JP4082998B2 - 燃料電池用回転型電磁弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、燃料電池システムにおいて、反応ガス通路に設けられる燃料電池用回転型電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子膜型燃料電池は、固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタック(以下、燃料電池という)を備えており、アノードに燃料として水素が供給され、カソードに酸化剤としてエアーが供給され、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動し、エアー中の酸素と電気化学反応を起こすことで発電エネルギが生成される。
【0003】
このような燃料電池において、酸化剤であるエアーは、エアーコンプレッサ等によって圧縮されてカソードに供給される。この場合、圧縮に伴う発熱によりエアーの温度が上昇し過ぎると、発電効率が低下することから、通常、カソードの前段に加湿部を配設し、エアーを加湿した状態で固体高分子電解質膜の適性に則した最適な温度に制御してカソードに供給するようにしている。
【0004】
一方、エアーの温度が低く、あるいは、燃料電池の系が必要な温度まで達しておらず、エアーコンプレッサ等によって圧縮しても十分な温度が得られない場合には、加湿部を経由させないで直接エアーをカソードに供給できることが必要である。
【0005】
このような要請に対応するため、例えば、加湿部と並列にバイパス通路を設け、エアーコンプレッサ等によって圧縮されたエアーを、温度に応じて加湿部またはバイパス通路を経由させてカソードに供給するように構成することが考えられる。この場合、加湿部とバイパス通路とを切り換える手段として、例えば、特許文献1に開示されたロータリソレノイドが適用されたバルブを利用することができる。
【0006】
このロータリソレノイドは、ボビンに対してコイルが巻回され、前記コイルに電流を通電させることにより励磁状態となり、その励磁作用下にコイルが巻回されたボビンの軸線方向と略直交するように配設され、永久磁石からなるロータを回動させている。そして、前記ロータの略中央部に連結されたシャフトが一体的に回動する。
【0007】
このようなロータリソレノイドが適用されたバルブを燃料電池に適用し、ロータの回動作用下にバイパス通路の連通状態を切り換えることにより、加湿部とバイパス通路との切り換えを行うことができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−250716号公報(第3頁左欄)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に開示されたロータリソレノイドでは、コイルが巻回されたボビンに対してその側部にロータおよび前記ロータと一体的に連結されるシャフトを設けている。換言すると、コイルが巻回されたボビンの軸線と、ロータと一体的に連結され、コイルの励磁作用下に回動するシャフトの軸線とが略直交するように設けられている。そのため、ロータリソレノイドのボビンの軸線方向の寸法が大きくなる。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、弁軸とソレノイド部とを同軸上に設けることにより小型化を図ることが可能な燃料電池用回転型電磁弁を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、燃料電池システムにおける反応ガス通路に設けられる燃料電池用回転型電磁弁において、
前記エアーが導入される第1ポートと前記エアーが流体通路を介して導出される第2ポートとを有するバルブボディと、
前記バルブボディに連結されたケーシングの内部に固定される断面L字状の第1固定磁極と、前記バルブボディ側のケーシングの内部に固定される断面L字状の第2固定磁極と、前記ケーシングの略中央部に設けられ、一端部側が前記第1固定磁極に挿通され、他端部側が前記第2固定磁極に挿通されるシャフトとを有するソレノイド部と、
前記バルブボディの内部にソレノイド部の励磁作用によって回動自在に設けられる弁軸と、
前記弁軸の一端部側に連結され、前記弁軸の回動作用下に前記流体通路を開成または遮断する弁体と、
前記弁体を前記流体通路の遮断方向に付勢する弾発部材と、
を備え、
前記ソレノイド部の軸線と前記弁軸の軸線とが同軸上に設けられることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、ソレノイド部が非励磁状態においては、弾発部材の付勢作用下に弁体によって流体通路が遮断された弁閉状態となる。そして、前記流体通路を連通させ、反応ガス通路を開成させる際には、ソレノイド部を励磁させることにより弾発部材の弾発力に抗して弁体を回動させて流体通路を連通状態としている。また、ソレノイド部にケーシングの内部に固定される断面L字状の第1固定磁極と、バルブボディ側のケーシングの内部に固定される断面L字状の第2固定磁極と、前記ケーシングの略中央部に設けられ、かつ一端部側が第1固定磁極に挿通され、他端部側が第2固定磁極に挿通されるシャフトとから形成することにより、シャフト、第1固定磁極および第2固定磁極を一体的に設け、前記シャフトを中心として前記第1固定磁極と第2固定磁極とを対向するように配置することができる。
【0013】
このように、ソレノイド部の軸線と前記ソレノイド部の励磁作用下に回動する弁軸の軸線とを同軸上に設けるとともに、断面L字状の第1固定磁極および第2固定磁極とシャフトとの間にコイルが巻回されたボビンをそれぞれ略平行となるように設けることにより、燃料電池用回転型電磁弁全体の半径方向の寸法を抑制することができるため小型化することができる。
