JP5412712B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、燃料ガスと酸化ガスとの反応ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池に反応ガスを供給するための反応ガス供給流路と、燃料電池から反応ガスを排出するための反応ガス系排出流路とを備える。また、このような反応ガス供給流路と、反応ガス系排出流路とに、燃料電池用遮断弁を設けることも考えられている。
例えば、特許文献1に記載された燃料電池システムは、燃料電池スタックから反応ガス系ガスを排出する反応ガス系排出流路に設けた遮断弁と、燃料電池スタックに燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路に設けた三方切替弁と、燃料電池スタックに空気を供給する酸化ガス系供給流路に設けた弁とに、アキュムレータを通じて空気を供給し、パイロット弁である各弁の切り替えを行うようにしている。
また、特許文献2に記載された燃料電池システムの場合、燃料電池本体に燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路にガスの流れに関して並列に配置された2本の流路と、2本の流路に設けられた流量制御弁とを備える。また、ECUは、流量制御弁を制御し、流量制御弁の故障検知のため、一方を閉弁状態として他方だけを作動させる。そして、流量制御弁の作動時に測定される流量が規定値よりも大きい場合には、他方の流量制御弁が開弁した状態で故障していると判断し、規定値よりも小さい場合には、他方の流量制御弁が閉弁した状態で故障していると判断する。そして、いずれかの流量制御弁が開弁状態で故障していると判断された場合には、リーク相当発電量の電力の一部を二次電池の充電に使用し、残りを負荷に供給する。また、いずれかの流量制御弁が閉弁状態で故障していると判断された場合には、正常弁の最大制御流量が要求ガス量未満である場合に、正常弁を要求ガス量に制御するとともに、ECUは、不足電力を二次電池から負荷に供給する。
また、特許文献3に記載された燃料電池システムの場合、酸化ガスを燃料電池に供給する酸化ガス供給流路は、加湿器を通過する本経路と、加湿器を迂回する加湿器バイパス経路とを備える。そして本経路と加湿器バイパス経路とのそれぞれに、外部から与えられた流量設定信号に応じてガスの質量流量を自動制御するMFCまたは電動弁を設けている。特許文献3には、停止時に、本経路と加湿器バイパス経路とをMFCまたは電動弁により遮断することは開示されていない。
特開2000−3717号公報 特開2005−302563号公報 特開平7−235324号公報
上記の特許文献1に記載された燃料電池システムの場合、エアコンプレッサからの空気は、ガスの流れに関して並列に分岐しない単一の経路により、電池スタックに供給される。また、電池スタックからは、やはりガスの流れに関して並列に分岐しない単一の経路を通じて空気ガス系ガスが排出される。また、燃料電池システムに、電池スタックに空気を供給する酸化ガス供給流路と、電池スタックから空気系ガスを排出する酸化ガス系排出流路とを設け、酸化ガス供給流路と酸化ガス系排出流路とに弁と遮断弁とを設けている。このため、弁や遮断弁が氷点下等低温環境で使用される等により弁体周辺部が凍結等により固着する等、閉状態で故障した場合に、電池スタックに空気を供給したり、電池スタックから空気系ガスを排出することが困難になる。この場合には、遮断弁の故障により、燃料電池システムの運転が自動的に停止してしまう。
さらに、酸化ガス供給流路または酸化ガス系排出流路に設ける弁または遮断弁が燃料電池システムの停止時に開弁されている場合には、電池スタックに設ける触媒をカーボンにより保持している場合にカーボンが早期に酸化して、燃料電池システムが早期に寿命に達したり、電池スタックの発電性能が低下する可能性がある。
これに対して、特許文献2に記載された燃料電池システムの場合、燃料電池本体に燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路に、ガスの流れに関して並列に配置された2本の流路と、2本の流路に設けられた流量制御弁とを備えるが、酸化ガス供給流路または酸化ガス系排出流路に、ガスの流れに関して並列に2本の流路を設けることは開示されていない。このため、酸化ガス供給流路または酸化ガス系排出流路に設けた弁の故障時に、燃料電池システムが自動的に運転停止されてしまう。また、運転停止時に、酸化ガス供給流路を通じて燃料電池本体に新たな空気が供給されると、燃料電池本体を構成する触媒をカーボンにより保持している場合にカーボンが早期に酸化して、燃料電池システムが早期に寿命に達したり、燃料電池の発電性能が低下する可能性がある。
また、特許文献3に記載された燃料電池システムの場合、酸化ガス供給流路が本経路と加湿器バイパス経路とを備え、本経路と加湿器バイパス経路とのそれぞれに弁を設けている。ただし、システムの停止時にそれぞれの弁の開閉状態を工夫して、システムの寿命向上を図れるようにすることは考慮されていない。また、本経路と加湿器バイパス経路とに設けたいずれかの弁の故障時でも、燃料電池システムの運転を可能とすることは考慮されていない。
本発明の目的は、燃料電池システムにおいて、寿命を向上させるとともに、良好な発電性能を長期間に確保し、かつ、弁の故障時でも運転を可能とすることにある。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池に酸化ガスを供給または排出するための酸化ガス流路と、を備える燃料電池システムであって、酸化ガス流路を構成する第1のガス流路に設けられた第1の遮断弁と、第1のガス流路の迂回路である第2のガス流路に設けられた第2の遮断弁と、制御部と、を備え、制御部は、燃料電池の発電停止時に、第1の遮断弁と第2の遮断弁との両方を遮断することにより、燃料電池のカソード側電極側の流路のガス上流側または下流側を遮断し、第1の遮断弁と第2の遮断弁とのうち一方の遮断弁が、内部のすべての圧力室が同圧であるノーマル状態において開弁状態となるノーマルオープン型の遮断弁であり、かつ、流体の圧力差で駆動する弁であり、さらに、一方の遮断弁に圧力差発生用の流体を供給するための圧力制御用流路と、圧力制御用流路内の圧力を維持するために使用する、非作動時に流路を遮断するノーマルクローズ型電磁弁と、を備え、ノーマルクローズ型電磁弁は、燃料電池の発電停止時に、圧力制御用流路内の圧力を維持することにより、一方の遮断弁を閉弁状態とすることを特徴とする燃料電池システムである。
また、本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池に酸化ガスを供給または排出するための酸化ガス流路と、を備える燃料電池システムであって、酸化ガス流路のうち、酸化ガス供給流路を構成する第1のガス流路に設けられた第1の遮断弁と、第1のガス流路の迂回路である第2のガス流路に設けられた第2の遮断弁と、制御部と、を備え、制御部は、燃料電池の発電停止時に、第1の遮断弁と第2の遮断弁との両方を遮断することにより、燃料電池のカソード側電極側の流路のガス上流側を遮断し、制御部は、始動時において、第1の遮断弁と第2の遮断弁とのうち一方の遮断弁に異常が発生したことが検知された場合に、他方の遮断弁を開弁し、他方の遮断弁が設けられた流路を通じて酸化ガスを燃料電池に供給することを特徴とする燃料電池システムである。
また、より好ましくは、制御部は、一方の遮断弁の異常を、圧力検出手段に検知された圧力値または遮断弁を駆動するために設けられた電磁弁の状況から検知する。
