JP2005353425A - 燃料電池システム - Google Patents

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明宏 榊田
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努 山崎
Sei Hoshi
聖 星
Kazuhiro Kageyama
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Abstract

【課題】燃料電池システムにおいて、運転停止時にシステム内の水分を除去する。
【解決手段】燃料電池1へ空気を圧送する空気圧送手段11と、導入される燃料電池1の排気を用いて空気圧送手段11の上流側で空気を加湿する加湿手段50と、を備えた燃料電池システムにおいて、空気供給通路10の空気圧送手段11の下流側で分岐して加湿手段50の上流側に接続する空気還流通路70と、該空気還流通路70を開閉する空気還流通路開閉手段71と、燃料電池1の排気を加湿手段50に導入する空気排出通路20の途中で分岐して加湿手段50をバイパスするバイパス通路90と、該バイパス通路を開閉するバイパス通路開閉手段91とを設け、運転停止時に、燃料電池1の排気をバイパス通路90により放出させるとともに、空気圧送手段11から吐出された空気を空気還流通路70により還流させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素と酸素とを反応させて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムに関し、特に、システム停止時にシステム内の水分を効果的に除去する技術に関する。
燃料電池システムにおいては、加湿器や配管内の水分が凍結するとシステムが起動できなくなってしまうことから、かかる凍結を防止する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、運転停止時に暖かい燃料電池の排気を還流させることにより、配管内を換気して残留水分を除去するようにしている。
特開2002−208422号公報
しかしながら、上記従来の技術では、システム停止時に燃料電池の排気という湿潤空気を還流させて配管内を換気しているため、結局、配管内には湿潤空気が満たされた状態でシステムが停止することになる。
したがって、この状態のまま低温環境下(氷点下)で保管されたりすると、システム内の水分により結露水の発生やその凍結を招いてしまい、十分な効果を得ることができないという問題がある。
本発明は、このような問題に着目してなされたもので、燃料電池システムにおいて、システム停止時に高温かつ乾燥した空気を還流させることにより、システム停止時にシステム内の残留水分を効果的に除去できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
このため、本発明は、空気供給通路より供給された空気と水素供給通路より供給された水素とを反応させて発電する燃料電池と、前記空気供給通路に設けられ、前記燃料電池へ空気を圧送する空気圧送手段と、前記燃料電池の排気が導入され、導入された燃料電池の排気を用いて、前記空気供給通路の前記空気圧送手段の上流側で空気を加湿する加湿手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記空気供給通路の前記空気圧送手段の下流側で分岐して、前記空気供給通路の前記加湿手段の上流側に接続する空気還流通路と、該空気還流通路を開閉する空気還流通路開閉手段と、前記燃料電池の排気を前記加湿手段に導入する空気排出通路の途中で分岐して、前記加湿手段をバイパスするバイパス通路と、該バイパス通路を開閉するバイパス通路開閉手段と、を設け、運転停止時に、前記燃料電池の排気を前記バイパス通路により放出させるとともに、前記空気圧送手段から吐出された空気を前記空気還流通路により還流させることを特徴とする。
