本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の構成と動作の一例に関して図面を参照して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、入力部10、第1のDC変換回路22、第1の検出回路23とスイッチ素子24と第2のDC変換回路25を具備するリミッタ回路13、バッテリー26を具備する充電回路14を有している(図1参照)。また、第1のDC変換回路22により変換された直流電圧は、第1の出力部11に出力され、バッテリー26の電力は出力部12に接続された回路に供給される。
入力部10は、例えば、アンテナと接続した構成とすることができ、アンテナが受信した電力が供給される構成とすることができる。
第1のDC変換回路22は、入力部10から出力された交流電圧を直流電圧に変換して第1の出力部11、リミッタ回路13に出力する。また、第2のDC変換回路25は、スイッチ素子24がオンしたときに入力部10から出力された交流電圧を直流電圧に変換して充電回路14に出力する。第1のDC変換回路22、第2のDC変換回路25は、半波整流回路、半波倍圧整流回路、全波整流回路、コッククロフト等で設けることができる。なお、第1のDC変換回路22と第2のDC変換回路25は、同一の構成で設けてもよいし、異なる構成で設けてもよい。また、ここでいうDC変換回路は、交流信号を直流信号に変換するAC/DC変換回路をいう。
第1の検出回路23は、第1のDC変換回路22から出力された直流電圧の電圧値により、スイッチ素子24のオン又はオフを制御する機能を有する。第1の検出回路23としては、例えば、抵抗素子61、n段接続ダイオード62、pチャネル型トランジスタ63及びnチャネル型トランジスタ64を用いて構成することができる(図5参照)。なお、トランジスタとしては、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いて形成することができる。
次に、図5に示した第1の検出回路23の動作について説明する。Vinに直流電圧を印加し、n段接続ダイオード62が導通状態でないときはVbiasによりnチャネル型トランジスタ64が導通状態にあり、pチャネル型トランジスタ63が非導通状態なのでスイッチ素子24(ここではnチャネル型トランジスタとする)へはGND電位が供給されるのでスイッチ素子24は非導通となりバッテリー26は充電されない。n段接続ダイオード62が導通状態になると抵抗素子61に電流が流れ、電圧降下を生じるのでpチャネル型トランジスタ63のゲートとソース間電位は0より小さくなる。ゲートとソース間電位がpチャネル型トランジスタ63のしきい値以上であれば、pチャネル型トランジスタ63は導通状態となりスイッチ素子24へnチャネル型トランジスタ64のドレインとソース間電位が送られることになりスイッチ素子24は導通状態になりバッテリー26は充電を開始するという構成になっている。
上記の第1の検出回路23のn段接続ダイオードについて、n個の直列接続されたダイオードが全て導通状態になる電位がn段接続ダイオードに印加されたときにはじめて上記検出回路は動作する。つまり、直列接続するダイオードの個数、ダイオードのしきい値により検出回路の動作開始電圧は決定されることになる。
なお、図1において、第1の検出回路23を第1のDC変換回路22の後に設けることにより、第1のDC変換回路22を出力電圧が最大定格以下でリミッタ回路13を動作させることを可能としているが、他の位置に第1の検出回路23を配置する構成としてもよい。
スイッチ素子24は、入力部10と第2のDC変換回路25との電気的な接続を制御するものであればよく、伝播遅延時間が短く高速スイッチングによるノイズが小さいものが好ましい。例えば、スイッチ素子24は、トランジスタ、サイリスタ等で設けることができる。
本発明においてバッテリーとは、充電することで連続使用時間を回復することができる蓄電手段のことをいう。なお蓄電手段としては2次電池、キャパシタ等があるが本明細書においては総称してバッテリーという。なお、バッテリー26としては、その用途により異なるが、例えば、リチウム電池、好ましくはゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池や、リチウムイオン電池等を用いることで、小型化が可能である。勿論、充電可能な電池であればなんでもよく、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などの充放電可能な電池であってもよいし、また大容量のコンデンサーなどを用いても良い。
なお、本発明のバッテリーとして用いることのできる大容量のコンデンサーとしては、電極の対向面積が大きいものであることが望ましい。活性炭、フラーレン、カーボンナノチューブなど比表面積の大きい電極用材料を用いた電気二重層コンデンサーを用いることが好適である。コンデンサーは電池に較べ構成が単純であり薄膜化や積層化も容易である。電気二重層コンデンサーは蓄電機能を有し、充放電の回数が増えても劣化が小さく、急速充電特性にも優れているため好適である。
また、第1の出力部11や第2の出力部12には、集積回路等を接続した構成とすることができる。
なお、図1において、第2のDC変換回路25をリミッタ回路13に設けた場合を示しているが、充電回路14に設けた構成としてもよい。
次に、本実施の形態で示す半導体装置の動作について説明する。
まず、外部から入力部10に交流電圧が入力されると、第1のDC変換回路22は、交流電圧を直流電圧に変換し、第1の検出回路23に入力される。第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)未満である場合には、スイッチ素子24はオフの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に絶縁された状態)を維持し、第2のDC変換回路25には供給されない。その結果、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22により交流電圧から直流電圧に変換された後、第1の出力部に供給される。
一方、第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)以上である場合には、スイッチ素子24に電圧が印加されオンの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に接続された状態)となる。その結果、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換された後、第1の出力部11に供給されると共に、スイッチ素子24を介して第2のDC変換回路25により直流電圧に変換された後充電回路14に設けられたバッテリー26に供給される。
入力部10に入力された交流電圧と、第1のDC変換回路22から出力される直流電圧は相関関係があり、入力部10に入力された交流電圧が大きくなるにつれて第1のDC変換回路22の出力電圧が増加する。第1のDC変換回路22から出力される電圧が一定値以上である場合には、第1のDC変換回路22を含む第1の出力部11に接続された回路を破損する恐れがあるため、リミッタ回路13を設けることによって、入力部10に高い交流電圧が供給された場合には、充電回路14に供給させる構成となっている。
また、充電時において第1のDC変換回路22と第1の出力部11に接続された回路を直列接続したインピーダンスZ1と、第2のDC変換回路25とバッテリー26を直列接続したインピーダンスZ2を制御することによって、第1の出力部11に接続された回路とバッテリー26への供給電力の比を調整することができる。インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の制御は、第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズに依存するため、実施者が第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズを選択的に設けることによって、適宜インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の値を制御すればよい。
また、充電回路14に充電制御回路27を設け、バッテリー26の充電を制御する構成としてもよい(図2参照)。
上述したように、バッテリー26が充電可能な状態である場合、リミッタ回路13が動作してスイッチ素子24がオンすると、入力部10に入力された交流電圧がバッテリー26へ供給される。しかし、バッテリー26の充電が十分である場合、過充電によりバッテリー26に不具合が生ずる恐れがある。従って、充電制御回路27を設けることによって、バッテリー26への過充電による当該バッテリー26の破壊を防止することができる。
バッテリー26の保護回路として機能する充電制御回路27は、バッテリー26の過充電、発熱を検知し、異常がある時には、電流源、電圧源をシャットダウンする機能を有するものであればよい。また、バッテリー26に適した充電方式が選択できる回路で設けることが好ましい。例えば、バッテリー充電方式には−ΔV充電、タイマー充電、定電圧定電流充電、ΔT/Δt検出などがある。バッテリー26は、過充電により体積エネルギー密度が低下する特性を持っているため、当該バッテリー26に適した充電方式を選択する必要がある。
図2に示す充電制御回路27としては、第2のDC変換回路25より入力された電気信号の電圧レベルを制御してバッテリー26に出力する回路であればよい。例えば、図11(A)に示すように、電圧を制御する回路であるレギュレーター145と整流特性を有するダイオード146で構成することができる。ダイオード146は、バッテリー26に充電された電力の漏洩を防止するものである。そのため、図11(B)に示すように、ダイオード146をスイッチ147に置き換えた構成としてもよい。スイッチ147を設ける場合、バッテリー26の充電が行われている状態でオンにし、充電が行われていない状態でオフとすることによりバッテリー26に充電された電力の漏洩を防止できる。
なお、充電制御回路27の構成は1例に限定されずバッテリー26を保護するための様々な機能を有した構成としてもよく、例えば、電源部71、出力電流制御部72、出力電圧制御部73、充電制御部74、逆流防止部75、電池接続検出部76、温度検出部77を設けた構成とすることができる(図12参照)。
図12の逆流防止部75は、第2のDC変換回路25を介して供給される電力を遮断したとき、バッテリー26から第2のDC変換回路25を介して電力が放電されることを防止する。逆流防止部75としては、ショットキーバリアダイオードが一般的であるが、トランジスタ、リレーを使用する場合もある。逆流防止部75は、トランジスタやダイオードにせよ低損失なスイッチが好ましい。
図12の温度検出部77は、サーミスタで構成され急速充電時の電池の温度検出を行う場合に使用する。また、電池が定格温度以内か、電池周辺回路から発生する熱による影響、電池内部ショート時の充電による発熱などを検出することもできる。
本実施の形態にある充電制御回路の温度検出部77では、温度変化に対し電気抵抗の変化量が大きいことを特徴とするサーミスタを用い、電圧や電流の変化分から温度を知る構成とする。なお、温度検出部77は、急速充電時の電池の温度、電池周辺回路から発生する熱による影響、電池内部ショート時の充電による発熱などを検出する機能を有する。
図12の温度検出部77を構成するサーミスタは、一般的には±1℃以内のサーミスタが用いられるが、サーミスタの材質は、NTCサーミスタ、PTCサーミスタ、CTRサーミスタ等用途に合った使い方ができればどの材質を用いてもよい。