【0014】
さらに、電流を供給することにより励磁し、回転駆動力が得られるソレノイド部によって弁体の開閉動作を行っているため、永久磁石を設ける必要がなくコストを低減することができる。
【0015】
さらにまた、弁体を流体通路の連通が遮断された弁閉状態において弁開方向に所定角度傾斜して設けることにより、前記弁体を弁閉状態から弁開状態へと回動する際の回動角度を小さくすることができるため、ソレノイド部の励磁作用下に付勢される弁軸の回転駆動力を小さくすることができる。そのため、それに伴ってソレノイド部を小型化することができる。
【0016】
またさらに、流体通路を第1ポートから第2ポートに向かってソレノイド部より離間する方向に所定角度傾斜して形成することにより、前記流体通路を流通するエアーに含まれる水分が流体通路の内部に溜まることがない。そのため、低温状況下においても流体通路の内部で水分が凍結することがなく、前記流体通路の内部に配設される弁体を低温状況下においても円滑に作動させることができる。
【0017】
また、バルブボディの内部に、弁軸を回動自在に軸支する軸受部材より弁体側にシール部材を設けることにより、流体通路の内部を流通するエアーに含有される水分がガイド孔を介して進入した際、前記シール部材によって前記水分のさらなる進入が防止され、ソレノイド部の内部に前記水分が進入することが防止される。
【0018】
さらに、前記弁軸および/または前記弁体、前記軸受部材、前記弁軸に対して前記弁体を連結するねじ部材をそれぞれステンレス鋼から形成することにより、流体通路の内部を流通するエアーに含有される水分が付着した際においても防錆効果を発揮することができる。
【0019】
さらにまた、バルブボディの弁軸の一端部が挿通されるガイド孔に、前記ガイド孔を閉塞するカバー部材を圧入することにより、前記カバー部材によってバルブボディの外部から前記ガイド孔の内部へ塵埃等が進入することを防止することができる。
【0022】
また、弁軸の弁体が設けられる一端部側とは反対の他端部側に、金属製材料からなる回動部材を連結し、前記回動部材から前記第1および第2固定磁極を所定間隔離間し、かつ対向するように配設することにより、回動部材がバルブボディに、第1固定磁極および第2固定磁極がケーシングに、すなわち、それぞれが別部材に設けられているため、可動側の磁極として機能する回動部材と、固定磁極として機能する第1固定磁極および第2固定磁極とを簡便に組み付けることができる。
【0023】
さらに、回動部材に前記弁体側に突出し、バルブボディの対向する位置に窪んで形成されるガイド溝に係合するガイド部を設けることにより、前記回動部材がソレノイド部の励磁作用下に回動した際において、前記回動部材とバルブボディとの間に介装される弾発部材の噛み込みを防止することができる。
【0024】
また、ケーシングをコイルが巻回されるボビンと第1固定磁極と第2固定磁極とを含んで一体成形によって形成することにより、組み付け作業性を向上させることができる。
【0025】
さらにまた、ケーシングのバルブボディとの当接面に環状の第1環状凹部を形成し、前記シャフトの拡径した一端部が当接するケーシングの端面に第2環状凹部を形成して、前記第1および第2環状凹部にそれぞれシール部材を装着することにより、ケーシングの内部およびバルブボディの内部の気密を好適に保持することができる。
【0026】
またさらに、ケーシングは、第1固定磁極、コイルが巻回されたボビンおよび前記シャフトと略同一形状に形成されたダミーシャフトとを含んで一体成形され、前記ケーシングが一体成形された後、前記ダミーシャフトを前記シャフトに置換するとともに、前記シャフトのバルブボディ側の端部が第2固定磁極によって加締められることにより、第1固定磁極、第2固定磁極、ボビンおよびシャフトのケーシングに対する組み付けを容易に行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用バイパス通路用弁(燃料電池用回転型電磁弁)10が含まれる燃料電池システム200の構成図である。なお、燃料電池システム200は、例えば、自動車等の車両に搭載される。
【0028】
図1に示すように、この燃料電池システム200は、例えば、固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して設けた燃料電池スタック202を含む。前記燃料電池スタック202には、燃料として、例えば、水素が供給されるアノードと、酸化剤として、例えば、酸素を含むエアーが供給されるカソードとが設けられる。なお、本実施の形態で用いられる反応ガスとは、水素、エアー、余剰ガスを含むものとする。
【0029】
前記カソードには、酸化剤供給部204からエアーが供給されるエアー供給口206と、前記カソード内のエアーを外部に排出するためのエアー排出部208が接続されたエアー排出口210とが設けられる。一方、アノードには、燃料供給部212から水素が供給される水素供給口214と、前記水素排出部216が接続された水素排出口218とが設けられる。
【0030】
前記燃料電池スタック202では、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動し、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電するように設定されている。
【0031】