本発明によると、システムの運転停止時に、バイパス通路開閉手段を「開」とすることにより、燃料電池の排気がバイパス通路によって加湿手段を迂回して放出される。これにより、加湿手段による吸入空気の加湿が停止し、空気圧送手段から吐出される空気は、高温かつ乾燥したものとなる。そして、この高温かつ乾燥した空気が燃料電池へと供給されることで燃料電池及び配管内の水分は除去される。また、バイパス通路開閉手段と同時に又は少し遅れて、空気還流通路開閉手段を「開」とすることにより、空気圧送手段から吐出される高温かつ乾燥した空気が空気還流通路によって加湿手段の上流側に還流される。この還流された高温かつ乾燥した空気は、空気圧送手段の負圧によって、加湿手段を通過して再び空気圧送手段へと吸入される。これにより、加湿手段内の水分も除去される。このように、システムの運転停止時に。高温かつ乾燥した空気でシステム内を換気(掃気)するようにしたので、システム内の水分を効果的に除去することができ、低温環境下での保管時におけるシステム内での結露水の発生や凍結を防止できる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用の燃料電池システムの構成を模式的に示したものである。図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池システムは、発電手段としての燃料電池スタック(以下、単に「燃料電池」という)1と、この燃料電池1の酸素極(正極)に酸化剤としての空気(酸素)を供給するための空気供給通路10と、燃料電池1の排出空気(排気)を放出するための空気排出通路20と、燃料電池1の水素極(負極)に燃料としての水素を水素タンク31から供給するための水素供給通路30と、燃料電池1内で使いきらない水素を再び水素供給側に戻す水素循環通路40と、を備えている。
空気供給通路10には、吸入空気を圧送する圧縮機(空気圧送手段)11、空気供給通路10を開閉する供給通路開閉弁12が設けられている。また、一般に、燃料電池1の固体高分子膜は潤湿状態に保たれている必要があることから、吸入空気を加湿する加湿器50(供給側50a,排出側50b)が設けられる。この加湿器(加湿手段)50は、例えば中空糸を使用して燃料電池1の排気(中の水分)を利用して吸入空気を加湿するものであり、図に示すように圧縮機11の上流側で吸入空気を加湿する。
さらに、加湿器50による加湿を補助するために、圧縮器11内(又は圧縮機11の近傍)に水を霧状にして噴射して吸入空気を加湿する水噴射弁(第2加湿手段)55が設けられている。なお、この水噴射弁55には、後述する貯水タンク62内に蓄えられた水が供給される。
圧縮機11には、図示しないエアクリーナによりゴミ等が除去されて、加湿器50によって加湿された空気が流入する。そして、圧縮機11から吐出される所定の圧力の空気(圧縮空気)が供給通路開閉弁12を介して燃料電池1(の酸素極)に供給される。
ここで、空気供給通路10において、圧縮機11の上流側で吸入空気を加湿するようにしたのは、燃料電池1の排気を利用して吸入空気を加湿する場合には、該排気と吸入空気との間にある程度の温度差及び圧力差が必要となるところ、圧縮機11を加湿器50の上流側に配置してしまうと、吸入空気が圧縮機11によって圧縮されて温度、圧力が上昇してしまうため、燃料電池の排気との間に十分な温度差及び圧力差を確保することが難しくなることを考慮したものである。
空気排出通路20には、燃料電池1の排気から水分を回収する水回収装置60、燃料電池1上流側の空気圧力を制御するための空気圧力制御弁21が設けられている。なお、図に示すように、燃料電池1の排気は、この空気排出通路20を介して加湿器50(排気側50b)に導入されるようになっている。
水回収装置60は、例えば気液分離器から構成されており、空気排出通路20において加湿器50(排出側50b)の下流側に設けられている。そして、加湿器50(排出側50b)を通過して除湿された燃料電池1の排気から水分を回収する。この水回収装置60で回収された水は、水回収通路61を介して貯水タンク62に蓄えられる。
貯水タンク62と前述の水噴射弁55とは水供給通路63を介して接続されている。この水供給通路63には、貯水タンク62に蓄えられた水を圧送するポンプ(水圧送手段)64、圧送された水を所定の水圧に調整する水圧調整器(水圧調整手段)65が設けられている。なお、水圧調整器65で発生する余剰水は、水還流通路66を介して貯水タンク62へと戻されるようになっている。
また、本実施形態に係る燃料供給システムは、空気供給通路10において圧縮機11の下流側(より具体的には、圧縮機11と供給通路開閉弁12との間)で分岐して加湿器50(供給側50a)上流側に接続する第1空気還流通路(空気還流通路)70と、同じく空気供給通路10において圧縮機11の下流側(圧縮機11と空気通路開閉弁12との間)で分岐して加湿器50(供給側50a)と圧縮機11との間に接続する第2空気還流通路80と、空気排出通路20において加湿器50(排出側50b)の上流側で分岐して加湿器50(排出側50b)の下流側に接続する(すなわち、加湿器50(排出側50b)をバイパスする)加湿器バイパス通路(バイパス通路)90とを備えている。
