JP5034186B2 - 燃料電池システム、ガス漏れ検知装置、および、ガス漏れ検知方法 - Google Patents

燃料電池システム、ガス漏れ検知装置、および、ガス漏れ検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池システムにおいて、燃料ガス供給タンクから供給される燃料ガスの供給を遮断可能なタンク遮断弁であって、タンク遮断弁からの燃料ガスの漏れを検知する技術に関する。
近年、新しいエネルギ源として、水素などの燃料ガスと酸素とを用いて発電を行う燃料電池が注目されつつある。この燃料電池の燃料電池システムでは、例えば、燃料ガスを有する1つ以上の燃料ガス供給タンクから燃料ガスを燃料電池に供給するシステムが知られている。また、この燃料ガス供給タンクには、燃料ガスの供給を行ったり、その供給を停止したりするために、それぞれ遮断弁(以下では、タンク遮断弁とも呼ぶ。)が接続されている。
特開2003−308868号公報
ところで、従来、上述のような燃料電池システムにおいて、安全対策等のため、燃料電池の運転停止時などにおいて、上述のタンク遮断弁から燃料ガスが漏れているか否かを検知するガス漏れ検知が行われている。
本発明は、燃料電池システムにおいて、タンク遮断弁のガス漏れ検知を行う新たな技術を提供することを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の燃料電池システムは、
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給タンクと、
前記燃料ガス供給タンクから供給される前記燃料ガスを前記燃料電池に導く流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能なタンク遮断弁と、
前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能な流路遮断弁と、
前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、さらに、前記流路において、前記燃料ガスの供給方向に対して最も上流側に設けられる調圧弁であり、前記燃料ガスの供給方向に対して下流側の前記燃料ガスの圧力が調圧値になるように調圧を行う上流調圧弁と、
前記流路遮断弁と前記上流調圧弁のうち前記上流側にある弁と、前記タンク遮断弁との間の前記流路において、前記燃料ガスの流路圧力を表わす流路圧力値を検出する圧力検出部とを備え、
さらに、前記燃料電池の運転を停止する際において、前記タンク遮断弁を閉弁させるタンク遮断弁制御部と、
前記タンク遮断弁の閉弁後、前記流路圧力値が、前記上流調圧弁の前記調圧値以下とならない値まで前記流路圧力を減圧させる減圧処理部と、
減圧後、前記流路遮断弁を閉弁させる流路遮断弁制御部と、
前記流路遮断弁の閉弁後、まず、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第1の圧力値として検出させ、さらに、所定時間経過後、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第2の圧力値として検出させ、検出させた前記第1の圧力値に対する前記第2の圧力値の変化量を算出し、前記変化量と所定の閾値とを比較することにより、前記タンク遮断弁から前記燃料ガスが漏れているか否かを検知するガス漏れ検知を行うガス漏れ検知実行部と、
を備えることを要旨とする。
ここで、上述の「第1の圧力値に対する第2の圧力値の変化量」とは、例えば、第2の圧力値から第1の圧力値を減算した値や、第1の圧力値から第2の圧力値を減算した値や、第2の圧力値を第1の圧力値で割った値や、第1の圧力値を第2の圧力値で割った値などが考えられる。
上記構成の燃料電池システムによれば、燃料電池の運転停止後、タンク遮断弁から燃料ガスが漏れているか否かを検知する場合に、流路圧力を減圧させるが、この場合、流路圧力値が、上流調圧弁の調圧値以下となることがないので、流路圧力値が、上流調圧弁の調圧値を下回る値まで前記流路圧力を減圧させた場合と比較して、次に燃料電池を運転する際に、流路圧力を素早く昇圧させることができ、その結果、燃料電池の起動時間を短縮することができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記ガス漏れ検知実行部は、
前記燃料電池の運転を停止する際において、前記流路遮断弁制御部が前記流路遮断弁を閉弁後、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第1の圧力値として検出させ、所定時間経過後における前記燃料電池の運転始動時に、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第2の圧力値として検出させ、検出させた前記第2の圧力値と前記第1の圧力値とに基づいて、前記タンク遮断弁から前記燃料ガスが漏れているか否かを検知するようにしてもよい。
このようにすれば、燃料電池の運転終了から運転開始までの比較的長い時間かけて、タンク遮断弁から燃料ガスが漏れているか否かを検知することができるので、精度よくそれを行うことができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記タンク遮断弁は、
前記流路圧力値が、前記燃料ガス供給タンクと接続される部分における前記燃料ガスの接続部分圧力値に対して、自身が開弁可能となる開弁許容圧力値以上となった状態で、前記タンク遮断弁制御部からの開弁指示があると開弁し、前記燃料ガス供給タンクの前記燃料ガスを前記流路に供給するパイロット式電磁弁であり、
前記タンク遮断弁制御部は、
前記燃料電池の運転を停止する際において、前記パイロット式電磁弁を閉弁させ、
前記減圧処理部は、
前記パイロット式電磁弁閉弁後、前記流路圧力値が、前記開弁許容圧力値を下回らない値まで前記流路圧力を減圧させるようにしてもよい。
このようにすれば、次に、燃料電池を運転する際に、迅速にタンク遮断弁としてのパイロット式電磁弁を開くことができるので、それに伴い、流路圧力を迅速に昇圧することができる。従って、燃料電池の起動性を高めることができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記減圧処理部は、
前記燃料電池の前記運転が停止した際において、前記流路圧力値が、前記上流調圧弁の前記調圧値以下とならない第1の所定値まで前記流路圧力を減圧させた後、前記ガス漏れ検知実行部が、前記変化量と前記所定の閾値とを比較して前記ガス漏れ検知を行った際に、前記変化量と前記所定の閾値とが略同一であるが、前記タンク遮断弁からの前記燃料ガスの漏れがないと判断した場合であって、
次回に前記燃料電池の前記運転が停止し前記流路圧力を減圧させる際において、前記流路圧力値が、前記調圧値以下にならない範囲で、前記第1の所定値より小さい第2の所定値まで前記流路圧力を減圧させるようにしてもよい。
このようにすれば、より精度よくタンク遮断弁から燃料ガスが漏れているか否かを検知することができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記減圧処理部は、
前記流路圧力を減圧させる場合には、前記燃料電池に減圧発電させることにより減圧させるようにしてもよい。
このようにすれば、容易に流路圧力を減圧させることができる。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の燃料電池システムは、
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に燃料ガスを供給するための複数の燃料ガス供給タンクと、
各燃料ガス供給タンクから供給される前記燃料ガスを前記燃料電池に導く流路に、各燃料ガス供給タンクに対応して設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能なタンク遮断弁と、
前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能な流路遮断弁と、
各燃料ガス供給タンクにおける前記燃料ガスの各圧力値をそれぞれ異なる状態にする圧力状態制御部と、
各タンク遮断弁と前記流路遮断弁との間の前記流路において、前記燃料ガスの流路圧力を表わす流路圧力値を検出する圧力検出部とを備え、
さらに、前記燃料電池の運転を停止する際において、各タンク遮断弁を閉弁させるタンク遮断弁制御部と、
閉弁後、まず、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第1の圧力値として検出させ、さらに、所定時間経過後、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第2の圧力値として検出させ、検出させた前記第1の圧力値、前記第2の圧力値、及び、各燃料ガス供給タンクにおける前記燃料ガスの各圧力値とに基づいて、各タンク遮断弁から前記燃料ガスが漏れているか否かを検知するガス漏れ検知を行うガス漏れ検知実行部と、
を備えることを要旨とする。
上記構成の燃料電池システムによれば、各燃料ガス供給タンクにおける燃料ガスの各圧力をそれぞれ異なる状態にしている。このようにすれば、第1の圧力値、第2の圧力値、及び、各燃料ガス供給タンクにおける燃料ガスの各圧力値とに基づいて、各タンク遮断弁のうち、燃料ガス漏れが生じているタンク遮断弁があるか否かを特定することが可能となる。また、燃料ガス漏れが生じているタンク遮断弁がある場合には、そのタンク遮断弁を特定することが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記タンク遮断弁制御部が各タンク遮断弁を閉弁後、前記流路圧力値が、各燃料ガス供給タンクの中で、最も低圧な前記燃料ガス供給タンクの前記燃料ガスの圧力値を下回らない値に前記流路圧力を調圧する調圧処理部を備え、
前記流路遮断弁制御部は、
調圧後、前記流路遮断弁を閉弁させるようにしてもよい。