前記エアー供給口206には、エアー供給用通路を介して酸化剤供給部204、放熱部220、カソード加湿部222が上流側からこの順序で介装された主通路219aと、前記カソード加湿部222を経由することなく放熱部220からカソードにエアーを供給するための迂回通路であるバイパス通路219bとを有する。そして、前記バイパス通路219bには、該バイパス通路219bの流通状態を切り換えるバイパス通路用弁10が設けられている。また、前記エアー排出口210には、エアー排出用通路を介してエアー排出部208が接続される。
【0032】
前記水素供給口214には、水素供給通路を介して燃料供給部212、圧力制御部224、エゼクタ226、アノード加湿部228がそれぞれ接続され、また、前記水素排出口218には、循環用通路230を介して水素排出部216が接続される。
【0033】
酸化剤供給部204は、例えば、図示しないスーパーチャージャ(圧縮機)およびこれを駆動するモータ等から構成され、燃料電池スタック202で酸化剤ガスとして使用される供給エアーを断熱圧縮して燃料電池スタック202に圧送する。この断熱圧縮の際に供給エアーが加熱される。このように加熱された供給エアーが、燃料電池スタック202の暖機に貢献する。
【0034】
また、前記酸化剤供給部204から供給されるエアーは、例えば、燃料電池スタック202の負荷や図示しないアクセルペダルの操作量等に応じて所定の圧力に設定されて燃料電池スタック202に導入されるとともに、後述する放熱部220によって冷却された後、バイパス通路232を介して圧力制御部224にパイロット圧として供給される。
【0035】
放熱部220は、例えば、図示しないインタークーラ等から構成され、流路に沿って流通する冷却水と熱交換することによって、燃料電池スタック202の通常運転時において前記酸化剤供給部204から供給される供給エアーを冷却する。このため、供給エアーは、所定温度に冷却された後、カソード加湿部222に導入される。
【0036】
前記カソード加湿部222は、例えば、水透過膜を備えて構成され、水分を水透過膜の一方側から他方側へ透過させることにより、前記放熱部220によって所定の温度に冷却されたエアーを所定の湿度に加湿して燃料電池スタック202のエアー供給口206へと供給している。前記加湿されたエアーは燃料電池スタック202に供給され、該燃料電池スタック202の固体高分子電解質膜のイオン導電性が所定の状態に確保される。
【0037】
なお、燃料電池スタック202のエアー排出口210にはエアー排出部208が接続され、前記エアー排出部208に設けられた図示しない排出弁を通じてエアーが大気中に排気される。
【0038】
燃料供給部212は、例えば、燃料電池に対する燃料として水素を供給する図示しない水素ガスボンベからなり、燃料電池スタック202のアノード側に供給する供給水素が貯蔵される。
【0039】
圧力制御部224は、例えば、空気式の比例圧力制御弁からなり、バイパス通路232を介して供給されるエアーの圧力をパイロット圧(パイロット信号圧)として、前記圧力制御部224の出口側圧力である2次側圧力を前記パイロット圧に対応した所定範囲の圧力に設定している。
【0040】
エゼクタ226は、図示しないノズル部とディフューザ部とから構成され、圧力制御部224から供給された燃料(水素)はノズル部を通過する際に加速されてディフューザ部に向かって噴射される。前記ノズル部からディフューザ部に向かって燃料が高速で流通する際、ノズル部とディフューザ部との間に設けられた副流室内で負圧が発生し、循環用通路230を介してアノード側の排出燃料が吸引される。前記エゼクタ226で混合された燃料および排出燃料はアノード加湿部228へと供給され、燃料電池スタック202から排出された排出燃料は、前記エゼクタ226を介して循環するように設けられている。
【0041】
従って、燃料電池スタック202の水素排出口218から排出された未反応の排出ガスは、循環用通路230を介してエゼクタ226に導入され、圧力制御部224から供給された水素と、燃料電池スタック202から排出された排出ガスとが混合されて燃料電池スタック202に再び供給されるように設けられている。
【0042】
アノード加湿部228は、例えば、水透過膜を備えて構成され、水分を水透過膜の一方側から他方側へ透過させることにより、エゼクタ226から導出された燃料を所定の湿度に加湿して燃料電池スタック202の水素供給口214へと供給している。前記加湿された水素は燃料電池スタック202に供給され、該燃料電池スタック202の固体高分子電解質膜のイオン導電性が所定の状態に確保される。
【0043】
燃料電池スタック202の水素排出口218には、例えば、図示しない排出制御弁を有する水素排出部216が循環用通路230を介して接続される。前記排出制御弁は、燃料電池スタック202の運転状態に応じて開閉動作が制御され、例えば、図示しない貯留タンクによって分離された排出ガス中の過剰な水分(主に液体水)等が車両の外部に排出される。
【0044】
次に、前記燃料電池システム200を構成する燃料電池用バイパス通路用弁10について好適な実施の形態を挙げ、図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0045】
この燃料電池用バイパス通路用弁10(以下、単にバイパス弁10という)は、バイパス通路219b(図1参照)に沿ってエアーを流通させる流体通路12が形成されるバルブボディ14と、前記バルブボディ14の上部に所定角度傾斜して一体的に連結されるケーシング16と、前記ケーシング16の内部に配設されるソレノイド部18と、前記ソレノイド部18の励磁作用下に弁軸20を中心として回動して前記流体通路12の開閉状態を切り換える弁機構部22とからなる。
【0046】
