JP7077657B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
図1は、燃料電池システム26を搭載する移動体10の構成を模式的に示す説明図である。移動体10は、例えば、燃料電池バスである。燃料電池システム26は、独立して動作可能な燃料電池サブシステム20と、燃料電池サブシステム25と、連通管226と、制御部400と、を備える。
(1)リーク検出部410は、高圧配管227の中の圧力PHをどの程度まで減圧できるか、許容減圧量ΔPhalwを算出する。ここで、高圧配管227の中の圧力PHは、高圧圧力センサ320により測定される高圧配管220の中の圧力PH1と、高圧圧力センサ325により測定される高圧配管220の中の圧力PH2の低い方の圧力である。リーク検出部410は、リーク検出を実行する前における高圧配管227の中の圧力PHの最小値PHminと、リーク検出を実行する前における中圧配管240の中の圧力PM1と中圧配管245の中の圧力PM2の最大値PMmaxと、の差を、許容減圧量ΔPhalwとして算出する。このように高圧配管227の中の圧力の最小値PHminと中圧配管240、245の中の圧力の最大値PMmaxとの差を許容減圧量ΔPhalwとして設定すれば、シャット弁210~219の燃料ガスタンク200~209側と、高圧配管227の中の圧力差ΔPHを大きくできるので、シャット弁210~219のリークを検出し易くできる。さらに、高圧配管227の圧力PHを許容減圧量ΔPhalwだけ低下させても、高圧配管220の中の圧力PH1が中圧配管240の中の圧力PM1よりも高く、且つ、高圧配管225の中の圧力PH2が中圧配管245の中の圧力PM2よりも高い状態を維持できる。
(a)高圧配管227の圧力と、中圧配管240、245の圧力PM1、PM2と、を用いて高圧配管227の許容減圧量ΔPhalwを取得し、
(b)許容減圧量ΔPhalwを用いて許容燃料ガス移動量Qmaxを取得し、
(c)許容燃料ガス移動量Qmaxを、燃料電池サブシステム20の低圧配管260に移動させる燃料ガス移動量Qlow1と、燃料電池サブシステム25の低圧配管265に移動させる燃料ガス移動量Qlow2に分配し、
(d)燃料ガス移動量Qlow1から低圧配管260を加圧する低圧配管加圧量ΔPlow1を取得し、燃料ガス移動量Qlow2から低圧配管265を加圧する低圧配管加圧量ΔPlow2を取得し、
(e)インジェクタ250を駆動して低圧配管260を低圧配管加圧量ΔPlow1だけ加圧することで燃料ガス移動量Qlow1の燃料ガスを高圧配管227から低圧配管260移動させ、インジェクタ255を駆動して低圧配管265を低圧配管加圧量ΔPlow2だけ加圧することで燃料ガス移動量Qlow2の燃料ガスを高圧配管227から低圧配管260移動させ、高圧配管227の圧力PHを、中圧配管240、245の中の圧力PM1、PM2より低くならないように、最大で許容減圧量ΔPhalw下げる。
そのため、インジェクタ250、255を駆動して燃料ガスを高圧配管227から低圧配管260、265に移動させるときに、燃料ガスの調圧弁230あるいは調圧弁235の逆流を抑制し、調圧弁230あるいは調圧弁235の信頼性の低下を抑制できる。また、燃料ガスの調圧弁230あるいは調圧弁235の逆流によるリークの誤検出を抑制できる。
第2実施形態は、第1実施形態におけるリーク検出を移動体10の停止後に行うときの実施形態である。移動体10が停止した後は、制御部400は、燃料電池270、275内の触媒層の劣化を抑制するために、インジェクタ250、255を駆動して、低圧配管260、265に燃料ガスを移動させ、低圧配管260、265の中の燃料ガスの圧力を上げ、燃料電池270、275の中の燃料ガスの圧力を上げる。したがって、リーク検出部410は、低圧配管260、265と燃料電池270、275の中の燃料ガスの圧力を上げるときにリーク検出を実行すれば、効率的にリーク検出を実行できる。