このようにすれば、各タンク遮断弁のうち、燃料ガス漏れが生じているタンク遮断弁がある場合には、そのタンク遮断弁を容易に特定することが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記タンク遮断弁制御部が各タンク遮断弁を閉弁後、前記流路圧力値が、各燃料ガス供給タンクの中で、最も低圧な前記燃料ガス供給タンクの前記燃料ガスの圧力値を下回る値に前記流路圧力を調圧する調圧処理部を備え、
前記流路遮断弁制御部は、
調圧後、前記流路遮断弁を閉弁させるようにしてもよい。
このようにすれば、各タンク遮断弁のうち、燃料ガス漏れが生じているタンク遮断弁があるか否かを素早く特定することが可能となる。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明のガス漏れ検知装置は、
ガス漏れを検知するガス漏れ検知装置であって、
燃料電池と、
前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給タンクと、
前記燃料ガス供給タンクから供給される前記燃料ガスを前記燃料電池に導く流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能なタンク遮断弁と、
前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能な流路遮断弁と、
前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、さらに、前記流路において、前記燃料ガスの供給方向に対して最も上流側に設けられる調圧弁であり、前記燃料ガスの供給方向に対して下流側の前記燃料ガスの圧力が調圧値になるように調圧を行う上流調圧弁と、
前記流路遮断弁と前記上流調圧弁のうち前記上流側にある弁と、前記タンク遮断弁との間の前記流路において、前記燃料ガスの流路圧力を表わす流路圧力値を検出する圧力検出部とを備えた燃料電池システムに用いられ、
前記ガス漏れ検知装置は、
前記燃料電池の運転を停止する際において、前記タンク遮断弁を閉弁させるタンク遮断弁制御部と、
前記タンク遮断弁の閉弁後、前記流路圧力値が、前記上流調圧弁の前記調圧値以下とならない値まで前記流路圧力を減圧させる減圧処理部と、
減圧後、前記流路遮断弁を閉弁させる流路遮断弁制御部と、
前記流路遮断弁の閉弁後、まず、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第1の圧力値として検出させ、さらに、所定時間経過後、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第2の圧力値として検出させ、検出させた前記第1の圧力値に対する前記第2の圧力値の変化量を算出し、前記変化量と所定の閾値とを比較することにより、前記タンク遮断弁から前記燃料ガスが漏れているか否かを検知するガス漏れ検知を行うガス漏れ検知実行部と、
を備えることを要旨とする。
上記構成のガス漏れ検知装置によれば、燃料電池の運転停止後、タンク遮断弁から燃料ガスが漏れているか否かを検知する場合に、流路圧力を減圧させるが、この場合、流路圧力値が、上流調圧弁の調圧値以下となることがないので、流路圧力値が、上流調圧弁の調圧値を下回る値まで前記流路圧力を減圧させた場合と比較して、次に燃料電池を運転する際に、流路圧力を素早く昇圧させることができ、その結果、燃料電池の起動時間を短縮することができる。
なお、本発明は、上記した燃料電池システム、ガス漏れ検知装置などの装置発明の態様に限ることなく、燃料電池システムの制御方法やガス漏れ検知方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。さらには、それら方法や装置を構築するためのコンピュータプログラムとしての態様や、そのようなコンピュータプログラムを記録した記録媒体としての態様や、上記コンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など、種々の態様で実現することも可能である。
また、本発明をコンピュータプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体等として構成する場合には、上記装置の動作を制御するプログラム全体として構成するものとしてもよいし、本発明の機能を果たす部分のみを構成するものとしてもよい。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき次の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.装置全体の説明:
A2.水素漏れ検知処理:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
C1.装置全体の説明:
C2.水素漏れ検知処理:
D.第4実施例:
D1.装置全体の説明:
D2.水素漏れ検知処理:
E.第5実施例:
F.変形例:
A.第1実施例:
A1.装置全体の説明:
図1は、本発明の実施例における燃料電池システム100の構成を示すブロック図である。この燃料電池システム100は、主に燃料電池10と、水素タンク20と、タンク遮断弁200と、供給流路遮断弁205と、高圧レギュレータ210と、低圧レギュレータ220と、高圧部圧力センサP1と、中圧部圧力センサP2と、ブロワ30と、制御部400と、加湿器60と、循環ポンプ250とを備えている。供給流路遮断弁205は、請求項における流路遮断弁に該当する。高圧レギュレータ210は、請求項における上流調圧弁に該当する。
本実施例の燃料電池システム100は、燃料電池10で通常の発電(以下、通常発電と呼ぶ。)を行った後、燃料電池システム100の運転を停止する際に、タンク遮断弁200に異常がないかどうかを検知する処理を行う。この処理は、言い換えれば、タンク遮断弁200を閉弁させて、タンク遮断弁200から水素ガス漏れが生じているか否かを検知する処理であり、以下では、水素漏れ検知処理と呼ぶ。
燃料電池10は、固体高分子型の燃料電池であり、構成単位である単セル(図示せず)を複数積層したスタック構造を有している。各単セルは、電解質膜(図示せず)を挟んで水素極(図示せず)(以下、アノードと呼ぶ。)と酸素極(図示せず)(以下、カソードと呼ぶ。)とを配置した構成となっている。燃料電池10は、各々の単セルのアノード側に水素ガスを供給し、カソード側に酸素を含有する酸化ガスを供給することで、電気化学反応が進行し、起電力を生じる。燃料電池10は、生じた電力を燃料電池10に接続される所定の負荷(例えば、モータや蓄電池。)に供給する。なお、燃料電池10としては、上記した固体高分子型燃料電池の他、水素分離膜型燃料電池や、アルカリ水溶液電解質型や、リン酸電解質型や、あるいは溶融炭酸塩電解質型等、種々のタイプの燃料電池を用いることができる。また、燃料電池10の水素ガスが流れる流路をアノード流路25と呼ぶ。
燃料電池10のアノード流路25は、アノード排ガス流路26と接続され、このアノード排ガス流路26上には、パージ弁240が設けられている。燃料電池システム100の運転中において、電気化学反応に供された後のアノードからの排ガス(以下では、アノード排ガスとも呼ぶ。)は、定期的に、アノード排ガス流路26を介し、パージ弁240から外部へ排出(パージ)される。
アノード排ガス流路26において、パージ弁240よりもアノード排ガスを排出する流れ方向に対して上流側の位置から、水素ガス供給流路24へ接続されるガス循環流路28が設けられている。このガス循環流路28上には、循環ポンプ250が設けられる。このガス循環流路28は、循環ポンプ250によって勢いをつけて送りだされたアノード排ガスを、水素ガス供給流路24に導く。このようにガス循環流路28は、アノード排ガスを循環する役割を担っている。このようにして、アノード排ガスに含まれる水素ガスは、循環して、燃料ガスとして再び発電に使用される。
ブロワ30は、酸化ガスとしての空気を燃料電池10のカソード側に供給するための装置である。ブロワ30は、カソードガス供給流路34を介して燃料電池10のカソード側に接続されている。カソードガス供給流路34には、加湿器60が設けられている。ブロワ30で圧縮された空気は、加湿器60によって加湿された後に燃料電池10に供給される。燃料電池10には、カソード排ガス流路36が配されており、電気化学反応に供された後のカソードからの排ガスは、カソード排ガス流路36を通じて外部に排出される。
水素タンク20は、高圧の水素ガスが貯蔵される貯蔵装置であり、タンク遮断弁200と直結され、水素ガス供給流路24を介して燃料電池10のアノード流路25に接続されている。また、水素ガス供給流路24上において、水素タンク20から近い順番に、供給流路遮断弁205と、高圧レギュレータ210と、低圧レギュレータ220とが設けられている。なお、本実施例では、水素タンク20内の水素ガスの圧力値をタンク圧値Pmとする。このタンク圧値Pmは、燃料電池システム100の設計等により適宜設定される。
タンク遮断弁200は、閉弁時には水素タンク20から水素ガス供給流路24へ水素ガスの供給を遮断し、開弁時には水素タンク20から水素ガス供給流路24へ水素ガスを供給する。
高圧レギュレータ210は、水素タンク20から供給された高圧の水素ガスを、予め設定された調圧値(以下、調圧値Pqと呼ぶ。)となるように、調圧する。この調圧値Pqは、燃料電池システム100の設計に応じて適宜設定される。
低圧レギュレータ220は、高圧レギュレータ210で調圧された水素ガスをさらに調圧する。
水素ガス供給流路24において、タンク遮断弁200と高圧レギュレータ210との間の流路は、水素ガス供給流路24内において高圧なので高圧部(図1)とも呼ぶ。水素ガス供給流路24において、高圧レギュレータ210と低圧レギュレータ220に挟まれた流路を中圧部(図1)とも呼ぶ。この中圧部は、高圧レギュレータ210の下流にあるため、高圧部よりも圧力が低くなっている。水素ガス供給流路24において、低圧レギュレータ220よりも水素ガスの供給方向に対して下流側の流路を低圧部(図1)とも呼ぶ。この低圧部は、低圧レギュレータ220の下流にあるため中圧部よりも圧力が低くなっている。