バルブボディ14は、その略中央部に直線状に貫通する流体通路12と、ケーシング16が装着される略平面状の取付面24と、前記取付面24より流体通路12側に窪んで形成され、弁機構部22が配設される装着穴26と、前記流体通路12と略直交するように形成され、弁機構部22の後述する弁軸20が挿通されるガイド孔28と、前記取付面24と流体通路12を挟んだ反対側の側面に形成され、カバー部材31が装着される穴部30とからなる。
【0047】
前記穴部30には環状のカバー部材31が圧入され、前記カバー部材31の外周面には環状溝を介してシール部材32が装着されているため、前記穴部30を介して流体通路12の内部の気密が保持されるとともに、バルブボディ14の外部から流体通路12の内部に塵埃等が進入することが防止される。
【0048】
また、前記流体通路12は、燃料電池システム200におけるバイパス通路219bの上流側と接続される第1ポート34からバイパス通路219bの下流側と接続される第2ポート36に向かって水平方向より下方に所定角度傾斜するように形成されている(図3参照)。すなわち、前記流体通路12を傾斜して形成することにより流体通路12の内部を流通するエアーに含有される水分が流体通路12の内壁面に付着した際、前記流通通路の傾斜作用下に前記水分が第1ポート34側から第2ポート36側へと流れる。
【0049】
そのため、流体通路12の内部に水分が溜まることがないため、低温状況下においても流体通路12の内部において水分が凍結することが防止され、前記流体通路12の内部に配設される弁体38を円滑に作動させることができる。
【0050】
バルブボディ14の流体通路12が開口する第1ポート34側および第2ポート36側の端面には、環状溝を介して環状のシール部材32が装着され、バイパス弁10がバイパス通路219b(図1参照)と接続される際に前記バイパス弁10とバイパス通路219bとの内部の気密を保持する。
【0051】
さらに、バルブボディ14の上面には、前記流体通路12と略平行となるように平面状の取付面24が形成され、前記取付面24にケーシング16の下端面が装着されている。そして、ケーシング16の下端面には、第1環状凹部39を介してシール部材32が装着され、前記シール部材32がバルブボディ14の取付面24とケーシング16の下端面との間に挟持されてケーシング16の内部およびバルブボディ14の装着穴26の内部の気密が保持される。
【0052】
ケーシング16は樹脂製材料による一体成形により略円筒状に形成され、前記バルブボディ14の取付面24にボルト41(図2参照)を介して一体的に連結されている。前記ケーシング16の上面略中央部には、所定深さだけ窪んだ環状の第2環状凹部40が形成されるとともに、その略中央部には前記第2環状凹部40より縮径した孔部42が貫通するように形成されている。
【0053】
前記第2環状凹部40には環状のシール部材32が装着され、前記孔部42に挿通されるソレノイド部18の後述するシャフト50の上部との間に挟持されている。すなわち、前記シール部材32によってケーシング16の内部の気密が保持されている。
【0054】
また、ケーシング16の側面には、図示しない電源と接続されるコネクタ部44が設けられている。
【0055】
ソレノイド部18はケーシング16の内部に配設され、コイル46が巻回されたボビン48と、前記ボビン48の内部に配設されるシャフト50と、前記シャフト50の上部が挿通する断面略L字状の第1固定磁極52と、前記シャフト50の下部が係合される断面略L字状の第2固定磁極54とからなる。
【0056】
シャフト50は、その上部の半径外方向に拡径した第1フランジ部56がケーシング16の孔部42に挿通され、前記第1フランジ部56の下面が第1固定磁極52の上面に当接している。また、シャフト50の上端部には、第1フランジ部56よりさらに半径外方向に拡径して形成される第2フランジ部58がケーシング16の上面に当接するように配設されている。前記第2フランジ部58によってケーシング16の第2環状凹部40に装着されたシール部材32を挟持している。また、シャフト50の下方には環状溝が形成され、第2固定磁極54が係合孔60を介してシャフト50へと加締められている。
【0057】
すなわち、前記シャフト50は、上端部の第2フランジ部58によって下方への変位が規制されるとともに、下方に加締められた第2固定磁極54によって上方への変位が規制されているため、前記シャフト50は軸線方向に沿った変位が規制されている。
【0058】
第1固定磁極52は、断面略L字状に形成される上部側がケーシング16とボビン48の上面との間に配設され、その略中央部に形成される挿通孔62にはシャフト50が挿通されている。また、前記第1固定磁極52の他方側は、一方側から略直角に折曲され、ケーシング16の外周面の内部に配設される。そして、第1固定磁極52の下端部がバルブボディ14の装着穴26の内部に所定長だけ突出するように配設されている。
【0059】
すなわち、第1固定磁極52は、樹脂製材料からなるケーシング16の内部に一体成形されているため、ソレノイド部18のシャフト50の回転作用下に一体的に回転することがない。
【0060】
第2固定磁極54は、断面略L字状に形成される上部側がボビン48の下面とケーシング16との間に配設され、その略中央部に形成される係合孔60はシャフト50の環状溝に係合している。また、前記第2固定磁極54の他方側は、一方側から略直角に折曲され、バルブボディ14の装着穴26の内部に配設される。
【0061】
なお、前記バルブボディ14の装着穴26の内部における第1および第2固定磁極52、54の下方への突出量が、略同等となるように設けられるとともに、第1および第2固定磁極52、54の突出した部位が後述する回転プレート68と対向するように設けられている。