第1空気還流通路70には、該第1空気還流通路70を開閉する第1通路開閉弁(空気還流通路開閉手段)71が設けられている。この第1通路開閉弁41を開くと、圧縮機11から吐出された空気の全部又は一部が第1空気還流通路70を介して加湿器50(吸入側50a)の上流側へと戻されることになる。
第2空気還流通路80には、該第2空気還流通路80を開閉する第2通路開閉弁(第2空気還流通路開閉手段)81、蓄圧装置82及び該蓄圧装置82の圧力を開放するための圧力開放弁83が設けられている。第2通路開閉弁81を開くと、圧縮機11から吐出された空気の全部又は一部が蓄圧装置82へと供給され、この蓄圧装置82に蓄えられる。その後、圧力開閉弁83を開くと、蓄圧装置82に蓄えられた空気が加湿器50(吸入側50a)の下流側へと戻されることになる。
加湿器バイパス通路90には、該加湿器バイパス通路90を開閉するバイパス通路開閉弁(バイパス通路開閉手段)91が設けられている。ここで、通常、加湿器50(排出側50b)内よりも加湿器バイパス通路9の方が通路(流路)抵抗が小さいことから、バイパス通路開閉弁91を開くことによって、燃料電池1の排気(の大部分)は、加湿器50(排出側50b)を経由せずに放出されることになる。
圧縮機11、供給通路開閉弁12、空気圧力調整弁21、水噴射弁55、第1通路開閉弁71、第2通路開閉弁81、圧力開放弁83及びバイパス通路開閉弁91の動作は、図示しないコントロールユニットによって制御される。このコントロールユニットには、空気供給通路10の加湿器50(吸入側50a)の上流側の空気温度(すなわち、吸入空気温度)を検出する第1温度センサ(温度検出手段)101、加湿器50(吸入側50a)内の空気温度を検出する第2温度センサ(温度検出手段)102、空気供給通路10の加湿器50(吸入側50a)と圧縮機11との間の空気温度を検出する第3温度センサ(温度検知手段)103、燃料電池1上流側の空気圧力を検出する第1圧力センサ(圧力検出手段)104及び蓄圧装置82内の空気圧力を検出する第2圧力センサ(圧力検出手段)105等からの検出信号が入力されている。
ところで、燃料電池システム内に水分が残留していると、氷点下等の低温環境となった場合にシステム内の水分が凍結してしまうおそれがある。また、水分が残留していない場合であっても、低温環境下で単にシステムを始動させようとすると、加湿器50等が冷え切っている場合には速やかに始動させることができず、始動後においても加湿器50で加湿された空気が圧縮機11に到達するまでの間に冷却されて結露し、その結露した水が凍結してしまうおそれがある。そこで、本実施形態に係る燃料電池システムでは、以下に説明するように、システム始動時の暖機運転及びシステム停止時の乾燥空気によるパージを行うことにより、システム内での凍結を防止しつつシステム始動性の向上を図っている。
図2は、システム始動時に実行される制御を示すフローチャートである。
S1では、例えば車両のイグニッションキーがONされることにより、燃料システムの始動が開始される。このとき、各制御対象は通常状態にあり、供給通路開閉弁12は「開」、第1通路開閉弁71は「閉」、第2通路開閉弁81は「閉」、バイパス通路開閉弁91は「閉」となる。また、水噴射弁55は駆動されておらず(OFF)、圧力開放弁83も「閉」となっている。なお、燃料電池1上流側の空気圧力が所定の圧力となるように、空気圧力制御弁21(の開度)及び圧縮機11(の回転数)の制御も開始される。
S2では、空気供給通路10内を流れる空気温度TAを検出し、検出した空気温度TAが第1の所定温度T1(≒0℃)より低いか否かを判定する。TA<T1であればS3に進む。TA≧T1であればS7に進み、水噴射弁55を開弁駆動(ON)して通常の運転を開始する。なお、空気温度TAの検出は、第1温度センサ101、第2温度センサ102、第3温度センサ103のいずれか1つによって行うようにしてもよいし、複数検出した空気温度のうちの最小値を選択するようにしてもよい。また、外気温度を検出しこれを代用してもよい。
S3では、第1通路開閉弁71を「開」とする。これにより、圧縮機11から吐出される高温空気が第1空気還流通路70を介して加湿器50(供給側50a)の上流側へと戻されて加湿器50が暖機される。