また、水素ガス供給流路24において、図1に示すように、高圧部、中圧部に、それぞれ高圧部圧力センサP1、中圧部圧力センサP2が設けられている。後述する漏れ検知実行部410は、これら高圧部圧力センサP1、中圧部圧力センサP2からそれぞれ圧力値(MPa:メガパスカル)を検出する。この場合、高圧部圧力センサP1、中圧部圧力センサP2で検出される圧力値を、それぞれ高圧部圧力値Pk1、中圧部圧力値Pk2と呼ぶ。なお、以下では、高圧部圧力値Pk1、中圧部圧力値Pk2は、それぞれ、高圧部、中圧部をそれぞれ代表する圧力値とみなす。
高圧部圧力センサP1が設置される高圧部は、非常に圧力が高くなり、そのため、高圧部圧力センサP1は、高耐圧仕様に設計されており、その結果、圧力検知精度は、あまり良くない。一方、中圧部圧力センサP2は、高圧部より低圧の中圧部に設置されており、高圧部圧力センサP1ほどの耐圧仕様とする必要がないので、高圧部圧力センサP1よりも圧力検知精度がよいものを用いている。
制御部400は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPU(図示せず)と、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROM(図示せず)と、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM(図示せず)と、各種信号を入出力する入出力ポート(図示せず)等を備える。そして、制御部400は、燃料電池システム100が通常発電時には、燃料電池システム100を構成する各部、すなわち、ブロワ30、加湿器60、タンク遮断弁200、循環ポンプ250、および、パージ弁240等に駆動信号を出力し、燃料電池システム100全体の運転状態を勘案して、これらの制御も行う。
また、制御部400は、漏れ検知実行部410としても機能する。この漏れ検知実行部410は、燃料電池システム100を構成する各部を制御し、また、高圧部圧力センサP1から、高圧部圧力値Pk1を検出し、タンク遮断弁200の水素漏れ検知処理を行う。
A2.水素漏れ検知処理:
図2は、本実施例における水素漏れ検知処理を示すフローチャートである。本実施例の水素漏れ検知処理は、上述したように、燃料電池システム100が通常発電を行った後、運転を停止する場合に、タンク遮断弁200を閉弁させ、タンク遮断弁200から水素漏れが生じているか否かを検知する処理である。
この水素漏れ検知処理(図2)において、具体的には、まず、漏れ検知実行部410は、タンク遮断弁200を閉弁させる(ステップS10)。
次に、漏れ検知実行部410は、燃料電池システム100の各部を制御して、燃料電池10において発電を開始する(ステップS20)。このようにすれば、水素ガス供給流路24における中圧部および高圧部の水素ガス圧を減圧させることができる。従って、この発電を、以下では、減圧発電と呼ぶ。
続いて、漏れ検知実行部410は、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1を検出する(ステップS30)。
そして、漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、調圧値Pqと所定圧値ΔPαとの総和圧PE1となったか否かを判断する(ステップS40)。なお、所定圧値ΔPαは、0より大きい圧力値であり、下記の式(1)を満たす圧力値である。
タンク圧値Pm>調圧値Pq+ΔPα・・・(1)
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、総和圧PE1になっていない場合(ステップS40:NO)には、ステップS30の処理に戻る。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、総和圧PE1になった場合(ステップS40:YES)には、供給流路遮断弁205を閉じる(ステップS50)。
続いて、漏れ検知実行部410は、減圧発電を停止する(ステップS60)。そして、漏れ検知実行部410は、高圧部圧力センサP1を用いて、タンク遮断弁200の水素漏れ検知(以下では、水素漏れ検知実行処理と呼ぶ。)を行う(ステップS70)。
この水素漏れ検知実行処理の工程を以下に具体的に説明する。すなわち、漏れ検知実行部410は、減圧発電停止後、まず、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1を検出し(この検出した高圧部圧力値Pk1を、以下では、1回目高圧部圧力値Pk11と呼ぶ。)、所定時間放置(所定時間待機)する。所定時間放置後、漏れ検知実行部410は、再度、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1を検出する(この検出した高圧部圧力値Pk12を、以下では、2回目高圧部圧力値Pk12と呼ぶ。)。そして、漏れ検知実行部410は、2回目高圧部圧力値Pk12から、1回目高圧部圧力値Pk11を差し引いた差を算出する。漏れ検知実行部410は、算出した差が、予め定められる所定の閾値Rより大きい場合には、タンク遮断弁200において、水素タンク20から水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると判断する。この場合、タンク遮断弁200における水素ガス漏れ量X1は、以下の式(2)で、単位時間当りの水素ガス漏れ量X2は、以下の式(3)で求めることができる。なお、水素ガス供給流路24において、タンク遮断弁200と供給流路遮断弁205との間の流路体積を遮断弁間Vとする。また、1回目高圧部圧力値Pk11を検出後、2回目高圧部圧力値Pk12を検出するまでの上記放置時間を放置時間tとする。
水素ガス漏れ量X1=(2回目高圧部圧力値Pk12−1回目高圧部圧力値Pk11)×遮断弁間体積V・・・(2)
単位時間水素ガス漏れ量X2=X1/放置時間t・・・(3)
また、漏れ検知実行部410は、算出した差が、負の場合、その差の絶対値をとり、その絶対値が、上述の閾値Rより大きい場合には、タンク遮断弁200を介して、水素ガス供給流路24から大気中への水素ガス漏れが発生していると判断する。一方、漏れ検知実行部410は、算出した差の絶対値が、予め定められる所定の閾値以下の場合には、タンク遮断弁200から水素ガス漏れが発生しておらず、すなわち、タンク遮断弁200に異常がないと判断する。そして、漏れ検知実行部410は、この水素漏れ検知処理を終了する。
なお、この水素漏れ検知実行処理において、漏れ検知実行部410は、1回目高圧部圧力値Pk1を検出し、所定時間放置後、再度、2回目高圧部圧力値Pk1を検出し、タンク遮断弁200の水素漏れの検知を行う場合、漏れ検知実行部410は、1回目高圧部圧力値Pk11を検出後、次回の燃料電池10の運転開始時まで放置(待機)し、次回の燃料電池10の運転開始時に、2回目中圧部圧力値Pk12を検出し、タンク遮断弁200の水素ガス漏れの検知を行うようにしてもよい。
ところで、従来では、燃料電池システム100において、例えば、タンク遮断弁200の水素漏れ検知処理を以下のごとく行っていた。すなわち、燃料電池10の運転停止時において、タンク遮断弁200を閉弁する。そして、水素ガス供給流路24の高圧部を高圧レギュレータ210の調圧値Pq以下となるように減圧し、高圧部と中圧部の圧力が同程度になるようにする。その後、高圧部圧力センサP1より高精度な中圧部圧力センサP2を用いて、まず、中圧部圧力センサP2から中圧部圧力値Pk2を検出し、所定時間放置後、再度、中圧部圧力センサP2から中圧部圧力値Pk2を検出し、これらの検出値の差に基づいて、タンク遮断弁200から水素ガス漏れが生じているか否かを判断していた。しかしながら、このようにすると、高圧部は、中圧部と同程度に減圧されるので、燃料電池10を次回起動する際に、高圧部を昇圧させるのに時間がかかり、燃料電池10の起動性(始動性)が悪化するという問題があった。なお、「燃料電池10の起動性が悪化する」とは、例えば、燃料電池10の起動時間が長くなることを言う。
一方、上述のように本実施例の燃料電池システム100では、タンク遮断弁200の水素漏れ検知処理(図2)において、タンク遮断弁200を閉弁後、水素ガス供給流路24の高圧部を、調圧値Pq以下に減圧することなく、総和圧PE1(調圧値Pq+ΔPα)を下限として減圧し、水素漏れ検知実行処理(ステップS70)を行うようにしている。従って、本実施例の燃料電池システム100は、水素漏れ検知処理において、高圧部の燃料ガスの圧力を、中圧部と同程度まで減圧していないので、上述の従来の水素漏れ検知処理と比べて、次回に燃料電池10を起動する際に、高圧部を素早く昇圧することができる。その結果、本実施例の燃料電池システム100は、上述した従来の水素漏れ検知処理と比べて、次回の燃料電池10の起動時間を短縮することができる。
また、本実施例の燃料電池システム100では、水素漏れ検知処理(図2)において、高圧部圧力センサP1を用いて、タンク遮断弁200の水素漏れ検知を行っている。この場合、水素漏れ検知実行処理(ステップS70)において、例えば、上述したように、1回目高圧部圧力値Pk11を検出し、次回の燃料電池10の運転開始時まで放置(待機)した後、次回の燃料電池10の運転開始時に、2回目中圧部圧力値Pk12を検出するなど、1回目高圧部圧力値Pk11を検出してから2回目中圧部圧力値Pk12を検出するまでの放置時間tをある程度長くとるようにすれば、上述したような従来の水素漏れ検知処理のように、高圧部圧力センサP1よりも高精度な中圧部圧力センサP2を用いずとも、高圧部圧力センサP1を用いて、精度よく上記式(2)より水素ガス漏れ量X1を算出することができる。
本実施例の燃料電池システム100では、供給流路遮断弁205を設けており、水素漏れ検知処理(図2)において、供給流路遮断弁205を閉弁(ステップS50)後、水素漏れ検知実行処理(ステップS70)を行うようにしている。このようにすれば、水素ガス供給流路24において、供給流路遮断弁205とタンク遮断弁200との間に確実に閉空間を形成することがでるので、精度よくタンク遮断弁200に対して水素漏れ検知実行処理を行うことができる。