【0062】
弁機構部22は、バルブボディ14のガイド孔28の内部に回動自在に設けられる弁軸20と、前記弁軸20にねじ部材80を介して連結される円盤状の弁体38と、前記弁軸20の上部に形成されるねじ部64にナット66を介して連結される回転プレート(回動部材)68と、前記回転プレート68とバルブボディ14との間に介装され、前記弁体38をそのばね力によって弁閉状態に回動させるばね部材(弾発部材)70と、バルブボディ14の装着穴26の内部に設けられ、前記弁軸20を軸支する軸受72とからなる。
【0063】
なお、前記ばね部材70は、そのばね力によって流体通路12を回転プレート68に対して全閉状態に保持する方向に付勢している。
【0064】
弁軸20はバルブボディ14の流体通路12を貫通するように配設され、その一端部には半径外方向に拡径した拡径部71が形成され、穴部30の内部に挿入されて係止されている。また、前記弁軸20の前記一端部側および他端部側はガイド孔28に挿通されている。
【0065】
そして、前記弁軸20のソレノイド部18側の一端部が装着穴26の内部に配設される軸受72によって回動自在に軸支されている。また、前記軸受72の軸線方向に沿った上方および下方には、それぞれ環状のカラー部材74a、74bが装着され、前記軸受72を軸線方向に保持するとともに、前記下方に設けられたカラー部材74bに隣接して前記弁軸20の外周面を囲繞するシール部材76が装着されている。前記シール部材76は、流体通路12側に傾斜した第1リップ部78aと、ソレノイド部18側へと傾斜した第2リップ部78bとを有する。
【0066】
すなわち、前記シール部材76の第1リップ部78aおよび第2リップ部78bによって流体通路12からバルブボディ14の内部へのエアーの漏出や、前記エアーに含有される水分の進入が防止されるとともに、弁機構部22で発生する塵埃等が流体通路12へ進入することを防止することができる。
【0067】
前記弁軸20には、前記流体通路12の断面形状に対応した円形形状に形成される弁体38がねじ部材80を介して連結されている。そして、前記弁体38は流体通路12の内部に配設されている。
【0068】
また、前記弁軸20に連結された弁体38は、弁閉状態において前記流体通路12に略直交した状態より第2ポート36側へ所定角度A(例えば、30°)傾斜した状態で設けられている(図5参照)。すなわち、弁閉状態において弁体38を流体通路12に対して略直交するように設けた場合と比較して、弁閉状態から弁開状態へと切り換える際の弁軸20の回動角度を小さくすることができる。そのため、弁軸20を回動させる回転駆動力を小さくすることができ、それに伴ってソレノイド部18を小型化することができる。
【0069】
なお、弁軸20、弁体38、ねじ部材80および軸受72がステンレス鋼で形成されているため、流体通路12の内部を流通するエアーに含有された水分によって弁軸20、弁体38、ねじ部材80および軸受72に錆びが生じることを防止することができる。
【0070】
回転プレート68は、図4に示されるように、両端部が円弧状の略長方形状に形成され、その略中央部に挿通される弁軸20のねじ部64にナット66を螺合することにより前記弁軸20の軸線方向と略直交するように連結されている。また、前記回転プレート68の円弧状の両端部と所定間隔離間して配設される第1固定磁極52および第2固定磁極54の断面形状は、前記両端部の円弧形状に対応した円弧状に形成されている。
【0071】
すなわち、ソレノイド部18の励磁作用下に回動する回転プレート68の弁軸20を中心として、それぞれ対向する位置に第1固定磁極52と第2固定磁極54とが配設されている。
【0072】
また、前記回転プレート68の下面には、下方に向かって所定長だけ突出したガイド部82が形成され、前記ガイド部82がバルブボディ14の装着穴26の内部に所定深さだけ窪んで形成されるガイド溝84に係合されている。そのため、前記回転プレート68がソレノイド部18の励磁作用下に回動する際、前記回転プレート68がガイド部82のガイド作用下に弁軸20を中心として回動する。
【0073】
さらに、前記ガイド部82にばね部材70の上端部を係合させることにより、前記ばね部材70の噛み込みを防止することができる。
【0074】
本発明の実施の形態に係るバイパス弁10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0075】
先ず、供給されるエアーの温度が低く、あるいは燃料電池システム200で必要とされる温度まで達しておらず、エアーをカソード加湿部222で加湿することなくバイパス通路219bを経由してカソードへと供給する場合について説明する(図1参照)。
【0076】
この場合、酸化剤供給部204によって圧縮加熱されたエアーをカソード加湿部222を回避してバイパス通路219bへと導くためにバイパス弁10を弁閉状態から弁開状態へと切り換える。
【0077】
図3は、ソレノイド部18のコイル46に対してコネクタ部44を介して電流を供給していない非励磁状態にあり、弁体38がばね部材70のばね力の作用下に流体通路12を閉塞して第1ポート34と第2ポート36との連通を遮断している弁閉状態を示している(図5参照)。
【0078】
このような弁開状態において、図示しない電源を付勢してコネクタ部44を介してコイル46に通電することにより前記コイル46が励磁され、その励磁作用下に磁束がコイル46から第1固定磁極52および第2固定磁極54へと向かい、シャフト50を介して再びコイル46へと復帰して周回するように発生する。
【0079】