また、本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池に酸化ガスを供給または排出するための酸化ガス流路と、を備える燃料電池システムであって、酸化ガス流路を構成する第1のガス流路に設けられた第1の遮断弁と、第1のガス流路の迂回路である第2のガス流路に設けられた第2の遮断弁と、制御部と、を備え、制御部は、燃料電池の発電停止時に、第1の遮断弁と第2の遮断弁との両方を遮断することにより、燃料電池のカソード側電極側の流路のガス上流側または下流側を遮断し、第1の流路は加湿器を通過する本経路とし、第2の流路は加湿器を迂回する加湿器バイパス経路とし、制御部は、燃料電池の発電停止指令を受けた後に燃料電池に酸化ガスを供給する掃気処理時に、加湿器バイパス経路に設けられた第2の遮断弁が開放されない場合に、本経路に設けられた第1の遮断弁を通じて燃料電池に酸化ガスを供給する掃気処理制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システムである
本発明に係る燃料電池システムによれば、酸化ガス流路を構成する第1のガス流路に設けられた第1の遮断弁と、第1のガス流路の迂回路である第2のガス流路に設けられた第2の遮断弁と、制御部と、を備え、制御部は、燃料電池の発電停止時に、第1の遮断弁と第2の遮断弁との両方を遮断することにより、燃料電池のカソード側電極側の流路のガス上流側または下流側を遮断するので、燃料電池に設ける触媒をカーボンにより保持している場合でも、運転停止中に燃料電池内に新たな空気を導入されにくくして、カーボンが早期に酸化するのを抑えることができる。このため、燃料電池システムの寿命の向上を図れるとともに、良好な発電性能を長期に確保できる。また、第1の遮断弁と第2の遮断弁とのうち、一方の弁の故障時に他方の弁を使用することにより、燃料電池システムの運転を可能とすることができる。例えば、第1の遮断弁が閉弁状態で故障した場合でも、第2の遮断弁を開放することにより、燃料電池に新たなガスを供給でき、燃料電池を発電させることができる。また、第1の遮断弁と第2の遮断弁とのうち一方の遮断弁を、内部のすべての圧力室が同圧であるノーマル状態において開弁状態となるノーマルオープン型の遮断弁とし、かつ、流体の圧力差で駆動する弁とし、さらに、一方の遮断弁に圧力差発生用の流体を供給するための圧力制御用流路と、圧力制御用流路内の圧力を維持するために使用する、非作動時に流路を遮断するノーマルクローズ型電磁弁と、を備え、ノーマルクローズ型電磁弁は、燃料電池の発電停止時に、圧力制御用流路内の圧力を維持することにより、一方の遮断弁を閉弁状態とするので、発電停止中にノーマルオープン型の一方の遮断弁の遮断を継続するための電力が不要になり、低燃費化を図れる。
[第1の発明の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図5は、本発明の第1の実施の形態を示しており、図1は、本実施の形態に係る燃料電池システムの略構成図である。燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と、酸化ガス供給流路14および酸化ガス系排出流路16と、第2の遮断弁である加湿器バイパス弁18と、第1の遮断弁である入口シャット弁20と、出口シャット弁22とを備える。
燃料電池スタック12は、酸素と水素との電気化学反応により発電する。すなわち、燃料ガスである水素ガスと、酸化ガスである空気とを燃料電池スタック12に供給することにより、燃料電池スタック12内の図示しない複数の燃料電池セルにおいて、酸素と水素とが電気化学反応して電気エネルギーが得られる。燃料電池セルは、例えば、電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とにより狭持して成る膜−電極アセンブリと、その両側のセパレータを備えるものとする。
なお、本実施形態の燃料電池システム10は、例えば燃料電池車用として車両に搭載し、燃料電池スタック12を、車両走行用モータの電源として使用する。もちろん、本実施の形態の燃料電池システムを、車両走行用以外の用途に使用することもできる。
酸化ガスである空気を燃料電池スタック12に供給するために酸化ガス供給流路14を設けている。酸化ガス供給流路14のガス上流側にはエアコンプレッサ24とインタークーラ26とを設けている。エアコンプレッサ24により加圧された空気は、インタークーラ26で冷却され、加湿器28で加湿された後、燃料電池スタック12のカソード側電極側の流路に供給される。
また、空気を、加湿器28を通過させてから燃料電池スタック12に供給するための第1のガス流路である本経路30とは別に、本経路30とガスの流れに関して並行に、第2のガス流路であり、本経路30の迂回路である加湿器バイパス経路32を設けている。加湿器バイパス経路32を通過する空気は、加湿器28を通過せずに、燃料電池スタック12に供給される。加湿器バイパス経路32の途中に、加湿器バイパス弁18を設けている。
また、燃料電池スタック12に供給され、各燃料電池セルで電気化学反応に供された後の空気である空気オフガスを、燃料電池スタック12から排出するために、酸化ガス系排出流路16を設けている。酸化ガス系排出流路16を通じて排出される空気オフガスは、調圧弁34を介して加湿器28に送られ、その後、図示しない希釈器を介して大気に放出される。調圧弁34は、燃料電池スタック12から排出される空気の圧力(背圧)が、燃料電池スタック12の運転状態に応じた適切な圧力値になるように制御される。すなわち、調圧弁34の弁開度によって酸化ガス系排出流路16内の圧力センサP2の位置に対応する空気の圧力が調整される。また、加湿器28は、燃料電池スタック12から排出された後の空気から得た水分を、燃料電池スタック12に供給される前の空気に与えて、加湿する役目を果たす。
なお、燃料電池スタック12には、水素ガスを供給するための水素ガス供給流路と水素ガス系ガスを排出するための水素ガス系排出流路とを接続しているが、図1では図示を省略している。
また、酸化ガス供給流路14の本経路30において、加湿器バイパス経路32の上流側接続部と加湿器28との間、および、酸化ガス系排出流路16において、加湿器28よりもガス下流側の間に、ガスの流れに関して燃料電池スタック12と並行になるように、燃料電池バイパス経路36を接続している。そして、燃料電池バイパス経路36の途中に燃料電池バイパス弁38を設けている。燃料電池バイパス弁38は、燃料電池スタック12へ供給される空気の圧力を制御するために利用される。すなわち、燃料電池バイパス弁38の弁開度により、酸化ガス供給流路14の入口圧力センサP1の位置に対応する空気の圧力が調整される。なお、エアコンプレッサ24から吐出される空気の流量により、入口圧力センサP1位置に対応する空気圧力を調整することもできる。もちろん、燃料電池バイパス弁38の弁開度と、エアコンプレッサ24による吐出流量との両方を利用して、入口圧力センサP1位置に対応する空気圧力を調整することもできる。
また、燃料電池システム10は、氷点下等の低温始動時において、燃料電池スタック12を速やかに温度上昇させることが好ましい。そして、このために、燃料電池スタック12に供給される水素ガスの量に比べて、燃料電池スタック12に供給される空気の量を、水素ガスとの反応により発電するのに見合う量よりも少なくし、すなわちカソードストイキ比を下げて、低効率で発電させ、燃料電池スタック12を速やかに温度上昇させることが考えられる。ただし、この場合には、燃料電池スタック12のアノード側の流路から電解質膜を介して水素がカソード側の流路に入り込み、酸化ガス系排出流路16内の水素濃度が高くなる可能性がある。上記の燃料電池バイパス弁38は、このような場合に開弁状態として、燃料電池スタック12を通過しない空気により、酸化ガス系排出流路16内の水素濃度を低下させるために利用することもできる。