S4では、第2温度センサ102又は第3温度センサ103の少なくとも一方により空気供給通路10内を流れる空気の温度TAを検出し、検出した空気温度TAが第2の所定温度T2(>第1の所定温度T1)以上となったか否かを判定する。TA<T2であればS3に戻り加湿器50の暖機を継続する。TA≧T2であれば加湿器50の暖機が終了した、すなわち、加湿器50内での凍結はないと判断してS5に進む。
S5では、第1通路開閉弁71を「閉」とし、第2通路開閉弁81及び圧力開放弁83を「開」とする。さらに、水噴射弁55を開弁駆動(ON)して圧縮機11内(又は圧縮機11の近傍)の空気に水を噴霧する。これにより、十分に加湿された空気を燃料電池1に供給して通常の運転、すなわち、燃料電池1で発電を行いながら、圧縮機11から吐出される高温空気が第2空気還流通路80を介して加湿器50と圧縮機11との間の配管に戻されて該配管を暖めることができるので、当該配管内での凍結を防止できる。なお、これより後は、燃料電池1が発電を行うため、システム全体の温度は上昇することとなり、また、燃料電池1の排気は高温となるため、加湿器50等の(再)凍結は考慮する必要はない。
S6では、第2温度センサ102又は第3温度センサ103の少なくとも一方により空気供給通路10内を流れる空気の温度TAを検出し、検出した空気温度TAが第3の所定温度T3(>第2の所定温度T2)以上となったか否かを判定する。TA<T3であればS5に戻り加湿器50と圧縮機11との間の配管の暖機を継続する。TA≧T3であれば空気供給系(より具体的には、加湿器50から圧縮機11までの間)の暖機が終了し、当該配管内での凍結はないと判断してS7に進む。
S7では、第2通路開閉弁81及び圧力開放弁83を「閉」とする。これにより、圧縮機11から吐出される空気のすべてを燃料電池1に供給し、通常の運転を開始する。
なお、図3は、第1の所定温度T1、第2の所定温度T2及び第3の所定温度T3と空気温度TAの変化の様子を模式的に示したものである。
以上の制御により、低温時においては加湿器50及び加湿器50から圧縮機11までの配管内を暖機し、空気供給系での凍結を防止しつつ良好なシステム始動性を確保できる。
なお、以上では、加湿器50の他にも吸入空気を加湿する水噴射弁55を備えた燃料電池システムについて説明したが、水噴射弁55を備えていない燃料電池システムについても適用できることは言うまでもない。この場合、加湿器50の暖機終了後、十分に加湿された空気を燃料電池1に供給できない可能性はあるものの、加湿器50と圧縮機11との間の配管を暖めて、かかる部分での凍結を防止できる。
図4は、システム停止時に実行される制御を示すフローチャートである。
S11において、システムの運転停止要求があるとシステム停止シーケンスが開始される。システム停止要求があるまでは、システムは通常の運転を行っているため、供給通路開閉弁12は「開」、第1通路開閉弁71は「閉」、第2通路開閉弁81は「閉」、圧力開放弁83は「閉」、バイパス通路開閉弁91は「閉」となっている。また、空気圧力制御弁21(の開度)及び圧縮機11(の回転数)は、燃料電池1上流側の空気圧力が所定値となるように制御されており、水噴射弁55は圧縮機11内(又は圧縮機11の近傍)の空気に所定量の水を噴霧している。
S12では、バイパス通路開閉弁91を「開」とする。これにより、燃料電池1から排出される潤湿空気が加湿器50(排出側50b)をバイパスして放出されることになり、加湿器50による吸入空気の加湿が停止する。
S13では、水噴射弁55を閉弁(OFF)して圧縮機11内(又は圧縮機11の近傍)の空気への水の噴霧(すなわち、加湿)を停止する。これにより、圧縮機11からは高温かつ乾燥した空気が吐出されることとなり、この高温かつ乾燥した空気が燃料電池1へと供給されて燃料電池1及び配管内の水分が除去される。
S14では、第1通路開閉弁71を「開」とする。これにより、圧縮機11から吐出された高温かつ乾燥した空気の全部又は一部が、第1空気還流通路70を介して加湿器50の上流側へと戻される。加湿器50の上流側に戻された高温かつ乾燥した空気は、圧縮機11の負圧によって、加湿器50を通過して再び圧縮機11へと吸入される。この結果、加湿器50内の空気は高温かつ乾燥した空気に置換される(すなわち、加湿器50内の水分が除去される)ことになる。