そして、前記第1固定磁極52および第2固定磁極54の励磁作用下に第1固定磁極52および第2固定磁極54に対向する位置に配設された回転プレート68がばね部材70のばね力に抗して矢印B方向に回動する(図4参照)。その際、前記回転プレート68の下面より下方側に突出したガイド部82が、バルブボディ14のガイド溝84のガイド作用下に回動する。
【0080】
そのため、前記回転プレート68と一体的に連結された弁軸20を介して弁体38が流体通路12の内部で矢印B方向に所定角度だけ回動する(図5参照)。その結果、前記弁体38の回動作用下に該弁体38と流体通路12とが略平行となり、前記流体通路12の第1ポート34と第2ポート36とが連通する(図5参照)。
【0081】
以上のようにして、弁体38の回動作用下に遮断されていた流体通路12の第1ポート34と第2ポート36とが連通した状態となるため、図1に示される放熱部220とカソードとがバイパス通路219bを介して直接連通される。
【0082】
そこで、酸化剤供給部204に供給されたエアーは、放熱部220、バイパス通路219bからバイパス弁10を介して燃料電池スタック202のエアー供給口206からカソードに供給される。
【0083】
一方、燃料供給部212から供給された水素は、圧力制御部224、エゼクタ226およびアノード加湿部228を介して燃料電池スタック202の水素供給口214からアノードに供給される。そして、燃料電池スタック202において発電が行われる。
【0084】
次に、供給されるエアーの温度が所望の温度である場合には、酸化剤供給部204より供給されるエアーを主通路219aを介してカソード加湿部222に直接供給する。そのため、バイパス弁10が設けられるバイパス通路219bを遮断する。
【0085】
その場合、図3に示されるように、図示しない電源よりコネクタ部44を介してコイル46に通電されていた電流を停止することによって前記コイル46が非励磁状態となり、第1固定磁極52および第2固定磁極54を介して回転プレート68に付勢されていた回動力が滅勢される。そのため、前記回転プレート68がばね部材70のばね力によって矢印C方向(図4参照)へと回動され、それに伴って弁軸20を介して弁体38が一体的に矢印C方向へと回動する(図6参照)。その結果、前記弁体38によって流体通路12が閉塞され、第1ポート34と第2ポート36との連通が遮断される。
【0086】
以上のようにして、弁体38の回動作用下に流体通路12の連通状態が遮断されるため、図1に示される放熱部220とカソードとの間をバイパス通路219bを介して迂回していたエアーが、主通路219aに直接供給される。そこで、酸化剤供給部204に供給されたエアーは、放熱部220からカソード加湿部222に供給され、加湿されて燃料電池スタック202のエアー供給口206からカソードに供給される。
【0087】
以上のように、本実施の形態では、ソレノイド部18に電流が通電されていない非励磁状態において、ばね部材70のばね力の作用下に弁体38によって前記流体通路12が閉塞された状態としている。そのため、前記ソレノイド部18に電流が供給されない場合には、流体通路12がバイパス弁10の弁体38によって遮断された状態であるため酸化剤供給部204から供給されるエアーがバイパス通路219bを迂回することなく、主通路219aを介してカソード加湿部222に直接供給される。すなわち、前記エアーをバイパス通路219bによって迂回させる必要がない通常の場合には、ソレノイド部18に対して電流を付勢する必要がない。
【0088】
また、流体通路12にエアーが流通する際、前記エアーによる押圧作用下にソレノイド部18の励磁作用下に回動する弁体38の回転駆動力が小さい力で十分となる。すなわち、弁体38の回転駆動力が小さい場合でも流体通路12を流通する流量を大きくすることができる。
【0089】
さらに、電流によって回転駆動力が得られるソレノイド部18を介して弁体38の開閉動作を行っているため、永久磁石を設ける必要がなくコストを低減することができる。
【0090】
さらにまた、流体通路12の内部の連通が遮断された弁閉状態において、流体通路12の内部に配設される弁体38を、前記流体通路12に対して略直角な状態から第2ポート36側へ所定角度(例えば、30°)傾斜させている。そのため、弁体38が流体通路12と略平行な状態となった弁開状態とする際の弁体38の回動角度を小さくすることができる。すなわち、ソレノイド部18の励磁作用下に回動する弁体38の回転駆動力を小さくすることができるため、前記ソレノイド部18の小型化を図ることができる。
【0091】
またさらに、バルブボディ14に形成される流体通路12は、バイパス通路219bの上流側に接続される第1ポート34から前記バイパス通路219bの下流側に接続される第2ポート36に向かって略水平状態より下方に向かって所定角度傾斜して形成されている。そのため、第1ポート34から導入されるエアーに含有された水分が流体通路12の内部に溜まることが防止される。その結果、低温状況下においても前記水分が流体通路12の内部で凍結することがなく、前記流体通路12の内部に配設される弁体38を円滑に作動させることができる。
【0092】
また、弁軸20がバルブボディ14のガイド孔28に回動自在に挿通され、前記ガイド孔28の下方に穴部30を介してカバー部材31を圧入することにより、前記カバー部材31によってバルブボディ14の外部から前記ガイド孔28の内部へ塵埃等が進入することを防止している。
【0093】
さらに、バルブボディ14の装着穴26の略中央部には、弁軸20を回動自在に軸支する軸受72が配設されるとともに、前記軸受72の弁体38側には弁軸20の外周面を囲繞するシール部材76が設けられている。そのため、流体通路12の内部を流通するエアーに含有された水分がガイド孔28を介して進入した際、前記シール部材76によって、ソレノイド部18へ水分が進入することが防止される。