さらに、酸化ガス供給流路14の本経路30の加湿器28よりもガス下流側と、酸化ガス系排出流路16の加湿器28よりもガス上流側とに、それぞれ入口シャット弁20と出口シャット弁22とを設けている。
すなわち、それぞれ燃料電池用弁であり、流路内の空気の流れを調整する流体制御弁である、入口シャット弁20と出口シャット弁22と、さらには上記の加湿器バイパス弁18とには、圧力制御用流路40を介して、それぞれがノーマルクローズ型電磁弁である、3つずつのPSV(Pressure Switching Valve)が接続されている。
すなわち、加湿器バイパス弁18には、VbS,VbC,VbOの3つのPSVが接続されている。また、入口シャット弁20には、ViS,ViC,ViOの3つのPSVが接続されており、出口シャット弁22には、VoS,VoC,VoOの3つのPSVが接続されている。これらのPSVは、圧力制御用流路40を介して、酸化ガス供給流路14の本経路30のガス上流側、例えばエアコンプレッサ24と加湿器28との間に接続される。これらのすべてのPSVである、VbS,VbC,VbO,ViS,ViC,ViO,VoS,VoC,VoOは、図示しないECU(Electronic Control Unit)等の制御部により制御される。加湿器バイパス弁18と入口シャット弁20と出口シャット弁22とは、いずれも内部の圧力室に存在する流体である、ガスの圧力差で駆動する。また、圧力制御用流路40は、上記各弁18,20,22に圧力差発生用の流体であるガスを供給する。
次に、図2および図3により、入口シャット弁20と、出口シャット弁22との構成および作用を、主に入口シャット弁20により代表して説明する。入口シャット弁20と出口シャット弁22との構成自体は、同じである。また、加湿器バイパス弁18の構成は後で説明する。
図2に示すように、入口シャット弁20は、内部に設けたすべての圧力室が同圧であるノーマル状態において、弁体が開く開弁状態となるノーマルオープン型のシャット弁としている。
入口シャット弁20は、複数のハウジング要素を結合して成るハウジング42の内部に仕切り部44で仕切った上下2個の空間を設けており、2個の空間に、それぞれ主ダイヤフラム46と副ダイヤフラム48とを設けることにより、主ダイヤフラム46の上面側に閉弁用圧力室50を、同じく下面側に開弁用圧力室52を、副ダイヤフラム48の上面側に大気圧室54を、同じく下面側に流路構成圧力室56を、それぞれ設けている。閉弁用圧力室50と開弁用圧力室52と大気圧室54と流路構成圧力室56とは、互いに分離しており、これら圧力室50,52,54,56のうち、いずれの2の圧力室も内部で互いに連通していない。
また、主ダイヤフラム46と副ダイヤフラム48とは、弁体58に結合している。すなわち、ハウジング42の内部に駆動軸60を有する弁体58を備え、ハウジング42に弁体58を駆動軸60の軸方向の変位可能に支持している。弁体58は、駆動軸60と、駆動軸60の下端部に結合した円板状の弁体本体62とを有する。また、駆動軸60の中間部下端寄りに、外周面に駆動軸側円筒面部63を有する有底円筒状の筒状部材64を結合している。
また、筒状部材64の底板部下面と弁体本体62の上面との間に、ゴム等の弾性材製の副ダイヤフラム48の内周側端部を狭持し、副ダイヤフラム48の内周部を駆動軸60に結合している。副ダイヤフラム48の外周側端部は、ハウジング42を構成する2個のハウジング要素により狭持するように、ハウジング42の内周部に結合している。これにより、ハウジング42内の仕切り部44下側の空間の上側と下側とは、副ダイヤフラム48により、大気圧室54と流路構成圧力室56とに分離される。
また、副ダイヤフラム48の径方向中間部内径寄りに、駆動軸側円筒面部63に沿って押し付けられるように弾性変形したダイヤフラム側円筒部66を設けている。そして、図3に示すような閉弁状態から、副ダイヤフラム48のうち、筒状部材64の駆動軸側円筒面部63とハウジング42の内面との間に存在する、上方に山形の環状に変形した環状変形部67の下面が流路構成圧力室56の圧力を受けるようにしている。そして環状変形部67の下面が流路構成圧力室56の圧力を受けることにより、図2に示すように、ダイヤフラム側円筒部66の上部を駆動軸側円筒面部63から引き剥がすように弾性変形させつつ駆動軸60が上方に変位するようにしている。
また、副ダイヤフラム48の径方向中間部外径寄りに、ハウジング42の内面に設けたハウジング側円筒面部68に沿って押し付けられるように弾性変形した第2のダイヤフラム側円筒部70を設けている。そして図2に示すような開弁状態から図3に示すように駆動軸60が下方に変位する際に、第2のダイヤフラム側円筒部70の上部をハウジング側円筒面部68から引き剥がすように弾性変形するようにしている。
流路構成圧力室56は、酸化ガス供給流路14(図1参照)(出口シャット弁22の場合は酸化ガス系排出流路16)の一部を構成し、弁体58によりガス上流側とガス下流側とが遮断または接続される。また、大気圧室54には、一端を大気と連通させた大気連通管72が接続されており、大気圧室54が大気に開放されている。
また、弁体58の上端部に2個の略円板状要素を結合してなる抑え部材74が結合されており、2個の略円板状要素の間に、ゴム等の弾性材製の主ダイヤフラム46の内周側端部を狭持している。主ダイヤフラム46の外周側端部は、ハウジング42を構成する2個のハウジング要素により狭持するように、ハウジング42の内周部に結合している。これにより、ハウジング42内の仕切り部44上側の空間の上側と下側とは、主ダイヤフラム46により、閉弁用圧力室50と開弁用圧力室52とに分離される。また、閉弁用圧力室50と開弁用圧力室52とに、給排管76が接続されている。
さらに、抑え部材74の下面と、仕切り部44の上面との間に、弾力付与手段であるコイルばね78を設けて、弁体58に上方向、すなわち、開弁状態となる方向に弾力を付与している。弁体58は下方向に変位することにより、弁体本体62の下面が弁座80に着座して、流路を遮断する。すなわち、駆動軸60の軸方向の変位により、流路内が遮断または接続される。また、主ダイヤフラム46を含む駆動軸60上側の部分の受圧面積の直径は、副ダイヤフラム48を含む駆動軸60下側の部分の受圧面積の直径よりも十分に大きくしている。
このような入口シャット弁20では、閉弁用圧力室50を、給排管76(図2、図3)を介して、PSVであるViC側の圧力制御用流路40に接続している。また、開弁用圧力室52を、給排管76を介して、PSVであるViO側の圧力制御用流路40に接続している。駆動軸60の軸方向の変位により、主ダイヤフラム46の中央部分が、上下に反り返るように変位する。
図2に示すように駆動軸60の変位により、弁体58が上向きに駆動されると、酸化ガス供給流路14(図1)の上流側から入口シャット弁20の入口82に向かって流れる空気が、入口シャット弁20の出口84から燃料電池スタック12(図1)側へ排出される。一方、駆動軸60の変位により図3に示すように、弁体58が下向きに駆動されると、出口84が塞がれ、酸化ガス供給流路14の上流側から燃料電池スタック12に向かう空気の流れが遮断される。
なお、出口シャット弁22の場合には、図1に示すように、入口シャット弁20に対して、入口82および出口84が逆になる。そして、駆動軸60(図2、図3)の変位により弁体58が上方に駆動されると、酸化ガス系排出流路16の上流側から出口シャット弁22の入口82に向かって流れる空気オフガスが、出口シャット弁22の出口84から加湿器28側へ排出される。一方、駆動軸60の変位により弁体58が下向きに駆動されると、入口82が塞がれ、酸化ガス系排出流路16の上流側から加湿器28に向かう空気オフガスの流れが遮断される。