以上のように、第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25を設け、外部から入力された電力の供給先を制御することによって第1のDC変換回路を保護した状態で、バッテリーに充電を行い電力の有効活用が行えるようになる。
なお、本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の半導体装置を無線で情報の送受信が可能な無線タグ(RFID(Radio Frequency Identification)タグ、IC(Integrated Circuit)タグ、ICチップ、RFタグ、電子タグとも呼ばれる)として設けた場合に関して図面を参照して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、アンテナ40、第1のDC変換回路22、リミッタ回路13、充電回路14、符号化されたデータを変調する変調回路28、アンテナ40から受信した信号をデジタル化する復調回路29、第1のDC変換回路22の出力電圧を一定電圧にする定電圧回路30、クロック生成回路31、符号化回路32、コントローラ回路33、判定回路34、メモリ35、を有している(図3参照)。なお、上記のリミッタ回路13は第1の検出回路23とスイッチ素子24と第2のDC変換回路25を有し、充電回路14はバッテリー26と充電制御回路27を有している。また、符号化回路32、コントローラ回路33、判定回路34及びメモリ35を具備する回路をロジック回路38といい、定電圧回路30からロジック回路38に一定電圧を供給する構成となっている。
なお、本実施の形態で示す半導体装置を、無線タグ、無線チップとして活用してもよい。
また、図3のより具体的な構成を図4に示す。
図4に示す形態は、図3と同じ形態になっている。なお、第1の検出回路23は、4段接続ダイオード49、抵抗素子50、pチャネル型トランジスタ51、nチャネル型トランジスタ52を有し、第1のDC変換回路22は、コンデンサー44、ダイオード45、ダイオード46、コンデンサー47、抵抗素子48を有している(図4参照)。スイッチ素子24は、入力部10と第2のDC変換回路25との電気的な接続を制御するものであればよく、本実施の形態の動作説明の為、図4ではnチャネル型トランジスタで構成する。
次に、図4を参照して、リーダ/ライタから無線で命令を受け取り、当該リーダ/ライタに無線で応答を返すまでの無線タグの動作について説明する。
リーダ/ライタから送られてきた命令は、搬送波と命令信号に分けられる。搬送波を無線タグを機能させるための電源電圧として利用し、命令信号はロジック回路38で解析されることになる。具体的には、まず、アンテナ40が電力を受信し、入力部10から出力される交流電圧を第1のDC変換回路22で直流電圧に変換し、直流電圧を定電圧回路30に供給する。そして、定電圧回路30はクロック生成回路31とロジック回路38の電源電圧を生成する。リーダ/ライタから送られてきた命令信号は符号化されているので復調回路29でデジタル化する。デジタル化されたデータは判定回路34で復調されたデータが正常に受信されたかを判定し、メモリ35に格納されているデータをコントローラ回路33で抽出する。そして、タグからの応答信号の符号化を符号化回路32で行い、符号化された信号は変調回路28で負荷変調されリーダ/ライタに応答信号が送られる。
第1の検出回路23の動作原理について説明する。第1のDC変換回路22からの出力電圧が低く4段接続ダイオード49が導通していない時は、第1の検出回路23は動作しない。第1のDC変換回路22からの出力電圧が高くなり、4段接続ダイオード49が導通すると、抵抗素子50に電流が流れpチャネル型トランジスタ51のゲートとソース間に電圧が現れpチャネル型トランジスタ51は導通する。その後、スイッチ素子24として機能するnチャネル型トランジスタのゲートに電圧が印加されるのでnチャネル型トランジスタは導通し、入力部10から出力される交流電圧を第2のDC変換回路25が直流電圧に変換する。第2のDC変換回路25で変換された直流電圧は充電回路14に充電される。
また、第1のDC変換回路22又はバッテリー26から出力された電圧は、定電圧回路30により一定の電圧に調整された後にクロック生成回路31やロジック回路38に出力される。定電圧回路30は、リファレンス回路及び差動増幅回路を有している。また、リファレンス回路によって基準電圧と、定電圧回路30に入力された電圧とを差動増幅回路で比較することによって一定電圧が生成される。
リファレンス回路81は、pチャネル型トランジスタ83とpチャネル型トランジスタ84を具備したカレントミラー回路を有し、nチャネル型トランジスタ85とnチャネル型トランジスタ86と抵抗素子87を有している(図13(A)参照)。差動増幅回路82は、pチャネル型トランジスタ89とpチャネル型トランジスタ90を具備したカレントミラーと、nチャネル型トランジスタ91と、pチャネル型トランジスタ92と、pチャネル型トランジスタ93と、nチャネル型トランジスタ94と、nチャネル型トランジスタ95と、nチャネル型トランジスタ96と、コンデンサー97と、コンデンサー98を有している(図13(B)参照)。
リファレンス回路81の動作原理について説明する。Vinに直流電圧が印加されpチャネル型トランジスタ83とpチャネル型トランジスタ84のゲートとソース間電位がしきい値以上ならばONする。その後、nチャネル型トランジスタ85のゲート電位が上昇しVgsがしきい値以上となったときにnチャネル型トランジスタ85がONする。すると、抵抗素子87に電流が流れ抵抗素子87で電圧降下が発生し、その値がnチャネル型トランジスタ86のしきい値以上ならばnチャネル型トランジスタ86はONする。リファレンス回路は定電流回路であるカレントミラー回路を具備しており、pチャネル型トランジスタ83とpチャネル型トランジスタ84には同じ電流が流れる。以上の動作原理によりVbiasには差動増幅回路の比較用基準電圧が生成される。
差動増幅回路82の動作原理について説明する。pチャネル型トランジスタ89とpチャネル型トランジスタ90は、ゲートとソース間電圧がしきい値未満となったときにONする。pチャネル型トランジスタ89がONすると、nチャネル型トランジスタ91はゲートとソース間電位がしきい値以上であればONしているのでpチャネル型トランジスタ89のソースとドレイン間に電位差が生じる。そのため、pチャネル型トランジスタ92はONするのでVddには電圧が現れる。pチャネル型トランジスタ93とnチャネル型トランジスタ94はダイオード接続となっており、pチャネル型トランジスタ93とnチャネル型トランジスタ94のゲートノードが、リファレンス回路から供給されるVbiasと同じになるように差動増幅回路82は動作する。
以上のリファレンス回路81と差動増幅回路82の動作により、定電圧回路30に入力された電圧の安定化が行われる。
メモリ35には、電力供給無しで長時間データを保持することが可能なEEPROMとFeRAMがあるが、書込み速度、書込み電圧、書込みエネルギー等を考えるとFeRAMの方が実用的である。
ダイオード45、46、49はダイオード素子を用いずにnチャネル型トランジスタのゲートノードとドレインノードを導通させて構成したものを用いてもよい。
アンテナ40の形状は通信方式により選択すればよく、本実施の形態で示した無線タグにおいては、電磁誘導方式か電波方式により通信を行うことができる。
上記に記してある負荷変調は、アンテナの終端または接続状態によってアンテナからの反射量や位相を変化させ、データの暗号化を行うことを目的としている。負荷変調には抵抗負荷変調と容量性負荷変調がある。
上記の無線タグはASK変調方式と、FSK変調方式と、PSK変調方式に対応したものとする。ASK変調方式は、送信する信号の振幅を変更する方式である。100%ASK変調の場合、”0”を発振停止、”1”を発振とする。FSK変調方式は、送信する信号の周波数を変更する方式である。PSK変調方式は、送信する信号の位相を変更する方式である。
本実施の形態で示す半導体装置は、充電回路14を図3で示した位置に搭載することで、余分な電力をバッテリーで充電し、第1のDC変換回路22の保護を行う。また、充電した電圧を定電圧回路30に供給することで、従来なしえなかった遠距離応答を実現することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態で示す半導体装置は、第1のDC変換回路22、リミッタ回路13、充電回路14、第1の定電圧回路54、第2の定電圧回路55、第1の放電制御回路201を有する。なお、リミッタ回路13は、第1の検出回路23、スイッチ素子24、第2のDC変換回路25を有し、充電回路14は、バッテリー26を有し、第1の放電制御回路201は、第2の検出回路43とスイッチ素子56とスイッチ素子57とバッファ36を有している(図6参照)。
本実施の形態で示す半導体装置の動作について説明する。なお、以下の説明において、第1の放電制御回路201が機能しない場合には、スイッチ素子56がオンの状態を保持し、スイッチ素子57がオフの状態を維持するものとする。
まず、外部から入力部10に交流電圧が入力されると、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換され、その後第1の検出回路23に入力される。第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)未満である場合には、スイッチ素子24はオフの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に絶縁された状態)を維持し、第2のDC変換回路25には供給されない。そのため、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換された後、第1の定電圧回路54に供給される。第1の放電制御回路201が機能しない間はスイッチ素子56が導通状態となるので、第1の定電圧回路54の出力電圧が第3の出力部15に印加される。なお、入力部10に入力される交流電圧は、例えば、入力部10をアンテナに接続することによって得られる交流電圧を利用することができる。
また、第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)以上である場合には、スイッチ素子24がオンの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に接続された状態)となる。その結果、入力部10に入力された交流電圧は第1のDC変換回路22により直流電圧に変換された後、第1の定電圧回路54に供給されると共に、スイッチ素子24を介して第2のDC変換回路25により直流電圧に変換された後充電回路14に設けられたバッテリー26に供給される。第1の放電制御回路201が機能しない間はスイッチ素子56が導通状態となり、スイッチ素子57が非導通状態にあるので第1の定電圧回路54は第3の出力部15に定電圧を供給し、充電回路14の充電電圧は第2の定電圧回路55には供給されない。
入力部10に入力された交流電圧と、第1のDC変換回路22から出力される直流電圧は相関関係があり、入力部10に入力された交流電圧が大きくなるにつれて第1のDC変換回路22の出力電圧が増加する。第1のDC変換回路22から出力される電圧が一定値以上である場合には、第1のDC変換回路22を含む第1の出力部11に接続された回路を破損する恐れがあるため、リミッタ回路13を設けることによって、入力部10に高い交流電圧が供給された場合には、充電回路14に供給させる構成となっている。
入力部10に入力された交流電圧が小さくなるにつれて、第2の検出回路43により検出される第1の定電圧回路54から出力された電圧が、第1の放電制御回路201が動作する電圧(Vy以下)になったときに、スイッチ素子56は非導通状態、スイッチ素子57は導通状態となるので、第1の定電圧回路54の出力電圧は第3の出力部15に印加されない。一方、充電回路14の充電電圧が第2の定電圧回路55に供給されることになり第3の出力部15には第2の定電圧回路55の出力電圧だけが印加される。