S15では、所定時間の経過後に圧縮機11を停止する。この所定時間は、例えばあらかじめ実験等にとって決定した値(定数)とすることが考えられるが、空気供給通路10内(具体的には、加湿器50又は加湿器50から圧縮機11までの間)の湿度を検出する湿度センサを設け、この湿度センサで検出した湿度が所定値を下回るまでの時間としてもよい。また、第2温度センサ102又は第3温度センサ103により検出する空気温度TAが所定値を上回るまでの時間とすることもできる。さらに、図5に示すようなシステム停止時の空気温度TAと掃気時間(システム内を掃気するために必要な時間)との関係を実験等によって求めておき、システム停止時に第2温度センサ102又は第3温度センサ103により検出した空気温度TAに基づいて掃気時間(すなわち、所定時間)を設定するようにしてもよい。
S16では、バイパス通路開閉弁91、第1通路開閉弁71及び供給通路開閉弁12を「閉」とし、システムを停止する。
以上の制御により、システム停止時に高温かつ乾燥した空気を流通させてシステム内から水分を効果的に除去(システム内の空気を高温かつ乾燥した空気に置換)し、低温環境下での保管時におけるシステム内での結露水の発生や凍結を未然に防止できる。
図6は、システム停止時に実行される別の制御を示すフローチャートである。
S21において、システムの運転停止要求があるとシステム停止シーケンスが開始される。このとき、図4のS11と同様、供給通路開閉弁12は「開」、第1通路開閉弁71は「閉」、第2通路開閉弁81は「閉」、圧力開放弁83は「閉」、バイパス通路開閉弁91は「閉」となっている。また、空気圧力制御弁21(の開度)及び圧縮機11(の回転数)は、燃料電池1上流側の空気圧力が所定値となるように制御されており、水噴射弁55は圧縮機11内(又は圧縮機11の近傍)の空気に所定量の水を噴霧している。
S22では、バイパス通路開閉弁91を「開」とする。これにより、図4のS12と同様、加湿器50による吸入空気の加湿を停止する。
S23では、水噴射弁55を閉弁(OFF)して吸入空気の加湿を停止する。これにより、圧縮機11から吐出される空気が高温でかつ乾燥したものとなる。そして、この高温かつ乾燥した空気が燃料電池1に供給されて、燃料電池1及び配管内の水分を除去する。
S24では、供給通路開閉弁12を「閉」とし、第2通路開閉弁81を「開」とする。これにより、圧縮機11からの高温かつ乾燥した空気が蓄圧装置82に蓄えられる。
S25では、第2圧力センサ105の検出圧力(すなわち、蓄圧装置82内圧力)Pcが所定圧力P1以上となったか否かを判定する。Pc≧P1であればS26に進み、Pc<P1であればそのままの状態を継続する。
S26では、圧縮機11を停止して蓄圧装置82への空気の充填を止め、かつ圧縮機11上流の圧力を大気圧とする。
S27では、第2通路開閉弁を「閉」とし、その後、圧力開放弁83を「開」とする。これにより、蓄圧装置82に蓄えられた高温かつ乾燥した空気は、圧力開放弁83、加湿器50を通って、通常運転時の空気の流れとは逆方向に流れて大気中に放出される。このとき、加湿器50内の空気は高温かつ乾燥した空気に置換されることになる。
S28では、圧力開放弁83、バイパス通路開閉弁91を「閉」とし、システムを停止する。
かかる制御によっても、図4のフローと同様、システム停止時にシステム内の水分を除去することができる。
以上説明した実施形態によると、システムの運転停止要求があったときに(すなわち、運転停止時に)、バイパス通路開閉弁91を「開」として燃料電池1の排気を加湿器バイパス通路90から放出させることにより、燃料電池1の排気が加湿器50に導入されないようにして加湿器50による吸入空気の加湿を停止する。これにより、圧縮機11からは高温かつ乾燥した空気が吐出され、この高温かつ乾燥した空気が燃料電池1に供給されることとなり、燃料電池1及び配管内の水分が除去される。さらに、第1通路開閉弁71を「開」として圧縮機11から吐出される高温かつ乾燥した空気を第1空気還流通路70により加湿器50上流側に還流させる。これにより、高温かつ乾燥した空気が加湿器50を通過して再び圧縮機11に吸入されることとなり、加湿器50内の水分も除去される。すなわち、システムの運転停止時に、システム内を高温かつ乾燥した空気により換気(掃気)するので、システム内の水分が効果的に除去されて、低温環境下での保管時におけるシステム内での結露水の発生やその凍結を防止できる。
なお、システムの運転停止時に行われる上記制御(処理)は、運転停止要求があったときに所定時間行うようにし、その後にシステムの運転が停止される。ここで、かかる所定時間を実験等により予め求めた時間とすれば、制御負荷等の増大を招くことなく、極めて簡便な構成にできる。