第1実施形態、第2実施形態では、リーク検出部410は、高圧配管227の圧力PHとして、高圧配管220の中の圧力PH1、高圧配管225の中の圧力PH2の低い方の圧力PHを用いて図2に示す各ステップを実行したが、リーク検出部410は、高圧配管220の中の圧力PH1、高圧配管225の中の圧力PH2を別個に用いて、図2に示す各ステップを実行してもよい。
第1実施形態、第2実施形態では、リーク検出部410は、圧力損失を考慮していなかったが、高圧圧力センサ320から取得した高圧配管220の中の圧力PH1、高圧圧力325から取得した高圧配管225の中の圧力PH2、中圧圧力センサ340から取得した中圧配管240中の圧力PM1、中圧圧力センサ345から取得した中圧配管245の中の圧力PM2に加えて、(a)高圧圧力センサ320、325から調圧弁230、235までの圧力損失、(b)調圧弁230、235における圧力損失、(c)調圧弁230、235から中圧圧力センサ340、345までの圧力損失、のうちの少なくとも1つを用いて、高圧配管220の中の圧力PH1と、高圧配管225の中の圧力PH2と、中圧配管240の中の圧力PM1と、中圧配管245の中の圧力PM2を補正し、補正後の高圧配管220の中の圧力PH1が補正後の中圧配管240の中の圧力PM1よりも高く、且つ、補正後の高圧配管225の中の圧力PH2が補正後の中圧配管245の中の圧力PM2よりも高い状態を維持するように、図2に示すステップS300を実行してもよい。圧力損失を考慮することで、燃料ガスが調圧弁230、235を逆流しないように、より精密に制御できる。
リーク検出部410は、第1実施形態、第2実施形態において、図2に示すステップS300を実行するときに、複数回に分けて、インジェクタ250及びインジェクタ255を駆動してもよい。このとき、各回のインジェクタ250、255の噴射を実行した後、高圧圧力センサ320から取得した高圧配管220の中の圧力PH1、高圧圧力325から取得した高圧配管225の中の圧力PH2、中圧圧力センサ340から取得した中圧配管240中の圧力PM1、中圧圧力センサ345から取得した中圧配管245の中の圧力PM2を取得し、高圧配管220の中の圧力PH1が中圧配管240の中の圧力PM1よりも高く、且つ、高圧配管225の中の圧力PH2が中圧配管245の中の圧力PM2よりも高い状態を維持していることを確認し、次の回のインジェクタ250、255の駆動を実行してもよい。リーク検出部410は、各回のインジェクタ250、255の噴射を実行した後、再び燃料ガス移動量Qlow1、Qlow2を算出し、低圧配管加圧量ΔPlow1、ΔPlow2を算出しても良い。より精密に制御できる。
リーク検出部410は、第1実施形態、第2実施形態のステップS100において、許容減圧量ΔPhalwを算出するとき、温度センサ300~309で測定された燃料ガスタンク200~209の温度のうちの最大の温度を用いて、高圧配管227内の燃料ガスの温度低下による圧力低下分を補正しても良い。ガスは、温度が高いと、同じ量でも圧力が高くなる。そのため、温度が高いと、許容減圧量ΔPhalwが大きめに算出され、温度が低くなると、許容減圧量ΔPhalwが小さくなる。変形例4によれば、温度低下による圧力低下を補正できる。
リーク検出部410は、燃料電池270、275において、燃料ガスの消費がないときの高圧圧力センサ320から取得した高圧配管220の中の圧力PH1、高圧圧力325から取得した高圧配管225の中の圧力PH2、中圧圧力センサ340から取得した中圧配管240中の圧力PM1、中圧圧力センサ345から取得した中圧配管245の中の圧力PM2を取得してメモリに格納し、メモリに格納された圧力値と、これらの圧力値のメモリ格納後の燃料電池270、275における水素消費量とを用いて、次に燃料ガスの消費がなくなるまでの間、高圧圧力センサ320、325、中圧圧力センサ340、345の測定値を補正してもよい。より精密に制御できる。