駆動軸60の軸方向の変位は、3つのPSVによって制御される。すなわち、入口シャット弁20の場合、ViS,ViC,ViOの3つのPSVによって、開弁用圧力室52と閉弁用圧力室50との圧力が制御される。また、出口シャット弁22の場合には、VoS,VoC,VoOの3つのPSVによって開弁用圧力室52と閉弁用圧力室50との圧力が制御される。
図1に示す、ViS(またはVoS)は、3WAY、すなわち、三方弁式のPSVであり、閉弁用圧力室50と開弁用圧力室52とのうちの一方の圧力室を選択的に、エアコンプレッサ24のガス上流側と接続し、他方の圧力室とエアコンプレッサ24のガス上流側との間を遮断する。また、ViC,ViO,VoC,VoOは、いずれも2Way式のPSVであり、排気用バルブ、すなわち圧抜き用バルブとして機能する。
また、ViS(またはVoS)は、通電状態により流路の接続状態を変化させる。ViS(またはVoS)は、通電されていない状態(非通電状態)において、エアコンプレッサ24のガス吐出側と開弁用圧力室52とを接続する。また、ViS(またはVoS)は、通電された状態(通電状態)で、エアコンプレッサのガス吐出側と閉弁用圧力室50とを接続する。また、ViC,ViO,VoC,VoOは、いずれも非通電状態で弁を閉鎖し、通電状態で弁を開放する、すなわち非作動時に流路を遮断するノーマルクローズ型電磁弁である。
なお、図1から図3において、ViS(VoS),ViC(VoC),ViO(VoO)を表している複数の三角形のうち、黒で塗りつぶした三角形は流路を遮断した状態を示しており、白抜きの三角形は流路を接続した状態を表している(後述する図4、図5も同様)。
このような入口シャット弁20および出口シャット弁22は、燃料電池スタック12の発電停止時に閉弁状態とする。次に、図4は、燃料電池スタックの発電を停止する際に、入口シャット弁20(または出口シャット弁22)を開弁状態(図2に示す状態)から閉弁状態(図3に示す状態)に移行させる場合を、入口シャット弁20で代表して説明する。図4(a)に示すように、入口シャット弁20を開弁している状態では、ViS,ViC,VoOをいずれも非通電状態としている。この状態では、エアコンプレッサ24(図1)からの圧力上昇した空気が開弁用圧力室52に圧力制御用流路40を介して導入されている。なお、図4で、斜線部は、圧力上昇した空気が導入されることを表している(図5も同様)。
そして、この状態から、図4(b)に示すように、ViSを通電状態とし、エアコンプレッサ24(図1)からの圧力上昇した空気が、閉弁用圧力室50に圧力制御用流路40を介して導入されるようにする。また、ViOを通電状態、すなわち開弁状態として、開弁用圧力室52を大気に開放する。この結果、閉弁用圧力室50の圧力と開弁用圧力室52の圧力(大気圧)との間に生じる圧力差により駆動軸60に下方に向かう第1の力F1が作用する。一方、流路構成圧力室56にも、エアコンプレッサ24により圧力上昇した空気が導入されるため、流路構成圧力室56の圧力と大気に連通する大気圧室54の圧力との間に生じる圧力差により、駆動軸60に第1の力F1と逆方向の、上方に向かう第2の力F2が作用する。ただし、本実施の形態の場合、図2、図3に示すように、主ダイヤフラム46を含む駆動軸60上側の部分の受圧面積の直径を、副ダイヤフラム48を含む駆動軸60下側の部分の受圧面積の直径よりも十分に大きくしている。このため、図4(b)、図3に示すように、駆動軸60が第2の力F2とコイルばね78(図3)の弾力とに抗して下方に変位して、弁体本体62が弁座80に着座する。
そしてこの状態で、図4(c)に示すように、ViSを非通電状態にし、すなわち、エアコンプレッサ24吐出側が開弁用圧力室52に通じるようにする。ただし、ViOが開弁しているため、開弁用圧力室52内の圧力は上昇しない。この結果、閉弁用圧力室50内の圧力と、閉弁用圧力室50に通じる圧力制御用流路40内の圧力とが高圧に維持されたままの状態となる。このように、ViSとViCとは、圧力制御用流路40内の圧力を維持するために使用される。
次いで、エアコンプレッサ24の駆動を停止した後に、図4(d)に示すように、ViOを非通電状態、すなわち閉弁状態とする。この場合、開弁用圧力室52内の圧力が低下するため、閉弁用圧力室50内の圧力が開弁用圧力室52内の圧力よりも大きい状態が維持されたままとなる。このため、ViS,ViC,ViOすべてのPSVが非通電状態となり、しかも入口シャット弁20がノーマルオープン型であるのにもかかわらず、この入口シャット弁20を閉弁状態のまま維持できる。このように、ViSとViCとは、閉弁用圧力室52に通じる圧力制御用流路40内の圧力を維持することにより、ノーマルオープン型の入口シャット弁20を閉弁状態にする。また、同様にして、ノーマルオープン型の出口シャット弁22(図1)も、VoS,VoC,VoOを制御することにより、燃料電池スタック12の発電停止の際に、開弁状態から閉弁状態に変化させ、VoS,VoC,VoOのすべてのPSVの非通電状態で、閉弁状態を維持する。
一方、図1に示す加湿器バイパス弁18は、内部に設けたすべての圧力室がすべて同圧であるノーマル状態において、弁体58が閉じる閉弁状態となるノーマルクローズ型のシャット弁としている。加湿器バイパス弁18の詳細構造の図示は省略するが、図2、図3に示した入口シャット弁20または出口シャット弁22と同様の構造で、コイルばね78(図2、図3参照)を、筒状部材64の底板部上面と仕切り部44下面との間に設けたような構造を有する。なお、加湿器バイパス弁18においては、抑え部材74(図2、図3参照)等の、弁体58の上端部に固定した部材の上面とハウジング42の下面との間に、コイルばねを設けて、ノーマルクローズ型のシャット弁とすることもできる(図1の略図参照)。
このような加湿器バイパス弁18は、図1に示すように、PSVのVbC側の圧力制御用流路40に閉弁用圧力室50を、PSVのVbO側の圧力制御用流路40に開弁用圧力室52を、それぞれ接続している。
駆動軸60の変位により弁体58が上向きに駆動されると、加湿器バイパス経路32の上流側から加湿器バイパス弁18の入口82に向かって流れる空気が、加湿器バイパス弁18の出口84から燃料電池スタック12側へ排出される。一方、駆動軸60の変位により弁体58が下向きに駆動されると、出口84が塞がれ、加湿器バイパス経路32の上流側から燃料電池スタック12に向かう空気の流れが遮断される。
駆動軸60の軸方向の変位は、入口シャット弁20、出口シャット弁22の場合と同様に、3つのPSVである、VbS,VbC,VbOによって制御される。なお、図1において、VbS,VbC,VbOを表している複数の三角形のうち、黒で塗りつぶした三角形は流路を遮断した状態を示しており、白抜きの三角形は流路を接続した状態を表している。
また、VbSは、通電状態により流路の接続状態を変化させる。VbSは、通電されていない状態(非通電状態)において、エアコンプレッサ24のガス吐出側と閉弁用圧力室50とを接続し、通電された状態(通電状態)で、エアコンプレッサ24のガス吐出側と開弁用圧力室52とを接続する。また、VbC,VbOは、いずれも非通電状態で弁を閉鎖し、通電状態で弁を開放する、すなわち非作動時に流路を遮断するノーマルクローズ型電磁弁である。
このような加湿器バイパス弁18は、燃料電池スタック12の発電停止時に閉弁状態とする。このように加湿器バイパス弁18を閉弁状態とする場合、図1に示すように、コイルばねの弾力により、弁体58を弁座に押し付けた状態で、VbS,VbC,VbOのすべてを非通電状態とする。