B.第2実施例:
次に、第2実施例について説明する。本実施例の燃料電池システム100は、第1実施例の燃料電池システム100と基本的に同様の構成となっている。
しかし、本実施例では、タンク遮断弁200として、特に、パイロット式電磁弁(以下では、パイロット式電磁弁200とする。)を用いている。以下に、タンク遮断弁200としてのパイロット式電磁弁200の開閉のメカニズムについて図3〜図5を用いて説明する。
図3、図4、および、図5は、本実施例におけるタンク遮断弁としてのパイロット式電磁弁の開閉メカニズムを説明するための図である。このパイロット式電磁弁200は、主に、コイル310と、主弁300と、パイロット弁333とから構成される。主弁300は、主弁弁座340と、主弁弁体330と、主弁弁体330に設けられる主弁シート部345とを備える。
主弁300は、主弁シート部345が主弁弁座340に着座することにより閉弁され、主弁シート部345が主弁弁座340から離れることにより開弁される。主弁弁体330には、後述するパイロットピン380が挿入される主弁孔385を備える。
また、パイロット弁333は、主弁弁体330の中に形成され、パイロット弁弁座360と、パイロット弁弁体350と、パイロット弁弁体350に設けられるパイロット弁シート部365と、パイロット弁弁体350をy方向に力Fs(以下では、リターンスプリング力Fsと呼ぶ。)で押すリターンスプリング320と、パイロット弁弁体350に設けられるパイロットピン380とを備える。パイロット弁333は、パイロット弁シート部365がパイロット弁弁座360に着座することにより閉弁され、パイロット弁シート部365が主弁弁座340から離れることにより開弁される。
コイル310は、後述する漏れ検知実行部410により制御され、すなわち、漏れ検知実行部410により通電されると、パイロット弁弁体350をx方向に吸引する吸引力Frを生じさせる。主弁弁座340と主弁弁体330との間には、水素タンク20からの水素ガスが流入する主弁流路390が形成される。パイロット弁弁座360とパイロット弁弁体350との間には、主弁流路390からの水素ガスが流入するパイロット流路395が形成される。なお、主弁流路390には、所定の圧力損失が生じると考えられるが、本実施例では、主弁流路390内の水素ガスの圧力を、タンク圧値Pmとみなす。また、パイロット式電磁弁200と水素ガス供給流路24との接続部399における水素ガス圧をPkとする。リターンスプリング320におけるリターンスプリング力Fs、および、コイル310に通電させた場合における吸引力Frは、パイロット式電磁弁200の設計・仕様等により適宜設定される。
図3に示すパイロット式電磁弁200は、コイル310に電流を流していない場合(被通電時)、すなわち、コイル310による吸引力Frが生じていない状態を示している。この場合、パイロット式電磁弁200において、リターンスプリング力Fsにより、パイロットピン380は、主弁孔385のy方向部分をy方向に押し、パイロット弁弁体350は、パイロット弁弁座360をy方向へ押しているので、パイロット弁333は閉じた状態である。また、リターンスプリング力Fsにより、主弁弁体330は、主弁弁座340をy方向へ押している。さらに、主弁流路390の水素ガスは、パイロットピン380をx方向からy方向に向けて圧力Pmに基づく力(以下、タンクガス力Fpmと呼ぶ。)で押している。一方、水素ガス供給流路24内の水素ガスは、主弁弁体330(主弁シート部345)をx方向に対して、タンク圧値Pkに基づく力(以下では、接続部ガス力Fpkと呼ぶ。)で押している。すなわち、主弁弁体330において、y方向へ働く力は、リターンスプリング力Fsとタンクガス力Fpmであり、x方向へ働く力は、接続部ガス力Fpkである。ここで、タンクガス力Fpmは、接続部ガス力Fpkより大きいので、主弁弁体330は、y方向へ働く力が大きい。従って、主弁300は、閉じられている。
図4に示すパイロット式電磁弁200は、コイル310に電流を流した直後の状態(通電直後)を示している。この場合、パイロット式電磁弁200において、コイル310によってパイロット弁弁体350は、吸引力Frで吸引され、パイロットピン380が、主弁孔385のx方向部分に引っかかるまで、x方向に引き上げられる。このように、パイロット弁弁体350がx方向に引き上げられると、パイロット弁333は、開いた状態となり、水素タンク20内の水素ガスは、主弁流路390、パイロット流路395、および、パイロットオリフィス370を介して、接続部399へ供給される。この時、主弁弁体330において、y方向へ働いている力は、タンクガス力Fpmであり、x方向へ働く力は、吸引力Frと接続部ガス力Fpkである。
そして、パイロット式電磁弁200において、パイロット弁333が開くことにより、接続部399に水素ガスが供給されると、接続部ガス力Fpkが次第に上昇し、主弁弁体330に対してx方向へ働く力が次第に上昇する。
図5に示すパイロット式電磁弁200は、コイル310に電流を流した後の状態(通電時)を示している。パイロット式電磁弁200において、通電によりパイロット弁333が開き、接続部ガス力Fpkが上昇し、主弁弁体330に対してx方向に働く力が上昇しいくと、ある時、主弁弁体330に対してx方向へ働く力がy方向へ働く力が勝り、図5のごとく、主弁弁体330がx方向に押し上げられる。これにより、主弁300は開弁し、すなわち、水素タンク20内の水素ガスが接続部399を介して、水素ガス供給流路24へ供給される。この時、主弁弁体330に対して働く力関係は、下記の式(4)のようになっている。
吸引力Fr+接続部ガス力Fpk>タンクガス力Fpm・・・(4)
この式(4)において、吸引力Fr、および、タンクガス力Fpmは、略一定と考えられるので、接続部ガス力Fpkが、下記式(5)を満たす値より大きくなれば、主弁300は、開弁する。以下では、接続部ガス力Fpkが、下記式(5)を満たす場合において、その時の接続部399における水素ガスの圧力値を開弁臨海圧力値Ppと呼ぶ。なお、本実施例のパイロット式電磁弁200において、開弁臨海圧力値Ppは、調圧値Pqより大きくなるように設計されている。
接続部ガス力Fpk=タンクガス力Fpm−吸引力Fr・・・(5)
また、主弁300が開弁した状態で、漏れ検知実行部410が閉弁を指示しパイロット式電磁弁200のコイル310に電流が流れなくなると、コイル310による吸引力Frが消失し、タンクガス力Fpm>接続部ガス力Fpkであるので、主弁弁体330は、主弁弁座340に着座し、主弁300(パイロット式電磁弁200)は、閉弁する。
図6は、本実施例における水素漏れ検知処理を示すフローチャートである。
第1実施例の燃料電池システム100では、水素漏れ検知処理(図2)において、漏れ検知実行部410は、タンク遮断弁200と供給流路遮断弁205との間を、総和圧PE1まで減圧させた後(ステップS20〜60)、高圧部圧力センサP1を用いてタンク遮断弁200の水素漏れ検知を実行するようにしている(ステップS70)。
一方、本実施例の燃料電池システム100では、図6に示す水素漏れ検知処理において、漏れ検知実行部410は、タンク遮断弁200と供給流路遮断弁205との間を、開弁臨海圧力値Ppと所定圧値ΔPβとの総和圧PE2まで減圧させた後、第1実施例の燃料電池システム100と同様に高圧部圧力センサP1を用いてタンク遮断弁200の水素漏れ検知を実行するようにしている。なお、所定圧値ΔPβは、0より大きい圧力値であり、下記の式(6)を満たす圧力値である。また、総和圧PE2は、請求項における開弁許容圧力値に該当する。
タンク圧値Pm>開弁臨海圧力値Pp+ΔPβ・・・(6)
なお、以下では、漏れ検知実行部410が高圧部圧力センサP1から検出する高圧部圧力値Pk1を、接続部399における圧力値ともみなす。
具体的には、漏れ検知実行部410は、タンク遮断弁200を閉弁させる(ステップS10)。次に、漏れ検知実行部410は、燃料電池システム100の各部を制御して、燃料電池10において発電を開始する(ステップS20)。続いて、漏れ検知実行部410は、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1を検出する(ステップS30)。
そして、漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、総和圧PE2となったか否かを判断する(ステップS40A)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、総和圧PE2になっていない場合(ステップS40A:NO)には、ステップS30の処理に戻る。漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、総和圧PE2になった場合(ステップS40A:YES)には、供給流路遮断弁205を閉じる(ステップS50)。続いて、漏れ検知実行部410は、減圧発電を停止する(ステップS60)。そして、漏れ検知実行部410は、第1実施例と同様に、高圧部圧力センサP1を用いて、タンク遮断弁(パイロット式電磁弁)200の水素漏れ検知(水素漏れ検知実行処理)を行う(ステップS70)。
以上のように本実施例の燃料電池システム100では、タンク遮断弁200(パイロット式電磁弁200)の水素漏れ検知処理(図6)において、タンク遮断弁200を閉弁後、高圧部を、開弁臨海圧力値Pp以下に減圧することなく、総和圧PE2(調圧値Pp+ΔPβ)を下限として減圧し、水素漏れ検知実行処理(ステップS70)を行うようにしている。従って、本実施例の燃料電池システム100は、水素漏れ検知処理後、次回に燃料電池10を起動する際に、パイロット式電磁弁200の主弁300を素早く開弁することができる。従って、本実施例の燃料電池システム100は、水素漏れ検知処理後、次回に燃料電池10を起動する際に、水素ガス供給流路24の高圧部を素早く昇圧することができる。その結果、本実施例の燃料電池システム100は、第1実施例の燃料電池システム100と比べて、燃料電池10の起動性を高めることができる。
