には、7セグ表示部61は、方向900の方向へ7セグ表示情報61aをスクロール表示する。
なお、同図の(A−a)に示した大括弧の始まりR1および大括弧の終わりR2は、7セグ表示部61がレートを表示する際の、レートの始まりと終わりをあらわす。したがって、同図の(A−a)および(A−b)に示した例では、7セグ表示情報61aは、会員の有する4円レートの貯玉口座の残高(貯数)が10000玉であるということをあらわしている。
また、同図の(B)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、情報ボタン66を押下することによって、7セグ表示部61の表示内容の切り替えを行う。たとえば、同図の(B−1)に示した例では、7セグ表示部61は、会員が5000円の残額価値を有していることをあらわしている。そして、会員が順次情報ボタン66を押下することによって、同図の(B−1)に示した例から、同図の(B−2)に示した例へ、さらに同図の(B−3)に示した例へと、順次7セグ表示部61の表示内容が切り替わることになる。
なお、同図の(B−2)に示した例では、会員の有する4円レートの貯玉口座の残高(貯数)が、遊技媒体貸出装置10の自装置レート換算で1000玉であることをあらわしている。また、同図の(B−3)に示した例では、同会員の有する1円レートの貯玉口座の残高(貯数)が、遊技媒体貸出装置10の自装置レート換算で250玉であることをあらわしている。
このように、会員が複数の貸出レートの貯玉口座を有する場合、情報ボタン66を押下することによって、各レートの貯玉口座の残高(貯数)が遊技媒体貸出装置10の自装置レート換算値で、7セグ表示部61に対して順次表示される。
次に、7セグ操作・表示部60を備えた遊技媒体貸出装置10の操作・表示例について、図11を用いて説明する。
なお、図11の(A)には、上述した実施例1で説明した、会員が再プレイの途中で乗り入れの指示入力を行う場合を、同図の(B−a)には、上述した実施例2で説明した、会員が再プレイの開始に先だって再プレイの引き落とし口座となる貯玉口座を択一選択する場合を、同図の(B−b)には、上述した実施例2の操作・表示の変形例で説明した、既定の引き落とし口座に他のレートの貯玉口座を合算乗り入れする場合を、それぞれ示している。
まず、同図の(A)に示したように、会員が再プレイの途中で乗り入れの指示入力を行う場合、会員が1度再プレイボタン67を押下することによって、すでに再プレイを開始していることが前提となる(同図の(A−1)参照)。
そして、同図の(A−2)に示したように、引き落とし口座の残高がニアエンプティとなると、遊技媒体貸出装置10は、7セグ表示部61を点滅表示するなどして、かかるニアエンプティの旨を会員に対して報知し、会員の乗り入れ指示入力を促す。そこで、会員は、他のレートの貯玉口座の残高を確認するために、情報ボタン66を押下する。
つづいて、同図の(A−3)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、7セグ表示部61に対して他のレートの貯玉口座の残高を表示する。ここで、会員が、再プレイボタン67を再度押下することによって、遊技媒体貸出装置10は、かかる他のレートの貯玉口座をあらたな引き落とし口座として再プレイの乗り入れを行う。
そして、同図の(A−4)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、上述した乗り入れ後に再プレイ可能な遊技媒体数を、自装置レート換算値で、7セグ表示部61に対して表示する。ここで、会員が乗り入れ後であることを明確に認識できるように、7セグ表示部61を点滅表示などすることが好ましい。
次に、同図の(B−a)に示したように、会員が再プレイの開始に先だって再プレイの引き落とし口座となる貯玉口座を択一選択する場合、会員は再プレイの引き落とし口座とする貯玉口座を確定するため、情報ボタン66を任意回押下する。ここで、遊技媒体貸出装置10は、貯玉口座の残高をレート別に順次表示する(同図の(B−a1)参照)。
そして、同図の(B−a2)に示したように、会員が再プレイボタン67を押下することによって、遊技媒体貸出装置10は、7セグ表示部61に表示中の貯玉口座を引き落とし口座として設定し、再プレイを開始する。
つづいて、同図の(B−a3)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、再プレイの引き落とし口座として設定した貯玉口座のレートと残高とを、7セグ表示部61に対して表示する。ここで、会員が、再プレイの引き落とし口座とした貯玉口座のレートと残高とを明確に認識できるように、7セグ表示部61を点滅表示などすることが好ましい。
次に、同図の(B−b)に示したように、既定の引き落とし口座に他のレートの貯玉口座の残高を合算乗り入れする場合、会員が既定の引き落とし口座で1度再プレイボタン67を押下して、再プレイの引き落とし口座を一旦確定していることが前提となる(同図の(B−b1)参照)。
そして、同図の(B−b2)に示したように、会員は、さらに再プレイの引き落とし口座とする貯玉口座を確定するため、情報ボタン66を任意回押下する。ここで、遊技媒体貸出装置10は、貯玉口座の残高をレート別に順次表示する。
そして、同図の(B−b3)に示したように、会員が再プレイボタン67を再度押下することによって、遊技媒体貸出装置10は、7セグ表示部61に表示中の貯玉口座をさらなる引き落とし口座として、すでに確定済みの既定の引き落とし口座へ合算乗り入れを行う。