なお、加湿器バイパス弁18は、エアコンプレッサ24により圧力上昇した空気を閉弁用圧力室50に導入するとともに、開弁用圧力室52を大気に開放することによっても、閉弁状態とできる。この際、開弁用圧力室52と閉弁用圧力室50とでの圧力差により駆動軸60に下方に作用する力と、コイルばねの弾力とにより、駆動軸60が下方に駆動する。この場合、流路構成圧力室56と大気圧室54との圧力差により駆動軸60に上方に力が作用するが、主ダイヤフラム46(図2、図3参照)を含む駆動軸60上側の部分の受圧面積の直径を、副ダイヤフラム48(図2、図3参照)を含む駆動軸60下側の部分の受圧面積の直径よりも十分に大きくしていることと、コイルばねの弾力とが相まって、駆動軸60は下方に変位する。そして、加湿器バイパス弁18が閉弁する。
上記のように、加湿器バイパス弁18、入口シャット弁20、出口シャット弁22の圧力を制御するためのPSVである、VbS,VbC,VbO,ViS,ViC,ViO,VoS,VoC,VoOは、ECU等の制御部により制御される。すなわち、制御部は、燃料電池スタック12の発電停止時に、入口シャット弁20と加湿器バイパス弁18と出口シャット弁22とのすべてを遮断、すなわち閉弁状態とすることにより、燃料電池スタック12のカソード側電極側の流路のガス上流側とガス下流側とを密に遮断する。
次に、入口シャット弁20および出口シャット弁22を、燃料電池スタック12の発電運転開始時に閉弁状態から開弁状態とする場合の作用を、図5を用いて、入口シャット弁20により代表して説明する。図5(a)は、上記の図4(d)に対応する。入口シャット弁20を開弁する場合、図5(a)で、ViSを非通電状態としたまま、エアコンプレッサ24(図1参照)を始動させ、その後、図5(b)に示ように、ViCを通電状態とし、すなわち開弁状態として、閉弁用圧力室50を大気に開放する。これによって、閉弁用圧力室50内の圧力上昇した空気が大気に放出され、圧力が低下する。また、エアコンプレッサ24からの圧力上昇した空気が圧力制御用流路40を通じて開弁用圧力室52に導入される。これにより、開弁用圧力室52の圧力と閉弁用圧力室50の圧力(大気圧)との間に圧力差が生じる。
また、流路構成圧力室56にもエアコンプレッサ24から圧力上昇した空気が導入されるため、流路構成圧力室56の圧力と、大気に連通する大気圧室54の圧力との間にも圧力差が生じる。流路構成圧力室56の圧力は、図3に示す副ダイヤフラム48の環状変形部67の下面に加わる。このため、副ダイヤフラム48が筒状部材64を押し上げて、図2、図5(b)に示すように、駆動軸60が上方に変位する。この結果、駆動軸60は、流路構成圧力室56と大気圧室54とでの圧力差により駆動軸60に上方に作用する第3の力F3と、閉弁用圧力室50と開弁用圧力室52とでの圧力差により駆動軸60に上方に作用する第4の力F4との両方の力F3、F4と、コイルばね78(図2、図3)の弾力とにより、上方に駆動する。
また、入口シャット弁20が開弁しきった状態で、ViCを非通電状態、すなわち閉弁状態として、閉弁用圧力室50と大気との間を遮断する。そして、ViS,ViC,ViOのすべてのPSVの非通電状態で、開弁状態を維持する。また、同様にして、出口シャット弁22(図1)の場合も、VoCを制御することにより、燃料電池スタック12の発電運転開始時に、閉弁状態から開弁状態に変化させ、VoS,VoC,VoOのすべてのPSVの非通電状態で、開弁状態を維持する。
一方、図1に示す加湿器バイパス弁18を開弁する場合、エアコンプレッサ24により圧力上昇した空気を開弁用圧力室52に導入するとともに、閉弁用圧力室50を大気に開放する。この結果、エアコンプレッサ24により圧力上昇した空気が導入される流路構成圧力室56と大気圧室54(図2、図3参照)とでの圧力差により駆動軸60(図2、図3参照)に上方に作用する第3の力F3´と、閉弁用圧力室50と開弁用圧力室52とでの圧力差により駆動軸60に上方に作用する第4の力F4´との両方の力F3´、F4´により、駆動軸60がコイルばねの弾力に抗して上方に駆動する。そして、加湿器バイパス弁18が開弁する。
上記のような燃料電池システムによれば、酸化ガス供給流路14を構成する本経路30に設けた入口シャット弁20と、加湿器バイパス経路32に設けた加湿器バイパス弁18と、制御部と、を備え、制御部は、燃料電池スタック12の発電停止時に、入口シャット弁20と加湿器バイパス弁18との両方を遮断することにより、燃料電池スタック12のカソード側電極側の流路のガス上流側を遮断する構成を備える。このため、燃料電池スタック12に設ける触媒をカーボンにより保持している場合でも、運転停止中に燃料電池スタック12内に新たな空気を導入されにくくして、カーボンが早期に酸化するのを抑えることができる。このため、燃料電池システム10の寿命の向上を図れるとともに、良好な発電性能を長期に確保できる。
また、入口シャット弁20と加湿器バイパス弁18とのうち、一方の弁の故障時に他方の弁を使用することにより、燃料電池システム10の運転を可能とすることができる。例えば、入口シャット弁20が閉弁状態で故障した場合でも、加湿器バイパス弁18を開放することにより、燃料電池スタック12に新たな空気を供給でき、燃料電池スタック12を発電させることができる。
この結果、燃料電池システム10の寿命向上を図れるとともに、良好な発電性能を長期に確保して、かつ、入口シャット弁20または加湿器バイパス弁18の故障時でも運転を可能とすることができる。
また、本実施の形態の場合、発電運転を停止した放置中、すなわち、入口シャット弁20、出口シャット弁22、加湿器バイパス弁18のそれぞれに対応するすべての3つずつのPSVの非通電状態で、入口シャット弁20と出口シャット弁22と加湿器バイパス弁18とを、いずれも閉弁状態に維持できる。このため、燃料電池スタック12のカソード側電極側の内部の流路に新たな空気が供給されることをより有効に防止できる。
また、加湿器バイパス弁18を、内部のすべての圧力室が同圧であるノーマル状態において、閉弁状態となるノーマルクローズ型の遮断弁とし、入口シャット弁20および出口シャット弁22を、ノーマル状態において開弁状態となるノーマルオープン型の遮断弁とする構成において、加湿器バイパス弁18と入口シャット弁20と出口シャット弁22とは、流体の圧力差で駆動する弁とし、ノーマルオープン型の入口シャット弁20および出口シャット弁22に圧力差発生用の流体を供給するための圧力制御用流路40と、圧力制御用流路40内の圧力を維持するために使用する、非作動時に流路を遮断するノーマルクローズ型電磁弁であるViS,ViC,ViO,VoS,VoC,VoOと、を備え、入口シャット弁20、出口シャット弁22は、燃料電池スタック12の発電停止時に、圧力制御用流路40内の圧力を維持することにより、入口シャット弁20および出口シャット弁22を閉弁状態とする。このため、発電停止中にノーマルオープン型の入口シャット弁20および出口シャット弁22の遮断を継続するための電力が不要になり、低燃費化を図れる。
また、入口シャット弁20および出口シャット弁22をノーマルオープン型としているため、ViS(またはVoS)の故障時でもViC(またはVoC)を作動させることにより、入口シャット弁20または出口シャット弁22を開弁状態にすることができる。また、ViS,ViC,ViOのいずれか、または、VoS,VoC,VoOのいずれかの故障時でも、閉弁用圧力室50内の圧力がコイルばね78(図2、図3)の弾力に打ち勝つほどの高圧ではない場合等には、コイルばね78の弾力により、入口シャット弁20および出口シャット弁22を開弁状態にできる。すなわち、入口シャット弁20および出口シャット弁22の圧力制御用の弁であるPSVの故障時でも、入口シャット弁20および出口シャット弁22を開弁状態にしやすくできる。このため、燃料電池システム10が流路内の圧力の異常上昇により制限圧力を超え、運転停止になることを防止できる。