C.第3実施例:
C1.装置全体の説明:
次に、第3実施例について説明する。本実施例の燃料電池システム100は、第1実施例の燃料電池システム100と基本的に同様の構成となっているが、第1実施例の燃料電池システム100では、水素ガスを供給するための水素タンクを1つ備えることとしていたが、本実施例の燃料電池システム100では、3つの水素タンクを備えている。この場合、本実施例の燃料電池システム100は、3つの水素タンクそれぞれにタンク遮断弁が直結されている。そのため、本実施例の燃料電池システム100は、第1実施例における水素漏れ検知処理(図2)とは異なる水素漏れ検知処理を実行する。以下では、本実施例の燃料電池システム100について、第1実施例の燃料電池システム100とは異なる点を主に説明する。
図7は、本実施例における燃料電池システム100の構成の一部を示すブロック図である。この図7に示すように、本実施例の燃料電池システム100は、第1実施例の燃料電池システム100の水素タンク20の代わりに3つの水素タンク、水素タンク20A、水素タンク20B、および、水素タンク20Cを備える。各水素タンク20A,B,Cは、それぞれ、タンク遮断弁200A,B,Cと直結され、それらを介して水素ガス供給流路24と接続されている。各水素タンク20A,B,C内の水素ガスの圧力値(タンク圧値)をそれぞれ、タンクA圧値Pa、タンクB圧値Pb、および、タンクC圧値Pcと呼ぶ。このタンクA圧値Pa、タンクB圧値Pb、および、タンクC圧値Pcは、予め、それぞれPn(MPa:メガパスカル)に設定されている。ここで、例えば、Pnは、50〜70(MPa)としてもよい。なお、この図7において、低圧部や燃料電池10等は、図1と同様のため省略している。
C2.水素漏れ検知処理:
図8は、本実施例における水素漏れ検知処理を示すフローチャートである。本実施例の水素漏れ検知処理は、燃料電池システム100が通常発電を行った後、運転を停止する場合に、各タンク遮断弁200A,B,Cを閉弁させ、タンク遮断弁200A,B,Cのいずれかから水素漏れが生じているか否かを検知する処理である。
この水素漏れ検知処理(図8)において、具体的には、まず、漏れ検知実行部410は、各水素タンクA,B,C内の水素ガスのタンク圧値(タンクA圧値Pa、タンクB圧値Pb、および、タンクC圧値Pc)が、それぞれ所定圧差(Pa=Pl,Pb=Pl+1,Pc=Pl+2;Pl<Pn−2)となるように燃料電池システム100の各部を制御して減圧発電を行い、その後、各タンク遮断弁200A,B,Cを閉じた状態とする(ステップS100)。
具体的には、漏れ検知実行部410は、まず、タンク遮断弁200A,Bを閉じた状態で、タンク遮断弁200Cを開弁し、水素タンク20CのタンクC圧値Pcが、(Pl+2)(MPa)となるまで、減圧発電を行う。そして、漏れ検知実行部410は、タンクC圧値Pcが(Pl+2)(MPa)となると、タンク遮断弁200Cを閉じる。次に、漏れ検知実行部410は、タンク遮断弁200A,Cを閉じた状態で、タンク遮断弁200Bを開弁し、水素タンク20BのタンクB圧値Pbが、(Pl+1)(MPa)となるまで、減圧発電を行う。そして、漏れ検知実行部410は、タンクB圧値Pbが(Pl+1)(MPa)となると、タンク遮断弁200Bを閉じる。さらに、漏れ検知実行部410は、タンク遮断弁200B,Cを閉じた状態で、タンク遮断弁200Aを開弁し、水素タンク20AのタンクA圧値Paが、Pl(MPa)となるまで、減圧発電を行う。そして、漏れ検知実行部410は、タンクA圧値PaがPl(MPa)となると、タンク遮断弁200Aを閉じる。
続いて、漏れ検知実行部410は、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1を検出する(ステップS110)。
そして、漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、タンクB圧値Pbより大きいか、タンクB圧値Pbと略等しいか、若しくは、タンクB圧値Pbより小さいか否かを判断する(ステップS130)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、タンクB圧値Pbより小さい場合(ステップS130:Pk1<Pb)には、供給流路遮断弁205を閉じ(ステップS130)、さらに、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1の検出を続け、検出した高圧部圧力値Pk1がタンクB圧値Pbと略等しくなるまで、タンク遮断弁200Cを開け、等しくなると、タンク遮断弁200Cを閉じる(ステップS140)。その後、漏れ検知実行部410は、ステップS170の処理を行う。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、タンクB圧値Pbより大きい場合(ステップS130:Pk1>Pb)には、燃料電池システム100の各部を制御して減圧発電を開始する(ステップS150)。そして、漏れ検知実行部410は、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1の検出を続け、高圧部圧力値Pk1がタンクB圧値Pbと略等しくなると、減圧発電を停止し、供給流路遮断弁205を閉じる(ステップS160)。その後、漏れ検知実行部410は、ステップS170の処理を行う。
また、漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、タンクB圧値Pbと略等しい場合(ステップS130:Pk1=Pb)には、ステップS170の処理を行う。
続いて、漏れ検知実行部410は、ステップS170の処理において、所定時間放置(所定時間待機)する。この場合、漏れ検知実行部410は、次回の燃料電池10の運転開始時まで放置するようにしてもよい。
次に、漏れ検知実行部410は、高圧部圧力センサP1を用いて、タンク遮断弁200A,B,Cの水素漏れ検知(水素漏れ検知実行処理)を行う(ステップS200)。
図9は、本実施例における水素漏れ検知実行処理を示すフローチャートである。
この水素漏れ検知実行処理において、漏れ検知実行部410は、まず、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1を検出する(ステップS210)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1がタンクB圧値Pbより大きいか否かを判断する(ステップS220)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1がタンクB圧値Pbより大きい場合(ステップS220:YES)には、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると判断する(ステップS230)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1がタンクB圧値Pb以下の場合(ステップS220:NO)には、続いて、高圧部圧力値Pk1が、タンクB圧値Pbと略等しいか否かを判断する(ステップS240)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、タンクB圧値Pbと略等しい場合(ステップS240:YES)には、以下の(甲)、(乙)、(丙)のいずれかの場合であると判断する(ステップS250)。
(甲)タンク遮断弁200Bにおいて、水素タンク20Bから水素ガス供給流路24へ又は水素ガス供給流路24から水素タンク20Bへの水素ガス漏れが発生している。
(乙)タンク遮断弁200Aにおいて、水素ガス供給流路24から水素タンク20Aへの漏れ量AAの水素ガス漏れが発生し、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への漏れ量CCの水素ガス漏れが発生し、これら漏れ量AAと漏れ量CCとが同量である。
(丙)各タンク遮断弁200A,B,Cから水素ガス漏れが発生していない。
一方、漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、タンクB圧値Pbと略等しくない場合(ステップS240:NO)、すなわち、高圧部圧力値Pk1が、タンクB圧値Pbより小さい場合には、タンク遮断弁200Aにおいて、水素ガス供給流路24から水素タンク20Aへの水素ガス漏れが発生していると判断する(ステップS260)。
漏れ検知実行部410は、ステップS230、ステップS250、および、ステップS260の処理が終了すると、この水素漏れ検知実行処理(図9)を終了し、さらには、本実施例の水素漏れ検知処理(図8)を終了する。
以上のように、本実施例の燃料電池システム100は、3つの水素タンク20A,B,Cを備え、これらの各水素タンク20A,B,CのタンクA圧値Pa、タンクB圧値Pb、および、タンクC圧値Pcに所定圧差(Pa=Pl,Pb=Pl+1,Pc=Pl+2;Pl<Pn−2)をつけ、さらに、水素ガス供給流路24において、各タンク遮断弁200A,B,Cと供給流路遮断弁205との間の圧力値をタンクB圧値Pbと略等しくなるようにしている。そして、本実施例の燃料電池システム100は、所定時間放置後、水素漏れ検知実行処理(図9)を行うようにしている。このようにすれば、タンク遮断弁200Aにおいて、水素ガス供給流路24から水素タンク20Aへの水素ガス漏れが発生している場合や、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生している場合には、それを特定することができる。
また、このようにすれば、以下に示す(イ)、(ロ)、(ハ)の場合のうち、いずれかの状態であることを特定することができる。
(イ)タンク遮断弁200Bにおいて、水素タンク20Bから水素ガス供給流路24へ又は水素ガス供給流路24から水素タンク20Bへの水素ガス漏れが発生している場合。