第1のDC変換回路22は、入力部10から入力された交流電圧を直流電圧に変換して第1の定電圧回路54とリミッタ回路13に出力する。また、第2のDC変換回路25は、スイッチ素子24がオンしたときに入力部10から入力された交流電圧を直流電圧に変換して充電回路14に出力する。第1のDC変換回路22、第2のDC変換回路25は、半波整流回路、半波倍圧整流回路、全波整流回路、コッククロフト等で設けることができる。なお、第1のDC変換回路22と第2のDC変換回路25は、同一の構成で設けてもよいし、異なる構成で設けてもよい。
なお、図6において、第1の検出回路23を第1のDC変換回路22の後に設けることにより、第1のDC変換回路22を出力電圧が最大定格未満でリミッタ回路13を動作させることを可能としているが、他の位置に第1の検出回路23を配置する構成としてもよい。
また、第3の出力部15には、上記実施の形態で示したロジック回路やクロック生成回路等の集積回路や電源を必要とする負荷を接続した構成とすることができる。
なお、図6において、第2のDC変換回路25をリミッタ回路13に設けた場合を示しているが、充電回路14に設けた構成としてもよい。
第2の検出回路43とバッファ36とスイッチ素子56とスイッチ素子57の設置場所は本実施の形態で示した場所に限定されず用途にあった接続をすることが好ましい。例えば、第2の検出回路43は第1の定電圧回路54の出力に設置するのではなく、第1のDC変換回路22の出力に設置しても良い。バッファ36はスイッチ素子56の入力ではなくスイッチ素子57の入力に設置してもよい。スイッチ素子56は第1の定電圧回路54の出力ではなく第1の定電圧回路54の入力に設置してもよい。スイッチ素子57は充電回路14の出力ではなく第2の定電圧回路55の出力に設置してもよい。
第1の定電圧回路54と第2の定電圧回路55は、上記実施の形態で示したリファレンス回路81と差動増幅回路82とを有する構成とすることができる(図13(A)、図13(B)参照)。
第1の定電圧回路54と第2の定電圧回路55は、同一の構成で設けてもよいし、異なる構成で設けてもよい。
また、充電時において第1のDC変換回路22と第1の出力部11に接続された回路を直列接続したインピーダンスZ1と、第2のDC変換回路25とバッテリー26を直列接続したインピーダンスZ2を制御することによって、第1の出力部11に接続された回路への供給電力とバッテリー26への供給電力の比を調整することができる。インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の制御は、第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズに依存するため、実施者が第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズを選択的に設けることによって、適宜インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の値を制御すればよい。
また、充電回路14に充電制御回路27を設け、バッテリー26の充電を制御する構成としてもよい。
以上のように、実施の形態1に第1の定電圧回路54と第2の定電圧回路55と第1の放電制御回路201を付加することによって、第1のDC変換回路を保護した状態でバッテリーに充電を行うことに加え、充電回路14の充電電圧の使用サイクルを決定することができるようになった。また、定電圧回路を2つ用いることにより、第1の定電圧回路と第2の定電圧回路の干渉をなくすことができる。
なお、本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態で示す半導体装置は、入力部10、第1のDC変換回路22、リミッタ回路13、充電回路14、第1のDC変換回路22とバッテリー26を供給源とする定電圧回路58、第2の放電制御回路202とを有している(図7参照)。なお、リミッタ回路13は、第1の検出回路23、スイッチ素子24、第2のDC変換回路25を有し、充電回路14は、バッテリー26を有し、第2の放電制御回路202は、第2の検出回路43、スイッチ素子59を有している。
具体的に、上記実施の形態3で示した構成と比較して、定電圧回路の数と、放電制御回路の構成が異なっている。
本実施の形態で示す半導体装置の動作について説明する。
まず、外部から入力部10に交流電圧が入力されると、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換され、その後第1の検出回路23に入力される。第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)未満である場合には、スイッチ素子24はオフの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に絶縁された状態)を維持し、第2のDC変換回路25には供給されない。その結果、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換された後、第1の出力部11つまり定電圧回路58に供給される。第2の検出回路43が機能しない間はスイッチ素子59が非導通状態となるので、第1のDC変換回路22の出力電圧が定電圧回路58に印加され、定電圧回路58で生成された電圧が第3の出力部15に印加される。
一方、第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)以上である場合には、スイッチ素子24に電圧が印加されオンの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に接続された状態)となる。その結果、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換され、定電圧回路58に供給される。また、入力部10に入力された交流電圧は第2のDC変換回路25により直流電圧に変換され、充電回路14に設けられたバッテリー26に供給される。第2の放電制御回路202が機能しない間はスイッチ素子59が非導通状態にあるので、第1のDC変換回路22は定電圧回路58に直流電圧を供給し、バッテリー26の充電電圧は定電圧回路58には供給されない。
また、バッテリー26が充電された状態で、入力部10に最低動作電圧未満の交流電圧が供給された場合、第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)未満であるので、スイッチ素子24に電圧が印加されずにオフの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に絶縁された状態)となる。その結果、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換され、定電圧回路58に供給される。また、第2の検出回路43に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vy)未満となった場合、スイッチ素子59に電圧が印加されオンの状態(第1の出力部11と第2の出力部12とが電気的に接続された状態)となり、バッテリー26の充電電圧が定電圧回路58に印加されるようになる。その結果、入力部10にはチップ最低動作電圧未満の交流電圧が供給されても、バッテリー26の充電電圧を活用することで定電圧回路58の飽和電圧(Vz)以上の電圧を生成できるようになる。
第1のDC変換回路22は、入力部10から入力された交流電圧を直流電圧に変換して定電圧回路58とリミッタ回路13に出力する。また、第2のDC変換回路25は、スイッチ素子24がオンしたときに入力部10から入力された交流電圧を直流電圧に変換して充電回路14に出力する。第1のDC変換回路22、第2のDC変換回路25は、半波整流回路、半波倍圧整流回路、全波整流回路、コッククロフト等で設けることができる。なお、第1のDC変換回路22と第2のDC変換回路25は、同一の構成で設けてもよいし、異なる構成で設けてもよい。
なお、図7において、第1の検出回路23を第1のDC変換回路22の後に設けることにより、第1のDC変換回路22を出力電圧が最大定格未満でリミッタ回路13を動作させることを可能としているが、他の位置に第1の検出回路23を配置する構成としてもよい。
なお、図7において、第2のDC変換回路25をリミッタ回路13に設けた場合を示しているが、充電回路14に設けた構成としてもよい。
入力部10に入力された交流電圧と、第1のDC変換回路22から出力される直流電圧は相関関係があり、入力部10に入力された交流電圧が大きくなるにつれて第1のDC変換回路22の出力電圧が増加する。第1のDC変換回路22から出力される電圧が一定値以上である場合には、第1のDC変換回路22を含む第1の出力部11に接続された回路を破損する恐れがあるため、リミッタ回路13を設けることによって、入力部10に高い交流電圧が供給された場合には、第3の出力部15だけでなく充電回路14にも供給させる構成となっている。つまり、負荷を並列に増やすことで第1のDC変換回路にかかる負担を小さくすることができる。
入力部10に入力された交流電圧が小さくなるにつれて、第2の検出回路43により検出される定電圧回路58の出力電圧が、第2の放電制御回路202の動作する電圧(Vy以下)になったときに、スイッチ素子59は導通状態となるので、第1のDC変換回路22の出力電圧と充電回路14の充電電圧が定電圧回路58に供給されることになり第3の出力部15には定電圧回路58の出力電圧が印加される。上記の第2の放電制御回路202に関して、第1のDC変換回路22が定電圧回路58に、定電圧回路58の入力電圧最大定格値を印加している状態で、充電回路14の充電電圧を定電圧回路58に印加してしまった場合、定電圧回路58の破損の恐れがあるので、充電回路14の放電条件を用途により考慮する必要がある。なお、第2の検出回路43の動作電圧をチップ最低動作電圧に設定してしまうと、バッテリーが放電を行った後にチップが非動作となる恐れがあるので、チップ最低動作電圧よりも若干高めに設定する。
第2の検出回路43の設置場所は本実施の形態で示してある定電圧回路58の出力に限定されない。例をあげると、第1のDC変換回路22の出力に設置しても良い。
定電圧回路58は、差動増幅回路82で電圧比較を行う為の基準電圧を生成するリファレンス回路81と定電圧回路58の出力電圧とリファレンス回路生成電圧との比較を行う差動増幅回路82を具備したものを用いることができる(図13(A)、図13(B)参照)。
また、充電時において第1のDC変換回路22と第1の出力部11に接続された回路を直列接続したインピーダンスZ1と、第2のDC変換回路25とバッテリー26を直列接続したインピーダンスZ2を制御することによって、第1の出力部11に接続された回路とバッテリー26への供給電力の比を調整することができる。インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の制御は、第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズに依存するため、実施者が第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズを選択的に設けることによって、適宜インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の値を制御すればよい。