また、加湿器バイパス弁18をノーマルクローズ型としているため、VbS,VbC,VbOの故障時でも、加湿器バイパス弁18をコイルばねの弾力により閉弁状態に維持できて、燃料電池システム10の運転時に過度に乾燥した空気が燃料電池スタック12に導入され、燃料電池スタック12内部の加湿不足により発電性能が低下するのを防止できる。
また、本実施の形態の場合には、制御部は、燃料電池スタック12の発電停止指令を受けた後において、燃料電池スタック12にエアコンプレッサ24から加湿器バイパス経路32を通じて空気を供給して掃気処理を行うようにエアコンプレッサ24の作動を制御し、さらに、加湿器バイパス弁18の圧力を、VbS,VbC,VbOの3個のPSVにより制御する掃気処理制御手段を有する。この場合、本経路30に設けた入口シャット弁20は閉弁したままの状態とする。これにより、燃料電池スタック12内に存在する水分を、エアコンプレッサ24からの空気により外部に排出できる。このため、発電停止の放置中に燃料電池スタック12内の水分が凍結して、発電運転を再開しようとする場合にガスが燃料電池スタック12内に良好に供給されず、正常な発電運転が行えなくなることを、より有効に防止できる。
また、掃気処理制御手段は、掃気処理時に、氷点下での凍結等による加湿器バイパス弁18の故障により、加湿器バイパス弁18が開弁されない場合に、上記の図5に示したように入口シャット弁20を閉弁状態から開弁状態にするように、ViCを制御し、本経路30を通じて燃料電池スタック12に空気を供給する機能も有する。このような加湿器バイパス弁18の故障を判定するために、掃気処理制御手段は、燃料電池スタック12の発電停止処理時に掃気処理を行う際に、入口圧力センサP1の圧力検出値を監視する。そして、監視した圧力検出値が予め設定した所定の圧力閾値以上に上昇した場合に、加湿器バイパス弁18が閉状態の故障であると判定する。この様な故障判定は、エアコンプレッサ24の吐出流量を図示しないエアフローメータにより監視しながら行う。そして、加湿器バイパス弁18が故障であると判定されたならば、掃気処理制御手段は、入口シャット弁20が開状態になるようにViCを制御する。これにより、エアコンプレッサ24からの空気が本経路30を通じて燃料電池スタック12に導入され、燃料電池スタック12内の水分が掃気される。このような構成により、エアコンプレッサ24の吐出圧が異常に上昇して、燃料電池システム10が異常停止する不都合をなくせる。
なお、本経路30を通じて掃気処理のための空気を燃料電池スタック12に導入する場合には、本経路30の途中に加湿器28を設けているため、掃気処理に通常の掃気処理の場合よりも時間を要する可能性がある。ただし、この場合でも、燃料電池システム10の流路内の圧力が異常に上昇して停止することを防止できるので優れた効果を得られる。
さらに、掃気処理制御手段は、掃気処理時に、燃料電池バイパス経路36に設けた電磁弁である、燃料電池バイパス弁38を開閉制御することもできる。すなわち、掃気処理制御手段は、掃気処理時に、燃料電池バイパス弁38を半開とする等の一定開度の開弁状態としながら、加湿器バイパス弁18を通じてエアコンプレッサ24からの空気を燃料電池スタック12に導入する構成とすることもできる。この場合、加湿器バイパス弁18が閉状態の故障である場合でも、エアコンプレッサ24の吐出圧が異常に上昇するのを防止して、燃料電池システム10が異常に停止するのを防止できる。そして、エアフローメータの流量検出値を監視しながら、入口圧力センサP1の圧力検出値を監視して、圧力検出値が予め設定した所定の圧力閾値以上に上昇した場合に、加湿器バイパス弁18が閉状態の故障であると判定する。そして、加湿器バイパス弁18が故障であると判定されたならば、掃気処理制御手段は、入口シャット弁20が開状態になるようにViCを制御する。また、掃気処理制御手段は、エアコンプレッサ24の作動を停止した状態、すなわち、掃気処理終了後に、燃料電池バイパス弁38を閉弁する。
[第2の発明の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態の燃料電池システムを構成する入口シャット弁20A(出口シャット弁22A)を開弁状態で示す断面図である。図6に示すように、入口シャット弁20A(出口シャット弁22A)は、弁体58を鉛直方向(図6の上下方向)に対し傾斜させ、弁体58の駆動方向を鉛直方向に対し傾斜した方向としている。これに伴って、ハウジング42Aの上側部分は、全体を鉛直方向に対し傾斜させている。
さらに、以下、入口シャット弁20Aにより主に代表して説明するが、ハウジング42Aにおいて、流路構成圧力室56のガス上流側(図6の左側)とガス下流側(図6の右側)とに、入口側接続部86と出口側接続部88とを設けている。入口側接続部86は、全体を鉛直方向に対し傾斜させるとともに、接続側端部の接続面90が水平方向に向くようにしている。また、出口側接続部88は、弁体58側を鉛直方向に対し傾斜させ、接続側端部を接続面90が水平方向に向くようにしている。
また、入口側接続部86と出口側接続部88とに接続した2本の配管92を、少なくとも接続部の周辺部で水平方向に配置するとともに、2本の配管92の下面を、水平方向の単一の仮想平面α上に位置させている。さらに、入口シャット弁20の弁体本体62と弁座80との互いに押し付け合う面A,Bを鉛直方向に対し傾斜させるとともに、押し付け面A,Bを、流路構成圧力室56内を流れるガスの上流側で低く、ガスの下流側で高くなるようにしている。弁体58が下方に駆動されると、弁体本体62は弁座80に押し付けられる。
なお、出口シャット弁22の場合には、入口シャット弁20に対して入口82、出口84が逆になる。すなわち、出口シャット弁22の場合には、押し付け面A,Bが流路構成圧力室56内を流れるガスの上流側で高く、ガスの下流側で低くなる。また、加湿器バイパス弁18も入口シャット弁20と同様の構成として、入口82、出口84も入口シャット弁20と同じ側とする。
このような入口シャット弁20、出口シャット弁22、加湿器バイパス弁18を使用する本実施の形態によれば、弁体本体62と弁座80との押し付け面A,Bを鉛直方向に対し傾斜させているため、流路構成圧力室56を流れるガス中に水や水蒸気から液化した水が弁座80の押し付け面A,Bに付着した場合でも、この水を押し付け面A,Bに沿って落下させることができる。このため、氷点下等の低温環境で使用したり、放置する場合でも、各弁20,22,18の弁体58と弁座80とが凍結により固着して駆動停止する事態を発生しにくくできる。
その他の構成および作用については、上記の第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する図示ならびに説明を省略する。
[第3の発明の実施の形態]
次に、図7は、本発明の第3の実施の形態の燃料電池システムにおいて、起動制御方法を示すフローチャートである。本実施の形態の場合、燃料電池システムの構成自体は、上記の図1から図5に示した第1の実施の形態の場合とほぼ同様であるため、以下、図1から図5と同等部分の構成については、同一の符号を用いて説明する。本実施の形態は、燃料電池システム10の発電起動時において、加湿器バイパス弁18と入口シャット弁20とのうち、一方の弁の故障時に、他方の弁を開弁し、他方の弁が設けられた流路を通じて燃料電池スタック12に空気を供給するようにしている。