(ロ)タンク遮断弁200Aにおいて、水素ガス供給流路24から水素タンク20Aへの漏れ量AAの水素ガス漏れが発生し、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への漏れ量CCの水素ガス漏れが発生し、これら漏れ量AAと漏れ量CCとが同量である場合。
(ハ)各タンク遮断弁200A,B,Cから水素ガス漏れが発生していない場合。
D.第4実施例:
D1.装置全体の説明:
次に、第4実施例について説明する。本実施例の燃料電池システム100は、第3実施例の燃料電池システム100と同様の構成となっている。しかしながら、本実施例の燃料電池システム100は、第3実施例における水素漏れ検知処理(図8)とは若干異なる水素漏れ検知処理を実行する。以下では、このように、本実施例の燃料電池システム100において、第3実施例の燃料電池システム100とは異なる水素漏れ検知処理について説明する。
D2.水素漏れ検知処理:
図10は、本実施例における水素漏れ検知処理を示すフローチャートである。本実施例の水素漏れ検知処理は、燃料電池システム100が通常発電を行った後、運転を停止する場合に、各タンク遮断弁200A,B,Cを閉弁させ、タンク遮断弁200A,B,Cのいずれかから水素漏れが生じているか否かを検知する処理である。
この水素漏れ検知処理(図10)において、具体的には、まず、漏れ検知実行部410は、各水素タンクA,B,C内の水素ガスの各タンク圧力値A,B,Cが、それぞれ所定圧差(Pa=Pl,Pb=Pl+1,Pc=Pl+2;Pl<Pn−2)となるように燃料電池システム100の各部を制御して減圧発電を行い、その後、各タンク遮断弁200A,B,Cを閉じた状態とする(ステップS300)。この処理は、第3実施例の水素漏れ検知処理(図8)におけるステップS100の処理と同様である。
漏れ検知実行部410は、燃料電池システム100の各部を制御して、燃料電池10において減圧発電を開始する(ステップS310)。
続いて、漏れ検知実行部410は、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1を検出する(ステップS320)。
そして、漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、予め定められる減圧目標値P0(P0<Pa)となったか否かを判断する(ステップS330)。漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、減圧目標値P0になっていない場合(ステップS330:NO)には、ステップS320の処理に戻る。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、減圧目標値P0になった場合(ステップS330:YES)には、供給流路遮断弁205を閉じる(ステップS340)。
続いて、漏れ検知実行部410は、減圧発電を停止する(ステップS350)。その後、漏れ検知実行部410は、所定時間放置(所定時間待機)する(ステップS360)。この場合、漏れ検知実行部410は、次回の燃料電池10の運転開始時まで放置(待機)するようにしてもよい。
次に、漏れ検知実行部410は、高圧部圧力センサP1を用いて、タンク遮断弁200A,B,Cの水素漏れ検知(水素漏れ検知実行処理)を行う(ステップS400)。
図11は、本実施例における水素漏れ検知実行処理を示すフローチャートである。
この水素漏れ検知実行処理において、漏れ検知実行部410は、まず、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1を検出する(ステップS410)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1がタンクB圧値Pbより大きいか否かを判断する(ステップS420)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1がタンクB圧値Pbより大きい場合(ステップS420:YES)には、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると判断する(ステップS430)。
漏れ検知実行部410は、検出した圧力値Pkが、タンクB圧値Pb以下の場合(ステップS420:NO)には、続いて、高圧部圧力値Pk1が、タンクA圧値Paより大きいか否かを判断する(ステップS440)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、タンクA圧値Paより大きい場合(ステップS440:YES)には、タンク遮断弁200Bにおいて、水素タンク20Bから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生しているか、若しくは、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると判断する(ステップS450)。
一方、漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、タンクA圧値Pa以下の場合(ステップS440:NO)には、続いて、高圧部圧力値Pk1が、減圧目標値P0と略等しいか否かを判断する(ステップS460)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、減圧目標値P0と略等しくない場合(ステップS460:NO)には、タンク遮断弁200Aにおいて、水素タンク20Aから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生しているか、若しくは、タンク遮断弁200Bにおいて、水素タンク20Bから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生しているか、若しくは、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると判断する(ステップS470)。
漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1が、減圧目標値P0と略等しい場合(ステップS460:YES)には、各タンク遮断弁200A,B,Cから水素ガス漏れが発生していないと判断する(ステップS480)。
漏れ検知実行部410は、ステップS430、ステップS450、ステップS470、および、ステップS480の処理が終了すると、この水素漏れ検知実行処理(図11)を終了し、さらには、本実施例の水素漏れ検知処理(図10)を終了する。
以上のように、本実施例の燃料電池システム100は、3つの水素タンク20A,B,Cを備え、これらの各水素タンク20A,B,CのタンクA圧値Pa、タンクB圧値Pb、および、タンクC圧値Pcに所定圧差(Pa=Pl,Pb=Pl+1,Pc=Pl+2;Pl<Pn−2)をつけ、さらに、水素ガス供給流路24において、各タンク遮断弁200A,B,Cと供給流路遮断弁205との間の圧力値を減圧目標値P0(P0<Pn)と略等しくなるようにしている。そして、本実施例の燃料電池システム100は、所定時間放置後、高圧部圧力値Pk1に基づいて水素漏れ検知実行処理(図11)を行うようにしている。このようにすれば、少なくとも、各タンク遮断弁200A,B,Cのうちいずれかから水素ガス漏れが発生しているか否かを特定することができる。この水素漏れ検知実行処理において、検出した高圧部圧力値Pk1がタンクB圧値Pbより大きい場合(ステップS420:YES)には、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると特定することができる。また、検出した高圧部圧力値Pk1が、タンクA圧値Paより大きい場合(ステップS440:YES)には、タンク遮断弁200Bにおいて、水素タンク20Bから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生しているか、若しくは、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると特定することができる。さらに、検出した高圧部圧力値Pk1が、減圧目標値P0と略等しくない場合(ステップS460:NO)には、タンク遮断弁200Aにおいて、水素タンク20Aから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生しているか、若しくは、タンク遮断弁200Bにおいて、水素タンク20Bから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生しているか、若しくは、タンク遮断弁200Cにおいて、水素タンク20Cから水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると特定することができる。
E.第5実施例:
次に、第5実施例について説明する。本実施例の燃料電池システム100は、第3実施例の燃料電池システム100と同様の構成となっている。本実施例の燃料電池システム100は、第3実施例の燃料電池システム100が、水素漏れ検知実行処理(図9)におけるステップS250の処理において、上述した(甲)、(乙)、(丙)のいずれかの場合であると判断した場合に、以下に説明する水素漏れ検知処理を実行する。
すなわち、本実施例の漏れ検知実行部410は、まず、減圧発電を行うなどして、水素タンク20CのタンクC圧値PcをタンクA圧値Paと同じPlに設定する。次に、漏れ検知実行部410は、減圧発電を行い、水素ガス供給流路24の高圧部の圧力値を、タンクB圧値Pb(Pl+1)からタンクA圧値Paと同じPlに減圧する。そして、漏れ検知実行部410は、所定時間放置後、高圧部圧力センサP1から高圧部圧力値Pk1を検出し、その高圧部圧力値Pk1が、タンクA圧値Pa(Pl)より大きいか、若しくは、略等しいか否かを判断する。漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1がタンクA圧値Pa(Pl)より大きい場合には、上述の(甲)の場合であると判断する。一方、漏れ検知実行部410は、検出した高圧部圧力値Pk1がタンクA圧値Pa(Pl)と略等しい場合には、上述の(乙)若しくは(丙)の場合であると判断する。