また、充電回路14に充電制御回路27を設け、バッテリー26の充電を制御する構成としてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態で示す半導体装置は、入力部10と、第1のリミッタ回路203と、充電回路14と、第2の放電制御回路202と、第2のリミッタ回路204と、第1のDC変換回路22とを有している(図8参照)。なお、第1のリミッタ回路203は、第1の検出回路23、スイッチ素子24、第2のDC変換回路25を有し、充電回路14は、バッテリー26、充電制御回路27を有し、第2の放電制御回路202は、第2の検出回路43、スイッチ素子59を有し、第2のリミッタ回路204は、AND回路39、電気素子21、スイッチ素子60を有している。
次に、本実施の形態で示す半導体装置の動作について説明する。
まず、外部から入力部10に交流電圧が入力されると、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換され、その後第1の検出回路23に入力される。第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)未満である場合には、スイッチ素子24はオフの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に絶縁された状態)を維持し、第2のDC変換回路25には供給されない。その結果、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22で直流電圧に変換された後、第1の出力部11に直流電圧が印加される。
一方、第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)以上である場合には、スイッチ素子24に電圧が印加されオンの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に接続された状態)となる。その結果、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換され、第1の出力部11に直流電圧が印加される。また、入力部10に入力された交流電圧は、スイッチ素子24を介して第2のDC変換回路25により直流電圧に変換され、第2のDC変換回路25から出力された電圧が充電回路14に設けられたバッテリー26に供給される。第2の放電制御回路202が機能しない間はスイッチ素子59が非導通状態で、第1のDC変換回路22は第1の出力部11に直流電圧を印加し、充電回路14の充電電圧は第2の出力部12には印加されない。
入力部10に入力された交流電圧が小さくなるにつれて、第2の検出回路43により検出される第1のDC変換回路22の出力電圧が第2の放電制御回路202の動作する電圧(Vy以下)になったときに、スイッチ素子59は導通状態となるので、第1のDC変換回路22の出力電圧が第1の出力部11に印加され、充電回路14の充電電圧が第2の出力部12に印加されることになる。上記の第2の放電制御回路202に関して、充電回路の放電条件を用途により決定する必要がある。第2の放電制御回路202の動作電圧を半導体装置の最低動作電圧+αに設定することで、半導体装置を無線タグとして利用した際に、非動作状態となることを防止させ、遠距離側の通信距離特性改善を図ることができる。
第1のDC変換回路22は、入力部10から入力された交流電圧を直流電圧に変換して出力する。また、第2のDC変換回路25は、スイッチ素子24がオンしたときに入力部10から入力された交流電圧を直流電圧に変換して充電回路14に出力する。第1のDC変換回路22、第2のDC変換回路25は、半波整流回路、半波倍圧整流回路、全波整流回路、コッククロフト等で設けることができる。なお、第1のDC変換回路22と第2のDC変換回路25は、同一の構成で設けてもよいし、異なる構成で設けてもよい。
なお、図8において、第2のDC変換回路25を第1のリミッタ回路203に設けた場合を示しているが、充電回路14に設けた構成としてもよい。
充電回路14のバッテリー26が満充電状態にあり、かつ第1の検出回路23が動作する電圧を第1のDC変換回路22が生成する場合においては、バッテリー26の過充電を防ぐ為に充電回路14の充電制御回路27により第2のDC変換回路25とバッテリー26がシャットダウンされてしまう。そのため、第1のDC変換回路22の劣化対策がされなくなってしまう。それを防ぐ為に、本実施の形態では入力部10に第2のリミッタ回路204を設置している。第2のリミッタ回路204は、上述したように第1の検出回路23が動作し、かつバッテリー26の充電状況に応じて(例えば、バッテリーが満充電状態)において機能する。また、電気素子21のサイズは抵抗素子では極力小さく、容量素子では極力大きくすることによって電気素子21に流れる電流を大きくしインピーダンスを大きく変化させることができる。これを踏まえて、電気素子21のサイズを決定する必要がある。
第2の検出回路43の設置場所は本実施の形態で示してある第1のDC変換回路22の出力に限定されない。例をあげると、上述してあるように第1の出力部11と第2の出力部12に、定電圧回路や集積回路等を接続し、それらの入力や出力に設置してもよい。
また、充電時において第1のDC変換回路22と第1の出力部11に接続された回路を直列接続したインピーダンスZ1と、第2のDC変換回路25と充電回路14を直列接続したインピーダンスZ2を制御することによって、第1の出力部11に接続された回路とバッテリー26への供給電力の比を調整することができる。インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の制御は、第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズに依存するため、実施者が第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズを選択的に設けることによって、適宜インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の値を制御すればよい。
以上のように、本実施の形態は実施の形態2に、電気素子21とスイッチ素子60とAND回路39と充電制御回路27を図8に示したとおりに接続することで、バッテリー26が満充電時において、第1のDC変換回路22とバッテリー26の双方に対して保護対策が行うことができる。
なお、本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態で示す半導体装置は、入力部10、第1のDC変換回路22、リミッタ回路13、充電回路14、第1のDC変換回路22とバッテリー26を供給源とする定電圧回路58、第2の放電制御回路202と、クロック生成回路31とを有している(図9参照)。なお、リミッタ回路13は、第1の検出回路23、スイッチ素子24、第2のDC変換回路25を有し、充電回路14は、バッテリー26を有し、第2の放電制御回路202は、定電圧回路58の出力電圧を検出する第2の検出回路43、スイッチ素子59を有している。
本実施の形態は、変調時に見られる第1のDC変換回路22の出力電圧の落ち込みによって発生する、クロック生成回路31の発振周波数変動を抑えることを目的とする。クロック生成回路31の発振周波数変動を抑えるためには、定電圧回路58の出力電圧を安定化させる必要がある。定電圧回路58の供給源は第1のDC変換回路22であり、第1のDC変換回路22の出力電圧が定電圧回路58の飽和出力電圧未満となったときにクロック生成回路31の発振周波数は変動する。つまり、クロック生成回路31の発振周波数変動の対策方法として、定電圧回路58に供給される電圧が常に定電圧回路58の飽和電圧以上であればクロック生成回路31の発振周波数変動を抑えることができる。従って、本実施の形態は定電圧回路58に供給される電圧が常に定電圧回路58の飽和電圧以上になるように、充電回路14で充電した電圧を定電圧回路58に供給することで上述問題を解決することを狙いとする。
次に、本実施の形態で示す半導体装置の動作について説明する。
まず、外部から入力部10に交流電圧が入力されると、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換され、その後第1の検出回路23に入力される。第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)未満である場合には、スイッチ素子24はオフの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に絶縁された状態)を維持し、第2のDC変換回路25には供給されない。その結果、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22で直流電圧に変換された後、定電圧回路58に直流電圧が印加される。すると、定電圧回路58は一定電圧をクロック生成回路31に印加し、クロック生成回路31はクロックを生成する。ここで、第1のDC変換回路22により出力された電圧が定電圧回路58の飽和電圧未満まで落ち込んでしまうと定電圧回路58の出力電圧も落ち込んでしまうためクロック生成回路31の発振周波数は安定していない状態となる。
一方、第1の検出回路23に入力された直流電圧が一定の電圧値(Vx)以上である場合には、スイッチ素子24に電圧が印加されオンの状態(入力部10と第2のDC変換回路25とが電気的に接続された状態)となる。その結果、入力部10に入力された交流電圧は、第1のDC変換回路22により直流電圧に変換され、第1の出力部11に直流電圧が印加される。また、入力部10に入力された交流電圧は、スイッチ素子24を介して第2のDC変換回路25により直流電圧に変換され、第2のDC変換回路25の出力電圧が充電回路14に設けられたバッテリー26に印加される。第2の放電制御回路202が機能しない間はスイッチ素子59が非導通状態で、第1のDC変換回路22は定電圧回路58に直流電圧を印加し、バッテリー26の充電電圧は定電圧回路58には印加されない。定電圧回路58の出力電圧は、クロック生成回路31に印加されクロック生成回路31はクロックを生成し出力する。
入力部10に入力された交流電圧が小さくなるにつれて、第2の検出回路43により検出される第1のDC変換回路22の出力電圧が第2の放電制御回路202の動作する電圧(Vy以下)になったときに、スイッチ素子59は導通状態となるので、第1のDC変換回路22の出力電圧と、充電回路14の充電電圧が定電圧回路58に印加されることになる。上記の第2の放電制御回路202に関して、充電回路の放電条件を用途により決定する必要がある。
第1のDC変換回路22は、入力部10から入力された交流電圧を直流電圧に変換して定電圧回路58とリミッタ回路13に出力する。また、第2のDC変換回路25は、スイッチ素子24がオンしたときに入力部10から入力された交流電圧を直流電圧に変換して充電回路14に出力する。第1のDC変換回路22、第2のDC変換回路25は、半波整流回路、半波倍圧整流回路、全波整流回路、コッククロフト等で設けることができる。なお、第1のDC変換回路22と第2のDC変換回路25は、同一の構成で設けてもよいし、異なる構成で設けてもよい。
なお、図9において、検出回路23を第1のDC変換回路22の後に設けることにより、第1のDC変換回路22を出力電圧が最大定格未満でリミッタ回路13を動作させることを可能としているが、他の位置に第1の検出回路23を配置する構成としてもよい。
なお、図9において、第2のDC変換回路25をリミッタ回路13に設けた場合を示しているが、充電回路14に設けた構成としてもよい。
第2の検出回路43の設置場所は本実施の形態で示してある定電圧回路58の出力に限定されない。例をあげると、第1のDC変換回路22の出力に設置しても良い。