そして、同図の(B−b4)に示したように、遊技媒体貸出装置10は、上述した合算乗り入れ後に再プレイ可能な遊技媒体数を、自装置レート換算値で、7セグ表示部61に対して表示する。ここで、会員が合算乗り入れ後であることを明確に認識できるように、7セグ表示部61を点滅表示などすることが好ましい。
なお、同図の(B−b)においては、合算乗り入れする口座を会員が任意に選択する例を示したが、あらかじめ管理装置200などに設定した優先順序にしたがって貯玉口座ごとの残高を表示し、会員の承認操作を受け付けることとしてもよい。
ところで、上述した各実施例では、会員が、すでに再プレイを開始している場合、あるいは再プレイを開始する場合の、再プレイの乗り入れについて説明した。しかしながら、会員が、入会手続きの際にあらかじめ再プレイの乗り入れについて了承しておけば、再プレイによる乗り入れによって会員が被る不利益を軽減することができる。
そこで、会員が入会手続きの際にあらかじめ乗り入れ選択をする場合について、図12を用いて説明する。図12は、会員が入会手続きの際に乗り入れ選択をする手法の概要を示す図である。
同図に示すように、まず、会員となることを希望する遊技客は、遊技店の店内カウンタなどで入会手続きを行うことになるが、かかる入会手続きの際の登録事項のひとつとして、再プレイの乗り入れを選択するか否かを登録する(同図の(A−1)参照)。そして、かかる選択結果は、遊技店の管理する会員情報として登録される(同図の(A−2)参照)。
そして、同図の(A−3)に示したように、かかる会員が再プレイを開始する場合、遊技媒体貸出装置10は、上述した選択結果に基づいて以下に示す2つの手法をとる。
まず、1つめの手法では、同図の(A−3a)に示したように、会員があらかじめ再プレイの乗り入れを選択していた場合には、すべての貯玉口座の再プレイ可能な遊技媒体数を、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する。ここで、すべての貯玉口座の合計値を表示することとしてもよいし(同図の(A−3a−a)参照)、貯玉口座のレートごとに表示することとしてもよい(同図の(A−3a−b)参照)。
また、2つめの手法では、同図の(A−3b)に示したように、会員があらかじめ再プレイの乗り入れを選択していなかった場合には、すべての貯玉口座の再プレイ可能な遊技媒体数と乗り入れを行うか否かの指示入力を受け付けるメッセージとを、操作・表示部54aあるいは操作・表示部54bに対して表示する。なお、同図の(A−3b)においては、すべての貯玉口座を合算乗り入れする場合を示したが、個別に貯玉口座を選択させることとしてもよい。
ところで、上述した各実施例では、再プレイに関する手数料や再プレイ可能な遊技媒体数の制限を考慮しない場合について説明したが、以下では、かかる手数料や遊技媒体数の制限を考慮した場合について説明する。
まず、再プレイに関する手数料については、再プレイ手数料と乗り入れ再プレイ手数料とが存在する。なお、実際の遊技店の運用では、再プレイ手数料よりも乗り入れ再プレイ手数料の方が高額である場合が通常である。
また、再プレイ可能な遊技媒体数の制限については、1日の再プレイ可能数と1日の乗り入れ再プレイ可能数とが存在する。1日の再プレイ可能数は、1日に引き落とし可能な遊技媒体数の上限値であり、貯玉口座ごとに存在する。また、1日の乗り入れ再プレイ可能数は、1日に乗り入れ可能な遊技媒体数の上限値である。
なお、1日の再プレイ可能数については、乗り入れを行ったか否かに関わらず、再プレイ中のレートに該当する貯玉口座について計上することとしてもよいし、乗り入れ時にあらたな引き落とし口座とした貯玉口座について計上することとしてもよい。
ここで、たとえば、会員が4円コーナー300aで再プレイ中に、1円口座をあらたな引き落とし口座として乗り入れを行おうとしたが、1円口座が残高不足で乗り入れを行えなかったものとする。この点、上述の手数料を考慮した場合、1円コーナー300bにおいては、1円口座からの引き落としが可能である場合がありうる。なぜなら、1円口座の残高が4円コーナー300aでの乗り入れ再プレイ手数料に満たなくとも、1円コーナー300bでの再プレイ手数料を満たしていれば(たとえば手数料が無料)、1円コーナー300bにおける1円口座での再プレイは可能となるからである。
また、同様に、上述の遊技媒体数の制限を考慮した場合にも、1円口座からの引き落としが、4円コーナー300aにおいては不可であるが、1円コーナー300bにおいては可能である場合がありうる。なぜなら、1円口座についての1日の再プレイ可能数が上限値を超えていなければ、1円コーナー300bにおける1円口座での再プレイは可能となるからである。
したがって、このような場合には、1円コーナー300bにおいては1円口座による再プレイが可能である旨などを報知するなど、会員が不利益を被る機会を軽減する措置を講ずることとすればよい。
また、上述した各実施例では、会員の有する貯玉口座を基に再プレイの乗り入れを行う場合について説明したが、貯玉の代わりに、遊技客の獲得遊技媒体価値である持玉を用いることとしてもよい。この場合には、本発明に係る再プレイの乗り入れ手法の適用対象は会員だけでなく、非会員である一般会員も含まれることとなる。
また、上述した本発明に係る遊技媒体貸出装置の構成の一部を、管理装置や島コントローラなど他の装置上に構成することとしてもよい。たとえば、ユーザインタフェースに関わる処理のみを遊技媒体貸出装置上に配置し、乗り入れ指示処理部などを管理装置上に配置することとしてもよい。