以上のように本実施例の燃料電池システム100では、第3実施例の水素漏れ検知実行処理(図9)のステップS250の処理において、上述した(甲)、(乙)、(丙)のいずれかの場合であると判断された場合に、本実施例における水素漏れ検知処理を実行するようにしている。このようにすれば、(甲)の場合、すなわち、タンク遮断弁200Bにおいて、水素タンク20Bから水素ガス供給流路24へ又は水素ガス供給流路24から水素タンク20Bへの水素ガス漏れが発生している場合には、それを特定することができる。また、上述の(乙)の場合は、非常に希有の場合であると考えられる。従って、本実施例における水素漏れ検知処理を実行すれば、(丙)の場合、すなわち、各タンク遮断弁200A,B,Cのいずれからも水素ガス漏れない場合には、それを特定することができる。
F.変形例:
なお、本発明では、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
F1.変形例1:
上記第3ないし第5実施例のいずれかの燃料電池システム100は、3つの水素タンク200A,B,Cとそれぞれ接続されるタンク遮断弁200A,B,Cに対して、各実施例に対応する水素漏れ検知処理(図8、図10参照)を行っているが、本発明は、これに限られるものではない。上記第3ないし第5実施例のいずれかの燃料電池システム100は、例えば、タンク遮断弁とそれぞれ接続される、2つ又は4つ以上の水素タンクを備え、各タンク遮断弁に対して各実施例に対応する水素漏れ検知処理を行うようにしてもよい。この場合、上記第3ないし第5実施例のいずれかの燃料電池システム100は、水素ガス漏れが生じていると疑われるタンク遮断弁が複数存在するが、その中のどの遮断弁から水素ガス漏れが発生しているのか特定できない場合には、上記第3ないし第5実施例の水素漏れ検知処理のうち、他の実施例の水素漏れ検知処理を組み合わせて実行するようにしてもよい。このようにすれば、上記第3ないし第5実施例のいずれかの燃料電池システム100が、タンク遮断弁とそれぞれ接続される、2つ又は4つ以上の水素タンクを備える場合であっても、水素ガス漏れが発生しているタンク遮断弁がある場合には、それを特定することが可能となる。
F2.変形例2:
上記第4実施例の燃料電池システム100は、例えば、水素漏れ検知実行処理(図11)のステップS450の処理、又は、ステップS470の処理等において、水素ガス漏れが生じていると疑われるタンク遮断弁のうち、実際に水素ガス漏れをおこしているタンク遮断弁を特定できない場合には、第3または第5実施例における水素漏れ検知処理(図9)を行うようにしてもよい。このようにすれば、水素ガス漏れをおこしているタンク遮断弁を容易に特定することができる。
F3.変形例3:
上記第3ないし第5実施例のいずれかの実施例の水素漏れ検知処理において、漏れ検知実行部410が、所定のタンク遮断弁に対して水素ガス漏れが生じていると判断した場合には、その水素ガス漏れ量X3を下記式(7)で算出するようにしてもよい。なお、水素ガス供給流路24において、各タンク遮断弁200A,B,Cと供給流路遮断弁205との間の流路体積を遮断弁間Vxとし、水素漏れ検知処理における高圧部の圧力値の変化量を高圧部圧力変化量ΔPjとする。
水素ガス漏れ量X3=遮断弁間Vx|高圧部圧力変化量ΔPj|・・・(7)
この場合、漏れ検知実行部410は、水素ガス漏れ量X3が、タンク遮断弁の故障を表わす基準である故障基準値以上であるが、タンク遮断弁が安全とみなされる基準である安全基準値以下の場合には、この水素ガス漏れが生じているタンク遮断弁に接続される水素タンクを優先して利用するようにしてもよい。このようにすれば、このタンク遮断弁の接続される水素タンク内の水素ガスが迅速に消費されるので、このタンク遮断弁の故障が進行しても、水素ガス漏れを抑制することができる。また、漏れ検知実行部410は、この水素タンク内の水素ガスがなくなった場合には、水素ガス漏れが生じているタンク遮断弁の修理が終了するまで、そのタンク遮断弁を閉弁状態とするようにしてもよい。
F4.変形例4:
上記第1実施例または第2実施例の水素漏れ検知実行処理(図2または図6)において、
燃料電池システム100は、2回目高圧部圧力値Pk12から、1回目高圧部圧力値Pk11を差し引いた差が、閾値R以下であるが、閾値R付近であった場合には、供給流路遮断弁205とタンク遮断弁200との間を総和圧PE1または総和圧PE2より減圧させて、水素漏れ検知実行処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、より精度よくタンク遮断弁200の水素漏れ検知を行うことができる。
F5.変形例5:
上記第1実施例または第2実施例の水素漏れ検知実行処理(図2または図6)において、燃料電池システム100は、2回目高圧部圧力値Pk12から、1回目高圧部圧力値Pk11を差し引いた差が、閾値Rより大きい場合に、水素タンク20から水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると判断しているが、水素ガス漏れ量X1が、タンク遮断弁の故障を表わす基準である故障基準値より大きい場合に、水素タンク20から水素ガス供給流路24への水素ガス漏れが発生していると判断してもよい。
F6.変形例6:
上記実施例の燃料電池システム100において、供給流路遮断弁205を設けているが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、燃料電池システム100において、燃料電池10や循環ポンプ250は、圧力損失が高いので、供給流路遮断弁205を設けることなく、水素ガス供給流路24とガス循環流路28とにおいて閉空間を形成し、水素漏れ検知処理を行うこととしてもよい。
F7.変形例7:
上記第3ないし第5のいずれかの実施例の燃料電池システム100は、水素漏れ検知処理(図8、図10)において、タンクA圧値Pa、タンクB圧値Pb、および、タンクC圧値Pcをそれぞれ所定圧差(Pa=Pl,Pb=Pl+1,Pc=Pl+2;Pl<Pn−2)とするために、燃料電池システム100の各部を制御して減圧発電を行っていたが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、燃料電池システム100は、各水素タンク20A,B,C間の水素ガスを移動させることにより、タンクA圧値Pa、タンクB圧値Pb、および、タンクC圧値Pcをそれぞれ所定圧差とするようにしてもよい。
F8.変形例8:
上記実施例の燃料電池システム100では、水素ガスの供給源として、水素タンク(20、20A,B,C)を使用しているが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、水素タンクに代えて、アルコール、炭化水素、アルデヒドなどを原料とする改質反応によって水素を生成し、それを、タンク遮断弁(200、200A,B,C)等を介して燃料電池10のアノード流路25へ供給するものとしてもよい。
F9.変形例9:
上記第1または第2の実施例の燃料電池システム100は、水素漏れ検知処理(図2、図6)のステップS70の処理において、2回目高圧部圧力値Pk12から、1回目高圧部圧力値Pk11を差し引いた差を算出し、その差と閾値Rを比較することにより、タンク遮断弁200に対する水素ガス漏れ検知を行うようにしているが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、燃料電池システム100は、タンク遮断弁200に対する水素ガス漏れ検知を、例えば、1回目高圧部圧力値Pk11から、2回目高圧部圧力値Pk12を差し引いた差と予め定められる閾値R1とを比較したり、2回目高圧部圧力値Pk12を、1回目高圧部圧力値Pk11で割った値と予め定められる閾値R2とを比較したり、1回目高圧部圧力値Pk11を、2回目高圧部圧力値Pk12で割った値と予め定められる閾値R3とを比較することにより、行うようにしてもよい。このようにしても、上記実施例1,2の場合と同様の効果を奏することができる。
F10.変形例10:
上記実施例において、制御部400は、ソフトウェア的に構成されているものを、ハードウェア的に構成するようにしてもよいし、ハードウェア的に構成されているものを、ソフトウェア的に構成するようにしてもよい。
本発明の第1実施例における燃料電池システム100の構成を示すブロック図である。 第1実施例における水素漏れ検知処理を示すフローチャートである。 第2実施例におけるタンク遮断弁としてのパイロット式電磁弁の開閉メカニズムを説明するための図である。 第2実施例におけるタンク遮断弁としてのパイロット式電磁弁の開閉メカニズムを説明するための図である。 第2実施例におけるタンク遮断弁としてのパイロット式電磁弁の開閉メカニズムを説明するための図である。 第2実施例における水素漏れ検知処理を示すフローチャートである。 第3実施例における燃料電池システム100の構成の一部を示すブロック図である。 第3実施例における水素漏れ検知処理を示すフローチャートである。 第3実施例における水素漏れ検知実行処理を示すフローチャートである。 第4実施例における水素漏れ検知処理を示すフローチャートである。 第4実施例における水素漏れ検知実行処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10...燃料電池
20...水素タンク
20A,B,C...水素タンク
24...水素ガス供給流路
25...アノード流路
100...燃料電池システム
200...タンク遮断弁
200...パイロット式電磁弁
200A,B,C...タンク遮断弁
205...供給流路遮断弁
210...高圧レギュレータ
220...低圧レギュレータ
300...主弁
310...コイル
320...リターンスプリング
330...主弁弁体
333...パイロット弁
340...主弁弁座
345...主弁シート部
350...パイロット弁弁体
360...パイロット弁弁座