また、充電時において第1のDC変換回路22と第1の出力部11に接続された回路を直列接続したインピーダンスZ1と、第2のDC変換回路25と充電回路14を直列接続したインピーダンスZ2を制御することによって、第1の出力部11に接続された回路とバッテリー26への供給電力の比を調整することができる。インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の制御は、第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズに依存するため、実施者が第1のDC変換回路22及び第2のDC変換回路25の素子サイズを選択的に設けることによって、適宜インピーダンスZ1とインピーダンスZ2の値を制御すればよい。
以上のように本実施の形態は、実施の形態4の第3の出力部15にクロック生成回路31を接続し、第2の放電制御回路が定電圧回路58の飽和電圧値未満で動作するようにすることで、近距離通信時の第1のDC変換回路の劣化対策と、クロック生成回路の発振周波数変動とを抑えることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置に関して図面を参照して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、第1のDC変換回路22、リミッタ回路13、充電回路14、符号化されたデータを変調する変調回路28、受信した信号をデジタル化する復調回路29、第1のDC変換回路22の出力電圧を一定電圧にする第1の定電圧回路54、充電回路14からの出力電圧を一定電圧にする第2の定電圧回路55、クロック生成回路31、メモリ37、ロジック回路38を有している(図10参照)。なお、リミッタ回路13は第1の検出回路23とスイッチ素子24と第2のDC変換回路25を有し、充電回路14はバッテリー26と充電制御回路27を有している。また、第1の定電圧回路54から出力された一定電圧がロジック回路38に供給され、第2の定電圧回路55から出力された一定電圧がメモリ37に供給される構成となっている。
このように、メモリ37にバッテリー26から電源を供給する構成とすることによって、メモリ37としてSRAMやDRAMを用いた場合であっても、外部から電力が供給されない場合にもデータを保持することが可能となる。例えば、メモリ37としてSRAM型のメモリを用いた場合、入力部10に接続されたアンテナを介して外部から電力が供給された際にロジック回路38が駆動することによりメモリ37にデータを書き込み、外部から電力が供給されない場合にはバッテリー26から供給される電力によってメモリ37のデータを保持する構成とすることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態で示した半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置の作製方法の一例に関して、図面を参照して説明する。本実施の形態においては、半導体装置のリミッタ回路、ロジック回路、充電回路等の回路に含まれる素子を同一基板上に薄膜トランジスタを用いて設ける場合について説明する。また、充電回路に設けるバッテリーとして薄膜の二次電池を用いた例について説明する。もちろん、二次電池の代わりに電気二重層コンデンサー等を設けた構成とすることも可能である。なお、本実施の形態では、薄膜トランジスタ等の素子を一度支持基板に設けた後、可撓性を有する基板に転置する場合に関して説明する。
まず、基板1301の一表面に絶縁膜1302を介して剥離層1303を形成し、続けて下地膜として機能する絶縁膜1304と半導体膜1305(例えば、非晶質シリコンを含む膜)を積層して形成する(図14(A)参照)。なお、絶縁膜1302、剥離層1303、絶縁膜1304および半導体膜1305は、連続して形成することができる。
基板1301は、ガラス基板、石英基板、ステンレス等の金属基板、セラミック基板、Si基板等の半導体基板、SOI(Silicon on Insulator)基板等などから選択されるものである。他にもプラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリルなどの基板を選択することもできる。なお、本工程では、剥離層1303は、絶縁膜1302を介して基板1301の全面に設けているが、必要に応じて、基板1301の全面に剥離層を設けた後に、フォトリソグラフィ法により選択的に設けてもよい。
絶縁膜1302、絶縁膜1304は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、絶縁膜1302又は絶縁膜1304を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。絶縁膜1302は、基板1301から剥離層1303又はその上に形成される素子に不純物元素が混入するのを防ぐブロッキング層として機能し、絶縁膜1304は基板1301、剥離層1303からその上に形成される素子に不純物元素が混入するのを防ぐブロッキング層として機能する。このように、ブロッキング層として機能する絶縁膜1302、1304を形成することによって、基板1301からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、剥離層1303から剥離層に含まれる不純物元素がこの上に形成する素子に悪影響を与えることを防ぐことができる。なお、基板1301として石英を用いるような場合には絶縁膜1302、1304を省略してもよい。
剥離層1303は、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる。金属膜としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層又は積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。金属膜と金属酸化膜の積層構造としては、上述した金属膜を形成した後に、酸素雰囲気化またはN2O雰囲気下におけるプラズマ処理、酸素雰囲気化またはN2O雰囲気下における加熱処理を行うことによって、金属膜表面に当該金属膜の酸化物または酸化窒化物を設けることができる。例えば、金属膜としてスパッタ法やCVD法等によりタングステン膜を設けた場合、タングステン膜にプラズマ処理を行うことによって、タングステン膜表面にタングステン酸化物からなる金属酸化膜を形成することができる。他にも、例えば、金属膜(例えば、タングステン)を形成した後に、当該金属膜上にスパッタ法で酸化シリコン等の絶縁膜を設けると共に、金属膜上に金属酸化物(例えば、タングステン上にタングステン酸化物)を形成してもよい。
非晶質半導体膜1305は、スパッタリング法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。
次に、非晶質半導体膜1305にレーザー光を照射して結晶化を行う。なお、レーザー光の照射と、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とを組み合わせた方法等により非晶質半導体膜1305の結晶化を行ってもよい。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶質半導体膜1305a〜結晶質半導体膜1305fを形成し、当該半導体膜1305a〜1305fを覆うようにゲート絶縁膜1306を形成する(図14(B)参照)。
ゲート絶縁膜1306は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、ゲート絶縁膜1306を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成してもよい。
結晶質半導体膜1305a〜1305fの作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚50〜60nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、レーザー光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いることよって結晶質半導体膜1305a〜1305fを形成する。なお、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化を行わずに、レーザー光の照射だけで非晶質半導体膜の結晶化を行ってもよい。
結晶化に用いるレーザー発振器としては、連続発振型のレーザービーム(CWレーザービーム)やパルス発振型のレーザービーム(パルスレーザービーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザービームは、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザーなどの気体レーザー、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザーまたは金蒸気レーザーのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザービームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザービームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザーのパワー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。なお、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー、Arイオンレーザー、またはTi:サファイアレーザーは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザービームを発振させると、半導体膜がレーザーによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザーを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
また、ゲート絶縁膜1306は、半導体膜1305a〜1305fに対し前述の高密度プラズマ処理を行い、表面を酸化又は窒化することで形成しても良い。例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素(NO2)、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合のプラズマの励起は、マイクロ波の導入により行うと、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。
このような高密度プラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような、高密度プラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコン、或いは多結晶シリコン)を直接酸化(若しくは窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さは理想的には、ばらつきをきわめて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界でも酸化が強くされることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
ゲート絶縁膜は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
また、半導体膜に対し、連続発振レーザー若しくは10MHz以上の周波数で発振するレーザービームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた半導体膜1305a〜1305fは、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、上記ゲート絶縁層を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高い薄膜トランジスタ(TFT)を得ることができる。