また、空気供給通路10内の湿度を検出し、検出した湿度が所定値を下回るまでの時間とすれば、雰囲気温度等の外乱に影響を受けることなく、システム内の水分除去をより安定かつ確実に行うことができる。
また、空気供給通路20内の空気温度を検出し、検出した空気温度が所定値を上回るまでの時間とすれば、通常は温度検出手段を備えているので、新たな検知手段を設ける必要がなく、しかも、システム内の水分除去を安定して行うことができる。
さらにまた、空気温度とシステム内の水分除去のために必要な時間との関係を実験等によって予め求めてテーブル化しておき、検出した空気温度に基づいて前記所定時間を設定するようにすれば、雰囲気温度等に応じて適切な制御を実行できる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの模式的に示した図である。 システム始動時に行われる制御の内容を示すフローチャートである。 システム始動時の空気温度の変化と第1〜3の所定温度を示す図である。 システム停止時に行われる制御の内容を示すフローチャートである。 システム停止時の空気温度と掃気時間との関係を示す図である。 システム停止時に行われる別の制御の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池、10…空気供給通路、11…圧縮機(空気圧送手段)、12…供給通路開閉弁、20…空気排出通路、30…水素供給通路、40…水素循環通路、50…加湿器(加湿手段)、55…水噴射弁(第2加湿手段)、70…第1空気還流通路(空気還流通路)、71…第1通路開閉弁(空気還流通路開閉手段)、80…第2空気還流通路、81…第2通路開閉弁(第2空気還流通路開閉手段)、82…蓄圧装置、83…圧力開放弁、90…加湿器バイパス通路(バイパス通路)、91…バイパス通路開閉弁(バイパス通路開閉手段)

Claims (5)

  1. 空気供給通路より供給された空気と水素供給通路より供給された水素とを反応させて発電する燃料電池と、
    前記空気供給通路に設けられ、前記燃料電池へ空気を圧送する空気圧送手段と、
    前記燃料電池の排気が導入され、導入された燃料電池の排気を用いて、前記空気供給通路の前記空気圧送手段の上流側で空気を加湿する加湿手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記空気供給通路の前記空気圧送手段の下流側で分岐して、前記空気供給通路の前記加湿手段の上流側に接続する空気還流通路と、
    該空気還流通路を開閉する空気還流通路開閉手段と、
    前記燃料電池の排気を前記加湿手段に導入する空気排出通路の途中で分岐して、前記加湿手段をバイパスするバイパス通路と、
    該バイパス通路を開閉するバイパス通路開閉手段と、を設け、
    運転停止時に、前記燃料電池の排気を前記バイパス通路により放出させるとともに、前記空気圧送手段から吐出された空気を前記空気還流通路により還流させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 運転停止要求があった後に、所定の時間、前記燃料電池の排気を前記バイパス通路により放出させるとともに、前記空気圧送手段から吐出された空気を前記空気還流通路により還流させてから運転を停止することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記空気供給通路内の湿度を検出する湿度検出手段を有し、
    前記所定の時間を、前記湿度検出手段により検出した湿度が所定値を下回るまでとすることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記空気供給通路内の空気温度を検出する温度検出手段を有し、
    前記所定の時間を、前記温度検出手段により検出した温度が所定値を上回るまでとすることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  5. 前記空気供給通路内の空気温度を検出する温度検出手段を有し、
    前記所定の時間を、前記温度検出手段により検出した温度に基づいて設定することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
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