365...パイロット弁シート部
370...パイロットオリフィス
380...パイロットピン
385...主弁孔
390...主弁流路
395...パイロット流路
399...接続部
400...制御部
410...漏れ検知実行部

Claims (6)

  1. 燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給タンクと、
    前記燃料ガス供給タンクから供給される前記燃料ガスを前記燃料電池に導く流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能なタンク遮断弁と、
    前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能な流路遮断弁と、
    前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、さらに、前記流路において、前記燃料ガスの供給方向に対して、調圧弁の中で最も上流側に設けられる調圧弁であり、前記燃料ガスの供給方向に対して下流側の前記燃料ガスの圧力が調圧値になるように調圧を行う上流調圧弁と、
    前記流路遮断弁と前記上流調圧弁のうち前記上流側にある弁と、前記タンク遮断弁との間の前記流路において、前記燃料ガスの流路圧力を表わす流路圧力値を検出する圧力検出部とを備え、
    さらに、前記燃料電池の運転を停止する際において、前記タンク遮断弁を閉弁させるタンク遮断弁制御部と、
    前記タンク遮断弁の閉弁後、前記流路圧力値が、前記上流調圧弁の前記調圧値以下とならない値まで前記流路圧力を減圧させる減圧処理部と、
    減圧後、前記流路遮断弁を閉弁させる流路遮断弁制御部と、
    前記流路遮断弁の閉弁後、まず、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第1の圧力値として検出させ、さらに、所定時間経過後、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第2の圧力値として検出させ、検出させた前記第1の圧力値に対する前記第2の圧力値の変化量を算出し、前記変化量と所定の閾値とを比較することにより、前記タンク遮断弁から前記燃料ガスが漏れているか否かを検知するガス漏れ検知を行うガス漏れ検知実行部と、
    を備え
    前記タンク遮断弁は、
    前記流路圧力値が、前記燃料ガス供給タンクと接続される部分における前記燃料ガスの接続部分圧力値に対して、自身が開弁可能となる開弁許容圧力値以上となった状態で、前記タンク遮断弁制御部からの開弁指示があると開弁し、前記燃料ガス供給タンクの前記燃料ガスを前記流路に供給するパイロット式電磁弁であり、
    前記タンク遮断弁制御部は、
    前記燃料電池の運転を停止する際において、前記パイロット式電磁弁を閉弁させ、
    前記減圧処理部は、
    前記パイロット式電磁弁閉弁後、前記流路圧力値が、前記開弁許容圧力値を下回らない値まで前記流路圧力を減圧させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記ガス漏れ検知実行部は、
    前記燃料電池の運転を停止する際において、前記流路遮断弁制御部が前記流路遮断弁を閉弁後、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第1の圧力値として検出させ、所定時間経過後における前記燃料電池の運転始動時に、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第2の圧力値として検出させ、検出させた前記第2の圧力値と前記第1の圧力値とに基づいて、前記タンク遮断弁から前記燃料ガスが漏れているか否かを検知することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記減圧処理部は、
    前記燃料電池の前記運転が停止した際において、前記流路圧力値が、前記上流調圧弁の前記調圧値以下とならない第1の所定値まで前記流路圧力を減圧させた後、前記ガス漏れ検知実行部が、前記変化量と前記所定の閾値とを比較して前記ガス漏れ検知を行った際に、前記変化量と前記所定の閾値とが略同一であるが、前記タンク遮断弁からの前記燃料ガスの漏れがないと判断した場合であって、
    次回に前記燃料電池の前記運転が停止し前記流路圧力を減圧させる際において、前記流路圧力値が、前記調圧値以下にならない範囲で、前記第1の所定値より小さい第2の所定値まで前記流路圧力を減圧させることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、
    前記減圧処理部は、
    前記流路圧力を減圧させる場合には、前記燃料電池に減圧発電させることにより減圧させることを特徴とする燃料電池システム。
  5. ガス漏れを検知するガス漏れ検知装置であって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給タンクと、
    前記燃料ガス供給タンクから供給される前記燃料ガスを前記燃料電池に導く流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能なタンク遮断弁と、
    前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能な流路遮断弁と、
    前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、さらに、前記流路において、前記燃料ガスの供給方向に対して、調圧弁の中で最も上流側に設けられる調圧弁であり、前記燃料ガスの供給方向に対して下流側の前記燃料ガスの圧力が調圧値になるように調圧を行う上流調圧弁と、
    前記流路遮断弁と前記上流調圧弁のうち前記上流側にある弁と、前記タンク遮断弁との間の前記流路において、前記燃料ガスの流路圧力を表わす流路圧力値を検出する圧力検出部とを備えた燃料電池システムに用いられ、
    前記タンク遮断弁は、
    前記流路圧力値が、前記燃料ガス供給タンクと接続される部分における前記燃料ガスの接続部分圧力値に対して、自身が開弁可能となる開弁許容圧力値以上となった状態で、前記タンク遮断弁制御部からの開弁指示があると開弁し、前記燃料ガス供給タンクの前記燃料ガスを前記流路に供給するパイロット式電磁弁であり、
    前記ガス漏れ検知装置は、
    前記燃料電池の運転を停止する際において、前記パイロット式電磁弁を閉弁させるタンク遮断弁制御部と、
    前記パイロット式電磁弁の閉弁後、前記流路圧力値が、前記開弁許容圧力値を下回らない値まで前記流路圧力を減圧させる減圧処理部と、
    減圧後、前記流路遮断弁を閉弁させる流路遮断弁制御部と、
    前記流路遮断弁の閉弁後、まず、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第1の圧力値として検出させ、さらに、所定時間経過後、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第2の圧力値として検出させ、検出させた前記第1の圧力値に対する前記第2の圧力値の変化量を算出し、前記変化量と所定の閾値とを比較することにより、前記パイロット式電磁弁から前記燃料ガスが漏れているか否かを検知するガス漏れ検知を行うガス漏れ検知実行部と、
    を備えことを特徴とするガス漏れ検知装置。
  6. ガス漏れを検知するガス漏れ検知方法であって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給タンクと、
    前記燃料ガス供給タンクから供給される前記燃料ガスを前記燃料電池に導く流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能なタンク遮断弁と、
    前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、前記燃料ガスの供給を遮断可能な流路遮断弁と、
    前記タンク遮断弁と前記燃料電池との間の前記流路に設けられ、さらに、前記流路において、前記燃料ガスの供給方向に対して、調圧弁の中で最も上流側に設けられる調圧弁であり、前記燃料ガスの供給方向に対して下流側の前記燃料ガスの圧力が調圧値になるように調圧を行う上流調圧弁と、
    前記流路遮断弁と前記上流調圧弁のうち前記上流側にある弁と、前記タンク遮断弁との間の前記流路において、前記燃料ガスの流路圧力を表わす流路圧力値を検出する圧力検出部とを備えた燃料電池システムに用いられ、
    前記タンク遮断弁は、
    前記流路圧力値が、前記燃料ガス供給タンクと接続される部分における前記燃料ガスの接続部分圧力値に対して、自身が開弁可能となる開弁許容圧力値以上となった状態で、前記タンク遮断弁制御部からの開弁指示があると開弁し、前記燃料ガス供給タンクの前記燃料ガスを前記流路に供給するパイロット式電磁弁であり、
    前記ガス漏れ検知方法は、
    前記燃料電池の運転を停止する際において、前記パイロット式電磁弁を閉弁させる工程と、
    前記パイロット式電磁弁の閉弁後、前記流路圧力値が、前記開弁許容圧力値を下回らない値まで前記流路圧力を減圧させる工程と、
    減圧後、前記流路遮断弁を閉弁させる工程と、
    前記流路遮断弁の閉弁後、まず、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第1の圧力値として検出させ、さらに、所定時間経過後、前記圧力検出部に前記流路圧力値を第2の圧力値として検出させ、検出させた前記第1の圧力値に対する前記第2の圧力値の変化量を算出し、前記変化量と所定の閾値とを比較することにより、前記パイロット式電磁弁から前記燃料ガスが漏れているか否かを検知するガス漏れ検知を行う工程と、
    を備えることを特徴とするガス漏れ検知方法。
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