次に、ゲート絶縁膜1306上に、第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。ここでは、第1の導電膜は、CVD法やスパッタリング法等により、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体材料により形成する。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタングステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、半導体膜1305a〜1305fの上方にゲート電極1307を形成する。ここでは、ゲート電極1307として、第1の導電膜1307aと第2の導電膜1307bの積層構造で設けた例を示している。
次に、ゲート電極1307をマスクとして半導体膜1305a〜1305fに、イオンドープ法またはイオン注入法により、n型を付与する不純物元素を低濃度に添加し、その後、フォトリソグラフィ法によりレジストからなるマスクを選択的に形成して、p型を付与する不純物元素を高濃度に添加する。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1015〜1×1019/cm3の濃度で含まれるように半導体膜1305a〜1305fに選択的に導入し、n型を示す不純物領域1308を形成する。また、p型を付与する不純物元素としてボロン(B)を用い、1×1019〜1×1020/cm3の濃度で含まれるように選択的に半導体膜1305c、1305eに導入し、p型を示す不純物領域1309を形成する(図14(C)参照)。
続いて、ゲート絶縁膜1306とゲート電極1307を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、シリコン、シリコンの酸化物又はシリコンの窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層又は積層して形成する。次に、絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、ゲート電極1307の側面に接する絶縁膜1310(サイドウォールともよばれる)を形成する。絶縁膜1310は、LDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
続いて、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、ゲート電極1307および絶縁膜1310をマスクとして用いて、半導体膜1305a、1305b、1305d、1305fにn型を付与する不純物元素を高濃度に添加して、n型を示す不純物領域1311を形成する。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1019〜1×1020/cm3の濃度で含まれるように半導体膜1305a、1305b、1305d、1305fに選択的に導入し、不純物領域1308より高濃度のn型を示す不純物領域1311を形成する。
以上の工程により、nチャネル型薄膜トランジスタ1300a、1300b、1300d、1300fとpチャネル型薄膜トランジスタ1300c、1300eが形成される(図14(D)参照)。
nチャネル型薄膜トランジスタ1300aは、ゲート電極1307と重なる半導体膜1305aの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極1307及び絶縁膜1310と重ならない領域にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1311が形成され、絶縁膜1310と重なる領域であってチャネル形成領域と不純物領域1311の間に低濃度不純物領域(LDD領域)が形成されている。また、nチャネル型薄膜トランジスタ1300b、1300d、1300fも同様にチャネル形成領域、低濃度不純物領域及び不純物領域1311が形成されている。
pチャネル型薄膜トランジスタ1300cは、ゲート電極1307と重なる半導体膜1305cの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極1307と重ならない領域にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1309が形成されている。また、pチャネル型薄膜トランジスタ1300eも同様にチャネル形成領域及び不純物領域1309が形成されている。なお、ここでは、pチャネル型薄膜トランジスタ1300c、1300eには、LDD領域を設けていないが、pチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けてもよいし、nチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けない構成としてもよい。
次に、半導体膜1305a〜1305f、ゲート電極1307等を覆うように、絶縁膜を単層または積層して形成し、当該絶縁膜上に薄膜トランジスタ1300a〜1300fのソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1309、1311と電気的に接続する導電膜1313を形成する(図15(A)参照)。絶縁膜は、CVD方、スパッタ法、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、シリコンの酸化物やシリコンの窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料やシロキサン材料等により、単層または積層で形成する。ここでは、当該絶縁膜を2層で設け、1層目の絶縁膜1312aとして窒化酸化シリコン膜で形成し、2層目の絶縁膜1312bとして酸化窒化シリコン膜で形成する。また、導電膜1313は、薄膜トランジスタ1300a〜1300fのソース電極又はドレイン電極を形成しうる。
なお、絶縁膜1312a、1312bを形成する前、または絶縁膜1312a、1312bのうちの1つまたは複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザーアニール法またはRTA法などを適用するとよい。
導電膜1313は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素とシリコンの一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜1313は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜1313を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
次に、導電膜1313を覆うように、絶縁膜1314を形成し、当該絶縁膜1314上に、薄膜トランジスタ1300a、1300fのソース電極又はドレイン電極を形成する導電膜1313とそれぞれ電気的に接続する導電膜1315a、1315bを形成する。また、薄膜トランジスタ1300bのソース電極又はドレイン電極を形成する導電膜1313とそれぞれ電気的に接続する導電膜1316を形成する。なお、導電膜1315a、1315bと導電膜1316は同一の材料で同時に形成してもよい。導電膜1315a、1315bと導電膜1316は、上述した導電膜1313で示したいずれかの材料を用いて形成することができる。
続いて、導電膜1316にアンテナとして機能する導電膜1317が電気的に接続されるように形成する(図15(B)参照)。
絶縁膜1314は、CVD法やスパッタ法等により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
導電膜1317は、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電膜1317を形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーのはんだは、低コストであるといった利点を有している。
また、導電膜1315a、1315bは、後の工程において本発明の半導体装置に含まれる二次電池と電気的に接続される配線として機能しうる。また、アンテナとして機能する導電膜1317を形成する際に、導電膜1315a、1315bに電気的に接続するように別途導電膜を形成し、当該導電膜を二次電池に接続する配線として利用してもよい。
次に、導電膜1317を覆うように絶縁膜1318を形成した後、薄膜トランジスタ1300a〜1300f、導電膜1317等を含む層(以下、「素子形成層1319」と記す)を基板1301から剥離する。ここでは、レーザー光(例えばUV光)を照射することによって、薄膜トランジスタ1300a〜1300fを避けた領域に開口部を形成後(図15(C)参照)、物理的な力を用いて基板1301から素子形成層1319を剥離することができる。なお、素子形成層1319を剥離する際に、水等の液体で濡らしながら行うことによって、静電気により素子形成層1319に設けられた薄膜トランジスタの破壊を防止することができる。また、素子形成層1319が剥離された基板1301を再利用することによって、コストの削減をすることができる。
絶縁膜1318は、CVD法やスパッタ法等により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。
本実施の形態では、レーザー光の照射により素子形成層1319に開口部を形成した後に、当該素子形成層1319の一方の面(絶縁膜1318の露出した面)に第1のシート材1320を貼り合わせた後、基板1301から素子形成層1319を剥離する(図16(A)参照)。
次に、素子形成層1319の他方の面(剥離により露出した面)に、第2のシート材1321を貼り合わせた後、加熱処理と加圧処理の一方又は両方を行って第2のシート材1321を貼り合わせる(図16(B)参照)。第1のシート材1320、第2のシート材1321として、ホットメルトフィルム等を用いることができる。
また、第1のシート材1320、第2のシート材1321として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、及び帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料等を用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込んだり、塗布することによって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
なお、半導体装置の充電回路に設けられるバッテリーは、薄膜の二次電池を導電膜1315a、1315bに接続して形成されるが、二次電池との接続は、基板1301から素子形成層1319を剥離する前(図15(B)又は図15(C)の段階)に行ってもよいし、基板1301から素子形成層1319を剥離した後(図16(A)の段階)に行ってもよいし、素子形成層1319を第1のシート材及び第2のシート材で封止した後(図16(B)の段階)に行ってもよい。以下に、素子形成層1319と二次電池を接続して形成する一例を図17、図18を用いて説明する。
図15(B)において、アンテナとして機能する導電膜1317と同時に導電膜1315a、1315bにそれぞれ電気的に接続する導電膜1331a、1331bを形成する。続けて、導電膜1317、導電膜1331a、1331bを覆うように絶縁膜1318を形成した後、導電膜1331a、1331bの表面が露出するように開口部1332a、1332bを形成する。その後、レーザー光の照射により素子形成層1319に開口部を形成した後に、当該素子形成層1319の一方の面(絶縁膜1318の露出した面)に第1のシート材1320を貼り合わせた後、基板1301から素子形成層1319を剥離する(図17(A)参照)。