第1実施形態、第2実施形態では、高圧圧力センサ320で高圧配管220の中の圧力PH1を測定し、高圧圧力センサ325で高圧配管225の中の圧力PH2を測定しているが、連通管226に圧力センサを設ける構成でも良い。この場合であっても、インジェクタ250、255を駆動して、燃料ガスを高圧配管227から低圧配管260、265に移動させるときに、高圧配管227の中の圧力PHが、中圧配管240の中の圧力PM1よりも高く、且つ、中圧配管245の中の圧力PM2よりも高い状態を維持できるので、燃料ガスの調圧弁230あるいは調圧弁235の逆流を抑制し、調圧弁230あるいは調圧弁235の信頼性の低下を抑制できる。
第1実施形態、第2実施形態では、移動体10として、燃料電池バスを例にあげて説明したが、移動体10として、燃料電池バスの他、大型乗用車、貨物車両、デュアルモードビークル、列車、船舶等にも適用可能である。また、適用先は、移動体10に限定されず、例えば、移動体10以外の定置型燃料電池等にも適用できる。
20、25…燃料電池サブシステム
26…燃料電池システム
200~209…燃料ガスタンク
210~219…シャット弁
220、225…高圧配管
226…連通管
227…高圧配管
230、235…調圧弁
240、245…中圧配管
250、255…インジェクタ
260、265…低圧配管
270、275…燃料電池
300~309…温度センサ
320、325…(高圧配管の)高圧圧力センサ
340、345…(中圧配管の)中圧圧力センサ
360、365…(低圧配管の)低圧圧力センサ
400…制御部
410…リーク検出部
PH…(高圧配管の)圧力
PHmin…(高圧配管の)圧力の最小値
PL1…(低圧配管の)圧力
PL1a…劣化抑制圧力
PL2a…劣化抑制圧力
PL2…(低圧配管の)圧力
PM1…(中圧配管の)圧力
PM2…(中圧配管の)圧力
PMmax…(中圧配管の)圧力の最大値
ΔPrq1…加圧量
ΔPrq2…加圧量
Qlow1…燃料ガス移動量
Qlow2…燃料ガス移動量
Qmax…許容燃料ガス移動量
ΔPhalw…許容減圧量
ΔPlow1…低圧配管加圧量
ΔPlow2…低圧配管加圧量
ΔPpre1…(低圧配管の)プレ加圧量
ΔPpre2…(低圧配管の)プレ加圧量
t1、t2…時刻
Claims (1)
- 燃料電池システムであって、
複数の燃料ガスタンクと、
前記複数の燃料ガスタンクにそれぞれ設けられるシャット弁と、
前記複数のシャット弁の下流側に共通に接続される高圧配管と、
前記高圧配管の中の圧力を取得する高圧圧力センサと、
前記高圧配管の下流側に互いに並列に接続される複数の調圧弁と、
前記シャット弁のリークを検出するリーク検出部と、
を備え、
前記複数の調圧弁の下流にはそれぞれ、
中圧配管と、
前記中圧配管の下流に接続されるインジェクタと、
前記インジェクタの下流に接続される燃料電池と、
前記中圧配管の中の圧力を測定する中圧圧力センサと、
が設けられ、
前記リーク検出部は、
前記複数のシャット弁を閉じた状態で、前記高圧配管の中の圧力が前記中圧配管の中の圧力以下とならないように、前記インジェクタを動作させて前記高圧配管の中の燃料ガスを前記調圧弁と前記中圧配管とを介して前記インジェクタの下流に移動させることで、前記高圧配管の中の圧力を下げ、
前記インジェクタの動作を停止させた後の前記高圧配管の中の圧力の変動から前記シャット弁のリークの有無を検出する、
燃料電池システム。
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