【0094】
さらにまた、弁軸20をステンレス鋼によって形成することにより、流体通路12の内部を流通するエアーに含有される水分が付着した際においても防錆効果を発揮することができる。なお、弁体38、前記弁体38を弁軸20に連結するねじ部材80および前記弁軸20を軸支する軸受72もステンレス鋼によって形成することにより、同様の防錆効果が得られる。
【0095】
またさらに、固定磁極として機能するシャフト50、第1固定磁極52および第2固定磁極54を一体的に設け、前記シャフト50を中心として前記第1固定磁極52と第2固定磁極54とを対向するように配置することができる。そのため、第1固定磁極52および第2固定磁極54とシャフト50との間にコイル46が巻回されたボビン48とをそれぞれ略平行となるように設けることができる。そのため、ソレノイド部18の半径方向の寸法を抑制することができ、バイパス弁10を小型化することができる。
【0096】
また、第1固定磁極52および第2固定磁極54とを断面略L字状に形成することにより、固定磁極を環状に形成する場合と比較して小型化することができるためコストを低減することができる。
【0097】
さらに、バルブボディ14の中心に回転プレート68を設けるとともに、ケーシング16の内部に前記回転プレート68の外周面より所定間隔離間した第1固定磁極52および第2固定磁極54を対向するように配設している。すなわち、回転プレート68をバルブボディ14に、第1固定磁極52および第2固定磁極54をケーシング16に、すなわち、それぞれが別部材に設けられているため、可動側の磁極として機能する回転プレート68と、固定磁極として機能する第1固定磁極52および第2固定磁極54とを簡便に組み付けることができる。
【0098】
また、第1固定磁極52および第2固定磁極54をケーシング16の内部に固定する構造としているため、前記ケーシング16の内部に回動部を有する場合と比較して低コストにて形成することができる。
【0099】
さらにまた、ケーシング16とバルブボディ14との両側に回動部を設ける際に必要となる係合部分を不要とすることができる。
【0100】
またさらに、回転プレート68の下面側に下方に向かって突出するガイド部82を設け、前記ガイド部82がバルブボディ14の装着穴26に形成されるガイド溝84にガイドされている。前記回転プレート68にガイド部82を設けることにより、前記回転プレート68がソレノイド部18の励磁作用下に回動した際において、装着穴26と回転プレート68との間に介装されるばね部材70の噛み込みを防止することができる。
【0101】
また、樹脂製材料からなるケーシング16は、第1固定磁極52および第2固定磁極54、コイル46が巻回されたボビン48とを含んで一体成形によって形成されている。そのため、前記ケーシング16に対する第1固定磁極52および第2固定磁極54、コイル46が巻回されたボビン48の組み付け性が向上する。
【0102】
さらに、ケーシング16の下面に第1環状凹部39を形成し、前記第1環状凹部39にシール部材32を装着して前記ケーシング16をバルブボディ14の取付面24に連結することにより、ケーシング16の内部およびバルブボディ14の装着穴26の内部の気密を保持することができる。
【0103】
さらにまた、ケーシング16の上面の略中央部に第2環状凹部40を形成し、前記第2環状凹部40にシール部材32を装着して、シャフト50の第2フランジ部58の下面との間に挟持することにより、ケーシング16およびソレノイド部18の内部の気密を好適に保持することができる。
【0104】
またさらに、ケーシング16は、第1固定磁極52、第2固定磁極54、コイル46が巻回されたボビン48、およびシャフト50と略同一形状に形成された図示しないダミーシャフトとを樹脂製材料によって一体成形し、その後に前記ダミーシャフトをケーシング16の内部より取り出すとともに、前記ダミーシャフトが配設されていた空間にシャフト50をケーシング16の上部の孔部42を介して挿入する。そして、前記シャフト50の下部に第2固定磁極54の係合孔60を加締めて一体化している。
【0105】
そのため、ケーシング16に対して第1固定磁極52、第2固定磁極54、ボビン48およびシャフト50との組み付けを容易に行うことができる。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0107】
すなわち、ソレノイド部が非励磁状態において、弾発部材の付勢作用下に弁体によって流体通路が遮断された弁閉状態とすることができるとともに、前記ソレノイド部と弁軸の軸線とを同軸上に設け、かつ、断面L字状に形成された第1固定磁極および第2固定磁極とシャフトとの間にコイルが巻回されたボビンをそれぞれ略平行となるように設けることにより、燃料電池用回転型電磁弁全体の半径方向の寸法を抑制することができるため小型化することができる。
【0108】
また、電流を供給することによって励磁するソレノイド部によって弁体の開閉動作を行っているため、永久磁石を設ける必要がなくコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るバイパス弁の斜視図である。
【図3】図2におけるバイパス弁の縦断面図である。
【図4】バイパス弁におけるケーシングおよびソレノイド部を脱着した状態の平面図である。
【図5】バイパス弁におけるバルブボディの流体通路に配設された弁体の弁閉状態を示す動作説明図である。
【図6】図5の流体通路に配設された弁体の弁開状態を示す動作説明図である。