まず、発電起動時に加湿器バイパス経路32と本経路30とのうち、加湿器バイパス経路32のみを通じて燃料電池スタック12に空気を供給し、所定時間経過後に、加湿器バイパス経路32と本経路30とのうち、本経路30のみを通じて燃料電池スタック12に空気を供給して、発電する場合について説明する。なお、このように発電起動時に最初に加湿器バイパス経路32を通じて燃料電池スタック12に空気を供給するのは、起動時に加湿器28を通過した空気を燃料電池スタック12に供給すると、燃料電池スタック12の温度が低い場合に内部に水が過度に溜まり、発電が阻害される可能性があるためである。このために、上記のように、発電起動時に最初に加湿器バイパス経路32を通じて燃料電池スタック12に乾燥した空気を供給することにより、燃料電池スタック12内に水が過度に溜まることをより有効に防止して、発電性能をより有効に確保できるようにする。
図1と図7とを参照しつつ、本実施の形態により、発電起動時に燃料電池スタック12に空気を供給する場合の起動制御方法を説明する。まず、ステップS1で、イグニッションキーのオン等により、燃料電池システム12に起動指令が送られると、制御部は、加湿器バイパス弁18の開弁指令に基づいて、加湿器バイパス弁18を開弁するように、VbS,VbC,VbOを開閉制御する指令信号を出す。すなわち、VbS、VbCを通電状態とするための指令信号を出す。
次いで、ステップS2において、燃料電池バイパス弁38を半開(例えば50%の開度)等、一定の開度に開弁して、エアコンプレッサ24を作動し、圧力上昇した空気を送り出す。次いで、ステップS3において、エアコンプレッサ24の出口に位置する入口圧力センサP1の圧力検出値を監視しながら、エアコンプレッサ24による空気の吐出流量(送量)が設定値の例えば80%に達し、それに達してからt1secの所定時間待機し、安定待ちを行う。エアコンプレッサ24による空気の吐出流量は、図示しないエアフローメータにより監視する。
そして、ステップS4において、ステップS3の安定待ち時間中に、入口圧力センサP1の圧力検出値が、予め設定した圧力閾値Ps以上になり、予め設定した継続時間t2、例えば数百msecを経過したか否かを判定する。ステップS4で、肯定(yes)の判定結果が得られた場合には、加湿器バイパス弁18が正常に開弁していない故障状態であると判定して、ステップS6で入口シャット弁20の開弁指令を出す。この開弁指令が出された後には、ステップS5で、通常の起動シーケンス処理に移行する。これにより、エアコンプレッサ24から吐出された空気が本経路30を通じて燃料電池スタック12に供給され、発電が開始される。
これに対して、ステップS4で、否定(no)の判定結果が得られた場合には、加湿器バイパス弁18が正常に開弁していると判定して、ステップS5で、通常の起動シーケンス処理に移行し、エアコンプレッサ24から吐出された空気を、加湿器バイパス経路32を通じて燃料電池スタック12に供給し、発電を開始する。このように本実施の形態の場合には、加湿器バイパス弁18の故障を、圧力検出手段である入口圧力センサP1に検知した圧力検出値から検知する。
このような本実施の形態の場合、制御部は、始動時において、入口シャット弁20と加湿器バイパス弁18とのうち、一方の弁である、加湿器バイパス弁18に異常が発生したことが検知された場合に、他方の弁である入口シャット弁20を開弁し、本経路30を通じて燃料電池スタック12に空気を供給する構成を備えるので、加湿器バイパス弁18の故障にかかわらず、燃料電池システム10の発電運転を行える。
なお、上記の説明においては、発電起動時に加湿器バイパス経路32と本経路30とのうち、先に加湿器バイパス経路32のみを通じて燃料電池スタック12に空気を供給して、発電する場合について説明した。ただし、本実施の形態は、このような場合に限定するものではなく、発電起動時に、入口シャット弁20と加湿器バイパス弁18とのうち、先に入口シャット弁20のみを開弁して本経路30を通じて燃料電池スタック12に空気を供給する場合でも実施できる。この場合、ステップS1において、入口シャット弁20の開弁指令を出し、ステップS4において肯定の判定結果が得られた場合には、入口シャット弁20に故障が生じたと判定して、ステップS6で加湿器バイパス弁18の開弁指令を出す。そして、加湿器バイパス経路32を通じて燃料電池スタック12に空気を供給し、発電を開始する。
その他の構成および作用については、上記の図1から図5に示した第1の実施の形態と同様であるため、重複する説明ならびに図示は省略する。
[第4の発明の実施の形態]
次に、図8は、本発明の第4の実施の形態の燃料電池システムにおいて、起動制御方法を示すフローチャートである。本実施の形態の場合も、上記の図7に示した第3の実施の形態の場合と同様に、燃料電池システムの構成自体は、上記の図1から図5に示した第1の実施の形態の場合とほぼ同様である。このため、以下、図1から図5と同等部分の構成については、同一の符号を用いて説明する。本実施の形態の場合も、上記の第3の実施の形態の場合と同様に、燃料電池システム10の発電起動時において、加湿器バイパス弁18と入口シャット弁20とのうち、一方の弁の故障時に、他方の弁を開弁し、他方の弁が設けられた流路を通じて燃料電池スタック12に空気を供給するようにしている。
また、本実施の形態の場合も、発電起動時に加湿器バイパス経路32と本経路30とのうち、先に加湿器バイパス経路32のみを通じて燃料電池スタック12に空気を供給し、所定時間経過後に、加湿器バイパス経路32と本経路30とのうち、本経路30のみを通じて燃料電池スタック12に空気を供給して、発電する。
特に、本実施の形態の場合には、加湿器バイパス弁18または入口シャット弁20の故障を判定するために、加湿器バイパス弁18または入口シャット弁20を駆動するために設けられた電磁弁であるPSV,すなわち、VbS,VbC,VbO,ViS,ViC,ViOの状況から、加湿器バイパス弁18または入口シャット弁20の故障を検知する。また、本実施の形態の場合には、加湿器バイパス弁18または入口シャット弁20の駆動用のPSV、すなわち、VbS,VbC,VbOのそれぞれと電源とをつなぐ電源線の少なくともいずれか1の電源線、または、ViS,ViC,ViOのそれぞれと電源とをつなぐ電源線の少なくともいずれか1の電源線の短絡または断線を検出するための電源線異常検出手段を設けている。
電源線異常検出手段は、例えば、制御部であるECUに組み込んだ電源線異常検出回路である。電源線異常検出回路は、電源線の短絡または断線である異常を検出し、制御部は、この異常を表す検出信号に応じて、入口シャット弁20駆動用のPSV、または、加湿器バイパス弁18駆動用のPSVを開閉制御する。
図1と図8とを参照しつつ、本実施の形態により、発電起動時に燃料電池スタック12に空気を供給する場合の起動制御方法を説明する。まず、ステップS1で、イグニッションキーのオン等により、燃料電池システム10に起動指令が送られると、制御部は、加湿器バイパス弁18の開弁指令に基づいて、加湿器バイパス弁18を開弁するように、VbS,VbC,VbOを開閉制御する指令信号を出す。すなわち、VbS、VbCを通電状態とするための指令信号を出す。
次いで、ステップS2において、ステップS1のVbS,VbC,VbOを開閉制御する指令信号を正常に出せない、すなわち、電源線異常検出手段により、VbS,VbC,VbOのいずれかと電源とをつなぐ電源線の短絡、断線等による異常が検出されたか否かを判定する。この判定により、異常が検出されたと判定された場合には、ステップS3において、起動シーケンスを切り替える。すなわち、制御部は、入口シャット弁20を開弁するように、入口シャット弁20駆動用のPSVである、ViS,ViC,ViOを開閉制御する。これにより、エアコンプレッサ24から吐出された空気が本経路30を通じて燃料電池スタック12に供給され、発電が開始される。
これに対して、ステップS2で、電源線の異常が検出されないと判定された場合には、加湿器バイパス弁18が正常に開弁していると判定して、ステップS4で、通常の起動シーケンス処理に移行し、エアコンプレッサ24から吐出された空気を、加湿器バイパス経路32を通じて燃料電池スタック12に供給し、発電を開始する。