次に、素子形成層1319の他方の面(剥離により露出した面)に、第2のシート材1321を貼り合わせた後、素子形成層1319を第1のシート材1320から剥離する。従って、ここでは第1のシート材1320として粘着力が弱いものを用いる。続けて、開口部1332a、1332bを介して導電膜1331a、1331bとそれぞれ電気的に接続する導電膜1334a、1334bを選択的に形成する(図17(B)参照)。
導電膜1334a、導電膜1334bは、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
なお、ここでは、基板1301から素子形成層1319を剥離した後に導電膜1334a、1334bを形成する例を示しているが、導電膜1334a、1334bを形成した後に基板1301から素子形成層1319の剥離を行ってもよい。
次に、基板上に複数の素子を形成している場合には、素子形成層1319を素子ごとに分断する(図18(A)参照)。分断は、レーザー照射装置、ダイシング装置、スクライブ装置等を用いることができる。ここでは、レーザー光を照射することによって1枚の基板に形成された複数の素子を各々分断する。
次に、分断された素子を二次電池と電気的に接続する(図18(B)参照)。本実施の形態においては、半導体装置の充電回路のバッテリーとして薄膜の二次電池が用いられ、集電体薄膜、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、集電体薄膜の薄膜層が順次積層される。
導電膜1336a、導電膜1336bは、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。導電性材料としては、負極活物質と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、特にアルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどが好適である。
薄膜の二次電池の構成について次いで詳述すると、導電膜1336a上に負極活物質層1381を成膜する。一般には酸化バナジウム(V2O5)などが用いられる。次に負極活物質層1381上に固体電解質層1382を成膜する。一般にはリン酸リチウム(Li3PO4)などが用いられる。次に固体電解質層1382上に正極活物質層1383を成膜する。一般にはマンガン酸リチウム(LiMn2O4)などが用いられる。コバルト酸リチウム(LiCoO2)やニッケル酸リチウム(LiNiO2)を用いても良い。次に正極活物質層1383上に電極となる集電体薄膜1384を成膜する。集電体薄膜1384は正極活物質層1383と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどを用いることができる。
上述の負極活物質層1381、固体電解質層1382、正極活物質層1383、集電体薄膜1384の各薄膜層はスパッタ技術を用いて形成しても良いし、蒸着技術を用いても良い。それぞれの層の厚さは0.1μm〜3μmが望ましい。
次に樹脂を塗布し、層間膜1385を形成する。そしてその層間膜をエッチングしコンタクトホールを形成する。層間膜は樹脂には限定せず、CVD法などで形成された酸化膜など他の膜であっても良いが、平坦性の観点から樹脂であることが望ましい。また、感光性樹脂を用いて、エッチングを用いずにコンタクトホールを形成しても良い。次に層間膜上に配線層1386を形成し、導電膜1334bと接続することにより、二次電池の電気接続を確保する。
ここでは、素子形成層1319に設けられた導電膜1334a、1334bと予め薄膜の二次電池1389の接続端子となる導電膜1336a、1336bとをそれぞれ接続する。ここで、導電膜1334aと導電膜1336aとの接続、又は導電膜1334bと導電膜1336bとの接続は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))や異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等の接着性を有する材料を介して圧着させることにより電気的に接続する場合を示している。ここでは、接着性を有する樹脂1337に含まれる導電性粒子1338を用いて接続する例を示している。また、他にも、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用いて接続を行うことも可能である。
なお、トランジスタの構成は、様々な形態をとることができる。本実施の形態で示した特定の構成に限定されない。例えば、ゲート電極が2個以上になっているマルチゲート構造を用いてもよい。マルチゲート構造にすると、チャネル領域が直列に接続されるような構成となるため、複数のトランジスタが直列に接続されたような構成となる。マルチゲート構造にすることにより、オフ電流を低減し、トランジスタの耐圧を向上させて信頼性を良くし、飽和領域で動作する時に、ドレインとソース間電圧が変化しても、ドレインとソース間電流があまり変化せず、フラットな特性にすることなどができる。また、チャネルの上下にゲート電極が配置されている構造でもよい。チャネルの上下にゲート電極が配置されている構造にすることにより、チャネル領域が増えるため、電流値を大きくし、空乏層ができやすくなってS値をよくすることができる。チャネルの上下にゲート電極が配置されると、複数のトランジスタが並列に接続されたような構成となる。
また、チャネルの上にゲート電極が配置されている構造でもよいし、チャネルの下にゲート電極が配置されている構造でもよいし、正スタガ構造であってもよいし、逆スタガ構造でもよい。また、チャネル領域が複数の領域に分かれていてもよいし、複数のチャネル領域が並列に接続されていてもよいし、直列に接続されていてもよい。また、チャネル(もしくはその一部)にソース電極やドレイン電極が重なっていてもよい。チャネル(もしくはその一部)にソース電極やドレイン電極が重なっている構造にすることにより、チャネルの一部に電荷がたまって、動作が不安定になることを防ぐことができる。また、LDD領域があってもよい。LDD領域を設けることにより、オフ電流を低減し、トランジスタの耐圧を向上させて信頼性を良くし、飽和領域で動作する時に、ドレインとソース間電圧が変化しても、ドレインとソース間電流があまり変化せず、フラットな特性にすることができる。
なお、本実施の形態の半導体装置の作製方法は、本明細書に記載した他の実施の形態の半導体装置に適用することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、上記実施の形態8とは異なる半導体装置の作製方法に関して、図面を参照して説明する。本実施の形態においては、半導体装置のリミッタ回路、ロジック回路、充電回路等の回路に含まれる素子等を同一の半導体基板上に設ける場合について説明する。また、充電回路に設けるバッテリーとして上記実施の形態8で説明した二次電池を用いた例について説明する。もちろん、二次電池の代わりに電気二重層コンデンサー等を設けた構成とすることも可能である。
まず、半導体基板2300に絶縁膜2302(フィールド酸化膜ともいう)を形成し、それにより領域2304、2306(以下、素子形成領域2304、2306または素子分離領域2304、2306とも呼ぶ)を形成する(図19(A)参照)。半導体基板2300に設けられた領域2304、2306は、それぞれ絶縁膜2302(フィールド酸化膜ともいう)によって分離されている。また、ここでは、半導体基板2300としてn型の導電型を有する単結晶Si基板を用い、半導体基板2300の領域2306にpウェル2307を設けた例を示している。
また、半導体基板2300は、半導体であれば特に限定されず用いることができる。例えば、n型又はp型の導電型を有する単結晶Si基板、化合物半導体基板(GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイア基板、ZnSe基板等)、貼り合わせ法またはSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法を用いて作製されたSOI(Silicon on Insulator)基板等を用いることができる。
領域2304、2306は、選択酸化法(LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法)又はトレンチ分離法等を適宜用いることができる。
また、半導体基板2300の領域2306に形成されたpウェルは、半導体基板2300にp型の導電型を有する不純物元素を選択的に導入することによって形成することができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。
なお、本実施の形態では、半導体基板2300としてn型の導電型を有する半導体基板を用いているため、領域2304には不純物元素の導入を行っていないが、n型を示す不純物元素を導入することにより領域2304にnウェルを形成してもよい。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。一方、p型の導電型を有する半導体基板を用いる場合には、領域2304にn型を示す不純物元素を導入してnウェルを形成し、領域2306には不純物元素の導入を行わない構成としてもよい。
次に、領域2304、2306を覆うように絶縁膜2332、2334をそれぞれ形成する(図19(B)参照)。
絶縁膜2332、2334は、例えば、熱処理を行い半導体基板2300に設けられた領域2304、2306の表面を酸化させることにより酸化シリコン膜で絶縁膜2332、2334を形成することができる。また、熱酸化法により酸化シリコン膜を形成した後に、窒化処理を行うことによって酸化シリコン膜の表面を窒化させることにより、酸化シリコン膜と酸素と窒素を有する膜(酸窒化シリコン膜)との積層構造で形成してもよい。
他にも、上述したように、プラズマ処理を用いて絶縁膜2332、2334を形成してもよい。例えば、半導体基板2300に設けられた領域2304、2306の表面に高密度プラズマ処理により酸化処理又は窒化処理を行うことにより、絶縁膜2332、2334として酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜で形成することができる。また、高密度プラズマ処理により領域2304、2306の表面に酸化処理を行った後に、再度高密度プラズマ処理を行うことによって窒化処理を行ってもよい。この場合、領域2304、2306の表面に接して酸化シリコン膜が形成され、当該酸化シリコン膜上に(酸窒化シリコン膜)が形成され、絶縁膜2332、2334は酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜とが積層された膜となる。また、熱酸化法により領域2304、2306の表面に酸化シリコン膜を形成した後に高密度プラズマ処理により酸化処理又は窒化処理を行ってもよい。
また、半導体基板2300の領域2304、2306に形成された絶縁膜2332、2334は、後に完成するトランジスタにおいてゲート絶縁膜として機能する。
次に、領域2304、2306の上方に形成された絶縁膜2332、2334を覆うように導電膜を形成する(図19(C)参照)。ここでは、導電膜として、導電膜2336と導電膜2338を順に積層して形成した例を示している。もちろん、導電膜は、単層又は3層以上の積層構造で形成してもよい。
導電膜2336、2338としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成することができる。また、これらの元素を窒化した金属窒化膜で形成することもできる。他にも、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体材料により形成することもできる。