【符号の説明】
10…バイパス弁 12…流体通路
14…バルブボディ 16…ケーシング
18…ソレノイド部 20…弁軸
22…弁機構部 26…装着穴
31…カバー部材 34…第1ポート
36…第2ポート 38…弁体
46…コイル 48…ボビン
50…シャフト 52…第1固定磁極
54…第2固定磁極 68…回転プレート
70…ばね部材 72…軸受
82…ガイド部 84…ガイド溝
Claims (11)
- 燃料電池システムにおける反応ガス通路に設けられる燃料電池用回転型電磁弁において、
前記エアーが導入される第1ポートと前記エアーが流体通路を介して導出される第2ポートとを有するバルブボディと、
前記バルブボディに連結されたケーシングの内部に固定される断面L字状の第1固定磁極と、前記バルブボディ側のケーシングの内部に固定される断面L字状の第2固定磁極と、前記ケーシングの略中央部に設けられ、一端部側が前記第1固定磁極に挿通され、他端部側が前記第2固定磁極に挿通されるシャフトとを有するソレノイド部と、
前記バルブボディの内部にソレノイド部の励磁作用によって回動自在に設けられる弁軸と、
前記弁軸の一端部側に連結され、前記弁軸の回動作用下に前記流体通路を開成または遮断する弁体と、
前記弁体を前記流体通路の遮断方向に付勢する弾発部材と、
を備え、
前記ソレノイド部の軸線と前記弁軸の軸線とが同軸上に設けられることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項1記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記弁体は、前記流体通路が遮断された弁閉状態において弁開方向に所定角度傾斜して設けられることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項1記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記流体通路は、前記第1ポートから前記第2ポートに向かって前記ソレノイド部より離間する方向に所定角度傾斜して形成されることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項1記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記バルブボディの内部には、前記弁軸を回動自在に軸支する軸受部材より前記弁体側にシール部材が設けられることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項4記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記弁軸および/または前記弁体、前記軸受部材、前記弁軸に対して前記弁体を連結するねじ部材は、それぞれステンレス鋼から形成されることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項1記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記バルブボディには、前記弁軸の一端部が挿通されるガイド孔に前記ガイド孔を閉塞するカバー部材が圧入されることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項1記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記弁軸には、前記弁体が設けられる一端部側とは反対の他端部側に金属製材料からなる回動部材が連結され、前記回動部材から前記第1および第2固定磁極が所定間隔離間し、かつ対向して配設されることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項7記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記回動部材には、前記弁体側に突出し、前記バルブボディの対向する位置に窪んで形成されるガイド溝に係合するガイド部が形成されることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項1記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記ケーシングは、コイルが巻回されるボビンと第1固定磁極と第2固定磁極とを含んで一体成形によって形成されることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項1記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記ケーシングには、前記バルブボディとの当接面に環状の第1環状凹部が形成されるとともに、前記シャフトの拡径した一端部が当接するケーシングの端面には第2環状凹部が形成され、前記第1および第2環状凹部にはそれぞれシール部材が装着されることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。 - 請求項1記載の燃料電池用回転型電磁弁において、
前記ケーシングは、第1固定磁極、コイルが巻回されたボビンおよび前記シャフトと略同一形状に形成されたダミーシャフトとを含んで一体成形され、前記ケーシングが一体成形された後、前記ダミーシャフトを前記シャフトに置換するとともに、前記シャフトのバルブボディ側の端部が第2固定磁極によって加締められることを特徴とする燃料電池用回転型電磁弁。
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