このような本実施の形態の場合も、制御部は、始動時において、入口シャット弁20と加湿器バイパス弁18とのうち、一方の弁である、加湿器バイパス弁18に異常が発生したことが検知された場合に、他方の弁である入口シャット弁20を開弁し、本経路30を通じて燃料電池スタック12に空気を供給する構成を備えるので、加湿器バイパス弁18の故障にかかわらず、燃料電池システム10の発電運転を行える。
なお、上記の説明においては、発電起動時に加湿器バイパス経路32と本経路30とのうち、先に加湿器バイパス経路32のみを通じて燃料電池スタック12に空気を供給して、発電する場合について説明した。ただし、本実施の形態も、このような場合に限定するものではなく、発電起動時に、入口シャット弁20と加湿器バイパス弁18とのうち、先に入口シャット弁20を開弁して本経路30を通じて燃料電池スタック12に空気を供給する場合でも実施できる。この場合、ステップS1において、入口シャット弁20の開弁指令を出し、ステップS4において入口シャット弁20駆動用のPSVの電源線の短絡または断線が判定された場合には、入口シャット弁20に故障が生じたと判定して、ステップS3で加湿器バイパス弁18の開弁指令を出す。そして、加湿器バイパス経路32を通じて燃料電池スタック12に空気を供給し、発電を開始する。
その他の構成および作用については、上記の図1から図5に示した第1の実施の形態と同様であるため、重複する説明ならびに図示は省略する。
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池システムの基本構成を示す図である。 図1の燃料電池システムに使用する入口シャット弁(または出口シャット弁)の構造を、開弁状態で示す断面図である。 同じく閉弁状態で示す断面図である。 入口シャット弁を開弁状態から閉弁状態に移行する場合のPSVの切り替えを説明するための略断面図である。 入口シャット弁を閉弁状態から開弁状態に移行する場合のPSVの切り替えを説明するための略断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池システムに使用する入口シャット弁(または出口シャット弁)の構造を、開弁状態で示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、起動制御方法を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池システムにおいて、起動制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池システム、12 燃料電池スタック、14 酸化ガス供給流路、16 酸化ガス系排出流路、18 加湿器バイパス弁、20,20A 入口シャット弁、22,22A 出口シャット弁、24 エアコンプレッサ、26 インタークーラ、28 加湿器、30 本経路、32 加湿器バイパス経路、34 調圧弁、36 燃料電池バイパス経路、38 燃料電池バイパス弁、40 圧力制御用流路、42,42A ハウジング、44 仕切り部、46 主ダイヤフラム、48 副ダイヤフラム、50 閉弁用圧力室、52 開弁用圧力室、54 大気圧室、56 流路構成圧力室、58 弁体、60 駆動軸、62 弁体本体、63 駆動軸側円筒面部、64 筒状部材、66 ダイヤフラム側円筒部、67 環状変形部、68 ハウジング側円筒面部、70 第2のダイヤフラム側円筒部、72 大気連通管、74 抑え部材、76 給排管、78 コイルばね、80 弁座、82 入口、84 出口、86 入口側接続部、88 出口側接続部、90 接続面、92 配管。

Claims (5)

  1. 燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    燃料電池に酸化ガスを供給または排出するための酸化ガス流路と、を備える燃料電池システムであって、
    酸化ガス流路を構成する第1のガス流路に設けられた第1の遮断弁と、
    第1のガス流路の迂回路である第2のガス流路に設けられた第2の遮断弁と、
    制御部と、を備え、
    制御部は、燃料電池の発電停止時に、第1の遮断弁と第2の遮断弁との両方を遮断することにより、燃料電池のカソード側電極側の流路のガス上流側または下流側を遮断し、
    第1の遮断弁と第2の遮断弁とのうち一方の遮断弁が、内部のすべての圧力室が同圧であるノーマル状態において開弁状態となるノーマルオープン型の遮断弁であり、かつ、流体の圧力差で駆動する弁であり、
    さらに、一方の遮断弁に圧力差発生用の流体を供給するための圧力制御用流路と、
    圧力制御用流路内の圧力を維持するために使用する、非作動時に流路を遮断するノーマルクローズ型電磁弁と、を備え、
    ノーマルクローズ型電磁弁は、燃料電池の発電停止時に、圧力制御用流路内の圧力を維持することにより、一方の遮断弁を閉弁状態とすることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    第1の遮断弁と第2の遮断弁とのうち他方の遮断弁が、ノーマル状態において閉弁状態となるノーマルクローズ型の遮断弁であり、かつ、流体の圧力差で駆動する弁であることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    燃料電池に酸化ガスを供給または排出するための酸化ガス流路と、を備える燃料電池システムであって、
    酸化ガス流路のうち、酸化ガス供給流路を構成する第1のガス流路に設けられた第1の遮断弁と、
    第1のガス流路の迂回路である第2のガス流路に設けられた第2の遮断弁と、
    制御部と、を備え、
    制御部は、燃料電池の発電停止時に、第1の遮断弁と第2の遮断弁との両方を遮断することにより、燃料電池のカソード側電極側の流路のガス上流側を遮断し、
    制御部は、始動時において、第1の遮断弁と第2の遮断弁とのうち一方の遮断弁に異常が発生したことが検知された場合に、他方の遮断弁を開弁し、他方の遮断弁が設けられた流路を通じて酸化ガスを燃料電池に供給することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    制御部は、一方の遮断弁の異常を、圧力検出手段に検知された圧力値または遮断弁を駆動するために設けられた電磁弁の状況から検知することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    燃料電池に酸化ガスを供給するための酸化ガス供給流路と、を備える燃料電池システムであって、
    酸化ガス供給流路を構成する第1のガス流路に設けられた第1の遮断弁と、
    第1のガス流路の迂回路である第2のガス流路に設けられた第2の遮断弁と、
    制御部と、を備え、
    制御部は、燃料電池の発電停止時に、第1の遮断弁と第2の遮断弁との両方を遮断することにより、燃料電池のカソード側電極側の流路のガス上流側を遮断し、
    第1の流路は加湿器を通過する本経路であり、
    第2の流路は加湿器を迂回する加湿器バイパス経路であり、
    制御部は、燃料電池の発電停止指令を受けた後に燃料電池に酸化ガスを供給する掃気処理時に、加湿器バイパス経路に設けられた第2の遮断弁が開放されない場合に、本経路に設けられた第1の遮断弁を通じて燃料電池に酸化ガスを供給する掃気処理制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。
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