ここでは、導電膜2336として窒化タンタルを用いて形成し、その上に導電膜2338としてタングステンを用いて積層構造で設ける。また、他にも、導電膜2336として、窒化タングステン、窒化モリブデン又は窒化チタンから選ばれた単層又は積層膜を用い、導電膜2338として、タンタル、モリブデン、チタンから選ばれた単層又は積層膜を用いることができる。
次に、積層して設けられた導電膜2336、2338を選択的にエッチングして除去することによって、領域2304、2306の上方の一部に導電膜2336、2338を残存させ、それぞれゲート電極2340、2342を形成する(図20(A)参照)。
次に、領域2304を覆うようにレジストマスク2348を選択的に形成し、当該レジストマスク2348、ゲート電極2342をマスクとして領域2306に不純物元素を導入することによって不純物領域を形成する(図20(B)参照)。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いる。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用いる。
図20(B)においては、不純物元素を導入することによって、領域2306にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域2352とチャネル形成領域2350が形成される。
次に、領域2306を覆うようにレジストマスク2366を選択的に形成し、当該レジストマスク2366、ゲート電極2340をマスクとして領域2304に不純物元素を導入することによって不純物領域を形成する(図20(C)参照)。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いる。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、図20(B)で領域2306に導入した不純物元素と異なる導電型を有する不純物元素(例えば、ボロン(B))を導入する。その結果、領域2304にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域2370とチャネル形成領域2368を形成される。
次に、絶縁膜2332、2334、ゲート電極2340、2342を覆うように第2の絶縁膜2372を形成し、当該第2の絶縁膜2372上に領域2304、2306にそれぞれ形成された不純物領域2352、2370と電気的に接続する配線2374を形成する(図21(A)参照)。
第2の絶縁膜2372は、CVD法やスパッタ法等により、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
配線2374は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。配線2374は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、配線2374を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
なお本発明のトランジスタを構成するトランジスタの構造は図示した構造に限定されるものではないことを付記する。例えば、逆スタガ構造、フィンFET構造等の構造のトランジスタの構造を取り得る。フィンFET構造であることでトランジスタサイズの微細化に伴う短チャネル効果を抑制することができるため好適である。
本実施の形態において二次電池は、トランジスタに接続された配線2374上に積層して形成される。二次電池は、集電体薄膜、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、集電体薄膜の薄膜層が順次積層される(図21(B))。そのため、二次電池の集電体薄膜と兼用される配線2374の材料は、負極活物質と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、特にアルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどが好適である。
薄膜二次電池の構成について次いで詳述すると、配線2374上に負極活物質層2391を成膜する。一般には酸化バナジウム(V2O5)などが用いられる。次に負極活物質層2391上に固体電解質層2392を成膜する。一般にはリン酸リチウム(Li3PO4)などが用いられる。次に固体電解質層2392上に正極活物質層2393を成膜する。一般にはマンガン酸リチウム(LiMn2O4)などが用いられる。コバルト酸リチウム(LiCoO2)やニッケル酸リチウム(LiNiO2)を用いても良い。次に正極活物質層2393上に電極となる集電体薄膜2394を成膜する。集電体薄膜2394は正極活物質層2393と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどを用いることができる。
上述の負極活物質層2391、固体電解質層2392、正極活物質層2393、集電体薄膜2394の各薄膜層はスパッタ技術を用いて形成しても良いし、蒸着技術を用いても良い。また、それぞれの層の厚さは0.1μm〜3μmが望ましい。
次に樹脂を塗布し、層間膜2396を形成する。そして層間膜2396をエッチングしコンタクトホールを形成する。層間膜は樹脂には限定せず、CVD法などで形成した酸化膜など他の膜であっても良いが、平坦性の観点から樹脂であることが望ましい。また、感光性樹脂を用いて、エッチングを用いずにコンタクトホールを形成しても良い。次に層間膜2396上に配線層2395を形成し、配線2397と接続することにより、二次電池の電気接続を確保する。
以上のような構成にすることにより、本発明の半導体装置においては、単結晶基板上にトランジスタを形成し、その上に薄膜二次電池を有する構成を取り得る。従って本発明の半導体装置においては、極薄化、小型化を達成した柔軟性を達成することにより、物理的形状の自由度が高い半導体装置を提供することができる。
なお、本実施の形態の半導体装置の作製方法は、本明細書に記載した他の実施の形態の半導体装置に適用することができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、本発明の無線通信によりデータの交信を行う半導体装置及びそれを用いた通信システムの用途について説明する。本発明の半導体装置は、例えば、紙幣、硬貨、有価証券、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等)、包装用容器類(包装紙やボトル等)、DVD(Digital Versatile Disc)ソフトやCD(コンパクトディスク)に設けて使用することができる。また、ビデオテープ等の記録媒体、車やバイクや自転車等の乗物類、鞄や眼鏡等の身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、テレビジョン装置(単にテレビまたはテレビ受像器とも呼ぶ)および携帯電話機等を指す。
本発明の半導体装置は、物品の表面に貼り付けたり、物品に埋め込んだりして物品に固定することができる。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に半導体装置を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物に無線タグを埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等を容易に識別することが可能となる。
以上のように、本発明の半導体装置は物品(生き物を含む)であればどのようなものにでも設けて使用することができる。
次に、半導体装置を用いたシステムの一形態について、図22(A)を用いて説明する。表示部9521を含む端末9520には、アンテナ及び当該アンテナに接続されたリーダ/ライタが設けられている。物品A9532には本発明の半導体装置9531が設けられ、物品B9522には本発明の半導体装置9523が設けられている。図22(A)では、物品Aや物品Bの一例として内服薬を示した。物品A9532が含む半導体装置9531に端末9520のアンテナをかざすと、表示部9521に物品A9532の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴、商品の説明等の商品に関する情報が表示される。物品B9522が含む半導体装置9523に端末9520のアンテナをかざすと、表示部9521に物品B9522の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴、商品の説明等の商品に関する情報が表示される。
図22(A)に示すシステムを利用したビジネスモデルの一例を図22(B)のフローチャートを用いて説明する。
端末9520において、アレルギーの情報を入力しておく(ステップ1)。アレルギーの情報とは、所定の人物がアレルギー反応を起こす医薬品またはその成分等の情報である。端末9520に設けられたアンテナによって、前述のとおり物品A9532である内服薬Aの情報を取得する(ステップ2)。内服薬Aの情報には内服薬Aの成分等の情報が含まれる。アレルギーの情報と取得した内服薬Aの成分等の情報とを比較し、一致するか否かを判断する(ステップ3)。一致する場合、所定の人物は内服薬Aに対してアレルギー反応を起こす危険性があるとし、端末9520の使用者に注意を呼びかける(ステップ4)。一致しない場合、所定の人物は内服薬Aに対してアレルギー反応を起こす危険性が少ないとし、端末9520の使用者にその旨(安全である旨)を知らせる(ステップ5)。ステップ4やステップ5において、端末9520の使用者に情報を知らせる方法は、端末9520の表示部9521に表示を行う方法であっても良いし、端末9520のアラーム等を鳴らす方法であっても良い。
また、別のビジネスモデルの例を図22(C)に示す。端末9520に、同時に服用すると危険な内服薬または同時に服用すると危険な内服薬の成分の組み合わせの情報(以下、組み合わせの情報という)を入力しておく(ステップ1)。端末9520に設けられたアンテナによって、前述のとおり物品A9532である内服薬Aの情報を取得する(ステップ2a)。内服薬Aの情報には内服薬Aの成分等の情報が含まれる。次いで、端末9520に設けられたアンテナによって、前述のとおり物品B9522である内服薬Bの情報を取得する(ステップ2b)。内服薬Bの情報には内服薬Bの成分等の情報が含まれる。こうして、複数の内服薬の情報を取得する。組み合わせの情報と取得した複数の内服薬の情報とを比較し、一致するか否か、即ち、同時に使用すると危険な内服薬の成分の組み合わせが有るか否かを判断する(ステップ3)。一致する場合、端末9520の使用者に注意を呼びかける(ステップ4)。一致しない場合、端末9520の使用者にその旨(安全である旨)を知らせる(ステップ5)。ステップ4やステップ5において、端末9520の使用者に情報を知らせる方法は、端末9520の表示部9521に表示を行う方法であっても良いし、端末のアラーム等を鳴らす方法であっても良い。
また、本実施の形態は、本明細書の他の実施の形態の技術的要素と組み合わせて実施することができる。すなわち本発明を用いることで、半導体装置を構成するアンテナとチップとのインピーダンス整合を意図的にずらすことができる。そのため、半導体装置とリーダ/ライタとの通信距離が極端に短い状況等において半導体装置が大電力を受信することによって生じる不具合を防ぐことができ、半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。すなわち、半導体装置内部の素子を劣化させたり、半導体装置自体を破壊させたりすることなく、半導体装置を正常に動作させることができる。